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技術 押出材の製造方法

出願人 日立金属株式会社
発明者 原顕一郎向瀬レミソーレンミュラスウェーンガール
出願日 2018年7月25日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2018-139317
公開日 2020年1月30日 (11ヶ月経過) 公開番号 2020-015057
状態 未査定
技術分野 金属の押出
主要キーワード コンテナ内壁 焼結素材 押出軸 ダミーブロック 鋭角側 ダイス面 テーパー加工 ダイスホルダー
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

熱間加工温度が高い直接押出において、ガラス潤滑押出を適用したときに、押出中のダイスに掛かる荷重を低減できる押出材の製造方法を提供する。

解決手段

900℃以上の熱間加工温度に加熱したビレットを直接押出によって成形する押出材の製造方法において、この押出材の製造方法は、ダイスとビレットとの間に潤滑用ガラスパッド装填したガラス潤滑押出によるものであり、上記のビレットのダイス側の縁部が、テーパーを有し、かつ、このビレットのテーパー半角θB(°)と、ダイスのダイス半角θD(°)との関係が、(θD−θB)=5〜20°である押出材の製造方法である。

概要

背景

押出材は、押出成形によって製造される。押出成形とは、ビレット熱間加工温度に加熱し、この熱間加工温度に加熱したビレットをコンテナに挿入し、このコンテナに挿入したビレットに圧縮力を付与して、コンテナに設置したダイスの孔からビレットを押出すことで、ビレットを押出材の形状に成形する方法である。

図1は、押出成形装置断面構造の一例を示す概略図である。図1において、まず、熱間加工温度に加熱したビレット1をコンテナ2に挿入する。次に、このコンテナ2に挿入したビレット1に、ダミーブロック3を介して、ステム4により圧縮力を付与する。そして、このことによって、ビレット1は、コンテナ2に設置したダイス5の孔から押出されて、ダイス5の孔形状断面を有した押出材6に成形される。このとき、ダイス5がダイスホルダーを介してコンテナ2に設置されている場合、図1のダイス5は、図示しないダイスホルダーを含んでいる。そして、図1の押出成形装置は、「直接押出」の様態を示すものである。直接押出とは、ビレットを挿入したコンテナの一端側よりビレットに圧縮力を付与して、コンテナの他端側に設置したダイスの孔からビレットを押出す成形方法である。そして、各種の押出成形のうちでも、直接押出は、プレス機の構造がシンプルで最も基本的な成形方法である。

このような直接押出において、熱間加工温度が高いと、早期に、押出中のビレットとダイスとが溶着したり、ダイスが熱損傷を受けたりしやすくなる。そこで、これら早期のダイス損傷を抑制するために、ビレットとダイスとの間の潤滑性を確保することが有効であり、ビレットとダイスとの間に潤滑用ガラスパッド装填する「ガラス潤滑押出(ダイス潤滑押出とも言う。)」が効果的である(図1)。一般的に、潤滑用ガラスパッド7は、ガラス粉末を押し固めて成形した固形物である。そして、この潤滑用ガラスパッド7は、押出成形を開始したときに、熱間加工温度に加熱されたビレット1に押されながら接触して徐々に溶融し、この溶融ガラスがビレット1とダイス5との間の潤滑剤として機能する(図1の場合、厳密に言えば、その「ビレット1が、押出材6としてダイス5の孔からある程度押出された状態」であるときに、潤滑用ガラスパッド7は既に溶融している)。

このような潤滑用ガラスパッドによる潤滑効果は、そのガラス潤滑押出のときの熱間加工温度が“潤滑用ガラスパッドが溶融する程の”高い温度であるからこそ、機能するものである。そして、この潤滑効果は、各種のステンレス鋼超合金等といった難加工性材質でなるビレットの押出成形で、利用されている(特許文献1)。

概要

熱間加工温度が高い直接押出において、ガラス潤滑押出を適用したときに、押出中のダイスに掛かる荷重を低減できる押出材の製造方法を提供する。900℃以上の熱間加工温度に加熱したビレットを直接押出によって成形する押出材の製造方法において、この押出材の製造方法は、ダイスとビレットとの間に潤滑用ガラスパッドを装填したガラス潤滑押出によるものであり、上記のビレットのダイス側の縁部が、テーパーを有し、かつ、このビレットのテーパー半角θB(°)と、ダイスのダイス半角θD(°)との関係が、(θD−θB)=5〜20°である押出材の製造方法である。

目的

本発明の目的は、熱間加工温度が高い直接押出において、ガラス潤滑押出を適用したときに、押出成形中のダイスに掛かる荷重を低減できる押出材の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ビレットを900℃以上の熱間加工温度に加熱し、前記熱間加工温度に加熱したビレットをコンテナに挿入し、前記コンテナに挿入した前記ビレットに圧縮力を付与して、前記コンテナに設置したダイスの孔から前記ビレットを押出して成形する押出材の製造方法において、前記押出材の製造方法は、前記ビレットを挿入したコンテナの一端側より前記ビレットに圧縮力を付与して、前記コンテナの他端側に設置したダイスの孔から前記ビレットを押出す直接押出によるものであり、前記押出材の製造方法は、前記ダイスと前記ビレットとの間に潤滑用ガラスパッド装填したガラス潤滑押出によるものであり、前記ビレットの前記ダイス側の縁部が、テーパーを有し、かつ、前記ビレットのテーパー半角θB(°)と、前記ダイスのダイス半角θD(°)との関係が、(θD−θB)=5〜20°であることを特徴とする押出材の製造方法。

請求項2

前記ビレットのテーパー半角θB(°)が、45〜75°であることを特徴とする請求項1に記載の押出材の製造方法。

請求項3

前記ビレットが、ステンレス鋼またはニッケル基超耐熱合金でなることを特徴とする請求項1または2に記載の押出材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、押出材の製造方法に関する。

背景技術

0002

押出材は、押出成形によって製造される。押出成形とは、ビレット熱間加工温度に加熱し、この熱間加工温度に加熱したビレットをコンテナに挿入し、このコンテナに挿入したビレットに圧縮力を付与して、コンテナに設置したダイスの孔からビレットを押出すことで、ビレットを押出材の形状に成形する方法である。

0003

図1は、押出成形装置断面構造の一例を示す概略図である。図1において、まず、熱間加工温度に加熱したビレット1をコンテナ2に挿入する。次に、このコンテナ2に挿入したビレット1に、ダミーブロック3を介して、ステム4により圧縮力を付与する。そして、このことによって、ビレット1は、コンテナ2に設置したダイス5の孔から押出されて、ダイス5の孔形状断面を有した押出材6に成形される。このとき、ダイス5がダイスホルダーを介してコンテナ2に設置されている場合、図1のダイス5は、図示しないダイスホルダーを含んでいる。そして、図1の押出成形装置は、「直接押出」の様態を示すものである。直接押出とは、ビレットを挿入したコンテナの一端側よりビレットに圧縮力を付与して、コンテナの他端側に設置したダイスの孔からビレットを押出す成形方法である。そして、各種の押出成形のうちでも、直接押出は、プレス機の構造がシンプルで最も基本的な成形方法である。

0004

このような直接押出において、熱間加工温度が高いと、早期に、押出中のビレットとダイスとが溶着したり、ダイスが熱損傷を受けたりしやすくなる。そこで、これら早期のダイス損傷を抑制するために、ビレットとダイスとの間の潤滑性を確保することが有効であり、ビレットとダイスとの間に潤滑用ガラスパッド装填する「ガラス潤滑押出(ダイス潤滑押出とも言う。)」が効果的である(図1)。一般的に、潤滑用ガラスパッド7は、ガラス粉末を押し固めて成形した固形物である。そして、この潤滑用ガラスパッド7は、押出成形を開始したときに、熱間加工温度に加熱されたビレット1に押されながら接触して徐々に溶融し、この溶融ガラスがビレット1とダイス5との間の潤滑剤として機能する(図1の場合、厳密に言えば、その「ビレット1が、押出材6としてダイス5の孔からある程度押出された状態」であるときに、潤滑用ガラスパッド7は既に溶融している)。

0005

このような潤滑用ガラスパッドによる潤滑効果は、そのガラス潤滑押出のときの熱間加工温度が“潤滑用ガラスパッドが溶融する程の”高い温度であるからこそ、機能するものである。そして、この潤滑効果は、各種のステンレス鋼超合金等といった難加工性材質でなるビレットの押出成形で、利用されている(特許文献1)。

先行技術

0006

特開昭58−016725号公報

発明が解決しようとする課題

0007

直接押出における上記のガラス潤滑押出の効果は、熱間加工温度が高い条件で、特に有効に機能する。しかし、そのような条件の直接押出において、押出成形中のダイスに掛かる押出荷重が高い場合があった。この押出圧力過度に高いと、高温に熱せられて軟化したダイスが変形する等して、早期のダイス寿命(押出の中止)に至ることとなる。
本発明の目的は、熱間加工温度が高い直接押出において、ガラス潤滑押出を適用したときに、押出成形中のダイスに掛かる荷重を低減できる押出材の製造方法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、ビレットを900℃以上の熱間加工温度に加熱し、この熱間加工温度に加熱したビレットをコンテナに挿入し、このコンテナに挿入したビレットに圧縮力を付与して、コンテナに設置したダイスの孔からビレットを押出して成形する押出材の製造方法において、
この押出材の製造方法は、ビレットを挿入したコンテナの一端側よりビレットに圧縮力を付与して、コンテナの他端側に設置したダイスの孔からビレットを押出す直接押出によるものであり、
この押出材の製造方法は、ダイスとビレットとの間に潤滑用ガラスパッドを装填したガラス潤滑押出によるものであり、
上記のビレットのダイス側の縁部が、テーパーを有し、かつ、このビレットのテーパー半角θB(°)と、ダイスのダイス半角θD(°)との関係が、(θD−θB)=5〜20°である押出材の製造方法である。
このとき、上記のビレットのテーパー半角θB(°)が、45〜75°であることが好ましい。そして、ビレットが、ステンレス鋼またはニッケル基超耐熱合金でなることが好ましい。

発明の効果

0009

本発明により、熱間加工温度が高い直接押出において、ガラス潤滑押出を適用したときに、押出中のダイスに掛かる荷重を低減することができる。

図面の簡単な説明

0010

ガラス潤滑による直接押出成形を行う装置の一例を示す、押出成形装置の断面構造の概略図である。
本発明例の押出材の製造方法の一例を示す、押出成形装置の断面構造の概略図である。
比較例の押出材の製造方法の一例を示す、押出成形装置の断面構造の概略図である。
本発明例の押出材の製造方法を実施したときの、押出荷重とステム変位量との関係を示した図である。
比較例の押出材の製造方法を実施したときの、押出荷重とステム変位量との関係を示した図である。

0011

上述した通り、本発明の押出材の製造方法は、ビレットを挿入したコンテナの一端側よりビレットに圧縮力を付与して、コンテナの他端側に設置したダイスの孔からビレットを押出す「直接押出」によるものである。そして、これに、ダイスとビレットとの間に潤滑用ガラスパッドを装填した「ガラス潤滑押出」を適用したものである。
この上で、まず、本発明では、潤滑用ガラスパッドの十分な溶融と流動を促すことができる温度として、押出成形中の熱間加工温度(すなわち、コンテナに挿入するときのビレットの加熱温度)を、900℃以上に設定した。このような高い熱間加工温度は、ビレットが難加工材であるときに、例えば、ステンレス鋼やニッケル基超耐熱合金でなるときに適用されるものである。よって、本発明の押出材の製造方法は、ステンレス鋼またはニッケル基超耐熱合金でなるビレットの押出成形に適用することができる。そして、ステンレス鋼やニッケル基超耐熱合金でなるビレットは、特に、押出成形時の押出荷重が高いものであることから、本発明の押出材の製造方法を、このような材質のビレットの押出成形に適用することは、押出荷重を低減できる点で、好ましいものである。

0012

なお、熱間加工温度の上限を指定することは、特に要しない。理論的は、熱間加工温度の上限は、ビレットの材質の融点固相点温度)未満であればよく、一具体的には、1300℃以下や1250℃以下が考えられる。そして、ビレットの材質がステンレス鋼やニッケル基超耐熱合金であることも想定すれば、1250℃以下や1200℃以下が現実的である。

0013

このような熱間加工温度が高い直接押出の条件であれば、ガラス潤滑押出において、ビレットとダイスとの間に装填した潤滑用ガラスパッドは十分に溶融している筈である。しかし、依然として、押出荷重が低減される効果が小さいのは、やはり、上記の潤滑用ガラスパッドによる潤滑効果が十分に発揮されていないからだと考えられる。そこで、本発明者は、押出成形中の溶融した潤滑用ガラスパッド(溶融ガラス)の挙動調査した。その結果、上記の溶融ガラスは、ビレットとダイスとの間の潤滑性を確保している以外に、この溶融ガラスの一部が、ビレットとコンテナとの間にも入り込んで、ビレットとコンテナとの間の潤滑性をも確保し得ることを知見した。そして、押出荷重が低減される効果が小さいのは、この溶融ガラスの、ビレットとコンテナとの間への入り込み量が少なく、溶融ガラスがビレットとコンテナとの間に十分に行き渡っていないことが原因であることを知見した。

0014

そこで、ガラス潤滑押出による直接押出おいて、押出成形中のビレットとダイスとの間で生じた溶融ガラスが、ビレットとコンテナとの間にも十分に行き渡る押出条件を検討した。
まず、熱間加工温度に加熱したビレットをコンテナに挿入して、潤滑用ガラスパッドがビレットと接触したときから、潤滑用ガラスパッドの溶融ガラス化が始まる。そして、この一方で、ステムよりビレットに圧縮力を付与したときに(つまり、押出成形を開始したときに)、ビレットは圧縮力によってコンテナ中充満するように変形して、いずれビレットとコンテナとの隙間はなくなるようになる。従って、ビレットとコンテナとの間に溶融ガラスを行き渡らせることができるタイミングは、ビレットとコンテナとの隙間が無くなるまでの、押出成形の開始時から初期までの間である。そして、ガラス潤滑押出による直接押出で、押出荷重が低減されない問題は、このようなタイミングで、溶融ガラスがビレットとコンテナとの間に十分に流れていないからであると想定した。この結果、ビレットとコンテナとの間の摩擦が増大して押出荷重は大きくなり、前述のような、ダイスの早期の高温変形が生じることとなる。

0015

そこで、この問題を解決するために、熱間加工温度に加熱したビレットをコンテナに挿入してから、その状態を維持して、押出成形を開始するまでの時間を長く取ることで、潤滑用ガラスパッドが十分に溶融するとともに、溶融ガラスがビレットとコンテナとの間に流れ込むのを待つことが考えられる。しかし、そうすると、押出成形の開始を待っている間に、ビレットの熱がコンテナに奪われて、ビレットの温度が低下してしまい、ビレットの材料強度が上がって、かえって押出荷重が大きくなってしまう。従って、ガラス潤滑押出による直接押出で、押出荷重が低減されない問題を解決するには、ビレットをコンテナに挿入してから押出成形を開始するまでの時間に関係なく、やはり、上記の押出成形の開始時から初期までの間のタイミングで、溶融ガラスがビレットとコンテナとの間に流れやすいような手法を提案することが必要である。

0016

上述の通り、押出成形中の押出荷重が大きくなる問題は、専ら、押出成形の初期で押出荷重のピークが高いことによる(図5)。よって、押出成形の通期で、特に、その初期における溶融ガラスの、ビレットとコンテナとの間への流れを促すことが、押出成形の総括的な押出荷重の低減に繋がって、ダイスの高寿命化に有効である。すなわち、押出成形の開始時から初期に掛けての、ビレットとダイスとの間で形成されている溶融ガラスの流路の形状が、溶融ガラスがコンテナの周囲の方向にも流れやすいような流路の形状を有していることである。そして、この押出成形の開始時から初期に掛けての流路の形状は、このときのタイミングを反映できる状態として、熱間加工温度に加熱する前のビレットのダイス側の端面の輪郭と、それに対峙することとなるダイス面の輪郭との数値関係を、予め調整しておくことで、維持できることを突きとめた。すなわち、本発明の押出材の製造方法は、ガラス潤滑による直接押出において、熱間加工温度に加熱する前のビレットの、コンテナに挿入したときのダイス側の縁部が、テーパーを有し、そして、このビレットのテーパー半角θB(°)と、このビレットと対峙することとなるダイスのダイス半角θD(°)との関係が、(θD−θB)=5〜20°になるものである(図2)。この角度関係によって、押出成形を開始してからの溶融ガラスのビレット側への流動を促して、押出成形中の押出荷重を大幅に低減させることができる。

0017

ここで、ダイスのダイス半角θD(°)とは、ダイス孔の押出方向(図2押出軸A−A’)と、ダイス孔の入口面エントランス面)とがなす、ダイス孔の入口側に形成される角度(図2鋭角側の角度)のことである。また、ビレットのテーパー半角θB(°)とは、ビレットの押出方向(図2の押出軸A−A’)と、ビレットの縁部が有するテーパー面とがなす、ビレット本体側に形成される角度(図2の鋭角側の角度)のことである。
なお、このとき、上記のビレットの縁部が有するテーパーは、そのビレットの周面(側面)側および端面(先端)側に、それぞれ角部(図2の「**」印および「*」印)を有している。そして、ビレットの端面(先端)側の角部(図2の「*」印)は、上記のビレットの縁部が有するテーパーのテーパー面と、ダイスの入口面とが対峙するように(例えば、ビレットの端面側の角部が、ビレットの中心から、このビレットの(半径×4/5)や(半径×3/4)の位置までの間に位置するように)、ビレットの中心側に寄せて形成することができる。

0018

まず、ビレットのテーパー半角θB(°)が、ダイスのダイス半角θD(°)と同じであるか、あるいは、これよりも大きい場合(つまり、テーパー自体を有しないビレットを含む)、ビレットをコンテナに挿入したときに、そのビレットの輪郭とダイスの輪郭とでなる隙間が、専ら“ダイスの孔側に”開いている(図3)。そして、この図3のような状態で、上記の隙間に装填されている、図示しない潤滑用ガラスパッドが溶融し始めると、その溶融ガラスの多くがダイス5の孔側に向けて流れてしまい、本来のダイス潤滑の機能は発揮されるものの、ビレット1とコンテナ2との間への溶融ガラスの十分な流入量を確保できない。そして、この状態で押出成形が開始されると、ビレット1とコンテナ2との間には溶融ガラスが少ないままビレット1はコンテナ2中に充満して、ビレット1とコンテナ2との間の摩擦が増大して押出荷重が大きくなり、ダイス5の早期の高温変形が生じ得る。

0019

そこで、本発明では、例えば、テーパー自体を有しないビレットを出発点にして、これのダイス側の縁部にテーパー加工を施していって、このテーパー半角θB(°)を、ダイスのダイス半角θD(°)よりも十分に小さくする(つまり、テーパーを寝かせる)。そして、このビレットのテーパー半角θB(°)と、ダイスのダイス半角θD(°)との(θD−θB)の数値の関係を、「5°以上」とすることで、本来のダイス潤滑の機能も維持しながら、ビレットとコンテナとの間への溶融ガラスの流入量を増やすことができる。好ましくは「8°以上」である。より好ましくは「10°以上」である。

0020

つまり、ビレットのテーパー半角θB(°)を、ダイスのダイス半角θD(°)よりも小さくすることで、まず、ビレットをコンテナに挿入したときに、そのビレットの輪郭とダイスの輪郭とでなる隙間が、ある程度“コンテナ側に”も開いている(図2)。そして、図2のような関係で、押出成形を開始することで、その押出荷重により、ビレット1とダイス5との間にある溶融ガラス(図示しない)は、一部がダイス5側に流れる一方、もう一部はコンテナ2側にも流れる。そして、ビレット1が有するテーパー8のテーパー半角θB(°)を、ダイス5のダイス半角θD(°)よりもさらに小さくすることで、ビレット1の輪郭とダイス5の輪郭とでなる、潤滑用ガラスパッドが装填される隙間の広さを適度に“狭く”できて、潤滑用ガラスパッドの溶融を速めることができるので、押出成形を開始して、ビレットとコンテナとの隙間が無くなるまでの時間で(ビレットとコンテナとの間に溶融ガラスを行き渡らせることができるまでの時間で)、潤滑用ガラスパッドの溶融を完了させることができる。これらのことによって、ビレットとコンテナとの間の摩擦が低減され、押出成形中の押出荷重を低減することができる。

0021

但し、上記のビレットのテーパー半角θB(°)が、ダイスのダイス半角θD(°)に対して小さくなりすぎると、つまりこれは、元のテーパー自体を有しないビレットの様態に近づくことを意味する。この場合、ビレットとコンテナとの間への溶融ガラスの十分な流入量を確保できないことは、上述の通りである。
あるいは、つまりこれは、ビレットの端面(先端)側にあるテーパーの角部(図2の「*」印)が、ビレットの中心側に寄せて形成されているときに、ビレットの先端形状が“っていく”ことを意味する。そうすると、ビレットの長さ方向に亘って、ビレットの所定の径よりも小さい径の部分の割合が増えて、ビレットとコンテナとの間に溶融ガラスが流れ難くなる。また、コンテナ中のビレットが安定し難くなる(ビレットとコンテナとの隙間は、熱間加工温度に加熱する前のビレット径と、予熱温度に加熱する前のコンテナ径との関係おいて、例えば、2〜15mmであることが好ましい)。
よって、上記の(θD−θB)の値は、「20°以下」とする。好ましくは「18°以下」である。

0022

なお、本発明の場合、ダイス半角θD(°)との関係において、上記の(θD−θB)の値が5〜20°を満たしているなら、ビレットのテーパー半角θB(°)自体の数値を特定する必要はない。但し、45〜75°とすることができる。これにより、様々な押出比(コンテナの断面積/ダイス孔の断面積。例えば、2〜70)に供されるダイスのダイス半角θD(°)に対応できて、押出成形中の押出荷重を低減した押出成形を行うことが可能である。

0023

本発明で使用する潤滑用ガラスパッドには、一般的に知られるものを使用することができる。例えば、潤滑用ガラスパッドは、各種のガラス材質バインダー固化成形されたものである。また、例えば、その形状は、ダイスとビレットとの間に略フィットする「ディスク形状」を有したものである(よって、「ガラスディスク」とも呼ばれる)。そして、例えば、このディスク形状の中央部に、ダイスの孔の位置や直径に応じた「孔」が開いている。このような潤滑用ガラスパッドを、場合に応じて、複数枚重ねて使用することもできる。押出成形を高温で行う本発明にとって、このような潤滑用ガラスパッドは、それを速やかに溶融させて、かつ、溶融した潤滑用ガラスパッドの流動速度を上げるのに(つまり、ビレットとコンテナとの間に流動させるのに)効果的である。

0024

本発明の押出材の製造方法に供するビレットには、例えば、溶湯鋳造して得たインゴットや、このインゴットに、必要に応じて、分塊加工や機械加工熱処理等を施したものを用いることができる。また、上記のインゴットとして、粉末冶金法で得た焼結素材を用いることもできる。
また、本発明の押出材の製造方法では、これに供するビレットの周面(側面)に、例えば、コンテナ内壁摩擦発熱を抑制するために、固体潤滑剤を塗布する、いわゆる「潤滑剤封入押出」を補助的に併用することができる。この固体潤滑剤の塗布については、例えば、熱間加工温度に加熱したビレットの周面にガラス粉末を付着させたり、また、その付着させたガラス粉末を溶着させたりしてから、このビレットをコンテナに挿入することができる。

0025

そして、本発明の場合、上記のビレットは、容器被成形体収納した複合ビレットとすることもできる。そして、この場合においても、以上に述べてきたビレットのテーパー半角θB(°)を、容器のそれに置き換えて、この容器のテーパー半角θB(°)と、ダイスのダイス半角θD(°)との関係を、(θD−θB)=5〜20°とすることができる。このとき、上記の容器の材料には、低炭素鋼やステンレス鋼を用いることができる。

0026

真空溶解によって準備した所定の成分組成の溶湯を鋳造して、インゴットを得た。そして、このインゴットに機械加工を行って、直径80mm、長さ200mmのニッケル基超耐熱合金(アロイ939相当)でなる円柱状のビレットを作製した。ビレット(すなわち、インゴット)の成分組成を表1に示す。

0027

0028

上記のビレットの、ダイス側となる縁部をテーパー状に機械加工して、このテーパー半角θB(°)が「45°」のビレットA(本発明例用)と、「60°」のビレットB(比較例用)とを準備した。なお、これらテーパーにおける、ビレットの端面(先端)側の角部(図2の「*」印)は、ビレットの中心から約15mmの位置とした。これらビレットA、Bを1150℃の熱間加工温度に加熱して、図1の押出成形装置の円筒状のコンテナ(JIS−SKD61製。予熱前の内径:85mm)に、潤滑用ガラスパッドを介して、挿入した。そして、図2図3に模式的に例示したような、表2の条件のガラス潤滑押出による直接押出を行って、中実の押出材を作製した。

0029

実施例

0030

図4は、ビレットAを押出成形したときの、押出荷重とステム変位量(つまり、経過時間)との関係を示した図である(本発明例)。また、図5は、ビレットBを押出成形したときの、押出荷重とステム変位量との関係を示した図である(比較例)。本発明の「θD−θB」の関係を満たしたガラス潤滑押出による直接押出の場合、図4の通り、押出成形の初期での押出荷重のピークが低減されて、押出成形の通期で、押出中のダイスに掛かる荷重を低減できた。

0031

1ビレット
2コンテナ
3ダミーブロック
4ステム
5ダイス(ダイスホルダーを含む)
6押出材
7潤滑用ガラスパッド
8 テーパー

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