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技術 抗菌性組成物

出願人 ビュシャン,ラジブジン,ジェリーゴスワミー,アミット
発明者 ビュシャン,ラジブジン,ジェリーゴスワミー,アミット
出願日 2019年6月28日 (1年1ヶ月経過) 出願番号 2019-122126
公開日 2020年1月9日 (6ヶ月経過) 公開番号 2020-002134
状態 未査定
技術分野 農薬・動植物の保存
主要キーワード 封鎖材料 支持指 石油掘削装置 アンモニウムベース 導管システム 調整機器 ロッカールーム パイプラインシステム
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

細菌性バイオフィルム形成を効率的に制御且つ阻害する薬剤の提供。

解決手段

キレート剤EDTAなど)又はその塩;輸送促進剤(メチルスルホニルメタン;MSMなど);及びそのような組成物許容可能なビヒクル又は塩基を含み、組成物中のキレート剤のパーセンテージは、約0.1%から15%であり、輸送促進剤のパーセンテージは、約0.1重量%から40重量%である、抗菌製剤

概要

背景

創傷はすべて、微生物によってコロニー形成されると考えられている。微生物が臨床感染のレベルに達すると、それらの存在は治癒に悪影響を与えると考えられ、慢性創傷要因となり得る。院内(hospital−acquired(nosocominal))感染が、米国で第4の主要な死因であり、1年当たり200万人の患者に影響を与え、300億ドル以上の総年間コストで、毎年100,000人以上の死亡を引き起こすことが最近推測された。表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)および黄色ブドウ球菌(S. aureus)などのブドウ球菌性の種は、院内感染のほとんど原因であり、これらの感染の処置は、しばしば、バイオフィルムを形成するブドウ球菌の傾向によってはるかに難しくなっている。

最近、研究者は、慢性創傷の原因となるのが、プランクトン群衆ではなく、バイオフィルム群衆であるかもしれないことを提案した。バイオフィルムは、タンパク質、DNA、および多糖類から成る細胞外ポリマー物質中で一緒に保持される細菌の多微生物性グルーピング(groupings)であり、抗生物質治療に完全に影響を受けるわけではない。試験された慣性創傷の60%がバイオフィルムを含むことが示された(James et al., Wound Repair Regen., 16(l):37−44, 2008)。

バイオフィルムは、不活性な又は生きている表面に付けられる成長する細菌または菌類集団である。バイオフィルムがヒトの健康状態に対して大きな脅威となっていることを示す証拠次々と出てきている。公衆衛生局は、バイオフィルムがヒトにおける細菌感染の80%以上の原因であると推測している(国立衛生研究所、1998 RFA# DE−98−006)。バイオフィルムによって引き起こされる疾患の例は、虫歯歯根膜炎嚢胞性線維症肺炎固有心内膜炎、および中耳炎(Costerton et al. Science 1999 284: 1318−1322)の他に、尿道カテーテル機械弁心臓ペースメーカー人工関節、およびコンタクトレンズなどの様々な医療機器の感染を含む(Donlan, R. M. 2001 Emerging Infect. Dis. 7:277−281)。菌類もまた、臨床的な有意なバイオフィルムを形成する(例えばカンジダ感染)。バイオフィルム感染は、米国で年間何千万もの患者を苦しめており、かなりの医療費がかかってくる(Costerton et al. Science 1999 284: 1318−1322)。バイオフィルム中で成長する細菌は、抗菌剤に対する抵抗性の増加を示し、根絶するのはほとんど不可能である。バイオフィルム感染を処置するための新しい方法が必要とされている。

細菌性バイオフィルムは、様々な産業、環境および臨床的な設定で除去するのが難しい汚染源である。バイオフィルムは、細菌によって分泌されたポリマー構造体であり、細菌を様々な環境攻撃から保護し、それによって結果的に、殺菌剤および抗生物質からの細菌の保護にもつながる。バイオフィルムは、十分な水分および栄養素が存在するあらゆる環境表面で見られ得る。細菌性バイオフィルムは、多くのヒトおよび動物の健康状態および環境問題に関係する。例えば、細菌は、埋め込まれた医療機器、例えば、カテーテル心臓弁、人工関節(joint replacements)、嚢胞性線維症患者のなどの損傷を受けた組織の上でバイオフィルムを形成する。バイオフィルムはまた、配水管などの表面を汚染し、他の産業表面を殺菌するのを難しくしている。

バイオフィルムは、生物学における多くの疾患および感染の主な原因として一般に知られている。バイオフィルムはまた、多くの他の非生体表面有害な影響を与える。生体表面上だけでなく、あらゆる種類の表面上に存在する、これらのバイオフィルムは、微生物の多様な群集として定義することができる。微生物は、宿主および微生物由来両方のポリマーから成る細胞外マトリックスによって、固体表面に加えて、互いに密に結合する。

バイオフィルムは、オープン構造(open architecture)を示す。チャネルおよび空隙から成る、オープン構造は、バイオフィルムを介する、栄養素、廃棄物、代謝物質酵素、および酸素の流れを達成する助けとなる。この構造のために、様々な微生物は、好気性および嫌気性の細菌の両方を含む、バイオフィルムを作り上げ得る。バイオフィルムの微生物組成は、細菌、古細菌、菌類およびウイルスの多くの種を含み、これらはすべて、微生物ホメオスタシス(microbial homeostasis)と呼ばれる比較的安定した環境に存在する。バイオフィルムは、歯の疾患、非治癒性の創傷および触痛を含む、身体において共通の疾患の多くの原因である。バイオフィルムはまた、体表面上のバイオフィルムから結果として生じる望ましくない体臭の原因でもある。さらに、バイオフィルムは、多くの工学的表面(engineering surfaces)に一般にあり、物質浸食、およびこれらの表面の標準以下の工学的性能につながる。

細菌性バイオフィルムは、自然に遍在しており、互いに及び/又は表面または界面に接着する、マトリックス閉じ込めた(matrix−enclosed)細菌集団として通常定義される。細菌性バイオフィルムの形成は、異なる産業、医療および環境の分野で大きな経済的影響のある極めて一般的な現象である。バイオフィルムは、単一の種または複数の種を含むことができ、広範囲の非生体および生体の表面および界面上に形成され得る。多微生物性バイオフィルムは、ほとんどの状況で優性であるが、単一種のバイオフィルムは、特定の環境下に生じ得、医療用インプラントの表面上で増加する問題である。バイオフィルムとしての成長には、プランクトン生物の成長よりも細菌に対して多くの著しい利点があり、プランクトン生物の成長はどれも、細菌が好都合な環境ではそれ自体を局所化することを可能にする表面に対する付着ではない。多微生物性バイオフィルムでは、代謝活性統合され得、様々な種の存在によって、バイオフィルム集団の「ゲノム」が、増加する種多様性とともに増加するにつれ、代謝活性および異化活性におけるより高い柔軟性を可能にする。疾病対策センターは、ヒトの細菌感染の65%が、バイオフィルムに関係していると推測している。バイオフィルムは、細菌を免疫系から保護し、抗生物質の効力を低下させ、浮遊細胞を離れた部位に分散させる(これは再感染を促進し得る)ことによって、しばしば慢性感染症の処置を複雑にしている。バイオフィルム内の細菌細胞は、浮遊細胞よりも特定の抗菌剤に最大500倍以上の耐性があることを示され、これは、バイオフィルムマトリックスへの幾つかの抗菌剤の浸透遅延、バイオフィルムのより深い層内の細菌の成長速度の遅延、および細胞外のポリマーに対する幾つかの抗菌剤の結合(これにより有効濃度が減少するの)を含む、多くのプロセスによって達成される。さらに、微生物性バイオフィルムは、微生物の景観(microbial landscapes)として記載され、これは、物質移動を可能にしながら、せん断応力に対して保護する局所分布(topography)を有する。最も重要なことに、口腔内でのバイオフィルムの付着およびバイオフィルムとしての成長の失敗は、結果として、急速にクリアランスをもたらす。

口腔は、様々な硬組織表面および軟組織表面を有する細菌の成長のための肥沃な環境であり、これは、様々な明確に異なる微細環境を提供している。経口の微生物性バイオフィルムの安定性には、種間の様々な相乗的および拮抗的相互作用と、それらが作り出す環境によるバランスが必要とされる。経口の環境における小さな調整は、これらの自然のバランスに影響を与えかねず、生態の変化および経口の微生物性バイオフィルムの種組成の変化につながる可能性がある。例えば、虫歯の発生の増加は、しばしば、食事性炭水化物消費の増加によって引き起こされ、これは、これらの炭水化物の細菌発酵が原因の歯面での流体酸性化に関連している。専門家は、歯周疾患のほとんどの形態が、特異的な病原体、特にグラム陰性菌によって引き起こされることに同意している。歯のバイオフィルムの微生物組成は、700種以上の細菌および古細菌を含み、これらはすべて、微生物ホメオスタシスと呼ばれる比較的安定した環境に存在する(Kroes I, Lepp PW, Reiman DA Bacterial diversity within the human subgingival crevice. Proc Natl Acad Sci USA 1999; 96(25): 14547−14552)。

細菌性バイオフィルムは、例えば、中耳などのの腔、および前頭洞または上顎洞などのの腔を含む、様々な身体の腔において発達する。一旦細菌増殖確立されると、細菌は、保護細菌性バイオフィルム層、または多糖類マトリックスで構成された、「粘液層」を凝集し、その分離を止め、およびその形成を開始する。

保護細菌性バイオフィルムは、身体の自然な免疫反応の他に、処置の伝統的方法も妨害する。特に、細菌は、エキソトキシンを放出し、これは、身体の免疫系を白血球に応じるように刺激する。しかしながら、細菌性バイオフィルムは、細菌を攻撃する白血球の能力の有効性を妨害する。バイオフィルムはまた、抗生物質および他の薬剤局所投与に対する障壁として作用し得る。

バイオフィルムを形成する細菌はまた、分離する細菌を死滅させるように作用する従来の抗生物質治療に対する障害をもたらす。特に、バイオフィルムを形成する状態の細菌は、細胞分裂を既に止めているかもしれず、そのような抗生物質をかなり無効性にしている。例えば、浮動性の細菌を死滅させる抗生物質の量は、バイオフィルム細菌を死滅させるために、1,500倍も増大される必要がある。これらの用量では、抗生物質は、バイオフィルム細菌以前に患者を死滅させる可能性が高い(Elder MJ, at al. Biofilm−related infections in ophthalmology. Eye 1995; vol. 9 (Pt. 1): 102−109)。

医療および産業的な設定においてバイオフィルム形成阻害する方法は、金属キレート剤、具体的には鉄キレート剤を使用して、以前に開発されている。例えば、Raadらによる、2001年7月31日に発行された米国特許第6,267,979号は、水処理、パルプおよび紙製造、および油田水攻法における生物付の予防のために抗真菌性または抗生物質の組成物と組み合わせた金属キレート剤の使用を開示する。Madhyasthaによる、2008年1月1日に発行された米国特許第7,314,857号は、鉄封鎖糖タンパク質(iron−sequestering glycoprotein)、カチオンペプチド,および鉄キレート剤の組み合わせを使用してバイオフィルム形成を阻害するための相乗的な抗菌性組成物を開示している。Singhらによる、2008年11月4日に発行された米国特許第7,446,089号もまた、バイオフィルム形成を阻害できるように、細菌の集団に利用可能な鉄の量を制限することによってバイオフィルム形成を阻害する方法に関する。これらの開示は、一般に、より高い親和性金属イオンである、鉄を標的としている。

細菌性バイオフィルムに関係する、深刻な医療、産業、および環境的な問題を考慮すると、バイオフィルム形成を阻害する標的とされる手法の発達を持続する必要がある。それ故、医療および産業上の用途でバイオフィルム形成を効率的に制御且つ阻害する薬剤を開発することが望まれる。

概要

細菌性バイオフィルム形成を効率的に制御且つ阻害する薬剤の提供。キレート剤EDTAなど)又はその塩;輸送促進剤(メチルスルホニルメタン;MSMなど);及びそのような組成物に許容可能なビヒクル又は塩基を含み、組成物中のキレート剤のパーセンテージは、約0.1%から15%であり、輸送促進剤のパーセンテージは、約0.1重量%から40重量%である、抗菌製剤

目的

本発明を記載するために使用される特定の用語は、以下に、または本明細書の他のところで議論され、本発明の記載に関する技術者にさらなるガイダンスを提供する

効果

実績

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請求項1

抗菌製剤であって、該抗菌製剤は、キレート剤またはその塩;輸送促進剤;およびそのような組成物許容可能なビヒクルまたは塩基を含み、ここで、キレート剤および輸送促進剤は、適用される表面上で細菌性及び/又は真菌性のバイオフィルムの著しい減少を引き起こすのに有効な比率で存在し、それぞれ、キレート剤のパーセンテージは、約0.1%から15%であり、組成物中の輸送のパーセンテージは、約0.1重量%から40重量%である、抗菌製剤。

請求項2

輸送促進剤が、MSMであることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項3

輸送促進剤が、DMSOであることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項4

キレート剤のMSMに対する比率が、約10:1から1:20の範囲にあることを特徴とする、請求項2に記載の抗菌製剤。

請求項5

組成物が、固体液体吸入剤噴霧剤ローション剤溶液ゲル剤クリーム軟膏剤外科用リンス液、または歯科用リンス液から選択される製剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項6

キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸EDTA)、エチレングリコール四酢酸(EGTA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ジメルカプトプロパンスルホン酸(DMPS)、ジメルカプトコハク酸(DMSA)、アミノトリメチレンホスホン酸(ArPA)、クエン酸酢酸およびそれらの許容可能な塩、およびそれらの任意の組み合わせから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項7

EDTAの塩が、EDTA二アンモニウム、EDTA二ナトリウム、EDTA二カリウム、EDTA三アンモニウム、EDTA三ナトリウム、EDTA三カリウム、EDTA四ナトリウム、EDTA四カリウム、EDTAカルシウム二ナトリウム、およびそれらの組み合わせから選択されることを特徴とする、請求項6に記載の抗菌製剤。

請求項8

キレート剤が、リン酸塩ピロリン酸塩トリポリリン酸塩、およびヘキサメタリン酸塩から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項9

キレート剤が、キレート化する抗生物質クロロキン、またはテトラサイクリンであることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項10

キレート剤が、イミノ基内に又は芳香環ジイミン、または2,2’−ビピリジン中に2つ以上のキレート化する窒素原子を含有している、窒素含有キレート剤であることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項11

キレート剤が、サイクラム(1,4,7,11−テトラアザシクロテトラデカン)、N−(C1−C30アルキル)−置換したサイクラム(例えば、ヘキサデサイクラム、テトラメチルヘキサデシルサイクラム)、ジエチレントリアミン(DETA)、スペルミンジエチルノルスペルミン(DENSPM)、ジエチルホモ−スペルミン(DEHOP)、デフェロキサミン(N’−{5−[アセチルヒドロキシアミノペンチル}−N−[5−({4−[(5−アミノペンチル)(ヒドロキシ)アミノ]−4−オキソブタノイル}アミノ)ペンチル]−N−ヒドロキシスクシンアミド、またはN’−[5−(アセチル−ヒドロキシ−アミノ)ペンチル]−N−[5−[3−(5−アミノペンチル−ヒドロキシ−カルバモイルプロパノイルアミノ]ペンチル]−N−ヒドロキシ−ブタンジアミド)、デスフェリオキサミンB、デスフェロキサミンB、DFO−B、DFOADFB、デスフェラール、デフェリプロンピリドキサールイソニコチノイルヒドラゾン(PIH)、サリチルアルデヒドイソニコチノイルヒドラゾン(SIH)、エタン−1,2−ビス(N−1−アミノ−3−エチルブチル−3−チオール)、から選択されるポリアミンであることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項12

キレート剤が、([2−(ビス−エトキシカルボニルメチル−アミノ)−エチル]−{[2−(7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチルエステル、([2−(ビス−エトキシカルボニルメチル−アミノ)−プロピル]−{[2−(7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチルエステル、([3−(ビス−エトキシカルボニルメチル−アミノ)−プロピル]−{[2−(7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチルエステル、([4−(ビス−エトキシカルボニルメチル−アミノ)−ブチル]−{[2−(7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチルエステル、([2−(ビス−エトキシメチル−アミノ)−エチル]−{[2−(7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチルエステル、([2−(ビス−エトキシメチル−アミノ)−プロピル]−{[2−(7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチルエステル、([3−(ビス−エトキシメチル−アミノ)−プロピル]−{[2−(7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチルエステル、([4−(ビス−エトキシメチル−アミノ−ブチル]−{[2−(7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチルエステル、から選択されるEDTA−4−アミノキノリン抱合体であることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項13

キレート剤が、イミノジコハク酸の四ナトリウム塩であることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項14

キレート剤が、ポリアスパラギン酸またはその塩であることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項15

キレート剤が、L−グルタミン酸Ν,Ν−二酢酸の四ナトリウム塩であることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項16

キレート剤が、クエン酸、フィチン酸乳酸、酢酸、およびそれらの塩およびクルクミンから選択される天然のキレート剤であることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項17

抗生物質をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項18

抗生物質が、抗菌性または抗真菌性であることを特徴とする、請求項17に記載の抗菌製剤。

請求項19

抗菌製剤が、経口投与のための製剤であることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項20

抗菌製剤が、ロゼンジまたはうがい液であることを特徴とする、請求項19に記載の抗菌製剤。

請求項21

抗菌製剤が、非経口投与のための製剤であることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項22

抗菌製剤が、局所投与のための製剤であることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項23

抗菌製剤が、軟膏剤、クリーム、またはローション剤であることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項24

抗菌製剤が、鼻腔内投与のための製剤であることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項25

抗菌製剤が、持続放出のための製剤であることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項26

バイオフィルムに関係する細菌感染阻害するための方法であって、該方法が、抗生物質の投与と組み合わせて又はその前に、請求項1の抗菌製剤を投与する工程を含む、方法。

請求項27

請求項1の抗菌製剤でコーティングされた医療機器

請求項28

医療機器が、埋込装置であることを特徴とする、請求項27に記載の医療機器。

請求項29

請求項30

医療機器が、外科用器具であることを特徴とする、請求項27に記載の医療機器。

請求項31

外科用器具が、クランプ鉗子、はさみ、皮膚チューブ、針、開創器スケーラードリルチゼルラスプ、またはのこぎりであることを特徴とする、請求項30に記載の医療機器。

請求項32

請求項1の抗菌製剤を含浸させた、創傷被覆材

請求項33

創傷被覆材が、スポンジガーゼ、またはカテーテルシールドであることを特徴とする、請求項32に記載の創傷被覆材。

請求項34

請求項1の抗菌製剤を含む、経皮パッチ

請求項35

バイオフィルムからの細菌細胞または真菌細胞の分離を促進するための方法であって、該方法が、細菌細胞を請求項1の抗菌製剤と接触させる工程を含む、方法。

請求項36

細菌または菌類によって医療機器または外科用器具上で感染を阻害する方法であって、該方法が、医療機器または外科用器具を請求項1の抗菌製剤と接触させる工程を含む、方法。

請求項37

細菌または菌類によって医療機器または外科用器具上で感染を阻害する方法であって、該方法が、医療機器または外科用器具を請求項1の抗菌製剤でコーティングする工程を含む、方法。

請求項38

細菌または菌類によって医療機器または外科用器具上で感染を阻害する方法であって、該方法が、医療機器または外科用器具を請求項1の抗菌製剤を含む溶液中に浸す工程を含む、方法。

請求項39

細菌感染または真菌感染を阻害または処置する方法であって、該方法が、請求項1の抗菌製剤を含む薬学的に許容可能な組成物を投与する工程を含む、方法。

請求項40

細菌が、アシドサーマスセルロリティカスアクチノミセス・オドトリティクスアルカリフィルス・メタリレゲンス、アルカリフィルス・オレムランジイ、アルトロバクター・オーレッセンスバチルスアミロリケファシエンス、バチルス・クラウジイ、バチルス・ハロデュラン、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・プミルス、バチルス・サチリスビフィドバクテリウムアドレッセンティス、ビフィドバクテリウム・ロンガムカルセルロシルプトル・サッカロリティカスカルボキシドサーマス・ヒドロゲノフォルマンス、クロストリジウムアセトブチリクム、クロストリジウム・ベエイジリンキー、クロストリジウム・ボツリヌム、クロストリジウム・セルロリティカム、クロストリジウム・ディフィシレ、クロストリジウム・クルイベリ、クロストリジウム・レプタム、クロストリジウム・ノビイ、クロストリジウム・パーフリンジェンス、クロストリジウム・テタニ、クロストリジウム・テルモセルム、コリネバクテリウムジフセリエ、コリネバクテリウム・エフィシェンス、コリネバクテリウム・グルタミクム、コリネバクテリウム・ジュイケイウム、コリネバクテリウム・ウレアリティクム、デスルフィトバクテリウム・ハフエンス、デスルホトマキュルム・レデュセン、ユーバクテリウム・ヴェントリオスム、エクシグオバクテリウム・シブリカムフィネゴルディア・マグナゲオバチルスカウストフィルス、ゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス、ジャニバクター属、キネオコッカス・ラジオトレランスラクトバチルスファーメンタムリステリアモノサイトゲネス、リステリア・イノキュア、リステリア・ウェルシメリ、ムーレラ・サーモアセチカ、マイコバクテリウムアビウム、マイコバクテリウム・ボビス、マイコバクテリウム・ギルバム、マイコバクテリウム・レプレ、マイコバクテリウム・パラチュバキュローシス、マイコバクテリウム・スメグマチス、マイコバクテリウム・ツベルクローシス、マイコバクテリウム・ウルセランス、ノカルジオイド属、ノカルジアファルシニカ、オセアノバチルス・イヘイエンシス、ペロトマクルム・サーモプロピオニカム、ロドコッカス属サッカロポリスポラ・エリスラエア、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌種、スタフィロコッカスアウレウスメチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA)、スタフィロコッカス・エピデルミディス、メチシリン耐性スタフィロコッカス・エピデルミディス(MRSE)、ストレプトコッカスアガラクティエ、ストレプトコッカス・ゴルドニ、ストレプトコッカス・ミチス、ストレプトコッカス・オラーリス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ストレプトコッカス・サングイニス、ストレプトコッカス・スイスストレプトミセス・アベルミティリス、ストレプトミセス・セリカラーサーモアナエロバクターエタノリクス、サーモアナエロバクター・テンコンジェンシス、およびそれらの組み合わせ、から成る群から選択されることを特徴とする、請求項39に記載の方法。

請求項41

細菌が、グラム陽性細菌であることを特徴とする、請求項39に記載の方法。

請求項42

安全且つ有効な量の請求項1の抗菌製剤を含浸させた、包帯であって、該包帯が、皮膚上のバイオフィルムの形成を阻害することを特徴とする、包帯。

請求項43

有効な量の請求項1の抗菌製剤を含む、個人用クレンジング組成物であって、該個人用クレンジング組成物が、皮膚上のバイオフィルムの形成を阻害することを特徴とする、個人用クレンジング組成物。

請求項44

個人用クレンジング組成物が、外科用スクラブシャワー用ジェル、ボディウォシュ、または石鹸であることを特徴とする、請求項43に記載の個人用クレンジング組成物。

請求項45

有効な量の請求項1の抗菌製剤を含む、硬表面の洗浄組成物であって、該硬表面の洗浄組成物が、硬表面上のバイオフィルムの形成を阻害することを特徴とする、硬表面の洗浄組成物。

請求項46

バイオフィルムの形成を阻害するための歯科用リンス液であって、該歯科用リンス液が、有効な量の請求項1の抗菌製剤を含むことを特徴とする、歯科用リンス液。

請求項47

抗菌製剤が、表面への適用に適しており、該抗菌製剤が、約0.4−15%のキレート剤;約0.5−30%のMSM;1つ以上の増粘剤およびゲル化剤;10−99%の水;および随意に、界面活性剤洗浄剤及び/又は石鹸を含むことを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

請求項48

約1−5%のキレート剤;約1−10%のMSM;0.1−6%の1つ以上の増粘剤;および80−97%の水、を含むことを特徴とする、請求項47に記載の抗菌製剤。

請求項49

抗菌製剤が、経口投与に適しており、該抗菌製剤が、約0.4−8%のキレート剤;および約0.5−16%のMSM、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の抗菌製剤。

技術分野

0001

関連出願への相互参照
パリ条約(PCT)下で出願された本国際出願は、2012年12月20日に出願の、および発明の名称が「抗菌性組成物(ANTIMICROBIAL COMPOSITIONS)である、米国仮特許出願第61/740,396号の優先権を主張し、その全体が引用によって本明細書に組み込まれる。

0002

本発明は、一般に抗菌性組成物の分野に関する。より具体的には、抗菌剤、およびこれらの抗菌剤を使用するバイオフィルムおよび浮遊細胞を除去する方法に関する。特に、本発明は、輸送促進剤(transport enhancer)とキレート剤を含む抗菌性組成物に関する。1つの典型的な実施形態では、これは、MSMおよびEDTAを含むそのような組成物に関する。

背景技術

0003

創傷はすべて、微生物によってコロニー形成されると考えられている。微生物が臨床感染のレベルに達すると、それらの存在は治癒に悪影響を与えると考えられ、慢性創傷要因となり得る。院内(hospital−acquired(nosocominal))感染が、米国で第4の主要な死因であり、1年当たり200万人の患者に影響を与え、300億ドル以上の総年間コストで、毎年100,000人以上の死亡を引き起こすことが最近推測された。表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)および黄色ブドウ球菌(S. aureus)などのブドウ球菌性の種は、院内感染のほとんど原因であり、これらの感染の処置は、しばしば、バイオフィルムを形成するブドウ球菌の傾向によってはるかに難しくなっている。

0004

最近、研究者は、慢性創傷の原因となるのが、プランクトン群衆ではなく、バイオフィルム群衆であるかもしれないことを提案した。バイオフィルムは、タンパク質、DNA、および多糖類から成る細胞外ポリマー物質中で一緒に保持される細菌の多微生物性グルーピング(groupings)であり、抗生物質治療に完全に影響を受けるわけではない。試験された慣性創傷の60%がバイオフィルムを含むことが示された(James et al., Wound Repair Regen., 16(l):37−44, 2008)。

0005

バイオフィルムは、不活性な又は生きている表面に付けられる成長する細菌または菌類集団である。バイオフィルムがヒトの健康状態に対して大きな脅威となっていることを示す証拠次々と出てきている。公衆衛生局は、バイオフィルムがヒトにおける細菌感染の80%以上の原因であると推測している(国立衛生研究所、1998 RFA# DE−98−006)。バイオフィルムによって引き起こされる疾患の例は、虫歯歯根膜炎嚢胞性線維症肺炎固有心内膜炎、および中耳炎(Costerton et al. Science 1999 284: 1318−1322)の他に、尿道カテーテル機械弁心臓ペースメーカー人工関節、およびコンタクトレンズなどの様々な医療機器の感染を含む(Donlan, R. M. 2001 Emerging Infect. Dis. 7:277−281)。菌類もまた、臨床的な有意なバイオフィルムを形成する(例えばカンジダ感染)。バイオフィルム感染は、米国で年間何千万もの患者を苦しめており、かなりの医療費がかかってくる(Costerton et al. Science 1999 284: 1318−1322)。バイオフィルム中で成長する細菌は、抗菌剤に対する抵抗性の増加を示し、根絶するのはほとんど不可能である。バイオフィルム感染を処置するための新しい方法が必要とされている。

0006

細菌性バイオフィルムは、様々な産業、環境および臨床的な設定で除去するのが難しい汚染源である。バイオフィルムは、細菌によって分泌されたポリマー構造体であり、細菌を様々な環境攻撃から保護し、それによって結果的に、殺菌剤および抗生物質からの細菌の保護にもつながる。バイオフィルムは、十分な水分および栄養素が存在するあらゆる環境表面で見られ得る。細菌性バイオフィルムは、多くのヒトおよび動物の健康状態および環境問題に関係する。例えば、細菌は、埋め込まれた医療機器、例えば、カテーテル心臓弁、人工関節(joint replacements)、嚢胞性線維症患者のなどの損傷を受けた組織の上でバイオフィルムを形成する。バイオフィルムはまた、配水管などの表面を汚染し、他の産業表面を殺菌するのを難しくしている。

0007

バイオフィルムは、生物学における多くの疾患および感染の主な原因として一般に知られている。バイオフィルムはまた、多くの他の非生体表面有害な影響を与える。生体表面上だけでなく、あらゆる種類の表面上に存在する、これらのバイオフィルムは、微生物の多様な群集として定義することができる。微生物は、宿主および微生物由来両方のポリマーから成る細胞外マトリックスによって、固体表面に加えて、互いに密に結合する。

0008

バイオフィルムは、オープン構造(open architecture)を示す。チャネルおよび空隙から成る、オープン構造は、バイオフィルムを介する、栄養素、廃棄物、代謝物質酵素、および酸素の流れを達成する助けとなる。この構造のために、様々な微生物は、好気性および嫌気性の細菌の両方を含む、バイオフィルムを作り上げ得る。バイオフィルムの微生物組成は、細菌、古細菌、菌類およびウイルスの多くの種を含み、これらはすべて、微生物ホメオスタシス(microbial homeostasis)と呼ばれる比較的安定した環境に存在する。バイオフィルムは、歯の疾患、非治癒性の創傷および触痛を含む、身体において共通の疾患の多くの原因である。バイオフィルムはまた、体表面上のバイオフィルムから結果として生じる望ましくない体臭の原因でもある。さらに、バイオフィルムは、多くの工学的表面(engineering surfaces)に一般にあり、物質浸食、およびこれらの表面の標準以下の工学的性能につながる。

0009

細菌性バイオフィルムは、自然に遍在しており、互いに及び/又は表面または界面に接着する、マトリックス閉じ込めた(matrix−enclosed)細菌集団として通常定義される。細菌性バイオフィルムの形成は、異なる産業、医療および環境の分野で大きな経済的影響のある極めて一般的な現象である。バイオフィルムは、単一の種または複数の種を含むことができ、広範囲の非生体および生体の表面および界面上に形成され得る。多微生物性バイオフィルムは、ほとんどの状況で優性であるが、単一種のバイオフィルムは、特定の環境下に生じ得、医療用インプラントの表面上で増加する問題である。バイオフィルムとしての成長には、プランクトン生物の成長よりも細菌に対して多くの著しい利点があり、プランクトン生物の成長はどれも、細菌が好都合な環境ではそれ自体を局所化することを可能にする表面に対する付着ではない。多微生物性バイオフィルムでは、代謝活性統合され得、様々な種の存在によって、バイオフィルム集団の「ゲノム」が、増加する種多様性とともに増加するにつれ、代謝活性および異化活性におけるより高い柔軟性を可能にする。疾病対策センターは、ヒトの細菌感染の65%が、バイオフィルムに関係していると推測している。バイオフィルムは、細菌を免疫系から保護し、抗生物質の効力を低下させ、浮遊細胞を離れた部位に分散させる(これは再感染を促進し得る)ことによって、しばしば慢性感染症の処置を複雑にしている。バイオフィルム内の細菌細胞は、浮遊細胞よりも特定の抗菌剤に最大500倍以上の耐性があることを示され、これは、バイオフィルムマトリックスへの幾つかの抗菌剤の浸透遅延、バイオフィルムのより深い層内の細菌の成長速度の遅延、および細胞外のポリマーに対する幾つかの抗菌剤の結合(これにより有効濃度が減少するの)を含む、多くのプロセスによって達成される。さらに、微生物性バイオフィルムは、微生物の景観(microbial landscapes)として記載され、これは、物質移動を可能にしながら、せん断応力に対して保護する局所分布(topography)を有する。最も重要なことに、口腔内でのバイオフィルムの付着およびバイオフィルムとしての成長の失敗は、結果として、急速にクリアランスをもたらす。

0010

口腔は、様々な硬組織表面および軟組織表面を有する細菌の成長のための肥沃な環境であり、これは、様々な明確に異なる微細環境を提供している。経口の微生物性バイオフィルムの安定性には、種間の様々な相乗的および拮抗的相互作用と、それらが作り出す環境によるバランスが必要とされる。経口の環境における小さな調整は、これらの自然のバランスに影響を与えかねず、生態の変化および経口の微生物性バイオフィルムの種組成の変化につながる可能性がある。例えば、虫歯の発生の増加は、しばしば、食事性炭水化物消費の増加によって引き起こされ、これは、これらの炭水化物の細菌発酵が原因の歯面での流体酸性化に関連している。専門家は、歯周疾患のほとんどの形態が、特異的な病原体、特にグラム陰性菌によって引き起こされることに同意している。歯のバイオフィルムの微生物組成は、700種以上の細菌および古細菌を含み、これらはすべて、微生物ホメオスタシスと呼ばれる比較的安定した環境に存在する(Kroes I, Lepp PW, Reiman DA Bacterial diversity within the human subgingival crevice. Proc Natl Acad Sci USA 1999; 96(25): 14547−14552)。

0011

細菌性バイオフィルムは、例えば、中耳などのの腔、および前頭洞または上顎洞などのの腔を含む、様々な身体の腔において発達する。一旦細菌増殖確立されると、細菌は、保護細菌性バイオフィルム層、または多糖類マトリックスで構成された、「粘液層」を凝集し、その分離を止め、およびその形成を開始する。

0012

保護細菌性バイオフィルムは、身体の自然な免疫反応の他に、処置の伝統的方法も妨害する。特に、細菌は、エキソトキシンを放出し、これは、身体の免疫系を白血球に応じるように刺激する。しかしながら、細菌性バイオフィルムは、細菌を攻撃する白血球の能力の有効性を妨害する。バイオフィルムはまた、抗生物質および他の薬剤局所投与に対する障壁として作用し得る。

0013

バイオフィルムを形成する細菌はまた、分離する細菌を死滅させるように作用する従来の抗生物質治療に対する障害をもたらす。特に、バイオフィルムを形成する状態の細菌は、細胞分裂を既に止めているかもしれず、そのような抗生物質をかなり無効性にしている。例えば、浮動性の細菌を死滅させる抗生物質の量は、バイオフィルム細菌を死滅させるために、1,500倍も増大される必要がある。これらの用量では、抗生物質は、バイオフィルム細菌以前に患者を死滅させる可能性が高い(Elder MJ, at al. Biofilm−related infections in ophthalmology. Eye 1995; vol. 9 (Pt. 1): 102−109)。

0014

医療および産業的な設定においてバイオフィルム形成阻害する方法は、金属キレート剤、具体的には鉄キレート剤を使用して、以前に開発されている。例えば、Raadらによる、2001年7月31日に発行された米国特許第6,267,979号は、水処理、パルプおよび紙製造、および油田水攻法における生物付の予防のために抗真菌性または抗生物質の組成物と組み合わせた金属キレート剤の使用を開示する。Madhyasthaによる、2008年1月1日に発行された米国特許第7,314,857号は、鉄封鎖糖タンパク質(iron−sequestering glycoprotein)、カチオンペプチド,および鉄キレート剤の組み合わせを使用してバイオフィルム形成を阻害するための相乗的な抗菌性組成物を開示している。Singhらによる、2008年11月4日に発行された米国特許第7,446,089号もまた、バイオフィルム形成を阻害できるように、細菌の集団に利用可能な鉄の量を制限することによってバイオフィルム形成を阻害する方法に関する。これらの開示は、一般に、より高い親和性金属イオンである、鉄を標的としている。

0015

細菌性バイオフィルムに関係する、深刻な医療、産業、および環境的な問題を考慮すると、バイオフィルム形成を阻害する標的とされる手法の発達を持続する必要がある。それ故、医療および産業上の用途でバイオフィルム形成を効率的に制御且つ阻害する薬剤を開発することが望まれる。

課題を解決するための手段

0016

MSMおよびEDTA(一般にキレート剤)は、抗菌効果があるとは知られていなかった。MSMはまた、抗菌特性がない。しかしながら、輸送促進剤(例えば、MSM)とキレート剤(例えば、EDTA)との組み合わせによる処置は、驚いたことに、細菌および菌類のレベルの劇的な減少を予想外に示した。

0017

幾つかの実施形態では、本発明は、表面上の微生物レベルの減少のために、輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む製剤を使用するための方法に関する。

0018

特定の実施形態では、キレート剤は、イミノジコハク酸の四ナトリウム塩(Baypure(登録商標) CXI 00; LANXESGMBH (以前はBayer Chemicals) Leverkusen, DE)、またはポリアスパラギン酸の塩(Baypure(登録商標) DS100; LANXESS GMBH, Leverkusen, DE)から選択される。

0019

幾つかの実施形態では、キレート剤は、L−グルタミン酸Ν,Ν−二酢酸の四ナトリウム塩である(GLDA − Dissolvine(登録商標), AkzoNobel, Netherlands)。

0020

本発明の一態様では、被験体における歯垢または歯石の予防または処置のための方法が提供される。

0021

該方法は、以下の式(I)を有する、治療上有効な量のキレート剤および有効な輸送を促進する量の輸送促進剤からなる有効な量の製剤を被験体に投与する工程を含み:

0022

式中、R1およびR2は、C2−C6アルキル、C1−C6ヘテロアルキル、C6−C14アラルキル、およびC2−C12ヘテロアラルキルから独立して選択され、それらはいずれも置換されてもよく、Qは、SまたはPである。

0023

輸送促進剤は、例えば、メチルスルホニルメタン(MSM;メチルスルホンジメチルスルホン、およびDMSO2とも呼ばれる)であり得、キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などであり得る。

0024

製剤は、液体ペーストゲル、固体、および粒子状の組成物を含む、適切な任意の形態で投与されてもよい。さらに、好ましい実施形態では、製剤は、自然発生である及び/又はアメリカ食品薬品局によってGRAS(「一般に安全であると見なされた」)である成分から完全に構成される。

0025

したがって、本発明は、細菌を含むバイオフィルムの形成を阻害する方法を提供し、該方法は、細菌を、輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む有効な量の製剤と接触させる工程を含み、それによって、バイオフィルムの形成が阻害される。

0026

別の実施形態では、本発明は、機器上のバイオフィルムの形成を阻害する方法を提供し、該方法は、細菌を、輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む有効な量の製剤と接触させる工程を含み、それによって、機器上のバイオフィルムの形成が阻害される。

0027

別の実施形態では、本発明は、哺乳動物上または哺乳動物内のバイオフィルムの形成を阻害するための局所的な医薬組成物を提供し、該局所的な医薬組成物は、輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む有効な量の製剤、および少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体を含む。

0028

さらなる実施形態では、本発明は、細菌を含むバイオフィルムの形成を阻害するための外科用リンス液(surgical rinse)を提供し、ここで外科用リンス液は、輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む有効な量の製剤を含む。

0029

さらに別の実施形態では、本発明は、細菌を含むバイオフィルムの形成を阻害するための方法を提供し、該方法は、細菌を、輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む有効な量の製剤と接触させる工程を含み、ここで細菌は、アシドサーマスセルロリティカス(Acidothermus ellulyticus)、アクチノミセス・オドトリティクスアルカリフィルス・メタリレゲンス(Alkaliphilus metalliredigens)、アルカリフィルス・オレムランジイ(Alkaliphilus oremlandii)、アルトロバクター・オーレッセンス(Arthrobacter aurescens)、バチルスアミロリケファシエンス、バチルス・クラウジイ(Bacillus clausii)、バチルス・ハロデュラン(Bacillus halodurans)、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・プミルス、バチルス・サチリスビフィドバクテリウムアドレッセンティス、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidiobacterium longum)、カルセルロシルプトル・サッカロリティカス(Caldicellulosiruptor saccharolyticus)、カルボキシドサーマス・ヒドロゲノフォルマンス(Carboxydothermus hydrogenoformans)、クロストリジウムアセトブチリクム、クロストリジウム・ベエイジリンキー、クロストリジウム・ボツリヌム、クロストリジウム・セルロリティカム、クロストリジウム・ディフィシレ、クロストリジウム・クルイベリ、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)、クロストリジウム・ノビイ、クロストリジウム・パーフリンジェンス、クロストリジウム・テタニ、クロストリジウム・テルモセルム、コリネバクテリウムジフセリエ、コリネバクテリウム・エフィシェンス(Corynebacterium efficiens)、コリネバクテリウム・グルタミクム、コリネバクテリウム・ジュイケイウム(Corynebacterium jeikeium)、コリネバクテリウム・ウレアリティクム(Corynebacterium urealyticum)、デスルフィトバクテリウム・ハフエンス(Desulfitobacterium hafniense)、デスルホトマキュルム・レデュセン(Desulfotomaculum reducens)、ユーバクテリウム・ヴェントリオスム、エクシグオバクテリウム・シブリカム(Exiguobacterium sibiricum)、フィネゴルディア・マグナ(Fingoldia magna)、ゲオバチルスカウストフィルス(Geobacillus kaustophilus)、ゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス(Geobacillus thermodenitrificans)、ジャニバクター属(Janibacter sp.)、キネオコッカス・ラジオトレランス(Kineococcus radiotolerans)、ラクトバチルスファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、リステリアモノサイトゲネス、リステリア・イノキュア、リステリア・ウェルシメリ、ムーレラ・サーモアセチカ、マイコバクテリウムアビウム、マイコバクテリウム・ボビス、マイコバクテリウム・ギルバム(Mycobacterium gilvum)、マイコバクテリウム・レプレ、マイコバクテリウム・パラチュバキュローシス(Mycobacterium paratuberculosis)、マイコバクテリウム・スメグマチス、マイコバクテリウム・ツベルクローシス、マイコバクテリウム・ウルセランス、マイコバクテリウム・バンバアレニイ(Mycobacterium vanbaalenii)、ノカルジオイド属(Nocardioides sp.)、ノカルジアファルシニカ、オセアノバチルス・イヘイエンシス(Oceanobacillus iheyensis)、ペロトマクルム・サーモプロピオニカム(Pelotomaculum thermopropionicum)、ロドコッカス属(Rhodococcus sp.)、サッカロポリスポラ・エリスラエア、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌種、スタフィロコッカスアウレウスメチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA)、スタフィロコッカス・エピデルミディス、メチシリン耐性スタフィロコッカス・エピデルミディス(MRSE)、ストレプトコッカスアガラクティエ、ストレプトコッカス・ゴルドニ、ストレプトコッカス・ミチス、ストレプトコッカス・オラーリス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ストレプトコッカス・サングイニス(Streptococcus sanguinis)、ストレプトコッカス・スイスストレプトミセス・アベルミティリス、ストレプトミセス・セリカラーサーモアナエロバクターエタノリクス(Thermoanaerobacter ethanolicus)、サーモアナエロバクター・テンコンジェンシス(Thermoanaerobacter tengcongensis)、およびそれらの組み合わせから成る群から選択され、それによって、バイオフィルムの形成が阻害される。

0030

本発明のさらなる実施形態は、輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む安全且つ有効な量の製剤を含浸させた包帯を提供し、ここで包帯は、皮膚上のバイオフィルムの形成を阻害する。

0031

しかし、本発明の別の実施形態は、輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む個人用クレンジング製剤(personal cleansing formulation)を提供し、ここで個人用クレンジング組成物(personal cleansing composition)は、皮膚上のバイオフィルムの形成を阻害する。

0032

本発明のさらなる実施形態は、輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む硬表面の洗浄剤(hard surface cleaning formulation)を提供し、ここで組成物は、硬表面のバイオフィルムの形成を阻害する。

0033

本発明のさらなる実施形態は、バイオフィルムの形成を阻害するための歯科用リンス液(dental rinse)を提供し、該歯科用リンス液は、輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む製剤を含む。

0034

これらおよび他の態様は、以下の図面と併用して得られる好ましい実施形態の以下の記載から明らかになるであろうが、そこでの変更および修正は、本開示の新しい概念の精神および範囲から逸脱することなく影響を受ける。

図面の簡単な説明

0035

以下の図面は、本明細書の部分を形成し、本開示の特定の態様をさらに実証するために包含され、本発明は、本明細書に示される具体的な実施形態の詳細と組み合わせて、これらの図面の1つ以上への言及によってより一層理解され得る。

0036

特許または出願は、色で実行された少なくとも1つの図面を包含している。色の図面を有するこの特許または特許出願のコピーが、刊行物は、請求および必要な料金の支払い後に米特許商標局によって提供される。

0037

図1のaは、ヒト被験体腋窩におけるトリクミコシス・アキシラリス(Trichmichosis axillaris)を示す。図1のbは、約48時間の処置後の被験体の腋窩におけるトリクミコシス・アキシラリスの完全な分解を示す。

0038

本明細書で使用される用語は、一般に、本発明の文脈内で、当該技術分野における通常の意味を有し、具体的な文脈において各用語が使用される。本発明を記載するために使用される特定の用語は、以下に、または本明細書の他のところで議論され、本発明の記載に関する技術者にさらなるガイダンスを提供する。利便上、特定の用語は、例えばイタリック体及び/又は引用符を使用して強調されてもよい。強調の使用は、用語の範囲および意味に対する影響はなく、用語の範囲および意味は、同じ文脈において、それが強調されても強調されなくても同じである。当然のことながら、1つを超える方法においても同じことが言える。結果的に、代替的な言語および同義語は、本明細書で議論される任意の1つ以上の用語に使用されてもよく、用語が本明細書で詳述されるか議論されるかによって特別重要視されることはない。特定の用語に対する同意語が提供される。1つ以上の同意語の詳述は、他の同意語の使用を除外しない。本明細書で議論されるあらゆる用語の例を含む本明細書の他のところでの例の使用は、例示目的のみであり、本発明または任意の例証される用語の範囲および意味を決して制限していない。同様に、本発明は、本明細書で与えられる様々な実施形態に限定されない。

0039

値の幅が提供される場合、文脈が明らかに別途支持指定いなければ下限の単位の10分の1まで、その範囲の上限と下限の間の各々の介在する値、およびその定められた範囲内のあらゆる他の定められた又は介在する値は、本発明内に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限および下限は、より小さな範囲内に独立して含まれてもよく、また、定められた範囲内のあらゆる具体的に除外された制限に従って、本発明内に包含される。定められた範囲が上限および下限の1つ又はその両方を含む場合、これらの含まれた上限および下限のいずれかまたは両方を除く範囲もまた、本発明内に包含される。

0040

本出願の全体にわたって、様々な刊行物、特許および公開された特許出願が言及される。本出願で言及されるこれらの刊行物、特許および公開された特許出願の発明は、その全体が引用によって本発明に組み込まれる。刊行物、特許または公開された特許出願の本明細書での参照は、刊行物、特許または公開された特許出願が先行技術であると認めるものではない。

0041

本明細書および添付の請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に他に指定していない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「輸送促進剤」は、単一の輸送促進剤と同様に複数の輸送促進剤も包含する。「キレート剤」への言及は、単一のキレート剤と同様に2つ以上のキレート剤への言及などを含む。本明細書および続く請求項において、多くの用語が言及され、これは以下の意味を有すると定義されるものとする:

0042

製剤成分に言及するときに、使用される用語、例えば「薬剤」は、規定された分子実体だけでなく、限定されないが、塩、エステルアミドプロドラッグ抱合体活性代謝物、および他のそのような誘導体アナログ、および関連化合物を含む、その薬学的に許容可能なアナログも包含するように意図される。

0043

本明細書で使用されるような用語「処置する(treating)」、および「処置(treatment)」は、症状の重症度及び/又は頻度の減少を達成する、症状及び/又はその根本的な原因を除去する、及び/又は損傷の改善または治療を促進するような、有害な疾病、障害、または疾患に苦しむ臨床的に症候性の個体に対する薬剤または製剤の投与を指す。用語「予防する(preventing)」および「予防(prevention)」は、特定の有害な、障害、または疾患に弱く、したがって症状の発症及び/又はその根本的な原因の予防に関連する、臨床的に無症候性の個体に対する薬剤または組成物の投与を指す。明確に又は暗に、本明細書で他に別途示されない限り、用語「処置」(または「処置する」)が、起こり得る予防に関係なく使用される場合、「歯肉炎の処置のための方法」が、「歯肉炎の予防のための方法」を包含するものとして解釈されるように、予防も包含されることが意図される。

0044

随意置換基」または「随意に存在する添加剤」でのような、「随意の(Optional)」または「随意に存在する(optionally present)」は、続いて記載される成分(例えば、置換基または添加剤)が存在するかもしれない又は存在しないかもしれないことを意味し、そのため、その記載は、成分が存在する例およびそれが存在しない例を含む。

0045

「薬学的に許容可能な」は、生物学的にまたはその他に望ましくないものではない物質、例えば、その物質は、望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく、または剤形製剤の他の成分のいずれかによる有害な方法で相互作用することなく、本発明の製剤に組み込まれてもよい。しかしながら、用語「薬学的に許容可能な」が、薬学的賦形剤に言及するために使用されるときに、賦形剤が、毒物学上および製造上の検査の必要とされる基準を満たしていること、及び/又はアメリカ食品薬品局によって準備された不活性成分ガイド(Inactive Ingredient Guide)に含まれていることが示唆される。さらに詳しく以下に説明されるように、「薬理学的に活性な」誘導体またはアナログでのような、「薬理学的に活性な」(または単に「活性な」)は、親薬剤と同じタイプの薬理学的活性を有する誘導体またはアナログを指す。本明細書で使用されるような用語「処置する」および「処置」は、症状の重症度及び/又は頻度の減少、症状の発症及び/又はその根本的な原因の除去、および望ましくない疾病または損傷の改善または治療を指す。したがって、例えば、被験体を「処置する」ことは、疾病を阻害すること又はその退行を引き起こすことによる、臨床的に症候性の個体の処置と同様に影響を受けやすい個体における有害な疾病の予防も含む。用語「キレート剤」(または「活性剤」)は、生物学的な文脈において、即ち、被験体に投与された又はインビトロ細胞または組織に導入されたときに、望ましい効果を示す、あらゆる化学化合物複合物、または組成物を指す。該用語は、限定されないが、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物、異性体、アナログ、結晶形態水和物などを含む、本明細書で具体的に言及されるこれらの活性剤の薬学的に許容可能な誘導体を含む。用語「キレート剤」が使用されるとき、または特定のキレート剤が具体的には特定されるときに、薬剤自体の他に、薬剤の薬学的に許容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物、異性体、アナログなども意図されることが理解されるべきである。

0046

活性剤の「有効な」量または「治療上有効な」量は、無毒であるが有益な効果を提供するのに十分な薬剤の量を意味する。「有効な」活性剤の量は、個体の年齢および全身状態、特定の活性剤または薬剤などに依存して、被験体間で様々である。他に別段示されない限り、本明細書で使用されるような用語「治療上有効な」量は、有害な疾病の予防及び/又は有害な疾病の改善に有効な量(即ち、有害な疾病の処置に有効な量を加える)を包含するように意図される。

0047

本発明を読むことで当業者に明白となるように、本明細書に記載および例証される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他の幾つかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得る又はそれと組み合わせられ得る、別々の成分および特徴を有している。任意の詳述された方法が、詳述された事象順序で、または論理上起こり得る任意の他の順序で実行され得る。

0048

他に別段示されない限り、本発明は、具体的な製剤成分、投与の様式、キレート剤、製造プロセスなどに限定されず、様々であり得る。

0049

他に別段示されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。コンフリクト(conflict)の場合においては、定義を含む本文書が管理する(control)。

0050

定義
用語「バイオフィルム」は、生体表面または非生体表面に対するマトリックスを閉じ込めた微生物の付着物(accretions)を指す。バイオフィルム形成は、細胞が有害環境で残存することを可能にする成長の保護されたモードを表わす。

0051

用語「バイオフィルム形成」は、バイオフィルム構造と包含される細菌コロニーの形成、成長および修飾の他に、バイオフィルム構造の多糖類マトリックスの合成および維持も含むように意図される。

0052

用語「グラム陽性細菌」は、高用量のペプチドグリカンとともに細胞壁を有する細菌を指す。グラム陽性細菌は、グラム染色プロトコル中でクリスタルバイオレットを保持し、染色ダークブルーまたはバイオレットに染色するその傾向によって特定される。

0053

用語「グラム陰性細菌」は、グラム染色プロトコル中でクリスタルバイオレット染色を保持せず、代わりに、対比染色、典型的にサフラニンを保持する、より薄いペプチドグリカン層を有する細菌を指す。グラム陰性細菌は、グラム染色プロトコル中で赤またはピンク色に染色する。

0054

用語「抗菌剤」は、細菌または他の微生物を死滅させる又はその成長か防ぐ物質を指す。

0055

本発明の抗菌性組成物の影響を受けやすい細菌の限定しないリストは、次のものを含む:アシドサーマス・セルロリティカス、アクチノミセス・オドントリティクス、アルカリフィルス・メタリレジゲンス(Alkaliphilus metalliredigens)、アルカリフィルス・オレムランジイ、アルトロバクター・オーレッセンス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・クラウジイ、バチルス・ハロデュラン、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・プミルス、バチルス・サチリス、ビフィドバクテリウム・アドレッセンティス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、カルジセルロシルプトル・サッカロリティカス、カルボキシドサーマス・ヒドロゲノフォルマンス、クロストリジウム・アセトブチリクム、クロストリジウム・ベエイジェリンキー、クロストリジウム・ボツリヌム、クロストリジウム・セルロリティカム、クロストリジウム・ディフィシレ、クロストリジウム・クルイベリ、クロストリジウム・レプタム、クロストリジウム・ノビイ、クロストリジウム・パーフリンジェンス、クロストリジウム・テタニ、クロストリジウム・テルモセルム、コリネバクテリウム・ジフセリエ、コリネバクテリウム・エフィシェンス、コリネバクテリウム・グルタミクム、コリネバクテリウム・ジュイケイウム、コリネバクテリウム・ウレアリティクム、デスルフィトバクテリウム・ハフニエンス、デスルホトマキュルム・レデュセン、ユーバクテリウム・ヴェントリオスム、エクシグオバクテリウム・シブリカム、フィネゴルディア・マグナ、ゲオバチルス・カウストフィルス、ゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス、ジャニバクター属、キネオコッカス・ラジオトレランス、ラクトバチルス・ファーメンタム、リステリア・モノサイトゲネス、リステリア・イノキュア、リステリア・ウェルシメリ、ムーレラ・サーモアセチカ、マイコバクテリウム・アビウム、マイコバクテリウム・ボビス、マイコバクテリウム・ギルバム、マイコバクテリウム・レプレ、マイコバクテリウム・パラチュバキュローシス、マイコバクテリウム・スメグマチス、マイコバクテリウム・ツベルクローシス、マイコバクテリウム・ウルセランス、ノカルジオイド属、ノカルジア・ファルシニカ、オセアノバチルス・イヘイエンシス、ペロトマクルム・サーモプロピオニカム、ロドコッカス属、サッカロポリスポラ・エリスラエア、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌種、スタフィロコッカス・アウレウス、メチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA)、スタフィロコッカス・エピデルミディス、メチシリン耐性スタフィロコッカス・エピデルミディス(MRSE)、ストレプトコッカス・アガラクティエ、ストレプトコッカス・ゴルドニ、ストレプトコッカス・ミチス、ストレプトコッカス・オラーリス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ストレプトコッカス・サングイニス、ストレプトコッカス・スイス、ストレプトミセス・アベルミティリス、ストレプトミセス・セリカラー、サーモアナエロバクター・エタノリクス、サーモアナエロバクター・テンコンジェンシス、およびそれらの組み合わせ。

0056

用語「抗生物質」は、微生物の成長に拮抗する物質を指す。適切な抗生物質は、自然発生であり得るか、化学修飾され得るか、または合成的に生成され得る。

0057

用語「外科用リンス液」は、医療機器の近くでバイオフィルムの最初の形成を防ぐ意図を持って、埋め込まれた医療機器の部位に水を引く(irrigate)ために手術中に使用される溶液を指す。

0058

用語「歯科用リンス液」は、虫歯につながる経口のバイオフィルムの確立を防ぐためにうがい液またはリンス液として使用される、1つ以上の亜鉛キレート剤を含有している溶液を指す。

0059

用語「個人用クレンジング組成物」は、個人衛生に使用される組成物を指す。個人用クレンジング組成物は、限定されないが、ゲル剤クリーム剤、懸濁液、コロイド石鹸脱臭剤ボディウォッシュシャンプーなどを含む。一実施形態では、本発明の個人用クレンジング組成物は、限定されないが、地域感染型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(CA−MRSA)感染を含む、バイオフィルム関連の感染を阻害する。

0060

用語「硬表面の洗浄組成物(hard surface cleaning composition)」は、硬表面または固体表面を洗浄及び/又は消毒するために使用される組成物を指す。一実施形態では、本発明は、限定されないが、外科用器具貯蔵タンクパイプライントレイ容器、壁、床、カウンタートップロッカールームの床、ベンチロッカーシャワーバスルームトイレ水濾過ユニットなどを含む、硬表面上で細菌性バイオフィルムの成長を防ぐ組成物を提供する。

0061

キレート剤:キレート化は、金属が環の部分である複合物中での金属との組み合わせである。有機配位子は、キレート剤(chelatorまたはchelating agent)と呼ばれ、キレート化合物金属複合物である。金属原子に対する閉環が多ければ多いほど、化合物はより安定する。キレート化合物の安定性はまた、キレート環中の原子の数にも関連する。H20またはNH3のような1つの配位原子を有する単座配位子は、他の化学プロセスによって容易にばらばらにされるが、一方で、金属イオンに複数の結合を与える、多座のキレート剤は、より安定した複合物を提供する。緑色植物色素である、クロロフィルは、4つの複雑なキレート剤に連結された中心マグネシウム原子ピロール環)から成るキレート化合物である。ヘムは、ポルフィリンの中心に鉄(II)イオンを含有している鉄キレートである。キレート剤は、水性系で金属イオンを制御する広範囲の金属イオン封鎖剤を提供する。多価性の金属イオンとの安定した水溶性複合物を形成することによって、キレート剤は、金属イオンの正常な反応の遮断により望ましくない相互作用を防ぐ。EDTA(エチレンジアミン四酢酸)は、窒素原子および短鎖カルボキシル基を有する一般的なキレート剤の優れた例である。

0062

鉄およびカルシウムのキレート剤の例は、限定されないが、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、1,3−プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)、およびエチレングリコール四酢酸(EGTA)を含む。生物学的に安全であり、鉄、カルシウムまたは他の金属をキレート化することができる、当該技術分野で既知の適切なキレート剤は、本発明に適している。

0063

本明細書においてキレート剤として有用な化合物は、二価カチオンまたは多価金属カチオン配位する(coordinate)またはそれとの複合体を形成し、それ故、そのようなカチオンの金属イオン封鎖剤として機能する、化合物を含む。したがって、本明細書における用語「キレート剤」は、(典型的に「キレート剤」と呼ばれる)二価および多価の配位子だけでなく、金属カチオンに配位するまたはそれとの複合体を形成することができる単価の配位子も含む。

0064

本発明と併用して有用な適切な生体適合性のキレート剤は、限定されないが、EDTAのような単量体ポリ酸シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ジメルカプトプロパンスルホン酸(DMPS)、ジメルカプトコハク酸(DMSA)、アミノトリメチレンホスホン酸ATPA)、クエン酸、その薬学的に許容可能な塩、およびこれらのいずれかの組み合わせを含む。他の典型的なキレート剤は、リン酸塩、例えば、ピロリン酸塩トリポリリン酸塩、およびヘキサメタリン酸塩(hexametaphosphates)を含む。

0065

EDTAと眼科的に許容可能なEDTAの塩がとりわけ好ましく、ここで、代表的な眼科的に許容可能なEDTA塩は、EDTA二アンモニウム(diammonium)、EDTA二ナトリウム、EDTA二カリウム(dipotassium)、EDTA三アンモニウム(triammonium)、EDTA三ナトリウム(trisodium)、EDTA三カリウム(tripotassium)、およびEDTAカルシウム二ナトリウムから典型的に選ばれる。

0066

EDTAは、生物学組織や血液中の金属をキレート化するための薬剤として広く使用されており、様々な製剤に含めることが提案されてきた。例えば、Denick Jr.らに対する米国特許第6,348,508号は、金属イオンに結合する金属イオン封鎖剤としてEDTAを記載している。キレート剤としての使用に加えて、EDTAは、塩化ベンザルコニウムの代わりの防腐剤としても広く使用されており、例えば、Castilloらに対する米国特許第6,211,238号、Bowmanらに対する米国特許第6,265,444号で記載されるように、防腐剤と安定化剤としてのEDTAの使用が開示されている。しかしながら、EDTAは、皮膚、細胞膜、および歯垢のようなバイオフィルムさえも含む生体膜やバイオフィルムをわたる浸透力が弱いことから、どんなに有意な濃度の製剤においても一般には局所的に適用されていない。

0067

組成物中に含まれることもあるキレート化/封鎖材料の中には、限定されないが、EDTAなどの単量体ポリ酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ジメルカプトプロパンスルホン酸(DMPS)、ジメルカプトコハク酸(DMSA)、アミノトリメチレンホスホン酸(ATPA)、クエン酸、その薬学的に許容可能な塩、およびこれらの組み合わせを含む生体適合性のキレート剤が記載されることもある。

0068

他の典型的なキレート剤は次のものを含む:リン酸塩、例えば、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩(hexametaphosphates)。他の典型的なキレート剤としては、リン酸塩、例えば、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、およびヘキサメタリン酸塩;クロロキンテトラサイクリンなどのキレート化抗生物質;イミノ基内または芳香環中の2つ以上のキレート化窒素原子を含む窒素含有キレート剤(例えば、ジアミン、2,2’−ビピリジンなど);および、サイクラム(1,4,7,11−テトラアザシクロテトラデカン)、N−(C1−C30アルキル)−置換したサイクラム(例えば、ヘキサデサイクラム(hexadecyclam)、テトラメチルヘキサデシルサイクラム(tetramethylhexadecylcyclam)、ジエチレントリアミン(DETA)、スペルミンジエチルノルスペルミン(diethylnorspermine)(DENSPM)、ジエチルホモ−スペルミン(DEHOP)、デフェロキサミン(N’−{5−[アセチルヒドロキシアミノペンチル}−N−[5−({4−[(5−アミノペンチル)(ヒドロキシ)アミノ]−4−オキソブタノイル}アミノ)ペンチル]−N−ヒドロキシスクシンアミド(hydroxysuccinamide)、または、(デスフェリオキサミンB、デスフェロキサミンB、DFO−B、DFOADFB、またはデスフェラールとしても知られている)N’−[5−(アセチル−ヒドロキシ−アミノ)ペンチル]−N−[5−[3−(5−アミノペンチル−ヒドロキシ−カルバモイルプロパノイルアミノ]ペンチル]−N−ヒドロキシ−ブタンジアミド;、デフェリプロンピリドキサールイソニコチノイルヒドラゾン(PIH)、サリチルアルデヒドイソニコチノイルヒドラゾン(SIH)、エタン−1,2−ビス(N−1−アミノ−3−エチルブチル−3−チオール)などのポリアミンを含む。

0069

本開示の実施に役立つ追加の適切な生体適合性のキレート剤は、Solomonら., Med. Chem. 2: 133−138, 2006に記載されるような、([2−(ビス−エトキシカルボニルメチル−アミノ)−エチル]−{[2−(7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチル・エステル、([2−(ビス−エトキシカルボニルメチル−アミノ)−プロピル]−{[2−(7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチル・エステル、([3−(ビス−エトキシカルボニルメチル−アミノ)−プロピル]−{[2−(7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチル・エステル、([4−(ビス−エトキシカルボニルメチル−アミノ)−ブチル]−{[2−(7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチル・エステル、([2−(ビス−エトキシメチル−アミノ)−エチル]−{[2−(7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチル・エステル、([2−(ビス−エトキシメチル−アミノ)−プロピル]−{[2−(7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチル・エステル、([3−(ビス−エトキシメチル−アミノ)−プロピル]−{[2−(7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチル・エステル、([4−(ビス−エトキシメチル−アミノ)−ブチル]−{[2−7−クロロ−キノリン−4−イルアミノ)−エチルカルバモイル]−メチル}−アミノ)−酢酸エチル・エステル、などのEDTA−4−アミノキノリン抱合体を含む。

0070

さらに、天然のキレート剤は、クエン酸、フィチン酸乳酸酢酸、およびこれらの塩を限定されないが含む。他の天然のキレート剤と弱いキレート剤は、限定されないが、クルクミンウコン)、アスコルビン酸コハク酸などを含んでいる。

0071

いくつかの実施形態では、キレート剤は、イミノジコハク(iminodisuccinic)酸の四ナトリウム塩(Baypure(登録商標)CX100; LANXESSGMBH(以前のBayer Chemicals)Leverkusen,DE)、または、ポリ−アスパラギン酸の塩(Baypure(登録商標)DS100; LANXESS GMBH,Leverkusen,DE)から選ばれる。いくつかの実施形態では、キレート剤は、L−グルタミン酸Ν,Ν−二酢酸の四ナトリウム塩(GLDA−Dissolvine(登録商標)、AkzoNobel,Netherlands)である。

0072

いくつかの実施形態では、製剤に組み入れられたキレート剤はプロキレート剤(Prochelator)である。プロキレート剤は、適切な化学的または物理的条件にさらされるとキレート剤に変換する任意の分子である。例えば、BSIH(イソニコチン酸[2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジリデン]−ヒドラジド)プロキレート剤は、鉄触媒されたヒドロキシルラジカル生成を阻害するSIH(サリチルアルデヒドイソニコチノイルヒドラゾン)鉄キレート剤に、過酸化水素によって変換される。

0073

金属イオンの封鎖はそれ自体でキレート化の範囲を超える封鎖と錯体化形成のプロセスを含み得るが、不活性化された金属イオン封鎖剤は本明細書では時に「プロキレート剤」と呼ばれる。用語「プロキレート剤」は、プロドラッグがインビボで活性化するまでは治療上不活性な薬剤である限り、用語「プロドラッグ」と類似しており、プロキレート剤も同様にインビボで活性化されるまでは金属イオンを封鎖することができない。

0074

輸送促進剤:輸送促進剤は身体の組織、細胞外マトリックス、および/または細胞膜を介してキレート剤の輸送を促進するために選択される。輸送促進剤の「有効な量」とは、製剤内に輸送促進剤を含めない場合よりも、被検体における口腔又は歯の部位の1つ以上へのキレート剤の浸透の測定可能な増加をもたらすのに十分な本発明の製剤内での量と濃度を表わす。

0075

特定の例では、輸送促進剤は、約0.01重量%以下から約30重量%以上、一般には、約0.1重量%から約20重量%、さらに一般的には約1重量%から約11重量%、最も一般的には約2重量%から約8重量%、例えば、5重量%>の範囲の量で本発明の製剤中に存在し得る。

0076

輸送促進剤は一般に式(I)である。

0077

0078

式中、R1とR2は、C2−C6アルキル、C1−C6ヘテロアルキル、C6−C14アラルキル、およびC2−C12ヘテロアラルキルから独立して選ばれ、これらのいずれかが置換されてもよく、QはSまたはPである。QがSであり、R1とR2がC1−C3アルキルである化合物が好ましく、メチルスルホニルメタン(MSM)が最適な輸送促進剤である。

0079

「式を有する(having the formula)」または「構造を有する(having the structure)」とのフレーズは、限定することを意図しておらず、「含む(coomprising)」との用語が一般に使用されるのと同じ方法で用いられている。上記の構造に関して、「アルキル」との用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルn−ブチルイソブチル、t−ブチル、シクロペンチルシクロヘキシルなどの1〜6の炭素原子を含む直鎖、分枝鎖、または環状の飽和炭化水素基を指す。特段の指示がなければ、「アルキル」との用語は、非置換または置換のアルキルを含み、置換基は例えばハロ、ヒドロキシルスルフヒドリルアルコキシアシルなどであってもよい。「アルコキシ」との用語は、単一の末端エーテル結合によって結合されたアルキル基を意図しており、すなわち、アルキルが上に定義された通りである場合、「アルコキシ」基は−O−アルキルとして表わされてもよい。「アリール」との用語は、一緒に縮合した、直接結合した、または間接的に結合した(異なる芳香環がメチレンまたはエチレンの部分などの共通の基に結合するように)単一の芳香環または多数の芳香環を含んでいる芳香族置換基を指す。好ましいアリール基は5〜14の炭素原子を含む。典型的なアリール基は、1つの芳香環、あるいは2つの縮合または結合した芳香環(例えば、フェニルナフチルビフェニルジフェニルエーテルジフェニルアミンベンゾフェノンなど)を含んでいる。「アリール」は、非置換および置換のアリールを含み、ここで、置換基は、随意に置換された「アルキル」基に関して上で説明された通りであってもよい。「アラルキル」との用語は、「アリール」と「アルキル」が上に定義された通りである、アリール置換基を含むアルキル基を指す。好ましいアラルキル基は6〜14の炭素原子を含み、特に好ましいアラルキル基は6〜8の炭素原子を含む。アラルキル基の例としては、限定されないが、ベンジル、2−フェニル−エチル、3−フェニル−プロピル、4−フェニル−ブチル、5−フェニル−ペンチル、4−フェニルシクロヘキシル、4−ベンジルシクロヘキシル、4−フェニルシクロヘキシルメチル、4−ベンジルシクロヘキシルメチルなどを含んでいる。「アシル」との用語は、式−(CO)−アルキル−、−(CO)−アリール、または−(CO)−アラルキルを有する置換基を指し、ここで、「アルキル」、「アリール」、および「アラルキル」は上に定義された通りである。「ヘテロアルキル」および「ヘテロアラルキル」との用語は、それぞれ、ヘテロ原子を含有するアルキル基とアラルキル基を指すために用いられ、つまり、1つ以上の炭素原子が炭素以外の原子、例えば、窒素、酸素、硫黄、リン、またはシリコン、典型的には、窒素、酸素、または硫黄と取り替えられたアルキル基とアラルキル基を指す。

0080

用語「埋込可能な医療機器」は、人体に埋め込まれるか挿入された任意の医療機器を指す。そのような機器は、一時的にまたは永久に埋め込まれるか挿入され得る。埋込可能な医療機器は、例えばカテーテル、矯正機器、人工機器、血管内ステント尿道ステントペースメーカーインプラント、又はその類似物かもしれない。

0081

用語「機器を浸す」は、機器を前処理するために、例えば外科的な埋込に先立って、溶液に機器を浸すことを指す。機器が外科的に埋め込まれた後、例えば無菌溶液で手術部位を洗浄することによっても、機器を浸され得る。

0082

用語「機器をコーティングする」は、外科的な埋込に先立って機器を組成物で前処理することを指す。機器を前処理するのに適切な組成物は例えば、溶液、ゲル剤、ポリマー・コーティング、および同等のものを含んでいてもよい。機器に噴霧するか機器を沈めるなど、コーティングするための様々な手段が使用され得る。コーティングされたた機器は、コーティング組成物によって与えられる所望の性質を有する表層を含む。1実施形態では、コーティング組成物は少なくとも1つの亜鉛キレート剤を含む。別の実施形態では、コーティング組成物は1つの以上の可溶なG5ドメインまたは亜鉛結合モジュールを含む。

0083

用語「局所的な医薬組成物」は哺乳動物に対する経皮投与に適した医薬組成物を指す。適切な局所的な医薬組成物は、制限されないが、ゲル剤、クリームローション剤軟膏剤チンキ剤スプレー、および固形物を含む。1実施形態において、本発明の局所的な医薬品組成物は、細菌のバイオフィルムの形成を処置するか、防ぐか、阻害するために、皮膚の外側表面上、または、切り傷すり傷芝地熱傷裂傷やけど、または刺創周辺で適用される。

0084

バイオフィルム
バイオフィルムは生物学的な又は非生物土台に付着する細菌の群集であって、マイクロおよびマクロコロニー分化し、典型的には多糖類およびタンパク質で構成された細胞外マトリックスを生成する。バイオフィルムの細菌は抗生物質および宿主の免疫反応に抵抗し、根絶するのが非常に難しい。例えば、ブドウ球菌性のバイオフィルムによる機器関連の感染症は、しばしば埋込装置の外科的な除去、周囲の組織のデブリマンおよび長引く抗生物質処置を必要とする。

0085

バイオフィルムの形成は、初期の表面のコロニー形成から始まり、成熟したバイオフィルムの複雑な形成で終わる一連のステップを含む。バイオフィルムは、組織、平滑表面、および生物学的な間隙を含む様々な表面上で存在するが、しかしながらそれは、裂け目および間隙のようなより不活発な部位において、それらの成熟した状態で最もよく見られ、それはこれらの場所が流体の流れおよび機械的な作用のような除去の力からの保護を与えるためである。さらに、バイオフィルムの成長過程を通じ、微生物の構成は、グラム陽性菌が主でストレプトコッカスが豊富な構成から、そのより成熟した状態においてグラム陰性嫌気性菌で満たされた構造へ、変化する。

0086

バイオフィルム発達の最初のステップは、表面に対する宿主および細菌の分子の吸着である。洗浄から数分内でバイオフィルム形成は始まり、それは微生物の薄いコートとして定義され得る。この層は、表面にくっつき、及び表面に付くように細菌のコンディショニングフィルムを促進することで、接着剤のように働く。このコンディショニングフィルムは、初期の微生物のコロニー形成に直接影響を及ぼし、歯表面に細菌を吸着し続ける。

0087

大部分がイオン溶液に浸される多くの異なる生育地がある。生き残るために、細菌はその表面1つに付かなければならないか、又はあえて空気および流体の流れの危険を冒さなくてはならない。露出した平滑表面に付いている細菌は、空気および水の流れに抵抗するために、非常に堅く付けられなくてはならない。細菌の大部分がより大きなずり応力を受けるので、増殖による細胞の任意の集積はより容易に除去される。いくつかの種は効率的な付着メカニズム発展させたので、これは、晒された滑らかな歯の表面に付着した細菌が欠けている、ということを意味しない。しかしながら、どんな重要な集積も阻害され、プラーク蓄積が、隣接歯間区域歯肉縁、および裂け目のような保護された部位へ限定されることを意味する。細菌は、さらに欠損に蓄積する。

0088

歯垢が蓄積し得る前に表面は、その後増殖してさらに生着菌を引きつける細菌により、コロニー形成されなくてはならない。これらの「第1の生着菌」は先駆種として知られている。

0089

これらの細胞の表面、および、実際にはほぼすべての細胞の表面は、リン酸カルボキシル及び他の酸性基を含んでいる、タンパク質および他の壁と細胞膜の構成成分の存在のために、負に帯電している。更に、非生物的な表面もほぼすべて負に帯電している。時にこれは、環境から表面へ吸着される有機材料の蓄積によるもので、時に表面がその化学的性質のために固有に負に帯電するためである。しかしながら、周囲の流体およびバイオフィルムの流体において多量の正に帯電したイオンの多価の金属が存在すると、細菌が負に帯電した表面へ引き寄せられるようになる(DLVO理論)。

0090

多価金属濃縮がバイオフィルムで増大し続けると、それは、pHにおける少ない変化が表面上に金属塩沈殿を引き起こし得るレベルに達する。これらの沈殿物時間経過により増大する。その後、この沈着は表面への侵食および損傷をもたらす。

0091

一般的なカルシウムのような多価の金属はしばしばバイオフィルム生産およびその有害な効果に関与し、よって、金属レベルの減少は表面の悪条件を処置する際に重要な役割を果たすだろう。現在の処置モダリティはこのアプローチをとらないが、むしろ歯および他の湿った表面上のバイオフィルムの機械的な除去に依存している。

0092

カルシウムキレート剤によってカルシウムのような多価の金属の除去が達成され得る。しかしながら、キレート剤も負に帯電した分子であり、したがって、バイオフィルム表面からはね返される。したがって、プラークにこれらのキレート剤を入れて金属に近づける作業を達成するため、帯電をマスキングし浸透を促進する担体によって、キレート剤が標的の金属イオン(例えばカルシウム)に到達することが可能になる。隔離不活性化部分もまた、生体膜を介して金属イオン封鎖剤の輸送を容易にし得る。

0093

理論にとらわれることなく、本発明の製剤における生体適合性のキレート剤により果たされる重要な役割は、バイオフィルムのより容易な機械的な除去にあるようであり、不健康なバイオフィルムの再構築を遅くする、バイオフィルムからの金属(銅、鉄およびカルシウムのような)の除去においてであるようだ。

0094

従って、防腐剤および安定化剤として働くことに加えて、望まれないプロテイナーゼ(例えばコラゲナーゼ)の活性を減少させる役目をする限りは、キレート剤は本発明の文脈において多機能であり、金属の蓄積の形成を防ぎ、及び/または、既に生じた金属の蓄積を減少させ、および石灰化を減少させる。製剤はまた、歯肉および他の口腔組織を含む、細胞膜、組織、および細胞外マトリックスを介して製剤成分の浸透を促進する輸送促進剤の有効な量を含む。輸送促進剤の「有効な量」は、ちょうど記載されたように、膜、組織、および細胞外マトリックスを介しての製剤成分の1以上の浸透の測定可能な増加をもたらすのに十分な濃度を表す。適切な輸送促進剤は、例として、メチルスルホニルメタン(MSM;メチルスルホンとも呼ばれる)、MSMとジメチルスルホキシド(DMSO)との組み合わせ、または、MSMと、さほど好ましくない実施形態では、DMSOとの組み合わせを含み、とりわけ、MSMが好ましい。

0095

MSMは、108−110C°の融点と94.1g/molの分子量を備えた、無臭の、高水溶性(79°Fで34%w/v)の白色の結晶性化合物である。MSMは、本明細書では、細胞膜透過性を増大させるだけでなく、1つ以上の製剤成分の口腔組織への輸送を助ける「輸送を促進する薬剤」(TFA)としても機能する限り、多機能の薬剤の役割を果たしている。さらに、MSMは、それ自体が薬効のある効果を提供し、抗炎症剤、並びに鎮痛薬として役立つことができる。MSMはまた、生物学的組織における酸化代謝を改善するように作用し、有機硫黄ソースであり、それは瘢痕化の低減を助ける。MSMはさらに、上記のように水に可溶性であるが、極性S=Oの基と無極性メチル基が存在するため親水性疎水性の両方の特徴を示すという点で、独特で有益な可溶化特性を有している。MSMの分子構造により、他の分子との水素結合、つまり、それぞれS=O基の酸素原子と他の分子の水素原子との間での結合と、ファンデルワールス会合の、すなわち、他の分子のメチル基と無極性の(例えばヒドロカルビルセグメントの間での形成も可能となる。理想的には、本製剤中のMSMの濃度は、約0.1重量%から40重量%、または、約1重量%から約4、5、6、7、8、10、15重量%、好ましくは約1.5重量%から8.0重量%の間の範囲である。

0096

本製剤中の他の任意の添加物は、第2の促進剤、つまり、1つ以上の追加の輸送促進剤を含んでいる。例えば、本発明の製剤は追加のDMSOを含み得る。MSMがDMSOの代謝産物であるため(つまり、DMSOはMSMに酵素的転換される)、本発明のMSM含有製剤にDMSOを組み入れることは、製剤中のMSMの割合を増加させる傾向にある。DMSOは、さらに遊離ラジカル捕捉剤として役立ち、それによって、酸化的障害の可能性を減少させる。DMSOが第2の促進剤として加えられる場合、その量は好ましくは製剤の約1.0重量%から2.0重量%の範囲にあり、MSMに対するDMSOの重量比は一般に約1:50から約50:1までの範囲である。

0097

製剤
本発明の組成物を製剤するために様々な手段を用いることができる。製剤と投与の技術については、”Remington:The Science and Practice of Pharmacy,” Twentieth Edition, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, PA (1995)で見られ得る。ヒトまたは動物に投与する場合、調製はFDAによって要求されるものに匹敵する無菌性発熱性、一般的安全性および純度基準を満たされなければならない。本明細書に記載されたように、医薬製剤の投与は様々な方法で行なうことができる。

0098

少なくとも部分的に水性の製剤に組み込まれる他の可能な添加物は、限定されないが、増粘剤等張剤、緩衝剤、および保存剤を含み、ただし、こうした賦形剤は製剤の他の成分のいずれとも有害な方法では相互作用しないことを前提とする。選択されたキレート剤それ自体が防腐剤として役立つという事実に照らせば、保存剤は一般的に必要ではないことに留意されたい。適したな増粘剤は、製剤の当業者に公知であり、一例として、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、およびナトリウムカルボキシメチルセルロース(NaCMC)のようなセルロース系ポリマー、およびポリビニルアルコールPVA)、ヒアルロン酸のような他の膨潤性親水性ポリマー、またはその塩(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム)、および、一般に「カルボマー」と呼ばれる架橋アクリル酸ポリマー(B.F. GoodrichからCarbopol(登録商標)として入手可能)を含む。限定されないが、キサンタンガムコンニャク(Konjac)ゴムなどの様々な有機ゴムがある。任意の増粘剤の好ましい量は、口腔組織上での製剤の快適さと保持の両方に最適であると一般に考えられている10,000cps以上の粘性を有するゲル剤として、10,000cps以上の粘性が提供されるようなものである。経口製剤中で一般に使用される任意の適切な等張剤と緩衝剤が使用され得るが、経口製剤のpHが約4.5乃至約9.0、好ましくは約6.8乃至約7.8、最適には約7.4の範囲で維持されることを前提とする。

0099

本発明の製剤は、特別なタイプの製剤に依存する薬学的に許容可能な担体をさらに含む。例えば、本発明の製剤は、溶液、懸濁液、ペースト、またはゲル剤として提供可能であり、こうした場合、担体は少なくとも部分的に水性である。製剤は軟膏剤でもあってもよく、その場合、薬学的に許容可能な担体は軟膏基剤からできている。本明細書の好ましい軟膏基剤は、体温に近い融解または軟化点を有しており、経口調剤で一般に使用される任意の軟膏基剤も有利に使用され得る。共通の軟膏基剤はワセリンと、ワセリンと鉱油の混合物を含んでいる。

0100

医薬製剤は、好ましくは正確な投与量の1回の投与に適した単位剤形において、例えば、液体、クリーム、懸濁液、エマルジョンビーズパウダーなどの、固体、半固体、または液体であってもよい。適切な医薬製剤と剤形は、医薬製剤の当業者に公知の、および本明細書で先に引用した関連する文脈や文献、例えば「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」の従来の方法を使用して調製されてもよい。

0101

発明の製剤もヒドロゲル、分散液またはコロイド懸濁系として調製され得る。当該技術分野で「ヒドロゲル」として呼ばれる製剤が典型的には、「増粘された(thickened)」溶液または懸濁液として呼ばれる製剤よりも、高い粘性を有することを除き、ヒドロゲルは、適切な増粘剤(即ち、MC、HEC、HPC、HPMC、NaCMC、PVA、又はヒアルロン酸又はその塩、例えばヒアルロン酸ナトリウム)のような上記の膨潤性ゲル形成ポリマーを組み込むことによって形成される。そのようなあらかじめ形成されたヒドロゲルとは対照的に、製剤は、口腔内に適用した後にインサイツでヒドロゲルを形成するようにも調製され得る。このようなゲル剤は室温で液体だが、体液と接触して置かれたときのような高温でゲル化する(したがって「熱可逆性」ヒドロゲルと呼ばれる)。この特性を付与する生体適合性ポリマーは、アクリル酸ポリマー及びコポリマー、N−イソプロピルアクリルアミド誘導体エチレンオキシドプロピレンオキシドのABAブロックコポリマーを含む(従来「ポロキサマー」とよばれ、BASF−Wyandotteからの商品名であるPluronic(登録商標)の下に入手可能である)。製剤はまた、分散液あるいはコロイド懸濁液形体で調製することができる。好ましい分散液はリポソーム性(liposomal)であり、その場合、製剤が水性区画脂質二重層を交互にすることから構成される微小小胞である「リポソーム」の内側に封入されている。コロイド懸濁液は一般的に、微粒子(すなわちミクロスフェアナノスフェアマイクロカプセルまたはナノカプセル剤など)から形成され、前記ミクロスフェアおよびナノスフェアは一般的に、製剤が捕捉されるか吸着されるか又は含まれるポリマーマトリックスモノリシック粒子であるが、製剤は実際にはマイクロカプセルおよびナノカプセルでカプセル化される。これらの微粒子についてはサイズの上限は約5μから約10μである。

0102

任意の組織への挿入物の埋込後、長時間にわたって、一般的には約12時間から60日まで、おそらく最大で12ヶ月の範囲またはそれ以上にわたって製剤の制御された放出をもたらす無菌の挿入物に、製剤は組み込まれ得る。挿入物の1つのタイプは、拡散および/またはマトリックス分解を介して口腔組織に段階的に製剤を放出するモノリシックポリマーマトリックスの形体のインプラントである。このような挿入物では、ポリマーが完全に可溶性および/または生分解性(すなわち、組織において物理的または酵素的に侵食される)であることが好ましく、その結果、挿入物の除去が不要である。挿入物のこれらのタイプは、当該技術分野で周知であり、典型的には、コラーゲン、ポリビニルアルコール、又はセルロースポリマーのような水膨潤性ゲル形成ポリマーから構成されている。本発明の製剤の送達に用いることができる挿入物の別のタイプは、製剤が、インプラントの外側へ製剤の段階的な拡散を可能にする透過性高分子膜内に入れられて、中央のリザーバ内に含まれている拡散インプラントである。浸透性の挿入物、つまり口腔組織への適用とその後の吸収に続くインプラント内の浸透圧の増加の結果として、製剤が放出されるインプラントが使用されてもよい。

0103

キレート剤は、薬学的に許容可能であるという前提で、塩、エステル、結晶形態、水和物などの形態で、必要に応じて投与され得る。塩、エステルなどは、有機合成化学の当業者に知られている、例えば、J. March, Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms and Structure, 4th Ed. (New York: Wiley− Interscience, 1992)に記載されている標準的な手順を使用して調製されてもよい。

0104

投与されるキレート剤の量は、多くの要因に依存し、被験体ごとに異なり、特定のキレート剤、処置される特定の障害または状態、症状の重症度、被験者の年齢、体重および一般的状態、および処方する医師の判断に依存する。用語「投薬形態」は、単回投与または複数回投与での治療効果を達成するのに十分なキレート剤及び輸送促進剤の量が含まれている医薬組成物の任意の形態を示す。過剰投与せずに効率的な方法で最も効果的な結果をもたらす投与頻度は、薬理学的特性および親水性などの物理的特性の両方を含む、特定の活性剤の特性により変化する。

0105

製剤は、乳白剤香味剤酸化防止剤香水着色剤ゲル化剤、増粘剤、安定化剤、界面活性剤などの従来の添加物をさらに含んでもよい。保管時の腐敗を防ぐために、つまり、酵母カビのような微生物の成長を阻害するために、抗菌剤などの他の薬剤が加えられることもある。適切な抗菌剤は、p−ヒドロキシ安息香酸(つまり、メチルおよびプロピルのパラベン)、安息香酸ナトリウムソルビン酸イミド尿素、およびこれらの組み合わせのメチルおよびプロピルのエステルから一般に選択される。

0106

本発明の活性製剤は、1以上の薬学的に許容可能な抗菌剤と組み合わせて製剤することができる。この点では、異なる抗菌剤の組み合わせは、罹患率および死亡率に寄与する異なる(または同一の)微生物を標的とするように調整され得る。本発明の薬学的に許容可能な抗菌剤は、動物への、例えばヒトへの体内投与に適している。しかしながら、製剤が工業用の殺菌で使用される場合には、洗浄剤、消毒剤、及びアンモニウムベース化学物質などの殺菌化学物質(例えば、QUATALなどの第四アンモニウム化合物)は、製剤による処置と組み合わせて、又はその前、またはその後に使用され得る。こうした殺菌化学物質は、工業の作業の表面(industrial work surface)を滅菌するために(例えば、食品加工、または病院環境において)当技術分野で典型的に使用されており、動物への投与には適さない。

0107

本発明はさらに、本発明の製剤を含む調剤、製剤、コーティング、フィルム、油および複合材料を意図している。こうした材料は、様々な産業及び医療の適用に役立つ。工業的な応用は、船体などのボート石油掘削装置などの合での構造物海浜植物のための海水導管システムブイ熱交換器冷却塔脱塩装置濾過膜ドック水生動物園や水族館などの、絶えず真水または海水にさらされるときにある程度の汚れをすべて受け得る他の構造物の、表面の汚れ放出処理(fouling−release treatments)のような海での適用を含む。医療の適用は、チューブ、カテーテル、ステント血管インプラント心臓調整機器、および体液と接触するようになる他の機器を含む埋込装置を含む、機器についての処置としての使用を含む。

0108

製剤は任意の洗浄剤に組込むことができる。EDTA又はいくつかの他のキレート剤が洗浄剤中に既に存在する場合、輸送促進剤(例えば、MSM)のみが含まれる必要がある。そうでなければ、キレート剤および輸送促進剤(MSM/EDTA)が加えられる。

0109

本発明の製剤を使用する方法も含まれている。製剤は、例えば、コンタクトレンズのような特定の医療機器のための洗浄剤として使用することができる。チューブ(例えば、静脈内チューブ)およびカテーテルなどの機器は、一定期間内部表面をすすぐことによって、及び所望のレベルのバイオフィルムを除去するのに適しているとわかっている多くの応用によって、製剤で処理されてもよい。工業的使用を意図したチューブはまた、バイオフィルムの除去またはバイオフィルムの形成防止のために、製剤ですすがれるかそうでなければ処理されてもよい。

0110

製剤は、洗浄剤、一般にワイプ(wipe)として使用され得る。本発明によるワイプは表面を拭くのに適切なファブリックを含んでもよく、該ワイプは製剤を含んでいるローション剤であらかじめ漬けられる。代替的に、製剤は、直接(例えば噴霧すること、注ぐことなど)適用でき、その後ワイピング(wiping)され得る。

0111

いくつかの実施形態では、製剤はバイオフィルム形成に弱い表面に適用されることがある。製剤は、工業で、海で、および医療での用途に使用される物品の表面をコーティングするまたは形成することに適用することができる。

0112

処置レジメンは、処置される細菌感染の状態の重症度とその細菌感染の反応性といった容易に決定されることもある多くの要因に依存するが、通常1日当たり1回以上の処置であり、一連の処置は一日または数日から数か月続くか、あるいは、バイオフィルムが大幅に減少するまで続く。

0113

本発明の組成物は、兆候に対して適切なように追加の薬品または賦形剤をさらに含んでもよい。実施形態の一態様では、医薬組成物はさらに、治療上有効な量の少なくとも1つの抗菌剤を含む。より具体的な態様では、抗菌剤は抗生物質である。

0114

別の実施形態において、本発明は、機器上でのバイオフィルムの形成を阻害するための方法を提供し、該方法は、細菌を、輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む有効な量の製剤と接触させる工程であって、それにより機器上でのバイオフィルムの形成が阻害される工程を含む。組成物は、例えば、噴霧剤、ローション剤、溶液、ゲル剤、クリーム、軟膏剤、外科用リンス液、または歯科用リンス液であってもよい。別の実施形態において、組成物は、機器浸漬液、個人用の洗浄組成物、または硬表面の洗浄組成物であってもよい。そのような組成物では、EDTAのMSMに対する比率は約1:100−100:1の範囲にあり、組成物中のEDTAおよびMSMのパーセンテージは、それぞれ約0.1重量%から15重量%および約0.1重量%から40重量%の範囲にある。

0115

別の実施形態において本発明は、哺乳動物上または内部でのバイオフィルムの形成を阻害するための局所用医薬組成物を提供し、該組成物は、輸送促進剤(MSMなど)、及びキレート剤(EDTA、イミノジコハク酸四ナトリウム塩、ポリアスパラギン酸及び/又はその塩、またはL−グルタミン酸N,N−二酢酸(GLDA)の四ナトリウム塩など)、および少なくとも1つの医薬的に許容可能な担体を含む有効な量の製剤を含む。

0116

さらなる実施形態において、本発明は、細菌を含むバイオフィルムの形成を阻害するための外科用リンス液を提供し、該外科用リンス液は、輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む有効な量の製剤を含む。1実施形態では、外科用リンス液は例えば、緩衝生理食塩水またはリンゲル液であり得る。本発明の外科用リンス液は、手術前、手術中、又は手術後に適用されてもよく、手術領域から吸引されるか、またはバイオフィルム形成を阻害するために手術領域に残される。

0117

さらに別の実施形態において、本発明は、細菌を含むバイオフィルムの形成を阻害するための方法を提供し、該方法は、細菌を、輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む有効な量の製剤と接触させる工程であって、該細菌は、アシドサーマス・セルロリティカス、アクチノミセス・オドントリティクス、アルカリフィルス・メタリレジゲンス、アルカリフィルス・オレムランジイ、アルトロバクター・オーレッセンス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・クラウジイ、バチルス・ハロデュラン、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・プミルス、バチルス・サチリス、ビフィドバクテリウム・アドレッセンティス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、カルジセルロシルプトル・サッカロリティカス、カルボキシドサーマス・ヒドロゲノフォルマンス、クロストリジウム・アセトブチリクム、クロストリジウム・ベエイジェリンキー、クロストリジウム・ボツリヌム、クロストリジウム・セルロリティカム、クロストリジウム・ディフィシレ、クロストリジウム・クルイベリ、クロストリジウム・レプタム、クロストリジウム・ノビイ、クロストリジウム・パーフリンジェンス、クロストリジウム・テタニ、クロストリジウム・テルモセルム、コリネバクテリウム・ジフセリエ、コリネバクテリウム・エフィシェンス、コリネバクテリウム・グルタミクム、コリネバクテリウム・ジュイケイウム、コリネバクテリウム・ウレアリティクム、デスルフィトバクテリウム・ハフニエンス、デスルホトマキュルム・レデュセン、ユーバクテリウム・ヴェントリオスム、エクシグオバクテリウム・シブリカム、フィネゴルディア・マグナ、ゲオバチルス・カウストフィルス、ゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス、ジャニバクター属、キネオコッカス・ラジオトレランス、ラクトバチルス・ファーメンタム、リステリア・モノサイトゲネス、リステリア・イノキュア、リステリア・ウェルシメリ、ムーレラ・サーモアセチカ、マイコバクテリウム・アビウム、マイコバクテリウム・ボビス、マイコバクテリウム・ギルバム、マイコバクテリウム・レプレ、マイコバクテリウム・パラチュバキュローシス、マイコバクテリウム・スメグマチス、マイコバクテリウム・ツベルクローシス、マイコバクテリウム・ウルセランス、ノカルジオイド属、ノカルジア・ファルシニカ、オセアノバチルス・イヘイエンシス、ペロトマクルム・サーモプロピオニカム、ロドコッカス属、サッカロポリスポラ・エリスラエア、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌種、スタフィロコッカス・アウレウス、メチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA)、スタフィロコッカス・エピデルミディス、メチシリン耐性黄色スタフィロコッカス エピデルミディス(MRSE)、ストレプトコッカス・アガラクティエ、ストレプトコッカス・ゴルドニ、ストレプトコッカス・ミチス、ストレプトコッカス・オラーリス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ストレプトコッカス・サングイニス、ストレプトコッカス・スイス、ストレプトミセス・アベルミティリス、ストレプトミセス・セリカラー、サーモアナエロバクター・エタノリクス、サーモアナエロバクター・テンコンジェンシス、およびその組み合わせから成る群より選択され、それによって前記バイオフィルムの形成が阻害される。

0118

本発明のさらなる実施形態は、輸送促進剤(MSMなど)及びキレート剤(EDTAなど)含む安全かつ有効な量の製剤で含浸された包帯、スポンジまたはガーゼを提供し、前記包帯、スポンジまたはガーゼは皮膚上のバイオフィルムの形成を阻害する。一実施形態では、包帯、スポンジまたはガーゼは切り傷、火傷火傷、すり傷、裂傷、刺創、できものおよび膿疱のような細菌感染部位などを有する患者での使用に適している。

0119

本発明のさらなる別の実施形態は、輸送促進剤(MSMなど)、及び、限定されないが、EDTAおよびその塩、又はイミノジコハク酸四ナトリウム塩、またはポリアスパラギン酸の塩、またはL−グルタミン酸N,N−二酢酸(GLDA)の四ナトリウム塩を含むキレート剤を含む個人用クレンジング製剤を提供し、個人用クレンジング粗製物は皮膚上のバイオフィルムの形成を阻害する。適切な個人用クレンジング組成物は、限定されないが、外科用スクラブシャワー用ジェル、ボディウォッシュ、石鹸、脱臭剤などを含む。本発明の別の実施形態では、個人用クレンジング組成物は個人衛生ルーチンの一部として適用される。本発明の個人用クレンジング組成物は、例えば、ブドウ球菌感染症から回復している人々、チームのロッカールームを使用するスポーツ選手、および医療従事者を含む様々な個体による使用に適している。

0120

本発明のさらなる実施形態は、輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む硬表面を洗浄する製剤を提供し、ここで組成物は硬表面上のバイオフィルムの形成を阻害する。本発明の硬表面を洗浄する組成物には、医療の、獣医のまたは家畜の環境と同様に工業用の用途での使用を含む様々な有用な用途がある。例えば、本発明の硬表面を洗浄する組成物は、パイプラインシステム発電所精錬所化学プラントにおける水冷却ステム、空調システム、貯蔵タンク、トレイ、コンテナ、壁、床、カウンタートップ、ロッカールームの床、ベンチ、ロッカー、シャワー、バスルーム、トイレ、水のろ過ユニットなどの、洗浄および処置において、クリーニングルーチンの一部として有用である。

0121

本発明のさらなる実施形態は、バイオフィルム形成を阻害するための歯科用リンス液を提供し、該歯科用リンス液は、輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む製剤を含む。

0122

表皮への局所投与のために、本発明の輸送促進剤(MSMなど)及びキレート剤(EDTAなど)を含む製剤は、軟膏剤、クリーム、又はローション剤中に、又は経皮パッチとして製剤されてもよい。軟膏剤およびクリームは、例えば、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を添加した水性または油性基剤を用いて製剤することができる。ローション剤は水性または油性基剤を用いて製剤されてもよく、一般に、1以上の乳化剤、安定化剤、懸濁化剤、増粘剤、または着色剤も含むであろう。口腔内の局所投与に適した製剤は、通常スクロースアカシアまたはトラガカントである香味基剤中に輸送促進剤(MSMなど)及びキレート剤(EDTAなど)を含む製剤を含むロゼンジ、;ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアなどの不活性基剤(inert base)中に活性成分を含むパステル剤、;および適切な液体担体中に活性成分を含むうがい液を含む。眼への局所投与のために、(MSMなど)輸送促進剤およびキレート剤(EDTAなど)を含む製剤を、適切な無菌の水性または非水性ビヒクル中の溶液中または懸濁液中に作ることができる。緩衝剤(例えば二亜硫酸ナトリウム(sodium metabisulphite)又はエデト酸ナトリウム(disodium edeate))などの添加剤およびヒプロメロースなどの増粘剤も、含まれてもよい。

0123

鼻腔内投与のために、本発明の輸送促進剤(MSMなど)及びキレート剤(EDTAなど)を含む製剤は、液体スプレーまたは分散性粉末または液滴の形で提供され得る。液滴は、1以上の分散剤可溶化剤、または懸濁化剤も含む水溶性又は非水溶性基材で製剤され得る。液体スプレーは、加圧パックから便利なように送達される。

0124

吸入による投与のために、本発明の輸送促進剤(MSMなど)およびキレート剤(EDTAなど)を含む製剤は、注入器噴霧器または加圧パック、またはエアロゾルスプレーを送達する他の便利な手段によって送達することができる。加圧パックは、ジクロロジフルオロメタントリクロロフルオロメタ、ジクロロテ卜ラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切なガスなどの適切な噴射剤を含んでいてもよい。加圧エアゾルの場合、投薬単位は、計量された量を送達するためのバルブを提供することによって決定し得る。

0125

本発明の別の実施形態では、細菌又は菌の付着を防ぐか阻害し、創傷感染リスクを減らすために、限定しないが、スポンジまたはガーゼを含む創傷被覆材に、輸送促進剤(MSMなど)及びキレート剤(EDTAなど)を含む製剤を含浸させることができる。同様に、カテーテルシールドならびにカテーテル挿入部位カバーするために使用される他の材料は、細菌又は真菌のバイオフィルムのそれへの付着を阻害するために、輸送促進剤(MSMなど)及びキレート剤(EDTAなど)を含む製剤でコーティングされ得るか、製剤を含浸され得る。ハイリスクの手術中に創傷感染を防ぐために使用される接着性ドレープは、単離されたタンパク質またはその活性断片または同様にその変異体で含浸され得る。輸送促進剤(MSMなど)及びキレート剤(EDTAなど)を含む製剤でコーティングされ得る追加の医療機器は、限定しないが、中心静脈カテーテル脈管内カテーテル、尿道カテーテル、ヒックマンカテーテル、腹膜透析カテーテル気管内カテーテル、機械弁、心臓ペースメーカー、動静脈シャント強膜バックル、人工関節、中耳腔換気用チューブ気管切開チューブ人工喉頭人工陰茎人工尿括約筋、人工恥骨スリング縫合糸骨アンカー骨ねじ眼内レンズ、コンタクトレンズ、子宮内器具大動脈大腿動脈グラフト、および血管グラフトを含む。ガーゼ又はスポンジ、カテーテルシールドおよび接着性のドレープまたはコーティング・カテーテル・シールドおよび他の医療機器に含浸させるための例示的な溶液としては、限定されないが、リン酸緩衝生理食塩水(pH約7.5)と重炭酸塩緩衝液(pH約9.0)を含む。

0126

さらに別の実施形態では、輸送促進剤(MSMなど)及びキレート剤(EDTAなど)を含む製剤は、液体消毒溶液に組み込むことができる。こうした溶液は、アルコールポビドンヨード溶液などの抗菌剤か抗真菌薬、および保存剤などの抗生物質をさらに含んでいてもよい。これらの溶液は、例えば、カテーテル、カテーテルロックなどの機器および/またはフラッシュ溶液の挿入または埋込の前に、皮膚または周辺領域の消毒薬として使用したり、限定しないが、ニードルルアーロックコネクタニードルレスコネクタ、およびハブ、ならびに他の埋込可能な機器を含む任意の医療機器のための消毒リンスとして使用することができる。これらの溶液はまた、限定しないが、クランプ鉗子、はさみ、皮膚、チューブ、針、開創器スケーラードリルチゼルラスプ、およびのこぎりを含む手術器具をコーティング又は消毒するために使用することができる。

0127

以下の例は、本発明一式と、本発明に係る実施形態をどのように作成および使用するのかの記載を当業者に提供するために示され、発明者が発見みなすものの範囲を制限することを意図してはいない。用いられる数(例えば量、温度など)に関して正確であるように努力を重ねてきたが、実験誤差偏差について考慮に入れられなくてはならない。特段指示のない限り、部分は重量部分であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏であり、圧力は大気圧またはほぼ大気圧下である。

0128

実施例1:1回の歯磨き後の歯垢の発生の減少
Sigmaから購入したEDTA(四ナトリウム塩)とMSMを含むように練り歯磨きを調製した。対照は市場で入手可能な主要な「歯垢形成防止」練り歯磨きであった。

0129

0130

MSM/EDTAの練り歯磨きは、106%以上の歯垢の大幅な減少を示した。
これは、統計的に非常に有意であることを示した。

0131

実施例2:繰り返し歯磨きを行った後の歯垢の発生の減少
Sigmaから購入したEDTA(四ナトリウム塩)とMSMを含むように練り歯磨きを調製した。対照は市場で入手可能な主要な「歯垢形成防止」練り歯磨きであった。Loe Sillnessの歯垢指数を、最初の予防後に、2週間の1日2回の歯磨きを行った後の被検体で測定した。

0132

0133

対照と比較してMSM+キレート剤の結果は、非常に高い統計的な有意性を示した。

0134

実施例3:
96ウェルマイクロタイタープレートバイオフィルム細胞剥離アッセイ
96ウェルマイクロタイタープレート(Falcon番号353072)のウェルを、102〜104CFUの細菌を含む100μlの培地充填し、10%CO2中で37℃で20時間、インキュベートした。10μlの酵素溶液[(リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に1mg/ml]を、またはコントロールの場合には10μlのPBSを、各ウェルに添加し、プレートをさらに6時間インキュベートした。ウェルを水道の流水で広範囲に洗浄し、表面に付着した細菌の残りをクリスタルバイオレットで染色し、エタノールで脱色した(Kachlany ら. Mol.Microbiol. 2001 40:542−554により記載された手順に従った)。エタノール−色素溶液光学密度OD)を、590nmに設定したBioRadベンチマークマイクロタイタープレートリーダーで測定した。

0135

実施例4:の下の体臭につながる腋の下の多微生物性のバイオフィルムに対する製剤の影響。
トリコマイコシス・アキシラリス(Trichomichosis axillaris)と呼ばれる比較的良性の複数菌感染症は、多くの人の脇の下の皮膚や毛に外寄生する。次の図に示すように、この寄生腋毛の見苦しい沈着物を生成する。この寄生はまた激しく不快な体臭につながる。

0136

この状態のための標準的な治療は、患部を剃ることであり、その後、例えば、過酸化ベンゾイルまたはエリスロマイシンクリームといった抗菌クリームやローション剤を適用することであり、この治療法はしばしば刺激や接触性皮膚炎を結果としてもたらす。病気の解決のための平均時間は3週間であるとみなされている(Kim Comparative Study of Benzoyl Peroxide Versus Erythromycin in Trichomycosis Axillaris and Pubis, Korean J Med Mycol. 2005 Jun; 10(2):70−75)。製剤のMSM/EDTAのゲル剤を、トリコマイコシス・アキシラリスの5人の患者に一日一回適用した。各ケースの感染は、3日以内に消失した。同時に、患者のすべての腋の下の悪臭を解消し、いずれの患者も任意の刺激や接触性皮膚炎を示さなかった。1人の患者の適用の前後の写真図1のa−bにおいて示す。

0137

実施例4:
咬傷感染症に対する製剤の効果。
すべての猫咬傷の20から80%が24時間以内に複数菌感染症に感染し、12時間後に最初の兆候が現れる。従来の抗菌剤での治療はしばしば引き延ばされ、ひどく感染した傷を癒すために数週間から数ヶ月かかる。猫歯垢の残りが創傷に取り残され、従来の創傷洗浄方法により洗浄することができないために、感染が発生する(A.Freshwater, Why Your Housecat's Trite Little Bite Could Cause You Quite a Fright:A Study of Domestic Felines on the Occurrence and Antibiotic Susceptibility of Pasteur ella multocida, Journal compilation 2008 Blackwell Verlag Zoonoses Public Health.55 (2008) 507−513;J. SiUery; et al, Pasteurella multocida Peritonitis: AnotherRisk of Animal−Assisted Therapy, Source: Infection Control and Hospital Epidemiology, Vol. 25, No. 1 (January 2004), pp. 5−6, Published by:The University of Chicago Press on behalf of The Society for Healthcare Epidemiology of America; Itzhak Brook, et al, Animal bite−associated infections: microbiology and treatment, Expert Review of Anti−Infective therapy, 9.2 (feb2011): p215)

0138

本明細書で引用される出版物や特許出願はすべて、あたかもそれぞれの個々の出版物または特許出願が参照により具体的または個別に組み込まれるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。

実施例

0139

前述の発明は理解しやすくするために例証および例としてある程度詳細に記載されているが、添付の請求項の精神と範囲を逸脱することなく特定の変更と修正を加えてもよいということが、本発明の教示を照らせば当業者には明らかであろう。

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