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図面 (6)

課題

多孔質セラミックス表面処理による酸化むらを抑制することが可能な表面処理方法及び表面処理システムを提供する。

解決手段

表面処理方法は、開気孔を含む多孔質セラミックスに加圧されたオゾンガス通風させることで多孔質セラミックスを表面処理する表面処理工程と、多孔質セラミックスに熱風を通風させることで多孔質セラミックスに残留しているオゾンを除去するオゾン除去工程と、を備える。

概要

背景

従来、多孔性素材の表面のみならず細孔内も効率的に改質する方法(表面処理方法)及び処理装置表面処理システム)が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、多孔性素材の一例として、多孔性を有するセラミックスが挙げられている。

特許文献1には、微量の酸素を含む混合ガスを、多孔性素材に接触させた状態で多孔性素材の裏面から吸引することにより、混合ガスを多孔性素材の細孔内に充填する充填工程と、充填工程後、多孔性素材に紫外線処理を施し、細孔内を改質する改質工程と、を有する多孔性素材の紫外線処理方法が記載されている。

また、特許文献1には、反応室と、反応室内に微量の酸素を含む混合ガスを導入するガス導入手段と、反応室内で多孔性素材を支持するとともに多孔性素材の裏面から混合ガスを吸引する支持手段と、多孔性素材に紫外線照射する紫外線処理手段と、を備える紫外線処理装置が記載されている。

概要

多孔質セラミックス表面処理による酸化むらを抑制することが可能な表面処理方法及び表面処理システムを提供する。表面処理方法は、開気孔を含む多孔質セラミックスに加圧されたオゾンガス通風させることで多孔質セラミックスを表面処理する表面処理工程と、多孔質セラミックスに熱風を通風させることで多孔質セラミックスに残留しているオゾンを除去するオゾン除去工程と、を備える。

目的

本開示の目的は、多孔質セラミックスの表面処理による酸化のむらを抑制することが可能な表面処理方法及び表面処理システムを提供する

効果

実績

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請求項1

開気孔を含む多孔質セラミックス加圧されたオゾンガス通風させることで前記多孔質セラミックスを表面処理する表面処理工程と、前記多孔質セラミックスに熱風を通風させることで前記多孔質セラミックスに残留しているオゾンを除去するオゾン除去工程と、を備える、表面処理方法

請求項2

前記表面処理工程では、前記オゾンガスの濃度が5000ppm〜20000ppmであり、前記オゾンガスの通風量が4L/min〜6L/minである、請求項1に記載の表面処理方法。

請求項3

前記オゾン除去工程では、前記熱風の温度が180℃以上であり、前記熱風を通風させる時間が2分以上である、請求項1又は2に記載の表面処理方法。

請求項4

前記表面処理工程で用いたオゾンガスを加熱して熱分解する熱分解工程と、前記熱分解工程によって生成された空気を外気と混合させて冷却する冷却工程と、を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理方法。

請求項5

前記熱分解工程では、加熱温度が330℃〜450℃である、請求項4に記載の表面処理方法。

請求項6

負圧状態減圧可能であり、開気孔を含む多孔質セラミックスを負圧状態において投入可能なオゾンガス緩衝室と、前記多孔質セラミックスに対して表面処理を行うためのオゾンガスの給気用のオゾン給気口及びオゾンガスの排気用のオゾン排気口を有する表面処理室と、前記オゾンガス緩衝室と前記表面処理室との間に設けられ前記オゾンガス緩衝室内と前記表面処理室内とを仕切る閉位置と連通させる開位置との間で移動可能な扉と、加圧したオゾンガスを前記オゾン給気口から前記表面処理室へ給気するオゾン発生器と、を備える、表面処理システム

請求項7

前記多孔質セラミックスに残留しているオゾンを除去するための熱風の給気用の熱風給気口及び熱風の排気用の熱風排気口を有する熱処理室と、前記熱風を前記熱風給気口から前記熱処理室へ給気する熱風発生器と、を備える、請求項6に記載の表面処理システム。

請求項8

前記オゾン排気口から排気されたオゾンガスを熱分解する熱分解器と、前記熱分解器から排出される空気を外気の混合によって冷却する冷却器と、前記冷却器の下流側に配置されている排気ファンと、を更に備え、前記熱分解器は、筐体と、電熱ヒータと、セラミックフォームと、第1ガラスウールと、第2ガラスウールと、を備え、前記筐体は、下開口及び上開口を有する内筒体と、下開口及び上開口を有し前記内筒体を囲むように配置された外筒体と、前記外筒体の下開口を塞ぐ下壁と、前記外筒体の上開口を塞ぐ上壁と、を有し、前記下壁は、前記内筒体内と前記オゾン排気口とを連通させるオゾンガス導入孔を有し、前記筐体では、前記内筒体の上端縁と前記上壁との間に、前記内筒体内と前記外筒体内とを連通させるための隙間があり、前記外筒体は、上端下端との間において前記外筒体内と前記冷却器とを連通させる排気孔を有し、前記電熱ヒータは、前記内筒体内に配置されており、前記セラミックフォームは、前記内筒体と前記外筒体との間の空間に配置されており、前記第1ガラスウールは、前記セラミックフォームと前記内筒体との間に介在し、前記第2ガラスウールは、前記セラミックフォームと前記外筒体との間に介在している、請求項6又は7に記載の表面処理システム。

請求項9

前記セラミックフォームの空孔率が80〜90%である、請求項8に記載の表面処理システム。

技術分野

0001

本開示は、表面処理方法及び表面処理システムに関し、より詳細には、多孔質セラミックス表面処理を行う表面処理方法及び表面処理システムに関する。

背景技術

0002

従来、多孔性素材の表面のみならず細孔内も効率的に改質する方法(表面処理方法)及び処理装置(表面処理システム)が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、多孔性素材の一例として、多孔性を有するセラミックスが挙げられている。

0003

特許文献1には、微量の酸素を含む混合ガスを、多孔性素材に接触させた状態で多孔性素材の裏面から吸引することにより、混合ガスを多孔性素材の細孔内に充填する充填工程と、充填工程後、多孔性素材に紫外線処理を施し、細孔内を改質する改質工程と、を有する多孔性素材の紫外線処理方法が記載されている。

0004

また、特許文献1には、反応室と、反応室内に微量の酸素を含む混合ガスを導入するガス導入手段と、反応室内で多孔性素材を支持するとともに多孔性素材の裏面から混合ガスを吸引する支持手段と、多孔性素材に紫外線照射する紫外線処理手段と、を備える紫外線処理装置が記載されている。

先行技術

0005

特開2009−195786号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1に記載された方法及び処理装置では、多孔質セラミックスの形状によっては多孔質セラミックスにおいて表面処理したい表面の一部にしか紫外線を照射することができず、未改質の領域が生じたり、改質のむらが発生してしまう可能性がある。

0007

本開示の目的は、多孔質セラミックスの表面処理による酸化のむらを抑制することが可能な表面処理方法及び表面処理システムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本開示の一態様に係る表面処理方法は、開気孔を含む多孔質セラミックスに加圧されたオゾンガス通風させることで前記多孔質セラミックスを表面処理する表面処理工程と、前記多孔質セラミックスに熱風を通風させることで前記多孔質セラミックスに残留しているオゾンを除去するオゾン除去工程と、を備える。

0009

本開示の一態様に係る表面処理システムは、オゾンガス緩衝室と、表面処理室と、扉と、オゾン発生器と、を備える。前記オゾンガス緩衝室は、負圧状態減圧可能であり、開気孔を含む多孔質セラミックスを負圧状態において投入可能である。前記表面処理室は、前記多孔質セラミックスに対して表面処理を行うためのオゾンガスの給気用のオゾン給気口及びオゾンガスの排気用のオゾン排気口を有する。前記扉は、前記オゾンガス緩衝室と前記表面処理室との間に設けられている。前記扉は、前記オゾンガス緩衝室内と前記表面処理室内とを仕切る閉位置と連通させる開位置との間で移動可能である。前記オゾン発生器は、加圧したオゾンガスを前記給気口から前記表面処理室へ給気する。

発明の効果

0010

本開示の表面処理方法及び表面処理システムでは、多孔質セラミックスの表面処理による酸化のむらを抑制することが可能となる。

図面の簡単な説明

0011

図1Aは、本開示の一実施形態に係る表面処理方法で用いる表面処理システムの表面処理室を含む要部の構成図である。図1Bは、同上の表面処理方法で用いる表面処理システムの熱処理室を含む要部の構成図である。
図2は、同上の表面処理方法で用いる表面処理システムにおけるオゾン分解装置の構成図である。
図3は、同上の表面処理方法で用いる表面処理システムのレイアウト説明図である。
図4Aは、同上の表面処理方法によって表面処理する多孔質セラミックスを含むワークの斜視図である。図4Bは、同上の表面処理方法によって表面処理する多孔質セラミックスを含むワークの断面斜視図である。図4Cは、同上の表面処理方法によって表面処理する多孔質セラミックスの拡大断面図である。図4Dは、同上の表面処理方法によって表面処理する多孔質セラミックスの模式図である。
図5は、本開示の一実施形態の変形例に係る表面処理方法で用いる表面処理システムの構成図である。

実施例

0012

下記の実施形態において説明する図1A〜4Dは、模式的な図であり、図中において各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。

0013

(実施形態)
以下では、本実施形態の表面処理方法で用いる表面処理システム1について図1A〜4Dに基づいて説明し、その後、表面処理方法について図1〜4Cに基づいて説明する。

0014

表面処理システム1は、例えば、図4A〜4Dに示すような多孔質セラミックス10を含むワーク101に対してオゾンガスによる多孔質セラミックス10の表面処理(ここでは、酸化等)を行うための装置である。ワーク101は、例えば、触媒セラミックフィルタフィルタ基材である。セラミックフィルタは、例えば、流入した流体中に含まれている不要な物質を濾し取る部材である。また、触媒セラミックフィルタは、フィルタ基材に上記物質に作用する触媒を担持させた部材である。多孔質セラミックス10は、開気孔10b(図4D参照)を含む。多孔質セラミックス10は、例えば、SiCセラミックスである。

0015

多孔質セラミックス10を含むワーク101は、円筒状の隔壁111と、隔壁111の内側に配置された複数の多孔質セラミックス10と、隣り合う多孔質セラミックス10同士を接合している接合層112と、を有する。ワーク101における隔壁111のサイズは、例えば、直径127mm(5インチ)、長さ127mmである。ワーク101における隔壁111のサイズは、これに限らず、例えば、直径304.8mm(12インチ)、長さ304.8mmでもよい。多孔質セラミックス10は、格子状であり、流体の流路となる複数のセル105を有する。複数のセル105の各々は、互いに反対側にある第1開口1051及び第2開口1052を有する。第1開口1051及び第2開口1052の各々の開口形状は、例えば、正方形状である。第1開口1051及び第2開口1052の各々の開口サイズは、例えば、1.1mm×1.1mmである。フィルタ基材であるワーク101では、複数のセル105の各々について、第1開口1051と第2開口1052とのうち一方が目封じされている。より詳細には、フィルタ基材であるワーク101では、複数の第1開口1051が交互に目封じされ、複数の第2開口1052が交互に目封じされている。触媒は、例えば、水系の触媒である。ここにおいて、触媒の溶媒は、水である。触媒は、フィルタ基材を触媒スラリー含浸させることによってフィルタ基材に担持される。

0016

SiCセラミックスは、水に対する親和性が低く、触媒スラリーを弾きやすい。このため、SiCセラミックスでは、触媒の塗布むらが生じ、セラミックフィルタの性能が低下する原因となる可能性がある。また、SiCセラミックスは、触媒との密着力が弱いため、触媒が剥離してしまい、セラミックフィルタの性能が落ちる原因となっている。

0017

オゾンガスによる多孔質セラミックス10の表面処理による効果としては、例えば、酸化、濡れ性の向上がある。多孔質セラミックス10が例えばSiCセラミックスの場合には、オゾンガスによる多孔質セラミックス10の表面処理により形成される酸化膜の効果によって、多孔質セラミックス10と触媒との密着性を高めることが可能となり、濡れ性の向上により、触媒の塗布むらを低減することが可能となる。

0018

オゾン由来活性酸素種(O3→O2+O2-の反応によって発生するO2-)は、酸化力の大きな酸化剤である。多孔質セラミックス10では、活性酸素種によって最表面の分子の結合が切断され、酸素原子が付与されることで酸化が起こると考えられる。オゾンガスによる多孔質セラミックス10の酸化によって形成される酸化膜(SiO2膜)の厚さは、例えば、10nm〜100nm程度である。

0019

多孔質セラミックス10を酸化する手段の代替方法としては、熱酸化処理がある。しかしながら、熱酸化処理では、タクトタイムが長い(例えば、昇温時間と酸化時間と降温時間とを合わせて16時間程度)、熱酸化処理を行う装置の消費電力が大きい、等の製造コスト上のデメリットがある。熱酸化処理を行う際の酸化温度は、例えば、1000℃であり、酸化時間は、例えば、12時間である。また、熱酸化処理では、多孔質セラミックス10自体の組成を大きく変えてしまう(厚さ1μm以上の酸化膜が形成される)等の品質に関わるデメリットがある。これに対して、オゾンガスによる酸化では、熱酸化処理と比べて、タクトタイムが短い(例えば、タクトタイムが15分〜60分程度)、消費電力が小さい(例えば、熱酸化処理を行う際の消費電力の10分の1程度)、等の製造コスト上のメリットがある。また、オゾンガスによる酸化では、多孔質セラミックス10の最表層にしかオゾンが到達しないので、酸化膜が厚くなりすぎるのを抑制することができる(厚さ10nm〜100nm程度の酸化膜しか形成されない)、というメリットがある。

0020

オゾンガスによる多孔質セラミックス10の表面処理では、オゾンと共に空気中の水分等を積極的に混在させることによって、一部のオゾンが水分と反応して、水酸基等の親水基が発生する(O3+H2O→O2+2OH-)。この親水基が多孔質セラミックス10の最表面に一時的に付与(配位結合等)されることによって、濡れ性の向上(親水性の向上)の効果が得られる。このような濡れ性の向上の効果は、一時的に得られる効果であり、30〜60分程度で失われる。

0021

濡れ性を向上させる手段の代替方法としては、紫外線照射処理がある。しかしながら、紫外線照射処理は、紫外光源からの紫外線が到達可能な範囲でかつ紫外光源からの距離が10mm程度でなければ表面処理による濡れ性の向上を図ることができない、というデメリットがある。これに対して、オゾンガスによる多孔質セラミックス10の表面処理では、オゾンガスが到達できる限り、複雑な形状を有する多孔質セラミックス10についても濡れ性の向上の効果が得られる。

0022

多孔質セラミックス10を表面処理することによる「酸化」の効果及び「濡れ性の向上」の効果は、多孔質セラミックス10に水系の触媒を含浸させる際に、密着性の向上、塗布均一性の向上を図るうえで有益である。

0023

また、オゾンガスによる多孔質セラミックス10の表面処理では、多孔質セラミックス10に有機物が付着していた場合等に、付着している有機物を分解除去することも可能である。

0024

表面処理システム1は、図1Aに示すように、酸素ガス源3と、オゾン発生器4と、表面処理室2と、オゾンガス緩衝室11(以下、第1オゾンガス緩衝室11という)と、オゾンガス緩衝室12(以下、第2オゾンガス緩衝室12という)と、排気ファン9と、を備える。

0025

酸素ガス源3は、外気(空気)を原料として酸素ガスを発生するPSA(Pressure Swing Adsorption)式の酸素ガス発生装置である。これにより、酸素ガス源3は、例えば、95vol%以上の濃度の酸素ガスをオゾン発生器4に供給する(送り込む)ことが可能である。表面処理システム1では、酸素ガス源3として酸素ガス発生装置を用いていることにより、酸素ガス源3として酸素ガスボンベを用いる場合に比べて、低コスト化を図ることが可能となる。

0026

酸素ガス源3で発生した酸素ガスは、オゾン発生器4に供給される。オゾン発生器4は、酸素ガス源3から供給される酸素ガスを放電管に通すことでオゾンガスを生成する。オゾン発生器4は、放電方式によって、酸素豊潤空気の一部をオゾンに変えて表面処理室2へ供給する。ここにおいて、オゾン発生器4は、加圧したオゾンガス(例えば、0.15MPaに加圧されたオゾンガス)を表面処理室2へ供給する。表面処理システム1は、オゾン発生器4と表面処理室2とをつなぐ給気用のダクト42を備えている。

0027

表面処理室2は、常温(例えば、20℃〜30℃程度)において、オゾンガスによる多孔質セラミックス10の表面処理(表面改質)を行うためのチャンバオゾン槽)である。ここにおいて、表面改質は、多孔質セラミックス10の表面の酸化を含む。表面処理システム1では、表面処理室2として真空チャンバを用いる必要がないので、低コスト化の点で有利である。表面処理室2の壁は、耐オゾン性を有する必要があり、例えば、SUS304により形成されている。表面処理室2の壁は、その一部がアクリル板等の透明部材によって構成されていてもよい。表面処理室2は、多孔質セラミックス10に対して表面処理を行うためのオゾンガスが給気されるオゾン給気口22と、オゾンガスを排気するためのオゾン排気口23と、を有する。

0028

表面処理室2は、オゾン給気口22及びオゾン排気口23のそれぞれを複数(例えば、7つ)有する。複数のオゾン給気口22は、表面処理室2内におけるワーク101の移動方向において略等間隔で並んでいる。複数のオゾン給気口22と複数のオゾン排気口23とは一対一に対応している。対応するオゾン給気口22とオゾン排気口23とは、上下方向において対向している。対応するオゾン給気口22とオゾン排気口23とでは、上下方向において、オゾン給気口22のほうがオゾン排気口23の上方にある。

0029

表面処理システム1では、表面処理室2の複数のオゾン給気口22から表面処理室2内へオゾンガスを供給しつつ、排気ファン9によって表面処理室2の複数のオゾン排気口23から表面処理室2内のオゾンガスを排気させる。要するに、表面処理システム1では、加圧したオゾンガスを多孔質セラミックス10の直上から多孔質セラミックス10に噴き付ける一方で、多孔質セラミックス10の直下からオゾンガスを排気ファン9によって吸引する。これにより、表面処理システム1では、多孔質セラミックス10内部にオゾンガスをより積極的に通風させて多孔質セラミックス10の表面処理を行うことができる。

0030

また、表面処理システム1では、表面処理室2内において複数のワーク101に対して表面処理を行うことができる。表面処理室2の容積は、例えば、1m3(つまり、1000L)ある。表面処理システム1では、一例として、複数のオゾン給気口22に一対一に対応する複数のポジションそれぞれのワーク101に対して通風されるオゾンガスの濃度が15000ppmであり、オゾンガスの通風量が5L/minである。したがって、表面処理室2におけるオゾンガスの通風量は、35L/minである。表面処理システム1では、多孔質セラミックス10の改質むらを抑制する観点から、ワーク101のサイズが大きいほど、表面処理室2の各ポジションにおいてワーク101に対してオゾンガスを通風する時間(以下、通風時間ともいう)が長いのが好ましい。例えば、ワーク101における隔壁111のサイズが直径127mm(5インチ)、長さ127mmの場合、通風時間は、120秒である。また、ワーク101における隔壁111のサイズが直径304.8mm(12インチ)、長さ304.8mmの場合、通風時間は、293秒である。これらの通風時間は、あくまでも一例である。オゾンガスの濃度は、15000ppmに限らず、例えば、5000ppm〜20000ppm程度であればよい。表面処理システム1では、タクトタイムを短縮化する観点から、オゾンガスの濃度が高いほど通風時間が短いのが好ましい。

0031

表面処理システム1では、複数のワーク101を1個ずつ載せる複数のステージ102を備えている。ワーク101は、隔壁111(図4A及び4B参照)の長さ方向が上下方向となるようにステージ102上に載せられる。ステージ102には、オゾンガスを上下方向に通過させるための通気孔(図示せず)が形成されている。表面処理システム1では、複数のワーク101を連続的に表面処理室2内に投入して表面処理を行う観点から、ステージ102の数が例えば表面処理室2内に滞在しているワーク101の数よりも多いのが好ましい。表面処理システム1は、ワーク101を載せたステージ102を移動させるための複数のころ(roller)26を備えている。ころ26は、耐オゾン性を有するセラミックにより形成されている。複数のころ26は、ステージ102を移動させる規定方向に並んでいる。複数のころ26の各々の軸方向は、規定方向と略直交する。表面処理システム1では、ワーク101を載せたステージ102が複数のころ26によって規定方向に移動可能となっている。

0032

表面処理システム1では、表面処理室2の前に第1オゾンガス緩衝室11を設け、かつ、表面処理室2の後に第2オゾンガス緩衝室12を設けてある。そして、表面処理システム1では、稼働中には、第1オゾンガス緩衝室11及び第2オゾンガス緩衝室12の各々を負圧状態に保つようになっている。これにより、表面処理システム1では、表面処理室2にオゾンガスが充満している状態のままで、多孔質セラミックス10を含むワーク101の表面処理室2への連続投入、表面処理室2からの取り出しが可能となっている。

0033

第1オゾンガス緩衝室11は、表面処理室2にワーク101を投入するときに表面処理室2から漏れ出るオゾンガスを表面処理システム1の外に出さないようにするために設けられている。第1オゾンガス緩衝室11は、表面処理室2の処理前室として設けられている。第1オゾンガス緩衝室11のうちオゾンに曝される可能性のある部位は、耐オゾン性を有する材料によって形成されている。

0034

第1オゾンガス緩衝室11は、負圧状態に減圧可能である。第1オゾンガス緩衝室11の大きさは、ワーク101を載せたステージ102を収納可能な大きさである。表面処理システム1は、開位置と閉位置との間で移動可能な扉31(以下、オゾン槽入口扉31ともいう)を備える。オゾン槽入口扉31の開位置は、第1オゾンガス緩衝室11内と表面処理室2内とを連通させる(つなげる)位置である。オゾン槽入口扉31の閉位置は、第1オゾンガス緩衝室11内と表面処理室2内とを仕切る位置である。

0035

表面処理システム1では、オゾン槽入口扉31を閉位置から開位置に移動させ、第1オゾンガス緩衝室11内にあるワーク101を載せたステージ102を第1プッシャ(図示せず)によって押すことにより、ワーク101を載せたステージ102を第1オゾンガス緩衝室11内から表面処理室2内へ移動させることが可能となる。第1プッシャは、例えば、SUS304により形成されている。

0036

表面処理システム1は、上述の排気ファン9(以下、第1排気ファン9ともいう)とは別に、第1オゾンガス緩衝室11及び第2オゾンガス緩衝室12を負圧に保つための排気ファン92(以下、第2排気ファン92ともいう)を備えている。表面処理システム1では、稼働中において、第2排気ファン92によって、第1オゾンガス緩衝室11内及び第2オゾンガス緩衝室12内が常に負圧に保たれる。よって、表面処理システム1では、オゾン槽入口扉31が開いたときに、表面処理室2内に存在していたオゾンガスが第1オゾンガス緩衝室11内に流入しても第2排気ファン92によって第1オゾンガス緩衝室11から排気される。これにより、表面処理システム1では、オゾンが第1オゾンガス緩衝室11を通過して表面処理システム1の外へ漏れるのを抑制できる。

0037

第2オゾンガス緩衝室12は、表面処理室2からワーク101を出すときに表面処理室2から漏れ出るオゾンガスを表面処理システム1の外に出さないようにするために設けられている。第2オゾンガス緩衝室12は、表面処理室2の処理後室として設けられている。第2オゾンガス緩衝室12のうちオゾンに曝される可能性のある部位は、耐オゾン性を有する材料によって形成されている。

0038

第2オゾンガス緩衝室12は、負圧状態に減圧可能である。第2オゾンガス緩衝室12の大きさは、ワーク101を載せたステージ102を収納可能な大きさである。表面処理システム1は、開位置と閉位置との間で移動可能な扉32(以下、オゾン槽出口扉32ともいう)を備える。オゾン槽出口扉32の開位置は、表面処理室2内と第2オゾンガス緩衝室12内とを連通させる(つなげる)位置である。オゾン槽出口扉32の閉位置は、表面処理室2内と第2オゾンガス緩衝室12内とを仕切る位置である。表面処理システム1では、オゾン槽出口扉32を閉位置から開位置に移動させることにより、ワーク101を載せたステージ102を第1取出装置(図示せず)によって表面処理室2内から第2オゾンガス緩衝室12内へ移動させることが可能となる。表面処理システム1では、オゾン槽出口扉32が開いたときに、表面処理室2内に存在していたオゾンガスが第2オゾンガス緩衝室12内に流入しても第2排気ファン92によって第2オゾンガス緩衝室12から排気される。これにより、表面処理システム1では、オゾンガスが第2オゾンガス緩衝室12を通過して表面処理システム1の外へ漏れるのを抑制できるようになっている。

0039

表面処理システム1では、第1排気ファン9及び第2排気ファン92の各々の耐熱温度は、例えば、150℃である。表面処理システム1では、第1排気ファン9の周波数と第2排気ファン92の周波数とを異ならせてある。より詳細には、表面処理システム1では、第1排気ファン9の周波数を40Hz、第2排気ファン92の周波数を45Hzとしてある。第1排気ファン9及び第2排気ファン92の各々の周波数は、表面処理システム1において、オゾン槽入口扉31の開閉時に、第1オゾンガス緩衝室11に必要な負圧を確保し、かつオゾン槽出口扉32の開閉時に、第2オゾンガス緩衝室12に必要な負圧を確保する観点から、30Hzよりも高い周波数であるのが好ましい。また、第1排気ファン9及び第2排気ファン92の各々の周波数は、表面処理システム1において、オゾン槽入口扉31、オゾン槽出口扉32それぞれを安定して開閉できるようにする観点から、55Hz未満であるのが好ましい。なお、オゾン槽入口扉31及びオゾン槽出口扉32の各々は、シリンダを含む駆動装置によって開閉される。

0040

表面処理システム1は、内部空間が表面処理室2の複数のオゾン排気口23に連通する(つながる)排気ダクト27と、複数のオゾン排気口23及び排気ダクト27を介して排出されるオゾンガスを分解するオゾン分解装置B1と、を備えている。表面処理システム1では、オゾン分解装置B1から排気される気体が第1排気ファン9を通るようになっている。表面処理システム1では、オゾン分解装置B1を備えることにより、0.05ppmよりも高濃度のオゾンガスが第1排気ファン9に到達しないようになっている。これにより、表面処理システム1では、第1排気ファン9から0.05ppmよりも高濃度のオゾンガスが排出されるのを防止することが可能となる。なお、日本では、昭和60年に日本産業衛生学会が、「作業環境オゾン濃度は、1日8時間の労働環境下で0.1ppm」と勧告している。また、平成17年に経済産業省が主体となり、“オゾン利用に関する安全基準”を作成しており、その安全基準では、「オゾン発生装置が発生する最大オゾン濃度においても、大気中へ排出する気体のオゾン濃度は0.4ppm以下とすること。」、「排出口排気ガスを速やかに拡散でき、人が直接暴露しない位置に設けること。」としている。表面処理システム1では、第1排気ファン9から0.05ppmよりも高濃度のオゾンガスが排出されるのを防止することができる。

0041

また、表面処理システム1は、第2排気ファン92の上流側に、オゾン分解装置B1(以下、第1オゾン分解装置B1ともいう)と同様のオゾン分解装置B2(以下、第2オゾン分解装置B2ともいう)を備えている。第2オゾン分解装置B2の構成は、第1オゾン分解装置B1の構成と同じである。第2オゾン分解装置B2は、第1オゾンガス緩衝室11及び第2オゾンガス緩衝室12から排気されるオゾンガスを分解する点で、第1オゾン分解装置B1と相違する。

0042

第1オゾン分解装置B1及び第2オゾン分解装置B2の各々は、図2に示すように、熱分解器7と、冷却器8と、を備える。熱分解器7は、オゾンガスを熱分解する。冷却器8は、熱分解器7から排出される気体を外気の混合によって冷却する。第1排気ファン9は、第1オゾン分解装置B1の冷却器8の下流側に配置されている。第2排気ファン92は、第2オゾン分解装置B2の冷却器8の下流側に配置されている。

0043

熱分解器7は、筐体70と、電熱ヒータ75と、セラミックフォーム76と、第1ガラスウール77と、第2ガラスウール78と、を備える。筐体70は、例えば、SUSにより形成されている。

0044

筐体70は、内筒体71と、外筒体72と、下壁73と、上壁74と、を有する。内筒体71は、下開口711及び上開口712を有する。外筒体72は、下開口721及び上開口722を有し、内筒体71を囲むように配置されている。下壁73は、外筒体72の下開口721を塞いでいる。上壁74は、外筒体72の上開口722を塞いでいる。下壁73は、内筒体71内に連通するオゾンガス導入孔733を有する。筐体70では、内筒体71の上端縁と上壁74との間に、外筒体72と内筒体71との間の空間と内筒体71内とを連通させる(つなげる)ための隙間がある。外筒体72は、上端下端との間において外筒体72内と冷却器8とを連通させる(つなげる)排気孔725を有する。

0045

電熱ヒータ75は、内筒体71内に配置されている。電熱ヒータ75は、筐体70の外にある電源ユニット等から通電されることにより、発熱する。

0046

セラミックフォーム76は、外筒体72と内筒体71との間の空間に配置されている。セラミックフォーム76は、円筒状に形成されている。セラミックフォーム76は、多孔質体のセラミックであり、蓄熱の効果と気体の拡散の効果とを担っている。要するに、セラミックフォーム76は、電熱ヒータ75で発生した熱を蓄熱する機能と、気体の通過時間を長くする機能と、を有する。セラミックフォーム76の材料は、例えば、アルミナであるが、これに限らず、例えば、ジルコニア等でもよい。表面処理システム1では、熱分解器7において蓄熱効果及び整流効果を得てかつ圧力損失を抑制する観点から、セラミックフォーム76の空孔率が80〜90%であるのが好ましい。表面処理システム1では、第1オゾンガス緩衝室11及び第2オゾンガス緩衝室12の各々を負圧に保つことが肝要であり、余計な圧力損失を少なくするのが好ましい。これに対して、表面処理システム1では、第2ガス分解装置B2が熱分解器7を備えていることにより、熱交換器によってオゾンを熱分解する場合と比べて、圧力損失を低減することが可能である。このため、表面処理システム1では、表面処理室2の圧力上昇を抑制することが可能となり、結果的に、第1オゾンガス緩衝室11及び第2オゾンガス緩衝室12の各々の圧力上昇を抑制することが可能となる。熱分解器7では、セラミックフォーム76を備えることにより、セラミックボールを用いる場合に比べて、空孔率を高くでき、圧力損失を小さくすることが可能となる。

0047

第1ガラスウール77は、セラミックフォーム76と内筒体71との間の間隙を埋めるために、セラミックフォーム76と内筒体71との間に介在している。これにより、熱分解器7では、オゾンガスを含む空気の一部がセラミックフォーム76と内筒体71との間の間隙を比較的速い速度で通過するのを抑制することが可能となり、オゾンガスをより効率的に熱分解することが可能となる。

0048

第2ガラスウール78は、セラミックフォーム76と外筒体72との間の間隙を埋めるために、セラミックフォーム76と外筒体72との間に介在している。これにより、熱分解器7では、オゾンガスを含む空気の一部がセラミックフォーム76と外筒体72との間の間隙を比較的速い速度で通過するのを抑制することが可能となり、オゾンガスをより効率的に熱分解することが可能となる。

0049

オゾンの分解反応は、2O3→3O2の化学式で表される。この分解反応は、常温・常圧下でも進むが、高温高圧であればより促進される。関西オゾン研究会報告している「気体オゾンの自己分解速度実測値」によると、気体オゾンの半減期と温度とに関係があるとしている。ここにおいて、温度と、オゾンガスの濃度を20000ppmから0.05ppmまで減少させるのに必要な目安時間との関係は、120℃:27時間、250℃:18秒、300℃:1.8秒、400℃:0.36秒である。本願発明者らは、これらの数値を参考にして、熱分解器7における気体(空気等)の通過時間が3秒〜5秒程度となり、電熱ヒータ75の温度を330℃〜450℃にできるように熱分解器7を設計した。このように設計された熱分解器7を備えた第1オゾン分解装置B1では、例えば、電熱ヒータ75の温度を410℃として動作させることにより、オゾンガスの濃度を20000ppmから0.05ppmまで減少させることができる。なお、熱分解器7の立ち上げ時に必要な暖機運転時間は例えば40分程度であり、立ち下げ時に必要な冷却時間は例えば60分程度である。

0050

表面処理システム1では、第1オゾン分解装置B1及び第2オゾン分解装置B2においてオゾンを熱分解するので、オゾンを分解するためにオゾン分解触媒(例えば、カロライト等)を用いる場合に比べて信頼性の向上を図ることが可能となる。より詳細には、表面処理システム1では、湿度や他のガス(例えば、オゾン発生器4でオゾンを発生させるときに生成されてしまうNOx等)の影響を受けにくく、安定的にオゾンを分解することができる。

0051

オゾンの分解のためには、電熱ヒータ75の温度がより高いほうが有利である。しかしながら、第1オゾン分解装置B1及び第2オゾン分解装置B2の各々では、下流側の第1排気ファン9及び第2排気ファン92の耐熱温度が熱分解器7の電熱ヒータ75の温度よりも低温(ここでは、150℃)であるので、上述の冷却器8を備えている。

0052

第1オゾン分解装置B1及び第2オゾン分解装置B2の各々の冷却器8は、熱分解器7の排気孔725から排気された空気に外気を混合することで熱分解器7からの空気の冷却を行う。これにより、表面処理システム1では、第1排気ファン9及び第2排気ファン92の熱負荷を低減することが可能となる。冷却器8は、熱分解器7の排気孔725から排気された空気が導入される冷却用配管81を備える。冷却用配管81は、熱分解器7の排気孔725に連通している流入孔825を有する。冷却用配管81は、U字状に形成されている。冷却用配管81は、第1端及び第2端を有する。冷却用配管81の第1端は、冷却器8に外気(例えば、工場用エア)を供給するためのエア供給管85につながっている。冷却用配管81の第2端は、第1排気ファン9又は第2排気ファン92につながっている。冷却用配管81において流入孔825は、第1端と第2端との間にある。冷却用配管81に沿った方向において、流入孔825と第1端との距離は、流入孔825と第2端との距離よりも短い。表面処理システム1は、エア供給管85の途中に設けたダンパ86を備えている。これにより、表面処理システム1では、冷却器8に供給される外気の流量をダンパ86で調整することができる。ダンパ86の開度は、表面処理室2の圧力の上昇を抑制する観点から、例えば15%に設定してある。第2オゾン分解装置B2において冷却器8に供給される外気の流量を調整するダンパ86の開度は、第1オゾンガス緩衝室11及び第2オゾンガス緩衝室12を所望の負圧状態に保つ観点から、例えば5%に設定してある。表面処理システム1では、冷却用配管81の第1端に設けた第1オリフィス82と第2端に設けた第2オリフィス83とを用いて混合後エアの差圧を測定し、差圧に基づいて熱分解器7からの空気の流量を求めることができるようになっている。表面処理システム1では、熱分解器7が断熱材により覆われているのが好ましい。また、表面処理システム1では、冷却器8が熱分解器7とは別に断熱材により覆われているのが好ましい。

0053

また、表面処理システム1は、表面処理室2において表面処理された多孔質セラミックス10の開気孔10b(図4D参照)内等に残存するオゾンを除去するために、図1Bに示すように、熱処理室5と、熱風発生器6と、を有する。熱処理室5は、熱風の給気用の熱風給気口52及び熱風の排気用の熱風排気口53を有する。熱風発生器6は、熱風を熱風給気口52から熱処理室5へ給気する。熱風の温度は、例えば200℃であるが、これに限らず、オゾンを効率的に熱分解できる温度であればよく、例えば、180℃以上であればよい。また、熱風による処理時間(熱風の通風時間)は、例えば、2分以上であるのが好ましい。熱風の通風時間については、熱処理室5において多孔質セラミックス10のオゾン除去だけでなく多孔質セラミックス10をより乾燥させる観点から、例えば、12分以上であるのが好ましく、多孔質セラミックス10に水酸基(OH-)等の親水基を残存させる観点から、例えば15分程度とすればよい。

0054

熱処理室5は、熱風給気口52及び熱風排気口53のそれぞれを複数(ここでは、3つ)有する。複数の熱風給気口52は、熱処理室5内におけるワーク101の移動方向において略等間隔で並んでいる。複数の熱風給気口52と複数の熱風排気口53とは一対一に対応している。対応する熱風給気口52と熱風排気口53とは、上下方向において対向している。対応する熱風給気口52と熱風排気口53とでは、上下方向において、熱風給気口52のほうが熱風排気口53の上方にある。表面処理システム1では、熱処理室5の複数の熱風給気口52から熱処理室5内へ熱風を供給しつつ、熱処理室5の複数の熱風排気口53から熱処理室5内の熱風を排気させる。要するに、表面処理システム1では、熱風を多孔質セラミックス10の直上から多孔質セラミックス10に噴き付ける一方で、多孔質セラミックス10の直下から熱風を排気する。これにより、表面処理システム1では、多孔質セラミックス10内部に熱風をより積極的に通風させて多孔質セラミックス10の残留オゾンを熱分解することができる。また、表面処理システム1では、表面処理室2内において複数のワーク101に対して熱処理を行うことができる。熱処理室5の熱風排気口53は、第3オゾン分解装置B3を介して排気ダクト(図示せず)とつながっている。第3オゾン分解装置B3の構成は、第1オゾン分解装置B1の構成と同じである。

0055

表面処理システム1では、表面処理室2においてオゾンによる表面処理が行われた後の多孔質セラミックス10に熱風が通風されるので、多孔質セラミックス10に残留しているオゾンを熱分解によって除去することが可能となる。これにより、表面処理システム1では、多孔質セラミックス10を真空チャンバ内に入れて真空引きすることでオゾンを除去する場合と比べて、タクトタイムの短縮を図ることが可能となる。また、表面処理システム1では、耐オゾン性を有する真空チャンバが不要なので、低コスト化を図ることが可能となる。また、表面処理システム1では、真空引きが不要なので、単位時間当たりの処理能力を大きくしたい場合等に特に有利である。

0056

表面処理システム1は、図3に示すように、ワーク101の投入/取出部120と、第1搬送装置130と、第2搬送装置140と、第2プッシャ(図示せず)と、第3搬送装置150と、重量測定部160と、を更に備えている。なお、図3中の白抜きの矢印は、ワーク101の移動方向を示している。

0057

ワーク101の投入/取出部120では、ロボットによって、表面処理を行う前のワーク101の投入、表面処理及び熱処理が終了したワーク101の取り出しが行われる。

0058

第1搬送装置130は、投入/取出部120において投入されたワーク101を第1オゾンガス緩衝室11の前まで移動させる第1移動機構と、第1移動機構を囲む筒状の第1外壁と、を含む。表面処理システム1は、第1搬送装置130の第1外壁内と第1オゾンガス緩衝室11内とを連通させる(つなげる)開位置と、第1外壁内と第1オゾンガス緩衝室11内とを仕切る閉位置と、の間で移動可能な扉30(以下、オゾン槽入口側扉30ともいう)を備えている。表面処理システム1では、オゾン槽入口側扉30が開いている期間とオゾン槽入口扉31が開いている期間とが重ならないようになっている。

0059

第2搬送装置140は、第2オゾンガス緩衝室12内のワーク101を熱処理室5の前まで移動させる第2移動機構と、第2移動機構を囲む筒状の第2外壁と、を含む。表面処理システム1は、第2オゾンガス緩衝室12内と第2搬送装置140の第2外壁内とを連通させる開位置と、第2オゾンガス緩衝室12内と第2外壁内とを仕切る閉位置と、の間で移動可能な扉33(以下、オゾン槽出口側扉33ともいう)を備えている。表面処理システム1では、オゾン槽出口扉32が開いている期間とオゾン槽出口側扉33が開いている期間とが重ならないようになっている。

0060

また、表面処理システム1は、第2外壁内と熱処理室5内とを連通させる開位置と、第2外壁内と熱処理室5内とを仕切る閉位置と、の間で移動可能な扉34(以下、熱処理室入口扉34ともいう)を備えている。表面処理システム1では、熱処理室入口扉34を閉位置から開位置に移動させ、熱処理室5の前にあるワーク101を載せたステージ102を第2プッシャによって押すことにより、ワーク101を載せたステージ102を第2外壁内から熱処理室5内へ移動させることが可能となる。第2プッシャは、例えば、SUS304により形成されている。

0061

第3搬送装置150は、ワーク101を載せたステージ102を熱処理室5から取り出すための第2取出装置(図示せず)と、第2取出装置を囲む筒状の第3外壁と、を含む。表面処理システム1は、熱処理室5内と第3外壁内とを連通させる(つなげる)開位置と、熱処理室5内と第3外壁内とを仕切る閉位置と、の間で移動可能な扉35(以下、熱処理室出口扉35ともいう)を備えている。表面処理システム1では、熱処理室入口扉34が開いている期間と熱処理室出口扉35が開いている期間とが重ならないようになっている。

0062

表面処理システム1は、第3搬送装置150とワーク101の投入/取出部120との間に、重量測定部160を備えている。重量測定部160は、熱処理後のワーク101の重量を測定する。これにより、表面処理システム1によって表面処理が行われたワーク101に対して触媒を担持させる触媒担持工程を行った場合等に、ワーク101の重量差に基づいて、担持されている触媒の重量、触媒の担持の有無等を確認することが可能となる。

0063

表面処理システム1は、コントローラ(図示せず)を備えているのが好ましい。コントローラは、第1プッシャ、第1取出装置、各電熱ヒータ75の目標温度、第1排気ファン9の目標周波数、第2排気ファン92の目標周波数、各ダンパ86の開度等を直接的又は間接的に制御する。コントローラは、例えば、コンピュータに適宜のプログラムを搭載することにより構成されている。表面処理システム1では、稼働中に、表面処理室2及び熱処理室5等の設置されている室内に人が居なくてもいいようになっている。

0064

以上説明した表面処理システム1を利用する表面処理方法では、表面処理室2等を利用して表面処理工程が行われ、熱処理室5等を利用してオゾン除去工程が行われ、熱分解器7を利用して熱分解工程が行われ、冷却器8等を利用して冷却工程が行われる。ここにおいて、表面処理工程では、開気孔10bを含む多孔質セラミックス10に加圧されたオゾンガスを通風させることで多孔質セラミックス10を表面処理する。オゾン除去工程では、多孔質セラミックス10に熱風を通風させることで多孔質セラミックス10に残留しているオゾンを除去する。熱分解工程では、表面処理工程で用いたオゾンガスを加熱して熱分解する。冷却工程では、熱分解工程によって生成された空気を外気と混合させて冷却する。

0065

多孔質セラミックス10の酸化度合は、例えば、オゾンガスによる表面処理(酸化)を行っていないリファレンス用のワーク101、オゾンガスによる表面処理(酸化)を行ったワーク101のそれぞれを裁断して、走査型電子顕微鏡エネルギー分散X線分光モードによる元素分析を行うことによって定量的に評価することができる。この評価方法では、表面処理を行っていないワーク101における多孔質セラミックス10の分析領域の酸素原子の個数と、表面処理を行ったワーク101における多孔質セラミックス10の分析領域の酸素原子の個数との差が大きいほど酸化度合が大きくなる。

0066

上記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。

0067

例えば、多孔質セラミックス10は、SiCセラミックスであるが、これに限らず、例えば、コージェライトセラミックス等でもよい。

0068

また、多孔質セラミックス10は、触媒セラミックフィルタ用のフィルタ基材に限らず、例えば、他の用途のフィルタ吸着部材触媒担持体等に用いられるものでもよい。したがって、多孔質セラミックス10の形状も上述の格子状の形状に限らない。多孔質セラミックス10の形状によっては、表面処理後の多孔質セラミックス10の濡れ性を水接触角によって評価してもよい。

0069

また、多孔質セラミックス10に対するオゾンガスの通風量は、5L/minに限らない。多孔質セラミックス10に対するオゾンガスの通風量は、例えば、4L/min〜6L/minであるのが好ましい。

0070

本実施形態における表面処理方法は、開気孔10bを含む多孔質セラミックス10に加圧されたオゾンガスを通風させることで多孔質セラミックス10を表面処理する表面処理工程と、多孔質セラミックス10に熱風を通風させることで多孔質セラミックス10に残留しているオゾンを除去するオゾン除去工程と、を備える。これにより、表面処理方法では、多孔質セラミックス10の表面処理による酸化のむらを抑制することが可能となる。

0071

この表面処理方法において、表面処理工程では、オゾンガスの濃度が5000ppm〜20000ppmであり、オゾンガスの通風量が4L/min〜6L/minであるのが好ましい。これにより、表面処理方法では、タクトタイムの短縮を図れる。

0072

この表面処理方法において、オゾン除去工程では、熱風の温度が180℃以上であり、熱風を通風させる時間が2分以上であるのが好ましい。これにより、表面処理方法では、表面処理工程を行った後に多孔質セラミックス10に残留しているオゾンを、オゾン除去工程において、熱風によって除去することが可能となる。よって、表面処理方法では、オゾン除去工程において多孔質セラミックス10を真空チャンバ内に入れて真空引きすることでオゾンを除去する場合と比べて、タクトタイムの短縮を図ることが可能となる。

0073

この表面処理方法において、表面処理工程で用いたオゾンガスを加熱して熱分解する熱分解工程と、熱分解工程によって生成された空気を外気と混合させて冷却する冷却工程と、を備えるのが好ましい。これにより、表面処理方法では、熱分解工程によって、表面処理工程で用いたオゾンガスの濃度を0.05ppm未満とすることが可能となり、冷却工程によって、熱分解工程で加熱された空気を冷却することが可能となる。

0074

この表面処理方法において、熱分解工程では、加熱温度が330℃〜450℃であるのが好ましい。これにより、表面処理方法では、タクトタイムの短縮化を図れる。

0075

表面処理システム1は、オゾンガス緩衝室11と、表面処理室2と、扉31と、オゾン発生器4と、を備える。オゾンガス緩衝室11は、負圧状態に減圧可能であり、開気孔10bを含む多孔質セラミックス10(多孔質セラミックス10を有するワーク101)を負圧状態において投入可能である。表面処理室2は、多孔質セラミックス10に対して表面処理を行うためのオゾンガスの給気用のオゾン給気口22及びオゾンガスの排気用のオゾン排気口23を有する。扉31は、オゾンガス緩衝室11と表面処理室2との間に設けられオゾンガス緩衝室11内と表面処理室2内とを仕切る閉位置と連通させる(つなげる)開位置との間で移動可能である。オゾン発生器4は、加圧したオゾンガスをオゾン給気口22から表面処理室2へ給気する。以上の構成により、表面処理システム1では、多孔質セラミックス10の表面処理による酸化のむらを抑制することが可能となる。

0076

この表面処理システム1において、熱処理室5と、熱風発生器6と、を更に備えるのが好ましい。熱処理室5は、多孔質セラミックス10に残留しているオゾンを除去するための熱風の給気用の熱風給気口52及び熱風の排気用の熱風排気口53を有する。熱風発生器6は、熱風を熱風給気口52から熱処理室5へ給気する。これにより、表面処理システム1では、多孔質セラミックス10の表面処理による酸化のむらを抑制することが可能となる。

0077

この表面処理システム1において、オゾン排気口23から排気されたオゾンガスを熱分解する熱分解器7と、熱分解器7から排出される気体を外気の混合によって冷却する冷却器8と、冷却器8の下流側に配置されている排気ファン9と、を更に備える。熱分解器7は、筐体70と、電熱ヒータ75と、セラミックフォーム76と、第1ガラスウール77と、第2ガラスウール78と、を備える。筐体70は、内筒体71と、外筒体72と、下壁73と、上壁74と、を有する。内筒体71は、下開口711及び上開口712を有する。外筒体72は、下開口721及び上開口722を有し内筒体71を囲むように配置されている。下壁73は、外筒体72の下開口721を塞いでいる。上壁74は、外筒体72の上開口722を塞いでいる。下壁73は、内筒体71内とオゾン排気口23とを連通させるオゾンガス導入孔733を有する。筐体70では、内筒体71の上端縁と上壁74との間に、外筒体72と内筒体71との間の空間と内筒体71内とを連通させるための隙間がある。外筒体72は、上端と下端との間において外筒体72内と冷却器8とを連通させる排気孔725を有する。電熱ヒータ75は、内筒体71内に配置されている。セラミックフォーム76は、内筒体71と外筒体72との間の空間に配置されている。第1ガラスウール77は、セラミックフォーム76と内筒体71との間に介在している。第2ガラスウール78は、セラミックフォーム76と外筒体72との間に介在している。これにより、表面処理システム1では、熱分解器7において、セラミックフォーム76によって蓄熱効果を得ることが可能となり、また、表面処理システム1では、熱分解器7において、セラミックフォーム76と第1ガラスウール77と第2ガラスウール78とで、気体の実効的な通過距離延長効果を得ることが可能となる。よって、表面処理システム1では、熱分解器7において、オゾンガスをより効率良く熱分解することが可能となる。また、表面処理システム1では、熱分解器7により加熱された気体が高温のまま排気ファン9に到達するのを抑制することが可能となる。

0078

この表面処理システム1では、セラミックフォーム76の空孔率が80〜90%であるのが好ましい。これにより、表面処理システム1では、熱分解器7での圧力損失を抑制することが可能となる。

0079

(変形例)
本変形例の表面処理システム100では、図4A〜4Dに示した多孔質セラミックス10の開気孔10b内にオゾンガスを到達させるために、多孔質セラミックス10を真空脱気してから、オゾンガスによる表面処理を行うことができるように構成されている。

0080

より詳細には、表面処理システム100は、表面処理室202と、真空ポンプ232と、真空弁226と、フィルタ239と、圧力計242と、酸素ガス源203と、オゾン発生器204と、レギュレータ220と、オゾン注入用の第1バルブ221と、レギュレータ調整用圧力計219と、オゾン注入用の第2バルブ229と、オゾン用排気弁227と、オゾン分解装置B4と、エア注入用バルブ222と、を備える。

0081

表面処理室202は、真空チャンバである。表面処理室202の容積は、一例として、130Lである。表面処理室202の大きさは、複数(例えば、4つ)のワーク101(図4A参照)を入れることが可能な大きさである。ワーク101は、多孔質セラミックス10を有するフィルタ基材である。

0082

表面処理室202は、複数(例えば、4つ)のオゾンガス給気口(図示せず)と、1つのオゾンガス排気口(図示せず)と、を有する。複数のオゾンガス給気口の配置は、一対一に対応する複数のワーク101の真上に位置するように決められている。オゾンガス排気口は、表面処理室202の底壁の中央にある。

0083

真空ポンプ232は、表面処理室202内を真空排気するためのポンプである。真空ポンプ232は、メンテナンス等の観点から、ドライ真空ポンプであるのが好ましい。

0084

真空弁226は、真空ポンプ232と表面処理室202のオゾンガス排気口との間に設けられる電磁弁である。真空弁226は、例えば、真空ポンプ232によって表面処理室202を真空排気するときに開かれ、真空排気を終えるときに閉じられる。

0085

フィルタ239は、表面処理室202と真空弁226との間に配置されている。フィルタ239は、表面処理室202内から真空弁226へ粉体等が到達するのを防止するために設けられている。

0086

圧力計242は、表面処理室202内の圧力を測定する圧力計である。圧力計242は、例えば、ピラニキャパシタンスダイヤフラムゲージである。

0087

酸素ガス源203は、外気(空気)を原料として酸素ガスを発生するPSA(PressureSwing Adsorption)式の酸素ガス発生装置である。これにより、酸素ガス源203は、例えば、95vol%以上の濃度の酸素をオゾン発生器204に供給する(送り込む)ことが可能である。

0088

酸素ガス源203で発生した酸素ガスは、オゾン発生器204に供給される。オゾン発生器204は、酸素ガス源203から供給される酸素ガスを放電管に通すことでオゾンガスを生成する。

0089

オゾン注入用の第1バルブ221は、オゾン発生器204と表面処理室202の複数のオゾンガス給気口との間に設けられている電磁弁である。

0090

レギュレータ220は、オゾン発生器204と第1バルブ221との間に設けられている。レギュレータ220は、第1バルブ221を通るオゾンの流量を調整する。言い換えれば、レギュレータ220は、その絞り量によってオゾン発生器204から表面処理室202へ供給するオゾンの流量を調整する。

0091

表面処理システム100では、レギュレータ220の絞り量が、オゾン発生器204とレギュレータ220との間の配管内の圧力を測定するレギュレータ調整用圧力計219の測定結果に応じて変わるようになっている。

0092

オゾン注入用の第2バルブ229は、オゾン発生器204と表面処理室202の複数のオゾンガス給気口との間に設けられている電磁弁である。第2バルブ229は、第1バルブ221及びレギュレータ220を迂回するように設けられている。

0093

オゾン用排気弁227は、表面処理室202のオゾン排気口とオゾン分解装置B4との間に設けられている電磁弁である。オゾン用排気弁227は、表面処理室202からオゾン分解装置B4へオゾンを排気するときに開かれ、オゾン分解装置B4へオゾンを排気しないときに閉じられる。

0094

表面処理システム100では、オゾンガスによる表面処理中は、オゾンガスの給気/排気を例えば5L/minで常時行うようになっている。ここにおいて、「オゾンガスの給気」は、オゾン発生器204から表面処理室202へのオゾンガスの給気のことである。また、「オゾンガスの排気」は、表面処理室202からオゾン分解装置への排気のことである。表面処理システム100では、表面処理室202内をエアからオゾンガスに置換した後、5L/minのオゾンガスをワーク101の直上からワーク101(の多孔質セラミックス10)へ噴き付けるとともにオゾンガスの排気を行う表面処理を所定の処理時間(例えば、25分)だけ行う。

0095

オゾン分解装置B4は、例えば、動力不要のオゾン分解器である。オゾン分解装置B4は、オゾンガスが流入する流入口と、オゾンガスを分解することで生成された気体(空気等)を排出する排気口と、を有する。オゾン分解装置B4は、流入口がオゾン用排気弁227を介して表面処理室202につながっており、排気口が排気系統につながっている。

0096

エア注入用バルブ222は、表面処理室202内をエアに置換するためのエアの供給路に設けられる電磁弁である。エア注入用バルブ222は、表面処理室202へエアを注入するときに開かれ、エアを注入しないときには閉じられる。

0097

また、表面処理システム100は、第1オゾン濃度計236と、第1オゾン濃度計用のポンプ(図示せず)と、3つの濃度計用バルブ223、224、225と、フィルタ234と、流量計235と、カバー230と、カバー用排気弁228と、第2オゾン濃度計238と、を更に備える。

0098

第1オゾン濃度計236は、表面処理室202につながっており、表面処理室202内のオゾン濃度を測定する。

0099

3つの濃度計用バルブ223、224、225は、表面処理室202と第1オゾン濃度計236との間に配置されている。3つの濃度計用バルブ223、224、225の各々は、電磁弁である。

0100

フィルタ234は、表面処理室202内から第1オゾン濃度計236へ粉体等が到達するのを防止するために設けられている。

0101

流量計235は、オゾンの流量を計測できかつ制御可能なマスフローコントローラである。流量計235は、第1オゾン濃度計236でのオゾン濃度の測定のために第1オゾン濃度計236へ供給するオゾンの流量を制御する。

0102

カバー230は、表面処理システム100の設置されている室内へオゾンが漏れるのを防止するための保護カバーである。カバー230は、耐オゾン性を有する材料により形成されている。

0103

カバー用排気弁228は、カバー230内を排気するための排気系統の電磁弁である。カバー用排気弁228は、真空ポンプ232が動作しているとき以外は開かれる。カバー用排気弁228は、真空ポンプ232の動作中は逆流防止のために閉じられる。

0104

第2オゾン濃度計238は、カバー230内における大気中のオゾンの濃度を測定する。

0105

表面処理システム100は、操作表示装置(図示せず)と、制御装置(図示せず)と、を更に備えている。

0106

操作表示装置は、表示装置タッチパッドとを含むタッチパネルを備え、ユーザインターフェイスGUI:Graphic User Interface)として機能する。制御装置は、操作表示装置の表示装置に情報を出力し、操作表示装置のタッチパッドから入力される情報を受け付ける。

0107

操作表示装置には、必要に応じて様々な画面が表示される。操作表示装置は、専用でなくても、パーソナルコンピュータ等であってもよい。表面処理システム100では、操作表示装置が、作業者等が操作可能な操作部を構成している。また、表面処理システム100は、操作表示装置の代わりに、表示装置と操作装置とを個別に備えていてもよい。この場合、操作装置が、ユーザが操作可能な操作部を構成する。操作部は、種々のスイッチとタッチパネルとの少なくとも一方を備えていればよい。種々のスイッチには、例えば、表面処理システム100の運転の開始を指示する押釦スイッチ、表面処理システム100の運転の停止を指示する押釦スイッチ、緊急停止用の押釦スイッチ等が含まれている。

0108

制御装置は、操作表示装置との間で情報の入力及び出力を行うためのインターフェイス部を備える。制御装置は、真空ポンプ232、真空弁226、オゾン発生器204、レギュレータ220、第1バルブ221、第2バルブ229、オゾン用排気弁227、エア注入用バルブ222、第1オゾン濃度計236のポンプ、3つの濃度計用バルブ223、224、225、第2オゾン濃度計238及びカバー用排気弁228等の制御を行う。

0109

表面処理システム100では、作業者等が操作表示装置を利用して、制御装置による制御内容等を設定できるように構成されている。これにより、表面処理システム100では、作業者等が、表面処理システム100での表面処理の条件等を適宜設定できるようになっている。

0110

以下、表面処理システム100を用いた表面処理方法の一例の処理フローについて簡単に説明する。

0111

(1)第1ステップ
第1ステップでは、オゾン発生器4がオフ、第1バルブ221がオフ、第2バルブ229がオフ、真空ポンプ232がオフ、真空弁226が閉状態、オゾン用排気弁227が開状態、エア注入用バルブ222が開状態、濃度計用バルブ224が開状態、第1オゾン濃度計236のポンプがオンであることを確認する。

0112

(2)第2ステップ
第2ステップでは、表面処理室202の扉を開けて表面処理室202内の処理台上に多孔質セラミックス10を有するワーク101を載せてから、処理台を表面処理室202内に戻し、表面処理室202の扉を閉める。

0113

(3)第3ステップ
第3ステップでは、多孔質セラミックス10の脱気のために、表面処理室202内の真空度が所定真空度(例えば、100Pa)になるまで表面処理室202内の真空引きを行う。より詳細には、第3ステップでは、オゾン用排気弁227を閉状態、エア注入用バルブ222を閉状態、濃度計用バルブ224を閉状態、第1オゾン濃度計236のポンプをオフとしてから、真空ポンプ232をオンし、真空弁226を開状態にすることにより、表面処理室202内の真空排気を開始し、表面処理室202内の真空度が所定真空度になるまで、真空排気を継続する。

0114

(4)第4ステップ
第4ステップでは、表面処理室202内にオゾンガスを注入する。より詳細には、第4ステップでは、真空弁226を閉状態にしてから、真空ポンプ232をオフし、オゾン発生器204をオンし、第1バルブ221を開状態にすることで、表面処理室202内へオゾンガスを注入し表面処理室202内をオゾンガスに置換する。ここにおいて、オゾンガスの濃度は、5000ppmである。

0115

(5)第5ステップ
第5ステップでは、5L/minのオゾンガスを多孔質セラミックス10の直上から噴き付け/排気を行う。第5ステップの処理時間は例えば25分である。

0116

(6)第6ステップ
第6ステップでは、多孔質セラミックス10に残留しているオゾンガスを脱気するために、表面処理室202内を真空排気する。より詳細には、第6ステップでは、表面処理室202内の真空度が1000Paになるまで真空排気を行ってから、真空排気を一旦停止し、表面処理室202内にエアを注入し、その後、表面処理室202内の真空度が1000Paになるまで表面処理室202の真空引きを行う。第1オゾン濃度計236によって表面処理室202内のオゾン濃度が0.4ppm以下となったことを確認後、表面処理室202内にエアを注入して表面処理室202内を大気圧に戻す。

0117

(7)第7ステップ
第7ステップでは、表面処理室202の扉を開けて表面処理室202内の処理台からワーク101を取り出し、表面処理室202の扉を閉める。

0118

以上説明した表面処理システム100を用いた表面処理方法では、タクトタイムの短縮化を図れる。例えば、熱酸化処理(大気酸化)の場合には、24個のワーク101を一度に処理可能な大きさの焼成炉を利用し、酸化温度を1000℃程度にする必要があり、昇温時間及び降温時間を含めると16時間程度の処理時間を要していた。これに対して、表面処理システム100を用いた場合には、4個のワーク101を50分程度で処理することで、同等の酸化効果(酸化度合)を得ることができた。また、消費電力についても、焼成炉を用いた場合には、132kW/24個であったのに対し、表面処理システム100を用いた場合には、1kW/4個であった。

0119

また、上述の表面処理方法によって表面処理された多孔質セラミックス10では、濡れ性が向上し、触媒を塗布した場合の均一性が向上し、セラミックフィルタの性能が向上した。

0120

表面処理システム100を用いた表面処理方法では、オゾンガスの濃度を高くするほど、酸化度が増加する傾向及び酸化度のばらつきが小さくなる傾向にある。また、オゾンガスの濃度を高くするほど処理時間を短縮することが可能となる。

0121

多孔質セラミックス10を表面処理するオゾンガスの濃度は、5000ppmに限らないが、熱酸化に比べて酸化度を向上させる観点及び処理時間の短縮の観点から、4500ppm以上であるのが好ましい。

0122

1、100表面処理システム
2、202表面処理室
22 オゾン給気口
23 オゾン排気口
3酸素ガス源
4オゾン発生器
5熱処理室
52熱風給気口
53熱風排気口
6熱風発生器
7熱分解器
71内筒体
711 下開口
712上開口
72外筒体
721 下開口
722 上開口
73下壁
74上壁
75電熱ヒータ
76セラミックフォーム
77 第1ガラスウール
78 第2ガラスウール
8冷却器
9排気ファン
10多孔質セラミックス
10b開気孔
11オゾンガス緩衝室
31 扉
101 ワーク

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