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技術 シリコンカーバイドの製造方法

出願人 国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明者 別部輝生中島裕美子佐藤一彦佐治木弘尚澤間善成
出願日 2018年7月4日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2018-127265
公開日 2020年1月16日 (11ヶ月経過) 公開番号 2020-007171
状態 未査定
技術分野 炭素・炭素化合物
主要キーワード クロムスチール 硬質ビーズ 攪拌媒体 撹拌媒体 回転揺動 クロム粉 オリゴシラン ステンレス粉末
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

900℃以上という高温プロセスを必要とすることなく、シリコンカーバイドを製造する方法を提供する。

解決手段

式(1)で表されるアルコキシシランを、金属の存在下、メカノケミカル反応させることにより、該アルコキシシランをシリコンカーバイドに変換する工程を含む、シリコンカーバイドの製造方法。Si(OR1)nR24−n (1)(式(1)中、R1はそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜24の炭化水素基、nは1以上4以下の整数を表す。)

概要

背景

シリコンカーバイドは、硬度耐熱性化学安定性に優れた材料として知られている。
シリコンカーバイドの製造方法としては、式(i)で示されるように、二酸化ケイ素炭素粉末原料として、炭化ケイ素質硬質ビーズの製造方法が提案されている(非特許文献1−3、特許文献1)。
また、式(ii)で示されるように、二酸化ケイ素、金属ケイ素および炭素粉末からシリコンカーバイドを製造する方法が提案されている(非特許文献4、特許文献2)。
また、式(iii)で示されるような、有機塩素化合物もしくは塩化水素雰囲気中で結晶成長されるCVDリアクタ内での炭化ケイ素結晶成長、具体的には、テトラクロロシラン炭化水素ガスエッチングガス、および水素ガスからシリコンカーバイドを製造する方法が提案されている(非特許文献5、特許文献3)。
また、式(iv)で示されるような、ジクロロジメチルシランアルカリ金属単体から得られるポリシラン類もしくはオリゴシラン類を原料とするシリコンカーバイドの製造方法が知られている(非特許文献6、7、特許文献4、5)。
また、複合被膜皮覆炭素繊維の製造において、炭素繊維に遊離炭素を含む被膜内層として被膜した後、式(v)で示されるような、メチルトリクロロシランと水素ガスを原料として炭化ケイ素皮膜外層として被膜する方法が提案されている(非特許文献8、特許文献6)。
また、式(vi)で示されるようなテトラアルコキシシランを原料とするゲルフェノール樹脂からシリカフェノールハイブリッド繊維を製造し、Ar雰囲気下1500℃の熱炭素還元によりシリコンカーバイド繊維に変換する方法も報告されている(非特許文献9)。以上、すべての反応において、900℃から2400℃という高温を要する。

概要

900℃以上という高温プロセスを必要とすることなく、シリコンカーバイドを製造する方法を提供する。式(1)で表されるアルコキシシランを、金属の存在下、メカノケミカル反応させることにより、該アルコキシシランをシリコンカーバイドに変換する工程を含む、シリコンカーバイドの製造方法。Si(OR1)nR24−n (1)(式(1)中、R1はそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜24の炭化水素基、nは1以上4以下の整数を表す。)なし

目的

本発明は、900℃以上という高温プロセスを必要とすることなく、シリコンカーバイドを製造する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

式(1)で表されるアルコキシシランを、金属の存在下、メカノケミカル反応させることにより、該アルコキシシランをシリコンカーバイドに変換する工程を含む、シリコンカーバイドの製造方法。Si(OR1)nR24−n(1)(式(1)中、R1はそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜24の炭化水素基、nは1以上4以下の整数を表す。)

請求項2

前記金属が、ステンレスジルコニアと鉄、クロム及びニッケルの組み合わせ;又はステンレス粉末とジルコニアの組み合わせである、請求項1に記載のシリコンカーバイドの製造方法。

請求項3

前記メカノケミカル反応を0℃〜100℃の温度で行う、請求項1又は2に記載のシリコンカーバイドの製造方法。

請求項4

前記メカノケミカル反応を遊星型ボールミルで行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコンカーバイドの製造方法。

請求項5

前記メカノケミカル反応を行う時間が8時間以上100時間以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコンカーバイドの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、アルコキシシラン原料とするメカノケミカル反応によるシリコンカーバイドの製造方法に関する。

背景技術

0002

シリコンカーバイドは、硬度耐熱性化学安定性に優れた材料として知られている。
シリコンカーバイドの製造方法としては、式(i)で示されるように、二酸化ケイ素炭素粉末を原料として、炭化ケイ素質硬質ビーズの製造方法が提案されている(非特許文献1−3、特許文献1)。
また、式(ii)で示されるように、二酸化ケイ素、金属ケイ素および炭素粉末からシリコンカーバイドを製造する方法が提案されている(非特許文献4、特許文献2)。
また、式(iii)で示されるような、有機塩素化合物もしくは塩化水素雰囲気中で結晶成長されるCVDリアクタ内での炭化ケイ素結晶成長、具体的には、テトラクロロシラン炭化水素ガスエッチングガス、および水素ガスからシリコンカーバイドを製造する方法が提案されている(非特許文献5、特許文献3)。
また、式(iv)で示されるような、ジクロロジメチルシランアルカリ金属単体から得られるポリシラン類もしくはオリゴシラン類を原料とするシリコンカーバイドの製造方法が知られている(非特許文献6、7、特許文献4、5)。
また、複合被膜皮覆炭素繊維の製造において、炭素繊維に遊離炭素を含む被膜内層として被膜した後、式(v)で示されるような、メチルトリクロロシランと水素ガスを原料として炭化ケイ素皮膜外層として被膜する方法が提案されている(非特許文献8、特許文献6)。
また、式(vi)で示されるようなテトラアルコキシシランを原料とするゲルフェノール樹脂からシリカフェノールハイブリッド繊維を製造し、Ar雰囲気下1500℃の熱炭素還元によりシリコンカーバイド繊維に変換する方法も報告されている(非特許文献9)。以上、すべての反応において、900℃から2400℃という高温を要する。

0003

0004

特開昭48−19611号公報
特開昭63−156099号公報
特表2015−510691号公報
特開昭53−101009号公報
特開昭53−101010号公報
特開昭57−89663号公報

先行技術

0005

G. M. Butler J. Electrochem. Soc. 1952, 99, 51C
武井 武,工業化学雑誌,1956,59,1279
榎本 亮,セラミックス,1982, 17, 828.
W. Han et al. Chem. Phys. Lett. 1997, 265, 374.
J. T. Kendall J. Chem. Phys. 1953, 21, 821.
S. Yajima, J. Hayashi et al. Chem. Lett.1975, 4, 931-934.
S. Yajima, J. Hayashi et al. Chem. Lett.1976, 5, 551-556.
A. Admiano J. Cryst. Growth. 1982, 58, 617.
I. Hasegawa, et al. Journal of Sol-Gel Science and Technology 1997, 8, 577.

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、900℃以上という高温プロセスを必要とすることなく、シリコンカーバイドを製造する方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、アルコキシシランを高速撹拌して機械的エネルギーを与えることで、シリコンカーバイドの合成が可能になることを見出し、本発明に到達した。

0008

すなわち、本発明は、以下[1]〜[5]に示す具体的態様等を提供する。
[1] 式(1)で表されるアルコキシシランを、金属の存在下、メカノケミカル反応させることにより、該アルコキシシランをシリコンカーバイドに変換する工程を含む、シリコンカーバイドの製造方法。
Si(OR1)nR24−n (1)
(式(1)中、R1はそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜24の炭化水素基、nは1以上4以下の整数を表す。)
[2] 前記金属が、ステンレスジルコニアと鉄、クロム及びニッケルの組み合わせ;又はステンレス粉末とジルコニアの組み合わせである、[1]に記載のシリコンカーバイドの製造方法。
[3] 前記メカノケミカル反応を0℃〜100℃の温度で行う、[1]又は[2]に記載のシリコンカーバイドの製造方法。
[4] 前記メカノケミカル反応を遊星型ボールミルで行う、[1]〜[3]のいずれかに記載のシリコンカーバイドの製造方法。
[5] 前記メカノケミカル反応を行う時間が8時間以上100時間以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載のシリコンカーバイドの製造方法。

発明の効果

0009

本発明により、900℃以上の高温プロセスを必要とすることなく、シリコンカーバイドを製造する方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、実施例2で得られた黒色粉末XPSスペクトルである。
図2は、図1に示されたXPSスペクトルの、Si 2pのピークデコンボリューション結果である。
図3は、図1に示されたXPSスペクトルの、C 1sのピークのデコンボリューション結果である。

0011

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更して実施することができる。

0012

本発明のシリコンカーバイドの製造方法は、式(1)で表されるアルコキシシランを、金属の存在下、メカノケミカル反応させることにより、該当するアルコキシシランをシリコンカーバイドに変換する工程を含むことを特徴とする。
Si(OR1)nR24−n (1)
式(1)中、R1はそれぞれ独立して炭素数1〜12の炭化水素基、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基、nは1以上4以下の整数を表す。

0013

R1は炭素数1〜20の炭化水素基であり、その具体例としては、アルキル基アリール基アラルキル基アルケニル基等が挙げられ、それらの基の炭素上の水素原子の一部または全部が、反応に関与しない基で置換されていてもよい。

0014

R1がアルキル基の場合、炭素数は好ましくは1〜18、より好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは1〜4であり、炭素上の水素原子の一部または全部が、反応に関与しない基で置換されていてもよい。炭素上の水素原子の一部または全部が、反応に関与しない基で置換されている場合、それらに含まれる炭素数もR1の炭素数に含める。

0015

反応に関与しない基の具体例としては、炭素数が1〜6のアルコキシ基、炭素数が1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数が1〜6のジアルキルアミノ基シアノ基ニトロ基ハロゲン原子等が挙げられ、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ジアルキルアミノ基、ハロゲン原子をより具体的に示せば、メトキシ基エトキシ基ヘキソキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基プロポキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ジメチルアミノ基ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、フッ素原子塩素原子臭素原子等のハロゲン原子を挙げることができる。
それらの基等を有するアルキル基の具体例としては、メチル基エチル基プロピル基ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基ヘキシル基、シクロヘキシル基オクチル基、2−オクチル基、デシル基メンチル基(2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル基)、2−メトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−ジメチルアミノエチル基、2−シアノエチル基トリフルオロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。

0016

また、炭化水素基がアリール基の場合、炭化水素環系または複素環系の1価の芳香族有機基を使用できる。アリール基が炭化水素環系の場合、炭素数が好ましくは6〜22、より好ましくは6〜14であり、それらアリール基の具体例としては、フェニル基ナフチル基アントリル基フェナントリル基ピレニル基ペリレニル基ペンタセニル基等が挙げられる。また、アリール基が複素環系の場合、複素環中ヘテロ原子硫黄酸素原子等であり、炭素数が好ましくは4〜12、より好ましくは4〜8であり、それらアリール基の具体例としては、チエニル基ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基フリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基等が挙げられる。
アリール基の水素原子の一部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。反応に関与しない基の具体例としては、上記のアルキル基の場合に示したもの等を挙げることができる。また、その他の反応に関与しない基として、環上の2つの炭素原子を結合させる2価の基であるオキシエチレン基オキシエチレンオキシ基等が挙げられる。それらの基等を有するアリール基の具体例としては、メチルフェニル基エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、sec−ブチルフェニル基ヘキシルフェニル基、ジメチルフェニル基、イソプロピル(メチル)フェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基オクトキシフェニル基、メチル(メトキシ)フェニル基、フルオロ(メチル)フェニル基、クロロ(メトキシ)フェニル基、ブロモ(メトキシ)フェニル基、2,3−ジヒドロベンゾフラニル基、1,4−ベンゾジオキサニル基等が挙げられる。

0017

さらに、炭化水素基がアラルキル基の場合には、炭素数が好ましくは7〜23、より好ましくは7〜16であり、炭素上の水素原子の一部または全部が反応に関与しない基で置換されていてもよい。
反応に関与しない基の具体例としては、上記のアルキル基の場合について示したもの等を挙げることができる。
それらの基等を有するアラルキル基の具体例としては、ベンジル基フェネチル基、2−ナフチルメチル基、9−アントリルメチル基、(4−クロロフェニル)メチル基、1−(4−メトキシフェニル)エチル基等が挙げられる。

0018

また、炭化水素基がアルケニル基の場合には、炭素数が好ましくは2〜19、より好ましくは2〜16であり、炭素上の水素原子の一部または全部が反応に関与しない基で置換されていてもよい。
反応に関与しない基の具体例としては、上記のアルキル基の場合について示したもの等の他、上記に示したアリール基等を挙げることができる。
それらの基等を有するアルケニル基の具体例としては、ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、5−ヘキセニル基、9−デセニル基、シトロネロイル基(3,7−ジメチル−6−オクテニル基)、2−フェニルエテニル基、2−(メトキシフェニル)エテニル基、2−ナフチルエテニル基、2−アントリルエテニル基等が挙げられる。

0019

R2はそれぞれ独立して炭素数1〜24の炭化水素基であり、炭化水素基の水素原子の一部または全部が反応に関与しない基で置換されていてもよい。炭化水素基の水素原子の一部または全部が、反応に関与しない基で置換されている場合、それらに含まれる炭素数もR2の炭素数に含める。
それら炭化水素基の具体例としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基等が挙げられ、上記のR1の説明において示したもの等を挙げることができる。また、反応に関与しない基の具体例としては、上記の一般式(1)のR1の説明において示したもの等を挙げることができる。
R2がアルキル基の場合、炭素数は好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは1〜4であり、炭素上の水素原子の一部または全部が、反応に関与しない基で置換されていてもよい。また、R2がアリール基の場合、炭素数が好ましくは6〜22、より好ましくは6〜14である。また、アリール基が複素環系の場合、炭素数が好ましくは4〜12、より好ましくは4〜8である。また、R2がアラルキル基の場合には、炭素数が好ましくは7〜23、より好ましくは7〜16であり、また、R2がアルケニル基の場合には、炭素数が好ましくは2〜23、より好ましくは2〜20である。

0020

したがって、式(1)で表されるアルコキシシランとしては、例えば、トリメチル(メトキシ)シラン、トリメチル(エトキシ)シラン、メチルフェニルジ(メトキシ)シラン、ジメチルジ(メトキシ)シラン、ジメチルジ(エトキシ)シラン、ジメチルフェニルメトキシシラン(Me2PhSiOMe)、エトキシジメチルフェニルシランジメトキシジフェニルシランジエトキシジフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジメトキシジイソブチルシラン、ジエトキシジイソブチルシラン、ジ(エトキシ)(フェニルビニルシラン、メチルトリ(メトキシ)シラン、メチルトリ(エトキシ)シラン、フェニルトリ(メトキシ)シラン、フェニルトリ(エトキシ)シラン、ビニルトリ(メトキシ)シラン、ビニルトリ(エトキシ)シラン、トリ(メトキシ)シラン、トリ(エトキシ)シラン、トリメトキシヘキシルシラン、トリメトキシデシルシラン、トリメトキシオクタデシルシラン、トリエトキシヘキシルシラン、トリメトキシイソブチルシラン、トリエトキシイソブチルシラン、トリプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリイソプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリメトキシ(オクチル)シラン、トリエトキシ(オクチル)シラン、トリプロポキシ(オクチル)シラン、トリイソプロポキシ(オクチル)シラン、トリメトキシ(デシル)シラン、トリエトキシ(デシル)シラン、トリプロポキシ(デシル)シラン、トリイソプロポキシ(デシル)シラン、トリメトキシ(ドデシル)シラン、トリエトキシ(ドデシル)シラン、トリプロポキシ(ドデシル)シラン、トリイソプロポキシ(ドデシル)シラン、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラプロポキシシランテトラブトキシシラン、テトラヘキソキシシラン、テトラオクトキシシラン、テトラシクロペントキシシラン、テトラシクロヘキソキシシラン、ジ
ヘキソキシジメトキシシラン(Si(OHex)2(OMe)2)、トリメトキシ(2−フェニルエチル)シラン(Si(CH2CH2Ph)(OMe)3)、ジメトキシジ(2−フェニルエチル)シラン(Si(CH2CH2Ph)2(OMe)2)、ジブトキシジエトキシシラン、テトラヘキソキシシラン、ジエトキシジヘキソキシシラン(Si(OHex)2(OEt)2)、トリエトキシデシルオキシシラン(Si(ODec)(OEt)3)、エトキシトリメトキシシラン、プロポキシトリメトキシシラン、ブトキシトリメトキシシラン、フェノキシトリメトキシシラン、ベンジルオキシトリメトキシシラン、プロポキシトリエトキシシラン、ブトキシトリエトキシシラン、フェノキシトリエトキシシラン、(ベンジルオキシ)トリエトキシシラン(Si(OCH2Ph)(OEt)3)、ジ(ベンジルオキシ)ジエトキシシラン(Si(OCH2Ph)2(OEt)2)、ブトキシトリプロポキシシラン、フェノキシトリプロポキシシラン、ベンジルオキシトリプロポキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン、ジプロポキシジメトキシシラン、ジブトキシジメトキシシラン、ジプロポキシジエトキシシラン、ジブトキシジエトキシシランなどが挙げられる。
中でも、トリメチルメトキシシラン(Me3SiOMe)、ジメチルフェニルメトキシシラン(Me2PhSiOMe)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)が好ましく、ジメチルフェニルメトキシシラン(Me2PhSiOMe)、テトラメトキシシラン(TMOS)がより好ましい。
原料とするアルコキシシランは、合成して用いてもよいし、市販品を入手して用いてもよい。

0021

メカノケミカル反応は、衝撃、圧縮せん断ずり応力摩擦などの機械的エネルギーにより反応物活性を高めることにより行われるものであり、通常、ボールミリングが行える装置で行われる。このような装置としては、反応容器と機械的エネルギーを与える撹拌媒体とを備えたものが挙げられ、例えば、遊星型ボールミル、回転揺動ボールミル転動ボールミル振動ボールミルミキサーミル等のボールミル、リングローラーミル等のローラーミルケージミル等の高速回転ミル、混錬機、振とう機等の混合機等が挙げられる。また、金属の存在下、アルコキシシランに機械的なエネルギーを与えられる装置であれば、ハンマークラッシャー等の粉砕機等も用いることができる。これらの中でも、ボールミルが好ましく、撹拌効率や与えるエネルギーの点から、遊星型ボールミルがより好ましい。以下、遊星型ボールミルを用いる場合を例として詳細に説明するが、各種反応条件は、遊星型ボールミル装置以外にも適用できる。

0022

遊星型ボールミル装置は、遊星型ボールミル反応容器本体と雰囲気制御区画から構成される。本発明では、原料であるアルコキシシランと撹拌媒体となるボールをボールミル反応容器の中に入れて、機器にセットした後、ボールミル反応容器が雰囲気制御区画の中で自転運動しながら、遊星動きに似た動きで公転運動することにより、アルコキシシランは機械的エネルギーを与えられ、アルコキシシランの分解反応が起こり、シリコンカーバイドに変換される。遊星型ボールミル全体が雰囲気制御される構造となっているが、本発明では、空気雰囲気、又はAr等の不活性雰囲気下で行うことが出来る。また、本発明の製造方法において、メカノケミカル反応の条件は、圧力、温度は特に限定されないが、1atm〜10atm程度の圧力条件下で行うこと好ましい。より好ましくは、常圧である。また、温度は0℃〜100℃の範囲が好ましく、15℃〜25℃程度、すなわち、常温がより好ましい。本発明の製造方法は、空気雰囲気下、常温で行うことが好ましく、空気雰囲気下、常温、常圧で行うと、より一層製造コストの低下を図ることができ、特に好ましい。

0023

遊星型ボールミル装置に用いられる反応容器および攪拌媒体であるボールとしては、例えば、ステンレススチールメノウアルミナタングステンカーバイドクロムスチール、ジルコニア、窒化ケイ素等の材質で形成されたものが挙げられる。これら材質の中で
も鉄とクロム、ニッケル等との合金であるステンレススチール、ジルコニアが好ましく、ステンレススチールがより好ましい。ステンレススチールとしては、SUS404、SUS403、SUS410、SUS304、SUS316、SUS329J1などが挙げられるが、中でも、SUS304が好ましい。ジルコニア製のボールを用いる場合、鉄粉クロム粉ニッケル粉を添加することが好ましい。
遊星型ボールミル装置に用いられる容器の大きさは、特に限定されないが、10〜1000cm3程度のものである。また、ボールの大きさも、特に限定されないが、その直径が2〜20mm程度のものである。例えば、容器の大きさが10〜20cm3程度の場合、直径が3〜6mm程度のボールが好ましい。ボール充填率は、反応効率の観点から、容器の大きさ(容器容量)の20体積%〜50体積%が好ましく、25体積%〜40体積%がより好ましい。
遊星型ボールミル装置は市販の装置を用いることが出来、好ましい遊星型ボールミルの具体例としては、例えば、遊星型ボールミルカルテットP−7(ドイツ Fritsch社製)、遊星型ボールミルプレミアムライン−7(ドイツフリッチュ社製)、遊星
型ボールミルPM−100(ドイツ Verder Scientific社製)等を挙げることができる。

0024

本発明において、アルコキシシランをメカノケミカル反応させるには、金属をアルコキシシランに対して、過剰量存在させる。金属としては、鉄、ニッケル、クロム、ジルコニア等の遷移金属やそれらの酸化物等が挙げられ、これらの金属は1種または2種以上を組み合わせて使用することもできる。金属としては、ステンレス;ジルコニア、鉄、クロム及びニッケルの組み合わせ;又はステンレス粉末とジルコニアの組み合わせが好ましい。また、好ましくは鉄、ニッケル、酸化ニッケル(II)、クロム、酸化クロム(III)等が挙げられる。なお、これらの金属は、メカノケミカル反応に用いられる反応容器中に、粉末ワイヤーホイル等の形態で添加してもよいし、メカノケミカル反応に用いられる反応容器、ボール、撹拌棒等の撹拌媒体に含まれていてもよいし、前記撹拌媒体にメッキ等してもよい。中でも、入手容易さの観点から、反応容器、ボール、撹拌棒等の撹拌媒体の材質が上記の好ましい金属であることが、特に好ましい。

0025

以下、具体的に遊星型ボールミルを用いて行う場合について説明する。まず、遊星型ボールミル装置の反応容器に、容器容量の0.1〜20体積%(以下、単に「%」ともいう
)程度、好ましくは1〜10体積%のアルコキシシランを入れ、これに1〜100個程度の撹拌媒体(ボール)を入れ、好ましくは鉄と、ニッケル、酸化ニッケル(II)、クロム及び酸化クロム(III)から選ばれる金属の存在下、好ましくは6〜100時間、より好
ましくは8〜100時間、さらに好ましくは12〜80時間、好ましくは200〜1,6
00rpm程度、より好ましくは300〜1,200rpmで、さらに好ましくは400
〜1,200rpmで回転させ、撹拌を行えばよい。なお、前述したように、上記金属は
メカノケミカル反応に用いられる反応容器、ボール、撹拌棒等の撹拌媒体に含まれていてもよい。さらに、必要により鉄粉、クロム粉、ニッケル粉などの金属をアルコキシシランに対し大過剰量入れてもよい。また、撹拌の際には、必要に応じて回転方向を適宜逆転させることが好ましく、また、撹拌を連続で行う場合には休止時間を設けてもよい。

0026

本発明の製造方法は、上記のメカノケミカル反応工程を含むものであれば、他の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、例えば、反応後、生成物の取り出し工程を含むことができる。取り出し工程は、具体的には、例えば次の方法が挙げられる。反応後の反応容器にペンタンなどの有機溶媒を入れ、懸濁液をナスフラスコなどの別の容器に移す。この操作は1回でもよいが、複数回行うことが好ましい。その後、有機溶媒の留去および真空乾燥を行うことにより、黒色粉末が得られる。有機溶媒としては、ペンタン、シクロペンタンヘキサンシクロヘキサンヘプタン及びシクロヘプタン等の一般的な有機溶媒を用いることができ、1種又は2種以上を組み合わせて用いることが出来るが、留去し易
さの観点から、ペンタンが好ましい。
生成物の同定は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)、粉末X線回折(XRD)、X線光電子分光(XPS)測定等により行うことができる。
本発明によるアルコキシシランからシリコンカーバイドへの変換効率は、使用する装置、反応条件等によっても相違するが、20〜100%程度である。例えば、ボ−ルの大きさを大きく、ボ−ルの数を多くまたは回転速度を早くすることで、反応時間を短くすることが出来る。
このように、本発明によると、大規模な装置や高価な反応試薬や特殊な触媒を必要とすることなく、簡単にシリコンカーバイドを製造することが出来る。

0027

以下、実施例及び参考例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。

0028

[実施例1]
12mL SUS304製ステンレスビーカーに、ジメチルフェニルメトキシシラン(Me2PhSiOMe)(0.5mL、2.85mmol)およびSUS304製ステンレスボール(直径5mm、50個)を入れ、遊星型ボールミル攪拌装置(Fritsch製、Premium line p−7)を用いて、空気雰囲気下、常温(25℃)・常圧で、毎分400回転の速度で12時間攪拌を行った。反応後、反応容器にペンタン10mLを入れ、懸濁液をナスフラスコに移した。この操作を3回繰り返した後、ペンタンの留去および真空乾燥を行ったところ、黒色粉末を28.4mg得た。この黒色粉末についてFT−IR、粉末XRD、およびXPS測定を行った結果、主成分がアモルファスシリコンカーバイドであることが同定された。

実施例

0029

[実施例2]
12mL SUS304製ステンレスビーカーに、テトラメトキシシラン(TMOS)(0.5mL、3.39mmol)およびSUS304製ステンレスボール(直径5mm、50個)を入れ、遊星型ボールミル攪拌装置(Fritsch製、Premium line p−7)を用いて、空気雰囲気下、常温(25℃)・常圧で、毎分400回転の速度で12時間攪拌を行った。反応後、反応容器にペンタン10mLを入れ、懸濁液をナスフラスコに移した。この操作を3回繰り返した後、ペンタンの留去および真空乾燥を行ったところ、黒色粉末を43.9mg得た。この黒色粉末についてFT−IR、粉末XRD、およびXPS測定を行った結果、主成分がアモルファスシリコンカーバイドであることが同定された。図1に得られた黒色粉末のXPSスペクトルを示す。また、図1に示されたXPSスペクトルの、Si 2pのピークのデコンボリューション結果を図2に示す
図1に示されたXPSスペクトルの、C 1sのピークのデコンボリューション結果を
図3に示す。図2から、約97.5〜102.5eV付近のピークは、Si−Si(99.3eV)およびSi−C(100.5eV)に割り当てることができる。図3から、約280〜285eV付近のピークは、Si−C(283.5eV)、左肩は蒸着カーボンに割り当てることができる。

0030

従来、少なくとも900度という高温条件を必要とするシリコンカーバイドの製造において、900℃以上という高温条件を必要とすることなく、さらには、常温・常圧条件下での合成が可能になるため、低コストで、簡便な方法によりシリコンカーバイドを得ることが出来る。

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