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技術 超音波処理装置及びファインバブルの供給方法

出願人 日本製鉄株式会社
発明者 干場英里伊達博充
出願日 2018年7月24日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2018-138606
公開日 2020年1月30日 (11ヶ月経過) 公開番号 2020-015941
状態 未査定
技術分野 化学的方法による金属質材料の清浄、脱脂 液体または蒸気による洗浄
主要キーワード 非金属管 曲面部材 非金属体 バブル発生機構 周波数共振 プラスチック樹脂製 金属被覆処理 気泡半径
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

音波伝搬に適した溶存気体量を実現でき、かつ、超音波を用いた処理により適合したファインバブル簡便かつ安定して発生させること。

解決手段

本発明の超音波処理装置は、被処理物に対して所定の処理を施す処理液を保持しており、被処理物が処理液で満たされる処理部と、処理部に設けられ、被処理物に対して超音波を印加する超音波印加機構と、処理液を循環させる循環ポンプ、処理部から引き抜いた処理液を循環ポンプへと接続する処理液引抜配管、及び、循環ポンプを経た処理液を処理部へと吐出させる処理液吐出配管を少なくとも有する循環経路と、処理液吐出配管に対して設けられており、処理液を脱気するとともに、処理液中にファインバブルを発生させるファインバブル発生機構と、を備える。かかるファインバブル発生機構は、処理液吐出配管に対して特定の条件を満足するように設けられた、蒸気供給管及び気体供給管と、を有している。

概要

背景

一般に、鋼板鋼管といった各種の金属体の製造工程において、金属体の表面に存在する汚れスケール等を除去するために、薬液リンス等が保持された洗浄槽に対して金属体を浸漬することで洗浄を行う洗浄処理方法が、広く採用されている。このような洗浄処理方法を実施する洗浄処理装置としては、例えば、高圧気流噴射ノズルを利用した処理装置や、超音波を利用した超音波処理装置がある。

このような超音波を利用した超音波処理装置において、超音波洗浄におけるキャビテーション作用強化するために、超音波伝播性の向上のために脱気を行ったり、キャビテーションの核となる微細気泡を導入したりする等といった工夫がなされてきた。例えば、脱気を行う方法として、真空ポンプを用いた脱気方法中空糸膜を用いた脱気方法、絞りを用いた脱気方法等が提案されている。また、例えば微細気泡を導入する方法としては、高速旋回による気泡微細化方法や、気体高圧過飽和溶解させて解放時に微細気泡を発生させる方法等が提案されている。しかしながら、上記のような脱気方法及び微細気泡発生方法は、それぞれ専用のユニットが必要であり、これらの方法を組み合わせた装置は大型化し、非常に高価なものであった。

そこで、近年、安定した微細気泡の発生と、溶存気体量の調整(すなわち、脱気)と、を簡便に実施可能な装置について、検討が行われるようになってきている。

例えば、非特許文献1には、送液ポンプを必要としない直接接触凝縮を利用したマイクロバブル発生方法が開示されている。具体的には、非特許文献1では、凝縮成分として水を用い、非凝縮成分として窒素ガスを用いた混合蒸気泡を冷却水に対して強制的に供給することで、マイクロバブルを発生させている。

概要

超音波の伝搬に適した溶存気体量を実現でき、かつ、超音波を用いた処理により適合したファインバブル簡便かつ安定して発生させること。本発明の超音波処理装置は、被処理物に対して所定の処理を施す処理液を保持しており、被処理物が処理液で満たされる処理部と、処理部に設けられ、被処理物に対して超音波を印加する超音波印加機構と、処理液を循環させる循環ポンプ、処理部から引き抜いた処理液を循環ポンプへと接続する処理液引抜配管、及び、循環ポンプを経た処理液を処理部へと吐出させる処理液吐出配管を少なくとも有する循環経路と、処理液吐出配管に対して設けられており、処理液を脱気するとともに、処理液中にファインバブルを発生させるファインバブル発生機構と、を備える。かかるファインバブル発生機構は、処理液吐出配管に対して特定の条件を満足するように設けられた、蒸気供給管及び気体供給管と、を有している。A

目的

本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

被処理物に対して所定の処理を施す処理液を保持しており、前記被処理物が前記処理液で満たされる処理部と、前記処理部に設けられ、前記被処理物に対して超音波印加する超音波印加機構と、前記処理液を循環させる循環ポンプ、前記処理部から引き抜いた前記処理液を前記循環ポンプへと接続する処理液引抜配管、及び、前記循環ポンプを経た前記処理液を前記処理部へと吐出させる処理液吐出配管を少なくとも有しており、前記処理部に保持された前記処理液を循環させる循環経路と、前記処理液吐出配管に対して設けられており、前記処理液を脱気するとともに、前記処理液中にファインバブルを発生させるファインバブル発生機構と、を備え、前記ファインバブル発生機構は、前記処理液吐出配管中を流れる前記処理液に対して蒸気を供給する蒸気供給管と、前記処理液吐出配管中を流れる前記処理液に対して気体を供給する気体供給管と、を有しており、前記蒸気供給管は、前記処理液吐出配管の側面から前記処理液吐出配管の管軸方向の中心軸に向かって先端部が突出し、かつ、当該先端部が前記処理液の流れの下流方向に向くように、傾斜して接続されており、前記処理液吐出配管を前記中心軸に対して直交するように切断した際の断面において、前記蒸気供給管の接続位置は、前記中心軸から前記処理液吐出配管の端部方向に向かって前記蒸気供給管の口径の1/2に該当する長さ以上離隔した位置となっており、前記気体供給管は、前記蒸気供給管よりも下流側に対し、前記処理液吐出配管の側面から前記処理液吐出配管の管軸方向の中心軸に向かって先端部が突出しており、かつ、当該先端部が前記処理液の流れの下流方向に向くように、傾斜して接続されており、少なくとも前記先端部が前記蒸気供給管と接触しており、前記気体供給管の前記先端部は、前記蒸気供給管の前記先端部の位置よりも突出していない、超音波処理装置

請求項2

前記蒸気供給管の前記先端部より噴出する前記蒸気の流速VSと、前記処理液吐出配管中を流れる前記処理液の流速VLとの比(VS/VL)は、2≦VS/VL≦100の関係を満足する、請求項1に記載の超音波処理装置。

請求項3

前記蒸気供給管の管軸方向の中心軸と、前記処理液吐出配管の管軸方向の中心軸とのなす角θ[°]は、60≦θ<90の関係を満足する、請求項1又は2に記載の超音波処理装置。

請求項4

前記蒸気供給管の口径DSと、前記気体供給管の口径DGとの比(DS/DG)は、1.2≦DS/DG≦3.0の関係を満足する、請求項1〜3の何れか1項に記載の超音波処理装置。

請求項5

前記蒸気供給管の前記処理液吐出配管の内部への突出部分について、前記処理液吐出配管を前記中心軸に対して直交するように切断した際の断面への前記突出部分の投影面積をASとし、前記処理液吐出配管を前記中心軸に対して直交するように切断した際の断面積をACとしたときに、0.05≦AS/AC≦0.40の関係を満足する、請求項1〜4の何れか1項に記載の超音波処理装置。

請求項6

前記蒸気供給管と前記気体供給管とが接触している位置において、前記気体供給管との接触面積を増やすように前記蒸気供給管の外形が加工されている、請求項1〜5の何れか1項に記載の超音波処理装置。

請求項7

前記気体供給管には、供給される前記気体を加熱するための加熱機構が設けられている、請求項1〜6の何れか1項に記載の超音波処理装置。

請求項8

前記蒸気供給管の先端部の開閉度合いと、前記気体供給管の先端部の開閉度合いと、を連動させる連動機構を備える、請求項1〜7の何れか1項に記載の超音波処理装置。

請求項9

前記気体供給管から供給される気体の温度TG[℃]と、前記処理液吐出配管中を流れる前記処理液の温度TL[℃]と、の差分ΔT=TG−TLは、5≦ΔT≦90の関係を満足する、請求項1〜8の何れか1項に記載の超音波処理装置。

請求項10

前記ファインバブル発生機構は、前記処理部へと吐出される前記処理液中において、溶存気体量飽和溶存気体量に対して50%以下となるように、前記ファインバブルを発生させる、請求項1〜9の何れか1項に記載の超音波処理装置。

請求項11

前記ファインバブル発生機構は、前記処理部へと吐出される前記処理液中において、平均気泡径が0.01μm〜100μmである前記ファインバブルが、気泡総量103個/mL〜1010個/mLの範囲で存在するように、前記ファインバブルを発生させる、請求項1〜10の何れか1つに記載の超音波処理装置。

請求項12

前記超音波印加機構は、前記超音波の周波数を、20kHz〜200kHzの周波数帯域から選択する、請求項1〜11の何れか1項に記載の超音波処理装置。

請求項13

前記超音波印加機構は、選択した前記超音波の周波数を中心として、±0.1kHz〜±10kHzの範囲で掃引しつつ、前記処理液に対して超音波を印加する、請求項1〜12の何れか1項に記載の超音波処理装置。

請求項14

被処理物が、当該被処理物に対して所定の処理を施す処理液で満たされた状態にある処理部を設け、前記被処理物に対して超音波を印加しながら前記被処理物に対して所定を施す際に、前記処理部に対してファインバブルを含有する前記処理液を供給するファインバブルの供給方法であって、前記処理部に対して、前記処理液を循環させる循環ポンプ、前記処理部から引き抜いた前記処理液を前記循環ポンプへと接続する処理液引抜配管、及び、前記循環ポンプを経た前記処理液を前記処理部へと吐出させる処理液吐出配管を少なくとも有しており、前記処理部に前記処理液を循環させる循環経路が設けられており、前記処理液吐出配管に対して、前記処理液を脱気するとともに前記処理液中にファインバブルを発生させる機構であり、かつ、前記処理液吐出配管中を流れる前記処理液に対して蒸気を供給する蒸気供給管と、前記処理液吐出配管中を流れる前記処理液に対して気体を供給する気体供給管と、を有するファインバブル発生機構が設けられており、前記蒸気供給管は、前記処理液吐出配管の側面から前記処理液吐出配管の管軸方向の中心軸に向かって先端部が突出し、かつ、当該先端部が前記処理液の流れの下流方向に向くように、傾斜して接続されており、前記処理液吐出配管を前記中心軸に対して直交するように切断した際の断面において、前記蒸気供給管の接続位置は、前記中心軸から前記処理液吐出配管の端部方向に向かって前記蒸気供給管の口径の1/2に該当する長さ以上離隔した位置となっており、前記気体供給管は、前記蒸気供給管よりも下流側に対し、前記処理液吐出配管の側面から前記処理液吐出配管の管軸方向の中心軸に向かって先端部が突出しており、かつ、当該先端部が前記処理液の流れの下流方向に向くように、傾斜して接続されており、少なくとも前記先端部が前記蒸気供給管と接触しており、前記気体供給管の前記先端部は、前記蒸気供給管の前記先端部の位置よりも突出しておらず、前記処理液吐出配管中を流れる前記処理液に対して、前記蒸気供給管から蒸気を供給するとともに、前記気体供給管から気体を供給する、ファインバブルの供給方法。

技術分野

0001

本発明は、超音波処理装置及びファインバブル供給方法に関する。

背景技術

0002

一般に、鋼板鋼管といった各種の金属体の製造工程において、金属体の表面に存在する汚れスケール等を除去するために、薬液リンス等が保持された洗浄槽に対して金属体を浸漬することで洗浄を行う洗浄処理方法が、広く採用されている。このような洗浄処理方法を実施する洗浄処理装置としては、例えば、高圧気流噴射ノズルを利用した処理装置や、超音波を利用した超音波処理装置がある。

0003

このような超音波を利用した超音波処理装置において、超音波洗浄におけるキャビテーション作用強化するために、超音波伝播性の向上のために脱気を行ったり、キャビテーションの核となる微細気泡を導入したりする等といった工夫がなされてきた。例えば、脱気を行う方法として、真空ポンプを用いた脱気方法中空糸膜を用いた脱気方法、絞りを用いた脱気方法等が提案されている。また、例えば微細気泡を導入する方法としては、高速旋回による気泡微細化方法や、気体高圧過飽和溶解させて解放時に微細気泡を発生させる方法等が提案されている。しかしながら、上記のような脱気方法及び微細気泡発生方法は、それぞれ専用のユニットが必要であり、これらの方法を組み合わせた装置は大型化し、非常に高価なものであった。

0004

そこで、近年、安定した微細気泡の発生と、溶存気体量の調整(すなわち、脱気)と、を簡便に実施可能な装置について、検討が行われるようになってきている。

0005

例えば、非特許文献1には、送液ポンプを必要としない直接接触凝縮を利用したマイクロバブル発生方法が開示されている。具体的には、非特許文献1では、凝縮成分として水を用い、非凝縮成分として窒素ガスを用いた混合蒸気泡を冷却水に対して強制的に供給することで、マイクロバブルを発生させている。

先行技術

0006

宏一、斎淳平、戸田佑、小林大祐、「混合蒸気の直接接触凝縮を用いたマイクロバブル生成」、混相流研究の進展、日本混相流学会、4巻(2009)、p.87−93。

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、非特許文献1で開示されている技術により発生したマイクロバブルは、発生直後ミリバブルとして塊で存在するようになるため、超音波を利用する環境では、存在するミリバブルが超音波の伝搬阻害してしまう。

0008

そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、超音波の伝搬に適した溶存気体量を実現でき、かつ、超音波を用いた処理により適合したファインバブルを簡便かつ安定して発生させることが可能な、超音波処理装置及びファインバブルの供給方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、処理液循環経路内に特定の条件で配置した蒸気供給管から蒸気を処理液に対して供給して、処理液の脱気と微細気泡(ファインバブル)の供給とを両立するとともに、蒸気と接触した空気をあわせて供給することに想到した。これにより、発生した微細気泡の更なる微細化を助長するとともに、蒸気と微細気泡との旋回流によって、攪拌効率脱気効率ともいえる。)の向上、及び、微細気泡の安定化を図ることが可能となるとの知見を得ることができた。
本発明は、かかる知見に基づき完成されたものであり、その要旨は以下の通りである。

0010

[1]被処理物に対して所定の処理を施す処理液を保持しており、前記被処理物が前記処理液で満たされる処理部と、前記処理部に設けられ、前記被処理物に対して超音波を印加する超音波印加機構と、前記処理液を循環させる循環ポンプ、前記処理部から引き抜いた前記処理液を前記循環ポンプへと接続する処理液引抜配管、及び、前記循環ポンプを経た前記処理液を前記処理部へと吐出させる処理液吐出配管を少なくとも有しており、前記処理部に保持された前記処理液を循環させる循環経路と、前記処理液吐出配管に対して設けられており、前記処理液を脱気するとともに、前記処理液中にファインバブルを発生させるファインバブル発生機構と、を備え、前記ファインバブル発生機構は、前記処理液吐出配管中を流れる前記処理液に対して蒸気を供給する蒸気供給管と、前記処理液吐出配管中を流れる前記処理液に対して気体を供給する気体供給管と、を有しており、前記蒸気供給管は、前記処理液吐出配管の側面から前記処理液吐出配管の管軸方向の中心軸に向かって先端部が突出し、かつ、当該先端部が前記処理液の流れの下流方向に向くように、傾斜して接続されており、前記処理液吐出配管を前記中心軸に対して直交するように切断した際の断面において、前記蒸気供給管の接続位置は、前記中心軸から前記処理液吐出配管の端部方向に向かって前記蒸気供給管の口径の1/2に該当する長さ以上離隔した位置となっており、前記気体供給管は、前記蒸気供給管よりも下流側に対し、前記処理液吐出配管の側面から前記処理液吐出配管の管軸方向の中心軸に向かって先端部が突出しており、かつ、当該先端部が前記処理液の流れの下流方向に向くように、傾斜して接続されており、少なくとも前記先端部が前記蒸気供給管と接触しており、前記気体供給管の前記先端部は、前記蒸気供給管の前記先端部の位置よりも突出していない、超音波処理装置。
[2]前記蒸気供給管の前記先端部より噴出する前記蒸気の流速VSと、前記処理液吐出配管中を流れる前記処理液の流速VLとの比(VS/VL)は、2≦VS/VL≦100の関係を満足する、[1]に記載の超音波処理装置。
[3]前記蒸気供給管の管軸方向の中心軸と、前記処理液吐出配管の管軸方向の中心軸とのなす角θ[°]は、60≦θ<90の関係を満足する、[1]又は[2]に記載の超音波処理装置。
[4]前記蒸気供給管の口径DSと、前記気体供給管の口径DGとの比(DS/DG)は、1.2≦DS/DG≦3.0の関係を満足する、[1]〜[3]の何れか1つに記載の超音波処理装置。
[5]前記蒸気供給管の前記処理液吐出配管の内部への突出部分について、前記処理液吐出配管を前記中心軸に対して直交するように切断した際の断面への前記突出部分の投影面積をASとし、前記処理液吐出配管を前記中心軸に対して直交するように切断した際の断面積をACとしたときに、0.05≦AS/AC≦0.40の関係を満足する、[1]〜[4]の何れか1つに記載の超音波処理装置。
[6]前記蒸気供給管と前記気体供給管とが接触している位置において、前記気体供給管との接触面積を増やすように前記蒸気供給管の外形が加工されている、[1]〜[5]の何れか1つに記載の超音波処理装置。
[7]前記気体供給管には、供給される前記気体を加熱するための加熱機構が設けられている、[1]〜[6]の何れか1つに記載の超音波処理装置。
[8]前記蒸気供給管の先端部の開閉度合いと、前記気体供給管の先端部の開閉度合いと、を連動させる連動機構を備える、[1]〜[7]の何れか1つに記載の超音波処理装置。
[9]前記気体供給管から供給される気体の温度TG[℃]と、前記処理液吐出配管中を流れる前記処理液の温度TL[℃]と、の差分ΔT=TG−TLは、5≦ΔT≦90の関係を満足する、[1]〜[8]の何れか1つに記載の超音波処理装置。
[10]前記ファインバブル発生機構は、前記処理部へと吐出される前記処理液中において、溶存気体量が飽和溶存気体量に対して50%以下となるように、前記ファインバブルを発生させる、[1]〜[9]の何れか1つに記載の超音波処理装置。
[11]前記ファインバブル発生機構は、前記処理部へと吐出される前記処理液中において、平均気泡径が0.01μm〜100μmである前記ファインバブルが、気泡総量103個/mL〜1010個/mLの範囲で存在するように、前記ファインバブルを発生させる、[1]〜[10]の何れか1つに記載の超音波処理装置。
[12]前記超音波印加機構は、前記超音波の周波数を、20kHz〜200kHzの周波数帯域から選択する、[1]〜[11]の何れか1つに記載の超音波処理装置。
[13]前記超音波印加機構は、選択した前記超音波の周波数を中心として、±0.1kHz〜±10kHzの範囲で掃引しつつ、前記処理液に対して超音波を印加する、[1]〜[12]の何れか1つに記載の超音波処理装置。
[14]被処理物が、当該被処理物に対して所定の処理を施す処理液で満たされた状態にある処理部を設け、前記被処理物に対して超音波を印加しながら前記被処理物に対して所定を施す際に、前記処理部に対してファインバブルを含有する前記処理液を供給するファインバブルの供給方法であって、前記処理部に対して、前記処理液を循環させる循環ポンプ、前記処理部から引き抜いた前記処理液を前記循環ポンプへと接続する処理液引抜配管、及び、前記循環ポンプを経た前記処理液を前記処理部へと吐出させる処理液吐出配管を少なくとも有しており、前記処理部に前記処理液を循環させる循環経路が設けられており、前記処理液吐出配管に対して、前記処理液を脱気するとともに前記処理液中にファインバブルを発生させる機構であり、かつ、前記処理液吐出配管中を流れる前記処理液に対して蒸気を供給する蒸気供給管と、前記処理液吐出配管中を流れる前記処理液に対して気体を供給する気体供給管と、を有するファインバブル発生機構が設けられており、前記蒸気供給管は、前記処理液吐出配管の側面から前記処理液吐出配管の管軸方向の中心軸に向かって先端部が突出し、かつ、当該先端部が前記処理液の流れの下流方向に向くように、傾斜して接続されており、前記処理液吐出配管を前記中心軸に対して直交するように切断した際の断面において、前記蒸気供給管の接続位置は、前記中心軸から前記処理液吐出配管の端部方向に向かって前記蒸気供給管の口径の1/2に該当する長さ以上離隔した位置となっており、前記気体供給管は、前記蒸気供給管よりも下流側に対し、前記処理液吐出配管の側面から前記処理液吐出配管の管軸方向の中心軸に向かって先端部が突出しており、かつ、当該先端部が前記処理液の流れの下流方向に向くように、傾斜して接続されており、少なくとも前記先端部が前記蒸気供給管と接触しており、前記気体供給管の前記先端部は、前記蒸気供給管の前記先端部の位置よりも突出しておらず、前記処理液吐出配管中を流れる前記処理液に対して、前記蒸気供給管から蒸気を供給するとともに、前記気体供給管から気体を供給する、ファインバブルの供給方法。

発明の効果

0011

以上説明したように本発明によれば、超音波の伝搬に適した溶存気体量を実現でき、かつ、超音波を用いた処理により適合したファインバブルを簡便かつ安定して発生させることが可能となる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の実施形態に係る超音波処理装置の構成の一例を模式的に示した説明図である。
同実施形態に係る超音波処理装置の構成の一例を模式的に示した説明図である。
同実施形態に係るファインバブル発生機構について説明するための説明図である。
同実施形態に係るファインバブル発生機構について説明するための説明図である。
同実施形態に係るファインバブル発生機構について説明するための説明図である。
同実施形態に係るファインバブル発生機構について説明するための説明図である。
実験例1で使用した超音波処理装置の構成を模式的に示した説明図である。
実験例2で使用した超音波処理装置の構成を模式的に示した説明図である。
実験例2で使用した超音波処理装置の構成を模式的に示した説明図である。
実験例2で使用した治具45における蒸気供給管及び気体供給管の状態を模式的に示した説明図である。

0013

以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。

0014

(超音波処理装置の全体構成)
まず、図1A及び図1Bを参照しながら、本発明の実施形態に係る超音波処理装置の全体的な構成について、簡単に説明する。図1A及び図1Bは、本実施形態に係る超音波処理装置の全体的な構成の一例を模式的に示した説明図である。

0015

本実施形態に係る超音波処理装置1は、被処理物に対して所定の処理を施す処理液に加えて超音波を併用し、被処理物の表面(処理液に接している部位)に対して所定の処理を施す装置である。かかる超音波処理装置1は、鋼材等に代表される各種の金属体や、プラスチック樹脂製部材等に代表される各種の非金属体等に対して、例えば洗浄等の各種の処理を施す際に利用することができる。例えば、鋼板、鋼管、鋼線材等といった各種の金属体を被処理物とし、本実施形態に係る超音波処理装置1を用いることで、これらの金属体に対して、酸洗処理脱脂処理、更には洗浄処理を行うことができる。

0016

ここで、酸洗処理とは、金属体の表面に形成された酸化物スケールを除去する処理であり、脱脂処理とは、加工処理等に用いる潤滑剤や加工油等の油分を除去する処理である。これらの酸洗処理や脱脂処理は、表面仕上げ処理金属被覆処理化成処理塗装処理等)を金属体に対して施すに先だって実施される前処理である。かかる酸洗処理によって、地の金属の一部を溶解させることもある。また、表面仕上げ品質を向上させるためのエッチングによる金属体の溶解にも、かかる酸洗処理は用いられている。また、酸洗処理の前段に脱脂処理が設けられている場合もあり、脱脂処理における脱脂性能が、その後の酸洗処理のスケールの除去に影響を及ぼすこともある。更には、脱脂処理は、最終製品仕上げ品質としての油分管理指標である濡れ性の改善にも、使用される。

0017

更に、以下で詳述する本実施形態に係る超音波処理装置1は、上記のような製造ラインにおける洗浄工程以外にも、使用済み配管や定期的もしくは不定期汚れ除去を必要とするタンク、装置の洗浄等に対しても用いることが可能である。

0018

以下では、処理部の一例として、処理液の保持されている処理槽が存在し、かかる処理槽の内部に、被処理物が処理液で満たされるように設けられる場合を例に挙げて、詳細に説明を行うものとする。

0019

本実施形態に係る超音波処理装置1は、図1Aに例示したように、処理槽10と、超音波印加機構20と、処理液の循環経路30と、を有している。また、処理液の循環経路30は、図1Aに示したように、循環ポンプ31と、処理液引抜配管33と、処理液吐出配管35と、を有しており、処理液吐出配管35に対して、ファインバブル発生機構40が設けられている。ファインバブル発生機構40によって、循環経路30を流れる処理液3中にファインバブルが発生し、発生したファインバブルが、処理液3とともに処理槽10内に供給される。また、本実施形態に係る超音波処理装置1は、上記の構成に加えて、更に、曲面部材50を有していることが好ましい。

0020

ここで、ファインバブルとは、気泡径が100μm以下である微細気泡である。かかるファインバブルのうち、気泡径がμmサイズのファインバブルを、マイクロバブルと称することがあり、気泡径がnmサイズのファインバブルを、ナノバブルウルトラファインバブルと称することがある。ファインバブルは、被処理物に対する超音波の伝播効率を向上させ、超音波キャビテーションの核として処理性を向上させるものである。

0021

また、図1Bに模式的に示したように、超音波印加機構20、循環経路30、ファインバブル発生機構40、及び、曲面部材50の個数及び配置については、特に限定されるものではなく、処理槽10の形状や大きさに応じて、適宜個数を調整しながら配置することが可能である。

0022

以下では、本実施形態に係る超音波処理装置1における各構成について、詳細に説明する。

0023

(処理槽10について)
処理部の一例である処理槽10には、被処理物に対して所定の処理を施すために用いられる処理液3や、被処理物そのものが収容される。これにより、処理槽10内に収容された被処理物は、処理液3で満たされた状態で存在するようになる。処理槽10に保持される処理液3の種類については、特に限定されるものではなく、被処理物に対して行う処理に応じて、公知の処理液を用いることが可能である。

0024

ここで、本実施形態に係る処理槽10を形成するために用いられる素材は、特に限定されるものではなく、鉄、鋼、ステンレス鋼板等といった各種の金属材料であってもよいし、繊維強化プラスチックFRP)やポリプロピレン(PP)等といった各種のプラスチック樹脂であってもよいし、耐酸レンガ等のような各種のレンガであってもよい。すなわち、本実施形態に係る超音波処理装置1を構成する処理槽10として、上記のような素材で形成された処理槽を新たに準備することも可能であるし、各種の製造ラインにおける既設の処理槽を利用することも可能である。

0025

また、処理槽10の大きさについても特に限定されるものではなく、液面深さ1〜2m程度×全長3〜25m程度のような各種形状の大型処理槽であったとしても、本実施形態に係る超音波処理装置1の処理槽10として利用可能である。

0026

(超音波印加機構20について)
超音波印加機構20は、処理槽10に収容されている処理液3や被処理物に対して、所定周波数の超音波を印加するものである。超音波印加機構20は、特に限定されるものではなく、未図示の超音波発振器に接続された超音波振動子など、公知のものを利用することが可能である。また、図1A及び図1Bでは、超音波印加機構20を処理槽10の壁面に設ける場合について図示しているが、超音波印加機構20の処理槽10への設置位置についても特に限定されるものではなく、処理槽10の壁面や底面に対して、1又は複数の超音波振動子を適宜設置すればよい。なお、処理槽10全体に均一に超音波が伝播されるような条件となれば、個々の超音波振動子の発振負荷バランスが一様となるため、超音波振動子の個数が複数であったとしても、発生した超音波間で干渉が生じなくなる。

0027

超音波印加機構20から出力される超音波の周波数は、例えば、20kHz〜200kHzであることが好ましい。超音波の周波数が20kHz未満である場合には、被処理物の表面から発生するサイズの大きな気泡により超音波伝播が阻害され、超音波による処理性向上効果が低下する場合がある。また、超音波の周波数が200kHzを超える場合には、被処理物を処理する際の超音波の直進性が強くなりすぎて、処理の均一性が低下する場合がある。超音波印加機構20から出力される超音波の周波数は、好ましくは20kHz〜150kHzであり、更に好ましくは、25kHz〜100kHzである。

0028

なお、印加する超音波の周波数は、被処理物に応じて上記範囲内で適切な値を選定することが好ましく、被処理物の種類によっては、2種類以上の周波数の超音波を印加してもよい。

0029

また、超音波印加機構20は、ある選択した超音波の周波数を中心として所定の範囲で周波数を掃引しつつ超音波を印加することが可能な、周波数掃引機能を有していることが好ましい。このような周波数掃引機能によって、以下のような2つの更なる効果を実現することが可能となる。

0030

液体中に存在している、ファインバブルを含む微小気泡に対して超音波を印加した場合、微小気泡に対して、Bjerknes力と呼ばれる力が作用し、微小気泡は、周波数に依存する共振気泡半径R0に応じて、超音波の腹や節の位置に引き寄せられることとなる。ここで、超音波印加機構20が有している周波数掃引機能によって、超音波の周波数が変化した場合、周波数に依存する共振気泡半径R0は、周波数の変化に応じて広がることとなる。その結果、キャビテーション発生泡径が広がることとなり、多くの微小気泡(例えば、ファインバブル)をキャビテーション核として利用することが可能となる。これにより、超音波印加機構20が有している周波数掃引機能によって、本実施形態に係る超音波処理装置1の処理効率が更に向上することとなる。

0031

一方、超音波の一般的な性質として、「超音波の波長照射物体の厚みに対応する波長の1/4となったときに、超音波が照射物体を透過する」という現象が知られている。そこで、周波数を適切な範囲で掃引しながら超音波を印加することで、例えば被処理物が管状体等の中空部を有するものであった場合に、管状体内へと透過する超音波を増加させることが可能となり、本実施形態に係る超音波処理装置1の処理効率が更に向上することとなる。

0032

ここで、照射物体表面での超音波の透過を考える場合、超音波は、照射物体に垂直入射する場合だけでなく、多重反射を繰り返しながら伝播していくため、一定の音場は形成しづらい傾向にある。その中でも、照射物体の壁面を透過する条件を生み出すために、被処理物の位置がどこに存在していたとしても、「超音波の波長が、被処理物の厚みに対応する波長の1/4となる」という条件を満たすことが可能な周波数を実現することが好ましい。このような周波数の範囲について、本発明者らが検討したところ、ある選択した超音波の周波数を中心として±0.1kHz〜±10kHzの範囲で周波数を掃引しつつ超音波を印加することで、上記のような超音波の透過が実現可能であることが明らかとなった。これらの理由から、超音波印加機構20は、ある選択した超音波の周波数を中心として±0.1kHz〜±10kHzの範囲で周波数を掃引しつつ超音波を印加することが可能な、周波数掃引機能を有していることが好ましい。

0033

(循環経路30及びファインバブル発生機構40について)
循環経路30は、処理槽10に保持されている処理液3を循環させるための経路である。この循環経路30は、図1Aに示したように、処理液3を循環させるための循環ポンプ31と、処理槽10から引き抜いた処理液3を循環ポンプ31へと接続する処理液引抜配管33と、循環ポンプ31を経た処理液3を処理槽10へと吐出させる処理液吐出配管35と、を少なくとも有している。また、ファインバブル発生機構40は、図1Aに示したように、処理液吐出配管35に対して設けられており、循環ポンプ31を経た処理液3を脱気するとともに、処理液3中にファインバブルを発生させる。

0034

循環経路30中に設けられる循環ポンプ31は、処理液引抜配管33中に存在する処理液3を、0.05m/秒〜5m/秒の範囲内の流速で循環させるものである。

0035

処理液引抜配管33は、所定の配管長を有しており、循環ポンプ31の負圧側に設けられる配管である。処理液引抜配管33の配管長については、特に限定されるものではなく、任意の配管長とすることができる。また、処理液引抜配管33の断面形状についても特に限定されるものではない。

0036

処理液吐出配管35は、所定の配管長を有しており、循環ポンプ31の正圧側に設けられる配管である。処理液吐出配管35の断面形状については、特に限定されるものではない。また、処理液吐出配管35の途中には、図1Aに示したようにファインバブル発生機構40が設けられる。

0037

なお、処理液引抜配管33及び処理液吐出配管35の素材については、処理液3と反応しないものであれば特に限定されるものではなく、各種の金属であってもよいし、プラスチック樹脂製などの非金属であってもよい。

0038

ファインバブル発生機構40は、正圧環境下にある処理液吐出配管35の途中に設けられている。循環ポンプ31を経て、かかるファインバブル発生機構40により、処理液3中にファインバブルが生成される。

0039

ここで、処理槽10へと吐出される処理液3中に生成されるファインバブルの平均気泡径は、0.01μm〜100μmであることが好ましい。ここで、平均気泡径とは、ファインバブルの直径に関する個数分布において、標本数が最大となる直径である。平均気泡径が0.01μm未満の場合、ファインバブル発生機構40が大型となり、気泡径を整えてのファインバブルの供給が困難になる場合がある。また、平均気泡径が100μmを超える場合には、ファインバブルの浮上速度が増加することで洗浄液中でのファインバブルの寿命が短くなり、現実的な洗浄が出来なくなる場合がある。また、気泡径が大きすぎる場合、超音波の伝播がファインバブルによって阻害され、超音波の持つ洗浄力向上効果が低下してしまう場合がある。

0040

また、処理槽10へと吐出される処理液3中におけるファインバブルの濃度(密度)は、103個/mL〜1010個/mLであることが好ましい。ファインバブルの濃度が103個/mL未満である場合には、ファインバブルによる超音波伝搬向上作用が十分得られない場合があり、また、処理に必要な超音波キャビテーションの核が少なくなってしまい、好ましくない。また、ファインバブルの濃度が1010個/mL超である場合には、ファインバブル発生機構40が大型になったり、ファインバブル発生機構40の台数を増やすことになったりして、ファインバブルの供給が現実的ではない場合があり、好ましくない。

0041

また、ファインバブル発生機構40は、処理液3中において、超音波の周波数に共振する直径である周波数共振径以下の気泡径を有するファインバブルの個数の割合が処理液3中に存在するファインバブル全体の個数の70%以上となるように、ファインバブルを発生させることが好ましい。以下、その理由について説明する。

0042

ファインバブルを含む各種気泡の固有振動数は、Minnaert共振周波数とも呼ばれ、以下の式11で与えられる。

0043

0044

ここで、上記式11において、
f0:気泡の固有振動数(Minnaert共振周波数)
R0:気泡の平均半径
p∞:周辺液体の平均圧力
γ:断熱比(空気のγ=1.4)
ρ:液体密度
である。

0045

いま、着目する気泡の内部に空気が存在するとした場合に、気泡の周辺液体が水であり、圧力が大気圧であるとすると、気泡の固有振動数と気泡の平均半径との積f0R0の値は、上記式11より約3kHz・mm程度となる。これより、印加される超音波の周波数が20kHzであれば、かかる超音波に共振する気泡の半径R0は、約150μmとなるため、周波数20kHzの超音波に共振する気泡の直径である周波数共振径2R0は、約300μmとなる。同様に、印加される超音波の周波数が100kHzであれば、かかる超音波に共振する気泡の半径R0は、約30μmとなるため、周波数100kHzの超音波に共振する気泡の直径である周波数共振径2R0は、約60μmとなる。

0046

この際に、共振半径R0よりも大きな半径を有する気泡は阻害因子となる。なぜなら、ファインバブルを含む気泡が共振する際、気泡は、短時間に膨張収縮とを繰り返し、最終的には圧壊するが、第一音波が気泡を通過する時点で気泡の大きさが周波数共振径2R0よりも大きければ、超音波は気泡表面拡散してしまうからである。逆に、第一音波が気泡を通過する時点で気泡の大きさが周波数共振径2R0よりも小さければ、超音波は気泡表面で拡散せずに気泡中を通過することができる。

0047

かかる観点から、処理液3中において、周波数共振径2R0以下の気泡径を有するファインバブルの個数の割合を、処理液3中に存在するファインバブル全体の個数の70%以上とすることが好ましい。周波数共振径2R0以下の気泡径を有するファインバブルの個数の割合を70%以上とすることで、超音波の伝播効率を更に向上させることが可能となる。また、第一音波を処理槽10の壁面/底面まで伝播させることで、処理槽10全体への超音波の拡散及び反射が繰り返され、均一な超超音波処理槽を実現することが可能となる。また、周波数共振径2R0以下であった気泡も、所定の超音波照射時間を超えると膨張と収縮とを繰り返して圧壊し、キャビテーションを利用した処理に寄与することができる。

0048

なお、周波数共振径2R0以下の気泡径を有するファインバブルの個数の割合は、ファインバブル発生直後に膨張する泡が少なからず存在することを考慮して、98%以下であることが好ましい。周波数共振径2R0以下の気泡径を有するファインバブルの個数の割合は、より好ましくは、80%以上98%以下である。

0049

ここで、ファインバブルの平均気泡径や濃度(密度)は、液中パーティクルカウンター気泡径分布計測装置等といった、公知の機器により測定することが可能である。また、処理液3中のファインバブルの平均気泡径や濃度(密度)の制御方法については、以下で改めて説明する。

0050

また、本実施形態に係る超音波処理装置1において、より均一な超音波伝搬と高い洗浄性とを両立するためには、処理液3中の溶存気体量(より詳細には、溶存酸素量)を、ファインバブル発生機構40により適切な値に制御することが好ましい。このような処理液3中の適切な溶存気体量は、処理液3における溶存飽和量の1%〜50%であることが好ましい。溶存気体量が溶存飽和量の1%未満である場合には、気泡をファインバブルとして発生させることが困難となる上に、超音波によるキャビテーション発生が起こらず、超音波による処理性向上能力表面処理性向上能力)が発揮できないため好ましくない。一方、溶存気体量が溶存飽和量の50%を超える場合には、溶存した気体により超音波の伝搬が阻害され、処理槽10全体への均一な超音波伝搬が阻害されるため、好ましくない。処理液3中の溶存気体量(溶存酸素量)は、好ましくは、処理液3における溶存飽和量の5%〜40%以下である。

0051

ここで、処理液3の温度が変化すれば、処理液3の溶存飽和量は変化する。また、処理液3の温度変化に起因する、処理液3を構成する液体の分子運動量(例えば、水分子運動量)の違いが、伝搬性に影響する。具体的には、温度が低ければ、処理液3を構成する液体の分子運動量は少なく、超音波を伝搬しやすくなり、処理液3の溶存飽和量(溶存酸素量)も高くなる。従って、上記範囲内となるような所望の溶存気体量(溶存酸素量)を実現可能なように、処理液3の温度を適宜制御することが好ましい。処理液3の温度は、処理液3を用いて実施する具体的な処理内容にもよるが、例えば、20℃〜85℃程度であることが好ましい。

0052

具体的には、処理液3中の溶存気体量は、例えば、0.1ppm以上11.6ppm以下であることが好ましく、1.0ppm以上11.0ppm以下であることがより好ましい。そのため、本実施形態に係る循環経路30及びファインバブル発生機構40は、処理槽10内に保持された処理液3中の溶存気体量が上記のような範囲の値となるように、処理液3の温度や処理液3中の溶存気体量を制御する。なお、処理液3中の溶存気体量の制御方法については、以下で改めて説明する。

0053

ここで、処理液3中の溶存気体量は、隔膜電極法及び光学式溶存酸素計といった、公知の機器によって測定することが可能である。

0054

なお、水溶液中の溶存気体は、主に、酸素窒素二酸化炭素ヘリウムアルゴンであり、水溶液の温度や成分に影響を受けるものの、酸素と窒素がその大半を占めている。また、本実施形態で着目するような各種の超音波処理に影響を与えうる溶存気体は、主に酸素である。

0055

以上のようなファインバブルの平均気泡径及び濃度、並びに、処理液3における溶存気体量は、以下で詳述するようなファインバブル発生機構40を適切に設置して、適切な条件で稼働するように制御することで、実現される。

0056

<ファインバブル発生機構40の詳細な構造について>
以下、本実施形態に係るファインバブル発生機構40について、図2A図3Bを参照しながら詳細に説明する。図2A図3Bは、本実施形態に係るファインバブル発生機構40について説明するための説明図である。

0057

本実施形態に係るファインバブル発生機構40は、図2A及び図2Bに模式的に示したように、処理液吐出配管35の内部に突出するようにそれぞれ設けられた、蒸気供給管401及び気体供給管403から構成される。蒸気供給管401は、処理液吐出配管35の内部を流れる処理液3に対して、蒸気を供給する。また、気体供給管403は、処理液吐出配管35の内部を流れる処理液3に対して、気体を供給する。

0058

本実施形態に係るファインバブル発生機構40が循環ポンプ31の下流側に位置することで、発生するファインバブルによる循環ポンプ31へのダメージを低減することが可能となる。

0059

蒸気供給管401は、図2Aに模式的に示したように、口径DS[mm]を有する配管であり、その内部には、任意の箇所から搬送されてきた飽和蒸気に近い蒸気(例えば、水蒸気)が所定の流速VS及び圧力PSで流れている。かかる蒸気供給管401は、図2Aに模式的に示したように、処理液吐出配管35の側面から、処理液吐出配管35の管軸方向の中心軸に向かって先端部が突出し、かつ、かかる先端部が処理液3の流れの下流方向に向くように、傾斜して接続されている。

0060

また、蒸気供給管401は、図2Bに模式的に示したように、処理液吐出配管35を、管軸方向の中心軸に対して直交するように切断した際の断面において、蒸気供給管401の接続位置は、処理液吐出配管35の管軸方向の中心軸から処理液吐出配管35の端部方向に向かって、蒸気供給管401の口径の1/2に対応する長さ以上離隔した位置となっている。すなわち、図2Bにおける離隔距離dに対応する位置が、蒸気供給管401の接続位置となるが、離隔距離d≧1/2×DSの関係が成立している。

0061

図2A及び図2Bに示したような条件で、蒸気供給管401が下流方向を向いて斜めに、処理液吐出配管35の中心軸から外れるように設けられ、蒸気供給管401の先端部から蒸気が噴射される。これにより、蒸気供給管401から噴射された蒸気は、処理液吐出配管35中を流れる処理液と旋回混合し、処理液吐出配管35の内部には、図2Aに模式的に示したような旋回流が発生する。分子運動が活発な蒸気によって処理液3内の溶存気体が外部に放出されて、処理液3の脱気が促進される。また、蒸気供給管401が下流方向を向いて斜めに設けられることで、蒸気供給管401の下流側に位置し、かつ、蒸気供給管401によって影となる部分(図2Aにおいて破線で囲った領域)には負圧が発生するようになる。

0062

ここで、蒸気供給管401から供給される蒸気の流速VSを上げるか、又は、処理液3と供給される蒸気の温度差を大きくすることで、溶存気体量を低下させることができる。蒸気の流速VSを上げることで、処理液3と蒸気との接触が増加するとともに、蒸気による処理液3の攪拌効果を増加させることで、蒸気成分の冷却凝集とともに溶存気体量が低下する。また、温度差を大きくすることで、蒸気成分の冷却凝集とともに溶存気体量が低下する。この際、本実施形態に係るファインバブル発生機構40の下流側において、上記のような公知の機器により溶存気体量を測定しながら、上記のような各制御条件を、溶存気体量が所望の範囲内の値となるまで調整すればよい。また、後述する気体供給管403から気体を断続的に送り込むことにより、溶存気体量が増加することを防止することができる。

0063

なお、蒸気供給管401から供給される蒸気(水蒸気)については、特に限定されるものではなく、0.1〜2.0MPa程度の圧力PSと、100〜300℃程度の温度とを有する、飽和蒸気又は飽和蒸気に近い状態の蒸気であればよい。このような蒸気として、例えば、工場配管中を流れるスチームなど、各種の飽和蒸気を挙げることができる。

0064

ここで、蒸気供給管401の管軸方向の中心軸と、処理液吐出配管35の管軸方向の中心軸とのなす角(図2Aにおける角θ[°])は、60≦θ<90の関係を満足することが好ましい。このような条件を満たすように蒸気供給管401を配置することで、図2Aに模式的に示したような旋回流をより適切に発生させることが可能となり、処理液3をより確実に脱気することが可能となる。図2Aに示した角θは、60≦θ≦80の範囲内となることが、より好ましい。

0065

また、蒸気供給管401の処理液吐出配管35の内部への突出部分について、図2Bに模式的に示したように、処理液吐出配管35を管軸方向の中心軸に対して直交するように切断した際の断面への突出部分の投影面積をASとし、処理液吐出配管35の断面積をACと表すこととする。この場合に、面積比(AS/AC)は、0.05≦AS/AC≦0.40の関係を満足することが好ましい。面積比(AS/AC)が上記の関係を満足することで、図2Aに模式的に示したような旋回流をより適切に発生させることが可能となる。面積比(AS/AC)は、0.10≦(AS/AC)≦0.30の範囲内となることが、より好ましい。

0066

更に、蒸気供給管401から供給される蒸気の流速VSは、特に限定するものではないが、例えば、5〜40m/sの範囲内であることが好ましい。また、蒸気供給管401の先端部より噴出する蒸気の流速VSと、処理液吐出配管35中を流れる処理液3の流速VLとの比(VS/VL)は、2≦VS/VL≦100の関係を満足することが好ましい。上記のような流速比となるように蒸気を噴射させることで、図2Aに示したような旋回流をより適切に発生させることが可能となる。流速比(VS/VL)は、10≦(VS/VL)≦60の範囲内となることが、より好ましい。

0067

気体供給管403は、図2Aに模式的に示したように、口径DG[mm]を有する配管であり、その内部には、任意の箇所から搬送されてきた気体(例えば、窒素ガス等)が所定の流速VG及び圧力PGで流れている。かかる気体供給管403は、蒸気供給管401よりも下流側に沿うように同じ傾斜角で接続される。また、気体供給管403は、図2Aに模式的に示したように、蒸気供給管401の下流側に、蒸気供給管401に沿うように同じ傾斜角で接続されていてもよい。また、気体供給管403の少なくとも先端部は、図2Aに模式的に示したように蒸気供給管401と接触しており、気体供給管403の先端部は、蒸気供給管401の先端部の位置よりも突出しないようになっている。

0068

気体供給管403から供給される気体は、処理液3中にファインバブルを発生させるための気体であり、かかる気体の温度は、処理液吐出配管35の内部を流れる処理液3の温度よりも高くなっている。先だって言及したように、蒸気供給管401の下流側に位置し、かつ、蒸気供給管401によって影となる部分には、負圧が発生している。気体供給管403の先端部が蒸気供給管401の先端部の位置よりも突出しないように気体供給管403を設けることで、気体供給管403の先端部は、負圧が発生している領域に位置するようになる。その結果、気体供給管403の先端から供給される僅かな量の気体は、発生している負圧によって処理液3の流れの中に吸い込まれる。その後、供給された気体は、蒸気供給管401から供給される蒸気によって発生した旋回流に乗って、処理液吐出配管35中を流れる処理液3に効率よく分散するようになる。本実施形態に係るファインバブル発生機構40は、処理液吐出配管35中に設けられているため、供給された気体は収縮する方向へ強制的に向かい、発生したファインバブルは、超音波処理により適した状態となるように平均気泡径が変化していく。

0069

このように、本実施形態に係るファインバブルの平均気泡径及び濃度(密度)は、気体供給管403の口径DGを適切な値に設定するとともに、気体供給管403から供給される気体の温度TG、並びに、処理液吐出配管35中を流れる処理液3及び蒸気供給管401から供給される蒸気によって発生する負圧等の制御条件を適切に制御することで、所望の範囲内の値となるように制御することが可能である。この際、本実施形態に係るファインバブル発生機構40の下流側において、上記のような公知の機器によりファインバブルの平均気泡径や濃度(密度)を測定しながら、上記のような各制御条件を、ファインバブルの平均気泡径及び濃度(密度)が所望の範囲内の値となるまで調整すればよい。

0070

ここで、蒸気供給管401の口径DSと、気体供給管403の口径DGとの比(DS/DG)は、1.2≦DS/DG≦3.0の関係を満足することが好ましい。口径比(DS/DG)が上記の範囲内となることで、処理液3中に供給される気体の量をより確実に抑制しつつ、適切な平均気泡径及び濃度を有するファインバブルを、より確実に発生させることが可能となる。口径比(DS/DG)は、1.5≦(DS/DG)≦2.5の範囲内となることが、より好ましい。

0071

また、気体供給管403から供給される気体の温度TG[℃]と、処理液吐出配管35の内部を流れる処理液の温度TL[℃]と、の差分ΔT=TG−TLは、5≦ΔT≦90の関係を満足することが好ましい。差分ΔTが上記の範囲内となることで、発生するファインバブルをより微細化することが可能となる。差分ΔTは、10≦ΔT≦60の範囲内となることが、より好ましい。

0072

なお、上記のような温度の差分ΔTを容易に制御するために、気体供給管には、供給される気体を加熱するための加熱機構(図示せず。)が設けられていることが好ましい。このような加熱機構については、特に限定されるものではなく、例えば電熱ヒーターのような公知の加熱手段を適宜利用することが可能である。また、加熱機構は、バンドヒーターのように管外部から加熱するヒーターであってもよいし、管内にヒーターを差し込んで、気体通過時に加熱するようにしたものであってもよい。

0073

また、気体供給管403から供給される気体の流速VG及び圧力PGは、特に限定されるものではなく、単に解放された系(逆止弁による負圧以外は満たされている。)によって負圧時のみ自給されても良いし、搬送された気体(窒素ガス等)での強制的な供給を組み合わせても良い。

0074

また、上記のような蒸気供給管401と気体供給管403との間の各種関係を適切な状態で保持するために、蒸気供給管401の先端部の開閉度合いと、気体供給管403の先端部の開閉度合いと、を連動させる連動機構(図示せず。)を設けることが好ましい。蒸気供給管401及び気体供給管403の先端部の開閉度合いは、例えば各種バルブ(図示せず。)のような制御部材によって制御されることが多いが、これらの制御部材の稼働状態を連動させて制御する連動機構を設けることで、蒸気供給管401と気体供給管403との間の各種関係を、より適切な状態で保持することが可能となる。かかる連動機構は、例えば、超音波処理装置1の全体的な稼働状態を制御するプロセスコンピュータ(図示せず。)等によって制御され、所望の開閉度合いの組み合わせが実現される。

0075

なお、上記のような蒸気供給管401及び気体供給管403の素材については、特に限定されるものではなく、各種の金属管であってもよいし、プラスチック樹脂等の非金属管であってもよい。

0076

また、上記のような蒸気供給管401と気体供給管403との間の各種関係をより容易に実現するために、蒸気供給管401の外形が加工されていてもよい。例えば、蒸気供給管401と気体供給管403とが接触している位置において、気体供給管403との接触面積を増やすように蒸気供給管401の外形が加工されていてもよい。蒸気供給管401の外形は、特に限定されるものではないが、例えば図3Aに示したように、蒸気供給管401の外形を、気体供給管403の半周を覆うように湾曲させてもよいし、例えば図3Bに示したように、蒸気供給管401及び気体供給管403の断面形状を、略矩形状としてもよい。蒸気供給管401との接触を増やすことで、供給される気体温度が高くなり、処理液3の温度との差分ΔTを容易に設けることができ、発生するファインバブルをより微細化することが可能となる。

0077

以上、図2A図3Bを参照しながら、本実施形態に係るファインバブル発生機構40について、詳細に説明した。以上説明したようなファインバブル発生機構40を設けることで、超音波の伝搬に適した溶存気体量を実現でき、かつ、超音波を用いた処理により適合したファインバブルを簡便かつ安定して発生させることが可能となる。

0078

(曲面部材50について)
再び図1A及び図1Bに戻って、本実施形態に係る曲面部材50について、簡単に説明する。
曲面部材50は、超音波印加機構20の振動面に向かって凸な曲面を有する部材であり、曲面部材50に到達した超音波を多方向へと反射させる部材である。かかる曲面部材50を処理槽10内の壁面及び底面の少なくとも何れか一方に設けることで、超音波印加機構20の振動面から発生した超音波を、処理槽10内の全体へと伝播させることが可能となる。

0079

より詳細には、本実施形態に係る曲面部材50には、球面又は非球面の表面形状を有する凸湾曲部が少なくとも存在し、かかる凸湾曲部が、凸湾曲部以外の部分よりも、超音波印加機構20の振動面側に突出した状態となっている凸曲面を有している。また、本実施形態に係る曲面部材50は、凸湾曲部ではない部分である非凸湾曲部を有していてもよいし、凸曲面のみから構成されていてもよい。更に、本実施形態に係る曲面部材50は、中実柱状体であってもよいし、中空筒状体であってもよい。また、曲面部材50が中空である場合、処理槽10に装着された状態の曲面部材50の空隙には、空気等の各種気体が存在していてもよいし、処理槽10に保持されている処理液3等の各種液体が存在していてもよい。

0080

曲面部材50が上記のような凸曲面を有することで、多方向へ超音波が反射され、偏りのない均一な超音波伝播が実現されて、超音波間の干渉を抑制することができる。ここで、曲面部材50が凹部を含む場合には、超音波が凹部で反射することで集束してしまい、処理槽10全体に効果的に超音波を反射させることができない。また、凸部を含む場合であっても、凸部が曲面ではなく平面である場合には、超音波を一方向にしか反射させることができず、処理槽10全体に効果的に超音波を反射させることができない。

0081

上記のような形状を有する曲面部材50は、超音波を反射させる素材を用いて形成されることが好ましい。かかる素材としては、例えば、音響インピーダンス固有音響インピーダンス)が1×107[kg・m−2・sec−1]以上2×108[kg・m−2・sec−1]以下である素材を挙げることができる。音響インピーダンスが1×107[kg・m−2・sec−1]以上2×108[kg・m−2・sec−1]以下である素材を用いることで、効率良く超音波を反射させることが可能となる。

0082

音響インピーダンスが1×107[kg・m−2・sec−1]以上2×108[kg・m−2・sec−1]以下である素材としては、例えば、各種の金属又は金属酸化物や、非酸化物セラミックスを含む各種のセラミックス等を挙げることができる。このような素材の具体例としては、例えば、鋼(固有音響インピーダンス[kg・m−2・sec−1]:4.70×107、以下、カッコ内の数値は同様に固有音響インピーダンスの値を表す。)、鉄(3.97×107)、ステンレス鋼(SUS、3.97×107)、チタン(2.73×107)、亜鉛(3.00×107)、ニッケル(5.35×107)、アルミニウム(1.38×107)、タングステン(1.03×108)、ガラス(1.32×107)、石英ガラス(1.27×107)、グラスライニング(1.67×107)、アルミナ酸化アルミニウム、3.84×107)、ジルコニア酸化ジルコニウム、3.91×107)、窒化ケイ素(SiN、3.15×107)、炭化ケイ素(SiC、3.92×107)、炭化タングステン(WC、9.18×107)等がある。本実施形態に係る曲面部材50においては、処理槽10に保持される処理液3の液性や、曲面部材50に求める強度等に応じて、曲面部材50の形成に用いる素材を適宜選択すればよいが、上記のような音響インピーダンスを有する各種金属又は金属酸化物を用いることが好ましい。

0083

なお、被処理物が、例えば各種の鋼管のように凸曲面を有する外形を有している場合、被処理物そのものが、曲面部材50の機能を実現することがある。

0084

以上、本実施形態に係る曲面部材50について、簡単に説明した。

0085

反射板について>
なお、処理槽10の処理液側の壁面及び底面には、超音波を反射させるための反射板が設けられることが好ましい。かかる反射板を設けることで、処理槽10の壁面や底面まで到達した超音波は反射板によって反射され、再び処理液3の方へと伝播していくこととなる。これにより、処理液3中に印加された超音波を効率良く利用することが可能となる。

0086

特に、曲面部材50と、かかる曲面部材50が保持されている処理槽10の壁面又は底面と、の間に、超音波を反射させる反射板を設けることで、より効率良く超音波を利用することが可能となる。

0087

以上、図1A図3Bを参照しながら、本実施形態に係る超音波処理装置1の全体的な構成について、詳細に説明した。

0088

なお、上記説明では、処理部として設けられた処理槽10の内部に、処理液3で満たされた被処理物を設けた上で、処理槽10内に保持された処理液3を介して、被処理物に対して間接的に超音波を印加する場合を例に挙げたが、超音波印加機構20は、処理部内において処理液で満たされた被処理物に対して、直接超音波を印加してもよい。

0089

例えば、熱交換器の内部に設けられた配管や、液体を用いる複数の設備間を接続している接続配管等のように、内部が液体で満たされた状態にある中空部材そのものを被処理物としてもよい。かかる場合、中空部材の内部に保持されている液体に対してファインバブルを発生させた上で、中空部材そのものに対して超音波が印加される。

0090

次に、実施例及び比較例を示しながら、本発明に係る超音波処理装置及び超音波処理方法について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、あくまでも本発明に係る超音波処理装置及び超音波処理方法の一例であって、本発明に係る超音波処理装置及び超音波処理方法が、以下に示す例に限定されるものではない。

0091

(実験例1)
図4は、本実験例で使用した超音波処理装置の構成を模式的に示した図である。本実験例において、処理液としては、浄水を用いた。処理槽10は、外壁がSUS製であり、幅0.5m×長さ0.5m×0.4mの大きさの容量0.1m3のものを用いた。処理槽10に設置する循環ポンプ31として、IWAKI製のMD−100Rを用い、処理液吐出配管35に対し、ファインバブル発生機構40である蒸気供給管401及び気体供給管403を接続するための条件別の治具45を取り付け、処理液を循環させた。なお、処理液吐出配管35の内径は25mmであり、長さは3mである。

0092

治具45は、蒸気供給管401と気体供給管403とが、同じ傾斜を持って接した状態を保持するように、条件ごとに作製されたものである。工場に配設された蒸気配管を更に分岐して、フレキシブルホースを利用して治具45に接続させることで、蒸気供給管401とした。また、気体供給管403には逆止弁を取り付け、自吸式とした。処理液吐出配管35及び蒸気供給管401には、流量調整するためのバルブ(図示せず。)を設け、更に、流量計(図示せず。)を取り付けて、流量を測定した。流速は、流量の測定値から配管内径断面積で割った値(m/s)で算出した。

0093

平均気泡径の測定は、ベックマンコールター製の精密粒度分布測定装置Multisizer4及びMalvern製のナノ粒子解析装置NanoSightLM10を用い、水槽内の処理液を測定した。溶存気体量の測定は、溶存酸素計LAQUAOM−51を用い、溶存気体量に比例する値として溶存酸素量を測定し、溶存飽和量に対する溶存気体量(%)を見積もった。循環開始して10分後に溶存気体量及び平均気泡径を測定し、比較を行った。

0094

得られた結果を、以下の表1にあわせて示した。なお、以下の表1において「気体供給管突出」の欄は、気体供給管403の先端部が蒸気供給管401の先端部よりも突出しているか否かを示したものであり、符号「○」は、気体供給管403の先端部が蒸気供給管401の先端部よりも突出していることを示しており、符号「−」は、気体供給管403の先端部が蒸気供給管401の先端部よりも突出していないことを示している。

0095

また、以下の表1において、比較例6に示した例では、蒸気供給管401を、その先端部が処理液の流れの上流側を向くように傾斜させた。

0096

0097

まず、比較例をみると、蒸気供給管401が突出していない比較例1、及び、気体供給管403が蒸気供給管401よりも吐出した比較例5では、気体供給管403の自吸が行えず、泡の発生が認められなかった。突出させた状態の蒸気供給管401が、処理液吐出配管35の中心位置、又は、中心位置からほとんど離れていない位置に存在している比較例2〜4は、気体は供給されたもののファインバブル化せず、測定領域の気泡はわずかであり、溶存気体も低下しなかった。また、蒸気供給管が傾斜していないか、又は、先端部が処理液の上流側に向いている比較例2,6においては、溶存気体の低下が無く、また、循環ポンプ方向に蒸気供給管を配置した比較例6では、ポンプ循環ができない状態になった。

0098

一方、本発明の発明例に該当する、蒸気供給管401が突出して下流方向に傾斜し、蒸気供給管401が外周側に設置され、気体供給管403が蒸気供給管401よりも吐出していない実施例1〜12は、ファインバブル化させることができ、溶存気体量も低下する結果となった。特に、流速比VS/VLが2よりも大きく、蒸気供給管401の傾斜角度が60度以上であり、かつ、蒸気供給管401と気体供給管403の管径の比が1.3以上であると、ファインバブル化が進むと同時に、溶存気体量も顕著に低下することが明らかとなった。

0099

(実験例2)
図5A及び図5Bは、本発明に係る超音波処理装置を用いて、鋼板の水洗(リンス)を実施する際の状況を模式的に示した説明図である。ここで、リンス溶液としては、浄水を用いた。処理槽10は、外壁がSUS製であり、幅2.0×長さ7.0m×0.5mの大きさの容量6.3m3のものを用いた。洗浄対象の鋼板Sは、ロールに保持されている状態とした。処理槽10に設置する循環ポンプ31として、セイコー化工機製MEP−0505−2Pを2台用い、処理液吐出配管35に対し、条件別の治具45を着脱可能となるような構造とした。ここで、処理液吐出配管35の内径は40mmであり、長さは3mである。

0100

治具45は、蒸気供給管401と気体供給管403とが、同一の傾斜角を保持できるように、条件ごとに作製されたものである。蒸気供給管401は、工場に配設された蒸気配管を更に分岐して、フレキシブルホースを利用して治具45に接続させることで、蒸気供給管401とした。また、気体供給管403には逆止弁を取り付け、自吸式とし、更に、気体供給管403の途中に、加熱手段として、電熱式のバンドヒーターを着脱可能なように設置した。この際、気体供給管403のガス温度は、管内に熱電対を設置して測定した。処理液吐出配管35及び蒸気供給管401には、流量計(図示せず。)を取り付けて流量を測定し、流速は、流量の測定値から配管内径断面積で割った値(m/s)で算出した。

0101

本実験例では、蒸気流速ポンプ流速との比(VS/VL)=10、蒸気管径DS(φ12)と気体供給管径DG(φ6)との比(DS/DG)=2.0、蒸気供給管401の突出部の断面積であるASとポンプ循環内断面積ACとの比(AS/AC)=0.2をそれぞれ一定として、それぞれの条件を比較した。

0102

超音波印加機構20の超音波発振器は、出力が1200Wであり、周波数25〜192kHzの単一発振動子(周波数の掃引が可能なもの)を、処理槽10の壁面に複数設置して、超音波を印加した。

0103

平均気泡径の測定は、ベックマン・コールター製の精密粒度分布測定装置Multisizer4及びMalvern製のナノ粒子解析装置NanoSightLM10を用い、水槽内の処理液を測定した。溶存気体量の測定は、溶存酸素計LAQUAOM−51を用い、溶存気体量に比例する値として溶存酸素量を測定し、溶存飽和量に対する溶存気体量(%)を見積もった。循環開始して30分後に溶存気体量及び平均気泡径を測定し、比較を行った。

0104

上記のような超音波処理装置を利用して、酸化スケール皮膜が形成された鋼板を酸洗し、表面に酸化物微粒子が付着した鋼板の水洗(リンス)を行った。

0105

本実験例では、鋼板表面の酸化物微粒子除去率を測定し、測定した酸化物微粒子除去率を洗浄性能として評価した。より詳細には、水洗前後の鋼板表面に付着している酸化物微粒子総量に対する各条件での除去できた酸化物微粒子除去量の割合を、酸化物微粒子除去率とした。なお、下記の表2における洗浄性能の評価基準は、以下の通りである。

0106

酸化物微粒子除去率
100%以下〜90%以上:A
90%未満〜80%以上:B
80%未満〜60%以上:C
60%未満〜40%以上:D
40%未満 :E

0107

すなわち、Aは、洗浄性能が非常に良好であったことを意味し、Bは、洗浄性能が良好であったことを意味し、Cは、洗浄性能にやや難があったことを意味し、DとEは、洗浄性能が不良であったことを意味する。

0108

得られた結果を、以下の表2にあわせて示した。ここで、以下の表2において、蒸気供給管401の先端部の断面形状、及び、蒸気供給管401と気体供給管403との接触状況を、図6に示すような3種類の組み合わせとした。すなわち、図6に示したパターンA及びパターンBは、蒸気供給管401及び気体供給管403として、断面円形状の配管を用いた例であり、パターンAは、2つの配管の先端部が互いに接触しているパターンであり、パターンBは、2つの配管の先端部が接触していないパターンである。また、パターンCは、図3Bに示したように蒸気供給管401及び気体供給管403の断面形状を、略矩形状としたパターンであり、パターンDは、蒸気供給管401の外形を、気体供給管403の半周を覆うように湾曲させたパターンである。

0109

また、以下の表2において「気体供給管突出」の欄は、気体供給管403の先端部が蒸気供給管401の先端部よりも突出しているか否かを示したものであり、符号「○」は、気体供給管403の先端部が蒸気供給管401の先端部よりも突出していることを示しており、符号「−」は、気体供給管403の先端部が蒸気供給管401の先端部よりも突出していないことを示している。また、「加熱手段」の欄は、気体供給管403に設置した加熱手段を利用したかしないかを示しており、符号「○」は使用したことを示し、符号「−」は使用しなかったことを示している。

0110

なお、以下の表2において、比較例1に示した例では、蒸気供給管401を処理液吐出配管35に突出しないように接続している。

0111

0112

上記表2において、まず比較例に着目すると、蒸気供給管401が突出していない比較例1、及び、気体供給管403が蒸気供給管401よりも吐出した比較例5では、気体供給管の自吸が行えず、泡の発生が認められなかったため、洗浄不良となった。また、突出させた蒸気供給管401を用いたが傾斜していない比較例2と、処理液吐出配管35の中心位置、又は、中心位置からほとんど離れていない位置に存在している比較例3〜4は、気体は供給されたもののファインバブル化せず、測定領域の気泡はわずかであり、溶存気体も低下しなかった。そのため、洗浄性能は、不良もしくは洗浄不足となる領域が発生した。また、蒸気管が接触していない比較例6は、ガス循環水の温度差がほとんどないためにファインバブル化まで至らず、洗浄不足となる領域が発生した。

0113

一方、本発明の発明例に該当する、蒸気供給管401が突出して下流方向に傾斜し、蒸気供給管401が外周側に設置され、気体供給管403が蒸気供給管401よりも吐出していない実施例1〜10は、ファインバブル化させることができ、溶存気体量も低下する結果となった。特に、蒸気供給管401の傾斜角度が60度以上であると、洗浄性能は非常に良好であり、また、気体と循環水(処理液)との温度差が大きい実施例11〜13は、ファインバブル化がより一層進むと同時に、溶存気体量も顕著に低下し、より優れた洗浄性能が発揮された。

実施例

0114

以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

0115

1超音波処理装置
3処理液
10処理槽
20超音波印加機構
30循環経路
31循環ポンプ
33 処理液引抜配管
35 処理液吐出配管
40ファインバブル発生機構
401蒸気供給管
403 気体供給管

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