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技術 無線通信装置、無線通信プログラム、及び無線通信システム

出願人 沖電気工業株式会社
発明者 濱上卓磨
出願日 2018年7月27日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2018-141330
公開日 2020年1月30日 (11ヶ月経過) 公開番号 2020-017917
状態 特許登録済
技術分野 移動無線通信システム
主要キーワード 物理仕様 データ送信周期 分散制御型 無線信号送受 パスコスト 集中制御型 スリープ制御 センサネットワークシステム
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図面 (8)

課題

事前ネットワークトポロジが把握できないマルチホップ無線通信システムにおいてもノードを効率的に省電力化できる無線通信装置を提供する。

解決手段

制御パケットによりネットワークトポロジを構築し、構築されたネットワークトポロジに従いデータパケット伝送を行うマルチホップ無線ネットワークを構成する無線通信装置10において、基地局又は他の無線通信装置とパケット送受信を行う無線信号送受信部102と、基地局又は他の無線通信装置から受信したビーコンパケットを基に、他の無線通信装置のデータパケット送信時刻に、無線信号送受信部102をスリープさせるか否かの判定を行うスリープ制御判定部104と、スリープ制御判定部104の判定の結果に基づき、無線信号送受信部102のスリープ制御を行うタイマ部105とを有する。

概要

背景

従来、基地局と移動体で構成される無線通信システムとしては、ノードが定期的に基地局にデータを送信するセンサネットワークシステムが知られている。なお、以下では、無線通信システムを構成する移動体(移動局)や基地局等の通信装置を総称して「ノード」とも呼ぶものとする。

従来、センサネットワークシステムに特定小電力無線を用いる場合、使用する周波数帯の特性や送信出力の制限により、ノード間の通信距離が十分に確保できない場合が存在する。そのため、従来のセンサネットワークシステムでは、一つの基地局で管理されるエリア内のすべてのノードが、基地局と直接通信できるとは限らない。

そこで、このようなセンサネットワークシステムでは、各ノードは自身と直接通信可能なエリア内に存在する他のノード(以下、「隣接ノード」とも呼ぶ)にデータを伝送し、さらに、そのデータを受信したノードが隣接ノードにデータを伝送するというマルチホップ無線通信データ伝送が行われる。以下、マルチホップ無線通信が採用されたネットワークシステムを「マルチホップ無線通信システム」とも呼ぶ。

ところで、一般的なセンサネットワークでは、各ノードは電池駆動である場合が多く、省電力で動作することが求められる。省電力化の手法として、例えば、各ノードの無線通信送受信部(以下、「RF」とも呼ぶ)をスリープさせることが有効である。

RFをスリープさせるために、例えば特許文献1では各ノードをスリープさせるための2種類の制御パケット(スリープ用ビーコン及びアウェイク用ビーコン)を送信することにより、スリープ状態を制御する方式を提案している。この方式ではスリープ用ビーコンを受信したノードは、一定時間RFをスリープさせた後、アウェイク用ビーコンによりスリープ状態から復帰させることで省電力化を実現している。

また、特許文献2では、自身の電池残量を基にスリープに入るか否かを決定する方式が提案されている。この方式では電池残量が一定の閾値以下になったノードが自ノード送信タイミングまでスリープすることで省電力化を実現している。

概要

事前ネットワークトポロジが把握できないマルチホップ無線通信システムにおいてもノードを効率的に省電力化できる無線通信装置を提供する。制御パケットによりネットワークトポロジを構築し、構築されたネットワークトポロジに従いデータパケットの伝送を行うマルチホップ無線ネットワークを構成する無線通信装置10において、基地局又は他の無線通信装置とパケットの送受信を行う無線信号送受信部102と、基地局又は他の無線通信装置から受信したビーコンパケットを基に、他の無線通信装置のデータパケット送信時刻に、無線信号送受信部102をスリープさせるか否かの判定を行うスリープ制御判定部104と、スリープ制御判定部104の判定の結果に基づき、無線信号送受信部102のスリープ制御を行うタイマ部105とを有する。

目的

以上のような問題に鑑みて、事前にネットワークトポロジが把握できないマルチホップ無線通信システムにおいてもノードを効率的にスリープ状態に移行させ省電力化できる無線通信装置、無線通信プログラム、及び無線通信システムが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

制御パケットによりネットワークトポロジ構築し、構築されたネットワークトポロジに従いデータパケット伝送を行うマルチホップ無線ネットワークを構成する無線通信装置において、基地局又は他の無線通信装置とパケット送受信を行う無線信号送受信部と、前記基地局又は前記他の無線通信装置から受信したビーコンパケットを基に、前記他の無線通信装置のデータパケット送信時刻に、前記無線信号送受信部をスリープさせるか否かの判定を行うスリープ制御判定部と、前記スリープ制御判定部の判定の結果に基づき、前記無線信号送受信部のスリープ制御を行うタイマー部とを有することを特徴とする無線通信装置。

請求項2

前記スリープ制御は、前記スリープ制御判定部から通知された時刻に前記無線信号送受信部をスリープさせ、前記スリープ制御判定部から通知された期間経過後又は通知された時刻に前記無線信号送受信部をスリープから復帰させることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。

請求項3

前記スリープ制御判定部は、前記他の無線通信装置が送信したビーコンパケットに記載されているスリープ制御情報を基に、前記他の無線通信装置がデータパケットをマルチホップ通信で前記基地局まで届けるまでに自身が参加するか否によって判定を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信装置。

請求項4

前記スリープ制御情報には、前記他の無線通信装置の親局に関する情報が含まれていることを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。

請求項5

前記スリープ制御情報には、前記他の無線通信装置のホップ数に関する情報が含まれていることを特徴とする請求項3又は4に記載の無線通信装置。

請求項6

前記スリープ制御情報には、前記他の無線通信装置のデータパケットの送信タイミングに関する情報が含まれていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の無線通信装置。

請求項7

前記スリープ制御情報には、前記他の無線通信装置の前記基地局までのルートに関する情報が含まれていることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の無線通信装置。

請求項8

制御パケットによりネットワークトポロジを構築し、構築されたネットワークトポロジに従いデータパケットの伝送を行うマルチホップ無線ネットワークを構成する無線通信装置に搭載されるコンピュータを、基地局又は他の無線通信装置とパケットの送受信を行う無線信号送受信部と、前記基地局又は前記他の無線通信装置から受信したビーコンパケットを基に、前記他の無線通信装置のデータパケット送信時刻に、前記無線信号送受信部をスリープさせるか否かの判定を行うスリープ制御判定部と、前記スリープ制御判定部の判定の結果に基づき、前記無線信号送受信部のスリープ制御を行うタイマー部として機能させることを特徴とする無線通信プログラム

請求項9

マルチホップネットワークを構成する無線通信装置を複数備える無線通信システムにおいて、前記無線通信装置として、請求項1〜7のいずれかに記載の無線通信装置を適用したことを特徴とする無線通信システム。

技術分野

背景技術

0002

従来、基地局と移動体で構成される無線通信システムとしては、ノードが定期的に基地局にデータを送信するセンサネットワークシステムが知られている。なお、以下では、無線通信システムを構成する移動体(移動局)や基地局等の通信装置を総称して「ノード」とも呼ぶものとする。

0003

従来、センサネットワークシステムに特定小電力無線を用いる場合、使用する周波数帯の特性や送信出力の制限により、ノード間の通信距離が十分に確保できない場合が存在する。そのため、従来のセンサネットワークシステムでは、一つの基地局で管理されるエリア内のすべてのノードが、基地局と直接通信できるとは限らない。

0004

そこで、このようなセンサネットワークシステムでは、各ノードは自身と直接通信可能なエリア内に存在する他のノード(以下、「隣接ノード」とも呼ぶ)にデータを伝送し、さらに、そのデータを受信したノードが隣接ノードにデータを伝送するというマルチホップ無線通信データ伝送が行われる。以下、マルチホップ無線通信が採用されたネットワークシステムを「マルチホップ無線通信システム」とも呼ぶ。

0005

ところで、一般的なセンサネットワークでは、各ノードは電池駆動である場合が多く、省電力で動作することが求められる。省電力化の手法として、例えば、各ノードの無線通信送受信部(以下、「RF」とも呼ぶ)をスリープさせることが有効である。

0006

RFをスリープさせるために、例えば特許文献1では各ノードをスリープさせるための2種類の制御パケット(スリープ用ビーコン及びアウェイク用ビーコン)を送信することにより、スリープ状態を制御する方式を提案している。この方式ではスリープ用ビーコンを受信したノードは、一定時間RFをスリープさせた後、アウェイク用ビーコンによりスリープ状態から復帰させることで省電力化を実現している。

0007

また、特許文献2では、自身の電池残量を基にスリープに入るか否かを決定する方式が提案されている。この方式では電池残量が一定の閾値以下になったノードが自ノード送信タイミングまでスリープすることで省電力化を実現している。

先行技術

0008

特許第3877722号公報
特許第5065977号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、特許文献1に記載の方式は、2種類の制御パケットを送信するためネットワークへの負荷が大きくなる。そのため、多数ノードを収容し、高頻度データパケットの伝送がなされるネットワークにおいては、その負荷は無視できないものになる。以下、具体例を挙げて説明を行うが、マルチホップ通信において、データパケットの送信先ノード親ノード送信元ノードを「子ノード」とも呼び、さらにその子ノードを「孫ノード」、子ノード以下を総称して「下位ノード」とも呼ぶ。

0010

特許文献1に記載の方式では、子ノードのデータパケット送信イミング時に、親ノードがスリープから復帰しているためには、スリープ用ビーコンを送信するノードが事前ネットワークトポロジを把握している必要がある。しかし、一般的に、マルチホップ無線通信システムでは、ネットワークトポロジを構築する前に、自ノードをデータパケットの送信先とするノードが誰であるかを事前に知ることができない。そのため、このようなマルチホップ無線通信システムにおいて特許文献1の方式は有用ではない。

0011

また、特許文献2の方式においても、ノードはネットワークトポロジと関係なくスリープ状態に入るため、上記理由により、親ノードは子ノードからのデータパケットを受信できなくなる恐れがあり、マルチホップ無線通信システムにおいて有用ではない。

0012

以上のような問題に鑑みて、事前にネットワークトポロジが把握できないマルチホップ無線通信システムにおいてもノードを効率的にスリープ状態に移行させ省電力化できる無線通信装置、無線通信プログラム、及び無線通信システムが望まれている。

課題を解決するための手段

0013

第1の本発明は、制御パケットによりネットワークトポロジを構築し、構築されたネットワークトポロジに従いデータパケットの伝送を行うマルチホップ無線ネットワークを構成する無線通信装置において、(1)基地局又は他の無線通信装置とパケットの送受信を行う無線信号送受信部と、(2)前記基地局又は前記他の無線通信装置から受信したビーコンパケットを基に、前記他の無線通信装置のデータパケット送信時刻に、前記無線信号送受信部をスリープさせるか否かの判定を行うスリープ制御判定部と、(3)前記スリープ制御判定部の判定の結果に基づき、前記無線信号送受信部のスリープ制御を行うタイマー部とを有することを特徴とする。

0014

第2の本発明は、制御パケットによりネットワークトポロジを構築し、構築されたネットワークトポロジに従いデータパケットの伝送を行うマルチホップ無線ネットワークを構成する無線通信装置に搭載されるコンピュータを、(1)基地局又は他の無線通信装置とパケットの送受信を行う無線信号送受信部と、(2)前記基地局又は前記他の無線通信装置から受信したビーコンパケットを基に、前記他の無線通信装置のデータパケット送信時刻に、前記無線信号送受信部をスリープさせるか否かの判定を行うスリープ制御判定部と、(3)前記スリープ制御判定部の判定の結果に基づき、前記無線信号送受信部のスリープ制御を行うタイマー部として機能させることを特徴とする。

0015

第3の本発明は、マルチホップネットワークを構成する無線通信装置を複数備える無線通信システムにおいて、前記無線通信装置として、請求項1〜7のいずれかに記載の無線通信装置を適用したことを特徴とする。

発明の効果

0016

本発明によれば、事前にネットワークトポロジが把握できないマルチホップ無線通信システムにおいてもノードを効率的にスリープ状態に移行させ省電力化できる。

図面の簡単な説明

0017

実施形態に係る無線通信装置の機能的構成について示すブロック図である。
実施形態に係る無線通信システム(ネットワーク)の一例を示す図(その1)である。
実施形態に係るスーパーフレームの構成を示す図である。
実施形態に係る下り通信期間の一例を示す説明図(その1)である。
実施形態に係る無線通信システム(ネットワーク)で用いられるTDMAフレームの構造(上り通信期間)について示す説明図である。
実施形態に係る下り通信期間の一例を示す説明図(その2)である。
実施形態に係る無線通信システム(ネットワーク)の一例を示す図(その2)である。

実施例

0018

(A)主たる実施形態
以下、本発明による無線通信装置、無線通信プログラム、及び無線通信システムの一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。

0019

(A−1)実施形態の構成
(A−1−1)全体構成
図2は、実施形態に係る無線通信システム(ネットワーク)の一例を示す全体構成図である。

0020

無線通信システム1には、無線マルチホップネットワークであるネットワークNを構成するノードとして基地局20(図2中の「BS」は基地局を示している)と無線通信装置10が配置されているものとする。

0021

基地局20はネットワークN全体(各無線通信装置10)を管理するノードであるものとする。無線通信システム1に配置される各装置の数は限定されないものであるが、この実施形態の無線通信システム1では、1個の基地局20と、n個の無線通信装置10(10−1〜10−n)が配置されているものとして説明する。また、図2において、直線で結ばれている各ノードは、直接無線通信可能であることが示されている。

0022

無線通信システム1内の各ノードが対応する無線通信の物理仕様については限定されないものであるが、例えば、種々の移動体通信網と同様の物理構成を適用することができる。

0023

なお、無線通信システム1(ネットワークN)の通信方式については、(A−1−3)において、説明を行う。

0024

(A−1−2)無線通信装置10の詳細な構成
次に、無線通信装置10の機能的構成について図1を用いて説明する。

0025

図1は、実施形態に係る無線通信装置の機能的構成について示すブロック図である。

0026

図1に示すように、無線通信装置10は、アンテナ101、無線信号送受信部102、データ処理部103、スリープ制御判定部104、タイマー部105、パケット生成部106、及びネットワーク管理部107を有している。また、無線通信装置10は、外部システム30に接続されている。

0027

無線通信装置10は、ハードウェア的な無線通信インタフェース(例えば、アンテナ101等)を除く他は、コンピュータにプログラム(実施形態に係る無線通信プログラム)をインストールすることにより実現するようにしてもよく、その場合でも機能的構成は、図1のように示すことができる。

0028

無線通信装置10は、外部システム30から供給されたデータを、基地局20宛に送信し、基地局20を送信元とするパケットを受信した場合には、当該パケットのデータを外部システム30に供給する。例えば、外部システム30がセンサ(例えば、温度、湿度、人間の脈拍等のバイタルサインを検知するセンサ)である場合、無線通信装置10は、外部システム30から検知結果(センサデータ)が供給されると、当該検知結果(センサデータ)を挿入したパケットを基地局20宛に送信する。なお、無線通信装置10において、外部システム30(アプリケーション)の構成は限定されないものである。また、無線通信装置10では、内部のコンピュータで実行されるアプリケーションで発生するデータの送信を行う構成としてもよい。

0029

アンテナ101は、他のノード(他の無線通信装置10及び基地局20)との無線信号の送受信を行う。

0030

無線信号送受信部102は、アンテナ101を用いて無線信号を送受信する処理を行う。具体的には、無線信号送受信部102はアンテナ101で受信した信号の復調とその信号に含まれるパケットの受信を行う。無線信号送受信部102は、受信したパケットに含まれるデータをデータ処理部103に送付する。また、無線信号送受信部102は、パケット生成部106から送られてきたパケットを変調して無線信号に変換し、アンテナ101を用いて当該無線信号の送信を開始する。

0031

データ処理部103は、無線信号送受信部102で受信したパケット(受信した無線信号を復調して得られたパケット)を処理する。データ処理部103は、無線信号送受信部102で得られたパケットの種類を判別する処理を行う。データ処理部103は、例えば、受信したパケットがビーコンパケットである場合には、ビーコンパケット内に記載されている、スリープ制御に必要な情報(他の無線通信装置10の親ノード情報、データパケットの送信タイミング情報等)はスリープ制御判定部104に、ネットワークの管理に必要な情報はネットワーク管理部107に供給する。そして、データ処理部103は、受信したパケットのデータが、外部システム30に供給するデータ(例えば、基地局20からのセンサデータ送信指示コマンド)である場合には、当該データを外部システム30に供給する。

0032

スリープ制御判定部104は、データ処理部103から送られてきたスリープ制御に必要な情報を基に無線信号送受信部102をスリープさせるか否かの判定を行う。さらに、スリープ制御判定部104は無線信号送受信部102をスリーブさせると判断した場合には、スリープ開始時間とスリープ時間に関する情報をタイマー部105に渡す。なお、スリープ制御の詳しい動作については、動作の項で詳述する。

0033

タイマー部105は、スリープ制御判定部104から送付された情報を基に無線信号送受信部102のスリープ制御(スリープ及びスリープからの復帰)を行う。

0034

ネットワーク管理部107は、データ処理部103から送付された情報を基に親ノードを決定する、ビーコンパケット送信時刻を決定するなどのネットワークを管理するための機能を果たし、ビーコンパケットの送信、またはデータパケットの送信の際に送信先に関する情報とネットワーク管理に必要な情報をパケット生成部106に送る。

0035

パケット生成部106は、ネットワーク管理部107から送られてきた情報と外部システム30から供給されてきた情報を挿入したパケットを生成(供給されてきたデータのパケット化)し、生成したパケットを無線信号送受信部102に供給する。

0036

(A−1−3)無線通信システム1(ネットワークN)の通信方式ついて
次に、無線通信システム1(ネットワークN)における各ノード間の通信方式について説明する。

0037

無線通信システム1(ネットワークN)では、基地局20を起点としたマルチホップの最大数(以下、「最大ホップ数」と呼ぶものとする)が定められているものとする。以下では、予め無線通信システム1(ネットワークN)に適用される最大ホップ数を「k」と表すものとする。

0038

無線通信システム1(ネットワークN)における最大ホップ数を決定する方法は限定されないものであるが、例えば、基地局20が管理するエリアのサイズやデータ送信周期等の通信条件に応じて予め設定(例えば、ネットワーク管理者等のオペレータにより各ノードに設定)するようにしてもよい。

0039

また、無線通信システム1(ネットワークN)では、ネットワークに参加する無線通信装置10は、自身の親ノードを決定するための通信期間(以下、「下り通信期間」と呼ぶ)と、親ノード宛にデータパケットを送信しマルチホップ通信で基地局20までデータを伝送するための通信期間(以下、「上り通信期間」と呼ぶ)からなるものとする。下り通信期間と上り通信期間からなる構成を「スーパーフレーム構成」と呼び、その構成図は図3である。

0040

図4は、実施形態に係る下り通信期間の一例を示す説明図である。図4では、下り通信期間は、時間で区切られ、スロット化スロットSL1〜スロットSLKに分割)されている。図4において、スロットSL1では、基地局20は、ビーコンパケットの送信を行う。ビーコンパケットには、例えば、パスコストリンクコスト等の親ノードの決定に必要な情報が含まれているものとする。

0041

図4において、スロットSL1は基地局20がビーコンを送信する時間、スロットSL2は1ホップノードがビーコンを送信する時間、スロットSL3は2ホップノードがビーコンを送信する時間を表している。スロットSL2〜スロットSLKでは、該当ホップ数の全ノードがビーコン送信可能な時間が用意されているものとする。また、図4において、最大ホップ数はKホップとしている。

0042

以下、図2のネットワークNの構成を例に挙げながら、各スロットSLにおける処理の概要を説明する。

0043

スロットSL1において、基地局20からのビーコンパケットを受信したノード(無線通信装置10−1、無線通信装置10−2)は基地局20を親ノードとし、自身は1ホップノードとなる。次に、1ホップノード(無線通信装置10−1、無線通信装置10−2)は、次のスロット(スロットSL2)においてビーコンパケットの送信を行う。スロットSL2において、ビーコンパケットを受信したノード(無線通信装置10−3、無線通信装置10−4)は2ホップノードとなり、スロットSL2の期間に受信したビーコンパケットの送信元ノードから親ノードを選択する。

0044

以上の動作を繰り返すことで、ネットワークNに参加する全てのノードが自身のホップ数と親ノードを決定することができる。

0045

また、無線通信装置10では、所定のアルゴリズムルーティング方式)により、それぞれの親ノード(基地局20宛にデータ送信する際の直接の転送先のノード)が決定(トポロジが決定)される。なお、基地局20と直接無線通信可能な無線通信装置10の親ノードは基地局20となる。また、各無線通信装置10において、親ノードを決定するアルゴリズムについては限定されないものである。例えば、各無線通信装置10は、到着が最も早いビーコンパケットの送信元ノードを親ノードにしてもよいし、ビーコンパケットの受信信号強度RSSI:Received Signal Strength Indication)が高いノードを親ノードにしてもよい。

0046

上り通信期間は、時分割多元アクセス方式(TDMA:Time Division Multiple Access)を採用しており、ネットワークNに参加する各ノードに所定のスロットが割り当てられているものとする。

0047

図5は、実施形態に係る無線通信システム(ネットワーク)で用いられるTDMAフレームの構造(上り通信期間の構成例)について示す説明図である。

0048

以下では、任意の識別子i(iは1〜nのいずれか)の無線通信装置10を無線通信装置10−iと表すものとする。また、以下では、ホップ数がkの無線通信装置10−iから送信したパケットが基地局20まで到達するまでの各ホップを、無線通信装置10−i側から順に、ホップk、ホップk−1、…、ホップ1と表すものとする。

0049

図5では、1サイクル分のTDMAフレームF内部のスロット構成を左から右に時系列順に図示している。

0050

TDMAフレームFにおいては、参加するノードはn台あり、ノードの最大ホップ数がkホップであることが考慮された構造となっている必要がある。具体的には、図5に示すように、TDMAフレームFには、時系列順にn個のスロットTS(スロットTS1、TS2、…、TSn)が設けられている。

0051

例えば、ホップ数がkの無線通信装置10−iから送出されたパケットは、ホップk(無線通信装置10−iから無線通信装置10−iの親ノードへ送信)、ホップk−1(無線通信装置10−iの親ノードからまたさらにその親ノードへ転送)、…、と繰り返し転送され、最終的にホップ1で最終目的先である基地局20に転送される。

0052

また、無線通信システム1(ネットワークN)の各無線通信装置10に割り当てるスロットTSの割り当て方式は限定されないものである。例えば、基地局20は、ネットワークNにノードが参加してきた順に番号の早いスロットを割り当ててもよい。さらに、基地局20によって割り当てられたスロット番号を各ノードへ周知する方法は限定されないものである。例えば、ネットワークNに参加した際に基地局20から通知されるようにしてもよい。

0053

(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有するこの実施形態の無線通信システム1の動作(スリープ制御処理)を説明する。

0054

ネットワークNでは、図2に示すようなトポロジで基地局20、無線通信装置10−1〜10−5が配置/接続されているものとして説明する。すなわち、最大ホップ数は3ホップ、ノード数は5である。

0055

また、図2のネットワークNにおいて、上り通信期間は図6のように定義されているものとする。即ち、スロットSL1〜スロットSL5には、無線通信装置10−1〜無線通信装置10−5がそれぞれ割り当てられているものとする。

0056

スーパーフレームが開始すると下り通信期間のスロットSL1の時間に基地局20はビーコンをブロードキャストする。ビーコンにはスーパーフレームの構成に関する情報(上り通信開始の時間)や親ノード決定に必要な情報が含まれている。

0057

無線通信装置10−1、無線通信装置10−2は、基地局20と直接通信可能なエリア内にいるためビーコンパケットを受信する。無線通信装置10−1、無線通信装置10−2は、基地局20を親ノードとする1ホップノードとなる。

0058

次に、無線通信装置10−1、無線通信装置10−2は、下り通信期間のスロットSL2の時間内にビーコンをブロードキャストする。

0059

ここで、無線通信装置10−1、無線通信装置10−2のビーコンには、下位ノードが親ノード決定に必要な情報(例えば基地局20までのパスコスト)の他に、自身の親ノードに関する情報(無線通信装置10−1及び無線通信装置10−2の場合、基地局20が親ノードであることの情報)と、上り通信期間における自身の送信タイミングに関する情報(例えば無線通信装置10−1の場合、スロットSL1が送信タイミングであること)を記載する。

0060

無線通信装置10−3、無線通信装置10−4は、スロットSL2の時間内に、無線通信装置10−1、無線通信装置10−2からのビーコンを受信し、親ノードを決定する所定のアルゴリズムに従い親ノードを決定する。この実施形態では、図7に示すように、無線通信装置10−3、無線通信装置10−4の親ノードはそれぞれ無線通信装置10−1、無線通信装置10−2であるとしている。

0061

なお、この時点では、無線通信装置10−1、無線通信装置10−2は無線通信装置10−3、無線通信装置10−4が子ノードであることは認知していない。ここで、無線通信装置10−1に着目すると、無線通信装置10−1はスロットSL2において自身のビーコンを送信の他に、無線通信装置10−2のビーコンの受信も行う。

0062

無線通信装置10−2のビーコンを受信すると、無線通信装置10−1のデータ処理部103は無線通信装置10−2のビーコンに記載されているスリープ制御に関する情報である、無線通信装置10−2の親ノード情報と上り通信期間における送信タイミングをスリープ制御判定部104に送付する。

0063

スリープ制御判定部104は、データ処理部103から送付された親ノードに関する情報から自身が無線通信装置10−2の親ノードではなく、無線通信装置10−2が自身宛にデータパケットを送信することがないことを知る。この場合、スリープ制御判定部104は、無線通信装置10−2の上り通信期間における送信タイミング(図6のスロットTS2)において、スリープしてもよいと判断する。タイマー部105は、スリープ制御判定部104の判定した結果に従い、上り通信期間のスロットTS2の時間に無線信号送受信部102をスリープさせるタイマーをセットする。

0064

次に、無線通信装置10−3、無線通信装置10−4は、下り通信期間のスロットSL3の時間内に上記同様にビーコンをブロードキャストする。無線通信装置10−5は、無線通信装置10−3、無線通信装置10−4からのビーコンを受信し、図7に示すように無線通信装置10−3を親ノードとする。

0065

この際、無線通信装置10−5が無線通信装置10−3、無線通信装置10−4のビーコンを基に自身のホップ数と親ノードを決定する一方、無線通信装置10−1、無線通信装置10−2も無線通信装置10−3、無線通信装置10−4のビーコンを受信する。

0066

ここで改めて、無線通信装置10−1に着目すると、無線通信装置10−1のスリープ制御判定部104は、データ処理部103から送付された親ノードに関する情報から自身が無線通信装置10−3の親ノードであることを知る。この場合、無線通信装置10−1は無線通信装置10−3の上り通信期間における送信タイミングにおいて、スリープしていてはいけないと判断する。

0067

同様に、無線通信装置10−1が無線通信装置10−4のビーコンを受信すると、スリープ制御判定部104は、自身が無線通信装置10−4の親ノードでないことを知り、無線通信装置10−4の上り通信期間における送信タイミング(図6のスロットTS4)において、スリープしてもよいと判断する。そして、タイマー部105は、スリープ制御判定部104の判定した結果に従い、上り通信期間のスロットTS4の時間に無線信号送受信部102をスリープさせるタイマーをセットする。

0068

なお、図2のネットワークトポロジ(ネットワークN)では、無線通信装置10−1は無線通信装置10−2、無線通信装置10−3、無線通信装置10−4からのビーコンを受信することができたため、スリープするか否かの判定を行うことができた。ただし、無線通信装置10−1が或るノードが送信するビーコンを受信できなかった場合、そのノードの上り通信期間における送信タイミングでは自身が中継先として指定されているかもしれないと判断し、スリープを行わない。

0069

ここまで、スリープ制御の具体例として、無線通信装置10−1を例に挙げて説明を行なった。無線通信装置10−1がスリープ制御を行う場合、対象となるビーコンの送信元ノード(基地局20を除く)は、下位ノードか自身と同じホップ数のノードであった。しかし、親ノードを含む上位ノードからのビーコンを受信した場合に対しても、スリープ制御は有効である。以下、無線通信装置10−3を例に挙げて説明を行う。

0070

無線通信装置10−3が無線通信装置10−1からのビーコンを受信すると、親ノードを決定する動作を行うと共に、データ処理部103はスリープ制御判定部104にスリープ制御に関する情報を送付する。スリープ制御判定部104は、無線通信装置10−1が自身より上位ノードであり、無線通信装置10−1の親ノードが基地局20であることから無線通信装置10−1のデータ送信タイミング図6のスロットTS1)では自身が参加する必要がないことを知り、スリープしてもよいと判断する。そして、タイマー部105は、スリープ制御判定部104の判定した結果に従い、上り通信期間のスロットTS1の時間に無線信号送受信部102をスリープさせるタイマーをセットする。

0071

上記の手順を経ることで、無線通信装置10−3は、上位ノードである無線通信装置10−1、無線通信装置10−2のデータ送信タイミングでもスリープすることが可能となる。

0072

以上に述べた方式を用いることで、事前にネットワークトポロジを把握することができないマルチホップ無線ネットワークであっても、無線通信装置10の無線信号送受信部102をスリープさせ省電力化を実現することが可能である。

0073

(A−3)実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。

0074

この実施形態の無線通信システム1(ネットワークN)では、無線通信装置10は、他のノードからビーコンを受信した際、上り通信期間内における他のノードに割り当てられたスロットにおいて、ネットワークに参加する必要がない場合には、そのスロットでは無線信号送受信部102をスリープすることとした。

0075

仮に、無線通信装置10が、スリープ制御を行わない場合を想定する。無線通信装置10は自身がどのノードの親ノードであるか、又どのノードの親ノードではないかが分からないため、いつ自身宛にデータパケットが到達するか不明である。そのため、無線通信装置10は、上り通信期間中すべての時間、無線信号送受信部102を待機状態にしておかなければならなくなり、消費電力の増大を招くことになる。

0076

この実施形態では、自身が中継に参加する必要がないと判明している場合には、効率よく無線信号送受信部102をスリープさせることができるようになるため、ノードの省電力化を実現することが可能となる。

0077

また、この実施形態の無線通信システム1(ネットワークN)では、ノードをスリープさせるための専用のビーコンを送信するのではなく、ネットワークトポロジを構成するために必ず送信されるビーコンを利用しているため、専用のビーコンを送信する場合に比べて、ネットワークに与える負荷が小さくなる。その結果、システムはスループットを向上させることができ、ノードの収容台数の増加や、パケットの頻繁な送信が可能となる。

0078

さらに、無線通信システム1では、基地局20が全ノードのスリープタイミングを計算して指定する集中制御型の方式とは異なり、各ノードが各々の判断でスリープ制御を行う分散制御型の方式であるため、基地局20の負担を削減することができる。集中制御型では、各ノードのスリープタイミングを各ノードに周知するためにネットワークに負荷を与えるが、その負荷も発生しない。

0079

(B)他の実施形態
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。

0080

(B−1)上記の実施形態では、対象とする無線マルチホップネットワーク(ネットワークN)に、下り通信期間と上り通信期間からなるスーパーフレーム構成を採用し、スロット化された下り通信期間とTDMAで制御される上り通信期間を用いる例を示したが、本発明を適用するネットワークはこのような無線マルチホップネットワークに限定するものではなく、例えば、各ノードがビーコンを送信し、データ送信タイミングがビーコン送信タイミングを基に決定できるネットワーク構成であればよい。

0081

(B−2)上記の実施形態では、スリープ制御判定部104が行うスリープ制御の判定に親ノードの情報を用いたが、ビーコンパケットに基地局までのルート情報が含まれている場合には、ルート情報を判定基準に用いてもよい。

0082

(B−3)上記の実施形態では、或る特定のノード(図2の無線通信装置10−1、図6の無線通信装置10−3)に本発明を適用する例を示したが、対象とするネットワークNに参加するすべてのノードに本発明を適用してもよい。

0083

(B−4)上記の実施形態では、親子の関係にあるノード間、または同一ホップ数にあるノード間に対して本発明を適用したが、孫ノード以下の下位ノードからのビーコンに対して本発明を適用してもよいし、親ノード以上の上位ノードからのビーコンに対して本発明を適用してもよい。

0084

(B−5)上記の実施形態では、特定の時間、無線信号送受信部102をスリープさせるために本発明を適用したが、上り通信期間は無線信号送受信部102を常にスリープ状態で待機させ、通信のためにスリープ状態から復帰させる時間を決定するために本発明を適用してもよい。

0085

1…無線通信システム、10(10−1〜10−5)…無線通信装置、20…基地局、30…外部システム、101…アンテナ、102…無線信号送受信部、103…データ処理部、104…スリープ制御判定部、105…タイマー部、106…パケット生成部、107…ネットワーク管理部、F…TDMAフレーム、N…ネットワーク。

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