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技術 主軸装置

出願人 ファナック株式会社
発明者 室田真弘
出願日 2018年7月31日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2018-143641
公開日 2020年2月6日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-019085
状態 未査定
技術分野 工作機械の補助装置 旋削加工
主要キーワード 前側貫通孔 主軸シャフト シャフト配置 旋盤機 環状部位 後側ハウジング 中継路 テーブル支
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

熱変形に起因した加工精度の低下を抑制する。

解決手段

主軸装置20では、カバー部材としてのカバー部材28が、主軸ハウジング24の外周面から外側に向かって突出するフランジ部50における主軸シャフト22の前側の表面と、その表面から主軸シャフト22の前側に向かって延在する主軸ハウジング24の外周面とを覆う。カバー部材28には、冷媒を流す流路28bが形成される。

概要

背景

ワークに対する加工中に生じる熱に起因して主軸シャフトを収容する主軸ハウジングなどが熱変形し、その熱変形により加工精度が低下する場合がある。このため、熱変形を抑制する対策が重要となる。

例えば、下記の特許文献1には、ハウジングおよび主軸にそれぞれ冷却液通路を設け、ハウジング内の冷却液通路と主軸内の冷却液通路との間で冷却液を受け渡して、主軸内に冷却液を流すことで主軸を冷却する冷却構造が開示されている。

概要

熱変形に起因した加工精度の低下を抑制する。主軸装置20では、カバー部材としてのカバー部材28が、主軸ハウジング24の外周面から外側に向かって突出するフランジ部50における主軸シャフト22の前側の表面と、その表面から主軸シャフト22の前側に向かって延在する主軸ハウジング24の外周面とを覆う。カバー部材28には、冷媒を流す流路28bが形成される。

目的

本発明は、熱変形に起因した加工精度の低下を抑制し得る主軸装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

主軸ハウジングと、前記主軸ハウジングの内部で回転可能に支持される主軸シャフトと、前記主軸シャフトの一端に対して、前記主軸シャフトの回転に連動して回転可能に設けられる回転部材と、前記主軸シャフトの軸方向に沿って前記主軸ハウジングが挿通される挿通孔を有する主軸取付台と、前記主軸取付台における前記挿通孔の一方の開口側に着脱可能に固定され、前記主軸ハウジングの外周面から外側に向かって突出する環状のフランジ部と、前記フランジ部における前記主軸シャフトの一端側の表面と、その表面から前記主軸シャフトの一端側に向かって延在する前記主軸ハウジングの外周面とを覆うカバー部材と、前記カバー部材に形成され、冷媒を流すための流路と、を備える主軸装置

請求項2

請求項1に記載の主軸装置であって、前記流路は、前記カバー部材の外部と、前記カバー部材に覆われる前記フランジ部の前記表面とを連通する第1の連通部、および、前記カバー部材の外部と、前記カバー部材に覆われる前記主軸ハウジングの前記外周面とを連通する第2の連通部とを有し、前記カバー部材の外部から前記第1の連通部および前記第2の連通部の一方に流入する冷媒は、前記カバー部材と前記主軸ハウジングとの間の中継路を経由して、前記第1の連通部および前記第2の連通部の他方に流出する、主軸装置。

請求項3

請求項2に記載の主軸装置であって、前記中継路を形成する前記カバー部材および前記主軸ハウジングの少なくとも一方の壁面には、前記主軸シャフトの一端側に向かって周回するらせん状の凹部が形成される、主軸装置。

請求項4

請求項2または3に記載の主軸装置であって、前記第1の連通部は、前記フランジ部に沿って環状に延在する環状部位を有する、主軸装置。

請求項5

請求項2〜4のいずれか1項に記載の主軸装置であって、前記流路は、前記第1の連通部および前記第2の連通部の組を複数有し、各々の前記組の前記第1の連通部および前記第2の連通部の一方に流入する冷媒が経由する前記中継路は、複数の前記組で共通とされる、主軸装置。

請求項6

請求項2〜5のいずれか1項に記載の主軸装置であって、前記カバー部材と前記主軸ハウジングとの間のうち、前記第1の連通部が開口する位置よりも前記カバー部材の外部側と、前記第2の連通部が開口する位置よりも前記カバー部材の外部側とには、前記冷媒が外部へ流れることをシールするシール部材が設けられる、主軸装置。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の主軸装置であって、前記フランジ部と前記主軸ハウジングとは一体である、主軸装置。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の主軸装置であって、前記冷媒は、液体である、主軸装置。

技術分野

0001

本発明は、工具を用いて加工対象物を加工する旋盤機工作機械)に用いられる主軸装置に関する。

背景技術

0002

ワークに対する加工中に生じる熱に起因して主軸シャフトを収容する主軸ハウジングなどが熱変形し、その熱変形により加工精度が低下する場合がある。このため、熱変形を抑制する対策が重要となる。

0003

例えば、下記の特許文献1には、ハウジングおよび主軸にそれぞれ冷却液通路を設け、ハウジング内の冷却液通路と主軸内の冷却液通路との間で冷却液を受け渡して、主軸内に冷却液を流すことで主軸を冷却する冷却構造が開示されている。

先行技術

0004

特開2011−240428号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところが特許文献1の冷却構造では、ハウジングを固定する部材が開示されていないが、その部材とハウジングとの取付部分などの冷却が乏しく、その取付部分の熱変形が他の部分に比べて生じ易いと考えられる。近年、ワークに対する加工がナノ単位で制御される場合があり、この場合には加工中に生じる熱変形が微量であっても、加工精度の低下が顕在化する傾向にある。したがって、熱変形に起因した加工精度の低下を抑制する対策が強く求められている。

0006

そこで、本発明は、熱変形に起因した加工精度の低下を抑制し得る主軸装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の態様は、主軸装置であって、主軸ハウジングと、前記主軸ハウジングの内部で回転可能に支持される主軸シャフトと、前記主軸シャフトの一端に対して、前記主軸シャフトの回転に連動して回転可能に設けられる回転部材と、前記主軸シャフトの軸方向に沿って前記主軸ハウジングが挿通される挿通孔を有する主軸取付台と、前記主軸取付台における前記挿通孔の一方の開口側に着脱可能に固定され、前記主軸ハウジングの外周面から外側に向かって突出する環状のフランジ部と、前記フランジ部における前記主軸シャフトの一端側の表面と、その表面から前記主軸シャフトの一端側に向かって延在する前記主軸ハウジングの外周面とを覆うカバー部材と、前記カバー部材に形成され、冷媒を流すための流路と、を備える。

発明の効果

0008

本発明によれば、主軸ハウジングに熱が伝わったとしても、その熱はカバー部材の流路に流れる冷媒によって吸収される。したがって、主軸ハウジングの熱がフランジ部に伝わり難くなる。これにより、主軸ハウジングやフランジ部が熱変形することが抑制され、当該熱変形に起因した加工精度の低下を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0009

本実施の形態の旋盤機を示す概略図である。
図1の主軸装置の断面を示す概略図である。
カバー部材の概略斜視図である。
図2の一部を拡大して示す図である。
図4に冷媒の流れを付加した図である。

実施例

0010

本発明について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。

0011

〔実施の形態〕
図1は、旋盤機10の外観構成を示す図である。旋盤機10は、工具を用いて加工対象物を加工するものであり、基礎ベッド12、主軸支持部14、テーブル支持部16、テーブル18および主軸装置20を有する。

0012

主軸支持部14は、基礎ベッド12上に設けられており、基礎ベッド12に対して左右方向へ移動可能に主軸装置20を支持するものである。なお、主軸装置20における主軸シャフト22が延びている方向(軸方向)を前後方向とし、当該主軸装置20が載置される載置面Fに平行な面内で軸方向に対して直交する方向を左右方向とし、当該載置面Fおよび軸方向に対して直交する方向を上下方向とする。下方向は、重力が働く方向である。また、主軸装置20においてチャック部30が設けられる主軸シャフト22の一端側を前側とし、当該主軸シャフト22の他端側を後側とする。

0013

主軸支持部14は、基礎ベッド12上に左右方向に沿って設けられる第1スライド部14aと、第1スライド部14aに沿って移動可能な主軸移動台14bと、主軸移動台14bを駆動する不図示の第1駆動機構とを有する。

0014

第1駆動機構には、モータ、および、モータの回転力直進運動に変換するボールねじ等の部材が含まれる。第1駆動機構によって主軸移動台14bが第1スライド部14aに沿って移動することで、その主軸移動台14b上に設けられる主軸装置20が基礎ベッド12に対して左右方向へ移動する。

0015

テーブル支持部16は、基礎ベッド12上に設けられており、基礎ベッド12に対して前後方向へテーブル18を移動可能に支持するものである。このテーブル支持部16は、基礎ベッド12上に前後方向に沿って設けられる第2スライド部16aと、第2スライド部16aに沿って移動可能なテーブル18を駆動する不図示の第2駆動機構とを有する。

0016

第2駆動機構には、モータ、および、モータの回転力を直進運動に変換するボールねじ等の部材が含まれる。第2駆動機構によってテーブル18が第2スライド部16aを通じて基礎ベッド12に対して前後方向へ移動する。テーブル18は、上下方向の軸を回転軸として回転可能に設けられてもよい。

0017

なお、本実施の形態では、主軸装置20におけるチャック部30に加工対象物が保持され、テーブル18に工具が保持されるものとする。ただし、主軸装置20におけるチャック部30に工具が保持され、テーブル18に加工対象物が保持されてもよい。

0018

図2は、図1の主軸装置20の断面を示す図である。本実施の形態の主軸装置20は、加工対象物を回転可能に保持するものであり、加工対象物に対する加工をナノ単位で制御する場合などに使用される。この主軸装置20は、主軸シャフト22、主軸ハウジング24、主軸取付台26およびカバー部材28を主な構成要素として備える。

0019

主軸シャフト22は、円筒状に形成された部材であり、軸方向に沿って貫通する円筒状の貫通孔22Hを有する。図2に示す例では、貫通孔22Hは、前側貫通孔22Haと、前側貫通孔22Haの直径よりも小さい直径となる後側貫通孔22Hbとを有している。この主軸シャフト22の一端側(前側)にはチャック部30が設けられ、他端側(後側)にはモータ40が設けられる。

0020

チャック部30は、主軸シャフト22の一端に対して、主軸シャフト22の回転に連動して主軸ハウジング24の前側の表面上で回転可能に設けられる回転部材であり、本実施の形態では加工対象物を着脱する。なお、図1では、チャック部30が円盤状に形成されているが、他の形状であってもよい。このチャック部30は、主軸シャフト22の前側に固定されたベース30aと、ベース30aに対して着脱可能に取り付けられた吸着パッド30bとを有する。吸着パッド30bの吸着面には開口OPが形成される。ベース30aおよび吸着パッド30bには、開口OPと主軸シャフト22の貫通孔22Hの一端とを連通する連通路30cが形成される。チャック部30では、不図示の真空ポンプによって開口OPから連通路30cを通じて、チャック部30の外部の空気が貫通孔22Hに吸引されることで、加工対象物が吸着面に密着した状態で保持される。

0021

モータ40は、主軸シャフト22の駆動源であり、主軸ハウジング24の後側に取り付けられるモータケース40aと、モータケース40a内に設けられるロータ40bおよびステータ40cとを有する。ロータ40bには主軸シャフト22が固定される。したがって、ロータ40bの回転に連動して主軸シャフト22が回転する。

0022

主軸ハウジング24は、略円筒状のハウジング本体24aと、後側ハウジング蓋24bとを有する。ハウジング本体24aには、ハウジング本体24aの外周面から外側に向かって突出する環状のフランジ部50が設けられる。フランジ部50は、ハウジング本体24aと一体に成形されていてもよく、ハウジング本体24aとは別体として所定の固定具によりハウジング本体24aに固定されていてもよい。

0023

ハウジング本体24aの後側には、そのハウジング本体24aの後側の開口を覆うように後側ハウジング蓋24bが着脱可能に取り付けられる。後側ハウジング蓋24bの表面(後端面)側には、モータ40のモータケース40aが固定される。

0024

後側ハウジング蓋24bとハウジング本体24aとには、前後方向に沿って貫通する略円筒状のシャフト配置空間が形成される。このシャフト配置空間に主軸シャフト22が配置され、当該シャフト配置空間に配置された主軸シャフト22は、軸受60を介して回転可能に支持される。

0025

軸受60は、本実施形態では、スラスト軸受60aおよびラジアル軸受60bを有する。スラスト軸受60aは、主軸シャフト22の左側と右側とにそれぞれ設けられ、ラジアル軸受60bは、スラスト軸受60aよりも主軸シャフト22の前側において、当該主軸シャフト22の前後にそれぞれ設けられる。なお、軸受60は、静圧軸受であっても、転がり軸受であってもよい。ただし、上記のように加工対象物に対する加工をナノ単位で制御する場合には静圧軸受であることが好ましい。

0026

主軸取付台26は、主軸移動台14bの載置面F(図1)上に載置される。この主軸取付台26は、主軸シャフト22の軸方向に沿って主軸ハウジング24が挿通される挿通孔26Hを有する。挿通孔26Hに挿通された主軸ハウジング24の前側は、ハウジング本体24aに設けられるフランジ部50を介して主軸取付台26の前側に固定され、当該主軸ハウジング24の後側は、主軸取付台26の後側に設けられる支持部材70を介して支持される。

0027

具体的には、フランジ部50は、主軸取付台26における前側(挿通孔26Hの一方の開口側)に対してボルトなどの棒状締結具で着脱可能に固定される。一方、支持部材70は、主軸取付台26における後側(挿通孔26Hの他方の開口側)を基礎として主軸ハウジング24を支持する。つまり、主軸ハウジング24は、主軸取付台26に対して、当該主軸ハウジング24の前後から両持ちで保持される。

0028

カバー部材28は、自身の温度が調整されるカバー部材である。このカバー部材28は、主軸装置20の前側に設けられる。具体的には、カバー部材28は、フランジ部50における前側の表面と、その表面から前側に延在するハウジング本体24aの外周面と、チャック部30の外周面の一部とを覆うように設けられる。なお、カバー部材28は、チャック部30の外周面の一部を覆っているが、当該外周面の全体を覆っていてもよい。

0029

カバー部材28には、シール部をシールするシールガスを流すためのガス用の流路28aが形成される。シール部は、チャック部30とカバー部材28との間およびチャック部30とハウジング本体24aとの間の隙間である。シールガスは、所定圧にまで圧縮されていてもよい。具体的には、例えば、空気などが挙げられる。

0030

シール部にシールガスが供給されることで、加工対象物の加工時に生じる、あるいは、加工時に用いられるクーラントなどが隙間を介して主軸ハウジング24の内部(シャフト配置空間)に入ることが抑制される。なお、シール部に流れたシールガスは主軸装置20の前側などから外部に排出される。

0031

また、カバー部材28には、冷媒が流れる流路28bが形成される。冷媒は、本実施の形態では水などの液体とされるが、気体であってもよい。本実施の形態の場合、流路28bは、カバー部材28の左側と右側とに形成される。

0032

図3は、カバー部材28の概略斜視図であり、図4は、図2の一部を拡大して示す図である。具体的に図3ではカバー部材28の一部を後側からみた斜視図が示され、図4ではカバー部材28の左側の流路28bとその周辺部分とが拡大した図が示されている。

0033

流路28bは、第1の連通部82および第2の連通部84を有する。第1の連通部82は、カバー部材28の外部と、カバー部材28に覆われるフランジ部50の前面とを連通する。この第1の連通部82は、本実施の形態では、カバー部材28に覆われる環状のフランジ部50の前面と接する状態で、当該フランジ部50の周方向全体にわたって環状に延在する環状部位82a(図3参照)を有する。

0034

第2の連通部84は、カバー部材28の外部と、カバー部材28に覆われるハウジング本体24aの外周面とを連通する。この第2の連通部84と、第1の連通部82とは、中継路86を介して連結される。中継路86は、フランジ部50の前面から前側に延在するハウジング本体24aと、カバー部材28との間に形成される隙間(空間)である。

0035

この中継路86を形成するカバー部材28の外周面28F(図3参照)は、環状に形成される。一方、中継路86を形成するハウジング本体24aの外周面には、主軸シャフト22の前側に向かって周回するらせん状の凹部88(図4参照)が形成される。

0036

第1の連通部82における外部側の開口と、第2の連通部84における外部側の開口とは、カバー部材28の外部に配置される配管92を介して連結される。配管92にはポンプ94が設けられる。

0037

なお、カバー部材28とハウジング本体24aとの間のうち、第1の連通部82が開口する位置よりもカバー部材28の外部側の部位には、冷媒が外部へ流れることをシールするシール部材96が設けられる。また、カバー部材28とハウジング本体24aとの間のうち、第2の連通部84が開口する位置よりもカバー部材28の外部側の部位にもシール部材96が設けられる。なお、シール部材96の具体例としては、Oリングなどが挙げられる。

0038

図5は、図4に冷媒の流れを付加した図である。配管92内の冷媒は、ポンプ94によって、第1の連通部82に流入する。第1の連通部82に流入した冷媒は、その第1の連通部82を流れ、第1の連通部82における環状部位82aを通じてフランジ部50の前面と一部が接する状態で前側を流れる。

0039

カバー部材28とハウジング本体24aとの間のうち、第1の連通部82が開口する位置よりもカバー部材28の外部側にはシール部材96が設けられている。このため、環状部位82aを通じてフランジ部50の前側を流れる冷媒は、カバー部材28の外部側に流れることなく、中継路86に流入する。

0040

中継路86に流入した冷媒は、第2の連通部84に向かって中継路86を流れる。具体的には、中継路86に流入した冷媒は、中継路86を囲うハウジング本体24aの外周面に形成されるらせん状の凹部88内を通じて、主軸シャフト22の周方向に向かってハウジング本体24aの外周面を周回するように流れる。

0041

カバー部材28とハウジング本体24aとの間のうち、第2の連通部84が開口する位置よりもカバー部材28の外部側にはシール部材96が設けられる。このため、中継路86を流れる冷媒は、カバー部材28の外部側に流れることなく、第2の連通部84に流入する。第2の連通部84に流入した冷媒は、その第2の連通部84を流れて配管92に流出し、ポンプ94によって再び第1の連通部82に流入する。このようにしてカバー部材28の内外を冷媒が循環する。

0042

なお、カバー部材28の左側に形成された流路28bの第1の連通部82に流入した冷媒と、当該カバー部材28の右側に形成された流路28bの第1の連通部82に流入した冷媒とは、ともに同じ1つの中継路86を流れる。また、この中継路86を流れた冷媒は、カバー部材28の左側に形成された流路28bの第2の連通部84と、当該カバー部材28の右側に形成された流路28bの第2の連通部84とに流出する。つまり、中継路86は、カバー部材28の左側に形成される循環経路と、当該カバー部材28の右側に形成される循環経路とで共通とされる。

0043

以上のように本実施の形態の主軸装置20では、フランジ部50における前側の表面と、その表面から前側に延在するハウジング本体24aの外周面とを覆うカバー部材28が設けられ、当該カバー部材28には冷媒を循環させる流路28bが形成される。

0044

このため、ハウジング本体24aに設けられるラジアル軸受60bなどで生じた熱がハウジング本体24aに伝わったとしても、その熱はカバー部材28の流路28bに流れる冷媒によって吸収される。したがって、ハウジング本体24aの熱がフランジ部50に伝わり難くなる。これにより、ハウジング本体24aやフランジ部50が熱変形することが抑制され、主軸取付台26とフランジ部50との締結が緩んで主軸ハウジング24が主軸シャフト22の軸方向にずれるなどといったことが抑制される。このように本実施の形態の主軸装置20によれば、ハウジング本体24aやフランジ部50の熱変形に起因した加工精度の低下を抑制することができる。

0045

〔変形例〕
以上、本発明の一例として上記の実施の形態が説明されたが、本発明の技術的範囲は上記の実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記の実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることはもちろんである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。上記の実施の形態に変更または改良を加えた例を以下に記載する。

0046

上記実施の形態では、カバー部材28の左側と右側との双方に流路28bが形成された。しかし、左側の流路28bまたは右側の流路28bはなくてもよい。

0047

また、上記の実施の形態では、カバー部材28とハウジング本体24aとの間に中継路86が設けられた。しかし、中継路86は、カバー部材28の内部に設けられていてもよい。ただし、カバー部材28とハウジング本体24aとの間に中継路86が設けられた場合、冷媒がハウジング本体24aの表面と接触するため、カバー部材28の内部に設ける場合に比べると、カバー部材28に生じる熱の吸収性が高まる。したがって、カバー部材28に生じる熱の吸収効率を高めるためには、カバー部材28とハウジング本体24aとの間に中継路86を設けることが好ましい。

0048

また、上記の実施の形態では、中継路86を形成するハウジング本体24aの外周面(壁面)に、主軸シャフト22の前側に向かって周回するらせん状の凹部88が形成された。しかし、らせん状の凹部88は、中継路86を形成するカバー部材28の外周面に設けられてもよい。また、らせん状の凹部88は、中継路86を形成するハウジング本体24aの外周面(壁面)と、当該中継路86を形成するカバー部材28の外周面(壁面)との双方に、互いに対向するように設けられてもよい。

0049

また、上記の実施の形態では、中継路86を形成するハウジング本体24aの外周面(壁面)に、主軸シャフト22の前側に向かって周回するらせん状の凹部88が形成された。しかし、中継路86を形成するハウジング本体24aの外周面(壁面)に、主軸シャフト22の軸方向に沿って間隔をあけて、複数の環状の凹部が形成されていてもよい。なお、複数の環状の凹部のうち、主軸シャフト22の軸方向において隣り合う凹部の間は連通される。

0050

また、上記実施の形態では、第1の連通部82が、カバー部材28に覆われる環状のフランジ部50の前面と接する状態で、当該フランジ部50の周方向全体にわたって環状に延在する環状部位82aを有していた。しかし、環状部位82aは、カバー部材28に覆われるフランジ部50の前面と接することなくカバー部材28の内部に形成されていてもよい。また、環状部位82aは、環状のフランジ部50の一部分だけに沿って延在していてもよい。また、環状部位82aは、フランジ部50に沿って延在していれば、フランジ部50の外周面の曲率とは異なる曲率で延在していてもよく、蛇行するように延在していていもよく、渦巻き状に延在していてもよい。

0051

なお、第1の連通部82は、環状部位82aを有していなくてもよいが、フランジ部50に対してカバー部材28における流路28bの占有領域を大きくするためには、第1の連通部82が環状部位82aを有していることが好ましい。

0052

また、上記実施の形態では、第1の連通部82に冷媒が流入し、第1の連通部82に流入した冷媒が第2の連通部84から流出するように、冷媒が循環された。しかし、第2の連通部84に冷媒が流入し、第2の連通部84に流入した冷媒が第1の連通部82から流出するように、冷媒が循環されてもよい。ただし、フランジ部50の冷却効率をより高めるためには、第1の連通部82に冷媒が流入し、第1の連通部82に流入した冷媒が第2の連通部84から流出するように、冷媒が循環されることが好ましい。

0053

また、上記実施の形態では、フランジ部50とハウジング本体24aとが一体に形成された。しかし、フランジ部50とハウジング本体24aとは別体として所定の固定具により固定されていてもよい。フランジ部50とハウジング本体24aとは別体とされる場合、フランジ部50とハウジング本体24aとの間には、Oリングなどのシール部材が設けられることが好ましい。

0054

上記の実施の形態および上記変形例は、矛盾の生じない範囲で任意に組み合わされてもよい。

0055

技術的思想
上記の実施の形態および変形例から把握し得る技術的思想について、以下に記載する。

0056

主軸装置(20)は、主軸ハウジング(24)と、主軸シャフト(22)と、回転部材(30)と、主軸取付台(26)と、フランジ部(50)と、カバー部材(28)とを備える。
主軸シャフト(22)は、主軸ハウジング(24)の内部で回転可能に支持される。回転部材(30)は、主軸シャフト(22)の一端に対して、主軸シャフト(22)の回転に連動して回転可能に設けられる。主軸取付台(26)は、主軸シャフト(22)の軸方向に沿って主軸ハウジング(24)が挿通される挿通孔(26H)を有する。フランジ部(50)は、主軸取付台(26)における挿通孔(26H)の一方の開口側に着脱可能に固定され、主軸ハウジング(24)の外周面から外側に向かって突出する。カバー部材(28)は、フランジ部(50)における主軸シャフト(22)の一端側の表面と、その表面から主軸シャフト(22)の一端側に向かって延在する主軸ハウジング(24)の外周面とを覆う。このカバー部材(28)には、冷媒を流すための流路(28b)が形成される。
このような主軸装置(20)では、主軸ハウジング(24)に熱が伝わったとしても、その熱はカバー部材(28)の流路(28b)に流れる冷媒によって吸収される。したがって、主軸ハウジング(24)の熱がフランジ部(50)に伝わり難くなる。これにより、主軸ハウジング(24)やフランジ部(50)が熱変形することが抑制され、当該熱変形に起因した加工精度の低下を抑制することができる。

0057

流路(28b)は、カバー部材(28)の外部と、カバー部材(28)に覆われるフランジ部(50)の表面とを連通する第1の連通部(82)、および、カバー部材(28)の外部と、カバー部材(28)に覆われる主軸ハウジング(24)の外周面とを連通する第2の連通部(84)とを有する。カバー部材(28)の外部から第1の連通部(82)および第2の連通部(84)の一方に流入する冷媒は、カバー部材(28)と主軸ハウジング(24)との間の中継路(86)を経由して、第1の連通部(82)および第2の連通部(84)の他方に流出するようにしてもよい。このようにすれば、主軸ハウジング(24)の表面に冷媒が接触するので、当該主軸ハウジング(24)を直接的に冷却できる。したがって、主軸ハウジング(24)の冷却効率を高めることができる。

0058

中継路(86)を形成するカバー部材(28)および主軸ハウジング(24)の少なくとも一方の壁面には、主軸シャフト(22)の一端側に向かって周回するらせん状の凹部(88)が形成されるようにしてもよい。このようにすれば、凹部(88)が形成されていない場合に比べて中継路(86)を流れる冷媒の量を多くすることができ、冷却効率を高め易い。なお、主軸ハウジング(24)の壁面に凹部(88)が形成された場合には、主軸ハウジング(24)に対する冷媒の接触面積を大きくすることができ、主軸ハウジング(24)の冷却効率を高めることができる。

0059

第1の連通部(82)は、フランジ部(50)に沿って環状に延在する環状部位(82a)を有するようにしてもよい。このようにすれば、環状部位(82a)がない場合に比べて、カバー部材(28)における流路(28b)の占有領域を大きくすることができ、この結果、主軸ハウジング(24)の冷却効率を高めることができる。

0060

流路(28b)は、第1の連通部(82)および第2の連通部(84)の組を複数有し、各々の組の第1の連通部(82)および第2の連通部(84)の一方に流入する冷媒が経由する中継路(86)は、複数の組で共通とされるようにしてもよい。このようにすれば、第1の連通部(82)および第2の連通部(84)の組が複数あることでカバー部材(28)における流路(28b)の占有領域を大きくすることができ、この結果、主軸ハウジング(24)の冷却効率を高めることができる。一方、中継路(86)を別々に設ける場合に比べて中継路(86)を流れる冷媒の流速を大きくすることができ、この結果、主軸ハウジング(24)の冷却効率を高めることができる。

0061

カバー部材(28)と主軸ハウジング(24)との間のうち、第1の連通部(82)が開口する位置よりもカバー部材(28)の外部側と、第2の連通部(84)が開口する位置よりもカバー部材(28)の外部側とには、冷媒が外部へ流れることをシールするシール部材(96)が設けられるようにしてもよい。このようにすれば、カバー部材(28)の内部側に流れた冷媒を意図しない部位から漏れることを抑制することができ、この結果、主軸ハウジング(24)の冷却効率を高めることができる。

0062

フランジ部(50)と主軸ハウジング(24)とは一体であるようにしてもよい。このようにすれば、カバー部材(28)と主軸ハウジング(24)との間に流れた冷媒がフランジ部(50)と主軸ハウジング(24)の隙間から漏れることがなくなる。したがって、主軸ハウジング(24)の冷却効率を高めることができる。

0063

冷媒は、液体であるようにしてもよい。このようにすれば、気体に比べて熱伝導率を高め易い。したがって、主軸ハウジング(24)の冷却効率を高めることができる。

0064

10…旋盤機20…主軸装置
22…主軸シャフト24…主軸ハウジング
26…主軸取付台28…カバー部材
28a、28b…流路30…チャック部
40…モータ50…フランジ部
60…軸受70…支持部材
82…第1の連通部 84…第2の連通部
86…中継路88…凹部

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