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技術 成形体の製造方法及び成形体の製造装置

出願人 住友ベークライト株式会社
発明者 矢山由洋古川剛
出願日 2018年8月7日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2018-148609
公開日 2020年2月13日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-023097
状態 未査定
技術分野 プラスチック等の成形用の型 曲げ・直線化成形、管端部の成形、表面成形
主要キーワード 空気圧縮機構 幅広タイプ プレス下板 プレス上板 インプリント成形 線模様 フラットタイプ 剥離温度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

金型転写面の微細構造を歪なく精密に転写することのできる、微細構造が転写された成形体の製造方法と、これを実現する成形体の製造装置を提供する。

解決手段

加熱された金型10の微細構造を有する転写面10aに、被転写材20の表面20aを押圧する工程と、被転写材20を、被転写材20の金型10とは接していない反対の側から冷却して、金型10から被転写材20を剥離させる工程と、を有する、被転写材20の表面20aに微細構造が転写された成形体の製造方法。

概要

背景

樹脂基板上又は樹脂フィルム上に微細パターンが形成された成形体の製造方法としては、例えばフォトリソグラフィ法熱インプリント法が知られている。
熱インプリント法は、インプリント成形に適した成形性を得るために、先ず、樹脂ガラス転移温度(Tg)以上の温度まで加熱して軟化させた後、その軟化した樹脂を、金型微細構造を有する転写面に押し当て加圧成形し、この状態で該樹脂をTg以下まで冷却した後、金型から該樹脂を離型すると、樹脂表面に金型の転写面の微細構造が転写されて凹凸が形成されるという方法である。熱インプリント法を用いる場合、フォトリソグラフィ法を用いる場合に比べて、大幅な工程短縮ができるという利点がある。

例えば、特許文献1には、熱インプリント法により、半硬化の状態のドライフィルムに、成形型を加熱された状態で押圧し、押圧後に冷却して、成形型の凹凸の形状が反転して転写されたフレネルレンズを形成する方法が開示されている。
また、特許文献2には、熱インプリント法により、液体試料検査キットに用いられる凹部微細構造を有する膜担体を形成する方法が開示されている。

概要

金型の転写面の微細構造を歪なく精密に転写することのできる、微細構造が転写された成形体の製造方法と、これを実現する成形体の製造装置を提供する。加熱された金型10の微細構造を有する転写面10aに、被転写材20の表面20aを押圧する工程と、被転写材20を、被転写材20の金型10とは接していない反対の側から冷却して、金型10から被転写材20を剥離させる工程と、を有する、被転写材20の表面20aに微細構造が転写された成形体の製造方法。

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、金型の転写面の微細構造を歪なく精密に転写することのできる、微細構造が転写された成形体の製造方法と、これを実現する成形体の製造装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

加熱された金型微細構造を有する転写面に、被転写材の表面を押圧する工程と、前記被転写材を、前記被転写材の前記金型とは接していない反対の側から冷却して、前記金型から前記被転写材を剥離させる工程と、を有する、被転写材の表面に微細構造が転写された成形体の製造方法。

請求項2

前記被転写材に冷風を吹き付けることにより前記被転写材を冷却して、前記金型から前記被転写材を剥離させる工程を有する、請求項1に記載の成形体の製造方法。

請求項3

前記被転写材の一方の端から他方の端に冷風を吹き付けることにより前記被転写材を冷却して、前記金型から前記被転写材を剥離させる工程を有する、請求項2に記載の成形体の製造方法。

請求項4

前記被転写材が樹脂フィルムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形体の製造方法。

請求項5

前記被転写材がポリシクロオレフィン樹脂フィルムである、請求項4に記載の成形体の製造方法。

請求項6

前記剥離させる工程において、前記金型の剥離温度T(℃)と、前記被転写材のガラス転移温度Tg(℃)とが、下記式(1)の関係を充足する、請求項4又は5に記載の成形体の製造方法。Tg−50℃≦T≦Tg+30℃・・・(1)

請求項7

前記金型の転写面がNi電鋳処理されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の成形体の製造方法。

請求項8

加熱された金型の微細構造を有する転写面に被転写材の表面を押圧する手段と、前記被転写材に、前記被転写材の前記金型とは接していない反対の側から冷風を吹き付ける手段と、を有する、被転写材の表面に微細構造が転写された成形体の製造装置

技術分野

0001

本発明は、成形体の製造方法及び成形体の製造装置に関する。

背景技術

0002

樹脂基板上又は樹脂フィルム上に微細パターンが形成された成形体の製造方法としては、例えばフォトリソグラフィ法熱インプリント法が知られている。
熱インプリント法は、インプリント成形に適した成形性を得るために、先ず、樹脂ガラス転移温度(Tg)以上の温度まで加熱して軟化させた後、その軟化した樹脂を、金型微細構造を有する転写面に押し当て加圧成形し、この状態で該樹脂をTg以下まで冷却した後、金型から該樹脂を離型すると、樹脂表面に金型の転写面の微細構造が転写されて凹凸が形成されるという方法である。熱インプリント法を用いる場合、フォトリソグラフィ法を用いる場合に比べて、大幅な工程短縮ができるという利点がある。

0003

例えば、特許文献1には、熱インプリント法により、半硬化の状態のドライフィルムに、成形型を加熱された状態で押圧し、押圧後に冷却して、成形型の凹凸の形状が反転して転写されたフレネルレンズを形成する方法が開示されている。
また、特許文献2には、熱インプリント法により、液体試料検査キットに用いられる凹部微細構造を有する膜担体を形成する方法が開示されている。

先行技術

0004

国際公開第2012/043573号
国際公開第2016/098740号

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、従来の熱インプリント法により得られる成形体では、金型の凹凸の微細構造に対して、被転写材に転写された微細構造には歪が生じるおそれがある。

0006

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、金型の転写面の微細構造を歪なく精密に転写することのできる、微細構造が転写された成形体の製造方法と、これを実現する成形体の製造装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、加熱された金型の転写面に押圧された被転写材を、前記被転写材の前記金型とは接していない反対の側から冷却すると、外力を加えなくとも金型から被転写材を剥離させることができ、被転写材に金型の転写面の微細構造を歪なく精密に転写することができることを見出したものである。

0008

上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。
[1] 加熱された金型の微細構造を有する転写面に、被転写材の表面を押圧する工程と、前記被転写材を、前記被転写材の前記金型とは接していない反対の側から冷却して、前記金型から前記被転写材を剥離させる工程と、を有する、被転写材の表面に微細構造が転写された成形体の製造方法。
[2] 前記被転写材に冷風を吹き付けることにより前記被転写材を冷却して、前記金型から前記被転写材を剥離させる工程を有する、前記[1]に記載の成形体の製造方法。
[3] 前記被転写材の一方の端から他方の端に冷風を吹き付けることにより前記被転写材を冷却して、前記金型から前記被転写材を剥離させる工程を有する、前記[2]に記載の成形体の製造方法。
[4] 前記被転写材が樹脂フィルムである、前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の成形体の製造方法。
[5] 前記被転写材がポリシクロオレフィン樹脂フィルムである、前記[4]に記載の成形体の製造方法。
[6] 前記剥離させる工程において、前記金型の剥離温度T(℃)と、前記被転写材のガラス転移温度Tg(℃)とが、下記式(1)の関係を充足する、前記[4]又は[5]に記載の成形体の製造方法。
Tg−50℃≦T≦Tg+30℃ ・・・(1)
[7] 前記金型の転写面がNi電鋳処理されている、前記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の成形体の製造方法。
[8] 加熱された金型の微細構造を有する転写面に被転写材の表面を押圧する手段と、前記被転写材に、前記被転写材の前記金型とは接していない反対の側から冷風を吹き付ける手段と、を有する、被転写材の表面に微細構造が転写された成形体の製造装置。

発明の効果

0009

本発明の成形体の製造方法及び成形体の製造装置により、金型の転写面の微細構造を歪なく精密に転写することができ、微細構造が転写された成形体を製造することができる。

図面の簡単な説明

0010

本発明の成形体の製造装置の一例を模式的に示す概略断面図である。
本発明の成形体の製造方法の一例で用いられる金型10を示すものであり、図2(a)は金型10の転写面10aの上面図、図2(b)は金型10のA−A縦断面図である。
本発明の成形体の製造方法の一例を模式的に示す概略断面図である。
図3(c)、図3(d)、及び図3(e)の、被転写材20及びエアーノズル42の関係を示す上面図である。
本発明の成形体の製造方法の、被転写材を、金型とは接していない反対の側から冷却する様子の一例を模式的に示す概略断面図である。
比較例の成形体の製造方法の、金型10から被転写材20を剥離させる様子の一例を模式的に示す概略断面図である。

0011

以下、本発明を適用した実施形態である成形体の製造方法及び成形体の製造装置について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。

0012

<<成形体の製造方法>>
本発明の被転写材の表面に微細構造が転写された成形体の製造方法は、加熱された金型の微細構造を有する転写面に、被転写材の表面を押圧する工程(以下「工程(i)」と表記する)と、前記被転写材を、前記被転写材の前記金型とは接していない反対の側から冷却して、前記金型から前記被転写材を剥離させる工程(以下「工程(ii)」と表記する)と、を有する。

0013

<第1実施形態>
本実施形態の製造方法では、特定の製造装置を用いて、前記の工程(i)及び工程(ii)を行うことにより、被転写材の表面に微細構造が転写された成形体が製造される。

0014

(成形体の製造装置)
図1は、本発明の成形体の製造装置の一例を模式的に示す概略断面図である。本実施形態の成形体の製造方法では、図1の成形体の製造装置1が用いられている。成形体の製造装置1は、被転写材の表面に微細構造が転写された成形体を製造する装置であって、加熱された金型の微細構造を有する転写面に被転写材の表面を押圧する手段30と、押圧を開放した後、前記被転写材に、前記被転写材の前記金型とは接していない反対の側から冷風を吹き付ける手段40と、を有する。押圧する手段30は、プレス上板31及びプレス下板32を備える加圧装置からなり、プレス下板32は温度を自動制御できるようにできている。冷風を吹き付ける手段40は、エアーノズル42、エアーノズル42に冷風を供給する空気圧縮機構(図示せず)及びエアーノズル42を走査するためのノズル移動機構43を備える冷却装置からなる。

0015

(金型)
金型10は微細構造を有する転写面10aを備えている。図2(a)は、本実施形態で用いる金型10の転写面10aを示す上面図であり、図2(b)は、金型10のA−A縦断面図である。金型10の微細構造は、多数の凸部を有しており、個別の凸部の形状は、円柱状であり、金型の転写面がNi電鋳処理されている。

0016

(被転写材)
本実施形態では、被転写材20として、樹脂フィルムを用いる。具体的には、ガラス転移温度(Tg)が136℃のポリシクロオレフィン樹脂フィルムを用いる。

0017

図1において、被転写材20はシリコンウェハ33を介してプレス上板31に設置され、金型10はシリコンウェハ34を介してプレス下板32に設置される。そして、被転写材20の表面20aは、金型10の転写面10aに向かい合わされる。

0018

被転写材の厚さは、0.01mm以上10mm以下であることが好ましく、0.02mm以上5mm以下であることがより好ましく、0.04mm以上2mm以下であることが特に好ましい。被転写材の厚さを上記下限値以上にすることにより、被転写材にシワが発生することを抑制することができ、被転写材の厚さを前記上限値以下にすることにより、被転写材を、金型とは接していない反対の側から冷却する際に、熱伝導性を良くすることができ、短時間に金型から被転写材を剥離させることができる。

0019

[工程(i)]
工程(i)は、加熱された金型の微細構造を有する転写面に、被転写材の表面を押圧する工程である。

0020

図3は、本発明の成形体の製造方法の一例を模式的に示す断面図である。なお、図3以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。

0021

金型10は、所定の温度に加熱Hされている。そして、加熱された金型10の微細構造を有する転写面10aに、被転写材20の表面20aを向かい合わせる(図3(a))。

0022

次に、加熱Hされた金型10の微細構造を有する転写面10aに被転写材20の表面20aを押圧Pする(図3(b))。加熱Hされた金型10の熱が被転写材20に伝わり、被転写材20の表面20aが柔らかくなることで、金型10の転写面10aの微細構造の反転形状に被転写材20の表面20aが塑性変形し、被転写材20の表面20aに、金型10の転写面10aの微細構造が転写される。

0023

工程(i)において、金型は所定の温度に加熱される。金型の押圧時温度T0は、被転写材20の表面20aが柔らかくなり、被転写材20の表面20aに、金型10の転写面10aの微細構造が転写される温度であれば限定されない。金型の押圧時温度T0は、被転写材として用いる材料によって適宜選択することができる。例えば、被転写材として熱可塑性樹脂を用いる場合であれば、金型の押圧時温度T0(℃)と、被転写材のガラス転移温度Tg(℃)とが、式「Tg+5℃≦T0≦Tg+60℃」の関係を充足することが好ましく、式「Tg+10℃≦T0≦Tg+50℃」の関係を充足することがより好ましく、式「Tg+15℃≦T0≦Tg+40℃」の関係を充足することが特に好ましい。

0024

[工程(ii)]
工程(ii)は、前記被転写材を、前記被転写材の前記金型とは接していない反対の側から冷却して、前記金型から前記被転写材を剥離させる工程である。

0025

被転写材20を、被転写材20の金型10とは接していない反対の側20bから冷却Cして、金型10から被転写材20を剥離させる。従来の熱インプリント法に際しては、被転写材を金型から剥離する際、被転写材に外力を加えることで成形体表面の微細構造に歪が生じてしまうおそれがあったのに対して、本実施形態の成形体の製造方法では、被転写材20を、被転写材20の金型10とは接していない反対の側20bから冷却Cすることで、外力を加えることなく、被転写材20は湾曲することなく、また、一定の速度で、金型10から被転写材20を剥離させることができる。そして、被転写材20の表面20aに、金型の転写面の微細構造が歪なく精密に転写された成形体22を得ることができる。

0026

本実施形態においては、被転写材20を、被転写材20の金型10とは接していない反対の側20bから冷風を吹き付けることにより冷却Cする。被転写材20全体に、冷風を強力に吹き付けることで、短時間に、金型10から被転写材20を剥離することができる。それにより、金型の剥離温度Tが比較的高い条件で、外力を加えなくとも金型から被転写材を剥離させることができ、金型の転写面の微細構造を歪なく精密に転写することができる。

0027

冷風の温度は、加熱された金型を好適に冷却することができる温度であれば限定されず、常温であってもよい。本明細書において、常温とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味する。

0028

被転写材20全体に、冷風を強力に吹き付けるに際しては、被転写材20の一方の端から他方の端に、すなわち、被転写材20の一方の端(図3(c))から、中央部(図3(d))を経て、他方の端(図3(e))に、冷風を吹き付けることにより被転写材20を冷却することが好ましい。これにより、金型10から被転写材20を、被転写材20の一方の端から、中央部を経て、他方の端にかけて、徐々に剥離させることができ、容易に、被転写材20全体に、金型の転写面の微細構造を歪なく精密に転写させることができる。

0029

被転写材20の一方の端から他方の端に冷風を吹き付けるに際しては、図3(c)、図3(d)、及び図3(e)に示すように、被転写材20の一方の端から他方の端にエアーノズル42を走査することで、被転写材20の一方の端(図3(c))から、中央部(図3(d))を経て、他方の端(図3(e))にかけて、徐々に冷風を吹き付けて被転写材20を冷却することができる。

0030

図4は、図3(c)、図3(d)、及び図3(e)の、被転写材20及びエアーノズル42の位置関係を示す上面図であって、被転写材20の一方の端から他方の端にエアーノズル42を走査する様子を示している。

0031

金型10から被転写材20が、被転写材20の一方の端から、中央部を経て、他方の端にかけて、一定の速さで徐々に剥離するよう、エアーノズル42を走査する速さも、およそ一定であることが好ましい。これにより、容易に、被転写材20全体に、金型の転写面の微細構造を歪なく精密に転写させ、剥離させることができる。

0032

工程(ii)において、金型は所定の温度に制御されることが好ましい。金型の剥離温度Tは、被転写材を、被転写材の金型とは接していない反対の側から冷却して、被転写材の金型に対する収縮率差により、外力を加えなくとも金型から被転写材を剥離させることができ、金型の転写面の微細構造を歪なく精密に転写することができる温度であれば限定されない。金型の剥離温度T(℃)と、前記被転写材のガラス転移温度Tg(℃)とが、下記式(1)の関係を充足することが好ましい。
Tg−50℃≦T≦Tg+30℃ ・・・(1)

0033

また、金型の剥離温度Tは、被転写材のガラス転移温度Tgのほか、金型の転写面の微細構造のピッチの大きさによっても調整することが好ましく、金型の転写面の微細構造のピッチが小さければ、金型の剥離温度Tは低めに調整することが好ましく、金型の転写面の微細構造のピッチが大きければ、金型の剥離温度Tは高めに調整することが好ましい。金型の剥離温度T(℃)と、前記被転写材のガラス転移温度Tg(℃)とが、式「Tg−40℃≦T≦Tg+20℃」の関係を充足することがより好ましく、式「Tg−30℃≦T≦Tg+10℃」の関係を充足することが特に好ましい。金型の剥離温度Tを、前記下限値以上の温度に設定することにより、金型の転写面の微細構造を歪なく精密に転写されやすくなり、金型の剥離温度Tを、前記上限値以下の温度に設定することにより、短時間に効率よく、金型から被転写材を剥離させることができる。

0034

以上説明した第1実施形態の製造方法においては、加熱された金型の転写面に押圧された被転写材を、前記被転写材の前記金型とは接していない反対の側から冷却すると、被転写材が収縮して小さくなることにより、外力を加えなくとも、被転写材は湾曲することなく、また、一定の速度で、金型から被転写材を剥離させることができ、被転写材に金型の転写面の微細構造を歪なく精密に転写することができる。

0035

(成形体)
第1実施形態の製造方法により製造される成形体の表面には、金型10の転写面10aの微細構造の反転形状が、歪なく精密に転写されている。また、成形体の表面の離型ムラが抑制され、例えば被転写材として透明樹脂フィルムを用いた場合においては、光透過率の低下が抑制される。

0036

<その他実施形態>
上述した第1実施形態の製造方法では、被転写材の材質としては、ポリシクロオレフィンを採用していたが、本発明に係る製造方法においては、加熱された金型の微細構造を有する転写面に被転写材の表面を押圧することで、被転写材の表面に、金型の転写面の微細構造が転写され得るものであれば、限定されない。被転写材の材質として熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。

0037

被転写材として用いる熱可塑性樹脂としては、たとえばポリメタクリル酸メチルポリカーボネート、ポリシクロオレフィン、ポリエチレンポリスチレンポリプロピレンアクリロニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリノルボルネンポリエチレンテレフタレート等を用いることができ、非晶性の樹脂を用いることが特に好ましい。非晶性の材料は、成形温度幅が広いため成形性が良好であり、寸法安定性にも優れる。非晶性の樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体などが挙げられる。

0038

被転写材の形状としては、被転写材の、金型とは接していない反対の側から冷却して、金型から剥離させることができるものであれば限定されないが、板状、膜状、フィルム状又はシート状であることが好ましい。

0039

被転写材の上記材質の観点及び、上記形状の観点から、被転写材は樹脂フィルムであることが好ましい。また、樹脂フィルムの熱収縮が大きいこと、また、離型性が良いことから、被転写材はポリシクロオレフィン樹脂フィルムであることがより好ましい。

0040

上述した第1実施形態では、図3(c)〜(e)に示すように、被転写材20の金型10とは接していない反対の側20bから、被転写材20の面に対して垂直方向に冷風を吹き付けていたが、これに限定されない。図5に示すように、エアーノズル42の進行方向に対して、後ろ向きに角度をつけて、冷風を吹き付けてもよい。また、エアーノズル42として、フラットタイプエアーノズルを用いて、エアーノズル42を走査する速さを一定にすることで、金型10から被転写材20が、被転写材20の一方の端から、中央部を経て、他方の端にかけて、一定の速さで徐々に剥離させることができ、離型ムラを生じさせることなく、金型の転写面の微細構造を歪なくより精密に、被転写材20の表面に転写することができる。

0041

<<成形体の製造装置>>
図1の成形体の製造装置1の図面を用いて、本発明の成形体の製造装置を、より詳細に説明する。
成形体の製造装置1は、被転写材の表面に微細構造が転写された成形体を製造する装置であって、金型10と、加熱された金型の微細構造を有する転写面に被転写材の表面を押圧する手段30と、前記被転写材に、前記被転写材の前記金型とは接していない反対の側から冷風を吹き付ける手段40と、を有する。

0042

金型10は、微細構造を有する転写面10aを有する。微細構造を有する転写面としては、ストライプ状の凹凸の微細構造であってもよく、個別の凹部または凸部を有する微細構造であってもよいが、金型の転写面の微細構造を歪なく精密に転写することができる、本件発明の効果をより際立たせることができることから、個別の凹部または凸部を有する微細構造が好ましい。

0043

前記個別の凸部および前記凹部の形状は、柱状、錐状、半球状、これら形状の角部を面取りした形状、各形状同士を連結した形状、または各形状同士を合成した形状のいずれかであってもよい。例えば、前記凸部の形状が、柱状のものとしては、円柱状のものであってもよく、四角柱状のものであってもよい。

0044

金型の転写面の前記凸部の高さは、0.01〜3000μmであってもよく、0.02〜2000μmであってもよく、0.03〜1000μmであってもよい。前記凸部のピッチは、0.02〜6000μmであってもよく、0.04〜4000μmであってもよく、0.06〜2000μmであってもよい。

0045

金型の転写面の前記凸部が円柱状のものとしては、図2に示すものが挙げられる。円柱の直径dは、0.1〜3000μmであってもよく、0.2〜2000μmであってもよく、0.3〜1000μmであってもよい。円柱の高さhは、0.01〜3000μmであってもよく、0.02〜2000μmであってもよく、0.03〜1000μmであってもよい。円柱のピッチpは、0.02〜6000μmであってもよく、0.04〜4000μmであってもよく、0.06〜2000μmであってもよい。

0046

金型の微細構造を有する転写面は、公知の微細構造を有する金型の製造方法により製造することができる。金型の前記転写面はNi電鋳処理されていることが好ましい。

0047

加熱された金型の微細構造を有する転写面に被転写材の表面を押圧する手段30としては、図1に示す、プレス上板31及びプレス下板32を備える加圧装置を例示できる。プレス下板32は温度を自動制御できるようにできており、プレス上板31及びプレス下板32との間は、押圧力を自動制御できるようにできている。また、プレス上板31も温度を自動制御できるようにできている。被転写材20及びプレス上板31はシリコンウェハ33を介して固定され、金型10及びプレス下板32はシリコンウェハ34を介して固定されている。金型10及びプレス下板32はシリコンウェハ34を介して固定されている。

0048

被転写材に冷風を吹き付ける手段40としては、エアーノズル42、このエアーノズル42に冷風を供給する空気圧縮機構(図示せず)及びこのエアーノズル42を走査するためのノズル移動機構43を備える冷却装置を挙げることができる。ノズル移動機構43を備えることで、被転写材に冷風を吹き付ける手段40は、図3(c)、図3(d)、図3(e)、及び図4に示すように、被転写材20の一方の端から他方の端にエアーノズル42を走査することができ、被転写材20の一方の端から他方の端に、すなわち、被転写材20の一方の端(図3(c))から、中央部(図3(d))を経て、他方の端(図3(e))に、冷風を吹き付けて被転写材20を冷却することができる。

0049

また、被転写材に冷風を吹き付ける手段40は、図5に示すように、エアーノズル42の進行方向に対して、後ろ向きに角度をつけて、被転写材20に冷風を吹き付けることができるようにノズル移動機構43が設けられていることが好ましい。

0050

エアーノズル42としては、スリットエアーノズル、フラットタイプエアーノズル、幅広タイプエアーノズル等の名称で市販されているエアーノズルを用いることができる。

0051

以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。

0052

実施例、参考例及び比較例で用いた金型及び被転写材を以下に説明する。
・金型(A)
金型(A)は、Ni電鋳処理された微細構造を有する転写面が設けられている。この微細構造は、図2に示す、直径(d)が10μm、高さ(h)が10μmの円柱状の凸部を、ピッチ(p)が20μmとなるように設けられている。

0053

・金型(B)
金型(B)は、Ni電鋳処理された微細構造を有する転写面が設けられている。この微細構造は、図2に示す、直径(d)が10μm、高さ(h)が10μmの円柱状の凸部を、ピッチ(p)が15μmとなるように設けられている。

0054

・被転写材
ポリシクロオレフィン樹脂フィルム(日本ゼオン社製ゼオノアフィルムZF−14、厚さ:0.19mm、Tg:136℃)を被転写材として用いた。以下、この被転写材をCOPフィルムという。

0055

動的粘弾性測定、及び、ガラス転移温度(Tg)の測定>
以下の条件下で、被転写材として用いたCOPフィルムの、貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率(G”)を測定した。貯蔵弾性率(G’)の下がり始めの変曲点から、ガラス転移温度(Tg)を求めたところ、136℃であった。

0056

測定装置ティーエイインスツルメント社製ARES−2KFRTN1−FCO−HR
サンプルサイズパラレルプレートφ25mm、ギャップ2mm
測定条件:100℃〜180℃、5℃/min
周波数:1Hz

0057

<成形体の製造>
[実施例1]
155℃に加熱された金型(A)の微細構造を有する転写面に、COPフィルムの表面を、4MPaの圧力で2分間押圧し、その後、同じ圧力で押圧したまま、金型(A)及びCOPフィルムの温度を135℃まで約3分間で冷却し、その後、135℃の温度を維持した。
押圧を開放し、金型(A)の温度を135℃に維持したまま、図3に示すように、一方の端(図3(c))から、中央部(図3(d))を経て、他方の端(図3(e))にかけて、フラットタイプエアーノズルを用いて、常温の冷風を吹き付けてCOPフィルムの全体を冷却した。
このとき、COPフィルムに常温の冷風を吹き付けると同時に、一方の端(図3(c))から、中央部(図3(d))を経て、他方の端(図3(e))にかけて、COPフィルムは、湾曲することなく、一定速度で、金型(A)から剥離して、実施例1の成形体を得た。

0058

COPフィルムの表面には、金型(A)の転写面の微細構造が転写され、円柱状の凹部が形成された。円柱状の凹部のパターン形状は、上面からみてそれぞれ円形であり、長径短径の比は1.00倍であった。被転写材の前記金型とは接していない反対の側から冷却することで、金型の剥離温度T(℃)をCOPフィルムのガラス転移温度136℃よりもわずか1℃低く設定することで、パターン形状の歪を抑制しつつ、成形体を金型から剥離させることができた。また、得られた成形体は、COPフィルムの透明性が維持され、透明であった。

0059

<成形体の製造>
[実施例2]
155℃に加熱された金型(B)の微細構造を有する転写面に、COPフィルムの表面を、4MPaの圧力で2分間押圧し、その後、同じ圧力で押圧したまま、金型(B)及びCOPフィルムの温度を110℃まで約3分間で冷却し、その後、110℃の温度を維持した。
押圧を開放し、金型(B)の温度を110℃に維持したまま、図3に示すように、一方の端(図3(c))から、中央部(図3(d))を経て、他方の端(図3(e))にかけて、フラットタイプエアーノズルを用いて、常温の冷風を吹き付けてCOPフィルムの全体を冷却した。
このとき、COPフィルムに常温の冷風を吹き付けると同時に、一方の端(図3(c))から、中央部(図3(d))を経て、他方の端(図3(e))にかけて、湾曲することなく、一定速度で、COPフィルムは金型(B)から剥離して、実施例2の成形体を得た。

0060

COPフィルムの表面に、金型(B)の微細構造が転写され、円柱状の凹部が形成された。円柱状の凹部のパターン形状は、上面からみてそれぞれ円形であり、長径/短径の比は1.00倍であった。金型(B)は金型(A)よりもピッチが狭いために、金型の剥離温度T(℃)を金型(A)の場合よりも低く設定する必要があったが、COPフィルムのガラス転移温度136℃よりも26℃低く設定することで、パターン形状の歪を抑制ししつつ、成形体を金型から剥離させることができた。また、得られた成形体は、COPフィルムの透明性が維持され、透明であった。

0061

<成形体の製造>
[参考例1]
初めに、155℃に加熱された金型(A)の微細構造を有する転写面に、COPフィルムの表面を、4MPaの圧力で2分間押圧し、その後、同じ圧力で押圧したまま、金型(A)及びCOPフィルムの温度を50℃まで約3分間で冷却した。
押圧を開放すると、COPフィルムは金型(A)から自然に剥離した。
COPフィルムの表面に、金型(A)の転写面の微細構造が転写され、略円柱状の凹部が形成されたが、略円柱状の凹部のパターン形状は、離型した際に歪が生じて、上面からみて楕円形状をしており、長径/短径の比は1.36倍であった。

0062

[参考例2]
155℃に加熱された金型(A)の微細構造を有する転写面に、COPフィルムの表面を、4MPaの圧力で2分間押圧し、その後、同じ圧力で押圧したまま、金型(A)及びCOPフィルムの温度を110℃まで約3分間で冷却した。
押圧を開放すると、金型(A)からCOPフィルムを手作業で容易に剥離させることができた。
COPフィルムの表面に、金型(A)の転写面の微細構造が転写され、略円柱状の凹部が形成されたが、略円柱状の凹部のパターン形状は、離型した際に歪が生じて、上面からみて楕円形状をしており、長径/短径の比は1.22倍であった。

0063

[比較例1]
155℃に加熱された金型(A)の微細構造を有する転写面に、COPフィルムの表面を、4MPaの圧力で2分間押圧し、その後、同じ圧力で押圧したまま、金型(A)及びCOPフィルムの温度を135℃まで約3分間で冷却した。
押圧を開放し、135℃に加熱したホットプレート上で、COPフィルムの端を手で摘まんで離型させた。図6は、この金型10から被転写材20を剥離させる様子の一例を模式的に示す概略断面図である。得られた成形体は、剥離方向に依存した、略円柱状の凹部のパターン形状に歪が観察された。パターン形状の歪が生じた箇所は、透過光散乱し、COPフィルムの透明性が低下していた。剥離させる際に、外力が加えられたためにCOPフィルムが湾曲し、被転写材に転写されたパターン形状に歪が生じた結果、透明性が低下したものと考えられる。

実施例

0064

[比較例2]
155℃に加熱された金型(A)の微細構造を有する転写面に、COPフィルムの表面を、4MPaの圧力で2分間押圧し、その後、同じ圧力で押圧したまま、金型(A)及びCOPフィルムの温度を135℃まで約3分間で冷却した。
押圧を開放し、離型する前の金型(A)及びCOPフィルムを装置から取り出した。常温で、シリコンウェハ33側から、COPフィルムが離型する様子を観察したところ、COPフィルムは端から離型していったが、一定速度で離型せず、離型ムラが線模様となって現れた。離型ムラが生じた箇所は、略円柱状の凹部のパターン形状に歪が生じて、透過光が散乱し、COPフィルムの透明性が低下していた。金型の転写面の微細構造を歪なく精密に転写するためには、一定の速度で剥離させる条件が必要であると考えられる。

0065

本発明は、フレネルレンズを有する光導波路の製造、液体試料検査キットに用いられる凹部微細構造を有する膜担体の製造等に利用可能である。

0066

1・・・製造装置、10・・・金型、10a・・・転写面、20・・・被転写材、20a・・・表面、20b・・・被転写材の反対の側、22・・・成形体、30・・・押圧する手段、31・・・プレス上板、32・・・プレス下板、33・・・シリコンウェハ、34・・・シリコンウェハ、40・・・冷風を吹き付ける手段、42・・・エアーノズル、43・・・ノズル移動機構、H・・・加熱、P・・・押圧、C・・・冷却、d・・・直径、p・・・ピッチ、h・・・高さ

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