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技術 心筋機能を向上させるためのカートリッジおよび方法

出願人 サイトフェリックスインコーポレイテッド
発明者 ヒュームズエイチ.デビットバフィントンデボラエイ.ピノクリストファージェイ.
出願日 2019年9月27日 (1年3ヶ月経過) 出願番号 2019-176402
公開日 2020年1月30日 (11ヶ月経過) 公開番号 2020-014878
状態 未査定
技術分野 体外人工臓器
主要キーワード 接触支持体 キャプチャ設定 中空要素 PBシステム 端部ポート 被験装置 監視ライン 時間回路
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

本発明は、心筋機能に影響を及ぼす炎症状態処置および/または予防において使用するためのサイトフェレーシスカートリッジおよび関連する方法に関する。

解決手段

白血球および/または血小板を体外で捕捉し、それらの炎症作用を抑制または不活性化する。例えば、これらの細胞を不活性化することができるおよび/またはそれらの炎症誘発性物質の放出を抑制することができる。本カートリッジは、慢性心不全および/または急性非代償性心不全を有する対象などの心筋機能障害を有する対象の処置において使用することができる。

概要

背景

背景
様々な病態は、望ましくない炎症によって起こり、増悪し、および/または特徴付けられる。例えば、慢性炎症は、心臓腎臓、および脳に関わるものを含む、様々な急性臓器不全発症の中心となっている。慢性炎症は、心臓および腎臓に関わるものならびに2型糖尿病を含む慢性臓器機能障害の大きな要因にもなっている。例えば、免疫系の異常なまたは過剰な慢性的活性化による慢性心不全(CHF)および急性非代償性心不全ADHF)などのこれらの状態の幾つかは、生命脅かす心筋機能障害の原因となるおそれがある。

特定の種類の細胞は、心血管系および免疫系の機能障害に関して重要である。例えば、白血球、例えば好中球は、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症虚血再灌流障害急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、CHF、およびADHFを含む様々な炎症状態の発症および進行の一因となる(例えば、Kaneider et al.(2006)FEBSJ 273:4416−4424(非特許文献1);Maroszynska et al.(2000)ANN.TRANSPLNT.5(4):5−11(非特許文献2)を参照されたい)。単球および組織マクロファージなどの他の種類の白血球は、CHFにおける全身性炎症の重大な原因であると特定されており、心筋細胞収縮性の低下を引き起こす(例えば、Conraadset al.(2005)J.HEARTLUNG TRANSPLANT.24(7):854−59(非特許文献3);Simms et al.(1999)AM.J.PHYSIOL.277:H253−60(非特許文献4);Conraads et al.(2005)J.HEART LUNG TRANSPLANT,24(7):854−9(非特許文献3);Simms et al.(1999)AM.J.PHYSIOL.277:H253−60(非特許文献4)を参照されたい)。さらに、活性化された血小板は、白血球の接着亢進し、白血球の活性化を促進する。炎症や全身性免疫反応は有益になる場合もあるが、致命的になることもある。

臓器の炎症性障害により、白血球の活性化および凝集、ならびに血小板の活性化および凝集によって誘導される微小血管損傷が起こる可能性がある。活性化されたこれらの細胞は、患者組織中に毒性化合物を放出することにより、微小血管うっ血および再灌流障害の一因となり得る。活性化白血球はさらに、内皮を通り抜けて組織に遊出することにより損傷を引き起こし、そこで、白血球は、通常は侵入する微生物破壊するまたは壊死破片を除去することを目的としている毒物を放出する。さらに、活性化白血球と内皮との相互作用により血管透過性が増加して、血管内空間から組織間質に流体漏洩し、その結果、血液量減少高血圧症、および心血管不安定性が起こるおそれがある。活性化血小板はさらに、白血球の活性化および内皮からの遊出を亢進することにより、損傷を引き起こす。これらの過程を制御しないと、組織の傷害および死を招くおそれがある。

心血管疾患は、米国における主な死因となっており、全死亡の45%を占める。さらに、米国では、500万人がCHFに罹患しており、毎年新たに50万件を超える症例が確認され、直接的な医療費は300億ドルを超える(例えば、Association(2006)HEARTDISEASEAND STROKEFACTS(非特許文献5);Association(2002)2003 HEART AND STROKE STATISTICAL UPDATE(非特許文献6);Fonarow et al.(2003)4:p.S21−30(非特許文献7)を参照されたい)。重症のCHFでは、年間死亡率は50%の高さになり得る。現在、CHFの処置は、一般に、補助人工心臓または直交異方性心臓移植を必要とする。過去10年間にわたり、CHF処置用の多くの治療剤臨床試験が大規模前向き試験で行われてきた。エンドセリン受容体アンタゴニストアデノシンA1−受容体アンタゴニスト、およびバソプレシンV2受容体遮断薬は、全て臨床有効性を証明できなかった(例えば、McMurray et al.(2007)JAMA 298(17):2009−19(非特許文献8);Massie et al.(2010)N.ENGL.J.MED.363(15):1419−28(非特許文献9);Konstam et al.(2007)JAMA 297(12):1319−31(非特許文献10)を参照されたい)。心筋カルシウム感受性増強薬(レボシメンダン)および血管拡張性組換えB型ナトリウム利尿ペプチドニセリチド)も臨床有効性エンドポイント満足することができず、不整脈または高血圧症のリスクが増加した((例えば、Cohn et al.(1998)N.ENGL.J.MED.339(25):1810−6(非特許文献11);Mebazza et al.(2007)JAMA 297(17):1883−91(非特許文献12);O'Connor et al.(2011)N.ENGL.J.MED.365(1):32−43(非特許文献13)を参照されたい)。

急性非代償性心不全(ADHF)による入院は毎年ほぼ100万件となり、6カ月以内の再入院は50%の高さになっている。頻繁に入院するADHF患者の年間死亡率は50%に近付く。ADHF患者を処置するための現在の治療法は、これらの患者から心不全のうっ血症状を、通常は利尿剤を用いて取り除くことに重点が置かれている。しかし、このような方法は腎機能の更なる低下を招き、それにより制限される。

概要

本発明は、心筋機能に影響を及ぼす炎症状態の処置および/または予防において使用するためのサイトフェレーシスカートリッジおよび関連する方法に関する。白血球および/または血小板を体外で捕捉し、それらの炎症作用を抑制または不活性化する。例えば、これらの細胞を不活性化することができるおよび/またはそれらの炎症誘発性物質の放出を抑制することができる。本カートリッジは、慢性心不全および/または急性非代償性心不全を有する対象などの心筋機能障害を有する対象の処置において使用することができる。A

目的

本発明は、慢性心不全を有するまたはその発症リスクがある対象を処置する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

以下の工程を含む、慢性心不全を有するまたはその発症リスクがある対象を処置する方法において使用するための、装置:(a)対象の体液中に存在する活性化白血球および/または活性化血小板を体外でカートリッジ中に捕捉する工程であって、該カートリッジが、(i)内容積(IV)、流体入口ポート、および流体出口ポート画定している硬質ハウジングであって、該内容積が該流体入口ポートおよび該流体出口ポートと流体流連通している、該ハウジングと、(ii)該ハウジング内に配置されている固体支持体であって、該流体入口ポートを通って該ハウジングに入る体液中に活性化白血球および/または活性化血小板が存在する場合にそれらを捕捉することができる表面積(SA)を有する流体接触面を画定している該固体支持体とを備え、該カートリッジのSA/IV比が80cm−1より大きいか、または25cm−1〜2,000cm−1の範囲であり、かつ活性化白血球および/または活性化血小板を該固体支持体の流体接触面上に捕捉することを可能にする条件下で体液が該流体入口ポートを通して該ハウジングに導入される、該工程;ならびに(b)捕捉された白血球および/または血小板を、炎症誘発性物質の放出が抑制されるようにまたは該白血球および/または血小板が不活性化されるように処置し、それにより慢性心不全を処置または予防する工程。

請求項2

工程(a)で提供されるカートリッジのSA/IV比が、80cm−1より大きい、請求項1に記載の装置。

請求項3

工程(a)で提供されるカートリッジのSA/IV比が、150cm−1より大きい、請求項1または2に記載の装置。

請求項4

工程(a)で提供されるカートリッジのSA/IV比が、80cm−1〜1,500cm−1の範囲である、請求項1または2に記載の装置。

請求項5

SA/IV比が150cm−1〜1,500cm−1の範囲である、請求項4に記載の装置。

請求項6

固体支持体が、20%〜65%の範囲の充填密度でハウジング内に配置されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。

請求項7

固体支持体が膜を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。

請求項8

固体支持体が平面状支持部材を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。

請求項9

固体支持体が繊維を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。

請求項10

工程(a)で提供されるカートリッジのSAが、0.1m2〜10.0m2の範囲である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。

請求項11

工程(a)で提供されるカートリッジのSAが、0.1m2〜5.0m2の範囲である、請求項10に記載の装置。

請求項12

工程(a)で提供されるカートリッジの内容積が、300cm3未満である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。

請求項13

工程(a)で提供されるカートリッジの内容積が、150cm3未満である、請求項12に記載の装置。

請求項14

内容積が10cm3〜150cm3の範囲である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。

請求項15

内容積が75cm3〜150cm3の範囲である、請求項14に記載の装置。

請求項16

内容積が15cm3〜120cm3の範囲である、請求項14に記載の装置。

請求項17

体液を、10cm3/分〜8,000cm3/分の範囲の流量で流体出口ポートを通してカートリッジから出す工程をさらに含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の装置。

請求項18

固体支持体が、カートリッジ内の流体流動方向と実質的に平行である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の装置。

請求項19

工程(b)において、白血球および/または血小板が、免疫抑制剤セリン白血球抑制剤酸化窒素多形核白血球抑制因子分泌型白血球抑制剤、またはカルシウムキレート剤で処置され、該カルシウムキレート剤が、シトレートヘキサメタリン酸ナトリウムエチレンジアミン四酢酸EDTA)、トリエチレンテトラミンジエチレントリアミンo−フェナントロリン、およびシュウ酸からなる群のうちの1つ以上である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の装置。

請求項20

工程(b)において、白血球および/または血小板が、カルシウムキレート剤で処置される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の装置。

請求項21

カルシウムキレート剤がシトレートである、請求項20に記載の装置。

請求項22

工程(a)の前に、カルシウムキレート剤が対象の体液に導入される、請求項20に記載の装置。

請求項23

白血球および/または血小板が、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、または少なくとも12時間にわたって処置される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の装置。

請求項24

対象からの白血球および/または血小板が、2〜48時間、2〜24時間、2〜12時間、4〜48時間、4〜24時間、または4〜12時間にわたって処置される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の装置。

請求項25

対象が、心臓組織への炎症細胞侵入続発した心筋機能障害を有する、請求項1〜24のいずれか一項に記載の装置。

請求項26

対象が心臓移植を受けたことがある、請求項1〜25のいずれか一項に記載の装置。

請求項27

体液が血液である、請求項1〜26のいずれか一項に記載の装置。

請求項28

処置が、処置前の心筋機能と比較して対象の心筋機能を改善することを含み、心筋機能が、左室駆出率心拍出量全身血管抵抗、左室一回拍出量大動脈圧、左室圧、等容性収縮および弛緩中の左室圧の最大変化率、左室拡張末期圧、心筋酸素消費量、ならびに冠血流予備能からなる群から選択される、請求項1〜27のいずれか一項に記載の装置。

請求項29

向上した心筋機能が、工程(b)での処置の終了後、少なくとも6時間維持される、請求項1〜28のいずれか一項に記載の装置。

請求項30

向上した心筋機能が、工程(b)での処置の終了後、少なくとも24時間維持される、請求項29に記載の装置。

請求項31

活性化白血球および/または活性化血小板が、固体支持体の流体接触面に結合する、請求項1〜30のいずれか一項に記載の装置。

請求項32

それを必要とする対象の慢性心不全を処置する方法において使用するためのカートリッジであって、(i)内容積(IV)、流体入口ポート、および流体出口ポートを画定している硬質のハウジングであって、該内容積が該流体入口ポートおよび該流体出口ポートと流体流連通している、該ハウジングと、(ii)該内容積と流体流連通した状態で該ハウジング内に配置されている固体支持体であって、該流体入口ポートを通って該ハウジングに入る体液中に活性化白血球および/または血小板が存在する場合にそれらを捕捉するように構成された表面積(SA)を有する流体接触面を画定している該固体支持体とを備え、80cm−1より大きいかまたは25cm−1〜2,000cm−1の範囲である表面積(SA)対容積(IV)比を有する、前記カートリッジ。

請求項33

SA/IV比が80cm−1より大きい、請求項32に記載のカートリッジ。

請求項34

滅菌包装内に配置されている、請求項32または33に記載のカートリッジ。

請求項35

滅菌包装プラスチックを含む、請求項34に記載のカートリッジ。

請求項36

硬質のハウジングの外面に配置されたラベルを含む、請求項32〜35のいずれか一項に記載のカートリッジ。

請求項37

流体入口ポートおよび/または流体出口ポートを封止するキャップをさらに備える、請求項32〜36のいずれか一項に記載のカートリッジ。

請求項38

活性化白血球および/または血小板を捕捉するように構成された表面領域が、活性化白血球および/または血小板と結合する、請求項32〜37のいずれか一項に記載のカートリッジ。

請求項39

請求項1〜30のいずれか一項に記載の装置において使用するための、請求項32〜38のいずれか一項に記載のカートリッジ。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は、2011年10月14日に出願されたPCT/US11/056469号明細書および2012年1月9日に出願された米国仮特許出願第61/584,337号明細書の優先権および恩典を主張し、それらの内容は参照により本明細書に組み入れられる。

0002

連邦政府支援による研究に関する陳述
本発明は、米国陸軍医学研究司令部より与えられた助成金番号W81XWH−10−2−0137の下、政府の支援により行われた。政府は本発明に一定の権利を有する。

0003

発明の分野
本発明は、対象の炎症心筋状態を処置および/または予防するためのカートリッジ、システム、および方法に関する。より詳細には、本発明は、白血球および血小板などの心筋炎症に関連する細胞捕捉(sequester)し、その炎症活性を低下させるためのカートリッジおよびシステム、ならびに、このような細胞を捕捉し、その炎症活性を低下させるための関連方法に関する。

背景技術

0004

背景
様々な病態は、望ましくない炎症によって起こり、増悪し、および/または特徴付けられる。例えば、慢性炎症は、心臓腎臓、および脳に関わるものを含む、様々な急性臓器不全発症の中心となっている。慢性炎症は、心臓および腎臓に関わるものならびに2型糖尿病を含む慢性臓器機能障害の大きな要因にもなっている。例えば、免疫系の異常なまたは過剰な慢性的活性化による慢性心不全(CHF)および急性非代償性心不全ADHF)などのこれらの状態の幾つかは、生命脅かす心筋機能障害の原因となるおそれがある。

0005

特定の種類の細胞は、心血管系および免疫系の機能障害に関して重要である。例えば、白血球、例えば好中球は、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症虚血再灌流障害急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、CHF、およびADHFを含む様々な炎症状態の発症および進行の一因となる(例えば、Kaneider et al.(2006)FEBSJ 273:4416−4424(非特許文献1);Maroszynska et al.(2000)ANN.TRANSPLNT.5(4):5−11(非特許文献2)を参照されたい)。単球および組織マクロファージなどの他の種類の白血球は、CHFにおける全身性炎症の重大な原因であると特定されており、心筋細胞収縮性の低下を引き起こす(例えば、Conraadset al.(2005)J.HEARTLUNG TRANSPLANT.24(7):854−59(非特許文献3);Simms et al.(1999)AM.J.PHYSIOL.277:H253−60(非特許文献4);Conraads et al.(2005)J.HEART LUNG TRANSPLANT,24(7):854−9(非特許文献3);Simms et al.(1999)AM.J.PHYSIOL.277:H253−60(非特許文献4)を参照されたい)。さらに、活性化された血小板は、白血球の接着亢進し、白血球の活性化を促進する。炎症や全身性免疫反応は有益になる場合もあるが、致命的になることもある。

0006

臓器の炎症性障害により、白血球の活性化および凝集、ならびに血小板の活性化および凝集によって誘導される微小血管損傷が起こる可能性がある。活性化されたこれらの細胞は、患者組織中に毒性化合物を放出することにより、微小血管うっ血および再灌流障害の一因となり得る。活性化白血球はさらに、内皮を通り抜けて組織に遊出することにより損傷を引き起こし、そこで、白血球は、通常は侵入する微生物破壊するまたは壊死破片を除去することを目的としている毒物を放出する。さらに、活性化白血球と内皮との相互作用により血管透過性が増加して、血管内空間から組織間質に流体漏洩し、その結果、血液量減少高血圧症、および心血管不安定性が起こるおそれがある。活性化血小板はさらに、白血球の活性化および内皮からの遊出を亢進することにより、損傷を引き起こす。これらの過程を制御しないと、組織の傷害および死を招くおそれがある。

0007

心血管疾患は、米国における主な死因となっており、全死亡の45%を占める。さらに、米国では、500万人がCHFに罹患しており、毎年新たに50万件を超える症例が確認され、直接的な医療費は300億ドルを超える(例えば、Association(2006)HEARTDISEASEAND STROKEFACTS(非特許文献5);Association(2002)2003 HEART AND STROKE STATISTICAL UPDATE(非特許文献6);Fonarow et al.(2003)4:p.S21−30(非特許文献7)を参照されたい)。重症のCHFでは、年間死亡率は50%の高さになり得る。現在、CHFの処置は、一般に、補助人工心臓または直交異方性心臓移植を必要とする。過去10年間にわたり、CHF処置用の多くの治療剤臨床試験が大規模前向き試験で行われてきた。エンドセリン受容体アンタゴニストアデノシンA1−受容体アンタゴニスト、およびバソプレシンV2受容体遮断薬は、全て臨床有効性を証明できなかった(例えば、McMurray et al.(2007)JAMA 298(17):2009−19(非特許文献8);Massie et al.(2010)N.ENGL.J.MED.363(15):1419−28(非特許文献9);Konstam et al.(2007)JAMA 297(12):1319−31(非特許文献10)を参照されたい)。心筋カルシウム感受性増強薬(レボシメンダン)および血管拡張性組換えB型ナトリウム利尿ペプチドニセリチド)も臨床有効性エンドポイント満足することができず、不整脈または高血圧症のリスクが増加した((例えば、Cohn et al.(1998)N.ENGL.J.MED.339(25):1810−6(非特許文献11);Mebazza et al.(2007)JAMA 297(17):1883−91(非特許文献12);O'Connor et al.(2011)N.ENGL.J.MED.365(1):32−43(非特許文献13)を参照されたい)。

0008

急性非代償性心不全(ADHF)による入院は毎年ほぼ100万件となり、6カ月以内の再入院は50%の高さになっている。頻繁に入院するADHF患者の年間死亡率は50%に近付く。ADHF患者を処置するための現在の治療法は、これらの患者から心不全のうっ血症状を、通常は利尿剤を用いて取り除くことに重点が置かれている。しかし、このような方法は腎機能の更なる低下を招き、それにより制限される。

先行技術

0009

Kaneider et al.(2006)FEBSJ 273:4416−4424
Maroszynska et al.(2000)ANN.TRANSPLANT.5(4):5−11
Conraadset al.(2005)J.HEARTLUNG TRANSPLANT.24(7):854−59
Simms et al.(1999)AM.J.PHYSIOL.277:H253−60
Association(2006)HEART DISEASEAND STROKEFACTS
Association(2002)2003 HEART AND STROKE STATISTICAL UPDATE
Fonarow et al.(2003)4:p.S21−30
McMurray et al.(2007)JAMA 298(17):2009−19
Massie et al.(2010)N.ENGL.J.MED.363(15):1419−28
Konstam et al.(2007)JAMA 297(12):1319−31
Cohn et al.(1998)N.ENGL.J.MED.339(25):1810−6
Mebazza et al.(2007)JAMA 297(17):1883−91
O'Connor et al.(2011)N.ENGL.J.MED.365(1):32−43

発明が解決しようとする課題

0010

したがって、慢性心不全および急性非代償性心不全などの心筋機能に影響を及ぼす炎症状態の、改善された処置が依然として必要とされている。

課題を解決するための手段

0011

炎症状態は、白血球および血小板などの炎症に関連する細胞の活性化により生じることが多い。本発明は、様々な心筋機能に影響を及ぼす炎症状態の処置および/または予防において使用するための方法およびサイトフェレーシスカートリッジに関する。本発明の方法および/またはカートリッジは、白血球および/または血小板を体外で捕捉し、それらの炎症作用を抑制または不活性化する。例えば、これらの細胞を不活性化することができるおよび/またはそれらの炎症誘発性物質の放出を抑制することができる。

0012

第1の態様では、本発明は、慢性心不全を有するまたはその発症リスクがある対象を処置する方法を提供する。本方法は、(a)対象の体液(例えば、血液)中に存在する活性化白血球および/または活性化血小板を体外でカートリッジ中に捕捉する工程を含み、ここで、該カートリッジは、(i)内容積(IV)、流体入口ポート、および流体出口ポート画定している硬質ハウジングであって、内容積が流体入口ポートおよび流体出口ポートと流体流連通している、該ハウジングと、(ii)該ハウジング内に配置されている固体支持体であって、流体入口ポートを通って該ハウジングに入る体液中に活性化白血球および/または活性化血小板が存在する場合にそれらを捕捉することができる表面積(SA)を有する流体接触面を画定している該固体支持体とを備え、該カートリッジのSA/IV比は、80cm−1より大きいか、または25cm−1〜2,000cm−1の範囲である。体液(例えば、血液)は、活性化白血球および/または活性化血小板を固体支持体の流体接触面上に捕捉する(例えば、結合させる)ことを可能にする条件下で、流体入口ポートを通してハウジングに導入される。本方法は、(b)捕捉された白血球および/または血小板を、炎症誘発性物質の放出が抑制されるようにまたは該白血球および/または血小板が不活性化されるように処置し、それにより対象の慢性心不全を処置または予防する工程も含む。

0013

本発明の第1の態様は、本明細書に記載の次の特徴または実施形態のいずれか1つ以上を有することができる。

0014

特定の実施形態では、工程(a)で提供されるカートリッジのSA/IV比は、80cm−1より大きいか、または150cm−1より大きい。他の実施形態では、工程(a)で提供されるカートリッジのSA/IV比は、80cm−1〜1,500cm−1の範囲であるか、または150cm−1〜1,500cm−1の範囲である。固体支持体を20%〜65%の範囲の充填密度でハウジング内に配置することができる。

0015

他の特定の実施形態では、固体支持体は1本以上の繊維(例えば、流体透過性繊維(例えば、中空繊維)もしくは流体不透過性繊維(例えば、中実繊維))、1枚以上の平面状支持部材、またはこれらの組み合わせで画定することができる。固体支持体は、1枚以上の膜を含み得る。固体支持体は、カートリッジ内の流体の流動方向と実質的に平行であり得る。

0016

特定の実施形態では、工程(a)で提供されるカートリッジのSAは、0.1m2〜10.0m2の範囲であるか、または0.1m2〜5.0m2の範囲である。他の実施形態では、工程(a)で提供されるカートリッジの内容積は、300cm3未満であるか、150cm3未満であるか、10cm3〜150cm3の範囲であるか、75cm3〜150cm3の範囲であるか、または15cm3〜120cm3の範囲である。

0017

他の実施形態では、本方法は、体液を、10cm3/分〜8,000cm3/分の範囲の流量で流体出口ポートを通してカートリッジから出す工程をさらに含む。

0018

他の実施形態では、工程(b)中に、白血球および/または血小板が、免疫抑制剤セリン白血球抑制剤酸化窒素多形核白血球抑制因子分泌型白血球抑制剤、またはカルシウムキレート剤で処置され、カルシウムキレート剤は、シトレートヘキサメタリン酸ナトリウムエチレンジアミン四酢酸EDTA)、トリエチレンテトラミンジエチレントリアミンo−フェナントロリン、およびシュウ酸からなる群のうちの1つ以上である。好ましい実施形態では、白血球および/または血小板は、カルシウムキレート剤、例えば、シトレートで処置される。カルシウムキレート剤を含む前述の薬剤はそれぞれ、工程(a)の前、工程(a)中、または工程(a)の後に、対象の体液中に導入することができる。

0019

特定の実施形態では、白血球および/または血小板を少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、または少なくとも12時間にわたって処置する。対象からの白血球および/または血小板を2〜48時間、2〜24時間、2〜12時間、4〜48時間、4〜24時間、または4〜12時間にわたって処置することができる。

0020

他の実施形態では、対象は、心臓組織への炎症細胞の侵入に続発した心筋機能障害を有し、および/または対象は心臓移植を受けたことがあってもよい。

0021

処置は、処置前の心筋機能と比較して対象の1つ以上の心筋機能を改善することを含み得る。心筋機能は、左室駆出率心拍出量全身血管抵抗、左室一回拍出量大動脈圧、左室圧、等容性収縮および弛緩中の左室圧の最大変化率、左室拡張末期圧、心筋酸素消費量、ならびに冠血流予備能からなる群から選択することができる。工程(b)での処置が終了した後、向上した心筋機能を少なくとも6時間、または少なくとも24時間維持することができる。

0022

第2の態様では、本発明は、慢性心不全に関連する炎症状態を有するまたはその発症リスクがある対象を処置する方法を提供する。本方法は、(a)(i)内容積(IV)、流体入口ポート、および流体出口ポートを画定している硬質のハウジングであって、内容積が流体入口ポートおよび流体出口ポートと流体流連通している、該ハウジングと、(ii)該ハウジング内に配置されている固体支持体であって、流体入口ポートを通って該ハウジングに入る体液中に活性化白血球および/または活性化血小板が存在する場合にそれらを捕捉することができる表面積(SA)を有する流体接触面を画定している該固体支持体とを備えるカートリッジを提供する工程であって、SA/IV比が80cm−1より大きいか、または25cm−1〜2,000cm−1の範囲である、該工程;ならびに(b)活性化白血球および/または活性化血小板を固体支持体の流体接触面上に捕捉することを可能にする条件下で、対象からの体液を、流体入口ポートを通してハウジングに導入する工程を含む。本方法は、任意で、(c)慢性心不全に関連する炎症を発症するリスクが低減するように、または慢性心不全に関連する炎症が軽減するように、工程(b)で捕捉された白血球および/または血小板を、例えば、カルシウムキレート剤で処置する追加の工程をさらに含む。カルシウムキレート剤は、白血球および/または血小板を不活性化する、および/またはそれらから炎症誘発性物質が放出されることを防止または抑制する。

0023

本発明の第2の態様は、本明細書に記載の次の特徴または実施形態のいずれか1つ以上を有することができる。

0024

白血球および/または血小板は、該白血球および/または血小板を不活性化するのに十分な時間、例えば、少なくとも1分間、捕捉される。本方法は、任意で、工程(c)で生成された白血球および/または血小板を対象に戻す工程をさらに含む。

0025

特定の実施形態では、工程(a)で提供されるカートリッジのSA/IV比は80cm−1より大きいか、150cm−1より大きいか、80cm−1〜1,500cm−1の範囲であるか、または150cm−1〜1,500cm−1の範囲である。

0026

特定の実施形態では、固体支持体は1本以上の繊維(例えば、流体透過性繊維(例えば、透過性中空繊維)もしくは流体不透過性繊維(例えば、中実繊維)0、1枚以上の平面状支持部材、またはこれらの組み合わせで画定することができる。固体支持体は、1枚以上の膜を含み得る。

0027

特定の実施形態では、工程(a)で提供されるカートリッジのSAは、0.1m2〜10.0m2の範囲であるか、または0.1m2〜5.0m2の範囲である。SAは、0.1m2〜0.4m2、0.4m2〜0.8m2、0.8m2〜1.2m2、1.2m2〜1.6m2、1.6m2〜2.0m2、2.0m2〜2.4m2、2.4m2〜2.8m2、2.8m2〜3.2m2、3.2m2〜3.6m2、3.6m2〜4.0m2、4.0m2〜4.4m2、4.4m2〜4.8m2、4.8m2〜5.2m2、5.2m2〜5.6m2、5.6m2〜6.0m2、6.0m2〜6.4m2、6.4m2〜6.8m2、6.8m2〜7.2m2、7.2m2〜7.6m2、7.6m2〜8.0m2、8.0m2〜8.4m2、8.4m2〜8.8m2、8.8m2〜9.2m2、9.2m2〜9.6m2、または9.6m2〜10.0m2の範囲であり得る。

0028

特定の実施形態では、工程(a)で提供されるカートリッジの内容積は、150cm3未満であるか、10cm3〜150cm3の範囲であるか、75cm3〜150cm3の範囲であるか、15cm3〜120cm3の範囲であるか、または20cm3〜80cm3の範囲である。

0029

特定の実施形態では、本方法は、体液を、10cm3/分〜8,000cm3/分の範囲または50cm3/分〜8,000cm3/分の範囲の流量で流体出口ポートを通してカートリッジから出す工程をさらに含むことができる。

0030

前述の態様または実施形態のいずれかにおいて、本方法は、工程(a)の前および/または工程(b)の後に対象の心筋機能を測定する工程をさらに含むことができる。炎症誘発性物質の放出を抑制するまたは白血球および/または血小板を不活性化するのに十分な時間(例えば、少なくとも1秒間、少なくとも1分間、少なくとも5分間、少なくとも15分間、または少なくとも1時間)、白血球および/または血小板を捕捉する(例えば、結合させる)ことができる。さらに、活性化白血球および/または活性化血小板は、固体支持体の流体接触面に結合し、特定の状況下では、活性化されていないまたは不活性化された白血球または血小板と比較して、固体支持体の流体接触面に優先的に結合することができる。

0031

別の態様では、本発明は、それを必要とする対象の慢性心不全を処置する方法において使用するためのカートリッジを提供する。カートリッジは、(i)内容積(IV)、流体入口ポート、および流体出口ポートを画定している硬質のハウジングであって、内容積が流体入口ポートおよび流体出口ポートと流体流連通している、該ハウジングと、(ii)内容積と流体流連通した状態で該ハウジング内に配置されている固体支持体であって、流体入口ポートを通って該ハウジングに入る体液中に活性化白血球および/または血小板が存在する場合にそれらを捕捉するように構成された表面積(SA)を有する流体接触面を画定している該固体支持体とを備える。カートリッジの表面積(SA)対内容積(IV)比は、80cm−1より大きいか、または25cm−1〜2,000cm−1の範囲である。

0032

特定の実施形態では、カートリッジは、滅菌包装、例えば、プラスチック包装内に配置される。任意で、またはさらに、カートリッジは、硬質のハウジングの外面に配置されたラベルを含み得る。さらに、カートリッジは、任意で、流体入口ポートおよび/または流体出口ポートを封止するキャップをさらに備えることができる。活性化白血球および/または血小板を捕捉するように構成された表面領域は、活性化白血球および/または血小板と結合し、特定の状況では、活性化されていないまたは不活性化された白血球または血小板と比較して、活性化白血球および/または血小板と優先的に結合する。本発明はまた、前述の方法のいずれかのためのこのようなカートリッジも提供する。

0033

別の態様では、本発明は、慢性心不全を有するまたはその発症リスクがある対象を処置する方法において使用するためのカルシウムキレート剤を提供し、該処置する方法は、本明細書に記載のカートリッジのいずれかの流体接触面に捕捉されている(例えば、結合されている)、体外で捕捉された活性化白血球および/または活性化血小板に、カルシウムキレート剤を施す工程を含む。
[本発明1001]
以下の工程を含む、慢性心不全を有するまたはその発症リスクがある対象を処置する方法:
(a)対象の体液中に存在する活性化白血球および/または活性化血小板を体外でカートリッジ中に捕捉する工程であって、該カートリッジが、
(i)内容積(IV)、流体入口ポート、および流体出口ポートを画定している硬質のハウジングであって、該内容積が該流体入口ポートおよび該流体出口ポートと流体流連通している、該ハウジングと、
(ii)該ハウジング内に配置されている固体支持体であって、該流体入口ポートを通って該ハウジングに入る体液中に活性化白血球および/または活性化血小板が存在する場合にそれらを捕捉することができる表面積(SA)を有する流体接触面を画定している該固体支持体と
を備え、該カートリッジのSA/IV比が80cm−1より大きいか、または25cm−1〜2,000cm−1の範囲であり、かつ活性化白血球および/または活性化血小板を該固体支持体の流体接触面上に捕捉することを可能にする条件下で体液が該流体入口ポートを通して該ハウジングに導入される、該工程;ならびに
(b)捕捉された白血球および/または血小板を、炎症誘発性物質の放出が抑制されるようにまたは該白血球および/または血小板が不活性化されるように処置し、それにより慢性心不全を処置または予防する工程。
[本発明1002]
工程(a)で提供されるカートリッジのSA/IV比が、80cm−1より大きい、本発明1001の方法。
[本発明1003]
工程(a)で提供されるカートリッジのSA/IV比が、150cm−1より大きい、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
工程(a)で提供されるカートリッジのSA/IV比が、80cm−1〜1,500cm−1の範囲である、本発明1001または1002の方法。
[本発明1005]
SA/IV比が150cm−1〜1,500cm−1の範囲である、本発明1004の方法。
[本発明1006]
固体支持体が、20%〜65%の範囲の充填密度でハウジング内に配置されている、本発明1001〜1004のいずれかの方法。
[本発明1007]
固体支持体が膜を含む、本発明1001〜1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
固体支持体が平面状支持部材を含む、本発明1001〜1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
固体支持体が繊維を含む、本発明1001〜1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
工程(a)で提供されるカートリッジのSAが、0.1m2〜10.0m2の範囲である、本発明1001〜1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
工程(a)で提供されるカートリッジのSAが、0.1m2〜5.0m2の範囲である、本発明1010の方法。
[本発明1012]
工程(a)で提供されるカートリッジの内容積が、300cm3未満である、本発明1001〜1011のいずれかの方法。
[本発明1013]
工程(a)で提供されるカートリッジの内容積が、150cm3未満である、本発明1012の方法。
[本発明1014]
内容積が10cm3〜150cm3の範囲である、本発明1001〜1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
内容積が75cm3〜150cm3の範囲である、本発明1014の方法。
[本発明1016]
内容積が15cm3〜120cm3の範囲である、本発明1014の方法。
[本発明1017]
体液を、10cm3/分〜8,000cm3/分の範囲の流量で流体出口ポートを通してカートリッジから出す工程をさらに含む、本発明1001〜1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
固体支持体が、カートリッジ内の流体の流動方向と実質的に平行である、本発明1001〜1017のいずれかの方法。
[本発明1019]
工程(b)において、白血球および/または血小板が、免疫抑制剤、セリン白血球抑制剤、酸化窒素、多形核白血球抑制因子、分泌型白血球抑制剤、またはカルシウムキレート剤で処置され、該カルシウムキレート剤が、シトレート、ヘキサメタリン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、o−フェナントロリン、およびシュウ酸からなる群のうちの1つ以上である、本発明1001〜1018のいずれかの方法。
[本発明1020]
工程(b)において、白血球および/または血小板が、カルシウムキレート剤で処置される、本発明1001〜1018のいずれかの方法。
[本発明1021]
カルシウムキレート剤がシトレートである、本発明1020の方法。
[本発明1022]
工程(a)の前に、カルシウムキレート剤が対象の体液に導入される、本発明1020の方法。
[本発明1023]
白血球および/または血小板が、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、または少なくとも12時間にわたって処置される、本発明1001〜1022のいずれかの方法。
[本発明1024]
対象からの白血球および/または血小板が、2〜48時間、2〜24時間、2〜12時間、4〜48時間、4〜24時間、または4〜12時間にわたって処置される、本発明1001〜1022のいずれかの方法。
[本発明1025]
対象が、心臓組織への炎症細胞の侵入に続発した心筋機能障害を有する、本発明1001〜1024のいずれかの方法。
[本発明1026]
対象が心臓移植を受けたことがある、本発明1001〜1025のいずれかの方法。
[本発明1027]
体液が血液である、本発明1001〜1026のいずれかの方法。
[本発明1028]
処置が、処置前の心筋機能と比較して対象の心筋機能を改善することを含み、心筋機能が、左室駆出率、心拍出量、全身血管抵抗、左室一回拍出量、大動脈圧、左室圧、等容性収縮および弛緩中の左室圧の最大変化率、左室拡張末期圧、心筋酸素消費量、ならびに冠血流予備能からなる群から選択される、本発明1001〜1027のいずれかの方法。
[本発明1029]
向上した心筋機能が、工程(b)での処置の終了後、少なくとも6時間維持される、本発明1001〜1028のいずれかの方法。
[本発明1030]
向上した心筋機能が、工程(b)での処置の終了後、少なくとも24時間維持される、本発明1029の方法。
[本発明1031]
以下の工程を含む、慢性心不全に関連する炎症状態を有するまたはその発症リスクがある対象を処置する方法:
(a)(i)内容積(IV)、流体入口ポート、および流体出口ポートを画定している硬質のハウジングであって、該内容積が該流体入口ポートおよび該流体出口ポートと流体流連通している、該ハウジングと、
(ii)該ハウジング内に配置されている固体支持体であって、該流体入口ポートを通って該ハウジングに入る体液中に活性化白血球および/または活性化血小板が存在する場合にそれらを捕捉することができる表面積(SA)を有する流体接触面を画定している該固体支持体と
を備えるカートリッジを提供する工程であって、SA/IV比が80cm−1より大きいか、または25cm−1〜2,000cm−1の範囲である、該工程;ならびに
(b)活性化白血球および/または活性化血小板を該固体支持体の流体接触面上に捕捉することを可能にする条件下で、対象からの体液を、該流体入口ポートを通して該ハウジングに導入する工程。
[本発明1032]
(c)慢性心不全に関連する炎症を発症するリスクが低減するように、または慢性心不全に関連する炎症が軽減するように、工程(b)で捕捉された白血球および/または血小板を処置する工程をさらに含む、本発明1031の方法。
[本発明1033]
白血球および/または血小板が、該白血球および/または血小板を不活性化するのに十分な時間、捕捉される、本発明1031または1032のいずれかの方法。
[本発明1034]
白血球および/または血小板が、少なくとも1分間捕捉される、本発明1031〜1033のいずれかの方法。
[本発明1035]
工程(c)で生成された白血球および/または血小板を対象に戻す工程をさらに含む、本発明1031〜1034のいずれかの方法。
[本発明1036]
工程(c)において、白血球および/または血小板が、カルシウムキレート剤で不活性化される、本発明1031〜1035のいずれかの方法。
[本発明1037]
工程(a)で提供されるカートリッジのSA/IV比が、80cm−1より大きい、本発明1031〜1036のいずれかの方法。
[本発明1038]
工程(a)で提供されるカートリッジのSA/IV比が、150cm−1より大きい、本発明1031〜1037のいずれかの方法。
[本発明1039]
工程(a)で提供されるカートリッジのSA/IV比が、80cm−1〜1,500cm−1の範囲である、本発明1031〜1037のいずれかの方法。
[本発明1040]
SA/IV比が150cm−1〜1,500cm−1の範囲である、本発明1031〜1040のいずれかの方法。
[本発明1041]
固体支持体が膜を含む、本発明1031〜1040のいずれかの方法。
[本発明1042]
固体支持体が平面状支持部材を含む、本発明1031〜1041のいずれかの方法。
[本発明1043]
固体支持体が繊維を含む、本発明1031〜1042のいずれかの方法。
[本発明1044]
工程(a)で提供されるカートリッジのSAが、0.1m2〜10.0m2の範囲である、本発明1031〜1043のいずれかの方法。
[本発明1045]
工程(a)で提供されるカートリッジのSAが、0.1m2〜5.0m2の範囲である、本発明1044の方法。
[本発明1046]
SAが、0.1m2〜0.4m2、0.4m2〜0.8m2、0.8m2〜1.2m2、1.2m2〜1.6m2、1.6m2〜2.0m2、2.0m2〜2.4m2、2.4m2〜2.8m2、2.8m2〜3.2m2、3.2m2〜3.6m2、3.6m2〜4.0m2、4.0m2〜4.4m2、4.4m2〜4.8m2、4.8m2〜5.2m2、5.2m2〜5.6m2、5.6m2〜6.0m2、6.0m2〜6.4m2、6.4m2〜6.8m2、6.8m2〜7.2m2、7.2m2〜7.6m2、7.6m2〜8.0m2、8.0m2〜8.4m2、8.4m2〜8.8m2、8.8m2〜9.2m2、9.2m2〜9.6m2、または9.6m2〜10.0m2の範囲である、本発明1045の方法。
[本発明1047]
工程(a)で提供されるカートリッジの内容積が、150cm3未満である、本発明1031〜1046のいずれかの方法。
[本発明1048]
内容積が10cm3〜150cm3の範囲である、本発明1031〜1047のいずれかの方法。
[本発明1049]
内容積が75cm3〜150cm3の範囲である、本発明1048の方法。
[本発明1050]
内容積が15cm3〜120cm3の範囲である、本発明1049の方法。
[本発明1051]
内容積が20cm3〜80cm3の範囲である、本発明1050の方法。
[本発明1052]
体液を、10cm3/分〜8,000cm3/分の範囲の流量で流体出口ポートを通してカートリッジから出す工程をさらに含む、本発明1031〜1051のいずれかの方法。
[本発明1053]
流量が50cm3/分〜8,000cm3/分の範囲である、本発明1052の方法。
[本発明1054]
工程(a)の前に対象の心筋機能を測定する工程をさらに含む、本発明1001〜1053のいずれかの方法。
[本発明1055]
工程(b)の後に対象の心筋機能を測定する工程をさらに含む、本発明1001〜1054のいずれかの方法。
[本発明1056]
活性化白血球および/または活性化血小板が、固体支持体の流体接触面に結合する、本発明1001〜1055のいずれかの方法。
[本発明1057]
それを必要とする対象の慢性心不全を処置する方法において使用するためのカートリッジであって、
(i)内容積(IV)、流体入口ポート、および流体出口ポートを画定している硬質のハウジングであって、該内容積が該流体入口ポートおよび該流体出口ポートと流体流連通している、該ハウジングと、
(ii)該内容積と流体流連通した状態で該ハウジング内に配置されている固体支持体であって、該流体入口ポートを通って該ハウジングに入る体液中に活性化白血球および/または血小板が存在する場合にそれらを捕捉するように構成された表面積(SA)を有する流体接触面を画定している該固体支持体と
を備え、80cm−1より大きいかまたは25cm−1〜2,000cm−1の範囲である表面積(SA)対容積(IV)比を有する、前記カートリッジ。
[本発明1058]
SA/IV比が80cm−1より大きい、本発明1057のカートリッジ。
[本発明1059]
滅菌包装内に配置されている、本発明1057または1058のカートリッジ。
[本発明1060]
滅菌包装がプラスチックを含む、本発明1059のカートリッジ。
[本発明1061]
硬質のハウジングの外面に配置されたラベルを含む、本発明1057〜1060のいずれかのカートリッジ。
[本発明1062]
流体入口ポートおよび/または流体出口ポートを封止するキャップをさらに備える、本発明1057〜1061のいずれかのカートリッジ。
[本発明1063]
活性化白血球および/または血小板を捕捉するように構成された表面領域が、活性化白血球および/または血小板と結合する、本発明1057〜1062のいずれかのカートリッジ。
[本発明1064]
本発明1001〜1055のいずれかの方法において使用するための、本発明1057〜1063のいずれかのカートリッジ。
[本発明1065]
慢性心不全を有するまたはその発症リスクがある対象を処置する方法において使用するためのカルシウムキレート剤であって、該処置する方法が、体外で本発明1001〜1063のいずれかのカートリッジ中に捕捉された活性化白血球および/または活性化血小板に、前記カルシウムキレート剤を施す工程を含む、前記カルシウムキレート剤。

0034

以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を参照することにより、本発明の前述の態様および実施形態をより十分に理解することができる。

図面の簡単な説明

0035

複数の中空繊維を収容する例示的SCDカートリッジの概略断面図である。
複数の中実繊維および/または平面状支持部材を収容するSCDカートリッジの概略断面図である。
複数の中実繊維および/または平面状支持部材を収容するSCDカートリッジの概略断面図である。
複数の中実繊維および/または平面状支持部材を収容するSCDカートリッジの概略断面図である。
毛細管内空間(ICS)の両端にキャップが被着されているSCDカートリッジを含む流体回路の概略図である。
ICSの一端だけにキャップが被着されているSCDカートリッジから限外濾過濾液(UF)が回収されること以外、図2Aと類似の一実施形態の概略図である。
第1の装置、例えば、血液濾過装置と、両端にキャップが被着されているICSを備えるSCDカートリッジとを含む流体回路の一実施形態の概略図である。
ICSの一端だけにキャップが被着されているSCDカートリッジから限外濾過濾液(UF)が回収されること以外、図2Cと類似の一実施形態の概略図である。
CPB回路として使用できるシステム構成の実施形態の概略図である。回路は再循環ループを備える。
CPB回路として使用できるシステム構成の実施形態の概略図である。流体回路は再循環ループを備えていない。
敗血症を有する対象の処置に使用されるシステム構成の一実施形態の概略図である。血液濾過器の下の、動物の左側にある容器は、シトレートを収容する。SCDカートリッジの下の、動物の右側にある容器はカルシウムイオンを収容する。
ヘパリンの存在下F−40SCD装置(SCD−H)で;シトレートの存在下F−40 SCD装置(SCD−C、F−40)で;またはシトレートの存在下F−80A SCD装置(SCD−C、F−80A)で処置された敗血症を有する対象の心血管パラメータの変化を示すグラフである。平均動脈血圧に関する結果を示している。
ヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で;シトレートの存在下F−40 SCD装置(SCD−C、F−40)で;またはシトレートの存在下F−80A SCD装置(SCD−C、F−80A)で処置された敗血症を有する対象の心血管パラメータの変化を示すグラフである。全身血管抵抗に関する結果を示している。
ヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で;シトレートの存在下F−40 SCD装置(SCD−C、F−40)で;またはシトレートの存在下F−80A SCD装置(SCD−C、F−80A)で処置された敗血症を有する対象の心血管パラメータの変化を示すグラフである。腎血管抵抗に関する結果を示している。
ヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で;シトレートの存在下F−40 SCD装置(SCD−C、F−40)で;またはシトレートの存在下F−80A SCD装置(SCD−C、F−80A)で処置された敗血症を有する対象の心血管パラメータの変化を示すグラフである。心拍出量に関する結果を示している。
ヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で;シトレートの存在下F−40 SCD装置(SCD−C、F−40)で;またはシトレートの存在下F−80A SCD装置(SCD−C、F−80A)で処置された敗血症を有する対象の心血管パラメータの変化を示すグラフである。肺血管抵抗に関する結果を示している。
ヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で;シトレートの存在下F−40 SCD装置(SCD−C、F−40)で;またはシトレートの存在下F−80A SCD装置(SCD−C、F−80A)で処置された敗血症を有する対象の心血管パラメータの変化を示すグラフである。ヘマトクリットに関する結果を示している。
ヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で;シトレートの存在下F−40 SCD装置(SCD−C、F−40)で;またはシトレートの存在下F−80A SCD装置(SCD−C、F−80A)で処置された敗血症を有する対象のパラメータの変化を示すグラフである。血中尿素窒素(BUN)に関する結果を示している。
ヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で;シトレートの存在下F−40 SCD装置(SCD−C、F−40)で;またはシトレートの存在下F−80A SCD装置(SCD−C、F−80A)で処置された敗血症を有する対象の腎パラメータの変化を示すグラフである。腎血流量に関する結果を示している。
ヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で;シトレートの存在下F−40 SCD装置(SCD−C、F−40)で;またはシトレートの存在下F−80A SCD装置(SCD−C、F−80A)で処置された敗血症を有する対象の腎パラメータの変化を示すグラフである。クレアチニンに関する結果を示している。
ヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で;シトレートの存在下F−40 SCD装置(SCD−C、F−40)で;またはシトレートの存在下F−80A SCD装置(SCD−C、F−80A)で処置された敗血症を有する対象の腎パラメータの変化を示すグラフである。累積尿量に関する結果を示している。
ヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で、またはシトレートの存在下F−40もしくはF−80A SCD装置(SCD−C)で処置された敗血症を有する対象の生存時間を示すグラフである。
ヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で;シトレートの存在下F−40 SCD装置(F−40、SCD−C)で;またはシトレートの存在下F−80A SCD装置(F−80A、SCD−C)で処置された敗血症を有する対象の生存時間を示す棒グラフである。
SCD膜の外面に沿った白血球の付着および凝集を示す、一連光学顕微鏡写真である。
SCD装置内にSCD膜を使用して敗血症の対象を処置した後、SCD膜から溶出した細胞の数を示す棒グラフである。対象の処置は、ヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で;シトレートの存在下F−40 SCD装置(F−40 SCD−C)で;またはシトレートの存在下F−80A SCD装置(F−80A、SCD−C)で行った。
SCD装置内にSCD膜を使用して敗血症の対象を処置した後、SCD膜から溶出した細胞の分布を示す棒グラフである。対象の処置は、ヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で;シトレートの存在下F−40 SCD装置(F−40 SCD−C)で;またはシトレートの存在下F−80A SCD装置(F−80A、SCD−C)で行った。
ヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で、またはシトレートの存在下F−40もしくはF−80A SCD装置(SCD−C)で処置された敗血症を有する対象の、血清ミエロペルオキシダーゼレベル(図11A)またはCD11b平均蛍光強度で測定した全身好中球活性化レベル(図11B)を示すグラフであり、ヘマトクリットレベルを示す。
ヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で;シトレートの存在下F−40 SCD装置(F−40 SCD−C)で;またはシトレートの存在下F−80A SCD装置(F−80A、SCD−C)で敗血症の処置を行った6時間後に対象から単離された末梢血単核細胞からのIL−8(図12A)およびTNF−α(図12B)の放出を示すグラフである。
一次抗体である抗CD11b抗体と共にインキュベートした後、抗マウスIgGAlexafluor594コンジュゲートと共にインキュベートした肺切片写真である。核をDAPIで対比染色した。左側のパネルは、ヘパリンの存在下F−40 SCD装置で敗血症の処置を行った対象のものであり;右側のパネルは、シトレートの存在下SCD装置で敗血症の処置を行った対象のものである。レジメンにヘパリンではなくシトレートが含まれた患者の肺では、CD11b標識細胞のかなりの減少が認められた。
非敗血症対象;シトレートの存在下F−40 SCD装置(F−40 SCD−C)で処置した敗血症対象;シトレートの存在下F−80A SCD装置(F−80A SCD−C)で処置した敗血症対象;またはヘパリンの存在下F−40 SCD装置(F−40 SCD−H)で処置した敗血症対象で検出されたCD11b陽性細胞数を示す棒グラフである。
シトレートの存在下F−40 SCD装置(SCD−C、F−40)で、シトレートの存在下F−80A SCD装置(SCD−C、F−80A)で、またはヘパリンの存在下F−40 SCD装置(SCD−H)で処置した敗血症対象の経時での全身白血球数図15A)、全身好中球絶対数図15B)、および全身幼若好中球数(図15C)を示すグラフである。
細胞のアポトーシス能の評価としての、アネキシンVで陽性と検出された好中球のパーセンテージを示す棒グラフである。敗血症患者をシトレートの存在下、F−40 SCD(F−40 SCD−C)またはF−80A SCD(F−80A SCD−C)で処置した後、全身好中球とSCD−接着好中球の両方を測定した。
剪断流の存在下、およびリポ多糖類LPS)および/またはシトレートの存在下または非存在下、ポリスルホンに付着する白血球の相対数を示す棒グラフである。
慢性心不全を有する対象の処置に使用されるシステム構成の一実施形態の概略図である。
ヘパリンの存在下SCD装置(SCD−H)で、またはシトレートの存在下SCD装置(SCD−C)で処置されたときの、慢性心不全を有する対象の血管パラメータの変化を示すグラフである。駆出率に関する結果を示している。
ヘパリンの存在下SCD装置(SCD−H)で、またはシトレートの存在下SCD装置(SCD−C)で処置されたときの、慢性心不全を有する対象の血管パラメータの変化を示すグラフである。心拍出量に関する結果を示している。
ヘパリンの存在下SCD装置(SCD−H)で、またはシトレートの存在下SCD装置(SCD−C)で処置されたときの、慢性心不全を有する対象の血管パラメータの変化を示すグラフである。全身血管抵抗に関する結果を示している。
ヘパリンの存在下SCD装置(SCD−H)で、またはシトレートの存在下SCD装置(SCD−C)で処置された慢性心不全を有する対象の尿量を含む、処置後の特定の腎機能の変化を示すグラフである。
ヘパリンの存在下SCD装置(SCD−H)で、もしくはシトレートの存在下SCD装置(SCD−C)で処置された慢性心不全を有する対象の、またはCHFシャ対照ナトリウム(Na)分画排泄率(FE)を含む、処置後の特定の腎機能の変化を示すグラフである。
ヘパリンの存在下SCD装置(SCD−H)で、もしくはシトレートの存在下SCD装置(SCD−C)で処置された慢性心不全を有する対象の、またはCHFシャム対照の尿素分画排泄率を含む、処置後の特定の腎機能の変化を示すグラフである。
ヘパリン(Hep)の存在下SCD装置で、またはシトレート(Cit)の存在下SCD装置で処置された慢性心不全を有する対象の平均腎ナトリウム排泄(mmol/時間)を含む、処置後の特定の腎機能の変化を示すグラフである。
ベースライン時(療法前)(図21A)および4時間のSCD療法の終了時(図21B)に示された、CHFを有するイヌの心臓の心室造影像である。黒色実線(矢印で縁取られた)は、左心室収縮期画像(最も収縮した状態)の上に重ねられた、左心室拡張期輪郭充満中の最も弛緩した状態)の境界を示し、療法後に左心室(黒色矢印)の、とりわけ左心室心尖部の収縮性が改善されていることが分かる(図21Bを図21Aと比較して参照)。

0036

詳細な説明
白血球(leukocytes)(または白血球(white bloodscells))および血小板などの炎症に関連する細胞は、通常、感染や傷害から身体を防御する。しかし、多くの疾患状態医療処置の間に、これらの細胞は活性化されることがあり、それにより望ましくない免疫反応や炎症反応が起こることがあり、これは致命的になることがある。白血球および/または血小板を体外で捕捉し、それらの炎症作用を抑制する選択的サイトフェレーシス装置と称される装置は、様々な炎症状態、特に、活性化白血球および/または活性化血小板により媒介または促進される炎症状態の予防または処置に有用となり得ることが明らかである。米国特許第8,251,941号明細書は、例示的な選択的サイトフェレーシス装置ならびに特定の炎症状態の予防および/または処置におけるそれらの使用について記載している。

0037

サイトフェレーシス装置は、慢性心不全(CHF)および急性非代償性心不全(ADHF)を有するまたはそれらを有するリスクがある対象の心機能、例えば、左室駆出率、心拍出量、全身血管抵抗等の向上にも有用となり得ることが現在分かっている。本明細書に記載のものなどのサイトフェレーシス装置の使用は、このような障害の処置に、とりわけ、薬物に基づく療法(例えば、慢性心不全の処置用に開発されたネシリチド(nesiritide)およびレボシメンダン)がこれまで奏功していない状況において有用となり得る。

0038

本明細書で使用する場合、「サイトフェレーシス」または「選択的サイトフェレーシス」という用語は、体液、例えば、血液から特定の細胞、例えば、白血球(例えば、活性化白血球)または血小板(例えば、活性化血小板)を捕捉することを指す。捕捉される細胞を不活性化することができる、および/またはこのような細胞からの炎症誘発性物質の放出を抑制することができる。このような不活性化および/または抑制は、捕捉前、捕捉中、および/または捕捉後に行うことができることを理解されたい(例えば、固体支持体の流体接触面への結合)。特定の実施形態では、選択的サイトフェレーシスは、血液から白血球(例えば、活性化白血球)および/または血小板(例えば、活性化血小板)を捕捉することを指す。「血液」という用語は、任意の態様の血液、例えば、全血、処置された血液、濾過された血液、または血液由来の任意の液体、例えば、血清または血漿を指す。

0039

「選択的サイトフェレーシス装置(selective cytopheresis device)」、「選択的サイトフェレーシス装置(selective cytopheretic device)」、「選択的サイトフェレーシス抑制装置」および「SCD」という用語はそれぞれ、サイトフェレーシスを促進するまたは促進することができる装置を指す。このような装置は、捕捉前、捕捉中、および/または捕捉後に、このような細胞を不活性化するおよび/またはこのような細胞からの炎症誘発性物質の放出を抑制することもできる。SCDは、選択的サイトフェレーシスを促進する1つ以上のSCDカートリッジを備える。次のセクション記述は、全般に、特定の種類の細胞(例えば、白血球)の捕捉ならびに抑制および/または不活性化について説明するが、炎症に関連する他の種類の細胞(例えば、活性化血小板などの血小板)の捕捉ならびに抑制および/または不活性化にも同じ原理が適用されることが理解される。

0040

「活性化白血球」とは、抗原投与応答し、例えば、エンドトキシン(例えば、リポ多糖類)に暴露されたとき、抗原投与されなかった白血球と比較して、免疫反応を惹起する能力が高い白血球を意味するものと理解される。例えば、活性化好中球(PMN)とは、抗原投与に応答し、例えば、エンドトキシン(例えば、リポ多糖類)に暴露されたとき、抗原投与されなかった好中球と比較して、移動する、貪食する、およびオキシティバースト反応(oxidative burst response)を生じる能力が高い好中球である。活性化は、細胞表面CD11bのアップレギュレーションにより測定することもできる。活性化単球とは、抗原投与に応答し、例えば、エンドトキシン(例えば、リポ多糖類)に暴露されたとき、抗原投与されなかった単球と比較して、サイトカインを放出する能力が高い単球である。「活性化血小板」とは、抗原投与に応答し、例えば、エンドトキシン(例えば、リポ多糖類)に暴露されたとき、他の血小板、白血球、および特定のタンパク質、例えば、凝固因子に対して接着性となる血小板を意味するものと理解される。血小板の活性化は、細胞表面に血小板が接着している循環単球のパーセンテージを測定することにより定量化することができる。活性化白血球はまた、感作白血球も含む。例えば、感作好中球(PMN)とは、抗原投与に応答し、例えば、エンドトキシン(例えば、リポ多糖類)に暴露されたとき、抗原投与されなかった好中球と比較して、オキシダティブバースト反応を起こす能力が高い好中球である。

0041

1.適応症
炎症または炎症状態に関連する多くの心疾患または心血管疾患を処置および/または予防するために、本発明のSCDカートリッジ、SCDカートリッジを組み込む回路、および方法を使用することができる。特に、対象が、心臓組織、例えば、心筋組織への炎症細胞の侵入に続発した心筋機能障害を起こしている多くの心疾患または心血管疾患を処置および/または予防するために、本発明のSCDカートリッジ、SCDカートリッジを組み込む回路、および方法を使用することができる。本明細書で使用する場合、「対象」という用語は、特定の診断試験または処置のレシピエントとなり得る、ヒト(例えば、患者)、またはヒト以外の哺乳動物、例えば、ヒト以外の霊長類、または他の実験動物家畜、または伴侶動物等を含むがこれらに限定されるものではない、任意の動物(例えば、哺乳動物)を指す。

0042

特に、サイトフェレーシス装置は、慢性心不全または急性非代償性心不全を有するまたはそれらを有するリスクがある対象などの、心臓組織(例えば、心筋組織)への炎症細胞の侵入に続発した心筋機能障害を有する対象の、心機能、例えば、左室駆出率、心拍出量、全身血管抵抗などの向上に有用となり得ることが現在分かっている。心筋機能に影響を及ぼし得る炎症細胞としては、例えば、白血球(例えば、単球もしくはマクロファージ)または血小板が挙げられる。

0043

本明細書で使用する場合、「炎症状態」という用語は、生物免疫細胞が活性化されている任意の炎症性疾患、任意の炎症性障害、および/または任意の白血球活性化障害が含まれる。このような状態は、(i)病的後遺症を有する持続性の炎症反応および/または(ii)組織破壊に繋がる白血球、例えば、単核細胞および好中球の浸潤を特徴とし得る。

0044

白血球、例えば、好中球は、多くの臨床炎症状態の発症および進行の主因となっている。幾つかの異なる様々な種類の白血球が存在するが;それらは全て、造血幹細胞として知られる骨髄中の多能性細胞から産生され、それに由来する。白血球(Leukocytes)は白血球(white blood cells)とも称され、血液およびリンパ系を含む全身に存在する。顆粒球および無顆粒球を含む、幾つかの異なる種類の白血球がある。顆粒球は、光学顕微鏡下で観察したとき、細胞質中に染色性の異なる顆粒が存在することを特徴とする白血球である。これらの顆粒は、エンドサイトーシスによって取り込まれた粒子消化する際に主として作用する膜結合酵素を含有する。顆粒球には好中球、好塩基球、および好酸球の3種類があり、これらはその染色性により命名されている。無顆粒球は、細胞質中に顆粒が存在しないことを特徴とする白血球であり、無顆粒球にはリンパ球、単球、およびマクロファージが含まれる。

0045

血小板、即ち栓球も、炎症状態、ならびにホメオスタシスの一因となる。血小板は、活性化されると、凝集して血小板栓子を形成し、それらはサイトカインおよびケモカイン分泌して、白血球を誘引し活性化させる。血小板は身体の循環全体に存在し、巨核球に由来する。

0046

白血球および血小板の内皮への接着の開始に主として関与する分子は、それぞれP−セレクチンおよびフォンウィレブラント因子である。これらの分子は、内皮細胞中の、バイベル・パラーデ小体として知られる同じ顆粒中に存在する。内皮細胞が活性化されると、バイベル・パラーデ小体は細胞膜に移動し、内皮細胞表面でP−セレクチンおよび可溶性フォンウィレブラント因子を放出する。そしてこれにより白血球および血小板の活性および凝集のカスケードが誘導される。

0047

本明細書に記載の方法は、体液(例えば、血液)が対象からSCD装置に流動し、SCD装置を通って流れた後、対象に返血されるように、対象と流体流連通するSCD装置を使用する。活性化白血球、例えば、活性化単球、および/または活性化血小板は、SCD装置内の固体支持体の流体接触面(例えば、流体がSCD装置を通過する時、流体と接触する中空または中実の繊維の外面または平面状の支持体の流体接触面)上に捕捉される。活性化白血球および/または血小板は、後述の1種類以上の白血球抑制剤に暴露することにより不活性化される。

0048

本装置は、心臓組織(例えば、心筋組織)への炎症細胞の侵入に続発した心筋機能障害を起こしている対象の心筋機能を向上させるために使用することができる。本明細書に記載の方法および装置は、慢性心不全および/または急性非代償性心不全を有する対象の心筋機能を向上させるために治療的にまたは予防的に使用することができる。これらの障害はそれぞれ、対象の心筋機能にも影響を及ぼす炎症状態であると考えられる。さらに、本明細書に記載の本方法および装置は、臓器(例えば、心臓、肝臓もしくは腎臓)または組織の移植後に臓器/組織の拒絶反応を起こしているまたはそれを起こすリスクがある対象の治療的または予防的処置を行うために使用することができる。

0049

この処置の候補者となる対象は、標準的な方法を使用して特定することができる。例えば、1つ以上の心臓パラメータを測定することにより心筋機能障害を測定することができ、それには、例えば、左室駆出率、心拍出量、全身血管抵抗、左室一回拍出量、大動脈圧、左室圧、等容性収縮および弛緩中の左室圧の最大変化率、左室拡張末期圧、心筋酸素消費量、ならびに冠血流予備能を挙げることができる。これらのパラメータは、SCD装置での処置前、処置中、および処置後に容易に測定することができる。

0050

SCD装置および白血球抑制剤(シトレート)で処置した後の慢性心不全を有する対象における左室駆出率、心拍出量および全身血管抵抗の改善を観察した下記の実施例5に、心機能の改善を示す。

0051

特定の実施形態では、対象の処置を行うと、左室駆出率を少なくとも1%(処置前の左室駆出率と比較して)改善することができる。例えば、対象の処置を行うと、左室駆出率を少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも14%、少なくとも16%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%改善することができる。対象が少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、または少なくとも50%の左室駆出率を達成するまで、処置を継続してもよい。処置後、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも10日間、少なくとも14日間、少なくとも21日間、または少なくとも28日間、左室駆出率の改善が持続し得る。

0052

特定の実施形態では、対象の処置を行うと、心拍出量を少なくとも1%(処置前の心拍出量と比較して)改善することができる。例えば、対象の処置を行うと、心拍出量を少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも14%、少なくとも16%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%改善することができる。対象が、少なくとも2.5L/分、少なくとも3.0L/分、少なくとも3.5L/分、少なくとも4.0L/分、少なくとも4.5L/分、少なくとも5.0L/分、または少なくとも5.25L/分の心拍出量を達成するまで、処置を継続してもよい。処置後、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも10日間、少なくとも14日間、少なくとも21日間、または少なくとも28日間、心拍出量の改善が持続し得る。

0053

特定の実施形態では、対象の処置を行うと、左室一回拍出量を少なくとも1%(処置前の拍出量と比較して)改善することができる。例えば、対象の処置を行うと、左室一回拍出量を少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも14%、少なくとも16%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%改善することができる。対象が少なくとも27ml、少なくとも30ml、少なくとも35ml、少なくとも40ml、少なくとも45ml、少なくとも50ml、少なくとも55ml、少なくとも60ml、少なくとも65ml、または少なくとも70mlの左室一回拍出量を達成するまで、処置を継続してもよい。処置後、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも10日間、少なくとも14日間、少なくとも21日間、または少なくとも28日間、左室一回拍出量の改善が持続し得る。

0054

特定の実施形態では、対象の処置を行うと、全身血管抵抗が少なくとも1%(処置前の全身血管抵抗と比較して)低下し得る。例えば、対象の処置を行うと、全身血管抵抗が少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも14%、少なくとも16%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%低下し得る。対象が3500dyn・s/cm5以下、3000dyn・s/cm5以下、2500dyn・s/cm5以下、2000dyn・s/cm5以下、または1600dyn・s/cm5以下の全身血管抵抗を達成するまで、処置を継続してもよい。処置後、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも10日間、少なくとも14日間、少なくとも21日間、または少なくとも28日間、全身血管抵抗の改善が持続し得る。

0055

血行動態的パラメータにより直接、心筋機能を評価することに加えて、ノルエピネフリン、n−末端脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、ガレクチン−3、C反応性タンパク質腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、インターロイキン−1、インターロイキン−6、およびトロポニン−1などのバイオマーカー監視することにより、対象の評価を行うこともできる。

0056

本明細書では血液および血液をベースにする体液に関して本発明を概説するが、本発明は、体外回路を通って流れることができる任意の体液試料、例えば、白血球および/または血小板を含有する対象からの任意の体液に適用可能である。例示的な体外回路は、例えば、米国特許第6,561,997号明細書および米国特許第8,251,941号明細書;2012年1月9日に出願された米国特許出願第61/584,337号明細書;2011年10月14日に出願され、国際特許出願国際公開第2012/051595号パンフレットとして公開された国際特許出願PCT/米国特許出願公開第11/56469号明細書;および、2012年10月10日に出願され、代理人整理番号NPR−014PCで識別される「Cartridge and Method for Increasing Myocardial Function」と題された国際出願第_;に記載されており、これらはそれぞれその開示内容全体が、参照により本明細書に組み入れられる。「試料」および「検体」という用語は、最も広義に使用される。一方では、それらは検体または培養物を含むことを意味している。他方では、それらは生物学的試料環境試料の両方を含むことを意味している。体液としては、血液、血清、血漿、髄液CSF)、リンパ液腹腔液または腹水胸膜液、および唾液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0057

以下のセクションは、例示的なSCDカートリッジ、このようなSCDカートリッジを組み込むシステム、およびそれらを必要とする対象の心機能の向上におけるそれらの使用について記載する。

0058

2.カートリッジの考慮事項
適切なSCDの基本原理について詳細に記載するが、本発明の実施に有用なSCDカートリッジは、本明細書に記載の特定の設計構成に限定されるものではないことが理解される。

0059

本発明の実施に有用な1つの例示的なSCDカートリッジは、内容積(IV)、流体入口ポート、および流体出口ポートを画定している硬質のハウジングを備える。内容積は、流体入口ポートおよび流体出口ポートの両方と流体流連通している。内容積は、本明細書では充填容積とも称され、中空繊維を収容する実施形態では毛細管外空間または(ECS)とも称される。内容積は、硬質のハウジングの流体入口ポートまたは流体出口ポートのどちらかを封止し、封止されていないポートを通してSCDカートリッジに液体、例えば、水を充填した後、封止されていないポートの上部までハウジングを充填する液体の容量を測定することにより求めることができる。さらに、カートリッジは固体支持体を備え、該固体支持体は、該固体支持体の少なくとも一部が流体入口ポートと流体出口ポートとの間に隔離されるようにハウジング内に配置されており、かつ流体入口ポートを通ってハウジングに入る生物学的流体中に活性化白血球および/または活性化血小板が存在する場合にそれらを捕捉することができる表面積(SA)を有する流体接触面を画定している。

0060

白血球および/または血小板を捕捉することができるSCDカートリッジ内の固体支持体の表面積、および固体支持体を収容するSCDカートリッジのハウジングの内容積(充填容積とも称される)の選択は、特定の炎症状態の処置におけるSCDの有効性に重大な影響を及ぼし得ることは明らかである。(国際特許出願PCT米国特許出願公開第11/056469号明細書参照。)固体支持体の表面積は、有効であるが白血球および/または血小板を多く捕捉し過ぎることなく、白血球および/または血小板の一部を捕捉するのに十分となるようにすべきである。白血球を多く捕捉し過ぎると、白血球の欠乏が起こることがあり、その結果、生命を脅かす白血球減少症が起こるおそれがある。好中球を多く捕捉し過ぎると、好中球減少症が起こるおそれがあり、血小板を多く捕捉し過ぎると、血小板減少症または出血素因が起こるおそれがある。さらに、処置を受ける対象に応じて適切な内容積(充填容積、または固体支持体が中空繊維で画定される場合、毛細管外空間とも称される)を有するハウジングを選択することが重要となり得る。例えば、乳児小児、および血行動態的に不安定な重症患者の場合、固体支持体と接触させるまたは固体支持体を浸すために対象から抜き取られる体液が比較的少なくて済むように比較的小さい充填容積を有するハウジングを選択することが重要である。したがって、固体支持体の有効表面積、対、固体支持体を収容するSCDカートリッジハウジングの内容積との比が適切なSCDカートリッジを選択することは、所定の患者の処置の有効性に重大な影響を及ぼす可能性がある。特定のSCDカートリッジを選択する場合、対象の年齢、体重、および虚弱は、重要な考慮事項となり得る。

0061

装置に応じて、カートリッジのSA/IV比は、25cm−1〜2,000cm−1、25cm−1〜1,750cm−1、25cm−1〜1,500cm−1、25cm−1〜1,250cm−1、25cm−1〜1,000cm−1、25cm−1〜800cm−1、80cm−1〜2,000cm−1、80cm−1〜1,750cm−1、80cm−1〜1,500cm−1、80cm−1〜1,250cm−1、80cm−1〜1,000cm−1、80cm−1〜800cm−1、100cm−1〜2,000cm−1、100cm−1〜2,000cm−1、100cm−1〜1,750cm−1、100cm−1〜1,500cm−1、100cm−1〜1,250cm−1、100cm−1〜1,000cm−1、100cm−1〜800cm−1、125cm−1〜2,000cm−1、125cm−1〜1,750cm−1、125cm−1〜1,500cm−1、125cm−1〜1,250cm−1、125cm−1〜1,000cm−1、または125cm−1〜800cm−1、150cm−1〜2,000cm−1、150cm−1〜1,750cm−1、150cm−1〜1,500cm−1、150cm−1〜1,250cm−1、150cm−1〜1,000cm−1、150cm−1〜800cm−1、200cm−1〜2,000cm−1、200cm−1〜1,750cm−1、200cm−1〜1,500cm−1、200cm−1〜1,250cm−1、200cm−1〜1,000cm−1、200cm−1〜800cm−1、200cm−1〜600cm−1、300cm−1〜2,000cm−1、300cm−1〜2,000cm−1、300cm−1〜1,750cm−1、300cm−1〜1,500cm−1、300cm−1〜1,250cm−1、300cm−1〜1,000cm−1、300cm−1〜800cm−1、400cm−1〜1,200cm−1、400cm−1〜1,000cm−1、400cm−1〜800cm−1、500cm−1〜1,200cm−1、500cm−1〜1000cm−1、または500cm−1〜800cm−1の範囲であってもよい。

0062

特定の実施形態では、カートリッジのSA/IV比は、25cm−1より大きいか、または80cm−1より大きいか、または150cm−1より大きい。特定の実施形態では、カートリッジのSA/IV比は、80cm−1以下である(即ち、80cm−1であるかまたはそれ未満である)。

0063

さらに、特定の実施形態では、固体支持体(複数の繊維または平面状シートを含み得る)は、20%〜65%(例えば、20%〜60%、または30%〜60%、または40%〜55%)の範囲の充填密度でハウジング内に配置されている。本明細書で使用する場合、「充填密度」という用語は、固体支持体が占めるカートリッジの内部の全容積のパーセンテージを意味するものと理解される。固体支持体が占める容積Vsuppは、例えば、繊維、シート、または固体支持体を画定する他の要素全部の総容積を含むものと理解される。固体支持体が中空繊維などの中空要素を含む場合、固体支持体が占める容積は、中空空間(例えば、毛細管内空間)、ならびに固体支持体の材料が占める容積を含むものと理解される。したがって、カートリッジの内部の全容積は、カートリッジの充填容積(IV)と固体支持体が占める容積との合計である。充填密度は、固体支持体が占める容積「内容積」をカートリッジの内部の全容積で除したものであり、Vsupp/(IV+Vsupp)と表すことができ、これはパーセンテージとして表すこともできる。例えば、Vsuppの容積が10cm3で、IVが20cm3である場合、充填密度は0.33または33%となる。

0064

他の実施形態では、カートリッジは、(a)内容積(IV)、流体入口ポート、および流体出口ポートを画定している硬質のハウジングであって、内容積が流体入口ポートおよび流体出口ポートと流体流連通している、該ハウジングと、(b)該ハウジング内に配置されている固体支持体であって、流体入口ポートを通って該ハウジングに入る体液中に活性化白血球および/または活性化血小板が存在する場合にそれらを捕捉することができる表面積(SA)を有する流体接触面を画定している該固体支持体とを備え、ここで、SAは、2.6m2より大きい(例えば、3.0m2〜10.0m2または3.0m2〜5.0m2である)。

0065

別の実施形態では、カートリッジは、(a)内容積(IV)、流体入口ポート、および流体出口ポートを画定している硬質のハウジングであって、内容積が流体入口ポートおよび流体出口ポートと流体流連通している、該ハウジングと、(b)該ハウジング内に配置された複数の中実繊維を含む固体支持体であって、流体入口ポートを通って該ハウジングに入る体液中に活性化白血球および/または活性化血小板が存在する場合にそれらを捕捉することができる表面積(SA)を有する流体接触面を画定している該固体支持体とを備え、ここで、SA/IV比は、25cm−1より大きい(例えば、80cm−1より大きい、150cm−1より大きい、または150cm−1〜1,500cm−1の範囲、80cm−1〜800cm−1の範囲、25cm−1〜800cm−1の範囲である)。

0066

図1Aは、例示的SCDカートリッジ100の概略断面図を示す。SCDカートリッジ100は、内容積または充填容積112、流体入口ポート114、流体接触内面116、および流体出口ポート118を画定するハウジング110を備える。流体入口ポート114、内容積(または充填容積)112、および流体出口ポート118は互いに流体流連通している。図示するように、流体入口ポート114と流体出口ポート118は、ハウジングの同じ側に配置されている(即ち、同側にある)。この実施形態では、ハウジングは、1本以上の中空繊維の外面で画定された固体支持体120もさらに備える。図1Aは、3本の中空繊維を示す。この実施形態では、中空繊維120の内部は全体として毛細管内空間(「ICS」)122を画定し、ハウジングの流体接触内面116と中空繊維120の外面との間に位置する容積は全体として内容積112を画定し、これは毛細管外空間(「ECS」)とも称される。特定の実施形態に応じて、流体、例えば、限外濾過濾液を、ICS入口126を通してSCD100のICS122に導入することができ、それはこの後、ICS122に流入するまたはICS122を通って流れることができ、必要に応じて、ICS出口128を通ってハウジング110から出ることができる。しかし、特定の実施形態では、ICS入口126を塞ぐもしくは他にICS入口126に端部キャップ130を被着することができる、および/またはICS出口128を塞ぐもしくは他に端部キャップ132を被着することができる。この実施形態では、固体支持体120の少なくとも一部はハウジング110内の流体入口ポート114と流体出口ポート118との間に配置される。

0067

SCDカートリッジの動作中、目的の流体試料は、流体入口114を通してハウジング110に導入され、内容積(またはECS)112に入る。次いで、流体は、固体支持体120の面に実質的に平行な面にある固体支持体120の表面に沿って(中空繊維の外面に沿って)通過した後、流体出口ポート118を通って内容積(またはECS)112から出る。活性化白血球および/または血小板は、固体支持体120に沿って通過する時、捕捉され、任意で不活性化される。その結果、動作中に、体液(例えば、血液)からの細胞(例えば、白血球)は、カートリッジハウジングで画定される通路内の特定の領域と、特に、中空繊維の外面と結合する。したがって、特定の実施形態では、白血球を捕捉するように構成された通路領域は、比較的小さい分子は透過できるが比較的大きい分子および/または細胞は膜に沿って流動させる多孔質膜を備えてもよい。さらに、特定の実施形態では、白血球を捕捉するように構成された通路領域は、ハウジングの表面と接し、且つ、生物学的試料(例えば、対象の血液または濾過された血液)が外面上を(即ち、中空繊維上を)を流動するように構成された中空繊維の1つまたは複数の外面と接し、それを含んでもよい。例えば、図1を参照されたい。中空繊維は、多孔質、半多孔質、または非多孔質であってもよく、異なる流体(例えば、限外濾過濾液)が任意で中空繊維内を流動してもまたは中空繊維内に存在してもよい。繊維は、本明細書に記載の任意の好適な材料から形成することができる。

0068

したがって、本発明は、(i)活性化白血球、活性化血小板、もしくはこれらの組み合わせを処理するための、または(ii)炎症状態を発症するリスクがあるまたは炎症状態を有する対象を処置するための、カートリッジの使用方法も提供する。本方法は、(i)内容積(IV)、流体入口ポート、および流体出口ポートを画定している硬質のハウジングと、(ii)固体支持体の少なくとも一部が流体入口ポートと流体出口ポートとの間に隔離されるようにハウジング内に配置された該固体支持体であって、流体入口ポートを通ってハウジングに入る生物学的流体中に活性化白血球が存在する場合にそれらを捕捉することができる表面積(SA)を有する流体接触面を画定している該固体支持体とを備えるカートリッジを提供する工程を含む。特定の実施形態では、本方法、カートリッジのSA/IV比は80cm−1より大きいが、他のある特定の実施形態では、カートリッジのSA/IV比は80cm−1以下である。本方法は、活性化白血球および/または活性化血小板を固体支持体の流体接触面上に捕捉することを可能にする条件下で、対象からの体液を、流体入口ポートを通してハウジングに導入する工程をさらに含む。

0069

図1Bは、別の例示的SCDカートリッジ100の概略断面図を示す。SCDカートリッジ100は、内容積112、流体入口ポート114、流体接触内面116、および流体出口ポート118を画定するハウジング110を備える。流体入口ポート114および流体出口ポート118は、ハウジングの同じ側に配置されている(即ち、同側にある)。この実施形態では、ハウジングは、固体基板の外面で画定された固体支持体120をさらに備え、それは、例えば、1本または複数本の(複数の)中実繊維であっても、または1枚または複数枚の(複数の)平面状の支持体(例えば、平坦な膜)であってもよい。SCDカートリッジの断面図を示すこの図1Bでは、固体支持体は、3本の中実繊維または3枚の平面状支持部材(例えば、平面状の膜)で画定されている。しかし、複数の中実繊維または平面状支持部材が全体として固体支持体を画定してもよいことが理解される。ハウジングの流体接触内面118と中実繊維または平面状支持部材の外面との間に位置する容積が全体として内容積(または充填容積)112を画定する。図1Aに示す実施形態とは対照的に、中実繊維または平面状支持部材は、中空ではないため、ICSを画定しない。この実施形態では、固体支持体120の少なくとも一部は、ハウジング110内の流体入口ポート114と流体出口ポート118との間に配置されている。

0070

このSCDカートリッジの動作中、目的の流体試料は、流体入口部分114を通してハウジング110に導入され、内容積(ECS)112に入る。次いで、流体は、固体支持体120の面に実質的に平行な面にある固体支持体120の表面に沿って(中実繊維または平面状支持体、または1本以上の中実繊維と1枚以上の平面状支持体との組み合わせの外面に沿って)通過した後、流体出口ポート118を通って内容積112から出る。体液が固体支持体120に沿って移動する時、活性化白血球および/または活性化血小板が捕捉される。

0071

図1Cおよび図1Dに示すSCDカートリッジは、図1Bに示すSCDカートリッジと類似している。図1Cでは、流体入口ポート114と流体出口ポート118は、ハウジングの反対側に配置されている(即ち、対側にある)。図1Cでは、ハウジング110は、第1の端部と、第1の端部の反対側にある第2の端部とを有し、流体入口ポート114は流体が第1の端部を通って流れることができるように構成されており、流体出口ポート118は流体が第2の端部を通って流れることができるように構成されている。

0072

SCDカートリッジは、細胞、例えば、白血球を捕捉する様々な方法のいずれかで構成することができる。より詳細に後述するように、SCDカートリッジは、好ましくは、特定の対象および適応症を想定して設計されている。例えば、固体支持体の表面積は、有効であるが白血球を多く捕捉し過ぎることがないように、活性化白血球および/または活性化血小板の一部を捕捉するのに十分でなければならず、白血球を多く捕捉し過ぎると、生命を脅かす白血球減少症、好中球減少症を場合によっては引き起こすおそれがあり、または血小板を多く捕捉し過ぎると、血小板減少症または出血素質が起こるおそれがある。さらに、処置を受ける対象に応じて適切な内容積を有するハウジングを選択することが重要となり得る。例えば、乳児、小児、および血行動態的に不安定な重症患者の場合、固体支持体と接触させるまたは固体支持体を浸すために対象から抜き取られる体液が比較的少なくて済むように、比較的小さい充填容積を有するハウジングを選択することが重要である。比較的小さい充填容積を有するハウジングを選択することが重要である。細胞、例えば、白血球を捕捉し、適切な内容積を有する様々な方法のいずれかでSCDカートリッジを構成できることが理解される。

0073

固体支持体は、任意の数の表面、例えば、1、2、3、4、5、10、20、50、または100以上の異なる表面で画定することができる。処置を受ける対象および処置の適応症に応じて、固体支持体の表面積は約0.09m2より大きい、約0.1m2より大きい、約0.2m2より大きい、0.4m2より大きい、0.6m2より大きい、0.8m2より大きい、1.0m2より大きい、1.5m2より大きい、または2.0m2より大きい。

0074

固体支持体の表面積は、0.1m2〜10.0m2、または0.1m2〜5.0m2の範囲であってもよい。より具体的には、固体支持体の表面積は、0.1m2〜0.4m2、0.4m2〜0.8m2、0.8m2〜1.2m2、1.2m2〜1.6m2、1.6m2〜2.0m2、2.0m2〜2.4m2、2.4m2〜2.8m2、2.8m2〜3.2m2、3.2m2〜3.6m2、3.6m2〜4.0m2、4.0m2〜4.4m2、4.4m2〜4.8m2、4.8m2〜5.2m2、5.2m2〜5.6m2、5.6m2〜6.0m2、6.0m2〜6.4m2、6.4m2〜6.8m2、6.8m2〜7.2m2、7.2m2〜7.6m2、7.6m2〜8.0m2、8.0m2〜8.4m2、8.4m2〜8.8m2、8.8m2〜9.2m2、9.2m2〜9.6m2、または9.6m2〜10.0m2の範囲であってもよい。

0075

一般的指針として、体重50kg未満の対象を処置する場合、固体支持体の表面積は好ましくは0.4m2〜0.8m2の範囲とすべきであり、体重が50kg超、100kg未満の対象を処置する場合、固体支持体の表面積は好ましくは0.8m2〜1.6m2の範囲とすべきであり、体重100kg超の対象を処置する場合、固体支持体の表面積は好ましくは1.6m2〜5.0m2の範囲とすべきであると考えられる。しかし、療法を開始するとき、患者が白血球減少症および/または好中球減少症の発症の徴候を示す場合、白血球および/または血小板を多く捕捉し過ぎないように、SCDカートリッジを表面積のより小さいカートリッジと交換することができる。

0076

特定の充填容積を達成するために、カートリッジのハウジングは、特定の1組の寸法(例えば、長さ、幅、重量、または他の寸法)に限定されるものではない。処置を受ける対象および処置の適応症に応じて、IVは、300cm3未満、または150cm3未満、または100cm3未満、または80cm3未満、または60cm3未満、または40cm3未満、または20cm3未満であってもよい。特定の実施形態では、IVは、10cm3〜150cm3、75cm3〜150cm3、20cm3〜80cm3、または15cm3〜120cm3の範囲である。乳児、小児、および血行動態的に不安定な重症患者の場合、内容積は、40cm3未満、例えば、5cm3〜50cm3、1cm3〜20cm3、または5cm3〜30cm3の範囲であってもよい。

0077

特定の実施形態では、SA/IV比は、25cm−1〜2,000cm−1、25cm−1〜1,750cm−1、25cm−1〜1,500cm−1、25cm−1〜1,250cm−1、25cm−1〜1,000cm−1、25cm−1〜800cm−1、80cm−1〜2,000cm−1、80cm−1〜1,750cm−1、80cm−1〜1,500cm−1、80cm−1〜1,250cm−1、80cm−1〜1,000cm−1、80cm−1〜800cm−1、100cm−1〜2,000cm−1、100cm−1〜2,000cm−1、100cm−1〜1,750cm−1、100cm−1〜1,500cm−1、100cm−1〜1,250cm−1、100cm−1〜1,000cm−1、100cm−1〜800cm−1、125cm−1〜2,000cm−1、125cm−1〜1,750cm−1、125cm−1〜1,500cm−1、125cm−1〜1,250cm−1、125cm−1〜1,000cm−1、または125cm−1〜800cm−1、150cm−1〜2,000cm−1、150cm−1〜1,750cm−1、150cm−1〜1,500cm−1、150cm−1〜1,250cm−1、150cm−1〜1,000cm−1、150cm−1〜800cm−1、200cm−1〜2,000cm−1、200cm−1〜1,750cm−1、200cm−1〜1,500cm−1、200cm−1〜1,250cm−1、200cm−1〜1,000cm−1、200cm−1〜800cm−1、200cm−1〜600cm−1、300cm−1〜2,000cm−1、300cm−1〜2,000cm−1、300cm−1〜1,750cm−1、300cm−1〜1,500cm−1、300cm−1〜1,250cm−1、300cm−1〜1,000cm−1、300cm−1〜800cm−1、400cm−1〜1,200cm−1、400cm−1〜1,000cm−1、400cm−1〜800cm−1、500cm−1〜1,200cm−1、500cm−1〜1000cm−1、または500cm−1〜800cm−1の範囲である。

0078

カートリッジのハウジングは様々な材料から製造することができるが、内容積内の流体接触面を画定する材料は、生体適合性でなければならない。SCDカートリッジは、チタン、またはチタン、タンタル、もしくはニオブを含む高融点金属表面コーティングを有するもしくは有していないステンレス鋼などの金属;アルミナシリカ、またはジルコニアなどのセラミック;あるいは、ポリ塩化ビニルポリエチレン、または、ポリカーボネートなどのポリマーを含む様々な材料から構成することができる。

0079

固体支持体は、平坦な表面(例えば、シート)、湾曲した表面(例えば、中空チューブ、中空繊維、中実チューブ、および中実繊維)、模様の付いた表面(例えば、z字型折り畳みシートまたはディンプルのある表面)、不規則な形状の表面、または細胞を捕捉する他の構成で画定することができる。固体支持体は様々な材料で画定できることが理解され、これには、例えば、中空繊維、中実繊維、平面状支持部材(例えば、平面状の膜)または前述の2つ以上の組み合わせ(例えば、中空繊維と中実繊維との組み合わせ、中空繊維と平面状支持部材との組み合わせ、または中実繊維と平面状支持部材との組み合わせ)を挙げることができる。特定の実施形態では、固体支持体は、SCDカートリッジ内の流体入口ポート114から流体出口ポートまでの流体の流動面に実質的に平行である。

0080

実施形態に応じて、固体支持体は、膜を含むことができる。「膜」という用語は、表面の両側で液体を受ける、または表面の一方側で液体を、他方側で気体を受けることができる表面を指す。膜は、液体または気体が透過できるような多孔質(例えば、選択的に多孔質または半多孔質)であってもよい。表面または膜を説明するために本明細書で使用される「多孔質」という用語は、略多孔質、選択的に多孔質および/または半多孔質の表面または膜を含むものと理解される。さらに、白血球の捕捉を促進することができる追加の表面は、例えば、粒子(例えば、ビーズ)表面、通路の中に突出する1つ以上の突起の表面、または流動する生物学的試料に暴露される1枚以上の膜の表面である。

0081

固体支持体は特定のタイプ、種類、またはサイズに限定されるものではなく、任意の適切な材料で製造することができるが;材料は生体適合性でなければならないことが理解される。例えば、固体支持体の表面は、ナイロン、ポリエチレン、ポリウレタンポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)、CUPROPHAN(銅アンモニア法により再生されたセルロース、Enkaから入手可能)、HEMOPHAN(生体適合性が改善された変性CUPROPHAN、Enkaから入手可能)、CUPRAMMONIUM RAYON(CUPROPHANの1種、Asahiから入手可能)、BIOMEMBRANE(銅アンモニアレーヨン、Asahiから入手可能)、鹸化酢酸セルロース(帝人(Teijin)またはCD Medicalから入手可能な繊維など)、酢酸セルロース(東洋紡(Toyobo)ニプロ(Nipro)から入手可能な繊維など)、セルロース(それぞれテルモ(Terumo)またはTextikombinat(Pirna,GDR)から入手可能な、銅アンモニア法の変法によりまたはビスコース法により再生されるものなど)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンポリアリールエーテルスルホンアクリル系共重合体(Hospalから入手可能なアクリロニトリル−NA−メタリルスルホネート共重合体など)、ポリカーボネート共重合体(Gambroから入手可能な繊維である、GAMBRONEなど)、ポリメチルメタクリレート共重合体(東レ(Toray)から入手可能な繊維など)、およびエチレンビニル共重合体クラレ(Kuraray)から入手可能なエチレン−ビニルアルコール共重合体である、EVALなど)の1つ以上を含む、任意の生体適合性ポリマーであってもよい。あるいは、表面はナイロンメッシュ木綿メッシュ、または繊維織物であってもよい。表面の厚みは一定とすることも不規則とすることもできる。幾つかの実施形態では、表面は、ケイ素、例えば、ケイ素ナノ加工膜(例えば、米国特許出願公開第2004/0124147号明細書を参照されたい)を含んでもよい。幾つかの実施形態では、表面はポリスルホン繊維を含んでもよい。他の好適な生体適合性繊維は、当該技術分野で、例えば、Salem and Mujais(1993)DIALYSIS THERAPY 2D ED.,Ch.5:Dialyzers,Eds.Nissensen and Fine,Hanley & Belfus,Inc.,Philadelphia,PA.から公知である。

0082

例えば、生物学的方法化学的方法機械的方法および/または物理学的方法を含む、白血球および血小板の捕捉(例えば結合)を促進する任意の方法および方法の組み合わせを使用することができる。幾つかの実施形態では、生物学的または化学的捕捉方法を使用することができる。このような方法には、組織、細胞、生体分子(例えば、タンパク質または核酸)、または小分子を使用して白血球を捕捉する工程が含まれる。一実施形態では、例えば、ECS内の固体支持体の流体接触支持体にはさらに、捕捉を促進するように細胞接着分子が結合していてもよい。

0083

例えば、白血球が活性化されると、白血球によりセレクチンが産生される。この変化したセレクチン産生により、白血球と他の白血球との結合が促進され得る。そして白血球間の結合により、さらに結合した白血球内でのセレクチン産生が増加し、そのため白血球が指数関数的に結合することになり得る。したがって、セレクチンは、捕捉を亢進するのに有用となり得る。白血球を結合させることが知られているタンパク質、タンパク質複合体、および/またはタンパク質成分としては、CD11a、CD11b、CD11c、CD18、CD29、CD34、CD44、CD49d、CD54、ポドカリキシンエンドムチン(endomucin)、グリコサミノグリカン細胞接着分子−1(GlyCAM−1)、粘膜アドレシン細胞接着分子−1(MAdCAM−1)、E−セレクチン、L−セレクチン、P−セレクチン、皮膚リンパ球抗原(cutaneous lymphocyte antigen)(CLA)、P−セレクチン糖タンパク質リガンド1(PSGL−1)、白血球機能関連抗原−1(LFA−1)、Mac−1、白血球表面抗原p150、95、白血球インテグリンCR4、超遅発(very late)抗原−4(VLA−4)、リンパ球パイエル板接着分子−1(LPAM−1)、細胞内接着分子−1(ICAM−1)、細胞内接着分子−2(ICAM−2)、細胞内接着分子−3(ICAM−3)、不活化C3b(C3bi)、フィブリノーゲンフィブリネクチン末梢リンパ節アドレシン(PNAd)、血管内皮接着タンパク質1(VAP−1)、フラクタルカイン、CCL19、CCL21、CCL25、およびCCL27が挙げられる。白血球と結合することが知られている他の大分子としては、ヒアルロン酸、グリコサミノグリカン(GAG)、およびフコシル化オリゴ糖およびそれらの前駆体が挙げられる。特定の実施形態では、白血球の捕捉に使用される小分子または接着性物質(adherents)としては、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)のアミノ酸配列を含むペプチドなどのペプチド、およびシアル酸を含む分子を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。したがって、これらの材料のいずれかを使用して捕捉を亢進することができる。

0084

使用中、これらの生物学的または化学的材料のいずれかを固体支持体の流体接触面および/またはカートリッジハウジングの流体接触面に結合させて、捕捉を促進または亢進することができる。その代わりに、またはそれと組み合わせて、これらの材料のいずれかを、捕捉を促進する他の追加の方法に使用してもよい。例えば、溶液中の白血球に結合する材料を使用してそれらを凝集させ、単一の白血球のサイズと比較して、それらの全体サイズが大きくなるようにすることができる。その後、凝集した白血球を、特定の細孔径を有する膜で捕獲することができる。

0085

本明細書に記載の捕捉方法は、血小板にも適用できることを理解すべきである。血小板の場合、前述と類似の生物学的、化学的、機械的および/または物理学的方法を使用して血小板を捕捉することができる。特定の実施形態では、血小板の捕捉に使用される薬剤には、糖タンパク質Ibα(GPIbα)、糖タンパク質IIb(GPIIb)、糖タンパク質IIIa(GPIIIa)、CD41、CD61、フォンウィレブラント因子、β2インテグリンマクロファージ抗原−1、P−セレクチンなどのセレクチン、および細胞接着分子の1つ以上が含まれる。

0086

さらに、SCDカートリッジ内で生じる特定の機械的力を制御することにより捕捉を促進および/または亢進することもできる。例えば、白血球と表面との間の剪断力を最小限に抑える流量および装置構成を使用して、白血球を表面に結合させることにより、通路または通路領域の(またはその中の)1つ以上の表面(例えば、多孔質中空繊維の外側)で白血球を捕捉することができる。例えば、ハウジングは、体液が内容積を移動する時、低剪断力環境を作り出し、目的の細胞、例えば、白血球、血小板等を固体支持体で捕捉できるように構成される。

0087

より具体的には、カートリッジは、生物学的流体が、例えば、10mL(cm3)/分〜約8,000mL(cm3)/分または50mL/分〜約8,000mL/分の範囲(例えば、1,000cm3/分)の流量で流体入口114を通ってカートリッジハウジングに入り、流体出口ポート118を通ってカートリッジハウジングから出るとき、流動する細胞(例えば、白血球または血小板)と捕捉面との間の剪断力が1000ダイン/cm2未満、500ダイン/cm2未満、100ダイン/cm2未満、80ダイン/cm2未満、60ダイン/cm2未満、40ダイン/cm2未満、20ダイン/cm2未満、10ダイン/cm2未満、または5ダイン/cm2未満となり得るように構成される。そのため、流体入口ポート114と流体出口ポート118は、ハウジングを通過する流量が10mL/分〜8,000mL/分または50mL/分〜8,000mL/分の範囲となり得る寸法に作られている。例えば、特定の炎症性障害、例えば、心肺バイパス中の炎症反応を処置する場合、例えば、7000mL/分以下の大流量の処置を許容できることが理解される。とはいえ、他の適応症、例えば、慢性心不全または急性非代償性心不全に関連する炎症反応を処置する場合、例えば、約500mL/分未満、約100mL/分〜約500mL/分、および約200mL/分〜約500mL/分の比較的低流量を使用すべきである。そのため、入口ポート114および出口ポート118は、所望の容積の体液が所定の時間内にSCDカートリッジハウジングを通過できる寸法に作られている。流体入口ポート114および流体出口ポート118はそれぞれ、内径0.1cm以上〜2cm、もしくは0.2cm〜1cmであり、または断面表面積0.01cm2以上、0.1cm2以上、0.2cm2以上、0.4cm2以上、0.6cm2以上、0.8cm2以上、1.0cm2以上、2.0cm2以上、または3.0cm2以上であることが理解される。特定の実施形態では、入口ポート、出口ポート、または入口ポートと出口ポートは両方とも断面表面積が0.01cm2〜1cm2である。流体入口または流体出口から最も近いハウジング端部までの距離(距離A)は、Aをハウジングの長さで除したものが0.01〜0.25となるようにすることができる。また、入口ポートおよび/または出口ポートの面は、ハウジングの最長寸法(通常は長さ)で画定された面に対して、5度〜90度(即ち、垂直である)の範囲とすることができることも理解される。

0088

特定の実施形態では、流体入口ポート114および流体出口ポート118は両方とも、例えば、図1Aおよび1Bに示すように、ハウジング116の一方側に配置されている。あるいは、図1Cに示すように、流体入口ポート114と流体出口ポート116をハウジング116の反対側に配置することもできる。流体入口ポート114および流体出口ポート116を他の向きに配置することも考えられる。例えば、ハウジングが第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを備える場合、流体が第1の端部を通って流れることができるように流体入口ポートを構成することができる、および/または流体が第2の端部を通って流れることができるように流体出口ポートを構成することができる。このような向きの配置の1つを図1Dに示すが、流体入口ポート114は流体がハウジング116の左端を通って流れることを可能にし、流体出口ポート118は流体がハウジング116の右端を通って流出することを可能にする。

0089

SCDカートリッジのハウジングのサイズと形状は、適切な充填容積を提供し、流体がSCDカートリッジを通過する時に乱流が最小限に抑えられるように設計できることが理解される。さらに、SCDカートリッジ内に配置される固体支持体のサイズ、形状および組成は、適切な表面積を提供し、流体がSCDカートリッジを通過する時に乱流が最小限に抑えられるように設計できることが理解される。

0090

一例として、中実繊維を使用してカートリッジ中の固体支持体を作製するとき、全表面積1.8m2〜2.5m2のカートリッジが望ましい場合、カートリッジは、繊維長26cm、繊維径50μmのとき、約43,000本の繊維、または繊維長26cm、繊維径100μmのとき、約22,000本の繊維、または繊維長26cm、繊維径200μmのとき、約11,000本の繊維、または繊維長13cm、繊維径100μmのとき、約43,000本の繊維、または繊維長13cm、繊維径200μmのとき、約22,000本の繊維を収容するように設計することができる。あるいは、全表面積3.6m2〜5.0m2のカートリッジが望ましい場合、カートリッジは、繊維長26cm、繊維径50μmのとき、約87,000本の繊維、または繊維長26cm、繊維径100μmのとき、約43,000本の繊維、または繊維長13cm、繊維径100μmのとき、約87,000本の繊維を収容するように設計することができる。

0091

対照的に、一例として、平面状支持部材を使用して固体支持体を作製するとき、全表面積1.8m2〜2.5m2のカートリッジが望ましい場合、カートリッジは、例えば、平均厚さ50μm、平均幅5cmのシート複数枚(例えば、長さ約12cmの膜約115枚、または長さ約26cmの膜63枚)を収容することができる。対照的に、全表面積3.6m2 5.0m2のカートリッジが望ましい場合、カートリッジは平均厚さ50μm、平均幅5cm、および平均長さ26cmの膜約125枚を収容することができる。特定の実施形態では、シート間の間隔が約50μmまたは100μmとなるように、シートをカートリッジ内に配置してもよい。

0092

特定の実施形態では、固体支持体(例えば、固体支持体を構成する繊維または平面状の支持体)が20%〜65%、20%〜60%、30%〜60%、または40%〜55%の充填密度でハウジング内に配置されるようにカートリッジを設計することができる。充填密度は、血液がハウジングのIV内に配置された固体支持体を通過するとき、凝固するリスクが最小限に抑えられるように選択すべきである。

0093

特定の実施形態において、例えばSCDカートリッジ内に中空繊維を使用するとき、SA/IV比は、好ましくは、少なくとも80cm−1以上である。SA/IV比が80cm−1より大きい例示的SCDカートリッジとしては、Fresenius Medical Care North America,Waltham,MA、米国)から市販されているF−50、F−60、F−70およびF−80Aカートリッジ、またはBaxter(Deerfield,IL,米国)製のRenaflowカートリッジ(PSHシリーズ)が挙げられる。これらのカートリッジは、急性および慢性血液透析に使用されることがUSFDAにより認可された。F−80Aカートリッジは、例えば、白血球および/または血小板を捕捉できる表面積が約2.5m2の固体支持体(中空繊維の束の中の外面で画定される)を有し、内容積が約250mL、およびSA/IV比が約100である。

0094

特定の実施形態では、例示的カートリッジは、表1に記載の特徴を有することができる。

0095

(表1)

0096

特定の実施形態、特に、小児用の実施形態では、例示的カートリッジは表2に記載の特徴を有することができる。

0097

(表2)

0098

特定の実施形態では、システムは、白血球、血小板または目的の細胞を一連のカートリッジ、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10以上のカートリッジ(例えば、中空繊維カートリッジ)に供することにより捕捉を達成することができ、カートリッジはそれぞれ、白血球を捕捉するように構成された領域の長さおよびその中での白血球の滞留時間が長くなるように、1つ以上の捕捉通路、または通路領域を備える。前述の実施形態のいずれかで、装置は、捕捉前、捕捉中、または捕捉後に白血球からの炎症誘発性物質の放出の抑制および/または白血球の不活性化が可能となるように、白血球の捕捉を達成するように構成されている。白血球からの炎症誘発性物質の放出の抑制および/または白血球の不活性化は、捕捉中と、本発明の通路、通路領域、または全システム内を輸送中の両方で達成することができる。

0099

幾つかの実施形態では、SCDカートリッジまたはSCDカートリッジを組み込む流体回路は、任意の所望の時間、例えば、1〜59秒間、1〜59分間、1〜24時間、1〜7日間、1週間以上、1か月間以上、または1年間以上、白血球を捕捉するように構成されている。幾つかの実施形態では、装置は、その後の白血球からの炎症誘発性物質の放出の抑制および/または白血球の不活性化が可能となるのに十分な時間、白血球を捕捉するように構成されている。特定の実施形態では、白血球を不活性化するおよび/または炎症誘発性物質の放出を抑制するのに十分な時間(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15分間または少なくとも1時間)、SCDカートリッジ内に白血球および/または血小板を捕捉する。

0100

固体支持体の流体接触面は、動作中、活性化白血球および/または活性化血小板を捕捉する(例えば、結合させる)ことができることが理解される。特定の実施形態では、流体接触面は、活性化されていないまたは不活性化された白血球または血小板と比較して、活性化白血球および/または血小板を優先的に捕捉する(例えば、優先的に結合させる)ことができる。

0101

特定の実施形態では、対象からの白血球を少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、または少なくとも12時間にわたって処置する。他の実施形態では、対象からの白血球を2〜24時間、2〜12時間、4〜24時間、または4〜12時間にわたって処置する。

0102

SCDカートリッジは、製造後、使用する前に滅菌されなければならないことが理解される。滅菌は、例えば、高温高圧放射線、またはエチレンオキサイドなどの化学薬品と別々にまたは組み合わせて、1種類以上の滅菌剤に暴露することにより達成することができる。SCDカートリッジは、好ましくは、包装後に、例えば、適切な容器または包装に気密封入された後、滅菌される(即ち、カートリッジは最後に滅菌される)。包装は、プラスチックを含んでもよく、全部プラスチックであってもよく、または平面状の支持体、例えば、紙支持体に接着されたプラスチックで画定されたパウチを含んでもよい。滅菌プロセスは、好ましくは10−3以下の滅菌保証レベル(SAL)を達成する;即ち、滅菌プロセス後に所定の任意の装置が滅菌状態になっていない確率は103中1以下である。より好ましくは、滅菌プロセスは10−4以下、10−5以下、または10−6以下のSALを達成する。さらに、カートリッジは、流体入口ポート114を封止するキャップおよび/または流体出口ポート118を封止するキャップを備えてもよいことが理解される。流体入口ポートおよび流体出口ポートに配置されたキャップは、使用前にカートリッジの内容積の滅菌性を維持するのに役立つことができ、キャップを除去した後、対象からカートリッジへの体液の流れを容易にする流体ラインおよびカートリッジから対象への体液の返血を容易にする流体ラインでカートリッジをシステム内に接続することができる。

0103

特定の実施形態では、カートリッジは、硬質のハウジングの外面に配置された(例えば、接着された)ラベルを含む。ラベルは、カートリッジを識別および/または追跡するためのロット番号またはバーコードを含んでもよい。

0104

2.システム構成
処置の適応症に応じて、様々な異なる流体回路にSCDカートリッジを使用できることが理解される。例えば、米国特許第8,251,941号明細書および国際出願国際公開第2012/051595号パンフレットを参照されたい。

0105

幾つかの実施形態では、SCDカートリッジを組み込む流体回路は、任意で他の血液処置を行うこともできる。例えば、流体回路は、任意で、血液がSCDカートリッジに入る前または入った後、血液を濾過、酸素化、加温、または他に処置することができる追加の装置をさらに備えることができる。さらに、SCDカートリッジおよび/またはシステム内の追加の装置は、他の方法でまたは相補的に血液を処置するための2つ以上の構成要素、例えば、多孔質フィルタ酸素ポンプ、および/または異種移植細胞もしくは同種移植細胞(例えば、異種移植腎細胞または同種移植腎細胞、例えば、尿細管細胞)を含むことができる。特定の実施形態では、SCDカートリッジは、このような追加の構成要素を含まない。例えば、SCDカートリッジは、異種移植細胞または同種移植細胞(例えば、異種移植腎細胞または同種移植腎細胞)などの細胞を含まなくてもよい。これらの基本原理については、より詳細に後述する。

0106

流体回路は、選択的サイトフェレーシスを達成するように構成されている。基本的形態では、本システムは、SCDカートリッジ、血液を血液供給源(例えば、患者などの対象)からSCDカートリッジに流動させるための流体接続、および処置された血液をSCDカートリッジからレセプタクルに流動させる(例えば、対象に戻す)ための流体接続を備える。SCDカートリッジは、細胞、例えば、活性化白血球などの白血球を捕捉し、白血球からの炎症誘発性物質の放出の抑制を促進するおよび/または白血球を不活性化する役割を果たす。白血球の捕捉は、前述のSCDカートリッジを使用して達成することができる。白血球からの炎症誘発性物質の放出の抑制および/または白血球の不活性化は、下記のセクション3に記載のいずれかの方法で達成することができる。

0107

白血球は、対象の体内で患者の原疾患の結果として、または他の種類の医学的介入に続発して、例えば、血液濾過器(例えば、後述するもの、図2Cおよび2Dを参照)を通過中に、活性化されることがある。活性化白血球は、その後、SCDカートリッジに入り、活性化白血球はその中で捕捉される。図2Dの回路の場合、任意で生成される限外濾過濾液の体積に等しい置換液を対象に提供する。

0108

換言すれば、SCDカートリッジでは、血液からの活性化白血球は、例えば、カートリッジの内側の1つ以上の表面に一時的に接着することにより捕捉される。白血球の捕捉は、様々な方法で、例えば、白血球、例えば、活性化白血球と結合するカートリッジ中の通路または通路領域にある分子と結合させることにより、または、白血球にかかる剪断応力が低くなり、白血球がSCDカートリッジの内側の1つ以上の表面と結合できるように装置内の血流量を設定することにより達成することができる。次いで、これらの捕捉された白血球を薬剤、例えば、シトレートに暴露して、白血球を不活性化するまたはそれらの炎症誘発性物質の放出を抑制する。また、カートリッジを使用して、血小板などの他の種類の細胞を捕捉および不活性化することもできる。

0109

カルシウムキレート剤、例えば、シトレートによりカートリッジ中が低Cai環境となるため、白血球からの炎症誘発性物質の放出が抑制されるおよび/または白血球が不活性化されると考えられる。炎症誘発性物質としては、破壊酵素および/または白血球からのサイトカインを挙げることができる。この抑制および/または不活性化により、白血球の炎症状態が改善される。このようにして、SCDカートリッジは、白血球、例えば、好中球および単球を捕捉し、例えば、シトレートおよび/または低Cai環境で、白血球からの炎症誘発性物質の放出を抑制するおよび/または白血球を不活性化する。血小板の捕捉ならびに抑制および/または不活性化も同様に達成することができる。

0110

白血球を捕捉する中空繊維を収容するハウジングを備える本発明の装置にカルシウムキレート剤、例えば、シトレートを添加すると、炎症性免疫細胞の浸潤後の心筋機能障害を有する対象の心筋機能を改善できることが分かった。したがって、本発明のSCDカートリッジは、対象からの血液を直接処置することにより慢性心不全および急性非代償性心不全などの心筋炎症に関連する様々な状態を処置できると考えられる。処置後、血液は対象に戻される。

0111

2.A.単一装置システム
前述のように、システムは、システム内に追加の処置装置を含むことなく、選択的サイトフェレーシス、および任意で他の血液処置を達成するためのSCDカートリッジを含むことができる(図2A〜2B参照)。一実施形態では、このようなSCDカートリッジを図1Aに概略的に示す。動作中、白血球および/または血小板はSCDカートリッジ内に、例えば、中空繊維の外面で捕捉され、白血球からの炎症誘発性物質の放出を抑制できるおよび/または白血球を不活性化できる薬剤、例えば、シトレートに暴露される。薬剤は、流体入口114の上流ライン注入されてもよく、またはポートを通してSCD自体に注入されてもよい。その代わりに、またはそれに加えて、SCDカートリッジの使用前に、SCDカートリッジに薬剤を仕込んでおくこともできる。白血球が結合できるほど繊維の表面の剪断力が小さくなる(前述の範囲)ように、ECS内の流量は前述の範囲で選択される。このようにして、白血球および/または血小板の抑制および/または不活性化が達成または開始される。次いで、ECS内の血液は、流体出口118を通ってSCDから出て、流出ラインに入る。

0112

図2Aは、例示的流体回路の図1Aの例示的SCDカートリッジ100を示す。対象からの体液、例えば、血液は、ポンプ204により血液ラインに入り、そのラインを通って移動する。同じ血液ラインのポート206に、白血球抑制剤(例えば、シトレート)を、任意でポンプで注入することができる。その後、血液ライン内の血液は入口114に入り、SCDカートリッジ100の出口118から出る。入口114および出口118の血液ラインはそれぞれ、固定機構256を有する血液ラインコネクタを使用して取り付けられている。白血球は、単一の中空繊維として示されている、ECS112内の固体支持体の外面120で捕捉された状態で示されている。出口118からの血液流出ラインで血液を対象に戻す。対象に返血されるように血液を調製するために、カルシウム(例えば、塩化カルシウムまたはグルコン酸カルシウム)などの別の薬剤をこの血液流出ラインのポート258に注入することができる。特定の実施形態では、ICSは、血液の処置をさらに助けるために、各繊維のICS122のライニング上に単層で培養された、異種移植細胞または同種移植細胞、例えば、尿細管細胞を含むことができる。しかし、他の実施形態では、ICSは細胞を含まない。図2Aの回路の一実施形態では、SCDカートリッジ100の管腔122に生理食塩水を充填することができる。

0113

図2Bの回路は図2Aと同じ構成要素を備え、同様に動作するが、但し、図2Bは限外濾過濾液を生成するSCDカートリッジ100を使用する。SCDカートリッジ100は、中空繊維である複数の多孔質膜を収容する。ICS122は繊維内の管腔空間であり、ECS112は固体支持体120(中空繊維として示されている)の外側にあり且つSCDカートリッジハウジング110内にある周囲空間である。体液、例えば、白血球を含有する血液は入口114に入り、中空繊維を包囲するECS112の中に移動し、出口118から出る。白血球の捕捉ならびに抑制および/または不活性化は、前述のように達成することができる。しかし、このSCDでは、ICS入口だけに端部キャップ130が被着されている。ICS出口128にはキャップが被着されていない。したがって、多孔質中空繊維の特性(例えば、透過性および細孔径)に応じて、ECS112内の血液の一部は、中空繊維を透過し、ICS112の中に限外濾過濾液(UF)として入ることができる。チューブをICS出口128に接続して限外濾過濾液(UF)を回収することができ、これを廃棄物として廃棄してもよい。

0114

図1AのSCDを有する図2A〜2Bの回路に示す実施形態に関する流量および膜特性は、後述の通りとすることができる。例えば、ECS流量は、約100mL/分〜約500mL/分であってもよい。限外濾過濾液廃棄物の流量(例えば、図2Bに示すSCDカートリッジの場合)としては、例えば、約5mL/分〜約50mL/分の流量を挙げることができる。図2Bの回路の場合、生成される限外濾過濾液廃棄物(waster)と同体積の置換液を、任意で対象に添加することができる。

0115

2.B.血液透析または血液濾過システムの一部としての選択的サイトフェレーシス抑制装置
前述のように、幾つかの実施形態では、SCDカートリッジは、血液を処置する他の装置を有するシステムの一部とすることができる。例えば、SCDカートリッジは、システム内にSCDカートリッジとは別個の1つ以上の濾過カートリッジを備える血液濾過システム、血液透析システムおよび/または血液透析濾過システムの一部であってもよい。SCDではないシステムの部品について記載する場合、「血液濾過」という用語は、血液透析、血液透析濾過、血液濾過、および/または血液濃縮を意味することができ、「血液濾過器」は、血液透析、血液透析濾過、血液濾過、および/または血液濃縮の1つ以上を行うための装置(例えば、カートリッジ)を含むことができる。血液濾過カートリッジは、体外血液回路内でSCDと並列または直列になるように構成することができ、関連する血液ポンプおよびチューブを使用して、血液を、体外回路を移動させることができる。

0116

例えば、図2Cおよび図2Dに示すように、血液は対象から流出し、血液ラインを通って流れる。血液は、ポンプ204により血液ラインを移動する。従来の血液濾過器260に入る前に、白血球抑制剤(例えば、シトレート)を同じ血液ラインのポート206に、任意でポンプで注入することができる。その後、血液は血液濾過器260内にある中空繊維262の中を通って流れる。中空繊維262を包囲し、血液濾過器260のハウジング内にあるECSに透析液を注入して透析を行い、溶質は血液から血液濾過器濾過膜262(中空繊維)を透過して透析液中に入り「廃棄物」として除去される。透析液は血液に対して向流で流動し、透析液は透析液ポンプ264により移動する。さらに、血液からの分子および流体は、膜を貫通する孔径に応じて、限外濾過濾液として血液濾過器濾過膜262(中空繊維)を透過することができる。

0117

図2C例示的システムは、図1AのSCDカートリッジ100を有する回路を示し、そのICS入口ポートおよび出口ポートには端部キャップが被着されている。血液は、血液濾過器260から出て、SCDカートリッジ100の入口114に入る。その後、血液はSCDカートリッジで処理されるが、SCDカートリッジは、上記の図2A〜2Bに関して前述したように、固体支持体120(中空繊維として示される)で白血球を捕捉し、白血球からの炎症誘発性物質の放出を抑制するおよび/または白血球を不活性化する。SCDカートリッジ100に入る血液ラインとSCDカートリッジ100から出る血液ラインは、固定機構256を有する接続を使用して取り付けられる。その後、血液は、出口118から血液流出ラインを通して対象に戻される。対象に返血されるように血液を調製するために、カルシウムなどの別の薬剤をこの血液流出ラインのポート258に注入することができる。特定の実施形態では、SCDの毛細管内空間(ICS)は、血液の処置をさらに助けるために、各繊維の管腔のライニング上に単層で培養された、異種移植細胞または同種移植細胞、例えば、尿細管細胞を含むことができる。しかし、他の実施形態では、ICSは細胞を含まない。図2Cに示す流体回路の特定の実施形態では、SCD100のICS122には生理食塩水が充填され、ICSの端部ポートには端部キャップ130および132が被着されている。

0118

図2Dの回路は図2Cと同じ構成要素を備え、同様に動作するが、但し、図2Dは限外濾過濾液を生成するSCDカートリッジ100を使用する(即ち、ICS出口ポートには端部キャップが被着されていない)。SCDカートリッジ100を通る体液(例えば、血液)の流れは、図2Bに関して前述している。さらに、SCDカートリッジ100は、図2Bに関して前述したように機能する。前述のように、SCDカートリッジ100はICS入口126にだけ端部キャップ130が被着されている。ICS出口128には端部キャップが被着されていない。したがって、多孔質中空繊維の特性に応じて、ECS112内の血液の一部は中空繊維を透過し、ICSの中に限外濾過濾液(UF)として入ることができる。チューブをICS出口128に接続して限外濾過濾液(UF)を回収することができ、これを廃棄物として廃棄してもよい。

0119

理論に拘束されることを望むものではないが、SCDシステムのこれらの実施形態(ならびに図2A図2Dならびに図3Aおよび図3Bに示すもの)の流動幾何学により、白血球がSCDカートリッジのECS内の低剪断力環境に存在する、したがって、SCDカートリッジ内の1つ以上の内面、例えば、中空繊維と結合することが可能となることが考えられる。逆に、血液濾過カートリッジ(例えば、図2Cおよび2Dの回路内の第1の装置260)の典型的な使用では、中空繊維の小径管腔を通る血流により、(SCD内の剪断力よりも)剪断力が高くなり、それにより装置内での白血球と中空繊維との結合および白血球の捕捉が防止される。したがって、その逆の動作(即ち、血液は中空繊維の内側ではなく中空繊維の外側を流動する)を支援する従来の流動回路を有する血液濾過装置は、損傷を与える可能性がある活性化された循環白血球を捕捉するSCDの役割を果たすことができる。これらの捕捉される白血球を白血球抑制剤(例えば、シトレート)で処置することができる。

0120

さらに、捕捉される白血球の炎症反応を、捕捉前、捕捉中、および/または捕捉後に、低Cai(例えば、シトレートにより引き起こされる)の存在下で抑制および/または不活性化することも考えられる。低Cai環境で白血球の炎症活性を抑制することができる、または白血球を不活性化することができる。

0121

特定の実施形態では、血液濾過器260によって生成される透析液を、SCDカートリッジ100のICSにICS入口126を通して導入することができるように、図2Dの回路を変更することができる。ICSは細胞を含まなくてもよいが、このシステムは任意でICS122内に細胞、例えば、尿細管細胞を含むこともできることが理解される。多孔質中空繊維の表面の剪断力が、繊維との結合により白血球を捕捉できるほど十分小さくなる(前述の範囲となる)ように、血流量は、例えば、約100mL/分〜約500mL/分の血流量となるように選択される。あるいは、体外回路を通る、血液濾過器260内の中空繊維の管腔を通る、およびSCDカートリッジ100のECS112を通る血流量は約120mL/分であってもよい。限外濾過濾液は、本明細書に記載の範囲の流量で、例えば、約50mL/分未満、約5mL/分〜約50mL/分、および約10mL/分〜約20mL/分の流量で移動することができる。あるいは、限外濾過濾液の流量を15mL/分に維持することができる。任意で、バランス電解液置換液(例えば、炭酸水素塩基を含有する溶液)を、生成される限外濾過濾液に対して1:1の体積置換で血液ラインに注入することができる。流体(例えば、限外濾過濾液)と血液(または白血球含有流体)は同じ方向に流動してもまたは反対方向に流動してもよい。

0122

この実施形態および他の実施形態では、SCDカートリッジを通る血流構成は、典型的な血液濾過カートリッジを通る血流構成と反対である。即ち、血液は、目的の用途では血液濾過カートリッジの中空繊維の内部を通って流れるのに対して、SCDカートリッジの中空繊維の外側の周囲を流動する。SCDカートリッジを通る、この従来と異なる血流構成により、血液濾過器の中空繊維の管腔内では剪断力が比較的高いのに対して中空繊維の外面のECS内では剪断力が比較的低くなり得るため、SCDのECS内では白血球の捕捉が促進される。逆に、血液濾過器の中空繊維の内部を通る血流は、中空繊維の小径の管腔を通って流れる血液によって生じる高剪断力のため、白血球の捕捉を妨げる。例えば、血液濾過器の中空繊維の内部を血液が通過すると1.5×107ダイン/cm2の剪断力が生じ得るが、SCDの特定の実施形態のECSを通る血流で生じる剪断力は10ダイン/cm2となる、または剪断力は約106小さくなる。比較のため、典型的な動脈壁での剪断力は6〜40ダイン/cm2であり、典型的な静脈壁での剪断力は1〜5ダイン/cm2である。例えば、毛細管壁の剪断応力は5ダイン/cm2未満である。

0123

したがって、SCDカートリッジの使用は、白血球を捕捉するように構成されている通路の領域の表面で、活性化白血球などの白血球を通路領域内でその表面と結合させ、白血球を捕捉できるほど十分低い剪断力を使用する。例えば、幾つかの実施形態では、白血球を捕捉するように構成された通路領域の表面では、1000ダイン/cm2未満、または500ダイン/cm2未満、または100ダイン/cm2未満、または80ダイン/cm2未満、または60ダイン/cm2未満、または40ダイン/cm2未満、または20ダイン/cm2未満、または10ダイン/cm2未満、または5ダイン/cm2の剪断力が有用である。これらの剪断力は本明細書に記載のSCD実施形態のいずれにおいても有用となり得ることを理解されたい。血液濾過器とSCDなどの2つの装置を有する特定の実施形態では、血液濾過器内を流動する血液とSCD内を流動する血液との剪断力の差は少なくとも1000ダイン/cm2とすることができる。

0124

これらの実施形態および他の実施形態では、従来と異なった流動構成(即ち、血液が中空繊維の内側ではなく中空繊維の外側を流動する)により必要な剪断力を得る限り、SCDは、急性および慢性血液透析に使用することがFDAにより認可されている従来型のもの(例えば、Model F−80A,Fresenius Medical Care North America,Waltham,MA、米国)から構成することができる。同様に、この実施形態または他の任意の実施形態の体外灌流回路は、標準的な透析動静脈血液チューブを使用することができる。カートリッジおよび血液チューブを、現在慢性透析に使用されている任意の透析液供給ポンプシステム(例えば、Fresenius 2008H)内に配置することができる。

0125

1つの例示的システムでは、システムは、対象から導出するチューブ(血液ライン)と、注入器によりチューブに注入されるシトレート溶液のバッグを備える。第1のF−40血液濾過器カートリッジ(Fresenius Medical Care North America,Waltham,MA、米国)は、シトレートが血液ラインに入った後の箇所で、血液ラインと接続される。その後、血液ライン内の血液は、カートリッジの内側にある中空繊維の内部(ICS)を端部ポート入口から端部ポート出口まで通って流れ、透析液はこれらの中空繊維の外側且つカートリッジ内(ECS)を1つの側方ポートから第2の側方ポートまで血流に対して向流で流動する。第2の側方ポートから出る透析液/限外濾過濾液混合物は回収される。血液細胞、血小板、または血漿は実質的にICSからECSに移動せず、白血球は実質的に中空繊維の内部に接着しない。中空繊維は、互いに平行に束状に配置され、各繊維の直径は約240マイクロメートルである。さらに、中空繊維の細孔は、約30オングストロームの分子であるアルブミンが繊維を透過できないほど十分小さく、細孔は繊維全体にわたり概ねこのサイズである。その後、濾過された血液は端部ポート出口から、チューブを通り、SCDカートリッジとして動作するF−80Aをベースにするカートリッジ(Fresenius Medical Care North America,Waltham,MA、米国)の側方ポート入口に進む。血液はF−80AをベースにするカートリッジのECSを通って流れ、カートリッジの側方ポート出口から出る。F−80Aをベースにするカートリッジ内で生成される限外濾過濾液はいずれもICSに入り、端部ポートを通って出る。カートリッジの他方の端部ポートにはキャップが被着されている。血液細胞、血小板、または血漿は実質的にECSからICSに移動せず、白血球は実質的に一定時間中空繊維の外部に接着しない。F−80Aカートリッジから出る血液はチューブに入り、そこで注入器を使用して血液中カルシウム溶液が注入される。最後に、処理された血液をチューブで対象に戻す。特定の実施形態では、システム内の血流量は500mL/分を超えず、血液は、どの箇所でもシステム内の空気を移動させない。さらに、電解質および白血球数のベッドサイド読み取り値を考慮して、圧送速度および注入速度を手動で変えることができる。i−STAT(登録商標手持ち型監視装置は、対象から抜き取られた少量の血液からこれらの読み取り値を表示する。

0126

このようなシステムを使用するリスクは血液透析処置に伴うリスクと類似しており、それには、例えば、灌流回路の凝固、回路への空気混入カテーテルまたは血液チューブのキンクまたは外れ、および温度調節不良が含まれることが考えられる。しかし、透析装置および関連する透析血液灌流セットは、処置中に警報システムでこれらの問題を特定し、血餅フィルタおよび気泡トラップを用いて対象への血餅および空気塞栓を軽減するように設計されてきた。これらのポンプシステムおよび血液チューブセットは、この処置適応症に用いることがFDAにより認可されている。

0127

前述のように、白血球抑制剤、例えば、シトレートの注入は、SCDに局部的に、局所的に、またはシステム全体に行い得る。この実施形態またはいずれかの実施形態で、シトレートを凝固防止剤として使用することもでき、その場合、システム全体の灌流が有用である。臨床経験から、血液濾過システム内で凝固が起こった場合、それは第1の透析カートリッジ内で開始していることが示唆される。全身ヘパリンまたは局所シトレートなどの抗凝固プロトコルが現在確立されており、臨床血液透析に日常的に使用されている。

0128

2.C.心肺バイパスシステムの一部としての選択的サイトフェレーシス抑制装置
図3A図3Bに示すように、手術(例えば、バイパス手術)に続発した炎症状態を処置および/または予防するために、心肺バイパス(CPB)回路内にSCDカートリッジを使用することができる。図3Aおよび図3Bは、例示的CPBシステム中の図1AのSCDカートリッジを示す。CPBは、心臓および肺の左右両側から血液を迂回させるのに使用される。これは、心臓の右側から血液を排出させ、動脈循環を灌流することにより達成される。しかし、全身から肺への側副枝、全身から全身への側副枝、および手術部位出血により血液は心臓の左側に戻るため、CPB中は心臓の左側の特殊な排出機構が必要となる。任意で、特殊なポンプおよびチューブ機構により心停止液(cardioplegia)を供給することができる。標準的なCPBシステムは、3つのサブシステムに大まかに分類することができる幾つかの特徴を有する。第1のサブシステムは、酸素を供給し、血液から二酸化炭素を除去する酸素化−換気サブシステムである。第2のサブシステムは温度制御システムである。第3のサブシステムは、インラインモニタおよび安全装置を備える。

0129

図3Aの実施形態に示すように、血液は、静脈カニューレ300を通って対象から血液ライン310に移動する。血液は血液ライン310を通って流れ、SCD流出ライン330に接続する再循環接合部320を通過する。SCD流出ライン330には、SCD装置100で処置された血液が入っている。血液ライン310内の血液はSCDで処置された血液と混合し、静脈リザーバ350に進み、酸素化装置360に達し、ここで血液は酸素化される。酸素化された血液は、その後、酸素化装置360から流出し、SCD流入ライン380との接合部370に達する。ここで、血液ライン310内の血液の一部は、SCD流入ライン380を通ってSCD100に迂回し、SCDカートリッジ100で処置される。SCD流入ライン380を通る血液の流れはポンプ382によって制御される。SCDカートリッジ100は、炎症に関連する細胞、例えば、白血球または血小板を捕捉・選択するように設計されている。白血球を含有する血液は入口114に入り、中空繊維を包囲するECS112(図1A参照)の中に移動する。白血球は、装置内で、例えば、固体支持体120の流体接触面(図1A参照)(即ち、中空繊維の外面)上に捕捉される。ポンプ382における流量は、白血球が結合できるほど中空繊維の表面の剪断力が小さくなる(前述の範囲)ように前述の範囲で選択することができる。ECS112(図1A参照)内の血液は出口118を通ってSCDから出て、SCD流出ライン330に入る。接合部370で、血液ライン310内の血液の一部はまた、動脈フィルタ/気泡トラップ390に進んだ後、動脈カニューレ395で対象に戻される。

0130

血液に薬剤を添加する必要はないが、一実施形態では、シトレート供給装置335およびシトレートポンプ336でシトレートをSCD流入ライン380内の血液に添加し、カルシウム供給装置345およびカルシウムポンプ346でカルシウムをSCD流出ライン330内の血液に添加する。白血球などの炎症に関連する細胞を抑制するおよび/または不活性化するために、SCDカートリッジ100に流入する血液にシトレート(または本明細書に記載の別の白血球抑制剤)をシトレート供給装置335から添加する。対象に返血されるように血液を調製するために、カルシウムを血液に添加することができる。

0131

図3Bに示す回路は、例えば、再循環接合部320(図3Aを参照)で回路内に血液を再循環させないという点で、図3Aの回路とは異なる。代わりに、図3Bに示すように、血液は静脈カニューレ300を通って対象から血液ライン310に移動し、そこで、血液は静脈リザーバ350に直接流動し、酸素化装置360に達して、ここで血液は酸素化される。その後、酸素化された血液は酸素化装置360から流出し、SCD流入ライン380との接合部370に達する。ここで、血液ライン310内の血液の一部は、図3Aに関して前述したように、SCD流入ライン380を通ってSCDカートリッジ100に迂回し、SCDカートリッジ100で白血球が捕捉される。SCDカートリッジ100から出る血液はSCD流出ライン330に入り、接合部386で酸素化された血液と混合する。SCDカートリッジからの血液は血液ライン310内の血液と混合した後、血液ライン310内を動脈フィルタ/気泡トラップ390まで進み、その後、動脈カニューレ395で対象に戻される。

0132

シトレートをSCD流入ライン380内の血液に添加するためのシトレート供給装置335およびシトレートポンプ336、ならびにカルシウムをSCD流出ライン330内の血液に添加するためのカルシウム供給装置345およびカルシウムポンプ346。図3Aに関して記載したように、シトレートまたは他の任意の白血球抑制剤をシトレート供給装置335から血液に添加し、白血球などの炎症に関連する細胞を抑制するおよび/または不活性化する。対象に返血されるように血液を調製するために、カルシウムを血液に添加することができる。

0133

2.D.選択的サイトフェレーシス抑制装置の追加の特徴
幾つかの実施形態では、SCDカートリッジは、特定の障害を処置および/または予防するように構成されている。しかし、特定の障害の処置および/または予防に多くの異なる構成を使用できることが理解される。

0134

さらに、SCDカートリッジは、水平方向に配置されてもまたは垂直方向に配置することも、温度制御された環境に置くこともできる。SCDカートリッジ内で最適な細胞機能が確保されるように、細胞を含むSCDカートリッジの温度は好ましくはSCDの動作中ずっと約37℃〜約38℃に維持される。例えば、加温ブランケットを使用してSCDカートリッジを適切な温度に維持してもよいが、これに限定されるものではない。システム中に他の装置を使用する場合、最適な性能が得られるように、異なる温度が必要な場合がある。

0135

幾つかの実施形態では、SCDカートリッジおよび/またはSCDカートリッジを組み込む流体回路は、プロセッサ(例えば、コンピュータソフトウェア)により制御される。このような実施形態では、対象の活性化白血球のレベルの変化を検出し、プロセッサにこのような情報(例えば、白血球レベルおよび/または炎症性障害の発症リスクの上昇に関する情報)を提供するように装置を構成することができる。幾つかの実施形態では、特定の活性化白血球レベルに達した場合または対象が炎症性障害(例えば、SIRS)を発症する特定のリスクを有すると思われる場合、炎症性障害を発症する可能性を減少させるために対象の血液をSCDで処理する。幾つかの実施形態では、流体回路は、これらの測定値に応答して、SCDで対象の血液を自動的に処理することができる。他の実施形態では、対象の白血球のレベルが高いことまたはリスクが高いことを医療従事者に警告し、医療従事者は処置を開始する。

0136

本発明のカートリッジを様々なキットまたはシステムに含むことができることが考えられる。例えば、キットまたはシステムは、本発明のSCDカートリッジ、白血球抑制剤(例えば、シトレートなどのカルシウムキレート剤)、同種移植細胞(例えば、尿細管細胞)、または他の部材を含むことができる。さらに、SCDカートリッジを、対象の体内に濾過装置を埋め込むのに必要な様々な外科用器具と組み合わせてもよい。

0137

4.炎症に関連する細胞の抑制および/または不活性化
SCDカートリッジを構成し、本発明の方法を実施すると、対象の血液中の活性化白血球などの白血球からの炎症誘発性物質の放出が抑制されおよび/または白血球が不活性化され、これにより対象の炎症反応が予防されるおよび/または減少する。様々な方法を使用することができる。例えば、幾つかの実施形態では、SCDカートリッジおよびSCDカートリッジの1つ以上を組み込む流体回路は、白血球(例えば、捕捉される活性化および/または感作白血球)を白血球抑制剤に暴露することにより、白血球からの炎症誘発性物質の放出を抑制するおよび/または白血球を不活性化することができる。白血球抑制剤を、SCDカートリッジの流体接触面、例えば、中空繊維に共有結合または非共有結合により結合させることができる。それに加えて、またはその代わりに、白血球抑制剤をSCDカートリッジまたはSCDカートリッジを組み込む回路に、例えば、膜表面またはその近傍に、白血球の捕捉前、捕捉中、または捕捉後に注入することができる。

0138

本発明は、特定のタイプまたは種類の白血球抑制剤に限定されない。白血球抑制剤としては、例えば、抗炎症生物剤、抗炎症小分子、抗炎症薬、抗炎症細胞、および抗炎症膜が挙げられる。幾つかの実施形態では、白血球抑制剤は、活性化白血球の活性を抑制することができる任意の物質または化合物であり、それには非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、抗サイトカイン薬、メシル酸イマチニブソラフェニブリンゴ酸スニチニブ、抗ケモカイン薬、免疫抑制剤、セリン白血球抑制剤、酸化窒素、多形核白血球抑制因子、分泌白血球抑制剤、およびカルシウムキレート剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。カルシウムキレート剤の例としては、シトレート、ヘキサメタリン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、o−フェナントロリン、およびシュウ酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。白血球抑制剤は、白血球または免疫細胞を抑制することが知られている任意のタンパク質またはペプチドであってもよく、それにはアンジオゲニン、MARCKS、MANS、補体因子D、ジスルフィドC39−C92含有トリプシンアンジオゲニンフラグメント

およびその合成類似体が挙げられるが、これらに限定されるものではなく;白血球抑制剤はまた、Tschesche et al.(1994)J.BIOL.CHEM.269(48):30274−80、Horl et al.(1990)PNAS USA 87:6353−57、Takashi et al.(2006)AM.J.RESPIRAT.CELLAND MOLEC.BIOL.34:647−652、およびBalke et al.(1995)FEBSLETERS371:300−302により報告された、白血球からの炎症誘発性物質の放出の抑制を促進するおよび/または白血球を不活性化することができるタンパク質、ペプチド、および類似体であってもよい。さらに、白血球抑制剤は、白血球からの炎症誘発性物質の放出を抑制するおよび/または白血球を不活性化することが知られている任意の核酸であってもよい。白血球抑制剤は、溶液の状態であってもまたは凍結乾燥されていてもよい。

0139

任意の量または濃度の白血球抑制剤を使用して、白血球からの炎症誘発性物質の放出を抑制するおよび/または白血球を不活性化することができる。白血球抑制剤は、システムの通路、通路領域、装置、装置領域、またはシステム領域に、当該技術分野で公知の任意の方法で導入することができる。例えば、白血球抑制剤をポートに注入することができる。通路に注入される白血球抑制剤の量は、同じ通路内または隣接する通路内で捕捉される白血球からの炎症誘発性物質の放出を抑制するおよび/または白血球を不活性化するのに十分な量とすることができる。幾つかの実施形態では、白血球抑制剤、例えば、シトレートを、システム、システムの領域、または、他の機能を果たし白血球を捕捉しない装置を含むシステム内の1つ以上の装置に注入してもよい。より詳細には、白血球抑制剤(例えば、シトレート)を、白血球を捕捉する通路の上流、白血球を捕捉する通路の中、または白血球を捕捉する通路の下流に注入してもよい。あるいは、白血球抑制剤はシステム内の1つ以上の通路、通路領域、装置、またはシステム領域に収容されていてもよい。例えば、白血球抑制剤は、白血球を捕捉するように構成されている通路内の表面、または別の通路内の表面に、白血球からの炎症誘発性物質の放出を抑制するおよび/または白血球を不活性化するのに十分な量で結合していてもよい。

0140

白血球からの炎症誘発性物質の放出の抑制および/または白血球の不活性化は、白血球の捕捉前、捕捉中、および/または捕捉後に一時的に行うことができる。さらに、白血球は、捕捉後に一定時間、抑制または不活性化された状態を維持することができる。特定の実施形態では、白血球を目標濃度の白血球抑制剤に暴露している時または目標濃度のCai(通常約0.20mmol/L〜約0.40mmol/L)に暴露している時に、白血球を抑制または不活性化することができ、Caiはシトレートなどの白血球抑制剤への暴露により生じる。白血球を目標濃度の白血球抑制剤または目標濃度のCaiに暴露させる時間は、白血球を捕捉する時間より前とすることも、白血球を捕捉する時間を含むことも、および/または白血球を捕捉する時間の後とすることもできる。特定の実施形態では、白血球は、白血球抑制剤への暴露後に一定時間、抑制または不活性化され続ける、または抑制または不活性化された状態を維持することができる。

0141

白血球抑制剤への暴露時間は、使用する薬剤、白血球の活性化の程度、炎症誘発性物質の産生の程度、および/または炎症状態が患者の健康を損なった程度に応じて変わり得る。暴露は、例えば、1〜59秒間、1〜59分間、1〜24時間、1〜7日間、1週間以上、1か月間以上、または1年間以上とし得る。特定の実施形態では、処置される白血球を(例えば、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、または少なくとも12時間にわたって、カートリッジで捕捉するおよび/または白血球抑制剤(例えば、カルシウムキレート剤)に暴露することができる。特定の実施形態では、対象からの白血球を2〜24時間、2〜12時間、4〜24時間、または4〜12時間にわたって処置する。

0142

白血球抑制剤は、システムの動作前または動作中にシステムに投与することができる。特定の実施形態では、システムの動作中に白血球抑制剤を投与し、システムに投与される白血球抑制剤の量を監視する。

0143

幾つかの実施形態では、白血球抑制剤をシステムに(例えば、図2A図2Dに示すポート206に、または図3Aおよび図3Bに示す供給装置335およびポンプ336から)滴下注入することができる。監視される血液特性に対して滴下注入を調節することができる。例えば、血液中のCaiが特定のレベルに、例えば、約0.2〜約0.4mmol/LのCai濃度に維持されるように、シトレートをシステムに滴下注入することができる。生物学的適合性のある任意の種類のシトレート、例えば、0.67%のシトレート三ナトリウムまたは0.5%のシトレート三ナトリウムを使用することができる。例えば、Tolwani et al.(2006)CLIN.J.AM.SOC.NEPHROL.1:79−87を参照されたい。幾つかの実施形態では、白血球からの炎症誘発性物質の放出を抑制した後および/または白血球を不活性化した後、対象に返血されるように血液を再調節するために、第2の溶液をシステムに(例えば、図2A図2Dに示すポート258に、または図3Aおよび図3Bに示す供給装置335およびポンプ336から)添加することができる。例えば、カルシウムキレート剤を白血球抑制剤として使用する実施形態では、対象に返血される前に、カルシウムを血液に添加することができる。

0144

一実施形態では、シトレート溶液、例えば、ACD−A(Baxter Fenwal,ChicagoIL;100mL当たりの含有量デキストロース2.45g、シトレートナトリウム2.2g、シトレート730mg、25℃でpH4.5〜5.5)を収容する1000mLのバッグを注入ポンプに取り付けた後、システムの動脈ライン(対象から装置への流出)に(例えば、ポート206に;CPB状態の対象からの流出は静脈ラインと称され、注入は、例えば、供給装置335およびポンプ336から行う)取り付けることができる。陰圧弁を使用してシトレートポンプ機能(血液ポンプの近位の陰圧領域への注入)を促進することができる。シトレート注入の初期速度は、一定、例えば、血流量(単位、mL/分)の約1.5倍(単位、mL/時間)とすることができる(例えば、血流量が約200mL/分の場合、シトレート注入の初期一定速度は約300mL/時間であってもよい)。さらに、濃度約20mg/mLの塩化カルシウム注入剤をシステムの静脈ポート(例えば、図2A図2Dのポート258)の近傍に添加してもよく;CPB状態における類似の位置を、図3Aおよび図3Bでは供給装置335およびポンプ336として示す)。初期カルシウム注入はシトレート注入速度の10%(例えば、30mL/時間)に設定することができる。Caiを連続的にまたは様々な時間に、例えば、最初の8時間は2時間毎に、次の16時間は4時間毎に、その後は6〜8時間毎に監視することができる。必要に応じて監視を増加することができ、システム内の2つ以上の位置で、例えば、シトレート注入後、およびカルシウム注入後の位置で監視することができる。

0145

例示的なシトレート滴下注入プロトコルおよび塩化カルシウム滴下注入プロトコルをそれぞれ表3および表4に示す。この実施形態では、SCD内での目標Cai範囲は、約0.20mmol/L〜約0.40mmol/Lであり、Cai目標濃度はシトレート(例えば、ACD−Aシトレート溶液)の注入により達成される。これは動的プロセスであるため、SCD内での目標Cai範囲を達成するためにシトレートの注入速度を変化させる必要がある場合がある。このようにするためのプロトコルを下記に示し、注入は前述の注入箇所で行う。

0146

(表3)シトレート注入の滴下注入指針

0147

(表4)カルシウム注入の滴下注入指針

0148

本明細書に記載の不活性化方法は血小板にも適用できることを理解されたい。特定の実施形態では、血小板を不活性化するおよび/または血小板からの炎症誘発性物質の放出を抑制するのに使用される薬剤としては、トロンビン阻害する薬剤、アンチトロンビンIII、メグラトラン(meglatran)、ヘルジン(herudin)、プロテインCおよび組織因子経路阻害剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに、白血球抑制剤には血小板抑制剤として作用し得るものがある。例えば、シトレート、ヘキサメタリン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、o−フェナントロリン、およびシュウ酸などのカルシウムキレート剤は、血小板を不活性化することができるおよび/または血小板からの炎症誘発性物質の放出を抑制することができる。

0149

前述の説明に鑑みて、下記に示す非限定的な具体例は説明を目的とするものであって、決して本発明の範囲を限定するものではない。

0150

実施例1.動物モデルにおける急性敗血症に伴う炎症の処置
活性化白血球、とりわけ好中球は、敗血症ならびに他の臨床炎症性障害の発症および進行の主因となる。この実施例は、白血球の捕捉および不活性化に対する異なるSCDカートリッジの効果を評価するインビボ実験について説明する。その結果から、大型動物モデルでは、特定のSCDカートリッジの選択が敗血症の発症および進行に重大な影響を及ぼし得ることが分かる。特に、その結果から、捕捉面積の大きいSCDカートリッジの方が捕捉面積の小さいSCDカートリッジよりも、敗血症に伴う合併症の軽減および生存期間延長における効果が大きいことが分かる。

0151

(I)方法および材料
A−動物モデル
炎症の処置におけるSCDカートリッジの有効性を、十分確立されたブタ急性敗血症性ショックモデルで評価した(例えば、Humes et al.(2003)Crit. CAREMED.31:2421−2428を参照されたい)。

0152

体重30〜35kgのブタを使用した。麻酔の投与および挿管後、ブタに動脈カテーテルおよびスワン−ガン熱希釈カテーテル(これらを変換器に接続した)を配置して、動脈血圧、心拍出量、および中心静脈圧を監視した。超音波血流プローブ腎動脈に配置して、腎血流量(RBF)を連続的に評価した。

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