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課題
解決手段
光伝送装置は、光ネットワークを介して受信する光信号を電気信号に変換するフロントエンド回路と、フロントエンド回路の出力信号をデジタル信号に変換する変換部と、変換部の出力側に設けられ、デジタル信号またはデジタル信号に基づいて生成される第2のデジタル信号を等化する等化部と、等化部の出力信号からシンボルを復元する復元部と、デジタル信号または第2のデジタル信号に基づいて光信号の受信スペクトルを検出するスペクトル検出部と、スペクトル検出部により検出された受信スペクトルに基づいて、光信号の送信元装置において光信号の送信スペクトルの形状を補正するための補正情報を生成する補正情報生成部と、補正情報を送信元装置に送信する送信部と、を備える。
概要
背景
光ファイバネットワークの大容量化および高速化を実現するために、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)が普及している。WDM伝送においては、波長の異なる複数の光信号が多重化される。
WDM信号を伝送する光ファイバネットワークの各ノードには、例えば、光分岐挿入装置(ROADM:Reconfigurable Optical Add Drop Multiplexer)が実装される。ROADMは、波長選択スイッチ(WSS:Wavelength Selective Switch)を備える。WSSは、指定された波長チャネルの光信号をWDM信号から分岐する。また、WSSは、WDM信号の空きチャネルに光信号を挿入できる。すなわち、WSSは、波長チャネル毎に光信号を処理できる。
上述の光ファイバネットワークにおいて、近年、光ファイバの帯域利用効率を向上させるために、各波長チャネルに対して割り当てる帯域幅が狭くなってきている。一例としては、34Gbaudの信号を伝送する波長チャネルに対して37.5GHzの帯域が割り当てられることがある。
ところで、光信号が複数のROADM(すなわち、複数のWSS)を通過すると、透過帯域狭窄(PBN:Pass Band Narrowing)により、受信ノードにおいてその光信号の品質が劣化することがある。特に、波長チャネルが配置される間隔が狭く、光信号の帯域幅に対してWSSの各波長チャネルの透過帯幅のマージンが小さいときは、光信号が大きく劣化することがある。
透過帯域狭窄に起因する品質の劣化を緩和するために、送信信号に対してプリエンファシスを行う光伝送システムが提案されている(たとえば、特許文献1)。この光伝送システムの光受信器においては、分散補償、クロック回復、偏波多重分離/等化、搬送波周波数/搬送波位相推定が行われた後にシンボルが判定される。ここで、偏波多重分離/等化は、例えば、CMA(Constant Modulus Algorithm)でFIRフィルタのタップ係数を決定することで実現される。そして、決定したタップ係数に基づくフィードバック制御により、送信ノードにおいて、送信信号に対してプリエンファシスが行われる。なお、WDM光通信システムにおいて、プリエンファシスへの負担を軽減しつつ、伝送特性を有効に均一化かつ最適化する構成が提案されている(例えば、特許文献2)。
概要
透過帯域狭窄に起因する光信号の品質の劣化を緩和する。光伝送装置は、光ネットワークを介して受信する光信号を電気信号に変換するフロントエンド回路と、フロントエンド回路の出力信号をデジタル信号に変換する変換部と、変換部の出力側に設けられ、デジタル信号またはデジタル信号に基づいて生成される第2のデジタル信号を等化する等化部と、等化部の出力信号からシンボルを復元する復元部と、デジタル信号または第2のデジタル信号に基づいて光信号の受信スペクトルを検出するスペクトル検出部と、スペクトル検出部により検出された受信スペクトルに基づいて、光信号の送信元装置において光信号の送信スペクトルの形状を補正するための補正情報を生成する補正情報生成部と、補正情報を送信元装置に送信する送信部と、を備える。
目的
本発明の1つの側面に係わる目的は、透過帯域狭窄に起因する光信号の品質の劣化を緩和することである
効果
実績
- 技術文献被引用数
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- 牽制数
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請求項1
光ネットワークを介して受信する光信号を電気信号に変換するフロントエンド回路と、前記フロントエンド回路の出力信号をデジタル信号に変換する変換部と、前記変換部の出力側に設けられ、前記デジタル信号または前記デジタル信号に基づいて生成される第2のデジタル信号を等化する等化部と、前記等化部の出力信号からシンボルを復元する復元部と、前記デジタル信号または前記第2のデジタル信号に基づいて前記光信号の受信スペクトルを検出するスペクトル検出部と、前記スペクトル検出部により検出された受信スペクトルに基づいて、前記光信号の送信元装置において前記光信号の送信スペクトルの形状を補正するための補正情報を生成する補正情報生成部と、前記補正情報を前記送信元装置に送信する送信部と、を備える光伝送装置。
請求項2
前記補正情報生成部は、前記送信スペクトルと前記受信スペクトルとの差分を表す差分スペクトルに基づいて前記補正情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
請求項3
前記補正情報は、前記送信元装置において前記光信号の送信スペクトルの形状を補正するデジタルフィルタのタップ係数であり、前記補正情報生成部は、前記差分スペクトルを時間領域信号に変換し、前記時間領域信号に基づいて前記タップ係数を生成することを特徴とする請求項2に記載の光伝送装置。
請求項4
前記補正情報生成部は、前記受信スペクトルの形状に基づいて、前記送信元装置と前記光伝送装置との間の透過特性を表す透過帯域スペクトルを推定し、前記透過帯域スペクトルに基づいて前記補正情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
請求項5
前記補正情報生成部は、ゼロよりも大きく且つ1以下のスケーリング係数で前記透過帯域スペクトルの逆特性をべき乗した結果に基づいて前記補正情報を生成することを特徴とする請求項4に記載の光伝送装置。
請求項6
前記補正情報生成部は、前記受信スペクトルの形状の対称性に基づいて、前記送信元装置において前記光信号の中心周波数を補正するための周波数補正指示を生成し、前記送信部は、前記周波数補正指示を前記送信元装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
請求項7
第1の光伝送装置から第2の光伝送装置へ光信号を伝送する光伝送システムであって、前記第1の光伝送装置において光信号の送信スペクトルの形状を制御するデジタルフィルタと、前記第2の光伝送装置において前記第1の光伝送装置から光ネットワークを介して受信する光信号を電気信号に変換するフロントエンド回路と、前記第2の光伝送装置において前記フロントエンド回路の出力信号をデジタル信号に変換する変換部と、前記第2の光伝送装置において前記変換部の出力側に設けられ、前記デジタル信号または前記デジタル信号に基づいて生成される第2のデジタル信号を等化する等化部と、前記第2の光伝送装置において前記等化部の出力信号からシンボルを復元する復元部と、前記デジタル信号または前記第2のデジタル信号に基づいて前記光信号の受信スペクトルを検出するスペクトル検出部と、前記スペクトル検出部により検出された受信スペクトルに基づいて、前記光信号の送信スペクトルの形状を補正するための補正情報を生成する補正情報生成部と、を備え、前記デジタルフィルタは、前記補正情報に基づいて前記光信号の送信スペクトルの形状を制御することを特徴とする光伝送システム。
請求項8
前記スペクトル検出部および前記補正情報生成部は、前記第2の光伝送装置に設けられており、前記第2の光伝送装置は、前記第2の光伝送装置から前記第1の光伝送装置に伝送される光信号に周波数変調方式で前記補正情報を重畳することを特徴とする請求項7に記載の光伝送システム。
請求項9
技術分野
背景技術
0002
光ファイバネットワークの大容量化および高速化を実現するために、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)が普及している。WDM伝送においては、波長の異なる複数の光信号が多重化される。
0003
WDM信号を伝送する光ファイバネットワークの各ノードには、例えば、光分岐挿入装置(ROADM:Reconfigurable Optical Add Drop Multiplexer)が実装される。ROADMは、波長選択スイッチ(WSS:Wavelength Selective Switch)を備える。WSSは、指定された波長チャネルの光信号をWDM信号から分岐する。また、WSSは、WDM信号の空きチャネルに光信号を挿入できる。すなわち、WSSは、波長チャネル毎に光信号を処理できる。
0004
上述の光ファイバネットワークにおいて、近年、光ファイバの帯域利用効率を向上させるために、各波長チャネルに対して割り当てる帯域幅が狭くなってきている。一例としては、34Gbaudの信号を伝送する波長チャネルに対して37.5GHzの帯域が割り当てられることがある。
0005
ところで、光信号が複数のROADM(すなわち、複数のWSS)を通過すると、透過帯域狭窄(PBN:Pass Band Narrowing)により、受信ノードにおいてその光信号の品質が劣化することがある。特に、波長チャネルが配置される間隔が狭く、光信号の帯域幅に対してWSSの各波長チャネルの透過帯幅のマージンが小さいときは、光信号が大きく劣化することがある。
0006
透過帯域狭窄に起因する品質の劣化を緩和するために、送信信号に対してプリエンファシスを行う光伝送システムが提案されている(たとえば、特許文献1)。この光伝送システムの光受信器においては、分散補償、クロック回復、偏波多重分離/等化、搬送波周波数/搬送波位相推定が行われた後にシンボルが判定される。ここで、偏波多重分離/等化は、例えば、CMA(Constant Modulus Algorithm)でFIRフィルタのタップ係数を決定することで実現される。そして、決定したタップ係数に基づくフィードバック制御により、送信ノードにおいて、送信信号に対してプリエンファシスが行われる。なお、WDM光通信システムにおいて、プリエンファシスへの負担を軽減しつつ、伝送特性を有効に均一化かつ最適化する構成が提案されている(例えば、特許文献2)。
先行技術
0007
特表2015−513278号公報
特開2001−251245号公報
発明が解決しようとする課題
0008
透過帯域狭窄に起因する品質の劣化を緩和するための従来技術(例えば、特許文献1に記載されている構成)では、偏波多重分離/等化が正しく実行されることが要求される。このため、受信信号の品質が大きく劣化しているときは、偏波多重分離/等化が正しく実行されず、適切なフィードバック制御が困難となる。この場合、送信信号に対して適切なプリエンファシスが行われず、受信信号の品質が改善されない。或いは、偏波多重分離/等化においてFIRフィルタのタップ係数が収束しない場合には、フィードバック制御を行うことも困難である。
0009
本発明の1つの側面に係わる目的は、透過帯域狭窄に起因する光信号の品質の劣化を緩和することである。
課題を解決するための手段
0010
本発明の1つの態様の光伝送装置は、光ネットワークを介して受信する光信号を電気信号に変換するフロントエンド回路と、前記フロントエンド回路の出力信号をデジタル信号に変換する変換部と、前記変換部の出力側に設けられ、前記デジタル信号または前記デジタル信号に基づいて生成される第2のデジタル信号を等化する等化部と、前記等化部の出力信号からシンボルを復元する復元部と、前記デジタル信号または前記第2のデジタル信号に基づいて前記光信号の受信スペクトルを検出するスペクトル検出部と、前記スペクトル検出部により検出された受信スペクトルに基づいて、前記光信号の送信元装置において前記光信号の送信スペクトルの形状を補正するための補正情報を生成する補正情報生成部と、前記補正情報を前記送信元装置に送信する送信部と、を備える。
発明の効果
0011
上述の態様によれば、透過帯域狭窄に起因する光信号の品質の劣化が緩和される。
図面の簡単な説明
0012
本発明の実施形態に係わる光伝送システムの一例を示す図である。
本発明の実施形態に係わるプリエンファシスの一例を示す図である。
光送信器の一例を示す図である。
光受信器の一例を示す図である。
本発明の実施形態による効果を説明する図である。
第1の実施形態において補正情報を生成する方法の一例を示す図である。
推定透過帯域スペクトルを生成する方法の一例を示す図である。
第2の実施形態において補正情報を生成する方法の一例を示す図である。
周波数ずれを検出する方法の一例を示す図である。
第4の実施形態に係わる光伝送方法の一例を示すフローチャートである。
周波数変調で補正情報を伝送する方法の一例を示す図である。
第5の実施形態に係わる光送信器の一例を示す図である。
選択されたタップ係数に対応する品質の比較例を示す図である。
実施例
0013
図1は、本発明の実施形態に係わる光伝送システムの一例を示す。図1に示す光伝送システム100においては、光送受信器1と光送受信器2との間で光信号が伝送される。光送受信器1、2は、それぞれ光送信器10および光受信器20を含む。また、光送受信器1、2は、それぞれWDM伝送装置3、4内に実装される。なお、光送受信器1、2は、光伝送装置の一例である。
0014
WDM伝送装置3は、複数の光送受信器1を備える。そして、WDM伝送装置3は、複数の光送受信器1により生成される光信号を多重化してWDM信号を生成する。このWDM信号は、光ネットワークに出力される。また、WDM伝送装置3は、光ネットワークを介して受信するWDM信号を波長チャネルごとに分離する。各光信号は、対応する光送受信器1に導かれる。
0015
同様に、WDM伝送装置4は、複数の光送受信器2を備える。そして、WDM伝送装置4は、複数の光送受信器3により生成される光信号を多重化してWDM信号を生成する。このWDM信号は、光ネットワークに出力される。また、WDM伝送装置4は、光ネットワークを介して受信するWDM信号を波長チャネルごとに分離する。各光信号は、対応する光送受信器2に導かれる。
0016
光ネットワークの各ノードには、ROADM5が実装されている。ROADM5は、WSS6を備える。そして、ROADM5は、WSS6を使用してWDM信号を処理する。すなわち、ROADM5は、指定された波長チャネルの光信号をWDM信号から分岐することができる。また、ROADM5は、WDM信号の空きチャネルに光信号を挿入することができる。
0017
上記構成の光伝送システム100において、光送受信器1から光送受信器2にデータが伝送されるものとする。すなわち、光送受信器1に実装される光送信器10から光送受信器2に実装される光受信器20にデータが伝送されるものとする。よって、以下の記載では、光送受信器1を送信元装置と呼ぶことがある。また、光送受信器2を宛先装置と呼ぶことがある。
0018
図2は、本発明の実施形態に係わるプリエンファシスの一例を示す。図2に示す実施例では、光送受信器1に実装される光送信器10から光送受信器2に実装される光受信器20に光信号が伝送される。ここで、光送受信器1、2間には、複数のROADM5が設けられている。なお、各ROADM5は、WSS6を使用して波長ごとに光信号を処理することができる。
0019
光送信器10から送信される光信号は、各ROADM5においてWSS6によりフィルタリングされる。このため、光信号のスペクトルは、透過帯域狭窄によって劣化する。なお、図2において、プリエンファシスが行われないときの送信スペクトルおよび受信スペクトルは、それぞれ点線で描かれている。
0020
透過帯域狭窄に起因する受信スペクトルの劣化を緩和するために、光受信器20は、受信光信号のスペクトルをモニタする。そして、光受信器20は、この受信スペクトルに基づいて、光信号の送信元装置(すなわち、光送信器10)においてその光信号の送信スペクトルの形状を補正するための補正情報を生成する。補正情報は、例えば、光送信器10において光信号の送信スペクトルの形状を補正するデジタルフィルタ(この実施例では、FIRフィルタ13)のタップ係数である。
0021
光受信器20は、生成した補正情報を光送信器10に送信する。すなわち、FIRフィルタ13に設定すべきタップ係数が光受信器20から光送信器10に通知される。そうすると、光送信器10は、補正情報に基づいて光信号の送信スペクトルの形状を制御する。すなわち、FIRフィルタ13は、通知されたタップ係数を使用して光信号に対してプリエンファシスを行う。
0023
このように、光受信器20において受信スペクトルに基づいて、FIRフィルタ13のタップ係数が計算される。そして、光送信器10は、このタップ係数を使用して送信スペクトルの形状を制御する。したがって、タップ係数を適切に算出することにより、透過帯域狭窄に起因する受信スペクトルの劣化が緩和される。
0024
補正情報は、例えば、光送受信器2から光送受信器1へ向かう光信号に多重化されて伝送される。この場合、補正情報は、例えば、周波数シフトキーイング等の周波数変調で光信号に重畳される。また、補正情報は、ネットワーク全体を制御するネットワーク管理システムを経由して光送受信器1に通知されるようにしてもよい。この場合、ネットワーク管理システムは、例えば、SDN(Software Defined Network)であってもよい。
0025
上述の例では、光受信器20においてタップ係数が計算され、このタップ係数が光送信器10に通知されるが、本発明はこの方式に限定されるものではない。例えば、光受信器20において検出された受信スペクトルを表す情報が光送信器10に通知され、光送信器10においてタップ係数が計算されるようにしてもよい。この場合、受信スペクトルを表す情報は、例えば、光送受信器2から光送受信器1へ伝送される光信号に周波数変調方式で重畳される。
0026
図3は、光送信器10の一例を示す。光送信器10は、図3に示すように、デジタル信号処理器(DSP:Digital Signal Processor)11およびフロントエンド回路14を備える。なお、光送信器10は、図3に示していない他の回路を備えていてもよい。
0027
DSP11は、マッパ12およびFIRフィルタ13(13x、13y)を備える。
なお、DSP11は、図3に示していない他の機能を備えていてもよい。例えば、DSP11は、誤り訂正のための符号化機能を備えていてもよい。
0028
マッパ12は、指定されたシンボルレートおよび変調方式に応じて、入力データから電界情報信号を生成する。この実施例では、光送信器10は、偏波多重光信号を生成する。したがって、マッパ12は、データXから電界情報信号XI、XQを生成し、データYから電界情報信号YI、YQを生成する。
0029
FIRフィルタ13は、与えられたタップ係数を使用して、マッパ12により生成される電界情報信号に対してフィルタリング処理を行う。ここで、FIRフィルタ13xは、電界情報信号XI、XQに対してフィルタリング処理を行い、FIRフィルタ13yは、電界情報信号YI、YQに対してフィルタリング処理を行う。なお、この実施例では、タップ係数は、光信号の宛先装置において算出される。また、FIRフィルタ13x、13yに対して同じタップ係数が与えられる。タップ係数は、実数であってもよいし、複素数であってもよい。
0030
フロントエンド回路14は、DSP11により生成される電界情報信号に基づいて変調光信号を生成する。具体的には、デジタル/アナログ変換器(DAC)15は、電界情報信号をアナログ信号に変換する。DAC15の出力信号は、不図示のドライバにより増幅される。光源16は、所定の波長の連続光を生成する。変調器16は、例えばI/Q光変調器であり、光源16により生成される連続光を電界情報信号で変調して変調光信号を生成する。
0031
この実施例では、電界情報信号XI、XQから変調光信号Xが生成され、電界情報信号YI、YQから変調光信号Yが生成される。偏波ビーム合波器(PBC)18は、変調光信号Xおよび変調光信号Yを合波して偏波多重光信号を生成する。
0032
図4は、光受信器20の一例を示す。光受信器20は、図4に示すように、フロントエンド回路21、局発光源(LO)22、アナログ/デジタル変換器(ADC)23、補償部24、適応等化部25、復元部26を備える。そして、光受信器20は、図3に示す光送信器10により生成される光信号を受信する。
0033
フロントエンド回路21は、局発光源22により生成される局発光を利用して、受信光信号を表す電界情報信号(HI、HQ、VI、VQ)を生成する。なお、局発光源22により生成される局発光の周波数は、送信元装置の光源16により生成される連続光の周波数とほぼ同じである。ADC23は、フロントエンド回路21により生成される電界情報信号をデジタル信号に変換する。
0034
補償部24は、光ファイバ伝送路の波長分散を補償する。また、補償部24は、分散補償に加えて、光ファイバ伝送路に係わる線形補償および非線形補償を行ってもよい。補償部24は、FIRフィルタを備え、変動速度が遅く、かつ、偏波依存性の少ない歪みを等化する。したがって、補償部24のFIRフィルタには、光ファイバの特性および伝送距離などに基づいて予め決定されるタップ係数が与えられる。
0035
適応等化部25は、補償部24の出力信号に残留している歪みを補償する。また、適応等化部25は、偏波分離を行う。適応等化部25は、例えば、複数のFIRフィルタを含むバタフライ型FIRフィルタ回路により実現される。この場合、各FIRフィルタのタップ係数は、例えば、CMA(Constant Modulus Algorithm)により適応的に計算される。
0036
復元部26は、送信元装置に実装される光源16の光周波数と局発光源22の光周波数との差分(すなわち、周波数オフセット)を補償する。また、復元部26は、周波数オフセットが補償された受信信号に基づいて各シンボルの変調位相を推定する。そして、復元部26は、推定した変調位相に基づいて、各シンボルの値を識別する。この結果、送信データが復元される。なお、光送信器10においてFECが付加されるケースでは、光受信器20は、復元されたデータに対して誤り訂正処理を行う。
0037
光受信器20は、キャプチャ部31、スペクトル検出部32、補正情報生成部33を更に備える。キャプチャ部31は、ADC23から出力されるデジタル信号を取得する。このデジタル信号は、受信光信号の電界情報を表す。ここで、キャプチャ部31は、デジタル信号HI、HQ、VI、VQのうちの少なくとも1つを取得する。例えば、互いに直交する偏波のスペクトルがほぼ同じと考えられるケースでは、キャプチャ部31は、いずれか一方の偏波に対応するデジタル信号を取得してもよい。また、各偏波の電界情報が複素数で表される場合、キャプチャ部31は、電界情報の実部の値のみを取得してもよいし、実部および虚部の値を取得してもよい。なお、キャプチャ部31は、複数のデジタル信号を取得したときは、取得した複数のデジタル信号の平均を出力する。
0038
図4に示す例では、キャプチャ部31はADC23から出力されるデジタル信号を取得するが、本発明はこの構成に限定されるものではない。すなわち、キャプチャ部31は、ADC23から出力されるデジタル信号の代わりに、受信光信号に基づく他の信号を取得してもよい。例えば、キャプチャ部31は、補償部24により補償された電界情報信号を取得してもよい。ただし、キャプチャ部31は、適応等化部25による処理が行われえる前の信号を取得する。
0039
スペクトル検出部32は、キャプチャ部31が取得したデジタル信号に基づいて受信スペクトルを検出する。すなわち、受信光信号のスペクトルが検出される。そして、補正情報生成部33は、スペクトル検出部32により検出された受信スペクトルに基づいて、受信光信号の送信元装置(即ち、光送受信器1に実装される光送信器10)においてその光信号の送信スペクトルの形状を補正するための補正情報を生成する。この実施例では、補正情報は、光送信器10において光信号にプリエンファシスを行うFIRフィルタ13のタップ係数である。すなわち、補正情報生成部33は、FIRフィルタ13に設定すべきタップ係数を計算する。
0040
タップ係数は、光信号の送信元装置に通知される。例えば、図2に示す光伝送システムにおいて、光送受信器1から光送受信器2に光信号が伝送されるときは、光送受信器2に実装される光受信器20がタップ係数を計算する。この場合、光送受信器2は、計算したタップ係数を光送受信器1に送信する。そして、このタップ係数は、光送受信器1においてFIRフィルタ13に設定される。
0041
図5は、本発明の実施形態による効果を説明する図である。ここでは、図3〜図4に示す本発明の実施形態に係わる方式と、適応等化部25で計算されるタップ係数に基づいて補正情報を生成する方式(以下、「比較方式」)とを比較する。
0042
光送受信器1、2間の光伝送路上のROADMの数が1個であるときは、透過帯域狭窄の影響は小さく、受信スペクトルaの形状は良好である。この場合、プリエンファシスを行わなくても、受信光信号から正しくシンボルが復元されるので、エラーは発生しない。
0043
光伝送路上のROADMの数が2個であるときは、透過帯域狭窄により、受信スペクトルbの形状はやや劣化する。この場合、プリエンファシスを行わないと、エラーが発生する。ただし、発生するエラー数は少なく、FECにより訂正可能である。また、本発明の実施形態に係わる方式および比較方式のいずれであっても、プリエンファシスを行えば、エラーが発生しなくなる。
0044
光伝送路上のROADMの数が4個であるときは、透過帯域狭窄の影響が大きくなり、受信スペクトルcの形状は大幅に劣化する。この例では、適応等化部25において適切な等化処理を実行できない程度に光信号は劣化している。一例としては、適応等化部25においてCMAが収束せずにFIRフィルタのタップ係数を適切に算出できない程度に光信号が劣化している。
0045
ここで、比較方式においては、適応等化部25で算出されるタップ係数を利用してプリエンファシスのための補正情報が生成される。よって、光伝送路上のROADMの数が4個であるときは、適切なプリエンファシスが実行されない。すなわち、光受信器は、データを復元できない。
0046
これに対して、本発明の実施形態においては、適応等化部25の入力側において得られる信号を利用してプリエンファシスのための補正情報が生成される。一例としては、受信光信号のスペクトルに基づいて補正情報が生成される。このため、適応等化部25のCMAが収束するか否かにかかわらず適切な補正情報が生成され、光送信器において適切なプリエンファシスが実行される。この結果、受信スペクトルの形状が大幅に劣化する場合であっても、光受信器は、データを復元できる。
0047
尚、図4に示す実施例において、補償部24、適応等化部25、復元部26、キャプチャ部31、スペクトル検出部32、補正情報生成部33は、例えば、プロセッサおよびメモリを含むプロセッサシステムにより実現される。この場合、プロセッサは、メモリに格納されているプログラムを実行することにより、補償部24、適応等化部25、復元部26、キャプチャ部31、スペクトル検出部32、補正情報生成部33の機能を提供する。ただし、補償部24、適応等化部25、復元部26、キャプチャ部31、スペクトル検出部32、補正情報生成部33の機能の一部は、ハードウェア回路で実現してもよい。
0048
光受信器20は、補正情報生成部33を備えていなくてもよい。この場合、スペクトル検出部32により検出される受信スペクトルを表す情報は、他の装置(例えば、送信元装置またはSDN)に送られる。他の装置は、受信スペクトルに基づいてタップ係数を計算する。このタップ係数は、送信元装置のFIRフィルタ13に与えられる。また、光受信器20は、スペクトル検出部32および補正情報生成部33を備えていなくてもよい。この場合、受信光信号の電界情報を表すデジタル信号は他の装置に送られる。他の装置は、電界情報を表すデジタル信号に基づいて受信スペクトル検出し、タップ係数を計算する。このタップ係数は、送信元装置のFIRフィルタ13に与えられる。ただし、以下の記載では、光受信器20においてタップ係数が計算されるものとする。
0049
<第1の実施形態>
第1の実施形態においては、光送信器10において予め送信スペクトルが測定される。送信スペクトルは、例えば、図3に示すマッパ12の出力信号(電界情報信号XI、XQ、YI、YQのうちの1つ以上の信号)を利用して測定される。この場合、マッパ12の出力信号に対してFFT(Fast Fourier Transform)を実行することにより送信スペクトルが得られる。ただし、他の方法で送信スペクトルを測定してもよい。例えば、光送信器10により生成される光信号を利用して送信スペクトルを測定してもよい。そして、送信スペクトルを表す送信スペクトル情報は、光受信器20が備えるメモリに保存される。なお、送信スペクトルが測定されるときは、光送信器10は、データ通信時と同じ通信モード(例えば、変調方式、シンボルレート等)で光信号を生成する。
0050
光受信器20において、キャプチャ部31は、ADC23から出力されるデジタル信号を取得する。このデジタル信号は、受信光信号の電界情報(HI、HQ、VI、VQ)を表す。スペクトル検出部32は、キャプチャ部31が取得したデジタル信号に基づいて受信スペクトルを検出する。このとき、スペクトル検出部32は、このデジタル信号に対してFFTを実行することにより受信スペクトルを検出する。そして、補正情報生成部33は、送信スペクトルおよび受信スペクトルに基づいて補正情報を生成する。
0051
図6は、第1の実施形態において補正情報を生成する方法の一例を示す。第1の実施形態では、予め測定されている送信スペクトルおよびスペクトル検出部32により検出された受信スペクトルに基づいて、FIRフィルタ13のタップ係数が計算される。
0052
補正情報生成部33は、図6(a)に示すように、送信スペクトルと受信スペクトルとの差分を表す差分スペクトルを計算する。ここで、差分スペクトルは、送信スペクトルと受信スペクトルとの間での形状の変化を表す。よって、送信スペクトルおよび受信スペクトルは、それぞれ正規化されていることが好ましい。正規化においては、例えば、送信スペクトルおよび受信スペクトルのピークレベル(または、スペクトルがほぼ平坦となる領域のレベル)が互いに一致するように、送信スペクトルおよび/または受信スペクトルが調整される。図6(a)に示す例では、周波数領域「±10GHz」において、送信スペクトルおよび受信スペクトルが互いにほぼ一致している。
0053
なお、差分スペクトルは、送信スペクトルから受信スペクトルを引算することで得られる。したがって、差分スペクトルは、光送信器10と光受信器20との間の透過帯域のスペクトルの逆特性を表す。
0054
続いて、補正情報生成部33は、差分スペクトルに対してIFFT(InverseFFT)を実行することにより差分スペクトルに対応する時間領域信号を計算する。図6(b)は、差分スペクトルに対応する時間領域信号の一例を示す。なお、図6(b)に示すグラフの横軸は時間を表す。
0055
図6(c)は、図6(b)に示す破線枠内の時間領域信号を表す。なお、この例では、光送信器10に実装されるFIRフィルタ13は、33タップ構成であるものとする。すなわち、FIRフィルタ13は、33個のタップ係数に基づいて入力信号を処理する構成である。
0056
補正情報生成部33は、差分スペクトルに対応する時間領域信号に基づいて、FIRフィルタ13に与えるべき33個のタップ係数を決定する。一例としては、時間領域信号のピーク値に基づいて、FIRフィルタ13の中心タップ(すなわち、17番目のタップ)に与えるタップ係数が計算される。他のタップ係数は、時間領域信号のピークが表れる時刻(図6(c)では、時刻17)に対して所定時間だけシフトした時刻における時間領域信号の値に基づいて決定される。例えば、18番目のタップ係数は、時刻17に対して1シンボル時間だけ後の時刻(図6(c)では、時刻18)における時間領域信号の値に基づいて決定される。同様に、19番目のタップ係数は、時刻17に対して2シンボル時間だけ後の時刻(図6(c)では、時刻19)における時間領域信号の値に基づいて決定される。このようにして、1セットのタップ係数が得られる。
0057
補正情報生成部33により決定されたタップ係数は、光送信器10に通知される。そうすると、光送信器10は、通知されたタップ係数を使用して送信スペクトルの形状を補正する。具体的には、補正情報生成部33により決定されたタップ係数は、図3に示すように、FIRフィルタ13に与えられる。このとき、この実施例では、X偏波を使用して伝送される信号を処理するFIRフィルタ13XおよびY偏波を使用して伝送される信号を処理するFIRフィルタ13Yに対して同じタップ係数が与えられる。そして、各FIRフィルタ13は、与えられたタップ係数を使用して入力信号を処理する。この結果、送信スペクトルの形状は、補正情報生成部33により決定されたタップ係数に応じて補正される。すなわち、光信号のプリエンファシスが実現される。
0058
ここで、補正情報生成部33により決定されたタップ係数は、上述した差分スペクトルに基づいて生成される。この差分スペクトルは、光送信器10と光受信器20との間の透過帯域のスペクトルの逆特性を表す。したがって、光送信器10に実装されるFIRフィルタ13に上述のタップ係数が与えられると、光送信器10と光受信器20との間の透過帯域に起因する信号の劣化が補償される。換言すれば、光受信器20に到着する光信号のスペクトル(すなわち、受信スペクトル)の形状は、送信スペクトルの形状とほぼ同じになる。この結果、光受信器20に到着する光信号の品質が改善する。
0059
なお、上述の実施例では、光受信器20においてタップ係数が決定され、このタップ係数が光受信器20から光送信器10に通知されるが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、光受信器20において検出された受信スペクトルを表す情報が光送信器10(または、SDN)に通知され、光送信器10においてタップ係数が計算されるようにしてもよい。この場合、補正情報生成部33は、光送信器10に実装される。また、光受信器20のADC23の出力信号を表す情報が光送信器10(または、SDN)に通知され、光送信器10においてタップ係数が計算されるようにしてもよい。この場合、スペクトル検出部32および補正情報生成部33は、光送信器10に実装される。
0060
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、予め送信スペクトルが測定され、この送信スペクトルと受信スペクトルの差分に基づいて光送信器10と光受信器20との間の透過帯域のスペクトルが計算される。これに対して、第2の実施形態では、送信スペクトルを測定することなく、受信スペクトルに基づいて光送信器10と光受信器20との間の透過帯域のスペクトルが推定される。
0061
補正情報生成部33は、(1)式で表される近似式を使用して光送信器10と光受信器20との間の透過帯域のスペクトルを推定する。
0062
g(f)は、光送信器10と光受信器20との間の透過帯域のスペクトルを表す。fは、周波数を表す。この例では、周波数範囲は、±35GHzである。σおよびαは、シミュレーション等により予め決められている実数である。以下の記載では、受信スペクトルに基づいて推定される、光送信器10と光受信器20との間の透過帯域のスペクトルを「推定透過帯域スペクトル」と呼ぶことがある。
0063
図7は、推定透過帯域スペクトルを生成する方法の一例を示す。この実施例では、推定透過帯域スペクトルは、下記の手順1〜3により生成される。
0064
手順1:補正情報生成部33は、受信スペクトルの上端レベルに対して15dB低いレベル(以下、参照レベル)を決定する。また、補正情報生成部33は、参照レベルにおいて、受信スペクトルの帯域幅を検出する。図7においては、帯域幅BWが検出される。そして、補正情報生成部33は、この帯域幅BWの値を(1)式に与えることにより、推定透過帯域スペクトルを得る。
0065
手順2:補正情報生成部33は、信号帯域外の雑音の影響を排除する。具体的には、補正情報生成部33は、帯域幅「SR+β」の外側の周波数領域において、推定透過帯域スペクトルの利得をゼロに設定する。SRは、データ信号のシンボルレートを表す。βは、マージンを表す。図7に示す例では、シンボルレートSRは34Gbaudであり、マージンβは6GHzである。即ち、帯域幅「SR+β」は40GHzである。この場合、受信スペクトルの中心周波数に対して±20GHzの範囲の外側の周波数領域において、推定透過帯域スペクトルの利得はゼロに設定される。図7においては、周波数領域bの利得がゼロに設定されている。
0066
推定透過帯域スペクトルに基づいてFIRフィルタ13のタップ係数が生成されるときは、推定透過帯域スペクトルの利得がゼロである周波数領域においては、光信号に対して実質的にプリエンファシスが行われない。すなわち、手順2を実行することにより、雑音に起因するプリエンファシスの影響が除去または緩和される。
0067
手順3:補正情報生成部33は、帯域幅「SR+β」の内側の周波数領域において、推定透過帯域スペクトルの利得の下限レベルを決定する。図7に示す例では、利得の下限レベルは−15dBである。即ち、周波数領域cの利得が−15dBに設定される。なお、受信スペクトルの利得が−15dB以上の周波数領域(すなわち、周波数領域a)においては、(1)式で計算されるスペクトルが出力される。
0068
図8は、第2の実施形態において補正情報を生成する方法の一例を示す。第2の実施形態では、上述した推定透過帯域スペクトルに基づいて、FIRフィルタ13のタップ係数が計算される。
0069
補正情報生成部33は、図8(a)に示す推定透過帯域スペクトルの逆数に対してIFFTを実行する。なお、逆数は、各周波数における利得の値の符号を反転させることにより計算される。例えば、利得がゼロである周波数においては、逆数はゼロである。また、利得が−15dBである周波数においては、逆数は15dBである。
0070
図8(b)は、推定透過帯域スペクトルの逆数に対してIFFTを実行することで得られる時間領域信号を示す。図8(c)は、図8(b)に示す破線枠内の時間領域信号を表す。なお、上述の時間領域信号からFIRフィルタ13のタップ係数を決定する方法は、第1の実施形態および第2の実施形態において実質的に同じである。
0071
補正情報生成部33により決定されたタップ係数は、光送信器10に通知される。そして、光送信器10は、第1の実施形態と同様に、通知されたタップ係数を使用して送信スペクトルの形状を補正する。
0072
このように、第2の実施形態では、送信スペクトルを使用することなく、受信スペクトルに基づいて光送信器10と光受信器20との間の透過帯域のスペクトルが推定される。そして、この推定透過帯域スペクトルを利用して、光送信器10と光受信器20との間で発生する透過帯域狭窄に起因する信号の劣化を補償するように、送信スペクトルの形状が補正される。したがって、第2の実施形態のプリエンファシスによれば、送信スペクトルを取得できないケースであっても、光受信器20に到着する光信号の品質を改善できる。
0073
<第3の実施形態>
第1の実施形態では、差分スペクトルに基づいてタップ係数が決定される。また、第2の実施形態では、推定透過帯域スペクトルに基づいてタップ係数が決定される。ただし、差分スペクトルおよび推定透過帯域スペクトルはいずれも誤差を含んでいる。よって、第3の実施形態では、これらのスペクトルが補正される。
0074
一例としては、差分スペクトルの利得値は、スケーリング係数sでべき乗される。すなわち、差分スペクトルがG(f)で表されるとき、補正情報生成部33は、{G(f)}sを生成する。スケーリング係数sは、ゼロよりも大きく且つ1以下の実数である。そして、補正情報生成部33は、スペクトル{G(f)}sに基づいてタップ係数を決定する。
0075
スケーリング係数sは、所定の指標値を利用して決定される。例えば、ゼロ〜1の範囲でsの値を変化させながら指標値をモニタし、そのモニタ結果に応じて最適なsが検出される。指標値は、例えば、ビット誤り率等のQ値である。この場合、最小のビット誤り率が得られるsの値が選択される。また、指標値は、クロックリカバリ感度等であってもよい。なお、スケーリング係数を使用して信号の品質を改善する方法は、例えば、Y. Mori et al. Joint Pre-, Inline-, and Post-Compensation of Spectrum Narrowing Caused by Traversing Multiple Optical Nodes, ECOC 2017に記載されている。
0076
このように、第3の実施形態では、タップ係数を決定するために使用されるスペクトルが補正される。よって、より好適なタップ係数を使用してプリエンファシスが行われるので、光受信器20に到着する光信号の品質がさらに改善する。
0077
なお、第2の実施形態では、上述したように、近似式を用いて推定されるスペクトルに基づいてプリエンファシスが行われる。このため、第1の実施形態と比較すると、第2の実施形態のプリエンファシスの精度が低くなることがある。したがって、第3の実施形態に係わる補正は、第2の実施形態で使用される推定透過帯域スペクトルに対して行うことが好ましい。
0078
第2の実施形態に第3の実施形態の補正を適用する場合、推定透過帯域スペクトルの逆特性を表すスペクトルがスケーリング係数sでべき乗される。すなわち、推定透過帯域スペクトルがT(f)で表されるときには、補正情報生成部33は、{1/T(f)}sを生成する。そして、補正情報生成部33は、スペクトル{1/T(f)}sに基づいてタップ係数を決定する。
0079
<第4の実施形態>
光送信器10から送信される光信号は、ROADMに実装されるWSSを通過する。即ち、光信号は、WSSの透過フィルタを通過する。ここで、図9(a)に示すように、透過フィルタの中心周波数に対して送信スペクトルの中心周波数がシフトしていると、受信スペクトルの形状が歪んでしまう。例えば、図9(b)に示すように、受信スペクトルが対称形でなくなることがある。この場合、補正情報生成部33は、適切なタップ係数を計算できない。
0080
そこで、補正情報生成部33は、受信スペクトルの形状に基づいて、透過フィルタの中心周波数に対する送信スペクトルの中心周波数のシフト量を推定する。そして、光送信器10は、この推定値に基づいて送信スペクトルの中心周波数を調整する。
0081
たとえば、補正情報生成部33は、受信スペクトルの総パワーを1:1に分割する周波数f0を特定する。図9(b)に示す例では、領域Xおよび領域Yの面積が互いに同じになる周波数f0が特定される。なお、受信スペクトルのピークパワーに対して所定量(例えば、15dB)だけ低いパワーPzを特定し、ピークパワーとPzとの間の範囲での受信スペクトルのパワーを1:1に分割する周波数f0を特定してもよい。
0082
補正情報生成部33は、受信スペクトルのパワーがPzとなる周波数fL、fHを特定する。ここで、aは、f0とfLとの差分を表し、bは、f0とfHとの差分を表す。そして、補正情報生成部33は、aとbとの差分を所定の閾値よりも小さくするための周波数補正指示を生成する。
0083
周波数補正指示は、光送信器10のレーザ周波数をシフトさせる方向(以下、周波数シフト方向)を表す情報および周波数シフト量を表す情報を含む。周波数シフト方向は、aとbとの比較に基づいて判定される。図9(b)に示す例では、aよりもbの方が小さい。この場合、図9(a)に示すように、透過フィルタの中心周波数に対して送信スペクトルの中心周波数が低周波数側にシフトしていると判定される。したがって、光送信器10のレーザ周波数を高くする周波数補正指示が生成される。また、周波数シフト量は、例えば、aとbとの差分の2分の1である。
0084
ただし、周波数シフト量は、所定の指標値を利用して決定してもよい。例えば、判定された周波数シフト方向に向かって周波数シフト量を変化させながらQ値をモニタし、そのモニタ結果に応じて最適な周波数シフト量が検出される。この方法によれば、単純にレーザ周波数を掃引する方法と比較して、最適なレーザ周波数を決定するために要する時間が短くなる。
0085
なお、光送信器10は、周波数補正指示に従ってレーザ周波数(すなわち、光源16の発振周波数)を調整する。この結果、送信スペクトルの中心周波数と透過フィルタの中心周波数との差分が小さくなり、受信スペクトルの形状が改善し、補正情報生成部33において適切なタップ係数が得られる。したがって、光受信器20に到着する光信号の品質がさらに改善する。
0086
図10は、第4の実施形態に係わる光伝送方法の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートは、光受信器20の動作を示している。
0087
S1において、光受信器20は、受信スペクトルをキャプチャする。すなわち、キャプチャ部31は受信信号をキャプチャし、スペクトル検出部32は受信スペクトルを検出する。
0088
S2〜S3において、補正情報生成部33は、受信スペクトルの形状に基づいて、透過フィルタの中心周波数に対する送信スペクトルの中心周波数のずれ量を推定する。ずれ量が所定の閾値よりも大きいときは、補正情報生成部33は、S4において、周波数補正指示を生成する。周波数補正指示は、例えば、周波数シフト方向および周波数シフト量を表す。そして、この周波数補正指示は、光送信器10に通知される。この場合、光送信器10は、周波数補正指示に従ってレーザ周波数を調整する。
0089
周波数ずれを補正する処理が終了すると、光受信器20は、S5において、受信スペクトルをキャプチャする。すなわち、レーザ周波数が調整された光信号の受信スペクトルがキャプチャされる。S6において、補正情報生成部33は、受信スペクトルを利用して、プリエンファシスのためのタップ係数を計算する。タップ係数は、第1〜第3の実施形態に係わる方法で計算される。S7において、光受信器20は、計算したタップ係数を光送信器10に通知する。
0090
なお、ずれ量が閾値以下であるときは(S3:No)、S4〜S5の処理はスキップされる。すなわち、光受信器20は、S1で取得した受信スペクトルに基づいてタップ係数を計算する。
0091
<補正情報の通知>
光信号を受信する光送受信器は、上述の方法で決定した補正情報(実施例では、タップ係数)を送信元光送受信器に送信する。例えば、図1に示す光伝送システム100において、光送受信器2により生成される補正情報は、光送受信器1に通知される。一例としては、補正情報は、ネットワークを管理するネットワーク管理システムを経由して光送受信器2から光送受信器1に通知される。ネットワーク管理システムは、例えば、SDNにより実現される。
0092
ただし、光伝送システム100は、データを伝送するための伝送路を介して補正情報を通知してもよい。この場合、補正情報は、光送受信器2から光送受信器1に伝送される光信号に多重化される。例えば、補正情報は、FSK(Frequency Shift Keying)等の周波数変調で光信号に重畳される。
0093
図11は、周波数変調で補正情報を伝送する方法の一例を示す。この実施例では、光送受信器2において、受信スペクトルに基づいて計算されるタップ係数は、SV信号中に設定される。SV信号は、制御情報を伝送するために使用される。なお、SV信号のビットレートは、データ信号のシンボルレートと比較して十分に低速である。
0095
重畳部52は、データ信号を表す位相情報にSV信号に対応する位相情報θを加える。すなわち、SV信号に対応する周波数オフセットがデータ信号に付加される。この結果、データ信号にSV信号が重畳される。そして、光送受信器2の光送信器10は、SV信号が重畳されたデータ信号を表す光信号を生成する。
0096
光送受信器1は、光送受信器2から送信される光信号を受信する。そうすると、光送受信器1において、ADC23の出力信号は、SV信号が重畳されたデータ信号を表す。
0097
周波数オフセットモニタ53は、ADC23の出力信号において、周波数オフセットを検出する。周波数オフセットモニタ53は、例えば、データ信号のシンボルレートの周波数成分を除去する低域通過フィルタを利用して、SV信号に対応する周波数オフセット成分を検出してもよい。判定部54は、検出された周波数オフセットに基づいてSV信号の各ビットを判定する。この結果、光送受信器2において計算されたタップ係数が再生される。
0098
なお、図11に示す方法によれば、送信ノードおよび受信ノードは、ネットワーク管理システムを介することなく、自律的に送信スペクトルのプリエンファシスを実行できる。また、この方法においては、信号の品質が低く、適応等化部25が収束しない場合であっても、補正情報としてのタップ係数が送信元ノードに通知される。
0099
<第5の実施形態>
第1〜第4の実施形態では、受信スペクトルに基づいてタップ係数が計算され、光送信器10は、このタップ係数を使用して送信スペクトルに対してプリエンファシスを行う。これに対して、第5の実施形態では、予め複数セットのタップ係数が用意されており、光送信器10は、送信ノードと受信ノードとの間の通信に係わるシステム情報に基づいて好適なタップ係数を選択する。
0100
図12は、第5の実施形態に係わる光送信器の一例を示す。この実施例では、光送信器10にシステム情報が与えられる。システム情報は、宛先ノードとの間の伝送路上に設けられるWSSの個数を表す。ただし、システム情報は、他の情報を含んでいてもよい。例えば、システム情報は、WDN信号の波長チャネルの間隔を表す情報、シンボルレートを表す情報などを含んでいてもよい。なお、システム情報は、SDN等のネットワーク管理システムから与えられる。或いは、システム情報は、ユーザまたはシステム管理者から与えられてもよい。
0101
光送信器10のメモリ63には、複数セットのタップ係数が格納されている。各タップ係数セットは、伝送路上に設けられるWSSの個数に対して用意される。例えば、タップ係数セット1は、伝送路上に1個のWSSが設けられるときに受信ノードにおいて信号の品質が高くなるように決定されている。また、タップ係数セット2は、伝送路上に2個のWSSが設けられるときに受信ノードにおいて信号の品質が高くなるように決定されている。
0102
判定表61は、WSSの個数と好適なタップ係数セットとの対応関係を表す。そして、光送信器10にシステム情報が与えられると、判定表61に基づいて、WSSの個数に対して好適なタップ係数セットが特定される。選択部62は、WSSの個数に対して好適なタップ係数セットを選択してFIRフィルタ13に与える。そして、DSP11は、選択されたタップ係数セットに基づいてプリエンファシスを行う。
0103
上述の方法で送信スペクトルに対してプリエンファシスが行われたときに、光受信器20は、適切なタップ係数が選択されているか否かを推定してもよい。例えば、適切なタップ係数が選択されているときは、図13(a)に示すように、送信スペクトルと受信スペクトルとの乖離が小さく、ほぼ平坦な差分スペクトルが得られる。一方、適切なタップ係数が選択されていないときは、図13(b)に示すように、送信スペクトルと受信スペクトルとの乖離が大きく、周波数に対して変化の大きい差分スペクトルが得られる。したがって、差分スペクトル(第2の実施形態では、推定透過帯域スペクトル)を計算すれば、光送信器10において選択されたタップ係数の品質が推定される。すなわち、適切なタップ係数が選択されているか否かが判定される。
0104
上述の推定結果は、例えば、ネットワーク管理システムに送信される。或いは、ネットワーク管理システムにおいてタップ係数の品質が推定される。このとき、ネットワーク管理システムは、その推定結果に基づいて、タップ係数を変更すべきか否かを判定してもよい。例えば、送信スペクトルと受信スペクトルとの乖離が大きいときは、ネットワーク管理システムは、タップ係数を変更すべきと判定する。この場合、光送信器10は、ネットワーク管理システムによる判定結果に応じてタップ係数セットを変更する。
0105
なお、光受信器20は、第1または第2の実施形態と同様に、補正情報生成部33を使用してタップ係数を計算してもよい。そして、光受信器20は、このタップ係数に基づいて、光送信器10で適切なタップ係数が選択されているか否かを判定してもよい。たとえば、補正情報生成部33により計算されたタップ係数の分布に基づいて、光送信器10で適切なタップ係数が選択されているか否かを判定してもよい。
0106
上述の実施例を含む実施形態に関し、さらに下記の付記を開示する。
(付記1)
光ネットワークを介して受信する光信号を電気信号に変換するフロントエンド回路と、
前記フロントエンド回路の出力信号をデジタル信号に変換する変換部と、
前記変換部の出力側に設けられ、前記デジタル信号または前記デジタル信号に基づいて生成される第2のデジタル信号を等化する等化部と、
前記等化部の出力信号からシンボルを復元する復元部と、
前記デジタル信号または前記第2のデジタル信号に基づいて前記光信号の受信スペクトルを検出するスペクトル検出部と、
前記スペクトル検出部により検出された受信スペクトルに基づいて、前記光信号の送信元装置において前記光信号の送信スペクトルの形状を補正するための補正情報を生成する補正情報生成部と、
前記補正情報を前記送信元装置に送信する送信部と、
を備える光伝送装置。
(付記2)
前記補正情報生成部は、前記送信スペクトルと前記受信スペクトルとの差分を表す差分スペクトルに基づいて前記補正情報を生成する
ことを特徴とする付記1に記載の光伝送装置。
(付記3)
前記補正情報は、前記送信元装置において前記光信号の送信スペクトルの形状を補正するデジタルフィルタのタップ係数であり、
前記補正情報生成部は、前記差分スペクトルを時間領域信号に変換し、前記時間領域信号に基づいて前記タップ係数を生成する
ことを特徴とする付記2に記載の光伝送装置。
(付記4)
前記補正情報生成部は、
前記受信スペクトルの形状に基づいて、前記送信元装置と前記光伝送装置との間の透過特性を表す透過帯域スペクトルを推定し、
前記透過帯域スペクトルに基づいて前記補正情報を生成する
ことを特徴とする付記1に記載の光伝送装置。
(付記5)
前記補正情報生成部は、前記光信号の信号帯域外の透過帯域スペクトルをゼロに設定する
ことを特徴とする付記4に記載の光伝送装置。
(付記6)
前記補正情報生成部は、ゼロよりも大きく且つ1以下のスケーリング係数で前記透過帯域スペクトルの逆特性をべき乗した結果に基づいて前記補正情報を生成する
ことを特徴とする付記4に記載の光伝送装置。
(付記7)
前記補正情報生成部は、前記スケーリング係数を変化させながら前記光信号の品質をモニタし、そのモニタ結果に応じて前記スケーリング係数の値を決定する
ことを特徴とする付記6に記載の光伝送装置。
(付記8)
前記補正情報生成部は、前記受信スペクトルの形状の対称性に基づいて、前記送信元装置において前記光信号の中心周波数を補正するための周波数補正指示を生成し、
前記送信部は、前記周波数補正指示を前記送信元装置に送信する
ことを特徴とする付記1に記載の光伝送装置。
(付記9)
第1の光伝送装置から第2の光伝送装置へ光信号を伝送する光伝送システムであって、
前記第1の光伝送装置において光信号の送信スペクトルの形状を制御するデジタルフィルタと、
前記第2の光伝送装置において前記第1の光伝送装置から光ネットワークを介して受信する光信号を電気信号に変換するフロントエンド回路と、
前記第2の光伝送装置において前記フロントエンド回路の出力信号をデジタル信号に変換する変換部と、
前記第2の光伝送装置において前記変換部の出力側に設けられ、前記デジタル信号または前記デジタル信号に基づいて生成される第2のデジタル信号を等化する等化部と、
前記第2の光伝送装置において前記等化部の出力信号からシンボルを復元する復元部と、
前記デジタル信号または前記第2のデジタル信号に基づいて前記光信号の受信スペクトルを検出するスペクトル検出部と、
前記スペクトル検出部により検出された受信スペクトルに基づいて、前記光信号の送信スペクトルの形状を補正するための補正情報を生成する補正情報生成部と、を備え、
前記デジタルフィルタは、前記補正情報に基づいて前記光信号の送信スペクトルの形状を制御する
ことを特徴とする光伝送システム。
(付記10)
前記スペクトル検出部および前記補正情報生成部は、前記第2の光伝送装置に設けられており、
前記第2の光伝送装置は、前記第2の光伝送装置から前記第1の光伝送装置に伝送される光信号に周波数変調方式で前記補正情報を重畳する
ことを特徴とする付記9に記載の光伝送システム。
(付記11)
前記スペクトル検出部は、前記第2の光伝送装置に設けられており、
前記補正情報生成部は、前記第1の光伝送装置に設けられており、
前記第2の光伝送装置は、前記第2の光伝送装置から前記第1の光伝送装置に伝送される光信号に周波数変調方式で前記受信スペクトルを表す情報を重畳する
ことを特徴とする付記9に記載の光伝送システム。
(付記12)
デジタルフィルタを含み、送信データに基づいてデジタル信号を生成するデジタル信号処理部と、
前記デジタルフィルタに異なるフィルタ処理を実行させる複数セットのタップ係数を格納するメモリと、
前記デジタル信号に基づいて光信号を生成するフロントエンド回路と、を備え、
前記デジタル信号処理部は、前記光信号の宛先装置との間の通信に係わるシステム情報に基づいて選択されるタップ係数を前記デジタルフィルタに設定して前記デジタル信号を生成する
ことを特徴とする光伝送装置。
(付記13)
第1の光伝送装置から第2の光伝送装置へ光信号を伝送する光伝送システムであって、
前記第1の光伝送装置は、
デジタルフィルタを含み、送信データに基づいてデジタル信号を生成するデジタル信号処理部と、
前記デジタルフィルタに異なるフィルタ処理を実行させる複数セットのタップ係数を格納するメモリと、
前記デジタル信号に基づいて光信号を生成するフロントエンド回路と、を備え、
前記第2の光伝送装置は、
前記第1の光伝送装置から受信する光信号を電気信号に変換するフロントエンド回路と、
前記フロントエンド回路の出力信号をデジタル信号に変換する変換部と、
前記変換部の出力側に設けられ、前記デジタル信号または前記デジタル信号に基づいて生成される第2のデジタル信号を等化する等化部と、
前記等化部の出力信号からシンボルを復元する復元部と、
前記デジタル信号または前記第2のデジタル信号に基づいて前記光信号の受信スペクトルを検出するスペクトル検出部と、
前記スペクトル検出部により検出された受信スペクトルに基づいて、前記第1の光伝送装置において前記光信号の送信スペクトルの形状を補正するための補正情報を生成する補正情報生成部と、を備え、
前記デジタル信号処理部は、前記第1の光伝送装置と前記第2の光伝送装置との間の通信に係わるシステム情報に基づいて選択されるタップ係数を前記デジタルフィルタに設定して前記デジタル信号を生成し、
前記フロントエンド回路により生成される光信号のスペクトルと前記スペクトル検出部により検出された受信スペクトルとの乖離、または、前記補正情報に基づいて、前記第1の光伝送装置において選択されたタップ係数の品質が推定される
ことを特徴とする光伝送システム。
0107
1、2光送受信器
5 ROADM
6 WSS
10光送信器
13FIRフィルタ
16光源
20光受信器
21フロントエンド回路
23アナログ/デジタル変換器(ADC)23
24補償部
25適応等化部
26復元部
31キャプチャ部
32スペクトル検出部
33補正情報生成部
100 光伝送システム