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技術 射出成形型、射出成形システム、および、射出成形方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 馬場陽一郎
出願日 2018年8月6日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-147818
公開日 2020年2月13日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-023067
状態 未査定
技術分野 プラスチック等の成形用の型
主要キーワード 高圧空気供給装置 傾斜内周面 抜き角 ストレートパイプ 固化収縮 小径内周面 樹脂中空体 径内周面
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

簡単な構成で、内周面型抜テーパのない長尺直管部を含む樹脂中空体を、脱型時の傷付きを低減しつつ精度良く成形する。

解決手段

内周面に型抜きテーパのない長尺の直管部を含む樹脂中空体を成形する射出成形型3である。直管部の内周面を形成する直円柱状部を有する中子コア部23を備えている。中子コア部23における、樹脂中空体の型抜き方向後端部に対応する軸方向一方側の端部に、径方向内側に凹む溝部23cが全周に亘って形成されている。

概要

背景

合わせ面に凹部が形成された割型と、当該凹部に収容される中子との隙間(キャビティ)に溶融樹脂充填し、冷却後に割型を開き、中子の周り固化した樹脂を中子から引き抜くことで樹脂中空体成形する射出成形方法が従来から知られている。

このような射出成形方法では、固化収縮した樹脂中空体が中子の外周面張り付いているため、真っ直ぐな中子から樹脂中空体を引き抜くのは困難な上、無理に引き抜くと樹脂中空体の内周面が傷付くおそれがある。それ故、射出成形に用いられる射出成形型では、樹脂中空体の型抜き側に向かって窄むように、中子の外周面に型抜きテーパをつけるのが一般的である。

もっとも、型抜きテーパをつけた中子で成形される樹脂中空体の内周面には当然に型抜きテーパが生じるため、かかる樹脂中空体を用いて容器等を製造した場合には、型抜きテーパのない樹脂中空体を用いた場合に比して、容器の容積が減少し、内容物の貯蔵量が減少するという問題がある。

そこで、型抜きテーパのないストレートな樹脂中空体を射出成形するべく、例えば、キャビティ内に射出された溶融樹脂内でフローティングコアを移動させて中空体を形成する手法(例えば特許文献1参照)や、成形後に中子を変形させて中空体を抜き取る手法(例えば特許文献2参照)等が提案されている。

概要

簡単な構成で、内周面に型抜きテーパのない長尺直管部を含む樹脂中空体を、脱型時の傷付きを低減しつつ精度良く成形する。内周面に型抜きテーパのない長尺の直管部を含む樹脂中空体を成形する射出成形型3である。直管部の内周面を形成する直円柱状部を有する中子コア部23を備えている。中子コア部23における、樹脂中空体の型抜き方向後端部に対応する軸方向一方側の端部に、径方向内側に凹む溝部23cが全周に亘って形成されている。

目的

本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成で、内周面に型抜きテーパのない長尺の直管部を含む樹脂中空体を、脱型時の傷付きを低減しつつ精度良く成形する技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

内周面型抜テーパのない長尺直管部を含む樹脂中空体成形する射出成形型であって、上記直管部の内周面を形成する直円柱状部を有する中子を備え、上記中子における、上記樹脂中空体の型抜き方向後端部に対応する軸方向一方側の端部に、径方向内側に凹む溝部が全周に亘って形成されていることを特徴とする射出成形型。

請求項2

上記請求項1に記載の射出成形型において、上記中子の軸方向他方側の端面および外周面との間にキャビティが形成されるように配置され、当該中子に対して軸方向他方側および径方向外側に離れるように変位可能な外型を備え、上記中子には、軸方向に貫通するエア流路が形成されていることを特徴とする射出成形型。

請求項3

内周面に型抜きテーパのない長尺の直管部を含む樹脂中空体を成形する射出成形システムであって、上記直管部の内周面を形成する直円柱状部を有し、径方向内側に凹む溝部が軸方向一方側の端部に全周に亘って形成され且つ軸方向に貫通するエア流路が形成された中子と、当該中子の軸方向他方側の端面および外周面との間にキャビティが形成されるように配置され、当該中子に対して軸方向他方側および径方向外側に離れるように変位可能な外型と、を有する射出成形型と、上記中子の外周に形成された上記樹脂中空体の軸方向一方側の端部を、軸方向他方側に押す押出装置と、上記エア流路に高圧空気送り込む高圧空気供給装置と、を備えることを特徴とする射出成形システム。

請求項4

内周面に型抜きテーパのない長尺の直管部を含む樹脂中空体を成形する射出成形方法であって、上記直管部の内周面を形成する直円柱状部を有し、径方向内側に凹む溝部が軸方向一方側の端部に全周に亘って形成され且つ軸方向に貫通するエア流路が形成された中子と、当該中子の軸方向他方側の端面および外周面との間にキャビティが形成されるように配置され、当該中子に対して軸方向他方側および径方向外側に離れるように変位可能な外型と、を有する射出成形型を用意し、上記中子の軸方向他方側の端面および外周面と上記外型との間に形成されたキャビティに溶融樹脂充填する射出工程と、上記外型を上記中子に対して軸方向他方側および径方向外側に相対変位させる型開き工程と、上記樹脂中空体を軸方向他方側に押して、上記溝部内に形成された径方向内側に突出する凸条部を、上記中子の外周面に乗り上げさせる第1型抜き工程と、上記エア流路に高圧空気を送り込んで、上記樹脂中空体を軸方向他方側に押し出す2型抜き工程と、を含むことを特徴とする射出成形方法。

技術分野

0001

本発明は、内周面型抜テーパのない長尺直管部を含む樹脂中空体成形する射出成形型射出成形システム、および、射出成形方法に関するものである。

背景技術

0002

合わせ面に凹部が形成された割型と、当該凹部に収容される中子との隙間(キャビティ)に溶融樹脂充填し、冷却後に割型を開き、中子の周り固化した樹脂を中子から引き抜くことで樹脂中空体を成形する射出成形方法が従来から知られている。

0003

このような射出成形方法では、固化収縮した樹脂中空体が中子の外周面張り付いているため、真っ直ぐな中子から樹脂中空体を引き抜くのは困難な上、無理に引き抜くと樹脂中空体の内周面が傷付くおそれがある。それ故、射出成形に用いられる射出成形型では、樹脂中空体の型抜き側に向かって窄むように、中子の外周面に型抜きテーパをつけるのが一般的である。

0004

もっとも、型抜きテーパをつけた中子で成形される樹脂中空体の内周面には当然に型抜きテーパが生じるため、かかる樹脂中空体を用いて容器等を製造した場合には、型抜きテーパのない樹脂中空体を用いた場合に比して、容器の容積が減少し、内容物の貯蔵量が減少するという問題がある。

0005

そこで、型抜きテーパのないストレートな樹脂中空体を射出成形するべく、例えば、キャビティ内に射出された溶融樹脂内でフローティングコアを移動させて中空体を形成する手法(例えば特許文献1参照)や、成形後に中子を変形させて中空体を抜き取る手法(例えば特許文献2参照)等が提案されている。

先行技術

0006

特開2012−131136号公報
特開2011−131523号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、フローティングコアを移動させて樹脂中空体を形成する手法には、フローティングコアの挙動を制御するのが難しく、樹脂中空体の板厚精度が低くなるという問題がある。また、成形後に中子を変形させて樹脂中空体を抜き取る手法には、特殊な中子が必要となるため、成形型の構成が複雑となり、製造コストが嵩むという問題がある。

0008

本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成で、内周面に型抜きテーパのない長尺の直管部を含む樹脂中空体を、脱型時の傷付きを低減しつつ精度良く成形する技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

前記目的を達成するため、本発明では、樹脂中空体の型抜き方向後端部に径方向内側に突出する凸条部を設けることで、型抜きテーパをつけた場合と同様の型抜き状態を作出するようにしている。

0010

具体的には、本発明は、内周面に型抜きテーパのない長尺の直管部を含む樹脂中空体を成形する射出成形型を対象としている。

0011

そして、この射出成形型は、上記直管部の内周面を形成する直円柱状部を有する中子を備え、上記中子における、上記樹脂中空体の型抜き方向の後端部に対応する軸方向一方側の端部に、径方向内側に凹む溝部が全周に亘って形成されていることを特徴とするものである。

0012

なお、本発明において「内周面に型抜きテーパのない長尺の直管部を含む樹脂中空体」とは、樹脂中空体の軸心と内周面の母線とが平行な区間(直管部)を含むものであり、全長に亘って直管部で構成された樹脂中空体でもよいし、その一部に直管部を含む樹脂中空体でもよい。

0013

さらに、樹脂中空体を中子から型抜く際には、中子の基端から先端に向けて、換言すると、中子の先端部に対応する部位を前側として樹脂中空体を引き抜くところ、本発明において「樹脂中空体の型抜き方向の後端部に対応する軸方向一方側の端部」とは、中子の基端部を指す。

0014

以上を前提に、この構成によれば、中子の基端部に径方向内側に凹む溝部が全周に亘って形成されていることから、当該溝部に充填された溶融樹脂が固化することで、樹脂中空体の型抜き方向の後端部に径方向内側に突出する凸条部が全周に亘って形成される。

0015

ところで、樹脂中空体の型抜き側に向かって窄むように、中子に型抜きテーパをつけた場合には、樹脂中空体を型抜き方向前側に少量移動させると、それ以後、樹脂中空体の内周面と中子の外周面との間に隙間が空くことになる。

0016

そうして、本発明のように、樹脂中空体の型抜き方向の後端部に凸条部が形成された場合にも、樹脂中空体を型抜き方向前側に少量移動させると、溝部から抜け出した凸条部が中子の外周面に乗り上げて、樹脂中空体の型抜き方向の後端部が拡径することから、樹脂中空体の内周面と中子の外周面との間に隙間が形成されることになる。

0017

つまり、本発明によれば、中子の基端部に溝部を形成するという簡単な構成で、型抜きテーパがないのに、型抜きテーパをつけた場合と同様の型抜き状態を作出することができ、これにより、内周面の傷付きを低減しつつ樹脂中空体を中子から引き抜くことができる。しかも、中子の基端部に溝部を形成するだけなので、樹脂中空体の板厚精度が低くなるおそれもない。

0018

以上により、本発明によれば、簡単な構成で、内周面に型抜きテーパのない長尺の直管部を含む樹脂中空体を、脱型時の傷付きを低減しつつ精度良く成形することができる。

0019

また、上記射出成形型では、上記中子の軸方向他方側の端面および外周面との間にキャビティが形成されるように配置され、当該中子に対して軸方向他方側および径方向外側に離れるように変位可能な外型を備え、上記中子には、軸方向に貫通するエア流路が形成されていることが好ましい。

0020

この構成によれば、中子の軸方向他方側(先端側)の端面と外型との間にキャビティが形成されることから、樹脂中空体の型抜き方向前側の端部を閉塞する部位(仮に閉塞部と称する)が形成される。

0021

上述の如く、樹脂中空体を型抜き方向前側に少量移動させると、凸条部が中子の外周面に乗り上げて、樹脂中空体の内周面と中子の外周面との間に隙間が形成されるため、それ以後は、樹脂中空体を中子から抜き取るのに大きな力を要しない。また、樹脂中空体を型抜き方向前側に少量移動させると、中子の先端面と閉塞部との間にも隙間が生じるので、エア流路に送り込んだ高圧空気を閉塞部全面に作用させることができる。それ故、エア流路から高圧空気を送り込めば、閉塞部が高圧空気で型抜き方向前側に押されることで、樹脂中空体を中子から容易に抜き取ることが可能となる。

0022

つまり、押出装置等を用いて凸条部を溝部から抜き出しさえすれば、それ以後は高圧空気にて樹脂中空体を中子から抜き取ることが可能となるので、押出装置等のストロークを短くすることができ、押出装置等が大掛かりになるのを抑えることができる。加えて、高圧空気を送り込むことで、樹脂中空体が径方向に若干拡がることから、樹脂中空体の内周面と中子の外周面との隙間が拡がるので、樹脂中空体を中子からより一層スムーズに抜き取ることができる。

0023

さらに、本発明は、内周面に型抜きテーパのない長尺の直管部を含む樹脂中空体を成形する射出成形システムをも対象としている。

0024

そして、この射出成形システムは、上記直管部の内周面を形成する直円柱状部を有し、径方向内側に凹む溝部が軸方向一方側の端部に全周に亘って形成され且つ軸方向に貫通するエア流路が形成された中子と、当該中子の軸方向他方側の端面および外周面との間にキャビティが形成されるように配置され、当該中子に対して軸方向他方側および径方向外側に離れるように変位可能な外型と、を有する射出成形型と、上記中子の外周に形成された上記樹脂中空体の軸方向一方側の端部を、軸方向他方側に押す押出装置と、上記エア流路に高圧空気を送り込む高圧空気供給装置と、を備えることを特徴とするものである。

0025

この構成によれば、押出装置により樹脂中空体を軸方向他方側に押すことで、凸条部を溝部から抜け出させるとともに、高圧空気供給装置が送り込む高圧空気により、樹脂中空体を中子から抜き取ることができるので、上記効果と同様の効果を得ることができる。

0026

また、本発明は、内周面に型抜きテーパのない長尺の直管部を含む樹脂中空体を成形する射出成形方法をも対象としている。

0027

この射出成形方法では、上記直管部の内周面を形成する直円柱状部を有し、径方向内側に凹む溝部が軸方向一方側の端部に全周に亘って形成され且つ軸方向に貫通するエア流路が形成された中子と、当該中子の軸方向他方側の端面および外周面との間にキャビティが形成されるように配置され、当該中子に対して軸方向他方側および径方向外側に離れるように変位可能な外型と、を有する射出成形型を用意する。

0028

そして、この射出成形方法は、上記中子の軸方向他方側の端面および外周面と上記外型との間に形成されたキャビティに溶融樹脂を充填する射出工程と、上記外型を上記中子に対して軸方向他方側および径方向外側に相対変位させる型開き工程と、上記樹脂中空体を軸方向他方側に押して、上記溝部内に形成された径方向内側に突出する凸条部を、上記中子の外周面に乗り上げさせる第1型抜き工程と、上記エア流路に高圧空気を送り込んで、上記樹脂中空体を軸方向他方側に押し出す2型抜き工程と、を含むことを特徴とするものである。

0029

この構成によれば、上記効果と同様の効果を得ることができる。

発明の効果

0030

以上説明したように、本発明に係る射出成形型、射出成形システム、および、射出成形方法によれば、簡単な構成で、内周面に型抜きテーパのない長尺の直管部を含む樹脂中空体を、脱型時の傷付きを低減しつつ精度良く成形することができる。

図面の簡単な説明

0031

本発明の実施形態に係る射出成形システムを模式的に示す図であり、同図(a)は型締め状態を示し、同図(b)は型開き状態を示している。
射出工程を模式的に説明する図である。
図2のA部に対応する拡大図である。
型開き工程を模式的に説明する図である。
第1型抜き工程を模式的に説明する図である。
図5のA部に対応する拡大図である。
第2型抜き工程を模式的に説明する図である。
切断工程を模式的に説明する図である。
型抜き時仕組みを模式的に説明する図であり、同図(a)および(b)は本実施形態の中子コア部を用いた場合を示し、同図(c)および(d)は型抜きテーパをつけた中子コア部を用いた場合を示し、同図(e)および(f)は単に型抜きテーパのない中子コア部を用いた場合を示す。
変形例1に係る射出成形型および樹脂中空体を模式的に示す図である。
変形例2に係る射出成形型および樹脂中空体を模式的に示す図である。
変形例3に係る樹脂パイプを模式的に示す図である。

実施例

0032

以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。

0033

−射出成形システム−
図1は、本実施形態に係る射出成形システム1を模式的に示す図であり、同図(a)は型締め状態を示し、同図(b)は型開き状態を示している。この射出成形システム1は、水素タンク等に用いられる樹脂パイプ50(図8(b)参照)の中間品である、内周面41aに型抜きテーパのない(抜き角0°の)長尺の樹脂中空体40(図8(a)参照)を射出成形するものである。この射出成形システム1は、射出成形型3と、押出装置5と、高圧空気供給装置7と、を備えていて、図1(a)に示すように簡素な構成となっている。なお、図1(b)では、図を見易くするために、高圧空気供給装置7を図示省略している。

0034

射出成形型3は、射出機(図示せず)の取付板に固定される固定型10と、固定型10に対して金型軸線MA方向に相対変位可能に構成された可動型20と、を有していて、金型軸線MA方向に開閉する(型開きする)構造を有している。

0035

固定型10には、金型軸線MA方向に窪み、後述する中子コア部23および外殻コア部25,27が収容される凹部11が形成されている。また、固定型10には、金型軸線MA方向に延び凹部11に連通する樹脂注入口12が設けられている。この樹脂注入口12には、射出機の射出ノズル9が接続されている。

0036

可動型20は、ベース部21と、中子コア部(中子)23と、2つの外殻コア部25,27と、を有している。

0037

ベース部21には、金型軸線MA上で延びるエア流路21aが貫通形成されている。また、ベース部21には、金型軸線MAを中心とし、固定型10側に開口する円環状の凹部21bが形成されている。さらに、ベース部21には、金型軸線MA方向に延びていて、凹部21bに連通する複数の孔21cが形成されている。

0038

中子コア部23は、樹脂中空体40の内周面41aを形成するものであり、内周面41aに型抜きテーパのない樹脂中空体40に対応して、外周面23aにテーパ角のない直円柱状に形成されている。この中子コア部23は、その軸心が金型軸線MAと一致するように、ベース部21に固定されている。それ故、中子コア部23の軸方向と樹脂中空体40の型抜き方向とが一致している。ベース部21に固定された中子コア部23の外周面23aは、ベース部21に形成された円環状の凹部21bの内周面と面一になっている。なお、以下では、中子コア部23の基端側(ベース部21側)を軸方向一方側とも称し、中子コア部23の先端側(固定型10側)を軸方向他方側とも称する。

0039

図1に示すように、中子コア部23における、樹脂中空体40の型抜き方向の後端部に対応する軸方向一方側の端部(基端部)には、径方向内側に凹む溝部23cが全周に亘って形成されている。この溝部23cは、その縁が、中子コア部23の軸方向一方側の端に位置するように形成されている。なお、図1では、図を見易くするために、溝部23cの大きさを誇張して示している。

0040

さらに、中子コア部23の中央部には軸方向に貫通するエア流路23dが形成されている。このエア流路23dは、ベース部21に形成されたエア流路21aと同軸且つ同径に形成されていて、エア流路21aと連通している。また、中子コア部23の軸方向他方側の端部(先端部)には、エア流路23dの一部を縮径した絞り部23eが形成されている。

0041

2つの外殻コア部25,27は、樹脂中空体40の外周面41b(図8(a)参照)を形成するものであり、レール(図示せず)を介して、ベース部21に対して上下方向に摺動可能に連結されているとともに、レール(図示せず)を介して、固定型10に対しても凹部11の傾斜方向に摺動可能に連結されている。これにより、2つの外殻コア部25,27は、図1(b)に示すように、固定型10と可動型20との型開きに連動して上下に分離し、樹脂中空体40の外周面41bから離型する割型として構成されている。換言すると、2つの外殻コア部25,27は、固定型10が中子コア部23に対して軸方向他方側に離れるのに連動して、中子コア部23に対して径方向外側に離れるように構成されている。

0042

2つの外殻コア部25,27の合わせ面(割面)には、型締め状態で、中子コア部23と同軸で且つ中子コア部23の外径よりも大きな内径を有する直円柱状の空間が形成されるように半円柱状の凹部がそれぞれ設けられている。これにより、凹部を区画する外殻コア部25,27の内周面25a,27aと、中子コア部23の外周面23aとの間に、円筒状の第1キャビティ3aが形成されるようになっている。なお、型締め状態では、外殻コア部25,27の内周面25a,27aは、ベース部21に形成された円環状の凹部21bの外周面と面一になっている。

0043

また、本実施形態の射出成形型3では、図1に示すように、固定型10の凹部11における底面11aと、中子コア部23の軸方向他方側の端面23bとの間にも、円盤状の第2キャビティ3bが形成されるようになっている。この第2キャビティ3bは、樹脂注入口12と連通している。

0044

これらにより、本実施形態では、固定型10および2つの外殻コア部25,27が、本発明でいうところの「中子の軸方向他方側の端面および外周面との間にキャビティが形成されるように配置され、当該中子に対して軸方向他方側および径方向外側に離れるように変位可能な外型」に相当する。

0045

押出装置5は、機械式エジェクタ(図示せず)と、エジェクトリング31と、複数のロッド32と、エジェクタプレート33と、エジェクタピン34と、を有している。

0046

エジェクトリング31は、その先端面が、ベース部21における中子コア部23が取り付けられた面と面一になるように、ベース部21に形成された円環状の凹部21bに収容されている。上述の如く、中子コア部23の外周面23aと凹部21bの内周面とが面一になっており、且つ、外殻コア部25,27の内周面25a,27aと凹部21bの外周面とが面一になっていることから、凹部21bに収容されたエジェクトリング31が第1キャビティ3aの軸方向一方側の端面を区画するようになっている。

0047

なお、図1では、図を見易くするために、エジェクトリング31の金型軸線MA方向の厚さを誇張して示しており、実際には、エジェクトリング31の厚さは、中子コア部23の全長に対して極めて小さい値に設定されている。

0048

複数のロッド32は、ベース部21に形成された複数の孔21cにそれぞれ摺動可能に挿通されている。複数のロッド32は、その先端部(軸方向他方側の端部)がエジェクトリング31に接続されている一方、その基端部(軸方向一方側の端部)がエジェクタプレート33に固定されている。エジェクタプレート33は、機械式エジェクタに備えられたエジェクタピン34と接続されている。

0049

エジェクタピン34は、機械式エジェクタによって金型軸線MA方向に進退するように構成されており、これにより、エジェクタプレート33および複数のロッド32が金型軸線MA方向に進退する。エジェクトリング31は、それらの進退に連動して、図1(a)に示すように、凹部21bに収容されたり、図1(b)に示すように、凹部21bから押し出されたりする。

0050

高圧空気供給装置7は、図1(a)に示すように、ベース部21に形成されたエア流路21aと接続されていて、エア流路21aおよびこれと連通するエア流路23dに高圧空気を送り込むように構成されている。

0051

−射出成形方法−
次いで、上記射出成形システム1を用いた射出成形方法について説明する。本実施形態の射出成形方法は、射出工程と、型開き工程と、第1型抜き工程と、第2型抜き工程と、切断工程と、を含んでいる。

0052

〈射出工程〉
図2は、射出工程を模式的に説明する図である。射出工程では、中子コア部23の外周面23aと外殻コア部25,27の内周面25a,27aとの間に形成された第1キャビティ3a、および、中子コア部23の軸方向他方側の端面23bと固定型10の凹部11における底面11aとの間に形成された第2キャビティ3bに溶融樹脂を充填する。

0053

具体的には、図2に示すように、固定型10と可動型20とを閉じた状態(型締め状態)で、射出機から射出ノズル9を介して、図2白抜き矢印で示すように、樹脂注入口12へ溶融樹脂を射出する。射出された溶融樹脂は、樹脂注入口12を通って、第2キャビティ3bに到達する。第2キャビティ3bに到達した溶融樹脂は、当該第2キャビティ3b内で中央部(樹脂注入口12に対応する位置)から放射状に広がり、当該第2キャビティ3bの径方向外側の端部(外殻コア部25,27の内周面25a,27a)まで到達した後、第1キャビティ3aに供給される。第1キャビティ3aおよび第2キャビティ3bに溶融樹脂が充填されると、射出工程が完了する。

0054

このように、本実施形態では、第1キャビティ3aの他に第2キャビティ3bを設けることで、円筒状の第1キャビティ3aに対し360°均一に溶融樹脂を供給することが可能となるので、例えば第1キャビティ3aに一箇所から溶融樹脂を供給する場合に比して、第1キャビティ3a内に溶融樹脂をムラなく充填することができる。

0055

なお、第2キャビティ3bに供給された溶融樹脂はエア流路23dにも入り込むが、エア流路23dの先端部(軸方向他方側の端部)には絞り部23eが形成されているので、溶融樹脂は少量しか入り込まず、しかも、入り込んだ少量の溶融樹脂も冷却固化されて絞り部23e付近で止まる。

0056

図3は、図2のA部に対応する拡大図である。第2キャビティ3bを介して第1キャビティ3aに供給された溶融樹脂が、第1キャビティ3aの軸方向一方側の端部に至ると、図3に示すように、中子コア部23における軸方向一方側の端部に形成された溝部23cにも溶融樹脂が充填される。溝部23cに充填された溶融樹脂が冷却固化することで、樹脂中空体40の軸方向一方側の端部には、図3に示すように、径方向内側に突出する凸条部45が全周に亘って形成される。

0057

〈型開き工程〉
図4は、型開き工程を模式的に説明する図である。型開き工程は、充填された溶融樹脂が冷却されて固化し、第1キャビティ3a内に円筒部41が形成されるとともに、第2キャビティ3b内に円盤状の閉塞部42が形成された後に行われる。型開き工程では、固定型10を中子コア部23に対して軸方向他方側に相対変位させるとともに、外殻コア部25,27を中子コア部23に対して径方向外側に相対変位させる。

0058

具体的には、図4の黒塗り矢印で示すように、可動型20を固定型10から離すように金型軸線MA方向に引く。すると、ベース部21および固定型10に対してレールを介して摺動可能に連結され2つの外殻コア部25,27が、固定型10と可動型20との型開きに連動して上下(樹脂中空体40の径方向)に分離する。これにより、閉塞部42から軸方向他方側に固定型10が離型するとともに、円筒部41から2つの外殻コア部25,27が径方向外側に離型し、型開き工程が完了する。

0059

なお、2つの外殻コア部25,27は、当該外殻コア部25,27が固定型10から離脱する位置まで開く(図5参照)。また、図4の符号43は、樹脂注入口12内で溶融樹脂が冷却固化したスプールであり、符号44は絞り部23eで溶融樹脂が冷却固化したスプールである。

0060

〈第1型抜き工程〉
図5は、第1型抜き工程を模式的に説明する図であり、図6は、図5のA部に対応する拡大図である。第1型抜き工程では、中子コア部23に残った樹脂中空体40を軸方向他方側に押して、溝部23c内に形成された径方向内側に突出する凸条部45を、中子コア部23の外周面23aに乗り上げさせる。

0061

具体的には、図5の白抜き矢印で示すように、機械式エジェクタのエジェクタピン34を金型軸線MA方向に動作させて、エジェクタプレート33をベース部21側に少量(例えばエジェクトリング31の金型軸線MA方向の厚さ分)押す。すると、エジェクタプレート33に固定された複数のロッド32が押されて、これら複数のロッド32と接続されたエジェクトリング31が凹部21bから押し出される。

0062

上述の如く、エジェクトリング31は第1キャビティ3aの軸方向一方側の端面を区画していることから、エジェクトリング31が凹部21bから押し出されることで、図5に示すように、樹脂中空体40が軸方向他方側に押される。樹脂中空体40が軸方向他方側に押されると、図6に示すように、中子コア部23に形成された溝部23cから凸条部45が抜け出して中子コア部23の外周面23aに乗り上げ、第1型抜き工程が完了する。

0063

ここで、凸条部45は、円筒部41の軸方向一方側の端部に、換言すると、樹脂中空体40におけるエジェクトリング31からの力が最も作用し易い位置に形成されていることから、凸条部45を溝部23cから容易に抜け出させることができる。

0064

また、凸条部45は、円筒部41における最も変形し易い軸方向一方側の端部に形成されていることから、凸条部45が中子コア部23の外周面23aに乗り上げることで、図6に示すように、円筒部41における軸方向一方側の端部を容易に拡径させることができる。そうして、円筒部41における軸方向一方側の端部、すなわち、樹脂中空体40の型抜き方向の後端部が拡径すると、樹脂中空体40の全長に亘って、樹脂中空体40の内周面41aと中子コア部23の外周面23aとの間に隙間が形成されることになる。

0065

これにより、本実施形態では、機械式エジェクタと、エジェクトリング31と、複数のロッド32と、エジェクタプレート33と、エジェクタピン34と、を有する押出装置5が、本発明でいうところの「中子の外周に形成された樹脂中空体の軸方向一方側の端部を、軸方向他方側に押す押出装置」に相当する。

0066

なお、円筒部41を効果的に拡径させるべく、凸条部45の高さは、円筒部41の板厚に対して数%〜数十%であることが好ましく、それ故、中子コア部23に形成される溝部23cの深さも、円筒部41の板厚に対して数%〜数十%であることが好ましい。

0067

図9は、型抜き時の仕組みを模式的に説明する図であり、同図(a)および(b)は本実施形態の中子コア部23を用いた場合を示し、同図(c)および(d)は型抜きテーパをつけた中子コア部123を用いた場合を示し、同図(e)および(f)は単に型抜きテーパのない中子コア部223を用いた場合を示す。射出成形を行った場合には、図9(a)、(b)および(c)に示すように、いずれの中子コア部23,123,223においても、冷却されて収縮した樹脂中空体40,140,240が、中子コア部23,123,223の外周面23a,123a,223aに張り付くことになる。

0068

そうして、単に型抜きテーパのない中子コア部223の場合、図9(f)に示すように、型抜き開始から型抜き完了まで終始樹脂中空体240の内周面241aと中子コア部223の外周面223aが接触する。このため、真っ直ぐな中子コア部223から樹脂中空体240を引き抜くのが困難な上、無理に引き抜くと樹脂中空体240の内周面241aが傷付くおそれがある。

0069

これに対し、型抜きテーパをつけた中子コア部123の場合、図9(d)に示すように、型抜き開始の際、樹脂中空体140を型抜き方向前側に少量移動させると、それ以後、樹脂中空体140の内周面141aと中子コア部123の外周面123aとの間に隙間が空くことになる。これにより、樹脂中空体140の内周面141aを傷付けることなく、樹脂中空体140を中子コア部123からスムーズに引き抜くことが可能となる。

0070

そうして、本実施形態の中子コア部23の場合、図9(b)に示すように、型抜き開始の際、樹脂中空体40を型抜き方向前側に少量移動させると、凸条部45が中子コア部23の外周面23aに乗り上げて、樹脂中空体40の型抜き方向の後端部が拡径することから、樹脂中空体40の全長に亘って、樹脂中空体40の内周面41aと中子コア部23の外周面23aとの間に隙間が形成されることになる。

0071

つまり、本実施形態では、中子コア部23の基端部に溝部23cを形成するという簡単な構成で、型抜きテーパがないのに、型抜きテーパをつけた場合と同様の型抜き状態を作出することができ、これにより、内周面41aの傷付きを低減しつつ樹脂中空体40を中子コア部23から引き抜くことが可能になっている。

0072

〈第2型抜き工程〉
図7は、第2型抜き工程を模式的に説明する図である。第2型抜き工程では、エア流路23dに高圧空気を送り込んで、樹脂中空体40を軸方向他方側に押し出す。具体的には、図7の黒塗り矢印で示すように、高圧空気供給装置7から、ベース部21に形成されたエア流路21aに高圧空気を送り込むことで、これと連通するエア流路23dに高圧空気を送り込む。

0073

上述の如く、樹脂中空体40を型抜き方向前側に少量移動させると、凸条部45が中子コア部23の外周面23aに乗り上げて、樹脂中空体40の内周面41aと中子コア部23の外周面23aとの間に隙間が形成されるため、それ以後は、樹脂中空体40を中子コア部23から抜き取るのに大きな力を要しない。また、中子コア部23の軸方向他方側の端面23bと閉塞部42とが密着した状態では、絞り部23eの面積分しか高圧空気が作用しないが、第1型抜き工程で樹脂中空体40を型抜き方向前側に少量移動させると、中子コア部23の軸方向他方側の端面23bと閉塞部42との間にも隙間が生じるので、エア流路23dからの高圧空気を閉塞部42全面に作用させることができる。それ故、エア流路23dから高圧空気を送り込めば、閉塞部42が高圧空気で型抜き方向前側に押されることで、樹脂中空体40を中子コア部23から容易に抜き取ることができる。

0074

つまり、第1型抜き工程において、押出装置5を用いて凸条部45を溝部23cから抜き出しさえすれば、それ以後は高圧空気にて樹脂中空体40を中子コア部23から抜き取ることが可能となるので、押出装置5のストロークを短くすることができ、これにより、押出装置5が大掛かりになるのを抑えることができる。加えて、高圧空気を送り込むことで、円筒部41が径方向に若干拡がることから、樹脂中空体40の内周面41aと中子コア部23の外周面23aとの隙間がさらに拡がるので、樹脂中空体40を中子コア部23からより一層スムーズに抜き取ることができる。

0075

〈切断工程〉
図8は、切断工程を模式的に説明する図である。切断工程では、脱型完了後は不要となるスプール43,44、閉塞部42および凸条部45を切除すべく、図8(a)の破線Aおよび破線Bの位置で樹脂中空体40を切断する。これにより、図8(b)に示すように、外周面50bが真っ直ぐで、内周面50aに型抜きテーパのないストレートパイプである長尺の樹脂パイプ50を成形することができる。

0076

−効果−
以上のように本実施形態によれば、中子コア部23の基端部に溝部23cを形成するという簡単な構成で、型抜きテーパがないのに、型抜きテーパをつけた場合と同様の型抜き状態を作出することができ、これにより、内周面41aの傷付きを低減しつつ樹脂中空体40を中子コア部23から引き抜くことができる。しかも、中子コア部23の基端部に溝部23cを形成するだけなので、樹脂中空体40の板厚精度が低くなるおそれもない。したがって、簡単な構成で、内周面41aに型抜きテーパのない長尺の樹脂中空体40を、脱型時の傷付きを低減しつつ精度良く成形することができる。

0077

また、凸条部45を形成する溝部23cを、中子コア部23の基端部に設けることで、切断工程で切除される円筒部41の切断長を短くすることができ、これにより、歩留まりが低下するのを抑えることができる。

0078

さらに、第2キャビティ3bを設けることで、第1キャビティ3a内に溶融樹脂をムラなく充填することができる。

0079

また、凸条部45が、樹脂中空体40における、エジェクトリング31からの力が最も作用し易い位置に形成されていることから、凸条部45を溝部23cから容易に抜け出させることができる。

0080

さらに、押出装置5による押出しと高圧空気による抜き取りとを併用することで、押出装置5のストロークを短くすることができ、これにより、押出装置5が大掛かりになるのを抑えることができる。

0081

また、高圧空気を送り込むことで、樹脂中空体40の内周面41aと中子コア部23の外周面23aとの隙間がさらに拡がるので、樹脂中空体40を中子コア部23からより一層スムーズに抜き取ることができる。

0082

そうして、成形された樹脂パイプ50を用いて水素タンク等を製造した場合には、型抜きテーパのついた樹脂パイプを用いた場合に比して、水素貯蔵量を増大させることができる。

0083

−変形例1−
本変形例は、図10に示すように、樹脂中空体60の型抜き方向前側の端部に略半球状のドーム部66が形成されている点が、上記実施形態と異なるものである。以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。

0084

樹脂中空体60は、円筒部(直管部)61と、円筒部61の軸方向他方側の端部に形成された略半球状のドーム部66と、ドーム部66を軸方向に貫通するように形成された円筒状の口金取付部67と、口金取付部67の軸方向一方側の端部を閉塞する閉塞部62と、を有している。円筒部61の軸方向一方側の端部には、上記凸条部45と同様の凸条部(図示せず)が形成されており、それ故、円筒部61は内周面61aに型抜きテーパのない長尺の直管部として成形される。なお、図10の符号63は、樹脂注入口12’内で溶融樹脂が冷却固化したスプールであり、符号64は絞り部23e’で溶融樹脂が冷却固化したスプールである。

0085

樹脂中空体60は、固定型10’と可動型20’とを有する射出成形型3’を用いて成形される。固定型10’には、上記固定型10と同様に、凹部11’が形成されているのみならず、凹部11’の底面11a’を略半球状に窪ませた球面凹部13が形成されているとともに、球面凹部13内で軸方向一方側に延びる略円柱状の突起部14が形成されている。なお、樹脂注入口12’は突起部14を貫通している。

0086

一方、可動型20’は、上記可動型20と同様のベース部21および外殻コア部25,27を有しているが、中子コア部23’の形状が可動型20と異なっている。中子コア部23’は、軸方向他方側の端部に略半球状の球面先端部24を有している点が、上記中子コア部23と異なっている。球面先端部24には、軸方向に延びる断面円形の孔部24aが形成されている。

0087

このような射出成形型3’を用いることで、外殻コア部25,27の内周面25a,27aと中子コア部23’の外周面23a’との間に円筒部61が形成され、球面凹部13と球面先端部24との間にドーム部66が形成され、突起部14と孔部24aとの間に口金取付部67が形成され、突起部14の先端面14aと中子コア部23’の軸方向他方側の端面23b’との間に閉塞部62が形成される。

0088

そうして、上記実施形態と同様に、押出装置5を用いて樹脂中空体60の凸条部を中子コア部23’の溝部(図示せず)から押出し、エア流路23d’からの高圧空気により閉塞部62が型抜き方向前側に押されることで、樹脂中空体60が中子コア部23’から抜き取られる。その後、スプール63,64、閉塞部62および凸条部を切除すれば、端部にドーム部66を有するストレートパイプを得ることができる。

0089

以上のように、本変形例では、固定型10’および中子コア部23’の形状に工夫を凝らすことで、内周面61aに型抜きテーパのない長尺の円筒部61と、円筒部61の端部に設けられたドーム部66と、を有する樹脂中空体60を容易に成形することができる。

0090

−変形例2−
本変形例は、図11に示すように、樹脂中空体70の径が軸方向に変化している点が、上記実施形態と異なるものである。以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。

0091

樹脂中空体70は、大径円筒部(直管部)71と、小径円筒部(直管部)77と、大径円筒部71と小径円筒部77とを繋ぐ斜筒部76と、小径円筒部77の軸方向他方側の端部を閉塞する閉塞部72と、を有している。大径円筒部71の軸方向一方側の端部には、上記凸条部45と同様の凸条部(図示せず)が形成されており、それ故、大径円筒部71および小径円筒部77は内周面71a,77aに型抜きテーパのない長尺の直管部として成形される。なお、図11の符号73は、樹脂注入口12内で溶融樹脂が冷却固化したスプールであり、符号74は絞り部23e”で溶融樹脂が冷却固化したスプールである。

0092

樹脂中空体70は、固定型10と可動型20”とを有する射出成形型3”を用いて成形される。可動型20”は、上記可動型20と同様のベース部21を有しているが、外殻コア部25”,27”および中子コア部23”の形状が可動型20と異なっている。外殻コア部25”,27”は、上記内周面25a,27aと同径の大径内周面25a1,27a1と、内周面25a,27aよりも小径小径内周面25a3,27a3と、これらを繋ぐ傾斜内周面25a2,27a2と、をそれぞれ有している点が、上記外殻コア部25,27と異なっている。中子コア部23”は、上記外周面23aと同径の大径外周面23a1と、外周面23aよりも小径の小径外周面23a3と、これらを繋ぐ傾斜外周面23a2と、を有している点が、上記中子コア部23と異なっている。

0093

このような射出成形型3”を用いることで、外殻コア部25”,27”の大径内周面25a1,27a1と中子コア部23”の大径外周面23a1との間に大径円筒部71が形成され、傾斜内周面25a2,27a2と傾斜外周面23a2との間に傾斜筒部76が形成され、小径内周面25a3,27a3と小径外周面23a3との間に小径円筒部77が形成され、固定型10の底面11aと中子コア部23”の軸方向他方側の端面23b”との間に閉塞部72が形成される。

0094

以上のように、本変形例では、外殻コア部25”,27”および中子コア部23”の形状に工夫を凝らすことで、型抜きテーパのない長尺の大径円筒部71および小径円筒部77を有する、換言すると、径が軸方向に変化する樹脂中空体70を容易に成形することができる。

0095

−変形例3−
本変形例は、図12に示すように、樹脂パイプ80の外周面80bの断面形状が変化する点が、上記実施形態と異なるものである。

0096

例えば押出し成形では、ストレートパイプは容易に成形することができるものの、板厚が変化するパイプを成形することは困難である。

0097

これに対し、本変形例では、上記実施形態と同様の手法により、押出し成形と同様に、内周面80aに型抜きテーパのない長尺の樹脂パイプ80を成形することができる。それに加えて、割型である外殻コア部25,27の内周面25a,27aの形状に工夫を凝らすことで、図12に示すように、外周面80bの断面形状が変化する樹脂パイプ80を、換言すると、軸方向に板厚が変化する樹脂パイプ80を容易に成形することができる。

0098

(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。

0099

上記実施形態では、樹脂パイプ50の用途として水素タンクを例示したが、これに限らず、樹脂パイプ50は様々な用途に適用することができる。

0100

また、上記変形例2では、大径円筒部71と小径円筒部77とを傾斜筒部76で繋いだが、これに限らず、例えば大径円筒部71と小径円筒部77とを円環状の段差面で繋いでもよい。

0101

このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。

0102

本発明によると、簡単な構成で、内周面に型抜きテーパのない長尺の直管部を含む樹脂中空体を、脱型時の傷付きを低減しつつ精度良く成形することができるので、樹脂中空体を形成する射出成形型、射出成形システム、および、射出成形方法に適用して極めて有益である。

0103

1射出成形システム
3、3’、3”射出成形型
3a 第1キャビティ
3b 第2キャビティ
5押出装置
7高圧空気供給装置
10、10’固定型(外型)
23、23’、23”中子コア部(中子)
23a、23a’、23a1、23a2、23a3外周面
23b、23b’、23b”軸方向他方側の端面
23c 溝部
23d、23d’エア流路
25、25”外殻コア部(外型)
27、27” 外殻コア部(外型)
40、60、70樹脂中空体
41a、61a、80a内周面
45凸条部
61、71、77円筒部(直管部)

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