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課題

新規抗高血圧剤の提供。

解決手段

バガスの分解抽出物を有効成分として含有する、抗高血圧剤。バガスの分解抽出物は、アルカリ処理水熱処理酸処理亜臨界水処理微粉砕処理及び爆砕処理からなる群より選ばれる少なくとも1種の分解処理により得られる分解処理液であり、この分解処理液を、固定担体充填したカラム通液することより得られる画分を有効成分として含有する、抗高血圧剤。前記固定担体は、合成吸着剤又はイオン交換樹脂である抗高血圧剤。

概要

背景

高血圧とは正常範囲を超えた血圧が維持されている状態である。高血圧は生活習慣病のひとつであり、脳、心臓腎臓等の主要臓器合併症を引き起こす原因となるため、大きな問題となっている。

近年では、天然由来抗高血圧作用を有する物質が探索されている。例えば特許文献1には、緑豆蛋白分解物を含有する抗高血圧剤が開示されている。

概要

新規な抗高血圧剤の提供。バガスの分解抽出物を有効成分として含有する、抗高血圧剤。バガスの分解抽出物は、アルカリ処理水熱処理酸処理亜臨界水処理微粉砕処理及び爆砕処理からなる群より選ばれる少なくとも1種の分解処理により得られる分解処理液であり、この分解処理液を、固定担体充填したカラム通液することより得られる画分を有効成分として含有する、抗高血圧剤。前記固定担体は、合成吸着剤又はイオン交換樹脂である抗高血圧剤。なし

目的

本発明は、新規な抗高血圧剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

バガスの分解抽出物を有効成分として含有する、抗高血圧剤

請求項2

前記バガスの分解抽出物は、アルカリ処理水熱処理酸処理亜臨界水処理微粉砕処理及び爆砕処理からなる群より選ばれる少なくとも1種の分解処理により得られる分解処理液である、請求項1に記載の抗高血圧剤。

請求項3

前記バガスの分解抽出物は、前記分解処理液を、固定担体充填したカラム通液することより得られる画分である、請求項2に記載の抗高血圧剤。

請求項4

前記固定担体は、合成吸着剤又はイオン交換樹脂である、請求項3に記載の抗高血圧剤。

請求項5

前記固定担体が合成吸着剤であり、前記バガスの分解抽出物は、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノールエタノール及びこれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒溶出させることにより得られる画分である、請求項3に記載の抗高血圧剤。

請求項6

前記合成吸着剤は、芳香族系樹脂アクリル酸メタクリル樹脂、又はアクリロニトリル脂肪族系樹脂である、請求項4又は5に記載の抗高血圧剤。

請求項7

前記バガスの分解抽出物は、前記分解処理液を、固定担体としての合成吸着剤を充填したカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール及び水の混合溶媒で溶出させて得られる画分であり、前記合成吸着剤は、無置換基型の芳香族系樹脂であり、前記カラムの温度は20〜60℃であり、前記混合溶媒のエタノール及び水の体積比(エタノール/水)は50/50〜60/40である、請求項2に記載の抗高血圧剤。

請求項8

バガスの分解抽出物を有効成分として含有する、アンジオテンシン変換酵素阻害剤

技術分野

0001

本発明は、抗高血圧剤に関する。

背景技術

0002

高血圧とは正常範囲を超えた血圧が維持されている状態である。高血圧は生活習慣病のひとつであり、脳、心臓腎臓等の主要臓器合併症を引き起こす原因となるため、大きな問題となっている。

0003

近年では、天然由来抗高血圧作用を有する物質が探索されている。例えば特許文献1には、緑豆蛋白分解物を含有する抗高血圧剤が開示されている。

先行技術

0004

特開2006−219420号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、新規な抗高血圧剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、in vitro試験によって、バガスの分解抽出物抗高血圧効果を有することを見出した。

0007

本発明は、一態様として、バガスの分解抽出物を有効成分として含有する、抗高血圧剤を提供する。本発明の抗高血圧剤は、バガスの分解抽出物を有効成分として含むことにより、抗高血圧効果に優れている。

0008

バガスの分解抽出物は、アルカリ処理水熱処理酸処理亜臨界水処理微粉砕処理及び爆砕処理からなる群より選ばれる少なくとも1種の分解処理により得られる分解処理液であってよい。

0009

バガスの分解抽出物は、分解処理液を、固定担体充填したカラム通液することより得られる画分であってもよい。固定担体は、好ましくは、合成吸着剤又はイオン交換樹脂である。

0010

固定担体が合成吸着剤である場合、バガスの分解抽出物は、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノールエタノール及びこれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒溶出させることにより得られる画分であってもよい。

0011

合成吸着剤は、好ましくは、芳香族系樹脂アクリル酸メタクリル樹脂、又はアクリロニトリル脂肪族系樹脂である。

0012

バガスの分解抽出物は、分解処理液を、固定担体としての合成吸着剤を充填したカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、エタノール及び水の混合溶媒で溶出させて得られる画分であってよく、この場合、合成吸着剤は、無置換基型の芳香族系樹脂であり、カラムの温度は20〜60℃であり、混合溶媒のエタノール及び水の体積比(エタノール/水)は50/50〜60/40であってもよい。

0013

本発明は、他の態様として、バガスの分解抽出物を有効成分として含有する、アンジオテンシン変換酵素阻害剤を提供するということもできる。

発明の効果

0014

本発明によれば、新規な抗高血圧剤を提供することができる。

0015

以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。

0016

本発明の抗高血圧剤は、抗高血圧作用を有する。抗高血圧作用は、血圧の上昇を抑制する作用であってよい。

0017

体内には種々の血圧調節機構が存在する。アンジオテンシンIIは、血管を収縮させる作用、腎臓においてナトリウム又は水分の排出を抑えて血液量を増やす作用があり、血圧を上昇させる働きを有する。アンジオテンシンIIは、アンジオテンシンIアンジオテンシン変換酵素(ACE)によって変換されることにより生成される。このため、ACEを阻害してアンジオテンシンIIの生成を抑えることにより血圧の上昇を抑制することができる。

0018

本発明の抗高血圧剤は、ACEを阻害する作用を有するため、アンジオテンシンIIの生成が抑制され、結果として、血圧の上昇が抑制される。すなわち本発明の抗高血圧剤は、アンジオテンシン変換酵素の阻害作用に基づくものであるということができ、アンジオテンシンIIの生成を抑制する作用に基づくものということもできる。また、本発明は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤を提供するということもできる。

0019

一実施形態に係る抗高血圧剤は、バガスの分解抽出物を有効成分として含有する。バガスの分解抽出物には、p−クマル酸フェルラ酸カフェ酸及びバニリン等のフェニルプロパノイド、並びにリグニン及びその分解物からなる群より選ばれる少なくとも1種が含まれていることが好ましい。

0020

「バガス」とは、典型的には原料糖製造工程における製糖過程で排出されるバガスをいう。原料糖工場における製糖過程で排出されるバガスには、最終圧搾機を出た最終バガスだけではなく、第1圧搾機を含む以降の圧搾機に食い込まれた細裂甘蔗をも含む。好適なバガスは、原料糖工場において圧搾工程により糖を圧搾した後に排出されるバガスである。当該バガスは、甘蔗の種類、収穫時期等により、その含まれる水分、糖分及びそれらの組成比が異なるが、本発明においては、これらのバガスを任意に用いることができる。さらに、本実施形態では、原料のバガスとして、原料糖工場と同様に、例えば黒糖製造工場において排出される甘蔗圧搾後に残るバガス、又は実験室レベル小規模な実施により甘蔗から糖液を圧搾した後のバガスも用いることができる。

0021

バガスの分解抽出物は、一実施形態において、バガス(及び/又はその加工物)の分解処理液であってよい。分解処理液は、アルカリ処理、水熱処理、酸処理、亜臨界水処理、微粉砕処理及び爆砕処理からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の分解処理により得ることができる。分解処理は、バガスの分解抽出物を得やすい観点から、好ましくはアルカリ処理又は水熱処理である。

0022

アルカリ処理は、バガスにアルカリ性溶液を接触させる処理であってよい。アルカリ性溶液を接触させる方法としては、例えば、アルカリ性溶液をバガスに振りかける方法、バガスをアルカリ性溶液に浸漬させる方法等が挙げられる。バガスをアルカリ性溶液に浸漬させる方法においては、バガス及びアルカリ性溶液の混合物を撹拌しながら浸漬させてもよい。

0023

アルカリ性溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液水酸化カリウム水溶液アンモニア水溶液等が挙げられる。アルカリ性溶液は、これらの溶液を1種単独で又は2種以上を混合して用いられてよい。アルカリ性溶液は、安価であり、食品製造工程で容易に用いられる観点から、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である。

0024

アルカリ性溶液の温度(液温)は、分解処理の処理時間を短縮する観点から、好ましくは40℃以上であり、より好ましくは100℃以上であり、更に好ましくは130℃以上である。アルカリ性溶液の温度は、分解処理液に多糖類を残存させないようにする観点から、好ましくは250℃以下であり、より好ましくは200℃以下であり、更に好ましくは150℃以下である。

0025

アルカリ処理は、常圧下で行われてよく、加圧して行われてもよい。加圧する場合、圧力は、0.1MPa以上、又は0.2MPa以上であってよく、4.0MPa以下、1.6MPa以下、又は0.5MPa以下であってよい。

0026

水熱処理は、バガスに高温の水又は水蒸気高圧下で接触させる処理であってよい。水熱処理は、より具体的には、例えば、バガスの固形物濃度が0.1〜50%となるように水を加え、高温・高圧条件下で分解処理を行う方法であってもよい。水又は水蒸気の温度は130〜250℃であることが好ましく、加える圧力は、各温度の水の飽和水蒸気圧に、更に0.1〜0.5MPa高い圧力であることが好ましい。

0027

酸処理は、バガスに酸性溶液を接触させる処理であってよい。酸性溶液としては、希硫酸等が挙げられる。バガスに酸性溶液を接触させる方法、酸処理における酸溶液の温度、酸処理における圧力条件は、上述したアルカリ処理における方法又は条件と同様であってよい。

0028

亜臨界水処理は、バガスに亜臨界水を接触させる処理であってよい。バガスに亜臨界水を接触させる方法は、上述したアルカリ処理における方法と同様であってよい。亜臨界水処理の条件は特に制限されないが、亜臨界水の温度を160〜240℃とし、処理時間を1〜90分間とすることが好ましい。

0029

微粉砕処理は、圧縮、衝撃、せん断摩擦などによりバガスを数μm〜数百μmに粉砕する処理であってよい。爆砕処理は、水熱処理によりバガスに含まれる不溶性キシランをある程度分解させた後、耐圧反応容器に設けられたバルブ一気開放すること等によって、瞬間的に大気圧に放出することによりバガスを粉砕する処理であってよい。

0030

分解処理液においては、上述した分解処理の後、固形分及び液分を分離する処理がなされてもよい。この場合、分離後に得られた液分を分解処理液とすることができる。固形分及び液分を分離する方法は、ストレーナー、ろ過、遠心分離デカンテーション等による分離であってよい。

0031

分解処理液においては、膜分離により多糖類等の高分子成分が除去されてもよい。この場合、膜分離後の液分を分解処理液とすることができる。分離膜は、限外濾過膜UF膜)であれば特に限定されない。限外濾過膜の分画分子量は、好ましくは2,500〜50,000であり、より好ましくは2,500〜5,000である。

0033

限外濾過膜の濾過方式は、デッドエンド濾過クロスフロー濾過であってよいが、膜ファウリング抑制の観点から、クロスフロー濾過であることが好ましい。

0034

限外濾過膜の膜形態としては、平膜型、スパイラル型チューブラー型中空糸型等、適宜の形態のものが使用できる。より具体的には、GE Power&WaterのGEシリーズGHシリーズ、GKシリーズ、DESAL社のG−5タイプ、G−10タイプ、G−20タイプ、G−50タイプ、PWタイプ、HWSUFタイプ、KOCH社のHFM−180、HFM−183、HFM−251、HFM−300、HFK−131、HFK−328、MPT−U20、MPS−U20P、MPS−U20S、Synder社のSPE1、SPE3、SPE5、SPE10、SPE30、SPV5、SPV50、SOW30、旭化成株式会社製のマイクローザ(登録商標)UFシリーズの分画分子量3,000から10,000に相当するもの、日東電工株式会社製のNTR7410、NTR7450等が挙げられる。

0035

バガスの分解抽出物は、他の実施形態において、上述した分解処理液を、固定担体を充填したカラムに通液することより得られる画分であってもよい。分解処理液をカラムに通液することにより、分解処理液中の抗高血圧作用を有する成分(有効成分)が固定担体に吸着され、糖類及び無機塩類の大部分がそのまま流出する。

0036

上述した分解処理液は、直接又は水で任意の濃度に調整して、カラムに通液することができる。分解処理液においては、カラムの通液前にpHを調整してもよい。吸着率を向上させる観点から、分解処理液は、pH6以下に調整されていることが好ましい。分解処理液のpHは、4.5を超え6以下であってもよい。

0037

固定担体は、好ましくは、合成吸着剤又はイオン交換樹脂のいずれかである。

0038

合成吸着剤は、好ましくは合成多孔質吸着剤である。合成吸着剤(合成多孔質吸着剤)としては、好ましくは有機系樹脂が用いられる。有機系樹脂は、好ましくは、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂、又はアクリロニトリル脂肪族系樹脂である。

0039

芳香族系樹脂としては、例えば、スチレンジビニルベンゼン系樹脂が挙げられる。芳香族系樹脂としては、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、無置換基型の芳香族系樹脂、無置換基型に特殊処理をした芳香族系樹脂等の多孔質性樹脂も挙げられ、このうち、無置換基型の芳香族系樹脂又は無置換基型に特殊処理をした芳香族系樹脂が好ましい。

0040

合成吸着剤で市販のものとしては、ダイヤイオン(商標)HP−10、HP−20、HP−21、HP−30、HP−40、HP−50(以上、無置換基型の芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱ケミカル株式会社製);SP−825、SP−800、SP−850、SP−875、SP−70、SP−700(以上、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱ケミカル株式会社製);SP−900(芳香族系樹脂、商品名、三菱ケミカル株式会社製);アンバーライト(商標)XAD−2、XAD−4、XAD−16、XAD−2000(以上、芳香族系樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイヤイオン(商標)SP−205、SP−206、SP−207(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱ケミカル株式会社製);HP−2MG、EX−0021(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱ケミカル株式会社製);アンバーライト(商標)XAD−7、XAD−8(以上、アクリル酸エステル樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイヤイオン(商標)HP1MG、HP2MG(以上、アクリル酸メタクリル樹脂、いずれも商品名、三菱ケミカル株式会社製);セファデックス(商標)LH20、LH60(以上、架橋デキストラン誘導体、いずれも商品名、ファルマシアバイオテク株式会社製)等が挙げられる。中でも、無置換基型の芳香族系樹脂(例えば、HP−20)又は無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂(例えば、SP−850)が好ましい。

0041

カラムに充填する合成吸着剤の量は、カラムの大きさ、合成吸着剤の種類等によって適宜決定することができる。

0042

固定担体として合成吸着剤を用いる場合、分解処理液を通液するときの通液速度は、カラムの大きさ、溶出溶媒の種類、合成吸着剤の種類等によって適宜変更が可能であるが、好ましくは、SV=1〜30時間−1である。なお、SV(Space Velocity、空間速度)は、1時間当たり樹脂容量の何倍量の液体を通液するかという単位である。

0043

合成吸着剤に吸着された吸着成分(有効成分)は、溶媒(溶出溶媒)により溶出させることができる。吸着成分をより効率よく回収する観点から、吸着成分を溶出させる前に、カラムに残留する糖類及び無機塩類を水洗により洗い流すことが好ましい。この場合、溶出させた成分をバガスの分解抽出物とすることができる。

0044

固定担体として合成吸着剤を用いる場合、溶出溶媒は、水、メタノール、エタノール及びこれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。溶出溶媒は、アルコール及び水の混合溶媒が好ましく、エタノール及び水の混合溶媒がより好ましく、吸着成分が室温においてより効率よく溶出可能となる観点から、体積比が50/50〜60/40(エタノール/水)であるエタノール及び水の混合溶媒が更に好ましい。

0045

固定担体として合成吸着剤を用いる場合、溶出する際のカラムの温度(カラム温度)は室温であってよいが、室温よりもカラム温度を高温にすることにより、エタノール及び水の混合溶媒においてエタノールの混合割合を減らすことができ、吸着成分をより効率的に溶出させることができる。温度は、好ましくは20〜60℃であり、より好ましくは40〜60℃である。カラム内は常圧条件下であっても、加圧条件下であってもよい。

0046

固定担体として合成吸着剤を用いる場合、溶出速度は、カラムの大きさ、溶出溶媒の種類、合成吸着剤の種類等によって適宜設定することが可能であるが、好ましくは、SV=0.1〜10時間−1である。

0047

イオン交換樹脂は、樹脂の形態に基づいて、ゲル型樹脂と、ポーラス型マイクロポーラス型又はハイポラス型等の多孔性樹脂とに分類されるが、特に制限はない。イオン交換樹脂は、好ましくは陰イオン交換樹脂である。陰イオン交換樹脂としては、強塩基性陰イオン交換樹脂又は弱塩基性陰イオン交換樹脂が用いられてよい。アルカリ処理液を原料として使用する場合、好ましくは、強塩基性陰イオン交換樹脂が用いられるが、その他の処理による分解処理液を原料とする場合は特に制限はない。

0048

市販の強塩基性陰イオン交換樹脂としては、ダイヤイオン(商標)PA306、PA308、PA312、PA316、PA318L、HPA25、SA10A、SA12A、SA11A、SA20A、UBA120(以上、三菱ケミカル株式会社製)、アンバーライト(商標)IRA400J、IRA402Bl、IRA404J、IRA900J、IRA904、IRA458RF、IRA958、IRA410J、IRA411、IRA910CT(以上、オルガノ株式会社製)、ダウエックス(商標)マラソンA、マラソンMSA、MONOSPHERE550A、マラソンA2(以上、ダウケミカル日本株式会社製)等が挙げられる。

0049

市販の弱塩基性陰イオン交換樹脂としては、ダイヤイオン(商標)WA10、WA20、WA21J、WA30(以上、三菱ケミカル株式会社製)、アンバーライト(商標)IRA478RF、IRA67、IRA96SB、IRA98、XE583(以上、オルガノ株式会社製)、ダウエックス(商標)マラソンWBA、66、MONOSPHERE66、MONOSPHERE77(以上、ダウケミカル日本株式会社製)等が挙げられる。

0050

カラムに充填するイオン交換樹脂の量は、カラムの大きさ、イオン交換樹脂の種類などによって適宜決定できるが、分解処理液の固形分に対して2〜10,000倍湿潤体積量が好ましく、5〜500倍湿潤体積量がより好ましい。

0051

通液条件は、前処理液の種類、イオン交換樹脂の種類等により適宜設定することが可能である。好ましくは、流速はSV=0.3〜30時間−1であり、通液する液量はイオン交換樹脂の100〜300%であり、カラム温度は40〜90℃である。カラム内は常圧又は加圧された状態であってもよい。

0052

固定担体としてイオン交換樹脂を用いる場合、バガスの分解抽出物は、イオン交換樹脂を充填したカラムに通液し、塩や酸、アルコール又はこれらの混合水溶液等の溶離液で溶出させることで得られる画分であってもよい。溶離液は脱気処理されていてもよい。

0053

バガスの分解抽出物は、一実施形態においては、上述した分解処理液又は画分を濃縮した濃縮物であってもよい。濃縮方法は公知の方法であってよく、例えば、減圧下での溶媒留去、凍結乾燥等の方法であってよい。濃縮を行う場合、分解処理液又は画分を15〜30倍に濃縮して、濃縮後の成分をバガスの分解抽出物とすることができる。

0054

バガスの分解抽出物は、例えば、次のようにして得ることができる。バガスに、固形物濃度が0.1〜50%となるように1質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加して100℃で煮沸を行い、分解処理液(アルカリ処理液)を得る。分解処理液を分画分子量2500〜5000のUF膜にて限外濾過を行い、得られた濾過液酸性に調整してから、無置換基型の芳香族系樹脂を充填したカラムに、カラム温度20〜60℃にて通液する。その後、カラムに吸着された成分を、カラム温度20〜60℃にて、体積比が50/50〜60/40(エタノール/水)のエタノール及び水の混合溶媒(溶出溶媒)で溶出させ、エタノール及び水の混合溶媒での溶出開始時点から集めた溶出液の量が該芳香族系樹脂の45倍湿潤体積量以内に溶出する画分を回収する。回収された画分(抗高血圧作用を有する成分を含む画分)を集め、慣用の手段(減圧下での溶媒留去、凍結乾燥等)により濃縮して、バガスの分解抽出物を得ることができる。このようにして得られたバガスの分解抽出物は、固形分が30質量%以上になるように濃縮した液状又は粉末状の抽出物として保存することができる。抽出物の保存は、当該抽出物が液状の場合、冷蔵で行うことが好ましい。

0055

バガスの分解抽出物は、他の例として、例えば、次のようにして得ることもできる。すなわち、バガスに固形物濃度が0.1〜50%となるように加水して、130〜250℃の水により、0.2〜4.0MPaの圧力下で水熱処理を行い、濾過による固液分離で分解処理液(水熱処理液)を得る。得られた水熱処理液について、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂を充填したカラムに、温度20〜60℃にて通液した後、カラムに吸着された成分を、カラム温度20〜60℃にて、体積比が50/50〜60/40(エタノール/水)のエタノール及び水の混合溶媒(溶出溶媒)で溶出させ、エタノール及び水の混合溶媒での溶出開始時点から集めた溶出液の量が該芳香族系樹脂の5倍湿潤体積量以内に溶出する画分を回収する。回収された画分(抗高血圧作用を有する成分を含む画分)を集め、慣用の手段(減圧下での溶媒留去、凍結乾燥等)により濃縮して、バガスの分解抽出物を得ることができる。このようにして得られたバガスの分解抽出物は、固形分が30質量%以上になるように濃縮した液状又は粉末状の抽出物として保存することができる。抽出物の保存は、当該抽出物が液状の場合、冷蔵で行うことが好ましい。

0056

上述した各実施形態におけるバガスの分解抽出物は、液状又は粉末状であってよい。粉末状のバガスの分解抽出物は、例えば、液状のバガス分解抽出物を用いて、スプレードライ法凍結乾燥法流動層造粒法、又は賦形剤を用いた粉末化法等により製造することができる。

0057

抗高血圧剤は、食品組成物医薬品又は医薬部外品として用いることができる。食品組成物は、例えば、健康食品特定保健用食品機能性食品栄養機能食品サプリメント等の形態で提供されてもよい。

0058

抗高血圧剤は、有効成分であるバガスの分解抽出物のみからなってもよく、食品組成物、医薬部外品又は医薬品に使用可能な素材を更に配合してもよい。食品組成物、医薬部外品又は医薬品に使用可能な素材としては、特に制限されるものではないが、例えば、アミノ酸タンパク質炭水化物、油脂、甘味料ミネラルビタミン香料、賦形剤、結合剤滑沢剤崩壊剤乳化剤界面活性剤基剤溶解補助剤懸濁化剤等が挙げられる。

0059

タンパク質としては、例えば、ミルクカゼインホエイ大豆タンパク小麦タンパク卵白等が挙げられる。炭水化物としては、例えば、コーンスターチ、セルロース、α化デンプン小麦デンプン米デンプン馬鈴薯デンプン等が挙げられる。油脂としては、例えば、サラダ油コーン油大豆油ベニバナ油オリーブ油パーム油等が挙げられる。甘味料としては、例えば、ブドウ糖ショ糖果糖ブドウ糖果糖液糖果糖ブドウ糖液糖等の糖類、キシリトールエリスリトールマルチトール等の糖アルコールスクラロースアスパルテームサッカリンアセスルファムK等の人工甘味料ステビア甘味料等が挙げられる。ミネラルとしては、例えば、カルシウムカリウムリン、ナトリウム、マンガン、鉄、亜鉛マグネシウム等、及びこれらの塩類等が挙げられる。ビタミンとしては、例えば、ビタミンEビタミンCビタミンAビタミンDビタミンB類ビオチンナイアシン等が挙げられる。賦形剤としては、例えば、デキストリン、デンプン、乳糖結晶セルロース等が挙げられる。結合剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチンヒドロキシプロピルメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースカルボキシメチルセルロースナトリウムポリビニルピロリドン等が挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウムステアリン酸カルシウムタルク等が挙げられる。崩壊剤としては、例えば、結晶セルロース、寒天、ゼラチン、炭酸カルシウム炭酸水素ナトリウム、デキストリン等が挙げられる。乳化剤又は界面活性剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステルクエン酸乳酸グリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステルレシチン等が挙げられる。基剤としては、例えば、セトステアリルアルコールラノリンポリエチレングリコール等が挙げられる。溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール炭酸ナトリウムクエン酸ナトリウム等が挙げられる。懸濁化剤としては、例えば、モノステアリン酸グリセリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースヒドロキシメチルセルロースアルギン酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。

0060

抗高血圧剤が他の素材を配合する場合、有効成分であるバガスの分解抽出物の含有量は、後述する抗高血圧剤の形態、使用目的等に応じて適宜設定すればよいが、抗高血圧効果をより一層有効に発揮する観点から、好ましくは、固形分として1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。

0061

抗高血圧剤の形状は制限されず、固体(粉末、顆粒等)、液体(溶液、懸濁液等)、ペースト等のいずれの形状であってもよく、散剤丸剤顆粒剤錠剤カプセル剤トローチ剤液剤懸濁剤等のいずれの剤形であってもよい。

0062

抗高血圧剤は、経口投与がされてよく、静脈投与等の非経口投与がされてもよい。

0063

抗高血圧剤が経口投与される場合、投与量としては、例えば、バガスの分解抽出物が1回当たり50μg/kg(体重)以上となるように投与されるのが好ましく、100μg/kg(体重)以上となるように投与されるのがより好ましく、150μg/kg(体重)以上となるように投与されるのが更に好ましい。また、バガスの分解抽出物が1日当たり150μg/kg(体重)以上となるように投与されるのが好ましく、300μg/kg(体重)以上となるように投与されるのがより好ましく、450μg/kg(体重)以上となるように投与されるのが更に好ましい。また、バガスの分解抽出物が1回当たり1000mg/kg(体重)以下となるように投与されるのが好ましく、800mg/kg(体重)以下となるように投与されるのがより好ましく、600mg/kg(体重)以下となるように投与されるのが更に好ましい。また、バガスの分解抽出物が1日当たり3000mg/kg(体重)以下となるように投与されるのが好ましく、2000mg/kg(体重)以下となるように投与されるのがより好ましく、1000mg/kg(体重)以下となるように投与されるのが更に好ましい。この範囲であれば、十分な血中濃度を達成することができ、抗高血圧作用をよりよく発現することができる。

0064

抗高血圧剤が非経口投与される場合、投与量としては、例えば、バガスの分解抽出物が1回当たり100μg/kg(体重)以上となるように投与されるのが好ましく、150μg/kg(体重)以上となるように投与されるのがより好ましく、200μg/kg(体重)以上となるように投与されるのが更に好ましい。また、バガスの分解抽出物が1日当たり200μg/kg(体重)以上となるように投与されるのが好ましく、300μg/kg(体重)以上となるように投与されるのがより好ましく、400μg/kg(体重)以上となるように投与されるのが更に好ましい。また、バガスの分解抽出物が、1回当たり2000mg/kg(体重)以下となるように投与されるのが好ましく、1500mg/kg(体重)以下となるように投与されるのがより好ましく、1000mg/kg(体重)以下となるように投与されるのが更に好ましい。また、バガスの分解抽出物が1日当たり4000mg/kg(体重)以下となるように投与されるのが好ましく、3000mg/kg(体重)以下となるように投与されるのがより好ましく、2000mg/kg(体重)以下となるように投与されるのが更に好ましい。この範囲であれば、十分な血中濃度を達成することができ、抗高血圧作用をよりよく発現することができる。

0065

抗高血圧剤は、飼料飼料添加物としても用いることができる。飼料としては、ドッグフードキャットフード等のコンパニオンアニマル用飼料、家畜用飼料家禽用飼料養殖魚介類用飼料等が挙げられる。「飼料」には、動物が栄養目的で経口的に摂取するもの全てが含まれる。より具体的には、養分含量の面から分類すると、粗飼料濃厚飼料無機物飼料、特殊飼料の全てを包含し、また公的規格の面から分類すると、配合飼料混合飼料単体飼料の全てを包含する。また、給餌方法の面から分類すると、直接給餌する飼料、他の飼料と混合して給餌する飼料、または飲料水に添加し栄養分を補給するための飼料の全てを包含する。

0066

一実施形態に係るアンジオテンシン変換酵素阻害剤の具体的な態様は、上述した抗高血圧剤における態様と同様であってよい。すなわち、一実施形態に係るアンジオテンシン変換酵素阻害剤は、上述した抗高血圧剤に関する説明において、「抗高血圧剤」を「アンジオテンシン変換酵素阻害剤」と読み替えたものであってよい。

0067

以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。バガスの分解抽出物は、以下、単に「抽出物」と表現することがある。

0068

<バガスの分解抽出物の製造>
[製造例1]
サトウキビの搾りかすであるバガス15kg(含水率50質量%)及び0.5%(w/w)水酸化ナトリウム水溶液100Lを混合し、150℃の条件でアルカリ処理を行った。アルカリ処理後混合液を固形分と液分に分離して、液分を約100L得た。分画分子量2500のUF膜(GEウォーター&プロセス・テクノロジー社、GH8040F30)を用いて限外濾過を行い、濾過液80Lを得た。合成吸着剤(三菱ケミカル株式会社製、HP−20)1リットル樹脂塔内径80mm、高さ400mm)に充填し、これに上記の濾過液を、pHを6に調整してから流速10リットル/時間(SV=10.0(時間−1))で通液した。

0069

続いて、5リットルの精製水を、流速10リットル/時間(SV=10.0(時間−1))で樹脂塔に通液して洗浄した。次に、溶出溶媒として60%エタノール水溶液(エタノール/水=60/40(体積/体積))2リットルを、流速2リットル/時間(SV=2.0(時間−1))で樹脂塔に通液した。続けて、2リットルの精製水を流速2リットル/時間(SV=2.0(時間−1))で樹脂塔に通液し、合成吸着剤に吸着した成分を溶出させた。樹脂塔から溶出した画分を、ロータリーエバポレーターにて約10倍の濃度に減圧濃縮したのち、一晩凍結乾燥して、バガスの分解抽出物として、茶褐色の粉末20gを得た。これを抽出物Aとした。

0070

[製造例2]
サトウキビの搾りかすであるバガス30kg(含水率50質量%)を、200℃の熱水100Lで水熱処理を行った。前処理後の混合液を固形分と液分に分離して、液分を約88L得た。分画分子量2500のUF膜(GEウォーター&プロセス・テクノロジー社、GH8040F30)を用いて限外濾過を行い、濾過液70Lを得た。合成吸着剤(三菱ケミカル株式会社製、SP−850)1リットルを樹脂塔(内径80mm、高さ400mm)に充填し、これに上記の濾過液のうち25Lを、流速20リットル/時間(SV=20.0(時間−1))で通液した。

0071

続いて、3.3リットルの精製水を、流速20リットル/時間(SV=20.0(時間−1))で樹脂塔に通液して洗浄した。次に、溶出溶媒として60%エタノール水溶液(エタノール/水=60/40(体積/体積))2リットルを、流速2リットル/時間(SV=2.0(時間−1))で樹脂塔に通液した。続けて、2リットルの精製水を流速2リットル/時間(SV=2.0(時間−1))で樹脂塔に通液し、合成吸着剤に吸着した成分を溶出させた。樹脂塔から溶出した画分を、ロータリーエバポレーターにて約10倍の濃度に減圧濃縮したのち、一晩凍結乾燥して、バガスの分解抽出物として、茶褐色の粉末40gを得た。これを抽出物Wとした。

0072

<アンジオテンシン変換酵素阻害試験>
Nakanoらの方法(Nakano et al, Biosci.Biotechnol. Biochem., 70, 1118-1126(2006))に基づき、アンジオテンシン変換酵素阻害試験を行った。
抽出物A及び抽出物Wそれぞれ1.0gを、50%(V/V)エタノール溶液20mlで抽出後、0.1mol/Lのヘペス緩衝液(pH8.3)にて適宜希釈し、表1に示す濃度の試験液を調製した。0.1mol/Lのヘペス緩衝液(未処置区)又は試験液を96穴マイクロプレートに25μLずつ加え、更に20mU/mLのACE溶液を25μL加えて37℃で5分間インキュベートした。ここに8mmol/Lの基質(ヒプリル−L−ヒスチジル−L−ロイシン;Hip-His-Leu)溶液を25μL更に加え、37℃で30分間反応させた。その後、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を25μL加えて反応を停止させ、1質量%のオルトフタルアルデヒド(OPA)水溶液25μLを更に加えて20分間放置した。その後、0.1mol/Lの塩酸を25μL加えて測定用検体とした。測定用検体を室温で10分間放置し、マイクロプレートリーダーを用いて以下の条件により蛍光強度を測定した。なお、ブランクにはACE溶液の代わりにリン酸緩衝生理食塩水を用いた。

0073

(マイクロプレートリーダー操作条件
機種:SpectraMax M2e(モレキュラーデバイス社製)
測定条件蛍光、endpointモード、ボトムリード
励起波長:355nm
蛍光波長:460nm

0074

未処置区の蛍光強度を100%としたときの各試験液の蛍光強度をACE阻害率として評価した。結果を表1に示す。

実施例

0075

表1に示すように、抽出物A及び抽出物Wにおいて、ACE阻害効果が認められた。抽出物AのIC50は試験液全量基準で0.95mg/mL(測定用検体全量基準における終濃度:0.16mg/mL)、抽出物WのIC50は試験液全量基準で0.52mg/mL(測定用検体全量基準における終濃度:0.087mg/mL)であった。

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