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技術 硬化性樹脂組成物、ドライフィルムおよびその硬化物、並びにプリント配線板

出願人 太陽インキ製造株式会社
発明者 椎名桃子佐藤和也荒井康昭嶋宮真梨子
出願日 2019年10月10日 (8ヶ月経過) 出願番号 2019-187094
公開日 2020年2月6日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-021954
状態 未査定
技術分野 印刷回路の非金属質の保護被覆
主要キーワード 非導電性金属 立体部品 平面回路基板 電気回路配線 クラック評価 製品グレード 球面体 絶縁加工
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年2月6日)のものです。
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図面 (1)

課題

回路基板上に、硬化性樹脂組成物塗布膜が重なり合った箇所が存在するような硬化被膜を形成する場合であっても、基材絶縁部)や回路導電部)との密着性を維持しつつ、硬化被膜にひび割れや剥がれが発生しにくい硬化性樹脂組成物を提供する。

解決手段

本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含んでなる硬化性樹脂組成物であって、該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、基材の表面上に形成した際の、前記絶縁部と前記硬化被膜αとのせん断強度をA(MPa)、該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、基材の導電部の表面上に形成した際の、前記導電部と前記硬化被膜αとのせん断強度をB(MPa)、該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜βの表面上に形成した際の、前記硬化被膜αと前記硬化被膜βとのせん断強度をC(MPa)、とした場合に、A、BおよびCが全て、1MPa以上、15MPa以下であり、且つAおよびBが、Cの0.5倍以上5倍以下である、ことを特徴とする。

概要

背景

携帯電話複写機等のような電子機器の小型化、多機能化に伴い、筐体内面や外面に、回路基板コンパクトに収容することが求められている。回路基板のうち、例えば、立体回路基板は、筐体や電子部品に平面ではなく、立体的導電配線を形成するものであり、スペース効率デザインの向上、部品回路との統合による部品点数の削減等の点で優れている。このような立体回路基板は種々の方法により製造できると考えられるが、一般的には、フレキシブル回路基板を所望形状に折り曲げて立体的導電配線としたり、フレキシブル回路基板を立体部品表面に貼着して立体的回路基板としている。しかしながら、フレキシブル回路基板を使用する手法では、手間やコストが掛かり、さらに高密度化にも限界があった。そこで成型された立体基板に直接回路を形成する方法が提案されている。

立体基板に直接回路を形成する方法として、例えば、成型された立体的な電子部品に物理的なマスキングを行い、導電性塗料を用いて印刷を行うことにより回路形成する方法(特許文献1)、蒸着法等により成形物の表面に金属薄膜を形成しておき、不要な金属薄膜を除去して回路形成する方法(特許文献2)、ホットスタンピング法により成形物に金属箔を貼着して回路形成する方法(特許文献3)、更には、非導電性金属錯体を含有させた樹脂射出成型した後にレーザー照射等により金属核を生じさせて、金属核が生じた箇所にめっきを施して回路形成する方法(特許文献4)等が提案されている。

ところで、上記したような立体基板上に直接回路が形成された立体回路基板であっても、めっき箇所等の導電部には受動部品である電子部品が実装される場合がある。その場合であっても、通常の平面回路基板と同様に、はんだペースト等を接続箇所に設置してから電子部品を基板に搭載し、リフロー処理を行うことで回路と電子部品との接続が行う必要がある。しかしながら、立体回路基板においては、必ずしも重力方向に対して基板が垂直ではないため、リフロー処理時に液化したはんだペーストが基板から流れ落ちたりし、予定していない箇所にはんだが付着してしまう等、実装不良が発生する場合があった。そのため、電子部品が実装される電極以外の箇所にはんだペーストが付着しないよう、予めソルダーレジスト等の硬化性樹脂組成物マスクしておくことが必要である。

概要

回路基板上に、硬化性樹脂組成物の塗布膜が重なり合った箇所が存在するような硬化被膜を形成する場合であっても、基材絶縁部)や回路(導電部)との密着性を維持しつつ、硬化被膜にひび割れや剥がれが発生しにくい硬化性樹脂組成物を提供する。本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含んでなる硬化性樹脂組成物であって、該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、基材の表面上に形成した際の、前記絶縁部と前記硬化被膜αとのせん断強度をA(MPa)、該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、基材の導電部の表面上に形成した際の、前記導電部と前記硬化被膜αとのせん断強度をB(MPa)、該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜βの表面上に形成した際の、前記硬化被膜αと前記硬化被膜βとのせん断強度をC(MPa)、とした場合に、A、BおよびCが全て、1MPa以上、15MPa以下であり、且つAおよびBが、Cの0.5倍以上5倍以下である、ことを特徴とする。なし

目的

本発明の目的は、回路基板上に、硬化性樹脂組成物の塗布膜が重なり合った箇所が存在するような硬化被膜を形成する場合であっても、基材の絶縁部や回路等の導電部との密着性を維持しつつ、硬化被膜にひび割れや剥がれが発生しにくい硬化性樹脂組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

硬化性樹脂を含んでなる硬化性樹脂組成物であって、該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、基材絶縁部の表面上に形成した際の、前記絶縁部と前記硬化被膜αとのせん断強度をA(MPa)、該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、基材の導電部の表面上に形成した際の、前記導電部と前記硬化被膜αとのせん断強度をB(MPa)、該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜βの表面上に形成した際の、前記硬化被膜αと前記硬化被膜βとのせん断強度をC(MPa)、とした場合に、A、BおよびCが全て、1MPa以上、15MPa以下であり、且つAおよびBが、Cの0.5倍以上5倍以下である、ことを特徴とする硬化性樹脂組成物。

請求項2

次元構造体の表面上に硬化被膜を形成するために用いられる、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。

請求項3

前記硬化性樹脂が熱硬化性樹脂である、請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。

請求項4

絶縁材料として使用される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。

請求項5

請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物をフィルム上に塗布し、乾燥して形成されてなる樹脂層を備えたドライフィルム

請求項6

請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物または請求項5に記載のドライフィルムの硬化物。

請求項7

請求項6に記載の硬化物を有する、プリント配線板

技術分野

0001

本発明は、硬化性樹脂組成物に関し、より詳細には、平面回路基板だけでなく立体回路基板等の絶縁性硬化被膜として好適に用いられる硬化性樹脂組成物に関する。

背景技術

0002

携帯電話複写機等のような電子機器の小型化、多機能化に伴い、筐体内面や外面に、回路基板コンパクトに収容することが求められている。回路基板のうち、例えば、立体回路基板は、筐体や電子部品に平面ではなく、立体的導電配線を形成するものであり、スペース効率デザインの向上、部品回路との統合による部品点数の削減等の点で優れている。このような立体回路基板は種々の方法により製造できると考えられるが、一般的には、フレキシブル回路基板を所望形状に折り曲げて立体的導電配線としたり、フレキシブル回路基板を立体部品表面に貼着して立体的回路基板としている。しかしながら、フレキシブル回路基板を使用する手法では、手間やコストが掛かり、さらに高密度化にも限界があった。そこで成型された立体基板に直接回路を形成する方法が提案されている。

0003

立体基板に直接回路を形成する方法として、例えば、成型された立体的な電子部品に物理的なマスキングを行い、導電性塗料を用いて印刷を行うことにより回路形成する方法(特許文献1)、蒸着法等により成形物の表面に金属薄膜を形成しておき、不要な金属薄膜を除去して回路形成する方法(特許文献2)、ホットスタンピング法により成形物に金属箔を貼着して回路形成する方法(特許文献3)、更には、非導電性金属錯体を含有させた樹脂射出成型した後にレーザー照射等により金属核を生じさせて、金属核が生じた箇所にめっきを施して回路形成する方法(特許文献4)等が提案されている。

0004

ところで、上記したような立体基板上に直接回路が形成された立体回路基板であっても、めっき箇所等の導電部には受動部品である電子部品が実装される場合がある。その場合であっても、通常の平面回路基板と同様に、はんだペースト等を接続箇所に設置してから電子部品を基板に搭載し、リフロー処理を行うことで回路と電子部品との接続が行う必要がある。しかしながら、立体回路基板においては、必ずしも重力方向に対して基板が垂直ではないため、リフロー処理時に液化したはんだペーストが基板から流れ落ちたりし、予定していない箇所にはんだが付着してしまう等、実装不良が発生する場合があった。そのため、電子部品が実装される電極以外の箇所にはんだペーストが付着しないよう、予めソルダーレジスト等の硬化性樹脂組成物でマスクしておくことが必要である。

先行技術

0005

特開昭63−234603号公報
特開2008−53465号公報
特開2001−15874号公報
特表2004−534408号公報

発明が解決しようとする課題

0006

従来の平面回路基板においても、ソルダーレジスト等の硬化性樹脂組成物で基板表面をマスクすることは行われている。平面回路基板では、基板表面の全面に硬化性樹脂組成物を塗布し乾燥させて塗膜を形成したり、ドライフィルムを平面回路基板に貼着することが行われる。一方、立体回路基板では、特殊な塗布装置(3D印刷装置等)を使用しない限り、その表面の全面に一度に塗膜を形成することは困難である。そのため、立体回路基板の全面に塗布膜を形成するには、立体回路基板の表面の一部に塗布膜を形成した後に、非塗布面に再度塗膜を形成する等、複数回にわけて硬化性樹脂組成物の塗布を行う必要がある。

0007

上記のようにして立体回路基板の表面全体に硬化被膜を形成しようとすると、硬化性樹脂組成物の塗布、乾燥、硬化という操作が繰り返されることになる。そのため、すでに硬化性樹脂組成物の硬化被膜が形成されている箇所の一部に、再度、硬化性樹脂組成物が塗布される場合がある。

0008

上記のようにして立体回路基板の表面全体に硬化被膜を形成すると、平面回路基板では生じていなかったひび割れや剥がれが硬化被膜に発生する場合があった。本発明者らが、この現象調査したところ、立体回路基板の表面に形成した硬化被膜では、硬化性樹脂組成物の塗布膜が重なり合った箇所、すなわち、一度硬化被膜を形成した箇所に再度、硬化性樹脂組成物が塗布されて硬化被膜が形成された箇所でひび割れや剥がれが生じていることがわかった。特に、ヒートサイクル等による信頼性評価時のひび割れや剥がれが顕著であった。すなわち、絶縁部および導電部を備えた回路基板の表面上に硬化被膜を形成した場合に、硬化性樹脂組成物の塗布膜が重なり合った箇所が存在すると、その箇所で硬化被膜にひび割れや剥がれが生じるという問題があることが判明した。

0009

したがって、本発明の目的は、回路基板上に、硬化性樹脂組成物の塗布膜が重なり合った箇所が存在するような硬化被膜を形成する場合であっても、基材の絶縁部や回路等の導電部との密着性を維持しつつ、硬化被膜にひび割れや剥がれが発生しにくい硬化性樹脂組成物を提供することである。また、本発明の別の目的は、前記硬化性樹脂組成物を用いて形成されたドライフィルム、硬化物プリント配線板を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、硬化性樹脂組成物の塗布膜が重なり合う部分の硬化被膜にひび割れや剥がれが発生する原因が、硬化性樹脂組成物を用いて形成された硬化物のせん断強度と関係があることを見出した。そして、本発明者らは、硬化物と基材の絶縁部とのせん断強度と、硬化物と基材の導電部とのせん断強度と、硬化物とあらかじめ硬化させた硬化性樹脂組成物上に新たに形成した硬化性樹脂組成物を別途硬化させたものとのせん断強度を、特定の数値の範囲にすることで、硬化性樹脂組成物が重なり合う部分におけるひび割れや剥がれが発生しなくなる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。

0011

[1]本発明の第1の実施形態による硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含んでなる硬化性樹脂組成物であって、
該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、基材の絶縁部の表面上に形成した際の、前記絶縁部と前記硬化被膜αとのせん断強度をA(MPa)、
該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、基材の導電部の表面上に形成した際の、前記導電部と前記硬化被膜αとのせん断強度をB(MPa)、
該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜βの表面上に形成した際の、前記硬化被膜αと前記硬化被膜βとのせん断強度をC(MPa)、
とした場合に、
A、BおよびCが全て、1MPa以上、15MPa以下であり、且つ
AおよびBが、Cの0.5倍以上5倍以下である、
ことを特徴とする硬化性樹脂組成物である。

0012

[2]本発明の第2の実施形態による熱硬化性樹脂組成物は、3次元構造体の表面上に硬化被膜を形成するために用いられる、[1]の硬化性樹脂組成物である。

0013

[3]本発明の第3の実施形態による硬化性樹脂組成物は、前記硬化性樹脂が熱硬化性樹脂である、[1]または[2]の熱硬化性樹脂組成物である。

0014

[4]本発明の第4の実施形態による硬化性樹脂組成物は、絶縁材料として使用される、[1]〜[3]のいずれか1つの熱硬化性樹脂組成物である。

0015

[5]本発明の第5の実施形態によるドライフィルムは、[1]〜[4]のいずれか1つの硬化性樹脂組成物をフィルム上に塗布し、乾燥して形成されてなる樹脂層を備えたドライフィルムである。

0016

[6]本発明の第6の実施形態による硬化物は、[1]〜[4]のいずれか1つの硬化性樹脂組成物または[5]のドライフィルムの硬化物である。

0017

[7]本発明の第7の実施形態によるプリント配線板は、[6]の硬化物を有する、プリント配線板である。
発明の効果

0018

本発明によれば、回路基板上に、硬化性樹脂組成物の塗布膜が重なり合った箇所が存在するような硬化被膜を形成する場合であっても、基材の絶縁部や回路等の導電部との密着性を維持しつつ、硬化被膜にひび割れや剥がれが発生しにくい硬化性樹脂組成物を実現できる。また、本発明の別の態様によれば、前記硬化性樹脂組成物を用いて形成されたドライフィルム、硬化物、プリント配線板を提供することができる。

図面の簡単な説明

0019

せん断強度の測定に用いる試料を示した概略図。

0020

<硬化性樹脂組成物>
本発明による硬化性樹脂組成物は硬化性樹脂を含むものであり、
該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、基材の絶縁部の表面上に形成した際の、前記絶縁部と前記硬化被膜αとのせん断強度をA(MPa)、
該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、基材の導電部の表面上に形成した際の、前記導電部と前記硬化被膜αとのせん断強度をB(MPa)、
該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜βの表面上に形成した際の、前記硬化被膜αと前記硬化被膜βとのせん断強度をC(MPa)、
とした場合に、
A、BおよびCが全て、1MPa以上、15MPa以下であり、且つ
AおよびBが、Cの0.5倍以上5倍以下であることを特徴とするものである。

0021

本発明において、せん断強度とは、引張試験機を用いて、試験基板接着面に対して平行な引張せん断荷重をかけて測定されるものであり、下記式により算出されるものである。なお、本発明におけるせん断強度は室温で測定された値と定義される。
せん断強度(MPa)=せん断荷重(N)/面積(mm2)
なお、本発明において、硬化物とは後述のとおりである。

0022

本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、基材の絶縁部の表面上に形成する方法は、例えば、以下の条件により形成する。まず、硬化性樹脂組成物の乾燥塗布膜を準備する。バフ研磨した後に水洗いし乾燥させた、長さ7.5cm、幅2cm、厚さ25μmのポリイミド基材の両面に銅箔を積層した銅張積層板エスパネックスMB(日鉄ケミカルマテリアル株式会社製)の一方の面に、スクリーン印刷により硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させる。ここでの乾燥条件は、乾燥後にべたつきがなくなる程度に加熱を行い、溶剤蒸発させることを目的としており、例えば、80℃10分間で行う。表面に硬化性樹脂組成物の乾燥塗布膜が形成された銅張積層板を、長さ5cm×幅1cmの短冊状に切断したものを試料1とする。

0023

次いで、バフ研磨した後に水洗いし、乾燥させた長さ7.5cm、幅2cm、厚さ1.6mmのFR−4エッチアウト材を試料2として準備する。この試料2の一方の面に、上記した試料1の硬化性樹脂組成物の乾燥塗布膜面を貼り合わせる。その際に、貼り合わせ面積が、長さ5mm×幅10mmとなるように両者を貼り合わせる。試料1と試料2とを貼り合わせた後に80℃に設定した真空ラミネーターを用いて真空下で1分間の仮固定を行い、試料1の乾燥塗布膜を加熱硬化で本硬化させ、基材の絶縁部の表面上に硬化被膜αを形成する。ここでの硬化処理は、熱風循環式乾燥炉を用いて、例えば、60〜220℃、20〜120分間で行う。続いて、試料1と試料2との貼合わせ面の端部から長さ3mmの部分のみを剥離し、図1に示すように、貼り合わせ面積が長さ2mm×幅10mmとなるようにしたものを、せん断強度Aの測定用試料として用いる。

0024

本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、基材の導電部の表面上に形成する方法は、例えば、以下の条件により形成する。まず、硬化性樹脂組成物の乾燥塗布膜を準備する。バフ研磨した後に水洗いし、乾燥させた長さ7.5cm、幅2cm、厚さ25μmのポリイミド基材の両面に銅箔を積層した銅張積層板エスパネックスMB(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)の一方の面に、スクリーン印刷により硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させる。ここでの乾燥条件は、乾燥後にべたつきがなくなる程度に加熱を行い、溶剤を蒸発させることを目的としており、例えば、80℃10分間で行う。表面に硬化性樹脂組成物の乾燥塗布膜が形成された銅張積層板を、長さ5cm×幅1cmの短冊状に切断したものを試料1とする。

0025

次いで、バフ研磨した後に水洗いし乾燥させた、長さ7.5cm、幅2cm、厚さ1.6mmのFR−4銅張積層板MCL−E−67(日立化成株式会社製)を試料2’として準備する。この試料2’の一方の面に、上記した試料1の硬化性樹脂組成物の乾燥塗布膜を貼り合わせる。その際に、貼り合わせ面積が、長さ5mm×幅10mmとなるように両者を貼り合わせる。試料1と試料2’とを貼り合わせた後に80℃に設定した真空ラミネーターを用いて真空下で1分間の仮固定を行い、試料1の乾燥塗布膜を加熱硬化で本硬化させ、基材の導電部の表面上に硬化被膜αを形成する。ここでの硬化処理は、熱風循環式乾燥炉を用いて、例えば、60〜220℃、20〜120分間で行う。続いて、試料1と試料2との貼合わせ面の端部から長さ3mmの部分のみを剥離し、図1に示すように、貼り合わせ面積が長さ2mm×幅10mmとなるようにしたものを、せん断強度Bの測定用試料として用いる。

0026

本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜αを、該硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化被膜βの表面上に形成する方法は、例えば、以下の条件により形成する。まず、硬化性樹脂組成物の乾燥塗布膜を準備する。バフ研磨した後に水洗いし、乾燥させた長さ7.5cm、幅2cm、厚さ25μmのポリイミド基材の両面に銅箔を積層した銅張積層板エスパネックスMB(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)の一方の面に、スクリーン印刷により硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させる。ここでの乾燥条件は、乾燥後にべたつきがなくなる程度に加熱を行い、溶剤を蒸発させることを目的としており、例えば、80℃10分間で行う。表面に硬化性樹脂組成物の乾燥塗布膜が形成された銅張積層板を、長さ5cm×幅1cmの短冊状に切断したものを試料1とする。

0027

次いで、バフ研磨した後に水洗いし、乾燥させた長さ7.5cm、幅2cm、厚さ1.6mmのFR−4エッチアウト材の一方の面に、スクリーン印刷により硬化性樹脂組成物を塗布し、加熱硬化で本硬化した硬化被膜βを試料2’’として準備する。ここでの硬化処理は、熱風循環式乾燥炉を用いて、例えば、60〜150℃、5〜60分間で行う。試料2’’の硬化被膜βの表面に、上記した試料1の硬化性樹脂組成物の乾燥塗布膜を貼り合わせる。その際に、貼り合わせ面積が、長さ5mm×幅10mmとなるように両者を貼り合わせる。試料1と試料2’’とを貼り合わせた後に80℃に設定した真空ラミネーターを用いて真空下で1分間の仮固定を行い、試料1の乾燥塗布膜を加熱硬化で本硬化させ、硬化被膜βの表面上に硬化被膜αを形成する。ここでの硬化処理は、熱風循環式乾燥炉を用いて、例えば、60〜220℃、20〜120分間で行う。続いて、試料1と試料2’’との貼合わせ面の端部から長さ3mmの部分のみを剥離し、図1に示すように、貼り合わせ面積が長さ2mm×幅10mmとなるようにしたものを、せん断強度Cの測定用試料として用いる。

0028

上記した各測定用試料について、引張試験機を用いて10mm/分の引張速度にて、室温で測定したせん断荷重(N)を、貼り合わせ面積(2mm×10mm)で除した値をせん断強度として定義する。なお、引張試験機としては、例えば、株式会社島津製作所製オートグラフAG−Xが使用できる。

0029

上記のようにして測定されるせん断強度A〜Cは、それぞれ1MPa以上、15MPa以下である必要がある。各せん断強度A〜Cが1MPa以上のせん断強度を有する場合は、被覆面との密着性に優れ、硬化被膜が剥がれにくくなる。一方、各せん断強度A〜Cが15Mpa以下の場合は、適度な密着力のため、応力がかかり過ぎず、クラックが発生しにくくなる。

0030

上記のようにして測定されるせん断強度A〜Cは、AおよびBが、Cの0.5倍以上5倍以下である必要がある。せん断強度が上記範囲である場合、3種の異なる接着面に接着された状態であっても、それぞれに大きな負荷応力がかかりにくくなり、その結果、高い密着力を高い次元で維持できる。

0031

上記した硬化性樹脂組成物は、せん断強度A〜Cが上記した範囲となるように、その組成(例えば、含有成分の種類やその配合量等)を適宜調整することができる。例えば、後記する硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用した場合には、硬化の際に収縮することが知られているが、硬化収縮の程度によって、せん断強度Cの値を制御することも可能である。また、エポキシ当量等によってもせん断強度Cの値を制御することができる。以下、硬化性樹脂組成物を構成する各成分について説明する。

0032

[硬化性樹脂]
本発明により硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を必須成分として含む。本発明において用いられる硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂であり、これらの混合物であってもよいが、熱硬化性樹脂であることが好ましい。熱硬化性樹脂としては、加熱により硬化して電気絶縁性を示す樹脂であればよく、例えば、エポキシ化合物オキセタン化合物ブロックイソシアネート化合物メラミン樹脂シリコーン樹脂などが挙げられる。特に、本発明においては、エポキシ化合物、オキセタン化合物およびブロックイソシアネート化合物の少なくともいずれか1種を好適に用いることができる。

0033

上記エポキシ化合物としては、1個以上のエポキシ基を有する公知慣用化合物を使用することができ、中でも、2個以上のエポキシ基を有する化合物が好ましい。例えば、ブチルグリシジルエーテルフェニルグリシジルエーテルグリシジルメタアクリレートなどのモノエポキシ化合物ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂クレゾールノボラック型エポキシ樹脂脂環式エポキシ樹脂トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルフェニル−1,3−ジグリシジルエーテルビフェニル−4,4’−ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルトリス(2,3−エポキシプロピルイソシアヌレートトリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。これらは、要求特性に合わせて、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。

0034

2個以上のエポキシ基を有する化合物としては、具体的には、三菱ケミカル株式会社製のjER828、jER834、jER1001、jER1004、DIC株式会社製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル日本株式会社製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、住友化学株式会社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成イーマテリアルズ株式会社製のA.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等(いずれも商品名)のビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱ケミカル株式会社製のjERYL903、DIC株式会社製のエピクロン152、エピクロン165、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウケミカル日本株式会社製のD.E.R.542、住友化学株式会社製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、旭化成イーマテリアルズ株式会社製のA.E.R.711、A.E.R.714等(いずれも商品名)のブロム化エポキシ樹脂;三菱ケミカル株式会社製のjER152、jER154、ダウケミカル日本株式会社製のD.E.N.431、D.E.N.438、DIC株式会社製のエピクロンN−730、エピクロンN−770、エピクロンN−865、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、日本化薬株式会社製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306、NC−3000、住友化学株式会社製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、旭化成イーマテリアルズ株式会社製のA.E.R.ECN−235、ECN−299、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製のYDCN−700−2、YDCN−700−3、YDCN−700−5、YDCN−700−7、YDCN−700−10、YDCN−704、YDCN−704A、DIC株式会社製のエピクロンN−680、N−690、N−695(いずれも商品名)等のノボラック型エポキシ樹脂;DIC株式会社製のエピクロン830、三菱ケミカル株式会社製jER807、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004等(いずれも商品名)のビスフェノールF型エポキシ樹脂;日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000(商品名)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱ケミカル株式会社製のjER604、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製のエポトートYH−434;住友化学株式会社製のスミ−エポキシELM−120等(いずれも商品名)のグリシジルアミン型エポキシ樹脂ヒダントイン型エポキシ樹脂;株式会社ダイセル製のセロサイド2021等(いずれも商品名)の脂環式エポキシ樹脂;三菱ケミカル株式会社製のYL−933、ダウケミカル日本株式会社製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等(いずれも商品名)のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;三菱ケミカル株式会社製のYL−6056、YX−4000、YL−6121(いずれも商品名)等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂またはそれらの混合物;日本化薬株式会社製EBPS−200、株式会社ADEKA製EPX−30、DIC株式会社製のEXA−1514(商品名)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;三菱ケミカル株式会社製のjER157S(商品名)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;三菱ケミカル株式会社製のjERYL931等(いずれも商品名)のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;日産化学工業株式会社製のTEPIC等(いずれも商品名)の複素環式エポキシ樹脂;日油株式会社製ブレンマーGT等のジグリシジルフタレート樹脂;日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;DIC株式会社製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;DIC株式会社製HP−7200、HP−7200H等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;日油株式会社製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;CTBN変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0035

オキセタン化合物としては、下記一般式(I):



(式中、R1は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す)により表されるオキセタン環を含有するオキセタン化合物を好適に使用することができる。このようなオキセタン化合物の具体例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成株式会社製、商品名OXT−101)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(東亞合成株式会社製、商品名OXT−211)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(東亞合成株式会社製、商品名OXT−212)、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ]メチル}ベンゼン(東亞合成株式会社製、商品名OXT−121)、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチルエーテル(東亞合成株式会社製、商品名OXT−221)などが挙げられる。さらに、フェノールノボラックタイプのオキセタン化合物なども挙げられる。これらオキセタン化合物は、上記エポキシ化合物と併用してもよく、また、単独で使用してもよい。

0036

ブロックイソシアネート化合物としては、イソシアネート化合物イソシアネートブロック剤との付加反応生成物が用いられる。ブロックイソシアネート化合物を合成する為に用いられるイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート脂肪族ポリイソシアネートまたは脂環式ポリイソシアネートが挙げられる。並びに先に挙げられたイソシアネート化合物のアダクト体ビューレット体およびイソシアヌレート体が挙げられる。

0037

イソシアネートブロック剤としては、例えば、フェノールブロック剤ラクタム系ブロック剤、活性メチレン系ブロック剤アルコール系ブロック剤、オキシム系ブロック剤メルカプタン系ブロック剤、酸アミド系ブロック剤、イミド系ブロック剤、アミン系ブロック剤、イミダゾール系ブロック剤またはイミン系ブロック剤等が挙げられる。

0038

ブロックイソシアネート化合物は市販のものであってもよく、例えば、スミジュールBL−3175、BL−4165、BL−1100、BL−1265、デスモジュールTPLS−2957、TPLS−2062、TPLS−2078、TPLS−2117、デスモサーム2170、デスモサーム2265(以上、住化コベストロウタン株式会社製、商品名)、コロネート2512、コロネート2513、コロネート2520(以上、東ソー株式会社製、商品名)、B−830、B−815、B−846、B−870、B−874、B−882(以上、三井化学株式会社製、商品名)、MF−K60B、SBB−70P、SBN−70D、MF−B60B、TPA−B80E、17B−60P、SBN−70D、E402−B80T(以上、旭化成株式会社製、商品名)等が挙げられる。なお、スミジュールBL−3175、BL−4265はブロック剤としてメチルエチルオキシムを用いて得られるものである。

0039

本発明においては、硬化性樹脂として光硬化性樹脂が含まれていてもよい。光硬化性樹脂としては、活性エネルギー線照射により硬化して電気絶縁性を示す樹脂であればよく、特に、本発明においては、分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく用いられる。

0040

エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、公知慣用の光重合性オリゴマー、および光重合性ビニルモノマー等が用いられる。このうち光重合性オリゴマーとしては、不飽和ポリエステルオリゴマー、(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、フェノールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、本明細書において(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。

0041

光重合性ビニルモノマーとしては、公知慣用のもの、例えば、スチレンクロロスチレンα−メチルスチレンなどのスチレン誘導体酢酸ビニル酪酸ビニルまたは安息香酸ビニルなどのビニルエステル類ビニルイソブチルエーテルビニルn−ブチルエーテル、ビニル−t−ブチルエーテル、ビニル−n−アミルエーテル、ビニルイソアミルエーテル、ビニル−n−オクタデシルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテルエチレングリコールモノブチルビニルエーテルトリエチレングリコールモノメチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類アクリルアミドメタクリルアミドN−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類トリアリルイソシアヌレートフタル酸ジアリルイソフタル酸ジアリルなどのアリル化合物;2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート類、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどのアルキレンポリオールポリ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートプロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのポリオキシアルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート類;ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレートなどのポリ(メタ)アクリレート類;トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレートなどのイソシアヌルレート型ポリ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。これらは、要求特性に合わせて、単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。

0042

また、本発明の硬化性樹脂組成物においてエポキシ樹脂との熱硬化反応を促進させる場合や、本発明の組成物アルカリ現像型の硬化性樹脂組成物とする場合には、硬化性樹脂として、カルボキシル基含有樹脂を用いることが好ましい。カルボキシル基含有樹脂は、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有感光性樹脂であってもよく、また、芳香環を有しても有さなくてもよい。

0043

なお、硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、およびカルボキシル基含有樹脂を2種以上併用することができる。なかでも、エポキシ樹脂とカルボキシル基含有樹脂とを併用する場合には、カルボキシル基含有樹脂に含まれるカルボキシル基の1当量に対し、エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基の当量が2.0以下であることが好ましく、より好ましくは1.5以下、さらにより好ましくは1.0以下である。これは、エポキシ基が含まれていると、変色しやすい傾向があるためである。

0044

本発明の硬化性樹脂組成物には、光硬化性樹脂を用いる場合は、光重合開始剤を添加することが好ましい。この光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエ−テル、ベンゾインイソプロピルエ−テル、ベンゾインイソブチルエ−テル、ベンジルメチルケタ−ルなどのベンゾイン化合物とそのアルキルエ−テル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンジエトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリブチルアントラキノン、1−クロロアトラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタ−ル、ベンジルジメチルケタ−ルなどのケタ−ル類ベンゾフェノン、4,4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類などが挙げられる。これらは単独または2種類以上を混合して使用することが可能であり、さらにトリエタノルアミン、メチルジエタノ−ルアミン等の第3級アミン;2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸誘導体などの光重合開始助剤等と組み合わせて使用することができる。

0045

本発明の硬化性樹脂組成物が熱硬化性樹脂を含有する場合は、さらに、硬化剤および硬化触媒のいずれか少なくとも1種を添加することができる。

0046

硬化剤としては、多官能フェノール化合物ポリカルボン酸およびその酸無水物脂肪族または芳香族一級または二級アミンポリアミド樹脂、イソシアネート化合物、ポリメルカプト化合物などが挙げられる。これらの中で、多官能フェノール化合物、並びに、ポリカルボン酸およびその酸無水物が、作業性、絶縁性の面から、好ましく用いられる。

0047

多官能フェノール化合物としては、一分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物であればよく、公知慣用のものが使用できる。具体的には、フェノールノボラック樹脂クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAのノボラック樹脂ビニルフェノール共重合樹脂などを挙げることができ、反応性が高く耐熱性を上げる効果が高いことから、特にフェノールノボラック樹脂が好ましい。このような多官能フェノール化合物は、適切な硬化触媒の存在下、エポキシ化合物およびオキセタン化合物のいずれか少なくとも1種とも付加反応する。

0048

ポリカルボン酸およびその酸無水物としては、一分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物およびその酸無水物であり、例えば、(メタ)アクリル酸の共重合物無水マレイン酸の共重合物、二塩基酸縮合物などが挙げられる。市販品としては、ジョンソンポリマー株式会社製のジョンクリル商品群名)、サートマー社製のSMレジン(商品群名)、新日本理化株式会社製のポリアゼライン酸無水物などが挙げられる。

0049

これら硬化剤の配合率は、通常用いられる量的割合で充分であり、熱硬化性樹脂を含有する場合は、固形分換算で、熱硬化性樹脂100質量部に対し、好適には1〜200質量部、より好適には10〜100質量部である。この範囲であると、良好な硬化状態となる。

0050

また、硬化触媒は、エポキシ化合物およびオキセタン化合物のいずれか少なくとも1種等の熱硬化性樹脂と、硬化剤との反応において硬化触媒となり得る化合物、または、硬化剤を使用しない場合に重合触媒となる化合物である。硬化触媒としては、具体的には例えば、三級アミン三級アミン塩四級オニウム塩三級ホスフィンクラウンエーテル錯体、および、ホスホニウムイリドなどが挙げられ、これらの中から任意に、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。

0051

上記したなかでも特に、商品名2E4MZ、C11Z、C17Z、2PZ等のイミダゾール類や、商品名2MZ−A、2E4MZ−A等のイミダゾールのAZINE化合物、商品名2MZ−OK、2PZ−OK等のイミダゾールのイソシアヌル酸塩、商品名2PHZ、2P4MHZ等のイミダゾールヒドロキシメチル体(商品名はいずれも四国化成工業株式会社製)、ジシアンジアミドおよびその誘導体メラミンおよびその誘導体、ジアミノマレオニトリルおよびその誘導体、ジエチレントリアミントリエチレンテトラミンテトラエチレンペンタミン、ビス(ヘキサメチレントリアミントリエタノールアミンジアミノジフェニルメタン有機酸ジヒドラジド等のアミン類、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(商品名DBU、サンアプロ株式会社製)、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(商品名ATU、味の素株式会社製)、または、トリフェニルホスフィントリシクロヘキシルホスフィントリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物などが好適に挙げられる。

0052

これら硬化触媒の配合量は、通常の割合で十分であり、熱硬化性樹脂を含有する場合は、固形分換算で、熱硬化性樹脂100質量部に対し、好適には0.05〜10質量部、より好適には0.1〜7質量部である。硬化触媒が0.05質量部以上であると、良好な硬化状態となり、一方、硬化触媒が10質量部以下であると、適度な密着性が得られる。

0053

本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに、反応性希釈溶剤を含有してもよい。反応性希釈溶剤は、組成物の粘度を調整して作業性を向上させるとともに、架橋密度を上げたり、密着性などを向上するために用いられ、光硬化性モノマーなどを用いることができる。光硬化性モノマーとしては、上記の光重合性ビニルモノマー等を使用することができる。

0054

このような反応性希釈溶剤の配合率は、固形分換算で、硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは1〜70質量部の割合である。上記配合率の範囲とすることで、光硬化性が向上して、パターン形成が容易となり、硬化被膜の強度も向上できる。

0055

本発明の硬化性樹脂組成物は、フィラーが含まれていてもよい。フィラーとしては、公知慣用の無機または有機フィラーが使用できるが、特に硫酸バリウム球状シリカノイブルグ珪土粒子、およびタルクが好ましく用いられる。また、難燃性を付与する目的で、水酸化アルミニウム水酸化マグネシウムベーマイトなども使用することができる。さらに、1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物や前記多官能エポキシ樹脂ナノシリカを分散したHanse−Chemie社製のNANOCRYL(商品名) XP 0396、XP 0596、XP 0733、XP 0746、XP 0765、XP 0768、XP 0953、XP 0954、XP 1045(いずれも製品グレード名)や、Hanse−Chemie社製のNANOPOX(商品名) XP 0516、XP 0525、XP 0314(いずれも製品グレード名)も使用できる。これらを単独でまたは2種以上配合することができる。フィラーを含むことにより、得られる硬化物の物理的強度等を上げることができる。

0056

フィラーの配合量は、固形分換算で、硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは500質量部以下、より好ましくは0.1〜300質量部、特に好ましくは、0.1〜150質量部である。フィラーの配合量が500質量部以下の場合、硬化性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎず、印刷性が良く、硬化物が脆くなりにくい。

0057

また、本発明の硬化性樹脂組成物には、組成物の調製や、基板やキャリアフィルムに塗布する際の粘度調整等の目的で、有機溶剤を含有させることができる。有機溶剤としては、メチルエチルケトンシクロヘキサノン等のケトン類トルエンキシレンテトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブカルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトールプロピレングリコールモノメチルエーテルジプロピレングリコールモノメチルエーテルジプロピレングリコールジエチルエーテルジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートトリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類酢酸エチル酢酸ブチル乳酸ブチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテートブチルカルビトールアセテートプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート炭酸プロピレン等のエステル類;オクタンデカン等の脂肪族炭化水素類石油エーテル石油ナフサソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の有機溶剤が使用できる。これらの有機溶剤は、単独で、または二種類以上組み合わせて用いることができる。

0058

さらに、本発明の硬化性樹脂組成物には、電子材料の分野において公知慣用の他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、熱重合禁止剤紫外線吸収剤シランカップリング剤可塑剤難燃剤帯電防止剤老化防止剤抗菌防黴剤消泡剤レベリング剤充填剤増粘剤密着性付与剤チキソ性付与剤、他の着色剤光開始助剤増感剤硬化促進剤離型剤表面処理剤分散剤湿潤分散剤分散助剤表面改質剤、安定剤、蛍光体等が挙げられる。

0059

本発明の硬化性樹脂組成物は、25℃で液状であることが好ましい。なお、液状とは、流動性を有する液体の状態にあることをいうものとする。

0060

本発明の硬化性樹脂組成物は、液状してそのまま用いてもよく、またドライフィルム化して用いてもよい。液状として用いる場合は、1液性でも2液性以上でもよい。

0061

本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化被膜、特に永久被膜の形成等に使用され、絶縁材料として好適に使用される。絶縁材料としては、ソルダーレジスト、層間絶縁材カバーレイソルダーダム形成用が挙げられ、中でもソルダーレジスト形成用に好適に用いることができる。その他、本発明の硬化性樹脂組成物は、半導体ウェハの保護膜を形成するために使用してもよい。

0062

<ドライフィルム>
本発明のドライフィルムは、キャリアフィルム上に、上記した硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥することで形成された樹脂層を備えたものである。ドライフィルムを形成する際には、まず、本発明の硬化性樹脂組成物を上記有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整した上で、コンマコーターブレードコーターリップコーターロッドコータースクイズコーターリバースコータートランスファロールコーター、グラビアコータースプレーコーター等により、キャリアフィルム上に均一な厚さに塗布する。その後、塗布された組成物を、通常、40〜130℃の温度で1〜30分間乾燥することで、樹脂層を形成することができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、3〜150μm、好ましくは5〜60μmの範囲で適宜選択される。

0063

キャリアフィルムとしては、プラスチックフィルムが用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルムポリイミドフィルムポリアミドイミドフィルムポリプロピレンフィルムポリスチレンフィルム等を用いることができる。キャリアフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10〜150μmの範囲で適宜選択される。より好ましくは15〜130μmの範囲である。

0064

キャリアフィルム上に本発明の硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した後、樹脂層の表面に塵が付着することを防ぐ等の目的で、さらに、樹脂層の表面に、剥離可能なカバーフィルムを積層することが好ましい。剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルムポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができる。カバーフィルムとしては、カバーフィルムを剥離するときに、樹脂層とキャリアフィルムとの接着力よりも小さいものであればよい。

0065

本発明においては、上記カバーフィルム上に本発明の硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥させることにより樹脂層を形成して、その表面にキャリアフィルムを積層するものであってもよい。すなわち、本発明においてドライフィルムを製造する際に本発明の硬化性樹脂組成物を塗布するフィルムとしては、キャリアフィルムおよびカバーフィルムのいずれを用いてもよい。

0066

<硬化物>
本発明の硬化物は、上記した硬化性樹脂組成物を硬化させたものである。具体的には、硬化処理をおこなった硬化性樹脂組成物の表面に、イソプロピルアルコールを含ませたウエスを載せ、さらに、その上に500gのおもりを載せて1分間、静置した後に、ウエスの表面に硬化性樹脂組成物が付着していない状態であることをいう。硬化物としては、被塗布体に硬化性樹脂組成物を塗布して硬化させた硬化被膜が挙げられる。被塗布体としては、特に制限されるものではなく、硬化被膜が設けるような公知の被塗布体であれば何れでもよく、例えば、平面板のような被塗布体だけでなく、塗布表面が3次元構造を有する3次元構造体にも好適に使用することができる。3次元構造体には多面体球面体も含まれる。このような被塗布体としては、フレキシブルプリント配線板、立体回路基板等が挙げられ、なかでも立体回路基板に好適に使用することができる。立体回路基板とは、機械的機能電気的機能をもった電気回路配線付きプラスチック成型品をいい、例えば上記した特許文献1〜4に記載されているような立体基板に直接回路形成された3次元回路基板が挙げられる。立体基板の成型材料としては、公知のものが用いられ、例えば、樹脂を用いた有機系材料無機系材料を混合したもの等が挙げられる。

0067

無機系材料としては、シリカアルミナ窒化ケイ素焼結体サイアロン焼結体炭化ケイ素焼結体アルミナ焼結体窒化アルミニウム焼結体等を好適に用いることができる。これらの材料以外にも、金属を成型し、表面に絶縁加工を施したものを用いてもよい。

0069

立体回路基板においては、立体基板は樹脂成型品からなり、樹脂成型品に回路が形成されてなるものが好ましく、重量が軽く成型が容易な熱可塑性樹脂を用いることが望ましく、特に、立体回路基板は電子部品をはんだで実装するので、エンジニアプラスチックとよばれる耐熱性に優れたフッ素樹脂、ポリカーボネートポリアセタール、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、非晶ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、液晶ポリマーが好適である。

0070

立体回路基板においては、立体基板表面に回路を形成する方法は既知の手法を用いることができ、目的に応じて適宜選択すればよい。特に、立体基板回路においては、立体基板の材料である成形用樹脂に非導電性金属錯体を分散させ、この成形用樹脂を用いて立体基板を成形した後に、レーザー光線回路パターンに合わせて照射して金属核を生じさせ、その後、めっきを施して回路を形成することもできる。

0071

立体回路基板の形成に用いる非導電性金属錯体としては、特に制限はない。非導電性金属錯体の中心金属としては、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)等を挙げることができる。また、非導電性金属錯体の配位子としては、例えば、アセチルアセトンベンゾイルアセトンジベンゾイルメタン等のβ−ジケトン類アセト酢酸エチル等のβ−ケトカルボン酸エステル等の有機カルボニル化合物:−N=N−結合を有する有機窒素化合物、−C=N−とOH結合を有する有機窒素化合物、−N<と−OH結合を有する有機窒素化合物のような有機窒素化合物:>C=S結合を有する有機硫黄化合物、−C−SH結合を有する有機硫黄化合物のような有機硫黄化合物等を挙げることができる。

0072

レーザー光線は、上記非導電性金属錯体に照射することにより、金属を放出させることができるものであれば、特に制限はない。レーザー光線の波長としては、例えば、248nm、308nm、355nm、532nm、1064nmおよび10600nmを用いることができる。

0073

<プリント配線板>
本発明のプリント配線板は、本発明の硬化性樹脂組成物またはドライフィルムの樹脂層から得られる硬化物を有するものである。本発明のプリント配線板の製造方法としては、例えば、本発明の硬化性樹脂組成物を、上記有機溶剤を用いて塗布方法に適した粘度に調整して、基材上に、ディップコート法フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法カーテンコート法、インクジェット塗布法ディスペンス法等の各種方法により塗布する。なかでも、ディスペンス法による塗布が好ましい。ここでディスペンス法とは、ノズルを用いて液状物を塗布して形成する方法をいう。塗布後、熱風循環式乾燥炉を用いて、例えば、60〜220℃で20〜120分の加熱硬化で本硬化させることにより、密着性、硬度等の諸特性に優れた硬化被膜を形成する。

0074

また、複数回塗布を行う場合、1回目の塗布は、熱風循環式乾燥炉を用いて、例えば、60〜150℃で5〜60分の加熱硬化で本硬化を行い、2回目の塗布は、熱風循環式乾燥炉を用いて、例えば、60〜220℃で20〜120分の加熱硬化で本硬化させる。1回目の塗布を行う硬化性樹脂組成物と2回目の塗布を行う硬化性樹脂組成物とは異なる組成であっても良いが、同一組成であることが好ましい。ここで同一組成とは、樹脂の成分の種類およびそれらの配合割合が同一であることをいう。

0075

一方、ドライフィルムの場合、ラミネーター等により樹脂層が基材と接触するように基材上に貼り合わせた後、キャリアフィルムを剥がすことにより、基材上に樹脂層を形成してから、上記条件により本硬化させる。本発明の硬化性樹脂組成物を塗布した後に行う本硬化は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレートコンベクションオーブン等(蒸気による空気加熱方式熱源を備えたものを用いて乾燥機内の熱風向流接触せしめる方法およびノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。

0076

また、硬化性樹脂組成物が熱硬化性樹脂のみならず、光硬化性樹脂等の光硬化成分を含有する場合、基材上に樹脂層を形成後、所定のパターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光し、未露光部を例えば、0.3〜3質量%炭酸ソーダ水溶液等の希アルカリ水溶液により現像して硬化物のパターンを形成しても良い。なお、本発明の硬化性樹脂組成物が、光塩基発生剤を含む場合、露光後現像前に加熱することが好ましく、露光後現像前の加熱条件としては、例えば、60〜150℃で1〜60分加熱することが好ましい。

0077

活性エネルギー線による露光に用いられる露光機としては、高圧水銀灯ランプ超高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ等を搭載し、350〜450nmの範囲で紫外線を照射する装置であればよく、さらに、直接描画装置(例えば、コンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)も用いることができる。直描機のランプ光源またはレーザー光源としては、最大波長が350〜450nmの範囲にあるものでよい。画像形成のための露光量は膜厚等によって異なるが、一般には10〜1000mJ/cm2、好ましくは20〜800mJ/cm2の範囲内とすることができる。

0079

次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。

0080

<光硬化性樹脂1の合成>
下記一般式(II)においてXがCH2、平均の重合度nが6.2であるビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量950g/eq、軟化点85℃)380部とエピクロルヒドリン925部をジメチルスルホキシド462.5部に溶解させた後、攪拌下70℃で98.5%NaOH60.9部を100分かけて添加した。添加後さらに70℃で3時間反応を行った。反応終了後、水250部を加え水洗を行った。油水分離後、油層よりジメチルスルホキシドの大半および過剰の未反応エピクロルヒドリンを減圧下に蒸留回収し、残留した副製塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物メチルイソブチルケトン750部に溶解させ、更に30%NaOH10部を加え、70℃で1時間反応させた。反応終了後、水200部で2回水洗を行った。油水分離後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量310g/eq、軟化点69℃のエポキシ樹脂(a)を得た。得られたエポキシ樹脂(a)は、エポキシ当量から計算すると、前記出発物質ビスフェノールF型エポキシ樹脂におけるアルコール性水酸基6.2個のうち約5個がエポキシ化されたものであった。このエポキシ樹脂(a)310部およびカルビトールアセテート282部をフラスコ仕込み、90℃に加熱・攪拌し、溶解した。得られた溶液を一旦60℃まで冷却し、アクリル酸72部(1モル)、メチルハイドロキノン0.5部、トリフェニルホスフィン2部を加え、100℃に加熱し、約60時間反応させ、酸価が0.2mgKOH/gの反応物を得た。これにテトラヒドロ無水フタル酸140部(0.92モル)を加え、90℃に加熱し、反応を行い、光硬化性樹脂1の樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液の固形分濃度は65.0%、固形分酸価(mgKOH/g)は100であった。

0081

(式中、XはCH2またはC(CH3)2を表し、nは1〜12である。)

0082

<硬化性樹脂組成物の調製>
下記表1に示す各成分を表に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルにて分散を行い、実施例1〜3および比較例1の各硬化性樹脂組成物を調製した。なお、表1中に示す数値は、固形分含有量(質量部)を意味する。

0083

なお、表1中の*1〜*15は、以下の成分を表す。
*1:DIC株式会社製N−695(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)
*2:株式会社ダイセル製EHPE3150(脂環式エポキシ樹脂)
*3:株式会社ダイセル製エポリードPB3600(エポキシ化ポリブタジエン
*4:三菱ケミカル株式会社製jER630(多官能エポキシ樹脂)
*5:三菱ケミカル株式会社製jER1009(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
*6:明和化成株式会社製HF−1(フェノール樹脂)
*7:新中化学工業株式会社製BPE−900(エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート
*8:三菱ケミカル株式会社製DICY(ジシアンジアミド)
*9:四国化成工業株式会社製2PHZ(イミダゾールヒドロキシメチル体)
*10:堺化学工業株式会社製B−30(硫酸バリウム)
*11:富士タルク工業株式会社LMS−200(タルク)
*12:日本アエロジル株式会社製R974(シリカ)
*13:信越化学工業株式会社製KS−66(シリコーン系消泡剤
*14:東レダウコーニング株式会社製SH203(アルキル変性シリコーン
*15:共栄社化学株式会社製フローレンAC−1190(アクリル系消泡剤)

0084

<せん断強度の測定>
[せん断強度Aの測定]
バフ研磨した後に水洗いし乾燥させた、長さ7.5cm、幅2cm、厚さ25μmのポリイミド基材の両面に銅箔を積層した銅張積層板エスパネックスMB(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社)の一方の面に、スクリーン印刷により各硬化性樹脂組成物を塗布し、80℃で10分間乾燥させた。表面に硬化性樹脂組成物の乾燥塗布膜が形成された銅張積層板を、長さ5cm×幅1cmの短冊状に切断したものを試料1とした。

0085

次いで、バフ研磨した後に水洗いし、乾燥させた長さ7.5cm、幅2cm、厚さ1.6mmのFR−4エッチアウト材を試料2として準備した。この試料2の一方の面に、上記した試料1の硬化性樹脂組成物の乾燥塗布膜面を貼り合わせた。その際に、貼り合わせ面積が、長さ5mm×幅10mmとなるように両者を貼り合わせた。試料1と試料2とを貼り合わせた後に80℃に設定した真空ラミネーターを用いて真空下で1分間の仮固定を行い、表1に記載の硬化条件Iにて硬化処理を行うことにより、試料1の乾燥塗布膜を加熱硬化で本硬化させ、硬化被膜αを形成した。続いて、試料1と試料2との貼合わせ面の端部から長さ3mmの部分のみを剥離し、図1に示すように、貼り合わせ面積が長さ2mm×幅10mmとなるようにしたものを、せん断強度Aの測定用試料として用いた。

0086

上記した各測定用試料について、引張試験機(オートグラフAG−X、株式会社島津製作所製)を用いて10mm/分の引張速度にて、室温で測定したせん断荷重(N)を測定した。得られたせん断荷重を、貼り合わせ面積(2mm×10mm)で除した値をせん断強度Aとした。

0087

[せん断強度Bの測定]
バフ研磨した後に水洗いし乾燥させた、長さ7.5cm、幅2cm、厚さ1.6mmのFR−4銅張積層板MCL−E−67(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社)を試料2’として準備した。この試料2’の一方の面に、上記「せん断強度Aの測定」にて記載した試料1の乾燥塗布膜面を貼り合わせた。その際に、貼り合わせ面積が、長さ5mm×幅10mmとなるように両者を貼り合わせた。試料1と試料2’とを貼り合わせた後に80℃に設定した真空ラミネーターを用いて真空下で1分間の仮固定を行い、表1に記載の硬化条件Iにて硬化処理を行うことにより、試料1の乾燥塗布膜を加熱硬化で本硬化させ、硬化被膜αを形成した。

0088

続いて、試料1と試料2’との貼合わせ面の端部から長さ3mmの部分のみを剥離し、図1に示すように、貼り合わせ面積が長さ2mm×幅10mmとなるようにしたものを、せん断強度Bの測定用試料として用いた。せん断強度Bの測定用試料を用いて、せん断強度Aの測定と同様にしてせん断強度Bを測定した。

0089

[せん断強度Cの測定]
バフ研磨した後に水洗いし乾燥させた、長さ7.5cm、幅2cm、厚さ1.6mmのFR−4エッチアウト材の一方の面に、スクリーン印刷により硬化性樹脂組成物を塗布し、表1に記載の硬化条件IIにて加熱硬化で本硬化させた硬化被膜βを試料2’’として準備した。

0090

試料2’’の硬化被膜βの表面に、上記「せん断強度Aの測定」にて記載した試料1の乾燥塗布膜面を貼り合わせた。その際に、貼り合わせ面積が、長さ5mm×幅10mmとなるように両者を貼り合わせた。試料1と試料2’’とを貼り合わせた後に80℃に設定した真空ラミネーターを用いて真空下で1分間の仮固定を行い、表1に記載の硬化条件Iにて硬化処理を行うことにより、試料1の乾燥塗布膜を加熱硬化で本硬化させ、硬化被膜βの表面上に硬化被膜αを形成した。

0091

続いて、試料1と試料2’’との貼合わせ面の端部から長さ3mmの部分のみを剥離し、図1に示すように、貼り合わせ面積が長さ2mm×幅10mmとなるようにしたものを、せん断強度Cの測定用試料として用いた。せん断強度Cの測定用試料を用いて、せん断強度Aの測定と同様にしてせん断強度Cを測定した。

0092

<基材の絶縁部および導電部との特性評価用試験基板の作製>
実施例1〜3および比較例1の硬化性樹脂組成物を、バフ研磨した後に水洗いし乾燥させた、長さ7.5cm、幅2cm、厚さ1.6mmのFR−4エッチアウト材、および、バフ研磨した後に水洗いし乾燥させた、長さ7.5cm、幅2cm、厚さ1.6mmのFR−4銅張積層板MCL−E−67(日立化成株式会社製)の一方の面に、スクリーン印刷により硬化性樹脂組成物を塗布した。

0093

次に、実施例1および2、比較例1については、表1に記載の硬化条件Iにて硬化処理を行うことで硬化被膜αを形成し、特性評価用の試験基板を得た。実施例3については、80℃で10分乾燥し、室温まで放冷した。
この基板に高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて、ベタ露光した。なお、露光量は、ステップタブレット(Kodak No.2)を用いて露光した際に7段となる露光量とした。その後、30℃の1wt%Na2CO3水溶液をスプレー圧2kg/cm2の条件で60秒間現像を行った。

0094

続いて、表1に記載の硬化条件Iにて硬化処理を行い、UVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cm2の条件で紫外線照射することで硬化被膜αを形成し、特性評価用の試験基板を得た。なお、硬化後の硬化被膜の膜厚は25μmであった。得られた試験基板について、密着性評価を行った。

0095

<硬化性樹脂組成物が重なり合う部分の特性評価用試験基板の作製>
実施例1〜3および比較例1の硬化性樹脂組成物を、バフ研磨した後に水洗いし、乾燥させた長さ7.5cm、幅2cm、厚さ1.6mmのFR−4エッチアウト材の一方の面に、スクリーン印刷により硬化性樹脂組成物を塗布し、表1に記載の硬化条件IIで本硬化させ、硬化被膜βを得た。なお、このときの硬化後の硬化被膜βの膜厚は25μmであった。次いで、この硬化性樹脂組成物の硬化被膜βの表面に、実施例1〜3および比較例1の硬化性樹脂組成物を、スクリーン印刷により硬化性樹脂組成物を塗布した。次に、実施例1および2、比較例1については、表1に記載の硬化条件Iにて硬化処理を行うことで、硬化被膜βの表面上に硬化被膜αを形成し、特性評価用の試験基板を得た。実施例3については、80℃で10分乾燥し、室温まで放冷した。

0096

この基板に高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて、ベタ露光した。なお、露光量は、ステップタブレット(Kodak No.2)を用いて露光した際に7段となる露光量とした。その後、30℃の1wt%Na2CO3水溶液をスプレー圧2kg/cm2の条件で60秒間現像を行った。

0097

続いて、表1に記載の硬化条件Iにて硬化処理を行い、UVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cm2の条件で紫外線照射することで、硬化被膜βの表面上に硬化被膜αを形成し、特性評価用の試験基板を得た。なお、このときの硬化後の硬化被膜αと硬化被膜βの膜厚は50μmであった。得られた試験基板について、硬化性樹脂が重なり合う部分におけるひび割れや剥がれを評価するために、密着性評価とクラック評価を行った。

0098

<密着性評価>
JIS D−0202の試験方法に従って、テストピースの硬化被膜に碁盤目状に100個のクロスカットを入れ、次いでセロハンテープによるピーリング試験後の剥がれの状態を目視により判定した。
○:剥がれなし
×:剥がれあり
評価結果は下記表1に示されるとおりであった。

0099

<クラック評価>
前記特性評価用試験基板の作製方法で得られた試験基板を−65℃と150℃に各30分、気相、2ゾーンで1000サイクル処理した後、光学顕微鏡にて硬化被膜のクラックの有無で判断した。
○:クラックの発生なし
×:クラックの発生あり
評価結果は下記表1に示されるとおりであった。

0100

0101

表1中、硬化条件Iとは、
(i)せん断強度A、BおよびCの測定用試料作製時における、2種の試料を貼り合わせて仮固定した後に、硬化被膜αを形成する際の加熱硬化による本硬化条件、
(ii)特性評価用試験基板作製時における、硬化性樹脂組成物の塗布を複数回行う場合の、2回目の塗布後の加熱硬化による本硬化条件、または
(iii)特性評価用試験基板作製時における、硬化性樹脂組成物の塗布を1回のみ行う場合の、当該塗布後の加熱硬化による本硬化条件、を意味する。
また、表1中、硬化条件IIとは、
(i)せん断強度Cの測定用試料作製時における、硬化被膜βを形成する際の加熱硬化による本硬化条件、または
(ii)特性評価用試験基板作製時における、硬化性樹脂組成物の塗布を複数回行う場合の、1回目の塗布後の加熱硬化による本硬化条件、を意味する。

実施例

0102

表1の評価結果からも明らかなように、各せん断強度A、BおよびCの値がいずれも1MPa以上、15MPa以下の範囲内にあり、且つせん断強度AおよびBの値がせん断強度Cの値の0.5倍以上5倍以下である硬化性樹脂組成物では、絶縁部と導電部とを有する回路基板の表面に重ね塗りを行って硬化被膜を形成した場合であっても、密着性に優れ、硬化被膜にクラックが発生しないことから、硬化性樹脂組成物が重なり合う部分においてひび割れや剥がれが発生しないことがわかる。

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