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技術 敗血症に関連する疾患のペプチドマーカー

出願人 株式会社プロトセラ
発明者 若林一郎田中憲次李良子
出願日 2018年7月23日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2018-137627
公開日 2020年1月30日 (11ヶ月経過) 公開番号 2020-016453
状態 未査定
技術分野 ペプチド又は蛋白質 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード 前回サンプリング 採取間隔 ブースティング法 バギング 薄層コーティング 被検者本人 機械学習法 救急医学
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

解決手段

被験者における播種性血管内凝固症候群(DIC)の検出方法は、被験者の生物試料中の、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号4で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド、その部分ペプチド、90%以上の数の同一アミノ酸配列を有するペプチド、又はその変異体ペプチドを測定することを含む。

概要

背景

敗血症は、感染に対する宿主生体反応調節不全で、生命脅かす臓器障害である。

敗血症が重症化すると、播種性血管内凝固症候群(DIC)の合併率が高まったり、敗血症性ショック発症したりする。

DICは、国際血栓止血学会の定義によると、さまざまな原因によって引き起こされる広範な血管内の凝固亢進を特徴とする後天的な症候群であり、極めて重症になると臓器障害をきたすことがある。DICの診断基準としては、旧厚生労働省DIC診断基準、国際血栓止血学会(ISTH)DIC診断基準、日本救急医学急性期DIC診断基準が従来から知られており、これらの基準は、基礎疾患臨床症状に加え、血小板数フィブリン分解産物FDP)濃度、プロトロンビン時間フィブリノゲン濃度、等の一般的止血系検査によるスコアリングでDICの診断を行うものであるが(非特許文献1)、迅速かつ高精度なDICの診断が求められている。

敗血症性ショックは、敗血症のなかでも、実質的に死亡率を上昇させる重度循環細胞・代謝の異常を呈するものである。敗血症ショックは、循環不全細胞機能及び代謝の異常により、死亡率が高くなった状態であるため、迅速かつ高精度なDICの早期診断が求められている。

概要

播種性血管内凝固症候群の検出のための新規ペプチドマーカーの提供。被験者における播種性血管内凝固症候群(DIC)の検出方法は、被験者の生物試料中の、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号4で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド、その部分ペプチド、90%以上の数の同一アミノ酸配列を有するペプチド、又はその変異体ペプチドを測定することを含む。

目的

本発明の目的は、DIC及び敗血症性ショック等の敗血症に関連する疾患の迅速かつ高精度な検出方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記(a)、(b)、(c)または(d)のペプチドを測定することを含む、該被験者における播種性血管内凝固症候群DIC)の検出方法。(a)被験者の生物試料中の、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号4で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド(b)上記(a)の各ペプチドの一部であって、配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列からなるペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有する、1種又は2種以上のペプチド(c)上記(a)のアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列を有する、1種又は2種以上のペプチド(d)上記(a)のペプチドのアミノ酸配列の各々において、1〜3個のアミノ酸が付加、欠失又は置換されている、1種又は2種以上のペプチド

請求項2

配列番号5で表されるアミノ酸配列のN末端から4番目リシン、10番目のプロリン、17番目のプロリン、20番目のプロリン、29番目のプロリン、及び34番目のプロリンが酸化されている請求項1に記載の検出方法。

請求項3

配列番号6で表されるアミノ酸配列のN末端から1番目のプロリン、10番目のプロリン、12番目のプロリン、31番目のプロリン、33番目のプロリン、及び36番目のプロリンが酸化されており、28番目のグルタミン脱アミド化されている請求項1に記載の方法。

請求項4

配列番号8で表されるアミノ酸配列のN末端から1番目のセリンアセチル化されている請求項1に記載の方法。

請求項5

前記生物試料が血液、血漿血清唾液、尿、髄液骨髄液胸水腹水関節液涙液眼房水硝子体液およびリンパ液からなる群より選択される体液からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

生体試料質量分析にかけることを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記(a)、(b)、(c)または(d)のペプチドの各々を特異的に認識する抗体を用いることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

下記(a)、(b)、(c)または(d)のペプチドの各々を特異的に認識する抗体を含む播種性血管内凝固症候群(DIC)の検出キット。(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号4で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド(b)上記(a)の各ペプチドの一部であって、配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列からなるペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有する、1種又は2種以上のペプチド(c)上記(a)のアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列を有する、1種又は2種以上のペプチド(d)上記(a)のペプチドのアミノ酸配列の各々において、1〜3個のアミノ酸が付加、欠失又は置換されている、1種又は2種以上のペプチド

請求項9

下記(a)、(b)、(c)または(d)のペプチドを測定することを含む、該被験者における敗血症性ショックの検出方法。(a)被験者の生物試料中の、配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号9で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号10で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド(b)上記(a)の各ペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有する、1種又は2種以上のペプチド(c)上記(a)のアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列を有する、1種又は2種以上のペプチド(d)上記(a)のペプチドのアミノ酸配列の各々において、1〜3個のアミノ酸が付加、欠失又は置換されている、1種又は2種以上のペプチド

請求項10

配列番号8で表されるアミノ酸配列のN末端から1番目のセリンがアセチル化されている請求項9に記載の方法。

請求項11

前記生物試料が血液、血漿、血清、唾液、尿、髄液、骨髄液、胸水、腹水、関節液、涙液、眼房水、硝子体液およびリンパ液からなる群より選択される体液からなる、請求項9又は10に記載の方法。

請求項12

生体試料を質量分析にかけることを含む、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

前記(a)、(b)、(c)または(d)のペプチドを特異的に認識する抗体を用いることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

下記(a)、(b)、(c)または(d)のペプチドを特異的に認識する抗体を含む敗血症性ショックの検出キット。(a)配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号9で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号10で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド(b)上記(a)の各ペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有する、1種又は2種以上のペプチド(c)上記(a)のアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列を有する、1種又は2種以上のペプチド(d)上記(a)のペプチドのアミノ酸配列の各々において、1〜3個のアミノ酸が付加、欠失又は置換されている、1種又は2種以上のペプチド

請求項15

下記(a)、(b)、(c)または(d)のペプチドからなる播種性血管内凝固症候群(DIC)の検出用ペプチド。(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号4で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド、(b)上記(a)の各ペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有する、1種又は2種以上のペプチド(c)上記(a)のアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列を有する、1種又は2種以上のペプチド(d)上記(a)のペプチドのアミノ酸配列の各々において、1〜3個のアミノ酸が付加、欠失又は置換されている、1種又は2種以上のペプチド

請求項16

下記(a)、(b)、(c)または(d)のペプチドからなる敗血症性ショックの検出用ペプチド。(a)配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号9で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号10で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド(b)上記(a)の各ペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有する、1種又は2種以上のペプチド(c)上記(a)のアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列を有する、1種又は2種以上のペプチド(d)上記(a)のペプチドのアミノ酸配列の各々において、1〜3個のアミノ酸が付加、欠失又は置換されている、1種又は2種以上のペプチド

技術分野

0001

本発明は、ペプチドマーカーを用いた敗血症に関連する疾患の検出方法に関し、より詳細には、ペプチドマーカーを用いた敗血症に関連する疾患の判定、予防効果の判定、治療効果の判定、早期診断のための検査方法早期治療のための検査方法、及び物質スクリーニング方法に関する。

背景技術

0002

敗血症は、感染に対する宿主生体反応調節不全で、生命脅かす臓器障害である。

0003

敗血症が重症化すると、播種性血管内凝固症候群(DIC)の合併率が高まったり、敗血症性ショック発症したりする。

0004

DICは、国際血栓止血学会の定義によると、さまざまな原因によって引き起こされる広範な血管内の凝固亢進を特徴とする後天的な症候群であり、極めて重症になると臓器障害をきたすことがある。DICの診断基準としては、旧厚生労働省DIC診断基準、国際血栓止血学会(ISTH)DIC診断基準、日本救急医学急性期DIC診断基準が従来から知られており、これらの基準は、基礎疾患臨床症状に加え、血小板数フィブリン分解産物FDP)濃度、プロトロンビン時間フィブリノゲン濃度、等の一般的止血系検査によるスコアリングでDICの診断を行うものであるが(非特許文献1)、迅速かつ高精度なDICの診断が求められている。

0005

敗血症性ショックは、敗血症のなかでも、実質的に死亡率を上昇させる重度循環細胞・代謝の異常を呈するものである。敗血症ショックは、循環不全細胞機能及び代謝の異常により、死亡率が高くなった状態であるため、迅速かつ高精度なDICの早期診断が求められている。

先行技術

0006

日本内科学雑誌第98巻 第7号・平成21年7月10日<URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/98/7/98_1634/_pdf>[平成29年10月30日検索

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、DIC及び敗血症性ショック等の敗血症に関連する疾患の迅速かつ高精度な検出方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、以下の項に記載の主題包含する。

0009

項1.下記 (a)、(b)、(c)または(d)のペプチドを測定することを含む、該被験者における播種性血管内凝固症候群(DIC)の検出方法。

0010

(a)被験者の生物試料中の、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号4で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド
(b)上記(a)の各ペプチドの一部であって、配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列からなるペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有する、1種又は2種以上のペプチド
(c)上記(a)のアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列を有する、1種又は2種以上のペプチド
(d)上記(a)のペプチドのアミノ酸配列の各々において、1〜3個のアミノ酸が付加、欠失又は置換されている、1種又は2種以上のペプチド

0011

項2.配列番号5で表されるアミノ酸配列のN末端から4番目リシン、10番目のプロリン、17番目のプロリン、20番目のプロリン、29番目のプロリン、及び34番目のプロリンが酸化されている項1に記載の検出方法。

0012

項3.配列番号6で表されるアミノ酸配列のN末端から1番目のプロリン、10番目のプロリン、12番目のプロリン、31番目のプロリン、33番目のプロリン、及び36番目のプロリンが酸化されており、28番目のグルタミン脱アミド化されている項1に記載の方法。

0013

項4.配列番号8で表されるアミノ酸配列のN末端から1番目のセリンアセチル化されている項1に記載の方法。

0014

項5.前記生物試料が血液、血漿血清唾液、尿、髄液骨髄液胸水腹水関節液涙液眼房水硝子体液およびリンパ液からなる群より選択される体液からなる、項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

0015

項6.生体試料質量分析にかけることを含む、項1〜5のいずれか一項に記載の方法。

0016

項7.前記 (a)、(b)、(c)または(d)のペプチドの各々を特異的に認識する抗体を用いることを特徴とする、項1〜6のいずれか一項に記載の方法。

0017

項8.下記 (a)、(b)、(c)または(d)のペプチドの各々を特異的に認識する抗体を含む播種性血管内凝固症候群(DIC)の検出キット

0018

(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号4で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド
(b)上記(a)の各ペプチドの一部であって、配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列からなるペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有する、1種又は2種以上のペプチド
(c)上記(a)のアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列を有する、1種又は2種以上のペプチド
(d)上記(a)のペプチドのアミノ酸配列の各々において、1〜3個のアミノ酸が付加、欠失又は置換されている、1種又は2種以上のペプチド

0019

項9.下記(a)、(b)、(c)または(d)のペプチドを測定することを含む、該被験者における敗血症性ショックの検出方法。

0020

(a)被験者の生物試料中の、配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号9で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号10で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド
(b)上記(a)の各ペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有する、1種又は2種以上のペプチド
(c)上記(a)のアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列を有する、1種又は2種以上のペプチド
(d)上記(a)のペプチドのアミノ酸配列の各々において、1〜3個のアミノ酸が付加、欠失又は置換されている、1種又は2種以上のペプチド

0021

項10.配列番号8で表されるアミノ酸配列のN末端から1番目のセリンがアセチル化されている項9に記載の方法。

0022

項11.前記生物試料が血液、血漿、血清、唾液、尿、髄液、骨髄液、胸水、腹水、関節液、涙液、眼房水、硝子体液およびリンパ液からなる群より選択される体液からなる、項9又は10に記載の方法。

0023

項12.生体試料を質量分析にかけることを含む、項9〜11のいずれか一項に記載の方法。

0024

項13.前記 (a)、(b)、(c)または(d)のペプチドを特異的に認識する抗体を用いることを特徴とする、項9〜11のいずれか一項に記載の方法。

0025

項14.下記 (a)、(b)、(c)または(d)のペプチドを特異的に認識する抗体を含む敗血症性ショックの検出キット。

0026

(a)配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号9で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号10で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド
(b)上記(a)の各ペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有する、1種又は2種以上のペプチド
(c)上記(a)のアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列を有する、1種又は2種以上のペプチド
(d)上記(a)のペプチドのアミノ酸配列の各々において、1〜3個のアミノ酸が付加、欠失又は置換されている、1種又は2種以上のペプチド

0027

項15.下記 (a)、(b)、(c)または(d)のペプチドからなる播種性血管内凝固症候群(DIC)の検出用ペプチド。

0028

(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号4で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド、
(b)上記(a)の各ペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有する、1種又は2種以上のペプチド
(c)上記(a)のアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列を有する、1種又は2種以上のペプチド
(d)上記(a)のペプチドのアミノ酸配列の各々において、1〜3個のアミノ酸が付加、欠失又は置換されている、1種又は2種以上のペプチド

0029

項16.下記 (a)、(b)、(c)または(d)のペプチドからなる敗血症性ショックの検出用ペプチド。

0030

(a)配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号9で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号10で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド
(b)上記(a)の各ペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有する、1種又は2種以上のペプチド
(c)上記(a)のアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列を有する、1種又は2種以上のペプチド
(d)上記(a)のペプチドのアミノ酸配列の各々において、1〜3個のアミノ酸が付加、欠失又は置換されている、1種又は2種以上のペプチド

発明の効果

0031

本発明によれば、敗血症に関連する疾患、特にはDIC及び敗血症性ショックを迅速かつ極めて高い信頼性で判定できるため、該疾患の判定、予防効果の判定、治療効果の判定、早期診断、早期治療のための検査方法、及び物質のスクリーニング方法が可能となる。

図面の簡単な説明

0032

(A)1番目のバイオマーカーペプチドの箱ひげ図。縦軸BLOTCHIP(登録商標)-MSにより分析した各ペプチドのピーク強度横軸:(左)非DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=12)、(右)DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=8)。(B)(A)のROC曲線図。縦軸:感度(Sens;有病正診率)、横軸:特異度(Spec;無病正診率)。AUC値及びカットオフ値を図中に示した。
(A)2番目のバイオマーカーペプチドの箱ひげ図。縦軸:BLOTCHIP(登録商標)-MSにより分析した各ペプチドのピーク強度、横軸:(左)非DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=12)、(右)DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=8)。(B)(A)のROC曲線図。縦軸:感度(Sens;有病正診率)、横軸:特異度(Spec;無病正診率)。AUC値及びカットオフ値を図中に示した。
(A)3番目のバイオマーカーペプチドの箱ひげ図。縦軸:BLOTCHIP(登録商標)-MSにより分析した各ペプチドのピーク強度、横軸:(左)非DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=12)、(右)DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=8)。(B)(A)のROC曲線図。縦軸:感度(Sens;有病正診率)、横軸:特異度(Spec;無病正診率)。AUC値及びカットオフ値を図中に示した。
(A)4番目のバイオマーカーペプチドの箱ひげ図。縦軸:BLOTCHIP(登録商標)-MSにより分析した各ペプチドのピーク強度、横軸:(左)非DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=12)、(右)DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=8)。(B)(A)のROC曲線図。縦軸:感度(Sens;有病正診率)、横軸:特異度(Spec;無病正診率)。AUC値及びカットオフ値を図中に示した。
(A)5番目のバイオマーカーペプチドの箱ひげ図。縦軸:BLOTCHIP(登録商標)-MSにより分析した各ペプチドのピーク強度、横軸:(左)非DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=12)、(右)DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=8)。(B)(A)のROC曲線図。縦軸:感度(Sens;有病正診率)、横軸:特異度(Spec;無病正診率)。AUC値及びカットオフ値を図中に示した。
(A)6番目のバイオマーカーペプチドの箱ひげ図。縦軸:BLOTCHIP(登録商標)-MSにより分析した各ペプチドのピーク強度、横軸:(左)非DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=12)、(右)DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=8)。(B)(A)のROC曲線図。縦軸:感度(Sens;有病正診率)、横軸:特異度(Spec;無病正診率)。AUC値及びカットオフ値を図中に示した。
(A)7番目のバイオマーカーペプチドの箱ひげ図。縦軸:BLOTCHIP(登録商標)-MSにより分析した各ペプチドのピーク強度、横軸:(左)非DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=12)、(右)DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=8)。(B)(A)のROC曲線図。縦軸:感度(Sens;有病正診率)、横軸:特異度(Spec;無病正診率)。AUC値及びカットオフ値を図中に示した。
(A)8番目のバイオマーカーペプチドの箱ひげ図。縦軸:BLOTCHIP(登録商標)-MSにより分析した各ペプチドのピーク強度、横軸:(左)非DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=12)、(右)DIC患者群から採取した血液のサンプル(n=8)。(B)(A)のROC曲線図。縦軸:感度(Sens;有病正診率)、横軸:特異度(Spec;無病正診率)。AUC値及びカットオフ値を図中に示した。
(A)9番目のバイオマーカーペプチドの箱ひげ図。縦軸:BLOTCHIP(登録商標)-MSにより分析した各ペプチドのピーク強度、横軸:(左)敗血症性ショックに罹患していない敗血症患者群から採取した血液のサンプル(n=10)、(右)敗血症性ショックに罹患している敗血症患者群から採取した血液のサンプル(n=10)(B)(A)のROC曲線図。縦軸:感度(Sens;有病正診率)、横軸:特異度(Spec;無病正診率)。AUC値及びカットオフ値を図中に示した。
(A)10番目のバイオマーカーペプチドの箱ひげ図。縦軸:BLOTCHIP(登録商標)-MSにより分析した各ペプチドのピーク強度、横軸:(左)敗血症性ショックに罹患していない敗血症患者群から採取した血液のサンプル(n=10)、(右)敗血症性ショックに罹患している敗血症患者群から採取した血液のサンプル(n=10)(B)(A)のROC曲線図。縦軸:感度(Sens;有病正診率)、横軸:特異度(Spec;無病正診率)。AUC値及びカットオフ値を図中に示した。
(A)8番目のバイオマーカーペプチドの箱ひげ図。縦軸:BLOTCHIP(登録商標)-MSにより分析した各ペプチドのピーク強度、横軸:(左)敗血症性ショックに罹患していない敗血症患者群から採取した血液のサンプル(n=10)、(右)敗血症性ショックに罹患している敗血症患者群から採取した血液のサンプル(n=10)(B)(A)のROC曲線図。縦軸:感度(Sens;有病正診率)、横軸:特異度(Spec;無病正診率)。AUC値及びカットオフ値を図中に示した。

0033

本発明は、新規かつ有用な、敗血症に関連する疾患の検出マーカーペプチド(以下、包括して「本発明のペプチド」という場合もある)を提供する。

0034

なお、本明細書において、敗血症に関連する疾患の「検出」には、敗血症に関連する疾患の判定、予防効果の判定、治療効果の判定、診断(特には早期診断)のための検査方法、及び治療(特には早期治療)のための検査方法が含まれる。敗血症に関連する疾患の「判定」には、敗血症に関連する疾患の有無を判定することのみならず、予防的に敗血症に関連する疾患の罹患可能性を判定することや、治療後の敗血症に関連する疾患の予後を予測すること、及び敗血症に関連する疾患の治療剤の治療効果を判定することが含まれる。物質のスクリーニング方法には、敗血症に関連する疾患の「検出」、「判定」及び「治療」に有用な物質のスクリーニング方法が含まれる。

0035

本明細書において、「罹患」には「発症」が含まれる。

0036

本明細書において、「治療」とは、疾患もしくは症状の治癒又は改善、或いは症状の抑制を意味し、「予防」を含む。「予防」とは、疾患又は症状の発現を未然に防ぐことを意味する。

0037

本発明の被験者における敗血症に関連する疾患の検出方法に用いられるペプチドは、被験者の生物試料中に見出される、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号8で表されるアミノ酸配列からなるペプチドからなるペプチド、配列番号9で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、及び配列番号10で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである。配列番号1〜10のアミノ酸配列は以下の表1に示す通りである。

0038

0039

配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる1番目のペプチドは、α−2−HS−糖蛋白質部分配列である。配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる2番目のペプチドは、血液凝固I因子フィブリノーゲンα鎖の部分配列である。配列番号3で表される
アミノ酸配列からなる3番目のペプチドは、血液凝固第I因子(フィブリノーゲン)β鎖
の部分配列である。配列番号4で表されるアミノ酸配列からなる4番目のペプチドは、血清アルブミンの部分配列である。配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる5番目のペプチド及び配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる6番目のペプチドは、コラーゲンα−1の部分配列である。配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる7番目のペプチドは、血清アミロイドA−2タンパク質の部分配列である。配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる8番目のペプチドは、血液凝固第XIII因子(γグルタミルトランスフェラーゼ)の部分配列である。配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる9番目のペプチドは、血清アミロイドA−1タンパク質の部分配列である。配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる10番目のペプチドは、血液凝固第I因子(フィブリノーゲン)α鎖の部分
配列である。

0040

1〜8番目のペプチドは、DICの検出、特にはDICの罹患の有無の判定又は診断に有用な特異的マーカーとして使用することができる。DIC群患者では、1〜6,8番目のペプチドの量は非DIC群患者に比べて減少するが、7番目のペプチドの量が非DIC群患者に比べて上昇する。

0041

8〜10番目のペプチドは、敗血症性ショックの検出、特には敗血症性ショックの罹患の有無の判定又は診断に有用な特異的マーカーとして使用することができる。敗血症性ショック患者では、8番目及び9番目のペプチドの量が敗血症性ショックに罹患していない敗血症患者に比べて減少するが、10番目のペプチドの量は敗血症性ショックに罹患していない敗血症患者に比べて上昇する。

0042

DIC発病及び敗血症性ショックの発症によるこのようなペプチドの増減のデータは今までに存在しなかった。以上の成績と理論から、本特許がカバーするペプチドとそれを使用した検査、判定、診断、診察、物質スクリーニング法は、播種性血管内凝固症候群(DIC)及び敗血症性ショックを含む敗血症に関連する疾患に適応可能である。

0043

本発明においては、上記のインタクトなペプチドをマーカーとして用いることが好ましいが、配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列からなるペプチドの一部であるペプチド、配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列を有するペプチド、ならびに配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列において、1個または数個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1または2個)のアミノ酸が修飾、特には欠失、置換、付加されたアミノ酸配列からなる変異体ペプチドも、本発明の方法においてバイオマーカーとして用いることができる。

0044

本発明において使用するペプチドが配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列からなるペプチドの一部である場合、かかる部分ペプチドは、配列番号1〜10の各ペプチドのアミノ酸残基のうち、連続する10個以上のアミノ酸を意味し、好ましくは連続する15個以上のアミノ酸を意味し、より好ましくは連続する20個以上のアミノ酸を意味し、より好ましくは連続する23個以上、さらにより好ましくは連続する25個以上のアミノ酸を意味する(ただし、配列番号1〜10のペプチドの各ペプチドの全長を上限とする)。

0045

配列番号1〜10に表される全長アミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列を有するペプチドは、その全長が、配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列の長さ以下であることが好ましい。また、かかるペプチドの配列同一性は、配列番号1〜10に表される全長アミノ酸配列に対し、95%以上であることが好ましく、98%以上であることがより好ましい。

0046

さらに、本発明のペプチドは、特定のアミノ酸に酸素原子が結合して酸化されたり、リン酸化されたり、N−アセチル化されたり、S−システイン化されたりしている場合がある。 このような場合も、配列番号1〜10で表されるアミノ酸配列を有するペプチドである限り、本発明の範囲に包含される。

0047

好ましくは、配列番号5で表されるアミノ酸配列のN末端から4番目のリシン、10番目のプロリン、17番目のプロリン、20番目のプロリン、29番目のプロリン、及び34番目のプロリンが酸素で酸化されている。

0048

好ましくは、配列番号6で表されるアミノ酸配列のN末端から1番目のプロリン、10番目のプロリン、12番目のプロリン、31番目のプロリン、33番目のプロリン、及び36番目のプロリンが酸素により酸化されており、28番目のグルタミンが脱アミド化されている。

0049

好ましくは、配列番号8で表されるアミノ酸配列のN末端から1番目のセリンがアセチル化されている。

0050

なお、配列番号1〜10で表されるアミノ酸配列を有するペプチドの上記修飾体は、質量分析にて非修飾体(インタクト)と区別が可能であり、疾患の検出、判定及び治療等には修飾ペプチドまたは非修飾ペプチドのいずれを適切な状況で使用することも本発明の範囲に包含される。

0051

本発明は、被験者の生物試料中の、上記の10個の本発明のペプチドのうちの1種又は2種以上を測定することを含む、該被験者における敗血症に関連する疾患の検出又は判定方法を包含する。

0052

好ましい一つの実施形態において、被験者における敗血症に関連する疾患は播種性血管内凝固症候群(DIC)であり、本発明のペプチドは、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号4で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチドである。

0053

別の一つの実施形態において、被験者における敗血症に関連する疾患は敗血症性ショックであり、本発明のペプチドは、配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号9で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号10で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチドである。

0054

被験者には、敗血症に関連する疾患に罹患していると疑われる患者を含み、「敗血症に関連する疾患に罹患していると疑われる被検者」は、被検者本人主観的に疑いを抱く者(何らかの自覚症状がある者に限らず、単に予防検診受診希望する者を含む)であっても、何らかの客観的根拠に基づく者(例えば、従来公知の臨床検査(例、心拍血圧、血液又は尿検査)および/または診察の結果、敗血症に関連する疾患の合理的な罹患可能性があると医師が判断した者)であってもよい。

0055

「ペプチドを測定する」とはペプチドの濃度、量、又はシグナル強度を測定することを指す。

0056

被験試料となる被検者由来の生体試料は特に限定されないが、被検者への侵襲が少ないものであることが好ましく、例えば、血液、血漿、血清、唾液、尿、涙液など生体から容易に採取できるものや、髄液、骨髄液、胸水、腹水、関節液、眼房水、硝子体液、リンパ液など比較的容易に採取されるものが挙げられる。一実施形態では、生物試料が血液、血漿、血清、唾液、尿、髄液、骨髄液、胸水、腹水、関節液、涙液、眼房水、硝子体液およびリンパ液からなる群より選択される体液からなる。血清や血漿を用いる場合、常法に従って被検者から採血し、前処理を施さず直接、又は液性成分を分離することにより分析にかける被験試料を調製することができる。検出対象である本発明のペプチドは必要に応じて、抗体カラムスピンカラムなどを用いて、予め高分子量蛋白質画分などを分離除去しておくこともできる。

0057

生体試料中の、本発明のペプチドの検出は、例えば、生体試料を各種の分子量測定法、例えば、ゲル電気泳動や、各種の分離精製法(例:イオン交換クロマトグラフィ疎水性クロマトグラフィアフィニティークロマトグラフィ、逆相クロマトグラフィなど)、表面プラズモン共鳴法イオン化法(例:電子衝撃イオン化法フィールドディソープション法、二次イオン化法、高速原子衝突法、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法、エレクトロスプレーイオン化法など)、および質量分析計(例:二重収束質量分析計、四重極分析計飛行時間型質量分析計フーリエ変換質量分析計、イオンサイクロトロン質量分析計、免疫質量分析計、安定同位体ペプチドを内部標準にした質量分析計、免疫顕微鏡計など)を組み合わせる方法等に供し、該ペプチドの分子量と一致するバンドもしくはスポット、あるいはピークを検出することにより行うことができるが、これらに限定されない。

0058

本発明のペプチドを精製してそれらを認識する抗体を作製し、ELISA,RIA,イムノクロマト法、表面プラズモン共鳴法、ウェスタンブロッティング、免疫質量分析法や各種イムノアッセイ、免疫顕微鏡法により該ペプチドを検出する方法もまた、好ましく用いられ得る。さらに上記方法のハイブリッド型検出法も有効である。

0059

本発明の検出又は判定方法における特に好ましい測定法の1つは、飛行時間型質量分析に使用するプレートの表面に被験試料を接触させ、該プレート表面に捕捉された成分の質量を飛行時間型質量分析計で測定する方法が挙げられる。飛行時間型質量分析計に適合可能なプレートは、検出対象である本発明のペプチドを効率よく吸着し得る表面構造(例:官能基付加ガラス、Si、Ge、GaAsGaP、SiO2、SiN4、改質シリコン、種々のゲルまたはポリマーコーティング)を有している限り、いかなるものであってもよい。

0060

好ましい実施態様においては、質量分析用プレートとして用いられる支持体は、ポリビニリデンジフロリドPVDF)、ニトロセルロースまたはシリカゲル、特に好ましくはPVDFで薄層コーティングされた基材である(WO 2004/031759を参照)。かかる基材は、質量分析用プレートにおいて使用されているものであれば、特に限定されず、例えば、絶縁体、金属、導電性ポリマー、それらの複合体などが挙げられる。かかるPVDFで薄層コーティングされた質量分析用プレートとして、好ましくは株式会社プロトセラ社のブロットチップ(BLOTCHIP,登録商標)などが挙げられる。BLOTCHIP(登録商標)を用いると、一つのステップでペプチドを直接転写でき、アルブミン等によるサンプルの前処理が不要であり、従来は検出できなかった低濃度フェムトモルピコモル)のペプチドが検出できる。
代わりに、質量分析用プレートは、支持体表面を塗布、噴霧蒸着、浸漬、印刷スパッタリング等の公知の手段でコーティングすることにより、公知の方法により調製することもできる。また、質量分析用プレート上の分子を質量分析する方法自体は公知である(例えばWO 2004/031759)。WO 2004/031759に記載の方法を、必要に応じて適宜改変して使用することができる。

0061

被験試料の質量分析用プレート(支持体)への移行は、被験試料となる被検者由来の生体試料を未処理のままで、あるいは抗体カラムその他の方法で高分子タンパク質を除去、濃縮した後に、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動もしくは等電点電気泳動に付し、泳動後ゲルをプレートと接触させて転写ブロッティング)することにより行われる。転写の方法自体は公知であり、好ましくは電気転写が用いられる。電気転写時に使用する緩衝液としては、pH 7〜9、低塩濃度の公知の緩衝液を用いることが好ましい(例えばトリス緩衝液リン酸緩衝液ホウ酸緩衝液酢酸緩衝液など)。

0062

上記の方法により支持体表面上に捕捉された被験試料中の分子を質量分析することにより、分子量に関する情報から、標的分子である本発明のペプチドの存在および量を同定することができる。質量分析装置からの情報を、任意のプログラムを用いて、非罹患がん患者、処置後の患者(フォローアップ)、もしくは健常人由来の生体試料における質量分析データと比較して、示差的な(differential)情報として出力させることも可能である。そのようなプログラムは周知であり、また、当業者は、公知の情報処理技術を用いて、容易にそのようなプログラムを構築もしくは改変することができることが理解されよう。

0063

高精度な質量分析結果を得るためには、高速液体クロマトグラフィに接続した三連四重極型等の質量分析装置を用いて分析する。標的分子の安定同位体標識ペプチドを合成して、それを既知量の内部標準品として被験試料に混合し、逆相固相担体等でペプチド画分の粗精製を実施する。高速液体クロマトグラフィに導入後、分離された各ペプチドは質量分析装置内でイオン化され、その後コリジョンセル内断片化、得られたペプチドフラグメントをmultiple reaction monitoring法により定量する。この際、安定同位体標識ペプチドを内部標準として用いることでCV値が5%以下の実測データを取得できる。安定同位体標識ペプチドは、Cambridge Isotope Laboratory(MA, USA)より購入した安定同位体標識アミノ酸(アミノ酸a(13C6,15N2)は、安定同位体炭素原子量13)6個と、安定同位体窒素(原子量15)2個で置換された質量数が元のアミノ酸より8原子量増加したアミノ酸aを例示)を元のアミノ酸の配列位置に置換して既存の合成法(たとえばF-mocによる固相反応)により得られる。質量分析は株式会社プロトセラ社のBLOTCHIP(登録商標)システムでも実施可能であり、これらの方法は抗体を使用しない検出装置として臨床使用できる。

0064

上記の質量分析による検出において、タンデム質量分析(MS/MS)法を用いてペプチドを同定することができ、かかる同定法としては、MS/MSスペクトル解析してアミノ酸配列を決定するde novo sequencing法と、MS/MSスペクトル中に含まれる部分的な配列情報質量タグ)を用いてデータベース検索を行い、ペプチドを同定する方法等が挙げられる。また、MS/MS法を用いることにより、直接本発明のペプチドのアミノ酸配列を同定し、該配列情報に基づいて該ペプチドの全部もしくは一部を合成し、これを以下の抗体に対する抗原として利用することもできる。

0065

本発明のペプチドの測定は、それに対する抗体を用いて行うこともできる。よって、本発明は、ペプチドを特異的に認識する抗体を用いた敗血症に関連する疾患の検出又は判定方法、かかる抗体を含む敗血症に関連する疾患の検出又は判定剤、ならびにかかる抗体を含む敗血症に関連する疾患の検出又は判定キットを含む。かかる方法は、最適化されたイムノアッセイ系を構築してこれをキット化すれば、上記質量分析装置のような特殊な装置を使用することなく、高感度かつ高精度に該ペプチドを検出することができる点で、特に有用である。

0066

本発明のペプチドに対する抗体は、例えば、本発明のペプチドを、これを発現する患者由来の生体試料から単離・精製し、該ペプチドを抗原として動物を免疫することにより調製することができる。あるいは、得られるペプチドの量が少量である場合は、RT-PCRによる該ペプチドをコードするcDNA断片増幅等の周知の遺伝子工学的手法によりペプチドを大量に調製することができ、あるいはかかるcDNA鋳型として、無細胞転写・翻訳系を用いて本発明のペプチドを取得することもできる。さらに有機合成法により大量に調製することも可能である。

0067

本発明のペプチドに対する抗体(以下、「本発明の抗体」と称する場合がある)は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれであってもよく、周知の免疫学的手法により作製することができる。また、該抗体は完全抗体分子だけでなくそのフラグメントをも包含し、例えば、Fab、F(ab')2、ScFv、およびminibody等が挙げられる。

0068

例えば、ポリクローナル抗体は、本発明のペプチドを抗原として、市販のアジュバント(例えば、完全または不完全フロイントアジュバント)とともに、動物の皮下あるいは腹腔内に2〜3週間おきに2〜4回程度投与し、最終免疫後に全血を採取して抗血清を精製することにより取得できる。抗原を投与する動物としては、ラットマウスウサギヤギヒツジウマモルモットハムスターなど、目的の抗体を得ることができる哺乳動物が挙げられる。

0069

また、モノクローナル抗体は、細胞融合法により作成することができる。モノクローナル抗体を調製するための技法の説明は、Stites et al, Basic and Clinical Immunology.(Lang Medical Publications Los Altos.CA.4th Edition) and references therein, 、in particular Koehler, G.& Milstein, C.Nature 256, 495-497 (1975).に見出され得る。例えば、本発明のペプチドを市販のアジュバントと共にマウスに2〜4回皮下あるいは腹腔内に投与し、最終投与後に脾臓あるいはリンパ節を採取し、白血球を採取する。この白血球と骨髄腫細胞(例えば、NS-1, P3X63Ag8など)を細胞融合して該ペプチドに対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを得る。所望のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、周知のEIAまたはRIA法等を用いて抗原と特異的に結合する抗体を、培養上清中から検出することにより選択できる。モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの培養は、インビトロ、またはマウスもしくはラット、このましくはマウス腹水中等のインビボで行うことができ、抗体はそれぞれハイブリドーマの培養上清および動物の腹水から取得することができる。

0070

抗体を用いる本発明の検出又は判定方法は、特に制限されるべきものではなく、被験試料中の抗原量に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法等が好適に用いられる。測定に際し、抗体または抗原は、放射性同位元素酵素蛍光物質、または発光物質等の標識剤と結合され得る。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン-アビジン系を用いることもできる。これら個々の免疫学的測定法は、当業者の通常の技能により、本発明の定量方法に適用可能である。

0071

本発明のペプチドはタンパク質分解産物からなるため、未分解のタンパク質や、切断部位が共通の類似ペプチド等様々な分子が測定値に影響を与える可能性がある。そこで、第1工程において、生体試料を抗体により免疫アフィニティ精製し、抗体に結合したフラクションを、第2工程において質量分析に付し、精緻な分子量を基準に同定、定量する、いわゆる免疫質量分析法を利用することができる(例えば、Rapid Commun.Mass Spectrom.2007, 21: 352-358を参照)。免疫質量分析法によれば、未分解のタンパク質も類似ペプチドも、質量分析計で完全に分離され、バイオマーカーの正確な分子量を基準に高い特異度と感度で定量が可能となる。

0072

あるいは、本発明の抗体を用いる別の本発明の検出又は判定方法として、該抗体を上記したような質量分析計に適合し得るチップの表面上に固定化し、該チップ上の該抗体に被検試料を接触させ、該抗体に捕捉された生体試料成分を質量分析にかけ、該抗体が認識するマーカーペプチドの分子量に相当するピークを検出する方法が挙げられる。

0073

上記のいずれかの方法により測定された被検者由来試料中の本発明のペプチドのレベルが、非敗血症に関連する疾患患者、処置後の患者もしくは健常人由来の対照試料中の該ペプチドレベルに比べて有意に変動している場合、該被検者は敗血症に関連する疾患に罹患している可能性が高いと判定することができる。

0074

本発明のペプチドは、それぞれ単独でも敗血症に関連する疾患の検出マーカーとして利用することができるが、2種以上を組み合わせることにより、感度(有病正診率)および特異度(無病正診率)をより高めることができる。

0075

2種以上のペプチドをマーカーとして用いる場合の検出手法としては、例えば、(1)測定対象であるすべてのペプチドについてレベルが有意に変動する場合に敗血症に関連する疾患に罹患していると判定し、いずれかのペプチドについてレベルが有意に変動しない場合に敗血症に関連する疾患に罹患していないと判定する方法、(2) 測定対象であるすべてのペプチドについてレベルが有意に変動しない場合に敗血症に関連する疾患に罹患していないと判定し、いずれかのペプチドについてレベルが有意に変動した場合に敗血症に関連する疾患に罹患していると判定する方法、(3) 測定対象であるn個のペプチドのうち、例えば、2〜(n-1)個以上のペプチドについて、レベルが有意に変動する場合に敗血症に関連する疾患に罹患していると判定する方法、さらに各ペプチド間で重みを持たせる方法、ならびに(4)バギング法、ブースティング法ランダムフォレスト法などの機械学習法、などが考えられるが、特には複数のマーカーペプチドを1つのマーカーセットとして取り扱うことが出来る解析手法である多変量ロジスティック回帰分析を用いることが好ましい。この場合、マーカーとして用いるペプチドの数は特に限定されないが、好ましくは2種以上、より好ましくは3〜6種、さらにより好ましくは3〜5種である。

0076

本願では、質量分析により特定された候補ペプチドの多変量ロジスティック回帰モデル最尤法により構築したところ、ROCの曲線下面積(AUC)が高い(5つのマーカーペプチドで0.9を超える)極めて信頼性の高い敗血症に関連する疾患の検出又は判定が可能であることを見出した。検出又は測定されるペプチドの数が多いほど、検査の精度は向上する。

0077

検出又は測定されるペプチドの数は、本発明の検査方法におけるAUCが或る閾値を超える値となる数であることが好ましい。閾値は0.5を超えることが好ましく、0.6を超えることがより好ましく、0.7を超えることがさらに好ましい。ペプチドの数を増やすほど約1に近づけることが可能である。

0078

配列番号1〜10で表わされるアミノ酸配列を有する複数のペプチドの血中濃度関数であるロジスティック回帰モデルによれば、AUCがより1に近づき、高い精度で敗血症に関連する疾患を検出することができる。

0079

本発明の検出方法は、患者から時系列で生体試料を採取し、各試料における本発明のペプチドの発現の経時変化を調べることにより行うこともできる。生体試料の採取間隔は特に限定されないが、患者のQOLを損なわない範囲でできるだけ頻繁にサンプリングすることが望ましく、例えば、血漿もしくは血清を試料として用いる場合、約1日〜約1月間の間隔で採血を行うことが好ましい。

0080

さらに、上記時系列的なサンプリングによる敗血症に関連する疾患の検出方法は、前回サンプリングと当回サンプリングとの間に、被検者である患者に対して該疾患の治療措置が講じられた場合に、当該措置による治療効果を評価するのに用いることができる。即ち、治療の前後にサンプリングした試料について、治療後の状態が治療前の状態と比較して病態の改善が認められると判定された場合に、当該治療の効果があったと評価することができる。一方、治療後の状態が治療前の状態と比較して病態の改善が認められない、あるいはさらに悪化していると判定された場合には、当該治療の効果がなかったと評価することができる。

0081

さらに、上記時系列的なサンプリングによる敗血症に関連する疾患の検出のための検査方法は、食事療法禁煙運動療法、有害環境からの隔離等、敗血症に関連する疾患の罹患リスク低減措置後の予防効果を評価するのに用いることができる。即ち、罹患リスクの低減措置の施行の前後にサンプリングした試料について、施行後の状態が施行前の状態と比較して病態の発症もしくは進行が認められないと判定された場合に、当該措置の施行の効果があったと評価することができる。一方、治療後の状態が治療前の状態と比較して病態の改善が認められない、あるいはさらに悪化していると判定された場合には、当該措置の施行の効果がなかったと評価することができる。

0082

従って、本発明のペプチドならびに方法は、敗血症に関連する疾患を診断または検出するマーカーのみならず、敗血症に関連する疾患の予後を予測するマーカー、ならびに治療効果判定のマーカーともなり得る。すなわち、本発明のペプチドならびに方法は、敗血症に関連する疾患の治療の創薬標的分子のスクリーニングに、および/または患者(リスポンダー)の選別もしくは薬の投与量(用量)の調節のためのコンパニオン診断薬として使用することができる。

0083

また、本発明のペプチドならびに方法は、物質のスクリーニング方法に使用できる。この場合の物質には、敗血症に関連する疾患を未病段階で防止する健康食品やトクホ製品などの食品類、敗血症に関連する疾患を診断または検出するマーカー類、及び罹患後の敗血症に関連する疾患を治療する治療薬医薬品類が含まれる。

0084

一実施形態において、本発明は、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号4で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号9で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号10で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種のペプチド、配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列からなるペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有するペプチド、配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種のペプチド、配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種のペプチド、または配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列において、1個または数個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1または2個)のアミノ酸が修飾、特には欠失、置換、付加されたアミノ酸配列からなるペプチドからなる群から選択される1種又は2種のペプチドの各々に対する抗体を含む敗血症に関連する疾患の検出キットを包含する。

0085

上記検出キットの好ましい一つの実施形態において、被験者における敗血症に関連する疾患は播種性血管内凝固症候群(DIC)であり、上記抗体は、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号4で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド、配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列からなるペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有するペプチド、配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種のペプチド、または配列番号1〜8に表されるアミノ酸配列において、1個または数個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1または2個)のアミノ酸が修飾、特には欠失、置換、付加されたアミノ酸配列からなるペプチドからなる群から選択される1種又は2種のペプチドの各々に対する抗体である。

0086

上記検出キットの別の好ましい一つの実施形態において、敗血症に関連する疾患は敗血症性ショックであり、上記抗体は、配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号9で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号10で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド、配列番号8〜10に表されるアミノ酸配列からなるペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有するペプチド、配列番号8〜10に表されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種のペプチド、または配列番号8〜10に表されるアミノ酸配列において、1個または数個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1または2個)のアミノ酸が修飾、特には欠失、置換、付加されたアミノ酸配列からなるペプチドからなる群から選択される1種又は2種のペプチドの各々に対する抗体である。

0087

本発明のペプチドは、敗血症に関連する疾患の創薬ターゲットを提供することもできる。即ち、該ペプチドそれ自体が該疾患の治療(寛解)方向に生理機能を持つ(「治療ペプチド」という)場合、該ペプチドの量もしくは活性を増大させる物質を患者に投与することにより、該疾患を治療することができる。

0088

本発明はまた、治療ペプチドとしての本発明のペプチドの量もしくは活性を増大させる物質を含有してなる、敗血症に関連する疾患の治療剤を提供する。そのような治療ペプチドとしての本発明のペプチドの量もしくは活性を増大させる物質の有効量が、敗血症に関連する疾患の患者に投与される。

0089

上記治療剤の好ましい一つの実施形態において、被験者における敗血症に関連する疾患は播種性血管内凝固症候群(DIC)であり、上記治療ペプチドは、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号4で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド、配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列からなるペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有するペプチド、配列番号1〜10に表されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種のペプチド、または配列番号1〜8に表されるアミノ酸配列において、1個または数個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1または2個)のアミノ酸が修飾、特には欠失、置換、付加されたアミノ酸配列からなるペプチドからなる群から選択される1種又は2種のペプチドである。

0090

上記治療剤の別の好ましい一つの実施形態において、敗血症に関連する疾患は敗血症性ショックであり、上記治療ペプチドは、配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号9で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、及び配列番号10で表されるアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種以上のペプチド、配列番号8〜10に表されるアミノ酸配列からなるペプチドの一部であって、連続する10個以上のアミノ酸を有するペプチド、配列番号8〜10に表されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するペプチドからなる群から選択される1種又は2種のペプチド、または配列番号8〜10に表されるアミノ酸配列において、1個または数個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1または2個)のアミノ酸が修飾、特には欠失、置換、付加されたアミノ酸配列からなるペプチドからなる群から選択される1種又は2種のペプチドである。

0091

具体的には、治療ペプチドとしての本発明のペプチドの活性を増大させる物質としては、該ペプチド自体あるいはそれと同様のアゴニスト作用を有する分子が挙げられる。あるいは、治療ペプチドとしての本発明のペプチドの活性を増大させる物質として、該ペプチドの非中和抗体、好ましくはアゴニスト抗体なども挙げることができる。

0092

治療ペプチドとしての本発明のペプチドの量もしくは活性を増大させる物質は、常套手段に従って製剤化することができる。

0093

例えば、経口投与のための組成物としては、固体または液体剤形、具体的には錠剤糖衣錠フィルムコーティング錠を含む)、丸剤顆粒剤散剤カプセル剤ソフトカプセル剤を含む)、シロップ剤乳剤懸濁剤などがあげられる。かかる組成物は自体公知の方法によって製造され、製剤分野において通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有するものである。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、乳糖でんぷん蔗糖ステアリン酸マグネシウムなどが用いられる。かかる経口剤には、脳血管障壁(BBB)を通過する性状を持つものも含まれる。

0094

非経口投与のための組成物としては、例えば、注射剤坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤F、点滴注射剤、関節内注射剤などの剤形を包含する。注射剤、坐剤などでは、有効成分(該ペプチド)の血中濃度の延長吸収効率の増加を目的に、既存の方法による化学修飾糖鎖、PEGその他)体が使用される。かかる注射剤は、自体公知の方法に従って、例えば、上記化合物またはその塩を通常注射剤に用いられる無菌水性もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製する。調製された注射液は、通常、適当なアンプル充填される。直腸投与に用いられる坐剤は、上記化合物またはその塩を通常の坐薬基剤に混合することによって調製される。かかる注射剤には、脳血管障壁(BBB)を通過する性状を持つものも含まれる。

0095

上記の経口用または非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するような投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞれの投薬単位剤形当たり非生物学的製剤では通常5〜500mg、とりわけ注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10〜250mgの上記化合物が含有され、生物学的製剤の注射剤では10〜50000mgの上記化合物が含有されていることが好ましい。

0096

なお前記した各組成物は、上記治療ペプチドとしての本発明のペプチドの量もしくは活性を増大させる物質との配合により、好ましくない相互作用を生じない限り、他の活性成分を含有してもよい。

0097

このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトに対して経口的にまたは非経口的に投与することができる。

0098

治療ペプチドとしての本発明のペプチドの量もしくは活性を増大させる物質の投与量は、その作用、投与ルート、患者の重篤度、年齢、体重、薬物受容性などにより差異はあるが、例えば、成人1日あたり活性成分量として非生物学的製剤では約0.0008〜約25mg/kg、好ましくは約0.008〜約2mg/kgの範囲であり、これを1回もしくは数回に分けて投与することができる。生物学的製剤の注射剤では10〜5000mg/kg, 好ましくは約10〜約2000mg/kgの範囲であり、これを1回もしくは数回に分けて投与することができる。

0099

以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されないことは言うまでもない。

0100

明細書中引用されているすべての特許出願および文献の開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。

0101

実施例1
(材料および方法)
1.被験者
入院中の敗血症に罹患した20名の成人患者が本研究に参加した。これらの患者はDIC発症の有無でDIC未発症検体群(non−DIC)およびDIC発症検体群(DIC)の2群に群分けされると共に、敗血症性ショックの有無で敗血症性ショックに罹患していない敗血症検体群(敗血症)と敗血症性ショックに罹患している敗血症性ショック検体群(敗血症性ショック)との群分けされた(表2)。
DICの診断基準
International Society on Thrombosis and Haemostasis (ISTH)による DIC 診断基準 (Thromb Haemost.2001 Nov;86(5):1327-30参照)を用いた。
敗血症の診断基準
感染によって発症した全身性炎症反応症候群(SIRS)と定義し、SIRS はBoneらの基準 (Crit Care Med 1989; 17(5): 389-93参照) により診断した。
敗血症性ショックの診断基準
重症敗血症の中で、血圧低下を伴い、十分な急速輸液負荷をおこなっても血圧が回復しないものと定義し、American College of Chest Physicians/Society of Critical Care Medicine Consensus Conferenceによる診断基準 (Crit Care Med 1992; 20(6): 864-74参照) を用いた。

0102

0103

2.血液サンプルの採取
患者の動脈血のサンプルを22G針を用いて橈骨動脈より動脈血を採取し、血液採取管に入れた。それらのサンプルを室温で1時間静置し、3,000rpmで10分間室温にて遠心分離し、血清を得た。上清を使用するまで-80℃で分けて保存した。

0104

3.BLOTCHIP(登録商標)による質量分析
血清中の質量分析によるペプチド解析を、ペプチドームプロファイリングの迅速定量法である、ワンステップの直接転写技術のBLOTCHIP(登録商標)質量分析により行った(Biochem.Biophys.Res.Commun.2009;379(1):110-4)。

0105

まず、血清サンプルドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)に供し、ペプチドをタンパク質と分離した。次に、ゲル中のペプチドをBLOTCHIP(登録商標)(株式会社プロトセラ、尼崎市所在)に電気転写した。転写終了後、チップの表面を超純水リンスし、BLOTCHIP(登録商標)に直接マトリックス(α-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸, Sigma-Aldrich Co., アメリカ合衆国ミズーリ州)を塗布後、UltraFlexII TOF/TOF mass spectrometer (Bruker Daltonics社製、アメリカ州マサチューセッツ州)の反射モードで、Proteomics 11:2727-2737.に記載された通りに質量分析を行い、ペプチドプロファイルを得た。

0106

4.ペプチドの統計解析
サンプルはBLOTCHIP(登録商標)質量分析により4回繰り返し解析した。より統計学的に有意なピークを見出すために、4つのデータを独立データとして使用し、解析ソフトClinProTools 2.2 (Bruker Daltonics社製)を使用してウィルコクソン検定P値を計算し、P値が0.05以下の場合に有意差ありとみなした。

0107

統計解析ソフトR(R Core Team (2013).R: A language and environment for statistical computing.R Foundation for Statistical Computing, Vienna, Austria.URL http://www.R-project.org/.)によりウィルコクソン検定のp値を計算するために、一つのサンプル当たりの4つのデータの平均値を用いてペプチドの診断性能を評価した。モデルの構築には統計解析ソフトR(R Core Team (2013)を使用した。

0108

構築したモデルの診断能の評価のためにROC分析を実施した。Rのパッケージである"Epi パッケージ"(A package for statistical analysis in epidemiology、Version 1.149、http://cran.r-project.org/web/packages/Epi/index.html)を用いた。AUCはROC曲線から計算した。診断のための最適カットオフ値は、Cancer 1950;3:32-5のYouden's indexに従って決定でき、95%信頼区間は、ノンパラメトリックブートストラップ抽出を用いて推定した。

0109

5.ペプチドの同定
標的ペプチドを含む血清を、その同定のために採取した。ペプチドは、Sep-Pak C18固相抽出カートリッジ(Waters Corporation、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ミルフォード)を用いて、0.1%トリフルオロ酢酸を含む水に80%v/vアセトニトリル(ACN)で抽出した。溶出液をCC-105遠心濃縮器(株式会社トミー精工, 東京)を用いて100μL以下に濃縮した。次に溶液を0.065% TFAを含む2%v/v CAN水溶液400μL(溶離液Aと称する)に希釈し、C18シリカカラム(COSMOSIL(登録商標) 5C18-AR-II)(ナカライテスク株式会社、京都)を装備したAEKTA精製装置(GE Healthcare UK Ltd, 英国バッキガムシャー州)にかけた。溶出液を、溶離液Aに対し0.05% TFAを含む80%v/v CANの水溶液で1.0mL/分の流速で0-100%の線形勾配により20個の画分(各1mL)に分けた。各画分をCC-105遠心濃縮器で10μL以下に濃縮し、ペプチドの配列をMALDI-TOF/TOF(UltraFlex II TOF/TOF)及びLC-MS/MS(Q-Exactive;Thermo Fisher Scientific Inc, アメリカ合衆国マサチューセッツ州ワルサム)を用いて分析した。

0110

(結果)
1.敗血症患者の血清のペプチド解析
血清のペプチド解析をBLOTCHIP(登録商標)質量分析により行った。各ペプチドームプロファイルより得られた質量スペクトルのデータをデータベースに保存した。すべてのMS測定が完了した後、解析ソフトFlexAnalysis2.4を用いて、non−DIC群とDIC群、敗血症群と敗血症性ショック群の各々の2群間でのディファレンシャル解析をそれぞれ行い、ピークごとに2群間で統計的に有意差があるか検討を行った。

0111

2.同定されたペプチド
上記で有意差のあったピークについて、逆相クロマトグラフィで部分的に精製した血清ペプチドによりMALDI-TOF/TOF及びLC-MS/MSペプチド配列決定分析を行い、10個のペプチドを同定した(表3)。

0112

5番目、6番目、及び8番目のペプチドは修飾を受けていた。
具体的には、5番目のペプチドは、アミノ酸配列のN末端から4番目のリシン、10番目のプロリン、17番目のプロリン、20番目のプロリン、29番目のプロリン、及び34番目のプロリンが酸素で酸化されていた。
6番目のペプチドは、アミノ酸配列のN末端から1番目のプロリン、10番目のプロリン、12番目のプロリン、31番目のプロリン、33番目のプロリン、及び36番目のプロリンが酸素により酸化されており、28番目のグルタミンが脱アミド化されていた。
配列番号8のペプチドは、アミノ酸配列のN末端から1番目のセリンがアセチル化されていた。

0113

0114

3.各ペプチドの変化率と診断性能
上記のディファレンシャル解析において有意差のあった10個のピークに対し、ピークごとに2群間で統計的に有意差があるか検討を行った。

0115

表4に示すように、DIC群では、非DIC群患者に比べて、1〜6,8番目のペプチドの量がそれぞれ77%、78%、77%、46%、51%、47%、62%に有意に減少し、7番目のペプチドの量が非DIC群患者に比べて140%に有意に上昇していた。

0116

また、表5に示すように、敗血症性ショック群では、敗血症群に比べて、8番目と9番目のペプチドの量がそれぞれ87%、53%に有意に減少し、10番目のペプチドの量が敗血症群に比べて152%に有意に上昇していた。

0117

図1〜11は得られた10個のペプチドの2群間でのピーク強度ROC曲線図を示す。図1〜8によると、DIC群では、非DIC群患者に比べて1〜6,8番目のペプチドの量が有意に減少し、7番目のペプチドの量が有意に上昇していたことが理解される。図9〜11によると、敗血症性ショック群では、敗血症群に比べて8番目と9番目のペプチドの量が有意に減少し、10番目のペプチドの量が有意に上昇していたことが理解される。

0118

これらの結果から、試験された10個のすべてのペプチドは、DICの有無及び敗血症性ショックの有無のうちの少なくとも一方を迅速かつ非常に高い診断性能でもっぱら区別でき、バイオマーカーとして有用であることが示された。

0119

実施例

0120

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