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技術 塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法

出願人 株式会社アステック入江
発明者 井上英二高橋宏幸永岡米治郎井下雅晴山本正継小森裕司井上信宏
出願日 2018年7月30日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2018-142718
公開日 2020年2月6日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-019978
状態 未査定
技術分野 エッチングと化学研磨(つや出し) 酸化・還元による水処理
主要キーワード pH計 接触度合い 再生処理条件 腐食処理 一定空間 分散浮遊 自己循環 ニッケル処理
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

塩化鉄エッチング廃液再生処理中断及び再開簡便かつ迅速に行うことができる塩化鉄系エッチング廃液処理の停止方法を提供する。

解決手段

撹拌手段を備える処理槽に、鉄よりイオン化傾向の小さい金属イオンを含む塩化鉄系エッチング廃液と、鉄粉とを供給し、撹拌することで、前記金属イオンと前記鉄粉とを反応させて前記金属イオンを還元して金属を析出させる処理を、一時的に停止させる、塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法であって、 (1)前記処理槽内の鉄粉の量を、前記撹拌手段による撹拌が再開可能な量に調整する工程 (2)前記塩化鉄系エッチング廃液及び前記鉄粉の供給を停止する工程 (3)前記処理槽の上部から前記処理槽内の鉄粉処理液の一部を取り出して、前記処理槽の底部に循環供給する工程を含む、塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法。

概要

背景

従来、IC、LSI用のリードフレームシャドーマスクには、例えば、銅、鉄−ニッケル合金材等からなる板状物が使用され、これらの板状物は塩化第2鉄を多量に含むエッチング液で部分的に腐食処理することにより製造されている。
エッチング処理によって、エッチング液に含まれる塩化第2鉄が還元されて塩化第1鉄になり、塩化第2鉄の濃度が低下してエッチング効率が悪くなるので、定期的にエッチング液の交換が行われている。
このエッチング処理後廃液であるエッチング廃液には高濃度鉄イオンの他に、銅イオンニッケルイオンなど、鉄よりもイオン化傾向の小さい金属イオンが相当量含まれている。このエッチング廃液からこれらの鉄よりもイオン化傾向の小さい金属イオンを除去し、塩化第1鉄を酸化すれば、再度使用できるエッチング液を得ることができる。
例えば、特許文献1、2には、鉄よりイオン化傾向の小さい金属イオンを含む塩化鉄系エッチング廃液に鉄粉混入し、鉄粉と金属イオンとを反応させて金属イオンを還元し、金属を析出除去して処理液を得た後、得られた処理液を酸化処理する塩化鉄系エッチング廃液の再生方法が記載されている。

概要

塩化鉄系エッチング廃液の再生処理中断及び再開簡便かつ迅速に行うことができる塩化鉄系エッチング廃液処理の停止方法を提供する。撹拌手段を備える処理槽に、鉄よりイオン化傾向の小さい金属イオンを含む塩化鉄系エッチング廃液と、鉄粉とを供給し、撹拌することで、前記金属イオンと前記鉄粉とを反応させて前記金属イオンを還元して金属を析出させる処理を、一時的に停止させる、塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法であって、 (1)前記処理槽内の鉄粉の量を、前記撹拌手段による撹拌が再開可能な量に調整する工程 (2)前記塩化鉄系エッチング廃液及び前記鉄粉の供給を停止する工程 (3)前記処理槽の上部から前記処理槽内の鉄粉処理液の一部を取り出して、前記処理槽の底部に循環供給する工程を含む、塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法。なし

目的

本発明の課題は、塩化鉄系エッチング廃液の処理を停止する際の、処理槽内に存在する塩化鉄系エッチング廃液、鉄粉、及び鉄粉処理液の排出作業、並びに、処理再開の際の、再生処理条件再調整が不要で、塩化鉄系エッチング廃液の再生処理の中断及び再開を簡便かつ迅速に行うことができる塩化鉄系エッチング廃液処理の停止方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

撹拌手段を備える処理槽に、鉄よりイオン化傾向の小さい金属イオンを含む塩化鉄エッチング廃液と、鉄粉とを供給し、撹拌することで、前記金属イオンと前記鉄粉とを反応させて前記金属イオンを還元して金属を析出させる塩化鉄系エッチング廃液の処理を停止させる、塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法であって、(1)前記処理槽内の鉄粉の量を、前記撹拌手段による撹拌が再開可能な量に調整する工程(2)前記塩化鉄系エッチング廃液及び前記鉄粉の供給を停止する工程(3)前記処理槽の上部から前記処理槽内の鉄粉処理液の一部を取り出して、前記処理槽の底部に循環供給する工程を含む、塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法。

請求項2

前記撹拌手段が、撹拌機による撹拌手段であり、(4)前記撹拌機を停止する工程を含む請求項1に記載の塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法。

請求項3

前記金属イオンが、ニッケルイオンである請求項1又は2に記載の塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法。

技術分野

0001

本発明は、鉄よりイオン化傾向の小さい金属イオンを含む塩化鉄エッチング廃液から、該金属イオンを除去する処理を、簡便かつ迅速な処理の再開が可能な状態で停止する方法に関する。

背景技術

0002

従来、IC、LSI用のリードフレームシャドーマスクには、例えば、銅、鉄−ニッケル合金材等からなる板状物が使用され、これらの板状物は塩化第2鉄を多量に含むエッチング液で部分的に腐食処理することにより製造されている。
エッチング処理によって、エッチング液に含まれる塩化第2鉄が還元されて塩化第1鉄になり、塩化第2鉄の濃度が低下してエッチング効率が悪くなるので、定期的にエッチング液の交換が行われている。
このエッチング処理後廃液であるエッチング廃液には高濃度鉄イオンの他に、銅イオンニッケルイオンなど、鉄よりもイオン化傾向の小さい金属イオンが相当量含まれている。このエッチング廃液からこれらの鉄よりもイオン化傾向の小さい金属イオンを除去し、塩化第1鉄を酸化すれば、再度使用できるエッチング液を得ることができる。
例えば、特許文献1、2には、鉄よりイオン化傾向の小さい金属イオンを含む塩化鉄系エッチング廃液に鉄粉混入し、鉄粉と金属イオンとを反応させて金属イオンを還元し、金属を析出除去して処理液を得た後、得られた処理液を酸化処理する塩化鉄系エッチング廃液の再生方法が記載されている。

先行技術

0003

特開平11−12768号公報
特開2000−199086号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記特許文献1、2に記載の塩化鉄系エッチング廃液の再生方法は、再生処理を連続的に行うことを前提とした方法であり、塩化鉄系エッチング廃液の処理量が少なくなった場合に対応することが難しいという欠点があった。
具体的には、処理槽への塩化鉄系エッチング廃液の供給量が減って、再生処理を一時中断する場合、処理槽への塩化鉄系エッチング廃液や鉄粉の投入をただ単に停止すると、塩化鉄系エッチング廃液に含まれる金属イオンのうち特定のイオン(たとえばニッケルイオン)と比べ水素イオンはイオン化傾向が小さいため、該金属イオンを還元する際に水素イオンも同時に還元されてしまい、水素ガスが発生し、処理槽内の液のpHが上昇してしまうという問題があった。さらに、このpHの上昇に伴い、有害な水酸化鉄が発生するという問題もあった。
また、処理槽の撹拌を停止することにより、比重の大きい鉄粉が処理槽の底部に沈降し堆積する。そのため、撹拌手段として撹拌機を用いる場合には、撹拌機が鉄粉に埋没する懸念があり、塩化鉄系エッチング廃液の再生処理の再開時には多大なエネルギーを要する、又は撹拌機が破損するといった懸念があった。
さらに、通常、再生処理の間は、反応効率を高めるため、撹拌を兼ねて、処理槽の上部から処理槽中の鉄粉処理液の一部を取り出して、処理槽の底部に循環供給しているが、撹拌を停止して鉄粉が処理槽の底部に堆積すると、取り出した鉄粉処理液を処理槽底部に供給するための流入口が閉塞して、供給が困難になる懸念があった。

0005

そのため、従来、再生処理を一時中断する際には、処理槽内の塩化鉄系エッチング廃液、鉄粉、及び鉄粉処理液を全て排出し、再生処理再開時には、塩化鉄系エッチング廃液や鉄粉を処理槽内に再投入し、処理槽内の液のpHや酸化還元電位ORP(Oxidation−Reduction Potential)といった、再生処理条件再調整する必要があり、多大な手間を要していた。

0006

本発明の課題は、塩化鉄系エッチング廃液の処理を停止する際の、処理槽内に存在する塩化鉄系エッチング廃液、鉄粉、及び鉄粉処理液の排出作業、並びに、処理再開の際の、再生処理条件の再調整が不要で、塩化鉄系エッチング廃液の再生処理の中断及び再開を簡便かつ迅速に行うことができる塩化鉄系エッチング廃液処理の停止方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは鋭意研究を重ね、下記の手段によって上記課題を解決できることを見出した。

0008

〔1〕
撹拌手段を備える処理槽に、鉄よりイオン化傾向の小さい金属イオンを含む塩化鉄系エッチング廃液と、鉄粉とを供給し、撹拌することで、前記金属イオンと前記鉄粉とを反応させて前記金属イオンを還元して金属を析出させる塩化鉄系エッチング廃液の処理を停止させる、塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法であって、
(1)前記処理槽内の鉄粉の量を、前記撹拌手段による撹拌が再開可能な量に調整する工程
(2)前記塩化鉄系エッチング廃液及び前記鉄粉の供給を停止する工程
(3)前記処理槽の上部から前記処理槽内の鉄粉処理液の一部を取り出して、前記処理槽の底部に循環供給する工程
を含む、塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法。
〔2〕
前記撹拌手段が、撹拌機による撹拌手段であり、
(4)前記撹拌機を停止する工程
を含む〔1〕に記載の塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法。
〔3〕
前記金属イオンが、ニッケルイオンである〔1〕又は〔2〕に記載の塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法。

発明の効果

0009

本発明によれば、塩化鉄系エッチング廃液の再生処理の中断及び再開を簡便かつ迅速に行うことができる塩化鉄系エッチング廃液処理の停止方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0010

本発明の塩化鉄系エッチング廃液の再生処理の停止方法が適用される塩化鉄系エッチング廃液処理設備の一態様の概念的構成説明図である。
処理槽の一例の断面模式図である。
処理槽の、再生処理時(R)及び処理停止時(S)の一例を示す断面模式図である。

0011

本発明は、
撹拌手段を備える処理槽に、鉄よりイオン化傾向の小さい金属イオンを含む塩化鉄系エッチング廃液と、鉄粉とを供給し、撹拌することで、前記金属イオンと前記鉄粉とを反応させて前記金属イオンを還元して金属を析出させる処理を、一時的に停止させる、塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法であって、
(1)前記処理槽内の鉄粉の量を、前記撹拌手段による撹拌が再開可能な量に調整する工程
(2)前記塩化鉄系エッチング廃液及び前記鉄粉の供給を停止する工程
(3)前記処理槽の上部から前記処理槽内の鉄粉処理液の一部を取り出して、前記処理槽の底部に循環供給する工程
を含む、塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法に関する。

0012

(塩化鉄系エッチング廃液の処理)
まず、本発明の停止方法が適用される、塩化鉄系エッチング廃液の処理について説明する。
なお、本発明の処理の停止方法が適用される塩化鉄系エッチング廃液の処理(再生処理)において、塩化鉄系エッチング廃液とは、塩化第1鉄(FeCl2)、塩化第2鉄(FeCl3)を含有するエッチング廃液等の水溶液をいい、エッチング過程において、下記反応により、銅、ニッケル等の鉄よりイオン化傾向の小さい金属イオンが混入したものである。
2FeCl3+Cu→2FeCl2+CuCl2
2FeCl3+Ni→2FeCl2+NiCl2

0013

なお、本発明の方法が適用される塩化鉄系エッチング廃液は、少なくとも1種の鉄よりイオン化傾向の小さい金属イオンを含むものであればよい。したがって、エッチング処理後に発生した廃液そのものに限られず、廃液に含まれる少なくとも1種の金属イオンを除去する処理が施されたものであって、いまだ少なくとも1種の鉄よりイオン化傾向の小さい金属イオンを含むものであればよい。

0014

鉄粉とは、例えば、粒径が44〜250μmである粉末状の鉄であり、形状は球状、ポーラス状等が含まれるが、これに限定されるものではなく、還元鉄粉アトマイズ法によって製造された鉄粉、鉄を粉砕した鉄粉等の適用が可能である。

0015

後述する流動床とは、処理槽内に供給される鉄粉が、下部から供給される流れにより、自らの重力及び粘性抵抗とで均衡し、一定空間内で浮遊流動する鉄粉密度の高い領域をいう。

0016

鉄粉処理液とは、流動床を通過してその上方域湧出する銅、ニッケル等の鉄よりもイオン化傾向の小さい金属イオンが還元除去された水溶液を主体として、液中に未分離の鉄粉や析出した金属、及び未反応の塩化鉄系エッチング廃液を、少量、例えば20質量%以下程度を含有する場合も含めて定義される。

0017

本発明が適用される塩化鉄系エッチング廃液の再生処理は、撹拌手段を備える処理槽に、鉄よりイオン化傾向の小さい金属イオンを含む塩化鉄系エッチング廃液と、鉄粉とを供給し、混合することで、金属イオンと鉄粉とを反応させて上記金属イオンを還元し、金属を析出させた鉄粉処理液を得た後、鉄粉処理液から金属を除去する塩化鉄系エッチング廃液の再生処理である。

0018

処理槽が備える撹拌手段としては、例えば、処理槽の上部から鉄粉処理液の一部を取り出して、上記処理槽の底部に循環供給する循環装置や、撹拌羽根を有する撹拌機などが挙げられる。

0019

塩化鉄系エッチング廃液と鉄粉の接触度合い増して処理速度を高める観点から、撹拌手段として上記循環装置を備えていることが好ましい。処理槽の上部から鉄粉処理液の一部を取り出し、底部から供給することで、処理槽内に反応に寄与しないデッドスペースを生じさせることなく、鉄粉が分散浮遊した流動床を形成することができ、供給される塩化鉄系エッチング廃液中の、鉄よりイオン化傾向の小さい金属イオンの除去効率を高めることができる。

0020

なお、本発明の処理の停止方法における鉄粉処理液の循環供給(工程(3))は、上記循環装置を用いて行うものであってもよい。

0021

撹拌手段としては、上記循環装置と撹拌機の両方を備えていることも好ましい。

0022

鉄よりイオン化傾向の小さい金属イオンとしては、銅イオンやニッケルイオンが挙げられ、ニッケルイオンであることが好ましい。

0023

すなわち、本発明の処理の停止方法が適用される塩化鉄系エッチング廃液の処理は、処理槽にニッケルイオンを含む塩化鉄系エッチング廃液と、鉄粉とを供給し、混合することで、ニッケルイオンと鉄粉とを反応させてニッケルイオンを還元し、ニッケルを析出させた鉄粉処理液からニッケルを除去する処理であることが好ましい。

0024

以下、本発明の停止方法が適用される塩化鉄系エッチング廃液処理の好ましい態様につき、図1に示す塩化鉄系エッチング廃液処理設備の概念的構成説明図、及び図2に示す処理槽の断面図を用いて説明する。

0025

図2に示す処理槽119は、図1に示す脱ニッケル装置14内に設けられる処理槽であり、塩化鉄系エッチング廃液と鉄粉とを供給し、混合することでニッケルイオンを還元処理するための処理槽である。
この処理槽119の内部で、しかも下位置には供給された塩化鉄系エッチング廃液と鉄粉とを必要に応じて撹拌させる撹拌羽根128aを有し、その上部には撹拌羽根128aを回転駆動させるためのモータ129が設けられている。さらに、処理槽119の上部から鉄粉処理液2Eを取り出して下部に循環ポンプ126によって供給する循環装置が設けられている。
なお、撹拌羽根128aを使用しない場合には、処理槽119から撹拌羽根128aをを取り外すことも可能である。

0026

処理槽119の最上部である第1区画部130は、水平方向の断面積が最大となるような直筒部からなる領域であり、その上端開口は大気開放されており、上部から処理槽119内に鉄粉150を投入することができるようになっている。
第5区画部134の側壁部には処理液流入口145bが設けられており、処理槽119の上部から取り出した鉄粉処理液2E及び塩化鉄系エッチング廃液が処理槽119に供給されるようになっている。
そして、第3〜第5区画部132〜134において、供給された鉄粉と、下部から供給される鉄粉処理液2E及び塩化鉄系エッチング廃液とで、図2ハッチングで示すように、鉄粉密度の高い流動床が形成される。
上昇流速の遅い第1及び第2区画部130、131においては、鉄粉の下降速度の方が鉄粉処理液の流速より速く、従って、鉄粉密度が極めて小さい鉄粉分離部(フリーボード)が形成される。

0027

上記鉄粉分離部を形成する第1区画部130及び第2区画部131の側壁部には、それぞれ処理液一部取出し口145、145aが設けられると共に、流動床の下部を形成する第5区画部134の側壁部には処理液流入口145bが設けられている。そして、処理液一部取出し口145、145aと処理液流入口145bとは、中途に循環ポンプ126を具備する処理液循環パイプ145dによって連通連結されている。従って、循環ポンプ126を駆動することによって、処理液一部取出し口145、145aを介して、第1及び第2区画部130、131から、それぞれ、鉄粉含有量の少ない鉄粉処理液2Eを取り出し、その後、処理液循環パイプ145d及び処理液流入口145bを通して、鉄粉処理液2Eを、第5区画部134内に流入させることによって、処理槽119内に自己循環流を形成し、上記した流動床を第3〜第5区画部132〜134に形成している。

0028

また、鉄粉分離部を形成する第1区画部130、第2区画部131の側壁部には、それぞれ処理液排出口145e、145fが設けられており、鉄粉処理液2Bが排出される。

0029

ニッケルイオンと鉄粉とを反応させてニッケルイオンを還元する上記の反応は、センサを用いて測定される処理槽119内の鉄粉処理液の酸化還元電位ORP及び水素イオン濃度係数pHを、鉄粉処理液の循環量や滞留時間等を調整して所定範囲(ORP=−250〜−450mV、pH=1〜3)となるように保持させることが好ましい。上記条件とすることで、ニッケルイオンの還元処理を効率的に行うことができる。

0030

処理槽内の鉄粉処理液の温度としては、50℃以上であることが好ましく、70〜80℃であることがより好ましい。50℃以上とすることで、ニッケルイオンの還元反応が進行する。また、80℃以下とすることで、処理槽の材質を保護することが容易となる。

0031

なお、上記ニッケルイオンの還元反応は、以下の化学反応式に示す反応である。
NiCl2+Fe→FeCl2+Ni↓

0032

処理槽内でニッケルイオンと鉄粉とを反応させることで得られる、ニッケルが析出した鉄粉処理液は、上記処理槽から排出した後、液体サイクロン分級機などを用いて、含まれている鉄粉、ニッケル、その他の不純物を除去して、塩化第1鉄を多量に含む脱ニッケル処理液(図1中の15)とし、この塩化鉄を多量に含む脱ニッケル処理液を、塩素処理装置16に供給し、塩素ガスを吹き込み、あるいはバブリングさせることにより、含まれる第1鉄イオンの一部もしくは全部を第2鉄イオンに酸化させて、再生したエッチング液17を得ることができる。

0033

鉄よりイオン化傾向の小さい金属イオンを含む塩化鉄系エッチング廃液は、上記の脱ニッケル装置14におけるニッケルイオン析出除去処理にかける前に、図1に示す還元装置12において、塩化鉄系エッチング廃液中の第2鉄イオンを第1鉄イオンに還元する処理を行うことが好ましい。
還元装置12において、塩化鉄系エッチング廃液を流動状態で鉄粉と接触させ、鉄の溶出、即ち鉄のイオン化によって、液中の第2鉄イオンを第1鉄イオンに還元することができる。

0034

上記第2鉄イオンの還元反応は、pH=2以下、酸化還元電位ORP=−350〜+700mVの条件下で行うことが好ましい。pHの好ましい下限値はpH計測定値においてマイナスの値であることが好ましい。

0035

なお、塩化鉄系エッチング廃液に、ニッケルイオンの他に銅イオンが含まれるような場合には、還元装置12にて、銅イオンの一部又は全部を還元し、同時に第2鉄イオンの還元を行って、次の脱ニッケル装置14で残ったニッケルイオンの還元を行うようにして、銅とニッケルとをそれぞれ分離することもできる。
また、還元装置12と脱ニッケル装置14の間に、脱銅装置を設けてもよい。

0036

銅イオンの還元は、pH=3以下、酸化還元電位ORP=−250〜−450mVの条件下で、塩化鉄系エッチング廃液を流動状態で鉄粉と接触させ、鉄粉と銅イオンとを反応させることが好ましい。pHの好ましい下限値はpH計の測定値においてマイナスの値であることが好ましい。

0037

なお、上記第2鉄イオン、銅イオンの還元反応は、以下の化学反応式に示す反応である。
2FeCl3+Fe→3FeCl2
CuCl2+Fe→FeCl2+Cu↓

0038

(塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法)
本発明の塩化鉄系エッチング廃液の処理の停止方法は、
(1)前記処理槽内の鉄粉の量を、前記撹拌手段による撹拌が再開可能な量に調整する工程
(2)前記塩化鉄系エッチング廃液及び前記鉄粉の供給を停止する工程
(3)前記処理槽の上部から前記処理槽内の鉄粉処理液の一部を取り出して、前記処理槽の底部に循環供給する工程
を含む。

0039

上記工程(3)において、循環供給する上記鉄粉処理液の流量は、上記金属イオンと上記鉄粉との反応が起こらず、且つ、上記処理槽の上部から取り出した上記鉄粉処理液の一部を上記処理槽に供給するための処理液流入口が閉塞しない流量とすることが好ましい。

0040

なお、上記撹拌手段が、撹拌機である場合には、本発明の停止方法は、さらに、
(4)上記撹拌機を停止する工程
を有することが好ましい。

0041

本発明に係る停止方法において、上記工程(1)〜(3)の順序は問わない。
また、本発明に係る停止方法において、上記工程(4)を含む場合、上記工程(1)〜(4)の順序は問わない。

0042

塩化鉄系エッチング廃液と鉄粉の供給を停止し、鉄粉処理液の循環流量を調整し、さらに、撹拌手段として撹拌機を有する場合は、撹拌機を停止することによって、比重の大きな鉄粉が沈降し、処理槽底部に堆積する。そのため、鉄粉が分散浮遊した流動床が形成されず、塩化鉄系エッチング廃液と鉄粉との反応が停滞するため、処理槽内の鉄粉処理液のpH上昇や有害な水酸化鉄の発生を抑制することが可能となる。すなわち、処理槽内の塩化鉄系エッチング廃液、鉄粉、及び鉄粉処理液を排出することなく、簡便に再生処理を中断できる。また、再生処理再開時にpHやORPといった処理条件を再調整することも不要となる。

0043

但し、上述の様に、鉄粉が処理槽底部に堆積するため、調整後の循環流量によっては、処理槽の上部から取り出した鉄粉処理液の一部を処理槽の底部に循環供給するための処理液流入口が閉塞し、再生処理の再開時に多大なエネルギーを要する、又は再開ができないといった懸念がある。
また、撹拌機を有する場合、処理槽や撹拌機の構造によっては、撹拌機が堆積した鉄粉に埋没してしまい、再生処理の再開時に多大なエネルギーを要する、又は撹拌機が損壊するといった懸念がある。

0044

そこで、本発明の処理の停止方法は、処理槽内の鉄粉の量を、撹拌手段(すなわち、循環装置や撹拌機)による撹拌再開が可能な量に調整する工程(工程(1))を有し、さらに、循環流量を処理液流入口が閉塞しない流量に調整する工程(工程(3))を有する。
これにより、上述の懸念事項が解消し、迅速に再生処理を再開できる。

0045

工程(1)における、処理槽中の鉄粉量の調整方法としては、例えば、鉄粉量を、上記の撹拌再開が可能な量にあらかじめ調整した上で塩化鉄系エッチング廃液の再生処理を行う方法や、金属イオンと鉄との反応によって、鉄を所望の量となるまで消費させる方法が挙げられる。具体的には、液の成分を分析し、その値をもとに鉄粉の添加量を計算する。

0046

ここで、撹拌手段による撹拌再開が可能な量とは、上記循環装置においては、処理液流入口が閉塞しない量であり、上記撹拌機においては、撹拌機が鉄粉に埋没しない量である。これらの鉄粉の量については、各装置の大きさにもよるが、通常の工業的なスケールであれば、10トン程度までであれば問題なく、4〜5トンが好ましい。

0047

工程(3)において循環供給する上記鉄粉処理液の流量は、上記金属イオンと上記鉄粉との反応が起こらず、且つ、上記処理槽の上部から取り出した上記鉄粉処理液の一部を上記処理槽に供給するための処理液流入口が閉塞しない流量であることが好ましい。
具体的な流量については、使用する処理槽の大きさや形状によるが、3〜7.5m3/hが好ましい。3m3/h以上とすることで、撹拌槽底部の処理液流入口の閉鎖を回避することができる。また、7.5m3/h以下とすることで、鉄粉が分散浮遊した流動床が形成されず、処理液と鉄粉とが接触し、反応が進むことを抑制することができる。

0048

図3は、再生処理中の処理槽の断面と、本発明の処理の停止方法を適用した、処理停止中の処理槽の断面をそれぞれ模式的に表した図である。再生処理中は、(R)に示すように、処理槽119が有する循環装置及び撹拌羽根128aといった撹拌手段により、鉄粉流動床(X)が形成されているが、本発明の処理の停止方法を適用することにより、(S)に示すように、鉄粉が処理槽底部に堆積し、鉄粉堆積層(Y)を形成するため、鉄と金属イオンの反応を抑制できる。また、鉄粉堆積層(Y)は、撹拌羽根128aによる撹拌再開に支障を与えない。さらに、循環ポンプ126により、鉄粉処理液2Eの循環を維持しているため、処理液流入口145bの閉塞も起こらない。

0049

以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0050

(実施例1)
本発明の実施例に係る塩化鉄系エッチング廃液処理の停止方法について、図1図2を参照して、以下、詳細に説明する。

0051

まず、実施例1にて使用する処理槽119について説明する。
処理槽119は、図2に示すように、上下方向にそれぞれ水平断面積が異なるように構成された第1区画部130〜第5区画部134の5つの領域からなる容積が17m3、最大内径が約3.2mの反応容器であり、エッチング廃液処理用の鉄粉約21トンを保持することができる。
処理槽119が有する各部材については、上述のとおりである。

0052

(塩化鉄系エッチング廃液処理)
塩化鉄系エッチング廃液及び鉄粉を、それぞれ図2に示す処理槽119に連続的に供給した。
鉄粉は、粒径が44〜250μmの鉄粉を用いた。
また、塩化鉄系エッチング廃液には、シャドーマスクや、リードフレーム等をエッチング処理して、液中の塩化第2鉄(FeCl3)の濃度が低下し、銅、ニッケルの金属イオンを含有する水溶液を、鉄粉と流動状態で接触させ、第2鉄イオンを第1鉄イオンに還元し、同時に銅イオンを還元することで得られた、塩化鉄系エッチング廃液の一例である還元塩化鉄水溶液13用いた。

0053

塩化鉄系エッチング廃液及び鉄粉を処理槽119に供給し、ニッケルイオンの還元反応を行った。
ニッケルイオンの還元反応における処理槽中の鉄粉処理液のpHは1〜3であり、酸化還元電位は−440〜−250mVであり、温度は50〜80℃であった。
循環流量は7.2m3/hであり、塩化鉄系エッチング廃液投入量は最大6m3/hであった。

0054

(塩化鉄系エッチング廃液処理の停止)
次に、上記処理運転中の処理槽119への塩化鉄系エッチング廃液及び鉄粉の供給を停止し、撹拌羽根128aを停止した。
鉄粉処理液2Eの循環流量については、7.2m3/hとした。
鉄粉の量は液成分を分析し必要量を算出した。

0055

上記停止操作の12時間後、塩化鉄系エッチング廃液処理を再開した。鉄粉による処理液流入口145bの閉塞や、撹拌羽根128aの鉄粉への埋没がなく、問題なく処理を再開することが可能であった。

実施例

0056

再開時の処理槽内の鉄粉処理液のpHは1.5〜2.5であり、及び温度は70℃の液が55℃に低下した。pH及び酸化還元電位は停止操作前とほぼ変化がなかった。また、温度も、ニッケルの還元反応が進行し得る温度を保っており、操作再開時にpHや酸化還元電位、温度といった条件を再調整する必要なく、簡便に処理を再開することが可能であった。
水酸化鉄の量は22000ppmであり、問題なかった(一般的には35000ppmを超えると問題が生じることがある)。

0057

11塩化鉄系エッチング廃液
12還元装置
13還元塩化鉄水溶液
14 脱ニッケル装置
15 脱ニッケル処理液
16塩素処理装置
17エッチング液
119処理槽
126循環ポンプ
128a攪拌羽根
129モータ
130 第1区画部
131 第2区画部
132 第3区画部
133 第4区画部
134 第5区画部
145処理液一部取出し口
145a 処理液一部取出し口
145b処理液流入口
145d 処理液循環パイプ
145e処理液排出口
145f 処理液排出口
146a排出管
147 塩化鉄系エッチング廃液の供給配管
150鉄粉
1B脱銅処理液(塩化鉄系エッチング廃液)
2A 鉄粉流動床(スラリー
2B 鉄粉処理液
2E 鉄粉処理液
X 鉄粉流動床
Y 鉄粉堆積層

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