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図面 (7)

課題

抽気装置運転効率を向上させる。

解決手段

抽気装置20は、クリンカ焼成装置10からの抽気ガスG4、及び、抽気ガスG4を冷却する冷却ガスG5が導入される冷却器21と、冷却器21に導入される前の冷却ガスG5に水滴随伴させるように構成された給水器23とを備える。

概要

背景

セメントクリンカ(以下、「クリンカ」と称する。)は、通常、最高温度が2000℃以上の微粉炭等の燃焼ガス原料キルン回転路)内において焼成する工程を経て、製造される。キルンでは、原料は、1450℃程度にまで加熱される。そのため、原燃料として廃棄物を使用したとしても、廃棄物に含まれる有機物は、元の分子性状を残さないCO2やH2Oのレベルにまで分解される。一方、廃棄物に含まれる無機物の多くは、クリンカ中に取り込まれてほとんど無害な状態となる。従って、近年、大量の廃棄物がセメントの原燃料として利用されている。

キルンから排出されたキルン排ガスは、通常900℃以上の高温である。そのため、エネルギー効率を高める目的で、キルンにサスペンションプレヒータ(以下、「SP」と称する。)を接続し、原料を予熱してキルンに投入することで、キルン排ガスから熱を回収することが一般的に行われている。SPから排出されたSP排ガスも300℃〜400℃程度であり、依然として高温であるので、原料の乾燥、発電ボイラ等でその熱をさらに回収し、低温となった熱回収後ガス大気に排出する。

ところで、キルン及びSPを含むクリンカ焼成装置において、ガスは系内でクリンカ焼成装置に投入される原料とは概ね逆向きに流れる。すなわち、ガスの流れと原料の流れとは、概ね向流である。そのため、原燃料のうち揮発物質を作りやすい成分(揮発性成分)は、高温のキルン内では気化しているが、キルン内よりも低温であるSP内では低融点化合物となって再度キルン内に戻ることで系内(クリンカ焼成装置内)を循環し、次第に濃縮されうる。濃縮された成分は、糊状の形態をとり、クリンカ焼成装置内に付着しうる。このような付着物は、コーチング(coating)と呼ばれることがある。

コーチングがクリンカ焼成装置内で成長すると、原料及びガスの流通阻害される。ところが、上述のとおり、原燃料として廃棄物の使用量が増加するに伴い、低融点物質を極めて作りやすい元素である塩素がクリンカ焼成装置内において特に増加している。塩素は多くの金属原子と結合し、飽和蒸気圧が高く且つ比較的安定した分子となるので、系内を循環しやすい。そのため、コーチングの発生量の増加が懸念されている。

そこで、特許文献1,2は、クリンカ焼成装置から塩化物等の成分を抜き出す処理(いわゆる「塩素バイパス」と呼ばれる技術)を開示している。具体的には、キルン排ガスの一部を冷却室に導き、冷却室においてキルン排ガスを冷却用空気(特許文献1)又は冷却用水(特許文献2)で冷却することにより、揮発性成分を固化及び除去している。

概要

抽気装置運転効率を向上させる。抽気装置20は、クリンカ焼成装置10からの抽気ガスG4、及び、抽気ガスG4を冷却する冷却ガスG5が導入される冷却器21と、冷却器21に導入される前の冷却ガスG5に水滴随伴させるように構成された給水器23とを備える。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

セメントクリンカ焼成装置からの抽気ガス、及び、前記抽気ガスを冷却する冷却ガスが導入される冷却器と、前記冷却器に導入される前の前記冷却ガスに水滴随伴させるように構成された給水器とを備える、抽気装置

請求項2

前記給水器は前記冷却ガスに散水するように構成されている、請求項1に記載の抽気装置。

請求項3

前記冷却器内に散水するように構成された補助給水器を更に備える、請求項1又は2に記載の抽気装置。

請求項4

前記冷却器から排出されたガスであって前記抽気ガスと前記冷却ガスとの混合ガスに同伴する粒子の一部を前記冷却器に戻すように構成された循環流路を更に備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抽気装置。

請求項5

前記冷却器からの前記混合ガスが導入され、前記混合ガスに含まれるダスト捕集するように構成された集塵器を更に備え、前記循環流路は、前記集塵器により捕集されたダストの一部を前記冷却器に戻すように構成されている、請求項4に記載の抽気装置。

請求項6

前記循環流路は、前記混合ガスの一部を前記冷却器に戻すように構成されている、請求項4又は5に記載の抽気装置。

請求項7

前記給水器は前記循環流路に散水するように構成されている、請求項4〜6のいずれか一項に記載の抽気装置。

請求項8

セメントクリンカ焼成装置から抽気された抽気ガスを冷却器に導入する第1の工程と、前記冷却器に導入される前の冷却ガスに水滴を随伴させる第2の工程と、水滴を随伴する前記冷却ガスを前記冷却器に導入して、前記冷却器に導入された前記抽気ガスを前記冷却ガスで冷却する第3の工程とを含む、抽気方法

請求項9

前記第2の工程では、前記冷却器に導入される前の前記冷却ガスに散水することにより、前記冷却器に導入される前の前記冷却ガスに水滴を随伴させる、請求項8に記載の抽気方法。

請求項10

前記第3の工程では、水滴を随伴する前記冷却ガスを前記冷却器に導入すると共に、前記冷却器内に散水する、請求項8又は9に記載の抽気方法。

請求項11

前記冷却器から排出されたガスであって前記抽気ガスと前記冷却ガスとの混合ガスに同伴する粒子の一部を前記冷却器に戻す第4の工程をさらに含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の抽気方法。

請求項12

前記第4の工程では、前記冷却器からの前記混合ガスを集塵器に導入して前記混合ガスに含まれるダストを捕集することと、前記集塵器により捕集されたダストの一部を前記冷却器に戻すこととを行う、請求項11に記載の抽気方法。

請求項13

前記第4の工程では、前記混合ガスの一部を前記冷却器に戻すことを行う、請求項11又は12に記載の抽気方法。

請求項14

前記第4の工程では、前記冷却器から排出され且つ前記冷却器に戻る前の排ガスに散水することにより、前記冷却器に導入される前の前記冷却ガスに水滴を随伴させる、請求項11〜13のいずれか一項に記載の抽気方法。

技術分野

0001

本開示は、抽気装置及び抽気方法に関する。

背景技術

0002

セメントクリンカ(以下、「クリンカ」と称する。)は、通常、最高温度が2000℃以上の微粉炭等の燃焼ガス原料キルン回転路)内において焼成する工程を経て、製造される。キルンでは、原料は、1450℃程度にまで加熱される。そのため、原燃料として廃棄物を使用したとしても、廃棄物に含まれる有機物は、元の分子性状を残さないCO2やH2Oのレベルにまで分解される。一方、廃棄物に含まれる無機物の多くは、クリンカ中に取り込まれてほとんど無害な状態となる。従って、近年、大量の廃棄物がセメントの原燃料として利用されている。

0003

キルンから排出されたキルン排ガスは、通常900℃以上の高温である。そのため、エネルギー効率を高める目的で、キルンにサスペンションプレヒータ(以下、「SP」と称する。)を接続し、原料を予熱してキルンに投入することで、キルン排ガスから熱を回収することが一般的に行われている。SPから排出されたSP排ガスも300℃〜400℃程度であり、依然として高温であるので、原料の乾燥、発電ボイラ等でその熱をさらに回収し、低温となった熱回収後ガス大気に排出する。

0004

ところで、キルン及びSPを含むクリンカ焼成装置において、ガスは系内でクリンカ焼成装置に投入される原料とは概ね逆向きに流れる。すなわち、ガスの流れと原料の流れとは、概ね向流である。そのため、原燃料のうち揮発物質を作りやすい成分(揮発性成分)は、高温のキルン内では気化しているが、キルン内よりも低温であるSP内では低融点化合物となって再度キルン内に戻ることで系内(クリンカ焼成装置内)を循環し、次第に濃縮されうる。濃縮された成分は、糊状の形態をとり、クリンカ焼成装置内に付着しうる。このような付着物は、コーチング(coating)と呼ばれることがある。

0005

コーチングがクリンカ焼成装置内で成長すると、原料及びガスの流通阻害される。ところが、上述のとおり、原燃料として廃棄物の使用量が増加するに伴い、低融点物質を極めて作りやすい元素である塩素がクリンカ焼成装置内において特に増加している。塩素は多くの金属原子と結合し、飽和蒸気圧が高く且つ比較的安定した分子となるので、系内を循環しやすい。そのため、コーチングの発生量の増加が懸念されている。

0006

そこで、特許文献1,2は、クリンカ焼成装置から塩化物等の成分を抜き出す処理(いわゆる「塩素バイパス」と呼ばれる技術)を開示している。具体的には、キルン排ガスの一部を冷却室に導き、冷却室においてキルン排ガスを冷却用空気(特許文献1)又は冷却用水(特許文献2)で冷却することにより、揮発性成分を固化及び除去している。

先行技術

0007

特開平09−175847号公報
特開2014−014730号公報

発明が解決しようとする課題

0008

冷却室において揮発性成分が冷却されると、ヒューム(fume)となって固化する。当該ヒュームは、サブミクロン(1μm未満)オーダー粒径を有する微小粒子で構成される。このような微小粒子又は当該微小粒子が凝集した凝集粒子(以下、まとめて「微小粒子」という。)は付着力が強いので、フィルタにおいて当該微小粒子が捕集されると、フィルタから除去し難く、フィルタの目詰まり圧力損失)を生じさせうる。また、冷却室の下流側に位置する微小粒子の流路(例えば、集塵器バイパスダスト輸送系統)に微小粒子が付着して、これらを閉塞しうる。そのため、特許文献1,2に記載の塩素バイパスを行った場合、コーチングの発生量を抑制できるものの、フィルタの交換作業又は流路の清掃作業が頻繁に発生し、塩素バイパスの運転が度々中断されうる。

0009

そこで、本開示は、運転効率を向上させることが可能な抽気装置及び抽気方法を説明する。

課題を解決するための手段

0010

まず、本明細書で用いる用語を次のように定義する。
抽気」とは、クリンカ焼成装置からガスを抜き出すことをいう。
抽気ガス」とは、クリンカ焼成装置から抜き出されたガスをいう。
原料ダスト」とは、抽気ガスに同伴する原料をいう。
「抽気装置」とは、抽気ガスを冷却し、揮発性成分を固化する装置をいう。
「バイパスダスト」とは、抽気装置で原料ダストと共に回収されるダストをいう。
なお、本明細書において「ガス」という場合、ガスそのものに加えて、ガスに同伴しているダストも含む趣旨である。

0011

本開示の一つの観点に係る抽気装置は、セメントクリンカ焼成装置からの抽気ガス、及び、抽気ガスを冷却する冷却ガスが導入される冷却器と、冷却器に導入される前の冷却ガスに水滴随伴させるように構成された給水器とを備える。

0012

本開示の一つの観点に係る抽気装置では、給水器が、冷却器に導入される前の冷却ガスに水滴を随伴させるように構成されている。そのため、冷却ガスに随伴する水滴は、冷却ガスの流れに沿って移動しつつ抽気ガスと徐々に混合されるので、水滴が揮発性成分を徐々に冷却する。従って、揮発性成分が徐々に種結晶へと固化できるようになり、結晶の成長が効果的に促される。その結果、揮発性成分が固化してなる微小粒子の粒径が比較的大きくなった(すなわち、微小粒子が粗大化された)粗大化粒子が得られ、当該粗大化粒子の付着力が弱まる。以上より、フィルタの目詰まり(圧力損失)及び流路の閉塞などが抑制されるので、抽気装置の運転効率を向上させることが可能となる。

0013

給水器は冷却ガスに散水するように構成されていてもよい。この場合、冷却ガスに沿って水滴がより随伴しやすくなる。

0014

本開示の一つの観点に係る抽気装置は、冷却器内に散水するように構成された補助給水器を更に備えていてもよい。この場合、補助給水器から冷却器内に散水された水滴によって抽気ガスが直接冷却されると、揮発性成分が初晶をなし、そのまま数μm程度の結晶に成長しやすくなる。また、当該水滴によって原料ダストが冷却されると、原料ダストの表面に揮発性成分が凝集しやすくなる。以上より、粗大化粒子をより効果的に得ることができる。

0015

本開示の一つの観点に係る抽気装置は、冷却器から排出されたガスであって抽気ガスと冷却ガスとの混合ガスに同伴する粒子の一部を冷却器に戻すように構成された循環流路を更に備えていてもよい。すなわち、冷却室においては揮発性成分が冷却されてヒュームが生ずるので、ヒュームを構成する微小粒子の一部は、循環流路を通じて冷却室に戻される。当該微小粒子は冷却器内において抽気ガスと接触して種となり、当該微小粒子の表面に揮発性成分が固化する。そのため、抽気ガス中の揮発性成分が単独でヒュームになることが抑制されつつ、当該微小粒子の粗大化が図られる。従って、微小粒子は粗大化して付着力が弱まり、フィルタの目詰まり(圧力損失)及び流路の閉塞などが抑制される。その結果、抽気装置の運転効率を向上させることが可能となる。また、付着力が強い微小粒子の一部が冷却器に向けて戻されるので、当該微小粒子が下流側(集塵器側)に向かうことが抑制される。そのため、抽気装置の運転効率をより向上させることが可能となる。さらに、圧力損失が減るので、集塵器などの設備を小型化することが可能となる。

0016

本開示の一つの観点に係る抽気装置は、冷却器からの混合ガスが導入され、混合ガスに含まれるダストを捕集するように構成された集塵器を更に備え、循環流路は、集塵器により捕集されたダストの一部を冷却器に戻すように構成されていてもよい。

0017

循環流路は、混合ガスの一部を冷却器に戻すように構成されていてもよい。この場合、集塵機に向かうガス量が減るので、集塵機などの設備をより小型化することが可能となる。

0018

給水器は循環流路に散水するように構成されていてもよい。循環ガスは冷却ガスと比較して温度が高く滞留時間も長いので、循環流路に散水すると、水滴は、冷却器に入る前に揮発し、小径となる。そのため、循環流路に比較的径の大きな水滴を散水できる。散水される水滴の径が大きいほど、水滴を生成するために要するエネルギーが小さくてすむ傾向にあるので、抽気の省エネ化を図ることが可能となる。

0019

本開示の他の観点に係る抽気方法は、セメントクリンカ焼成装置から抽気された抽気ガスを冷却器に導入する第1の工程と、冷却器に導入される前の冷却ガスに水滴を随伴させる第2の工程と、水滴を随伴する冷却ガスを冷却器に導入して、冷却器に導入された抽気ガスを冷却ガスで冷却する第3の工程とを含む。

0020

本開示の他の観点に係る抽気方法では、第2の工程において、冷却器に導入される前の冷却ガスに水滴を随伴させている。そのため、冷却ガスに随伴する水滴は、冷却ガスの流れに沿って移動しつつ抽気ガスと徐々に混合されるので、水滴が揮発性成分を徐々に冷却する。従って、揮発性成分が徐々に種結晶へと固化できるようになり、結晶の成長が効果的に促される。その結果、揮発性成分が固化してなる微小粒子の粒径が比較的大きくなった(すなわち、微小粒子が粗大化された)粗大化粒子が得られ、当該粗大化粒子の付着力が弱まる。以上より、フィルタの目詰まり(圧力損失)及び流路の閉塞などが抑制されるので、抽気装置の運転効率を向上させることが可能となる。

0021

第2の工程では、冷却器に導入される前の冷却ガスに散水することにより、冷却器に導入される前の冷却ガスに水滴を随伴させてもよい。この場合、冷却ガスに沿って水滴がより随伴しやすくなる。

0022

第3の工程では、水滴を随伴する冷却ガスを冷却器に導入すると共に、冷却器内に散水してもよい。この場合、補助給水器から冷却器内に散水された水滴によって抽気ガスが直接冷却されると、揮発性成分が初晶をなし、そのまま数μm程度の結晶に成長しやすくなる。また、当該水滴によって原料ダストが冷却されると、原料ダストの表面に揮発性成分が凝集しやすくなる。以上より、粗大化粒子をより効果的に得ることができる。

0023

本開示の他の観点に係る抽気方法は、冷却器から排出されたガスであって抽気ガスと冷却ガスとの混合ガスに同伴する粒子の一部を冷却器に戻す第4の工程をさらに含んでもよい。すなわち、冷却室においては揮発性成分が冷却されてヒュームが生ずるので、ヒュームを構成する微小粒子の一部は、循環流路を通じて冷却室に戻される。当該微小粒子は冷却器内において抽気ガスと接触して種となり、当該微小粒子の表面に揮発性成分が固化する。そのため、抽気ガス中の揮発性成分が単独でヒュームになることが抑制されつつ、当該微小粒子の粗大化が図られる。従って、微小粒子は粗大化して付着力が弱まり、フィルタの目詰まり(圧力損失)及び流路の閉塞などが抑制される。その結果、抽気装置の運転効率を向上させることが可能となる。また、付着力が強い微小粒子の一部が冷却器に向けて戻されるので、当該微小粒子が下流側(集塵器側)に向かうことが抑制される。そのため、抽気装置の運転効率をより向上させることが可能となる。さらに、圧力損失が減るので、集塵器などの設備を小型化することが可能となる。

0024

第4の工程では、冷却器からの混合ガスを集塵器に導入して混合ガスに含まれるダストを捕集することと、集塵器により捕集されたダストの一部を冷却器に戻すこととを行ってもよい。

0025

第4の工程では、混合ガスの一部を冷却器に戻すことを行ってもよい。この場合、集塵機に向かうガス量が減るので、集塵機などの設備をより小型化することが可能となる。

0026

第4の工程では、冷却器から排出され且つ冷却器に戻る前の排ガスに散水することにより、冷却器に導入される前の冷却ガスに水滴を随伴させてもよい。循環ガスは冷却ガスと比較して温度が高く滞留時間も長いので、冷却器から排出され且つ冷却器に戻る前の排ガスに散水すると、水滴は、冷却器に入る前に揮発し、小径となる。そのため、冷却器から排出され且つ冷却器に戻る前の排ガスに対して、比較的径の大きな水滴を散水できる。散水される水滴の径が大きいほど、水滴を生成するために要するエネルギーが小さくてすむ傾向にあるので、抽気の省エネ化を図ることが可能となる。

発明の効果

0027

本開示に係る抽気装置及び抽気方法によれば、抽気装置の運転効率を向上させることが可能となる。

図面の簡単な説明

0028

図1は、本実施形態に係るクリンカ製造装置の一例(第1の例)を示す概略図である。
図2は、本実施形態に係るクリンカ製造装置の他の例(第2の例)を示す概略図である。
図3は、本実施形態に係るクリンカ製造装置の他の例(第3の例)を示す概略図である。
図4は、本実施形態に係るクリンカ製造装置の他の例(第4の例)を示す概略図である。
図5は、本実施形態に係るクリンカ製造装置の他の例(第5の例)を示す概略図である。
図6は、見掛け比重の定義を説明するための図である。

実施例

0029

以下に説明される本開示に係る実施形態は本発明を説明するための例示であるので、本発明は以下の内容に限定されるべきではない。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。

0030

クリンカ製造装置1は、原料M1からクリンカM3を製造するための装置である。クリンカ製造装置1は、図1に示されるように、クリンカ焼成装置10と、抽気装置20とを備える。

0031

クリンカ焼成装置10は、焼成炉11と、SP(サスペンション・プレヒータ)12とを有する。焼成炉11は、キルンと、クリンカ・クーラとを含む。キルンは、SP12から導入されるキルン原料M2を焼成するように構成されている。クリンカ・クーラは、焼成炉11において焼成されたキルン原料M2を空気等のガスG1との熱交換により急冷し、クリンカM3を生成するように構成されている。クリンカ・クーラに導入されるガスG1の温度は、例えば室温程度であってもよい。クリンカ・クーラにおいて熱交換されたガスG1は、例えば500℃〜1000℃程度まで昇温して、キルンにおいて微粉炭等の燃料(図示せず)の燃焼に利用される。キルンでの燃焼ガスの最高温度は、通常2000℃を超える。燃焼ガスは、キルン原料M2を焼成して、キルン排ガスG2としてキルンから排出される。キルン排ガスG2の温度は、通常900℃〜1250℃程度である。

0032

SP12は、焼成炉11におけるキルン原料M2の焼成効率を高める目的で、原料M1を予熱する装置である。SP12は、複数段(例えば4段〜5段程度)のサイクロン分離器)を有する。SP12の塔頂部に原料M1が投入されると、SP12の塔底部から導入されたキルン排ガスG2と原料M1とが各段サイクロンで順次熱交換され、原料M1が例えば850℃程度まで予熱されてキルン原料M2となる。SP12において生成されたキルン原料M2は、塔底部から排出されて焼成炉11に導入される。一方、キルン排ガスG2は、原料M1と熱交換された後にSP排ガスG3としてSP12の塔頂部から排出される。SP排ガスG3は、例えば300℃〜400℃程度である。SP排ガスG3の熱が原料の乾燥、発電ボイラ等でさらに回収され、低温となった熱回収済ガスは、大気に排出される。なお、SP12は、サイクロンの最下段と焼成炉11との間に設けられた仮焼炉をさらに有するニュー・サスペンション・プレヒータ(NSP)であってもよい。NSPにおいては、仮焼炉に燃料(例えば、微粉炭)を供給して原料M1を仮焼することで、クリンカM3の生産量及び焼成効率を高めている。

0033

クリンカ焼成装置10において、ガスは系内でクリンカ焼成装置10(SP12)に投入される原料M1とは概ね逆向きに流れる。そのため、揮発性成分は、高温のキルン内では気化しているが、キルン内よりも低温であるSP12内では液化又は固化して再度キルン内に戻ることでクリンカ焼成装置10内を循環する。この循環の過程で揮発性成分が濃縮されると、コーチングが生じうる。近年では、原燃料として廃棄物の使用量が増加するに伴い、低融点物質を極めて作りやすい元素である塩素の含有量が特に増加しており、コーチングの発生量の増加が懸念されている。

0034

抽気装置20は、クリンカ焼成装置10から塩化物等の成分を抜き出す処理(塩素バイパス)を行うための装置である。具体的には、抽気装置20は、キルン排ガスG2の一部を抽気ガスG4として抜き出す。この抽気ガスG4のキルン排ガスG2に対する割合(抽気率)の上限値(抽気装置20の最大能力)が0%を超え100%以下の値となるように、抽気装置20による抽気の目的に応じて抽気装置20がクリンカ焼成装置10に設置される。実際の抽気装置20においては、抽気率の上限値(抽気装置20の最大能力)が例えば0.3%〜30%の値となるように、抽気装置20がクリンカ焼成装置10に設置されてもよい。塩化物の循環を減らしてクリンカ焼成装置10の運転を安定化させる場合には、抽気率が1%未満となるように抽気装置20を運転してもよい。クリンカM3に取り込まれる塩素等の量を減らす場合には、抽気率が3%以上となるように抽気装置20を運転してもよい。

0035

抽気装置20は、冷却器21と、集塵器22と、給水器23とを有する。冷却器21は、クリンカ焼成装置10からの抽気ガスG4を冷却するように構成されている。冷却器21は、抽気ガスG4を抽気及び排気するメインダクトと、冷却ガスG5が導入されるサブダクトとを含む。例えば、メインダクトには、径方向に拡大した拡大部が設けられ、サブダクトは、拡大部の内壁面の接線方向に延びるように拡大部に接続されている。冷却器21には、塔底部から抽気ガスG4が導入されると共に、ダクトから冷却ガスG5が導入される。冷却ガスG5として用いられるガスは、抽気ガスG4を冷却可能であれば特に制限はないが、例えば空気であってもよい。冷却器21に導入される冷却ガスG5の温度は、例えば室温程度であってもよい。

0036

冷却器21においては、冷却器21の中心部が高温で壁部が低温であり、温度分布がかなり不均一となっている。そのため、冷却器21では、抽気ガスG4と冷却ガスG5とはあまり混合されない。従って、抽気ガスG4(キルン排ガスG2)に多く含まれる揮発性成分は、内壁面への到達が妨げられ、冷却器21の内壁面において固化し難い(冷却器21の内壁面に固着し難い)。なお、クリンカ製造装置1の実運転時において、抽気ガスG4中の主な揮発性成分はKCl及びSO2である。これらが十分に固化する温度は、種々の要素(例えば、共晶による融点の低下、気体が液化・固化する時の凝集熱、脱硫時の反応熱など)に影響されうるが、例えば600℃程度である。一方、冷却器21内で抽気ガスG4と冷却ガスG5とが混合され、揮発性成分の固化が促進され、微小粒子又は当該微小粒子が粗大化された粗大化粒子(詳しくは後述する)が生成される。冷却器21の中心部の温度が600℃程度の場合、抽気ガスG4と冷却ガスG5とが混合された後の混合ガスG6の温度は概ね350℃以下になる。

0037

冷却器21によって抽気ガスG4を集塵器22の耐熱温度まで冷却すると、生成されるガスの量が増えて集塵器22における効率が低くなる傾向にある。そのため、集塵器22に導入される前の混合ガスG6を冷却してもよい。混合ガスG6の冷却方法としては、例えば、冷却流体(冷却ガスG5その他のガス、水などの液体)を混合ガスG6にも供給してもよいし、熱交換器を用いてもよいし、混合ガスG6を長い配管に通して自然に冷却してもよいし、これらを組み合わせてもよい。

0038

集塵器22は、いわゆるバグフィルタであり、冷却器21から導入される混合ガスG6中の粒子を捕集する。混合ガスG6中の粒子としては、微小粒子、粗大化粒子、及び当初から径の大きな大径粒子(以下では、粗大化粒子及び大径粒子をまとめて「粗大粒子」という。)が含まれる。捕集された粒子は、集塵器22からバイパスダストM4として排出されて、ダストタンク(図示せず)等に回収される。バイパスダストM4が捕集された後の混合ガスG6は、集塵器排ガスG7として集塵器22から排出される。抽気装置20の運転を安定させるために、冷却器21の後段で且つ集塵器22の前段(例えば、冷却器21の直後)に重力沈降室等を配置し、1mm以上の大きな粒子をクリンカ焼成装置10に戻してもよい。この場合、1mm以上の粒子が集塵器22に向かう量が減るので、粒子のダクトに対する堆積を抑制できる。そのため、ダクトが粒子によって閉塞され難くなる。

0039

給水器23は、冷却ガスG5に直接散水するように構成されている。給水器23によって冷却ガスG5に散水されると、冷却ガスG5は水滴を随伴しながら冷却器21に向けて流れる。冷却ガスG5が随伴する水滴の直径は、20μm以下であると好ましく、10μm以下であるとより好ましい。水滴の直径が20μm以下の場合、水滴同士が衝突して大径の水滴になり難いので、冷却ガスG5から水滴が分離され難い。水滴の直径が10μm以下の場合、水滴が冷却ガスG5からほとんど分離されず、冷却ガスG5が大部分の水滴を随伴しつつ流れる傾向にある。

0040

ここで、水滴のサイズと、当該サイズの水滴での冷却によって得られるKCl結晶のサイズとの関係について、水滴が蒸発するのに要する熱エネルギーとKCl結晶を生成するのに要する熱エネルギーとの熱バランスに基づいて考察する。直径が30μmの球形の水滴の質量は約14ngであり、一辺が10μm立方体のKCl結晶(比重は2.0)の質量は約2ngである。抽気ガスG4を1000℃から600℃に冷却するエンタルピーは約200kcal/m3Nであり、常温の水を600℃の水蒸気にするエンタルピーは約850cal/gである。従って、質量14ngの水滴によって1000℃から600℃へと冷却できる抽気ガスG4の体積は、14[ng]×850[cal/g]÷200[kcal/m3N]より約60pm3Nである。標準状態の気体は22.4L/molであるので、このときの抽気ガスG4は約2.7nmolに相当する。一方、KCLの分子量は74.6であるので、質量2ngのKClは0.027nmolに相当する。ここで、生成するKCl結晶の質量が極めて小さいのでKClの結晶化の熱を無視すると、0.027/2.7≒1%であるので、1000℃の抽気ガスG4中にKCl蒸気が約1%ある時、これに常温の14ng水を添加すれば、600℃の抽気ガスと2ngのKCl結晶が得られることとなる。抽気ガスG4中のKCl蒸気濃度は0.5%〜3%程度と1%前後であるので、実際にも、およそ上記の熱バランスでKClの晶析が行われる。これは縦、横及び高さのそれぞれを全て1/10にしても同様であるので、直径が約1μmのKCl結晶は直径が約3μmの水滴から得られる。

0041

一方で、水滴を随伴しない冷却ガスG5によっても直径が約1μmのKCl結晶が得られる。ただし、冷却ガスG5による空冷では冷却能力が低く、得られるKCl結晶の直径は1μm程度が最大であった。そのため、冷却ガスG5が随伴する水滴の直径は、3μmよりも大きいと好ましい。このように冷却ガスG5への散水によって冷却を行う場合、空冷よりも冷却能力が高いが、冷却器21内に直接散水するよりも揮発性成分が徐々に冷却される。従って、より大きな直径の粗大化粒子を効果的に得ることができる。

0042

以上のような本実施形態では、給水器23が、冷却器21に導入される前の冷却ガスG5に直接散水するように構成されている。そのため、給水器23からの散水により冷却ガスG5に随伴する水滴は、冷却ガスG5の流れに沿って移動しつつ抽気ガスG4と徐々に混合されるので、水滴が揮発性成分を徐々に冷却する。従って、揮発性成分が徐々に種結晶へと固化できるようになり、結晶の成長が効果的に促される。その結果、揮発性成分が固化してなる微小粒子の粒径が比較的大きくなった(すなわち、微小粒子が粗大化された)粗大化粒子が得られ、当該粗大化粒子の付着力が弱まる。以上より、バグフィルタの目詰まり(圧力損失)及び流路の閉塞などが抑制されるので、抽気装置20の運転効率を向上させること(抽気装置20を省エネルギーで運転すること)が可能となる。また、バグフィルタの払い落としを減らすことができるので、バグフィルタの寿命延ばすことが可能となる。

0043

ところで、バイパスダストM4に含まれる塩素の値の0.5%〜3%分は、キルン排ガスG2に同伴している原料ダストが抽気前から含有しているものであり、それを超える値の分はキルン排ガスG2中において揮発していた揮発性成分が凝結したものである。そのため、バイパスダストM4の塩素濃度が高いと、サブミクロン(1μm未満)オーダーの粒径を有する微小粒子で構成されるヒュームが多いことを意味し、当該微小粒子は付着力が強い。そこで、当該微小粒子の付着力を減らして抽気装置20の運転を良好に行うため、バイパスダストM4における原料ダストの割合を増やし、バイパスダストM4の塩素濃度が20%未満、好ましくは15%以下とすることが行われていた。

0044

しかしながら、本実施形態では、微小粒子を粗大化することにより付着力の弱い粗大化粒子を生成しているので、バイパスダストM4における原料ダストの割合を増やしてバイパスダストM4の塩素濃度を低くすることを必ずしも要しない。従って、本実施形態によれば、バイパスダストM4の塩素濃度が15%以上、あるいは20%以上であっても、抽気装置20を良好に運転できる。

0045

本実施形態では、抽気装置20において回収されたダストがクリンカ焼成装置10にほとんど戻らないように抽気装置20が構成されている。そのため、抽気ガスG4に含まれる塩化物の大部分をバイパスダストM4として抽気装置20において回収できる。従って、抽気率に対する塩素等の回収効率が極めて高くなる。また、抽気装置20からクリンカ焼成装置10に塩素を含むダストをほとんど戻さないので、抽気装置20を小型化できる。

0046

以上、本開示に係る実施形態について詳細に説明したが、本発明の要旨の範囲内で種々の変形を上記の実施形態に加えてもよい。例えば、図2に示されるように、抽気装置20は、冷却器21内に散水するように構成された補助給水器24を更に有していてもよい。補助給水器24によって冷却器21内の抽気ガスG4に散水された水滴の直径は、100μm程度以上であると好ましい。この場合、冷却器21の中心部に向けて延びるノズルがなくても、冷却器21の内壁面に沿って流れる冷却ガスG5に阻まれずに、冷却器21の中心部を流れる抽気ガスG4に水滴が届きやすい傾向にある。

0047

図2に示される抽気装置20では、上述のとおり、給水器23とは別の補助給水器24から冷却器21内に散水していたが、抽気装置20が補助給水器24を有さず、給水器23が、冷却ガスG5及び冷却器21内の双方に散水してもよい。すなわち、図2に示される抽気装置20は、冷却器21内に散水するように構成された給水手段(給水装置)を有していればよい。

0048

図3に示されるように、抽気装置20は、冷却器21から排出された混合ガスG6の一部を冷却器21に戻すように構成された循環流路を更に有していてもよい。混合ガスG6中には、粗大化粒子及び粗大化に至らなかった微小粒子が含まれうるが、この場合、混合ガスG6中に存在する微小粒子の少なくとも一部が、循環流路を通って循環ガスG8として冷却器21に戻る。そのため、バグフィルタ及び流路等に対する付着力が強い微小粒子が、下流側(集塵器22側)に向かうことが抑制される。また、循環流路を通って冷却器21に戻る循環ガスG8中の微小粒子が冷却器21内において抽気ガスG4と接触して種となり、当該微小粒子の表面に揮発性成分が固化する。そのため、抽気ガスG4中の揮発性成分が単独でヒュームになることが抑制されつつ、当該微小粒子の粗大化が図られる。以上より、抽気装置20の運転効率をより向上させることが可能となる。さらに、集塵器22に向かうガス量が減るので、集塵器22などの設備を小型化することが可能となる。なお、種となる微小粒子の粒径はサブミクロンオーダーであるが、当該微小粒子が水滴によって冷却されると、その結晶が例えば3μm以上に成長し、バグフィルタの目詰まり(圧力損失)及び流路の閉塞などが抑制される。

0049

図3において、循環流路を介して混合ガスG6の一部を冷却器21に戻すための構成としては、分級装置(例えば、サイクロン、慣性集塵器等)を循環流路の分岐点に設置し、所定の粒径以下(例えば10μm以下)の微小粒子を循環流路に流通させ、それより大きい粒径の粒子を集塵器22に流通させてもよい。この際、集塵器22に向かう粒子をガスと共に当該集塵装置から抜き出してもよい。あるいは、冷却器21の排ガス煙道直管部から枝分かれするように循環流路(循環ガスG8の煙道)を接続し、慣性力を利用して分級を行ってもよい。

0050

循環ガスG8は、抽気ガスG4と好適に混合されればよい。そのため、循環ガスG8は、図3に示されるように冷却器21に直接戻されてもよいし、抽気ガスG4に吹き付けられた後に、抽気ガスG4と共に冷却器21に戻されてもよい。

0051

循環ガスG8は、冷却された後に冷却器21に戻されてもよい。例えば、循環流路に分岐される前の混合ガスG6(冷却器21から排出された混合ガスG6の全部)を冷却してもよいし、混合ガスG6から分岐された後の循環ガスG8を冷却してもよい。循環ガスG8の冷却方法としては、例えば、冷却流体(冷却ガスG5その他のガス、水などの液体)を混合ガスG6にも供給してもよいし、熱交換器を用いてもよいし、循環ガスG8を長い配管に通して自然に冷却してもよいし、これらを組み合わせてもよい。循環ガスG8を冷却することにより、冷却ガスG5の量を低減できるので、抽気装置20をさらに小型化することが可能となる。

0052

図3に示される形態においても、図2に示される形態と同様に、冷却器21内に散水する給水器、すなわち抽気ガスG4に直接散水する給水手段(給水装置)を抽気装置20が有していてもよい。

0053

図4に示されるように、抽気装置20は、集塵器22から排出された粒子(バイパスダストM4)の一部を循環ダストM5として冷却器21に戻すように構成された循環流路を更に有していてもよい。図1では、循環ダストM5が冷却器21に直接供給されるように描かれているが、循環ダストM5が抽気ガスG4と混合されればよい。従って、循環ダストM5を冷却ガスG5に混合した後に冷却器21に戻してもよいし、循環ダストM5を抽気ガスG4に混合した後に冷却器21に戻してもよい。

0054

バイパスダストM4に含まれる微小粒子が冷却器21内において抽気ガスG4と接触すると、種となった当該微小粒子の表面に揮発性成分が固化して成長する。そのため、抽気ガスG4中の揮発性成分が単独でヒュームになることが抑制されつつ、当該微小粒子の粗大化が図られる。従って、微小粒子は粗大化して付着力が弱まると共に数が減ることで、バグフィルタの目詰まり(圧力損失)及び流路の閉塞などが抑制される。その結果、抽気装置20の運転効率を向上させることが可能となる。また、付着力が強い微小粒子の一部が冷却器21に向けて戻されると、当該微小粒子が下流側(集塵器22側)に向かうことが抑制される。そのため、抽気装置20の運転効率をより向上させることが可能となる。さらに、圧力損失が減るので、集塵器22などの設備を小型化することが可能となる。なお、サブミクロンオーダーの微小粒子は種となって成長し、最終的には凝集して粗大化粒子を作りうる。粗大化粒子の見掛け比重が例えば2以上である場合に、粗大化粒子の粒径が3μmであると粒子の付着力がかなり弱まってバグフィルタの目詰まり及び流路の閉塞などが抑制され、粗大化粒子の粒径が5μm以上であると粒子の付着力がいっそう弱まってバグフィルタの目詰まり及び流路の閉塞などが十分に抑制される。また、粗大化粒子の粒径が10μm以上で且つ粗大化粒子の見掛け比重が1以上であれば、バグフィルタの目詰まり(圧力損失)及び流路の閉塞などが極めて抑制される。また、バイパスダストM4を循環ダストM5として冷却器21に戻す割合(M5/M4)は、循環ダストM5に含まれる粒子に応じて適宜設定してもよい。具体的には、循環ダストM5に含まれる粒子の平均粒径が大きい(例えば10μm以上)場合には、当該割合を20%〜50%程度に設定すると、10μm以上の粒径を有する粗大化粒子を得やすくなる。一方、循環ダストM5に含まれる粒子の平均粒径が小さい場合には、当該割合を少なくしても十分な種結晶を得ることができる。

0055

なお、本明細書において、「見掛け比重」とは、見掛け上1個の粒子として振る舞う粒子P(図6(a)参照)において、当該粒子Pの質量と、当該粒子と同一体積の水W(図6(b)参照)の質量との比をいう。図6(b)に示される水Wの体積は、図6(a)に示される粒子Pの外形密着する仮想的な袋の容積に等しく、粒子Pの実体部分(図6(a)の斜線部)に加えて、粒子Pの内部に存在する空隙P1や粒子Pの表面に存在する空孔P2を含む。なお、「見掛け比重」は、複数の粒子が付着して見掛け上1個の粒子として振る舞う凝集粒子についても同様に定義でき、当該凝集粒子の質量と、当該凝集粒子と同一体積の水の質量との比をいう。当該凝集粒子の体積とは、当該凝集粒子の外形に密着する仮想的な袋の容積に等しく、当該凝集粒子の実体部分に加えて、当該凝集粒子の内部に存在する空隙や当該凝集粒子の表面に存在する空孔を含む。

0056

図4において、循環ダストM5は、微小粒子を含んでいてもよいし、粗大粒子を含んでいてもよい。冷却器21内における粗大粒子は、粒径が30μm以上で且つ見掛け比重が1以上あってもよい。この場合、粗大粒子の重量が重ので、当該粗大粒子が遠心力によって冷却器21の内壁面に押しつけられ易くなる。そのため、粗大粒子が冷却器21の内壁面を掃除してコーチングの成長を抑制することができる。このような掃除の効果は粉体の流路で期待できるので、当該流路において粉体の流動性を向上させることができる。

0057

図4に示される形態においても、図2に示される形態と同様に、冷却器21内に散水する給水器、すなわち抽気ガスG4に直接散水する給水手段(給水装置)を抽気装置20が有していてもよい。

0058

図5に示されるように、冷却器21に導入される前の冷却ガスG5に水滴を随伴させるように給水器23が構成されていれば、冷却ガスG5に直接散水しなくてもよい。具体的には、抽気装置20は、循環流路を流通する循環ガスG8に給水器23が散水し、散水された循環ガスG8を冷却ガスG5に吹き付けるように構成されていてもよい。循環ガスG8は冷却ガスG5と比較して温度が高く滞留時間も長いので、循環流路に散水すると、水滴は、冷却器21に入る前に揮発し、小径となる。そのため、循環流路に比較的径の大きな水滴を散水できる。散水される水滴の径が大きいほど、水滴を生成するために要するエネルギーが小さくてすむ傾向にあるので、抽気の省エネ化を図ることが可能となる。

0059

図5に示される形態においても、図2に示される形態と同様に、冷却器21内に散水する給水器、すなわち抽気ガスG4に直接散水する給水手段(給水装置)を抽気装置20が有していてもよい。

0060

図5に示される形態においても、図3に示される形態と同様に、微小粒子は循環ガスG8によって冷却器21に向けて循環し粗大化するので、集塵器22による微小粒子の捕集量を減らすことができる。そのため、集塵器22などの設備を小型化することが可能となる。また、循環ガスG8を冷却することにより、冷却ガスG5の量を低減できるので、冷却器21(抽気装置20)をさらに小型化することが可能となる。

0061

以上に説明した形態では、集塵器22としてバグフィルタを例示して説明したが、種々のフィルタを採用しうる。例えば、集塵器22として電気集塵器を用いた場合、電気集塵器の電極に付着した塵埃槌打して除去する際に再飛散する微小粒子の量を低減することができる。そのため、ガス及び微小粒子等の輸送系統の閉塞を抑制することが可能となる。

0062

1…クリンカ製造装置、10…クリンカ焼成装置、11…焼成炉、12…SP(サスペンション・プレヒータ)、20…抽気装置、21…冷却器、22…集塵器、23…給水器、24…補助給水器、G1…ガス、G2…キルン排ガス、G3…SP排ガス、G4…抽気ガス、G5…冷却ガス、G6…混合ガス、G7…集塵器排ガス、G8…循環ガス、M1…原料、M2…キルン原料、M3…クリンカ、M4…バイパスダスト、M5…循環ダスト。

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