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技術 制御装置

出願人 株式会社デンソースズキ株式会社
発明者 福田圭佑瀬崎泰治
出願日 2018年7月24日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-138391
公開日 2020年1月30日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-015371
状態 未査定
技術分野 車両用空気調和
主要キーワード 基準割合 通電操作 加減速頻度 補正履歴 加減速期間 圧縮停止 基準頻度 加速回数
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

車両の燃費を向上できる制御装置を提供することを目的とする。

解決手段

エンジン出力軸の回転により駆動される圧縮機と、冷媒経路内に設けられた蓄冷器とを含む冷凍サイクルを備えた車両に適用され、前記蓄冷器の蓄冷量が第1閾値まで低下した場合に前記圧縮機を動作させて前記エンジン出力軸の回転エネルギを前記蓄冷量として蓄えさせ、前記蓄冷量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値まで上昇した場合に前記圧縮機の動作を停止させる制御装置であって、前記車両の加減速が繰り返し行われるかを判定する判定部S18と、前記判定部により前記車両の加減速が繰り返し行われると判定された場合に、前記第1閾値を小さくする側に変更する減少変更と、前記第2閾値を大きくする側に変更する増加変更との少なくとも一方を行う変更部S26,S28,S30と、を備える。

概要

背景

車両のエンジンにより駆動する補機としては、冷凍サイクル中冷媒圧縮して吐出する圧縮機が挙げられる。特許文献1には、冷凍サイクル内蓄冷器が設けられ、惰性走行中や車両停止中やなどのエンジン停止中において、車室内送風される空気を、蓄冷器に蓄えられた蓄冷を用いて冷却するシステムが開示されている。

特許文献1に記載の技術では、エンジン停止中において、車室内へ送風される空気を冷却する際に、惰性走行と車両停止との継続期間の違いに基づき、圧縮機の駆動停止条件をそれぞれ設定する。具体的には、短期間の惰性走行中の場合、蓄冷器により冷却された空気の温度が第1温度以下の間は圧縮機を停止するように制御し、長期間の車両停止中の場合、蓄冷器により冷却された空気の温度が第1温度よりも高い第2温度以下の間は圧縮機を停止するように制御する。これによれば、短期間の惰性走行中に車内の温度が上昇することを抑制しつつ、長期間の車両停止中に亘って圧縮機を停止することができ、車内の快適性を維持しつつ、車両の燃費を向上させることができる。

概要

車両の燃費を向上できる制御装置を提供することを目的とする。エンジン出力軸の回転により駆動される圧縮機と、冷媒経路内に設けられた蓄冷器とを含む冷凍サイクルを備えた車両に適用され、前記蓄冷器の蓄冷量が第1閾値まで低下した場合に前記圧縮機を動作させて前記エンジン出力軸の回転エネルギを前記蓄冷量として蓄えさせ、前記蓄冷量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値まで上昇した場合に前記圧縮機の動作を停止させる制御装置であって、前記車両の加減速が繰り返し行われるかを判定する判定部S18と、前記判定部により前記車両の加減速が繰り返し行われると判定された場合に、前記第1閾値を小さくする側に変更する減少変更と、前記第2閾値を大きくする側に変更する増加変更との少なくとも一方を行う変更部S26,S28,S30と、を備える。

目的

車両の加減速が繰り返し行われる場合でも、車両の燃費を向上できる技術が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

エンジン出力軸(13)の回転により駆動される圧縮機(30)と、冷媒経路内に設けられた蓄冷器(36)とを含む冷凍サイクル(39)を備えた車両(100)に適用され、前記蓄冷器の蓄冷量(Qc)が第1閾値(Qs1)まで低下した場合に前記圧縮機を動作させて前記エンジン出力軸の回転エネルギを前記蓄冷量として蓄えさせ、前記蓄冷量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値(Qs2)まで上昇した場合に前記圧縮機の動作を停止させる制御装置(40)であって、前記車両の加減速が繰り返し行われるかを判定する判定部(S18)と、前記判定部により前記車両の加減速が繰り返し行われると判定された場合に、前記第1閾値を小さくする側に変更する減少変更と、前記第2閾値を大きくする側に変更する増加変更との少なくとも一方を行う変更部(S26,S28,S30)と、を備える制御装置。

請求項2

前記車両の減速時において前記圧縮機を停止させる停止制御部(S32)を備える請求項1に記載の制御装置。

請求項3

車両前方進路交通状況を示す情報として前方進路情報(If)を取得する進路情報取得部(S12)を備え、前記判定部は、前記前方進路情報に基づいて、前記車両の加減速が繰り返し行われるかを判定する請求項1または請求項2に記載の制御装置。

請求項4

前記判定部は、所定期間内において前記車両の加減速が行われる期間の割合(Pa)が所定の基準割合(Pk)よりも高く、または前記車両の加減速の頻度(Fa)が所定の基準頻度(Fk)よりも高くなる場合に、前記車両の加減速が繰り返し行われると判定する請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の制御装置。

請求項5

前記変更部は、前記車両の加減速が行われる期間の割合が高く、または前記車両の加減速の頻度が高いほど、前記第1閾値を小さくする側に変更する減少変更量(Qg)及び前記第2閾値を大きくする側に変更する増加変更量(Qz)を大きく設定する請求項4に記載の制御装置。

請求項6

曜日情報(Iw)及び時間帯情報(It)を取得する時間情報取得部(S20)と、前記曜日情報及び前記時間帯情報と、前記減少変更量及び前記増加変更量とが対応付けられた対応情報(MP)を記憶する記憶部(42)と、を備え、前記変更部は、取得された前記曜日情報及び前記時間帯情報と前記対応情報とに基づいて、前記減少変更量及び前記増加変更量を設定する請求項5に記載の制御装置。

請求項7

前記車両のドライビングサイクル毎に前記車両の燃費(Ef)を算出する燃費算出部(S62)と、前記車両の燃費に基づいて、前記減少変更量及び前記増加変更量を補正する補正部(S68,S70)と、を備える請求項5または請求項6に記載の制御装置。

請求項8

前記第1閾値の前記減少変更を許可する変更許可モードと、前記第1閾値の前記減少変更を禁止する変更禁止モードと、のいずれかのモードを選択する選択部(S24)を備え、前記変更部は、前記変更許可モードが選択されたことを条件に、前記減少変更を行う請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の制御装置。

技術分野

0001

本発明は、エンジンを制御する制御装置に関する。

背景技術

0002

車両のエンジンにより駆動する補機としては、冷凍サイクル中冷媒圧縮して吐出する圧縮機が挙げられる。特許文献1には、冷凍サイクル内蓄冷器が設けられ、惰性走行中や車両停止中やなどのエンジン停止中において、車室内送風される空気を、蓄冷器に蓄えられた蓄冷を用いて冷却するシステムが開示されている。

0003

特許文献1に記載の技術では、エンジン停止中において、車室内へ送風される空気を冷却する際に、惰性走行と車両停止との継続期間の違いに基づき、圧縮機の駆動停止条件をそれぞれ設定する。具体的には、短期間の惰性走行中の場合、蓄冷器により冷却された空気の温度が第1温度以下の間は圧縮機を停止するように制御し、長期間の車両停止中の場合、蓄冷器により冷却された空気の温度が第1温度よりも高い第2温度以下の間は圧縮機を停止するように制御する。これによれば、短期間の惰性走行中に車内の温度が上昇することを抑制しつつ、長期間の車両停止中に亘って圧縮機を停止することができ、車内の快適性を維持しつつ、車両の燃費を向上させることができる。

先行技術

0004

特開2016−203927号公報

発明が解決しようとする課題

0005

蓄冷器に蓄えられた蓄冷を用いて、エンジン動作中における車両の燃費を向上させることが望ましい。例えば、車両の減速時において、車室内へ送風される空気を、蓄冷を用いて冷却することで、燃料カットを行い、かつ、圧縮機を停止させることで、車両の燃費を向上させることができる。

0006

しかし、蓄冷が不足する場合には、車両の減速時に圧縮機を停止させることができず、車両の燃費を向上させることができない。特に、車両の加減速が繰り返し行われる場合には、蓄冷を蓄える期間が短い一方、蓄冷を用いる期間が長くなることから、圧縮機の停止を継続させることができず、車両の燃費を向上させることができない。車両の加減速が繰り返し行われる場合でも、車両の燃費を向上できる技術が望まれている。

0007

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両の燃費を向上できる制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、エンジン出力軸の回転により駆動される圧縮機と、冷媒経路内に設けられた蓄冷器とを含む冷凍サイクルを備えた車両に適用され、前記蓄冷器の蓄冷量が第1閾値まで低下した場合に前記圧縮機を動作させて前記エンジン出力軸の回転エネルギを前記蓄冷量として蓄えさせ、前記蓄冷量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値まで上昇した場合に前記圧縮機の動作を停止させる制御装置であって、前記車両の加減速が繰り返し行われるかを判定する判定部と、前記判定部により前記車両の加減速が繰り返し行われると判定された場合に、前記第1閾値を小さくする側に変更する減少変更と、前記第2閾値を大きくする側に変更する増加変更との少なくとも一方を行う変更部と、を備える。

0009

車両の減速時において、車室内へ送風される空気を、蓄冷を用いて冷却することで、燃料カットを行い、かつ、圧縮機を停止させることができ、車両の燃費を向上させることができる。しかし、蓄冷量が第1閾値まで低下すると、車両の減速時に圧縮機を停止させることができず、車両の燃費を向上させることができない。特に、車両の加減速が繰り返し行われる場合には、蓄冷を蓄える期間が短い一方、蓄冷を用いる期間が長くなることから、蓄冷量が第1閾値まで低下して圧縮機の停止を継続させることができなくなる。この結果、車両の燃費を向上させることができない。

0010

本発明の制御装置では、車両の加減速が繰り返し行われると判定された場合に、第1閾値を小さくする側に変更する減少変更と、第2閾値を大きくする側に変更する増加変更との少なくとも一方を行う。つまり、圧縮機を停止可能な蓄冷量の範囲を拡大する制御を行う。これにより、圧縮機の停止を継続させることができる。この結果、車両の燃費を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0011

エンジン制御システムの概略を示す構成図。
蓄冷量制御処理を示すフローチャート
補正処理を示すフローチャート。
マップを示す図。
加減速期間割合及び加減速頻度と減少変更量及び増加変更量との関係を示す図。
蓄冷量制御処理の一例を示すタイムチャート
燃料カット状態オン状態である場合とオフ状態である場合とにおけるネガティブトルクを示す図。

実施例

0012

以下、一実施形態の制御装置が適用される車両100のエンジン制御システムについて、図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、車両100は、内燃機関としてのエンジン10と、制御装置としてのECU40とを備えている。

0013

エンジン10は、車両100に搭載される筒内噴射式の4サイクルガソリンエンジンである。具体的には、エンジン10は、4つの気筒を備える4気筒エンジンである。車両100に搭載されたエンジン10の各気筒には、エンジン10の燃焼室燃料を供給するための燃料噴射弁11が備えられている。

0014

燃料の燃焼によって発生するエネルギは、エンジン10のクランク軸13の回転動力として取り出される。この回転動力は、変速装置14を介して車両100の図示しない駆動輪へと伝達される。なお、本実施形態において、クランク軸13が「エンジン出力軸」に相当する。

0015

クランク軸13には、スタータ20が接続されている。スタータ20は、図示しないイグニッションスイッチオンによりバッテリ21から電力供給されて始動し、エンジン10を始動させるべくクランク軸13に初期回転を付与する。

0016

オルタネータ22は、クランク軸13の回転エネルギにより駆動して発電する発電機である。つまり、オルタネータ22は、エンジン10の回転エネルギを電気エネルギとして回収する回収装置である。オルタネータ22の駆動軸23に機械的に連結されたプーリ24は、ベルト15及びクランクプーリ16を介してクランク軸13と機械的に連結されている。オルタネータ22は、オルタネータ22のロータコイルに流す励磁電流を調節することで、発電量を調節可能である。バッテリ21は、オルタネータ22により発電された電力を蓄える蓄電池である。オルタネータ22とバッテリ21とによって、蓄電システム29が構成されている。ECU40は、バッテリ21からバッテリ21の蓄電量Qeを取得し、この蓄電量Qeが適正範囲となるように、オルタネータ22による発電量を制御する。

0017

車両100には、車室内を冷却する冷却システムが搭載されている。この冷却システムは、冷凍サイクル39に冷媒を循環させるべく冷媒を吸入・吐出する圧縮機30や、冷媒経路31a内に設けられたコンデンサ31、レシーバ32、膨張弁33、及び蒸発器34等を備えて構成されている。

0018

圧縮機30は、クランク軸13の回転エネルギにより駆動され、圧縮機30に備えられた電磁駆動式のコントロールバルブCV)30aの通電操作によって、冷媒の吐出容量を連続的に可変設定可能な可変容量型圧縮機である。圧縮機30の駆動軸37に機械的に連結されたプーリ38は、ベルト15及びクランクプーリ16を介してクランク軸13と機械的に連結されている。このクランク軸13の回転動力が圧縮機30に伝達される状況下において、CV30aへの通電操作により上記吐出容量が調節される。なお、圧縮機30では、上記吐出容量が0より大きくなる状態を圧縮機30が駆動される状態とし、上記吐出容量が0となる状態を圧縮機30が停止される状態とする。

0019

コンデンサ31は、DCモータ等によって回転駆動される図示しないファンから送風される空気(外気)と、圧縮機30から吐出供給される冷媒との熱交換が行われる部材である。レシーバ32は、コンデンサ31より流入した冷媒を気液分離して且つ分離された液冷媒を一時的に貯蔵し、液冷媒のみを下流側に供給するために設けられるものである。レシーバ32に貯蔵された液冷媒は、膨張弁33によって急激に膨張され霧状とされる。霧状とされた冷媒は、車室内へ送風される空気を冷却する蒸発器34に供給される。

0020

蒸発器34では、DCモータ等によって回転駆動されるファン(エバファン)35から送風された空気と、上記霧状とされた冷媒とが熱交換することで、冷媒の一部又は全部が気化する。これにより、エバファン35から送風された空気が冷却され、冷却された空気が車室内へと送風されることで車室内を冷房することが可能となる。なお、蒸発器34の出口直近には、冷媒温度を検出する冷媒温度センサ34aが設けられている。また、蒸発器34から流出した冷媒は、圧縮機30の吸入口に吸入される。

0021

本実施形態の冷凍サイクル39では、蒸発器34に蓄冷器36が取り付けられている。蓄冷器36は、冷媒の熱を蓄えるパラフィン等の蓄冷剤封入して構成される。例えばアイドル運転時に所定の停止条件成立するとエンジン10を自動停止させるいわゆるアイドル停止制御では、エンジン10の自動停止により圧縮機30も自動停止する。蓄冷器36が取り付けられていると、圧縮機30が停止された状況下、エバファン35から送風された空気と蓄冷器36とが熱交換することにより、上記送風された空気が冷却され、冷却された空気が車室へと送られることで車室内を冷房することが可能となる。蓄冷器36への蓄冷は、例えば所定の冷房要求量に対して圧縮機30を余剰運転させることで行われる。つまり、圧縮機30は、エンジン10の回転エネルギを熱エネルギとして回収する回収装置である。

0022

ECU40には、車両乗員により操作されるA/Cスイッチの操作信号であって、車室内を冷房すべく圧縮機30を駆動させる信号や、車両乗員により操作される目標温度設定スイッチの操作信号であって、車室内の目標温度を設定する信号、車室内温度を検出する車室内温度センサ及び冷媒温度センサ34a等の検出信号が入力される。ECU40は、これら入力に応じてROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、エバファン35や、CV30a等の各種機器を操作する。そして、これら各種機器を操作することで、圧縮機30の駆動制御や車室内の冷房制御等を行う。

0023

圧縮機30の駆動制御では、圧縮機30のCV30aに流す通電量を調整することで、蓄冷器36の蓄冷量Qcを調整可能である。ECU40は、冷房要求量に対して圧縮機30を余剰運転させた余剰運転量に基づいて蓄冷器36の蓄冷量Qcを算出する。ECU40は、この蓄冷量Qcが適正範囲となるように、CV30aの通電量を制御する。具体的には、ECU40は、エンジン動作中において、蓄冷量Qcが第1閾値Qs1(図6参照)まで低下した場合にCV30aに通電し、圧縮機30を動作させてクランク軸13の回転エネルギを蓄冷量Qcとして蓄えさせる。また、ECU40は、蓄冷量Qcが第1閾値Qs1よりも大きい第2閾値Qs2(図6参照)まで上昇した場合に、CV30aへの通電を停止させ、圧縮機30の動作を停止させる。

0024

また、車両100には、油圧駆動式のブレーキアクチュエータ80を備えている。ブレーキアクチュエータ80は、ドライバによるブレーキ操作量に応じたブレーキトルクTbを発生させ、クランク軸13の回転を停止させる。

0025

ECU40は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータ主体として構成されている。ECU40には、各種センサなどから各々検出信号が入力される。なお、図1では前述したセンサの他、車両周囲に存在する物体を検知する撮像装置26及びレーダ装置27、ナビゲーション装置28を示している。ECU40は、上記入力に応じて、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、燃料噴射弁11による燃料噴射制御等、エンジン10の燃焼制御を実施する。なお、本実施形態において、ECU40が「制御装置」に相当する。

0026

撮像装置26、レーダ装置27及びナビゲーション装置28について説明する。撮像装置26は車載カメラであり、CCDカメラCMOSイメージセンサ近赤外線カメラ等を用いて構成されている。撮像装置26は、自車の走行道路を含む周辺環境撮影し、その撮影した画像を表す画像データを生成してECU40に逐次出力する。撮像装置26は、例えば、自車のフロントガラス上端付近に設置されており、撮像軸を中心に車両前方に向かって所定角度の範囲で広がる領域を撮影する。なお、撮像装置26は、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。

0027

レーダ装置27は、送信波として電磁波を送信し、その反射波を受信することで物体を検出する探知装置であり、ミリ波レーダ等を用いて構成されている。レーダ装置27は、例えば、自車の前部に取り付けられており、車両前方に向かって所定角度の範囲に亘って広がる領域をレーダ信号により走査する。そして、車両前方に向けて電磁波を送信してから反射波を受信するまでの期間に基づき、受信データを作成する。受信データには測距データが含まれている。測距データには、物体が存在する方位、物体までの距離及び相対速度に関する情報が含まれている。レーダ装置27が作成した受信データの情報はECU40に逐次出力される。

0028

ナビゲーション装置28は、道路地図データ及び各種情報を記録した地図記憶媒体から地図データを取得するとともに、GPSアンテナを介して受信したGPS信号等に基づいて、車両100の現在位置を算出する。またナビゲーション装置28は、自車両の現在地を表示するための制御、及び現在地から目的地までの車両前方経路を案内するための制御、及び車両前方経路に渋滞等が発生したことを報知する制御等を行う。

0029

さらに、ECU40は、車両100の減速時においてエンジン10の回転エネルギを回収する回収制御を実施する。すなわち、ECU40は、ドライバからの減速要求を取得した場合に、燃料噴射弁11からの燃料噴射カットした状態で、車両100を減速走行させる処理を実施する。ECU40は、この減速走行時に、クランク軸13の回転駆動力によりオルタネータ22及び圧縮機30を駆動させて、ネガティブトルクTnを発生させる制御を実施する。これにより、エンジン10の回転エネルギは、熱エネルギに変換されて蓄冷器36に蓄冷されるとともに、電気エネルギに変換されてバッテリ21に蓄電されることとなる。

0030

ここで、ネガティブトルクTnとは、エンジン10のクランク軸13の回転方向とは逆向きで作用するトルクであり、発電トルクTe、駆動トルクTc、及び損失トルクTlを含む。発電トルクTeは、オルタネータ22を駆動させることで発生するトルクであり、駆動トルクTcは、圧縮機30を駆動させることで発生するトルクである。また、損失トルクTlは、エンジン10内での振動摩擦等により発生するトルクであり、吸気管51内の圧力損失であるポンプロスを含む。

0031

ところで、冷凍サイクル39において冷媒経路31a内に蓄冷器36が設けられている場合、従来技術のように蓄冷器36に蓄えられた蓄冷量Qcを用いて、エンジン停止中の車両100の燃費Efを向上させることができる。更に、蓄冷器36に蓄えられた蓄冷量Qcを用いて、エンジン動作中における車両100の燃費Efを向上させることが望まれている。例えば、車両100の減速時において、車室内へ送風される空気を、蓄冷量Qcを用いて冷却することで、燃料カットを行い、かつ、圧縮機30を停止させることができ、車両100の燃費Efを向上させることができる。

0032

しかし、蓄冷量Qcが不足する場合、つまり蓄冷量Qcが第1閾値Qs1まで低下すると、車両100の減速時に圧縮機30を停止させることができず、車両100の燃費Efを向上させることができない。特に、車両100の加減速が繰り返し行われる場合には、蓄冷量Qcを蓄える期間が短い一方、蓄冷量Qcを用いる期間が長くなることから、蓄冷量Qcが第1閾値Qs1まで低下して圧縮機30の停止を継続させることができなくなる。この結果、車両100の燃費Efを向上させることができない。

0033

本実施形態のECU40は、上記問題を解決するために蓄冷量制御処理を実施する。蓄冷量制御処理では、車両100の加減速が繰り返し行われるかを判定し、加減速が繰り返し行われると判定された場合に、圧縮機30を動作させる第1閾値Qs1を小さくする側に変更する減少変更と、圧縮機30を停止させる第2閾値Qs2を大きくする側に変更する増加変更との少なくとも一方を行う。これにより、圧縮機30を停止可能な蓄冷量Qcの範囲が拡大され、圧縮機30の停止を継続させることができる。この結果、車両100の燃費Efを向上させることができる。

0034

図2に本実施形態の蓄冷量制御処理のフローチャートを示す。この制御処理は、例えば車両100の動作中、ECU40により所定周期で繰り返し実行される。

0035

蓄冷量制御処理を開始すると、まずステップS10において、車両100が動作中であるかを判定する。具体的には、車両100のイグニッションスイッチがオンであるかを判定する。

0036

ステップS10で肯定判定すると、続くステップS12において、前方進路情報Ifを取得する。ここで、前方進路情報Ifとは、車両前方や車両前方進路交通状況を示す情報である。車両走行時には、車両前方進路の交通状況により車両100の加速や減速を強いられることがある。また、車両走行時には、車両前方進路の交通状況に応じて、ドライバが車両100の加速を意図したり減速を意図したりすることがある。なお、本実施形態において、ステップS12の処理が「交通情報取得部」に相当する。

0037

具体的には、前方進路情報Ifとして、撮像装置26及びレーダ装置27から、車両前方を走行する先行車の情報や、車両前方に存在する信号機踏切の情報を取得する。また、前方進路情報Ifとして、ナビゲーション装置28から、車両前方進路の進路や渋滞の情報を取得する。

0038

ステップS14において、ステップS12で取得された前方進路情報Ifに基づいて、加減速期間割合Paを算出する。ここで、加減速期間割合Paは、所定期間Yt内において、車両100の加減速が行われる期間である加減速期間Ysの割合を示す。加減速期間Ysは、加速度基準加速度以上の加速が行われる加速期間Yaと、減速度が基準減速度以上の減速が行われる減速期間Ydとの合計期間である。具体的には、加速期間Yaは、所定期間Yt内においてドライバがアクセルペダルを踏みこむ期間であり、減速期間Ydは、所定期間Yt内においてドライバがブレーキペダルを踏みこむ期間である。加減速期間割合Paは、(式1)のように表される。

0039

Pa=Ys/Yt×100=(Ya+Yd)/Yt×100・・・(式1)
ステップS16において、ステップS12で取得された前方進路情報Ifに基づいて、加減速頻度Faを算出する。ここで、加減速頻度Faは、所定期間Yt内において、車両100の加減速が行われる回数である加減速回数Nsの割合を示す。加減速回数Nsは、加速度が基準加速度以上の加速が行われる加速回数Naと、減速度が基準減速度以上の減速が行われる減速回数Ndとの合計回数である。具体的には、加速回数Naは、所定期間Yt内においてドライバがアクセルペダルを踏みこむ回数であり、減速期間Ydは、所定期間Yt内においてドライバがブレーキペダルを踏みこむ回数である。加減速頻度Faは、(式2)のように表される。

0040

Fa=Ns/Yt×100=(Na+Nd)/Yt×100・・・(式2)
続くステップS18において、ステップS14,S16で算出された加減速期間割合Pa及び加減速頻度Faに基づいて、車両100の加減速が繰り返し行われるかを判定する。なお、加減速期間割合Pa及び加減速頻度Faは、前方進路情報Ifに基づいて算出される。そのため、ステップS18では、前方進路情報Ifに基づいて車両100の加減速が繰り返し行われるかを判定する、ということができる。具体的には、加減速期間割合Paが基準割合Pkよりも高いかを判定するとともに、加減速頻度Faが基準頻度Fkよりも高いかを判定する。なお、本実施形態において、ステップS18の処理が「判定部」に相当する。

0041

加減速期間割合Paが基準割合Pkよりも低い低割合であり、かつ、加減速頻度Faが基準頻度Fkよりも低い低頻度である場合、ステップS18で否定判定する。この場合、車両100の加減速が繰り返し行われないと判定されるため、ステップS40において通常制御を実施し、蓄冷量制御処理を終了する。通常制御では、エンジン10の動作状態に基づいて、第1閾値Qs1や第2閾値Qs2が制御される。なお、エンジン10の動作状態に基づいた第1閾値Qs1や第2閾値Qs2は、エンジン回転速度Neや、エンジン10への吸入空気量や吸気負圧といったエンジン負荷などを用いて算出することができる。

0042

一方、加減速期間割合Paが基準割合Pkよりも高い高割合であり、または加減速頻度Faが基準頻度Fkよりも高い高頻度である場合、ステップS18で肯定判定する。この場合、車両100の加減速が繰り返し行われると判定されるため、第1閾値Qs1を小さくする側に変更する減少変更と、第2閾値Qs2を大きくする側に変更する増加変更との少なくとも一方を含む拡大制御(S20〜S30)を実施する。

0043

拡大制御では、まず、ステップS20において、現在のドライビングサイクルにおける曜日情報Iw及び時間帯情報Itを取得する。ここで、曜日情報Iwは、現在のドライビングサイクルにおいて、車両100のイグニッションスイッチをオンしたタイミングが含まれる曜日の情報であり、時間帯情報Itは、上記タイミングが含まれる時間帯の情報である。なお、イグニッションスイッチをオンしたタイミングに代えて、イグニッションスイッチをオフしたタイミングとしてもよい。本実施形態において、ステップS20の処理が「時間情報取得部」に相当する。

0044

続くステップS22において、ECU40の記憶部42に予め記憶されたマップMPを参照することによって、減少変更量Qg及び増加変更量Qzを設定する。ここで、減少変更量Qgは、第1閾値Qs1を小さくする側に変更する変更量であり、負側に増大する量となる。また、増加変更量Qzは、第2閾値Qs2を大きくする側に変更する変更量であり、正側に増大する量となる。なお、記憶部42は、例えば、ROM以外の非遷移的実体記録媒体(例えば、ROM以外の不揮発性メモリ)である。

0045

マップMPは、曜日情報Iw及び時間帯情報Itに対応して、減少変更量Qg及び増加変更量Qzが予め規定されたマップ情報である。図4に示すように、マップMPでは、各曜日の各時間帯に対して、減少変更量Qg及び増加変更量Qzが予め規定されている。ステップS22では、マップMPにおいて、ステップS20で取得された曜日情報Iw及び時間帯情報Itに対応付けられた減少変更量Qg及び増加変更量Qzを特定する。なお、本実施形態において、マップMPが「対応情報」に相当する。

0046

マップMPにおいて、減少変更量Qg及び増加変更量Qzは、加減速期間割合Pa及び加減速頻度Faにより変動する変動量として規定されている。例えば、図5に示すように、減少変更量Qg及び増加変更量Qzは、加減速期間割合Paが高く、または加減速頻度Faが高いほど大きくなる関係を有する。ステップS22では、ステップS12,14で算出された加減速期間割合Pa及び加減速頻度Faに対応する減少変更量Qg及び増加変更量Qzを特定し、この減少変更量Qg及び増加変更量Qzに設定する。なお、加減速期間割合Pa及び加減速頻度Faに対する減少変更量Qg及び増加変更量Qzの傾きは、曜日情報Iw及び時間帯情報It毎に異なっていてもよければ、同じでもよい。

0047

ステップS24において、変更許可モードが選択されているかを判定する。車両100では、ドライバにより変更許可モードと変更禁止モードとのいずれかのモードが選択可能である。ここで、変更許可モードは、車両100の減速時において圧縮機30の停止を継続すべく、第1閾値Qs1の減少変更を許可するモードである。第1閾値Qs1の減少変更を許可することで、車両100の減速時において圧縮機30を停止可能な蓄冷量Qcの範囲が拡大され、車両100の減速時において圧縮機30の停止が継続される。

0048

また、変更禁止モードは、車両100のエンジン停止中において圧縮機30の停止を継続すべく、第1閾値Qs1の減少変更を禁止するモードである。第1閾値Qs1の減少変更を禁止することで、車両100のエンジン停止開始時における蓄冷量Qcが過度に低下していることが抑制され、車両100のエンジン停止中において圧縮機30の停止が継続される。なお、本実施形態において、ステップS24の処理が「選択部」に相当する。

0049

そのため、変更許可モードは、車両100の減速時における車両100の燃費Efの向上が、車両100のエンジン停止中における車両100の燃費Efの向上より優先されるモード、ということができる。また、変更禁止モードは、車両100のエンジン停止中における車両100の燃費Efの向上が、車両100の減速時における車両100の燃費Efの向上よりも優先されるモード、ということができる。

0050

ステップS24で肯定判定すると、つまり変更許可モードが選択されたことを条件に、減少変更と増加変更との両方を実施する。具体的には、ステップS26において、ステップS22で設定された減少変更量Qgだけ第1閾値Qs1を小さくする側に変更する。続くステップS28において、ステップS22で設定された増加変更量Qzだけ第2閾値Qs2を大きくする側に変更する。

0051

ステップS32において、車両100の減速時に圧縮機30を停止させ、蓄冷量制御処理を終了する。なお、本実施形態において、ステップS32の処理が「停止制御部」に相当する。

0052

一方、ステップS24で否定判定すると、増加処理のみを実施し、減少処理を実施しない。具体的には、ステップS30において、ステップS22で設定された増加変更量Qzだけ第2閾値Qs2を大きくする側に変更し、ステップS32に進む。なお、本実施形態において、ステップS26,S28,S30の処理が「変更部」に相当する。

0053

一方、ステップS10で否定判定すると、ステップS50において、車両100のイグニッションスイッチがオンからオフに切り替わった後の規定期間に補正処理を実施し、蓄冷量制御処理を終了する。規定期間では、いわゆるメインリレー制御として、イグニッションスイッチのオフ後もECU40への電力供給が一定時間継続されるようになっている。ここで、補正処理は、マップMPにおいて、曜日情報Iw及び時間帯情報Itに対応付けられた減少変更量Qg及び増加変更量Qzを補正する処理である。

0054

図3に本実施形態の補正処理のフローチャートを示す。補正処理を開始すると、まずステップS60において、補正条件が成立したかを判定する。例えば、補正処理の直前に終了したドライビングサイクル(以下、対象サイクルという)における走行距離規定距離よりも長いかを判定する。

0055

ステップS60で否定判定すると、補正処理を終了する。一方、ステップS60で肯定判定すると、続くステップS62において、対象サイクルにおける車両100の燃費Efを算出する。燃費Efは、対象サイクルにおける燃料噴射弁11の燃料噴射量及び走行距離から算出することができる。なお、本実施形態において、ステップS62の処理が「燃費算出部」に相当する。

0056

ステップS64において、ステップS62で算出された燃費Efに基づいて、減少変更量Qg及び増加変更量Qzを補正するかを判定する。具体的には、ステップS62で算出された燃費Efが基準燃費Ekよりも大きいかを判定する。ここで、基準燃費Ekは、曜日情報Iw及び時間帯情報Itが対象サイクルと等しいドライビングサイクルであって、対象サイクルの直前に実施されたドライビングサイクル(以下、前回サイクルという)において算出された燃費Efを示す。

0057

ステップS64で肯定判定すると、車両100の燃費Efが向上したと判定する。この場合、減少変更量Qg及び増加変更量Qzを補正することなく、続くステップS72において、ステップS62で算出された燃費Efを用いて基準燃費Ekを更新し、補正処理を終了する。

0058

一方、ステップS64で否定判定すると、車両100の燃費Efが悪化したと判定する。この場合、減少変更量Qg及び増加変更量Qzを補正する。具体的には、ステップS66において、前回サイクルで減少変更量Qg及び増加変更量Qzが増加補正されたかを判定する。減少変更量Qg及び増加変更量Qzが増加補正されたかは、例えば減少変更量Qg及び増加変更量Qzの補正履歴から判定することができる。

0059

ステップS66で否定判定すると、ステップS68において、減少変更量Qg及び増加変更量Qzを増加補正し、ステップS72へと進む。つまり、前回サイクルにおいて車両100の燃費Efが向上し、対象サイクルにおいて車両100の燃費Efが悪化した場合には、減少変更量Qg及び増加変更量Qzを増加補正する。増加補正では、燃費Efと基準燃費Ekとの差分に基づいて、減少変更量Qg及び増加変更量Qzの補正量を決定する。

0060

一方、ステップS66で肯定判定すると、ステップS70において、減少変更量Qg及び増加変更量Qzを減少補正し、ステップS72へと進む。つまり、前回サイクルにおいて車両100の燃費Efが悪化し、増加補正をしても車両100の燃費Efが更に悪化した場合には、増加補正により減少変更量Qg及び増加変更量Qzを適切に補正できないことから、減少変更量Qg及び増加変更量Qzを逆側に補正、つまり減少補正する。減少補正では、燃費Efと基準燃費Ekとの差分に基づいて、減少変更量Qg及び増加変更量Qzの補正量を決定する。なお、本実施形態において、ステップS68,S70の処理が「補正部」に相当する。

0061

続いて、図6に蓄冷量制御処理の一例を示す。図6(A)は、通常制御における燃料カット状態F/Cの推移を示し、図6(B)は、拡大制御における燃料カット状態F/Cの推移を示す。図6において、(a)は蓄冷量Qcの推移を示し、(b)は車両100の動作状態の推移を示し、(c)は圧縮機30の駆動状態の推移を示し、(d)は燃料カット状態F/Cの推移を示し、(e)は燃料カット状態F/Cの切り替えにより発生するエネルギ損失Elを示す。

0062

また、図7に車両100の減速状態におけるネガティブトルクTnを示す。図7(A)は、燃料カットを行わない、つまり燃料カット状態F/Cがオフである場合のネガティブトルクTnを示し、図7(B)は、燃料カットを行う、つまり燃料カット状態F/Cがオンである場合のネガティブトルクTnを示す。なお、図7において、ネガティブトルクTnは、エンジン10のクランク軸13の回転方向とは逆向きで作用することから、負側に増大する量として記載されている。

0063

図6(A)に示すように、本実施形態では、車両100の走行状態において、加減速が繰り返し行われており、加減速の切り替えに応じて、蓄冷量Qcが第2閾値Qs2から低下する低下動作と、第2閾値Qs2まで上昇する上昇動作とを繰り返される。

0064

時刻t1において、車両100の動作状態が走行状態から減速状態に切り替えられると、圧縮機30がオフ状態に切り替えられる。なお、本実施形態では、時刻t1において、蓄冷量Qcが第2閾値Qs2まで上昇しているものとするが、車両100の動作状態が切り替わるタイミングは、必ずしも蓄冷量Qcが第2閾値Qs2まで上昇したタイミングでなくてもよい。

0065

図7(A)に示すように、車両100の減速時において、圧縮機30がオン状態に維持されると、駆動トルクTcが発生する。これにより、ネガティブトルクTnが大きくなり、車両100の減速度合が過剰に大きくなると、ドライバが減速度合をゆるめるべく、アクセルペダルを踏みこむ。つまり、ネガティブトルクTnの過剰分を、アクセルペダルを踏みこむことによるアクセルトルクTaによって補う。この結果、車両100の減速時に燃料カット状態F/Cをオンとすることができず、車両100の燃費Efが悪化する。

0066

本実施形態では、車両100の減速時において、圧縮機30をオフ状態に切り替える。これにより、図7(B)に示すように、ネガティブトルクTnが減少する。この結果、車両100の減速時にドライバがアクセルペダルを踏みこむことが抑制され、車両100の減速時に燃料カット状態F/Cをオンとすることで(図6(d)参照)、車両100の燃費Efを向上させることができる。

0067

具体的には、蓄冷量Qcが第2閾値Qs2から第1閾値Qs1まで低下する期間において、圧縮機30をオフ状態に切り替えることができ、車両100の燃費Efを向上させることができる。つまり、蓄冷量Qcが第2閾値Qs2から第1閾値Qs1までの範囲は、圧縮機30を停止可能な圧縮停止範囲Hg、ということができる。

0068

通常制御では、車両100のエンジン停止中において圧縮機30の停止を継続すべく、圧縮停止範囲Hgが狭く設定されている。例えば、ECU40は、エンジン停止中において、蓄冷量Qcが第1閾値Qs1よりも小さい第3閾値Qs3まで低下した場合に、エンジン10を再起動させて蓄冷量Qcを蓄えさせる。エンジン停止中において、エンジン10を再起動させるまでの期間を長期化するためには、第3閾値Qs3から第1閾値Qs1までの範囲Hsを広げる必要がある。この結果、第1閾値Qs1が比較的大きい値に設定され、圧縮停止範囲Hgが狭く設定される。

0069

そのため、通常制御では、燃料カット状態F/Cがオンとされる燃料カット期間Yfが縮小される。図6(A)に示すように、通常制御では、時刻t1に蓄冷量Qcが第2閾値Qs2から低下を開始し、時刻t2に蓄冷量Qcが第1閾値Qs1まで低下する。狭く設定された圧縮停止範囲Hgに応じて、時刻t1から時刻t2までの燃料カット期間Yfが縮小されている。この結果、燃料カット状態F/Cによる車両100の燃費向上効果が縮小されてしまう。

0070

本実施形態では、車両100の加減速が繰り返し行われると判定された場合に、拡大制御を実施する。具体的には、図6(B)に示すように、第1閾値Qs1を減少変更量Qgだけ減少させるとともに、第2閾値Qs2を増加変更量Qzだけ増加させる。これにより、圧縮停止範囲Hgが拡大され、燃料カット期間Yfが時刻t2よりも後の時刻t3まで延長される。この結果、燃料カット状態F/Cによる車両100の燃費向上効果が増大し、車両100の燃費Efを向上させることができる。

0071

なお、蓄冷量Qcが第1閾値Qs1まで低下した後に、蓄冷量Qcが第2閾値Qs2まで上昇するのに必要な期間Yrは、圧縮停止範囲Hgが広い場合よりも狭い場合の方が短い。そのため、図6に示すように、車両100の減速期間が比較的長く、燃料カット期間Yfが複数回繰り返される場合には、圧縮停止範囲Hgが狭いと、1回当たりの燃料カット期間Yfは短くなる一方、その繰り返し回数は多くなる。また、圧縮停止範囲Hgが広いと、1回当たりの燃料カット期間Yfは長くなる一方、その繰り返し回数は少なくなる。この結果、車両100の減速期間に対する燃料カット期間Yfの合計期間の割合は、圧縮停止範囲Hgによらず一定となるとも考えられる。

0072

しかし、図6に示すように、燃料カット状態F/Cがオンからオフに切り替わる際、及び燃料カット状態F/Cがオフからオンに切り替わる際には、例えば圧縮機30のオーバーシュート等によりエネルギ損失Elが発生する。そして、圧縮停止範囲Hgが狭い場合よりも広い場合の方が、燃料カット状態F/Cの切替回数が少なく、エネルギ損失Elの発生回数が少ない。そのため、車両100の減速期間が比較的長い場合でも、第1閾値Qs1を減少変更量Qgだけ減少させるとともに、第2閾値Qs2を増加変更量Qzだけ増加させることによって、車両100の燃費Efを向上させることができる。

0073

以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。

0074

・車両100の減速時において、蓄冷量Qcを用いて車室内へ送風される空気を冷却することで、燃料カットを行い、かつ、圧縮機30を停止させることができ、車両100の燃費Efを向上させることができる。しかし、蓄冷量Qcが第1閾値Qs1まで低下すると、車両100の減速時に圧縮機30を停止させることができず、車両100の燃費Efを向上させることができない。特に、車両100の加減速が繰り返し行われる場合には、蓄冷量Qcを蓄える期間が短い一方、蓄冷量Qcを用いる期間が長くなることから、蓄冷量Qcが第1閾値Qs1まで低下して圧縮機30の停止を継続させることができなくなる。この結果、車両100の燃費Efを向上させることができない。

0075

・本実施形態では、車両100の加減速が繰り返し行われると判定された場合に、第1閾値Qs1を小さくする側に変更する減少変更と、第2閾値Qs2を大きくする側に変更する増加変更との少なくとも一方を行う。つまり、圧縮機30を停止可能な圧縮停止範囲Hgを拡大する制御を行う。これにより、圧縮機30の停止を継続させることができる。この結果、車両100の燃費Efを向上させることができる。

0076

・特に本実施形態では、圧縮停止範囲Hgを拡大した結果、車両100の減速時において、圧縮機30の停止を継続させることができる。これにより車両100の減速時におけるネガティブトルクTnを減少させることができ、車両100の減速時にドライバがアクセルペダルを踏みこむことが抑制される。この結果、車両100の燃費Efを向上させることができる。

0077

・本実施形態では、車両100の加減速が繰り返し行われるかを、前方進路情報Ifに基づいて判定する。例えば、前方進路情報Ifとして車両100の前方進路で渋滞が発生している情報が取得された場合、車両100の加減速が繰り返し行われることが予想される。このように、前方進路情報Ifは、加減速が繰り返し行われることと相関する。そのため、前方進路情報Ifに基づいて、加減速が繰り返し行われることを好適に判定することができる。

0078

・例えば、車両100の前方進路で渋滞が発生している場合、渋滞により車両100は停止状態低速走行状態とを繰り返すことが予想される。つまり、車両100の加減速期間割合Paが高く、または車両100の加減速頻度Faが高くなることが予想される。本実施形態では、加減速期間割合Paが基準割合Pkよりも高い高割合である場合、または加減速頻度Faが基準頻度Fkよりも高い高頻度である場合に、車両100の加減速が繰り返し行われると判定する。そのため、渋滞等により車両100の加減速が繰り返し行われることを好適に判定することができる。

0079

・本実施形態では、車両100の加減速期間割合Paが高く、または車両100の加減速頻度Faが高いほど、第1閾値Qs1を小さくする側に変更する減少変更量Qg、及び第2閾値Qs2を大きくする側に変更する増加変更量Qzを大きく設定する。車両100の加減速期間割合Paが高く、または車両100の加減速頻度Faが高いと、蓄冷量Qcを蓄える期間が短く、蓄冷量Qcを用いる期間が長くなることから、圧縮機30の停止を継続させにくい。そのため、車両100の加減速期間割合Paが高く、または車両100の加減速頻度Faが高いほど、減少変更量Qg及び増加変更量Qzを大きく設定することで、車両100の走行状態に応じて減少変更量Qg及び増加変更量Qzを好適に設定することができる。これにより、圧縮機30の停止を継続させることができ、車両100の燃費Efを向上させることができる。

0080

・本実施形態では、曜日情報Iw及び時間帯情報Itに対応して、減少変更量Qg及び増加変更量Qzが予め規定されたマップMPが記憶されており、曜日情報Iw及び時間帯情報ItとマップMPとに基づいて減少変更量Qg及び増加変更量Qzを設定する。例えば、渋滞の発生頻度は、平日と休日とでは異なり、また、通勤時間帯とその他の時間帯とでは異なる。つまり、車両100の加減速が繰り返し行われるかは、曜日情報Iwや時間帯情報Itによってばらつく。そのため、曜日情報Iw及び時間帯情報Itに基づいて減少変更量Qg及び増加変更量Qzを設定することで、曜日情報Iwや時間帯情報Itによるばらつきを抑制して、減少変更量Qg及び増加変更量Qzを好適に設定することができる。

0081

・本実施形態では、ドライビングサイクル毎に車両100の燃費Efを算出し、算出された燃費Efに基づいて、マップMPに規定された減少変更量Qg及び増加変更量Qzを補正する。これにより、車両100の燃費Efが向上するように、減少変更量Qg及び増加変更量Qzを適切に補正することができる。

0082

・減少変更では、第1閾値Qs1を小さくする側に変更するため、車両100のエンジン停止開始時における蓄冷量Qcが過度に低下していることがある。そのため、エンジン停止中において蓄冷量Qcが第3閾値Qs3まで低下して圧縮機30の停止が中断されることがあり、蓄冷量Qcが第3閾値Qs3まで低下した場合には、圧縮機30を始動させるためにエンジン10を始動させなければならず、この結果、車両100の燃費Efが悪化する。本願の制御装置では、変更許可モードが選択されたことを条件に、第1閾値Qs1の減少変更を行う。そのため、変更禁止モードが選択された場合には減少変更が行われないようにすることができる。これにより、車両100のエンジン停止時において圧縮機30の停止を継続させることができ、車両100の燃費Efが悪化することを抑制することができる。

0083

本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、次のように実施されてもよい。

0084

・実施形態では、変更許可モードが選択されている場合に、減少変更と増加変更との両方を実施する例を示したが、減少変更のみが実施されてもよい。

0085

・実施形態では、車両100の加減速の繰り返しを、加減速期間割合Pa及び加減速頻度Faに基づいて判定する例を示したが、これに限られない。例えば、エンジン10の運転停止及び再始動が繰り返し行われることを判定してもよい。

0086

・実施形態では、前方進路情報Ifとして車両100の前方進路で渋滞が発生している情報を例示したが、これに限られず、例えば現在のドライビングサイクルにおける目的地や予定走行ルートの情報であってもよい。

0087

・実施形態では、減少変更量Qgが増加変更量Qzよりも大きい例を示したが、これに限られず、例えば減少変更量Qgが増加変更量Qzと同じであってもよければ、減少変更量Qgが増加変更量Qzよりも小さくてもよい。

0088

・実施形態では、加減速期間割合Pa及び加減速頻度Faに対応する減少変更量Qgの増加率が、増加変更量Qzの増加率よりも大きい例を示したが、これに限られない。例えば、減少変更量Qgの増加率が増加変更量Qzの増加率と同じであってもよければ、減少変更量Qgの増加率が増加変更量Qzの増加率よりも小さくてもよい。

0089

・時間帯情報Itは、図4に示すものに限られない。

0090

・実施形態では、基準燃費Ekが前回サイクルにおいて算出された燃費Efである例を示したが、これに限られない。例えば、曜日情報Iw及び時間帯情報Itが等しい複数のドライビングサイクルに対応する複数の燃費Efのうち、最大の燃費Efを基準燃費Ekとしてもよい。

0091

・実施形態では、蓄冷器36を蒸発器34に設けているが、蓄冷器36の配置はこれに限られず、例えば、圧縮機30の冷媒吸入口と蒸発器34との間に蓄冷器36が接続されてもよければ、蒸発器34と蓄冷器36とが並列に接続されていてもよい。

0092

13…クランク軸、30…圧縮機、36…蓄冷器、39…冷凍サイクル、40…ECU、100…車両、Qc…蓄冷量、Qs1…第1閾値、Qs2…第2閾値。

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