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技術 分離膜付き燃料タンク

出願人 京セラ株式会社
発明者 山本晃生
出願日 2018年6月28日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2018-123309
公開日 2020年1月9日 (11ヶ月経過) 公開番号 2020-002877
状態 未査定
技術分野 液体燃料の供給 半透膜を用いた分離
主要キーワード 燃料導入パイプ 油抜き アルミナ基体 アルミナ多孔質体 分離燃料 木タール ポリイミド樹脂前駆体溶液 セラミック多孔質体
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重要な関連分野

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図面 (10)

課題

エンジン始動時の着火性の良い燃料を提供する。

解決手段

分離膜付き燃料タンク1は、原燃料の導入口7と第1吐出口2aとを有する第1室1a、第1室1aの上部に配置され、第2吐出口2bを有する第2室1b、第1室1aと第2室1bとの間に位置する隔壁11、および隔壁11に配置された少なくとも1つの分離膜12を備え、分離膜12が無機材料である。無機材料の分離膜12は、耐薬品性耐熱性が高く、液体の原燃料21と接触しても、原燃料から着火性の高い低分子量成分を安定して分離できる。

概要

背景

自動車などの内燃機関に使用される燃料原燃料)には、オクタン価が高く、耐ノック性のよい高オクタン価燃料(HRON)と、オクタン価が低く、始動時等の着火性がよい低オクタン価燃料(LRON)が含まれている。したがって、高負荷運転時には高オクタン価燃料を使用し、始動時や低負荷運転時には低オクタン価燃料を使用することが好ましい。

しかし、市販されている燃料はオクタン価の異なる燃料の混合体であり、見掛け上は中間的な1つのオクタン価の燃料となる。そこで、特許文献1は、車両に給油される未分離燃料(原燃料)をヒーターで加熱した後、分離膜真空ポンプを用いて高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とに分離し、それぞれ異なるタンク貯蔵する燃料分離装置を備えた車載型燃料分離システムを開示している。すなわち、通常のガソリンなどの原燃料から、低オクタン価燃料を分離することにより、低オクタン価燃料を別途補給することなく通常のガソリンから低オクタン価燃料を得ることができ、この低オクタン価燃料を用いて機関始動性冷間運転時の排気性状を向上させることが可能となっている。

概要

エンジン始動時の着火性の良い燃料を提供する。分離膜付き燃料タンク1は、原燃料の導入口7と第1吐出口2aとを有する第1室1a、第1室1aの上部に配置され、第2吐出口2bを有する第2室1b、第1室1aと第2室1bとの間に位置する隔壁11、および隔壁11に配置された少なくとも1つの分離膜12を備え、分離膜12が無機材料である。無機材料の分離膜12は、耐薬品性耐熱性が高く、液体の原燃料21と接触しても、原燃料から着火性の高い低分子量成分を安定して分離できる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

導入口と第1吐出口とを有する第1室、該第1室の上部に配置され、第2吐出口を有する第2室、前記第1室と前記第2室との間に位置する隔壁、および該隔壁に配置された少なくとも1つの分離膜、を備え、該分離膜が無機材料である、分離膜付き燃料タンク

請求項2

前記無機材料が、炭素シリカ、およびゼオライトのうち少なくとも一つを含む、請求項1に記載の分離膜付き燃料タンク。

請求項3

前記無機材料が、ガラス状炭素である、請求項1に記載の分離膜付き燃料タンク。

請求項4

前記隔壁が、平板状の前記分離膜と、該分離膜を保持するフレームとを備える、請求項1〜3のいずれかに記載の分離膜付き燃料タンク。

請求項5

前記隔壁は、隔壁本体と管状部とを備え、前記隔壁本体は貫通孔を有し、前記管状部は、少なくとも一方の端部に開口部を有する分離膜であるとともに、前記開口部が前記貫通孔に接続されている、請求項1〜3のいずれかに記載の分離膜付き燃料タンク。

請求項6

前記隔壁が、2つ以上の前記分離膜を備える、請求項1〜5のいずれかに記載の分離膜付き燃料タンク。

技術分野

0001

本開示は、分離膜付き燃料タンクに関する。

背景技術

0002

自動車などの内燃機関に使用される燃料原燃料)には、オクタン価が高く、耐ノック性のよい高オクタン価燃料(HRON)と、オクタン価が低く、始動時等の着火性がよい低オクタン価燃料(LRON)が含まれている。したがって、高負荷運転時には高オクタン価燃料を使用し、始動時や低負荷運転時には低オクタン価燃料を使用することが好ましい。

0003

しかし、市販されている燃料はオクタン価の異なる燃料の混合体であり、見掛け上は中間的な1つのオクタン価の燃料となる。そこで、特許文献1は、車両に給油される未分離燃料(原燃料)をヒーターで加熱した後、分離膜と真空ポンプを用いて高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とに分離し、それぞれ異なるタンク貯蔵する燃料分離装置を備えた車載型燃料分離システムを開示している。すなわち、通常のガソリンなどの原燃料から、低オクタン価燃料を分離することにより、低オクタン価燃料を別途補給することなく通常のガソリンから低オクタン価燃料を得ることができ、この低オクタン価燃料を用いて機関始動性冷間運転時の排気性状を向上させることが可能となっている。

先行技術

0004

米国特許出願公開第2012/0132576号明細書

0005

本開示の分離膜付き燃料タンクは、導入口と第1吐出口とを有する第1室、該第1室の上側に配置され、第2吐出口を有する第2室、前記第1室と前記第2室とを区画する隔壁、および該隔壁に配置された少なくとも1つの分離膜を備え、該分離膜が無機材料である。

図面の簡単な説明

0006

第1実施形態の燃料タンクを示す概略断面図である。
第2実施形態の燃料タンクを示す概略断面図である。
第3実施形態の燃料タンクを示す概略断面図である。
第4実施形態の燃料タンクを示す概略断面図である。
複数の分離膜を備える隔壁の平面図である。
第5実施形態の燃料タンクを示す概略断面図である。
第6実施形態の燃料タンクを示す概略断面図である。
第6実施形態の隔壁の斜視図である。
第7実施形態の燃料タンクを示す概略断面図である。

0007

本開示の燃料タンク1は、図1に示すように、略直方体状の第1室1aと、第1室1aの上部に配置された第2室1bとを備えている。第1室1aは、燃料の導入口(燃料導入パイプ)7と、第1吐出口(第1サクションパイプ)2aを有している。燃料の導入口7は、車両の給油口から液体の燃料(原燃料液体)21を第1室1a内に導入する。第1吐出口2aは、第1室1aから図示しない内燃機関(エンジン)に燃料(原燃料)を供給する。

0008

第2室1bは、第1室1aの上部に配置され、第2吐出口(第2サクションパイプ)2bを備えている。第2吐出口2bは、第2室1b内から図示しない内燃機関に燃料を供給する。第1吐出口2a、第2吐出口2bには、いずれもモーター駆動による燃料ポンプ(第1ポンプ3a、第2ポンプ3b)が配置され、燃料が内燃機関に供給される。第1ポンプ3a、第2ポンプ3bの燃料取入口には、燃料タンク1内に異物混入した場合にポンプ3a、3bの損傷を防ぐフィルター(図示せず)がそれぞれ設けられている。燃料タンク1は、底部にタンクの水抜きや油抜きに用いられるドレーン6をさらに備えている。

0009

なお、燃料タンク1は上記の各部品に加え、図示はしないがバッフルプレートフロートリターンパイプフューエルベーパーバルブなど、種々の部品を具備している。バッフルプレートは、加速時や減速時に燃料が片寄らないようにする部品であり、フロートは燃料の残量を計測する。リターンパイプは使われなかった燃料を燃料タンク1に戻す部品である。フューエルベーパーバルブは、燃料タンク1にある一定以上の圧力がかかった場合に圧力を解放する部品で、気化した燃料により圧力が上昇した場合に燃料タンク1本体の損傷を防ぐ。

0010

図1に示すV方向は鉛直方向であり、V方向に垂直な面を水平面とする。また、図の鉛直上向きを単に上、鉛直下向きを単に下という場合もある。

0011

第2室1bは、たとえば第1室1aより上に配置されていてもよい。また、第1室1aの底面より上で、直方体状の第1室1aの外側の側部に配置されてもよい。さらに、第2室1bは、第1室1aの底面より上の位置で直方体状の一部を構成してもよい。

0012

第1室1aと第2室1bとの間には隔壁11が配置され、隔壁11は、少なくとも1つの分離膜12を備える。

0013

第1室1a内の原燃料には、分子量が相対的に高い高分子量成分と、分子量が相対的に低い低分子量成分とが含まれている。本開示の燃料タンク1では、原燃料に含まれる低分子量成分が、白抜き矢印で示すように、分離膜12を通して第2室1bに導入される。

0014

第2室1b内に導入された低分子量成分(低分子量燃料)は、沸点が低く始動時等の着火性がよい成分である。低分子量燃料は、第2吐出口2bから始動時や低負荷運転時に必要に応じ内燃機関に供給される。低分子量燃料は、第2室1bからさらに別室(図示せず)に導入されて液化した後、内燃機関に供給されてもよい。なお、本開示における低分子量成分とは、具体的にはメチルヘキセンヘプタンメチルシクロヘキサンメチルヘプタンおよびトルエンを指すものとする。原燃料には、低分子量成分である上記のメチルヘキセン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルヘプタンおよびトルエンのほか、飽和炭化水素エチルベンゼンキシレンイソプロピルベンゼンプロピルベンゼンエチルトルエントリメチルベンゼンメチルスチレンエチルキシレンプロピルトルエン、メチルプロピルベンゼンテトラメチルベンゼン、メチルプロペニルベンゼン、フェニルブテンジエチルベンゼンナフタレン、メチルメチルプロペニルベンゼン、ジメチルインダンメチルナフタレン等が含まれる。

0015

本開示の燃料タンク1では、原燃料が貯蔵される第1室1aの上部に、分離膜12を介して第2室1bが配置されている。第1室1a内の原燃料の液面22よりも上の空間には、原燃料が気化した原燃料気体が存在する。原燃料気体の圧力は第1室1aの容積と温度で決まる蒸気圧、すなわち平衡蒸気圧である。原燃料気体に含まれる低分子量成分は、分離膜12を透過して第2室1bに導入される。

0016

なお、浸透気化法、および液体のまま分離膜12を通して濾過する方法では、分離膜12が液体と接するため分離膜の細孔が目詰まりしたり、劣化が早くなることがある。浸透気化法とは、分離膜12の対向する2面のうち一方の面を液体に接触させ、もう一方の面が面する空間を減圧して分離する方法である。

0017

本開示の燃料タンク1では、分離膜12が液体の原燃料すなわち原燃料液体21と接する機会が少なく、分離膜12の細孔が目詰まりし難い。その結果、分離膜12の劣化を低減することができ、耐久性を高めることができる。

0018

さらに、本開示の燃料タンク1では、原燃料を第1室1a内に供給後、エンジンの始動や外気温の上昇などにより燃料タンク1の温度が上昇すると、第1室1a内でさらに原燃料の気化が促進されるなどして、第1室1a内の圧力が上昇する。その結果、第1室1a内の圧力と第2室1b内の圧力との差が増え、低分子量成分が分離膜12を透過し易くなる。

0019

なお、常に一定量の低分子量成分を確保する為、図示はしないが、燃料タンク1以外に低分子量成分を貯蔵するタンク、熱交換器、および低分子量成分に分離膜12を強制的に透過させる真空ポンプ等の少なくともいずれかを別途設けてもよい。これは、以下に示す種々の実施形態にも適用できる。

0020

<分離膜>
分離膜12としては、耐熱性耐薬品性に優れた無機材料を用いる。分離膜12に用いる無機材料としては、たとえばガラス状炭素などの炭素材料シリカ材料ゼオライト等が挙げられる。これらの無機材料は、分離膜として通常使用されるポリマーなどの有機材料と比べ、いずれも耐薬品性と耐熱性が高い。また、燃料タンク1内には水分が混入する可能性があるが、これら無機材料のうち炭素材料は、シラノール基ヒドロキシル基のような極性の高い官能基をほとんど有さず、水分による細孔の目詰まりが発生し難い。特にガラス状炭素は、光学顕微鏡で観察したとき、粒界等の内部構造をもたず均一な外観を呈するが、内部に微細な細孔が多数存在し、分子ふるい作用を有する。

0021

低分子量成分が分離膜12を透過する透過速度を高めるため、分離膜12を加熱してもよい。分離膜12の加熱手段として、たとえば内燃機関や排気ガス排熱を利用してもよい。

0022

分離膜12は、たとえばセラミック多孔質体である支持体の表面に炭素膜が設けられた炭素膜付き多孔質セラミックを用いてもよい。支持体の材料として、アルミナムライトコージェライトジルコニアマグネシア炭化珪素窒化珪素などを用いてもよい。これらのセラミック材料は、炭素膜との熱膨張率の差が小さく、高い耐熱性、機械的強度耐摩耗性耐熱衝撃性、耐薬品性、耐蝕性などを有しており、炭素膜の支持体に適している。

0023

たとえば平均細孔径が0.2〜1.2μmのアルミナ多孔質体を支持体として用いもよい。このような支持体の表面に、平均細孔径が0.01〜0.04μmのアルミナ中間層を形成し、当該中間層の表面に炭素膜を形成することで、炭素膜付き多孔質セラミックを得ることができる。このとき、中間層の厚さは、多孔質の支持体の表面に存在する凹凸を覆うことができる厚さ、たとえば5〜10μmとすればよい。炭素膜の厚さはたとえば0.5〜2μmとすればよい。

0024

炭素膜付き多孔質セラミックの分離膜12は、具体的には、たとえば以下のようにして作製すればよい。支持体として、平均細孔径が0.2〜1.2μmの細孔を有するアルミ
多孔質体を準備する。アルミナ多孔質体の形状は、第2室1bの形状や隔壁11の形状に応じて適宜選択すればよい。

0025

このアルミナ多孔質体の少なくとも一方の表面に、アルミナ中間層を形成する。まず、平均粒径が0.17〜0.23μmのαアルミナ粉末を、親水性分散剤を用いて水に分散させ、αアルミナ粉末のスラリーを作製する。以下、αアルミナ粉末のスラリーを単にαアルミナスラリーという。得られたαアルミナスラリーを、例えばディップコート法(浸漬塗布法)などの塗布手段を用いて、支持体であるアルミナ多孔質体の表面に塗布する。塗布したαアルミナスラリーを乾燥した後、たとえば大気中1080〜1120℃の最高温度で8〜15分焼成することで、中間層が形成される。

0026

得られた中間層の表面に、炭素膜の前駆体を塗布し、乾燥する。炭素膜の前駆体を塗布した支持体を、非酸化性雰囲気中または真空中で、550〜850℃の温度で熱処理することにより、炭素膜付き多孔質セラミックが得られる。炭素膜の前駆体としては、たとえば、芳香族ポリイミドポリピロロン、ポリフルフリルアルコールポリ塩化ビニリデンフェノール樹脂リグニン誘導体木タールタール石油ピッチ石炭ピッチ等からなるものが挙げられる。これらの原料を単独または2種以上併用して用いてもよい。炭素膜の前駆体には、シランアミンメトキシドを添加してもよい。

0027

このようにして得られた炭素膜は、耐水性が高く、原燃料に不純物として含まれる水分が吸着し難く、分離性能が劣化し難い。したがって、このような炭素膜を有する分離膜は原燃料から低分子量燃料を安定して分離できる。

0028

<第1実施形態>
第2室1bは、図1に示すように燃料タンク1の本体である第1室1aの上に設ける場合、第1室1aの上面の一部に開口部を設け、当該開口部に平板状の隔壁11(分離膜12)と、第2室1bとを接続する。この場合、分離膜12および第2室1bは、第1室1aの上部外側に着脱可能に接続されており、分離膜12および第2室1bのメンテナンスおよび交換が容易にできる。

0029

<第2〜第4実施形態>
図2図3、および図4に示すように、第2室1bは、第1室1aの内側、または第1室1aと第2室1bとで略直方体が形成されるように設けられていてもよい。この場合、第2室1bは略直方体状の燃料タンク1の上部に配置される。図2に示す第2実施形態のように、たとえば第2室1bを燃料タンク1の上部側面にはめ込む構造としてもよい。

0030

図3に示す第3実施形態のように、たとえば、第2室1bを燃料タンク1の上部にはめ込む構造としてもよい。

0031

第2実施形態および第3実施形態では、第2室1bの側部すなわち側部隔壁に分離膜12を用い、第2室1bの底部すなわち底部隔壁11を、低分子量成分を通しにくい、または通さない材料で構成してもよい。底部隔壁11の材料は、燃料タンク1の壁面を構成する材料と同じ材料であってもよい。これにより、側部の分離膜12を通って第2室1bに導入された低分子量成分が液化して第2室1bの下部に溜まっても、低分子量成分は第1室1aに逆流し難くなる。

0032

さらに、図4に示す第4実施形態のように、第2室1bの側部(側部隔壁)の下部を、底部隔壁11と同様、低分子量成分を通しにくい、または通さない材料としてもよい。

0033

第1実施形態〜第4実施形態の分離膜12は、隔壁11に複数配置されていてもよい。
たとえば、図5に示すように、フレーム13に9個の分離膜12が配置され、隔壁11を構成してもよい。このように隔壁11に複数の分離膜12を配置することで、分離膜12の一部に劣化または不具合が発生しても、その劣化または不具合が発生した一部の分離膜12だけを交換すればよい。また、分離膜12の一部にクラック等の破壊が発生しても、その破壊が他の分離膜12に及び難い。なお、図5ではフレーム13に9個の分離膜12を配置した隔壁11を示したが、分離膜12の数および配置はこれに限定されるものではなく、適宜変更できる。

0034

<第5実施形態>
図1〜4では、平板状の分離膜12を、その面が水平または垂直となるように配置した場合について示したが、図6に示すように分離膜12の面が傾斜し、分離膜12の一部が液体の原燃料(原燃料液体)21と接していてもよい。分離膜12は高い耐薬品性を有する無機材料であるため、原燃料液体21と接しても容易に損なわれることはない。燃料タンク1の水平面に対する分離膜12の面のなす角は、たとえば30°以上60°以下であってもよい。分離膜12の面が燃料タンク1の水平面に対して30°以上60°以下の角度をなしていることで、図5に示すようなフレーム13に分離膜12を配置した隔壁11を、燃料タンク1にはめ込むだけで第2室1bを構成することができる。

0035

<第6実施形態>
図7に示す第6実施形態のように、隔壁11が平板状ではなく、凹部および/または凸部を有していてもよい。図8は、第6実施形態の隔壁11の斜視図である。図8に示す隔壁11は、額縁状の枠を組合せたフレーム13に平板状の分離膜12を10個配置し、凹凸形状としたものである。隔壁11を、このように凹部および/または凸部を有する形状とすることで、限られた容積でも分離膜12の表面積を増大させることができ、良好な分離性能を得ることができる。

0036

<第7実施形態>
図9に示す第7実施形態では、隔壁11が、隔壁本体13と管状部とを備えている。隔壁本体13は貫通孔を有している。管状部は2つの端部を有する管状の分離膜12である。分離膜12の一方の端部は開口した開口部14であり、もう一方の端部は封止された封止部15である。分離膜12の開口部14は貫通孔に接続されている。

0037

図9では、第1室1aの上部の側面に隔壁11を設け、その外側に第2室1bが配置されている。管状の分離膜12は隔壁本体13から第1室1aに水平方向に沿ってのび、分離膜12と封止部15とが第1室1a内に配置されている。管状の分離膜12の内側は開口部14で第2室1bにつながっている。図9では、管状の分離膜12の外表面に接した低分子量成分が分離膜12の内側に透過し、開口部14を通って第2室1b内に導入される。隔壁本体13には、1つの管状の分離膜12が接続されてもよいし、2つ以上の管状の分離膜12が接続されていてもよい。管状の分離膜12は、両端に開口部14を有していてもよい。たとえば管状の分離膜12が両端に開口部14を有する場合は、両方の開口部14が同じ第2室1bにつながっていてもよいし、燃料タンクが2以上の第2室1bを有し2つの開口部がそれぞれ異なる第2室1bにつながっていてもよい。また、管状の分離膜12は、直管状でもよいし、U字状、S字状、らせん状などの形状であってもよい。

0038

第7実施形態の管状の分離膜12は平板状の分離膜12より高い強度を有する。そのため、たとえば低分子量成分の気化を促進する目的で原燃料液体21を加熱して、分離膜12を挟んだ第1室1aと第2室1bの圧力差が大きくなっても、圧力差による分離膜12の破壊が起き難くなる。

0039

以上、本実施形態の分離膜付き燃料タンクについて具体例を挙げて説明したが、本発明
はこれらの具体例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。

0040

以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0041

分離膜の支持体である多孔質セラミックとして、アルミナ多孔質板(100mm角、厚さ1mm、平均細孔径1μm)を準備した。

0042

支持体と分離膜との間の中間層の原料であるαアルミナ粉末(平均粒径0.2μm)とポリビニルアルコールPVA)とを水に分散させてスラリーを作製した。上記αアルミナ粉末100質量%に対して、ポリビニルアルコールを2質量%、水を1898質量%添加し、ポットミルにて20hr混合しスラリーとした。

0043

アルミナ多孔質板の一方の面をポリイミドテープで封止し、作製したスラリー中に浸漬した後、10mm/秒のスピード引き上げることにより、アルミナ多孔質板の一方の面に中間層となるαアルミナ粉末の被膜を形成した。これを大気中80℃で10分間乾燥し、大気中1100℃の最高温度で10分間焼成して中間層を備えたアルミナ多孔質基体を作製した。

0044

アルミナ多孔質基体の中間層上に炭素膜を形成する炭素膜前駆体溶液を準備した。フェノール樹脂にテトラヒドロフランを添加し、マグネチックスターラーで2時間混合し、フェノール樹脂濃度が30質量%の炭素膜前駆体溶液とした。アルミナ多孔質基体の中間層を形成していない面をポリイミドテープで封止し、炭素膜前駆体溶液に浸漬した後一定速度で引き上げて、中間層上にフェノール樹脂の被膜を形成した。アルミナ多孔質基体からポリイミドテープを除去し、得られたフェノール樹脂の被膜をアルミナ多孔質基体とともに大気中、80℃で10分間乾燥した。乾燥後、フェノール樹脂の被膜をアルミナ多孔質基体とともに窒素雰囲気下で熱処理してフェノール樹脂を炭化させ、炭素膜付き多孔質セラミックを得た。熱処理条件は550〜850℃10分であった。炭素膜の厚みは炭素膜前駆体溶液から引き上げる速度の調整により制御した。得られた炭素膜の厚みは0.3μm〜0.7μmであった。得られた炭素膜は、断面を光学顕微鏡で観察したところ、粒界等の内部構造をもたず均一な外観を有するガラス状炭素であった。

0045

また、アルミナ多孔質基体の中間層上に有機膜を形成するポリイミド樹脂前駆体溶液を準備した。市販のポリイミド樹脂前駆体ワニス(宇部興産製、U−ワニスA)にN−メチル−1−ピロリドンを添加し、マグネチックスターラーで2時間混合し、ポリイミド樹脂前駆体の濃度を20質量%に調整したポリイミド樹脂前駆体溶液を作製した。アルミナ多孔質基体の中間層を形成していない面をポリイミドテープで封止し、ポリイミド樹脂前駆体溶液に浸漬した後、一定速度で引き上げて中間層上にポリイミド樹脂前駆体の被膜を形成した。アルミナ多孔質基体からポリイミドテープを除去し、得られたポリイミド樹脂前駆体の被膜をアルミナ多孔質基体とともに真空中、80℃で10分間乾燥した。乾燥後、ポリイミド樹脂前駆体の被膜をアルミナ多孔質基体とともに真空中、170℃の熱処理を行ってイミド化し、有機膜付き多孔質セラミックを作製した。有機膜の厚みはポリイミド樹脂前駆体溶液から引き上げる速度の調整により制御した。得られた有機膜の厚みは0.6μmであった。得られた有機膜のフーリエ変換赤外分光(FT−IR)には、イミド結合のC=O結合伸縮振動由来する1766cm−1付近ピークが存在し、有機膜がポリイミドであることを確認した。

0046

以下、炭素膜付き多孔質セラミックおよび有機膜付き多孔質セラミックを総じて分離膜
という場合がある。

0047

作製した分離膜の分離特性評価として、ガソリンの透過分離試験を行った。原燃料としては、市販のレギュラーガソリン出光石油製)を用いた。

0048

図1の燃料タンクを模した分離装置に分離膜を配置した。分離膜は、第1室側に炭素膜または有機膜、第2室側にアルミナ基体が位置するように配置した。第1室に原燃料液体を図1の液面程度、すなわち第1室の容量の70%まで入れ、第1室の圧力を大気圧とした。第2室の第2吐出口に真空ポンプを接続して第2室を減圧し、第1室内の気化したレギュラーガソリンを第2室へと透過させた。試験温度は20℃とした。第2室と真空ポンプの間にはコールドトラップを配置し、第2室に透過した透過燃料をコールドトラップに捕集した。コールドトラップに捕集された透過燃料の重量、構成成分の種類および低分子量成分の含有比率を評価した。透過燃料の成分の測定には、ガスクロマトグラフQP2010Plus(島津製作所製)を用いた。

0049

透過燃料の透過速度は、所定の時間内にコールドトラップに捕集された透過燃料の重量を、炭素膜または有機膜の単位面積あたり、および単位時間あたりに換算して算出した。また重量を測定した透過燃料の成分分析をガスクロマトグラフにて行った。各試料測定結果を表1に示す。所定の時間は、分離開始から1時間後まで(条件A)、および分離開始99時間後から100時間後まで(条件B)とした。なお、分離試験の間、第1室内のレギュラーガソリンの量が第1室の容量の65%〜70%となるよう、第1室に適宜レギュラーガソリンを補充した。

0050

表1では、メチルヘキセン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルヘプタンおよびトルエンを低分子量成分とし、透過燃料のうち低分子量成分の比率を表1に記載した。なお、原燃料であるレギュラーガソリンに含まれる低分子量成分の比率は、おおむね30質量%であった。

0051

0052

試料No.1〜6は、いずれも透過燃料の透過速度が高く、透過燃料の構成成分は、分離開始から1時間後までの条件A、および99時間後から100時間後までの条件Bのいずれでも、低分子量成分が80%質量以上を占めていた。一方、試料No.7の分有機材料のポリイミドを用いた分離膜は、分離開始99時間後から100時間後までの条件Bでは透過燃料に含まれる低分子量成分が少なかった。これは、分離膜の有機材料が気化したガソリンに長時間接触したことで、有機材料であるポリイミドにガソリン成分浸透し、有機材料が軟化する可塑効果により細孔径が拡大して高分子量成分が透過し始めたことによると考えられる。なお、透過速度は試料No.1〜7のいずれも条件Aと条件Bで測定
誤差程度の変化しかなかった。

実施例

0053

このように無機材料の分離膜を用いて本実施形態の分離膜付き燃料タンクを構成すると、エンジンが始動する際に必要な量の低分子量燃料を分離することができる。

0054

1:燃料タンク(ガソリンタンク
1a:第1室
1b:第2室
2a:第1吐出口(第1サクションパイプ)
2b:第2吐出口(第2サクションパイプ)
3a:第1ポンプ
3b:第2ポンプ
6:ドレーン
7:燃料導入パイプ
11:隔壁
12:分離膜
13:フレーム、隔壁本体
14:筒状の分離膜の開口部
15:筒状の分離膜の封止部
21:原燃料液体
22:原燃料の液面

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