図面 (/)

技術 草刈用チップソー及びそのチップ

出願人 株式会社トリガー
発明者 浅田仁彦
出願日 2018年8月8日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2018-157793
公開日 2020年2月13日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-022424
状態 未査定
技術分野 収穫機の構成要素3(刈取部)
主要キーワード 異物飛散 径チップ 軽量孔 最深位置 連接状態 大切り ロー付け作業 ロー付け強度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年2月13日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題

地面からの衝撃等にチップが十分耐えることができて、チップの欠損や破損等を抑制し、長期に亘り良好な切れ味を維持し得る草刈用チップソー及びそのチップを提供する。

解決手段

台金のチップ固着部に台金の厚さ方向に嵌装される本体部と、該本体部の厚さ方向の一端部に形成された鍔部とを有し、全てのチップの鍔部が、台金の設置面に当接した状態でチップ固着部にそれぞれ固着されることを特徴とする。前記本体部が、救い面と背面側の固着面及び両側面を有すると共に上面に逃げ面と下面に第2固着面を有して、横断略方形状略角柱形状に形成され、前記鍔部が、固着面の厚さ方向の一端側に該固着面の長手方向の全域に亘って一体形成される。

概要

背景

従来、草刈用のチップソーとしては、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。特許文献1の刈払機用チップソーは、台金外周縁部に一定間隔鋸刃状刃部を形成し、これらの刃部の回転方向に対向する縁部に台金より厚みのある超硬製のチップを固着すると共に、隣接する刃部間にその最深位置が刃部のチップ固着部の最深位置より深い窪み状の刃室をそれぞれ設けたものである。

また、特許文献2の草刈用チップソーは、台金の隣接するチップ固着部間の外周縁を、チップ固着部の最深位置よりも深くならない直線もしくは緩やかな曲線の連続した線状に形成することで、前述した特許文献1に記載の刃部間(チップ固着部間)に形成される窪み状の刃室をなくすようにしたものである。

概要

地面からの衝撃等にチップが十分耐えることができて、チップの欠損や破損等を抑制し、長期に亘り良好な切れ味を維持し得る草刈用チップソー及びそのチップを提供する。台金のチップ固着部に台金の厚さ方向に嵌装される本体部と、該本体部の厚さ方向の一端部に形成された鍔部とを有し、全てのチップの鍔部が、台金の設置面に当接した状態でチップ固着部にそれぞれ固着されることを特徴とする。前記本体部が、救い面と背面側の固着面及び両側面を有すると共に上面に逃げ面と下面に第2固着面を有して、横断略方形状略角柱形状に形成され、前記鍔部が、固着面の厚さ方向の一端側に該固着面の長手方向の全域に亘って一体形成される。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、地面等からの衝撃にチップが十分耐えることができてチップの欠損や破損等を抑制し、長期に亘り良好な切れ味を維持し得たり、回転数が低下しても異物の刃室部分へ抱え込みを抑制し得て刃室内への侵入を防ぎ、異物飛散の低減化を十分に図り得るチップソー及びそのチップを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

円板状の台金外周縁部に一定間隔チップ固着部が形成されると共に、該チップ固着部にチップがそれぞれ固着された草刈用チップソーにおいて、前記チップは、前記台金のチップ固着部に当該台金の厚さ方向に嵌装される本体部と、該本体部の厚さ方向の一端部に形成された鍔部とを有し、全てのチップの前記鍔部が、前記台金の設置面に当接した状態で前記各チップ固着部にそれぞれ固着されていることを特徴とする草刈用チップソー。

請求項2

前記台金の回転方向前後で隣接するチップ間刃部外周縁に、その先端が前記チップの先端より所定寸法低く設定されると共に所定幅で前記回転方向前方側に傾斜面を有して前記チップの摩耗に応じて摩耗が可能な形状の制限刃と、該制限刃に連接状態で前記回転方向後方側に設けられると共に後方側のチップに指向して所定深さで形成されたスリットと、該スリットの後端と前記チップの救い面の長さ方向の略中間位置とを連結する刃室と、を有することを特徴とする請求項1に記載の草刈用チップソー。

請求項3

円板状の台金の外周縁部に一定間隔でチップ固着部が形成され、このチップ固着部にそれぞれ固着される超硬合金製のチップであって、前記チップは、前記台金のチップ固着部に当該台金の厚さ方向に嵌装される本体部と、該本体部の厚さ方向の一端部に形成された鍔部とを有し、全てのチップの前記鍔部が、前記台金の設置側に当接した状態で前記各チップ固着部にそれぞれ固着されることを特徴とするチップ。

請求項4

前記本体部が、救い面と背面側の固着面及び両側面を有すると共に上面に逃げ面と下面に第2固着面を有して横断略方形状略角柱形状に形成され、前記鍔部が、前記固着面の厚さ方向の一端側に該固着面の長手方向の全域に亘って一体形成されていることを特徴とする請求項3に記載のチップ。

技術分野

0001

本発明は、刈払機に装着されて雑草や雑木(草木等という)を刈払いする際に使用される草刈用チップソー及びそのチップに関する。

背景技術

0002

従来、草刈用のチップソーとしては、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。特許文献1の刈払機用チップソーは、台金外周縁部に一定間隔鋸刃状刃部を形成し、これらの刃部の回転方向に対向する縁部に台金より厚みのある超硬製のチップを固着すると共に、隣接する刃部間にその最深位置が刃部のチップ固着部の最深位置より深い窪み状の刃室をそれぞれ設けたものである。

0003

また、特許文献2の草刈用チップソーは、台金の隣接するチップ固着部間の外周縁を、チップ固着部の最深位置よりも深くならない直線もしくは緩やかな曲線の連続した線状に形成することで、前述した特許文献1に記載の刃部間(チップ固着部間)に形成される窪み状の刃室をなくすようにしたものである。

先行技術

0004

特開2006−42750号公報特許第3845847号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、これら両チップソーとも、円板状の台金の外周縁部に一定間隔で形成した段差状もしくは凹部状のチップ固着部に、例えば台金の厚さより若干大きな厚さ寸法を有する略角柱形状のチップを、そのすくい面逃げ面を除く固着面を当接させこの当接部を高周波誘導加熱等を利用してロウ付け固着しているため、草刈(刈払い)作業中に台金の外周縁部の刃先(チップ)部分が地面やコンクリート面等(地面等)に接触すると、台金の設置面側露出しているチップに大きな衝撃が加わり、チップがチップ固着部から脱落したり欠損してチップが飛散する虞がある。特に、チップがチップ固着部の厚さ方向に嵌装(挿入)自在であることから、ロー付け強度が弱いとチップが一層脱落等し易くなる。

0006

また、特許文献1のチップソーにあっては、各チップの回転方向前方に深さのある窪み状の刃室がそれぞれ形成されているため、草刈(刈払い)作業中にこの刃室内に地面上の小石や地面上に放置されている針金等の異物入り易く、これらの異物がチップソーの回転力によって跳ね飛ばされる(飛散する)虞もある。

0007

特に、チップソーが取り付けられる刈払機の場合、刈払機のエンジン側に遠心クラッチを有し、チップソーの刃先が地面に喰い込んだり草木等がチップソーに絡んだ場合、エンジンは作動しているがチップソーの回転が停止した状態となる。このような場合に、チップソーの刃室が異物を抱え込んでしまい、チップソーの回転力で刃室内の異物が飛散し易くなり、異物飛散の低減化を図ることが極めて難しい。

0008

これに対して、特許文献2のチップソーは、隣接するチップ間の台金の外周縁が直線もしくは緩やかな曲線状に形成されて、特許文献1に示すような台金の中心位置方向に大きく窪んだ形状の刃室を有さないため、チップ間に地面の異物を抱え込む確率が低くなり、その飛散等を低減させることができる。

0009

しかし、このチップソーの場合、所定時間使用してチップの先端が例えば半分以上摩耗すると、チップの先端逃げ角が失われてチップソーの切れ味が鈍化したり悪くなるが、使用者(刈払い作業者)はチップに脱落や欠損がなく健在であれば、刃部(チップやチップ間の台金外周縁で形成される刃室部分)の再研磨望むことがある。このような場合の再研磨は、チップの先端逃げ角と台金の刃室部分の研磨等が必要となり、例えばチップに近い台金の刃室部分の一般砥石による研磨は非常に難しく、現実的に困難である。

0010

また、チップが欠損等していない場合、使用者が切れ味が悪くなってもチップソーの回転数を上げて、チップが脱落や欠損するまで使い続ける虞もあり、作業の安全性の面からも好ましくない。つまり、特許文献2のチップソーは、小石等の異物飛散の低減化は図れるものの、前述した針金等の異物のチップ等への絡みを十分に低減させることが難しく、また、チップ等の再研磨が困難でチップソーに低回転数でも長期に亘り良好な切れ味を維持することが難しい。

0011

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、地面等からの衝撃にチップが十分耐えることができてチップの欠損や破損等を抑制し、長期に亘り良好な切れ味を維持し得たり、回転数が低下しても異物の刃室部分へ抱え込みを抑制し得て刃室内への侵入を防ぎ、異物飛散の低減化を十分に図り得るチップソー及びそのチップを提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載のチップソーは、円板状の台金の外周縁部に一定間隔でチップ固着部が形成されると共に、該チップ固着部にチップがそれぞれ固着された草刈用チップソーにおいて、前記チップは、前記台金のチップ固着部に当該台金の厚さ方向に嵌装される本体部と、該本体部の厚さ方向の一端部に形成された鍔部とを有し、全てのチップの前記鍔部が、前記台金の設置面に当接した状態で前記チップ固着部にそれぞれ固着されていることを特徴とする。

0013

また、請求項2に記載の発明は、前記台金の回転方向前後で隣接するチップ間の刃部外周縁に、その先端が前記チップの先端より所定寸法低く設定されると共に所定幅で前記回転方向前方側に傾斜面を有してチップの摩耗に応じて摩耗が可能な形状の制限刃と、該制限刃に連接状態で前記回転方向後方側に設けられると共に後方側のチップに指向して所定深さで形成されたスリットと、該スリットの後端と前記チップの救い面の長さ方向の略中間位置とを連結する刃室と、を有することを特徴とする。

0014

また、請求項3に記載のチップは、草刈用チップソーの円板状の台金の外周縁部に一定間隔でチップ固着部が形成され、このチップ固着部にそれぞれ固着される超硬合金製のチップであって、前記チップは、前記台金のチップ固着部に当該台金の厚さ方向に嵌装される本体部と、該本体部の厚さ方向の一端部に形成された鍔部とを有し、全てのチップの前記鍔部が、前記台金の設置面に当接した状態で前記チップ固着部にそれぞれ固着されることを特徴とする。

0015

また、請求項4に記載の発明は、前記本体部が、救い面と背面側の固着面及び両側面を有すると共に上面に逃げ面と下面に第2固着面を有して横断略方形状の略角柱形状に形成され、前記鍔部が、前記固着面の厚さ方向の一端側に該固着面の長手方向の全域に亘って一体形成されていることを特徴とする。

発明の効果

0016

本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、台金のチップ固着部に固着されるチップが、台金のチップ固着部に当該台金の厚さ方向に嵌装される本体部と、この本体部の厚さ方向の一端部に形成された鍔部とを有し、全てのチップの鍔部が台金の設置面に当接した状態でチップ固着部にそれぞれ固着されるため、チップとチップ固着部のロー付け面積を拡大し、その固着強度を増大させつつ鍔部で接地面との衝撃をブロックできて、チップ固着部からのチップ自体の脱落や欠損等を抑制して、長期に亘り良好な切れ味のチップソーを得ることができる。

0017

また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、前後のチップ間の刃部外周縁に、所定の切り込み深さを設定可能でチップの摩耗に応じて摩耗可能な制限刃と、後方側のチップに指向した所定幅で所定長さのスリットと、このスリットの後端と後方側のチップの救い面の長さの略中間位置とを連結する刃室とが形成されているため、制限刃により、回転数が低下した際の隣接チップ間への異物の抱え込みを抑制してチップの脱落や欠損等を防止したり、刃室の形状設定により、使用で摩耗したチップや刃部外周縁を再研磨する際の研磨作業を容易に行うことができると共に、スリットにより外周縁部の応力緩和変形防止が図れて、チップソーの寿命延ばすことができる。

0018

また、請求項3に記載の発明によれば、チップが、台金のチップ固着部に当該台金の厚さ方向に嵌装される本体部と、この本体部の厚さ方向の一端部に形成された鍔部とを有し、全てのチップの鍔部が、台金の設置面に当接した状態でチップ固着部にそれぞれ固着されるため、チップとチップ固着部のロー付け面積を拡大し、その固着強度を増大させつつ鍔部で接地面との衝撃をブロックできて、チップ固着部からの脱落や欠損等を抑制できるチップを容易に得ることができる。

0019

さらに、請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、本体部が、救い面と背面側の固着面及び両側面を有すると共に上面に逃げ面と下面に第2固着面を有して横断面略方形状の略角柱形状に形成され、鍔部が、固着面の厚さ方向の一端側に該固着面の長手方向の全域に亘って本体部に一体形成されているため、チップの本体部と鍔部の成形が容易に行えると共に、本体部や鍔部に所定の強度を容易に確保できて、チップ固着部に固着した際のチップの脱落や欠損等を一層確実に抑制することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明に係わる草刈用チップソーの一実施形態を示す表面図同その要部の側面図 同図2のA−A線に沿った矢視図 同台金の外周縁部の拡大図 同その説明図 同他の説明図 同チップの焼結状態を示す斜視図 同その(a)が側面図、(b)が(a)の平面図、(c)が(b)の背面図 同チップの研磨後図7と同様の斜視図 同その(a)が側面図、(b)が(a)の平面図、(c)が(b)の背面図

実施例

0021

以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1図4は、本発明に係わる草刈用チップソーの一実施形態を示している。なお、図1は、本発明の草刈用チップソー1(チップソー1という)を刈払機取付面2aとなる表面側から見た図を示している。

0022

図1図3に示すように、チップソー1は、複数個の所定形状の軽量孔3が形成された円板状の台金2を有し、この台金2の中心位置には、図示しない刈払機への取付孔4が形成されている。また、台金2は、その外周縁部2cに一定間隔で多数のチップ固着部5が設けられると共に、この各チップ固着部5には、後述する如く形成された例えば超硬合金からなるチップ6がそれぞれロー付けにより固着されている。

0023

そして、台金2の回転方向イの隣接する前後一対のチップ6間の外周縁部2cには、制限刃7とスリット8及び刃室9と凹部10がそれぞれ形成されている。すなわち、図4に拡大して示すように、隣接する前方のチップ6と後方のチップ6との間の前記外周縁部2cの外周縁となる刃部外周縁2c1は、スリット8を除く部分がチップ固着部5の最深位置5aより外周側に位置し、この刃部外周縁2cの前記回転方向イの略中間位置(あるいは後方のチップ6寄りの位置)に前記制限刃7が台金2自体に一体形成され、この制限刃7の後方側に連接する状態で前記スリット8が形成されている。

0024

前記制限刃7は、その刃先となる先端7aがチップソー1の刃先としてのチップ6の先端6aに対して所定寸法t2台金2の中心位置方向に低く、すなわち、図4の制限刃7の最大切り込み深さt1を、少し過激な作業でも対応できるようにt1=1.5mmとした場合に、前記寸法t2が1.0mmとなるように設定されている。なお、図4の線L1は、外径φが230mmのチップソー1のチップ6の先端6aを外径φで結んだ円弧を示し、線L2は、同径チップソー1の制限刃7の先端7aを外径φで結んだ円弧を示しており、線L2の制限刃7の先端位置と線L1のチップ6の先端位置との寸法が前記t2となるように設定されている。

0025

また、図5に示すように、制限刃7は、その先端7aの回転方向イの寸法wが例えばw=2mm程度に設定されると共に、その前方に台金2の中心位置方向(内側方向)に、チップ6の先端6aと台金2の中心位置を結ぶ中心線L3に対してθ1=55°傾斜した傾斜面7bが設けられている。この傾斜面7bの角度設定により、異物を可能な限り後述する形状の刃室9内に進入させないようにすると共に、異物によるチップ6への衝撃も低減するようにしている。

0026

なお、図5において、P1は、チップ6の先端6aを中心とした半径8mmの円R8に示すようにチップ6の先端6aから8mmで台金2の外周から1mmの位置を示し、P2は、同半径2mmの円2に示すようにチップ6の先端6aから2mmの位置を示し、P3は、同半径3mmの円R3と半径8mmの円R8−半径2mmの円R2との交点(制限刃7の先端7aより所定寸法低い位置)を示し、P4は、チップ6の掬い面6bの先端6aから3mmの位置を示している。

0027

さらに、前記制限刃7は、その先端7aが、チップ6の先端6aからの距離が前記円R8で示す8mmとなるように設定され、この距離の設定で、制限刃7に確実な制限量の機能を持たせつつチップ6の切断効率(刈払い効率)への悪影響を最小限とするように設定されている。また、制限刃7は、前述した形状設定により、制限刃7自体がチップ6の摩耗に応じて摩耗可能となっており、チップ6の先端6aの摩耗に応じて制限刃7自体も摩耗することで長期に亘り適切な制限量を維持すると共に、制限刃7の切り込み深さ(切込量)を制限する機能(役割)と異物を刃室内に進入させ難くする機能(役割)の両機能を確実に発揮できるようになっている。

0028

一方、前記制限刃7に隣接する状態で設けられる前記スリット8は、図4及び図5に示すように、直線部8aと径大部8bを有して、前記中心線L3に対して図5に示すθ2=20°に設定することで、その開口方向が後方側のチップ6に指向する如く形成されている。このときスリット8は、その長さがチップ6の長さ(例えば5.2mm)の2倍以下(例えば8mm程度)で、その幅が1.8mm程度が好ましく、この設定により、チップソー1にとって重要である台金2の外周縁部2c(刃部)の強度が所定に確保(維持)されるようになっている。

0029

また、このスリット8の直線部8aの先端部である底部に形成される径大部8bは、後方側のチップ6方向(台金2の反回転方向)に張り出して形成され、スリット8の底部に集中する応力を径大部8bで効果的に分散して、底部への応力集中によるスリット8の亀裂発生を防止するようになっている。なお、この径大部8bの形状は、図示した例に限定されず、適宜の形状を採用することができる。

0030

前記刃室9は、第1縁部9aと第2縁部9bを有し、図5に示すように、第1縁部9aは、スリット8の後端と前記位置P3との間に略直線状に形成されると共に、この第1縁部9aに連続状態で第2縁部9bが前記位置P3から前記位置P4まで略直線状に形成されている。この形状設定により、刃室9自体の深さ等の面積を極力小さくし、かつ切り屑の排出が容易に行えるようになっている。なお、この刃室9も、第1縁部9aや第2縁部9bを直線状ではなく、共に緩やかな曲線状としたり直線と緩やかな曲線とを組み合わせた形状とすることも勿論可能である。

0031

この刃室9や制限刃7等の形状により、チップソー1を所定時間使用してチップ6の先端6aが摩耗した場合に、例えばダイヤモンド砥石を使用して、図6に示す制限刃7のハッチングで示す研磨部分7cと刃室9のハッチングで示す研磨部分9cを研磨すると共に、チップ6の逃げ面6cの上部や掬い面6b等を研磨することで、チップソー1の切れ味を復活させることが可能になる。

0032

また、図4図6に示すように、隣接するチップ6間の刃部外周縁2c1の制限刃7の前方には、制限刃7の傾斜面7bの前端と前方のチップ6の逃げ面6c後端との間に、内側方向に僅かに(例えば深さ1mm程度)を凹んだ略曲線状の凹部10(第2の刃室)が一体形成されている。

0033

この凹部10も、従来のような内側に大きく窪んだ形状ではないことから、異物を抱え込むことは殆どなく、異物飛散の低減化を妨げるものでもないし、むしろ凹部10の凹み形状と制限刃7の傾斜面7bとにより、異物としての針金等を制限刃7まで誘導して台金2の外側方向に排出させて、刃室9内への進入やチップ6への絡み付きを抑制できる等、刃室9による異物の飛散を効果的に低減できることになる。なお、この凹部10の形状も、略曲線状に限らず略直線状に形成することも勿論可能である。

0034

そして、このように形成されたチップソー1によれば、例えば繁茂する雑草の中に木の枝のような直径2cmぐらいのものがあっても、チップ6が摩耗していない場合はそのままの状態で、またチップ6が摩耗した場合には前述したように台金の刃部外周縁2c1の研磨部分7c、9cとチップ6の逃げ面6cや掬い面6bを再研磨することで、チップソー1を高回転数にすることなく、これらの草木等を良好に刈払いすることができる。このことは実験により確認されている。

0035

次に、前記チップ6について、図7図10に基づいて説明する。先ず、焼結状態のチップ6は、図7及び図8に示すように、長さh(例えばh=5.2mm)の略角柱形状に形成された本体部6Aと、この本体部6Aの後述する固着面6d1側に一体形成された鍔部6Bを有している。本体部6Aは、前面に形成された掬い面6bと、この救い面6bの先端に後方側に連接して設けられた逃げ面6cと、この逃げ面6cの後端から下方に延設された固着面6d1と、この固着面6d1の下端と前記掬い面6bの下端とを連結する固着面6d2、及び両側の側面6eを有している。

0036

また、前記鍔部Bは、固着面6d1の幅方向(台金2の厚さ方向)の一方の端部で該固着面6d1の長手方向の全域に亘って一体形成されている。なお、このチップ6の図8に示す各部の寸法は、例えばh=5.2mm、w1=1.8mm、w2=2.3mm、w3=2.0mm、w4=0.5mmに設定されている。

0037

そして、このチップ6は、台金2のチップ固着部5に嵌装されて例えば高周波の誘導加熱を利用し、各チップ固着部5にそれぞれロー付け固着される。このとき、各チップ6は、図10二点鎖線で示す台金2のチップ固着部5に嵌装されると共に、図2に示すように、その全ての鍔部6Bの一側面が台金2の接地面2bに当接した状態で、固着面6d1、6d2と救い面6bの下部及び鍔部6Bの側面がロー付け固着される。この固着後に、図9及び図10に示すように各面を研磨、すなわち図10に示す各寸法が、例えばh=4.8mm、w1=1.7mm、w2=2.2mm、w3=1.8mm、w4=0.4mmになるように研磨される。なお、研磨後のチップ6の逃げ面は、焼結時に成形されていた先端の平面が研磨されて先端6aが鋭利な角度に設定される。

0038

このチップ6の形状と前記刃室9の形状等により、図5等に示すように、例えば長さh=5.2mmのチップ6の掬い面6bの略上半分が略刃室9内に位置する状態となって、チップ6が摩耗した場合に、チップ6の逃げ面6cを例えば10°程度再研磨すると共に、掬い面6bの上部を再研磨することで、摩耗したチップ6に良好な切れ味を復活させることができる。

0039

つまり、前記チップソー1の場合、チップ6の台金2の設置面2bに当接可能な鍔部6Bを設けてロー付け面積を拡大することで、チップ6の脱落等を抑制すると共に、隣接するチップ6間の最適位置にそれぞれ最適形状の制限刃7とスリット8をそれぞれ設け、かつ刃室9や凹部10の形状を最適に設定することで、異物の刃室9内への進入を抑制したり、摩耗したチップ6や刃部外周縁2c1の形状を容易に再研磨できるようにしている。また同時に、摩耗したチップ6の掬い面6bを再研磨したチップソーと、そうでないチップソーの切れ味の差は歴然であることから、チップ6の限界使用長さを略1/2とし、かつその位置まで再研磨できる形状を採用することで、チップソー1の寿命を大幅に延ばすようにしている。

0040

このように、前記チップソー1によれば、チップ6の本体部6Aの幅方向一端の全域に鍔部6Bが形成され、この鍔部6Bが台金2の接地面2bに当接状態でそれぞれロー付け固着されるため、チップ6の接地面2b側を補強しつつロー付け面積を拡大して、チップ6の固着強度を大幅に高め、その脱落や欠損を抑制することができる。特に、鍔部6Bが接地面2b側に設けられていることから、地面からの衝撃を本体部6Aが直接受けることがなく鍔部6Bで衝撃をブロックや緩和でき、チップ6の脱落やチップ先端6aの欠損等を一層確実に抑制することができて、チップソー1の寿命を延ばすことができる。

0041

また、チップ6の本体部6Aを台金2のチップ固着部5に接地面2b側から嵌装(挿入)して、その鍔部6Bを接地面2bに当接させてロー付けできるため、チップ6の台金2に対する位置決め(セット作業)を簡単に行うことができ、台金2の多数のチップ固着部5への各チップ6のロー付け作業能率向上が図れて、チップソー1自体を安価に形成することが可能になる。

0042

また、前記チップソー1によれば、前後に隣接するチップ6間の刃部外周縁2c1の形状により、次のような作用効果を得ることができる。すなわち刃部外周縁2c1に、その先端7aがチップ6の先端6aより所定寸法t1低く設定された制限刃7が形成され、この制限刃7の回転方向イ後方側に所定深さのスリット8が形成されているため、刃部外周縁2c1の形状と切り込み深さを設定できる制限刃7とにより、回転数が低下した際の隣接チップ6間への異物の抱え込みを防止できて、異物飛散の低減化を十分に図ることができ、かつ制限刃7でチップ6の脱落や欠損を抑制できると共に、チップ6や刃部外周縁2c1等の再研磨が可能でチップソー1に良好な切れ味を長期に亘り維持することができる。

0043

また、刃部外周縁2c1に、チップ6の先端6aより所定寸法t2低い制限刃7と所定長さのスリット8とが連接状態で形成されると共に、これらが刃部外周縁2c1の略中間位置に形成されているため、制限刃7で切込深さを制御しつつ異物の刃室9内への進入を抑制できて、異物飛散の一層の低減化が図れると共に、使用で摩耗したチップ6や刃部外周縁2c1を再研磨する際の研磨作業を容易に行うことができて、チップソー1自体の寿命を一層延ばすことができる。また同時に、チップ6のロー付け時の台金2の外周縁部2cの収縮をスリット8で吸収等して、外周縁部2cがその熱変形に十分に耐えることができて、安定した形状の刃部外周縁2c1(刃先形状)を容易に得ることができる。

0044

特に、制限刃7がチップ6の摩耗に対応して摩耗可能な形状及び位置に形成されているため、チップ6が1/2程度の長さになっても、チップ6や刃部外周縁2c1の再研磨でチップソー1に良好な切れ味が復活し、結果として長期に亘り切れ味に優れた従来にないチップソー1を得ることが可能になる。

0045

また、スリット8の後端と後方側のチップ6との間に刃室9が形成され、この刃室9がスリット8の後端と前記位置P3を結ぶ(連続させる)第1縁部9aと、この第1縁部9aに連続状態で前記位置P3と位置P4を結ぶ第2縁部9bを有するため、刃室9の深さを必要最低限の最適形状に設定でき、チップ6や刃部外周縁2c1を再研磨する際の研磨作業を容易に行うことができて、チップソー1自体の寿命をより一層延ばすことができる。

0046

さらに、スリット9が所定幅で所定長さの略直線状に形成されて、回転方向イ後方側のチップ6方向に指向しているため、チップ6のロー付け時の加熱による台金収縮等をスリット8でブロック(吸収等)できて、所定形状の刃部外周縁2c1(刃先形状)の強度低下を防止できる。また、スリット8の長さがチップ6の長さの2倍以下でその底部にスリット幅より広い応力分散用の径大部8bが設けられているため、台金2の外周縁部2cがロー付け時の台金収縮に十分に耐え得ると共に応力の集中を分散できて、安定した形状の刃部外周縁2c1を容易かつ安価に得ることができる。

0047

このように、チップ6に鍔部6Bを設けると共に、台金2の前後一対のチップ6間の刃部外周縁2c1を従来にない形状に設定することにより、チップ6の脱落等を抑制しつつ草刈時の小石等の飛散を低減化できて、例えば道路路肩中央分離帯草刈り太陽光パネル設置箇所周辺の草刈り等、飛散異物衝突による各種不具合が発生し易い箇所での草刈り等を安心かつ効率良く行える草刈用チップソー1の提供が可能になる。

0048

なお、前記実施形態においては、チップ6を横断面が略方形状の略角柱形状に形成して、角柱形状の本体部6Aの幅方向一端の全域に鍔部6Bを一体形成したが、本発明はこの形状に限定されず、例えば横断面を長方形状としたり、固着部6d1、6d2を円弧形状として鍔部6Bを例えば円弧状もしくは略連接する直線状に形成し、台金2の接地面2bに当接させる等、台金2のチップ固着部5の形状に合わせて適宜形状を採用することができる。

0049

また、前記実施形態における、台金2の外径、チップ6の個数や形状及び配列形態、軽量孔3の形態、制限刃7やスリット8の形状、刃室9や凹部10の形状及び前述した各種寸法や角度等は一例であって、例えばチップ6の鍔部6B側の側面6eにアサリ寸法を確保したり、チップ6の鍔部6Bを台金2の接地面2b側のみに固着するのではなく、接地面2bと刈払機取付面2aに交互(千鳥状)に固着配列する等、本発明の各発明に係わる要旨を逸脱しない範囲において適宜の構成を採用することができる。

0050

本発明は、台金の外周縁部にチップが固着されて草木等の刈払いあるいはその他の各種切断用に使用される全てのチップソーにも利用できる。

0051

1・・・草刈用チップソー、2・・・台金、2a・・・刈払機取付面、2b・・・接地面、2c・・・外周縁部、2c1・・・刃部外周縁、4・・・取付孔、5・・・チップ固着部、5a・・・最深位置、6・・・チップ、6A・・・本体部、6B・・・鍔部、6a・・・先端、6b・・・掬い面、6c・・・逃げ面、6d1、6d2・・・固着面、6e・・・側面、7・・・制限刃、7a・・・先端、7b・・・傾斜面、7c・・・研磨部分、8・・・スリット、8a・・・直線部、8b・・・径大部、9・・・刃室、9a・・・第1縁部、9b・・・第2縁部、9c・・・研磨部分、10・・・凹部、h・・・チップの長さ、t2・・・制限刃とチップ間の寸法、θ1・・・傾斜面の傾斜角度、θ2・・・スリット指向角度、イ・・・台金の回転方向。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社クボタの「 草刈機」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】簡素な構成で自動走行モードにおける車速の制御が可能であって、咄嗟の判断で自動走行モードを解除可能な草刈機の提供。【解決手段】駆動輪ユニットと、機体の車速を調整可能な車速操作具15と、車速操作具... 詳細

  • 株式会社クボタの「 乗用型草刈機」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】車体前端側の持ち上げが可能なジャッキ装置が備えられた乗用型草刈機において、ジャッキ本体が車体側部分によって接地反力に抗してしっかり支持される状態でジャッキアップできながら安価に得ることでき、か... 詳細

  • 株式会社クボタの「 収穫部積載補助具、及び積載方法」が 公開されました。( 2020/04/16)

    【課題】収穫機の収穫部を載置台に載置することを補助する収穫部積載補助具を提供する。【解決手段】収穫部積載補助具70は、圃場の作物を収穫する刈取り部3と刈取り部3によって収穫された収穫物を搬送するフィー... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ