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課題

バイオセラピューティックタンパク質及び/又はペプチドが搭載されたエキソソーム、及びそれを製造する方法、並びにin vivoでタンパク質及び/又はペプチドを送達するための前記エキソソームの使用、特に治療方法における使用の提供。

解決手段

外因性タンパク質及び/又はペプチドが封入されたエキソソームを含む組成物を製造する方法であって、エキソソームタンパク質と前記外因性タンパク質及び/又はペプチドとを含む融合タンパク質発現する核酸構築物宿主細胞形質転換又はトランスフェクトすることによって、エキソソーム内に前記外因性タンパク質及び/又はペプチドを封入することを含む方法。前記外因性タンパク質及び/又はペプチドは、癌、自己免疫状態、及び/又は臓器若しくは細胞移植拒絶反応治療及び/又は予防における使用のためのものである、前記方法。

概要

背景

概要

バイオセラピューティックタンパク質及び/又はペプチドが搭載されたエキソソーム、及びそれを製造する方法、並びにin vivoでタンパク質及び/又はペプチドを送達するための前記エキソソームの使用、特に治療方法における使用の提供。外因性タンパク質及び/又はペプチドが封入されたエキソソームを含む組成物を製造する方法であって、エキソソームタンパク質と前記外因性タンパク質及び/又はペプチドとを含む融合タンパク質発現する核酸構築物宿主細胞形質転換又はトランスフェクトすることによって、エキソソーム内に前記外因性タンパク質及び/又はペプチドを封入することを含む方法。前記外因性タンパク質及び/又はペプチドは、癌、自己免疫状態、及び/又は臓器若しくは細胞移植拒絶反応治療及び/又は予防における使用のためのものである、前記方法。なし

目的

本発明は、in vivoでタンパク質及び/又はペプチドを送達する方法における使用のための組成物であって、タンパク質及び/又はペプチドを含有するエキソソームを含み、エキソソームは未熟樹状細胞由来する、組成物を提供する

効果

実績

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請求項1

エキソソームを含む組成物であって、エキソソームには外因性タンパク質及び/又はペプチドが搭載されており、前記タンパク質及び/又はペプチドは抗体又はその抗原結合フラグメントである、組成物。

請求項2

エキソソームは樹状細胞由来する、請求項1に記載の組成物。

請求項3

前記タンパク質及び/又はペプチドは、ヒト又は動物の身体に治療を行う方法における使用のためのものである、請求項1又は2に記載の組成物。

請求項4

前記タンパク質及び/又はペプチドは、癌、自己免疫状態、及び/又は臓器若しくは細胞移植拒絶反応の治療及び/又は予防における使用のためのものである、請求項3に記載の組成物。

請求項5

エキソソームは、該エキソソームの表面で発現するターゲティング部分を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。

請求項6

前記ターゲティング部分は、標的となる細胞上に存在する部分に結合するペプチドを含む、請求項5に記載の組成物。

請求項7

エキソソームは、前記ペプチドターゲティング部分を組み込むように修飾されたエキソソーム膜貫通タンパク質を含む、請求項6に記載の組成物。

請求項8

エキソソーム膜貫通タンパク質は、Lamp−1、Lamp−2、CD13、CD86、フロチリン、及びシンタキシン−3から選択される、請求項7に記載の組成物。

請求項9

エキソソーム膜貫通タンパク質はLamp−2bである、請求項8に記載の組成物。

請求項10

前記抗体又はそのフラグメントモノクローナル抗体又はそのフラグメントである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。

請求項11

エキソソームにタンパク質及び/又はペプチドを搭載する方法であって、エキソソームの組成物を用意するステップと、エレクトロポレーションによってエキソソームにタンパク質及び/又はペプチドを搭載するステップと、を含み、前記タンパク質及び/又はペプチドは抗体又はその抗原結合フラグメントである、方法。

請求項12

エレクトロポレーションは20〜100v/cmの電圧で行われる、又はエレクトロポレーションは200mVの電圧で行われる、請求項11に記載の方法。

請求項13

エキソソームにタンパク質及び/又はペプチドを搭載する方法であって、エキソソームの組成物を用意するステップと、カチオン性リポソームトランスフェクション剤を使用して、トランスフェクションによってエキソソームにタンパク質及び/又はペプチドを搭載するステップと、を含み、前記タンパク質及び/又はペプチドは抗体又はその抗原結合フラグメントである、方法。

請求項14

前記抗体又はそのフラグメントはモノクローナル抗体又はそのフラグメントである、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

エキソソームは樹状細胞に由来する、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。

発明の分野

0001

本発明は、抗体及び抗体フラグメントなどのタンパク質又はペプチド送達のための組成物に関する。特に、本発明は、タンパク質又はペプチドが搭載されたエキソソーム、及びそれを製造する方法に関する。

発明の背景

0002

バイオ医薬は、癌、遺伝的障害及び自己免疫疾患などの多様な疾患の治療及び/又は予防において日常的に使用される。バイオ医薬は、典型的にはタンパク質又はペプチド、例えば抗体又は抗体フラグメントであり、の形態で、すなわち送達の補助がない状態で投与される傾向がある。しかし、場合により、例えば、クリアランスが速いこと、臓器特異的な分布欠くこと、及び細胞による取り込みの効率が低いことから、特殊化した送達ビヒクルでのバイオ医薬の投与が望ましいであろう。

0003

エキソソームは、多胞体細胞膜との融合後に細胞外環境に放出される、エンドサイトーシス由来膜結合小胞(30〜100nm)である。エキソソームの生成は、B細胞、T細胞及び樹状細胞(DC)などの多くの免疫細胞について記載されている。Bリンパ球及び成熟DCに由来するエキソソームは、MHC−II、MHC−I、CD86及びICAM−1を発現し[1、2]、実験モデル及び臨床試験において、特異的な抗腫瘍性細胞傷害性応答及び抗腫瘍性免疫を誘導するために使用されてきた[2、3]。エキソソーム媒介遺伝子送達の可能性は、ヒト肥満細胞に対するマウスmRNA及びmiRNAの送達[4]で示されており、神経膠腫に由来するエキソソーム[5]は、外因性DNAプラスミドによって生成されるmRNAを異種の細胞に移入することが実証されている。外因性DNA、siRNA及び他の修飾オリゴヌクレオチドを有するエキソソームも開示されている[6]。

0004

本発明者らは、エキソソームに外因性タンパク質、特に外因性抗体を搭載することに成功している。すなわち、本発明は、エキソソームに抗体及びそのフラグメントなどの外因性タンパク質及び/又はペプチドを搭載する方法、そのような外因性タンパク質及び/又はペプチドが搭載されたエキソソーム、並びに治療のためのタンパク質及び/又はペプチドの送達におけるそれらの使用に関する。

0005

本発明のエキソソームは、その表面で発現するターゲティング部分を有し得る。また、エキソソーム膜貫通タンパク質とターゲティング部分とを含む融合タンパク質であって、エキソソームの表面でターゲティング部分を発現させることを可能とする融合タンパク質、及びそのような融合タンパク質をコードする核酸構築物も記載される。本発明に従って、ターゲティング部分を含むエキソソームは、抗体又はそのフラグメントなどの外因性タンパク質及び/又はペプチドを搭載し、治療のためのタンパク質及び/又はペプチドの送達において使用され得る。

0006

本発明の一態様によれば、エキソソームを含む組成物であって、エキソソームには外因性タンパク質及び/又はペプチドが搭載されている、組成物が提供される。

0007

他の態様において、本発明は、in vivoでタンパク質及び/又はペプチドを送達する方法における使用のための組成物であって、タンパク質及び/又はペプチドを含有するエキソソームを含み、エキソソームは未熟樹状細胞に由来する、組成物を提供する。

0008

他の実施形態において、本発明は、エキソソームにタンパク質及び/又はペプチドを搭載する方法であって、エキソソームの組成物を用意するステップと、エキソソームにタンパク質及び/又はペプチドをエレクトロポレーションにより搭載するステップと、を含む方法を提供する。

0009

他の実施形態において、本発明は、エキソソームにタンパク質及び/又はペプチドを搭載する方法であって、エキソソームの組成物を用意するステップと、カチオン性リポソームトランスフェクション試薬を使用して、トランスフェクションによってエキソソームにタンパク質及び/又はペプチドを搭載するステップと、を含む方法を提供する。

図面の簡単な説明

0010

Figure1: PE結合IgGアイソタイプ抗体を含有するHEKエキソソームを用いたHEK細胞ローディング。Aは、HEKエキソソームが抗体と混合されたが、抗体でエレクトロポレートされていないHEK細胞におけるPE結合抗体の局在を示す。Bは、200mVでのエレクトロポレーションによりHEKエキソソーム中に抗体が搭載されたHEK細胞におけるPE結合抗体の局在を示す。
Figure2:FITCアビジンを含有するHEKエキソソームを用いたヒト線維芽細胞のローディング。0mV、100mV、200mV及び400mVでのエレクトロポレーションにより、トランスポータン−Lamp2エキソソームにFITC−アビジンを搭載した。その後、エキソソームをヒト線維芽細胞と共にインキュベートし、線維芽細胞により放出された蛍光の量を測定した。

発明の詳細な説明

0011

本発明は、エキソソーム、並びに抗体及び抗体フラグメントなどのタンパク質性及び/又はペプチド性バイオ医薬(biotherapeutic)の送達ビヒクルとしてのその使用を対象とする。エキソソームは、多胞体と細胞膜との融合後に細胞外環境に放出される、エンドサイトーシス由来の膜結合小胞である。したがって、本出願は、そのようなエキソソームを含む組成物を目的とする。典型的には、エキソソームは直径が30〜100nmであるが、200nmまでの同様の由来の膜粒子を含み得る。本明細書において、エキソソームとは、多胞体から分泌される、エンドソーム由来のナノ粒子を指す。

0012

エキソソームは、Bリンパ球、Tリンパ球、樹状細胞(DC)及び肥満細胞などの免疫細胞を含む多様な型の細胞によって生成される。エキソソームは、例えば、神経膠腫細胞血小板網状赤血球ニューロン腸上皮細胞腫瘍細胞、HELA細胞、ヒト胎児由来腎臓細胞(HEK細胞)、B2M17細胞、Bend3細胞、一次骨由来樹状細胞、BV−2小神経膠細胞、及びNEURO2A細胞によっても生成される。本出願に従って使用されるエキソソームは、上述の細胞を含む任意の適切な細胞から得ることができる。エキソソームは、生理学的な液体(例えば、血漿、尿、羊水悪性浸出液)からも単離されている。

0013

本発明の好ましい態様において、エキソソームは、DC、好ましくは未熟DC由来である。未熟DCから生成されるエキソソームは、MHC−II、MHC−I又はCD86を発現しない。したがって、そのようなエキソソームは未感作T細胞を有意な程度まで刺激せず、混合リンパ球反応において応答を誘導することができない。したがって、未熟樹状細胞から生成されるエキソソームは、タンパク質性及び/又はペプチド性バイオ医薬の送達における使用、特に(例えば癌及び自己免疫状態の治療における)in vivoでの使用に理想的な候補である。

0014

すなわち、本発明の第1の態様によれば、タンパク質及び/又はペプチドのin vivoでの送達における使用のためのエキソソームであって、樹状細胞に由来するエキソソームが提供される。

0015

前述のように、エキソソームは多様な型の細胞によって生成され、生理学的な液体からも単離されている。したがって、本発明によれば、エキソソームは、上述のように、任意の適切な細胞型から、又は生理学的な液体からの単離によって得ることができる。典型的には、本発明の方法は、細胞培養培地又は組織上清からのエキソソームの単離を含む。

0016

細胞から生成されたエキソソームは、任意の適切な方法によって培地から回収することができる。典型的には、エキソソームの調製物は、細胞培養物又は組織上清から、遠心分離濾過、又はこれらの方法の組み合わせによって調製することができる。例えば、エキソソームは、分画遠心分離、すなわち低速(<20000g)遠心分離(より大きな粒子をペレット化)とそれに続く高速(>100000g)遠心分離(エキソソームをペレット化)、適切なフィルター(例えば、0.22μmのフィルター)を用いたサイズ濾過、(例えば、スクロース勾配での)勾配超遠心分離、又はこれらの方法の組み合わせによって調製することができる。

0017

本発明によれば、エキソソームには外因性タンパク質及び/又はペプチドが搭載される。特に、本発明によれば、エキソソームが調製され、次いで、所望の送達用タンパク質及び/又はペプチドがエキソソームに搭載される。他の態様において、ペプチド又はタンパク質がエキソソームに搭載されるように、エキソソームを生成するために使用される細胞内で該タンパク質又はペプチドを過剰発現させることにより、タンパク質又はペプチドをエキソソームに搭載することができる。外因性とは、通常はエキソソームに随伴していないタンパク質を指す。

0018

バイオ医薬を送達するためのエキソソームの使用は、そのような化合物の従来の送達手段と比べて多数の利点をもたらす。例えば、バイオ医薬がエキソソームを用いて送達される場合、バイオ医薬は分解から保護されており、より安定である;バイオ医薬は、エキソソーム内に封入されていない場合よりも効率的及び/又は特異的に標的組織(例えば、特定の型の癌)に送達することができる;及び/又は、積荷はエキソソーム内に含有され、そのため免疫細胞による検出及び/又は抗体への結合に自由に利用できないことから、積荷が免疫応答惹起する可能性が低い。バイオ医薬を送達するためのエキソソームの使用の他の潜在的利点としては、例えば、エキソソームが全身送達された後、肝細胞迂回すること、及び/又は薬剤耐性(例えば、ABCトランスポーターなどの薬物トランスポーター上方制御)を回避することが挙げられる。

0019

適切な送達用タンパク質及び/又はペプチドとしては、例えば、外因性抗体及び抗体フラグメントが挙げられる。本発明の一態様によれば、エキソソーム中に搭載されるタンパク質及び/又はペプチドは、エキソソームに通常随伴しているタンパク質及び/又はペプチドではなく、例えば、タンパク質及び/又はアミノ酸は、好ましくは、細胞からの生成の際にエキソソーム中に組み込まれるタンパク質又はペプチドではない。特に、本発明は、タンパク質及び/又はペプチドを、既に細胞から単離されているエキソソーム調製物中に搭載する能力に関する。したがって、外因性タンパク質及び/又はペプチドとは、通常はエキソソームに随伴していないタンパク質及びペプチドを含むタンパク質及び/又はペプチドを指す。特に好ましい実施形態において、タンパク質及び/又はペプチドは、エキソソーム中に通常は見出されない抗体及び/又は抗体フラグメントである。

0020

本発明のエキソソームには、状態、疾患又は障害の治療及び/又は予防において有用性がある任意のバイオセラピューティック(biotherapeutic)タンパク質及び/又はペプチドが組み込まれていてもよい。好ましい実施形態において、エキソソームに組み込むためのタンパク質又はペプチドは抗体又は抗体フラグメントである。

0021

エキソソーム中に搭載されるタンパク質及び/又はペプチドは、それを送達しようとする細胞内でのそのタンパク質及び/又はペプチドの所望の効果及びその効果が達成される機構に基づいて選択される。1種のタンパク質又はペプチドがエキソソームに組み込まれていてもよい。あるいは、1種より多くのタンパク質及び/又はペプチドがエキソソームに組み込まれていてもよい。1種より多くのタンパク質及び/又はペプチドが同一又は異なる標的に作用して、それらの治療及び/又は予防効果が生じてもよい。

0022

本発明の好ましい態様において、送達用ペプチド又はバイオセラピューティックタンパク質は、免疫応答を惹起するために使用されるものではない。特に、タンパク質は、典型的にはヒトタンパク質由来であり、ヒトを治療するのに使用される場合、全体が非ヒト由来のペプチドではない。典型的には、ペプチドは、細菌、ウイルス又は他の感染因子由来ではない。また、ペプチド又はタンパク質は、腫瘍抗原から選択されないか、又は腫瘍抗原由来ではない。したがって、ペプチド又はタンパク質は、治療上の利点そのものがもたらされるように選択され、ペプチド又はタンパク質に対する免疫応答を惹起するのに使用されることは意図されていない。

0023

エキソソームに組み込まれるタンパク質及び/又はペプチドは、例えば、癌の治療及び/又は予防において有用であり得る。タンパク質性又はペプチド性バイオ医薬を用いて治療される可能性がある癌としては、例えば、白血病結腸直腸癌頭頸部癌非ホジキンリンパ腫乳癌卵巣癌前立腺癌胃癌膵臓癌腺癌、及び固形腫瘍が挙げられる。そのようなバイオセラピューティックタンパク質及び/又はペプチドは、典型的には抗体又はそのフラグメントであり、特にモノクローナル抗体又はそのフラグメントである。

0024

タンパク質性及び/又はペプチド性バイオ医薬は自己免疫状態の治療及び/又は予防においても使用することができる。自己免疫状態は、体内に通常存在する物質、組織、及び臓器に対する身体の過剰な免疫応答に起因する。

0025

本発明のエキソソーム中に搭載されるバイオセラピューティックタンパク質及び/又はペプチドは、心臓血管疾患血友病敗血症、脳卒中、筋ジストロフィー(例えばデュシェンヌ型筋ジストロフィーDMD))、黄斑変性、及びアルツハイマー病などの他の状態を治療及び/又は予防するためにも使用することができる。

0026

好ましい実施形態において、本発明のエキソソーム中に搭載されるバイオ医薬は治療用抗体である。より好ましい実施形態において、治療用抗体は、Bace−1及びβ−アミロイド活性部位ブロックするためのモノクローナル抗体、神経膠芽細胞腫キナーゼに対するモノクローナル抗体、及びMS治療のためのα4−インテグリンに対する抗体(例えばナタリズマブ)から選択される。

0027

好ましい実施形態において、本発明のエキソソーム中に搭載されるバイオ医薬はペプチドである。より好ましい実施形態において、ペプチドは、ウイルス及び/又は腫瘍抗原に対する免疫応答を惹起するための免疫優性ペプチドδ−オピオイド受容体リガンド(例えばビファリン)などの神経保護ペプチド;神経炎症のための免疫抑制性ペプチド(例えばアドレノメデュリン);及びNfKBに結合してそのシグナル伝達阻害するNBDペプチドから選択される。

0028

外因性タンパク質及び/又はペプチドは、いくつかの異なる技術によってエキソソーム中に導入することができる。本発明の特に好ましい実施形態では、エレクトロポレーション又はトランスフェクション試薬の使用によってエキソソームに搭載される。本発明者らは、エキソソームは、サイズが小さいにもかかわらず、エレクトロポレーションを用いてエキソソームに外因性タンパク質及び/又はペプチドを搭載することが可能であることを確認した。これは、エキソソームのサイズが細胞と比較して小さいことからみて驚くべきことである。エキソソームのサイズを考慮に入れるための、細胞のエレクトロポレーションに使用される電圧外挿は、エキソソームのエレクトロポレーションに過度に高い電圧が必要とされるであろうことを示唆していた。しかし、驚くべきことに、発明者らは、エレクトロポレーションを用いてエキソソームに抗体を搭載することが可能であることを確認した。エレクトロポレーション条件は、積荷となるバイオ医薬の電荷及びサイズによって変化し得る。典型的な電圧は、20〜1000V/cm、例えば20〜100V/cmであり、キャパシタンスは、典型的には25〜250μF、例えば25〜125μFである。エキソソームに本発明の抗体を搭載するためには、150〜250mVの電圧、特に200mVの電圧が好ましい。

0029

あるいは、エキソソームへの外因性タンパク質及び/又はペプチドのローディングはトランスフェクション試薬を用いて行ってもよい。エキソソームのサイズが小さいにもかかわらず、従来のトランスフェクション試薬を、タンパク質及び/又はペプチドでのエキソソームのトランスフェクションに使用することができる。本発明に従って使用される好ましいトランスフェクション試薬としては例えばカチオン性リポソームが挙げられる。

0030

他の実施形態において、エキソソームが細胞から生成される際に目的の治療用タンパク質又はペプチドがエキソソームに取り込まれるように、該治療用タンパク質又はペプチドを発現する核酸構築物で宿主細胞形質転換又はトランスフェクトすることによって、エキソソームへのローディングを行ってもよい。

0031

抗体:
本明細書で記載されているように、好ましい実施形態において、エキソソームに組み込まれるタンパク質及び/又はペプチドは抗体又は抗体フラグメントである。本明細書において、「抗体」という語は、抗体全体及び任意の抗原結合フラグメント(すなわち「抗原結合部位」)又はそれらの単鎖包含する。抗体とは、ジスルフィド結合で相互に連結された少なくとも2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖、又はそれらの抗原結合部分を含む糖タンパク質を指す。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVHと略記)及び重鎖定常領域で構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVLと略記)及び軽鎖定常領域で構成される。重度及び軽鎖の可変領域は、抗原相互作用する結合ドメインを含む。VH及びVL領域は、より高度に保存された領域(フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。)が散在した超可変領域相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。)にさらに分類することができる。

0032

抗体の定常領域は、宿主組織又は因子(例えば、免疫系の多様な細胞(例えばエフェクター細胞)及び古典的な補体系の第1成分(C1q))への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。

0033

本発明で有用な抗体はモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体であり得、好ましくはモノクローナル抗体である。本発明で有用な抗体は、キメラ抗体、CDRグラフト化抗体、ナノボディ、ヒト若しくはヒト化抗体、又はそれらのうちのいずれかの抗原結合部位であり得る。モノクローナル及びポリクローナル抗体の両方の製造に関して、実験動物は、典型的には非ヒト哺乳動物、例えば、ヤギウサギラット又はマウスであるが、例えばラクダ科動物などの他の種で産出させてもよい。

0034

ポリクローナル抗体は、通常の方法(例えば、目的の抗原での適切な動物の免疫化)によって生成され得る。続いて動物から血液を採取し、IgG画分を精製してもよい。

0035

本発明で有用なモノクローナル抗体(mAb)は、従来のモノクローナル抗体の方法(例えば、Kohler及びMilsteinの標準的な体細胞ハイブリダイゼーション技術)を含む種々の技術によって製造することができる。ハイブリドーマを調製するための好ましい動物系はマウス系である。マウスでのハイブリドーマ製造は極めてよく確立された手法であり、当技術分野において周知の技術を用いて達成することができる。

0036

抗体の「抗原結合部位」という語は、抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体の1つ又は複数のフラグメントを指す。抗体の抗原結合機能は、全長抗体のフラグメントによって達成されることが示されている。抗体の「抗原結合部位」に包含される結合フラグメントとしては、例えば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fab’フラグメント、Fdフラグメント、Fvフラグメント、dAbフラグメント、及び単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。単鎖抗体(例えばscFv抗体)も抗体の「抗原結合部位」に包含されるものとする。これらの抗体フラグメントは当業者に知られている従来の技術を用いて得ることができ、また、フラグメントは、インタクトな抗体と同様に有用性についてスクリーニングすることができる。

0037

本発明で有用な抗体は、組換え手段によって調製、発現、作製又は単離され得、例えば、(a)目的の免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックであるか若しくは染色体導入された動物(例えばマウス)又はそれから調製されたハイブリドーマから単離された抗体、(b)目的の抗体を発現するように形質転換された宿主細胞から(例えばトランスフェクトーマから)単離された抗体、(c)組換えコンビナトリアル抗体ライブラリーから単離された抗体、及び(d)他のDNA配列への免疫グロブリン遺伝子配列のスプライシングを伴う他の任意の手段によって調製、発現、作製又は単離された抗体であり得る。

0038

本発明で有用な抗体はヒト抗体又はヒト化された抗体であり得る。本明細書において、「ヒト抗体」という語は、フレームワーク及びCDR領域の両方がヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する抗体を包含するものとする。さらに、抗体が定常領域を含む場合、該定常領域もヒト生殖細胞系の免疫グロブリン配列に由来する。本発明で有用なヒト抗体は、ヒト生殖細胞系の免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、in vitroでのランダム若しくは部位特異的変異誘発又はin vivoでの体細胞変異によって導入された変異)を含んでもよい。しかし、本明細書において、「ヒト抗体」は、他の哺乳動物種(例えばマウス)の生殖細胞系由来のCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフト化されている抗体を包含しないものとする。

0039

そのようなヒト抗体はヒトモノクローナル抗体であり得る。そのようなヒトモノクローナル抗体は、不死化細胞に融合したヒト重鎖導入遺伝子及び軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有するトランスジェニック非ヒト動物(例えばトランスジェニックマウス)から得られたB細胞を含むハイブリドーマによって製造され得る。

0040

ヒト抗体は、in vitroでのヒトリンパ球の免疫化、それに続くエプスタイン−バーウイルスでのリンパ球の形質転換によって調製されてもよい。

0041

「ヒト抗体誘導体」という語は、ヒト抗体の任意の修飾形態、例えば、抗体と他の薬剤又は抗体との複合体を指す。

0042

「ヒト化抗体」という語は、他の哺乳動物種(例えばマウス)の生殖細胞系由来のCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフト化されている抗体を指すものとする。ヒトフレームワーク配列内で追加のフレームワーク領域の修飾がなされてもよい。

0043

ターゲティング
本発明のエキソソームは所望の細胞型又は組織に対してターゲティングされ得る。このターゲティングは、標的となる細胞の表面で発現する細胞表面部分に結合するターゲティング部分をエキソソームの表面で発現させることによって達成される。典型的には、ターゲティング部分は、エキソソームの表面で通常発現する膜貫通タンパク質との融合タンパク質として発現するペプチドである。

0044

より詳細には、本発明のエキソソームは、ペプチドなどのターゲティング部分をその表面で発現させることによって、特定の細胞型又は組織に対してターゲティングされ得る。適切なペプチドは、受容体のような細胞表面部分又は標的となる細胞の細胞表面に見出されるそのリガンドに結合するものである。適切なターゲティング部分の例は、ターゲティング部分がエキソソームの表面で発現可能であり、エキソソーム中への膜タンパク質の挿入を阻害しない限り、短いペプチド、scFv、及び完全なタンパク質である。典型的には、ターゲティングペプチド膜貫通エキソソームタンパク質に対して異種のものである。ペプチドターゲティング部分は、典型的には長さが100アミノ酸未満、例えば、50アミノ酸未満、30アミノ酸未満で、少なくとも10、5又は3アミノ酸であり得る。

0045

ターゲティング部分は、特定の組織型(例えば、筋肉、脳、肝臓膵臓)に対してターゲティングするように、又は腫瘍などの病変組織に対してターゲティングするように選択することができる。本発明の特に好ましい実施形態において、エキソソームは脳組織に対してターゲティングされる。

0046

ターゲティング部分の具体例としては、骨格筋に対してターゲティングするための筋特異的ペプチドファージディスプレイによって発見)、ニューロンに対してターゲティングするための、アセチルコリン受容体に結合する狂犬病ウイルス糖タンパク質の29アミノ酸フラグメント又は神経成長因子受容体を標的とする神経成長因子のフラグメント、ペプチドトランスポータンなどが挙げられる。また、セクレチン受容体に結合するセクレチンペプチドは、胆管及び膵臓上皮に対してターゲティングするために使用できる。あるいは、免疫グロブリン及びそれらの誘導体(例えばscFv抗体フラグメント)も、特異的抗原(例えば、癌遺伝子治療におけるVEGFR)に対してターゲティングするための融合タンパク質として発現させることができる。あるいは、受容体の天然のリガンド(例えば、NGFRに結合してニューロン特異的ターゲティングをもたらすNGF)を、特異性を付与する融合タンパク質として発現させることもできる。

0047

ペプチドターゲティング部分は、エキソソーム膜貫通タンパク質との融合タンパク質として発現させることによってエキソソームの表面で発現する。いくつかのタンパク質はエキソソームに随伴していることが知られている。すなわち、それらは、形成されるとエキソソーム中に組み込まれる。本発明のエキソソームをターゲティングするのに使用される好ましいタンパク質は膜貫通型のものである。例としては、Lamp−1、Lamp−2、CD13、CD86、フロチリン、シンタキシン−3、CD2、CD36、CD40、CD40L、CD41a、CD44、CD45、ICAM−1、インテグリンアルファ4、LiCAMLFA−1、Mac−1アルファ、Mac−1ベータ、Vti−1A、Vti−1B、CD3イプシロン、CD3ゼータ、CD9、CD18、CD37、CD53、CD63、CD81、CD82、CXCR4、FcR、GluR2/3、HLADM(MHCII)、免疫グロブリン、MHC−I若しくはMHC−IIの構成要素、TCRベータ、及びテトラスパニンが挙げられる(それらに限定されない)。本発明の特に好ましい実施形態において、バイオセラピューティックタンパク質及び/又はペプチドが搭載されたエキソソームは、Lamp−1、Lamp−2、CD13、CD86、フロチリン、及びシンタキシン−3から選択される膜貫通タンパク質を用いてターゲティングされる。特に好ましい一実施形態において、膜貫通タンパク質はLamp−2である。Lamp−2の配列は配列番号1に記載されている。

0048

以下の節は、すべてのポリペプチドの一般的な特徴に関し、特に、アミノ酸配列の変異、改変、修飾又は誘導体化に関する。本明細書に記載のポリペプチドのそのような変異、改変、修飾又は誘導体化は、さらに必要な活性又は特徴(場合により後節に記載される。)を該ポリペプチドが保持することを条件とすることは理解されるであろう。

0049

ポリペプチドのバリアントは、本開示の後節でより詳細に記載されている特定のレベルアミノ酸同一性によって規定され得る。アミノ酸同一性は、任意の適切なアルゴリズムを用いて算出することができる。例えば、Altschul S.F.(1993)J Mol Evol 36:290〜300;Altschul,S,Fら(1990)J Mol Biol 215:403〜10に記載されているように、例えば、PILEUP及びBLASTのアルゴリズムを使用して、(典型的には、これらの初期設定に基づいて)相同性を算出すること又は配列を並べること(例えば、同等の又は対応する配列を特定すること)ができる。BLAST解析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて一般公開されている。このアルゴリズムでは、データベース配列中の同じ長さのワードアラインした場合に一致するか又はある正の値の閾値スコアTを満たす、問い合わせ配列中の長さWの短いワードを特定することによって、高スコア配列対(HSP)をまず特定する。Tは、隣接ワードスコア閾値と呼ばれる(Altschulら,前掲)。これらの最初の隣接ワードヒットは、それらを含むHSPの検索を開始するシードとして機能する。ワードヒットは、累積アライメントスコアが増大し得る限り、各配列に沿って両方向に拡張される。各方向におけるワードヒットの拡張は次の場合に終了する:累積アライメントスコアがその最大達成値から数量Xだけ低下した場合;1つ又は複数の負のスコアの残基アライメントが蓄積したために、累積スコアがゼロ又はゼロ未満になった場合;あるいは、いずれかの配列の末端に到達した場合。BLASTアルゴリズムパラメータのW、T及びXはアライメントの感度及び速度を決定する。BLASTプログラムは、初期設定として、ワードの長さ(W)11、BLOSUM62スコア行列(Henikoff及びHenikoff(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915〜10919参照)アライメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=4、及び両鎖の比較を使用する。

0050

BLASTアルゴリズムは2つの配列間の類似性統計解析を行う(例えば、Karlin及びAltschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873〜5787参照)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度最小合計確率(P(N))である。P(N)は、2種のポリヌクレオチド配列間又はアミノ酸配列間で偶然に一致が生じる確率の指標を提供する。例えば、ある配列が他の配列と類似していると考えられるのは、第1の配列と第2の配列との比較における最小合計確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満の場合である。他方、UWGCパッケージは、相同性を算出するために使用できるBESTFITプログラムを提供する(例えば、その初期設定に基づいて使用される)(Devereuxら(1984)Nucleic AcidsResearch 12, 387〜395)。

0051

ポリペプチドのバリアントが置換バリアントも含むことは理解されるであろう。置換バリアントは、好ましくは、1個又は複数のアミノ酸を同数のアミノ酸で置換して、保存的なアミノ酸置換を行う置換を含む。例えば、アミノ酸は、同様の特性を有する別のアミノ酸、例えば、他の塩基性アミノ酸、他の酸性アミノ酸、他の中性アミノ酸、他の荷電アミノ酸、他の親水性アミノ酸、他の疎水性アミノ酸、他の極性アミノ酸、他の芳香族アミノ酸又は他の脂肪族アミノ酸で置換されてもよい。適切な置換基を選択するために使用できる20種の主要アミノ酸のいくつかの性質は下表の通りである。

0052

0053

本発明において使用されるポリペプチドのアミノ酸配列は、天然に存在しない化学的性質を含むように、あるいは化合物の安定性及びターゲティング特異性を増大させるように修飾され得る。合成の方法によってポリペプチドを製造する場合には、そのようなアミノ酸を製造中に導入してもよい。また、合成又は組換えによる製造後にポリペプチドを修飾してもよい。

0054

いくつかの側鎖修飾は当技術分野において知られており、さらに必要な活性又は特徴(場合により本明細書に記載される。)をポリペプチドが保持することを条件にポリペプチドの側鎖に対して行われ得る。

0055

本節に記載のバリアントポリペプチドは、アミノ酸配列は配列番号1中の配列とは異なるが、エキソソームの膜内に挿入される能力を保持するものである。

0056

バリアント配列は、典型的には、少なくとも1、2、3、5、10、20、30、50、100個、又はそれより多くの変異(アミノ酸の置換、欠失又は挿入であり得る。)によって異なる。例えば、修飾ポリペプチドがエキソソームの膜内に挿入されるのであれば、1〜100、2〜50、3〜30、又は5〜20アミノ酸の置換、欠失又は挿入が行われ得る。

0057

典型的には、Lamp−2のバリアントであるポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列と、約50%、55%又は65%を超える同一性、好ましくは少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99%の同一性を有する。配列番号1のバリアントの同一性は、シグナル配列を除き、配列番号1に示される配列の少なくとも30、50、100、200、250、300、350、又はそれ以上の連続したアミノ酸の領域にわたって、あるいはより好ましくは配列番号1の全長にわたって評価され得る。

0058

本発明のエキソソームのターゲティングにおいて使用されるLamp−2ポリペプチドのフラグメントは、典型的には、少なくとも55アミノ酸長、100、150、200又は250アミノ酸長である。

0059

エキソソーム膜貫通タンパク質はターゲティング部分を組み込むように修飾される。したがって、エキソソーム膜貫通タンパク質は、ターゲティング部分を含む融合タンパク質として発現する。ターゲティング部分は、エキソソームの表面に存在する膜貫通タンパク質の部分に配置されるように膜貫通タンパク質中に組み込まれる。本発明の好ましい態様において、エキソソーム膜貫通タンパク質はLamp−2であり、ターゲティング部分は融合タンパク質として発現し、ここで、ターゲティング部分はLamp−2タンパク質のN末端の近傍に存在し(例えば、Lamp−2のN末端アミノ酸から30又は20アミノ酸の範囲内にあり)、シグナル配列を含まない。

0060

ターゲティング部分と膜貫通タンパク質の残部との間には、例えば、膜貫通タンパク質のフォールディングの際にターゲティング部分からの干渉を回避するために、スペーサー配列又はリンカー配列が備えられていてもよい。

0061

リンカー配列又はスペーサー配列は、典型的には1〜10アミノ酸長であり、典型的には1〜8アミノ酸長であり、例えば2、3又は4アミノ酸長である。リンカー中に組み込むための適切なアミノ酸は、アラニンアルギニンセリン又はグリシンである。適切なリンカーとしては、例えば、Ala−Arg、Ser−Gly−Glyが挙げられる。

0062

本発明の特に好ましい態様において、膜貫通タンパク質はLamp−2であり、ターゲティング部分はタンパク質のN末端又はその近傍に存在し、リンカー配列でLamp−2から分離される。

0063

ターゲティング部分は、ターゲティング部分とエキソソーム膜貫通タンパク質とを含む融合タンパク質を、エキソソームを生成するために使用される細胞内で発現させることによってエキソソーム中に導入され得る。細胞内でのこの融合タンパク質の発現は、融合タンパク質が細胞から生成されるとエキソソーム中に組み込まれることを可能にする。

0064

例えば、融合タンパク質を発現するポリヌクレオチド構築物(例えばDNAプラスミド)が細胞内にトランスフェクトされる。細胞内へのポリヌクレオチド構築物の導入には任意の適切な方法が使用できる。ポリヌクレオチド構築物は、コードする融合タンパク質が細胞内で発現するように適切なプロモーター配列を含む。タンパク質が生成されると小胞体の膜内に組み込まれるようにシグナルペプチド配列も含まれる。次いで、膜タンパク質は、エキソソーム中に組み込まれる前にエキソソーム/リソソーム区画輸送される。シグナル配列は、典型的には、エキソソーム膜貫通タンパク質のシグナルペプチド配列である。例えば、シグナルペプチド配列は好ましくはLamp−2由来である。

0065

エキソソームの生成のための好適な細胞については上でより詳細に説明されている。典型的には、本発明の融合タンパク質が細胞内で発現するように、好適な細胞(例えば未熟樹状細胞)が上記ポリヌクレオチド構築物でトランスフェクトされる。細胞によって生成されるエキソソームはその後回収できる。そのようなエキソソームでは、融合タンパク質は、エキソソームがターゲティング部分を通じて所望の組織又は細胞型に対してターゲティングされるように膜内に挿入されている。

0066

細胞から生成されたエキソソームは、任意の適切な方法によって培地から回収することができる。典型的には、エキソソームの調製物は、細胞培養物又は組織上清から、遠心分離、濾過、又はこれらの方法の組み合わせによって調製することができる。例えば、エキソソームは、分画遠心分離、すなわち低速(<20000g)遠心分離(より大きな粒子をペレット化)とそれに続く高速(>100000g)遠心分離(エキソソームをペレット化)、適切なフィルター(例えば、0.22μmのフィルター)を用いたサイズ濾過、(例えば、スクロース勾配での)勾配超遠心分離、又はこれらの方法の組み合わせによって調製することができる。

0067

本発明の好ましい一態様によれば、ターゲティングされたエキソソームには外因性タンパク質及び/又はペプチドが搭載される。特に、本発明によれば、エキソソームが、本明細書に記載のターゲティング部分を用いて調製され、次いで、所望の送達用又は上記タンパク質及び/又はペプチドがエキソソームに搭載される。

0068

本発明の他の実施形態では、特定のターゲティング部分がエキソソーム中に含まれている必要性はない。例えば、エキソソームは、治療が必要とされる部位に直接投与することもできる。あるいは、特定の部位に対して直接ターゲティングする必要がないこともあり、特定の細胞型に対してエキソソームをターゲティングしなくても、送達(例えば、皮内又は筋肉送達)は、所望の免疫応答を惹起するのに十分であり得る。

0069

本発明のいくつかの実施形態では、エキソソームの表面にターゲティング部分が含まれていない。しかし、エキソソームは、特定の組織型への標的指向性がより高いものが選択される。例えば、異なる細胞由来のエキソソームは、その生理学的機能によって必要とされる特定の細胞サブタイプに対する天然の親和性(例えば、成熟樹状細胞由来のエキソソームのT細胞に対する十分に確立した親和性)を有してもよい。この親和性は、上記積荷を組織に特異的に送達するために利用され得る。

0070

送達/投与:
本発明の構築物は任意の適切な方法によって投与され得る。ヒト又は動物の対象に対する投与は、非経口、筋肉内、脳内、血管内(例えば静脈内)、皮下、鼻腔内、心臓内脳室内腹腔内又は経皮投与から選択され得る。典型的には、送達の方法は注射によるものである。好ましくは、注射は筋肉内又は血管内(例えば静脈内)注射である。医師は、個々の患者ごとに必要とされる投与経路を決定することができる。

0071

構築物は、好ましくは組成物として送達される。組成物は、非経口、筋肉内、脳内、血管内(例えば静脈内)、心臓内、脳室内、腹腔内、皮下、鼻腔内又は経皮投与を含む任意の適切な投与経路用に製剤化することができる。非経口投与用の組成物は、緩衝液希釈剤及び他の適切な添加物を含有してもよい無菌水溶液を含み得る。本発明の構築物は、薬学的に許容される担体増粘剤、希釈剤、緩衝液、保存剤、及び他の薬学的に許容される担体又は賦形剤などをエキソソームに加えて含んでもよい医薬組成物中に製剤化され得る。

0072

「薬学的に許容される担体」(添加剤)とは、対象に1種又は複数種核酸を送達するための薬学的に許容される溶剤懸濁化剤又は他の任意の薬理学的に不活性なビヒクルである。典型的な薬学的に許容される担体としては、結合剤(例えば、予めゼラチン化されたトウモロコシデンプンポリビニルピロリドンヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース及び他の糖、微結晶性セルロースペクチンゼラチン硫酸カルシウムエチルセルロースポリアクリレートリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムタルクシリカコロイド状二酸化ケイ素ステアリン酸ステアリン酸金属塩水素化植物油コーンスターチポリエチレングリコール安息香酸ナトリウム酢酸ナトリウム);崩壊剤(例えば、デンプンデンプングリコール酸ナトリウム);又は湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる(それらに限定されない)。

0073

本明細書に記載の組成物は、医薬組成物中に従来見出される他の添加成分をさらに含有してもよい。したがって、例えば、組成物は、さらなる適合可能な薬学的に活性な物質を含有してもよく、あるいは、本発明の組成物の多様な剤形物理的に調製する際に有用なさらなる物質、例えば、色素香味剤、保存剤、抗酸化剤乳白剤、増粘剤及び安定剤などを含有してもよい。しかし、そのような物質は、添加する場合、本明細書に記載の組成物の成分の生物学的活性を不当に阻害すべきではない。

0074

治療有効量の組成物が投与される。用量は、多様なパラメータによって、特に、治療する患者の状態の重症度年齢及び体重;投与の経路;及び必要とされるレジメンによって決定することができる。医師は、どのような患者であっても、必要とされる投与の経路及び用量を決定することができるであろう。最適用量は、個々の構築物の相対的な効力によって変動し得、in vitro及びin vivoの動物モデルにおいて有効であることが判明しているEC50に基づいて一般的に推定できる。概して、用量は0.01〜100mg/kg体重である。典型的な日用量は、特定の構築物の効力、治療対象の年齢、体重及び状態、疾患の重症度、並びに投与の頻度及び経路により、約0.1〜50mg/kg体重、好ましくは約0.1〜10mg/kg体重である。投与が筋肉内注射又は全身(静脈内又は皮下)注射によるものであるかどうかによって、異なる用量の構築物が投与され得る。好ましくは、単回筋肉内注射の用量は約5〜20μgである。好ましくは、単回又は複数回の全身注射の用量は10〜100mg/kg体重である。

0075

構築物のクリアランス(及びいずれかの標的分子の分解)のために、患者は、繰り返し、例えば、1日1回若しくはそれ以上、週1回、月1回又は年1回、治療を受けることが必要な場合もある。当業者は、体液又は体組織における測定された構築物の滞留時間及び濃度に基づいて繰り返し投与のペースを容易に推測することができる。成功した治療の後に、患者に維持療法を受けさせることが望ましい場合があり、この場合、構築物は、0.01〜100mg/kg体重の維持用量で、1日1回若しくは複数回から20年毎に1回まで投与される。

0076

本発明は、以下の実施例を参照してより詳細に説明される。

0077

実施例1(IgG抗体が搭載されたHEKエキソソームを用いたHEK細胞のローディング):
エレクトロポレーション緩衝液(1.15mMリン酸カリウム(pH7.2)、25mM KCl、21%オプティプレップ(Optiprep))中で、ヒト胎児由来腎臓細胞(HEK)エキソソームをフィコエリトリン(PE)結合ヤギ抗ウサギIgG抗体と混合し、ローディングされないままにする(抗体との混合は行ったが、エレクトロポレーションは行わない)か、又は200mVでエレクトロポレートした。次いで、抗体搭載エキソソームをHEK細胞に添加し、2時間インキュベートして575nmで蛍光を測定した。次いで、HEK細胞をリン酸緩衝生理食塩水PBS)で洗浄し、画像化した。Figure1は、200mVでローディングされたエキソソーム(B)で細胞を処理した場合の、(抗体と混合されたが、エレクトロポレートされていない対照エキソソーム(A)と比較した)PE−抗体シグナル細胞質内及び核内局在を示す。

0078

実施例2(FITC−アビジンが搭載されたHEKエキソソームを用いたヒト線維芽細胞のローディング):
ポリヌクレオチド配列:ggctggaccctgaacagcgcgggctatctgctgggcaaaattaacctgaaagcgctggcggcgctggcga aaaaaattctg(配列番号3)によってコードされたトランスポータンペプチド:GWTLNSAGYLLKINLKALAALAKKIL(配列番号2)を、国際公開第2010/119256号に記載されたLamp2b発現ベクター内に挿入した。

0079

この発現ベクターは、eGFP遺伝子が除去されたpEGFP−C1ベクター(Clonetech)をベースとする。Lamp2bをC2C12細胞からのcDNAクローニングし、シグナルペプチド配列の後にXhoI及びBspEI制限部位グリシンリンカー(Ala−Arg−{ターゲティングペプチド}−Ser−Gly−Gly)と共に挿入した。Lamp2bのシグナルペプチドは膜内挿入に必要であるが、成熟タンパク質中では切り離される。次いで、完全な構築物を、pEGFP−C1ベクター中にNheI及びBamHI制限部位でCMVプロモーターの下流にクローニングした、この過程でeGFPを取り除いた。

0080

Lamp2bのN末端部分でのトランスポータンコード配列の挿入を可能にするXhoI及びBspEI部位を有するシグナルペプチドの後に追加の配列を付加した。

0081

トランスポータンターゲティングペプチドの端にあるグリシンリンカーは、トランスポータンターゲティングペプチドがLamp2bタンパク質のフォールディングに影響を与えることを防ぐ。最終的に、トランスポータンターゲティングペプチドは、エキソソームの外表面上に位置し、それによりエキソソームにターゲティング能力が与えられる必要がある。

0082

配列番号3のポリヌクレオチド配列によってコードされた配列番号2のトランスポータンターゲティングペプチドをLamp2b内にクローニングし、エキソソーム精製の4日前に樹状細胞内にトランスフェクトした。エキソソームの表面でターゲティングリガンドを発現させる能力に対する主な障害は、初代培養樹状細胞はトランスフェクトするのが困難であり、トランスフェクション後に差異が生じる可能性があることである。樹状細胞は、ウイルスによって活性化される可能性が高く[30]、そのため、得られるエキソソーム中に組み込まれる免疫賦活性分子を生成するので、ウイルスベクターでの感染も理想的ではない。Mirus BioのTransIT−LT試薬は、樹状細胞を有意に活性化することなく効率よく樹状細胞を形質導入するようであったので、これを選択した。採取後4日目に、106個の細胞を含む6ウェルプレートで、pLamp2b−トランスポータンペプチド発現ベクター5μg及びTransIT LT1トランスフェクション試薬(Mirus Bio)5μlを用いてHEK細胞のトランスフェクションを行い、8日目にエキソソームの単離を行った。

0083

HEK細胞から得られたトランスポータン−Lamp2エキソソーム(5μg)をFITC−アビジン5μgと混合し、0mV、100mV、200mV及び400mVでエレクトロポレートした。エキソソームの対照群はFITC−アビジンで処理しなかった。患者の線維芽細胞を異なるエキソソーム群で3時間処理し、その後、細胞をPBSで3回洗浄し、トリプシン処理して、膜に結合した物質を除去した。次いで、線維芽細胞を溶解させ、490/520nmで蛍光を測定した。Figure2は、無処理のエキソソームと共にインキュベートした線維芽細胞が最小レベルの蛍光を有していたことを示す。FICT−アビジンで処理したが、0mV、200mV及び400mVでエレクトロポレートされたエキソソームと共にインキュベートした線維芽細胞は、対照エキソソームで処理した細胞よりも多くの蛍光を放出した。しかし、FITC−アビジンで処理し、100mVでエレクトロポレートされたエキソソームと共にインキュベートした細胞は、最大レベルの蛍光を放出し、35000を超えるRFUであった。

参考文献等

0084

1 Raposo G, Nijman HW, Stoorvogel W, Liejendekker R, HardingCV, Melief DJ, Geuze HJ (1996), B lymphocytes secrete antigen−presenting vesicles, J Exp Med 183:1161−1172.
2 Zitvogel L, Regnault A, Lozier A, Wolfers J, Flament C, Tenza D, Ricciardi−Castagnoli P, Raposo G, Amigorena S (1998), Eradication of established murine tumors using a novel cell−free vaccine: dendritic cell−derived exosomes, Nat Med 4:594−600.
3 Hao S, Moyana T, Xiang J (2007), Review: cancer immunotherapy by exosome−based vaccines, Cancer Biother Radiopharm 22:692−703.
4 Valadi H, Ekstrom K, Bossios A, Sjostrand M, Lee JJ, Lotvall JO (2007), Exosome−mediated transfer ofmRNAs and microRNAs is a novel mechanism of genetic exchange between cells, Nat Cell Biol 9(6):654−9.
5 Skog J, Wurdinger T, van Rijn S, Meijer DH, Gainche L, Sena−Esteves M, Curry WT Jr, CarterBS, Krichevsky AM, Breakefield XO (2008), Glioblastoma microvesicles transport RNA and proteins that promote tumour growth and provide diagnostic biomarkers, Nat Cell Biol 10(12):1470−6.
6 WO2010/119256

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