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図面 (17)

課題

対象においてサイトカインレベルを調整し、それによって炎症関連障害処置する医薬組成物の提供。

解決手段

少なくとも1つの金属、具体的にはZn2+またはGa3+または銀または金とのノカルダミン(デスフェリオキサミンE)の錯体またはそれらの何らかの組み合わせを含む医薬組成物。さらに、当該医薬組成物の調製のための手順ならびに組成物および錯体を使用する方法を提供する。

概要

背景

今回開示される主題に対する背景として関係があると考えられる参考文献を以下で列挙する:
1. Ferrero−Milani L et al. Clin Exp Immunol. 2007; 147(2): 227-235
2. Andersen CJ. Nutrients. 2015; 7(9):78
89−913
3. Diaz−Gonsalez F et al. Eur J Immunol.
2015; 45(3):679−86
4. Nohl H et al. Free. Radic. Biol. Med.
1991; 11(6):581−8
5. Konijn AM, Baillieres Clin. Haematol.
1994; 7(4):829−49
6. Goldoni P et al. J. Med. Microbiol. 1
991; 34(2):113−8
7. Gutteridge JM et al. Biochem. J. 1979
; 184(2):469−72
8. Dhungana S et al. J.Biol.Inorg.Chem. 2001; 6:810−818
9. Banin E et al. Proc. Natl. Acad. Sci.
USA. 2008; 105(43): 16761-16766
10. Obolensky A et al. Free Radic. Biol.
Med. 2011; 51(8):1482−91
11. US 5,075,469
12. WO 2011/021203
13. WO 2004060490
14. US 5,051,523
15. Faulkner KM et al. Arch Biochem Biophys. 1994; 310(2):341−6.
16. EP2129762
17. US 5,618,838
18. Meiwes et al. Appl Microbiol Biotechnol 1990 32:505−510
19. Goebeler M et al. Arch. Dermatol. Res. 1991; 283:246−250

明細書中の上記参考文献の謝辞は、これらが、今回開示される主題の特許性に何らかの形で関連することを意味するものとして推論されるべきものではない。

炎症は、病原体損傷細胞または刺激物など、刺激に対する身体組織の複雑な生物学的反応の一部である。炎症は、免疫細胞、血管および分子メディエーターを含む防御反応である(1)。炎症の目的は、細胞損傷の最初の原因を排除すること、元の傷害および炎症過程から損傷を受けた壊死細胞および組織を取り除くこと、および組織修復を開始することである。急性炎症の古典的な生理学徴候は、疼痛発熱発赤腫脹および機能喪失である。炎症は、一般的な反応であり、したがって自然免疫機序として考えられる。炎症は急性または慢性の何れかとして分類され得る。急性炎症は、有害な刺激に対する身体の最初の反応であり、受傷組織への血液からの白血球、特に顆粒球動員増加によって達成される。一連生化学的事象は、受傷組織内の局所血管系、免疫系および様々な細胞を含む炎症性反応を広め、促進する。慢性炎症は炎症の延長であり、これは炎症部位に存在する細胞のタイプが進行性転換していくことにつながり、炎症過程に関与する組織の同時的な破壊および治癒を特徴とする(2)。

多くの生理活性化合物は、様々な機序を介して作用する抗炎症特性を保有する。この機序のうち1つはシクロオキシゲナーゼ活性の直接的な妨害を含み得、それによって炎症促進性分子プロスタグランジンの産生を相殺する。他の生理活性分子は、炎症促進性サイトカインの活性を抑制するか、または炎症反応中に好中球におけるL−セレクチン機能を妨げる(3)。

したがって、具体的には炎症促進性および抗炎症性サイトカインおよび何らかの他の免疫調整因子の調整を介して免疫反応を調整する化合物は、免疫反応を調整し、関連する障害を調節するためのツールとして価値がある。

カルダミン−シデロホア(CAS#26605−16−3)は、細菌、真菌および植物細胞への鉄輸送に関与する。鉄は、生体系において重要な役割を果たす必須元素である。鉄はヒト身体で多量にある金属である。健康な成人において、鉄の総量は3〜4グラムであり、その殆どは赤血球細胞中のヘモグロビン酸素輸送タンパク質および主要なタンパク質成分内にある。身体の鉄のうち僅かなものが、酸素結合タンパク質ミオグロビンとして筋肉にある。身体の鉄の約1%は、呼吸および電子伝達に関与するタンパク質を含む、様々な鉄含有酵素および多量の鉄依存性酸化還元タンパク質に結合する。一方で、「不安定な」および酸化還元活性のある鉄プールの一部は、フェントン反応を介したヒドロキシルラジカルを含む反応性酸素由来の種(ROS)の形成において重要な関与物となり、したがって炎症状態発現など、組織誘導性損傷を触媒する(4)。実際に、様々な臓器および組織において、過剰な組織鉄といくつかの病理学的および炎症性現象との間には直接的な関連がある(5)。したがって、鉄封鎖は、病原性微生物において静菌性および殺菌性効果を有し得る(6、7)。

鉄は、細菌増殖を含め、細胞増殖に必要とされる。微生物において、鉄獲得には低分子量第二鉄イオン選択配位子ファミリー−シデロホアが介在し、細胞結合型受容体および関連する細胞内利用構成要素に相当する受容体介在機序を介して鉄を細胞と往復させる。

金属イオンとシデロホアの錯体形成は、金属の溶解度向上に、および遷移金属イオン細胞膜を横切って錯体として細胞および組織に浸透する能力の向上に、関与し得る。さらに、これらの遷移金属イオンは、抗炎症性および/または抗菌活性を促進し得る(8、9)。いくつかの金属は、それ自身抗炎症性活性を示すが、それらがシデロホアとの錯体として投与される場合、相乗効果が明らかになり得る(10)。

米国特許第5,075,469号明細書(11)は、鉄介在性の障害の処置のために使用される医薬組成物に関する。この組成物は、虚血性障害サラセミアおよびヘモクロマ
トーシスの処置において、デスフェリオキサミンBまたはペニシラミン亜鉛錯体を含有する。

発明者らの以前の刊行物である国際公開第2011/021203号パンフレット(12)は、喘息II型およびI型糖尿病および乾癬を含む様々な免疫関連障害を、予防する、処置する、改善する、または阻害するために使用されるDFO−B金属錯体を含む医薬組成物に関する。

国際公開第2004/060490号パンフレット(13)は、化学兵器曝露された組織に対する損傷、例えばマスタードガス誘導性の皮膚熱傷および損傷の、局所処置および/または予防のためのデスフェリオキサミンB−金属錯体の使用に関する。

米国特許第5,051,523号明細書(14)は、マンガンおよび放射性同位体Ga−67とのノカルダミン(デスフェリオキサミンE)錯体の形成に関する。後者は、癌診断における、およびサルコイドーシスまたは結核での炎症過程の位置特定におけるPETスキャンに適用可能であるが、処置には適用可能ではない。

ノカルダミンとのマンガン錯体は、スーパーオキシドジスムターゼ活性を模倣することが示されている。このような錯体は、一連の疾患に対する治療として適用され得、おそらくスーパーオキシドラジカルイオンが介在するが、水素ペルオキシダーゼレベル上昇には影響を受けず、これは、不均化反応、例えば虚血再かん流傷害およびいくつかの他の炎症性過程の産物である(15)。

欧州特許第2129762号明細書(16)は、界面活性剤および、金属−シデロホア錯体、具体的にはDFO−E金属錯体を含む洗浄剤およびブリーチ触媒(bleach catalyst)としてのそれらの使用を開示する。

したがって、多岐にわたる疾患に適用可能であり得る効率的な抗炎症性化合物を開発する必要があり、それらの病態形成は、抗炎症性化合物、抗生物質および鉄キレート剤としての新規金属−ノカルダミン錯体のいくつかの作用方式に関与する。

概要

対象においてサイトカインレベルを調整し、それによって炎症関連障害を処置する医薬組成物の提供。少なくとも1つの金属、具体的にはZn2+またはGa3+または銀または金とのノカルダミン(デスフェリオキサミンE)の錯体またはそれらの何らかの組み合わせを含む医薬組成物。さらに、当該医薬組成物の調製のための手順ならびに組成物および錯体を使用する方法を提供する。なし

目的

本発明は、炎症、感染および鉄過剰が関連する状態を処置するための、組成物、方法およびキットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも1つの金属との少なくとも1つのノカルダミン(デスフェリオキサミンE)の錯体を含む組成物であって、任意選択により希釈剤担体賦形剤のうち少なくとも1つをさらに含む、組成物。

請求項2

請求項1に記載の組成物であって、前記少なくとも1つの金属が、ランタニドアクチニドポスト遷移金属または遷移金属からなる群から選択される、組成物。

請求項3

請求項1および請求項2の何れか1項に記載の組成物であって、少なくとも1つの金属が、亜鉛ガリウムアルミニウム、銀、金、コバルトモリブデンバナジウムまたはそれらの何らかのイオン形態からなる群から選択される、組成物。

請求項4

請求項1〜3の何れか1項に記載の組成物であって、前記少なくとも1つの金属イオンがZn2+である、組成物。

請求項5

請求項4に記載の組成物であって、前記錯体が、Zn2+を伴うノカルダミン(デスフェリオキサミンE)である、組成物。

請求項6

請求項1〜3の何れか1項に記載の組成物であって、前記錯体が、Ga3+を伴うノカルダミン(デスフェリオキサミンE)である、組成物。

請求項7

請求項1〜6の何れか1項に記載の組成物であって、医薬組成物であり、少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤、賦形剤を含む、組成物。

請求項8

細胞においてサイトカインレベルを調整するための方法であって、前記細胞を有効量の少なくとも1つの金属との少なくとも1つのノカルダミンの錯体、前記錯体の何らかの組み合わせ、何らかの担体、マトリクスまたはビヒクルを含む前記錯体の何らかの医薬組成物と接触させる段階を含む、方法。

請求項9

請求項8に記載の方法であって、少なくとも1つの金属が、ランタニド、アクチニド、ポスト遷移金属または遷移金属からなる群から選択される、方法。

請求項10

請求項9に記載の方法であって、少なくとも1つの金属が、亜鉛、ガリウム、アルミニウム、銀、金、コバルト、モリブデン、バナジウムまたはそれらの何らかのイオン形態からなる群から選択される、方法。

請求項11

請求項10に記載の方法であって、少なくとも1つの金属イオンがZn2+である、方法。

請求項12

請求項11に記載の方法であって、前記錯体が、Zn2+とのノカルダミンの錯体である、方法。

請求項13

請求項10に記載の方法であって、前記錯体が、Ga3+とのノカルダミンの錯体である、方法。

請求項14

請求項8に記載の方法であって、前記調整が、前記細胞におけるサイトカインレベルの低下または上昇のうち少なくとも1つである、方法。

請求項15

請求項14に記載の方法であって、前記サイトカインが、少なくとも1つの炎症促進性サイトカインおよび少なくとも1つの抗炎症性サイトカインのうち少なくとも1つである、方法。

請求項16

請求項15に記載の方法であって、前記細胞において少なくとも1つの炎症促進性サイトカインのレベルを低下させ、前記炎症促進性サイトカインがIL−1α、IL−6、TNF−αおよびIL−17のうち少なくとも1つである、方法。

請求項17

請求項15に記載の方法であって、前記細胞において少なくとも1つの抗炎症性サイトカインのレベルを上昇させ、前記抗炎症性サイトカインがIL−13、IL−4およびIL−10のうち少なくとも1つである、方法。

請求項18

対象においてサイトカインレベルを調整するための、請求項8〜13の何れか1項に記載の方法であって、有効量の、少なくとも1つの金属との少なくとも1つのノカルダミンの錯体、前記錯体の何らかの組み合わせ、何らかの担体、マトリクスまたはビヒクルを含む、前記錯体の何らかの医薬組成物を前記対象に投与する段階を含む、方法。

請求項19

請求項18に記載の方法であって、前記調整が、前記対象における少なくとも1つの炎症促進性サイトカインのレベルの低下であり、前記炎症促進性サイトカインがIL−1α、IL−6、TNF−αおよびIL−17のうち少なくとも1つである、方法。

請求項20

請求項18に記載の方法であって、調整が、前記対象における少なくとも1つの抗炎症性サイトカインのレベルの上昇であり、前記抗炎症性サイトカインが、IL−13、IL−4およびIL−10のうち少なくとも1つである、方法。

請求項21

請求項18に記載の方法であって、前記対象が、少なくとも1つの炎症促進性サイトカインのレベル上昇および少なくとも1つの抗炎症性サイトカインのレベル低下のうち少なくとも1つと関連する障害罹患している、方法。

請求項22

請求項21に記載の方法であって、前記障害が、炎症性感染性自己免疫増殖性虚血性代謝性神経変性障害脊髄損傷および外傷および急性もしくは慢性創傷または損傷のうち少なくとも1つである、方法。

請求項23

必要とする対象における病態または障害を、処置する、予防する、阻害する、軽減する、排除する、防御する、またはその発症遅延させる方法であって、治療的有効量の、少なくとも1つの金属との少なくとも1つのノカルダミンの錯体、前記錯体の何らかの組み合わせ、何らかの担体、マトリクスまたはビヒクルを含む前記錯体の何らかの医薬組成物を前記対象に投与する段階を含む、方法。

請求項24

請求項23に記載の方法であって、少なくとも1つの金属が、ランタニド、アクチニド、ポスト遷移金属または遷移金属からなる群から選択される、方法。

請求項25

請求項24に記載の方法であって、少なくとも1つの金属が、亜鉛、ガリウム、アルミニウム、銀、金、コバルト、モリブデン、バナジウムまたはそれらの何らかのイオン形態からなる群から選択される、方法。

請求項26

請求項25に記載の方法であって、少なくとも1つの金属イオンがZn2+である、方法。

請求項27

請求項26に記載の方法であって、前記錯体がZn2+とのノカルダミンの錯体である、方法。

請求項28

請求項25に記載の方法であって、前記錯体が、Ga3+とのノカルダミンの錯体である、方法。

請求項29

請求項23に記載の方法であって、前記障害が、炎症促進性サイトカインのレベル上昇および抗炎症性サイトカインのレベル低下のうち少なくとも1つと関連する、方法。

請求項30

請求項29に記載の方法であって、前記障害が、炎症性、感染性、自己免疫、増殖性、虚血性、代謝性、自己免疫、神経変性障害、脊髄損傷および外傷および急性もしくは慢性創傷または損傷のうち少なくとも1つである、方法。

請求項31

請求項30に記載の方法であって、炎症性障害が、炎症性皮膚障害炎症性腸疾患(IBD)、関節炎および炎症性呼吸器障害のうち少なくとも1つである、方法。

請求項32

請求項31に記載の方法であって、前記炎症性障害が、少なくとも1つの慢性または急性炎症性皮膚障害および少なくとも1つの急性もしくは慢性創傷または損傷のうち少なくとも1つである、方法。

請求項33

請求項30に記載の方法であって、前記障害が、細菌性病原体ウイルス病原体および寄生虫のうち少なくとも1つにより引き起こされる感染性疾患である、方法。

請求項34

請求項33に記載の方法であって、前記細菌性病原体が、腸管病原性エシェリキアコリ(Escherichiacoli)(EPEC)、シュードモナスエルギノーサ(Pseudomonasaeruginosa)およびスタフィロコッカスアウレウス(Staphylococcusaureus)のうち少なくとも1つである、方法。

請求項35

請求項33に記載の方法であって、前記ウイルス病原体が、ヘルペス肝炎ウイルスインフルエンザウイルスアデノウイルスパポバウイルスおよびポックスウイルスのうち少なくとも1つである、方法。

請求項36

請求項30に記載の方法であって、前記増殖性障害が、炎症促進性サイトカインのレベル上昇および抗炎症性サイトカインのレベル低下のうち少なくとも1つと関連する悪性腫瘍である、方法。

請求項37

請求項30に記載の方法であって、前記代謝性疾患が、I型糖尿病II型糖尿病および何らかの糖尿病関連状態のうち少なくとも1つである、方法。

請求項38

少なくとも1つの金属とのノカルダミンの錯体。

請求項39

請求項38に記載の錯体であって、少なくとも1つの金属が、ランタニド、アクチニド、ポスト遷移金属または遷移金属からなる群から選択される、錯体。

請求項40

請求項39に記載の錯体であって、少なくとも1つの金属が、亜鉛、ガリウム、アルミニウム、銀、金、コバルト、モリブデン、バナジウムまたはそれらの何らかのイオン形態からなる群から選択される、錯体。

請求項41

請求項40に記載の錯体であって、少なくとも1つの金属イオンがZn2+である、錯体。

請求項42

請求項41に記載の錯体であって、Zn2+とのノカルダミンの錯体である、錯体。

請求項43

請求項1〜7の何れか1項に記載の組成物であって、必要とする対象において、病態または障害を、処置する、予防する、阻害する、軽減する、排除する、防御する、またはその発症を遅延させる方法での使用のための、組成物。

請求項44

(i)ランタニド、アクチニド、ポスト遷移金属または遷移金属から選択される少なくとも1つの金属またはその塩、エステルおよびアミドの何らかの形態の前記錯体の何らかの組み合わせまたは薬学的に許容可能なその誘導体および薬学的に許容可能な担体または希釈剤と、(ii)ノカルダミンまたは薬学的に許容可能なその誘導体と、を含む、キット

請求項45

請求項44に記載のキットであって、必要とする対象において、病態または障害を、処置する、予防する、阻害する、軽減する、排除する、防御する、またはその発症を遅延させる方法での使用のための、キット。

技術分野

0001

本発明は、金属または金属の組み合わせとのノカルダミン(デスフェリオキサミンE)の新規錯体および、細胞内および細胞外で、炎症促進性および抗炎症性サイトカインを調整する、抗菌物質として作用する、および不安定なおよび酸化還元活性のある鉄をキレートすることのうち少なくとも1つにおけるその使用に関する。より具体的には、本発明は、炎症、感染および鉄過剰が関連する状態を処置するための、組成物、方法およびキットを提供する。

背景技術

0002

今回開示される主題に対する背景として関係があると考えられる参考文献を以下で列挙する:
1. Ferrero−Milani L et al. Clin Exp Immunol. 2007; 147(2): 227-235
2. Andersen CJ. Nutrients. 2015; 7(9):78
89−913
3. Diaz−Gonsalez F et al. Eur J Immunol.
2015; 45(3):679−86
4. Nohl H et al. Free. Radic. Biol. Med.
1991; 11(6):581−8
5. Konijn AM, Baillieres Clin. Haematol.
1994; 7(4):829−49
6. Goldoni P et al. J. Med. Microbiol. 1
991; 34(2):113−8
7. Gutteridge JM et al. Biochem. J. 1979
; 184(2):469−72
8. Dhungana S et al. J.Biol.Inorg.Chem. 2001; 6:810−818
9. Banin E et al. Proc. Natl. Acad. Sci.
USA. 2008; 105(43): 16761-16766
10. Obolensky A et al. Free Radic. Biol.
Med. 2011; 51(8):1482−91
11. US 5,075,469
12. WO 2011/021203
13. WO 2004060490
14. US 5,051,523
15. Faulkner KM et al. Arch Biochem Biophys. 1994; 310(2):341−6.
16. EP2129762
17. US 5,618,838
18. Meiwes et al. Appl Microbiol Biotechnol 1990 32:505−510
19. Goebeler M et al. Arch. Dermatol. Res. 1991; 283:246−250

0003

明細書中の上記参考文献の謝辞は、これらが、今回開示される主題の特許性に何らかの形で関連することを意味するものとして推論されるべきものではない。

0004

炎症は、病原体損傷細胞または刺激物など、刺激に対する身体組織の複雑な生物学的反応の一部である。炎症は、免疫細胞、血管および分子メディエーターを含む防御反応である(1)。炎症の目的は、細胞損傷の最初の原因を排除すること、元の傷害および炎症過程から損傷を受けた壊死細胞および組織を取り除くこと、および組織修復を開始することである。急性炎症の古典的な生理学徴候は、疼痛発熱発赤腫脹および機能喪失である。炎症は、一般的な反応であり、したがって自然免疫機序として考えられる。炎症は急性または慢性の何れかとして分類され得る。急性炎症は、有害な刺激に対する身体の最初の反応であり、受傷組織への血液からの白血球、特に顆粒球動員増加によって達成される。一連生化学的事象は、受傷組織内の局所血管系、免疫系および様々な細胞を含む炎症性反応を広め、促進する。慢性炎症は炎症の延長であり、これは炎症部位に存在する細胞のタイプが進行性転換していくことにつながり、炎症過程に関与する組織の同時的な破壊および治癒を特徴とする(2)。

0005

多くの生理活性化合物は、様々な機序を介して作用する抗炎症特性を保有する。この機序のうち1つはシクロオキシゲナーゼ活性の直接的な妨害を含み得、それによって炎症促進性分子プロスタグランジンの産生を相殺する。他の生理活性分子は、炎症促進性サイトカインの活性を抑制するか、または炎症反応中に好中球におけるL−セレクチン機能を妨げる(3)。

0006

したがって、具体的には炎症促進性および抗炎症性サイトカインおよび何らかの他の免疫調整因子の調整を介して免疫反応を調整する化合物は、免疫反応を調整し、関連する障害を調節するためのツールとして価値がある。

0007

ノカルダミン−シデロホア(CAS#26605−16−3)は、細菌、真菌および植物細胞への鉄輸送に関与する。鉄は、生体系において重要な役割を果たす必須元素である。鉄はヒト身体で多量にある金属である。健康な成人において、鉄の総量は3〜4グラムであり、その殆どは赤血球細胞中のヘモグロビン酸素輸送タンパク質および主要なタンパク質成分内にある。身体の鉄のうち僅かなものが、酸素結合タンパク質ミオグロビンとして筋肉にある。身体の鉄の約1%は、呼吸および電子伝達に関与するタンパク質を含む、様々な鉄含有酵素および多量の鉄依存性酸化還元タンパク質に結合する。一方で、「不安定な」および酸化還元活性のある鉄プールの一部は、フェントン反応を介したヒドロキシルラジカルを含む反応性酸素由来の種(ROS)の形成において重要な関与物となり、したがって炎症状態発現など、組織誘導性損傷を触媒する(4)。実際に、様々な臓器および組織において、過剰な組織鉄といくつかの病理学的および炎症性現象との間には直接的な関連がある(5)。したがって、鉄封鎖は、病原性微生物において静菌性および殺菌性効果を有し得る(6、7)。

0008

鉄は、細菌増殖を含め、細胞増殖に必要とされる。微生物において、鉄獲得には低分子量第二鉄イオン選択配位子ファミリー−シデロホアが介在し、細胞結合型受容体および関連する細胞内利用構成要素に相当する受容体介在機序を介して鉄を細胞と往復させる。

0009

金属イオンとシデロホアの錯体形成は、金属の溶解度向上に、および遷移金属イオン細胞膜を横切って錯体として細胞および組織に浸透する能力の向上に、関与し得る。さらに、これらの遷移金属イオンは、抗炎症性および/または抗菌活性を促進し得る(8、9)。いくつかの金属は、それ自身抗炎症性活性を示すが、それらがシデロホアとの錯体として投与される場合、相乗効果が明らかになり得る(10)。

0010

米国特許第5,075,469号明細書(11)は、鉄介在性の障害の処置のために使用される医薬組成物に関する。この組成物は、虚血性障害サラセミアおよびヘモクロマ
トーシスの処置において、デスフェリオキサミンBまたはペニシラミン亜鉛錯体を含有する。

0011

発明者らの以前の刊行物である国際公開第2011/021203号パンフレット(12)は、喘息II型およびI型糖尿病および乾癬を含む様々な免疫関連障害を、予防する、処置する、改善する、または阻害するために使用されるDFO−B金属錯体を含む医薬組成物に関する。

0012

国際公開第2004/060490号パンフレット(13)は、化学兵器曝露された組織に対する損傷、例えばマスタードガス誘導性の皮膚熱傷および損傷の、局所処置および/または予防のためのデスフェリオキサミンB−金属錯体の使用に関する。

0013

米国特許第5,051,523号明細書(14)は、マンガンおよび放射性同位体Ga−67とのノカルダミン(デスフェリオキサミンE)錯体の形成に関する。後者は、癌診断における、およびサルコイドーシスまたは結核での炎症過程の位置特定におけるPETスキャンに適用可能であるが、処置には適用可能ではない。

0014

ノカルダミンとのマンガン錯体は、スーパーオキシドジスムターゼ活性を模倣することが示されている。このような錯体は、一連の疾患に対する治療として適用され得、おそらくスーパーオキシドラジカルイオンが介在するが、水素ペルオキシダーゼレベル上昇には影響を受けず、これは、不均化反応、例えば虚血再かん流傷害およびいくつかの他の炎症性過程の産物である(15)。

0015

欧州特許第2129762号明細書(16)は、界面活性剤および、金属−シデロホア錯体、具体的にはDFO−E金属錯体を含む洗浄剤およびブリーチ触媒(bleach catalyst)としてのそれらの使用を開示する。

0016

したがって、多岐にわたる疾患に適用可能であり得る効率的な抗炎症性化合物を開発する必要があり、それらの病態形成は、抗炎症性化合物、抗生物質および鉄キレート剤としての新規金属−ノカルダミン錯体のいくつかの作用方式に関与する。

課題を解決するための手段

0017

ある態様によれば、本発明は、少なくとも1つの金属との少なくとも1つのノカルダミン(デスフェリオキサミンE)の錯体を含む組成物を提供する。より具体的には、亜鉛ガリウムアルミニウム、銀、金、コバルトモリブデンバナジウムまたはそれらの何らかのイオン形態のうち少なくとも1つとのノカルダミンの錯体である。またいくつかのさらなる実施形態において、本発明の組成物は、任意選択により希釈剤担体賦形剤のうち少なくとも1つをさらに含み得る。

0018

また別の態様において、本発明は、細胞においてサイトカインレベルを調整するための方法に関する。いくつかの具体的な実施形態において、本発明の方法は、有効量の、少なくとも1つの金属との少なくとも1つのノカルダミンの錯体またはその何らかの誘導体、それらを含む組成物または何らかのビヒクルマトリクスナノもしくはマイクロ粒子と細胞を接触させる段階を含む。いくつかのさらなる実施形態において、本発明は、有効量の、少なくとも1つの金属との少なくとも1つのノカルダミンの錯体またはその何らかの誘導体、それらを含むその組成物または何らかのビヒクル、マトリクス、ナノもしくはマイクロ粒子を対象に投与することによって、対象においてサイトカインレベルを調整するための方法を提供する。

0019

本発明のさらなる態様は、必要とする対象において、病態または障害を、処置する、予防する、阻害する、軽減する、排除する、防御する、またはその発症遅延させる方法に関する。いくつかの実施形態において、本方法は、治療的有効量の少なくとも1つの金属との少なくとも1つのノカルダミンの錯体またはそれらの何らかの組み合わせまたはそれらを含む何らかの医薬組成物、ビヒクル、マトリクス、ナノもしくはマイクロ粒子を対象に投与する段階を含む。

0020

本発明は、少なくとも1つの金属、具体的には、亜鉛、ガリウム、銀、金、アルミニウム、コバルト、モリブデンまたはバナジウムとのノカルダミンの錯体をさらに提供する。

0021

本発明のさらなる態様は、必要とする対象において、病態または障害を、処置する、予防する、阻害する、軽減する、排除する、防御する、またはその発症を遅延させる方法における使用のための本発明の組成物に関する。

0022

また別の態様において、本発明は、(i)その塩、エステルおよびアミドまたは薬学的に許容可能なそれらの誘導体の何れかの形態の、ランタニドアクチニドポスト遷移金属または遷移金属またはそれらの何らかの組み合わせのうち少なくとも1つから選択される少なくとも1つの金属および薬学的に許容可能な希釈剤、担体、賦形剤または希釈剤と、(ii)ノカルダミンまたは薬学的に許容可能なその誘導体と、を含むキットに関する。

0023

本発明のこれらおよび他の態様は、記載が進むにつれて明らかになろう。

0024

本明細書中で開示される主題をより詳細に理解するために、および実際にはそれがどのように行われ得るかを例示するために、付随する図面を参照して、単なる非限定例としてここで実施形態を記載する。

図面の簡単な説明

0025

ノカルダミン、亜鉛−ノカルダミン錯体およびガリウム−ノカルダミン錯体の比較質量分析図1Aは、ノカルダミンの質量分析を示す。図1Bは亜鉛−ノカルダミン錯体の質量分析を示す。実験手順概説するように、調製し、89.8%まで精製した亜鉛−ノカルダミン錯体について質量分析を使用して試験した。直接注入後(イオン源エレクトロスプレーイオン化(正);噴霧器温度:200℃;毛細管温度100℃;流速:0.005mL/分(100%水);注入体積:5μL)、代表的なスペクトルを示す。図1Cは、ガリウム−ノカルダミン錯体の質量分析を示す。実験手順において概説されるように、塩化ガリウム(>99.999%純度溶液製造者の詳細な情報による)およびノカルダミン(>98%純度)からガリウム−ノカルダミン錯体を調製した。質量分析を使用して錯体を試験した。直接注入後(イオン源:エレクトロスプレーイオン化(正);噴霧器温度:200℃;毛細管温度100℃;流速:0.005mL/分(100%水);注入体積:5μL)、代表的なスペクトルを示す。
マウス耳におけるクロトン油誘発性刺激性接触皮膚炎ICDモデルの処置。図2A:2つのマウス群を使用し、両方ともクロトン油に曝露した。曝露から3時間後、ワセリンのみ(ビヒクルのみ)を含有する軟膏で一方の群を処置し、第2の群は処置しなかった。この図は、刺激物への曝露後のある時間にわたる厚の差分を示す。平均±SEMを示す。図2B:4群のマウスを使用した。未処置マウス(群4)と比較した場合、3群は、ノカルダミン(0.5%)(群1)、亜鉛−ノカルダミン(0.5%)(群2)またはベタメタゾン吉草酸エステル(0.1%)(群3)の何れかを含有する軟膏で処置した。平均±SEMを示す。
亜鉛−ノカルダミン軟膏でのICDのマウスモデルの処置:用量反応。12週齢のBalb/c雌マウスを使用した。1群あたり8匹で、次のように32匹のマウスを4群に分けた:群1−未処置対照;群2−亜鉛−ノカルダミン0.1%で処置;群3−亜鉛−ノカルダミン0.2%で処置;群4−亜鉛−ノカルダミン0.5%で処置。刺激物に曝露してから3時間後、曝露した耳に個々の軟膏を指先で塗布した。平均±SEMを示す。
ICDのマウスモデルを用いた、亜鉛−ノカルダミン錯体含有軟膏による、炎症性過程の処置または予防。12週齢のBalb/c雌マウスを使用した。1群あたり8匹で、40匹のマウスを5群に分け;群1−刺激物への曝露の1時間前に亜鉛−ノカルダミン(0.5%軟膏)で処置したマウス;群2−未処置対照;群3−刺激物への曝露から3時間後に亜鉛−ノカルダミン(0.5%軟膏)で処置;群4−刺激物への曝露から3〜6時間後に亜鉛−ノカルダミン(0.5%軟膏)で処置;群5−刺激物への曝露から6時間後に亜鉛−ノカルダミン(0.5%軟膏)で処置。平均±SEMを示す。
ICDのマウスモデルにおける局所適用亜鉛−ノカルダミンの全身的効果。12週齢のBalb/c雌マウスを使用した。1群あたり5匹で、次のように20匹のマウスを4群に分けた:群1−未処置対照;群2−右耳をクロトン油に曝露し、曝露から3時間後に亜鉛−ノカルダミン0.5%で処置;群3−両耳をクロトン油に曝露し、曝露から3時間後に右耳のみを亜鉛−ノカルダミン0.5%で処置;群4−右耳をクロトン油に曝露し、曝露から3時間後に亜鉛−ノカルダミン0.5%軟膏を指先で尾の中間部に塗布した。平均±SEMを示す。
炎症促進性サイトカインのレベルに対するICDの亜鉛−ノカルダミンでの処置の効果。図6Aは、クロトン油に曝露したマウスの耳におけるIL−1αのレベルを示す。図6Bは、クロトン油に曝露したマウスの耳におけるIL−6のレベルを示す。図6Cは、クロトン油に曝露したマウスの耳におけるTNF−αのレベルを示す。図6Dは、クロトン油に曝露したマウスの耳におけるIL−17のレベルを示す。平均±SEMを示す。図面(6A〜6D)の各パネルの左のバーは、刺激物への曝露前(t=0)の対応するサイトカインのレベルを示し、左から2番目のバーは、刺激物への曝露後t=6hの対応するサイトカインのレベルを示す。右から2番目のバーは、刺激物への曝露後、t=6hの対応するサイトカインのレベルを示すが、刺激物への曝露後t=3hにこれらの耳を軟膏で1回処置した。右のバーは、刺激物への曝露後t=3hの対応するサイトカインのレベルを示す。
抗炎症性サイトカインIL−13のレベルにおけるICDの亜鉛−ノカルダミン処置の効果。左のバーは、刺激物への曝露前(t=0)のIL−13のレベルを示し、左から2番目のバーは、刺激物への曝露後t=6hのIL−13のレベルを示す。右から2番目のバーは、刺激物への曝露後t=6hのIL−13のレベルを示す(一方で、曝露後t=3hでの本発明の錯体での処置を行った。右のバーは、刺激物への曝露後t=3hのIL−13のレベルを示す(処置なし)。平均±SEMを示す。
細菌増殖における亜鉛−ノカルダミン錯体の抗細菌効果図8Aは、病原性エシェリキアコリ(Escherichia coli)における亜鉛−ノカルダミンの効果を示す。図8Bは、シュードモナスエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)における亜鉛−ノカルダミンの効果を示す。図8Cは、スタフィロコッカスアウレウス(Staphylococcus aureus)における亜鉛−ノカルダミンの効果を示す。
エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)およびスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)における亜鉛−ノカルダミンの殺菌活性。次の細菌に対して亜鉛−ノカルダミン錯体の殺菌活性を評価した:図9A:E.コリ(E.coli);図9B:P.エルギノーサ(P.aeruginosa);および図9C:適切な培地を用いてペトリ皿上で増殖させたS.アウレウス(S.aureus)。ペトリ皿の四分円における亜鉛−ノカルダミンの濃度(1〜4)を次のように設定した:1〜0mg/mL;2〜5mg/mL;3〜1.7mg/mL;4〜0.5mg/mL。

0026

発明者らは、本明細書中で初めて、亜鉛イオンとのシデロホア(ノカルダミン)の錯体が高い抗炎症活性を呈することを報告する。これらはまた、この活性の基礎となる機序も明らかにする。実施例2〜7で示されるように、マウス耳上のクロトン油塗布によって局所的な炎症反応を誘発する刺激性接触皮膚炎(ICD)モデルにおいて、この抗炎症性錯体を試験した。比較的少量の亜鉛−ノカルダミン錯体を含有する軟膏を指先で処置することによって、ICDモデルにおいて生じた炎症が急速に軽減される。

0027

発明者らによって金属−デスフェリオキサミンB錯体の抗炎症効果が以前示されたにもかかわらず(12)、本発明により示されるような金属−ノカルダミン錯体の抗炎症効果は予想外である。より具体的には、驚くべきことに、Dhunganaら(8)の教示と対照的に、発明者らによって、ノカルダミンの金属錯体が細胞に急速に浸透し得ることが見出された。デスフェリオキサミンBおよびノカルダミンの三価鉄錯体結晶構造を互いに比較した。デスフェリオキサミンB錯体において、分子の末端プロトン化一級アミノ基があるペンダントペンタン鎖がそのコイル構造で見出された。このような鎖は、その閉鎖環構造および一級アミノ基の欠如ゆえに、鉄−ノカルダミンにおいて検出され得ない。また、この鎖は、アミド連結環から外れた方向を向き、カルボニル基を含有するその分子の面に面していることが分かった。ノカルダミンにおけるこの特性の欠如は、膜輸送過程を損なうと予想される(8)。したがって、ノカルダミンが効果的に細胞に浸透するという事実は予想外である。このように、ノカルダミンは、細胞に浸透する薬物の調製に対して選択されていないはずであり、細胞内鉄活性、抗生物質活性および抗炎症性活性の迅速なキレート化の特性を呈する。またさらに、デスフェリオキサミンBは、親水性が高い分子であり、約50mg/mLの水溶性である。一方で、ノカルダミンは、加熱により水中で可溶性であるとして記載される、かなり脂溶性が高い化合物である。デスフェリオキサミンBとより類似の化学特性を保有する他のシデロホアがある。したがって、ノカルダミンの選択は、当分野において学者の自然な選択に逆らうものである。さらに、デスフェリオキサミンBとは異なり、ノカルダミンは、昆虫ボムビクス・モリ(Bombyx mori)(カイコ卵巣由来培養細胞株細胞の形態をスピンドル様の配置に変化させることが報告された。配置が変化したこれらの細胞は、正常なものよりもかなり強く培養フラスコに付着したままであった。変化の機序は依然として不明確なままであるが、卵巣細胞におけるこの特性は、腫瘍形成過程の指標として解釈されており、同様に卵巣癌につながる。ノカルダミンのこれらの報告されたリスクの観点において、本発明の金属−ノカルダミン錯体の安全な使用および抗癌適用は驚くべきものである。さらに、実施例7で開示されるように、本発明の金属−ノカルダミン錯体は、予想外の抗細菌効果を明らかに示す。より具体的には、多くの以前の刊行物において、発明者らは、そのアポ状態における直線構造からボール型へのデスフェリオキサミンBの空間的構造における明確な構造変化コイルド構造が金属イオン(例えば三価鉄、ガリウムおよび亜鉛)の結合時に起こることを示した。金属結合へのこの変化は、この錯体の細胞内の入り口を促進することにおいて主要な役割を果たし、これにより、その抗微生物効果がもたらされる(17)。標的微生物のシデロホア受容体により(アポ−)シデロホアの直線構造が認識されない一方で、鉄結合型のシデロホアに部分的に似ているより球形の亜鉛−シデロホア錯体ほど、受容体に結合し、微生物細胞輸送されているが、これは、その亜鉛錯体から(アポ−)シデロホアを放出せず、したがって、生物の鉄移入機構に害を与え、その結果静菌性および殺菌効果が得られる。したがって、本発明の金属−ノカルダミン錯体の有効な抗微生物特性は予想外である。また、本発明は今回、驚くべきことに、金属−ノカルダミン錯体の予想外の抗炎症効果を示す。

0028

したがって、第一の態様において、本開示は、少なくとも1つの金属キレート錯体および具体的には金属との環状シデロホア、デスフェリオキサミンE(ノカルダミンまたはD
FO−Eとしても示される)の錯体を含む組成物を提供する。いくつかの任意の実施形態において、本発明の組成物は、希釈剤、担体および賦形剤のうち少なくとも1つをさらに含み得る。当然のことながら、ある一定の実施形態において、本発明の組成物は、いくつかの異なる金属−DFO E錯体またはそれらの何らかの組み合わせを含み得る。

0029

「キレート化」という用語は、イオンおよび分子が金属イオンに結合する特定の方法に関する。国際純正および応用化学連合(IUPAC)によれば、キレート化は、多座の(複数結合)配位子と単一の中心原子との間の2つ以上の個別の配位結合の形成または存在を含む。通常、これらの配位子は有機化合物であり、キレート剤(chelants、chelators、chelating agents)または金属イオン封鎖剤と呼ばれる。キレート効果とは、同じ金属に対する同様の非キレート(単座)配位子の一群の親和性と比較した、金属イオンに対するキレート配位子の親和性向上を言う。

0030

ノカルダミンは、安全な(GRAS)細菌ストレプトマイセスオリバセウス(Streptomyces olivaceus)として一般に認識されるものを含め、いくつかの微生物により合成されるシデロホア(CAS#26605−16−3)である。ノカルダミンは、個々のヒドロキサメート基の間に−(CH2)5−および−(CH2)2−のスペーサーがある、環状トリヒドロキサメート(trihydroxamate)分子である。ノカルダミンは遷移金属およびポスト遷移金属と非共有結合相互作用し、1:1の化学量論の錯体を形成する。三価鉄(Fe3+)錯体は非常に高い安定度定数を示し、歪んだ八面体構造的特徴とする。

0031

またいくつかの具体的な実施形態において、本発明の組成物のノカルダミンは式Iの構造において与えられるとおりである:

0032

本明細書中で詳述するように、ノカルダミンはキレート剤である。これは、いくつかのヒドロキサミン酸基を含み、ヒドロキサミンは、金属イオンに結合して錯体を形成するヒドロキサメートへと脱プロトン化する。

0033

本明細書中で使用される場合、「錯体」(錯体イオンまたは配位錯体としても知られる)という用語は、複数の結合部位多座配位子)および金属イオンを有する配位子から構
成される化学的な化合物を指す。キレート剤である配位子は少なくとも1つの金属イオンと会合している。

0034

本明細書中で使用される場合、「会合」という用語は、2つの実体一緒に保持する(すなわち配位子および金属イオン)化学的または物理学的な力を指す。このような力は、当業者にとって公知の何らかのタイプの化学的または物理学的結合相互作用であり得る。このような会合相互作用の非限定例は、イオン結合共有結合、配位結合、錯体化水素結合ファンデルワールス結合、疎水性親水性相互作用などである。

0035

いくつかの実施形態において、会合は共有結合を介し得る。他の具体的な実施形態において、会合は配位結合を介し得る。本明細書中で使用される場合、配位結合(coordinative bondingまたはcoordinate bond)という用語は、2つの共有される電子が同じ原子起源であるタイプの共有結合を指す(配位結合として知られる)。本開示との関連で、配位子と金属との間の会合は、金属上のいくつかの部位での配位子中の複数の原子を介した会合を含む。したがって、会合は、複数の結合、時折2つの共有結合、時折1つの共有結合および1つの配位結合、時折2つの配位結合を含むとみなされ得る。結合数は錯体の配位数として知られる。結合は、単結合σ結合)および/または二重結合(π)結合を含み得、双極子結合であり得る。

0036

当業者にとって理解されるべきであるのは、一部の場合において、2つの原子または2つの化学実体間の結合性の相互作用が複数のタイプの化学的および/または物理学的相互作用を含み得る。

0037

金属に言及する場合、遷移金属、ポスト遷移金属、ランタニド、アクチニドおよびメタロイドとして一般的に知られる元素のうち何れか1つ以上を含むものとして理解されたい。

0038

いくつかの実施形態において、金属は、供与ルイス塩基(すなわちキレート剤)から電子対受容し、したがって錯体または錯体イオンを形成することによってルイス酸として作用し得る。注目すべきは、電子供与性は、空の金属の電子軌道に供与される電子対としてみなされ得る。本開示との関連で、金属は「中心金属」と呼ばれ得る。

0039

いくつかの実施形態において、少なくとも1つの金属は、亜鉛、ガリウム、アルミニウム、銀、金、コバルト、モリブデン、バナジル基を含むバナジウムまたはそれらの何らかのイオン形態からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、金属はヒト身体で見られ得、すなわち内因性、非毒性金属であり得る。

0040

本開示によれば、少なくとも1つの金属は金属イオンである。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの金属イオンは、Zn2+、Ga3+、Al3+、Ag1+、Au3+、Au1+、Co3+、V4+、V5+、[VO]2+、Mo4+、Mo6+からなる群から選択され得る。

0041

本明細書中で詳述されるように、組織または生物への錯体の投与時に、配位子と金属との間の会合は可逆的であるので、金属イオンは、内在源とは異なる金属イオンによって置き換えられ得、次に別の細胞構成要素に結合し得るか、または配位子不含/未結合形態循環に放出され得る。配位子不含/未結合の形態に言及する場合、注目すべきは、金属イオンが配位子不含であるかまたは配位子に未結合であることである(すなわちノカルダミン)。

0042

錯体および異なる金属イオンによる随伴する置換からの金属イオンの放出は、配位子(
すなわちノカルダミン)からの2つの金属イオンの各1つの解離定数相違に由来することが示唆された。言い換えると、配位子(すなわちノカルダミン)との「新しい」金属の会合定数が元来の金属イオンに対するものよりも高いので、置換は、解離定数の相違が、熱力学的に錯体の解離および金属イオンの放出が都合のよいようなものである場合に都合がよい。理論により縛られるものではないが、デスフェリオキサミンEおよびZn2+の錯体が金属イオン(すなわちZn2+)を放出し、Fe3+に結合する傾向を有することが示唆された。いくつかの実施形態において、金属イオンの遊離未結合形態は、生理学的効果、例えば抗酸化効果を有し得る。ノカルダミン、デスフェリオキサミンEまたはDFO Eという命名は同じ化合物に関し、本文書を通じて交換可能に使用されることを理解されたい。いくつかのさらなる実施形態において、この化合物は、本明細書中の前記の部分で式Iにより開示される。

0043

いくつかの他の実施形態において、金属イオンは酸化還元不活性金属である。言い換えると、金属イオンは、体内酸化還元反応に関与しない。

0044

いくつかの実施形態において、少なくとも1つの金属イオンはZn2+である。またいくつかのさらなる実施形態において、少なくとも1つの金属イオンはGa3+である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの金属イオンはAg1+である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの金属イオンはAl3+である。いくつかの他の実施形態において、少なくとも1つの金属イオンはAu3+またはAu1+である。またいくつかの他の実施形態において、少なくとも1つの金属イオンはCo3+である。いくつかのさらなる実施形態において、少なくとも1つの金属イオンはV4+、V5+または[VO]2+である。またいくつかのさらなる実施形態において、少なくとも1つの金属イオンはMo4+またはMo6である。

0045

またさらに、本発明の組成物は、少なくとも1つのZn2+とのノカルダミンの錯体を含み得る。いくつかの具体的な実施形態において、本発明の組成物の錯体は、式IIにより与えられるような構造または類似構造を有し得、(ノカルダミンに存在する3個からの)何れか2個のヒドロキサメート基が亜鉛金属に結合される。

0046

またいくつかの他の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも1つのGa3+とのノカルダミンの錯体を含み得る。またさらに、ある一定の実施形態において、Ga3+とのノカルダミンの錯体は式IIIにより与えられ得る。注目すべきは、式IIIがガ
リウム−ノカルダミン錯体の構造を示すことであり、これは、3個のヒドロキサメート基が金属イオンに結合させられている対応する鉄錯体と同様である。

0047

当然のことながら、本発明の組成物は、少なくとも1つの金属−ノカルダミンの錯体を含み得る。またいくつかの他の実施形態において、本発明の組成物は、本発明により記載されるように、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、50、60、70、80、90、100以上の錯体を含み得る。またさらに、何らかの比率、例えば1:1で、0.0001〜100,000以上で、本発明の組成物中でこれらの錯体またはそれらの何らかの組み合わせが与えられ得ることが認められなければならない。

0048

またいくつかのさらなる実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも1つのGa3+とのノカルダミンの錯体および少なくとも1つのZn2+とのノカルダミンの錯体を含み得る。注目すべきは、ある一定の実施形態において、このような組み合わせが、何らかの比率で、例えば約1:1〜0.0001:100,000〜100,000:0.0001の範囲の比率で、前記の組成物中に存在し得ることである。より具体的には、0.1:1、0.2:1、0.3:1、0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10以上である。

0049

一実施形態により、金属イオンまたはノカルダミンの何れかが酸を伴う塩の形態であり、および/または錯体は、シデロホアおよび金属イオンに加えて酸を含む。酸は、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2,2−ジクロロ酢酸、2−オキソグルタル酸、4−アセトアミド安息香酸、4−アミノサリチル酸酢酸アルカンスルホン酸アルケンスルホン酸、何らかの置換があるアルキンスルホン酸、アジピン酸アスコルビン酸アスパラギン酸、安息香酸、ショウノウ酸、カンファ−10−スルホン酸、デカン酸ヘキサン酸オクタン酸炭酸ケイ皮酸クエン酸シクラミン酸ドデシル硫酸ギ酸フマル酸ガラクタル酸ゲンチシン酸グルコヘプトン酸、グルコン酸グルクロン酸グルタミン酸グルタル酸グリセロリン酸グリコール酸馬尿酸臭化水素酸塩酸イソ酪酸乳酸ラクトビオン酸ラウリン酸マレイン酸リンゴ酸マロン酸マンデル酸メタンスルホン酸またはその誘導体または置換されているヒドロカルビルスルホン酸、例えばヒドロキシ−、アルコキシ−、アシルオキシ−、アルコキシカルボニル−、ハロゲン−、芳香族−またはアミノ置換アルキルスルホン酸、ニコチン酸硝酸オレイン酸シュウ酸パルミチン酸、パモ酸、リン酸プロピオン酸ピログルタミン酸、サリ
チル酸、セバシン酸、セレニン酸、セレノン酸または何らかの、既に言及したスルホン化合物のセレニンまたはセレノン類似体、ステアリン酸コハク酸、硫酸、酒石酸チオシアン酸ウンデシレン酸である、非限定例から選択され得る。

0050

金属−ノカルダミン錯体は、そのままで適用され得るか、または糖、デンプンアミノ酸ポリエチレングリコールまたはポリグリセロールに基づく化合物と複合化して適用され得る。

0051

金属−ノカルダミン錯体は、そのままで適用され得るか、またはヒドラジンヒドロキシルアミンアミンハロゲン化物脂肪族、芳香族、複素環化合物または何らかの他の薬学的に許容可能な基と複合化して適用され得る。

0052

別の実施形態において、本発明の組成物は、医薬組成物中で処方され得る。より具体的には、本発明の組成物は、活性成分としての上記のような本発明の金属−ノカルダミン錯体のうち少なくとも1つまたはそれらの何らかの組み合わせと、少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤、賦形剤と、を含む。

0053

本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容可能な担体」は、ありとあらゆる溶媒分散媒コーティングなどを含む。医薬活性物質に対するこのような媒体および物質の使用は当技術分野で周知である。活性成分と不適合である何らかの従来の媒体または物質を除き、治療用組成物でのその使用が企図される。

0054

いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物は、全身投与に適切である。本発明の医薬組成物は、適正な医療行為に従い、本発明の方法により投与および投薬され得る。より具体的には、本明細書中で後に記載の本発明の方法およびキットにおいて使用される組成物は、全身性非経口腹腔内、経皮、経口(頬側または下を含む)、直腸、局所(頬側または舌下を含む)、鼻腔内および何らかの他の適切な経路による投与に適合させ得る。このような処方物は、例えば活性成分を担体(単数または複数)または賦形剤(単数または複数)と会合させることにより、薬学の技術分野で公知の何らかの方法により調製され得る。

0055

「全身投与」、「全身投与される」というは、本明細書中で使用される場合、患者の系にそれが入り、したがって代謝および他の同様の過程に供されるような、中枢血液系に直接的ではない、化合物、薬物または他の材料の投与を意味する。「非経口投与」および「非経口投与される」という句は、本明細書中で使用される場合、通常は注射による、腸内および局所投与以外の投与方式を意味し、これには、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、関節内、眼窩内心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下アーティキュラーレ内、下、くも膜下脊髄内および胸骨内注射および点滴が含まれるが限定されない。

0056

全身投与は、静脈内ボーラス注射による、静脈内点滴による、皮下、筋肉内、腹腔内注射による、または坐薬による、パッチによる、非経口注射または、許容可能な担体中で適用される場合、これらの錯体およびそれらの組み合わせを含有する、錠剤丸剤薬用キャンディートローチカプセル飲用可能な製剤、軟膏、クリームペーストカプセル封入ジェル、パッチ、ボーラスまたは噴霧可能なエアロゾルまたは蒸気を含む、何らかの他の臨床的許容される方法によるものを含む。あるいは、液体噴霧器、エアロゾルに基づく定量噴霧式吸入剤MDI)または乾燥粉末散布装置を使用することによるなど、経口吸入によるような何らかの送達に対するものである。

0057

他の実施形態において、本医薬組成物は、局所投与に適している。「局所投与」とは、
皮膚上、経口、気管支肺胞洗浄眼科投与、浣腸鼻腔投与、耳への投与、吸入による投与を含め、医薬組成物および担体を何らかの方式の局所投与に適応させ得ることを意味する。

0058

選択される投与経路にかかわらず、適切な水和物の形態で使用され得る本発明の化合物および/または本発明の医薬組成物は、当業者にとって公知の従来の方法により薬学的に許容可能な剤形に処方される。

0059

本発明に従い必要とする対象を処置するために使用される医薬組成物は、一般に、緩衝剤、その浸透圧を調整する物質および任意選択により1つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤および/または当技術分野で公知のような添加物を含む。補助的な活性成分も本組成物中に組み込まれ得る。担体は、例えば,水、エタノールおよびそれらの適切な混合物を含有する溶媒または分散媒であり得る。例えばレシチンなどのコーティングの使用によって、分散の場合には必要とされる粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって、適正な流動性を維持し得る。

0060

いくつかの実施形態において、活性成分として金属とともにデスフェリオキサミンEを含む医薬組成物は、単独で、または他の金属−ノカルダミン錯体と組み合わせるかの何れかで投与され得る。

0061

特に関連するものは、ナノもしくはマイクロ粒子としての使用に適している本発明の錯体または何らかの組成物の処方物である。リポソームおよびナノ粒子を用いたナノスケール薬物送達システムは合理的薬物送達に対する新たな技術であり、これにより薬物動態学的特性の向上、薬物の制御および持続放出がもたらされ、より重要なこととして全身毒性が低くなる。特に所望される溶液によって、カプセル化化合物の放出が外部的に惹起されるようになる。外部的制御放出は、薬物送達ビヒクル、例えばリポソームまたは多価電解質多層カプセルなどがナノ粒子(NP)作動装置を組み込む場合に遂行され得る。より具体的には、制御薬物送達システム(DDS)は、薬物の従来的な形態と比較していくつかの長所を有する。薬物が作用部位に輸送され、ゆえに生体組織におけるその影響および望ましくない副作用を最小限に抑え得る。標的部位における治療用化合物蓄積が増加し、結果的に必要とされる薬物の用量が低くなる。この形態の治療は、薬物の用量または濃度とその治療結果または毒性効果との間に食い違いがある場合に特に重要である。特別に設計した担体に薬物を付着させることによって細胞特異的な標的化を遂行し得る。薬物送達システムにおいて、リポソーム、ポリマーデンドリマーケイ素または炭素材料および磁性ナノ粒子を含む様々なナノ構造を担体として試験した。したがって、当然のことながら、本明細書中で開示されるナノもしくはマイクロ粒子の何れかにおいて、本発明の錯体またはその何らかの組成物が処方され得る。

0062

本発明のさらなる態様は、細胞中でサイトカインレベルを調整する方法に関する。より具体的には、本発明の方法は、前記の細胞を有効量の少なくとも1つの金属との少なくとも1つのノカルダミンの錯体またはその何らかの誘導体、それらを含む組成物または何らかのビヒクル、マトリクス、ナノもしくはマイクロ粒子と接触させる段階を含み得る。したがって、いくつかの実施形態において、本発明の金属−ノカルダミン錯体は、細胞中でのサイトカインレベルを調整する。本明細書中で後に示されるように、調整すること、とは、本明細書中で使用される場合、本明細書中で後に記載のように、細胞または対象において、サイトカインレベルを上昇させるかまたは低下させることの何れかであり得る。

0063

またさらに、いくつかの実施形態において、細胞中でサイトカインレベルを調整するために、本発明の錯体を細胞と接触させ得る。「接触させる」という用語は、一緒にする、まとめる、一緒に温置する、または一緒に混合することを意味する。そのようなものとし
て、2つの物品が一緒にされるかまたはまとめられる場合、例えばそれらを互いに触れさせるかまたはそれらを組み合わせることによって、第一の物品を第二の物品と接触させる。本発明との関連で、「接触させる」という用語は、本明細書中で後に特定されるような、本発明の錯体と調整しようとする細胞または対象との間の相互作用をもたらす、全ての方策または段階を含む。

0064

いくつかの実施形態において、本発明の方法により使用される錯体の金属は、ランタニド、アクチニド、ポスト遷移金属または遷移金属からなる群から選択され得る。別の実施形態において、本発明の方法により使用される錯体の金属は、亜鉛、ガリウム、アルミニウム、銀、金、コバルト、モリブデン、バナジウムまたはそれらの何らかのイオン形態からなる群から選択され得る。

0065

さらなる実施形態において、本発明の方法により使用される錯体の金属イオンは、Zn2+、Ga3+、Al3+、Ag+およびAu3+、Co3+、バナジウムおよびモリブデンからなる群から選択され得る。

0066

またいくつかの特定の実施形態において、本発明の方法により使用される錯体の金属イオンはZn2+であり得る。いくつかの具体的な実施形態において、本発明の方法は、本明細書中で前に記載のように、少なくとも1つのZn2+とのノカルダミンの錯体を使用し得る。

0067

代替的な特定の実施形態において、本発明の方法により使用される錯体の金属イオンはGa3+であり得る。

0068

いくつかのさらなる実施形態において、本発明の方法は、Ga3+とのデスフェリオキサミンEの少なくとも1つの錯体を使用し得る。

0069

上で示されるように、本発明は、細胞においてサイトカインレベルを調整するための方法を提供する。調整する、という用語は、本明細書中で使用される場合、その細胞におけるサイトカインレベルの低下またはあるいは上昇を指す。

0070

またより具体的な実施形態において、本発明の金属−ノカルダミン錯体は、本発明の錯体での処置を受けていない細胞または対象と比較して、本発明の錯体と接触させられた細胞において、またはこれを投与された対象において、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または約100%の、サイトカインレベルの低下、低減、排除、減弱または阻害を導き得る。あるいは、いくつかの実施形態において、調整は、本発明の錯体での処置を受けていない細胞または対象と比較して、本発明の錯体と接触させられたかまたはこれを投与された細胞または対象において、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34
%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%または約1000%の、サイトカインレベルの増大、上昇、促進または増強に関し得る。

0071

具体的に、本発明によるサイトカインの調整の方法は、少なくとも1つの炎症促進性サイトカインおよび少なくとも1つの抗炎症性サイトカインの調整に関する。

0072

「サイトカイン」は、細胞により放出される小さなタンパク質(約5〜20kDa)のカテゴリーであり、細胞間の相互作用において、細胞間でのコミュニケーションにおいて、または細胞の挙動において、特異的な効果を有する。サイトカインは自己分泌シグナル伝達にも関与し得る。サイトカインとしては、ケモカインインターフェロンインターロイキンリンホカイン腫瘍壊死因子が挙げられるが、一般に(一部の用語の重複があるが)ホルモンまたは増殖因子ではない。サイトカインは、マクロファージBリンパ球Tリンパ球および肥満細胞のような免疫細胞ならびに内皮細胞線維芽細胞および様々な間質細胞を含む幅広い範囲の細胞により産生され;ある種のサイトカインは、複数のタイプの細胞により産生され得る。注目すべきは、いくつかの実施形態において、上記のように何らかのサイトカインレベルを調整することにおいて本発明の方法が適用可能であり得ることである。

0073

またさらに、いくつかの他の実施形態において、本発明の方法は、細胞において炎症促進性サイトカインのレベルを調整するために使用され得る。「炎症促進性サイトカイン」は、全身性の炎症を促進するサイトカインである。それらの炎症促進性作用ゆえに、それらは、病態過程を開始させ、または発熱、浮腫、炎症、組織破壊を生じさせることによりそれを悪化させ、一部のケースではショックおよび死亡さえ起こる。炎症促進性サイトカインに対する非限定例としては、IL1−α、IL1−β、IL6およびTNF−α、IL20ファミリーのメンバー、IL33 LIF、IFN−γ、OSM、CNTF、TGF−β、GMCSF、IL11、IL12、IL17、IL18、IL8および炎症性細胞を化学的に誘引する様々な他のケモカインが挙げられるが限定されない。

0074

いくつかの実施形態において、炎症促進性サイトカインの調整は、本明細書中で使用される場合、次のサイトカイン:IL−1α、TNF−α、IL−6およびIL−17を指す。より具体的な実施形態において、本発明の方法は、炎症促進性サイトカインのレベルの低下に、具体的にはIL−1α、TNF−α、IL−6およびIL−17のうち少なくとも1つのレベルの低下につながり得る。

0075

またいくつかのさらなる実施形態において、本発明の方法は、細胞において抗炎症性サイトカインのレベルを調整するために使用され得る。抗炎症性サイトカインは、炎症促進性サイトカイン反応を調節し、特異的なサイトカイン阻害剤および可溶性サイトカイン受容体協調して作用して炎症性免疫反応を下方制御する一連の免疫制御分子である。主要な抗炎症性サイトカインとしては、インターロイキンIL−1受容体アンタゴニスト、IL−4、IL−10、IL−11およびIL−13が挙げられるが限定されない。白血病抑制因子、インターフェロン−アルファおよび形質転換増殖因子TGF−βは、様々な状況下で抗炎症性または炎症促進性サイトカインの何れかとして分類される。IL−1、TNF−αおよびIL−18に対する特異的なサイトカイン受容体も炎症促進性サイトカイ
ンに対する阻害剤として機能する。いくつかの具体的な実施形態において、本発明の方法は、IL−13、IL−10およびIL−4のうち少なくとも1つのレベルの調整にもつながり得る。

0076

またいくつかの他の実施形態において、本発明の方法は、細胞における少なくとも1つの抗炎症性サイトカインのレベル、およびより具体的には、少なくとも1つのIL−13、IL−4およびIL−10のレベルの上昇につながり得る。

0077

さらなる実施形態によって、本発明は、対象においてサイトカインレベルを調整するための方法を提供する。より具体的には、いくつかの実施形態において、本発明の方法は、有効量の少なくとも1つの、その少なくとも1つの金属とのノカルダミンの錯体および、それを含む何らかの組成物または何らかのビヒクル、マトリクス、ナノもしくはマイクロ粒子を前記の対象に投与する段階を含み得る。当然のことながら、ある一定の実施形態において、この方法は、本発明により記載される何らかの錯体、他の金属−ノカルダミン錯体とのそれらの何らかの組み合わせまたはそれを含む何らかの組成物、具体的には本発明により記載されるものを使用し得る。

0078

したがって、またいくつかの具体的な実施形態において、本発明は、対象において炎症促進性サイトカインレベルを調整するための方法を提供する。さらなる具体的な実施形態において、本発明の方法は、対象において少なくとも1つの炎症促進性サイトカインのレベルを低下させ得る。より具体的な実施形態において、このような炎症促進性サイトカインは、IL−1α、IL−6、TNF−αおよびIL−17のうち少なくとも1つであり得る。

0079

またさらに、いくつかの具体的な実施形態において、本発明は、対象において抗炎症性サイトカインレベルを調整するための方法を提供する。より具体的な実施形態において、本発明の方法は、対象において少なくとも1つの抗炎症性サイトカインのレベルを上昇させ得る。より具体的な実施形態において、このような抗炎症性サイトカインは、IL−13、IL−4およびIL−10のうち少なくとも1つであり得る。

0080

炎症促進性サイトカインの生物学的活性を低下させる、またはあるいはまたはさらに、抗炎症性サイトカインのレベルまたは活性を上昇させることによって、炎症促進性サイトカインが介在する疾患の攻撃重症度が軽減され得る。したがって、IL−1αおよびTNF−αの生物学的活性を低下させることは、いくつかの異なる非常に特異的なストラテジーにより遂行され得、これには、不活性前駆体を活性型成熟分子に変換するプロテアーゼの、中和抗体可溶性受容体、受容体アンタゴニストおよび阻害剤が含まれる。IL−1αまたはTNF−αを阻止することは、乾癬、関節リウマチ炎症性腸疾患または移植片対宿主病の患者において非常に良好なものとなっている。

0081

したがって、ある一定の実施形態において、本発明の方法は、炎症促進性サイトカインのレベル上昇および抗炎症性サイトカインのレベル低下のうち少なくとも1つが関連するか、または何らかの他の免疫介在性もしくは関連障害からの障害に罹患している対象に対して特に適用可能であり得る。

0082

より具体的には、本発明は、炎症性、感染性増殖性神経変性虚血性代謝性脊髄損傷外傷自己免疫障害および急性もしくは慢性創傷または損傷などの障害に罹患している対象に対して適切である。

0083

注目すべきは、いくつかの実施形態において、障害のこれらの群の一般的な共通因子は、障害が活性であるときに、上昇する炎症促進性サイトカイン、すなわちIL−1α、I
L−6、TNF−αおよびIL−17、および/または低下する抗炎症性サイトカイン、具体的にはIL−13、IL−10またはIL−4に対するそれらの関係性であり得、それらは特定の処置後にベースラインレベルに戻る。

0084

実施例5で示されるように、本発明の方法は、炎症促進性サイトカイン、具体的にはIL−1α、IL−6、TNF−αおよびIL−17のうち少なくとも1つのレベルの明確な低下につながり得る。炎症促進性サイトカインの発現またはレベルを「低下させる」または「低減させる」ことを示すいくつかの実施形態によれば、IL−1α、IL−6、TNF−αおよびIL−17のうち何れか1つは、このような低下または低減が、このようなサイトカインの発現の約10%〜100%の間の低下または抑制であり得るということである。「低下」、「減弱」および「排除」という用語は、本明細書中で使用される場合、大きさ、量、数または強度が徐々に小さくなる作用に関する。特に、適切な対照と比較した場合、発現の10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%の低下である。さらに注意すべきこととして、低下または低減は、約2〜100倍の低減でもあり得る。またさらに、当然のことながら、前記の炎症促進性サイトカインのレベルまたは発現の低下は、前記のサイトカインの転写翻訳または安定性の何れかにおけるものであり得る。上記に関して、提供される場合、例えば、10%、50%、120%、500%などのパーセンテージの値はそれぞれ、「倍単位の変化」の値、すなわち0.1、0.5、1.2、5などと交換可能であることを理解されたい。

0085

いくつかの実施形態において、ヘマトポエチン−1としても知られるインターロイキン−1アルファ(IL−1α)は、本明細書中で使用される場合、ヒトにおいてIL1A遺伝子によりコードされるインターロイキン1ファミリーのタンパク質である。一般に、インターロイキン1は、炎症の生成ならびに発熱および敗血症の促進に関与する。IL−1α阻害剤は、これらの過程を妨害し、疾患を処置するために開発されている。

0086

IL−1αは、主に活性化マクロファージ、ならびに好中球、上皮細胞および内皮細胞によって産生される。刺激時の多岐にわたる他の細胞は、IL−1αの前駆体型を産生し得る。とりわけ、線維芽細胞、マクロファージ、顆粒球、好酸球、肥満細胞および好塩基球、内皮細胞、血小板単球および骨髄細胞系列、血液Tリンパ球およびBリンパ球、星状細胞腎臓メサンギウム細胞ランゲルハンス細胞真皮樹状細胞ナチュラルキラー細胞大型顆粒リンパ球ミクログリア、好中球、リンパ節細胞母体胎盤細胞およびいくつかの他の細胞型である。IL−1αは、代謝性、生理学的、造血性の活性を保持し、免疫反応の制御において中心的役割の1つを果たす。これは、インターロイキン−1受容体に結合し、それによって腫瘍壊死因子−アルファを活性化する経路を開始させる。

0087

またさらに、インターロイキン−6(IL−6)は、本明細書中で使用される場合、古典的な炎症促進性サイトカインとして作用するインターロイキンである。これは、急性期反応の重要なメディエーターである。これは、ストレスメディエーターの数に反応して、マクロファージ、好中球、脂肪細胞および筋肉細胞によって分泌され得、したがって好中球のさらなる産生を刺激し、いくつかの細胞ストレス誘発性機序を開始させる。IL−6は、乾癬、両タイプの糖尿病、関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、刺激性接触皮膚炎および敗血症などの多くの疾患において炎症および自己免疫過程を刺激する。

0088

カシェシン(cachexin)またはカケクチンとしても知られる腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)は、全身性炎症に関与するサイトカインである。TNF−αは、急性期反応を刺激するサイトカインの群のメンバーである。これは活性化マクロファージにより主に産生されるが、好中球、肥満細胞、好酸球、筋細胞、内皮細胞、ファイブロバスト(fibrobasts)およびナチュラルキラー細胞によっても分泌され得る。こ
のサイトカインの主要であるが唯一ではない機能は免疫細胞を制御することである。様々なストレス関連刺激による活性化後、これは、多くのタイプの細胞においていくつかの異なる機序を用いて、発熱、炎症、アポトーシス細胞死を誘導し得る。TNF−α濃度の上昇は、多大な様々な炎症性疾患に関連付けられてきた。TNF−α濃度の局所的上昇は、炎症:熱、腫脹、発赤、疼痛および機能喪失の典型的な徴候を誘導することが明らかになった。IL−1スーパーファミリー、IL−6およびTNF−αなどのサイトカインのクロストークおよび相互の活性化について複数の報告がある。

0089

元来げっ歯類T細胞ハイブリドーマからの転写物として同定されたインターロイキン17A(IL−17またはIL−17A)は、本明細書中で使用される場合、IL−17ファミリーと呼ばれるサイトカイン群の当初からのメンバーである。げっ歯類においてCTLA8として知られているが、IL−17は、Tリンパ球向性ラジノウイルス、サイミリヘルペスウイルス(Herpesvirus saimiri)のオープンリーディングフレームによりコードされるウイルスIL−17に対して高い相同性を示す。インターロイキン17は、インターフェロンガンマと同様に、単球および好中球を炎症部位に動員するために、様々な組織においてケモカイン産生を増加させることによって遅延型反応において強力なメディエーターとして作用するサイトカインである。IL−17はT−ヘルパー細胞により産生され、IL−23により誘導され、その結果、遅延型反応において破壊的な組織損傷が起こる。インターロイキン17は、細胞外病原体による免疫系の侵入に反応する炎症促進性サイトカインとして機能し、病原体の細胞マトリクスの破壊を誘導する。インターロイキン17は、腫瘍壊死因子およびインターロイキン−1と相乗的に作用する。その機能を誘発するために、IL−17は、少なくとも3つの変異体IL17RA、IL17RBおよびIL17RCがあるIL−17Rと呼ばれるI型の細胞表面受容体に結合する。

0090

サイトカインのIL−17ファミリーに対しては、おそらくそれらの多くの免疫シグナル伝達分子の誘導ゆえに、多くの免疫制御機能が報告されている。IL−17の最も注目に値する役割は、炎症促進性反応を誘導し、それを伝えることにおけるその関与である。IL−17は一般的にアレルギー性反応に関連する。IL−17は、多くの細胞タイプ(線維芽細胞、内皮細胞、上皮細胞、角化細胞およびマクロファージ)からの、多くの他のサイトカイン(IL−6、G−CSF、GM−CSF、IL−1β、TGF−β、TNF−αなど)、ケモカイン(IL−8、GRO−αおよびMCP−1を含む)およびプロスタグランジン(例えばPGE2)の産生を誘導する。サイトカインの放出は、多くの機能、例えばIL−17反応の特徴である気道組織修復を引き起こす。ケモカインの発現上昇は、好中球を含むが好酸球を含まない他の細胞を誘引する。IL−17機能は、Tヘルパー17(Th17)細胞と呼ばれるCD4+T細胞のサブセットに対しても必須である。これらの役割の結果として、IL−17ファミリーは、関節リウマチ、喘息、狼瘡同種移植片拒絶抗腫瘍免疫および最近は乾癬および多発性硬化症を含め、多くの免疫/自己免疫関連疾患と結び付けられている。特に、このファミリーの中でも、IL−17Fは、インビトロおよびインビボの両方での特徴がよく調べられており、喘息において炎症促進性の役割を有することが示されており、その発現レベルは疾患重症度と相関する。ゆえに、IL−17Fは、アレルギー性気道炎症において重要な役割を有し得、喘息において重要な治療との関連を有する。免疫制御機能におけるその関与のために、IL−17阻害剤は、関節リウマチ、乾癬および炎症性腸疾患などの自己免疫疾患に対する可能性のある処置として調べられている。

0091

最近、理論的根拠のうち少なくとも1つが炎症促進性サイトカインレベルを低下させることであるという、炎症性障害に対する新しい処置が開発された。例えば、TNF−αは炎症反応を促進することが知られているので、乾癬、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎クローン病および強直性脊椎炎など、炎症が付随する疾患を処置するために、このサイトカイ
ンを阻害するためのモノクローナル抗体が開発されてきた。別のTNF−α阻害剤である循環型の受容体融合タンパク質が乾癬、関節リウマチおよび強直性脊椎炎の処置に対して使用されている。

0092

IL−1およびTNFの生物学的活性の低下は、いくつかの異なる非常に特異的なストラテジーにより遂行され、このストラテジーは、抗体、可溶性受容体、受容体アンタゴニストおよび不活性前駆体を活性型成熟分子に変化させるプロテアーゼの阻害剤を中和することを含む。IL−1またはTNFの阻止は、関節リウマチ、炎症性腸疾患または移植片対宿主病である患者の非常に良好な処置であることが判明した。同様に、IL−17の阻害剤を使用することも、炎症が付随する他の障害の処置のためのストラテジーとされている。動物モデルからの新たに出現した証拠に基づいて、IL−17が、発作後の回復を促進し、皮膚癌の形成を軽減するための抗炎症治療に対する標的として示唆されている。IL−17は多発性硬化症にも関連付けられている。IL−17A、IL−17FおよびIL−17A/F−受容体阻害剤:ブロダルマブ、イクセキズマブおよびセクキヌマブは、最近、乾癬の処置に対する承認を受けた。したがって、開示される、本発明の金属−DFO E錯体、組成物、キットおよび方法は、炎症促進性サイトカインのレベル上昇が付随する何らかの障害、具体的には本明細書中、上記で言及される障害を処置および予防するための新規ツールを提供する。

0093

またさらに、実施例6で示されるように、本発明の方法は、抗炎症性サイトカイン、具体的には、IL−13 IL−10およびIL−4のうち少なくとも1つのレベルの上昇につながり得る。抗炎症性サイトカイン、例えばIL−13、IL−10およびIL−4のうち何れか1つ、具体的にはIL−13のレベルの発現を「上昇させる」または「向上させる」ことを示すいくつかの実施形態によれば、これは、このような増加または向上が、このようなサイトカインの発現の約10%〜100%の上昇または向上であり得るものとする。「上昇」、「増大」および「向上」という用語は、本明細書中で使用される場合、大きさ、量、数または強度が徐々に大きくなるという作用に関する。特に、適切な対照と比較した場合の発現の10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%の上昇である。さらに注意すべきこととして、上昇または向上は、約2〜100倍の上昇でもあり得る。またさらに、当然のことながら、前記のIL−13サイトカインのレベルまたは発現の上昇は、前記のサイトカインの、転写、翻訳または安定性の何れかにおけるものであり得る。上記に関して、提供される場合、例えば、10%、50%、120%、500%などのパーセンテージの値は、「倍単位の変化」の値、すなわちそれぞれ0.1、0.5、1.2、5と交換可能であることを理解されたい。

0094

インターロイキン−13(IL−13)は、本明細書中で使用される場合、抗炎症性サイトカインに対する例である。IL−13は多くの細胞タイプにより分泌されるが、特に2型Tヘルパー(Th2)細胞により分泌される。いくつかの刊行物はアレルギー性「炎症」および疾患のメディエーターとしてそれを記載し、一方では、これは強力な抗炎症性の役割を果たすメディエーターとしても記載されている。さらに、IL−13は、寄生虫蠕虫)に反発する環境を生じさせる、腸におけるいくつかの変化を誘導し、最終的には腸壁からの寄生生物の脱離およびそれらの除去につながることが示された。

0095

インターロイキン−10(IL−10)は、ヒト免疫反応内で見出される主要な抗炎症性サイトカインである。これは、IL−2およびIFN−γの両方を含む、Th1サイトカインの強力な阻害剤である。この活性は、サイトカイン合成阻害因子としてのその最初の指摘に相当する。IL−10は、Th2リンパ球サイトカインとしてのその活性に加えて、単球/マクロファージ炎症促進性サイトカイン合成の強力な脱活性化因子でもある。その高親和性110−kd細胞受容体に結合した後、IL−10は単球/マクロファージ
由来TNF−アルファ、IL−1、IL−6、IL−8、IL−12、顆粒球コロニー刺激因子MIP−1aおよびMIP−2aを阻害する。

0096

実施例5および6(具体的には図2〜7)において本発明により与えられる結果は、炎症関連皮膚炎のマウスモデルにおける炎症の徴候を軽減することにおける亜鉛−ノカルダミン錯体の治療可能性を明らかに示す。したがって、本発明の医薬組成物は、具体的に炎症が関連する障害の処置に適切であり得る。

0097

特異的な抗炎症処置の利用可能性が不十分であること、およびいくつかの障害群の病態形成における炎症促進性サイトカインの役割の認識に基づき、新しい抗炎症処置の開発が期待される。したがって、治療における本発明の使用が現在必要とされている。

0098

したがって、本発明の別の態様は、必要とする対象において、病態または障害を、処置する、予防する、阻害する、軽減する、排除する、防御する、またはその発症を遅延させる方法に関する。いくつかの具体的な実施形態において、本方法は、処置される対象に治療的有効量の、少なくとも1つの金属との少なくとも1つのノカルダミンの錯体または他の金属−ノカルダミン錯体とのそれらの何らかの組み合わせまたはそれらを含む何らかの医薬組成物、担体、マトリクスまたはビヒクルを投与する段階を含む。いくつかの具体的な実施形態において、これらの障害および/または疾患は、不安定鉄または銅がキレートされる場合、および、より具体的にはこれらの障害と関連がある炎症促進性サイトカインが軽減される(下方制御される)場合、および/またはこれらの障害と関連がある抗炎症性サイトカインが上昇する(上方制御される)場合に、有効な臨床効果を有することを特徴とし得る。より具体的な実施形態において、本発明は、治療的有効量の少なくとも1つの金属との少なくとも1つのノカルダミンの錯体、それを含む担体、マトリクスまたはビヒクルを必要とする対象に投与することによって、炎症促進性サイトカインの上昇を付随する障害を、処置する、予防する、軽減する、減弱させる、阻害するおよび排除するための方法を提供する。

0099

いくつかの実施形態において、本発明の方法により使用される錯体の金属は、ランタニド、アクチニド、ポスト遷移金属または遷移金属からなる群から選択され得る。

0100

別の実施形態において、本発明の方法により使用される錯体の金属は、亜鉛、ガリウム、アルミニウム、銀、金、コバルト、モリブデン、バナジウムまたはそれらの何らかのイオン形態からなる群から選択され得る。

0101

さらなる実施形態において、本発明の方法により使用される錯体の金属イオンは、Zn2+、Ga3+、Al3+、Ag+およびAu3+、Co3+、バナジウムおよびモリブデンからなる群から選択され得る。

0102

また特定の実施形態において、本発明の方法により使用される錯体の金属イオンはZn2+であり得る。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、本明細書中で前に記載のように、少なくとも1つの、Zn2+とのノカルダミンの錯体を使用し得る。

0103

代替的な特定の実施形態において、本発明の方法により使用される錯体の金属イオンはGa3+であり得る。

0104

いくつかのさらなる実施形態において、本発明の方法は、少なくとも1つの、Ga3+とのノカルダミンの錯体を使用し得る。

0105

本明細書中で既に開示されるように、具体的な実施形態によれば、本発明は、疾患また
は病態または障害を、処置する、予防する、阻害する、軽減する、排除する、防御する、またはその発症を遅延させる方法を提供し、前記の障害は、炎症促進性サイトカインのレベル上昇および抗炎症性サイトカインのレベル低下のうち少なくとも1つと関連する。具体的には、炎症促進性サイトカインは、IL−1α、TNF−α、IL−6およびIL−17のうち少なくとも1つであり得る。いくつかのさらなる実施形態において、抗炎症性サイトカインは、IL−13、IL−10およびIL−4のうち少なくとも1つであり得る。

0106

上記のように、いくつかの実施形態において、本発明は、炎症促進性サイトカインのレベル上昇および抗炎症性サイトカインのレベル低下のうち少なくとも1つと関連する疾患または障害を、処置する、予防する、阻害する、軽減する、排除する、防御する、またはその発症を遅延させる方法に関する。より具体的な実施形態において、障害は、炎症性、感染性、増殖性、神経変性、虚血性、代謝性、脊髄損傷、外傷、自己免疫障害および急性もしくは慢性創傷または損傷のうち少なくとも1つであり得る。

0107

具体的な実施形態において、本発明は、治療的有効量の少なくとも1つの金属との少なくとも1つのノカルダミンの錯体、それを含む、担体、マトリクスまたはビヒクルを前記の対象に投与する段階を含む、必要とする対象において炎症性障害を処置するための方法を提供し、ここで炎症性障害は、炎症性皮膚障害、炎症性腸疾患(IBD)、具体的に潰瘍性大腸炎およびクローン病、関節炎および炎症性呼吸器障害、具体的には喘息から選択される、何らかの障害/疾患、状態に関する。

0108

一般的用語「炎症性障害」は、炎症が、有害刺激、例えば病原体、損傷細胞または刺激物などに対する主要な反応である障害に関する。炎症は、免疫細胞、血管および分子メディエーターならびに長期酸化ストレスの結果を含む防御反応である。

0109

「炎症性障害」は、非常に多様なヒト疾患の根底にある、障害の大きな群である。また、免疫系は、それ自身の物質に対する生物の異常な免疫反応から生じる炎症性障害または未知の理由に対する炎症過程の開始、すなわちそれぞれ自己免疫および自己炎症性障害に関与し得る。炎症過程に病因学的起源がある非免疫性疾患としては、癌、アテローム性動脈硬化症および虚血性心疾患が挙げられる。

0110

炎症の目的は、細胞損傷の最初の原因を排除し、壊死細胞および組織を一掃し、組織修復を開始させることである。急性炎症の古典的な生理学的徴候は、疼痛、熱、発赤、腫脹および機能喪失である。一連の生化学的事象は、損傷組織内で、局所的な血管系、免疫系および様々な細胞を含め、炎症反応を広め、成熟させる。「慢性炎症」として知られる長引く炎症は、炎症部位に存在する細胞タイプの進行性のシフトにつながり、炎症過程からの組織の破壊および治癒が同時に起こることを特徴とする。炎症はまた、IL−1α、IL−6、IL−8、IFN−γ、TNF−α、IL−17およびIL−18を含む炎症促進性サイトカインと呼ばれる特異的なサイトカインの高い全身レベルも誘導する。炎症反応は、組織への不必要な「第三者的」障害を防ぐためにもはや必要とされなくなった場合に能動的に終結させねばならない。このようにできないと、その結果、慢性炎症となり、細胞が破壊される。炎症の消散は、異なる組織によって異なる機序により起こる。急性炎症は通常、依然として幾分理解し難い機序によって消散する。現在、新しい証拠から、消散の能動的な協調したプログラムが、炎症反応開始後の最初の数時間に開始されることが示唆される。顆粒球は、組織に侵入後、リポキシンに対するアラキドン酸由来プロスタグランジンおよびロイコトリエンのスイッチを促進し、これが終結の道筋を開始させる。したがって、好中球動員が終わりアポトーシスによるプログラム死プログラム細胞死)が関与する。これらの事象は、レゾルビンおよびプロテクチンのオメガポリ不飽和脂肪酸からの生合成と一致し、これは、アポトーシスを開始させることによって好中球浸潤
期間を決定的に短くする。結果として、アポトーシス好中球はマクロファージによる食作用を受け、これは、好中球クリアランスおよび形質転換増殖因子−β1などの抗炎症性および修復サイトカインの放出につながる。抗炎症プログラムは、リンパ系を通じたマクロファージの逸脱により終了する。

0111

「炎症が付随する病態」という用語は、本明細書中で使用される場合、次のもの:関節炎(強直性脊椎炎、全身性紅斑性狼瘡変形性関節症、関節リウマチ、乾癬性関節炎)、喘息、アテローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)、皮膚炎(乾癬を含む)のうち、少なくとも1つであるが限定されないものに関する。

0112

実施例(具体的には図2〜6)により示されるように、ICDモデルを用いた本発明の亜鉛−ノカルダミン錯体の適用は、炎症の顕著な低減を示した。さらに、本発明の亜鉛−ノカルダミン錯体のこの抗炎症効果には、炎症促進性サイトカインIL−1α、TNF−α、IL−6およびIL−17における顕著な低減が付随した(図6)。したがって、炎症の排除とともに炎症促進性サイトカインのレベルを低下させるための本発明の亜鉛−ノカルダミン錯体の能力によって、その抗炎症特性に対する実質的な証拠がもたらされる。これらの結果と一致して、図7で明らかにされるように、本発明の亜鉛−ノカルダミン錯体での処置後、抗炎症性サイトカインIL−13の上昇が観察された。まとめると、本発明の金属−ノカルダミン錯体は、炎症が基礎的機序である障害に対する適切な処置として使用され得ると結論付け得る。

0113

炎症(ICD)のマウスモデルを使用して、上記で示されるように、次の実施例(具体的には図2〜6)は、急性および慢性炎症性皮膚障害を処置するための、本発明の錯体、ならびにその組成物、方法およびキットの適用性を明確に示す。したがって、いくつかの実施形態において、本発明で詳述されるような処置の方法は、炎症性障害、例えば慢性または急性炎症性皮膚障害などを処置するのに適切であり得る。

0114

慢性または急性炎症性皮膚の病態には、皮膚炎、炎症性皮膚損傷皮膚色素の炎症に関連するかく乱、例えば、白斑および湿疹が含まれる。より具体的には、本発明のある一定の実施形態は、皮膚炎を処置するための、本発明の錯体、ならびにその組成物、方法およびキットの使用に関する。「皮膚炎」という用語は、一般的には皮膚の炎症を指す。様々な種類が、通常は、特異的なアレルゲンに対するアレルギー性反応を共通して有する。この用語は、皮膚炎湿疹または湿疹性皮膚炎としても知られる湿疹を指すために使用され得る。湿疹の診断はアトピー性皮膚炎(小児湿疹)を意味することが多いが、適切な事情なく、これは「発疹」、すなわち一次的な皮膚炎症を意味するに過ぎない。いくつかの言語において、「皮膚炎」および湿疹は同義であり、一方で他の言語では「皮膚炎」は急性状態を意味し、「湿疹」は慢性のものを意味する。この2つの状態は一緒に分類されることが多い。いくつかの具体的な実施形態において、本発明の方法、錯体および組成物は、あらゆるタイプの皮膚炎、具体的にはアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎脂漏性(seborrhoeicまたはSseborrheric)皮膚炎および乾燥性湿疹に適用可能であり得る。より具体的には、本明細書中で使用される場合、アトピー性皮膚炎は、遺伝性の構成成分を有し、家族のメンバーも喘息を有する家族性に起こることが多いと考えられるアレルギー性疾患である。かゆみを伴う発疹は、頭部および頭皮頸部の内側、の裏および臀部において特に顕著である。これは、先進国において非常によく見られ、増加している。刺激性接触皮膚炎は、アトピー性皮膚炎として誤診されることがある。またさらに、接触性皮膚炎は、本明細書中で使用される場合、2つのタイプである:アレルギー性(ツタウルシニッケルまたはバルサムオブペルー(Balsam of Peru)などのアレルゲンに対する遅延性反応によるもの)および刺激物(例えばラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤に対する直接反応によるもの)。乾燥性湿疹(乾皮性湿疹、ひび割れまたは皮膚の亀裂がある湿疹、のかゆみ、寒冷により起こるかゆみ(pr
uritus hiemalis)としても知られる)は、本明細書中で使用される場合、非常に重症になって湿疹となる乾燥皮膚である。これは乾燥した冬の天候で悪化し、四肢および体幹が最も影響を受けることが多い。痒みがある敏感な皮膚は、乾燥し、ひび割れた川床に似ている。最終的に、本明細書中で使用される場合、ふけと密接に関係がある湿疹の一形態として分類されることがある状態である、脂漏性皮膚炎または脂漏性皮膚炎(乳幼児における「新生児頭部皮膚炎」)を処置するために本発明の方法を使用し得る。これにより、頭皮、眉毛および顔面および時として体幹の乾燥または脂肪性剥離(greasy peeling)が起こる。この状態は、新生児頭部皮膚炎のうち重症の場合を除き、無害である。新生児において、これにより、新生児頭部皮膚炎と呼ばれる、厚く、黄色で外皮様の頭皮の発疹が起こるが、これはビオチン欠失に関連すると思われ、治癒可能であることが多い。当然のことながら、本発明の方法は、本明細書中で開示される皮膚炎のあらゆる形態に対して適用可能であり得る。

0115

当然のことながら、その抗炎症性の質に基づき、本発明の錯体および組成物は、別の炎症性皮膚障害、具体的には乾癬の処置に対して適用可能であり得る。

0116

乾癬は、炎症促進性および抗炎症性サイトカインが介在する炎症性障害でもある。乾癬の正確な原因および病態形成は不明であるものの、プロ炎症性、1型(Th1)サイトカインの過剰発現が乾癬において明らかになっており、これが病態生理学的に重要であると考えられている。重要なこととして、他の炎症性皮膚炎と比較して、皮膚IL−10mRNA発現が相対的に欠乏していることが明らかとなった。さらに、先行する刊行物により、確立された抗乾癬療法中の患者が、治療前の患者よりも、末梢血液単核細胞のより高いIL−10 mRNA発現を示したことが明らかである。これは、IL−10が抗乾癬能を有し得ることを示唆する。実際に、IL−10の皮下投与によって、患者において免疫抑制性の効果(単球HLA−DR発現、TNF−アルファおよびIL−12分泌能、IL−12血漿レベルおよびリコール抗原に対する反応性が降下)が生じ、2型(Th2)サイトカインパターン(IL−4、IL−5およびIL−10産生T細胞の割合の上昇、IgE血清レベルの選択的上昇)への移行が観察された。より具体的には、乾癬は、鱗屑を伴う、皮膚炎症の斑状で、隆起し、赤みを帯びた領域を備える、よく見られる皮膚状態である。乾癬は、肘および膝の先、頭皮、および陰部または肛門周囲の領域で起こることが多い。皮膚細胞の増殖周期の速度を上げる誤ったシグナルを免疫系が送信した場合にこれが起こる。一般的に乾癬により引き起こされる、乾癬性プラークと呼ばれる鱗屑のある斑状部分は、炎症および過剰な皮膚産生の領域である。これらの部位で皮膚が急速に蓄積し、これにより外観銀白色になる。プラークは肘および膝の皮膚上で起こることが多いが、頭皮、および足底および陰部を含むあらゆる領域で起こり得る。湿疹と対照的に、乾癬は関節の外側でみられることがより多い。この障害は、軽度の局所的なから全身的なものまで重症度が変動する慢性的再発状態である。手指爪および足指爪で起こることが多く(乾癬性爪ジストロフィー)、孤立した症状として見られ得る。乾癬は、関節の炎症も引き起こし得、これは乾癬性関節炎として知られる。乾癬がある者のうち10〜15パーセントが、慢性的な再発性の関節炎である、乾癬性関節炎を発症する。乾癬の症状は、様々な形態で現れ得る。異型のものは、プラーク、膿疱性、滴状および屈側性乾癬を含む。乾癬は、非膿疱性および膿疱性のタイプに分類され得る。

0117

膿疱性乾癬は、性乾癬および乾癬性紅皮症を含む。尋常性乾癬(慢性定常性乾癬または斑様乾癬としても知られる)は、最もよく見られる形態の乾癬である。これは、乾癬がある者のうち80〜90%で起こる。斑様乾癬は、一般的には銀白色の鱗状皮膚で覆われた炎症性の皮膚の隆起領域見える。これらの領域はプラークと呼ばれる。

0118

乾癬性紅皮症(乾癬性紅皮症)は、体表面の殆どに及ぶ皮膚の広範な炎症および落屑を含む。これには重度そう痒、腫脹および疼痛が伴い得る。これは、特に全身性処置の突
然の中止後、不安定な斑様乾癬の増悪の結果であることが多い。この形態の乾癬は、極端な炎症および落屑が身体の体温制御能および皮膚のバリア機能を発揮する能力を破壊するので、致死的であり得る。

0119

また別の具体的な実施形態において、本発明の方法は、膿疱性乾癬を処置するために使用され得る。膿疱性乾癬は、非感染性膿疱で満たされる隆起したに見える。膿疱の下または周囲の皮膚は赤く、柔らかい。膿疱性乾癬は、一般的には手足局在化し得る(掌蹠膿疱症)か、または身体のあらゆる部分に無作為に生じる広範囲の斑が全般的になり得る。膿疱性乾癬サブタイプとしては、全身性膿疱性乾癬(von Zumbusch型の膿疱性乾癬)、掌蹠膿疱症(持続性掌蹠膿疱症、Barber型の膿疱性乾癬、四肢の膿疱性乾癬)、環膿疱性乾癬、稽留肢端皮膚炎および疱疹状膿痂疹が挙げられる。

0120

当然のことながら、本発明の方法は、乾癬の何らかのさらなるタイプ、例えば薬物誘導性乾癬、逆乾癬または屈側性乾癬を処置するためにも適用可能であり得る。後者は、特に陰部周辺大腿鼠径部との間)、腋窩肥満者のの下(パンヌス)および乳房の下の、皮膚の襞状部分における皮膚の平滑で炎症性の斑に見える(襞部の炎症)。これは、摩擦およびによって増悪し、真菌感染を起こし易い。

0121

またさらに、本発明の方法は、滴状乾癬を処置するために使用され得る。このタイプの乾癬は、多くの小さく、鱗状で赤またはピンクティアドロップ型病変を特徴とする。これらの多くの乾癬スポットが身体の広い領域にわたり、主に体幹で出現するが、肢および頭皮でも見られる。滴状乾癬には、ストレプトコッカス感染、一般的にはストレプトコッカス咽頭炎が先行して起こることが多い。

0122

本発明の方法によってまた処置し得る爪乾癬は、手指および足指の爪の外観に様々な変化を生じさせる。これらの変化としては、爪甲下の変色、爪の孔、爪に走る線、爪の下の皮膚の肥厚および爪の弛緩爪甲離床症)および崩壊が挙げられる。

0123

また別の実施形態において、本発明の方法は、乾癬性関節炎を処置するために使用され得る。乾癬性関節炎は、関節および結合組織炎症を含む。乾癬性関節炎はあらゆる関節で発症し得るが、手指および足指の関節で最もよく見られる。この結果、指炎としても知られる、手指および足指のソーセージ型の腫脹が起こり得る。乾癬性関節炎は臀部、膝および脊椎脊椎炎)でも起こり得る。乾癬がある者のうち約10〜15%は乾癬性関節炎も有する。

0124

いくつかの実施形態において、乾癬に罹患している対象の処置は、対象の生理学的状態を向上させ得、例えば疾患ゆえに荒れた皮膚が平滑化する。好ましい実施形態において、このような心理学的改善は、本発明の金属−錯体の局所適用によって達成され得、これは、皮膚を刺激せず、炎症を促進しない。

0125

当然のことながら、本発明の錯体、ならびにそれらの組成物および方法は、乾癬ならびに乾癬性関節炎を含む乾癬の余分な皮膚科学的特性を処置するために適用可能であり得る。

0126

ざ瘡は、本発明の方法により処置し得る皮膚炎症性障害に対する別の非限定例である。ざ瘡は、皮膚の発疹性疾患に対して使用される一般的な用語である。これは尋常性ざ瘡に対する同義語として使用されることがある。しかし、いくつかの異なるタイプのざ瘡がある。これらには、尋常性ざ瘡、集簇性座瘡粟粒壊死性ざ瘡、熱帯性ざ瘡、小児ざ瘡/新生児ざ瘡、引っ掻きにきび電撃性ざ瘡、薬物誘導性ざ瘡/薬物性ざ瘡ステロイドざ瘡)、ハロゲンざ瘡ヨウ素疹、臭素疹、塩素疹)、油疹、タールざ瘡、化粧品によるざ
瘡、職業的ざ瘡、夏期ざ瘡、ケロイドざ瘡、機械的ざ瘡、顔面浮腫を伴うざ瘡、ポマードざ瘡、壊死性ざ瘡、毛穴黒ずみおよび顔面播種状粟粒性狼瘡が含まれる。

0127

本発明の方法により処置し得る炎症関連皮膚障害には、虫刺されおよび昆虫刺傷も含まれ得る。刺咬昆虫がギ酸および/または毒素注入する間、これらは、急速な皮膚反応を引き起こし得、その結果、損傷領域で発赤および腫脹が起こることが多い。ハチ目(Hymenoptera order)からの刺咬は、通常疼痛があり、リスクがある患者において、アナフィラキシーと呼ばれる生命脅かす全身性アレルギー反応を刺激し得る。全身性アレルギー性刺咬反応の結果、単独で、または他のあまり一般的ではない標的組織の関与の可能性との何らかの組み合わせの何れかで、皮膚、血管または呼吸器症状および徴候が生じることが多い。心臓アナフィラキシーは、徐脈不整脈アンギナまたは心筋梗塞も引き起こし得る。ノミおよびダニからの刺咬は、疼痛よりも痒みを引き起こす可能性がより高い。虫刺されおよび昆虫刺咬に対する皮膚反応は通常、最長で数日間続く。しかし、一部のケースにおいて、局所反応が最長で2年間続き得る。刺咬に対する反応は3つのタイプがある。正常な反応は、虫刺されの周囲の領域の発赤、痒みおよび疼痛を含む。腫脹領域が5cm(直径)より大きい場合、大きな局所反応が起こる。全身性反応は、虫刺されの領域以外の領域で症状が生じる場合である。

0128

また別の実施形態において、本発明の方法は、白斑を処置するために適用可能であり得る。白斑は、本明細書中で使用される場合、皮膚の色素脱失斑を生じさせる慢性障害である。これは、メラニン形成細胞が、死滅するかまたは機能できない場合に起こる。白斑の原因は不明であるが、研究から、自己免疫、遺伝的、酸化ストレス、神経またはウイルス性の原因から生じ得ることが示唆される。世界中での発生は1%未満であり、最もよくある形態は非区域性の白斑である。症状は通常、10〜30歳の間に始まり、毛髪白髪化または灰色化、口腔内側の皮膚の脱色および眼の色の脱色を含む。白斑の最も顕著な症状は、四肢で起こる皮膚の斑状の色素脱失である。非区域性の白斑(NSV)において、通常は、色素脱失の斑の場所においてある種の対称性がある。新しい斑はまた、時間とともに出現し、身体の広い部分にわたり全般化され得るか、または特定の領域に局在化し得る。色素がある皮膚があまり残っていない白斑は、汎発性白斑と呼ばれる。NSVは、10代での発生が圧倒的に多い区域性の白斑と異なり、あらゆる年齢で起こり得る。非区域性白斑のクラスには、全身性白斑、汎発性白斑、局限型白斑、四肢顔面白斑および粘膜性の白斑が含まれる。区域性白斑(SV)は、外観、病因論および有病率が関連する疾患とは異なる。その処置はNSVの場合と異なる。これは、脊椎からの後根と関連する皮膚の領域で起こる傾向がある。これは、NSVよりもかなり急速に広がり、処置をしないと、ある過程を経て非常に安定または定常的となり、自己免疫疾患とは関連がなく、局所処置に反応する処置可能な状態である。

0129

当然のことながら、本発明の金属−ノカルダミン錯体、本発明により記載される、組成物、錯体、キットおよび方法は、炎症性皮膚障害のあらゆる形態に、具体的には本明細書中で開示される皮膚炎または乾癬のあらゆる形態に適用可能であり得る。

0130

またさらに、当然のことながら、ある一定の実施形態において、本発明の方法は、急性または慢性創傷を処置するのに適用可能であり得る。またいくつかのさらなる実施形態において、本発明の方法は、化学的または熱による熱傷により、および機械的な衝撃/一撃により引き起こされる急性または慢性損傷を処置するために適用可能であり得る。それ自体、本発明は、創傷治癒のための方法を提供する。

0131

創傷という用語は、本明細書中で使用される場合、皮膚の裂傷切り傷または刺し傷(開いた創傷)が生じたときに、または鈍力外傷が打撲傷(閉じた創傷)を引き起こす場合、比較的急速に起こるあるタイプの損傷である。病理学において、これは、具体的に、皮
膚の真皮に損傷を与える鋭利な損傷を指す。創傷は、貫通性および非貫通性としてさらに分類され得る。貫通性の創傷は、皮膚の厚さ全体を完全に打ち破り;下層の組織および器官に到達する外傷から生じるものである。非貫通性創傷は、通常、鈍力外傷または他の面との摩擦の結果であり、この種類の創傷は、皮膚を打ち破らない。混合型の創傷は、熱による創傷を含み得るが限定されず:熱いかまたは冷たいかの何れかの極端な温度の結果、熱傷が起こり得る(やけど日焼けおよび凍傷など)。熱傷は、沸騰水、蒸気、熱い料理用油、火および熱い物体など、熱せられた物体との接触の結果起こるある種のやけどである。熱湯湯気による熱傷は、小児において起こる最も一般的なタイプのやけどであり、一方で、成人の場合、熱傷は、火により起こるものが最も一般的である。熱傷は一般に、1度〜4度まで、重症度により分類されるが、American Burn Assocciation(ABA)は、ほぼ唯一熱傷の深度およびサイズに基づいて、熱傷を軽度、中度および重度としてカテゴリーに分けている。化学的創傷:これらは、皮膚または肺の損傷を引き起こす化学物質との接触または吸入の結果起こる。化学熱傷は、生きている組織が、強酸または塩基などの腐食性の物質に曝露される場合に起こる。化学熱傷は標準的な熱傷の分類に従い、広範な組織損傷を引き起こし得る。刺激物および/または腐食性製品の主要なタイプは、酸、塩基、酸化剤/還元剤、溶媒およびアルキル化剤である。さらに、化学熱傷は、一部のタイプの化学兵器、例えばマスタードガスおよびLewisiteなどの発疱剤または、ホスゲンオキシムなどの蕁麻疹発生物質(urticant)により引き起こされ得る。咬傷および刺傷:咬傷は、ヒト、イヌ、蝙蝠、げっ歯類、ヘビサソリクモおよびダニからのものであり得る。電気的創傷:これらは通常、身体を通じた高電圧電流の流れの後に起こる、表面的な熱傷様のまたは刺し傷様の創傷を伴い存在し、より重度の内部損傷を含み得る。

0132

創傷の治癒時間に依存して、創傷は急性または慢性として分類され得る。急性創傷として分類されるものは、予想される時間で順調に治癒する(合併症なし)。慢性創傷として分類されるものは治癒により長い時間がかかり、幾分かの合併症を有し得る。非治癒慢性創傷に関与する因子は、糖尿病、静脈または動脈疾患、感染および高齢者の代謝欠損である。

0133

糖尿病患者の足の非治癒創傷は、糖尿病の最も著しい合併症の1つとみなされ、患者のクオリティーオブライフに大きく影響する主要な世界中の医学的、社会的および経済的負担となっている。不適切な循環、静脈の機能不全および不動性と関連して、非治癒創傷は、国民の年齢の上昇および慢性疾患の増加とともに急激に増加している集団である糖尿病者で最も頻繁に起こる。

0134

糖尿病は様々に身体を破壊し得るが、足および下腿における非治癒潰瘍はこの疾患の共通する表面上の所見である。また、糖尿病は、患者の足および脚において神経損傷を引き起こすことが多く、それによって、小さな創傷または炎症が気付かないうちに悪化する。糖尿病の微小血管系の異常および他の副作用を考えると、これらの創傷は治癒に長い時間がかかり、適正な治癒のために特別な処置アプローチを必要とする。

0135

床擦れ(pressure sores、bedsores)および褥瘡性潰瘍としても知られる褥瘡は、皮膚および/または下層組織に損傷が局在し、これは通常、圧力、またはずれおよび/または摩擦と組み合わさった圧力の結果として、骨ばっている隆起上に起こる。最も一般的な部位は、仙骨尾骨かかとまたは臀部に重なる皮膚であるが、肘、膝、足首または頭蓋の後部などの他の部位でも起こり得る。

0136

褥瘡は軟組織にかかる圧力ゆえに起こり、その圧力の結果、完全にまたは部分的に軟組織への血流が遮られる。ずれも原因であるが、それは、ずれによって皮膚に分布する血管が引っ張られ得るからである。褥瘡は、寝たきりの者または常に車椅子を使用している者
など、動き回ることがない個体において最もよく発生する。圧力およびずれに対して、他の因子が皮膚の耐性に影響し得、それによって褥瘡発生のリスクが上昇すると広く考えられている。これらの因子は、タンパク質カロリー栄養不良微気候発汗または失禁により起こる皮膚湿潤)、皮膚への血流を低下させる疾患、例えば動脈硬化など、または皮膚における感覚を低下させる疾患、例えば麻痺またはニューロパチーなどである。褥瘡の治癒は、患者の年齢、医学的状態(動脈硬化、糖尿病または感染)など、喫煙または抗炎症薬などの投薬によって遅くなり得る。

0137

上記で示されるように、いくつかの実施形態において、本発明は、創傷治癒のための方法をさらに提供する。創傷治癒は、皮膚または他の身体組織がそれ自身で修復するかまたは損傷後に修復される複雑な過程である。正常な皮膚において、表皮表面層)および真皮(より深い層)は、外部環境に対する防御バリアを形成する。このバリアが壊れた場合、生化学的事象の協調カスケードが急に動き出して、損傷を修復する。この過程は、予想可能な相:血液凝固止血)、炎症、新しい組織の成長(増殖)および組織のリモデリング(成熟)に分けられる。

0138

本発明の組成物は、特に炎症性皮膚障害を処置するために使用される場合、局所適用組成物として許容可能であり得ることを見落とすべきではない。具体的な実施形態は、軟膏、クリーム、懸濁液、ペースト、ローション粉末、溶液、油、カプセル化ジェル、錯体を含有するリポソーム、本発明の錯体を含有する何らかのナノ粒子または噴霧可能なエアロゾルまたはこれらの錯体の組み合わせを含有するガスの、罹患皮膚領域の局所投与による皮膚炎症状態、具体的には乾癬の処置を企図する。従来からの医薬担体水性、粉末または油性基剤増粘剤などが必要とされ得るかまたは所望され得る。「局所的に適用」または「局所的に投与される」という用語は、軟膏、クリーム、皮膚軟化剤バーム、ローション、溶液、サルブ、軟膏または何らかの他の医薬形態が、乾癬または他の皮膚病変の1つ以上の症状であるか、またはその症状であり続けているか、それが起きているか、またはそれを示すかまたはそれを示している患者皮膚の皮膚の部分の一部または全てに適用されることを意味する。

0139

類推によって、金属−ノカルダミン錯体または本発明またはその何らかの医薬組成物ならびに本発明の方法は、別の炎症/免疫介在性障害、例えば炎症性腸疾患(IBD)、具体的には潰瘍性大腸炎およびクローン病を予防する、処置する、改善する、または阻害するために適用可能であり得る。

0140

炎症性腸疾患(IBD)は、一般的な胃腸障害であり、免疫反応のTh1−炎症促進性とTh2−抗炎症性サブタイプとの間の不均衡の結果であるものとして理解され得る。IBDは、結腸および小腸の炎症状態の群である。IBDの主要なタイプはクローン病および潰瘍性大腸炎(UC)である。IBDの他の形態は症例が非常に少ない。これらは、膠原線維大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性大腸炎、空置大腸炎および不確定大腸炎であり、これらの場合、潰瘍性大腸炎とクローン病を区別する確定診断を行うのは不可能である。

0141

クローン病とUCとの間の主な相違は、炎症性変化の位置および性質である。クローン病は、口腔から肛門まで消化管のあらゆる部分で起こり得る(皮膚病変)が、殆どの場合が回腸終端部で始まる。潰瘍性大腸炎は、対照的に、結腸および直腸に限定される。顕微鏡的に、潰瘍性大腸炎は粘膜(腸の上皮内層)に限定され、一方でクローン病は、腸壁全体で起こる。最終的に、クローン病および潰瘍性大腸炎は、様々な割合で腸外の所見とともに見付かる(肝臓の問題、関節炎、皮膚所見および眼の問題など)。クローン病および潰瘍性大腸炎は、下痢嘔吐体重低下、発熱および腹痛など、同じ症状を共有する。

0142

最近の仮説では、寄生虫および蠕虫などの従来からの標的の欠失のために、過剰活性免疫系が消化管の様々な組織を攻撃することによってIBDが引き起こされ得ると仮定される。IBDと診断されている者の数は、回虫鉤虫およびヒト鞭虫などの寄生虫による感染数が減少していくとともに増加しており、この状態は、寄生虫感染が普通である国々では依然として稀である。

0143

IBDに付随するいくつかの腸外所見があり、例えば:免疫複合体標的臓器障害に関与している自己免疫現象である。IBD患者は、結腸細胞の構成成分およびいくつかの異なる細菌性抗原に対する抗体を有する。これらの抗原は、上皮損傷の結果として、免疫系に接近する。T細胞刺激への反応性低下など、T細胞介在性免疫の異常もこれらの患者において記載されている。さらに、粘膜IgG細胞の濃度上昇およびT細胞サブセットの変化を含む粘膜細胞介在性の変化が同定され、これは、抗原刺激を示唆する。感染性、免疫または毒性損傷後の標的抗原の曝露は粘膜免疫細胞の活性化につながり、その結果、粘膜炎症反応に至るサイトカインが生じる。IFN−γなどの炎症促進性サイトカインの分泌は、粘膜透過性の向上に関与し、IBDの動物モデルにおいて記載されている。

0144

多くの他の慢性炎症性疾患と同じように、クローン病は、様々な全身性の症状を引き起こし得る。小児の中では成長阻害がよく見られる。多くの小児は、成長を維持できないことに基づいて最初にクローン病(小児クローン病)と診断される。全身および胃腸の関与に加えて、クローン病は、多くの他の臓器系に影響し得る。ブドウ膜炎として知られる目の内部の炎症は、特に光に曝露された場合に眼の疼痛を引き起こし得る(羞明)。炎症は、眼の白色部分強膜)も含み得、これは上強膜炎と呼ばれる状態である。上強膜炎およびぶどう膜炎の両者とも、処置しない場合は失明につながり得る。

0145

クローン病は、血清陰性脊椎関節症として知られるあるタイプのリウマチ性疾患と関連する。この疾患群は、1つ以上の関節(関節炎)または筋付着部付着部炎)の炎症を特徴とする。関節炎は、膝または肩などのより大きい関節で起こり得るか、または手および足の小さな関節を専ら含み得る。関節炎はまた脊椎も含み得、これは、脊椎全体が含まれる場合は強直性脊椎炎につながるか、または低部の脊椎のみが含まれる場合は単純に仙腸関節炎につながる。関節炎の症状としては、疼痛、温感、腫脹、関節拘縮および関節運動性または機能の喪失が挙げられる。

0146

大腸内視鏡検査は、直接結腸および回腸終端部を見ることができるのでクローン病の診断を行うための最良検査であり、疾患関与のパターンが同定される。結腸または回腸を含むが直腸は含まない疾患の斑状分布の発見は、クローン病を示唆する。

0147

現在、クローン病に対する治療法はなく、寛解は不可能であり得るかまたは達成された場合、緩慢であり得る。クローン病に対する処置は、疾患が活動性である場合のみ指示され、急性の問題を最初に処置し、その後寛解を維持することを含む。

0148

潰瘍性大腸炎は、消化管の内層の別の慢性炎症である。潰瘍性大腸炎は、米国では100,000人あたり35〜100人、または人口の0.1%未満で起こる。この疾患は、北半球の国で、ならびに個々の国または他の領域の部領域により多い。北米での潰瘍性大腸炎の発生率は、1年に100,000人あたり10〜12例の新しい症例というものであり、潰瘍性大腸炎の発生のピークは15〜25歳の間である。有病率は1000人あたり1人である。発症年齢二峰性分布と考えられ、発生の第二のピークは50代である。この疾患は、男性よりも女性でよく発症する。潰瘍性大腸炎およびクローン病の地理的分布は、世界中で同様であり、発症が最も多いのは、米国、カナダイギリスおよびスカンジナビアである。発生率がより高い地域は、欧米のの地域に比べて、北の地域で見られる。

0149

クローン病と同様に、潰瘍性大腸炎の有病率はアシュケナージ系ユダヤ人でより高く、ユダヤ人系統の他のグループ、非ユダヤ系白人、アフリカ系、ヒスパニック系およびアジア系の順に低くなる。

0150

潰瘍性大腸炎の臨床症状は、疾患過程の程度に依存する。患者は通常、緩やかに始まる、血液および粘液混じりの下痢を呈する。患者はまた、体重減少および直腸検査時の血液の徴候も有し得る。疾患は通常、軽い不快感から重度の疼痛のある痙攣といった、様々な程度の腹痛を伴う。

0151

潰瘍性大腸炎は通常結腸(大腸)に限定され、直腸はほぼ全体的に含まれる。罹患結腸の内層は炎症を起こし、出血し、を生じる開いた傷口および潰瘍を特徴とする。結腸における炎症によってまた結腸が頻繁に空になり、血液が混じった下痢を引き起こす。潰瘍性大腸炎は断続的な疾患であり、症状が悪化する期間と比較的無症状の期間とがある。潰瘍性大腸炎の症状が自然に消失し得ることもあるが、この疾患は通常、寛解に入るために処置を必要とする。

0152

潰瘍性大腸炎は、身体の多くの部分に影響する一般的な炎症過程を伴う。しばしば、10代での疼痛、膝の関節炎など、これらの付随する腸外症状がこの疾患の最初の徴候である。しかし、腸の所見の開始まで、疾患の存在を確認することはできない。

0153

潰瘍性大腸炎と診断された者のうち約半数の症状は軽度である。他の者では、頻繁な発熱、血性の下痢、吐き気および重度の腹部痙攣がある。潰瘍性大腸炎はまた、関節炎(血清陰性関節炎、強直性脊椎炎、仙腸関節炎)、眼の炎症(虹彩炎、ブドウ膜炎、上強膜炎)、肝臓疾患および骨粗鬆症などの問題も引き起こし得る。潰瘍性大腸炎がある者では免疫系が異常なので、これらの合併症は、免疫系により惹起される炎症の結果であり得る。

0154

いくつかの実施形態によれば、本発明の方法は、炎症性関節炎を予防する、処置する、改善する、または阻害するために特に適用可能であり得る。

0155

関節炎の場合、関連状態としては、例として、全てのタイプの原発性炎症性関節炎、例えば関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎(以前はベヒテレフ病またはベヒテレ症候群として知られていた)、若年性特発性関節炎(JIA)および痛風(代謝性関節炎)が挙げられ得る。示される関節炎の全ての原発性形態に加えて、本発明により処置される状態としては、全ての二次的な形態の関節炎、例えば、紅斑性狼瘡ヘノッホ−シェーンライン紫斑病ヘモクロマトーシス肝炎、ヴェーゲナー肉芽腫(および多くの他の脈管炎症候群)、ライム病および家族性地中海熱が挙げられ得る。

0156

炎症過程は免疫介在性障害の中心なので、本発明の組成物は、本発明の組成物の抗炎症効果によって、免疫介在性障害、例えば様々な形態の関節炎に罹患している対象の処置に適切となる。

0157

当然のことながら、様々な形態の関節炎は一般に2つの主要なカテゴリー、炎症性関節炎および変形性関節炎に分類され得、これらはそれぞれ異なる原因を有する。したがって、ある具体的な実施形態によれば、本発明の金属−ノカルダミン錯体または何らかのその医薬組成物は、具体的に炎症性障害、例えば炎症性関節炎の処置および/または改善を対象とし得る。

0158

炎症性関節炎は、滑膜炎、骨侵食骨減少症、軟組織腫脹および均一な関節腔狭窄を特徴とする。より具体的には、関節の炎症の特徴は、滑膜炎および骨の侵食である。後者は
、薄く、白色の肋軟骨下骨板の局限的な不連続として最初に出現する。通常、この肋軟骨下骨板は重度の骨減少症のケースでも見られ得、一方でその不連続性は侵食を示す。関節周囲の骨減少症および局限性の肋軟骨下骨減少症が真の骨侵食前に出現し得ることは真実であるものの、これは、限定的な関節の炎症を示す骨侵食の存在である。骨侵食が拡大する場合、骨の破壊が髄質腔内で柵状織拡張する。炎症性関節炎のある重要な特性は、辺縁骨侵食の概念に関連する。この用語は、炎症性の滑膜関節の縁に位置する骨侵食に付与される。この具体的な位置は、関節内であるが硝子軟骨により覆われていない関節の部分に相当する。したがって、初期の関節の炎症は、関節面の下の肋軟骨下骨板の侵食前の縁部の侵食を生じさせる。骨侵食を探す場合、様々な骨表面プロファイリングするために関節の複数の観点が必須である。炎症関節過程の第二の重要な特徴は均一な関節腔狭窄である。これは、関節軟骨の破壊が関節腔内全体で均一であるために起こる。炎症性関節疾患の第三の指摘事項は軟組織腫脹である。

0159

当然のことながら、炎症性関節炎は、いくつかのサブグループにさらに分けられ得、したがって、本明細書中に記載の、本発明の、金属−ノカルダミン錯体、組成物および方法は、異なるサブグループの関節炎を含む全ての炎症性関節炎を処置するために適用可能であり得る。

0160

全身性関節炎は複数の関節の関与を特徴とし、2つの主要なカテゴリー、関節リウマチおよび血清陰性脊椎関節症を含む。

0161

ある実施形態によれば、本発明の、金属−ノカルダミン錯体、組成物ならびに方法は、関節リウマチの処置および/または改善のために使用され得る。関節リウマチ(RA)は、最も一般的には、貧血とともに、関節(関節炎)および腱鞘において炎症および組織損傷を引き起こす慢性の全身性自己免疫障害である。これはまた、肺、心膜胸膜および眼の強膜においてびまん性炎症およびまた、最も一般的には皮下組織での、結節性病変も引き起こし得る。これは、支障をきたし、疼痛がある状態であり得、実質的な機能および運動不全につながり得る。リウマチ因子および環状シトルリン化ペプチドに対する抗体などの血清学的マーカーは関節リウマチの重要な指標である。関節リウマチのX線検査特性は関節の炎症のものであり、特定の骨減少症、均一な関節腔欠損、骨侵食および軟組織腫脹を含む。炎症の慢性的性質のために、関節亜脱臼および肋軟骨下嚢胞などのさらなる指摘事項も明らかであり得る。

0162

血清陰性脊椎関節症カテゴリーには、乾癬性関節炎、反応性関節炎および強直性脊椎炎が含まれ、炎症の徴候、複数の関節の関与および、骨増殖の特性が付加された手足における遠位性の関与を特徴とする。したがって、ある実施形態によれば、本発明の金属−ノカルダミン錯体、組成物および方法は、血清陰性脊椎関節症カテゴリーの何らかの状態の処置および/または改善のために使用され得る。

0163

より具体的には、非限定実施形態によれば、本発明の金属−ノカルダミン錯体、組成物および方法は、乾癬性関節炎を含む関節炎の何らかのタイプを予防する、処置する、改善する、または阻害するために使用され得る。乾癬性関節炎は、皮膚(乾癬)および関節(関節炎)の炎症を特徴とする慢性疾患である。

0164

等しく乾癬に罹患すると思われる。乾癬性関節炎の場合、男性は脊椎炎性の形態を有する可能性がより高く(脊椎で起こる)、女性はリウマチ形態を有する可能性がより高い(多くの関節が関与し得る)。乾癬性関節炎は通常、35〜55歳の者において発症する。しかし、これは、ほぼあらゆる年齢の者で発症し得る。乾癬性関節炎は、強直性脊椎炎、反応性関節炎およびクローン病および潰瘍性大腸炎に付随する関節炎など、いくつかの他の関節炎状態と多くの特性を共有する。これらの状態は全て、脊椎および関節におい
て、眼、皮膚、口腔および様々な臓器において炎症を引き起こし得る。

0165

別の非限定実施形態によれば、本発明の金属−ノカルダミン錯体、組成物および方法は、強直性脊椎炎を予防する、処置する、改善する、または阻害するために使用され得る。

0166

強直性脊椎炎(AS、以前はベヒテレフ病、ベヒテレフ症候群、マリー・シュトリュンペル病および脊椎関節炎の一形態として知られていた)は通常、慢性で進行性の形態の関節炎であり、複数の関節、特徴的には脊椎の椎間関節および脊椎の基部の仙腸関節の炎症により引き起こされる。強直性脊椎炎がこれらの関節および脊椎周辺の軟組織で起こる傾向がある一方で、他の関節ならびに関節周囲の組織でも起こり得る(腱付着部、腱および靭帯が骨に付着する部分)。強直性脊椎炎は、眼、心臓および肺など、関節以外の身体領域も含み得る。この障害の結果、骨性強直(または融合)が起こり、ゆえに強直性という用語は、ギリシャアンキロス(ankylos)に由来し、関節の硬化を意味する。脊椎症は、椎骨(または脊椎)を意味し、1つ以上の椎骨の炎症を指す。

0167

この疾患は、一般集団のおよそ0.1〜0.2%で起こると推定される。強直性脊椎炎は主に若年男性で起こる。男性が強直性脊椎炎になる可能性は女性の4〜10倍高い。この疾患の患者の殆どは、15〜35歳で発症し、発症時の平均年齢は26歳である。

0168

正確な原因は不明であるが、強直性脊椎炎は、遺伝的影響引き金となる環境因子との組み合わせによるものであると考えられる。一般集団中では7%であるのに対して、強直性脊椎炎患者のおよそ90〜95%が、組織抗原ヒト白血球抗原B27(HLA−B27)を有する。強直性脊椎炎の者は、この疾患の家族歴を有することが多い。

0169

また別の実施形態において、本発明の金属−ノカルダミン錯体、組成物ならびに方法は、反応性関節炎(ReA)を予防する、処置する、改善する、または阻害するために使用され得る。反応性関節炎は、別のタイプの血清陰性脊椎関節症であり、身体の別の部分での感染に反応して発症する自己免疫状態である。細菌と接触し、感染を発現することによって、反応性関節炎が惹起され得る。これは、リウマチなど、まとめて「関節炎」として知られる様々な他の状態と同様の症状を有する。これは別の感染により引き起こされ、したがって「反応性」であり、すなわち他の状態に依存する。「トリガー」感染は、治癒していることが多いかまたは慢性の場合は寛解しており、このように最初の原因の決定が困難となっている。

0170

反応性関節炎の症状は、3つの一見したところ似ていない症状、大きな関節の炎症性関節炎、眼の炎症(結膜炎およびぶどう膜炎)および尿道炎の組み合わせを含むことが非常に多い。ドイツ人医師Hans Reiterの後、ReAがまたライター症候群としても知られることが示されるべきであり、これは尿道関節炎(arthritis urethritica)、性器関節炎および腸管多発動脈炎としても知られる。

0171

当然のことながら、若年性特発性関節炎、痛風および偽痛風、ならびに大腸炎または乾癬に付随する関節炎を含め、多くの他の形態の炎症性関節炎がある。したがって、当然のことながら、本発明の金属−ノカルダミン錯体、組成物、ならびに方法はこれらの状態に対しても適用可能である。

0172

したがって、本発明の金属−ノカルダミン錯体、組成物および方法は、若年性特発性関節炎(JIA)を予防する、処置する、改善する、または阻害するために使用され得る。JIAは、小児における持続性関節炎の最も一般的な形態である(この文脈における若年は、16歳前の発症を指し、特発性は、原因が明確ではない状態を指し、関節炎は、関節の滑膜の炎症である)。JIAは、小児で見られる関節炎のサブセットであり、一時的お
よび自然治癒性または慢性であり得る。これは、成人でよく見られる関節炎(関節リウマチ)および慢性状態である小児で存在し得る他のタイプの関節炎(例えば乾癬性関節炎および強直性脊椎炎)とは顕著に異なる。

0173

またさらに、炎症性障害に対するいくつかの具体的な実施形態において、喘息などの何らかの炎症性−呼吸器疾患は、本発明の金属−ノカルダミン錯体,組成物での処置が有効であり得、その組成物の治療的有効量をこの疾患に罹患している対象に投与する。したがって、具体的な実施形態において、呼吸器障害、具体的には喘息の、予防、処置および/または改善のために本発明の方法を使用し得る。

0174

喘息は、変化し易く再発する症状、可逆的な気流閉塞および気管支痙攣を特徴とする、よく見られる気道の慢性炎症性疾患である。一般的な症状としては、喘鳴胸部絞扼感および息切れが挙げられる。

0175

喘息は、遺伝的因子と環境的因子との組み合わせにより引き起こされると考えられる。その診断は通常、症状のパターン、治療に対する経時的な反応および肺活量測定に基づく。これは、症状の頻度、1秒強制呼気量(FEV1)およびピーク呼気気流速度に従い臨床的に分類される。喘息は、アトピー外因性)または非アトピー(内因性)としても分類され得、アトピーは、1型過敏症反応の発症に対する素因を指す。

0176

喘息の急性症状の処置は通常、吸入される短時間作用型ベータ−2アゴニストサルブタモールなど)および経口コルチコステロイドを伴うものである。非常に重度のケースにおいて、静脈内コルチコステロイド、硫酸マグネシウムおよび入院が必要となり得る。症状は、アレルゲンおよび刺激物などのトリガーを回避することによって、および吸入型のコルチコステロイドの使用によって、予防し得る。喘息症状が制御されないままである場合、吸入型コルチコステロイドに加えて、長時間作用型のベータアゴニスト(LABA)または抗ロイコトリエン剤を使用し得る。

0177

喘息は、気道の慢性炎症の結果であり、その後、結果として周囲の平滑筋収縮性が向上する。とりわけこの因子は、気道の狭窄の発作および喘鳴の古典的な症状につながる。狭窄は一般的には、処置ありまたはなしで可逆的である。時折、気道それ自身が変化する。気道における典型的な変化としては、好酸球の増加および網状板の肥厚が挙げられる。臨床的に、気道の平滑筋は、粘液腺の増加とともにサイズが大きくなり得る。関与する他の細胞タイプとしては、Tリンパ球、マクロファージおよび好中球が挙げられる。サイトカイン、ケモカイン、ヒスタミンおよびロイコトリエンを含む、免疫系の他の構成成分の関与もあり得る。

0178

喘息に対する治療法がない一方で、症状は一般に好転し得る。積極的に監視し、症状を管理するための具体的な個々に応じた計画を作成すべきである。この計画は、アレルゲンへの曝露の低減、症状の重症度を評価するための検査および薬物療法の使用を含むべきである。この処置計画は、症状における変化に従い、処置に対する調整を記し、助言すべきである。

0179

重要なこととして、金属−シデロホア、具体的には本発明の金属−ノカルダミン錯体は、現在利用可能な薬物療法に対するさらなる治療の次元を提供するが、これは、それらが、記載される呼吸器障害病変の発症に対する予防対策となるだけでなく、次の組織損傷を軽減するからである。

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