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技術 作業車両用の制御装置

出願人 株式会社クボタ
発明者 井本翼池田博
出願日 2018年7月30日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-141977
公開日 2020年2月6日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-018171
状態 未査定
技術分野 流体伝動装置の制御 収穫機本体(6)(機枠、駆動)
主要キーワード マイクロコントローラユニット 斜板式ピストンモータ ポンプ回転軸 傾動量 シフトレバ サーボシリンダ 減速率 後方向き
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

作業装置負荷の急激な増大に対しても良好な追従性機体走行速度を低減できる、作業車両用の制御装置を提供する。

解決手段

減速率設定部61では、エンジン負荷率基準値を超えているか否かに応じた減速率が設定され、目標斜板位置算出部62では、機体の走行速度がシフトレバーの位置に応じた速度から減速率に応じて減速されるように、油圧ポンプ33の斜板の目標位置である目標斜板位置が設定される。そして、油圧ポンプの斜板の位置が目標斜板位置に一致するように、HSTの比例減圧制御弁52,53に供給される電流が制御される。

概要

背景

コンバインでは、圃場植立している穀稈株元が刈取装置によって刈られ、その刈られた穀稈が刈取装置から脱穀装置に搬送されて、脱穀装置で穀稈が脱穀され、穀粒穀粒タンク収集される。コンバインには、エンジン駆動源として搭載されており、そのエンジンからの動力が刈取装置および脱穀装置などの作業装置に伝達され、また、エンジンからの動力が左右一対クローラからなる走行装置に伝達される。

そのため、作業機における作業の状態により、エンジンの負荷が変動する。作業機の負荷が大きくなり、エンジンの負荷が過大(過負荷)になると、エンジンの回転数が低下し、エンジンの停止に至る場合がある。走行装置に伝達される動力は、無段変速装置により変速可能であり、運転台には、無段変速装置による変速を調節するために操作される変速レバーが設けられている。そこで、エンジンの負荷が所定値を超えると、エンジンの負荷を低減すべく、変速レバーをモータで動かして、機体走行速度を低減させる自動制御が実行される。

概要

作業装置の負荷の急激な増大に対しても良好な追従性で機体の走行速度を低減できる、作業車両用の制御装置を提供する。減速率設定部61では、エンジンの負荷率基準値を超えているか否かに応じた減速率が設定され、目標斜板位置算出部62では、機体の走行速度がシフトレバーの位置に応じた速度から減速率に応じて減速されるように、油圧ポンプ33の斜板の目標位置である目標斜板位置が設定される。そして、油圧ポンプの斜板の位置が目標斜板位置に一致するように、HSTの比例減圧制御弁52,53に供給される電流が制御される。

目的

本発明の目的は、作業装置の負荷の急激な増大に対しても良好な追従性で機体の走行速度を低減できる、作業車両用の制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

機体と、エンジンと、前記エンジンの動力により駆動される作業装置と、前記エンジンの動力で駆動される斜板式のポンプおよび前記ポンプが吐出する流体によって駆動されるモータを含み、前記モータの動力を出力する無段変速装置と、前記機体を支持し、前記無段変速装置から出力される動力により駆動される左右一対走行装置と、前記走行装置による前記機体の走行速度を指示するために操作される操作部材とを備える作業車両用の制御装置であって、前記操作部材の位置を検出する位置検出手段と、前記エンジンの負荷に対応する負荷対応値基準値を超えているか否かに応じた減速率を設定する減速率設定手段と、前記機体の走行速度が前記位置検出手段により検出される位置に応じた速度から前記減速率設定手段により設定された前記減速率に応じて減速されるように、前記ポンプの斜板の目標位置を設定する目標位置設定手段と、前記ポンプの斜板の位置が前記目標位置設定手段により設定される前記目標位置に一致するように前記無段変速装置を制御する制御手段とを含む、制御装置。

請求項2

前記減速率設定手段は、前記負荷対応値が前記基準値を超えている場合に、前記負荷対応値の前記基準値からの偏差比例ゲインを乗じて設定される比例項を含む前記減速率を設定する、請求項1に記載の制御装置。

請求項3

前記減速率設定手段は、前記負荷対応値が前記基準値を超えている場合に、前記比例項に、前記負荷対応値の前記基準値からの偏差の積分値積分ゲインを乗じて設定される積分項を加えることにより前記減速率を設定する、請求項2に記載の制御装置。

請求項4

前記減速率設定手段は、前記負荷対応値が前記基準値を超える値から前記基準値以下の値に変化したことに応じて、前記比例項を消失させ、前記機体の走行速度が前記位置検出手段により検出される位置に応じた速度に向けて加速されるように、前記積分項を含む前記減速率を設定する、請求項3に記載の制御装置。

請求項5

前記減速率設定手段は、前記負荷対応値が前記基準値を超える値から前記基準値以下の値に変化したことに応じて、前記比例項を消失させる際に、その消失させる前記比例項分の減速率を前記積分項に足し込んで、その足し込み後の前記積分項を含む前記減速率を設定する、請求項4に記載の制御装置。

請求項6

前記目標位置設定手段は、前記位置検出手段により検出される位置を表す数値に前記減速率を乗じて得られる乗算値から前記目標位置を設定する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の制御装置。

技術分野

0001

本発明は、コンバインなどの作業車両に用いられる制御装置に関する。

背景技術

0002

コンバインでは、圃場植立している穀稈株元が刈取装置によって刈られ、その刈られた穀稈が刈取装置から脱穀装置に搬送されて、脱穀装置で穀稈が脱穀され、穀粒穀粒タンク収集される。コンバインには、エンジン駆動源として搭載されており、そのエンジンからの動力が刈取装置および脱穀装置などの作業装置に伝達され、また、エンジンからの動力が左右一対クローラからなる走行装置に伝達される。

0003

そのため、作業機における作業の状態により、エンジンの負荷が変動する。作業機の負荷が大きくなり、エンジンの負荷が過大(過負荷)になると、エンジンの回転数が低下し、エンジンの停止に至る場合がある。走行装置に伝達される動力は、無段変速装置により変速可能であり、運転台には、無段変速装置による変速を調節するために操作される変速レバーが設けられている。そこで、エンジンの負荷が所定値を超えると、エンジンの負荷を低減すべく、変速レバーをモータで動かして、機体走行速度を低減させる自動制御が実行される。

先行技術

0004

特開平10−259868号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところが、モータを介して走行速度を低減させる構成では、作業機の負荷が急激に増大した際に十分に減速しきれず、エンジン回転の低下によるエンジンの停止を免れない可能性がある。

0006

本発明の目的は、作業装置の負荷の急激な増大に対しても良好な追従性で機体の走行速度を低減できる、作業車両用の制御装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

前記の目的を達成するため、本発明に係る作業車両用の制御装置は、機体と、エンジンと、エンジンの動力により駆動される作業装置と、エンジンの動力で駆動される斜板式のポンプおよびポンプが吐出する流体によって駆動されるモータを含み、モータの動力を出力する無段変速装置と、機体を支持し、無段変速装置から出力される動力により駆動される左右一対の走行装置と、走行装置による機体の走行速度を指示するために操作される操作部材とを備える作業車両用の制御装置であって、操作部材の位置を検出する位置検出手段と、エンジンの負荷に対応する負荷対応値基準値を超えているか否かに応じた減速率を設定する減速率設定手段と、機体の走行速度が位置検出手段により検出される位置に応じた速度から減速率設定手段により設定された減速率に応じて減速されるように、ポンプの斜板の目標位置を設定する目標位置設定手段と、ポンプの斜板の位置が目標位置設定手段により設定される目標位置に一致するように無段変速装置を制御する制御手段とを含む。

0008

この構成によれば、エンジンの負荷に対応する負荷対応値が基準値を超えているか否かに応じた減速率が設定され、機体の走行速度が操作部材の位置に応じた速度から減速率に応じて減速されるように、ポンプの斜板の目標位置が設定される。そして、ポンプの斜板の位置が目標位置に一致するように、無段変速装置が制御される。これにより、操作部材をモータなどのアクチュエータで動かして、ポンプの斜板の目標位置を変更し、機体の走行速度を低減させる制御と比較して、制御の応答性が高く、作業装置の負荷の急激な増大によるエンジンの負荷の急激な増大に対しても良好な追従性で機体の走行速度を低減させることができる。

0009

減速率設定手段は、負荷対応値が基準値を超えている場合に、負荷対応値の基準値からの偏差比例ゲインを乗じて設定される比例項を含む減速率を設定することが好ましい。これにより、負荷対応値の基準値からの偏差が大きいほど減速率が大きい値に設定されるので、エンジンの負荷の急激な増大に対してより良好な追従性で機体の走行速度を低減させることができる。

0010

減速率設定手段は、負荷対応値が基準値を超えている場合に、比例項に、負荷対応値の基準値からの偏差の積分値積分ゲインを乗じて設定される積分項を加えることにより減速率を設定してもよい。

0011

また、減速率設定手段は、負荷対応値が基準値を超える値から基準値以下の値に変化したことに応じて、比例項を消失させ、機体の走行速度が位置検出手段により検出される位置に応じた速度に向けて加速されるように、積分項を含む減速率を設定してもよい。

0012

その場合に、減速率設定手段は、負荷対応値が基準値を超える値から基準値以下の値に変化したことに応じて、比例項を消失させる際に、その消失させる比例項分の減速率を積分項に足し込んで、その足し込み後の積分項を含む減速率を設定することが好ましい。これにより、機体の走行速度が減速している状態から加速により通常速度復帰する状態に移行するときに減速率が急変することを抑制できる。また、積分項の緩慢な変化に伴って減速率が変化し、その減速率の変化に伴って機体の走行速度が緩やかに加速(増速)するので、機体の走行速度の急な増速やハンチングなどを抑制できる。よって、作業者乗り心地の向上を図ることができる。

0013

目標位置設定手段は、位置検出手段により検出される位置を表す数値に減速率を乗じて得られる乗算値から目標位置を設定してもよい。

発明の効果

0014

本発明によれば、作業装置の負荷の急激な増大に対しても良好な追従性で機体の走行速度を低減させることができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の一実施形態に係る制御装置が用いられるコンバインの前部を示す右側面図である。
コンバインの電気的構成の要部を示すブロック図である。
HST制御のための具体的な構成を示すブロック図である。
減速率設定部による減速率の設定手法について説明するための図である。
負荷率、比例項、積分項および減速率の時間変化の一例を示すグラフである。

実施例

0016

以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。

0017

<コンバインの全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る制御装置が用いられるコンバイン1の前部を示す右側面図である。

0018

コンバイン1は、圃場を走行しながら穀稈の刈り取りおよび穀稈からの脱穀を行う作業車両である。コンバイン1の機体11は、左右一対の走行装置12に支持されている。走行装置12には、圃場でのコンバイン1の走行可能にするため、不整地走破能力を有するクローラが採用されている。

0019

機体11には、運転台13、刈取装置14、脱穀装置15および穀粒タンク16が設けられている。

0020

運転台13は、走行装置12の前端部の上方に配置されている。運転台13には、作業者が着座するシート17が設けられている。また、運転台13には、たとえば、シート17の前方から左方にわたって、作業者により操作される操作パネル18が設けられている。

0021

操作パネル18には、シフトレバー19などが備えられている。シフトレバー19は、たとえば、前後方向に傾動可能に設けられている。作業者は、シフトレバー19の前側への傾動操作により、機体11の前進を指示し、かつ、その傾動量により前進の速度を変更することができる。また、作業者は、シフトレバー19の後側への傾動操作により、機体11の後進を指示し、かつ、その傾動量により後進の速度を変更することができる。

0022

刈取装置14は、走行装置12の前方に配置されている。刈取装置14は、その前端に分草具21を備え、分草具21の後方に刈刃22を備えている。分草具21および刈刃22は、刈取前フレーム23に支持されている。刈取前フレーム23の後端部には、左右方向に延びる刈取横フレーム24が設けられている。刈取横フレーム24には、刈取主フレーム25の一端部が接続されている。刈取主フレーム25は、刈取横フレーム24から後側に延び、その他端部(前下がりに設けられて、その後端部)が機体11のフレーム回動可能に接続されている。シリンダ(図示せず)の動作により、刈取主フレーム25が揺動し、その揺動により、分草具21および刈刃22が地面から高く上昇した上昇位置と、分草具21および刈刃22が地面近くに下降した下降位置とに昇降する。分草具21および刈刃22が下降位置に位置した状態で機体11が前進すると、圃場に植立されている穀稈の株元が分草具21によって分けられながら、穀稈が刈刃22によって刈り取られる。

0023

脱穀装置15および穀粒タンク16は、走行装置12の上方かつ刈取装置14の後方の位置で左右に並べて配置されている。刈り取られた穀稈は、刈取装置14により脱穀装置15へと搬送される。脱穀装置15は、穀稈の株元側脱穀フィードチェーンによって後方向きに搬送し、穀稈の穂先側扱室に供給して脱穀する。そして、脱穀装置15から穀粒タンク16に穀粒が搬送されて、穀粒が穀粒タンク16に貯留される。穀粒タンク16には、穀粒排出オーガ26が連設されており、穀粒タンク16に貯留された穀粒は、穀粒排出オーガ26により機外に排出することができる。

0024

<コンバインの電気的構成>
図2は、コンバイン1の電気的構成の要部を示すブロック図である。

0025

コンバイン1には、エンジン31およびHST(Hydro Static Transmission:静油圧式変速機)32が搭載されている。HST32は、エンジン31の動力を変速して出力する。具体的には、HST32は、エンジン31の動力で駆動される油圧ポンプ33と、油圧ポンプ33が吐出する流体によって駆動される油圧モータ34とを備えている。油圧ポンプ33は、可変容量型斜板式ピストンポンプである。油圧ポンプ33のポンプ回転軸軸線に対するポンプ斜板傾斜角度が90°未満の範囲では、その傾斜角度が大きいほど、油圧ポンプ33からの作動油吐出量が少なくなる。ポンプ斜板の傾斜角度が90°であるとき、油圧ポンプ33からの作動油の吐出が停止する。また、ポンプ斜板の傾斜角度が90°を超えると、傾斜角度が90°未満のときと油圧ポンプ33からの作動油の吐出方向が逆転する。油圧モータ34は、可変容量型の斜板式ピストンモータである。油圧モータ34のモータ回転軸の軸線に対するモータ斜板の傾斜角度が一定である場合、油圧モータ34に供給される作動油の量、つまり油圧ポンプ33から吐出される作動油の量が多いほど、モータ回転軸の回転数が増加する。

0026

エンジン31の動力は、HST32により変速されて、左右の走行装置12および刈取装置14に伝達される。また、エンジン31の動力は、HST32による変速作用を受けずに、脱穀装置15に伝達される。HST32と走行装置12との間、HST32と刈取装置14との間およびエンジン31と脱穀装置15との間には、それぞれクラッチなどを含む動力伝達機構(図示せず)が介在されている。

0027

コンバイン1には、全体の統括的な制御のための単一のメインECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)41と、個別の具体的な制御のための複数のECUとが搭載されている。個別の具体的な制御のためのECUには、たとえば、エンジンECU42およびHSTECU43などが含まれる。メインECU41、エンジンECU42およびHSTECU43は、それぞれマイクロコントローラユニット(MCU:Micro Controller Unit)を含む構成である。

0028

メインECU41は、個別の具体的な制御のための各ECU、つまりエンジンECU42およびHSTECU43などと通信可能に接続されている。メインECU41は、個別の具体的な制御のための各ECUが各種センサ検出信号などから取得する情報を受信し、それらの各ECUが制御に必要とする指令や情報を各ECUに送信する。

0029

エンジンECU42は、メインECU41からの指令を受けて、エンジン31を制御する。

0030

HSTECU43には、シフトレバー19の操作位置に応じた検出信号を出力するシフトレバー位置センサ44が接続されており、そのシフトレバー位置センサ44の検出信号が入力される。また、HSTECU43には、HST32の油圧ポンプ33のポンプ斜板の位置(基準位置からの傾斜角度)に応じた検出信号を出力するポンプ斜板位置センサ45とが接続されており、そのポンプ斜板位置センサ45の検出信号が入力される。HSTECU43は、メインECU41からの指令を受け、シフトレバー位置センサ44およびポンプ斜板位置センサ45の各検出信号から取得される情報に基づいて、HST32を制御(HST制御)する。

0031

<HST制御のための具体的構成>
図3は、HST制御のための具体的な構成を示すブロック図である。

0032

HST32には、油圧ポンプ33のポンプ斜板の傾斜角度を変更するため、電子制御式サーボシリンダ51が付随して設けられている。サーボシリンダ51は、前進側比例減圧制御弁52から油圧が供給される第1圧力室と、後進側の比例減圧制御弁53から油圧が供給される第2圧力室とを有している。また、サーボシリンダ51は、第1圧力室と第2圧力室との差圧により直動するロッドを有しており、このロッドの直動により、ポンプ斜板の傾斜角度が変更される。サーボシリンダ51、前進側の比例減圧制御弁52および後進側の比例減圧制御弁53により、油圧ポンプ33のポンプ斜板の傾斜角度を制御するサーボ機構54が構成されている。

0033

HSTECU43は、HST制御のための処理部として、減速率設定部61、目標斜板位置算出部62、実斜板位置検出部63、偏差算出部64、PI(Proportional-Integral:比例積分演算部65を実質的に備えている。各処理部は、プログラム処理によってソフトウエア的に実現されるか、または、論理回路などのハードウェアにより実現される。

0034

図4は、減速率設定部61による減速率の設定手法について説明するための図である。図5は、負荷率、比例項、積分項および減速率の時間変化の一例を示すグラフである。

0035

減速率設定部61は、エンジン31の負荷に応じた減速率を設定する。

0036

具体的には、HSTECU43には、エンジンECU42からメインECU41を介して、エンジン31の回転数(以下、「エンジン回転数」という。)の情報が入力される。コンバイン1には、エンジン31の回転(クランクシャフトの回転)に同期したパルス信号を検出信号として出力するエンジン回転センサが設けられており、エンジン回転数は、そのエンジン回転センサの検出信号から求められる。

0037

減速率設定部61は、エンジン31の無負荷状態での回転数を基準回転数として、その基準回転数からのエンジン回転数の低下量を求め、予め定められた基準低下量に対する低下量の割合を負荷率(%)として求める。そして、減速率設定部61は、そのエンジン31の負荷に対応する負荷対応値としての負荷率が基準値を超えているか否かに応じた減速率を設定する。より具体的には、減速率設定部61は、負荷率が基準値である100%を超えると(時刻T1,T3)、機体11の走行速度を減速すべく、比例項および積分項を設定し、その比例項および積分項の和を1000(‰)に加算することによって、減速率を設定する。比例項は、負荷率の基準値からの偏差に比例ゲインを乗じることにより設定される。積分項は、負荷率の基準値からの偏差の積分値に積分ゲインを乗じることにより設定される。

0038

図3を参照して、目標斜板位置算出部62は、シフトレバー位置センサ44の検出信号の数値化により得られる検出値をシフトレバー19の位置に応じた値とし、その検出値に減速率設定部61によって設定された減速率を乗じて得られる乗算値から、所定の計算式に従って、油圧ポンプ33のポンプ斜板の位置の目標である目標斜板位置に応じた値を算出する。なお、シフトレバー位置センサ44の検出値に減速率を乗じて得られる乗算値と目標斜板位置に応じた値との関係を定めたマップがHSTECU43のメモリに格納されていて、目標斜板位置算出部62は、そのマップに従って、乗算値から目標斜板位置に応じた値を設定してもよい。

0039

実斜板位置検出部63は、ポンプ斜板位置センサ45の検出信号の数値化により得られる検出値を油圧ポンプ33のポンプ斜板の実際の位置(傾斜角度)である実斜板位置に応じた値とする。

0040

偏差算出部64は、目標斜板位置算出部62によって算出される目標斜板位置に応じた値から実斜板位置検出部63によって算出される実斜板位置に応じた値を減算することにより、目標斜板位置の実斜板位置からの偏差である斜板位置偏差を算出する。

0041

PI演算部65は、斜板位置偏差を用いたPI(比例積分)演算を行い、PI演算の結果から比例減圧制御弁52,53にそれぞれ供給される電流値の目標である目標電流値を設定する。

0042

そして、HSTECU43では、比例減圧制御弁52,53にそれぞれ供給される電流の値が目標電流値に一致するように、比例減圧制御弁52,53に供給される電流がそれぞれの目標電流値に応じたデューティチョッパ制御される。

0043

1000(‰)未満の減速率が設定されることにより、減速率が1000(‰)に設定される場合と比較して、油圧ポンプ33の目標斜板位置に応じた値が小さな値に設定される。その結果、油圧ポンプ33から吐出される作動油の量が低減して、走行装置12に伝達される油圧モータ34の回転数が低減し、機体11の走行速度が減速する。機体11の走行速度の減速により、エンジン31の負荷が低減する。そして、図5に示されるように、エンジン31の負荷率が基準値である100%を超えた値から基準値以下の値に低下すると(時刻T2,T4)、減速率設定部61は、機体11の走行速度を増速すべく、図4に示されるように、それまで設定されていた比例項を消失させて、積分項を設定し、その積分項を1000(‰)に加算することによって、減速率を設定する。このとき、減速率設定部61は、消失させる比例項分の減速率が積分項に足し込まれるように積分ゲインを設定し、その積分ゲインを負荷率の基準値からの偏差の積分値に乗じることにより、積分項を設定する。これにより、機体11の走行速度が減速から増速に切り替わる際に、減速率が急変することが抑制される。

0044

作用効果
以上のように、エンジン31の負荷率が基準値を超えているか否かに応じた減速率が設定され、機体11の走行速度がシフトレバー19の位置に応じた速度から減速率に応じて減速されるように、油圧ポンプ33の斜板の目標位置である目標斜板位置が設定される。そして、油圧ポンプ33の斜板の位置が目標斜板位置に一致するように、HST32が制御される。これにより、シフトレバー19をモータなどのアクチュエータで動かして、油圧ポンプ33の斜板の目標位置を変更し、機体11の走行速度を低減させる制御と比較して、制御の応答性が高く、刈取装置14および脱穀装置15などの作業装置の負荷の急激な増大によるエンジン31の負荷の急激な増大に対しても良好な追従性で機体11の走行速度を低減させることができる。

0045

エンジン31の負荷率が基準値を超えている状態では、その負荷率の基準値からの偏差に比例ゲインを乗じて設定される比例項を含む減速率が設定される。これにより、負荷率の基準値からの偏差が大きいほど減速率が大きい値に設定されるので、エンジン31の負荷の急激な増大に対してより良好な追従性で機体11の走行速度を低減させることができる。

0046

エンジン31の負荷率が基準値を超える値から基準値以下の値に変化したことに応じて、比例項が消失され、その消失される比例項分の減速率が積分項に足し込まれて、その足し込み後の積分項を含む減速率が設定される。これにより、機体11の走行速度が減速している状態から加速により通常速度に復帰する状態に移行するときに減速率が急変することを抑制できる。また、負荷率の変化に対して積分項が緩慢に変化するので、その緩慢な積分項の変化に伴って減速率が変化し、その減速率の変化に伴って機体11の走行速度が緩やかに加速(増速)する。したがって、機体11の走行速度の急な増速やハンチングなどを抑制できる。よって、作業者の乗り心地の向上を図ることができる。

0047

<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することも可能である。

0048

たとえば、減速率設定部61は、負荷率が基準値である100%を超えると、比例項および積分項を設定し、その比例項および積分項の和を1000(‰)に加算することにより減速率を設定するとしたが、負荷率の微分値微分ゲインを乗じることにより微分項をさらに設定し、比例項、積分項および微分項の和を1000(‰)に加算することにより減速率を設定してもよい。

0049

また、作業車両の一例として、コンバイン1を取り上げたが、本発明は、コンバイン1に限らず、人参大根枝豆キャベツなどの野菜収穫する収穫機など、コンバイン1以外の作業車両に適用することができる。

0050

その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。

0051

1:コンバイン
11:機体
12:走行装置
14:刈取装置(作業装置)
15:脱穀装置(作業装置)
19:シフトレバー(操作部材)
31:エンジン
32:HST(無段変速装置)
33:油圧ポンプ
34:油圧モータ
41:メインECU
42:エンジンECU
43:HSTECU(制御装置、位置検出手段、減速率設定手段、目標位置設定手段、制御手段)
44:シフトレバー位置センサ(位置検出手段)
61:減速率設定部(減速率設定手段)
62:目標斜板位置算出部(目標位置設定手段)

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    【課題】車両の前方を照らす前照灯と自車の存在や車幅を知らせる尾灯、並びに作業に必要な箇所を照らす作業灯を備え、これら灯火照明の点灯と消灯を行うライティングスイッチを操縦部に設ける作業車両において、この... 詳細

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