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技術 タービン動翼

出願人 株式会社東芝東芝エネルギーシステムズ株式会社
発明者 村上格
出願日 2018年8月7日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2018-148425
公開日 2020年2月13日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-023921
状態 未査定
技術分野 タービンロータ・ノズル・シール
主要キーワード オフセット角θ 接触反力 組立基準面 捩りモーメント スナッバ 翼半径 アンツイスト オフセット面
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

タービン動翼回転に伴う作動流体擾乱を抑制することができ、性能の向上を図ることのできるタービン動翼を提供する。

解決手段

有効部と、前記翼有効部の先端に設けられたスナッバとを有し、運転時において隣接する前記スナッバ同士が接触するスナッバ当り面を有するタービン動翼であって、製造時において、前記スナッバの前縁側の面が、翼回転方向捩れる方向に、翼回転方向に対して軸方向に傾斜するオフセット角を有する。

概要

背景

一般に、タービン動翼では振動特性の改善や剛性を確保するために、先端綴り構造が採用されている。先端綴り構造としては、古くはシュラウドと呼ばれる板をテノンかしめするテノンシュラウド構造であったが、近年では加工技術の発達などにより先端部を一体で削り出すスナッバ構造が主流となってきている。

スナッバ構造では、翼先端の形状が比較的自由に形成できるので、図6に示すようなハイロー形状203、図7に示すようなチップフィン208などの複雑形状を採用して、漏洩蒸気シール効率を向上しタービン効率を上げることが可能になる。なお、図6、図7に記すように、スナッバ202は、有効部201の先端部分に、翼有効部201と一体に形成されている。また、図6、図7において210はタービン静止部を示しており、図6において211は静止部フィンを示している。

スナッバ構造では、図8に示すように、スナッバ202の一部を隣接翼のスナッバ202と接触させることにより綴り構造を成立させる。その接触する部位に接触反力を生じさせるメカニズムとしては種々の方法が考案されている。

例えば、図9に示すタービン動翼200では、翼有効部201の先端側に配設されたスナッバ202に、タービン軸方向に垂直なスナッバ当り面206a,206bを形成している。このような構造において、タービン組立時のばらつきや、運転中の翼変形や熱伸びなどが生じても確実にスナッバ当り面206a,206b同士の接触状態を保つために、予めスナッバ当り面206a,206bを干渉するように製造し、接触反力を生じさせておく必要がある。このとき、図10に示すように、タービン動翼200には、スナッバ当り面206a,206bで生じる接触反力により、図中に矢印で示すようなねじりモーメントが作用する。このため、タービン動翼200は、スナッバ202の前縁側の面204が反翼回転方向に、スナッバ202の後縁側の面205が翼回転方向にねじられた状態で運用に供されることになる。

したがって、図11に示すように、スナッバ202は、製造時より傾いた状態で運用に供される。また、スナッバ202にハイロー形状203やチップフィン等のシール構造が設けられている場合、シール構造も翼回転方向から傾いた状態で運転されることになり、作動流体擾乱誘起して性能低下の要因となる。

さらに、蒸気入口側であるスナッバ202の前縁側の面204や、蒸気出口側であるスナッバ202の後縁側の面205に関しても、スナッバ202の傾きにより、隣接する翼との間で段差240が生じ滑らかな円筒面を形成しなくなるため、この段差240の部分においても作動流体の擾乱が生じる。また、図12に示すように、タービン据え付け時に、スナッバ202の前縁側の面204等とタービンの静止部210との軸方向間隙計測し、軸方向の位置調整を行うことがあるが、滑らかな円筒面が形成されないと正確な計測が困難になる。

別のスナッバ反力を得るメカニズムとして、図13に示すタービン動翼220のように、翼のアンツイストを利用する構造のものもある。なお、図13(a)は、製造時及び組立時のタービン動翼220の状態を示しており、図13(b)は、運転時のタービン動翼220の状態を示している。タービン動翼220は、翼有効部221を有し、翼有効部221の先端にスナッバ222を有している。

タービン動翼220、特に翼長の大きいものは、翼根元と翼先端で回転速度に差が生じる。このため、翼前縁部は、作動流体の流入角に合わせて相対的に、翼根元部では翼回転方向とは反対方向、翼先端部では翼回転方向に向くような捩れ形状となっていることが多い。

このようなタービン動翼220では、運転時には、ロータ回転に伴う遠心力によって捩れ戻りが生じる。通常、翼根元部は比較的剛にロータ植込まれているため、ねじり戻りは翼先端部において、翼前縁側が翼回転方向とは反対方向、翼後縁側が翼回転方向への回転変形となる。つまり、図13(b)に矢印で示すように、翼先端部に設けられたスナッバ222の前縁側の面224が翼回転方向とは反対方向に向くように、後縁側の面225翼回転方向に向くように回転変形が生じる。このねじり戻りのモーメントを利用して、スナッバ当り面226a,226bを接触させ、スナッバ接触反力を生じさせる構造がアンツイストスナッバ構造と呼ばれる。

アンツイストスナッバ構造においては、スナッバ反力が過大になりすぎないよう、図13(a)に示すように、予めスナッバ当り面226a,226bに間隙(スナッバ間隙)を設けておく場合がある。したがって、運転時には、スナッバ間隙に応じてスナッバ222の前縁側の面224が翼回転方向とは反対方向に、後縁側の面225が翼回転方向に捩れる方向に変形し、前述の軸方向接触型スナッバと同様にねじられた状態で運用されることになる。

また、スナッバ間隙を設けずに組立てられた場合でも、運転時には遠心力による翼・ロータの伸びなどにより隣接翼間ピッチが大きくなるため、スナッバ間隙が生じて組立時にスナッバ間隙を設けた場合と同様の捩れが生じることになる。また、このようにタービン組立時においてすでに捩れ状態が発生するアンツイストスナッバ構造の場合は、静止部との正確な軸方向間隙計測が困難となる場合がある。

概要

タービン動翼回転に伴う作動流体の擾乱を抑制することができ、性能の向上をることのできるタービン動翼を提供する。翼有効部と、前記翼有効部の先端に設けられたスナッバとを有し、運転時において隣接する前記スナッバ同士が接触するスナッバ当り面を有するタービン動翼であって、製造時において、前記スナッバの前縁側の面が、翼回転方向に捩れる方向に、翼回転方向に対して軸方向に傾斜するオフセット角を有する。

目的

本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、タービン動翼回転に伴う作動流体の擾乱を抑制することができ、性能の向上を図ることのできるタービン動翼を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

有効部と、前記翼有効部の先端に設けられたスナッバとを有し、運転時において隣接する前記スナッバ同士が接触するスナッバ当り面を有するタービン動翼であって、製造時において、前記スナッバの前縁側の面が、翼回転方向捩れる方向に、翼回転方向に対して軸方向に傾斜するオフセット角を有することを特徴とするタービン動翼。

請求項2

請求項1記載のタービン動翼であって、製造時において、前記スナッバの後縁側の面が、反翼回転方向に捩れる方向に、翼回転方向に対して軸方向に傾斜するオフセット角を有することを特徴とするタービン動翼。

請求項3

請求項1又は2記載のタービン動翼であって、前記スナッバの頂部に向かい合うケーシングと、前記スナッバの頂部との間からの作動蒸気もれを防ぐためのシール構造として、前記スナッバの頂部にハイロー形状を有し、前記ハイロー形状は、製造時時において、翼回転方向に対して軸方向に傾斜するオフセット角を有することを特徴とするタービン動翼。

請求項4

請求項1乃至3何れか1項記載のタービン動翼であって、前記スナッバ当り面は、運転停止時において隣接する前記スナッバの前記スナッバ当り面とは接触せず、運転時にのみ接触するよう構成され、前記スナッバの前縁側の面と後縁側の面の少なくとも一方の一部に、運転停止時において、翼回転方向に対して平行となる組立基準面を有することを特徴とするタービン動翼。

請求項5

請求項4に記載のタービン動翼であって、前記組立基準面が、前記スナッバの前縁側の面の、翼回転方向後方側に形成されていることを特徴とするタービン動翼。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、タービン動翼に関する。

背景技術

0002

一般に、タービン動翼では振動特性の改善や剛性を確保するために、先端綴り構造が採用されている。先端綴り構造としては、古くはシュラウドと呼ばれる板をテノンかしめするテノンシュラウド構造であったが、近年では加工技術の発達などにより先端部を一体で削り出すスナッバ構造が主流となってきている。

0003

スナッバ構造では、翼先端の形状が比較的自由に形成できるので、図6に示すようなハイロー形状203、図7に示すようなチップフィン208などの複雑形状を採用して、漏洩蒸気シール効率を向上しタービン効率を上げることが可能になる。なお、図6図7に記すように、スナッバ202は、有効部201の先端部分に、翼有効部201と一体に形成されている。また、図6図7において210はタービン静止部を示しており、図6において211は静止部フィンを示している。

0004

スナッバ構造では、図8に示すように、スナッバ202の一部を隣接翼のスナッバ202と接触させることにより綴り構造を成立させる。その接触する部位に接触反力を生じさせるメカニズムとしては種々の方法が考案されている。

0005

例えば、図9に示すタービン動翼200では、翼有効部201の先端側に配設されたスナッバ202に、タービン軸方向に垂直なスナッバ当り面206a,206bを形成している。このような構造において、タービン組立時のばらつきや、運転中の翼変形や熱伸びなどが生じても確実にスナッバ当り面206a,206b同士の接触状態を保つために、予めスナッバ当り面206a,206bを干渉するように製造し、接触反力を生じさせておく必要がある。このとき、図10に示すように、タービン動翼200には、スナッバ当り面206a,206bで生じる接触反力により、図中に矢印で示すようなねじりモーメントが作用する。このため、タービン動翼200は、スナッバ202の前縁側の面204が反翼回転方向に、スナッバ202の後縁側の面205が翼回転方向にねじられた状態で運用に供されることになる。

0006

したがって、図11に示すように、スナッバ202は、製造時より傾いた状態で運用に供される。また、スナッバ202にハイロー形状203やチップフィン等のシール構造が設けられている場合、シール構造も翼回転方向から傾いた状態で運転されることになり、作動流体擾乱誘起して性能低下の要因となる。

0007

さらに、蒸気入口側であるスナッバ202の前縁側の面204や、蒸気出口側であるスナッバ202の後縁側の面205に関しても、スナッバ202の傾きにより、隣接する翼との間で段差240が生じ滑らかな円筒面を形成しなくなるため、この段差240の部分においても作動流体の擾乱が生じる。また、図12に示すように、タービン据え付け時に、スナッバ202の前縁側の面204等とタービンの静止部210との軸方向間隙計測し、軸方向の位置調整を行うことがあるが、滑らかな円筒面が形成されないと正確な計測が困難になる。

0008

別のスナッバ反力を得るメカニズムとして、図13に示すタービン動翼220のように、翼のアンツイストを利用する構造のものもある。なお、図13(a)は、製造時及び組立時のタービン動翼220の状態を示しており、図13(b)は、運転時のタービン動翼220の状態を示している。タービン動翼220は、翼有効部221を有し、翼有効部221の先端にスナッバ222を有している。

0009

タービン動翼220、特に翼長の大きいものは、翼根元と翼先端で回転速度に差が生じる。このため、翼前縁部は、作動流体の流入角に合わせて相対的に、翼根元部では翼回転方向とは反対方向、翼先端部では翼回転方向に向くような捩れ形状となっていることが多い。

0010

このようなタービン動翼220では、運転時には、ロータ回転に伴う遠心力によって捩れ戻りが生じる。通常、翼根元部は比較的剛にロータ植込まれているため、ねじり戻りは翼先端部において、翼前縁側が翼回転方向とは反対方向、翼後縁側が翼回転方向への回転変形となる。つまり、図13(b)に矢印で示すように、翼先端部に設けられたスナッバ222の前縁側の面224が翼回転方向とは反対方向に向くように、後縁側の面225翼回転方向に向くように回転変形が生じる。このねじり戻りのモーメントを利用して、スナッバ当り面226a,226bを接触させ、スナッバ接触反力を生じさせる構造がアンツイストスナッバ構造と呼ばれる。

0011

アンツイストスナッバ構造においては、スナッバ反力が過大になりすぎないよう、図13(a)に示すように、予めスナッバ当り面226a,226bに間隙(スナッバ間隙)を設けておく場合がある。したがって、運転時には、スナッバ間隙に応じてスナッバ222の前縁側の面224が翼回転方向とは反対方向に、後縁側の面225が翼回転方向に捩れる方向に変形し、前述の軸方向接触型スナッバと同様にねじられた状態で運用されることになる。

0012

また、スナッバ間隙を設けずに組立てられた場合でも、運転時には遠心力による翼・ロータの伸びなどにより隣接翼間ピッチが大きくなるため、スナッバ間隙が生じて組立時にスナッバ間隙を設けた場合と同様の捩れが生じることになる。また、このようにタービン組立時においてすでに捩れ状態が発生するアンツイストスナッバ構造の場合は、静止部との正確な軸方向間隙計測が困難となる場合がある。

先行技術

0013

特許第3682131号公報
特開2007−77833号公報

発明が解決しようとする課題

0014

上述したように従来のスナッバ構造を有するタービン動翼は、スナッバ部が動翼製造時からねじられた状態で運用されるので、動翼の回転により作動流体の擾乱を巻き起こし、性能低下の要因となっていた。

0015

本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、タービン動翼回転に伴う作動流体の擾乱を抑制することができ、性能の向上を図ることのできるタービン動翼を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0016

実施形態のタービン動翼は、翼有効部と、前記翼有効部の先端に設けられたスナッバとを有し、運転時において隣接する前記スナッバ同士が接触するスナッバ当り面を有するタービン動翼であって、製造時において、前記スナッバの前縁側の面が、翼回転方向に捩れる方向に、翼回転方向に対して軸方向に傾斜するオフセット角を有する。

図面の簡単な説明

0017

第1実施形態に係るタービン動翼の構成を模式的に示す図。
図1のタービン動翼の運転中の状態を模式的に示す図。
図1のタービン動翼の変形例の構成を模式的に示す図。
第2実施形態に係るタービン動翼の構成を模式的に示す図。
図4のタービン動翼の運転中の状態を模式的に示す図。
ハイロー形状を有するスナッバ構造のタービン動翼の構成を模式的に示す図。
チップフィンを有するスナッバ構造のタービン動翼の構成を模式的に示す図。
スナッバ構造のタービン動翼の構成を模式的に示す図。
軸方向接触型スナッバを有するタービン動翼の構成を模式的に示す図。
図9のタービン動翼に加わる捩りモーメントを説明するための図。
図9のタービン動翼の運転中の状態を模式的に示す図。
軸方向間隔を説明するための図。
アンツイストスナッバ構造のタービン動翼の構成を模式的に示す図。

実施例

0018

以下、実施形態のタービン動翼を、図面を参照して説明する。

0019

(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るタービン動翼100の構成(製造時における構成)を模式的に示すものであり、図1(a)は、タービン動翼100を上側(先端側)から見た構成を示しており、図1(b)は、タービン動翼100を横側(側面側)から見た構成を示している。図1(a)には、タービン動翼100に対して、翼回転方向と、これと直行する軸方向とが図示されている。また、図1(b)には、タービン動翼100に対して、翼半径方向と、これと直行する軸方向とが図示されている。

0020

図1に示すように、タービン動翼100は、翼有効部101の先端に、翼有効部101と一体で形成されたスナッバ102を有している。また、スナッバ102の上側の面には、シール構造としてのハイロー形状103が設けられている。ハイロー形状103を構成するために翼半径方向へ突出する凸部を備える。タービン動翼100は、タービンとして組み立てられる際に、図示しないタービンローターの周囲に配設され、図1(a)に示す翼回転方向に沿って複数配列される。なお、図1において106(106a,106b)は、スナッバ102同士が接触するスナッバ当り面を示し、107は接触しないスナッバ逃げ面を示している。

0021

スナッバ102の前縁側の面104には、製造時において翼回転方向に対して軸方向に傾斜するオフセット角θ1が設けられている。このオフセット角θ1は、スナッバ102の前縁側の面104が、翼回転方向に捩れる向きとなっている。換言すれば、スナッバ102の前縁側の面104は、回転方向後方側図1中下側)の端部104aから回転方向前方側図1中上側)の端部104bに至る前縁側の面104が軸方向(図1右方向)にオフセット角θ1傾斜した状態とされている。

0022

また、スナッバ102の後縁側の面105には、製造時において翼回転方向に対して軸方向に傾斜するオフセット角θ2が設けられている。このオフセット角θ2は、スナッバ102の後縁側の面105が反翼回転方向に捩れる向きとなっている。換言すれば、スナッバ102の後縁側の面105は、回転方向前方側(図1中上側)の端部105bから回転方向後方側(図1中下側)の端部105aに至る後縁側の面105が反軸方向(図1中左方向)にオフセット角θ2傾斜した状態とされている。

0023

さらに、タービン動翼100では、ハイロー形状103についても、上記したオフセット角θ1と同様に、翼回転方向に対してオフセット角θ3傾斜した状態とされている。

0024

タービン動翼100では、上記のオフセット角θ1,θ2,θ3は、同じ角度とされており、スナッバ102の全体がオフセット角の分捩れた状態となるよう設定されている。したがって、スナッバ当り面106(106a,106b)、逃げ面107についても同様にオフセットされた状態となっている。

0025

このオフセット角θ1,θ2,θ3を、タービン動翼100の運用時(組立てて運転される時)に生じる捩れの角度に合わせて設定することにより、第2図に示すようにタービン運用時において、スナッバ102の前縁側の面104、スナッバ102の後縁側の面105、ハイロー形状103の向きを翼回転方向と一致させることができる。これによって、タービン動翼100の回転に伴う作動流体の擾乱を防止することができ、性能を向上させることができる。なお、運用時に生じる捩れの角度は、翼の種類や翼長によって異なるが、例えば、0.5〜3度程度である。

0026

上記第1実施形態では、シール構造としてハイロー形状103が設けられている場合について説明したが、図3に示すように、チップフィン108を有するタービン動翼100aの場合についても同様にして適用することができ、同様な効果を得ることができる。

0027

図3に示すタービン動翼100aは、図1に示したタービン動翼100のハイロー形状103を、チップフィン108とした点のみが相違しているので、図1に対応する部分には、同一の符号を付して、重複する説明は省略する。図3に示すタービン動翼100aでは、スナッバ102の前縁側の面104及び後縁側の面105とともに、チップフィン108も同様なオフセット角を有している。

0028

なお、上記の実施形態では、スナッバ当り面106及び逃げ面107も上記したオフセット角θ1,θ2,θ3と同様なオフセット角を有している場合について示しているが、係る構成は必ずしも必要としない。ただし、加工性の面からは、スナッバ102の前縁側の面104、後縁側の面105、ハイロー形状103等のシール構造と同様に、スナッバ当り面106及び逃げ面107もオフセット角を有する構成とすることが好ましい。

0029

以上のように、第1実施形態のタービン動翼100によれば、運転中におけるスナッバ入口面出口面およびシール構造の翼回転方向からの捩れによる作動流体の擾乱を抑制し、高性能化を図ることができる。

0030

(第2実施形態)
次に、図4を参照して第2実施形態のタービン動翼120について説明する。図4は、第2実施形態に係るタービン動翼120の構成を模式的に示すものであり、図4(a)は、タービン動翼120を上側(先端側)から見た構成を示しており、図4(b)は、タービン動翼120を横側(側面側)から見た構成を示している。図4(a)には、タービン動翼120に対して、翼回転方向と、これと直行する軸方向とが図示されている。また、図4(b)には、タービン動翼120に対して、翼半径方向と、これと直行する軸方向とが図示されている。なお、図4は、タービン動翼120の製造時及び組立時の状態を示している。

0031

タービン動翼120は、翼有効部121の先端に、翼有効部121と一体で形成されたスナッバ122を有している。また、スナッバ122の上側の面には、シール構造としてのハイロー形状123が設けられている。タービン動翼120は、タービンとして組み立てられる際に、図示しないタービンローターの周囲に配設され、図4(a)に示す翼回転方向に沿って複数配列される。

0032

第1実施形態と同様に、シール構造としてのハイロー形状123が、翼回転方向に対して軸方向に傾斜するオフセット角θ6を有する。また、スナッバ122の前縁側の面は、その翼回転方向前方側(図4(a)中上側)の部分に、翼回転方向に対して軸方向に傾斜するオフセット角θ4を有するオフセット面124cとされており、前縁側の面の翼回転方向後方側の部分にオフセット角を有しない(翼回転方向に沿った)組立基準面124dを有する。

0033

オフセット角θ4は、前述した第1実施形態におけるオフセット角θ1と同様に、スナッバ122の前縁側のオフセット面124cが翼回転方向に捩れる向きとなっている。

0034

また、スナッバ122の後縁側の面125には、前述した第1実施形態におけるオフセット角θ2と同様に、翼回転方向に対して軸方向に傾斜するオフセット角θ5が設けられている。このオフセット角θ5は、スナッバ122の後縁側の面125が反翼回転方向に捩れる向きとなっている。なお、図4に示す例では、後縁側の面125全体がオフセット角θ5を有するようになっているが、前縁側と同様に、オフセット角のない組立基準面を設けてもよい。

0035

上記構成のタービン動翼120において、組立基準面124dは、タービン組立時に翼回転方向と一致するようになっている。したがって、この組立基準面124dの部分で、静止部との正確な軸方向間隙を計測することができる。

0036

タービン動翼120は、アンツイストスナッバ構造であり、組立時にはスナッバ122が相互に接触しないため、タービン組立て時の組立基準面124dが製造時においても翼回転方向と一致している。

0037

しかし、例えば、組立時にはスナッバ逃げ面が接触し、運転時にはスナッバ当り面が接触し、ねじりモーメントが発生するプレツイスト構造と呼ばれる構造の翼では、翼製造時の組立基準面は翼回転方向とは一致しない。この場合、翼製造時には、組み立て時の捩りモーメントによる変形(プレツイスト)に応じて、組立基準面にはシール構造とは異なった角度となるようオフセット角を設定し、組み立てて変形(プレツイスト)が加わった状態で組立基準面が翼回転方向と一致するように構成する必要がある。

0038

なお、図4では、スナッバ122の前縁側に組立基準面124dを設けた例について示したが、組立基準面はスナッバ122の前縁側、後縁側のいずれかもしくは両方に設けてもよい。しかし通常は、タービン組立時にタービン入口側の静止部と前縁側との間隙を管理するため、本実施例ではスナッバ122の前縁側に組立基準面124dを設けた例について説明した。

0039

また、図4では、組立基準面124dを、スナッバ122の前縁側の翼回転方向後方側に設けた例について説明したが、翼回転方向前方側に設けてもよい。ただし、スナッバ122の前縁側における作動流体の擾乱を低減させるためには、組立基準面124dを、スナッバ122の前縁側の翼回転方向後方側に設けることが好ましい。

0040

上記構成のタービン動翼120において、オフセット角θ4,θ5,θ6は、第1実施形態と同様に、大きさが同じで、前縁側が翼回転方向に、後縁側が反翼回転方向に捩れる向きとなっている。また、オフセット角の大きさは、タービン動翼120の運転時に生じる捩れの角度に合わせて設定する。このように構成することで、第5図に示すようにタービン運転中においてシール構造であるスナッバ122のハイロー形状123、オフセット面124c、後縁側の面125の向きが翼回転方向と一致する。これにより、タービン動翼回転に伴う作動流体の擾乱を抑制することができ、より性能を向上させることができる。また、組立時においては、翼回転方向に平行な組立基準面124dを有することにより、軸方向間隙の正確な計測が可能になる。なお、運転時(運用時)に生じる捩れの角度は、翼の種類や翼長によって異なるが、例えば、0.5〜3度程度である。

0041

以上のように、第2実施形態のタービン動翼120によれば、運転中におけるスナッバ122の前縁側のオフセット面124c、後縁側の面125およびシール構造であるハイロー形状123の翼回転方向からの捩れによる作動流体の擾乱を抑制することができ、かつ、タービン動翼と静止部の軸方向間隙を正確に計測できる高性能なタービン動翼を提供することができる。

0042

以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0043

100,120……タービン動翼、101,121……翼有効部、102,122……スナッバ、103,123……ハイロー形状、104,124……前縁側の面、105,125……後縁側の面、106,126……スナッバ当り面、107,127……スナッバ逃げ面、108……チップフィン、124c……オフセット面、124d……組立基準面。

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