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技術 ティルティングパッド型ジャーナル軸受及びそれを用いた回転機械

出願人 株式会社日立製作所
発明者 中村慎策高橋直彦
出願日 2018年7月27日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2018-140876
公開日 2020年1月30日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-016308
状態 未査定
技術分野 非容積形ポンプの構造 すべり軸受
主要キーワード 中間ダイ キャリーオーバー現象 排出構造 中間ステージ 静止体 荷重分担 パッド支持 せん断流
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年1月30日)のものです。
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図面 (7)

課題

ジャーナル軸受に供給された潤滑油を、ジャーナル軸受の冷却に使用する共に、潤滑油の排出性を向上させたティルティングパッド型ジャーナル軸受とそれを用いた回転機械を提供する。

解決手段

ティルティングパッド型ジャーナル軸受80は、周方向回転軸8を支持する複数のパッド1と、パッド1を搖動可能に収容する環状のハウジング2と、ハウジング2の軸方向の両端部に設置されるサイドプレートと、を有し、パッド1の内周面で、前記回転軸8の回転方向に対して上流側となる前縁部に、回転軸8の回転方向におけるパッド1の中心部分に所定の幅の平面部と、平面部の端部から回転軸8の軸方向の両端に向かうにつれて、回転軸8の表面と前記パッド1の表面との間隙が広がる勾配となり、回転軸8の周方向におけるパッド1の中心部分に向かうにつれて、回転軸8の表面とパッド1の表面との間隙が狭まる勾配となるテーパ9とを有することを特徴とする。

概要

背景

本技術分野の背景技術として、特開2014‐156903号公報(特許文献1)がある。この公報には、軸受パッドは、軸線回りに回転する回転軸外周面との隙間に潤滑油を介在させて、回転軸を外周側からパッド支持面によって支持するパッド本体を備え、パッド支持面の回転軸の回転方向前方側における軸線方向両側の両縁部の少なくとも一方が、回転方向前方側に向かうにしたがって軸線方向両側の両縁部の他方に近接するように形成されていることが記載されている。

また、本技術分野の背景技術として、特開2015‐031372号公報(特許文献2)がある。この公報には、荷重分担関与しないパッドにおいて、高温油の排出を促進することにより、軸受メタル温度上昇を抑制することが記載されている。具体的には、ティルティングパッド軸受装置は、荷重分担する下半部のティルティングパッド摺動面に潤滑油を供給する給油構造を有し、荷重を分担しない上半部のティルティングパッド摺動面には軸受装置側面側に潤滑油を排出する潤滑油排出構造を有することが記載されている。

概要

ジャーナル軸受に供給された潤滑油を、ジャーナル軸受の冷却に使用する共に、潤滑油の排出性を向上させたティルティングパッド型ジャーナル軸受とそれを用いた回転機械を提供する。ティルティングパッド型ジャーナル軸受80は、周方向に回転軸8を支持する複数のパッド1と、パッド1を搖動可能に収容する環状のハウジング2と、ハウジング2の軸方向の両端部に設置されるサイドプレートと、を有し、パッド1の内周面で、前記回転軸8の回転方向に対して上流側となる前縁部に、回転軸8の回転方向におけるパッド1の中心部分に所定の幅の平面部と、平面部の端部から回転軸8の軸方向の両端に向かうにつれて、回転軸8の表面と前記パッド1の表面との間隙が広がる勾配となり、回転軸8の周方向におけるパッド1の中心部分に向かうにつれて、回転軸8の表面とパッド1の表面との間隙が狭まる勾配となるテーパ9とを有することを特徴とする。

目的

本発明は、ティルティングパッド型ジャーナル軸受に供給された潤滑油を、効率よくティルティングパッド型ジャーナル軸受の冷却に使用する共に、潤滑油の排出性を向上させたティルティングパッド型ジャーナル軸受とそれを用いた回転機械を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

回転軸周方向に、前記回転軸を支持する複数のティルティングパッドと、前記ティルティングパッドを搖動可能に収容する環状のハウジングと、前記ハウジングの軸方向の両端部に設置されるサイドプレートと、を有し、前記ティルティングパッドは、前記ティルティングパッドの内周面であって、前記回転軸の回転方向に対して上流側となる前縁部に、前記回転軸の回転方向における前記ティルティングパッドの中心部分に所定の幅の平面部と、前記平面部の端部から前記回転軸の軸方向の両端に向かうにつれて、前記回転軸の表面と前記ティルティングパッドの表面との間隙が広がる勾配となり、前記回転軸の周方向における前記ティルティングパッドの中心部分に向かうにつれて、前記回転軸の表面と前記ティルティングパッドの表面との間隙が狭まる勾配となるテーパと、を有することを特徴とするティルティングパッド型ジャーナル軸受

請求項2

前記ティルティングパッドが、前記ティルティングパッドの内周面であって、前記回転軸の回転方向に対して下流側となる後縁部に、前記回転軸の周方向における前記ティルティングパッドの中心部分から前記後縁部に向かうにつれて、前記回転軸の表面と前記ティルティングパッドの表面との間隙が広がる勾配となるテーパを有することを特徴とする請求項1に記載のティルティングパッド型ジャーナル軸受。

請求項3

回転軸の周方向に、前記回転軸を支持する複数のティルティングパッドと、前記ティルティングパッドを搖動可能に収容する環状のハウジングと、前記ハウジングの軸方向の両端部に設置されるサイドプレートと、を有し、前記ティルティングパッドは、前記ティルティングパッドの内周面であって、前記回転軸の回転方向に対して上流側となる前縁部であって、前記回転軸の軸方向の両端部に、前記回転軸の回転方向における前記ティルティングパッドの中心部分から両端に向かうにつれて、前記回転軸の表面と前記ティルティングパッドの表面との間隙が広がる勾配となり、前縁から前記回転軸の周方向における前記ティルティングパッドの中心部分に向かうにつれて、前記回転軸の表面と前記ティルティングパッドの表面との間隙が狭まる勾配となるテーパを有することを特徴とするティルティングパッド型ジャーナル軸受。

請求項4

前記ティルティングパッドが、前記ティルティングパッドの内周面であって、前記回転軸の回転方向に対して下流側となる後縁部に、前記回転軸の周方向における前記ティルティングパッドの中心部分から前記後縁部に向かうにつれて、前記回転軸の表面と前記ティルティングパッドの表面との間隙が広がる勾配となるテーパを有することを特徴とする請求項3に記載のティルティングパッド型ジャーナル軸受。

請求項5

前記ハウジングに設置され、ティルティングパッドとティルティングパッドとの間に設置された仕切板を有することを特徴とする請求項3記載のティルティングパッド型ジャーナル軸受。

請求項6

前記仕切板は、その先端が回転軸の回転方向の反対方向に突出する突出部を有することを特徴とする請求項5記載のティルティングパッド型ジャーナル軸受。

請求項7

前記仕切板で仕切られた空間に、前記ハウジングに設置された給油孔と、前記サイドプレートに設置された排油孔と、を有することを特徴とする請求項5記載のティルティングパッド型ジャーナル軸受。

請求項8

請求項3又は請求項4に記載のティルティングパッド型ジャーナル軸受を用いた回転機械

技術分野

0001

本発明は、ティルティングパッド型ジャーナル軸受及びそれを用いた回転機械に関する。

背景技術

0002

本技術分野の背景技術として、特開2014‐156903号公報(特許文献1)がある。この公報には、軸受パッドは、軸線回りに回転する回転軸外周面との隙間に潤滑油を介在させて、回転軸を外周側からパッド支持面によって支持するパッド本体を備え、パッド支持面の回転軸の回転方向前方側における軸線方向両側の両縁部の少なくとも一方が、回転方向前方側に向かうにしたがって軸線方向両側の両縁部の他方に近接するように形成されていることが記載されている。

0003

また、本技術分野の背景技術として、特開2015‐031372号公報(特許文献2)がある。この公報には、荷重分担関与しないパッドにおいて、高温油の排出を促進することにより、軸受メタル温度上昇を抑制することが記載されている。具体的には、ティルティングパッド軸受装置は、荷重分担する下半部のティルティングパッド摺動面に潤滑油を供給する給油構造を有し、荷重を分担しない上半部のティルティングパッド摺動面には軸受装置側面側に潤滑油を排出する潤滑油排出構造を有することが記載されている。

先行技術

0004

特開2014‐156903号公報
特開2015‐031372号公報

発明が解決しようとする課題

0005

前記特許文献1及び前記特許文献2には、軸受パッドやティルティングパッド軸受装置(ティルティングパッド型ジャーナル軸受)が記載されている。しかし、前記特許文献1及び前記特許文献2に記載されるティルティングパッド型ジャーナル軸受は、高温となった潤滑油を効率的に排出することや高温となった潤滑油の排出を促進することが記載されているに過ぎない。

0006

すなわち、ティルティングパッド型ジャーナル軸受に供給された潤滑油を、効率よくティルティングパッド型ジャーナル軸受の冷却に使用する共に、潤滑油の排出性を向上させたティルティングパッド型ジャーナル軸受については言及されていない。

0007

そこで、本発明は、ティルティングパッド型ジャーナル軸受に供給された潤滑油を、効率よくティルティングパッド型ジャーナル軸受の冷却に使用する共に、潤滑油の排出性を向上させたティルティングパッド型ジャーナル軸受とそれを用いた回転機械を提供する。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために、本発明のティルティングパッド型ジャーナル軸受は、回転軸の周方向に、回転軸を支持する複数のティルティングパッドと、ティルティングパッドを搖動可能に収容する環状のハウジングと、ハウジングの軸方向の両端部に設置されるサイドプレートと、を有し、ティルティングパッドは、ティルティングパッドの内周面であって、前記回転軸の回転方向に対して上流側となる前縁部に、回転軸の回転方向におけるティルティングパッドの中心部分に所定の幅の平面部と、平面部の端部から回転軸の軸方向の両端に向かうにつれて、回転軸の表面と前記ティルティングパッドの表面との間隙が広がる勾配となり、回転軸の周方向におけるティルティングパッドの中心部分に向かうにつれて、回転軸の表面とティルティングパッドの表面との間隙が狭まる勾配となるテーパとを有することを特徴とする。

0009

そして、本発明の回転機械は、本発明のティルティングパッド型ジャーナル軸受を用いるものである。

発明の効果

0010

本発明によれば、ティルティングパッド型ジャーナル軸受に供給された潤滑油を、効率よくティルティングパッド型ジャーナル軸受の冷却に使用する共に、潤滑油の排出性を向上させたティルティングパッド型ジャーナル軸受とそれを用いた回転機械を提供することができる。

0011

上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。

図面の簡単な説明

0012

本実施例に係る遠心多段圧縮機の全体構成を説明する説明図である。
本実施例に係るティルティングパッド型ジャーナル軸受の断面図である。
本実施例に係るティルティングパッド型ジャーナル軸受の部分(前縁部)断面図である。
本実施例に係るティルティングパッド型ジャーナル軸受の部分(後縁部)断面図である。
本実施例に係るティルティングパッド型ジャーナル軸受の潤滑油の流れを示した説明図である。
本実施例に係るティルティングパッド型ジャーナル軸受の潤滑油の内周面側の流れを示した説明図である。

0013

以下、実施例を、図面を用いて説明する。なお、同一の構成には同一の符号を付し、重複する部分は、その説明を省略する場合がある。

0014

蒸気タービンガスタービン圧縮機、発電機などの回転機械においては、その回転軸を回転自在に支持するために、ティルティングパッド型ジャーナル軸受(以下「軸受」と省略して使用する。)が用いられることが多い。

0015

図1は、本実施例に係る遠心多段圧縮機の全体構成を説明する説明図である。

0016

本実施例では、本実施例に記載する軸受を遠心多段圧縮機に適用する場合を説明する。

0017

本実施例に記載する圧縮機100は、作動流体として炭酸(以下CO2と表記する)用の遠心多段圧縮機である。この遠心多段圧縮機は、回転軸8に複数の羽根車40が設置される。

0018

本実施例に記載する圧縮機100は、羽根車40(羽根車41、羽根車42、羽根車43、羽根車44、羽根車45)が5段に設置される。

0019

初段の羽根車41と最終段の羽根車45との間には、CO2を、一度、機外へ排出する吐出流路50bと、初段の羽根車41と最終段の羽根車45との間には、排出されたCO2を、再度、機内へ注入する吸込流路50cとが設置される。つまり、本実施例に記載する圧縮機100では、羽根車43と羽根車44との間に、吐出流路50b及び吸込流路50cが設置される。

0020

羽根車43と羽根車44との間、つまり、吐出流路50bと吸込流路50cとの間には、流路を形成する中間ダイフラム60が設置される。

0021

そして、最終段の羽根車45の後段には、バランスシール20が設置される。

0022

なお、ケーシング90は、圧縮機100の外郭を形成する静止体である。複数段(本実施例では5段)の羽根車40は、回転軸3に設置され、その回転によってCO2を圧縮するものである。

0023

また、羽根車41、羽根車42、羽根車43によって昇圧され、温度が上昇したCO2は、圧縮の効率を上げるために、吐出流路50bを介して、一度、圧縮機100外へ排出され、ガスクーラ(図示なし)を通して冷却された後、吸込流路50cを介して、再度、圧縮機100内へ注入され、羽根車44、羽根車45によって昇圧される。

0024

中間ダイアフラム60には、中間ステージラビリンス70が設置される。中間ステージラビリンス70は、回転体である羽根車43と静止体である中間ダイアフラム60との間に生じる隙間に流れる漏れ流量を低減する目的で設置される。

0025

そして、回転軸8には、軸受(ティルティングパッド型ジャーナル軸受)80が設置される。本実施例に記載する軸受80を回転機械100に用いることにより、回転機械100に供給する潤滑油の量を低減(潤滑油の供給装置の小型化を実現)することができる。また、回転機械100の高速化や高効率化が実現できる。

0026

図2は、本実施例に係るティルティングパッド型ジャーナル軸受の断面図である。

0027

この軸受80は、回転軸8の周方向に、回転軸8を支持する複数のティルティングパッド(以下「パッド」と省略して使用する。)1と、パッド1の外周を保持し、搖動可能に収容する環状のハウジング2と、パッド1をハウジング2の軸方向(回転軸3の軸方向と同様の方向。図2上、紙面に対して垂直方向)に保持し、ハウジング2の軸方向の両端部に設置されるサイドプレート3(図3又は図4参照)と、を有する。

0028

パッド1の外周面にはピボット4が設置され、潤滑油の油膜圧力分布に応じて、パッド1が傾斜し、高い安定性を有する。このため、高負荷高速回転の回転機械で広く採用されている。

0029

ピボット4を有するパッド1は、揺動可能であり、パッド1が傾斜し、姿勢を自動的に調整する機能を有する。そして、本実施例では、パッド1が4つ設置される場合を示しているが、それぞれのパッド1が独立して回転軸8を支持する。

0030

なお、本実施例に記載する軸受80は、回転軸8の半径方向の荷重(ラジアル荷重)を支持するすべり軸受けである。

0031

軸受80は、パッド1の表面に、例えば、ホワイトメタル(鉛、スズ、アンチモン亜鉛など)などの低融点合金軸受合金)を溶着させて使用される。このため、軸受80は、この低融点合金の融点よりも、低い温度に維持する必要がある。

0032

本実施例では、軸受80の温度上昇を抑制するため、ハウジング2の内部を潤滑油で満たし、パッド1の摺動面(内周面)を潤滑する油浴方式を採用する。油浴方式は、パッド1に確実に潤滑油を供給することができるため、信頼性が高い方式といえる。

0033

本実施例に記載する軸受80は、回転軸8の表面とパッド1の表面との間のせん断流によって生じる発熱(発生した熱量)を、ハウジング2の外部へ逃がし、冷却効果を高める。これにより、パッド1の表面を、所定の温度(軸受け合金の融点以下の温度)に維持することができる。

0034

本実施例に記載する回転軸8を支持する複数(本実施例では4つ。5つでもよい)のパッド1は、回転軸8の周方向に間隔を空けて配置される。各パッド1には、ピボット4が設けられ、パッド1の表面(内周面)の圧力分布により搖動可能となっている。

0035

また、パッド1の回転軸8の軸方向の長さ(L)は、回転軸8の直径(d)との関係から、L/dが0.4〜0.6であることが好ましい。安定して回転軸8を支持することができるためである。

0036

各パッド1の間には、仕切板5が設置され、ハウジング2と回転軸3との間の空間を仕切る。本実施例では、仕切板5は、4つ設置される。

0037

つまり、仕切板5はハウジング2に設置され、パッド1とパッド1との間に設置される。これにより、高温となった潤滑油が隣りのパッド1に流入するキャリーオーバー現象を抑制することができる。

0038

そして、仕切板5の先端(回転軸8側)は、回転軸8の回転方向と反対方向(図2上では反時計回りの方向)に、つまり、回転軸8の回転に伴う潤滑油の移動(流れ)方向に対向する方向に突出する突出部を有する。したがって、仕切板5は、回転軸8の中心側の端部が、潤滑油の流れ方向に対して、上流側に向かって曲げられている。これにより、高温となった潤滑油が隣りのパッド1に流入するキャリーオーバー現象を抑制することができる。

0039

また、仕切板5によって仕切られたハウジング2と回転軸8との間の空間には、それぞれ、潤滑油が供給される給油孔6と、潤滑油が排出される排油孔7とが設置される。これにより、パッド1が設置される空間に潤滑油が満たされると共に、高温となった潤滑油が隣りのパッド1に流入するキャリーオーバー現象を抑制することができる。

0040

つまり、供給された潤滑油は、パッド1を冷却し、その後、排出される。

0041

給油孔6と排油孔7とは、それぞれ仕切板5で仕切られた空間に、給油孔6はハウジング2に設置され、排油孔7はサイドプレート3に設置される。これにより、パッド1を信頼性高く冷却することができると共に、高温となった潤滑油が隣りのパッド1に流入するキャリーオーバー現象を抑制することができる。

0042

図3は、本実施例に係るティルティングパッド型ジャーナル軸受の部分(前縁部)断面図(図2のA−A方向から見た図)である。

0043

本実施例に記載するパッド1は、パッド1の内周面であって、回転軸8の回転方向、つまり、回転軸8の回転に伴う潤滑油の移動方向に対して上流側となる前縁部であって、回転軸8の軸方向の両端部に第1の勾配(テーパ)を有する。

0044

この勾配は、回転軸8の回転方向における(回転軸8の回転方向から俯瞰した場合の)パッド1の中心部分(図3に記載の中心部分)から両端(サイドプレート3)に向かうにつれて、回転軸8の表面とパッド1の表面との間隙が広がるように形成される。

0045

また、回転軸8の回転方向におけるパッド1の中心部分に、所定の幅の平面部を有する。この平面部は、パッド1の回転軸8の軸方向の幅に対して、二分の一(1/2)〜四分の一(1/4)程度であることが好ましい。

0046

なお、この中心部分は、中心点概念ではなく、中心点の付近部分を含むものであり、所定の幅を有するものである。

0047

そして、平面部の端部から回転軸8の軸方向の両端(サイドプレート3)に向かうにつれて、回転軸8の表面とパッド1の表面との間隙が広がる勾配が形成される。

0048

これにより、回転軸8の表面とパッド1の表面との間に生じる熱を、サイドプレート3とパッド1との間隙から、効率よく冷却することができる。

0049

そして、また、本実施例に記載するパッド1は、パッド1の内周面であって、回転軸8の回転方向、つまり、回転軸8の回転に伴う潤滑油の移動方向に対して上流側となる前縁部であって、回転軸8の軸方向の両端部に第2の勾配(テーパ)を有する(図2参照)。

0050

この勾配は、前縁(パッド1の上流側の縁)から回転軸8の周方向における(回転軸8の周方向から俯瞰した場合の)パッド1の中心部分に向かうにつれて、回転軸3の表面とパッド1の表面との間隙が狭まるように形成される(図2参照)。

0051

また、この勾配は、パッド1の回転軸8の周方向の幅に対して、三分の一(1/3)〜五分の一(1/5)程度であることが好ましい。

0052

なお、この中心部分は、中心点の概念ではなく、中心点の付近部分を含むものであり、所定の幅を有するものである。

0053

ここで、パッド1の前縁部に形成される第1の勾配(テーパ)及び第2の勾配(テーパ)は、便宜上、2つ分けて説明したが、これら両方の勾配(テーパ)により、前縁テーパ部9が形成される。

0054

なお、前縁テーパ部9は、パッド1の回転軸8の周方向(軸受長さ方向)の幅に対して、三分の一(1/3)〜五分の一(1/5)程度であることが好ましい。本実施例では、この幅を三分の一(1/3)としている。

0055

前縁テーパ部9により、回転軸8の表面とパッド1の表面との間に形成される流路によって行き場を失う低温の潤滑油を、サイドプレート3とパッド1との間に積極的に導油することができ、パッド1が冷却される。

0056

これにより、回転軸8の表面とパッド1の表面との間に生じる熱を、サイドプレート3とパッド1との間隙から、効率よく冷却することができる。

0057

図4は、本実施例に係るティルティングパッド型ジャーナル軸受の部分(後縁部)断面図(図2のB−B方向から見た図)である。

0058

本実施例に記載するパッド1は、パッド1の内周面であって、回転軸8の回転方向、つまり、回転軸8の回転に伴う潤滑油の流れ方向に対して下流側となる後縁部に、勾配(テーパ)である後縁テーパ部10を有する。

0059

この勾配は、回転軸8の周方向における(回転軸8の周方向から俯瞰した場合の)パッド1の中心部分(図2に記載の中心部分)から後縁部に向かうにつれて、回転軸8の表面とパッド1の表面との間隙が広がるように形成される。

0060

なお、この中心部分は、中心点の概念ではなく、中心点の付近部分を含むものであり、所定の幅を有するものである。

0061

これにより、高温となった潤滑油が隣りのパッド1に流入するキャリーオーバー現象を抑制することができる。

0062

図5は、本実施例に係るティルティングパッド型ジャーナル軸受の潤滑油の流れを示した説明図である。また、図5は、パッド1の一つを回転軸8の軸方向から見た図であり、図2部分拡大図でもある。

0063

本実施例に記載するパッド1は、パッド1の内周面であって、回転軸8の回転方向、つまり、回転軸8の回転に伴う潤滑油の流れ方向に対して上流側となる前縁部であって、回転軸8の軸方向の両端部に前縁テーパ部9が、そして、パッド1の内周面であって、回転軸8の回転方向、つまり、回転軸8の回転に伴う潤滑油の流れ方向に対して下流側となる後縁部に後縁テーパ部10が形成される。

0064

後縁テーパ部10により、排出される潤滑油に指向性を持たせることができる。

0065

つまり、給油孔6から供給された潤滑油は、前縁テーパ部9により、回転軸8の回転に伴い、回転軸8の表面とパッド1の表面(内周面)との間の隙間に流入(図5中矢印参照)すると共に、パッド1の側面とサイドプレート3との間の隙間に流入(図5中矢印参照)し、パッド1を効率よく冷却することができる。そして、回転軸8の表面とパッド1の表面(内周面)との間の隙間に流入し高温となった潤滑油は、後縁テーパ部10により、排油孔7から効率よく排出される。

0066

また、パッド1の後縁部には、潤滑油の流れ方向に向かって、回転軸8の表面とパッド1の表面との間隙が広がるように、後縁テーパ部10が形成される。

0067

これにより、高温となった潤滑油が隣りのパッド1に流入するキャリーオーバー現象を抑制することができる。

0068

そして、図5に記載するように、パッド1の下流(回転軸8の回転に伴う潤滑油の流れ方向に対する下流)には、仕切板5が設置され、ハウジング2と回転軸3との間の空間を仕切る。

0069

仕切板5を設置することにより、それぞれ仕切板5で仕切られた空間に、給油孔6と排油孔7とを設置し、高温の排油と低温の新油との混合を抑制することができる。これにより、パッド1を信頼性高く冷却することができると共に、高温となった潤滑油が隣りのパッド1に流入するキャリーオーバー現象を抑制することができる。

0070

なお、仕切板5(先端)と回転軸8の表面とのクリアランス(距離)は、仕切板5(先端)と回転軸8との接触を回避するため、パッド1の表面と回転軸8の表面とのクリアランス(距離)よりも大きくする必要がある。

0071

しかし、クリアランス(距離)を大きくしすぎると、仕切板5で高温の排油が、隣りのパッド1に流入するキャリーオーバー現象を抑制するという効果が薄れてしまう。

0072

そこで、仕切板5の先端(回転軸8側)には、回転軸8の回転方向と反対方向(潤滑油の流れ方向と反対方向)に、突出する突出部を有する。これにより、接触を回避すると共に、高温となった潤滑油が隣りのパッド1に流入するキャリーオーバー現象を抑制することができる。

0073

図6は、本実施例に係るティルティングパッド型ジャーナル軸受の潤滑油の内周面側の流れを示した説明図である。図6は、図5に記載のパッド1を上面(内周面)から見た図であり、パッド1の拡大図である。

0074

パッド1の前縁部の幅方向両端には、前縁テーパ部9が形成される。

0075

前縁テーパ部9は、パッド1の幅方向両端に向かって、回転軸8の表面とパッド1の表面との間隙が広がるような勾配となっている。また、前縁テーパ部9は、潤滑油の流れ方向に向かって、両端がパッド1の幅方向の両縁に近接するように形成される。

0076

このように、前縁テーパ部9を設置することにより、潤滑油は、回転軸8の回転に伴い、回転軸8の表面とパッド1の表面(内周面)との間の隙間に流入(図6中矢印参照)すると共に、パッド1の側面とサイドプレート3との間の隙間に流入(図6中矢印参照)し、低温の潤滑油を、パッド1とサイドプレート3との間に導くことができ、潤滑油を効率よく利用することができる。

0077

このように、突出部を有する仕切板5及び後縁テーパ部10を有するパッド1を使用することにより、後縁テーパ部10は、仕切板5に向かって解放され、高温となった潤滑油を仕切板5にあてることでき、キャリーオーバー現象を抑制することができる。また、潤滑油がサイドプレート3に設置した排油孔7から排出されやすくなる。

0078

以上のように、本実施例に記載する軸受80は、軸受温度抑制機構を備えたティルティングパッド型ジャーナル軸受であるといえる。

0079

本実施例によれば、キャリーオーバー現象を抑制することができ、軸受80の温度が上昇するようなトラブルを回避することができる。

0080

また、本実施例に記載するパッド1は、基本的に4つのパッド1が同型であり、パッド1がそれぞれ荷重を分担することができる。

0081

また、本実施例に記載のパッド1は、細かい加工を施すことないため、潤滑油の流れが複雑になることがない。

0082

以上のように、本実施例では、パッド1の冷却とキャリーオーバー現象の抑制との両者を同時に達成することができる。

0083

なお、本実施例に記載する軸受80は、パッド1に潤滑油を直接供給する指向潤滑方式であっても適用できる。

実施例

0084

なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。

0085

1パッド
2ハウジング
3サイドプレート
4ピボット
5仕切板
6給油孔
7排油孔
8回転軸
9前縁テーパ部
10後縁テーパ部

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