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技術 洗浄装置および洗浄方法

出願人 オリンパス株式会社
発明者 佐藤健治
出願日 2018年7月3日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2018-126782
公開日 2020年1月16日 (11ヶ月経過) 公開番号 2020-006287
状態 未査定
技術分野 液体または蒸気による洗浄
主要キーワード 相対気圧 陥没形状 搬送冶具 凹凸変形 保持冶具 気泡周囲 空洞現象 変形機構
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年1月16日)のものです。
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図面 (6)

課題

本発明は、洗浄過程における復圧時に洗浄槽内外気を導入することがなく、超音波洗浄の効果を維持できる洗浄装置および洗浄方法を提供することを目的とする。

解決手段

本洗浄装置(100)は、洗浄対象物(P)を洗浄液(L)に浸漬して洗浄する洗浄槽(1)と、前記洗浄槽の内部を密閉する密閉装置(2)と、前記洗浄槽の内部における気圧を、第1の気圧からより低い第2の気圧まで減圧させる減圧装置と、前記気圧を前記第2の気圧より高い第3の気圧まで復圧させる復圧装置と、前記洗浄液に対して超音波印加する超音波発生装置(6)と、を備え、前記第3の気圧は、少なくとも前記第1の気圧以下に設定され、前記洗浄槽内が密閉された状態において、前記復圧装置は、前記洗浄液の上方に位置する上方空間容積を減少させ、前記第2の気圧から前記第3の気圧まで復圧させる。

概要

背景

従来、洗浄液貯留した洗浄槽内洗浄対象物を浸漬し、例えば20kHz以上の周波数音波を利用して、洗浄対象物を洗浄することが知られている。

近年、超音波を利用した洗浄では、洗浄槽内を減圧し、超音波の伝播阻害する洗浄液中溶け込まれた過剰な気体を除去することで超音波の効果を向上させる方法が多く用いられる。特許文献1には、洗浄槽内の気圧を減圧させる減圧工程により、洗浄液中に溶け込まれた気体を除去する方法が開示されている。そして、特許文献1には、減圧工程の後、復圧弁を開けて洗浄槽内に外気を導入することで、洗浄槽内の気圧を大気圧に復圧させる復圧工程も開示されている。また、特許文献1には、洗浄槽内において、減圧工程と復圧工程とを交互に数回繰り返してから、超音波洗浄する方法も開示されている。

概要

本発明は、洗浄過程における復圧時に洗浄槽内に外気を導入することがなく、超音波洗浄の効果を維持できる洗浄装置および洗浄方法を提供することを目的とする。本洗浄装置(100)は、洗浄対象物(P)を洗浄液(L)に浸漬して洗浄する洗浄槽(1)と、前記洗浄槽の内部を密閉する密閉装置(2)と、前記洗浄槽の内部における気圧を、第1の気圧からより低い第2の気圧まで減圧させる減圧装置と、前記気圧を前記第2の気圧より高い第3の気圧まで復圧させる復圧装置と、前記洗浄液に対して超音波を印加する超音波発生装置(6)と、を備え、前記第3の気圧は、少なくとも前記第1の気圧以下に設定され、前記洗浄槽内が密閉された状態において、前記復圧装置は、前記洗浄液の上方に位置する上方空間容積を減少させ、前記第2の気圧から前記第3の気圧まで復圧させる。

目的

本発明は、洗浄過程における復圧時に洗浄槽内に外気を導入することを抑制し、従来の洗浄装置および洗浄方法に比べて、超音波洗浄の効果を維持できる洗浄装置およびこの洗浄装置を用いた洗浄方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

洗浄液を内部に貯留し、洗浄対象物を前記洗浄液内に浸漬して洗浄する洗浄槽と、前記洗浄槽の内部を外部から気密に密閉することができる密閉装置と、前記洗浄槽の内部における気圧を、第1の気圧から、前記第1の気圧より低い第2の気圧まで減圧させる減圧装置と、前記洗浄槽の内部における前記気圧が前記第2の気圧まで減圧された状態において、前記洗浄槽の内部における前記気圧を、前記第2の気圧より高い第3の気圧まで復圧させる復圧装置と、前記洗浄槽に貯留された前記洗浄液に対して超音波印加する超音波発生装置と、を備え、前記第3の気圧は、少なくとも前記第1の気圧の以下に設定され、前記洗浄槽の内部における前記気圧が前記第2の気圧まで減圧された状態において、前記洗浄液の液面の上方において、所定の容積を有する上方空間が形成され、前記密閉装置によって前記洗浄槽内が密閉された状態において、前記復圧装置は、前記上方空間の前記容積を減少させることにより、前記洗浄槽内の前記気圧を前記第2の気圧から前記第3の気圧まで復圧させることを特徴とする洗浄装置

請求項2

前記復圧装置は、前記洗浄槽に連結され、筒状に形成されたシリンダと、前記シリンダ内に移動可能に配置された動作部と、を備え、前記減圧装置によって前記洗浄槽の内部の前記気圧が前記第2の気圧まで減圧された状態において、前記動作部は、前記洗浄槽内に貯留された前記洗浄液の前記液面から第1の距離を開けて前記上方空間を形成し、前記密閉装置によって前記洗浄槽内が密閉された状態において、前記動作部と前記液面との間の距離が前記第1の距離より少ない第2の距離になるまで、前記動作部が前記シリンダに対して移動することで、前記洗浄槽の内部の前記気圧が前記第2の気圧から前記第3の気圧に復圧することを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。

請求項3

前記復圧装置は、前記密閉装置を移動させる駆動部を備え、前記減圧装置によって前記洗浄槽の内部における前記気圧が前記第2の気圧まで減圧された状態において、前記密閉装置は、前記洗浄槽内に貯留された前記洗浄液の前記液面から第1の距離を開けて前記上方空間を形成し、前記密閉装置によって前記洗浄槽内が密閉された状態において、前記駆動部が前記密閉装置を前記洗浄槽に対して移動させ、前記密閉装置と前記液面との間の距離が前記第1の距離より少ない第2の距離になることで、前記洗浄槽の内部の前記気圧が前記第2の気圧から前記第3の気圧に復圧することを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。

請求項4

前記洗浄槽は、変形可能な変形部を備え、前記復圧装置は、前記変形部を駆動し弾性変形させる駆動部を備え、前記減圧装置によって前記洗浄槽の内部における前記気圧が前記第2の気圧まで減圧された状態において、前記密閉装置は、前記洗浄槽内に貯留された前記洗浄液の前記液面から第1の距離を開けて前記上方空間を形成し、前記密閉装置によって前記洗浄槽内が密閉された状態において、前記駆動部が前記変形部を変形させ、前記洗浄槽内の前記洗浄液の前記液面が上昇し、前記密閉装置と前記液面との間の距離が前記第1の距離より少ない第2の距離になることで、前記洗浄槽の内部の前記気圧が前記第2の気圧から前記第3の気圧に復圧することを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。

請求項5

前記復圧装置は、前記洗浄液を貯留する予備槽と、前記洗浄槽と前記予備槽との間において、前記洗浄液を循環させる循環装置と、を備え、前記減圧装置によって前記洗浄槽の内部における前記気圧が前記第2の気圧まで減圧された状態において、前記密閉装置は、前記洗浄槽内に貯留された前記洗浄液の前記液面から第1の距離を開けて前記上方空間を形成し、前記密閉装置によって前記洗浄槽内が密閉された状態において、前記循環装置によって前記洗浄液を前記予備槽から前記洗浄槽内に流入させ、前記洗浄槽内の前記洗浄液の前記液面が上昇し、前記密閉装置と前記液面との間の距離が前記第1の距離より少ない第2の距離になることで、前記洗浄槽の内部の前記気圧が前記第2の気圧から前記第3の気圧に復圧することを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。

請求項6

洗浄対象物を洗浄槽内に貯留された洗浄液内に浸漬する浸漬工程と、密閉装置によって前記洗浄槽の内部が外部環境から気密に密閉された状態で、前記洗浄槽の内部における気圧を第1の気圧から、前記第1の気圧より低い第2の気圧まで減圧させる減圧工程と、前記洗浄槽の内部における前記気圧を前記第2の気圧から、前記第2の気圧より高い第3の気圧まで復圧させる復圧工程と、を有し、前記減圧工程において、前記洗浄液の液面の上方において、所定の容積を有する上方空間が形成され、前記復圧工程において、前記第3の気圧は、少なくとも前記第1の気圧の以下に設定され、前記復圧工程において、前記上方空間の前記容積を減少させることにより、前記洗浄槽内の前記気圧を前記第2の気圧から前記第3の気圧まで復圧させることを特徴とする洗浄方法

請求項7

前記減圧工程と前記復圧工程とが実行される間、超音波を前記洗浄液に印加し続けることを特徴とする請求項6に記載の洗浄方法。

請求項8

前記減圧工程において、前記洗浄槽に連結されて筒状に形成されたシリンダ内に移動可能に配置された動作部と、前記洗浄液の前記液面との間は、第1の距離を開けて前記上方空間を形成し、前記復圧工程において、前記動作部と前記洗浄液の前記液面との間の距離が前記第1の距離より少ない第2の距離になるまで、前記動作部を前記シリンダに対して移動させることで、前記上方空間の前記容積を減少させることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の洗浄方法。

請求項9

前記復圧工程において、前記密閉装置を前記洗浄液の前記液面に対して移動させることにより、前記上方空間の前記容積を減少させることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の洗浄方法。

請求項10

前記復圧工程において、前記洗浄槽の一部を弾性変形させ、前記洗浄液の前記液面を上昇させることにより、前記上方空間の前記容積を減少させることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の洗浄方法。

請求項11

前記復圧工程において、前記洗浄槽と異なる予備槽に貯留された前記洗浄液を前記洗浄槽内に供給させることにより、前記上方空間の前記容積を減少させることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の洗浄方法。

技術分野

0001

本発明は、洗浄装置および洗浄方法に関する。より詳しくは、本発明は、超音波を利用する洗浄装置および洗浄方法に関する。

背景技術

0002

従来、洗浄液貯留した洗浄槽内洗浄対象物を浸漬し、例えば20kHz以上の周波数の音波を利用して、洗浄対象物を洗浄することが知られている。

0003

近年、超音波を利用した洗浄では、洗浄槽内を減圧し、超音波の伝播阻害する洗浄液中溶け込まれた過剰な気体を除去することで超音波の効果を向上させる方法が多く用いられる。特許文献1には、洗浄槽内の気圧を減圧させる減圧工程により、洗浄液中に溶け込まれた気体を除去する方法が開示されている。そして、特許文献1には、減圧工程の後、復圧弁を開けて洗浄槽内に外気を導入することで、洗浄槽内の気圧を大気圧に復圧させる復圧工程も開示されている。また、特許文献1には、洗浄槽内において、減圧工程と復圧工程とを交互に数回繰り返してから、超音波洗浄する方法も開示されている。

先行技術

0004

特許第3801904号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に開示されている超音波洗浄装置および超音波洗浄方法では、復圧工程において、外気を洗浄槽内に導入することで洗浄槽内の気圧を大気圧に復圧している。このため、復圧工程において、気体が再び洗浄槽内に貯留された洗浄液に溶け込む。その結果、洗浄液内に溶け込んだ気体は、超音波の伝播を阻害し、超音波洗浄の効果を低下させる。

0006

さらに、特許文献1に開示されている超音波洗浄装置および超音波洗浄方法によれば、減圧工程と復圧工程との両方を数回繰り返してから超音波洗浄するため、減圧工程と復圧工程との繰り返し回数が増加するとともに、超音波洗浄の効果が低下する。すなわち、特許文献1に開示されている超音波洗浄装置および超音波洗浄方法では、洗浄時間が経過すると、超音波洗浄の効果が低下する。

0007

上記の事情踏まえ、本発明は、洗浄過程における復圧時に洗浄槽内に外気を導入することを抑制し、従来の洗浄装置および洗浄方法に比べて、超音波洗浄の効果を維持できる洗浄装置およびこの洗浄装置を用いた洗浄方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一態様に係る洗浄装置は、洗浄液を内部に貯留し、洗浄対象物を前記洗浄液内に浸漬して洗浄する洗浄槽と、前記洗浄槽の内部を外部から気密に密閉することができる密閉装置と、前記洗浄槽の内部における気圧を、第1の気圧から、前記第1の気圧より低い第2の気圧まで減圧させる減圧装置と、前記洗浄槽の内部における前記気圧が前記第2の気圧まで減圧された状態において、前記洗浄槽の内部における前記気圧を、前記第2の気圧より高い第3の気圧まで復圧させる復圧装置と、前記洗浄槽に貯留された前記洗浄液に対して超音波を印加する超音波発生装置と、を備え、前記第3の気圧は、少なくとも前記第1の気圧以下に設定され、前記洗浄槽の内部における前記気圧が前記第2の気圧まで減圧された状態において、前記洗浄液の液面の上方において、所定の容積を有する上方空間が形成され、前記密閉装置によって前記洗浄槽内が密閉された状態において、前記復圧装置は、前記上方空間の前記容積を減少させることにより、前記洗浄槽内の前記気圧を前記第2の気圧から前記第3の気圧まで復圧させる。

0009

前記の洗浄装置において、前記復圧装置は、前記洗浄槽に連結され、筒状に形成されたシリンダと、前記シリンダ内に移動可能に配置された動作部と、を備え、前記減圧装置によって前記洗浄槽の内部の前記気圧が前記第2の気圧まで減圧された状態において、前記動作部は、前記洗浄槽内に貯留された前記洗浄液の前記液面から第1の距離を開けて前記上方空間を形成し、前記密閉装置によって前記洗浄槽内が密閉された状態において、前記動作部と前記液面との間の距離が前記第1の距離より少ない第2の距離になるまで、前記動作部が前記シリンダに対して移動することで、前記洗浄槽の内部の前記気圧が前記第2の気圧から前記第3の気圧に復圧してもよい。
前記の洗浄装置において、前記復圧装置は、前記密閉装置を移動させる駆動部を備え、前記減圧装置によって前記洗浄槽の内部における前記気圧が前記第2の気圧まで減圧された状態において、前記密閉装置は、前記洗浄槽内に貯留された前記洗浄液の前記液面から第1の距離を開けて前記上方空間を形成し、前記密閉装置によって前記洗浄槽内が密閉された状態において、前記駆動部が前記密閉装置を前記洗浄槽に対して移動させ、前記密閉装置と前記液面との間の距離が前記第1の距離より少ない第2の距離になることで、前記洗浄槽の内部の前記気圧が前記第2の気圧から前記第3の気圧に復圧してもよい。
前記の洗浄装置において、前記洗浄槽は、変形可能な変形部を備え、前記復圧装置は、前記変形部を駆動し弾性変形させる駆動部を備え、前記減圧装置によって前記洗浄槽の内部における前記気圧が前記第2の気圧まで減圧された状態において、前記密閉装置は、前記洗浄槽内に貯留された前記洗浄液の前記液面から第1の距離を開けて前記上方空間を形成し、前記密閉装置によって前記洗浄槽内が密閉された状態において、前記駆動部が前記変形部を変形させ、前記洗浄槽内の前記洗浄液の前記液面が上昇し、前記密閉装置と前記液面との間の距離が前記第1の距離より少ない第2の距離になることで、前記洗浄槽の内部の前記気圧が前記第2の気圧から前記第3の気圧に復圧してもよい。
前記洗浄装置において、前記復圧装置は、前記洗浄液を貯留する予備槽と、前記洗浄槽と前記予備槽との間において、前記洗浄液を循環させる循環装置と、を備え、前記減圧装置によって前記洗浄槽の内部における前記気圧が前記第2の気圧まで減圧された状態において、前記密閉装置は、前記洗浄槽内に貯留された前記洗浄液の前記液面から第1の距離を開けて前記上方空間を形成し、前記密閉装置によって前記洗浄槽内が密閉された状態において、前記循環装置によって前記洗浄液を前記予備槽から前記洗浄槽内に流入させ、前記洗浄槽内の前記洗浄液の前記液面が上昇し、前記密閉装置と前記液面との間の距離が前記第1の距離より少ない第2の距離になることで、前記洗浄槽の内部の前記気圧が前記第2の気圧から前記第3の気圧に復圧してもよい。

0010

本発明の一態様に係る洗浄方法は、洗浄対象物を洗浄槽内に貯留された洗浄液内に浸漬する浸漬工程と、密閉装置によって前記洗浄槽の内部が外部環境から気密に密閉された状態で、前記洗浄槽の内部における気圧を第1の気圧から、前記第1の気圧より低い第2の気圧まで減圧させる減圧工程と、前記洗浄槽の内部における前記気圧を前記第2の気圧から、前記第2の気圧より高い第3の気圧まで復圧させる復圧工程と、を有し、前記減圧工程において、前記洗浄液の液面の上方において、所定の容積を有する上方空間が形成され、前記復圧工程において、前記第3の気圧は、少なくとも前記第1の気圧以下に設定され、前記復圧工程において、前記上方空間の前記容積を減少させることにより、前記洗浄槽内の前記気圧を前記第2の気圧から前記第3の気圧まで復圧させる。

0011

前記の洗浄方法において、前記減圧工程と前記復圧工程とが実行される間、超音波を前記洗浄液に印加し続けていてもよい。
前記の洗浄方法において、前記減圧工程において、前記洗浄槽に連結されて筒状に形成されたシリンダ内に移動可能に配置された動作部と、前記洗浄液の前記液面との間は、第1の距離を開けて前記上方空間を形成し、前記復圧工程において、前記動作部と前記洗浄液の前記液面との間の距離が前記第1の距離より少ない第2の距離になるまで、前記動作部を前記シリンダに対して移動させることで、前記上方空間の前記容積を減少させてもよい。
前記の洗浄方法において、前記復圧工程において、前記密閉装置を前記洗浄液の前記液面に対して移動させることにより、前記上方空間の前記容積を減少させてもよい。
前記の洗浄方法において、前記復圧工程において、前記洗浄槽の一部を弾性変形させ、前記洗浄液の前記液面を上昇させることにより、前記上方空間の前記容積を減少させてもよい。
前記の洗浄方法において、前記復圧工程において、前記洗浄槽と異なる予備槽に貯留された前記洗浄液を前記洗浄槽内に供給させることにより、前記上方空間の前記容積を減少させてもよい。

発明の効果

0012

本発明の上記各態様によれば、超音波洗浄の効果を維持しながら、洗浄時間を短縮できる洗浄装置および洗浄方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の第1の実施形態に係る洗浄装置の構成を示す模式図である。
本発明の第1の実施形態に係る洗浄方法の工程を示すフローチャートである。
本発明の第2の実施形態に係る洗浄装置の構成を示す模式図である。
本発明の第3の実施形態に係る洗浄装置の構成を示す模式図である。
本発明の第4の実施形態に係る洗浄装置の構成を示す模式図である。

実施例

0014

(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る洗浄装置の構成について、図1を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る洗浄装置(超音波洗浄装置)100は、超音波を伝導する洗浄液L(流体)を用いて洗浄対象物Pを洗浄する洗浄装置である。
図1(a)には、本実施形態に係る洗浄装置100の後述する初期状態および減圧工程(ステップS3)後の状態が示されている。図1(b)には、本実施形態に係る洗浄装置100の後述する復圧工程(ステップS4)後の状態が示されている。

0015

本明細書において、洗浄対象物Pの種類は、特に限定されない。例えば、洗浄対象物Pは、金属製の構造用部品であってもよいし、ガラス製の光学部品であってもよいし、樹脂製の部材であってもよい。また、本明細書において、洗浄対象物Pの形状は、特に限定されない。例えば、洗浄対象物Pは、略球形状略立方体状略円柱状、略角柱状などの形状を有してもよい。
説明上の便宜のため、本明細書の各図において、洗浄対象物Pの重力と洗浄液Lによる浮力とが釣り合い、洗浄対象物Pが洗浄液L中に浮遊している状態が示されている。洗浄対象物Pは、例えば、金属製の保持冶具などによって保持され、洗浄液Lに浸漬されることも可能である。

0016

本明細書において、洗浄対象物Pを洗浄することが可能であれば、洗浄液Lの種類は、特に限定されない。例えば、洗浄液Lは、純水、水系洗浄剤有機溶媒界面活性剤を含む溶液などであってもよい。

0017

(洗浄装置100の構成)
図1(a)および図1(b)に示すように、本実施形態に係る洗浄装置100は、洗浄槽1と、蓋2と、洗浄槽1に連結するシリンダ3と、シリンダ3内に移動可能に設けられるピストン(動作部)4と、蓋2に設けられた圧力開放弁5と、超音波発生装置6と、シリンダ3に連結されて構成される気圧計7および減圧機構8と、洗浄装置100の各構成を制御する制御部(制御装置)9とを備える。本実施形態に係る洗浄装置100は、超音波発生装置6が発する超音波を洗浄液Lに印加することにより、洗浄対象物Pを洗浄する。

0018

本実施形態に係る洗浄装置100の洗浄槽1は、超音波を伝導することができる洗浄液Lを内部に貯留し、洗浄対象物Pを洗浄液Lに浸漬して真空超音波洗浄を行うために構成されている。洗浄槽1は、上方に向けて開口する開口部1aを有する箱形状で形成される。洗浄槽1は、洗浄対象物Pを完全に収容できる深さを有している。なお、本実施形態に係る洗浄装置100の洗浄槽1は、内部の寸法や底面形状などは特に制限されない。洗浄槽1の具体的な寸法は、洗浄対象物Pのサイズや、洗浄槽1が設置される空間などを考慮して決めることができる。本実施形態において、洗浄液Lは、洗浄槽1の内部の上端まで満たされている。

0019

本実施形態に係る洗浄装置100の開口部1aにおいて、後述するシリンダ3を除いた開口部1aの開口面積以上の寸法を有する蓋(密閉装置)2が取り付けられている。蓋2には、圧力開放弁5が設けられている。本実施形態において、蓋2が洗浄槽1の上方の開口部1aを覆った状態で、圧力開放弁5を閉めることにより、洗浄槽1の内部を外部環境から気密に密閉した状態を維持することができる。また、圧力開放弁5を開放することにより、洗浄槽1の内部の密閉状態解除し、洗浄槽1の内部と外部環境とを連通することができる。

0020

本実施形態に係る洗浄装置100の洗浄槽1および蓋2は、後述する超音波洗浄方法の減圧工程後、洗浄槽1の内部におけるゲージ圧(大気圧に対する相対気圧)が−100キロパスカル(KPa)の場合であっても、外部の圧力を耐えられる剛性を有している。本実施形態に係る洗浄装置100の洗浄槽1および蓋2は、その材質が特に制限されない。例えば、本実施形態に係る洗浄装置100の洗浄槽1および蓋2は、金属、樹脂、あるいは金属および樹脂の複合材料で形成されることが可能である。

0021

本実施形態に係る洗浄装置100の洗浄槽1の上方の開口部1aにおいて、中空の筒状で形成されたシリンダ3が設けられている。シリンダ3は、下方の開口が洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lの液面より低くなっている。シリンダ3は、洗浄槽1と一体化で形成されてもよいし、洗浄槽1との間の連結機構によって連結して構成されてもよい。

0022

シリンダ3の内部には、ピストン4が組み込まれて設けられている。ピストン4は、シリンダ3の長手軸方向において、シリンダ3の内壁摺動しながら往復移動することができる。本実施形態において、ピストン4がシリンダ3の内部空間における移動可能量は、任意に設定することができる。また、本実施形態において、ピストン4は、操作者によって手動操作可能に構成されてもよいし、制御部9によって制御されて、自動動作可能に構成されてもよい。

0023

本実施形態に係る洗浄装置100においては、ピストン4がシリンダ3内に移動可能に設けられている。このため、洗浄槽1内の洗浄液Lの液面と、洗浄液Lの液面に対向するピストン4の下面4aとの間に空間が形成されている。本実施形態においては、洗浄液Lの液面とピストン4の下面4aとの間の空間を、上方空間Vと定義する。また、洗浄液Lの液面とピストン4の下面4aとの間の距離を、洗浄液Lの液面とピストン4との距離と称する。
すなわち、本実施形態に係る洗浄装置100において、ピストン4が洗浄液Lの液面に対して降下(接近)する動作により、洗浄液Lの液面とピストン4との距離が縮まり、上方空間Vの容積が減少する。一方、ピストン4が洗浄液Lの液面に対して上昇(離間)する動作により、洗浄液Lの液面とピストン4との距離が離れ、上方空間Vの容積が増大する。

0024

本実施形態に係る洗浄装置100において、減圧機構(減圧装置)8は、シリンダ3と気圧計7と連結されている。気圧計7は、上方空間Vにおける気圧を確認するために設けられている。減圧機構8は、上方空間Vから気体を排出することにより、上方空間V内の気圧を所定の数値まで減圧することができる。図1(a)および図1(b)において、減圧機構8が減圧ポンプである構成が示されているが、本実施形態に係る洗浄装置100の減圧機構8は、真空ポンプエゼクターなどを用いて構成できる。
本実施形態において、減圧機構8を用いて上方空間V内の気圧を減圧した場合、ピストン4を洗浄液Lの液面に対して降下させると、上方空間V内に残留された気体が圧縮されるため、上方空間V内の気圧を一定の程度まで回復させることができる。本実施形態に係る洗浄装置100において、シリンダ3およびピストン4は、洗浄装置100の復圧装置である。シリンダ3およびピストン4の作用の詳細については、後述の本実施形態に係る洗浄方法の部分においても説明する。

0025

本実施形態に係る洗浄装置100の洗浄槽1の下部においては、超音波発生装置(超音波発振器)6が設けられている。超音波発生装置6は、洗浄対象物の材質および形状に合わせて、最適な周波数を有する超音波を出力することができる。例えば、金属部品脱脂洗浄の際、28kHzの周波数を有する超音波を出力し、精密金属部品に付着している5から10マイクロメーター汚れを洗浄する際、75から100kHzの周波数を有する超音波を出力することができる。

0026

図1(a)および図1(b)には、超音波発生装置6が洗浄槽1の下部に取り付けられている例が示されている。ただし、本実施形態において、超音波発生装置6の配置については、図1に示す例に限定されない。例えば、超音波発生装置6は、洗浄槽1の下部に組み込まれることも可能である。例えば、超音波発生装置6は、洗浄槽1の外部に設置される発振器と、洗浄槽1の内部に貯留されている洗浄液L内に投入できる振動子とを備えて構成してもよい。
本実施形態に係る超音波発生装置6は、後述する制御部9の制御によって洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lに対して超音波を印加することができる。また、本実施形態に係る超音波発生装置6は、操作者の手動操作によって洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lに対して超音波を印加できる。

0027

本実施形態に係る洗浄装置100は、ピストン4と、圧力開放弁5と、超音波発生装置6と、減圧機構8とのそれぞれに連結されている制御部9が設けられている。制御部9は、洗浄装置100の各構成の動作を制御する。具体的に、例えば、制御部9は、減圧機構8の減圧機構8を制御して上方空間Vから気体を排出させる。また、例えば、制御部9は、減圧機構8の気圧計7から上方空間V内の気圧を取得し、取得した気圧の値に基づいてピストン4の上昇および降下動作を制御する。さらに、例えば、制御部9は、洗浄対象物Pの種類や汚れの種類に基づいて、超音波発生装置6が発する超音波の周波数および強度を制御する。

0028

本実施形態に係る洗浄装置100の制御部9は、洗浄装置100の各構成を制御する指令を生成し、出力する処理部(CPU)と、洗浄装置100の各構成を制御するための制御プログラムなどを保存する内部記憶部(メモリ)と、操作者からの操作入力受け付けることができる入出力インターフェースと、外部記憶装置とを備えるコンピュータで構成できる。制御部9を構成するコンピュータでは、上述および後述する制御動作を行うための適宜の制御プログラムが実行される構成を有している。

0029

(洗浄方法)
以下、図1(a)、図1(b)、および図2を参照し、本実施形態に係る洗浄装置100を用いて洗浄対象物Pを超音波洗浄する方法を説明する。図2は、本実施形態に係る洗浄装置100を用いた洗浄方法(超音波洗浄方法)を示すフローチャートである。

0030

図2に示すように、本実施形態に係る洗浄方法は、準備工程(ステップS1)、浸漬工程(ステップS2)、減圧工程(ステップS3)、復圧工程(ステップS4)、および洗浄対象物Pの取り出し工程(ステップS5)を、図2における矢印で示された順で実行することにより行われる。

0031

図2に示すステップS1において、本実施形態に係る洗浄装置100が洗浄可能な状態に準備される。ステップS1において、操作者は、洗浄装置100の蓋2を開けて、洗浄装置100の洗浄槽1の内部に洗浄液Lを入れる。ステップS1において、洗浄液Lが洗浄槽1の上方の開口部1aの上端まで満たされて、洗浄槽1内に貯留される。なお、ステップS1が実行される前に、予め洗浄液Lを洗浄槽1の内部に貯留してもよい。

0032

ステップS1が実行されると、図1(a)に示すように、洗浄装置100のシリンダ3の内部において、洗浄液Lの液面とピストン4の下面4aとの間には、任意の距離L0(ただし、L0>0)を開けて上方空間Vが形成されている。また、洗浄装置100の圧力開放弁5が開放された状態にあり、減圧機構8が動作しておらず、超音波発生装置6が動作していない。すなわち、ステップS1において、洗浄槽1の上方空間Vにおける気圧は、外部環境の大気圧(第1の気圧)に一致している。
なお、本明細書において、洗浄槽内の気圧は、蓋(密閉装置)2によって密閉された状態の洗浄槽1の内部において、貯留された洗浄液Lの上方空間Vを満たす気体の圧力を意味する。
以上で、ステップS1が終了する。

0033

ステップS1の後、図2に示す浸漬工程(ステップS2)において、洗浄対象物Pが洗浄装置100の洗浄槽1の内部に貯留された洗浄液L内に浸漬される。具体的に、例えば、洗浄対象物Pが非図示の搬送冶具によって洗浄液L内に搬入されることができる。搬送治具の構成は、洗浄対象物Pを載置することができれば、特に限定されない。例えば、搬送治具は、移動用ロボットなどの移動手段によって保持された搬送搬送パレットなどを用いて構成できる。

0034

説明の便宜のため、本実施形態において、洗浄対象物Pが洗浄液Lに浸漬されることによる洗浄液Lの液面上昇量は、無視できる程度であると想定する。つまり、ステップS2において、洗浄対象物Pが洗浄液Lに浸漬されることにより、洗浄槽1の上方の開口部1aの上端まで入れられた洗浄液Lが洗浄槽1から溢れることがない。
その後、操作者は、蓋2で洗浄槽1を覆ってから、洗浄装置100の圧力開放弁5を閉める。その結果、図1(a)に示すように、洗浄装置100の洗浄槽1の内部は、外部環境から気密に密閉した状態になる。

0035

ステップS2において、洗浄槽1の内部が密閉状態になる際、減圧機構8および超音波発生装置6は、動作していない。そのため、洗浄槽1内における上方空間Vの容積は変化せず、洗浄槽1内における気圧は、外部環境の大気圧に一致している。
以上で、ステップS2が終了する。

0036

上述のステップS1およびステップS2を経て、洗浄装置100は、洗浄対象物Pを洗浄することが可能な状態になる。その後、本実施形態に係る洗浄方法は、超音波洗浄で洗浄対象物Pを洗浄する工程に移る。

0037

本実施形態において、洗浄対象物Pを超音波洗浄する工程は、図2に示す減圧工程(ステップS3)と復圧工程(ステップS4)との2つのステップに亘って実行される。本実施形態において、少なくとも図2に示すステップS3が開始する時点からステップS4が完了する時点までの間、超音波発生装置6により発生された超音波が洗浄液Lに継続して印加される。

0038

一般的に、超音波洗浄は、キャビテーション現象による効果と、水分子などの加速度による効果と、被洗浄物微小信号など物理化学的反応促進による効果との3つの効果を有すると言われている。特に、超音波洗浄は、キャビテーション作用による効果が重要である。キャビテーション現象(空洞現象)は、液体の流れの中で圧力差により短時間に気泡の発生および消滅が起きる物理現象である。

0039

本実施形態に係る洗浄方法のステップS3において、図1(a)に示すように、制御部9の制御により、減圧機構8が動作し、上方空間V内に存在する気体が外部環境に排出される。その結果、洗浄槽1内における気圧(第2の気圧)は、外部環境の大気圧より低い値になる。ステップS3において、上方空間Vにおける気圧は、減圧機構8の気圧計7を用いて確認できる。ステップS3において、洗浄槽1内におけるゲージ圧は、例えば、−95kPaに減圧されてもよい。このため、ステップS3を経て、洗浄槽1内の上方空間Vは、真空に近い状態になる。
本実施形態において、減圧機構8によって減圧された洗浄槽1内の気圧の目標値は、洗浄液Lの種類によって適宜設定される。気圧の目標値は、洗浄液Lの使用温度および蒸気圧特性により決まり、洗浄液が沸騰する圧力まで減圧を行う。なお、洗浄液の使用温度が低く洗浄液が沸騰する温度に到達していないときは、減圧機構8の最大減圧能力で洗浄槽内を減圧してもよい。一例として、例えば、ソルファインクリーナー800(登録商標、昭和電工製)を100℃の環境で使用し、洗浄を行う際、洗浄槽1内において、−95KPa以上減圧を行う。
ステップS3において、制御部9は、気圧計7より洗浄槽1内の上方空間Vにおける気圧を取得し、洗浄槽1内の上方空間Vにおける気圧が減圧目標値に達する状態が一定の時間で維持されたことを判定すると、減圧機構8の動作を停止する。減圧機構8の動作が停止されると、減圧機構8によって洗浄槽1内と外部環境との気体の交換も停止される。この際、洗浄装置100の蓋2によって、洗浄槽1内は外部環境から気密に密閉されている。
ステップS3が実行されると、シリンダ3の内部において、洗浄液Lの液面とピストン4の下面4aとは、距離L1を開けて上方空間Vが形成されている。本実施形態において、ステップS3が実行された後、シリンダ3の内部において、ピストン4が移動できる(降下できる)空間が形成されていればよい。すなわち、ステップS3が実行された際、洗浄液Lの液面とピストン4との間の距離L1と、ステップS1が実行された際、洗浄液Lの液面とピストン4との間の距離L0とは、同じであってもよいし、異なってもよい。

0040

本実施形態に係る洗浄方法のステップS3において、洗浄槽1内におけるゲージ圧が−95kPaに減圧されると、例えば、溶存している酸素などの気泡が核となって無数の気泡(キャビテーション)が発生する。また、前述のように、超音波発生装置6が洗浄液Lに対して超音波を印加することにより、超音波の信号が洗浄液L中で定常波を形成している。このため、洗浄液L内において、これらの気泡が膨張しながら浮上する。ただし、ステップS3において、これらの気泡は、洗浄液L内において、膨張しながら浮上するが、破壊されることはない。
以上で、ステップS3が終了する。

0041

ステップS3の後、図2に示すように、本実施形態に係る洗浄方法の復圧工程(ステップS4)が実行される。
ステップS4において、ピストン4は、長手軸方向において、シリンダ3の内壁に摺動しながら降下する。ステップS4において、ピストン4は、洗浄装置100の制御部9に制御されて自動的に降下してもよいし、操作者がピストン4を押し込む動作によって手動的に降下してもよい。

0042

ステップS3の後、上方空間Vにおいては、もともと上方空間Vに存在し、かつ、減圧機構8によって排出されなかった気体と、減圧によって洗浄液Lから逃げ出した溶存気体との両方が存在している。ステップS4において、ピストン4が降下すると、上方空間Vの容積が減少することにより、これらの気体の密度が上がる。その結果、上方空間Vにおける気圧が上昇し、洗浄槽1内における気圧(第3の気圧)が復圧される。この際、洗浄槽1内における気圧の値は、気圧計7を用いて確認することができる。

0043

図1(b)に示すように、ステップS4が実行されると、洗浄槽1内の上方空間Vの容積が減少するので、その分洗浄槽1内の気圧が復圧される。その結果、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lに超音波を印加することで発生した気泡は、洗浄液L中における浮上過程内向きに破壊される。その際、気泡周囲の液体は中心に向かって急激に集中し、気泡が消滅する瞬間に中心で衝突するため、微小ながら強い圧力波が発生する。超音波洗浄の過程において、この圧力波を利用して、被洗浄物の表面に付着している汚れなどを除去している。

0044

ステップS4において、復圧後の洗浄槽1内において、外部環境の気圧に近い値に復圧できる。本実施形態において、復圧後の洗浄槽1内の気圧は、例えば、−5KPa〜−10KPaの範囲内であってもよい。超音波洗浄の効果を最大化にするために、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lの種類に合わせて、ステップS3における減圧後の気圧目標値と、ステップS4における復圧後の気圧目標値とを適宜設定することができる。また、例えば、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lの種類に合わせて、ステップS3における減圧後の気圧目標値とステップS4における復圧後の気圧目標値との差分を適宜設定することもできる。

0045

ステップS4の復圧工程において、蓋2に設けられた圧力開放弁5が閉じられ、かつ、減圧機構8が動作していない状態である。さらに、上述したように、ピストン4は、上方空間Vの気密性を保った状態で、シリンダ3の内部に降下することができる。このため、ステップS4が実行されている間、洗浄槽1内と外部環境との気体の交換はない。言い換えれば、ステップS4が実行されている間、洗浄槽1内に外部環境の気体を導入せず、上方空間Vの容積を減少させる動作のみで、洗浄槽1内の気圧を復圧できる。
以上で、ステップS4が終了する。

0046

本実施形態において、上述のように、ステップS3の減圧工程とステップS4の復圧工程とを含む超音波洗浄工程に亘って、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lに対して、超音波が印加され、そして洗浄液Lに浸漬されている洗浄対象物Pが超音波洗浄される。

0047

本実施形態に係る洗浄方法は、ステップS3の減圧工程およびステップS4の復圧工程がこの順で1回のみ実行されることに限定されない。例えば、本実施形態に係る洗浄方法は、洗浄液Lに超音波が継続して印加される状態で、ステップS3およびステップS4を繰り返し数回実行されてもよい。ステップS3およびステップS4が繰り返し実行される回数は、例えば、洗浄対象物Pの外観規格に合わせて設定される。
具体的に、本実施形態に係る洗浄方法において、ステップS3およびステップS4が繰り返し数回実行される場合、洗浄槽1内の気圧が復圧された状態で、一旦シリンダ3の内部に配置されたピストン4を上昇させてから、減圧機構8を動作させ、洗浄槽1内の気体を排出する方法で、再度洗浄槽1内の環境を減圧させることができる。

0048

ステップS4の後、洗浄対象物Pを取り出す工程(ステップS5)が実行される。ステップS5において、制御部9は、予め設定された判定条件に基づいて、洗浄対象物Pの洗浄を終了させるかどうかを判定する。予め設定された判定条件としては、例えば、洗浄時間、減圧工程および復圧工程が実行された回数、あるいは操作者による洗浄停止の操作入力の有無などが挙げられる。

0049

制御部9は、洗浄対象Pの洗浄を終了すると判定する場合、例えば、超音波洗浄の時間が所定の時間に達したと判定すると、超音波発生装置6に超音波発振を停止する制御信号を出力し、超音波発生装置6の動作を停止させる。この際、超音波が洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lに印加することはなくなる。

0050

次に、操作者は、洗浄槽1の蓋2に設けられた圧力開放弁5を開放することで、洗浄槽1内の密閉状態が解除され、洗浄槽1内と外部環境とが連通される状態になる。この状態において、操作者は、必要に応じて適宜の取り出し冶具を用いて、洗浄槽1の内部に貯留された洗浄液Lに浸漬された洗浄対象物Pを外部に取り出す。
以上で、ステップS5が終了し、本実施形態に係る洗浄方法が終了する。

0051

(作用)
以上説明したように、本実施形態に係る洗浄装置100および洗浄装置100を用いた洗浄方法によれば、洗浄装置100の洗浄槽1内に外部環境の気体を導入せず、洗浄槽1内における上方空間Vの容積を減少させるのみで、洗浄槽1内の気圧を復圧できる。このため、超音波洗浄工程における減圧工程および復圧工程を繰り返しで実行しても、外部環境の気体が洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lに溶け込むことはない。その結果、本実施形態に係る洗浄装置100および洗浄装置100を用いた洗浄方法によれば、超音波洗浄の工程において、外部環境の気体が洗浄液Lに溶け込むことを防げる。このため、超音波洗浄の工程において、減圧工程および復圧工程を繰り返して洗浄時間が経過しても、超音波洗浄の効果を維持することができる。

0052

(第2の実施形態)
以下、図3を参照し、本発明の第2の実施形態に係る洗浄装置200の構成と、洗浄装置200を用いた超音波洗浄方法を説明する。本発明の第2の実施形態に係る洗浄装置200の構成について、上記第1の実施形態に係る洗浄装置100の構成と異なる点を中心に説明する。本発明の第2の実施形態に係る洗浄装置200の構成の説明において、上記第1の実施形態に係る洗浄装置100と同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。

0053

(洗浄装置200の構成)
図3には、本実施形態に係る洗浄装置200の構成が示されている。図3(a)には、本実施形態に係る洗浄装置200の初期状態および減圧工程後の状態が示されている。図3(b)には、本実施形態に係る洗浄装置200の復圧工程後の状態が示されている。

0054

本実施形態に係る洗浄装置200は、洗浄槽1と、蓋2Aと、蓋2Aに設けられた圧力開放弁5および駆動部20と、超音波発生装置6と、蓋2Aに連結された減圧機構8と、制御部9とを備える。本実施形態に係る洗浄装置200は、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lに対して、超音波発生装置6が発する超音波を印加することにより、洗浄対象物Pを洗浄する構成を有する。

0055

本実施形態に係る洗浄装置200は、上記第1の実施形態に係る洗浄装置100と異なる点は、シリンダ3およびピストン4を有しておらず、蓋2Aには駆動部20が設けられている点である。また、本実施形態に係る洗浄装置200において、蓋2Aは、洗浄槽1の内壁に摺動しながら往復移動することができる。本実施形態において、蓋2Aが洗浄槽1の内壁に対する移動可能量は、任意に設定することができる。また、本実施形態に係る洗浄装置200において、蓋2Aが洗浄槽1の内壁に対して相対移動する場合、蓋2Aと洗浄槽1の内壁との間から気体が外部環境に漏れることがない。

0056

本実施形態に係る洗浄装置200において、駆動部20は、制御部9からの指示に従って、蓋2Aを鉛直方向に上下駆動させるために設けられている。また、駆動部20は、操作者の手動操作によって、蓋2Aを上下駆動させる構成であってもよい。本実施形態において、駆動部20は、各種公知の駆動機構の構成を用いて構成されることができる。本実施形態に係る洗浄装置200において、蓋2Aおよび蓋2Aに設けられた駆動部20は、洗浄装置200の復圧装置である。

0057

図3(a)に示すように、本実施形態に係る洗浄装置200は、圧力開放弁5と、気圧計7および減圧機構8の両方が蓋2Aに連結されて構成されている。このため、蓋2Aが洗浄槽1の上方の開口部1aを覆った状態で、蓋2Aに連結された圧力開放弁5を閉めることにより、洗浄槽1の内部を外部環境から気密に密閉した状態を維持することができる。また、圧力開放弁5を開放することにより、洗浄槽1の内部の密閉状態を解除し、洗浄槽1の内部と外部環境とを連通することができる。図3(a)に示すように、本実施形態に係る洗浄装置200の初期状態において、蓋2Aは、洗浄槽1の内部に貯留された洗浄液Lの液面から距離L2を開けて位置している。

0058

洗浄装置200の圧力開放弁5が閉められた状態において、減圧機構8を用いて、密閉された洗浄槽1の内部における上方空間V内の気体と、洗浄液Lに溶存された気体の一部とを外部環境に排出させ、洗浄槽1の内部における気圧を減圧させることができる。この場合、洗浄槽1の内部の気圧は、気圧計7を用いて確認することができる。

0059

洗浄装置200の洗浄槽1の内部における気圧が所定の目標値までに減圧された場合、蓋2Aが初期状態における位置から移動せず、洗浄液Lの液面から距離L2を開けた位置であってもよいし、洗浄液Lの液面から距離L2を開けた位置と異なる位置であってもよい。すなわち、洗浄槽1の内部における気圧が所定に目標値までに減圧された場合、蓋2Aと洗浄液Lの液面との間に、蓋2Aが移動できる(降下できる)空間が形成されていればよい。

0060

この状態において、洗浄装置200の制御部9によって制御され、蓋2Aに設けられた駆動部20を用いて、蓋2Aを降下させることで、洗浄槽1内における洗浄液Lの上方に位置する上方空間Vの容積を減少させることができる。その結果、洗浄槽1内における上方空間Vの気体が圧縮され、洗浄槽1内の気圧が復圧される。洗浄槽1内における気圧は、蓋2Aに連結された気圧計7を用いて確認することができる。

0061

(洗浄方法)
以下、本実施形態に係る洗浄装置200を用いて洗浄対象物Pを超音波洗浄する方法を説明する。図2に示すように、本実施形態に係る洗浄方法は、準備工程(ステップS1)、浸漬工程(ステップS2)、減圧工程(ステップS31)、復圧工程(ステップS41)、および洗浄対象物Pの取り出し工程(ステップS5)が、図2における矢印で示された順で実行することで行われる。本実施形態に係る洗浄方法は、上記第1の実施形態に係る洗浄方法と比べ、減圧工程(ステップS31)および復圧工程(ステップS41)において異なる。

0062

本実施形態に係る洗浄方法において、浸漬工程(ステップS2)が終了し、減圧工程(ステップS31)が実行される前の間、超音波発生装置6により発生された超音波が洗浄液Lに印加される。なお、本実施形態に係る洗浄方法において、少なくとも減圧工程(ステップS31)および復圧工程(ステップS41)が完了する時点までの間、超音波発生装置6により発生された超音波が洗浄液Lに継続して印加される。

0063

本実施形態に係る洗浄方法のステップS31において、図3(a)に示すように、制御部9の制御により、減圧機構8が動作し、上方空間Vに存在する気体が外部環境へ排出される。その結果、洗浄槽1内の上方空間Vにおける気圧は、外部環境の大気圧より低くなる。ステップS31において、上方空間Vにおける気圧は、気圧計7を用いて確認できる。

0064

本実施形態に係る洗浄方法のステップS31において、減圧された洗浄槽1内の気圧の目標値は、上記第1の実施形態同様に、洗浄液Lの種類によって適宜設定される。例えば、ステップS31において、洗浄槽1内におけるゲージ圧は、例えば、−95kPaに減圧されることができる。このため、ステップS31を経て、洗浄槽1内の上方空間Vは、真空に近い状態になる。なお、ステップS31が実行されると、洗浄槽1の蓋2Aと洗浄液Lの液面との間に、蓋2Aが移動できる(降下できる)空間が形成されている。

0065

ステップS31において、制御部9は、気圧計7より洗浄槽1内の上方空間Vにおける気圧を取得し、洗浄槽1内の上方空間Vにおける気圧が減圧目標値に達する状態が一定の時間で維持されたことを判定すると、減圧機構8の動作を停止する。減圧機構8の動作が停止されると、減圧機構8によって洗浄槽1内と外部環境との気体の交換も停止される。この際、洗浄装置200の蓋2Aによって、洗浄槽1内と外部環境との気密的な密閉状態が維持されている。
以上で、ステップS31が終了する。

0066

ステップS31の後、図3(b)に示すように、本実施形態に係る洗浄方法の復圧工程(ステップS41)が実行される。
ステップS41において、洗浄装置200の制御部9は、蓋2Aに設けられた駆動部20に対して、蓋2Aを降下させる制御指令を出力する。このため、駆動部20は、洗浄装置の蓋2Aを駆動し、鉛直方向に降下させる。その結果、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lの上方に位置する上方空間Vの容積が減少し、洗浄槽1内における気圧が復圧される。

0067

ステップS41において、上記第1の実施形態同様に、復圧後の洗浄槽1内において、外部環境の気圧に近い値に復圧できる。ステップS41において、蓋2Aに設けられた圧力開放弁5が閉じられ、かつ、減圧機構8が動作していない状態である。このため、本実施形態に係る洗浄方法のステップS41が実行される間、洗浄槽1内と外部環境との気体の交換はない。言い換えれば、ステップS41が実行されている間、洗浄槽1内に外部環境の気体を導入せず、上方空間Vの容積を減少させる動作のみで、洗浄槽1内の気圧を復圧できる。

0068

本実施形態に係る洗浄方法では、上記第1の実施形態同様に、洗浄液Lに超音波が継続して印加される状態で、ステップS31およびステップS41を繰り返し数回実行されてもよい。なお、ステップS31およびステップS41が繰り返し数回実行される場合、洗浄槽1内の気圧が復圧された状態で、一旦蓋2Aを上昇させてから、減圧機構8を動作させる方法で、再度洗浄槽1内を減圧させることができる。
以上で、ステップS41が終了する。

0069

その後、上記第1の実施形態同様に、洗浄対象物Pの取り出し工程(ステップS5)が実行され、操作者は、洗浄対象物Pを洗浄槽1に貯留された洗浄液Lから取り出すことができる。
以上で、本実施形態に係る洗浄方法が終了する。

0070

(作用)
以上説明したように、本実施形態に係る洗浄装置200および洗浄装置200を用いた洗浄方法によれば、洗浄装置200の洗浄槽1内に外部環境の気体を導入せず、洗浄槽1の蓋2Aを降下させることで、洗浄槽1内における上方空間Vの容積を減少させ、洗浄槽1内における気圧を復圧できる。その結果、本実施形態に係る洗浄装置200および洗浄装置200を用いた洗浄方法によれば、超音波洗浄の工程において、外部環境の気体が洗浄液Lに溶け込むことを防げる。このため、超音波洗浄の工程において、減圧工程および復圧工程を繰り返して洗浄時間が経過しても、超音波洗浄の効果を維持することができる。
さらに、本実施形態に係る洗浄装置200によれば、上記第1の実施形態に係る洗浄装置100と比べると、シリンダ3およびピストン4によって構成さられる復圧装置の構成を省略することができる。このため、洗浄装置の構成を簡素化し、洗浄装置のメンテナンス作業に係るコストを削減することができる。

0071

(第3の実施形態)
以下、図4を参照し、本発明の第3の実施形態に係る洗浄装置300の構成と、洗浄装置300を用いた超音波洗浄方法を説明する。本実施形態に係る洗浄装置300の構成について、上記各実施形態に係る洗浄装置の構成と異なる点を中心に説明する。本実施形態に係る洗浄装置300の構成の説明において、上記第1の実施形態に係る洗浄装置100と同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。

0072

(洗浄装置300の構成)
図4には、本実施形態に係る洗浄装置300の構成が示されている。図4(a)には、本実施形態に係る洗浄装置300の初期状態および減圧工程後の状態が示されている。図4(b)には、本実施形態に係る洗浄装置300の復圧工程後の状態が示されている。

0073

本実施形態に係る洗浄装置300は、洗浄槽1と、蓋2と、蓋2に設けられた圧力開放弁5と、超音波発生装置6と、蓋2に連結された減圧機構8と、洗浄槽1の外壁に連結される変形機構変形装置)30と、制御部9とを備える。本実施形態に係る洗浄装置300は、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lに対して、超音波発生装置6が発する超音波を印加することにより、洗浄対象物Pを洗浄する構成を有する。

0074

本実施形態に係る洗浄装置300は、上記第1の実施形態に係る洗浄装置100および上記第2の実施形態に係る洗浄装置200に異なる点は、凹凸変形可能な変形部1bが洗浄槽1の外壁に形成されている点と、変形部1bを駆動し変形されることができる変形機構30を備えている点である。

0075

本実施形態に係る洗浄装置300において、洗浄槽1の変形部1bは、洗浄槽1の内周方向へ凹む弾性復元力を有して構成されている。すなわち、変形部1bは、外部からの力量が作用しない状態において、洗浄槽1の内周方向へ陥没する形状に変形する特性を有する。

0076

本実施形態に係る洗浄装置300は、例えば、変形部1bが洗浄槽1のその他の部分と異なる剛性を有する材料で形成されることができる。具体的に、例えば、洗浄装置300の洗浄槽1において、変形部1bが樹脂によって構成され、その他の部分がステンレス鋼によって構成されることができる。また、例えば、洗浄装置300の洗浄槽1において、変形部1bと、洗浄槽1における変形部1b以外の部分とが異なる厚みのステンレス鋼によって構成されることもできる。

0077

本実施形態に係る洗浄装置300は、洗浄槽1の外壁における変形部1bが変形することにより、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lの液面を変化させることができる。具体的に、変形部1bが突出形状から陥没形状へ変形すると、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lの液面が上昇し、変形部1bが陥没形状から突出形状へ変形すると、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lの液面が降下する。言い換えれば、変形部1bが突出形状から陥没形状へ変形すると、洗浄液Lの上方に位置する上方空間Vの容積が減少し、変形部1bが陥没形状から突出形状へ変形すると、上方空間Vの容積が増大する。

0078

さらに、本実施形態に係る洗浄装置300は、変形部1bに連結される変形機構30が備えている。変形機構30は、制御部9の制御に従って、変形部1bを駆動し変形させる変形機構30を備えている。本実施形態に係る洗浄装置300において、操作者が変形機構30を直接操作することにより、変形部1bの形状を手動的に変更することも可能である。

0079

具体的に、例えば、図4(a)に示された初期状態における洗浄装置300は、変形部1bが洗浄槽1の外周方向へ突出して構成されている。この状態において、制御部9の制御によって、変形機構30は、例えば複数のワイヤ301を用いて、洗浄槽1の外周方向へ突出して変形された変形部1bを引っ張ることにより、変形部1bの突出形状を維持している。

0080

一方、図4(b)に示された復圧状態における洗浄装置300は、変形部1bが洗浄槽1の中心方向へ陥没して構成されている。この状態において、制御部9が変形機構30を制御することにより、変形部1bを引っ張るワイヤ301におけるテンションを徐々に緩めることができる。その結果、変形部1bは、図4(a)に示された突出形状から、図4(b)に示された陥没形状へ徐々に弾性変形することができる。

0081

(洗浄方法)
以下、本実施形態に係る洗浄装置300を用いて洗浄対象物Pを超音波洗浄する方法を説明する。図2に示すように、本実施形態に係る洗浄方法は、準備工程(ステップS1)、浸漬工程(ステップS2)、減圧工程(ステップS32)、復圧工程(ステップS42)、および洗浄対象物Pの取り出し工程(ステップS5)が、図2における矢印で示された順で実行することで行われる。本実施形態に係る洗浄方法は、上記第1の実施形態に係る洗浄方法と比べ、減圧工程(ステップS32)および復圧工程(ステップS42)において異なる。

0082

本実施形態に係る洗浄方法において、浸漬工程(ステップS2)が終了し、減圧工程(ステップS32)が実行される前に、超音波発生装置6により発生された超音波が洗浄液Lに印加される。なお、本実施形態に係る洗浄方法において、少なくとも減圧工程(ステップS32)および復圧工程(ステップS42)が完了する時点までの間、超音波発生装置6により発生された超音波が洗浄液Lに継続して印加される。

0083

本実施形態に係る洗浄方法のステップS32において、図4(a)に示すように、制御部9の制御により、減圧機構8が動作し、上方空間Vに存在する期待が外部環境へ排出される。その結果、洗浄槽1内の上方空間Vにおける気圧は、外部環境の大気圧より低くなる。ステップS32において、上方空間Vにおける気圧は、気圧計7を用いて確認できる。

0084

ステップS32において、洗浄槽1内における減圧後の目標気圧は、上記各実施形態同様に、洗浄液Lの種類によって適宜設定される。例えば、ステップS32において、上記各実施形態同様に、洗浄槽1内におけるゲージ圧は、−95kPaに減圧されることができる。

0085

本実施形態において、洗浄槽1内における気圧が目標気圧まで減圧された場合においても、図4(a)に示すように、洗浄槽1の変形部1bが変形機構30によって引っ張られているため、洗浄槽1の外周へ突出した形状が維持されている。このため、この状態において、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lの液面と洗浄装置300の蓋2との間の距離は、初期状態と比べ、変化していない。すなわち、ステップS32が実行されると、洗浄槽1の蓋2と洗浄液Lの液面とは、一定の距離L3を開けて離間している。

0086

ステップS32において、制御部9は、気圧計7より洗浄槽1内の上方空間Vにおける気圧を取得し、洗浄槽1内の上方空間Vにおける気圧が減圧目標値に達する状態が一定の時間で維持されたことを判定すると、減圧機構8の動作を停止する。減圧機構8の動作が停止されると、減圧機構8によって洗浄槽1内と外部環境との気体の交換も停止される。この際、洗浄装置300の蓋2によって、洗浄槽1内と外部環境との気密的な密閉状態が維持されている。
以上で、ステップS32が終了する。

0087

ステップS32の後、図4(b)に示すように、本実施形態に係る洗浄方法の復圧工程(ステップS42)が実行される。
ステップS42において、洗浄装置300の制御部9は、変形機構30に対して、洗浄槽1の変形部1bを引っ張るテンションを緩める制御指令を出力する。変形機構30は、制御部9の制御指令を受け付けてから、洗浄槽1の変形部1bを引っ張る複数のワイヤ301におけるテンションを徐々に緩める。ワイヤ301によって変形部1bを引っ張る力量が弱くなると、洗浄槽1の変形部1bは、自身の弾性復元力によって変形し、洗浄槽1の内部へ向かう方向に凹む。このため、初期状態の洗浄槽1の変形部1bに貯留された洗浄液Lは、洗浄槽1内における上方空間Vに流れ込む。その結果、洗浄槽1内における上方空間Vの容積が減少し、洗浄槽1内における気圧が復圧される。

0088

ステップS42において、上記各実施形態同様に、復圧後の洗浄槽1内において、外部環境の気圧に近い値に復圧できる。ステップS42において、蓋2に設けられた圧力開放弁5が閉じられ、かつ、減圧機構8が動作していない状態である。このため、ステップS42が実行される間、洗浄槽1内と外部環境との気体の交換はない。言い換えれば、ステップS42が実行されている間、洗浄槽1内に外部環境の気体を導入せず、上方空間Vの容積を減少させる動作のみで、洗浄槽1内の気圧を復圧できる。

0089

本実施形態に係る洗浄方法では、上記の各実施形態同様に、洗浄液Lに超音波が継続して印加される状態で、ステップS32およびステップS42を繰り返し数回実行されてもよい。なお、ステップS32およびステップS42が繰り返し数回実行される場合、洗浄槽1内の気圧が復圧された状態で、一旦変形機構30で洗浄槽1の変形部1bを引っ張って変形させる操作を行ってから、減圧機構8を動作させる方法で、再度洗浄槽1内を減圧させることができる。
以上で、ステップS42が終了する。

0090

その後、上記の各実施形態同様に、洗浄対象物Pの取り出し工程(ステップS5)が実行され、操作者は、洗浄対象物Pを洗浄槽1に貯留された洗浄液Lから取り出すことができる。
以上で、本実施形態に係る洗浄方法が終了する。

0091

(作用)
以上説明したように、本実施形態に係る洗浄装置300および洗浄装置300を用いた洗浄方法によれば、洗浄装置300の洗浄槽1内に外部環境の気体を導入せず、洗浄槽1の変形部1bを変形させることで、洗浄槽1内における上方空間Vの容積を減少させ、洗浄槽1内における気圧を復圧できる。このため、本実施形態に係る洗浄装置300および洗浄装置300を用いた洗浄方法によれば、超音波洗浄の工程において、外部環境の気体が洗浄液Lに溶け込むことを防げる。その結果、超音波洗浄の工程において、減圧工程および復圧工程を繰り返して洗浄時間が経過しても、超音波洗浄の効果を維持することができる。

0092

(第4の実施形態)
以下、図5を参照し、本発明の第4の実施形態に係る洗浄装置400の構成と、洗浄装置400を用いた超音波洗浄方法を説明する。本実施形態に係る洗浄装置400の構成について、上記各実施形態に係る洗浄装置の構成と異なる点を中心に説明する。本実施形態に係る洗浄装置400の構成の説明において、上記第1の実施形態に係る洗浄装置100と同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。

0093

(洗浄装置400の構成)
図5には、本実施形態に係る洗浄装置400の構成が示されている。図5(a)には、本実施形態に係る洗浄装置400の初期状態および減圧工程後の状態が示されている。図5(b)には、本実施形態に係る洗浄装置400の復圧工程後の状態が示されている。

0094

本実施形態に係る洗浄装置400は、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lに対して、超音波発生装置6が発する超音波を印加することにより、洗浄対象物Pを洗浄する構成を有する。本実施形態に係る洗浄装置400は、上記各実施形態同様に、洗浄槽1と、蓋2と、超音波発生装置6と、蓋2に連結された減圧機構8と、制御部9とを備える。本実施形態に係る洗浄装置400は、予備槽40と、循環ポンプ60と、洗浄槽1および予備槽40を連結する管路に設けられた複数の弁50,51,52,53,54,55と、第1圧力開放弁56と、第2圧力開放弁57と、第1液面センサー70と、第2液面センサー71とをさらに備える点で、上記各実施形態の構成と異なる。

0095

予備槽40は、予備の洗浄液Lを貯留するために構成されている。予備槽40は、具体的な構成が限定されず、洗浄槽1と同じ構成であってもよい。なお、予備槽40は、後述する本実施形態に係る超音波洗浄方法の復圧工程において、洗浄槽1内に所望の給液量に合わせて容積を設定することができる。
本実施形態に係る洗浄装置400の洗浄槽1と予備槽40とは、複数の管路によって連結されている。第1圧力開放弁56は、洗浄槽1の蓋2に連結されている。第1圧力開放弁56を開放することで、洗浄槽1内と外部環境とを連通することができる。第2圧力開放弁57は、予備槽40に連結されている。第2圧力開放弁57を開放することで、予備槽40内と外部環境とを連通することができる。循環ポンプ60は、洗浄槽1と予備槽40との間の管路に設けられ、2つの槽に貯留された洗浄液Lを循環させる。

0096

本実施形態に係る洗浄装置400において、洗浄液Lは、洗浄槽1と予備槽40との間の管路を経由して循環することができる。洗浄槽1と予備槽40との間の管路に設けられた複数の弁50,51,52,53は、洗浄液Lの流路を決めるために設けられている。具体的に、弁50,53を開放し、弁51,52を閉める状態で、循環ポンプ60を操作することで、図5(a)に示す矢印の方向に沿って、洗浄液Lを予備槽40から洗浄槽1へ運搬することができる。一方、弁51,52を開放し、弁50,53を閉める状態で、循環ポンプ60を操作することで、図5(b)に示す矢印の方向に沿って、洗浄液Lを洗浄槽1から予備槽40へ運搬することができる。

0097

第1液面センサー70は、洗浄槽1の蓋2と制御部9との両方に連結されて構成されている。第1液面センサー70は、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lの液面の状態を監視するために構成されている。具体的に、第1液面センサー70は、循環ポンプ60を用いて予備槽40から洗浄槽1に洗浄液Lを運搬する過程において、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lの液面が予め設定された第1閾値によって規定された高さに到達したかどうかを監視し続ける。この第1閾値は、本実施形態に係る洗浄装置400を用いた超音波洗浄方法の復圧工程において、洗浄槽1内の復圧後の目標気圧値および洗浄液Lの種類などに基づいて決めることができる。第1液面センサー70は、洗浄槽1内に貯留された洗浄液の液面Lが第1閾値に到達したことを検出すると、その検出結果を制御部9に送信する。制御部9は、第1液面センサー70からの検出結果に基づいて、循環ポンプ60の動作を停止する制御指令を循環ポンプ60に出力し、あるいは、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lの液面が所定の第1閾値に到達した旨を操作者に知らせて、操作者に循環ポンプ60の停止を促すことができる。なお、本実施形態に係る洗浄装置400において、洗浄槽1内の洗浄液Lの液面が第1閾値に到達した際、予備槽40内の洗浄液Lの液面が最低値になる。

0098

本実施形態に係る洗浄装置400の第2液面センサー71は、予備槽40に連結されて構成されている。第2液面センサー71は、予備槽40内に貯留された洗浄液Lの液面の状態を監視するために構成されている。具体的に、第2液面センサー71は、循環ポンプ60を用いて洗浄槽1から予備槽40に洗浄液Lを運搬する過程において、予備槽40内に貯留された洗浄液Lの液面が予め設定された第2閾値によって規定された高さに到達したかどうかを監視し続ける。この第2閾値は、具体的な数値が限定されず、洗浄液Lが予備槽40から溢れ出すことがない高さに設定されればよい。第2液面センサー71は、予備槽40内に貯留された洗浄液Lの液面が第2閾値に到達したことを検出すると、その検出結果を制御部9に送信する。制御部9は、第2液面センサー71からの検出結果に基づいて、循環ポンプ60の動作を停止する制御指令を循環ポンプ60に出力し、あるいは、予備槽40内に貯留された洗浄液Lの液面が所定の第2閾値に到達した旨を操作者に知らせて、操作者に循環ポンプ60の停止を促すことができる。

0099

本実施形態に係る洗浄装置400の弁54は、予備槽40と減圧機構8との間に設けられている。また、弁55は、洗浄槽1と減圧機構8との間に設けられている。このため、弁54,55を開放することによって、減圧機構8を操作することで、洗浄槽1内および予備槽40内に存在する気体を外部環境に排出し、洗浄槽1内および予備槽40内を減圧させることができる。

0100

本実施形態に係る洗浄装置400において、洗浄槽1および予備槽40の間に洗浄液Lを循環させることで、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lの液面の高さ、すなわち、洗浄液Lの上方に位置する上方空間Vの容積を調整することができる。
具体的に、予備槽40から洗浄槽1に洗浄液Lが供給されると、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lの液面が上昇し、上方空間Vの容積が減少する。一方、洗浄槽1から予備槽40に洗浄液Lが戻されると、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lの液面が降下し、上方空間Vの容積が増大する。上記各実施形態同様に、本実施形態に係る洗浄装置400によれば、洗浄槽1内における上方空間Vの容積を減少させることで、洗浄槽1内における気圧を復圧させることができる。

0101

(洗浄方法)
以下、本実施形態に係る洗浄装置400を用いて洗浄対象物Pを超音波洗浄する方法を説明する。図2に示すように、本実施形態に係る洗浄方法は、準備工程(ステップS13)、浸漬工程(ステップS23)、減圧工程(ステップS33)、復圧工程(ステップS43)、および洗浄対象物Pの取り出し工程(ステップS53)が、図2における矢印で示された順で実行することで行われる。

0102

本実施形態に係る洗浄方法の準備工程(ステップS13)において、洗浄装置400の第1圧力開放弁56および第2圧力開放弁57が開放され、洗浄装置400の予備槽40と洗浄槽1とが外部環境に連通される状態になる。操作者は、洗浄槽1および予備槽40のそれぞれに洗浄液Lを入れる。この際、洗浄装置400の複数の弁50,51,52,53,54,55が閉じられており、減圧機構8および循環ポンプ60が動作していない。なお、ステップS13が実行される前に、予め洗浄液Lを洗浄槽1および予備槽40に貯留してもよい。

0103

ステップS13において、洗浄槽1には、洗浄槽1から溢れることがなく、かつ、洗浄対象物Pを完全に浸漬できる程度の洗浄液Lが貯留されればよい。同時に、洗浄装置400の予備槽40には、例えば、上記第2閾値が示した液面の高さまで洗浄液Lが貯留されてもよい。
以上で、ステップS13が終了する。

0104

ステップS13の後、洗浄対象物Pが洗浄装置400の洗浄槽1に貯留された洗浄液Lに浸漬される浸漬工程(ステップS23)が実行される。ステップS23において、操作者は、洗浄対象物Pが洗浄槽1内の洗浄液L内に浸漬されたことを確認すると、蓋2で洗浄槽1の開口部1aを覆ってから、洗浄装置400の第1圧力開放弁56と第2圧力開放弁57との両方を閉める。その結果、図5(a)に示すように、洗浄装置400の洗浄槽1および予備槽40の内部は、外部環境から気密に密閉した状態になる。

0105

ステップS23において、減圧機構8および超音波発生装置6は、動作していない。そのため、洗浄槽1内および予備槽40内における気圧は、外部環境の大気圧に一致している。
以上で、ステップS23が終了する。

0106

本実施形態において、ステップS23が終了した時点で、超音波発生装置6が発生した超音波を洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lに印加してもよい。なお、本実施形態において、後述する減圧工程(ステップS33)と復圧工程(ステップS43)に亘って、超音波が洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lに印加し続けてもよい。

0107

ステップS23の後、本実施形態に係る洗浄方法の減圧工程(ステップS33)が実行される。ステップS33において、洗浄槽1内および予備槽40内が外部環境から気密に密閉された状態で、洗浄装置400の弁54,55が開放され、減圧機構8が動作することにより、洗浄槽1内における上方空間Vに存在する気体と、予備槽40内における上方空間に存在する気体との両方が外部環境に排出される。その結果、洗浄槽1内および予備槽40内における気圧(第2の気圧)は、外部環境の大気圧より低い値になる。すなわち、ステップS33において、洗浄装置400の洗浄槽1内および予備槽40内は、減圧される。上記各実施形態同様に、ステップS33が実行されると、洗浄装置400の洗浄槽1内および予備槽40内におけるゲージ圧は、例えば−95kPaに減圧されてもよい。このため、ステップS33が実行されると、洗浄槽1内の上方空間Vおよび予備槽40内の上方空間は、真空に近い状態になる。
また、上記各実施形態同様に、洗浄槽1内の上方空間Vにおける減圧後の気圧の目標値は、洗浄液Lの種類に合わせて適宜設定されることができる。ただし、減圧機構8によって洗浄槽1内の気圧が目標値まで減圧されても、貯留された洗浄液Lが蒸発しないことが必要である。

0108

ステップS33において、制御部9は、気圧計7より洗浄槽1内の気圧値を取得し、洗浄槽内の上方空間Vにおける気圧が目標値に達する状態が一定の時間で維持されたことを判定すると、減圧機構8の動作が停止される。減圧機構8の動作が停止されると、減圧機構8によって洗浄槽1内および予備槽40と外部環境との気体の交換も停止される。この際、洗浄装置100の洗浄槽1および予備槽40は、洗浄槽1内は外部環境から気密に密閉されている。
以上で、ステップS33が終了する。

0109

ステップS33の後、本実施形態に係る洗浄方法の復圧工程(ステップS43)が実行される。
ステップS43において、洗浄装置400の循環ポンプ60を用いて、予備槽40内に貯留された洗浄液Lを洗浄槽1に供給することで、洗浄槽1内における気圧を復圧する。具体的に、ステップS43において、洗浄装置400の弁50,53を開放し、循環ポンプ60を操作することで、予備槽40内に貯留された洗浄液Lが図5(a)に示す矢印の流路に沿って洗浄槽1内に供給される。このため、洗浄槽1内における洗浄液Lの液面が上昇し、洗浄槽1内における上方空間Lの容積が減少する。その結果、洗浄槽1内における気圧(第3の気圧)が復圧される。洗浄槽1内に浸漬された洗浄対象物Pは、超音波が印加された洗浄液Lによって洗浄される。
なお、この際、洗浄装置400の弁51,52,54,55が閉めた状態を維持し、洗浄槽1内および予備槽40内は、外部環境から気密に密閉された状態が維持される。

0110

ステップS43において、第1液面センサー70は、洗浄槽1内における洗浄液Lの液面が第1閾値に示す液面の高さに到達したか否かを判定する。第1液面センサー70は、洗浄液Lの液面が第1閾値に示す液面の高さに到達したと判定すると、その結果を制御部9に出力する。制御部9は、第1液面センサー70からの判定結果に基づいて、循環ポンプ60の動作を停止する。この際、洗浄槽1内における上方空間Vの容積が減少され、洗浄槽1内における気圧が復圧される。このため、本実施形態に係る洗浄装置400において、予備槽40、複数の弁50,51,52,53、および循環ポンプの組み合わせによって、復圧装置が構成されている。
本実施形態において、復圧後の洗浄槽1内における気圧は、外部環境の大気圧に近い気圧値に復圧できる。例えば、本実施形態において、復圧後の洗浄槽1内の気圧は、例えば、−5KPa〜−10KPaの範囲内であってもよい。
以上で、ステップS43が終了する。

0111

本実施形態に係る洗浄方法のステップS43において、洗浄槽1内および予備槽40内における密閉状態が維持されている。すなわち、ステップS43の復圧工程において、外部環境から気体を導入せず、洗浄液Lを予備槽40から洗浄槽1に供給し、洗浄槽1内における上方空間Vの容積を減少することで、洗浄槽1内における気圧を復圧できる。このため、ステップS43の復圧工程において、外部環境からの気体が洗浄液Lに溶存し、超音波の伝播を阻害する現象を抑制することができる。その結果、本実施形態に係る洗浄方法のステップS43において、超音波洗浄の効果を維持することができる。

0112

本実施形態に係る洗浄方法において、上記各実施形態同様に、減圧工程(ステップS33)および復圧工程(ステップS43)を繰り返して数回行ってもよい。本実施形態において、復圧工程の後に再度減圧工程を行う際、循環ポンプ60を用いて、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lを予備槽40に一旦戻してから、洗浄装置400の弁54,55を開放し、減圧機構8で再度洗浄槽1および予備槽40における気体を排出することで、減圧することが可能である。

0113

ステップS43の後、本実施形態に係る洗浄方法の洗浄対象物の取り出し工程(ステップS53)が実行される。
ステップS53において、超音波発生装置6を停止する。このため、ステップS53において、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lに、超音波が印加することはない。超音波発生装置を停止してから、操作者は、第1圧力開放弁56を開放することで、洗浄槽1内と外部環境との密閉状態が解除され、洗浄槽1内と外部環境とが連通される。

0114

洗浄槽1内と外部環境とが連通状態になると、操作者は、洗浄装置400の弁51,52を開放し、循環ポンプ60を操作することで、図5(b)に示す矢印方向の流路に沿って、洗浄槽1内に貯留された洗浄液Lが予備槽40に戻される。
この過程において、洗浄装置400の第2液面センサー71は、予備槽40内に貯留された洗浄液Lの液面が第2閾値によって規定された高さに到達したかどうかを監視し続ける。第2液面センサー71は、予備槽40内に貯留された洗浄液Lの液面が第2閾値に到達したことを検出すると、その検出結果を制御部9に送信する。制御部9は、第2液面センサー71からの検出結果に基づいて、循環ポンプ60の動作を停止する制御指令を循環ポンプ60に出力し、あるいは、予備槽40内に貯留された洗浄液Lの液面が所定の第2閾値に到達した旨を操作者に知らせる。

0115

ステップS53において、予備槽40内に貯留された洗浄液Lの液面が第2閾値に到達すると、操作者は、循環ポンプ60を停止する。その後、操作者は、適宜の取り出し冶具を用いて、洗浄槽1に貯留された洗浄液Lに浸漬された洗浄対象物Pを外部に取り出す。
以上で、ステップS53が終了し、本実施形態に係る洗浄方法が終了する。

0116

(作用)
本実施形態に係る洗浄装置400および洗浄装置400を用いた洗浄方法によれば、洗浄装置400の洗浄槽1内に外部環境の気体を導入せず、予備槽40から洗浄槽1内に洗浄液Lを供給することで、洗浄槽1内における上方空間Vの容積を減少させ、洗浄槽1内における気圧を復圧できる。このため、上記各実施形態同様に、本実施形態に係る洗浄装置400および洗浄装置400を用いた洗浄方法によれば、超音波洗浄の工程において、外部環境の気体が洗浄液Lに溶け込むことを防げる。その結果、超音波洗浄の工程において、減圧工程および復圧工程を繰り返して洗浄時間が経過しても、超音波洗浄の効果を維持することができる。
また、本実施形態に係る洗浄装置400および洗浄装置400を用いた洗浄方法によれば、洗浄槽1と予備槽40との間において、洗浄液Lを循環させる過程において、第1液面センサー70および第2液面センサー71を用いて洗浄槽1および予備槽40における洗浄液Lの液面の状況をそれぞれ検出し、その検出結果を制御部9に出力する。本実施形態に係る洗浄装置400がこのように構成されることで、制御部9を用いて、超音波洗浄方法における減圧工程および復圧工程を完全に自動化することが期待出来る。その結果、減圧工程および復圧工程のタイミングを最適化することで、超音波洗浄方法の洗浄効果を最大化できる。

0117

以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
また、上述の各実施形態及び変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。

0118

上述の第1の実施形態において、洗浄装置100の復圧装置のピストン4がシリンダ3内に上下運動することで、上方空間Vの容積を調整する例を説明した。ただし、本発明の洗浄装置は、ピストン4がシリンダ3に対して相対移動することによって上方空間Vの容積を調整できればよく、ピストン4がシリンダ3に対して相対移動する方向および方式は特に限定されない。

0119

上述の第3の実施形態において、洗浄装置300の復圧装置において、変形機構30が変形部1bを引っ張ることにより、変形部1bが洗浄槽1の外周方向へ突出して変形する状態を維持する例を説明した。ただし、本発明の洗浄装置は、変形部1bが変形することで、洗浄槽1内における上方空間Vの容積を調整できればよく、変形部1bが洗浄槽1の外周方向へ突出する構成に限定されない。

0120

上述の各実施形態において、洗浄槽1内における減圧工程および復圧工程は、制御部9の制御および操作者の操作によって実現する例を説明した。ただし、本発明の洗浄装置は、洗浄の条件および方法をプログラムに具体化し、制御部9のプロセッサーに実行させることで、減圧工程および復圧工程を自動化することも可能である。
なお、上述の各実施形態に記載された各形状において、数学的な理想形状からの現実における逸脱があっても許容されるものであり、本願発明の思想に含まれることは言うまでも無い。

0121

100,200,300,400洗浄装置
1洗浄槽
1a 開口部
1b 変形部
2,2A 蓋
3シリンダ
4ピストン
5圧力開放弁
6超音波発生装置
圧力計
8減圧機構(減圧装置)
9 制御部(制御装置)
20 駆動部
30変形機構
40予備槽
50,51,52,53,54,55 弁
56 第1圧力開放弁
57 第2圧力開放弁
60循環ポンプ
70 第1液面センサー
71 第2液面センサー
L洗浄液
P洗浄対象物
V 上方空間

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