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技術 アリール受容体モジュレーターならびにその作製および使用方法

出願人 ノグラファーマリミテッド
発明者 フランチェスカヴィティサルヴァトーレベリンヴィアサルヴァトーレデマルティス
出願日 2019年11月8日 (1年1ヶ月経過) 出願番号 2019-203021
公開日 2020年2月6日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-019823
状態 未査定
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 硫黄原子を含む複素環式化合物 その他のN系縮合複素環2 他の環と縮合した1,3ージアゾール環 チアゾール系化合物 O,S系縮合複素環 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード エネルギー最小値 最小回数 標準フラグ 担体流体 原子電荷 無応答状態 半経験的 成長欠陥
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

アリール受容体モジュレーターならびにその作製および使用方法を提供すること。

解決手段

本発明は、一般に、アリール炭化水素受容体を結合し、その活性モジュレートすることができる化合物、このような化合物を使用するクローン病などの炎症状態処置する方法、およびこのような化合物を含む医薬組成物を対象とする。また、被験体IL−22レベルを増大し、かつ/または被験体のIFN−γレベルを低減する方法が提供される。本発明の化合物によって処置される炎症性疾患または状態は、炎症性腸疾患軟骨の炎症、骨分解、潰瘍性大腸炎乾癬関節炎乾癬性関節炎関節リウマチ若年性関節炎、若年性関節リウマチ自己免疫性肝炎、クローン病、紅斑性狼瘡多発性硬化症アルツハイマー病皮膚炎アトピー性皮膚炎ざ瘡I型真性糖尿病レイノー現象グレーブス病、およびアジソン病からなる群より選択される。

概要

背景

塩基性ヘリックスループ−ヘリックスタンパク質であるアリール炭化水素受容体(AhR)は、Per−ARNT−Sim(PASスーパーファミリーのタンパク質のメンバーである。生理的に、これらのタンパク質の多くは、細胞組織微小環境由来する分子および刺激感知し、それによって、適切な細胞応答を誘発するのに必要なシグナル伝達カスケード惹起することによって作用する。

AhRは、不活性な状態では、いくつかのシャペロン補助因子に結合してサイトゾルに存在するが、活性化されると、核に移動し、その二量体化パートナーであるARNT(もう1つのbHLH−PASタンパク質)に結合し、したがって、ダイオキシン(DRE)または生体異物コンセンサス配列(XME)を含有するプロモーターによって、様々な遺伝子の転写を惹起する。AhR−欠損マウスにおける先駆的研究では、様々な器官発達および機能におけるAhRの役割が強調されている。より最近の研究では、AhRが、特異的な免疫応答を制御することが示されている(例えば、Stockingerら、Semin. Immunol. 2011年、23巻、99〜105頁参照)。

AhRは、T細胞によって高度に発現し、Th1/Th2/Th17細胞関連免疫を制御する。炎症性腸疾患のヒトおよびマウスモデルでは、AhRが活性化されると、Th1極性化を促進する主な転写因子であるIFN−γおよびT−betの発現が低下した。AhRがIFN−γ産生を阻害する基本的な機序は、まだ確認されていないが、AhRシグナル伝達は、マウスにおけるIFN−γ産生および大腸炎を負に調節する、IkarosファミリーのメンバーであるAiolosを増強することが実証されている。また、リンパ系細胞におけるAhR活性化は、様々な器官において保護効果を発揮し得るサイトカインであるインターロイキン−22(IL−22)の産生を調節することができ、時間経過研究では、IFN−γおよびT−betの抑制が、IL−22誘発よりも先に生じたことが示された。

選択的AhRモジュレーターが、免疫および炎症に影響を及ぼし、したがって様々な炎症状態処置する潜在可能性を考慮すると、AhR活性をモジュレートする強力な選択的化合物が、依然必要である。

概要

アリール受容体モジュレーターならびにその作製および使用方法を提供すること。本発明は、一般に、アリール炭化水素受容体を結合し、その活性をモジュレートすることができる化合物、このような化合物を使用するクローン病などの炎症状態を処置する方法、およびこのような化合物を含む医薬組成物を対象とする。また、被験体のIL−22レベルを増大し、かつ/または被験体のIFN−γレベルを低減する方法が提供される。本発明の化合物によって処置される炎症性疾患または状態は、炎症性腸疾患、軟骨の炎症、骨分解、潰瘍性大腸炎乾癬関節炎乾癬性関節炎関節リウマチ若年性関節炎、若年性関節リウマチ自己免疫性肝炎、クローン病、紅斑性狼瘡多発性硬化症アルツハイマー病皮膚炎アトピー性皮膚炎ざ瘡I型真性糖尿病レイノー現象グレーブス病、およびアジソン病からなる群より選択される。なし

目的

Stockingerら、Semin. Immunol.(2011年)23巻、99〜105頁






本開示は、一実施形態では、強力な選択的AhR結合化合物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

明細書中に記載の発明。

技術分野

0001

関連出願
この出願は、2014年6月27日に出願された米国仮出願第62/017,959号および2014年9月26日に出願された米国仮出願第62/056,054号(これらそれぞれの全体の内容は、参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。

背景技術

0002

塩基性ヘリックスループ−ヘリックスタンパク質であるアリール炭化水素受容体(AhR)は、Per−ARNT−Sim(PASスーパーファミリーのタンパク質のメンバーである。生理的に、これらのタンパク質の多くは、細胞組織微小環境由来する分子および刺激感知し、それによって、適切な細胞応答を誘発するのに必要なシグナル伝達カスケード惹起することによって作用する。

0003

AhRは、不活性な状態では、いくつかのシャペロン補助因子に結合してサイトゾルに存在するが、活性化されると、核に移動し、その二量体化パートナーであるARNT(もう1つのbHLH−PASタンパク質)に結合し、したがって、ダイオキシン(DRE)または生体異物コンセンサス配列(XME)を含有するプロモーターによって、様々な遺伝子の転写を惹起する。AhR−欠損マウスにおける先駆的研究では、様々な器官発達および機能におけるAhRの役割が強調されている。より最近の研究では、AhRが、特異的な免疫応答を制御することが示されている(例えば、Stockingerら、Semin. Immunol. 2011年、23巻、99〜105頁参照)。

0004

AhRは、T細胞によって高度に発現し、Th1/Th2/Th17細胞関連免疫を制御する。炎症性腸疾患のヒトおよびマウスモデルでは、AhRが活性化されると、Th1極性化を促進する主な転写因子であるIFN−γおよびT−betの発現が低下した。AhRがIFN−γ産生を阻害する基本的な機序は、まだ確認されていないが、AhRシグナル伝達は、マウスにおけるIFN−γ産生および大腸炎を負に調節する、IkarosファミリーのメンバーであるAiolosを増強することが実証されている。また、リンパ系細胞におけるAhR活性化は、様々な器官において保護効果を発揮し得るサイトカインであるインターロイキン−22(IL−22)の産生を調節することができ、時間経過研究では、IFN−γおよびT−betの抑制が、IL−22誘発よりも先に生じたことが示された。

0005

選択的AhRモジュレーターが、免疫および炎症に影響を及ぼし、したがって様々な炎症状態処置する潜在可能性を考慮すると、AhR活性をモジュレートする強力な選択的化合物が、依然必要である。

先行技術

0006

Stockingerら、Semin. Immunol.(2011年)23巻、99〜105頁

課題を解決するための手段

0007

本開示は、一実施形態では、強力な選択的AhR結合化合物を提供する。一態様では、本開示は、式Iによる化合物を提供する。



式中、変数は、以下に定義されている通りである。

0008

一態様では、本開示は、式I−Aによる化合物に関する。



式中、変数は、以下に定義されている通りである。

0009

一態様では、本開示は、式IIによる化合物に関する。



式中、変数は、以下に定義されている通りである。

0010

一態様では、本開示は、式IIIによる化合物に関する。



式中、変数は、以下に定義されている通りである。

0011

一態様では、本開示は、式IVによる化合物に関する。



式中、変数は、以下に定義されている通りである。

0012

また、本開示は、それを必要としている被験体に、治療有効量の前述の化合物を投与するステップを含む、炎症性疾患または状態を処置する方法を提供する。ある特定の実施形態では、炎症性疾患または状態は、炎症性腸疾患、軟骨の炎症、骨分解、潰瘍性大腸炎乾癬関節炎乾癬性関節炎関節リウマチ若年性関節炎、若年性関節リウマチ自己免疫性肝炎クローン病紅斑性狼瘡多発性硬化症アルツハイマー病皮膚炎アトピー性皮膚炎ざ瘡I型真性糖尿病レイノー現象グレーブス病、およびアジソン病からなる群より選択される。

0013

ある特定の実施形態では、炎症性疾患または状態は、クローン病、潰瘍性大腸炎、コラーゲン性大腸炎、リンパ球性大腸炎、空置大腸炎(diversion colitis)、ベーチェット病特発性炎症性腸疾患(idiopathic inflammatory bowel disease)、過敏性腸症候群限局性腸炎痙攣性結腸顕微鏡的大腸炎、結腸クローン病、肛門周囲疾患(perianal disease)、不確定大腸炎(indeterminate colitis)、リンパ球性胃炎(lymphocytic gastritis)、および好酸球腸炎(eosinophilic enteritis)からなる群より選択される。

0014

ある特定の実施形態では、炎症性疾患または状態は、クローン病である。ある特定の実施形態では、クローン病は、回結腸炎回腸炎胃十二指腸クローン病、空回腸炎、および肉芽腫性回結腸炎からなる群より選択される。ある特定の実施形態では、クローン病には、腸管線維症(intestinal fibrosis)が含まれる。ある特定の実施形態では、クローン病は、線維性狭窄(fibrostenotic)クローン病である。

0015

別の態様では、本開示は、それを必要としている被験体に、治療有効量の本明細書に開示の化合物を投与するステップを含む、被験体の線維性狭窄(fibrostenosis)または腸管線維症を防止、処置または低減する方法を提供する。ある特定の実施形態では、線維性狭窄または腸管線維症は、クローン病と関連する。

0016

別の態様では、本発明は、医薬として使用するための前述の化合物を提供する。本発明はさらに、炎症性疾患または状態を処置する方法において使用するための前述の化合物を提供する。方法は、それを必要としている被験体に、治療有効量の前記化合物を投与するステップを含む。ある特定の実施形態では、炎症性疾患または状態は、炎症性腸疾患、軟骨の炎症、骨分解、潰瘍性大腸炎、乾癬、関節炎、乾癬性関節炎、関節リウマチ、若年性関節炎、若年性関節リウマチ、自己免疫性肝炎、クローン病、紅斑性狼瘡、多発性硬化症、アルツハイマー病、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、ざ瘡、I型真性糖尿病、レイノー現象、グレーブス病、およびアジソン病からなる群より選択される。ある特定の実施形態では、炎症性疾患または状態は、クローン病、潰瘍性大腸炎、コラーゲン性大腸炎、リンパ球性大腸炎、空置大腸炎、ベーチェット病、特発性炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、限局性腸炎、痙攣性結腸、顕微鏡的大腸炎、結腸クローン病、肛門周囲疾患、不確定大腸炎、リンパ球性胃炎、および好酸球性腸炎からなる群より選択される。ある特定の実施形態では
、炎症性疾患または状態は、クローン病である。ある特定の実施形態では、クローン病は、回結腸炎、回腸炎、胃十二指腸クローン病、空回腸炎、および肉芽腫性回結腸炎からなる群より選択される。ある特定の実施形態では、クローン病には、腸管線維症が含まれる。ある特定の実施形態では、クローン病は、線維性狭窄クローン病である。

0017

さらに別の態様では、本発明は、被験体の線維性狭窄または腸管線維症を防止、処置または低減する方法において使用するための前述の化合物を提供する。方法は、それを必要としている被験体に、治療有効量の前記化合物を投与するステップを含む。ある特定の実施形態では、線維性狭窄または腸管線維症は、クローン病と関連する。

図面の簡単な説明

0018

図1は、一連の1−アリール−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン誘導体を示す。

0019

図2は、SARを研究し、特性を改善するために、1−アリール−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン足場に加えた修飾を示す。

0020

図3は、SARを研究し、特性を改善するために、1−アリール−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン足場に加えた修飾を示す。

0021

図4は、SARを研究し、特性を改善するために、1−アリール−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン足場に加えた修飾を示す。

0022

図5は、SARを研究し、特性を改善するために、レフルノミド足場に加えた修飾を示す。

0023

図6は、本開示のADMETおよび他の特性について評価した様々な化合物の化学構造を示す。

0024

図7は、本開示のADMETおよび他の特性について評価した様々な化合物の化学構造を示す。

0025

図8は、本開示のADMETおよび他の特性について評価した様々な化合物の化学構造を示す。

0026

図9は、本開示のADMETおよび他の特性について評価した様々な化合物の化学構造を示す。

0027

図10は、本開示の化合物について算出したバイオアベイラビリティデータを示す。すべてのADMEデータを、ADME Suite v4.95.3を使用して算出した。ヒト経口バイオアベイラビリティ(%F)ヒト経口バイオアベイラビリティ(%F)は、経口投与後に体系的循環に達する化合物の割合である。薬物は、生体利用可能となるために、以下の要件適合しなければならない。または腸内の可変pHの下で溶解すること、pH<2で酸加水分解に耐えること、受動的または能動的輸送によって腸管膜を透過すること、腸内の代謝酵素協調して生じるP−gp流出に耐えること、および肝臓内初回通過代謝に耐えること。

0028

図11は、本開示の様々な化合物について算出した水溶解度(log Sw)を示す。25℃および生理的に重要な様々なpH値の純水への化合物の溶解度(log Sw)を予測した。

0029

図12は、本開示の様々な化合物について算出したpH依存的な溶解度を示す。

0030

図13は、本開示の様々な化合物について算出したヒト腸管の受動的吸収を示す。ヒト腸管透過性を、経細胞経路および傍細胞経路の透過性を考慮して、化合物の腸管最大受動的吸収を推定することによって評価した。また、空腸およびCaco−2透過性などの吸収と関係する特性、ならびに吸収速度(ka)値を、親油性(log P)および電離(pKa)定数を使用して算出した。

0031

図14は、本開示の様々な化合物について算出した、腸管バリアを横切る能動的輸送を示す。輸送の算出には、PepT1(オリゴペプチド輸送体)の推定およびASBT胆汁酸輸送体)基質の予測が含まれていた。

0032

図15は、本開示の様々な化合物について算出したP−糖タンパク質特異性を示す。アルゴリズムにより、P−gp基質および/または阻害剤を同定する。基質は、P−gpによって輸送(流出)される化合物である。阻害剤は、標準基質カルセイン−AM等)のP−gp輸送を遮断する化合物である。

0033

図16は、本開示の様々な化合物について算出した組織分布を示す。ソフトウェアによって、血漿タンパク質の結合の程度を予測して、薬理学的に活性な遊離形態で循環する化合物の百分率を得、血漿身体組織との間の化合物の分布を推定するために、見かけ分布体積を算出する。

0034

図17は、本開示の様々な化合物とチトクロムP450との算出された相互作用を示す。ソフトウェアによって、化合物が、代謝反応の大部分に関与する5つのチトクロムP450(CYP)イソ型:3A4、2D6、2C9、2C19、および1A2と、どの程度相互作用するかを算出する。

0035

図18は、Tox Suite v 2.95を用いて算出した、本開示の様々な化合物から得られる遺伝毒性尤度を表すデータを示す。遺伝毒性=陽性Ames試験の確率。Ames試験は、化合物の変異促進特性を評価するための最も一般的な試験の1つである。Ames試験は、短期間の細菌復帰変異試験である。この試験は、様々なS.thyphimuriumおよびE.coli細菌株で実施される。Ames試験は、薬物および化学物質産業においてNCEの変異促進特性を決定するための初期スクリーニングとして、世界的に使用されている。

0036

図19は、本開示の様々な化合物がhERGを阻害する算出された尤度を表すデータを示す。hERGカリウムイオンチャネル阻害の研究は、薬理学的安全性の研究における新興分野を構成する。薬物とhERGチャネルの相互作用は、QT延長症候群をもたらし、特徴的な「多形性心室頻拍不整脈として症状発現し、心室細動によって引き起こされる偶発致死をもたらすおそれがある。近年、いくつかの有望な薬物が、hERGチャネル阻害によって誘発されたいくつかの突然心臓死に起因して、市場から回収されている。したがって、安全上の問題を有する潜在的な可能性があるリード早期同定は、R&Dプロジェクト費用がかさむ失敗を防止するために極めて重要である。

0037

図20は、本開示の様々な化合物について算出した、健康への影響の確率を示す。健康への影響に関する予測は、特定の器官または器官系報告された有害作用を伴う長期間の毒性研究に基づく。

0038

図21は、本開示の様々な化合物について算出したLD50値を示す。LD50値は、動物の様々な急性作用および死亡を引き起こす「累積潜在可能性」の指標みなすことができ、最も広く使用されている、化学物質の「急性全身毒性」の尺度である。

0039

図22は、IL−22およびIFN−γレベルに対する本開示の様々な化合物の、最終濃度200nMにおける効果を示す。

0040

図23は、IL−22およびIFN−γレベルに対する本開示の様々な化合物の効果、ならびに公知のAhR結合剤であるFiczの化学的構造を示す。

0041

図24は、IL−22およびIFN−γレベルに対する本開示の様々な化合物の効果を示す。入力ごとに、第1の番号は化合物番号を指し、第2の番号は、nMでの濃度を示す。したがって、「02 100」は、濃度100nMの化合物2の投与を指し、「04 200」は、濃度200nMの化合物4の投与を指し、他も同様である。

0042

図25(A)は、正常な患者6人(対照群CTR)、潰瘍性大腸炎の患者7人(UC)、およびクローン病の患者7人(CD)の腸粘膜から単離された線維芽細胞におけるAhR転写物の、リアルタイムPCRによる評価およびβ−アクチンへの正規化を示す。図25(B)は、正常な患者5人(CTR)、UCの患者5人、およびCDの患者5人から単離された線維芽細胞におけるAhRのフローサイトメトリー分析を示す。右の挿入図は、CTR1人、UCの患者1人、およびCDの患者1人から単離されたAhRを発現する線維芽細胞の代表的なヒストグラムを示す。アイソタイプ対照IgGによる染色も示されている。データは、すべての実験の平均+/−SDを示す。まとめると、これらのデータにより、腸管線維芽細胞が、AhRを構成的に発現することが実証される。

0043

図26(A)は、Ficz(100、200、または400nM)の存在下または非存在下で、クローン病(CD)腸管線維芽細胞をTGF−β(1ng/mL)で刺激した結果を示す。図26(B)は、Ficz(100、200、または400nM)の存在下または非存在下で、CD腸管線維芽細胞をTNF−α(15ng/mL)で刺激した結果を示す。Col1A1、Col3A1、およびα−SMAを、24時間後のリアルタイムPCRによって調査した。データは、3回の実験の平均+/−SDを示す。まとめると、これらのデータにより、AhR活性化が、線維促進性(pro−fibrotic)サイトカインによって誘発された線維芽細胞コラーゲン発現を阻害することが実証される。
図26(A)は、Ficz(100、200、または400nM)の存在下または非存在下で、クローン病(CD)腸管線維芽細胞をTGF−β(1ng/mL)で刺激した結果を示す。図26(B)は、Ficz(100、200、または400nM)の存在下または非存在下で、CD腸管線維芽細胞をTNF−α(15ng/mL)で刺激した結果を示す。Col1A1、Col3A1、およびα−SMAを、24時間後のリアルタイムPCRによって調査した。データは、3回の実験の平均+/−SDを示す。まとめると、これらのデータにより、AhR活性化が、線維化促進性(pro−fibrotic)サイトカインによって誘発された線維芽細胞コラーゲン発現を阻害することが実証される。

0044

図27(A)は、CH223191(a−AhR、最終濃度10μM)の存在下または非存在下で、クローン病(CD)腸管線維芽細胞をTGF−β(1ng/mL)で刺激した結果を示す。図27(B)は、CH223191(a−AhR、最終濃度10μM)の存在下または非存在下で、CD腸管線維芽細胞をTNF−α(15ng/mL)で刺激した結果を示す。Col1A1、Col3A1、およびα−SMAを、24時間後のリアルタイムPCRによって分析した。データは、3回の実験の平均+/−SDを示す。
図27(A)は、CH223191(a−AhR、最終濃度10μM)の存在下または非存在下で、クローン病(CD)腸管線維芽細胞をTGF−β(1ng/mL)で刺激した結果を示す。図27(B)は、CH223191(a−AhR、最終濃度10μM)の存在下または非存在下で、CD腸管線維芽細胞をTNF−α(15ng/mL)で刺激した結果を示す。Col1A1、Col3A1、およびα−SMAを、24時間後のリアルタイムPCRによって分析した。データは、3回の実験の平均+/−SDを示す。

0045

図28(A)〜(D)は、Ficz((A)および(B))またはCH223191(a−AhR、最終濃度10μM)((C)および(D))の存在下または非存在下で、TGF−β(1ng/mL)((A)および(C))またはTNF−α(15ng/mL)((B)および(D))によって48時間刺激したクローン病(CD)線維芽細胞の上清の総コラーゲン分析を示す。データは、3回の実験の平均+/−SDを示す。まとめると、これらのデータにより、AhRがコラーゲン分泌を制御することが示される。

0046

図29(A)は、Ficz(最終濃度200nM)またはCH223191(a−AhR、最終濃度10μM)の存在下または非存在下で、刺激しなかった(Unst)、またはTGF−β(1ng/mL)もしくはTNF−α(15ng/mL)で24時間刺激した、p−p38+、p−ERK1/2+、p−NF−kBp65+、またはp−Smad2/3+を発現するCD腸管線維芽細胞の百分率を示す。p−P38(pT180/pY182)、p−ERK1/2(pT202/pY204)(pT184/pY186)、p−NF−kBp65、およびp−Smad2/3の評価は、フローサイトメトリーによって達成した。数値は、指定されたゲートにおけるp−p38+、p−ERK1/2+、p−NF−kBp65+、またはp−Smad2/3+細胞の百分率を示す。アイソタイプ対照染色も示されている。3人の患者の細胞を使用した3つの代表的な実験の1つを示す。図29(B)は、Ficz(最終濃度200nM)またはCH223191(a−AhR、最終濃度10μM)の存在下または非存在下で、TGF−β(1ng/mL)またはTNF−α(15ng/mL)のいずれかで24時間刺激した3人のCD患者から単離されたp−p38+、p−ERK1/2+、p−NF−kBp65+、またはp−Smad2/3+線維芽細胞の百分率を示す。データは、3回の実験の平均±SDを示す。*p<0.04対非刺激;**p<0.001対非刺激;#p<0.03対TGF−β;+p<0.02対TNF−α。まとめると、これらのデータにより、AhR活性化が、クローン病(CD)線維芽細胞においてp38およびERK1/2の不活化をもたらすことが実証される。
図29(A)は、Ficz(最終濃度200nM)またはCH223191(a−AhR、最終濃度10μM)の存在下または非存在下で、刺激しなかった(Unst)、またはTGF−β(1ng/mL)もしくはTNF−α(15ng/mL)で24時間刺激した、p−p38+、p−ERK1/2+、p−NF−kBp65+、またはp−Smad2/3+を発現するCD腸管線維芽細胞の百分率を示す。p−P38(pT180/pY182)、p−ERK1/2(pT202/pY204)(pT184/pY186)、p−NF−kBp65、およびp−Smad2/3の評価は、フローサイトメトリーによって達成した。数値は、指定されたゲートにおけるp−p38+、p−ERK1/2+、p−NF−kBp65+、またはp−Smad2/3+細胞の百分率を示す。アイソタイプ対照染色も示されている。3人の患者の細胞を使用した3つの代表的な実験の1つを示す。図29(B)は、Ficz(最終濃度200nM)またはCH223191(a−AhR、最終濃度10μM)の存在下または非存在下で、TGF−β(1ng/mL)またはTNF−α(15ng/mL)のいずれかで24時間刺激した3人のCD患者から単離されたp−p38+、p−ERK1/2+、p−NF−kBp65+、またはp−Smad2/3+線維芽細胞の百分率を示す。データは、3回の実験の平均±SDを示す。*p<0.04対非刺激;**p<0.001対非刺激;#p<0.03対TGF−β;+p<0.02対TNF−α。まとめると、これらのデータにより、AhR活性化が、クローン病(CD)線維芽細胞においてp38およびERK1/2の不活化をもたらすことが実証される。

0047

図30(A)は、TNBS誘発性腸管線維症モデルの概略図を示す。Balb/cマウスに、TNBS処置毎週施し、FiczまたはCH223191(a−AhR)を、5回目のTNBS投与の後から開始して投与した。図30(B)は、マッソントリクロームで染色した、対照(CTR)マウス、およびFiczまたはCH223191(a−AhR)を受容したTNBS処置マウスの代表的な結腸横断面を示す。軽度、中程度、および重度線維症を有する動物の百分率も示されている。図30(C)は、リアルタイムPCRによって分析した、CTRマウス、およびFiczまたはCH223191(a−AhR)を注射したTNBS処置マウスから採取した結腸試料におけるCol1A2の相対的RNA発現データを示す。図30(D)は、比色アッセイによって分析した総コラーゲン含量データ(μg/mg)を示す。データは、3回の別個の実験の平均+/−SDを示す(1群当たりn=合計12のマウス)。まとめると、これらのデータにより、Ficz処置マウスが、TNBS誘発性腸管線維症から大部分保護されることが実証される。

0048

一態様では、本開示は、式Iによる化合物



または薬学的に許容されるその塩を提供する[式中、
Aは、



であり、
Arは、



によって表され、
G1は、CR4またはNであり、
G2、G3、およびG4は、それぞれ独立に、CR42またはNR1であり、
X1は、出現するごとに独立に、H、ハロゲン、−OH、−CN、C1〜6アルキル、C
2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、−O−フェニル、−N(R1)2、−NO2、−C1〜6アルキレン−N(R1)2、−C(O)N(R3)2、−CO2R3、−C(O)R3、−SR3、−SO2R3、−SO3R3、または−SO2N(R3)2であり、
X2は、出現するごとに独立に、H、ハロゲン、−OH、−CN、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、−O−フェニル、−N(R1)2、−NO2、−C1〜6アルキレン−N(R1)2、−C(O)N(R3)2、−CO2R3、−SR3、−SO2R3、−SO3R3、または−SO2N(R3)2であり、
R1は、出現するごとに独立に、HまたはC1〜6アルキルであり、
R2は、出現するごとに独立に、HまたはC1〜6アルキルであり、
R3は、出現するごとに独立に、H、C1〜6アルキル、フェニル、またはヘテロアリールからなる群より選択され、
R4は、出現するごとに独立に、H、C1〜6アルキル、およびハロゲンからなる群より選択され、
nは、出現するごとに独立に、0、1、2、または3であり、
mは、出現するごとに独立に、0、1、2、3、または4であり、
ここで、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、または−O−フェニルの各場合は、ハロゲン、−OH、−CN、−NR’R’’ −C(O)N(R’R’’)、および−C(O)R’からなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基により任意選択置換されていてもよく(R’およびR’’は、それぞれ独立に、H、メチルエチルプロピルもしくはブチルから選択され、またはR’およびR’’は、一緒になって、4〜6員の複素環を形成する)、
Aが、



である場合、G1は、CHであり、G3およびG4は、CH2であり、G2は、NR1であり、X2は、Hではない(すなわち存在せず、nは0である)]。

0049

ある特定の実施形態では、G1は、Nである。

0050

ある特定の実施形態では、G2は、NHである。

0051

ある特定の実施形態では、G1は、CHであり、G2は、NHであり、G3およびG4は、CH2である。

0052

ある特定の実施形態では、G1は、Nであり、G2、G3およびG4は、CH2である。

0053

ある特定の実施形態では、G1は、Nであり、G2およびG3は、CH2であり、G4は、NHである。

0054

ある特定の実施形態では、G1は、Nであり、G2およびG4は、CH2であり、G3は、NHである。

0055

ある特定の実施形態では、G1は、CHであり、G2およびG4は、NHであり、G3
は、CH2である。

0056

ある特定の実施形態では、Arは、



であり、mは、1または2である。

0057

ある特定の実施形態では、Arは、



である。

0058

ある特定の実施形態では、X1は、H、ハロゲン、−CN、または−OMeである。

0059

ある特定の実施形態では、X1は、−OMeである。

0060

ある特定の実施形態では、X2は、H、ハロゲン、−OH、−CN、C1〜6アルコキシ、およびCF3からなる群より選択される。

0061

ある特定の実施形態では、X2は、CF3であり、nは、1である。

0062

ある特定の実施形態では、化合物は、



からなる群より選択される。

0063

一態様では、本開示は、式I−Aによる化合物



または薬学的に許容されるその塩[式中、
X1は、存在する場合、出現するごとに独立に、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、−O−C1〜6アルキレン−フェニル、C1〜6アシル、−CO2R3、−NO2、−OH、もしくは−N(R1)2であり、またはX1が2つの場合は、一緒になって、−O(CH2)2O−であってもよく、
X2は、H、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、−O−C1〜6アルキレン−フェニル、および−OHからなる群より選択され、
R1は、出現するごとに独立に、HまたはC1〜6アルキルであり、
R3は、出現するごとに独立に、H、C1〜6アルキル、フェニル、またはヘテロアリールであり、
R5は、H、C1〜6アルキル、C1〜6アシル、および−CO2R3からなる群より選択され、
nは、0、1、2、または3であり、
ここで、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、または−O−フェニルの各場合は、ハロゲン、−OH、−CN、−NR’R’’ −C(O)N(R’R’’)、および−C(O)R’からなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基により任意選択で置換されていてもよい(R’およびR’’は、それぞれ独立に、H、メチル、エチル、プロピルもしくはブチルから選択され、またはR’およびR’’は、一緒になって、4〜6員の複素環を形成する)]に関する。

0064

ある特定の実施形態では、X2は、H、−OMe、エチル、−OH、および−OCH2Phからなる群より選択される。

0065

ある特定の実施形態では、R5は、H、アセチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、および−CO2CH2Phからなる群より選択される。

0066

ある特定の実施形態では、X1は、出現するごとに独立に、H、−OMe、−NO2、−CO2Me、メチル、−OC(O)Me、−OCH2Ph、−OH、−NH2、もしくはtert−ブチルであり、またはX1が2つの場合は、一緒になって、−O(CH2)2O−であってもよい。

0067

ある特定の実施形態では、nは、3である。

0068

一態様では、本開示は、式IIによる化合物



または薬学的に許容されるその塩[式中、
Bは、



であり、
Cは、



であり、
Arは、



によって表され、
X1は、出現するごとに独立に、存在する場合、ハロゲン、−OH、−CN、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、−O−フェニル、−N(R1)2、−NO2、−C1〜6アルキレン−N(R1)2、−C(O)N(R3)2、−CO2R3、−C(O)R3、−SR3、−SO2R3、−SO3R3、または−SO2N(R3)2から選択され、
X2は、出現するごとに独立に、存在する場合、ハロゲン、−OH、−CN、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、−O−フェニル、−N(R1)2、−NO2、−C1〜6アルキレン−N(R1)2、−C(O)N(R3)2、−CO2R3、−SR3、−SO2R3、−SO3R3、または−SO2N(R3)2から選択され、
R1は、出現するごとに独立に、HまたはC1〜6アルキルであり、
R3は、出現するごとに独立に、H、C1〜6アルキル、フェニル、またはヘテロアリールであり、
R4は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、−N(R1)2、−C1〜6アルキレン−N(R1)2、−C(O)N(R3)2、および−CO2R3からなる群より選択され、
nは、出現するごとに独立に、0、1、2、または3であり、
mは、出現するごとに独立に、0、1、2、3、または4であり、
ここで、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、または−O−フェニルの各場合は、ハロゲン、−OH、−CN、−NR’R’’ −C(O)N(R’R’’)、および−C(O)R’からなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基により任意選択で置換されていてもよく(R’およびR’’は、それぞれ独立に、H、メチル、エチル、プロピルもしくはブチルから選択され、またはR’およびR’’は、一緒になって、4〜6員の複素環を形成する)、
X3は、NまたはCR4であり、
X4は、NR1、O、またはSであり、
Yは、結合、C1〜6アルキレンまたは−N(R1)−であり、
Bが、



であり、X4が、Sである場合、X2は、Hではない(すなわち存在しない)]に関する。

0069

式IIのある特定の実施形態では、Yは、CH2またはNHである。

0070

ある特定の実施形態では、R4は、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、−C1〜6アルキレン−N(R1)2、および−C(O)N(R3)2からなる群より選択される。

0071

ある特定の実施形態では、R4は、アリルまたは



である。

0072

ある特定の実施形態では、Arは、



であり、mは、1または2である。

0073

ある特定の実施形態では、Arは、



である。

0074

ある特定の実施形態では、X1は、H(すなわち、nは0である)、ハロゲン、−CN、または−OMeである。

0075

ある特定の実施形態では、A、BおよびLは、一緒になって、



によって表される化合物である。

0076

ある特定の実施形態では、X2は、H、ハロゲン、−OH、−CN、C1〜6アルコキシ、およびCF3からなる群より選択される。

0077

ある特定の実施形態では、X2は、CF3であり、nは、1である。

0078

一態様では、本開示は、式IIIによる化合物



または薬学的に許容されるその塩[式中、
Dは、



であり、
Arは、



によって表され、
X1は、存在してもよく、出現するごとに独立に、ハロゲン、−OH、−CN、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、−O−フェニル、−N(R1)2、−NO2、−C1〜6アルキレン−N(R1)2、−C(O)N(R3)2、−CO2R3、−C(O)R3、−SR3、−SO2R3、−SO3R3、または−SO2N(R3)2から選択することができ、
X2は、存在してもよく、出現するごとに独立に、ハロゲン、−OH、−CN、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、−O−フェニル、−N(R1)2、−NO2、−C1〜6アルキレン−N(R1)2、−C(O)N(R3)2、−CO2R3、−SR3、−SO2R3、−SO
3R3、または−SO2N(R3)2から選択することができ、
R1は、出現するごとに独立に、HまたはC1〜6アルキルであり、
R3は、出現するごとに独立に、H、C1〜6アルキル、フェニル、またはヘテロアリールであり、
nは、出現するごとに独立に、0、1、2、または3であり、
mは、出現するごとに独立に、0、1、2、3、または4であり、
ここで、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、または−O−フェニルの各場合は、ハロゲン、−OH、−CN、−NR’R’’ −C(O)N(R’R’’)、および−C(O)R’からなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基により任意選択で置換されていてもよく(R’およびR’’は、それぞれ独立に、H、メチル、エチル、プロピルもしくはブチルから選択され、またはR’およびR’’は、一緒になって、4〜6員の複素環を形成する)、
Dが、



である場合、X2はHではない(すなわち、X2は存在せず、nは0である)]に関する。

0079

ある特定の実施形態では、Arは、



であり、mは、1または2である。

0080

ある特定の実施形態では、Arは、



である。

0081

ある特定の実施形態では、X1は、H、ハロゲン、−CN、または−OMeである。

0082

ある特定の実施形態では、X1は、−OMeである。

0083

ある特定の実施形態では、X2は、H、ハロゲン、−OH、−CN、C1〜6アルコキシ、およびCF3からなる群より選択される。

0084

ある特定の実施形態では、X2は、CF3であり、nは、1である。

0085

一態様では、本開示は、式IVによる化合物



または薬学的に許容されるその塩[式中、
Eは、ヘテロシクリル、5員の複素芳香族、6員の複素芳香族、芳香族、およびC3〜6シクロアルキルからなる群より選択される環であり、ここで、環は、1、2、または3個のX2により任意選択で置換されており、
Arは、



によって表され、
X1は、存在する場合、出現するごとに独立に、H、ハロゲン、−OH、−CN、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、−O−フェニル、−N(R1)2、−NO2、−C1〜6アルキレン−N(R1)2、−C(O)N(R3)2、−CO2R3、−C(O)R3、−SR3、−SO2R3、−SO3R3、または−SO2N(R3)2からなる群より選択され、
X2は、出現するごとに独立に、ハロゲン、−OH、−CN、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、−O−フェニル、−N(R1)2、−NO2、−C1〜6アルキレン−N(R1)2、−C(O)N(R3)2、−CO2R3、−SR3、−SO2R3、−SO3R3、または−SO2N(R3)2からなる群より選択され、
Yは、結合、NR’またはC1〜6アルキレン(例えば、結合またはC1〜2アルキレン)からなる群より選択され、
R1は、出現するごとに独立に、HまたはC1〜6アルキルであり、
R3は、出現するごとに独立に、H、C1〜6アルキル、フェニル、またはヘテロアリールからなる群より選択され、
mは、出現するごとに独立に、0、1、2、3、または4であり、
ここで、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、または−O−フェニルの各場合は、ハロゲン、−OH、−CN、−NR’R’’ −C(O)N(R’R’’)、および−C(O)R’からなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基により任意選択で置換されていてもよい(R’およびR’’は、それぞれ独立に、H、メチル、エチル、プロピルもしくはブチルから選択され、またはR’およびR’’は、一緒になって、4〜6員の複素環を形成する)]に関する。

0086

式IVのある特定の実施形態では、Yは、結合、CH2またはNHである(例えば、Yは、結合であってもよい)。

0087

ある特定の実施形態では、Arは、



であり、mは、1または2である。

0088

ある特定の実施形態では、Arは、



である。

0089

ある特定の実施形態では、X1は、H、ハロゲン、−CN、または−OMeである。

0090

ある特定の実施形態では、X1は、−OMeである。

0091

ある特定の実施形態では、X2は、H、ハロゲン、−OH、−CN、C1〜6アルコキシ、およびCF3からなる群より選択される。

0092

ある特定の実施形態では、X2は、CF3である。

0093

一態様では、本開示は、前述の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。

0094

定義
用語「飽和された」は、本明細書で使用される場合、下記を除いて、そのように修飾された化合物または基が、炭素炭素二重結合も炭素−炭素三重結合も有さないことを意味する。この用語は、炭素−ヘテロ原子多重結合、例えば炭素酸素二重結合または炭素窒素二重結合を排除しない。さらに、ケト−エノール互変異性またはイミンエナミン互変異性の一部として生じ得る炭素−炭素二重結合を排除しない。

0095

用語「アルキル」は、付着点として炭素原子を有し、直鎖または分岐環式または非環式構造を有し、炭素および水素以外の原子を有さない、一価飽和脂肪族基を指す。したがって、本明細書で使用される場合、シクロアルキルは、アルキルの下位群である。アルキル基の非限定的な例は、基−CH3(Me)、−CH2CH3(Et)、−CH2CH2CH3(n−Pr)、−CH(CH3)2(i−Pr)、−CH(CH2)2(シクロプロピル)、−CH2CH2CH2CH3(n−Bu)、−CH(CH3)CH2CH3(sec−ブチル)、−CH2CH(CH3)2(イソ−ブチル)、−C(CH3)3(tert−ブチル)、−CH2C(CH3)3(ネオペンチル)、シクロブチルシクロペンチルシクロヘキシル、およびシクロヘキシルメチルである。用語「アルキレン」は、付着点(複数可)として1つまたは2つの飽和炭素原子を有し、直鎖または分岐、シクロ、環式または非環式構造を有し、炭素−炭素二重結合または三重結合を有しておらず、炭素および水素以外の原子を有さない、二価の飽和脂肪族基を指す。アルキレン基の非限
定的な例は、基−CH2−(メチレン)、−CH2CH2−、−CH2C(CH3)2CH2−、−CH2CH2CH2−、および



である。

0096

用語「アルケニル」は、付着点として炭素原子を有し、直鎖または分岐、環式または非環式構造を有し、少なくとも1つの非芳香族炭素−炭素二重結合を有し、炭素−炭素三重結合を有しておらず、炭素および水素以外の原子を有さない、一価の不飽和脂肪族基を指す。アルケニル基の非限定的な例として、−CH=CH2(ビニル)、−CH=CHCH3、−CH=CHCH2CH3、−CH2CH=CH2(アリル)、−CH2CH=CHCH3、および−CH=CH−C6H5が挙げられる。

0097

用語「アルキニル」は、付着点として炭素原子を有し、直鎖または分岐、シクロ、環式または非環式構造を有し、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有し、炭素および水素以外の原子を有さない、一価の不飽和脂肪族基を指す。本明細書で使用される場合、用語アルキニルは、1つまたは複数の非芳香族炭素−炭素二重結合の存在を排除しない。アルキニル基の非限定的な例は、基−C≡CH、−C≡CCH3、および−CH2C≡CCH3である。

0098

用語「アリール」は、付着点として芳香族炭素原子を有する一価の基を指し、前記炭素原子は、1つまたは複数の6員の芳香族環構造(複数可)の一部を形成し、環原子は、すべて炭素であり、一価の基は、炭素および水素以外の原子からなることはない。アリール基の非限定的な例として、フェニル(Ph)、メチルフェニル、(ジメチル)フェニル、−C6H4−CH2CH3(エチルフェニル)、−C6H4−CH2CH2CH3(プロピルフェニル)、−C6H4−CH(CH3)2、−C6H4−CH(CH2)2、−C6H3(CH3)CH2CH3(メチルエチルフェニル)、−C6H4−CH=CH2(ビニルフェニル)、−C6H4−CH=CHCH3、−C6H4C≡CH、−C6H4C≡CCH3、ナフチル、およびビフェニル由来の一価の基が挙げられる。

0099

用語「ヘテロアリール」は、付着点として芳香族炭素原子または窒素原子を有する一価の芳香族基を指し、前記炭素原子または窒素原子は、1つまたは複数の芳香族環構造の一部を形成し、環原子の少なくとも1つは、窒素、酸素または硫黄であり、ヘテロアリール基は、炭素、水素、芳香族窒素芳香族酸素および芳香族硫黄以外の原子からなることはない。本明細書で使用される場合、この用語は、芳香族環または芳香族環系に付着している1つまたは複数のアルキル、アリール、および/またはアラルキル基の存在(炭素数限界値許す限り)を排除しない。2つ以上の環が存在する場合、環は、縮合されていてもよく、または縮合されていなくてもよい。ヘテロアリール基の非限定的な例として、フラニルイミダゾリルインドリルインダゾリルイソオキサゾリル、メチルピリジニルオキサゾリル、フェニルピリジニル、ピリジニル、ピロリル、ピリミジニルピラジニルキノリルキナリルキノキサリニルトリアジニルテトラゾリルチアゾリルチエニル、およびトリアゾリルが挙げられる。

0100

用語「ヘテロシクリル」は、付着点として炭素原子または窒素原子を有する一価の非芳香族基を指し、前記炭素原子または窒素原子は、1つまたは複数の非芳香族環構造の一部を形成し、環原子の少なくとも1つは、窒素、酸素または硫黄であり、ヘテロシクリル基は、炭素、水素、窒素、酸素および硫黄以外の原子からなることはない。本明細書で使用される場合、この用語は、環または環系に付着している1つまたは複数のアルキル基の存
在(炭素数の限界値が許す限り)を排除しない。2つ以上の環が存在する場合、環は、縮合されていてもよく、または縮合されていなくてもよい。ヘテロシクリル基の非限定的な例として、アジリジニルピロリジニルピペリジニルピペラジニルモルホリニルチオモルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロピラニル、およびピラニルが挙げられる。

0101

用語「アシル」は、基−C(O)Rを指し、ここでRは、水素、アルキル、アリール、アラルキルまたはヘテロアリールであり、それらの用語は、先に定義されている通りである。アシル基の非限定的な例は、基−CHO、−C(O)CH3(アセチル、Ac)、−C(O)CH2CH3、−C(O)CH2CH2CH3、−C(O)CH(CH3)2、−C(O)CH(CH2)2、−C(O)C6H5、−C(O)C6H4−CH3、−C(O)CH2C6H5、−C(O)(イミダゾリル)である。「チオアシル」は、基−C(O)Rの酸素原子が、硫黄原子で置き換えられていることを除いて、同様に定義される。

0102

用語「アルコキシ」は、基−ORを指し、ここでRは、アルキルであり、その用語は、先に定義されている通りである。アルコキシ基の非限定的な例として、−OCH3、−OCH2CH3、−OCH2CH2CH3、−OCH(CH3)2、−OCH(CH2)2、−O−シクロペンチル、および−O−シクロヘキシルが挙げられる。

0103

「薬学的に許容される」の定義は、活性成分生物活性の有効性を妨害せず、それが投与される宿主に毒性がない任意の担体、塩形態、または他の薬剤包含することを意味する。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症なしに、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当ベネフィットリスク比に見合う緩衝液、担体、希釈剤、および賦形剤を意味する。担体(複数可)は、製剤のその他の成分と適合性があり、レシピエントにとって有害でないという意味で「許容され」なければならない。薬学的に許容される担体には、薬学的投与と適合性がある緩衝液、溶媒分散媒コーティング等張剤(isotonic agent)および吸収遅延剤等が含まれる。「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、所望の薬理学的活性を有する、本開示の化合物の塩を意味する。このような塩には、塩酸臭化水素酸硫酸硝酸リン酸などの無機酸、または1,2−エタンジスルホン酸2−ヒドロキシエタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸3−フェニルプロピオン酸、4,4’−メチレンビス(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン−1−カルボン酸、酢酸脂肪族モノカルボン酸およびジカルボン酸脂肪族硫酸、芳香族硫酸、ベンゼンスルホン酸安息香酸カンファースルホン酸炭酸ケイ皮酸クエン酸シクロペンタンプロピオン酸エタンスルホン酸フマル酸グルコヘプトン酸、グルコン酸グルタミン酸グリコール酸ヘプタン酸ヘキサン酸ヒドロキシナフトエ酸乳酸ラウリル硫酸、マレイン酸リンゴ酸マロン酸マンデル酸メタンスルホン酸ムコン酸、o−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、シュウ酸、p−クロロベンゼンスルホン酸フェニル置換アルカン酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸ピルビン酸サリチル酸ステアリン酸コハク酸酒石酸第三級ブチル酢酸、トリメチル酢酸などの有機酸を用いて形成された酸付加塩が含まれる。また、薬学的に許容される塩には、存在する酸性プロトンが無機または有機塩基と反応することができる場合に形成され得る塩基付加塩が含まれる。許容される無機塩基には、水酸化ナトリウム炭酸ナトリウム水酸化カリウム水酸化アルミニウムおよび水酸化カルシウムが含まれる。許容される有機塩基には、エタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミントロメタミンN−メチルグルカミン等が含まれる。本発明の任意の塩の一部を形成する特定のアニオンまたはカチオンは、その塩が全体として薬理学的に許容される限り、それほど重要でないことを認識されたい。薬学的に許容される塩、ならびにそれらの調製および
使用方法のさらなる例は、参照によって本明細書に組み込まれる、Handbook of Pharmaceutical Salts Properties, and Use(P. H. StahlおよびC. G. Wermuth編、Verlag Helvetica Chimica Acta、2002年)に提示されている。

0104

本開示の化合物は、1つまたは複数のキラル中心を含有することができ、したがって、立体異性体として存在する。用語「立体異性体」は、本明細書で使用される場合、あらゆる鏡像異性体またはジアステレオマーからなる。これらの化合物は、不斉炭素原子周りの置換基の立体配置に応じて、記号「(+)」、「(−)」、「R」または「S」によって指定され得るが、当業者は、その構造が、キラル中心を暗黙的に示し得ることを認識されよう。本発明は、これらの化合物の様々な立体異性体およびそれらの混合物を包含する。鏡像異性体またはジアステレオマーの混合物は、命名法で「(±)」で指定され得るが、当業者は、その構造が、キラル中心を暗黙的に示し得ることを認識されよう。

0105

本開示の化合物は、1つまたは複数の二重結合を含有することができ、したがって、炭素−炭素二重結合の周りの置換基の配置から生じる幾何異性体として存在する。記号



は、本明細書に記載の通り、単結合、二重結合または三重結合であり得る結合を示す。炭素−炭素二重結合の周りの置換基は、「Z」または「E」立体配置中に存在するものと指定され、ここで用語「Z」および「E」は、IUPAC標準に従って使用される。別段の指定がない限り、二重結合を図示する構造は、「E」および「Z」異性体の両方を包含する。あるいは、炭素−炭素二重結合の周りの置換基は、「シス」または「トランス」と呼ぶことができ、ここで「シス」は、二重結合の同じ側にある置換基を表し、「トランス」は、二重結合の互いに反対側にある置換基を表す。

0106

本開示の化合物は、炭素環または複素環を含有することができ、したがって、環の周りの置換基の配置から生じる幾何異性体として存在する。炭素環または複素環の周りの置換基の配置は、「Z」または「E」立体配置中に存在するものと指定され、ここで用語「Z」および「E」は、IUPAC標準に従って使用される。別段の指定がない限り、炭素環または複素環式環を図示する構造は、「Z」および「E」異性体の両方を包含する。また、炭素環または複素環の周りの置換基は、「シス」または「トランス」と呼ぶことができ、ここで用語「シス」は、環の平面の同じ側にある置換基を表し、用語「トランス」は、環の平面の互いに反対側にある置換基を表す。置換基が環の平面の同じ側および反対側の両方に配置される化合物の混合物は、「シス/トランス」と指定される。

0107

本発明の化合物の個々の鏡像異性体およびジアステレオマー(diasteriomer)は、非対称もしくは不斉中心を含有する市販の出発材料から、またはラセミ混合物を調製した後、当業者に周知の分割方法を行うことによって、合成的に調製することができる。これらの分割方法は、(1)キラル補助基(chiral auxiliary)への鏡像異性体混合物の付着、再結晶化もしくはクロマトグラフィーによるジアステレオマーの生成混合物の分離、および補助基からの光学的に純粋な生成物遊離、(2)光学的に活性な分割剤を用いる塩の形成、(3)キラル液体クロマトグラフィーカラム上の光学的鏡像異性体の混合物の直接的な分離、または(4)立体選択的な化学的もしくは酵素的試薬を使用する速度論的分割によって例示される。また、ラセミ混合物は、キラル相液体クロマトグラフィーまたはキラル溶媒における化合物の結晶化などの周知の方法によって、それらの構成成分の鏡像異性体に分割することができる。単一の反応物が、新しい立体中心の作成中または既存の中心の変換中、立体異性体の不均等な混合物を形成する、立体選択的な合成である化学的または酵素的反応は、当技術分野で周知である。立体選択的な合成は、エナンチオ選択的およびジアステレオ選択的な変換の両方を包含し、キラル補助
基を使用してもよい。例えば、CarreiraおよびKvaerno、Classics in Stereoselective Synthesis、Wiley−VCH: Weinheim、2009年参照。

0108

本明細書に開示の化合物は、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態および非溶媒和形態で存在することができ、本発明が溶媒和形態および非溶媒和形態の両方を包含することが企図される。一実施形態では、化合物は、非晶質である。一実施形態では、化合物は、単一の多形である。別の実施形態では、化合物は、多形の混合物である。別の実施形態では、化合物は、結晶形である。

0109

本発明はまた、1つまたは複数の原子が、通常天然で見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられていることを除き、本明細書に列挙されているものと同一の、同位体的に標識された本発明の化合物を包含する。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体、例えばそれぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clが挙げられる。例えば、本発明の化合物は、1つまたは複数のH原子が重水素で置き換えられていてもよい。

0110

ある特定の同位体的に標識された本開示の化合物(例えば、3Hおよび14Cで標識されたもの)は、化合物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。化合物の調製および検出性を容易にするには、トリチウム標識(すなわち、3H)および炭素−14(すなわち、14C)同位体が、特に好ましい。さらに、より重い同位体、例えば重水素(すなわち、2H)による置換では、より高い代謝安定性(例えば、in vivo半減期の延長または必要投与量の低減)から生じるある特定の治療上の利点を得ることができ、したがって、一部の環境において好ましい場合がある。同位体的に標識された本発明の化合物は、一般に、本明細書に記載の実施例に開示のものに類似の手順に従って、非同位体的に標識された試薬を同位体的に標識された試薬で置換することによって調製することができる。

0111

「患者」または「被験体」は、本明細書に記載の通り、炎症状態の危険性にある、炎症状態に罹患している、または炎症状態であると診断された、それらに限定されるものではないが、哺乳動物霊長類、およびヒトを含む任意の動物を指す。ある特定の実施形態では、患者は、例えばネコイヌ、またはウマなどの非ヒト哺乳動物であり得る。患者は、炎症状態を発症する危険性が高いと診断された個体、炎症状態と診断された個体、既に炎症状態に罹患したことがある個体、または炎症状態の症状もしくは適応症があると評価された個体であり得る。

0112

「それを必要としている患者」は、本明細書で使用される場合、炎症状態の症状もしくは症状発現のいずれか、例えば炎症性腸疾患に罹患している患者、炎症状態の症状もしくは症状発現のいずれかに罹患し得る患者、または炎症状態を処置するための本発明の方法から利益を得られると思われる任意の患者を指す。それを必要としている患者には、炎症性腸疾患などの炎症状態を発症する危険性があると診断されている患者、炎症状態に既に罹患している患者、またはこのような状態に対して既に処置されている患者が含まれ得る。

0113

用語「処置する」、「処置」、「処置すること」等は、本明細書では一般に、所望の薬理学的および/または生理的効果を得ることを意味するために使用される。効果は、疾患もしくはその症状を完全にもしくは部分的に防止する観点から予防的であってもよく、かつ/または疾患および/もしくは疾患に起因する有害作用を部分的にもしくは完全に治癒
する観点から治療的であってもよい。用語「処置」は、本明細書で使用される場合、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の処置を包含し、それには、(a)疾患に対する素因を有し得るが、まだ疾患を有していると診断されていない被験体において、その疾患が生じるのを防止すること、(b)疾患を阻害すること、すなわち疾患がその重症度または範囲を増大するのを防止すること、(c)疾患を軽減すること、すなわち疾患の部分的もしくは完全な好転(amelioration)を引き起こすこと、または(d)疾患の再発を防止すること、すなわち疾患の症状の処置もしくは疾患の処置が過去に成功した後、その疾患が活性状態に戻るのを防止することが含まれる。

0114

「有効量」は、本明細書で使用される場合、患者に投与されると、状態を少なくとも部分的に処置するのに十分な薬剤の量を指す。治療有効量は、状態の重症度、構成成分の投与経路、および処置されている患者の年齢、体重等に応じて変わる。したがって、本開示の化合物の有効量は、本明細書で企図される患者の1つもしくは複数の状態もしくは疾患を処置し、したがって薬剤の投与によってその状態(複数可)が被験体において生じるのを防止し、状態の進行を防止し(例えば、状態の症状の発症または重症度の増大を防止し)、または状態のすべての関連症状緩和もしくは完全に好転させ、すなわち状態の退行を引き起こすのに必要となるような化合物の量である。また、有効量は、所望の生物学的効果、例えばINF−γレベルの低下をもたらすのに必要となるような化合物の量であってもよい。

0115

処置の有効性は、炎症状態と関連する症状全体の評価、組織学分析(analysis
of tissue histology)、生化学アッセイ画像化法、例えば磁気共鳴画像化、または他の公知の方法などを用いることによって評価することができる。例えば、処置の有効性は、本明細書に記載の化合物の投与後の、組織の炎症、腹痛嘔吐下痢直腸出血痙攣、筋痙縮体重減少栄養失調発熱貧血、または炎症状態と関連する病理全体の他の態様の変化などの状態の症状全体を分析することによって、評価され得る。

0116

また、処置の有効性は、例えば、組織生検材料(例えば、胃腸管組織生検材料)を得、組織または細胞全体の形態または染色特性を評価することによって、組織または細胞のレベルで評価することができる。また、タンパク質またはRNA発現を調査する生化学アッセイは、処置の有効性を評価するために使用することができる。例えば、IL−22、IFN−γ、あるいは1つもしくは複数の炎症状態(複数可)、炎症性サイトカイン産生、または解離細胞もしくは非解離組織におけるIL−22媒介性炎症応答を示す別のタンパク質または遺伝子産物のレベルを、免疫細胞化学的免疫組織化学的、ウェスタンブロッティング、もしくはノーザンブロッティング方法、または定量的もしくは半定量的ポリメラーゼ連鎖反応などのRNAレベルを評価するのに有用な方法を介して評価することができる。病状および処置の有効性を評価するための糞便物質、血漿、または血清において見出される、有用なバイオマーカーの存在または発現レベルを評価することもできる。

0117

方法
本開示は、有効量の本明細書に開示の化合物を患者に投与するステップを含む、それを必要としている患者の炎症状態を処置する方法を提供する。本明細書で企図される例示的な炎症状態には、クローン病、胃十二指腸クローン病、クローン(肉芽腫性)大腸炎、潰瘍性大腸炎、コラーゲン性大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性大腸炎、空置大腸炎、ベーチェット病、顕微鏡的大腸炎、潰瘍性直腸炎直腸S状結腸炎、空回腸炎、左側結腸炎、全大腸炎、回結腸炎、回腸炎、不確定大腸炎および好酸球性腸炎が含まれる。企図される他の炎症状態には、軟骨の炎症、骨分解、関節リウマチ、関節炎、乾癬性関節炎、過敏性肺炎肝疾患、例えば脂肪肝肝炎肝臓脂肪症、および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、線維症(例えば、腸管線維症、肺線維症、または肝線維症)、自己免疫性
性症候群(autoimmune polyendocrine syndrome)、アジソン病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギランバレー症候群、橋本脳症、乾癬、橋本甲状腺炎、若年性関節炎(例えば、若年性特発性関節炎)、紅斑性狼瘡、多発性硬化症、アルツハイマー病、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、ざ瘡、I型真性糖尿病、自己免疫性肝炎、メニエール疾患、レイノー現象、シェーグレン症候群強直性脊椎炎慢性疲労症候群リウマチ性多発筋痛変形性関節症前立腺炎、ならびにライター症候群が含まれる。ある特定の実施形態では、患者は、哺乳動物である。ある特定の他の実施形態では、患者は、ヒトである。

0118

ある特定の実施形態では、炎症性疾患または状態を処置する方法が提供され、ここで疾患または状態は、炎症性腸疾患、軟骨の炎症、骨分解、潰瘍性大腸炎、乾癬、関節炎、乾癬性関節炎、関節リウマチ、若年性関節炎、若年性関節リウマチ、自己免疫性肝炎、クローン病、紅斑性狼瘡、多発性硬化症、アルツハイマー病、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、ざ瘡、I型真性糖尿病、レイノー現象、グレーブス病、およびアジソン病からなる群より選択され、方法は、それを必要としている患者に、有効量の本開示の化合物を投与するステップを含む。ある特定の実施形態では、患者は、哺乳動物である。ある特定の他の実施形態では、患者は、ヒトである。

0119

それを必要としている患者に、有効量の本開示の化合物を投与するステップを含む、クローン病および/または潰瘍性大腸炎および/または炎症性腸疾患を処置する方法が提供される。ある特定の実施形態では、患者は、哺乳動物である。ある特定の他の実施形態では、患者は、ヒトである。

0120

ある特定の実施形態では、炎症性疾患または状態は、クローン病、潰瘍性大腸炎、コラーゲン性大腸炎、リンパ球性大腸炎、空置大腸炎、ベーチェット病、特発性炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、限局性腸炎、痙攣性結腸、顕微鏡的大腸炎、結腸クローン病、肛門周囲疾患、および不確定大腸炎からなる群より選択される。

0121

ある特定の実施形態では、炎症性疾患または状態は、クローン病である。ある特定の実施形態では、クローン病は、回結腸炎、回腸炎、胃十二指腸クローン病、空回腸炎、および肉芽腫性回結腸炎からなる群より選択される。ある特定の実施形態では、クローン病には、腸管線維症が含まれる。ある特定の実施形態では、クローン病は、線維性狭窄クローン病である。

0122

別の態様では、本開示は、それを必要としている被験体に、治療有効量の本明細書に開示の化合物を投与するステップを含む、被験体の線維性狭窄または腸管線維症を防止、処置または低減する方法を提供する。ある特定の実施形態では、線維性狭窄または腸管線維症は、クローン病と関連する。

0123

炎症性腸疾患は、いくつかの症状と関連し得ると理解され得る。したがって、本開示は、それを必要としている患者に、有効量の本開示の化合物を投与するステップを含む、腹痛、嘔吐、下痢、直腸出血、重症の痙攣、筋痙縮、体重減少、栄養失調、発熱、貧血、皮膚病変関節痛、眼の炎症、肝障害、関節炎、壊疽性膿皮症原発性硬化性胆管炎非甲状腺性疾病症候群(non−thyroidal illness syndrome)、および小児成長欠陥からなる群より選択される炎症性腸疾患の1つまたは複数の症状を軽減する方法を提供する。

0124

一態様では、本開示は、それを必要としている被験体に、治療有効量の本開示の化合物を投与するステップを含む、IFN−γレベルを低減し、かつ/またはIFN−γを阻害する方法に関する。「IFN−γを阻害する」は、本明細書で使用される場合、IFN−
γの発現または活性の完全なまたは部分的な低下を指すことができる。したがって、IFN−γを阻害するとは、IFN−γ遺伝子もしくはクロマチン状態の変化、またはIFN−γ遺伝子産物、例えば、IFN−γRNA、IFN−γタンパク質もしくはIFN−γのペプチド配列の発現を完全にもしくは部分的に低下する、遺伝子転写もしくは遺伝子アクセシビリティ()の調節因子との相互作用の変化を指すことができる。また、IFN−γを阻害するとは、それらに限定されるものではないが、IFN−γ転写、IFN−γRNAプロセシング、IFN−γタンパク質翻訳、またはIFN−γ翻訳後修飾を含めた、IFN−γ遺伝子産物の発現にとって重大なプロセスの阻害を指すことができる。さらに、IFN−γを阻害するとは、IFN−γのペプチド、IFN−γのヌクレオチド産物(例えば、IFN−γのmRNA)、およびIFN−γタンパク質を含めたIFN−γ遺伝子産物の活性の阻害を指すことができる。IFN−γ遺伝子産物の活性の阻害には、IFN−γシグナル伝達の低下、またはIFN−γと、核、小器官細胞質、膜、および細胞外の構成成分を含めた他の細胞構成成分(例えば、タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、脂質、またはシグナル伝達分子)との直接的もしくは間接的な相互作用の低下が含まれ得る。例えば、IFN−γ活性の阻害には、IFN−γ結合もしくはCSF1Rの活性化の阻害、またはCSF1R下流シグナル伝達作用(例えば、MAPキナーゼリン酸化またはマクロファージ増殖)の阻害が含まれ得る。

0125

一態様では、本開示は、それを必要としている被験体に、治療有効量の本開示の化合物を投与するステップを含む、IL−22レベルを増大する方法に関する。このような増大は、免疫を改善もしくは強化し、または免疫防御機能をもたらすものであり得る。

0126

本発明はまた、それを必要としている患者に、有効量の本開示の化合物を投与するステップを含む、炎症状態に罹患している患者の細胞中のIL−22産生を増大する方法を提供する。IL−22産生は、IL−22の発現または活性が生じる胃腸管、免疫系、および血液の細胞を含めた任意の細胞中で増大することができる。胃腸管の細胞(胃、十二指腸、空腸、回腸、結腸、直腸および肛門管の細胞を含む)には、円柱上皮細胞、粘膜上皮細胞酵素原細胞頸部粘液細胞壁細胞ガストリン細胞、杯細胞パネート細胞オリゴ粘液(oligomucus)細胞、および絨毛吸収細胞が含まれる。免疫系細胞には、白血球貪食細胞(例えば、マクロファージ好中球、および樹状細胞)、単球マスト細胞、好酸球、好塩基球ナチュラルキラー細胞、自然細胞(innate cell)、リンパ球、B細胞、およびT細胞が含まれる。血液細胞には、赤血球細胞赤血球)および白血球細胞(白血球、単球、および血小板)が含まれる。

0127

一態様では、本開示は、それを必要としている被験体に、治療有効量の前述の化合物を投与するステップを含む、IL−22レベルを増大し、IFN−γレベルを低減する方法に関する。

0128

一態様では、本開示は、それを必要としている被験体に、治療有効量の前述の化合物を投与するステップを含む、脂質過酸化を阻害する方法に関する。

0129

一態様では、本開示は、前述の化合物である選択的AhRモジュレーターを投与するステップを含む、アリール炭化水素受容体(AhR)をモジュレートする方法に関する。

0130

別の態様では、本発明は、医薬として使用するための本明細書に記載の化合物を提供する。別の態様では、本発明は、炎症性疾患または状態を処置する方法において使用するための本明細書に記載の化合物を提供する。炎症性疾患または状態は、先に定義されている通りのものであり得る。さらに別の態様では、本発明は、クローン病および/または潰瘍性大腸炎および/または炎症性腸疾患を処置する方法において使用するための本明細書に記載の化合物を提供する。クローン病は、先に定義されている通りのものであり得る。別
の態様では、本開示は、線維性狭窄または腸管線維症を防止、処置または低減する方法において使用するための本明細書に記載の化合物を提供する。ある特定の実施形態では、線維性狭窄または腸管線維症は、クローン病と関連する。別の実施形態では、本発明は、炎症性腸疾患の1つまたは複数の症状を軽減する方法において使用するための本明細書に記載の化合物を提供する。症状は、先に定義されている通りのものであり得る。一態様では、本発明は、それを必要としている被験体におけるIFN−γレベルを低減し、かつ/またはIFN−γを阻害する方法において使用するための本明細書に記載の化合物を提供する。IFN−γの阻害は、先に定義されている通りのものであり得る。さらなる一態様では、本発明は、被験体におけるIL−22レベルを増大する方法において使用するための本明細書に記載の化合物を提供する。このような増大は、免疫を改善もしくは強化し、または免疫防御機能をもたらすものであり得る。本発明はまた、炎症状態に罹患している患者の細胞中のIL−22産生を増大する方法において使用するための前述の化合物を提供する。炎症状態は、先に定義されている通りのものであり得る。別の態様では、本発明は、被験体におけるIL−22レベルを増大し、IFN−γレベルを低減する方法において使用するための本明細書に記載の化合物を提供する。本発明はまた、被験体の脂質過酸化を阻害する方法において使用するための本明細書に記載の化合物を提供する。本発明はまた、被験体のアリール炭化水素受容体(AhR)をモジュレートする方法において使用するための化合物を提供する。

0131

医薬組成物および投与経路
本発明はまた、本明細書に記載の化合物を含む医薬組成物を提供する。別の態様では、本発明は、炎症状態の処置において使用するための医薬組成物を提供する。医薬組成物は、本明細書に記載の化合物および薬学的に許容される担体を含み得る。本明細書で使用される場合、用語「医薬組成物」は、例えば、炎症状態を処置するために、哺乳動物、例えばヒトに投与される、薬学的に許容される担体中に特定量治療用化合物、例えば治療有効量の治療用化合物を含有する混合物を意味する。

0132

本開示の化合物は、以下の(1)経口投与、例えば水薬水性または非水性溶液または懸濁液)、ロゼンジ剤糖衣錠カプセル剤丸剤錠剤(例えば、頬側下、および全身吸収を標的としたもの)、ボーラス散剤顆粒剤、舌に塗布するためのペースト、(2)例えば無菌溶液もしくは懸濁液、または徐放製剤としての、例えば皮下、筋肉内、静脈内もしくは硬膜外注射による非経口投与、(3)例えば皮膚に塗布されるクリーム軟膏、または制御放出パッチもしくはスプレーとしての局所適用、(4)例えばペッサリー、クリームもしくは泡状物としての腟内もしくは直腸内、(5)舌下、(6)眼、(7)経皮、(8)経粘膜、あるいは(9)に適合されたものを含めた固体液体またはゲル形態で、被験体に化合物を投与するために特別に製剤化され得る。剤形の例として、それらに限定されるものではないが、錠剤;カプレット(caplet);カプセル剤、例えば硬質ゼラチンカプセル剤および軟質弾ゼラチンカプセル剤カシェ剤トローチ剤;ロゼンジ剤;分散物坐剤;軟膏;パップ剤湿布剤);ペースト剤;散剤;包帯剤;クリーム;硬膏剤;溶液;パッチ;エアロゾル(例えば、鼻用スプレーまたは吸入器);ゲル;液体、例えば懸濁液(例えば、水性もしくは非水性液体懸濁液、水中油エマルジョン、または油中水液体エマルジョン)、溶液、およびエリキシル;ならびに液体剤形を得るために再構築され得る無菌固体(例えば、結晶性または非晶質固体)が挙げられる。

0133

本明細書に記載の化合物を含有する医薬組成物は、単位剤形で提示することができ、任意の適切な方法によって調製することができる。医薬組成物は、その所期の投与経路と適合するように製剤化されるべきである。有用な製剤は、薬学分野で周知の方法によって調製することができる。例えば、Remington’s Pharmaceutical
Sciences、第18版(Mack Publishing Company、1990年)参照。

0134

医薬製剤は、好ましくは無菌である。滅菌は、例えば、無菌濾過膜を介する濾過によって達成することができる。組成物凍結乾燥される場合、濾過滅菌は、凍結乾燥および再構成の前または後に実施することができる。

0135

本発明の医薬組成物は、非経口投与のために製剤化することができ、例えば静脈内、筋肉内、皮下、病巣内、または腹腔内経路を介する注射のために製剤化することができる。本明細書に記載の化合物を含有する水性組成物、例えば水性医薬組成物の調製は、本開示に照らして当業者に公知となろう。典型的に、このような組成物は、注射剤として、液体溶液または懸濁液として調製することができる。また、注射前に液体を添加して溶液または懸濁液を調製するために使用するのに適した固体形態を調製することができ、その調製物は、乳化されていてもよい。

0136

注射用の使用に適した医薬形態には、無菌水性溶液または分散物;ゴマ油ピーナッツ油または水性プロピレングリコールを含む製剤;および注入可能な無菌溶液または分散物の即時調製のための無菌散剤が含まれる。あらゆる場合、その形態は、無菌でなければならず、注射針を容易に通過できる程度に流体でなければならない。その形態は、製造および保存条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物汚染作用から保護されなければならない。

0137

遊離塩基または薬理学的に許容される塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合された水中で調製され得る。また分散物は、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物中で、ならびに油中で調製することができる。さらに、無菌固定油を、溶媒または懸濁化媒体として用いることができる。この目的では、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含めた任意の無刺激性の固定油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製に使用することができる。また、注入可能な無菌調製物は、例えば1,3−ブタンジオール溶液としての、非毒性の非経口に許容される希釈剤または溶媒中の注入可能な無菌溶液、懸濁液、またはエマルジョンであり得る。用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、米国薬局方リンゲル溶液、および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。一実施形態では、化合物は、1%(w/v)カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび0.1%(v/v)TWEEN(商標)80を含む担体流体に懸濁させることができる。これらの調製物は、保存および使用の通常条件下では、微生物の成長を防止するための保存剤を含有する。

0138

注射可能な調製物、例えば、注入可能な無菌水性または油性懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、公知の技術に従って製剤化することができる。一般に、分散物は、滅菌された様々な活性成分を、基本的な分散媒および先に列挙したものの中から必要な他の成分を含有する無菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。本発明の注入可能な無菌溶液は、本明細書に記載の化合物を、必要に応じて先に列挙したその他の様々な成分と共に、必要量の適切な溶媒に組み込んだ後、濾過滅菌することによって調製することができる。注入可能な無菌溶液を調製するための無菌散剤の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、それらによって、活性成分と任意の追加の所望の成分の予め滅菌濾過した溶液から、その粉末を得る。注射可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルターを介する濾過によって、滅菌され得る。

0139

また、筋肉内注射のためにさらにまたは高度に濃縮された溶液の調製が企図される。これに関して、溶媒としてDMSOを使用すると、高濃度の化合物を小さな領域に極めて急速に浸透させ、送達できるので、DMSOの使用が好ましい。

0140

このような溶液に使用するのに適した防腐剤には、塩化ベンザルコニウム塩化ベンゼトニウムクロロブタノールチメロサール等が含まれる。適切な緩衝液には、約pH6〜pH8、好ましくは約pH7〜pH7.5のpHを維持するのに十分な量の、ホウ酸重炭酸ナトリウムおよび重炭酸カリウムホウ酸ナトリウムおよびホウ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム10、酢酸ナトリウム、重リン酸ナトリウム等が含まれる。適切な張度剤(tonicity agent)は、デキストラン40デキストラン70ブドウ糖グリセリン塩化カリウム、プロピレングリコール、塩化ナトリウム等であり、したがって、溶液の塩化ナトリウム当量は、0.9%プラスまたはマイナス0.2%の範囲である。適切な抗酸化剤および安定剤には、亜硫酸水素ナトリウムメタ重亜硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸ナトリウムチオ尿素等が含まれる。適切な湿潤剤および清澄剤には、ポリソルベート80ポリソルベート20、ポロキサマー282およびチロキサポールが含まれる。適切な増粘剤には、デキストラン40、デキストラン70、ゼラチン、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシメチルプロピルセルロースラノリンメチルセルロースワセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールポリビニルピロリドンカルボキシメチルセルロース等が含まれる。

0141

一部の実施形態では、本明細書では、本明細書に記載の化合物の経口送達に適した組成物、例えば腸溶コーティング、例えば胃に耐性がある(gastro−resistant)コーティングを含む錠剤が企図され、したがって組成物は、化合物を、例えば患者の胃腸管に送達することができる。

0142

例えば、本明細書に記載の化合物、および1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤を含む顆粒を含む(例えば、少なくとも部分的に顆粒から形成される)、経口投与のための錠剤が提供される。このような錠剤は、腸溶コーティングでコーティングすることができる。企図される錠剤には、薬学的に許容される賦形剤、例えば充填剤、結合剤、崩壊剤、および/または滑沢剤、ならびに着色剤放出剤(release agent)、コーティング剤甘味剤矯味矯臭剤、例えばウィンターグリーン、オレンジキシリトールソルビトールフルクトース、およびマルトデキストリン、ならびに賦香剤(perfuming agent)、防腐剤および/または抗酸化剤が含まれ得る。

0143

一部の実施形態では、企図される医薬製剤は、本明細書に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩および薬学的に許容される充填剤を含む、顆粒内相を含む。例えば、化合物および充填剤は、任意選択で他の賦形剤と共に全体としてブレンドし、顆粒に形成することができる。一部の実施形態では、顆粒内相は、湿潤造粒を使用して形成することができ、例えば液体(例えば、水)を、ブレンドされた化合物および充填剤に添加し、次にその組合せを乾燥させ、製粉し、かつ/またはにかけて顆粒を生成する。当業者であれば、顆粒内相を得るために他のプロセスを使用できることを理解されよう。

0144

一部の実施形態では、企図される製剤は、顆粒外相を含み、この顆粒外相は、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤を含むことができ、顆粒内相とブレンドして開示の製剤を形成することができる。

0145

開示の製剤は、充填剤を含む顆粒内相を含むことができる。例示的な充填剤として、それらに限定されるものではないが、セルロース、ゼラチン、リン酸カルシウムラクトーススクロースグルコースマンニトール、ソルビトール、微結晶性セルロースペクチンポリアクリレート、ブドウ糖、酢酸セルロースヒドロキシプロピルメチルセルロース、部分的にアルファ化されたデンプン炭酸カルシウム、およびそれらの組合せを含む他のものが挙げられる。

0146

一部の実施形態では、開示の製剤は、結合剤を含む、顆粒内相および/または顆粒外相
を含むことができ、この結合剤は一般に、医薬製剤の成分を一緒に保持するように機能することができる。本発明の例示的な結合剤として、それらに限定されるものではないが、デンプン、糖、セルロースまたは改変セルロース、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ラクトース、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース糖アルコール、およびそれらの組合せを含む他のものを挙げることができる。

0147

例えば、企図される製剤は、崩壊剤、例えばそれらに限定されるものではないが、デンプン、セルロース、架橋ポリビニルピロリドンデンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギネート、トウモロコシデンプン、クロスカルメロース(crosmellose)ナトリウム架橋カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、アカシア、およびそれらの組合せを含む他のものを含み得る、顆粒内相および/または顆粒外相を含む。例えば、顆粒内相および/または顆粒外相は、崩壊剤を含み得る。

0148

一部の実施形態では、企図される製剤は、本明細書に記載の化合物、ならびにマンニトール、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびデンプングリコール酸ナトリウムまたはそれらの組合せから選択される賦形剤を含む顆粒内相と、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムまたはそれらの混合物の1つまたは複数を含む顆粒外相とを含む。

0149

一部の実施形態では、企図される製剤は、滑沢剤を含むことができ、例えば顆粒外相は、滑沢剤を含有することができる。滑沢剤には、それらに限定されるものではないが、タルクシリカ脂肪ステアリン、ステアリン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、二酸化ケイ素ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、コロイド状二酸化ケイ素ステアリン酸金属塩(metallic stearate)、水素化植物油、トウモロコシデンプン、安息香酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムラウリル硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、タルク、およびステアリン酸が含まれる。

0150

一部の実施形態では、医薬製剤は、腸溶コーティングを含む。一般に、腸溶コーティングは、薬物が消化管に沿って吸収される位置を制御する、経口薬物適用のためのバリアを作成する。腸溶コーティングは、pHに従って異なる速度で崩壊するポリマーを含むことができる。腸溶コーティングは、例えば、酢酸フタル酸セルロースメチルアクリレートメタクリル酸コポリマー、酢酸コハク酸セルロース、ヒドロキシルプロピルメチルセルロースフタレートメチルメタクリレート−メタクリル酸コポリマー、エチルアクリレート−メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸コポリマータイプC、ポリ酢酸ビニル−フタレート、および酢酸フタル酸セルロースを含むことができる。

0151

例示的な腸溶コーティングとして、Opadry(登録商標)AMB、Acryl−EZE(登録商標)、Eudragit(登録商標)グレードが挙げられる。一部の実施形態では、腸溶コーティングは、企図される錠剤の約5重量%〜約10重量%、約5重量%〜約20重量%、8〜約15重量%、約8重量%〜約20重量%、約10重量%〜約20重量%、または約12〜約20重量%、または約18重量%を構成し得る。例えば、腸溶コーティングは、エチルアクリレート−メタクリル酸コポリマーを含むことができる。

0152

例えば、企図される実施形態では、約0.5重量%〜約70重量%、例えば約0.5重量%〜約10重量%、または約1重量%〜約20重量%の本明細書に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を含むまたはそれから本質的になる錠剤が提供される。このよ
うな錠剤は、例えば約0.5重量%〜約60重量%のマンニトール、例えば約30重量%〜約50重量%のマンニトール、例えば約40重量%のマンニトール、および/または約20重量%〜約40重量%の微結晶性セルロース、もしくは約10重量%〜約30重量%の微結晶性セルロースを含むことができる。例えば、開示の錠剤は、約30重量%〜約60重量%、例えば約45重量%〜約65重量%、あるいは約5〜約10重量%の本明細書に記載の化合物、約30重量%〜約50重量%、あるいは約5重量%〜約15重量%のマンニトール、約5重量%〜約15重量%の微結晶性セルロース、約0重量%〜約4重量%、または約1重量%〜約7重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および約0重量%〜約4重量%、例えば約2重量%〜約4重量%デンプングリコール酸ナトリウムを含む顆粒内相を含み得る。

0153

企図される別の実施形態では、本明細書に記載の化合物を経口投与するための医薬錠剤製剤は、本明細書に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩(例えばナトリウム塩)、および薬学的に許容される充填剤を含む顆粒内相を含み、崩壊剤などの薬学的に許容される賦形剤を含み得る顆粒外相を含むこともできる。顆粒外相は、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、およびそれらの混合物から選択される構成成分を含むことができる。また、医薬組成物は、また、錠剤に対して約12重量%〜20重量%の腸溶コーティングを含むことができる。例えば、経口で使用するための薬学的に許容される錠剤は、約.5重量%〜10重量%の本明細書に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、約30重量%〜50重量%のマンニトール、約10重量%〜30重量%の微結晶性セルロース、およびエチルアクリレート−メタクリル酸コポリマーを含む腸溶コーティングを含むことができる。

0154

別の例では、経口で使用するための薬学的に許容される錠剤は、約5〜約10重量%の本明細書に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、約40重量%のマンニトール、約8重量%の微結晶性セルロース、約5重量%のヒドロプロピルメチル(hydropropylmethyl)セルロース、および約2重量%のデンプングリコール酸ナトリウムを含む顆粒内相、約17重量%の微結晶性セルロース、約2重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.4重量%のステアリン酸マグネシウムを含む顆粒外相、ならびにエチルアクリレート−メタクリル酸コポリマーを含む、錠剤に被せる腸溶コーティングを含むことができる。

0155

一部の実施形態では、医薬組成物は、約13重量%または約15重量%、16重量%、17重量%または18重量%を構成する腸溶コーティング、例えばAcyrlEZE(登録商標)を含有することができる(例えば、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるPCT公開WO2010/054826参照)。

0156

コーティングが溶解し、活性成分が放出される点での速度は、その溶解速度である。一実施形態では、企図される錠剤は、例えばUSP/EPタイプ2装置(パドル)により100rpmで、pH7.2を有するリン酸緩衝液中37℃で試験した場合、約120分〜約240分後、例えば180分後に約50%〜約100%の本明細書に記載の化合物を放出する溶解プロファイルを有することができる。別の実施形態では、企図される錠剤は、例えばUSP/EPタイプ2装置(パドル)により100rpmで、pH1.0を有する希釈HCl中37℃で試験した場合、120分後に化合物が実質的に全く放出されない溶解プロファイルを有することができる。別の実施形態では、企図される錠剤は、例えばUSP/EPタイプ2装置(パドル)により100rpmで、pH6.6を有するリン酸緩衝液中37℃で試験した場合、30分後に約10%〜約30%、または約50%以下の化合物を放出する溶解プロファイルを有することができる。

0157

一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、本明細書に開示の状態、疾患、お
よび障害の処置を対象とする少なくとも1つの他の薬剤を投与するステップをさらに含むことができる。一実施形態では、企図される他の薬剤は、共投与(co−administer)され得る(例えば、逐次または同時に)。

0158

このような併用療法の非限定的な例として、本発明の1つまたは複数の化合物と、抗炎症剤抗生物質剤免疫抑制剤免疫調節薬、または鎮痛剤の組合せが挙げられる。

0159

企図される薬剤には、グルココルチコイド細胞分裂阻害薬(cytostatics)、抗体、イムノフィリンに作用する薬剤、インターフェロンオピオイド、TNF結合タンパク質ミコフェノール酸塩、および小型の生物学的薬剤を含む免疫抑制剤が含まれる。例えば、企図される免疫抑制剤には、それらに限定されるものではないが、タクロリムスシクロスポリンピメクロリムスシロリムスエベロリムスミコフェノール酸フィンゴリモドデキサメタゾンフルダラビンシクロホスファミドメトトレキセートアザチオプリン、レフルノミド、テリフルノミドアナキンラ抗胸腺細胞グロブリン抗リンパ球グロブリンムロモナブ−CD3、アフツズマブ、リツキシマブ、テプリズマブ、エファリズマブダクリズマブバシリキシマブアダリムマブインフリキシマブセルトリズマブペゴル、ナタリズマブ、およびエタネルセプトが含まれる。企図される他の薬剤には、止痢薬、緩下剤鉄補給剤、およびカルシウムまたはビタミンDまたはB−12補給剤が含まれる。

0160

例示的な製剤は、約35mg〜約500mgの本明細書に記載の化合物を含むまたはそれから本質的になる剤形を含む。例えば、約35mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、または250mgの本明細書に記載の化合物を含む製剤が企図される。一実施形態では、製剤は、約40mg、80mg、または160mgの本明細書に記載の化合物を含むことができる。一部の実施形態では、製剤は、少なくとも100μgの本明細書に記載の化合物を含むことができる。例えば、製剤は、約0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、1mg、5mg、10mg、15mg、20mg、または25mgの本明細書に記載の化合物を含むことができる。投与される量は、処置される疾患または適応症のタイプおよび程度、患者の全体的な健康状態および大きさ、化合物のin vivo効力、医薬製剤、ならびに投与経路などの変数に応じて変わることになる。初期投与量は、所望の血液レベルまたは組織レベルを急速に達成するために、上位レベル(upper level)を超えて増大することができる。あるいは、初期投与量は、最適量より少なくて済む場合があり、投与量は、処置過程中、次第に増大することができる。投薬頻度は、投与経路、投与量および処置されている疾患などの因子に応じて変わり得る。例示的な投薬頻度は、1日1回、週1回、および2週間に1回である。一部の実施形態では、投薬は、7日にわたって1日1回である。

0161

本発明を、以下の実施例によってさらに例示する。実施例は、単に例示目的で提供され、いかなる方式でも本発明の範囲または内容を制限すると解釈されるべきではない。

0162

(実施例1:試料2の合成)
試料2を、スキーム1で以下に示される通り調製した。この実施例で使用した化合物番号は、この実施例だけに関するものであり、試料2は、その他に化合物2と呼ばれる。

0163

2−(2−(トリエチルシリル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−3−イル)エタノール(3)の合成
N,N−ジメチルホルムアミドDMF)50mL中、2−ヨード−4−(トリフルオロメチル)アニリン(1)(5.00g、17.4mmol)、4−(トリエチルシリル)ブタ−3−イン−1−オール(2)(3.85g、1.2mmol)、ビスジフェニルホスフィノフェロセンパラジウム(II)クロリド(0.64g、0.87mmol)、塩化リチウム(0.732g、17.4mmol)および炭酸ナトリウム(3.7g、34.8mmol)の混合物を、100℃で15時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物7.00gを黄色油状物として得、その黄色油状物は、約20%の出発材料(2)を含有していた。生成物を、さらなる精製なしに次のステップで使用した。

0164

2−(5−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−3−イル)エタノール(4)の合成
2−(2−(トリエチルシリル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−3−イル)エタノール(3)(2.00g、5.83mmol)のテトラヒドロフラン
THF)15mL溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(7.0mL、THF中1M)を添加し、反応混合物を室温(rt)で72時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物1.02g(75%)を、薄黄色油状物として得た。

0165

3−(2−ブロモエチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−インドール(5)の合成
2−(5−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−3−イル)エタノール(4)(1.00g、4.36mmol)のTHF(10ml)溶液を、予め1時間撹拌したトリフェニルホスフィン(2.30g、8.72mmol)およびパーブロモメタン(4.40g、13.1mmol)のTHF(10mL)溶液に添加した。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物0.66g(51%)を黄色油状物として得た。

0166

3−(2−アジドエチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−インドール(6)の合成
DMF(10mL)中、3−(2−ブロモエチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−インドール(5)(0.66g、2.26mmol)およびアジ化ナトリウム(0.44g;6.8mmol)の混合物を、70℃で4時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を、ブラインチオ硫酸ナトリウムで逐次的に洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物0.61g(100%)を褐色油状物として得た。

0167

2−(5−(トリフルオロメチル)−(1H−インドール−3−イル))エタンアミン(7)の合成
メタノール(10mL)中、3−(2−アジドエチル)−5−(トリフルオロメチル)−H−インドール(6)(0.61g、2.45mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.93g、7.41mmol)の混合物を、70℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物0.44g(75%)を褐色油状物として得た。

0168

1−(3,4−ジメトキシフェニル)−6−(トリフルオロメチル)−2,3,4,9
−テトラヒドロ−1H−ピリド[3,4−b]インドール(試料2)の合成
酢酸(8ml)中、2−(5−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−3−イル))エタンアミン(7)(0.40g、1.76mmol)および3,4−ジメトキシベンズアルデヒド(8)(0.322g、1.93mmol)の混合物を、80℃で24時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物0.16g(33%)を白色固体として得た。

0169

(実施例2:試料4aの合成)
試料4aを、スキーム2で以下に示される通り調製した。この実施例で使用した化合物番号は、この実施例だけに関するものであり、試料4aは、その他に化合物4aと呼ばれる。

0170

2−ヨード−1−メチル−1H−インドール(2)の合成
2−ヨード−1H−インドール(1)(1.50g、6.17mmol)のTHF(20mL)溶液を、60%NaH(0.37g、9.25mmol)懸濁液に0℃で添加し、得られた溶液を10分間撹拌した。ヨウ化メチル(1.75g、12.3mmol)を滴下添加し、反応混合物を0℃から室温まで1時間かけてゆっくり温めた。飽和NH4Cl溶液(15mL)で反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物1.27g(80%)を薄黄色油状物として得た。

0171

3−(2−ヨード−1−メチル−1H−インドール−3−イル)プロパナール(4)の合成
撹拌したアクロレイン(3)(1.38g、24.7mmol)およびN−メチルアニリン(0.16g、1.48mmol)の溶液に、0℃でTFA(0.16g、1.48mmol)を滴下添加し、反応混合物を、0℃で10分間撹拌した。CH2Cl2(4mL)中2−ヨード−1−メチル−1H−インドール(2)(1.27g、4.94mmol)を添加し、反応混合物を、0℃から室温まで3時間かけてゆっくり撹拌した。反応混合物を水で希釈し、ジクロロメタン(DCM)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物920mg(59%)を淡黄色泡状物として得た。

0172

N−(3−(2−ヨード−1−メチル−1H−インドール−3−イル))プロピル−3,4,5−トリメトキシアニリン(6)の合成
3−(2−ヨード−1−メチル−1H−インドール−3−イル)プロパナール(4)(920mg、2.93mmol)および3,4,5−トリメトキシアニリン(5)(806mg、4.40mmol)のメタノール(15mL)溶液に、酢酸1滴を添加し、反応混合物を10分間撹拌した。NaCNBH3(0.46g、7.32mmol)を添加し、撹拌を16時間継続した。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物1.07g(74%)を、オフホワイト色の泡状物として得た。

0173

9−メチル−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−ピリド[2,3−b]インドール(試料4a)の合成
N−(3−(2−ヨード−1−メチル−1H−インドール−3−イル))プロピル)−3,4,5−トリメトキシアニリン(6)(1.07g、2.22mmol)のトルエン(5mL)溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.1g、0.108mmol)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1−1’’−ビナフタレン(0.12g、0.216mmol)およびt−BuONa(0.21g、2.16mmol)を添加し、反応混合物を、100℃で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物280
mg(36%)を白色固体として得た。

0174

(実施例3:試料13の合成)
試料13を、スキーム3で以下に示される通り調製した。この実施例で使用した化合物番号は、この実施例だけに関するものであり、試料13は、その他に化合物13と呼ばれる。

0175

3−ブロモチオフェン−2−カルバルデヒド(3)の合成
リチウムジイソプロピルアミド(31.6mmol)のTHF50mL溶液に、−78℃で、3−ブロモチオフェン(3.0g、31mmol)(1)を添加した。1時間撹拌した後、ホルミルピペリジン(3.50g、31.6mmol)(2)を添加し、反応物を0℃に温めた。12時間後、反応混合物を、DCMと飽和NH4Clとの間で分配し、有機層を分離し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物1.90g(54%)を黄色油状物として得た。

0176

3−アジドチオフェン−2−カルバルデヒド(4)の合成
3−ブロモチオフェン−2−カルバルデヒド(3)(1.90g、0.99mmol)およびアジ化ナトリウム(3.23g、50mmol)の1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)50mL溶液を50℃に加熱し、36時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、次にDCMで抽出した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物1.00g(66%)を黄色油状物として得
た。

0177

(E)−3−(3−アジドチオフェン−2−イル)−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オン(6)の合成
MeOH(5mL)中、3−アジドチオフェン−2−カルバルデヒド(4)(0.80g、5.22mmol)および1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エタノン(5)(1.64g、7.84mmol)の混合物に、NaOH(0.62g、15.66mmol)の水(2mL)溶液を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物1.10g(61%)を黄色固体として得た。

0178

(4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(7)の合成
(E)−3−(3−アジドチオフェン−2−イル)−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オン(6)(1.20g、3.48mmol)のキシレン10mL溶液を、150℃で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物1.00g(91%)をオフホワイト色の固体として得た。

0179

5−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−4H−チエノ[3,2−b]ピロール(試料13)の合成
2−プロパノール(10mL)中、(4H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(7)(0.80g;2.52mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(480mg、12.7mmol)の混合物を、封止管中、100℃で2時間撹拌した。反応混合物を冷却し、水で希釈し、DCMで抽出した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物280mg(37%)を白色固体として得た。

0180

(実施例4:試料15の合成)
試料15を、スキーム4で以下に示される通り調製した。この実施例で使用した化合物番号は、この実施例だけに関するものであり、試料15は、その他に化合物15と呼ばれる。

0181

6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[d]チアゾール(3)の合成
6−(トリフルオロメチル)ベンゾチアゾール−2−アミン(1)(2.00g、9.17mmol)のTHF20mL溶液に、亜硝酸イソアミル(3.22g、27.5mmol)を添加した。混合物を30分間加熱還流させ、水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物860mg(46%)を黄色固体として得た。

0182

2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(4)の合成
6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[d]チアゾール(3)(830mg、4.08mmol)およびヒドラジン一水和物(1.52g、30.6mmol)のエタノール(20mL)溶液を、1.5時間加熱還流させた。混合物を、酢酸(3mL)の水(100mL)溶液に添加し、DCMで抽出した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物670mg(84%)を黄色油状物として得た。

0183

2−(3,4−ジメトキシベンジル)−6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[d]チアゾール(試料15)の合成
封止管に入れた2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(4)(4
00mg、2.07mmol)、2−(3,4−ジメトキシフェニル)酢酸(5)およびローソン試薬(0.29g、0.72mmol)を、190℃で5分間マイクロ波加熱に供した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物320mg(43%)を白色固体として得た。

0184

(実施例5:試料17の合成)
試料17を、スキーム5で以下に示される通り調製した。この実施例で使用した化合物番号は、この実施例だけに関するものであり、試料17は、その他に化合物17と呼ばれる。

0185

N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−アミン(試料17)の合成
n−BuOH20mL中、2−クロロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(1)(0.40g、2.63mmol)、リン酸二水素カリウム(0.36g、2.63mmol)および3,4,5−トリメトキシアニリン(0.48g、2.63mmol)の混合物を、90℃で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物0.43g(54%)をオフホワイト色の固体として得た。

0186

(実施例6:試料24の合成)
試料24を、スキーム6で以下に示される通り調製した。この実施例で使用した化合物番号は、この実施例だけに関するものであり、試料24は、その他に化合物24と呼ばれる。

0187

チオフェン−2−アミン・TFA塩(2)の合成
tert−ブチルチオフェン−2−イルカルバメート(1)(0.50g、2.51mmol)のDCM10mL溶液に、2,2,2−トリフルオロ酢酸(1.43g、12.55mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮して、標題化合物約0.50gを得、それを、精製なしに次のステップで直接使用した。

0188

2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)アセチルクロリド(4)の合成
氷冷した2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)酢酸(3)(0.40g、1.77mmol)のDCM10mL溶液に、塩化オキサリル(0.67g、5.30mmol)を添加した後、DMF1滴を添加した。混合物を0℃から室温に2時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮して、標題化合物約0.50gを得、それを、次のステップで精製なしに使用した。

0189

N−(チオフェン−2−イル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)アセトアミド(試料24)の合成
氷冷したチオフェン−2−アミン・TFA塩(2)(約0.50g、粗製物)およびジイソプロピルエチルアミンDIPEA)(0.99g、7.65mmol)のDCM10mL溶液に、2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)アセチルクロリド(4)(約0.50g、粗製物)のDCM5mL溶液を添加し、反応混合物を0℃から室温に、2時間かけて撹拌しながら温めた。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物0.25gを白色固体として得た。

0190

(実施例7:抗炎症特性を呈する選択的Ah受容体モジュレーター(SAhRM)の設計およびin vitro活性)
本開示の化合物を開発するための出発点として、一連の1−アリール−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン誘導体に属する47種類の化合物の群(図1)を、IL−22の産生を増大し、IFN−γの産生を低減するそれらの能力についてin vitroで評価した(図23)。図24は、前述のいくつかの化合物に関するin vitroの結果を示している。化合物は、IFN−γの産生を低減する。特に、例えば化合物15および17は、IFN−γの産生の低減に加えて、IL−22の産生も強力に増大する。

0191

コンフォメーション分析
このシリーズのすべての化合物のコンフォメーション分析を、それらの置換基の空間位置を決定し、最低エネルギー配座異性体の中から、生理活性のあるそれらの推定上のコンフォメーションを見出すために実施した。

0192

分子モデル化研究を、SYBYLソフトウェアバージョン6.92を使用して実施した。すべての化合物の三次元モデルを、標準フラグメントライブラリーから構築し、その後、それらの幾何構造を、GasteigerおよびHueckel原子電荷から算出した静電気的用語を含むTripos力場を使用して最適化した。Maximin2手順で利用可能なPowell方法を、勾配値が0.0001kcal/molÅ2よりも小さくなるまで、エネルギー最小化のために使用した。

0193

化合物ごとに、SYBYLで実施される無作為検索プロセスを使用するコンフォメーション検索を実施して、その最低エネルギーコンフォメーションを同定した。コンフォメーションの無作為検索は、エネルギー最小値の分子を探すための技術である。この技術は、選択された結合に対する無作為なねじれ変化を作成した後、最小化する。無作為変化および最小化のサイクルを、複数回反復する。各サイクル後、新しいコンフォメーションを、今までに見出された他のあらゆるものと比較すると、そのコンフォメーションが独特であるかどうかが分かる。無作為検索のために使用した主な選択肢は、各コンフォメーションによって新しいコンフォメーションの検索が停止されることが見出されるはずである最小回数を定義付けた最大ヒット値(n=6)であり、これは、コンフォメーションが異なっているとみなされる前の2つのコンフォメーションの間のRMS最大差を定義付けたRMS閾値(RMS=0.2Å)である。

0194

コンフォメーションの無作為検索によって生成されたコンフォメーションは、完全に最適化され、それらの幾何構造の再最適化のために、Hamiltonian AM1を使用する半経験的MOPACパッケージバージョン6.0(キーワード:PRECISE、NOMM、PARASOK)によりすぐに使用することができ、Coulson部分的原子電荷を、同じ方法を使用して算出した。表1は、選択した化合物のコンフォメーション空間を示す。



レフルノミドは、AhRを活性化するが、レフルノミドの活性な代謝産物であるA771726は活性化しない(スキーム7)。SGA360は、in vivoで抗炎症特性を呈するSAhRMである。

0195

(実施例8:AhR結合)
3人の健康な被験体から単離された末梢血単核細胞(PBMC)を、密度勾配遠心分離法(Lymphoprep;Nycomed Pharma)によってヘパリン処理した血液試料5mLから単離した。PBMCを、10%ウシ胎仔血清を補充したRPMI1640に濃度1×106個の細胞/mLで再懸濁させ、24ウェル培養プレート(Falc
on Plastic)で培養し、培地だけ、または100、200もしくは400nMのAhR結合化合物(02、04、13、15、17、または24)、ジメチルスルホキシドもしくは6−ホルミルインドロ[3,2−b]カルバゾール(Ficz、200nM)を含むもしくは含まずに、抗CD3/抗CD28(Miltenyi Biotec)抗体で刺激した。全RNAを、24時間培養した細胞から抽出した。RNAを調製するために、細胞をグアニジンチオシアネート緩衝液1mLに溶解させ、TRizol試薬(Invitrigen)を使用して、フェノールクロロホルム抽出に付した。得られた試料を、260nmにおける吸光度によって定量化し、相補的DNAcDNA)を、全RNA1mgから合成した。cDNAを、以下の条件を使用して増幅した。95℃で1分間の変性;IFN−γについては58℃で、β−アクチンについては60℃で30秒間アニーリング;その後72℃で30秒間の伸長プライマー配列は、以下の通りであった。ヒトIFN−γ、フォワード(配列番号1)5’−TGGAGACCATCAAGGAAGAC−3’、リバース(配列番号2)5’−GCGTTGGACATTCAAGTCAG−3’。IL−22を、市販のTaqManプローブ(Applied Biosystems)を使用して評価した。β−アクチン(フォワード(配列番号3)5’−AAGATGACCCAGATCATGTTTGAGACC−3’、リバース(配列番号4)5’−AGCCAGTCCAGACGCAGGAT−3’)を、ハウスキーピング遺伝子として使用した。遺伝子発現を、ΔΔCtアルゴリズムを使用して算出した。

0196

(実施例9:アリール炭化水素受容体に駆動されるシグナルは腸内のコラーゲン合成を阻害する)
線維症のin vitroおよびin vivoモデルの両方を使用して、AhRが、下記の通り腸内のコラーゲン合成の調節因子であることを決定付けた。

0197

材料および方法
患者および試料
粘膜試料を、線維性狭窄(fibrostenosing)CDを有する患者10人(年齢中央値、37;範囲:27〜56歳)の外科標本から得た。これら10人の患者のうち7人に、コルチコステロイドを投与し、残りの患者に、コルチコステロイドおよびアザチオプリンを投与した。また、粘膜試料を、医学的処置不応性慢性疾患のために結腸切除術を受けた潰瘍性大腸炎(UC)の患者3人、および最近の再燃のために内視鏡検査を受けたUCの患者6人(年齢中央値、38歳;29〜55歳の範囲)から得た。UCの患者4人に、コルチコステロイドを投与し、残りをメサラジンで処置した。正常な対照には、過敏性腸症候群を有する患者4人、ならびに結腸がんのために結腸切除術を受けた患者6人の肉眼的および微視的に影響を受けていない領域から得た試料が含まれていた(年齢中央値、49歳;33〜68歳の範囲)。

0198

腸管線維芽細胞の単離および培養
すべての試薬を、特定されない限り、Sigma−Aldrich(Milan、イタリア)から購入した。腸管線維芽細胞を単離し、他所に記載の通り表現型的特徴付けた。すべての実験において、継代3回目と8回目の間の線維芽細胞を使用した。AhRがコラーゲン産生を調節するかどうかを調査するために、CD患者から単離された線維芽細胞を、終夜飢餓状態にし、次に、Ficz(最終濃度、100〜400nM;Alexis、Milan、イタリア)または2−メチル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(CH223191;最終濃度10μM;Calbiochem、Nottingham、英国)、AhRアンタゴニストの存在下または非存在下、TGF−β1(TGF−β;1ng/mL;Peprotech EC、London、UK)またはTNF−α(15ng/mL;R&D Systems、Abingdon、UK)で24〜48時間刺激した。最後に、RNAを抽出するために細胞を使用し、無細胞上清を、コラーゲン含量について分析した。

0199

結腸線維症の誘発
トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を、45%エタノールに溶解させ、既に記載されている通り、8週齢雌性balb/cマウスの直腸内に7週間投与した。Ficz(1μg/マウス)またはAhRアンタゴニスト(CH223191;10μg/マウス)をリン酸緩衝食塩水PBS)に溶解させ、TNBS投与の第5週目の後、48時間ごとに腹腔内投与した。対照マウスにはPBSだけを投与した。マウスを、体重減少を含む大腸炎の徴候について週3回調査し、8週目に屠殺した。その後、組織学的検査、RNA分析およびコラーゲン分析のために組織を収集した。結腸切片を、H&Eおよびマッソントリクロームで染色して、結合性沈着を検出した。線維症を、既に報告されている通りに軽度、中程度または重度として点数化した。

0200

RNA抽出、相補的DNAの調製およびリアルタイムのポリメラーゼ連鎖反応
RNA単離、RNAの逆転写およびリアルタイムPCRを、既に記載されている通り実施した。RNAを、TRIzol試薬を使用することによって、製造者の指示(Invitrogen、Carlsbad、CA)に従って抽出した。一定量のRNA(試料1つ当たり1μg)を、相補的DNAに逆転写し、これを、以下の条件を使用して増幅した。95℃で1分間の変性;ヒトコラーゲンI(Col1A1)、ヒトCol3A1、ヒトアルファ平滑筋アクチン(α−SMA)、およびβ−アクチンについては60℃で、ヒトAhRおよびマウスCol1A2については58℃で30秒間アニーリング、その後72℃で30秒間の伸長。プライマー配列は、以下の通りであった。ヒトCol1A1(配列番号5)5’−GGACACAGAGGTTTCAGTGG−3’、(配列番号5)3’−GGTGACTTTGGAGACACAGG−5’;Col3A1(配列番号6)5’−GGAGAATGTTGTGCAGTTTGC−3’、(配列番号6)3’−CGTTTGACGTGTTGTAAGAGG−5’;ヒトα−SMA(配列番号7)5’−TCTGGAGATGGTGTCACCCA−3’、(配列番号7)3’−ACCCACTGTGGTAGAGGTCT−5’;ヒトAhR(配列番号8)5’−GAGCACAAATCAGAGACTGG−3’、(配列番号9)5’−TGGAGGAAGCATAGAAGACC−3’;マウスCol1A2(配列番号10)5’−ACACAGTGGTATGGATGGAC−3’、(配列番号10)3’−CAGGTAGGTATGGTGACACA−5’;β−アクチン((配列番号3)5’−AAGATGACCCAGATCATGTTTGAGACC−3’、(配列番号4)5’−AGCCAGTCCAGACGCAGGAT−3’)を、ハウスキーピング遺伝子として使用した。遺伝子発現を、ΔΔCtアルゴリズムを使用して算出した。

0201

フローサイトメトリー
AhRの細胞内発現、ならびにp38、Erk1/2、NF−kB/p65およびSmad2/3のリン酸化(p)形態を評価するために、細胞を、1%ホルムアルデヒドで20分間固定し、その後、1%ウシ血清アルブミン中0.5%サポニン透過処理し、抗AhR(1:50、最終希釈;Abcam、Cambridge、UK)、抗p−p38(pT180/pY182)−PE(最終希釈1:50;BD Biosciences、San Jose、CA)、抗p−ERK1/2(pT202/pY204;pT184/pY186)−PE(最終希釈1:50;BD Biosciences)、抗p−NF−kB/p65−FITC(1:50最終希釈;eBioscience、San Diego、CA)、および抗p−Smad2/3(1:50最終希釈;Cell Signaling、Danvers、MA)で染色した。すべての実験に、適切な二次抗体およびアイソタイプ適合対照(BD Biosciences)が含まれていた。細胞を、FACSVerseflow血球計数器およびFACS Suiteソフトウェア(BD Biosciences)を使用して分析した。

0202

コラーゲンアッセイ
全コラーゲンを、線維芽細胞を含まない上清およびマウス組織試料において、Sircolコラーゲンアッセイキット(Biocolor Ltd、Belfast、UK)によって、製造者の指示に従って測定した。

0203

統計的分析
群間差異を、スチューデントt検定を使用して比較した。

0204

結果
AhRの活性化は、腸管線維芽細胞によってコラーゲン産生を負に調節する
AhRのRNA転写物は、群間で有意な差異を示さなかったCDの患者、UCの患者および正常な対照の腸から単離された線維芽細胞において構成的に発現された(図25(A))。フローサイトメトリー分析は、腸管線維芽細胞のほぼ50%が、IBDおよび対照の両方においてAhRを発現したことを示した(図25(B))。AhRの活性化がコラーゲン産生を調節するかどうかを決定するために、CD患者のFSから単離された線維芽細胞を、Ficzの存在下または非存在下で、コラーゲンの公知の2種類の誘発因子であるTGF−β1またはTNF−αで24時間処理した。予想通り、TGF−β1またはTNF−αによる線維芽細胞の刺激によって、線維芽細胞活性化のマーカーであるCol1A1、Col3A1、およびα−SMAの転写物の有意な増大を誘発した(図26(A)〜26(B))。Ficzによって線維芽細胞を処理しても、Col1A1、Col3A1、およびα−SMAの基底のRNA発現は変化しなかったが、Col1A1、Col3A1、およびα−SMAのTGF−β1またはTNF−αに駆動されるRNA転写物は有意に低減した(図26(A)〜26(B))。コラーゲン発現の制御におけるAhRの役割をさらに評価するために、CD線維芽細胞を、CH223191の存在下または非存在下で、TGF−β1またはTNF−αで刺激した。CH223191は、刺激しなかった線維芽細胞のCol1A1のRNA転写物、ならびにTGF−β1またはTNF−αで刺激した線維芽細胞におけるCol1A1、Col1A3、およびα−SMAのRNA発現を、有意に増強した(図27(A)〜27(B))。線維芽細胞の培養上清におけるコラーゲンの可溶性形態の分析では、刺激しなかった細胞において、FiczコラーゲンではなくCH223191によって、コラーゲン分泌が有意に上方調節されたことが確認された(図28(A)〜28(D))。さらにFiczは、用量依存的にTGF−β1およびTNF−α誘発性コラーゲン分泌を阻害し、CH223191は、このような合成を阻害した(図28(A)〜28(D))。FiczもCH223191のいずれも、線維芽細胞の生存度または増殖を変化させなかった(データ示さず)。

0205

AhRはCD線維芽細胞においてMapキナーゼの活性化を制御する
p38およびERK1/2MAPキナーゼの活性化は、TGF−β1およびTNF−αに駆動されるコラーゲン誘発に関与している。したがって、次に、コラーゲン合成のAhR媒介性制御が、この細胞内経路の変化と関連するかどうかを調査した。この目的を達成するために、フローサイトメトリーによって、これらのタンパク質のリン酸化/活性形態を認識する特異的抗体を使用して、p38およびERK1/2の活性化をモニターした。

0206

非刺激条件では、p−p38またはp−ERK1/2を発現する細胞の画分は、Ficzの影響を受けなかったが、CH223191によって有意に増大した(図29(A)〜29(B))。TGF−β1およびTNF−αは、p−p38およびp−ERK1/2を発現する線維芽細胞の百分率を有意に増大し、この効果は、それぞれFiczまたはCH223191によって低減または増大した(図29(A)〜29(B))。またTGF−β1およびTNF−αは、それぞれp−Smad2/3またはNF−kB/p65を発現する細胞の画分を増強したが、FiczもCH223191のいずれも、このような百分
率を変化させなかった(図29(A)〜29(B))。

0207

AhRはマウスにおいてTNBS誘発性腸管線維症を制御する
これらのデータをin vivoで解釈するために、低用量のTNBSの直腸反復投与によってBalb/cマウスにおいて誘発した腸管線維症の実験モデルを使用した。AhRの活性化が、コラーゲン合成および線維症の発生を妨害するかどうかを決定するために、マウスに、TNBS投与の第5週目の後に、FiczまたはCH223191のいずれかを腹腔内投与した(図30(A)〜30(B))。この時点は、コラーゲンの沈着が、最初のTNBS投与後4週目に開始することを示す過去の研究に基づいて選択した。炎症および線維症の程度および重症度を、8週目に屠殺した動物で評価した。予想通り、TNBSの反復用量で処置したマウスは、最小限の腸管の炎症を呈したが、結腸壁肥厚を示した。結腸切片のマッソントリクローム染色、ならびに全結腸試料を使用するコラーゲンRNAおよびタンパク質の分析では、TNBSで処置したマウスにおいて、対照と比較してコラーゲン誘発の増大が確認された。Ficzを投与したマウスは、コラーゲン発現の有意な低減を呈したが、CH223191を投与したマウスは、TNBS処置マウスと比較して、より多くのコラーゲンを生成した(図30(B)〜30(C))。

0208

考察
この研究によって、腸管線維症の制御におけるAhRの役割を調査した。AhRを、CD患者のFSから単離された腸管線維芽細胞、ならびにUC患者および正常な対照の腸管線維芽細胞において構成的に発現させた。FiczでCD線維芽細胞を処理してもコラーゲンの基底の発現は改変されなかったが、CH223191によってAhRを阻害するとコラーゲン産生が増大した。このことは、これらの細胞型における構成的なAhRの活性化が、コラーゲン合成を抑制するのに必須であることを示唆している。CDにおけるFS部位から単離された線維芽細胞は、コラーゲンを産生することによって線維化促進性サイトカインに応答する能力が増強される。他の系における研究では、AhRが、線維化促進性サイトカインによって活性化された細胞内経路を負に調節することが示されているので、次に、AhRの活性化が、TGF−βおよびTNF−α誘発性コラーゲン産生に関与するかどうかを評価した。CD線維芽細胞は、FiczまたはCH223191で処理した場合、異なるコラーゲン合成能を呈した。特に、Ficzは、コラーゲンRNAおよびタンパク質の発現を、用量依存的に低減したが、AhRが阻害された後、TGF−βおよびTNF−αに応答してコラーゲン産生が増強した。しかし興味深いことに、Ficzは、本発明者らの系で使用した最大用量でも、サイトカイン誘発性コラーゲン合成を完全には消失しなかったが、これにより、AhRが、コラーゲンを産生する、サイトカインに駆動される細胞内経路すべてを制御するとは限らない可能性が高まった。実際、このようなシグナルの分析では、Ficzが、それぞれTGF−βまたはTNF−αで刺激された線維芽細胞においてSmad2/3およびNF−kBの活性化に影響を及ぼさずに、p38およびERK1/2の両方の活性化を無効にしたことが明らかになった。p38およびERK1/2活性化のFicz媒介性の無効化が、サイトカインに駆動されるコラーゲン合成の60%低減によって達成された事実により、CD線維芽細胞のコラーゲン産生の制御におけるMAPキナーゼの主な役割が提唱される。これらの知見は、AhRを活性化しても腸管線維芽細胞における全体的な無応答状態が誘発されないことを示しており、これによって、おそらく、FiczまたはCH223191がこれらの細胞の増殖および生存に影響を及ぼさなかった理由の説明がつくので、TGF−βまたはTNF−αに応答してSmad2/3およびNF−kB活性化に対して及ぼすFiczおよびCH223191両方の効果の欠如は、注目すべきものである。

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