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技術 安定化されたグループ2インフルエンザヘマグルチニンステム領域三量体およびその使用

出願人 ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ・アズ・リプリゼンテッド・バイ・ザ・セクレタリー・デパートメント・オブ・ヘルス・アンド・ヒューマン・サービシーズ
発明者 ジェフリー・シー・ボイントンバーニー・エス・グレアムジョン・アール・マスコラハディ・エム・ヤシンキズメキア・エス・コーベットサイエド・エム・モインリンシュー・ワン兼清優
出願日 2017年9月1日 (4年2ヶ月経過) 出願番号 2019-512267
公開日 2019年12月26日 (1年10ヶ月経過) 公開番号 2019-537424
状態 未査定
技術分野 突然変異または遺伝子工学 動物,微生物物質含有医薬 ペプチド又は蛋白質 生物学的材料の調査,分析 微生物、その培養処理 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 酵素・酵素の調製 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 ナノ構造物 医薬品製剤
主要キーワード 曲線セット クラス平均 遮断部位 任意スケール 放射拡散 特定位 電子標識 鉄貯蔵タンパク質
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課題・解決手段

広範に防御的な抗インフルエンザ抗体を誘発するワクチン。本ワクチンは、グループインフルエンザウイルス由来HA三量体を表面上に提示するナノ粒子を含む。ナノ粒子は、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の安定化されたステム領域に連結された単量体サブユニット(例えば、フェリチン)を含む融合タンパク質である。融合タンパク質は自己集合してHA提示ナノ粒子を形成する。本発明はまた、融合タンパク質、そのようなタンパク質をコードする核酸分子、および本発明のナノ粒子を使用する抗インフルエンザ抗体を検出するためのアッセイも提供する。

概要

背景

インフルエンザウイルスに対するワクチン接種によって誘導される防御免疫応答は主に、ウイルス宿主細胞受容体との相互作用関与するウイルス表面上の糖タンパク質であるウイルスHAタンパク質に向けられる。ウイルス表面上のHAタンパク質は、HAタンパク質単量体三量体であり、これらは酵素的に切断されてアミノ末端のHA1ポリペプチドと、カルボキシル末端のHA2ポリペプチドとを生じる。球状のヘッドは、HA1ポリペプチドの主要部分のみからなり、HAタンパク質をウイルス脂質エンベロープに固定するステムは、HA2およびHA1の一部で構成される。HAタンパク質の球状のヘッドは、2つのドメイン、すなわち、シアル酸結合部位を含む約148アミノ酸残基のドメインである受容体結合ドメインRBD)と、RBDのすぐ下のより小さい約75アミノ酸残基の領域であるvestigialエステラーゼドメインとを含む。球状のヘッドは、免疫優性エピトープを含むいくつかの抗原性部位を含む。例には、Sa、Sb、Ca1、Ca2、およびCb抗原性部位が挙げられる(例えば、Caton, et al, 1982, Cell 31, 417-427を参照されたい)。RBD−A領域は、Sa抗原性部位およびSb抗原性部位の一部を含む。

インフルエンザに対する抗体はしばしば、保存されたシアル酸結合部位を取り巻く、HAの球状ヘッドにおける可変の抗原性部位を標的とし、このため抗原的に近縁のウイルスのみを中和する。HAヘッドの可変性は、インフルエンザウイルスの不断の抗原連続変異が原因であり、インフルエンザの季節性エンミックの一因である。これに対し、HAステムは、高度に保存されており、抗原連続変異をほとんど受けない。残念なことに、免疫優性ヘッドとは異なり、保存されたHAステムはそれほど免疫原性ではない。さらに、ウイルスゲノム遺伝子セグメントは、宿主種中で遺伝子再集合抗原不連続変異)を受け得、それによって、パンデミックとなりうる、抗原性が変化した新規ウイルスを作製することができる[Salomon, R. et al. Cell 136, 402-410 (2009)]。現在まで、インフルエンザワクチンは、新たに流行するウイルスに関して予想されるHAおよびノイラミニダーゼ(NA)を反映するように毎年最新のものにされている。

最近、高度に保存されたHAステムを認識する、インフルエンザウイルスに対する全く新しいクラスの広範な中和抗体が単離された[Corti, D. et al. J Clin Invest 120, 1663-1673 (2010); Ekiert, D.C. et al. Science 324, 246-251 (2009); Kashyap, A.K. et al. Proc Natl Acad Sci USA 105, 5986-5991 (2008); Okuno, Y. et al. J Virol 67, 2552-2558 (1993); Sui, J. et al. Nat Struct Mol Biol 16, 265-273 (2009); Ekiert, D.C. et al. Science 333, 843-850 (2011); Corti, D. et al. Science 333, 850-856 (2011)]。株特異的抗体とは異なり、これらの抗体は、多数の抗原的に異なるウイルスを中和することができ、したがってそのような抗体を誘導することは、次世代万能ワクチン開発の焦点となっている[Nabel, G.J. et al. Nat Med 16, 1389-1391 (2010)]。しかし、そのような多中和プロファイルを有する抗体をワクチン接種によって強く誘発することは難しい[Steel, J. et al. MBio 1, e0018 (2010); Wang, T.T. et al.PLoS Pathog 6, e1000796 (2010); Wei, C.J. et al. Science 329, 1060-1064 (2010)]。遺伝子操作によって、HAの免疫優性ヘッド領域競合するエピトープを含む)を除去し、得られたステムドメインを安定化することは、広く中和作用を示すステム抗体の誘発を改善する1つの有望な方法である。

現行のインフルエンザワクチン戦略は、化学的不活化した、または生きている弱毒化インフルエンザウイルスのいずれかを使用する。いずれのワクチンも一般的に、発育において産生されているが、プロセスに時間がかかり、生産能力が限られることから、製造上の制限が大きい。現行のワクチンの別のより重要な制限は、その有効性が非常に株特異的であることである。これらの問題は、2009年のH1N1型のパンデミックの出現により特に明白となり、それら制限を克服することができる新規ワクチンプラットフォームの必要性が確認された。ウイルス様粒子は、そのような代替アプローチの1つを表し、現在、臨床試験において評価されている[Roldao, A. et al. Expert Rev Vaccines 9, 1149-1176 (2010); Sheridan, C. Nat Biotechnol 27, 489-491 (2009)]。発育卵の代わりに、しばしばHA、NA、およびマトリックスタンパク質1(M1)を含むVLPを、哺乳動物または昆虫細胞発現系において大量産生することができる[Haynes, J.R. Expert Rev Vaccines 8, 435-445 (2009)]。このアプローチの利点は、その微粒子の多価の性質、および感染性ビリオン忠実模倣する適切に折り畳まれた三量体HAスパイクが正しく提示されることにある。一方、エンベロープを有するVLPは、その構成の性質により、少量ではあってもある程度、宿主細胞構成要素を含むので、このプラットフォームの繰り返し使用により潜在的に、安全性、免疫原性の問題が生じ得る[Wu, C.Y. et al.PLoS One 5, e9784 (2010)]。その上、VLPによって誘導される免疫は、現行のワクチンと本質的に同じであり、このため、ワクチン誘導防御免疫効力および幅の両方を有意に改善する可能性は低い。VLPに加えて、組換えHAタンパク質も、ヒトにおいても評価されているが[Treanor, J.J. et al. Vaccine 19, 1732-1737 (2001); Treanor, J.J. JAMA 297, 1577-1582 (2007)]、防御中和抗体力価を誘導する能力は限定的である。それらの治験において使用された組換えHAタンパク質は、昆虫細胞において産生されており、ネイティブの三量体を優先的に形成しないかもしれない[Stevens, J. Science 303, 1866-1870 (2004)]。

旧来のインフルエンザワクチンの代替物はいくつかあったが、過去数十年間の生物工学の進歩は、生物材料の操作を、新規ワクチンプラットフォーム生成のために利用することを可能にした。ほぼ全ての生きている生物に見出される鉄貯蔵タンパク質であるフェリチンは、多数の潜在的生化学生物医学的目的のために、広範に研究され、操作されている一例であり[Iwahori, K. 米国特許出願公開第2009/0233377号(2009); Meldrum, F.C. et al. Science 257, 522-523 (1992); Naitou, M. et al. 米国特許出願公開第2011/0038025号(2011); Yamashita, I. Biochim Biophys Acta 1800, 846-857 (2010)]。そのような例には、外因性エピトープペプチドを提示するための潜在的ワクチンプラットフォームが含まれる[Carter, D.C. et al. 米国特許出願公開第2006/0251679号(2006); Li, C.Q. et al. Industrial Biotechnol 2, 143-147 (2006)]。ワクチンプラットフォームとしてのその使用は、その自己集合および抗原の多価提示のために特に興味深く、それによって一価型より強くB細胞応答を誘導し、また、T細胞非依存性抗体応答を誘導する[Bachmann, M.F. et al. Annu Rev Immunol 15, 235-270 (1997); Dintzis, H.M. et al. Proc Natl Acad Sci USA 73, 3671-3675 (1976)]。さらに、432対称性を有する八面体ケージ集合する24サブユニットからなるフェリチンの分子構造は、その表面上に多量体抗原を提示する潜在性を有する。

これまでの研究から、グループヘマグルチニンタンパク質のステム領域を修飾して、立体構造完全長野生型(wt)インフルエンザヘマグルチニンタンパク質の融合前の立体構造に非常に類似している、安定化したHAステムタンパク質を形成することができることが示されている。加えて、そのような修飾された安定化ステム(SS)HAタンパク質を、フェリチンなどの単量体サブユニットタンパク質に結合させると、得られた融合タンパク質は、表面にSS−HAタンパク質の三量体を提示するナノ粒子を形成した。その上、そのようなナノ粒子は、グループ1インフルエンザウイルスに対する免疫応答を誘発することができ、それにより、ナノ粒子によって提示されるSS−HAタンパク質三量体が、wtインフルエンザHAタンパク質の立体構造と類似の立体構造を有することが示された。そのようなコンストラクトは、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれている、国際特許出願第PCT/US2015/032695号に開示されている。しかし、上記ナノ粒子によって誘発される抗体は、グループ2インフルエンザウイルスに対するよりグループ1インフルエンザウイルスに対して防御的であった。

したがって、グループ2インフルエンザウイルスに対する強い防御を提供する有効なインフルエンザワクチンがなおも必要である。さらに、将来の進化する季節性およびパンデミックインフルエンザウイルス株を含む、インフルエンザウイルスの多くの株から個体を保護するインフルエンザワクチンもなおも必要である。本発明は、可変の免疫優性ヘッド領域を欠く新規グループ2HA安定化ステム(SS)がナノ粒子表面に融合したものからなる新規ナノ粒子ベースのワクチンを提供し、それにより、製造が容易で、強力で、広範にヘテロサブタイプ防御的である抗体を誘発するインフルエンザワクチンを提供することによって、前記必要を満たすものである。

概要

広範に防御的な抗インフルエンザ抗体を誘発するワクチン。本ワクチンは、グループ2インフルエンザウイルス由来のHA三量体を表面上に提示するナノ粒子を含む。ナノ粒子は、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の安定化されたステム領域に連結された単量体サブユニット(例えば、フェリチン)を含む融合タンパク質である。融合タンパク質は自己集合してHA提示ナノ粒子を形成する。本発明はまた、融合タンパク質、そのようなタンパク質をコードする核酸分子、および本発明のナノ粒子を使用する抗インフルエンザ抗体を検出するためのアッセイも提供する。

目的

したがって、グループ2インフルエンザウイルスに対する強い防御を提供する

効果

実績

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請求項1

グループインフルエンザヘマグルチニンHAタンパク質を含む組換えタンパク質であって、ヘッド領域アミノ酸配列が、インフルエンザHAタンパク質のヘッド領域に由来する5個未満の連続アミノ酸を含むリンカーで置き換えられており、タンパク質の哺乳動物への投与が、哺乳動物におけるグループ2インフルエンザHAタンパク質に対する免疫応答を誘発する、組換えタンパク質。

請求項2

組換えタンパク質が、グループ2インフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)タンパク質のステム領域に由来する第1のアミノ酸配列と、グループ2インフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)タンパク質のステム領域に由来する第2のアミノ酸配列とを含み、第1および第2のアミノ酸配列が、リンカー配列によって共有結合により連結され、第1のアミノ酸配列が、ヘッド領域配列のアミノ末端上流のアミノ酸配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含み、第2のアミノ酸配列が、ヘッド領域配列のカルボキシル末端の下流のアミノ酸配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む、請求項1に記載の組換えタンパク質。

請求項3

単量体サブユニットに連結している、請求項1または2に記載の組換えタンパク質。

請求項4

単量体サブユニットタンパク質が、フェリチンまたはルマジンシンターゼに由来する、請求項3に記載の組換えタンパク質。

請求項5

請求項1〜4のいずれか一項に記載の組換えタンパク質を含むナノ粒子であって、インフルエンザHAタンパク質の三量体を表面上に提示する、ナノ粒子。

請求項6

請求項1〜4のいずれか一項に記載の組換えタンパク質と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むタンパク質を含む免疫原性組成物

請求項7

請求項1〜4のいずれか一項に記載の組換えタンパク質、または請求項5に記載のナノ粒子、およびアジュバントを含むワクチン組成物

請求項8

請求項7に記載のワクチン組成物の免疫学的有効量を、必要とするヒトに投与することを含む、ヒトにおいてインフルエンザウイルス感染病理学的作用を阻止または低減する方法。

請求項9

請求項1〜4のいずれか一項に記載の組換えタンパク質をコードする核酸

請求項10

DNAである、請求項9に記載の核酸。

請求項11

請求項10に記載の核酸を含むベクター

請求項12

請求項11に記載のベクターを含む宿主細胞

請求項13

細菌細胞酵母細胞、または哺乳動物細胞である、請求項12に記載の宿主細胞。

請求項14

請求項1〜4のいずれか一項に記載の組換えタンパク質を含む医薬組成物

請求項15

請求項1〜4のいずれか一項に記載の組換えタンパク質、請求項5に記載のナノ粒子、請求項6に記載の免疫原性組成物、請求項7に記載のワクチン組成物、請求項9に記載の核酸分子、または請求項11に記載のベクターの予防または治療有効量を対象に投与することを含む、ワクチン接種方法。

請求項16

請求項1〜4のいずれか一項に記載の組換えタンパク質、請求項5に記載のナノ粒子、請求項6に記載の免疫原性組成物、請求項7に記載のワクチン組成物、請求項9に記載の核酸分子、または請求項11に記載のベクターの予防または治療有効量を、必要とする対象に投与することを含む、インフルエンザ関連疾患の処置方法

請求項17

生理学的に許容される担体と組み合わせた、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組換えタンパク質を含むワクチン

請求項18

抗インフルエンザ抗体を検出する方法であって、a.抗インフルエンザ抗体の存在に関して試験される試料の少なくとも一部を、請求項5に記載のナノ粒子に接触させること;およびb.ナノ粒子/抗インフルエンザ抗体複合体の存在を検出することを含み、ナノ粒子/抗体複合体の検出は、試料が抗インフルエンザ抗体を含むことを示す、方法。

背景技術

0001

インフルエンザウイルスに対するワクチン接種によって誘導される防御免疫応答は主に、ウイルス宿主細胞受容体との相互作用関与するウイルス表面上の糖タンパク質であるウイルスHAタンパク質に向けられる。ウイルス表面上のHAタンパク質は、HAタンパク質単量体三量体であり、これらは酵素的に切断されてアミノ末端のHA1ポリペプチドと、カルボキシル末端のHA2ポリペプチドとを生じる。球状のヘッドは、HA1ポリペプチドの主要部分のみからなり、HAタンパク質をウイルス脂質エンベロープに固定するステムは、HA2およびHA1の一部で構成される。HAタンパク質の球状のヘッドは、2つのドメイン、すなわち、シアル酸結合部位を含む約148アミノ酸残基のドメインである受容体結合ドメインRBD)と、RBDのすぐ下のより小さい約75アミノ酸残基の領域であるvestigialエステラーゼドメインとを含む。球状のヘッドは、免疫優性エピトープを含むいくつかの抗原性部位を含む。例には、Sa、Sb、Ca1、Ca2、およびCb抗原性部位が挙げられる(例えば、Caton, et al, 1982, Cell 31, 417-427を参照されたい)。RBD−A領域は、Sa抗原性部位およびSb抗原性部位の一部を含む。

0002

インフルエンザに対する抗体はしばしば、保存されたシアル酸結合部位を取り巻く、HAの球状ヘッドにおける可変の抗原性部位を標的とし、このため抗原的に近縁のウイルスのみを中和する。HAヘッドの可変性は、インフルエンザウイルスの不断の抗原連続変異が原因であり、インフルエンザの季節性エンミックの一因である。これに対し、HAステムは、高度に保存されており、抗原連続変異をほとんど受けない。残念なことに、免疫優性ヘッドとは異なり、保存されたHAステムはそれほど免疫原性ではない。さらに、ウイルスゲノム遺伝子セグメントは、宿主種中で遺伝子再集合抗原不連続変異)を受け得、それによって、パンデミックとなりうる、抗原性が変化した新規ウイルスを作製することができる[Salomon, R. et al. Cell 136, 402-410 (2009)]。現在まで、インフルエンザワクチンは、新たに流行するウイルスに関して予想されるHAおよびノイラミニダーゼ(NA)を反映するように毎年最新のものにされている。

0003

最近、高度に保存されたHAステムを認識する、インフルエンザウイルスに対する全く新しいクラスの広範な中和抗体が単離された[Corti, D. et al. J Clin Invest 120, 1663-1673 (2010); Ekiert, D.C. et al. Science 324, 246-251 (2009); Kashyap, A.K. et al. Proc Natl Acad Sci USA 105, 5986-5991 (2008); Okuno, Y. et al. J Virol 67, 2552-2558 (1993); Sui, J. et al. Nat Struct Mol Biol 16, 265-273 (2009); Ekiert, D.C. et al. Science 333, 843-850 (2011); Corti, D. et al. Science 333, 850-856 (2011)]。株特異的抗体とは異なり、これらの抗体は、多数の抗原的に異なるウイルスを中和することができ、したがってそのような抗体を誘導することは、次世代万能ワクチン開発の焦点となっている[Nabel, G.J. et al. Nat Med 16, 1389-1391 (2010)]。しかし、そのような多中和プロファイルを有する抗体をワクチン接種によって強く誘発することは難しい[Steel, J. et al. MBio 1, e0018 (2010); Wang, T.T. et al.PLoS Pathog 6, e1000796 (2010); Wei, C.J. et al. Science 329, 1060-1064 (2010)]。遺伝子操作によって、HAの免疫優性ヘッド領域競合するエピトープを含む)を除去し、得られたステムドメインを安定化することは、広く中和作用を示すステム抗体の誘発を改善する1つの有望な方法である。

0004

現行のインフルエンザワクチン戦略は、化学的不活化した、または生きている弱毒化インフルエンザウイルスのいずれかを使用する。いずれのワクチンも一般的に、発育において産生されているが、プロセスに時間がかかり、生産能力が限られることから、製造上の制限が大きい。現行のワクチンの別のより重要な制限は、その有効性が非常に株特異的であることである。これらの問題は、2009年のH1N1型のパンデミックの出現により特に明白となり、それら制限を克服することができる新規ワクチンプラットフォームの必要性が確認された。ウイルス様粒子は、そのような代替アプローチの1つを表し、現在、臨床試験において評価されている[Roldao, A. et al. Expert Rev Vaccines 9, 1149-1176 (2010); Sheridan, C. Nat Biotechnol 27, 489-491 (2009)]。発育卵の代わりに、しばしばHA、NA、およびマトリックスタンパク質1(M1)を含むVLPを、哺乳動物または昆虫細胞発現系において大量産生することができる[Haynes, J.R. Expert Rev Vaccines 8, 435-445 (2009)]。このアプローチの利点は、その微粒子の多価の性質、および感染性ビリオン忠実模倣する適切に折り畳まれた三量体HAスパイクが正しく提示されることにある。一方、エンベロープを有するVLPは、その構成の性質により、少量ではあってもある程度、宿主細胞構成要素を含むので、このプラットフォームの繰り返し使用により潜在的に、安全性、免疫原性の問題が生じ得る[Wu, C.Y. et al.PLoS One 5, e9784 (2010)]。その上、VLPによって誘導される免疫は、現行のワクチンと本質的に同じであり、このため、ワクチン誘導防御免疫効力および幅の両方を有意に改善する可能性は低い。VLPに加えて、組換えHAタンパク質も、ヒトにおいても評価されているが[Treanor, J.J. et al. Vaccine 19, 1732-1737 (2001); Treanor, J.J. JAMA 297, 1577-1582 (2007)]、防御中和抗体力価を誘導する能力は限定的である。それらの治験において使用された組換えHAタンパク質は、昆虫細胞において産生されており、ネイティブの三量体を優先的に形成しないかもしれない[Stevens, J. Science 303, 1866-1870 (2004)]。

0005

旧来のインフルエンザワクチンの代替物はいくつかあったが、過去数十年間の生物工学の進歩は、生物材料の操作を、新規ワクチンプラットフォーム生成のために利用することを可能にした。ほぼ全ての生きている生物に見出される鉄貯蔵タンパク質であるフェリチンは、多数の潜在的生化学生物医学的目的のために、広範に研究され、操作されている一例であり[Iwahori, K. 米国特許出願公開第2009/0233377号(2009); Meldrum, F.C. et al. Science 257, 522-523 (1992); Naitou, M. et al. 米国特許出願公開第2011/0038025号(2011); Yamashita, I. Biochim Biophys Acta 1800, 846-857 (2010)]。そのような例には、外因性エピトープペプチドを提示するための潜在的ワクチンプラットフォームが含まれる[Carter, D.C. et al. 米国特許出願公開第2006/0251679号(2006); Li, C.Q. et al. Industrial Biotechnol 2, 143-147 (2006)]。ワクチンプラットフォームとしてのその使用は、その自己集合および抗原の多価提示のために特に興味深く、それによって一価型より強くB細胞応答を誘導し、また、T細胞非依存性抗体応答を誘導する[Bachmann, M.F. et al. Annu Rev Immunol 15, 235-270 (1997); Dintzis, H.M. et al. Proc Natl Acad Sci USA 73, 3671-3675 (1976)]。さらに、432対称性を有する八面体ケージ集合する24サブユニットからなるフェリチンの分子構造は、その表面上に多量体抗原を提示する潜在性を有する。

0006

これまでの研究から、グループヘマグルチニンタンパク質のステム領域を修飾して、立体構造完全長野生型(wt)インフルエンザヘマグルチニンタンパク質の融合前の立体構造に非常に類似している、安定化したHAステムタンパク質を形成することができることが示されている。加えて、そのような修飾された安定化ステム(SS)HAタンパク質を、フェリチンなどの単量体サブユニットタンパク質に結合させると、得られた融合タンパク質は、表面にSS−HAタンパク質の三量体を提示するナノ粒子を形成した。その上、そのようなナノ粒子は、グループ1インフルエンザウイルスに対する免疫応答を誘発することができ、それにより、ナノ粒子によって提示されるSS−HAタンパク質三量体が、wtインフルエンザHAタンパク質の立体構造と類似の立体構造を有することが示された。そのようなコンストラクトは、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれている、国際特許出願第PCT/US2015/032695号に開示されている。しかし、上記ナノ粒子によって誘発される抗体は、グループ2インフルエンザウイルスに対するよりグループ1インフルエンザウイルスに対して防御的であった。

0007

したがって、グループ2インフルエンザウイルスに対する強い防御を提供する有効なインフルエンザワクチンがなおも必要である。さらに、将来の進化する季節性およびパンデミックインフルエンザウイルス株を含む、インフルエンザウイルスの多くの株から個体を保護するインフルエンザワクチンもなおも必要である。本発明は、可変の免疫優性ヘッド領域を欠く新規グループ2HA安定化ステム(SS)がナノ粒子表面に融合したものからなる新規ナノ粒子ベースのワクチンを提供し、それにより、製造が容易で、強力で、広範にヘテロサブタイプ防御的である抗体を誘発するインフルエンザワクチンを提供することによって、前記必要を満たすものである。

0008

したがって、本開示は、グループ2インフルエンザヘマグルチニン(HA)タンパク質を含む組換えタンパク質であって、ヘッド領域のアミノ酸配列が、インフルエンザHAタンパク質のヘッド領域からの5個未満の連続アミノ酸を含むリンカーで置き換えられている組換えタンパク質を提供する。この組換えタンパク質は、哺乳動物に投与すると、該哺乳動物においてグループ2インフルエンザHAタンパク質に対する免疫応答を誘発する。

0009

本開示の組換えタンパク質は、グループ2インフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)タンパク質のステム領域からの第1のアミノ酸配列と、グループ2インフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)タンパク質のステム領域からの第2のアミノ酸配列とを含み得、第1および第2のアミノ酸配列は、リンカー配列によって共有結合により連結され、第1のアミノ酸配列は、ヘッド領域配列のアミノ末端の上流のアミノ酸配列からの少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含み、第2のアミノ酸配列は、ヘッド領域配列のカルボキシル末端の下流のアミノ酸配列からの少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含み得る。この組換えタンパク質コンストラクトにおいて、第1のアミノ酸配列は、ヘッド領域のアミノ末端に直接に隣接する上流ポリペプチド配列からの少なくとも20個の連続アミノ酸を含み得る。あるいは、またはさらに、第1のアミノ酸配列は、配列番号27、配列番号28、または配列番号29からの少なくとも20個の連続アミノ酸を含み得る。あるいは、またはさらに、第2のアミノ酸配列は、ヘッド領域のカルボキシル末端に直接に隣接する下流ポリペプチド配列からの少なくとも20個の連続アミノ酸を含み得る。あるいは、またはさらに、第1のアミノ酸配列は、配列番号31、配列番号32、または配列番号33からの少なくとも20個の連続アミノ酸を含み得る。

0010

本開示の組換えタンパク質は、第1のシステインアミノ酸を含むように修飾されたヘッド領域配列に連結されたヘリックスCのアミノ末端(すなわちヘリックスCの膜遠位末端)と、第1および第2のシステインがジスルフィド結合を形成するように第2のシステインアミノ酸を含むリンカー配列とを含み得る。

0011

本開示の組換えタンパク質は、組換えHAステムタンパク質の三次元構造が、ネイティブのグループ2HAタンパク質におけるHAステム領域の三次元構造に類似するように修飾されたヘリックス間領域(すなわち、ヘリックスCのN末端をヘリックスAのカルボキシル末端(すなわち、ヘリックスAの膜遠位末端)に連結するアミノ酸配列)を含み得る。本開示の組換えタンパク質は、ヘリックス間領域を置換する、8個未満のアミノ酸長アミノ酸リンカー配列を含み得る。

0012

本開示の組換えタンパク質は、アミノ酸の付加によって伸長したヘリックスAの膜遠位末端を含み得る。

0013

本開示の組換えタンパク質は、ヘリックスAを形成するアミノ酸配列のカルボキシル末端に結合してヘリックスAの長さを伸長させるヘリックスを形成する第3のアミノ酸リンカーを含み得る。ヘリックスCの遠位末端は、第3のリンカーのカルボキシル末端に、リンカーペプチドによって結合し得る。リンカーペプチドは、好ましくは8個未満のアミノ酸長である。

0014

本開示の組換えタンパク質は、該タンパク質の安定性を高める1つまたは複数の突然変異を含み得る。そのような安定化突然変異は、好ましくはヘリックスAおよびヘリックスCのうちの少なくとも1つを形成するアミノ酸配列中に存在する。

0015

本開示の組換えタンパク質は、フェリチンまたはルマジンシンターゼから選択される単量体サブユニットに結合され得る。

0016

本開示の例示的な組換えタンパク質は、配列番号47〜159からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%同一、または少なくとも85%同一、または少なくとも90%同一、または少なくとも95%同一、または少なくとも97%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み得る。

0017

本開示の例示的な組換えタンパク質は、配列番号47〜159からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み得る。

0018

本開示はまた、本開示の少なくとも1つの組換えタンパク質を含むナノ粒子も提供する。

0019

本開示はまた、本開示の組換えタンパク質と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのタンパク質を含む免疫原性組成物も提供する。本開示の免疫原性組成物は、配列番号47〜1598からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質を含み得る。この免疫原性組成物は、配列番号47〜159からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるタンパク質を含み得る。本開示はまた、本開示の免疫原性組成物とアジュバントとを含むワクチン組成物も提供する。

0020

本開示はまた、本開示のワクチン組成物の免疫学的有効量を、それを必要とするヒトに投与することを含む、ヒトにおけるインフルエンザウイルス感染病理学的作用を予防または低減する方法も提供する。

0021

本開示はまた、本開示の組換えタンパク質をコードする核酸を提供する。好ましくは、核酸はDNAである。本開示はまた、本開示の核酸を含むベクターを提供する。本開示はまた、本開示のベクターを含む宿主細胞を提供する。本開示の宿主細胞は、細菌細胞酵母細胞、または哺乳動物細胞であり得る。これらの宿主細胞は不活化されてもよい。

0022

本開示はまた、本開示の組換えタンパク質を含む医薬組成物も提供する。本開示の組成物は、生理学的に許容される担体と組み合わせて本開示の組換えタンパク質を含むワクチンであり得る。

0023

本開示はまた、本開示の組換えタンパク質の予防または治療有効量を対象に投与することを含む、ワクチン接種方法も提供する。

0024

本開示はまた、本開示の組換えタンパク質の予防または治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、インフルエンザ関連疾患を処置する方法も提供する。好ましくは、対象はヒトである。

図面の簡単な説明

0025

図1A〜1Cは、先行技術の概要を示すものである。図1Aは、完全長HA−フェリチンナノ粒子のデザインを表すリボンダイヤグラムである。図1Bは、HIVgp41三量体化ドメインによって安定化されたHAステム−フェリチンナノ粒子のデザインを表すリボンダイヤグラムである。両方のデザインは、参照により本明細書に組み込まれる特許出願第PCT/US12/56822号に詳細に記載されている。図1Cは、参照により本明細書に組み込まれるPCT特許出願第PCT/US15/32695号に開示される、グループ1HA安定化ステムナノ粒子のデザインを表すリボンダイヤグラムである。
図2は、自己集合するグループ2HAステムナノ粒子の作製を示す。リボンダイヤグラムは、グループ2HA安定化ステムナノ粒子のデザインを表す(左から右に)。1つのHA単量体のヘッド領域を濃灰色で表す。その同じ単量体のステム領域を中間の灰色で示す。他の2つの単量体を淡灰色で示す。
図3Aおよび3Bは、グループ2HA安定化ステムナノ粒子の形成を可能にするH3N2デザイン231における突然変異を示す。図3Aは、PDB ID 2YP2に基づくグループ2 H3N2安定化HAステム三量体のモデルを表すリボンダイヤグラムである。ヘリックスにおける突然変異の領域を濃灰色で示す。図3Bは、H3デザイン#231(A/デンマーク35/2005 H3N2、GenBankABU92694のHAステムに基づく)の配列を示す。配列に対して作製した突然変異を枠で囲む。参考に、C末端SGGリンカーを太字で示し、C末端フェリチンを下線で示し、N結合(N-linked)グリカンを除去するためのAsnからGlnへのフェリチンの突然変異を太字で示す。
図4A〜4Dは、H3N2デザイン231における、HA1ヘッドに置き換わるループにおける突然変異を示す。図4Aは、PDB ID 2YP2に基づくグループ2 H3N2安定化HAステム三量体のモデルを表すリボンダイヤグラムである。HA1ヘッド領域に置き換わるループにおける7つの突然変異、および該ループとジスルフィドを形成するヘリックスCにおける追加のシステインを示す。ヘリックス領域における他の全ての突然変異を濃灰色で示す。図4Bは、側鎖をスティックモデルで示した、突然変異ループ(図4Aにおいてヘッド領域に置き換わるものとして示される)を示す。図4Cは、ループ配列変異体を示す。図4Dは、H3デザイン#231の配列を示す。図4A〜4Cに示されるヘッドおよびヘリックス領域における突然変異を枠で囲む。参考に、C末端SGGリンカーを太字で示し、C末端フェリチンを下線で示し、N結合グリカンを除去するためのAsnからGlnへのフェリチン突然変異を太字で示す。
図5A〜5Cは、H3N2デザイン231における、HA2ヘリックスAとCとを連結するループにおける突然変異を示す。図5Aは、PDB ID 2YP2に基づくグループ2 H3N2安定化HAステム三量体のモデルを表すリボンダイヤグラムである。HA2ヘリックスAとCとを連結する4つの残基を示す。ヘリックスにおける突然変異を濃灰色で示す。図5Bは、側鎖をスティックモデルで示した、ループ(図5Aにおいて示した領域)の拡大図である。図5Cは、H3デザイン#231の配列を示す。図5Aおよび5Bに示される、ヘリックスにおける突然変異、および短いリンカーを構成するアミノ酸を枠で囲む。参考に、C末端SGGリンカーを太字で示し、C末端フェリチンを下線で示し、N結合グリカンを除去するためのAsnからGlnへのフェリチン突然変異を太字で示す。
図6A〜6Cは、H3N2デザイン231における、ヘリックスAのC末端伸長部における突然変異を示す。図6Aは、PDB ID 2YP2に基づくグループ2H3N2安定化HAステム三量体のモデルを示すリボンダイヤグラムである。ヘリックスAの5残基の伸長部を示す。ヘリックスにおける突然変異を濃灰色で示す。図6Bは、側鎖をスティックモデルで示した、ヘリックス伸長部(図6Aにおいても示される)の拡大図である。図6Cは、H3デザイン#231の配列を示す。ヘリックスにおける突然変異、および5残基の伸長部を構成する酸を枠で囲む。参考に、C末端SGGリンカーを太字で示し、C末端フェリチンを下線で示し、N結合グリカンを除去するためのAsnからGlnへのフェリチン突然変異を太字で示す。
図7Aおよび7Bは、H3N2デザイン231における、空洞を充填する突然変異を示す。図7Aは、PDB ID 2YP2に基づくグループ2 H3N2安定化HAステム三量体のモデルを表すリボンダイヤグラムである。7つの空洞充填突然変異を濃灰色で示し、側鎖をスティックモデルで示す。図7Bは、H3デザイン#231の配列を示す。ヘリックスおよびヘッド領域に対する突然変異を枠で囲む。参考に、C末端SGGリンカーを太字で示し、C末端フェリチンを下線で示し、N結合グリカンを除去するためのAsnからGlnへのフェリチン突然変異を太字で示す。
図8Aおよび8Bは、H3安定化ステムフェリチンナノ粒子231(H3−SS−np_231)の発現および特徴付けを示す。図8Aは、H3−SS−np_231のゲル濾過溶出プロファイルを示し、予想された溶出容量で単一のピークを認めた。ゲル濾過後のExpi293細胞からのH3−SS−np_231の発現収量は、7.7mg/Lであった。図8Bは、H3−SS−np_231のネガティブ染色電子顕微鏡法の2Dクラス平均を示す。中空球体から突出するHAステムの整列視認できる粒子の形成が示される。
図9Aおよび9Bは、H3−SS−np_231のHAステム抗体認識を示す。図9Aは、3つのHAステム抗体によるカイネティックELISAH3−SS−np_231認識アッセイのEC50値を記載する。H1−SS−npの認識の値も、対照として示す。いずれの場合も、ナノ粒子をプレートに固定した。図9Bは、H3−SS−np_231のCT149認識に関するバイオレイヤー干渉法BLI、Octet)の結合曲線(上図)、ならびにHAステム抗体CT149およびCR9114のBLI速度定数下図)を示す。
図10A〜10Eは、H3−SS−np_231の5つの変異体のゲル濾過プロファイルを示す。H3−SS−np_231変異体、249(図10A)、256(図10B)、258(図10C)、262(図10D)および264(図10E)のゲル濾過Superose 6 10/30プロファイル。各々の場合において、およそ14.5mlで単一のピークが溶出した。ゲル濾過後のExpi293細胞からの最終収量は、培養1L当たり6〜8mgであった。
図11A〜11Fは、H3−SS−npナノ粒子変異体の電子顕微鏡法を示す。H3−SS−np変異体のネガティブ染色電子顕微鏡法の2Dクラス平均により、中空の球体から突出するHAステムの整列を視認できる粒子の形成が示される。H3−SS−np 231粒子の画像(左上)を陽性対照として示す。
図12A〜12Dは、H3−SS−np_231の5つの変異体のカイネティックELISAの結果を示す。図12A〜12Cは、H3−SS−np_231変異体249、256、258、262、および264のFI6(図12A)、CT149(図12B)、およびCR8020(図12C)認識に関するカイネティックELISA曲線を示す。図12Dは、図12A〜12Cの曲線から求めたEC50値を記載する。
図13Aおよび13Bは、H3−SS−np変異体235〜295のカイネティックELISAの結果を示す。図13Aは、広範な中和作用を有するHAステム抗体FI6、CT149、およびD25(陰性対照)によるデザイン235〜265の認識を示すELISA力価を記載する。図13Bは、D25およびCT149によるデザイン266〜296の認識を示すELISA力価を記載する。デザイン免疫原を発現するHEK293T細胞の上清播種して、上記抗体によって検出した。
図14は、H3−SS−np(#231)および5つの変異体の動的走査熱量測定DSCプロットを示す。熱容量(Cp)の温度に対するプロットは、各タンパク質に関する融解転移を表す。各デザインに関して最も早期の融解点(TM)を記す。デザインの番号をそれぞれ括弧内に記載する。このダイヤグラムでは、Y軸のCp値任意スケールで示す。
図15Aおよび15Bは、グループ2HAに対するH3−SS−np免疫マウスの免疫応答を示す。播種したA/香/1/1968(H3N2)HA(図15A)およびA/アンホイ省(Anhui)/1/2013(H7N9)(図15B)に対する、SASアジュバント化H3−SS−npの6つの異なるバージョンによって3回免疫したBALB/cマウス(n=10)の血清のELISA抗体エンドポイント力価。空のフェリチンナノ粒子のみで免疫したマウスの血清を陰性対照とする。幾何平均力価を水平線で示す。濃灰色で示す部分は陰性対照の平均力価を示し、淡灰色で示す部分は陰性対照の平均力価の4倍までの範囲を示す。両側スチューデントt検定を使用して統計分析を実施した。*P<0.05、**P<0.01、****P<0.0001。
図16A〜16Dは、グループ1HAに対するH3−SS−np免疫マウスの免疫応答を示す。播種したA/ニューレドニア/20/1999(H1N1)HA(図16A)、A/カナダ/720/2005(H2N2)(図16B)、A/香港/1074/1999(H9N2)(図16C)、およびA/ベトナム/1203/2004(H5N1)(図16D)に対する、SASアジュバント化H3−SS−npの6つの異なるバージョンによって3回免疫したBALB/cマウス(n=10)の血清のELISA抗体エンドポイント力価。空のフェリチンナノ粒子のみで免疫したマウスの血清を陰性対照とする。幾何平均力価を水平線で示す。濃灰色で示す部分は陰性対照の平均力価を示し、淡灰色で示す部分は陰性対照の平均力価の4倍までの範囲を示す。
図17は、アクイフェクスエオリクス(aquifex aeolicus)のルマジンシンターゼ(LS)60量体正二十面体ナノ粒子のN末端に融合したH3−SS #231の配列を示す。H3−SS−np_231の突然変異を枠で囲む。H3−SS #231をLSに連結する6残基リンカー、およびLSにおけるN結合グリカンを除去する単一のLS突然変異(N102D)を太字で示す。C末端LSを下線で示す。
図18A〜18Fは、H3−LS−npの6つの変異体のゲル濾過プロファイルである。A−F:H3−SS−LS−np変異体01(図18A)、02(図18B)、03(図18C)、04(図18D)、06(図18E)および07(図18F)のゲル濾過Superose 6 10/30プロファイル。H3−SS−LS−04を除く各場合において、単一のピークが溶出した。ゲル濾過後のExpi293細胞からの最終収量は、培養1L当たり1〜2mg/Lであった。
図19A〜19Bは、H3−LS−npの4つの変異体のELISA結果を示す。図19Aおよび19Bは、H3−SS−LS−np変異体01、02、03、および04の、HAステム抗体CT149(図19A)およびCR8020(図19B)認識のELISA曲線を示す。曲線から求めたEC50値を各プロットの下に示す。
図20は、3つのH3−SS−LS変異体の動的走査熱量測定(DSC)プロットである。熱容量(Cp)の温度に対するプロットは、各タンパク質に関する融解転移を表す。各デザインに関して最も早期の融解点(TM)を記し、関連する曲線にマッチするように色分けする。デザインの番号をそれぞれ括弧内に記載する。このダイヤグラムでは、Y軸のCp値を任意スケールで示す。
図21A〜21Dは、多様なHAに対するH3−SS−LS−np免疫マウスの免疫応答を示す。播種したA/ニューカレドニア/20/1999(H1N1)HA(図21A)、A/ベトナム/1203/2004(H5N1)(図21B)、A/香港/1/1968(H3N2)(図21C)、およびA/アンホイ省/1/2013(H7N9)(図21D)に対する、SASアジュバント化H3−SS−LS−npの4つの異なるバージョンによって3回免疫したBALB/cマウス(n=5)の血清のELISA抗体エンドポイント力価。空のフェリチンナノ粒子のみ、およびH3−SS−np(#231)で免疫したマウスの血清を対照とする。幾何平均力価を水平線によって示す。
図22Aおよび22Bは、H3N2およびH7N9に対する、H3−SS−LS−np免疫マウスの中和血清応答を示す。SASアジュバント化H3−SS−LS−npの4つの異なるバージョンによって3回免疫したBALB/cマウス(n=5)からの血清のシュードウイルス中和力価。図22Aは、A/アンホイ省/1/2013(H7N9)の中和を示す。図21Bは、A/ウィスコシン州/67/2005(H3N2)の中和を示す。空のフェリチンナノ粒子、H1−SS−np、およびH3−SS−np(#231)によって免疫したマウスからの血清を対照とする。幾何平均力価を水平線で示す。水平の破線は、50のベースライン力価を示す。
図23は、グループ2 H7 HA安定化ステムナノ粒子の形成を可能にする25の突然変異の配列位置を示す。H7−SS−np_16(A/アンホイ省/1/2013(H7N9)HA、GenBank受託番号YP_009118475.1に基づく)の配列を示し、H3 #231突然変異を枠で囲む。新たなH7突然変異を星印で示す(H3N2 HAにマッチするように突然変異させた2つの残基)。参考に、C末端SGGリンカーを太字で示し、C末端フェリチンを下線で示し、N結合グリカンを除去するためのAsnからGlnへのフェリチン突然変異を太字で示す。
図24A〜24Fは、H7−SS−np変異体の精製を示す。GNAレクチンアフィニティクロマトグラフィー後のH7−SS−np変異体16(図24A)、18(図24B)、20(図24C)、21(図24D)、23(図24E)、および26(図24F)のゲル濾過Superose 6 10/30プロファイル。ゲル濾過後のExpi293細胞からの最終収量は、培養1L当たり5〜10mg/Lであった。
図25は、H7−SS−npの電子顕微鏡法を示す。H7−SS−np変異体のネガティブ染色電子顕微鏡法2Dクラス平均により、中空の球体から突出するHAステムの整列を視認できる粒子の形成が示される。H1−SS−np粒子の画像(左上)を陽性対照として示す。
図26A〜26Dは、H7−SS−npの変異体のカイネティックELISAの結果を示す。図26A〜26Cは、H7−SS−np変異体16、18、20、21、23、25、26、およびH1−SS−np陽性対照の、FI6(図26A)、CT149(図26B)、およびCR8020(図26C)認識に関するカイネティックELISA曲線を示す。図26Dは、図26A〜26Cにおける曲線から求めたEC50値を記載する。ND:測定せず。
図27は、H7−SS−npのHAステム抗体認識を示す。6つのH7−SS−np変異体(図27A:H7−SS−16;図27B:H7−SS−18;図27C:H7−SS−21;図27D:H7−SS−23;図27E:H7−SS−25;図27F:H7−SS−26)のCT149認識に関するバイオレイヤー干渉法結合曲線を示し、各曲線セットの右側に速度定数を記載する。ナノ粒子を、アミンカップリングによってセンサーチップに固定し、様々な濃度の抗体Fabインキュベートした。
図28は、7つのH7−SS−np変異体の動的走査熱量測定(DSC)プロットを示す。熱容量(Cp)の温度に対するプロットは、各タンパク質に関する融解転移を表す。各デザインに関する最も早期の融解点(TM)を記し、関連する曲線にマッチするように色分けする。H7−SS−npデザイン番号をそれぞれ括弧内に記載する。このダイヤグラムでは、Y軸のCp値を任意スケールで示す。
図29A〜29Dは、多様なHAに対するH7−SS−np免疫マウスの免疫応答を示す。播種したA/ニューカレドニア/20/1999(H1N1)HA(図29A)、A/ベトナム/1203/2004(H5N1)(図29B)、A/香港/1/1968(H3N2)(図29C)およびA/アンホイ省/1/2013(H7N9)(図29D)に対する、SASアジュバント化H7−SS−npの6つの異なるバージョンによって3回免疫したBALB/cマウス(n=5)からの血清のELISA抗体エンドポイント力価。空のフェリチンナノ粒子、H1−SS−np、およびH3−SS−np(#231)で免疫したマウスからの血清を対照とする。幾何平均力価を水平線で示す。水平の破線は、50のベースライン力価を示す。
図30Aおよび30Bは、H3N2およびH7N9に対する、H7−SS−np免疫マウスの中和血清応答を示す。SASアジュバント化H7−SS−npの6つの異なるバージョンによって3回免疫したBALB/cマウス(n=5)からの血清のシュードウイルス中和力価。図30Aは、A/アンホイ省/1/2013(H7N9)に対する中和を示す。図30Bは、A/ウィスコンシン州/67/2005(H3N2)に対する中和を示す。空のフェリチンナノ粒子、H1−SS−np、およびH3−SS−np(#231)で免疫したマウスからの血清を対照とする。幾何平均力価を水平線によって示す。水平の破線は、50のベースライン力価を示す。
図31は、インフルエンザ亜型10HA(H10)タンパク質の配列に基づく、本発明のタンパク質コンストラクトの4つの異なる例の配列を示す。インフルエンザHA配列に対して作製した突然変異を枠で囲む。参考に、C末端SGGリンカーを太字で示し、C末端フェリチン配列を下線で示す。
図32A〜32Eは、H10ssF変異体1(図32A)、2(図32B)、3(図32C)、4(図32D)および5(図32E)のゲル濾過Superdex 200 10/30プロファイルを示す。各々の場合において、単一のピークがおよそ12.5mlの容量で溶出した。ゲル濾過後のExpi293細胞からの最終収量は、培養1L当たり6〜8mg/Lであった。
H10ssFナノ粒子変異体の電子顕微鏡法。H10ssF変異体のネガティブ染色電子顕微鏡法2Dクラス平均により、中空の球体から突出するHAステムの整列を視認できる粒子の形成が示される。
図34A〜34Dは、H10ssF変異体2〜5のカイネティックELISAの結果を示す。図A〜Cは、ELISA曲線を示す。図Dは、曲線から計算したIC50値を示す。デザイン免疫原を発現するHEK293T細胞の上清を播種して、前記の抗体によって検出した。
図35Aおよび35Bは、グループ2HAに対するH10ssF免疫マウスの免疫応答を示す。固定したA/香港/1/1968(H3N2)HA(図35A)およびA/アンホイ省/1/2013(H7N9)(図35B)に対する、SASアジュバント化H10ssF(2μg/マウス)の5つの異なるバージョンによって3回免疫したBALB/cマウス(n=10)からの血清のELISA抗体エンドポイント力価。空のフェリチンナノ粒子のみ、H7N9AH13一価不活化ワクチンMIV)、またはH7ssF26によって免疫したマウスからの血清に対する応答を対照とする。幾何平均力価を水平線で示す。下部の破線は、50のベースライン力価を示し、上部の破線は記録された最高値を示す。
図36A〜36Dは、致死量のH3N2で攻撃したH10ssF免疫マウスの応答を示す。図36A〜Cは、空のナノ粒子(図36A)、H10ssF_4(図36B)、またはH10ssF_5(図36C)によって免疫し、その後致死量のA/フィリピン/1982(H3N2)インフルエンザで攻撃したBALB/cマウス(n=10)の体重減少曲線を示す。図36Dは、Aと同じマウスの生存曲線を示す。フェリチンナノ粒子のみ(empty np)によって免疫したマウスを陰性対照とする。
図37A〜37Gは、致死量のH7N9攻撃に対するH10ssF免疫マウスの応答を示す。図37Aは、致死量のA/上海/2/2013様(H7N9)インフルエンザで攻撃したH10ssF免疫BALB/cマウス(n=10)の生存曲線を示す。フェリチンナノ粒子のみ(empty np)によって免疫したマウスを陰性対照とする。図37Bは、図37Aと同じマウスに関する攻撃後6日目での体重減少を示す。図37C〜Gは、図37Aおよび37Bと同じマウスに関する攻撃後12日間の体重減少を示す。
図38は、インフルエンザ亜型3 HA(H3)タンパク質の配列に基づく、本発明のタンパク質コンストラクトの4つの異なる例の配列を示す。インフルエンザHA配列に対して作製した突然変異を枠で囲む。参考に、C末端SGGリンカーを太字で示し、C末端フェリチン配列を下線で示す。また、N結合グリカンを除去するAsnからGlnへのフェリチン突然変異を枠で囲み、太字で示す。
図39は、インフルエンザ亜型7 HA(H7)タンパク質の配列に基づく、本発明のタンパク質コンストラクトの4つの異なる例の配列を示す。インフルエンザHA配列に対して作製した突然変異を枠で囲む。参考に、C末端SGGリンカーを太字で示し、C末端フェリチン配列を下線で示す。また、N結合グリカンを除去するAsnからGlnへのフェリチン突然変異を枠で囲み、太字で示す。
図40A〜40Cは、本発明の様々なタンパク質コンストラクトが、生殖系列復帰16.a.26B細胞受容体(BCR)を発現するB細胞を活性化する能力を示す。グラフは、抗IgM陽性対照(H1陰性対照の使用で活性化なし)(図40A)、H3−ss−npタンパク質コンストラクト(図40B)、H7−ss−npタンパク質コンストラクト(図40C)、およびH10ssFタンパク質コンストラクト(FIG40D)とB細胞との接触に起因するカルシウムの流れ(B細胞活性化を示す)を示す。
図41は、図40A〜Cに示したB細胞活性化アッセイにおいて活性を示したタンパク質コンストラクトのHA部分の配列を示す。インフルエンザHA配列に対して作製した突然変異を枠で囲む。

0026

本発明は、インフルエンザウイルスの新規ワクチンに関する。より具体的には、本発明は、広範囲のインフルエンザウイルスのHAタンパク質のステム領域に対する免疫応答を誘発する新規なグループ2インフルエンザHAタンパク質ベースのワクチンに関する。ワクチンはまた、グループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域の融合前立体構造の免疫原性部分を表面に提示する、自己集合ナノ粒子にも関する。そのようなナノ粒子は、個体にインフルエンザウイルスに対するワクチン接種を行うために有用である。したがって、本発明は、そのようなナノ粒子を製造するためのタンパク質コンストラクト、およびそのようなタンパク質をコードする核酸分子にも関する。さらに、本発明は、本発明のナノ粒子を製造する方法、および個体のワクチン接種のためにそのようなナノ粒子を使用する方法に関する。

0027

本発明を詳しく記載する前に、記載される特定の実施形態は、当然変化し得るので、本発明は記載される特定の実施形態に限定されないと理解すべきである。同様に、本明細書において使用される用語は、単に特定の実施形態を説明する目的のためであり、制限的であることは意図されず、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定されると理解すべきである。

0028

本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形は、文脈が明らかにそれ以外を指示していない限り、複数形を含むことに留意すべきである。例えば、1つの核酸分子は1つまたは複数の核酸分子を指す。そのため、用語「1つの」、「1つまたは複数」、および「少なくとも1つ」は、互換的に使用することができる。同様に、用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」は、互換的に使用することができる。さらに、特許請求の範囲は、任意の要素を除外するように記載されうることに留意されたい。この記載はしたがって、特許請求の範囲における要素の記載に関する「単に」、「のみ」などといった排他的用語の使用、または「否定的な」限定の使用のための先行記述として機能することを意図するものである。

0029

便宜上、本発明のタンパク質コンストラクト、およびその一部を指すためにある特定の省略語を使用することができる。例えば、HAは、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質またはその一部を指すことができる。HA−SSは、インフルエンザHAタンパク質の安定化ステム領域またはステム領域の一部を指す。典型的に、そのような名称のHA部分は、ヘマグルチニンタンパク質の亜型を指しうる。例えば、亜型3ヘマグルチニンの安定化ステム領域は、H3−SSと呼ぶことができる。インフルエンザHAタンパク質膜貫通ドメインに連結したHA−SS(例えば、H3−SS)を含むタンパク質コンストラクトは、HA−SS−TM(例えば、H3−SS−TM)と呼ぶことができる。フェリチン単量体サブユニットに連結したHA−SSを含むタンパク質コンストラクトは、HA−SS−npと呼ぶことができる。そのような名称の後に、特定の変化を含む特定のコンストラクトを示す番号が続くこともある(例えば、H3−SS−np_231(配列番号47))。そのようなコンストラクトはまた、HAssF(例えば、H3ssF_231)と呼ぶこともできることに注意すべきである。本発明のある特定の態様では、HA−SSは、例えばルマジンシンターゼなどの他の単量体サブユニットに連結される。そのようなコンストラクトは、HA−SS−LS(例えば、H3−SS_LS−01(配列番号83))またはHAssL(例えば、H3ssLS−01(配列番号83))という名称でと呼ぶことができる。

0030

上記に加えて、別の明らかな定義がなされない限り、本開示の様々な実施形態に共通である以下の用語および語句の定義を次に記載する。

0031

本書において使用される用語タンパク質コンストラクトは、天然に見出されない配列を含むようにタンパク質のアミノ酸配列が修飾されている、ヒトの手で作製されたタンパク質である。タンパク質コンストラクトは、2つまたはそれより多くのアミノ酸配列が天然に見出されない様式で共有結合により連結されているタンパク質を包含する。連結されるアミノ酸配列は、関連するもの、または関連しないものであり得る。本書において、アミノ酸配列どうしが通常、それらに天然の環境(例えば、細胞内部)において共有結合を介して連結した状態で見出されない場合、それらポリペプチド配列は関連しないものである。例えば、フェリチン単量体サブユニットのアミノ酸配列と、グループ2インフルエンザHAタンパク質のアミノ酸配列とは、通常、共有結合を介して連結した状態で見出されない。このため、それら配列は関連しないものと考える。

0032

タンパク質コンストラクトはまた、関連するアミノ酸配列を含み得る。例えば、インフルエンザHAタンパク質の構造は、ヘッド領域アミノ酸配列の両端にステム領域アミノ酸配列が隣接するという構造である。遺伝的手段を通して、ヘッド領域の中央部からアミノ酸残基を除去し、ステム領域配列が隣接するヘッド領域の一部を維持することによって、HAタンパク質の修飾型を作製することが可能である。そのような最終的な分子において配列の順序は同じに維持されても、アミノ酸間の空間的関係は、天然のタンパク質とは異りうる。このため、そのような分子はタンパク質コンストラクトであると考えうる。本発明に従って、タンパク質コンストラクトはまた、融合タンパク質とも呼ばれ得る。

0033

タンパク質コンストラクトにおけるアミノ酸配列は、互いに直接連結するか、またはリンカーを使用して連結することができる。リンカー、リンカー配列、リンカーペプチド等は、所望の特徴(例えば、構造、エピトープ、免疫原性、活性等)を有する2つのタンパク質を連結するために使用される短い(例えば、2〜20個の)アミノ酸配列である。リンカー配列は典型的に、それ自体は活性を有さず、通常、タンパク質コンストラクトの他の部分を連結し、それによって所望の立体構造をとらせるために使用される。リンカー配列は典型的に、小さいアミノ酸残基および/またはその連続、例えばセリンアラニン、およびグリシンで作製されるが、他のアミノ酸残基の使用も除外されない。例えば、共有結合を形成することができるシステイン残基などのアミノ酸をリンカー配列に含めることが望ましいことがある。

0034

本明細書において使用される免疫原性という用語は、特定のタンパク質またはその特定の領域が、該特定のタンパク質、または該特定のタンパク質と高い同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質に対する免疫応答を誘発する能力を指す。本発明に従って、高い同一性を有する2つのタンパク質は、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも87%同一、少なくとも90%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する。2つのアミノ酸または核酸配列の間のパーセント同一性を決定する方法は、当技術分野で公知である。

0035

本書において、本発明のワクチンまたはナノ粒子に対する免疫応答とは、ワクチンに存在するグループ2HAタンパク質に対する液性および/または細胞性免疫応答が対象において発現することである。本発明の目的に関して、「液性免疫応答」は、分泌型IgA)またはIgG分子を包含する抗体分子によって仲介される免疫応答を指し、「細胞性免疫応答」は、Tリンパ球および/または他の白血球細胞によって仲介される応答である。細胞性免疫の1つの重要な態様は、細胞傷害性T細胞(「CTL」)による抗原特異的応答を伴う。CTLは、細胞の表面上に主要組織適合遺伝子複合体MHC)によってコードされるタンパク質と結合して提示され発現されるペプチド抗原に対して特異性を有する。CTLは、細胞内微生物破壊、またはそのような微生物に感染した細胞の溶解を誘導および促進するために役立つ。細胞性免疫の別の態様は、ヘルパーT細胞による抗原特異的応答を伴う。ヘルパーT細胞は、MHC分子と結合したペプチド抗原を表面上に提示する細胞に対する非特異的エフェクター細胞の機能を助け刺激し、その活性を集中させる。細胞性免疫応答はまた、CD4+およびCD8+T細胞に由来するものを含む、活性化T細胞および/または他の白血球細胞による、サイトカインケモカイン、および他のそのような分子の産生も指す。

0036

したがって、免疫応答は、CTL、および/またはヘルパーT細胞の産生もしくは活性化を刺激する応答であり得る。ケモカインおよび/またはサイトカインの産生も刺激され得る。本開示のワクチンはまた、抗体により仲介される免疫応答も誘発し得る。したがって、免疫応答は、以下の作用のうちの1つまたは複数を含み得る:B細胞による抗体(例えば、IgAまたはIgG)の産生;および/またはサプレッサー細胞傷害性、もしくはヘルパーT細胞、および/またはワクチンに存在するグループ2HAタンパク質に対して特異的なT細胞の活性化。これらの応答は、感染性を中和し(例えば抗体依存的防御)、および/または抗体−補体、または抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を仲介して、免疫した個体に保護を提供するように作用し得る。そのような応答は、当技術分野で周知の標準的なイムノアッセイおよび中和アッセイを使用して決定することができる。

0037

本書において、「抗原性の」、「抗原性」等の用語は、抗体または抗体の群が結合するタンパク質のことを指す。同様に、タンパク質の抗原性部分は、抗体または抗体の群によって認識される任意の部分である。本発明に従って、抗体によるタンパク質の認識は、抗体がタンパク質に選択的に結合することを意味する。本書において使用される、「選択的に結合する」、「選択的結合」等の用語は、試料もしくはアッセイ中の、HAと関連しないタンパク質または非タンパク質構成要素との結合と比較して、HAタンパク質に優先的に結合する抗体の能力を指す。HAに優先的に結合する抗体は、HAに結合するが、試料またはアッセイに存在し得る他の分子または構成要素に有意に結合しない抗体である。有意な結合とは、例えば、試料中の抗インフルエンザ抗体またはHAタンパク質のレベルを検出および/または決定するアッセイ能力を妨害するために十分に大きい親和性またはアビディティでの、非HA分子に対する抗HA分子の結合であると考えられる。試料またはアッセイに存在し得る他の分子および化合物の例には、アルブミンなどの非HAタンパク質、脂質、および炭水化物が挙げられるがこれらに限定されない。本発明に従って、非HAタンパク質は、本書に開示されるインフルエンザHAタンパク質の配列と60%未満の同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質である。一部の実施形態では、抗体または複数の抗体は、広いヘテロサブタイプ防御を提供する。一部の実施形態では、抗体または複数の抗体は中和性である。

0038

本書において、中和抗体とは、インフルエンザウイルスが1ラウンドの複製を完了するのを妨げる抗体である。本書において定義される場合、1ラウンドの複製は、ウイルスの宿主細胞への結合から始まり、新たに形成されたウイルスが宿主細胞から出芽することによって終わるウイルスのライフサイクルを指す。このライフサイクルは、細胞への結合、細胞への侵入、HAタンパク質の切断および再構成ウイルス膜エンドソーム膜との融合、ウイルスリボヌクレオタンパク質細胞質への放出、新規ウイルス粒子の形成、およびウイルス粒子の宿主細胞膜からの出芽、の過程を含むがこれらに限定されない。本発明に従って、中和抗体は、1つまたは複数のそのような過程を阻害する抗体である。

0039

本書において、広範な中和抗体とは、インフルエンザウイルスの1つより多くの型、亜型、および/または株を中和する抗体である。例えば、A型インフルエンザウイルス由来のHAタンパク質に対して誘発された広範な中和抗体は、B型またはC型ウイルスを中和し得る。さらなる例として、グループ2インフルエンザウイルス由来のHAタンパク質に対して誘発された広範な中和抗体は、グループ1ウイルスを中和し得る。さらなる例として、ウイルスの1つの亜型または株由来のHAタンパク質に対して誘発された広範な中和抗体は、ウイルスの別の亜型または株を中和し得る。例えば、H3インフルエンザウイルス由来のHAタンパク質に対して誘発された広範な中和抗体は、H1、H2、H4、H5、H6、H7、H8、H8、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H16、H17、またはH18からなる群から選択される1つまたは複数の亜型のウイルスを中和し得る。

0040

本発明に従って、インフルエンザウイルスを分類するために使用される全ての命名法は当業者によって一般的に使用される命名法である。したがって、インフルエンザウイルスの型またはグループは、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、またはC型インフルエンザを指す。特定の型としてのウイルスの名称が、それぞれのM1(マトリックス)タンパク質またはNP(ヌクレオタンパク質)における配列の差に関連することは当業者によって理解される。A型インフルエンザウイルスは、グループ1およびグループ2にさらに分けられる。これらのグループは、そのHAタンパク質の配列に基づくウイルスの分類を指す亜型にさらに分けられる。現在一般的に認識されている亜型の例は、H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H8、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H16、H17、またはH18である。グループ1インフルエンザ亜型は、H1、H2、H5、H6、H8、H9、H11、H12、H13、H16、H17、およびH18である。グループ2インフルエンザ亜型は、H3、H4、H7、H10、H14、およびH15である。最後に、株という用語は、それらがそのゲノムに小さい遺伝子変異を有するという点において互いに異なる亜型内のウイルスを指す。

0041

本明細書において、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質またはHAタンパク質は、本発明のタンパク質コンストラクトおよびナノ粒子を製造するために有用であるか、または免疫応答を誘発することができる、完全長のインフルエンザヘマグルチニンタンパク質またはその任意の部分を指す。好ましいHAタンパク質は、三量体を形成することができるタンパク質である。完全長のインフルエンザHAタンパク質のエピトープは、同じ(homologous)インフルエンザ株、すなわち当該HAが由来する株に対する抗体応答を誘発することができる、そのようなタンパク質の部分を指す。一部の実施形態では、そのようなエピトープはまた、異なる(heterologous)インフルエンザ株、すなわち当該免疫原のHAの株と同一ではないHAを有する株に対する抗体応答も誘発することができる。一部の実施形態では、エピトープは、広範なヘテロサブタイプ防御的応答を誘発する。一部の実施形態では、エピトープは中和抗体を誘発する。

0042

本明細書において、変異体とは、その配列が参照配列と類似するが同一ではないタンパク質または核酸分子であって、変異体タンパク質(または変異体核酸分子によってコードされるタンパク質)の活性が有意に変化しないタンパク質または核酸分子を指す。そのような配列の変異は、天然に生じる変異であり得るか、または当業者に公知の遺伝子工学技術の使用を通して操作されたものであり得る。そのような技術の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれてる、Sambrook J, Fritsch E F, Maniatis T et al., in Molecular Cloning--A Laboratory Manual, 2nd Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989, pp. 9.31-9.57)、またはCurrent Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1-6.3.6において見出される。

0043

変異体に関して、得られる変異体タンパク質が、インフルエンザウイルスに対する中和抗体または非中和抗体を誘発する能力を保持する限り、アミノ酸または核酸配列における任意の型の変化が許容可能である。そのような変異の例には、欠失、挿入、置換、およびその組合せが挙げられるがこれらに限定されない。例えば、タンパク質に関して、しばしば1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)のアミノ酸を、タンパク質のアミノおよび/またはカルボキシル末端から、そのタンパク質の活性に有意に影響を及ぼすことなく除去できることは、当業者によって十分に理解されている。同様に、1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)のアミノ酸を、タンパク質の活性に有意に影響を及ぼすことなくタンパク質にしばしば挿入することができる。挿入がなされている変異体では、挿入されたアミノ酸は、その後に挿入が行われたアミノ酸残基を参照することによって言及され得る。例えば、アミノ酸残基402の後の4つのアミノ酸残基の挿入は、402a−402dと呼ぶことができる。さらに、それらの挿入されたアミノ酸のうちの1つを、後に別のアミノ酸に置換する場合、そのような変化は、その文字位置を参照することによって言及することができる。例えば、挿入されたグリシン(挿入による追加位置における)のスレオニンでの置換の場合は、S402dTのように呼ぶことができる。

0044

前記のように、本発明の変異体タンパク質は、本書に開示されるインフルエンザHAタンパク質と比較してアミノ酸置換を含み得る。タンパク質の活性が有意に影響を受けない限り、任意のアミノ酸置換が許容可能である。これに関連して、アミノ酸は、その物理的特性に基づいて群に分類することができることが、当分野において認識されている。そのような群の例には、荷電アミノ酸、非荷電アミノ酸、極性非荷電アミノ酸、および疎水性アミノ酸が挙げられるがこれらに限定されない。置換を含む好ましい変異体は、アミノ酸が同じ群のアミノ酸に置換される変異体である。そのような置換は保存的置換と呼ばれる。

0045

天然に存在する残基は、共通の側鎖特性に基づいて群に分割され得る:
1)疎水性:Met、Ala、Val、Leu、Ile;
2)中性親水性:Cys、Ser、Thr;
3)酸性:Asp、Glu;
4)塩基性:Asn、Gln、His、Lys、Arg;
5)鎖の方向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;および
6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。

0046

例えば、非保存的置換は、これらの群の1つのメンバーを、別の群のメンバーに置換することを伴い得る。

0047

アミノ酸の変更を行う場合、アミノ酸のハイドロパシー指数を考慮してもよい。各々のアミノ酸は、その疎水性および荷電特徴に基づくハイドロパシー指数を有する。ハイドロパシー指数は以下のとおりである:イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);スレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタメート(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパルテート(−3.5);アスパラギン(−3.5);リシン(−3.9);およびアルギニン(−4.5)。タンパク質への相互作用生物学的機能の付与においてハイドロパシーアミノ酸指数が重要であることは、当技術分野において一般的に理解されている(Kyte et al., 1982, J. Mol. Biol. 157:105-31)。ある特定のアミノ酸を、類似のハイドロパシー指数またはスコアを有する他のアミノ酸に代えても、類似の生物学的活性が保持されることは公知である。ハイドロパシー指数に基づいて変更を行う場合、ハイドロパシー指数が±2の範囲内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1の範囲内の置換が特に好ましく、±0.5の範囲内の置換がより一層好ましい。

0048

また、類似のアミノ酸の置換を親水性に基づいて有効に行うことができることは、当技術分野において理解される。このことは、それにより作製される、生物学的に機能的に同等のタンパク質またはペプチドが、本発明のような免疫学的発明における使用のために意図される場合に特に当てはまる近接するアミノ酸の親水性によって支配される、タンパク質の最も高い局所的な平均親水性は、その免疫原性および抗原性、すなわちタンパク質の生物学的特性相関する。以下の親水性値がアミノ酸残基に与えられ:アルギニン(+3.0);リシン(+3.0);アスパルテート(+3.0±1);グルタメート(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(−0.4);プロリン(−0.5±1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);およびトリプトファン(−3.4)。類似の親水性値に基づいて変更を行う場合、親水性値が±2の範囲内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1の範囲内であるアミノ酸の置換が好ましく、±0.5の範囲内であるアミノ酸の置換がより一層好ましい。また、親水性に基づいて、一次アミノ酸配列からエピトープを同定し得る。

0049

所望のアミノ酸置換(保存的または非保存的)は、そのような置換が望ましいときに当業者が決定することができる。例えば、アミノ酸置換を使用して、HAタンパク質の重要な残基を同定することができ、または本書に記載のHAタンパク質の免疫原性、溶解性、もしくは安定性を増加もしくは減少することができる。例示的なアミノ酸置換を以下の表1に示す。

0050

0051

本明細書において使用される語句「タンパク質活性に有意に影響を及ぼす」は、タンパク質の活性の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%の減少を指す。本発明に関して、そのような活性は、例えばタンパク質がインフルエンザウイルスに対して防御抗体を誘発する能力として測定してもよい。そのような活性は、インフルエンザウイルスに対するそのような抗体の力価を測定すること、そのような抗体がインフルエンザ感染に対して防御する能力を測定すること、または誘発された抗体によって中和される型、亜型、もしくは株の数を測定すること、によって測定され得る。抗体力価を決定する、防御アッセイを実施する、およびウイルス中和アッセイを実施する方法は、当業者に公知である。上記の活性に加えて、測定され得る他の活性には、赤血球凝集能、および細胞に対するタンパク質の結合親和性が挙げられる。そのような活性を測定する方法は当技術分野で公知である。

0052

個体、対象、および患者という用語は、当技術分野で周知であり、本書においてインフルエンザ感染に感受性の任意のヒトまたは他の動物を指すために互換的に使用される。例には、ヒト、ならびに非ヒト霊長類、例えばチンパンジーおよび他の類人猿およびサル種を含む他の霊長類家畜、例えばウシヒツジブタアザラシヤギ、およびウマペット哺乳動物、例えばイヌおよびネコ齧歯類を含む実験動物、例えばマウス、ラットおよびモルモット;家畜、野生、および競技鳥類を含む鳥類、例えばニワトリ七面鳥、および他のキジ目トリ、アヒルガチョウ等が挙げられるがこれらに限定されない。個体、対象、および患者という用語はそれ自身、特定の年齢性別人種等を指すものではない。したがって、を問わず任意の年齢の個体が、本開示の範囲に含まれると意図され、それには、高齢者成人小児新生児乳児、および幼児が含まれるがこれらに限定されない。同様に、本発明の方法は、例えばコーカソイド白人)、アフリカ系アメリカ人(黒人)、ネイティブアメリカン、ネイティブハワイアン、ヒスパニックラテンアメリカ人、アジア人、およびヨーロッパ人を含む任意の人種に適用され得る。感染した対象とは、その身体にインフルエンザウイルスを有することがわかっている対象である。

0053

本明細書において、ワクチン接種された対象とは、インフルエンザウイルスに対する防御効果を提供することが意図されるワクチンが投与された対象である。

0054

本明細書において使用される、「曝露される」、「曝露」等の用語は、対象が、インフルエンザウイルスに感染していることがわかっているヒトまたは動物に接触することを指す。

0055

本書において議論する刊行物は、単に、本願の出願日前のその開示のために提供される。本書におけるいかなるものも、本発明が、先行発明の故に刊行物の先行技術を回避する権利がないと認めるものと解釈してはならない。さらに、提供される刊行物の日付は、実際の刊行の日付とは異なり得るので、個々に確認する必要があり得る。

0056

異なる定義がなされない限り、本書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本書に記載の方法および材料と類似または同等の任意の方法および材料を、本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料を次に記載する。本書において言及する刊行物は全て、参照により、刊行物が引用される内容に関連して方法および/または材料を開示および記載するために本書に組み込まれる。

0057

明解のために個別の実施形態の文脈において記載される本発明のある特徴は、単一の実施形態中に組み合わせて提供されてもよいと認識される。逆に、簡潔のために単一の実施形態の文脈において記載される本発明の複数の特徴は、個別に、または任意の適当なサブコンビネーションとして提供されてもよいと認識される。実施形態の全ての組合せが本発明によって具体的に包含され、それぞれの組合せが全て、個々におよび明白に本書において開示されているかのように、本書において開示される。加えて、全てのサブコンビネーションも本発明に具体的に包含され、それぞれのサブコンビネーションが全て、個々におよび明白に本書において開示されているかのように、本書において開示される。

0058

本発明の一実施形態は、グループ2インフルエンザHAタンパク質を含むタンパク質コンストラクトであって、グループ2インフルエンザHAタンパク質のヘッド領域が、インフルエンザHAタンパク質のヘッド領域からの5個未満の連続アミノ酸残基を含むアミノ酸配列で置き換えられているタンパク質コンストラクトである。本明細書において、グループ2HAタンパク質とは、本発明のタンパク質コンストラクトおよびナノ粒子の製造のために有用である、グループ2インフルエンザウイルスの完全長のインフルエンザHAタンパク質、またはその任意の部分/複数の部分および/または変異体を指す。したがって、本発明は、グループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に対する免疫応答を誘発することができる分子を対象とする。一部の実施形態では、HAタンパク質コンストラクトの配列は、免疫系に提示可能な形態でのタンパク質のステム領域の安定化のために、さらに変化(すなわち、突然変異)されている。本発明を実施するために有用なグループ2インフルエンザHAタンパク質、およびそれから作製されたタンパク質コンストラクトの例を、以下の表2に示す。

0059

0060

上に挙げたインフルエンザウイルスおよびそれ由来の配列は、例示的であり、本発明を実施するために、他の任意のグループ2インフルエンザウイルス、それ由来の配列およびタンパク質を使用することができる。

0061

ウイルスの表面上の三量体HAタンパク質は、球状のヘッド領域と、HAタンパク質をウイルス脂質エンベロープに固定させるステムまたは領域とを含む。インフルエンザHAのヘッド領域は、HA1ポリペプチドの主要な部分のみから形成され、茎部分は、HA1およびHA2のセグメントで構成される。本発明に従って、ヘッド領域は、A型インフルエンザウイルスの完全長HAタンパク質(A/デンマーク/35/2005(H3N2))(配列番号4)のアミノ酸60〜329におおよそ対応する、グループ2インフルエンザHAタンパク質のアミノ酸からなる。同様に、本書において、ステム領域は、A型インフルエンザウイルスの完全長のHAタンパク質(A/デンマーク/35/2005(H3N2))(配列番号4)のアミノ酸1〜59および330〜519に対応する、グループ2インフルエンザHAタンパク質のアミノ酸配列から形成される。本書において、ヘッドおよびステム領域に関連して用いられる、「おおよそ」という用語は、上記で引用した配列が、本発明の性質に影響を及ぼすことなく数個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)のアミノ酸分の長さが異なり得ることを意味する。このため、例えば、ヘッド領域は、アミノ酸64〜329、アミノ酸60〜326、またはアミノ酸62〜327からなり得る。通常、ヘッドおよびステム領域は、上記で列挙した位置から10アミノ酸分より多くは異ならない。本発明のある特定の態様では、ヘッド領域は、A型インフルエンザウイルス(A/デンマーク/35/2005(H3N2))(配列番号4)のCys68およびCys321に対応するアミノ酸残基の間のアミノ酸配列(それら両端のアミノ酸残基を含む)からなる。HAタンパク質に関して、異なるインフルエンザウイルス由来のHAタンパク質は、タンパク質における配列の差(挿入、欠失)により異なる長さを有し得ることは当業者によって理解される。このため、対応する領域とは、比較される領域と、配列、構造、および/または機能において同一である、またはほぼ同一(例えば、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一)である別のタンパク質の領域を指す。例えば、HAタンパク質のステム領域に関して、別のHAタンパク質における対応する領域は、同じ残基数を有さない場合もあるが、ほぼ同一の配列を有し、同じ機能を示しうる。一例として、上記の実施形態では、A型インフルエンザウイルス由来のHAタンパク質(A/デンマーク/35/2005(H3N2))(配列番号4)のヘッド領域は、アミノ酸60で始まる。A/ニューカレドニア/20/1999(H1)におけるヘッド領域の開始部の対応するアミノ酸は、アミノ酸C60である。ウイルス間の配列比較をより明確にするために、アミノ酸位置を参照配列と関連させる、当分野のものによるナンバリングシステムを使用する。したがって、異なるインフルエンザ株由来のHAタンパク質における対応するアミノ酸残基は、タンパク質のN末端アミノ酸からの距離に関する残基番号が同じでなくてもよい。例えば、H3ナンバリングシステムを使用する場合、A/ニューカレドニア/20/1999(1999NC,H1)における残基100は、それが、N末端アミノ酸から100番目の残基であることを意味しない。そうではなくて、A/ニューカレドニア/20/1999(1999 NC,H1)の残基100は、インフルエンザH3N2株の残基100にアラインする。そのようなナンバリングシステムの使用は当業者によって理解されている。H3ナンバリングシステムは、アミノ酸の位置を特定するために使用することができるが、HAタンパク質中のアミノ酸残基の位置は、異なる記載がなされない限り、本書に開示される配列由来の対応するアミノ酸の位置の一般的言及によって特定され得る。

0062

本発明者らはまた、インフルエンザウイルスHAタンパク質の特定の配列を、関連のないタンパク質、およびそれから作られる、HAタンパク質を免疫系に提示することができるナノ粒子と組み合わせることによって、標的とするHAタンパク質領域に対する免疫応答を誘発できることを見出した。したがって、本発明の一実施形態は、単量体サブユニットタンパク質の少なくとも一部に連結したグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質を含むタンパク質コンストラクトであって、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のヘッド領域が、インフルエンザHAタンパク質のヘッド領域からの5個未満の連続アミノ酸残基を含むアミノ酸配列で置き換えられており、タンパク質コンストラクトがナノ粒子を形成することができる、タンパク質コンストラクトである。

0063

グループ2インフルエンザHAタンパク質の少なくとも一部を単量体サブユニットに連結させることによって、本発明のタンパク質コンストラクトは、グループ2インフルエンザHAタンパク質の三量体を表面上に発現するナノ粒子に集合することができる。そのような三量体は、融合前形態のものであり、単量体サブユニットへの連結、およびそのナノ粒子上での発現によって、融合前の三量体形態のタンパク質は安定化される。このため、HAタンパク質は、よりネイティブな形態で提示され、これは、ステムポリペプチドのある特定の表面が露出しないことを意味し、それによってステムポリペプチドが望ましくない抗体応答を誘導し得るリスクを低減させることができる。

0064

ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域由来の少なくとも1つの免疫原性部分を含み、タンパク質コンストラクトは、インフルエンザウイルスに対する防御抗体を誘発する。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、H3インフルエンザウイルスHAタンパク質、H4インフルエンザウイルスHAタンパク質、H7インフルエンザウイルスHAタンパク質、H10インフルエンザウイルスHAタンパク質、H14インフルエンザウイルスHAタンパク質、およびH15インフルエンザウイルスHAタンパク質からなる群から選択されるHAタンパク質のステム領域由来の少なくとも1つの免疫原性部分を含む。

0065

ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、配列番号4〜配列番号26からなる群から選択される配列と、少なくとも80%、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むタンパク質のHA部分に由来する、少なくとも1つの免疫原性部分を含む。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、配列番号4〜配列番号26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質のHA部分に由来する、少なくとも1つの免疫原性部分を含む。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、配列番号47〜配列番号159からなる群から選択される配列と、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むタンパク質のHA部分に由来する、少なくとも1つの免疫原性部分を含む。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、配列番号47〜配列番号159からなる群から選択される配列と、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むタンパク質のHA部分に由来する、少なくとも1つの免疫原性部分を含む。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、配列番号47〜配列番号159からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質のHA部分に由来する、少なくとも1つの免疫原性部分を含む。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、配列番号47〜配列番号159からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質のHA部分に由来する、少なくとも1つの免疫原性部分を含む。一実施形態では、グループ2インフルエンザHAタンパク質の免疫原性部分を含むタンパク質コンストラクトは、インフルエンザウイルスに対する広範な防御抗体の産生を誘発する。

0066

タンパク質の免疫原性部分は、免疫系によって認識されるアミノ酸残基のクラスタであるエピトープを含み、それによって免疫応答を誘発することができる。そのようなエピトープは、連続するアミノ酸残基(すなわち、タンパク質において互いに隣接するアミノ酸残基)からなり得るか、またはそれらは、最終的に折り畳まれたタンパク質において空間的に近い位置に存在する不連続なアミノ酸残基(すなわち、タンパク質において互いに隣接しないアミノ酸残基)からなり得る。エピトープが免疫系によって認識されるためには、最少で6アミノ酸残基を必要とすることは当業者に周知である。したがって、ある特定の態様では、グループ2インフルエンザHAタンパク質の免疫原性部分は、少なくとも1つのエピトープを含む。一実施形態では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、グループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域由来の少なくとも6アミノ酸、少なくとも10アミノ酸、少なくとも25アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、少なくとも75アミノ酸、または少なくとも100アミノ酸を含む。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、H3インフルエンザウイルスHAタンパク質、H4インフルエンザウイルスHAタンパク質、H7インフルエンザウイルスHAタンパク質、H10インフルエンザウイルスHAタンパク質、H14インフルエンザウイルスHAタンパク質、およびH15インフルエンザウイルスHAタンパク質からなる群から選択されるグループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域由来の少なくとも6アミノ酸、少なくとも10アミノ酸、少なくとも25アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、少なくとも75アミノ酸、または少なくとも100アミノ酸を含む。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、表2に記載されるウイルスから選択されるインフルエンザウイルスのHAタンパク質と少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するグループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に由来する少なくとも6アミノ酸、少なくとも10アミノ酸、少なくとも25アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、少なくとも75アミノ酸、または少なくとも100アミノ酸を含む。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、表2に記載されるウイルスおよびその変異体から選択されるインフルエンザウイルスのグループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に由来する少なくとも6アミノ酸、少なくとも10アミノ酸、少なくとも25アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、少なくとも75アミノ酸、または少なくとも100アミノ酸を含む。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、配列番号4〜配列番号26からなる群から選択される配列と少なくとも80%、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、または少なくとも99%同一である配列を含むグループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に由来する少なくとも6アミノ酸、少なくとも10アミノ酸、少なくとも25アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、少なくとも75アミノ酸、または少なくとも100アミノ酸を含む。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、配列番号4〜配列番号26からなる群から選択される配列を含むグループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に由来するの少なくとも6アミノ酸、少なくとも10アミノ酸、少なくとも25アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、少なくとも75アミノ酸、または少なくとも100アミノ酸を含む。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、配列番号47〜配列番号159からなる群から選択される配列と少なくとも80%、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、または少なくとも99%同一である配列を含むタンパク質のHA部分に由来するの少なくとも6アミノ酸、少なくとも10アミノ酸、少なくとも25アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、少なくとも75アミノ酸、または少なくとも100アミノ酸を含む。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部は、配列番号47〜配列番号159からなる群から選択される配列を含むタンパク質のHA部分に由来する少なくとも6アミノ酸、少なくとも10アミノ酸、少なくとも25アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、少なくとも75アミノ酸、または少なくとも100アミノ酸を含む。

0067

本発明のある特定の態様では、前記アミノ酸は、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域由来の連続するアミノ酸である。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域由来の少なくとも6アミノ酸、少なくとも10アミノ酸、少なくとも25アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、少なくとも75アミノ酸、または少なくとも100アミノ酸を含む本発明のタンパク質コンストラクトは、インフルエンザウイルスに対する広範な防御抗体の産生を誘発する。本発明のある特定の態様では、タンパク質コンストラクトは、配列番号4〜配列番号26からなる群から選択される配列と少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域に由来する少なくとも6アミノ酸、少なくとも10アミノ酸、少なくとも25アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、少なくとも75アミノ酸、または少なくとも100アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、タンパク質コンストラクトは、配列番号4〜配列番号26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域に由来する少なくとも6アミノ酸、少なくとも10アミノ酸、少なくとも25アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、少なくとも75アミノ酸、または少なくとも100アミノ酸を含む。ある特定の態様では、前記アミノ酸は不連続であるが、最終的なタンパク質において空間的に近い位置に存在する。

0068

本出願は、いくつかの例示的なグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質由来のステム領域配列の使用を例示するが、本発明は、開示されるグループ2インフルエンザHA配列の変異配列を含むタンパク質に由来するステム領域を使用しても同様に実施され得る。したがって、本発明のある特定の態様では、グループ2インフルエンザHAタンパク質は、表2に記載されるグループ2ウイルスおよびその変異体から選択されるウイルスに由来する。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質は、配列番号4〜配列番号26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも96%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。ある特定の態様では、グループ2インフルエンザHAタンパク質は、配列番号4〜配列番号26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。

0069

本発明のある特定の態様では、タンパク質コンストラクトにおいて、HAタンパク質のヘッド領域配列は、リンカー配列で置き換えられている。ステム領域配列が所望の立体構造をとることができる限り、任意のリンカー配列を使用してよい。任意のアミノ酸を使用してリンカー配列を作製してよいが、本発明のある特定の態様では、そのようなアミノ酸は、大きい側鎖または荷電側鎖を欠如する。使用するために好ましいアミノ酸には、システイン、セリン、グリシン、アラニン、バリン、およびプロリンが挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態では、リンカーは、セリン、グリシン、システイン、バリン、プロリン、および/またはフェニルアラニン残基からなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸から作製される。ある特定の実施形態では、別のアミノ酸とジスルフィド結合などの共有結合を形成することができる側鎖を有するアミノ酸残基を含めることが有利であり得る。そのようなアミノ酸の一例はシステインである。リンカー配列の長さは多様であり得るが、好ましい実施形態は、ステム配列に所望の構造を形成させるために、可能な最短の配列を使用する。ある特定の態様では、リンカー配列は、12個未満のアミノ酸長である。一実施形態では、リンカー配列は、10個未満のアミノ酸長である。一実施形態では、リンカー配列は、5個未満のアミノ酸長である。好ましい実施形態では、リンカー配列は、HAタンパク質のヘッド領域由来の連続するアミノ酸配列を欠如する。ある特定の態様では、リンカー配列は、HAタンパク質のヘッド領域由来の5個未満の連続アミノ酸を含む。ある特定の態様では、ヘッド領域配列は、配列番号34、配列番号35、またはその変異体を含むアミノ酸配列で置き換えられる。

0070

本発明者らはまた、開示されるタンパク質コンストラクトのグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質に対してさらなる変更を加えることによって、本発明のタンパク質コンストラクトおよびナノ粒子の安定性を改善できることを見出した。例えば、本発明者らは、ヘリックスAの長さを伸長させると、本発明のタンパク質コンストラクトの性能が改善されることを見出した。したがって、一実施形態は、ヘリックスAがアミノ酸の付加によって伸長されている本発明のタンパク質コンストラクトである。一実施形態は、本発明のタンパク質コンストラクトであって、タンパク質コンストラクトが、単量体サブユニットの少なくとも一部に連結したグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質を含み、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のヘッド領域が、インフルエンザHAタンパク質のヘッド領域由来の5個未満の連続アミノ酸残基を含むアミノ酸配列で置き換えられており、ヘリックスAのカルボキシル末端(すなわち、ヘリックスCのアミノ末端に連結する部分)が、アミノ酸残基の付加によって伸長されている、タンパク質コンストラクトである。目的とするのはヘリックスの伸長であるから、ヘリックスAのカルボキシ末端に付加されるアミノ酸の配列は、好ましくはヘリックスを形成すべきであることを認識すべきである。本発明のある特定の態様では、ヘリックスAの長さは、配列番号36もしくは37またはそのヘリックス形成変異体を含むアミノ酸配列を、ヘリックスAのカルボキシル末端に付加することによって伸長する。本発明のある特定の態様では、ヘリックスAの長さは、X1LMX2Qを含むか、もしくはそれからなる配列、またはそのヘリックス形成変異体を、ヘリックスAのカルボキシル末端に付加することによって伸長し、ここで、位置X1およびX2のアミノ酸は、酸性アミノ酸である。X1およびX2は、同じアミノ酸残基であり得るが、必ずしもその必要はないことに注意すべきである。ある特定の態様では、そのようなリンカーの第1および第4位の残基は、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、グリシン、およびプロリンからなる群から選択される。一実施形態では、ヘリックスAは、配列番号36もしくは37からなるアミノ酸配列またはそのヘリックス形成変異体を、ヘリックスAのカルボキシル末端に付加することによって伸長する。本発明のある特定の態様では、ヘリックスAの長さは、ALMAQもしくはELMEQを含む配列またはそのヘリックス形成変異体を、ヘリックスAのカルボキシル末端に付加することによって伸長する。本発明のある特定の態様では、ヘリックスAの長さは、ALMAQもしくはELMEQからなる配列またはそのヘリックス形成変異体を、ヘリックスAのカルボキシル末端に付加することによって伸長する。

0071

ヘリックスAの伸長に加えて、本発明者らは、ヘリックスAのカルボキシル末端をヘリックスCのアミノ末端に連結させるアミノ酸配列(本書において、ヘリックス間領域またはヘリックス間ループとも呼ばれ、その一例は配列番号38によって表される)の修飾が、本発明のタンパク質コンストラクトおよびナノ粒子の安定性および性能を改善することを見出した。より詳しくは、本発明者らは、ヘリックス間領域の長さを短縮すると、本発明のタンパク質コンストラクトおよびナノ粒子の安定性および性能を改善することを見出した。したがって、本発明のある特定の態様では、本発明のタンパク質コンストラクトにおいてヘリックスAのカルボキシル末端をヘリックスCのアミノ末端に連結するアミノ酸配列を、本発明のタンパク質コンストラクトの安定性を改善するように修飾する。本発明のタンパク質コンストラクトの安定性を改善することは、本発明のタンパク質コンストラクトの三次元構造、特に本発明のタンパク質コンストラクトのステム領域の三次元構造を安定化させて、ネイティブのグループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域の三次元構造に類似させ、グループ2インフルエンザウイルスに対する免疫応答を誘発することができることを意味すると認識すべきである。したがって、本発明のある特定の態様では、本発明のタンパク質コンストラクトのヘリックス間領域は短縮される。そのような短縮は、既存のヘリックス間領域からアミノ酸を除去することによって、またはヘリックス間領域のアミノ酸をリンカー配列で置き換えることによって達成することができる。ある特定の態様では、本発明のタンパク質コンストラクトのヘリックス間領域を、6個未満のアミノ酸に短縮する。ある特定の態様では、ヘリックス間領域のアミノ酸を、リンカー配列で置き換える。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質(配列番号4)のヘリックス間領域に対応するヘリックス間領域のアミノ酸を、リンカー配列で置き換える。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質(配列番号4)のアミノ酸402〜437に対応するヘリックス間領域のアミノ酸を、リンカー配列で置き換える。本発明のある特定の態様では、配列番号4のアミノ酸402〜437を含むヘリックス間領域を、リンカー配列で置き換える。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質(配列番号4)の配列番号38によって表される領域に対応するヘリックス間領域を、リンカー配列で置き換える。本発明のある特定の態様では、配列番号38と少なくとも90%、少なくとも97%、少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のヘリックス間領域を、リンカー配列で置き換える。一実施形態では、配列番号38を含むグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の領域を、リンカー配列で置き換える。本発明のある特定の態様では、配列番号38からなるグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の領域を、リンカー配列で置き換える。本発明のある特定の態様では、ヘリックス間領域を、GGPD(配列番号39)を含むリンカー配列で置き換える。本発明のある特定の態様では、配列番号4のアミノ酸402〜437に対応するヘリックス間領域を、GGPDからなるペプチドの物理的、空間的、および/または化学的特性を有するリンカー配列で置き換える。本発明のある特定の態様では、配列番号4のアミノ酸402〜437に対応するヘリックス間領域を、ヘリックスを形成する傾向を有するリンカー配列で置き換える。本発明のある特定の態様では、配列番号4のアミノ酸402〜437に対応するヘリックス間領域を、GGPD(配列番号39)を含むリンカー配列またはその保存的変異体で置き換える。本発明のある特定の態様では、ヘリックス間領域を、GGPDからなるリンカー配列で置き換える。

0072

先に述べたように、本発明のタンパク質コンストラクトは、本書に記載の突然変異および配列変化の1つ、いくつか、または全てを含み得る。したがって、例えば、上記のようなヘリックスAが伸長しているタンパク質コンストラクトもまた、上記のような短縮されたヘリックス間領域またはリンカー配列で置き換えられたヘリックス間領域を有することができる。したがって、本発明の一態様は、単量体サブユニットタンパク質の少なくとも一部に連結したグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質を含むタンパク質コンストラクトであって、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のヘッド領域が、インフルエンザHAタンパク質のヘッド領域由来の5個未満の連続アミノ酸残基を含むアミノ酸配列で置き換えられており、ヘリックス間領域が、短縮されているか、またはリンカー配列で置き換えられており、およびタンパク質コンストラクトがナノ粒子を形成することができるタンパク質コンストラクトである。HAタンパク質ヘッド領域を置き換える方法、ヘリックス間領域を短縮または置き換える方法を、本書に開示する。ヘリックスAのカルボキシル末端がアミノ酸の付加によって伸長している実施形態では、ヘリックス間領域が、ヘリックスCのアミノ末端をヘリックスAの伸長配列のカルボキシル末端に結合させるリンカーで置き換えられ得ると理解すべきである。

0073

本発明者らは、グループ2インフルエンザウイルスステム領域の配列中に部位特異的突然変異を作製することによって、本発明のタンパク質コンストラクトの安定性を改善できることをさらに見出した。特に、イオン結合、塩架橋を形成する突然変異、疎水性パッキングを増加させる突然変異等は、本発明のタンパク質コンストラクトおよびナノ粒子の安定性を増強することができる。したがって、本発明のある特定の態様では、本発明のタンパク質コンストラクトは、イオン相互作用もしくは塩架橋を形成もしくは強化する、または疎水性パッキングを増加させる、1つもしくは複数の突然変異を含む。本発明のタンパク質コンストラクトの安定性を増加させるという所望の効果を有する任意のタイプの突然変異を作製することができるが、置換突然変異が好ましい。本発明のある特定の態様では、突然変異は、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質において、配列番号4におけるK396、L397、L400、S438、N440、E448、T452、およびN461からなる群から選択される位置に対応するアミノ酸位置で作製される。一実施形態では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のK396に対応するアミノ酸を、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、およびバリンからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のK396に対応するアミノ酸を、メチオニンまたはロイシンに変更する。一実施形態では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のL397に対応するアミノ酸を、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、およびバリンからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のL397に対応するアミノ酸を、バリンに変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のL400に対応するアミノ酸を、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、およびバリンからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のL400に対応するアミノ酸を、バリンに変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のS438に対応するアミノ酸残基を、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、およびシステインからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のS438に対応するアミノ酸を、システインに変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のN440に対応するアミノ酸を、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、およびバリンからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のN440に対応するアミノ酸を、ロイシンに変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のE448に対応するアミノ酸を、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、およびバリンからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のE448に対応するアミノ酸を、ロイシンに変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のT452に対応するアミノ酸残基を、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、およびバリンからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のT452に対応するアミノ酸を、バリンに変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のN461に対応するアミノ酸を、ヒスチジン、リシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のN461に対応するアミノ酸を、ヒスチジン、リシン、およびアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のN461に対応するアミノ酸を、アルギニンに変更する。

0074

本発明のタンパク質コンストラクトを安定化させ得るさらなる突然変異は、配列番号4におけるG39、T46、N54、T58、L331、N338、およびQ392からなる群から選択される位置に対応するアミノ酸位置での突然変異を含む。そのような位置での突然変異は、挿入されるアミノ酸が、本書において示唆されるアミノ酸と特性が類似する突然変異を含み得ると理解すべきである。

0075

本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のG39に対応するアミノ酸を、システイン、セリン、スレオニン、プロリン、アスパラギン、およびグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のG39に対応するアミノ酸を、システインに変更する。

0076

本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のT46に対応するアミノ酸を、システイン、セリン、スレオニン、プロリン、アスパラギン、およびグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルスA(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のT46に対応するアミノ酸を、システインに変更する。

0077

本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のN54に対応するアミノ酸を、ヒスチジン、アルギニン、およびリシンからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のN54に対応するアミノ酸を、ヒスチジンに変更する。

0078

本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のT58に対応するアミノ酸を、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、およびバリンからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のT58に対応するアミノ酸を、ロイシンに変更する。

0079

本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のL331に対応するアミノ酸を、ヒスチジン、アルギニン、およびリシンからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のL331に対応するアミノ酸を、リシンに変更する。

0080

本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のN338に対応するアミノ酸を、システイン、セリン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、およびスレオニンからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のN338に対応するアミノ酸を、システインに変更する。

0081

本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のQ392に対応するアミノ酸を、システイン、セリン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、およびスレオニンからなる群から選択されるアミノ酸残基に変更する。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のQ392に対応するアミノ酸を、システインに変更する。

0082

上記に加えて、本発明者らは、グリカン結合部位を付加する突然変異が有益であり得ることを見出した。したがって、本発明のある特定の態様では、タンパク質コンストラクトは、Q49N/E51T(グループ1グリカンを付加する突然変異)、E56N/V59T(ヘッドリンカーおよび隣接する残基における突然変異)、V59N/P61T(ヘッドリンカーにおける突然変異)、G62N/G64T(ヘッドリンカーにおける突然変異)、V329N/L331T(ヘッドリンカーおよび隣接する残基における突然変異)、L331N/L333T、D437N/Y439T(ヘリックス間リンカーおよび隣接する残基における突然変異)、Q432N/G434T(挿入されたG)(ヘリックス間リンカーおよび隣接する残基における突然変異)、Q372N/S374T、およびA492N/I494Tからなる群から選択される、1つもしくは複数の突然変異、または1つもしくは複数の組の突然変異を含む。

0083

さらに、本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザウイルス(デンマーク/35/2005(H3N2)HAタンパク質(配列番号4)のアミノ酸339〜357に対応するループを、グリシンリンカーで置き換えることができる。

0084

先に述べたように、本発明のタンパク質コンストラクトは、本書に記載の突然変異および配列変化の1つ、いくつか、または全てを含み得る。したがって、例えば、本書に記載されるようなヘリックスAが伸長しているタンパク質コンストラクトは、本書に記載されるような短縮されたヘリックス間領域またはリンカー配列で置き換えられたヘリックス間領域をも有することができ、本書に記載の部位特異的突然変異の1つまたは複数をも含み得る。したがって、本発明の一態様は、単量体サブユニットタンパク質の少なくとも一部に連結したグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質を含むタンパク質コンストラクトであって、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のヘッド領域がインフルエンザHAタンパク質のヘッド領域由来の5個未満の連続アミノ酸残基を含むアミノ酸配列で置き換えられており、ヘリックス間領域が短縮されているか、またはリンカー配列で置き換えられており、タンパク質コンストラクトのHA部分が、配列番号4におけるK396、L397、L400、S438、N440、E448、T452、N461、G39、T46、N54、T58、L331、N338、およびD437からなる群から選択される位置に対応する位置における1つまたは複数の部位特異的突然変異を含み、タンパク質コンストラクトが、ナノ粒子を形成することができる、タンパク質コンストラクトである。そのようなコンストラクトはまた、Q49N/E51T、E56N/V59T(ヘッドリンカーおよび隣接する残基における突然変異)、V59N/P61T(ヘッドリンカーにおける突然変異)、G62N/G64T(ヘッドリンカーにおける突然変異)、V329N/L331T(ヘッドリンカーおよび隣接する残基における突然変異)、L331N/L333T、D437N/Y439T(ヘリックス間リンカーおよび隣接する残基における突然変異)、Q432N/G434T(挿入されたG)(ヘリックス間リンカーおよび隣接する残基における突然変異)、Q372N/S374T、およびA492N/I494Tからなる群から選択される、1つもしくは複数の突然変異、または1つもしくは複数の組の突然変異を含み得る。HAタンパク質ヘッド領域を置き換える、ヘリックスAを伸長させる、ヘリックス間領域を短縮または置き換える、および適した部位特異的突然変異を導入する方法は、本書において開示される。ヘリックスAのカルボキシル末端がアミノ酸の付加によって伸長している実施形態では、ヘリックス間領域を、ヘリックスCのアミノ末端をヘリックスAの伸長配列のカルボキシル末端に連結させるリンカーで置き換え得ると理解すべきである。

0085

ここまで、ナノ粒子ワクチンを製造するために有用な本発明のタンパク質コンストラクトの特定の態様を記述してきた。本発明を明解にするよう、本発明者らは次に、様々な態様を、選択肢を示して、また、より詳細に記載する。以下に記載される本発明の態様は、本書において上記したタンパク質コンストラクトの実施形態および態様にも当てはめられると理解すべきである。

0086

本発明のタンパク質コンストラクトは、組換え技術を使用して、グループ3インフルエンザHAタンパク質の様々な部分を連結し、それに対して配列変化を導入して作製することができる。また、組換え技術を使用して、適切なリンカーおよび単量体サブユニットを付加することができる。このようにして、本発明のタンパク質コンストラクト、および結果として本発明のナノ粒子ワクチンを製造するために必要な特定の配列を含むタンパク質コンストラクトを製造することができる。したがって、本発明の一態様は、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域由来の第1のアミノ酸配列、およびグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域由来の第2のアミノ酸配列を含むタンパク質コンストラクト(本明細書において融合タンパク質とも呼ぶ)であって、第1および第2のアミノ酸配列がリンカー配列によって共有結合により連結され、
第1のアミノ酸配列が、ヘッド領域配列のアミノ末端の上流のアミノ酸配列由来の少なくとも20個の連続アミノ酸を含み、
第2のアミノ酸配列が、ヘッド領域配列のカルボキシル末端の下流のアミノ酸配列ユリアの少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含み、および
タンパク質コンストラクトがナノ粒子を形成することができるように、第1または第2のアミノ酸配列が単量体サブユニットドメインの少なくとも一部に連結する
タンパク質コンストラクトである。

0087

本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、H3インフルエンザウイルスHAタンパク質、H4インフルエンザウイルスHAタンパク質、H7インフルエンザウイルスHAタンパク質、H10インフルエンザウイルスHAタンパク質、H14インフルエンザウイルスHAタンパク質、およびH15インフルエンザウイルスHAタンパク質からなる群から選択されるウイルス由来グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域に由来する。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、表2に記載されるグループ2ウイルスに由来するHAタンパク質のステム領域に由来する。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、グループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に由来し、HAタンパク質は、配列番号4〜配列番号26および配列番号47〜配列番号159からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、グループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に由来し、HAタンパク質は、配列番号4〜配列番号26および配列番号47〜配列番号159からなる群から選択される配列を含む。

0088

本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、H3インフルエンザウイルス、H4インフルエンザウイルス、H7インフルエンザウイルス、H10インフルエンザウイルス、H14インフルエンザウイルス、およびH15インフルエンザウイルスからなる群から選択されるウイルスに由来するグループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に由来する。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、表2に記載されるグループ2ウイルスに由来するHAタンパク質のステム領域に由来する。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域に由来し、HAタンパク質は、配列番号4〜配列番号26および配列番号47〜配列番号159からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号4〜配列番号26および配列番号47〜配列番号159からなる群から選択される配列を含むグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域に由来する。

0089

上記のように、第1のアミノ酸配列は、ヘッド領域配列のアミノ末端の上流のアミノ酸配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。本発明に従って、上流という用語は、ヘッド領域の第1のアミノ酸残基のアミノ末端に連結したアミノ酸配列の全体を指す。好ましい上流の配列は、ヘッド領域配列に直接に隣接する配列である。本発明のある特定の態様では、ヘッド領域のアミノ末端は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質(配列番号4)のHAタンパク質のQ60に対応するアミノ酸残基に位置する。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号4によって表されるA型インフルエンザデンマーク/35/2005(H3N2))のHAタンパク質のアミノ酸残基1〜59に対応するグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質領域に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27、配列番号28、および配列番号29からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27、配列番号28、および配列番号29からなる群から選択される配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。

0090

本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、A型インフルエンザデンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質(配列番号4)のアミノ酸残基1〜59に対応するHAタンパク質アミノ酸領域に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27または配列番号28と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27または配列番号28に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基を含む。

0091

本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列を含む。一実施形態では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27を含む。

0092

上記のように、第2のアミノ酸配列は、ヘッド領域配列のカルボキシル末端の下流のアミノ酸配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。本発明に従って、下流という用語は、ヘッド領域のカルボキシル末端アミノ酸残基に連結したアミノ酸配列の全体を指す。好ましい上流の配列は、ヘッド領域配列に直接に隣接する配列である。本発明のある特定の態様では、ヘッド領域のカルボキシル末端は、配列番号4によって表されるA型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質のHAタンパク質のT329に対応するアミノ酸位置に位置する。したがって、本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005)(H3N2)HAタンパク質のアミノ酸残基330〜519に対応するグループ2インフルエンザHAタンパク質領域に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))(配列番号4)のアミノ酸残基330〜519を含むグループ2インフルエンザHAタンパク質領域に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸を含む。一実施形態では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30、配列番号31、配列番号32、および配列番号33からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。一実施形態では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30、配列番号31、配列番号32、および配列番号33からなる群から選択される配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。

0093

本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005)(H3N2)HAタンパク質のアミノ酸残基330〜519に対応するグループ2インフルエンザHAタンパク質領域に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))(配列番号4)のアミノ酸残基330〜519を含むグループ2インフルエンザHAタンパク質領域に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30、配列番号31、および配列番号32からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30、配列番号31、および配列番号32からなる群から選択される配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。

0094

本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号36と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、第2のアミノ酸配列は、配列番号36を含む。

0095

本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005)(H3N2)HAタンパク質のアミノ酸残基330〜519に対応するグループ2インフルエンザHAタンパク質領域に由来する少なくとも60、少なくとも72、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも175、または少なくとも190個の連続アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))(配列番号4)のアミノ酸残基330〜519を含むグループ2インフルエンザHAタンパク質領域に由来する少なくとも60、少なくとも72、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも175、または少なくとも190個の連続アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも40、少なくとも60、少なくとも72、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも175、または少なくとも190個の連続アミノ酸残基を含む。一実施形態では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30に由来する少なくとも40、少なくとも60、少なくとも72、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも175、または少なくとも190個の連続アミノ酸残基を含む。

0096

上記のように、タンパク質コンストラクトの第1および第2のアミノ酸配列を、リンカー配列によって連結することができる。リンカー配列がHAタンパク質のヘッド領域に由来する5個未満の連続アミノ酸残基を有する限り、ならびに第1および第2のアミノ酸が所望の立体構造を形成することができる限り、任意のリンカー配列を使用することができる。一実施形態では、リンカー配列は、10個未満のアミノ酸長、7個未満のアミノ酸長、または5個未満のアミノ酸長である。一実施形態では、リンカー配列は、グリシンおよびセリンを含む。一実施形態では、リンカー配列は、第1のアミノ酸配列のカルボキシル末端を、第2のアミノ酸配列のアミノ末端に連結する。本発明のある特定の態様では、リンカー配列は、第2のアミノ酸配列のカルボキシル末端を第1のアミノ酸配列のアミノ末端に結合する。本発明のある特定の態様では、リンカー配列は、配列番号34または配列番号35からなるペプチドと化学的特性および空間的特性において類似する。本発明のある特定の態様では、リンカーは、配列番号34または配列番号35、またはその保存的変異体を含む。一実施形態では、リンカーは、配列番号34または配列番号35を含む。本発明のある特定の態様では、リンカーは、配列番号34または配列番号35からなる。

0097

本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質(配列番号4)のアミノ酸330〜519に対応するグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質に由来するアミノ酸配列を含み、HAタンパク質(配列番号4)のヘリックス間領域に対応する領域が、リンカーペプチドに置き換えられる。本発明のある特定の態様では、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質(配列番号4)のヘリックス間領域は、配列番号4のアミノ酸402〜437から本質的になる。したがって、本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質(配列番号4)のアミノ酸330〜519に対応するグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質由来のアミノ酸配列を含み、配列番号4のアミノ酸402〜437に対応する領域がリンカーペプチドに置き換えられる。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30と少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、ヘリックス間領域(すなわち、配列番号4のアミノ酸402〜437)に対応する領域がリンカーペプチドで置き換えられる。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30を含み、ヘリックス間領域(すなわち、配列番号4のアミノ酸402〜437)に対応する領域がリンカーペプチドで置き換えられる。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30を含み、配列番号30のアミノ酸73〜108がリンカーペプチドで置き換えられる。タンパク質コンストラクトが所望の立体構造を形成することができる限り、任意のリンカー配列を、第2のアミノ酸配列におけるリンカーペプチドとして使用することができる。本発明のある特定の態様では、リンカーペプチドは、10個未満のアミノ酸長、7個未満のアミノ酸長、または5個未満のアミノ酸長である。一実施形態では、リンカーペプチドは、4アミノ酸長である。本発明のある特定の態様では、リンカー配列は、グリシン、セリン、プロリン、およびアスパラギン酸からなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、リンカーペプチドは、配列番号39からなるペプチドと化学的特性および空間的特性の類似するアミノ酸配列を含む。本発明のある特定の態様では、リンカーペプチドは、配列番号39、またはその保存的変異体を含む。本発明のある特定の態様では、リンカーペプチドは配列番号38を含む。本発明のある特定の態様では、リンカーペプチドは、配列番号39からなる。

0098

本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号40、配列番号41、配列番号42、および配列番号43からなる群から選択される配列と少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、または少なくとも99%同一である配列を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号40、配列番号41、配列番号42、および配列番号43からなる群から選択される配列を含む。

0099

本発明の一実施形態は、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域に由来する第1のアミノ酸配列、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域に由来する第2のアミノ酸配列、およびグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域に由来する第3のアミノ酸配列を含むタンパク質コンストラクト(融合タンパク質とも呼ばれる)であって;
第1のアミノ酸配列が、A型インフルエンザウイルスHAタンパク質のヘッド領域配列のアミノ末端の上流のアミノ酸配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基、またはA型インフルエンザウイルスHAタンパク質のヘッド領域配列のアミノ末端の上流のアミノ酸配列に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸と少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み;
第2のアミノ酸配列が、A型インフルエンザウイルスHAタンパク質のヘッド領域配列のカルボキシル末端をヘリックス間領域に連結させるアミノ酸配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基、またはA型インフルエンザウイルスHAタンパク質のヘッド領域配列のカルボキシル末端をヘリックス間領域に連結させるアミノ酸配列に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基と少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み;
第3のアミノ酸配列が、A型インフルエンザウイルスHAタンパク質のヘリックス間領域のカルボキシル末端を膜貫通ドメイン(TM)に連結させるアミノ酸配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸、またはA型インフルエンザウイルスHAタンパク質のヘリックス間領域のカルボキシル末端を膜貫通ドメインに連結させるアミノ酸配列に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基と少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み;
第1および第2のアミノ酸配列が、リンカー配列によって連結され、第2および第3のアミノ酸配列がリンカーペプチドによって連結され、ならびに
タンパク質コンストラクトがナノ粒子を形成することができるように、第1または第3のアミノ酸配列が単量体サブユニットドメインの少なくとも一部に連結する
タンパク質コンストラクトである。

0100

本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、グループ2インフルエンザHAタンパク質に由来する。一実施形態では、第1のアミノ酸配列は、H3インフルエンザウイルスHAタンパク質、H4インフルエンザウイルスHAタンパク質、H7インフルエンザウイルスHAタンパク質、H10インフルエンザウイルスHAタンパク質、H14インフルエンザウイルスHAタンパク質、およびH15インフルエンザウイルスHAタンパク質からなる群から選択されるウイルス由来グループ2インフルエンザHAタンパク質に由来する。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、表2に記載されるグループ2ウイルスに由来するグループ2インフルエンザHAタンパク質に由来する。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号4〜配列番号26および配列番号47〜159からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を有するグループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に由来する。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号4〜配列番号26および配列番号47〜159からなる群から選択される配列を含むグループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に由来する。

0101

本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))のHAタンパク質のアミノ酸残基1〜59に対応するグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質領域に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27、配列番号28、および配列番号29からなる群から選択される配列と少なくとも少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27、配列番号28、および配列番号29からなる群から選択される配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。

0102

本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))のアミノ酸残基1〜59に対応するHAタンパク質アミノ酸領域に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27および配列番号28と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27および配列番号28由来の少なくとも40個の連続アミノ酸残基を含む。

0103

本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質(配列番号4)のアミノ酸残基1〜59に対応する配列を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27と少なくとも少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27からなる。

0104

本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、グループ2インフルエンザHAタンパク質に由来する。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、H3インフルエンザウイルスHAタンパク質、H4インフルエンザウイルスHAタンパク質、H7インフルエンザウイルスHAタンパク質、H10インフルエンザウイルスHAタンパク質、H14インフルエンザウイルスHAタンパク質、およびH15インフルエンザウイルスHAタンパク質からなる群から選択されるウイルス由来グループ2インフルエンザHAタンパク質に由来する。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、表2に記載されるグループ2ウイルスに由来するグループ2インフルエンザHAタンパク質に由来する。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号4〜配列番号26および配列番号47〜159からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を有するグループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に由来する。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号4〜配列番号26および配列番号47〜159からなる群から選択される配列を含むグループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に由来する。

0105

本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))(配列番号4)のアミノ酸残基330〜401に対応するグループ2インフルエンザHAタンパク質領域に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30、配列番号31、配列番号32、および配列番号33からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30、配列番号31、配列番号32、および配列番号33からなる群から選択される配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30、配列番号31、および配列番号32からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30、配列番号31、および配列番号32からなる群から選択される配列に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基を含む。

0106

本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号31と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は配列番号31を含む。

0107

本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、グループ2インフルエンザHAタンパク質のヘッド領域配列のカルボキシル末端に直接に続く下流であるグループ2インフルエンザHAタンパク質のアミノ酸配列に由来する少なくとも60、または少なくとも72個の連続アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質(配列番号4)のアミノ酸残基330〜401に対応するグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のアミノ酸領域に由来する少なくとも60、または少なくとも72個の連続アミノ酸を含む。

0108

第1および第2のアミノ酸配列は、リンカー配列によって連結される。本発明のある特定の態様では、リンカー配列は、10個未満のアミノ酸長、7個未満のアミノ酸長、または5個未満のアミノ酸長である。本発明のある特定の態様では、リンカー配列は、グリシンおよびセリンを含む。本発明のある特定の態様では、リンカー配列は、第1のアミノ酸配列のカルボキシル末端を、第2のアミノ酸配列のアミノ末端に連結する。本発明のある特定の態様では、リンカー配列は、第2のアミノ酸配列のカルボキシル末端を、第1のアミノ酸配列のアミノ末端に連結する。本発明のある特定の態様では、リンカー配列は、配列番号34または配列番号35からなるペプチドと化学的および空間的な特性において類似する。本発明のある特定の態様では、リンカーは、配列番号34もしくは配列番号35、またはその保存的変異体を含む。一実施形態では、リンカーは、配列番号34または配列番号35を含む。本発明のある特定の態様では、リンカーは、配列番号34または配列番号35からなる。

0109

本発明のある特定の態様では、第3のアミノ酸配列は、グループ2インフルエンザHAタンパク質に由来する。本発明のある特定の態様では、第3のアミノ酸配列は、H3インフルエンザウイルスHAタンパク質、H4インフルエンザウイルスHAタンパク質、H7インフルエンザウイルスHAタンパク質、H10インフルエンザウイルスHAタンパク質、H14インフルエンザウイルスHAタンパク質、およびH15インフルエンザウイルスHAタンパク質からなる群から選択されるウイルス由来グループ2インフルエンザHAタンパク質に由来する。本発明のある特定の態様では、第3のアミノ酸配列は、表2に記載されるグループ2ウイルスに由来するグループ2インフルエンザHAタンパク質に由来する。本発明のある特定の態様では、第3のアミノ酸配列は、配列番号4〜配列番号26および配列番号47〜159からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を有するグループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に由来する。本発明のある特定の態様では、第3のアミノ酸配列は、配列番号4〜配列番号26、および配列番号47〜159からなる群から選択される配列を含むグループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に由来する。

0110

本発明のある特定の態様では、第3のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質(配列番号4)のアミノ酸残基438〜519に対応するグループ2インフルエンザHAタンパク質領域に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号44、配列番号45、および配列番号46からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第3のアミノ酸配列は、配列番号44、配列番号45、および配列番号46からなる群から選択される配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第3のアミノ酸配列は、配列番号44、配列番号45、および配列番号46からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第3のアミノ酸配列は、配列番号44、配列番号45、および配列番号46からなる群から選択される配列に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基を含む。

0111

本発明のある特定の態様では、第3のアミノ酸配列は、配列番号44、配列番号45、および配列番号46からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む。本発明のある特定の態様では、第3のアミノ酸配列は、配列番号44、配列番号45、および配列番号46からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。

0112

本発明のある特定の態様では、第3のアミノ酸配列は、グループ2A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質のヘリックス間領域配列のカルボキシル末端に直接続く下流であるグループ2インフルエンザHAタンパク質アミノ酸配列に由来する少なくとも60、または少なくとも75個の連続アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質(配列番号4)のアミノ酸残基438〜519に対応するグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質アミノ酸領域に由来する少なくとも60、または少なくとも75個の連続アミノ酸を含む。

0113

リンカーペプチドは、タンパク質コンストラクトが所望の立体構造を形成することができる限り、任意のアミノ酸配列を含み得る。本発明のある特定の態様では、リンカーペプチドは、10個未満のアミノ酸長、7個未満のアミノ酸長、または5個未満のアミノ酸長である。本発明のある特定の態様では、リンカーペプチドは、4アミノ酸長である。本発明のある特定の態様では、リンカー配列は、グリシン、セリン、プロリン、およびアスパラギン酸からなる群から選択されるアミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、リンカーペプチドは、配列番号39を含む。本発明のある特定の態様では、リンカーペプチドは、配列番号39からなる。

0114

前記のように、本発明のタンパク質コンストラクトにおける様々な位置での突然変異は、タンパク質コンストラクトおよび/またはコンストラクトを含むナノ粒子の三次元構造を安定化させることができる。したがって、本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号4におけるG39、T46、およびT58からなる群から選択される位置に対応するアミノ酸位置における少なくとも1つの突然変異を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、G39C、T46C、およびN54H、T58L(ナンバリングはA型インフルエンザ(デンマーク/35/2005)(H3N2))HAタンパク質の配列に基づく)からなる群から選択される少なくとも1つの突然変異を含む。

0115

本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号4におけるL331、N338、Q392、K396、L397、およびL400からなる群から選択される位置に対応するアミノ酸位置における少なくとも1つの突然変異を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、L331K、N338C、Q392C、およびL400V(ナンバリングはA型インフルエンザ(デンマーク/35/2005)(H3N2))HAタンパク質の配列に基づく)からなる群から選択される少なくとも1つの突然変異を含む。

0116

本発明のある特定の態様では、第3のアミノ酸配列は、配列番号4におけるS438、N440、E448、T452、およびN461からなる群から選択される位置に対応するアミノ酸位置における少なくとも1つの突然変異を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、S438C、N440L、E448L、T452V、およびN461R(ナンバリングはA型インフルエンザ(デンマーク/35/2005)(H3N2))HAタンパク質の配列に基づく)からなる群から選択される少なくとも1つの突然変異を含む。

0117

上記のように、本発明のタンパク質コンストラクトは、タンパク質コンストラクトがナノ粒子を形成することができるように、単量体サブユニットタンパク質の少なくとも一部に連結させることができる。本発明のある特定の態様では、単量体サブユニットタンパク質の少なくとも一部は、第3のアミノ酸配列に連結する。好ましい実施形態では、単量体サブユニットタンパク質の少なくとも一部は、第3のアミノ酸配列のカルボキシル末端に連結する。本発明のある特定の態様では、単量体サブユニットタンパク質の前記部分は、単量体サブユニット由来の少なくとも50、少なくとも100、または少なくとも150アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、単量体サブユニットはフェリチンである。本発明のある特定の態様では、単量体サブユニットは、ルマジンシンターゼである。本発明のある特定の態様では、単量体サブユニットの前記部分は、配列番号1、配列番号2、または配列番号3に由来する少なくとも50、少なくとも100、または少なくとも150アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、単量体サブユニットは、配列番号1、配列番号2、または配列番号3と少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、または少なくとも95%同一である配列を含む。本発明のある特定の態様では、単量体サブユニットは、配列番号1、配列番号2、および配列番号3からなる群から選択される配列を含む。

0118

本書に開示されるグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質に対してなされる修飾は、個別の実施形態として記載されているが、そのような全ての修飾を単一のタンパク質コンストラクトに含めてもよいと認識すべきである。例えば、第1のアミノ酸配列がリンカーによって第2のアミノ酸配列に連結しているタンパク質コンストラクトであって、第2のアミノ酸配列が、グループ2インフルエンザHAタンパク質のヘッド領域のカルボキシル末端の下流領域に由来するアミノ酸配列を含み、グループ2 A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005)(H3N2))HAタンパク質のアミノ酸402〜437に対応するヘリックス間領域がリンカーペプチドで置き換えられ、1つまたは複数の突然変異が、グループ2 A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005)(H3N2))HAタンパク質のL331、N338、K396、L397、L400、S438、N440、E448、T452、およびN461からなる群から選択される位置に対応する位置で第2のアミノ酸配列に導入されており、それによって、折り畳まれたタンパク質におけるこれらアミノ酸残基間の相互作用の強度が増加させられている、タンパク質コンストラクトを作製することができる。

0119

上記のタンパク質コンストラクトを使用して、1つまたは複数のインフルエンザウイルスに対する免疫応答を生じることができるナノ粒子を製造することができるが、本発明のタンパク質のアミノ酸配列にさらなる突然変異を操作することは有用であり得る。例えば、タンパク質に有益な特性(例えば、溶解性、半減期免疫監視からタンパク質の部分を隠すこと)を与えるために、単量体サブユニットタンパク質、三量体化ドメイン、またはリンカー配列において酵素認識部位またはグリコシル化部位などの部位を変化させることが有用であり得る。この点において、フェリチンの単量体サブユニットは、天然ではグリコシル化されないことが公知である。しかし、これは、哺乳動物または酵母細胞において分泌タンパク質として発現させると、グリコシル化され得る。このため、本発明のある特定の態様では、単量体フェリチンサブユニット由来のアミノ酸配列における潜在的N結合グリコシル化部位を、突然変異したフェリチンサブユニット配列が突然変異位置でもはやグリコシル化されないように突然変異させる。突然変異した単量体フェリチンサブユニットのそのような1つの配列を、配列番号2によって表す。有用な突然変異の詳しい記載は、国際出願第PCT/US2015/032695号に開示されている。

0120

一部の例では、タンパク質コンストラクトにおけるある特定のアミノ酸配列に対する免疫応答の生成を遮断することが望まれ得る。これは、遮断すべき部位付近にグリコシル化部位を付加して、免疫系が遮断部位に到達する能力をグリカンにより立体的に妨害することによって行われ得る。したがって、本発明のある特定の態様では、タンパク質コンストラクトの配列は、1つまたは複数のグリコシル化部位を含むように変化されている。そのような部位の例には、Asn−X−Ser、Asn−X−Thr、およびAsn−X−Cysが挙げられるがこれらに限定されない。一部の例では、グリコシル化部位を、リンカー配列に導入することができる。グリコシル化部位を導入するために有用な部位のさらなる例には、A型インフルエンザニューカレドニア/20/1999(H1)のHAタンパク質のアミノ酸45〜47、またはアミノ酸370〜372に対応するグループ2インフルエンザHAタンパク質における位置が挙げられるがこれらに限定されない。グリコシル化部位を導入する方法は当業者に公知である。

0121

本発明のタンパク質およびタンパク質コンストラクトは、本発明の核酸分子によってコードされる。さらに、それらは本発明の核酸コンストラクトによって発現される。本書において、核酸コンストラクトは、組換え発現ベクター、すなわち核酸コンストラクトが例えば対象または臓器組織もしくは細胞に投与されたときに核酸分子がタンパク質の発現を行うことができるように、タンパク質をコードする核酸分子に連結されたベクターである。ベクターはまた、臓器、組織、または細胞培養などの、しかしこれらに限定されない環境内の細胞への核酸分子の輸送も可能にする。本発明の核酸コンストラクトは、ヒトの介入によって生成される。本発明の核酸コンストラクトは、DNA、RNA、またはその変異体であり得る。ベクターはDNAプラスミドウイルスベクター、または他のベクターであり得る。本発明のある特定の態様では、ベクターは、サイトメガロウイルス(CMV)、レトロウイルスアデノウイルスアデノ随伴ウイルスヘルペスウイルスワクシニアウイルスポリオウイルスシンドビスウイルス、または他の任意のDNAもしくはRNAウイルスベクターであり得る。本発明のある特定の態様では、ベクターは、偽型レンチウイルスまたはレトロウイルスベクターであり得る。本発明のある特定の態様では、ベクターは、DNAプラスミドであり得る。本発明のある特定の態様では、ベクターは、核酸分子のデリバリーおよび発現を可能にするウイルス構成要素およびプラスミド構成要素を含むDNAプラスミドであり得る。本開示の核酸コンストラクトを構築する方法は周知である。例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd edition, Sambrook et al. 2001 Cold Spring Harbor Laboratory Press、およびCurrent Protocols in Molecular Biology, Ausubel et al. eds., John Wiley & Sons, 1994を参照されたい。本発明のある特定の態様では、ベクターは、DNAプラスミド、例えばCMV/Rプラスミド、例えばCMV/RまたはCMV/R 8KB(本書においてCMV/R 8kbとも呼ばれる)である。CMV/RおよびCMV/R 8kbの例を本書に提供する。CMV/Rはまた、2006年8月22日発行の米国特許第7,094,598号B2にも記載される。

0122

本書において、核酸分子は、本発明のタンパク質コンストラクトをコードする核酸配列を含む。核酸分子は、組換えによって、合成によって、または組換えと合成の組合せによって生成することができる。本開示の核酸分子は、野生型核酸配列、または例えばヒトの翻訳系によってより良好に認識されるコドン組み入れるためにコドン修飾核酸配列を有し得る。本発明のある特定の態様では、核酸分子は、さまざまなアミノ酸をコードするコドンを導入するためまたは除去するため、例えばN結合グリコシル化部位をコードするコドンを導入するために遺伝子操作することができる。本開示の核酸分子を生成する方法は当技術分野で公知であり、特に核酸配列がわかっている場合の生成方法は公知である。核酸コンストラクトは、1つの核酸分子または1つより多くの核酸分子を含み得ると認識すべきである。同様に、核酸分子は1つのタンパク質または1つより多くのタンパク質をコードし得ることも認識すべきである。

0123

本発明のある特定の態様では、本発明の核酸分子は、タンパク質コンストラクトをコードする。本発明のある特定の態様では、核酸分子は、表2に記載されるタンパク質コンストラクトと少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、少なくとも99%であるタンパク質をコードする。本発明のある特定の態様では、核酸分子は、配列番号47〜159からなる群から選択される配列と少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、少なくとも99%であるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする。

0124

本発明のタンパク質コンストラクトを生成するための発現系もまた、本発明に包含される。本発明のある特定の態様では、本発明の核酸分子は、プロモーター作動可能に連結される。本書において、作動可能に連結されるとは、連結されたプロモーターが活性化されると、連結された核酸分子によってコードされるタンパク質が発現され得ることを意味する。本発明を実施するために有用なプロモーターは、当業者に周知である。本発明の一実施形態は、本発明の核酸分子を含む組換え細胞である。本発明の一実施形態は、本発明の核酸分子を含む組換えウイルスである。

0125

上記のように、本発明のタンパク質コンストラクトの組換えによる生成は、当技術分野で現在知られている任意の適当な従来の組換え技術を使用して達成することができる。例えば、融合タンパク質をコードする核酸分子の生成は、適当な単量体サブユニットタンパク質、例えばヘリコバクターピロリ(helicobacter pylori)フェリチン単量体サブユニットをコードする核酸分子を使用し、それを、本書に開示される適当なインフルエンザタンパク質をコードする核酸分子に融合させることによって、大腸菌(E.coli)において行うことができる。次いで、タンパク質発現細胞をコンストラクトで形質転換し、適当なサイズに増殖させ、融合タンパク質を産生するように誘導してもよい。

0126

前記のように、本発明のタンパク質コンストラクトは、単量体サブユニットタンパク質を含むことから、それらは自己集合することができる。本発明に従って、そのような自己集合の結果としての超分子は、HA発現単量体サブユニットベースのナノ粒子と呼ばれる。簡潔のために、HA発現単量体サブユニットベースのナノ粒子を、単にナノ粒子(np)と呼び得る。本発明のナノ粒子は、その作製の元となった単量体タンパク質のナノ粒子と類似の構造的特徴を有する。例えば、フェリチンに関して、フェリチンベースのナノ粒子は、24のサブユニット含み、432の対称性を有する。本発明のナノ粒子の場合、サブユニットは、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質に連結した単量体サブユニット(例えば、フェリチン、ルマジンシンターゼ等)を含むタンパク質コンストラクトである。そのようなナノ粒子は、その表面上にHA三量体としてのグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも一部を提示する。そのような構成において、HA三量体は、免疫系にアクセス可能であり、したがって免疫応答を誘発することができる。したがって、本発明の一実施形態は、本書に開示または記載される任意のタンパク質コンストラクトを含むナノ粒子である。本発明の一実施形態は、本発明のタンパク質コンストラクトを含むナノ粒子であって、タンパク質コンストラクトが、単量体サブユニットタンパク質に連結した、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域に由来するアミノ酸を含む、ナノ粒子である。本発明のある特定の態様では、ナノ粒子は、その表面上にHA三量体としてのグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質を提示する。本発明のある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質は、インフルエンザウイルスに対する防御抗体を誘発することができる。

0127

本発明の一実施形態は、本発明のタンパク質コンストラクトを含むナノ粒子である。本発明のある特定の態様では、タンパク質コンストラクトは、グループ2インフルエンザHAタンパク質を含み、グループ2インフルエンザHAタンパク質のヘッド領域は、インフルエンザHAタンパク質のヘッド領域に由来する5個未満の連続アミノ酸残基を含むアミノ酸配列で置き換えられている。本発明のある特定の態様では、タンパク質コンストラクトのHAタンパク質はまた、ヘリックスAの長さの伸長によって変化されている。本発明のある特定の態様では、タンパク質コンストラクトのHAタンパク質はまた、ヘリックス間領域の短縮によって、またはヘリックス間領域のリンカー配列により置き換えによって変化されている。本発明のある特定の態様では、タンパク質コンストラクトのHAタンパク質はまた、三量体構造を安定化させるための特定位置における突然変異によって変化されている。適当な位置の例には、配列番号4におけるL331、N338、K396、L397、L400、S438、N440、E448、T452、N461、G39、T46、N54、およびT58からなる群から選択される位置に対応する位置が挙げられるがこれらに限定されず、ここで、タンパク質コンストラクトは、ナノ粒子を形成することができる。HAタンパク質ヘッド領域を置き換える、ヘリックスAを伸長させる、ヘリックス間領域を短縮するまたは置き換える、および適当な部位特異的突然変異を導入する方法が、本書において開示される。本発明のある特定の態様では、ナノ粒子は、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域に由来する第1のアミノ酸配列、およびグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域に由来する第2のアミノ酸配列を含むタンパク質コンストラクトであって、第1および第2のアミノ酸配列がリンカー配列によって共有結合により連結され、
第1のアミノ酸配列が、ヘッド領域配列のアミノ末端の上流のアミノ酸配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含み;
第2のアミノ酸配列が、ヘッド領域配列のカルボキシル末端の下流のアミノ酸配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含み;および
タンパク質コンストラクトがナノ粒子を形成することができるように、第1または第2のアミノ酸配列が単量体サブユニットドメインの少なくとも一部に連結する
タンパク質コンストラクトを含む。

0128

本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、H3インフルエンザウイルスHAタンパク質、H4インフルエンザウイルスHAタンパク質、H7インフルエンザウイルスHAタンパク質、H10インフルエンザウイルスHAタンパク質、H14インフルエンザウイルスHAタンパク質、およびH15インフルエンザウイルスHAタンパク質からなる群から選択されるウイルス由来グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域に由来する。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、表2に記載されるグループ2ウイルスに由来するHAタンパク質のステム領域に由来する。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号4〜配列番号26および配列番号47〜配列番号159からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を有するグループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に由来する。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号4〜配列番号26、および配列番号47〜配列番号159からなる群から選択される配列を含むグループ2インフルエンザHAタンパク質のステム領域に由来する。

0129

本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、H3インフルエンザウイルス、H4インフルエンザウイルス、H7インフルエンザウイルス、H10インフルエンザウイルス、H14インフルエンザウイルス、およびH15インフルエンザウイルスからなる群から選択されるウイルスに由来するグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域に由来する。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、表2に記載されるグループ2ウイルスに由来するHAタンパク質のステム領域に由来する。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号4〜配列番号26および配列番号47〜配列番号159からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を有するグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域に由来する。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号4〜配列番号26、および配列番号47〜配列番号159からなる群から選択される配列を含むグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質のステム領域に由来する。

0130

上記のように、第1のアミノ酸配列は、ヘッド領域配列のアミノ末端の上流のアミノ酸配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。本発明に従って、上流という用語は、ヘッド領域の第1のアミノ酸残基のアミノ末端に連結したアミノ酸配列の全体を指す。好ましい上流の配列は、ヘッド領域配列に直接に隣接する配列である。本発明のある特定の態様では、ヘッド領域のアミノ末端は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質(配列番号4)のHAタンパク質のQ60に対応するアミノ酸残基に位置する。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号4によって表されるA型インフルエンザ デンマーク/35/2005(H3N2))のHAタンパク質のアミノ酸残基1〜59に対応するグループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質領域に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27、配列番号28、および配列番号29からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27、配列番号28、および配列番号29からなる群から選択される配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。

0131

本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質(配列番号4)のアミノ酸残基1〜59に対応するHAタンパク質アミノ酸領域に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27または配列番号28と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27または配列番号28に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基を含む。

0132

本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列を含む。本発明のある特定の態様では、第1のアミノ酸配列は、配列番号27を含む。

0133

上記のように、第2のアミノ酸配列は、ヘッド領域配列のカルボキシル末端の下流のアミノ酸配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。本発明に従って、下流という用語は、ヘッド領域のカルボキシル末端アミノ酸残基に連結したアミノ酸配列の全体を指す。好ましい上流の配列は、ヘッド領域配列に直接に隣接する配列である。本発明のある特定の態様では、ヘッド領域のカルボキシル末端は、配列番号4によって表されるA型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))HAタンパク質のHAタンパク質のT329に対応するアミノ酸位置に位置する。したがって、本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005)(H3N2)HAタンパク質のアミノ酸残基330〜519に対応するグループ2インフルエンザHAタンパク質領域に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))(配列番号4)のアミノ酸残基330〜519を含むグループ2インフルエンザHAタンパク質領域に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30、配列番号31、配列番号32、および配列番号33からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30、配列番号31、配列番号32、および配列番号33からなる群から選択される配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。

0134

本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005)(H3N2)HAタンパク質のアミノ酸残基330〜519に対応するグループ2インフルエンザHAタンパク質領域に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))(配列番号4)のアミノ酸残基330〜519を含むグループ2インフルエンザHAタンパク質領域に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30、配列番号31、および配列番号32からなる群から選択される配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも40個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30、配列番号31、および配列番号32からなる群から選択される配列に由来する少なくとも20個の連続アミノ酸残基を含む。

0135

本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号37と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号37を含む。

0136

本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005)(H3N2)HAタンパク質のアミノ酸残基330〜519に対応するグループ2インフルエンザHAタンパク質領域に由来する少なくとも60、少なくとも72、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも175、または少なくとも190個の連続アミノ酸を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、A型インフルエンザ(デンマーク/35/2005(H3N2))(配列番号4)のアミノ酸残基330〜519を含むグループ2インフルエンザHAタンパク質領域に由来する少なくとも60、少なくとも72、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも175、または少なくとも190個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも97%同一である配列に由来する少なくとも40、少なくとも60、少なくとも72、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも175、または少なくとも190個の連続アミノ酸残基を含む。本発明のある特定の態様では、第2のアミノ酸配列は、配列番号30由来の少なくとも40、少なくとも60、少なくとも72、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも175、または少なくとも190個の連続アミノ酸残基を含む。

0137

本発明のある特定の態様では、ナノ粒子は、表2に挙げられるタンパク質コンストラクト配列と少なくとも80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むタンパク質コンストラクトを含み、ナノ粒子は、抗インフルエンザ抗体を選択的に結合することができる。本発明のある特定の態様では、ナノ粒子は、配列番号47〜159からなる群から選択される配列と少なくとも80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むタンパク質コンストラクトを含み、ナノ粒子は、抗インフルエンザ抗体を選択的に結合することができる。本発明のある特定の態様では、ナノ粒子は、配列番号47〜159からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質コンストラクトを含む。

0138

本発明のナノ粒子は、インフルエンザウイルスに対する免疫応答を誘発するために使用することができる。免疫応答の1つの型はB細胞応答であり、これによって、免疫応答を誘発する抗原に対する抗体の産生がもたらされる。したがって、本発明のある態様では、ナノ粒子は、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、およびC型インフルエンザウイルスからなる群から選択されるウイルスに由来するA型インフルエンザHAタンパク質のステム領域に結合する抗体を誘発する。本発明の一実施形態は、H1インフルエンザウイルスHAタンパク質、H2インフルエンザウイルスHAタンパク質、H3インフルエンザウイルスHAタンパク質、H4インフルエンザウイルスHAタンパク質、H5インフルエンザウイルスHAタンパク質、H6インフルエンザウイルスHAタンパク質、H7インフルエンザウイルスHAタンパク質、H8インフルエンザウイルスHAタンパク質、H9インフルエンザウイルスHAタンパク質、H10インフルエンザウイルスHAタンパク質HAタンパク質、H11インフルエンザウイルスHAタンパク質、H12インフルエンザウイルスHAタンパク質、H13インフルエンザウイルスHAタンパク質、H14インフルエンザウイルスHAタンパク質、H15インフルエンザウイルスHAタンパク質、H16インフルエンザウイルスHAタンパク質、H17インフルエンザウイルスHAタンパク質、およびH18インフルエンザウイルスHAタンパク質からなる群から選択されるインフルエンザHAタンパク質のステム領域に結合する抗体を誘発するナノ粒子である。本発明の一実施形態は、表2に記載されるウイルス由来のインフルエンザHAタンパク質のステム領域に結合する抗体を誘発するナノ粒子である。

0139

全ての抗体が、抗体産生をもたらした免疫応答を誘発した抗原に結合することができるが、好ましい抗体は、インフルエンザウイルスに対して広いヘテロサブタイプ防御を提供する抗体である。したがって、本発明の一実施形態は、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、およびC型インフルエンザウイルスからなる群から選択されるウイルスに由来するインフルエンザHAタンパク質のステム領域に結合する防御抗体を誘発するナノ粒子である。本発明の一実施形態は、H1インフルエンザウイルスHAタンパク質、H2インフルエンザウイルスHAタンパク質、H3インフルエンザウイルスHAタンパク質、H4インフルエンザウイルスHAタンパク質、H5インフルエンザウイルスHAタンパク質、H6インフルエンザウイルスHAタンパク質、H7インフルエンザウイルスHAタンパク質、H8インフルエンザウイルスHAタンパク質、H9インフルエンザウイルスHAタンパク質、H10インフルエンザウイルスHAタンパク質HAタンパク質、H11インフルエンザウイルスHAタンパク質、H12インフルエンザウイルスHAタンパク質、H13インフルエンザウイルスHAタンパク質、H14インフルエンザウイルスHAタンパク質、H15インフルエンザウイルスHAタンパク質、H16インフルエンザウイルスHAタンパク質、H17インフルエンザウイルスHAタンパク質、およびH18インフルエンザウイルスHAタンパク質からなる群から選択されるインフルエンザHAタンパク質のステム領域に結合する防御抗体を誘発するナノ粒子である。本発明の一実施形態は、表2に記載されるウイルス由来のインフルエンザHAタンパク質のステム領域に結合する抗体を誘発するナノ粒子である。本発明の一実施形態は、配列番号4〜26からなる群から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むタンパク質に結合する抗体を誘発するナノ粒子である。本発明の一実施形態は、配列番号4〜26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質に結合する抗体を誘発するナノ粒子である。

0140

本発明のタンパク質によって誘発される防御抗体は、ウイルスのライフサイクルにおける任意の過程に影響を及ぼすことによって、ウイルス感染に対する防御を提供することができる。例えば、防御抗体は、インフルエンザウイルスが、細胞に結合する、細胞に侵入する、ウイルスリボヌクレオタンパク質を細胞質に放出する、感染した細胞において新規ウイルス粒子を形成する、および感染宿主細胞膜から新規ウイルス粒子を出芽させることを防止し得る。本発明のある特定の態様では、本発明のタンパク質によって誘発される防御抗体は、インフルエンザウイルスが宿主細胞に侵入するのを阻止する。本発明のある特定の態様では、本発明のタンパク質によって誘発される防御抗体は、ウイルス膜とエンドソーム膜との融合を阻止する。本発明のある特定の態様では、本発明のタンパク質によって誘発される防御抗体は、リボヌクレオタンパク質が宿主細胞の細胞質に放出されるのを阻止する。本発明のある特定の態様では、本発明のタンパク質によって誘発される防御抗体は、感染した宿主細胞における新規ウイルスの集合を阻止する。本発明のある特定の態様では、本発明のタンパク質によって誘発される防御抗体は、新たに形成されたウイルスの感染宿主細胞からの放出を阻止する。

0141

インフルエンザウイルスのステム領域のアミノ酸配列は、高度に保存されていることから、本発明のナノ粒子によって誘発される防御抗体は、広範な防御を提供し得る。すなわち、本発明のナノ粒子によって誘発される防御抗体は、1つより多くの型、亜型、および/または株のインフルエンザウイルスに対する防御を提供し得る。したがって、本発明の一実施形態は、インフルエンザHAタンパク質のステム領域に結合する広範に防御的な抗体を誘発するナノ粒子である。一実施形態は、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、およびC型インフルエンザウイルスからなる群から選択される1つより多くの型のインフルエンザウイルスに由来するHAタンパク質のステム領域に結合する抗体を誘発するナノ粒子である。一実施形態は、H1インフルエンザウイルス、H2インフルエンザウイルス、H3インフルエンザウイルス、H4インフルエンザウイルス、H5インフルエンザウイルス、H6インフルエンザウイルス、H7インフルエンザウイルス、H8インフルエンザウイルス、H9インフルエンザウイルス、H10インフルエンザウイルス、H11インフルエンザウイルス、H12インフルエンザウイルス、H13インフルエンザウイルス、H14インフルエンザウイルス、H15インフルエンザウイルス、H16インフルエンザウイルス、H17インフルエンザウイルス、およびH18インフルエンザウイルスからなる群から選択される1つより多くの亜型のインフルエンザウイルスに由来するHAタンパク質のステム領域に結合する抗体を誘発するナノ粒子である。一実施形態は、1つより多くの株のインフルエンザウイルスに由来するHAタンパク質のステム領域に結合する抗体を誘発するナノ粒子である。本発明の一実施形態は、配列番号4〜26からなる群から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む1つより多くのタンパク質に結合する抗体を誘発するナノ粒子である。本発明の一実施形態は、配列番号4〜26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つより多くのタンパク質に結合する抗体を誘発するナノ粒子である。

0142

上記のように、HA配列は、単量体サブユニットタンパク質の一部に連結される。本書において、単量体サブユニットタンパク質は、単量体サブユニットタンパク質がナノ粒子に自己集合するように、他の単量体サブユニットタンパク質に結合することができるタンパク質単量体を指す。タンパク質コンストラクトが、HAタンパク質を表面上に提示する多量体構造を形成することができる限り、任意の単量体サブユニットタンパク質を使用して本発明のタンパク質コンストラクトを製造することができる。本発明のある特定の態様では、単量体サブユニットはフェリチンである。

0143

フェリチンは、全ての動物、細菌、および植物において見出される球状のタンパク質であり、ミネラル化コアへのおよびミネラル化コアからの水和した鉄イオンおよびプロトンの輸送を通して多核Fe(III)2O3形成の速度および位置を主に制御するように作用する。フェリチンの球状の形態は、単量体サブユニットタンパク質(単量体フェリチンサブユニットとも呼ばれる)で構成され、これはおよそ17〜20kDaの分子量を有するポリペプチドである。1つのそのような単量体フェリチンサブユニットの配列の例を、配列番号1に示す。各々の単量体フェリチンサブユニットは、逆並行4ヘリックスモチーフを含み、第5のより短いヘリックス(C末端ヘリックス)が前記4ヘリックスバンドル長軸に対してほぼ垂直に存在するヘリックスバンドルのトポロジーを有する。慣例に従って、ヘリックスをN末端からそれぞれ、A、B、C、およびDおよびEと呼ぶ。N末端配列は、ナノ粒子の3回対称軸に隣接して存在して表面に伸長するが、Eヘリックスは、4回対称軸でパッキングして、C末端は粒子コア内に伸長する。このパッキングの結果、ナノ粒子表面上に2つの孔が形成される。これらの孔の一方または両方が、水和した鉄がナノ粒子に出入りする地点を表すと考えられる。産生後、これらの単量体フェリチンサブユニットタンパク質は、球状のフェリチンタンパク質に自己集合する。このため、フェリチンの球状の形態は、24個の単量体フェリチンサブユニットタンパク質を含み、432対称性を有するカプシド様構造を有する。

0144

本発明に従って、本発明の単量体フェリチンサブユニットは、単量体フェリチンサブユニットの球状形態のタンパク質への自己集合を指示することができる、フェリチンタンパク質の完全長単一ポリペプチドまたはその任意の一部である。そのようなタンパク質の例には、配列番号1および配列番号2が挙げられるがこれらに限定されない。単量体フェリチンサブユニットがHAを表面上に提示するナノ粒子に自己集合することができる限り、任意の公知のフェリチンタンパク質の単量体フェリチンサブユニットに由来するアミノ酸配列を使用して、本発明のタンパク質コンストラクトを製造することができる。本発明のある特定の態様では、単量体サブユニットは、細菌フェリチンタンパク質、植物フェリチンタンパク質、藻類フェリチンタンパク質、昆虫フェリチンタンパク質、真菌フェリチンタンパク質、および哺乳動物フェリチンタンパク質からなる群から選択されるフェリチンタンパク質に由来する。本発明のある特定の態様では、フェリチンタンパク質は、ヘリコバクター・ピロリに由来する。

0145

本発明のタンパク質コンストラクトは、フェリチンタンパク質の単量体サブユニットポリペプチドの完全長の配列を含む必要はない。その部分が、タンパク質の球状形態への単量体フェリチンサブユニットの自己集合を指示するアミノ酸を含む限り、単量体フェリチンサブユニットタンパク質の部分または領域を利用することができる。そのような領域の一例は、ヘリコバクター・ピロリのフェリチンタンパク質のアミノ酸5〜167の間に位置する。より詳しい領域は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、Zhang, Y. Self-Assembly in the Ferritin Nano-Cage Protein Super Family. 2011, Int. J. Mol. Sci., 12, 5406-5421に記載されている。

0146

本発明のある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質は、フェリチン由来の少なくとも50、少なくとも100、または少なくとも150アミノ酸に連結し、タンパク質コンストラクトは、ナノ粒子を形成することができる。本発明のある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質は、配列番号1または配列番号2由来の少なくとも50、少なくとも100、または少なくとも150アミノ酸に連結し、タンパク質コンストラクトはナノ粒子を形成することができる。本発明のある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質は、フェリチンの配列と少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むタンパク質に連結し、タンパク質コンストラクトは、ナノ粒子を形成することができる。本発明のある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質は、配列番号1または配列番号2と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むタンパク質に連結し、タンパク質コンストラクトは、ナノ粒子を形成することができる。

0147

本発明のある特定の態様では、単量体サブユニットはルマジンシンターゼである。本発明のある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質は、ルマジンシンターゼ由来の少なくとも50、少なくとも100、または少なくとも150アミノ酸に連結し、タンパク質コンストラクトは、ナノ粒子を形成することができる。本発明のある特定の態様では、グループ2インフルエンザウイルスHAタンパク質は、ルマジンシンターゼと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%同一であるタンパク質に連結し、タンパク質コンストラクトはナノ粒子を形成することができる。

0148

本書において、本発明のナノ粒子は、本発明のタンパク質コンストラクト(融合タンパク質)の自己集合によって形成される三次元粒子を指す。本発明のナノ粒子は一般的に球状の形状であるが、他の形状も除外されず、一般的に直径約20nm〜約100nmである。本発明のナノ粒子は、それを形成するタンパク質コンストラクト以外に、他の分子、例えばタンパク質、脂質、炭水化物等を含んでもよいが、必ずしも含む必要はない。

0149

本発明のナノ粒子は、インフルエンザウイルスに対する免疫応答を誘発することができることから、それらは、インフルエンザウイルスによる感染に対して個体を保護するためのワクチンとして有用である。したがって、本発明の一実施形態は、本発明のナノ粒子を含むワクチンである。本発明のワクチンはまた、アジュバント、緩衝液等などの他の構成要素も含み得る。任意のアジュバントを使用することができるが、好ましい実施形態は、化学アジュバント、例えばリン酸アルミニウム塩化ベンジルアルコニウム、ウベニメクス、およびQS21;遺伝子アジュバント、例えばIL−2遺伝子またはその断片、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GMCSF)遺伝子またはその断片、IL−18遺伝子またはその断片、ケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド21(CCL21)遺伝子またはその断片、IL−6遺伝子またはその断片、CpG、LPSTLRアゴニスト、および他の免疫刺激遺伝子;タンパク質アジュバント、例えばIL−2またはその断片、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)またはその断片、IL−18またはその断片、ケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド21(CCL21)またはその断片、IL−6またはその断片、CpG、LPS、TLRアゴニストおよび他の免疫刺激サイトカインまたはその断片;脂質アジュバント、例えば陽イオン性リポソーム、N3(陽イオン脂質)、モノホスホリルリピッドA(MPL1);他のアジュバント、例えばコレラ毒素エンテロトキシン、Fms様チロシンキナーゼ3リガンド(Flt−3L)、ブピバカイン、マーカイン、およびレバミソールを含み得る。

0150

本発明の一実施形態は、1つより多くのインフルエンザHAタンパク質を含むナノ粒子ワクチンである。そのようなワクチンは、単一のナノ粒子において、またはナノ粒子の混合物として、その少なくとも2つが独自のインフルエンザHAタンパク質を有する異なるインフルエンザHAタンパク質の組合せを含み得る。多価ワクチンは、所望の範囲のウイルス株に対する防御に必要な免疫応答をもたらすために必要な、多くのインフルエンザHAタンパク質を含み得る。本発明のある特定の態様では、ワクチンは、少なくとも2つの異なるインフルエンザ株に由来するHAタンパク質を含む(二価)。本発明のある特定の態様では、ワクチンは、少なくとも3つの異なるインフルエンザ株に由来するHAタンパク質を含む(三価)。本発明のある特定の態様では、ワクチンは、少なくとも4つの異なるインフルエンザ株に由来するHAタンパク質を含む(四価)。本発明のある特定の態様では、ワクチンは、少なくとも5つの異なるインフルエンザ株に由来するHAタンパク質を含む(五価)。本発明のある特定の態様では、ワクチンは、少なくとも6つの異なるインフルエンザ株に由来するHAタンパク質を含む(六価)。様々な実施形態では、ワクチンは、7、8、9、または10個の異なるインフルエンザウイルス株に由来するHAタンパク質を含む。そのような組合せの例は、A型インフルエンザグループ1HAタンパク質、A型インフルエンザグループ2HAタンパク質、およびB型インフルエンザHAタンパク質を含むナノ粒子ワクチンである。本発明のある特定の態様では、インフルエンザHAタンパク質は、H1 HA、H3 HA、およびB HAである。多価ワクチンの別の例は、4つの異なるインフルエンザウイルス由来のHAタンパク質を含むナノ粒子ワクチンである。本発明のある特定の態様では、多価ワクチンは、表2に記載される1つまたは複数のHAタンパク質と少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、または少なくとも99%同一である1つまたは複数のHAタンパク質を含む。本発明のある特定の態様では、多価ワクチンは、表2に記載される1つまたは複数のHAタンパク質を含む。

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