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技術 記録システム、作業支援装置及び方法

出願人 キヤノン株式会社
発明者 吉田正仁堀場崇嗣鈴木誠治
出願日 2019年5月22日 (1年7ヶ月経過) 出願番号 2019-096251
公開日 2020年2月13日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-023155
状態 未査定
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード レバーリンク 作業者操作 回動態様 前処理領域 ウェブ形状 後処理領域 ストッパフレーム 性能回復処理
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

ステム専有面積の増大を抑制しつつ、記録ヘッド交換可能な技術を提供すること。

解決手段

記録システムは、インク吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを支持するキャリッジを備えた記録装置と、前記記録ヘッドを、前記キャリッジから上方へ引き上げ昇降手段と、前記昇降手段の水平方向の移動を案内する案内手段と、を備える。

概要

背景

インク吐出して記録媒体に記録を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、中間部材インク像を形成し当該インク像をシート転写するための像形成装置が開示されている。この装置は、中間部材に一次像を形成するインクジェットデバイスを備える。また、この装置は、一次像において凝集体を形成するゾーン、凝集体から液体の一部を除去するゾーン、シートに像を転写するゾーンおよび新たな一次像を形成するに先立って中間部材の表面を再生するゾーンを備えている。また、中間部材ではなく記録媒体に直接インクを吐出して記録を行う装置も公知である。

インクを吐出する記録ヘッドは、その性能低下により交換の必要が生じ得る。比較的大型の記録装置においては、記録ヘッドの交換作業が容易ではない。交換作業を容易化する技術として、特許文献2にはラインヘッド筐体受け台に降ろし、受け台をスライドさせて機外へラインヘッド筐体を取り出す機構が開示されている。

概要

ステム専有面積の増大を抑制しつつ、記録ヘッドを交換可能な技術を提供すること。記録システムは、インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを支持するキャリッジを備えた記録装置と、前記記録ヘッドを、前記キャリッジから上方へ引き上げ昇降手段と、前記昇降手段の水平方向の移動を案内する案内手段と、を備える。

目的

本発明は、システムの専有面積の増大を抑制しつつ、記録ヘッドを交換可能な技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

インク吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを支持するキャリッジを備えた記録装置と、前記記録ヘッドを、前記キャリッジから上方に引き上げ昇降手段と、前記昇降手段の水平方向の移動を案内する案内手段と、を備える、ことを特徴とする記録システム

請求項2

請求項1に記載の記録システムであって、前記記録ヘッドは、上部と、インクを吐出する吐出面が設けられた下部とを含み、前記昇降手段は、前記記録ヘッドの前記上部と接続される接続手段と、前記接続手段と前記案内手段との間の伸縮手段と、を含む、ことを特徴とする記録システム。

請求項3

請求項2に記載の記録システムであって、前記伸縮手段は、前記案内手段の側の第一の伸縮手段と、前記接続手段の側の第二の伸縮手段と、を含み、前記第二の伸縮手段は、前記第一の伸縮手段に対して揺動可能に連結されている、ことを特徴とする記録システム。

請求項4

請求項3に記載の記録システムであって、前記第一の伸縮手段は、伸縮方向が上下方向となるように配置されている、ことを特徴とする記録システム。

請求項5

請求項3又は請求項4に記載の記録システムであって、前記第一の伸縮手段と前記第二の伸縮手段との揺動角度ロック可能である、ことを特徴とする記録システム。

請求項6

請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の記録システムであって、前記案内手段は、前記昇降手段の第一の水平方向と前記第一の水平方向と交差する第二の水平方向の移動を案内する、ことを特徴とする記録システム。

請求項7

請求項6に記載の記録システムであって、前記記録ヘッドは、インクを吐出するノズル列を含み、前記第一の水平方向とは、前記ノズル列の列方向であり、前記第二の水平方向における前記昇降手段の位置をロック可能である、ことを特徴とする記録システム。

請求項8

請求項6に記載の記録システムであって、前記記録ヘッドは、インクを吐出するノズル列を含み、前記第一の水平方向とは、前記ノズル列の列方向であり、前記案内手段は前記キャリッジの上方において、前記第二の水平方向に延びるレール部材と、前記レール部材の案内により前記第二の水平方向に移動するスライダと、前記スライダに設けられ、前記第一の水平方向に伸縮するスライドレールと、を含む、ことを特徴とする記録システム。

請求項9

請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の記録システムであって、前記昇降手段は、垂直軸の回りに回動可能に前記案内手段に連結されている、ことを特徴とする記録システム。

請求項10

請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の記録システムであって、前記キャリッジには、該キャリッジに対する前記記録ヘッドの装着を案内する案内部材が設けられている、ことを特徴とする記録システム。

請求項11

請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の記録システムであって、前記キャリッジは、記録のためにインクを吐出する吐出位置と、前記記録ヘッドの吐出性能回復する回復位置との間で移動可能に設けられ、前記昇降手段は、前記キャリッジが前記回復位置に位置している場合に、前記記録ヘッドを前記キャリッジから引き上げる、ことを特徴とする記録システム。

請求項12

請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の記録システムであって、前記記録装置は、転写ドラムと、前記転写ドラムの周囲に放射状に配置されるように前記キャリッジに支持され、前記転写ドラムの転写体にインクを吐出して前記転写体上にインク像を形成する複数の記録ヘッドと、記録媒体に前記転写体上の前記インク像を転写する回転体と、を備え、前記昇降手段は、前記複数の記録ヘッドのうちの一つの記録ヘッドを、前記キャリッジから引き上げる、ことを特徴とする記録システム。

請求項13

請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の記録システムであって、前記記録装置を囲む構造体を備え、前記構造体は、前記キャリッジの上方を覆う閉位置と、該閉位置よりも上方の開位置とに変位可能に設けられたカバーを含み、前記昇降手段と前記案内手段は前記カバーの内側に配置される、ことを特徴とする記録システム。

請求項14

請求項12に記載の記録システムであって、前記記録装置を囲む構造体を備え、前記構造体は、前記キャリッジの上方を覆う閉位置と、該閉位置よりも上方の開位置とに変位可能に設けられたカバーを含み、前記昇降手段と前記案内手段は前記カバーの内側に配置され、前記カバーが閉位置にあるとき、前記昇降手段は、前記複数の記録ヘッドのうち、最端部に位置する記録ヘッドの上方に配置される、ことを特徴とする記録システム。

請求項15

請求項2に記載の記録システムであって、前記記録装置を囲む構造体を備え、前記構造体は、前記キャリッジの上方を覆う閉位置と、該閉位置よりも上方の開位置とに変位可能に設けられたカバーを含み、前記昇降手段と前記案内手段は前記カバーの内側に配置され、前記記録システムは、前記カバーを前記閉位置と前記開位置とに平行移動させるリンク機構と、前記開位置において、前記カバーと前記リンク機構の姿勢拘束可能な第一のロック部材と、前記昇降手段の水平方向の位置を所定の位置に拘束可能な第二のロック部材と、前記伸縮手段に着脱自在に装着され、前記伸縮手段を収縮状態で拘束する第三のロック部材と、前記第三のロック部材の装着に連動して動作し、前記第一のロック部材による拘束を解除可能なリリース機構と、を備え、前記昇降手段が前記所定の位置に位置している状態で、前記第三のロック部材が前記伸縮手段に装着された場合に、前記リリース機構が前記第一のロック部材の拘束を解除する、ことを特徴とする記録システム。

請求項16

請求項15に記載の記録システムであって、前記昇降手段が前記所定の位置に位置していない状態、又は、前記第三のロック部材が前記伸縮手段から取り外されている場合、前記リリース機構は前記第一のロック部材の拘束を解除しない、ことを特徴とする記録システム。

請求項17

請求項16に記載の記録システムであって、前記昇降手段が前記所定の位置に位置していない状態、又は、前記第三のロック部材が前記伸縮手段から取り外されている場合、前記第一のロック部材による拘束によって、前記カバーを前記閉位置に変位不能である、ことを特徴とする記録システム。

請求項18

インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを支持するキャリッジを備えた記録装置において、前記記録ヘッドの交換作業支援する作業支援装置であって、前記記録ヘッドを、前記キャリッジから上方に引き上げる昇降手段と、前記昇降手段の水平方向の移動を案内する案内手段と、を備える、ことを特徴とする作業支援装置。

請求項19

インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを支持するキャリッジを備えた記録装置において、前記記録ヘッドを交換する方法であって、前記記録ヘッドを、昇降手段によって前記キャリッジから上方に引き上げる工程と、前記記録ヘッドを前記昇降手段と共に水平方向に移動する工程と、を備える、ことを特徴とする方法。

技術分野

0001

本発明は、インク吐出する記録ヘッド交換技術に関する。

背景技術

0002

インクを吐出して記録媒体に記録を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、中間部材インク像を形成し当該インク像をシート転写するための像形成装置が開示されている。この装置は、中間部材に一次像を形成するインクジェットデバイスを備える。また、この装置は、一次像において凝集体を形成するゾーン、凝集体から液体の一部を除去するゾーン、シートに像を転写するゾーンおよび新たな一次像を形成するに先立って中間部材の表面を再生するゾーンを備えている。また、中間部材ではなく記録媒体に直接インクを吐出して記録を行う装置も公知である。

0003

インクを吐出する記録ヘッドは、その性能低下により交換の必要が生じ得る。比較的大型の記録装置においては、記録ヘッドの交換作業が容易ではない。交換作業を容易化する技術として、特許文献2にはラインヘッド筐体受け台に降ろし、受け台をスライドさせて機外へラインヘッド筐体を取り出す機構が開示されている。

先行技術

0004

特開2003−182064号公報
特開2007−136762号公報

発明が解決しようとする課題

0005

一般に記録ヘッドは、記録を行う位置と、その性能を回復するための処理を行う位置との間を横方向に移動可能に構成されており、特許文献2のラインヘッド筐体も同様である。そして、特許文献2の技術では、これらの位置に加えて、受け台にラインヘッド筐体を降ろすための位置までラインヘッド筐体をさらに横方向に移動させる必要があり、システム専有面積の増大を招く。

0006

本発明は、システムの専有面積の増大を抑制しつつ、記録ヘッドを交換可能な技術を提供するものである。

課題を解決するための手段

0007

本発明によれば、
インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを支持するキャリッジを備えた記録装置と、
前記記録ヘッドを、前記キャリッジから上方に引き上げ昇降手段と、
前記昇降手段の水平方向の移動を案内する案内手段と、備える、
ことを特徴とする記録システムが提供される。

発明の効果

0008

本発明によれば、システムの専有面積の増大を抑制しつつ、記録ヘッドを交換可能な技術を提供することができる。

図面の簡単な説明

0009

記録システムの概要図。
記録ユニットの斜視図。
図2の記録ユニットの変位態様の説明図。
図1の記録システムの制御系ブロック図。
図1の記録システムの制御系のブロック図。
図1の記録システムの動作例の説明図。
図1の記録システムの動作例の説明図。
作業支援装置の概要図。
作業支援装置の位置の説明図。
記録ヘッドが接続された作業支援装置の斜視図。
記録ヘッドが接続された作業支援装置をX方向に見た図。
昇降ユニット伸長させた状態を示す作業支援装置の斜視図及び角度ロック部材の拡大図。
補強部材を取り付けた作業支援装置の斜視図。
図13の補強部材の構造を示す説明図。
昇降ユニットの回動態様を示す説明図。
昇降ユニットの回動態様を示す説明図。
ロックユニットの説明図。
図16のロックユニットの動作説明図。
図16のロックユニットの動作説明図。
記録ヘッドの交換作業を示す図。
記録ヘッドの交換作業を示す図。
記録ヘッドの交換作業を示す図。
記録ヘッドの交換作業を示す図。
記録ヘッドの交換作業を示す図。
記録ヘッドの交換作業を示す図。
記録ヘッドの交換作業を示す図。
記録ヘッドの交換作業を示す図。
記録ヘッドの交換作業を示す図。
記録ヘッドの交換作業を示す図。
記録ヘッドの交換作業を示す図。
記録ヘッドの交換作業を示す図。
記録ヘッドの交換作業を示す図。
記録ヘッドの交換作業を示す図。
構造体外観斜視図。
スライドドアが開位置にある状態の図29の構造体を示す図。
天面カバーが開位置にある状態の図29の構造体の外観斜視図。
天面カバーが開位置にある状態の図29の構造体の外観図
図29の構造体のフレーム部分を示す外観斜視図。
図33A部分拡大図
天面カバーが閉位置にある状態の図29の構造体の説明図。
天面カバーが開位置にあり、ロックがかかった状態の図29の構造体の説明図。
天面カバーが開位置にあり、ロックが解除された状態の図29の構造体の説明図。
ロックリリースレバー機構を示す断面斜視図。

実施例

0010

図面を参照して本発明の実施形態について説明する。各図において、矢印XおよびYは水平方向を示し、互いに交差(ここでは直交)する。矢印Zは上下方向を示す。

0011

<記録システム>
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム(記録装置)1を概略的に示した正面図である。記録システム1は、転写体2を介して記録媒体Pにインク像を転写することで記録物P’を製造する、枚葉式のインクジェットプリンタである。記録システム1は、記録装置1Aと、搬送装置1Bとを含む。本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、記録システム1の幅方向全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。記録媒体PはX方向に搬送される。

0012

なお、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も含まれ、人間が視覚知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。また、本実施形態では「記録媒体」としてシート状の紙を想定するが、布、プラスチックフィルム等であってもよい。

0013

インクの成分については、特に限定はないが、本実施形態では、色材である顔料、水、樹脂を含む水性顔料インクを用いる場合を想定する。

0014

<記録装置>
記録装置1Aは、記録ユニット3、転写ユニット4および周辺ユニット5A〜5D、および、供給ユニット6を含む。

0015

<記録ユニット>
記録ユニット3は、複数の記録ヘッド30と、キャリッジ31とを含む。図1図2を参照する。図2は記録ユニット3の斜視図である。記録ヘッド30は、転写体2に液体インクを吐出し、転写体2上に記録画像のインク像を形成する。

0016

本実施形態の場合、各記録ヘッド30は、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの記録媒体の画像記録領域の幅分をカバーする範囲にノズルが配列されている。記録ヘッド30は、その下面に、ノズルが開口したインク吐出面を有しており、インク吐出面は、微小隙間(例えば数mm)を介して転写体2の表面と対向している。本実施形態の場合、転写体2は円軌道上を循環的に移動する構成であるため、複数の記録ヘッド30は、放射状に配置されている。

0017

各ノズルには吐出素子が設けられている。吐出素子は、例えば、ノズル内に圧力を発生させてノズル内のインクを吐出させる素子であり、公知のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの技術が適用可能である。吐出素子としては、例えば電気熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気−機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。高速で高密度の記録の観点からは電気−熱変換体を利用した吐出素子を用いることができる。

0018

本実施形態の場合、記録ヘッド30は、9つ設けられている。各記録ヘッド30は、互いに異なる種類のインクを吐出する。異なる種類のインクとは、例えば、色材が異なるインクであり、イエローインクマゼンタインクシアンインクブラックインク等のインクである。1つの記録ヘッド30は1種類のインクを吐出するが、1つの記録ヘッド30が複数種類のインクを吐出する構成であってもよい。このように複数の記録ヘッド30を設けた場合、そのうちの一部が色材を含まないインク(例えばクリアインク)を吐出してもよい。

0019

キャリッジ31は、複数の記録ヘッド30を支持する。各記録ヘッド30は、インク吐出面側の端部がキャリッジ31に固定されている。これにより、インク吐出面と転写体2との表面の隙間をより精密に維持することができる。キャリッジ31は、案内ユニットRLの案内によって、記録ヘッド30を搭載しつつ変位可能に構成されている。本実施形態の場合、案内ユニットRLは、Y方向に延設されたレール状の構造であり、X方向に離間して一対設けられている。キャリッジ31のX方向の各側部にはスライド部32が設けられている。スライド部32は案内ユニットRLと係合し、案内ユニットRLの案内によってY方向にスライドする。

0020

図3は記録ユニット3の変位態様を示しており、記録システム1の右側面を模式的に示した図である。記録システム1の後部には回復ユニット12が設けられている。回復ユニット12は記録ヘッド30の吐出性能を回復する機構を有する。そのような機構としては、例えば、記録ヘッド30のインク吐出面をキャッピングするキャップ機構、インク吐出面をワイピングするワイパ機構、インク吐出面から記録ヘッド30内のインクを負圧吸引する吸引機構を挙げることができる。

0021

案内ユニットRLは、転写体2の側方から回復ユニット12に渡って延設されている。記録ユニット3は、案内ユニットRLの案内により、実線で記録ユニット3を示した吐出位置POS1と、破線で記録ユニット3を示した回復位置POS3との間で変位可能であり、不図示の駆動機構により移動される。

0022

吐出位置POS1は、記録ユニット3が転写体2にインクを吐出する位置であり、記録ヘッド30のインク吐出面が転写体2の表面に対向する位置である。回復位置POS3は、吐出位置POS1から退避した位置であり、記録ユニット3が回復ユニット12上に位置する位置である。回復ユニット12は記録ユニット3が回復位置POS3に位置した場合に、記録ヘッド30に対する性能回復処理を実行可能である。本実施形態の場合、記録ユニット3が回復位置POS3に到達する前の移動途中においても回復処理を実行可能である。吐出位置POS1と回復位置POS3の間には予備回復位置POS2がある。回復ユニット12は記録ヘッド30が吐出位置POS1から回復位置POS3へ移動している間に、予備回復位置POS2において記録ヘッド30に対する予備的な回復処理を実行可能である。

0023

<転写ユニット>
図1を参照して転写ユニット4について説明する。転写ユニット4は、転写ドラム転写胴)41と圧胴42とを含む。これらの胴は、Y方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。図1において、転写ドラム41および圧胴42の各図形内に示した矢印は、これらの回転方向を示しており、転写ドラム41は時計回りに、圧胴42は反時計回りに回転する。

0024

転写ドラム41は、その外周面に転写体2を支持する支持体である。転写体2は、転写ドラム41の外周面上に、周方向に連続的にあるいは間欠的に設けられる。連続的に設けられる場合、転写体2は無端の帯状に形成される。間欠的に設けられる場合、転写体2は、有端の帯状に複数のセグメントに分けて形成され、各セグメントは転写ドラム41の外周面に等ピッチ円弧状に配置することができる。

0025

転写ドラム41の回転により、転写体2は円軌道上を循環的に移動する。転写ドラム41の回転位相により、転写体2の位置は、吐出前処理領域R1、吐出領域R2、吐出後処理領域R3およびR4、転写領域R5、転写後処理領域R6に区別することができる。転写体2はこれらの領域を循環的に通過する。

0026

吐出前処理領域R1は、記録ユニット3によるインクの吐出前に転写体2に対する前処理を行う領域であり、周辺ユニット5Aによる処理が行われる領域である。本実施形態の場合、反応液が付与される。吐出領域R2は記録ユニット3が転写体2にインクを吐出してインク像を形成する形成領域である。吐出後処理領域R3およびR4はインクの吐出後にインク像に対する処理を行う処理領域であり、吐出後処理領域R3は周辺ユニット5Bによる処理が行われる領域であり、吐出後処理領域R4は周辺ユニット5Cによる処理が行われる領域である。転写領域R5は転写ユニット4により転写体上のインク像が記録媒体Pに転写される領域である。転写後処理領域R6は、転写後に転写体2に対する後処理を行う領域であり、周辺ユニット5Dによる処理が行われる領域である。

0027

本実施形態の場合、吐出領域R2は、一定の区間を有する領域である。他の領域R1、R3〜R6は、吐出領域R2に比べるとその区間は狭い。時計文字盤に喩えると、本実施形態の場合、吐出前処理領域R1は概ね10時の位置であり、吐出領域R2は概ね11時から1時の範囲であり、吐出後処理領域R3は概ね2時の位置であり、吐出後処理領域R4は概ね4時の位置である。転写領域R5は概ね6時の位置であり、転写後処理領域R6は概ね8時の領域である。

0028

転写体2は、単層から構成してもよいが、複数層積層体としてもよい。複数層で構成する場合、例えば、表面層弾性層圧縮層の三層を含んでもよい。表面層はインク像が形成される画像形成面を有する最外層である。圧縮層を設けることで、圧縮層が変形を吸収し、局所的な圧力変動に対してその変動を分散し、高速記録時においても転写性を維持することができる。弾性層は表面層と圧縮層との間の層である。

0029

表面層の材料としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂アクリルシリコーン樹脂フッ素含有樹脂加水分解性有機ケイ素化合物縮合して得られる縮合物等が挙げられる。表面層には、反応液の濡れ性、画像の転写性等を向上させるために、表面処理を施して用いてもよい。表面処理としては、フレーム処理コロナ処理プラズマ処理研磨処理粗化処理活性エネルギー線照射処理オゾン処理界面活性剤処理シランカップリング処理などが挙げられる。これらを複数組み合わせてもよい。また、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。

0030

圧縮層の材料としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴムアクリルゴムクロロプレンゴムウレタンゴムシリコーンゴム等が挙げられる。このようなゴム材料成形時には、所定量の加硫剤加硫促進剤等を配合し、さらに発泡剤中空微粒子或いは食塩等の充填剤を必要に応じて配合し、多孔質のゴム材料としてもよい。これにより、様々な圧力変動に対して気泡部分体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性、耐久性を得ることができる。多孔質のゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものがあるが、いずれの構造であってもよく、これらの構造を併用してもよい。

0031

弾性層の部材としては、樹脂、セラミック等、各種材料を適宜用いることができる。加工特性等の点で、各種エラストマー材料、ゴム材料を用いることができる。具体的には、例えばフルオロシリコーンゴムフェニルシリコーンゴムフッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。また、エチレンプロピレンゴム天然ゴムスチレンゴムイソプレンゴムブタジエンゴムエチレンプロピレンブタジエンコポリマーニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムは、圧縮永久ひずみが小さいため、寸法安定性、耐久性の面で有利である。また、温度による弾性率の変化が小さく、転写性の点でも有利である。

0032

表面層と弾性層の間、弾性層と圧縮層の間には、これらを固定するために各種接着剤両面テープを用いることもできる。また、転写体2は、転写ドラム41に装着する際の横伸びの抑制や、コシを保つために圧縮弾性率が高い補強層を含んでもよい。また、織布を補強層としてもよい。転写体2は前記材質による各層を任意に組み合わせて作製することができる。

0033

圧胴42は、その外周面が転写体2に圧接される。圧胴42の外周面には、記録媒体Pの先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。グリップ機構は圧胴42の周方向に離間して複数設けてもよい。記録媒体Pは圧胴42の外周面に密接して搬送されつつ、圧胴42と転写体2とのニップ部を通過するときに、転写体2上のインク像が転写される。

0034

転写ドラム41と圧胴42とを駆動するモータ等の駆動源は、これらに共通とし、歯車機構等の伝達機構により、駆動力分配することができる。

0035

<周辺ユニット>
周辺ユニット5A〜5Dは転写ドラム412の周囲に配置されている。本実施形態の場合、周辺ユニット5A〜5Dは、順に、付与ユニット吸収ユニット加熱ユニット清掃ユニットである。

0036

付与ユニット5Aは、記録ユニット3によるインクの吐出前に、転写体2上に反応液を付与する機構である。反応液は、インクを高粘度化する成分を含有する液体である。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している色材や樹脂等がインクを高粘度化する成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインクの粘度の上昇が認められることである。このインクの高粘度化には、インク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材や樹脂等のインクを構成する成分の一部が凝集することにより局所的に粘度の上昇が生じる場合も含まれる。

0037

インクを高粘度化する成分は、金属イオン高分子凝集剤など、特に制限はないが、インクのpH変化を引き起こして、インク中の色材を凝集させる物質を用いることができ、有機酸を用いることができる。反応液の付与機構としては、例えば、ローラ、記録ヘッド、ダイコーティング装置ダイコータ)、ブレードコーティング装置ブレードコータ)などが挙げられる。転写体2に対するインクの吐出前に反応液を転写体2に付与しておくと、転写体2に達したインクを直ちに定着させることができる。これにより、隣接するインク同士が混ざり合うブリーディングを抑制することができる。

0038

吸収ユニット5Bは、転写前に、転写体2上のインク像から液体成分を吸収する機構である。インク像の液体成分を減少させることで、記録媒体Pに記録される画像のにじみ等を抑制することができる。液体成分の減少を異なる視点で説明すれば、転写体2上のインク像を構成するインクを濃縮すると表現することもできる。インクを濃縮するとは、インクに含まれる液体成分が減少することによって、インクに含まれる色材や樹脂といった固形分の液体成分に対する含有割合が増加することを意味する。

0039

吸収ユニット5Bは、例えば、インク像に接触してインク像の液体成分の量を減少させる液吸収部材を含む。液吸収部材はローラの外周面に形成されてもよいし、液吸収部材が無端のシート状に形成され、循環的に走行されるものでもよい。インク像の保護の点で、液吸収部材の移動速度を転写体2の周速度と同じにして液吸収部材を転写体2と同期して移動させてもよい。

0040

液吸収部材は、インク像に接触する多孔質体を含んでもよい。液吸収部材へのインク固形分付着を抑制するため、インク像に接触する面の多孔質体の孔径は、10μm以下であってもよい。ここで、孔径とは平均直径のことを示し、公知の手段、例えば水銀圧入法や、窒素吸着法SEM画像観察等で測定可能である。なお、液体成分は、一定の形を有さず、流動性があり、ほぼ一定の体積を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクや反応液に含まれる水や有機溶媒等が液体成分として挙げられる。

0041

加熱ユニット5Cは、転写前に、転写体2上のインク像を加熱する機構である。インク像を加熱することで、インク像中の樹脂が溶融し、記録媒体Pへの転写性を向上する。加熱温度は、樹脂の最低造膜温度MFT)以上とすることができる。MFTは一般的に知られている手法、例えばJIS K 6828−2:2003や、ISO2115:1996に準拠した各装置で測定することが可能である。転写性及び画像の堅牢性の観点から、MFTよりも10℃以上高い温度で加熱してもよく、更に、20℃以上高い温度で加熱してもよい。加熱ユニット5Cは、例えば、赤外線等の各種ランプ温風ファン等、公知の加熱デバイスを用いることができる。加熱効率の点で、赤外線ヒータを用いることができる。

0042

清掃ユニット5Dは、転写後に転写体2上を清掃する機構である。清掃ユニット5Dは、転写体2上に残留したインクや、転写体2上のごみ等を除去する。清掃ユニット5Dは、例えば、多孔質部材を転写体2に接触させる方式、ブラシで転写体2の表面を擦る方式、ブレードで転写体2の表面をかきとる方式等の公知の方式を適宜用いることができる。また、清掃に用いる清掃部材は、ローラ形状ウェブ形状等、公知の形状を用いることができる。

0043

以上の通り、本実施形態では、付与ユニット5A、吸収ユニット5B、加熱ユニット5C、清掃ユニット5Dを周辺ユニットとして備えるが、これらの一部のユニットに転写体2の冷却機能を付与するか、あるいは、冷却ユニットを追加してもよい。本実施形態では、加熱ユニット5Cの熱により転写体2の温度が上昇する場合がある。記録ユニット3により転写体2にインクを吐出した後、インク像がインクの主溶剤である水の沸点を超えると、吸収ユニット5Bによる液体成分の吸収性能が低下する場合がある。吐出されたインクが水の沸点未満に維持されるように転写体2を冷却することで、液体成分の吸収性能を維持することができる。

0044

冷却ユニットは、転写体2に送風する送風機構や、転写体2に部材(例えばローラ)を接触させ、この部材を空冷または水冷で冷却する機構であってもよい。また、清掃ユニット5Dの清掃部材を冷却する機構であってもよい。冷却タイミングは、転写後、反応液の付与前までの期間であってもよい。

0045

<供給ユニット>
供給ユニット6は、記録ユニット3の各記録ヘッド30にインクを供給する機構である。供給ユニット6は記録システム1の後部側に設けられていてもよい。供給ユニット6は、インクの種類毎に、インクを貯留する貯留部TKを備える。貯留部TKは、メインタンクサブタンクとによって構成されてもよい。各貯留部TKと各記録ヘッド30とは流路6aで連通し、貯留部TKから記録ヘッド30へインクが供給される。流路6aは、貯留部TKと記録ヘッド30との間でインクを循環させる流路であってもよく、供給ユニット6はインクを循環させるポンプ等を備えてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インク中の気泡を脱気する脱気機構を設けてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インクの液圧大気圧との調整を行うバルブを設けてもよい。貯留部TK内のインク液面が、記録ヘッド30のインク吐出面よりも低い位置となるように、貯留部TKと記録ヘッド30のZ方向の高さが設計されてもよい。

0046

<搬送装置>
搬送装置1Bは、記録媒体Pを転写ユニット4へ給送し、インク像が転写された記録物P’を転写ユニット4から排出する装置である。搬送装置1Bは、給送ユニット7、複数の搬送胴8、8a、二つのスプロケット8b、チェーン8cおよび回収ユニット8dを含む。図1において、搬送装置1Bの各構成の図形の内側の矢印はその構成の回転方向を示し、外側の矢印は記録媒体Pまたは記録物P’の搬送経路を示している。記録媒体Pは給送ユニット7から転写ユニット4へ搬送され、記録物P’は転写ユニット4から回収ユニット8dへ搬送される。給送ユニット7側を搬送方向で上流側と呼び、回収ユニット8d側を下流側と呼ぶ場合がある。

0047

給送ユニット7は、複数の記録媒体Pが積載される積載部を含むと共に、積載部から一枚ずつ記録媒体Pを、最上流の搬送胴8に給送する給送機構を含む。各搬送胴8、8aはY方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。各搬送胴8、8aの外周面には、記録媒体P(または記録物P’)の先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。各グリップ機構は、隣接する搬送胴間で記録媒体Pを受け渡されるように、その把持動作および解除動作が制御される。

0048

二つの搬送胴8aは、記録媒体Pの反転用の搬送胴である。記録媒体Pを両面記録する場合、表面への転写後に、圧胴42から下流側に隣接する搬送胴8へ記録媒体Pを渡さずに、搬送胴8aに渡す。記録媒体Pは、二つの搬送胴8aを経由して表裏が反転され、圧胴42の上流側の搬送胴8を経由して再び圧胴42へ渡される。これにより、記録媒体Pの裏面が転写ドラム41に面することになり、裏面にインク像が転写される。

0049

チェーン8cは、二つのスプロケット8b間に巻き回されている。二つのスプロケット8bの一方は駆動スプロケットであり他方は従動スプロケットである。駆動スプロケットの回転によりチェーン8cが循環的に走行する。チェーン8cには、その長手方向に離間して複数のグリップ機構が設けられている。グリップ機構は、記録物P’の端部を把持する。下流端に位置する搬送胴8からチェーン8cのグリップ機構に記録物P’が渡され、グリップ機構に把持された記録物P’はチェーン8cの走行により回収ユニット8dへ搬送され、把持が解除される。これにより記録物P’が回収ユニット8d内に積載される。

0050

後処理ユニット
搬送装置1Bには、後処理ユニット10A、10Bが設けられている。後処理ユニット10A、10Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’に対して後処理を行う機構である。後処理ユニット10Aは、記録物P’の表面に対する処理を行い、後処理ユニット10Bは、記録物P’の裏面に対する処理を行う。処理の内容としては、例えば、記録物P’の画像記録面に、画像の保護や艶出し等を目的としたコーティングを挙げることができる。コーティングの内容としては、例えば、液体の塗布、シートの溶着ラミネート等を挙げることができる。

0051

検査ユニット
搬送装置1Bには、検査ユニット9A、9Bが設けられている。検査ユニット9A、9Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’の検査を行う機構である。

0052

本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Aは、連続的に行われる記録動作中に、記録画像を撮影する。検査ユニット9Aが撮影した画像に基づいて、記録画像の色味などの経時変化を確認し、画像データあるいは記録データの補正可否を判断することができる。本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、圧胴42の外周面に撮像範囲が設定されており、転写直後の記録画像を部分的に撮影可能に配置されている。検査ユニット9Aにより全ての記録画像の検査を行ってもよいし、所定数毎に検査を行ってもよい。

0053

本実施形態の場合、検査ユニット9Bも、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Bは、テスト記録動作において記録画像を撮影する。検査ユニット9Bは、記録画像の全体を撮影し、検査ユニット9Bが撮影した画像に基づいて、記録データに関する各種の補正の基本設定を行うことができる。本実施形態の場合、チェーン8cで搬送される記録物P’を撮影する位置に配置されている。検査ユニット9Bにより記録画像を撮影する場合、チェーン8cの走行を一時的に停止して、その全体を撮影する。検査ユニット9Bは、記録物P’上を走査するスキャナであってもよい。

0054

制御ユニット
次に、記録システム1の制御ユニットについて説明する。図4および図5は記録システム1の制御ユニット13のブロック図である。制御ユニット13は、上位装置(DFE)HC2に通信可能に接続され、また、上位装置HC2はホスト装置HC1に通信可能に接続される。

0055

ホスト装置HC1では、記録画像の元になる原稿データが生成、あるいは保存される。ここでの原稿データは、例えば、文書ファイル画像ファイル等の電子ファイル形式で生成される。この原稿データは、上位装置HC2へ送信され、上位装置HC2では、受信した原稿データを制御ユニット13で利用可能なデータ形式(例えば、RGBで画像を表現するRGBデータ)に変換する。変換後のデータは、画像データとして上位装置HC2から制御ユニット13へ送信され、制御ユニット13は受信した画像データに基づき、記録動作を開始する。

0056

本実施形態の場合、制御ユニット13は、メインコントローラ13Aと、エンジンコントローラ13Bとに大別される。メインコントローラ13Aは、処理部131、記憶部132、操作部133、画像処理部134、通信I/F(インタフェース)135、バッファ136および通信I/F137を含む。

0057

処理部131は、CPU等のプロセッサであり、記憶部132に記憶されたプログラムを実行し、メインコントローラ13A全体の制御を行う。記憶部132は、RAM、ROM、ハードディスクSSD等の記憶デバイスであり、CPU131が実行するプログラムや、データを格納し、また、CPU131にワークエリアを提供する。操作部133は、例えば、タッチパネルキーボードマウス等の入力デバイスであり、ユーザの指示を受け付ける。

0058

画像処理部134は例えば画像処理プロセッサを有する電子回路である。バッファ136は、例えば、RAM、ハードディスクやSSDである。通信I/F135は上位装置HC2との通信を行い、通信I/F137はエンジンコントローラ13Bとの通信を行う。図4において破線矢印は、画像データの処理の流れを例示している。上位装置HC2から通信IF135を介して受信された画像データは、バッファ136に蓄積される。画像処理部134はバッファ136から画像データを読み出し、読み出した画像データに所定の画像処理を施して、再びバッファ136に格納する。バッファ136に格納された画像処理後の画像データは、プリントエンジンが用いる記録データとして、通信I/F137からエンジンコントローラ13Bへ送信される。

0059

図5に示すように、エンジンコントローラ13Bは、制御部14、15A〜15Eを含み、記録システム1が備えるセンサ群およびアクチュエータ群16の検知結果の取得および駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。なお、制御部の区分けは一例であり、一部の制御を更に細分化した複数の制御部で実行してもよいし、逆に、複数の制御部を統合して、それらの制御内容を一つの制御部で行うように構成してもよい。

0060

エンジン制御部14は、エンジンコントローラ13Bの全体の制御を行う。記録制御部15Aは、メインコントローラ13Aから受信した記録データをラスタデータ等、記録ヘッド30の駆動に適したデータ形式に変換する。記録制御部15Aは、各記録ヘッド30の吐出制御を行う。

0061

転写制御部15Bは、付与ユニット5Aの制御、吸収ユニット5Bの制御、加熱ユニット5Cの制御、および清掃ユニット5Dの制御を行う。

0062

信頼性制御部15Cは、供給ユニット6の制御、回復ユニット12の制御、および記録ユニット3を吐出位置POS1と回復位置POS3との間で移動させる駆動機構の制御を行う。

0063

搬送制御部15Dは、転写ユニット4の駆動制御や、搬送装置1Bの制御を行う。検査制御部15Eは、検査ユニット9Bの制御、および検査ユニット9Aの制御を行う。

0064

センサ群およびアクチュエータ群16のうち、センサ群には、可動部の位置や速度を検知するセンサ、温度を検知するセンサ、撮像素子等が含まれる。アクチュエータ群にはモータ、電磁ソレノイド電磁バルブ等が含まれる。

0065

<動作例>
図6は記録動作の例を模式的に示す図である。転写ドラム41および圧胴42が回転されつつ、以下の各工程が循環的に行われる。状態ST1に示すように、始めに転写体2上に付与ユニット5Aから反応液Lが付与される。転写体2上の反応液Lが付与された部位は転写ドラム41の回転に伴って移動していく。反応液Lが付与された部位が記録ヘッド30の下に到達すると、状態ST2に示すように記録ヘッド30から転写体2にインクが吐出される。これによりインク像IMが形成される。その際、吐出されるインクが転写体2上の反応液Lと混ざりあうことで、色材の凝集が促進される。吐出されるインクは、供給ユニット6の貯留部TKから記録ヘッド30に供給される。

0066

転写体2上のインク像IMは転写体2の回転に伴って移動していく。インク像IMが吸収ユニット5Bに到達すると状態ST3に示すように吸収ユニット5Bによりインク像IMから液体成分が吸収される。インク像IMが加熱ユニット5Cに到達すると状態ST4に示すように加熱ユニット5Cによりインク像IMが加熱され、インク像IM中の樹脂が溶融し、インク像IMが造膜される。このようなインク像IMの形成に同期して、搬送装置1Bにより記録媒体Pが搬送される。

0067

状態ST5に示すように、インク像IMと記録媒体Pとが転写体2と圧胴42とのニップ部に到達し、記録媒体Pにインク像IMが転写され、記録物P’が製造される。ニップ部を通過すると、記録物P’に記録された画像が検査ユニット9Aにより撮影され、記録画像が検査される。記録物P’は搬送装置1Bにより回収ユニット8dへ搬送される。

0068

転写体2上のインク像IMが形成されていた部分は、清掃ユニット5Dに到達すると状態ST6に示すように清掃ユニット5Dにより清掃される。清掃後、転写体2は一回転したことになり、同様の手順で記録媒体Pへのインク像の転写が繰り返し行われる。上記の説明では理解を容易にするために、転写体2の一回転で一枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が一回行われるように説明したが、転写体2の一回転で複数枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が連続的に行うことができる。

0069

このような記録動作を継続していくと、各記録ヘッド30のメンテナンスが必要となる。図7は各記録ヘッド30のメンテナンスの際の動作例を示している。状態ST11は、吐出位置POS1に記録ユニット3が位置している状態を示す。状態ST12は、記録ユニット3が予備回復位置POS2を通過している状態を示し、通過中に回復ユニット12により記録ユニット3の各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。その後、状態ST13に示すように、記録ユニット3が回復位置POS3に位置した状態で、回復ユニット12により各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。

0070

<記録ヘッドの交換>
記録ヘッド30は、その性能低下により交換の必要が生じ得る。記録ヘッド30の交換作業の例について説明する。

0071

(作業支援装置)
図8は記録ヘッド30の交換作業を支援する作業支援装置100の概要図であり、回復位置POS3に位置している記録ユニット3の周囲を示している。図9は作業支援装置100の位置の説明図であり、記録ユニット3が回復位置POS3に位置している状態を示す。

0072

本実施形態では、作業支援装置100を用いることにより、記録ヘッド30をキャリッジ31から上方へ引き上げ、記録装置1Aの機外へ搬送することができる。また、記録ヘッド30をキャリッジ31の上方からキャリッジ31へ装着することができる。このため、記録システム1の専有面積の増大を抑制しつつ、記録ヘッド30を交換することが可能である。

0073

作業支援装置100は、フレームFに吊り下げられるようにして支持されている。フレームFは、記録装置1Aの周囲を囲う部材であり、不図示の外壁パネル等を支持したり、作業者足場を構成したりする。記録装置1Aを囲う構造体の例については図29図37を参照して後述する。

0074

図9に図示するように、作業支援装置100は、回復ユニット12の上方において梁状にX方向に延びる一対のフレームFに吊り下げられている。つまり、作業支援装置100は回復位置POS3の上方に配置されており、キャリッジ31が回復位置POS3に位置している場合に記録ヘッド30の引き上げ(取り外し)、降下(装着)が可能となっている。キャリッジ31に対する記録ヘッド30の脱着を回復位置POS3で行えるため、記録ヘッド30の脱着のための専用スペースを必須とせず、記録システム1の専有面積の増大を抑制できる。また、キャリッジ31が回復位置POS3に位置している場合、記録装置1Aは記録動作の停止状態にあるため、記録動作の停止中に記録ヘッド30の交換を行い易い。また、記録ヘッド30を横方向にスライドさせて取り外す場合は、インク吐出面301aを傷つける虞があるが、本実施形態では上方に向けて取り外すため、インク吐出面301aを傷つけるリスクを低減することができる。

0075

作業支援装置100は、昇降ユニット101と、昇降ユニット101の水平方向の移動を案内する案内ユニット102と、キャリッジ31に取付けられた案内部材103とを含む。案内部材103は、キャリッジ31に対する記録ヘッド30の挿抜を案内する部材であり、本実施形態の場合、キャリッジ31に取り付けられている。案内部材103は、常時キャリッジ31に取付けられていてもよいし、記録ヘッド30の交換作業の場合にキャリッジ31に取付けられるようにキャリッジ31に脱着自在であってもよい。

0076

案内部材103は、記録ヘッド30毎に設けられており、特に本実施形態の場合は、記録ヘッド30毎に2つ設けられている。案内部材103は、記録ヘッド30の各装着位置において、Y方向の両端部に設けられており、その短手方向の断面形状は、内側(記録ヘッド30側)に開放したC字型を有している。本実施形態では、複数の記録ヘッド30が転写体2を支持する転写ドラム41の周囲に放射状に配置されているため、案内部材103は、対応する記録ヘッド30の傾斜に対応するように傾斜して配置されている。

0077

図10及び図11を参照して昇降ユニット101及び案内ユニット102の構成を説明する。図10及び図11は記録ヘッド30が昇降ユニット101に保持された状態を示す作業支援装置100の斜視図及びX方向で見た正面図である。

0078

記録ヘッド30は、ハウジング300内に回路基板インク流路を収容して構成されている。記録ヘッド30はインク吐出面301aを有する一端部301と、反対側の他端部302とを含む。記録ヘッド30をキャリッジ31に装着した状態において、一端部301は下部であり、他端部302は上部である。以降で一端部301を記録ヘッド30の下部301、他端部302を記録ヘッド30の上部302と呼び、上部302−下部301の方向を記録ヘッド30の上下方向と呼ぶ場合がある。

0079

インク吐出面301aは記録ヘッド30の下面ということもできる。インク吐出面301aにはインクを吐出するノズルのノズル列が形成されている。ノズル列の列方向はD1方向であり、本実施形態の場合、記録ヘッド30をキャリッジ31に装着した状態においてD1方向はY方向である。D2方向はインクの吐出方向である。下部301と上部302とはインクの吐出方向で反対側の部位ということができ、インクの吐出方向と記録ヘッド30の上下方向は同じ方向である。

0080

記録ヘッド30は、D1方向の両側部において外側へ耳状に突出した係合部303を有する。各係合部303は、対応する案内部材103と係合して、記録ヘッド30の挿抜が案内される被案内部である。

0081

昇降ユニット101は記録ヘッド30を上方に引き上げる伸縮機構である。昇降ユニット101は、接続ユニット110と、伸縮ユニット111とを含む。接続ユニット110は、昇降ユニット101と記録ヘッド30とを接続するための部材であり、本実施形態の場合、記録ヘッド30の上部302、特に、上面が接続ユニット110に固定される。固定の方法に制限はないが、例えば、ボルト締結を挙げることができ、この場合、記録ヘッド30のハウジング300にねじ穴を設けてもよい。

0082

伸縮ユニット111は、接続ユニット110と案内ユニット102との間に設けられており、本実施形態の場合、その上部が案内ユニット102に連結され、その下部が接続ユニット110に連結されている。本実施形態の場合、伸縮ユニット111は、案内ユニット102側の伸縮ユニット112と、接続ユニット110側の伸縮ユニット113との2つの伸縮ユニットを含む。

0083

伸縮ユニット112は、本実施形態の場合、パンタグラフ式ジャッキであり、上側の端部部材112aと、下側の端部部材112bと、端部部材112aと端部部材112bとを接続するリンク機構112cと、ハンドル112dとを含む。上側の端部部材112aは、案内ユニット102のスライダ104に固定されている。ハンドル112dはリンク機構112cに設けられたねじ軸−ナット機構を操作するハンドルである。作業者がこのハンドル112dを回転させることで、端部部材112a及び112bを近接・離間する方向にリンク機構112cを伸縮させることができる。伸縮ユニット112の伸縮方向はZ方向である。

0084

伸縮ユニット113も、本実施形態の場合、パンタグラフ式のジャッキであり、上側の端部部材113aと、下側の端部部材113bと、端部部材113aと端部部材113bとを接続するリンク機構113cと、ハンドル113dとを含む。下側の端部部材113bは、接続ユニット110に固定されている。ハンドル113dはリンク機構113cに設けられたねじ軸−ナット機構を操作するハンドルである。作業者がこのハンドル113dを回転させることで、端部部材113a及び113bを近接・離間する方向にリンク機構113cを伸縮させることができる。

0085

伸縮ユニット113は、伸縮ユニット112に対して水平方向に延びる揺動軸114を介して揺動可能に連結されている。本実施形態の場合、複数の記録ヘッド30がキャリッジ31に支持されているため、記録ヘッド30によって、Z方向に対する記録ヘッド30の上下方向の傾きが異なる。伸縮ユニット113が揺動可能であることで、その伸縮方向を記録ヘッド30の傾きに対応して変更することが可能である。

0086

伸縮ユニット112の端部部材112bには、揺動軸114を支持する2つの軸受112eが設けられている。また、伸縮ユニット113の端部部材113aには、揺動軸114を支持する2つの軸受113eが設けられている。揺動軸114がこれらの軸受112e、113eを挿通していることで、伸縮ユニット113が伸縮ユニット112に対して揺動自在である。

0087

図12は、伸縮ユニット112及び113を伸長した態様の一例を示している。図示の例において、伸縮ユニット113は伸縮ユニット112に対して揺動軸114回りに揺動しており、その揺動角度はロック部材106によりロックされている。ロック部材106は、揺動軸104の端部に脱着自在に装着されて揺動角度をロック可能とする板状の部材であり、揺動角度のロックが必要である場合に用いられる。ロック部材106は揺動軸104が挿通する穴106aと、伸縮ユニット112の端部部材112bと係合する係合部106bと、伸縮ユニット113の端部部材113aと係合する係合部106cとを含む。

0088

伸縮ユニット112の端部部材112bには係合部106bと係合する係合部112fが設けられている。本実施形態の場合、係合部112fは端部部材112bの側部から突出するピンであり、係合部106bはピンが挿通する穴である。本実施形態の場合、係合部112fは2つ設けられており、対応する係合部106bも2つ設けられている。

0089

伸縮ユニット113の端部部材113aには係合部106cと係合する係合部113fが設けられている。本実施形態の場合、係合部113fは端部部材113aの側部から突出するピンであり、係合部106cはピンが挿通する穴である。本実施形態の場合、係合部112fは2つ設けられている。対応する係合部106cは揺動軸114を中心として弧状に連続して形成した穴列である。係合部112fを差し込む穴列中の穴の選択により、伸縮ユニット113の揺動角度を変更しつつ、その揺動角度にて伸縮ユニット113を伸縮ユニット112にロックすることが可能である。

0090

図12にはまた、伸縮ユニット112を補強する補強部材105が取り付けられた状態を示している。図12に示すように、伸縮ユニット113がZ方向に対して傾斜した状態で記録ヘッド30を接続ユニット110に保持した場合、伸縮ユニット112は、伸縮ユニット113及び記録ヘッド30を片持ち状態で支持することになる。補強部材105は、このような状態において、伸縮ユニット112の垂直姿勢を維持するために選択的に用いられる井桁状の部材である。

0091

図13は昇降ユニット101の収縮状態において補強部材105を昇降ユニット101に取付けた態様を示し、図14は補強部材105の上端部の構成を示している。補強部材105はZ方向に延びるレール部材105aを有し、その上端部はブラケット105bを介して伸縮ユニット112の端部部材112aに脱着自在に固定される。伸縮ユニット112の端部部材112bにはブラケット105dを介してローラ105cが取り付けられる。ローラ105cはレール部材105aの側面を転動する。伸縮ユニット112を収縮状態から伸長した場合、ローラ105cがレール部材105a上を転動することで、伸縮ユニット112の伸長動作が円滑に行われる。更に、レール部材105aによって伸縮ユニット112の剛性が補強され、その撓みを防止することができる。

0092

次に、案内ユニット102の構成について図10図11図15A図15B及び図16を参照して説明する。案内ユニット102は、本実施形態の場合、昇降ユニット101のX方向とY方向の移動を案内可能である。しかし、昇降ユニット101の移動方向はX方向又はY方向のいずれか一方向であってもよい。この場合、記録装置1Aの全長方向と奥行き方向とでは、昇降ユニット101の移動距離が少ない点で奥行き方向(Y方向)が有利である。

0093

案内ユニット102は、図9のフレームFに支持される一対のレール部材120を含む。各レール部材120は回復位置POS3の上方でX方向に延設されており、昇降ユニット101のX方向の移動を案内する。案内ユニット102は一対のレール部材120の案内により移動するスライダ121を含む。スライダ121は、一対のレール部材120に跨る枠体であり、その内側に一対のスライドレール123を備える。一対のスライドレール123は、X方向に離間して配置されている。各スライドレール123の伸縮方向はY方向であり、昇降ユニット101のY方向の移動を案内する。

0094

一対のスライドレール123にはスライダ104が支持されている。スライダ104は、一対のスライドレール123の最内側の可動レールに固定されており、この可動レールと共にY方向に移動する。スライダ104は、一対のスライドレール123間に架設されたベース部材104aと、ベース部材104aに支持された連結部材104bとを含む。

0095

連結部材104bは、昇降ユニット101と案内ユニット102とを連結する部材であり、本実施形態の場合、ベース部材104aと伸縮ユニット112の端部部材112aとを連結する。連結部材104bは、Z方向の中心軸Cz回りに回動自在な2部材から構成されており、その一つがベース部材104aに、他の一つが端部部材112aに固定されている。このため、昇降ユニット101は垂直軸である中心軸Cz回りに回動可能である。図15A図15Bは昇降ユニット101の回動例を示している。図15Aはキャリッジ31から記録ヘッド30を挿抜する際の昇降ユニット101の回動位置を示しており、図15B図15Aの昇降ユニット101を回動位置から90度回動させた回動位置を示している。記録ヘッド30を機外に搬出する過程で、図15Bの回動位置に昇降ユニット101の姿勢を変化させることで、作業スペースをより広く確保できる場合がある。

0096

案内ユニット102は、昇降ユニット101のX方向の位置をロック可能とするロックユニット122を備える。本実施形態の場合、ロックユニット122はスライダ121に支持されており、フレームFと係合することでスライダ121のX方向の位置をロックする。これにより昇降ユニット101のX方向の位置がロックされる。

0097

図16図17A及び図17Bを参照してロックユニット122について説明する。レール部材120を支持するフレームFには、昇降ユニット101の停止が予定されている各位置について、係合部ENが形成されている。本実施形態の場合、係合部ENは穴である。図17A及び図17Bはロックユニット122の動作説明図であって、係合部ENにおける垂直断面図を示している。

0098

レール部材120は、下方に開放したC字断面を有しており、その内側にはスライダ121のローラ121aが転動自在に収容されている。レール部材120は角型鋼管状のフレームFの下面に固定されている。係合部ENはフレームFの側面下部に形成されている。図17Aロック解除状態を示し、図17Bロック状態を示す。ロックユニット122は、ピン部材122aと、ピン部材122aに連結されたハンドル122bとピン部材122aを係合部ENに対して身体自在に支持する支持部材122cとを含む。支持部材122cはスライダ121に固定されている。

0099

作業者が図17Aの状態からハンドル122bを図17Bに示すようにピン部材122aの軸線回りに回動させると、ピン部材122aが係合部ENに進入して係合状態となる。これによりスライダ121がX方向に移動不能となり、昇降ユニット101のX方向の位置がロックされる。ハンドル122bを逆に操作すると図17Aの状態に戻り、スライダ121がX方向に移動可能となり、昇降ユニット101のX方向の位置のロックが解除される。

0100

(交換作業)
作業支援装置100を用いた記録ヘッド30の交換作業の例について説明する。まず、図8図18図26を参照してキャリッジ31から記録ヘッド30を取り外し、回復ユニット12の奥側の作業台200まで記録ヘッド30を搬送する作業について説明する。

0101

図8は、キャリッジ31において同図左端に位置する記録ヘッド30を取り外す場合が想定されている。まず、同図に示すように記録ヘッド30上に収縮状態にある昇降ユニット101が作業者によって移動される。その際、案内ユニット102により昇降ユニット101の移動が案内される。作業者はロックユニット122により昇降ユニット101のX方向の位置をロックする。

0102

図18に示すように昇降ユニット101を伸長し、接続ユニット110と記録ヘッド30とを接続する。図19図18の段階での作業支援装置100と記録ヘッド30とを抜き出して図示したものである。伸縮ユニット112及び113はいずれも伸長状態にある。伸縮ユニット113は記録ヘッド30の傾斜に合わせて揺動され、その揺動角度がロック部材106によりロックされている。図示の例では補強部材105を用いていないが用いてもよい。

0103

キャリッジ31に対して記録ヘッド30がボルト等で固定されている場合は、その固定を解除する。次に、図20に示すように、伸縮ユニット113を収縮させ、記録ヘッド30をキャリッジ31から上方へ引き上げる。この場合の引き上げ方向は、記録ヘッド30の傾斜方向(伸縮ユニット113の揺動角度方向)である。なお、このとき伸縮ユニット112は収縮されない。

0104

続いてロック部材106を取り外して伸縮ユニット113の揺動角度のロックを解除し、図21に示すように伸縮ユニット112を収縮して記録ヘッド30をキャリッジ31からZ方向に引き上げる。これにより記録ヘッド30がキャリッジ31の上方に位置する。

0105

図22に示すようにスライドレール123を伸長する。記録ヘッド30は昇降ユニット101と共にY方向に移動し、実質的に記録装置1Aの機外に移動する。ロックユニット122による昇降ユニット101のX方向の位置のロックを解除し、図23に示すようにスライダ121をX方向に移動する。記録ヘッド30は昇降ユニット101と共にX方向に移動し、作業台200上に到達する。作業者はロックユニット122により昇降ユニット101のX方向の位置を再びロックする。

0106

図24に示すように昇降ユニット101の姿勢を90度回動する。記録ヘッド30も90度回動する。図25に示すように伸縮ユニット101を伸長して記録ヘッド30を作業台200上に降ろす。図26図25の段階での作業支援装置100と記録ヘッド30とを抜き出して図示したものである。伸縮ユニット101は、記録ヘッド30の降下に必要な量だけ伸長される。その後、接続ユニット110から記録ヘッド30が取り外されることになる。

0107

次に、記録ヘッド30をキャリッジ31へ装着する際の作業について説明する。装着作業においては作業台200からキャリッジ31上に記録ヘッド30が搬送される。この作業は基本的に取り外し作業と逆の手順であり、説明を省略する。以下の説明では、図27A図28Bを参照して、作業支援装置100によって記録ヘッド30をキャリッジ31に降ろすことでキャリッジ31に装着される際の案内部材103の機能を中心に説明する。

0108

図27Aは作業支援装置100によって記録ヘッド30がキャリッジ31上へ搬送された状態を示す。取り外し時の図21の状態と同じ状態である。作業者はロックユニット122により昇降ユニット101のX方向の位置を再びロックする。また、必要に応じて補強部材105を伸縮ユニット112に取付ける。

0109

伸縮ユニット112を伸長させると、図27Bに示すように記録ヘッド30の係合部303が案内部材103と当接し始める。伸縮ユニット113は揺動軸114を介して伸縮ユニット112に揺動自在に連結されている。このため、図27C図28Aに示すように伸縮ユニット112がZ方向に伸長するにつれ、係合部303と案内部材103との当接によって案内部材103に記録ヘッド30の姿勢変化(傾斜)が案内される。これにより、伸縮ユニット113も揺動する。このように案内部材103の働きにより、記録ヘッド30を降ろせば、適切な姿勢に記録ヘッド30が導かれることになる。

0110

伸縮ユニット112の伸長により、やがて記録ヘッド30がその下部301をキャリッジ31の装着部33に装着可能な位置に記録ヘッド30が位置する。ここで、図28Bに示すようにロック部材106によって伸縮ユニット113の揺動角度をロックする。そして、伸縮ユニット113を伸長させることで、記録ヘッド30を装着部33に装着することができる。

0111

(システムの外装構成の例)
記録システム1の外装構成の例について図29を参照して説明する。図29は、記録装置1A、搬送装置1Bを囲む構造体400の外観斜視図である。本実施形態の構造体400は、格子状のフレームにパネルを取り付けて構成される中空壁体構造である。フレームは、例えば、角型鋼管を溶接して構成され、パネルは例えば、金属板である。本実施形態の構造体400は、記録装置1A及び搬送装置1Bの全域を囲むが一部を囲むものであってもよい。構造体400を設けることで内部の記録装置1A、搬送装置1Bを保護したり、それらの動作環境を安定させることができる。

0112

構造体400は、不動の本体部408と、変位可能に設けられた可動部401〜403を含む。可動部401及び402は、本実施形態の場合、X方向に開閉可能なスライドドアである。本書において、可動部401、402のことをスライドドアと呼ぶ場合がある。図29はスライドドア401、402が閉位置にある状態を示している。可動部403は、本実施形態の場合、記録装置1Aの上方を覆い、Z方向に開閉可能な天面カバーである。本書において、可動部403のことを天面カバー403と呼ぶ場合がある。図29は天面カバー403は閉位置にある状態を示している。

0113

図30はスライドドア401、402が開位置にある状態を示す。スライドドア401、402を開位置に変位させると、構造体400の内部の、記録ヘッド30が放射状に配置された記録ユニット3が露出する。また、天面カバー403の内側に配置された作業支援装置100も露出する。図30に図示されるように、天面カバー403が閉位置にあるとき、作業支援装置100の昇降ユニット101は、記録ユニット3のX方向の中央からずれた位置(収納位置)に位置している。本実施形態の場合、昇降ユニット101は、X方向の最端部に位置する記録ヘッド30の上方に配置されている。記録ヘッド30は放射状に配置されているため、X方向の中央部に位置する記録ヘッド30と、X方向の端部に位置する記録ヘッド30とでは、天面カバー403とのZ方向の距離が異なっている。X方向の端部に位置する記録ヘッド30と天面カバー403との間には、比較的広い空間があることからここに昇降ユニット101を位置させることで、構造体400の内部空間を効率的に活用できる。昇降ユニット101がこの収納位置にあれば、記録動作時に記録ユニット3が移動しても記録ヘッド30と昇降ユニット101が接触することもない。

0114

図31図32は天面カバー403が開位置にある状態の外観図であり、図31は斜視図、図32は構造体400をX方向に見た図である。開位置において、天面カバー403は閉位置よりもZ方向で上側に位置し、かつ、Y方向にずれて位置している。本実施形態の場合、天面カバー403は、複数のリンク部材404により構成されるリンク機構によって閉位置と開位置とに平行移動する。リンク部材404は、その一端が本体部408に回動可能に支持され、その他端が天面カバー403に回動自在に支持されている。

0115

開閉レバー405は、作業者が天面カバー403の開閉操作を行うために設けられたU字型の部材である。開閉レバー40は、把持部405aが設けられたX方向に延びる棒状の部分405bと、その両端部に設けられた一対の棒状の部分405cとを含み、各部分405cは、本体部408に回動自在に支持されている。

0116

複数のガススプリング406が、天面カバー403と本体部408との間に設けられている。ガススプリング406は、天面カバー403が閉位置から開位置に変位する際に、作業者操作力を補助する一方、天面カバー403が開位置から閉位置へ変位する際に、その移動速度を減速する。換言すると、ガススプリング406は、天面カバー403を開位置に変位する方向に付勢し、閉位置に変位する方向に抵抗する。複数のストッパフレーム407は、天面カバー403が開位置の状態において、天面カバー403及びリンク機構の姿勢を拘束する部材である。天面カバー403は、矩形のフレームFを含み、フレームFには作業支援装置100(特に案内ユニット102)が支持されている。

0117

天面カバー403を閉位置から開位置に変位させる手順について説明する。作業者が開閉レバー405の把持部405aを上方に引き上げると、開閉レバー405が天面カバー403に設けられた凸部403Aを押し上げ、天面カバー403全体が持ち上がり始める。4本のリンク部材404に支えられた天面カバー403は、さらにガススプリング406の伸長力に補助され、ほぼ水平姿勢を維持したまま上方へと移動する。

0118

図33Aは天面カバー403が開位置にある状態を示す構造体400の外観斜視図であって、特に、構造体400のパネルの図示を省略した図である。図33B図33Aにおける構造体400の部分400Aの部分拡大図である。ストッパフレーム407の一端部は本体部408を構成するメインフレーム407に回動自在に支持され、反対側の他端部はスライド部材410に回動自在に支持されている。スライド部材410は、リンク部材404に設けられたレール部材409の案内により、リンク部材404の長手方向にスライド自在である。リンク部材404の回動に伴いスライド部材410は、レール部材409の端部に設けられたスライダストッパ411に当接するまでスライドする。スライド部材410がスライダストッパ411に当接すると、リンク部材404の回動および天面カバー403の移動は停止する。そして、ガススプリング406の付勢力により、リンク部材404及び天面カバー403の姿勢が維持される。

0119

天面カバー403を開位置から閉位置に変位させる手順について説明する。作業者が開閉レバー405の把持部405aを下方に下げると、レバーリンク部材413を介して天面カバー403を下げる方向の力が加わる。レバーリンク部材413は、その一端部が開閉レバー405に回動自在に支持されている。また、天面カバー403に設けたピンがスライドする溝が、その長手方向に形成されており、天面カバー403が下方に引き下げられる際には、溝の端部にピンが係合して点検カバー403を下げる方向の力が加わる。ガススプリング406の付勢力によって、天面カバー403の変位が減速されつつ、天面カバー403は閉位置へ変位する。

0120

次に、天面カバー403及びリンク部材404により構成されるリンク機構の姿勢を拘束するリンクロック部材412について説明する。図34は天面カバー403が閉位置にある場合の説明図である。リンクロック部材412は天面カバー403に回動自在に支持されている。また、リンクロック部材412の端部はストッパフレーム407上に載置されている。天面カバー403が閉じた状態では、リンクロック部材412はストッパフレーム407に支えられた姿勢になっている。

0121

図35は天面カバー403が開位置に変位し、リンクロック部材412によりロックがかかった状態の説明図である。天面カバー403が閉位置から開位置へ変位する過程でストッパフレーム407が移動すると、リンクロック部材412はストッパフレーム407に支えられている端部の相対位置が変化して、その姿勢が変化する。姿勢の変化は自重を利用したものであってもよいし、別に設けたバネ等の付勢力を利用したものであってもよい。天面カバー403が開位置に変位すると、リンクロック部材412のフック形状の係合部412aがストッパフレーム407のシャフト部407Aに係合する。リンクロック部材412の係合部とストッパフレーム407のシャフト部407Aとが係合した状態では天面カバー403とストッパフレーム407の姿勢や拘束され、両者の相対位置が変化不能となる。この状態のまま、開閉レバー405を操作しても天面カバー403を下げることはできない。拘束を解除するためには、ロックリリースレバー414でリンクロック部材412を移動させ、シャフト部407Aから係合部412aを外す。これにより、天面カバー403を閉位置へ下げることが可能になる。

0122

図36は天面カバー403が開位置にあり、かつ、リンクロック部材412による拘束が解除された状態の説明図である。図37はロックリリースレバー414を含むリリース機構Mを示す説明図である。リリース機構Mは、リンクロック部材412による拘束を解除可能な気候であり、ロックリリースレバー414や案内機構417を備える。リリースレバー414は作業支援装置100の近傍に取り付けられ、案内機構417の案内によってX方向とY方向に変位可能である。ロックリリースレバー414がY方向で最も奥(図36で左側)に移動し、かつX方向でリンクロック部材412と同じ場所に位置するとき、ロックリリースレバー414はリンクロック部材412の突出部412bを押して、リンクロック部材412を解除方向へ回動させることができる。リリースレバー414は、通常は図35に示すように、リリースレバーばね418で付勢されリンクロック部材412から離れている。

0123

伸縮ロック部材415は、伸縮ユニット111に着脱自在に装着される部材であって、伸縮ユニット101を収縮状態で拘束する部材である。伸縮ロック部材415は、作業支援装置100の伸縮ユニット112および113を最も縮めたときに、ハンドル112dと113dおよび揺動軸114に嵌合可能となる。そして、揺動軸114の端部のねじ部を使用して取り付けノブ416で伸縮ユニット111に伸縮ロック部材415を取り付けることができる。昇降ユニット101のX方向の位置が収納位置に位置している状態で、伸縮ロック部材415が伸縮ユニット101に装着されると、装着に連動してロックリリースレバー414は押されてY方向で最も奥に移動し、リンクロック部材412の突出部412bを押す。これにより、リンクロック部材412による天面カバー403及びリンク機構の拘束が解除される。つまり、昇降ユニット101を収納位置に位置させ、かつ、伸縮ユニット111を伸縮ロック部材415によって収縮状態に拘束しなければ天面カバー403は閉位置に変位不能となる。これは、記録動作中に不用意に伸縮ユニット101が伸長して作業支援装置100の一部がキャリッジ3や記録ヘッド30と干渉することを防止できる。リンクロック部材412の位置を、天面カバー403を閉じるときの昇降ユニット101の収納位置に対応した位置とすることで、天面カバー403は作業支援装置100を縮めて収納させない限り閉じられないことになる。なお、昇降ユニット101は、上述したロックユニット122によりX方向の位置を拘束可能であり、収納位置に拘束可能である。

0124

次に、作業支援装置100による交換作業の際の、構造体400に関わる手順を説明する。まず、スライドドア401とスライドドア402を左右に開き、次に開閉レバー405の把持部405aを上方に持ち上げる。天面カバー403が開位置に変位した状態で作業支援装置100の伸縮ユニット111から伸縮ロック部材415を取り外す。リンクロック部材412により天面カバー403及びリンク機構の姿勢が拘束され、交換作業中、天面カバー403が開位置に維持される。ロックユニット122を解除して、昇降ユニット101を収納位置から移動可能にする。

0125

交換作業が終了したら、昇降ユニット101を収納位置に移動し、ロックユニット122によりそのX方向の位置をロックする。作業支援装置100の伸縮ユニット112および113を最も縮めて伸縮ロック部材415を装着する。これにより、リンクロック部材412による拘束が解除される。次に開閉レバー405の把持部405aを下方に引き下げて天面カバー403を閉じ、さらにスライドドア左401とスライドドア右402を左右から閉じる。

0126

<他の実施形態>
上記実施形態の場合、昇降ユニット101の伸縮と、案内ユニット102による昇降ユニット101の水平方向の移動とをいずれも手動にしたが、全部又は一部を自動化してもよい。その場合、昇降ユニット101の伸縮ユニット111として、例えば、エアシリンダ電動シリンダ等のアクチュエータを用いることができる。また、昇降ユニット101の水平方向の移動は、モータを駆動源としたボールねじ機構ベルト伝動機構等を用いることができる。

0127

また、上記実施形態では、転写式の記録装置1Aに作業支援装置100を用いた例を説明したが、作業支援装置100は紙などの記録媒体に、直接、インクを吐出して該記録媒体に画像を記録する方式の記録装置にも適用可能である。

0128

また、本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。

0129

1 記録システム、1A記録装置1A、100 作業支援装置

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