図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2020年1月16日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

上位及び下位運動ニューロン機能並びに知覚減衰を示す非ヒト動物を提供する。

解決手段

上位運動ニューロン、下位運動ニューロン、及び/又は知覚の機能障害の継続的な症状を現し、したがって、運動ニューロンに影響を及ぼす1つ又は2つ以上の神経変性病、例えば、筋萎縮性側索硬化症ALS)、原発性側索硬化症進行性筋ジストロフィなどのモデルとして有益であり得る、遺伝子修飾された非ヒト動物が提供される。本明細書には、修飾された内因性DR6遺伝子座を含むラット又はマウスなどのげっ歯類が提供され、修飾されたDR6遺伝子座は、DR6細胞質デスドメイン又はDR6細胞質ドメイン全体をコードする第1のヌクレオチド配列を欠いている。

概要

背景

(発明の背景
ルー・ゲーリック病としても知られる筋萎縮性側索硬化症ALS)は、随意運動を担う脊髄脳幹、及び皮質内運動ニューロン破壊がもたらす、致命的な神経変性病である。この疾病は臨床上、進行性衰弱及び萎縮症として現れ、発病から3〜5年以内に麻痺及び死亡をもたらす。

米国では約20,000人がALSを有し、毎年5,000人がALSと診断されている。ALSは、世界中に広まっており、あらゆる人種及び民族的背景の人々に影響を及ぼす。ALSの平均発病年齢は、40〜60の間であるが、ALSは、より若い及びより年配のの両方を襲う場合もある。ALS症例の90〜95%において、疾病は明らかに無作為である(突発性ALS(sALS)として知られる)。かかるSALS症例には、疾病の家族歴も、明らかに関連する危険因子もない。ALS症例の5〜10%には、遺伝的連関家族性ALS(fALS)として知られる)が存在する。

ALSに関連付けられた突然変異の中で、銅・亜鉛スーパーオキシドジスムターゼ(SOD1)遺伝子における突然変異は、SOD1酵素酸化防止機能障害よりもむしろ、毒性機能獲得を介してALS疾病をもたらすと長い間考えられてきた。fALSに関連付けられた突然変異を有する他の遺伝子としては、アルシン(ALS2)、セナタシン(ALS4)、小胞会合膜蛋白質(VAPB、ALS8)、アンギオゲニン及びダイナクチンのp150サブユニット(DCTN1)が挙げられる。最近、TardbpのTDP−43−コード領域において30を超える突然変異が、約4%のfALS及び1%未満のsALSに対応する、明白な家族歴のある又はないALS患者内で同定された。TDP−43突然変異(複数の場合あり)を有するほとんどの患者は、ALSの進行におけるTDP−43の重要な役割示唆する認知障害のない、従来のALS表現型を現す。また、拡張されたGGGGCヘキサヌクレオチドは、C9ORF72遺伝子のプロモーター内で反復し、fALS及びsALS、並びにALSに関連する前頭側頭葉認知症(ALS−FTD)によく見られる原因として現れる。

いくつかのマウスモデルは、ALS疾病用に確立されており、これには、SOD1、TDP43、又はFUSに突然変異を有するげっ歯類系統、ALS2ノックアウトマウス、及びニューロフィラメントサブユニットの遺伝子組み換えされた遺伝子コードを有するマウスが挙げられる。これらの中で、ヒト変異体SOD1(mSOD1)トランスジェニックマウスモデルは、ALS患者と複数の臨床表現型を共有することから、現在最も広く使用されている。mSOD1マウスの第1の症状は、四肢の1本又は2本以上の微細な「振動振戦」であり、これは、生後約90〜100日で現れる。後の段階で、マウスは臨床経過を開始し、最初に後肢筋力低下及び/又は麻痺、次に前肢への麻痺の上昇、最後に重症四肢麻痺が現れる。しかしながら、現在の動物モデルはいずれも、それらの動物上位運動ニューロン症状、TDP43及び/若しくはSOD1集合体、並びに/又は非運動ニューロン損失を示さないことから、ヒト疾病翻訳しない。したがって、ヒトにおけるALSをより密に反映する動物モデルが必要とされる。

概要

上位及び下位運動ニューロン機能並びに知覚減衰を示す非ヒト動物を提供する。上位運動ニューロン、下位運動ニューロン、及び/又は知覚の機能障害の継続的な症状を現し、したがって、運動ニューロンに影響を及ぼす1つ又は2つ以上の神経変性病、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、原発性側索硬化症、進行性筋ジストロフィなどのモデルとして有益であり得る、遺伝子修飾された非ヒト動物が提供される。本明細書には、修飾された内因性DR6遺伝子座を含むラット又はマウスなどのげっ歯類が提供され、修飾されたDR6遺伝子座は、DR6細胞質デスドメイン又はDR6細胞質ドメイン全体をコードする第1のヌクレオチド配列を欠いている。なし

目的

また、本明細書には、運動ニューロンにおける酸化的ストレスを軽減するための候補薬剤を同定する方法であって、(a)薬剤の存在下又は非存在下で、本明細書に開示されるような非ヒト動物モデル由来の運動ニューロンを培養することと、(b)薬剤の非存在下で培養された対照運動ニューロンと比較して、薬剤が運動ニューロンにおける酸化的ストレスを防止する、抑制する、及び/又は軽減するかどうかを決定することと、を含み、運動ニューロンにおける酸化的ストレスの防止、抑制、及び/又は軽減が、例えば、運動ニューロンにおける酸化的ストレスを軽減するための候補薬剤を示し、かつ、ALSを治療、防止、及び/又は抑制するために有益な候補薬剤であり得る、方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

(i)全DR6コード領域又はその一部分の欠失を含み、かつ(ii)膜貫通ドメインに操作可能に融合された、機能的DR6シグナルペプチドをコードする核酸配列を含む、修飾された内因性DR6遺伝子座ゲノム内に含む、遺伝子組み換えされたげっ歯類であって、前記膜貫通タンパク質レポータータンパク質に操作可能に融合され、前記核酸配列が内因性DR6転写調節配列に操作可能に連結され、前記内因性DR6遺伝子座によってコードされるいかなるポリペプチドも、機能的DR6細胞質ドメインを欠き、前記げっ歯類は、前記げっ歯類と同一の系統を有するが、前記修飾された内因性DR6遺伝子座を含まない対照げっ歯類と比較した(a)運動ニューロン機能障害、及び/又は(b)侵害受容の減少、を現す、げっ歯類。

請求項2

対照げっ歯類と比較した運動ニューロンの機能障害及び/又は侵害受容の減少が、出生時には明らかでなく、8週齢以降に現れる、請求項1に記載の遺伝子組み換えされたげっ歯類。

請求項3

(a)前記機能的DR6シグナルペプチドが内因性DR6シグナルペプチドである;(b)前記膜貫通ドメインが内因性DR6膜貫通ドメインでない;(c)前記膜貫通ドメインがROR1膜貫通ドメインである;及び/又は(d)前記レポータータンパク質がβ−ガラクトシダーゼである、請求項1に記載の遺伝子組み換えされたげっ歯類。

請求項4

(a)前記遺伝子組み換えされたげっ歯類が、前記修飾された内因性DR6遺伝子座についてヘテロ接合型である;及び(b)前記げっ歯類が運動ニューロンの機能障害を示す場合、好ましくは、前記運動ニューロンが上位運動ニューロン又は下位運動ニューロンであり、より好ましくは、前記げっ歯類が4週齢を超えるまで、前記運動ニューロンの機能障害が、盲検主観神経学的スコアリングアッセイロータロッド試験キャットウォーク試験、オープンフィールド試験、及び体重測定において現れない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の遺伝子組み換えされたげっ歯類。

請求項5

前記げっ歯類がラット又はマウスである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の遺伝子組み換えされたげっ歯類。

請求項6

前記げっ歯類がマウスであり、そして、前記内因性マウスDR6遺伝子座が、少なくとも1つの内因性DR6転写調節配列に操作可能に連結された、β−ガラクトシダーゼに操作可能に融合されたROR1膜貫通ドメインに操作可能に融合された内因性DR6シグナルペプチドをコードする核酸配列を含む、請求項5に記載の遺伝子組み換えされたげっ歯類。

請求項7

好ましくは前記細胞が運動ニューロン又は胚幹細胞である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の遺伝子組み換えされたげっ歯類由来の細胞又は組織

請求項8

請求項1に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類を作製する方法であって、全長の内因性成熟DR6タンパク質をコードする内因性ヌクレオチド配列を、レポーター遺伝子に操作可能に連結された膜貫通ドメインをコードする核酸配列によって置換する工程を含み、前記核酸が、内因性DR6転写調節及びシグナルペプチド配列と操作可能に連結されており、前記内因性DR6遺伝子座によってコードされるいかなるポリペプチドも、機能的DR6細胞質ドメインを欠く、方法。

請求項9

対照運動ニューロンと比較して酸化的ストレスの増加を示す、運動ニューロンの集団を作製する方法であって、請求項1〜6のいずれか一項に記載のげっ歯類又は請求項8に記載の方法に従って作製されたげっ歯類から単離された内部細胞塊の胚幹細胞から胚様体確立することと、前記胚様体を前記運動ニューロンの集団に分化させることと、を含み、前記対照運動ニューロンは、前記げっ歯類と同一の系統を有するが、前記修飾された内因性DR6遺伝子座を含まない対照げっ歯類由来のものである、方法。

請求項10

運動ニューロン機能障害を調節するための候補薬剤スクリーニングする方法であって、(a)請求項1〜6のいずれか一項に記載のげっ歯類又は請求項8に記載の方法に従って作製されたげっ歯類に、候補薬剤を投与することと、(b)請求項1〜6のいずれか一項に記載のげっ歯類又は請求項8に記載の方法に従って作製されたげっ歯類であって、前記候補薬剤を投与されていない試験対照げっ歯類と比較して、前記げっ歯類における前記運動ニューロン機能障害の少なくとも1つの症状に対する、前記候補薬剤の何らかの調節効果を決定することと、を含み、前記試験対照げっ歯類と比較して、前記げっ歯類における前記運動ニューロン機能障害の前記少なくとも1つの症状に対する調節効果の存在が、前記候補薬剤が運動ニューロン機能障害を調節するのに有益であることを示す、方法。

請求項11

(a)前記薬剤が、盲検化主観的ALS−TDI神経学的スコアリング、ロータロッド試験、キャットウォーク試験、オープンフィールド試験、体重測定、又は疼痛刺激に反応するまでの潜時の決定による、前記症状の検知の前に投与される、(b)前記薬剤が、盲検化主観的ALS−TDI神経学的スコアリング、ロータロッド試験、キャットウォーク試験、オープンフィールド試験、体重測定、又は疼痛刺激に反応するまでの潜時の決定のうちの1つ又は2つ以上による、前記症状の検知の後に投与される、(c)前記薬剤が2回以上の異なる時点で投与される、(d)前記少なくとも1つの症状が、前記試験対照げっ歯類と比較した、後弯症、異常後肢クラスピング、運動調整欠失、運動学習能力欠失、体重減少、及び知覚欠失から選択される、(e)前記少なくとも1つの症状が上位運動ニューロン機能障害の結果であり、好ましくは、前記少なくとも1つの症状が、振戦痙性麻痺硬直)、異常反射、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、(f)前記少なくとも1つの症状が下位運動ニューロン機能障害の結果であり、好ましくは、前記少なくとも1つの症状が、筋力低下及び衰弱線維束性収縮、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、(g)前記運動ニューロン機能障害の少なくとも1つの症状が、体重増加の低下である、及び/又は(h)前記運動ニューロン機能障害の少なくとも1つの症状が、侵害受容の減少である、請求項10に記載の方法。

請求項12

運動ニューロンにおける酸化的ストレスを軽減するための候補薬剤をスクリーニングする方法であって、(a)薬剤の存在下又は非存在下で、請求項1〜6のいずれか一項に記載のげっ歯類由来の運動ニューロンを培養することと、(b)前記薬剤が、前記げっ歯類由来であるが、前記薬剤非存在下で培養された対照運動ニューロンと比較したときに、前記運動ニューロンにおける酸化的ストレスを防止、抑制、及び/又は軽減するかどうかを決定することと、を含み、前記運動ニューロンにおける酸化的ストレスの防止、抑制、及び/又は軽減が、運動ニューロンにおける酸化的ストレスを軽減するための候補薬剤を示す、方法。

請求項13

操作可能に連結され、5’から3’へ、DR6シグナルペプチドをコードする第1の核酸配列、膜貫通ドメインをコードする第2の核酸、及び、レポーター遺伝子をコードする第3の核酸、及び、必要に応じて、薬剤選択カセットをコードする第4の核酸を含む、核酸であって、前記核酸によってコードされるいかなるポリペプチドも、機能的DR6細胞質ドメインを欠く、核酸。

請求項14

(a)前記第1の核酸配列が、配列番号6に記述され、前記第2の核酸配列が配列番号7に記述され、前記第3の核酸配列が配列番号8に記述され、かつ/又は前記第4の核酸が配列番号3に記述される;及び/又は(b)第1の標的化アーム及び第2の標的化アームを更に含み、前記第1の標的化アームが前記第1、第2、及び/又は第3の核酸配列の5’であり、そこに操作可能に連結しており、前記第2の標的化アームが前記第1、第2、及び/又は第3の核酸配列の3’であり、そこに操作可能に連結しており、前記第1及び第2の標的化アームが、少なくとも1つの内因性非ヒト動物制御要素に操作可能に連結する、内因性非ヒト動物DR6遺伝子座への挿入用として前記核酸を標的化するものである、請求項13に記載の核酸配列。

請求項15

(a)前記非ヒト動物がげっ歯類であり、好ましくは、前記げっ歯類がマウスである;及び/又は(b)前記げっ歯類がマウスであり、前記核酸が配列番号5又は配列番号17に記述された配列を含む、請求項14に記載の核酸。

請求項16

請求項13〜15のいずれか一項に記載の前記核酸を含む、げっ歯類細胞。

請求項17

前記げっ歯類細胞が胚幹細胞である、請求項16に記載のげっ歯類細胞。

技術分野

0001

(関連出願の相互参照
本願は、米国仮出願シリアル番号第62/133,909号(2015年3月16日出願)及び同第62/250,229号(2015年11月3日出願)の利益を主張し、それらのそれぞれの出願は、参照により本明細書に組み込まれる。

0002

配列表
配列表の正式なコピーは、2016年3月16日に作成され、かつ約685キロバイトのサイズを有する、ファイル名「2016−03−16−T0041WO01−SEQ−LIST ST25.txt」のASCII形式の配列表としてEFS−Web経由で電子的に提出され、かつ本明細書と同時に出願される。このASCII形式の文書に含まれる配列表は、本明細書の一部であり、かつ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

0003

(技術分野)
本出願は、概ね、時間の経過とともに上位運動ニューロン下位運動ニューロン、及び/又は知覚減衰を現す非ヒト動物に関するものであり、この動物は、筋萎縮性側索硬化症ALS)のような運動ニューロン疾患など、神経変性疾患に有益なモデルを提供し得る。

背景技術

0004

(発明の背景
ルー・ゲーリック病としても知られる筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、随意運動を担う脊髄脳幹、及び皮質内運動ニューロン破壊がもたらす、致命的な神経変性病である。この疾病は臨床上、進行性衰弱及び萎縮症として現れ、発病から3〜5年以内に麻痺及び死亡をもたらす。

0005

米国では約20,000人がALSを有し、毎年5,000人がALSと診断されている。ALSは、世界中に広まっており、あらゆる人種及び民族的背景の人々に影響を及ぼす。ALSの平均発病年齢は、40〜60の間であるが、ALSは、より若い及びより年配のの両方を襲う場合もある。ALS症例の90〜95%において、疾病は明らかに無作為である(突発性ALS(sALS)として知られる)。かかるSALS症例には、疾病の家族歴も、明らかに関連する危険因子もない。ALS症例の5〜10%には、遺伝的連関家族性ALS(fALS)として知られる)が存在する。

0006

ALSに関連付けられた突然変異の中で、銅・亜鉛スーパーオキシドジスムターゼ(SOD1)遺伝子における突然変異は、SOD1酵素酸化防止機能障害よりもむしろ、毒性機能獲得を介してALS疾病をもたらすと長い間考えられてきた。fALSに関連付けられた突然変異を有する他の遺伝子としては、アルシン(ALS2)、セナタシン(ALS4)、小胞会合膜蛋白質(VAPB、ALS8)、アンギオゲニン及びダイナクチンのp150サブユニット(DCTN1)が挙げられる。最近、TardbpのTDP−43−コード領域において30を超える突然変異が、約4%のfALS及び1%未満のsALSに対応する、明白な家族歴のある又はないALS患者内で同定された。TDP−43突然変異(複数の場合あり)を有するほとんどの患者は、ALSの進行におけるTDP−43の重要な役割示唆する認知障害のない、従来のALS表現型を現す。また、拡張されたGGGGCヘキサヌクレオチドは、C9ORF72遺伝子のプロモーター内で反復し、fALS及びsALS、並びにALSに関連する前頭側頭葉認知症(ALS−FTD)によく見られる原因として現れる。

0007

いくつかのマウスモデルは、ALS疾病用に確立されており、これには、SOD1、TDP43、又はFUSに突然変異を有するげっ歯類系統、ALS2ノックアウトマウス、及びニューロフィラメントサブユニットの遺伝子組み換えされた遺伝子コードを有するマウスが挙げられる。これらの中で、ヒト変異体SOD1(mSOD1)トランスジェニックマウスモデルは、ALS患者と複数の臨床表現型を共有することから、現在最も広く使用されている。mSOD1マウスの第1の症状は、四肢の1本又は2本以上の微細な「振動振戦」であり、これは、生後約90〜100日で現れる。後の段階で、マウスは臨床経過を開始し、最初に後肢筋力低下及び/又は麻痺、次に前肢への麻痺の上昇、最後に重症四肢麻痺が現れる。しかしながら、現在の動物モデルはいずれも、それらの動物は上位運動ニューロン症状、TDP43及び/若しくはSOD1集合体、並びに/又は非運動ニューロン損失を示さないことから、ヒト疾病翻訳しない。したがって、ヒトにおけるALSをより密に反映する動物モデルが必要とされる。

課題を解決するための手段

0008

本明細書には、上位運動ニューロン、下位運動ニューロン、及び/又は知覚の機能障害の継続的な症状を現し、したがって、運動ニューロンに影響を及ぼす1つ又は2つ以上の神経変性病、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、原発性側索硬化症(primary lateral sclerosis, primary lateral sclerosis)、進行性筋ジストロフィなどのモデルとして有益であり得る、遺伝子修飾された非ヒト動物が提供される。具体的に、本明細書には、修飾された内因性DR6遺伝子座を含むラット又はマウスなどのげっ歯類が提供され、修飾されたDR6遺伝子座は、DR6細胞質デスドメイン又はDR6細胞質ドメイン全体をコードする第1のヌクレオチド(例えば、第1のDNA、第1のcDNA、第1のゲノムDNAなど)配列を欠いており(例えば、含まない、存在しないなど)、例えば、修飾されたDR6遺伝子座は、DR6細胞質デスドメイン又はDR6細胞質ドメインのいずれかの部分をコードするヌクレオチド配列を欠いている。修飾されたDR6遺伝子座は、(i)DR6膜貫通ドメイン全体をコードする第2のヌクレオチド(例えば、第2のcDNA、第2のDNA、第2のゲノムDNA)配列、例えば、DR6膜貫通ドメインのいずれかの部分をコードする第2のヌクレオチド配列、(ii)DR6細胞外ドメインをコードする第3のヌクレオチド(例えば、第3のcDNA、第3のDNA、第3のゲノムDNA)配列、又はそのいずれかの部分、例えば、DR6細胞外ドメインのいずれかの部分をコードする第3のヌクレオチド配列、(iii)第4のヌクレオチド配列、例えば、介在するイントロンを含む、内因性のげっ歯類DR6遺伝子のエキソン3の全体からエキソン6の全体までまたがる第4のゲノム配列、及び/又は(iv)第5のヌクレオチド配列、例えば、介在するイントロンを含む、内因性げっ歯類DR6遺伝子の、エキソン2の一部(例えば、塩基4103)からエキソン6の全体(例えば、終止コドン)にまたがる第4のゲノム配列であって、完全長成熟した内因性げっ歯類DR6タンパク質をコードする、第5のヌクレオチド配列を、更に欠いている可能性がある。いくつかの実施形態では、げっ歯類はマウスであり、修飾されたDR6対立遺伝子は、DR6細胞質デスドメインをコードする第1のヌクレオチド配列を欠いており、例えば、修飾されたDR6対立遺伝子は、配列番号15のアミノ酸388〜454をコードする第1のヌクレオチド配列、又はそのいずれかの部分を欠いている。いくつかの実施形態では、細胞質ドメイン、例えば、配列番号15のアミノ酸330〜614として記述されたアミノ酸配列を有する細胞質ドメインをコードするヌクレオチド配列を欠いている、修飾されたDR6対立遺伝子を含むマウスが提供される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるマウスは、例えば、配列番号15のアミノ酸1〜614として記述されるように、成熟したDR6タンパク質をコードするヌクレオチド配列を欠いている、修飾されたDR6対立遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、修飾されたDR6対立遺伝子は、5kbを超える内因性ゲノム配列を欠いている。いくつかの実施形態では、修飾されたDR6対立遺伝子は、10kbを超える内因性ゲノム配列を欠いている。いくつかの実施形態では、修飾されたDR6対立遺伝子は、20kbを超える内因性ゲノム配列を欠いている。いくつかの実施形態では、修飾されたDR6対立遺伝子は、30kbを超える内因性ゲノム配列を欠いている。いくつかの実施形態では、修飾されたDR6対立遺伝子は、40kbを超える内因性ゲノム配列を欠いている。いくつかの実施形態では、修飾されたDR6対立遺伝子は、50kbを超える内因性ゲノム配列を欠いている。いくつかの実施形態では、げっ歯類は、内因性DR6細胞外ドメイン、内因性膜貫通ドメイン、及び/又は内因性DR6細胞質ドメインのいずれかの部分をコードするヌクレオチド配列を欠いている、修飾されたDR6遺伝子座に関してヘテロ接合型又はホモ接合型である。

0009

本明細書に提供されるような、遺伝子的に修飾されたげっ歯類は、核酸発現し得、例えば、核酸は、げっ歯類のゲノムに無作為に挿入され得るか、又は、例えば、内因性DR6遺伝子座(例えば、本明細書に記載されているように、修飾された内因性DR6遺伝子座)で内因性DR6転写制御遺伝子に操作可能に連結され得、核酸は、機能性DR6シグナルペプチド(例えば、機能性ヘテロ接合型DR6シグナルペプチド、機能性ホモ接合型DR6シグナルペプチド、機能性ラットDR6シグナルペプチド、機能性マウスDR6シグナルペプチドなど)、膜貫通ドメイン(例えば、DR6膜貫通ドメイン又はヘテロ接合型膜貫通ドメイン(例えば、ROR1膜貫通ドメイン))、レポータータンパク質(例えば、β−ガラクトシダーゼタンパク質)、又はこれらの組み合わせをコードし、ポリペプチドは、機能性DR6細胞質ドメイン、又はそのいずれかの部分を欠いている(例えば、それに操作可能に融合されていない、それを含まない、など)。いくつかの実施形態では、ポリペプチドはまた、機能性DR6細胞外ドメイン、又はそのいずれかの部分を欠いている。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、機能性DR6シグナルペプチドから本質的に構成されるか、又はそれから構成される。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、膜貫通ドメインに操作可能に融合された機能性DR6シグナルペプチドから本質的に構成されるか、又はそれから構成される。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、膜貫通ドメインに操作可能に融合された機能性DR6シグナルペプチドから本質的に構成されるか、又はそれから構成され、膜貫通ドメインはレポータータンパク質に操作可能に融合される。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、膜貫通ドメインに操作可能に融合された機能性DR6シグナルペプチドから本質的に構成されるか、又はそれから構成される。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、膜貫通ドメインから本質的に構成されるか、又はそれから構成される。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、レポータータンパク質に操作可能に融合された膜貫通ドメインから本質的に構成されるか、又はそれから構成される。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、レポータータンパク質から本質的に構成されるか、又はそれから構成される。いくつかの実施形態では、DR6シグナルペプチドは、例えば、配列番号15のアミノ酸−1〜−41(又はそのいずれかの部分)として記述されているように、げっ歯類DR6シグナルペプチド、例えば、マウスDR6シグナルペプチドであり、例えば、配列番号6、又は同一アミノ酸配列をコードするが、遺伝暗号縮重のために配列番号6のみとは異なる、その縮重変異型として記述された配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるようなげっ歯類は、配列番号6、又は同一のアミノ酸配列をコードするが、遺伝暗号の縮重のために配列番号6のみとは異なる、その縮重変異型として記述された配列を含むか、それから本質的に構成されるか、又はそれから構成される、核酸を含み、かつ、発現する。いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインはROR1膜貫通ドメインであり、例えば、配列番号7、又は同一のアミノ酸配列をコードするが、遺伝暗号の縮重のために配列番号7のみとは異なる、その縮重変異型として記述された配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、核酸配列は、配列番号7、又は同一のアミノ酸配列をコードするが、遺伝暗号の縮重のために配列番号7のみとは異なるその縮重変異型として記述された配列を含むか、それから本質的に構成されるか、又はそれから構成される。いくつかの実施形態では、レポータータンパク質はβ−ガラクトシダーゼであり、例えば、配列番号8、又は同一のアミノ酸配列をコードするが、遺伝暗号の縮重のために配列番号8のみとは異なる、その縮重変異型として記述された配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、核酸配列は、配列番号8又は、同一のアミノ酸配列をコードするが、遺伝暗号の縮重のために配列番号8のみとは異なるその縮重変異型を含むか、それから本質的に構成されるか、又はそれから構成される。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるようなげっ歯類は、ROR1膜貫通ドメインに操作可能に融合されたDR6シグナルペプチドをコードする核酸を含み、かつ、発現し、ROR1膜貫通ドメインは、β−ガラクトシダーゼに操作可能に融合され、例えば、本明細書に提供されているげっ歯類は、配列番号17、又は同一のアミノ酸配列をコードするが、遺伝暗号の縮重のために配列番号17のみとは異なる、その縮重変異型として記述された核酸配列を含み、かつ、発現する。

0010

いくつかの実施形態では、核酸は、内因性DR6遺伝子座にあり、必要に応じて1つ又は2つ以上の内因性DR6制御因子、例えば、内因性転写制御因子などに操作可能に連結され、それにより、げっ歯類は、核酸を含むが、内因性DR6細胞ドメイン全体又はその全体のいずれかの部分(例えば、DR6細胞質デスドメイン全体)をコードする少なくともヌクレオチド配列を欠いており、かつ、必要に応じて、内因性DR6膜貫通ドメイン全体若しくはそのいずれかの部分、及び/又は内因性DR6細胞外ドメイン全体をコードする付加的なヌクレオチド配列を更に欠いている、修飾されたDR6遺伝子座に関してヘテロ接合型又はホモ接合型である。

0011

いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている、内因性DR6遺伝子座の修飾及び/又は核酸の発現は、ニューロングリア細胞、又はこれらの組み合わせの機能(the function a neuron, a glial cell, or a combination thereof)に影響を及ぼす。いくつかの実施形態では、核酸の発現は、上位及び/又は下位運動ニューロンの機能の減衰、例えば機能障害をもたらし、この機能の減少は、例えば、遺伝子修飾されたげっ歯類と同一の遺伝背景、例えば、同一系統対照げっ歯類と比較した(a)後弯症、(b)異常後肢クラスピング、(c)運動調整及び運動学習能力欠失、(d)体重減少、並びに(e)知覚の減衰などとして現れる。いくつかの実施形態では、修飾されたDR6遺伝子座を含む、及び/又は本明細書に記載されている核酸を発現するげっ歯類は、運動ニューロン機能障害、例えば、上位運動ニューロン及び/又は下位運動ニューロン機能障害の1つ又は2つ以上の症状を示し得る。いくつかの実施形態では、症状は、遺伝子修飾されたげっ歯類と同一遺伝背景、例えば、同一系統の対照げっ歯類と比較した(a)後弯症、(b)異常後肢クラスピング、(c)運動調整及び運動学習能力の欠失、(d)体重減少、並びに/又は(e)知覚の減衰である。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の症状は、振戦、痙性麻痺硬直)、異常反射、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される上位運動ニューロン機能障害を含むALSに似た症状、並びに/又は筋力低下及び衰弱、束性収縮、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される下位運動ニューロン機能障害を含むALSに似た症状である。このようなALSに似た症状は、盲検主観的ALS−TDI神経学的スコアリングロータロッド試験キャットウォーク試験、オープンフィールド試験のうちの1つ又は2つ以上を使用して可視化され得る。また、本明細書に開示されたようなげっ歯類は、8〜20週齢の対照野生型動物と比較して、体重増加の低下を示し得る。本明細書に開示されたようなげっ歯類はまた、げっ歯類がロータロッドでの欠損時間、歩行機能障害、キャットウォーク能力の減衰、及びこれらの組み合わせとして存在する、運動ニューロン機能の減衰を示しているかどうかに関わらず、疼痛刺激に反応するまでの潜時欠失を示し得る。

0012

一態様では、げっ歯類は、出生時は極めて正常であり(例えば、肉眼では正常に見える、例えば、盲検化主観的神経学的スコアリングアッセイ、ロータロッド試験、キャットウォーク試験、オープンフィールド試験、体重測定、及び/又は疼痛服従試験では、運動ニューロン機能障害及び/又は知覚の減衰は見られない)、加齢とともに、1つ又は2つ以上の可視のALSに似た症状を現し、例えば、げっ歯類は、生後2週間、生後3週間、生後4週間、生後5週間、生後6週間などで1つ又は2つ以上のALSに似た症状を現し得る。一態様では、本明細書に記載されているげっ歯類は、4週齢よりも若く、いずれのALSに似た症状も示さない。一態様では、本明細書に記載されているげっ歯類は、8週齢よりも若く、いずれのALSに似た症状も示さない。別の態様では、げっ歯類は、22週齢になる前にALSに似た症状を現す。一実施形態では、げっ歯類は、少なくとも16週齢以上であり、対照げっ歯類と比較して、次の表現型のうちの1つ又は2つ以上を示す:(a)後弯症、(b)異常後肢クラスピング、(c)運動調整及び運動学習能力の欠失、(d)体重減少、並びに(e)疼痛刺激に反応するまでの潜時遅延

0013

本明細書に開示されたげっ歯類の遺伝子発現パターン、例えば、神経系の器官(脳、脊髄など)の遺伝子特徴は、(1)ALSを患う患者若しくは患者の器官(脳、脊髄など)の遺伝子特徴のそれぞれ、及び/又は(2)ALSの別の動物モデル、例えば、SOD1非ヒト動物、又は非ヒト動物の器官(脳、脊髄など)の遺伝子特徴のそれぞれ、の遺伝子発現パターンに類似し得る。例えば、本明細書に開示されたげっ歯類の脳及び/又は脊髄の遺伝子発現パターン(複数の場合あり)は、ヒトALS bioset及び/又はマウスSOD1 biosetと相関し得、これらのbiosetは免疫反応に連結し得る。ヒトALS及び/又はマウスSOD1 biosetとの相互関係は、本明細書に開示されたげっ歯類に観察される病理が、ALSを患うヒト又はSOD1動物モデルに見られるものと非常に似ていることを示唆する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるげっ歯類は、免疫反応に連結した遺伝子特徴を有し得るが、野生型げっ歯類と比較して末梢的に異常な免疫反応は示し得ない。

0014

一態様では、本明細書に開示されるようなげっ歯類の運動ニューロンの数は、野生型げっ歯類の運動ニューロンの数に類似しており、例えば、それより有意に多くも少なくもない。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるげっ歯類の運動ニューロンは、野生型げっ歯類の運動と比較して酸化的ストレスの増加を示す。

0015

一態様では、本明細書に記載されるようなげっ歯類は、ラット又はマウスである。いくつかの実施形態では、げっ歯類は、129系統、C57BL/6系統、及び混合型C57BL/6×129系統からなる群から選択される系統のマウスである。

0016

また、本明細書には、例えば、胚幹細胞、運動ニューロンセルなど、例えば、組織学的に調査され得る及び/若しくは培養され得る、本明細書に記載されたげっ歯類から単離された若しくはそれに由来する、組織又は細胞が提供される。また、本明細書に記載された核酸が提供される。

0017

また、本明細書に記載されたげっ歯類から単離した細胞又は細胞集団を培養することを含む方法が提供されるが、この方法は、例えば、生体外操作に有益な運動ニューロンなどをもたらし得る。いくつかの実施形態では、対照運動ニューロン細胞と比較して酸化的ストレスの増加を示す運動ニューロンの集団を作製する方法が提供され、方法には、本明細書に提供されたげっ歯類由来の胚様体を確立し、胚様体を運動ニューロンに分化させることが含まれる。いくつかの実施形態では、胚様体は、内部細胞塊の胚幹細胞から展開される。いくつかの実施形態では、内細胞塊の胚幹細胞は、胚様体を形成するため、例えば、胚幹細胞培地ESM:DMEM+15%ウシ胎児血清ペニシリンストレプトマイシングルタミン可欠アミノ酸ヌクレオシド+β−メルカプトエタノールピルビン酸ナトリウム+LIF)中で、2日間単離され、培養される。胚様体は、次いで、分化培地(Advanced DMEM/F12+Neurobasal培地+10%ノックアウト血清+ペニシリン/ストレプトマイシン+グルタミン+β−メルカプトエタノール)などの中に、1〜3日間、例えば、レチノイン酸及びスムーズンドアニスト中で、例えば5日間更に培養する前の2日間、培養され得る。本明細書に提供されたげっ歯類から単離された内細胞塊の胚幹細胞から展開された分化運動ニューロンは、修飾されたDR6対立遺伝子及び/又は核酸を含まないげっ歯類から展開された運動ニューロン細胞と比較して酸化的ストレスの増加を示す、安定した運動ニューロン細胞系を形成するため、例えば、胚幹細胞由来の運動ニューロン培地(ESMN:Neurobasal培地+2%ウマ血清+B27+グルタミン+ペニシリン/ストレプトマイシン+β−メルカプトエタノール+10ng/mLGDNF、BDNF、CNTF)中で成熟され得る。

0018

また、本明細書には、運動ニューロン機能障害を調節するための候補薬剤を同定する方法が提供されるが、この方法は、(a)本明細書に開示されたげっ歯類に薬剤投与することと、(b)同一のゲノム構造を有するが、候補薬剤を受けていない試験対照げっ歯類と比較した、げっ歯類における候補薬剤の効果を決定すること、例えば、薬剤が、対照げっ歯類と比較して、げっ歯類における少なくとも1つのALSに似た症状を防止する、抑制する、遅延させる、及び/又は反転させるかどうかを決定することと、を含む、ALSの治療、防止、及び/又は抑制に有益であり得、げっ歯類における、少なくとも1つのALSに似た症状、例えば、後弯症、異常後肢クラスピオング、運動調整欠失、運動学習能力欠失、体重減少、及び知覚欠失などの運動ニューロン機能障害の症状の防止、抑制、遅延、及び/又は反転は、ALSの防止及び/又は抑制などの運動ニューロン機能障害の治療に有益であり得る候補薬剤を示す。薬剤は、げっ歯類がALSに似た症状を発症する前か、それと同時か、又はその後、例えば、盲検化主観的ALS−TDI神経学的スコアリング、ロータロッド試験、キャットウォーク試験、オープンフィールド試験、体重測定、若しくは、例えば、2つ以上の異なる時点での、疼痛刺激に反応するまでの潜時の決定による、運動ニューロン機能障害の少なくとも1つの症状の検知の前か、それと同時か、又はその後に投与され得る。

0019

いくつかの実施形態では、候補薬剤は、運動ニューロン機能障害の少なくとも1つの症状を、少なくとも10%、例えば、少なくとも15%、例えば、少なくとも20%調節する。他の実施形態では、候補薬剤の存在は、運動ニューロン機能障害の少なくとも1つの症状(the symptom the at least one symptom)を、例えば、少なくとも50%、例えば、少なくとも75%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも99%調節する。いくつかの実施形態では、候補薬剤は、運動ニューロン機能障害の少なくとも1つを防止する。(1)後弯症及び異常後肢クラスピングの少なくとも1つを防止する及び/若しくは抑制すること、かつ/あるいは(2)運動調整欠失、運動学習能力欠失、体重減少、及び/若しくは知覚欠失を防止する並びに/又は修復することによって、少なくとも1つの症状を調節する候補薬剤は、ALSなどの神経変性病の治療に有益であり得る。

0020

薬剤が、対照げっ歯類と比較してげっ歯類におけるALSに似た症状の少なくとも1つを防止する、抑制する、遅延させる、及び/又は反転させるかどうかを決定する方法は、げっ歯類から単離した組織及び/又は細胞を調査すること、例えば、組織化学などによる組織及び/若しくは細胞の微小解剖、機能、並びに構造を理解するための組織及び/若しくは細胞の分析、細胞、組織、及び/若しくは器官の培養、顕微鏡的手法、並びに/又はタンパク質の発現、例えば、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、神経成長因子受容体(NGFR)、コリンアセチルトランスフェラーゼ(Chat)、MnxホメオボックスNMDA型グルタミン酸受容体サブユニット3B(Grin3b)、及びグルタミン酸受容体2(Gria2)などの評価、を含み得る。一態様では、評価される細胞は、ニューロン、グリア細胞、又はこれらの組み合わせである。別の態様では、評価される組織は脳及び/又は脊髄である。薬剤が、対照げっ歯類と比べ、げっ歯類におけるALSに似た症状の少なくとも1つを防止する、抑制する、遅延させる、及び/又は反転させるかどうかを決定する方法は、主観的ALS−TD1神経学的スコアリング、ロータロッド試験、キャットウォーク試験、オープンフィールド試験、体重測定、及び/又は疼痛刺激に反応するまでの潜時の決定も含み得る。

0021

いくつかの実施形態では、試験される少なくとも1つの症状は、上位運動ニューロン機能障害を示し、例えば、少なくとも1つの症状は、振戦、痙性麻痺(硬直)、異常反射、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、試験される少なくとも1つの症状は、下位運動ニューロン機能障害を示し、例えば、少なくとも1つの症状は、筋力低下及び衰弱、束性収縮、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、評価される少なくとも1つの症状は、体重増加の低下である。いくつかの実施形態では、試験される少なくとも1つの機能は、侵害受容器の減衰である。

0022

また、本明細書には、運動ニューロンにおける酸化的ストレスを軽減するための候補薬剤を同定する方法であって、(a)薬剤の存在下又は非存在下で、本明細書に開示されるような非ヒト動物モデル由来の運動ニューロンを培養することと、(b)薬剤の非存在下で培養された対照運動ニューロンと比較して、薬剤が運動ニューロンにおける酸化的ストレスを防止する、抑制する、及び/又は軽減するかどうかを決定することと、を含み、運動ニューロンにおける酸化的ストレスの防止、抑制、及び/又は軽減が、例えば、運動ニューロンにおける酸化的ストレスを軽減するための候補薬剤を示し、かつ、ALSを治療、防止、及び/又は抑制するために有益な候補薬剤であり得る、方法を提供する。

0023

いくつかの実施形態では、候補薬剤は、運動ニューロンにおける酸化的ストレスが少なくとも10%、例えば、少なくとも15%、例えば、少なくとも20%軽減する。他の実施形態では、候補薬剤の存在は、運動ニューロンによる酸化的ストレスを、例えば、少なくとも50%、例えば、少なくとも75%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも99%抑制する。いくつかの実施形態では、候補薬剤は、運動ニューロンにおける酸化的ストレスを防止し、例えば、酸化的ストレスのレベルは野生型運動ニューロンのものと類似する。

0024

また、本明細書には、(a)5’標的化アーム及び3’標的化アーム(5’及び3’標的化アームは、内因性DR6シグナルペプチド配列の下流にある内因性DR6遺伝子座に挿入するためのベクター指向する)と、(b)選択カセットと、必要に応じて(c)膜貫通ドメインコード配列と、を含む、標的化ベクターが提供される。一実施形態では、膜貫通ドメインコード配列は、ROR1膜貫通ドメインをコードする。別の実施形態では、膜貫通ドメインコード配列は、レポーター遺伝子に操作可能に連結される。一実施形態では、選択カセットはレポーター遺伝子、薬剤耐性遺伝子、又はこれらの組み合わせを含む。別の実施形態では、選択カセットは薬剤耐性遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、選択カセットはネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるような標的化ベクターは、配列番号16として記述された配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ベクターは、選択カセットを含まない。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるような標的化ベクターは、配列番号5として記述された配列を含む。

0025

また、本明細書には、本明細書に記載されるような標的化ベクター、例えば、胚幹細胞、例えば、マウス胚幹細胞、例えば、C57BL/6NTac胚幹細胞などを含む、げっ歯類細胞が提供される。

0026

また、本明細書には、本明細書に記載されるような標的化ベクター、例えば、胚幹細胞、例えば、マウス胚幹細胞、例えば、C57BL/6NTac胚幹細胞などを含む、げっ歯類細胞が提供される。
特定の実施形態において、例えば、以下が提供される:
項目1)
DR6タンパク質の細胞質ドメイン全体をコードする第1のヌクレオチド配列を欠いている、修飾された内因性DR6遺伝子座をゲノム内に含む、遺伝子組み換えされたげっ歯類。
(項目2)
前記修飾された内因性DR6遺伝子座が、成熟DR6タンパク質全体をコードする、第2のヌクレオチド配列を更に欠いている、項目1に記載の遺伝子組み換えされたげっ歯類。
(項目3)
前記修飾された内因性DR6遺伝子座が、膜貫通ドメイン及びレポータータンパク質のうちの少なくとも1つに操作可能に融合された機能性DR6シグナルペプチドをコードする核酸配列を含む、項目1又は項目2に記載の遺伝子組み換えされたげっ歯類。
(項目4)
前記核酸配列が、前記膜貫通ドメインに操作可能に融合された前記機能性DR6シグナルペプチドをコードし、かつ、前記膜貫通が前記レポータータンパク質に操作可能に融合されている、項目3に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類。
(項目5)
前記機能性DR6シグナルペプチドが内因性DR6シグナルペプチドである、項目3又は項目4に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類。
(項目6)
前記膜貫通ドメインが内因性DR6膜貫通ドメインではない、項目3〜5のいずれか一項に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類。
(項目7)
前記膜貫通ドメインがROR1膜貫通ドメインである、項目3〜6のいずれか一項に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類。
(項目8)
前記レポータータンパク質がβガラクトシダーゼである、項目3〜7のいずれか一項に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類。
(項目9)
前記核酸配列が、内因性DR6転写制御配列に操作可能に連結される、項目3〜8のいずれか一項に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類。
(項目10)
前記遺伝子修飾されたげっ歯類が、前記修飾された内因性DR6遺伝子座に関してヘテロ接合型である、項目1〜9のいずれか一項に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類。
(項目11)
前記げっ歯類が運動ニューロンの機能障害を示す、項目1〜10のいずれか一項に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類。
(項目12)
前記運動ニューロンが上位運動ニューロン又は下位運動ニューロンである、項目11に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類。
(項目13)
前記げっ歯類が4週齢を超えるまで、前記運動ニューロンの機能障害が、盲検化主観的スコアリングアッセイ、ロータロッド試験、キャットウォーク試験、オープンフィールド試験、及び体重測定において現れない、項目12に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類。
(項目14)
前記げっ歯類が、対照げっ歯類と比較して侵害受容の減少を示す、項目1〜13のいずれか一項に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類。
(項目15)
前記げっ歯類がラット又はマウスである、項目1に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類。
(項目16)
前記げっ歯類が、成熟したDR6タンパク質全体をコードする第1のヌクレオチド配列を欠いている、修飾された内因性DR6遺伝子座を含むマウスであり、
前記内因性マウスDR6遺伝子座が、少なくとも1つの内因性DR6転写制御配列に操作可能に連結され、β−ガラクトシダーゼに操作可能に融合されたROR1膜貫通ドメインに、操作可能に融合された内因性DR6シグナルペプチドをコードする核酸配列を含む、項目15に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類。
(項目17)
前記マウスが、129系統、C57BL/6系統、及び混合型C57BL/6×129系統からなる群から選択される系統由来であり、前記マウスが、8〜20週齢の間に対照野生型動物と比較して体重増加の低下を示す、項目16に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類。
(項目18)
項目1〜17のいずれか一項に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類由来の細胞又は組織。
(項目19)
前記細胞が運動ニューロン又は胚幹細胞である、項目18に記載の細胞又は組織。
(項目20)
項目1に記載の遺伝子修飾されたげっ歯類を作製する方法であって、前記げっ歯類の内因性DR6遺伝子座から、DR6細胞質ドメイン全体をコードする第1の内因性ヌクレオチド配列を欠失させる工程を含む、方法。
(項目21)
前記欠失させる工程が、全長かつ内因性の成熟したDR6タンパク質をコードする第2の内因性ヌクレオチド配列を、膜貫通ドメイン及び/又はレポーター遺伝子をコードする核酸配列に置き換えることを含み、前記核酸が、内因性DR6転写制御配列及びシグナルペプチド配列と操作可能に連結する、項目20に記載の方法。
(項目22)
対照運動ニューロン細胞と比較して酸化的ストレスの増加を示す、運動ニューロンの集団を作製する方法であって、項目1〜17のいずれか一項に記載の前記げっ歯類から単離された内部細胞塊の胚幹細胞から胚様体を確立することと、前記胚様体を前記運動ニューロンの集団に分化させることと、を含む、方法。
(項目23)
運動ニューロン機能障害を調節するための候補薬剤をスクリーニングする方法であって、
(a)そのゲノム内に、DR6細胞質ドメイン全体をコードする第1のヌクレオチド配列を欠いている、修飾された内因性DR6遺伝子座を含むげっ歯類に、候補薬剤を投与することであって、前記げっ歯類が運動ニューロン機能障害を発現する、ことと、
(b)試験対照げっ歯類と比較して、前記げっ歯類における前記運動ニューロン機能障害の少なくとも1つの症状に対する、前記候補薬剤の何らかの調節効果を決定することと、を含み、
前記試験対照げっ歯類と比較して、前記げっ歯類における前記運動ニューロン機能障害の前記少なくとも1つの症状に対する調節効果の存在が、前記候補薬剤が運動ニューロン機能障害を調節するのに有益であることを示す、方法。
(項目24)
前記修飾された内因性DR6遺伝子座が、成熟した内因性DR6タンパク質全体をコードする第2のヌクレオチド配列を更に欠いている、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記修飾された内因性DR6遺伝子座が、膜貫通ドメイン及びレポータータンパク質のうちの少なくとも1つに操作可能に融合された機能性DR6シグナルペプチドをコードする核酸配列を含む、項目23又は項目24に記載の方法。
(項目26)
前記薬剤が、盲検化主観的ALS−TDI神経学的スコアリング、ロータロッド試験、キャットウォーク試験、オープンフィールド試験、体重測定、又は疼痛刺激に反応するまでの潜時の決定による、前記症状の検知の前に投与される、項目23〜25のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
前記薬剤が、盲検化主観的ALS−TDI神経学的スコアリング、ロータロッド試験、キャットウォーク試験、オープンフィールド試験、体重測定、又は疼痛刺激に反応するまでの潜時の決定のうちの1つ又は2つ以上による、前記症状の検知の後に投与される、項目23〜26のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
前記薬剤が2回以上の異なる時点で投与される、項目23〜27のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
前記少なくとも1つの症状が、前記げっ歯類と同一の系統を有するが、そのゲノム内に前記核酸を含まない対照げっ歯類と比較した、後弯症、異常後肢クラスピング、運動調整欠失、運動学習能力欠失、体重減少、及び知覚欠失から選択される、項目23〜28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
前記少なくとも1つの症状が上位運動ニューロン機能障害の結果である、項目23〜29のいずれか一項に記載の方法。
(項目31)
前記少なくとも1つの症状が、振戦、痙性麻痺(硬直)、異常反射、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記少なくとも1つの症状が下位運動ニューロン機能障害の結果である、項目23〜29のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記少なくとも1つの症状が、筋力低下及び衰弱、線維束性収縮、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記運動ニューロン機能障害の少なくとも1つの症状が、体重増加の低下である、項目23〜33のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
前記運動ニューロン機能障害の少なくとも1つの症状が、侵害受容の減少である、項目23〜34のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
前記げっ歯類が、成熟したDR6タンパク質全体をコードする第1のヌクレオチド配列を欠いている、修飾された内因性DR6遺伝子座を含むマウスであり、
前記内因性マウスDR6遺伝子座が、少なくとも1つの内因性DR6転写制御配列に操作可能に連結され、β−ガラクトシダーゼに操作可能に融合されたROR1膜貫通ドメインに、操作可能に融合された内因性DR6シグナルペプチドをコードする核酸配列を含む、項目23〜35のいずれか一項に記載の方法。
(項目37)
前記マウスが、129系統、C57BL/6系統、及び混合型C57BL/6×129系統からなる群から選択される系統由来のマウスである、項目36に記載の方法。
(項目38)
運動ニューロンにおける酸化的ストレスを軽減するための候補薬剤をスクリーニングする方法であって、
(a)薬剤の存在下又は非存在下で、項目1に記載のげっ歯類由来の運動ニューロンを培養することと、
(b)前記薬剤が、前記げっ歯類由来であるが、前記薬剤非存在下で培養された対照運動ニューロンと比較したときに、前記運動ニューロンにおける酸化的ストレスを防止、抑制、及び/又は軽減するかどうかを決定することと、を含み、前記運動ニューロンにおける酸化的ストレスの防止、抑制、及び/又は軽減が、運動ニューロンにおける酸化的ストレスを軽減するための候補薬剤を示す、方法。
(項目39)
操作可能に連結され、5’から3’へ、DR6シグナルペプチドをコードする第1の核酸配列、膜貫通ドメインをコードする第2の核酸、レポーター遺伝子をコードする第3の核酸、及び/又は薬剤選択カセットをコードする第4の核酸を含む、核酸。
(項目40)
前記第1の核酸配列が、配列番号6に記述され、前記第2の核酸配列が配列番号7に記述され、前記第3の核酸配列が配列番号8に記述され、かつ/又は前記第4の核酸が配列番号3に記述される、項目39に記載の核酸配列。
(項目41)
第1の標的化アーム及び第2の標的化アームを更に含み、前記第1の標的化アームが前記第1、第2、及び/又は第3の核酸配列の5’であり、そこに操作可能に連結しており、前記第2の標的化アームが前記第1、第2、及び/又は第3の核酸配列の3’であり、そこに操作可能に連結しており、前記第1及び第2の標的化アームが、少なくとも1つの内因性非ヒト動物制御要素に操作可能に連結する、内因性非ヒト動物DR6遺伝子座への挿入用として前記核酸を標的化するものである、項目39又は項目40に記載の核酸。
(項目42)
前記非ヒト動物がげっ歯類である、項目41に記載の核酸。
(項目43)
前記げっ歯類がマウスである、項目42に記載の核酸配列。
(項目44)
前記核酸が配列番号5又は配列番号17に記述された配列を含む、項目43に記載の核酸配列。
(項目45)
項目39〜44のいずれか一項に記載の前記核酸を含む、げっ歯類細胞。
(項目46)
前記げっ歯類細胞が胚幹細胞である、項目45に記載のげっ歯類細胞。

図面の簡単な説明

0027

DR6遺伝子座の標的破壊の方法を示す。野生型マウスDR6遺伝子座は、5’から3’へ、5’URT(白いボックス)、開始コドン(ATG)、エキソン1〜6(点付きボックス)、終止コドン(TAG)、及び3’URTを示す上部線として示されている(縮尺通りではない)。示されているように、内因性マウスシグナル配列は、エキソン1及びエキソン2の一部分(開始コドンから4103塩基まで)によってコードされ、シグナルペプチドをコードする核酸配列は、下部線として示されている(縮尺通りではない)Zen−Ub1カセットと組み換えた後に残存する。図1に示すように、Zen−Ub1標的化ベクター(配列番号5)は、(5’から3’への)5’ホモロジーアーム(5’アーム;配列番号1)、ポリアデニル化シグナル(pA;配列番号9)に操作可能に連結された、E.coli LacZレポーター遺伝子(LacZ;配列番号8)に操作可能に連結されたROR1膜貫通ドメインコード配列(TM;配列番号7)を含む。Zen−Ub1カセットはまた、ポリシグナル(pA;配列番号13)に操作可能に連結された、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ耐性遺伝子(Neo;配列番号12)に操作可能に連結された、ヒトユビキチンC遺伝子(hUB;配列番号11)からのプロモーターを含む選択カセットを含み、選択カセットは、同一のloxP核酸配列(配列番号10)に隣接している。Zen−UB1カセットの3’ホモロジーアーム(3’アーム)は、配列番号4と記述されている。相同組み換え時に、結果として生じる対立遺伝子は、ROR1膜貫通ドメインコード配列及びLacZレポーター遺伝子に操作可能に連結された内因性DR6シグナル配列をコードする核酸配列を含み(核酸配列は、配列番号17と記述されている)、エキソン2内の塩基4103からエキソン6の終止コドンまでの内因性ゲノム配列全体を欠いている、例えば、内因性細胞質ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列を欠いている。

0028

性別に関係なく時間の経過とともに迅速に進行する、DR6−/−マウスにおける筋萎縮性側索硬化症(ALS)に似た運動障害を示す。
異なる時点(x軸)での野生型(●)及びDR6−/−マウス(■)の平均運動障害スコア(y軸)を示す。
異なる時点(x軸)での雄(Ψ)及び雌(−−●−−)DR6−/−マウスの平均運動障害スコアを示す。
異なる時点(x軸)での野生型(●)及びDR6−/−マウス(■)マウスの平均硬直スコア(y軸)を示す。
異なる時点(x軸)での雄(Ψ)及び雌(−−●−−)DR6−/−マウスの平均硬直スコアを示す。
異なる時点(x軸)での野生型(●)及びDR6−/−マウス(■)マウスの平均振戦スコア(y軸)を示す。
異なる時点(x軸)での雄(Ψ)及び雌(−−●−−)DR6−/−マウスの平均振戦スコアを示す。
9〜21週齢(x軸)の野生型(●)及びDR6−/−マウス(■)の平均運動障害スコア(y軸)を示す。
9〜21週齢(x軸)の野生型(●)及びDR6−/−マウス(■)の平均硬直スコア(y軸)を示す。
9〜21週間(x軸)の野生型(●)及びDR6−/−マウス(■)の平均振戦障害スコア(y軸)を示す。実験1(図2A〜2F)では、野生型マウスの場合はn=12及びDR6−/−マウスの場合はn=16(雄DR6−/−マウスの場合、n=8;雌DR6−/−マウスの場合、n=8)であり、それぞれの時点において、野生型動物はそれぞれの試験でスコア0となった。実験2(図2G〜2I)では、野生型マウスの場合はn=14、DR6−/−マウスの場合はn=18となる。すべてのデータは、平均±SEMとして報告される。2要因分散分析は、P≦0.05の場合は*、P≦0.01の場合は**、P≦0.001の場合は***、P≦0.0001の場合は****とする、野生型マウスの値と、ノックアウトマウスの値とを比較した統計分析の目的で実行される。

0029

体重減少及び有意な運動異常として現れる、DR6−/−マウスのALSに似た表現型を示す。
左及び右のパネルは、野生型(tnsfr21+/+)マウス及びDR6−/−(tnsfr21−/−)マウスのそれぞれ2014年5月29日及び2014年6月11日の体重(y軸;グラム)を示す。
左及び右のパネルはそれぞれ、野生型(tnsfr21+/+;のある棒線)マウス及びDR6−/−(tnsfr21−/−;無地の棒線)マウスに関するロータロッド(y軸;秒)が低下するまでの最大潜時及び中位潜時を示す。
野生型(tnsfr21+/+;縞のある棒線)マウス及びDR6−/−(tnsfr21−/−;無地の棒線)マウスの、60分に及ぶ合計不動(y軸)、基本運動(y軸)、及び微細運動を示す。
野生型(tnsfr21+/+;縞のある棒線)マウス及びDR6−/−(tnsfr21−/−;無地の棒線)マウスの、1時間に及ぶX+Y歩行(y軸)を示す。
左及び右のパネルはそれぞれ、野生型(tnsfr21+/+;縞のある棒線)及びDR6−/−(tnsfr21−/−;無地の棒線)の立ち上がり集計(y軸)及び合計立ち上がり時間(y軸;秒)を示す。
左及び右のパネルはそれぞれ、野生型(tnsfr21+/+;縞のある棒線)及びDR6−/−(tnsfr21−/−;無地の棒線)の総移動距離及び総休止時間(y軸;60分の集計)を示す。*(p<0.05)は、2つのグループ間の統計的な有意差を示す。

0030

野生型(●;n=14)マウス及びDR6−/−(■;n=18)マウス(x軸)の、9〜21週齢での平均体重(y軸;グラム重量)を示す。
野生型(●;n=14)マウス及びDR6−/−(■;n=18)マウス(x軸)の、9〜21週齢でのロータロッドが低下するまでの中位潜時(y軸;秒)を示す。
野生型(●;n=14)マウス及びDR6−/−(■;n=18)マウス(x軸)の、9〜21週齢でのロータロッドが低下するまでの最大潜時(y軸;秒)を示す。 ロータロッドで費やされた最大時間は、180秒である。すべてのデータは、平均±SEMとして報告される。2要因分散分析は、P≦0.05の場合は*、P≦0.01の場合は**、P≦0.001の場合は***、P≦0.0001の場合は****とする、野生型マウスの値と、ノックアウトマウスの値とを比較した統計分析の目的で実行される。

0031

野生型マウス及びDR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■;n=16)動物の1時間にわたる(over an hour an hour)合計距離を示す。
野生型マウス及びDR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■;n=16)動物の1時間にわたる(over an hour an hour)不動を示す。
野生型マウス及びDR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■;n=16)動物の1時間にわたる(over an hour an hour)合計立ち上がり時間を示す。
野生型マウス及びDR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■;n=16)動物の1時間にわたる(over an hour an hour)基本運動を示す。
野生型マウス及びDR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■;n=16)動物の1時間にわたる(over an hour an hour)微細運動を示す。
野生型マウス及びDR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■;n=16)動物の1時間にわたる(over an hour an hour)X+Y歩行を示す。
野生型マウス及びDR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■;n=16)動物の1時間にわたる(over an hour an hour)合計静止を示す。
野生型マウス及びDR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■;n=16)動物の1時間にわたる(over an hour an hour)立ち上がりを示す。 すべてのデータは、平均±SEMとして報告される。2要因分散分析は、P≦0.05の場合は*、P≦0.01の場合は**、P≦0.001の場合は***、P≦0.0001の場合は****とする、野生型マウスの値と、ノックアウトマウスの値とを比較した統計分析の目的で実行される。

0032

キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■n=18)動物の四肢間協調を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■n=18)動物の足圧力を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■n=18)動物の足跡面積を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■n=18)動物のストライド長を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■n=18)動物の立脚相を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■n=18)動物の遊脚相を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■n=18)動物の旋回速度を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■n=18)動物の衝撃係数を示す。 すべてのデータは、平均±SEMとして報告される。2要因分散分析は、P≦0.05の場合は*、P≦0.01の場合は**、P≦0.001の場合は***、P≦0.0001の場合は****とする、野生型マウスの値と、ノックアウトマウスの値とを比較した統計分析の目的で実行される。

0033

9〜21週齢(x軸)の野生型(●;n=14)動物及びDR6−/−(■;n=18)動物の前肢及び後肢の歩行能力を示す。
平均前及び後足圧力を示す。
平均前及び後足跡面積を示す。
平均前及び後ストライド長を示す。
平均前及び後立脚相を示す。
平均前及び後旋回速度を示す。
平均前及び後遊脚相を示す。
平均前及び後衝撃係数を示す。 すべてのデータは、平均±SEMとして報告される。2要因分散分析は、P≦0.05の場合は*、P≦0.01の場合は**、P≦0.001の場合は***、P≦0.0001の場合は****とする、野生型マウスの値と、ノックアウトマウスの値とを比較した統計分析の目的で実行される。

0034

神経学的スコアリング、例えば、10〜21週齢の野生型(●)動物及びDR6−/−(ノックアウト;■)動物の運動障害スコア、振戦スコア、及び硬直スコアを示す。すべてのデータは、平均±SEMとして報告される。2要因分散分析は、P≦0.05の場合は*、P≦0.01の場合は**、P≦0.001の場合は***、P≦0.0001の場合は****とする、野生型マウスの値と、ノックアウトマウスの値とを比較した統計分析の目的で実行される。

0035

上部パネルは、野生型(左)動物又はDR6−/−(右)動物から単離され、ヘマトキシリン及びエオシンで免疫染色された、脳の代表的なスライドを示す。また、下部パネルでは、野生型(左の棒線)動物及びDR6−/−(ノックアウト;右の棒線)動物の脊髄内の運動ニューロンの数(y軸;運動ニューロンの平均数)を示す。

0036

野生型(左の棒線)動物又はDR6−/−(ノックアウト;右の棒線)動物の脊髄(左パネル)及び脳(右パネル)内におけるMBP(上部パネル)又はNGFR(下部パネル)のmRNAのレベル(β−アクチンに対する平均mRNAレベル;y軸)を示す。

0037

野生型(左の棒線)動物又はDR6−/−(ノックアウト;右の棒線)動物の脊髄(左パネル)及び脳(右パネル)内におけるChat(上部パネル)又はMnx(下部パネル)のmRNAのレベル(β−アクチンに対する平均mRNAレベル;y軸)を示す。

0038

野生型(左の棒線)動物又はDR6−/−(ノックアウト;右の棒線)動物の脊髄(左パネル)及び脳(右パネル)内におけるGrin3b(上部パネル)又はGria2(下部パネル)のmRNAのレベル(β−アクチンに対する平均mRNAレベル;y軸)を示す。

0039

野生型(WT;x軸)マウス又はDR6−/−(KO;x軸)マウスの胸腺脾臓、又は抹消から得られる親細胞パーセント(親の%;y軸)として、異なる細胞の数を示す。

0040

野生型(WT;x軸)マウス又はDR6−/−(KO;軸)マウスの胸腺、脾臓、又は抹消から得られる親細胞のパーセント(親の%;y軸)として、異なる細胞の数を示す。

0041

野生型(n=6;黒色の棒線)動物又はDR6−/−(n=6;グレーの棒線)動物の血清中の異なるサイトカイン又はケモカイン(x軸)の濃度(平均観測濃度;y軸)を示す。

0042

野生型動物(DR6+/+;黒色の棒線)及びDR6+/−動物(DR6+/−;格子縞の棒線;x軸)から得られる胚幹細胞由来の運動ニューロンの培養後に得られた、生細胞の数(y軸)を示す。
胚幹細胞由来の運動ニューロン(ESMN)培地における、生後1日目又は7日目(x軸)の野生型(DR6+/+;黒色の棒線)及びヘテロ接合動物(DR6+/−;格子縞の棒線)から得られる胚幹細胞由来の運動ニューロの酸化的ストレス(平均光学的密度;y軸)を示す。P≦0.0001の場合、****。

0043

神経学的スコアリング、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の運動障害スコア、振戦スコア、及び硬直スコアを示す。
10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の平均体重(y軸;グラム重量)を示す。
上部パネルは、ロータロッド(y軸;秒)が低下するまでの野生型(●;n=13)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=15)動物の中位潜時を示し、下部パネルは、12〜21週齢の野生型(●;n=13)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=15)動物のロータロッド(y軸;秒)が低下するまでの最大時間を示す。ロータロッドで費やされた最大時間は、180秒である。
野生型マウス、ヘテロ接合型DR6+/−マウス、及びホモ接合型DR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の、1時間にわたる立ち上がりを示す。
野生型マウス、ヘテロ接合型DR6+/−マウス、及びホモ接合型DR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の、1時間にわたる合計立ち上がり時間を示す。
野生型マウス、ヘテロ接合型DR6+/−マウス、及びホモ接合型DR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の、1時間にわたる基本運動を示す。
野生型マウス、ヘテロ接合型DR6+/−マウス、及びホモ接合型DR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の、1時間にわたる不動を示す。
野生型マウス、ヘテロ接合型DR6+/−マウス、及びホモ接合型DR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の、1時間にわたる微細運動を示す。
野生型マウス、ヘテロ接合型DR6+/−マウス、及びホモ接合型DR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の、1時間にわたるX+Y歩行を示す。
野生型マウス、ヘテロ接合型DR6+/−マウス、及びホモ接合型DR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の、1時間にわたる合計距離を示す。
野生型マウス、ヘテロ接合型DR6+/−マウス、及びホモ接合型DR6−/−マウスのオープンフィールド自発運動行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の、1時間にわたる合計静止を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物のストライド長を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物のストライド長を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の旋回速度を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の旋回速度を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の四肢間協調を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の遊脚相を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の遊脚相を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の衝撃係数を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の衝撃係数を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の足跡面積を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の足跡面積を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の立脚相を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の立脚相を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の足圧力を示す。
キャットウォーク行動、例えば、10〜21週齢の野生型(●;n=27)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(■;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(Ψ;n=33)動物の足圧力を示す。 すべてのデータは、平均±SEMとして報告される。2要因分散分析は、P≦0.05の場合は*、P≦0.01の場合は**、P≦0.001の場合は***、P≦0.0001の場合は****とする、野生型マウスの値と、ノックアウトマウスの値とを比較した統計分析の目的で実行される。

0044

48℃、52℃、又は55℃の一定温度に温められた金属プレート(metal plat)にさらされた、野生型(左の棒線;n=13)動物、ヘテロ接合型DR6+/−(中央の棒線;n=14)動物、及びホモ接合型DR6−/−(右の棒線;n=15)動物の侵害受容反応までの潜時(時間;y軸)を示す。すべてのデータは、平均±SEMとして報告される。2要因分散分析は、P≦0.05の場合は*、P≦0.01の場合は**、P≦0.001の場合は***、P≦0.0001の場合は****とする、野生型マウスの値と、ノックアウトマウスの値とを比較した統計分析の目的で実行される。

0045

説明
ルー・ゲーリック病とも呼ばれる筋萎縮性側索硬化症(「ALS」)は、毎年新しい症例が5,000件発生し、20,000人ものアメリカ人に影響を及ぼしている進行性の致命的な神経疾患である。この疾患は、運動ニューロン疾患として知られる疾患の分類に属する。随意運動を制御する脳及び脊髄内の特定の神経細胞が次第に縮退すると、ALSを発症する。脳及び脊髄の両方が、体内の筋へのメッセージを生み、送り届ける能力を失う。機能できない筋は、次第に萎縮し、単収縮を起こす。

0046

ALSは、どの筋が最初に弱まるかにより、様々な形で現れる。症状としては、つまずき及び転倒、手及び腕の運動制御喪失発話嚥下及び/又は呼吸困難持続的疲労、並びに単収縮及び痙攣が挙げられ得、時にはかなり重症となる。最終的に、隔壁及び胸壁内の筋が弱り過ぎると、患者は呼吸するために人工呼吸器を必要とする。ALSを患うほとんどの患者は、通常、診断されてから3〜5年で呼吸不全により死亡するが、診断後10年以上生き延びる人もいる。ALSは、中年期を襲う。男性のほうが、女性よりも約1.5倍この病気にかかりやすい。

0047

ALSに治療法はなく、疾患の経過を防止する又は反転させるであろう、実証された療法もない。アメリカ食品医薬品局FDA)は最近、ALS患者の生存期間延ばすことが示された最初の薬、リルゾール承認した。患者はまた、それらの症状の一部に取り組む支持療法を受けることができる。

0048

本明細書には、ヒトのALS治療に有益であり得る候補薬剤の発見に有益であり得る、ALSの動物モデルが提供される。

0049

本明細書で記載又は参照されている手技及び手順は、当業者により、従来の方法論、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd.edition(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.に記載されている、幅広く使用される分子クローニング方法論などを使用して、概ねよく理解され、一般的に採用されている。必要に応じて、市販のキット及び試薬の使用を伴う手順が、別途記載のない限り、概ね、製造業者が定義した実施要及び/又はパラメーターに従って実行される。

0050

本方法及びアッセイを記載する前に、本発明が特定の方法論、実施要綱、細胞系、動物種又は類、構成物に限定されず、そういうものとして記載される試薬は当然ながら変更され得ることを理解すべきである。単数形の「a」、「and」、及び「the」は、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「a genetic alteration(遺伝子変異)」の言及は、複数のかかる変異を含み、「a probe(プローブ)」の言及は、1つ又は2つ以上のプローブと、当業者に既知であるその等価物との言及を含む、というようになる。本明細書及び関連する請求項に列挙されたすべての番号(例えば、アミノ酸22〜81、1〜354など)は、用語「約」によって変更されることが理解される。

0051

本明細書で言及するすべての出版物は、引用された出版物に関連する方法及び/又は材料を開示並びに説明するため、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に引用されている出版物は、本出願の出願日より前にそれらの開示に引用されている。発明より先の優先日又は前の日付であるという理由から、発明者が出版物を先行する権利がないことを承認するものとして、本明細書が解釈されるべきではない。更に、実際の出版日は、表示されている日付とは異なる可能性があり、個別の確認が必要である。

0052

定義
用語「胚幹細胞」又は「ES細胞」は、内への導入後に発達中の胚の任意の組織に寄与することが可能である胚由来全能性又は多能性細胞を含む。用語「多能性細胞」には、複数の分化細胞のタイプへと発達する能力を有する未分化細胞が含まれる。

0053

いくつかの標的化ベクターは、「大型標的化ベクター」又は「LTVEC」であり、真核細胞内で相同組み換えを実施することを意図した他の手法により通常使用される核酸配列よりも大きな核酸配列に相当し、かつ核酸配列に由来するホモロジーアームを含む真核細胞の大型標的化ベクターを含む。LTVECの例としては、限定されるものではないが、細菌相同染色体(BAC)及び酵母人工染色体(YAC)が挙げられる。LTVECを使用する標的化された遺伝子改変を起こす例は、例えば、あらゆる目的のためにそれぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2015/088643号、米国特許第2015/0159175号、同第2015/0159174号、同第2014/0310828号、同第2014/0309487号、及び同第2013−0309670号を参照されたい。LTVECはまた、細胞内で相同組み換えを実施することを意図した他の手法により通常使用される核酸配列よりも大きな核酸配列を有する核酸挿入物を含む標的化ベクターも含む。例えば、LTVECは、それらのサイズ制限のため、従来のプラスミド系標的化ベクターが対応することができない大型遺伝子座の修飾を可能にする。例えば、標的化された遺伝子座は、ヌクレアーゼ剤(例えば、Casタンパク質)によって引き起こされる切れ目若しくは二本鎖切断が存在しなければ、従来法を用いて標的化できないか、又は誤って若しくは顕著に低い効率性でのみ標的化される可能性がある、細胞の遺伝子座であってもよい(即ち、5’及び3’ホモロジーアームは、細胞の遺伝子座に対応してもよい)。

0054

LTVECの例には、細菌人工染色体(BAC)、ヒト人工染色体、又は酵母人工染色体(YAC)に由来するベクターが挙げられるが、これらに限定されない。LTVEC及びそれらを作製するための方法の非限定的な例は、例えば、米国特許第6,586,251号、同第6,596,541号、同第7,105,348号、及び国際公開第2002/036789号(PCT/US01/45375)に記載され、これらのそれぞれが参照により本明細書に組み込まれる。LTVECは、直線形状又は円形形状であってもよい。

0055

LTVECは、例えば、少なくとも10kb又は約50kb〜約400kb以上を含む、任意の長さであってもよい。LTVECのサイズは、従来のアッセイ、例えばサザンブロッティング及びロングレンジ(例えば、1kb〜5kb)PCR)による標的化イベントのスクリーニングを可能とするにはあまりに大きい恐れがある。5’ホモロジーアーム及び3’ホモロジーアームの総計は、例えば、少なくとも10kbであってもよい(それぞれのホモロジーアームは、例えば、約5kb〜約200kbの範囲であってもよい)。LTVEC及び酢酸インサートは、約5kb〜約3Mb(例えば、約500kb以上)の長さの標的遺伝子座での欠失を見込むように設計され得る。同様に、LTVEC及び核酸インサートは、約5kb〜約400kb以上の長さの外因性核酸配列の標的遺伝子座へのインサートを見込むように設計され得る。

0056

組み換え部位」という用語には、部位特異的リコンビナーゼによって認識され、組み換え事象のための基質として使用できるヌクレオチド配列が含まれる。

0057

「部位特異的リコンビナーゼ」という用語には、「組み換え部位」間の組み換えを促進し得る酵素群を含む。「部位特異的リコンビナーゼ」の例としては、Cre、Flp、及びDreリコンビナーゼが挙げられるがこれらに限定されない。

0058

核酸配列に関する用語「生殖細胞系」には、子孫継承できる核酸配列が含まれる。

0059

「操作可能に連結」というは、構成要素が、それらの意図する方法で一緒に機能するように連結されることを意味する。一事例において、タンパク質をコードする核酸配列は、制御配列(例えばプロモーター、エンハンサーサイレンサー配列等)に操作可能に連結させてもよく、それにより、適切な転制御が維持される。別の事例において、シグナルペプチドをコードする核酸配列は、例えば、膜貫通ドメインをコードする核酸配列に操作可能に連結され得、それにより、膜貫通ドメインに操作可能に融合されたシグナルペプチドを含むポリペプチドに翻訳され、シグナルペプチド及び膜貫通ドメインの両方は、それらの対応の生物学的機能を維持する。

0060

「遺伝子座」という用語は、ゲノムDNA内のDNA断片として定義される。例えば、DR6遺伝子座は、DR6をコードするゲノムDNA内のNDNA断片であり、DR6の発現と関連する非翻訳及び/又は制御DNAを含む。

0061

細胞死受容体6(DR6)と呼ばれるTNFRファミリーメンバー(文献では「TR9」とも称される。また、文献ではTNF受容体スーパーファミリーメンバー21又はTNFRS21として知られる)は、4つの細胞外システインリッチモチーフ及び細胞質デスドメイン構造を有するI型膜貫通受容体として記述されている(Pan et al.,FEBSLett.,431:351〜356(1998);米国特許第6,358,508号、同第6,667,390号;同第6,919,078号;同第6,949,358号も参照のこと)。特定のトランスフェクト細胞株内のDR6の過剰発現は、NF−kB及びJNKの両方のアポトーシス及び活性化をもたらしたことが報告されている(Pan et al.,FEBS Letters,431:351〜356(1998))。DR6減衰のマウスモデルでは、T細胞はJNK活性化において実質的に損なわれ、DR6(−/−)マウスがタンパク質抗原チャレンジされると、それらのT細胞は過剰増殖し、Th2反応への重大な極性化を示すことが発見された(反して、Th1の分裂は、同等の影響を及ぼさなかった)(Zhao et al.,J.Exp.Med.,194:1441〜1448(2001))。DR6の標的分裂は、生体外での拡張された2型ヘルパーT細胞(Th2)の分化をもたらした(Zhao et al.,supra)。B細胞媒介状態又は神経学的状態の調節におけるDR6アゴニスト及びアンタゴニストの様々な用法が、2005年3月31日公開の米国特許第2005/0069540号と、2010年8月12日公開の同第2010/0203044号と、に記載されている。

0062

マウスDR6受容体遺伝子座は、染色体17で発見され、6つのエキソンを有する。この遺伝子座は、推定シグナル配列(アミノ酸1〜41;配列番号15のアミノ酸−41〜−1)、細胞外ドメイン(アミノ酸42〜349;配列番号15のアミノ酸1〜308)、膜貫通ドメイン(アミノ酸350〜370;配列番号15のアミノ酸309〜329)、次いで細胞質ドメイン(アミノ酸371〜655;配列番号15のアミノ酸330〜614)を有する、655アミノ酸タンパク質(配列番号15)をコードする。成熟したDR6タンパク質は、そのシグナルタンパク質開裂後に翻訳されたポリペプチドを指し、例えば、成熟したマウスDR6タンパク質は、アミノ酸42〜655;配列番号15のアミノ酸1〜614を指す。

0063

下の表1に、配列番号によって同定された配列の簡単な説明を示す。

0064

0065

I.少なくとも1つのDR6遺伝子座の遺伝子修飾を含む組成物
内因性DR6細胞質ドメインのいずれかの部分をコードするヌクレオチド配列を欠いている修飾されたDR6遺伝子座を含み、DR6シグナルペプチド、膜貫通ドメイン、及び/又はレポータータンパク質をコードする核酸配列を更に含み得る、非ヒト動物、細胞、組織、及び胚が提供される。DR6発現を操作するための方法及び組成物が提供される。DR6を修飾することを目的とした標的組成物も提供される。DR6機能の調節に関連付けられた、運動ニューロン機能障害、例えばALSに似た表現型を示す、非ヒト動物、細胞、及び組織が提供される。以下の説明は、ある特定のDR6の調査に関連しているが、方法及び組成物は任意のDR6を用いて実施され得る。

0066

本明細書には、DR6機能に影響を及ぼし得る、又はDR6遺伝子座における標的化された遺伝子修飾(例えば、レポーターノックイン)に使用され得る、修飾されたDR6遺伝子座及び/又は核酸を含む非ヒト動物、細胞、組織、及び胚が提供される。このような場合、修飾されたDR6遺伝子座は、DR6をコードする核酸配列に機能欠失型変異体を含む。また、DR6の機能欠失型変異体を含む非ヒト動物由来の細胞、組織、及び胚が提供される。

0067

「機能欠失型」という用語は、DR6に関連するとき、DR6の発現の減少若しくは欠如及び/又はDR6の活性/機能の減少又は欠如をもたらす、導入遺伝子のDR6遺伝子座及び/又は発現におけるいずれかの修飾を含み得る。DR6の発現レベルは、例えば、細胞若しくは生物中のDR6のレベルについて分析することによって直接、測定されてもよい。

0068

概して、DR6の発現レベル及び/又は活性は、DR6の発現レベル及び/又はDR6の活性レベルが、DR6の発現及び/又は活性を抑制するように遺伝子修飾又は突然変異されていない適切な対照細胞又は生物中のDR6レベルよりも統計的に低い(p≦0.05)場合、減少する。特定の実施形態では、DR6の濃度及び/又は活性は、DR6のレベル及び/又は活性の減少を有するように修飾されていない対照細胞又は生物に対して、少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又はそれ以上減少する。

0069

他の場合において、DR6の発現レベル及び/又は活性を低減する標的化された遺伝子修飾を有する細胞又は生物は、サザンブロット解析DNA配列決定法、PCR解析、又は表現型解析が挙げられるがこれらに限定されない方法を使用して選択される。次いで、そのような細胞又は生物は、本明細書に記載される様々な方法及び組成物において採用される。

0070

対象細胞」又は「対象生物」は、本明細書に開示される遺伝子修飾などの遺伝子修飾がもたらされている細胞/生物か、又はそのように変異させた細胞/生物の子孫であり、かつその変異を含む細胞/生物である。「対照」又は「対照細胞」又は「対照生物」は、対象細胞又は生物の表現型の変化を測定するための基準点を提供する。一実施形態では、対照細胞/生物は、それが発現及び/又は活性の減少をもたらす遺伝子修飾又は突然変異を欠くことを除いて、DR6における遺伝子修飾を有する細胞/生物と可能な限り厳密に一致している(例えば、個々の細胞は、同じ細胞株に由来し得る)。他の事例においては、対照細胞/生物は、例えば、(a)野生型細胞/生物、すなわち、対象細胞/生物をもたらした遺伝子変異の出発材料と同じ遺伝子型のものか、(b)出発物質と同じ遺伝子型であるが、ヌル構築物により(すなわち、マーカー遺伝子を含む構築物など、対象となる形質に対する効果が知られていない構築物により)遺伝子修飾された細胞/生物か、(c)対象細胞/生物の非遺伝子修飾子孫である細胞/生物(すなわち、対照細胞及び対象細胞が同じ細胞株に由来する)か、(d)対象細胞/生物と遺伝学的に同一であるが、対象となる遺伝子の発現を誘導するであろう条件又は刺激にさらされていない細胞/生物か、又は、(e)遺伝子修飾が対象となるポリヌクレオチドの発現に変異をもたらさない条件下での対象細胞/生物自体か、を含んでもよい。

0071

動物、細胞、組織、又は胚に関連する「動物」という用語は、哺乳類魚類、及び鳥類を含む。哺乳動物としては、例えば、ヒト、非ヒト霊長類サル類人猿ネコイヌウマウシシカバイソンヒツジ、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、ハムスターモルモット)、家畜(例えば、ウシ種、例えば、乳牛去勢など、ヒツジ種、例えば、ヒツジ、ヤギなど、及びブタ種、例えば、ブタ及びイノシシ)が挙げられる。鳥類としては、例えば、鶏、七面鳥ダチョウガン、アヒルなどが挙げられる。家畜及び農業用動物もまた含まれる。動物、細胞、組織、又は胚に関連した句「非ヒト動物」は、ヒトを除外する。

0072

一実施形態では、動物は非ヒト動物である。別の実施形態では、非ヒト動物は哺乳類である。別の実施形態では、哺乳類はげ歯類である。更に別の実施形態では、げっ歯類はマウス、ラット、又はハムスターである。更に別の実施形態では、げっ歯類はマウス又はラットである。いくつかの実施形態では、げっ歯類はマウスである。

0073

本明細書に記載される遺伝子修飾は、DR6遺伝子座からの1つ又は2つ以上の欠失、DR6遺伝子座への付加、DR6遺伝子座若しくはその一部分の置換、及び/又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。遺伝子座は、コード領域又は非コード制御領域を含み得る。本明細書に記載される遺伝子修飾は、また、DR6遺伝子座の外側のゲノム内への導入遺伝子の挿入を含み得、導入遺伝子の発現は、内因性DR6タンパク質のリガンド結合、細胞膜内での置換などを妨害、例えば、競合する。

0074

本明細書に提供される遺伝子修飾は、DR6遺伝子座を標的とし得る。DR6の機能欠失は、DR6遺伝子中の標的化された遺伝子修飾(すなわち、制御領域、コード領域、エキソン、及び/又はイントロンなどにおける遺伝子修飾)に起因し得る。そのような標的化された修飾には、1つ若しくは2つ以上のヌクレオチドの付加、1つ若しくは2つ以上のヌクレオチドの欠失、1つ若しくは2つ以上のヌクレオチドの置換、DR6遺伝子座の分裂、DR6遺伝子座若しくはその一部分のノックアウト、DR6遺伝子座若しくはその一部分のノックイン、異種核酸配列による内因性DR6核酸配列若しくはその一部分の置換、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、少なくとも1、2、3、4、5、7、8、9、10、50、100、400個、又はそれよりも多くのヌクレオチドが、標的化されたゲノム修飾を形成するように変化させられる。

0075

一実施形態では、機能欠失型変異体は、少なくとも1つのDR6機能の分裂又はノックアウトによって特性化される。

0076

DR6遺伝子座は概ね、修飾がDR6機能の調節をもたらすように、遺伝子座のいずれかの領域で遺伝子修飾され得る。一実施形態では、DR6遺伝子座の修飾は、DR6コード領域全体又はその一部分の欠失を含む。一実施形態では、修飾されたDR6遺伝子座は、成熟したDR6タンパク質又はその一部分をコードする1つ又は2つ以上のエキソンの欠失を含む。別の実施形態では、欠失は、DR6遺伝子座の第1、第2、第3、第4、第5、及び/又は第6のエキソンから始まる、DR6遺伝子座内の1つ又は2つ以上のエキソンの欠失を含む。他の実施形態では、欠失は、DR6遺伝子座の第2のエキソンから始まる、DR6遺伝子座内の1つ又は2つ以上のエキソンの欠失を含む。

0077

いくつかの症例では、DR6遺伝子座又はその一部分は、挿入核酸に置換される。このような症例では、置換は、DR6遺伝子座のRNAコード領域全体若しくはその一部分の挿入核酸との置換、DR6遺伝子座の1つ若しくは2つ以上のエキソンの挿入核酸との置換、DR6遺伝子座の第1のエキソンから始まるDR6遺伝子座内の1つ若しくは2つ以上のエキソンの挿入核酸との置換、又は第2のエキソンから始まるDR6遺伝子座内の1つ又は2つ以上のエキソンの挿入核酸との置換であり得る。

0078

いくつかの事例では、挿入核酸は、内因性DR6プロモーターが挿入核酸の発現を駆動するように、内因性DR6プロモーターと操作可能に連結するよう、DR6遺伝子座内に位置付けられる。このような場合には、核酸配列の発現は、DR6の発現パターンに従う。

0079

一実施形態では、DR6遺伝子座又はその一部分は、レポーターをコードする第1の核酸配列を含む挿入核酸に置換される。例えば、挿入核酸がレポーター遺伝子を含み、DR6プロモーターに操作可能に連結してDR6遺伝子座に配置される場合、レポーター遺伝子の発現は、内因性DR6プロモーターによって駆動される。あるいは、挿入核酸は、内因性DR6プロモーターと操作可能に連結して挿入されない。このような場合、挿入核酸は、プロモーターを含み得る。一実施形態では、挿入核酸は、レポーター遺伝子の発現を駆動するプロモーターに操作可能に連結されたレポーター遺伝子を含む。

0080

いくつかの実施形態では、挿入核酸は、内因性DR6シグナル配列を含み得、例えば、内因性DR6シグナル配列、及び必要に応じて内因性DR6膜貫通ドメインに操作可能に連結するようにDR6遺伝子座内に位置付けられ得る。このような場合、DR6遺伝子座に外因的に位置する又は内因性DR6遺伝子にある、挿入核酸によってコードされるいずれかのタンパク質(複数の場合あり)の宛先(例えば、レポーター)は、DR6の宛先と類似する(例えば、膜内に、例えば、内因性膜貫通ドメインと一緒に固定される)。一実施形態では、挿入核酸は、内因性膜貫通ドメインを置換し得る。このような場合及び他の場合には、挿入核酸は、異種膜貫通ドメインをコードする第2の核酸を含み得る。一実施形態では、挿入核酸は、異種膜貫通ドメイン遺伝子に操作可能に連結されたレポーター遺伝子を含み、挿入核酸は、内因性DR6シグナル配列に操作可能に連結されたDR6遺伝子に挿入され、それにより、挿入核酸の発現は内因性DR6プロモーターによって駆動され、挿入核酸によってコードされるタンパク質(複数の場合あり)は、シグナル配列に従って膜内に固定される。

0081

一実施形態では、DR6遺伝子座又はその一部分は、選択可能マーカーをコードする更なる核酸配列を含む挿入核酸に置換される。このような場合、更なる核酸配列は、選択可能マーカーの発現を駆動するプロモーターに操作可能に連結される。

0082

別の実施形態では、DR6遺伝子座又はその一部分は、膜貫通遺伝子、レポーター遺伝子、及び選択可能マーカー遺伝子を含む挿入核酸に置換される。このような場合、レポーター遺伝子及び/又は選択可能マーカー遺伝子は、プロモーターに操作可能に連結されても、されなくてもよい。

0083

方法及び組成物に採用され得る様々なプロモーターが、本明細書の別の個所に提供されている。

0084

このような遺伝子修飾(標的DR6の発現及び/又は活性における減少又は修飾をもたらすものを含む)はまた、生殖細胞系を介して送達されることもできる。特定の実施形態では、遺伝子修飾は、所望の標的遺伝子座のノックアウトをもたらす。このような非ヒト動物は、例えば、本明細書の別の個所で考察されるように多様な実験系で用途を見出す(find use in in)。

0085

例えば、DR6ノックアウトは、DR6機能、発生におけるDR6の役割、並びに様々な細胞経路及び疾病、特にALSなどの運動ニューロン機能障害におけるDR6の役割を調査するための動物モデルを提供する。

0086

本明細書には、非ヒト動物、細胞、組織、又は胚内のDR6遺伝子座の遺伝子修飾に関する方法及び組成物が提供される。

0087

DR6遺伝子座の遺伝子修飾は、本明細書の別の個所で詳細に説明している、遺伝子座の任意の修飾(すなわち、欠失、挿入、置換など)であり得る。このような場合、遺伝子修飾は、DR6の機能欠失をもたらす。一実施形態では、遺伝子修飾は、DR6の分裂又はノックアウトを含む。

0088

A.レポーターノックイン対立遺伝子の設計及び構成
非限定的な例として、欠失開始点は、挿入核酸が、内因性シグナル配列に操作可能に連結されることを可能にするように、第2のエキソンに設定され得る。図1は、DR6をコードする配列のすべて又はほとんどの標的欠失と、ROR1(受容体チロシンキナーゼオーファン受容体1)遺伝子からの膜貫通ドメイン配列を含むカセット、β−ガラクトシダーゼをコードするE.coli lacZ遺伝子からの配列、及びG418耐性ES細胞コロニーの選択のためのネオマイシンホスホトランスフェラーゼを発現するカセット(neor)との置換と、の例を示す。表現型分析の前にCre媒介切除を可能にするLoxPリコンビナーゼ認識部位は、薬剤選択カセットに隣接する。

0089

LTVEC標的化ベクターは、ES細胞に導入され、対立遺伝子アッセイの修飾によって適切に標的化されたクローンのためのスクリーニングが行われ得る(Frendewey,D.,et al.(2010),MethodsEnzymol 476,295〜307)。

0090

様々な方法が、欠失又は挿入などの標的化修飾を有する細胞を同定するために使用され得る。そのような方法は、標的遺伝子座における標的化修飾を有する1つの細胞を同定することを含むことができる。修飾ゲノム遺伝子座を有するそのような細胞を同定するために、スクリーニングが行われ得る。

0091

スクリーニング工程は、親染色体の対立遺伝子の修飾(MOA)を評価するための定量的アッセイを含むことができる。例えば、定量的アッセイは、リアルタイムPCR(qPCR)などの定量的PCRを介して実施され得る。リアルタイムPCRは、標的遺伝子座を認識する第1プライマーセットと、標的化されない参照遺伝子座を認識する第2プライマーセットとを採用することができる。プライマーセットは、増幅された配列を認識するための蛍光プローブを含むことができる。

0092

好適な定量的アッセイの他の例としては、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)、比較ゲノムハイブリダイゼーション等温DNA増幅、固定化プローブ(複数の場合あり)であるInvader Probes(登録商標)への定量的ハイブリダイゼーション、MMPアッセイ(登録商標)、TaqMan(登録商標)Molecular Beacon、又はEclipse(商標)プローブ技術が挙げられる(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国第2005/0144655号を参照されたい)。

0093

VelociMouse(登録商標)方法(Poueymirou,W.T.,et al.(2007),Nat Biotechnol 25,91〜99)は、標的化されたES細胞を、lacZ発現プロファイリング又はホモ接合への育種に対応する完全ES細胞由来のF0世代ヘテロ接合マウスに変換するため、8細胞胚期注入に適用され得る。ZEN−Ub1カセットを有するマウスは、あらゆるFloxed neorカセットを除去するため、Creデリーターマウス株(例えば、国際公開第2009/114400号を参照されたい)に育種され得る。

0094

DR6レポーターノックイン動物を生成する方法の更なる詳細は、本明細書の実施例1に提供される。

0095

B.レポーター発現プロファイリング
本明細書の別の個所に記載されるように、DR6遺伝子座の遺伝子修飾は、DR6遺伝子座又はその一部分を挿入核酸と置換すること、又はそこに挿入/付加することを含み得る。いくつかの場合、挿入核酸は、レポーター遺伝子を含む。一実施形態では、レポーター遺伝子は、内因性DR6プロモーターと操作可能に連結するDR6遺伝子座内に位置付けられる。このような修飾は、内因性DR6プロモーターによって駆動されるレポーター遺伝子の発現を可能にする。あるいは、レポーター遺伝子は、内因性DR6プロモーターと操作可能に連結して配置されない。

0096

任意のレポーター(又は感知可能な部分)が、周知の方法及び組成物で使用され得る。レポーターの非限定的な例としては、例えば、β−ガラクトシダーゼ(lacZ遺伝子よりコード化)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、強化緑色蛍光タンパク質(eGFP)、mPlum、mCherry、tdTomate、mStrawberry、J−Red、DsRed、mOrange、mKO、mCitrine、Venus、YPet、強化黄色蛍光タンパク質(EYFP)、Emerald、CyPet、シアン蛍光タンパク質(CFP)、Cerulean、T−Sapphire、ルシフェラーゼアルカリフォスファターゼ、又はこれらの組み合わせを含む。

0097

本明細書に記載の方法及び組成物は、レポーター遺伝子の欠損時に、又は任意のレポーター遺伝子とともに実行され得る。以下の説明は、β−ガラクトシダーゼをコードするlacZレポーター遺伝子を使用する、非限定的な例である。

0098

C.表現型
内因性DR6遺伝子座の遺伝子修飾は、本明細書に提供される非ヒト動物における様々な表現型をもたらし得る。一実施形態では、内因性DR6遺伝子座の遺伝子修飾は、出生時に相対的に正常であるが、加齢時、例えば、生後1週間、生後2週間、生後3週間、生後4週間、生後5週間、生後6週間、生後7週間、生後8週間などでALSに似た症状を現す、非ヒト動物をもたらす。別の実施形態では、内因性DR6遺伝子座の遺伝子修飾は、1つ又は2つ以上の細胞型、例えば、ニューロン及び/若しくは膠細胞、並びに/又はその一部分、例えばミエリンの異常な機能をもたらす。ニューロンは、感覚ニューロン、運動ニューロン、及び介在ニューロンと一般に称されるその他すべてのニューロン型を含む。膠細胞は、星状膠細胞乏突起神経膠細胞などを含む。

0099

「ALSに似た症状」という用語又はそれに類する用語は、概ね、「ALSに関連付けられた症状」又は「上位及び/又は下位運動ニューロン機能障害がもたらす症状」を意味するものである。ALSに似た症状は、運動ニューロン、感覚ニューロン、及び/又は介在ニューロンなどのニューロン障害を伴い得る。例えば、上位運動ニューロンを伴うALSに似た症状は、痙直(例えば、痙性麻痺、硬直)、反射増加及び/又は異常(例えば、バビンスキー徴候)、振戦、並びにそれらの組み合わせをもたらし得る。下位運動ニューロンの障害を伴うALSに似た症状は、筋力低下及び消耗、線維束性収縮、並びにそれらの組み合わせ、かつ/又は嚥下不能及び舌筋の線維束性収縮をもたらす延髄の障害をもたらし得る。ALSに似た症状は、また、以下の表現型のうちの1つ又は2つ以上を含み得る:a)後弯症、b)異常後肢クラスピング、引きずり、又はつま先の曲がり、c)運動調整及び運動学習能力の欠失、ロータロッド、キャットウォーク、及び/若しくはオープンフィールド試験における欠失、d)脊髄内の運動ニューロン喪失、e)脊髄内の星状細胞腫、f)対照げっ歯類と比較した体重減少、g)ポリユビキチンタンパク質の蓄積、h)ALS−TDI神経学的スコアリングシステムを使用した神経学的スコアリングの増加、並びに/又はi)疼痛刺激に反応するまでの潜時の増加。



II.非ヒト動物内の内因性DR6遺伝子座を修飾するための方法

0100

非ヒト動物、細胞、組織、又は胚内の内因性DR6遺伝子座を遺伝子修飾する方法を本明細書に提供する。一実施形態において、多能性細胞中のDR6遺伝子座を修飾するための方法が提供される。かかる方法は、(a)多能性細胞に、DR6遺伝子座で相同組み換えを起こし得る、5’及び3’ホモロジーアームに隣接する挿入核酸を含む標的化構築物を導入することと、(b)DR6遺伝子座で標的化された遺伝子修飾を含む、修飾された多能性細胞を同定することと、を含む。かかる方法では、遺伝子修飾は、DR6の機能欠失をもたらす。一実施形態では、多能性細胞はげっ歯類胚幹細胞である。別の実施形態では、多能性細胞はヒト線iPS細胞である。

0101

A.標的化ベクター及び挿入核酸
本明細書には、本明細書に提供される遺伝子修飾された非ヒト動物、細胞、組織、又は胚を作製する方法に採用される、標的化ベクター又は標的化構築物が更に提供される。

0102

一実施形態では、DR6遺伝子座と相同組み換えを起こし得る5’及び3’ホモロジーアームに隣接する挿入核酸を含む、標的化ベクターが提供される。

0103

標的化ベクター、及び標的化ベクターの構成要素の例(すなわち、挿入核酸、対象となるポリヌクレオチド、発現カセットなど)が、本明細書に詳細に後述されている。

0104

i.挿入核酸
「挿入核酸」又は「挿入ポリヌクレオチド」は、標的遺伝子座に組み込まれることが所望されるDNAのセグメントを含む。一実施形態では、挿入核酸は、対象となる1つ又は2つ以上のポリヌクレオチドを含む。他の実施形態では、挿入核酸は、1つ又は2つ以上の発現カセットを含むことができる。所与の発現カセットは、発現に影響を及ぼす様々な制御成分とともに、対象となるポリヌクレオチド、選択マーカーをコードするポリヌクレオチド、及び/又はレポーター遺伝子を含むことができる。

0105

あらゆる、対象となるポリヌクレオチドは、様々な挿入ポリヌクレオチドに含むことができ、それにより標的ゲノム遺伝子座に組み込むことができる。本明細書に開示される方法は、少なくとも1、2、3、4、5、6個、又はそれよりも多くの対象となるポリヌクレオチドが標的化されたDR6ゲノム遺伝子座に組み込まれることを可能にする。

0106

一実施形態では、挿入核酸に含まれる対象となるポリヌクレオチドは、レポーターをコードする。別の実施形態では、対象となるポリヌクレオチドは、選択可能マーカーをコードする。

0107

一実施形態では、対象となるポリヌクレオチドには、部位特異の組み換え部位が隣接し得る。特異の実施形態では、部位特異の組み換え部位は、レポーターをコードするセグメント及び/又は選択可能マーカーをコードするセグメントに隣接する。

0108

挿入核酸内に含まれ得る、選択マーカー及びレポーター遺伝子を含む対象となるポリヌクレオチドの非限定的な例は、本明細書の別の個所で詳細に考察される。

0109

挿入ポリヌクレオチドの範囲内の対象となるポリヌクレオチドは、標的DR6遺伝子座に組み込まれたとき、1つ又は2つ以上の遺伝子修飾を細胞に導入することができる。遺伝子修飾は、内因性核酸配列の欠失、及び/又は標的ゲノム遺伝子座への外因性若しくは異種若しくはオルソロガスポリヌクレオチドの付加を含むことができる。一実施形態において、遺伝子修飾は、標的ゲノム遺伝子座における、内因性核酸配列の、対象となる外因性ポリヌクレオチドとの置き換えを含む。したがって、本明細書で提供される方法は、標的DR6遺伝子座中のノックアウト、欠失、挿入、置換(「ノックイン」)、点突然変異、ドメインスワップ、エキソンスワップ、イントロンスワップ、調節配列スワップ、遺伝子スワップ、又はこれらの組み合わせを含む、遺伝子修飾の発生を可能にする。そのような修飾は、標的ゲノム遺伝子座への第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、又は任意の後続の挿入ポリヌクレオチドの組み込み後に生じてもよい。

0110

挿入ポリヌクレオチド内の、かつ/又は標的ゲノム遺伝子座において組み込まれた対象となるポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが導入される細胞を起源とする若しくは細胞に相同な配列を含んでもよいか、対象となるポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが導入される細胞に対して異種であってもよいか、対象となるポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが導入される細胞に対して外因性であってもよいか、対象となるポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが導入される細胞に対してオルソロガスであってもよいか、又は、対象となるポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが導入される細胞と異なる種由来であってもよい。配列に関する用語「相同な」は、細胞の生来の配列である。配列に関する用語「異種の」は、無縁の種に起源を有する配列であるか、又は、同じ種に由来する場合、構成及び/又はゲノム遺伝子座内の生来の形状から、慎重な人為的介入によって実質的に修飾されている。配列に関する用語「外因性」は、無縁の種に起源を有する配列である。用語「オルソロガス」は、他の種(すなわち種変異体)において既知の参照配列に機能的に同等の、ある種からのポリヌクレオチドである。対象となるポリヌクレオチドには、原核生物真核生物非ヒト、げっ歯動物、ハムスター、マウス、ラット、ヒト、サル、鳥類、農業用哺乳動物、又は非農業用哺乳動物が挙げられるが、これらに限定されない、対象となる任意の生物由来であってもよい。対象となるポリヌクレオチドは、コード領域、非コード領域、制御領域、又はゲノムDNAを更に含むことができる。したがって、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、及び/又は後続の任意の挿入ポリヌクレオチドがそのような配列を含むことができる。

0111

一実施形態において、対象となるポリヌクレオチドは、上記のように、約500ヌクレオチド〜約200kbの範囲に及んでもよい。対象となるポリヌクレオチドは、約500ヌクレオチド〜約5kb、約5kb〜約200kb、約5kb〜約10kb、約10kb〜約20kb、約20kb〜約30kb、約30kb〜約40kb、約40kb〜約50kb、約60kb〜約70kb、約80kb〜約90kb、約90kb〜約100kb、約100kb〜約110kb、約120kb〜約130kb、約130kb〜約140kb、約140kb〜約150kb、約150kb〜約160kb、約160kb〜約170kb、約170kb〜約180kb、約180kb〜約190kb、又は約190kb〜約200kbであってもよい。

0112

挿入ポリヌクレオチド内の、かつ/又は標的ゲノム遺伝子座において挿入された対象となるポリヌクレオチドは、ポリペプチドをコードすることができ、RNAをコードすることができ、又は対象となるポリヌクレオチドは、例えば、制御配列、プロモーター配列エンハンサー配列転写リプレッサー結合配列コザックコンセンサスセグメント、開始コドンを含む、対象となる任意の制御領域若しくは非コード領域、又は非タンパク質コード配列の欠失を含むことができるが、タンパク質コード配列の欠失を含まない。また、挿入ポリヌクレオチド内に存在し、及び/又は標的ゲノム遺伝子座に挿入された対象となるポリヌクレオチドは、神経系、骨格系消化器系循環系、筋系呼吸器系、心臓血管系リンパ系内分泌系泌尿器系生殖器系、又はこれらの組み合わせにおいて発現するタンパク質をコードしてもよい。

0113

一実施形態では、挿入核酸は、内因性遺伝子の少なくとも1つのエキソンのノックイン対立遺伝子を含む。一実施形態では、挿入核酸は、内因性遺伝子全体のノックイン対立遺伝子(すなわち、「遺伝子スワップノックイン」)を含む。

0114

一実施形態では、挿入核酸は、例えば、プロモーター、エンハンサー、又は転写リプレッサー結合要素を含む制御要素を含む。

0115

更なる実施形態では、挿入核酸は、条件付き対立遺伝子を含む。一実施形態では、条件付き対立遺伝子は、参照によりその全体が組み込まれる米国第2011/0104799号に記載されるように、多機能性対立遺伝子である。具体的な実施形態では、条件付き対立遺伝子は、(a)標的遺伝子の転写に関するセンス配向における作動配列、及びセンス配向又はアンチセンス配向における薬剤選択カセット、(b)アンチセンス方向において、対象となるヌクレオチド配列(NSI)及び反転モジュールによる条件(COIN、エキソン分割イントロン及びジーントラップモジュールを利用する、例えば、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第2011/0104799号を参照されたい)、並びに、(c)第1のリコンビナーゼへの暴露時に組み換わり、(i)作動配列及びDSCを欠き、かつ(ii)センス配向においてNSIを含み、アンチセンス配向においてCOINを含む、条件付き対立遺伝子を形成する、組み換え可能単位、を含む。

0116

一実施形態では、挿入核酸は、コード配列内に遺伝子修飾を含む。一実施形態では、遺伝子修飾は、コード配列の欠失変異体を含む。一実施形態では、遺伝子修飾は、2つの内因性コード配列の融合を含む。

0117

一実施形態では、遺伝子修飾は、非タンパク質コード配列の欠失を含むが、タンパク質コード配列の欠失は含まない。一実施形態において、非タンパク質コード配列の欠失は、DR6遺伝子座又はその一部分の欠失を含む。一実施形態において、非タンパク質コード配列の欠失は、制御要素の欠失を含む。一実施形態では、遺伝子修飾は、プロモーターの欠失を含む。一実施形態では、遺伝子修飾は、プロモーター又は制御要素の付加を含む。一実施形態では、遺伝子修飾は、プロモーター又は制御要素の置換を含む。

0118

一実施形態では、標的化ベクターの核酸配列はポリヌクレオチドを含み得、ゲノムに統合されたときに、哺乳類、非ヒト動物、又は非ヒト哺乳類DR6遺伝子座の領域の遺伝子修飾を生成することになり、DR6遺伝子座における遺伝子修飾は、DR6の機能欠失をもたらす。一実施形態では、DR6ノックアウト(「ヌル対立遺伝子」)が生成される。別の実施形態では、DR6遺伝子座における分裂が生成される。

0119

更なる実施形態では、挿入核酸は、哺乳類、非ヒト動物、又は非ヒト哺乳類DR6遺伝子座の一部分の、挿入核酸配列との置換をもたらす。一実施形態では、挿入核酸配列は、レポーター核酸配列である。

0120

所定の挿入ポリヌクレオチドと、置換される哺乳類、非ヒト、又は非ヒト哺乳類遺伝子座の対応する領域と、は、非コード領域、コード領域、イントロン、エキソン、非翻訳領域、制御領域、プロモーター、エンハンサー、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。更に、所定の挿入ポリヌクレオチド及び/又は欠失される哺乳類、非ヒト、又は非ヒト哺乳類遺伝子座の領域は、例えば、10〜100ヌクレオチド長、100〜500ヌクレオチド長、500〜1kbヌクレオチド長、1kb〜1.5kbヌクレオチド長、1.5kb〜2kbヌクレオチド長、2kb〜2.5kbヌクレオチド長、2.5kb〜3kbヌクレオチド長、3kb〜5kbヌクレオチド長、5kb〜8kbヌクレオチド長、8kb〜10kbヌクレオチド長、又はそれ以上の長さを含む、任意の所望の長さのものであってよい。他の事例では、挿入又は置換のサイズは、約5kb〜約10kb、約10kb〜約20kb、約20kb〜約40kb、約40kb〜約60kbである。他の実施形態では、所定の挿入ポリヌクレオチド及び/又は欠失される哺乳類、ヒト細胞、又は非ヒト哺乳類遺伝子座の領域は、少なくとも100、200、300、400、500、600、700、800、若しくは900ヌクレオチド、又は少なくとも1kb、2kb、3kb、4kb、5kb、6kb、7kb、8kb、9kb、10kb、11kb、12kb、13kb、14kb、15kb、16kb、17kb、18kb、19kb、20kb、25kb、30kb、35kb、40kb、45kb、50kb以上である。

0121

一実施形態では、挿入核酸は、内因性DR6プロモーターに操作可能に連結されるように、対象となるDR6遺伝子座に挿入される。このような場合には、DR6プロモーターは、挿入核酸配列の発言を駆動する。一実施形態では、挿入核酸配列は、レポーター核酸配列である。

0122

いくつかの場合、挿入核酸は、プロモーターを含む。一実施形態では、挿入核酸は、対象となるポリヌクレオチドの発現を駆動するプロモーターに操作可能に連結された、対象となるポリヌクレオチドを含む。一実施形態では、対象となるポリヌクレオチドは、レポーター核酸配列を含む。別の実施形態では、対象となるポリヌクレオチドは、選択マーカー核酸配列を含む。

0123

一実施形態では、プロモーターは、構成的に活発なプロモーターである。

0124

一実施形態では、プロモーターは、誘導性プロモーターである。一実施形態では、誘導性プロモーターは、化学的制御プロモーターである。一実施形態では、化学的制御プロモーターは、アルコール制御プロモーターである。一実施形態では、アルコール制御プロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ(alcA)遺伝子プロモーターである。一実施形態では、化学的制御プロモーターは、テトラサイクリン制御プロモーターである。一実施形態では、テトラサイクリン制御プロモーターは、テトラサイクリン応答プロモーターである。一実施形態では、テトラサイクリン制御プロモーターは、テトラサイクリンオペレーター配列(tetO)である。一実施形態では、テトラサイクリン制御プロモーターは、tet−Onプロモーターである。一実施形態では、テトラサイクリン制御プロモーターは、tet−Offプロモーターである。一実施形態では、化学的制御プロモーターは、ステロイド制御プロモーターである。一実施形態では、ステロイド制御プロモーターは、ラットグルココルチコイド受容体のプロモーターである。一実施形態では、ステロイド制御プロモーターは、エストロゲン受容体のプロモーターである。一実施形態では、ステロイド制御プロモーターは、エクジソン受容体のプロモーターである。一実施形態では、化学的制御プロモーターは、金属制御プロモーターである。一実施形態では、金属制御プロモーターは、金属タンパク質プロモーターである。一実施形態では、誘導性プロモーターは、物理的制御プロモーターである。一実施形態では、物理的制御プロモーターは、温度制御プロモーターである。一実施形態では、温度制御プロモーターは、ヒートショックプロモーターである。一実施形態では、物理的制御プロモーターは、光制御プロモーターである。一実施形態では、光制御プロモーターは、光誘導性プロモーターである。一実施形態では、光誘導性プロモーターは、光抑圧プロモーターである。

0125

一実施形態では、プロモーターは、組織特異性プロモーターである。一実施形態では、プロモーターは、ニューロン特異性プロモーターである。一実施形態では、プロモーターは、グリア特異性プロモーターである。一実施形態では、プロモーターは、筋細胞特異性プロモーターである。一実施形態では、プロモーターは、心臓細胞特異性プロモーターである。一実施形態では、プロモーターは、腎臓細胞特異性プロモーターである。一実施形態では、プロモーターは、骨細胞特異性プロモーターである。一実施形態では、プロモーターは、内皮細胞特異性プロモーターである。一実施形態では、プロモーターは、免疫細胞特異性プロモーターである。一実施形態では、免疫細胞プロモーターは、B細胞プロモーターである。一実施形態では、免疫細胞プロモーターは、T細胞プロモーターである。

0126

一実施形態では、プロモーターは、発生制御プロモーターである。一実施形態では、発生制御プロモーターは、発生の胚形成期にのみ活性になる。一実施形態では、発生制御プロモーターは、成人細胞内でのみ活性になる。

0127

特異的な実施形態では、プロモーターは、細胞型に基づいて選択され得る。したがって、様々なプロモーターが、真核細胞、哺乳動物細胞非ヒト哺乳動物細胞、多能性細胞、非ヒト多能性細胞、ヒト多能性細胞、ヒトES細胞ヒト成人幹細胞、発生的に制限されたヒト前駆細胞ヒトiPS細胞、ヒト細胞、げっ歯類細胞、ラット細胞、マウス細胞、ハムスター細胞線維芽細胞、又はCHO細胞に用途を見出している。

0128

いくつかの実施形態では、挿入核酸は、部位特異的組み換え標的配列が隣接した核酸を含む。挿入核酸全体に、そのような部位特異的組み換え標的配列が隣接してもよい一方で、挿入核酸内の任意の領域又は個々の対象となるポリヌクレオチドにもまた、そのような部位が隣接してもよいことが認識される。部位特異的リコンビナーゼは、リコンビナーゼポリペプチドを細胞に導入することによって、又は部位特異的リコンビナーゼをコードするポリヌクレオチドを宿主細胞に導入することなどによって、任意の手段によって細胞に導入され得る。部位特異的リコンビナーゼをコードするポリヌクレオチドは、挿入核酸内、又は別個のポリヌクレオチド内に位置し得る。部位特異的リコンビナーゼは、例えば、誘導性プロモーター、細胞に内因性であるプロモーター、細胞に異種であるプロモーター、細胞特異的プロモーター、組織特異的プロモーター、又は発達段階特異的プロモーターを含む、細胞中で活性なプロモーターに操作可能に連結され得る。挿入核酸又は挿入核酸中の任意の対象となるポリヌクレオチドに隣接することができる部位特異的組み換え標的配列としては、loxP、lox511、lox2272、lox66、lox71、loxM2、lox5171、FRT、FRT11、FRT71、attp、att、FRT、rox、又はこれらの組み合わせが挙げられ得るがこれらに限定されない。

0129

いくつかの実施形態では、部位特異的組み換え部位は、挿入核酸内に含まれる選択マーカー及び/又はレポーター遺伝子をコードするポリヌクレオチドに隣接する。かかる事例においては、標的遺伝子座への挿入核酸の組み込み後、部位特異的組み換え部位間の配列は除去され得る。

0130

一実施形態では、挿入核酸は、選択マーカーをコードするポリヌクレオチドを含む。選択マーカーは、選択カセット内に含まれてもよい。そのような選択マーカーには、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(neor)、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ(hygr)、ピューロマイシン−N−アセチルトランスフェラーゼ(puror)、ブラストサイジンデアミナーゼ(bsrr)、キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(gpt)、若しくは単純ウイルスチミジンキナーゼ(HSV−k)、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、選択マーカーをコードするポリヌクレオチドは、細胞中で活性なプロモーターに操作可能に連結される。一実施形態では、選択マーカーをコードするポリヌクレオチドに、部位特異的組み換え標的配列が隣接する。

0131

挿入核酸は、プロモーターに操作可能に連結されたレポーター遺伝子を更に含むことができ、レポーター遺伝子は、β−ガラクトシダーゼ(lacZ遺伝子によりコード)、GFP、mPlum、mCherry、tdTomato、mStrawberry、J−Red、DsRed、mOrange、mKO,mCitrine、Venus、YPet、強化黄色蛍光タンパク質(EYFP)、Emerald、強化緑色蛍光タンパク質(EGFP)、CyPet、シアン蛍光タンパク質(CFP)、Cerulean、T−Sapphire、ルシフェラーゼ、アルカリフォスファターゼ、及び/又はこれらの組み合わせからなる群から選択されるレポータータンパク質をコードする。そのようなレポーター遺伝子は、細胞中で活性なプロモーターに操作可能に連結され得る。このようなプロモーターは、誘導性プロモーター、レポーター遺伝子若しくは細胞に内因性のプロモーター、レポーター遺伝子若しくは細胞とは異種のプロモーター、細胞特異的プロモーター、組織特異的プロモーター、又は発達段階特異的プロモーターであり得る。

0132

ii.発現カセット
本明細書には、DR6遺伝子を標的化するための、本明細書に提供される標的ゲノム組み込み系に採用される様々な構成要素を含む、ポリヌクレオチド又は核酸分子が提供される(すなわち、ヌクレアーゼ剤、認識部位、挿入核酸、対象となるポリヌクレオチド、レポーター配列、標的化ベクター、選択マーカー、及びその他の構成要素)。

0133

用語「ポリヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド配列」、「核酸配列」、及び「核酸フラグメント」は、本明細書において互換的に使用される。これらの用語は、ヌクレオチド配列などを包含する。ポリヌクレオチドは、合成、非天然、又は改変ヌクレオチド塩基を任意に含有する一本鎖又は二本鎖である、RNA又はDNAのポリマーであってもよい。DNAのポリマーの形態のポリヌクレオチドは、cDNA、ゲノムDNA、合成DNA、又はこれらの混合物の1つ以上のセグメントからなってもよい。ポリヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチドを含むことができ、リボヌクレオチドは、自然発生的な分子及び合成類似体の両方、並びにこれらの任意の組み合わせを含む。本明細書に提供されるポリヌクレオチドはまた、一本鎖形態、二本鎖形態、ヘアピンステムループ構造などが挙げられるがこれらに限定されない、すべての形態の配列を包含する。

0134

DR6遺伝子座を標的化するための、標的ゲノム組み込み系の様々な構成要素を含む組み換えポリヌクレオチドが更に提供される。用語「組み換えポリヌクレオチド」及び「組み換えDNA構築物」は、本明細書において互換的に使用される。組み換え構築物は、核酸配列の人工又は異種の組み合わせ、例えば、自然界で一緒に見出されない制御配列及びコード配列を含む。他の実施形態において、組み換え構築物は、異なる源由来である制御配列及びコード配列、又は同じ源由来であるが、自然界で見出されるものとは異なる様式で配列された制御配列及びコード配列を含んでもよい。そのような構築物は、それ自体で使用されてもよく、又はベクターと併用されてもよい。ベクターが使用される場合、ベクターの選択は、当業者に周知であるような宿主細胞を変換するために使用される方法によって決まる。例えば、プラスミドベクターが使用され得る。宿主細胞を好適に形質転換し、選択し、増殖させるのに必要な、本明細書に提供される何らかの単離された核酸断片を含む遺伝的要素も提供される。スクリーニングは、とりわけ、DNAのサザン解析mRNA発現のノザン解析、タンパク質発現免疫ブロット解析、又は表現型解析によって達成されてもよい。

0135

具体的実施形態では、本明細書に記載のDR6遺伝子座を標的化するための標的ゲノム組み込み系の構成要素の1つ又は2つ以上を、原核細胞、真核細胞、細菌、酵母細胞、若しくは哺乳動物細胞、又は対象となる他の生物型又は細胞型における発現用の発現カセットとして提供することができる。カセットは、本明細書に提供されるポリヌクレオチドに操作可能に連結された5’及び3’制御配列を含むことができる。「操作可能に連結」とは、構成要素が、意図された方法で機能に操作可能に連結された関係を含む。例えば、対象となるポリヌクレオチドと制御配列(すなわち、プロモーター)との間の操作可能な連結は、対象となるポリヌクレオチドの発現を可能にする機能的な連結である。操作可能に連結された要素は、隣接していてもよく、又は隣接していなくてもよい。2つのタンパク質コード領域の結合に言及するために使用されるとき、「操作可能に連結された」は、コード領域が同じリーディングフレームにあることを意味する。別の例において、タンパク質をコードする核酸配列は、調節配列(例えばプロモーター、エンハンサー、サイレンサー配列等)に操作可能に連結させてもよく、それにより、適切な転写調節が維持される。カセットは、生物に共導入される少なくとも1つの追加の目的ポリヌクレオチドを追加で含んでもよい。あるいは、追加の対象となるポリヌクレオチドが、複数の発現カセット上に提供され得る。そのような発現カセットは、組み換えポリヌクレオチドの挿入が制御領域の転写制御下にあるための複数の制限部位及び/又は組み換え部位が提供される。発現カセットは、選択マーカー遺伝子を更に含有してもよい。

0136

発現カセットは、転写の5’−3’方向に、転写及び翻訳開始領域(すなわち、プロモーター)、本明細書に提供される組み換えポリヌクレオチド、並びに対象となる哺乳類細胞又は宿主細胞中で機能的な転写及び翻訳終止領域(すなわち、終止領域)を含むことができる。制御領域(すなわち、プロモーター、転写制御領域コザック配列、及び翻訳終結領域)及び/又は、本明細書で提供されるポリヌクレオチドは、宿主細胞に対して又は互いに、生来のものであっても類似のものであってもよい。あるいは、制御領域及び/又は本明細書に提供されるポリヌクレオチドは、宿主細胞に対して又は互いに異種であってもよい。例えば、異種ポリヌクレオチドに操作可能に連結されたプロモーターは、ポリヌクレオチドが由来した種とは異なる種由来であるか、又は同じ/類似の種由来の場合、一方又は両方は、それらの元の形態及び/若しくはゲノム遺伝子座から実質的に修飾されるか、又はプロモーターは、操作可能に連結されたポリヌクレオチドのための天然プロモーターではない。あるいは、制御領域及び/又は本明細書に提供される組み換えポリヌクレオチドは、完全に合成であってもよい。

0137

終結領域は、転写開始領域に生来のものであってもよく、操作可能に連結された組み換えポリヌクレオチドに生来のものであってもよく、宿主細胞に生来のものであってもよく、又は、プロモーター、組み換えポリヌクレオチド、宿主細胞又はそのあらゆる組み合わせとは別の給源に由来する(即ち無縁の若しくは異種の)ものであってもよい。

0138

発現カセットの調製において、適切な配向でDNA配列を提供するために、様々なDNAフラグメントが操作されてもよい。この目的で、アダプター若しくはリンカーがDNAフラグメントを結合するために採用されてもよく、又は好都合な制限部位、不必要なDNAの除去、制限部位の除去などを提供するために、他の操作が関与してもよい。この場合、インビトロ変異導入プライマー修復、制限酵素処理、アニーリング、再置換(例えば塩基転移及び塩基転換)を行ってもよい。

0139

多くのプロモーターが、本明細書に提供される発現カセット中で使用され得る。プロモーターは、所望の結果に基づき選択され得る。対象となるポリヌクレオチドのタイミング、位置、及び/又は発現レベルを調節するために、発現カセット中の異なるプロモーターの使用によって、異なる適用が強化され得ることが認識される。そのような発現構築物はまた、必要に応じて、プロモーター制御領域(例えば、誘導性、構成的、環境若しくは発生制御、又は細胞若しくは組織特異的/選択的発現を与えるもの)、転写開始起始部位、コザックコンセンサス配列リボソーム結合部位、RNA処理シグナル、転写終止部位、及び/又はポリアデニル化シグナルを含有してもよい。

0140

本明細書で提供されるポリヌクレオチドを含む発現カセットは、形質転換された細胞の選択用の選択マーカーを含んでもよい。選択可能マーカー遺伝子は、形質転換された細胞又は組織の選択に利用される。

0141

必要に応じて、本発明の方法及び組成物で使用される配列(即ち目的ポリヌクレオチド、ヌクレアーゼ剤等)は、細胞内での更なる発現のために最適化され得る。すなわち、遺伝子は、発現向上のために、哺乳動物に好適なコドン、ヒトに好適なコドン、げっ歯類に好適なコドン、マウスに好適なコドン、ラットに好適なコドン、ハムスターに好適なコドンなど、所与の対象となる細胞内での好適なコドンを使用して合成され得る。

0142

本明細書に提供される様々な方法及び組成物は、選択マーカーを採用できる。様々な選択マーカーが、本明細書に開示される方法及び組成物で使用できる。かかる選択マーカーは、例えば、抗生物質(例えばG418、ハイグロマイシン、ブラストシジン、ネオマイシン又はピューロマイシン)に対する抵抗性を付与できる。かかる選択マーカーとしては、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(neor)、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ(hygr)、ピューロマイシン−N−アセチルトランスフェラーゼ(puror)及びブラスチシジンSデアミナーゼ(bsrr)が挙げられる。更に他の実施形態において、選択マーカーは、誘導性プロモーターに操作可能に連結され、選択マーカーの発現は、細胞に対する毒性を示す。かかる選択マーカーの非限定的な例としては、キサンチン/グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(gpt)、ヒポキサンチン(hahypoxanthine)グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)又は単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV−TK)が挙げられる。選択マーカーをコードするポリヌクレオチドは、細胞中で活性なプロモーターに操作可能に連結される。

0143

iii.標的化ベクター
標的化ベクターは、真核、非ヒト、哺乳類、非ヒト哺乳類、ヒト、げっ歯類、マウス、ラット、又はハムスター核酸のDR6遺伝子座に、挿入核酸を導入するために採用される。標的化ベクターは、挿入核酸を含み、挿入核酸に隣接する5’及び3’ホモロジーアームを更に含む。挿入核酸に隣接するホモロジーアームは、真核、非ヒト、哺乳類、非ヒト哺乳類、ヒト、げっ歯類、マウス、ラット、又はハムスター核酸の標的DR6遺伝子座内の領域に対応する。参照を容易にするために、標的化されたゲノム遺伝子座内の対応する同系ゲノム領域は、「標的部位」と称される。例えば、標的化ベクターは、第1及び第2標的部位に相補的な第1及び第2ホモロジーアームに隣接する第1の挿入核酸を含み得る。したがって、それにより、標的化ベクターは、細胞のゲノム内のホモロジーアームと相補的標的部位との間で生じる相同組み換え事象を通じて、標的遺伝子核酸への挿入核酸の組み込みを補助する。

0144

一実施形態では、真核、哺乳類、非ヒト哺乳類、ヒト、げっ歯類、マウス、又はハムスター核酸の標的遺伝子座は、5’ホモロジーアームに相補的な第1の核酸配列と、3’ホモロジーアームに相補的な第2の核酸配列を含む。一実施形態では、第1及び第2の核酸配列は、少なくとも5kbだけ隔てられる。別の実施形態では、第1及び第2の核酸配列は、少なくとも1kb、ただし50kb未満だけ隔てられる。一実施形態では、第1及び第2の核酸配列は、少なくとも2kbだけ隔てられる。一実施形態では、第1及び第2核酸配列は、少なくとも3kb、少なくとも4kb、少なくとも5kb、少なくとも6kb、少なくとも7kb、少なくとも8kb、少なくとも9kb、少なくとも10kb、少なくとも15kb、少なくとも20kb、少なくとも30kb、少なくとも40kb、又は少なくとも50kbだけ隔てられる。なお更なる実施形態では、第1及び第2の核酸配列は、少なくとも1kbであるが2kb未満、少なくとも2kbであるが3kb未満、少なくとも4kbであるが5kb未満、少なくとも5kbであるが6kb未満、少なくとも6kbであるが7kb未満、少なくとも7kbであるが8kb未満、少なくとも約8kbであるが9kb未満、又は少なくとも9kbであるが10kb未満、少なくとも10kbであるが15kb未満、少なくとも約15kbであるが約20kb未満、少なくとも約20kbであるが約30kb未満、又は約少なくとも約40kbであるが約50kb未満だけ隔てられる。

0145

標的化ベクターのホモロジーアームは、例えば少なくとも5〜10kb、5〜15kb、10〜20kb、20〜30kb、30〜40kb、40〜50kb、50〜60kb、60〜70kb、70〜80kb、80〜90kb、90〜100kb、100〜110kb、110〜120kb、120〜130kb、130〜140kb、140〜150kb、150〜160kb、160〜170kb、170〜180kb、180〜190kb、190〜200kbの長さ、又はそれ以上を含む、対応する標的部位との相同組み換え事象を促進するために充分な任意の長さであってよい。以下で更に詳細に概説されるように、大きな標的化ベクターは、より大きい長さの標的化アームを採用することができる。特異的な実施形態では、5’ホモロジーアーム及び3’ホモロジーアームの総計は、少なくとも10kbであり、5’ホモロジーアーム及び3’ホモロジーアームの総計は、少なくとも約16kb〜約100kb、又は約30kb〜約100kbである。他の実施形態では、LTVECの5’及び3’ホモロジーアームの合計の総計のサイズは、約10kb〜約150kb、約10kb〜約100kb、約10kb〜約75kb、約20kb〜約150kb、約20kb〜約100kb、約20kb〜約75kb、約30kb〜約150kb、約30kb〜約100kb、約30kb〜約75kb、約40kb〜約150kb、約40kb〜約100kb、約40kb〜約75kb、約50kb〜約150kb、約50kb〜約100kb、約50kb〜約75kb、約10kb〜約30kb、約20kb〜約40kb、約40kb〜約60kb、約60kb〜約80kb、約80kb〜約100kb、約100kb〜約120kb、又は約120kb〜約150kb、である。一実施形態では、欠失のサイズは、LTVECの5’及び3’ホモロジーアームの合計のサイズと同じ又は同様である。

0146

ホモロジーアーム及び標的部位(すなわち、同系ゲノム領域)は、2つの領域が相同組み換え反応の基質として機能するために、相互に対して十分なレベルの配列同一性を共有するとき、互いに「相補する」又は「相補的」である。「相同性」とは、対応する又は「相補的な」配列に対して同一であるか、又は配列同一性を共有するかのいずれかであるDNA配列を意味する。所与の標的部位と標的化ベクター上で見出される対応するホモロジーアームとの間の配列同一性は、相同組み換えが生じることを可能にする任意の程度の配列同一性であってもよい。例えば、標的化ベクターのホモロジーアーム(又はそのフラグメント)及び標的部位(又はそのフラグメント)によって共有される配列同一性の量は、配列が相同組み換えを受けるように、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%配列同一性であってもよい。更に、ホモロジーアームと相補的標的部位との間の相同性の相補的領域は、開裂された認識部位における相同組み換えを促進するのに十分である任意の長さであってもよい。例えば、所定のホモロジーアーム及び/又は相補的標的部位は、ホモロジーアームが、細胞のゲノム内の対応する標的部位と相同組み換えを起こすために充分な相同性を有するよう、(例えば、本明細書の別の箇所に述べられるLTVECベクターにおいて述べられるように)少なくとも5〜10kb、5〜15kb、10〜20kb、20〜30kb、30〜40kb、40〜50kb、50〜60kb、60〜70kb、70〜80kb、80〜90kb、90〜100kb、100〜110kb、110〜120kb、120〜130kb、130〜140kb、140〜150kb、150〜160kb、160〜170kb、170〜180kb、180〜190kb、190kb〜200kb、200kb〜300kbの長さ又はそれ以上の相補的な相同性領域を含むことができる。参照を容易にするために、ホモロジーアームは、本明細書において5’及び3’ホモロジーアームと称される。この用語は、標的化ベクター内の挿入核酸に対するホモロジーアームの相対位置に関する。

0147

標的化ベクターのホモロジーアームは、したがって、標的化された遺伝子座の標的部位に相補的になるよう設計される。ゆえに、ホモロジーアームは細胞の生来の遺伝子座に相補的であり得るか、又は、限定されるものではないが、導入遺伝子、発現カセット又はゲノムDNAの異種領域若しくは外因性領域などの細胞のゲノムに組み込まれた、DNAの異種若しくは外因性セグメントの領域に相補的であり得る。あるいは、標的化ベクターのホモロジーアームは、ヒト人工染色体の領域、又は適切な宿主細胞中に含有された任意の他の操作されたゲノム領域に相補的であってよい。なお更に、標的化ベクターのホモロジーアームは、BACライブラリーコスミドライブラリー、又はP1ファージライブラリーの領域に相補的であってもよいか、又はそれに由来してもよい。したがって、特異的な実施形態では、標的化ベクターのホモロジーアームは、所定の細胞に対して生来、異種、又は外因性の真核、非ヒト、哺乳類、非ヒト哺乳類、ヒト、げっ歯類、マウス、又はラットゲノム遺伝子座に相補的である。一実施形態では、ホモロジーアームは、合成DNA由来である。

0148

標的化ベクター(大きな標的化ベクターなど)はまた、本明細書の別の個所で考察されるように、選択カセット又はレポーター遺伝子を含むことができる。選択カセットは、選択マーカーをコードする核酸配列を含むことができ、核酸配列は、本明細書の別の個所で考察されるように、プロモーターに操作可能に連結される。標的化ベクターの選択マーカー及び/又はレポーター遺伝子は、5’若しくは3’ホモロジーアームが隣接し得るか、又はホモロジーアームに5’若しくは3’のいずれかで見出され得る。

0149

別の実施形態では、標的化ベクターは、レポーターをコードする第1のヌクレオチド配列を含む挿入核酸を含む。いくつかの場合において、DR6遺伝子座との相同組み換えに次いで、レポーターをコードする第1のヌクレオチド配列は、DR6遺伝子座におけるDR6の発現を駆動する内因性プロモーターに操作可能に連結される。

0150

別の実施形態では、標的化ベクターは、レポーターをコードする第2のヌクレオチド配列と操作可能に連結された膜貫通ドメインをコードする、第1のヌクレオチド配列を含む挿入核酸を含む。いくつかの場合において、DR6遺伝子座との相同組み換えに次いで、膜貫通ドメインをコードする第1のヌクレオチド配列は、膜貫通ドメイン及びレポーターの指定を駆動する、内因性DR6シグナル配列に操作可能に連結される。

0151

別の実施形態では、標的化ベクターの挿入核酸は、選択可能マーカーをコードする付加的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合において、付加的な核酸は、プロモーターに操作可能に連結される。

0152

一実施形態では、挿入核酸の第1及び/又は付加的なヌクレオチド配列は、コザックコンセンサス配列を含む。

0153

一実施形態では、標的化ベクター(大型標的化ベクターなど)は、本明細書の別の個所に記載されるように、プロモーターに操作可能に連結されたレポーター遺伝子及び/又は選択可能マーカー遺伝子を含む。このようなレポーター遺伝子及び/又は選択可能マーカー遺伝子は、本明細書の別の個所に記載されるように、細胞内で活性であるプロモーターに操作可能に連結され得る。

0154

一実施形態では、標的化ベクターは、サイト特異的なリコンビナーゼ遺伝子を含む。一実施形態では、サイト特異的なリコンビナーゼ遺伝子は、Creリコンビナーゼをコードする。一実施形態では、Creリコンビナーゼ遺伝子はCreiであり、Creリコンビナーゼをコードする2つのエキソンは、原核細胞内でのその発現を防止するため、イントロンによって隔てられる。一実施形態では、サイト特異的なリコンビナーゼ遺伝子は、Dreリコンビナーゼをコードする。

0155

一実施形態では、Creリコンビナーゼ遺伝子は、Cre(又は任意のリコンビナーゼ若しくはヌクレアーゼ剤)の核への局在を促進するため、核局在シグナルを更に含む(例えば、遺伝子はNLS−Cre遺伝子である)。特異的な実施形態では、Creリコンビナーゼ遺伝子は、核局在シグナル(NLS)及びイントロン(例えば、NLS−Crei)を更に含む。

0156

様々な実施形態では、上述のCre又はCreiリコンビナーゼの発現に好適なプロモーターは、Prm1、Blimp1、Gata6、Gata4、Igf2、Lhx2、Lhx5、及び/又はPax3から選択されるか、これを含む。特異的な実施形態では、プロモーターは、Gata6又はGata4プロモーターである。様々なプロモーターは、例えば、マウス若しくはラットなどのげっ歯類、真核生物、非ヒト哺乳類、哺乳類、ヒト、又はハムスターを含む、任意の生物由来であってよい。別の特異的な実施形態では、プロモーターは、Prm1プロモーターである。別の特異的な実施形態では、プロモーターは、マウスPrm1プロモーターである。別の特異的な実施形態では、プロモーターは、Blimp1プロモーター又はその断片、例えば、Blimp1プロモーターの1kb又は2kb断片である。例えば、それぞれが全体として参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第8,697,851号、同第9,267,152号、同第9,096,870号、同第8,354,389号、同第8,946,505号、同第8,946,504号、同第8,518,392号を参照されたい。

0157

一実施形態では、挿入核酸は、2つの部位特異的組み換え部位が隣接したヌクレオチド配列を含む。部位特異的組み換え部位の例としては、loxP、lox511、lox2272、lox66、lox71、loxM2、lox5171、FRT、FRT11、FRT71、attp、att、FRT、rox、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。

0158

iv.大型標的化ベクター
用語「大型標的化ベクター」又は「LTVEC」は、細胞中で相同標的化を実施するよう意図される他のアプローチによって典型的に使用されるものよりも大きい核酸配列に対応し、かつそれら由来である、及び/又は細胞中で相同組み換え標的化を実施するよう意図される他のアプローチによって典型的に使用されるものよりも大きい核酸配列を含む挿入ポリヌクレオチドを含む、ホモロジーアームを含む、大型標的化ベクターを含む。特定の実施形態では、LTVECのホモロジーアーム及び/又は挿入ポリヌクレオチドは、真核細胞のゲノム配列を含む。LTVECのサイズは、従来のアッセイ(例えばサザンブロッティング及びロングレンジ(例えば1kb〜5kb)PCR)によるターゲッティングイベントのスクリーニングを行うにはあまりに大きい。LTVECの例としては、細菌人工染色体(BAC)、ヒト人工染色体、又は酵母人工染色体(YAC)由来のベクターが挙げられるがこれらに限定されない。LTVEC及びそれらを作製するための方法の非限定的な例は、例えば、米国特許第6,586,251号、同第6,596,541号、同第7,105,348号、及び国際公開第2002/036789号(PCT/US01/45375)に記載され、これらのそれぞれが参照により本明細書に組み込まれる。

0159

LTVECは、少なくとも約10kb、約15kb、約20kb、約30kb、約40kb、約50kb、約60kb、約70kb、約80kb、約90kb、約100kb、約150kb、約200kb、約10kb〜約15kb、約15kb〜約20kb、約20kb〜約30kb、約30kb〜約50kb、約50kb〜約300kb、約50kb〜約75kb、約75kb〜約100kb、約100kb〜約125kb、約125kb〜約150kb、約150kb〜約175kb、約175kb〜約200kb、約200kb〜約225kb、約225kb〜約250kb、約250kb〜約275kb、又は約275kb〜約300kbを含むが、これらに限定されない任意の長さであってよい。

0160

一実施形態では、LTVECのホモロジーアームは、BACライブラリー、コスミドライブラリー、又はP1ファージライブラリー由来である。他の実施形態では、ホモロジーアームは、細胞の標的化されたDR6ゲノム遺伝子座由来であり、場合によっては、LTVECが標的化するように設計される標的ゲノム遺伝子座は、従来の方法を使用しては標的化できない。更に他の実施形態では、ホモロジーアームは、合成DNA由来である。

0161

一実施形態では、LTVEC中の上流ホモロジーアーム及び下流ホモロジーアームの総計は、少なくとも10kbである。他の実施形態では、上流ホモロジーアームは、約5kb〜約100kbに及ぶ。一実施形態では、下流ホモロジーアームは、約5kb〜約100kbに及ぶ。他の実施形態では、上流ホモロジーアーム及び下流ホモロジーアームの総計は、約5kb〜約10kb、約10kb〜約20kb、約20kb〜約30kb、約30kb〜約40kb、約40kb〜約50kb、約50kb〜約60kb、約60kb〜約70kb、約70kb〜約80kb、約80kb〜約90kb、約90kb〜約100kb、約100kb〜約110kb、約110kb〜約120kb、約120kb〜約130kb、約130kb〜約140kb、約140kb〜約150kb、約150kb〜約160kb、約160kb〜約170kb、約170kb〜約180kb、約180kb〜約190kb、又は約190kb〜約200kbである。一実施形態では、欠失のサイズは、LTVECの5’及び3’ホモロジーアームの合計のサイズと同じ又は同様である。

0162

一実施形態では、LTVECは、本明細書の別の個所で考察されるように、選択カセット又はレポーター遺伝子を含む。

0163

III.配列の導入及びトランスジェニック動物生成方法
上記で概説したように、本明細書には、DR6遺伝子座の標的化された遺伝子修飾を可能にする方法及び組成物が提供される。付加的な標的化された遺伝子修飾が作製され得ることが、更に認識される。これらの標的化された遺伝子修飾を可能にするそのような系は、様々な構成成分を採用することができ、参照を容易にするために、本明細書において、用語「標的化されたゲノム組み込み系」は、一般的に、組み込み事象のために必要とされるすべての構成成分を含む(すなわち、様々なヌクレアーゼ剤、認識部位、挿入DNAポリヌクレオチド、標的化ベクター、標的ゲノム遺伝子座、及び対象となるポリヌクレオチド)。

0164

本明細書に提供される方法は、細胞中に、標的化されたゲノム組み込み系の様々な構成成分を含む1つ以上のポリヌクレオチド又はポリペプチド構築物を導入することを含む。「導入すること」は、配列が細胞の内部に接近するような様式で、細胞に配列(ポリペプチド又はポリヌクレオチド)を提示することを意味する。本明細書に提供される方法は、ポリヌクレオチドが少なくとも1つの細胞の内部に接近する限り、細胞中に標的化されたゲノム組み込み系の任意の構成成分を導入するための特定の方法に依存しない。様々な細胞型にポリヌクレオチドを導入するための方法は、当該技術分野において既知であり、安定トランスフェクション方法、一過性トランスフェクション方法、及びウイルス媒介性方法が挙げられるがこれらに限定されない。

0165

いくつかの実施形態では、方法及び組成物で採用される細胞は、それらのゲノムに安定的に組み込まれたDNA構築物を有する。「安定的に組み込まれた」又は「安定的に導入された」は、ヌクレオチド配列が細胞のゲノムに組み込み、その子孫によって遺伝されるような、細胞中へのポリヌクレオチドの導入を意味する。DNA構築物又は標的化されたゲノム組み込み系の様々な構成成分の安定的な組み込みのために、任意のプロトコルが使用されてもよい。

0166

トランスフェクションプロトコル並びに細胞中にポリペプチド又はポリヌクレオチド配列を導入するためのプロトコルは、異なり得る。非限定的なトランスフェクション法として、リポソームナノ粒子リン酸カルシウム(Graham et al.(1973).Virology 52(2):456〜67,Bacchetti et al.(1977)Proc Natl Acad Sci USA 74(4):1590〜4、及びKriegler,M(1991).Transfer and Expression:A Laboratory Manual,New York:W.H.Freeman and Company.pp.96〜97)、デンドリマー、又はDEAEデキストラン若しくはポリエチレンイミンなどのカチオン性ポリマーの使用を含む、化学ベースのトランスフェクション法が挙げられる。非化学的方法としては、電気穿孔法ソノポレーション、及び光学トランスフェクションが挙げられる。粒子系トランスフェクションとしては、遺伝子銃の使用、磁性補助トランスフェクション(Bertram,J.(2006)Current Pharmaceutical Biotechnology 7,277−28)が挙げられる。ウイルス方法もまた、トランスフェクションのために使用され得る。

0167

非ヒト動物は、本明細書に開示される様々な方法を採用して生成され得る。かかる方法は、(1)本明細書に開示される方法を採用して、非ヒト動物の多能性細胞の対象となる標的DR6ゲノム遺伝子座において対象となる1つ又は2つ以上のポリヌクレオチドを統合し、標的化されたDR6ゲノム遺伝子座に挿入ポリヌクレオチドを含む遺伝子修飾された多能性細胞を生成することと、(2)標的化されたDR6ゲノム遺伝子座において、対象となる1つ又は2つ以上のポリヌクレオチドを有する遺伝子修飾された多能性細胞を選択することと、(3)例えば、桑実期前に、遺伝子修飾された多能性細胞を非ヒト動物の宿主胚に導入することと、(4)遺伝子修飾された多能性細胞を含む宿主胚を代理母移植して、遺伝子修飾された多能性細胞由来のF0世代を生成することと、を含む。同様の方法が、困難な標的染色体遺伝子座を標的化するために採用され得る。非ヒト動物は、非ヒト哺乳動物、げっ歯類、マウス、ラット、ハムスター、サル、農業用哺乳動物若しくは家畜哺乳動物、又は魚類又は鳥類であってもよい。

0168

多能性細胞は、ヒトES細胞、非ヒトES細胞、げっ歯類ES細胞、マウスES細胞ラットES細胞、ハムスターES細胞、サルES細胞、農業用哺乳動物ES細胞、又は家畜哺乳動物ES細胞であってもよい。他の実施形態では、多能性細胞は、非ヒト細胞、哺乳類細胞、ヒト細胞、非ヒト哺乳類細胞、ヒト多能性細胞、ヒトES細胞、ヒト成体幹細胞、発達制限されたヒト前駆細胞、ヒトiPS細胞、げっ歯類細胞、ラット細胞、マウス細胞、ハムスター細胞である。一実施形態では、標的化された遺伝子修飾は、DR6の機能欠失をもたらす。

0169

マウス多能性細胞、全能性細胞、又は宿主胚は、例えば、近交種、交雑種、及び非近交種を含む、任意のマウスの系統のものであってよい。マウスの系統の例として、129系統、C57BL系統(例えば、C57BL/6系統)、129及びC57BL/6の混合(例えば、50% 129及び50% C57BL/6)、BALB/c系統、並びにSwiss Webster系統が挙げられる。129系統の例として、129P1、129P2、129P3、129X1、129S1(例えば、12951/SV、12951/SvIm)、129S2、129S4、129S5、12959/SvEvH、129S6(129/SvEvTac)、129S7、129S8、129T1、及び129T2が挙げられる(例えば、Festing et al.(1999)Revised nomenclature for strain 129 mice,Mammalian Genome 10:836を参照されたい)。C57BL系統の例としては、C57BL/A、C57BL/An、C57BL/GrFa、C57BL/KaLwN、C57BL/6、C57BL/6J、C57BL/6ByJ、C57BL/6NJ、C57BL/10、C57BL/10ScSn、C57BL/10Cr、及びC57BL/01aが挙げられる。マウスは、前述の129系統(例えば、129S6(129/SvEvTac)系統)及び前述のC57BL/6系統の混合、1つ若しくは2つ以上の前述の129系統の混合、又は1つ若しくは2つ以上の前述のC57BL系統の混合であってよい。マウスは、129系統を除く系統由来であってもよい。

0170

ラット多能性細胞、全能性細胞、又は宿主胚は、例えば、近交種、交雑種、及び非近交種を含む、任意のラットの系統由来であってよい。ラットの系統の例としては、ACIラット系統、Dark Agouti(DA)ラット系統、ウィスターラット系統、LEAラット系統、Sprague Dawley(SD)ラット系統、又はFischer F3444若しくはFisher F6などのFischerラット系統が挙げられる。ラット多能性細胞、全能性細胞、又は宿主胚はまた、上記で列挙された2つ以上の系統の混合由来の系統から得ることができる。例えば、ラット多能性細胞、全能性細胞、又は宿主胚は、DA系統及びACI系統から選択された系統由来であってよい。ACIラット系統は、白色の腹及び足、並びにRT1av1ハプロタイプを有する、黒いアグーチを有するものと特徴付けられる。そのような系統は、Harlan Laboratoriesを含む様々な供給元から入手可能である。ACIラット由来のラットES細胞株の例は、ACI.G1ラットES細胞である。Dark Agouti(DA)ラット系統は、アグーチコート及びRT1av1ハプロタイプを有することを特徴とする。そのようなラットは、Charles River及びHarlan Laboratoriesを含む様々な供給元から入手可能である。DAラット由来のラットES細胞株の例は、DA.2BラットES細胞株及びDA.2CラットES細胞株である。ラット系統の他の例は、それぞれが全体として参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第2014/0235933号、同第2014/0310828号、及び同第2014/0309487号に提供されている。

0171

例えば、生殖細胞系伝達可能ラットES細胞は、N2サプリメント、B27サプリメント、約50U/mL〜約150U/mLの白血病抑制因子(LIF)、並びにMEK抑制物質及びGSK3抑制物質からなる抑制物質の組み合わせを含む培地を使用して、フィーダー細胞層の単離されたラットES細胞を培養することにより得ることができ、フィーダー細胞層は、LIFを発現するために修飾されず、ラットES細胞は(i)選択マーカーを含む異種ポリヌクレオチドの、ラットESセルのゲノムへの少なくとも1つの挿入を含み、かつ、生殖細胞系を介して標的化された遺伝子修飾を伝達できるように修飾されており、(ii)正常核型を有し、(iii)c−Mycの発現を欠き、(iv)培養中に球状の不動コロニーを形成する(例えば、それぞれが全体として参照により組み込まれている、米国特許第2014−0235933 A1号及び同第2014−0310828 A1号を参照されたい)。ラット胚幹細胞の誘導及び標的化修飾の他の例は、例えば、Yamamoto et al.(「Derivation of rat embryonic stem cells and generation of protease−activated receptor−2 knockout rats」Transgenic Res.21:743〜755,2012)並びにKwamata及びOchiya(「Generation of genetically modified rats from embryonic stem cells」Proc.Natl.Acad.Sci.USA 107(32):14223〜14228,2010)に提供される。

0172

核移植技術もまた、非ヒト動物を生成するために使用され得る。端的には、核移植方法は、(1)卵母細胞除核する工程と、(2)除核した卵母細胞と組み合わされるドナー細胞又は核を単離する工程と、(3)細胞又は核を除核した卵母細胞に挿入して、再構成細胞を形成する工程と、(4)再構成細胞を動物の子宮着床させて、胚を形成する工程と、(5)胚を発生させる工程と、を含むことができる。そのような方法において、卵母細胞は、概して、死亡動物から回収されるが、それらは、生存動物の卵管及び/又は卵巣のいずれかからも単離され得る。卵母細胞は、除核前に当業者に既知の様々な培地中で成熟させられ得る。卵母細胞の除核は、当業者に周知のいくつかの方法で実施され得る。再構成細胞を形成するための除核卵母細胞へのドナー細胞又は核の挿入は、通常、融合前の透明帯下でのドナー細胞の微量注射による。融合は、接触/融合面電気融合)にわたるDC電気パルス印加によって、ポリエチレングリコールなどの融合促進化物質への細胞の曝露によって、又はセンダイウイルスなどの不活性化ウイルスによって誘発されてもよい。再構成細胞は、典型的には、核ドナー及びレシピエント卵母細胞の融合前、中、及び/又は後に、電気及び/又は非電気手段によって活性化される。活性化方法としては、電気パルス、化学誘導ショック精子による侵入、卵母細胞内の二価陽イオンのレベルの増加、及び卵母細胞内の(キナーゼ阻害剤などによる)細胞タンパク質のリン酸化の低減が挙げられる。活性化された再構成細胞又は胚は、典型的には、当業者に周知の培地中で培養され、次いで、動物の子宮に移される。例えば、米国第20080092249号、国際公開第/1999/005266A2号、米国第20040177390号、国際公開第/2008/017234A1号、及び米国特許第7,612,250号を参照されたく、これらのそれぞれが参照により本明細書に組み込まれる。

0173

本明細書に記載されるように、1つ又は2つ以上の遺伝子修飾をその生殖細胞系に含む非ヒト動物を作製する他の方法であって、(a)本明細書に記載の様々な方法を採用する原核細胞中の非ヒト動物の標的化されたゲノムDR6遺伝子座を修飾することと、(b)標的化されたゲノム遺伝子座における遺伝子修飾を含む、修飾された原核細胞を選択することと、(c)修飾された原核細胞のゲノムから遺伝子修飾された標的化ベクターを単離することと、(d)非ヒト動物の多能性細胞に遺伝子修飾された標的化ベクターを導入して、標的化されたDR6ゲノム遺伝子座において挿入核酸を含む遺伝子修飾された多能性細胞を生成することと、(e)遺伝子修飾された多能性細胞を選択することと、(f)桑実期前に非ヒト動物の宿主胚に遺伝子修飾された多能性細胞を導入することと、(g)遺伝子修飾された多能性細胞由来のF0世代を生成するため、遺伝子修飾された多能性細胞を含む宿主胚を代理母に移植することと、を含む、方法が提供される。かかる方法では、標的化ベクターは、大型標的化ベクターを含んでもよい。非ヒト動物は、非ヒト哺乳動物、げっ歯類、マウス、ラット、ハムスター、サル、農業用哺乳動物、又は家畜哺乳動物であってもよい。多能性細胞は、ヒトES細胞、非ヒトES細胞、げっ歯類ES細胞、マウスES細胞、ラットES細胞、ハムスターES細胞、サルES細胞、農業用哺乳動物ES細胞、又は家畜哺乳動物ES細胞であってもよい。他の実施形態では、多能性細胞は、非ヒト細胞、哺乳類細胞、ヒト細胞、非ヒト哺乳類細胞、ヒト多能性細胞、ヒトES細胞、ヒト成体幹細胞、発達制限されたヒト前駆細胞、ヒトiPS細胞、ヒト細胞、げっ歯類細胞、ラット細胞、マウス細胞、ハムスター細胞である。一実施形態では、標的化された遺伝子修飾は、DR6の機能欠失をもたらす。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ