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技術 剥離紙用原紙および剥離紙

出願人 王子ホールディングス株式会社
発明者 小柳淳阿部一行
出願日 2018年7月24日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2018-138317
公開日 2020年1月30日 (11ヶ月経過) 公開番号 2020-015990
状態 未査定
技術分野 積層体(2) 紙(4)
主要キーワード ラベル周囲 無溶剤型シリコーン樹脂 無変性ポリビニルアルコール 打抜き刃 打ち抜き適性 ハンドラベラー 紙層間強度 取り適性
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

下塗り層の優れたバリア性により、剥離力が小さな粘着シートを構成することができる、剥離紙用原紙および剥離紙を提供する。

解決手段

基紙の少なくとも一方の面に下塗り層を設けてなる剥離紙用原紙であって、前記下塗り層は、けん化度99.0%以上、純度95%以上の無変性ポリビニルアルコール板状顔料を含有し、前記板状顔料は、粒子径3.0μm以上であることを特徴とする剥離紙用原紙である。また、前記剥離紙用原紙を用いた剥離紙である。

概要

背景

粘着シートは、表面基材剥離紙との間に粘着剤層を形成したものであり、近年、情報化社会進展に伴い、商業用、事務用、家庭用などの非常に広範囲に亘って、ラベルステッカーシールワッペン配送伝票等として使用されている。その表面基材としては、主に紙が使用されており、剥離紙としては、グラシン紙のような高密度原紙クレーコート紙、ポリエチレンラミネート紙等にシリコーン化合物フッ素化合物の如き剥離剤を塗布したものが広く使用されている。剥離剤には、通常は、剥離性能や価格面、また、環境・安全面から無溶剤型シリコーン樹脂が使用されている。粘着剤としては、溶剤型エマルジョン型ホットメルト型等が使用されているが、中でもアクリル系エマルジョン型が、安全面、品質面から、通常多く使用されている。

近年、こうした粘着シートは、特に商業用、産業用のラベルにおいて、省資源の観点から、打ち抜かれたラベル周囲の不要部(以下「粕」と称す)をできるだけ少なくするため、粕を細くすることが望まれている。さらに、装飾性生産性を増すため複雑な形に高速で打ち抜けることも望まれている。このため、剥離紙の剥離力が十分に小さくない場合、ラベル加工時に粕を剥離紙から剥がす(以下「粕取り」と称す)際、粕切れを起こし易く、作業性の低下が問題となっている。

また、剥離紙に粘着剤を塗布する工程で、剥離紙にピンホールや凹部があると、剥離紙中に粘着剤が入り込んだ状態の粘着シートとなる。このような粘着シートでは、印刷ラベル化工程で粘着剤の付着した表面基材を剥離紙から剥離すると、剥離紙上に粘着剤が残る現象(以下「糊残り」と称す)が見られる。

糊残りがあると、粘着シートをフォーム印刷シール印刷加工に供する過程で、印刷、ダイカット(打ち抜き)、粕取り等をする際に、剥離紙表面が当たるガイドロール等に剥離紙上に残った粘着剤が付着する。これは紙送り不良や印刷ずれ等のトラブルを起こし、作業性や品質面に重大な障害となる。また、オートラベラーハンドラベラー等でプリントラベリングを行う工程でも同様に、紙送り不良や印刷ずれ等が糊残りにより生じ、問題となる。

この問題を解決するため、剥離紙用原紙においては、剥離剤が浸み込まないようなバリア性を有した下塗り層を形成することが有効な手段となっている。剥離紙用原紙に形成する下塗り層に関しては、いくつかの技術が開発されている。特許文献1には、ポリビニルアルコールPVA)を主成分とする下塗り層(目止め層)と剥離層とを備えた剥離紙用原紙が開示されている。特許文献2には、α−オレフィン変性ポリビニルアルコール板状顔料を含有する下塗り層と剥離層とを備えた剥離紙用原紙が開示されている。

概要

下塗り層の優れたバリア性により、剥離力が小さな粘着シートを構成することができる、剥離紙用原紙および剥離紙を提供する。基紙の少なくとも一方の面に下塗り層を設けてなる剥離紙用原紙であって、前記下塗り層は、けん化度99.0%以上、純度95%以上の無変性ポリビニルアルコールと板状顔料を含有し、前記板状顔料は、粒子径3.0μm以上であることを特徴とする剥離紙用原紙である。また、前記剥離紙用原紙を用いた剥離紙である。 なし

目的

本発明は、係る状況に鑑みてなされたものであり、下塗り層の優れたバリア性により、剥離力が小さな粘着シートを構成することができる、剥離紙用原紙および剥離紙を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基紙の少なくとも一方の面に下塗り層を設けてなる剥離紙用原紙であって、前記下塗り層は、けん化度99.0%以上、純度95%以上の無変性ポリビニルアルコール板状顔料を含有し、前記板状顔料は、粒子径3.0μm以上であることを特徴とする剥離紙用原紙。

請求項2

前記基紙は、離解フリーネスが100〜300mlのパルプ繊維から構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の剥離紙用原紙。

請求項3

王研式透気度が110万秒以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の剥離紙用原紙。

請求項4

前記下塗り層の付着量が0.5〜4.0g/m2である請求項1〜3のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙の前記下塗り層の上に剥離剤層を設けた剥離紙。

技術分野

0001

本発明は、剥離紙用原紙と当該剥離紙用原紙を用いた剥離紙に関する。

背景技術

0002

粘着シートは、表面基材と剥離紙との間に粘着剤層を形成したものであり、近年、情報化社会進展に伴い、商業用、事務用、家庭用などの非常に広範囲に亘って、ラベルステッカーシールワッペン配送伝票等として使用されている。その表面基材としては、主に紙が使用されており、剥離紙としては、グラシン紙のような高密度原紙クレーコート紙、ポリエチレンラミネート紙等にシリコーン化合物フッ素化合物の如き剥離剤を塗布したものが広く使用されている。剥離剤には、通常は、剥離性能や価格面、また、環境・安全面から無溶剤型シリコーン樹脂が使用されている。粘着剤としては、溶剤型エマルジョン型ホットメルト型等が使用されているが、中でもアクリル系エマルジョン型が、安全面、品質面から、通常多く使用されている。

0003

近年、こうした粘着シートは、特に商業用、産業用のラベルにおいて、省資源の観点から、打ち抜かれたラベル周囲の不要部(以下「粕」と称す)をできるだけ少なくするため、粕を細くすることが望まれている。さらに、装飾性生産性を増すため複雑な形に高速で打ち抜けることも望まれている。このため、剥離紙の剥離力が十分に小さくない場合、ラベル加工時に粕を剥離紙から剥がす(以下「粕取り」と称す)際、粕切れを起こし易く、作業性の低下が問題となっている。

0004

また、剥離紙に粘着剤を塗布する工程で、剥離紙にピンホールや凹部があると、剥離紙中に粘着剤が入り込んだ状態の粘着シートとなる。このような粘着シートでは、印刷ラベル化工程で粘着剤の付着した表面基材を剥離紙から剥離すると、剥離紙上に粘着剤が残る現象(以下「糊残り」と称す)が見られる。

0005

糊残りがあると、粘着シートをフォーム印刷シール印刷加工に供する過程で、印刷、ダイカット(打ち抜き)、粕取り等をする際に、剥離紙表面が当たるガイドロール等に剥離紙上に残った粘着剤が付着する。これは紙送り不良や印刷ずれ等のトラブルを起こし、作業性や品質面に重大な障害となる。また、オートラベラーハンドラベラー等でプリントラベリングを行う工程でも同様に、紙送り不良や印刷ずれ等が糊残りにより生じ、問題となる。

0006

この問題を解決するため、剥離紙用原紙においては、剥離剤が浸み込まないようなバリア性を有した下塗り層を形成することが有効な手段となっている。剥離紙用原紙に形成する下塗り層に関しては、いくつかの技術が開発されている。特許文献1には、ポリビニルアルコールPVA)を主成分とする下塗り層(目止め層)と剥離層とを備えた剥離紙用原紙が開示されている。特許文献2には、α−オレフィン変性ポリビニルアルコール板状顔料を含有する下塗り層と剥離層とを備えた剥離紙用原紙が開示されている。

先行技術

0007

特開2016−186139号公報
特開2015−166499号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1に記載の実施例によると、ポリビニルアルコールを主成分とする下塗り層を備えた剥離紙の王研式透気度は、最大でも5400秒程度に留まり、更なるバリア性の改善が望まれる。また、特許文献2に記載の剥離紙用原紙は、下塗り層の厚みによって王研式透気度を向上させており、王研式透気度の高い実施例は乾燥質量で4.5g/m2という分厚い下塗り層を備えている。剥離紙用原紙における塗工工程では、抄紙機上塗工液を塗工する方式(オンマシンコーティング)が多用されるが、このような分厚い塗工層をオンマシン・コーティングで形成することは困難である。

0009

本発明は、係る状況に鑑みてなされたものであり、下塗り層の優れたバリア性により、剥離力が小さな粘着シートを構成することができる、剥離紙用原紙および剥離紙を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、粘着シートの糊残りや粕取り適性といったラベル加工適性を改善すべく、剥離紙用原紙の特性について種々検討を重ねた。その結果、樹脂と板状顔料からなる下塗り層において、樹脂としてけん化度と純度が共に高い無変性ポリビニルアルコールを採用すれば、下塗り層が十分なバリア性を発現することを見出し、本発明に到達した。

0011

(1)基紙の少なくとも一方の面に下塗り層を設けてなる剥離紙用原紙であって、前記下塗り層は、けん化度99.0%以上、純度95%以上の無変性ポリビニルアルコールと板状顔料を含有し、前記板状顔料は、粒子径3.0μm以上であることを特徴とする剥離紙用原紙。

0012

(2)前記基紙は、離解フリーネスが100〜300mlのパルプ繊維から構成されたものであることを特徴とする前記(1)の剥離紙用原紙。

0013

(3)王研式透気度が110万秒以上であることを特徴とする前記(1)または(2)の剥離紙用原紙。

0014

(4)前記下塗り層の付着量が0.5〜4.0g/m2である前記(1)〜(3)のいずれかの剥離紙用原紙。

0015

(5)前記(1)〜(4)のいずれかの剥離紙用原紙の前記下塗り層の上に剥離剤層を設けた剥離紙。

発明の効果

0016

本発明によると、下塗り層の優れたバリア性により、剥離力が小さな粘着シートを構成することができる、剥離紙用原紙および剥離紙を提供することができる。

0017

以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。

0018

本実施形態の剥離紙用原紙は、基紙と基紙の少なくとも一方の面に設けられた下塗り層とから構成されている。
以下、本実施形態の剥離紙用原紙を構成する各要素について説明する。

0019

パルプ
本発明の剥離紙用原紙の基紙を抄造するのに使用するパルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(以下LBKPと略記する)、針葉樹晒クラフトパルプ(以下NBKPと略記する)、古紙パルプやその他のパルプ原料を適宜混合して使用することが可能である。
本実施形態において使用される古紙パルプには脱墨古紙パルプDIP)や、抄紙工程で発生する仕損品も含まれる。また、本実施形態において使用されるその他のパルプ原料としては木材パルプに限定されず、ケナフなどの非木材パルプや、合成パルプを配合しても良い。

0020

剥離紙の剥離剤層の厚みを均一にするためには、剥離紙用原紙の基紙の地合は良いことが望ましく、地合を均一にするためには、LBKPの比率が多い方が好ましい。
LBKPは、NBKPに比べ、繊維が比較的細くて短く、ピンホールの少ない均一地合を形成し易い。ピンホールの少ない均一地合を形成するためには、LBKPの配合量は、全原料パルプの70質量%以上であることが好ましい。70質量%未満では、地合の均一性が不十分となり、ピンホールができ易くなり、剥離剤樹脂を塗布してもピンホールが残り、糊残りの原因となるおそれがある。また、地合が不均一であると、粘着シートを打抜き加工する際に、打抜き刃刃当たりが均一にならず、ラベルがうまく切れない。これにより、本来剥離紙上に残すべきラベルも一緒に除去されるトラブル(以降、身上がりとも称する)が発生する。

0021

上記のパルプのJIS P 8121によるカナディアンスタンダードフリーネス叩解度)は100〜300mlであることが好ましい。カナディアン・スタンダード・フリーネスを100〜300mlの範囲とすることによって、後記するサイズ剤の効果と相まって、均一な下塗り層を形成することが可能となり、適度な紙層間強度も得られる。
カナディアン・スタンダード・フリーネスを100〜300mlに調製するために、パルプを叩解する方法については、公知の方法を使用することができる。

0022

上記のようにパルプのカナディアン・スタンダード・フリーネスを調製することで、パルプから抄紙した剥離紙用原紙の離解フリーネスを適切な範囲に調製できる。剥離紙用原紙をJIS P 8220−1:2012による方法で離解して得たパルプの離解フリーネスは、100〜300mlであることが好ましい。

0023

填料
剥離紙用原紙の基紙に内添することができる填料としては、例えば、二酸化チタンカオリンタルク重質炭酸カルシウム軽質炭酸カルシウム亜硫酸カルシウム石膏焼成カオリンホワイトカーボン非晶質シリカデラミネーテッドカオリン珪藻土炭酸マグネシウム水酸化アルミニウム水酸化カルシウム水酸化マグネシウム水酸化亜鉛等の無機顔料や、尿素ホルマリン樹脂粒子微小中空粒子等の有機顔料等を例示することができる。古紙や損紙等に含まれる填料も再使用できる。剥離紙用原紙の光透過性のためには、二酸化チタン、カオリン、タルク、炭酸カルシウムから選択される少なくとも1種であることが好ましい。なかでも、酸性pH領域における抄紙で高い光透過性を達成するためには、カオリンが特に好ましい。炭酸カルシウムは酸性下で溶解するため酸性抄造では好ましくない。
剥離紙用原紙の光透過性は粘着シートの光電管適性に大きく影響し、剥離紙用原紙の色相坪量により光透過性が異なる。また、填料の配合量が増えると基紙の強度が低下するため、填料の配合量は0〜25質量%が好ましく、より好ましくは0〜20質量%の範囲である。

0024

(サイズ剤)
剥離紙用原紙の基紙には、サイズ剤を含有させることが好ましい。基紙はサイズ剤を含有することによって、基紙に後記する下塗り層を塗布する際に、下塗り剤が内部に浸透し過ぎることなく、表面付近に均一な下塗り層を設けることが可能となる。サイズ剤は元々インクがにじむことを防止する目的で添加されるものであるが、本実施形態では上記のような新たな効果を有することを見出している。

0025

サイズ剤の具体例としては、ロジン系、アルキルケテンダイマー系アルケニル無水コハク酸系、スチレンアクリル系、高級脂肪酸系、石油樹脂系などが挙げられる。印刷適性を確保し、表面性を維持するためには、酸性pH領域での抄紙が好ましい。酸性pH領域で十分なサイズ性を付与するには、ロジン系サイズ剤が好ましい。
サイズ剤の含有量は、基紙に対して0.3質量%以上であることが好ましい。サイズ剤の含有量が0.3質量%未満であると、剥離紙用原紙のステキヒトサイズ度が低くなり、適度の王研式透気度が得られないおそれがある。好ましいサイズ剤の含有量は0.4〜1.5質量%の範囲であり、より好ましいサイズ剤の含有量は0.5〜1.0質量%の範囲である。

0026

剥離紙用原紙の基紙には、パルプ、填料、サイズ剤の他に、紙力増強剤歩留り向上剤pH調整剤濾水性向上剤湿潤紙力剤染料顔料等の抄紙用内添助剤を必要に応じて添加することができる。

0027

(紙力増強剤)
紙力増強剤の具体例としては、アニオン性ポリアクリルアミドカチオン性ポリアクリルアミド両性ポリアクリルアミドカチオン澱粉ポリアクリルアミド澱粉とのグラフト共重合体、各種変性澱粉類、尿素樹脂ポリアミドポリアミン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。高い紙層間強度を達成するためには、アニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カチオン澱粉、ポリアクリルアミドと澱粉とのグラフト共重合体から選択される少なくとも1種が好ましい。

0028

(歩留り向上剤)
歩留り向上剤の具体例としては、ポリアクリルアミド系化合物ポリエチレングリコール系化合物ポリビニルアミン系化合物が挙げられる。填料を二酸化チタンとする場合には、全体の歩留りが低下し生産性が低下しやすいため、生産性を維持するために適宜適切な歩留り向上剤が選択される。

0029

(pH調整剤)
pH調整剤の具体例としては、硫酸バンド塩化アルミニウム硫酸塩酸アルミン酸ソーダ塩基性アルミニウム化合物水酸化ナトリウム水酸化カリウムアンモニア、各種の第1級、第2級、第3級アミン等のアルカリ性化合物等が挙げられる。汎用性と経済性から硫酸バンド、硫酸、水酸化ナトリウムが好ましい。

0030

(基紙の坪量)
剥離紙用原紙の坪量は、30〜150g/m2であることが好ましく、30〜120g/m2であることがより好ましく、30〜100g/m2であることがさらに好ましい。坪量が150g/m2以下であると、紙が重くなり過ぎて剥離紙製造時の作業性を低下させるおそれがない。一方、坪量が30g/m2以上であると、剥離紙としての強度を向上させることができる。

0031

(基紙の紙厚
剥離紙用原紙の基紙の紙厚は25〜250μmであることが好ましく、30〜200μmであることがより好ましい。紙厚が250μm以下であると、嵩が高すぎることによって剥離紙製造時の作業性を低下させるおそれがない。一方、紙厚が25μm以上であると、剥離紙としての強度を向上させることができる。

0032

(基紙の密度
剥離紙用原紙の密度は、0.6〜1.2g/cm3であることが好ましく、0.8〜1.0g/cm3であることがより好ましい。密度が1.2g/cm3以下であると、紙厚を極端に薄くする必要がなく、生産性が向上する。一方、密度が0.6g/cm3以上であると、剥離紙としての強度を向上させることができる。

0033

(基紙の光透過性)
ここで、例えば粘着シートにバーコード等を印字するときは、光電管によって、粘着ラベルと剥離紙の光透過性の差から表面基材の位置を検出する。そのため、剥離紙用原紙においては光透過性に優れていることが好ましい。
光透過性を向上するためには、パルプを高叩解する、または、LBKPを主体としたパルプを抄紙し、カレンダー処理等で基紙を高密度化する等の方法がある。LBKPの中でも、特にヘミセルロースを多く含有する方が光透過性は発現し易い傾向にある。
上記のように基紙を構成するパルプ中のLBKPの含有量、基紙のカナディアン・スタンダード・フリーネス、基紙の密度を調整することで、十分な光透過性を備えた剥離紙用原紙を製造できる。

0034

(基紙の平滑度
また、剥離紙用原紙の基紙表面を下塗り層で均一に被覆するようにコントロールする手法として、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した基紙の王研式平滑度を使用することができる。すなわち、王研式平滑度が20秒未満では、下塗り層で基紙の表面を均一に被覆することが難しい。基紙の王研式平滑度が30秒以上であることが好ましく、より好ましくは80秒以上である。

0035

(基紙の王研式透気度)
また、剥離紙用原紙の基紙表面を下塗り層で均一に被覆するようにコントロールする手法として、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した基紙の王研式透気度を使用することができる。すなわち、王研式透気度が20秒未満では、下塗り層で基紙の表面を均一に被覆することが難しい。基紙の王研式透気度は50秒以上であることが好ましく、より好ましくは80秒以上である。

0036

(基紙のサイズ度
剥離紙用原紙の基紙表面を下塗り層で均一に被覆するようにコントロールする手法として、JIS P 8122:2004に規定されるステキヒト法で測定した基紙のステキヒトサイズ度を使用することができる。すなわち、基紙のステキヒトサイズ度が3〜50秒であることが好ましく、より好ましくは5〜40秒である。

0037

(下塗り層)
剥離紙用原紙の基紙に、剥離剤樹脂を前記基紙表面に均一に留まるようにコントロールするために、基紙の少なくとも一方の面に下塗り層を設ける。
本実施形態において、下塗り層は、無変性ポリビニルアルコールと板状顔料を含有している。

0038

(無変性ポリビニルアルコール)
本実施形態の剥離紙用原紙に用いられるポリビニルアルコールには、後述するように、糊残り抑制効果向上の観点から、純度、けん化度が高く、OH基を多く含有することが要求される。よって、本実施形態では、OH基が置換されない無変性ポリビニルアルコールを使用する。ポリビニルアルコールの純度とけん化度の詳細については後述する。
無変性ポリビニルアルコールの主鎖の構成成分としては、酢酸ビニルモノマーに代表されるビニルエステルを含むポリマーをけん化して得られるポリマーが好ましく用いられる。

0039

無変性ポリビニルアルコールを製造する際に、酢酸ビニル以外のビニルエステル、例えば、ギ酸ビニルアクリル酸ビニル酪酸ビニルクロトン酸ビニルクロロ酢酸ビニル、オレイン酸ビニル、プロピオン酸ビニルカプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニルラウリン酸ビニルミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニルピバリン酸ビニルバーサチック酸ビニル等の飽和脂肪酸ビニルエステル類を酢酸ビニルの代わりに用いることは可能である。

0040

本実施形態における無変性ポリビニルアルコールの純度は、剥離剤樹脂の浸透を抑制し、糊残りを抑制するという効果をより高度に発揮させるという観点から、95%以上であり、96%以上であることがより好ましい。ここで、純度とは、ポリビニルアルコールを構成する単量体単位のうち、ビニルアルコール単位の占める質量比をいう。
無変性ポリビニルアルコールの純度が高まれば、OH基を有さないコモノマーが減少するため、無変性ポリビニルアルコール中のOH基が増加する。そうすると、無変性ポリビニルアルコール中のOH基と、板状顔料との間の相互作用が促進され、両者の結びつきが強化されることとなり、下塗り層のバリア性向上に寄与するものと推測される。

0041

本実施形態における無変性ポリビニルアルコールのけん化度は、剥離剤樹脂の浸透を抑制し、糊残りを抑制するという効果をより高度に発揮させるという観点から、十分にけん化されている必要がある。すなわち、けん化前に存在していたエステル基に対するけん化されたエステル基のモル比で表して、99.0%以上でなければならず、99.4%以上であることがより好ましい。
無変性ポリビニルアルコールのけん化が進むほど、無変性ポリビニルアルコール中のエステル基が加水分解され、OH基が増加する。そうすると、無変性ポリビニルアルコール中のOH基と板状顔料との間の相互作用が促進され、両者の結びつきが強化されることとなり、下塗り層のバリア性向上に寄与するものと推測される。

0042

このような高純度かつ高けん化度の無変性ポリビニルアルコールは、下塗り層のバリア性を高めるだけでなく、ポリビニルアルコール独特酸味臭の発生を抑制できる。そのため、本実施形態の剥離紙用原紙およびこれを用いた剥離紙は、加工性に優れるだけでなく、無臭であることが望ましい製品、例えば食品容器等に使用するラベルへの適性に優れている。

0043

本実施形態における無変性ポリビニルアルコールの重合度は、耐溶剤性打ち抜き加工適性の観点から200〜8000の範囲にあることが好ましい。300〜2500の範囲にあることがより好ましく、400〜2000の範囲であることがさらに好ましく、500〜1800の範囲であることが最も好ましい。

0044

(板状顔料)
本実施形態に使用される下塗り層には、無変性ポリビニルアルコールに板状顔料を配合することが必要である。顔料を最密充填する場合、球形顔料と比べて、板状顔料を用いると一般に空隙率が減少し、ち密な塗工層を形成できるため、品質上好ましい。

0045

板状顔料の種類については特に制約はなく、カオリン、タルク、イライトマイカ人工雲母、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ等の無機顔料を適宜選定して使用することができるが、中でもアスペクト比が7以上であるものが好ましい。アスペクト比が7以上の板状顔料は、塗工の際に平面方向に配向するため、バリア性及び平滑性に優れた塗工層を容易に得ることができる。
ここで、アスペクト比は、平板状顔料の厚さを電子顕微鏡観察により測定し、平板状顔料の体積平均粒子径をその厚さで除することによって求めることができる。
本実施形態で好ましく用いられる、アスペクト比が7以上の板状顔料としては、カオリン、タルク、イライト、マイカ、人工雲母、水酸化アルミニウム等が挙げられる。

0046

板状顔料には、バリア性および平滑性が優れるという理由から、粒子径(メジアン径)が大きいものが望ましい。粒子径の大きな板状顔料は、板状顔料同士の間隙を減少させることができるため、バリア性の向上に寄与することができる。よって、板状顔料は粒子径が3.0μm以上のものが必要であり、3.1μm以上のものが好ましい。また、板状顔料は光透過性に優れたものが好ましい。このとき、粒子径は、例えば、レーザー回折散乱粒度分布計(HORIBA製、「LA−300」)を用いて求めることができる。

0047

板状顔料と無変性ポリビニルアルコールの配合量は、板状顔料100質量部に対して無変性ポリビニルアルコールを50〜300質量部の範囲で含有することが好ましい。無変性ポリビニルアルコールの配合量が300質量部を超えると、塗工直後シリンダードライヤー汚れが顕著となり、また板状顔料によるピンホールの被覆が不足し、糊残り改善の効果が発現されない恐れがある。一方、無変性ポリビニルアルコールの配合量が50質量部未満であると、顔料と顔料の空隙に無変性ポリビニルアルコールを充分に充填できず、微細な空隙が多数発生し、剥離剤の塗工層及び基材への浸透を抑えることができないおそれがある。

0048

下塗り層の塗工量は、乾燥後において剥離紙用原紙に対して0.5〜4.0g/m2であることが好ましい。0.5g/m2未満であると剥離剤樹脂の浸透防止効果が不充分となり、剥離力が増大しやすい。下塗り層の塗工量が4.0g/m2より多いと剥離力が小さくなり過ぎて身上がりが発生しやすい。
このような範囲の塗工量は、実際の剥離紙の製造工程において多用されるオンマシン・コーティングでも実現容易な塗工量である。本実施形態の剥離紙用原紙は、オンマシン・コーティングでも実現容易な塗工量の下塗り層でもって、剥離力を得ることができる。

0049

このように、アスペクト比が高く粒子径の大きな板状顔料が、剥離紙用原紙の基紙の表面を効率よく被覆し、当該板状顔料間の微細な隙間をポリビニルアルコールが充填することで、バリア性の高い下塗り層を実現することができる。バリア性の高い下塗り層を有した剥離紙用原紙は、剥離剤の塗工時に剥離剤が内部に浸透することを抑制し、表面に均一な剥離剤層を形成することが可能である。その結果、剥離力が小さくラベル加工適正に優れた剥離紙を得ることができる。

0050

(基紙の製造方法)
本実施形態の剥離紙用原紙の基紙の製造方法について説明する。
本実施形態では、上記のような基紙に対して、少なくとも一方の面に、無変性ポリビニルアルコールと板状顔料を含有する下塗り層を塗布する。

0051

下塗り剤の塗工方法としては、一般に公知の塗工装置を用いることができる。塗工装置としては、例えば、ブレードコーターエアーナイフコーターロールコーターリバースロールコーターバーコーターカーテンコータースロットダイコーターグラビアコーターチャンプレクスコーターブラシコーター、スライドビードコーター、ツーロールあるいはロッドメタリング方式サイズプレスコーターポンドサイズプレスコーター、ビルロッドメタリングサイズプレスコーターショートドウェルコーター、ゲートロールコーター、キャレンダーによるニップコーター等が挙げられる。これらの中でも、オンラインで、基紙の両側の面に同時に異なる種類の下塗り剤を塗布することができる、ロッドメタリング方式のサイズプレスコーター、ゲートロールコーター等のフィルムトランスファーコーター、バーコーター、ブレードコーターを用いることが好ましい。

0052

さらに、本実施形態では、基紙に下塗り層を塗布した後に、乾燥し、カレンダーロールを用いて平滑化処理することにより、剥離紙用原紙の高密度化を図ることが可能であり、剥離紙用原紙の光透過性を向上させることができる。また、下塗り層をピンホールが少ないバリヤ性に優れたものとすることができ、剥離剤や粘着剤が剥離紙用原紙の内部にまで浸透することを抑制することが可能となる。ここで、カレンダー処理としては、金属ロール樹脂ロールを含む複数のカレンダーロールを用いることが好ましい。

0053

また、カレンダー処理としては、光透過性の発現を考慮すると、密度が1.0〜1.2g/cm3の範囲にすることが好ましいことから、より高密度化し易いスーパーカレンダーによる高温多段加圧処理が好ましい。スーパーカレンダーとは、金属ロールと樹脂ロールとからなるカレンダーロールを交互に10〜20段程度並べて、連続的にカレンダー加工する手法をいう。

0054

カレンダーロールを用いて平滑化処理する際には、剥離紙用原紙は10〜20質量%の水分を保持させた状態で平滑化処理を行う方が、高密度化を図り易いため、好ましい。

0055

(剥離紙用原紙の王研式透気度)
上記のバリア性をコントロールする手法として、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した剥離紙用原紙の王研式透気度を使用することができる。剥離紙用原紙の王研式透気度が10,000秒未満では、剥離剤樹脂が浸み込み過ぎて、剥離性能が発現し難くなる。剥離紙用原紙の王研式透気度が50,000秒以上であることが好ましく、より好ましくは80,000秒以上であり、特に好ましくは1,100,000秒以上である。

0056

以上説明してきたように、本実施形態の剥離紙用原紙は、基紙を構成するパルプの離解フリーネスを所定の範囲にし、下塗り層として、高純度かつ高けん化度の無変性ポリビニルアルコールと粒子径およびアスペクト比が大きな板状顔料とからなるものを使用する。このようにすることで、基紙の表面付近に剥離剤の内部への浸透を抑制する下塗り層を形成し、剥離剤層を剥離紙用原紙の表面付近に均一に形成することを可能にする。また、剥離効果を低下させることなく、剥離剤層の形成に用いるシリコーン樹脂等の剥離剤の使用量を減らすことを可能とする。

0057

(剥離紙の製造方法)
本実施形態では、上記のような紙質範囲にある剥離紙用原紙に、剥離剤樹脂を塗布し、乾燥させて、剥離剤層を形成させて、剥離紙を形成する。本実施形態での剥離剤樹脂としては、一般的にシリコーン樹脂、フッ素樹脂アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂等が例示できるが、通常は剥離品質、価格面から水性エマルション型、溶剤型または無溶剤型のシリコーン樹脂が使用される。特に、環境配慮面、作業者の安全面から水性エマルション型や無溶剤型への切替えが進んでおり、本実施形態では、無溶剤型シリコーン樹脂を使用することがより好ましい。中でも25℃における粘度が50〜1,000mPa・sである無溶剤型シリコーン樹脂がさらに好ましい。剥離剤樹脂を塗布する方法としては、バーコーター、エアナイフコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、多段ロールコーター等が挙げられる。

0058

剥離剤樹脂の塗布量は、0.5〜1.5g/m2が好ましい。塗布量が0.5g/m2未満では、剥離剤量が少なく剥離性能が不十分となり、ラベル加工時に粕切れが頻発するおそれがある。また、1.5g/m2を超えて多くなると、剥離力が小さくなり過ぎ、身上がりが頻発するおそれがある。また、前述したように剥離紙とした後の地合の均一性を透過光により地合ムラとして数値化した場合、その規格化標準偏差は0.4以下が好ましい。0.4を超えて大きくなると、地合ムラが徐々に大きくなり、打ち抜き加工時の刃当たりの不均一化を招き、ラベル加工適性が悪化する。また、剥離紙の厚み方向での圧縮弾性率も高くした方が、打ち抜き適性には良好な傾向もあり、その意味からも剥離紙の密度は高くした方が好ましい。

0059

(粘着シートの製造方法)
粘着シートを製造する際には、剥離紙の剥離剤層の表面に、粘着剤を塗布し、乾燥した後、表面基材と貼り合せることによって形成する。粘着剤としては、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピレンブロック共重合体再生ゴム合成ゴム等のゴム系、アクリル系、シリコーン系等の粘着剤が適宜使用される。これら粘着剤は、溶剤型、水性エマルション型、ホットメルト型、液状硬化型等の形態をしている。粘着剤の塗布量としては、乾燥質量で10〜40g/m2の範囲で適宜調整される。粘着剤の塗布量が、10g/m2未満では粘着力が低くなり過ぎ、ラベルを各種被着体貼付した際にラベル浮きが発生するおそれがある。粘着剤の塗布量が40g/m2を超えるとラベルの打ち抜き加工時に粘着剤が粘着シート断面からはみ出し、その粘着剤が堆積してラベルの印刷面を汚したり、破損するおそれがある。なお、粘着剤を塗布する方法としては、リバースロールコーター、リバースグラビアコーターバリオグラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター等が挙げられる。

0060

表面基材としては、例えば、キャストコート紙アート紙、コート紙、上質紙感熱紙、インクジェット用紙、合成紙、蒸着紙、各種高分子フィルム等があり、その用途、目的に応じ適宜選択して使用することができる。

0061

特定の顔料とポリビニルアルコールを調製して塗工した下塗り層を備える剥離紙用原紙に剥離剤層を設けた剥離紙により、高速で粕取りできて糊残りの少ない、ラベル加工適性に優れた製品が得ることができる。
また、本実施形態の剥離紙用原紙およびこれを用いた剥離紙は、加工性に優れるだけでなく、酸味臭の抑制という効果も備える。よって、本実施形態は、無臭であることが望ましい製品、例えば食品容器等に使用するラベル等への適性に優れている。

0062

本実施形態を下記の実施例によって、さらに具体的に説明する。実施例、比較例中の部、%は、特に断らない限り、それぞれ質量部、質量%を示し、塗布量、部数混合割合等はすべて固形分で示した。

0063

<無変性ポリビニルアルコール1>
日本酢ビ・ポバール社製、けん化度99.4%以上、純度96.0%以上、重合度1700、商品名「VI」の無変性ポリビニルアルコールを使用した。これは、ほぼ完全にけん化されたポリビニルアルコールである。

0064

<無変性ポリビニルアルコール2>
クラレ社製、けん化度98.0〜99.0%、純度94.0%以上、重合度1700、商品名「117BU」の無変性ポリビニルアルコールを使用した。これは、ほぼ完全にけん化されたポリビニルアルコールである。

0065

<無変性ポリビニルアルコール3>
クラレ社製、けん化度87.0〜89.0%、純度94.0%以上、重合度1700、商品名「217」の無変性ポリビニルアルコールを使用した。これは、部分的にけん化されたポリビニルアルコールである。

0066

エチレン変性ポリビニルアルコール1>
クラレ社製、けん化度95.5〜97.5%、純度94.0%以上、重合度1700、商品名「RS2817」のエチレン変性ポリビニルアルコールを使用した。

0067

<エチレン変性ポリビニルアルコール2>
クラレ社製、けん化度99.0〜99.6%、純度94.0%以下、重合度1000、商品名「HR3010」のエチレン変性ポリビニルアルコールを使用した。これは、ほぼ完全にけん化されたポリビニルアルコールであるが、純度と重合度は実施例および比較例の中で最低である。

0068

(実施例1)

0069

<剥離紙用原紙の基紙>
LBKP100部とからなる、カナディアン・スタンダード・フリーネス250mlのパルプスラリー中に、絶乾パルプに対して紙力剤としてカチオン化澱粉(商品名:「ピラースターチP−3T」、ピラースターチ社製)0.5%、サイズ剤としてロジンサイズ剤(商品名:「サイズパインN−776」、荒川化学工業社製)0.5%、硫酸バンド1.0%を添加し定着させた後、長網抄紙機で抄紙濃度0.3%で抄紙し、剥離紙用原紙の基紙を得た。
得られた剥離紙用原紙の基紙の調湿坪量は43.8g/m2、JIS P 8118による紙厚は52.7μm、JIS P 8118による密度は0.83g/cm3、JIS P 8155による王研式平滑度は70/49秒、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は22秒、JIS P 8122によるステキヒトサイズ度は7秒であった。

0070

<下塗り層>
上記基紙に、ポリビニルアルコールとして前記無変性ポリビニルアルコール1を使用し、オンマシンゲートロールコーターにて、ポリビニルアルコール100質量部とカオリン(商品名:「HTクレー」、アスペクト比7、粒子径3.1μm、エンゲルハード社製)100質量部の11%混合液を塗工し、塗工量が乾燥質量で1.5g/m2となる下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。

0071

(比較例1)
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記無変性ポリビニルアルコール2を使用し、塗工量を乾燥質量で1.4g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。

0072

(比較例2)
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記無変性ポリビニルアルコール3を使用し、塗工量を乾燥質量で1.4g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。

0073

(比較例3)
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記エチレン変性ポリビニルアルコール1を使用した以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。

0074

(比較例4)
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記エチレン変性ポリビニルアルコール2を使用し、塗工量を乾燥質量で1.4g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。

0075

(比較例5)
実施例1の基紙に、カオリンとしてアスペクト比7、粒子径0.3μm、シール社製の商品名「カオフイン」を使用し、ポリビニルアルコール100質量部とカオリン100質量部の12%混合液を塗工し、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。

0076

(比較例6)
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記エチレン変性ポリビニルアルコール1を使用し、カオリンとして前記「カオファイン」を使用し、ポリビニルアルコール100質量部とカオリン100質量部の12%混合液を塗工し、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。

0077

(比較例7)
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記無変性ポリビニルアルコール1を使用して、ポリビニルアルコールの5%混合液を塗工し、塗工量を乾燥質量で0.5g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。

0078

(比較例8)
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記無変性ポリビニルアルコール2を使用して、ポリビニルアルコールの5%混合液を塗工し、塗工量を乾燥質量で0.5g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。

0079

(比較例9)
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記無変性ポリビニルアルコール3を使用して、ポリビニルアルコールの5%混合液を塗工し、塗工量を乾燥質量で0.5g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。

0080

(比較例10)
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記エチレン変性ポリビニルアルコール1を使用して、ポリビニルアルコールの5%混合液を塗工し、塗工量を乾燥質量で0.5g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。

0081

(比較例11)
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記エチレン変性ポリビニルアルコール2を使用して、ポリビニルアルコールの5%混合液を塗工し、塗工量を乾燥質量で0.4g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。

0082

実施例1ならびに比較例1〜11についての測定・評価結果を表1に示した。
剥離紙用原紙の王研式透気度、すなわち下塗り層のバリア性を評価した。

0083

0084

表1から明らかなように、高純度かつ高けん化度の無変性ポリビニルアルコールと、粒子径の大きな偏平な顔料とを用いて下塗り層を構成した実施例1は、比較例1〜11と比較して突出した高い王研式透気度を示し、バリア性に優れていた。

0085

下塗り層のバリア性に対するポリビニルアルコールのけん化および純度の影響を考察する。
無変性ポリビニルアルコールを使用した実施例1と比較例1および2の比較を行う。比較例1と2の相違は無変性ポリビニルアルコールのけん化度のみであり、けん化度の高い比較例1がけん化度の低い比較例2の15倍以上の王研式透気度を発現している。
このことから、高けん化度の無変性ポリビニルアルコールが下塗り層のバリア性向上に有効であることが分かる。
実施例1は比較例1に対して、無変性ポリビニルアルコールのけん化度と純度が共に高く、実施例1は比較例1の2倍以上の王研式透気度を発現している。なお、実施例1の王研式透気度200万秒は、測定機器限界値であり、実際の王研式透気度はもっと高いものと考えられる。ここから、ポリビニルアルコールのけん化度だけでなく純度も、バリア性向上に寄与していることが分かる。

0086

下塗り層のバリア性に対する顔料の存在の影響を考察する。
比較例5,7の相違は顔料の有無のみである。顔料を50質量%含有した比較例5は、顔料を含有しない比較例7と比較して、130倍以上の王研式透気度を発現する。
このことから、ポリビニルアルコールと顔料との結びつきが下塗り層のバリア性向上に有効であることが分かる。

実施例

0087

下塗り層に適した顔料の粒子径を考察する。
実施例1と比較例5の相違は顔料の粒子径のみであり、粒子径の大きなHTクレーを使用した実施例1は、粒子径の小さなカオファインを使用した比較例5の2倍以上の王研式透気度を発現している。なお、実施例1の王研式透気度200万秒は、測定機器の限界値であり、実際の王研式透気度はもっと高いものと考えられる。このことから、粒子径の大きな顔料が下塗り層のバリア性向上効果が高いことが分かる。

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