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図面 (3)

課題

縮繊維を含む不織布を用いた、成形性が優れた電磁波シールドシートであって、好ましくはさらに耐湿熱性にもより優れた電磁波シールドシートを提供する。

解決手段

電磁波シールドシートは、不織布を構成する繊維表面に被着した金属層を含み、且つ、前記不織布が捲縮繊維及び接着繊維固化部を含む。

概要

背景

従来、携帯通信機器電子機器家庭用電化製品では、電磁波の漏洩侵入を防止するために、電磁波シールドを施した部材が用いられている。近年では、特に自動車における電磁波シールドの重要性が認識されるようになってきている。

現在の自動車では、エンジンモーターメータートランスミッションブレーキエアバッグランプパワーステアリングパワーウィンドウカーエアコン電子キー車両側受信部、カーオーディオカーナビゲーションといったあらゆるシステムの制御がマイクロコントローラーマイコン)により行われており、これに対応して数十種もの専用のエレクトロニックコントロールユニット(ECU)が搭載されている。更に、車種によっては、サスペンション騒音低減にもECUが用いられている。従って、自動車の安全な運行のためには、電磁波の漏洩や侵入によって各種制御が影響されないように、確実にECUを電磁波シールドすることが極めて重要である。

電磁波シールドシートとしては、例えば、布帛の表面上に金属が付着されたノイズ吸収布帛報告されている(特許文献1)。

概要

縮繊維を含む不織布を用いた、成形性が優れた電磁波シールドシートであって、好ましくはさらに耐湿熱性にもより優れた電磁波シールドシートを提供する。電磁波シールドシートは、不織布を構成する繊維表面に被着した金属層を含み、且つ、前記不織布が捲縮繊維及び接着繊維固化部を含む。なし

目的

本発明は、捲縮繊維を含む不織布を用いた、成形性がより優れた電磁波シールドシートを提供する

効果

実績

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請求項1

不織布を構成する繊維表面に被着した金属層を含み、且つ前記不織布が捲縮繊維及び接着繊維固化部を含む、電磁波シールドシート

請求項2

前記金属層の厚さが200nm以上である、請求項1に記載の電磁波シールドシート。

請求項3

前記金属層の厚さが300〜400nmである、請求項1又は2に記載の電磁波シールドシート。

請求項4

前記不織布中の前記接着繊維の含有量が20〜30質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波シールドシート。

請求項5

伸長前の状態における抵抗値が50Ω/□以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の電磁波シールドシート。

請求項6

50%伸長時における抵抗値の変化率が、伸長前の抵抗値を基準にして、30%以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の電磁波シールドシート。

請求項7

85℃85%Rhの環境下において240時間処理後の抵抗値変化率が、処理前の抵抗値を基準にして、300%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の電磁波シールドシート。

請求項8

請求項1〜7のいずれかに記載の電磁波シールドシートを含む、電磁波シールド成形体

請求項9

さらに非導電性材料を含む、請求項8に記載の電磁波シールド成形体。

請求項10

前記電磁波シールドシートの少なくとも一部が前記非導電性材料の内側に配置されている、請求項9に記載の電磁波シールド成形体。

技術分野

0001

本発明は、電磁波シールドシート等に関する。

背景技術

0002

従来、携帯通信機器電子機器家庭用電化製品では、電磁波の漏洩侵入を防止するために、電磁波シールドを施した部材が用いられている。近年では、特に自動車における電磁波シールドの重要性が認識されるようになってきている。

0003

現在の自動車では、エンジンモーターメータートランスミッションブレーキエアバッグランプパワーステアリングパワーウィンドウカーエアコン電子キー車両側受信部、カーオーディオカーナビゲーションといったあらゆるシステムの制御がマイクロコントローラーマイコン)により行われており、これに対応して数十種もの専用のエレクトロニックコントロールユニット(ECU)が搭載されている。更に、車種によっては、サスペンション騒音低減にもECUが用いられている。従って、自動車の安全な運行のためには、電磁波の漏洩や侵入によって各種制御が影響されないように、確実にECUを電磁波シールドすることが極めて重要である。

0004

電磁波シールドシートとしては、例えば、布帛の表面上に金属が付着されたノイズ吸収布帛報告されている(特許文献1)。

先行技術

0005

特許第5722608号

発明が解決しようとする課題

0006

本発明者は、研究を進める中で、布帛に金属を付着してなる従来の電磁波シールドシートは、伸縮性が十分ではなく、シールドされる対象物凸凹表面やRを設けた筐体の角などには対応できないことに着目した。そして、この着目点に基づいて、捲縮繊維を含む不織布に金属を付着させることにより、伸縮性がより高く、さらに伸縮した部分であっても抵抗値が変化し難い電磁波シールドシートを得ることができることを見出した。

0007

ここで、電磁波シールドは、通常は、対象物の形状に合わせて成形して(例えば筐体状にして)から、使用されるものである。本発明者は研究を進める中で、捲縮繊維を含む不織布を単に使用しただけでは、得られた電磁波シールドの成形時にシワ破れ等が生じ易いという、成形性の問題を見出した。

0008

また、電磁波シールドシートへの近年の信頼性の高まりと共に、耐湿熱性湿熱環境下での電磁波シールド特性)の重要度が高まっている。本発明者は研究を進める中で、捲縮繊維を含む不織布を単に使用しただけでは、得られた電磁波シールドの耐湿熱性が不十分であるという問題を見出した。

0009

上記知見に鑑み、本発明は、捲縮繊維を含む不織布を用いた、成形性がより優れた電磁波シールドシートを提供することを課題とする。好ましくは、本発明は、捲縮繊維を含む不織布を用いた、成形性に加えて耐湿熱性にもより優れた電磁波シールドシートを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、不織布の構成繊維被着した金属層を含み、且つ前記不織布が捲縮繊維及び接着繊維固化部を含む電磁波シールドシートであれば、上記課題を解決できることを見出した。本発明者はこの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。

0011

即ち、本発明は、下記の態様を包含する。

0012

項1.
不織布を構成する繊維表面に被着した金属層を含み、且つ前記不織布が捲縮繊維及び接着繊維固化部を含む、電磁波シールドシート。

0013

項2.
前記金属層の厚さが200nm以上である、項1に記載の電磁波シールドシート。

0014

項3.
前記金属層の厚さが300〜400nmである、項1又は2に記載の電磁波シールドシート。

0015

項4.
前記不織布中の前記接着繊維の含有量が20〜30質量%である、項1〜3のいずれかに記載の電磁波シールドシート。

0016

項5.
伸長前の状態における抵抗値が50Ω/□以下である、項1〜4のいずれかに記載の電磁波シールドシート。

0017

項6.
50%伸長時における抵抗値の変化率が、伸長前の抵抗値を基準にして、30%以下である、項1〜5のいずれかに記載の電磁波シールドシート。

0018

項7.
85℃85%Rhの環境下において240時間処理後の抵抗値変化率が、処理前の抵抗値を基準にして、300%以下である、項1〜6のいずれかに記載の電磁波シールドシート。

0019

項8.
項1〜7のいずれかに記載の電磁波シールドシートを含む、電磁波シールド成形体

0020

項9.
さらに非導電性材料を含む、項8に記載の電磁波シールド成形体。

0021

項10.
前記電磁波シールドシートの少なくとも一部が前記非導電性材料の内側に配置されている、項9に記載の電磁波シールド成形体。

発明の効果

0022

本発明によれば、捲縮繊維を含む不織布を用いた、成形性がより優れた電磁波シールドシートを提供することができる。好ましい態様においては、本発明は、捲縮繊維固化部を含む不織布を用いた、成形性に加えて耐湿熱性にもより優れた電磁波シールドシートを提供することができる。

図面の簡単な説明

0023

本発明の電磁波シールドシートにおける、捲縮繊維の状態の一例を表す写真を示す。写真は、光学顕微鏡観察像である。倍率は200倍である。
本発明の電磁波シールドシートにおける、接着繊維固化部の状態の一例を表す写真を示す。写真は、光学顕微鏡観察像である。倍率は1000倍である。繊維同士を溶けかかった繊維が繋げている。
本発明の電磁波シールドシートにおける、接着繊維固化部の状態の一例を表す写真を示す。写真は、レーザー顕微鏡観察像である。倍率は500倍である。繊維同士が融着している。

0024

明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。

0025

本発明はその一態様において、不織布を構成する繊維に被着した金属層を含み、且つ前記不織布が捲縮繊維及び接着繊維固化部を含む、電磁波シールドシート(本明細書において、「本発明の電磁波シールドシート」と示すこともある。)に関する。以下に、これについて説明する。なお、本発明の電磁波シールドシートにおいては、不織布に対して金属層が比較的多く被着した面側を「上」側とし、反対に金属層が比較的少なく被着した面側を「下」側とする。

0026

<1.不織布>
不織布は、捲縮繊維及び接着繊維固化部を含むものであれば、特に制限されない。不織布は、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、捲縮繊維及び接着繊維固化部以外の成分が含まれていてもよい。その場合、不織布中の捲縮繊維及び接着繊維の合計量は、例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。

0027

不織布の層構成は特に制限されない。不織布は、1種単独の不織布から構成されるものであってもよいし、2種以上の不織布が複数組み合わされたものであってもよい。

0028

捲縮繊維は、捲縮部位を有する繊維である限り、特に制限されない。捲縮部位としては例えば鋸歯状、コイル状、螺旋状及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。捲縮繊維の捲縮数は2山/25mm以上であることが好ましい。捲縮数が2山/25mm以上である捲縮繊維を用いることにより、本発明の優れた効果をより発揮することができる。上記捲縮数は5山/25mm以上であることがより好ましく、25山/25mm以上であることが更に好ましく、50山/25mm以上であることが更により好ましく、75山/25mm以上であることが特に好ましい。上記捲縮数の上限は特に限定されないが、300山/25mm程度が実質的な上限である。本発明の電磁波シールドシートにおける、捲縮繊維の状態の一例を表す写真を図1に示す。

0029

上記捲縮繊維としては、潜在捲縮繊維を加熱処理して立体捲縮を生じさせたものが好ましい。潜在捲縮繊維は、熱処理により捲縮数が増加する繊維である。潜在捲縮繊維としては、例えば、融点の異なる複数の樹脂からなる複合繊維、単一成分からなる偏心中空繊維や繊維の一部に特定の熱履歴を施した繊維が使用される。複合繊維には、例えば、偏心型芯鞘構造のものや、サイドバイサイド型の繊維が好適に用いられる。融点の異なる樹脂の組合せとして、ポリエステル低融点ポリエステルポリアミド低融点ポリアミド、ポリエステル−ポリアミド、ポリエステル−ポリプロピレン、ポリプロピレン−低融点ポリプロピレン、ポリプロピレン−ポリエチレンなど種々の合成樹脂を組み合わせたものが使用できる。特に、ポリエステル−低融点ポリエステル又はポリプロピレン−低融点ポリプロピレンの組合せからなる潜在捲縮繊維は、化学的耐性伸度特性の点で優れており好ましい。また、偏心中空繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレンやポリエチレンなどが使用できるが、特にポリエステル又はポリプロピレンが化学的な耐性と伸度特性の点で優れており好ましい。繊維の一部に特定の熱履歴を施した潜在捲縮繊維としては、例えば熱刃などにポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルなどの熱可塑性樹脂からなる繊維の一側面をあてながら通過させたものが使用できる。

0030

潜在捲縮繊維の立体捲縮発現温度は、後述の接着繊維の融点よりも、例えば10℃以上、好ましくは20℃以上低いことが好ましい。これにより、熱処理による立体捲縮発現が、溶融した接着繊維により阻害されにくくなり、伸縮性がより優れた不織布を作製できる。なお、ここでいう、立体捲縮発現温度とは、潜在捲縮繊維100%の目付40g/m2のウェブカード機により作成し、それをドライヤーに入れ、30秒間熱処理を行った後の面積収縮率が5%以上になったときの温度をさす。面積収縮率(%)=(1−(収縮面積/収縮前面積))×100。

0031

捲縮繊維及び潜在捲縮繊維は、それぞれ、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。

0032

また、潜在捲縮繊維に代えて実質的に単一の樹脂成分からなる繊維に、予め、スタンプ法などの捲縮付与技術によって多数の捲縮を与え、不織布化した後に上記と同様な熱処理を加えて、一度引き伸ばされた捲縮を復元させた不織布を用いてもよい。

0033

接着繊維固化部とは、接着繊維の熱処理により得られるものであり、通常、接着繊維が熱処理により溶融して固化することにより形成される融着部と、接着繊維の繊維形状を保っている繊維部とを含む。本発明の電磁波シールドシートにおける、接着繊維固化部の状態の一例を表す写真を図2及び図3に示す。融着部は、例えば、捲縮繊維同士、捲縮繊維と接着繊維の繊維部との間、或いは接着繊維の繊維部同士を連結し得る。

0034

接着繊維としては、一種類の樹脂からなる全融型及び複数の樹脂からなる複合型が使用できる。上記樹脂としては、ポリアミド、コポリアミド、ポリエステル、コポリエステルポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルアセテートポリ乳酸または(エチレンメタクリル酸またはこれらのコポリマーなどが挙げられる。

0035

上記接着繊維は、不織布中に存在する他の繊維よりも、融点が低い樹脂を含有することで接着繊維として機能する。全融型の接着繊維は、一種類の樹脂からなり、融着部からなる接着繊維固化部を形成しやすい。複合型の接着繊維は、融着部と繊維部とを有する接着繊維固化部を形成しやすい。複合型の接着繊維中の低融点成分は、熱処理により溶融して融着部を形成することができ、高融点成分は、低融点成分が溶融する温度においても溶融しないため、繊維部を形成しやすい。

0036

接着繊維の融点(複合繊維の場合は、構成成分中最も低い融点)は、90℃〜210℃、より好ましくは100℃〜200℃、さらに好ましくは110℃〜190℃であると、生産時に容易に熱接着加工することが可能、かつ、実使用時には電子機器から発せられる熱による変化が少ないため、好適に使用できる。また、接着繊維の融点は、潜在捲縮繊維の融点(複合繊維の場合は、構成成分中最も低い融点)よりも、例えば20℃以上、好ましくは30℃以上低いことが好適である。

0037

接着繊維は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。

0038

不織布中の接着繊維の含有量は、電磁波シールド特性、耐湿熱性(湿熱環境下での電磁波シールド特性)、耐伸縮性(伸縮時の電磁波シールド特性)等の観点から、例えば5質量%以上、好ましくは15〜50質量%、より好ましくは18〜40質量%、さらに好ましくは20〜30質量%、よりさらに好ましくは20〜25質量%である。該含有量を一定以上(例えば15質量%以上、18質量%以上、20質量%以上)とすることにより、上記性質をより顕著に高めることができる。

0039

本発明で用いられる不織布は、例えば、潜在捲縮繊維及び接着繊維を含む不織布を加熱することにより、立体捲縮を発現させ、且つ接着繊維の一部又は全部を溶融させることにより、得ることができる。

0040

<2.金属層>
金属層は、不織布上に配置される、換言すれば不織布の有する2つの主面の少なくとも1方の表面上に配置される。

0041

金属層は、金属を素材として含む層である限り、特に制限されない。金属層は、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、金属以外の成分が含まれていてもよい。その場合、金属層中の金属量は、例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。

0042

金属層を構成する金属としては、電磁波シールド特性を発揮できるものであれば特に制限されない。金属としては、例えば金、銀、銅、亜鉛ニッケル、スズ、アルミニウムチタン白金、鉄、及びこれらの金属を含む合金等が挙げられる。これらの中でも、電磁波シールド特性、経済コスト等の観点から、好ましくは銅、銅−ニッケル合金、銀、アルミステンレス等が挙げられる。

0043

金属層の層構成は特に制限されない。金属層は、1層からなる単層であってもよいし、同一又は異なる組成を有する複数の層であってもよい。金属層は、本発明の好ましい一態様においては、電磁波シールド特性の観点から選択される上記金属を主成分とする金属層(金属層a)と、該金属層の片側又は両側に配置される耐腐食性の観点から選択される金属(例えば、ニッケル、チタン、クロムシリコン、アルミ等)を主成分とする金属層(金属層b)とを含む複数の層から構成されていることが、耐湿熱性の観点から望ましい。また、金属層は、その2つの主面の一方或いは両方において、表面が酸化皮膜等の皮膜で構成されていてもよい。

0044

金属は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。

0045

金属層の厚さは、例えば50nm以上、好ましくは100nm以上、より好ましくは200nm以上、さらに好ましくは300nm以上、よりさらに好ましくは300〜400nmである。耐湿熱性の観点からは、より厚い(例えば200nm以上、300nm以上等である)ことが好ましい。該厚さの上限は、特に制限されず、例えば1000nm、600nm、400nmである。

0046

金属層において、上記した金属層aの厚さは、好ましくは50〜300nm、より好ましくは80〜200nmである。また、上記した金属層bの厚さは、耐湿熱性等の観点から、好ましくは50〜300nm、より好ましくは80〜200nm、さらに好ましくは130〜200nmである。

0047

金属層の厚さは、蛍光X線分析により求めることができる。具体的には、走査型蛍光X線分析装置(例えば、リガク社製走査型蛍光X線分析装置 ZSX PrimusIII+もしくは、同等品)を用いて加速電圧は50kV、加速電流は50mA、積分時間は60秒として分析する。測定対象の成分のKα線X線強度を測定し、ピーク位置に加えてバックグラウンド位置での強度も測定し、正味の強度が算出できるようにする。あらかじめ作成した検量線から、測定した強度値を厚さに換算することができる。
同一のサンプルに5回分析を行い、その平均値を平均厚さとする。

0048

<3.特性>
<3−1.電磁波シールド特性>
本発明の電磁波シールドシートは、電磁波シールド特性に優れる。

0049

例えば、本発明の電磁波シールドシートは、伸長前の状態における抵抗値(表面抵抗)が、例えば50Ω/□以下、好ましくは10Ω/□以下、より好ましくは5Ω/□以下、さらに好ましくは3Ω/□以下である。表面抵抗の下限は特に制限されないが、例えば0.1Ω/□、0.5Ω/□、1Ω/□である。表面抵抗は、表面抵抗計(MISUBISHI CHEMICAL ANALYTECH社製、商品名:Loresta−EP)を用いた4端子法により測定することができる。

0050

また、別の例としては、本発明の電磁波シールドシートは、伸長前の状態におけるシールド性が、例えば30dB以上、好ましくは40dB以上、より好ましくは50dB以上、さらに好ましくは55dB以上である。表面抵抗の下限は特に制限されないが、例えば300dB、100dBである。シールド性は、KEC法に準拠して、KEC法シールド材料測定システム(日本テクノス社製)にて、周波数MHz〜1000MHzにおける電磁波シールド特性値(電界シールド特性)をとして測定することができる。なお、KEC法とは、関西電子工業振興センター(Kansai Electronic Development Center)で開発した電磁波シールド効果装置を用いて、材料の電磁波シールド効果を測定評価する方法である。

0051

<3−2.耐伸縮性>
本発明の電磁波シールドシートは、耐伸縮性に優れる。

0052

例えば、本発明の電磁波シールドシートは、50%伸長時における抵抗値の変化率が、伸長前の抵抗値を基準にして、例えば300%以下、好ましくは200%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは30%以下である。該変化率の下限は、例えば−50%、好ましくは−20%、より好ましくは−10%である。50%伸長時における抵抗値の変化率は、次のようにして測定することができる。

0053

まず、電磁波シールドシートを15cm角に切り出し、対向する二辺間の距離が伸長前を基準に150%になるように伸長し、固定する。この状態で、金属層の表面抵抗値を表面抵抗計(MITSUBISHI CHEMICAL ANALYTECH社製、商品名:Loresta−EP)を用いて測定する。下記式より伸長後の抵抗変化率を算出することができる。
伸長後の抵抗変化率(%)=((伸長後の抵抗値)−(伸長前の抵抗値))/(伸長前の抵抗値))×100

0054

また、別の例としては、本発明の電磁波シールドシートは、50%伸長時におけるシールド性の変化率の絶対値が、伸長前のシールド性を基準にして、例えば30%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下である。該絶対値の下限は、特に制限されないが、例えば0.1%、1%である。50%伸長時におけるシールド性の変化率は、次のようにして測定することができる。

0055

まず電磁波シールドシートを15cm角に切り出し、対向する二辺間の距離が、伸長前を基準に150%になるように伸長し、固定する。この状態でKEC法にて電磁波シールド特性値を測定した。下記式より伸張後のシールド性変化率を算出した。
伸長後のシールド性変化率(%)=((伸長後のシールド特性値)−(伸長前のシールド特性値))/(伸長前のシールド特性値))×100

0056

<3−3.耐湿熱性>
本発明の電磁波シールドシートは、耐湿熱性に優れる。

0057

例えば、本発明の電磁波シールドシートは、温度85℃、湿度85%Rhの環境下において240時間処理後(湿熱処理後)の抵抗値の変化率が、湿熱処理前の抵抗値を基準にして、例えば7000%以下、好ましくは1000%以下、より好ましくは500%以下、さらに好ましくは300%以下である。該絶対値の下限は、例えば−50%、好ましくは−20%、より好ましくは−10%である。湿熱処理後の抵抗変化率は、湿熱処理後の電磁波シールドシートの金属層の表面抵抗値を、表面抵抗計を用いて測定し、下記式より湿熱処理後の抵抗変化率を算出することができる。
湿熱処理後の抵抗変化率(%)=((処理後の抵抗値)−(処理前の抵抗値))/(処理前の抵抗値))×100

0058

また、別の例としては、本発明の電磁波シールドシートは、湿熱処理後のシールド性の変化率の絶対値が、湿熱処理前のシールド性を基準にして、例えば50%以下、好ましくは40%以下、より好ましくは20%以下である。該絶対値の下限は、特に制限されないが、例えば1%、5%である。湿熱処理後のシールド性の変化率は、湿熱処理後の電磁波シールドフィルムをKEC法にて電磁波シールド特性値を測定し、下記式より湿熱処理後のシールド性変化率を算出することができる。
湿熱処理後のシールド性変化率(%)=((処理後のシールド特性値)−(処理前のシールド特性値))/(処理前のシールド特性値))×100

0059

<3−4.成形性>
本発明の電磁波シールドシートは、成形性に優れる。

0060

例えば、本発明の電磁波シールドシートは、後述の実施例における成形性の評価方法において、シワ及び破れを生じることなく成形することができる。

0061

<4.製造方法>
本発明の電磁波シールドシートは、不織布の表面に金属層を付着させる工程を含む方法により得ることができる。金属層が複数の層から構成される場合は、さらに、最外層の金属層の表面に別の金属層を付着させる工程を含む方法により、得ることができる。

0062

特に限定されないが、前記付着は、例えば、スパッタリング法真空蒸着法イオンプレーティング法化学蒸着法パルスレーザーデポジション法等により行うことができる。これらの中でも、膜厚制御性の観点から、スパッタリング法が好ましい。

0063

スパッタリング法としては、特に限定されないが、例えば、直流マグネトロンスパッタ高周波マグネトロンスパッタ及びイオンビームスパッタ等が挙げられる。また、スパッタ装置は、バッチ方式であってもロール・ツー・ロール方式であってもよい。

0064

<5.用途>
本発明の電磁波シールドシートは、電磁波シールド対象物の周囲を覆うことにより使用することができる。また、対象物の形状に応じて、熱プレス真空成形等の加熱成形加工手段等により、種々の形状に適宜成成形される。成形されたものを、本明細書においては、「電磁波シールド成形体」と表す。

0065

本発明の電磁波シールド成形体は、その一態様において、非導電性材料をさらに含む。
該非導電性材料を含むことにより、成形体形状保持性を高めることができる。

0066

本発明の電磁波シールドシートは、接着剤等を介して種々の非導電性材料からなる部材に貼付することにより、優れた電磁波シールド性を有する電磁波シールド成形体を得ることができる。なかでも、エレクトロニックコントロールユニット等の電子デバイスを内蔵するための筐体を、非導電性材料を用いて製造する際に、筐体の表面に貼着して電磁波シールド性を付与する用途に好適である。非導電性材料からなる部材の表面に、本発明の電磁波シールドシートが貼付されている電磁波シールド成形体もまた、本発明の1つである。非導電性材料からなる部材の表面に本発明の電磁波シールドシートが貼付された筐体に、エレクトロニックコントロールユニット等の電子デバイスが内蔵されている電子デバイスを内蔵する筐体もまた、本発明の1つである。

0067

本発明の電磁波シールドシートは、非導電性材料からなる部材の表面に貼付するだけでなく、非導電性材料からなる部材の内部に保持することによっても、優れた電磁波シールド性を有する電磁波シールド成形体を得ることができる。非導電性材料からなる部材の内部に、本発明の電磁波シールドシートの少なくとも一部が保持されている電磁波シールド成形体もまた、本発明の1つである。非導電性材料からなる部材の内部に本発明の電磁波シールドシートが保持された筐体に、エレクトロニックコントロールユニット等の電子デバイスが内蔵されている電子デバイスを内蔵する筐体もまた、本発明の1つである。

0068

上記非導電性材料を有する電磁波シールド成形体の製造方法は特に限定されない。
製造方法としては例えば、非導電性材料を加熱ロールなどによって単独のシートとしたうえ、上記電磁波シールドシートを中間に挟んで加熱ロールや熱プレスにより圧着積層する方法、非導電性材料を加熱ロールなどによってシート化する際に、上記電磁波シールドシートを中間に挟んで両表層を同時にシート化して一挙に積層する方法、成形した電磁波シールドシートを金型内に配し、非導電性材料を射出するインサート成型法等が挙げられる。

0069

上記非導電性材料は、特に限定されない。成形性の観点から、熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としてはポリオレフィン、ポリスチレンポリアクリレートポリメタクリレートポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンポリエーテルスルホンポリエーテルケトンポリイミドポリジメチルシロキサンポリカーボネートポリフェニルサルファイド又はこれらのうち少なくとも2種の共重合体等が挙げられる。中でも、成形性が良好であることから、ポリオレフィンが好ましい。

0070

以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。

0071

(1)電磁波シールドシートの製造
(実施例1)
不織布として、潜在捲縮繊維(ポリエステル(融点250℃)−低融点ポリエステル(融点230℃)、2.2dtex、51mmカット長)及び接着繊維((ポリエステル(融点250℃)−低融点ポリエステル(融点110〜170℃)、4.4dtex、51mmカット長))からなる、接着繊維固化部を有するスパンレース不織布(不織布中の接着繊維の含有量:20質量%、目付:90g/m2、厚さ:0.3mm)を用いた。尚、本実施例で測定した金属層を除く構成成分の厚さは、20g/cm2の圧縮荷重時の測定値を示す。

0072

不織布を真空装置内に設置し、5.0×10−4Pa以下となるまで真空排気した。続いて、アルゴンガスを導入して、DCマグネトロンスパッタリング法により、不織布の片面に、厚さ100nmの銅−ニッケル合金(銅40%、ニッケル60%)からなる保護層(金属層1)、厚さ200nmの銅からなる金属皮膜(金属層2)、及び厚さ100nmの銅−ニッケル合金(銅40%、ニッケル60%)からなる保護層(金属層3)をこの順に積層させ、電磁波シールドシートを得た。

0073

(実施例2)
金属層1及び金属層3の厚さをそれぞれ50nmとする以外は、実施例1と同様にして電磁波シールドシートを得た。

0074

(実施例3)
不織布中の接着繊維の含有量を30質量%として、且つ金属層1及び金属層3の厚さをそれぞれ50nmとする以外は、実施例1と同様にして電磁波シールドシートを得た。

0075

(実施例4)
金属層1及び金属層3の厚さをそれぞれ25nmとして、且つ金属層2の厚さを150nmとする以外は、実施例1と同様にして電磁波シールドシートを得た。

0076

(比較例1)
不織布として、接着繊維を含まず、接着繊維固化部を有さず、かつ、実施例1で用いた潜在捲縮繊維で調整したスパンレース不織布(目付:90g/m2、厚さ:0.75mm)を用いる以外は、実施例2と同様にして電磁波シールドシートを得た。

0077

(2)評価
(2−1)表面抵抗の測定
得られた電磁波シールドシートの金属層の表面抵抗値を、表面抵抗計(MITSUBISHI CHEMICAL ANALYTECH社製、商品名:Loresta−EP)を用いて4端子法により測定した。

0078

(2−2)伸張前後の抵抗変化率の測定
得られた電磁波シールドシートを15cm角に切り出し、対向する二辺間の距離が伸長前を基準に150%になるように伸長し、固定した。この状態で、金属層の表面抵抗値を表面抵抗計(MITSUBISHI CHEMICAL ANALYTECH社製、商品名:Loresta−EP)を用いて測定した。下記式より伸長時の抵抗変化率を算出した。伸長後の抵抗変化率(%)=((伸長後の抵抗値)−(伸長前の抵抗値))/(伸長前の抵抗値))×100

0079

(2−3)湿熱処理前後の抵抗変化率の測定
温度85℃、湿度85%Rhの環境下において240時間処理後(湿熱処理後)の電磁波シールドシートの金属層の表面抵抗値を、表面抵抗計を用いて測定し、下記式より湿熱処理前後の抵抗変化率を算出した。
湿熱処理後の抵抗変化率(%)=((処理後の抵抗値)−(処理前の抵抗値))/(処理前の抵抗値))×100

0080

(2−4)シールド性の測定
得られた電磁波シールドシートを、KEC法に準拠して、KEC法シールド材料測定システム(日本テクノス社製)にて、周波数1MHz〜1000MHzにおける電磁波シールド特性値(電界シールド特性)を測定した。

0081

なお、KEC法とは、関西電子工業振興センター(Kansai Electronic Development Center)で開発した電磁波シールド効果装置を用いて、材料の電磁波シールド効果を測定評価する方法である。

0082

(2−5)伸張時のシールド性変化率の測定
得られた電磁波シールドシートを15cm角に切り出し、対向する二辺間の距離が、伸長前を基準に150%になるように伸長し、固定した。この状態でKEC法にて電磁波シールド特性値を測定した。下記式より伸張時のシールド性変化率を算出した。
伸長後のシールド性変化率(%)=((伸長後のシールド特性値)−(伸長前のシールド特性値))/(伸長前のシールド特性値))×100

0083

(2−6)湿熱処理前後のシールド性変化率の測定
湿熱処理後の電磁波シールドフィルムをKEC法にて電磁波シールド特性値を測定した。下記式より伸張時のシールド性変化率を算出した。
湿熱処理後のシールド性変化率(%)=((処理後のシールド特性値)−(処理前のシールド特性値))/(処理前のシールド特性値))×100

0084

(2−7)成形性の評価
得られた電磁波シールドシートを、箱型金型により加熱成形した。成形した電磁波シールドシートを観察し、成形性を以下の基準により評価した。
〇:加熱成形後に、破れやしわがない。
×:加熱成形時に、しわ又は破れが生じる。

実施例

0085

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