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技術 構造物の出来形計測方法及び計測システム

出願人 三井住友建設株式会社
発明者 藤岡泰輔高岡怜内堀裕之
出願日 2018年8月6日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2018-147374
公開日 2020年2月13日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-024094
状態 未査定
技術分野 測量一般 橋または陸橋 光学的手段による測長装置
主要キーワード 中空梁 はとこ 天地逆転 パターンプレート 各照射角 計測基準面 基準構造体 移動作業車
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年2月13日)のものです。
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図面 (10)

課題

表面形状が複雑な構造物に対しても適用できる構造物の出来形計測方法を提供する。

解決手段

計測対象面を含む構造物の表面を走査して表面の点群を取得し、点群から計測対象面の輪郭線Cを抽出し、輪郭線Cに近似したパターンプレートPを輪郭線Cにフィッティングし、フィッティングされたパターンプレートPFに基づき構造物の寸法を計測する。

概要

背景

張出し架設工法によって施工される橋梁上部工では、出来形施工管理が重要であり、そのために出来形の計測精度の向上が求められている。出来形の寸法計測方法として、3次元スキャナ構造物の表面を走査し、表面の点群を取得し、点群から構造物の表面を再現する技術が知られている。特許文献1には、点群からノイズを排除した後、点群を線分円弧などの基本的な平面図形近似してトンネルの内表面を再現する方法が開示されている。

概要

表面形状が複雑な構造物に対しても適用できる構造物の出来形計測方法を提供する。計測対象面を含む構造物の表面を走査して表面の点群を取得し、点群から計測対象面の輪郭線Cを抽出し、輪郭線Cに近似したパターンプレートPを輪郭線Cにフィッティングし、フィッティングされたパターンプレートPFに基づき構造物の寸法を計測する。

目的

本発明は表面形状が複雑な構造物に対しても適用できる構造物の出来形計測方法を提供する

効果

実績

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牽制数
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請求項1

計測対象面を含む構造物の表面を走査して前記表面の点群を取得することと、前記点群から前記計測対象面の輪郭線を抽出することと、前記輪郭線に近似したパターンプレートを前記輪郭線にフィッティングすることと、フィッティングされた前記パターンプレートに基づき前記構造物の寸法を計測することと、有する構造物の出来形計測方法

請求項2

前記パターンプレートは前記輪郭線を構成する複数の区間にそれぞれ対応する複数の線を有し、前記フィッティングは前記パターンプレートの前記線ごとに行われる、請求項1に記載の構造物の出来形計測方法。

請求項3

前記パターンプレートに、前記パターンプレート上の所定の位置と他の所定の位置との間の距離を自動計測する指示が与えられる、請求項1または2に記載の出来形計測方法。

請求項4

前記パターンプレートは前記構造物の設計輪郭線から求められる、請求項1から3のいずれか1項に記載の出来形計測方法。

請求項5

前記構造物の寸法の計測は、前記構造物の施工中に現れる第1の計測対象面と、前記第1の計測対象面の後に現れ、前記第1の計測対象面に近似した第2の計測対象面と、に対して行われ、前記第1の計測対象面の前記輪郭線にフィッティングされた前記パターンプレートが、前記第2の計測対象面の前記輪郭線にフィッティングされるパターンプレートとして用いられる、請求項1から3のいずれか1項に記載の出来形計測方法。

請求項6

前記点群は、3次元スキャナを複数の計測ポイントまで走行させ、各計測ポイントで前記3次元スキャナによって前記表面を走査することによって得られた点群を合成することによって取得される、請求項1から5のいずれか1項に記載の出来形計測方法。

請求項7

前記計測対象面は、前記構造物または仮設構造物の水平面と垂直な鉛直面であり、前記点群を取得する際に、前記水平面に複数のターゲットが設置され、前記複数のターゲットの点群が併せて取得され、取得された前記点群が分布する点群空間において、前記複数のターゲットの点群から前記計測対象面を含む計測基準面が設定され、前記点群から前記計測基準面と直交する複数の面が抽出され、前記複数の面と前記計測基準面との交線から前記輪郭線が抽出される、請求項1から6のいずれか1項に記載の出来形計測方法。

請求項8

前記複数のターゲットは、前記計測対象面と前記水平面との交線から所定距離離れた第1のターゲットと、前記交線と垂直で前記第1のターゲットを通る線上の前記第1のターゲットと異なる位置に配置された第2のターゲットと、を有し、前記計測基準面の設定手段に、前記計測対象面が前記第1のターゲット側にあるか前記第2のターゲット側にあるかの位置情報が入力され、前記設定手段は前記位置情報に基づき、前記点群空間において、前記第1のターゲットと前記第2のターゲットとを通る線と垂直で且つ前記第1のターゲットから前記所定距離離れた面を前記計測基準面として設定する、請求項7に記載の出来形計測方法。

請求項9

前記複数のターゲットは直角三角形の各頂点に位置する第1〜第3のターゲットを有し、前記直角三角形は、前記計測対象面と前記水平面との交線と平行で且つ前記交線から所定距離離れ、両端に前記第1及び第2のターゲットが位置する第1の辺と、前記第1の辺と直交し前記第1の辺と長さが異なり、両端に前記第2及び第3のターゲットが位置する第2の辺とを備え、前記計測基準面の設定手段は、前記計測対象面が前記第1の辺に関し前記第3のターゲット側にあるか前記第3のターゲットの反対側にあるかの位置情報を記憶しており、前記第1〜第3のターゲットは前記位置情報に従って配置され、前記設定手段は前記位置情報に基づき、前記点群空間において、前記第2のターゲットと前記第3のターゲットとを通る線と垂直で且つ前記第1のターゲットと前記第2のターゲットとを通る線から前記所定距離離れた面を前記計測基準面として設定する、請求項7に記載の出来形計測方法。

請求項10

前記複数のターゲットは、前記計測対象面と前記水平面との交線と垂直な線上の互いに異なる位置に配置された第1及び第2のターゲットを有し、前記点群を取得する際に、前記水平面と垂直な線上の互いに異なる位置に、前記第1のターゲットと前記第2のターゲットとの間隔と異なる間隔で第3及び第4のターゲットが配置され、前記第1〜第4のターゲットのいずれかである基準ターゲットが前記計測対象面を含む面から所定距離離れた位置に配置され、前記第3及び第4のターゲットの点群が併せて取得され、前記計測基準面の設定手段は、前記計測対象面と前記第1〜第4のターゲットとの位置情報を記憶しており、前記第1〜第4のターゲットは前記位置情報に従って配置され、前記設定手段は、前記点群空間の鉛直方向を前記第3のターゲットと前記第4のターゲットとを通る線と平行な方向であると定義し、前記設定手段は前記位置情報に基づき、前記点群空間において、前記第1のターゲットと前記第2のターゲットとを通る線と垂直で且つ前記基準ターゲットから前記所定距離離れた鉛直面を前記計測基準面として設定する、請求項7に記載の出来形計測方法。

請求項11

前記構造物の計測された寸法が所定の許容範囲内にあるかどうかの判定結果が帳票に出力される、請求項1から10のいずれか1項に記載の出来形計測方法。

請求項12

前記構造物は張出し架設工法によって施工される橋梁上部工である、請求項1から11のいずれか1項に記載の出来形計測方法。

請求項13

構造物の表面を走査して前記表面の点群を取得する3次元スキャナと、前記点群から前記構造物の計測対象面の輪郭線を抽出する輪郭線抽出手段と、前記輪郭線に近似したパターンプレートを前記輪郭線にフィッティングするフィッティング手段と、フィッティングされた前記パターンプレートに基づき前記構造物の寸法を計測する寸法計測手段と、を有する構造物の出来形計測システム

技術分野

0001

本発明は構造物出来形計測方法及び計測ステムに関し、特に張出し架設工法によって施工される橋梁上部工の出来形計測方法に関する。

背景技術

0002

張出し架設工法によって施工される橋梁上部工では、出来形の施工管理が重要であり、そのために出来形の計測精度の向上が求められている。出来形の寸法計測方法として、3次元スキャナで構造物の表面を走査し、表面の点群を取得し、点群から構造物の表面を再現する技術が知られている。特許文献1には、点群からノイズを排除した後、点群を線分円弧などの基本的な平面図形近似してトンネルの内表面を再現する方法が開示されている。

先行技術

0003

特開2016−205837号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1に記載された方法はトンネルのような比較的単純な形状の構造物には適用できるが、より複雑な構造物では平面図形の選択が困難であり、容易に適用できない場合がある。本発明は表面形状が複雑な構造物に対しても適用できる構造物の出来形計測方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明の構造物の出来形計測方法は、計測対象面を含む構造物の表面を走査して表面の点群を取得することと、点群から計測対象面の輪郭線を抽出することと、輪郭線に近似したパターンプレートを輪郭線にフィッティングすることと、フィッティングされたパターンプレートに基づき構造物の寸法を計測することと、有する。

発明の効果

0006

本発明では抽出された輪郭線に近似したパターンプレートが輪郭線にフィッティングされる。このため、表面形状が複雑な構造物に対してもフィッティングが容易且つ高精度で行われる。従って、本発明によれば、表面形状が複雑な構造物に対しても適用できる構造物の出来形計測方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0007

本発明の一実施形態に係る出来形計測システムの概略構成図である。
橋梁上部工の張出し架設工法の概要を示す図である。
第1の計測対象面の近傍の正面図と側面図である。
施工済みブロックへのターゲット設置方法を示す図である。
取得された点群を示す図である。
3次元スキャナで得られるエッジの点群を示す図である。
輪郭線の一例を示す図である。
ターゲットの他の設置方法を示す図である。
フィッティングの手順を示す図である。

実施例

0008

以下、図面を参照して本発明の構造物の出来形計測方法及び計測システムの実施形態について説明する。本実施形態で対象とする構造物は張出し架設工法によって施工される橋梁上部工である。しかし、本発明は橋梁上部工に限定されず、任意の構造物の寸法計測に適用することができる。

0009

図1は本実施形態に係る構造物の出来形計測システム1の概略構成図を示す。出来形計測システム1は3次元スキャナ2と、輪郭線抽出手段3と、フィッティング手段4と、寸法計測手段5と、を有している。3次元スキャナ2は構造物の表面を走査して、構造物の表面の点群を取得する。輪郭線抽出手段3は点群から構造物の計測対象面の輪郭線を抽出する。輪郭線抽出手段3は計測基準面を設定する計測基準面の設定手段31も有している。フィッティング手段4は輪郭線に近似したパターンプレートを輪郭線にフィッティングする。寸法計測手段5はフィッティングされたパターンプレートに基づき構造物の寸法を計測する。輪郭線抽出手段3とフィッティング手段4と寸法計測手段5はPCなどのコンピュータ6で構成することができる。より具体的には、輪郭線抽出手段3とフィッティング手段4と寸法計測手段5は、コンピュータ6にインストールされたプログラムである。3次元スキャナ2の移動及び走査は独立した制御装置によって制御することもできるが、コンピュータ6からの指示によって制御するようにしてもよい。

0010

図2は橋梁上部工11の張出し架設工法の概要を示している。図2(a)に示すように、橋脚12の上に鉄筋コンクリート製中央ブロック13が設置され、次に中央ブロック13の橋軸方向Xにおける両側に第1のブロック14が継ぎ足される。施工中の第1のブロック14の上部には、第1のブロック14を施工するための鉄筋型枠コンクリートなどを供給する移動作業車16が設置されている。第1のブロック14にはさらに第2のブロック15が継ぎ足され、最終的にすべてのブロックが連結されて橋梁上部工11が完成する。図2(a)は施工中の状態を示しており、図2(b)は図2(a)のA方向からみた第1のブロック14の出来形の正面図である。第1のブロック14は路面となる上スラブ141と、上スラブ141と対向する下スラブ142と、これらを接続する一対のウエブ143とで形成された概ね矩形中空梁構造を有し、上スラブ141は両側に張出部144を有している。

0011

出来形計測は各ブロックの施工が完了し、ブロックの端面が露出した状態で行われる。すなわち、出来形計測は橋梁上部工11の施工中に現れる各ブロックの端面を対象に行われる。図2(a)は第1のブロック14の端面が露出した状態を示しており、この端面を第1の計測対象面17という。図2(b)では分かりやすいように第1の計測対象面17にハッチングを施している。第1のブロック14に続いて施工される第2のブロック15の端面を第2の計測対象面18という。第1の計測対象面17の出来形計測が行われた後、第2のブロック15が施工され、第2のブロック15の第2の計測対象面18の出来形計測が行われる。橋梁上部工11の場合、各ブロックの端面は互いに近似しており、第2の計測対象面18は第1の計測対象面17に近似している。出来形計測では例えば図2(b)に示す寸法D1〜D10が計測される。以下の説明では上スラブ141の中央部における寸法(厚さ)D3を計測する場合を例に説明する。

0012

(1)ステップ
図3(a)は第1の計測対象面17の正面図、すなわち第1のブロック14の出来形を橋軸方向Xからみた正面図であり、図3(b)は図3(a)のC方向からみた第1のブロック14の出来形の側面図である。図3(a)では分かりやすいように第1の計測対象面17にハッチングを施している。図4は施工済みの第1のブロック14の一部を示す、図2(b)のB部付近の斜視図である。第2のブロック15の鉄筋19が第1の計測対象面17から橋軸方向Xに延びており、その下にコンクリート打設用仮設構造物である型枠20が設置されている。第1のブロック14の上面(以下、第1の水平面23という)と型枠20の上面(以下、第2の水平面26という)は互いに平行な水平面であり、第1の計測対象面17は第1の水平面23及び第2の水平面26と直交する鉛直面である。

0013

まず、第1の計測対象面17を含む第1のブロック14の表面を走査して表面の点群を取得する。橋軸方向X前方には3次元スキャナ2が配置されている。3次元スキャナ2は、移動作業車16に設置された移動装置21上を自動走行する。移動装置21は鉛直方向Z及び横方向Yに設置されたレールである。計測ポイントP1〜P4は第1の計測対象面17の四隅の近傍に計4箇所設けられている。3次元スキャナ2はレール上を各計測ポイントP1〜P4まで移動し、そこで静止し、レーザ光を鉛直方向Z及び横方向Yの所定の角度範囲照射することにより第1のブロック14とその周囲の各種構造物の表面を走査する。3次元スキャナ2は反射したレーザ光の受光部(図示せず)を備えており、照射角、照射してから反射光を受光するまでの時間などから、各照射角に対応した第1のブロック14とその周囲の各種構造物の表面までの距離を測定する。このように、3次元スキャナ2は複数の計測ポイントP1〜P4まで自動走行し、各計測ポイントP1〜P4で表面の走査を行うことによって、第1のブロック14とその周囲の各種構造物の表面の3次元的形状を点群として取得する。

0014

複数の計測ポイントP1〜P4で取得された点群は合成され、第1のブロック14とその周囲の各種構造物の表面形状を表す一つの点群データに変換される。点群の合成のため、第1のブロック14に基準構造体(図示せず)を設け、複数の計測ポイントで基準構造体を走査することが望ましい。これによって、基準構造体を基準とした合成が可能となる。基準構造体としては例えば球体を用いることができる。以下の説明で、取得された点群が分布する空間を点群空間という。点群空間における縮尺スケール)と実空間における縮尺(スケール)は一致している。従って、測定誤差などを除けば、点群空間で測定した2点間の距離は実構造物における2点間の距離に一致する。

0015

図4に示すように、3次元スキャナ2で第1のブロック14の表面を走査する際、第1のブロック14の第1の水平面23にターゲット22が設置される。ターゲット22は第1の計測対象面17と第1の水平面23との交線24の近傍に設置される。ターゲット22は3次元スキャナ2で認識できればどのようなものであってもよいが、ここでは白黒市松模様のターゲットを用いている。市松模様はターゲット22の中心が正確に認識できるため好ましい。この他、十字線などをターゲット22として用いることもできる。ターゲット22は塗装シール添着などの適宜の方法で設けることができる。

0016

本実施形態では、第1及び第2のターゲット22a,22bが、第1の水平面23に設置される。第1及び第2のターゲット22a,22bは第1の計測対象面17と第1の水平面23との交線24と垂直な線25上の互いに異なる位置に配置される。第1のターゲット22は交線24から第1の距離(所定距離)L1離れており、第2のターゲット22は交線24から第2の距離L2距離離れている。第1の距離L1または第2の距離L2、またはこれらの双方は後述するステップ2で使用するため、コンピュータ6に入力される。なお、第1及び第2のターゲット22a,22bは第2の水平面26に設置することもできるが、点群の取得が鉄筋19によって妨害される可能性があるため、第1の水平面23に設置することが好ましい。

0017

図5(a)は取得された点群を側面図で、図5(b)は取得された点群を平面図で示している。便宜上、点群はグレーバンドまたは領域で示しており、構造物の符号に対してXを付けて区別している(例えば、第1の計測対象面17の点群は符号17Xで示されている)。3次元スキャナ2での走査の際は、鉄筋19、型枠20、ターゲット22a,22bも併せて走査される。従って、点群空間は少なくとも、第1の計測対象面17を示す点群17Xと、第1の水平面23を示す点群23Xと、型枠20の第2の水平面26を示す点群26Xと、第1のブロック14のその他の面27(側面、底面等)を示す点群27Xと、鉄筋19を示す点群19Xと、第1及び第2のターゲット22a,22bを示す点群22aX,22bXとを含んでいる。

0018

(2)ステップ2
次に輪郭線抽出手段3によって、点群から構造物(第1のブロック14)の第1の計測対象面17の輪郭線Cを抽出する。まず、図5に示すように、輪郭線抽出手段3は第1及び第2のターゲット22a,22bを示す点群22aX,22bXを抽出し、点群空間における第1及び第2のターゲット22aX,22bXの中心位置(すなわち、市松模様の中心位置)を決定する。次に、輪郭線抽出手段3は第1及び第2のターゲット22aX,22bXの中心同士を結ぶ線とその延長線(これらをまとめて線25Xという)を設定する。線25Xは第1のステップでターゲット22を設置する際に用いた線25に実質的に一致する。

0019

次に、輪郭線抽出手段3の計測基準面の設定手段31は点群空間において、第1のターゲット22aXの中心から第1の距離L1離れた位置に、線25Xと垂直な面を設定する。この面は点群空間で第1の計測対象面17を含む面であり、以下計測基準面17Yと呼ぶ。計測基準面17Yが第1のターゲット22a側にあるか、第2のターゲット22b側にあるかの位置情報は設定手段31に入力される。本実施形態では、計測基準面17Yが第1のターゲット22a側にあるという条件が入力される。従って、設定手段31は第1のターゲット22aXの中心から第2のターゲット22bXから離れる方向に第1の距離L1離れた位置に計測基準面17Yを設定する。第1の距離L1の代わりに第2の距離L2を用いてもよく、この場合第2のターゲット22bXの中心から第2の距離L2離れた面が計測基準面17Yとして設定される。第1の距離L1から決まる計測基準面と第2の距離L2から決まる計測基準面の中間面を計測基準面17Yとして設定してもよい。

0020

次に、輪郭線抽出手段3は一般的な面検出機能を用いて、すべての点群から複数の平面を抽出する。ここでは、平面として認識されるすべての平面が抽出される。平面抽出に使われなかった点群はノイズとして除去される。次に、抽出された平面のうち、YZ面に垂直な平面だけを抽出する。これによって輪郭線抽出に不要な面が除去される。測定誤差などを考慮し、YZ面に完全に垂直な面だけでなく、YZ面にほぼ垂直な面(例えばYZ面に対して85〜95度の角度をなす面)を抽出するようにしてもよい。このようにして求められた面は第1の計測対象面17と直交する面の近似面を表している。図5(a)には一例として第1の水平面23の近似面23Yと第2の水平面26の近似面26Yを示している。次に、これらの近似面と計測基準面17Yとの交線を求める。近似面と計測基準面17Yの交線が存在しないときは近似面を延長して交線を求める。交線は点群空間における計測基準面17Yの輪郭線Cを示している。

0021

図6(a)にはこのようにして得られた輪郭線Cを実線で示す。破線は実際の第1の計測対象面17の輪郭線C’を示しており、両者はほぼ一致している。参考として、図6(b)には輪郭線Cだけを、図6(c)には輪郭線C’だけを示している。輪郭線抽出手段3で得られた輪郭線Cはところどころ途切れており、また完全な直線状とはなっていない。このような現象が生じる原因として鉄筋19などの障害物の影響が考えられる。例えば鉄筋19の陰になったところは鉄筋19でレーザ光が遮られるため、点群が得られない。この結果、輪郭線Cに欠落部が生じる。また、最初に輪郭線抽出手段3で平面を抽出する際に、表面の凹凸などに起因して、一つの面が2以上の面として抽出されることがある。このような面が生成されると、輪郭線Cが曲がって見えたり断続して見えたりすることがある。

0022

計測基準面17Yを設定することで交線、すなわち構造物のエッジをより精度よく再現することができる。その理由は以下のとおりである。3次元スキャナ2は距離の計測精度は高いが、エッジの検出精度は十分でない場合がある。図7(a)は抽出されたエッジ24の点群を、図7(b)は同図のA部拡大図を示している。これらの図から分かるとおり、エッジ24は本来のエッジ24より斜め内側の位置で検出される傾向がある。また、エッジ24自体も丸く検出され、エッジ24を表す点も広範囲に分布する。これらの理由により、寸法D3を計測する際に鉛直方向Zの起点を正確に設定できない。これに対し、本実施形態では、エッジ24が計測基準面17Yと近似面との交線として定義されるため、エッジ24の位置の誤差が低減される。また、計測基準面17Yの橋軸方向Xの位置は、第1のブロック14上で実測された値(第1の距離L1)に基づき決められるため、橋軸方向Xの位置の誤差が入る余地も小さい。計測基準面17Yの橋軸方向Xの位置に誤差が生じると、輪郭線Cの抽出誤差が大きくなる。

0023

図8はターゲットの他の設置方法を示す概念図である。図8(a)を参照すると第1の水平面23に3つのターゲット(第1〜第3のターゲット122a〜122c)が設置される。第1〜第3のターゲット122a〜122cは直角三角形の各頂点に配置され、第1及び第2のターゲット22a,22bと同様、市松模様等で形成される。直角三角形の第1の辺S1は計測対象面17ないし交線24と平行で、且つ計測対象面17ないし交線24から第1の距離(所定距離)L101離れている。第2の辺S2は第1の辺S1と直交し、第1の辺S1より長い。第1のターゲット122aと第2のターゲット122bは第1の辺S1の両端に位置し、第2のターゲット122bと第3のターゲット122cは第2の辺S2の両端に位置している。第1〜第3のターゲット122a,122b,122cの点群は他の構造物の点群とともに3次元スキャナ2によって取得される。計測基準面17Yは、点群空間において、第1のターゲット122aと第2のターゲット122bとを通る線と垂直で且つ第1の辺S1から第3のターゲット122cの反対側に第1の距離L101離れた面として設定される。このように、第1の辺S1は交線24までの距離L101を規定し、第2の辺S2は計測基準面17YのZ軸周りの角度を規定し、第3のターゲット122cは計測対象面17が第1の辺S1のどちら側にあるかを規定する。設定手段31は、計測対象面17が第1の辺S1に関して第3のターゲット122c側にあるか第3のターゲット122cの反対側にあるかの位置情報を記憶しており、第1〜第3のターゲット122a〜122cはこの位置情報に従って配置される。従って、第1〜第3のターゲット122a〜122cと第1の辺S1と第2の辺S2とを認識すれば、測定手段31に追加の指示を与えることなく、計測基準面17Yが自動的に設定されることになる。本実施形態では、計測対象面17が第1の辺S1に関して第3のターゲット122cの反対側にあるため、計測基準面17Yは第1の辺S1から第3のターゲット122cから離れる方向に第1の距離L101離れた位置に設定される。本実施形態では第1の辺S1が短辺で第2の辺S2が長辺であるが、第1の辺S1が長辺で第2の辺S2が短辺であってもよい。つまり、第1の辺S1と第2の辺S2は区別が可能なように互いに長さが異なっていればよい。また、第3のターゲット122cは第1の辺S1の交線24側にあってもよく、そのような位置情報を設定手段31に記憶させることによって、計測基準面17Yは正しい位置に設定される。

0024

図8(b)を参照すると、第1及び第2のターゲット222a,222bが計測対象面17と第1の水平面23との交線24と垂直な線上の互いに異なる位置に配置されている。第1及び第2のターゲット222a,222bは図4における第1及び第2のターゲット22a,22bと同じである。さらに本実施形態では、第3及び第4のターゲット222c,222dが第1の水平面23と垂直な線上の互いに異なる位置に配置されている。第3及び第4のターゲット222c,222dは、例えば市松模様を印刷した透明なプラスチック板を第1の水平面23に垂直に設置することで設けることができる。第3のターゲット222cと第4のターゲット222dの距離は第1のターゲット222aと第2のターゲット222bの距離より小さい。第1〜第4のターゲット222a〜222dは第1及び第2のターゲット22a,22bと同様、市松模様等で形成される。第1のターゲット222aは計測対象面17を含む面から第1の距離L201離れた位置に配置され、第2のターゲット222bは計測対象面17を含む面から第2の距離L202離れた位置に配置され、第3及び第4のターゲット222c,222dは計測対象面17を含む面から第3の距離L203離れた位置に配置されている。つまり、第1〜第4のターゲット222a,222b,222c,222dのいずれかを基準ターゲットとしたときに、基準ターゲットは計測対象面17を含む面から所定距離離れた位置に配置される。第1〜第4のターゲット222a,222b,222c,222dの点群は他の構造物の点群とともに3次元スキャナ2によって取得される。測定手段31によって、点群空間のZ軸の向きは第3のターゲット222cと第4のターゲット222dとを通る線と平行な方向であると定義される。計測基準面17Yは、点群空間において、第1のターゲット222aと第2のターゲット222bとを通る線と垂直な面として設定される。計測基準面17YのX方向位置は、第1のターゲット222aから第1の距離L201離れた位置、または第3のターゲット222cから第3の距離L203離れた面として設定される。計測基準面17YのX方向位置は、第2のターゲット222bから第2の距離L202離れた位置、または第4のターゲット222dから第3の距離L203離れた面として設定することもできる。計測対象面17と第1〜第4のターゲット222a,222b,222c,222dとの位置情報は予め設定手段31に記憶される。具体的には、計測対象面17が第1のターゲット222aと第2のターゲット222bを結ぶ線に関し第3のターゲット222c側にあることが設定手段31に記憶される。また、第3のターゲット222cと第4のターゲット222dの距離が第1のターゲット222aと第2のターゲット222bの距離より小さいため、第1〜第4のターゲット222a,222b,222c,222dを識別することができる。従って、計測対象面17は測定手段31に追加の指示を与えることなく、正しい位置に自動設定される。

0025

3次元スキャナ2が本来の設置姿勢でセットされる場合、点群空間のXYZ軸は実際のXYZ軸と一致する。しかし、3次元スキャナ2を固定用治具から吊り下げ天地逆転してセットする場合、点群空間のZ軸は反対方向を向くことになる。あるいは設置条件によっては、3次元スキャナ2を斜めの姿勢でセットすることもある。この場合、点群空間のZ軸は斜め方向を向くことになるため、第1及び第2のターゲット222a,222bを通る線と垂直な面を計測基準面17Yとして設定した場合、計測基準面17Yは鉛直面とならない。また、3次元スキャナ2を本来の設置姿勢以外の姿勢でセットする際、3次元スキャナ2に内蔵される傾斜計オフにすることがあり、その場合どちらの方向が鉛直方向Z上向きかを認識することができない。本実施形態では、第3のターゲット222cから第4のターゲット222dを向く方向が鉛直方向Z上向きであると認識される。このため、3次元スキャナ2の設置姿勢によらず点群空間のZ軸の向きを規定し、鉛直面と平行な計測基準面17Yを設定することができる。

0026

(3)ステップ3
次にフィッティング手段4が、輪郭線Cに近似したパターンプレートPを輪郭線Cにフィッティングする。パターンプレートPは輪郭線Cに近似しているものであれば特に限定されないが、一例として橋梁上部工11の設計図、すなわち橋梁上部工11の設計輪郭線から求めることができる。図9フィッティング方法の基本的な概念を示す。同図は説明の便宜上、第1の計測対象面17より単純な図形を示している。図9(a)はパターンプレートPの一例を示している。パターンプレートPは第1の線S1(辺)〜第5の線S5(辺)からなる五角形であり、パターンプレートPには所定の位置と他の所定の位置との間の寸法、ここでは第1の線S1の中点と、第1の線S1の中点から引いた垂線の第4の線S4との交点との間の距離Dを自動計測する指示が与えられている。図9(b)はパターンプレートPと輪郭線C0を示している。パターンプレートPと輪郭線C0の近似性はこの程度で十分であり、「輪郭線C0に近似した」とは、パターンプレートPが輪郭線C0を構成する複数の区間にそれぞれ対応する複数の線S1〜S5から構成されることを意味する。換言すれば、輪郭線C0が多角形で近似可能な場合、近似された輪郭線C0の辺の数とパターンプレートPの辺の数が一致していれば両者は近似しているとみなすことができる。また、輪郭線C0における面取り部のように寸法計測に直接関係しない部位は辺から除外することもできる。この場合、多角形で近似された輪郭線C0から面取り部の線を除いた辺の数がパターンプレートPの辺の数と一致していれば両者は近似しているとみなすことができる。

0027

フィッティングはパターンプレートPの線ごとに行われる。そのため、まず、パターンプレートPの各辺と輪郭線C0の各区間との対応付けを行う。具体的には、パターンプレートPの第1〜第5の線S1〜S5が輪郭線C0の第1〜第5の区間C1〜C5とそれぞれ対応付けされる。対応付けはパターン認識によって自動的に行ってもよいし、人間がコンピュータ6上で区間を設定することで行ってもよい。次に、図9(c)に示すようにパターンプレートPの第2の線S2を輪郭線C0の対応する第2の区間C2にフィッティングする。フィッティングには、例えば最小自乗法を用いることができる。ここで重要なことはパターンプレートPの頂点と輪郭線C0の頂点を一致させることではなく、パターンプレートPの線と輪郭線C0の対応する区間とを合わせることである。頂点同士を合わせると輪郭線C0の頂点の位置の誤差が大きく、高い再現性が得られない。パターンプレートPの線と輪郭線C0の対応する区間とを合わせることで、フィッティングの誤差を低減することができる。頂点は、求められた近似直線の交点として結果的に求められるに過ぎない。その後、図9(d)〜(f)に示すように、第3〜第5の線S3〜S5を対応する輪郭線C0の区間C3〜C5に同様の方法でフィッティングする。このようにして、輪郭線C0にフィッティングされたパターンプレートPFが求められる。

0028

(4)ステップ4
次に寸法計測手段5が、フィッティングされたパターンプレートPFに基づき第1の計測対象面17の寸法D3を計測する。パターンプレートPFは形状が変更されているが、寸法計測指示は維持されているため、図9(f)に示すフィッティングが終了した状態で寸法D3(図9における寸法D)が自動計測される。前述のように、点群の各点は実空間と同じ固有位置座標を持つため、第1の計測対象面17における寸法はパターンプレートPFから容易に測定することができる。他の寸法D1,D2,D4〜D10も同様にして求めることができる。

0029

計測された寸法D3は帳票に出力される。この際、計測された寸法D3が所定の許容範囲内にあるかどうかを判定することができる。この作業は人間が行うこともできるが、寸法計測手段5が、計測された寸法D3を予めメモリに記憶された許容値と比較し、判定結果を帳票に出力することもできる。

0030

第1の計測対象面17で必要な計測が終了したら第2のブロック15の施工を行い、第2の計測対象面18に対して同様の計測を行う。この際に使用するパターンプレートPは設計輪郭線から求めてもよいが、第1の計測対象面17の輪郭線CにフィッティングされたパターンプレートPFを第2の計測対象面18の輪郭線CにフィッティングされるパターンプレートPとして用いることもできる。第1の計測対象面17の輪郭線CにフィッティングされたパターンプレートPFは通常は第2の計測対象面18の輪郭線Cと近似しており、パターンプレートPとして問題なく使用できる。また、第1の計測対象面17の輪郭線CにフィッティングされたパターンプレートPFは、メモリに記憶しておけば簡単に取り出すことができるため、パターンプレートPを求めるための演算などを行う必要がない。

0031

このように、輪郭線Cに近似したパターンプレートPを輪郭線Cにフィッティングすることで、出来形の形状をより精度よく再現することができる。前述のように、輪郭線Cは部分的に欠落することがあり、ぎざぎざの形状になることもある。しかし、通常出来形はほぼ設計通りの形状で施工され、基本的な形状が設計と大きく異なることはほぼあり得ない。出来形の施工管理で重要なのは基本的な形状の検査ではなく、各部分の寸法が許容範囲内にあるかどうかであり、基本形状が一致していることは当然の前提として採用することができる。このため、欠落部分をパターンプレートPで補い、ぎざぎざの部分をパターンプレートPに従って直線に修正しても大きな問題はなく、むしろ形状の再現性が上がるため施工管理の信頼性が高まる。

0032

また、従来の橋梁上部工の出来形検査は、計測、検査、写真撮影、帳票記入などの人手のかかる作業を行うため長時間を要していた。これに対し本実施形態では3次元スキャナ2の設置、ターゲット22の設置、3次元スキャナ2の起動、走査、撤去などが必要となるが、ステップ2の輪郭線抽出、ステップ3のフィッティング、ステップ4の寸法計測及び帳票出力はPC上でごく短時間で行われる。一例では同一の検査対象に対し、従来の方法では45分程度を要していたのに対し、本実施形態では25分程度で可能となった。

0033

また、本実施形態では橋軸と直交する面の出来形の寸法計測を例に説明したが、検査対象はこれに限定されず、例えば橋梁上部工11の側面、上面、下面を同様にして検査することもできる。従って、計測された寸法に基づき出来形図を作成することも可能である。

0034

1出来形計測システム
2 3次元スキャナ
3輪郭線抽出手段
4フィッティング手段
5寸法計測手段
11橋梁上部工(構造物)
17 第1の計測対象面
17Y計測基準面
18 第2の計測対象面
22ターゲット
22a 第1のターゲット
22b 第2のターゲット
23 第1の水平面
24交線(エッジ)
26 第2の水平面
C輪郭線
P パターンプレート

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