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技術 抗老化剤

出願人 三井製糖株式会社
発明者 水雅美宮坂清昭古田到真
出願日 2019年2月25日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2019-031756
公開日 2020年1月16日 (1年1ヶ月経過) 公開番号 2020-007293
状態 未査定
技術分野 化合物または医薬の治療活性 植物物質含有医薬 化粧料
主要キーワード 多孔質性樹脂 湿潤体 粉末化法 分解処理液 亜臨界水処理 脂肪族系樹脂 ポリフッ化ビニルデン 多孔質吸着剤
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重要な関連分野

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課題

新規抗老化剤を提供すること。

解決手段

バガスの分解抽出物を有効成分として含有する、抗老化剤。

概要

背景

皮膚は、表皮真皮皮下組織三層構造となっている。真皮においては、I型コラーゲンが集まって束を形成することにより真皮の支柱としての役割を果たしており、その周囲にはエラスチンヒアルロン酸等の成分が存在している。加齢又は紫外線照射等に起因してこれらの成分が減少したり分解されたりすると、皮膚の張り及びが失われ、皺が形成されやすくなる。

このような皮膚の老化を抑制するために、種々の抗老化剤が検討されている。特許文献1は、檸条及び/又は油茶からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗老化剤を開示する。特許文献2は、マキ科マキ属植物より選ばれる1種又は2種以上の植物の抽出物を含有する抗老化剤を開示する。特許文献3は、イブキジャコウソウの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗老化剤を開示する。特許文献4は、ゴレンシの葉部からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするコラーゲン産生促進剤コラゲナーゼ阻害剤、及びエラスターゼ阻害剤を開示する。

概要

新規な抗老化剤を提供すること。バガスの分解抽出物を有効成分として含有する、抗老化剤。なし

目的

本発明は、新規な抗老化剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

バガスの分解抽出物を有効成分として含有する、抗老化剤

請求項2

前記バガスの分解抽出物は、アルカリ処理水熱処理酸処理亜臨界水処理及び爆砕処理からなる群より選ばれる少なくとも1種の分解処理により得られる分解処理液である、請求項1に記載の抗老化剤。

請求項3

前記バガスの分解抽出物は、前記分解処理液を、固定担体充填したカラム通液することより得られる画分である、請求項2に記載の抗老化剤。

請求項4

前記固定担体は、合成吸着剤又はイオン交換樹脂である、請求項3に記載の抗老化剤。

請求項5

前記固定担体が合成吸着剤であり、前記バガスの分解抽出物は、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノールエタノール及びこれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒溶出させることにより得られる画分である、請求項3に記載の抗老化剤。

請求項6

前記合成吸着剤は、芳香族系樹脂アクリル酸メタクリル樹脂、又はアクリロニトリル脂肪族系樹脂である、請求項4又は5に記載の抗老化剤。

請求項7

前記バガスの分解抽出物は、前記分解処理液を、固定担体としての合成吸着剤を充填したカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール及び水の混合溶媒で溶出させて得られる画分であり、前記合成吸着剤は、無置換基型の芳香族系樹脂であり、前記カラムの温度は20〜60℃であり、前記混合溶媒のエタノール及び水の体積比(エタノール/水)は50/50〜60/40である、請求項2に記載の抗老化剤。

請求項8

バガスの分解抽出物を有効成分として含有する、細胞外マトリックス分解酵素阻害剤

請求項9

バガスの分解抽出物を有効成分として含有する、線維芽細胞賦活剤

技術分野

0001

本発明は、抗老化剤に関する。

背景技術

0002

皮膚は、表皮真皮皮下組織三層構造となっている。真皮においては、I型コラーゲンが集まって束を形成することにより真皮の支柱としての役割を果たしており、その周囲にはエラスチンヒアルロン酸等の成分が存在している。加齢又は紫外線照射等に起因してこれらの成分が減少したり分解されたりすると、皮膚の張り及びが失われ、皺が形成されやすくなる。

0003

このような皮膚の老化を抑制するために、種々の抗老化剤が検討されている。特許文献1は、檸条及び/又は油茶からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗老化剤を開示する。特許文献2は、マキ科マキ属植物より選ばれる1種又は2種以上の植物の抽出物を含有する抗老化剤を開示する。特許文献3は、イブキジャコウソウの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗老化剤を開示する。特許文献4は、ゴレンシの葉部からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするコラーゲン産生促進剤コラゲナーゼ阻害剤、及びエラスターゼ阻害剤を開示する。

先行技術

0004

特開2010−83786号公報
特開2010−70501号公報
特開平11−79971号公報
特開2002−226323号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、新規な抗老化剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、in vitro試験によって、バガスの分解抽出物が抗老化効果を有することを見出した。

0007

本発明は、一態様として、バガスの分解抽出物を有効成分として含有する、抗老化剤を提供する。本発明の抗老化剤は、バガスの分解抽出物を有効成分として含むことにより、抗老化効果に優れている。

0008

バガスの分解抽出物は、アルカリ処理水熱処理酸処理亜臨界水処理及び爆砕処理からなる群より選ばれる少なくとも1種の分解処理により得られる分解処理液であってよい。

0009

バガスの分解抽出物は、分解処理液を、固定担体充填したカラム通液することより得られる画分であってもよい。固定担体は、好ましくは、合成吸着剤又はイオン交換樹脂である。

0010

固定担体が合成吸着剤である場合、バガスの分解抽出物は、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノールエタノール及びこれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒溶出させることにより得られる画分であってもよい。

0011

合成吸着剤は、好ましくは、芳香族系樹脂アクリル酸メタクリル樹脂、又はアクリロニトリル脂肪族系樹脂である。

0012

バガスの分解抽出物は、分解処理液を、固定担体としての合成吸着剤を充填したカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール及び水の混合溶媒で溶出させて得られる画分であってよく、この場合、合成吸着剤は、無置換基型の芳香族系樹脂であり、カラムの温度は20〜60℃であり、混合溶媒のエタノール及び水の体積比(エタノール/水)は50/50〜60/40であってもよい。

0013

本発明は、他の態様として、バガスの分解抽出物を有効成分として含有する、細胞外マトリックス分解酵素阻害剤を提供するということもできる。本発明は、更なる他の態様として、線維芽細胞賦活剤を提供するということもできる。

発明の効果

0014

本発明によれば、新規な抗老化剤を提供することができる。

0015

以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。

0016

本発明の抗老化剤は、抗老化作用を有する。抗老化作用は、皮膚の老化を抑制する作用であってよく、より具体的には、加齢、紫外線の照射等による皮膚の機能低下を抑制及び/又は改善する作用であってよい。抗老化作用は、皮膚のしわ、たるみ、硬化等を抑制及び/又は改善する作用であってもよい。

0017

真皮に含まれるI型コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸等の成分は、細胞外マトリックス成分とも呼ばれる。細胞外マトリックス成分は線維芽細胞から産生される。皮膚の老化の一因は、細胞外マトリックス成分の分解又は減少である。

0018

細胞外マトリックス成分の分解は、細胞外マトリックス分解酵素によって生ずる。例えば、I型コラーゲンは、細胞外マトリックス分解酵素の1種であるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP−1)により分解される。MMP−1は、紫外線の照射によってタンパク量が増加し、活性亢進される。MMP−1の産生及び活性亢進の結果、コラーゲンの減少、変性が起こり、皮膚の弾力性が失われ、皮膚の皺又はたるみの形成の原因になり得る。一方、エラスチンは、細胞外マトリックス分解酵素の1種であるエラスターゼにより分解される。エラスチンはコラーゲン線維間を繋ぐバネのような役割をしているが、エラスターゼがエラスチンを分解することによっても、皮膚の弾力性が失われ、皮膚の皺又はたるみの形成の原因になり得る。

0019

本発明の抗老化剤は、細胞外マトリックス分解酵素を阻害する作用(細胞外マトリックス分解酵素の産生を抑制する作用、細胞外マトリックス分解酵素の活性を低下させる作用)を有しており、例えば、I型コラーゲンを分解するMMP−1を阻害する作用、及び/又はエラスチンを分解するエラスターゼを阻害する作用を有する。これにより、皮膚の老化が抑制される。すなわち本発明の抗老化剤は、細胞外マトリックス分解酵素の阻害作用に基づくものであるということができ、より具体的には、MMP−1の阻害作用、又はエラスターゼの阻害作用に基づくものであるということもできる。また、本発明は、細胞外マトリックス分解酵素阻害剤を提供するということができ、より具体的には、MMP−1阻害剤、又はエラスターゼ阻害剤を提供するということもできる。

0020

MMP−1を阻害する作用は、より具体的には、MMP−1の産生を阻害する作用であってよく、MMP−1の活性を阻害する作用であってもよい。エラスターゼを阻害する作用は、より具体的には、エラスターゼの産生を阻害する作用であってよく、エラスターゼの活性を阻害する作用であってもよい。すなわち本発明の抗老化剤は、MMP−1の産生阻害作用、MMP−1の活性阻害作用、エラスターゼの産生阻害作用、及びエラスターゼの活性阻害作用のうち少なくとも1つの作用に基づくものであってよい。本発明の抗老化剤は、MMP−1の産生阻害作用及び/又はエラスターゼの活性阻害作用に基づくものであってもよい。また、本発明は、MMP−1産生阻害剤、MMP−1活性阻害剤、エラスターゼ産生阻害剤、又はエラスターゼ活性阻害剤を提供するということができる。本発明は、MMP−1産生阻害剤、又はエラスターゼ活性阻害剤を提供するということもできる。

0021

一方、細胞外マトリックス成分の産生量は、加齢による線維芽細胞の衰え紫外線照射等により減少する。線維芽細胞を賦活化させることにより、細胞外マトリックス成分の産生量の減少を抑制することができる。本発明の抗老化剤は、線維芽細胞を賦活化させる作用も有するため、より一層皮膚の老化が抑制される。すなわち本発明の抗老化剤は、線維芽細胞の賦活作用に基づくものであるということもできる。また、本発明は、線維芽細胞賦活剤を提供するということもできる。

0022

一実施形態に係る抗老化剤は、バガスの分解抽出物を有効成分として含有する。バガスの分解抽出物には、p−クマル酸フェルラ酸カフェ酸及びバニリン等のフェニルプロパノイド、並びにリグニン及びその分解物からなる群より選ばれる少なくとも1種が含まれていることが好ましい。

0023

「バガス」とは、典型的には原料糖製造工程における製糖過程で排出されるバガスをいう。原料糖工場における製糖過程で排出されるバガスには、最終圧搾機を出た最終バガスだけではなく、第1圧搾機を含む以降の圧搾機に食い込まれた細裂甘蔗をも含む。好適なバガスは、原料糖工場において圧搾工程により糖を圧搾した後に排出されるバガスである。当該バガスは、甘蔗の種類、収穫時期等により、その含まれる水分、糖分及びそれらの組成比が異なるが、本発明においては、これらのバガスを任意に用いることができる。さらに、本実施形態では、原料のバガスとして、原料糖工場と同様に、例えば黒糖製造工場において排出される甘蔗圧搾後に残るバガス、又は実験室レベル小規模な実施により甘蔗から糖液を圧搾した後のバガスも用いることができる。

0024

バガスの分解抽出物は、一実施形態において、バガス(及び/又はその加工物)の分解処理液であってよい。分解処理液は、アルカリ処理、水熱処理、酸処理、亜臨界水処理及び爆砕処理からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の分解処理により得ることができる。本明細書におけるバガスの分解処理は、リグニン、セルロース、及び/又はヘミセルロース化学構造の一部又は全部が壊れることが必要である。分解処理は、バガスの分解抽出物を得やすい観点から、好ましくはアルカリ処理又は水熱処理である。

0025

アルカリ処理は、バガスにアルカリ性溶液を接触させる処理であってよい。アルカリ性溶液を接触させる方法としては、例えば、アルカリ性溶液をバガスに振りかける方法、バガスをアルカリ性溶液に浸漬させる方法等が挙げられる。バガスをアルカリ性溶液に浸漬させる方法においては、バガス及びアルカリ性溶液の混合物を撹拌しながら浸漬させてもよい。

0026

アルカリ性溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液水酸化カリウム水溶液アンモニア水溶液等が挙げられる。アルカリ性溶液は、これらの溶液を1種単独で又は2種以上を混合して用いられてよい。アルカリ性溶液は、安価であり、食品製造工程で容易に用いられる観点から、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である。

0027

アルカリ性溶液の温度(液温)は、分解処理の処理時間を短縮する観点から、好ましくは40℃以上であり、より好ましくは100℃以上であり、更に好ましくは130℃以上である。アルカリ性溶液の温度は、分解処理液に多糖類を残存させないようにする観点から、好ましくは250℃以下であり、より好ましくは200℃以下であり、更に好ましくは150℃以下である。

0028

アルカリ処理は、常圧下で行われてよく、加圧して行われてもよい。加圧する場合、圧力は、0.1MPa以上、又は0.2MPa以上であってよく、4.0MPa以下、1.6MPa以下、又は0.5MPa以下であってよい。

0029

水熱処理は、バガスに高温の水又は水蒸気高圧下で接触させる処理であってよい。水熱処理は、より具体的には、例えば、バガスの固形物濃度が0.1〜50%となるように水を加え、高温・高圧条件下で分解処理を行う方法であってもよい。水又は水蒸気の温度は130〜250℃であることが好ましく、加える圧力は、各温度の水の飽和水蒸気圧に、更に0.1〜0.5MPa高い圧力であることが好ましい。

0030

酸処理は、バガスに酸性溶液を接触させる処理であってよい。酸性溶液としては、希硫酸等が挙げられる。バガスに酸性溶液を接触させる方法、酸処理における酸溶液の温度、酸処理における圧力条件は、上述したアルカリ処理における方法又は条件と同様であってよい。

0031

亜臨界水処理は、バガスに亜臨界水を接触させる処理であってよい。バガスに亜臨界水を接触させる方法は、上述したアルカリ処理における方法と同様であってよい。亜臨界水処理の条件は特に制限されないが、亜臨界水の温度を160〜240℃とし、処理時間を1〜90分間とすることが好ましい。

0032

爆砕処理は、水熱処理によりバガスに含まれる不溶性キシランをある程度分解させた後、耐圧反応容器に設けられたバルブ一気開放すること等によって、瞬間的に大気圧に放出することによりバガスを粉砕する処理であってよい。

0033

分解処理液においては、上述した分解処理の後、固形分及び液分を分離する処理がなされてもよい。この場合、分離後に得られた液分を分解処理液とすることができる。固形分及び液分を分離する方法は、ストレーナー、ろ過、遠心分離デカンテーション等による分離であってよい。

0034

分解処理液においては、膜分離により多糖類等の高分子成分が除去されてもよい。この場合、膜分離後の液分を分解処理液とすることができる。分離膜は、限外濾過膜UF膜)であれば特に限定されない。限外濾過膜の分画分子量は、好ましくは2500〜50000であり、より好ましくは2500〜5000である。

0036

限外濾過膜の濾過方式は、デッドエンド濾過クロスフロー濾過であってよいが、膜ファウリング抑制の観点から、クロスフロー濾過であることが好ましい。

0037

限外濾過膜の膜形態としては、平膜型、スパイラル型チューブラー型中空糸型等、適宜の形態のものが使用できる。より具体的には、GE Power&WaterのGEシリーズGHシリーズ、GKシリーズ、DESAL社のG−5タイプ、G−10タイプ、G−20タイプ、G−50タイプ、PWタイプ、HWSUFタイプ、KOCH社のHFM−180、HFM−183、HFM−251、HFM−300、HFK−131、HFK−328、MPT−U20、MPS−U20P、MPS−U20S、Synder社のSPE1、SPE3、SPE5、SPE10、SPE30、SPV5、SPV50、SOW30、旭化成株式会社製のマイクローザ(登録商標)UFシリーズの分画分子量3,000から10,000に相当するもの、日東電工株式会社製のNTR7410、NTR7450等が挙げられる。

0038

バガスの分解抽出物は、他の実施形態において、上述した分解処理液を、固定担体を充填したカラムに通液することより得られる画分であってもよい。分解処理液をカラムに通液することにより、分解処理液中の抗老化作用を有する成分(有効成分)が固定担体に吸着され、糖類及び無機塩類の大部分がそのまま流出する。

0039

上述した分解処理液は、直接又は水で任意の濃度に調整して、カラムに通液することができる。分解処理液においては、カラムの通液前にpHを調整してもよい。吸着率を向上させる観点から、分解処理液は、pH6以下に調整されていることが好ましい。分解処理液のpHは、4.5を超え6以下であってもよい。

0040

固定担体は、好ましくは、合成吸着剤又はイオン交換樹脂のいずれかである。

0041

合成吸着剤は、好ましくは合成多孔質吸着剤である。合成吸着剤(合成多孔質吸着剤)としては、好ましくは有機系樹脂が用いられる。有機系樹脂は、好ましくは、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂、又はアクリロニトリル脂肪族系樹脂である。

0042

芳香族系樹脂としては、例えば、スチレンジビニルベンゼン系樹脂が挙げられる。芳香族系樹脂としては、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、無置換基型の芳香族系樹脂、無置換基型に特殊処理をした芳香族系樹脂等の多孔質性樹脂も挙げられ、このうち、無置換基型の芳香族系樹脂又は無置換基型に特殊処理をした芳香族系樹脂が好ましい。

0043

合成吸着剤で市販のものとしては、ダイヤイオン(商標)HP−10、HP−20、HP−21、HP−30、HP−40、HP−50(以上、無置換基型の芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱ケミカル株式会社製);SP−825、SP−800、SP−850、SP−875、SP−70、SP−700(以上、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱ケミカル株式会社製);SP−900(芳香族系樹脂、商品名、三菱ケミカル株式会社製);アンバーライト(商標)XAD−2、XAD−4、XAD−16、XAD−2000(以上、芳香族系樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイヤイオン(商標)SP−205、SP−206、SP−207(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱ケミカル株式会社製);HP−2MG、EX−0021(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱ケミカル株式会社製);アンバーライト(商標)XAD−7、XAD−8(以上、アクリル酸エステル樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイヤイオン(商標)HP1MG、HP2MG(以上、アクリル酸メタクリル樹脂、いずれも商品名、三菱ケミカル株式会社製);セファデックス(商標)LH20、LH60(以上、架橋デキストラン誘導体、いずれも商品名、ファルマシアバイオテク株式会社製)等が挙げられる。中でも、無置換基型の芳香族系樹脂(例えば、HP−20)又は無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂(例えば、SP−850)が好ましい。

0044

カラムに充填する合成吸着剤の量は、カラムの大きさ、合成吸着剤の種類等によって適宜決定することができる。

0045

固定担体として合成吸着剤を用いる場合、分解処理液を通液するときの通液速度は、カラムの大きさ、溶出溶媒の種類、合成吸着剤の種類等によって適宜変更が可能であるが、好ましくは、SV=1〜30時間−1である。なお、SV(Space Velocity、空間速度)は、1時間当たり樹脂容量の何倍量の液体を通液するかという単位である。

0046

合成吸着剤に吸着された吸着成分(有効成分)は、溶媒(溶出溶媒)により溶出させることができる。吸着成分をより効率よく回収する観点から、吸着成分を溶出させる前に、カラムに残留する糖類及び無機塩類を水洗により洗い流すことが好ましい。この場合、溶出させた成分をバガスの分解抽出物とすることができる。

0047

固定担体として合成吸着剤を用いる場合、溶出溶媒は、水、メタノール、エタノール及びこれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。溶出溶媒は、アルコール及び水の混合溶媒が好ましく、エタノール及び水の混合溶媒がより好ましく、吸着成分が室温においてより効率よく溶出可能となる観点から、体積比が50/50〜60/40(エタノール/水)であるエタノール及び水の混合溶媒が更に好ましい。

0048

固定担体として合成吸着剤を用いる場合、溶出する際のカラムの温度(カラム温度)は室温であってよいが、室温よりもカラム温度を高温にすることにより、エタノール及び水の混合溶媒においてエタノールの混合割合を減らすことができ、吸着成分をより効率的に溶出させることができる。温度は、好ましくは20〜60℃であり、より好ましくは40〜60℃である。カラム内は常圧条件下であっても、加圧条件下であってもよい。

0049

固定担体として合成吸着剤を用いる場合、溶出速度は、カラムの大きさ、溶出溶媒の種類、合成吸着剤の種類等によって適宜設定することが可能であるが、好ましくは、SV=0.1〜10時間−1である。

0050

イオン交換樹脂は、樹脂の形態に基づいて、ゲル型樹脂と、ポーラス型マイクロポーラス型又はハイポラス型等の多孔性樹脂とに分類されるが、特に制限はない。イオン交換樹脂は、好ましくは陰イオン交換樹脂である。陰イオン交換樹脂としては、強塩基性陰イオン交換樹脂又は弱塩基性陰イオン交換樹脂が用いられてよい。アルカリ処理液を原料として使用する場合、好ましくは、強塩基性陰イオン交換樹脂が用いられるが、その他の処理による分解処理液を原料とする場合は特に制限はない。

0051

市販の強塩基性陰イオン交換樹脂としては、ダイヤイオン(商標)PA306、PA308、PA312、PA316、PA318L、HPA25、SA10A、SA12A、SA11A、SA20A、UBA120(以上、三菱ケミカル株式会社製)、アンバーライト(商標)IRA400J、IRA402Bl、IRA404J、IRA900J、IRA904、IRA458RF、IRA958、IRA410J、IRA411、IRA910CT(以上、オルガノ株式会社製)、ダウエックス(商標)マラソンA、マラソンMSA、MONOSPHERE550A、マラソンA2(以上、ダウケミカル日本株式会社製)等が挙げられる。

0052

市販の弱塩基性陰イオン交換樹脂としては、ダイヤイオン(商標)WA10、WA20、WA21J、WA30(以上、三菱ケミカル株式会社製)、アンバーライト(商標)IRA478RF、IRA67、IRA96SB、IRA98、XE583(以上、オルガノ株式会社製)、ダウエックス(商標)マラソンWBA、66、MONOSPHERE66、MONOSPHERE77(以上、ダウケミカル日本株式会社製)等が挙げられる。

0053

カラムに充填するイオン交換樹脂の量は、カラムの大きさ、イオン交換樹脂の種類などによって適宜決定できるが、分解処理液の固形分に対して2〜10,000倍湿潤体積量が好ましく、5〜500倍湿潤体積量がより好ましい。

0054

通液条件は、前処理液の種類、イオン交換樹脂の種類等により適宜設定することが可能である。好ましくは、流速はSV=0.3〜30時間−1であり、通液する液量はイオン交換樹脂の100〜300%であり、カラム温度は40〜90℃である。カラム内は常圧又は加圧された状態であってもよい。

0055

固定担体としてイオン交換樹脂を用いる場合、バガスの分解抽出物は、イオン交換樹脂を充填したカラムに通液し、塩や酸、アルコール又はこれらの混合水溶液等の溶離液で溶出させることで得られる画分であってもよい。溶離液は脱気処理されていてもよい。

0056

バガスの分解抽出物は、一実施形態においては、上述した分解処理液又は画分を濃縮した濃縮物であってもよい。濃縮方法は公知の方法であってよく、例えば、減圧下での溶媒留去、凍結乾燥等の方法であってよい。濃縮を行う場合、分解処理液又は画分を15〜30倍に濃縮して、濃縮後の成分をバガスの分解抽出物とすることができる。

0057

バガスの分解抽出物は、例えば、次のようにして得ることができる。バガスに、固形物濃度が0.1〜50%となるように1質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加して100℃で煮沸を行い、分解処理液(アルカリ処理液)を得る。分解処理液を分画分子量2500〜5000のUF膜にて限外濾過を行い、得られた濾過液酸性に調整してから、無置換基型の芳香族系樹脂を充填したカラムに、カラム温度20〜60℃にて通液する。その後、カラムに吸着された成分を、カラム温度20〜60℃にて、体積比が50/50〜60/40(エタノール/水)のエタノール及び水の混合溶媒(溶出溶媒)で溶出させ、エタノール及び水の混合溶媒での溶出開始時点から集めた溶出液の量が該芳香族系樹脂の45倍湿潤体積量以内に溶出する画分を回収する。回収された画分(抗老化作用を有する成分を含む画分)を集め、慣用の手段(減圧下での溶媒留去、凍結乾燥等)により濃縮して、バガスの分解抽出物を得ることができる。このようにして得られたバガスの分解抽出物は、固形分が30質量%以上になるように濃縮した液状又は粉末状の抽出物として保存することができる。抽出物の保存は、当該抽出物が液状の場合、冷蔵で行うことが好ましい。

0058

バガスの分解抽出物は、他の例として、例えば、次のようにして得ることもできる。すなわち、バガスに固形物濃度が0.1〜50%となるように加水して、130〜250℃の水により、0.2〜4.0MPaの圧力下で水熱処理を行い、濾過による固液分離で分解処理液(水熱処理液)を得る。得られた水熱処理液について、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂を充填したカラムに、温度20〜60℃にて通液した後、カラムに吸着された成分を、カラム温度20〜60℃にて、体積比が50/50〜60/40(エタノール/水)のエタノール及び水の混合溶媒(溶出溶媒)で溶出させ、エタノール及び水の混合溶媒での溶出開始時点から集めた溶出液の量が該芳香族系樹脂の5倍湿潤体積量以内に溶出する画分を回収する。回収された画分(抗老化作用を有する成分を含む画分)を集め、慣用の手段(減圧下での溶媒留去、凍結乾燥等)により濃縮して、バガスの分解抽出物を得ることができる。このようにして得られたバガスの分解抽出物は、固形分が30質量%以上になるように濃縮した液状又は粉末状の抽出物として保存することができる。抽出物の保存は、当該抽出物が液状の場合、冷蔵で行うことが好ましい。

0059

上述した各実施形態におけるバガスの分解抽出物は、液状又は粉末状であってよい。粉末状のバガスの分解抽出物は、例えば、液状のバガス分解抽出物を用いて、スプレードライ法凍結乾燥法流動層造粒法、又は賦形剤を用いた粉末化法等により製造することができる。

0060

抗老化剤は、化粧品食品組成物医薬品又は医薬部外品として用いることができる。食品組成物は、例えば、健康食品特定保健用食品機能性食品栄養機能食品サプリメント等の形態で提供されてもよい。

0061

抗老化剤は、有効成分であるバガスの分解抽出物のみからなってもよく、化粧品、食品組成物、医薬部外品又は医薬品に使用可能な素材を更に配合してもよい。化粧品、食品組成物、医薬部外品又は医薬品に使用可能な素材としては、特に制限されるものではないが、例えば、アミノ酸タンパク質炭水化物、油脂、甘味料ミネラルビタミン香料、賦形剤、結合剤滑沢剤崩壊剤乳化剤界面活性剤基剤溶解補助剤懸濁化剤等が挙げられる。

0062

タンパク質としては、例えば、ミルクカゼインホエイ大豆タンパク小麦タンパク卵白等が挙げられる。炭水化物としては、例えば、コーンスターチ、セルロース、α化デンプン小麦デンプン米デンプン馬鈴薯デンプン等が挙げられる。油脂としては、例えば、サラダ油コーン油大豆油ベニバナ油オリーブ油パーム油等が挙げられる。甘味料としては、例えば、ブドウ糖ショ糖果糖ブドウ糖果糖液糖果糖ブドウ糖液糖等の糖類、キシリトールエリスリトールマルチトール等の糖アルコールスクラロースアスパルテームサッカリンアセスルファムK等の人工甘味料ステビア甘味料等が挙げられる。ミネラルとしては、例えば、カルシウムカリウムリンナトリウムマンガン、鉄、亜鉛マグネシウム等、及びこれらの塩類等が挙げられる。ビタミンとしては、例えば、ビタミンEビタミンCビタミンAビタミンDビタミンB類ビオチンナイアシン等が挙げられる。賦形剤としては、例えば、デキストリン、デンプン、乳糖結晶セルロース等が挙げられる。結合剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチンヒドロキシプロピルメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースカルボキシメチルセルロースナトリウムポリビニルピロリドン等が挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウムステアリン酸カルシウムタルク等が挙げられる。崩壊剤としては、例えば、結晶セルロース、寒天、ゼラチン、炭酸カルシウム炭酸水素ナトリウム、デキストリン等が挙げられる。乳化剤又は界面活性剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステルクエン酸乳酸グリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステルレシチン等が挙げられる。基剤としては、例えば、セトステアリルアルコールラノリンポリエチレングリコール等が挙げられる。溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール炭酸ナトリウムクエン酸ナトリウム等が挙げられる。懸濁化剤としては、例えば、モノステアリン酸グリセリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースヒドロキシメチルセルロースアルギン酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。

0063

抗老化剤が他の素材を配合する場合、有効成分であるバガスの分解抽出物の含有量は、後述する抗老化剤の形態、使用目的等に応じて適宜設定すればよいが、抗老化効果をより一層有効に発揮する観点から、好ましくは、固形分として0.5質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上であり、更に好ましくは3質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。

0064

抗老化剤の形状は制限されず、固体(粉末、顆粒等)、液体(溶液、懸濁液等)、ペースト等のいずれの形状であってもよく、散剤丸剤顆粒剤錠剤カプセル剤トローチ剤液剤懸濁剤等のいずれの剤形であってもよい。

0066

抗老化剤は経口投与がされてよく、非経口投与がされてもよい。

0067

抗老化剤が経口投与される場合、投与量としては、例えば、バガスの分解抽出物が1回当たり50μg/kg(体重)以上となるように投与されるのが好ましく、100μg/kg(体重)以上となるように投与されるのがより好ましく、150μg/kg(体重)以上となるように投与されるのが更に好ましい。また、バガスの分解抽出物が1日当たり150μg/kg(体重)以上となるように投与されるのが好ましく、300μg/kg(体重)以上となるように投与されるのがより好ましく、450μg/kg(体重)以上となるように投与されるのが更に好ましい。また、バガスの分解抽出物が1回当たり1000mg/kg(体重)以下となるように投与されるのが好ましく、800mg/kg(体重)以下となるように投与されるのがより好ましく、600mg/kg(体重)以下となるように投与されるのが更に好ましい。また、バガスの分解抽出物が1日当たり3000mg/kg(体重)以下となるように投与されるのが好ましく、2000mg/kg(体重)以下となるように投与されるのがより好ましく、1000mg/kg(体重)以下となるように投与されるのが更に好ましい。この範囲であれば、真皮に十分な濃度で抗老化剤を作用させることができ、抗老化作用をよりよく発現することができる。

0068

抗老化剤が、非経口投与として皮膚へ施用される場合、皮膚への施用量としては、例えば、バガスの分解抽出物が1回当たり5μg/cm2以上となるように施用されるのが好ましく、10μg/cm2以上となるように施用されるのがより好ましく、30μg/cm2以上となるように施用されるのが更に好ましい。また、バガスの分解抽出物が1日当たり10μg/cm2以上となるように施用されるのが好ましく、20μg/cm2以上となるように施用されるのがより好ましく、60μg/cm2以上となるように施用されるのが更に好ましい。また、バガスの分解抽出物が、1回当たり500μg/cm2以下となるように施用されるのが好ましく、400μg/cm2以下となるように施用されるのがより好ましく、300μg/cm2以下となるように施用されるのが更に好ましい。また、バガスの分解抽出物が1日当たり1000μg/cm2以下となるように施用されるのが好ましく、800μg/cm2以下となるように施用されるのがより好ましく、600μg/cm2以下となるように施用されるのが更に好ましい。この範囲であれば、真皮に十分な濃度で抗老化剤を作用させることができ、抗老化作用をよりよく発現することができる。

0069

抗老化剤は、飼料飼料添加物としても用いることができる。飼料としては、ドッグフードキャットフード等のコンパニオンアニマル用飼料、家畜用飼料家禽用飼料養殖魚介類用飼料等が挙げられる。「飼料」には、動物が栄養目的で経口的に摂取するもの全てが含まれる。より具体的には、養分含量の面から分類すると、粗飼料濃厚飼料無機物飼料、特殊飼料の全てを包含し、また公的規格の面から分類すると、配合飼料混合飼料単体飼料の全てを包含する。また、給餌方法の面から分類すると、直接給餌する飼料、他の飼料と混合して給餌する飼料、または飲料水に添加し栄養分を補給するための飼料の全てを包含する。

0070

一実施形態に係る細胞外マトリックス分解酵素阻害剤又は線維芽細胞賦活剤の具体的な態様は、上述した抗老化剤における態様と同様であってよい。すなわち、一実施形態に係る細胞外マトリックス分解酵素阻害剤又は線維芽細胞賦活剤は、上述した抗老化剤に関する説明において、「抗老化剤」を「細胞外マトリックス分解酵素阻害剤」又は「線維芽細胞賦活剤」と読み替えたものであってよい。

0071

以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。バガスの分解抽出物は、以下、単に「抽出物」と表現することがある。

0072

<バガスの分解抽出物の製造>
[製造例1]
サトウキビの搾りかすであるバガス15kg(含水率50質量%)及び0.5%(w/w)水酸化ナトリウム水溶液100Lを混合し、150℃の条件でアルカリ処理を行った。アルカリ処理後混合液を固形分と液分に分離して、液分を約100L得た。分画分子量2500のUF膜(GEウォーター&プロセス・テクノロジー社、GH8040F30)を用いて限外濾過を行い、濾過液80Lを得た。合成吸着剤(三菱ケミカル株式会社製、HP−20)1リットル樹脂塔内径80mm、高さ400mm)に充填し、これに上記の濾過液を、pHを6に調整してから流速10リットル/時間(SV=10.0(時間−1))で通液した。

0073

続いて、5リットルの精製水を、流速10リットル/時間(SV=10.0(時間−1))で樹脂塔に通液して洗浄した。次に、溶出溶媒として60%エタノール水溶液(エタノール/水=60/40(体積/体積))2リットルを、流速2リットル/時間(SV=2.0(時間−1))で樹脂塔に通液した。続けて、2リットルの精製水を流速2リットル/時間(SV=2.0(時間−1))で樹脂塔に通液し、合成吸着剤に吸着した成分を溶出させた。樹脂塔から溶出した画分を、ロータリーエバポレーターにて約10倍の濃度に減圧濃縮したのち、一晩凍結乾燥して、バガスの分解抽出物として、茶褐色の粉末20gを得た。これを抽出物Aとした。

0074

[製造例2]
サトウキビの搾りかすであるバガス30kg(含水率50質量%)を、200℃、1.8MPaの熱水100Lで水熱処理を行った。前処理後の混合液を固形分と液分とに分離して、液分を約88L得た。分画分子量2500のUF膜(GEウォーター&プロセス・テクノロジー社、GH8040F30)を用いて限外濾過を行い、濾過液70Lを得た。合成吸着剤(三菱ケミカル株式会社製、SP−850)1Lを樹脂塔(内径80mm、高さ400mm)に充填し、これに上記の濾過液のうち25Lを、流速20L/時間(SV=20.0(時間−1))で通液した。

0075

続いて、3.3Lの精製水を、流速20L/時間(SV=20.0(時間−1))で樹脂塔に通液して洗浄した。次に、溶出溶媒として60%エタノール水溶液(エタノール/水=60/40(体積/体積))2Lを、流速2L/時間(SV=2.0(時間−1))で樹脂塔に通液した。続けて、2Lの精製水を流速2L/時間(SV=2.0(時間−1))で樹脂塔に通液し、合成吸着剤に吸着した成分を溶出させた。樹脂塔から溶出した画分を、ロータリーエバポレーターにて約10倍の濃度に減圧濃縮したのち、一晩凍結乾燥して、バガスの分解抽出物として、茶褐色の粉末40gを得た。これを抽出物Wとした。

0076

<試験例1:MMP−1産生阻害試験>
抽出物A及び抽出物WのMMP−1の産生阻害効果を、正常ヒト線維芽細胞に対するMMP−1の阻害作用を評価することにより調べた。

0077

[試験例1−1]
正常ヒト線維芽細胞を培養するための培地としては、5%仔牛血清含有ダルベッコ変法MEM培地(紡績株式会社製、以下、「5%FBSDMEM培地」ともいう。)を用いた。抽出物Aを表1の濃度で5%FBS−DMEM培地に含有させた培地を調製し、これを試験サンプ含有培地とした。

0078

正常ヒト線維芽細胞(倉敷紡績株式会社製)を、5%FBS−DMEM培地と一緒96穴マイクロプレートに2.0×104細胞ウェル密度にて播種した。播種から24時間経過後、当該マイクロプレート中の上記5%FBS−DMEM培地を、抽出物Aを含む試験サンプル含有培地に交換した。培地交換後更に24時間培養してから、試験サンプル含有培地をハンク緩衝液(Ca2+及びMg2+含有、HBS(+))に交換した。その後直ちに新鮮な試験サンプル含有培地に交換し、更に24時間培養した。培養後、培養上清を回収して、ELISAに供した。

0079

ELISAはサンドイッチ法により行い、下記の方法にて実施した。高吸着型ELISAプレートにAnti-human MMP-1 antibodyを添加後、室温にて一晩コーティングし、次いで、1%アルブミン(BSA)にて1時間ブロッキングした。ブロッキング後、培養上清及び検量線用のMMP−1を添加して室温にて2時間インキュベーションし、次いでAnti-human MMP-1 biotinylated antibodyを添加し、室温にて1.5時間インキュベーションした。さらに、ストレプトアビジンHRPを添加して室温にて30分間インキュベーションした。次に、0.3mg/mLの2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン6−スルホン酸)−ジアンモニウム塩(ABTS)、及び0.03%(V/V)の過酸化水素を含むリン酸クエン酸緩衝液(0.1mol/L、pH4.0)を添加して20分間反応させ、マイクロプレートリーダーにて405nmの吸光度を測定した。

0080

培養上清中のMMP−1量は、市販のMMP−1にて作成した検量線から算出した。一方、培養後の細胞について、0.5%(V/V)のトリトンX−100緩衝液にて溶解し、BCA法により総タンパク質を定量した。培養上清中のMMP−1量を、細胞中総タンパク質量で除することにより、単位タンパク質量当たりのMMP−1産生量を算出した。結果を表1に示す。

0081

[試験例1−2]
試験例1において、試験サンプル含有培地をハンクス緩衝液(Ca2+、Mg2+含有、HBS(+))に交換した後、4J/cm2の線量の紫外線A波(UVA)を照射してから、直ちに新鮮な試験サンプル含有培地に交換した以外は、試験例1と同様の方法により、単位タンパク質量当たりのMMP−1産生量を算出した。結果を表1に示す。

0082

[試験例1−3]
試験例2において、抽出物Aを抽出物Wに変更し、紫外線A波の線量を5J/cm2に変更した以外は、試験例1−2と同様の方法により、単位タンパク質量当たりのMMP−1産生量を算出した。結果を表1に示す。

0083

1)抽出物A又は抽出物Wの濃度が0μg/mLである試験例に対する有意差
*:p<0.05、有意な減少

0084

<試験例2:エラスターゼ活性阻害試験>
抽出物A及び抽出物Wのエラスターゼの活性阻害効果を、正常ヒト線維芽細胞由来エラスターゼの活性阻害作用を評価することにより調べた。

0085

[試験例2−1]
10cm2シャーレコンフルエントに維持している正常ヒト線維芽細胞に対して、0.5%(V/V)のトリトンX−100緩衝液(1mmol/LPMSF、100mmol/Lトリス塩酸緩衝液、pH8.0)を添加して細胞を溶解し、これを線維芽細胞由来エラスターゼの粗酵素液として用いた。エラスターゼに対する基質としては、スクシニル−L−アラニル−L−アラニル−L−アラニンp−ニトロアニリド(Suc−Ala−Ala−Ala−pNA、5mmol/L、BACHEMAG社製)を用いた。試験液として、抽出物Aをトリス緩衝液に溶解させ所定濃度の試験液を調製した。陽性対照としては、6.25mmol/LのEDTAを用いた。

0086

試験液を、96穴マイクロプレートのウェルに50μLずつ添加した。また、5mmol/LのSuc−Ala−Ala−Ala−pNAを含有する100mmol/Lのトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を調製し、100μLずつ添加した。ここにエラスターゼ粗酵素液をそれぞれのウェルに50μLずつ添加し、反応液を得た。エラスターゼ粗酵素液添加直後の反応液について、405nmにおける吸光度を反応前の吸光度として測定した(ブランク吸光度)。次いで、37℃にて2時間静置して反応させた後の反応液について、405nmにおける吸光度を測定した(反応後吸光度)。反応後吸光度よりブランク吸光度を差し引いた値を用いて、試験液未添加における吸光度をC’、試験液を添加した場合における吸光度をS’とし、エラスターゼ活性阻害率(%)を次の式より求めた。結果を表2に示す。抽出物Aは、p<0.05にて有意なエラスターゼ活性阻害効果を示した。
エラスターゼ阻害率(%)=(1−(S’/C’))×100

0087

[試験例2−2]
抽出物Aを抽出物Wに変更した以外は、試験例2−1と同様の方法により、抽出物Wのエラスターゼ活性阻害率を求めた。なお、陽性対照としては、12.25mmol/LのEDTAを用いた。抽出物Wにおいても、エラスターゼ活性阻害効果が認められた。

0088

2)抽出物Aの濃度が0μg/mLである試験例に対する有意差
*:p<0.05、有意な減少

0089

<試験例3:線維芽細胞賦活試験>
抽出物Aの線維芽細胞に対する賦活作用をMTT法により調べた。

0090

正常ヒト線維芽細胞を培養するための培地としては、試験例1と同様のものを用いた。抽出物Aを水に溶解させて、抽出物Aを表3の濃度で1%FBS−DMEM培地に含有させた培地を調製し、これを試験サンプル含有培地として用いた。陽性対照としては、5%FBS−DMEM培地を用いた。

0091

正常ヒト線維芽細胞(倉敷紡績株式会社製)を、5%FBS−DMEM培地と一緒に96穴マイクロプレートに2.0×104細胞/ウェルの密度にて播種した。播種から24時間経過後、当該マイクロプレート中の上記5%FBS−DMEM培地を、抽出物Aを含む試験サンプル含有培地に交換した。培地交換後更に48時間培養してから、0.4mg/mLの3−(4,5−ジメチルチアゾリル−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を含有する1%FBS−DMEM培地に交換し、2時間培養した。培地を除去し、2−プロパノールを添加して生成したブルーホルマザンを抽出した。抽出液の550nmにおける吸光度を測定し、これをブルーホルマザン量とした。抽出物Aの濃度(試験サンプル含有培地全量基準)が0μg/mLの場合(コントロール)に生成されたブルーホルマザン量に対する、抽出物Aを用いた場合のブルーホルマザン量の割合(百分率)を算出して、細胞賦活率とした。細胞賦活率の値が大きい程、細胞賦活作用が高いといえる。結果を表3に示す。

実施例

0092

3)抽出物Aの濃度が0μg/mLである試験例に対する有意差
*:p<0.05、有意な減少

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