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図面 (9)

課題

外部電源によって充電されなくても電荷蓄積可能であり、外部電源を利用することなく動作時間延長可能な装置を作成する。

解決手段

電気二重層キャパシタは、密封された保護用ハウジングと、互いに電気的に絶縁された第1、第2電極とから成る。これらの電極の片方または両方はハウジングからも絶縁されている。セルの隙間と電極の隙間とは電解液で満たされている。第1電極の表面には、同位体C−14を含む炭素含有物質が塗布されている。電気二重層キャパシタの製造方法は、炭素含有物質から成る表面層が塗布された第1、第2電極を準備するステップと、これらの電極を密封されたハウジングに配置して互いに電気的に絶縁するステップと、第1電極の表面上の炭素含有物質層に同位体C−14を導入するステップとを含む。

概要

背景

電力蓄積用として知られた装置(蓄電池)は、電気エネルギー化学エネルギーに変換し(充電)、逆に化学エネルギーを電気エネルギーに変換する(放電)という二次電池原理を利用して動作する。最も一般的な蓄電池は鉛蓄電池であり、ハウジングの内部に二酸化鉛から成る正極と海綿状鉛から成る負極とが設置されている。両電極間には電解液である硫酸充填されている。放電過程では正極と負極との両方の活性質量が反応して硫酸鉛が形成され、充電過程では二重スルホン化と呼ばれる化学反応が生じる [非特許文献1、2参照]。電解液の濃度が最高値(硫酸では1.28g/cm3)に達すると充電が停止する。放電の終了時には濃度は1.08−1.10g/cm3へ降下し、その後は再充電が必要である。

蓄電池は、構成の簡単さ、製造可能性、およびコストの低さにより、電気エネルギーの貯蔵装置としては最も一般的である。蓄電池はエネルギー密度が高く、充放電の繰り返しが容易である。蓄電池の欠点は次のとおりである。充電に外部電源が必要である。充電時間が長い。電力に制限がある。充放電サイクル数に限りがある。 原則として、蓄電池の寿命は10年を超えていない。

蓄電装置としてはキャパシタも知られている[非特許文献3、4参照]。最も単純なキャパシタは、電流を通さない物質である誘電体の層によって分離された2枚の金属膜から成る。キャパシタの膜が電源に接続されると充電電流が流れ、金属膜に正負電荷蓄積される。キャパシタが充電されるとすぐに回路内の電流は0になる。キャパシタが電源から切断されると、蓄積された電荷が貯蔵される。キャパシタが抵抗に接続されるとキャパシタから放電電流が流れ、完全に放電される。この充放電サイクルは何度も繰り返すことができる。蓄電装置としてのキャパシタの利点は次のとおりである。構成が簡単である。充電時間が比較的短い。蓄電池と比べれば、容量が大きく、不具合が生じるまでの充放電サイクル数が多い。キャパシタの欠点は、充電に外部電源が必要なことである。

電気二重層キャパシタまたはイオノスタと呼ばれる蓄電装置が知られている[非特許文献5−8参照]。電気二重層キャパシタの基本構造には、導電物質から成る膜状電極が2枚含まれ、それらの間に有機物または無機物電解質が配置されている。電気二重層キャパシタの電気的パラメータを向上させる目的で、膜状電極は更に多孔性物質(ほとんどの場合、活性炭)で覆われている。電気二重層キャパシタにはキャパシタと蓄電池との両方の動作原理が組み合わされている。

電気二重層キャパシタにはエネルギーが次の2種類のメカニズムによって蓄積される。
第1に、電極と電解質との間の境界で形成される電気二重層による。この電気二重層の容量は次式(1)で決まる。

ここで、εは二重層媒質比透磁率であり、ε0は真空透過率であり、Aは電極の比表面積であり、dは電気二重層の有効厚さである。

第2に、電極と電解質との間での可逆的化学反応が与える疑似容量による。この場合、電子の蓄積はファラデー過程、すなわち、酸化反応の結果、電子が抽出されて電極と電解質との間の界面を通過することによる。理論的には、擬似容量は次式(2)によって計算可能である。

ここで、nは酸化反応の結果、移動した電子数であり、Fはファラデー定数であり、Mは金属酸化物モル質量であり、Vは作動電圧の範囲である。このようなハイブリッドキャパシタは、充放電サイクル中における特性の高い安定性を維持しながら、更に高い容量密度と電力とを実現可能である。

カーボンナノチューブ(CNT)は電気二重層の容量と擬似容量との両方の特徴を有する。CNTの特性と製造方法、および電極の構成によっては、電気二重層キャパシタの比容量は350F/gに達しうる[非特許文献9参照]。電気二重層キャパシタの容量特性の向上を目的としてCNTのいわゆる官能化が行われる。すなわち、CNTの構造への、原子ラジカル、または官能基の導入を伴う特殊な処理が行われる。たとえば、COOH基によるCNTの官能化は、比容量を0.25−91.25F/g増加させる[非特許文献10参照]。CNTを利用した電気二重層キャパシタの比容量のうち、現時点で実現された最も高い値は396F/Gである。しかし、技術の進歩の結果、この特性は絶えず増加しており、その値が500F/Gに到達したという情報もある[特許文献11参照]。

現在、市販の電気二重層キャパシタのほとんどでは電極が、炭素修飾の異なる材質グラファイト、活性炭、カーボンナノチューブ、グラフェン炭素複合材料等)から製造されている。これらの材質は、市販されている高価ではない物質であり、耐食性に優れている。特に、活性炭と比べてCNTは導電性が高い。炭素を利用する電気二重層キャパシタはサイクルの安定性と寿命の長さとで特徴的である。電極の表面でも内部でも化学反応が起こらず、電気二重層によって電荷が蓄積されるからである。

CNT型電気二重層キャパシタの利点は次のとおりである。

−キャパシタよりも比容量が高く、蓄電池よりも比出力が高い。

−寿命が長い。すなわち、充放電サイクル数に対する耐性が高い。静電容量を実質的に減少させることなく、最大で106サイクルまで耐えることができる。電気二重層キャパシタの主な欠点は、蓄電池と同様、充電用外部電源の必要性にある。

英国の物理学者ヘンリー・モズレーによって1913年に発明された、放射性同位体を用いた電気エネルギー源ベータセル)が知られている。これは、絶縁された電極が内部に配置されたガラス製のレトルト蒸留器)であり、その電極の中心にはラジウム塩が置かれていた。β崩壊で放出された電子は、ガラス球銀層とラジウム塩を含む電極との間に電位差を生じさせた。モズレーの電池は、レトルト中の気体絶縁破壊電圧を上限とする高電圧まで充電された。この上限は、レトルトの排気によって上げることができた。

α崩壊またはβ崩壊による放射線を用いて原子内のエネルギーから電気エネルギーを生成する装置が知られている[特許文献1参照]。この装置には、水または空気によって冷却される金属製の閉じたシェルが2個(エミッタおよびコレクタ)含まれている。これらの一方は他方の中に置かれており、これらの隙間は10-5−10-6mmHgの真空である。 エミッタには放射性物質が塗布され、隙間とコレクタとに面した厚さ25−100μmの金属層を形成している。エミッタとコレクタとの間には金属製の制御グリッドが設置されている。このグリッドは、50HzのAC電力網から電力が供給される高電圧トランス二次巻線電気的に接続され、エミッタとコレクタとは、別の高電圧トランスの一次巻線と電気的に接続されている。この別の高電圧トランスの二次巻線は電力負荷に接続されている。この装置は、常に充電されているキャパシタのように動作し、その充電電流がエミッタからコレクタへの粒子流によって決まる。この装置には次の欠点がある。エミッタとコレクタとの隙間に真空を維持する必要がある。放射性崩壊で生成された粒子を完全に停止させるのに十分な振幅でグリッドの電圧変調するのに外部電源が必要である。

典型例の特徴
電気二重層キャパシタの次の構造が知られている[非特許文献12参照]。この構造では電極が、基本的なキャパシタにおいて膜の機能を果たすものであり、カーボンナノチューブ(CNT)で作られている。典型例の作動電極は、電気アーク法により合成された粉末状のナノチューブを、穴のないグラファイトの基板上に均一に塗布することによって形成されている。濃度35重量%の硫酸(密度1.26g/cm3)が電解液に使用された。CNTの特性を向上させる目的で、電解液を電位1.1Vに保って分極させることにより親水化させている。典型例は、仕事電位の範囲の広さ(1.4V以上)、約20kW/kgの比出力、および1Wh/kg以下の比エネルギーに特徴がある。典型例の主な欠点は、先に説明された装置と同様、電気二重層キャパシタの充電に外部電源が必要なことである。

概要

外部電源によって充電されなくても電荷を蓄積可能であり、外部電源を利用することなく動作時間延長可能な装置を作成する。電気二重層キャパシタは、密封された保護用ハウジングと、互いに電気的に絶縁された第1、第2電極とから成る。これらの電極の片方または両方はハウジングからも絶縁されている。セルの隙間と電極の隙間とは電解液で満たされている。第1電極の表面には、同位体C−14を含む炭素含有物質が塗布されている。電気二重層キャパシタの製造方法は、炭素含有物質から成る表面層が塗布された第1、第2電極を準備するステップと、これらの電極を密封されたハウジングに配置して互いに電気的に絶縁するステップと、第1電極の表面上の炭素含有物質層に同位体C−14を導入するステップとを含む。

目的

別の技術的課題は、充電に外部電源を使用することなく、蓄電装置の動作時間を延長することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

密閉された保護用ハウジングと、前記ハウジングの中に置かれた互いに電気的に絶縁された電極対であって、片方または両方が前記ハウジングからも電気的に絶縁されており、同位体C−14を含む、カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレングラフェングラファイト、またはそれらの混合物の配列の形態である第1(作用)電極と第2(補助)電極と、セルの自由空間と前記電極対の隙間とを満たしている電解液とを備え、炭素(同位体C−14を含む。)含有物質が前記第1電極の表面に塗布されていることを特徴とする電気二重層キャパシタ

請求項2

前記第1電極の表面に塗布された炭素含有物質が、同位体C−14を含む、カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレン、グラフェン、煤、グラファイト、またはそれらの混合物の配列の形態であることを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。

請求項3

セパレータが前記電極対の間に配置されて、対向する電極同士の機械的接触を防ぎ、陰極陽極との間での電解質の混合を妨害することを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。

請求項4

前記電極対が、シリコンモリブデンニオブタングステンジルコニウム、もしくはこれらの基合金、または耐食鋼で作られていることを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。

請求項5

放射性核種H−3、Ni−63、Sr−90、Kg−85、At−241、Ac−227、Th−229がCNTの表面または内部に置かれていることを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。

請求項6

塩KCl、NaCl、KNO3、Na2SO4の酸性溶液H2SO4もしくはHNO3、またはアルカリ性溶液NaOHもしくはKOHが電解液として使用されていることを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。

請求項7

電気二重層キャパシタを製造する方法であって、炭素含有物質の表層を第1電極に塗布する工程を含む第1電極と第2電極とを準備するステップと、前記第1電極と第2電極とを密封されたハウジングの中に設置して、前記第1電極と第2電極とを互いに電気的に絶縁するステップと、前記ハウジングを電解質で満たすステップとを備え、前記炭素含有物質の層に同位体C−14が導入されていることを特徴とする製造方法。

請求項8

前記第1電極の表面上の炭素含有物質の層が、同位体C−14を含む、カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレン、グラフェン、煤、グラファイト、またはそれらの混合物の配列として形成されることを特徴とする請求項7に記載の電気二重層キャパシタの製造方法。

請求項9

請求項4に記載の電気二重層キャパシタを製造する方法であって、前記第1電極の表面上の炭素含有物質の層は、自然界に存在するC−12の同位体を含む、カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレン、煤、グラファイト、またはそれらの混合物の配列として形成され、前記炭素含有物質の層には、同位体C−14を含む化合物含浸されることを特徴とする製造方法。

請求項10

同位体C−14を含む塩酸アニリンアルコール溶液が、前記第1電極の表面上の炭素含有物質の配列へ化合物を含浸するのに使用されることを特徴とする請求項9に記載の電気二重層キャパシタの製造方法。

技術分野

0001

本発明は電気工学に関し、特に、マイクロエレクトロニクスおよび自律型電子装置用電源として、エネルギー蓄積用および貯蔵用に設計され、電気エネルギーの生成、蓄積および長期保存利用可能な装置に関する。

背景技術

0002

電力蓄積用として知られた装置(蓄電池)は、電気エネルギーを化学エネルギーに変換し(充電)、逆に化学エネルギーを電気エネルギーに変換する(放電)という二次電池原理を利用して動作する。最も一般的な蓄電池は鉛蓄電池であり、ハウジングの内部に二酸化鉛から成る正極と海綿状鉛から成る負極とが設置されている。両電極間には電解液である硫酸充填されている。放電過程では正極と負極との両方の活性質量が反応して硫酸鉛が形成され、充電過程では二重スルホン化と呼ばれる化学反応が生じる [非特許文献1、2参照]。電解液の濃度が最高値(硫酸では1.28g/cm3)に達すると充電が停止する。放電の終了時には濃度は1.08−1.10g/cm3へ降下し、その後は再充電が必要である。

0003

蓄電池は、構成の簡単さ、製造可能性、およびコストの低さにより、電気エネルギーの貯蔵装置としては最も一般的である。蓄電池はエネルギー密度が高く、充放電の繰り返しが容易である。蓄電池の欠点は次のとおりである。充電に外部電源が必要である。充電時間が長い。電力に制限がある。充放電サイクル数に限りがある。 原則として、蓄電池の寿命は10年を超えていない。

0004

蓄電装置としてはキャパシタも知られている[非特許文献3、4参照]。最も単純なキャパシタは、電流を通さない物質である誘電体の層によって分離された2枚の金属膜から成る。キャパシタの膜が電源に接続されると充電電流が流れ、金属膜に正負電荷が蓄積される。キャパシタが充電されるとすぐに回路内の電流は0になる。キャパシタが電源から切断されると、蓄積された電荷が貯蔵される。キャパシタが抵抗に接続されるとキャパシタから放電電流が流れ、完全に放電される。この充放電サイクルは何度も繰り返すことができる。蓄電装置としてのキャパシタの利点は次のとおりである。構成が簡単である。充電時間が比較的短い。蓄電池と比べれば、容量が大きく、不具合が生じるまでの充放電サイクル数が多い。キャパシタの欠点は、充電に外部電源が必要なことである。

0005

電気二重層キャパシタまたはイオノスタと呼ばれる蓄電装置が知られている[非特許文献5−8参照]。電気二重層キャパシタの基本構造には、導電物質から成る膜状電極が2枚含まれ、それらの間に有機物または無機物電解質が配置されている。電気二重層キャパシタの電気的パラメータを向上させる目的で、膜状電極は更に多孔性物質(ほとんどの場合、活性炭)で覆われている。電気二重層キャパシタにはキャパシタと蓄電池との両方の動作原理が組み合わされている。

0006

電気二重層キャパシタにはエネルギーが次の2種類のメカニズムによって蓄積される。
第1に、電極と電解質との間の境界で形成される電気二重層による。この電気二重層の容量は次式(1)で決まる。

0007

ここで、εは二重層媒質比透磁率であり、ε0は真空透過率であり、Aは電極の比表面積であり、dは電気二重層の有効厚さである。

0008

第2に、電極と電解質との間での可逆的化学反応が与える疑似容量による。この場合、電子の蓄積はファラデー過程、すなわち、酸化反応の結果、電子が抽出されて電極と電解質との間の界面を通過することによる。理論的には、擬似容量は次式(2)によって計算可能である。

0009

ここで、nは酸化反応の結果、移動した電子数であり、Fはファラデー定数であり、Mは金属酸化物モル質量であり、Vは作動電圧の範囲である。このようなハイブリッドキャパシタは、充放電サイクル中における特性の高い安定性を維持しながら、更に高い容量密度と電力とを実現可能である。

0010

カーボンナノチューブ(CNT)は電気二重層の容量と擬似容量との両方の特徴を有する。CNTの特性と製造方法、および電極の構成によっては、電気二重層キャパシタの比容量は350F/gに達しうる[非特許文献9参照]。電気二重層キャパシタの容量特性の向上を目的としてCNTのいわゆる官能化が行われる。すなわち、CNTの構造への、原子ラジカル、または官能基の導入を伴う特殊な処理が行われる。たとえば、COOH基によるCNTの官能化は、比容量を0.25−91.25F/g増加させる[非特許文献10参照]。CNTを利用した電気二重層キャパシタの比容量のうち、現時点で実現された最も高い値は396F/Gである。しかし、技術の進歩の結果、この特性は絶えず増加しており、その値が500F/Gに到達したという情報もある[特許文献11参照]。

0011

現在、市販の電気二重層キャパシタのほとんどでは電極が、炭素修飾の異なる材質グラファイト、活性炭、カーボンナノチューブ、グラフェン炭素複合材料等)から製造されている。これらの材質は、市販されている高価ではない物質であり、耐食性に優れている。特に、活性炭と比べてCNTは導電性が高い。炭素を利用する電気二重層キャパシタはサイクルの安定性と寿命の長さとで特徴的である。電極の表面でも内部でも化学反応が起こらず、電気二重層によって電荷が蓄積されるからである。

0012

CNT型電気二重層キャパシタの利点は次のとおりである。

0013

−キャパシタよりも比容量が高く、蓄電池よりも比出力が高い。

0014

−寿命が長い。すなわち、充放電サイクル数に対する耐性が高い。静電容量を実質的に減少させることなく、最大で106サイクルまで耐えることができる。電気二重層キャパシタの主な欠点は、蓄電池と同様、充電用外部電源の必要性にある。

0015

英国の物理学者ヘンリー・モズレーによって1913年に発明された、放射性同位体を用いた電気エネルギー源ベータセル)が知られている。これは、絶縁された電極が内部に配置されたガラス製のレトルト蒸留器)であり、その電極の中心にはラジウム塩が置かれていた。β崩壊で放出された電子は、ガラス球銀層とラジウム塩を含む電極との間に電位差を生じさせた。モズレーの電池は、レトルト中の気体絶縁破壊電圧を上限とする高電圧まで充電された。この上限は、レトルトの排気によって上げることができた。

0016

α崩壊またはβ崩壊による放射線を用いて原子内のエネルギーから電気エネルギーを生成する装置が知られている[特許文献1参照]。この装置には、水または空気によって冷却される金属製の閉じたシェルが2個(エミッタおよびコレクタ)含まれている。これらの一方は他方の中に置かれており、これらの隙間は10-5−10-6mmHgの真空である。 エミッタには放射性物質が塗布され、隙間とコレクタとに面した厚さ25−100μmの金属層を形成している。エミッタとコレクタとの間には金属製の制御グリッドが設置されている。このグリッドは、50HzのAC電力網から電力が供給される高電圧トランス二次巻線電気的に接続され、エミッタとコレクタとは、別の高電圧トランスの一次巻線と電気的に接続されている。この別の高電圧トランスの二次巻線は電力負荷に接続されている。この装置は、常に充電されているキャパシタのように動作し、その充電電流がエミッタからコレクタへの粒子流によって決まる。この装置には次の欠点がある。エミッタとコレクタとの隙間に真空を維持する必要がある。放射性崩壊で生成された粒子を完全に停止させるのに十分な振幅でグリッドの電圧変調するのに外部電源が必要である。

0017

典型例の特徴
電気二重層キャパシタの次の構造が知られている[非特許文献12参照]。この構造では電極が、基本的なキャパシタにおいて膜の機能を果たすものであり、カーボンナノチューブ(CNT)で作られている。典型例の作動電極は、電気アーク法により合成された粉末状のナノチューブを、穴のないグラファイトの基板上に均一に塗布することによって形成されている。濃度35重量%の硫酸(密度1.26g/cm3)が電解液に使用された。CNTの特性を向上させる目的で、電解液を電位1.1Vに保って分極させることにより親水化させている。典型例は、仕事電位の範囲の広さ(1.4V以上)、約20kW/kgの比出力、および1Wh/kg以下の比エネルギーに特徴がある。典型例の主な欠点は、先に説明された装置と同様、電気二重層キャパシタの充電に外部電源が必要なことである。

0018

ロシア連邦特許第2113739号明細書

先行技術

0019

D.A. Khrustalev, “Accumulators,” Moskow, Izumrud, 2003
V.P. Kashtanov, V.V. Titov, A.F. Uskov, 他, “Lead Starter Storage Batteriers, Guidance,” Moskow, Voenizdat, 1983, 148 pp
J.C. Maxwell, “A Treatise on Electricity and Magnetism,” Dover, 1873, P.266, ISBN 0-486-60637-6
B.M. Yavorsky, A.A. Detlaf, “Handbook on Physics for Engineers and Students of Higher Education Institutes,” Moskow, Nauka, 1968
B.E. Conway, “Electrochemical Supercapacitors,” Scientific Fundamentals and Technological Applications, N.Y., Kluwer Academic Plenum Publ., 1999
Appl. Phys. Lett., 2000, 77, p.2421
D.V. Pankratov, 他, “Flexible thin supercapacitor based on the composite from multi-walled carbon nanotubes and electroconductive polyaniline,” The Modern Problems in Science and Education, 2012, No.4
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nl8038579
Chongfu Zhou. “Carbon Nanotube Based Electrochemical Supercapacitors,” School of Polymer, Textile and Fiber Engineering, Georgia Institute of Technology, 2006, P.18
Christopher M. Anton, Matthew H. Ervin, “Carbon Nanotube Based Flexible Supercapacitors,” Army Research Laboratory, 2011, P.7
http://rusnanonet.ru/news/37452/
Yu. M. Wolfkovich, 他 “Carbon Nanotube Based Power Electrochemical Supercapacitors,” Electrochemical Power Engineering, 2008, Vol. 8, No. 2, pp.106-110

発明が解決しようとする課題

0020

本発明の技術的課題は、充電に外部電源を必要としない蓄電装置の創作にある。別の技術的課題は、充電に外部電源を使用することなく、蓄電装置の動作時間延長することにある。

課題を解決するための手段

0021

特許請求の範囲に記載された装置では上記の技術的課題が解決される。これは、β線を発する放射性同位体を含むカーボンナノチューブ(CNT)でキャパシタの電極の片方を構成することによる。このCNTは、放射性同位体C−14、または炭素の安定同位体と放射性同位体C−14との混合物から成る。CNTへのC−14の導入は、次の3つの方法のいずれかが用いられれば実現可能である。

0022

a)CNTの合成段階において、C−14を含む、液相、固相、または気相炭素含有物質(例えば、揮発性有機化合物メタン、CO、またはCO2)が原料として直に利用される。

0023

b)天然の安定な炭素から生成されたCNTに、同位体C−14を含む化合物溶液または揮発性気体が含浸される。

0024

c)同位体C−14を含む、原子、ラジカル、または官能基をCNTに導入するための電気化学的、熱的、放電、レーザー磁気的、またはイオンビーム等を用いた処理によりCNTの官能化が行われる。

0025

β崩壊する他の放射性同位体、例えば、放射性核種H−3、Ni−63、Sr−90、Kr−85、Am−241、As−227、Th−229がCNTの表面に塗布されてもよい。これらは、電子の放出と電気二重層キャパシタの充電とを著しく容易にする。

0026

この場合、外部電源ではなく、β線源の電子のエネルギーを充電に利用することによって、我々は自己充電式電気二重層キャパシタを具現化する。

図面の簡単な説明

0027

自己充電式電気二重層キャパシタの構造
研究されたセルの構造(a)および外観(b)
放射能が1.74、6.0mCiに等しいC−14を含む塩酸アニリンを有するセルの充電特性
放射能が1.74mCiに等しいC−14を含む塩酸アニリンを有するセルの放電特性
蒸留水で満たされた内部に置かれ、放射能が1.74mCiに等しいC−14を含む塩酸アニリンが含浸された基板の上にCNTの配列を有するセルの充電特性(a)と放電特性(b)
放射能が6.0mCiに等しいC−14を含む塩酸アニリンと、0.1NのH2SO4である電解液とを有するセルの充電特性(a)と、定常状態における負荷10kΩへの放電特性(b)
放射能が6mCiに等しいC−14を含む塩酸アニリンと、0.1NのH2SO4である電解液とを有するセルの充放電特性
放射能が6mCiに等しいC−14を含む塩酸アニリンと、0.01NのNaOHである電解液とを有するセルの充電特性(a)と、定常状態における負荷10kΩへの放電特性(b)

実施例

0028

図1には自己充電式電気二重層キャパシタの構造が示されている。この構造は金属基板(1)を含む。この基板上にはカーボンナノチューブ(CNT)の配列(2)が成長しており、その中には放射性同位元素C−14(2)が含まれている。この基板はフッ素樹脂製のハウジング(3)の内部に置かれ、外部端子(5)を含む下側電極(4)との接触が維持されている。放射能を持つこの基板の上には、セパレータ(6)が配置されており、対向する電極間機械的な接触を防ぎ、負極側と正極側との電解液の混合を妨げている。セルのハウジングは電解液(7)で満たされ、樹脂製の蓋(8)で閉じられている。この蓋の中には第2電極(9)が挿入されている。この蓋(8)がセルを密封している。
図2の(a、b)には、研究された電気二重層キャパシタのセル模型の構造と外観とが示されている。このセルはフッ素樹脂製のハウジング3とステンレス鋼製の蓋2とから成る。ハウジングの内部には電極、コレクタ4が設置されており、フッ素樹脂製のワッシャー5によって蓋から絶縁されている。研究中の作動電極8は基板の形をしており、コーティング面ゴム環6に向け、それにフッ素樹脂製の中敷き7で押し付けられている。この基板の下側には、ねじの切られたバネ端子端子付きの電線がつながれている。セルは、電極4の貫通穴を通して注入された電解液で満たされている。この実施形態の寸法では、基板の見かけ面積は0.5cm2であり、電解液が抜かれて乾燥したセルの静電容量は82pFである。

0029

塩酸アニリン(同位体C−14を含む)のアルコール溶液がナノチューブ上に何度も連続して塗布されることにより、CNTを含む基板が準備された。塗布された同位体の放射能は、試薬を含浸する前後で測定された基板の重量に基づいて、熱量測定法で得られた比放射能特性を用いて算定された。タイプの異なる2種類の基板について、この方法で測定された同位体C−14の放射能は、1.74、6mCiであった。さらに、基板からのβ線量の測定値は、0.8×105、2.25×105/(分・cm2)に等しかった。

0030

デジタルナノ電圧計SCH−31と、アナログ−デジタルモジュールADAM4017+に基づいて特別に用意された自動測定システムとを使用した電気二重層キャパシタ・セルの電気性能の研究(乾燥したセルと電解液で満たされたセルとに対する測定)が行われた。

0031

本発明の実施形態は、以下の例で表される。

0032

例1
厚さ約10μmのCNT配列の形をした被覆が片側に形成された基板に塩酸アニリンの溶液が含浸された。これにより、炭素原子の約半分が同位体C−14であった。乾燥された後での基板の質量の増分から決定されたC−14の放射能の総量は、第1基板では1.74mCi、第2基板では6.0mCiであった。基板は上記の構造のセルの中に置かれた。このセルの電圧が、同位体C−14のβ崩壊による電荷として記録された。乾燥したセルの充電特性は、図3に示されている。

0033

セルの充電は、負電荷である電子が放出される結果、CNTを含む基板が正電荷を獲得することで進む。セルは丸一日かけて充電され、その電圧が約400mVに達した後、負荷抵抗に放電する間、その電圧が記録された。セルの放電は、10kΩ抵抗器では数分の1秒間行われ、47MΩ抵抗器では数分間行われた。後者の場合、放電特性は図4グラフで表される。

0034

セルの放電初期(10分間)では放電曲線指数関数的な性質を持つ。その後は指数関数からのずれが顕著になり、定常状態では放電曲線が一定のレベルに安定化する。定常状態は、セルの充放電が等速度であることで決まり、特に充電については、基板上のβ線源の放射能で決まる。

0035

上記の実験は、β崩壊に伴う電子による直接的な充電では乾燥したセルが低効率であることを示している。これらの電子のうちコレクタ電極に到達した部分しか、セルの充電過程に寄与しないからである。さらに、β崩壊による電子の一部が基板上のCNT配列に吸収され、基板の正電荷を打ち消すからである。

0036

例2
放射能が1.74mCiに等しいC−14を含む基板を有するセルには、乾燥状態での充放電が実験された後、蒸留水が充填された。このセルの充放電特性が測定された。このセルの電圧と負荷抵抗10kΩへの放電電流との変化が、図5に示されている。

0037

水が充填されてからの約20時間である初期では、純水のイオン伝導度が低いのでセルの充電効率が低い。この段階でのセルの電圧はほとんど、50mVを超えなかった。基板から塩酸アニリンの一部が水に溶解して、その中にイオンが追加された後は、続く10−12時間にわたってセルの電圧が徐々に上昇する。定常状態では、セルの電圧が一定値約300mVに近づいて安定化し、セルに水がある限り、このレベルに維持される。この段階ではセルの負荷、10kΩの抵抗器に流れる電流は約1μA/cm2に安定化する(図5b)。

0038

上記の実験により、C−14を含むCNT配列を有する電気二重層キャパシタでは、蒸留水が充填されたセルは水のない同様なセルよりも、効率が有意に高いことがわかる。

0039

例3
例1に記載されたように、放射能6mCiのC−14を含む塩酸アニリンが含浸されたCNT配列を備えた基板を有するセルは、蒸留水を充填された状態で充放電の実験が行われた後に乾燥させられ、その後、そのセルには電解液0.1NのH2SO4が充填された。

0040

セルの電圧の経時的変化は、図6aに示されているグラフで特徴付けられ、定常状態における負荷10kΩへの放電電流の経時的変化は、図6bに示されている。

0041

放電電流は、初期ではピーク4μA/cm2に達した後に1μA/cm2まで減少し、中間期では最大値が1.5μA/cm2に達する。さらに、グラフに示されている放電曲線の終了領域では放電電流がゼロまで減少する。これは、密封されていないセルから水が蒸発(または放射線分解)したことに関連する。

0042

図7には、負荷抵抗10kΩが使用されるときのセルの「充放電」動作が示されている。このグラフは次のことを示している。負荷抵抗10kΩがセルに接続された瞬間では、放電電流(曲線2)が最大値4−9μA/cm2に達し、その後の数秒間に2μA/cm2まで減少する。負荷抵抗が分離されたとき、セルの電圧(曲線1)が内部の充電動作によって立ち上がり、2秒が経過するまでには50−70mVに達し、5秒間のサイクルの完了時には90−100mVにまで達する。

0043

例4
放射能が6mCiに等しいC−14を含む塩酸アニリンが含浸されたCNT配列を有する基板を備えたセルは、例2に記載されたように、電解液0.1NのH2SO4が充填されて充放電実験が行われた後、乾燥されてから電解液0.01NのNaOHで満たされた。

0044

セルの電圧の経時的変化は、図8aに示されているグラフで特徴付けられ、定常状態における負荷10kΩへの放電電流の経時的変化は、図8bに示されている。

0045

電解液0.01NのNaOHを含むセルでは、電解液0.1NのH2SO4を含むセルと同様、β崩壊のエネルギーによる電気二重層の自己充電が生じ、最大約300mVの定常レベルに達する。負荷10kΩへの放電電流は、初期では最大18μA/cm2まで増加し、その後、滑らかに減少し、定常値約40μA/cm2に達する。

0046

こうして、放射性同位体C−14を含むCNT配列を有する基板状の電極を備えた電解セルを使用した実験では、自己充電式電気二重層キャパシタの動作が実証された。この装置は、如何なる外部電源もなしで充放電を繰り返す。

0047

上記のデータから、特許請求の範囲に記載された発明が使用されるときには、以下の条件が満たされることがわかる。

0048

−特許請求の範囲に記載の発明が実施される場合、その実施形態である電気二重層キャパシタの形をした装置は、外部電源による充電なしで電気エネルギーを蓄積して貯蔵する。

0049

−特許請求の範囲に記載の発明による電気二重層キャパシタの充電方法は、半減期が5700年である同位体C−14のβ崩壊を使用する。装置の密封が確実な場合、セルの電極とハウジングとでは耐食性合金から成る材質の消費が最小限に抑えられ、電解液は消費されない。

0050

−特許請求の範囲において独立請求項に記載されたような装置とその製造方法とについて、その請求項に記載され、または優先日前に知られていた設備と方法とを用いた実施形態の実現可能性が証明されている。

0051

−特許請求の範囲に記載の発明を実施する装置は、出願人がすでに得ている技術的効果を確実に達成可能である。

0052

本発明の利点は次のとおりである。

0053

β崩壊のエネルギーを電気エネルギーに変換する効率が上昇する。これにより、類似技術と比較して出力電流、電力が明らかに増加する。

0054

同位体C−14が塗布された電気二重層キャパシタとして形成される電源の製造コストが低減する。同位体C−14は、市場入手可能な同位体のうち(放射能の単位あたりの)コストが最も安価なものの1つであり、装置の構造と製造工程とが簡単だからである。

0055

提案された装置は、カーボンナノチューブの配列を含む被覆が塗布された電極を有する電気二重層キャパシタを使用する。これは、モバイル装置用電源の製造においてすでに利用可能な技術を用いて製造可能である。

0056

したがって、特許請求の範囲に記載された発明は「産業上の利用可能性」の要件を満たす。

0057

技術的効果を実現するための特徴
特徴1:β崩壊による放射線のエネルギーを電気エネルギーに変換するこの装置では電気二重層キャパシタが使用される。その作動電極は、カーボンナノチューブの配列を有する基板として形成されている。

0058

特徴2:カーボンナノチューブの配列を有する基板に、同位体C−14を含む化合物の溶液が含浸され、またはそのカーボンナノチューブが同位体C−14を用いて製造される。

0059

特徴3:カーボンナノチューブの配列を有する基板が電解液中に配置される。配列中の個々のナノチューブと電解液との間の界面には、β崩壊による充電中に発生した非対称電位障壁である電気二重層が形成され、電荷の効果的なセパレータとしての役割と同時に、電気エネルギーの蓄積装置としての役割を果たす。

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