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技術 トンネル掘進機

出願人 日立造船株式会社
発明者 小野泰明大島翼
出願日 2018年7月4日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2018-127401
公開日 2020年1月16日 (11ヶ月経過) 公開番号 2020-007734
状態 未査定
技術分野 立坑・トンネルの掘削技術
主要キーワード 中央側領域 回転攪拌翼 中空筒 半径方向中央 センターシャフト 翼部材 塑性流動性 中間支持
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

専用の駆動源を用いない攪拌翼によって、カッタヘッドの中央部付近掘削土砂を効果的に攪拌することが可能なトンネル掘進機を提供する。

解決手段

このトンネル掘進機100は、中心軸線CA回りに回転して土砂掘削するカッタヘッド1と、カッタヘッド1と、カッタヘッド1に対向する隔壁との間に形成されるチャンバと、チャンバ内でカッタヘッド1または隔壁に設けられ、チャンバ内に収容された掘削土砂を攪拌するための攪拌翼部10とを備え、攪拌翼部10は、中心軸線CAと直交する面に沿って延びるように設けられ、掘削土砂にカッタヘッド1の半径方向への流動を与えるように半径方向に対して傾斜した一方傾斜面11を含む。

概要

背景

従来、トンネル掘進機においてチャンバ内の土砂攪拌する構造が知られている(たとえば、特許文献1参照)。

トンネル掘進機においては、掘削土砂をチャンバ内に取り込み充満させるとともに、掘削土砂を作泥材混練させて塑性流動化させた泥土を形成し、チャンバ内に充満させた泥土圧(泥土の圧力)を切羽からの土圧および水圧対抗させることが行われる。泥土圧を確保するために、チャンバ内の掘削土砂を十分に攪拌して塑性流動化させることが望まれる。

上記特許文献1では、カッタヘッド隔壁との間に形成された圧力室(チャンバ)内で、カッタヘッドの後面に、放射線状所定間隔を有して2個の第1混練翼が配置され、隔壁の前面で2個の第1混練翼の中間位置に第2混練翼が設けられたトンネル掘進機が開示されている。さらに、チャンバ内で隔壁の前面に、回転駆動されるアジテータが設けられている。

概要

専用の駆動源を用いない攪拌翼によって、カッタヘッドの中央部付近の掘削土砂を効果的に攪拌することが可能なトンネル掘進機を提供する。このトンネル掘進機100は、中心軸線CA回りに回転して土砂を掘削するカッタヘッド1と、カッタヘッド1と、カッタヘッド1に対向する隔壁との間に形成されるチャンバと、チャンバ内でカッタヘッド1または隔壁に設けられ、チャンバ内に収容された掘削土砂を攪拌するための攪拌翼部10とを備え、攪拌翼部10は、中心軸線CAと直交する面に沿って延びるように設けられ、掘削土砂にカッタヘッド1の半径方向への流動を与えるように半径方向に対して傾斜した一方傾斜面11を含む。

目的

そのため、アジテータを設けずに済ますか、または、より小型低出力のアジテータを設けるだけで済むように、専用の駆動源を用いた強制的な攪拌機構を有しない攪拌翼(カッタヘッドまたは隔壁に設けられる攪拌翼)によっても、カッタヘッドの中央部付近の掘削土砂を効果的に攪拌できるようにすることが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

中心軸線回りに回転して土砂掘削するカッタヘッドと、前記カッタヘッドと、前記カッタヘッドに対向する隔壁との間に形成されるチャンバと、前記チャンバ内で前記カッタヘッドまたは前記隔壁に設けられ、前記チャンバ内に収容された掘削土砂攪拌するための攪拌翼部とを備え、前記攪拌翼部は、前記中心軸線と直交する面に沿って延びるように設けられ、掘削土砂に前記カッタヘッドの半径方向への流動を与えるように前記半径方向に対して傾斜した傾斜面を含む、トンネル掘進機

請求項2

前記攪拌翼部は、少なくとも前記カッタヘッドの一方回転時に、前記チャンバ内の掘削土砂を前記半径方向の一方側に流動させるように傾斜した前記傾斜面を有する第1攪拌翼を含む、請求項1に記載のトンネル掘進機。

請求項3

前記攪拌翼部は、前記第1攪拌翼に加えて、少なくとも前記カッタヘッドの一方回転時に、前記チャンバ内の掘削土砂を前記半径方向の他方側に流動させるように傾斜した前記傾斜面を有する第2攪拌翼を含む、請求項2に記載のトンネル掘進機。

請求項4

前記攪拌翼部は、前記中心軸線と直交する面内で、前記半径方向に対して回転方向の一方側と他方側とにそれぞれ傾斜するように回動可能に設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトンネル掘進機。

請求項5

前記攪拌翼部は、前記中心軸線回りに前記カッタヘッドと一体回転するように前記カッタヘッドの内面に設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトンネル掘進機。

請求項6

前記カッタヘッドは、前記半径方向に延びるスポーク部を含み、前記攪拌翼部は、前記中心軸線の延びる方向から見て、前記スポーク部の形成領域内に収まるように前記スポーク部に設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトンネル掘進機。

請求項7

前記攪拌翼部は、前記中心軸線に沿う軸方向における第1長さよりも、前記中心軸線と直交する面内における第2長さが大きくなるように形成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のトンネル掘進機。

請求項8

前記攪拌翼部は、前記半径方向において前記カッタヘッドの中央部側の位置から外周部側の位置まで延びるように設けられている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のトンネル掘進機。

請求項9

前記攪拌翼部は、翼表面が前記傾斜面となるように前記半径方向に対して傾斜した板状部材により形成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のトンネル掘進機。

請求項10

前記カッタヘッドの前記半径方向の中間部を支持し、前記カッタヘッドと共に回転するカッタコラムをさらに備え、前記攪拌翼部は、前記半径方向において、前記カッタコラムよりも内周側および外周側に設けられている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のトンネル掘進機。

請求項11

前記攪拌翼部は、前記カッタコラムから内周側および外周側にそれぞれ延びるように前記カッタコラムと一体的に設けられている、請求項10に記載のトンネル掘進機。

技術分野

0001

本発明は、トンネル掘進機に関し、特に、チャンバ内の土砂攪拌する構造に関する。

背景技術

0002

従来、トンネル掘進機においてチャンバ内の土砂を攪拌する構造が知られている(たとえば、特許文献1参照)。

0003

トンネル掘進機においては、掘削土砂をチャンバ内に取り込み充満させるとともに、掘削土砂を作泥材混練させて塑性流動化させた泥土を形成し、チャンバ内に充満させた泥土圧(泥土の圧力)を切羽からの土圧および水圧対抗させることが行われる。泥土圧を確保するために、チャンバ内の掘削土砂を十分に攪拌して塑性流動化させることが望まれる。

0004

上記特許文献1では、カッタヘッド隔壁との間に形成された圧力室(チャンバ)内で、カッタヘッドの後面に、放射線状所定間隔を有して2個の第1混練翼が配置され、隔壁の前面で2個の第1混練翼の中間位置に第2混練翼が設けられたトンネル掘進機が開示されている。さらに、チャンバ内で隔壁の前面に、回転駆動されるアジテータが設けられている。

先行技術

0005

特開平10−153086号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上記特許文献1には明示的な説明がないが、カッタヘッドの半径方向において、回転駆動されるアジテータが中央部に配置され、第1混練翼および第2混練翼が外周側の部分に設けられている。カッタヘッドの後面に設けられた第1混練翼は、カッタヘッドとともにチャンバ内で回転する。カッタヘッドの回転に伴う周方向の移動速度(周速)は回転半径に依存するため、周速の小さい中央部の掘削土砂は中央部に留まったまま周方向にゆっくりと流動するのみとなる。カッタヘッドとは別個に回転駆動されるアジテータを中央部に設けることにより、カッタヘッドの回転に依存せずに強制的に攪拌を行うことができる。

0007

しかしながら、アジテータは、カッタヘッドとは別個に駆動源を設けて回転駆動する必要があるため、部品点数が増大するとともに装置構成が複雑化するという問題点がある。また、小口径のカッタヘッドでは、チャンバ内にアジテータの設置スペースを十分に確保できない場合もある。そのため、アジテータを設けずに済ますか、または、より小型低出力のアジテータを設けるだけで済むように、専用の駆動源を用いた強制的な攪拌機構を有しない攪拌翼(カッタヘッドまたは隔壁に設けられる攪拌翼)によっても、カッタヘッドの中央部付近の掘削土砂を効果的に攪拌できるようにすることが望まれている。

0008

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、専用の駆動源を用いない攪拌翼によって、カッタヘッドの中央部付近の掘削土砂を効果的に攪拌することが可能なトンネル掘進機を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるトンネル掘進機は、中心軸線回りに回転して土砂を掘削するカッタヘッドと、カッタヘッドと、カッタヘッドに対向する隔壁との間に形成されるチャンバと、チャンバ内でカッタヘッドまたは隔壁に設けられ、チャンバ内に収容された掘削土砂を攪拌するための攪拌翼部とを備え、攪拌翼部は、中心軸線と直交する面に沿って延びるように設けられ、掘削土砂にカッタヘッドの半径方向への流動を与えるように半径方向に対して傾斜した傾斜面を含む。

0010

この一の局面におけるトンネル掘進機では、上記のように構成することによって、中心軸線と直交する面内(カッタヘッドの回転面内)で、カッタヘッドの回転に伴ってチャンバ内の掘削土砂を周方向(回転方向)に流動させるだけでなく、攪拌翼部の傾斜面に沿って、チャンバ内の掘削土砂にカッタヘッドの半径方向への流動を与えることができる。つまり、中央部にアジテータを有しない構成の場合、カッタヘッドの回転を利用してチャンバ内を攪拌する場合には、カッタヘッドの回転によって掘削土砂に周方向(回転方向)の流動を与えるため、周速の小さい中央部の掘削土砂は中央部に留まったまま周方向にゆっくりと流動するのみとなる。これに対して、本発明の構成の場合、攪拌翼部の傾斜面に沿って掘削土砂にカッタヘッドの半径方向への流動を与えることによって、周速の小さい中央部にある掘削土砂をより周速の大きい外周部側へ移動させたり、外周部側の土砂を中央部側へ送り込んだりすることができるので、チャンバ内における掘削土砂の攪拌を促進することができる。以上により、アジテータを有しないかまたはアジテータを小型低出力化した場合にも、専用の駆動源を用いない攪拌翼(攪拌翼部)によって、カッタヘッドの中央部付近の掘削土砂を効果的に攪拌することができる。

0011

上記一の局面によるトンネル掘進機において、好ましくは、攪拌翼部は、少なくともカッタヘッドの一方回転時に、チャンバ内の掘削土砂を半径方向の一方側に流動させるように傾斜した傾斜面を有する第1攪拌翼を含む。なお、本明細書において、一方回転は、時計方向または反時計方向のいずれかの方向であり、一方回転と他方回転とで回転方向が反対である。半径方向の一方側は、半径方向の中央側(中心軸線側)または外周側のいずれかの方向であり、一方側と他方側とで向きが反対である。このように構成すれば、カッタヘッドを一方回転させてトンネル掘進する際に、第1攪拌翼によって、掘削土砂に半径方向の一方側への流動を与えて、チャンバ内の攪拌を促進することができる。

0012

この場合、好ましくは、攪拌翼部は、第1攪拌翼に加えて、少なくともカッタヘッドの一方回転時に、チャンバ内の掘削土砂を半径方向の他方側に流動させるように傾斜した傾斜面を有する第2攪拌翼を含む。このように構成すれば、カッタヘッドを一方回転させてトンネルを掘進する際に、第1攪拌翼と第2攪拌翼とによって、掘削土砂に半径方向の一方側への流動および他方側への流動をそれぞれ与えることができる。つまり、カッタヘッドを一方回転させることによって、チャンバ内の掘削土砂を半径方向の外周側へ送り出す流れと、掘削土砂を半径方向の中央側へ送り込む流れとの両方を形成することができる。その結果、カッタヘッドの中央部と外周部との間を移動する掘削土砂の流れを形成できるので、カッタヘッドの中央部付近の掘削土砂をより効果的に攪拌することができる。

0013

上記一の局面によるトンネル掘進機において、好ましくは、攪拌翼部は、中心軸線と直交する面内で、半径方向に対して回転方向の一方側と他方側とにそれぞれ傾斜するように回動可能に設けられている。なお、本明細書において、「回動」および「回転」は、共に回転中心回りに角度を変化させることを表すが、「回動」は360度(1回転)以下の角度範囲での角度変化を表す概念であり、「回転」は360度(1回転)以上の角度変化(角度範囲の制約がない角度変化)を表す概念であるとする。このように構成すれば、掘削土砂を流動させる際に攪拌翼部の傾斜面に加わる反力を利用して、攪拌翼部を回動させることができる。攪拌翼部は、カッタヘッドを一方回転させれば反力によって他方側に傾斜し、カッタヘッドを他方回転させれば反力によって一方側に傾斜する。このように傾斜方向が変化するので、カッタヘッドの回転方向を反転させても、掘削土砂に半径方向の同じ側への流動を与え続けることができる。そのため、カッタヘッドを一方回転させる場合と他方回転させる場合とで、掘削土砂の攪拌性能の均一化を図ることができる。

0014

上記一の局面によるトンネル掘進機において、好ましくは、攪拌翼部は、中心軸線回りにカッタヘッドと一体回転するようにカッタヘッドの内面に設けられている。このように構成すれば、掘削土砂にカッタヘッドの半径方向への流動を与える傾斜面を有する攪拌翼部をカッタヘッドとともに回転させて、チャンバ内の掘削土砂に半径方向の流動を強制的に付与することができる。これにより、たとえば攪拌翼部をチャンバ内に固定し、カッタヘッドの回転に伴い周方向(回転方向)に流動させた掘削土砂を傾斜面に当接させる場合よりも、より効果的に、掘削土砂に半径方向の流動を付与することができる。

0015

上記一の局面によるトンネル掘進機において、好ましくは、カッタヘッドは、半径方向に延びるスポーク部を含み、攪拌翼部は、中心軸線の延びる方向から見て、スポーク部の形成領域内に収まるようにスポーク部に設けられている。ここで、スポーク部の形成領域の外側は、カッタヘッドによって掘削された土砂をチャンバ内に取り込むための通路となり得るので、攪拌翼部がスポーク部からはみ出すと、掘削土砂の取り込みの障壁になる可能性があるとともに、攪拌翼部に対する負荷が増大する可能性がある。そのため、スポーク部の形成領域内に収まるように攪拌翼部を設けることによって、攪拌翼部に傾斜面を設ける場合でも、攪拌翼部がスポーク部からはみ出ることによる影響を回避できる。

0016

上記一の局面によるトンネル掘進機において、好ましくは、攪拌翼部は、中心軸線に沿う軸方向における第1長さよりも、中心軸線と直交する面内における第2長さが大きくなるように形成されている。このように構成すれば、中心軸線と直交する面内(カッタヘッドの回転面内)における第2長さを大きくできるので、掘削土砂に半径方向の流動を与える傾斜面の形成範囲を大きく確保できる。その結果、より効果的に、掘削土砂を攪拌することができる。

0017

上記一の局面によるトンネル掘進機において、好ましくは、攪拌翼部は、半径方向においてカッタヘッドの中央部側の位置から外周部側の位置まで延びるように設けられている。なお、中央部側の位置とは、カッタヘッドの外周部(カッタヘッドの外周縁)よりも中央部(中心軸線)の方が近くなる位置であり、外周部側の位置とは、カッタヘッドの中央部(中心軸線)よりも外周部(カッタヘッドの外周縁)の方が近くなる位置である。このように構成すれば、攪拌翼部によって、チャンバ内の掘削土砂を、カッタヘッドの中央部側と外周部側との間の広い範囲で半径方向に流動させることができる。そのため、たとえば攪拌翼部が半径方向の中央部のみまたは外周部のみに設けられる場合と比べて、より一層効果的に、掘削土砂を攪拌することができる。

0018

上記一の局面によるトンネル掘進機において、好ましくは、攪拌翼部は、翼表面が傾斜面となるように半径方向に対して傾斜した板状部材により形成されている。このように構成すれば、攪拌翼部を、極力単純な板状部材によって構成することができ、板状部材の表面によって攪拌翼部の傾斜面を構成することができる。これにより、装置構造を簡素化することができる。

0019

上記一の局面によるトンネル掘進機において、好ましくは、カッタヘッドの半径方向の中間部を支持し、カッタヘッドと共に回転するカッタコラムをさらに備え、攪拌翼部は、半径方向において、カッタコラムよりも内周側および外周側に設けられている。このようにカッタコラムが設けられる場合、回転するカッタコラムの内側領域と外側領域とにチャンバ内が分断され、内側領域と外側領域との間で掘削土砂が流動し難くなる。そこで、傾斜面を有する攪拌翼部をカッタコラムよりも内周側および外周側に設けることによって、カッタコラムの内側領域の掘削土砂と外側領域の掘削土砂とにそれぞれ半径方向の流動を付与して、攪拌を促進することができる。

0020

この場合、好ましくは、攪拌翼部は、カッタコラムから内周側および外周側にそれぞれ延びるようにカッタコラムと一体的に設けられている。なお、一体的に設けるとは、攪拌翼部を備えた形状となるようにカッタコラムを形成することのみならず、カッタコラムに対して攪拌翼部を構成する翼部材を取り付けて一体化することを含む広い概念である。このように構成すれば、カッタコラムを攪拌翼部の一部として利用して、カッタコラムの内側領域と外側領域とに亘って跨がるように攪拌翼部を設けることができる。これにより、カッタコラムの内側領域および外側領域での掘削土砂の攪拌を促進し、内側領域と外側領域との間での土砂の流動促進を図ることができる。

発明の効果

0021

本発明によれば、上記のように、専用の駆動源を用いない攪拌翼によって、カッタヘッドの中央部付近の掘削土砂を効果的に攪拌することができる。

図面の簡単な説明

0022

第1実施形態によるセンターシャフト支持方式のトンネル掘進機の模式的な縦断面図である。
第1実施形態によるトンネル掘進機の模式的な正面図である。
カッタヘッドの内面を掘進方向後方側から見た模式図である。
第1実施形態におけるカッタヘッドの一方回転時(A)および他方回転時(B)における掘削土砂の流動方向を示す図である。
第1実施形態の変形例におけるカッタヘッドの一方回転時(A)および他方回転時(B)の掘削土砂の流動を示す図である。
第2実施形態の攪拌翼部を説明するための模式図である。
第2実施形態におけるカッタヘッドの一方回転時(A)および他方回転時(B)における掘削土砂の流動方向を示す図である。
第2実施形態の変形例におけるカッタヘッドの一方回転時(A)および他方回転時(B)の掘削土砂の流動を示す図である。
第3実施形態による中間支持方式のトンネル掘進機の模式的な縦断面図である。
第3実施形態によるトンネル掘進機の模式的な正面図である。
第3実施形態の攪拌翼部を説明するための模式図である。
第3実施形態におけるカッタヘッドの一方回転時(A)および他方回転時(B)における掘削土砂の流動方向を示す図である。
第3実施形態の第1変形例におけるカッタヘッドの一方回転時(A)および他方回転時(B)の掘削土砂の流動を示す図である。
第3実施形態の第2変形例におけるカッタヘッドの一方回転時(A)および他方回転時(B)の掘削土砂の流動を示す図である。
攪拌翼部を隔壁に設けた変形例を示す図である。
攪拌翼部の変形例を示す図である。

実施例

0023

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

0024

[第1実施形態]
図1図4を参照して、第1実施形態によるトンネル掘進機100について説明する。

0025

(トンネル掘進機)
第1実施形態によるトンネル掘進機100は、シールド工法によるトンネル施工に用いる掘進機であり、シールド掘進機シールドマシンともよばれる。図1に示すように、トンネル掘進機100は、中心軸線CA回りに回転して土砂を掘削するカッタヘッド1と、チャンバ2とを備えている。

0026

カッタヘッド1は、円筒状の胴部3の一方端(掘進方向前面)に配置されている。胴部3は、トンネル掘進機100の外周壁を構成する。カッタヘッド1は、掘進方向から見て円形形状図2参照)を有し、回転して土砂を掘削する掘削面を構成する。トンネル掘進機100は、カッタヘッド1を回転駆動するためのカッタ駆動部4を備えている。カッタ駆動部4は、たとえば1つまたは複数の油圧モータによって構成される。

0027

チャンバ2は、カッタヘッド1と、カッタヘッド1に対向する隔壁5との間に形成された掘削土砂の貯留空間(圧力室)である。隔壁5は、円筒状の胴部3において掘進方向前方側(カッタヘッド1側)と後方側とを仕切るように形成されている。チャンバ2は、カッタヘッド1の内面1d(後面)と、隔壁5の表面と、胴部3の内周面とによって区画されている。チャンバ2には、カッタヘッド1によって掘削された掘削土砂が貯留される。

0028

第1実施形態のトンネル掘進機100は、カッタヘッド1の支持方式としてセンターシャフト支持方式を採用した例を示している。センターシャフト支持方式では、カッタヘッド1は、中心軸線CAを中心とするセンターシャフト6に取り付けられる。

0029

センターシャフト6は、中空円筒状の軸であり、カッタヘッド1を支持し、かつ、カッタヘッド1と共に回転するように構成されている。センターシャフト6は、掘進方向の前方端部がカッタヘッド1の中心部に固定され、後方部分が隔壁5に設けられた軸受7によって回転可能に支持されている。センターシャフト6がカッタ駆動部4によって中心軸線CA回りに回転駆動されることにより、カッタヘッド1およびセンターシャフト6が一体的に回転される。

0030

カッタヘッド1は、中心軸線CA周りに回転するように構成されている。図2に示すように、カッタヘッド1は、半径方向(R方向)に延びるスポーク部1aを含む。スポーク部1aは、周方向(回転方向)に等角度間隔で複数設けられており、中心軸線CAを中心とした放射状に配置されている。図2の例では、8本のスポーク部1aが約45度の等角度間隔で配置されている。カッタヘッド1は、掘進方向前方(X1方向)の掘削面にカッタビット1bを有する。カッタビット1bは、複数の放射状のスポーク部1aにそれぞれ複数取り付けられている。

0031

図1戻り、トンネル掘進機100は、セグメントSGを押圧してカッタヘッド1を推進させるシールドジャッキ8と、セグメントSGを環状(リング状)に組み立てるエレクタ(図示せず)と、チャンバ2内の土砂を排出する排土装置9とを備えている。

0032

トンネル掘進機100は、カッタ駆動部4によりカッタヘッド1を中心軸線CA回りに回転させつつ、シールドジャッキ8により既設セグメントリング覆工体)を支持体として掘進方向への推進力を発生させることにより、地山の掘削を行う。カッタヘッド1により掘削された土砂は、チャンバ2内に導入され、たとえばスクリュコンベヤからなる排土装置9によってトンネル掘進機100の後方に排出された後、ベルトコンベヤなどにより後方の坑口へ向けて搬送される。

0033

所定距離の掘削が行われると、エレクタ(図示せず)によりセグメントSGが組み立てられて、所定距離分のセグメントリング(覆工体)が既設のセグメントリングの掘進方向先端部を延長するように追加構築される。このように、セグメントSGは、環状に組み立てられることによって、トンネル掘進機100が構築するトンネルの壁面を構成する。トンネル掘進機100は、掘削とセグメントSGの組み立てとを繰り返すことによりセグメントリングを構築しながら掘進する。

0034

図1に例示したトンネル掘進機100は、泥土圧式のトンネル掘進機100の例を示している。泥土圧式のトンネル掘進機100では、チャンバ2内に作泥材が注入されて掘削土砂と混合されることにより、掘削土砂が不透水性塑性流動性を持つ泥土に変換される。掘削土砂(泥土)は、チャンバ2内に充満する。トンネル掘進機100は、掘削土砂(泥土)をチャンバ2内に充満させた状態を維持してシールドジャッキ8の推力によりチャンバ2内に泥土圧を発生させることにより、地山側の圧力(切羽の土圧および地下水圧)に対抗させる。トンネル掘進機100は、掘進量と排土量とのバランスによって圧力の平衡を図りながら掘進する。

0035

以下では、トンネル掘進機100の各方向について、中心軸線CAに沿った方向を掘進方向とし、中心軸線CAを中心とする半径方向(R方向)をトンネル掘進機100の半径方向とする。図2に示す半径方向のうち、中心軸線CAに向かうR1方向を中央側または一方側といい、カッタヘッド1の外周縁1c(胴部3の内周面)に向かうR2方向を外周側または他方側という。また、中心軸線CA回りの回転方向(胴部3の内周に沿ったC方向)をトンネル掘進機100の周方向とする。カッタヘッド1の回転方向(周方向)について、図3のようにカッタヘッド1の内面(後面)1dを掘進方向後方側から見た場合に、時計方向(C1方向)に回転する場合に一方回転といい、C1方向を周方向の一方側という。反時計方向(C2方向)に回転する場合に他方回転といい、C2方向を周方向の他方側という。

0036

(攪拌翼部)
第1実施形態のトンネル掘進機100は、チャンバ2内でカッタヘッド1または隔壁5に設けられ、チャンバ2内に収容された掘削土砂を攪拌するための攪拌翼部10を備えている。図1では、攪拌翼部10がカッタヘッド1に設けられている構成の例を示している。そして、図1の構成例では、カッタヘッド1に設けられた攪拌翼部10の他に、隔壁5に固定攪拌翼20が設けられている。攪拌翼部10および固定攪拌翼20は、チャンバ2内に収容された掘削土砂とチャンバ2内に注入された作泥材とを攪拌混合して泥土を形成する。なお、図1の構成例では、トンネル掘進機100が、カッタ駆動部4と別個の駆動源により掘削土砂を強制的に攪拌するアジテータを備えない例を示している。

0037

攪拌翼部10は、中心軸線CA回りにカッタヘッド1と一体回転するようにカッタヘッド1の内面1dに設けられている。なお、本明細書においては、便宜的に、カッタヘッド1に設けられ、カッタヘッド1とともに中心軸線CA回りに一体回転する攪拌翼を回転翼といい、隔壁5に設けられ、カッタヘッド1が回転しても移動しない攪拌翼を固定翼という。第1実施形態の攪拌翼部10は、回転翼として設けられている。一方、隔壁5に設けられた固定攪拌翼20は、固定翼である。固定攪拌翼20は、隔壁5からチャンバ2内へ掘進方向に延びるように設けられた柱状部材である。図示を省略するが、固定攪拌翼20は、隔壁5において周方向に間隔を隔てて複数設けられている。たとえば、固定攪拌翼20は、中心軸線CA回りの周方向に均等に分布するように、等角度間隔で設けられている。

0038

図3に示すように、攪拌翼部10は、中心軸線CAと直交する面に沿って延びるように設けられ、掘削土砂にカッタヘッド1の半径方向(R方向)への流動を与えるように半径方向に対して傾斜した一方傾斜面11を含む。すなわち、攪拌翼部10は、カッタヘッド1の回転面(回転軌跡によって形成される面)と略平行に延びる。そして、攪拌翼部10は、少なくとも一方傾斜面11において、カッタヘッド1の半径方向に対して、回転方向の一方側(C1方向)または他方側(C2方向)に傾斜している。一方傾斜面11は、中心軸線CAと直交する面内における攪拌翼部10の外表面である。

0039

図3の構成例では、攪拌翼部10は、翼表面が傾斜面(11、12)となるように半径方向に対して傾斜した板状部材により形成されている。攪拌翼部10は、直線状に延びる板状部材によって形成されている。攪拌翼部10として構成される板状部材自体が半径方向(R方向)に対して周方向に角度θだけ傾斜して設けられることにより、傾斜面(11、12)が板状部材の両側面によって構成されている。このように、攪拌翼部10は、一方傾斜面11および他方傾斜面12を含んでいる。

0040

一方傾斜面11は、カッタヘッド1の一方回転時(C1方向回転時)に掘削土砂に半径方向の流動を付与するC1方向側の傾斜面であり、他方傾斜面12は、カッタヘッド1の他方回転時(C2方向回転時)に掘削土砂に半径方向の流動を付与するC2方向側の傾斜面である。一方傾斜面11および他方傾斜面12は、半径方向に対して、周方向の同じ側に傾斜している。一方傾斜面11および他方傾斜面12は、特許請求の範囲の「傾斜面」の一例である。

0041

攪拌翼部10は、中心軸線CAに沿う軸方向(掘進方向)における第1長さL1(図1参照)よりも、中心軸線CAと直交する面内における第2長さL2が大きくなるように形成されている。ここで、第2長さL2は、中心軸線CAと直交する面内における長手方向の長さであり、図3のような直線板状の攪拌翼部10では、一端IEと他端OEとの間の長さである。第1実施形態では、第2長さL2は、第1長さL1(図1参照)よりも大きく、掘進方向におけるチャンバ2の幅W1(図1参照)以上である。第2長さL2は、たとえば固定攪拌翼20の掘進方向長さL3(図1参照)よりも大きい。

0042

また、攪拌翼部10は、半径方向においてカッタヘッド1の中央部側の位置から外周部側の位置まで延びるように設けられている。つまり、攪拌翼部10の中央(中心軸線)側の一端IEは、カッタヘッド1の外周縁1cよりも中心軸線CAに近い位置に配置されており、攪拌翼部10の外周側の他端OEは、中心軸線CAよりもカッタヘッド1の外周縁1cに近い位置に配置されている。

0043

第1実施形態では、攪拌翼部10は、カッタヘッド1の内面1dにおいて、カッタヘッド1のスポーク部1aに設けられ、スポーク部1aに対して固定されている。図3の例では、複数(8本)のスポーク部1aに対して、複数(4個)の攪拌翼部10が設けられている。具体的には、45度間隔で配置された8本のスポーク部1aのうち、周方向に1本おきの間隔で1個の攪拌翼部10が設けられている。そのため、4個の攪拌翼部10は、周方向に約90度間隔となるように設けられている。

0044

それぞれの攪拌翼部10は、中心軸線CAの延びる方向から見て(図3参照)、スポーク部1aの形成領域内に収まるようにスポーク部1aに設けられている。つまり、攪拌翼部10の一端IEから他端OEまでが、スポーク部1aの幅W2の範囲内に収まっている。

0045

以上のような4個の攪拌翼部10は、一方傾斜面11の傾斜方向に応じて第1攪拌翼10aと第2攪拌翼10bとの2つに分類される。すなわち、第1実施形態では、攪拌翼部10は、少なくともカッタヘッド1の一方回転時(C1方向回転時)に、チャンバ2内の掘削土砂を半径方向の一方側(中央側、R1方向側)に流動させるように傾斜した一方傾斜面11aを有する第1攪拌翼10aを含む。そして、攪拌翼部10は、第1攪拌翼10aに加えて、少なくともカッタヘッド1の一方回転時に、チャンバ2内の掘削土砂を半径方向の他方側(外周側、R2方向側)に流動させるように傾斜した一方傾斜面11bを有する第2攪拌翼10bを含む。

0046

図3の構成例では、4個の攪拌翼部10のうち、2個が第1攪拌翼10aとして構成され、残りの2個が第2攪拌翼10bとして構成されている。つまり、第1攪拌翼10aと第2攪拌翼10bとが同数ずつ設けられている。また、第1攪拌翼10aと第2攪拌翼10bとは、周方向に交互に並ぶように配置されている。2個の第1攪拌翼10aは、半径方向において中心軸線CAを挟んで互いに対向する位置(反対側の位置)に配置されており、2個の第2攪拌翼10bは、半径方向において中心軸線CAを挟んで互いに対向する位置(反対側の位置)に配置されている。

0047

第1攪拌翼10aは、他端OEが半径方向に対してC1方向側へ傾斜した一方傾斜面11aおよび他方傾斜面12aを有する。第1攪拌翼10aの内周側の一端IEは、中心軸線CAに対して逸れた方向を向いている。図4(A)のように、カッタヘッド1がC1方向へ回転する一方回転時には、第1攪拌翼10aがカッタヘッド1とともにC1方向に回転移動するため、チャンバ2内の掘削土砂が第1攪拌翼10aの一方傾斜面11aに対してC2方向へ向けて当接する。一方傾斜面11aが半径方向に対してC1方向側へ傾斜しているので、掘削土砂には、一方傾斜面11aに沿って半径方向内側(R1方向側)へ向かう分力が作用する。その結果、第1攪拌翼10aに押された掘削土砂が、一方傾斜面11aに沿って半径方向の一方側(R1方向側)へ流動する。図4では、傾斜面によって掘削土砂に付与される流動FLを、破線の矢印で示している。

0048

図3において、第2攪拌翼10bは、第1攪拌翼10aとは逆に、他端OEが半径方向に対してC2方向側へ傾斜した一方傾斜面11bおよび他方傾斜面12を有する。第2攪拌翼10bの内周側の一端IEは、中心軸線CAに対して逸れた方向を向いている。図4(A)のように、カッタヘッド1がC1方向へ回転する一方回転時には、第2攪拌翼10bがカッタヘッド1とともにC1方向に回転移動するため、チャンバ2内の掘削土砂が第2攪拌翼10bの一方傾斜面11bに対してC2方向へ向けて当接する。一方傾斜面11bが半径方向に対してC2方向側へ傾斜しているので、掘削土砂には、一方傾斜面11bに沿って半径方向外側(R2方向側)へ向かう分力が作用する。その結果、第2攪拌翼10bに押された掘削土砂が、一方傾斜面11bに沿って半径方向の他方側(R2方向側)へ流動する。

0049

このように、一方回転時に掘削土砂を半径方向中央側(R1方向側)へ流動させる第1攪拌翼10aと、掘削土砂を半径方向外周側(R2方向側)へ流動させる第2攪拌翼10bとの両方を設ける事によって、チャンバ2内の掘削土砂には、半径方向中央側へ向かう流れと、半径方向外周側へ向かう流れとが形成される。

0050

なお、カッタヘッド1の回転方向が反転すると、傾斜面による掘削土砂の半径方向への流動方向も反転する。すなわち、図4(B)のように、カッタヘッド1がC2方向へ回転する他方回転時には、第1攪拌翼10aの他方傾斜面12aに対して掘削土砂がC1方向へ向けて当接する。その結果、半径方向に対してC1方向側へ傾斜した他方傾斜面12aに沿って、掘削土砂が半径方向の他方側(R2方向側)へ流動する。また、第2攪拌翼10bの他方傾斜面12bについては、掘削土砂がC1方向へ向けて当接するので、半径方向に対してC2方向側へ傾斜した他方傾斜面12bに沿って、掘削土砂が半径方向の一方側(R1方向側)へ流動する。

0051

この場合も、第1攪拌翼10aおよび第2攪拌翼10bが掘削土砂に付与する半径方向の流動方向がそれぞれ逆転する結果、チャンバ2内の掘削土砂には、半径方向中央側へ向かう流れと、半径方向外周側へ向かう流れとが形成される。

0052

(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。

0053

第1実施形態では、中心軸線CAと直交する面に沿って延びるように設けられた攪拌翼部10が、掘削土砂にカッタヘッド1の半径方向への流動FLを与えるように半径方向に対して傾斜した傾斜面(11、12)を含むので、カッタヘッド1の回転に伴ってチャンバ2内の掘削土砂を周方向(C方向)に流動させるだけでなく、攪拌翼部10の傾斜面(11、12)に沿って、チャンバ2内の掘削土砂にカッタヘッド1の半径方向(R方向)への流動を与えることができる。掘削土砂に半径方向(R方向)への流動を与えることによって、周速の小さい中央部にある掘削土砂をより周速の大きい外周部側へ移動させたり、外周部側の土砂を中央部側へ送り込んだりすることができるので、チャンバ2内における掘削土砂の攪拌を促進することができる。以上により、アジテータを有しないかまたはアジテータを小型低出力化した場合にも、専用の駆動源を用いない攪拌翼(攪拌翼部10)によって、カッタヘッド1の中央部付近の掘削土砂を効果的に攪拌することができる。

0054

また、第1実施形態では、上記のように、攪拌翼部10が、少なくともカッタヘッド1の一方回転時(C1方向回転時)に、チャンバ2内の掘削土砂を半径方向の一方側(R1方向)に流動させるように傾斜した一方傾斜面11aを有する第1攪拌翼10aを含む。このように構成すれば、カッタヘッド1を一方回転させてトンネルを掘進する際に、第1攪拌翼10aによって、掘削土砂に半径方向の一方側への流動を与えて、チャンバ2内の攪拌を促進することができる。

0055

また、第1実施形態では、上記のように、攪拌翼部10が、第1攪拌翼10aに加えて、少なくともカッタヘッド1の一方回転(C1方向回転時)時に、チャンバ2内の掘削土砂を半径方向の他方側(R2方向)に流動させるように傾斜した一方傾斜面11bを有する第2攪拌翼10bを含む。このように構成すれば、カッタヘッド1を一方回転させてトンネルを掘進する際に、第1攪拌翼10aと第2攪拌翼10bとによって、掘削土砂に半径方向の一方側(R1方向)への流動および他方側(R2方向)への流動をそれぞれ与えることができる。つまり、カッタヘッド1を一方回転させることによって、チャンバ2内の掘削土砂を半径方向の外周側へ送り出す流れと、掘削土砂を半径方向の中央側へ送り込む流れとの両方を形成することができる。その結果、カッタヘッド1の中央部と外周部との間を移動する掘削土砂の流れを形成できるので、カッタヘッド1の中央部付近の掘削土砂をより効果的に攪拌することができる。

0056

また、第1実施形態では、上記のように、攪拌翼部10が、中心軸線CA回りにカッタヘッド1と一体回転するようにカッタヘッド1の内面1dに設けられている。このように構成すれば、掘削土砂にカッタヘッド1の半径方向への流動を与える傾斜面(11、12)を有する攪拌翼部10をカッタヘッド1とともに回転させて、チャンバ2内の掘削土砂に半径方向の流動を強制的に付与することができる。これにより、たとえば攪拌翼部10をチャンバ2内に固定し、カッタヘッド1の回転に伴い周方向(回転方向)に流動させた掘削土砂を傾斜面(11、12)に当接させる場合よりも、より効果的に、掘削土砂に半径方向の流動を付与することができる。

0057

また、第1実施形態では、上記のように、攪拌翼部10が、中心軸線CAの延びる方向から見て、スポーク部1aの形成領域内(幅W2の範囲内)に収まるようにスポーク部1aに設けられている。ここで、スポーク部1aの形成領域の外側は、カッタヘッド1によって掘削された土砂をチャンバ2内に取り込むための通路となり得るので、攪拌翼部10がスポーク部1aからはみ出すと、掘削土砂の取り込みの障壁になる可能性があるとともに、攪拌翼部10に対する負荷が増大する可能性がある。そのため、スポーク部1aの形成領域内に収まるように攪拌翼部10を設けることによって、攪拌翼部10に傾斜面(11、12)を設ける場合でも、攪拌翼部10がスポーク部1aからはみ出ることによる影響を回避できる。

0058

また、第1実施形態では、上記のように、攪拌翼部10が、中心軸線CAに沿う軸方向における第1長さL1(図1参照)よりも、中心軸線CAと直交する面内における第2長さL2(図3参照)が大きくなるように形成されている。このように構成すれば、中心軸線CAと直交する面内における第2長さL2を大きくできるので、掘削土砂に半径方向の流動を与える傾斜面(11、12)の形成範囲を大きく確保できる。その結果、より効果的に、掘削土砂を攪拌することができる。

0059

また、第1実施形態では、上記のように、攪拌翼部10が、半径方向においてカッタヘッド1の中央部側の位置から外周部側の位置まで延びるように設けられている。つまり、一端IEが中央部側に配置され、他端OEが外周部側に配置されている。このように構成すれば、攪拌翼部10によって、チャンバ2内の掘削土砂を、カッタヘッド1の中央部側と外周部側との間の広い範囲で半径方向に流動させることができる。そのため、たとえば攪拌翼部10が半径方向の中央部のみまたは外周部のみに設けられる場合と比べて、より一層効果的に、掘削土砂を攪拌することができる。

0060

また、第1実施形態では、上記のように、攪拌翼部10は、翼表面が傾斜面(11、12)となるように半径方向に対して傾斜した板状部材により形成されている。このように構成すれば、攪拌翼部10を、極力単純な板状部材によって構成することができ、板状部材の表面によって攪拌翼部10の傾斜面(11、12)を構成することができる。これにより、装置構造を簡素化することができる。

0061

(第1実施形態の変形例)
図3および図4に示した例では、半径方向に対して他端OEが周方向の一方側(C1方向側)に傾斜した第1攪拌翼10aと、半径方向に対して他端OEが周方向の他方側(C2方向側)に傾斜した第2攪拌翼10bとを設けた例を示したが、図5に示す変形例では、全ての攪拌翼部10が第1攪拌翼10aにより構成されている。この場合、カッタヘッド1の一方回転時(図5(A)参照)には、第1攪拌翼10aによって掘削土砂が半径方向内側に流動され、他方回転時(図5(B)参照)には、第1攪拌翼10aによって掘削土砂が半径方向外側に流動される。なお、図5とは逆に、全ての攪拌翼部10が、第2攪拌翼10bにより構成されていてもよい。

0062

ここで、トンネル掘進機100では、所定距離の掘進を行う毎に、カッタヘッド1の回転方向を反転させることが行われる。これは、カッタヘッド1を同一方向に回転させ続ける場合に、掘進時のカッタヘッド1の回転方向(ローリング方向)の反力によって生じるトンネルのねじれを抑制するためである。このように定期的にカッタヘッド1の回転方向が反転されることによって、全ての攪拌翼部10が同じ側に傾斜している場合でも、回転方向が反転する度に攪拌翼部10による掘削土砂の流動方向が半径方向の内側と外側とに反転するので、チャンバ2内における掘削土砂の効果的な攪拌が可能となる。

0063

[第2実施形態]
次に、図6および図7を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、板状の攪拌翼部10をカッタヘッド1に固定した上記第1実施形態とは異なり、板状の攪拌翼部110をカッタヘッド1に回動可能に設けた例について説明する。なお、第2実施形態において、攪拌翼部110を除くトンネル掘進機の装置構成は、上記第1実施形態と同様であるので同一の符号を用いるとともに説明を省略する。

0064

第2実施形態では、図6に示すように、トンネル掘進機200の攪拌翼部110は、中心軸線CAと直交する面内で、半径方向に対して回転方向の一方側(C1方向)と他方側(C2方向)とにそれぞれ傾斜するように回動可能に設けられている。

0065

具体的には、攪拌翼部110は、翼部材113と、翼部材113を回動可能に支持する回動支持部114と、翼部材113の回動範囲規制するためのストッパ115とを含む。

0066

翼部材113は、上記第1実施形態の攪拌翼部110と同様、第1長さL1および第2長さL2(図示省略)を有する直線状の板部材により構成されている。翼部材113の周方向の各側面によって、攪拌翼部110の一方傾斜面111および他方傾斜面112が構成されている。一方傾斜面111および他方傾斜面112は、特許請求の範囲の「傾斜面」の一例である。

0067

回動支持部114は、翼部材113の一端IEまたは他端OEに設けられ、中心軸線CAと直交する面内で翼部材113を回動可能に支持している。回動支持部114は、たとえばピン部材軸部材)であり、翼部材113は、回動支持部114を中心に回動する。カッタヘッド1が回転すると、翼部材113には掘削土砂からの反力が作用する。これにより、翼部材113は、カッタヘッド1の回転時に、回動支持部114を中心としてカッタヘッド1の回転方向とは反対側に向けて回動するように設けられている。なお、回動支持部114は、翼部材113のその他の方向(すなわちR方向、C方向、掘進方向)へ移動不能となるように翼部材113を支持している。

0068

ストッパ115は、翼部材113が間に配置されるように、回転方向(C方向)における翼部材113の両側にそれぞれ(一対)設けられている。これにより、翼部材113は、回動支持部114を中心として、両側のストッパ115に当接するまでの範囲で回動可能となっている。一対のストッパ115は、翼部材113の側面(一方傾斜面111または他方傾斜面112の一方)が半径方向に対して周方向の一方側(C1方向側)に傾斜する位置と、翼部材113の側面(一方傾斜面111または他方傾斜面112の他方)が半径方向に対して周方向の他方側(C2方向側)に傾斜する位置とにおいて、それぞれ翼部材113と当接して、それ以上翼部材113が回動しないように規制する。

0069

これにより、第2実施形態の攪拌翼部110では、カッタヘッド1の回転方向に応じて一方傾斜面111および他方傾斜面112の傾斜方向を変化させ、カッタヘッド1の回転方向によらずに、半径方向の同じ側(R1方向側またはR2方向側のいずれか)へ掘削土砂を流動させるように構成されている。

0070

第2実施形態においても、攪拌翼部110は複数設けられており、半径方向の一方側(R1方向側)への流動を付与する第1攪拌翼110aと、半径方向の他方側(R2方向側)への流動を付与する第2攪拌翼110bとを含む。第1攪拌翼110aおよび第2攪拌翼110bの数および配置は、上記第1実施形態と同様である。

0071

第1攪拌翼110aは、半径方向外側の他端OEにおいて回動支持部114に支持されている。そのため、図7(A)のようにカッタヘッド1の一方回転時には、第1攪拌翼110aの一端IEがC2方向に傾斜して、掘削土砂を半径方向の内側(R1方向側)へ流動させるように一方傾斜面111aを傾斜させる。図7(B)のようにカッタヘッド1の他方回転時には、第1攪拌翼110aの一端IEがC1方向に傾斜して、掘削土砂を半径方向の内側(R1方向側)へ流動させるように他方傾斜面112aを傾斜させる。

0072

第2攪拌翼110bは、半径方向内側の一端IEにおいて回動支持部114に支持されている。そのため、図7(A)のようにカッタヘッド1の一方回転時には、第2攪拌翼110bの他端OEがC2方向に傾斜して、掘削土砂を半径方向の外側(R2方向側)へ流動させるように一方傾斜面111bを傾斜させる。図7(B)のようにカッタヘッド1の他方回転時には、第2攪拌翼110bの他端OEがC1方向に傾斜して、掘削土砂を半径方向の外側(R2方向側)へ流動させるように他方傾斜面112bを傾斜させる。

0073

このように第2実施形態では、第1攪拌翼110aおよび第2攪拌翼110bの各々が、カッタヘッド1の回転方向によらずに、半径方向の同じ側に掘削土砂を流動させるように構成されている。そして、第1攪拌翼110aと第2攪拌翼110bとは、半径方向の反対側に掘削土砂を流動させるように構成されている。

0074

第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。

0075

(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。

0076

第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、カッタヘッド1の回転に伴って、攪拌翼部110の傾斜面(111、112)に沿って、チャンバ2内の掘削土砂にカッタヘッド1の半径方向への流動を与えることができる。そのため、周速の小さい中央部にある掘削土砂を周速の大きい外周部側へ移動させたり、外周部側の土砂を中央部側へ送り込んだりすることができるので、専用の駆動源を用いない攪拌翼(攪拌翼部110)によって、カッタヘッド1の中央部付近の掘削土砂を効果的に攪拌することができる。

0077

また、第2実施形態では、上記のように、攪拌翼部110が、中心軸線CAと直交する面内で、半径方向に対して回転方向の一方側(C1方向)と他方側(C2方向)とにそれぞれ傾斜するように回動可能に設けられている。このように構成すれば、掘削土砂を流動させる際に攪拌翼部110の一方傾斜面111または他方傾斜面112に加わる反力を利用して、攪拌翼部110を回動させることができる。攪拌翼部110は、カッタヘッド1を一方回転させれば反力によって他方側に傾斜し、カッタヘッド1を他方回転させれば反力によって一方側に傾斜する。このように傾斜方向が変化するので、カッタヘッド1の回転方向を反転させても、掘削土砂に半径方向の同じ側への流動を与え続けることができる。そのため、カッタヘッド1を一方回転させる場合と他方回転させる場合とで、掘削土砂の攪拌性能の均一化を図ることができる。

0078

第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。

0079

(第2実施形態の変形例)
図6および図7に示した例では、掘削土砂を半径方向内側に流動させる第1攪拌翼110aと、掘削土砂を半径方向外側に流動させる第2攪拌翼110bとを設けた例を示したが、図8に示す変形例では、全ての攪拌翼部110が、第1攪拌翼110aにより構成されている。つまり、図8に示す変形例では、それぞれの第1攪拌翼110aが、半径方向外側の他端OEを中心に回動可能に構成されている。この場合、第1攪拌翼110aの回動によってカッタヘッド1の一方回転時(図8(A)参照)および他方回転時(図8(B)参照)の両方で、掘削土砂が半径方向内側に流動される。なお、図8とは逆に、全ての攪拌翼部110が、第2攪拌翼110bにより構成されていてもよい。

0080

[第3実施形態]
次に、図9図12を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、センターシャフト支持方式を採用したトンネル掘進機100の例を示した上記第1および第2実施形態とは異なり、カッタヘッド1の支持方式として中間支持方式を採用したトンネル掘進機300の例について説明する。なお、第3実施形態において、上記第1および第2実施形態と同様の構成については同一の符号を用いるとともに説明を省略する。

0081

図9に示す第3実施形態のトンネル掘進機300は、カッタヘッド1の支持方式として中間支持方式を採用している。中間支持方式では、カッタヘッド1は、回転駆動される円環状の旋回台202に対して、中心軸線に沿って延びる脚部(カッタコラム201)によって取り付けられる。旋回台202は、隔壁5に設けられている。

0082

カッタコラム201は、カッタヘッド1の半径方向(R方向)の中間部を支持し、カッタヘッド1と共に回転するように構成されている。カッタコラム201は、隔壁5側からカッタヘッド1までチャンバ2内を貫通するように掘進方向に延びる中空筒状の梁部材ビーム)である。カッタコラム201は、掘進方向の前方端部がカッタヘッド1のスポーク部1aに取り付けられ、後方端部が旋回台202に取り付けられている。

0083

旋回台202は、掘進方向前側で複数(8本)のカッタコラム201を支持している。旋回台202は、中心軸線CA回りに回転可能なように、軸受203を介して隔壁5に支持されている。旋回台202と隔壁5との間は、シール部によってシールされている。

0084

図10に示すように、カッタコラム201は、中心軸線CAから半径方向に所定距離隔てた位置に等角度間隔で配置されている。具体的には、カッタヘッド1において8本のスポーク部1aが45度間隔で設けられており、カッタコラム201は、それぞれのスポーク部1aに1つずつ、合計8つ設けられている。したがって、カッタコラム201は、中心軸線CA回りに45度の等角度間隔で配置されている。図10の例では、カッタコラム201は、角柱形状を有する。

0085

中間支持方式のトンネル掘進機300では、カッタヘッド1、カッタコラム201および旋回台202がカッタ駆動部4によって一体的に回転(旋回)される。カッタヘッド1とカッタコラム201とが一体回転するため、図11に示すように、カッタヘッド1の回転時にチャンバ2内には、回転するカッタコラム201による円環状の移動軌跡(破線参照)を境に半径方向の中央側の領域と外周側の領域とが形成される。カッタコラム201よりも半径方向中央側の領域では、周速が小さいことに加えて、カッタコラム201によってチャンバ2内の領域が分断されるため、半径方向中央部における掘削土砂が攪拌されにくくなる。

0086

そこで、第3実施形態では、傾斜面(211、212)を有する攪拌翼部210が、スポーク部1aの内面上であって、半径方向において、カッタコラム201よりも内周側および外周側に設けられている。

0087

また、図11の構成例では、攪拌翼部210は、カッタコラム201から内周側および外周側にそれぞれ延びるようにカッタコラム201と一体的に設けられている。具体的には、攪拌翼部210は、カッタコラム201に対して半径方向中央側の翼部材213と、半径方向外周側の翼部材214とを含む。中央側の翼部材213と、外周側の翼部材214とは、それぞれ、半径方向においてカッタコラム201に隣接するようにカッタコラム201に取り付けられている。これにより、第3実施形態の攪拌翼部210では、翼部材213と、カッタコラム201と、翼部材214と、によって、半径方向においてカッタヘッド1の中央部側の位置から外周部側の位置まで延びる1つの攪拌翼が構成されている。つまり、攪拌翼部210は、カッタコラム201よりも半径方向中央側の位置から、カッタコラム201よりも半径方向外周側の位置に亘って形成されている。

0088

翼部材213および翼部材214は、三角形断面を有している。三角形断面を構成する3つの側面のうち、1つの側面がカッタコラム201の内周側(または外周側)の側面に沿って設けられ、他の1つの側面がスポーク部1aに沿って設けられ、残りの1つの側面が、回転面内で、カッタヘッド1の半径方向に対して傾斜した傾斜面となっている。翼部材213および翼部材214のそれぞれの傾斜面によって、攪拌翼部210は、一方傾斜面211および他方傾斜面212を含んでいる。

0089

図11の構成例では、攪拌翼部210が、8つのカッタコラム201のうち、等角度間隔で配置された4つのカッタコラム201に対して設けられている。したがって、攪拌翼部210は、90度間隔で4つ設けられている。そして、攪拌翼部210は、カッタヘッド1の一方回転時(C1方向回転時)に、チャンバ2内の掘削土砂を半径方向の一方側(中央側)に流動させるように傾斜した一方傾斜面211aを有する第1攪拌翼210aと、チャンバ2内の掘削土砂を半径方向の他方側(外周側)に流動させるように傾斜した一方傾斜面211bを有する第2攪拌翼210bと、を含んでいる。また、第1攪拌翼210aの他方傾斜面212aは、カッタヘッド1の他方回転時(C2方向回転時)に、掘削土砂を半径方向の他方側(外周側)に流動させるように構成され、第2攪拌翼210bの他方傾斜面212bは、他方回転時に、掘削土砂を半径方向の一方側(中央側)に流動させるように構成されている。

0090

第1攪拌翼210aおよび第2攪拌翼210bの数および配置位置は、上記第1および第2実施形態と同様である。第1攪拌翼210aと第2攪拌翼210bとは、傾斜面の向きが異なる点を除いて同じ構成を有する。

0091

このような構成により、図12(A)のように、カッタヘッド1の一方回転時に、第1攪拌翼210aの一方傾斜面211aによってカッタコラム201付近の掘削土砂が半径方向内側へ流動され、第2攪拌翼210bの一方傾斜面211bによってカッタコラム201付近の掘削土砂が半径方向外側へ流動される。

0092

また、図12(B)のように、カッタヘッド1の他方回転時に、第1攪拌翼210aの他方傾斜面212aによってカッタコラム201付近の掘削土砂が半径方向外側へ流動され、第2攪拌翼210bの他方傾斜面212bによってカッタコラム201付近の掘削土砂が半径方向内側へ流動される。

0093

このように、周方向の移動速度の大きい外周側領域と周方向の移動速度の小さい中央側領域との間で掘削土砂の流動が生じることによって、チャンバ2内の掘削土砂が効果的に攪拌される。また、翼部材213および翼部材214に設けた傾斜面(一方傾斜面211または他方傾斜面212)によって掘削土砂が半径方向に流動することによって、カッタコラム201の側面に接触する掘削土砂も同じ方向に流動し易くなる。その結果、回転するカッタコラム201による円環状の移動軌跡を境界とする半径方向の中央側の領域と外周側の領域との間に跨がった掘削土砂の流動が促進される。

0094

第3実施形態のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。

0095

(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。

0096

第3実施形態では、上記第1および第2実施形態と同様に、カッタヘッド1の回転に伴って、攪拌翼部210の傾斜面(211、212)に沿って、チャンバ2内の掘削土砂にカッタヘッド1の半径方向への流動を与えることができる。そのため、周速の小さい中央部にある掘削土砂を周速の大きい外周部側へ移動させたり、外周部側の土砂を中央部側へ送り込んだりすることができるので、専用の駆動源を用いない攪拌翼(攪拌翼部210)によって、カッタヘッド1の中央部付近の掘削土砂を効果的に攪拌することができる。

0097

また、第3実施形態では、上記のように、攪拌翼部210が、半径方向において、カッタコラム201よりも内周側および外周側に設けられている。このようにカッタコラム201が設けられる場合、回転するカッタコラム201の内側領域と外側領域とにチャンバ2内が分断され、内側領域と外側領域との間で掘削土砂が流動し難くなる。そこで、傾斜面(211、212)を有する攪拌翼部210をカッタコラム201よりも内周側および外周側に設けることによって、カッタコラム201の内側領域の掘削土砂と外側領域の掘削土砂とにそれぞれ半径方向の流動を付与して、攪拌を促進することができる。

0098

また、第3実施形態では、上記のように、攪拌翼部210が、カッタコラム201から内周側および外周側にそれぞれ延びるようにカッタコラム201と一体的に設けられている。このように構成すれば、カッタコラム201を攪拌翼部210の一部として利用して、カッタコラム201の内側領域と外側領域とに亘って跨がるように攪拌翼部210を設けることができる。これにより、カッタコラム201の内側領域および外側領域での掘削土砂の攪拌を促進し、内側領域と外側領域との間での土砂の流動促進を図ることができる。

0099

第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。

0100

(第3実施形態の第1変形例)
図11および図12に示した例では、掘削土砂を半径方向内側に流動させる第1攪拌翼210aと、掘削土砂を半径方向外側に流動させる第2攪拌翼210bとを設けた例を示したが、図13に示す第1変形例では、全ての攪拌翼部210が、第1攪拌翼210aにより構成されている。なお、図13とは逆に、全ての攪拌翼部210が、第2攪拌翼210bにより構成されていてもよい。

0101

(第3実施形態の第2変形例)
図14に示す第2変形例では、攪拌翼210cが、一方回転時に掘削土砂を半径方向内側に流動させる一方傾斜面215aと、他方回転時に掘削土砂を半径方向内側に流動させる他方傾斜面215bとを備える。また、攪拌翼210cが、一方回転時に掘削土砂を半径方向外側に流動させる一方傾斜面216aと、他方回転時に掘削土砂を半径方向外側に流動させる他方傾斜面216bとを備える。

0102

このように、図14では、翼部材213および翼部材214の各々に、一方傾斜面(215aまたは216a)と他方傾斜面(215bまたは216b)との2つの傾斜面が設けられている。この場合、カッタヘッド1の一方回転時および他方回転時の両方で、掘削土砂を半径方向の中央側および外周側にそれぞれ流動させることができる。このため、攪拌翼210cは、一方回転時に掘削土砂を半径方向の中央側へ流動させる第1攪拌翼として機能すると同時に、一方回転時に掘削土砂を半径方向の外周側へ流動させる第2攪拌翼として機能する。

0103

[変形例]
なお、今回開示された実施形態および変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。

0104

たとえば、上記第1〜第3実施形態では、4つの攪拌翼部10(110、210)を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、攪拌翼部が1個、2個、3個または5個以上設けられていてもよい。

0105

また、上記第1〜第3実施形態では、複数(4つ)の攪拌翼部10(110、210)を、周方向に等角度間隔で配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の攪拌翼部を非等角度間隔となるように配置してもよい。また、それぞれの攪拌翼部は、360度を等分割するように配置されていなくてもよく、所定の角度範囲の領域にのみ攪拌翼部が設けられていてもよい。

0106

また、上記第1〜第3実施形態では、攪拌翼部10(110、210)に、一方回転時(C1方向回転時)用の一方傾斜面11(111、211)と、他方回転時(C2方向回転時)用の他方傾斜面12(112、212)とをそれぞれ設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、攪拌翼部に、一方傾斜面のみを設けてもよいし、他方傾斜面のみを設けてもよい。たとえば図11に示した第1攪拌翼210aについて、翼部材214を設けずに、一方傾斜面211aが形成された翼部材213のみを設けてもよい。

0107

また、上記第1〜第3実施形態では、攪拌翼部10(110、210)を、カッタヘッド1と一体回転する回転翼としてカッタヘッド1に設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図15に示すように、攪拌翼部310が隔壁5に設けられ、カッタヘッド1が回転しても移動しない固定翼として設けられてもよい。この場合、カッタヘッド1の回転に伴って周方向に移動する掘削土砂が、固定された攪拌翼部310の傾斜面に当接することによって、掘削土砂の半径方向の流動を発生させることができる。この場合にカッタヘッド1に回転攪拌翼320を設けてもよい。カッタヘッド1および隔壁5の両方に、それぞれ傾斜面を有する攪拌翼部を設けてもよい。

0108

また、上記第1および第2実施形態では、直線状の板部材によって攪拌翼部10(110)を構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。攪拌翼部は、曲線状に湾曲してもよい。また、上記第3実施形態では、三角形断面の翼部材213、214により攪拌翼部210を構成した例を示したが、2つの板部材により翼部材を構成してもよい。つまり、攪拌翼部は、外表面において傾斜面が形成されていればよいので、中空構造でも中実構造でもよい。

0109

また、上記第1〜第3実施形態では、全体として1つの連続した翼表面を有するように攪拌翼部10(110、210)を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。図16に示す変形例のように、複数の分離した翼部材412を所定間隔で並べて配置し、それらの翼部材412の全体として、傾斜した傾斜面411を有する攪拌翼部410を構成してもよい。図16では、4つの矩形断面の翼部材412を半径方向に対して傾斜した方向に直線状に並べて配置することによって、4つの翼部材412の各側面が、全体として半径方向に対して傾斜した傾斜面411を構成している。このように、傾斜面411が完全に連続していなくても、掘削土砂を傾斜面411に沿って流動させることが可能な程度の小さな間隔だけ離間した複数部材によって傾斜面411を構成してもよい。

0110

1カッタヘッド
1aスポーク部
1d内面
2チャンバ
5隔壁
10、110、210、310、410攪拌翼部
10a、110a、210a 第1攪拌翼
10b、110b、210b 第2攪拌翼
11、11a、11b、111、111a、111b、211、211a、211b、215a、216a 一方傾斜面(傾斜面)
12、12a、12b、112、112a、112b、212、212a、212b、215b、216b 他方傾斜面(傾斜面)
100、200、300トンネル掘進機
201カッタコラム
411 傾斜面
CA 中心軸線

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