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技術 胎盤幹細胞を使用する疼痛の治療

出願人 アントフロゲネシスコーポレーション
発明者 ウリヘルズベルグジョディガーニー
出願日 2019年10月24日 (1年1ヶ月経過) 出願番号 2019-193240
公開日 2020年2月13日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-023559
状態 未査定
技術分野 動物,微生物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 基準段階 電磁分離 質的評価 中期段階 接続器具 網状繊維 灌流流体 もがき
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

疼痛、例えば神経障害性疼痛治療方法の提供。

解決手段

特定のマーカー陽性組織培養基材に接着する胎盤幹細胞投与する方法。

概要

背景

(2.背景)
哺乳類胎盤は、豊富であり、通常は医療廃棄物として廃棄されるので、医学的に有用な
幹細胞のたぐい稀な原料となる。医学分野においては、疼痛を抑制する改良された組成物
及び方法の必要性が存在する。したがって、本明細書で提供されるのは、疼痛の治療にお
いて有用な胎盤幹細胞、及び胎盤幹細胞を含む組成物、並びに疼痛を治療するために該胎
盤幹細胞を使用する方法である。

概要

疼痛、例えば神経障害性疼痛治療方法の提供。特定のマーカー陽性組織培養基材に接着する胎盤幹細胞を投与する方法。なし

目的

好ましい実施態様
では、第2の活性剤は、疼痛を緩和する、炎症反応を抑制又は調節する、鎮静効果又は抗
神経痛効果を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞を含む、個人において神経障害性疼痛治療するための医薬組成物であって、治療有効量の該胎盤幹細胞が該個人に投与されるように用いられることを特徴とし、該治療有効量が、該疼痛の検出可能な改善をもたらすのに十分な量である、前記医薬組成物。

請求項2

前記治療有効量の胎盤幹細胞が、前記胎盤幹細胞の投与前に決定された前記個人における疼痛の1以上の第1のレベルと比較して、前記胎盤幹細胞の投与後に決定された前記個人における疼痛の1以上の第2のレベルを低下させる、請求項1記載の医薬組成物。

請求項3

疼痛の前記1以上の第1のレベル及び疼痛の前記1以上の第2のレベルが、疼痛評価スケールによって決定される、請求項2記載の医薬組成物。

請求項4

前記疼痛評価スケールが、数値的疼痛強度スケール;疼痛質的評価スケール;簡単記述疼痛強度スケール;視覚アナログスケール;Wong-Bakerフェイス疼痛評価スケール;FLACCスケール;CRIESスケール;若しくはCOMFORTスケール;又は患者寒冷、熱、又は機械的刺激さらすことによって誘発される誘発型疼痛測定である、請求項3記載の医薬組成物。

請求項5

前記治療有効量の胎盤幹細胞が、前記胎盤幹細胞の投与前に決定された前記個人における疼痛の1以上の生理的指標の第1のレベルと比較して、前記胎盤幹細胞の投与後に決定された前記個人における疼痛の1以上の生理的指標の第2のレベルを低下させる、請求項1記載の医薬組成物。

請求項6

疼痛の前記生理的指標が、前記個人における心拍数である、請求項5記載の医薬組成物。

請求項7

前記個人における前記心拍数が、前記投与前の前記個人における前記心拍数と比較すると前記投与後の方が低い、請求項6記載の医薬組成物。

請求項8

疼痛の前記生理的指標が、前記個人の収縮期圧である、請求項5記載の医薬組成物。

請求項9

前記個人の前記収縮期圧が、前記投与前の前記個人における前記収縮期圧と比較すると前記投与後の方が低い、請求項8記載の医薬組成物。

請求項10

疼痛の前記生理的指標が、前記個人の拡張期圧である、請求項5記載の医薬組成物。

請求項11

前記個人の前記拡張期圧が、前記投与前の前記個人における前記拡張期圧と比較すると前記投与後の方が低い、請求項10記載の医薬組成物。

請求項12

前記胎盤幹細胞が、さらにCD45-及びCD90+でもある、請求項1〜11のいずれか1項記載の医薬組成物。

請求項13

前記胎盤幹細胞が、さらにCD80-及びCD86-でもある、請求項1〜12のいずれか1項記載の医薬組成物。

請求項14

前記胎盤幹細胞が、HLA-A、B、C+である、請求項1〜13のいずれか1項記載の医薬組成物。

請求項15

前記胎盤幹細胞が、ELOVL2、ST3GAL6、ST6GALNAC5、又はSLC12A8遺伝子を、同等数の骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)よりも検出可能に高いレベルで発現する、請求項1〜11のいずれか1項記載の医薬組成物。

請求項16

前記胎盤幹細胞が、同等数のBM-MSCよりも検出可能に高いレベルで、ARTS-1、IER3、IL6、KRT18、LRAP、MEST、NFE2L3、又はTGFB2遺伝子を発現する、請求項15記載の医薬組成物。

請求項17

前記神経障害性疼痛が糖尿病性神経障害によって引き起こされる、請求項1〜16のいずれか1項記載の医薬組成物。

請求項18

前記疼痛が、ステロイド療法応答しない、請求項1〜17のいずれか1項記載の医薬組成物。

請求項19

前記疼痛が、非ステロイド性抗炎症療法に応答しない、請求項1〜17のいずれか1項記載の医薬組成物。

請求項20

前記疼痛が、オピオイド療法に応答しない、請求項1〜17のいずれか1項記載の医薬組成物。

請求項21

前記疼痛が、オピエート療法に応答しない、請求項1〜17のいずれか1項記載の医薬組成物。

請求項22

前記胎盤幹細胞が、局所的に投与されるように製剤化されている、請求項1〜21のいずれか1項記載の医薬組成物。

請求項23

前記胎盤幹細胞が、全身的に、静脈内に、又は動脈内に投与されるように製剤化されている、請求項1〜21のいずれか1項記載の医薬組成物。

技術分野

0001

本出願は、それぞれの開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2011年6月1日
に出願された米国仮特許出願第61/492,314号、2011年10月18日に出願された米国仮特許出
願第61/548,663号、及び2012年2月3日に出願された米国仮特許出願第61/594,985号の優先
権を主張する。

0002

(1.分野)
本明細書で提供されるのは、単離された胎盤幹細胞を使用して、疼痛を改善する、及び
疼痛を有する個人治療する方法である。

背景技術

0003

(2.背景)
哺乳類胎盤は、豊富であり、通常は医療廃棄物として廃棄されるので、医学的に有用な
幹細胞のたぐい稀な原料となる。医学分野においては、疼痛を抑制する改良された組成物
及び方法の必要性が存在する。したがって、本明細書で提供されるのは、疼痛の治療にお
いて有用な胎盤幹細胞、及び胎盤幹細胞を含む組成物、並びに疼痛を治療するために該胎
盤幹細胞を使用する方法である。

0004

(3.概要)
一態様では、本明細書で提供されるのは、個人における疼痛、又は異常な知覚状態、例
えば感覚異常異痛症、及び痛覚過敏などを治療する方法であって、治療有効量の胎盤
細胞、又は胎盤幹細胞によって条件付けされた培養培地を、該個人に投与することを含む
前記方法である。ここでは、治療有効量は、前記疼痛の検出可能な改善を引き起こすのに
十分な量である。具体的実施態様では、前記方法は、疼痛緩和を必要とする個人又は疼痛
に悩む個人を特定することを含む。別の具体的実施態様では、前記方法は、前記胎盤幹細
胞の投与前の前記個人における疼痛の1以上の第1のレベルを決定することと、前記胎盤幹
細胞の投与後の前記個人における疼痛の1以上の第2のレベルを決定することとをさらに含
む。ここでは、前記治療有効量の胎盤幹細胞は、前記疼痛の前記1以上の第2のレベルを、
疼痛の前記1以上の第1のレベルよりも低下させる。より具体的な実施態様では、前記治療
有効量の胎盤幹細胞は、プラセボの投与による改善よりも大きな又は長時間の、前記疼痛
の検出可能な改善をもたらす。より具体的な実施態様では、疼痛の前記1以上の第1のレベ
ル及び疼痛の前記1以上の第2のレベルは、疼痛評価スケールによって決定される。より具
体的な実施態様では、前記疼痛評価スケールは、数値的疼痛強度スケール(Numeric Pain
Intensity Scale);疼痛質的評価スケール(Pain Quality Assessment Scale);簡単記述
痛強度スケール(Simple Descriptive Pain Intensity Scale);視覚アナログスケール(V
isual Analog Scale);Wong-Bakerフェイス疼痛評価スケール(FACESPain Rating Scale);
FLACCスケール;CRIESスケール;又はCOMFORTスケールである。

0005

別の具体的実施態様では、前記方法は、前記胎盤幹細胞の投与前の前記個人における疼
痛の1以上の生理的指標の第1のレベルを決定することと、前記胎盤幹細胞の投与後の前記
個人における疼痛の1以上の生理的指標の第2のレベルを決定することとをさらに含む。こ
こでは、前記治療有効量の胎盤幹細胞は、前記第2のレベルを、前記第1のレベルよりも低
下させる。より具体的な実施態様では、疼痛の前記生理的指標は、個人における心拍数
ある。より具体的な実施態様では、前記個人における前記心拍数は、前記投与前の前記個
人における前記心拍数と比較すると前記投与後の方が低い。より具体的な別の実施態様で
は、疼痛の前記生理的指標は、前記個人の収縮期圧である。より具体的な実施態様では、
前記個人の前記収縮期圧は、前記投与前の前記個人における前記収縮期圧と比較すると前
記投与後の方が低い。より具体的な別の実施態様では、疼痛の前記生理的指標は、前記個
人の拡張期圧である。より具体的な実施態様では、前記個人の前記拡張期圧は、前記投与
前の前記個人における前記拡張期圧と比較すると前記投与後の方が低い。

0006

疼痛を治療する方法の別の実施態様では、前記疼痛は、神経障害性疼痛である。具体的
実施態様では、前記神経障害性疼痛は、糖尿病性神経障害によって引き起こされる。別の
具体的実施態様では、前記神経障害性疼痛は、前記個人における神経に対する傷害によっ
て引き起こされる。別の具体的実施態様では、前記神経障害性疼痛は、薬物によって引き
起こされる。ある種の具体的実施態様では、前記薬物は、白金含有抗癌剤、例えば、オキ
リプラチン、カルボプラチン、若しくはシスプラチン、又は別の化学療法薬、例えばパ
クリキセル又はビンクリスチンなどである、又はこれらを含む。別の実施態様では、神
障害性疼痛は、ウイルス、例えば、水痘帯状疱疹ヘルペス(例えば単純ヘルペス)、又
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などのウイルス性疾患によって引き起こされる。さらに、
別の実施態様では、疼痛は、放射線障害、例えば、癌治療の一部である放射線障害によっ
て引き起こされる。別の具体的実施態様では、前記神経障害性疼痛は、炎症、例えば、神
経炎症、神経炎によって引き起こされる。

0007

疼痛を治療する方法の別の実施態様では、前記疼痛は、炎症性疼痛である。別の実施態
様では、前記疼痛は、骨痛である。具体的実施態様では、前記骨痛は、癌と関係がある又
は癌によって引き起こされる。別の実施態様では、前記疼痛は、癌によって引き起こされ
る。別の実施態様では、前記疼痛は、外陰部痛によって引き起こされる又は外陰部痛と関
係がある。別の実施態様では、前記疼痛は、間質性膀胱炎によって引き起こされる又は間
質性膀胱炎と関係がある。別の実施態様では、前記疼痛は、ステロイド療法応答しない
。別の実施態様では、前記疼痛は、非ステロイド性抗炎症療法に応答しない。別の実施態
様では、前記疼痛は、オピオイド療法に応答しない。別の実施態様では、前記疼痛は、オ
ピエート療法に応答しない。

0008

別の態様では、本明細書で提供されるのは、個人における疼痛を治療するのに使用する
ための、治療有効量の胎盤幹細胞、又は胎盤幹細胞によって条件付けされた培養培地であ
る。ここでは、治療有効量は、前記疼痛の検出可能な改善を引き起こすのに十分な量であ
る。一実施態様では、前記使用前の前記個人における疼痛の前記レベルと、前記使用後の
該個人における疼痛の前記レベルは、疼痛評価スケール、例えば、数値的疼痛強度スケ
ル;疼痛質的評価スケール;簡単記述疼痛強度スケール;視覚的アナログスケール;Wong-Bak
erフェイス疼痛評価スケール;FLACCスケール;CRIESスケール;又はCOMFORTスケールによっ
て決定される。別の実施態様では、前記使用前の前記個人における疼痛の前記レベルと、
前記使用後の該個人における疼痛の前記レベルは、疼痛の1以上の身体的指標によって決
定される。具体的実施態様では、疼痛の前記生理的指標は、個人における心拍数であり、
例えば、前記個人における前記心拍数は、前記使用前よりも前記使用後の方が低い。別の
具体的実施態様では、疼痛の前記生理的指標は、前記個人の収縮期圧であり、例えば、前
記個人における前記収縮期圧は、前記使用前よりも前記使用後の方が低い。別の具体的実
施態様では、疼痛の前記生理的指標は、前記個人の拡張期圧であり、例えば、前記個人に
おける前記拡張期圧は、前記使用前よりも前記使用後の方が低い。ある種の実施態様では
、前記疼痛は、神経障害性疼痛である。より具体的な実施態様では、前記神経障害性疼痛
は、糖尿病性神経障害によって引き起こされる。より具体的な実施態様では、前記神経障
害性疼痛は、前記個人における神経に対する傷害によって引き起こされる。より具体的な
別の実施態様では、前記神経障害性疼痛は、炎症によって引き起こされる。より具体的な
別の実施態様では、前記神経障害性疼痛は、薬物によって引き起こされる。より具体的な
実施態様では、前記薬物は、白金含有抗癌剤である、又は白金含有抗癌剤を含み、例えば
、白金含有抗癌剤は、オキサリプラチン、カルボプラチン、又はシスプラチンである、又
はこれらを含む。別の具体的実施態様では、前記薬物は、パクリタキセルである、又はパ
クリタキセルを含む。他の具体的実施態様では、前記疼痛は、炎症性疼痛、骨痛(例えば
、癌と関係がある又は癌によって引き起こされる骨痛)、癌によって引き起こされる疼痛
、外陰部痛によって引き起こされる又は外陰部痛と関係がある疼痛、間質性膀胱炎によっ
て引き起こされる又は間質性膀胱炎と関係がある疼痛、或いは変形性関節症などの変性
節疾患によって引き起こされる疼痛である。ある種の実施態様では、前記疼痛は、ステロ
イド療法に応答しない。ある種の他の実施態様では、前記疼痛は、非ステロイド性抗炎症
療法に応答しない。ある種の他の実施態様では、前記疼痛は、オピオイド療法に応答しな
い。ある種の他の実施態様では、前記疼痛は、非特異的又は混合型ミュー/デルタ-オピ
オイド療法に応答しない。

0009

先の実施態様のいずれかの具体的実施態様では、前記胎盤幹細胞は、CD10+、CD34-、及
びCD105+である。より具体的な実施態様では、前記胎盤幹細胞は、さらにCD200+でもある
、例えば、胎盤幹細胞は、CD10+、CD34-、CD105+、及びCD200+である。より具体的な実施
態様では、前記胎盤幹細胞は、さらにCD45-及びCD90+でもある。より具体的な実施態様で
は、前記胎盤幹細胞は、さらにCD80-及びCD86-でもある。他の具体的実施態様では、前記
胎盤幹細胞は、CD200を発現し、かつHLA-Gを発現しない;又はCD73、CD105、及びCD200を
発現する;又はCD200及びOCT-4を発現する;又はCD73及びCD105を発現し、かつHLA-Gを発現
しない。本明細書に記載する胎盤幹細胞のいずれかの具体的実施態様では、前記胎盤幹細
胞は、HLA-A、B、C+である。本明細書の実施態様のいずれかの具体的実施態様では、前記
胎盤幹細胞は、さらにOCT-4+でもある。ある種の実施態様では、前記胎盤幹細胞は、製剤
化されて局所的に投与される。ある種の他の実施態様では、前記胎盤幹細胞は、製剤化さ
れて、全身的に、例えば静脈内又は動脈内に投与される。

0010

(3.1定義)
本明細書で使用する場合、記述する数値に言及する場合の用語「約」は、記述するその
数値の±10%以内の値を示す。

0011

本明細書で使用する場合、用語「由来の」は、単離される又は単離とは別に精製される
ことを意味する。例えば、胎盤由来接着細胞は、胎盤から単離される。用語「由来の」
は、組織、例えば胎盤から直接単離された細胞から培養された細胞、及び、初代分離株
ら培養又は拡大された細胞を包含する。

0012

本明細書で使用する場合、「免疫局在決定」は、例えば、フローサイトメトリー蛍光
標識細胞分取磁気細胞分離インサイツハイブリダイゼーション免疫組織化学などに
おいて、免疫タンパク質、例えば抗体又はそのフラグメントを使用する、化合物、例えば
細胞性マーカーの検出を意味する。

0013

本明細書で使用する場合、用語「SH2」とは、マーカーCD105上のエピトープと結合する
抗体をいう。したがって、SH2+と称される細胞は、CD105+である。

0014

本明細書で使用する場合、用語「SH3」及び「SH4」とは、マーカーCD73上に存在するエ
ピトープと結合する抗体をいう。したがって、SH3+及び/又はSH4+と称される細胞は、CD7
3+である。

0015

本明細書で使用する場合、幹細胞は、該幹細胞と天然に関連する他の細胞の少なくとも
50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は少なくとも99%が、例えば幹細胞の収集及び/又は培
養中に幹細胞から取り出される場合に、「単離される」。「単離された」細胞の集団は、
その細胞の集団が由来する組織(例えば胎盤)の他の細胞から実質的に分離された細胞の集
団を意味する。いくつかの実施態様では、例えば幹細胞の集団は、該幹細胞の集団と天然
に関連する細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は少なくとも99%が、例
えば幹細胞の集団の収集及び/又は培養中に幹細胞の集団から取り出される場合に、「単
離される」。

0016

本明細書で使用する場合、用語「胎盤幹細胞」とは、初代培養後の継代数は関係なく、
組織培養基材(例えば、組織培養プラスチック又はフィブロネクチンコーティング組織
プレート)に接着する、哺乳類胎盤由来の、例えば哺乳類胎盤から単離される、幹細胞
又は前駆細胞をいう。しかし、本明細書で使用する場合の用語「胎盤幹細胞」は、この細
胞が当業者によって理解されている通り、栄養芽層も、細胞栄養芽層も、胚性生殖細胞
胚性幹細胞も指さない。細胞が、幹細胞の少なくとも1つの特性、例えば、1以上のタイ
プの幹細胞と関係があるマーカー又は遺伝子発現プロファイル;培養下で少なくとも10〜4
0回複製する能力;多分化能、例えば、インビトロインビボ、又はその両方で、3胚葉
うちの1以上の細胞に分化する能力;成体(すなわち分化した)細胞特性欠如;などを保持
する場合に、その細胞は「幹細胞」とみなされる。用語「胎盤幹細胞」と「胎盤由来の幹
細胞」は、互換的に使用することができる。本明細書で別に注記しない限り、用語「胎盤
」には、臍帯が含まれる。本明細書に開示する胎盤幹細胞は、ある種の実施態様では、イ
ビトロ多能性(すなわち、細胞は、分化条件下でインビトロで分化する)、インビボで
多能性(すなわち、細胞はインビボで分化する)、又はこれらの両方である。

0017

本明細書で使用する場合、幹細胞は、ある特定のマーカーが検出可能である場合、その
マーカーについて「陽性」である。例えば、胎盤幹細胞は、例えばCD73について陽性であ
る。何故なら、CD73は、(例えば、任意の所与アッセイについて、アイソタイプ対照
実験上の陰性対照と比較した場合に)バックグラウンドを検出可能に超える量で、胎盤
幹細胞上で検出可能であるからである。細胞はまた、あるマーカーを、少なくとも1種の
他の細胞型からその細胞を識別するために使用することができる場合、或いは、存在する
、又は細胞によって発現される場合に、その細胞を選択又は単離するために使用すること
ができる場合、そのマーカーについて陽性である。

0018

本明細書で使用する場合、「免疫調節」及び「免疫調節性の」は、免疫応答の検出可能
な変化を引き起こすこと又は引き起こす能力を有すること、及び、免疫応答の検出可能な
変化を引き起こす能力を意味する。

図面の簡単な説明

0019

(4.図面の簡単な説明)
図1は、神経障害性疼痛モデルにおける疼痛の軽減におけるCD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞、ビヒクル、又はギャバペンチン(GBP)の効力を示す。X軸:条件;Y軸:Von Frey Filament Assortmentアッセイによる感受性(異痛症)の改善。「D」:第〜日。GBP:ギャバペンチン。MPK:ミリグラム/キログラムBL:基準。

0020

図2は、神経障害性疼痛動物モデルにおける、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞(1×106、3×106、又は10×106細胞/投与)、ビヒクル、又はギャバペンチン(GBP)の投与によってもたらされる全体的疼痛緩和(Total Pain Relief)(TOPAR)の程度を示す。アスタリスクは、ビヒクル投与単独と比較した場合の有意な結果を示す。

0021

図3Aは、26gの力のVon Freyファイバーによって測定される、機械的異痛症に対するCD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞の効果を示す。(A):4×106胎盤幹細胞(四角形)及びビヒクル(菱形)の投与後の、同側の肢での後足引っ込み頻度。*P<0.05(ビヒクルに対して)。
図3Bは、26gの力のVon Freyファイバーによって測定される、機械的異痛症に対するCD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞の効果を示す。(B):4×106胎盤幹細胞(四角形)及びビヒクル(直線)の投与後の、反対側の肢での後足引っ込み頻度。
図3Cは、26gの力のVon Freyファイバーによって測定される、機械的異痛症に対するCD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞の効果を示す。(C):同側の肢での、機械的異痛症の軽減に対する胎盤幹細胞の用量依存的効果。*P<0.05;**p<0.01(ビヒクルに対して)。図3Cについては、第1のバー(一番左)はビヒクルを表し;第2のバーは4×106胎盤幹細胞を表し;第3のバーは1×106胎盤幹細胞を表し;第4のバー(一番右)は4×105胎盤幹細胞を表す。
図3Dは、26gの力のVon Freyファイバーによって測定される、機械的異痛症に対するCD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞の効果を示す。(D):疼痛軽減応答動物の割合に対する胎盤幹細胞の用量依存的効果。図3Dについては、第1のバー(一番左)はビヒクルを表し;第2のバーは4×106胎盤幹細胞を表し;第3のバーは1×106胎盤幹細胞を表し;第4のバー(一番右)は4×105胎盤幹細胞を表す。

0022

図4Aは、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞が、第4日の排出リンパ節での樹状細胞動員活性化、及び分化を抑制することを実証する。胎盤幹細胞治療群は、CD11c、CD86、及びCD80遺伝子発現を低下させた。*P<0.05(ビヒクルに対して)。図4Aについては、第1のバー(一番左)はビヒクルを表し;第2のバー(一番右)は胎盤幹細胞を表す。
図4Bは、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞が、第4日の排出リンパ節での樹状細胞の動員、活性化、及び分化を抑制することを実証する。胎盤幹細胞治療群は、IL-12遺伝子発現を低下させた。**p<0.01(ビヒクルに対して)。図4Bについては、第1のバー(一番左)はビヒクルを表し;第2のバー(一番右)は胎盤幹細胞を表す。

0023

図5Aは、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞が、T細胞活性化を抑制することを実証する。胎盤幹細胞治療群は、第4日の排出リンパ節でのCD3及びCD69遺伝子発現を低下させた。*P<0.05(ビヒクルに対して)。図5Aについては、第1のバー(一番左)はビヒクルを表し;第2のバー(一番右)は胎盤幹細胞を表す。
図5Bは、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞が、T細胞分化調節及びサイトカインプロファイルを抑制することを実証する。胎盤幹細胞治療群は、第4日の排出リンパ節でのIFNγ遺伝子発現を有意に低下させた。**p<0.01(ビヒクルに対して)。図5Bについては、第1のバー(一番左)はビヒクルを表し;第2のバー(一番右)は胎盤幹細胞を表す。
図5Cは、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞が、T細胞分化調節及びサイトカインプロファイルを抑制することを実証する。胎盤幹細胞治療群は、第4日の排出リンパ節でのIL-10遺伝子発現を増大させたが、IL-17遺伝子発現を低下させた。*P<0.05(ビヒクルに対して)。図5Cについては、第1のバー(一番左)はビヒクルを表し;第2のバー(一番右)は胎盤幹細胞を表す。

0024

図6Aは、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞(PSC)が、第8日での同側の坐骨神経におけるIL-17mRNA発現を抑制することを実証する。*P<0.05(ビヒクルに対して)。
図6Bは、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞(PSC)が、第8日での同側の坐骨神経におけるIL-17タンパク質発現を抑制することを実証する。

0025

図7Aは、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞が、第8日での同側の坐骨神経への免疫細胞浸潤を抑制することを実証する。胎盤幹細胞は、マクロファージの浸潤(Emr1)及び活性化(CD68)を抑制した。*P<0.05(ビヒクルに対して)。図7Aについては、第1のバー(一番左)はビヒクルを表し;第2のバー(一番右)は胎盤幹細胞を表す。
図7Bは、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞が、第8日での同側の坐骨神経への免疫細胞浸潤を抑制することを実証する。胎盤幹細胞は、樹状細胞の浸潤(CD11c)及び活性化(CD80、IL-12b)を抑制した。*P<0.05(ビヒクルに対して)。図7Bについては、第1のバー(一番左)はビヒクルを表し;第2のバー(一番右)は胎盤幹細胞を表す。
図7Cは、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞が、第8日での同側の坐骨神経への免疫細胞浸潤を抑制することを実証する。胎盤幹細胞は、T細胞の浸潤(CD3d)及び活性化(CD69)を抑制した。*P<0.05(ビヒクルに対して)。図7Cについては、第1のバー(一番左)はビヒクルを表し;第2のバー(一番右)は胎盤幹細胞を表す。
図7Dは、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞が、第8日での同側の坐骨神経への免疫細胞浸潤を抑制することを実証する。坐骨神経単細胞懸濁液のフローサイトメトリー分析は、胎盤幹細胞が、T細胞(CD3)及びマクロファージ(ED2)の浸潤を抑制することを示した。*P<0.05(ビヒクルに対して)。図7Dについては、第1のバー(一番左)はナイーブ細胞を表し;中央のバーはビヒクルを表し;第3のバー(一番右)は胎盤幹細胞を表す。

0026

図8A〜8Lは、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞が、第8日での同側の坐骨神経への炎症性浸潤を抑制することを実証する。正常な、ビヒクル治療された、及び胎盤幹細胞治療された動物における、H&E染色(A〜C)、CD68(D〜F)、CD8(G〜I)、及びCD4(J〜L)。矢印は、A、B、及びCにおいて神経周膜を示し;アスタリスクは、神経上膜を示す。拡大率100×、スケールバー200mM。

0027

図9は、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞が、第8日での同側の坐骨神経におけるCCL2、CCL12、及びCXCL1のmRNA発現を抑制することを実証する。第1のバー(一番左)はビヒクルを表し;第2のバー(一番右)は胎盤幹細胞を表す。

0028

図10Aは、基準、神経傷害処置後(第6日)、及び治療後(D10、D16、D25、及びD30)の、ラットの足に対する26g刺激に対する応答数を示す。CCIによって誘発された疼痛に関して、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞投与後に、有意な疼痛軽減が認められた。
図10Bは、基準、神経傷害処置後(第6日)、及び治療後(D10、D16、D25、及びD30)の、ラットの足に対する26g刺激に対する応答数を示す。反対側の足に対する効果を示す。
図10Cは、基準、神経傷害処置後(第6日)、及び治療後(D10、D16、D25、及びD30)の、ラットの足に対する26g刺激に対する応答数を示す。CCIによって誘発された疼痛に関して、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞投与後の有意な疼痛軽減が認められた。
図10Dは、基準、神経傷害処置後(第6日)、及び治療後(D10、D16、D25、及びD30)の、ラットの足に対する26g刺激に対する応答数を示す。反対側の足に対する効果を示す。

0029

図11Aは、基準(BL)、神経傷害処置後(第7日)、及び治療後(D11、D21、D26、及びD34)の、ラットが回転するロッドにとどまり続けることができる持続期間(最大180秒)を示す。(A)静脈内(IV)治療されたCD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞、及び対照群
図11Bは、基準(BL)、神経傷害処置後(第7日)、及び治療後(D11、D21、D26、及びD34)の、ラットが回転するロッドにとどまり続けることができる持続期間(最大180秒)を示す。(B)筋肉内(IM)治療されたCD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞、及び対照群。

0030

(5.詳細な説明)
(5.1疼痛の治療の方法)
本明細書に記載するのは、疼痛を治療する方法であって、胎盤由来の細胞(例えば胎盤
幹細胞、例えば、下の5.4節に記載する又は下の実施例7に記載するように調整される胎盤
幹細胞)の投与を含む前記方法である。具体的実施態様では、本明細書に記載する疼痛を
治療するための方法に使用される胎盤幹細胞は、CD10+、CD34-、CD105+、及びCD200+であ
る。他の具体的実施態様では、本明細書に記載する疼痛を治療するための方法に使用され
る胎盤幹細胞は、ELOVL2、ST3GAL6、ST6GALNAC5、及び/又はSLC12A8遺伝子を、同等数のB
M-MSCによる前記遺伝子の発現よりも検出可能に高いレベルで発現する。ある種の実施態
様では、本明細書に記載する方法に使用される胎盤幹細胞は、CPA4、TCF21、及び/又はVT
N遺伝子を、同等数のBM-MSCによる前記遺伝子の発現よりも検出可能に高いレベルで発現
する。ある種の実施態様では、本明細書に記載する方法に使用される胎盤幹細胞は、B4GA
LT6、FLJ10781、及び/又はNUAK1遺伝子を、同等数のBM-MSCによる前記遺伝子の発現より
も検出可能に高いレベルで発現する。具体的実施態様では、前記胎盤幹細胞は、C11orf9
遺伝子を、同等数のBM-MSCによる前記遺伝子の発現よりも検出可能に高いレベルで、さら
に発現する。

0031

(5.1.1疼痛を治療する方法)
疼痛は一般に、実際の若しくは潜在的な組織損傷と関係がある又はこうした損傷に関し
て記載された、不快な感覚的及び情緒的経験と定義される。Merskey H、Bogduk N編、「
慢性疼痛分類(Classification of Chronic Pain)」、国際疼痛学会(International Ass
ociation for the Study of Pain)(IASP)「Task Force on Taxonomy」、IASP Press:Seat
tle、209-214、1994。疼痛の知覚は、非常に主観的であるので、診断する及び有効に治療
するのが最も難しい病態の一つである。

0032

一態様では、本明細書で提供されるのは、疼痛を有する個人を治療する方法であって、
治療有効量の胎盤幹細胞、又は胎盤幹細胞によって条件付けされた培養培地を、該個人に
投与することを含む前記方法である。ここでは、治療有効量は、前記疼痛又は前記疼痛と
関係がある症状の検出可能な改善を引き起こすのに十分な量である。一実施態様では、前
記方法は、前記胎盤幹細胞の投与前の前記個人における疼痛の第1のレベルを決定するこ
とと、前記胎盤幹細胞の投与後の前記個人における疼痛の第2のレベルを決定することと
をさらに含む。ここでは、前記治療有効量の胎盤幹細胞は、前記疼痛の前記第2のレベル
を、疼痛の前記第1のレベルよりも低下させる。

0033

ある種の実施態様では、治療有効量の胎盤幹細胞は、投与された場合、プラセボの投与
よりも大きな又は長時間の、個人における疼痛の改善をもたらす。

0034

ある種の実施態様では、疼痛は、侵害受容性疼痛である。侵害受容性疼痛は一般的に、
組織傷害、疾患、又は炎症後に、炎症ケミカルメディエーターなどの侵害刺激物質が放出
され、かつ感覚受容器(侵害受容器)に正常に作用することによって傷害の部位で検出され
た場合に誘発される。例えば、Koltzenburgの文献、M.Clin.J.of Pain 16:S131-S138(200
0)を参照のこと。侵害受容性疼痛の原因の例としては、限定はされないが、化学的又は温
度による熱傷、皮膚の切り傷及び打撲、変形性関節症、関節リウマチ腱炎、及び筋筋膜
痛が挙げられる。ある種の実施態様では、侵害受容性疼痛は、炎症によって刺激される。

0035

ある種の他の実施態様では、疼痛は、神経障害性疼痛である。神経障害性疼痛は、神経
系の傷害又は障害を反映し、「神経系における原発性病変又は機能障害によって開始す
る又は引き起こされる疼痛」と定義されている。Merskey H、Bogduk N編、「慢性疼痛の
分類(Classification of Chronic Pain)」、国際疼痛学会(International Association f
or the Study of Pain)(IASP)「Task Force on Taxonomy」、IASP Press:Seattle、209-2
14、1994。具体的実施態様では、神経障害性疼痛は、末梢ニューロン興奮性の変化を特
徴とする。他の具体的実施態様では、神経障害性疼痛としては、限定はされないが、糖尿
病性神経障害ヘルペス後神経痛三叉神経痛、炎症(例えば、神経炎症、神経炎)、及び
脳卒中後疼痛と関係がある疼痛が挙げられる。ある種の実施態様では、神経障害性疼痛は
、継続的、突発的であり、例えば、灼熱痛、チクチクする痛み、穿痛、走るような痛み(s
hooting)、電撃痛刺痛締め付けられるような痛み、深部の疼く痛み、又は痙攣性と記
載される。ある種の他の実施態様では、神経障害性疼痛を有する個人は、部分的又は完全
感覚消失、異常な又は不慣れ不快感(感覚異常)、非侵害刺激物質に由来する疼痛、又
閾上刺激(痛覚過敏)に応答する疼痛の不均衡な知覚をさらに感じる。

0036

別の具体的実施態様では、神経障害性疼痛は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)である。具
体的実施態様では、CRPSは、神経傷害がない場合に四肢に影響を与える(CRPSI型)。より
具体的な実施態様では、前記CRPS I型には、反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)が含
まれる。より具体的な実施態様では、前記RSDは、ステージI RSD又は「早期RSD」である
。早期RSDでは、疼痛は、傷害から予測されるよりも深刻であり、痛みの質は、焼ける
うな又は疼く痛みである。この痛みは、四肢、物理的接触、又は情緒不安に依存して増大
する可能性がある。罹患部位は一般的に、浮腫状となり、高体温又は低体温であり得、爪
及び体毛成長の増大を示す可能性がある。放射線写真では、早期骨変性が示される可能
性がある。より具体的な別の実施態様では、前記RSDは、ステージII RSD又は「確立され
たRSD」である。より具体的な実施態様では、前記確立されたRSDは、疼痛に加えて、浮腫
組織の硬結;網状皮斑又はチアノーゼを伴う皮膚の多汗;脱毛;爪の隆起割れ、又は脆弱
化;手の乾燥の進行;及び/又は皮膚及び皮下組織の顕著な萎縮を含む。疼痛が、依然とし
て主な特徴のままである。より具体的な別の実施態様では、前記RSDは、ステージIII RSD
又は「後期RSD」である。より具体的な実施態様では、前記後期RSDは、近位に広がる疼痛
;不可逆的な組織損傷;光沢のある薄い皮膚;及び放射線写真で可視化される骨脱灰を含む

0037

別の具体的実施態様では、神経障害性疼痛は、薬物、例えば、化学療法薬又は抗癌剤に
よって引き起こされる疼痛である。具体的実施態様では、薬物は、白金含有薬物、タキサ
ン、エポチロン、植物アルカロイド、又はサリドマイドである、又はこれらを含む。より
具体的な実施態様では、薬物は、ボルテゾミブ、カルボプラチン(例えばPARAPLATIN(登録
商標))、シスプラチン(例えばPLATINOL(登録商標))、シタラビン(例えば、CYTOSAR(登録
商標)、Ara-C)、ドセタキセル(例えばTAXOTERE(登録商標))、エトポシド/VP-16(VEPESID(
登録商標))、ゲムシタビン(例えばGEMZAR(登録商標))、HALAVEN(登録商標)(メシル酸エリ
ブリン)、ヘキサメチルメラミン(例えばHEXALIN(登録商標))、パクリタキセル(例えばTAX
OL(登録商標);ABRAXANE(商標))、オキサリプラチン(例えばELOXATIN(登録商標))、スラ
ン、サリドマイド(例えばTHALOMID(登録商標))、ビンブラスチン(例えばVELBAN(登録商標
);ALKABAN-AQ(登録商標))、ビンクリスチン(例えば、ONCOVIN(登録商標)、VINCASAR PFS(
登録商標)、Vincrex)、又はビノレルビン(NAVELBINE(登録商標))である、又はこれらを含
む。

0038

ある種の他の具体的実施態様では、薬物は、抗生物質である。ある種の他の実施態様で
は、薬物は、スタチンである。

0039

ある種の他の具体的実施態様では、薬物は、アムロジピン(例えば、NORVASC(登録商標)
、Lotril、又はLotrel)、アトルバスタチン(例えばLIPITOR(登録商標))、デュロキセチン
(例えばCYMBALTA(登録商標))、プレガバリン(LYRICA(登録商標))、アロプリノール(例え
ば、LOPURIM(登録商標)、ZYLOPRIM(登録商標))、アミノピンバーグレート(aminodipinb
erglate)、アミオダロン(例えば、CORDERONE(登録商標)、PACERONE(登録商標))、アミ
ピン(amiodipine)、アミトリプチリン(例えば、ELAVIL(商標)、ENDEP(商標)、VANATRIP
(商標))、メトロニダゾール(例えば、FLAGYL(登録商標)、METROGEL(商標))、ニトフラ
トイン(例えば、FURADANTIN(登録商標)、MACROBID(登録商標)、MACRODANTIN(登録商標)
、NITRO MACRO)、ペルヘキシリン、VYTORIN(登録商標)、シプロフロキサシン(例えば、CI
PRO(登録商標)、PROQUIN(登録商標))、ジスルフィラム(例えばANTABUSE)、ゾルピデム(例
えばAMBIEN(登録商標))、ブスピロン(例えばBUSPAR)、クロナゼパム(例えば、KLONOPIM、
CEBERKLON、VALPAX)、アラプラゾラム(alaprazolam)(例えばXANAX(登録商標))、フェニト
イン(DILANTIN(登録商標))、シタロプラム(例えばCELEXA)、デュロキセチン(例えばCYMBA
LTA(登録商標))、ベンラキサフィン(venlaxafine)(例えば、EFFEXOR、EFFEXOR XR(登録商
標))、ノルトリプチリン(例えば、AVENTYL HCL、PAMELOR)、セルトラリン(例えばZOLOFT(
登録商標))、パロキセチン(例えば、PAXIL、PAXIL CR(登録商標))、アテノロール(例えば
、TENORMIN、SENORMIN)、ペリンドプリル(例えばACEON)、アルテース(例えばRAMIPRIL(登
録商標))、ロサルタン(例えば、COZAAR(登録商標)、HYZAAR(登録商標))、ヒドララジン(
例えばAPRESOLINE(登録商標))、ヒドロクロロチアジド(例えば、HYDRODIURIL(商標)、EZI
DE(商標)、HYDRO-PAR(商標)、MICROZIDE(商標))、リシノプリル(例えば、PRINOVIL(登録
商標)、ZESTRIL(登録商標))、テルミサルタン(例えばMICARDIS(商標))、ペルヘキシリン
プラゾシン(例えばMINIPRESS(登録商標))、リシノプリル(例えば、PRINIVIL(登録商標)
、ZESTRIL(登録商標))、ロバスタチン(例えば、ALTOCOR(登録商標)、MEVACOR(登録商標))
CADUET(登録商標)、ロスバタチン(rosuvatatin)(例えばCRESTOR(登録商標))、フルバス
タチン(例えば、LESCOL(登録商標)、LESCOL(登録商標)XL)、シンバスタチン(例えばZOCOR
(登録商標))、セリバスタチン(例えばLIPOBAY(商標))、ゲムフィブロジル(例えばLOPID(
登録商標))、プラバスタチン(例えば、PRAVACHOL(登録商標)、PRAVIGARD PAC(商標))、d4
T(スタブジン、例えばZERIT(登録商標))、ddC(ザルシチビン(zalcitibine);例えばHIVID(
登録商標))、ddI(ジダノシン、例えばVIDEX(登録商標)EC)、イソニアジド(例えばTUBIZID
(登録商標))、ジアミノジフェニルスルホン(DDS、ダプソン)である、又はこれらを含む。

0040

ある種の実施態様では、神経障害性疼痛は、薬物、例えば、化学療法薬又は抗癌剤によ
って引き起こされる疼痛ではない。具体的実施態様では、神経障害性疼痛は、白金含有薬
物、タキサン、エポチロン、植物アルカロイド、又はサリドマイドによって引き起こされ
る疼痛ではない。より具体的な実施態様では、神経障害性疼痛は、ボルテゾミブ、カルボ
プラチン(例えばPARAPLATIN(登録商標))、シスプラチン(例えばPLATINOL(登録商標))、シ
タラビン(例えば、CYTOSAR(登録商標)、Ara-C)、ドセタキセル(例えばTAXOTERE(登録商標
))、エトポシド/VP-16(VEPESID(登録商標))、ゲムシタビン(例えばGEMZAR(登録商標))、H
ALAVEN(登録商標)(メシル酸エリブリン)、ヘキサメチルメラミン(例えばHEXALIN(登録商
標))、パクリタキセル(例えばTAXOL(登録商標);ABRAXANE(商標))、オキサリプラチン(例
えばELOXATIN(登録商標))、スラミン、サリドマイド(例えばTHALOMID(登録商標))、ビン
ブラスチン(例えばVELBAN(登録商標);ALKABAN-AQ(登録商標))、ビンクリスチン(例えば、
ONCOVIN(登録商標)、VINCASAR PFS(登録商標)、Vincrex)、又はビノレルビン(NAVELBINE(
登録商標))によって引き起こされる疼痛ではない。

0041

別の具体的実施態様では、前記CRPSは、神経傷害が存在する場合に四肢に影響を与える
(CRPSII型)。より具体的な実施態様では、前記CRPS IIには、灼熱痛が含まれる。別の具
体的実施態様では、前記CRPSには、交感神経関与疼痛症候群が含まれる。ある種の実施
態様では、CRPSの症状としては、限定はされないが、疼痛、自律神経障害、浮腫、運動
害、ジストロフィー、萎縮、灼熱痛、異痛症(軽い触覚刺激を伴う疼痛)が挙げられる。あ
る種の実施態様では、CRPS関連の疼痛は、腫脹及び関節圧痛発汗増大、温度過敏、及び
/又は皮膚の色変化を伴う。

0042

ある種の他の具体的実施態様では、神経障害性疼痛は、栄養欠乏によって引き起こされ
る又は栄養欠乏に関連する神経障害性疼痛である。より具体的な実施態様では、栄養欠乏
は、ビタミンB12(コバラミンシアノコバラミン)欠乏である。より具体的な別の実施態
様では、栄養欠乏は、ビタミンB6(ピリドキシンリン酸ピリドキサール)欠乏である。よ
り具体的な別の実施態様では、栄養欠乏は、ビタミンB1(チアミン)欠乏である。別の具体
的実施態様では、栄養不足によって引き起こされる神経障害性疼痛を有する個人は、肥満
外科手術を受けている。別の具体的実施態様では、神経障害性疼痛は、アルコール依存
は疼痛を有する個人によるアルコールの摂取によって引き起こされる又はこれに関連する

0043

ある種の実施態様では、疼痛は、外陰部痛によって引き起こされる又は外陰部痛と関係
がある。外陰部痛は、外陰部の疼痛、例えば、外陰部若しくは感染症又は皮膚疾患
よって説明できない疼痛である。一実施態様では、外陰部痛の疼痛は、外陰部領域に、例
えば、前庭領域内に局在している(外陰部前庭炎又は外陰部痛など)。別の実施態様では、
外陰部痛の疼痛は、陰核まで及ぶ可能性がある(例えば陰核痛(clitorodynia))。外陰部痛
の原因の例としては、限定はされないが、性交疼痛症、外陰部を神経支配する神経への傷
害又は該神経の刺激、炎症に対する遺伝的素因アレルギー自己免疫異常(例えば、エ
リテマトーデス又はシェーグレン症候群)、感染症(例えば、酵母感染、HPV、又は細菌性
膣症)、及び神経障害が挙げられる。外陰部痛の例示的症状としては、限定はされないが
、外陰部、大陰唇小陰唇、若しくは前庭の又はこれらの周囲の拡散痛又は灼熱感覚が挙
げられる。

0044

ある種の実施態様では、疼痛は、間質性膀胱炎によって引き起こされる又は間質性膀胱
炎と関係がある。間質性膀胱炎は、膀胱疼痛症候群としても公知であり、例えば、膀胱と
関係がある疼痛若しくは圧迫排尿に伴う疼痛、排尿時刺激、尿意頻数尿意切迫、又は
骨盤内の疼痛若しくは圧迫をしばしば特徴とする、慢性の状態である。間質性膀胱炎の病
理及び病因は、明確には理解されていない。しかし、可能性のあるいくつかの原因、例え
ば、血管閉塞、自己免疫、炎症、漏出性膀胱内膜、肥満細胞ストレス、並びに遺伝的
神経性、及び内分泌的原因が提案されている。一実施態様では、間質性膀胱炎の診断は
、例えば、骨盤痛(Pelvic Pain)・尿意切迫(Urgency)/頻尿(Frequency)(PUF)患者調査
又はKCl試験(カリウム感受性試験としても知られている)によって行うことができる。

0045

ある種の他の実施態様では、疼痛は、内臓痛である。

0046

ある種の他の実施態様では、疼痛は、手術中にもたらされた組織への外傷に起因する疼
痛などの術後疼痛である。

0047

ある種の他の実施態様では、疼痛は、混合性疼痛、例えば、侵害受容性要素と神経障害
性要素とを有する慢性の疼痛である。具体的実施態様では、前記混合性疼痛は、癌疼痛
腰痛である。

0048

ある種の他の実施態様では、疼痛は、偏頭痛、又は頭痛、例えば、血管性頭痛群発
痛、若しくは中毒性頭痛(toxic headache)による疼痛である。

0049

具体的実施態様では、疼痛と関係がある前記症状としては、限定はされないが、自律
経障害、動作開始不可能、虚弱振戦筋痙攣ジストニア、ジストロフィー、萎縮、浮
腫、硬直、関節圧痛、発汗増大、温度過敏、軽い触覚刺激(異痛症)、皮膚の色変化、高体
温又は低体温、爪及び体毛の成長の増大、早期骨変性、網状皮斑又はチアノーゼを伴う多
症、脱毛、爪の隆起、割れ、又は脆弱化、手の乾燥、びまん性骨粗鬆症、不可逆的な組
織損傷、光沢のある薄い皮膚、関節拘縮、及び著しい骨脱灰のうちの1つ以上が挙げられ
る。

0050

ある種の実施態様では、本明細書に記載する方法に従って、ある個人に胎盤幹細胞を投
与することによって、疼痛の治療に指示される/使用される1種以上の薬物(例えばギャバ
ペンチン)と関係がある副作用が伴われずに、該個人における疼痛の軽減がもたらされる
。具体的実施態様では、本明細書に記載する方法に従う胎盤幹細胞の使用によって、その
胎盤幹細胞が投与される個人における疼痛の軽減がもたらされるが、前記個人における感
覚及び/又は運動協調の欠如はもたらされない。

0051

(5.1.2疼痛評価スケール)
一実施態様では、疼痛を有する個人に投与される胎盤幹細胞の治療有効量は、該個人に
おける疼痛の検出可能な軽減をもたらす量である。この軽減は、個人に対して検出可能、
又は観察者に対して検出可能、又はその両方であり得る。本明細書で提供される治療の方
法の、ある実施態様では、個人における疼痛のレベルは、例えば、1以上の個人用疼痛ス
ケールに従って、医師によって指導される通りに、又は治療前精密検査の一部として、該
個人によって評価される。ある種の他の実施態様では、個人における疼痛のレベルは、1
以上の観察者用疼痛スケールを使用して、観察者によって評価される。疼痛のレベルが、
胎盤幹細胞の投与の前と後に、該方法に従って評価される場合、各評価について、同じス
ケールが使用されることが好ましい。個人における疼痛は、胎盤幹細胞の投与前に1回又
は1回以上、例えば、2、3、4、又は5回、及び、胎盤幹細胞の投与後に1回又は1回以上、
例えば、2、3、4、又は5回、評価することができる。

0052

一実施態様では、個人における疼痛は、0〜10の数値的疼痛強度スケールによって評価
される。このスケールでは、0は疼痛なしに相当し、10は最も酷い疼痛に相当する。ある
種の実施態様、例えば疼痛質的評価スケールでは、疼痛は、2以上の数値的記述子、例え
ば、疼痛がどの程度「熱く」感じられるかについて0〜10、疼痛がどの程度「強く」感じ
られるかについて0〜10、疼痛がどの程度「鋭く」感じられるかについて0〜10、疼痛がど
の程度「鈍く」感じられるかについて0〜10、疼痛がどの程度「冷たく」感じられるかに
ついて0〜10、疼痛がどの程度「鋭敏に」感じられるかについて0〜10、疼痛がどの程度「
圧痛的に」感じられるかについて0〜10、疼痛がどの程度「むずむず」感じられるかにつ
いて0〜10、疼痛がどの程度「走るように」感じられるかについて0〜10、疼痛がどの程度
麻痺的に」感じられるかについて0〜10、疼痛がどの程度「チクチク」感じられるかに
ついて0〜10、疼痛がどの程度「電撃的に」感じられるかについて0〜10、疼痛がどの程度
筋肉収縮的に」感じられるかについて0〜10、疼痛がどの程度「ズキズキ」感じられる
かについて0〜10、疼痛がどの程度「放散的に」感じられるかについて0〜10、疼痛がどの
程度「疼くように」感じられるかについて0〜10、疼痛がどの程度「重く」感じられるか
について0〜10、及び/又は疼痛がどの程度「不快に」感じられるかについて0〜10に分類
される。

0053

別の実施態様では、個人における疼痛は、簡単記述疼痛強度スケールによって評価され
る。このスケールでは、疼痛は、例えば「疼痛なし」、「穏やかな疼痛」、「中程度の疼
痛」、「激しい疼痛」、「非常に激しい疼痛」、又は「想像できる最も酷い疼痛」と記載
される。

0054

別の実施態様では、個人における疼痛は、視覚的アナログスケールによって評価される
。視覚的アナログスケールでは、個人に、垂直線から構成されているグラフ(線の片方
端には「疼痛なし」と表示され、もう一方の端には「想像できる最も酷い疼痛」と表示さ
れている)が渡される。個人は、線上の2つの端の間の、個人が認識する疼痛のレベルを示
す点に印を付けるように言われる。

0055

別の実施態様では、個人における疼痛は、Wong-Bakerフェイス疼痛評価スケールによっ
て評価される。Wong-Bakerフェイス疼痛評価スケールでは、疼痛のレベルは、一連漫画
の顔、一般的に、幸せそうに見える顔から、より不幸に見える顔まで段階的に、6つの顔
によって示される。具体的実施態様では、顔には、「痛くない」、「わずかに痛い」、「
もう少し痛い」、「さらに痛い」、「かなり痛い」、及び「これ以上ない痛み」などの語
文字が付けられる。別の具体的実施態様では、顔には、「疼痛なし」、「穏やかな、
気に障る疼痛」、「治まらない、不快な、厄介な疼痛」、「辛い、ひどい疼痛」、「激し
い、恐ろしい、とてもひどい疼痛」、及び「想像できる最も酷い、耐えられない、猛烈な
疼痛」などの語句で文字が、単独で、又は数値的な0から10までのスケールと共に付けら
れる。

0056

ある種の実施態様では、個人における疼痛は、FLACC(顔、脚、活動性泣き声、及び機
嫌)スケールによって評価される。具体的実施態様では、5つの特徴のそれぞれが、例えば
0から2(2は疼痛を示し、0は疼痛なしを示す)で評価される。これらのスコアは、別々に、
又は総合的に使用することができる。

0057

ある種の他の実施態様では、個人における疼痛は、CRIES(啼泣、O2飽和(ヘモグロビン
飽和)のためのO2の必要性、バイタルサイン(血圧及び心拍数)の上昇、表情、及び不眠)ス
ケールによって評価される。具体的実施態様では、5つの特徴のそれぞれが、例えば0から
2(2は疼痛を示し、0は疼痛なしを示す)で評価される。これらのスコアは、別々に、又は
総合的に使用することができる。

0058

ある実施態様では、個人における疼痛は、それぞれ1〜5のスケール(1は疼痛なし又は最
小の疼痛を示し、5は最大の疼痛を示す)で評価される9つの異なる特性(意識状態平静
呼吸応答性、啼泣、体動筋緊張、表情の緊張、血圧、及び心拍数)を評価するCOMFORT
スケールによって評価される。これらのスコアは、別々に、又は総合的に使用することが
できる。

0059

(5.1.3疼痛の生理的指標)
本明細書で使用する場合、「疼痛の治療」及び類似の表現は、疼痛を完全に排除するこ
と;疼痛に悩む個人による疼痛の顕著な軽減;客観的基準(例えば、心拍数、血圧、筋緊張
など)による疼痛又は疼痛の徴候の検出可能な軽減;又は3つのうちの任意の2つ又はすべて
の組み合わせを含むことができる。ある種の他の実施態様では、個人における疼痛は、生
理学的基準、例えばストレスの生理学的基準によって、胎盤幹細胞の投与の前及び後又
その両方で評価することができる。こうした生理学的基準には、心拍数又は血圧などの客
観的に測定可能な基準、例えば、個人における疼痛がない状態と比較した場合の、又は予
想される標準(例えば、収縮期圧120及び拡張期圧80;60拍/分)と比較した場合の、心拍数
又は血圧の上昇が含まれ得る。こうした生理学的基準には、さらに又は代わりに、顔の表
情、筋肉伸長(筋緊張)、発汗、震えなどの、主観的に測定可能な基準も含まれ得る。

0060

したがって、ある種の実施態様では、疼痛を有する個人に投与される治療有効量の胎盤
幹細胞は、該個人における心拍数の検出可能な減少、例えば、5%、10%、15%、20%、25%、
30%、35%、40%、45%、又は50%の減少;心拍数の120拍/分(bpm)又はそれ以上から110bpm未
満までの減少;110bpm又はそれ以上から100bpm未満までの減少;100bpm又はそれ以上から90
bpm未満までの減少;90bpm又はそれ以上から80bpm未満までの減少;120bpm又はそれ以上か
ら100bpm未満までの減少;超から90bpm未満までの減少;100bpm超から80bpm未満までの減少
;130bpm超から100bpm未満までの減少;120bpm超から90bpm未満までの減少;110bpmから80bp
m未満までの減少;又は120bpm又はそれ以上から80bpm未満までの減少をもたらす。

0061

ある種の他の実施態様では、治療有効量の胎盤幹細胞は、疼痛を有する個人に投与され
た場合、該個人における血圧の検出可能な低下、例えば、個人の収縮期圧、拡張期圧、又
は両方の5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%の低下;個人の収縮期圧
の200又はそれ以上から190未満までの低下;190又はそれ以上から180未満までの収縮期圧
の低下;180又はそれ以上から170未満までの収縮期圧の低下;170又はそれ以上から160未満
までの収縮期圧の低下;160又はそれ以上から150未満までの収縮期圧の低下;150又はそれ
以上から140未満までの収縮期圧の低下;140又はそれ以上から130未満までの収縮期圧の低
下;200又はそれ以上から180未満までの収縮期圧の低下;190又はそれ以上から170未満まで
の収縮期圧の低下;180又はそれ以上から160未満までの収縮期圧の低下;170又はそれ以上
から150未満までの収縮期圧の低下;160又はそれ以上から140未満までの収縮期圧の低下;1
50又はそれ以上から130未満までの収縮期圧の低下;200又はそれ以上から170未満までの収
縮期圧の低下;190又はそれ以上から160未満までの収縮期圧の低下;180又はそれ以上から1
50未満までの収縮期圧の低下;170又はそれ以上から140未満までの収縮期圧の低下;160又
はそれ以上から130未満までの収縮期圧の低下;200又はそれ以上から160未満までの収縮期
圧の低下;190又はそれ以上から150未満までの収縮期圧の低下;180又はそれ以上から140未
満までの収縮期圧の低下;200又はそれ以上から130未満までの収縮期圧の低下;200又はそ
れ以上から150未満までの収縮期圧の低下;190又はそれ以上から140未満までの収縮期圧の
低下;180又はそれ以上から130未満までの収縮期圧の低下;200又はそれ以上から140未満ま
での収縮期圧の低下;190又はそれ以上から130未満までの収縮期圧の低下;又は200又はそ
れ以上から130未満までの収縮期圧の低下;140又はそれ以上から130未満までの個人の拡張
期圧の低下;130又はそれ以上から120未満までの拡張期圧の低下;120又はそれ以上から110
未満までの拡張期圧の低下;110又はそれ以上から100未満までの拡張期圧の低下;100又は
それ以上から90未満までの拡張期圧の低下;140又はそれ以上から120未満までの拡張期圧
の低下;110又はそれ以上から90未満までの拡張期圧の低下;140又はそれ以上から110未満
までの拡張期圧の低下;130又はそれ以上から100未満までの拡張期圧の低下;120又はそれ
以上から90未満までの拡張期圧の低下;140又はそれ以上から100未満までの拡張期圧の低
下;130又はそれ以上から90未満までの拡張期圧の低下;又は140又はそれ以上から90未満ま
での拡張期圧の低下をもたらす。

0062

ある種の実施態様では、治療有効量の胎盤幹細胞は、疼痛を有する個人に投与された場
合、該個人における1種以上のサイトカイン(例えば炎症誘発性サイトカイン)の量の検出
可能な低下をもたらす。具体的実施態様では、本明細書に記載する方法に従う、疼痛を有
する個人への胎盤幹細胞の投与は、該個人におけるIL-2、IL-6、IL-12、IL-17、及び/又
インターフェロン-γ、又はこれらの任意の組み合わせの量の低下をもたらす。個人に
おけるサイトカインの減少の評価は、当技術分野で公知の任意の方法を使用して実現する
ことができる。例えば、個人における血漿中のサイトカイン濃度は、例えばELISAを使用
して測定することができる。

0063

ある種の実施態様では、治療有効量の胎盤幹細胞は、疼痛を有する個人に投与された場
合、該個人における1種以上のサイトカインの検出可能な増加をもたらす。具体的実施態
様では、本明細書に記載する方法に従う、疼痛を有する個人への胎盤幹細胞の投与は、該
個人におけるIL-10の量の増大をもたらす。個人におけるサイトカインレベルの増大の評
価は、当技術分野で公知の任意の方法を使用して実施することができる。例えば、個人に
おける血漿中のサイトカイン濃度は、例えばELISAを使用して測定することができる。

0064

ある種の実施態様では、治療有効量の胎盤幹細胞は、疼痛を有する個人に投与された場
合、該個人における1種以上のケモカインの量の検出可能な低下をもたらす。具体的実施
態様では、本明細書に記載する方法に従う、疼痛を有する個人への胎盤幹細胞の投与は、
該個人におけるCCL2、CCL12、及び/又はCXCL1、又はこれらの任意の組み合わせの量の低
下をもたらす。個人におけるケモカインの評価は、当技術分野で公知の任意の方法を使用
して実施することができる。例えば、個人における血漿中のケモカイン濃度は、例えばEL
ISAを使用して測定することができる。

0065

ある種の実施態様では、治療有効量の胎盤幹細胞は、疼痛を有する個人に投与された場
合、該個人における1種以上の細胞タイプの活性化及び/又は分化の検出可能な低下をもた
らす。具体的実施態様では、本明細書に記載する方法に従う、疼痛を有する個人への胎盤
幹細胞の投与は、該個人における樹状細胞、T細胞、及び/又はマクロファージ、又はこれ
らの任意の組み合わせの活性化及び/又は分化の低下をもたらす。個人における特定の細
胞タイプの活性化及び/又は分化の評価は、当技術分野で公知の任意の方法、例えば、該
個人の特定の部分に存在する特定の細胞マーカーの測定、例えば、血液の細胞と関係があ
る、又は、特定の組織/器官に見られる細胞と関係がある、特定の細胞マーカーの測定/評
価を使用して実施することができる。

0066

(5.2疼痛と関係がある又は疼痛の原因となる炎症反応の抑制)
炎症は、疼痛の唯一の原因ではない。しかし、ある種の実施態様では、胎盤幹細胞を使
用して、炎症に関連する又は炎症によって引き起こされる疼痛を改善することができる。
一実施態様では、本明細書で提供されるのは、個人における疼痛の改善のための方法であ
って、個人における免疫細胞(1種又は複数)を有効量の胎盤幹細胞と接触させることを含
む前記方法である。ここでは、前記有効量は、(1)前記個人における免疫応答を検出可能
に抑制する、及び(2)前記個人における疼痛を検出可能に軽減する量である。具体的実施
態様では、前記胎盤幹細胞は、混合リンパ球反応(MLR)アッセイ又は退行アッセイにおけ
るT細胞増殖を検出可能に抑制する。接触は、胎盤幹細胞を個人に、例えば、局所的に、
全身的に、若しくは部位的に(又はこうしたものの組み合わせによって)投与することによ
って実現することができる。したがって、本明細書で提供されるのは、個人における疼痛
の改善のための方法であって、個人における免疫細胞(1種又は複数)を有効量の胎盤幹細
胞と接触させることを含む前記方法である。ここでは、前記有効量は、(1)前記個人にお
ける免疫及び/又は炎症反応を検出可能に調節する、例えば抑制する、及び(2)前記個人に
おける疼痛を検出可能に軽減する量である。具体的実施態様では、個人における免疫細胞
(1種又は複数)と有効量の胎盤幹細胞との接触は、該個人におけるIL-2、IL-6、IL-12、IL
-17、及び/又はインターフェロン-γ、又はこれらの任意の組み合わせの量の低下をもた
らす。別の具体的実施態様では、個人における免疫細胞(1種又は複数)と有効量の胎盤幹
細胞との接触は、該個人におけるCCL2、CCL12、及び/又はCXCL1、又はこれらの任意の組
み合わせの量の低下をもたらす。別の具体的実施態様では、個人における免疫細胞(1種又
は複数)と有効量の胎盤幹細胞との接触は、該個人におけるIL-10の量の増大をもたらす。

0067

別の実施態様では、本明細書で提供されるのは、個人における疼痛の改善のための方法
であって、有効量の胎盤幹細胞を該個人に投与することを含む前記方法である。ここでは
、前記有効量は、(1)前記個人における免疫及び/又は炎症反応を検出可能に調節する、例
えば抑制する、及び(2)前記個人における疼痛を検出可能に軽減する量である。具体的実
施態様では、前記胎盤幹細胞は、混合リンパ球反応(MLR)アッセイ又は退行アッセイにお
けるT細胞増殖を検出可能に抑制する。投与は、局所的に、全身的に、若しくは部位的に(
又はこうしたものの組み合わせによって)実施することができる。具体的実施態様では、
個人への有効量の胎盤幹細胞の投与は、該個人におけるIL-2、IL-6、IL-12、IL-17、及び
/又はインターフェロン-γ、又はこれらの任意の組み合わせの量の低下をもたらす。別の
具体的実施態様では、個人への有効量の胎盤幹細胞の投与は、該個人におけるCCL2、CCL1
2、及び/又はCXCL1、又はこれらの任意の組み合わせの量の低下をもたらす。別の具体的
実施態様では、個人への有効量の胎盤幹細胞の投与は、該個人におけるIL-10の量の増大
をもたらす。

0068

本方法の文脈での「免疫細胞」は、免疫(適応又は自然免疫)系のあらゆる細胞、特に、
T細胞及びNK(ナチュラルキラー)細胞、樹状細胞、並びにマクロファージを意味する。し
たがって、本方法の種々の実施態様では、胎盤幹細胞は、複数の免疫細胞と接触され、こ
こでは、複数の免疫細胞は、複数のT細胞(例えば、複数のCD3+T細胞、CD4+T細胞、及び/
又はCD8+T細胞)、及び/又はナチュラルキラー細胞である、又はこれらを含む。本方法の
文脈での「免疫応答」は、免疫細胞によって通常認識される刺激に対する免疫細胞による
あらゆる反応、例えば、抗原の存在に対する反応であり得る。種々の実施態様では、免疫
応答は、外来性抗原(輸血又は移植片中に存在する抗原など)に、又は自己抗原に(自己
疫疾患においてみられるように)応答するT細胞(例えば、CD3+T細胞、CD4+T細胞、及び/又
はCD8+T細胞)の増殖であり得る。免疫応答はまた、移植片内に含まれるT細胞の増殖であ
り得る。免疫応答はまた、ナチュラルキラー(NK)細胞のあらゆる活性、樹状細胞の成熟
T細胞の分化、マクロファージのM1又はM2系統へのスキューイングなどであり得る。

0069

例えば炎症の軽減による疼痛の軽減又は改善のために使用される胎盤幹細胞は、単一の
種、例えば、対象となるレシピエントの種、又は、その機能が低下する又は抑制されるこ
ととなる免疫細胞の種から誘導することもできるし、複数の種から誘導することもできる

0070

種々の実施態様では、前記接触は、疼痛に悩む個人における免疫機能(例えば、抗原に
応答するT細胞増殖)又は炎症を、胎盤幹細胞の非存在下での免疫機能に対して少なくとも
50%、60%、70%、80%、90%、又は95%抑制するのに十分である。インビボ状況におけるこう
した抑制は、例えば、該個人由来のT細胞の試料を使用して、インビトロアッセイ(以下参
照)において決定することができる;すなわち、インビトロアッセイにおける抑制の程度か
ら、胎盤幹細胞の特定の数及びレシピエント個人における免疫細胞の数について、個人に
おける抑制の程度を推定することができる。

0071

胎盤幹細胞は、例えば、CD4+又はCD8+T細胞と樹状細胞(DC)と胎盤幹細胞とを約10:1:2
の比で組み合わせることを含むMLRにおいて試験することができる。ここでは、T細胞は、
例えば、嬢細胞分配されるCFSEなどの染料で染色され、かつ、T細胞は、約6日間増殖さ
せられる。T細胞及び/又はDC細胞は、治療される個人から得ることができ、例えば、これ
らは、個人の自己由来であってもよいし、個人にとって同種のものであってもよい。T細
胞増殖が、胎盤幹細胞の存在下で、6日間で、DCの存在下かつ胎盤幹細胞の非存在下でのT
細胞増殖と比較して、検出可能に低下する場合、該胎盤幹細胞は、免疫抑制性である。ML
Rの一実施態様では、例えば、胎盤幹細胞は、解凍する、又は培養物から回収することが
できる。約20,000個の胎盤幹細胞を、100μlの培地(RPMI1640、1mMHEPES緩衝液、抗生
物質、及び5%のプールされたヒト血清)に再懸濁し、ウェルの底に2時間接着させる。CD4+
及び/又はCD8+T細胞を、全末梢血単核細胞Miltenyi磁気ビーズから単離する。この細胞を
CFSE染色し、合わせて100,000個のT細胞(CD4+T細胞単独、CD8+T細胞単独、又は等量のCD4
+T細胞とCD8+T細胞)を、ウェルに添加する。ウェル内の体積を200μlとし、MLRを進行さ
せる。

0072

ある種の実施態様では、胎盤幹細胞の抗炎症活性(すなわち免疫抑制活性)が、疼痛に悩
む個人への投与の前に決定される。これは、例えば、疼痛の改善のために投与される胎盤
幹細胞の試料の免疫抑制活性を決定することによって実現することができる。こうした活
性は、例えば、例えばMLR又は退行アッセイにおいて胎盤幹細胞の試料又は胎盤幹細胞を
試験することによって決定することができる。一実施態様では、MLRは、この試料を用い
て実施され、このアッセイにおいて試料胎盤幹細胞によって示される免疫抑制の程度が決
定される。疼痛改善の程度は、サンプリングされた胎盤幹細胞の免疫抑制活性と相関する
ことが予想される。したがって、胎盤幹細胞のある特定の集団又は胎盤幹細胞が炎症に起
因する疼痛を改善する絶対的又は相対的能力を決定するための方法として、MLRを使用す
ることができる。

0073

より多くのデータを提供する、又は、胎盤幹細胞の試料又は胎盤幹細胞が免疫を抑制し
、したがって疼痛を改善する能力を最も良く決定するために、MLRのパラメータを変更す
ることができる。例えば、胎盤幹細胞による免疫抑制は、アッセイに存在する胎盤幹細胞
の数におおむね比例して増大するようにみえるので、MLRは、一実施態様では、2個以上の
数の胎盤幹細胞、例えば、反応あたり1×103、3×103、1×104、及び/又は3×104個の胎
盤幹細胞を用いて実施することができる。このアッセイにおけるT細胞の数に対する胎盤
幹細胞の数も、変更することができる。例えば、このアッセイにおける胎盤幹細胞及びT
細胞は、比較的多数の胎盤幹細胞又はT細胞が使用される場合であっても、任意の比、例
えば約10:1から約1:10、好ましくは約1:5で存在することができる。

0074

退行アッセイ又はBTRアッセイも、同様の様式で使用することができる。

0075

胎盤幹細胞は、個人における既知の又は予測される数の免疫細胞、例えばT細胞に対し
て、約10:1から約1:10、好ましくは約1:5の比で、個人に投与することができる。しかし
、胎盤幹細胞は、非限定的な例では、約10,000:1、約1,000:1、約100:1、約10:1、約1:1
、約1:10、約1:100、約1:1,000、又は約1:10,000の比で、個人に投与することができる。
一般に、免疫抑制を行うためには、レシピエント1キログラムあたり約1×105から約1×10
8個の胎盤幹細胞、好ましくはレシピエント1キログラムあたり約1×106から約1×107個の
胎盤幹細胞を投与することができる。種々の実施態様では、個人又は対象に投与される胎
盤幹細胞は、少なくとも、又はおよそ、又は多くとも、1×105、3×105、1×106、3×106
、1×107、3×107、1×108、3×108、1×109、3×109個、又はそれ以上の胎盤幹細胞を含
む。

0076

胎盤幹細胞はまた、1種以上の第2の型の幹細胞、例えば、骨髄由来間葉系幹細胞と共
に投与することもできる。こうした第2の幹細胞は、前記胎盤幹細胞と共に、例えば約1:1
0から約10:1の比で個人に投与することができる。

0077

胎盤幹細胞と免疫細胞とのインビボでの接触又は近接をしやすくするために、胎盤幹細
胞は、胎盤幹細胞と免疫細胞とを互いに接触させるのに十分な任意の経路によって、個人
に投与することができる。例えば、胎盤幹細胞は、例えば、静脈内に、筋肉内に、腹腔
に、眼内に、非経口的に、くも膜下腔内に、皮下に、又は器官、例えば膵臓に直接的に、
個人に投与することができる。胎盤幹細胞は、疼痛に悩む個人の部分に対して、又は疼痛
の部位に、又は疼痛をもたらす神経損傷の部位に投与することができる。インビボ投与
ついては、胎盤幹細胞は、下の5.8.1.2節に記載する通りに、医薬組成物として製剤化す
ることができる。

0078

別の態様では、疼痛に悩む個人に投与される胎盤幹細胞は、1種以上の抗炎症性イト
カインを発現するように遺伝的に操作されている。具体的実施態様では、前記抗炎症性サ
イトカインは、IL-10を含む。

0079

(5.3第2の治療用組成物及び第2の治療法)
個人における疼痛の治療の先述の方法のいずれかでは、該方法は、第2の治療用組成物
又は第2の治療法、例えば、抗疼痛性医薬品又は治療法の施与を含む。好ましい実施態様
では、第2の活性剤は、疼痛を緩和する、炎症反応を抑制又は調節する、鎮静効果又は抗
神経痛効果を提供する、又は患者安心を確実にする能力がある。

0080

ある種の実施態様では、第2の治療用組成物は、限定はされないが、オピオイド鎮痛薬
非麻薬性鎮痛薬抗炎症薬、cox-2阻害剤、α-アドレナリン受容体アゴニスト又はアン
タゴニストケタミン麻酔剤NMDAアンタゴニスト免疫調節剤免疫抑制剤抗うつ
薬、抗痙攣薬、抗圧薬、抗不安薬カルシウムチャネル阻害薬筋弛緩薬副腎皮質ステ
ロイド薬、高圧酸素JNK阻害剤、疼痛を緩和することが知られている他の治療剤、並び
にこれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和化合物水和物、立体異性体クラスレート
プロドラッグ、及び薬理学的に活性な代謝産物を含む。

0081

ある種の実施態様では、第2の治療用組成物は、オピオイドである。オピオイドは、例
えば、激しい疼痛を治療するために使用することができる。オピオイド鎮痛薬の例として
は、限定はされないが、オキシコドン(例えばOXYCONTIN(登録商標))、硫酸モルヒネ(例え
ば、MS CONTIN(登録商標)、DURAMORPH(登録商標)、及び/又はASTRAMORPH(登録商標))、メ
ペリジン(例えばDEMEROL(登録商標))、及びフェンタニール経皮パッチ(例えばDURAGESIC(
登録商標))、及び他の公知の従来の医薬品が挙げられる。オキシコドン(例えばOXYCONTIN
(登録商標))は、長時間作用型のオピオイドであり、例えば、初期及び後期段階のCRPSに
使用することができる。

0082

例えば、妊娠及び授乳中の疼痛の治療のために、非麻薬性鎮痛薬及び抗炎症薬を使用す
ることができる。例えば、早期段階の疼痛症候群には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)
を使用することができる。抗炎症薬の例としては、限定はされないが、サリチル酸酢酸
テル(例えばアスピリン)、イブプロフェン(例えば、MOTRIN(登録商標)、ADVIL(登録商
標)など)、ケトプロフェン(例えばORUVAIL(登録商標))、ロフェコキシブ(例えばVIOXX(登
録商標))、ナプロキセンナトリウム(例えば、ANAPROX(登録商標)、NAPRELAN(登録商標)、
NAPROSYN(登録商標)など)、ケトロラック(例えばACULAR(登録商標))、又は他の公知の従
来の医薬品が挙げられる。具体的なcox-2阻害剤は、セレコキシブ(例えばCELEBREX)であ
る。

0083

抗うつ薬である第2の治療用化合物の例としては、限定はされないが、ノルトリチリ
ン(PAMELOR(登録商標))、アミトリプチリン(ELAVIL(登録商標))、イミプラミン(TOFRANIL
(登録商標))、ドキセピン(SINEQUAN(登録商標))、クロミプラミン(ANAFRANIL(登録商標))
フルオキセチン(PROZAC(登録商標))、セルトラリン(ZOLOFT(登録商標))、ネファドン
(SERZONE(登録商標))、ベンラフェキシン(EFFEXOR(登録商標))、トラゾドン(DESYREL(登
録商標))、ブプロピオン(WELLBUTRIN(登録商標))、及び他の公知の従来の医薬品が挙げら
れる。例えば、医師用添付文書集(Physicians' Desk Reference)、329,1417,1831及び327
0(第57版、2003年)を参照のこと。

0084

抗痙攣薬である第2の治療用化合物の例としては、限定はされないが、カルバマゼピン
オキシカルバゼピン、ギャバペンチン(NEURONTIN(登録商標))、フェニロイン(phenyloi
n)、バルプロ酸ナトリウム、クロナゼパム、トピラメートラモトリジンゾニサミド
及びチアギャビンが挙げられる。例えば、医師用添付文書集(Physicians' Desk Referenc
e)、2563(第57版、2003年)を参照のこと。

0085

他の第2の治療用化合物としては、限定はされないが、副腎皮質ステロイド薬(例えば、
プレドニゾンデキサメタゾン、又はヒドロコルチゾン)、経口的に活性なクラスIb抗不
整脈剤(例えばメキシレチン)、カルシウムチャネル阻害薬(例えばニフェジピン)、β遮断
薬(例えばプロプラノロール)、α遮断薬(例えばフェノキシベンザミン)、及びα2-アド
ナリン作動薬(例えばクロニジン)が挙げられ、免疫調節性化合物と組み合わせて使用する
こともできる。例えば、医師用添付文書集(Physicians' Desk Reference)、1979、2006、
及び2190(第57版、2003年)を参照のこと。

0086

別の具体的実施態様では、前記第2の治療法は、免疫調節性化合物を含み、ここでは、
該免疫調節性化合物は、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)-ピ
ペリジン-2,6-ジオン;3-(4'アミノイソールインドリン-1'-オン)-1-ピペリジン-2,6-ジオ
ン;4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン;又はα-(3
-アミノフタルイミド)グルタルイミドである。より具体的な実施態様では、前記免疫調節
性化合物は、下記構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒
和化合物、クラスレート、鏡像異性体ジアステレオマーラセミ体、若しくは立体異性
体の混合物である:



(式中、XとYのうちの一方はC=Oであり、XとYのうちのもう一方はC=O又はCH2であり、かつ
R2は水素又は低級アルキルである)。より具体的な別の実施態様では、前記免疫調節性化
合物は、下記構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和
合物、クラスレート、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、若しくは立体異性体の
混合物である:



(式中、XとYのうちの一方はC=Oであり、XとYのうちのもう一方はCH2又はC=Oであり;
R1は、H、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)
アルキニルベンジルアリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(
C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(S)R3、C(O)OR4、(C1〜C8)アルキ
ル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、C(O)NHR3、C(S)NHR3、C
(O)NR3R3'、C(S)NR3R3'又は(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5であり;
R2は、H、F、ベンジル、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、又は(C2〜C8)アルキニ
ルであり;
R3とR3'は独立に、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(
C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアル
キル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、(C0〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)
アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5、又はC(O)OR5で
あり;
R4は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、(C1〜C4)アルキル
-OR5、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、又は(C0
〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
R5は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリ
ル、又は(C2〜C5)ヘテロアリールであり;
R6の各存在は独立に、H、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル
、ベンジル、アリール、(C2〜C5)ヘテロアリール、又は(C0〜C8)アルキル-C(O)O-R5であ
る、又はR6基は結合してヘテロシクロアルキル基を形成することができ;
nは、0又は1であり;
*は、キラル炭素中心を表す)。より具体的な別の実施態様では、前記免疫調節性化合物
は、下記構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和化合物
、クラスレート、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、若しくは立体異性体の混合
物である:



(式中、
XとYのうちの一方はC=Oであり、もう一方はCH2又はC=Oであり;
Rは、H又はCH2OCOR'であり;
(i)R1、R2、R3、又はR4のそれぞれは、互いに独立に、ハロ炭素原子1〜4個のアルキル
、若しくは炭素原子1〜4個のアルコキシである、又は(ii)R1、R2、R3、又はR4のうちの1
つは、ニトロ若しくは-NHR5であり、かつR1、R2、R3、又はR4のうちの残りのものは、水
素であり;
R5は、水素、又は炭素原子1〜8個のアルキルであり、
R6は、水素、炭素原子1〜8個のアルキル、ベンゾクロロ、又はフルオロであり;
R'は、R7-CHR10-N(R8R9)であり;
R7は、m-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-(ここでは、nは0から4の値を有する)
であり;
R8及びR9はそれぞれ、互いに独立に、水素、又は炭素原子1〜8個のアルキルである、又は
、R8とR9が共に、テトラメチレンペンタメチレンヘキサメチレン、若しくは-CH2CH2X
1CH2CH2-(ここでは、X1は、-O-、-S-、若しくは-NH-である)を形成し;
R10は、水素、炭素原子8個までのアルキル、又はフェニルであり;
*は、キラル炭素中心を表す)。具体的実施態様では、第2の治療用化合物は、レナリドミ
ド又はポマリドミドである。

0087

先述の治療薬の任意の組み合わせを投与することができる。こうした治療薬は、胎盤幹
細胞と任意に組み合わせて、同時に、又は別の治療コースとして投与することができる。

0088

先に列挙した第2の治療用化合物のいくつか(例えば、フルオキセチン)は、有益な効果
を有するが、少数のレシピエントでは、副作用としてそれ自体が神経障害性疼痛を引き起
こすことに留意するべきである。一般に、こうした化合物は、安全に投与できると考えら
れる;しかし、当業者(例えば医師)は、さらなる神経障害性疼痛のリスクに対する、こう
した第2の治療用化合物を投与する相対的利益を決定することができるであろう。

0089

胎盤幹細胞は、医薬組成物、例えば、静脈内、筋肉内、又は腹腔内注射に適した医薬組
成物の形で、疼痛に悩む個人に投与することができる。胎盤幹細胞は、単回用量で、又は
反復用量で、該個人に投与することができる。胎盤幹細胞が、反復用量で投与される場合
、投与は、疼痛を緩和するように設計された治療レジメンの一部であってもよいし、疼痛
根本的原因を治療するように設計された長期治療レジメンの一部であってもよい。胎盤
幹細胞が、第2の治療薬と共に、又は第2の型の幹細胞と共に投与される実施形態では、胎
盤幹細胞と第2の治療薬及び/又は第2の型の幹細胞は、同時に又は異なる時点で投与する
ことができる。例えば、この投与は、互いに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、4
0、若しくは50分以内に、又は互いに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、
20、若しくは22時間以内に、又は互いに1、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10日、若
しくはそれ以上の日数以内に行うことができる。

0090

(5.4胎盤幹細胞及び胎盤幹細胞集団)
本明細書で提供される、疼痛を有する個人を治療する又は個人において疼痛を改善する
方法は、疼痛に悩む個人に胎盤幹細胞を投与することを含む。ある種の実施態様では、胎
盤幹細胞はまた、十分な数で、免疫機能(例えば、混合リンパ球反応アッセイ又は退行ア
セイにおけるCD4+及び/又はCD8+T細胞の増殖)を検出可能に抑制する能力を有する。

0091

胎盤幹細胞は、胎児又は母親起源であり得る(すなわち、母親又は胎児の遺伝子型を有
することができる)。胎盤幹細胞の集団、又は胎盤幹細胞を含む細胞の集団は、もっぱら
胎児起源又はもっぱら母親起源の胎盤幹細胞を含むこともできるし、胎児と母親両方の起
源の胎盤幹細胞の混合集団を含むこともできる。胎盤幹細胞、及び、胎盤幹細胞を含む細
胞の集団は、下に論じる形態的特性、マーカー特性、及び培養特性によって、特定及び選
択することができる。

0092

(5.4.1物理的及び形態的特性)
本明細書に記載する通りに使用される胎盤幹細胞は、初代培養で、又は細胞培養で培養
した場合、組織培養基材、例えば組織培養容器表面(例えば組織培養プラスチック)と接着
する。培養下での胎盤幹細胞は一般に、いくつかの細胞質突起が中央の細胞体から伸び
いる、線維芽細胞様の星状外観を呈する。しかし、胎盤幹細胞は、線維芽細胞よりも多
い数のこうした突起を呈するので、同じ条件下で培養された線維芽細胞と形態学的に区別
可能である。形態学的には、胎盤幹細胞はまた、培養下で一般に、より丸みを帯びた又は
丸石様形態を示す造血幹細胞区別可能である。

0093

(5.4.2細胞表面マーカー分子マーカー、及び遺伝マーカー)
本明細書に開示する方法、例えば、疼痛の治療方法において有用な、単離された胎盤幹
細胞、例えば、単離された多能性胎盤幹細胞、及びこうした単離された胎盤幹細胞の集団
は、多能性細胞又は幹細胞の特性を有し、かつ、幹細胞を含む細胞又は細胞の集団を特定
する及び/又は単離するために使用することができる複数のマーカーを発現する、組織培
養プラスチック接着性ヒト胎盤幹細胞である。本明細書に記載する単離された胎盤幹細胞
、及び胎盤細胞集団(例えば2以上の単離された胎盤幹細胞)には、胎盤又はその任意の部
分(例えば、絨毛膜胎盤葉など)から直接得られる胎盤幹細胞及び胎盤細胞を含有する細
胞集団が含まれる。単離された胎盤細胞集団には、培養下の単離された胎盤幹細胞の集団
(すなわち2以上)、及び容器(例えばバッグ)内の集団も含まれる。本明細書に記載する単
離された胎盤幹細胞は、骨髄由来の間葉系細胞でも、脂肪由来の間葉系幹細胞でも、臍帯
血、胎盤血、又は末梢血から得られる間葉系細胞でもない。本明細書に記載する方法及び
組成物において有用な、胎盤細胞、例えば、胎盤多能性細胞及び胎盤幹細胞は、本明細書
に、また、例えば米国特許第7,311,904号;第7,311,905号;及び第7,468,276号に、また米
国特許出願公開第2007/0275362号(これらの開示の全体を参照により本明細書に組み込む)
に記載されている。

0094

ある種の実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、フローサイトメトリーによって検出
される場合にCD34-、CD10+、及びCD105+である。別の具体的実施態様では、単離されたCD
34-、CD10+、CD105+胎盤幹細胞は、神経表現型骨形成表現型の細胞、及び/又は軟骨
成表現型の細胞に分化する潜在能力を有する。別の具体的実施態様では、単離されたCD34
-、CD10+、CD105+胎盤幹細胞はさらに、CD200+でもある、すなわち、胎盤幹細胞は、CD10
+、CD34-、CD105+、及びCD200+である。別の具体的実施態様では、単離されたCD34-、CD1
0+、CD105+胎盤幹細胞はさらに、CD45-又はCD90+でもある。別の具体的実施態様では、単
離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤幹細胞はさらに、フローサイトメトリーによって検出
される場合にCD45-及びCD90+でもある。別の具体的実施態様では、単離されたCD34-、CD1
0+、CD105+、CD200+胎盤幹細胞はさらに、フローサイトメトリーによって検出される場合
にCD90+又はCD45-でもある。別の具体的実施態様では、単離されたCD34-、CD10+、CD105+
、CD200+胎盤幹細胞はさらに、フローサイトメトリーによって検出される場合にCD90+及
びCD45-でもある、すなわち、細胞は、CD34-、CD10+、CD45-、CD90+、CD105+、及びCD200
+である。別の具体的実施態様では、前記CD34-、CD10+、CD45-、CD90+、CD105+、CD200+
胎盤幹細胞はさらに、CD80-及びCD86-でもある。本明細書の実施態様のいずれかのある種
の具体的実施態様では、胎盤幹細胞はさらに、OCT-4+でもある。

0095

単離された胎盤幹細胞は一般に、α平滑筋アクチンSMA)を発現しない。単離された
胎盤幹細胞は一般に、MHCクラスI分子、例えば、HLA-A、B、Cを発現する。

0096

ある種の実施態様では、前記胎盤幹細胞は、フローサイトメトリーによって検出される
場合に、CD34-、CD10+、CD105+、及びCD200+、並びにCD38-、CD45-、CD80-、CD86-、CD13
3-、MHCクラスII-(例えば、HLA-DR、DPDQ-)、SSEA3-、SSEA4-、CD29+、CD44+、CD73+、
CD90+、CD105+、HLA-A、B、C+、PDL1+、ABC-p+、及び/又はOCT-4+のうちの1以上である。
他の実施態様では、先に記載したCD34-、CD10+、CD105+胎盤幹細胞のいずれかはさらに、
CD29+、CD38-、CD44+、CD54+、SH3+、又はSH4+のうちの1以上でもある。別の具体的実施
態様では、該胎盤幹細胞はさらに、CD44+でもある。先述の単離されたCD34-、CD10+、CD1
05+胎盤幹細胞のいずれかの別の具体的実施態様では、該細胞はさらに、CD117-、CD133-
、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A、B、C+、HLA-DP、DQ、DR-、若しくはProgrammed Death-1リガ
ド(PDL1)+のうちの1以上、又はこれらの任意の組み合わせでもある。

0097

別の実施態様では、CD34-、CD10+、CD105+胎盤幹細胞はさらに、CD13+、CD29+、CD33+
、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD62E-、CD62L-、CD62P-、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、
CD80-、CD86-、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117-、CD144/VE-カドヘリンlow、
CD184/CXCR4-、CD200+、CD133-、OCT-4+、SSEA3-、SSEA4-、ABC-p+、KDR-(VEGFR2-)、HLA
-A、B、C+、HLA-DP、DQ、DR-、HLA-G-、若しくはProgrammed Death-1リガンド(PDL1)+の
うちの1以上、又はこれらの任意の組み合わせでもある。別の実施態様では、CD34-、CD10
+、CD105+胎盤幹細胞はさらに、CD13+、CD29+、CD33+、CD38-、CD44+、CD45-、CD54/ICAM
+、CD62E-、CD62L-、CD62P-、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80-、CD86-、CD90+、SH2+(C
D105+)、CD106/VCAM+、CD117-、CD144/VE-カドヘリンlow、CD184/CXCR4-、CD200+、CD133
-、OCT-4+、SSEA3-、SSEA4-、ABC-p+、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A、B、C+、HLA-DP、DQ、DR-
、HLA-G-、及びProgrammed Death-1リガンド(PDL1)+でもある。

0098

別の具体的実施態様では、本明細書に記載する胎盤幹細胞のいずれかはさらに、フロー
サイトメトリーによって検出される場合にABC-p+、又は逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応
(RT-PCR)によって決定される場合にOCT-4+(POU5F1+)でもある。ここでは、ABC-pは、胎盤
特異的ABCトランスポータータンパク質(乳癌耐性タンパク質(BCRP)として又はミトキサン
トロン耐性タンパク質(MXR)としても公知である)であり、OCT-4は、オクタマー-4タンパ
ク質(POU5F1)である。別の具体的実施態様では、本明細書に記載する胎盤幹細胞のいずれ
かはさらに、フローサイトメトリーによって決定される場合にSSEA3-又はSSEA4-でもある
。ここでは、SSEA3は、ステージ特異的胎児抗原3であり、SSEA4は、ステージ特異的胎児
抗原4である。別の具体的実施態様では、本明細書に記載する胎盤幹細胞のいずれかはさ
らに、SSEA3-及びSSEA4-でもある。

0099

別の具体的実施態様では、本明細書に記載する胎盤幹細胞のいずれかは、MHC-I+(例え
ばHLA-A、B、C+)、MHC-II-(例えばHLA-DP、DQ、DR-)、若しくはHLA-G-のうちの1以上であ
る、又は該細胞のいずれかはさらに、MHC-I+(例えばHLA-A、B、C+)、MHC-II-(例えばHLA-
DP、DQ、DR-)、若しくはHLA-G-のうちの1以上でもある。別の具体的実施態様では、本明
細書に記載する胎盤幹細胞のいずれかはさらに、MHC-I+(例えば、HLA-A、B、C+)、MHC-II
-(例えば、HLA-DP、DQ、DR-)、及びHLA-G-でもある。

0100

本明細書で提供されるのはまた、本明細書に開示する方法及び組成物において有用であ
る、単離された胎盤幹細胞の集団、又は細胞の集団(例えば、例えば濃縮された、単離さ
れた胎盤幹細胞を含む、胎盤細胞の集団)である。好ましい細胞集団は、単離された胎盤
幹細胞を含むものである。ここでは、細胞集団は、例えば、単離されたCD10+、CD105+、
及びCD34-胎盤幹細胞を少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%
、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%含む;すなわち、前記集団における
少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、
80%、85%、90%、95%、又は98%の細胞が、単離されたCD10+、CD105+、及びCD34-胎盤幹細
胞である。具体的実施態様では、単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤幹細胞はさらに、
CD200+でもある。別の具体的実施態様では、単離されたCD34-、CD10+、CD105+、CD200+胎
盤幹細胞はさらに、フローサイトメトリーによって検出される場合にCD90+又はCD45-でも
ある。別の具体的実施態様では、単離されたCD34-、CD10+、CD105+、CD200+胎盤幹細胞は
さらに、フローサイトメトリーによって検出される場合にCD90+及びCD45-でもある。別の
具体的実施態様では、先に記載した単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤幹細胞のいずれ
かはさらに、CD29+、CD38-、CD44+、CD54+、SH3+、又はSH4+のうちの1以上でもある。別
の具体的実施態様では、単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤幹細胞又は単離されたCD34
-、CD10+、CD105+、CD200+胎盤幹細胞はさらに、CD44+でもある。先述の単離されたCD34-
、CD10+、CD105+胎盤幹細胞を含む細胞の集団のいずれかの具体的実施態様では、該単離
された胎盤幹細胞はさらに、CD13+、CD29+、CD33+、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD62E
-、CD62L-、CD62P-、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80-、CD86-、CD90+、SH2+(CD105+)、
CD106/VCAM+、CD117-、CD144/VE-カドヘリンlow、CD184/CXCR4-、CD200+、CD133-、OCT-4
+、SSEA3-、SSEA4-、ABC-p+、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A、B、C+、HLA-DP、DQ、DR-、HLA-G-
、若しくはProgrammed Death-1リガンド(PDL1)+のうちの1以上、又はこれらの任意の組み
合わせでもある。別の具体的実施態様では、CD34-、CD10+、CD105+胎盤幹細胞はさらに、
CD13+、CD29+、CD33+、CD38-、CD44+、CD45-、CD54/ICAM+、CD62E-、CD62L-、CD62P-、SH
3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80-、CD86-、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117-、
CD144/VE-カドヘリンlow、CD184/CXCR4-、CD200+、CD133-、OCT-4+、SSEA3-、SSEA4-、AB
C-p+、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A、B、C+、HLA-DP、DQ、DR-、HLA-G-、及びProgrammed Death
-1リガンド(PDL1)+でもある。

0101

ある種の実施態様では、前記細胞集団における単離された胎盤幹細胞は、CD10+、CD29+
、CD34-、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3-、SSEA4-、OC
T-4+、及びABC-p+のうちの1以上又はすべてである。ここでは、前記単離された胎盤幹細
胞は、胎盤組織の物理的及び/又は酵素的破壊によって得られる。具体的実施態様では、
単離された胎盤幹細胞は、OCT-4+及びABC-p+である。別の具体的実施態様では、単離され
た胎盤幹細胞は、OCT-4+及びCD34-であり、ここでは、前記単離された胎盤幹細胞は、以
下の特性のうちの少なくとも1つを有する:CD10+、CD29+、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、
SH3+、SH4+、SSEA3-、及びSSEA4-。別の具体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、
OCT-4+、CD34-、CD10+、CD29+、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH3+、SH4+、SSEA3-、及
びSSEA4-である。別の実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、OCT-4+、CD34-、SSEA3-
、及びSSEA4-である。別の具体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、OCT-4+及びCD
34-であり、かつ、SH2+又はSH3+のいずれかである。別の具体的実施態様では、単離され
た胎盤幹細胞は、OCT-4+、CD34-、SH2+、及びSH3+である。別の具体的実施態様では、単
離された胎盤幹細胞は、OCT-4+、CD34-、SSEA3-、及びSSEA4-であり、かつ、SH2+又はSH3
+のいずれかである。別の具体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、OCT-4+及びCD3
4-であり、かつ、SH2+又はSH3+のいずれかであり、かつ、CD10+、CD29+、CD44+、CD45-、
CD54+、CD90+、SSEA3-、又はSSEA4-のうちの少なくとも1つである。別の具体的実施態様
では、単離された胎盤幹細胞は、OCT-4+、CD34-、CD10+、CD29+、CD44+、CD45-、CD54+、
CD90+、SSEA3-、及びSSEA4-であり、かつ、SH2+又はSH3+のいずれかである。

0102

別の実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、SH2+、SH3+、SH4+、及びOCT-4+である。
別の具体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、CD10+、CD29+、CD44+、CD54+、CD90
+、CD34-、CD45-、SSEA3-、又はSSEA4-である。別の実施態様では、単離された胎盤幹細
胞は、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3-、及びSSEA4-である。別の具体的実施態様では、単離さ
れた胎盤幹細胞は、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3-、及びSSEA4-、CD10+、CD29+、CD44+、CD5
4+、CD90+、OCT-4+、CD34-、又はCD45-である。

0103

別の実施態様では、本明細書に開示する方法及び組成物において有用な単離された胎盤
幹細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、及びSH4+
であり;ここでは、前記単離された胎盤幹細胞はさらに、OCT-4+、SSEA3-、又はSSEA4-の
うちの1以上でもある。

0104

ある種の実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、CD200+又はHLA-G-である。具体的実
施態様では、単離された胎盤幹細胞は、CD200+及びHLA-G-である。別の具体的実施態様で
は、単離された胎盤幹細胞はさらに、CD73+及びCD105+でもある。別の具体的実施態様で
は、単離された胎盤幹細胞はさらに、CD34-、CD38-、又はCD45-でもある。別の具体的実
施態様では、単離された胎盤幹細胞はさらに、CD34-、CD38-、及びCD45-でもある。別の
具体的実施態様では、前記胎盤幹細胞は、CD34-、CD38-、CD45-、CD73+、及びCD105+であ
る。別の具体的実施態様では、前記単離されたCD200+又はHLA-G-胎盤幹細胞は、胚様体(e
mbryoid-like body)の形成を可能にする条件下で、該単離された胎盤幹細胞を含む胎盤細
胞の集団における胚様体の形成を促進する。別の具体的実施態様では、単離された胎盤幹
細胞は、前記胎盤幹細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的実施態様では、前
記単離された胎盤幹細胞は、これらの組み合わせのマーカーを呈示しない胎盤細胞から単
離される。

0105

別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な細胞集団は、例
えば濃縮されたCD200+、HLA-G-胎盤幹細胞を含む、細胞の集団である。具体的実施態様で
は、前記集団は、胎盤細胞の集団である。種々の実施態様では、前記細胞集団における細
胞の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくと
も約50%、又は少なくとも約60%は、単離されたCD200+、HLA-G-胎盤幹細胞である。好まし
くは、前記細胞集団における細胞の少なくとも約70%が、単離されたCD200+、HLA-G-胎盤
幹細胞である。より好ましくは、前記細胞の少なくとも約90%、95%、又は99%が、単離さ
れたCD200+、HLA-G-胎盤幹細胞である。細胞集団の具体的実施態様では、前記単離された
CD200+、HLA-G-胎盤幹細胞はまた、CD73+及びCD105+でもある。別の具体的実施態様では
、前記単離されたCD200+、HLA-G-胎盤幹細胞はまた、CD34-、CD38-、又はCD45-でもある
。別の具体的実施態様では、前記単離されたCD200+、HLA-G-胎盤幹細胞はまた、CD34-、C
D38-、CD45-、CD73+、及びCD105+でもある。別の実施態様では、前記細胞集団は、胚様体
の形成を可能にする条件下で培養した場合に1以上の胚様体を生じる。別の具体的実施態
様では、前記細胞集団は、胎盤幹細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的実施
態様では、前記単離されたCD200+、HLA-G-胎盤幹細胞は、これらのマーカーを呈示しない
胎盤細胞から単離される。

0106

別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な単離された胎盤
幹細胞は、CD73+、CD105+、及びCD200+である。別の具体的実施態様では、単離された胎
盤幹細胞は、HLA-G-である。別の具体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、CD34-
、CD38-、又はCD45-である。別の具体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、CD34-
、CD38-、及びCD45-である。別の具体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、CD34-
、CD38-、CD45-、及びHLA-G-である。別の具体的実施態様では、単離されたCD73+、CD105
+、及びCD200+胎盤幹細胞は、単離された胎盤幹細胞を含む胎盤細胞の集団における1以上
の胚様体の形成を、該集団が胚様体の形成を可能にする条件下で培養された場合に促進す
る。別の具体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、該単離された胎盤幹細胞ではな
い胎盤細胞から単離される。別の具体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、これら
のマーカーを呈示しない胎盤細胞から単離される。

0107

別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な細胞集団は、例
えば濃縮された、単離されたCD73+、CD105+、CD200+胎盤幹細胞を含む、細胞の集団であ
る。種々の実施態様では、前記細胞集団における細胞の少なくとも約10%、少なくとも約2
0%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%は、単
離されたCD73+、CD105+、CD200+胎盤幹細胞である。別の実施態様では、前記細胞集団に
おける前記細胞の少なくとも約70%は、単離されたCD73+、CD105+、CD200+胎盤幹細胞であ
る。別の実施態様では、前記細胞集団における細胞の少なくとも約80%、90%、95%、又は9
9%は、単離されたCD73+、CD105+、CD200+胎盤幹細胞である。前記集団の具体的実施態様
では、単離された胎盤幹細胞は、HLA-G-である。別の具体的実施態様では、単離された胎
盤幹細胞はさらに、CD34-、CD38-、又はCD45-でもある。別の具体的実施態様では、単離
された胎盤幹細胞はさらに、CD34-、CD38-、及びCD45-でもある。別の具体的実施態様で
は、単離された胎盤幹細胞はさらに、CD34-、CD38-、CD45-、及びHLA-G-でもある。別の
具体的実施態様では、前記細胞集団は、胚様体の形成を可能にする条件下で培養した場合
に1以上の胚様体を生じる。別の具体的実施態様では、胎盤幹細胞の前記集団は、胎盤幹
細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的実施態様では、胎盤幹細胞の前記集団
は、これらの特性を示さない胎盤細胞から単離される。

0108

ある種の他の実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38-、
CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3-、SSEA4-、OCT-4+、HLA-G-、又
はABC-p+のうちの1以上である。具体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、CD10+、
CD29+、CD34-、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3-、SSEA4
-、及びOCT-4+である。別の具体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、CD10+、CD29
+、CD34-、CD38-、CD45-、CD54+、SH2+、SH3+、及びSH4+である。別の具体的実施態様で
は、単離された胎盤幹細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38-、CD45-、CD54+、SH2+、SH3+
、SH4+、及びOCT-4+である。別の具体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、CD10+
、CD29+、CD34-、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、HLA-G-、SH2+、SH3+、SH4+であ
る。別の具体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、OCT-4+及びABC-p+である。別の
具体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、SH2+、SH3+、SH4+、及びOCT-4+である。
別の実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、OCT-4+、CD34-、SSEA3-、及びSSEA4-であ
る。具体的実施態様では、前記単離されたOCT-4+、CD34-、SSEA3-、及びSSEA4-胎盤幹細
胞はさらに、CD10+、CD29+、CD34-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、及びSH4
+でもある。別の実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、OCT-4+及びCD34-であり、かつ
SH3+又はSH4+のいずれかである。別の実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、CD34-で
あり、かつ、CD10+、CD29+、CD44+、CD54+、CD90+、又はOCT-4+のいずれかである。

0109

別の実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、CD200+及びOCT-4+である。具体的実施態
様では、単離された胎盤幹細胞は、CD73+及びCD105+である。別の具体的実施態様では、
前記単離された胎盤幹細胞は、HLA-G-である。別の具体的実施態様では、前記単離された
CD200+、OCT-4+胎盤幹細胞は、CD34-、CD38-、又はCD45-である。別の具体的実施態様で
は、前記単離されたCD200+、OCT-4+胎盤幹細胞は、CD34-、CD38-、及びCD45-である。別
の具体的実施態様では、前記単離されたCD200+、OCT-4+胎盤幹細胞は、CD34-、CD38-、CD
45-、CD73+、CD105+、及びHLA-G-である。別の具体的実施態様では、単離されたCD200+、
OCT-4+胎盤幹細胞は、該胎盤幹細胞を含む胎盤細胞の集団による1以上の胚様体の産生を
、該集団が胚様体の形成を可能にする条件下で培養された場合に促進する。別の具体的実
施態様では、前記単離されたCD200+、OCT-4+胎盤幹細胞は、前記胎盤幹細胞ではない胎盤
細胞から単離される。別の具体的実施態様では、前記単離されたCD200+、OCT-4+胎盤幹細
胞は、これらの特性を示さない胎盤細胞から単離される。

0110

別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な細胞集団は、例
えば濃縮された、CD200+、OCT-4+胎盤幹細胞を含む、細胞の集団である。種々の実施態様
では、前記細胞集団における細胞の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30
%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%は、単離されたCD200+、OC
T-4+胎盤幹細胞である。別の実施態様では、前記細胞の少なくとも約70%は、前記単離さ
れたCD200+、OCT-4+胎盤幹細胞である。別の実施態様では、前記細胞集団における細胞の
少なくとも約80%、90%、95%、又は99%は、前記単離されたCD200+、OCT-4+胎盤幹細胞であ
る。単離された集団の具体的実施態様では、前記単離されたCD200+、OCT-4+胎盤幹細胞は
さらにCD73+及びCD105+でもある。別の具体的実施態様では、前記単離されたCD200+、OCT
-4+胎盤幹細胞はさらに、HLA-G-でもある。別の具体的実施態様では、前記単離されたCD2
00+、OCT-4+胎盤幹細胞はさらに、CD34-、CD38-、及びCD45-でもある。別の具体的実施態
様では、前記単離されたCD200+、OCT-4+胎盤幹細胞はさらに、CD34-、CD38-、CD45-、CD7
3+、CD105+、及びHLA-G-でもある。別の具体的実施態様では、該細胞集団は、胚様体の形
成を可能にする条件下で培養した場合に1以上の胚様体を生じる。別の具体的実施態様で
は、前記細胞集団は、単離されたCD200+、OCT-4+胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離され
る。別の具体的実施態様では、前記細胞集団は、これらのマーカーを呈示しない胎盤細胞
から単離される。

0111

別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な単離された胎盤
幹細胞は、CD73+、CD105+、及びHLA-G-である。別の具体的実施態様では、単離されたCD7
3+、CD105+、及びHLA-G-胎盤幹細胞はさらに、CD34-、CD38-、又はCD45-でもある。別の
具体的実施態様では、単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤幹細胞はさらに、CD34-、CD
38-、及びCD45-でもある。別の具体的実施態様では、単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-
胎盤幹細胞はさらに、OCT-4+でもある。別の具体的実施態様では、単離されたCD73+、CD1
05+、HLA-G-胎盤幹細胞はさらに、CD200+でもある。別の具体的実施態様では、単離され
たCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤幹細胞はさらに、CD34-、CD38-、CD45-、OCT-4+、及びCD20
0+でもある。別の具体的実施態様では、単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤幹細胞は
、前記胎盤幹細胞を含む胎盤細胞の集団における胚様体の形成を、該集団が胚様体の形成
を可能にする条件下で培養された場合に促進する。別の具体的実施態様では、前記単離さ
れたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤幹細胞は、単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤幹細胞
ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的実施態様では、前記単離されたCD73+、CD1
05+、HLA-G-胎盤幹細胞は、これらのマーカーを呈示しない胎盤細胞から単離される。

0112

別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な細胞集団は、例
えば濃縮された、単離されたCD73+、CD105+、及びHLA-G-胎盤幹細胞を含む、細胞の集団
である。種々の実施態様では、前記細胞集団における細胞の少なくとも約10%、少なくと
も約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%
は、単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤幹細胞である。別の実施態様では、前記細胞
集団における細胞の少なくとも約70%は、単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤幹細胞で
ある。別の実施態様では、前記細胞集団における細胞の少なくとも約90%、95%、又は99%
は、単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤幹細胞である。先述の集団の具体的実施態様
では、前記単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤幹細胞はさらに、CD34-、CD38-、又はC
D45-でもある。別の具体的実施態様では、前記単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤幹
細胞はさらに、CD34-、CD38-、及びCD45-でもある。別の具体的実施態様では、前記単離
されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤幹細胞はさらに、OCT-4+でもある。別の具体的実施態
様では、前記単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤幹細胞はさらに、CD200+でもある。
別の具体的実施態様では、前記単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤幹細胞はさらに、C
D34-、CD38-、CD45-、OCT-4+、及びCD200+でもある。別の具体的実施態様では、前記細胞
集団は、CD73+、CD105+、HLA-G-胎盤幹細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体
的実施態様では、前記細胞集団は、これらのマーカーを呈示しない胎盤細胞から単離され
る。

0113

別の実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、CD73+及びCD105+であり、かつ、前記CD7
3+、CD105+細胞を含む単離された胎盤細胞の集団における1以上の胚様体の形成を、前記
集団が胚様体の形成を可能にする条件下で培養された場合に促進する。別の具体的実施態
様では、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤幹細胞はさらに、CD34-、CD38-、又はCD45-で
もある。別の具体的実施態様では、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤幹細胞はさらに、C
D34-、CD38-、及びCD45-でもある。別の具体的実施態様では、前記単離されたCD73+、CD1
05+胎盤幹細胞はさらに、OCT-4+でもある。別の具体的実施態様では、前記単離されたCD7
3+、CD105+胎盤幹細胞はさらに、OCT-4+、CD34-、CD38-、及びCD45-でもある。別の具体
的実施態様では、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤幹細胞は、前記細胞ではない胎盤細
胞から単離される。別の具体的実施態様では、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤幹細胞
は、これらの特性を示さない胎盤細胞から単離される。

0114

別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な細胞集団は、CD
73+、CD105+であり、かつ前記細胞を含む単離された胎盤細胞の集団における1以上の
体の形成を、前記集団が胚様体の形成を可能にする条件下で培養された場合に促進する、
例えば濃縮された、単離された胎盤幹細胞を含む、細胞の集団である。種々の実施態様で
は、前記細胞集団における細胞の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%
、少なくとも約40%、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%は、前記単離されたCD73+、
CD105+胎盤幹細胞である。別の実施態様では、前記細胞集団における細胞の少なくとも約
70%は、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤幹細胞である。別の実施態様では、前記細胞集
団における細胞の少なくとも約80%、90%、95%、又は99%は、前記単離されたCD73+、CD105
+胎盤幹細胞である。先述の集団の具体的実施態様では、前記単離されたCD73+、CD105+胎
盤幹細胞はさらに、CD34-、CD38-、又はCD45-でもある。別の具体的実施態様では、前記
単離されたCD73+、CD105+胎盤幹細胞はさらに、CD34-、CD38-、及びCD45-でもある。別の
具体的実施態様では、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤幹細胞はさらに、OCT-4+でもあ
る。別の具体的実施態様では、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤幹細胞はさらに、CD200
+でもある。別の具体的実施態様では、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤幹細胞はさらに
、CD34-、CD38-、CD45-、OCT-4+、及びCD200+でもある。別の具体的実施態様では、前記
細胞集団は、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤幹細胞ではない胎盤細胞から単離される
。別の具体的実施態様では、前記細胞集団は、これらのマーカーを呈示しない胎盤細胞か
ら単離される。

0115

別の実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、OCT-4+であり、かつ、前記胎盤幹細胞を
含む単離された胎盤細胞の集団における1以上の胚様体の形成を、前記細胞集団が胚様体
の形成を可能にする条件下で培養された場合に促進する。具体的実施態様では、前記単離
されたOCT-4+胎盤幹細胞はさらに、CD73+及びCD105+でもある。別の具体的実施態様では
、前記単離されたOCT-4+胎盤幹細胞はさらに、CD34-、CD38-、又はCD45-でもある。別の
具体的実施態様では、前記単離されたOCT-4+胎盤幹細胞はさらに、CD200+でもある。別の
具体的実施態様では、前記単離されたOCT-4+胎盤幹細胞はさらに、CD73+、CD105+、CD200
+、CD34-、CD38-、及びCD45-でもある。別の具体的実施態様では、前記単離されたOCT-4+
胎盤幹細胞は、OCT-4+胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的実施態様で
は、前記単離されたOCT-4+胎盤幹細胞は、これらの特性を示さない胎盤細胞から単離され
る。

0116

別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な細胞集団は、OC
T-4+であり、かつ前記細胞を含む単離された胎盤細胞の集団における1以上の胚様体の形
成を、前記集団が胚様体の形成を可能にする条件下で培養された場合に促進する、例えば
濃縮された、単離された胎盤幹細胞を含む、細胞の集団である。種々の実施態様では、前
記細胞集団における細胞の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少な
くとも約40%、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%は、前記単離されたOCT-4+胎盤幹
細胞である。別の実施態様では、前記細胞集団における細胞の少なくとも約70%は、前記
単離されたOCT-4+胎盤幹細胞である。別の実施態様では、前記細胞集団における細胞の少
なくとも約80%、90%、95%、又は99%は、前記単離されたOCT-4+胎盤幹細胞である。先述の
集団の具体的実施態様では、前記単離されたOCT-4+胎盤幹細胞はさらに、CD34-、CD38-、
又はCD45-でもある。別の具体的実施態様では、前記単離されたOCT-4+胎盤幹細胞はさら
に、CD34-、CD38-、及びCD45-でもある。別の具体的実施態様では、前記単離されたOCT-4
+胎盤幹細胞はさらに、CD73+及びCD105+でもある。別の具体的実施態様では、前記単離さ
れたOCT-4+胎盤幹細胞はさらに、CD200+でもある。別の具体的実施態様では、前記単離さ
れたOCT-4+胎盤幹細胞はさらに、CD73+、CD105+、CD200+、CD34-、CD38-、及びCD45-でも
ある。別の具体的実施態様では、前記細胞集団は、前記胎盤幹細胞ではない胎盤細胞から
単離される。別の具体的実施態様では、前記細胞集団は、これらのマーカーを呈示しない
胎盤細胞から単離される。

0117

別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な単離された胎盤
幹細胞は、単離されたHLA-A、B、C+、CD45-、CD133-、及びCD34-胎盤幹細胞である。別の
実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な細胞集団は、単離され
た胎盤幹細胞を含む細胞の集団であり、ここでは、前記細胞集団における細胞の少なくと
も約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%
は、単離されたHLA-A、B、C+、CD45-、CD133-、及びCD34-胎盤幹細胞である。具体的実施
態様では、前記単離された胎盤細胞、又は単離された胎盤細胞の集団は、HLA-A、B、C+、
CD45-、CD133-、及びCD34-胎盤幹細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的実施
態様では、前記単離された胎盤幹細胞は、母親起源ではない。別の具体的実施態様では、
単離された胎盤幹細胞の前記集団は、母親由来の成分を実質的に含まない;例えば、単離
された胎盤幹細胞の前記集団における前記細胞の少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%
、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、母親起源ではない。

0118

別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な単離された胎盤
幹細胞は、単離されたCD10+、CD13+、CD33+、CD45-、CD117-、及びCD133-胎盤幹細胞であ
る。別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な細胞集団は、
単離された胎盤幹細胞を含む細胞の集団であり、ここでは、前記細胞集団における細胞の
少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくと
も約99%は、単離されたCD10+、CD13+、CD33+、CD45-、CD117-、及びCD133-胎盤幹細胞で
ある。具体的実施態様では、前記単離された胎盤幹細胞、又は単離された胎盤幹細胞の集
団は、前記単離された胎盤幹細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的実施態様
では、前記単離されたCD10+、CD13+、CD33+、CD45-、CD117-、及びCD133-胎盤幹細胞は、
母親起源ではない、すなわち、胎児の遺伝子型を有する。別の具体的実施態様では、単離
された胎盤幹細胞の前記集団における前記細胞の少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%
、65%、70%、75%、90%、85%、80%、95%、98%、又は99%は、母親起源ではない。別の具体
的実施態様では、前記単離された胎盤幹細胞、又は単離された胎盤幹細胞の集団は、これ
らの特性を示さない胎盤細胞から単離される。

0119

別の実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、単離されたCD10+CD33-、CD44+、CD45-、
及びCD117-胎盤細胞である。別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物に有
用な細胞集団は、例えば濃縮された、単離された胎盤細胞を含む、細胞の集団であり、こ
こでは、前記細胞集団における細胞の少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約
90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%は、単離されたCD10+CD33-、CD44+、CD45-
、及びCD117-胎盤細胞である。具体的実施態様では、前記単離された胎盤細胞、又は単離
された胎盤細胞の集団は、前記細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的実施態
様では、前記単離された胎盤細胞は、母親起源ではない。別の具体的実施態様では、前記
細胞集団における前記胎盤幹細胞の少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、7
5%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、母親起源ではない。別の具体的実施態様では
、前記単離された胎盤幹細胞、又は単離された胎盤幹細胞の集団は、これらのマーカーを
呈示しない胎盤細胞から単離される。

0120

別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な単離された胎盤
幹細胞は、単離されたCD10+CD13-、CD33-、CD45-、及びCD117-胎盤幹細胞である。別の実
施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な細胞集団は、例えば濃縮
された、単離されたCD10+、CD13-、CD33-、CD45-、及びCD117-胎盤幹細胞を含む、細胞の
集団であり、ここでは、前記集団における細胞の少なくとも約70%、少なくとも約80%、少
なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%が、CD10+CD13-、CD33-、CD45-
、及びCD117-胎盤幹細胞である。具体的実施態様では、前記単離された胎盤幹細胞、又は
単離された胎盤幹細胞の集団は、前記胎盤幹細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の
具体的実施態様では、前記単離された胎盤細胞は、母親起源ではない。別の具体的実施態
様では、前記細胞集団における前記細胞の少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、
70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、母親起源ではない。別の具体的実施態
様では、前記単離された胎盤幹細胞、又は単離された胎盤幹細胞の集団は、これらの特性
を示さない胎盤細胞から単離される。

0121

別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な単離された胎盤
幹細胞は、HLAA、B、C+、CD45-、CD34-、及びCD133-であり、さらに、CD10+、CD13+、CD
38+、CD44+、CD90+、CD105+、CD200+及び/又はHLA-G-、及び/又はCD117について陰性であ
る。別の実施態様では、本明細書に記載する方法において有用な細胞集団は、単離された
胎盤幹細胞を含む細胞の集団であり、ここでは、前記集団における細胞の少なくとも約20
%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98
%、又は約99%は、HLA A,B,C-、CD45-、CD34-、CD133-であり、かつ、さらにCD10、CD13、
CD38、CD44、CD90、CD105、CD200について陽性、及び/又はCD117及び/又はHLA-Gについて
陰性である、単離された胎盤幹細胞である。具体的実施態様では、前記単離された胎盤幹
細胞、又は単離された胎盤幹細胞の集団は、前記胎盤幹細胞ではない胎盤細胞から単離さ
れる。別の具体的実施態様では、前記単離された胎盤幹細胞は、母親起源ではない。別の
具体的実施態様では、前記細胞集団における前記胎盤幹細胞の少なくとも約40%、45%、50
%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、母親起源ではない
。別の具体的実施態様では、前記単離された胎盤幹細胞、又は単離された胎盤幹細胞の集
団は、これらの特性を示さない胎盤細胞から単離される。

0122

別の実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、抗体結合によって判定される場合にCD20
0+及びCD10+、並びに抗体結合とRT-PCRとの両方によって判定される場合にCD117-である
、単離された胎盤幹細胞である。別の実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、CD10+、C
D29-、CD54+、CD200+、HLA-G-、MHCクラスI+、及びβ-2-ミクログロブリン+である単離さ
れた胎盤幹細胞である。別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において
有用な単離された胎盤幹細胞は、少なくとも1つの細胞性マーカーの発現が、同等数の間
葉系幹細胞(例えば、骨髄由来の間葉系幹細胞)よりも少なくとも2倍高い胎盤幹細胞であ
る。別の具体的実施態様では、前記単離された胎盤幹細胞は、母親起源ではない。別の具
体的実施態様では、前記細胞集団における前記細胞の少なくとも約40%、45%、50%、55%、
60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、母親起源ではない。

0123

別の実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、CD10+、CD29+、CD44+、CD45-、CD54/ICA
M+、CD62E-、CD62L-、CD62P-、CD80-、CD86-、CD103-、CD104-、CD105+、CD106/VCAM+、C
D144/VE-カドヘリンlow、CD184/CXCR4-、β2-ミクログロブリンlow、MHC-Ilow、MHC-II-
、HLA-Glow、及び/又はPDL1lowのうちの1以上である、単離された胎盤幹細胞である。具
体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、少なくともCD29+及びCD54+である。別の具
体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、少なくともCD44+及びCD106+である。別の
具体的実施態様では、単離された胎盤幹細胞は、少なくともCD29+である。

0124

別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な細胞集団は、単
離された胎盤幹細胞を含み、前記細胞集団における細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%
、90%、95%、98%、又は99%は、CD10+、CD29+、CD44+、CD45-、CD54/ICAM+、CD62-E-、CD6
2-L-、CD62-P-、CD80-、CD86-、CD103-、CD104-、CD105+、CD106/VCAM+、CD144/VE-カド
ヘリンdim、CD184/CXCR4-、β2-ミクログロブリンdim、HLA-Idim、HLA-II-、HLA-Gdim、
及び/又はPDL1dim胎盤幹細胞のうちの1以上である、単離された胎盤幹細胞である。別の
具体的実施態様では、前記細胞集団における細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%
、95%、98%、又は99%は、CD10+、CD29+、CD44+、CD45-、CD54/ICAM+、CD62-E-、CD62-L-
、CD62-P-、CD80-、CD86-、CD103-、CD104-、CD105+、CD106/VCAM+、CD144/VE-カドヘリ
ンdim、CD184/CXCR4-、β2-ミクログロブリンdim、MHC-Idim、MHC-II-、HLA-Gdim、及びP
DL1dim胎盤幹細胞である。ある種の実施態様では、胎盤幹細胞は、インターフェロンガン
マ(IFN-γ)によって誘導された場合に、HLA-IIマーカーを発現する。

0125

別の実施態様では、本明細書に記載する方法及び組成物において有用な単離された胎盤
幹細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH
4+、SSEA3-、SSEA4-、OCT-4+、及びABC-p+(ここでは、ABC-pは、胎盤特異的ABCトランス
ポータータンパク質(乳癌耐性タンパク質(BCRP)又はミトキサントロン耐性タンパク質(MX
R)としても公知である)である)のうちの1以上又はすべてである、単離された胎盤幹細胞
であり、ここでは、前記単離された胎盤幹細胞は、臍帯血が抜かれ、かつ残留した血液を
取り除くために灌流されている、哺乳類の、例えばヒトの胎盤の灌流によって得られる。

0126

先述の実施態様のいずれかの別の具体的実施態様では、列挙した細胞性マーカー(1つ又
は複数)(例えば、分化又は免疫原性マーカー(1つ又は複数)のクラスター)の発現は、フロ
ーサイトメトリーによって判定される。別の具体的実施態様では、これらのマーカー(1つ
又は複数)の発現は、RT-PCRによって判定される。

0127

遺伝子プロファイリングによって、単離された胎盤幹細胞、及び単離された胎盤幹細胞
の集団が、他の細胞、例えば間葉系幹細胞、例えば骨髄由来の間葉系幹細胞と識別可能
あることが確認される。本明細書に記載する単離された胎盤幹細胞は、単離された胎盤幹
細胞におけるその遺伝子の発現が、骨髄由来の間葉系幹細胞よりも有意に高い、1以上の
遺伝子の発現に基づいて、例えば骨髄由来の間葉系幹細胞と識別することができる。特に
、本明細書で提供する治療の方法において有用な単離された胎盤幹細胞は、単離された胎
盤幹細胞におけるその遺伝子の発現が、同等数の骨髄由来の間葉系幹細胞よりも有意に高
い(すなわち、少なくとも2倍高い)、1以上の遺伝子の発現に基づいて、骨髄由来の間葉
幹細胞と識別することができる。ここでは、この1以上の遺伝子は、細胞を等しい条件下
で成長させた場合、ACTG2、ADARB1、AMIGO2、ARTS-1、B4GALT6、BCHE、C11orf9、CD200、
COL4A1、COL4A2、CPA4、DMDDSC3、DSG2、ELOVL2、F2RL1、FLJ10781、GATA6、GPR126、G
PRC5B、ICAM1、IER3、IGFBP7、IL1A、IL6、IL18、KRT18、KRT8、LIPG、LRAP、MATN2、MES
T、NFE2L3、NUAK1、PCDH7、PDLIM3、PKP2、RTN1、SERPINB9、ST3GAL6、ST6GALNAC5、SLC1
2A8、TCF21、TGFB2、VTN、ZC3H12A、又は前述のもののいずれかの組み合わせである。例
えば、その開示の内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20
07/0275362号を参照のこと。ある種の具体的実施態様では、前記1以上の遺伝子の前記発
現は、例えば、RT-PCR、又は例えばU133-Aマイクロアレイ(Affymetrix社)を使用するマイ
クロアレイ分析によって判定される。

0128

別の具体的実施態様では、前記単離された胎盤幹細胞は、DMEM-LG(例えばGibco社より)
;2%ウシ胎仔血清(例えばHyclone Labs.社より);1×インスリン-トランスフェリン-セレン
(ITS);1×リノール酸-ウシ血清アルブミン(LA-BSA);10-9Mデキサメタゾン(例えばSigma社
より);10-4Mアスコルビン酸2-リン酸エステル(例えばSigma社より);上皮成長因子10ng/mL
(例えばR&D Systems社より);及び血小板由来成長因子(PDGF-BB)10ng/mL(例えばR&D Sys
tems社より)を含む培地中で、何回かの集団倍加、例えば、約3から約35回の集団倍加で培
養された場合に、前記1以上の遺伝子を発現する。別の具体的実施態様では、単離された
胎盤細胞に特異的な遺伝子は、CD200である。

0129

これらの遺伝子に関する具体的な配列は、GenBankで、受託番号NM_001615(ACTG2)、BC0
65545(ADARB1)、(NM_181847(AMIGO2)、AY358590(ARTS-1)、BC074884(B4GALT6)、BC008396
(BCHE)、BC020196(C11orf9)、BC031103(CD200)、NM_001845(COL4A1)、NM_001846(COL4A2)
、BC052289(CPA4)、BC094758(DMD)、AF293359(DSC3)、NM_001943(DSG2)、AF338241(ELOVL
2)、AY336105(F2RL1)、NM_018215(FLJ10781)、AY416799(GATA6)、BC075798(GPR126)、NM_
016235(GPRC5B)、AF340038(ICAM1)、BC000844(IER3)、BC066339(IGFBP7)、BC013142(IL1A
)、BT019749(IL6)、BC007461(IL18)、(BC072017)KRT18、BC075839(KRT8)、BC060825(LIPG
)、BC065240(LRAP)、BC010444(MATN2)、BC011908(MEST)、BC068455(NFE2L3)、NM_014840(
NUAK1)、AB006755(PCDH7)、NM_014476(PDLIM3)、BC126199(PKP-2)、BC090862(RTN1)、BC0
02538(SERPINB9)、BC023312(ST3GAL6)、BC001201(ST6GALNAC5)、BC126160又はBC065328(S
LC12A8)、BC025697(TCF21)、BC096235(TGFB2)、BC005046(VTN)、及びBC005001(ZC3H12A)(
2008年3月付け)で見ることができる。

0130

ある種の具体的実施態様では、前記単離された胎盤幹細胞は、細胞を等しい条件下で成
長させた場合、同等数の骨髄由来の間葉系幹細胞よりも検出可能に高いレベルで、ACTG2
、ADARB1、AMIGO2、ARTS-1、B4GALT6、BCHE、C11orf9、CD200、COL4A1、COL4A2、CPA4、D
MD、DSC3、DSG2、ELOVL2、F2RL1、FLJ10781、GATA6、GPR126、GPRC5B、ICAM1、IER3、IGF
BP7、IL1A、IL6、IL18、KRT18、KRT8、LIPG、LRAP、MATN2、MEST、NFE2L3、NUAK1、PCDH7
、PDLIM3、PKP2、RTN1、SERPINB9、ST3GAL6、ST6GALNAC5、SLC12A8、TCF21、TGFB2、VTN
、及びZC3H12Aのそれぞれを発現する。

0131

具体的実施態様では、本明細書に記載する方法において使用する胎盤幹細胞は、同等数
の骨髄由来の間葉系幹細胞(BM-MSC)による当該遺伝子の発現よりも検出可能に高いレベル
でELOVL2遺伝子を発現する。別の具体的実施態様では、本明細書に記載する方法において
使用する胎盤幹細胞は、同等数のBM-MSCによる当該遺伝子の発現よりも検出可能に高いレ
ベルでST3GAL6遺伝子を発現する。別の具体的実施態様では、本明細書に記載する方法に
おいて使用する胎盤幹細胞は、同等数のBM-MSCによる当該遺伝子の発現よりも検出可能に
高いレベルでST6GALNAC5遺伝子を発現する。別の具体的実施態様では、本明細書に記載す
る方法において使用する胎盤幹細胞は、同等数のBM-MSCによる当該遺伝子の発現よりも検
出可能に高いレベルでSLC12A8遺伝子を発現する。ある種の実施態様では、前記胎盤幹細
胞は、同等数のBM-MSCによる当該遺伝子の発現よりも検出可能に高いレベルで、ARTS-1、
IER3、IL6、KRT18、LRAP、MEST、NFE2L3、又はTGFB2遺伝子を発現する。ある種の実施態
様では、前記胎盤幹細胞は、同等数のBM-MSCによる当該遺伝子の発現よりも検出可能に高
いレベルで、ARTS-1、IER3、IL6、KRT18、LRAP、MEST、NFE2L3、及びTGFB2遺伝子のすべ
てを発現する、又は、これらの遺伝子のいずれかの組み合わせを発現する。ある種の実施
態様では、前記胎盤幹細胞はさらに、CD10+、CD34-、CD105+、及びCD200+でもある。ある
種の実施態様では、前記胎盤幹細胞の少なくとも70%は、母親起源ではない。

0132

具体的実施態様では、本明細書に記載する方法において使用する胎盤幹細胞は、同等数
のBM-MSCによる当該遺伝子の発現よりも検出可能に高いレベルで、ELOVL2、ST3GAL6、ST6
GALNAC5、及びSLC12A8遺伝子のすべてを発現する、又は、これらの遺伝子のいずれかの組
み合わせを発現する。ある種の実施態様では、前記胎盤幹細胞は、同等数のBM-MSCによる
当該遺伝子の発現よりも検出可能に高いレベルで、ARTS-1、IER3、IL6、KRT18、LRAP、ME
ST、NFE2L3、又はTGFB2遺伝子を発現する。ある種の実施態様では、前記胎盤幹細胞は、
同等数のBM-MSCによる当該遺伝子の発現よりも検出可能に高いレベルで、ARTS-1、IER3、
IL6、KRT18、LRAP、MEST、NFE2L3、及びTGFB2遺伝子のすべてを発現する、又は、これら
の遺伝子のいずれかの組み合わせを発現する。ある種の実施態様では、前記胎盤幹細胞は
さらに、CD10+、CD34-、CD105+、及びCD200+でもある。ある種の実施態様では、前記胎盤
幹細胞の少なくとも70%は、母親起源ではない。

0133

ある種の実施態様では、本明細書に記載する方法において使用する胎盤幹細胞は、同等
数のBM-MSCによる当該遺伝子の発現よりも検出可能に高いレベルで、CPA4、TCF21、又はV
TN遺伝子を発現する。具体的実施態様では、本明細書に記載する方法において使用する胎
盤幹細胞は、同等数のBM-MSCによる当該遺伝子の発現よりも検出可能に高いレベルで、CP
A4、TCF21、及びVTN遺伝子のすべてを発現する、又は、これらの遺伝子のいずれかの組み
合わせを発現する。ある種の実施態様では、前記胎盤幹細胞はさらに、CD10+、CD34-、CD
105+、及びCD200+でもある。ある種の実施態様では、前記胎盤幹細胞の少なくとも70%は
、母親起源ではない。

0134

ある種の実施態様では、本明細書に記載する方法において使用する胎盤幹細胞は、同等
数のBM-MSCによる当該遺伝子の発現よりも検出可能に高いレベルで、B4GALT6、FLJ10781
、又はNUAK1遺伝子を発現する。具体的実施態様では、前記胎盤幹細胞は、同等数のBM-MS
Cによる当該遺伝子の発現よりも検出可能に高いレベルでC11orf9遺伝子をさらに発現する
。ある種の実施態様では、前記胎盤幹細胞はさらに、CD10+、CD34-、CD105+、及びCD200+
でもある。ある種の実施態様では、前記胎盤幹細胞の少なくとも70%は、母親起源ではな
い。

0135

具体的実施態様では、本明細書に記載する方法において使用する胎盤幹細胞は、同等数
のBM-MSCによる当該遺伝子の発現よりも検出可能に高いレベルで、B4GALT6、FLJ10781、
及びNUAK1遺伝子のすべてを発現する、又は、これらの遺伝子のいずれかの組み合わせを
発現する。別の具体的実施態様では、前記胎盤幹細胞は、同等数のBM-MSCによる当該遺伝
子の発現よりも検出可能に高いレベルでC11orf9遺伝子をさらに発現する。具体的実施態
様では、本明細書に記載する方法において使用する胎盤幹細胞は、同等数のBM-MSCによる
当該遺伝子の発現よりも検出可能に高いレベルで、B4GALT6、FLJ10781、NUAK1、及びC11o
rf9遺伝子のすべてを発現する、又は、これらの遺伝子のいずれかの組み合わせを発現す
る。ある種の実施態様では、前記胎盤幹細胞はさらに、CD10+、CD34-、CD105+、及びCD20
0+でもある。ある種の実施態様では、前記胎盤幹細胞の少なくとも70%は、母親起源では
ない。

0136

具体的実施態様では、胎盤幹細胞は、同等数の骨髄由来の間葉系幹細胞よりも検出可能
に高いレベルで、CD200及びARTS1(1型腫瘍壊死因子アミノペプチダーゼ調節因子);ARTS
-1及びLRAP(白血球由来のアルギニンアミノペプチダーゼ);IL6(インターロイキン-6)及び
TGFB2(トランスフォーミング成長因子、β2);IL6及びKRT18(ケラチン18);IER3(前初期応
答(immediate early response)3)、MEST(中胚葉特異的転写物相同体)及びTGFB2;CD200及
びIER3;CD200及びIL6;CD200及びKRT18;CD200及びLRAP;CD200及びMEST;CD200及びNFE2L3(
内因子(赤血球由来2)-様3);又はCD200及びTGFB2を発現する。ここでは、前記骨髄由来
の間葉系幹細胞は、前記単離された胎盤幹細胞が受けた継代数と等しい回数継代培養
受けている。他の具体的実施態様では、胎盤幹細胞は、同等数の骨髄由来の間葉系幹細胞
よりも検出可能に高いレベルで、ARTS-1、CD200、IL6及びLRAP;ARTS-1、IL6、TGFB2、IER
3、KRT18及びMEST;CD200、IER3、IL6、KRT18、LRAP、MEST、NFE2L3、及びTGFB2;ARTS-1、
CD200、IER3、IL6、KRT18、LRAP、MEST、NFE2L3、及びTGFB2;又はIER3、MEST及びTGFB2を
発現する。ここでは、前記骨髄由来の間葉系幹細胞は、前記単離された胎盤幹細胞が受け
た継代数と等しい回数の継代培養を受けている。

0137

上に言及した遺伝子の発現は、標準の技術によって評価することができる。例えば、遺
伝子(1つ又は複数)の配列に基づくプローブを、個々に選択し、従来技術によって構築
ることができる。この遺伝子の発現を、例えば、1以上の遺伝子に対するプローブを含む
マイクロアレイ、例えば、Affymetrix GENECHIP(登録商標)ヒトゲノムU133A 2.0アレイ又
はAffymetrix GENECHIP(登録商標)ヒトゲノムU133 Plus 2.0(カリフォルニアサンタク
ララ)上で評価することができる。これらの遺伝子の発現は、特定のGenBank受託番号の配
列が修正された場合でも評価することができる。何故なら、修正された配列に特異的なプ
ローブを、周知の標準の技術を使用して容易に作製することができるからである。

0138

これらの遺伝子の発現のレベルを使用して、単離された胎盤幹細胞の集団の同一性を確
認する、又は、細胞の集団が少なくとも複数の単離された胎盤幹細胞を含むことを確認す
る、又は同様のことを行うことができる。その同一性が確認された、単離された胎盤幹細
胞の集団は、クローン性のもの、例えば、単一の単離された胎盤幹細胞から拡大された単
離された胎盤幹細胞の集団、又は胎盤幹細胞の混合集団(例えば、複数の単離された胎盤
幹細胞から拡大された単離された胎盤幹細胞を含む細胞の集団、又は本明細書に記載した
通りの単離された胎盤幹細胞と少なくとも1つの他の型の細胞とを含む細胞の集団)であり
得る。

0139

これらの遺伝子の発現のレベルを使用して、単離された胎盤幹細胞の集団を選択するこ
とができる。例えば、細胞の集団、例えば、クローン的に拡大された胎盤幹細胞は、上に
列挙した1以上の遺伝子の、該細胞集団由来の試料における発現が、骨髄由来の間葉系幹
細胞の同等の集団よりも有意に高い場合に選択することができる。こうした選択は、複数
の単離された胎盤幹細胞集団由来の集団、その同一性が不明である複数の細胞集団由来の
集団などのためのものであり得る。

0140

単離された胎盤幹細胞は、前記1以上の遺伝子における(例えば、骨髄由来の間葉系幹細
胞対照における)発現のレベルと比較した場合の、1以上のこうした遺伝子の発現のレベル
に基づいて選択することができる。一実施態様では、同等数の骨髄由来の間葉系幹細胞を
含む試料における前記1以上の遺伝子の発現のレベルが、対照として使用される。別の実
施態様では、ある種の条件下で試験される、単離された胎盤幹細胞に対する対照は、前記
条件下での骨髄由来の間葉系幹細胞における前記1以上の遺伝子の発現のレベルを表す数
値である。

0141

本明細書に記載する単離された胎盤幹細胞は、初代培養において、又は、例えばDMEM-L
G(Gibco社)、2%ウシ胎仔血清(FCS)(Hyclone Laboratories社)、1×インスリン-トランス
フェリン-セレン(ITS)、1×リノール酸-ウシ血清アルブミン(LA-BSA)、10-9Mデキサメ
ゾン(Sigma社)、10-4Mアスコルビン酸2-リン酸エステル(Sigma社)、上皮成長因子(EGF)10
ng/ml(R&D Systems社)、血小板由来成長因子(PDGF-BB)10ng/ml(R&D Systems社)、及び100
Uペニシリン/1000Uストレプトマイシンを含む培地中での増殖中に、先述の特性(例えば、
細胞表面マーカー及び/又は遺伝子発現プロファイルの組み合わせ)を示す。

0142

本明細書に開示する胎盤幹細胞のいずれかのある実施態様では、細胞は、ヒトである。
本明細書に開示する胎盤細胞のいずれかのある実施態様では、細胞性マーカー特性又は遺
伝子発現特性は、ヒトマーカー又はヒト遺伝子である。

0143

単離された胎盤幹細胞、又は単離された胎盤幹細胞を含む細胞の集団の、別の具体的実
施態様では、前記細胞又は集団は、拡大されている、例えば、少なくとも、又はおよそ、
又は多くとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19
、若しくは20回継代されているか、又は少なくとも、又はおよそ、又は多くとも、1、2、
3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38
、又は40回の集団倍加で増殖されている。前記単離された胎盤幹細胞、又は単離された胎
盤幹細胞を含む細胞の集団の、別の具体的実施態様では、前記細胞又は集団は、初代分離
株である。本明細書に開示する単離された胎盤幹細胞、又は単離された胎盤幹細胞を含む
細胞の集団の、別の具体的実施態様では、前記単離された胎盤幹細胞は、胎児起源である
(すなわち、胎児の遺伝子型を有する)。

0144

ある種の実施態様では、前記単離された胎盤幹細胞は、成長培地(すなわち、増殖を促
進するように調合された培地)中での培養中、例えば、成長培地中での増殖中には分化し
ない。別の具体的実施態様では、前記単離された胎盤幹細胞は、増殖させるために支持細
胞層を必要としない。別の具体的実施態様では、前記単離された胎盤幹細胞は、支持細胞
層が存在しないというだけの理由で、支持細胞層の非存在下の培養では分化しない。

0145

別の実施態様では、単離された胎盤細胞は、アルデヒドデヒドロゲナーゼ活性アッセイ
によって評価した場合に、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)について陽性である。こう
したアッセイは、当技術分野で公知である(例えば、Bostian及びBettsの文献、Biochem.J
.,173,787(1978)を参照のこと)。具体的実施態様では、前記ALDHアッセイは、アルデヒド
デヒドロゲナーゼ活性のマーカーとして、ALDEFLUOR(登録商標)(Aldagen社、オレゴン州A
shland)を使用する。具体的実施態様では、胎盤幹細胞の約3%から約25%が、ALDHについて
陽性である。別の実施態様では、前記単離された胎盤幹細胞は、ほぼ同じ細胞数の同じ条
件下で培養された骨髄由来の間葉系幹細胞の集団よりも少なくとも3倍、又は少なくとも5
倍高いALDH活性を示す。

0146

本明細書に記載する単離された胎盤幹細胞を含む細胞の集団のいずれかのある実施態様
では、細胞の前記集団における胎盤幹細胞は、母親の遺伝子型を有する細胞を実質的に含
まない;例えば、前記集団における胎盤幹細胞の少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65
%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、胎児の遺伝子型を有する。本明細
書に記載する単離された胎盤幹細胞を含む細胞の集団のいずれかのある種の他の実施態様
では、前記胎盤幹細胞を含む細胞の集団は、母親の遺伝子型を有する細胞を実質的に含ま
ない;例えば、前記集団における細胞の少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、
75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、胎児の遺伝子型を有する。

0147

先述の単離された胎盤幹細胞、又は単離された胎盤幹細胞を含む細胞集団の、いずれか
の具体的実施態様では、細胞、例えばすべての細胞、又は前記集団における少なくとも約
95%又は約99%の細胞の核型は、正常である。先述の胎盤幹細胞又は集団又は胎盤幹細胞の
いずれかの別の具体的実施態様では、胎盤幹細胞は、母親起源ではない。

0148

本明細書に開示する胎盤細胞の実施態様のいずれかの具体的実施態様では、胎盤細胞は
、遺伝的に安定であり、正常な倍数染色体数及び正常な核型を示す。

0149

マーカーの先述の組み合わせのいずれかを有する単離された胎盤幹細胞又は単離された
胎盤幹細胞の集団を、任意の比で組み合わせることができる。任意の2種以上の先述の単
離された胎盤幹細胞集団を組み合わせて、単離された胎盤幹細胞集団を形成することがで
きる。例えば、単離された胎盤幹細胞の集団は、先に記載したマーカー組み合わせのうち
のあるものによって定義される単離された胎盤幹細胞の第1の集団と、先に記載したマー
カー組み合わせのうちの別のものによって定義される単離された胎盤幹細胞の第2の集団
とを含むことができる。ここでは、前記第1の集団と第2の集団は、約1:99、2:98、3:97、
4:96、5:95、10:90、20:80、30:70、40:60、50:50、60:40、70:30、80:20、90:10、95:5
、96:4、97:3、98:2、又は約99:1の比で組み合わせられる。同様に、任意の3種、4種、5
種、又はそれ以上の先述の単離された胎盤幹細胞又は単離された胎盤幹細胞集団を組み合
わせることができる。

0150

本明細書に記載する方法及び組成物において有用な単離された胎盤幹細胞は、例えば、
酵素的消化(5.3.3節参照)若しくは灌流(セクション5.3.4節参照)を伴う又は伴わない胎盤
組織の破壊によって得ることができる。例えば、単離された胎盤幹細胞の集団は、臍帯血
が抜かれ、かつ残留した血液を取り除くために灌流されている哺乳類胎盤を灌流すること
;前記胎盤を灌流溶液で灌流すること;前記灌流溶液を収集すること(ここでは、灌流後の
前記灌流溶液は、単離された胎盤幹細胞を含む胎盤細胞の集団を含む);及び前記細胞集団
から前記胎盤幹細胞を単離することを含む方法に従って生じることができる。具体的実施
態様では、灌流溶液を、臍帯静脈臍帯動脈の両方に通過させ、胎盤から浸出した後に収
集する。別の具体的実施態様では、灌流溶液を、臍帯静脈に通過させて、臍帯動脈から収
集する、又は臍帯動脈に通過させて、臍帯静脈から収集する。

0151

種々の実施態様では、胎盤の灌流から得られる細胞の集団に含有される単離された胎盤
幹細胞は、胎盤幹細胞の前記集団の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又
は少なくとも99.5%である。別の具体的実施態様では、灌流によって収集される単離され
た胎盤幹細胞は、胎児細胞及び母親細胞を含む。別の具体的実施態様では、灌流によって
収集される単離された胎盤幹細胞は、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、
又は少なくとも99.5%、胎児の細胞である。

0152

別の具体的実施態様では、本明細書で提供されるのは、灌流によって収集される(単離
される)、本明細書に記載する通りの、単離された胎盤幹細胞の集団を含む組成物である
。ここでは、前記組成物は、胎盤幹細胞を単離するために使用される灌流溶液の少なくと
も一部分を含む。

0153

本明細書に記載する単離された胎盤幹細胞の集団は、組織破壊酵素を用いて胎盤組織を
消化して、胎盤幹細胞を含む胎盤細胞の集団を得ることと、前記胎盤細胞の残部から複数
の胎盤幹細胞を単離すること、又は実質的に単離することによって生じることができる。
胎盤の全体又は任意の部分を消化して、本明細書に記載する単離された胎盤幹細胞を得る
ことができる。具体的実施態様では、例えば、前記胎盤組織は、全胎盤(例えば臍帯を含
めて)、羊膜、絨毛膜、羊膜と絨毛膜との組み合わせ、又は前述のもののいずれかの組み
合わせであり得る。他の具体的実施態様では、組織破壊酵素は、トリプシン又はコラゲナ
ーゼである。種々の実施態様では、胎盤を消化することによって得られる細胞の集団に含
有される単離された胎盤幹細胞は、前記胎盤細胞の集団の少なくとも50%、60%、70%、80%
、90%、95%、99%、又は少なくとも99.5%である。

0154

先に記載した単離された胎盤幹細胞の集団、及び単離された胎盤幹細胞の集団は一般に
、およそ、又は少なくとも、又は多くとも1×105、5×105、1×106、5×106、1×107、5
×107、1×108、5×108、1×109、5×109、1×1010、5×1010、1×1011個、又はそれ以上
の単離された胎盤幹細胞を含むことができる。本明細書に記載する治療の方法において有
用な単離された胎盤幹細胞の集団は、例えば、例えばトリパンブルー排除によって決定さ
れる場合に少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は9
9%生存している単離された胎盤幹細胞を含む。

0155

先述の胎盤幹細胞、又は胎盤幹細胞の集団のいずれかについては、胎盤幹細胞の細胞又
は集団は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、又は20回又は
それ以上継代されている、若しくは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、2
0、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は40回又はそれ以上の集団倍加で拡大され
ている細胞である、又は該細胞を含むことができる。

0156

先述の胎盤幹細胞又は胎盤幹細胞集団のいずれかの具体的実施態様では、細胞の、又は
前記集団における細胞の少なくとも約95%又は約99%の核型は、正常である。先述の胎盤幹
細胞又は胎盤幹細胞集団のいずれかの別の具体的実施態様では、細胞、又は該細胞集団内
の細胞は、母親起源ではない。

0157

マーカーの先述の組み合わせのいずれかを有する単離された胎盤幹細胞又は単離された
胎盤幹細胞の集団を、任意の比で組み合わせることができる。任意の2種以上の先述の胎
幹細胞集団を単離又は濃縮して、胎盤幹細胞集団を形成することができる。例えば、先
に記載したマーカー組み合わせのうちのあるものによって定義される胎盤幹細胞の第1の
集団を含む単離された胎盤幹細胞の集団を、先に記載したマーカー組み合わせのうちの別
のものによって定義される胎盤幹細胞の第2の集団と組み合わせることができる。ここで
は、前記第1の集団と第2の集団は、約1:99、2:98、3:97、4:96、5:95、10:90、20:80、30
:70、40:60、50:50、60:40、70:30、80:20、90:10、95:5、96:4、97:3、98:2、又は約99:
1の比で組み合わせられる。同様に、任意の3種、4種、5種、又はそれ以上の先述の胎盤幹
細胞又は胎盤幹細胞集団を組み合わせることができる。

0158

先に言及した胎盤幹細胞の具体的実施態様では、胎盤幹細胞は、IL-6、IL-8、及び単球
走化性タンパク質(MCP-1)を恒常的に分泌する。

0159

先に記載した胎盤細胞の集団は、およそ、又は少なくとも、又は多くとも1×105、5×1
05、1×106、5×106、1×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107
、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107
、9.5×107、1×108、5×108、1×109、5×109、1×1010、5×1010、1×1011個、又はそ
れ以上の胎盤幹細胞を含むことができる。ある種の実施態様では、先に記載した胎盤細胞
の集団は、約1×105から約1×106、約1×105から約1×107、約1×106から約1×107、約1
×106から約1×108、約1×107から約1×108、約1×107から約1×109、約1×108から約1×
1010、約1×109から約1×1010、又は約1×1010から約1×1011個の胎盤幹細胞を含むこと
ができる。

0160

ある種の実施態様では、本明細書で提供する方法において有用な胎盤幹細胞は、1から1
00ng/mLのVEGFへの4から21日間の曝露後の免疫局在決定によって検出されるCD34を発現し
ない。具体的実施態様では、前記胎盤幹細胞は、組織培養プラスチックに対して接着性で
ある。別の具体的実施態様では、前記胎盤幹細胞は、例えばMATRIGEL(商標)などの基材
で、例えば、血管新生因子、例えば血管内皮成長因子(VEGF)、上皮成長因子(EGF)、血小
板由来成長因子(PDGF)又は塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)などの存在下で培養した場合
内皮細胞出芽又は管様構造を形成するように誘導する。

0161

別の態様では、本明細書で提供する胎盤幹細胞、又は細胞の集団(例えば胎盤幹細胞の
集団)、又は前記細胞集団における細胞の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、
若しくは98%が胎盤幹細胞である細胞の集団は、VEGF、HGF、IL-8、MCP-3、FGF2、フォ
スタチン、G-CSF、EGF、ENA-78、GRO、IL-6、MCP-1、PDGF-BB、TIMP-2、uPAR、若しくは
ガレクチン-1のうちの1以上又はすべてを、例えば、1つ又は複数の細胞が成長する培養培
地に分泌する。別の実施態様では、胎盤幹細胞は、低酸素条件(例えば、約5%未満のO2)下
で、正常酸素条件(例えば、約20%又は約21% O2)と比較して増大したレベルのCD202b、IL-
8、及び/又はVEGFを発現する。

0162

別の実施態様では、本明細書に記載する胎盤幹細胞又は胎盤幹細胞を含む細胞の集団の
いずれかは、前記胎盤幹細胞と接触する内皮細胞の集団における出芽又は管様構造の形成
を引き起こすことができる。具体的実施態様では、胎盤幹細胞は、ヒト内皮細胞共培養
され、これは、例えば、胎盤コラーゲン又はMATRIGEL(商標)などの基材内又は該基材上で
細胞外マトリクスタンパク質(I型及びIV型コラーゲンなど)及び/又は血管新生因子(血
内皮成長因子(VEGF)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、又は塩基性
維芽細胞成長因子(bFGF)など)の存在下で、少なくとも4日間培養した場合に、出芽又は管
様構造を形成する、或いは内皮細胞出芽の形成を助ける。別の実施態様では、本明細書に
記載する胎盤幹細胞を含む細胞の集団のいずれかは、血管内皮成長因子(VEGF)、肝細胞
因子(HGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、又はイン
ターロイキン-8(IL-8)などの血管新生因子を分泌し、それによって、ヒト内皮細胞が、胎
盤コラーゲン又はMATRIGEL(商標)などの基材内又は該基材上で、I型及びIV型コラーゲン
などの細胞外マトリクスタンパク質の存在下で培養された場合に、出芽又は管様構造を形
成するのを誘導することができる。

別の実施態様では、胎盤幹細胞を含む細胞の先述の集団のいずれかは、血管新生因子を
分泌する。具体的実施態様では、該細胞の集団は、血管内皮成長因子(VEGF)、肝細胞成長
因子(HGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、及び/又はイ
ンターロイキン-8(IL-8)を分泌する。他の具体的実施態様では、胎盤幹細胞を含む細胞の
集団は、1種以上の血管新生因子を分泌し、それによって、ヒト内皮細胞がインビトロ創
傷治癒アッセイにおいて遊走するのを誘導する。他の具体的実施態様では、胎盤幹細胞を
含む細胞の集団は、ヒト内皮細胞、内皮前駆細胞筋細胞、又は筋芽細胞の成熟、分化、
又は増殖を誘導する。

0163

(5.4.3胎盤細胞集団の選択及び産生)
ある種の実施態様では、免疫抑制性である胎盤幹細胞の集団を選択することができる。
一実施態様では、例えば、免疫抑制性胎盤幹細胞は、複数の胎盤細胞から選択することが
でき、これは、胎盤細胞の集団であって、該細胞の少なくとも10%、少なくとも20%、少な
くとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくと
も80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%が、CD10+、CD34-、CD105+胎盤幹細胞、CD10+
、CD34-、CD200+胎盤幹細胞、若しくはCD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞であり
、かつ、該胎盤幹細胞が、混合リンパ球反応(MLR)アッセイにおいてT細胞増殖を検出可能
に抑制する、前記胎盤細胞の集団を選択することを含む。具体的実施態様では、前記選択
は、CD45-及びCD90+でもある胎盤幹細胞を選択することを含む。

0164

別の実施態様では、本明細書で提供されるのは、複数の胎盤細胞から複数の免疫抑制性
胎盤幹細胞を選択する方法であって、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、
少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少な
くとも90%、又は少なくとも95%が、CD200+、HLA-G-胎盤幹細胞であり、かつ、混合リンパ
球反応(MLR)アッセイにおいてT細胞増殖を検出可能に抑制する、胎盤幹細胞の集団を選択
することを含む前記方法である。具体的実施態様では、前記選択は、CD73+及びCD105+で
もある胎盤幹細胞を選択することを含む。別の具体的実施態様では、前記選択は、CD34-
、CD38-、又はCD45-でもある胎盤幹細胞を選択することを含む。別の具体的実施態様では
、前記選択は、CD34-、CD38-、CD45-、CD73+、及びCD105+でもある胎盤幹細胞を選択する
ことを含む。別の具体的実施態様では、前記選択はまた、複数の胎盤細胞、例えば、胚様
体の形成を可能にする条件下で培養した場合に1以上の胚様体を形成する、先に記載した
胎盤幹細胞を選択することも含む。

0165

別の実施態様では、本明細書で提供されるのは、複数の胎盤細胞から複数の免疫抑制性
胎盤幹細胞を選択する方法であって、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、
少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少な
くとも90%、又は少なくとも95%が、CD73+、CD105+、CD200+胎盤幹細胞であり、かつ混合
リンパ球反応(MLR)アッセイにおいてT細胞増殖を検出可能に抑制する、複数の胎盤細胞を
選択することを含む前記方法である。具体的実施態様では、前記選択は、HLA-G-でもある
胎盤幹細胞を選択することを含む。別の具体的実施態様では、前記選択は、CD34-、CD38-
、又はCD45-でもある胎盤幹細胞を選択することを含む。別の具体的実施態様では、前記
選択は、CD34-、CD38-、及びCD45-でもある胎盤幹細胞を選択することを含む。別の具体
的実施態様では、前記選択は、CD34-、CD38-、CD45-、及びHLA-G-でもある胎盤幹細胞を
選択することを含む。別の具体的実施態様では、前記選択は、胚様体の形成を可能にする
条件下で培養された場合に1以上の胚様体を産生する胎盤幹細胞の集団を選択することを
さらに含む。

0166

別の実施態様では、本明細書で提供されるのはまた、複数の胎盤細胞から複数の免疫抑
制性胎盤幹細胞を選択する方法であって、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30
%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少
なくとも90%、又は少なくとも95%が、CD200+、OCT-4+胎盤幹細胞であり、かつ、混合リン
パ球反応(MLR)アッセイにおいてT細胞増殖を検出可能に抑制する、複数の胎盤細胞を選択
することを含む前記方法である。具体的実施態様では、前記選択は、CD73+及びCD105+で
もある胎盤幹細胞を選択することを含む。別の具体的実施態様では、前記選択は、HLA-G-
でもある胎盤幹細胞を選択することを含む。別の具体的実施態様では、前記選択は、CD34
-、CD38-、及びCD45-でもある胎盤幹細胞を選択することを含む。別の具体的実施態様で
は、前記選択は、CD34-、CD38-、CD45-、CD73+、CD105+、及びHLA-G-でもある胎盤幹細胞
を選択することを含む。

0167

別の実施態様では、本明細書で提供されるのは、複数の胎盤細胞から複数の免疫抑制性
胎盤幹細胞を選択する方法であって、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、
少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少な
くとも90%、又は少なくとも95%が、CD73+、CD105+、及びHLA-G-胎盤幹細胞であり、かつ
、混合リンパ球反応(MLR)アッセイにおいてT細胞増殖を検出可能に抑制する、複数の胎盤
細胞を選択することを含む前記方法である。具体的実施態様では、前記選択は、CD34-、C
D38-、又はCD45-でもある胎盤幹細胞を選択することを含む。別の具体的実施態様では、
前記選択は、CD34-、CD38-、及びCD45-でもある胎盤幹細胞を選択することを含む。別の
具体的実施態様では、前記選択は、CD200+でもある胎盤幹細胞を選択することを含む。別
の具体的実施態様では、前記選択は、CD34-、CD38-、CD45-、OCT-4+、及びCD200+でもあ
る胎盤幹細胞を選択することを含む。

0168

別の実施態様では、本明細書で提供されるのはまた、複数の胎盤細胞から複数の免疫抑
制性胎盤幹細胞を選択する方法であって、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30
%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少
なくとも90%、又は少なくとも95%が、CD73+、CD105+胎盤幹細胞であり、かつ、胚様体の
形成を可能にする条件下で1以上の胚様体を形成する、複数の胎盤細胞を選択することを
含む前記方法である。具体的実施態様では、前記選択は、CD34-、CD38-、又はCD45-でも
ある胎盤幹細胞を選択することを含む。別の具体的実施態様では、前記選択は、CD34-、C
D38-、及びCD45-でもある胎盤幹細胞を選択することを含む。別の具体的実施態様では、
前記選択は、OCT-4+でもある胎盤幹細胞を選択することを含む。より具体的な実施態様で
は、前記選択は、OCT-4+、CD34-、CD38-、及びCD45-でもある胎盤幹細胞を選択すること
を含む。

0169

別の実施態様では、本明細書で提供されるのは、複数の胎盤細胞から複数の免疫抑制性
胎盤幹細胞を選択する方法であって、前記単離された胎盤細胞の少なくとも10%、少なく
とも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも7
0%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%が、OCT4+胎盤幹細胞であり、か
つ、胚様体の形成を可能にする条件下で1以上の胚様体を形成する、複数の胎盤幹細胞を
選択することを含む前記方法である。具体的実施態様では、前記選択は、CD73+及びCD105
+でもある胎盤幹細胞を選択することを含む。別の具体的実施態様では、前記選択は、CD3
4-、CD38-、又はCD45-でもある胎盤幹細胞を選択することを含む。別の具体的実施態様で
は、前記選択は、CD200+でもある胎盤幹細胞を選択することを含む。より具体的な実施態
様では、前記選択は、CD73+、CD105+、CD200+、CD34-、CD38-、及びCD45-でもある胎盤幹
細胞を選択することを含む。

0170

胎盤細胞の免疫抑制性集団又は複数細胞は、本明細書の方法に従って産生することがで
きる。例えば、本明細書で提供されるのは、細胞集団を産生する方法であって、先に記載
した複数の胎盤幹細胞のいずれかを選択することと、他の細胞、例えば他の胎盤細胞から
複数の胎盤細胞を単離することとを含む前記方法である。具体的実施態様では、本明細書
で提供されるのは、細胞集団を産生する方法であって、(a)基材に接着する、かつ、(b)CD
200を発現し、かつHLA-Gを発現しない;又はCD73、CD105、及びCD200を発現する;又はCD20
0及びOCT-4を発現する;又はCD73、CD105を発現し、かつHLA-Gを発現しない;又はCD73及び
CD105を発現し、かつ胎盤幹細胞を含む胎盤細胞の集団において、前記集団が胚様体の形
成を可能にする条件下で培養された場合に、1以上の胚様体の形成を促進する;又はOCT-4
を発現し、かつ、胎盤幹細胞を含む胎盤細胞の集団において、前記集団が胚様体の形成を
可能にする条件下で培養された場合に、1以上の胚様体の形成を促進する;かつ、(c)MLR(
混合リンパ球反応)又は退行アッセイにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制す
る;胎盤幹細胞を選択することと;他の細胞から前記胎盤幹細胞を選択する又は前記胎盤幹
細胞を単離して、細胞集団を形成することとを含む前記方法である。

0171

より具体的な実施態様では、免疫抑制性胎盤幹細胞集団は、(a)基材に接着する、かつ(
b)CD200を発現し、かつHLA-Gを発現しない、かつ(c)MLR(混合リンパ球反応)においてCD4+
又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制する、胎盤幹細胞を選択することと;他の細胞から前
記胎盤幹細胞を単離して細胞集団を形成することとを含む方法によって産生することがで
きる。別の具体的実施態様では、該方法は、(a)基材に接着する、かつ(b)CD73、CD105、
及びCD200を発現する、かつ(c)MLRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制する
、胎盤幹細胞を選択することと;他の細胞から前記胎盤幹細胞を単離して細胞集団を形成
することとを含む。別の具体的実施態様では、本明細書で提供されるのは、細胞集団を産
生する方法であって、(a)基材に接着する、かつ(b)CD200及びOCT-4を発現する、かつ(c)M
LRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制する、胎盤幹細胞を選択することと;
他の細胞から前記胎盤幹細胞を単離して細胞集団を形成することとを含む前記方法である
。別の具体的実施態様では、本明細書で提供されるのは、細胞集団を産生する方法であっ
て、(a)基材に接着する、かつ(b)CD73及びCD105を発現する、かつ(c)胚様体の形成を可能
にする条件下で培養された場合に胚様体を形成する、かつ(d)MLRにおいてCD4+又はCD8+T
細胞増殖を検出可能に抑制する、胎盤幹細胞を選択することと;他の細胞から前記胎盤幹
細胞を単離して細胞集団を形成することとを含む前記方法である。別の具体的実施態様で
は、該方法は、(a)基材に接着する、かつ(b)CD73及びCD105を発現し、かつHLA-Gを発現し
ない、かつ(c)MLRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制する、胎盤幹細胞を
選択することと;他の細胞から前記胎盤幹細胞を単離して細胞集団を形成することとを含
む。別の具体的実施態様では、該方法は、(a)基材に接着する、かつ(b)OCT-4を発現する
、かつ(c)胚様体の形成を可能にする条件下で培養された場合に胚様体を形成する、かつ(
d)MLRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制する、胎盤幹細胞を選択すること
と;他の細胞から前記胎盤細胞を単離して細胞集団を形成することとを含む。

0172

免疫抑制性胎盤幹細胞集団を産生する方法の具体的実施態様では、前記T細胞と前記胎
盤幹細胞は、前記MLRにおいて、約5:1の比で存在する。該方法において使用される胎盤幹
細胞は、全胎盤、又は主として羊膜、若しくは羊膜と絨毛膜に由来し得る。別の具体的実
施態様では、該胎盤幹細胞は、前記MLRにおけるCD4+又はCD8+T細胞増殖を、前記胎盤幹細
胞の非存在下での前記MLRにおけるT細胞増殖の量と比較して、少なくとも50%、少なくと
も75%、少なくとも90%、又は少なくとも95%抑制する。該方法は、他の免疫細胞の免疫調
節、例えば活性(例えばナチュラルキラー(NK)細胞の活性)の抑制が可能である胎盤幹細胞
集団の選択及び/又は産生をさらに含む。

0173

(5.4.4疼痛モデル)
ある種の実施態様では、本明細書に記載する胎盤幹細胞は、例えば動物疼痛モデルにお
いて、疼痛を軽減又は改善する能力を特徴とする。例えば、胎盤幹細胞の一団又は一群
産生される場合、疼痛の1以上の動物モデルを使用して、その一団又は一群の試料を試験
することができる。疼痛アッセイにおける疼痛の許容し得る軽減をもたらす試料を得た胎
盤幹細胞は、さらなる使用のために、例えば、あらゆるタイプの疼痛の改善のために、又
は特定のタイプの疼痛の改善のために、選択することができる。試験される胎盤幹細胞は
、治療的に有効であると考えられる1つのアッセイにおいて試験されればよい、及び/又は
治療的に有効であると考えられる1つのアッセイにおける効力を示せばよく;疼痛の複数の
又はすべての動物モデルでの試験は必須ではないことを理解するべきである。ある種の実
施態様では、1以上の関連するタイプの疼痛、又はある特定の患者集団の治療に関連する
疼痛に関する疼痛アッセイにおいて、試料胎盤幹細胞を試験することができる。

0174

ある種の実施態様では、該胎盤幹細胞は、例えば、内臓痛の酢酸誘発モデルにおいて試
験することができる。こうした研究は、例えば、マウス1kgあたり約10mLの用量体積で、
酢酸を、ビヒクル又は胎盤幹細胞(例えば、1×106から1×108個)(酢酸投与の前に投与さ
れる)と共に腹腔内に投与することによって行うことができる。最初の5分は棄却し、その
後の20分間、もがく回数を記録する。各実験は、次の群を含む:ビヒクル+2〜5の胎盤幹細
胞の投与+陽性対照;n=10/群。

0175

ある種の他の実施態様では、Chung脊髄神経結紮モデル(L5及びL6脊髄神経がきつく結紮
され、安定かつ長期持続的な神経障害性疼痛がもたらされる)を使用して、胎盤幹細胞の
試料を試験することができる。

0176

ある種の他の実施態様では、末梢の神経障害のタキソールアッセイを使用して、胎盤幹
細胞の試料を試験することができる。ここでは、疼痛は、一連のタキソール注射の施与後
のラットにおいて、徐々に現れる。

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