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技術 バイオロジカルインジケータ及び滅菌処理効果の評価方法

出願人 株式会社竹中工務店
発明者 齊藤智天野健太郎谷英明
出願日 2018年6月25日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2018-120297
公開日 2020年1月9日 (1年1ヶ月経過) 公開番号 2020-000029
状態 未査定
技術分野 消毒殺菌装置 微生物・酵素関連装置 特有な方法による材料の調査、分析 酵素、微生物を含む測定、試験
主要キーワード 製造エリア 炭素剤 低温水蒸気 有芽胞菌 ポリ塩化アルミニウム溶液 滅菌処理条件 精密金型 実験設備
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

平面状の壁面及び床面を備える室内のみならず、亀裂が発生した内装材などの凹凸を有する内装材を備える室内であっても、室内における微生物滅菌効果を正確に評価することができるバイオロジカルインジケータ、及びバイオロジカルインジケータを用いた滅菌効果の評価方法を提供する。

解決手段

幅1μm〜100μm、深さ10μm〜150μmの溝を有する硬質基材と、前記硬質基材の少なくとも溝内に存在する芽胞と、を含む、バイオロジカルインジケータ及びバイオロジカルインジケータを用いた滅菌処理効果の評価方法。

概要

背景

注射剤点眼剤等の無菌製剤製造設備においては、製造エリア内は可能な限り微生物が存在しない環境とする必要がある。また、医薬品の開発で使われる実験動物飼育施設病原菌を扱う施設などの高度安全実験室においても、施設の使用目的に応じて、室内を許容される範囲まで微生物が存在しない環境とする必要がある。
滅菌処理には、従来、ホルムアルデヒドが使用されていた。近年では、過酸化水素過酢酸、オゾン、二酸化塩素などが用いられている。滅菌処理に使用される既述の如き殺菌性薬剤又は殺菌性の気体を、滅菌を必要とする閉鎖された室内などの領域に、液体の状態で噴霧したり、ガス化して供給したり、気体の状態で供給したりすることで、室内の空気中の微生物を殺菌する。さらに、上記処理により、室内の壁面、床面などに用いられる建材内装材、及び室内に配置されて用いられる実験台などの什器の表面に存在する微生物を殺菌することで、室内を、求められる滅菌された環境としている。

室内の隅々まで殺菌性の薬剤等が到達して、室内に存在する微生物が死滅したかどうか判断するために、バイオロジカルインジケータが市販されている。市販されているバイオロジカルインジケータは、例えば、金属片ろ紙などの担持体表面に、殺菌されにくい微生物である芽胞菌芽胞を塗布してなる態様をとる。市販のバイオロジカルインジケータの使用方法としては、バイオロジカルインジケータを滅菌処理の対象となる室内の各所に設置し、その後、殺菌性の薬剤等で室内を滅菌処理した後、バイオロジカルインジケータを回収する。その後、回収したバイオロジカルインジケータを芽胞が生息しうる液体培地に浸して、すべての芽胞が死滅したかどうかを判定したり、担持体から芽胞を回収して希釈液を調製し、寒天培地接種して菌数測定し、芽胞がどの程度死滅したかを判定したりすることで、滅菌効果を評価する使用方法が挙げられる。

市販品であるバイオロジカルインジケータに使用される担持体は、素材は目的に応じて種々の素材が使用されてはいるが、平面状の担持体であり、室内にて実際に使用されている内装材を模した形状を有していない。
一方、本発明者らの検討によれば、滅菌処理を必要とする室内では、繰り返しの滅菌処理により、建材、内装材等の表面が劣化し、錆を生じたり、亀裂を生じたりする場合があることが判明した。例えば、亀裂が生じた内装材の亀裂内部に侵入した微生物は、内部に栄養となる物質が存在する場合、亀裂内部で増殖することも考えられる。また、亀裂内部に栄養となる物質が存在しない場合、亀裂内部で静菌状態となり、周囲の環境が増殖に適する条件となった場合には、増殖する虞がある。
これに対し、従来公知のバイオロジカルインジケータを用いた場合、凹凸のある内装材、特に、錆、亀裂等の生じた内装材等において、内装材の亀裂などの微細な凹部に侵入した微生物が死滅したか否かを評価することは困難であった。

自然界に存在する未知又は既知の微生物を個別に分離する手段として、ガラスセラミックス、金属、プラスチック炭素剤天然有機物、繊維、織布および不織布から選択される材料からなり、表面に凹凸を有する平板状の媒体を用いる微生物のスクリーニング装置が提案され、凹部に吐出機などで微生物を供給する方法が開示されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の凹凸を有する媒体における凹部は、1フェムトリットル程度の微生物分散液を保持することができる。しかし、滅菌処理により劣化した内装材に生じた亀裂に比較すると、平面視した場合の媒体における凹部のサイズが大きいために、特許文献1に記載の媒体は、亀裂に侵入した微生物の滅菌効果を検証するモデルとして使用するには不適である。

概要

平面状の壁面及び床面を備える室内のみならず、亀裂が発生した内装材などの凹凸を有する内装材を備える室内であっても、室内における微生物の滅菌効果を正確に評価することができるバイオロジカルインジケータ、及びバイオロジカルインジケータを用いた滅菌効果の評価方法を提供する。幅1μm〜100μm、深さ10μm〜150μmの溝を有する硬質基材と、前記硬質基材の少なくとも溝内に存在する芽胞と、を含む、バイオロジカルインジケータ及びバイオロジカルインジケータを用いた滅菌処理効果の評価方法。なし

目的

本発明の一実施形態の課題は、平面状の壁面及び床面を備える室内のみならず、亀裂が発生した内装材などの凹凸を有する壁面等を備える室内であっても、室内における微生物の滅菌効果を正確に評価することができるバイオロジカルインジケータを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

幅1μm〜100μm、深さ10μm〜150μmの溝を有する硬質基材と、前記硬質基材の少なくとも溝内に存在する芽胞と、を含むバイオロジカルインジケータ

請求項2

前記溝内に、さらにポリ塩化アルミニウムを含む請求項1に記載のバイオロジカルインジケータ。

請求項3

幅1μm〜100μm、深さ10μm〜150μmの溝を有する硬質基材と、前記硬質基材の少なくとも溝内に存在する芽胞と、を含むバイオロジカルインジケータを準備する工程と、前記バイオロジカルインジケータを、滅菌効果を評価する室内に配置する工程と、前記室内を滅菌処理する工程と、滅菌処理した室内から前記バイオロジカルインジケータを回収し、回収したバイオロジカルインジケータに残存する生菌の有無を評価する工程と、を含む滅菌処理効果の評価方法

技術分野

0001

本開示は、バイオロジカルインジケータ及び滅菌処理効果の評価方法に関する。

背景技術

0002

注射剤点眼剤等の無菌製剤製造設備においては、製造エリア内は可能な限り微生物が存在しない環境とする必要がある。また、医薬品の開発で使われる実験動物飼育施設病原菌を扱う施設などの高度安全実験室においても、施設の使用目的に応じて、室内を許容される範囲まで微生物が存在しない環境とする必要がある。
滅菌処理には、従来、ホルムアルデヒドが使用されていた。近年では、過酸化水素過酢酸、オゾン、二酸化塩素などが用いられている。滅菌処理に使用される既述の如き殺菌性薬剤又は殺菌性の気体を、滅菌を必要とする閉鎖された室内などの領域に、液体の状態で噴霧したり、ガス化して供給したり、気体の状態で供給したりすることで、室内の空気中の微生物を殺菌する。さらに、上記処理により、室内の壁面、床面などに用いられる建材内装材、及び室内に配置されて用いられる実験台などの什器の表面に存在する微生物を殺菌することで、室内を、求められる滅菌された環境としている。

0003

室内の隅々まで殺菌性の薬剤等が到達して、室内に存在する微生物が死滅したかどうか判断するために、バイオロジカルインジケータが市販されている。市販されているバイオロジカルインジケータは、例えば、金属片ろ紙などの担持体表面に、殺菌されにくい微生物である芽胞菌芽胞を塗布してなる態様をとる。市販のバイオロジカルインジケータの使用方法としては、バイオロジカルインジケータを滅菌処理の対象となる室内の各所に設置し、その後、殺菌性の薬剤等で室内を滅菌処理した後、バイオロジカルインジケータを回収する。その後、回収したバイオロジカルインジケータを芽胞が生息しうる液体培地に浸して、すべての芽胞が死滅したかどうかを判定したり、担持体から芽胞を回収して希釈液を調製し、寒天培地接種して菌数測定し、芽胞がどの程度死滅したかを判定したりすることで、滅菌効果を評価する使用方法が挙げられる。

0004

市販品であるバイオロジカルインジケータに使用される担持体は、素材は目的に応じて種々の素材が使用されてはいるが、平面状の担持体であり、室内にて実際に使用されている内装材を模した形状を有していない。
一方、本発明者らの検討によれば、滅菌処理を必要とする室内では、繰り返しの滅菌処理により、建材、内装材等の表面が劣化し、錆を生じたり、亀裂を生じたりする場合があることが判明した。例えば、亀裂が生じた内装材の亀裂内部に侵入した微生物は、内部に栄養となる物質が存在する場合、亀裂内部で増殖することも考えられる。また、亀裂内部に栄養となる物質が存在しない場合、亀裂内部で静菌状態となり、周囲の環境が増殖に適する条件となった場合には、増殖する虞がある。
これに対し、従来公知のバイオロジカルインジケータを用いた場合、凹凸のある内装材、特に、錆、亀裂等の生じた内装材等において、内装材の亀裂などの微細な凹部に侵入した微生物が死滅したか否かを評価することは困難であった。

0005

自然界に存在する未知又は既知の微生物を個別に分離する手段として、ガラスセラミックス、金属、プラスチック炭素剤天然有機物、繊維、織布および不織布から選択される材料からなり、表面に凹凸を有する平板状の媒体を用いる微生物のスクリーニング装置が提案され、凹部に吐出機などで微生物を供給する方法が開示されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の凹凸を有する媒体における凹部は、1フェムトリットル程度の微生物分散液を保持することができる。しかし、滅菌処理により劣化した内装材に生じた亀裂に比較すると、平面視した場合の媒体における凹部のサイズが大きいために、特許文献1に記載の媒体は、亀裂に侵入した微生物の滅菌効果を検証するモデルとして使用するには不適である。

先行技術

0006

特開2005−137288号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の一実施形態の課題は、平面状の壁面及び床面を備える室内のみならず、亀裂が発生した内装材などの凹凸を有する壁面等を備える室内であっても、室内における微生物の滅菌効果を正確に評価することができるバイオロジカルインジケータを提供することである。
本発明の別の実施形態の課題は、亀裂が発生した内装材などの凹凸を有する壁面等を備える室内であっても、室内における微生物の滅菌効果を正確に評価することができる滅菌効果の評価方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

前記課題を解決する手段は、以下の実施形態を含む。
<1> 幅1μm〜100μm、深さ10μm〜150μmの溝を有する硬質基材と、前記硬質基材の少なくとも溝内に存在する芽胞と、を含むバイオロジカルインジケータ。
<2> 前記溝内に、さらにポリ塩化アルミニウムを含む<1>に記載のバイオロジカルインジケータ。

0009

<3> 幅1μm〜100μm、深さ10μm〜150μmの溝を有する硬質基材と、前記硬質基材の少なくとも溝内に存在する芽胞と、を含むバイオロジカルインジケータを準備する工程と、前記バイオロジカルインジケータを、滅菌効果を評価する室内に配置する工程と、前記室内を滅菌処理する工程と、滅菌処理した室内から前記バイオロジカルインジケータを回収し、回収したバイオロジカルインジケータに残存する生菌の有無を評価する工程と、を含む滅菌処理効果の評価方法。

発明の効果

0010

本発明の一実施形態によれば、平面状の壁面及び床面を備える室内のみならず、亀裂が発生した内装材などの凹凸を有する壁面等を備える室内であっても、室内における微生物の滅菌効果を正確に評価することができるバイオロジカルインジケータが提供される。
本発明の別の実施形態によれば、亀裂が発生した内装材などの凹凸を有する壁面等を備える室内であっても、室内における微生物の滅菌効果を正確に評価することができる滅菌効果の評価方法が提供される。

図面の簡単な説明

0011

本開示のバイオロジカルインジケータの一例を示す概略部分断面図である。
図2(A)は、図1に示すバイオロジカルインジケータにおける硬質基材の概略平面図であり、図2(B)は、図1に示すバイオロジカルインジケータにおける硬質基材の概略断面図である。
図1に示すバイオロジカルインジケータにおける硬質基材の概略部分断面図である。
実験設備の壁面にバイオロジカルインジケータを配置する一態様を示すモデル図である。
滅菌処理効果を評価する室内にバイオロジカルインジケータを配置する一態様を示すモデル図である。

0012

本明細書において「〜」を用いて記載した数値範囲は、「〜」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を表す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。

0013

本明細書において、滅菌処理の対象となる「室内」の語は、必ずしも区画された部屋の内部のみを意味せず、実験設備のなどの閉鎖空間等も包含する意味で用いられ、滅菌処理の対象となる「領域」と置き換えることができる。
滅菌処理の対象となる室内における「内装材等」とは、室内における壁材床材などの建材、建材の表面に塗布された内装塗料層、建材の表面に配置されたクロス表皮材タイルなどの内装材を包含する意味で用いられる。

0014

以下、本開示のバイオロジカルインジケータ、バイオロジカルインジケータを用いた滅菌処理効果の評価方法について、例を挙げて詳細に説明する。なお、本開示は、以下の記載に限定されず、主旨を損なわない限り、種々の変型例にて実施することができる。

0015

<バイオロジカルインジケータ>
本開示のバイオロジカルインジケータは、幅1μm〜100μm、深さ10μm〜150μmの溝を有する硬質基材と、前記硬質基材の少なくとも溝内に存在する芽胞と、を含む。
図1は、本開示のバイオロジカルインジケータの一例を示す概略部分断面図である。図1に示すバイオロジカルインジケータ10は、既述のサイズの溝14を有する硬質基材12と、前記硬質基材12の溝14内に存在する芽胞16を含む。芽胞16は、少なくとも溝14内に存在すればよく、さらに、硬質基材12の表面に存在してもよい。
効果の観点からは、溝14内の底部近傍の溝14の深部に至るまで芽胞16が存在することが好ましい。
図1に示す一実施形態では、任意の層として、バイオロジカルインジケータ10を固定する接着剤層18と、接着剤層の保護のための保護シート20とを更に備える。
バイオロジカルインジケータ10が接着剤層18を備えることで、室内の壁面などの所望の垂直面等にも、容易にバイオロジカルインジケータを固定できる。固定方法としては、バイオロジカルインジケータ10から保護シート20を剥離して、露出した接着剤層18を任意の面に接触させ、押圧してバイオロジカルインジケータ10を、任意の面に固定する方法が挙げられる。
なお、接着剤層18と保護シート20は任意の層であり、本開示のバイオロジカルインジケータに所望により設けられる。
バイオロジカルインジケータを所望の位置に固定して用いる場合の固定手段は、既述の接着剤層に限定されず、種々の公知の固定化方法を目的に応じて適用することができる。

0016

硬質基材12と、硬質基材12の溝14内に存在する芽胞16と、を含み、接着剤層18と保護シート20とを有さないバイオロジカルインジケータの場合には、バイオロジカルインジケータを気体透過性の不織布等からなる包装袋封入し、包装袋に内包されたバイオロジカルインジケータをそのまま任意の箇所に配置して用いることができる。床面、実験台などの平面に配置する場合には、バイオロジカルインジケータを、特に面上に固定化せずに配置して用いることができる。
また、包装袋に内包した状態で、包装袋ごと任意の場所に固定化してもよい。

0017

バイオロジカルインジケータは、まず、幅1μm〜100μm、深さ10μm〜150μmの溝を有する硬質基材を準備し、準備した硬質基材の溝内に芽胞を挿入することで製造することができる。

0018

(硬質基材)
硬質基材としては、正確なサイズの溝を形成しうる加工性と、滅菌処理に用いる薬剤に対する耐性を備えれば特に制限はない。硬質基材の素材としては、金属、樹脂セラミックなどが挙げられる。対象となる滅菌処理薬剤に対する耐性を考慮し、適宜選択すればよい。なかでも、硬質基材としては、耐久性及び加工の容易性の観点から、金属基材が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂ポリエチレン樹脂ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂メラミン樹脂エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられ、耐久性及び寸法安定性の観点から、熱硬化性樹脂が好ましい。
金属としては、鉄、ステンレス鋼、銅、金、ニッケルアルミニウム等が挙げられる。金属材料としては、加工の容易性の観点からは、ニッケル等が好ましい。また、入手容易性の観点からは、ステンレス、アルミニウムが好ましく挙げられる。

0019

図2(A)は、図1に示すバイオロジカルインジケータ10における硬質基材12の概略平面図であり、図2(B)はその概略断面図であり、図3は、図1に示すバイオロジカルインジケータ10における硬質基材12の概略部分断面図である。
図3及び図1において符号aで示す硬質基材の溝の幅は、1μm〜100μmであり、5μm〜80μmが好ましく、10μm〜60μmがより好ましく、30μm〜50μmがさらに好ましい。
溝の幅が上記範囲であることで、溝内における芽胞の保持性が良好となる。
また、図3及び図1において符号bで示す硬質基材の溝の深さは、10μm〜150μmであり、30μm〜140μmが好ましく、50μm〜120μmがより好ましく、60μm〜100μmがさらに好ましい。
溝の深さが上記範囲であることで、内装材等に形成された微細な溝に侵入した芽胞の状態と類似する、滅菌が困難とされる位置に芽胞を保持することができる。
硬質基材に形成された溝の幅と深さとが上記範囲であることで、内装材等の劣化に起因する溝の再現性、及び、形成した溝における芽胞の保持性が良好となる。

0020

溝の形成方法としては、硬質基材を形成する板状の材料の面上を機械的に削る方法、化学薬品を用いてエッチングする方法が挙げられる。溝をエッチングする際に正確なパターンを形成する目的で、フォトリソグラフィを応用することができる。
また、樹脂などを基材として用いる場合には、機械的又は化学的切削の他、精密金型を用いて樹脂を金型成形する方法などをとることができる。
例えば、室内の凹凸を有する内装材の形状を写した原形を作製し、得られた原形を溝の形成に使用することで、当該内装材における評価をより正確に行うことができる。
まず、原形を作製して、その複製物を量産する場合には、精密金型による樹脂の注入成形の他、電気鋳造技術を適用することができる。
電気鋳造技術(電鋳と称することがある)は、原形(母型)が金属であれば、電気分解法により母型の表面に金属を電着させ、形成された金属を母型から剥がして、母型とは凹凸が反対の型を作製し、次にこの型を陰極として電気分解を応用して、型に金属を電着させることで、母型と同じ凹凸、即ち、母型と同じ溝を有する硬質基材を得る技術である。なお、母型が非金属製の場合には、母型に、黒鉛金属粉末等を塗布したり、母型に金属を蒸着したりする方法等によって、母型表面に導電性を付与し、その後は、既述の金属製の母型と同様にして複製物を得ることができる。

0021

硬質基材12のその他のサイズは、使用目的に応じて適宜選択できる。
例えば、図2(A)に示す硬質基材12に形成された溝の長さ(符号cで示す)は、5mm〜50mmとすることができ、10mm〜40mmが好ましい。
また、例えば、図2(B)及び図3に示す、硬質基材12に形成された溝14と、隣接する溝との間隔(符号dで示す)は、300μm〜1500μmとすることができ、500μm〜1000μmが好ましい。
前記硬質基材12における溝14の長さ(c)及び溝14同士の間隔(d)を制御することにより、バイオロジカルインジケータの単位面積に保持される芽胞の数を制御することができる。
硬質基材12のサイズ、即ち、幅(符号eで示す)及び長さ(符号fで示す)は、目的に応じて適宜選択することができる。また、硬質基材の厚み(符号gで示す)は、十分な溝深さ(符号bで示す)を形成することができ、且つ、溝を形成した箇所の強度に問題がない範囲にて適宜選択することができる。

0022

(芽胞)
バイオロジカルインジケータに含まれる芽胞としては、殺菌されにくい微生物である芽胞菌の芽胞を用いている。
芽胞とは、一部の細菌が形づくる、耐久性の高い細胞構造であり、通常は、胞子膜、皮層、及び芯部からなり、胞子膜の外側に外皮を持つ芽胞も存在する。芽胞を形成する細菌を有芽胞菌と称することがある。
有芽胞菌としては、例えば、アンフィバシラス属、バシラス属、クロストリジウム属等の細菌が挙げられる。有芽胞菌が栄養、温度などの環境が悪い状態に置かれた場合、細菌細胞の内部に芽胞が形成される。芽胞は高い耐久性を有し、環境が悪化して有芽胞菌が死滅する雰囲気においても、所謂休眠状態生存することが可能である。
休眠状態で生存する芽胞は、再度、有芽胞菌の増殖に適した環境に置かれると、芽胞が発して、通常の増殖能を有する菌体が生成される。芽胞は、通常の細菌類と比較して、アルコール塩化ベンザルコニウムなどの殺菌剤でも不活性化は困難であり、高温にも強く、100℃の熱水中でも完全には死滅しない。このため、滅菌効果の検証には有効である。
本開示のバイオロジカルインジケータに用い得る芽胞には特に制限はない。例えば、Geobacillus stearothermophilusATCC12980、Bacillus atrophaeus ATCC9372等が挙げられる。
以下の実施例等では、入手容易性の観点から、「Geobacillus stearothermophilus ATCC12980」の芽胞懸濁液を用いている。前記芽胞懸濁液は、40体積%のエタノール水溶液1mL(ミリリットル)当たりに、1×107個の芽胞を含む懸濁液である。使用に際しては、必要に応じて、前記芽胞懸濁液を希釈又は濃縮して用いてもよい。
なお、芽胞懸濁液は、市販品を用いる以外にも、芽胞を適切な分散媒、例えば、水、アルコール水溶液等に分散させることで、適宜調製することもできる。分散媒に用い得るアルコールとしては、メタノールエタノールプロパノールなどが挙げられる。

0023

芽胞懸濁液を用いて、既述の溝を有する硬質基材の溝内に芽胞を入れ込むことで、本開示のバイオロジカルインジケータを得ることができる。
溝内には、芽胞に加え、他の成分を含むことができる。他の成分としては、例えば、懸濁液に由来する溶剤、芽胞を溝内に入れ込み易くするための凝集剤等が挙げられる。

0024

溝内には、芽胞の凝集沈殿に有用な凝集剤を含むことが好ましい。凝集剤としては、一般に、排水処理などにおいて固形分を凝集、沈殿させるために用いられる凝集剤を適宜選択して用いることができる。後述のように、凝集剤を用いることで、芽胞が溝内に入り込みやすくなる。
凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム、ポリ鉄等の無機系凝集剤ポリアクリルアミド系、ポリメタクリル酸エステル系、ポリアクリル酸エステル系等の有機系高分子凝集剤等が挙げられる。なかでも、凝集力が高く、芽胞を滅菌処理する際に、滅菌処理に影響を与えがたいという観点から、ポリ塩化アルミニウムが好ましい。
例えば、滅菌処理手段として、過酸化水素を使用する場合、凝集剤としてポリ鉄、有機系凝集剤等を用いると、凝集剤に含まれる鉄イオン、又は、有機物等に起因して過酸化水素の分解が促進され、過酸化水素が消費されて滅菌性に影響を与えることがある。
また、有機系高分子凝集剤を用いる場合、含有量が多くなると芽胞の表面を有機高分子凝集剤被覆してしまい、芽胞の滅菌性に影響を与えることがある。

0025

(バイオロジカルインジケータの製造方法)
−溝を有する硬質基材の準備−
本開示のバイオロジカルインジケータの製造方法には特に制限はなく、公知の方法で製造することができる。
まず、溝を有する硬質基材を準備する。硬質基材における溝は、板状の硬質基材を削ることで形成してもよく、最初に溝を形成する凸部を有する金型内に、樹脂材料流し込み、硬化させて形成してもよい。
基材の耐久性の観点からは、金属板に、図1に示すように、規定の幅及び深さを持つくさび形の溝を形成して硬質基材とすることが好ましく、加工性の観点から、ニッケル板にくさび形の溝を形成して硬質基材とすることが好ましい。
なお、溝の断面形状はくさび形には限定されず、断面が矩形であってもよく、断面が半円形であってもよく、断面が一定の深さより深い部分で折れ曲がった形状を有していてもよい。

0026

−溝内への芽胞の入れ込み−
準備した溝を有する硬質基材に、芽胞懸濁液を載せて、ヘラで硬質基材表面を擦るようにして芽胞懸濁液を溝内に入れ込むことで、溝内に芽胞を入れ込むことができる。
溝内に芽胞を入れ込みやすくする観点から、この工程にて、凝集剤を共存させることが好ましい。凝集剤は芽胞懸濁液と混合してもよく、芽胞懸濁液と、凝集剤含有分散液とをそれぞれ硬質基材上に載せて、ヘラで2種類の液を混合してもよい。凝集剤含有分散液は、凝集剤を、分散媒としての水又はエタノール水溶液に分散させて調製することができる。
芽胞が溝内の深部まで入り込みやすいという観点からは、芽胞懸濁液と凝集剤含有分散液とを別々に硬質基材に適用し、混合しながらヘラで溝内に混合液を入れ込むことが好ましい。

0027

溝内に充分な量の芽胞を入れ込むため、上記操作を2回以上繰り返してもよい。
上記操作を2回以上繰り返す場合には、ヘラでこすって2種の液体の混合液を溝内に入れ込んだ後、分散媒が蒸発した後に、再度、芽胞懸濁液を単独で、又は、凝集剤含有分散液と混合して入れ込むことが好ましい。
繰り返し操作を多く行うと、ヘラで擦る際に芽胞が傷付き易くなり、死滅する芽胞が増加することがある。このため、上記操作の繰り返し回数は2回〜5回程度が好ましく、2回〜3回であることがより好ましい。

0028

凝集剤含有分散液における凝集剤の含有量としては、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムを用いた場合、分散液1リットル当たりのポリ塩化アルミニウムの含有量として0.01g〜0.1g(0.01g/L(リットル)〜0.1g/L)の範囲であることが好ましい。
凝集剤含有分散液における凝集剤の含有量が上記範囲であることで、凝集剤を添加した際の芽胞の溝への入れ込み性の向上効果が得られ、且つ、凝集剤が多すぎる場合に生じる滅菌効果への影響が抑制される。

0029

芽胞懸濁液と、好ましくは更に凝集剤含有分散液とを、硬質基材の溝内に入れ込み、乾燥して分散媒を除去することで本開示のバイオロジカルインジケータを得ることができる。溝内に芽胞が存在することは、バイオロジカルインジケータを走査型電子顕微鏡で観察することで確認することができる。一般的には、倍率1,000倍から10,000倍の範囲で観察することができる。
製造されたバイオロジカルインジケータは、芽胞不透過性包装材料包装してもよい。バイオロジカルインジケータを芽胞が透過しない包装材料で密閉して包装することで、バイオロジカルインジケータの保存性、及び搬送性がより良好となる。
このようにして、本開示のバイオロジカルインジケータを製造することができる。製造されたバイオロジカルインジケータは、溝内に芽胞を含むため、例えば、凹凸のある内装材及び劣化による亀裂を生じた内装材等を有する室内の滅菌効果の評価に有用である。

0030

<滅菌処理効果の評価方法>
本開示の滅菌処理効果の評価方法(以下、本開示の評価方法と称することがある)は、幅1μm〜100μm、深さ10μm〜150μmの溝を有する硬質基材と、前記硬質基材の少なくとも溝内に存在する芽胞と、を含むバイオロジカルインジケータを準備する工程(工程A)、前記バイオロジカルインジケータを、滅菌効果を評価する室内に配置する工程(工程B)、前記室内を滅菌処理する工程(工程C)、及び滅菌処理した室内から前記バイオロジカルインジケータを回収し、回収したバイオロジカルインジケータに残存する生菌の有無を評価する工程(工程D)、を含む。
また、さらに、本開示の評価方法は、上記工程A〜工程D以外の工程を含んでもよい。

0031

(工程A)
工程Aは、バイオロジカルインジケータを準備する工程であり、既述の本開示のバイオロジカルインジケータの欄に記載した、好ましい製造方法と同様の工程であり、好ましい例も同様である。

0032

(工程B)
工程Bでは、準備された本開示のバイオロジカルインジケータを、滅菌効果を評価する室内に配置する工程である。工程Bでは、評価対象の室内において、必要に応じて実験台近傍、室内の壁面、床面などに配置すればよい。
図4は、実験設備の壁面22に、本開示のバイオロジカルインジケータ10を配置した一態様を示すモデル図である。図4に示すように、他の細菌の存在が実験結果に影響を与える作業を行う実験設備では、作業領域の近傍に、必要に応じて複数のバイオロジカルインジケータ10が配置される。
図5は、バイオロジカルインジケータ10の別の配置状態を示す。図5は、滅菌処理効果を評価する室内26に複数のバイオロジカルインジケータ10を配置した一態様を示すモデル図である。室内26には、清浄な空気を供給する空気供給装置28と、室内26からの排気を清浄化する機能を有する排気装置30を有する。図5では、室内26には、天井、壁面、及び床面にバイオロジカルインジケータ10が配置される。
滅菌処理は、空気供給装置28と排気装置30とを閉鎖して行う。

0033

(工程C)
工程Cでは、室内を滅菌処理する。滅菌処理は、滅菌処理効果の検証が必要ないずれの滅菌処理でもよい。
滅菌処理としては、ホルムアルデヒド滅菌、エチレンオキシドガス滅菌、過酢酸による滅菌、過酸化水素による滅菌、二酸化塩素による滅菌及びこれらを組合わせた滅菌、例えば、低温水蒸気ホルムアルデヒド滅菌等が挙げられる。

0034

(工程D)
工程Dは、滅菌処理した室内から前記バイオロジカルインジケータを回収し、回収したバイオロジカルインジケータに残存する生菌の有無を評価する工程である。
評価方法としては、休眠状態であった芽胞が再度発芽する環境に、バイオロジカルインジケータを配置して、芽胞由来の細菌の増殖を試み、細菌の増殖の有無により滅菌効果を評価することができる。
具体的には、芽胞が発芽して増殖しやすい環境として、液体培地を調製し、滅菌処理後に室内から回収したバイオロジカルインジケータを浸漬し、2日間〜1週間程度培養する。
芽胞が死滅していない、即ち、室内が十分に滅菌されていない場合には、増殖した細菌に起因して液体培地に濁りが生じる。また、芽胞が完全に死滅した場合には、液体培地には濁りが生じない。この条件にて培養し、濁りの発生の有無により滅菌処理効果を検証することができる。

0035

液体培地としては、公知のものを適宜使用することができる。例えば、芽胞として既述のGeobacillus stearothermophilusATCC12980を用いた場合には、液体培地としては、ソイビーンカゼインダイジェスト(Soybean−Casein Digest:SCD)培地を用いることができる。また、SCD培地に、滅菌に用いた薬剤、防腐剤などを不活化する効果のある物質としてのレシチン、Tween80(polyoxyethlene sorbitan monooleate:非イオン界面活性剤)を添加したSCDLP培地(Soybean−Casein Digest Broth with Lecithin & Polysorbate 80)が好適である。
培養温度は、用いる芽胞により適宜選択される。例えば、芽胞としてGeobacillus stearothermophilus ATCC12980を用いた場合には、培養温度は55℃程度が好適であり、芽胞としてBacillus atrophaeus ATCC9372を用いた場合には、培養温度は30℃〜37℃が一般的である。

0036

本開示の評価方法を行なって、滅菌処理効果が十分に得られていないとの結果を得た場合、滅菌処理の条件を変更、例えば、薬剤を変更したり、処理時間を長くしたりする等の滅菌条件の変更を行い、再度、同様の評価を行うことで、確実な滅菌処理効果が得られる滅菌処理条件を検討することもでき、その応用範囲は広い。

0037

本開示の滅菌処理効果の評価方法によれば、壁面などの内装に錆が生じたり、亀裂が入ったりして、凹部が形成された室内において、十分な滅菌処理効果が得られているか否かを正確に検証することができる。また、十分な滅菌処理効果が得られる滅菌処理条件を確認することができる。

0038

以下、実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、以下に記載の実施態様の一例に過ぎず、本開示の主旨を逸脱しない限り、種々の変型例を実施することができる。

0039

〔実施例1〕
内装材が劣化して亀裂を生じた状態を模擬する金属の板として、幅10mm、長さ20mm、厚み0.5mmのニッケル製の金属板の表面に、幅45μm、深さ100μmのくさび形の溝を、ニッケル板の長さ方向に並行な直線状に、長さ15mm、溝の間隔700μmにて10本加工したものを用意し、硬質基材とした。
芽胞は、Geobacillus stearothermophilusATCC12980の芽胞懸濁液(芽胞が40体積%のエタノール水溶液1mL当たり、約10の7乗個の濃度で含まれる)を元に、前記芽胞懸濁液を遠心により100倍に濃縮したもの(1mLあたり1×109個の濃度の芽胞を含む)を用意した。
凝集剤は、ポリ塩化アンモニウム溶液PAC250A(商品名:多木化学製、10質量体積%)を、40体積%エタノール水溶液で1000倍に希釈して、0.1g/Lの濃度に調整した。

0040

ニッケル製の硬質基材表面に、濃縮した芽胞懸濁液を1μL、0.1g/Lに濃度調整したポリ塩化アルミニウム溶液1μLを載せて、プラスチック製のヘラで2種類の液を混合して、ニッケル板表面をこするように動かすことでくさび形の溝の中に芽胞が入り込むように操作した。芽胞が溝に入り込む量を多くするため、ヘラでこすって液体が蒸発した後に、40体積%のエタノール水溶液1μLを硬質基材表面に載せて、ヘラでこすった。これらの操作を2回繰り返して行い、実施例1のバイオロジカルインジケータを得た。
得られたバイオロジカルインジケータを走査型電子顕微鏡で観察したところ、硬質基材の溝に入り込んだ芽胞が多く認められた。また、少量の芽胞が硬質基材表面に存在していた。

0041

〔実施例2〕
実施例1で用いた凝集剤としてのポリ塩化アンモニウムの濃度0.1g/Lの溶液を、ポリ塩化アンモニウムの濃度0.01g/Lの溶液に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のバイオロジカルインジケータを得た。
得られたバイオロジカルインジケータを走査型電子顕微鏡で観察したところ、硬質基材の溝に入り込んだ芽胞が認められた。芽胞の数は、実施例1のバイオロジカルインジケータに比較すると少なかった。また、少量の芽胞が硬質基材表面に存在していた。

0042

〔実施例3〕
実施例1で用いた凝集剤としてのポリ塩化アンモニウムの濃度0.1g/Lの溶液を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、実施例3のバイオロジカルインジケータを得た。
得られたバイオロジカルインジケータを走査型電子顕微鏡で観察したところ、硬質基材の溝に僅かではあるが芽胞が入り込んでいるのが認められた。芽胞の数は、実施例1及び実施例2のバイオロジカルインジケータに比較すると少なかった。また、多くの芽胞が硬質基材表面に存在していた。

0043

〔実施例4〕
<滅菌処理効果の評価>
実施例1で得たバイオロジカルインジケータを用いて滅菌処理効果の評価を行った。
滅菌処理効果の評価対象として、図5に示す如き、容積約10m2の実験設備を模した密閉可能な部屋を準備した。
準備された部屋内の天井に2個、壁面に4個、及び床面に4個の合計10個のバイオロジカルインジケータを固定化して配置した。(工程B)
その後、以下の条件で、低温蒸気ホルムアルデヒド(LTSF)滅菌処理を行った。(工程C)
滅菌剤:ホルムアルデヒド1質量%水溶液及び水蒸気

部屋の空気供給装置及び排気装置を停止させて部屋を密閉し、部屋内を脱気して、大気圧よりも減圧された環境(5kPa〜25kPa程度)とする。その後、ホルムアルデヒドと水蒸気(約50℃)の混合物を、30分かけて断続的に部屋内に散布し、散布後30分間放置して滅菌を行った。
放置後、ホルムアルデヒドガス分解用の触媒を搭載したホルムアルデヒドガス分解装置を用いて、約1.5時間かけてホルムアルデヒドを分解除去し、室内のホルムアルデヒドガス濃度が0.1ppm以下になったことを確認し、空気供給装置から空気を供給して部屋内を常圧(大気圧)に戻し、滅菌処理を終了した。
なお、実施例4では、滅菌を確実に行う目的で、一般的な室内における滅菌処理よりも厳しい条件にて滅菌を行った。

0044

滅菌処理後の部屋内から、バイオロジカルインジケータを回収し、培養温度を約55℃として、培養液(SCDLP培地DAIGO:商品名、富士フイルム和光純薬(株)製)中に、1週間浸漬した。
その結果、培養液に濁りが生じることはなく、くさび形の溝内に入り込んだ芽胞が完全に死滅し、室内が滅菌されていることが確認された。(工程D)

実施例

0045

実施例4によれば、実施例1のバイオロジカルインジケータを用いることで、評価対象の空間において、上記条件にてLTFS滅菌処理を行った結果、バイオロジカルインジケータの溝内に入り込んだ芽胞が死滅したことが確認された。この結果によれば、例えば、部屋内の内装材に形成された亀裂等の微細な溝の中に入り込んだ細菌も、上記条件の滅菌処理により滅菌できると推定される。
従って、本開示のバイオロジカルインジケータは、滅菌処理効果の評価に有用であることが期待できる。

0046

10バイオロジカルインジケータ(インジケータ
12硬質基材
14 硬質基材の溝(溝、くさび形の溝)
16芽胞
18接着剤層
20 保護シート

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