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課題

nOHの処置における使用のための、予測可能薬物動態特性を有する安全かつ耐容性が良好なノルエピネフリントランスポーター阻害剤を提供する。

解決手段

本発明は、神経原性起立性低血圧およびその症状の処置のための、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)−フェニルピペリジンまたはその薬学的に許容される塩の使用に関する。一態様では、本発明は、ヒト患者における神経原性起立性低血圧およびその症状の処置における使用のための、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩であって、約1mg/日〜約20mg/日の範囲の量で患者投与され、使用が、(a)患者の座位収縮期血圧の増大;(b)患者の起立時間の増大;または(c)患者が経験するめまいもしくは意識朦朧の減少により特徴付けられる、化合物に関する。

概要

背景

起立性低血圧(OH)は、体位性低血圧としても公知であり、人が立ち上がるときに起こる低血圧の形態である。医学用語では、OHは、仰臥位から立位(upright position)への体位変換の3分以内の少なくとも20mmHgの収縮期血圧または少なくとも10mmHgの拡張期血圧の降下として定義される(Neurology 1996年;46巻:1470頁)。OHは、めまい、意識朦朧および卒倒失神)を含む広範な症状を生じ得る。これらの症状のために、OHは多くの場合、起立または歩行を必要とする日々の活動を削減するか、または妨げさえもする。加えて、OHは、罹患率および死亡率の増大と関連付けられる。例えば、Jonesら、Expert Review of Cardiovascular Therapy、2015年;13巻:11号、1263〜1276頁;Kuritzkyら、Postgrad.Med.2015年;127巻(7号):702〜715頁;およびLowら、J.Clin.Neurol.、2015年;11巻(3号):220〜226頁を参照のこと。

OHの根底にある原因は、広範に神経原性および非神経原性カテゴリーに分けることができる。神経原性起立性低血圧(nOH:neurogenic orthostatic hypotension)は、神経系に関連するOHの形態、例えば末梢または中枢神経障害、例えば原発性自律神経不全症(純粋自律神経不全症、多系統萎縮症およびパーキンソン病を含む)および自律神経障害自律神経失調症(dysautonomia))(糖尿病性および非糖尿病性自律神経障害を含む)により引き起こされるOHである(Arbiqueら、JAMDA 15巻(2014年)234〜239頁)。かかる障害は、体位変換への応答において血圧を調節する主要な神経伝達物質であるノルエピネフリン不足または調節不全を引き起こし得る(Loavenbruckら、Curr.Med.Res.Opin.、2015年;31巻:2095〜2104頁)。その結果、自律神経系は、体位変換中に血圧を適切に調節することができず、患者は、血圧の顕著な降下を経験し、例えばめまい、意識朦朧または卒倒を起こす。

したがって、nOH処置の1つの目的は、患者においてノルエピネフリンのレベルを増大させることである。ノルエピネフリンレベルを増大させる1つの方法は、ノルエピネフリンを生成する薬剤投与することである。例えば、ドロキシドパ(L−トレオ−3−4−ジヒドロキシフェニルセリン)は、中枢および末梢神経系の両方において脱炭酸によりノルエピネフリンに変換され、それによってノルエピネフリンのレベルを増大させるアミノ酸である(Kaufmannら、Circulation、2003年;108巻:724〜728頁;Kaufmann、Clin.Auton.Res.(2008年)18巻[補遺1]:19〜24頁);およびIsaacsonら、Vascular Health and Risk Management、2014年、10巻:169〜176頁)。ドロキシドパは、原発性自律神経不全症(パーキンソン病、多系統萎縮症および純粋自律神経不全症)、ドーパミンベータヒドロキシラーゼ欠損症および非糖尿病性自律神経障害により引き起こされる症候性nOHを有する成人患者において、起立性めまい、意識朦朧または「ブラックアウトしそう感覚」の処置のために米国で承認されている。ドロキシドパの主な副作用は、仰臥位高血圧であり、この重篤な副作用のためにこの薬物治療についての処方情報には黒枠警告がある。

あるいは、ノルエピネフリンレベルは、ノルエピネフリン再取り込みを担うノルエピネフリントランスポーター阻害することにより患者において増大することができる。例えば、アトモキセチンは、注意欠陥多動障害ADHD)の処置のために米国で承認されている選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤である。アトモキセチンは、中枢性自律神経不全症を有する患者において血圧を増大させることが示されている(Ramirezら、Hypertension、2014年;64巻:1235〜40頁;およびShibaoら、Hypertension、2007年;50巻:47〜53頁)。しかしながら、アトモキセチンは、主にCYP2D6酵素経路を通して代謝され、それゆえに、その薬物動態特性は、被験体が低いCYP2D6活性を有する(低代謝群)か、または正常なCYP2D6活性を有する(高代謝群)かによって変動する(Ringら、Drug Metabolism and Distribution、2002年、30巻:319〜323頁)。また、アトモキセチンの処方情報は、薬物−薬物相互作用の可能性についてのいくつかの警告を含む。加えて、ADHDを処置するために使用した場合、アトモキセチンは、口渇および吐き気を含むいくつかの胃腸有害作用と関連付けられる。アトモキセチンは、nOHの処置に承認されていない。

nOHを処置するために使用される他の薬剤として、α1−アドレノセプターアゴニストミドドリン(およびその活性代謝産物、デスグリミドドリン(desglymidodrine));合成鉱質コルチコイド(mineralocortioid)、フルドロコルチゾン;およびコリンエステラーゼ阻害剤ピリドスチグミンが挙げられる。これらの薬剤の副作用は、ミドドリンについては、仰臥位高血圧、感覚異常頭皮刺痛を含む)、立毛鳥肌)および尿意促迫または尿閉;フルドロコルチゾンについては、低カリウム血症頭痛末梢性浮腫心不全および仰臥位高血圧;ならびにピリドスチグミンについては、腹部不快感および尿意促迫を含み得る。

したがって、nOHを処置するために利用可能な他の選択肢を有することが望ましい場合がある。特に、nOHの処置における使用のための、予測可能な薬物動態特性を有する安全かつ耐容性が良好なノルエピネフリントランスポーター阻害剤を提供することが望ましい場合がある。さらに、仰臥位高血圧はnOH患者においてよく起こり、かつ存在する薬物治療の多くは仰臥位高血圧を引き起こすか、または悪化させ得るので、仰臥位高血圧を引き起こすことも悪化させることもないnOHを処置するための化合物を提供することが、非常に望ましい場合がある。

米国特許第8,304,432号B2および同第8,604,058号B2は、セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤である4−[2−(2−フルオロフェノキシメチルフェニルピペリジン化合物を開示している。これらの特許において開示されている特定の化合物は、式:



を有する、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンである。

この化合物は、TD−9855としても公知である。加えて、米国特許第8,304,433号B2および同第9,073,859号B2は、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩を開示している。これらの特許は、疼痛性障害うつ病性障害、認知障害腹圧性尿失禁慢性疲労症候群肥満閉経と関連付けられる血管運動性症状慢性腰痛変形性関節症および他の障害の処置を含む、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンについての様々な使用を開示している。これらの特許は、nOHの処置のための4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの使用を開示していないが、しかしながら、nOHにおけるTD−9855のフェーズ試験に関する情報は、2016年3月9日にClinicalTrials.gov上で公開されている。

概要

nOHの処置における使用のための、予測可能な薬物動態特性を有する安全かつ耐容性が良好なノルエピネフリントランスポーター阻害剤を提供する。本発明は、神経原性起立性低血圧およびその症状の処置のための、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)−フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩の使用に関する。一態様では、本発明は、ヒト患者における神経原性起立性低血圧およびその症状の処置における使用のための、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩であって、約1mg/日〜約20mg/日の範囲の量で患者に投与され、使用が、(a)患者の座位収縮期血圧の増大;(b)患者の起立時間の増大;または(c)患者が経験するめまいもしくは意識朦朧の減少により特徴付けられる、化合物に関する。なし

目的

ノルエピネフリンレベルを増大させる1つの方法は、ノルエピネフリンを生成する薬剤を投与することである

効果

実績

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請求項1

明細書に記載の発明。

技術分野

0001

本発明は、神経原性起立性低血圧およびその症状の処置のための、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)−フェニルピペリジンまたはその薬学的に許容される塩の使用に関する。

背景技術

0002

起立性低血圧(OH)は、体位性低血圧としても公知であり、人が立ち上がるときに起こる低血圧の形態である。医学用語では、OHは、仰臥位から立位(upright position)への体位変換の3分以内の少なくとも20mmHgの収縮期血圧または少なくとも10mmHgの拡張期血圧の降下として定義される(Neurology 1996年;46巻:1470頁)。OHは、めまい、意識朦朧および卒倒失神)を含む広範な症状を生じ得る。これらの症状のために、OHは多くの場合、起立または歩行を必要とする日々の活動を削減するか、または妨げさえもする。加えて、OHは、罹患率および死亡率の増大と関連付けられる。例えば、Jonesら、Expert Review of Cardiovascular Therapy、2015年;13巻:11号、1263〜1276頁;Kuritzkyら、Postgrad.Med.2015年;127巻(7号):702〜715頁;およびLowら、J.Clin.Neurol.、2015年;11巻(3号):220〜226頁を参照のこと。

0003

OHの根底にある原因は、広範に神経原性および非神経原性カテゴリーに分けることができる。神経原性起立性低血圧(nOH:neurogenic orthostatic hypotension)は、神経系に関連するOHの形態、例えば末梢または中枢神経障害、例えば原発性自律神経不全症(純粋自律神経不全症、多系統萎縮症およびパーキンソン病を含む)および自律神経障害自律神経失調症(dysautonomia))(糖尿病性および非糖尿病性自律神経障害を含む)により引き起こされるOHである(Arbiqueら、JAMDA 15巻(2014年)234〜239頁)。かかる障害は、体位変換への応答において血圧を調節する主要な神経伝達物質であるノルエピネフリン不足または調節不全を引き起こし得る(Loavenbruckら、Curr.Med.Res.Opin.、2015年;31巻:2095〜2104頁)。その結果、自律神経系は、体位変換中に血圧を適切に調節することができず、患者は、血圧の顕著な降下を経験し、例えばめまい、意識朦朧または卒倒を起こす。

0004

したがって、nOH処置の1つの目的は、患者においてノルエピネフリンのレベルを増大させることである。ノルエピネフリンレベルを増大させる1つの方法は、ノルエピネフリンを生成する薬剤投与することである。例えば、ドロキシドパ(L−トレオ−3−4−ジヒドロキシフェニルセリン)は、中枢および末梢神経系の両方において脱炭酸によりノルエピネフリンに変換され、それによってノルエピネフリンのレベルを増大させるアミノ酸である(Kaufmannら、Circulation、2003年;108巻:724〜728頁;Kaufmann、Clin.Auton.Res.(2008年)18巻[補遺1]:19〜24頁);およびIsaacsonら、Vascular Health and Risk Management、2014年、10巻:169〜176頁)。ドロキシドパは、原発性自律神経不全症(パーキンソン病、多系統萎縮症および純粋自律神経不全症)、ドーパミンベータヒドロキシラーゼ欠損症および非糖尿病性自律神経障害により引き起こされる症候性nOHを有する成人患者において、起立性めまい、意識朦朧または「ブラックアウトしそう感覚」の処置のために米国で承認されている。ドロキシドパの主な副作用は、仰臥位高血圧であり、この重篤な副作用のためにこの薬物治療についての処方情報には黒枠警告がある。

0005

あるいは、ノルエピネフリンレベルは、ノルエピネフリン再取り込みを担うノルエピネフリントランスポーター阻害することにより患者において増大することができる。例えば、アトモキセチンは、注意欠陥多動障害ADHD)の処置のために米国で承認されている選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤である。アトモキセチンは、中枢性自律神経不全症を有する患者において血圧を増大させることが示されている(Ramirezら、Hypertension、2014年;64巻:1235〜40頁;およびShibaoら、Hypertension、2007年;50巻:47〜53頁)。しかしながら、アトモキセチンは、主にCYP2D6酵素経路を通して代謝され、それゆえに、その薬物動態特性は、被験体が低いCYP2D6活性を有する(低代謝群)か、または正常なCYP2D6活性を有する(高代謝群)かによって変動する(Ringら、Drug Metabolism and Distribution、2002年、30巻:319〜323頁)。また、アトモキセチンの処方情報は、薬物−薬物相互作用の可能性についてのいくつかの警告を含む。加えて、ADHDを処置するために使用した場合、アトモキセチンは、口渇および吐き気を含むいくつかの胃腸有害作用と関連付けられる。アトモキセチンは、nOHの処置に承認されていない。

0006

nOHを処置するために使用される他の薬剤として、α1−アドレノセプターアゴニストミドドリン(およびその活性代謝産物、デスグリミドドリン(desglymidodrine));合成鉱質コルチコイド(mineralocortioid)、フルドロコルチゾン;およびコリンエステラーゼ阻害剤ピリドスチグミンが挙げられる。これらの薬剤の副作用は、ミドドリンについては、仰臥位高血圧、感覚異常頭皮刺痛を含む)、立毛鳥肌)および尿意促迫または尿閉;フルドロコルチゾンについては、低カリウム血症頭痛末梢性浮腫心不全および仰臥位高血圧;ならびにピリドスチグミンについては、腹部不快感および尿意促迫を含み得る。

0007

したがって、nOHを処置するために利用可能な他の選択肢を有することが望ましい場合がある。特に、nOHの処置における使用のための、予測可能な薬物動態特性を有する安全かつ耐容性が良好なノルエピネフリントランスポーター阻害剤を提供することが望ましい場合がある。さらに、仰臥位高血圧はnOH患者においてよく起こり、かつ存在する薬物治療の多くは仰臥位高血圧を引き起こすか、または悪化させ得るので、仰臥位高血圧を引き起こすことも悪化させることもないnOHを処置するための化合物を提供することが、非常に望ましい場合がある。

0008

米国特許第8,304,432号B2および同第8,604,058号B2は、セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤である4−[2−(2−フルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン化合物を開示している。これらの特許において開示されている特定の化合物は、式:



を有する、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンである。

0009

この化合物は、TD−9855としても公知である。加えて、米国特許第8,304,433号B2および同第9,073,859号B2は、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩を開示している。これらの特許は、疼痛性障害うつ病性障害、認知障害腹圧性尿失禁慢性疲労症候群肥満閉経と関連付けられる血管運動性症状慢性腰痛変形性関節症および他の障害の処置を含む、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンについての様々な使用を開示している。これらの特許は、nOHの処置のための4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの使用を開示していないが、しかしながら、nOHにおけるTD−9855のフェーズ試験に関する情報は、2016年3月9日にClinicalTrials.gov上で公開されている。

先行技術

0010

米国特許第8,304,432号明細書
米国特許第8,604,058号明細書
米国特許第8,304,433号明細書
米国特許第9,073,859号明細書

課題を解決するための手段

0011

本発明は、神経原性起立性低血圧およびその症状の処置のための、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)−フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩の使用に関する。

0012

したがって、一態様では、本発明は、ヒト患者における神経原性起立性低血圧およびその症状の処置における使用のための、式I:



の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、約1mg/日〜約20mg/日の範囲の量で患者に投与され、使用が、(a)患者の座位収縮期血圧の増大;(b)患者の起立時間の増大;または(c)患者が経験するめまいもしくは意識朦朧の減少により特徴付けられる、化合物に関する。一実施形態では、使用は、患者の座位収縮期血圧の増大により特徴付けられる。別の実施形態では、使用は、患者の起立時間の増大により特徴付けられる。別の実施形態では、使用は、患者が経験するめまいまたは意識朦朧の減少により特徴付けられる。

0013

別の態様では、本発明は、症候性神経原性起立性低血圧を有するヒト患者において座位収縮期血圧を増大させることにおける使用のための、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。

0014

別の態様では、本発明は、症候性神経原性起立性低血圧を有するヒト患者において起立時間を増大させることにおける使用のための、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。

0015

別の態様では、本発明は、症候性神経原性起立性低血圧により引き起こされるヒト患者における起立性めまいまたは意識朦朧の処置における使用のための、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。

0016

別の態様では、本発明は、ヒト患者における神経原性起立性低血圧およびその症状の処置における使用のための、薬学的に許容される担体および式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、約1mg/日〜約20mg/日の範囲の量の化合物を提供するように患者に投与され、使用が、(a)患者の座位収縮期血圧の増大;(b)患者の起立時間の増大;または(c)患者が経験するめまいもしくは意識朦朧の減少により特徴付けられる、医薬組成物に関する。

0017

別の態様では、本発明は、ヒト患者における神経原性起立性低血圧およびその症状の処置のための、医薬の製造のための式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用であって、化合物が、約1mg/日〜約20mg/日の範囲の量で患者に投与され、使用が、(a)患者の座位収縮期血圧の増大;(b)患者の起立時間の増大;または(c)患者が経験するめまいもしくは意識朦朧の減少により特徴付けられる、使用に関する。

0018

別の態様では、本発明は、ヒト患者における神経原性起立性低血圧およびその症状を処置するための方法であって、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、方法に関する。

0019

別の態様では、本発明は、ヒト患者における神経原性起立性低血圧およびその症状を処置するための方法であって、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含み、化合物が、約1mg/日〜約20mg/日の範囲の量で患者に投与され、方法が、(a)患者の座位収縮期血圧の増大;(b)患者の起立時間の増大;または(c)患者が経験するめまいもしくは意識朦朧の減少により特徴付けられる、方法に関する。

0020

別段の指示がない限り、後述する別々かつ別個の実施形態は、本明細書で説明する本発明のありとあらゆる態様にも適用可能である。

0021

一実施形態では、化合物は、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩である。

0022

一実施形態では、化合物は、4.44±0.20、10.22±0.20、17.16±0.20および21.78±0.20の2θ値での回折ピークを含む粉末線回折パターンにより特徴付けられる、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩である。別の実施形態では、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩は、8.11±0.20、13.18±0.20、16.06±0.20、18.38±0.20、23.76±0.20、26.32±0.20、27.24±0.20、29.60±0.20および31.94±0.20から選択される2θ値に1つまたは複数の追加の回折ピークを有することによりさらに特徴付けられる。

0023

一実施形態では、化合物は、約197±2℃の融点を有する示差走査熱量測定トレースにより特徴付けられる、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩である。

0024

一実施形態では、患者は、原発性自律神経不全症(純粋自律神経不全症、多系統萎縮症およびパーキンソン病を含む);自律神経障害(糖尿病性および非糖尿病性自律神経障害を含む)から選択される神経障害を有する。一実施形態では、患者は、原発性自律神経不全症を有する。別の実施形態では、患者は、自律神経障害を有する。別の実施形態では、患者は、パーキンソン病を有する。特定の実施形態では、患者は、多系統萎縮症を有する。

0025

一実施形態では、化合物は、約0.5mg/日〜約20mg/日の範囲の量で投与される。別の実施形態では、化合物は、約1mg/日〜約20mg/日の範囲の量で投与される。別の実施形態では、化合物は、約1mg/日〜約10mg/日の範囲の量で投与される。別の実施形態では、化合物は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9および10mg/日から選択される量で投与される。

0026

一実施形態では、化合物は、1日1回投与される。

0027

一実施形態では、化合物は、薬学的に許容される担体および式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物として投与される。

0028

一実施形態では、化合物は、α1−アドレノセプターアゴニスト、α−2アドレナリン受容体アンタゴニストコルチコステロイド、ノルエピネフリン前駆体およびコリンエステラーゼ阻害剤;またはそれらの組み合わせから選択される薬剤と共に投与される。特定の実施形態では、化合物は、ミドドリン、酢酸フルドロコルチゾン、ドロキシドパもしくはピリドスチグミン、またはそれぞれの場合においてそれらの薬学的に許容される塩;例えば塩酸ミドドリンもしくは臭化ピリドスチグミンと共に投与される。

0029

本発明の他の態様および実施形態は、本明細書で開示される。
本発明の実施形態の例として、以下の項目が挙げられる。
(項目1)
ヒト患者における神経原性起立性低血圧およびその症状の処置における使用のための、式I:



の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、約1mg/日〜約20mg/日の範囲の量で前記患者に投与され、前記使用が、(a)前記患者の座位収縮期血圧の増大;(b)前記患者の起立時間の増大;または(c)前記患者が経験するめまいもしくは意識朦朧の減少により特徴付けられる、化合物またはその薬学的に許容される塩。
(項目2)
4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩である、項目1に記載の使用のための化合物。
(項目3)
4.44±0.20、10.22±0.20、17.16±0.20および21.78±0.20の2θ値での回折ピークを含む粉末x線回折パターンにより特徴付けられる、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩である、項目1に記載の使用のための化合物。
(項目4)
前記4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩が、8.11±0.20、13.18±0.20、16.06±0.20、18.38±0.20、23.76±0.20、26.32±0.20、27.24±0.20、29.60±0.20および31.94±0.20から選択される2θ値に1つまたは複数の追加の回折ピークを有することによりさらに特徴付けられる、項目3に記載の使用のための化合物。
(項目5)
約197±2℃の融点を有する示差走査熱量測定トレースにより特徴付けられる、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩である、項目1に記載の使用のための化合物。
(項目6)
前記患者が、多系統萎縮症、純粋自律神経不全症またはパーキンソン病を有する、項目1から5のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
(項目7)
前記患者が、多系統萎縮症を有する、項目1から5のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
(項目8)
前記使用が、前記患者の座位収縮期血圧の増大により特徴付けられる、項目1から7のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
(項目9)
前記使用が、前記患者の起立時間の増大により特徴付けられる、項目1から7のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
(項目10)
前記使用が、前記患者が経験するめまいまたは意識朦朧の減少により特徴付けられる、項目1から7のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
(項目11)
α1−アドレノセプターアゴニスト、α−2アドレナリン受容体アンタゴニスト、コルチコステロイド、ノルエピネフリン前駆体およびコリンエステラーゼ阻害剤;またはそれらの組み合わせから選択される薬剤と共に投与される、項目1から7のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
(項目12)
ミドドリン、酢酸フルドロコルチゾン、ドロキシドパもしくはピリドスチグミン、またはそれぞれの場合においてそれらの薬学的に許容される塩と共に投与される、項目1から7のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
(項目13)
塩酸ミドドリン、酢酸フルドロコルチゾン、ドロキシドパまたは臭化ピリドスチグミンと共に投与される、項目1から7のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
(項目14)
ヒト患者における神経原性起立性低血圧およびその症状の処置における使用のための、薬学的に許容される担体および式I:



の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、約1mg/日〜約20mg/日の範囲の量の前記化合物を提供するように前記患者に投与され、前記使用が、(a)前記患者の座位収縮期血圧の増大;(b)前記患者の起立時間の増大;または(c)前記患者が経験するめまいもしくは意識朦朧の減少により特徴付けられる、医薬組成物。
(項目15)
前記化合物が、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩である、項目14に記載の使用のための組成物
(項目16)
前記化合物が、4.44±0.20、10.22±0.20、17.16±0.20および21.78±0.20の2θ値での回折ピークを含む粉末x線回折パターンにより特徴付けられる、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩である、項目14に記載の使用のための組成物。
(項目17)
前記4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩が、8.11±0.20、13.18±0.20、16.06±0.20、18.38±0.20、23.76±0.20、26.32±0.20、27.24±0.20、29.60±0.20および31.94±0.20から選択される2θ値に1つまたは複数の追加の回折ピークを有することによりさらに特徴付けられる、項目16に記載の使用のための組成物。
(項目18)
前記化合物が、約197±2℃の融点を有する示差走査熱量測定トレースにより特徴付けられる、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩である、項目14に記載の使用のための組成物。
(項目19)
前記患者が、多系統萎縮症、純粋自律神経不全症またはパーキンソン病を有する、項目14から18のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
(項目20)
前記患者が、多系統萎縮症を有する、項目14から18のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
(項目21)
ヒト患者における神経原性起立性低血圧およびその症状の処置のための医薬の製造のための、式I:



の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用であって、前記化合物が、約1mg/日〜約20mg/日の範囲の量で前記患者に投与され、前記使用が、(a)前記患者の座位収縮期血圧の増大;(b)前記患者の起立時間の増大;または(c)前記患者が経験するめまいもしくは意識朦朧の減少により特徴付けられる、使用。
(項目22)
前記化合物が、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩である、項目21に記載の使用。
(項目23)
前記化合物が、4.44±0.20、10.22±0.20、17.16±0.20および21.78±0.20の2θ値での回折ピークを含む粉末x線回折パターンにより特徴付けられる、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩である、項目21に記載の使用。
(項目24)
前記4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩が、8.11±0.20、13.18±0.20、16.06±0.20、18.38±0.20、23.76±0.20、26.32±0.20、27.24±0.20、29.60±0.20および31.94±0.20から選択される2θ値に1つまたは複数の追加の回折ピークを有することによりさらに特徴付けられる、項目23に記載の使用。
(項目25)
前記化合物が、約197±2℃の融点を有する示差走査熱量測定トレースにより特徴付けられる、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩である、項目21に記載の使用。
(項目26)
前記患者が、多系統萎縮症、純粋自律神経不全症またはパーキンソン病を有する、項目21から25のいずれか一項に記載の使用。
(項目27)
前記患者が、多系統萎縮症を有する、項目21から25のいずれか一項に記載の使用。
(項目28)
ヒト患者において神経原性起立性低血圧およびその症状を処置するための方法であって、式I:



の化合物またはその薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含み、前記化合物が、約1mg/日〜約20mg/日の範囲の量で前記患者に投与され、前記方法が、(a)前記患者の座位収縮期血圧の増大;(b)前記患者の起立時間の増大;または(c)前記患者が経験するめまいもしくは意識朦朧の減少により特徴付けられる、方法。
(項目29)
前記化合物が、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩である、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記化合物が、4.44±0.20、10.22±0.20、17.16±0.20および21.78±0.20の2θ値での回折ピークを含む粉末x線回折パターンにより特徴付けられる、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩である、項目28に記載の方法。
(項目31)
前記4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩が、8.11±0.20、13.18±0.20、16.06±0.20、18.38±0.20、23.76±0.20、26.32±0.20、27.24±0.20、29.60±0.20および31.94±0.20から選択される2θ値に1つまたは複数の追加の回折ピークを有することによりさらに特徴付けられる、項目28に記載の方法。
(項目32)
前記化合物が、約197±2℃の融点を有する示差走査熱量測定トレースにより特徴付けられる、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩である、項目28に記載の方法。
(項目33)
前記患者が、多系統萎縮症、純粋自律神経不全症またはパーキンソン病を有する、項目28から32のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
前記患者が、多系統萎縮症を有する、項目28から32のいずれか一項に記載の方法。

0030

本発明は、その様々な態様および実施形態において、神経原性起立性低血圧およびその症状の処置のための、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩の使用に関する。

0031

定義
本発明を説明するとき、後述する用語は、別段の指示がない限り、後述する意味を有する。

0032

「a」、「an」および「the」という単数形の用語は、使用の文脈が明らかに別段の指示がない限り、対応する複数形の用語を含む。

0033

「約」という用語は、特定される値の±5パーセントを意味する。

0034

「融点」という用語は、固体から液体への相変化に対応する熱転移についての示差走査熱量測定により、最大吸熱性熱流が観察される温度を意味する。

0035

「薬学的に許容される」という用語は、患者への投与に許容される(例えば、特定の利用のための許容される安全性を有する)ことを意味する。

0036

「薬学的に許容される塩」という用語は、患者への投与に許容される酸および塩基から調製される塩(双性イオンを含む)(例えば、所与投与レジメンについて許容される安全性を有する塩)を意味する。

0037

治療有効量」という用語は、処置を必要とする患者に投与した場合、処置をもたらすのに十分な量、例えば、所望の治療効果を得るために必要とされる量を意味する。

0038

「処置すること」または「処置」という用語は、処置される医学的状態もしくは障害を改善もしくは抑制すること;または医学的状態もしくは障害の症状を緩和することを意味する。

0039

単位剤形」または「単位用量」という用語は、患者に投与するために好適な物理的に別個の単位、すなわち、単独または1個もしくは複数個の追加の単位との組み合わせのいずれかで治療効果を生じるように計算された所定の量の治療剤を含有する各単位を意味する。例として、カプセル錠剤などが挙げられる。

0040

本明細書で使用する全ての他の用語は、それらが属する分野の当業者により理解されるそれらの通常の意味を有すると意図される。

0041

式Iの化合物
本発明は、式I:



を有する、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩を用いる。

0042

4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンは、本明細書の実施例で説明する通り、または米国特許第8,304,432号B2、同第8,304,433号B2および同第8,247,433号B2ならびに関連する特許で開示される方法および手技により調製することができる。

0043

一実施形態では、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンは、薬学的に許容される塩の形態で使用される。代表的な薬学的に許容される塩として、以下の酸の塩(括弧内に示す対応するアニオンを伴う):酢酸酢酸塩)、アスコルビン酸アスコルビン酸塩)、ベンゼンスルホン酸ベンゼンスルホン酸塩またはベシル酸塩)、安息香酸安息香酸塩)、カンファースルホン酸カンファースルホン酸塩)、クロルテオフィリン(chlortheophylline)(クロルテオフィリネート(chlortheophyllinate))、クエン酸クエン酸塩)、エタンスルホン酸エタンスルホン酸塩)、エタンジスルホン酸またはエジシル酸(エタンジスルホン酸塩またはエジシル酸塩)、フマル酸フマル酸塩)、ゲンチジン酸(ゲンチジン酸塩)、グルコン酸グルコン酸塩)、グルクロン酸(グルクロン酸塩(glucoronate))、グルセプト酸(グルセプト酸塩)、グルタミン酸グルタミン酸塩)、馬尿酸馬尿酸塩)、臭化水素酸臭化物)、塩酸(塩化物)、ヨウ化水素酸ヨウ化物)、イセチオン酸イセチオン酸塩)、乳酸乳酸塩)、ラクトビオン酸(ラクトビオン酸塩)、ラウリルスルホン酸(ラウリルスルホン酸塩)、マレイン酸マレイン酸塩)、リンゴ酸リンゴ酸塩)、マンデル酸マンデル酸塩)、メタンスルホン酸メタンスルホン酸塩またはメシル酸塩)、メチルスルホン酸メチルスルホン酸塩)、ムチン酸(ムチン酸塩)、ナフタレンスルホン酸ナフタレンスルホン酸塩またはナプシル酸塩)、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸(ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸(ナフタレン−2,6−ジスルホン酸塩)、ナフトエ酸ナフトエ酸塩)、ニコチン酸(ニコチン酸塩)、硝酸硝酸塩)、オクタデカン酸(オクタデカン酸塩)、オレイン酸オレイン酸塩)、オロト酸オロト酸塩)、シュウ酸シュウ酸塩)、パモ酸(パモ酸塩)、パントテン酸パントテン酸塩)、リン酸リン酸塩)、ポリガラクツロン酸(ポリガラクツロン酸塩)、コハク酸コハク酸塩)、スルホサリチル酸(スルホサリチル酸塩)、硫酸(硫酸塩)、酒石酸酒石酸塩)、p−トルエンスルホン酸(p−トルエンスルホン酸塩またはトシル酸塩)およびキシナホ酸キシナホ酸塩)などが挙げられる。かかる塩は、酸付加塩と呼ばれることがある。

0044

塩は、薬学的に許容される酸中で1モル当量の4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンを約0.95〜約1.05モル当量の酸プロトンと接触させることにより調製することができる。例えば、1モル当量の4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンを、約1モル当量の塩酸と接触させて、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩を形成することができ、または1モル当量の4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンを、約0.5モル当量の硫酸と接触させて、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン硫酸塩を形成することができる。

0045

かかる反応は典型的に、希釈剤、例えばジクロロメタンエタノール酢酸エチル酢酸イソプロピルなどの中で、約−20℃〜約50℃の範囲の温度にて、約0.5〜約12時間または反応が実質的に完了するまで行われる。反応の完了に際して、生成物は典型的に、従来手技、例えば濾過クロマトグラフィー再結晶などを使用して単離される。かかる反応の生成物は、結晶であってもよく、結晶でなくてもよい。

0046

一実施形態では、本発明で用いられる化合物は、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩である。別の実施形態では、化合物は、4.44±0.20、10.22±0.20、17.16±0.20および21.78±0.20の2θ値での回折ピークを含むことで特徴付けられる粉末x線により特徴付けられる、結晶4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩である。別の実施形態では、結晶塩酸塩は、8.11±0.20、13.18±0.20、16.06±0.20、18.38±0.20、23.76±0.20、26.32±0.20、27.24±0.20、29.60±0.20および31.94±0.20から選択される2θ値に1つまたは複数の追加の回折ピークを有することによりさらに特徴付けられる。別の実施形態では、化合物は、約197±2℃の融点を有する示差走査熱量測定トレースにより特徴付けられる、結晶4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩である。

0047

本発明で用いられる4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの結晶塩酸塩は、本明細書の実施例で説明する通り、または米国特許第8,304,432号B2、同第8,304,433号B2および同第8,247,433号B2ならびに関連する特許で開示される方法および手技により調製することができる。

0048

医薬組成物、製剤および剤形
本発明で使用する場合、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩は典型的に、医薬組成物または製剤の形態で患者に投与される。本明細書で組成物または製剤を議論する場合、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩は、それを製剤の他の成分、例えば担体または賦形剤から区別するために「活性剤」と言及され得る。したがって、「活性剤」という用語は、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンおよびその薬学的に許容される塩を含む。また、「担体」および「賦形剤」という用語は、本明細書で相互変換可能に使用され、別段の指示がない限り、同じ意味を有する。

0049

本発明の医薬組成物は典型的に、治療有効量の活性剤を含有する。しかしながら、当業者は、医薬組成物は、治療有効量を超える量、すなわち、バルク組成物、または治療有効量未満の量、すなわち、治療有効量を達成するための複数回投与のために設計された個々の単位用量を含有し得ることを認識する。

0050

典型的に、医薬組成物は、約0.01〜約30重量%、例えば約0.01〜約10重量%を含む、約0.01〜約95重量%の活性剤を含有し、実際の量は、製剤、投与経路、投与頻度などに依存する。例えば、経口剤形として好適な医薬組成物は、約0.5〜約5重量%を含む、約0.1〜約10重量%の活性剤を含有し得る。

0051

代表的な一実施形態では、医薬組成物は、単位用量当たり約1〜約10mgの活性剤を含む、単位用量当たり約0.5〜約20mgの活性剤を含有する。例えば、活性剤は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10mg単位用量、例えば1mg、3mg、5mgおよび10mg単位用量で製剤化され得る。

0052

任意の従来型の、または好適な薬学的に許容される担体は、本発明の医薬組成物で使用することができる。特定の担体または担体の組み合わせの選択は、様々な因子、例えば、投与様式、投与量、投与頻度、活性剤放出のタイミングなどに依存する。この点において、特定の投与様式のための好適な医薬組成物の調製は、十分に医薬分野の当業者の技術範囲内であり、かかる組成物中で使用される担体は、市販されている。さらなる例示のために、従来型の製剤および製剤化技術は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第20版、Lippincott Williams & White、Baltimore、Maryland(2000年);およびH. C. Anselら、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第7版、Lippincott Williams & White、Baltimore、Maryland(1999年)で説明されている。

0054

医薬組成物は典型的に、活性剤を薬学的に許容される担体および任意の任意選択の成分と十分かつ密接に混合またはブレンドすることにより調製される。次に、得られた均一にブレンドされた混合物を、従来型手技および設備を使用して、錠剤、カプセル、丸剤キャニスターカートリッジバイアル、瓶、ディスペンサーなどに形成するか、または充填してもよい。

0055

一実施形態では、医薬組成物は、経口投与に好適である。経口投与のための医薬組成物は、各々が所定の量の活性剤を含有する、例えばカプセル、錠剤、丸剤、トローチ剤カシェ剤糖衣錠、粉末、顆粒溶液懸濁物エマルションエリキシル剤シロップなどの形態であり得る。

0056

固体剤形(例えばカプセル、錠剤など)での経口投与に意図される場合、医薬組成物は典型的に、活性剤および1種または複数種の薬学的に許容される固体担体、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムを含む。また、固体剤形は、充填剤または増量剤(extender)、例えばデンプン、微結晶セルロース、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸結合剤、例えばカルボキシメチルセルロースアルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシア保水剤(humectant)、例えばグリセロール崩壊剤、例えばクロスカルメルロースナトリウム、寒天、炭酸カルシウムジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩および/または炭酸ナトリウム溶解遅延剤(solution retarding agent)、例えばパラフィン吸収促進剤、例えば四級アンモニウム化合物湿潤剤、例えばセチルアルコールおよび/またはグリセロールモノステアレート吸収剤、例えばカオリンおよび/またはベントナイト粘土滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウムステアリン酸マグネシウム固体ポリエチレングリコールラウリル硫酸ナトリウムおよび/またはそれらの混合物;着色剤;緩衝剤;放出剤(release agent);コーティング剤甘味料矯味矯臭剤および着香剤;ならびに保存剤および抗酸化物質を含み得る。

0058

代表的な抗酸化物質として、水溶性抗酸化物質、例えばアスコルビン酸、塩酸システイン重硫酸ナトリウムメタ重硫酸ナトリウム(sodium metabisulfate)、亜硫酸ナトリウムなど;油溶性抗酸化物質、例えばパルミチン酸アスコルビルブチルヒドロキシアニソールブチルヒドロキシトルエンレシチン没食子酸プロピルアルファトコフェロールなど;および金属キレート剤、例えばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ソルビトール、酒石酸、リン酸などが挙げられる。

0059

また、医薬組成物は、例として、様々な割合のヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくは他のポリマーマトリックスリポソームおよび/またはミクロスフェアを使用して、活性剤の遅延または制御放出を提供するように製剤化することができる。加えて、医薬組成物は、不透明化剤を含有してもよく、それらが、任意選択で遅延様式にて、消化管のある特定の部分においてのみまたは優先的に活性剤を放出するように製剤化してもよい。使用され得る包埋組成物の例として、ポリマー物質および蝋が挙げられる。また、活性剤は、適宜上述の賦形剤の1種または複数種を伴う、マイクロカプセル化形態であってもよい。

0060

経口投与に好適な液体剤形は、例として、薬学的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁物、シロップおよびエリキシル剤を含む。液体剤形は典型的に、活性剤ならびに不活性希釈剤、例えば水、液汁(juice)または他の溶媒可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール安息香酸ベンジルプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(例えば綿実ピーナッツ(groundnut)、トウモロコシ胚芽オリーブ、ヒマシおよびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタン脂肪酸エステルおよびそれらの混合物を含む。懸濁物は、懸濁剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコールポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシドベントナイト、寒天およびトラガカントならびにそれらの混合物を含有し得る。

0061

別の実施形態では、医薬組成物は、局所投与、例えば経皮投与に好適である。かかる投与のために、公知の経皮送達系および賦形剤を使用することができる。例えば、活性剤を、浸透エンハンサー、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノラウレートアザシクロアルカン−2−オンなどと混合し、パッチまたは同様の送達系に組み込むことができる。ゲル化剤、乳化剤および緩衝液を含む、追加の賦形剤は、所望の場合、かかる経皮組成物中で使用することができる。

0062

別の実施形態では、医薬組成物は、非経口投与(例えば皮下、静脈内、筋内または腹腔内注射による)に好適である。かかる投与のために、活性剤は、滅菌溶液、懸濁物またはエマルション中で提供される。かかる製剤を調製するための担体の例として、水、食塩水低分子量アルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、油、ゼラチン、脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチルなどが挙げられる。また、非経口製剤は、1種または複数種の可溶化剤、安定剤、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤を含有し得る。これらの製剤は、滅菌注射用媒体滅菌剤、濾過、照射または熱の使用により無菌にすることができる。

0063

典型的な静脈内製剤は、活性剤および生理学的に許容される水性担体を含む、滅菌pH4〜7水溶液である。代表的な生理学的に許容される水性担体は、例として、注射用滅菌水、USP;デキストロース注射、USP(例えば2.5、5.0、10、20%デキストロース、5%デキストロース注射(D5/W)を含む);デキストロースおよび塩化ナトリウム注射、USP(例えば2.5〜10%で変動するデキストロースおよび0.12(19mEqのナトリウム)〜0.9%(154mEqのナトリウム)で変動する塩化ナトリウム);マンニトール注射、USP(例えば5、10、15、20および25%マンニトール);リンガー注射、USP(例えば1リットル当たり147mEqのナトリウム、4mEqのカリウム、4.5mEqのカルシウムおよび156mEqの塩化物);乳酸化リンガー注射、USP(例えば1リットル当たり2.7mEqのカルシウム、4mEqのカリウム、130mEqのナトリウムおよび28mEqの乳酸塩);塩化ナトリウム注射、USP(例えば0.9%塩化ナトリウム)などを含む。患者に投与されるとき、活性剤は典型的に、活性剤mg当たり約0.1mL〜約10mL、例えばmg当たり約0.5〜約5mLの水性担体中に希釈される。次に、投与溶液は典型的に、静脈内注入により患者に投与される。

0064

例として、代表的な医薬組成物は、後述する実施例で説明する通りに調製することができる。

0065

A.ハードゼラチンカプセル
活性剤(5g)、噴霧乾燥ラクトース(485g)およびステアリン酸マグネシウム(10g)を十分にブレンドする。次に、得られた組成物を、ハードゼラチンカプセルに充填する(1カプセル当たり500mgの組成物)。各カプセルは、経口投与に好適な単位用量当たり5mgの活性剤を提供する。

0066

B.ハードゼラチンカプセル
活性剤(2g)を、デンプン(98g)、微結晶セルロース(98g)およびステアリン酸マグネシウム(2g)と十分にブレンドする。次に、混合物を、45番メッシュU.S.ふるいに通し、ハードゼラチンカプセルに充填する(1カプセル当たり200mgの組成物)。各カプセルは、経口投与に好適な単位用量当たり2mgの活性剤を提供する。

0067

C.ソフトゼラチンカプセル
活性剤(5g)を、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(65g)およびデンプン粉末(335g)と十分にブレンドする。次に、混合物を、ソフトゼラチンカプセルに充填する(1カプセル当たり400mgの組成物)。各カプセルは、経口投与に好適な単位用量当たり5mgの活性剤を提供する。

0068

D.ソフトゼラチンカプセル
活性剤(1g)を、微結晶セルロース(290g)およびステアリン酸マグネシウム(9g)と十分にブレンドする。次に、混合物を、ソフトゼラチンカプセルに充填する(1カプセル当たり300mgの組成物)。各カプセルは、経口投与に好適な単位用量当たり1mgの活性剤を提供する。

0069

E.錠剤
活性剤(10g)、デンプン(45g)および微結晶セルロース(35g)を、20番メッシュU.S.ふるいに通し、十分に混合する。得られた顆粒を、50〜60℃で乾燥させ、16番メッシュU.S.ふるいに通す。別々に、ポリビニルピロリドンの溶液(滅菌水中の10%溶液として4g)を、デンプンカルボキシメチルナトリウム(4.5g)、ステアリン酸マグネシウム(0.5g)およびタルク(1g)と混合し、この混合物を、16番メッシュU.S.ふるいに通す。次に、得られた混合物を、顆粒に添加する。十分に混合した後、混合物を、錠剤プレス機で圧縮して、各々100mgの重さの錠剤を形成する。各錠剤は、経口投与に好適な単位用量当たり10mgの活性剤を提供する。

0070

F.錠剤
活性剤(40mg)を、微結晶セルロース(445g)、ヒュームド二酸化ケイ素(10g)およびステアリン酸(5g)と十分にブレンドする。次に、混合物を、錠剤プレス機で圧縮して、各々100mgの重さの錠剤を形成する。各錠剤は、経口投与に好適な単位用量当たり8mgの活性剤を提供する。

0071

G.錠剤
活性剤(10g)を、トウモロコシデンプン(50g)、クロスカルメルロースナトリウム(25g)、ラクトース(110mg)およびステアリン酸マグネシウム(5mg)と十分にブレンドする。次に、混合物を、錠剤プレス機で圧縮して、各々200mgの重さの錠剤を形成する。各錠剤は、経口投与に好適な単位用量当たり10mgの活性剤を提供する。

0072

H.錠剤
活性剤(10g)を、トウモロコシデンプン(230g)およびゼラチン水溶液(50g)と十分にブレンドする。混合物を乾燥させ、微粉になるまで粉砕する。次に、微結晶セルロース(100g)およびステアリン酸マグネシウム(10g)を、ゼラチン製剤と混合し、造粒し、得られた混合物を、錠剤プレス機で圧縮して、各々200mgの重さの錠剤を形成する。各錠剤は、経口投与に好適な単位用量当たり5mgの活性剤を提供する。

0073

I.シロップ
以下の成分を、全ての固体成分が溶解するまで十分に混合する。

0074

得られたシロップは、経口投与に好適な10mLのシロップ当たり5mgの活性剤を含有する。

0075

J.滅菌静脈内溶液
活性剤(5mg)を、0.4M酢酸ナトリウム緩衝液(2.0mL)とブレンドする。得られた溶液のpHを、必要に応じて0.5N水性塩酸または0.5N水性水酸化ナトリウムを使用してpH4に調節し、次に、十分な注射用水を添加して、20mLの総体積を提供する。次に、混合物を、滅菌フィルター(0.22ミクロン)を通して濾過して、静脈内注入による投与に好適な滅菌溶液を提供する。

0076

共投与および組み合わせ
所望の場合、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩は、nOHおよびその症状を処置するために、1種または複数種の他の治療剤(「第2の薬剤」)との組み合わせで投与することができる。

0077

4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩との組み合わせで投与され得る治療剤の代表的なクラスは、例として、α1−アドレナリン受容体(α1−アドレノセプター)アゴニスト、α2−アドレナリン受容体(α2−アドレノセプター)アンタゴニスト、コルチコステロイド、ノルエピネフリン前駆体、コリンエステラーゼ阻害剤;またはそれらの組み合わせを含む。当業者は、「α1−アドレナリン受容体アゴニスト」、「α2−アドレナリン受容体アンタゴニスト」、「コルチコステロイド」、「ノルエピネフリン前駆体」および「コリンエステラーゼ阻害剤」という用語が、患者への投与後に特定される活性を有する全ての形態の化合物、例えば薬学的に許容される塩、溶媒和物結晶形多形体、プロドラッグなどを含むことを理解する。同様に、「第2の薬剤」という用語は、全ての形態の第2の薬剤、例えば薬学的に許容される塩、溶媒和物、結晶形、多形体、プロドラッグなどを含む。

0078

α1−アドレナリン受容体アゴニストの代表的な例として、デスグリミドドリン、エチレフリンメタラミノール、ミドドリンなど、またはそれぞれの場合においてそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。ミドドリンは、α1−アドレナリン受容体アゴニストであるデスグリミドドリンのプロドラッグである。一実施形態では、第2の薬剤は、ミドドリンまたはその薬学的に許容される塩、例えば塩酸ミドドリンである。

0079

α2−アドレナリン受容体アンタゴニストの代表的な例として、ヨヒンビンなどまたはその薬学的に許容される塩が挙げられる。

0080

コルチコステロイドの代表的な例として、フルドロコルチゾン、酢酸フルドロコルチゾンなど、またはそれぞれの場合においてそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。酢酸フルドロコルチゾンは、フルドロコルチゾンのプロドラッグである。一実施形態では、第2の薬剤は、酢酸フルドロコルチゾンである。

0081

ノルエピネフリン前駆体の代表的な例として、ドロキシドパまたはその薬学的に許容される塩が挙げられる。一実施形態では、第2の薬剤は、ドロキシドパである。

0082

コリンエステラーゼ阻害剤の代表的な例として、ピリドスチグミンまたはその薬学的に許容される塩が挙げられる。一実施形態では、第2の薬剤は、ピリドスチグミンまたはその薬学的に許容される塩、例えば臭化ピリドスチグミンである。

0083

4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩および第2の薬剤を、物理的に混合して両方の薬剤を含有する組成物を形成してもよく;または各薬剤を、同時に、もしくは逐次に患者に別々に投与してもよい。例えば、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩を、従来手技および設備を使用して第2の薬剤と混合して、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩および第2の薬剤を含む薬剤の組み合わせを形成してもよい。加えて、これらの薬剤を、薬学的に許容される担体と混合して、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩、第2の薬剤および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を形成してもよい。この実施形態では、組成物の成分を典型的に、混合またはブレンドして、物理的混合物を作成する。次に、物理的混合物は、任意の好適な投与経路、例えば経口、局所または非経口投与様式により患者に投与される。

0084

あるいは、これらの薬剤は、患者への投与前に別々かつ別個のままであってもよい。この実施形態では、これらの薬剤は、投与前に物理的に共に混合されないが、別々の組成物として同時に、または別々の時間に投与される。かかる組成物は、別々に包装してもよく、またはキット中に一緒に包装してもよい。別々の時間に投与される場合、第2の薬剤は典型的に、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後24時間未満、例えば同時投与〜用量後約24時間のいずれかの範囲で投与される。これは、逐次投与とも呼ばれる。したがって、例えば、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩は、2個の錠剤(例えば各活性剤について1個の錠剤)を使用して第2の薬剤と同時に、または逐次に経口投与することができ、ここで、逐次とは、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩の投与の直前もしくは直後に、またはいくらかの他の時間(例えば1時間前もしくは後または3時間前もしくは後など)に投与されることを含む。あるいは、組み合わせは、異なる投与経路により、例えば一方は経口で、および他方は局所または非経口で投与してもよい。

0085

本発明で用いられる場合、第2の薬剤は、治療有効量で、すなわち、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩と共投与された場合に治療上有益な効果を生じる量で使用される。例えば、かかる薬剤は典型的に、それらの承認された投与量で用いられる。例えば、塩酸ミドドリンは典型的に、1日最大3回、約2.5mg〜約10mgの範囲の量で経口投与され、ドロキシドパは典型的に、1日最大3回、約100mg〜約600mgの範囲の量で経口投与される。

0086

有用性
4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンは、神経原性起立性低血圧(nOH)およびnOHに関連する症状、例えばめまい、意識朦朧またはブラックアウトしそうな患者の感覚の処置に有用であることが予測される。

0087

4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンは、それを、nOHを処置するために特に有用なものにさせ得る様々な特性を有する。例えば、アトモキセチンとは異なり、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの代謝は、複数のCYP450酵素により触媒され、それゆえに、CYP2D6低代謝群(PM)表現型を有する個体において、曝露の顕著な増大は予測されない(Baldwinら、「TD-9855, a Novel Norepinephrine and Serotonin Reuptake Inhibitor (NSRI), Demonstrates Significantly Reduced Dependence on CYP2D6 Metabolism Relative to Atomoxetine」、米国薬学会年会ポスター発表された、ポスター番号W4278、San Antonio、TX(2013年);要約番号AAPS2013−000666)。より具体的には、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの代謝は、CYP2D6の化学的阻害により最小限にしか影響を受けず(7%低減)、CYP3A4およびCYP1A2により主に媒介された(それぞれ、34%および25%低減)。対照的に、アトモキセチン代謝は、CYP2D6の化学的阻害により有意に影響を受け(94%低減)、他のCYP450酵素の阻害により有意に影響を受けなかった。したがって、アトモキセチンと比較して、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンは、薬物−薬物相互作用の可能性が有意に低いことおよびCYP2D6多型性と関連付けられる傾向への感受性が低いことが予測される。

0088

一実施形態では、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩は、原発性自律神経不全症(純粋自律神経不全症、多系統萎縮症およびパーキンソン病を含む)または自律神経障害(糖尿病性および非糖尿病性自律神経障害を含む)により引き起こされる症候性nOHを処置するために使用される。

0089

特定の実施形態では、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩は、原発性自律神経不全症により引き起こされる症候性nOHを処置するために使用される。この実施形態では、患者は、純粋自律神経不全症、多系統萎縮症および/またはパーキンソン病と診断され得る。一実施形態では、患者は、純粋自律神経不全症を有する。別の実施形態では、患者は、多系統萎縮症を有する。そして別の実施形態では、患者は、パーキンソン病を有する。

0090

原発性自律神経不全症(原発性自律神経失調症とも呼ばれる)は、自律神経失調症、すなわち、自律神経系が適切に機能しない状態のカテゴリーである。原発性自律神経不全症では、別の疾患、例えば糖尿病から生ずる二次的な状態とは対照的に、原発性状態として自律神経機能不全が起こる。例えば、自律神経不全症は典型的に、自律神経系の変性により特徴付けられる慢性状態からそれが生ずる場合または自律神経不全症が優勢な症状であり、その原因が不明である場合、「原発性」とカテゴリー分けされる。原発性自律神経不全症としてカテゴリー分けされる状態として、純粋自律神経不全症、多系統萎縮症およびパーキンソン病が挙げられる。

0091

純粋自律神経不全症(PAF)は、ブラッドバリー・エグルストン症候群または特発性起立性低血圧としても公知であり、自律神経系の変性疾患である。PAFの原発性症状は、起立性低血圧である。他の症状は、発汗の減少、熱不耐性、尿閉、膀胱攣縮失禁を引き起こす可能性がある)、勃起不全便失禁または便秘および瞳孔異常を含み得る。PAFの原因は、完全に理解されていないが、脊髄中間質外側柱における細胞喪失が、PAFを有する患者において報告されている。加えて、PAFは、アルファ−シヌクレインの異常な蓄積に関連し得る。

0092

パーキンソン病(PD)は、慢性進行性運動障害である。原因は不明であるが、PDは、黒質と呼ばれる中脳の領域におけるニューロン機能不全および死に関連する。これらのニューロンは、運動および協調において重要な役割を果たすドーパミンを産生する。PDが進行するにつれて、脳で産生されるドーパミンの量が減少し、運動制御および協調問題をもたらす。症状として、振戦硬直、運動の緩慢さおよび姿勢不安定性(postural instability)が挙げられる。しかしながら、また、一部のPD患者は、自律神経系における変化のために起立性低血圧を含む非運動症状、すなわち、PD+nOHの症状を経験する。加えて、PD症状を有する一部の患者は、パーキンソンラス(Parkinson-plus)症候群(または多系統変性障害)として公知の状態を有する。パーキンソンプラス症候群は、それらを単純な特発性PDとは区別する追加の特色と共に、PDの古典的症状(振戦、硬直、無動運動緩徐および姿勢不安定性)を産生する1群の神経変性疾患である。パーキンソンプラス症候群を特発性PDとは区別する臨床的特色として、対称発症(symmetrical onset)、振戦の欠如または不規則休止およびドーパミン作動薬レボドパを含む)への応答の低減が挙げられる。追加の特色として、運動緩徐、早期発症型姿勢不安定性、体軸筋の硬直の増大、自律神経失調症、他人の肢症候群(alien limb syndrome)、核上性注視麻痺失行症錐体細胞を含む小脳関与および一部の場合、顕著な認知障害が挙げられる。

0093

多系統萎縮症(MSA)は、シャイ・ドレーガー症候群としても公知であり、自律神経系および運動の両方に影響を及ぼす症状の組み合わせにより特徴付けられる進行性神経変性障害である。MSAの初期症状は多くの場合、パーキンソン病の初期症状と区別することが困難であり、運動の緩慢さ、振戦または硬直(こわばり);不器用または協調運動障害;発話不全、しわがれた震える声(croaky, quivering voice);起立性低血圧のための失神または意識朦朧;膀胱制御問題、例えば排尿したいという突然の衝動または膀胱を空にすることの困難を含む。MSAは、個体が評価される時点で最も目立つ症状によって2つの異なる種類に分けられる:パーキンソン症候群型(MSA−P)(平衡、協調および自律神経系機能不全の問題を伴う、パーキンソン病と同様の主要な特徴(例えば緩慢な運動、こわばりおよび振戦)を有する);および小脳型(MSA−C)(運動失調(平衡および協調の問題)、嚥下困難、発話異常または震える声および異常眼球運動を特色とする原発性症状を有する)。MSAの原因は不明である。MSAの区別できる特色は、脳内で神経細胞を支持する細胞である、グリアにおけるタンパク質アルファシヌクレインの蓄積である。これらのアルファ−シヌクレインの沈着は、ミエリン(神経細胞が電気信号を迅速に伝導するようにさせる神経細胞上のコーティング)を生成する細胞種である、乏突起膠細胞で特に起こる。最近の研究は、アルファ−シヌクレインタンパク質プリオン形が、疾患の原因であり得ることを示している(Prusinerら、PNAS、(2015年)112巻:E5308〜17頁)。

0094

4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩は、MSAの薬理学のために、MSAを処置するために特に有用である。より具体的には、MSAは、中枢自律神経経路の変性により特徴付けられるが、しかしながら、末梢神経節後ノルアドレナリン作動性線維およびカテコールアミン再取り込み機構は、MSA患者においてインタクトであり、したがって交感神経緊張を維持しているように見える(Biaggioni、Pharmacolgical Reviews(2017年)69巻(1号):53〜62頁)。通常、起立に際してのノルエピネフリン濃度の末梢増大は、ノルエピネフリンにより活性化された中枢α2−アドレノセプターにより媒介されるCNS交感神経遮断活性により相殺され、したがって、末梢昇圧効果緩衝し、体位正常血圧を維持する。しかしながら、MSAでは、インタクトな末梢交感神経節アドレナリン作動性線維は、CNS調節から本質的に「接続切断されて」おり、したがって、ノルエピネフリン昇圧効果の完全な露呈を可能にする。これらの患者における残りの交感神経緊張は、この「接続切断」のために圧反射経路またはCNS入力により調節することができないが、それは薬理学的に標的化することができる。この独特病態生理を利用して、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩を使用して末梢交感神経シナプスノルエピネフリンを増大することは、nOHを有するMSA患者において昇圧効果を誘導するはずである。したがって、特定の実施形態では、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩は、MSAにより引き起こされる症候性nOHを処置するために使用される。

0095

別の特定の実施形態では、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩は、自律神経障害により引き起こされる症候性nOHを処置するために使用される。自律神経障害または自律神経失調症は、自律神経系(ANS)が適切に働かない様々な状態を指す。自律神経障害は、脳および脊髄から心臓、膀胱、腸、汗腺瞳孔および血管へ情報を伝達する神経に影響を及ぼす神経障害の1種である。個体間で変動し得る自律神経障害の原発性症状として、起立性低血圧、口渇、速い心拍(rapid heart rate)、トンネル視、嚥下困難、便失禁、霧視、尿失禁、便秘、無汗症および性機能不全(sexual disfunction)が挙げられる。自律神経障害は、遺伝性または変性神経疾患のためであり得るか(原発性自律神経失調症)、またはそれは、後天的障害からの自律神経系の傷害のために起こり得る(続発性自律神経失調症)。

0096

nOHまたはnOHの症状を処置するために使用される場合、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩は典型的に、1日当たり約0.5mg〜約20mgの範囲の量で、または必要に応じて患者に投与される。一実施形態では、患者に投与される量は、1日当たり約1mg〜約10mgに及ぶ。別の実施形態では、患者に投与される量は、1日当たり約3mg〜約10mgに及ぶ。別々かつ別個の実施形態では、患者に投与される量は、1日当たり1mg、3mg、5mgまたは10mgを含む、1日当たり1、2、3、4、5、6、7、8、9または10mgである。患者に投与される量、投与経路および投与頻度は典型的に、患者を処置する医師により決定される。

0097

4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩は、例えば、経口、局所(経皮を含む)および非経口(静脈内を含む)投与様式を含む、任意の許容される投与経路により患者に投与され得る。

0098

一実施形態では、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩は、固体または液体剤形で患者に経口投与される。特定の実施形態では、患者に投与される形態は、錠剤またはカプセルを含む、固体剤形である。別の特定の実施形態では、患者に投与される形態は、溶液、シロップ、懸濁物またはエマルションを含む、液体剤形である。

0099

別の実施形態では、投与経路は、局所である。特定の実施形態では、投与経路は、経皮パッチを使用した経皮である。

0100

別の実施形態では、投与経路は、非経口である。特定の実施形態では、投与経路は、静脈内投与である。

0101

4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩は、単一の毎日の用量で(例えば1日1回);1日当たり複数の用量で(例えば1日2回、3回または4回);または1週間当たり複数の用量で(例えば1週間に2回、3回、4回、5回または6回)患者に投与され得る。あるいは、医薬組成物は、例えば経皮パッチを使用して、持続的に投与してもよい。特定の実施形態では、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回患者に投与される。

0102

後述する実施例は、本発明の様々な代表的な実施形態および態様を例示するために提供され、特に示さない限り、本発明の範囲を限定するとは意図されない。

0103

後述する実施例で使用される全ての試薬出発物質および溶媒は、商業的な供給業者(例えばSigma−Aldrich、St.Louis、MOおよびその関連会社)から購入し、別段の指示がない限り、さらに精製せずに使用した。

0104

以下の略語は、別段の指示がない限り、以下の意味を有する。
AcOH酢酸
BP血圧
BSウシ血清アルブミン
CHOチャイニーズハムスター卵巣
DAドーパミン
DATドーパミントランスポーター
DCMジクロロメタン
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMEMダルベッコ変法イーグル培地
DMFN,N−ジメチルホルムアミド
DMSOジメチルスルホキシド
EDTAエチレンジアミン四酢酸
EtOAc酢酸エチル
EtOHエタノール
FBSウシ胎仔血清
hDAT ヒトドーパミントランスポータ
HEES4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸
hNET ヒトノルエピネフリントランスポーター
hSERヒトセロトニントランスポーター
5−HT5−ヒドロキシトリプタミン
IPAイソプロピルアルコール
IPAc酢酸イソプロピル
MeCNアセトニトリル
MeOHメタノール
MSA多系統萎縮症
NAノルアドレナリン
NE ノルエピネフリン
NET ノルエピネフリントランスポーター
NF 国内処方集グレード(National Formulary grade)
PAF原発性自律神経不全症
PBSリン酸緩衝食塩水
PD+パーキンソン病+nOHの症状
SBP収縮期血圧
SERTセロトニントランスポーター
FAトリフルオロ酢酸
THFテトラヒドロフラン
Trisトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン

0105

本明細書で使用されているが、定義されていない他の略語は、それらが属する分野の当業者により理解されるそれらの通常の意味を有する。

0106

別段の指示がない限り、1HNMRスペクトルを、400MHz Varian AS400分光計で記録した。化学シフトを、内部標準としてのテトラメチルシランTMS)に対するppmでのδ値として報告する。結合定数(J値)をヘルツ(Hz)で与え、多重度は、以下の略語を使用して報告する:s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、br=幅広、nd=決定していない。

0107

(実施例1)
4−(2−ヒドロキシメチルフェニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
4−(2−カルボキシフェニル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(5.0g、16mmol、1.0当量)およびTHF(130mL、1.7mol)を、窒素下で室温にて混合した。ボランジメチルスルフィド複合体(2.9mL、33mmol、2.0当量)を一滴ずつ添加し、混合物を5分間攪拌し、次に、還流で1時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、MeOH(40mL)を一滴ずつ添加することにより反応をクエンチした。次に、混合物を回転蒸発により濃縮し、得られた物質をMeOH(2×40mL)で共沸させた。次に、混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、水性塩酸溶液(1M;2×50mL)、次に水性飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×50mL)、次に飽和水性塩化ナトリウム溶液(1×50mL)で洗浄した。有機層無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、in vacuoで濃縮して、4−(2−ヒドロキシメチルフェニル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(4.8g)を透明薄黄色油状物として得、これは静置すると凝固した。
1H NMR(CDCl3) δ (ppm) 7.34-7.22 (m, 3H); 7.19 (dt, J = 1.6 Hz, 7.2, 1H); 4.73 (s, 2H); 4.32-4.14 (m, 2H); 3.00 (tt, J = 4.0 Hz, 12.0, 1H); 2.80 (t, J = 11.6 Hz, 2H); 1.78-1.56 (m, 4H); 1.47 (m, 9H).

0108

(実施例2)
4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
4−(2−ヒドロキシメチルフェニル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(0.4g、1.0mmol、1.0当量)およびトリエチレンジアミン(220mg、2.0mmol、1.4当量)を、DCM(11mL、170mmol)中に溶解した。混合物を窒素下で0℃にて冷却し、p−トルエンスルホニルクロリド(290mg、1.5mmol、1.1当量)を添加した。得られた混合物を0℃で60分間攪拌した。混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、水(2×25mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、回転蒸発により濃縮して、表題の化合物(500mg)を得、これをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(CDCl3) δ (ppm) 7.81 (t, J = 2.0 Hz, 1H); 7.79 (t, J = 2.0 Hz, 1H); 7.37-7.32 (m, 4H); 7.25-7.21 (m, 1H); 7.21-7.13 (m, 1H), 5.12 (s, 2H); 4.34-4.12 (m, 2H); 2.81-2.61 (m, 3H); 2.45 (s, 3H); 1.70-1.52 (m, 4H); 1.48 (s, 9H).

0109

(実施例3)
4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジントリフルオロ酢酸塩の調製
4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.1g、4.7mmol、1.0当量)を、MeCN(46mL、890mmol)中に溶解し、炭酸カリウム(1.9g、14mmol、3.0当量)および2,4,6−トリフルオロフェノール(1.0g、7.0mmol、1.5当量)に添加した。混合物を50℃で一晩振盪し、次に、室温まで冷却した。上清を、炭酸カリウムおよび他の固体から分離した。TFA(7mL、90mmol、20.0当量)を上清に添加し、混合物を室温で一晩振盪した。次に、溶液を濃縮し、残留物を1:1酢酸/水(5.0mL)中に溶解した。追加の酢酸(2.0mL)を添加し、混合物を濾過し、分取HPLCにより精製して、表題の化合物(1.3g、97.5%純度)を得た。MS m/z:[M+H]+ C18H18F3NOの計算値322.13;実測値322.2。
1H NMR(CDCl3) δ (ppm) 9.83 (br.s, 1H); 9.32 (br.s, 1H); 7.46-7.39 (m, 2H); 7.32 (d, J = 6.8 Hz, 1H); 7.26-7.21 (m, 1H); 6.76-6.66 (m, 2H); 5.07 (s, 2H); 3.69-3.50 (m, 2H); 3.38 (t, J = 11.6 Hz, 1H); 3.20-3.02 (m, 2H); 2.19 (q, J = 12.8 Hz, 2H); 2.12-2.01 (m, 2H).

0110

(実施例4)
4−(2−ヒドロキシメチルフェニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
4−(2−カルボキシフェニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(5.0g、160mmol、1.0当量)およびTHF(100mL、1.0mol)を、窒素下で室温にて混合した。THF中のボラン−THF複合体(1.0M、32.7mL、32.7mmol、2.0当量)を、1滴ずつ10分間にわたり添加した(5℃発熱ガス発生)。反応混合物を室温で5分間攪拌し、次に、50℃で1時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、MeOH(30mL)をゆっくりと添加することにより反応をクエンチした(軽度の発熱、顕著なガス発生)。次に、混合物を回転蒸発により濃縮した。得られた物質を、MeOH(2×50mL)で共沸させた。粗生成物をEtOAc(100mL)中に溶解し、飽和水性重炭酸ナトリウム溶液(50mL)および次に、飽和水性塩化ナトリウム溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、in vacuoで濃縮して、4−(2−ヒドロキシメチルフェニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.4g)を透明薄黄色油状物として得、これは静置すると凝固した。

0111

(実施例5)
4−(2−メタンスルホニルオキシメチルフェニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
4−(2−ヒドロキシメチルフェニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(50.0g、172mmol、1.0当量)を、DCM(500mL、8000mmol)中に溶解した。混合物を窒素下で0℃にて冷却し、メタンスルホン酸無水物(44.8g、257mmol、1.5当量)を1部で添加した。ジイソプロピルエチルアミン(Diisopropylethlyamine)(47.8mL、274mmol、1.6当量)を一滴ずつ5分間にわたり添加し、混合物を0℃で90分間攪拌した。水(400mL、20mol)を添加し、混合物を5分間攪拌した。相を分離し、有機層を水(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を除去して、表題の化合物(70g)を濃い油状物として得、これをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ (ppm) 7.37-7.43 (m, 3H), 7.31 (d, 1H), 7.22 (m, 2H), 5.38 (s, 2H), 4.28 (m, 2H), 2.92-3.10 (m, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.80-2.92 (m, 2H), 1.63-1.81 (m, 4H), 1.51 (s, 9H).

0112

(実施例6)
4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
4−(2−メタンスルホニルオキシメチルフェニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(27.0g、60.6mmol、1.0当量)をMeCN(540mL)中に溶解し、炭酸カリウム(25g、180mmol、3.0当量)および2,4,6−トリフルオロフェノール(13.5g、90.9mmol、1.5当量)に添加した。混合物を50℃で6時間激しく攪拌し、加熱から取り出し、一晩攪拌した。混合物を室温で冷却し、EtOAc(700mL)および水(700mL)で希釈した。相を分離し、有機層を水性水酸化ナトリウム溶液(1.0M;2×400mL)および飽和水性塩化ナトリウム溶液(1×400mL)で洗浄し、次に、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。次に、溶媒を除去して、粗製の4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(25.0g)を得た。粗生成物をより小スケールの生成物(run)と混合して全部で30gにし、クロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜10%EtOAc)により精製して、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(22.0g)を得た。

0113

(実施例7)
4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩の調製
4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(22.0g、31.3mmol、1.0当量)を、EtOH中の1.25M HCl(250mL、310mmol、10.0当量)と混合した。混合物を室温で8時間攪拌し、次に、−10℃で約48時間保存した。ほとんどの溶媒を回転蒸発により除去した。得られた濃いスラリーにEtOAc(80mL)を添加し、続いて、室温で2時間攪拌した。結晶の最初の生成物(crop)を濾過により単離し、濾過ケークをEtOAc(20mL)で洗浄し、乾燥させて、表題の化合物(8.5g、>99%純度)を白色固体として得た。濾液のHPLCは、生成物の約25%の面積を示す。二番目の生成物については、溶媒を回転蒸発により除去し、得られた固体(約10g)をEtOAc(40mL)中にスラリー化し、最初に室温、次に60℃、再び室温にして、表題の化合物を塩酸塩(1.7g、>99%純度)として得た。

0114

ロットの塩酸塩(18.5g、51.7mmol)を、EtOAc(75mL、770mmol)と混合した。得られた、濃いが自由流動性のスラリーを65℃で30分間加熱し、室温まで冷却し、濾過した。フラスコおよび濾過ケークをEtOAc(20mL)で洗浄し、固体を室温で高真空下にて一晩乾燥させて、結晶塩酸塩(18.2g、99.3%純度)を得た。

0115

(実施例8)
4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩の調製
塩化アセチル(83.5mL、1170mmol)を、EtOH(140mL、2.4mol)にゆっくりと添加した。EtOH(100mL、2.0mol)中に溶解した4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(55.0g、117mmol)を添加し、得られた混合物を室温で6時間攪拌した。ほとんどの溶媒を回転蒸発により除去した。得られた濃いスラリーにEtOAc(300mL)を添加し、続いて約100mLまで部分的に溶媒を除去した。EtOAc(200mL)を添加し、得られたスラリーを1時間攪拌し、濾過し、乾燥させて、表題の化合物(28.0g、約99%純度)を得た。濾液を濃縮して濃いペーストにし、IPAc(100mL)を添加し、1時間攪拌し、濾過し、乾燥させて、5.0gの塩酸塩(約99%純度)をさらに得た。

0116

2ロットの塩酸塩(83.0g、230mmol、約99%純度)をEtOAc(250mL、2.6mol)と混合した。得られたスラリーを70℃で加熱し、次に室温までゆっくりと冷却し、続いて一晩攪拌した。得られた自由流動性のスラリーを濾過し、濾過ケークをEtOAc(50mL)で洗浄し、次に、高真空下で約48時間乾燥させて、結晶塩酸塩(81.0g、>99%純度)を得た。

0117

結晶塩酸塩(50.0g、1.40mol、>99%純度)をIPA(250mL、3.3mol)中に溶解し、得られたスラリーを75℃まで加熱した。水(25mL、1.4mol)を添加した。5分で完全な溶解が観察され、溶液の内部温度は65℃であった。溶液を室温までゆっくりと冷却し、次に、室温で一晩攪拌した。得られた固体を濾過し、空気下で2時間乾燥させて、半乾燥生成物を得た。次に、固体を室温で高真空下にて約48時間乾燥させて、表題の結晶塩酸塩(44.1g、99.5%純度)を得た。この物質を、実施例9および10で説明するPXRDおよびDSC解析において使用した。

0118

(実施例9)
粉末X線回折
粉末X線回折パターンを、Cu Kα(30.0kV、15.0mA)照射を使用したRigaku Miniflex PXRD回折計により得た。1分当たり2°(2θ)の連続スキャンモードで0.03°のステップサイズにて2〜40°の範囲にわたり2シータ角度で作動するゴニオメーターにより、解析を行った。試料石英標本ホルダー上に粉末化物質薄層として調製した。器具金属ケイ素標準で±0.02°の2シータ角度内に較正した。相対的強度に対する粒径干渉を低減させるために、試料を試験前に手で粉砕した。実施例8の結晶塩酸塩の代表的なPXRDパターンは、米国特許第8,304,433号B2の図1に示されている。降順の相対的強度のPXRDピークを、表1に示す。全てのPXRDピーク強度を、各ピークの対応するバックグラウンド強度を引くことにより補正した。

0119

一実施形態では、本発明で用いられる結晶塩酸塩は、4.44±0.20、10.22±0.20、17.16±0.20および21.78±0.20の2θ値での回折ピークを含むことで特徴付けられる粉末x線により特徴付けられる。別の実施形態では、結晶塩酸塩は、8.11±0.20、13.18±0.20、16.06±0.20、18.38±0.20、23.76±0.20、26.32±0.20、27.24±0.20、29.60±0.20および31.94±0.20から選択される2θ値に1つまたは複数の追加の回折ピークを有することによりさらに特徴付けられる。

0120

(実施例10)
示差走査熱量測定
示差走査熱量測定(DSC)を、TA InstrumentsモデルQ−100モジュールおよびThermal Analystコントローラーを使用して行った。データを収集し、TA Instruments Thermal Solutionsソフトウェアを使用して解析した。実施例8の結晶塩酸塩の2.8mgの試料を、正確に量して覆ったアルミニウムパンに入れた。22℃で5分間の等温平衡化期間後、試料を10℃/分の線形加熱ランプを使用して22℃から250℃まで加熱した。代表的なDSC温度記録は、米国特許第8,304,433号B2の図2に示されている。DSC温度記録は、結晶塩酸塩が優れた熱安定性を有し、融点が約196.9℃であることを示す。

0121

一実施形態では、本発明で用いられる結晶塩酸塩は、約197±2℃の融点を有する示差走査熱量測定トレースにより特徴付けられる。

0122

(実施例11)
放射リガンド結合および神経伝達物質取り込みアッセイ
ヒト組換えおよびラットネイティブモノアミントランスポーターでの4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンのin vitro薬理学を、Smithら、Inter. J. Neuropsychopharmcol.(2015年)1〜11頁;およびTsurudaら、J. Pharmacol. Toxicol. Meth.(2010年)61巻:192〜204頁で説明する通りに特徴付けた。また、例えば、米国特許第8,304,432号B2および同第8,304,433号B2を参照されたい。放射リガンドは、市販のものを使用した(Perkin Elmer LifeSciencesまたはGE Healthcare Life Sciences)。

0123

簡潔に説明すると、ヒト組換えSERT(HEK293−hSERT)、NET(HEK293−hNET)もしくはDAT(CHO−K1−hDAT)を安定にトランスフェクトしたHEK293(ヒト胚腎臓293)またはCHO−K1(チャイニーズハムスター卵巣−K1)細胞から調製した膜を、50mM Tris−HCl、120mM NaCl、5mM KCl、0.025%BSA、100μMアスコルビン酸、pH7.4中で、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンならびにSERTについては[3H]−シタロプラム(1.0nM)、NETについては[3H]−ニソキセチン(2.0nM)およびDATについては[3H]−WIN35428(3.0nM)の非存在下または存在下にて22℃で1時間インキュベートした。ラット皮質膜調製物を、SERTについては[3H]−シタロプラム(2.0nM)またはNETについては[3H]−ニソキセチン(4.0nM)と共に22℃で1時間インキュベートした。神経伝達物質取り込みアッセイにおいて、HEK293−hSERT、hNETまたはhDAT細胞を、それぞれ、7.5mM HEPES、12.5mM Tris−HCl、2.2mMリン酸ナトリウム、120mM NaCl、5mM KCl、0.4mM MgCl2、7.5mMグルコース、1.7mM CaCl2、250μMアスコルビン酸、150μMパージリン、0.025% BSA、pH7.4中で、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの非存在下または存在下にて37℃で30分間事前インキュベートし、その後、[3H]−5−HT(20nM)、[3H]−NE(40nM)または[3H]−DA(100nM)と10分間インキュベートした。ラット皮質シナプトソームを[3H]−5−HTまたは[3H]−NEと6分間、および線条体シナプトソームを[3H]−DAと6分間インキュベートした。結合および取り込みアッセイを迅速に濾過することにより停止させ、液体シンチレーション分光学により放射能を決定した。最終[3H]−神経伝達物質濃度は、各々のKmより有意に低く、pIC50は、およそ機能的pKiであった。NETについての選択性有効数字1桁に丸められた)は、以下の通りに決定した。
選択性=10(NETのpKiまたはpIC50−SERTまたはDATのpKiまたはpIC50)

0124

4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンのin vitro薬理学プロファイルは、表2で示す通り、ヒトおよびげっ歯類モノアミントランスポーターで同様であった。

0125

表2のデータは、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンが、NETおよびSERTの強い阻害剤であるが、DATの阻害剤ではなく、NETの阻害は、SERTの阻害より4倍高い力価であったことを示す。同様に、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンは、ラット皮質シナプトソームへの[3H]−NEおよび[3H]−5−HT取り込み両方の強い阻害剤であり、ヒトトランスポーターで観察されたのと同様に、SERTよりNETについて明白な機能的選択性(10倍)がある。機能的阻害研究と一致して、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンは、ヒトNETおよびSERTへの結合について高いアフィニティを示したが、DATについては示さなかった(表2)。ラット皮質から調製した膜におけるラットネイティブNETおよびSERTについての見かけの結合アフィニティ値は、種依存性の欠如と一致して、ヒトトランスポーターでの対応する値と同様(重複する信頼区間)であった(表2)。

0126

(実施例12)
ex vivoトランスポーター占有研究
成体雄Sprague Dawleyラット(Charles River)を、制御実験室条件(21±1℃の温度)下で12:12時間明暗周期にて収容した。施設への到着に際して、動物食物および水を自由に摂取できるようにし、動物を保持室に少なくとも48時間慣れさせた。投与前の15〜18時間、動物を絶食させたが、水は自由に摂取させた。

0127

ラット(n=6/時点/用量レベル)に、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの単回経口用量(0.3、1、5、10、30および60mg/kg)を与え、投与後特定の時点(5mg/kg用量レベルについては0.5、2、4、6および8時間;0.3、1、10、30および60mg/kg用量レベルについては2時間)で断頭により安楽死させた。ex vivoトランスポーター占有およびPK評価のために、同じ動物から脊髄を解剖した。リン酸緩衝食塩水を使用した水圧押し出しにより脊髄を回収し、腰部区分を解剖してドライアイス上で凍結した。残りの脊髄区分を収集し、PK解析のために水(25% w/w)中でホモジナイズした。解析するまで全ての試料を−80℃で保存した。

0128

ラット脊髄におけるNETおよびSERT占有を決定するために、Bourdetら、J. Pharm. Exp. Ther.(2012年)341巻:137〜145頁で以前に説明される通り、動態放射リガンド結合アッセイを使用した。PK/PDパラメータを、コンパートメントモデリングアプローチ(WinNonlin 5.0.1版、Pharsight Corporation)により見積もった。一次吸収および排出での1コンパートメントおよび2コンパートメントPKモデルを評価した。1コンパートメントモデルを選択した。薬力学モデルは、中心PKコンパートメントに直結した効果コンパートメントEmaxモデルであった(WinNonlin PKモデル3、PDモデル101)。モデルの選択は、目視検査での適合度、赤池情報量規準に基づき、ガウスニュートン最小法を使用して誤差平方和加重した。以下のパラメータを推定した。
k01(時間−1):一次吸収速度定数
V/F(L/kg):経口バイオアベイラビリティで割った中心コンパートメント体積
k10(時間−1):中心コンパートメントからの排出速度定数
Emax(%占有):脊髄における最大SERTまたはNET占有
EC50(ng/mL):50%SERTまたはNET占有を伴う血漿4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン濃度
keo(時間−1):中心薬物動態コンパートメントと薬力学効果コンパートメントとの間の一次平衡速度定数

0129

PKおよびPDパラメータ推定値は、表3に示すNETおよびSERT占有についての効果コンパートメントPK/PD解析から導出した。

0130

表3に示す通り、占有について見積もられたEC50は、ラット脊髄においてNETについて11.7ng/mLおよびSERTについて50.8ng/mLであった。血漿タンパク質結合における種差を説明すると(ラットおよびヒトにおいて、それぞれ、90.2%および79.1%)、見積もられたヒト血漿EC50値は、NETについて5.5ng/mLおよびSERTについて23.9ng/mLであった。

0131

(実施例13)
麻酔下ラットにおける心血管モデル
これらの研究は、麻酔下ラットにおける心拍数(HR)および平均動脈圧MAP)に対する4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの単回投与の効果を評価するために行った。この心血管モデルを使用して、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの、末梢においてノルエピネフリントランスポーターを阻害する能力を反映する代替尺度として、HRに対する固有の効果およびチラミン昇圧応答の阻害を評価した。

0132

A.実験設計
250〜350gの体重の正常血圧の雄Sprague−Dawleyラットを、チオブタバルビタール(Inactin)の腹腔内注射(IP)により麻酔した。手術中および研究期間中、全ての動物を完全麻酔下(すなわち、足指つまみ試験に応答がないこと)で維持した。右総頸動脈および頸静脈を単離し、カテーテル処置した。研究中気道開放したままにするために、気管挿管した。手術完了後、動脈カテーテル圧力変換器に接続し、ベースライン血圧[収縮期(SBP)、平均動脈(MAP)および拡張期(DBP)]および心拍数(HR)を、Notocord−HEMデータ取得システムを使用して記録した。少なくとも60分間のベースライン(すなわち、最後の10分間は安定であった)後、ビヒクル(10% Tween20、2mL/kg、IP)を投与し、少なくとも10分間、任意の可能性のある効果をモニターした。この期間後、ラットにビヒクルまたは4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン(0.01〜30mg/mL、2mL/kg、IP)のいずれかを注射し、MAPおよびHRの変化を25分間モニターした。次に、ラットに、頸静脈カテーテルを介して、5分間隔で与える非累積的ボーラス用量のチラミン(0.03、0.1、0.3および1mg/kg、1mL/kg、IV)を静脈内負荷した。チラミンの最後の用量後、さらなる10分間データ取得を継続し、その後、実験を終えた。動物の別々の群において、血液を収集して、投与後15分および60分の血漿中の4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの濃度を評価した。15分から得られた遊離血漿濃度を、MAPおよびHRに対する濃度応答曲線CRC)を構築するために使用し、60分からの濃度を、チラミンCRCのために使用した。動物を二酸化炭素窒息により安楽死させ、続いて開胸術を行った。

0133

B.データ解析
固有の血行動態効果を、チラミン負荷前に4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンにより誘導されたMAPまたはHRの最大変化として報告した。チラミン効果の阻害を、ビヒクル対照群における1mg/kg用量のチラミンへの応答について正規化した。MAP、HRおよびチラミン応答の阻害の変化の濃度応答曲線(CRC)を、Prism 5.00TM(GraphPad,Inc.)を使用したロジスティック式への反復曲線フィッティングを通して解析した。使用した式は、以下の通りであった。
Y=(Bottom+Top−Bottom)/(1+10^((LogEC50−X)*HillSlope))
式中、Xは、用量の対数であり、Yは、応答であり、Yは、Bottom(全てについて0に制約される)で開始し、シグモイド形でTopへと上がる。MAPまたはHRの変化がより高い用量(複数可)で低減した場合、より低い用量で起こった最大効果を全ての続くより高い用量に持ち越すことにより、Top(すなわち、最大有効性)のより正確な推定値を得た。チラミンCRCについては、Topを100に制約した。昇圧効果の力価を、10mmHgのMAPの変化をもたらした遊離血漿濃度であるMAP PC10として報告し、HR効果の力価を、25bpmのHRの変化をもたらした遊離血漿濃度であるHR PC25として報告した。最後に、チラミン効果を阻害する力価を、SBPのチラミン誘導(1mg/kg、IV)増大の50%阻害をもたらした濃度であるTyr EC50として報告した。

0134

ラット皮質シナプトソームにおけるラットセロトニントランスポーター(rSERT)による標識5−HT取り込みの阻害の測定から得た阻害力価(pIC50値)を、この式:
Y=(10^(−x))×(10^9)
を使用してIC50値に変換した。

0135

C. 結果
4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン(0.01〜30mg/kg、IP)は、麻酔下のラットにおいてMAPおよびHRを用量依存的に増大した。各用量について対応する遊離血漿濃度に対してプロットすると、見積もられたMAPおよびHRの力価は、101.4nM(MAP EC10)および8.6nM(HR EC25)であった。MAPおよびHRの最大変化は、それぞれ、13.2(4.4〜22.1)mmHgおよび28.1(22.4〜33.7)bpmであった。また、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンは、SBPのチラミン誘導増大を阻害した。1mg/kgの静脈内投与したチラミンへの応答の阻害%として表すと、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンの見積もられた力価は、0.86nMであった。

0136

D.結論
麻酔下のラットにおける心血管モデルでは、4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジンは、チラミン昇圧応答の強い阻害および末梢におけるNETの阻害と一致する頻脈を示した。

0137

(実施例14)
経口投与溶液の調製
4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩の経口投与溶液を、2工程で調製した。最初に、3mg/mL水性ストック溶液を調製し、次に、様々な用量強度を有する濾過したリンゴジュース中の経口溶液を投与前に調製した。

0138

A.ストック溶液の調製
4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩(500mg、89.9%純度)を、250mL透明ガラス瓶に添加した。注射用滅菌水(150mL)を添加し、瓶に蓋をした。固体物質が観察されなくなるまで(約20分間)、瓶を円運動で穏やかに旋回させた。また、必要な場合、瓶を超音波処理してもよい。瓶に標識し、ストック溶液(3mg/mL)を2時間以内に使用するか、または使用するまで2〜8℃の冷蔵庫で保存した。最初の調製の6日以内に使用しなかったあらゆるストック溶液は捨てた。

0139

B.経口投与溶液の調製
7つの異なる用量強度を有する経口投与溶液を、臨床研究パートAまたはパートBのいずれかにおける使用のために調製した。調製した用量強度および各用量強度を調製するために使用した量は、表4および5に示す通りであった。

0140

経口投与溶液を調製するために、ストック溶液(3mg/mL)を冷蔵庫から取り出し、任意の沈殿について目視チェックした。沈殿が存在する場合、ストック溶液を再調製した。

0141

リンゴジュース(少なくとも40mL、Mottの100%オリジナルリンゴジュース)を50mLシリンジに引き、シリンジフィルター(25mmPVDFシリンジフィルター、0.2μm、Pall Life Sciences)をシリンジに取り付けた。リンゴジュースを、シリンジフィルターを通して濾過し、最初の3mLは捨て、残りのリンゴジュースは125mL琥珀色瓶に収集した。

0142

次に、表4または5に示すストック溶液(3mg/mL)の量(ストック体積)を新しい125mL琥珀色瓶に添加し、表4または5に示す濾過したリンゴジュースの対応する量(リンゴジュース体積)を瓶に添加した。瓶に蓋をし、内容物を、2分間を超えて円運動で旋回させることにより混合した。得られた溶液を、患者への投与前に周囲室温で最長18時間保存した。患者への投与前に、経口溶液の10mLアリコートを、新しい125mL琥珀色瓶に移した。

0143

(実施例15)
経口投与錠剤の調製
微結晶セルロース(4.476kg;AVICEL Microcrystalline Cellulose、NF、Ph.Eur Type PH−112)および無水ラクトース(2.450kg;無水60M NF、EP)をブレンド容器に充填し、20rpmで5分間ブレンドした。得られた混合物を二重PE内張容器に移し(「プレミックス1」)、2つの部分に分け、1つの部分は約1kgの重さであり(「プレミックス1A」)、他の部分は残りを含んだ(「プレミックス1B」)。プレミックス1Aの約2分の1をビンに添加し、続いて4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩(38.93g;製粉済み)を添加し、次に、プレミックス1Aの第2の半分を添加した。得られた混合物を20rpmで10分間ブレンドし、次に、二重PE内張容器に移した(「活性プレミックス2」)。プレミックス1Bの約2分の1を、1.0mmスクリーンを備えたミルに1000rpm(800〜1200rpm)で通し、前に押し出し、続いて活性プレミックス2、および次にプレミックス1Bの第2の半分を通した。製粉化物質を二重PE内張容器に収集した(「製粉化プレミックス3」)。製粉化プレミックス3を40メッシュのハンドスクリーンに通し、ふるいにかけた物質をブレンドビンに移し、20rpmで10分間ブレンドした(「活性ブレンド」)。大さじの活性ブレンドを取り出し、ポリエチレン袋中でステアリン酸マグネシウム(35.0g、NF)と手動にて混合した。次に、この混合物を40メッシュのハンドスクリーンに通した。次に、スクリーンにかけた混合物をブレンドビンに戻し、混合物全体を20rpmで5分間ブレンドした(「最終ブレンド」)。最終ブレンドを、錠剤プレス機を使用して200mgの錠剤に圧縮し、錠剤を除塵機(deduster)および金属探知機に通した。許容される錠剤を二重PE内張容器に収集した。

0144

精製水(1.587kg、USP)を、清浄ステンレス鋼溶液調製容器に添加し、ミキサースピードを、渦を形成するように調節した。ポリビニルアルコールベースフィルムコーティング(280.0g;OPADRY II Pink 85G64744、Colorcon,Inc.、West Point、PA)を、混合タンク中の渦に添加し、渦がなくなるように混合スピードを低減し、混合を少なくとも45分間または目視観測により色が均一に分散されるまで継続した。穏やかな混合を、コーティングプロセスの前およびその間維持した。上述の調製した錠剤をコーティングパンに充填し、パンスピードを10rpmに設定した。コーティング溶液をコーティングパンにポンピングした。コーティング溶液をコーティングパンにポンピングしながら、コーティング溶液の重さ変化をモニターし、コーティング懸濁物利用に基づいて4%の錠剤乾燥重量増大が達成されたら、コーティング溶液の添加を停止した。得られた色の錠剤は、約1mgの4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン(遊離塩基当量)を含有した。

0145

また、約5mgの4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン(遊離塩基当量)を含有する黄色錠剤を、同様の手技および以下の量の物質を使用して調製した:微結晶セルロース(4.320kg);無水ラクトース(2.450kg);4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩(194.7g);ステアリン酸マグネシウム(35.0g);精製水(1.587kg);およびポリビニルアルコールベースのフィルムコーティング(280.0g;OPADRY II Yellow 85G620027)。

0146

(実施例16)
nOHを有する被験体における臨床研究
4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩(「研究化合物」)でフェーズ2臨床試験研究が行われている。研究は、nOHを有する被験体における研究化合物対プラセボの多施設ランダム化2部制一重(パートA)および二重盲検(パートB)研究である。また、研究化合物の有効性、安全性および耐容性を評価するための非盲検拡張研究が行われる(パートC)。パートAは、1日目にプラセボで開始し、2日目に1用量の1mgの研究化合物が続き、安全性、耐容性および昇圧効果の決定に基づいて最大で10mgの最大用量まで毎日上昇するより高い用量の研究化合物に進む、毎日の単回上昇用量設計に従う。パートBは、概して耐容性が良好であることおよびパートAから所与の被験体にとって昇圧効果を有することが決定された用量を評価する、ランダム化プラセボ対照並行設計に従う。パートCは、パートAで応答者であることが確認された被験体において1日1回最長20週間投与される研究化合物の有効性(慢性昇圧応答、nOHの症状)、安全性および耐容性を評価するための非盲検拡張研究である。

0147

この研究に含まれる被験体は、純粋自律神経不全症、多系統萎縮症またはパーキンソン病(すなわち、PD+症状)のための症候性起立性低血圧と診断された40〜80(両端の値を含む)の男性または女性である。スクリーニング時に、洞性不整脈およびバルサルバ手技を含む、自律神経機能不全の診断を確認するための自律神経機能試験を行う。被験体は、(1)起立の5分以内にSBPの30mmHg以上の降下を示さなければならず;(2)バルサルバ手技のフェーズIV中にBPオーバーシュートの非存在下により決定される自律神経反射不全を示さなければならず;(3)起立時にめまい、意識朦朧または失神を経験しなければならず;(4)自律神経障害の他の特定可能な原因を有してはならない。

0148

A. 用量上昇研究(パートA)
パートAでは、全ての用量(研究化合物およびプラセボ)は、経口投与溶液を使用して、一重盲検様式(すなわち、被験体は盲検のまま)で投与される。最大30人までの被験体が、パートAに登録される。パートAの開始2日前に、被験体を臨床研究センター(CRC)に収容し、彼らは全用量上昇期間中そこに留まる。1日目に、被験体は単回用量のプラセボを受容する。2日目に、被験体は単回の1mg用量の研究化合物を受容する。各続く日に、被験体は、後述する事前設定停止基準が起こらない限り、単回の上昇用量の研究化合物を以下の通り受容する:3日目に2.5mg;4日目に5mg;5日目に10mg:
(a)続く次の用量の投与が安全性への懸念を引き起こし得るという研究者スポンサー協力関係にある)からの決定;
(b)1時間にわたりさらに2回繰り返される座位でのSBP≧180mmもしくはDBP≧110mm;
(c)研究者により決定される耐容できない副作用;または
(d)被験体が、プロトコールにより特定される最大用量の研究薬物治療を受容する。

0149

被験体が上述の基準のいずれかに適合すると、さらなる用量上昇は行われない。クリニックでの投与後観察日の後、被験体はCRCから解放される。

0150

研究者(スポンサーと協力関係にある)の決定に基づいて臨床的に有意義なSBPの増大を示さない被験体または停止基準に達する前に研究薬物を中止した被験体は、研究パートBに継続されない。研究パートBに継続するために、被験体は、全ての4つの研究化合物用量を完了する必要はない。座位BPの有効な増大をもたらし、かつ概して耐容性が良好と考えられる、少なくとも1回の研究化合物用量を受容した全ての被験体は、研究パートBおよび/またはパートCに参加するのに適格である。

0151

B.ウォッシュアウト期間
パートAの完了後、被験体は、ウォッシュアウト期間(最短8日で、36日を超えない)を受ける。解放から最初の72時間の間毎日、次に残りのウォッシュアウト期間の間少なくとも毎週、研究者または被指名人は、電話で被験体と接触して、被験体の健康状態再調査する。電話で報告されるあらゆる有害事象を記録し、研究者により決定される通り医学的に適宜追跡する。研究者の指揮下で、被験体は、処方される他の薬物治療を使用して、ウォッシュアウト期間中のnOH症状を管理する。

0152

C.ランダム化二重盲検並行設計研究(パートB)
ウォッシュアウト期間後、被験体は、パートBの開始2日前にCRCに戻ってもよく、ランダム化されて、単回用量のプラセボまたは研究化合物のいずれかを受容する。パートBにおける処置割り当ては二重盲検であり、研究化合物は、CRCで指定された非盲検薬剤師により経口溶液として調製される。パートBでは、研究者とスポンサーとの間の協力で、被験体は、パートA中に決定された用量に対して匹敵するピーク曝露を達成して座位BPの有効な増大をもたらし、かつ概して耐容性が良好と考えられる研究化合物用量を受容する。表6で示す通り、パートBについて選択される個別化用量は、パートAで投与された最終用量に対応する研究化合物への匹敵する曝露を達成するように薬物動態モデリングを使用して決定される。

0153

D. 非盲検拡張研究(パートC)
パートCについて、研究化合物は、非盲検40カウント高密度ポリエチレン瓶に包装された1mgまたは5mg錠剤として提供される。1日目に、患者は、パートA中に耐容された最高用量と等しい用量を受容する。2日目およびその後に、患者は、パートCの1日目に投与された用量の50%と等しい用量(1mg未満端数切り上げる)を受容する。例えば、パートAでの最高用量が10mg/日であった場合、パートCの1日目に患者は10mgを受容し、2日目およびその後に患者は5mg/日を受容する。同様に、パートAでの最高用量が5mg/日であった場合、パートCの1日目に患者は5mgを受容し、2日目およびその後に患者は3mg/日を受容する。患者が以前に観察された仰臥位高血圧(SBP≧180mmHgまたはDBP≧110mgHg)の存在もしくは悪化または非耐容性を示唆する他の有害事象を発症した場合、用量を3日間保留し、前の用量レベルの50%の用量レベル(1mg未満の端数は切り上げる)で再開する。用量を低減した後に仰臥位高血圧または他の有害事象が持続する場合、その患者における投与は中止し、主研究者により決定される通り、適切な代替療法およびケアを患者に提供する。加えて、患者が自宅に居る間に用量低減が起こる場合、患者に、用量低減の2週間以内に来院依頼する。

0154

E. 研究評価
1. 有効性評価
座位および立位収縮期血圧ならびに起立性低血圧症状評価(OHSA質問票の完了を、有効性を評価するために使用する。パートCについて、1日目の投与前に24時間の期間;ならびに15日目、29日目、85日目および169日目の来院前に72〜48時間、2時間毎血圧測定するために利用可能であれば、外来血圧モニタリングを使用する。加えて、血圧は、少なくとも10分間の仰臥位(30度上昇)について毎朝食前に20〜30分間測定する。

0155

2.安全性評価
有害事象、臨床研究試験(血液学、血清化学および検尿を含む)、生命徴候、12リードECG、同時薬物治療の使用および身体検査を、安全性を評価するために使用する。

0156

3.薬物動態(PK)評価
パートAでは、研究化合物血漿濃度の評価のための血液試料を、投与前(用量前30分以内かつ立位BPの評価および起立性評価の直後に)ならびに3日目(2.5mg)および4日目(5mg)の投与に際して立位BPの評価および起立性評価の直後に用量後6〜8時間の間に再び採取する。1つの追加のPK試料を、被験体が停止基準または用量上昇シークエンス終わりに達した後、最後に投与された用量後に、用量後24時間で採取する。

0157

パートBでは、PKのための血液試料を、投与前(用量前30分以内)、投与後6〜8時間の間(単一の時点)および投与後24時間に採取する。全てのPK試料を、適宜、BPの評価および起立性評価後収集する。各血液収集についての実際の収集時間を記録する。

0158

パートCでは、血液試料を、1日目および2日目の投与30分前ならびに1日目の用量後6〜9時間の間に再び収集する。また、患者が来院したとき、血液試料を収集する。

0159

4.薬力学(PD)評価
パートAでは、NEおよびジヒドロキシフェニルグリコールDHPG)の解析のための血液試料を、投与1日目(プラセボ)、3日目(2.5mg)および4日目(5mg)に、投与前2回(用量前30分以内かつ仰臥位および立位BPの各評価ならびに起立性評価の直後に)および用量後6〜8時間の間にもう1回(立位BPの評価および起立性評価の直後に)を含む時点で収集する。2つの追加のPD試料を、被験体が停止基準または用量上昇シークエンスの終わりに達した後、最後に投与された用量後に、用量後24時間で採取する(仰臥位および立位)。

0160

パートBでは、NEおよびDHPGの解析のための血液試料を、投与1日目に、投与前2回(用量前30分以内かつ仰臥位および立位BPの各評価ならびに起立性評価の直後に)および用量後6〜8時間の間にもう1回(立位BPの評価および起立性評価の直後に)を含む時点で収集する。

0161

パートCでは、血液試料を、1日目および2日目の投与30分前ならびに1日目の用量後6〜9時間の間に再び収集する。また、患者が来院したとき、血液試料を収集する。

0162

F. 研究エンドポイント
パートAおよびパートBの両方について、主要研究エンドポイントは、薬物投与後6〜8時間での座位収縮期血圧のプラセボとの差である。パートAについて、プラセボは1日目来院を指し、プラセボとの差は、プラセボ投与(1日目)に対する各研究化合物投与日(2〜5日目)からの時間に対応した差を指す。パートCについて、主要研究エンドポイントは、4週での「めまい、意識朦朧、失神の感覚またはブラックアウトしそうな感覚」(OHSA質問1)についてのリカート尺度の改善である。

0163

二次エンドポイントは、用量後6〜8時間での立位SBPのプラセボからの変化;「めまい、意識朦朧、失神の感覚またはブラックアウトしそうな感覚」についてのリカート尺度の改善(質問前の週の平均についての患者の症状等級付け);他の質問票スコア;起立SBPの増大(起立中1、3、5および10分での曲線下面積尺度);座位SBPの増大(薬物投与後10時間の曲線下面積);および起立性起立試験中の起立持続期間を含む。

0164

パートAの予備的結果を、表7に示す。表7では、チェック印(レ)は、患者に4−[2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)フェニル]ピペリジン塩酸塩を投与したときに、プラセボに対して用量関連改善が観察されたことを示す。表7中の全ての患者は、5mg/日のパートAの最大用量を受容した5番の患者を除いては、10mg/日のパートAの最大用量を受容した。

実施例

0165

表7のデータは、パートAを完了した患者のうち、12人の患者のうちの10人(83%)が、(a)座位収縮期血圧;(b)起立時間;または(c)めまいもしくは意識朦朧のうちの少なくとも1つにおいてプラセボと比較して改善を示したことを実証する。4人の患者(表7で示さず)は、既存の仰臥位高血圧(3人の患者)または心房細動(1人の患者)のために、パートAを中止したか、または十分に評価されなかった。パートAを完了したMSA患者のうち、6人の患者のうちの6人(100%)は、表7の少なくとも1つのカテゴリーにおいてプラセボと比較して改善を示した。

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