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技術 診断支援システム

出願人 株式会社医療情報技術研究所
発明者 姫野信吉
出願日 2018年7月26日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-140535
公開日 2020年1月30日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-017137
状態 未登録
技術分野 医療・福祉事務 検索装置
主要キーワード サマリーデータ 観察パターン 偏相関係数 グラフデータベース 同時観測 本申請書 オンプレミス 専門病院
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重要な関連分野

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課題

症状/所見から、可能性の高い疾患名を求め、疾患名確定のために有効な診察検査推薦する。

解決手段

診断が確定された患者の症状や検査所見を記録し管理する症状/所見管理手段と、確定された疾患名毎に、当該疾患に該当する症例のリストや当該症例で観察された症状や所見を記録管理する疾患名管理手段と、疾患名が確定した症例の疾患名や、当該症例で観察された症状や検査所見を登録する疾患名確定症例登録手段を備える。さらに、疾患名確定症例管理手段に対して、疾患名未確定症例の症状や検査所見を提示して、症例リストの集計頻度から、可能性の高い疾患名や、疾患名確定のために有効な、次に得られるべき症状や検査所見を問い合わせる疾患名未確定症例問い合わせ手段を備えている。

概要

背景

毎日多数の患者医療機関を訪れ、診察検査を受け、疾患名が確定したら、対応した治療を受ける。医師は、過去に経験した症例の経験から、疾患名の見当をつけ、問診や理学所見などの症状、血液検査やXpなどの画像所見などから得られる検査所見(以下、症状/所見)を総合して疾患名の候補を絞り込んでゆく。経験を積んだ医師の経験とは素晴らしいものがあるが、残念ながら、その経験と勘は、その医師の死によって失われる。

過去の症例を電子計算機などに蓄積し、疾患名や症状/所見の頻度相関を求めて、診断支援に用いる試みが行われてきた。例えば、特許文献1〜2がある。また、非特許文献1のように、観察される症状/所見からベイズ確率を用いて疾患名の候補を推定する試みもある。

概要

症状/所見から、可能性の高い疾患名を求め、疾患名確定のために有効な診察や検査を推薦する。診断が確定された患者の症状や検査所見を記録し管理する症状/所見管理手段と、確定された疾患名毎に、当該疾患に該当する症例のリストや当該症例で観察された症状や所見を記録管理する疾患名管理手段と、疾患名が確定した症例の疾患名や、当該症例で観察された症状や検査所見を登録する疾患名確定症例登録手段を備える。さらに、疾患名確定症例管理手段に対して、疾患名未確定症例の症状や検査所見を提示して、症例リストの集計頻度から、可能性の高い疾患名や、疾患名確定のために有効な、次に得られるべき症状や検査所見を問い合わせる疾患名未確定症例問い合わせ手段を備えている。

目的

本発明はかかる従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

(i)診断確定された患者の症状や検査所見を記録し管理する症状/所見管理手段と、(ii)確定された疾患名毎に、当該疾患に該当する症例のリストや当該症例で観察された症状や所見を記録管理する疾患名管理手段と、(iii)疾患名が確定した症例の疾患名や、当該症例で観察された症状や検査所見を前記(i)、(ii)に登録する疾患名確定症例登録手段の(i)〜(iii)からなる疾患名確定症例管理手段を備え、前記疾患名確定症例管理手段に対して、疾患名未確定症例の症状や検査所見を提示して、可能性の高い疾患名や、疾患名確定のために有効な、次に得られるべき症状や検査所見を問い合わせる疾患名未確定症例問い合わせ手段を備えたことを特徴とする診断支援システム

請求項2

前記症状/所見管理手段において、症状/所見の各々について、当該症状/所見が観察された症例のリストを管理する症状/所見別症例リスト管理手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の診断支援システム。

請求項3

前記症状/所見管理手段において、症状/所見の各々について、当該症例リストの各々の疾患名のリストを管理する症状/所見別疾患名リスト管理手段を備えたことを特徴とする請求項1〜2いずれか記載の診断支援システム。

請求項4

前記症状/所見別症例リスト管理手段において、各症例で同時に観察された症状/所見の対(ペア)ごとに症例リストを管理する症状/所見ペア別症例リスト管理手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の診断支援システム。

請求項5

前記疾患名管理手段において、当該疾患名に該当する症例で観察された症状/所見ごとに、観察された症例のリストを管理する疾患名毎症状/所見別症例リスト管理手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の診断支援システム。

請求項6

前記疾患名毎症状/所見別症例リスト管理手段において、当該疾患名の該当する各症例で同時に観察された症状/所見の対(ペア)ごとに症例リストを管理する疾患名毎症状/所見ペア別症例リスト管理手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の診断支援システム。

請求項7

前記疾患名管理手段において、当該疾患に該当する症例のリストを管理する疾患名毎症例リスト管理手段を備えたことを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の診断支援システム。

請求項8

前記疾患名確定症例管理手段において、疾患名確定症例登録手段にて登録した症例の疾患名、観察された症状/所見のリストを記録/管理する疾患名確定症例データ管理手段を有することを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の診断支援システム。

請求項9

前記疾患名未確定症例問い合わせ手段において、当該疾患名未確定症例で観察された症状/所見の各々について、当該症状/所見を有する症例リストの積集合を求め、当該症例の症例データを表示する類似症例検索手段、さらに、前記積集合で得られた症例の確定疾患名集計し、確定疾患名の頻度順に表示する類似症例疾患名推定手段の少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の診断支援システム。

請求項10

前記疾患名未確定症例問い合わせ手段において、当該疾患名未確定症例で観察された(i)症状/所見の各々について症状/所見別疾患名リスト管理手段で得られている確定疾患名の頻度分布、もしくは(ii) 症状/所見ペアの各々について、症状/所見ペア別症例リスト管理手段で得られている症例リストの確定疾患名の頻度分布、もしくは(i)(ii)両者を統合して疾患名候補のリストを推定する疾患名候補リスト推定手段を有することを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の診断支援システム。

請求項11

前記疾患名未確定症例問い合わせ手段において、前記類似症例疾患名推定手段で得られた確定疾患名頻度順リスト、もしくは前記疾患名候補リスト推定手段で得られた疾患名候補のリストのいずれかで得られた疾患名候補の各々について、前記疾患名毎症状/所見別症例リスト管理手段もしくは疾患名毎症状/所見ペア別症例リスト管理手段で得られる症状所見もしくは症状所見ペアごとの症例リストの集計頻度を相互に比較し、前記疾患名候補間で集計頻度の差の大きい症状/所見ないし症状/所見ペアを、次に得られるべき症状所見ないし症状/所見ペアとして推薦する診察/検査推薦手段を有することを特徴とする請求項9〜10いずれか記載の診断支援システム。

請求項12

前記診察/検査推薦手段において、既に推薦され実行して得られた症状/所見と相関の高い未実行の症状/所見を、症状/所見ペア別症例リスト管理手段で得られている症例リストの確定疾患名の頻度分布で求め、前記相関の高い未実行の症状/所見の推薦度減価する、相関による推薦度減価手段を有することを特徴とする請求項1〜11いずれか記載の診断支援システム。

請求項13

前記診察/検査推薦手段において、実行に当たって必要な時間や金銭コストにより、推薦の優先度を調節する、コスト対応診察検査推薦手段を有することを特徴とする請求項1〜12いずれか記載の診断支援システム。

請求項14

前記症状/所見管理手段において、個々の症状/所見の間の包含関係親子関係リンクとして記述し、子に当たる症状/所見に記録されている症例リンク群を、必要に応じて親の症例リンク群に統合する症状/所見症例リンク群統合手段を有することを特徴とする請求項1〜13いずれか記載の診断支援システム。

請求項15

前記疾患名管理手段において、個々の疾患名の間の包含関係を親子関係リンクとして記述し、子に当たる疾患名に記録されている症例リンク群を、必要に応じて親の疾患名の症例リンク群に統合する疾患名症例リンク群統合手段を有することを特徴とする請求項1〜14いずれか記載の診断支援システム。

請求項16

前記疾患名確定症例登録手段において、疾患名の確定した症例の疾患名や症状/所見を、当該患者の電子カルテから直接登録可能とする電子カルテ直接登録手段を有することを特徴とする請求項1〜15いずれか記載の診断支援システム。

請求項17

前記疾患名未確定症例問い合わせ手段において、疾患名未確定の症例の症状/所見を、当該患者の電子カルテから前記疾患名確定症例管理手段に対して直接問い合わせ可能とする電子カルテ直接問い合わせ手段を有することを特徴とする請求項1〜16いずれか記載の診断支援システム。

請求項18

前記疾患名確定症例登録手段において、登録する症例の発生した医療機関診療科担当医、さらに患者の年齢性別人種などの症例属性を付与し管理する症例属性管理手段を有することを特徴とする請求項1〜17いずれか記載の診断支援システム。

請求項19

前記疾患名未確定症例問い合わせ手段において、前記疾患名確定症例管理手段で管理されている疾患名確定症例のうち、特定の症例属性を有する症例のみ検索対象とする検索スコープ管理手段を備えたことを特徴とする請求項1〜18いずれか記載の診断支援システム。

請求項20

前記疾患名確定症例管理手段を構成する症状/所見管理手段、疾患名管理手段、疾患名確定症例登録手段に記録された内容の一部ないし全部を、別の疾患名確定症例管理手段にエクスポートする疾患名確定症例エクスポート手段を備えたことを特徴とする1〜19いずれか記載の診断支援システム。

請求項21

前記疾患名確定症例エクスポート手段で抽出された内容をインポートし、症状/所見管理手段、疾患名管理手段、疾患名確定症例登録手段の内容を再構成する疾患名確定症例インポート手段を備えたことを特徴とする請求項20記載の診断支援システム。

請求項22

前記疾患名確定症例管理手段において、前記症状/所見管理手段、疾患名管理手段、疾患名確定症例登録手段の管理内容閲覧する疾患名確定症例管理手段内容閲覧手段を備えたことを特徴とする請求項1〜21いずれか記載の診断支援システム。

技術分野

0001

本発明は、過去において診断名が確定した症例を多数登録し、疾患名や症状の発生頻度などから、現在疾患名が未確定の症例に対し、類推される疾患名のリストや、次にそれらの疾患名の鑑別を進めるために有用な、「次の一手」となる診察検査推薦することで、効率的で見落としの少ない診療に貢献する診断支援システムに関する。

背景技術

0002

毎日多数の患者医療機関を訪れ、診察や検査を受け、疾患名が確定したら、対応した治療を受ける。医師は、過去に経験した症例の経験から、疾患名の見当をつけ、問診や理学所見などの症状、血液検査やXpなどの画像所見などから得られる検査所見(以下、症状/所見)を総合して疾患名の候補を絞り込んでゆく。経験を積んだ医師の経験とは素晴らしいものがあるが、残念ながら、その経験と勘は、その医師の死によって失われる。

0003

過去の症例を電子計算機などに蓄積し、疾患名や症状/所見の頻度相関を求めて、診断の支援に用いる試みが行われてきた。例えば、特許文献1〜2がある。また、非特許文献1のように、観察される症状/所見からベイズ確率を用いて疾患名の候補を推定する試みもある。

0004

特開2003-108665号公報
特開2000-298696号公報

先行技術

0005

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/suishinkaigo_iryokaigo_dai2/siryou5.pdf

発明が解決しようとする課題

0006

医師が疾患名を診断してゆく際は、疾患の頻度を考え併せながら、症状/所見の組合せと疾患名の関連から疾患名の見当をつけ、症状/所見を追加して疾患名を絞り込んでゆく(鑑別診断)。
上記の各文献では、疾患名や症状/所見の頻度の頻度分布と、現在得られている疾患名未確定症例の部分的な症状/所見群から、疾患名の絞り込みを行ってゆくと主張している。
しかしながら、過去の診断確定症例のデータベース構造や、どのようにして頻度分布を系統的に得るか、さらに、如何にしてベイズ確率などを用いて疾患名の絞り込みを行うか、診断をさらに進めるには次にどのような所見/検査を得るのが有用かといった点に関し、データベース構造や絞り込みや推薦のロジックなどについて明確な説明、手段の開示が行われているとは言い難い。

0007

疾患名や症状/所見の頻度分布に関しては、該当する症例数を1ずつ加算して集計表に落とし込んでいる。このため、その頻度分布を構成している原症例に戻った詳細な分析が出来ない。
また、症状/所見ごとの頻度分布に留まっており、症状/所見ペアごとの頻度分布は考えられていない。症状/所見には互いに強い相関関係にあるものがあり、この場合、互いに相関の強い症状/所見は、同じような情報を重ねて表しているに過ぎず、ベイズ確率などを求める際には、そのまま用いれば疾患の確率を過大に評価する危険がある。

0008

疾患名や症状/所見は、それぞれ上位概念/下位概念からなるツリー構造をとっている。下位概念ほど、より情報量は多いが、症例数が分散して過少となり分析に耐えない場合がある。
医療機関ごとに対象となる疾患が異なるため、疾患名や、症状/所見頻度は、大きく異なっている。例えば心臓病専門病院胸部痛の訴えがあれば先ず心筋梗塞疑うべきであるが、整形外科では肋骨骨折の可能性が高い。このように、医療機関や病棟などの属性による頻度分布の差を考慮すべきである。
疾患名確定症例管理手段に蓄積された症例リストなどの内容が膨大になってくると、相互の整合性の確認や支援ロジックが把握困難になりやすい。

0009

本発明はかかる従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、疾患名が確定された過去の症例について、疾患名確定症例登録手段によって、疾患名毎の症状/所見ないし症状/所見ペアを有する症例リスト、症状/所見ないし症状/所見ペアごとの症例リスト〜疾患名リストを整備する疾患名確定症例管理手段を備えること。この疾患名確定症例管理手段に蓄積された種々の症例リストを活用して、診断名未確定症例で既に観察されている症状/所見ないし症状/所見ペアを有する類似症例を検索する類似症例検索手段を提供する事、既に観察されている症状/所見ないし症状/所見ペアごとの疾患名頻度分布を用いて、疾患名の確率をベイズ確率などを用いて逐次計算し、疾患名の候補を絞り込むこと。
絞り込まれた疾患名群に関して、それぞれの疾患名の症状/所見ないし症状/所見ペアごとの症例リストの集計頻度から、疾患名間で頻度差の大きいものを求め、これを診断名確定のために次に得られるべき症状/所見ないし症状/所見ペアとして診察や検査を推薦する事である。
さらに前記推薦に際しては、既に観察されている症状/所見ないし症状/所見ペアと相関の大きい症状/所見ないし症状/所見ペアは評価を減じ、さらに診察や検査に当たって手間やお金のかかるものは推薦度を調整することである。また、疾患名や症状/所見に関しては、上位概念と下位概念といったツリー状親子関係がある。必要に応じて下位概念の症例リスト群を上位概念の症例リストに統合することで、十分な症例リストを確保できることである。医療機関の対象疾患には偏りが大きいため、検索のスコープを設定可能として、診断名未確定症例に適した診断名確定症例群を使用した問い合わせを可能とすることである。
疾患名確定症例管理手段で蓄積されている内容の一部または全部をエクスポート/インポートすることで、自院のみならず他の医療機関の蓄積内容も活用することが出来るようになることである。疾患名確定症例管理手段に蓄積された症例リストなどの内容を閲覧できれば、内容の整合性の確認に留まらず、閲覧自体が病態の理解に有用である。

課題を解決するための手段

0010

前記目的を達成するための手段として、請求項1記載の診断支援システムでは、(i)診断が確定された患者の症状や検査所見を記録し管理する症状/所見管理手段と、(ii)確定された疾患名毎に、当該疾患に該当する症例のリストや当該症例で観察された症状や所見を記録管理する疾患名管理手段と、(iii)疾患名が確定した症例の疾患名や、当該症例で観察された症状や検査所見を前記(i)、(ii)に登録する疾患名確定症例登録手段の(i)〜(iii)からなる疾患名確定症例管理手段を備え、
前記疾患名確定症例管理手段に対して、疾患名未確定症例の症状や検査所見を提示して、可能性の高い疾患名や、疾患名確定のために有効な、次に得られるべき症状や検査所見を問い合わせる疾患名未確定症例問い合わせ手段を備えたことを特徴とする。

0011

請求項2記載の診断支援システムでは、請求項1記載の診断支援システムにおいて、前記症状/所見管理手段において、症状/所見の各々について、当該症状/所見が観察された症例のリストを管理する症状/所見別症例リスト管理手段を備えたことを特徴とする。

0012

請求項3記載の診断支援システムでは、請求項1〜2いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記症状/所見管理手段において、症状/所見の各々について、当該症例リストの各々の疾患名のリストを管理する症状/所見別疾患名リスト管理手段を備えたことを特徴とする。

0013

請求項4記載の診断支援システムでは、請求項1〜3いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記症状/所見別症例リスト管理手段において、各症例で同時に観察された症状/所見の対(ペア)ごとに症例リストを管理する症状/所見ペア別症例リスト管理手段を備えたことを特徴とする。

0014

請求項5記載の診断支援システムでは、請求項1〜4いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記疾患名管理手段において、当該疾患名に該当する症例で観察された症状/所見ごとに、観察された症例のリストを管理する疾患名毎症状/所見別症例リスト管理手段を備えたことを特徴とする。

0015

請求項6記載の診断支援システムでは、請求項5の診断支援システムにおいて、前記疾患名毎症状/所見別症例リスト管理手段において、当該疾患名の該当する各症例で同時に観察された症状/所見の対(ペア)ごとに症例リストを管理する疾患名毎症状/所見ペア別症例リスト管理手段を備えたことを特徴とする。

0016

請求項7記載の診断支援システムでは、請求項1〜6いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記疾患名管理手段において、当該疾患に該当する症例のリストを管理する疾患名毎症例リスト管理手段を備えたことを特徴とする。

0017

請求項8記載の診断支援システムでは、請求項1〜7いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記疾患名確定症例管理手段において、疾患名確定症例登録手段にて登録した症例の疾患名、観察された症状/所見のリストを記録/管理する疾患名確定症例データ管理手段を有することを特徴とする。

0018

請求項9記載の診断支援システムでは、請求項1〜8いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記疾患名未確定症例問い合わせ手段において、当該疾患名未確定症例で観察された症状/所見の各々について、当該症状/所見を有する症例リストの積集合を求め、当該症例の症例データを表示する類似症例検索手段、さらに、前記積集合で得られた症例の確定疾患名を集計し、確定疾患名の頻度順に表示する類似症例疾患名推定手段の少なくとも一つを有することを特徴とする。

0019

請求項10記載の診断支援システムでは、請求項1〜9いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記疾患名未確定症例問い合わせ手段において、当該疾患名未確定症例で観察された(i)症状/所見の各々について症状/所見別疾患名リスト管理手段で得られている確定疾患名の頻度分布、もしくは(ii) 症状/所見ペアの各々について、症状/所見ペア別症例リスト管理手段で得られている症例リストの確定疾患名の頻度分布、もしくは(i)(ii)両者を統合して疾患名候補のリストを推定する疾患名候補リスト推定手段を有することを特徴とする。

0020

請求項11記載の診断支援システムでは、請求項9〜10いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記疾患名未確定症例問い合わせ手段において、前記類似症例疾患名推定手段で得られた確定疾患名頻度順リスト、もしくは前記疾患名候補リスト推定手段で得られた疾患名候補のリストのいずれかで得られた疾患名候補の各々について、前記疾患名毎症状/所見別症例リスト管理手段もしくは疾患名毎症状/所見ペア別症例リスト管理手段で得られる症状所見もしくは症状所見ペアごとの症例リストの集計頻度を相互に比較し、前記疾患名候補間で集計頻度の差の大きい症状/所見ないし症状/所見ペアを、次に得られるべき症状所見ないし症状/所見ペアとして推薦する診察/検査推薦手段を有することを特徴とする。

0021

請求項12記載の診断支援システムでは、請求項1〜11いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記診察/検査推薦手段において、既に推薦され実行して得られた症状/所見と相関の高い未実行の症状/所見を、症状/所見ペア別症例リスト管理手段で得られている症例リストの確定疾患名の頻度分布で求め、前記相関の高い未実行の症状/所見の推薦度を減価する、相関による推薦度減価手段を有することを特徴とする。

0022

請求項13記載の診断支援システムでは、請求項1〜12いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記診察/検査推薦手段において、実行に当たって必要な時間や金銭コストにより、推薦の優先度を調節する、コスト対応診察検査推薦手段を有することを特徴とする。

0023

請求項14記載の診断支援システムでは、請求項1〜13いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記症状/所見管理手段において、個々の症状/所見の間の包含関係を親子関係リンクとして記述し、子に当たる症状/所見に記録されている症例リンク群を、必要に応じて親の症例リンク群に統合する症状/所見症例リンク群統合手段を有することを特徴とする。

0024

請求項15記載の診断支援システムでは、請求項1〜14いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記疾患名管理手段において、個々の疾患名の間の包含関係を親子関係リンクとして記述し、子に当たる疾患名に記録されている症例リンク群を、必要に応じて親の疾患名の症例リンク群に統合する疾患名症例リンク群統合手段を有することを特徴とする。

0025

請求項16記載の診断支援システムでは、請求項1〜15いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記疾患名確定症例登録手段において、疾患名の確定した症例の疾患名や症状/所見を、当該患者の電子カルテから直接登録可能とする電子カルテ直接登録手段を有することを特徴とする。

0026

請求項17記載の診断支援システムでは、請求項1〜16いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記疾患名未確定症例問い合わせ手段において、疾患名未確定の症例の症状/所見を、当該患者の電子カルテから前記疾患名確定症例管理手段に対して直接問い合わせ可能とする電子カルテ直接問い合わせ手段を有することを特徴とする。

0027

請求項18記載の診断支援システムでは、請求項1〜17いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記疾患名確定症例登録手段において、登録する症例の発生した医療機関や診療科担当医、さらに患者の年齢性別人種などの症例属性を付与し管理する症例属性管理手段を有することを特徴とする。

0028

請求項19記載の診断支援システムでは、請求項1〜18いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記疾患名未確定症例問い合わせ手段において、前記疾患名確定症例管理手段で管理されている疾患名確定症例のうち、特定の症例属性を有する症例のみ検索対象とする検索スコープ管理手段を備えたことを特徴とする。

0029

請求項20記載の診断支援システムでは、請求項1〜19いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記疾患名確定症例管理手段を構成する症状/所見管理手段、疾患名管理手段、疾患名確定症例登録手段に記録された内容の一部ないし全部を、別の疾患名確定症例管理手段にエクスポートする疾患名確定症例エクスポート手段を備えたことを特徴とする。

0030

請求項21記載の診断支援システムでは、請求項20記載の診断支援システムにおいて、前記疾患名確定症例エクスポート手段で抽出された内容をインポートし、症状/所見管理手段、疾患名管理手段、疾患名確定症例登録手段の内容を再構成する疾患名確定症例インポート手段を備えたことを特徴とする。

0031

請求項22記載の診断支援システムでは、請求項1〜21いずれか記載の診断支援システムにおいて、前記疾患名確定症例管理手段において、前記症状/所見管理手段、疾患名管理手段、疾患名確定症例登録手段の管理内容を閲覧する疾患名確定症例管理手段内容閲覧手段を備えたことを特徴とする。

発明の効果

0032

請求項1記載の診断支援システムでは、症状/所見管理手段を備えるので、診断が確定された患者の症状や検査所見を記録し管理することができる。
疾患名管理手段を備えるので、確定された疾患名毎に、当該疾患に該当する症例のリストや当該症例で観察された症状や所見を記録管理することができる。
疾患名確定症例管理手段を備えるので、疾患名が確定した症例の疾患名や、当該症例で観察された症状や検査所見を記録管理することができる。
疾患名未確定症例問い合わせ手段を備えるので、疾患名確定症例管理手段に対して、疾患名未確定症例の症状や検査所見を提示して、可能性の高い疾患名や、疾患名確定のために有効な、次に得られるべき症状や検査所見を問い合わせることができる。

0033

請求項2記載の診断支援システムでは、症状/所見別症例リスト管理手段を備えたので、症状/所見の各々について、当該症状/所見が観察された症例のリストを管理することができる。

0034

請求項3記載の診断支援システムでは、症状/所見別疾患名リスト管理手段を備えたので、症状/所見の各々について、当該症例リストの各々の疾患名のリストを管理することができる。

0035

請求項4記載の診断支援システムでは、症状/所見ペア別症例リスト管理手段を備えたので、各症例で同時に観察された症状/所見の対(ペア)ごとに症例リストを管理することができる。

0036

請求項5記載の診断支援システムでは、疾患名毎症状/所見別症例リスト管理手段を備えたので、疾患名に該当する症例で観察された症状/所見ごとに、観察された症例のリストを管理することができる。

0037

請求項6記載の診断支援システムでは、疾患名毎症状/所見ペア別症例リスト管理手段を備えたので、疾患名の該当する各症例で同時に観察された症状/所見の対(ペア)ごとに症例リストを管理することができる。

0038

請求項7記載の診断支援システムでは、疾患名毎症例リスト管理手段を備えたので、疾患に該当する症例のリストを管理することができる。

0039

請求項8記載の診断支援システムでは、疾患名確定症例データ管理手段を有するので、疾患名確定症例登録手段にて登録した症例の疾患名、観察された症状/所見のリストを記録/管理することができる。

0040

請求項9記載の診断支援システムでは、類似症例検索手段を備えたので、疾患名未確定症例で観察された症状/所見の各々について、当該症状/所見を有する症例リストの積集合を求め、当該症例の症例データを表示することができる。
類似症例疾患名推定手段を備えたので、積集合で得られた症例の確定疾患名を集計し、確定疾患名の頻度順に表示することができる。

0041

請求項10記載の診断支援システムでは、疾患名候補リスト推定手段を備えたので、疾患名未確定症例で観察された(i)症状/所見の各々について症状/所見別疾患名リスト管理手段で得られている確定疾患名の頻度分布、もしくは(ii) 症状/所見ペアの各々について、症状/所見ペア別症例リスト管理手段で得られている症例リストの確定疾患名の頻度分布、もしくは(i)(ii)両者を統合して疾患名候補のリストを推定することができる。

0042

請求項11記載の診断支援システムでは、診察/検査推薦手段を有するので、類似症例検索手段で得られた確定疾患名頻度順リスト、もしくは前記疾患名候補リスト推定手段で得られた疾患名候補のリストのいずれかで得られた疾患名候補の各々について、前記疾患名毎症状/所見別症例リスト管理手段もしくは疾患名毎症状/所見ペア別症例リスト管理手段で得られる症状所見もしくは症状所見ペアごとの症例リストの集計頻度を相互に比較し、前記疾患名候補間で集計頻度の差の大きい症状/所見ないし症状/所見ペアを、次に得られるべき症状所見ないし症状/所見ペアとして推薦することができる。

0043

請求項12記載の診断支援システムでは、相関による推薦度減価手段を有するので、既に推薦され実行して得られた症状/所見と相関の高い未実行の症状/所見を、症状/所見ペア別症例リスト管理手段で得られている症例リストの確定疾患名の頻度分布で求め、前記相関の高い未実行の症状/所見の推薦度を減価する。

0044

請求項13記載の診断支援システムでは、コスト対応診察検査推薦手段を有するので、実行に当たって必要な時間や金銭のコストにより、推薦の優先度を調節する。

0045

請求項14記載の診断支援システムでは、症状/所見症例リンク群統合手段を有するので、個々の症状/所見の間の包含関係を親子関係リンクとして記述し、子に当たる症状/所見に記録されている症例リンク群を、必要に応じて親の症状/所見の症例リンク群に統合する。

0046

請求項15記載の診断支援システムでは、疾患名症例リンク群統合手段を有するので、個々の疾患名の間の包含関係を親子関係リンクとして記述し、子に当たる疾患名に記録されている症例リンク群を、必要に応じて親の疾患名の症例リンク群に統合する。

0047

請求項16記載の診断支援システムでは、電子カルテ直接登録手段を有するので、疾患名の確定した症例の疾患名や症状/所見を、当該患者の電子カルテから直接登録可能とする。

0048

請求項17記載の診断支援システムでは、電子カルテ直接問い合わせ手段を有するので、疾患名未確定の症例の症状/所見を、当該患者の電子カルテから前記疾患名確定症例管理手段に対して直接問い合わせ可能とする。

0049

請求項18記載の診断支援システムでは、症例属性管理手段を有するので、登録する症例の発生した医療機関や診療科、担当医、さらに患者の年齢性別、人種などの症例属性を付与し管理する。

0050

請求項19記載の診断支援システムでは、検索スコープ管理手段を備えたので、疾患名確定症例管理手段で管理されている疾患名確定症例のうち、特定の症例属性を有する症例のみを検索対象とする。

0051

請求項20記載の診断支援システムでは、疾患名確定症例エクスポート手段を備えたので、疾患名確定症例管理手段を構成する症状/所見管理手段、疾患名管理手段、疾患名確定症例登録手段に記録された内容の一部ないし全部を、別の疾患名確定症例管理手段にエクスポートすることができる。

0052

請求項21記載の診断支援システムでは、疾患名確定症例インポート手段を備えたので、疾患名確定症例エクスポート手段で抽出された内容をインポートし、症状/所見管理手段、疾患名管理手段、疾患名確定症例登録手段の内容を再構成することができる。

0053

請求項22記載の診断支援システムでは、疾患名確定症例管理手段内容閲覧手段を備えたので、症状/所見管理手段、疾患名管理手段、疾患名確定症例登録手段の管理内容を閲覧することができる。

図面の簡単な説明

0054

疾患名確定症例管理手段を構成する疾患名確定症例登録手、疾患名管理手段、症状/所見管理手段の概要図である。
疾患名確定症例管理手段で症状/所見ペアも管理するようにした概要図である。
症状/所見管理手段において、症状/所見の各々に該当する症例リストを示す図である。
図3において、それぞれの症状/所見の組合せごとに共通に含まれる症例のリスト、およびすべての症状/所見に共通に含まれる症例のリストを示す図である。
症状/所見の組み合わせで、すべてに共通して含まれる症例リスト(積集合)を示す図である。
図5において、症状/所見の組み合わせで、一部の症状/所見の欠落があっても共通して含まれる症例リストを示す図である。
図5において得られた、全ての症状/所見を共通に含む症例リストの確定疾患名を求め、確定疾患名毎に集計した症例数を示す図である。
疾患名候補のリストに上がった疾患名毎に、疾患名管理手段に登録されている症状/所見、ないし症状/所見ペアごとの症例リストの集計数を示す図である。
症状/所見の階層構造を示す図である。
症状/所見の階層構造で、症状/所見の「胸部痛」を例にとり、親症状/所見、並びに子症状/所見へのリンクを示す図である。

実施例

0055

図1は、本発明の疾患名確定症例管理手段を構成する疾患名確定症例登録手段、疾患名管理手段、症状/所見管理手段の概要図である。左の列は、疾患名が確定した症例の患者ID、疾患名や、経過中観察された症状/所見のリストからなる症例データ群である。
ここで、症例IDは、個々の症例を一意的に区別するためのもので、疾患名確定症例登録手段での症例登録ごとに採番しても良いし、医療機関ID+当該医療機関での患者IDなどとして医療機関の電子カルテを参照可能としても良い。
同一患者が複数の確定疾患名を有する場合は、適宜枝番号を付与して区別しても良い。
症状/所見は、当該症状/所見が陽性である場合が主体となるが、当該症状/所見が陰性であることが疾患の鑑別に有用であることも多い。このため、陰性所見を独立した症状/所見としても挙げても良い。
前記症例データは、疾患名管理手段、症状/所見管理手段に登録後破棄しても良いが、のちの参照の便宜に供するため、症例IDごとに症例データを管理しておいた方が望ましい(疾患名確定症例データ管理手段)。
さらに、日常診療において、症例の診断名が確定するたびに、電子カルテの当該症例のサマリーデータなどから症例データを作成し、直接疾患名確定症例登録手段に受け渡しするようにすれば(電子カルテ直接登録手段)、症例の登録漏れも無くなり、登録の手間が省けるので望ましいといえる。

0056

図1中央の列は、疾患名管理手段の概要図である。
疾患名毎に、当該疾患名に該当した症例のリスト、当該疾患で観察された症状/所見ごとに観察された症例のリストを管理している。
疾患名確定症例登録手段で登録される症例ごとに、当該疾患名の症例リストに症例IDを登録する。この症例IDを集計すると、当該疾患名を有する症例の観察頻度がわかる。
さらに、当該症例の症状/所見の各々について、当該疾患名の症状/所見リストの該当する症状/所見の症例リストに症例IDを登録する。これらの症例リストを集計すれば、症状/所見別の観察頻度数を求めることが出来、前記当該疾患名症例の観察頻度で割れば、症状/所見別の観察率を求めることが出来る。
なお、前記当該疾患名に該当した症例のリストは簡便な検索の目的で作成することとしているが、疾患名確定症例登録手段で疾患名に該当する症例を、その都度集計しても当該疾患名を有する症例の観察頻度を求めることが出来る。

0057

図1右列は、症状/所見管理手段の概要図である。
疾患名確定症例登録手段で登録される症例ごとに、当該症例で観察された症状/所見の各々について、当該症状/所見の症例リストに症例IDを登録する。
また、検索の便宜のために、症例ごとの確定疾患名のリストを作成し記録する構成としているが、これは、必要に応じて症例IDごとの確定疾患名リストを、必要な都度、リレーショナルデータベースのJOIN操作などで作成しても良い。

0058

図2は、疾患名確定症例管理手段で症状/所見ペアも管理するようにした概要図である。
症状/所見ペアごとの観察症例リストも作成することにより、症状/所見のみならず症状/所見ペアについても観察率を詳細に把握することが出来る。とりわけ、互いに相関関係のある症状/所見ペアを容易に把握することが出来る。
症状/所見は、必ずしも独立しておらず、相互に相関している場合がある。この場合、ある症状/所見が観察されると、別のある症状/所見が同時に観察、或いは、観察されないことが多い。このように、相関関係にある症状/所見を重ねても、得られる新たな情報は少ない。従って、診断を進めてゆく際は、相関のある症状/所見は、優先度を低めて扱う必要がある。
従来のように、観測された症状/所見の単純なリストでは、前記の鑑別を進めることが困難であり、同時観察された症状や所見のペアの集計が不可欠である。ここで、陽性所見だけでなく、陰性所見に関しても同時観測症状/所見のリストを登録しておけば、さらに有用である。互いに相関の大きな症状/所見は基本的に重複した情報を表していることが多いので、疾患名の候補を推定したり、次に行うべき診察、検査を考える際に、優先順位を適切に下げて無駄な診察、検査を減らすことが出来る。

0059

図3は、症状/所見管理手段において、発熱下痢腹痛などの症状/所見の各々に該当する症例リストを示す図である。
図4は、図3において、それぞれの症状/所見の組合せごとに共通に含まれる、もしくは全ての症状/所見に共通に含まれる症例のリスト(積集合)を示す。
図5は、前記全ての症状/所見に共通に含まれる症例のリストを模式化したものである。
図7に示すように、これらの症例のリストから各々の症例の疾患名を求め、頻度を集計し上位の者から疾患名候補として表示することが出来る。
このように、診断名未確定症例で現在まで観察された症状/所見に基づいて、診断名未確定症例に類似した過去の診断名確定症例を検索し、各症例の確定疾患名を集計し頻度順に並べれば、当該疾患名未確定症例の疾患名候補のリストが得られる(類似症例疾患名推定手段)。

0060

日常の臨床現場では、過去に似たような症状/所見の患者を医師が思い出して、診断名を類推することが多い。しかし個人の経験する範囲では症例数に限りがあり、また記憶もあいまいなので、精度にも限界がある。ここで、前記共通に含まれる症例のリストの症例データを一覧することにより(類似症例検索手段)、定性的に症状/所見の過去の診断名確定症例の観察パターンを把握することが出来、次に行うべき診察や検査への示唆を得ることも出来る

0061

前記共通に含まれる症例のリストが過少である場合は、図4図6に示すように、部分的な症状/所見で共通な症例の部分集合和集合としても良い。
また、前記症状/所見管理手段において、個々の症状/所見の間の包含関係を図9図10に示すように、親子関係リンクとして記述し、子に当たる症状/所見に記録されている症例リスト群を、必要に応じて親の症例リスト群に統合する症状/所見症例リスト群統合手段を用いて、症例リストを統合することで、目的とする症例リストを増加させることが出来る。

0062

疾患名候補のリストを得るもう一つの方法は、図8に示した疾患名毎症状/所見別症例リスト管理手段ないし疾患名毎症状/所見ペア別症例リスト管理手段で管理されている、疾患名毎の症状/所見、ないし症状/所見ペアに該当する症例の集計表を用いる方法である。集計して得られた疾患名の頻度分布が、ベイズ確率でいう疾患名の事前確率に相当する(本図では、虫垂炎38921例、胆嚢炎96321例などを総症例数で割ったもの)。新しい症状/所見が観察されるごとに、疾患名の事後確率更新してゆけばよい(疾患名リスト推定手段)。
ここで、疾患名の複数の候補が得られたならば、確定診断を得るために、次に何の症状/所見を求めれば良いかが問題となる。

0063

下腹部痛は虫垂炎に多く胆嚢炎で少ない。逆に、季肋部痛は虫垂炎で少なく胆嚢炎で多い。従って、虫垂炎と胆嚢炎の鑑別には、下腹部痛と季肋部痛の症状が有用であることがわかる。このように、疾患名間で頻度格差の大きい症状/所見あるいは症状/所見ペアが疾患名の鑑別に有用である。
他方、白血球増多・CRP上昇ペアは、頻度が大きく、両者は相関が大きいことがわかる。したがって、このような症状/所見ペアの一つを次に得るべき症状/所見とした場合、もう一つの症状/所見は、同じ情報を表現している可能性が高いので、追加で実施しても追加の情報量は少ない。従って、このような症状/所見は優先度を減ずる必要がある。
優先度を減じる方法としては、統計学的に厳密に言えば偏相関係数を求める必要があるが、実際のデータは欠落が多く分析に耐えない。実務的には、症状/所見ペア頻度を夫々の症状/所見の平方根の積で除したもの(疑似相関係数)を求め、未実施の症状/所見の頻度数に(1-疑似相関係数)を掛けるなどが考えられる。適宜、有用性と要する手間を勘案しながら適切な方法を選べば良い。いずれにしても、重複した情報に対して、何らかの減価が行われればよい。
本図では説明の簡便さのため、虫垂炎と胆嚢炎の2疾患名について比較検討しているが、実際は5〜10の疾患名で比較検討を行うことも少なくない。特定の症状/所見と特定の疾患名が特異的に対応する場合もあるが、通常は、同様の傾向を持つ疾患グループ間で段階的に鑑別を進めてゆくことが多い。

0064

このように、得られた疾患名候補ごとに、症状や所見の頻度分布が得られているならば、疾患名候補間を比較して、頻度差の大きい症状/所見ほど診断確定に有用である。
前述のように、同時観測されやすい症状/所見は優先度を低めるとよい。
当該症状/所見を得るための診察や検査を進め、得られた観察結果で、前節の事後確率を更新してゆけばよい。観察結果が得られたならば変化するであろう事後確率の大きさが、その症状/所見の診断確定への貢献度となる(診察検査推薦手段)。

0065

この際に、同等の貢献度ならば、手間や費用が少ない方が、より実務的である。
手間や費用(コスト)を数値化しておき、コストあたり最も診断確定への貢献度が高い順に表示して、診察や検査を進めてゆけばよい(コスト対応診察検査推薦手段)。事後確率が一定水準に達したら、目的を果たしたことになる。
診療において、電子カルテで症状/所見を入力している最中に、疾患名の候補リストや診察検査推薦を受けることが出来れば、診察や検査のプラン作成、疾患名に応じた治療計画の作成に便利である(電子カルテ直接問い合わせ手段)。
なお、ここで得られるのは確率的な推論で会って、医師などの診断の示唆ないし補助として供されるものであり、責任を伴う診断そのものでないであることは言うまでもない。即ち、本発明で提供されるのは、疾患名の候補や診察や検査の確率的な示唆、推薦であり、判断の責任を有する医師などに判断材料を提供するものであり、判断自体ではない。

0066

前述のように、医療機関ごとや診療科毎に対象となる疾患が異なるため、疾患名や、症状/所見の観察頻度は、大きく異なっている。例えば心臓病の専門病院で胸部痛の訴えがあれば先ず心筋梗塞を疑うべきであるが、整形外科では肋骨骨折の可能性が高い。
このように、医療機関や病棟などの属性による頻度分布の差を考慮すべきである。
また、年齢性別、人種などの患者自体の属性によっても頻度分布の差が生じる。
このような属性による頻度分布の差を問い合わせ結果に反映させるため、疾患名確定症例登録手段において、医療機関、診療科、或いは担当医師などの診療側属性、年齢、性別、人種などの患者属性を症例データに付加する症例属性管理手段を備え、疾患名未確定症例問い合わせ手段において、診療側属性、患者属性を限定した症例データのみを検索の対象とする検索スコープ管理手段を備えることは有用である。

0067

本発明の診断支援システムはクラウド上に構築することを想定している。
しかし、医療機関によっては、セキュリティ上の理由からウェブへの接続をしないオンプレミスの電子カルテ運用を行っている。
このような場合、疾患名確定症例管理手段の管理内容の一部または全部を、別の疾患名確定症例管理手段にエクスポートすることで(疾患名確定症例エクスポート手段)、他医療機関と症例データを共有することが出来るし、場合によっては費用を分担してもらうことも考えられる。エクスポートされた内容を、自院に必要な分だけ、疾患名確定症例インポート手段でインポートすることで、自院の症例の特性に応じた症例データの共有を図れる。
この機能により、必ずしもウェブに常時接続しなくても、疾患名確定症例管理手段において他の医療機関を含めた十分な症例データの量を確保することが出来る。

0068

前記症状/所見管理手段、疾患名管理手段、疾患名確定症例登録手段の管理内容を画面上に展開し、閲覧する疾患名確定症例管理手段内容閲覧手段を備えると、管理内容の不整合発見したり、疾患名の推定や診察、検査を進めてゆくうえで論理の確認に有用である。

0069

本発明の診療支援システムデータベース実装するには、グラフデータベース、従来から多用されているリレーショナルデータベース(RDB)、最近ビッグデータ処理方法として注目を集めているキーバリューストアKVS)などがある。どの実装を用いても可能であるが、それぞれの特長/欠点がある。
まずグラフデータベースは、ネットワーク状グラフ関係を設定、表示することは得意だが、大規模処理では処理速度が速いとは言えず、大型の知識管理システムには不向きであろう。RDBでは、症例IDや疾患名、症状/所見名をキーとして、登録内容をXMLオブジェクトに格納して管理したりすればよい。
検索の自由度が高く、SQLなどの問い合わせ言語も完備されており、従前からのソフトウェア資産も多いため、RDBを用いた実装が現実的であろう。

0070

KVSでは、1〜数項目のデータ(カラム)とキーとなるデータのセットからなる。多種多様で自由な検索はRDBに劣る。しかし限られたカラムデータに対しては、大量のデータでもMap処理、Reduce処理などといった高速分散処理が可能である。
症例リストなど、1カラムだが数億個に達するような長大な症例リスト間の積集合を求める作業はRDBでも可能ではあるが、作業効率に限界がある。「糖尿病患者で、HbA1cが10を超えて、尿たんぱくが2+以上の症例の頻度はどれくらいか?」といった、複数の要因からなる頻度を大規模症例データから求める際は、時にRDBの処理能力を超えてしまう。このような場合は、糖尿病患者リスト、HbA1c>10の患者リスト、尿たんぱく>2+の患者リストの間で、積集合演算を行う必要がある。このような場合、KVSのMap/Reduceによる分散処理が極めて有効である。
このように、本発明の診療支援システムでは、データベースの実装方式を問わないが、基本部分をRDBで、症例リストなどの処理をKVSで行うなどの組み合わせが最も有効であろう。

0071

以上、実施例を説明してきたが、本発明の具体的な構成は前記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、本申請書で図示した症例データや疾患名、症状/所見名、観察頻度などは、あくまで説明のための例示に過ぎない。医学医療の実情に合わせて適切に設定すれば良い。

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