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課題

デスクランブルに必要なECMおよびEMMの処理を取りこぼすことなく、契約番組視聴を可能とする送受信方法を提供する。

解決手段

受信機300は、サービス信号を受信するチューナ部と、チューナ部から出力されたスクランブルコンテンツを受け取るデスクランブラと、少なくともチューナ部、デスクランブラを制御する制御部と、デスクランブラに与えるための第2キーを取得するCASモジュールと、を備える。制御部は、1事業体あたりのEMMの受信後、EMMをCASモジュールへの処理猶予期間以内で最少R(1以上の整数)個を処理すべきと設定しており、1事業体のEMMを検出してから、EMM処理猶予期間以内にR個処理を行った後は次のEMMを検出した場合、少なくとも猶予期間以内のEMMについてCASモジュールに対するコマンド送出は抑制する。

概要

背景

現在、地上デジタルテレビジョン放送BSデジタル放送広帯域CSデジタル放送を受信する機器において、異なる2番組を同時に録画する機能(ダブル録画機能)、さらには全チャンネル録画機能など、複数の同時刻放送される番組を同時録画(記録)可能な機器が製品化されている。

一方で、これら放送は有料放送無料放送に関わらずほとんどのチャンネルでスクランブルかけられており、番組を受信し視聴するには、CAS(Conditional
Access System)モジュールICカード)が必須となっている。

このスクランブルに関し経緯を説明する。2000年12月1日にBSデジタル放送が開始された時点では、有料放送のみがスクランブルがかけられており、日本放送協会(NHK)および無料民間放送ノンスクランブル放送であった。

上記の有料放送でスクランブルを行うようにした目的は、有料放送ビジネス成立させるためである。このために、受信機の出荷時点では、基本的にすべての受信機で放送番組をスクランブルすることにより受信できない状態とし、有料放送を視聴する契約締結した加入者のみに有料視聴番組のスクランブルを解く鍵を渡すことにより契約番組の視聴を受信機にて可能としている。これにより、対価払う受信契約を結ぶことで契約番組を視聴することができる有料放送ビジネスが成立している。

加入者のみに契約番組をデスクランブルすることを可能とするテレビジョン放送仕組みを限定受信方式(CAS:ConditionalAccessSystem)と称する。限定受信方式は、国内の地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、広帯域CSデジタル放送ではARIB(一般社団法人電波産業会)の標準規格STD−B25にて規定されており、概念図が標準規格STD−B25 第一部 第3章にて記載されている。

限定受信方式は、加入者のみが番組をデスクランブルすることを可能とするために、3重鍵方式を用いる。3重鍵方式は、CASモジュール(ICカード)に記憶されているマスター鍵(Km)を用いて、放送局から送られてくる個別情報EMM(Entitlement Management Message)を復号し、ワーク鍵(Kw)を取り出す。取り出したワーク鍵(Kw)を用いて、放送局から送られてくる共通情報ECM(Entitlement Control Message)を復号して、スクランブル鍵(Ks)を取り出す。このスクランブル鍵(Ks)を用いて、放送局から送られてくるスクランブルされたコンテンツをデスクランブルする。

放送局は、不正なデスクランブルを防止するために、スクランブル鍵(Ks)を頻繁に変更して送る(同一鍵の使用時間は、1秒程度)。したがって放送局は、デスクランブル対象の映像より先行して、その映像のスクランブル鍵(Ks)を持つECMを放送波により送付する。

一方、2000年12月にBSデジタル放送が開始されるにあたり、この放送の実際の運用パラメータなどを規定する運用規定としてARIB TR−B15が規定された。このARIB TR−B15の第1部BSデジタル放送運用規定、第五編BSデジタル放送
限定受信方式(CAS)受信機仕様および運用規定ではスクランブル鍵(Ks)の更新周期が、当時それまでのアナログテレビでも製品化されていた2画面機能(同時視聴)や視聴中に別チャンネル(CH)を録画するいわゆる裏録機能等を鑑みて、標準規格STD−B25に記載の更新周期1秒程度とする規定に対して、更新周期を2秒以上とすれば少なくとも異なる2つのチャンネルが同時視聴や裏録が可能となるように規定された背景が記載されている。

概要

デスクランブルに必要なECMおよびEMMの処理を取りこぼすことなく、契約番組の視聴を可能とする送受信方法を提供する。受信機300は、サービス信号を受信するチューナ部と、チューナ部から出力されたスクランブルコンテンツを受け取るデスクランブラと、少なくともチューナ部、デスクランブラを制御する制御部と、デスクランブラに与えるための第2キーを取得するCASモジュールと、を備える。制御部は、1事業体あたりのEMMの受信後、EMMをCASモジュールへの処理猶予期間以内で最少R(1以上の整数)個を処理すべきと設定しており、1事業体のEMMを検出してから、EMM処理猶予期間以内にR個処理を行った後は次のEMMを検出した場合、少なくとも猶予期間以内のEMMについてCASモジュールに対するコマンド送出は抑制する。

目的

そこで本実施形態においては、例えば厳密に1つのCASモジュールであったとしても、デスクランブルに必要なECMおよびEMMの処理を取りこぼすことなく、契約番組の視聴を可能とし得る、送受信方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

地上デジタルテレビジョン放送BSデジタル放送および広帯域CSデジタル放送の少なくとも1つを含む第1の事業体放送する第1のサービス信号送受信方法において、送信側は、送出部が、映像信号を含むコンテンツを送出すること、EMM送出部が、暗号化した第1キー(Kw)を含む前記第1の事業体の第1制御情報(EMM)を送出すること、ECM送出部が、暗号化した第2キー(Ks)を含む前記第1の事業体の第2制御情報(ECM)を送出すること、スクランブラが、前記コンテンツを第2キー(Ks)でスクランブルすること、多重化部が、前記スクランブルされた前記コンテンツ、前記第1の事業体の前記第1制御情報(EMM)および前記第1の事業体の前記第2制御情報(ECM)を多重化してストリームを出力すること、を有し、受信側は、チューナ部が、第1の事業体が送出する第1のサービス信号を含む、前記地上デジタルテレビジョン放送、前記BSデジタル放送および前記広帯域CSデジタル放送の少なくとも1つを受信し、前記第1のサービス信号に含まれる、暗号化された第1キー(Kw)を含む前記第1の事業体の第1制御情報(EMM)、暗号化された第2キー(Ks)を含む前記第1の事業体の第2制御情報(ECM)ならびにスクランブルコンテンツを取得すること、デスクランブラが、前記チューナ部から出力された前記スクランブルコンテンツをデスクランブルすること、制御部が、前記デスクランブラから出力される前記ストリームの所定のテーブルをチェックすること、前記所定のテーブルに含まれているパケットIDに基づいて、前記第1制御情報(EMM)、前記第2制御情報(ECM)を取り出すこと、前記チューナ部、前記デスクランブラを制御すること、CASモジュールが、前記制御部により制御され、前記第1の事業体の第1制御情報(EMM)から、固有の第3キー(Km)を用いて前記第1キー(Kw)を取得し、前記第1の事業体の第2制御情報(ECM)から、取得された前記第1キー(Kw)を用いて、前記デスクランブラに与えるための前記第2キー(Ks)を取得すること、第1バッファ、第2バッファがそれぞれ、前記第1の事業体の前記第1制御情報(EMM)を保持し、前記第1の事業体の前記第2制御情報(ECM)を保持すること、を備え、さらに前記制御部は、前記チューナ部により受信した前記第1の事業体の第1制御情報(EMM)に対応した所定数の第1コマンド送信をCASモジュールに対して行うまでの間に、前記チューナ部により受信した前記第1の事業体の第2制御情報(ECM)に対応した第2コマンド送信を前記CASモジュールに対して行い、前記第1バッファに前記チューナ部により受信した前記第1の事業体の前記第1制御情報(EMM)を入力してから、前記第2バッファに前記第1の事業体の前記第2制御情報(ECM)が入力されていない場合には、前記CASモジュールに対して前記第1の事業体の第1コマンド送信を行い、前記第2バッファに前記第1の事業体の第2制御情報(ECM)が入力されている場合には、前記第1の事業体の前記第1制御情報(EMM)に対応する前記第1コマンドを前記CASモジュールに送信する前に、前記第1の事業体の前記第2制御情報(ECM)に対応した第2コマンド送信を前記CASモジュールに対して行う、送受信方法。

請求項2

前記チューナ部は、前記第1の事業体が放送する、前記第1のサービス信号から、第n(nは整数)の事業体の第1制御情報(EMM)を含む第nのサービス信号までの、n通りのサービス信号を受信可能であり、前記第1バッファは、前記制御部により前記第1の事業体の前記第1制御情報(EMM)から前記第nの事業体の前記第1制御情報(EMM)のn通りの前記第1制御情報(EMM)を入力するために、nを超えるサイズを持つ請求項1に記載の送受信方法。

技術分野

0001

実施形態の説明は、放送信号を受信する送受信方法に関する。

背景技術

0002

現在、地上デジタルテレビジョン放送BSデジタル放送広帯域CSデジタル放送を受信する機器において、異なる2番組を同時に録画する機能(ダブル録画機能)、さらには全チャンネル録画機能など、複数の同時刻放送される番組を同時録画(記録)可能な機器が製品化されている。

0003

一方で、これら放送は有料放送無料放送に関わらずほとんどのチャンネルでスクランブルかけられており、番組を受信し視聴するには、CAS(Conditional
Access System)モジュールICカード)が必須となっている。

0004

このスクランブルに関し経緯を説明する。2000年12月1日にBSデジタル放送が開始された時点では、有料放送のみがスクランブルがかけられており、日本放送協会(NHK)および無料民間放送ノンスクランブル放送であった。

0005

上記の有料放送でスクランブルを行うようにした目的は、有料放送ビジネス成立させるためである。このために、受信機の出荷時点では、基本的にすべての受信機で放送番組をスクランブルすることにより受信できない状態とし、有料放送を視聴する契約締結した加入者のみに有料視聴番組のスクランブルを解く鍵を渡すことにより契約番組の視聴を受信機にて可能としている。これにより、対価払う受信契約を結ぶことで契約番組を視聴することができる有料放送ビジネスが成立している。

0006

加入者のみに契約番組をデスクランブルすることを可能とするテレビジョン放送仕組みを限定受信方式(CAS:ConditionalAccessSystem)と称する。限定受信方式は、国内の地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、広帯域CSデジタル放送ではARIB(一般社団法人電波産業会)の標準規格STD−B25にて規定されており、概念図が標準規格STD−B25 第一部 第3章にて記載されている。

0007

限定受信方式は、加入者のみが番組をデスクランブルすることを可能とするために、3重鍵方式を用いる。3重鍵方式は、CASモジュール(ICカード)に記憶されているマスター鍵(Km)を用いて、放送局から送られてくる個別情報EMM(Entitlement Management Message)を復号し、ワーク鍵(Kw)を取り出す。取り出したワーク鍵(Kw)を用いて、放送局から送られてくる共通情報ECM(Entitlement Control Message)を復号して、スクランブル鍵(Ks)を取り出す。このスクランブル鍵(Ks)を用いて、放送局から送られてくるスクランブルされたコンテンツをデスクランブルする。

0008

放送局は、不正なデスクランブルを防止するために、スクランブル鍵(Ks)を頻繁に変更して送る(同一鍵の使用時間は、1秒程度)。したがって放送局は、デスクランブル対象の映像より先行して、その映像のスクランブル鍵(Ks)を持つECMを放送波により送付する。

0009

一方、2000年12月にBSデジタル放送が開始されるにあたり、この放送の実際の運用パラメータなどを規定する運用規定としてARIB TR−B15が規定された。このARIB TR−B15の第1部BSデジタル放送運用規定、第五編BSデジタル放送
限定受信方式(CAS)受信機仕様および運用規定ではスクランブル鍵(Ks)の更新周期が、当時それまでのアナログテレビでも製品化されていた2画面機能(同時視聴)や視聴中に別チャンネル(CH)を録画するいわゆる裏録機能等を鑑みて、標準規格STD−B25に記載の更新周期1秒程度とする規定に対して、更新周期を2秒以上とすれば少なくとも異なる2つのチャンネルが同時視聴や裏録が可能となるように規定された背景が記載されている。

先行技術

0010

「デジタル放送におけるアクセス制御方式標準規格」 ARIBSTD-B25 6.5版 2015年3月17日改定、一般社団法人電波産業会
「デジタル放送におけるアクセス制御方式(第2世代)及びCASプログラムダウンロード方式標準規格」 ARIB STD-B61 1.2版 2015年12月3日改定、一般社団法人 電波産業会
「地上デジタルテレビジョン放送運用規定技術資料」 ARIB TR-B14 6.2版 2016年7月6日改定、一般社団法人 電波産業会
BS/広帯域CSデジタル放送運用規定 技術資料」 ARIB TR-B15 7.1版 2016年7月6日改定、一般社団法人 電波産業会
「高度広帯域衛星デジタル放送運用規定 技術資料」 ARIB TR-B39 1.0版 2016年7月6日改定、一般社団法人 電波産業会

発明が解決しようとする課題

0011

契約放送番組をデスクランブルするためには、上記したようにスクランブル鍵(Ks)が必要であり、このスクランブル鍵(Ks)(更新周期2秒)を得るためには、ワーク鍵(Kw)を用いてスクランブル鍵(Ks)を含むECM(更新周期2秒)を復号することが必要であり、ワーク鍵(Kw)を得るためには、CASモジュール固有のマスター鍵(Km)を用いて、ワーク鍵(Kw)を含むEMM(例えば1日1回送られてくる)を復号することが必要である。

0012

一方、現在の受信機では、全チャンネル録画機能など、ある時刻に放送されている複数の番組を同時録画(記録)可能な機器が製品化されている。つまり、(1)受信機内で多数のチューナを同時に使用できる環境が整っている。この場合、1秒或いは2秒以内に多数のチューナに対するそれぞれのスクランブル鍵(Ks1〜Ksn)が必要となるが、受信機が所定の時間内にスクランブル鍵の取り出し処理が可能であるかを検討する必要がある。(2)また、限定受信方式においては、有料放送契約情報自動表示メッセージの表示・消去のためにEMMが送信されるが、主には2種類の送る目的がある。一つは有料契約の有効期限定期更新のためのEMM送信であり、もう一つは新規加入者事業者加入契約した場合、加入申し込み後即時に鍵あけや、自動表示メッセージ消去の依頼に応じるために即時に消去用EMMの送出を行う場合がある。このときは、受信機でEMM取得を取りこぼすことも想定し1秒或いは2秒以内に同じEMMが放送信号の中で繰り返しに送られてくることがある。受信機の制御部ではEMMの内容更新されたか否かの判別はつかないため、このような環境の下であっても、1秒或いは2秒以内に(1)に述べた多数のチューナで受信するスクランブルされた映像信号おのおのに対して、それぞれのスクランブル鍵(Ks1〜Ksn)が受信機において確実に取得されることが必要である。

0013

このスクランブル鍵が受信機において確実に取得されるための検討は、現在のルールの中で検討する必要がある。仮に受信機がスクランブル鍵の取得に失敗すると、契約している番組を視聴できない契約者が生じることになる。

0014

そこで本実施形態においては、例えば厳密に1つのCASモジュールであったとしても、デスクランブルに必要なECMおよびEMMの処理を取りこぼすことなく、契約番組の視聴を可能とし得る、送受信方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

実施形態によれば、地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送および広帯域CSデジタル放送の少なくとも1つを含む第1の事業体が放送する第1のサービス信号の送受信方法において、
送信側は、
送出部が、映像信号を含むコンテンツを送出すること、
EMM送出部が、暗号化した第1キー(Kw)を含む前記第1の事業体の第1制御情報(EMM)を送出すること、
ECM送出部が、暗号化した第2キー(Ks)を含む前記第1の事業体の第2制御情報(ECM)を送出すること、
スクランブラが、前記コンテンツを第2キー(Ks)でスクランブルすること、
多重化部が、前記スクランブルされた前記コンテンツ、前記第1の事業体の前記第1制御情報(EMM)および前記第1の事業体の前記第2制御情報(ECM)を多重化してストリームを出力すること、
を有し、
受信側は、
チューナ部が、第1の事業体が送出する第1のサービス信号を含む、前記地上デジタルテレビジョン放送、前記BSデジタル放送および前記広帯域CSデジタル放送の少なくとも1つを受信し、前記第1のサービス信号に含まれる、暗号化された第1キー(Kw)を含む前記第1の事業体の第1制御情報(EMM)、暗号化された第2キー(Ks)を含む前記第1の事業体の第2制御情報(ECM)ならびにスクランブルコンテンツを取得すること、
デスクランブラが、前記チューナ部から出力された前記スクランブルコンテンツをデスクランブルすること、
制御部が、前記デスクランブラから出力される前記ストリームの所定のテーブルをチェックすること、
前記所定のテーブルに含まれているパケットIDに基づいて、前記第1制御情報(EMM)、前記第2制御情報(ECM)を取り出すこと、
前記チューナ部、前記デスクランブラを制御すること、
CASモジュールが、前記制御部により制御され、前記第1の事業体の第1制御情報(EMM)から、固有の第3キー(Km)を用いて前記第1キー(Kw)を取得し、前記第1の事業体の第2制御情報(ECM)から、取得された前記第1キー(Kw)を用いて、前記デスクランブラに与えるための前記第2キー(Ks)を取得すること、
第1バッファ、第2バッファがそれぞれ、前記第1の事業体の前記第1制御情報(EMM)を保持し、前記第1の事業体の前記第2制御情報(ECM)を保持すること、
を備え、
さらに前記制御部は、
前記チューナ部により受信した前記第1の事業体の第1制御情報(EMM)に対応した所定数の第1コマンド送信をCASモジュールに対して行うまでの間に、前記チューナ部により受信した前記第1の事業体の第2制御情報(ECM)に対応した第2コマンド送信を前記CASモジュールに対して行い、
前記第1バッファに前記チューナ部により受信した前記第1の事業体の前記第1制御情報(EMM)を入力してから、前記第2バッファに前記第1の事業体の前記第2制御情報(ECM)が入力されていない場合には、前記CASモジュールに対して前記第1の事業体の第1コマンド送信を行い、
前記第2バッファに前記第1の事業体の第2制御情報(ECM)が入力されている場合には、前記第1の事業体の前記第1制御情報(EMM)に対応する前記第1コマンドを前記CASモジュールに送信する前に、前記第1の事業体の前記第2制御情報(ECM)に対応した第2コマンド送信を前記CASモジュールに対して行う、送受信方法を提供できる。

図面の簡単な説明

0016

図1は、一実施形態に係る放送局と受信機(受信装置とも呼ぶ)のシステム全体の構成例を示す図である。
図2は、放送局200の主な構成を概略的に示した図である。
図3は、一実施形態に係る受信機の構成を詳細に示した図である。
図4Aは、非特許文献1に記載の、限定受信方式の概念図を示したものである。
図4Bは、地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、広帯域CSデジタル放送の場合のECMおよびその中に含まれるスクランブル鍵(Ks)と、そのスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルする対象の放送信号の時間的な関係を示す図である。
図4Cは、非特許文献2に記載されている限定受信方式の概念図である。
図5は、非特許文献4に記載の、受信機がデスクランブルする際の基本構成図である。
図6は、非特許文1に記載の、図5に示した受信機が行う限定受信処理処理フローチャートである。
図7は、スクランブル鍵(Ks)の更新周期とECM、EMMの処理を概念的に示した図である。
図8は、図5に示したチューナを1つ持つ場合の受信機の基本構成に対して、チューナを2つ持つ場合の、放送波をデスクランブルする際の受信機の基本構成図である。
図9は、図8に示したチューナを2つ持つ場合の受信機の基本構成に対して、チューナを3つ持つ場合の、放送波をデスクランブルする際の受信機の基本構成図である。
図10は、ECM、EMM、スクランブル鍵(Ks)の時間的な関係を示した図である。
図11は、非特許文献4に記載の送信側がスクランブル鍵(Ks)を含むECMを送信するタイミングと、ECMに含まれるスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルする映像信号を送信するタイミングを図示したものである。
図12は、図11に示した送出ルールに従う送受信系での受信機の限定受信実装例に係る説明図である。
図13は、図5に示した受信機の基本構成に対して、チューナ部を3個に増やし、さらに録画・記録部を追加した実施形態を示す図である。
図14は、図13に示した受信機の限定受信の実装例に係る説明図である。
図15は、非特許文献5に記載の高度BSデジタル放送、高度広帯域CSデジタル(以下4K8K)放送受信機の基本構成図である。
図16は、図15の基本構成の受信機に対して、チューナー部を3つ持つ場合の、放送波をデスクランブルする際の他の受信機の基本構成図である。
図17は、図16に示した受信機の限定受信の実装例に係る説明図である。
図18は、他の実施形態であり、4K8K受信用のチューナ部として2個、2K受信用のチューナ部として3個をもつ受信機の基本構成例を示す図である。
図19は、図18に示した受信機の限定受信の実装例に係る説明図である。
図20は、図12と同じく受信機の限定受信の実装例に係る説明図である。
図21Aは、図18に示した受信機において、第1チューナ部(4K8K)1801−1、第2チューナ部(4K8K)1801−2、第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、第5チューナ部(2K)1801−5からECM、EMMを受信したタイムチャートの例を示す図である。
図21Bは、図21Aで示したECM/EMMを図18一体型CASモジュールが、ECM、EMMの処理を行う時間的遷移を示す図である。
図22は、図21A図21Bで説明した、2K放送のECMの処理を最優先にするための、受信機がCASモジュールにECM、EMMの処理を依頼するフローチャートである。
図23は、EMMを受信した時刻を保存する保存エリアを持つEMM受信バッファの例を示す図である。
図24は、所定の規定により動作する実施形態に係る受信機のデータ処理フローチャートである。
図25は、図24に示す処理フローチャートに、“事業体毎に管理し、処理待ちのEMMのバッファの受信時刻を判断し、EMM処理猶予期間(30秒)以内に受信したEMMがEMMバッファ内に既に存在する場合に、あとから受信したEMMを破棄する”規定を加えた場合の、受信機のEMM受信の処理フローチャートである。

実施例

0017

以下、実施の形態について図面を参照して説明する。

0018

図1は、一実施形態に係る放送局と受信機(受信装置とも呼ぶ)のシステム全体の構成例を示す図である。

0019

放送局100は、放送局サーバ101、第1のセキュリティ機能102、第1の基本機能103を備える。

0020

第1の基本機能103は、放送局100の基本的な機能であり、放送する番組の映像信号や音声信号等を符号化(エンコードとも言う)して多重化し、放送信号(放送信号は、地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、広帯域CSデジタル放送、高度BSデジタル放送、高度広帯域CSデジタル放送、などいずれの放送波種別の放送信号であってもよい)として送出する機能を持つ。したがって送信信号は、衛星を経由する経路も含むものとする。その他に送信信号は、ケーブルによる経路を含んでもよい。

0021

また放送局100は、放送する番組に、BML、HTML等のアプリケーション機能を同時に提供するサービスを付加することができる。この場合放送局100は、放送する番組にアプリケーション機能が付加されていることを示す第1の指定情報伝送制御信号に配置して、第1の基本機能103により放送信号として送出することができる。

0022

放送局サーバ101は、番組タイトル、番組ID、番組概要出演者放送日時、その他のデータ等のメタデータを、放送信号により受信機に送出するために、予め保存しておくエリアである。

0023

第1のセキュリティ機能102は、放送局が送出する放送波に含まれるコンテンツ(番組)の保護に関する設定を行うことができる。

0024

サービス事業者装置サービス事業者と称する場合もある)120は、放送局100と連携して、放送局100が放送する番組に付加されたアプリケーション機能を同時に提供するサービスにおいて、コンテンツの作成、管理、提供(配布とも呼ぶ)を行う。サービス事業者装置120は、アプリケーション管理・配布121とアプリケーションサーバー122を含む。

0025

アプリケーション管理・配布121は、アプリケーションサーバー122に保存されているコンテンツやアプリケーションの管理や、受信機140への配布を行う。

0026

アプリケーションサーバー122は、受信機140に対して提供するコンテンツやアプリケーションを保存するエリアである。

0027

またサービス事業者装置120は、第1の指定情報を受信した受信機140からの要求に対応して、アプリケーションサーバー122に保存してあるアプリケーションやコンテンツをアプリケーション管理・配布121によりインターネット等の通信ネットワークを経由して、受信機140に送付する。

0028

受信機140は、デジタル放送の受信機能(第2の基本機能141)、通信制御部142、第2のセキュリティ機能143、アプリケーション管理機能144、API(API:Application Programming Interface)145、アプリケーション146、および制御部147を含み、放送局100から放送された放送信号を受信して各種放送番組および各種サービス情報を受信したり、サービス事業者装置120から通信ネットワークを経由してアプリケーションを取得して動作させたりすることができる。

0029

第2の基本機能141は、受信機の基本的な機能であり、放送局100から送られてくる放送波を受信し、放送波に含まれる符号化された映像信号(映像ストリームとも呼ぶ)、符号化された音声信号(音声ストリームとも呼ぶ)および伝送制御信号等の制御信号を分離し、映像信号および音声信号をデコードしたり伝送制御信号等の制御信号を解析したりする機能を持つ。

0030

また第2の基本機能141は、受信機140に接続されている周辺機器、例えば表示器160、受信機140にバインドされているHDD(HardDiskDrive)162、リムーバルメディア170、との接続やデータの送受信の管理も行う。

0031

アプリケーション管理機能144は、受信機140が予め備えているアプリケーションや通信ネットワークを経由して取得したアプリケーションの管理を行う。またアプリケーション管理機能144は、受信機140が予め備えているアプリケーション146や通信ネットワークを経由して取得したアプリケーション146の実行を、アプリケーションインターフェース(I/F)であるAPI145を介して制御する。

0032

通信制御部142は、通信ネットワークとのI/Fを持ち、通信ネットワークを介してサービス事業者装置120が管理するアプリケーションやコンテンツを取得することができる。

0033

表示器160は、スピーカ161を内蔵しており、第2の基本機能141においてデコードされた映像信号を表示領域に表示したり、音声信号をスピーカ161に出力したりする。なお、表示器160に内蔵されているスピーカ161は、USB等のI/Fにより接続した外部のスピーカであってもよい。また表示器160は、受信機140に内蔵されていても、あるいは受信機140とHDMI登録商標)等のI/Fにより接続された外部の表示器であってもよい。

0034

図2は、放送局200(図1の100に対応)の主な構成を概略的に示した図である。放送局200は、映像エンコーダ201、音声エンコーダ202、字幕エンコーダ203、ならびに伝送制御信号等の制御データ、サービスデータおよび受信機140で動作するアプリケーション145を制御するアプリケーション制御情報等を含む付属データを生成する付属データ生成部204を備える。また放送局200は、放送局サーバ211(図1の101に対応)、第1のセキュリティ機能212(図1の102に対応)および送受信部213が連携している。映像エンコーダ201、音声エンコーダ202、字幕エンコーダ203、付属データ生成部204、多重化部205、スクランブラ206、送信機207、送受信部213を合わせて第1の基本機能210(図1の103に対応)と呼ぶ。

0035

映像エンコーダ201のコーデック種別は、MPEG−2、H.264(MPEG−4
VC(AVC:Advanced Video Coding))、H.265(HEVC:High Efficiency Video Coding)のいずれでもよいものとする。またコーデック種別は、これに限るものではない。

0036

また多重化方式は、MPEG−2 Systemsの多重化方式あるいはMMT(Mpeg Media Transport)の多重化方式の方式を用いてもよいし、両方を混在して用いてもよいものとする。また多重化方式は、これに限るものではない。

0037

映像エンコーダ201、音声エンコーダ202、字幕エンコーダ203、付属データ生成部204の各出力はストリーム化されており、これらのストリームは、多重化部205において多重化される。多重化されたストリーム(放送信号)は、スクランブラ206でスクランブルされ、スクランブルされた多重化ストリームとして送信機207に送出され、放送電波によりアンテナから送信される。

0038

付属データ生成部204が生成する伝送制御信号は、テーブルと呼ばれる特定のフォーマットで構成されており、記述子と呼ばれる情報記述領域を持つ。

0039

図3は、一実施形態に係る受信機300(図1の140に対応)の構成を詳細に示した図である。受信機300は、放送波を受信する受信機能である第2の基本機能315(図1の141に対応)を有する。

0040

第2の基本機能315は、放送チューナ301、デスクランブラ302、CASモジュール303、デマルチプレクサ304、データ放送受信処理部305、映像デコーダ306、音声デコーダ307、字幕デコーダ308、解析部309、データ放送エンジン310を含む。

0041

放送チューナ301は、放送波で送られてきたストリーム(放送信号)を復調する。復調されたストリーム(放送信号)は、デスクランブラ302に入力される。デスクランブラ302は、入力されたストリームをCAS(Conditional Access System)モジュール303からの鍵を用いてデスクランブルする。デスクランブラ302によりデスクランブルされたストリームは、デマルチプレクサ304に入力される。

0042

デマルチプレクサ304は、多重化されているストリームを映像ストリーム、音声ストリーム、データ放送ストリーム字幕ストリーム、付属データに分離し、映像ストリームを映像デコーダ306に、音声ストリームを音声デコーダ307に、データ放送ストリームをデータ放送受信処理部305に、字幕ストリームを字幕デコーダ308に、付属データを解析部309にそれぞれ入力する。

0043

映像ストリームは映像デコーダ306でデコードされ、音声ストリームは音声デコーダ307でデコードされ、字幕ストリームは字幕デコーダ308でデコードされる。

0044

また付属データに含まれるアプリケーション制御情報、サービスデータ、伝送制御信号等を含む制御データは、解析部309で解析される。

0045

またデマルチプレクサ304で分離されたデータ放送ストリームは、データ放送受信処理部305に送られ、受信処理が行われる。データ放送受信処理部305は、デマルチプレクサ304から送られてきたデータ放送ストリームから、データ放送として表示器328に表示する表示用信号を取り出し、この取り出した表示用信号をデータ放送エンジン310に入力する。データ放送エンジン310は、送られてきた表示用信号を解析し、合成器326を介して解析した内容を表示制御部327に出力する。表示制御部327は、送られてきた表示用信号の解析内容を元に、表示器328(図1の160に対応)に表示内容を表示する。

0046

デコードされた映像信号および字幕信号は、合成器326で合成され表示制御部327を介して表示器328に出力される。表示制御部327は、ガンマ特性の設定、表示画面サイズの設定、表示信号レベルの設定などを行う。

0047

また音声デコーダ307でデコードされた音声データは、スピーカ329(図1の161に対応)に出力される。

0048

なお図3Aは、表示器328およびスピーカ329は、受信機300に内蔵されている例として記載しているが、例えばHDMI等のI/Fにより接続された外部の表示器およびスピーカであってもよい。表示制御部327は、表示器328が受信機300にHDMI等のI/Fで接続された外部の表示器の場合も、表示器328に表示する内容の制御を行う。

0049

解析部309は、アプリケーション制御情報、サービスデータ、制御データの解析を行い、解析結果を随時制御部330に送付する。

0050

制御データに含まれる伝送制御信号の中には、多重化されている映像信号の番組のチャンネル識別情報番組識別情報とが含まれ、さらにこの多重化された映像信号の番組対してアプリケーション機能を同時に提供するサービスが付加されていることを示す第1の指定情報が含まれている。解析部309は、受信した制御データを解析することでこれらチャンネル識別情報、番組識別情報、および第1の指定情報を抽出し、この抽出結果を随時制御部330に送信する。

0051

さらに受信機300は、全体的な動作を制御する手段として制御部330を有する。制御部330は、第2のセキュリティ機能322(図1の143に対応)、アプリケーション管理機能323(図1の144に対応)、API324(図1の145に対応)、アプリケーション325(図1の146に対応)を含む。

0052

第2のセキュリティ機能322は、放送波に含まれる伝送制御信号の中からコンテンツの保護に関する情報を読み出しネットワークI/F341を介してホームネットワーク上の他の機器(図示しない)に出力する際や、接続されている周辺機器(図示しない、図1の162、170に対応)に出力する際にコンテンツ保護の処理を行う。API324は、アプリケーション管理機能323とアプリケーション325とが連携して動作するためのI/Fである。

0053

アプリケーション管理機能323は、受信機300が予め備えているアプリケーションや通信ネットワークを経由して取得したアプリケーションの管理を行う。またアプリケーション管理機能323は、受信機300が予め備えているアプリケーション325や通信ネットワークを経由して取得したアプリケーション325の実行を、アプリケーションインターフェース(I/F)であるAPI324を介して制御する。

0054

なお、映像デコーダ306のコーデック種別は、放送チューナ301で受信する放送メディア、すなわち地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、広帯域CSデジタル放送、高度BSデジタル放送、高度広帯域CSデジタル放送、狭帯域CSデジタル放送等、受信する放送に応じたコーデック種別としてMPEG−2(地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、広帯域BSデジタル放送)、H.264(AVC:Advance Video Coding) (狭帯域CSデジタル放送)、H.265(HEVC:High Efficiency Video Coding)(高度BSデジタル放送、高度広帯域CSデジタル放送)のいずれでもよい。またコーデック種別は、これに限るものではない。通信制御部340は、通信ネットワーク351とのI/FであるネットワークI/F341と、リモートコントローラリモコン)352とのI/FであるリモコンI/F342を持つ。

0055

さらに制御部330は、解析部309から送られてきた暗号化されたECM、EMMから、デスクランブルに必要なスクランブル鍵(Ks)を抽出するために、CASモジュール303に対してECM、EMMを復号するように指示を出す。CASモジュール303は、制御部330の指示にもとづき、ECM、EMMを復号しスクランブル鍵(Ks)を抽出する。CASモジュール303は、スクランブル鍵(Ks)を抽出すると、抽出したスクランブル鍵(Ks)を制御部330に送信する。制御部330は、CASモジュール303からスクランブル鍵(Ks)を受信すると、受信したスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ302に送信する。デスクランブラ302は、制御部330からスクランブル鍵(Ks)を受信すると、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。デスクランブラ302は、スクランブルされている放送信号をデスクランブルする際に、内部に保存してあるスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルを行う。

0056

なお、デスクランブルに必要なスクランブル鍵(Ks)を抽出する過程は、図4A図4Bを用いて詳細に説明する。

0057

図4Aは、非特許文献1に記載の、限定受信方式の概念図を示したものである。

0058

この方式は一般的には3重鍵方式と称されており、スクランブル鍵(Ks)401、ワーク鍵(Kw)402、マスター鍵(Km)403の3つの鍵が利用される。

0059

スクランブル鍵(Ks)401と、ワーク鍵(Kw)402と、マスター鍵(Km)403は、放送局200が管理する鍵である。またワーク鍵402を用いてECMを暗号化する暗号化部405、マスター鍵403を用いてEMMを暗号化する暗号化部406も、放送局200が管理する暗号化部である。

0060

一方受信機300に挿入されているCASモジュール303は、ワーク鍵422を用いてECMを復号化する復号化部425、マスター鍵423を用いてEMMを復号化する復号化部426は、受信機300に挿入されているCASモジュール303が管理する復号化部である。またCASモジュール303から入手したスクランブル鍵(Ks)を用いて放送波をデスクランブルするデスクランブラ420は、図3が示す受信機300が管理するデスクランブラ302である。

0061

放送局200は、スクランブル鍵(Ks)を含むECM410およびワーク鍵(Kw)を含むEMM411を、各々の必要なタイミングで生成する。放送局200は、生成したECM410およびEMM411を、他の番組コンテンツ等と多重化し、その時点でのし放送波により送出するスクランブル鍵(Ks)401を用いてスクランブラ400によりスクランブルし、放送波により送信する。

0062

受信機300は、CASモジュール303より入手したスクランブル鍵(Ks)421を用いて、受信した放送波をデスクランブラ420によりデスクランブルし、放送波に含まれている番組コンテンツをユーザに提供する。

0063

限定受信方式の目的は、特定の放送局が放送する番組を視聴する権利を取得した加入者のみが、その放送局が放送する番組を視聴出来るようにすることである。このため、加入者の受信機300のみが、放送波で送られてくるスクランブル鍵(Ks)421を取り出せることが必要である。

0064

ECM410は、放送局200が送信する受信機共通の関連情報である。ECM410は、スクランブル鍵(Ks)を含んでいる。このECM410は、ワーク鍵(Kw)402を用いて暗号化部405により暗号化されている。

0065

EMM411は、放送局200が送信する受信機識別単位(CASモジュールID単位)の関連情報である。EMM411は、ECM410を暗号化するのに用いるワーク鍵(Kw)402を含んでいる。このEMM411は、マスター鍵(Km)403により暗号化部406により暗号化されている。つまり、受信機300は、放送局200が放送するマスター鍵(Km)と1対1にづけられた受信機識別単位(CASモジュールID単位)の関連情報であるEMMの中から、搭載したCASモジュール303から得られるCASモジュールID(カードID)により自分宛てのEMMを認識できれば、CASモジュール(ICカード)に秘匿されたマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し中に含まれるワーク鍵(Kw)を取り出すことができ、その取り出したワーク鍵(Kw)を用いて暗号化されたECMを復号し中に含まれるスクランブル鍵(Ks)を取り出すことができる。

0066

マスター鍵(Km)423は、CASモジュール(ICカード)に秘匿された状態で格納されている。加入者は、特定の放送局200が放送する番組の視聴する権利を取得する際にCASモジュール(ICカード)303の識別情報であるCASモジュールID(カードID)を放送局に申請することで、放送局200は、管理する鍵管理システム(図示しない)により、申請されたCASモジュールID(カードID)に相対する加入者のCASモジュール303のマスター鍵(Km)423を判別することが可能となる。このようにして放送局200は、加入者のCASモジュール303のマスター鍵423と同一のマスター鍵403を前述の鍵管理システムから入手することができる。

0067

つまり、放送局200は、加入者の申請の際に入手した情報CASモジュールID(カードID)によりマスター鍵(Km)403を用いて、EMM411を暗号化することができる。さらに放送局200は、加入者の申請の際に入手したCASモジュールID(カードID)の情報を、EMM411の非暗号化部分に設定することで、送信するEMM411を加入者ごとに設定することができる。

0068

受信機300は、受信したEMM411の非暗号化部分にあるCASモジュールID(カードID)の情報から、自分宛てのEMM411を抽出し、抽出した自分宛てのEMM411をCASモジュール303に送信する。EMM411を受信したCASモジュール303は、内部に秘匿した状態で格納してあるマスター鍵(Km)423を用いてEMM411を復号化部426で復号し、ワーク鍵(Kw)422を抽出する。さらにCASモジュール303は、抽出したワーク鍵(Kw)422を用いて、ECM410を復号化部425で復号化し、中に含まれているスクランブル鍵(Ks)421を抽出する。CASカードモジュール303は、抽出したスクランブル鍵(Ks)421を制御部330に送信する。スクランブル鍵(Ks)421を受信した制御部330は、受信したスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ420に送信する。制御部330からスクランブル鍵(Ks)を受信したデスクランブラ420は、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。

0069

受信機300のデスクランブラ420は、内部に設定しているスクランブル鍵(Ks)421を用いて受信した放送波をデスクランブル420し、放送波に含まれている番組コンテンツをユーザに提供する。

0070

先に説明したように放送局200は、デスクランブル対象の映像より先行して、デスクランブル対象の映像のスクランブルキー(Ks)を持つECMを送付する。

0071

図4Bは、地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、広帯域CSデジタル放送の場合のECMおよびその中に含まれるスクランブル鍵(Ks)と、そのスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルする対象の放送信号の時間的な関係を示す図である。

0072

440は、受信機300が受信する番組の放送信号の時間的な遷移である。441は、その放送信号440をデスクランブルするのに用いるスクランブル鍵(Ks)の時間的な遷移を示している。Ks0、Ks1、Ks2が、放送信号をデスクランブルするのに用いるスクランブル鍵(Ks)である。放送信号をデスクランブルするのに用いるスクランブル鍵(Ks)は、2000ms単位で更新される。

0073

442は、受信機300が受信したECMおよびその中に含まれるスクランブル鍵(Ks)の時間的な遷移を表している。ECM1は、スクランブル鍵Ks0とKs1を含んでおり、ECM2はスクランブル鍵Ks1とKs2を含んでおり、ECM3はスクランブル鍵Ks2とKs3を含んでいる。このようにECMには、ODD(奇数)鍵とEVEN(偶数)鍵の両方のスクランブル鍵(Ks)を格納可能である。

0074

図4Bに示すように、受信機300は、ECMに含まれるスクランブル鍵(Ks)を、そのスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルする対象の放送信号より1600ms先行して受信することができる。具体的には、時刻T11からT12の2000msにおける放送信号は、スクランブル鍵Ks2を用いてデスクランブルされる。このスクランブル鍵Ks2は、ECM2の中に配置されて放送局200より送られてくる。

0075

受信機300がこのECM2を受信するタイミングは、T11より1600ms先行したT20のタイミングである。このように受信機300は、デスクランブルする対象の放送信号より先行してスクランブル鍵(Ks)を受信することで、受信した放送信号に対して遅延することなくデスクランブルすることが可能となる。

0076

高度BSデジタル放送、高度広帯域CSデジタル放送における、ECMおよびその中に含まれるスクランブル鍵(Ks)と、そのスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルする対象の放送信号の時間的な関係は、図4Bにおけるスクランブル鍵(Ks)の更新周期を2000msから8000msに、ECMを先行して受信するタイミングを1600msから7600msに読み替えれば原理的には同一である。

0077

図4Cは、非特許文献2に記載の、限定受信方式の概念図を示したものである。図4Cの概念図は、図4Aと同様である。図4Cの450、451、452、453、454、455、456、460、461、470、471、472、473、474、475,476は、それぞれ図4Aの400、401、402、403、404、405、406、410、411、420、421、422、423、424、425、426に対応している。

0078

放送では、あまねく受信者に同じ信号が送られるために、スクランブル鍵(Ks)を長期にわたり使い続けると、スクランブル方式自体は省令告示で定められた公開方式であるので、鍵長分のすべての鍵の総当たり等でKsを解析することが可能である。このような事態が生じると、限定受信の目的を達成することができない。そのため、現状の放送においては、時間と共に変化するスクランブル鍵(Ks)が利用されている。非特許文献1では、同一のKsの使用時間を1つのECMあたり最短1秒程度と定めている。

0079

次に受信機300が、デスクランブルする際の基本的な動作について説明する。

0080

図5は、非特許文献4に記載の、受信機300がデスクランブルする際の基本構成図である。

0081

受信機500は、チューナ部501(図3の301に対応)、デスクランブラ502(図3の302に対応)、TS(Tranport Stream)デコード部503(図3の304に対応)、映像・音声デコード部504(図3の306、307に対応)、表示部505(図3の327に対応)、制御部506(図3の330に対応)、キー入力部507(図3の342に対応)を含む。TSデコード部503は、送られてきたデスクランブル後の放送信号を解析して伝送制御信号を逐次抽出して、制御部506に送信する。制御部506は、TSデコード部503から送られてきた伝送制御信号をもとに、チューナ部501、デスクランブラ502、表示部505を制御することができる。また制御部506は、リモコン510からの操作入力の信号をキー入力部507を介して受け取ることができる。ICカード511(図3の303に対応)は、制御部506から与えられるコマンドにもとづきECMやEMMの処理を行い、ワーク鍵(Kw)、スクランブル鍵(Ks)を抽出することができるCASモジュールである。図5の受信機500は、チューナ部を1個搭載する場合である。

0082

図6は、非特許文1に記載の、図5に示した受信機500が行う限定受信処理の処理フローチャートである。

0083

ユーザによるリモコン510操作により特定のチャンネル(service_id)が選択された場合、制御部506は、現在受信中の放送波において、当該service_idのPMT(Program Map Table)が伝送されているかを、TSデコード部503で抽出されたPAT(Program Association Table)を受信して判断する(S601)。

0084

判断の結果伝送されていない場合(S603のNo)、制御部506は、TSデコード503から送られてくるNIT(Network Information Table)を参照して当該service_idが伝送されている放送波を選局するため、チューナ部501を制御する(S610)。

0085

制御部506は、選局した放送波に配置されたCAT(Conditional Access Table)の内部に含まれるEMMのPID(Packet Identifier)を認識し、EMMを受信する。制御部506は、受信したEMMの中から自分宛てのEMMを、EMMの非暗号化部分に設定されているカードIDの情報から判断する。制御部506は、自分宛のEMMをカードIDの情報をもとに抽出すると、そのEMMをICカード511に送信する。制御部506からEMMを受信したICカード511は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存(S611)する。

0086

また制御部506は、受信したPAT(S605)を参照して、選局したいservice_idのPMTを受信し(S606)、受信したPMTの内部に含まれるECM PIDを認識してECMを受信する(S607)。制御部506は、ECMを受信すると、ICカード511に対してECM受信コマンドを発行する。

0087

ECM受信コマンドを受信したICカード511は、抽出済みのワーク鍵(Kw)を用いて暗号化されたECMを復号してスクランブル鍵(Ks)を取り出す(S612)。

0088

ICカード511は、スクランブル鍵(Ks)を正常に取り出すと(S612のYes)、ECM受信コマンドに対する正常応答として、スクランブル鍵(Ks)を制御部506に送信する。

0089

スクランブル鍵(Ks)を受信した制御部506は、受信したスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ502に送信する。デスクランブラ502は、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。

0090

デスクランブラ502は、図4Bに示したような必要なタイミングにおいて、設定したスクランブル鍵(Ks)を用いてチューナ部501から送られてくる放送信号をデスクランブルする(S608)。

0091

デスクランブラ502でデスクランブルされた放送信号に含まれる映像信号や音声信号は、TSデコード部503で分離された後、映像・音声デコード部504でデコードされる(S609)。デコードされた映像信号や音声信号は、モニタスピーカー(図示せず)に出力する。

0092

非契約ないし契約済みでもEMMが未受信の状態であれば、ECM受信コマンドの応答として、CASモジュール(ICカード)から非契約等のEMM未受信を意味する応答が返る(S612のNo)。その応答を受信した制御部506は、表示部505にて非契約などの所定のエラーメッセージを生成しモニターに表示する。

0093

次に受信機300が、チューナ部を2個搭載する場合について説明する。

0094

まずはじめに、ECMおよびEMMの更新周期と、CASモジュール(ICカード)の処理の関係について説明する。

0095

上述したように非特許文献1では、スクランブル鍵(Ks)の更新周期つまりECMの更新周期は最短1秒程度と規定されている。

0096

つまり、最大処理時間を考慮すると、非特許文献1準拠のCASモジュール(ICカード)は、この1秒のスクランブル鍵(Ks)の更新の間にECMとEMMの処理が可能な性能を持つCASモジュール(ICカード)であることが期待されることになる。

0097

非特許文献1準拠のCASモジュール(ICカード)1つで、複数のチャンネル(複数のチューナ)を処理するためには、スクランブル鍵(Ks)の更新周期を伸ばす方法と、CASモジュール(ICカード)の性能を上げることにより1秒のスクランブル鍵(Ks)の更新周期の時間内に複数のECM、EMMの処理を可能とする方法とが考えられる。

0098

実際には、非特許文献4では下記のように解説されている。

0099

「 A−3−2更新周期、
ECMの更新周期に関しては、本編5.8.5ECMの更新・再送に記載されている。ICカードの処理能力に応じたタイミングとしては、・1ECMの処理最大800msを想定・異なるECMの更新間隔は1000ms以上
という前提のもと、受信機仕様を想定している。本書ver1.0の改定に伴い、下記のことを想定して更新周期を見なおした。・BS放送をTV画面でみながらBS裏番組録画が1枚のICカードで処理されきる。・同様のことが任意のBSチャンネル2画面同時表示もICカードとして1枚で処理。以上のことから、ECMの更新間隔が2000ms以上であれば、異なるTSにおける少なくとも入力に2つのスクランブルサービスが1枚のICカードで処理可能になる。」
つまり非特許文献1に準拠のCASモジュール(ICカード)は、スクランブル鍵(Ks)の更新周期1秒に対しては処理が可能であるので、ECMの更新周期を2秒とすることで、少なくとも2チャンネル(2つのチューナ)を処理することが可能となる。

0100

すなわち、ECMの更新周期を2秒にすることで、非特許文献1準拠のCASモジュール(ICカード)であれば、そのコマンド応答性能に関わらず運用規定で2チャンネル(2つのチューナ)までを許容したことになる。

0101

図7は、スクランブル鍵(Ks)の更新周期とECM、EMMの処理を概念的に示した図である。

0102

701非特許文献1準拠のCASモジュール(ICカード)に対して期待されるECM、EMMの処理時間を表している。非特許文献1準拠のCASモジュール(ICカード)は、1000ms以内に、1つのECMおよびEMMの処理を完了することが期待されている。

0103

702は、非特許文献4準拠のCASモジュール(ICカード)が、2つのチューナ部(第1チューナ部1と第2チューナ部)を持つ受信機に挿入された場合のECM、EMMの処理の様子を示している。702−1が第1チューナ部に対するECM、EMMの処理の様子、702−2が第2チューナ部に対するECM、EMMの処理の様子である。

0104

チューナが2個の場合、CASモジュール(ICカード)は、受信機からのコマンドに従って、各々のチューナで受信した放送波に含まれるECMの処理、EMMの処理をシリアルに行う。第1チューナに対するECM、EMMの処理、第2チューナに対するECM、EMMの処理は、スクランブル鍵(Ks)の更新周期である2秒以内に行わなければならない。

0105

図8は、図5に示したチューナ部を1つ持つ場合の受信機の基本構成に対して、チューナ部を2つ持つ場合の、放送波をデスクランブルする際の受信機800の基本構成図である。図8図5との相違点は、チューナ部が1つ追加され第1チューナ部801−1と第2チューナ部801−2で構成されている点、2つのチューナ部に対応するために分配器813が追加されている点、内蔵の録画・記録部812が追加されている点である。それ以外の802から810および811は、図5の502から510および511と同一である。

0106

受信機800は、第1チューナ部801−1と第2チューナ部801−2の2つチューナ部をもつことで、1つのチューナ部で選局した番組をモニタに出力すると同時に、他のチューナ部で選局した、モニタに出力している番組とは異なる番組を録画して録画・記録部812に保存することが出来る。録画・記録部812は、例えば内蔵のHDD(ハードディスクドライブ)である。

0107

モニター出力するチャンネル1の放送波を第1チューナ部801−1で選局し、同時に録画・記録部812で記録するチャンネル2の放送波を第2チューナ部801−2で選局する場合の処理を説明する。

0108

ユーザによるリモコン810操作によりモニターに出力するチャンネル1(service_id_1)が選択された場合、制御部806は、現在受信中の放送波において、service_id_1のPMTが伝送されているかを、TSデコード部803で抽出されたPATを受信して判断する。

0109

判断の結果伝送されていない場合、制御部806はTSデコード部503から送られてくるNITを参照してservice_id_1が伝送されている放送波を選局するため、第1チューナ部801−1を制御する。

0110

制御部806は、選局した放送波に配置されたCATの内部に含まれるEMMのPIDを認識し、EMMを受信する。制御部806は、受信したEMMの中から自分宛のEMMを、EMMの非暗号化部分に設定されているカードIDの情報から判断する。制御部806は、自分宛のEMMをカードIDの情報をもとに抽出すると、そのEMMをICカード811に送信する。制御部806からEMMを受信したICカード811は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。

0111

また制御部806は、受信したPATを参照して、選局したいservice_id_1のPMTを受信し、受信したPMTの内部に含まれるECM PIDを認識してECMを受信する。制御部806は、ECMを受信すると、ICカード811に対してECM受信コマンドを発行する。

0112

ECM受信コマンドを受信したICカード811は、抽出済みのワーク鍵(Kw)を用いて暗号化されたECMを復号してスクランブル鍵(Ks)を取り出す。

0113

ICカード811は、スクランブル鍵(Ks)を正常に取り出すと、ECM受信コマンドに対する正常応答として、スクランブル鍵(Ks)を制御部806に送信する。

0114

スクランブル鍵(Ks)を受信した制御部806は、受信したスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ802に送信する。デスクランブラ802は、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。

0115

デスクランブラ802は、図4Bに示したような必要なタイミングにおいて、設定したスクランブル鍵(Ks)を用いて第1チューナ部801−1から送られてきた放送信号をデスクランブルする。

0116

デスクランブラ802でデスクランブルされた放送信号に含まれる映像信号や音声信号は、TSデコード部803で分離された後、映像・音声デコード部804でデコードされる。デコードされた映像信号や音声信号は、モニタやスピーカー(図示せず)に出力する。

0117

予約録画は、ユーザが電子番組表EPG、図示せず)等で所望の番組の録画予約を行う。制御部806は、録画予約の設定内容に従い、録画予約された番組の開始時刻近傍になった時点で第2チューナ部801−2を制御し、録画予約したチャンネルを選局する。

0118

制御部806は、選局した放送波に配置されたCATの内部に含まれるEMMのPIDを認識して、EMMを受信する。制御部806は、受信したEMMの中から自分宛のEMMを、EMMの非暗号化部分に設定されているカードIDの情報から判断する。制御部806は、自分宛のEMMをカードIDの情報をもとに抽出すると、そのEMMをICカード811に送信する。制御部806からEMMを受信したICカード811は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。

0119

また制御部806は、PATを参照して、選局したいservice_id_2のPMTを受信し、受信したPMTの内部に含まれるECM PIDを認識してECMを受信する。制御部806は、ECMを受信すると、ICカード811にECM受信コマンドを発行する。

0120

ICカード811は、1枚のICカード(1つのCASモジュール)で第1チューナ部801−1で選局された放送波に含まれるECMの処理と第2チューナ部801−2で選局された放送波に含まれるECMの処理の両方の処理を行うする必要がある。

0121

ICカード811の処理は、受信機からの要求により処理を開始するものであるが、制御部806とICカード811との間のデータのやり取りは、制御部806からICカード811への要求に対する、ICカード811から制御部806への応答が返るまで、制御部806は次の要求をICカード811に送信できないルールになっている。

0122

このため制御部806は、TSデコード部から連続してECMを受信した場合、ECMの再送周期等を鑑みて、ECMの処理を要求するタイミングを調整して、処理を要求するECM受信コマンドを発行する。

0123

またEMMの処理においても同様に、ICカード811は、第1チューナ部801−1で選局した放送波に含まれるEMMの処理と、第2チューナ部801−2で選局した放送波に含まれるEMMの処理の両方の処理を行う必要があるため、制御部806は、各々のEMMの処理を要求するタイミングを、ECMの処理を要求するタイミングとも重複しないように調整してICカード811に対して、コマンドを発行する。

0124

ICカード811は、第1チューナ部801−1で選局した放送波に含まれるECMを処理する時点では、既に契約済みのEMMを受信済みであり、その受信したEMMの中からワーク鍵(Kw)を抽出済みであれば、そのワーク鍵(Kw)を用いて、処理を要求されたEMCを復号化しスクランブル鍵(Ks)を抽出することができる。ICカード811は、EMCを復号化しスクランブル鍵(Ks)を抽出できると、制御部811に対してECM受信コマンドの正常応答として、スクランブル鍵(Ks)を制御部806に送信する。

0125

スクランブル鍵(Ks)を受信した制御部806は、受信したスクラブル鍵(Ks)をデスクランブラ802に送信する。デスクランブラ802は、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。デスクランブラ802は、設定したスクランブル鍵(Ks)を用いて第2チューナ部801−2で選局した放送波をデスクランブルする。デスクランブルされた放送波は、TSデコード部803でデコードし、録画・記録部812に所定の記録用フォーマット(例えば機器バインド固有鍵にて暗号化したTSフォーマット)に変換して記録される。

0126

録画・記録部821に保存されている録画した番組を再生する場合は、録画・記録部821に保存されている記録用フォーマットを、TSデコード部803でデコードされたフォーマットに戻し、映像・音声デコード部804においてモニターに出力する。

0127

さらに受信機は、3個以上のチューナを搭載することができる。

0128

受信機が3個以上のチューナを搭載する場合、例えば視聴中の番組以外に同時に異なる2チャンネルを録画可能ないわゆるW裏録機能に対応させる場合には、ECMの処理、EMMの処理が煩雑になる。

0129

CASモジュール(ICカード)1つで2チャンネルまでの対応が可能とした場合、3つのチューナを確実に処理する場合には、CASモジュール(ICカード)を2つ搭載する必要がある。

0130

図9は、図8に示したチューナを2つ持つ場合の受信機の基本構成に対して、チューナを3つ持つ場合の、放送波をデスクランブルする際の受信機900の基本構成図である。

0131

図9図8との相違点は、第3チューナ部901−3が追加されている点と、ICカードが1つ追加され第1ICカード911−1と第2ICカード911−2で構成されている点である。それ以外の902から910と912は、図8の802から810と812と同一である。

0132

モニター出力するチャンネル1の放送波を第1チューナ部901−1で選局し、同時に録画・記録部912で記録するチャンネル2の放送波を第2チューナ部901−2で選局し、同時に録画・記録部912で記録するチャンネル3の放送波を第3チューナ部901−3で選局する場合の処理を説明する。

0133

ユーザによるリモコン810操作によりモニターに出力するチャンネル1(service_id_1)が選択された場合、制御部906は、現在受信中の放送波において、service_id_1のPMTが伝送されているかを、TSデコード部903で抽出されたPATを受信して判断する。

0134

判断の結果伝送されていない場合、制御部906はTSデコード部903から送られてくるNITを参照してservice_id_1が伝送されている放送波を選局するため、第1チューナ部901−1を制御する。

0135

制御部906は、選局した放送波に配置されたCATの内部に含まれるEMMのPIDを認識して、EMMを受信する。制御部906は、受信したEMMの中から自分宛のEMMを、EMMの非暗号化部分に設定されているカードIDの情報から判断する。制御部906は、自分宛のEMMをカードIDの情報をもとに抽出すると、そのEMMを予め決められた第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2のいずれかに送信する。制御部906からEMMを受信した第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。

0136

また制御部906は、受信したPATを参照して、選局したいservice_id_1のPMTを受信し、受信したPMTの内部に含まれるECM PIDを認識し、ECMを受信する。制御部906は、ECMを受信すると、予め決められた第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2のいずれかに対してECM受信コマンドを発行する。

0137

ECM受信コマンドを受信した第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2は、抽出済みのワーク鍵(Kw)を用いて暗号化されたECMを復号してスクランブル鍵(Ks)を取り出す。

0138

第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2は、スクランブル鍵(Ks)を正常に取り出すと、ECM受信コマンドに対する正常応答として、スクランブル鍵(Ks)を制御部906に送信する。

0139

スクランブル鍵(Ks)を受信した制御部906は、受信したスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ902に送信する。デスクランブラ902は、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。デスクランブラ902は、図4Bに示したような必要なタイミングにおいて、設定したスクランブル鍵(Ks)を用いて第1チューナ部901−1から送られてきた放送信号をデスクランブルする。

0140

デスクランブラ902でデスクランブルされた放送信号に含まれる映像信号や音声信号は、TSデコード部903で分離された後、映像・音声デコード部904でデコードされる。デコードされた映像信号や音声信号は、モニタやスピーカー(図示せず)に出力する。

0141

予約録画は、ユーザが電子番組表(EPG、図示せず)等で同時刻に異なる2チャンネルの所望の番組録画予約を行っており、制御部906は、録画予約の設定内容に従い、その番組の開始時刻近傍になった時点で、第2チューナ部901−2、および第3チューナ部901−3を制御して、録画予約したチャンネルを選局する。

0142

制御部906は、選局した放送波に配置されたCATの内部に含まれるからEMMのPIDを認識して、EMMを受信する。、制御部906は、受信したEMMの中から自分宛のEMMを、EMMの非暗号化部分に設定されているカードIDの情報から判断する。制御部906は、自分宛のEMMをカードIDの情報をもとに抽出すると、そのEMMを予め決められた第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2に送信する。制御部906からEMMを受信した第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。

0143

また制御部906は、PATを参照して、選局したいservice_id_2のPMTを受信し、受信したPMTの内部に含まれるECM PIDを認識し、ECMを受信する。制御部906は、ECMを受信すると、予め決められた第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2にECM受信コマンドを発行する。

0144

ICカード911−1および911−2は、1つのICカードで2つのチャンネルまでの同時処理が運用規定により担保されいるため、予め、第1チューナー部901−1、第2チューナー部901−2、及び第3チューナ部901−3とCAS処理を行うCASモジュールである第1ICカード911−1および第2ICカード911−2の対応関係を、ユーザインタフェイス等の設定画面にて設定しておく必要がある(図示せず)。

0145

例えば、第1チューナ部901−1と第2チューナ部901−2を第1ICカード911−1で処理し、第3チューナ部901−3を第2ICカード911−2で処理するよう対応付けているものとする。この場合、第1ICカード911−1のカードIDの情報で有料放送として提供されるチャンネルA、B、Cを視聴する権利を取得するために加入契約をし、第2ICカード911−2のカードIDの情報で有料放送として提供されるチャンネルD、E、Fを視聴する権利を取得するために加入契約をした場合には、例えば、チャンネルCを見ながら、チャンネルAとFを同時録画する場合には、第1チューナ部901−1でチャンネルCを、第2チューナ部901−2でチャンネルAを、第3チューナ部901−3でチャンネルFを選局するようにすれば、契約した有料放送のチャンネルと第1ICカード911−1および第2ICカード911−2の対応がとれる。

0146

しかしながら、第3チューナ部901−3でチャンネルAの放送波を処理しようとした場合には、チャンネルAの放送波を視聴する契約を第2ICカード911−2では契約していないため、第2ICカード911−2ではチャンネルAを視聴する契約情報を含んだEMMを抽出することができず、その結果チャンネルAの放送波をデスクランブルすることができない。また、1つのICカード(CASモジュール)で異なる3チャンネル(例えばチャンネルA、B、C)を契約してEMMを受信していた場合に、異なる時間に、これら3チャンネルいずれか1つを視聴ないし録画することは可能だが、チャンネルAを見ながらチャンネルB、Cを同時録画という同時処理を行う場合も考えられる。しかし先に述べたように、非特許文献4に記載のように、1つのICカードで2つのチャンネル(チューナ)のTSの処理までしか同時処理ができない、という制限状態であると、1つのICカードで異なる3チャンネルのTSを同時に処理することができないなどの不具合がある。

0147

そこで本実施形態では、主要なポイントとして次のことに着目している。

0148

本実施形態では、ユーザの利便性のために複数のチューナを搭載した受信機において、複数のチューナと複数のICカードの紐付関係の設定をユーザが行う負担の軽減やコスト削減のため、極力少ないICカード(CASモジュール)で処理可能とするためのルール作りを行う。

0149

そのため例えば、1つのCASモジュール(ICカード)であっても、同時受信処理可能なチューナ数を厳密に検討できることが重要である。

0150

本実施形態では、ECMの再送周期、更新周期と、CASモジュール(ICカード)の仕様書等に記載されたコマンド応答性能等を考慮し、新たに、1事業体が1つのカードIDを設定したEMMを送信する頻度、または、受信機が1事業体あたりで一定期間内で処理すべきEMM個数を規定する。すなわち、新たに規定するのは、一定期間内に処理すべきEMMの個数であり、送出規定として一定期間内の送出個数で規定するか、受信機規定として一定期間内の処理個数で規定するかの手段である。これにより、1つのCASモジュール(ICカード)で何個のチューナによる同時受信処理を可能とするかを厳密に検討することが可能となる。これにより、受信機メーカの利便性が得られる。

0151

本実施形態における要点の概要をまとめると以下のように記述することができる、
(1).アクセス制御方式(限定受信方式ないしコンテンツ保護方式)を運用する放送において、ECMの再送周期、更新周期、かつ1事業体あたりに同一受信機(CASモジュールID)宛てに送出するEMM及び又はEMM個別メッセージの送出頻度を規定したデジタル放送送受信装置

0152

(1b).1つのCASモジュールID宛に送られるEMM及び又はEMM個別メッセージのうち、EMMを受信後からCASモジュールに対して行うコマンドの発行までの猶予期間における、処理が必要な最小のEMM個数を規定したデジタル放送送受信装置。

0153

(2).アクセス制御方式(限定受信方式ないしコンテンツ保護方式)を運用する放送において、同時に2つを超える受信視聴ないし録画・記録を行う際に、ECMの再送周期、更新周期、かつ1事業体あたりに同一受信機(CASモジュールID)宛てに送出するEMM及び又はEMM個別メッセージの送出頻度が設定されており、当該受信機宛てのEMM及び又はEMM個別メッセージを受信してからCASモジュールにコマンド発行するまでの猶予期間における、搭載した複数チューナの各々のEMM及び又はEMM個別メッセージ処理を前記EMM及び又はEMM個別メッセージ送出頻度からCASモジュールへの発行スケジュールを制御するデジタル放送受信装置

0154

(2b).アクセス制御方式(限定受信方式ないしコンテンツ保護方式)を運用する放送において、同時に2つを超える受信視聴ないし録画・記録を行う際に、ECMの再送周期、更新周期、かつ1事業体あたりに同一受信機(CASモジュールID)宛てに送出するEMM及び又はEMM個別メッセージを受信してからCASモジュールにコマンド発行するまでの猶予期間における、処理が必要なEMM及び又はEMM個別メッセージの個数からCASモジュールへの発行スケジュールを制御するデジタル放送受信装置。

0155

(3).アクセス制御方式(限定受信方式ないしコンテンツ保護方式)を運用する放送において、1事業体あたりに同一受信機(CASモジュールID)宛てに送出するEMM及び又はEMM個別メッセージの送出を、所定の頻度で送出するように制御するデジタル放送送信装置

0156

(4).上記(1).の記載内容において、1つのCASモジュールID宛のEMM及び又はEMM個別メッセージの送出頻度を、EMMを受信してからCASモジュールにコマンド発行するまでの猶予期間における、送信するEMMの個数で規定したデジタル放送送受信装置。

0157

(5).上記(1).の記載内容において、1つのCASモジュールID宛のEMM及び又はEMM個別メッセージの送出頻度を、ECMないしスクランブル鍵の更新周期あたりに送信するEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で規定したデジタル放送送受信装置。

0158

(6).上記(1).の記載内容において、1つのCAS ID宛のEMM及び又はEMM個別メッセージの送出頻度を、EMM及び又はEMM個別メッセージを受信してからにCASモジュールに対して行うコマンドの発行までの猶予期間における、送信するEMM及び又はEMM個別メッセージの個数、かつECMないしスクランブル鍵の更新周期あたりに送信するEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で規定したデジタル放送送受信装置。

0159

(7).上記(2).の記載内容において、CASモジュールへの発行スケジュールの制御を、当該CASモジュール宛てのEMM及び又はEMM個別メッセージを受信してからにCASモジュールに対して行うコマンドの発行までの猶予期間において、送信するEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で制御するデジタル放送受信装置。

0160

(8).上記(2).の記載内容において、CASモジュールへの発行スケジュールの制御を、当該CASモジュール宛てのEMM及び又はEMM個別メッセージを受信してからにCASモジュールに対して行うコマンドの発行までの猶予期間において、ECMないしスクランブル鍵の更新周期あたりに送られるEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で制御するデジタル放送受信装置。

0161

(9).上記(2).の記載内容において、CASモジュールへの発行スケジュールの制御を、当該CASモジュール宛てのEMM及び又はEMM個別メッセージを受信してからCASモジュールに対して行うコマンドの発行までの猶予期間において、送信するEMMの個数、かつECMないしスクランブル鍵の更新周期あたりに送られるEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で制御するデジタル放送受信装置。

0162

(10).上記(3).の記載内容において、同一受信機宛てに送出するEMM/EMM個別メッセージの送出頻度を、当該CASモジュール宛てのEMM及び又はEMM個別メッセージを受信してからにCASモジュールに対して行うコマンドの発行までの猶予期間において、送信するEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で制御するデジタル放送送信装置。

0163

(11).上記(3).の記載内容において、同一受信機宛てに送出するEMM及び又はEMM個別メッセージの送出頻度を、ECMないしスクランブル鍵の更新周期あたりに送信するEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で制御するデジタル放送送信装置。

0164

(12).上記(3).の記載内容において、同一受信機宛てに送出するEMM及び又はEMM個別メッセージの送出頻度を、当該CASモジュール宛てのEMM/EMM個別メッセージを受信してからCASモジュールに対して行うコマンドの発行までの猶予期間において、送信するEMMの個数、かつECMないしスクランブル鍵の更新周期あたりに送られるEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で制御するデジタル放送送信装置。

0165

次に、本実施形態が有用な機能を発揮することを、その背景から説明する。

0166

従来の標準規格、運用規定上では、1つのCASモジュール(ICカード)において異なる2チューナの同時処理を可能とするには以下を考慮する必要がある。そのため3チューナ以上の搭載受信機を想定する場合には、従来の標準規格、運用規格に加えて、搭載するCASモジュール(ICカード)のECMやEMM等のCASモジュール(ICカード)とのコマンド・応答に要する性能を把握する必要がある。

0167

しかし、このCASモジュール(ICカード)のECMやEMMのコマンド応答性能とECMの送出頻度、更新周期、およびEMMを受信後処理までの猶予期間を決めても厳密にいくつまでのチューナ処理が可能かの詳細な検討が困難である。

0168

一般的にECMは数秒おきに更新するため、再送周期が100ms毎に送られても、複数チューナを搭載する場合にはECM処理優先せざるを得ない。

0169

一方EMMは、ECMに比べて即時処理を必要としない属性のものであるが、場合によってはECMほどの即時性はないものの、可及的速やかな処理を要する場合がある。例えば、(a)特定の放送局(事業体)が放送する番組を視聴する権利を取得したい視聴者Aが、加入に関する手続きや加入時のトラブル対応を、加入する放送局(事業体)のカスタマーセンター電話して、電話の案内に従って自受信機で当該放送局のチャンネルを選局し、視聴者Aの受信機のカードID番号を告げる(b)視聴者Aは、例えば電話を掛けたままの状態で、放送局(事業体)は、電話で告げられたカードID番号を設定したEMMを即時送信する(c)視聴者Aの受信機がEMMを受信し、スクランブル鍵(Ks)を取り出せれば、当該チャンネルの放送信号をデスクランブルすることが可能となる(いわゆる鍵明けが可能となる)(d)これにより、視聴者Aは、契約手続きの完了を確認できる、
上記(a)から(d)のシーンのような場合は、EMM処理もECMほどの即時性はないものの、可及的速やかな処理を要する場合があることは現実である。

0170

このように事業体と視聴者が電話をしながら、視聴者が受信機の受信状態を確認しながら、視聴契約手続きを行う場合、受信機でEMMの受信をミスする場合も想定される。そこで放送局(事業体)は、受信機がEMMの受信をミスする場合を想定して、同一のカードIDを設定したEMMを、一定時間バースト的に送信することも想定される。

0171

ECMは、スクランブル鍵(Ks)の更新に合わせて、同一Ksを使用する期間内で少なくとも1つを受信するように受信機がECMの受信制御してもよいが、EMMは、契約の可否等を制御するものであるため、受信機がEMMの受信制御せず、自分宛てに送信されたEMMは全て受信して、その受信したEMMを全てCASモジュール(ICカード)に送信して処理を依頼することが基本であると考えられている。

0172

よって、受信機がEMMを受信後に、一定期間の猶予を持ってCASモジュール(ICカード)に対して処理することが望まれる。このためARIB規格では、CASモジュール提供者よりCASモジュール(ICカード)の応答性能が示されたことに併せて、受信機がEMMを受信した後にCASモジュール(ICカード)に対してEMM受信コマンド発行を行うまでの猶予期間が規定された。

0173

この規定によると、EMMは同一CASモジュール(ICカード)宛てに送る頻度が低いという前提では、実質上さほど問題は起きにくいが、前述のように電話での鍵明けなどが行われる場合には、EMMを短時間で複数送ることも想定される。

0174

最近では、チューナの搭載数も増え、多チャンネル録画機能を搭載した受信機や、さらに非特許文献5の 第一部 第五編付録7に高度広帯域BS・CS放送用(いわゆる4K8K放送)CASと現行の広帯域衛星放送(いわゆる2K放送)のCASを一体のCASモジュールに搭載することがあり得る規定が行われた。

0175

付録7において以下の記載がある、
「付録7現行放送と高度BSデジタル放送の共用受信機について
高度BSデジタル放送の受信とARIB TR−B15に規定されるBSデジタル放送/広帯域CSデジタル放送若しくはARIB TR−B14に規定される地上デジタルテレビジョン放送の少なくともいずれかの受信が可能な共用受信時において、BSデジタル放送/広帯域CSデジタル放送、地上デジタルテレビジョン放送の受信に同じCASモジュールを適用する際の規定を以下に示す。」とある。

0176

しかし、現行の広帯域衛星放送(いわゆる2K放送)を受信する受信機において搭載チューナ数が多い場合や、また高度広帯域衛星放送(いわゆる4K8K放送)と現行放送(いわゆる2K放送)を受信する受信機が1つのCASモジュール(ICカード)で多数のチャンネルを受信し処理する場合が、今後十分あり得る。

0177

このような状況で、非特許文献5と、非特許文献3および非特許文献4において、ECM(スクランブル鍵(Ks))の更新周期の違いや、また高度広帯域衛星放送(いわゆる4K8K)と現行放送(いわゆる2K)との間でECMやEMM応答性能が異なった場合には、受信機でのECMやEMMの処理に関して厳密なタイミング制御の検討が必須となる。

0178

しかし現状のEMMに関する規定のみでは、各種の放送方式に対応できる、また多数のチューナを搭載した受信機を得るには、ECM、EMMの処理に関するタイミング制御の検討が困難である。

0179

そこで、本実施形態では、例えば先の(1)〜(12)に記載したようにEMMの送信頻度を規定することにより、ECM、EMMの受信処理タイミングを厳密に設定することが可能となり、搭載チューナ数の仕様決定、またEMMの取りこぼし等の予期せぬ不具合を未然に防ぐことが可能となる。

0180

図4Aに示す3重鍵構造の限定受信方式において、送出側の技術規定としてECMの更新周期を2000ms、再送周期を100msという規定内容に加え、“EMMを1事業体あたりに1つのCASモジュールIDに対して、30秒間で1つ送信する”という規定の内容を新たに加えたとする。

0181

図10は、限定受信方式におけるECM、EMM、スクランブル鍵(Ks)の時間的な関係を示した図である。

0182

上記条件においては、ECMの更新が2000msであることから、放送番組をスクランブルする鍵(Ks)も2000msで更新される。

0183

なお、ECMに含まれるスクランブル鍵(Ks)と、含まれているスクランブル鍵(Ks)を用いて、放送信号をデスクランブルするスクランブル鍵(ks)の時間的関係の詳細は、図4Bに示した通りである。

0184

図11は非特許文献3第五編図5.8−1に記載の、送信側がスクランブル鍵(Ks)を含むECMを送信するタイミングと、ECMに含まれるスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルする映像信号を送信するタイミングを図示したものである。横軸は、時間軸である。

0185

送信側は、例えば放送局である。1101が、スクランブル鍵(Ks)を含むECMを送出している時間的な遷移を示している。1102が、ECMに含まれるスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルされる映像信号の時間的な遷移を示している。

0186

T1+T2の区間が、同一のECMが送出される区間である。T3の区間が、T1+T2の区間で送られてきたECMに含でまれるスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルされる映像信号が送信される区間である。スクランブル鍵(Ks)を含むECMは、ECMに含まれるスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルされる映像信号よりT1(=1600ms)先行して、放送局から送信される。

0187

図11に示す送出ルールに従う送受信系での受信機の限定受信の実装例を以下に示す。

0188

図12は、図11に示す送出ルールに従う送受信系での受信機の限定受信の実装例である。1201は、受信した番組の時間的な遷移である。受信した番組1201は、時刻T11まではKs0でスクランブルされ、時刻T11からT12の間はKs1でスクランブルされ、時刻T12からT13の間はKs2でスクランブルされ、時刻T13からT14の間はKs3でスクランブルされていることを示している。

0189

1202は、受信したECMの時間的遷移である。ECM2は、時刻T21のタイミングで受信機され、そのECMにはスクランブル鍵(Ks)であるKs1とKs2が含まれていることを示している
上記受信機は、番組を視聴中に、時刻T21でECM2を受信しCASモジュール(ICカード)に対しコマンド発行する。CASモジュール(ICカード)は、区間T21から区間T12の時刻の間にECMの処理を済ませる。CASモジュール(ICカード)は、ECMの処理により得られたスクランブル鍵Ks2を受信機に送信し、受信機はMULTI2方式のデスクランブラにセットして、時刻T12からKs2を用いてスクランブルされた番組をデスクランブルする。

0190

また、区間T22からT13の間に他のチャンネルから切り換わった場合、受信機はECM3を受信し、CASモジュール(ICカード)にコマンド発行する。

0191

受信機は、ECM3で伝送されるKs3をCASモジュール(ICカード)からの応答で得ることでデスクランブルを可能とする。

0192

図7に示したように非特許文献1準拠のCASモジュール(ICカード)は、ECM、EMMの処理の合計値が1000ms以内に可能であることが期待されている。

0193

受信機に搭載したCASモジュール(ICカード)の性能として、例えば、ECM処理時間を385ms、EMM処理時間を500msとした場合、何個のチューナが1つのCASモジュール(ICカード)で処理可能かは、以下の検討を経て可能となる。

0194

区間T21からT12の間で自受信機宛てのEMMを受信した場合を想定すると、T21の時点でEMM処理は行っていないため、受信機は区間T21からT12の間の1600msではECMは4個処理可能である(図12ケース1)。

0195

つまりこの状態のみであれば、CASモジュール(ICカード)は4チューナまで処理可能と思える。

0196

次に受信機が、時刻T21〜T12の間で受信したEMMの処理を、もし時刻T12より開始した場合、CASモジュール(ICカード)はEMMの処理に500ms要するため、受信機は、CASモジュール(ICカード)からの4つのECMの処理完了通知を受け取るタイミングが、次のスクランブル鍵Ks3を用いてデスクランブルを開始する時刻T22の時刻を100ms超えてしまう。つまり受信機は、このT12のタイミングEMMの処理を開始した場合、ECMの処理を終えなければならないT13までは1500msであり、ECMは3個までしか処理できない(図12のケース2)。

0197

次に受信機が、ECMの更新タイミングであるT23でEMMを受信し処理を開始した場合には、区間T23からT14の間は残り1100msであり、ECMは2個まで処理可能である(図12のケース3)。つまり以上の前提では、1つのCASモジュール(ICカード)で処理可能なチューナは2チューナまでであることが検討可能となる。

0198

以上はCASモジュール(ICカード)の性能とEMM処理猶予期間での1事業体あたりのEMM送出頻度の実施例を述べた。次に受信機で2個を超えるチューナを1つのCASモジュール(ICカード)で処理する場合の実施例を説明する。

0199

図13は、図5に示した非特許文献4の第五編 図4.1−1で示された受信機の基本構成に対して、チューナ部を3個に増やし、および録画・記録部を追加した構成図である。

0200

図13図5の相違点は、チューナ部が2つ追加され第1チューナ部1301−1と第2チューナ部1301−2と第3チューナ部1301−3で構成されている点、3つのチューナ部に対応するために分配器1313が追加されている点、内蔵の録画・記録部1312が追加されている点である。それ以外の1302から1311、図5の502から511と同一である。

0201

3個のチューナ部は、地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、広帯域CSデジタル放送のいずれか、または3波選局可能なチューナでもよく、受信機の仕様として任意の3つのチャンネルを視聴または録画・記録できるものとする。

0202

ここで用いるICカード1311(CASモジュール)は1つで3チューナの処理ができるECM、EMMの応答性能を有するものとする。例えばICカード1311の応答性能が、ECMの応答性能を300ms、EMMの応答性能を500msとする。受信機1300は、EMM受信後ICカード1311に対しEMM処理が必要な猶予期間内に、1事業体あたり1個のEMMを送信したとする。

0203

図14は、図13に示した基本構成の受信機の限定受信の実装例である。

0204

1401は、受信した番組の時間的な遷移である。受信した番組1401は、時刻T11まではKs0でスクランブルされ、時刻T11からT12の間はKs1でスクランブルされ、時刻T12からT13の間はKs2でスクランブルされ、時刻T13からT14の間はKs3でスクランブルされていることを示している。1402は、受信したECMの時間的遷移である。

0205

図14の例で、Ks2を含むECM更新タイミングT21の時点から、放送コンテンツのスクランブル鍵がKs2に切り替わるT12までの1600msの間に、図13の3つのチューナである第1チューナ部1301−1、第2チューナ部1301−2、第3チューナ部1301−3で選局されているチャンネルの各々のECMと、少なくともいずれか1つのチャンネルのEMMが処理可能である。

0206

図14に示すように、時刻T21からT12の間で第1チューナ部1301−1で受信したEMMを処理し、時刻T22からT13の間で第2チューナ部1301−2で受信したEMMを処理し、時刻T23からT14の間で第3チューナ部13010—3で受信したEMMを処理すればよい。つまりこの事例ではICカード1311のECM、EMMの処理時間の合計が(ECM応答処理時間=300ms)×(3チューナ)+(EMM応答処理時間=500ms)=1400ms≦1600msであるICカード1311においては、3つのチューナに対して処理可能であることになる。

0207

図13に示す受信機において、ユースケースとして、ある放送を視聴しながら、異なる2つの番組を録画(いわゆるW裏録)する場合について説明する。

0208

ユーザによるリモコン1310操作によりチャンネル1(service_id_1)が選択された場合、制御部1306は、現在受信中の放送波において、当該service_idのPMTが伝送されているかをTSデコード部1303で抽出されたPAT受信して判断する。

0209

判断の結果伝送されていない場合、制御部1306は、TSデコード部1303から送られてくるNITを参照して当該service_id_1が伝送される放送波を選局するため、第1チューナ部1301−1を制御する。

0210

制御部1306は、第1チューナ部1301−1で選局した放送波に配置されたCATからEMMのPIDを認識して、EMMを受信する。制御部1306は、受信したEMMの中から自分宛のEMMを、EMMの非暗号化部分に設定されているカードIDの情報から判断する。制御部1306は、自分宛のEMMをカードIDの情報をもとに抽出すると、そのEMMをICカード1311に送信する。

0211

なお、制御部1306が、EMMをICカード1311に送るタイミングは、図14に示したようなタイミングである。制御部1306は、ICカード1311にEMMを送る適切なタイミングになるまで、受信したEMMを一時的に保存する。

0212

制御部1306からEMMを受信したICカード1311は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。

0213

また、予めユーザ操作により番組表(図示せず)を用いて、第1チューナ部1301−1で選局されモニタに出力しているチャンネルとは異なる、同時刻帯放送予定の2つのチャンネルの番組A,Bを録画予約しておく。

0214

制御部1306は、録画予約する際、予約対象の番組の少なくともservice_id、番組開始時刻(日時含む)、終了時刻ないし番組開始からの放送継続時間を、録画番組スケジュール管理メモリ領域(図示せず)に格納する。制御部1306は、録画予約した異なる2つのチャンネルの録画予約は、番組Aを第2チューナ部1301−2、番組Bを第3チューナ部1301−3で選局するように、スケジュール管理を行う。第2チューナ部1301−2、第3チューナ部1301−3で選局された番組においても、EMMを取得する手順は、第1チューナ部1301−1の場合と同じである。

0215

リモコン1310で選択されたチャンネルは、第1チューナ部1301−1で選局される。制御部1306は、第1チューナ部1301−1で選局された番組の放送波のPATを参照して、選局したいservice_id_1のPMTを受信し、ECM PIDを認識してECMを受信する。制御部1306は、ECMを受信すると、ICカード1311にECM受信コマンドを発行する。

0216

ECMを受信したICカード1311は、既に契約済みのEMMを受信してワーク鍵(Kw)を抽出済みであれば、正常応答としてスクランブル鍵(Ks)を制御部1306に送信する。スクランブル鍵(Ks)を受信した制御部1306は、受信したスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ1302に送信する。デスクランブラ1302は、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。

0217

デスクランブラ1302は、設定したクランブル鍵(Ks)を用いて、スクランブル鍵(Ks)を送信してきたECMに対応した放送信号をデスクランブルし、TSデコード部1303に送る。デスクランブルされた放送信号を受信したTSデコード部1303は、選局されたチャンネルの映像や音声ESのPIDにより所定の映像、音声信号を抽出し、映像音声デコード部1304に送る。映像音声デコード部1304は、送られてきた映像、音声信号をデコードして、モニター14やスピーカー(図示せず)に出力する。

0218

予約録画は、ユーザが電子番組表(EPG、図示せず)等で所望の番組に対して行う。制御部1306は、録画予約の設定内容に従い、録画予約された番組Aの開始時刻近傍になった時点で第2チューナ部1301−2を制御して、録画予約したチャンネルを選局する。

0219

制御部1306は、現在受信中の放送波において、番組Aのservice_id_2のPMTが伝送されているかを、TSデコード部1303で抽出されたPAT受信して判断する。

0220

判断の結果伝送されていない場合、制御部1306はTSデコード部1303から送られてくるNITを参照して、番組Aのservice_id_2が伝送される放送波を選局するため、第2チューナ部1301−2を制御する。

0221

制御部1306は、第2チューナ部1301−2で選局した放送波に配置されたCAT内部に含まれるEMMのPIDを認識し、EMMを受信する。制御部1306は、受信したEMMの中から自分宛のEMMを、EMMの非暗号化部分に設定されているカードIDの情報から判断する。制御部1306は、自分宛のEMMをカードIDの情報をもとに抽出すると、そのEMMをICカード1311に送信する。制御部1306からEMMを受信したICカード1311は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。

0222

なお、制御部1306は、EMMをICカード1311に送るタイミングは、図14に示したようなタイミングである。制御部1306は、ICカード1311にEMMを送る適切なタイミングになるまで、受信したEMMを一時的に保存する。制御部1306からEMMを受信したICカード1311は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。

0223

また制御部1306は、第2チューナ部で選局された番組の放送波のPATを参照して、選局したいservice_id_2のPMTを受信し、受信したPMTの内部に含まれるECM PIDを認識してECMを受信する。制御部1306は、ECMを受信すると、ICカード1311にECM受信コマンドを発行する。

0224

ECM受信コマンドを受信したICカード1311は、既に契約済みのEMMを受信してワーク鍵(Kw)を抽出済みであれば、正常応答としてスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ1302にセットする。

0225

番組Aは録画予約されたものであるから、録画記録する映像ES,音声ES、字幕ES等を含むパーシャルTSを制御部にて再構成し、受信機固有暗号鍵で暗号化して、HDD等の録画・記録部1312に蓄積する。

0226

予約番組Bの場合も番組Aと同様に、番組Aの場合の第2チューナ1301−2に代わり、第3チューナ1301−3が動作して録画・記録部1312に蓄積する。

0227

予約録画した番組A、あるいは番組Bを再生する場合は、画面上に示したユーザインタフェース(図示せず)にて録画済み番組リストを表示し、再生する番組を選択後、制御部1306は録画・記録部1312より読み出し、受信機固有の鍵でデスクランブルし、その圧縮状態映像音声信号を得た後に、映像音声デコード部1304で圧縮信号をデコードして、モニターやスピーカー(図示せず)に出力する。

0228

受信機は、複数のチューナ部を持つとき、そのチューナ部は2K放送に対応するチューナ部のみならず4K8K放送に対応するチューナ部、つまり高度広帯域衛星放送に対応するチューナ部を含んでもよい。

0229

図15は、非特許文献5の第五編図5−1に記載の高度BSデジタル放送、高度広帯域CSデジタル(以下4K8K)放送受信機の基本構成図である。

0230

受信機1500は、チューナ部1501、デスクランブラ1502、MMT多重分離部1503、映像・音声デコード部1504、表示部1505、制御部1506、キー入力部1507を含む。MMT多重分離部部1503は、送られてきたデスクランブル後の放送信号を解析して伝送制御信号を逐次抽出して、制御部1506に送信する。制御部1506は、MMT多重分離部部1503から送られてきた伝送制御信号をもとに、チューナ部1501、デスクランブラ1502、表示部1505を制御することができる。また制御部1506は、リモコン1510からの操作入力の信号をキー入力部1507を介して受け取ることができる。CASモジュール1511は、制御部1506から与えられるコマンドにもとづきECMやEMMの処理を行い、ワーク鍵(Kw)、スクランブル鍵(Ks)を抽出することができるCASモジュールである。通信モジュール1515は、通信網通信を行うためのモジュールである。図15の例は、CASモジュール1511が1つの場合である。

0231

図16は、図15の基本構成に対して、チューナー部を3つ持つ場合の、放送波をデスクランブルする際の受信機1600の基本構成図である。

0232

図16図15との相違点は、チューナ部が3つ(第1チューナ部1601−1、第2チューナ部1601−2、第3チューナ部1601−3)で構成されている点と、3つのチューナ部に対応するために分配器1613が追加されている点と、HDD等の録画・記録部1612を追加されている点である。それ以外の1602から1611は、図15の1502から1511と同一である。

0233

第1チューナ部1601−1、第2チューナ部1601−2、第3チューナ部1601−3は、4K8K放送の対応チューナ部である。受信機1600は、任意の3つのチャンネルを視聴または録画・記録できる仕様である。

0234

ここで用いるCASモジュールは1つで3チューナの処理ができるECM、EMMの応答性能を有するとする。

0235

非特許文献5によれば、送信側のスクランブル鍵(Ks)の更新周期は8000ms、ECM更新後にECMに含まれているスクランブル鍵(Ks)を用いて、放送信号のスクランブルを開始するまでが7600msである。

0236

ICカード(CASモジュール)1611の応答性能が、例えばECMの応答性能を600ms、EMMの応答性能を650msであるとする。

0237

受信機1600は、EMM受信後CASモジュール1611に対しEMM処理が必要な猶予期間の間に、1事業体あたり1個のEMMを送信したとする。

0238

図17は、図16に示した基本構成の受信機の限定受信の実装例である。

0239

1701は、受信した番組の時間的な遷移である。受信した番組1701は、時刻T11まではKs0でスクランブルされ、時刻T11からT12の間はKs1でスクランブルされ、時刻T12からT13の間はKs2でスクランブルされ、時刻T13からT14の間はKs3でスクランブルされていることを示している。1702は、受信したECMの時間的遷移である。

0240

図17の例で、Ks2を含むECM更新タイミングT21の時点から、放送コンテンツのスクランブル鍵がKs2に切り替わるT12までの7600msの間に、図16の3つのチューナである第1チューナ部1601−1、第2チューナ部1601−2、第3チューナ部1601−3で選局した各々のECMと、少なくともいずれか1つのチャンネルのEMMが処理可能である。

0241

図17に示すように、時刻T21からT12の間で第1チューナ部1601−1で受信したEMMを処理し、時刻T22からT13の間で第2チューナ部1601−2で受信したEMMを処理し、時刻T23からT14の間で第3チューナ部1601−3で受信したEMMを処理すればよい。つまりこの事例ではCASモジュール1611のECM、EMMの処理時間の合計が(ECM応答処理時間=600ms)×(3チューナ)+(EMM応答処理時間=650ms)=2450ms≦7600msであるCASモジュール1611においては、3つのチューナに対して処理可能であることになる。

0242

図16に示す受信機において、ユースケースとして、ある放送を視聴しながら、異なる2つの番組を録画する(いわゆるW裏録)場合について説明する。

0243

ユーザのリモコン1610操作により特定のチャンネル(service_id)が選択された場合、制御部1606は、予め受信し記憶していたTLV−NITより当該service_idのTLV_stream_idを取得し、その搬送波周波数を取得し、第1チューナ部1601−1を制御して選局処理を行う。また制御部1606は、以下の処理を行う。

0244

制御部1606は、第1チューナ部1601−1によりTLVストリームに変換された放送信号を、予め受信し記憶して置いたAMTからIPデータフロー情報を取得しMMT多重分離部1603に設定する。PAメッセージ内のPLT(Package List
Table)を取得し、指定service_idのMPT(MMT Package
Table)を伝送するIPデータフロー、パケットIDを取得しMMT多重分離部1603に設定する。当該パケットIDのMMTパケットを受信しPAメッセージを取得しPAメッセージ内のMPTを取得する。

0245

また制御部1606は、第1チューナ部1601−1で選局したIPデータフローに配置されたCAT(MH)からEMMのPIDを認識し、EMMを受信する。制御部1606は、自分宛のEMMをCASモジュール1611の情報をもとに抽出すると、そのEMMをCASモジュール1611に送信する。

0246

なお、制御部1606が、EMMをCASモジュール1611に送るタイミングは、図17に示したようなタイミングである。制御部1606は、CASモジュール1611にEMMを送る適切なタイミングになるまで、受信したEMMを一時的に保存する。制御部1606からEMMを受信したCASモジュール1611は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。

0247

また、予めユーザ操作により番組表(図示せず)を用いて、第1チューナ部1601−1で選局されモニタに出力しているチャンネルとは異なる、同時刻帯に放送予定の2つのチャンネルの番組C、Dを録画予約しておく。

0248

制御部1606は、録画予約する際、予約対象の番組の少なくともservice_id、番組開始時刻(日時含む)、終了時刻ないし番組開始からの放送継続時間を録画番組のスケジュール管理のメモリ領域(図示せず)に格納する。制御部1606は、録画予約した異なる2つのチャンネルの録画予約は、番組Cを第2チューナ部1601−2、番組Dを第3チューナ部1601−3で選局するように、スケジュール管理を行う。第2チューナ部1601−2、第3チューナ部1601−3で選局された番組においても、EMMを取得する手順は、第1チューナ部1601−1の場合と同じである。

0249

制御部1606は、第1チューナ部1601−1で選局した放送波に含まれるMPTのアクセス制御記述子を解析することで、ECMを格納したメッセージのパケットIDを取得ECMを受信する。制御部1606は、ECMを受信するとCASモジュール1611にECM受信コマンドを発行する。

0250

ECM受信コマンドを受信したCASモジュール1611は、抽出済みのワーク鍵(Kw)を用いて暗号化されたECMを復号してスクランブル鍵(Ks)を取り出す。

0251

CASモジュール1611は、スクランブル鍵(Ks)を正常に取り出すと、ECM受信コマンドに対する正常応答として、スクランブル鍵(Ks)を制御部1606に送信する。

0252

スクランブル鍵(Ks)を受信した制御部1606は、受信したスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ1602に送信する。デスクランブラ1602は、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。デスクランブラ1602は、図17に示したような必要なタイミングにおいて、設定したスクランブル鍵(Ks)を用いてチューナ部1601−1から送られてきた放送信号をデスクランブルする。

0253

デスクランブルされたアセットは、MMT多重分離部1603で映像・音声アセットを分離し映像・音声デコード1604で圧縮信号をデコードして、モニターやスピーカー(図示せず)に出力される。

0254

予約録画は、ユーザが電子番組表(EPG、図示せず)等で所望の番組に対して行う。制御部1606は、録画予約の設定内容に従い、予め番組表で予約した同時刻帯に放送予定の番組Cの開始時刻より少し前の時間に制御部1606は、第2チューナ部1601−2を選局してTLVストリームを取得する。第1チューナ1601−1と同様の処理を経て、デスクランブラ1602でデスクランブルされたアセットをMMT多重分離部1603で録画する映像、音声、字幕等のアセットを分離し、受信機固有の暗号鍵で暗号化して、HDD等の録画・記録部1612に蓄積する。

0255

予約番組Dの場合も予約番組Cと同様に、第3チューナ部1601−3で選局処理を行ったのちに録画・記録部1612に蓄積する。

0256

予約録画した番組C、あるいは番組Dを再生する場合は、画面上に示したユーザインタフェース(図示せず)にて録画済みの番組リストを表示し、再生する番組を選択後、制御部は録画・記録部より読み出し、前述の受信機固有の鍵でデスクランブルし、その圧縮状態の映像音声アセットを得た後に、映像音声デコード部1604で圧縮信号をデコードして、モニターやスピーカー(図示せず)に出力する。

0257

受信機は、複数のチューナ部を持つとき、そのチューナ部は2K放送に対応するチューナ部と4K8K放送に対応するチューナ部が混在してもよい。

0258

図18受信機構成は、2K放送運用規定である非特許文献4 第五編に記載の受信機の基本構成をベースに搭載チューナ数を増やした図13と、4K8K放送運用規定である非特許文献5 第五編に記載の受信機基本構成をベースに、搭載チューナ数を増やした図16の構成とを併せ持つ構成であり、4K8K受信用のチューナ部として2個、2K受信用のチューナ部として3個をもつ受信機の基本構成例である。

0259

図18に示したCASモジュール1811は、非特許文献5の付録7にあるように非特許文献5第五編に準拠する4K8K放送用CASモジュールと非特許文献4および非特許文献5第五編に準拠する2K放送用ICカードの機能が一体になったCASモジュールである。この一体型CASモジュール1個を用いて、4K8K放送チューナ2個と2K放送チューナ3個を同時処理する場合の実施例を説明する。

0260

第1チューナ部(4K8K)1801−1と第2チューナ部(4K8K)1801−2は、BS右旋円偏波IF周波数から110CSの左旋偏波までIF受信帯域を持つと共に16APSKの変調方式にも対応したチューナ・復調部である。

0261

第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、第5チューナ部(2K)1801−5は2K放送の地上デジタルBSデジタル、広帯域CSデジタル放送受信用チューナ・復調部である。第1デスクランブラ1802−1は4K8K放送のスクランブル方式AES方式に対応しており、第2デスクランブラ1802−2は2K放送のスクランブル方式MULTI2方式に対応している。

0262

またMMT多重分離部1803−1は4K8K放送で運用されるMMT・TLV方式の多重化方式に対応しており、TSデコード部1803−2はMPEG−TS方式の多重化方式に対応している。映像・音声デコード部1804−1は映像符号化に関しては4K8K放送で運用されるH.265|HEVC、音声符号化に関しては、MPEG−4 AAC、MPEG−4ALS等に対応している。映像・音声デコード部1804−2は映像符号化に関しては2K放送で運用されるMPEG−2方式、音声符号化に関してはMPEG−2 AAC方式に対応している。

0263

2K放送の選局、映像音声表示や録画・記録は図13の実施例と同様であり、4K8K放送の選局、映像・音声表示や録画・記録は図16の実施例と同様である。

0264

受信機1800は、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5に準拠するため、自分宛てのEMMを受信後、CASモジュール1811に対しコマンドを発行するまでの猶予期間を30秒以下とする。

0265

また新たに送信側の規定として“EMM処理猶予期間内に、1事業体が1つのカードIDを設定したEMMを送信する頻度は30秒間で1個”という規定を行った場合、または新たに受信機側の規定として、“1事業体あたり自受信機のCAS ID宛てのEMMを受信後、30秒間にEMMをCASモジュールに対し処理しなければならないのは少なくとも1個とし、
受信機において、規定以上ののEMMを受信した場合は無視、ないし破棄しても構わない。”との規定を行ったとする。

0266

この運用規定の下、CASモジュール1811のECM、EMMの応答処理時間が、例えば2K放送でのECMの応答処理時間を300ms、4K8K放送でのECMの応答処理時間を600ms、EMMは2K放送および4K8K放送共に650msであった場合について、1つのCASモジュールで実装可能なチューナの数の検証とCASモジュールに関連する動作について説明する。

0267

図19は、図18に示した基本構成の限定受信の実装例である。

0268

1901は、受信した4K8K番組の時間的な遷移である。受信した番組1901は、時刻T11−4までと、時刻T11−4からT12−4の間と、時刻T12−4からT13−4の間と、時刻T13−4からT14−4の間とで、それぞれ異なるスクランブル鍵(Ks)スクランブルされていることを示している。1902は、1901の番組に対するECM、EMMの受信の時間的遷移である。1903は、受信した2K番組の時間的な遷移である。受信した番組1903は、時刻T11−2までと、時刻T11−2からT12−2の間と、時刻T12−2からT13−2の間と、時刻T13−2からT14−2の間とで、それぞれ異なるスクランブル鍵(Ks)スクランブルされていることを示している。1904は、1903の番組に対するECM、EMMの受信の時間的遷移である。

0269

まず、2K放送の第3チューナ1801−3、第4チューナ1801−4、第5チューナ1801−5がCASモジュール1811で処理可能な条件を検証する。

0270

図19に示すように非特許文献3および非特許文献4の記載に記載されている通り2K放送におけるスクランブル鍵(Ks)の更新周期は2秒であり、Ksの更新の1600ms前に、更新後のKsを含むECMの送出が開始される。ECMの更新もKsの更新周期と同一の2秒である。

0271

つまりECM更新が行われ放送信号のKsの更新が行われる1600msの間に3チューナ分のECMの処理、およびこれに加えて30秒以内に3チューナで選局されているチャンネルが各々異なる事業体の場合、第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、第5チューナ部(2K)1801−5で伝送されるEMMを少なくとも1個ずつは処理することが必要である。

0272

次に4K8K放送のチューナ2個つまり、第1チューナ部(4K8K)1801−1、第2チューナ部(4K8K)1801−2がCASモジュール1811で処理可能な条件を検証する。

0273

図19に示すように非特許文献5に記載されている通り4K8K放送におけるスクランブル鍵(Ks)の更新が8秒であり、Ksの更新の7600ms前に更新後のKsを含むECMの送出が開始される。ECMの更新周期もKsの更新周期と同一の8秒である。

0274

つまり、ECMが更新され、放送信号のKsが更新されるまでの7600msの間に第1チューナ部(4K8K)1801−1、第2チューナ部(4K8K)1801−2の処理が行え、前述2Kの場合と同様に第1チューナ部(4K8K)1801−1、第2チューナ部(4K8K)1801−2で選局されているチャンネルが異なる事業体の場合、30秒間の間に第1チューナ部(4K8K)1801−1、第2チューナ部(4K8K)1801−2で選局されているチャンネルで伝送されるEMMが少なくとも1個ずつ、つまり2個は処理できることが必要である。

0275

上記から、まず2K放送のKs更新周期が4K8KのKs更新周期より短い、さらにECMとEMMではECMの方が即時の処理が求められる。このため優先順位としては、2K放送におけるECMの処理を行う場合、ECMの毎更新後1600ms以内に3チューナ分を行い、次に4K8K放送におけるECMの処理を行い、その次に2K放送あるいは4K8K放送におけるEMMを処理を行う、という処理の優先度付が妥当である。以上の処理の優先度付で1つのCASモジュール1811を用いた処理が可能かを検証する。

0276

最も厳しい事例として5つのチューナ部(第1チューナ部(4K8K)1801−1、第2チューナ部(4K8K)1801−2、第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、チューナ部(2K)1801−5)で受信している番組において、各々のスクランブル鍵(Ks)の更新タイミングが一致した場合を例に説明する。

0277

まず、2K放送のチューナ部である第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、チューナ部(2K)1801−5のECMを、ECM更新タイミングT21より処理を開始する。CASモジュール1811における2K放送のECMの応答処理時間を300msとしているので、2K放送の第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、チューナ部(2K)1801−5の応答処理時間は900msである。

0278

4K8K放送のECM応答時間がこの例では600msであるため、2K放送のスクランブル鍵(Ks)の更新タイミングの時刻T12−2までの区間の1600−900=700msで4K8KのECMが処理可能である。この区間で第1チューナー部(4K8K)のECMの処理を行う。

0279

第1チューナ部1801−1のECM応答処理は受信機での処理マージンがないとした場合に300ms×3+600ms=1500msであり、この応答処理終了時から2K放送の次のECM更新タイミング時刻T22までは、500msしかないため、さらに4K8K放送のECMを処理するには短い。

0280

次に同様に2K放送のECM更新タイミング時刻T22の時点で3つの2K放送用チューナ(第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、チューナ部(2K)1801−5)のECM処理を行ったのち、今度は4K8K放送用チューナ(第2チューナ部(4K8K)1801−2)のECM処理を行う。

0281

同様に次の2K放送のECM更新周期T23から3つの2K放送用チューナ(第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、チューナ部(2K)1801−5)のECM処理を行う。2つの4K8K用チューナ(第1チューナ部(4K8K)1801−1、第2チューナ部(4K8K)1801−2)のECM処理は既に完了しており、4K8K放送のKs更新タイミングT12−4までにはまだ余裕があるので、2K放送ECM更新タイミングT13−2から3つの2K放送用チューナ(第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、チューナ部(2K)1801−5)のECM処理を行った後に、第3チューナ部(2K)1801−3のEMM処理を行う。

0282

次に、2K放送のECM更新タイミングT24では3つの2K放送用チューナ(第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、チューナ部(2K)1801−5)のECM処理のあと4K8Kチューナである第1チューナ部(4K8K)1801−1のEMM処理を行う。この時点で、2K放送のKs更新が4回分行われ8秒たったので4K8KのKs更新タイミングT12−4に移行する。

0283

4K8K放送のKs更新タイミングT12−4以降において、4K8K放送のKs更新タイミングT11−4の処理フローチャートと異なるのは、第3チューナ部(2K)1801−3のEMM処理の代わりに第4チューナ部(2K)1801−4のEMM処理を、第1チューナ部(4K8K)1801−1のEMM処理の代わりに第2チューナ部(4K8K)1801−2のEMM処理を行う点である。

0284

次に4K8K放送のKs更新タイミングT13−4以降では、タイミングT12−4以降との違いでは、第4チューナ部(2K)1801−4のEMM処理の代わりに第5チューナ部(2K)1801−5のEMM処理を行う。4K8Kチューナの搭載数はこの例では2個でありEMM処理の必要はない。

0285

以上のような処理の順序を制御することで、4K8K放送のスクランブル鍵(Ks)更新タイミングT11−4、T12−4,T13−4と8秒×3=24秒間で第1チューナ部(4K8K)1801−1、第2チューナ部(4K8K)1801−2、第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、第5チューナ部(2K)1801−5のEMMが少なくとも1個ずつは処理が行えており、2KのECM更新タイミングから次のKs更新タイミングまでの毎1600msの間で第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、第5チューナ部(2K)1801−5のECM処理が行われ、かつ、4K8K放送のECM更新タイミングからスクランブル鍵(Ks)更新までに7600msまでの間に第1チューナ部(4K8K)および第2チューナ部(4K8K)のECM処理が可能であった。

0286

以上のように、2K放送用CASと4K8K放送用CASとが一体のCASモジュールの場合で、2K放送と4K8K放送のKs更新周期が異なる場合においても、ECM更新周期、EMM処理猶予期間に加え、EMM処理猶予期間内で1事業体あたりで処理必要なEMMの最小個数を規定することにより、ECMやEMMの処理を取りこぼすことなく処理タイミング制御が可能となる。

0287

さらに、ECMの更新周期を2000ms、再送周期を100msという規定内容に加え、“EMMを1事業体あたりに1つのIDに対して、30秒間で1つ送信する”という規定を行ったとする。

0288

この運用規定の下、CASモジュール(ICカード)の性能として、例えば、ECMの応答処理時間を295ms、EMMの応答処理時間を400msの場合の搭載可能なチューナの数を検証する。

0289

図20は、図12と同じ受信機の限定受信の実装例である。

0290

時刻T21でEMM処理を開始したとする。この場合、EMMの処理時間を除いた時刻T12までの間の残り時間は、1600ms−EMM処理時間400ms=1200msであり、この時間にECM処理を行う必要があるため、4チューナまで搭載可能である。

0291

EMMは、30秒間に各事業体、つまり1チューナに対して1個しか送られてこない想定であるので、30秒間においてスクランブル鍵(Ks)の更新回数15回(30秒/2秒)の処理応答時間のあまりの時間で、4事業体のEMMの処理を、30秒の猶予期間内に処理することは可能であることが検証できる。

0292

図20の例では、受信機処理のマージンを全く考えなければ、スクランブル鍵Ksを使う期間T11からT12の2000msの間で、ECM4個、EMM2個まで処理可能である。30秒間では、EMMの処理は、30個まで可能である。

0293

しかし、上記の運用とは異なる条件下、例えば、上記例(例2)の条件のうち、EMMの送出頻度である1事業体あたりに1つのIDに対して、30秒間で8回送信する可能性があると規定される場合(例3)、4チューナで30秒の間に最大32個(8×4チューナ分)のEMMが送られることになり、上計算上は、Ks更新周期2000msあたりで2個のEMMが処理可能であり、30秒の間では30個までのEMM処理が可能だが、最大32個のEMMが送られる可能性があるため、2個のEMMを処理できないことになる。

0294

そのため、ECMの処理は可能であっても、EMMの処理能力からすると、3チューナまでを処理する、つまり30秒間でEMMを24個の処理であれば、対応可能となる。

0295

実際の設計にあたっては、受信機でのEMMやECMを多重化された放送波から取り出す時間等のマージンを考慮した上で設計される。

0296

上記のEMMの頻度の規定の仕方は、チューナが当該受信機の搭載CASモジュール(ICカード)のID宛のEMMを受信後、CASモジュール(ICカード)に対しての猶予期間あたりに送出する個数で規定した例であるが、規定する方法はこれに限らず、1事業体あたり、1つのカードIDあたりのEMMの送出頻度が定量的に規定されればよい。

0297

例えば、Ksの更新周期あたりに1事業体あたり、1つのカードIDあたりのEMMの送出頻度であってもよい。例えば、2000msあたりに1事業体から一つのカードID宛に最大送信するEMMは最大2個というような規定方法である。

0298

さらにEMMの送信頻度の規定として、送信側がバースト的にEMMを送る場合の送信頻度と受信側がEMMを受信後に、CASモジュールに対して処理を猶予する猶予期間との組み合わせによる規定、例えば、1事業体から1つのCAS ID宛に送出するEMMは、2秒あたりに最大3個、かつ30秒あたりに最大6個とする、というような規定方法もある。

0299

上述は、契約情報やワーク鍵(Kw)をCASモジュール(ICカード)に対しで送るためのEMMについて述べたが、自動表示メッセージで用いられるEMM個別メッセージとは、その目的とCASモジュール(ICカード)での応答性能が異なる場合がある。

0300

そのため、EMM、EMM個別メッセージの頻度の規定の仕方は、EMM、EMM個別メッセージを同じ頻度で規定する方法、または、EMMとEMM個別メッセージを別の頻度で規定する場合がある。例えば、“同一受信機宛てに送出するEMM/EMM個別メッセージは1事業体あたり30秒間で最大2個とする。”という規定の仕方は、同じ頻度で規定した場合である。なお、“最大2個”の数字は実際のCASモジュールの性能を鑑みて決定するものとして、この値に限定しない。またEMMとEMM個別メッセージの頻度を個々に規定する場合の例を示す。

0301

“同一受信機宛てに送出するEMMは1事業体あたり30秒間で最大2個とし、同一受信機宛てに送出するEMM個別メッセージは1事業体あたり30秒間で最大3個とする。”、またはEMMとEMM個別メッセージとで、送出する時間の幅で変えることも可能である。“同一受信機宛てに送出するEMMは1事業体あたり30秒間で最大2個とし、同一受信機宛てに送出するEMM個別メッセージは1事業体あたり2秒間で最大3個とする。”
この例は、EMMを30秒間で、EMM個別メッセージの送信頻度スクランブル鍵(Ks)の更新周期と併せて規定した場合である。

0302

このようにEMM、および、またはEMM個別メッセージの頻度は、2個を超えるチューナを搭載した受信機において、チューナ数の決定や受信機の制御部の処理のマージン等を検討を行うのに必要な条件であり、一方で頻度に関しては、放送事業者の加入申し込みの方法、例えば前述のように電話で受けつけ、電話を切らずにすぐ送る方法や、その場すぐには送らずに電話やネット受け付け一定時間(例えば30分以内)等でEMMを送出する場合等、運用の実態に合わせて規定することが可能である。

0303

上記は、EMM(EMM個別メッセージを含む)の送出頻度を運用規定で規定した例であるが、受信機でのEMMの取りこぼしを想定し、同一EMMを短時間に再送する場合も実際の運用としては想定される。そのため、運用規定では、EMM受信後、CASモジュールに対しての猶予期間内で受信処理すべき最少のEMM個数で規定する方法もある。例えば、“同一受信機宛てのEMM/EMM個別メッセージを受信した受信機は、CASモジュールに対し処理を要求すべき個数は、1事業体あたり30秒間で最少1個とする。30秒間でこれを超えるEMMは破棄してもよい。”等のように、EMM処理猶予期間で受信機が処理すべき最少個数を規定し、処理猶予期間内に受信した当該受信機(CAS ID)宛てのEMMは、規定を超えるものに関しては破棄しても構わないという方法である。

0304

これまでに説明してきたように受信機としては、自分宛て(受信機に挿入されているCASモジュールのカードID宛て)ののEMMやEMM個別メッセージを受信後、CASモジュール(ICカード)に対し処理を要求するまでの猶予期間において、何個のEMMを処理する必要があるのかということを規定されるのが判りやすいが、これに限らず、単位時間あたり、1事業体あたりの自分宛てののEMMやEMM個別メッセージの送出頻度ないし、受信機で処理必要なEMMの個数を規定されればよい。

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