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図面 (12)

課題

複数の治療用薬剤を共送達するためのナノスケール配位高分子ナノ粒子の提供。

解決手段

(a)金属−有機マトリックス材料を含むコア;及び(b)少なくとも一つの化学療法薬剤及び少なくとも一つの光増感剤を含む、複数の治療用薬剤、から成るナノ粒子。複数の治療用薬剤には、異なる化学療法用薬剤の組み合わせ、低分子干渉RNA(siRNA)又はマイクロRNAのような、一又はそれ以上の化学療法剤と一又はそれ以上の核酸との組み合わせ、一又はそれ以上の化学療法剤と光増感剤との組み合わせ(即ち、光線力学療法に使用するため)、又は複数の異なるsiRNAが含まれ得る。また、このナノ粒子を含む医薬製剤、このナノスケール粒子を使用して癌を治療する方法、及びこのナノ粒子の製造方法を提供する。

概要

背景

癌などの疾患の治療に使用するために、核酸に大きな関心が寄せられている。癌治療における核酸の潜在力にもかかわらず、低分子干渉RNA(siRNA)及びマイクロRNA(miRNA)のような核酸には限界がある。第一に、これらの核酸は、至る所にある酵素による分解を受けやすい。第二に、核酸(例えば、siRNA及びmiRNA)の効果は、通常、一時的である。第三に、核酸は、それ自体で細胞に入ることができず、既存の送達ステムは、送達効率が低く、又は全身投与後体内の循環を続けることができない。

光線力学療法(PDT)は、抗癌治療の効果的な選択肢でもあり得る。光線力学療法(PDT)は、腫瘍局在化光増感剤(PS)の投与、それに続く、光活性化による高細胞傷害性活性酸素種(ROS)(特に一重項酸素(1O2))の生成、を含み、これは細胞のアポトーシス及びネクローシスを誘発する。光線力学療法(PDT)は、この光増感剤(PS)及び腫瘍領域への露光の両方を局在化することにより、局所組織を維持しながら、選択的に腫瘍細胞死滅させることができる。光線力学療法(PDT)は、頭頸部腫瘍乳癌婦人科腫瘍脳腫瘍結腸直腸癌中皮腫、及び膵臓癌を含む多くの異なる種類の癌の患者を治療するために使用されている。光線力学療法(PDT)は、周囲組織に引き起こす破壊が少なく、審美的及び機能的障害を減少させるので、頭頸部の癌を治療するための光線力学療法(PDT)の使用は、従来の治療法、例えば、外科手術及び照射に比べて、特に有利である。PHOTOFRIN(R)、VERTEPORFIN(R)、FOSCAN(R)、PHOTOCHLOR(R)及びTALAPORFIN(R)などのポルフィリン分子は、光線力学療法(PDT)のために最も一般的に使用される光増感剤(PS)の一つである。これらは活性酸素種(ROS)生成のための効率的な光化学機能を持っているが、全身投与後にこれらは腫瘍に蓄積するので、診療所での光線力学療法(PDT)の有効性を制限してしまう。

概要

複数の治療用薬剤を共送達するためのナノスケール配位高分子ナノ粒子の提供。(a)金属−有機マトリックス材料を含むコア;及び(b)少なくとも一つの化学療法薬剤及び少なくとも一つの光増感剤を含む、複数の治療用薬剤、から成るナノ粒子。複数の治療用薬剤には、異なる化学療法用薬剤の組み合わせ、低分子干渉RNA(siRNA)又はマイクロRNAのような、一又はそれ以上の化学療法剤と一又はそれ以上の核酸との組み合わせ、一又はそれ以上の化学療法剤と光増感剤との組み合わせ(即ち、光線力学療法に使用するため)、又は複数の異なるsiRNAが含まれ得る。また、このナノ粒子を含む医薬製剤、このナノスケール粒子を使用して癌を治療する方法、及びこのナノ粒子の製造方法を提供する。

目的

本発明は、二又はそれ以上の治療用薬剤を共送達するための、ナノスケール配位高分子(NCP)(金属−有機フレームワーク(MOF)又はナノスケール金属−有機フレームワーク(NMOFs)を含む)のような、金属−有機マトリックス材料に基づくナノ輸送体プラットフォームを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

複数の治療用薬剤を共送達するためのナノ粒子であって、(a)金属−有機マトリックス材料を含むコア;及び(b)少なくとも一つの化学療法薬剤及び少なくとも一つの光増感剤を含む、複数の治療用薬剤、から成るナノ粒子。

請求項2

前記金属−有機マトリックス材料が配位高分子を含む、請求項1に記載のナノスケール粒子

請求項3

前記少なくとも一つの化学療法用薬剤が、前記金属−有機マトリックス材料のコアに組み込まれた一つの非核酸化学療法用薬剤である、請求項1又は2に記載のナノスケール粒子。

請求項4

前記非核酸化学療法用薬剤が、共有結合又は配位結合を介して該金属−有機マトリックス材料のコアに組み込まれる、請求項3に記載のナノスケール粒子。

請求項5

請求項6

前記化学療法用薬剤が、ビスホスホネートシスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグであり、かつ前記金属−有機マトリックス材料のコアが、多価金属イオンを含む金属ビスホスホネート配位高分子及び該ビスホスホネートシスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のナノスケール粒子。

請求項7

前記多価金属イオンが、Ca2+、Mg2+、Mn2+、Zn2+、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載のナノスケール粒子。

請求項8

前記ビスホスホネートシスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグが、シス,シス,トランス−[Pt(NH3)2Cl2(OH)2]のビスホスホネートエステルである、及び/又は前記多価金属イオンがZn2+である、請求項6に記載のナノスケール粒子。

請求項9

前記ナノスケール粒子が、前記金属−有機マトリックス材料のコアの外側表面の少なくとも一部を覆う一又はそれ以上のコーティング剤又はコーティング層を含み、該一又はそれ以上のコーティング剤又はコーティング層が、金属酸化物ポリマー脂質単層脂質二重層、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のナノスケール粒子。

請求項10

前記光増感剤が単数又は複数のコーティング層に共有結合で連結する、請求項9に記載のナノスケール粒子。

請求項11

金属−有機マトリックス材料のコアがピロリピッドを含む脂質二重層又は脂質単層で被覆され、該ピロリピッドがポルフィリン又はその誘導体又はその類似体共有的に連結した脂質である、請求項10に記載のナノスケール粒子。

請求項12

前記脂質二重層又は脂質単層が、さらに、コレステロール、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウムプロパンDOAP)、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DOPC)、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスフェートDOPA)、及びペグ化DSPEのうちの一又はそれ以上を含む請求項11に記載のナノスケール粒子。

請求項13

前記ナノスケール粒子の直径が90nm〜180nmの間である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のナノスケール粒子。

請求項14

請求項1〜13のいずれか一項に記載のナノスケール粒子及び薬学的に許容される担体を含む医薬製剤

技術分野

0001

本発明は、2013年11月6日に出願された米国仮特許出願第61/900698の利益を主張する。その開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、国立衛生研究所によって授与された助成金番号U01-CA151455の下で、米国政府支援を受けて行われた。そのため、米国政府は本発明に一定の権利を有する。
本発明は、二又はそれ以上の治療用薬剤を共送達するための、ナノスケール配位高分子NCP)(金属−有機フレームワーク(MOF)又はナノスケール金属−有機フレームワーク(NMOFs)を含む)のような、金属−有機マトリックス材料に基づくナノ輸送体プラットフォームを提供する。いくつかの実施態様において、このプラットフォームは、強化された抗癌治療のために、化学療法薬剤(例えば、小分子及び/又は非核酸化学療法用薬剤)及び核酸(例えば、低分子干渉RNA、マイクロRNAは、アンチセンスオリゴヌクレオチド、及びDNA)を共送達するためのものである。いくつかの実施態様において、このプラットフォームは、化学療法及び光線力学療法(PDT)の併用ために、化学療法用薬剤と光増感剤を共送達するためのものである。いくつかの実施態様において、このプラットフォームは、癌などの疾患を治療するために、一又はそれ以上のsiRNAを送達するために使用される。

背景技術

0002

癌などの疾患の治療に使用するために、核酸に大きな関心が寄せられている。癌治療における核酸の潜在力にもかかわらず、低分子干渉RNA(siRNA)及びマイクロRNA(miRNA)のような核酸には限界がある。第一に、これらの核酸は、至る所にある酵素による分解を受けやすい。第二に、核酸(例えば、siRNA及びmiRNA)の効果は、通常、一時的である。第三に、核酸は、それ自体で細胞に入ることができず、既存の送達システムは、送達効率が低く、又は全身投与後体内の循環を続けることができない。

0003

光線力学療法(PDT)は、抗癌治療の効果的な選択肢でもあり得る。光線力学療法(PDT)は、腫瘍局在化光増感剤(PS)の投与、それに続く、光活性化による高細胞傷害性活性酸素種(ROS)(特に一重項酸素(1O2))の生成、を含み、これは細胞のアポトーシス及びネクローシスを誘発する。光線力学療法(PDT)は、この光増感剤(PS)及び腫瘍領域への露光の両方を局在化することにより、局所組織を維持しながら、選択的に腫瘍細胞死滅させることができる。光線力学療法(PDT)は、頭頸部腫瘍乳癌婦人科腫瘍脳腫瘍結腸直腸癌中皮腫、及び膵臓癌を含む多くの異なる種類の癌の患者を治療するために使用されている。光線力学療法(PDT)は、周囲組織に引き起こす破壊が少なく、審美的及び機能的障害を減少させるので、頭頸部の癌を治療するための光線力学療法(PDT)の使用は、従来の治療法、例えば、外科手術及び照射に比べて、特に有利である。PHOTOFRIN(R)、VERTEPORFIN(R)、FOSCAN(R)、PHOTOCHLOR(R)及びTALAPORFIN(R)などのポルフィリン分子は、光線力学療法(PDT)のために最も一般的に使用される光増感剤(PS)の一つである。これらは活性酸素種(ROS)生成のための効率的な光化学機能を持っているが、全身投与後にこれらは腫瘍に蓄積するので、診療所での光線力学療法(PDT)の有効性を制限してしまう。

発明が解決しようとする課題

0004

従って、核酸及び光増感剤(PS)の両方の送達(例えば、標的送達)を改良するために、付加的な送達媒体に対する継続的な必要性が存在する。特に、治療効果を高めるために(例えば、複数の作用機序を介して癌を治療して、薬剤耐性を克服するために)、核酸又は光増感剤(PS)を、他の治療用薬剤(例えば、非核酸/非光増感剤(PS)化学療法用薬剤)と組み合わせて、送達することができる送達媒体に対する必要性がある。
従って、本発明の一つの目的は、複数の治療用薬剤(例えば、抗癌治療用薬剤)を共送達するための送達剤、この送達剤を含む医薬組成物、この送達剤の使用法、及びこの送達剤の製法を提供することである。
本発明の一つの目的は、上記で述べたとおりであり、本発明によって全体的に又は部分的に達成され、他の目的は、説明が進むにつれて、以下に最良に記載された添付の図面及び実施例と関連して理解された場合に、明らかになるであろう。

課題を解決するための手段

0005

いくつかの実施態様において、本発明は、複数の治療用薬剤を共送達するためのナノスケール粒子であって、
(a)金属−有機マトリックス材料を含むコア(任意に、該金属−有機マトリックス材料が配位高分子を含む);及び
(b)複数の治療用薬剤、(任意に、該複数の治療用薬剤が
(i)少なくとも二つの化学療法用薬剤(例えば、少なくとも二つの非核酸化学療法用薬剤);
(ii)少なくとも二つの核酸治療用薬剤(例えば、低分子干渉リボ核酸(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASODNs)、又はこれらの組み合わせ);
(iii)少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤及び少なくとも一つの核酸治療用薬剤;又は
(iv)少なくとも一つの化学療法用薬剤(例えば、少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤)及び少なくとも一つの光増感剤、から成る)
を含むナノスケール粒子を提供する。

0006

いくつかの実施態様において、この複数の治療用薬剤は、前記金属−有機マトリックス材料のコアに組み込まれた少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤を含み、任意に、該少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤が、共有結合又は配位結合を介して該金属−有機マトリックス材料のコアに組み込まれる。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤は、シスプラチン若しくはオキサリプラチンプロドラッグゲムシタビンメトトレキサートロイコボリンペメトレキセド二ナトリウムドキソルビシンビンブラスチンビンクリスチンビンデシンシタラビンアザチオプリンメルファランイマチニブアナストロゾールレトロゾールカルボプラチンパクリタキセルドセタキセルエトポシド、及びビノレルビンからなる群から選択される。いくつかの実施態様において、この複数の治療用薬剤は、この金属−有機マトリックス材料のコアに組み込まれた少なくとも二つの化学療法用薬剤を含む。

0007

いくつかの実施態様において、この複数の治療用薬剤は、少なくとも一つの核酸を含み、任意に該少なくとも一つの核酸が、siRNA、miRNA、又はASODNである。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの核酸は、該核酸上のリン酸基と前記コアの外表面上の金属イオンとの間の配位結合を介して、前記金属−有機マトリックス材料のコアに連結する。
いくつかの実施態様において、この金属−有機マトリックス材料のコアは、Zr6(μ3−O)4(μ3−OH)4及びジカルボキシレート架橋リガンドを含み、任意に、該ジカルボキシレート架橋リガンドがアミノ置換基を含む。いくつかの実施態様において、このジカルボキシレート架橋リガンドは、アミノ−トリフェニルジカルボン酸である。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤は、このジカルボキシレート架橋リガンド上の置換基に共有結合で連結する。

0008

いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの核酸治療用薬剤は、前記金属−有機マトリックス材料のコアの外表面上の金属イオンに配位結合を介して連結する。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤は、ジカルボキシレート架橋リガンドへの共有結合を介して、前記金属−有機マトリックス材料のコア中の孔に組み込まれ、かつ前記少なくとも一つの核酸が、前記金属−有機マトリックス材料のコアの外表面上の金属イオンとの配位結合を介して、該金属−有機マトリックス材料のコアの外側表面に連結する。
いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの核酸は、サバイビンsiRNA、ERCC−1 siRNA、P糖タンパク質siRNA(P−gp siRNA)、Bcl−2 siRNA、又はこれらの混合物、からなる群から選択される。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤は、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグである。いくつかの実施態様において、この非核酸化学療法用薬剤は、シス,シス,トランス−Pt(NH3)2Cl2(OEt)(O2CCH2CH2COOH)であり、任意に、前記コアは前記非核酸化学療法用薬剤を約10重量%〜約50重量含む。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの核酸は、サバイビンsiRNA、ERCC−1 siRNA、及びBcl−2 siRNAの混合物である。

0009

いくつかの実施態様において、このナノスケール粒子の平均直径は約20nm〜約140nmの間である。
いくつかの実施態様において、このナノスケール粒子は、さらに前記金属−有機マトリックス材料のコアの外側表面の少なくとも一部を覆う一又はそれ以上のコーティング剤又はコーティング層を含み、該一又はそれ以上のコーティング剤又はコーティング層が、金属酸化物ポリマー脂質単層脂質二重層、及びそれらの組み合わせから選択され、前記少なくとも一つの核酸が、共有結合又は非共有結合でコーティング剤又はコーティング層に連結する。いくつかの実施態様において、この金属−有機マトリックス材料のコアは、カチオン性脂質及び/又は官能化脂質を含む脂質二重層で被覆され、該官能化脂質が核酸に結合することができる置換基で官能化された脂質であり、かつ少なくとも一つの核酸が、共有結合で該官能化脂質に結合する及び/又は静電相互作用を介してカチオン性脂質に連結する。

0010

いくつかの実施態様において、この脂質二重層は、チオール官能化又はジチオール官能化1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE)、1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウムプロパンDOAP)及び1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DOPC)のうちの一又はそれ以上を含む混合物から成る。いくつかの実施態様において、この一又はそれ以上のコーティング剤又はコーティング層は、さらに、親水性ポリマーのような、不動態化剤;RGDペプチドのような標的剤;及び/又は蛍光部分のようなイメージング剤を含む。いくつかの実施態様において、この脂質二重層は、更に、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスフェートDOPA)、コレステロール、及びPEG化−DSPEのうちの一又はそれ以上を含む。
いくつかの実施態様において、この金属−有機マトリックス材料のコアは、多価金属イオンビスホスホネートを含む金属ビスホスホネート配位高分子を含む。いくつかの実施態様において、この多価金属イオンは、Ca2+、Mg2+、Mn2+、Zn2+、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。

0011

いくつかの実施態様において、このビスホスホネートは、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグのような、化学療法用プロドラッグである。いくつかの実施態様において、このビスホスホネートは、シス,シス,トランス−[Pt(NH3)2Cl2(OH)2]又はシス,トランス−[Pt(dach)Cl2(OH)2]のビスホスホネートエステルである。いくつかの実施態様において、この金属イオンはZn2+である。いくつかの実施態様において、この金属−有機マトリックス材料のコアは、ビスホスホネートを約40〜約50重量%の間含む。いくつかの実施態様において、この粒子は、さらに、脂質単層又は脂質二重層のコーティングを含み、任意に、サバイビンsiRNA、P−gp siRNA、及びBcl−2 siRNAのうちの一又はそれ以上が該コーティングに連結する。いくつかの実施態様において、このナノスケール粒子の直径は約20nm〜約180nmの間である。

0012

いくつかの実施態様において、本発明は、それを必要とする患者における癌を治療する方法であって、ナノスケール粒子を含む組成物を患者に投与することを含む方法を提供し、このナノスケール粒子は、(a)金属−有機マトリックス材料を含むコア(任意に、該金属−有機マトリックス材料が配位高分子を含む);及び(b)複数の治療用薬剤、(任意に、該複数の治療用薬剤が(i)少なくとも二つの化学療法用薬剤(例えば、少なくとも二つの非核酸化学療法用薬剤);(ii)少なくとも二つの核酸治療用薬剤(例えば、低分子干渉リボ核酸(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASODNs)、又はこれらの組み合わせ);(iii)少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤及び少なくとも一つの核酸治療用薬剤;又は(iv)少なくとも一つの化学療法用薬剤(例えば、少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤)及び少なくとも一つの光増感剤、から成る)を含む。いくつかの実施態様において、このナノスケール粒子は、少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤及び少なくとも一つの核酸を含む。

0013

いくつかの実施態様において、このコアは、(i)Zr6(μ3−O)4(μ3−OH)4及びジカルボキシレート架橋リガンドを含む材料、任意に、該ジカルボキシレート架橋リガンドはアミノ置換基を含む、又は(ii)金属ビスホスホネート配位ポリマー、である。
いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤は、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグであり、かつ前記少なくとも一つの核酸は、サバイビンsiRNA、ERCC−1 siRNA、P−gp siRNA、Bcl−2 siRNA、及びこれらの組み合わせ、からなる群から選択される。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの核酸は、サバイビンsiRNA、ERCC−1 siRNA、P−gp siRNA、及びBcl−2 siRNAの混合物である。
いくつかの実施態様において、この癌は、肺癌、膵臓癌、卵巣癌、乳癌及び結腸癌から選択される。いくつかの実施態様において、この癌は卵巣癌であり、任意に、シスプラチン耐性卵巣癌である。

0014

いくつかの実施態様において、本発明は、このナノスケール粒子を製造する方法であって、(a)金属イオンを含有するマイクロエマルジョンを、ビスホスホネートを含有するマイクロエマルジョンと接触させ、任意に、該ビスホスホネートが、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグであって、それによって金属ビスホスホネート配位高分子ナノ粒子を形成する段階、(b)(a)段階で形成したナノ粒子を、カチオン性脂質及び/又は官能化脂質を含有する溶液中に分散させ、カチオン性脂質でコーティングされた及び/又は官能化脂質コーティングされたナノ粒子を形成する段階、及び(c)該脂質でコーティングされたナノスケール粒子を、少なくとも一つの核酸を含む溶液と接触させる段階、から成る方法を提供する。
いくつかの実施態様において、このビスホスホネートマイクロエマルションは、さらに脂質を含み、任意に、該脂質がDOPAである。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの核酸は、サバイビンsiRNA、ERCC−1 siRNA、P−gp siRNA、Bcl−2 siRNA、及びこれらの組み合わせ、から選択される。

0015

いくつかの実施態様において、本発明は、このナノスケール粒子を製造する方法であって、(a)Zr化合物、任意にZrCl4の溶液を、ジカルボン酸、任意にアミノ−トリフェニルジカルボン酸を含む溶液、と接触させ、それによって金属−有機マトリックス材料ナノ粒子コアを形成する段階、(b)該ナノ粒子コアを、非核酸化学療法用薬剤を含む溶液と接触させ、該非核酸化学療法用薬剤が、カルボン酸置換基を含み、任意に該非核酸化学療法用薬剤を含む溶液が、更にジイミダゾールを含み、それによって化学療法用官能化金属−有機マトリックス材料ナノ粒子を形成する段階、及び(c)該化学療法用官能化金属−有機マトリックス材料を、一又はそれ以上の核酸を含む溶液と接触させる段階、から成る方法を提供する。
いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの核酸は、サバイビンsiRNA、ERCC−1 siRNA、P−gp siRNA、Bcl−2 siRNA、及びこれらの組み合わせ、から選択される。いくつかの実施態様において、この非核酸化学療法用薬剤は、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグであり、任意に、シス,シス,トランス−Pt(NH3)2Cl2(OEt)(O2CCH2CH2COOH)である。

0016

いくつかの実施態様において、本発明は、ナノスケール粒子及び薬学的に許容される担体を含む医薬製剤を提供し、このナノスケール粒子は、(a)金属−有機マトリックス材料を含むコア(任意に、該金属−有機マトリックス材料が配位高分子を含む);及び(b)複数の治療用薬剤、(任意に、該複数の治療用薬剤が(i)少なくとも二つの化学療法用薬剤(例えば、少なくとも二つの非核酸化学療法用薬剤);(ii)少なくとも二つの核酸治療用薬剤(例えば、低分子干渉リボ核酸(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASODNs)、又はこれらの組み合わせ);(iii)少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤及び少なくとも一つの核酸治療用薬剤;又は(iv)少なくとも一つの化学療法用薬剤(例えば、少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤)及び少なくとも一つの光増感剤、から成る)を含む。

0017

いくつかの実施態様において、本発明は、複数の治療用薬剤を共送達するためのナノ粒子であって、(a)金属−有機マトリックス材料を含むコア(任意に、該金属−有機マトリックス材料が配位高分子を含む);及び(b)少なくとも一つの化学療法用薬剤及び少なくとも一つの光増感剤を含む、複数の治療用薬剤、から成るナノ粒子を提供する。
いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの化学療法用薬剤は、前記金属−有機マトリックス材料のコアに組み込まれた一つの非核酸化学療法用薬剤であり、任意に、該非核酸化学療法用薬剤は、共有結合又は配位結合を介して該金属−有機マトリックス材料のコアに組み込まれる。いくつかの実施態様において、この化学療法用薬剤は、シスプラチン若しくはオキサリプラチンのプロドラッグ、ゲムシタビン、メトトレキサート、ロイコボリン、ペメトレキセド二ナトリウム、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、シタラビン、アザチオプリン、メルファラン、イマチニブ、アナストロゾール、レトロゾール、カルボプラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、エトポシド、及びビノレルビンからなる群から選択される。

0018

いくつかの実施態様において、この化学療法用薬剤は、ビスホスホネートシスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグであり、かつ前記金属−有機マトリックス材料のコアが、多価金属イオンを含む金属ビスホスホネート配位高分子及び該ビスホスホネートシスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグを含む。いくつかの実施態様において、この多価金属イオンは、Ca2+、Mg2+、Mn2+、Zn2+、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施態様において、このビスホスホネートシスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグは、シス,シス,トランス−[Pt(NH3)2Cl2(OH)2]のビスホスホネートエステルである、及び/又はこの多価金属イオンはZn2+である。
いくつかの実施態様において、このナノスケール粒子は、前記金属−有機マトリックス材料のコアの外側表面の少なくとも一部を覆う一又はそれ以上のコーティング剤又はコーティング層を含み、該一又はそれ以上のコーティング剤又はコーティング層が、金属酸化物、ポリマー、脂質単層、脂質二重層、及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施態様において、この光増感剤は単数又は複数のコーティング層に共有結合で連結する。

0019

いくつかの実施態様において、この金属−有機マトリックス材料のコアは、ピロリピッドを含む脂質二重層又は脂質単層で被覆され、該ピロリピッドがポルフィリン又はその誘導体又はその類似体共有的に連結した脂質である。いくつかの実施態様において、この
脂質二重層又は脂質単層は、さらに、コレステロール、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP)、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DOPC)、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート(DOPA)、及びペグ化DSPEのうちの一又はそれ以上を含む。
いくつかの実施態様において、このナノスケール粒子の直径は約90nm〜約180nmの間である。

0020

いくつかの実施態様において、本発明は、ナノスケール粒子及び薬学的に許容される担体を含む医薬製剤を提供し、このナノスケール粒子は、複数の治療用薬剤を共送達するためのナノスケール粒子であって、(a)金属−有機マトリックス材料を含むコア(任意に、該金属−有機マトリックス材料が配位高分子を含む);及び(b)複数の治療用薬剤、(任意に、該複数の治療用薬剤が、少なくとも一つの化学療法用薬剤及び少なくとも一つの光増感剤、から成る)を含む。

0021

いくつかの実施態様において、本発明は、それを必要とする患者における癌を治療する方法であって、ナノスケール粒子を含む組成物を該患者に投与する段階、及び該患者又は該患者の治療領域を、前記光増感剤を活性化するのに適した波長放射線で照射する段階、を含む方法を提供し、このナノスケール粒子は、複数の治療用薬剤を共送達するためのナノスケール粒子であって、(a)金属−有機マトリックス材料を含むコア(任意に、該金属−有機マトリックス材料が配位高分子を含む);及び(b)複数の治療用薬剤、(任意に、該複数の治療用薬剤が、少なくとも一つの化学療法用薬剤及び少なくとも一つの光増感剤、から成る)を含む。
いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの化学療法用薬剤は、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグである。いくつかの実施態様において、この癌は頭頸部癌であり、任意に該頭頸部癌はシスプラチン抵抗性である。

0022

いくつかの実施態様において、本発明は、このナノスケール粒子を製造する方法であって、(a)金属イオンを含有するマイクロエマルジョンを、ビスホスホネートを含有するマイクロエマルジョンと接触させ、任意に、該ビスホスホネートが、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグであって、それによって金属ビスホスホネート配位高分子ナノ粒子を形成する段階、及び(b)(a)段階で形成したナノ粒子を、ピロリピッドを含む溶液中に分散させ、ピロリピッドでコーティングされたナノ粒子を形成する段階、から成る方法を提供する。いくつかの実施態様において、このピロリピッドを含む溶液は、更に、一又はそれ以上の追加の脂質コーティング成分を含み、任意に、該ピロリピッドを含む溶液が、更に、コレステロール、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、及び1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE)を含む。

図面の簡単な説明

0023

本発明のある実施態様による、複数の治療用薬剤を共送達するためのナノ粒子を示す概略図である。この複数の治療用薬剤は、ナノスケール配位高分子(NCP)ナノ粒子コアを取り囲む脂質二重層コーティング中の脂質に共有結合で連結した少なくとも一つの治療用核酸(例えば、DNA、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA又はアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASODN))を含む。小分子化学療法用薬剤のような追加の治療用薬剤を、NCPコアに埋め込むことができる。
本発明のある実施態様による、複数の治療用薬剤を共送達するためのナノ粒子を示す概略図である。この複数の治療用薬剤は、ナノスケール配位高分子(NCP)ナノ粒子コアを取り囲むコーティング中の脂質中の帯電基に非共有結合で連結した少なくとも一つの治療用核酸(例えば、DNA、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA又はアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS ODN))を含む。小分子化学療法用薬剤のような追加の治療用薬剤を、NCPコアに埋め込むことができる。
図3aは、透過型電子顕微鏡(TEM)像を示し、粒子の形態を示す。図3bは、細胞のsiRNAの取り込みを示すグラフである。図3cは、シスプラチン及びsiRNAsのプール(ヒト卵巣癌細胞におけるBcl-2、P-gp及びサバイビンを標的とするsiRNAsを含む)を運搬するナノスケール配位高分子ナノ粒子の細胞内Ptの取り込みを示すグラフである。このナノ粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)によれば直径が〜20nmの球状であり、単分散する。siRNA及びシスプラチンの取り込みは、ナノ粒子に組み込まれた後に顕著に促進された。
シスプラチン用量110mg/kg及びsiRNA用量0.25mg/kgで、週一回で合計3回の腫瘍内注射を施した場合の、ナノスケール配位高分子ナノ粒子のin vivo抗腫瘍効果を示す一連のグラフである。このナノ粒子は、SKOV-3皮下異種移植マウスモデル上に、シスプラチン並びにBcl-2、P-GP及びサバイビンを標的とするsiRNAを含む3つのsiRNAの組み合わせを運搬する。(a)は、腫瘍成長曲線を示す。(b)は、腫瘍組織における遺伝子発現タンパク質レベルにより示す。(c)は、定量的TUNELアッセイによる腫瘍部位におけるアポトーシス細胞の割合(%)を示す。
図5aは、グルタチオン(GSH)の添加による還元環境中のsiRNA放出を示す。図5b-dは、シスプラチンとBcl-2及びサバイビンを標的とするチオールsiRNAを運搬するナノスケール配位高分子ナノ粒子により媒介される遺伝子サイレンシングを示す。
5日間までの様々な期間(x軸)の、ヒト卵巣癌(SKOV-3)細胞における、サバイビン(右下)、Bcl-2(上)及びP糖タンパク質(P-gp、左下)の相対的な発現レベルを示す。siRNA濃度は0.75ナノモル(nM)である。このヒト卵巣癌(SKOV-3)細胞は、シスプラチンのプロドラッグが埋め込まれ、その粒子コアを取り囲む脂質二重層(NCP-1/プールされた低分子干渉RNA(siRNA)、四角)又はLIPOFECTAMINE(R) RNAiMAX(丸)に非共有結合で結合したsiRNAを有する、ナノスケール配位高分子ナノ粒子を用いてトランスフェクトされている。各データポイントは、3回測定の平均を表し、±標準偏差を示すエラーバーを有する。
腹腔内(i.p.)注射を受けたA2780/ CDDP卵巣癌の腹腔内同所性マウスモデルについて、マウス生存曲線を示す。実線は、リン酸緩衝生理食塩水PBS;対照)の注射を示し、長い破線は、シスプラチンのプロドラッグを含む脂質二重層で覆われたナノスケール配位高分子粒子(NCP-1)の注射を示し、短い破線は、同じ粒子であるが、脂質二重層中の脂質に共有結合で連結した低分子干渉RNA(siRNA)を含む粒子(NCP-1/チオール-siRNA)の注射を示す。データは、各グループあたり3匹のマウスの代表のものを示す。
図8aは、粒子形態の透過型電子顕微鏡(TEM)像を示す(バー=100nm)。図8bは、シスプラチン放出のグラフを示す。図8cは、シスプラチンとゲムシタビン並びにBcl-2及びサバイビンを標的とするsiRNAを運搬するナノスケール配位高分子ナノ粒子からのゲムシタビン(GMP)の放出を示す。このナノ粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)によれば直径が〜20nmの球状で、単分散する。シスプラチン放出は、還元剤システインの存在下で促進された。ゲムシタビン(GMP)は、このナノ粒子から放出され得る。
図9aは、粒子形態の透過型電子顕微鏡(TEM)像を示す。図9bは、エンドソーム漏出効率を示す。図9cは、非毒性Pten化合物及びサバイビンを標的とするチオールsiRNAを運搬するPten-NCPナノ粒子の二酸化炭素生成機構を示す。Pten-NCPは、透過型電子顕微鏡(TEM)によれば直径が〜15nmの球状で、単分散する。siRNAは、Pten-NCPに組み込まれた後、細胞に入る際にエンドソーム脱出から効率的に脱出することができる。図9bは、共焦点レーザー走査顕微鏡で観察した、siRNA及びエンドソームからの蛍光の共局在の割合を示す。Ptenは、一つのPt(en)2を放出するときに、細胞内で二つの二酸化炭素分子を放出し、効率的なエンドソーム脱出を容易にする。
図10aは、H460細胞の毒性を示す。図10bは、ヒト卵巣A2780/CDDP細胞における、非毒性PtenとBcl-2及びサバイビンを標的とするチオールsiRNAを運搬するPten-NCP粒子の遺伝子サイレンシング効率を示す。
本発明のある実施態様による、複数の治療用薬剤を共送達するためのナノ粒子を示す概略図である。この複数の治療用薬剤は、ナノスケール配位高分子(NCP)ナノ粒子コアを取り囲むコーティング中の脂質に共有結合で連結した光線力学療法のための光増感剤部分を含む。小分子化学療法用薬剤のような追加の治療用薬剤を、NCPコアに埋め込むことができる。

発明を実施するための最良の形態

0024

本発明は、以下で代表的な実施態様が示される実施例を参照して詳細に説明される。しかし、ここで開示される本発明は、異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載された実施態様に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実 施態様は、この開示が徹底的かつ完全となり、当業者に十分に実施態様の範囲を伝えるように、提供される。
別段定義しない限り、本明細書中で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似又は同等の如何なる方法、装置及び材料も、開示された本発明の実施又は試験に用いることができるが、代表的な方法、装置及び材料を以下に示す。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、その全体が参考として援用される。
明細書及び特許請求の範囲を通して、与えられた化学式又は名称は、そのような異性体及びそれらの混合物が存在する、すべての光学異性体及び立体異性体並びにラセミ混合物包含するものとする。

0025

本明細書では以下の略語が用いられる:
℃=摂氏度、%=パーセント、μl=マイクロリットル、μM=マイクロモル、ASODN=アンチセンスオリゴヌクレオチド、BSA=ウシ血清アルブミン、cisPt=シスプラチン、cm=センチメートル、DLS=動的光散乱DMFジメチルホルムアミドDMSO=ジメチルスルホキシド、DOPA=1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート、DOPC=1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、DOPE=ジオレオイルL-α-ホスファチジルエタノールアミン、DOTAP=1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン、DSPE-PEG2K=1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[アミノ(ポリエチレングリコール)2000]、EDS=エネルギー分散型X線分光法、EtOH=エタノール、g=グラム、h=時間、IC50=50%阻害濃度、ICP-MS=誘導結合プラズマ質量分析法、kg=キログラム、mg=ミリグラム、min=分、miRNA=マイクロリボ核酸、mLで=ミリリットル、mMの=ミリモル、mmol=ミリモル、Mn=マンガン、MOF=金属−有機フレームワーク、MRI磁気共鳴イメージング、NCP=ナノスケール配位高分子、nm=ナノメートル、NMOF=ナノスケール金属−有機フレームワーク、NMR核磁気共鳴、MW=分子量、PBS=リン酸緩衝生理食塩水、PDI多分散指数、PDT=光線力学的療法、PEG=ポリエチレングリコール、PET=陽電子放射断層撮影、PS=光増感剤、Pt=白金プラチナPVP=ポリビニルピロリドン、r=半径、RES細網内皮系、RGD=アルギニン-グリシン-アスパラギン酸、RNAi=リボ核酸干渉、rpm=回転数/分、SBU=第二構成単位、siRNA=小干渉リボ核酸SPECT=単光子放出コンピュータ断層撮影、TEM=透過型電子顕微鏡、Zn=亜鉛

0026

I.定義
以下の用語は、当業者によって理解されると考えられるが、本発明の説明を容易にするために以下の定義を記載する。
長年の特許法の慣習に基づいて、用語「一つ(a、an)」及び「この、その(The)」は特許請求の範囲を含む本明細書中で使用する「一又はそれ以上」を意味する。従って、例えば、「一つの金属イオン」は、複数のこのような金属イオンを含む。
特に断らない限り、大きさ、反応条件など明細書及び特許請求の範囲で使用される量を表す全ての数字は全ての場合用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。従って、特に断らない限り、本明細書に記載された数値パラメータ及び添付の特許請求の範囲は、本発明によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。
本明細書で用いられる「約」という用語は、数値、サイズ(例えば、直径)、重量、濃度、又は割合(%)に言及する場合、特定された量から、ある例では±20%、他の例では±10%、また他の例では±5%、更に他の例では±0.1%の変動を包含する。このような変動は、開示された方法を実施するのに適切である。

0027

本明細書で用いられる「及び/又は」は、実在物リストするときに使用される場合、単独で又は組み合わせて存在する実在物を意味する。従って、例えば、「A、B、C、及び/又はD」と記載されている場合、個別のA、B、C、及びDを含むだけでなく、A、B、C、及びDの任意の及び全ての組み合わせ及びサブコンビネーションを含む。

0028

「comprising(から成る)」は、「including(含む)」、「containing(含む)」又は「characterized by(により特徴付けられる)」と同様に、包含的又は制約が無く、付加的な、非列挙の要素又は方法段階を排除しない。「comprising(から成る)」は、名付けられた要素は必須であるが、他の要素も加えることが可能であり、それでも特許請求の範囲の範囲内の構成物又は方法を形成することができることを意味する用語である。
本明細書で用いる成句「consisting of(のみから成る)」は、請求の範囲に明記してない全ての要素、段階又は内容物を除外する。成句「consist of(のみから成る)」が、プレアンブルに直ちに続かないで、請求の範囲の本体に現れる場合、示された要素のみに限定されるが、他の要素は、全体として請求の範囲から排除されない。
本明細書で用いる成句「consisting essentially of(本質的に、から成る)」は、請求範囲を、明記した材料又は段階に限定して、さらに請求範囲の発明事項の基本的及び新規の特徴に実質的に影響しない材料又は段階を限定する。
「comprising(から成る)」、「consisting of(のみから成る)」及び「consisting essentially of(本質的に、から成る)」に関して、これらの3種の用語の1種が本明細書で用いられた時、本発明は、他の2種の用語のいずれかの使用を含めることができる。

0029

本明細書で用いる「アルキル基」は、例えば、メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基ヘキシル基、オクチル基、エテニル基プロペニル基ブテニル基ペンテニル基ヘキセニル基、オクテニル基、ブタジエニル基、プロピニル基ブチニル基、ペンチニル基ヘキシニル基、ヘプチニル基及びアレニル基を含む、線状(即ち、「直鎖」)、分枝状又は環状、飽和又は少なくとも部分的に飽和、及び幾つかの場合、完全不飽和の(即ち、アルケニル基及びアルキニル基炭化水素鎖を含む、C1〜20を表わす。「分枝状」は、メチル基、エチル基、又はプロピル基のような、低級アルキル基が、直鎖アルキル鎖に付加したアルキル基を表す。「低級アルキル基」は、1から8炭素原子(即ちC1〜8アルキル基)例えば、1,2,3,4,5,6,7又は8炭素原子、を有するアルキル基を表す。「高級アルキル基」は、約10から約20炭素原子、例えば、10,11,12,13,14,15,16,17,18,19又は20炭素原子、を有するアルキル基を表わす。ある態様において、「アルキル基」は、特に、C1〜8直鎖アルキル基を表す。他の態様において、「アルキル基」は、特に、C1〜8分枝状鎖アルキル基を表す。

0030

アルキル基を、任意に、同一又は異なる、1以上のアルキル置換基により置換することができる(「置換アルキル基」)。「アルキル基の置換基」は、アルキル基、置換アルキル基、ハロ基アリールアミノ基アシル基水酸基アリールオキシル基アルコキシル基アルキルチオ基アリールチオ基アラルキルオキシル基、アラルキルチオ基カルボキシル基アルコキシカルボニル基オキソ基、及びシクロアルキル基を含むが、これ等に限定されない。いくつかの実施態様において、これ等は、任意に、アルキル鎖に沿って、1以上の酸素原子イオウ原子又は置換又は非置換窒素原子、を挿入することができて、ここで窒素置換基は、水素原子、低級アルキル基(本明細書では、「アルキルアミノアルキル基」とも表わす)又はアリール基である。
従って、本明細書で用いる「置換アルキル基」は、本明細書で定義した、アルキル基を含み、このアルキル基中で、アルキル基の官能基の1以上の原子が、例えば、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン、アリール基、置換アリール基、アルコキシル基、ヒロドキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基ジアルキルアミノ基硫酸基、及びメルカプト基を含む、他の原子又は官能基に置換される。

0031

本明細書で用いられる「アリール基」は、共有結合により結合した、又はメチレン基又はエチレン基部分のような、しかしこれ等に限定されない、一般的な置換基に結合した、単一芳香族環又は互いに融合した多芳香族環であることができる芳香族置換基を表すために用いられる。一般的な結合置換基はまた、ベンゾフェノンのようなカルボニル基ジフェニルエーテルにおける様な酸素ジフェニルアミンにおける様な窒素であることができる。「アリール基」は、特に、複素環芳香族化合物を包含する。芳香族環(複数もあり)は、とりわけ、フェニル基ナフチル基ビフェニル基ジフェニルエーテル基、ジフェニルアミン基、及びベンゾフェノン基を含むことができる。特別の態様において、「アリール基」は、約5から約10炭素原子、例えば、5,6,7,8,9又は10炭素原子、を含む、及び5−及び6−員炭化水素及び複素環芳香族環基を含む、環状芳香族基を意味する。

0032

アリール基は、任意に同一又は異なる1以上の「アリール基の置換基」で置換されることができ、この「アリール基の置換基」には、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、水酸基、アルコキシル基、アリールオキシル基、アラルキルオキシル基、カルボキシル基、アシル基、ハロ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基アラルコキシカルボニル基アシルオキシ基アシルアミノ基アロイルアミノ基、カルバモイル基アルキルカルバモイル基ジアルキルカルバモイル基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アルキレン基、及びNR'R''(ここでR'及びR''は、独立してハロゲン基、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基及びアラルキル基であることができる)が含まれる。
従って、本明細書で用いる「置換アリール基」は、1以上の原子又はアリール基の官能基が、例えば、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン、アリール基、チカンアリール基、アルコキシル基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、硫酸基、及びメルカプト基を含む、他の原子又は官能基と、置換される、本明細書で定義した、アリール基を含む。
アリール基の特別の例は、シクロペンタジエニル基、フェニル基、フラン基、チオフェン基ピロール基ピラン基、ピリジン基イミダゾール基ベンズイミダゾール基イソチアゾール基、イソキサゾール基、ピラゾール基、ピラジン基、トリアジン基ピリミジン基、キノリン基、イソキノリン基、インドール基カルバゾール基、等々を含むが、これ等に限定されない。

0033

本明細書で用いられる「ヘテロアリール」は、環構造骨格中に一又はそれ以上の非炭素原子(例えば、O、N、S、Se等)を含むアリール基を意味する。窒素含有ヘテロアリール部分には、ピリジンイミダゾールベンズイミダゾール、ピラゾール、ピラジン、トリアジン、ピリミジンなどが含まれるが、これらに限定されない。
「アラルキル基」は−アルキル−アリール基を表し、任意にこのアリール基及び/又はアルキル基は置換されている。
アルキレン」は、1〜約20個の炭素原子、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の2価の脂肪族炭化水素基を意味する。このアルキレン基は、直鎖状、分岐状又は環状であってもよい。このアルキレン基はまた、必要に応じて、不飽和であっても及び/又は1若しくはそれ以上の「アルキル置換基」で置換されてもよい。このアルキレン基には、必要に応じて、一若しくはそれ以上の酸素、硫黄又は置換若しくは非置換の窒素原子(「アルキルアミノアルキル」とも呼ぶ)が挿入されていてもよく、この窒素の置換基は、上記のようにアルキルである。典型的なアルキレン基としては、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2-CH2-)、プロピレン(-(CH2)3-)、シクロヘキセン(-C6H10-)、-CH=CH-CH=CH-、-CH=CH-CH2-、-(CH2)q-N(R)-(CH2)r-(式中、q及びrはそれぞれ独立に0〜約20の整数、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7 、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20であり、Rは水素原子又は低級アルキルである。)、メチレンジオキシ(-O-CH2-O-)、及びエチレンジオキシ(-O-(CH2)2-O-)が挙げられる。アルキレン基は、約2〜約3個の炭素原子を有してもよく、さらに、6〜20個の炭素を有してもよい。

0034

用語「アリーレン」は、二価芳香族基を意味し、例えば、二価のフェニル又はナフチル基を意味する。このアリーレン基は、任意に一又はそれ以上のアリール置換基で置換されてもよいし、及び/又は一又はそれ以上のヘテロ原子を含んでもよい。
用語「アミノ」は、-N(R)2を意味し、式中、各Rは、独立して、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、又は置換アラルキル基である、用語「アミノアルキル」及び「アルキルアミノ」は、-N(R)2であるとすることができ、式中、各Rは、独立して、水素原子、アルキル基又は置換アルキル基であり、但し、少なくとも一つのRはアルキル基又は置換アルキル基である。「アリールアミン」及び「アミノアリール」は、-N(R)2であり、式中、各Rは、独立して、水素原子、アリール基又は置換アリール基であり、但し、少なくとも一つのRはアリール基又は置換アリール基であり、例えば、アニリン(即ち、-NHC6H5)である。

0035

用語「チオアルキル」は、-SR基を意味することができ、式中、Rは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、及び置換アリール基から選択される。同様に、用語「チオアラルキル」と「チオアリール」は、-SR基を意味し、式中、Rは、それぞれ、アラルキル基及びアリール基である。
用語「ハロ」、「ハロゲン化物」又は「ハロゲン」は、本明細書中で使用される場合、フルオロクロロ、ブロモ、及びヨード基を意味する。
用語「ヒドロキシル/水酸基」は、-OH基を意味する。
用語「メルカプト」又は「チオール」は、-SH基を意味する。
用語「カルボキシレート」及び「カルボン酸」は、それぞれ、-C(=O)O-基及び-C(=O)OH基を意味することができる。いくつかの実施態様において、「カルボキシレート」は-C(=O)O-基又は-C(=O)OH基のいずれかを意味することができる。

0036

用語「ホスホネート」は、-P(=O)(OR)2基を意味し、式中、各Rは、独立して、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、又は負電荷(即ち、現在当該酸素原子に効果的に結合しているR基は無く、その結果この酸素原子上に非共有電子対が存在する)である。従って、別の言い方をすると、各Rは、存在しても存在しなくてもよく、存在する場合は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基から選択される。
用語「シリル」は、ケイ素原子(Si)を含む基を意味する。
用語「シロキサン」は、-Si-O-Si-結合を含む化合物を意味する。
用語「ポリ(シロキサン)」は、本明細書で用いられる場合、式R2SiOで表される高分子基又は化合物を意味し、式中、Rは、水素原子、アルキル基、アラルキル基又はアリール基である。
用語「ポリ(シルセスキオキサン)」は、式RSiO1.5で表される高分子基又は化合物を意味し、式中、Rは、水素原子、アルキル基、アラルキル基又はアリール基である。
用語「脂質」は、疎水性又は両親媒性の低分子を意味してもよく、例えば、脂肪酸リン脂質グリセロ脂質グリセロリン脂質スフィンゴ脂質サッカロ脂質又はポリケチドが挙げられるが、これらに限定されない。

0037

用語「ナノスケール粒子」、「ナノ材料」及び「ナノ粒子」は、少なくとも一つの領域の寸法(例えば、長さ、幅、直径等)が約1,000 nm未満である構造物を意味する。いくつかの実施態様において、この寸法はより小さい(例えば、約500nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約150nm未満、約125nm未満、約100nm未満、約80nm未満、約70nm未満、約60 nm未満、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満、又は約20nm未満)。いくつかの実施形態では、この寸法は約20nm〜約250nmである(例えば、約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、又は250 nm)。
いくつかの実施態様において、このナノ粒子はほぼ球形である。このナノ粒子がほぼ球形である場合、その特徴的な寸法は、球の直径に対応することができる。このナノ材料は、球状に加えて、円盤状、板状(例えば、六角板状)、楕円形多面体、棒状、立方体、又は不規則形であってもよい。

0038

このナノ粒子は、コア領域(即ち、この粒子の外側の間の空間)及び外表面(即ち、粒子の外形寸法を規定する表面)を含むことができる。いくつかの実施態様において、このナノ粒子は、このナノ粒子コアを取り囲む又は部分的に取り囲む一又はそれ以上のコーティング層を有することができる。従って、例えば、球状のナノ粒子は、一又はそれ以上の同心のコーティング層を有することができ、各連続する層は、この粒子の中心により近くより小さい層の外表面上に分散している。本明細書に開示されるナノ粒子は、金属−有機フレームワークマトリックスを含むことができ、これは一又はそれ以上の孔又は中空内部領域を含むことができる。このマトリックスは、非晶質又は結晶質であってもよい。いくつかの実施態様において、このナノ粒子コアは、さらに、一又はそれ以上の光学イメージング剤及び/又は治療薬(例えば、抗癌剤)を含み、これは、このマトリックス内に物理的に捕捉され、このマトリックスの金属イオンに配位し、又は化学的に共有結合又はイオン結合を介して(例えば、マトリックス中のビスホスホネート又は他の有機架橋リガンドに)結合することができる。いくつかの実施態様において、化学療法用薬剤又はそのプロドラッグは、このナノ粒子のコアを形成する金属−有機マトリックス材料中の有機架橋リガンドであってもよい。例えば、このマトリックス材料が金属ビスホスホネート配位ポリマーである場合、このビスホスホネートが化学療法用薬剤又はそのプロドラッグであることができる。

0039

このコアが非マトリックス治療薬及び/又はイメージング剤を含む場合、この薬剤はナノ粒子に「埋め込まれる」と言うことができる。「埋め込む」とは、この粒子のコアの内部(例えば、このマトリックス材料のビスホスホネート、ジカルボン酸、又は金属イオン)に、例えば、共有結合又は配位結合を介して、結合した治療用薬剤又はイメージング剤に関する。代替として、この複合体若しくは薬剤は、コアの孔の内部に「隔離」(即ち、非共有結合的に包含)され、又は水素結合ロンドン分散力、若しくは任意の他の非共有結合性相互作用を介してコア材と相互作用することができる。

0040

用語「高分子」及び「ポリマー」は、繰り返し単位(即ち、所定の化学下位構造体の複数のコピー)を有する化学構造物を意味する。ポリマーは、重合性モノマーから形成することができる。重合性モノマーは、やはり重合性モノマーである他の分子の部分と結合(例えば、共有結合又は配位結合)を形成するように反応することができる一又はそれ以上の部分を含む分子である。一般に、各重合性モノマー分子は、二又はそれ以上の他の分子と結合することができる。いくつかの場合には、重合性モノマーは、高分子材料末端を形成する、唯一の他の分子と結合する。
ポリマーは、有機、又は無機、又はそれらの組み合わせであってもよい。本明細書で用いられる場合、用語「無機」は、炭素、水素、窒素、酸素、硫黄、リン、又はハロゲン化以外の少なくとも幾つかの原子を含む化合物又は組成物を意味する。従って、例えば、無機化合物又は無機組成物は、一又はそれ以上のケイ素原子及び/又は一又はそれ以上の金属原子を含有することができる。

0041

本明細書で用いられる「有機ポリマー」は、その繰り返し単位中に、シリカ又は金属原子を含まない。典型的な有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドン(PVO)、ポリエステルポリアミドポリエーテルポリジエンなどが挙げられる。いくつかの有機ポリマーは、それらが生物学的条件下で経時的に分解することができるように、エステル又はアミドのような生分解性結合を含む。
本明細書中で一般的に使用される用語「親水性ポリマー」は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリメチルオキサゾリンポリエチルオキサゾリンポリヒドロキシプロピルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメチルアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレートヒドロキシメチルセルロースヒドロキシエチルセルロースポリエチレンイミン(PEI)、ポリエチレングリコール(即ち、PEG)又は他の親水性ポリ(アルキレンオキシド)、ポリグリセリン、及びポリアスパルトアミドのような、親水性有機ポリマーを指すが、これらに限定されない。用語「親水性」は、分子又は化学種が水と相互作用できる能力を意味する。従って、親水性ポリマーは、典型的には極性であるか、又は水に水素結合することができる置換基を有する。

0042

用語「イメージング剤」は、試料可視化に役立つ化学部分を意味する。例えば、イメージング剤は、「コントラスト剤」であってもよく、検査される生物学的組織又は構造のコントラストを増加させる部分(分子、巨大分子配位錯体、又はナノ粒子の特定部分又は全体)を意味することができる。このコントラスト剤は、例えば、磁気共鳴画像(MRI)、光学イメージング、陽電子放射断層撮影(PET)イメージング単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)イメージング、又はこれらの組み合わせ(即ち、コントラスト剤がマルチモーダルであってもよい)を使用して、検査される構造体のコントラストを増加させることができる。
用語「MRIコントラスト剤」は、試料中の水プロトン誘導緩和速度の変化をもたらす部分を意味する。
用語「光学イメージング剤」又は「光学コントラスト剤」は、光(例えば、紫外光可視光、又は赤外光)を吸収、反射又は放出する能力に基づいて検出することができる置換基を意味する。光学イメージング剤は、吸光度反射率、又は蛍光の量の変化、又は吸光度ピークの数又はそれらの波長の最大値の変化に基づいて検出することができる。従って、光学イメージング剤には、有機及び無機色素を含む、蛍光又は発光に基づいて検出することができるものが含まれる。

0043

用語「フルオロフォア」と「蛍光部分」は、可視光又は非可視光(例えば、紫外光)によって励起することができる種を意味する。フルオロフォアの例として、量子ドット及びドープ量子ドット(例えば、半導体CdSe量子ドット又はMnをドープされたCdSe量子ドット)、フルオレセインフルオレセイン誘導体及び類似体、インドシアニングリーンローダミン、トリフェニル、ポリメチンシアニンファロシアニン(phalocyanines)、ナフトシアニン(naphthocyanines)、メロシアニンランタニド錯体又はクリプタートフラーレンオキサテルラゾール(oxatellurazoles)、ラホヤブルー、ポルフィリン及びポルフィリン類似体、並びにクロロフィルカロチノイドフラボノイドビリンズ(bilins)、フィトクロムフィコビリンフィコエリトリンフィコシアニン(phycocyanines)、レチノイン(retinoins)やレチネート(retinates)などレチノイン酸やその類似体などの天然発色団/フルオロフォアが挙げられるが、これらに限定されない。

0044

用語「光増感剤(PS)」は、特定の波長の光(典型的には、可視光又は近赤外光)によって励起され、反応性酸素種(ROS)を生成することのできる化学化合物又は化学部分を意味する。例えば、光増感剤は、その励起状態において、項間交差を受けて、エネルギーを酸素(O2)に転移し(例えば、光線力学療法(PDT)による治療を受けている組織中で)、一重項酸素などの活性酸素種(ROS)を生成することができる。既知の任意のタイプの光増感剤を、ここで開示される発明に従って使用することができる。いくつかの実施態様において、この光増感剤は、ポルフィリン、クロロフィル、染料、又はこれらの誘導体若しくは類似体である。いくつかの実施態様において、フォフィリン(phophyrins)、クロリンバクテリオクロリン、又はポルフィセンを使用することができる。いくつかの実施態様において、この光増感剤は、例えば、脂質などの別の分子に光増感剤を連結する際に使用するための、カルボン酸、アミン、又はイソチオシアネート等の官能基を有することができる。いくつかの実施態様において、この光増感剤は、ポルフィリン又はその誘導体若しくは類似体である。典型的なポルフィリンとして、ヘマトポルフィリンプロトポルフィリン及びテトラフェニルポルフィリンが挙げられるが、これらに限定されない。典型的なポルフィリン誘導体として、ピロフェオホルビドバクテリオクロロフィルクロロフィルaベンゾポルフィリン誘導体テトラヒドロキシフェニルクロリン、プルプリンベンゾクロリン、ナフトクロリン、バーデン(verdins)、ローディン(rhodins)、オキソクロリン、アザクロリン、バクテリオクロリン、トリポルフィリン(tolyporphyrins)及びベンゾバクテリオクロリンが挙げられるが、これらに限定されない。ポルフィリン類似体として、拡張ポルフィリンファミリーメンバーテキサフィリンサフィリン及びヘキサフィリンなど)及びポルフィリン異性体(ポルフィセン、反転ポルフィリン、フタロシアニン、及びナフタロシアニン)が挙げられるが、これらに限定されない。

0045

用語「ピロリピッド(pyrolipid)」は、脂質とポルフィリン、ポルフィリン誘導体又はポルフィリン類似体との抱合体(conjugate)を意味する。いくつかの実施態様において、このピロリピッドは、ポルフィリン又はその誘導体若しくはその類似体が共有結合で脂質側鎖に連結している脂質抱合体から成ることができる。ピロリピッドとピロリピッドの合成法は、例えば、米国特許出願公開2014/0127763に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

0046

用語「結合している」又は「結合した」及びその変形は、共有結合又は非共有結合のいずれかを意味することができる。いくつかの場合において、用語「結合している」は、配位結合を介して結合していることを意味する。用語「抱合」は、共有結合又は配位結合の形成を含む、抱合プロセスを意味する。
「配位錯体」は、金属イオンと電子対供与体リガンド又はキレート基との間に配位結合が存在する化合物である。従って、リガンド又はキレート基は、一般に、金属イオンへ供与することのできる非共有電子対を有する、電子対供与体、分子又は分子イオンである。
用語「配位結合」は、電子対供与体と金属イオンの配位部位との間の相互作用を意味し、この相互作用は電子対供与体と金属イオンとの間の引力を生じる。この用語は、金属イオンと電子対供与体の特性に依存するので、多かれ少なかれ共有結合性(完全に共有結合性でなくとも)を有するものとして分類されることのできる特定の配位結合について使用されるが、これに限定されるものではない。

0047

本明細書で使用する場合、用語「リガンド」は、一般に、別種といくつかの方法で相互作用(例えば、結合)する分子又はイオンなどの化学種を意味する。より詳細には、本明細書で用いられる「リガンド」は、溶液中の金属イオンと結合して「配位錯体」を形成する分子又はイオンを意味することができる。Martell, A. E., and Hancock, R. D., Metal Complexes in Aqueous Solutions, Plenum: New York (1996)を参照されたい。これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。用語「リガンド」及び「キレート基」は互換的に使用することができる。用語「架橋リガンド」は、複数の金属イオン又は複合体に結合して、複数の金属イオン又は錯体の間に「ブリッジ」を提供するグループを意味することができる。有機架橋リガンドは、例えばアルキレン又はアリーレン基によって分離された非共有電子対を有する、二又はそれ以上の基を有することができる。非共有電子対を有する基として、-CO2H、-NO2、アミノ基、水酸基、チオ基チオアルキル基、-B(OH)2、-SO3H、PO3H、ホスホネート、及び複素環中のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、又は硫黄)が挙げられるが、これらに限定されない。

0048

本明細書で使用する場合、用語「金属−有機マトリックス材料」は、金属と有機成分の両方を含む固体材料を意味し、この有機成分は少なくとも1つの(典型的には複数の)炭素原子を含む。いくつかの実施態様において、このマトリックス材料は多孔質である。いくつかの実施態様において、この金属−有機マトリックス材料は、金属イオン及び架橋性多座(例えば、二座)の有機リガンド架橋含む配位錯体の繰り返し単位を含む配位ポリマーである。いくつかの実施態様において、このマトリックス材料は、複数のタイプの金属イオンを含む。いくつかの実施態様において、このマトリックス材料は、金属クラスターを含むことができる。いくつかの実施態様において、このマトリックス材料は、架橋性有機リガンドを含む配位錯体のネットワークを含む金属-有機フレームワークである。

0049

本明細書で用いられる用語「癌」は、制御されない細胞分裂と細胞の転移する(又は新たなサイトで新たな成長確立する)能力に起因する疾患を意味する。用語「悪性腫瘍(malignant, malignancy)」、「腫瘍(neoplasm, tumor)」、「癌」及びその変形は、癌性細胞又は癌細胞のグループを意味する。
特定の型の癌として、皮膚癌(例えば、メラノーマ)、結合組織癌(例えば、肉腫)、脂肪癌、乳癌、頭頸部癌、肺癌(例えば、中皮腫)、胃癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頸癌子宮癌肛門性器癌(例えば、精巣癌)、腎臓癌膀胱癌、結腸癌、前立腺癌中枢神経系(CNS)癌、網膜癌、血液癌神経芽細胞腫、複数骨髄腫、及びリンパ系の癌(例えば、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫)が挙げられるが、これらに限定されない。

0050

用語「抗癌剤」、「化学療法用薬剤」及び「抗癌プロドラッグ」は、癌を治療する(即ち、癌細胞を死滅させる、癌細胞の増殖を阻止する、又は癌に関連する症状を治療する)ことができることが知られている又はそう考えられている薬剤(即ち、化学化合物)又はプロドラッグを意味する。いくつかの実施態様において、本明細書で用いられる用語「化学療法用薬剤」は、癌を治療するために使用される及び/又は細胞毒性能力を有する、非核酸又は非光増感剤(PS)分子を意味する。このような、より伝統的な又は従来の化学療法用薬剤は、作用機序により又は化学的化合物クラスにより説明することができ、その例として、アルキル化剤(例えば、メルファラン)、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン)、細胞骨格撹乱(例えば、パクリタキセル)、エポチロンヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(例えば、ボリノスタット)、トポイソメラーゼ阻害剤I又はII(例えば、イリノテカン又はエトポシド)、キナーゼ阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、ヌクレオチド類似体又はその前駆体(例えば、メトトレキサート)、ペプチド抗生物質(例えば、ブレオマイシン)、白金系薬剤(例えば、シスプラチン又はオキサリプラチン)、レチノイド(例えば、トレチノイン)、及びビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン)が挙げられるが、これらに限定されない。

0051

II.化学療法用薬剤及び核酸の共送達のためのナノスケール配位高分子粒子
RNA干渉(RNAi)は、クロマチンリモデリングタンパク質翻訳阻害、又は直接mRNA分解を介する、転写後の遺伝子サイレンシング機構であり、癌治療の分野において非常に有望である。RNAiは、細胞の運命及び分化を決定する重要な遺伝子の発現を調節し、これは、外来二本鎖RNAdsRNA)を導入することにより達成することができ、dsRNAトリガーに対して相同性を生じる内因性mRNAの配列特異的分解の強力なカスケードを開始する。このRNA二重鎖は、低分子干渉(siRNA)と呼ばれている。発癌に関する重要な分子経路の理解により、この経路内の重要な分子を標的とするRNAi技術を用いた癌治療のための機会が作られた。化学療法又は放射線療法に対するRNAiの耐性もまた研究されてきた。RNAi技術による重要な遺伝子のサイレンシングは、細胞培養系又は前臨床動物モデルにおいて、抗増殖及び/又はアポトーシス促進効果を生成した。

0052

RNAi技術の利点の一つは、様々な異なる細胞経路関与する多数の種々の遺伝子を標的とするために使用することができることである。これは、癌のような複雑な疾患のためには特に重要である。癌の中で変更された主要な細胞経路には、(1)発癌経路受容体タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)経路(例えば、EGFR/ErbB1、ErbB2/HER2/Neu、IGF-1R、K-ras、R-ras、BRAF、ABL及びc-Srs)、大腸腺腫症(APC)経路(例えば、Met及びC-Myc)、神経膠腫関連癌遺伝子(GLI)経路(例えば、N-Myc及びCyclin-D1)、ホスホイノシチド3キナーゼ(PIK3)経路(例えば、PI3K、AKT、及びNF-κβ)、SMAD経路(例えば、EWS/FLI-1)、低酸素誘導性転写因子(HIF)経路、(2)細胞周期調節因子網膜芽細胞腫(Rb)経路(例えば、HPVE7、及びE2F4)、p53経路(例えば、HPV E6、HDMX、Notch-1、及びDelta-like-1)、並びに(3)アポトーシス(APOP)経路(例えば、FLIP、BCL-2、BCL-XL、サバイビン、及びXIAP)、が含まれる。ほとんどのRNAiの候補の癌遺伝子標的は、腫瘍増殖に関連する経路に関与している。またRNAiは、細胞の老化に関与する遺伝子(例えば、テロメラーゼ及びID1)やタンパク質の安定性や分解に関与する遺伝子(例えば、Cks-1、Skp-2、及びカテプシンL)などの、内因性腫瘍抑制遺伝子の機能を負に調節する遺伝子を標的とし、静めるために使用することができる。

0053

腫瘍細胞は、宿主環境内で成長し、多数の物理的、化学的及び細胞の課題に対応しなければならない。従って、腫瘍細胞は、腫瘍-宿主相互作用を制御するために複数の戦略を開発する。腫瘍細胞は、成長し、拡散するために、細胞外マトリックス(ECM)を打破するための十分な酸素と栄養を獲得し、周囲の組織に浸潤し、転移し、及び宿主免疫応答を回避する必要がある。RNAi技術を、癌治療のために、血管新生、浸潤/転移、及び免疫回避に関与する分子を標的とするために使用することができる。これらの標的遺伝子には、(1)成長因子(例えば、VEGF、EGF、FGF、PDGF、IL-8、及びIGF-1);(2)プロテアーゼ及びプロテアーゼ阻害剤(例えば、カテプシン、MMP2、ストロメライシン、及びuPA);(3)癌遺伝子(例えば、c-myc、ras、c-src、v-raf、c-jun、及びVEGFR);(4)シグナル伝達体(例えば、チミジン及びホスホリラーゼ);(5)酵素(例えば、RAS-ファルネシルトランスフェラーゼゲラニル、及びトランスフェラーゼ);(6)サイトカイン(例えば、IL-1、IL-6、及びIL-8);及び(7)内因性刺激剤(例えば、Ang-1、アンギオスタチンII、エンドセリン、iNOS、PAF、及びCox-2)が含まれる。

0054

癌細胞による抗アポトーシスタンパク質の発現は、それにより癌細胞が化学療法又は放射線照射に対する耐性を獲得することになる重要な機構である。抗アポトーシスタンパク質を標的とするRNAiを使用することは、癌治療のために化学療法及び放射線療法と組み合わせて使用するための有望な戦略である。また、この化学療法抵抗性又は放射線耐性に寄与するいくつかの追加の機能があり、また、これらの機構に関連し、RNAiの介入の機会を提供することができるいくつかの追加の分子がある。例えば、多剤耐性(MDR)遺伝子例えば、ABCB1、ABCB4、及びABCB5)を標的とするRNAiは、MDR遺伝子媒介薬剤耐性を治療するためのアプローチでありえる。DNA修復機構はゲノム安定性の維持のために重要であり、従って、癌の潜在的な治療的標的である。化学療法又は放射線療法のストレスにおいて、癌細胞は、治療によって誘導されるDNA損傷回復するために、DNA修復に関与するタンパク質を過剰発現する。これらの標的遺伝子には、除去修復交差相補遺伝子1(ERCC1)、X線修復交差相補タンパク質1(XRCC1)、リボヌクレオチド還元酵素二本鎖切断シグナリング/修復タンパク質ATM、及びDNA依存性プロテインキナーゼ触媒サブユニットが含まれる。

0055

マイクロRNA(miRNA)は、転写後にmRNAの翻訳及び安定性を制御する低分子非コードRNAである。miRNAは、増殖、分化、及び細胞死を含む様々な生物学的プロセスの適切なバランスを維持する役割がある。癌において、腫瘍抑制miRNAの損失は、標的癌遺伝子の発現を増強することができるのに対し、発癌性miRNAの発現増加は、標的腫瘍抑制遺伝子を抑制する。癌関連miRNAは、発癌性遺伝子(miR-155、miR-21、及びmiR-17〜29等)、腫瘍抑制遺伝子(miR-15、miR-16、LIN28、DICER等)、及び環境依存性遺伝子(miR-146及びmiR-29等)に分類されている。腫瘍抑制miRNAを送達し、発癌性miRNAを静めることは、様々なマウスモデルで成功してきた。
癌の中でしばしば乱されているシグナル伝達経路を標的とするmiRNAの能力により、miRNAは耐性細胞を感作する潜在性がある。多剤耐性(MDR)は通常、ATP結合カセット(ABC)トランスポーターを介する薬剤の排せつ増加を伴う。これらのATP結合カセット(ABC)トランスポーターのうちの2つ(ABCC3とABCC6)は、SOX2によって直接誘導される。miR-9は、SOX2の負の調節因子として同定されている。化学療法抵抗性の神経膠腫幹細胞株におけるmiR-9の強制的な発現は、SOX2の発現を抑制し、ATP結合カセット(ABC)トランスポーターの発現の低減をもたらし、その結果、薬剤が保持される。

0056

オリゴヌクレオチドは、非修飾又は化学的に修飾された一本鎖DNA分子である。一般的に、オリゴヌクレオチドは、比較的短く(13-25ヌクレオチド)、細胞中に存在する標的の合計プール内固有の配列にハイブリダイズする。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASODNs)は、mRNAの翻訳を阻害することができることが見出された一本鎖DNA断片である。抗腫瘍のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS ODNs)は、Bcl-2、サバイビン、MDM2、Bcl-XL、RelA、RAS、RAF、BCR-ABL、JNK1,2、TERT、c-myc、及びc-mybなどのアポトーシスシグナルの存在下で、細胞分裂、血管新生、転移、及び細胞生存に関与する遺伝子を標的とする。癌細胞の大部分は正常細胞とは遺伝子発現プロファイルが異なるので、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS ODNs)は、正常細胞に対する影響を最小限にしながら、腫瘍増殖を特異的に抑制するために使用することができる。例えば、ジェンタ社(Genta Inc. ,Berkeley Heights, New Jersey, USA)は、GenasenseTMとして知られている、Bcl-2に相補的な18-merのホスホチオエートAS ODNを開発した。更に、MDM2を標的とするAS ODNsは、いくつかの化学療法用薬剤による増殖阻害、p53の活性化及びp21誘導の効果を増強することが示されている。

0057

ナノ粒子配位高分子(NCP)は、その性質分子構成ブロックを変えることによって調整することができる、新たなクラスの自己組織化ハイブリッドナノ物質である。本発明のいくつかの実施態様によれば、ナノ粒子配位高分子(NCP)を、siRNA、マイクロRNA、及びアンチセンスオリゴヌクレオチド(DNA)を含む、化学療法用薬剤と核酸薬剤の両方を含むように設計することができる。ある実施態様では、ナノ粒子配位高分子(NCP)は、siRNAのような核酸薬剤のみを含む。複数の化学療法用薬剤(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、ペメトレキセド、ゲムシタビン、パクリタキセル、ドキソルビシン)又はこれら化学療法用薬剤のうちのいくつかとRNAとの組み合わせを、同時かつ効率的に癌細胞に送達することは、抗増殖効果び/又はアポトーシス促進効果を発揮することにより、例えば、複数の細胞シグナル伝達経路を遮断することによって、抗腫瘍効果を強化することができる。ある実施態様では、これらの薬剤の誘導体又は類似体を使用することができる。例えば、米国特許6,384,019, 7,803,785, 及び7,704,972、米国特許出願13/121,660, 11/908,364, 及び14/347,504 並びに国際出願 PCT/2013/068965に記載されているような、ゲムシタビン類似体を使用することができる。また、ナノ粒子配位高分子(NCP)は、漏洩血液血管系と腫瘍におけるリンパ流の減少の利点を利用することによって、強化された透過性及び保持(EPR)効果により、腫瘍部位への低分子薬剤及び生物製剤の送達を増強することができる。

0058

従って、本発明のいくつかの実施態様に従って、従来の化学療法用薬剤及び核酸を、例えば、癌治療における相乗効果を引き出すために、ナノ輸送体プラットフォーム上で組み合わせることができる。さらに、化学療法用薬剤及び核酸を含む粒子を、例えば、X線放射線療法と組み合わせて、化学放射線療法の有効性を増強することができる。従って、いくつかの実施態様において、本発明は、例えば、従来の化学療法用薬剤及び核酸(例えば、siRNA、miRNAは、ASODNなど)の共送達のような、但しこれらに限定されない、複数の治療用薬剤の共送達のために、ナノスケール配位高分子、MOF及び/又はNMOFなどの、金属−有機マトリックス材料を含むナノ粒子を提供する。いくつかの実施態様において、本発明は、複数の従来の化学療法用薬剤の共送達のため、及びこのナノスケール粒子を用いて癌を処置するための、ナノスケール粒子のプラットフォームを提供する。

0059

従って、いくつかの実施態様において、複数の化学療法用薬剤(即ち、複数の同一の化学療法剤又は複数の異なる化学療法用薬剤)をナノ粒子配位高分子(NCP)に積み込むことができる。この複数の化学療法用薬剤を、様々な癌を治療するために、等配位結合、共有結合、静電相互作用等を介してナノ粒子配位高分子(NCP)のコアに組み込むことができる。例えば、肺癌治療のためのいくつかの実施態様において、シスプラチン及びカルボプラチンに、ゲムシタビン、パクリタキセル、ドセタキセル、ペメトレキセド、エトポシド及びビノレルビンを加えた組み合せを使用することができる。膵臓癌治療のためのいくつかの実施態様において、オキサリプラチンとゲムシタビンの組み合わせを使用することができる。卵巣癌治療のためのいくつかの実施態様において、シスプラチン/カルボプラチンにタキサン(パクリタキセル/ドセタキセル)を加えた組み合わせ、及びシスプラチン/カルボプラチンにゲムシタビンを加えた組み合わせを使用することができる。いくつかの実施態様において、結腸癌治療のために、オキサリプラチンと5-FU/ロイコボリンの組み合わせを使用することができる。

0060

いくつかの実施態様において、本発明のナノ粒子配位高分子(NCP)粒子を、複数の核酸(例えば、siRNA及びmiRNA)を送達するためのプラットフォームとして使用することができる。この粒子は、例えば、単一のsiRNA又はプールされたsiRNA(異なる複数の抗癌経路を標的とする複数のsiRNAを含む)を含むことができる。このsiRNAとして、EGFR/ErbB1 siRNA, ErbB2/HER2/Neu siRNA, IGF-1R siRNA, K-ras siRNA, R-ras siRNA, BRAFsiRNA, ABLsiRNA, c-Src siRNA, Met siRNA, c-Myc siRNA, N-Myc siRNA, Cyclin-D1 siRNA, PI3K siRNA, AKT siRNA, NF-κβ siRNA,EWS/FLI-1 siRNA, HIF siRNA, HPVE7 siRNA, E2F4 siRNA, HPV E6 siRNA, Hdmx siRNA, Notch-1 siRNA, Delta-like-1 siRNA, FLIP siRNA, BCL-2 siRNA, BCL-XL siRNA, Survivin siRNA, XIAPsiRNA, Telomerase siRNA, ID1 siRNA, Cks-1 siRNA, Skp-2 siRNA, cathepsin L siRNA,VEGF siRNA, EGF siRNA, FGF siRNA, PDGF siRNA,IL-8 siRNA, IGF-1 siRNA, Cathepsin siRNA, MMP2 siRNA, Stromelysin siRNA, uPA siRNA, c-myc siRNA, ras siRNA, c-src siRNA, v-raf siRNA, c-jun siRNA, VEGFR siRNA, Thymidine siRNA, phosporylase siRNA,RAS-farnesyl siRNA, transferase siRNA, Geranyl siRNA, Transferase siRNA, IL-1 siRNA, IL-6 siRNA, IL-8 siRNA, Ang-1 siRNA, Angiostatin II siRNA, Endothelin siRNA, iNOS siRNA, PAF siRNA, Cox-2 siRNA, ABCB1 siRNA, ABCB4 siRNA, ABCB5 siRNA, P-glycoprotein siRNA,ERCC1 siRNA, 及びATMsiRNAが挙げられるが、これらに限定されない。このmiRNAとして、miR-9, miR-15, miR-16, miR-34, miR-181, miR-200, miR 200c, miR-342, miR-630, let-7, LIN28, 及びDICERが挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの粒子は、一又はそれ以上のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASODN)を含むことができる。このアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS ODN)の遺伝子標的として、Bcl-2,サバイビン, MDM2, Bcl-XL, RelA, RAS, RAF, BCR-ABL, JNK1,2, TERT, c-myc, 及びc-mybが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、一つの核酸が使用される。他の実施態様では、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の異なる核酸の組み合わせが使用される。

0061

いくつかの実施態様において、この粒子を、siRNA及び従来の化学療法用薬剤を共送達するために使用することができる。いくつかの実施態様において、この粒子を、miRNA及び従来の化学療法用薬剤を共送達するために使用することができる。いくつかの実施態様において、この粒子を、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASODN)及び従来の化学療法用薬剤を共送達するために使用することができる。この粒子は、従来の化学療法の設定、及び/又は従来の化学放射線療法の設定で使用することができる。いくつかの実施態様において、核酸のみが送達される。

0062

化学療法用薬剤及び核酸を共送達するための例示的な実施態様を、図1及び2に示す。これらの実施態様によれば、アンチセンスオリゴヌクレオチド(DNA)、siRNA、及び/又はマイクロRNAを、共有結合を介して(図1)及び/又は静電相互作用を介して(図2)、脂質分子に連結することができ、この脂質分子は、ナノ粒子コア(例えば、化学療法用薬剤を積み込んだNCPのコア)を囲む脂質二重層コーティング部分を形成する。この脂質分子はまた、不動態化剤(即ち、血漿タンパク質のナノ粒子への吸着を抑止することができる薬剤、及び/又は細網内皮系(RES)のような、身体の防御系によるナノ粒子の認識を減少させることができる薬剤。)、標的化部分、及びイメージング剤に連結させることができる。また、siRNA、miRNA、及びアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASODN)のような核酸を、ナノ粒子配位高分子(NCP)の外表面上の金属イオンと核酸上のリン酸基との間の配位結合を介して、ナノ粒子配位高分子(NCP)の表面に積み込むことができる。

0063

いくつかの実施態様において、本発明は、複数の治療用薬剤を共送達するためのナノスケール粒子を提供する。いくつかの実施態様において、このナノスケール粒子は、(a)金属−有機マトリックス材料を含むコア(任意に、該金属−有機マトリックス材料が配位高分子を含む)及び(b)複数の治療用薬剤を含む。いくつかの実施態様において、この複数の治療用薬剤は、(i)少なくとも二つの化学療法用薬剤(即ち、少なくとも二つの異なる化学療法用薬剤、例えば、少なくとも二つの非核酸化学療法用薬剤又は従来の化学療法用薬剤)、(ii)少なくとも二つの核酸治療用薬剤(例えば、低分子干渉リボ核酸(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASODNs)、又はこれらの組み合わせ)、(iii)少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤及び少なくとも一つの核酸治療用薬剤、(iv)少なくとも一つの化学療法用薬剤(例えば、少なくとも一つの従来の化学療法用薬剤/非核酸化学療法用薬剤)及び少なくとも一つの光増感剤、又は、(v)少なくとも一つの化学療法用薬剤、少なくとも一つの核酸、及び少なくとも一つの光増感剤、から成る。

0064

いくつかの実施態様において、この複数の治療用薬剤は、金属−有機マトリックス材料のコアに組み込まれた、少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤を含む。この少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤は、例えば、共有結合を介して(例えば、マトリックス材料中の有機成分)又は配位結合(金属−有機マトリックス材料中の金属)を介して、金属−有機マトリックス材料のコアに組み込むことができる。任意の適切な非核酸化学療法用薬剤を使用することができる。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤は、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグ、メトトレキサート、ロイコボリン、ペメトレキセド二ナトリウム、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、シタラビン、アザチオプリン、メルファラン、イマチニブ、アナストロゾール、レトロゾール、カルボプラチン、ゲムシタビン、パクリタキセル、ドセタキセル、エトポシド、5-フルオロウラシル、及びビノレルビンから成る群から選択されるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、少なくとも二つの化学療法用薬剤(例えば、シスプラチン及びカルボプラチン又はこれらのプロドラッグ等の、少なくとも二つの異なる非核酸化学療法用薬剤)が、この金属−有機マトリックス材料のコアに組み込まれている。

0065

いくつかの実施態様において、この複数の治療用薬剤は少なくとも一つの核酸を含む。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの核酸は、siRNA、miRNA、又はASODNである。この核酸は、この核酸上のリン酸基とコアの外表面上及び/又はコアの孔中の金属イオンとの間の配位結合を介して金属−有機マトリックス材料に連結することができる。あるいは、この核酸は、コア上のコーティング層と(共有結合又は非共有結合で)結合することができる。例えば、核酸は、ナノ粒子コアの外表面を覆う脂質二重層又は脂質単層中の脂質と結合することができる。
いくつかの実施態様において、配位反復単位を含む、この金属−有機マトリックス材料のコアは、有機分子に配位する金属含有クラスター又はイオンを含む、金属−有機フレームワーク(MOF)又はナノ金属−有機フレームワーク(NMOF)から成る。この有機分子は、金属イオンと配位結合を形成するために、例えば、カルボキシレート、ホスフェート、アミノ基、メルカプト基、又は水酸基を含むことができる。

0066

いくつかの実施態様において、この金属−有機フレームワーク(MOF)又はナノ金属−有機フレームワーク(NMOF)は、Zr6(μ3-O)4(μ3-OH)4(即ち、金属含有クラスターとして)とジカルボキシレート架橋リガンド(即ち、有機分子として)を含む。いくつかの実施態様において、このジカルボキシレート架橋リガンドは、この架橋リガンド骨格中にアリーレン部分を含む。いくつかの実施態様において、このジカルボキシレート架橋リガンドは、更に、化学療法用薬剤と共有結合を形成することができる、アミノ基、水酸基、又はチオール基等の置換基を含む。いくつかの実施態様において、このジカルボキシレート架橋リガンドは、アミノ置換基を含む。いくつかの実施態様において、このジカルボキシレート架橋リガンドは、アミノ−トリフェニルジカルボン酸(アミノ−TPDC)である。
いくつかの実施態様において、少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤が、このジカルボキシレート架橋リガンド上の置換基に共有結合で連結する。例えば、この非核酸化学療法用薬剤は、このジカルボキシレート架橋単位上のアミノ置換基とアミド結合を形成することができるカルボン酸基を含むことができる。

0067

いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤は、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグである。例えば、この非核酸化学療法用薬剤は、カルボン酸基を含むシスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグであってもよく、これらは、例えば、シス,シス,トランス-Pt(NH3)2Cl2(OEt)(O2CCH2CH2COOH) (シスプラチンのプロドラッグ)又はシス、トランス-[Pt(dach)Cl2(O2CCH2CH2COOH)2] (オキサリプラチンのプロドラッグ)であり、これらは、カルボン酸基を介して、このナノ粒子コア中の架橋リガンド上のアミノ置換基とアミド結合を形成することができる。

0068

いくつかの実施態様において、少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤が、ジカルボキシレート架橋リガンドへの共有結合を介して、金属−有機マトリックス材料のコアの細孔中に組み込まれ、少なくとも1つの核酸が、有機金属マトリックス材料のコアの外表面上の金属イオンとの配位結合を介して有機金属マトリックス材料のコアの外表面に連結する。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの核酸は、サバイビンsiRNA、P糖タンパク質siRNA(P-GP siRNA)、Bcl-2 siRNA、及びこれらの二又はそれ以上の混合物から成る群から選択される。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの核酸は、サバイビンsiRNA、P糖タンパク質siRNA(P-GP siRNA)、及びBcl-2 siRNAの混合物である。

0069

いくつかの実施態様において、このナノ粒子コアは、この非核酸化学療法用薬剤の約10重量%〜約50重量%である(例えば、この非核酸化学療法用薬剤に対するビスホスホネートの重量割合が10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は約50重量%)。
いくつかの実施態様において、このナノ粒子の平均直径は約250nm未満であってもよい。いくつかの実施態様において、この平均直径は約50〜約200nmである。いくつかの実施態様において、このナノ粒子の平均直径は、約20nm〜約180nmである(例えば、約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、又は約180nm)。いくつかの実施態様において、このナノ粒子の平均直径は、約90nm〜約140nmである。

0070

いくつかの実施態様において、このナノ粒子は、金属−有機マトリックス材料のコアの外側表面の外側表面の少なくとも一部を覆う一又はそれ以上のコーティング剤又はコーティング層を含む。このコーティング層は、安定化及び/又は官能化の機能を提供することができる。このようなコーティング剤又はコーティング層として、金属酸化物、ポリマー(例えば、シリカ、ポリシロキサン若しくはポリシルセスキオキサンなどのシリカ系ポリマー、又は有機若しくは親水性の有機ポリマー)、脂質単層、脂質二重層、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、不動態化剤(例えば、PEG又はPVPなどの親水性ポリマー)及び/又は標的化剤(RGDペプチド、アプタマー、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、又は多糖類など)及び/又はイメージング剤(蛍光部分など)が、コーティング剤又はコーティング層に(共有結合又は非共有結合的に)連結することができる。いくつかの実施態様において、治療用薬剤が、共有結合又は非共有結合でコーティング層に連結してもよい。いくつかの実施態様において、少なくとも一つの核酸が、共有結合又は非共有結合でコーティング層に連結する。

0071

いくつかの実施態様において、このコーティング剤又はコーティング層は、脂質二重層である。例えば、いくつかの実施態様において、この金属−有機マトリックス材コアは、カチオン性脂質及び/又は官能化脂質を含む脂質二重層で被覆され、この官能化脂質は核酸に結合することができる置換基で官能化され、少なくとも一つの核酸が、この官能化脂質に共有結合で結合する、及び/又は静電相互作用を介してこのカチオン性脂質に連結する。いくつかの実施態様において、この脂質二重層は、チオール又はジチオールで官能された1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DSPE)、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP)、及び1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)のうちの一又はそれ以上から成る混合物を含む。いくつかの実施態様において、この脂質二重層は、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(DOPA)、コレステロール、及びPEG化1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DSPE)のうちの一又はそれ以上を含む、又は更に含む。

0072

いくつかの実施態様において、この金属−有機マトリックス材料のコアは、多価金属イオンとビスホスホネートを含む金属ビスホスホネート配位ポリマーを含む。任意の好適な多価金属イオンを使用することができる。いくつかの実施態様において、この多価金属イオンは二価である。いくつかの実施態様において、この金属イオンは、Ca2+、Mg2+、Mn2+、Zn2+、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施態様において、この金属はZn2+である。いくつかの実施態様において、このビスホスホネートは、金属イオン(例えば、白金、イリジウム又はルテニウムのイオン)を含有する配位錯体である。いくつかの実施態様において、このビスホスホネートは、化学療法プロドラッグである。従って、いくつかの実施態様において、化学療法用薬剤が、ナノ粒子コアの金属−有機材料中の架橋リガンドとして存在する。いくつかの実施態様において、このビスホスホネートは、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグである。例えば、このビスホスホネートは、シス、シス-トランス-[Pt(NH3)2Cl2(OH)2]又はシス、トランス-[Pt(dach)Cl2(OH)2]のビスホスホネートエステルであってもよい。

0073

いくつかの実施態様において、この金属−有機マトリックス材料コアは、ビスホスホネートの約50重量%以下である。いくつかの実施態様において、この金属−有機マトリックス材コアは、ビスホスホネートの約10重量%〜約50重量%である(例えば、ビスホスホネートの約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は約50重量%)。
いくつかの実施態様において、金属ビスホスホネートコアを含むナノ粒子は、更に、脂質単層又は脂質二重層コーティングを含む。いくつかの実施態様において、このコーティングは、コーティングに(例えば、共有結合又は非共有結合で)連結した、サバイビンsiRNA、P-GP siRNA及びBcl-2 siRNAのうちの一又はそれ以上を含む。いくつかの実施態様において、このコーティングは、サバイビンsiRNA、P-gp siRNA及びBcl-2 siRNAの混合物を含む。
いくつかの実施態様において、このナノ粒子は、その直径が約20nm〜約180nm(例えば、約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、又は約180nm)の金属−ビスホスホネートコアを含む。

0074

いくつかの実施態様において、本発明は、本明細書に記載のいずれかのナノ粒子及び薬学的に許容される担体を含む医薬製剤から成る。いくつかの実施態様において、この薬学的に許容される担体は、ヒトに薬学的に受容可能である。
いくつかの実施態様において、本発明は、本明細書に記載のナノスケール粒子のうちの一つを使用して、それを必要とする患者における癌を治療する方法を提供する。従って、いくつかの実施態様において、本発明は、患者にナノ粒子又はその製剤を投与することから成る、患者における癌を治療する方法を提供する。いくつかの実施態様において、このナノ粒子は、少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤及び少なくとも一つの核酸を含む。

0075

いくつかの実施態様において、このナノ粒子は、Zr6(μ3-O)4(μ3-OH)4 及びジカルボキシレート架橋リガンドから成る金属−有機フレームワーク(MOF)を含むコアを含み、このジカルボキシレート架橋リガンドは、任意にアミノ置換基を含む(例えば、非核酸化学療法用薬剤の共有結合で連結するため)。いくつかの実施態様において、このコアは、金属ビスホスホネート配位ポリマーを含み、例えば、このビスホスホネートは化学療法用薬剤のプロドラッグを含む。
いくつかの実施態様において、このナノ粒子のこの少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤は、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグであり、このナノ粒子のこの少なくとも一つの核酸は、サバイビンsiRNA、P-gp siRNA、Bcl-2 siRNA及びこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの核酸は、サバイビンsiRNA、P-gp siRNA、及びBcl-2 siRNAの混合物である。

0076

本発明の方法を、任意の適切な癌を治療するために使用することができる。いくつかの実施態様において、この癌は、肺癌、膵臓癌、卵巣癌、乳癌、又は結腸癌である。いくつかの実施態様において、この癌は卵巣癌である。いくつかの実施態様において、この癌は、シスプラチン耐性癌(例えば、シスプラチン耐性卵巣癌)のような薬剤耐性癌である。

0077

いくつかの実施態様において、本発明は、金属-有機マトリックス材料のコア及び複数の治療用薬剤を含むナノスケール粒子を製造する方法を提供する。いくつかの実施態様において、このナノスケール粒子は、マイクロエマルション法を用いて製造することができる。マイクロエマルジョン法は、米国特許出願公開2014/0234210及び国際公開WO2013/0971に記載されており、いずれもその全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施態様において、このナノスケール粒子は、(a)金属イオンを含有するマイクロエマルジョンを、ビスホスホネートを含有するマイクロエマルジョンと接触させ、それによって金属ビスホスホネート配位高分子ナノ粒子を形成する段階、(b)(a)段階で形成したナノ粒子を、カチオン性脂質及び/又は官能化脂質を含有する溶液(例えば、水性溶液)中に分散させ、カチオン性脂質でコーティングされた及び/又は官能化脂質コーティングされたナノ粒子を形成する段階、及び(c)該脂質でコーティングされたナノスケール粒子を、少なくとも一つの核酸を含む溶液と接触させる段階、から成る方法によって製造することができる。いくつかの実施態様において、このビスホスホネートは、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグである。いくつかの実施態様において、このビスホスホネートのマイクロエマルションは、このナノ粒子コアが、コアの外側表面の少なくとも一部に脂質層(例えば、脂質単層)を含んで形成されるように、さらにDOPA、DOTAP、DOPC、POPE、オレイン酸ステアリン酸などの脂質を含むことができる。いくつかの実施態様において、この核酸溶液は、サバイビンsiRNA、P-gp siRNA、Bcl-2 siRNA、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも一又はそれ以上を含む。

0078

この金属イオンは、マイクロエマルジョン中に金属化合物を溶解させることにより提供することができる。この金属化合物は、式MLx(式中、xは金属イオンの原子価に相当する整数、Mは多価金属イオン、各Lはリガンドである。)で表される化合物であってもよい。この金属化合物のための適切なリガンドとして、ハロゲン原子、水酸基、スルフェート基、硝酸基、及びアミノ基が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、この金属化合物は式MLxで表される化合物の水和物又は溶媒和物である。いくつかの実施態様において、この金属化合物は金属ハロゲン化物(例えば、CaCl2又はMnCl2)又はその水和物若しくは溶媒和物である。いくつかの実施態様において、この金属化合物は硝酸亜鉛(即ち、Zn(NO3)2)である。

0079

代替として、このナノ粒子は、金属−有機マトリックス材料のコアを製造するために、金属ハロゲン化物などの金属化合物の溶液をジカルボン酸を含む溶液と接触させることから成る方法によって製造することができる。いくつかの実施態様において、このジカルボン酸とこの金属化合物の溶液は、ジメチルホルムアミド(DMF)などの極性有機溶媒の溶液である。このジカルボン酸は、例えば、水酸基又はアミノ基のような置換基を更に含むことができる。次いで、このナノ粒子コアを、ジカルボン酸の更なる置換基と結合することができる置換基を有する非核酸化学療法用薬剤を含む溶液と、この非核酸化学療法用薬剤がこのジカルボン酸と結合する条件下で、接触させることができる。この溶液は、有機溶媒及び/又はカップリング試薬(例えば、ジイミダゾール)を含むことができる。次いで、この非核酸化学療法用薬剤を含むナノ粒子コアを、一又は複数の核酸を含む溶液(例えば、水溶液)と接触させることができる。この核酸は、ナノ粒子コアの外表面上の金属イオンと非共有結合で結合することができる。代替として、この核酸は、この核酸が任意に共有結合又は非共有結合で結合可能な一又はそれ以上の脂質を含む溶液(例えば、水溶液)中で提供することができる。これにより、この脂質/核酸溶液は、このナノ粒子コアの表面に脂質層又は脂質二重層を形成することができる。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの核酸は、サバイビンsiRNA、P-gp siRNA、Bcl-2 siRNA、及びこれらの組み合わせから選択される。

0080

いくつかの実施態様において、この金属化合物は、ZrCl4のような亜鉛化合物であり、このジカルボン酸は、アミノ−トリフェニルジカルボン酸のようなアミノ置換カルボン酸である。いくつかの実施態様において、この非核酸化学療法用薬剤は、カルボン酸置換基を含み、この非核酸化学療法用薬剤を、さらにジイミダゾールを含む溶液中で、このナノ粒子コアと接触させる。いくつかの実施態様において、この非核酸化学療法用薬剤は、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグであり、任意に、シス,シス,トランス-Pt(NH3)2Cl2(OEt)(O2CCH2CH2COOH) (シスプラチンのプロドラッグ)又はシス、トランス-[Pt(dach)Cl2(O2CCH2CH2COOH)2] (オキサリプラチンのプロドラッグ)であり、これらはカルボン酸基置換基を有する。

0081

III.化学療法用薬剤と光増感剤を共送達するためのナノスケール配位高分子粒子
上記のように、ナノ粒子システムは、腫瘍における血液血管系の漏れやすさリンパ排液の減少の利点を利用することによる透過性及び保持の強化(EPR)効果により、腫瘍部位への低分子薬剤及び生物製剤の送達を増強することができる。また、ナノ粒子を、高精度な光送達に過度に依存せずに、光線力学療法(PDT)の有効性を増強するために、腫瘍部位に光増感剤(PS)の蓄積を増加させるために使用することができる。光増感剤(PS)についてのナノ輸送体の望ましい特性として、積載量が多いこと、光活性化の短い時間内に(例えば、約30分)制御された方法で光増感剤(PS)を放出すること、及び活性酸素種(ROS)を生成して効率的に癌細胞を選択的に殺傷するために、癌細胞内に局在し、かつ光化学励起状態及びその他のプロセスの自己消光を最小限に抑えるような適切な分子特性を有していること、が挙げられる。これらの特性を提供するために、本明細書に開示のナノスケール配位高分子(NCP)粒子プラットフォームを使用することができる。いくつかの実施態様において、本発明は、相乗的かつ効果的に併用化学療法と光線力学療法(PDT)を有効にするための、従来の化学療法剤と光線力学療法(PDT)剤を癌細胞内部へ選択的に送達し放出をトリガすることができる、多機能コア-シェル型ハイブリッドナノ粒子構築するための基盤を提供する。

0082

図11は、本発明に従った化学療法と光線力学療法(PDT)の併用ための例示的な粒子についての概略図を示す。図11に示される粒子は、単一の送達系で光線力学療法(PDT)と化学療法の組み合わせを提供するために、ナノスケール配位高分子(NCP)コアに埋め込まれた化学療法用薬剤(例えば、シスプラチンのプロドラッグ)及びシェル内のピロリピッドを有する、ナノスケール配位高分子(NCP)-ピロリピッド・コア−シェル型ナノ粒子を含む。このNCP-ピロリピッド粒子は、細胞外では構造的完全性を維持するが、細胞内ではトリガにより化学療法剤とピロリピッドを放出し、時間特異的で部位特異的な細胞傷害を可能にすることができる。後述するように、このNCP-ピロリピッド粒子を用いた化学療法用薬剤による化学療法とピロリピッドによる光線力学療法(PDT)の相乗的な作用と光活性化により、癌細胞(例えば、頭部及び頸部癌細胞)及び静脈内投与後の癌の異種移植マウスモデルにおいて、遊離型の治療用薬剤と単独療法用粒子と比べて、抗癌効果は強化されている。

0083

従って、いくつかの実施態様において、本発明は、複数の治療用薬剤を共送達するためのナノスケール粒子であって、金属−有機マトリックス材料を含むコア(任意に、該金属−有機マトリックス材料は配位高分子を含む);及び複数の治療用薬剤、(該複数の治療用薬剤は、少なくとも一つの化学療法用薬剤(例えば、一つの非光増感剤(PS)化学療法用薬剤)及び少なくとも一つの光増感剤、から成る)を含むナノスケール粒子を提供する。

0084

いくつかの実施態様において、この複数の治療用薬剤は、金属−有機マトリックス材料のコアに組み込まれた少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤を含む。この少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤を、例えば、共有結合(例えば、マトリックス材料中の有機成分に)又は配位結合(例えば、金属−有機マトリックス材料中の金属に)を介して、金属−有機マトリックス材料のコアに組み込むことができる。任意の適切な非核酸化学療法用薬剤を使用することができる。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの非核酸化学療法用薬剤は、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグ、メトトレキサート、ロイコボリン、ペメトレキセド二ナトリウム、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、シタラビン、アザチオプリン、メルファラン、イマチニブ、アナストロゾール、レトロゾール、カルボプラチン、ゲムシタビン、パクリタキセル、ドセタキセル、エトポシド、ビノレルビン、及び5-フルオロウラシルから成る群から選択されるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、この金属−有機マトリックス材料のコアに、少なくとも二つの化学療法用薬剤(例えば、シスプラチン及びカルボプラチン又はこれらのプロドラッグのような、少なくとも二つの異なる非核酸化学療法用薬剤)が組み込まれる。

0085

いくつかの実施態様において、この非核酸化学療法用薬剤は、ビスホスホネートシスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグであり、この金属−有機マトリックス材料のコアは、一つの多価金属イオンとこのビスホスホネートシスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグを含む金属ビスホスホネート配位高分子から成る。任意の好適な多価金属イオンを使用することができる。いくつかの実施態様において、この多価金属イオンは、二価金属イオンである。いくつかの実施態様において、多価金属イオンのCa2+、Mg2+、Mn2+、Zn2+、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施態様において、このビスホスホネートシスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグはシス、シス-トランス-[Pt(NH3)2Cl2(OH)2]のビスホスホネートエステルであり、及び/又はこの金属イオンはZn2+である。

0086

いくつかの実施態様において、この光増感剤は、ナノ粒子コアの外表面の一部を囲む単一又は複数のコーティング層に共有結合で連結している。例えば、このナノ粒子は、金属酸化物、ポリマー、脂質単層、脂質二重層、及びそれらの組み合わせのような一又はそれ以上のコーティング層を含み、この光増感剤が、このコーティング中の脂質に共有結合又は非共有結合で連結する。ポルフィリン、クロロフィル染料、又はそこれらの誘導体若しくは類似体のような、任意の適切な光増感剤を使用することができるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、この単一又は複数のコーティング層として、ピロリピッドを含む脂質単層又は脂質二重層、例えば、ポルフィリン又はその誘導体若しくはその類似体に共有結合で連結した脂質、が挙げられる。

0087

また、この脂質単層又は脂質二重層は、親水性ポリマー及び/又はRGDペプチドのような他の脂質及び/又は不動態化又は標的化剤を含むことができる。いくつかの実施態様において、この脂質二重層又は脂質単層は、さらに、コレステロール、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP)、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DOPC)、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート(DOPA)、及びペグ化DSPEのうちの一又はそれ以上を含む。

0088

いくつかの実施態様において、このナノ粒子の平均直径は約250nm未満であってもよい。いくつかの実施態様において、この平均直径は約20〜約200nmである。いくつかの実施態様において、このナノ粒子の平均直径は、約20nm〜約180nmである(例えば、約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、又は約180nm)。いくつかの実施態様において、このナノ粒子の平均直径は、約90nm〜約140nmである。いくつかの実施態様において、この直径は約108nmである。

0089

いくつかの実施態様において、本発明は、複数の治療用薬剤の一つとして光増感剤を含む(例えば、金属−有機コアを囲む脂質単層又は脂質二重層中に)本発明のナノスケール粒子及び薬学的に許容される担体を含む医薬製剤を提供する。
いくつかの実施態様において、本発明は、それを必要とする患者における癌を治療する方法であって、複数の治療用薬剤の一つとして光増感剤を含む本発明のナノスケール粒子を含む組成物を該患者に投与する段階、及び該患者又は該患者の治療領域を、この光増感剤を活性化するのに適した波長の放射線で照射する段階、を含む方法を提供する。照射は、光増感剤を活性化し、一重項酸素などの反応性酸素種を生成する。照射に用いられる波長は、光増感剤に依存する。いくつかの実施態様において、この光増感剤はピロリピッドであり、この照射は630nm〜740nmの範囲の波長で行われる(例えば、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730又は約740 nm)。

0090

任意の適当な癌を治療することができ、この癌として、頭頸部癌、乳癌、婦人科癌、脳癌、結腸直腸癌、中皮腫、及び膵臓癌が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、この癌は頭頸部癌である。いくつかの実施態様において、この頭頸部癌は、シスプラチン抵抗性頭頸部癌である。

0091

いくつかの実施態様において、このナノ粒子の少なくとも一つの化学療法用薬剤は、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグである。いくつかの実施態様において、このプロドラッグは、シスプラチン又はオキサリプラチンのビスホスホネートエステルである。いくつかの実施態様において、このナノ粒子コアは、金属-ビスホスホネート配位ポリマーを含む。いくつかの実施態様において、この金属はZnである。いくつかの実施態様において、このナノ粒子は、約1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9又は1:10のモル比で、シスプラチンのプロドラッグとピロリピッドを含むことができる。いくつかの実施態様において、このナノ粒子は、約10〜50重量%のシスプラチンのプロドラッグ(例えば、ナノ粒子コア内に埋め込まれた)及び約10〜50重量%のピロリピッド(コーティング層中)を含む。

0092

いくつかの実施態様において、本発明は、マイクロエマルジョン法による、化学療法用薬剤及び光増感剤を含むナノ粒子の製造方法を提供する。いくつかの実施態様において、この方法は、(a)金属イオンを含有するマイクロエマルジョンを、ビスホスホネートを含有するマイクロエマルジョンと接触させ、それによって金属ビスホスホネート配位高分子ナノ粒子を形成する段階、及び(b)(a)段階で形成したナノ粒子を、ピロリピッドを含む溶液中に分散させ、ピロリピッドでコーティングされたナノ粒子を形成する段階から成る。いくつかの実施態様において、このビスホスホネートは、シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグである。いくつかの実施態様において、この溶液は、コレステロール、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)及びペグ化1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE)のような、一又はそれ以上の追加の脂質コーティング成分を含む。

0093

IV.siRNA送達
ナノ粒子送達システムは、透過性及び保持(EPR)効果を強化して、送達を改善し毒性を低下させることにより、化学療法用薬剤の抗癌効果を増強することを示してきたが、in vivoで腫瘍細胞を標的とするsiRNAの効率的な送達には未解決の問題がある。エンドソーム脱出(Endosomal secape)は、細胞内のsiRNA媒介遺伝子サイレンシングの引き金となる重要なステップである。エンドソーム脱出のために一般的に利用されるプロトンスポンジ効果は、長時間の循環と最小限の非特異単核食細胞系(MPS)の取り込みを達成するのには好ましくない、正に荷電した送達媒体に導く、カチオン性のリン脂質やポリマーのような、カチオン成分に依存する。従って、全身注射を介したEPR効果の利点を利用して、腫瘍で多く蓄積することが必要とされる中性表面電荷を損なうことなく、エンドソーム脱出を効率的に行うsiRNAを多く積載できる効率的なナノプラットフォームを開発することが求められている。ナノスケール配位ポリマーは、癌治療のために個々の又はプールされたsiRNAを送達するために使用することができる。ナノスケール配位高分子(NCP)は、in vivoで腫瘍にsiRNAを効率的に送達するための根本的に新しい引き金による放出とユニークなエンドソーム脱出機構を提供する。本明細書中に記載されたモジュール式の拡大可能なナノスケール配位高分子(NCP)総合体は、「カクテル」siRNA治療を達成するために複数の遺伝子を標的とするsiRNAの取り込みを可能にし、ナノスケール配位高分子(NCP)技術を臨床の癌治療に応用することを促進する。

0094

十年にわたる熱心な研究努力にもかかわらず、病院における後期癌の治療は、限られた成功しか達成しておらず、大部分はうまくっていない。免疫系は、自己免疫から宿主を保護し、抗腫瘍免疫を妨げるように進化した、腫瘍の複雑な負のフィードバック機構によって制限される。腫瘍細胞は、免疫系による検出及び排除を回避するために、複数の戦略を利用する。siRNAが媒介するRNAiを、腫瘍細胞及び腫瘍間質細胞の両方における複数の免疫経路を遮断することにより、免疫系を活性化するために使用することができる。本明細書に記載された強力なナノスケール配位高分子(NCP)プラットフォームは、耐性卵巣癌(OCa)などの耐性癌に効果的な免疫を誘発する高エンドソーム脱出能力を有する、siRNAカクテルを腫瘍部位への効果的に送達することができる。

0095

プログラム細胞死1(PD-1)は、活性化T細胞B細胞単球樹状細胞(DC)などに発現する主要な免疫チェックポイント受容体である。PD-1は、末梢組織で機能し、末梢組織において、これらの免疫細胞は、活性化された免疫細胞だけでなく腫瘍細胞や間質細胞で過剰発現する、PD-L1などのPD-1リガンドに遭遇することができる。PD-L1の発現は、耐性卵巣癌(OCa)で予後不良に関係する。Tヘルパータイプ1(TH1)細胞上のPD1の発現を阻止することは、PD-L1のチャレンジの間のTH1細胞の分化を安定化し、TH1細胞が細胞性免疫を深刻に損なう制御性T(Treg細胞)の細胞に変わることを防止することができる。従来の臨床研究は、複数の進行癌を有する患者における、抗体を媒介したPD-L1の遮断が、耐久性腫瘍退縮を誘発し(奏効率6〜17%)、疾患の安定を長期化する(24週目で12〜41%の割合)ことを実証した。siRNAによる腫瘍におけるPD-L1発現のダウンレギュレーションは、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害し、強力な抗癌活性を媒介するT細胞応答を増強する。

0096

腫瘍細胞によるケモカインCCモチーフリガンド21の分泌は、障害サイトカイン環境及び免疫細胞集団の蓄積を特徴とする、免疫寛容リンパ様間質の発生の中心的事象として同定されている。この現象は、腫瘍細胞ではなく、間質細胞上のケモカインCCモチーフ受容体7(CCR7)によって媒介されることが示され、CCR7-/-マウスで又は特異的抗体によるCCR7の遮断に続いて、免疫能は正常レベルに回復される。siRNAによる腫瘍間質細胞におけるCCR7の発現のダウンレギュレーションを、腫瘍微小環境を抗腫瘍免疫を刺激するように調節することができる。
また、腫瘍細胞の代謝の変更は、必須栄養素の腫瘍微小環境を枯渇させ、免疫抑制代謝物加速された産生をもたらすので、免疫抑制を誘発する。ヒト腫瘍細胞においてアップレギュレートされたインドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)は、Treg細胞と骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の活性化を促進し、腫瘍浸潤性T細胞の増殖を阻害し、エフェクターT細胞のアポトーシスを誘導する。siRNAによる腫瘍細胞におけるIDO発現のダウンレギュレーションは、免疫抑制の低下を引き起こすことができる。
腫瘍細胞の微小環境細胞性及び体液性の成分の両方が免疫療法戦略の標的であるので、ナノスケール配位高分子(NCP)/siRNAを、PD-L1、CCR7及びIDOを標的とするsiRNAのカクテルを耐性卵巣癌(OCa)に送達するために使用することができる。いくつかの実施態様において、このNCP/siRNAは、固体のコア中にビスエチレンジアミン)-白金ビスホスホン酸(Pten)を有し、シェルにsiRNAを有する脂質二重層を有する、配位高分子を有するコア-シェル型のナノ粒子とすることができる。Ptenを有するPten-NCP粒子のシェルに複数のsiRNAを組み込んだPten-NCP/siRNAsを以下に記載する。

0097

V.製剤
いくつかの実施態様において、本発明の組成物は、薬学的に許容される担体を含む組成物から成る。任意の適切な医薬製剤を、患者へ投与するための組成物を製造するために使用することができる。いくつかの実施態様において、この組成物及び/又は担体は、ヒトに薬学的に許容されることができる。
例えば、適切な製剤は、抗酸化剤緩衝剤静菌剤殺菌性抗生物質、及び製剤を患者の体液等張にする溶質を含有することのできる水性及び非水性の滅菌注射溶液懸濁剤及び増粘剤を含むことができる水性及び非水性の無菌懸濁液を含むことができる。この製剤を、例えば、密封アンプル及びバイアルのような、単位用量又は複数用量の容器に入れることができ、使用直前に、例えば、注射用水のような、滅菌液体キャリアの添加のみを必要とする凍結又は凍結乾燥状態で保存することができる。いくつかの典型的な成分は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)(一例では0.1〜10mg/mlであり、別の例では約2.0 mg/mlである。)、及び/又はマンニトール又は他の糖(一例では10〜100mg/mlであり、別の例では約30mg/mlである。)、及び/又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)である。
本発明の製剤は、上記の特定の成分に加えて、このタイプの製剤に関して当該技術分野で通常使用されている他の薬剤を含むことができることを理解すべきである。例えば、無菌のパイロジェンフリー水性及び非水性の溶液を使用することができる。

0098

VI.患者
本明細書で開示される方法及び組成物は、患者(例えば、病人などの生体)にインビボで、又はインビトロ(例えば、単離された細胞又は組織)で、のいずれかのサンプルとして使用することができる。本発明の原理は、本発明が、哺乳動物を含むすべての脊椎動物種(これは「患者」及び「病人」に含まれることが意図されている。)に対して有効であることを示すことを理解されるべきであるが、いくつかの実施態様において、この患者はヒトである。また、哺乳動物は、本明細書に開示された組成物及び方法が用いられることが望ましい任意の哺乳類種(特に、農業用及び家庭用哺乳動物種)を含むと理解されるべきである。
このように、本発明の方法は、温血脊椎動物に特に有用である。従って、本発明は、哺乳類鳥類に関するものである。より具体的には、提供される方法や組成物は、ヒト等の哺乳動物のためのものであり、また、ヒトに対して経済重要性(人間による消費のために農場飼育される動物)及び/又は社会的重要性(ペットとして又は動物園で飼育される動物)を持つ哺乳動物(例えば、例えば、ヒト以外の肉食動物(例えば、ネコイヌなど)、ピッグホッグ及びイノシシ)、反芻動物ウシ、雄ヒツジキリンシカヤギバイソン及びラクダなど)、並びに)のためのものである。また、絶滅危機に瀕している鳥類、動物園で飼われている鳥類、又はペット飼われている鳥類(例えば、オウム)、更に、家禽、特に、シチメンチョウニワトリ、アヒルガチョウホロホロチョウなどの飼われている家禽、を含むの治療法も、それらが人間にも経済的に重要であるので、提供される。また、飼われている豚(ピッグ及びホッグ)、反芻動物、馬、家禽(但し、これらに限定されない)などの家畜の治療法が提供される。

0099

VII.投与
本発明の組成物の適切な投与方法として、静脈内及び腫瘍内注射、経口投与皮下投与腹腔内注射頭蓋内注射、並びに直腸投与が挙げられるが、これらに限定されない。代替として、組成物を、治療を必要とする部位に他の任意の方法(例えば、肺経路内に組成物を噴霧する。)で置いてもよい。本発明の組成物の投与法の特定の様式は、治療対象の細胞の分布及び存在量や、投与部位から組成物を代謝又は除去する機構等の様々な因子に依存する。例えば、相対的に表在性である腫瘍については、腫瘍内に注射することができる。対照的に、内部の腫瘍については、静脈内注射後に治療することができる。
ある実施態様において、投与方法は、治療すべき部位に局所的に送達するため又は蓄積するための機能を含む。いくつかの実施態様において、組成物は腫瘍内に送達される。いくつかの実施態様において、標的への組成物の選択的送達は、標的の光線力学的治療光照射)に続く、組成物の静脈内注射によって達成される。
組成物を肺経路へ送達するために、本発明の組成物を、エアロゾル又は粗スプレー用に製剤化することができる。エアロゾル又はスプレー製剤の製法及び投与法は、例えば、米国特許第5,858,784号、同第6,013,638号、同第6,022,737号及び同第6,136,295号に見出すことができる。

0100

VIII.投与量
本発明の組成物の有効量が患者に投与される。「有効量」とは、検出可能な治療効果をもたらすのに十分な組成物の量である。特定の患者及び/又は標的に所望の効果を達成するのに有効な量の組成物を投与するために、本発明の組成物の成分の実際の用量レベルを変化させることができる。選択された用量レベルは、組成物の活性(例えば、MRIの緩和度又はビスホスホネート薬剤積載量)及び投与経路に依存する。
本明細書に開示された本発明を検討後、当業者は、特定の製剤、組成物に使用する投与方法、及び治療すべき標的の性質を考慮して、個々の患者に対する投与量を調整することができる。このような調整又は変更、及びこのような調整又は変更を行うタイミングと方法の評価は、当業者によく知られている。

0101

以下の実施例は、当業者に本発明の代表的な実施態様を実施するための指針を提供するためのものである。本開示及び当業者の一般的レベルに照らすと、当業者は、以下の実施例が例示のみを意図していること、並びに本発明の範囲から逸脱することなく多くの変更、修正及び変更を行うことができること、を理解するであろう。

0102

実施例1
シスプラチン又はオキサリプラチンのプロドラッグを用いて作成され、粒子表面に静電的相互作用により吸着されたRNAを有する、ナノスケール配位高分子

0103

1.1シスプラチンのプロドラッグ(cisPtBp)の合成:



スキーム1:ビスホスホネートシスプラチンプロドラッグの構造

0104

ビスホスホネートシスプラチンプロドラッグ(cisPtBp)(スキーム1)を、国際公開WO 2013/009701の記載に従って作製した。具体的には、ジメチルホルムアミド(DMF)2mL中のシス,シス,トランス−[Pt(NH3)2Cl2(OH)2](0.8 g、1.5ミリモル)の懸濁液に、4当量ジエトキシホスフィニルイソシアネート(0.92ミリリットル、6.0ミリモル)を含有するDMFの溶液1mLを添加した。得られた混合物を、室温、暗所で12時間撹拌した。この溶液を濾過し、得られたビスホスホネートエステル錯体に、ジエチルエーテルを添加して、沈殿させ、少なくとも2回ジエチルエーテルで洗浄し、残留DMFを除去した(収率:80%)。1H NMRinDMSO-d6: δ 8.61 (d, 2H); 6.58 (br, 6H); 3.97 (q, 8H); 1.20 (t, 12H).
このビスホスホネートエステル複合体を、次の反応に使用する前に、4時間真空乾燥した。乾燥DMF 3ml中のビスホスホネートエステル錯体(250ミリグラム、0.36ミリモル)の溶液に、0℃でトリメチルシリルブロミド475μL(3.6ミリモル)を添加し、この混合物を、窒素雰囲気、暗所、室温で18時間反応させた。この溶液を濃縮した後、ジクロロメタン(DCM)を添加して反応中間体を沈殿させ、更にジクロロメタンで少なくとも二回洗浄した。得られた固体を、メタノール(MeOH)に溶解させ、シリルエステル加水分解するために、室温で8時間撹拌した。この溶液を濃縮した後、反応混合物にジクロロメタン(DCM)を注ぎ、目的のcisPtBp生成物を沈殿させ、得られた固体をDCMで2回洗浄した(収率:60%)。1H NMR in D2O. δ 6.62 (m, 6H).ESI-MS for [M+H]+: 578.9 calcd; 579.0 found.

0105

1.2. siRNAを積載したNCP-1(NCP-1/siRNA)の調製:
cisPtBpナトリウム塩(25 mg/ml)の水溶液200μL及びZn(NO3)2(100mg/mL)の水溶液0.2mLを、0.3M Triton X-100/1.5M1-ヘキサノールシクロヘキサン混合液5 mLにそれぞれ添加し、マイクロエマルジョン(W=7.4)を形成した。このcisPtBpナトリウム塩マイクロエマルジョンに、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート(DOPA)(クロロホルム(CHCl3)中200 mg/ml)200μLを添加し、透明な溶液が形成されるまで15分間攪拌を継続した。この2つのマイクロエマルジョンを合わせ、得られたマイクロエマルション10 mLをさらに30分間撹拌し、ナノスケール配位高分子(NCP)を得た。下記スキーム2を参照されたい。次に、このNCPを、シクロヘキサン及びエタノールで洗浄して、余分なDOPAを除去し、THFに分散させた。DOTA/コレステロール(DOTAP/コレステロールのモル比=2:1)のTHF溶液、20モル%DSPE-PEG2K及びナノスケール配位高分子(NCP)を、50℃で30%(v/v)エタノール/水に添加することによって、カチオン性脂質でコートされたナノスケール配位高分子(NCP-1)を得た。THF及びエタノールを完全に蒸発させ、このNCP-1溶液を、使用する前に、室温まで冷却した。ナノスケール配位高分子(NCP)を形成するためのcisPtBpナトリウム塩の代わりに、ピロリン酸ナトリウム十水和物を使用した以外は、同様の方法で、対照のナノ粒子(Zncontrol)を作製した。

0106

スキーム2:亜鉛-シスプラチンビスホスホネート配位高分子の構造

0107

サバイビンsiRNA、Bcl-2 siRNA、及びP糖タンパク質(P-gp)siRNAを、重量比1:1:1でDEPC処理水に溶解し、2mg/mLのプールsiRNA溶液を得た。カチオン性脂質でコートされたNCP-1(2 mg/ml)をsiRNA溶液(2mg/ml)と、シスプラチン:siRNAの重量比4:1で、混合し、この混合物を800rpmで室温で30分間継続して撹拌して、正に帯電したNCP-1表面上に負に帯電したsiRNAを吸着させた。
誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)を用いて、ナノスケール配位高分子(NCP)のPt濃度を分析し、シスプラチン量を計算した。NCP-1のシスプラチン量は40〜50重量%であった。
リン酸緩衝溶液(PBS)中で、NCP-1及びNCP-1/siRNAの粒子サイズ、多分散性指数(PDI)及びゼータ電位を、ゼータサイザー(Nano ZS, Malvern, UK)を用いて測定した。NCP-1及びNCP-1/siRNAの粒子サイズ、多分散性指数(PDI)及びゼータ電位は、それぞれ、134.2±3.4 nm、0.076±0.013及び16.3±2.6mV;156.3±6.7 nm、0.087±0.021及び-3.1±0.5 mVであった。NCP-1/siRNAの粒子サイズ及び負電荷がわずかに上昇したので、siRNAの吸着の成功を確認した。また、siRNAを搭載したZncontrol粒子(Zncontrol/siRNAを)を作製した。それらの粒子サイズ、多分散性指数(PDI)及び表面電荷はそれぞれ144.2±2.4nm、0.102±0.022及び-2.9±0.4 mVであった。

0108

透過型電子顕微鏡(TEM, JEM100CX-II, JOEL Ltd, 東京、日本)を用いてNCP-1/siRNAの形態を観察した。NCP-1/siRNAの形態は、球状、単分散で、明確に定義されていた(図3(a))。
NCP-1とsiRNAの会合を、最初、臭化エチジウム(EB)0.25μg/mLを含む4%(w/v)アガロースゲル電気泳動上でゲル遅延アッセイを用いて測定した。NCP-1に積載されたsiRNAの動きは、対照ののsiRNAと比較すると、完全に妨げられていた。これは、NCP-1が、シスプラチン/siRNA重量比4で、siRNAと効率的に錯体を形成していることを示唆する。
NCP-1へのsiRNAの積載効率LE)を定量的蛍光法により測定した。TAMRA(カルボキシテトラメチルローダミン)で標識されたsiRNAをNCP-1内に封入し、このナノ粒子の懸濁液を13,000rpmで30分間遠心分離した。上清中の遊離TAMRA-siRNAの量を、標準曲線(TAMRA、λex= 565nm、λem= 580nm)に基づいて蛍光法を用いて決定した。積載効率(LE)を、下式で計算した。



式中、W0とW1は、それぞれ、上清中の総siRNAと遊離siRNAの量を表す。このsiRNAの積載効率(LE)は91.2±4.9%と高かった。

0109

1.3.血清中のsiRNAの完全性:
siRNA 1μgを含有するNCP-1/siRNAを、ウシ胎児血清(FBS)を等容積で混合した。37℃で所定時間インキュベートした後、ヌクレアーゼ不活性化し、NCP-1構造を破壊するために、この混合物を80℃で5分間加熱した。そのため、このsiRNAは、NCP-1/siRNAから解離した。その後、その完全性を4%(w/v)アガロースゲル電気泳動で評価した。siRNA 1μgを含む裸のsiRNA溶液を対照とした。NCP-1/siRNAは、血清と4時間までインキュベートした場合、ヌクレアーゼ分解からsiRNAを保護する望ましい能力を示した。

0110

1.4.インビトロのsiRNAの放出:
NCP-1/siRNAからのsiRNA放出プロファイルを評価するために、TAMRA-siRNA(TAMRAで標識されたsiRNA) 1μgを含有するナノ粒子を、37℃でPBS1mLと共に振とう下でインキュベートした。この懸濁液を、各所定の時間間隔で、13,000rpmで10分間遠心分離し、上清0.5mLを蛍光定量することによって、TAMRA-siRNAの含有量を定量した。放出されたと等量の媒体を加え、さらにインキュベートする前に、沈殿物再懸濁した。NCP-1/siRNAは、2時間で放出割合約40%でPBS中にsiRNAを放出し、24時間後に全て放出することができた。siRNAはナノスケール配位高分子(NCP)からゆっくり放出された。

0111

1.5.細胞内へのsiRNAの取り込み:
3種の卵巣癌細胞株(ES-2、OVCAR-3及びSKOV-3細胞)を、1ウェルあたり1×105個の細胞の割合で24ウェルプレート播種し、24時間培養した。これにTAMRA-siRNAを含有するNCP-1/siRNA及び裸のTAMRA-siRNAの溶液(2mg/ml)を添加した(siRNA 0.4μg/ウェル)。4時間のインキュベーション後、細胞をPBSで3回洗浄し、次いで、0.5%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS、pH8.0)に溶解した。この溶解物について、蛍光定量によりTAMRA-siRNAを定量し、BCAキット(Promega Corporation, Madison, Wisconsin, USA)を用いてタンパク質含有量を定量した。取り込みレベルを、細胞タンパク質1mgに対するTAMRA-siRNA量として表した。
図3(b)を参照されたい。NCP-1/siRNAのsiRNAの取り込み量は、裸のsiRNA溶液と比較すると、大幅に増加しており、これは、NCP-1/siRNAがsiRNAの内在化を促進することができることを示している。
また図3(c)を参照されたい。シスプラチンの内在化もNCP-1/siRNAによって促進されており、これはP糖タンパク質(P-gp)のダウンレギュレーションがナノ粒子/シスプラチンの流出を減少させたことによるものである可能性がある。

0112

ES-2、OVCAR-3及びSKOV-3細胞へのNCP-1/siRNAの内在化を直接観察するために、これらの細胞を、TAMRA-siRNAを含有するNCP-1/siRNAと共に37℃で4時間インキュベートした。これらの細胞をPBSで3回洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで固定し、4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI、を10μg/mL)で染色し、共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)で観察した。これら3種の卵巣癌細胞のすべての細胞質に大量のsiRNAが局在化していた。
内在化NCP-1/siRNAとエンドソーム/リソソームコンパートメントとが、共局在することを可視化するために、これらの細胞をTAMRA-siRNAを含有するNCP-1/siRNAと共に37℃で2時間インキュベートした。これらの細胞をPBSで3回洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで固定し、DAPI(10μg/ml)及びリソトラッカーグリーン(100 nM)を用いて染色し、共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)で観察した。2時間のインキュベーション後、NCP-1/siRNA中に封入されたsiRNAの大半は、エンドソーム/リソソームの捕捉から脱していた。

0113

1.6.NCP-1/siRNAのインビトロでのトランスフェクション効率
ES-2、OVCAR-3及びSKOV-3細胞を、1ウェルあたり2×105個の細胞の割合で24ウェルプレートに播種し、24時間培養した。実験前に、培地を、10%FBSを含有し予温され新鮮培養培地1mlと置き換えた。これらの細胞に、プールされたsiRNAを含むNCP-1/siRNA、一種類のsiRNAを含むNCP-1/siRNA、プールされたsiRNAを含むZncontrol/siRNA、及びNCP-1を、ウェル当たりシスプラチン用量0.4μgに相当するsiRNA用量1.6μgで細胞に添加した。4時間のインキュベーションの後、培地を、10%FBSを含有し予温され新鮮な培養培地1mlと置き換え、さらに20時間インキュベートした。これらの培養培地の上清を回収し、酵素結合免疫吸着検定法ELISA: R&D Systems, Minneapolis, Minnesota, USA; MyBiosource, San Diego, California, USA、その使用説明書に従う)により、細胞外のサバイビン及びP-gpの生産を測定した。これらの細胞を溶解し、溶解物中のBcl-2量をELISA(R&D Systems, Minneapolis, Minnesota, USA)により定量した。NCP-1/siRNAは、卵巣癌細胞において強力な遺伝子サイレンシングを誘発した(表1a、1b及び1c)。Zncontrol/siRNAもまた、遺伝子発現をダウンレギュレートした。NCP-1群でサバイビン及びBcl-2の発現レベルが減少したが、これは、これは、ナノ粒子に組み込まれたシスプラチンによって細胞毒性が誘導され、サバイビン及びBcl-2などの腫瘍増殖関連遺伝子の発現レベルに影響したことによる可能性がある。

0114

0115

NCP-1/プールsiRNAによって媒介されるトランスフェクション効率を、市販のトランスフェクション剤LIPOFECTAMINE(R) RNAiMAX (Life Technologies, Carlsbad, California, USA)と比較した。SKOV-3細胞を、1ウェルあたり2×105個の細胞の割合で24ウェルプレートに播種し、24時間培養した。実験前に、培地を、10%FBSを含有し予温され新鮮な培養培地1mlと置き換えた。NCP-1/プールsiRNA及びLIPOFECTAMINE(R) RNAiMAX/siRNA複合体を、種々のsiRNA用量で細胞に添加した。4時間のインキュベーションの後、培地を、10%FBSを含有し予温され新鮮な培養培地1mlと置き換え、さらに20時間インキュベートした。これらの培養培地の上清を回収し、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA: R&D Systems, Minneapolis, Minnesota, USA; MyBiosource, San Diego, California, USA、その使用説明書に従う)により、細胞外のサバイビン及びP-gpの生産を測定した。これらの細胞を溶解し、溶解物中のBcl-2量をELISA(R&D Systems, Minneapolis, Minnesota, USA)により定量した。siRNA用量3 nMにおける、NCP-1/プールsiRNA及びLipo/プールsiRNAについて、同等の遺伝子ノックダウン効率が観察された(表2a、2b及び2c)。siRNA用量をさらに0.75 nMまで減らした場合、NCP-1/プールsiRNAによって媒介されるトランスフェクション効率は、Lipo/プールsiRNAよりも有意に強力であった。LIPOFECTAMINE(R) RNAiMAXの最適なsiRNA用量よりも10倍低い、siRNA用量0.3 nMにおいても、NCP-1/プールsiRNAは効果的な遺伝子サイレンシングを誘発し、そのトランスフェクション効率は60〜70%であった。

0116

0117

NPC-1/プールsiRNAによって媒介されるトランスフェクション効率の経時変化を、SKOV-3細胞で評価した。まず、SKOV-3細胞におけるNCP-1/プールsiRNAの長期的な細胞毒性を評価した。SKOV-3細胞を、1ウェルあたり4×103個の細胞の割合で24ウェルプレートに播種し、24時間培養した。NCP-1/プールsiRNAナノ粒子をsiRNA用量0.75 nMで細胞に添加した。4時間のインキュベーションの後、培地を、10%FBSを含有し予温され新鮮な培養培地1mlと置き換え、さらに5日間インキュベートした。細胞を2日ごとに1:3で継代した。NCP-1/プールsiRNAで5日間トランスフェクトされたSKOV-3細胞の細胞生存率は92.5±5.8%であり、細胞毒性が誘導されなかったことを示唆している。
次にNCP-1/プールsiRNAの時間依存性トランスフェクション効率を測定した。SKOV-3細胞を、1ウェルあたり2×105個の細胞の割合で24ウェルプレートに播種し、24時間培養した。実験前に、培地を、10%FBSを含有し予温され新鮮な培養培地1mlと置き換えた。NCP-1/プールsiRNA及びLIPOFECTAMINE(R) RNAiMAX/siRNA複合体を、siRNA用量0.75 nMで細胞に添加した。4時間のインキュベーションの後、培地を、10%FBSを含有し予温され新鮮な培養培地1mlと置き換え、さらに種々の時間インキュベートした。細胞を2日ごとに1:3で継代した。これらの培養培地の上清を回収し、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA: R&D Systems, Minneapolis, Minnesota, USA; MyBiosource, San Diego, California, USA、その使用説明書に従う)により、細胞外のサバイビン及びP-gpの生産を測定した。これらの細胞を溶解し、溶解物中のBcl-2量をELISA(R&D Systems, Minneapolis, Minnesota, USA)により定量した。
図6に示すように、1日目以後、LIPOFECTAMINE(R)RNAiMAX/siRNAについて、遺伝子サイレンシング効果は全く観察されなかった。しかし、以後4日目まで、NCP-1/プールsiRNAは効果的な遺伝子ノックダウンを媒介した。これは、任意の特定の理論に縛られることなく、NCP-1/siRNAにはsiRNAの保護と放出との間に望ましいバランスがあることに因るのかもしれない。

0118

1.7.インビトロの細胞毒性:
ES-2、OVCAR-3、SKOV-3、A2780及びA2780/CDDP細胞を、1ウェルあたり5000個の細胞の割合で96ウェルプレートに播種し、24時間培養した。培地を、10%FBSを含有する新鮮な培養培地100μlと置き換えた。これらの細胞に、シスプラチン溶液、NCP-1、プールsiRNAを含むNCP-1/siRNA、単一のsiRNAを含むNCP-1/siRNA、及びプールsiRNAを含むZncontrol/siRNAを、異なるシスプラチン又はsiRNA用量で添加した。24時間のインキュベーション後、細胞生存率を(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム)(MTS)アッセイ(Promega Corporation, Madison, Wisconsin, USA、その使用説明書に従う)により測定した。細胞増殖を50%阻害するのに必要なシスプラチン及びsiRNAの濃度(IC50値)を計算した。シスプラチンIC50が、遊離シスプラチン又はNCP-1のいずれかと比較して、顕著に低いことからわかるように(表3)、複数の多剤耐性(MDR)遺伝子とシスプラチンを標的にしているプールsiRNAを共送達することにより、シスプラチンに耐性の3つ全ての卵巣癌細胞を再増感することができた。ES-2、OVCAR-3、SKOV-3及びA2780/CDDP細胞において、NCP-1/プールsiRNAのシスプラチンIC50は、NCP-1と比較して、それぞれ102倍、7倍、140倍及び16倍低い。NCP-1/個々のsiRNAによる処理は、SKOV-3細胞で、NCP-1/siサバイビン(IC50がNCP-1と比較して21倍低い)を除き、NCP-1よりもほんの少しだけ強力であった。NCP-1/個々のsiRNAサンプルのIC50値は、NCP-1のIC50値よりもほわずか低かった(最大で2.6倍)。SKOV-3細胞で、NCP-1/siサバイビンのIC50値は、NCP-1/siRNAのIC50値よりも6.5倍高い。

0119

これらの結果は、NCP-1/siRNAがNCP-1/個々のsiRNAよりもはるかに強力であり、前述のように遺伝子ノックダウンがより効果的であることを示している。シスプラチン感受性のA2780細胞において、遊離シスプラチン、NCP-1、及びNCP-1/siRNAは、同様の細胞毒性を誘発した(表3)。
また、シスプラチンIC50値に対応するsiRNA用量でのZncontrol/siRNAの細胞毒性をも評価した。Zncontrol/siRNAと対照との間で、細胞生存率の明らかな違いは見られなかった(ES-2、OVCAR-3、SKOV-3、A2780及びA2780/CDDPについて、それぞれ、88.3±2.1%、89.4±3.1%、94.2±5.6%、102.9±4.5%及び89.4±10.2%)。これは、NCP-1/siRNAの抗癌効果の大幅上昇が、プールsiRNAによる遺伝子調節とシスプラチンによる化学療法効果との相乗効果によるものであることを示している。

0120

0121

1.8. DNAラダー
ES-2、OVCAR-3及びSKOV-3細胞を、1ウェルあたり1×106個の細胞の割合で6ウェルプレートに播種し、24時間培養した。培地を、10%FBSを含有する新鮮な培養培地2mlと置き換えた。NCP-1及びNCP-1/プールsiRNAを含むsiRNAを、シスプラチンIC80濃度で細胞に添加した。24時間のインキュベーションに続いて、DNAラダー単離キット(Sigma-Aldrich Corporation, St. Louis, Missouri, USA)をその使用説明書に従って用いて、癌細胞の総DNAを抽出し、2%(w/v)アガロースゲル電気泳動により35 Vで5時間調べた。NCP-1群よりもNCP-1/プールsiRNA群において特徴的なDNAラダーの存在が認められた。これは、シスプラチンとプールされたsiRNAの同時送達が、多剤耐性(MDR)遺伝子発現をサイレンシングすることによって、シスプラチン耐性細胞において細胞アポトーシスを誘導することができることを示す。

0122

1.9. Annexin V染色による細胞アポトーシス:
6ウェルプレートに入れたカバースリップに、ES-2、OVCAR-3及びSKOV-3細胞を、1ウェルあたり1×106個の細胞の割合で播種した。これらの細胞を、ナノ粒子の処理の前に、37℃、5%CO2の条件で、24時間インキュベートした。これらの細胞を、TAMRA-siRNAを積載したNCP-1/siRNAと共に、37℃、5%CO2の条件で、24時間インキュベートした。その後、これらの細胞を、PBSで洗浄し、氷冷4%パラホルムアルデヒドで固定し、10μg/mLの4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)及びAlexa Fluor 488 結合Annexin V (Invitrogen, Carlsbad, California, USA)を用いて、その取扱説明書に従って、染色した。核(青色蛍光)、細胞アポトーシス(緑色蛍光)及びナノ粒子の内在化(赤色蛍光)を可視化するために、これらの細胞を、共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM, Zeiss LSM710, Jena, ドイツ)を用いて、それぞれ励起波長405nm、488nm及び546nmで、観察した。NCP-1/プールsiRNAで24時間処理された3種全ての卵巣癌細胞はsiRNAを効果的に取り込み、これらのナノ粒子が癌細胞の強いアポトーシスを誘導したことを示した。

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