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図面 (15)

課題

受電装置弱磁性筐体を有する場合でも、水中での非接触電力伝送における伝送効率の低下を抑制できる受電装置を提供する。

解決手段

水中に配置される受電装置であって、弱磁性材料で形成された筐体と、筐体の外側を包囲し、強磁性材料で形成された強磁性体と、強磁性体の外側に巻回された受電コイルと、を備える。

概要

背景

従来、送電装置としての水中基地局が、受電装置としての水中航走体との間で、磁気共方式を用いて非接触で電力伝送することが知られている(例えば特許文献1参照)。この送電装置は、送電用共鳴コイルと、風船と、風船制御機構と、を具備する。送電用共鳴コイルは、磁界共鳴方式により受電装置の受電用共鳴コイルに非接触で電力伝送する。風船は、送電用共鳴コイルを内包する。風船制御機構は、風船を電力伝送時膨張させるこ
とにより、送電用共鳴コイルと受電用共鳴コイルとの間の水を排除する。

また、13.56MHz帯周波数を用いる電磁誘導方式を利用して、電力とデータをIC搭載媒体に送信するアンテナ装置が知られている(例えば特許文献2参照)。このアンテナ装置は、信号電流給電される少なくとも1つの給電ループアンテナと信号電流が給電されない少なくとも1つの無給電ループアンテナを有し、給電ループアンテナが発生する磁界を利用して無給電ループアンテナにも信号電流を発生させ、給電ループアンテナの通信範囲を拡大させる点を開示している。

概要

受電装置が弱磁性筐体を有する場合でも、水中での非接触電力伝送における伝送効率の低下を抑制できる受電装置を提供する。水中に配置される受電装置であって、弱磁性材料で形成された筐体と、筐体の外側を包囲し、強磁性材料で形成された強磁性体と、強磁性体の外側に巻回された受電コイルと、を備える。

目的

本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、受電装置が弱磁性の筐体を有する場合でも、水中での非接触電力伝送における伝送効率の低下を抑制できる受電装置、送電装置及び水中給電システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

水中に配置される受電装置であって、弱磁性材料で形成された筐体と、前記筐体の外側を包囲し、強磁性材料で形成された強磁性体と、前記強磁性体の外側に巻回された受電コイルと、を備える受電装置。

請求項2

センサ、を更に備え、前記センサは、前記筐体の外側に配置され、データを検出して取得し、前記強磁性体は、前記筐体の外側に配置される前記センサに対向する位置では不在である、請求項1に記載の受電装置。

請求項3

前記受電装置は、水中を移動する水中航走体である、請求項1または2に記載の受電装置。

請求項4

前記受電装置は、水中に固定的に設置される、請求項1または2に記載の受電装置。

請求項5

水中において、弱磁性材料で形成された筐体を有する受電装置に電力送電する送電装置であって、磁界を介して、前記受電装置の受電コイルに電力を伝送する送電コイルを含む1つ以上の伝送コイルと、前記伝送コイルの半径方向外側を包囲し、強磁性材料で形成された強磁性体と、を備える送電装置。

請求項6

送電装置及び受電装置を備え、水中に配置された前記送電装置が前記受電装置に電力を供給する水中給電システムであって、前記受電装置は、弱磁性材料で形成された筐体と、前記筐体の外側を包囲し、強磁性材料で形成された第1の強磁性体と、前記第1の強磁性体の外側に巻回された受電コイルと、を備え、前記送電装置は、磁界を介して、前記受電装置の前記受電コイルに電力を伝送する送電コイルを含む1つ以上の伝送コイルと、前記伝送コイルの半径方向外側を包囲し、強磁性材料で形成された第2の強磁性体と、を備える水中給電システム。

技術分野

0001

本開示は、水中において電力受電する受電装置、水中において電力を送電する送電装置、及び水中給電システムに関する。

背景技術

0002

従来、送電装置としての水中基地局が、受電装置としての水中航走体との間で、磁気共方式を用いて非接触で電力伝送することが知られている(例えば特許文献1参照)。この送電装置は、送電用共鳴コイルと、風船と、風船制御機構と、を具備する。送電用共鳴コイルは、磁界共鳴方式により受電装置の受電用共鳴コイルに非接触で電力伝送する。風船は、送電用共鳴コイルを内包する。風船制御機構は、風船を電力伝送時膨張させるこ
とにより、送電用共鳴コイルと受電用共鳴コイルとの間の水を排除する。

0003

また、13.56MHz帯周波数を用いる電磁誘導方式を利用して、電力とデータをIC搭載媒体に送信するアンテナ装置が知られている(例えば特許文献2参照)。このアンテナ装置は、信号電流給電される少なくとも1つの給電ループアンテナと信号電流が給電されない少なくとも1つの無給電ループアンテナを有し、給電ループアンテナが発生する磁界を利用して無給電ループアンテナにも信号電流を発生させ、給電ループアンテナの通信範囲を拡大させる点を開示している。

先行技術

0004

特開2015−015901号公報
特開2005−102101号公報

発明が解決しようとする課題

0005

水中航走体である自立型無人潜水機(AUV:Autonomous Underwater Vehicle)等の水中で受電する受電装置の筐体には、通常、弱磁性体非磁性体)であるアルミニウムが使用される。この筐体の側面に線材巻き付け受電コイル成形した場合、弱磁性体であるアルミニウムの導電性のため、インダクタンスが低下し、Q値が低下する。また、アルミニウムの導電率が大きいので、磁界によって渦電流が発生して筐体が発熱する。

0006

本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、受電装置が弱磁性の筐体を有する場合でも、水中での非接触電力伝送における伝送効率の低下を抑制できる受電装置、送電装置及び水中給電システムを提供する。

課題を解決するための手段

0007

本開示の一態様は、水中に配置される受電装置であって、弱磁性材料で形成された筐体と、前記筐体の外側を包囲し、強磁性材料で形成された磁性体と、前記磁性体の外側に巻回された受電コイルと、を備える受電装置である。

0008

本開示の一態様は、水中において、弱磁性材料で形成された筐体を有する受電装置に電力を送電する送電装置であって、磁界を介して、前記受電装置の受電コイルに電力を伝送する送電コイルを含む1つ以上の伝送コイルと、前記伝送コイルの半径方向外側を包囲し、強磁性材料で形成された磁性体と、を備える送電装置である。

0009

本開示の一態様は、送電装置及び受電装置を備え、水中に配置された送電装置が受電装置に電力を供給する水中給電システムであって、受電装置は、弱磁性材料で形成された筐体と、前記筐体の外側を包囲し、強磁性材料で形成された第1の磁性体と、前記第1の磁性体の外側に巻回された受電コイルと、を備え、前記送電装置は、磁界を介して、前記受電装置の前記受電コイルに電力を伝送する送電コイルを含む1つ以上の伝送コイルと、前記伝送コイルの半径方向外側を包囲し、磁性材料で形成された第2の磁性体と、を備える水中給電システムである。

発明の効果

0010

本発明によれば、受電装置が弱磁性の筐体を有する場合でも、水中での非接触電力伝送における伝送効率の低下や筐体の発熱を抑制できる。

図面の簡単な説明

0011

本実施形態の電力伝送システムが置かれる環境の一例を示す図
電力伝送システムの構成例を示すブロック図
無線給電を行う際の送電コイル構造体および受電コイル構造体の位置関係を示す斜視図
受電コイル構造体の外観を示す斜視図
図4の矢印F−F方向から視た受電コイル構造体の断面およびその一部を拡大して示す図である。
図4の矢印G−G方向から視た受電コイル構造体の断面およびその一部を拡大して示す図
受電コイル、送電コイルおよび中継コイルのインダクタンスおよびQ値を計算するための電力伝送モデルの一例を示す図
電力伝送モデルの等価回路を示す図
送電コイル、2つの中継コイル、および受電コイルの性能を表すパラメータテーブルを示す図
他の送電コイル構造体および受電コイル構造体の位置関係を示す斜視図である。
図10の矢印H−H方向から視た送電コイル構造体および受電コイル構造体の断面図である。
図10の矢印I−I方向から視た送電コイル構造体および受電コイル構造体の断面図
他の送電コイル構造体を含む電力伝送システムの概略を示す斜視図
他の受電コイル構造体を搭載したAUVの外観を示す断面図

実施例

0012

以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る受電装置、送電装置および水中給電システムを具体的に開示した実施形態(以下、「本実施形態」という)である電力伝送システムを詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。

0013

(本開示の一形態を得るに至った経緯)
海水中で磁気共鳴方式により電力を伝送する場合、海水は導電率が高いので、電磁界減衰が大きい。このため、受電コイルを、電磁界の減衰の少ない媒質(例えば空気)で覆うことが検討される。しかし、受電コイルを電磁界の減衰の少ない媒質で覆っても、電磁界の減衰を十分に低減することは難しく、また、受電コイルを囲むためには、大きな空間が必要となる。以下の実施形態では、一例として、受電コイルにコア磁心)を設け、コアに電磁界を集中させることで、水中(例えば海水中)における電磁界の減衰を低減する。

0014

図1は、本実施形態の電力伝送システム10が置かれる環境の一例を示す図である。電力伝送システム10は、送電装置100、受電装置200、及び複数のコイルCLを備える(図2参照)。送電装置100は、受電装置200に対して、複数のコイルCLを介して、磁気共鳴方式に従ってワイヤレス(無接点)で電力伝送する。配置されるコイルCLの数は、n個であり、任意である。

0015

コイルCLは、例えば、環状に形成され、樹脂カバー被覆されて絶縁される。また、コイルCLは、例えばキャブタイヤケーブルで形成されてよい。コイルCLは、例えば、ヘリカルコイルスパイラルコイルでよい。ヘリカルコイルは、同一平面内ではなく、磁気共鳴方式による電力の伝送方向(単に「伝送方向」とも称する)に沿って、螺旋状に巻回された(ヘリカル巻きで形成された)環状のコイルである。スパイラルコイルは、同一平面内において巻回された(スパイラル巻きで形成された)環状のコイルである。スパイラルコイルによれば、コイルCLの厚みを確保することが困難な場合でも、コイルCLを薄型化できる。ヘリカルコイルによれば、巻回されたコイルCLの内部の空間を広く確保し得る。図1では、一例としてスパイラルコイルが用いられる。

0016

コイルCLは、送電コイルCLA及び受電コイルCLBを含む。送電コイルCLAは、一次コイル(Primary Coil)であり、受電コイルCLBは、二次コイル(Secondary Coil)である。また、コイルCLは、送電コイルCLAと受電コイルCLBとの間に配置された1つ以上の中継コイルCLC(Booster Coil)を含んでもよい。中継コイルCLC同士は、略平行に配置され、中継コイルCLCにより形成される開口面の半分以上が重なる。複数の中継コイルCLC間の間隔は、例えば中継コイルCLCの半径以上確保される。中継コイルCLCは、送電コイルCLAによる電力伝送を補助する。

0017

送電コイルCLAは、送電装置100に設けられる。受電コイルCLBは、受電装置200に設けられる。中継コイルCLCは、送電装置100に設けられても、受電装置200に設けられても、送電装置100及び受電装置200とは別に設けられてもよい。中継コイルCLCは、一部が送電装置100に設けられ、他の一部が受電装置200に設けられてもよい。

0018

送電装置100は、その一部が船舶50に設置されてもよいし、その他の箇所、例えば上に設置された給電設備1200に配置されてもよい。受電装置200は、移動可能な水中航走体60(例えば潜水艇70や水底掘削機80)や固定的に設置される受電装置(例えば地震計監視カメラ地熱発電機)に設置されてよい。図1では、水中航走体60として、潜水艇70を例示する。各コイルCLは、水中(例えば海中)に配置される。

0019

潜水艇70は、例えば、遠隔操作無人探査機(ROV:Remotely Opera
ted Vehicle)、無人潜水艇(UUV:Unmanned Underwater Vehicle)、又は自立型無人潜水機(AUV:Autonomous Underwater Vehicle)800を含んでよい。ここでは、潜水艇70として、AUV800を用いる場合を詳細に説明する。

0020

船舶50の一部は、水面90(例えば海面)より上部つまり水上に存在し、船舶50の他の一部は、水面90よりも下部つまり水中に存在する。船舶50は、水上で移動可能であり、例えばデータ取得場所の水上へ自由に移動可能である。船舶50に設置された送電装置100と送電コイルCLAとの間は、電力ケーブル280により接続される。電力ケーブル280は、水上のコネクタを介して、例えば送電装置100内のドライバ151(図2参照)と接続される。

0021

AUV800は、水中を潜行する。例えば、水上の船舶50からの指示により、データ取得ポイントへ自由に移動可能である。船舶50からの指示は、各コイルCLを介した通信により伝送されてもよいし、その他の通信方法により伝送されてもよい。

0022

各コイルCLは、例えば等間隔に配置される。隣り合うコイルCL間の距離(コイル間隔)は、例えば5mである。コイル間隔は、例えばコイルCLの直径の半分程度の長さである。伝送周波数は、水中(例えば海中)での磁界強度減衰量を考慮すると、例えば40kHz以下であり、10kHz未満とされることが好ましい。また、10kHz以上の送信周波数で電力伝送する場合には、電波法の規定に基づいて所定のシミュレーションを行う必要があり、10kHz未満の場合にはこの作業を省略できる。尚、伝送周波数が低周波であるほど、電力伝送距離が長くなり、コイルCLが大きくなり、コイル間隔が長くなる。なお、伝送周波数は、例えば通信信号重畳される場合、40kHzよりも高い周波数でもよい。

0023

伝送周波数は、コイルCLのインダクタンス、コイルCLの直径、コイルのCLの巻き数等のコイル特性に基づき定まる。コイルCLの直径は、例えば数m〜数10mである。また、コイルCLの太さが太い程、つまりコイルCLの線径が大きい程、コイルCLでの電気抵抗が減り、電力損失が小さくなる。また、コイルCLを介して伝送される電力は、例えば50W以上であり、kWオーダーでもよい。

0024

また、送電装置100は、コイルの線材が巻かれる、1つ以上のボビンbnを備えてよい。ボビンbnの材料は、非導電性又は弱磁性の材料でよく、例えば、ポリ塩化ビニルアクリルポリエステル等の樹脂が用いられてよい。なお、ボビンの材料は、誘電性を有してもよい。例えば、ボビンの材料としてポリ塩化ビニルを用いると、安価で入手し易く、加工し易くなる。ボビンbnが非導電性を有することで、送電装置100は、コイルCLに流れる交流電流に起因して発生する磁界が、ボビンbnに吸収されることを抑制できる。

0025

図1では、水中給電(例えば海中給電)を行うために、水中に浮遊するボビンbn10を含む給電スタンド1000Cと、海底に配置されたボビンbn11を含む給電スタンド1000Dとが設置される。

0026

給電スタンド1000Cでは、筒状のボビンbn10の外周には、送電コイルCLA11及び中継コイルCLC11が巻回されて配置される。送電コイルCLA11には、電力ケーブル280が接続されており、海上に係留している船舶50から電力ケーブル280を介して電力が供給される。また、電力ケーブル280は、給電スタンド1000Cを海中で浮遊状態に支持する。浮遊状態では、筒状のボビンbn10の両側の開口は、水平方向を向いてよい。AUV800は、浮遊状態にある給電スタンド1000Cの出入口に対し、水平方向に進入し、ボビンbn10の内部に留まって受電してよい。

0027

給電スタンド1000Dは、海底910に埋め込まれた2本の支柱1101の上部に固定される。給電スタンド1000Dの出入口は、水平方向を向いてよい。給電スタンド1000Dでは、筒状のボビンbn11に送電コイルCLA12が巻回されて配置され、中継コイルCLCは配置されていない。送電コイルCLA12には、海底910に這わされた電力ケーブル280Aが接続され、給電設備1200から電力ケーブル280Aを介して電力が供給されてよい。AUV800は、海底910に設置された給電スタンド1000Dの出入口に対し、水平方向に進入し、ボビンbn11の内部に留まって受電してよい。

0028

図2は、電力伝送システム10の構成例を示すブロック図である。電力伝送システム10は、前述したように、送電装置100及び受電装置200を備える。送電装置100は、電源110、ADC(AC/DC Converter)120、CPU(Central Processing Unit)130、情報通信部140、及び送電回路150、を備える。

0029

ADC120は、電源110から供給される交流電力直流電力に変換する。変換された直流電力は、送電回路150へ送られる。

0030

CPU130(プロセッサの一例)は、送電装置100の各部(例えば電源110、ADC120、情報通信部140、送電回路150)の動作を統括する。

0031

情報通信部140は、受電装置200との間で通信される通信データを変調又は復調するための変復調回路141を含む。情報通信部140は、例えば、送電装置100から受電装置200への制御情報を、コイルCLを介して送信する。情報通信部140は、例えば、受電装置200から送電装置100へのデータを、コイルCLを介して受信する。このデータには、例えば、受電装置200により水中探査や水底探査された探査結果のデータが含まれる。情報通信部140により、水中航走体60がデータ収集等の作業を行いながら、水中航走体との間で迅速にデータ通信できる。

0032

送電回路150は、ドライバ151及び共振回路152を含む。ドライバ151は、ADC120からの直流電力を所定の周波数の交流電圧パルス波形)に変換する。共振回路152は、コンデンサCAと送電コイルCLAとを含んで構成され、ドライバ151からのパルス波形の交流電圧から正弦波波形の交流電圧を生成する。送電コイルCLAは、ドライバ151から印加される交流電圧に応じて、所定の共振周波数共振する。尚、送電コイルCLAは、送電装置100の出力インピーダンスインピーダンス整合される。

0033

なお、ドライバ151が変換することで得られる交流電圧に係る所定の周波数は、送電装置100と受電装置200との間での電力伝送の伝送周波数に相当し、共振周波数に相当する。伝送周波数は、例えば、各コイルCLのQ値に基づき設定されてよい。

0034

受電装置200は、受電回路210、CPU220、充電制御回路230、2次電池240、及び情報通信部250を備える。

0035

受電回路210は、整流回路211、レギュレータ212、及び共振回路213を含む。共振回路213は、コンデンサCBと受電コイルCLBとを含んで構成され、送電コイルCLAから送電された交流電力を受電する。尚、受電コイルCLBは、受電装置200の入力インピーダンスにインピーダンス整合される。整流回路211は、受電コイルCLBに誘起された交流電力を直流電力に変換する。レギュレータ212は、整流回路211から送られる直流電圧を、2次電池240の充電適合する所定の電圧に変換する。

0036

CPU220(プロセッサの一例)は、受電装置200の各部(例えば受電回路210、充電制御回路230、2次電池240、情報通信部250)の動作を統括する。

0037

充電制御回路230は、2次電池240の種別に応じて2次電池240への充電を制御する。例えば、2次電池240がリチウムイオン電池の場合、充電制御回路230は、定電圧で、レギュレータ212からの直流電力により2次電池240への充電を開始する。

0038

2次電池240は、送電装置100から伝送された電力を蓄積する。2次電池240は、例えばリチウムイオン電池である。

0039

情報通信部250は、送電装置100との間で通信される通信データを変調又は復調するための変復調回路251を含む。情報通信部250は、例えば、送電装置100から受電装置200への制御情報を、コイルCLを介して受信する。情報通信部250は、例えば、受電装置200から送電装置100へのデータを、コイルCLを介して送信する。このデータには、例えば、受電装置200により水中探査や水底探査された探査結果のデータが含まれる。情報通信部250により、水中航走体60がデータ収集等の作業を行いながら、船舶50との間で迅速にデータ通信できる。

0040

尚、中継コイルCLCは、送電コイルCLA及び受電コイルCLBと同様に、コンデンサCCとともに共振回路を構成する。つまり、本実施形態では、共振回路が水中において多段に配置されることで、磁気共鳴方式により電力が伝送される。

0041

次に、送電装置100から受電装置200への電力伝送について説明する。共振回路152では、送電装置100の送電コイルCLAに電流が流れると送電コイルCLAの周囲に磁場が発生する。発生した磁場の振動は、同一の周波数で共振する中継コイルCLCを含む共振回路又は受電コイルCLBを含む共振回路213に伝達される。

0042

中継コイルCLCを含む共振回路では、磁場の振動により中継コイルCLCに電流が励起され、電流が流れ、中継コイルCLCの周囲に更に磁場が発生する。発生した磁場の振動は、同一の周波数で共振する他の中継コイルCLCを含む共振回路又は受電コイルCLBを含む共振回路213に伝達される。

0043

共振回路213では、中継コイルCLC又は送電コイルCLAの磁場の振動により、受電コイルCLBに交流電流が誘起される。誘起された交流電流が整流され、所定の電圧に変換され、2次電池240に充電される。

0044

図3は、水中において無線給電を行う際の送電コイル構造体100Zおよび受電コイル構造体200Zの位置関係を示す斜視図である。送電コイル構造体100Zは、送電装置100に設けられる送電コイルに関する構造体、又は、送電コイル及び中継コイルに関する構造体である。受電コイル構造体200Zは、受電装置200に設けられる受電コイルに関する構造体である。なお、水中が海水中であることを主に例示するが、海水中以外の水中であってもよい。

0045

送電コイル構造体100Zは、1つの送電コイルCLAと2つの中継コイルCLCが海水中で水平方向に並ぶように配置された構造を有する。なお、図3では、ボビンbnが省略されているが、ボビンbnが存在しても不在でもよい。中継コイルCLCの数は、2つでなくてもよく、1つでも3つ以上でもよく、更に中継コイルCLCが設けられなくてもよい。送電コイルCLA及び中継コイルCLCは、例えば10回巻きの電線被覆材(カバー)で密閉して成形される。電線は、例えば銅線である。被覆材には、絶縁性弾力性耐候性を有する材料(例えばゴムや樹脂)が用いられる。なお、コイルCLは、被覆材で覆われた電線を10回巻くことで成形されてもよい。

0046

送電コイル構造体100Zの内側では、受電コイル構造体200Zが進退自在である。受電コイル構造体200Zは、AUV800の筐体に収容されてもよいし、AUV800の筐体の一部を覆うように形成されてもよいし、AUV800の筐体の全部を覆うように形成されてもよい。ここでは、受電コイル構造体200ZがAUV800の筐体の一部を覆うように形成される場合を示す。また、AUV800の筐体の内部は、中空部分が存在してよい。中空部分には、各種機器(例えば各種演算装置や各種センサ)が配置されてよい。なお、AUV800の航走予定位置が水深の深い位置である場合、水圧に抗するように、AUV800の筐体内の中空部分に油が充填されてよい。

0047

図4は、受電コイル構造体200Zの外観例を示す斜視図である。受電コイル構造体200Zは、透磁率の高い磁性体(強磁性体)であるコア(磁心)850と、コア(磁心)850を巻回するように配置された受電コイルCLBと、を含む構造を有する。コア850は、AUVの筐体(弱磁性体851)と筐体の周囲に巻回される磁性体(例えばフェライト852)とを含んでよい。コア850には、透磁率が低い磁性体(弱磁性体)が用いられてもよい。コア850は、AUV800の筐体を模した円柱状の弱磁性体の側面に、磁性材料を貼ることで成形されてよい。なお、磁性体は、円柱状の弱磁性体の側面に沿うように筒状に成形されてよいし、弱磁性体の側面に貼られるようにシート状に成形されてもよい。また、磁性体は、円柱状の弱磁性体の側面(AUV800の筐体の側面に相当)に限らず、その前面(AUV800の筐体の前面に相当)と背面(AUV800の筐体の背面に相当)に貼られてもよい。円柱状の弱磁性体には、例えば、軽くて錆びにくく切削し易いアルミニウムが用いられる。なお、弱磁性体としては、アルミニウムに限らず、ステンレスチタン、樹脂等が用いられてもよい。また、磁性材料として、本実施形態では、一例として、厚さ2mmのフェライト852が用いられる。フェライトは、電気を通しにくいので、磁界が発生しても発熱が少なく、また、錆びないので、取り扱い易い。なお、磁性材料(強磁性材料)として、フェライトに限らず、ケイ素鋼板パーマロイ等を用いることも可能である。なお、強磁性材料は、弱磁性材料よりも透磁率が高いことを示す。

0048

受電コイルCLBの内側にコア850を設けた場合、送電コイルCLA又は中継コイルCLCで発生する磁界は、コア850を形成するフェライト852の内部に集中するとともに、発生した磁界によって、フェライト852の内部に磁束を生じさせる。これにより、受電コイル構造体200Zでは、受電コイルCLBの内側に多くの磁力線が集まる。

0049

図3に示すように、2段目図3の右側)の中継コイルCLCの内側にAUV800が進入し、2段目の中継コイルCLCと受電コイルCLBとが略同一平面上で対向した位置に到達すると、水中において無線給電が開始される。なお、中継コイルCLCでなく、送電コイルCLA側からの送電コイルCLAの内側にAUV800が進入した場合も同様であり、送電コイルCLAと受電コイルCLBとが略同一平面上で対向した位置に到達すると、水中において無線給電が開始される。

0050

図5は、図4の矢印F−F方向から視た受電コイル構造体200Zの断面およびその一部を拡大して示す図である。図6は、図4の矢印G−G方向から視た受電コイル構造体200Zの断面およびその一部を拡大して示す図である。受電コイルCLBは、例えば10回巻きの電線856を被覆材855で密閉することで成形される。被覆材855は、絶縁性、弾力性、耐候性を有する材料であればよく、ここではゴムが用いられてよい。受電コイル構造体200Zは、コア850の外周に、成形された受電コイルCLBを装着することで一体化される。コア850の外周と受電コイルCLBの被覆材855との接触面には、これらが分離しないように接着材が塗布されてよい。なお、接着剤による接着以外の方法で、コア850と受電コイルCLBとの一体化が行われてもよい。

0051

図7は、受電コイルCLB、送電コイルCLA及び中継コイルCLCのインダクタンスおよびQ値を計算するための電力伝送モデル15の一例を示す図である。この電力伝送モデル15では、送電コイルCLAの図中下方に中継コイルCLCが2段に配置される。送電コイルCLAの直径は例えば2000mmであり、その巻き数は例えば10回である。また、送電コイルCLAの導体の直径(線径)は例えば13.9mmであり、被覆材の厚みは例えば2.1mmである。したがって、この導体の断面積は、例えば100mm2である。また、2つの中継コイルCLCの仕様は、送電コイルCLAと同じでよい。

0052

受電コイルCLBは、2段目の中継コイルCLC(図7では下方の中継コイルCLC)と略同一平面になるように対向している。受電コイルCLBの直径は例えば500mmであり、その巻き数は例えば10回である。また、受電コイルCLBの導体の直径(線径)は例えば9.1mmであり、その被覆材855の厚みは例えば3.2mmである。したがって、この導体の断面積は、例えば38mm2である。

0053

また、各コイル間隔(送電コイルCLAと中継コイルCLCの間の距離)は、コイルCLの直径の半分程度の長さである。したがって、各コイル間隔は1000mmである。コア850の材質・寸法等は、前述したとおりである。

0054

図8は、電力伝送モデル15の等価回路を示す図である。この等価回路では、送電装置100の共振回路152は、インダクタンスの値としてインダクタンスL1を有する送電コイルCLA及びキャパシタンスの値としてキャパシタンスC1を有するコンデンサCAを含む。1段目の中継コイルCLC(図7では上方の中継コイルCLC)を含む共振回路は、インダクタンスの値としてインダクタンスL2を有する中継コイルCLC及びキャパシタンスの値としてのキャパシタンスC2を有するコンデンサCCを含む。2段目の中継コイルCLC(図7では下方の中継コイルCLC)を含む共振回路は、インダクタンスの値としてインダクタンスL3を有する中継コイルCLC及びキャパシタンスの値としてキャパシタンスC3を有するコンデンサCCを含む。受電装置200の共振回路213は、インダクタンスの値としてインダクタンスL4を有する受電コイルCLB及びキャパシタンスの値としてキャパシタンスC4を有するコンデンサCBを含む。

0055

送電コイルCLA、2つの中継コイルCLC、及び受電コイルCLBのそれぞれについて、インダクタンスおよびQ値を導出(例えば検出、計算)する。図9は、送電コイルCLA、2つの中継コイルCLC、及び受電コイルCLBの性能を表すパラメータテーブルTbを示す図である。このパラメータテーブルTbには、フェライト852がある場合とフェライト852が無い場合におけるインダクタンス及びQ値が示される。ここで、Q値は、共振回路の共振のピークの鋭さを表す。Q値が高い程、コイルCLによる電力の伝送効率が向上する。Q値は、角周波数ω抵抗成分R,インダクタンス成分L、キャパシタンス成分Cを用いると、Q=ωL/R=1/ωCRで示される。また、角周波数ωは、インダクタンス成分L、キャパシタンス成分Cを用いると、ω=(1/LC)1/2で示される。

0056

図9に示すように、送電コイルCLAのインダクタンス値は、フェライト852が無い場合に400μH程度であるのに対し、フェライト852が有る場合に414μHと僅かに大きくなるが、ほぼ同じである。また、送電コイルCLAのQ値は、フェライト852の有無によらず、値55とほぼ同じである。

0057

1段目の中継コイルCLCのインダクタンス値は、フェライト852が無い場合に400μH程度であるのに対し、フェライト852が有る場合に408μHと僅かに大きくなるが、ほぼ同じである。また、1段目の中継コイルCLCのQ値(Q2)は、フェライト852の有無によらず、値55とほぼ同じである。

0058

2段目の中継コイルCLCのインダクタンス値は、フェライト852が無い場合に400μH程度であるのに対し、フェライト852が有る場合に453μHと少し大きくなる。また、2段目の中継コイルCLCのQ値(Q3)は、フェライト852の有無によらず、値55とほぼ同じである。

0059

受電コイルCLBのインダクタンス値は、フェライト852が無い場合に40μH程度であるのに対し、フェライト852が有る場合に291μHと7倍以上に大きくなる。また、受電コイルCLBのQ値は、フェライト852が無い場合に値10以下であるのに対し、フェライト852が有る場合に値69と高くなる。

0060

例えば、例えばPC(Personal Computer)のプロセッサは、これらのコア850の有無に応じたインダクタンス値及びQ値を基に、電力伝送モデル15を用いてシミュレーションを行う。プロセッサは、2段目の中継コイルCLCと受電コイルCLBの相互インダクタンスM34を導出(例えば算出)する。プロセッサは、相互インダクタンスM34を用いて、例えば式(1)に従い、2段目の中継コイルCLCと受電コイルCLBの結合係数k34を算出してよい。
k34 = M34 /(L3・L4)1/2 ……(1)
なお、(L3・L4)1/2は、(L3・L4)の平方根を示し、「・」は乗算符号を示す。

0061

例えばPCのプロセッサは、算出した結合係数k34と、2段目の中継コイルCLCのQ値であるQ3と、受電コイルCLBのQ値であるQ4と、を用いて、例えば式(2)に従い、電力の最大伝送効率ηmaxを算出してよい。



ここで、Q34 = (Q3・Q4)1/2 を表す。なお、(Q3・Q4)1/2は、(Q3・Q4)の平方根を示し、「・」は乗算符号を示す。また、上記計算の実行主体は、汎用コンピュータ(例えばPC(Personal Computer))のプロセッサでよい。

0062

なお、結合係数k34は、伝達関数であるZパラメータを使って、式(3)に示すように表現することも可能である。

0063

このように、本実施形態の受電装置200は、水中に配置され、弱磁性材料で形成された筐体の一部である弱磁性体851と、弱磁性体851の外側を包囲し強磁性材料で形成されたフェライト852(強磁性体の一例)と、強磁性体の外側に巻回された受電コイルCLBと、を備える。

0064

このように、受電コイルCLBの内側に磁性体であるコア(磁心)850が設けられる。コア850は、弱磁性体である円柱状のアルミニウムの側面の少なくとも一部を覆うように、強磁性材料であるフェライト852がアルミニウムの側面に貼られることで成形される。これにより、受電装置200は、受電コイルCLBのインダクタンス及びQ値を高めることができる。したがって、AUV800が弱磁性の筐体を有する場合でも、水中での非接触電力伝送における伝送効率の低下を抑制できる。また、外部からの磁界及びフェライト852内部で発生した磁束による磁力線がフェライト内部に集中して、導電性を有するアルミニウムに向かうことを抑制できる。これにより、受電装置200は、コア850がAUV800の筐体である場合、筐体にアルミニウムが使用されても、渦電流によるアルミニウムの発熱を抑制できる。

0065

また、コア850が存在することで、送電コイルCLAと受電コイルCLBを貫く磁束が増える。また、受電装置200は、コイル同士の結合係数が大きくなり、電磁界(電力)の伝送効率を上げることができる。また、フェライト852は、導電性を有するが、海水と比べて導電率が低く、電磁界の減衰を低減させる。したがって、受電装置200は、電力の伝送損失を抑えることができる。

0066

また、受電装置200は、水中を移動する水中航走体としてAUV800でよい。この場合、受電装置200は、AUV800の移動の自由度を確保しつつ、水中での電力伝送効率を向上して充電できる。

0067

(送電コイル構造体の他の構成例1)
上記実施形態では、受電コイルCLBの内側に配置されたコア(磁心)850の外周に強磁性材料であるフェライトが貼られることを例示した。他の構成例1では、受電コイルCLBに加え、送電コイルCLA及び2つの中継コイルCLCの少なくとも1つの外周に強磁性材料であるフェライトが設けられることを例示する。

0068

図10は、他の送電コイル構造体100Y及び受電コイル構造体200Zの位置関係を示す斜視図である。送電コイル構造体100Yは、送電装置100に設けられる送電コイルに関する構造体、又は、送電コイル及び中継コイルに関する構造体である。図11は、図10の矢印H−H方向から視た送電コイル構造体100Y及び受電コイル構造体200Zの断面図である。図12は、図10の矢印I−I方向から視た送電コイル構造体100Y及び受電コイル構造体200Zの断面図である。電力伝送システムにおいて、上記実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を用いることで、その説明を省略又は簡略化する。

0069

送電コイル構造体100Yにおいても、1つの送電コイルCLAと2つの中継コイルCLCが海水中で水平方向に並ぶように配置される。また、送電コイル構造体100Yは、送電コイルCLAおよび2つの中継コイルCLCの外周に強磁性体であるフェライト181が貼られた構造を有する。即ち、フェライト181は、送電コイルCLAと2つの中継コイルCLCを覆うように筒状に形成される。つまり、フェライト181は、送電コイルCLA及び中継コイルCLCのそれぞれが形成する円周の外側に配置される。フェライト181の厚さは、受電側のコア850に設けられたフェライト852と同じ2mmでよい。

0070

この送電コイル構造体100Yでは、送電コイルCLA及び中継コイルCLCで発生する磁界は、送電コイルCLA及び中継コイルCLCの半径方向外側に配置されたフェライト181により、外側に漏れにくく、フェライト181の内部に集中し、また、フェライト181の内部に磁束を生じさせる。したがって、送電コイル構造体100Yの内側には、多くの磁力線が集まる。

0071

また、上記実施形態と同様、受電コイルCLBは、10回巻きの電線856を被覆材855で密閉して成形される。被覆材855は、絶縁性、弾力性、耐候性を有する材料であればよく、例えばゴムが用いられる。受電コイル構造体200Zは、コア850の外周に、成形された受電コイルCLBを巻き付けることで一体化されてよい。また、コア850の外周と受電コイルCLBの被覆材855との接触面には、これらが分離しないように、例えば接着材が塗布されてもよいし、接着以外の方法で一体化されてもよい。

0072

受電コイルCLBの内側にコア850が存在する場合、送電コイル構造体100Yの内側の磁界は、フェライト852の内部に集中し、また、フェライト852の内部で磁束を生じさせる。したがって、受電コイル構造体200Zでは、受電コイルCLBの内側に多くの磁力線が集まる。したがって、電力伝送システム10における電力の伝送効率が高まる。

0073

中継コイルCLCの内側にAUV800が進入し、中継コイルCLCと受電コイルCLBとが略同一平面上で対向する位置に到達すると、水中において無線給電が開始される。なお、中継コイルCLC側からでなく、送電コイルCLA側からAUV800が進入した場合も同様であり、送電コイルCLAと受電コイルCLBとが略同一平面上で対向する位置に到達すると、水中において無線給電が開始される。

0074

このように、他の構成例1の送電装置100は、他の送電コイル構造体100Yを用いて、水中において、弱磁性材料で形成された筐体800zを有するAUV800に電力を送電してよい。送電装置100は、磁界を介して、受電装置200の受電コイルCLBに電力を伝送する送電コイルCLAを含む1つ以上のコイルCL(伝送コイルの一例)と、コイルCLの半径方向外側を包囲し、強磁性材料で形成されたフェライト852と、を備えてよい。

0075

これにより、送電コイルCLA及び中継コイルCLCで発生する磁界は、フェライト181により送電コイルCLA及び中継コイルCLCの半径方向外側に漏れることを抑制できる。つまり、送電コイルCLA及び中継コイルCLCで発生する磁界は、フェライト181の内部に集中し、また、フェライト181の内部に磁束を生じさせる。フェライト181は、導電性を有するが、海水と比べて導電率が低く、電磁界の減衰を低減できる。したがって、送電コイル構造体100Yの内側では、多くの磁力線が集まる。これにより、送電装置100は、電力の伝送効率を一層高めることができる。また、送電装置100は、送電コイルCLA及び中継コイルCLCの外周に、強固に成形されたフェライト181が貼られた場合、送電コイルCLAおよび2つの中継コイルCLCを連結する連結体として機能させることもできる。この場合、送電装置100は、送電コイルCLA及び中継コイルCLCが巻き付けられるボビンbnを不要にできる。

0076

他の構成例1の電力伝送システム10(水中給電システムの一例)は、送電装置100及び受電装置200を備え、水中に配置された送電装置100が受電装置200に電力を供給する。受電装置200は、弱磁性材料で形成された筐体800zと、筐体800zの外側を包囲し、強磁性材料で形成されたフェライト852(第1の強磁性体の一例)と、フェライト852の外側に巻回された受電コイルCLBと、を備えてよい。送電装置100は、磁界を介して、受電装置200の受電コイルCLBに電力を伝送する送電コイルCLAを含む1つ以上のコイルCLと、コイルCLの半径方向外側を包囲し、強磁性材料で形成されたフェライト181(第2の強磁性体の一例)と、を備えてよい。

0077

これにより、送電コイルCLAおよび中継コイルCLCで発生する磁界は、外側に漏れることなく、外側のフェライト181の内部に集中し、また、外側のフェライト181の内部に磁束を生じさせる。また、外部からの磁界およびフェライト181内部で発生した磁束による磁力線が受電コイルCLBの内側のフェライト852内部に集中して、例えば導電性を有するアルミニウムで形成された筐体に向かわなくなる。これにより、電力伝送システム10は、コア850がAUV800の筐体である場合、筐体にアルミニウム等の弱磁性材料が使用されても、渦電流によるアルミニウムの発熱を防止できる。

0078

(送電コイル構造体の他の構成例2)
上記実施形態では、送電コイル構造体は、送電コイルおよび中継コイルが巻回されたボビンを有することを説明した。他の構成例2では、送電コイル構造体は、複数の送電コイル及び中継コイルが連結体を介して連結された構造を有する。

0079

図13は、他の送電コイル構造体100Xを含む電力伝送システム10Aの概略を示す斜視図である。送電コイル構造体100Xは、送電装置100に設けられる送電コイルに関する構造体、又は、送電コイル及び中継コイルに関する構造体である。各コイルCLは、連結体1030と接続され、例えば等間隔に配置される。隣り合うコイルCL間の距離(コイル間隔)は、例えば5mである。コイル間隔は、例えばコイルCLの直径の半分程度の長さである。図13では、連結体1030の数が3つであるが、これに限られない。連結体1030の下端側には、1040が接続される。また、連結体1030の上端側には、ブイ(Buoy)1045が接続される。

0080

錘1040により、連結体1030の移動を規制でき、連結体1030に固定された各コイルCLの移動を規制できる。よって、電力伝送システム10Aは、水中において水流が発生しても、錘1040により各コイルCLの移動が規制されるので、送電コイルCLA及び中継コイルCLCと受電コイルCLBとの位置関係を安定化でき、コイルCLを用いた電力伝送の効率が低下することを抑制できる。

0081

また、連結体1030の下端側に錘1040が接続され、連結体1030の上端側にブイ1045が接続されることで、錘1040が水底側、ブイ1045が水面側となり、連結体1030が水面90と略水平となる姿勢を維持できる。よって、各コイルCLにより定義される面は、水面90と略垂直となり、磁界共鳴方式によって水平方向(水面と平行な方向)に電力伝送できる。

0082

尚、錘1040は、連結体1030の運搬時には連結体1030から取り外され、連結体1030の運搬が終了し、所定の位置に設置される際に、連結体1030に錘1040が取り付けられてもよい。これにより、連結体1030の運搬が容易になる。

0083

このように、他の送電コイル構造体100Xでは、送電コイル構造体100Xの内側に、AUV800が進入し易く、給電が簡単になる。また、送電コイル構造体100Xが軽量であり、しかもコンパクト収納可能であるので、運搬が容易である。

0084

なお、連結体1030は、海水中に浮遊した状態で姿勢が維持されてもよいし、海底に設置された支柱に固定された状態で姿勢が維持されてもよい。

0085

なお、各コイルCLにより定義される面が、水面90と略水平とされてもよい。この場合、電力伝送システム10Aは、磁界共鳴方式によって水深方向(水面と略垂直な方向)に電力伝送できる。

0086

(受電コイル構造体の他の構成例3)
上記実施形態では、受電コイル構造体200Zにおいて、コア850の外周全体、つまり円柱状の弱磁性体851の側面が全周に亘ってフェライト852で被覆されていた。構成例3の受電コイル構造体では、コアの一部がフェライトで被覆されない場合を示す。

0087

図14は、他の受電コイル構造体200Yを搭載したAUV800の外観を示す断面図である。受電コイル構造体200Yは、受電装置200に設けられる受電コイルに関する構造体である。他の受電コイル構造体200Yでは、弱磁性体851を覆うフェライト852の一部を切り欠いた開口部852zが形成される。この開口部852zには、例えばAUV800に搭載されたカメラ951の撮像窓露出する。これにより、カメラ951がフェライト852によって画角が遮られることを回避できる。

0088

なお、フェライト852の側面に形成される開口部は、1つに限らず複数であってもよい。また、開口部は、カメラの撮像窓に限らず、他の各種機器や各種構成部を覆わないように設けられてもよい。例えば、開口部は、超音波センサ等の受音面が露出する位置に形成されてもよい。

0089

このように、他の構成例3の受電装置200は、カメラ951(センサの一例)を備えてよい。カメラ951は、AUV800の筐体の外側に配置され、データを検出して取得してよい。フェライト852は、筐体の外側に配置されるセンサに対向する位置では、不在でよい。

0090

これにより、受電装置200は、AUV800に搭載されるカメラ951やセンサ等の機器の動作に支障を与えることなく、送電コイル構造体から送電される電力の伝送効率を高めることができる。このように、受電装置200は、カメラ951をフェライト852で覆う場合と比較すると、センサの検出精度の低下を抑制して、電力伝送効率を向上できる。

0091

以上、図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。

0092

上記実施形態及び他の各構成例では、受電装置200は、海底に設置された発電機等でもよい。この場合、受電装置200は、水中に固定的に設置される。このように、海底に固定的に設置された構造物であって、構造物を移動させて充電することが困難である場合でも、送電装置100が受電装置200に近付くことで、水中での電力伝送効率を向上して充電できる。

0093

上記実施形態及び他の各構成例では、送電コイルCLA及び複数の中継コイルCLCの配列方向が海水中で横向き(水平方向)に配置されたが、縦向き(垂直方向)に配置されてもよい。縦向きの場合、送電コイルCLA及び中継コイルCLCの面は、水面と略平行となる。縦向きに配置される場合、AUV800に搭載される受電コイルCLBも磁界方向に合わせるように縦向きに搭載されてもよい。つまり、受電コイルCLBの面が水面と略平行となってよい。また、送電コイルCLA及び中継コイルCLCが連結体を介して接続される送電コイル構造体の場合、送電コイル構造体が縦向きに配置されても、AUV800は、送電コイル構造体に対し水平方向に進入および退出可能でよい。一方、送電コイルCLA及び中継コイルCLCがボビンbnに巻回されて配置される送電コイル構造体の場合に、送電コイル構造体が縦向きに配置された場合、AUV800は、ボビンbnの上端および下端に位置するボビンbnの開口部から送電コイル構造体の内側に進入してよい。

0094

上記実施形態では、プロセッサは、物理的にどのように構成してもよい。また、プログラム可能なプロセッサを用いれば、プログラムの変更により処理内容を変更できるので、プロセッサの設計の自由度を高めることができる。プロセッサは、1つの半導体チップで構成してもよいし、物理的に複数の半導体チップで構成してもよい。複数の半導体チップで構成する場合、上記実施形態の各制御をそれぞれ別の半導体チップで実現してもよい。この場合、それらの複数の半導体チップで1つのプロセッサを構成すると考えることができる。また、プロセッサは、半導体チップと別の機能を有する部材(コンデンサ等)で構成してもよい。また、プロセッサが有する機能とそれ以外の機能とを実現するように、1つの半導体チップを構成してもよい。また、複数のプロセッサが1つのプロセッサで構成されてもよい。

0095

本開示は、受電装置が弱磁性の筐体を有する場合でも、水中での非接触電力伝送における伝送効率の低下を抑制できる受電装置、送電装置及び水中給電システム等に有用である。

0096

10電力伝送システム
15電力伝送モデル
50船舶
60水中航走体
70潜水艇
80水底掘削機
90 水面
95 水底
100送電装置
100Z,100Y送電コイル構造体
110電源
120ADC
130 CPU
140情報通信部
141変復調回路
150送電回路
151ドライバ
152共振回路
181フェライト
200受電装置
200Z,200Y受電コイル構造体
210受電回路
211整流回路
212レギュレータ
220 CPU
230充電制御回路
240 2次電池
250 情報通信部
251 変復調回路
280,280A電力ケーブル
800,800A AUV
800z筐体
850コア(磁心)
851弱磁性体
852 フェライト
855被覆材
856電線
910海底
951カメラ
1000C,1000D給電スタンド
1030連結体
1040錘
1045ブイ
1101支柱
1200給電設備
bn,bn10,bn11ボビン
CLコイル
CLA,CLA11,CLA12 送電コイル
CLB 受電コイル
CLC,CLC11中継コイル
Tb パラメータテーブル

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