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図面 (8)

課題

高親和性インターロイキン-33(IL-33)と結合する、単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び単離された免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド、及び該免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを含むIL-33結合剤の提供。

解決手段

特定のアミノ酸配列を含む、単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチド。

概要

背景

電子提出された物件の参照による組み込み
本明細書と同時提出され以下のとおり特定される、コンピューター読み取り可能なヌクレオチドアミノ酸配列表は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:283,358バイトのASCIIテキストファイル1件、名称「719408_ST25.txt」、2015年1月8日作成。

発明の背景
インターロイキン33(IL-33)は、高内皮細静脈における核内因子(nuclear factor(NF)in high endothelial venules)(NF-HEV)としても知られ、IL-1スーパーファミリーに属するサイトカインである。IL-33は、2型サイトカインを産生するようヘルパーT細胞
マスト細胞好酸球及び好塩基球誘導する。IL-33は、受容体ST2(IL1RL1としても知られる)及びIL-1受容体アクセサリータンパク質(IL-1 Receptor Accessory Protein、IL1RAP)と相互作用することによりその生物学的効果を媒介しており、NF-κB及びMAPキナーゼシグナリング経路における細胞内分子活性化し、皮膚、及び消化管において、極性化したヘルパーT細胞(Th2)及びグループ2自然リンパ球(Group-2 innate lymphoid cells、ILC2)からの2型サイトカイン(例えば、IL-4、IL-5及びIL-13)の産生を推進する。IL-33は、マスト細胞に直接作用してその活性化を引き起こし、好酸球及び好塩基球を
刺激して脱顆粒させ、組織損傷を引き起こす。IL-33によるin vivoでの2型サイトカイン
の誘導は、IL-33投与後に粘膜器官で観察される重篤病理学的変化を誘導すると考えら
れる(例えば、Schmitz et al., Immunity, 23(5):479-490(2005);及び Chackerian et al., J. Immunol., 179(4):2551-2555(2007)を参照)。

IL-33のin vivo発現プロファイルとその細胞内標的の両方により、Th2により推進され
る病理学においてIL-33が果たす役割示唆される。例えば、IL-33発現は、中等症から重症喘息アトピー性皮膚炎アレルギー性鼻炎食物アレルギー関節リウマチ多発性硬化症及びクローン病を有する患者由来炎症組織で検出されている。さらに、ST2(IL-33R)の遠位プロモーター領域における機能性一塩基多型(single nucleotide polymorphisms、SNPs)は、アトピー性皮膚炎との有意な関連を示している(例えば、Shimizu et
al., Hum. Mol. Genet., 14(19):2919-2927(2005)を参照)。ゲノムワイド関連解
析(Genome-wide association studies、GWAS)はまた、民族的に多様なグループの複合
研究(multiple studies)において、喘息について、IL-33及びST2(IL-33R)遺伝子のSNPsとの強い関連を示している(例えば、Gudbjartsson et al., Nat. Genet., 41(3):342-347(2009);Melen et al., J Allergy Clin. Immunol., 126(3):631-637(2010
);Moffatt et al., New Engl J. Med., 363(13):1211-1221(2010);及びTorgerson et al., Nat. Genet., 43(9):887-92(2011)を参照)。IL-33はまた(おそらくIL-25及びTSLPとともに)、自然リンパ球(ILC2細胞)を活性化し、Th2サイトカイン分泌
寄生虫応答(anti-parasitic responses)及び組織免疫病理学をもたらす。

研究によって、IL-33が、IL-33受容体を発現するいくつかの癌、例えば、上皮癌(すなわち、カルシノーマ)などにおいて、癌細胞に対する生存又は増殖因子として作用することにより直接的な役割を果たすことも示唆される。IL-33に対するそのような反応性は、
ある種の癌細胞タイプを現行標準治療から回避させることに寄与し得る(例えば、慢性骨髄性白血病CML)、乳癌及び消化器癌)。さらに、IL-33は、腫瘍細胞コントロールする際の免疫系の防御活性を低下させることにより、癌の進行に間接的な役割を果たし得る。その他の最近の研究により、IL-33が線維症、例えば、皮膚線維症、肝線維症全身
強皮症及び肺線維症などの病理学に役割を果たすことが示唆される。さらに、Mchedlid
ze et al., Immunity, 39:357-371(2013)は、インターロイキン-33(IL-33)の肝臓発現が、in vivoにおいて、重度の肝線維症に必要且つ十分であることを実証する。

概要

高親和性でインターロイキン-33(IL-33)と結合する、単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び単離された免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド、及び該免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを含むIL-33結合剤の提供。特定のアミノ酸配列を含む、単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチド。

目的

本発明は、単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチドであって、(a)配列番号1、配列番号2及び配列番号5〜50のいずれか1つのアミノ酸配列、又は(b)配列番号1、配列番
号2、配列番号5〜50、配列番号67〜140、配列番号176、配列番号177、配列番号178〜188
及び配列番号206〜217のいずれか1つと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、
単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチドを提供する

効果

実績

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請求項1

(a)配列番号1、配列番号2、配列番号5〜50、配列番号67〜140、配列番号176、配列番号177、配列番号178〜188及び配列番号206〜217のいずれか1つのアミノ酸配列、又は(b)配列番号1、配列番号2、配列番号5〜50、配列番号67〜140、配列番号176、配列番号177、配列番号178〜188及び配列番号206〜217のいずれか1つと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチド

請求項2

請求項1に記載の免疫グロブリン重鎖ポリペプチドと同じIL-33エピトープと結合する、単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチド。

請求項3

(a)配列番号3、配列番号4、配列番号51〜66、配列番号141〜175、配列番号189〜205及び配列番号218〜231のいずれか1つのアミノ酸配列、又は(b)配列番号3、配列番号4、配列番号51〜66、配列番号141〜175、配列番号189〜205及び配列番号218〜231のいずれか1つと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、単離された免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド。

請求項4

請求項3に記載の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドと同じIL-33エピトープと結合する、単離された免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド。

請求項5

請求項1又は2に記載の単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチドをコードする、単離又は精製された核酸配列

請求項6

請求項3又は4に記載の単離された免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドをコードする、単離又は精製された核酸配列。

請求項7

請求項5又は6に記載の単離又は精製された核酸分子を含む、ベクター

請求項8

(a)請求項1に記載の免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び/又は(b)請求項2に記載の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを含む、単離されたインターロイキン-33(IL-33)結合剤

請求項9

抗体、抗体コンジュゲート、又はその抗原結合フラグメントである、請求項8に記載の単離されたIL-33結合剤。

請求項10

F(ab’)2、Fab’、Fab、Fv、scFv、dsFv、dAb、及び一本鎖結合ポリペプチドから選択される抗体フラグメントである、請求項8に記載の単離されたIL-33結合剤。

請求項11

配列番号136の免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び配列番号171の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを含む、請求項8に記載の単離されたIL-33結合剤。

請求項12

配列番号1、配列番号2、配列番号5〜50、配列番号67〜140、配列番号176、配列番号177、配列番号178〜188及び配列番号206〜217のいずれか1つを含む免疫グロブリン重鎖可変領域の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含む、単離されたIL-33結合剤。

請求項13

配列番号1、配列番号2、配列番号5〜50、配列番号67〜140、配列番号176、配列番号177、配列番号178〜188及び配列番号206〜217のいずれか1つを含む免疫グロブリン重鎖可変領域の1つのCDRを含む、請求項12に記載の単離されたIL-33結合剤。

請求項14

配列番号1、配列番号2、配列番号5〜50、配列番号67〜140、配列番号176、配列番号177、配列番号178〜188及び配列番号206〜217のいずれか1つを含む免疫グロブリン重鎖可変領域の2つのCDRsを含む、請求項12に記載の単離されたIL-33結合剤。

請求項15

配列番号1、配列番号2、配列番号5〜50、配列番号67〜140、配列番号176、配列番号177、配列番号178〜188及び配列番号206〜217のいずれか1つを含む免疫グロブリン重鎖可変領域の3つのCDRsを含む、請求項12に記載の単離されたIL-33結合剤。

請求項16

配列番号3、配列番号4、配列番号51〜66、配列番号141〜175、配列番号189〜205及び配列番号218〜231のいずれか1つを含む免疫グロブリン軽鎖可変領域の少なくとも1つのCDRを含む、単離されたIL-33結合剤。

請求項17

配列番号3、配列番号4、配列番号51〜66、配列番号141〜175、配列番号189〜205及び配列番号218〜231のいずれか1つを含む免疫グロブリン軽鎖可変領域の1つのCDRを含む、請求項16に記載の単離されたIL-33結合剤。

請求項18

配列番号3、配列番号4、配列番号51〜66、配列番号141〜175、配列番号189〜205及び配列番号218〜231のいずれか1つを含む免疫グロブリン軽鎖可変領域の2つのCDRsを含む、請求項16に記載の単離されたIL-33結合剤。

請求項19

配列番号3、配列番号4、配列番号51〜66、配列番号141〜175、配列番号189〜205及び配列番号218〜231のいずれか1つを含む免疫グロブリン軽鎖可変領域の3つのCDRsを含む、請求項16に記載の単離されたIL-33結合剤。

請求項20

請求項8〜19のいずれか一項に記載のIL-33結合剤をコードする、単離又は精製された核酸配列。

請求項21

請求項20に記載の単離又は精製された核酸配列を含む、ベクター。

請求項22

請求項21に記載のベクターを含む、単離された細胞

請求項23

(a)請求項8〜19のいずれか一項に記載の単離されたIL-33結合剤又は請求項21に記載のベクター、及び(b)医薬上許容される担体を含む、組成物

請求項24

哺乳動物において、IL-33の阻害に反応する障害治療する方法であって、IL-33の阻害に反応する障害を有する哺乳動物に、請求項23に記載の組成物の有効量を投与することを含み、そうすることで、該哺乳動物において該障害が治療される、方法。

請求項25

障害が炎症性障害である、請求項24に記載の方法。

請求項26

炎症性障害が、アトピー性皮膚炎アレルギー性喘息食物アレルギー、又は線維症である、請求項25に記載の方法。

請求項27

食物アレルギーがピーナッツアレルギーである、請求項26に記載の方法。

請求項28

障害が自己免疫疾患である、請求項24に記載の方法。

請求項29

自己免疫疾患がクローン病又は関節リウマチである、請求項28に記載の方法。

請求項30

障害が癌である、請求項24に記載の方法。

請求項31

癌が、上皮癌慢性骨髄性白血病CML)、乳癌、又は消化器癌である、請求項30に記載の方法。

請求項32

哺乳動物におけるIL-33結合剤の半減期が、30分間から45日間の間である、請求項24〜31のいずれか一項に記載の方法。

請求項33

IL-33結合剤が、約1フェムトモーラー(fM)から約100マイクロモーラー(μM)の間のKDでIL-33と結合する、請求項24〜32のいずれか一項に記載の方法。

背景技術

0001

電子提出された物件の参照による組み込み
本明細書と同時提出され以下のとおり特定される、コンピューター読み取り可能なヌクレオチドアミノ酸配列表は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:283,358バイトのASCIIテキストファイル1件、名称「719408_ST25.txt」、2015年1月8日作成。

0002

発明の背景
インターロイキン33(IL-33)は、高内皮細静脈における核内因子(nuclear factor(NF)in high endothelial venules)(NF-HEV)としても知られ、IL-1スーパーファミリーに属するサイトカインである。IL-33は、2型サイトカインを産生するようヘルパーT細胞
マスト細胞好酸球及び好塩基球誘導する。IL-33は、受容体ST2(IL1RL1としても知られる)及びIL-1受容体アクセサリータンパク質(IL-1 Receptor Accessory Protein、IL1RAP)と相互作用することによりその生物学的効果を媒介しており、NF-κB及びMAPキナーゼシグナリング経路における細胞内分子活性化し、皮膚、及び消化管において、極性化したヘルパーT細胞(Th2)及びグループ2自然リンパ球(Group-2 innate lymphoid cells、ILC2)からの2型サイトカイン(例えば、IL-4、IL-5及びIL-13)の産生を推進する。IL-33は、マスト細胞に直接作用してその活性化を引き起こし、好酸球及び好塩基球を
刺激して脱顆粒させ、組織損傷を引き起こす。IL-33によるin vivoでの2型サイトカイン
の誘導は、IL-33投与後に粘膜器官で観察される重篤病理学的変化を誘導すると考えら
れる(例えば、Schmitz et al., Immunity, 23(5):479-490(2005);及び Chackerian et al., J. Immunol., 179(4):2551-2555(2007)を参照)。

0003

IL-33のin vivo発現プロファイルとその細胞内標的の両方により、Th2により推進され
る病理学においてIL-33が果たす役割示唆される。例えば、IL-33発現は、中等症から重症喘息アトピー性皮膚炎アレルギー性鼻炎食物アレルギー関節リウマチ多発性硬化症及びクローン病を有する患者由来炎症組織で検出されている。さらに、ST2(IL-33R)の遠位プロモーター領域における機能性一塩基多型(single nucleotide polymorphisms、SNPs)は、アトピー性皮膚炎との有意な関連を示している(例えば、Shimizu et
al., Hum. Mol. Genet., 14(19):2919-2927(2005)を参照)。ゲノムワイド関連解
析(Genome-wide association studies、GWAS)はまた、民族的に多様なグループの複合
研究(multiple studies)において、喘息について、IL-33及びST2(IL-33R)遺伝子のSNPsとの強い関連を示している(例えば、Gudbjartsson et al., Nat. Genet., 41(3):342-347(2009);Melen et al., J Allergy Clin. Immunol., 126(3):631-637(2010
);Moffatt et al., New Engl J. Med., 363(13):1211-1221(2010);及びTorgerson et al., Nat. Genet., 43(9):887-92(2011)を参照)。IL-33はまた(おそらくIL-25及びTSLPとともに)、自然リンパ球(ILC2細胞)を活性化し、Th2サイトカイン分泌
寄生虫応答(anti-parasitic responses)及び組織免疫病理学をもたらす。

0004

研究によって、IL-33が、IL-33受容体を発現するいくつかの癌、例えば、上皮癌(すなわち、カルシノーマ)などにおいて、癌細胞に対する生存又は増殖因子として作用することにより直接的な役割を果たすことも示唆される。IL-33に対するそのような反応性は、
ある種の癌細胞タイプを現行標準治療から回避させることに寄与し得る(例えば、慢性骨髄性白血病CML)、乳癌及び消化器癌)。さらに、IL-33は、腫瘍細胞コントロールする際の免疫系の防御活性を低下させることにより、癌の進行に間接的な役割を果たし得る。その他の最近の研究により、IL-33が線維症、例えば、皮膚線維症、肝線維症全身
強皮症及び肺線維症などの病理学に役割を果たすことが示唆される。さらに、Mchedlid
ze et al., Immunity, 39:357-371(2013)は、インターロイキン-33(IL-33)の肝臓発現が、in vivoにおいて、重度の肝線維症に必要且つ十分であることを実証する。

発明が解決しようとする課題

0005

従って、高親和性でIL-33と結合し、IL-33活性を効果的に中和するIL-33阻害剤(例え
ば、抗体)が必要とされている。本発明は、IL-33と結合し阻害するIL-33結合剤を提供する。

課題を解決するための手段

0006

発明の簡単な要旨
本発明は、単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチドであって、(a)配列番号1、配列番号2及び配列番号5〜50のいずれか1つのアミノ酸配列、又は(b)配列番号1、配列番
号2、配列番号5〜50、配列番号67〜140、配列番号176、配列番号177、配列番号178〜188
及び配列番号206〜217のいずれか1つと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、
単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチドを提供する。

0007

本発明は、単離された免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドであって、(a)配列番号3、配列番号4及び配列番号51〜66のいずれか1つのアミノ酸配列、又は(b)配列番号3、配列番号4、配列番号51〜66、配列番号141〜175、配列番号189〜205及び配列番号218〜231のい
ずれか1つと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、単離された免疫グロブリン
軽鎖ポリペプチドを提供する。

0008

さらに、本発明は、前記免疫グロブリンポリペプチドをコードする単離又は精製された核酸配列、かかる核酸配列を含むベクター、前記免疫グロブリンポリペプチドを含む単離されたIL-33結合剤、かかるIL-33結合剤をコードする核酸配列、かかる核酸配列を含むベクター、かかるベクターを含む単離された細胞、かかるIL-33結合剤又はかかるベクター
医薬上許容される担体とともに含む組成物、及びかかる組成物の有効量を哺乳動物に投与することによる、哺乳動物においてIL-33の阻害又は中和に反応する疾患又は障害を治
療する方法、を提供する。

図面の簡単な説明

0009

図面の各図の簡単な説明
図1Aは、KU812細胞からIL-5を分泌するIL-33刺激についてのEC50の決定を説明する実験データを示すグラフである。図1Bは、本発明のIL-33結合剤が、KU812細胞からのIL-33媒介性のIL-5放出を阻害することを説明する実験データを示すグラフである。
図2Aは、HEK293-ST2細胞において、IL-33が、IL-8プロモーターからのルシフェラーゼの発現を誘導することを説明する実験データを示すグラフである。図2Bは、本発明のIL-33結合剤が、HEK293-ST2細胞において、IL-8プロモーターからのIL-33誘導性ルシフェラーゼ発現を阻害することを説明する実験データを示すグラフである。
図3は、本発明のIL-33結合剤が、初代ヒト好塩基球におけるIL-33媒介性のIL-5放出を阻害することを説明する実験データを示すグラフである。APE4909について、IC50 = 2.2 ± 1.1 nM(N=3);ST2モノマーについて、IC50 = 20 nM(N=1)。「IL-33」及び「培地(medium)」に示す破線は、それぞれ、抗体の非存在下及びIL-33の非存在下で分泌されるIL-5の濃度を表す。APE4909に付随する.02のサフィックスは、これらの実験で試験したタンパク質のロットを指す。
図4は、本発明のIL-33結合剤が、初代ヒト好塩基球からのIL-33媒介性のIL-9放出を阻害することを説明する実験データを示すグラフである。APE4909についてのIC50は3 nMで測定された。「IL-33」及び「培地」に示す破線は、それぞれ、抗体の非存在下及びIL-33の非存在下で分泌されるIL-9の濃度を表す。抗体APE0422は、アイソタイプコントロール抗体を表す。
図5は、KINEXATMにより測定されるように、ヒトIL-33に対する本発明のAPE4909抗体の親和性を説明する実験データを示すグラフである。結果は、1.9 pM〜420 fMの95%信頼区間CI)で、KD = 1.0 pM(N=2)を示す。
図6は、KINEXATMにより測定されるように、カニクイザル(cynomolgus)IL-33に対する本発明のAPE4909抗体の親和性を説明する実験データを示すグラフである。
図7は、末梢血コンパートメントにおいて、ヒトIL-33により推進される好酸球増殖(expansion)を阻害する本発明のAPE4909抗体の能力を説明する実験データを示すグラフである。

0010

発明の詳細な説明
本発明は、単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び/若しくは単離された免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド、又はそのフラグメント(例えば、抗原結合フラグメント)を提供する。本明細書で使用する場合、用語「免疫グロブリン」又は「抗体」とは、脊椎動物の血液又は他の体液中で見られるタンパク質をいい、細菌及びウイルスなどの異物を特定し中和するために免疫系によって使用される。ポリペプチドは、その天然環境から取り出されるという点で「単離される」。好ましい実施態様において、免疫グロブリン又は抗体は、少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含むタンパク質である。CDRsは、抗体の「超可変領域」を形成し、これは抗原結合に関与する(以下にさらに記載する)。免疫グロブリン全体は、典型的には、4つのポリペプチドからなる:重(H)鎖ポリペプチドの2つの同一コピー及び軽(L)鎖ポリペプチドの2つの同一コピー。重鎖の各々は、1つのN
末端可変(VH)領域及び3つのC末端定常(CH1、CH2及びCH3)領域を含み、各軽鎖は、1つのN末端可変(VL)領域及び1つのC末端定常(CL)領域を含む。抗体の軽鎖は、それらの
定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、2つの別個のタイプのうちの1つ(カッパ(κ)又はラムダ(λ)のいずれか)に割り当てられ得る。典型的な免疫グロブリンにおいて、各軽鎖は、ジスルフィド結合により重鎖と連結され、2つの重鎖は、ジスルフィド結合に
より互いに連結される。軽鎖可変領域は、重鎖の可変領域と整列し、軽鎖定常領域は、重鎖の第1の定常領域と整列する。重鎖の残りの定常領域は、互いに整列する。

0011

軽鎖及び重鎖の各ペアの可変領域は、抗体の抗原結合部位を形成する。VH及びVL領域は、同じ全体的構造を有し、各領域は、4つのフレームワーク(FW又はFR)領域を含む。本
明細書で使用する場合、用語「フレームワーク領域」とは、超可変又は相補性決定領域(CDRs)間に位置する、可変領域内の比較的保存されたアミノ酸配列をいう。各可変ドメインには4つのフレームワーク領域が存在し、これらはFR1、FR2、FR3及びFR4と表される。
フレームワーク領域は、可変領域の構造的フレームワークを提供するβシートを形成する(例えば、C.A. Janeway et al.(eds.), Immunobiology, 5th Ed., Garland Publishing, New York, NY(2001)を参照)。

0012

フレームワーク領域は、3つの相補性決定領域(CDRs)によりつながれる。上述のよう
に、3つのCDRs(CDR1、CDR2及びCDR3として知られる)は、抗体の「超可変領域」を形成
し、これは抗原結合に関与する。CDRsは、フレームワーク領域により形成されるβシート構造をつなぐ(場合によってはその一部を含む)ループを形成する。軽鎖及び重鎖の定常領域は、抗体の抗原への結合に直接関与しないが、定常領域は、可変領域の配置に影響を及ぼし得る。定常領域はまた、様々なエフェクター機能(例えば、エフェクター分子及び細胞との相互作用を介した、抗体依存性補体媒介性溶解(complement-mediated lysis
)又は抗体依存性細胞傷害(cellular toxicity)への関与など)も呈する。

0013

本発明の単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び単離された免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、望ましくはIL-33と結合する。上述のように、インターロイキン-33(
IL-33)(高内皮細静脈における核内因子(nuclear factor(NF)in high endothelial venules)(NF-HEV)としても知られる)は、IL-1ファミリーのサイトカインであり、それには炎症性サイトカインIL-1α、IL-1β及びIL-18も含まれる。IL-33は、ST2受容体及びIL1RAP受容体を介してシグナルを送ることが示されている。IL-33は、、肺、脊髄、脳及び皮膚を含む様々な組織において、また平滑筋細胞並びに気管支及び末梢気道の内側を覆う上皮細胞を含む細胞において、広範に発現する。IL-33の発現は、肺及び皮膚線維
胞においてIL-1β及び腫瘍壊死因子-α(TNF-α)により誘導され、またそれより少ない
程度でマクロファージ活性化により誘導される。IL-33処置(treatment)は、マウスにおいて、Th2サイトカイン産生及び血清免疫グロブリンの増加により示されるように、T-ヘ
ルパー(Th)タイプ2反応を誘導することが示されている。マウスをIL-33で全身処置すると、肺及び消化管において病理学的変化がもたらされる(例えば、Choi et al., Blood, 114(14):3117-3126(2009);及びYagami et al., J. Immunology, 185(10):5743-5750(2010)を参照)。

0014

IL-33は、30-kDaの前駆体タンパク質として産生され、該タンパク質は、in vitroでカ
スパーゼ-1により切断され、18-kDaの成熟型を放出する(例えば、Schmitz et al., Immunity, 23(5):479-490(2005)を参照)。IL-33は、ST2受容体と結合すると、核内因子(NF)-κB及び分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(mitogen-activated protein kinase、MAPK)の活性化を促進し、Th2サイトカインの転写の増加をもたらす(Schmitz et al., 上記)。

0015

IL-33と結合する抗体、及びその構成要素は、当分野で既知である(例えば、米国特許
出願公報第2009/0041718 A1号及び同第2012/0263709 A1号を参照)。抗IL-33抗体はまた
、例えば、Abcam(Cambridge, MA)などの供給源から市販される。

0016

本発明は、配列番号1、配列番号2、配列番号5〜50、配列番号67〜140、配列番号176、
配列番号177、配列番号178〜188及び配列番号206〜217のいずれか1つのアミノ酸配列、又は配列番号1、配列番号2、配列番号5〜50、配列番号67〜140、配列番号176、配列番号177、配列番号178〜188及び配列番号206〜217のいずれか1つと少なくとも90%同一であるア
ミノ酸配列、を含む免疫グロブリン重鎖ポリペプチドを提供する。本発明の一実施態様において、単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号1、配列番号2、配列番号5〜50、配列番号67〜140、配列番号176、配列番号177、配列番号178〜188及び配列番号206〜217のいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、該アミノ酸配列からなるか、又は本質
的に該アミノ酸配列からなる。本発明の免疫グロブリン重鎖ポリペプチドが、本質的に、配列番号1、配列番号2、配列番号5〜50、配列番号67〜140、配列番号176、配列番号177、配列番号178〜188及び配列番号206〜217のいずれか1つのアミノ酸配列からなる場合、ポ
ペプチド物質的影響を及ぼさない追加の構成要素(例えば、精製又は単離を促進するビオチンなどのタンパク質部分)がポリペプチドに含まれ得る。本発明の免疫グロブリン重鎖ポリペプチドが、配列番号1、配列番号2、配列番号5〜50、配列番号67〜140、配列番号176、配列番号177、配列番号178〜188及び配列番号206〜217のいずれか1つのアミノ酸
配列からなる場合、ポリペプチドは、いずれの追加の構成要素(すなわち、本発明の免疫グロブリン重鎖ポリペプチドに対して内因性でない構成要素)も含まない。

0017

本発明は、配列番号1、配列番号2、配列番号5〜50、配列番号67〜140、配列番号176、
配列番号177、配列番号178〜188又は配列番号206〜217のいずれか1つと少なくとも90%同一である(例えば、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一である)アミノ酸配列を含む、単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプ
チドを提供する。本明細書に記載するように、核酸又はアミノ酸配列の「同一性」は、目的の核酸又はアミノ酸配列と、参照核酸又はアミノ酸配列との比較により決定され得る。
同一性パーセントは、目的の配列と参照配列との間で同じである(すなわち、同一である)ヌクレオチド又はアミノ酸残基の数を、最も長い配列の長さ(すなわち、目的の配列又は参照配列のいずれかの長さであって、いずれか長い方)で除したものである。2以上の
配列間での最適なアラインメントの取得及び同一性計算のためのいくつかの数学アルゴリズムが既知であり、いくつかの利用可能なソフトウェアプログラムに組み込まれている。かかるプログラムの例としては、CLUSTAL-W、T-Coffee及びALIGN(核酸及びアミノ酸配列のアラインメントのため)、BLASTプログラム(例えば、BLAST 2.1、BL2SEQ、及びその後のバージョン)及びFASTAプログラム(例えば、FASTA3x、FASTM及びSSEARCH)(配列アラインメント及び配列類似性検索のため)が挙げられる。配列アラインメントアルゴリズムはまた、例えば、Altschul et al., J. Molecular Biol., 215(3):403-410(1990), Beigert et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 106(10):3770-3775(2009), Durbin et al., eds., Biological Sequence Analysis:Probalistic Models of Proteins and Nucleic Acids, Cambridge University Press, Cambridge, UK(2009), Soding, Bioinformatics, 21(7):951-960(2005), Altschul et al., Nucleic Acids Res., 25(17):3389-3402(1997)、及びGusfield, Algorithms on Strings, Trees and Sequences, Cambridge University Press, Cambridge UK(1997))にも開示される。

0018

本発明は、配列番号3、配列番号4、配列番号51〜66、配列番号141〜175、配列番号189
〜205及び配列番号218〜231のいずれか1つのアミノ酸配列、又は配列番号3、配列番号4、配列番号51〜66、配列番号141〜175、配列番号189〜205及び配列番号218〜231のいずれか1つと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、を含む免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド
を提供する。本発明の一実施態様において、単離された免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号3、配列番号4、配列番号51〜66、配列番号141〜175、配列番号189〜205及び配列番号218〜231のいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、該アミノ酸配列からなるか、
又は本質的に該アミノ酸配列からなる。本発明の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドが、本質的に、配列番号3、配列番号4、配列番号51〜66、配列番号141〜175、配列番号189〜205及び配列番号218〜231のいずれか1つのアミノ酸配列からなる場合、ポリペプチドに物質
的影響を及ぼさない追加の構成要素(例えば、精製又は単離を促進するビオチンなどのタンパク質部分)がポリペプチドに含まれ得る。本発明の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドが、配列番号3、配列番号4、配列番号51〜66、配列番号141〜175、配列番号189〜205及び配列番号218〜231のいずれか1つのアミノ酸配列からなる場合、ポリペプチドは、いずれ
の追加の構成要素(すなわち、本発明の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドに対して内因性でない構成要素)も含まない。

0019

本発明は、配列番号3、配列番号4、配列番号51〜66、配列番号141〜175、配列番号189
〜205又は配列番号218〜231のいずれか1つと少なくとも90%同一である(例えば、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一である)
アミノ酸配列を含む、単離された免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを提供する。本明細書に記載するように、核酸又はアミノ酸配列の「同一性」は、本明細書に記載する方法を用いて決定され得る。

0020

上記免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び/又は軽鎖ポリペプチドの1つ以上のアミノ
酸は、異なるアミノ酸と置換(replaced)又は置換(substituted)され得る。アミノ酸
「置換(replacement)」又は「置換(substitution)」とは、ポリペプチド配列内の所
与の位置又は残基における1アミノ酸の、同じ位置又は残基における別のアミノ酸による
置換をいう。

0021

アミノ酸は、「芳香族」又は「脂肪族」として大きく分類される。芳香族アミノ酸は、芳香環を含む。「芳香族」アミノ酸の例としては、ヒスチジン(H又はHis)、フェニル
ラニン(F又はPhe)、チロシン(Y又はTyr)及びトリプトファン(W又はTrp)が挙げられる。非芳香族アミノ酸は、「脂肪族」として大きく分類される。「脂肪族」アミノ酸の例としては、グリシン(G又はGly)、アラニン(A又はAla)、バリン(V又はVal)、ロイシン(L又はLeu)、イソロイシン(I又はIle)、メチオニン(M又はMet)、セリン(S又はSer)、トレオニン(T又はThr)、システイン(C又はCys)、プロリン(P又はPro)、グルタミン酸(E又はGlu)、アスパラギン酸(A又はAsp)、アスパラギン(N又はAsn)、グルタミン(Q又はGln)、リシン(K又はLys)及びアルギニン(R又はArg)が挙げられる。

0022

脂肪族アミノ酸は、4つのサブグループに細分され得る。「大きな脂肪族非極性サブグ
ループ」は、バリン、ロイシン及びイソロイシンからなる。「脂肪族微極性サブグループ」は、メチオニン、セリン、トレオニン及びシステインからなる。「脂肪族極性/荷電サブグループ」は、グルタミン酸、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、リシン及びアルギニンからなる。「小さな残基サブグループ」は、グリシン及びアラニンからなる。荷電/極性アミノ酸のグループは、3つのサブグループに細分され得る:リシン及びア
ルギニンからなる「正荷電サブグループ」、グルタミン酸及びアスパラギン酸からなる「負荷電サブグループ」、並びにアスパラギン及びグルタミンからなる「極性サブグループ」。

0023

芳香族アミノ酸は、2つのサブグループに細分され得る:ヒスチジン及びトリプトファ
ンからなる「窒素環サブグループ」、並びにフェニルアラニン及びチロシンからなる「フェニルサブグループ」。

0024

アミノ酸の置換(replacement)又は置換(substitution)は、保存的、半保存的又は
非保存的であり得る。フレーズ保存的アミノ酸置換(substitution)」又は「保存的変異」とは、1つのアミノ酸の、共通の特性を備えた別のアミノ酸による置換をいう。個々
のアミノ酸間の共通の特性を定義する機能的な方法は、相同的な生物の対応するタンパク質間アミノ酸変化正規化された頻度分析することである(Schulz and Schirmer, Principles of Protein Structure, Springer-Verlag, New York(1979))。そのような
分析により、グループ内のアミノ酸が優先的に互いを交換し、それ故、タンパク質の全体構造への影響において互いに最も類似するアミノ酸のグループが定義され得る(Schulz and Schirmer, 上記)。

0025

保存的アミノ酸置換(substitutions)の例としては、上記サブグループ内でのアミノ
酸の置換、例えば、アルギニンのリシンでの置換及びその逆(正電荷が維持され得るように)、アスパラギン酸のグルタミン酸での置換及びその逆(負電荷が維持され得るように)、トレオニンのセリンでの置換(遊離-OHが維持され得るように)、並びにアスパラ
ンのグルタミンでの置換(遊離-NH2が維持され得るように)、が挙げられる。

0026

「半保存的変異」は、上記に列挙した同一グループ内ではあるが、同一サブグループ内ではないアミノ酸のアミノ酸置換を含む。例えば、アスパラギンのアスパラギン酸での置換、又はリシンのアスパラギンでの置換は、同一グループ内ではあるが、サブグループが異なるアミノ酸を伴う。「非保存的変異」は、異なるグループ間のアミノ酸置換、例えば、トリプトファンのリシンでの置換、又はセリンのフェニルアラニンでの置換などを伴う。

0027

さらに、1つ以上のアミノ酸が、前記免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び/又は軽鎖
ポリペプチドに挿入され得る。任意の数の任意の適切なアミノ酸が、免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び/又は軽鎖ポリペプチドのアミノ酸配列に挿入され得る。これに関して、少なくとも1つのアミノ酸(例えば、2以上、5以上、又は10以上のアミノ酸)であるが
、20以下のアミノ酸(例えば、18以下、15以下、又は12以下のアミノ酸)が、免疫グロ
リン重鎖ポリペプチド及び/又は軽鎖ポリペプチドのアミノ酸配列に挿入され得る。好ましくは、1〜10のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のアミノ酸)が、免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び/又は軽鎖ポリペプチドのアミノ酸配列に挿入される。これに関して、アミノ酸(複数可)は、任意の適切な場所において、前記免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び/又は軽鎖ポリペプチドのいずれか1つに挿入され得る。好ま
しくは、アミノ酸(複数可)は、免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び/又は軽鎖ポリペプチドのCDR(例えば、CDR1、CDR2又はCDR3)に挿入される。

0028

本発明の単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドは、本明細書に記載の特定のアミノ酸配列を含むポリペプチドに限定されない。実際に、免疫グロブリン重鎖ポリペプチド又は軽鎖ポリペプチドは、IL-33との結合について、本発明の免疫
グロブリン重鎖ポリペプチド又は軽鎖ポリペプチドと競合する任意の重鎖ポリペプチド又は軽鎖ポリペプチドであり得る。これに関して、例えば、免疫グロブリン重鎖ポリペプチド又は軽鎖ポリペプチドは、本明細書に記載の重鎖及び軽鎖ポリペプチドにより認識されるIL-33エピトープと同じエピトープと結合する任意の重鎖ポリペプチド又は軽鎖ポリペ
プチドであり得る。抗体競合は、ELISAウエスタンブロット又は免疫組織化学方法を利
用するルーチンなペプチド競合アッセイを用いてアッセイされ得る(例えば、米国特許第4,828,981号及び同第8,568,992号;並びにBraitbard et al., Proteome Sci., 4:12(2006)を参照)。

0029

本発明は、本明細書に記載する本発明の単離されたアミノ酸配列の1つ以上を含むか、
本質的に該配列の1つ以上からなるか、又は該配列の1つ以上からなる、単離されたインターロイキン-33(IL-33)結合剤を提供する。「インターロイキン-33(IL-33)結合剤」とは、IL-33と特異的に結合する分子、好ましくはタンパク性分子を意味する。好ましくは
、IL-33結合剤は、抗体又はそのフラグメント(例えば、免疫原性フラグメント)である
。本発明の単離されたIL-33結合剤は、本発明の単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプ
チド及び/又は本発明の単離された免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを含むか、本質的に該ポリペプチドからなるか、又は該ポリペプチドからなる。一実施態様において、単離されたIL-33結合剤は、本発明の免疫グロブリン重鎖ポリペプチド又は本発明の免疫グロブ
リン軽鎖ポリペプチドを含むか、本質的に該ポリペプチドからなるか、又は該ポリペプチドからなる。別の実施態様において、単離されたIL-33結合剤は、本発明の免疫グロブリ
ン重鎖ポリペプチド及び本発明の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを含むか、本質的に該ポリペプチドからなるか、又は該ポリペプチドからなる。

0030

IL-33結合剤の生物学的活性がアミノ酸の置換、挿入及び/又は欠失の結果として高め
られるか又は改善される限り、本発明の免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び/又は本発明の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドの任意のアミノ酸残基は、任意の組み合わせで、異なるアミノ酸残基に置換され得、或いは欠失又は挿入され得る。IL-33結合剤の「生物学
的活性」とは、例えば、特定のIL-33エピトープに対する結合親和性、IL-33のその受容体(複数可)との結合の中和又は阻害、in vivoにおけるIL-33活性の中和又は阻害(例えば、IC50)、薬物動態、並びに交差反応性(例えば、IL-33タンパク質の非ヒトホモログ
しくはオーソログとの、又は他のタンパク質若しくは組織との)をいう。当分野で認識される抗原結合剤の他の生物学的特性又は特徴には、例えば、アビディティ選択性溶解性フォールディング免疫毒性、発現、及び剤形(formulation)が含まれる。前記の
特性又は特徴は、標準的な技術(ELISA、競合ELISA、表面プラズモン共鳴分析(BIACORETM)又はKINEXATM、in vitro又はin vivo中和アッセイ、受容体-リガンド結合アッセイ
サイトカイン又は増殖因子の産生及び/又は分泌アッセイ、並びにシグナル伝達及び免疫組織化学アッセイを含むが、これらに限定されない)を用いて、観察、測定及び/又は評価され得る。

0031

用語「阻害する」又は「中和する」とは、IL-33結合剤の活性に関して本明細書で使用
する場合、例えば、IL-33の生物学的活性の又はIL-33と関連する疾患若しくは状態の進行又は重症度を、実質的に拮抗、防止、予防、制限、遅延中断、変更、排除、停止、又は逆転させる能力をいう。本発明の単離されたIL-33結合剤は、好ましくは、IL-33の活性を少なくとも約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約100%、又は前記値のいずれか2つによって規定される範囲に阻害又は中和する。

0032

本発明の単離されたIL-33結合剤は、本明細書に記載するように、全抗体(whole antibody)、又は抗体フラグメントであり得る。用語「抗体のフラグメント」、「抗体フラ
メント」及び「抗体の機能的フラグメント」は、本明細書において互換的に使用され、抗原と特異的に結合する能力を保持する、抗体の1つ以上のフラグメントを意味する(一般
に、Holliger et al., Nat. Biotech., 23(9):1126-1129(2005)を参照)。単離されたIL-33結合剤は、任意のIL-33結合抗体フラグメントを含み得る。抗体フラグメントは、望ましくは、例えば、1つ以上のCDRs、可変領域(又はその部分)、定常領域(又はその
部分)、又はその組み合わせを含む。抗体フラグメントの例としては、(i)VL、VH、CL
及びCH1ドメインからなる一価のフラグメントであるFabフラグメント、(ii)ヒンジ領域においてジスルフィド架橋によって連結された2つのFabフラグメントを含む二価のフラグメントであるF(ab’)2フラグメント、(iii)抗体の単一アームのVL及びVHドメインか
らなるFvフラグメント、(iv)穏和な還元条件を用いたF(ab’)2フラグメントのジスルフィド架橋の切断(breaking)から生じるFab’フラグメント、(v)ジスルフィド安定化Fvフラグメント(dsFv)、並びに(vi)抗原と特異的に結合する抗体シングル可変領域ドメイン(VH又はVL)ポリペプチドであるドメイン抗体(dAb)が挙げられるが、これらに
限定されない。

0033

単離されたIL-33結合剤が免疫グロブリン重鎖又は軽鎖ポリペプチドのフラグメントを
含む実施態様において、該フラグメントは、IL-33と結合し、好ましくはその活性を阻害
する限り、任意のサイズのものであり得る。これに関して、免疫グロブリン重鎖ポリペプチドのフラグメントは、望ましくは、約5から18の間(例えば、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は前記値のいずれか2つによって規定される範囲)の
アミノ酸を含む。同様に、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドのフラグメントは、望ましくは、約5から18の間(例えば、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は前記値のいずれか2つによって規定される範囲)のアミノ酸を含む。

0034

IL-33結合剤が抗体又は抗体フラグメントである場合、該抗体又は抗体フラグメントは
、望ましくは、任意の適切なクラスの重鎖定常領域(Fc)を含む。好ましくは、抗体又は抗体フラグメントは、野生型IgG1、IgG2若しくはIgG4抗体、又はそのバリアントに基づく重鎖定常領域を含む。

0035

IL-33結合剤はまた、一本鎖抗体フラグメントであり得る。一本鎖抗体フラグメントの
例としては、(i)Fvフラグメントの2つのドメイン(すなわち、VL及びVH)が単一のポリペプチド鎖として合成されることを可能にする合成リンカーによって結合された、該2つ
のドメインからなる一価の分子である一本鎖Fv(scFv)(例えば、Bird et al., Science, 242:423-426(1988);Huston et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85:5879-5883(1988);及びOsbourn et al., Nat. Biotechnol., 16:778(1998)を参照)、及び(ii)ダイアボディ(ポリペプチド鎖の二量体であって、各ポリペプチド鎖はペプチドリン
カーによりVLと結合されたVHを含み、該ペプチドリンカーは同一ポリペプチド鎖上のVHとVL間で対合させるには短すぎるものであり、それにより、異なるVH-VLポリペプチド鎖上
相補的なドメイン間での対合が促されて、2つの機能的な抗原結合部位を有する二量体
分子が生じる)が挙げられるが、これらに限定されない。抗体フラグメントは、当分野で既知であり、例えば、米国特許出願公報第2009/0093024 A1号などに、より詳細に記載さ
れる。

0036

単離されたIL-33結合剤はまた、イントラボディ又はそのフラグメントであり得る。イ
トラディは、細胞内で発現し機能する抗体である。イントラボディは、典型的には、ジスルフィド結合を欠き、その特異的な結合活性により標的遺伝子の発現又は活性を調節することができる。イントラボディは、単離されたVH及びVLドメイン並びにscFvsなどの
シングルドメインのフラグメントを含む。イントラボディは、標的タンパク質が位置する細胞内コンパートメントにおける高濃度での発現を可能にするため、イントラボディのN
又はC末端に付加される細胞内輸送シグナルを含み得る。イントラボディは、標的遺伝子
と相互作用すると、標的タンパク質の分解促進非生理学的な細胞内コンパートメントへの標的タンパク質の隔離(sequestering)などのメカニズムによって、標的タンパク質の機能を調節し、且つ/或いは表現型/機能的ノックアウトを達成する。イントラボディ媒介性の遺伝子不活性化の他のメカニズムは、イントラボディが対象とするエピトープに依存し得る(例えば、標的タンパク質上の触媒部位との結合、又はタンパク質-タンパク質
、タンパク質-DNA若しくはタンパク質-RNA相互作用に関与するエピトープとの結合など)。

0037

単離されたIL-33結合剤はまた、抗体コンジュゲートであり得る。これに関して、単離
されたIL-33結合剤は、(1)抗体、代替スキャフォールド(alternative scaffold)、又はそのフラグメント、及び(2)IL-33結合剤を含むタンパク質又は非タンパク質部分、のコンジュゲートであり得る。例えば、IL-33結合剤は、ペプチド、蛍光分子又は化学療法
剤とコンジュゲートされた抗体の全部又は一部であり得る。

0038

単離されたIL-33結合剤は、ヒト抗体非ヒト抗体若しくはキメラ抗体であり得るか、
又はそれから得られ得る。「キメラ(chimeric)」とは、ヒト及び非ヒト領域の両方を含む抗体又はそのフラグメントを意味する。好ましくは、単離されたIL-33結合剤はヒト化
抗体である。「ヒト化」抗体は、ヒト抗体スキャフォールドと、非ヒト抗体から得られるか又はそれに由来する少なくとも1つのCDRとを含むモノクローナル抗体である。非ヒト抗体には、例えば、齧歯類(例えば、マウス又はラット)などの任意の非ヒト動物から単離された抗体が含まれる。ヒト化抗体は、非ヒト抗体から得られるか又はそれに由来する1
つ、2つ又は3つのCDRsを含み得る。本発明の一実施態様において、本発明のIL-33結合剤
のCDRH3がマウスモノクローナル抗体から得られるか又はそれに由来する一方、本発明のIL-33結合剤の残りの可変領域及び定常領域はヒトモノクローナル抗体から得られるか又はそれに由来する。

0039

ヒト抗体、非ヒト抗体、キメラ抗体又はヒト化抗体は、in vitroソース(例えば、ハイブリドーマ、又は組換えにより抗体を産生する細胞株)及びin vivoソース(例えば、齧
歯類)を介することを含む、任意の手段によって得られ得る。抗体を作製するための方法は、当分野で既知であり、例えば、Kohler and Milstein, Eur. J. Immunol., 5:511-519(1976);Harlow and Lane(eds.), Antibodies:A Laboratory Manual, CSH Press(1988);及びJaneway et al.(eds.), Immunobiology, 5th Ed., Garland Publishing, New York, NY(2001))に記載される。特定の実施態様において、ヒト抗体又はキメラ抗体は、1つ以上の内因性免疫グロブリン遺伝子が1つ以上のヒト免疫グロブリン遺伝子に置き換えられているトランスジェニック動物(例えば、マウス)を使用して作製され得る。内因性抗体遺伝子がヒト抗体遺伝子に効果的に置き換えられているトランスジェニックマウスの例としては、Medarex HUMAB-MOUSETM、Kirin TC MOUSETM、及びKyowa Kirin KM-MOUSETM(例えば、Lonberg, Nat. Biotechnol., 23(9):1117-25(2005), 及びLonberg,
Handb. Exp. Pharmacol., 181:69-97(2008)を参照)が挙げられるが、これらに限定
されない。ヒト化抗体は、例えば、非ヒトCDRsをヒト抗体スキャフォールド上にグラフトすること(例えば、Kashmiri et al., Methods, 36(1):25-34(2005);及びHou et a
l., J. Biochem., 144(1):115-120(2008)を参照)などを含む、当分野で既知の任意の適切な方法を用いて作製され得る(例えば、An, Z.(ed.), Therapeutic Monoclonal Antibodies: From Bench to Clinic, John Wiley & Sons, Inc., Hoboken, New Jersey
(2009)を参照)。一実施態様において、ヒト化抗体は、例えば米国特許出願公報第2011/0287485 A1号などに記載の方法を用いて作製され得る。

0040

一実施態様において、本明細書に記載の免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び/又は免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドのCDR(例えば、CDR1、CDR2又はCDR3)又は可変領域は、
タンパク質化学又は組換えDNA技術のいずれかを用いて、抗体又は非抗体ポリペプチド
どの別の分子へと移植(すなわち、グラフト化)され得る。これに関して、本発明は、本明細書に記載するような免疫グロブリン重鎖及び/又は軽鎖ポリペプチドの少なくとも1
つのCDRを含む、単離されたIL-33結合剤を提供する。単離されたIL-33結合剤は、本明細
書に記載するような免疫グロブリン重鎖及び/又は軽鎖可変領域の、1つ、2つ又は3つのCDRsを含み得る。例えば、配列番号1、配列番号2又は配列番号5〜50のいずれか1つを含む
免疫グロブリン重鎖ポリペプチドに関して、CDR1は、境界も含めてアミノ酸残基26と35の間に位置し;CDR2は、境界も含めてアミノ酸残基50と59の間(配列番号1及び配列番号2)、又は境界も含めてアミノ酸残基50と66の間(配列番号5〜50)に位置し;且つCDR3は、
境界も含めてアミノ酸残基99と102の間(配列番号1及び配列番号2)、又は境界も含めて
アミノ酸残基99と111の間(配列番号5〜50)に位置する。配列番号3、配列番号4及び配列番号51〜66のいずれか1つを含む免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドに関して、例えば、CDR1は、境界も含めてアミノ酸残基24と39の間(配列番号3及び配列番号4)、又は境界も含
めてアミノ酸残基24と34の間(配列番号51〜66)に位置し;CDR2は、境界も含めてアミノ酸残基55と61の間(配列番号3及び配列番号4)、又は境界も含めてアミノ酸残基50と56の間(配列番号51〜66)に位置し;CDR3は、境界も含めてアミノ酸残基94と102の間(配列
番号3及び配列番号4)、又は境界も含めてアミノ酸残基89と97の間(配列番号51〜66)に位置する。

0041

好ましい実施態様において、IL-33結合剤はIL-33エピトープと結合し、それにより、IL-33と受容体ST2(IL1RL1としても知られる)及び/又はIL-1受容体アクセサリータンパク質(IL-1 Receptor Accessory Protein、IL1RAP)との結合がブロックされ、IL-33媒介性のシグナリングが阻害される。本発明はまた、単離又は精製されたIL-33エピトープを提
供し、それにより、IL-33と受容体ST2及びIL1RAPとの結合が間接的又はアロステリックな様式でブロックされる。

0042

本発明はまた、本発明の免疫グロブリン重鎖ポリペプチド、本発明の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド及び本発明のIL-33結合剤をコードする、1つ以上の単離又は精製された核酸配列を提供する。

0043

用語「核酸配列」は、DNA又はRNAのポリマー、すなわちポリヌクレオチド包含するよう意図されており、一本鎖又は二本鎖であり得、非天然の又は改変されたヌクレオチドを含み得る。本明細書で使用する場合、用語「核酸」及び「ポリヌクレオチド」とは、リボヌクレオチド(RNA)又はデオキシリボヌクレオチド(DNA)のいずれかである、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態をいう。これらの用語は、分子の一次構造をいい、従って、二本鎖及び一本鎖DNA、並びに二本鎖及び一本鎖RNAを含む。当該用語は、等価物として、ヌクレオチドアナログ及び改変ポリヌクレオチド(例えば、メチル化及び/又はキャッピングされたポリヌクレオチドなどであるが、これらに限定されない)から作製されるRNA又はDNAいずれかのアナログを含む。核酸は、典型的には、ホスフェート結合を介して連結されて核酸配列又はポリヌクレオチドを形成するが、他にも多くの結合(linkages)が当分野で既知である(例えば、ホスホロチオエートボラノホスフェートなど)。

0044

本発明はさらに、本発明の免疫グロブリン重鎖ポリペプチド、本発明の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド及び/又は本発明のIL-33結合剤、をコードする1つ以上の核酸配列を含むベクターを提供する。ベクターは、例えば、プラスミドエピソームコスミドウイルスベクター(例えば、レトロウイルス又はアデノウイルス)又はファージであり得る。適切なベクター及びベクター調製の方法は、当分野で周知である(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning, a Laboratory Manual, 3rd edition, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(2001), 及びAusubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons, New York, N.Y.(1994)を参照)。

0045

本発明の免疫グロブリン重ポリペプチド、本発明の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド及び/又は本発明のIL-33結合剤、をコードする核酸配列に加えて、ベクターは、好ましく
は、プロモーター、エンハンサーポリアデニル化シグナル転写ターミネーター、内部リボソーム侵入部位(internal ribosome entry sites、IRES)などの、宿主細胞におけ
コード配列の発現を提供する発現調節配列を含む。例示的な発現調節配列は当分野で既知であり、例えば、Goeddel, Gene Expression Technology:Methodsin Enzymology, Vol. 185, Academic Press, San Diego, Calif.(1990)に記載される。

0046

様々な異なるソースからの、構成的、誘導性及び抑制性(repressible)プロモーター
を含む多数のプロモーターが当分野で周知である。プロモーターの代表的なソースには、例えば、ウイルス、哺乳動物、昆虫、植物、酵母及び細菌が含まれ、これらソースからの適切なプロモーターは、容易に入手可能であるか、或いは、例えば、ATCCなどの寄託機関及び他の商業的又は個人的ソースなどから一般に入手可能な配列に基づいて合成的に作製され得る。プロモーターは、一方向性(すなわち、一方向で転写を開始させる)又は二方向性(すなわち、3’又は5’のいずれかの方向で転写を開始させる)であり得る。プロモーターの非限定的な例としては、例えば、T7バクテリア発現系、pBAD(araA)バクテリア発現系、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、SV40プロモーター、RSVプロモーターが挙げられる。誘導性プロモーターには、例えば、Tet系(米国特許第5,464,758号及び同第5,814,618号)、エクジソン誘導性(Ecdysone inducible)系(No et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 93:3346-3351(1996))、T-REXTM系(Invitrogen, Carlsbad, CA)、LACSWITCHTM系(Stratagene, San Diego, CA)、及びCre-ERTタモキシフェン誘導性リコ
ンビナーゼ系(Indra et al., Nuc. Acid. Res., 27:4324-4327(1999);Nuc. Acid. Res., 28:e99(2000);米国特許第7,112,715号;及びKramer & Fussenegger, MethodsMol. Biol., 308:123-144(2005))が含まれる。

0047

本明細書で使用する場合、用語「エンハンサー」とは、例えば、それが作動可能(operably)に連結された核酸配列などの転写を増加させるDNA配列をいう。エンハンサーは、
核酸配列のコーディング領域から何キロベースも離れて位置することができ、制御因子の結合、DNAメチルパターン、又はDNA構造の変化を仲介し得る。様々な異なるソースからの多数のエンハンサーが当分野で周知であり、クローニングされたポリヌクレオチド(例えば、ATCCなどの寄託機関及び他の商業的又は個人的なソースなどから)として又は該ポリヌクレオチド内にて入手可能である。プロモーター(例えば、一般に使用されるCMVプ
モーターなど)を含む多くのポリヌクレオチドはまた、エンハンサー配列も含む。エンハンサーは、コード配列の上流、内部又は下流に位置し得る。

0048

ベクターはまた、「選択可能マーカー遺伝子(selectable marker gene)」を含み得る。本明細書で使用する場合、用語「選択可能マーカー遺伝子」とは、核酸配列であって、該核酸配列を発現する細胞が、対応する選択剤の存在下、特異的に選択される又はされないようにすることを可能にするものをいう。適切な選択可能マーカー遺伝子は、当分野で既知であり、例えば、国際特許出願公報WO 1992/008796号及びWO 1994/028143号;Wigler
et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:3567-3570(1980);O'Hare et al., Proc.
Natl. Acad. Sci. USA, 78:1527-1531(1981);Mulligan & Berg, Proc. Natl. Acad.
Sci. USA, 78:2072-2076(1981);Colberre-Garapin et al., J. Mol. Biol., 150:1-14(1981);Santerre et al., Gene, 30:147-156(1984);Kent et al., Science, 237:901-903(1987);Wigler et al., Cell, 11:223-232(1977);Szybalska & Szybalski, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 48:2026-2034(1962);Lowy et al., Cell, 22:817-823(1980);並びに米国特許第5,122,464号及び同第5,770,359号に記載される。

0049

いくつかの実施態様において、ベクターは、「エピソーマル発現ベクター」又は「エピソーム」であり、宿主細胞において複製可能であり、適切な選択圧の存在下、宿主細胞内においてDNAの染色体外セグメントとして存続する(例えば、Conese et al., Gene Therapy, 11:1735-1742(2004)を参照)。代表的な市販のエピソーマル発現ベクターには、
エプスタイン・バーウイルス由来核抗原1(Epstein Barr Nuclear Antigen 1、EBNA1)及びエプスタイン・バーウイルス(EBV複製起点(oriP)を利用するエピソーマルプラス
ミドが含まれるが、これらに限定されない。Invitrogen(Carlsbad, CA)のベクターpREP4、pCEP4、pREP7及びpcDNA3.1、並びにStratagene(La Jolla, CA)のpBK-CMVは、EBNA1
及びoriPの代わりにT抗原及びSV40複製起点を使用するエピソーマルベクターの非限定的
な例を示す。

0050

他の適切なベクターには組込み(integrating)発現ベクターが含まれ、これは宿主
胞のDNA中にランダムに組込み得るか、又は発現ベクターと宿主細胞染色体との間の特異
的組換えを可能にする組換え部位を含み得る。かかる組込み発現ベクターは、所望のタンパク質の発現をもたらすために、宿主細胞染色体の内因性発現調節配列を利用し得る。部位特異的な様式で組込むベクターの例としては、例えば、Invitrogen(Carlsbad, CA)のflp-in系(例えば、pcDNATM5/FRT)、又はcre-lox系(例えば、Stratagene(La Jolla, CA)のpExchange-6 Core Vectors中に見出され得るものなど)の構成要素が挙げられる。
宿主細胞染色体中にランダムに組込むベクターの例としては、例えば、Life Technologies(Carlsbad, CA)のpcDNA3.1(T抗原の非存在下で導入される場合)、Millipore(Billerica, MA)のUCOE、及びPromega(Madison, WI)のpCI又はpFN10A(ACT)FLEXITMが挙げ
られる。

0051

ウイルスベクターも使用され得る。代表的な市販のウイルス発現ベクターには、Crucell, Inc.(Leiden, The Netherlands)から入手可能なアデノウイルスベースのPer.C6系、Invitrogen(Carlsbad, CA)のレンチウイルスベースのpLP1、及びStratagene(La Jolla, CA)のレトロウイルスベクターpFB-ERVプラスpCFB-EGSHが含まれるが、これらに限定されない。

0052

本発明のアミノ酸配列をコードする核酸配列は、同じベクター上で(すなわち、cisで
)細胞に提供され得る。一方向性プロモーターを用いて、各核酸配列の発現を調節することができる。別の実施態様において、二方向性プロモーターと一方向性プロモーターの組み合わせを用いて、複数の核酸配列の発現を調節することができる。或いは、本発明のアミノ酸配列をコードする核酸配列は、別々のベクター上で(すなわち、transで)細胞の
集団に提供され得る。別々のベクターそれぞれにおける各核酸配列は、同一又は異なる発現調節配列を含み得る。別々のベクターは、同時に又は逐次的に細胞に提供され得る。

0053

本発明のアミノ酸配列をコードする核酸(複数可)を含むベクター(複数可)は、それによってコードされるポリペプチドを発現することが可能な宿主細胞(任意の適切な原核又は真核細胞を含む)へと導入され得る。従って、本発明は、本発明のベクターを含む単離された細胞を提供する。好ましい宿主細胞は、容易且つ確実に増殖でき、合理的に速い増殖速度を有し、十分特徴付けられた発現系を有し、容易且つ効率的に形質転換又はトラ
スフクトされ得るものである。

0054

適切な原核細胞の例としては、Bacillus属(例えば、Bacillus subtilis及びBacillus brevisなど)、Escherichia属(例えば、E. coliなど)、Pseudomonas属、Streptomyces
属、Salmonella属、及びErwinia属由来の細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
特に有用な原核細胞には、Escherichia coliの種々の株(例えば、K12、HB101(ATCCNo.
33694)、DH5α、DH10、MC1061(ATCC No. 53338)及びCC102)が含まれる。

0055

好ましくは、ベクターは、真核細胞へと導入される。適切な真核細胞は、当分野で既知であり、例えば、酵母細胞昆虫細胞及び哺乳動物細胞が含まれる。適切な酵母細胞の例としては、Kluyveromyces属、Pichia属、Rhino-sporidium属、Saccharomyces属、及びSchizosaccharomyces属由来のものが挙げられる。好ましい酵母細胞には、例えば、Saccharomyces cerivisae及びPichia pastorisが含まれる。

0056

適切な昆虫細胞は、例えば、Kitts et al., Biotechniques, 14:810-817(1993);Lucklow, Curr. Opin. Biotechnol., 4:564-572(1993);及びLucklow et al., J. Virol., 67:4566-4579(1993)に記載される。好ましい昆虫細胞には、Sf-9及びHI5(Invitrogen, Carlsbad, CA)が含まれる。

0057

好ましくは、哺乳動物細胞が本発明において利用される。多数の適切な哺乳動物宿主細胞が当分野で既知であり、多くがAmerican Type Culture Collection(ATCC, Manassas, VA)から入手可能である。適切な哺乳動物細胞の例としては、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)(ATCC No. CCL61)、CHO DHFR細胞(Urlaub et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 97:4216-4220(1980))、ヒト胚性腎臓(HEK)293又は293T細胞(ATCC No. CRL1573)、及び3T3細胞(ATCC No. CCL92)が挙げられるが、これらに限定されない。他の適切な哺乳動物細胞株(cell lines)は、サルCOS-1(ATCC No. CRL1650)及びCOS-7細胞株(ATCC No. CRL1651)、並びにCV-1細胞株(ATCC No. CCL70)である。更なる例示的な哺乳動物宿主細胞には、霊長類細胞株及び齧歯類細胞株(形質転換された細胞株を含む)が含まれる。正常な二倍体細胞、初代組織(primary tissue)及び初代外植片(primary explants)のin vitro培養物由来の細胞株も適切である。他の適切な哺乳動物細胞株には、マウス神経芽細胞腫N2A細胞、HeLa、マウスL-929細胞、及びBHK又はHaKハムスター細胞株(これらは全て、ATCCから入手可能である)が含まれるが、これらに限定されない。適切な哺乳動物宿主細胞を選択するための方法、並びに細胞の形質転換、培養、増幅スクリーニング及び精製のための方法は、当分野で既知である。

0058

最も好ましくは、哺乳動物細胞はヒト細胞である。例えば、哺乳動物細胞は、ヒトリンパ系細胞株又はリンパ系由来細胞株、例えば、プレBリンパ球由来の細胞株などであり得
る。ヒトリンパ系細胞株の例としては、RAMOS(CRL-1596)、Daudi(CCL-213)、EB-3(CCL-85)、DT40(CRL-2111)、18-81(Jack et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85:1581-1585(1988))、Raji細胞(CCL-86)、及びその誘導体(derivatives)が挙げられ
るが、限定されない。

0059

本発明のアミノ酸配列をコードする核酸配列は、「トランスフェクション」、「形質転換」又は「形質導入」により細胞に導入され得る。本明細書で使用する場合、「トランスフェクション」、「形質転換」又は「形質導入」とは、物理的又は化学的な方法を使用して、宿主細胞に1つ以上の外因性ポリヌクレオチドを導入することをいう。多くのトラン
スフェクション技術が当分野で既知であり、例えば、リン酸カルシウムDNA共沈殿(例え
ば、Murray E.J.(ed.), Methodsin Molecular Biology, Vol. 7, Gene Transfer and Expression Protocols, Humana Press(1991)を参照);DEAE-デキストランエレクト
ポレーションカチオン性リポソーム介在トランスフェクション;タングステン粒子
進性の微粒子銃(microparticle bombardment)(Johnston, Nature, 346:776-777(1990));及びリン酸ストロンチウムDNA共沈殿(Brash et al., Mol. Cell Biol., 7:2031-2034(1987))が含まれる。ファージ又はウイルスベクターは、適切なパッケージング
細胞(その多くが市販されている)内での感染粒子の増殖後に、宿主細胞に導入され得る。

0060

本発明は、本発明の免疫グロブリン重鎖ポリペプチド、本発明の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド、本発明のIL-33結合剤、前記いずれかをコードする本発明の核酸配列、又は
本発明の核酸配列を含む本発明のベクター、の有効量を含む組成物を提供する。好ましくは、該組成物は、医薬上許容される(例えば、生理学上許容される)組成物であり、担体、好ましくは医薬上許容される(例えば、生理学上許容される)担体、及び本発明のアミノ酸配列、抗原結合剤又はベクターを含む。任意の適切な担体が本発明の文脈において使用され得、かかる担体は当分野で周知である。担体の選択は、部分的には、組成物が投与され得る特定の部位及び組成物を投与するために使用される特定の方法によって決定されるだろう。組成物は、任意選択無菌であり得る。組成物は、保存のために凍結又は凍結乾燥され得、使用前に適切な無菌の担体で再構成され得る。組成物は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, PA(2001)に記載される従来技術に従って作製され得る。

0061

本発明はさらに、哺乳動物において、IL-33の阻害又は中和に反応する疾患又は障害を
治療する方法を提供する。当該方法は、IL-33の阻害又は中和に反応する疾患又は障害を
有する哺乳動物に前記組成物を投与することを含み、そうすることで、該哺乳動物において該疾患又は障害が治療される。「IL-33の阻害に反応する」又は「IL-33の中和に反応する」疾患又は障害とは、IL-33レベル又は活性の低下が哺乳動物(好ましくは、ヒト)に
おいて治療的有用性を有するか、或いはIL-33の不適切な発現(例えば、過剰発現)又は
活性の増加が、疾患又は障害の病理学的作用を引き起こすか又はこれに寄与する、任意の疾患又は障害をいう。IL-33の阻害又は中和に反応する疾患又は障害には、例えば、炎症
性障害、自己免疫疾患、ある種の癌(例えば、上皮癌(カルシノーマ)、慢性骨髄性白血病(CML)、乳癌、及び消化器癌)、及び任意のアトピー性障害が含まれる。炎症性障害
には、例えば、皮膚、肺及び消化管のアレルギー性炎症、アトピー性皮膚炎(アトピー性湿疹としても知られる)、喘息(アレルギー性及び非アレルギー性)、線維症(例えば、特発性肺線維症、強皮症、腎線維症、及び瘢痕化)、慢性閉塞性肺疾患COPD)、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー(例えば、ピーナッツ乳製品甲殻類ナッツ類(tree nuts)などに対するアレルギー)、季節性アレルギー及び他のアレルギーが含まれる
。自己免疫疾患には、例えば、クローン病、関節リウマチ、乾癬強直性脊椎炎エリテマトーデス(lupus erythematosus)、及び強皮症が含まれる。本明細書で使用する場合
、用語「アトピー性」とは、特定の過敏性反応(例えば、湿疹(アトピー性皮膚炎)、花粉症(アレルギー性鼻炎)、及びアレルギー誘発性喘息(アレルギー性喘息))の発症へと向かう遺伝的素因をいい、典型的には過剰なIgE産生により媒介される。

0062

本明細書で使用する場合、用語「治療」、「治療すること」などとは、所望の薬理学的及び/又は生理学的効果を得ることをいう。好ましくは、該効果は治療的であり、すなわち、該効果は、疾患、及び/又は疾患に起因する有害な症状を部分的に又は完全に治癒する。このために、本発明の方法は、「治療上有効量」のIL-33結合剤を投与することを含
む。「治療上有効量」とは、所望の治療結果を達成するために、必要な投与量及び期間で、有効な量をいう。治療上有効量は、個体の疾患状態年齢性別及び体重、並びにIL-33結合剤が個体において所望の応答を引き出す能力などの要因によって変化し得る。例え
ば、本発明のIL-33結合剤の治療上有効量は、ヒトにおいてIL-33の生物活性を低下させる量である。

0063

或いは、薬理学的及び/又は生理学的効果は予防的であり得、すなわち、該効果は、疾患又はその症状を完全に又は部分的に予防する。これに関して、本発明の方法は、「予防上有効量」のIL-33結合剤を投与することを含む。「予防上有効量」とは、所望の予防結
果(例えば、疾患発症の予防)を達成するために、必要な投与量及び期間で、有効な量をいう。

0064

典型的な用量(dose)は、例えば、1 pg/kgから20 mg/kg(動物又はヒトの体重)の範
囲にあり得る;しかしながら、この例示的な範囲より少ない又は多い用量も本発明の範囲内である。一日の非経口用量は、約0.00001 μg/kgから約20 mg/kg(全体重)(例えば、約0.001 μg /kg、約0.1 μg /kg 、約1 μg /kg、約5 μg /kg、約10 μg/kg、約100 μg /kg、約500 μg/kg、約1 mg/kg、約5 mg/kg、約10 mg/kg、又は前記値のいずれか2つによって規定される範囲)、好ましくは約0.1 μg/kgから約10 mg/kg(全体重)(例えば、約0.5 μg/kg、約1 μg/kg、約50 μg/kg、約150 μg/kg、約300 μg/kg、約750 μg/kg
、約1.5 mg/kg、約5 mg/kg、又は前記値のいずれか2つによって規定される範囲)、より
好ましくは約1 μg/kgから5 mg/kg(全体重)(例えば、約3 μg/kg、約15 μg/kg、約75
μg/kg、約300 μg/kg、約900 μg/kg、約2 mg/kg、約4 mg/kg、又は前記値のいずれか2つによって規定される範囲)、なおより好ましくは1日当たり約0.5から15 mg/kg(体重)(例えば、約1 mg/kg、約2.5 mg/kg、約3 mg/kg、約6 mg/kg、約9 mg/kg、約11 mg/kg、
約13 mg/kg、又は前記値のいずれか2つによって規定される範囲)であり得る。治療又は
予防の有効性は、処置患者の定期的な評価によってモニタリングされ得る。状態に応じて、数日間又はそれ以上にわたる反復投与のために、病徴の所望の抑制が生じるまで処置を反復し得る。しかしながら、他の投与レジメンが有用な場合があり、それも本発明の範囲内である。所望の投与量は、組成物の単回ボーラス投与により、組成物の複数回ボーラス投与により、又は組成物の継続的注入投与により、デリバリーされ得る。

0065

本発明の免疫グロブリン重鎖ポリペプチド、本発明の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド、本発明のIL-33結合剤、前記いずれかをコードする本発明の核酸配列、又は本発明の核
酸配列を含む本発明のベクター、の有効量を含む組成物は、標準的な投与技術(経口、静脈内、腹腔内、皮下、肺内経皮筋肉内、鼻腔内、口腔下又は坐剤投与を含む)を使用して哺乳動物に投与され得る。組成物は、好ましくは、非経口投与に適している。本明細書で使用する場合、用語「非経口」は、静脈内、筋肉内、皮下、直腸内及び腹腔内投与を含む。より好ましくは、組成物は、静脈内、腹腔内又は皮下注射による末梢全身性デリバリー(peripheral systemic delivery)を使用して哺乳動物に投与される。

0066

哺乳動物(例えば、交差反応性のヒト)に投与されると、本発明のIL-33結合剤の生物学的活性は、当分野で既知の任意の適切な方法によって測定され得る。例えば、生物学的活性は、特定のIL-33結合剤の安定性を決定することによって評価され得る。本発明の一実
施態様において、IL-33結合剤(例えば、抗体)は、約30分間から45日間の間(例えば、
約30分間、約45分間、約1時間、約2時間、約4時間、約6時間、約10時間、約12時間、約1
日間、約5日間、約10日間、約15日間、約25日間、約35日間、約40日間、約45日間、又は
前記値のいずれか2つによって規定される範囲)のin vivo半減期を有する。別の実施態様において、IL-33結合剤は、約2時間から20日間の間(例えば、約5時間、約10時間、約15
時間、約20時間、約2日間、約3日間、約7日間、約12日間、約14日間、約17日間、約19日
間、又は前記値のいずれか2つによって規定される範囲)のin vivo半減期を有する。別の実施態様において、IL-33結合剤は、約10日間から約40日間の間(例えば、約10日間、約13日間、約16日間、約18日間、約20日間、約23日間、約26日間、約29日間、約30日間、約33日間、約37日間、約38日間、約39日間、約40日間、又は前記値のいずれか2つによって規定される範囲)のin vivo半減期を有する。

0067

特定のIL-33結合剤の生物学的活性はまた、IL-33又はそのエピトープとの結合親和性を
決定することによっても評価され得る。用語「親和性」とは、2つの作用物質(agents)
可逆的結合についての平衡定数をいい、解離定数(KD)として表される。リガンドとの結合剤の親和性(例えば、エピトープに対する抗体の親和性など)は、例えば、約1フェ
ムトモーラー(fM)から約100マイクロモーラー(μM)(例えば、約1 fMから約1ピコ
ーラー(pM)、約1 pMから約1ナノモーラー(nM)、約1 nMから約1マイクロモーラー(μM)、又は約1 μMから約100 μM)であり得る。一実施態様において、IL-33結合剤は、1
ナノモーラー以下(例えば、0.9 nM、0.8 nM、0.7 nM、0.6 nM、0.5 nM、0.4 nM、0.3 nM、0.2 nM、0.1 nM、0.05 nM、0.025 nM、0.01 nM、0.001 nM、又は前記値のいずれか2つ
によって規定される範囲)のKDでIL-33タンパク質と結合し得る。別の実施態様において
、IL-33結合剤は、200pM以下(例えば、190 pM、175 pM、150 pM、125 pM、110 pM、100
pM、90 pM、80 pM、75 pM、60 pM、50 pM、40 pM、30 pM、25 pM、20 pM、15 pM、10 pM、5 pM、1 pM、又は前記値のいずれか2つによって規定される範囲)のKDでIL-33と結合し得る。目的の抗原又はエピトープに対する免疫グロブリン親和性は、当分野で認識される任意のアッセイを使用して測定され得る。かかる方法には、例えば、蛍光活性セルソーティングFACS)、分離可能ビーズ(例えば、磁気ビーズ)、表面プラズモン共鳴(SPR)、液相競合(solution phase competition)(KINEXATM)、抗原パニング、及び/又
はELISAが含まれる(例えば、Janeway et al.(eds.), Immunobiology, 5th ed., Garland Publishing, New York, NY, 2001を参照)。

0068

本発明のIL-33結合剤は、単独で、又は他の薬物と組み合わせて(例えば、アジバン
トとして)投与され得る。例えば、IL-33結合剤は、本明細書に開示する疾患又は障害の
治療又は予防のための他の薬剤と組み合わせて投与され得る。これに関して、IL-33結合
剤は、例えば、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン及びフルチカゾン)及び非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)(例えば、アスピリンイブプロフェン及びナプロキセン)などを含む少なくとも1つの他の抗炎症剤と組み合わせて使用され得る。

0069

治療的使用に加えて、本明細書に記載のIL-33結合剤は、診断応用又は研究応用におい
て使用され得る。これに関して、IL-33結合剤は、IL-33の阻害又は中和に反応する疾患又は障害を診断するための方法において使用され得る。同様に、IL-33結合剤は、IL-33の阻害又は中和に反応する疾患又は障害について試験されている対象において、IL-33タンパ
質レベルをモニタリングするためのアッセイにおいて使用され得る。研究応用には、例えば、IL-33結合剤及び標識を利用して、サンプル中(例えば、ヒト体液中、又は細胞若
しくは組織抽出物中)のIL-33タンパク質を検出する方法が含まれる。IL-33結合剤は、修飾(例えば、検出可能部分での共有結合又は非共有結合標識など)されるか又はされないで使用され得る。例えば、検出可能部分は、放射性同位体(例えば、3H、14C、32P、35S
又は125I)、蛍光若しくは化学発光化合物(例えば、フルオレセインイソチオシアネートローダミン又はルシフェリン)、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、β-ガラ
トシダーゼ又は西ワサビペルオキシダーゼ)、又は補欠分子族であり得る。抗原結合剤(例えば、抗体)を検出可能部分と個別にコンジュゲートするための、当分野で既知の任意の方法が、本発明の文脈において用いられ得る(例えば、Hunter et al., Nature, 194:495-496(1962);David et al., Biochemistry, 13:1014-1021(1974);Pain et al., J. Immunol. Meth., 40:219-230(1981);及びNygren, J. Histochem. and Cytochem., 30:407-412(1982)を参照)。

0070

IL-33タンパク質レベルは、本発明のIL-33結合剤を使用して、当分野で既知の任意の適切な方法によって測定され得る。かかる方法には、例えば、ラジオイムノアッセイRIA)及びFACSが含まれる。IL-33の正常又は標準的な発現値は、任意の適切な技術を使用して
、例えば、抗原-抗体複合体を形成するのに適切な条件下で、IL-33を含むか又は含むことが疑われるサンプルをIL-33特異的抗体と組み合わせることなどにより確立され得る。抗
体は、結合した抗体又は結合していない抗体の検出を容易にするために、検出可能物質で
直接又は間接的に標識される。適切な検出可能物質には、種々の酵素、補欠分子族、蛍光材料発光材料及び放射性材料が含まれる(例えば、Zola, Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques,CRCPress, Inc.(1987)を参照)。次いで、サンプル中で発現されるIL-33ポリペプチドの量を標準値と比較する。

0071

IL-33結合剤は、キット(すなわち、診断アッセイを実施するための説明書を備える、
所定量の試薬包装された組み合わせ)で提供され得る。IL-33結合剤が酵素で標識され
る場合には、キットは、望ましくは、酵素により必要とされる基質及び補因子(例えば、検出可能な発色団又はフルオロフォアを提供する基質前駆体)を含む。また、安定化剤バッファー(例えば、ブロッキングバッファー又は溶解バッファー)などの他の添加剤がキットに含まれてよい。種々の試薬の相対量は、アッセイの感度を実質的に最適化する、試薬の溶液中濃度を提供するために変動し得る。試薬は、溶解時に適切な濃度を有する試薬溶液を提供する賦形剤を含む乾燥粉末(典型的には、凍結乾燥されたもの)として提供され得る。

0072

以下の実施例は本発明を更に説明するが、当然のことながら、いかなる場合においてもその範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

0073

実施例1
本実施例は、本発明の免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの機能活性を決定するために使用されるアッセイを記述する。

0074

KU812細胞からのIL-33媒介性のIL5放出
KU812細胞(ヒト好塩基球様(basophil-like)CML細胞株(ATCCNo. CRL-2099))(例えば、Tare et al., Exp. Cell Res., 316(15):2527-37(2010);Lefrancais et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 109(5):1673-1978(2012)を参照)は、IL-5を分泌
することによりIL-33刺激に反応する。KU812細胞をRPM1+10%FBS培養培地に懸濁し、ウ
ェルあたり500,000細胞を96ウェル平底プレートへとプレーティングした。目的の抗体に
ついて30 μg/mLのストック段階希釈し、half-log間隔で8つの濃度を作製した。希釈サンプルを、細胞に列で添加し、37℃、30分間インキュベートした。次いで、IL-33-his6-bio(6 HisでC末端標識され、分子あたり平均1〜2のビオチンでビオチン化される)(3 ng)を各ウェルに添加し、プレートを37℃、48時間インキュベートした。次いで、上清を取り出し、ELISAによる試験まで4℃で保持した。IL-5 DuoSet ELISAキット(R&D Systems, Minneapolis, MN)を用いて上清を試験し、SOFTMAX PROTM Microplate Data Acquisition
& Analysis Software(Molecular Devices,LLC, Sunnyvale, CA)を用いて、SPECTRAMAXTMマイクロプレートリーダー(Molecular Devices, LLC, Sunnyvale, CA)にて評価して、IL-5産生を決定した。

0075

HEK293-ST2細胞におけるIL-33媒介性のルシフェラーゼ発現
HEK/ST2安定細胞株は、ナイーブ(naive)なHEK細胞DMEM/10%FBS中、3×103細胞/T75フラスコで最初にプレーティングし、37℃、一晩インキュベートすることにより作製し
た。翌日、500 μL Optimem(Life Technologies, Carlsbad, CA)+24 μL HD FUGENETM(Promega, Madison, WI)を混合することにより細胞をトランスフェクトし、室温で5分
間インキュベートさせた。ST2-FcをコードするDNA(4 μg)をFUGENETM混合物に添加し、室温で25分間インキュベートさせた。次いで、DNA/FUGENETM混合物をHEK細胞上に供給(distributed)し、37℃、5%CO2で一晩インキュベートさせた。トランスフェクション後24時間にて、細胞を分割(split)し、安定的に選択されるまで、3〜4週間の期間、ハイ
マイシン選択下に置いた。

0076

IL-8ルシフェラーゼレポーターアッセイ
4×106HEK293/ST2-Fc細胞をT-75フラスコにて37℃、5%CO2で一晩播種した。翌、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を惹起(driving)するヒトIL-8プロモーターをコ
ードするDNAコンストラクトAB4111を、500 μL Optimem+24 μL HD FUGENETMを混合することにより細胞へとトランスフェクトし、室温で5分間インキュベートさせた。IL-8プロ
モーターは、IL-33占有によるST2-IL-1RAcP受容体複合体の刺激により開始されるシグナ
ル伝達カスケードに反応する。AB4111(2 μg)をFUGENETM混合物に添加し、室温で25分
間インキュベートさせた。次いで、DNA/FUGENETM混合物をHEK/ST2細胞上に供給し、8時間インキュベートさせた。細胞をACCUTASETMで採取し、0.1 mLDMEM/10%FBS中、ウェルあ
たり2.0×104細胞で96ウェル平底プレートに播種した。プレートを37℃、5%CO2で15〜18時間インキュベートした。翌朝、プレートを穏やかに裏返し、ペーパータオル上でタップして培地を除去した。50 μL/ウェルの新鮮なDMEM/10%FBSを各ウェルに添加した。室温
で20分間、予め複合体化されたIL-33/ST2-Fc又はIL-33/Ab(次いで細胞に添加される)で細胞を刺激し、37℃でさらに5時間インキュベートさせた。5時間後、Steady Glo-Luciferase Assay System(Promega, Madison, WI)を用いて、ルシフェラーゼ試薬を1:1 vol/volで各ウェルに添加することにより、ルシフェラーゼ活性を決定した。ウェルを混合し、150 μL/ウェルを黒色壁で透明底のプレートに移し、ENVISTIONTMPlate Reader(PerkinElmer, Waltham, MA)にて、Luminescenceプログラム(60秒ディレイ)を用いて読み取っ
た。GraphPad Prism 5ソフトウェア(GraphPad, San Diego, CA)を用いて4パラメータカーブフィット(4 parameter curve fit)によりデータを解析した。

0077

表面プラズモン共鳴(SPR)方法
抗IL33抗体の結合キネティクス及び親和性をBIACORETMT200装置(GE Healthcare)でのSPRにより決定した。Series S CM5チップ上の4つのフローセルそれぞれに、およそ10,000
RUの抗ヒトIgG(Fc)を固定化した。抗体(およそ1 μg/mL)を流速10 μL/分で60秒間
キャプチャーした。モノマーのIL-33をランニングバッファー(HBS-EP+, pH 7.6)中、各抗体のKDよりもおよそ100倍高い濃度から開始して希釈した。各IL-33濃度について、30
μL/分で180秒間、すべてのフローセルを通過させ、次いで1800秒間解離させた。表面は
、60秒間、3 M MgCl2を用いて再生させた。結合(association)及び解離速度定数(kinetic constants)(kon及びkoff)並びに定常状態親和性(KD)は、BIACORE T200 Evaluation Softwareバージョン1.0を用いて、得られたセンサーグラムから算出した。

0078

本明細書に記載のIL-33結合剤のいくつかに関する上記アッセイの結果を図1A、1B、2A
及び2Bに示す。

0079

実施例2
本実施例は、本発明のIL-33結合剤の機能活性を実証する実験を記述する。

0080

配列番号136のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖ポリペプチドを、配列番号171のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドとペアにした。得られた抗体をAPE4909と称した。初代ヒト好塩基球において、APE4909がIL-33媒介性のIL-5及びIL-9放出を
阻害する能力を以下に記載するように評価した。

0081

ドナー全血から処理されたLeukocyte Reduction System(LRS)ユニットをSan Diego Blood Bankから得た。Ficoll密度遠心分離(density centrifugation separation)を用いた標準的な方法により末梢血単核細胞(PBMCs)を準備した。典型的には、LRSユニットからおよそ109個のPBMCsが得られた。ヒト好塩基球単離キットII(Miltenyi Biotec cat#130-092-662, San Diego, CA)を用いてPBMCsから好塩基球を単離した。好塩基球の全収量
はおよそ106個であった。

0082

10%ウシ胎児血清ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)及び25 ng/mLの組換えヒトIL-3(R&D Systems, Minneapolis, MN)を含むRPMI1640培地中、好塩基球を2×106/mLの密度に希釈した。標準的な平底96ウェル組織培養プレート中、ウェルあたり100 μLの希
釈細胞を、ウェルあたり2×105個の最終細胞密度でプレーティングした。ウェルの外側を200 μLPBS/ウェルで満たし、不均一な蒸発の影響を最小化した。37℃のインキュベーター中、5%CO2にて細胞を一晩培養した。

0083

翌日、APE4909及びモノマーのヒトST2タンパク質(hST2 - APE3906と称す)を、50 ng/mLのIL-33を含むRPMI+10%FBS+P/S中、half-log間隔で段階希釈した30〜0 μg/mLの範
囲に及ぶ濃度で添加した。およそ18時間後、プレートを300×g、3分間遠心分離した。上
清を取り出し、クリーンなプレートに移し、分析するまで-80℃で保存した。

0084

細胞上清中のIL-5及び/又はIL-9レベルは、DUOSETTMELISAキット(R&D Systems, Minneapolis, MN)を用いて製造者推奨するプロトコルに従いELISAにより評価した。図3及
び4に示すように、APE4909抗体は、初代ヒト好塩基球において、IL-33媒介性のIL-5及びIL-9放出を阻害した。

0085

本実施例の結果は、本発明のIL-33結合剤が、IL-33活性を阻害し得ることを実証する。

0086

実施例3
本実施例は、本発明のIL-33結合剤のIL-33に対する親和性を実証する。

0087

実施例2に記載するAPE4909抗体がIL-33と相互作用する能力を、Sapidyne Instruments
(Boise, ID)のKINEXATM3200バイオセンサープラットフォームを用いて生物物理学的に分析した。ヒト及びカニクイザイルIL-33(cynoIL-33)に関する結合実験を以下に記載するように実施し、独立して2回実行(run)した。最初の実験についての条件は非挿入的に示す一方、2番目の実験についての条件は、挿入句的に提供する。

0088

APE4909/ヒトIL-33
50 μg/mLのヒスチジンタグ化ヒトIL-33溶液を用いてコーティングされたアズラクトンコーティングビーズを用いて固相を調製した。結合実験は、1×PBSpH 7.4, 0.1%BSA中で実施した。最終濃度10 pM(又は20 pM)のAPE4909抗体を、最終濃度200 pM〜3.4 fM(
又は400 pM〜6.7 fM)のIL-33と4℃、3(又は4)日間インキュベートした。5 mL(又は10
mL)の各混合物を、IL-33でコーティングされたビーズに、速度0.25 mL/分で1200秒間(又は2400秒間)適用した。ALEXAFLUORTM 647-(Life Technologies, Carlsbad, CA)標識ロバ抗ヒト抗体を用いて遊離抗体を検出した。データはすべて、標準的なKINEXATMソフトウェアを用いてフィットした。

0089

APE4909/CynoIL-33(cIL-33)
最終濃度20 pM及び100 pMのAPE4909抗体を、最終濃度3 nM〜315 fMのcIL-33と4℃、24
時間インキュベートした以外は、ヒトIL-33に関して上に記載するように実験を実施した
。各混合物を、cIL-33でコーティングされたビーズに、速度0.25 mL/分で500秒間(20 pMについて)又は2120秒間(100 pMについて)適用した。ALEXAFLUORTM 647-(Life Technologies, Carlsbad, CA)標識ロバ抗ヒト抗体を用いて遊離抗体を検出した。N曲線解析(N-curve analysis)を用いて2つの曲線を合わせ、データはすべて、KINEXATMソフトウェアを用いてフィットした。検証するために、200 pMのAPE4909抗体濃度で、同様に調製した
固相、バッファー及び検出試薬を用いて実験を繰り返した。APE4909抗体を、最終濃度15 nM〜250 fMのcIL-33と4℃、24時間インキュベートし、cIL-33でコーティングされたビー
ズに、速度0.25 mL/分で180秒間適用した。このデータを標準的なKINEXATMソフトウェア
を用いてフィットした。

0090

ヒトIL-33及びcynoIL-33に対するAPE4909親和性をそれぞれ図5及び図6に示す。本実施
例の結果は、本発明のIL-33結合剤が、ヒトIL-33及び非ヒト霊長類IL-33の両方と高親和
性で結合することを実証する。

0091

実施例4
本実施例は、特定の本発明のIL-33結合剤が、ヒトIL-33との結合についてST2受容体と
競合することを実証する。

0092

BIACORETM T200システム(GE Healthcare, Little Chalfont, Buckinghamshire, UK)
を用いてIL-33結合をモニタリングした。本明細書に開示する様々なIL-33抗体又はヒトST2受容体とIL-33との結合は、抗体をキャプチャーし、増加量のST2と組み合わせた固定濃
度のIL-33の結合反応を調べることにより取り組んだ。抗ヒトIgG(Fc特異的、およそ10,000 RU)を、EDC活性化アミンカップリング化学を用いてBIACORETMCM5チップ上に固定化した。次いで、本発明のIL-33抗体又はヒトST2をヒトIgG1Fc領域と融合させたもの(2.0
μg/mL、流速10 μL/分で1分間の接触時間)をこの表面上に25℃(およそ300 RU)でキャプチャーした。次に、モノマーの可溶性ヒト非タグ化IL-33(1 nM)及び非タグ化ヒトST2(10、3.3、1.1又は0.37 nM)を含むアナライト溶液(予め30分超インキュベートされる
)を、キャプチャーされたリガンド上、速度30 μL/分で2分間流し、解離をさらに2分間
モニタリングした。各サイクルの間、3M MgCl2(30 μL/分で60秒間)を用いてセンサー
チップ表面を再生した。

0093

第二の実験セットは上記のように実施したが、以下の変更を行った:(1)センサーチ
ップを抗マウスIgG(Fc特異的、およそ7500 RU)で固定化した;(2)ヒトST2をマウスIgG2aFcと融合させたもの(1.0 μg/mL)を4分間の接触時間でチップ上にキャプチャーした;及び(3)予めインキュベートしたアナライト溶液は、モノマーの可溶性ヒト非タグ化IL-33(10 nM)と、本発明のIL-33抗体又はモノマーの非タグ化ヒトST2(100 nM、25 nM、6.3 nM又は1.6 nM)のいずれかとを含有した。装置がスタートアップサイクルを実施する間、アナライト溶液をおよそ30分間インキュベートし続けた。キャプチャー及びアナライト結合は、HBS-EP+ランニングバッファー(10 mMHEPES、pH 7.6、150 mM NaCl、3 mMEDTA、0.05%Surfactant P-20;Teknova)中で実施した。

0094

本発明の抗体と同じIL-33エピトープとのST2結合は、ST2とIL-33の事前インキュベーションにより、抗体のエピトープへのアクセスが妨げられることから、結合反応の喪失と関連した。異なるIL-33エピトープとのST2結合は、キャプチャーされた本発明の抗体とIL-33が結合することを可能にし、結合反応はアナライト/複合体の質量に正比例することから、結合反応の増加として観察された。これらの実験の結果を表1に記載する。

0095

0096

本実施例の結果は、特定の本発明のIL-33結合剤が、ST2受容体により結合されるエピトープと類似又は同一のIL-33エピトープと結合することを実証する。

0097

実施例5
本実施例は、本発明のIL-33結合剤が、ヒトIL-33により推進される末梢好酸球の増殖(expansion)を阻害することを実証する。

0098

IL-33は、CD4+ TH2細胞集団、2型自然リンパ球(innate lymphoid type-2 cells、ILC2細胞)及び好塩基球からのIL-5の発現の増加及び放出を誘導する。IL-5は、好酸球(喘息及び鼻炎などのアトピー性疾患兆候の特定の側面を媒介することが知られる細胞集団)の分化、増殖(expansion)及び生存に重要な役割を担うサイトカインである。予備的研
究において、ヒトIL-33を野生型Balb/cマウスの腹腔内へと連続6日間、動物あたり5 μg
の用量で注入した。この最初の6日間研究の最後におけるその後のFACS分析は、ヒトIL-33処置マウスが、ビヒクル(PBS)処置マウスと比較して、その末梢血中、上昇した好酸球
数を有したことを示した(高い側方散乱分析(side-scatter analysis)、並びにCCR3 Siglec-F及びCD16/CD32の発現により定義されるように)。

0099

上記研究に対するフォローアップとして、再度、野生型Balb/cマウスに5 μgのヒトIL-33を合計6日間(1〜6日目)毎日注入し、抗ヒトIL-33APE04909抗体(上記)を研究の-2
日目及び+2日目に各日10 mg/kgの用量で投与した。5 μg用量のヒトIL-33で毎日処置した同様のマウスグループに、コントロールヒトIgG1アイソタイプmAb(APE00987と示す)又
はヒトST2-hFc融合タンパク質(APE027180と示す)(可溶性IL-33受容体(ST2)のヒトIgG1 Fc融合二量体バージョンを表す)のいずれかを投与した。これらのコントロールタン
パク質はともにまた、APE04909抗体について記載するように、研究の-2日目及び+2日目のみ、10 mg/kgの用量で投与した。

0100

図7に示すように、抗IL-33APE04909抗体は、末梢血コンパートメントにおいて、ヒトIL-33により推進される好酸球増殖を実質的に阻害した。対照的に、ヒトST2-hFcタンパク
質は、ヒトIL-33処置マウスにおいて血中好酸球数を有意に減少させることができず、コ
トロールIgGmAb(APE00987)処置マウスで検出されたものを超える好酸球数レベル
減少を示さなかった。

0101

刊行物、特許出願及び特許を含む、本明細書に引用した全ての参考文献は、それぞれの参考文献が参照によって組み込まれることが個々に且つ具体的に示され、その全体が本明細書に記載されているのと同程度まで、参照によって本明細書に組み込まれる。

0102

本発明の説明に関して(特に、以下の特許請求の範囲に関して)、用語「a」及び「an
」及び「the」及び「少なくとも1つ(at least one)」並びに同様の指示対象の使用は、本明細書に特記がないか文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方をカバーすると解釈すべきである。1つ以上の事項の列挙の後での用語「少なくとも1つ」の使用(例えば、「A及びBの少なくとも1つ」)は、本明細書に特記がないか文脈と明らかに矛
盾しない限り、列挙した事項から選択される1つの事項(A又はB)、又は列挙した事項の
うち2つ以上の任意の組み合わせ(A及びB)を意味すると解釈すべきである。用語「含む
(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含む(containing)」は、特記のない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「〜を含むが、それら
に限定されない」を意味する)と解釈すべきである。本明細書中の値の範囲の記述は、本明細書に特記のない限り、その範囲内に入る各個別の値に個々に言及する省略方法として働くことのみを意図しており、各個別の値は、それが本明細書に個々に記述されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に特記
がないか文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施できる。本明細書で提供される任意の及び全ての例又は例示的用語(例えば、「など(such as)」)の使用は
、本発明をよりよく説明することのみを意図しており、特段特許請求されない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書の全ての用語は、特許請求されていない任意の要素を本発明の実施に必須のものとして示していると解釈すべきではない。

実施例

0103

発明を実施するために本発明者らが知る最良の形態を含む、本発明の好ましい実施態様が本明細書に記載される。これらの好ましい実施態様のバリエーションは、上述の説明を読めば当業者に明らかとなり得る。本発明者らは、当業者がかかるバリエーションを適宜使用することを予期しており、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されたのとは異なる方法で本発明が実施されることを意図している。従って、本発明は、適用法によって許容されるとおり、本明細書に添付した特許請求の範囲に記載される主題の全ての改変及び等価物を含む。さらに、その全ての可能なバリエーションでの上記要素の任意の組み合わせが、本明細書に特記がないか文脈と明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。

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