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技術 風味向上剤及びこれを含有する飲食品

出願人 三井製糖株式会社
発明者 藤井沙代子塩見和世古田到真
出願日 2018年7月12日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2018-132453
公開日 2020年1月16日 (1年1ヶ月経過) 公開番号 2020-005608
状態 未査定
技術分野 乳製品 調味料 飼料または食品用豆類 肉類、卵、魚製品
主要キーワード インテリジェントセンサ 味認識装置 多孔質性樹脂 素材本来 乾燥臭 湿潤体 油脂感 遠心式薄膜真空蒸発装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (1)

課題

飲食品風味を向上させることが可能な風味向上剤、及び当該風味向上剤を含有する飲食品を提供すること。

解決手段

バガスの分解抽出物を含有する、風味向上剤。

概要

背景

従来、苦味渋味酸味、青臭味エグ味、いがらっぽい味、金属味レトルト臭に代表される、飲食品の持つ嫌味を選択的に消去又は低減する風味改善剤が知られている。例えば、特許文献1には、甘蔗由来蒸留物を有効成分とする飲食品の風味改善剤であって、甘蔗汁蒸留して得られる蒸留物を、固定担体として合成吸着剤充填されたカラム通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒溶出することによって得られる画分であることを特徴とする風味改善剤が記載されている。また、特許文献2には、甘蔗由来のエキスを有効成分として飲食品に添加し、該飲食品の風味を向上させる方法であって、甘蔗由来のエキスが、甘蔗汁、甘蔗溶媒抽出液及び甘蔗由来の糖蜜から選ばれる原料を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理することにより得られる画分であり、飲食品の風味の向上が、食塩含有飲食品塩風味の向上、含有飲食品の卵風味の向上、香料含有飲食品の香料風味の向上のいずれかである、前記方法が記載されている。

概要

飲食品の風味を向上させることが可能な風味向上剤、及び当該風味向上剤を含有する飲食品を提供すること。バガスの分解抽出物を含有する、風味向上剤。なし

目的

本発明は、飲食品の風味を向上させることが可能な風味向上剤、及び当該風味向上剤を含有する飲食品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

バガスの分解抽出物を含有する、風味向上剤

請求項2

前記バガスの分解抽出物は、アルカリ処理水熱処理酸処理亜臨界水処理微粉砕処理及び爆砕処理からなる群より選ばれる少なくとも1種の分解処理により得られる分解処理液である、請求項1に記載の風味向上剤。

請求項3

前記バガスの分解抽出物は、前記分解処理液を、固定担体充填したカラム通液することより得られる画分である、請求項2に記載の風味向上剤。

請求項4

前記固定担体は、合成吸着剤又はイオン交換樹脂である、請求項3に記載の風味向上剤。

請求項5

前記固定担体が合成吸着剤であり、前記バガスの分解抽出物は、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノールエタノール及びこれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒溶出させることにより得られる画分である、請求項3に記載の風味向上剤。

請求項6

前記合成吸着剤は、芳香族系樹脂アクリル酸メタクリル樹脂、又はアクリロニトリル脂肪族系樹脂である、請求項4又は5に記載の風味向上剤。

請求項7

前記バガスの分解抽出物は、前記分解処理液を、固定担体としての合成吸着剤を充填したカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール及び水の混合溶媒で溶出させて得られる画分であり、前記合成吸着剤は、無置換基型の芳香族系樹脂であり、前記カラムの温度は20〜60℃であり、前記混合溶媒のエタノール及び水の体積比(エタノール/水)は50/50〜60/40である、請求項2に記載の風味向上剤。

請求項8

飲食品の好ましい風味を増強する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の風味向上剤。

請求項9

飲食品の嫌味を低減する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の風味向上剤。

請求項10

請求項1〜9のいずれか一項に記載の風味向上剤を含有する、飲食品。

請求項11

バガスの分解抽出物を含有する、飲食品の好ましい風味増強剤

請求項12

バガスの分解抽出物を含有する、飲食品の嫌味低減剤

技術分野

0001

本発明は、風味向上剤及びこれを含有する飲食品に関する。

背景技術

0002

従来、苦味渋味酸味、青臭味エグ味、いがらっぽい味、金属味レトルト臭に代表される、飲食品の持つ嫌味を選択的に消去又は低減する風味改善剤が知られている。例えば、特許文献1には、甘蔗由来蒸留物を有効成分とする飲食品の風味改善剤であって、甘蔗汁蒸留して得られる蒸留物を、固定担体として合成吸着剤充填されたカラム通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒溶出することによって得られる画分であることを特徴とする風味改善剤が記載されている。また、特許文献2には、甘蔗由来のエキスを有効成分として飲食品に添加し、該飲食品の風味を向上させる方法であって、甘蔗由来のエキスが、甘蔗汁、甘蔗溶媒抽出液及び甘蔗由来の糖蜜から選ばれる原料を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理することにより得られる画分であり、飲食品の風味の向上が、食塩含有飲食品塩風味の向上、含有飲食品の卵風味の向上、香料含有飲食品の香料風味の向上のいずれかである、前記方法が記載されている。

先行技術

0003

特開2001−299264号公報
特開2003−265135号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、飲食品の風味を向上させることが可能な風味向上剤、及び当該風味向上剤を含有する飲食品を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、バガスの分解抽出物が、特許文献1及び2に記載される成分とは異質な飲食品の風味向上効果を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。

0006

本発明は、第1の態様として、バガスの分解抽出物を含有する、風味向上剤を提供する。

0007

バガスの分解抽出物は、アルカリ処理水熱処理酸処理亜臨界水処理微粉砕処理及び爆砕処理からなる群より選ばれる少なくとも1種の分解処理により得られる分解処理液であってよい。

0008

バガスの分解抽出物は、分解処理液を、固定担体を充填したカラムに通液することより得られる画分であってもよい。固定担体は、好ましくは、合成吸着剤又はイオン交換樹脂である。

0009

固定担体が合成吸着剤である場合、バガスの分解抽出物は、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノール及びこれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒で溶出させることにより得られる画分であってもよい。

0010

合成吸着剤は、好ましくは、芳香族系樹脂アクリル酸メタクリル樹脂、又はアクリロニトリル脂肪族系樹脂である。

0011

バガスの分解抽出物は、分解処理液を、固定担体としての合成吸着剤を充填したカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール及び水の混合溶媒で溶出させて得られる画分であってよく、この場合、合成吸着剤は、無置換基型の芳香族系樹脂であり、カラムの温度は20〜60℃であり、混合溶媒のエタノール及び水の体積比(エタノール/水)は50/50〜60/40であってもよい。

0012

風味向上剤は、飲食品の好ましい風味を増強する風味向上剤であってよい。風味向上剤は、飲食品の嫌味を低減する風味向上剤であってもよい。

0013

本発明は、第2の態様として、上記の風味向上剤を含有する、飲食品を提供する。

0014

本発明は、第3の態様として、バガスの分解抽出物を含有する、飲食品の好ましい風味増強剤を提供するということもできる。

0015

本発明は、第4の態様として、バガスの分解抽出物を含有する、飲食品の嫌味低減剤を提供するということもできる。

発明の効果

0016

本発明によれば、飲食品の風味を向上させることが可能な新規な風味向上剤、及び当該風味向上剤を含有する飲食品を提供することができる。

図面の簡単な説明

0017

甘蔗由来の抽出物における溶出パターンを示すグラフである。

0018

以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。

0019

本発明の風味向上剤は、飲食品の風味を向上させる作用を有する。風味とは、味及び臭いの各々、味と臭いとが複合的に存在するときに感じ感覚、並びに、味とのどへの刺激とが複合的に存在するときに感じる感覚の全てを包含する。

0020

好ましい風味は、人が好ましいと感じられる風味であり、例えば、おいしさ、すっきり感、さっぱり感、食べやすさ、飲みやすさ、まろやかさ、口当たりのよさ、素材本来の風味等が挙げられる。

0021

嫌味とは、人が好ましくないと感じられる風味のことをいい、例えば、酸味、苦味、臭み、エグ味、雑味、嫌な後味劣化臭レトルト殺菌臭、乾燥臭油臭、卵の臭み、肉の獣臭の生臭さ、豆及び野菜の青臭さ、油脂感刺激感、粉っぽさ、味のべたつき、金属味等が挙げられる。

0022

本発明の風味向上剤は、一実施形態において、飲食品の好ましい風味を増強させる作用を有する。飲食品の好ましい風味を増強させる作用とは、上述した好ましい風味がより強く感じられるようになることであってよい。すなわち、一実施形態に係る風味向上剤は、飲食品の好ましい風味を増強させる作用に基づくものであってよい。また、本発明は、飲食品の好ましい風味増強剤を提供するということもできる。

0023

本発明の風味向上剤は、他の実施形態において、飲食品の嫌味を低減する作用を有する。飲食品の嫌味を低減する作用は、上述した飲食品の嫌味がより感じにくくなることであってよい。すなわち、一実施形態に係る風味向上剤は、飲食品の嫌味を低減する作用に基づくものであってよい。また、本発明は、飲食品の嫌味低減剤を提供するということもできる。

0024

風味向上剤は、飲食品の好ましい風味を増強する作用及び嫌味を低減する作用のいずれか一方の作用を有していてもよく、両方の作用を有していてもよい。

0025

一実施形態に係る風味向上剤は、バガスの分解抽出物を含有する。バガスの分解抽出物には、p−クマル酸フェルラ酸カフェ酸及びバニリン等のフェニルプロパノイド、並びにリグニン及びその分解物からなる群より選ばれる少なくとも1種が含まれていることが好ましい。

0026

「バガス」とは、典型的には原料糖製造工程における製糖過程で排出されるバガスをいう。原料糖工場における製糖過程で排出されるバガスには、最終圧搾機を出た最終バガスだけではなく、第1圧搾機を含む以降の圧搾機に食い込まれた細裂甘蔗をも含む。好適なバガスは、原料糖工場において圧搾工程により糖を圧搾した後に排出されるバガスである。当該バガスは、甘蔗の種類、収穫時期等により、その含まれる水分、糖分及びそれらの組成比が異なるが、本発明においては、これらのバガスを任意に用いることができる。さらに、本実施形態では、原料のバガスとして、原料糖工場と同様に、例えば黒糖製造工場において排出される甘蔗圧搾後に残るバガス、又は実験室レベル小規模な実施により甘蔗から糖液を圧搾した後のバガスも用いることができる。

0027

バガスの分解抽出物は、一実施形態において、バガス(及び/又はその加工物)の分解処理液であってよい。分解処理液は、アルカリ処理、水熱処理、酸処理、亜臨界水処理、微粉砕処理及び爆砕処理からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の分解処理により得ることができる。分解処理は、バガスの分解抽出物を得やすい観点から、好ましくはアルカリ処理又は水熱処理である。

0028

アルカリ処理は、バガスにアルカリ性溶液を接触させる処理であってよい。アルカリ性溶液を接触させる方法としては、例えば、アルカリ性溶液をバガスに振りかける方法、バガスをアルカリ性溶液に浸漬させる方法等が挙げられる。バガスをアルカリ性溶液に浸漬させる方法においては、バガス及びアルカリ性溶液の混合物を撹拌しながら浸漬させてもよい。

0029

アルカリ性溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液水酸化カリウム水溶液アンモニア水溶液等が挙げられる。アルカリ性溶液は、これらの溶液を1種単独で又は2種以上を混合して用いられてよい。アルカリ性溶液は、安価であり、食品製造工程で容易に用いられる観点から、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である。

0030

アルカリ性溶液の温度(液温)は、分解処理の処理時間を短縮する観点から、好ましくは40℃以上であり、より好ましくは100℃以上であり、更に好ましくは130℃以上である。アルカリ性溶液の温度は、分解処理液に多糖類を残存させないようにする観点から、好ましくは250℃以下であり、より好ましくは200℃以下であり、更に好ましくは150℃以下である。

0031

アルカリ処理は、常圧下で行われてよく、加圧して行われてもよい。加圧する場合、圧力は、0.1MPa以上、又は0.2MPa以上であってよく、4.0MPa以下、1.6MPa以下、又は0.5MPa以下であってよい。

0032

水熱処理は、バガスに高温の水又は水蒸気高圧下で接触させる処理であってよい。水熱処理は、より具体的には、例えば、バガスの固形物濃度が0.1〜50%となるように水を加え、高温・高圧条件下で分解処理を行う方法であってもよい。水又は水蒸気の温度は130〜250℃であることが好ましく、加える圧力は、各温度の水の飽和水蒸気圧に、更に0.1〜0.5MPa高い圧力であることが好ましい。

0033

酸処理は、バガスに酸性溶液を接触させる処理であってよい。酸性溶液としては、希硫酸等が挙げられる。バガスに酸性溶液を接触させる方法、酸処理における酸溶液の温度、酸処理における圧力条件は、上述したアルカリ処理における方法又は条件と同様であってよい。

0034

亜臨界水処理は、バガスに亜臨界水を接触させる処理であってよい。バガスに亜臨界水を接触させる方法は、上述したアルカリ処理における方法と同様であってよい。亜臨界水処理の条件は特に制限されないが、亜臨界水の温度を160〜240℃とし、処理時間を1〜90分間とすることが好ましい。

0035

微粉砕処理は、圧縮、衝撃、せん断摩擦などによりバガスを数μm〜数百μmに粉砕する処理であってよい。爆砕処理は、水熱処理によりバガスに含まれる不溶性キシランをある程度分解させた後、耐圧反応容器に設けられたバルブ一気開放すること等によって、瞬間的に大気圧に放出することによりバガスを粉砕する処理であってよい。

0036

分解処理液においては、上述した分解処理の後、固形分及び液分を分離する処理がなされてもよい。この場合、分離後に得られた液分を分解処理液とすることができる。固形分及び液分を分離する方法は、ストレーナー、ろ過、遠心分離デカンテーション等による分離であってよい。

0037

分解処理液においては、膜分離により多糖類等の高分子成分が除去されてもよい。この場合、膜分離後の液分を分解処理液とすることができる。分離膜は、限外濾過膜UF膜)であれば特に限定されない。限外濾過膜の分画分子量は、好ましくは2,500〜50,000であり、より好ましくは2,500〜5,000である。

0039

限外濾過膜の濾過方式は、デッドエンド濾過クロスフロー濾過であってよいが、膜ファウリング抑制の観点から、クロスフロー濾過であることが好ましい。

0040

限外濾過膜の膜形態としては、平膜型、スパイラル型チューブラー型中空糸型等、適宜の形態のものが使用できる。より具体的には、GE Power&WaterのGEシリーズGHシリーズ、GKシリーズ、DESAL社のG−5タイプ、G−10タイプ、G−20タイプ、G−50タイプ、PWタイプ、HWSUFタイプ、KOCH社のHFM−180、HFM−183、HFM−251、HFM−300、HFK−131、HFK−328、MPT−U20、MPS−U20P、MPS−U20S、Synder社のSPE1、SPE3、SPE5、SPE10、SPE30、SPV5、SPV50、SOW30、旭化成株式会社製のマイクローザ(登録商標)UFシリーズの分画分子量3,000から10,000に相当するもの、日東電工株式会社製のNTR7410、NTR7450等が挙げられる。

0041

バガスの分解抽出物は、他の実施形態において、上述した分解処理液を、固定担体を充填したカラムに通液することより得られる画分であってもよい。分解処理液をカラムに通液することにより、分解処理液中の風味を向上させる作用を有する成分が固定担体に吸着され、糖類及び無機塩類の大部分がそのまま流出する。

0042

上述した分解処理液は、直接又は水で任意の濃度に調整して、カラムに通液することができる。分解処理液においては、カラムの通液前にpHを調整してもよい。吸着率を向上させる観点から、分解処理液は、pH6以下に調整されていることが好ましい。分解処理液のpHは、4.5を超え6以下であってもよい。

0043

固定担体は、好ましくは、合成吸着剤又はイオン交換樹脂のいずれかである。

0044

合成吸着剤は、好ましくは合成多孔質吸着剤である。合成吸着剤(合成多孔質吸着剤)としては、好ましくは有機系樹脂が用いられる。有機系樹脂は、好ましくは、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂、又はアクリロニトリル脂肪族系樹脂である。

0045

芳香族系樹脂としては、例えば、スチレンジビニルベンゼン系樹脂が挙げられる。芳香族系樹脂としては、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、無置換基型の芳香族系樹脂、無置換基型に特殊処理をした芳香族系樹脂等の多孔質性樹脂も挙げられ、このうち、無置換基型の芳香族系樹脂又は無置換基型に特殊処理をした芳香族系樹脂が好ましい。

0046

合成吸着剤で市販のものとしては、ダイヤイオン(商標)HP−10、HP−20、HP−21、HP−30、HP−40、HP−50(以上、無置換基型の芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱ケミカル株式会社製);SP−825、SP−800、SP−850、SP−875、SP−70、SP−700(以上、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱ケミカル株式会社製);SP−900(芳香族系樹脂、商品名、三菱ケミカル株式会社製);アンバーライト(商標)XAD−2、XAD−4、XAD−16、XAD−2000(以上、芳香族系樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイヤイオン(商標)SP−205、SP−206、SP−207(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱ケミカル株式会社製);HP−2MG、EX−0021(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱ケミカル株式会社製);アンバーライト(商標)XAD−7、XAD−8(以上、アクリル酸エステル樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイヤイオン(商標)HP1MG、HP2MG(以上、アクリル酸メタクリル樹脂、いずれも商品名、三菱ケミカル株式会社製);セファデックス(商標)LH20、LH60(以上、架橋デキストラン誘導体、いずれも商品名、ファルマシアバイオテク株式会社製)等が挙げられる。中でも、無置換基型の芳香族系樹脂(例えば、HP−20)又は無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂(例えば、SP−850)が好ましい。

0047

カラムに充填する合成吸着剤の量は、カラムの大きさ、合成吸着剤の種類等によって適宜決定することができる。

0048

固定担体として合成吸着剤を用いる場合、分解処理液を通液するときの通液速度は、カラムの大きさ、溶出溶媒の種類、合成吸着剤の種類等によって適宜変更が可能であるが、好ましくは、SV=1〜30時間−1である。なお、SV(Space Velocity、空間速度)は、1時間当たり樹脂容量の何倍量の液体を通液するかという単位である。

0049

合成吸着剤に吸着された吸着成分は、溶媒(溶出溶媒)により溶出させることができる。吸着成分をより効率よく回収する観点から、吸着成分を溶出させる前に、カラムに残留する糖類及び無機塩類を水洗により洗い流すことが好ましい。この場合、溶出させた成分をバガスの分解抽出物とすることができる。

0050

固定担体として合成吸着剤を用いる場合、溶出溶媒は、水、メタノール、エタノール及びこれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。溶出溶媒は、アルコール及び水の混合溶媒が好ましく、エタノール及び水の混合溶媒がより好ましく、吸着成分が室温においてより効率よく溶出可能となる観点から、体積比が50/50〜60/40(エタノール/水)であるエタノール及び水の混合溶媒が更に好ましい。

0051

固定担体として合成吸着剤を用いる場合、溶出する際のカラムの温度(カラム温度)は室温であってよいが、室温よりもカラム温度を高温にすることにより、エタノール及び水の混合溶媒においてエタノールの混合割合を減らすことができ、吸着成分をより効率的に溶出させることができる。温度は、好ましくは20〜60℃であり、より好ましくは40〜60℃である。カラム内は常圧条件下であっても、加圧条件下であってもよい。

0052

固定担体として合成吸着剤を用いる場合、溶出速度は、カラムの大きさ、溶出溶媒の種類、合成吸着剤の種類等によって適宜設定することが可能であるが、好ましくは、SV=0.1〜10時間−1である。

0053

イオン交換樹脂は、樹脂の形態に基づいて、ゲル型樹脂と、ポーラス型マイクロポーラス型又はハイポラス型等の多孔性樹脂とに分類されるが、特に制限はない。イオン交換樹脂は、好ましくは陰イオン交換樹脂である。陰イオン交換樹脂としては、強塩基性陰イオン交換樹脂又は弱塩基性陰イオン交換樹脂が用いられてよい。アルカリ処理液を原料として使用する場合、好ましくは、強塩基性陰イオン交換樹脂が用いられるが、その他の処理による分解処理液を原料とする場合は特に制限はない。

0054

市販の強塩基性陰イオン交換樹脂としては、ダイヤイオン(商標)PA306、PA308、PA312、PA316、PA318L、HPA25、SA10A、SA12A、SA11A、SA20A、UBA120(以上、三菱ケミカル株式会社製)、アンバーライト(商標)IRA400J、IRA402Bl、IRA404J、IRA900J、IRA904、IRA458RF、IRA958、IRA410J、IRA411、IRA910CT(以上、オルガノ株式会社製)、ダウエックス(商標)マラソンA、マラソンMSA、MONOSPHERE550A、マラソンA2(以上、ダウケミカル日本株式会社製)等が挙げられる。

0055

市販の弱塩基性陰イオン交換樹脂としては、ダイヤイオン(商標)WA10、WA20、WA21J、WA30(以上、三菱ケミカル株式会社製)、アンバーライト(商標)IRA478RF、IRA67、IRA96SB、IRA98、XE583(以上、オルガノ株式会社製)、ダウエックス(商標)マラソンWBA、66、MONOSPHERE66、MONOSPHERE77(以上、ダウケミカル日本株式会社製)等が挙げられる。

0056

カラムに充填するイオン交換樹脂の量は、カラムの大きさ、イオン交換樹脂の種類などによって適宜決定できるが、分解処理液の固形分に対して2〜10,000倍湿潤体積量が好ましく、5〜500倍湿潤体積量がより好ましい。

0057

通液条件は、前処理液の種類、イオン交換樹脂の種類等により適宜設定することが可能である。好ましくは、流速はSV=0.3〜30時間−1であり、通液する液量はイオン交換樹脂の100〜300%であり、カラム温度は40〜90℃である。カラム内は常圧又は加圧された状態であってもよい。

0058

固定担体としてイオン交換樹脂を用いる場合、バガスの分解抽出物は、イオン交換樹脂を充填したカラムに通液し、塩や酸、アルコール又はこれらの混合水溶液等の溶離液で溶出させることで得られる画分であってもよい。溶離液は脱気処理されていてもよい。

0059

バガスの分解抽出物は、一実施形態においては、上述した分解処理液又は画分を濃縮した濃縮物であってもよい。濃縮方法は公知の方法であってよく、例えば、減圧下での溶媒留去、凍結乾燥等の方法であってよい。濃縮を行う場合、分解処理液又は画分を15〜30倍に濃縮して、濃縮後の成分をバガスの分解抽出物とすることができる。

0060

バガスの分解抽出物は、例えば、次のようにして得ることができる。バガスに、固形物濃度が0.1〜50%となるように1質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加して100℃で煮沸を行い、分解処理液(アルカリ処理液)を得る。分解処理液を分画分子量2500〜5000のUF膜にて限外濾過を行い、得られた濾過液酸性に調整してから、無置換基型の芳香族系樹脂を充填したカラムに、カラム温度20〜60℃にて通液する。その後、カラムに吸着された成分を、カラム温度20〜60℃にて、体積比が50/50〜60/40(エタノール/水)のエタノール及び水の混合溶媒(溶出溶媒)で溶出させ、エタノール及び水の混合溶媒での溶出開始時点から集めた溶出液の量が該芳香族系樹脂の45倍湿潤体積量以内に溶出する画分を回収する。回収された画分(風味を向上させる作用を有する成分を含む画分)を集め、慣用の手段(減圧下での溶媒留去、凍結乾燥等)により濃縮して、バガスの分解抽出物を得ることができる。このようにして得られたバガスの分解抽出物は、固形分が30質量%以上になるように濃縮した液状又は粉末状の抽出物として保存することができる。抽出物の保存は、当該抽出物が液状の場合、冷蔵で行うことが好ましい。

0061

バガスの分解抽出物は、他の例として、例えば、次のようにして得ることもできる。すなわち、バガスに固形物濃度が0.1〜50%となるように加水して、130〜250℃の水により、0.2〜4.0Mpaの圧力下で水熱処理を行い、濾過による固液分離で分解処理液(水熱処理液)を得る。得られた水熱処理液について、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂を充填したカラムに、温度20〜60℃にて通液した後、カラムに吸着された成分を、カラム温度20〜60℃にて、体積比が50/50〜60/40(エタノール/水)のエタノール及び水の混合溶媒(溶出溶媒)で溶出させ、エタノール及び水の混合溶媒での溶出開始時点から集めた溶出液の量が該芳香族系樹脂の5倍湿潤体積量以内に溶出する画分を回収する。回収された画分(風味を向上させる作用を有する成分を含む画分)を集め、慣用の手段(減圧下での溶媒留去、凍結乾燥等)により濃縮して、バガスの分解抽出物を得ることができる。このようにして得られたバガスの分解抽出物は、固形分が30質量%以上になるように濃縮した液状又は粉末状の抽出物として保存することができる。抽出物の保存は、当該抽出物が液状の場合、冷蔵で行うことが好ましい。

0062

上述した各実施形態におけるバガスの分解抽出物は、液状又は粉末状であってよい。粉末状のバガスの分解抽出物は、例えば、液状のバガス分解抽出物を用いて、スプレードライ法凍結乾燥法流動層造粒法、又は賦形剤を用いた粉末化法等により製造することができる。

0063

風味向上剤は、バガスの分解抽出物のみからなってもよく、食品組成物使用可能な素材を更に配合してもよい。食品組成物に使用可能な素材としては、特に制限されるものではないが、例えば、アミノ酸タンパク質炭水化物、油脂、甘味料ミネラルビタミン、香料、賦形剤、結合剤滑沢剤崩壊剤乳化剤界面活性剤基剤溶解補助剤懸濁化剤等が挙げられる。

0064

タンパク質としては、例えば、ミルクカゼインホエイ大豆タンパク小麦タンパク卵白等が挙げられる。炭水化物としては、例えば、コーンスターチ、セルロース、α化デンプン小麦デンプン米デンプン馬鈴薯デンプン等が挙げられる。油脂としては、例えば、サラダ油コーン油大豆油ベニバナ油オリーブ油パーム油等が挙げられる。甘味料としては、例えば、ブドウ糖ショ糖果糖ブドウ糖果糖液糖果糖ブドウ糖液糖等の糖類、キシリトールエリスリトールマルチトール等の糖アルコールスクラロースアスパルテームサッカリンアセスルファムK等の人工甘味料ステビア甘味料等が挙げられる。ミネラルとしては、例えば、カルシウムカリウムリンナトリウムマンガン、鉄、亜鉛マグネシウム等、及びこれらの塩類等が挙げられる。ビタミンとしては、例えば、ビタミンEビタミンCビタミンAビタミンDビタミンB類ビオチンナイアシン等が挙げられる。賦形剤としては、例えば、デキストリン、デンプン、乳糖結晶セルロース等が挙げられる。結合剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチンヒドロキシプロピルメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースカルボキシメチルセルロースナトリウムポリビニルピロリドン等が挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウムステアリン酸カルシウムタルク等が挙げられる。崩壊剤としては、例えば、結晶セルロース、寒天、ゼラチン、炭酸カルシウム炭酸水素ナトリウム、デキストリン等が挙げられる。乳化剤又は界面活性剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステルクエン酸乳酸グリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステルレシチン等が挙げられる。基剤としては、例えば、セトステアリルアルコールラノリンポリエチレングリコール等が挙げられる。溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール炭酸ナトリウムクエン酸ナトリウム等が挙げられる。懸濁化剤としては、例えば、モノステアリン酸グリセリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースヒドロキシメチルセルロースアルギン酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。

0065

風味向上剤が他の素材を配合する場合、バガスの分解抽出物の含有量は、風味向上剤の使用目的等に応じて適宜設定すればよいが、風味向上効果をより一層有効に発揮する観点から、好ましくは、固形分として0.1質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下であり、更に好ましくは70質量%以下である。

0066

上述した風味向上剤は、様々な飲食品に添加することにより、飲食品の風味を向上させることができる。より具体的には、風味向上剤を飲食品に添加することにより、飲食品の好ましい風味を増強させ、及び/又は飲食品の嫌味を低減させることができる。風味向上剤を飲食品に添加することは、飲食品に風味向上剤を付着させ、又は含浸させることを含む。これにより、飲食品は風味向上剤を含有する。すなわち、一実施形態に係る飲食品は、バガスの分解抽出物を含有する風味向上剤を含んでおり、風味が向上した飲食品である。風味向上剤を含有する飲食品には、風味向上剤が付着した飲食品、風味向上剤が含浸された飲食品が含まれる。

0067

飲食品は、一般的な飲食品の他、健康食品特定保健用食品機能性食品栄養機能食品サプリメント等を含む。飲食品は、乳飲料乳酸菌飲料豆乳飲料野菜飲料果実飲料茶類コーヒー飲料アルコール飲料、その他の清涼飲料水(酢を含有する飲料等)などの飲料;めん類、パン類野菜加工品果実加工品食肉製品加工魚介類乳製品豆類調製品スープ類調味料等の食品であってもよい。風味向上剤が風味を向上し得る飲食品は、好ましくは、豆乳飲料、酢を含有する飲料、乳酸菌飲料、食肉製品、又は加工魚介類である。

0068

例えば、飲食品が豆乳飲料である場合、風味向上剤は、豆乳飲料の好ましい風味を増強し得る。豆乳飲料の好ましい風味は、すっきり感、おいしさ、さっぱり感、飲みやすさ等であってよい。風味向上剤は、豆乳飲料の嫌味を低減し得る。豆乳飲料の嫌味は、豆の青臭さ、嫌な後味、エグ味・雑味等であってよい。

0069

飲食品が酢を含む飲料(酢含有飲料)である場合、風味向上剤は、酢含有飲料の好ましい風味を増強し得る。酢含有飲料の好ましい風味は、飲みやすさ、おいしさ、さっぱり感、まろやかさ、口当たり等であってよい。風味向上剤は、酢含有飲料の嫌味を低減し得る。酢含有飲料の嫌味は、酸味、嫌な後味等であってよい。

0070

飲食品が乳酸菌飲料である場合、風味向上剤は、乳酸菌飲料の好ましい風味を増強し得る。乳酸菌飲料の好ましい風味は、さっぱり感、すっきり感、飲みやすさ、おいしさ、後味のキレ等であってよい。風味向上剤は、乳酸菌飲料の嫌味を低減し得る。乳酸菌飲料の嫌味は、異味等であってよい。

0071

飲食品が食肉製品である場合、風味向上剤は、食肉製品の好ましい風味を増強し得る。食肉製品の好ましい風味は、肉本来の風味、おいしさ、食べやすさ、さっぱり感等であってよい。風味向上剤は、食肉製品の嫌味を低減し得る。食肉製品の嫌味は、嫌な後味、肉の臭み、油っぽさ等であってよい。

0072

飲食品が加工魚介類である場合、風味向上剤は、加工魚介類の好ましい風味を増強し得る。加工魚介類の好ましい風味は、魚介類本来の風味、おいしさ、食べやすさ、さっぱり感等であってよい。風味向上剤は、加工魚介類の嫌味を低減し得る。加工魚介類の嫌味は、嫌な後味、魚介類の臭み、油っぽさ等であってよい。

0073

風味向上剤の飲食品への添加量は、添加される飲食品の種類によって適宜選択することができる。風味向上剤に含まれるバガスの分解抽出物の添加量は、飲食品全量を基準として、0.3質量ppm以上、0.6質量ppm以上、0.8質量ppm以上、3質量ppm以上、5質量ppm以上、又は10質量ppm以上であってよく、50質量ppm以下、40質量ppm以下、30質量ppm以下であってよい。この範囲の添加量であれば、十分な風味向上効果を得ることができる。

0074

一実施形態に係る、飲食品の好ましい風味増強剤、及び飲食品の嫌味低減剤の具体的な態様は、上述した風味向上剤における態様と同様であってよい。すなわち、一実施形態に係る飲食品の好ましい風味増強剤、及び飲食品の嫌味低減剤は、上述した風味向上剤に関する説明において、「風味向上剤」を「飲食品の好ましい風味増強剤」、又は「飲食品の嫌味低減剤」と読み替えたものであってよい。

0075

以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。バガスの分解抽出物は、以下、単に「抽出物」と表現することがある。

0076

<バガスの分解抽出物の製造>
[製造例1]
サトウキビの搾りかすであるバガス15kg(含水率50質量%)及び0.5%(w/w)水酸化ナトリウム水溶液100Lを混合し、150℃の条件でアルカリ処理を行った。アルカリ処理後混合液を固形分と液分に分離して、液分を約100L得た。分画分子量2500のUF膜(GEウォーター&プロセス・テクノロジー社、GH8040F30)を用いて限外濾過を行い、濾過液80Lを得た。合成吸着剤(三菱ケミカル株式会社製、HP−20)1Lを樹脂塔内径80mm、高さ400mm)に充填し、これに上記の濾過液を、pHを6に調整してから流速10L/時間(SV=10.0(時間−1))で通液した。

0077

続いて、5Lの精製水を、流速10L/時間(SV=10.0(時間−1))で樹脂塔に通液して洗浄した。次に、溶出溶媒として60%エタノール水溶液(エタノール/水=60/40(体積/体積))2Lを、流速2L/時間(SV=2.0(時間−1))で樹脂塔に通液した。続けて、2Lの精製水を流速2L/時間(SV=2.0(時間−1))で樹脂塔に通液し、合成吸着剤に吸着した成分を溶出させた。樹脂塔から溶出した画分を、ロータリーエバポレーターにて約10倍の濃度に減圧濃縮したのち、一晩凍結乾燥して、バガスの分解抽出物として、茶褐色の粉末20gを得た。これを抽出物Aとした。

0078

[製造例2]
サトウキビの搾りかすであるバガス30kg(含水率50質量%)を、200℃の熱水100Lで水熱処理を行った。前処理後の混合液を固形分と液分に分離して、液分を約88L得た。分画分子量2500のUF膜(GEウォーター&プロセス・テクノロジー社、GH8040F30)を用いて限外濾過を行い、濾過液70Lを得た。合成吸着剤(三菱ケミカル株式会社製、SP−850)1Lを樹脂塔(内径80mm、高さ400mm)に充填し、これに上記の濾過液のうち25Lを、流速20L/時間(SV=20.0(時間−1))で通液した。

0079

続いて、3.3Lの精製水を、流速20L/時間(SV=20.0(時間−1))で樹脂塔に通液して洗浄した。次に、溶出溶媒として60%エタノール水溶液(エタノール/水=60/40(体積/体積))2Lを、流速2L/時間(SV=2.0(時間−1))で樹脂塔に通液した。続けて、2Lの精製水を流速2L/時間(SV=2.0(時間−1))で樹脂塔に通液し、合成吸着剤に吸着した成分を溶出させた。樹脂塔から溶出した画分を、ロータリーエバポレーターにて約10倍の濃度に減圧濃縮したのち、一晩凍結乾燥して、バガスの分解抽出物として、茶褐色の粉末40gを得た。これを抽出物Wとした。

0080

試験例1:抽出物Aによる風味向上試験>
豆乳
豆乳(商品名:スゴイダイズ無調整タイプ、大塚チルド食品株式会社製)100gに、抽出物Aを表1に示す濃度になるように、抽出物Aの溶液(固形分濃度0.3%)を0.6g(実施例1−1)又は0.3g(実施例1−2)添加して、被検品(実施例1−1、1−2)を調製した。
[酢含有飲料]
米酢50g、水200g、及びグラニュー糖15gの酢含有飲料に、抽出物Aの溶液(固形分濃度0.3%)を1.7g添加して被検品(実施例1−3)を調製した。
牛肉加工品肉団子)]
牛肉30gと、抽出物Aの溶液(固形分濃度0.3%)0.012gとを、フードプロセッサーにより牛肉をミンチ状にしながら混合した。このミンチ肉を10gずつアルミカップ小分けして、200℃のオーブンで5分間焼成し、上下を返して更に5分間焼成した。焼成後人肌程度に冷却したものを被検品(実施例1−4)とした。
鶏肉加工品(鶏団子)]
ひき肉25gと、水で戻した大豆たんぱく質(商品名:ニューソイミーS 20F、日清オイリグループ株式会社製)10gと、抽出物Aの溶液(固形分濃度0.3%)0.1gとを混合した。これを一口大に丸めて沸騰水で5分間加熱して調製した鶏団子を被検品(実施例1−5)とした。

0081

官能評価
各実施例の飲食品に対し、表1〜表4に示す項目について官能評価を実施した。なお、官能評価の評価基準対照品(抽出物Aを含まないもの)と比較した相対評価とし、対照品を0点とした場合の各実施例の評価を−2点〜2点の間の数値で評価した。各評価項目について、−2点が「対照品と比較して最もその風味を感じない」ことを意味し、2点が「対照品と比較して最もその風味を感じる」ことを意味する。評価点平均値を表1〜表4に示す。なお、表中の「固形分濃度」は、被検品全量基準における抽出物Aの固形分濃度を示し、以下において特記しない場合には同様である。

0082

0083

0084

0085

0086

<試験例2:抽出物Wによる風味向上試験>
[豆乳、酢含有飲料、牛肉加工品(肉団子)]
試験例1において、抽出物Aを抽出物Wに変更した以外は試験例1と同様に被検品(実施例2−1〜2−3)を調製した。
[加工魚介類(焼サバ)]
8%食塩水500gに、抽出物Wの溶液(固形分濃度0.3%)を4.175g添加した浸漬液を調製した。冷凍切身のサバを解凍後、皮に切れ目を入れてから浸漬液に10分間浸漬させた。グリルによりサバの両面を7分間ずつ焼成し、被検品(実施例2−4)を調製した。被検品は、一旦冷凍したものを電子レンジで加熱してから官能評価に供した。
[乳酸菌飲料]
市販飲料(商品名:ミルミル、株式会社ヤクルト製)100質量部、10%酢酸0.275質量部、アルパルテーム(味の素株式会社製)0.007質量部、及びβ−カロチンの1%溶液(三菱化学フーズ株式会社製)0.015質量部を含む乳酸菌飲料を調製した。この乳酸菌飲料100gに、抽出物Wの溶液(固形分濃度0.3%)を0.075g添加して被検品(実施例2−5)を調製した。

0087

試験例1と同様の方法により各項目について官能評価を実施した。結果を表5〜表9に示す。なお、表8において、表中の固形分濃度は浸漬液全量基準における抽出物Wの固形分濃度を示す。

0088

0089

0090

0091

0092

0093

<試験例3:甘蔗由来のエキスとの比較試験
[甘蔗由来のエキスの製造]
原料である甘蔗汁(原料糖製造工場の製糖工程にて得られた石灰清浄後の清浄汁、縄産、固形分14%)7,500Lを、カートリッジフィルターアドバンテック株式会社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−10−CSD型)で濾過処理し、清浄汁ろ過処理物を得た。合成吸着剤(三菱ケミカル株式会社製、SP−207)500Lを樹脂塔(内径800mm、高さ2,000mm)に充填し、これに上記の清浄汁ろ過処理物を、流速2,500L/時間(SV=5.0(時間−1))で通液した。溶出パターンを図1に示す。図1の(A)が通液開始点である。なお、清浄汁通過中は、ウォータージャケットには、80℃の水を常に循環させた。
次に、1,200Lの水道水を、流速2,500L/時間(SV=5.0(時間−1))で樹脂塔に通液して洗浄した。図1の(B)が通液開始点である。水道水で洗浄後、樹脂塔から溶出した画分についての検出を行ったところ、ハンドレフブリックス(Bx)計(株式会社アタゴ製、PAL−J型)において、Bxが約0になっているのを確認した。その後、1,500Lの水道水を、流速4,500L/時間(SV=9.0(時間−1))で樹脂塔の下から通液し、逆洗を行った。
次に、溶出溶媒として55%エタノール水溶液(エタノール/水=55/45(体積/体積))1,000Lを、流速1,000L/時間(SV=2.0(時間−1))で樹脂塔に通液した。図1の(C)が通液開始点である。続けて、760Lの水道水を流速1,000L/時間(SV=2.0(時間−1))で樹脂塔に通液し、合成吸着剤に吸着した成分を溶出させた。なお、55%エタノール水溶液及び水道水は、プレート式熱交換器(株式会社日立製作所、RX−025A−KNHJR−36型)にて50℃に加温して、樹脂塔に通液した。
樹脂塔から溶出した画分のうち後半の1,460L(図1においてaの部分)を、遠心式薄膜真空蒸発装置(株式会社大川原製作所、エバポールCEP−5S)にて約50倍の濃度に減圧濃縮したのち、一晩凍結乾燥して、茶褐色の粉末(I)8.4kgを得た。この粉末をエタノール及び水に溶解させて、固形分濃度30質量%の甘蔗由来のエキス(以下、「甘蔗エキス」ともいう。)を調製した。

0094

[豆乳、酢含有飲料、牛肉加工品(肉団子)、加工魚介類(焼サバ)、乳酸菌飲料]
対照品は、上述の甘蔗エキスの希釈液(固形分濃度0.3%)を使用して、表10に記載の方法で調製した。一方、実施例3−1〜3−4、及び実施例3−7〜3−8(豆乳、酢含有飲料及び焼サバ)については、試験例1又は試験例2と同様の方法により被検品を調製した。実施例3−5〜3−6及び実施例3−9〜3−10(肉団子及び乳酸菌飲料)については、表10に記載の対照品の調製方法において、甘蔗エキスの希釈液を抽出物Aの溶液又は抽出物Wの溶液(固形分濃度0.3%)にそれぞれ変更して被検品を調製した。

0095

0096

試験例1と同様の方法により各項目について官能評価を実施し、対照品(甘蔗エキスを含む飲食品)を0点とした場合の各実施例の評価を−2点〜2点の間の数値で評価した。結果を表11〜表15に示す。

0097

0098

0099

0100

0101

0102

<試験例4:味認識装置による評価>
上述の抽出物A及び甘蔗エキスを0.2%酢酸水溶液に添加して、最終固形分濃度が45質量ppm、90質量ppm及び180質量ppmである0.2%酢酸水溶液(実施例4−1〜4−3、比較例4−1〜4−3)を調製した。この酢酸溶液を、味認識装置(TS−5000Z、インテリジェントセンサーテクノロジー社製)を用いて、酸味度を測定した。当該味認識装置にて測定する際には、酸味センサー(CAO)の先味相対値)により測定した。抽出物A及び甘蔗エキスを添加していない酢酸水溶液の酸味度を0とした、各酢酸水溶液の酸味度の相対値を表16に示す。酸味度の相対値が0以下であることは、対照である0.2%酢酸水溶液と比較して、酢酸により感じる嫌味(酸味)が低減されたことを示す。

実施例

0103

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