図面 (/)
課題・解決手段
請求項1
プロペラ羽根であって、前縁と、前記前縁から離間された後縁と、前記前縁と前記後縁との間にあり、羽根付根と羽根先端との間で径方向に延びる翼型区域のセットとを備え、前記プロペラ羽根のスイープ線が少なくとも1つの変曲点を備える、プロペラ羽根。
請求項2
請求項3
前記羽根先端のスイープ角度が50度より大きい、請求項1または2に記載のプロペラ羽根。
請求項4
前記羽根先端は、50度から90度までの範囲にある可変スイープ角度を備える、請求項3に記載のプロペラ羽根。
請求項5
請求項6
請求項7
請求項8
請求項9
前記前縁は30度から85度の間で後方に角度が付けられる、請求項8に記載のプロペラ羽根。
請求項10
請求項11
前記後縁は波形とされた後縁である、請求項1から10のいずれか一項に記載のプロペラ羽根。
請求項12
プロペラ組立体であって、回転可能なハブと、羽根を伴うプロペラ羽根のセットであって、前縁、前記前縁から離間され、それらの間に翼型を形成する後縁、羽根付根と、前記プロペラ羽根の全長の50パーセントとの間に位置付けられる径方向内側領域、および、前記径方向内側領域と前記プロペラ羽根の羽根先端との間に位置付けられる径方向外側領域を備えるプロペラ羽根のセットとを備え、前記内側領域における前記羽根のスイープ線が凹形または凸形の一方であり、前記外側領域における前記羽根のスイープ線が凹形または凸形の他方である、プロペラ組立体。
請求項13
前記回転可能なハブにおける前記羽根の前記前縁は後方に角度が付けられる、請求項12に記載のプロペラ組立体。
請求項14
前記羽根先端は、50度より大きいスイープ角度を備える、請求項12または13に記載のプロペラ組立体。
請求項15
前記羽根先端は、50度から90度までの範囲にある可変スイープ角度を備える、請求項14に記載のプロペラ組立体。
請求項16
前記羽根は真っ直ぐな桁内部構造をさらに備える、請求項12から15のいずれか一項に記載のプロペラ組立体。
請求項17
前縁と、前記前縁から離間され、それらの間に翼型を形成する後縁とを有する羽根本体であって、前記羽根本体のスイープ線が凹形または凸形の一方から凹形または凸形の他方へと変化する点によって定められる少なくとも1つの変曲点を有するS字形の平面図形を伴う羽根本体を備えるプロペラ。
請求項18
前記羽根本体は真っ直ぐな桁内部構造をさらに備える、請求項17に記載のプロペラ。
請求項19
前記後縁は波形とされた後縁である、請求項17または18に記載のプロペラ。
請求項20
羽根スピナカップリングにおける前記前縁は後方に角度が付けられる、請求項17から19のいずれか一項に記載のプロペラ。
背景技術
0001
現代のターボプロップエンジン航空機は、航空機のエンジンに取り付けられた1つまたは複数のプロペラを備え得る。航空機エンジンは、2つ以上のプロペラの種類を受け入れて動作させるように構成され得る。エンジン制御装置システムが、設置されたプロペラの種類に基づいて航空機エンジンを動作させるように構成されてもよく、選択されたプロペラの種類の特定のプロペラ特性を利用するために調節され得る。
課題を解決するための手段
0002
一態様では、本開示は、プロペラ羽根であって、前縁と、前縁から離間された後縁と、前縁と後縁との間にあり、羽根付根と羽根先端との間で径方向に延びる翼型区域のセットとを備え、プロペラ羽根のスイープ線が少なくとも1つの変曲点を備える、プロペラ羽根に関する。
0003
別の態様では、本開示は、プロペラ組立体であって、回転可能なハブと、羽根を伴うプロペラ羽根のセットであって、前縁、前縁から離間され、それらの間に翼型を形成する後縁、羽根付根と、プロペラ羽根の全長の50パーセントとの間に位置付けられる径方向内側領域、および、径方向内側領域とプロペラ羽根の羽根先端との間に位置付けられる径方向外側領域を備えるプロペラ羽根のセットとを備え、内側領域における羽根のスイープ線が凹形または凸形の一方であり、外側領域における羽根のスイープ線が凹形または凸形の他方である、プロペラ組立体に関する。
0004
なおも別の態様では、本開示は、前縁と、前縁から離間され、それらの間に翼型を形成する後縁とを有する羽根本体であって、羽根本体のスイープ線が凹形または凸形の一方から凹形または凸形の他方へと変化する点によって定められる少なくとも1つの変曲点を有するS字形の平面図形を伴う羽根本体を備えるプロペラに関する。
図面の簡単な説明
0005
翼と、エンジンと、本明細書に記載されている様々な態様によるプロペラとを有する航空機の例の概略的な上面図である。
図1の航空機で利用され得るプロペラ羽根およびハブの一部分の斜視図である。
図2のプロペラ羽根の翼型の断面図である。
図2のプロペラの平面図形図である。
プロペラ羽根の先端領域の拡大図である。
プロペラ羽根の付根領域の拡大図である。
実施例
0006
本明細書に記載された様々な態様は、平面図形で見たときにS字形の輪郭を有するプロペラ羽根に関係させられている。本開示の実施形態は、プロペラによって実施される機能に拘わらず、プロペラのための任意の環境、装置、または方法において実施され得る。非限定的な例を用いて、このようなプロペラは、航空機、船舶、風力タービンなどにおいて利用され得る。本出願の残りの部分は、航空機の環境に注力している。
0007
図1は、機体12と、機体12から外向きに延びる翼14とを有する航空機10を描写している。航空機10は、相対している翼14と結合されたエンジン16のセットとして示された、航空機10に結合された少なくとも1つのターボプロップ航空機エンジン16を備え得る。エンジン16は、エンジン16と結合され、プロペラ羽根18と、スピナ19を有する回転可能なハブ組立体とを備えるプロペラ組立体17のセットを備え得る。
0008
エンジン16は、プロペラ組立体の回転の軸20の周りでプロペラ組立体17の回転22を駆動する。プロペラ羽根18はさらに、プロペラ羽根18の回転22が航空機10のための推力(矢印24として図示されている)を発生させるように、プロペラ組立体の回転の軸20に対して、構成され得る、または、角度が付けられ得る。2つのターボプロップエンジン16を有する航空機10が図示されているが、本開示の実施形態は、任意の数のエンジン16、プロペラ組立体17、もしくはプロペラ羽根18、または、航空機に対する任意の場所のエンジン16、組立体17、もしくは羽根18を備えることができる。本開示の実施形態はさらに、限定されることはないが、ピストンに基づく燃焼エンジンまたは電気で駆動されるエンジンを含む、異なる航空機エンジン16の種類に適用され得る。また、プロペラ組立体17またはプロペラ羽根18の回転22は、本開示の実施形態の理解のために提供されている。本開示の実施形態は、プロペラ組立体17もしくはプロペラ羽根18の回転22の代替の方向、または、エンジン16のセットがプロペラ羽根18を同じ方向もしくは反対の方向で回転させる実施形態を含み得る。
0009
図2は、スピナ19を含むプロペラハブの一部分と、単一のプロペラ羽根18の本体30とを示すプロペラ組立体17の斜視図である。図示されているように、プロペラ羽根は、径方向の全長Lを備え、スピナ19から径方向外向きに延びている。羽根付根32が含まれており、羽根付根32において、プロペラ羽根18の翼型39がスピナ19と結合している。本体30は羽根付根32から羽根先端34へと径方向に延びている。本体30は、前縁36から、前縁36から離間されている後縁38へと軸方向に広がっている。翼型39は前縁36と後縁38との間に形成されている。
0010
第1のスプライン40および第2のスプライン42が、所与の点のセットを通過するように構築された連続曲線として定められている。第1のスプライン40および第2のスプライン42は、前縁36および後縁38をそれぞれ幾何学的に定めている。S字形(S)が、平面図形で見たとき(図4)、プロペラ羽根18の本体30について定められている。
0011
第1のスプライン40および第2のスプライン42は、付根32と、プロペラ羽根18の径方向の全長Lの50パーセントとの間に位置付けられた径方向内側領域Iにおける凸形配置から、径方向内側領域Iと羽根先端34との間に位置付けられた径方向外側領域Oにおける凹形配置まで推移している。径方向内側領域Iが、羽根付根32と、プロペラ羽根18の径方向の全長Lのおおよそ50パーセントとの間に位置付けられるとして記載されているが、プロペラ羽根18の代替の構成は、内側領域Iがプロペラ羽根18のより多くかまたはより少ない径方向の全長Lを含むように定められることを含む可能性がある。
0012
図4A〜図4Dは、プロペラ羽根18の翼型39の一部分の断面図である。翼型39は前縁36から後縁38へと軸方向に延びている。翼弦線46が前縁36から後縁38へと広がっている。キャンバーライン48も前縁36から後縁38へと延びており、翼型39の圧力側50と吸込み側52との間の中間の点を連結している。プロペラ羽根18が翼型39のための多数の幾何学的形状を含み、図4A〜図4Dが例示の目的だけのために提供されていることは、理解されるべきである。翼型39の断面が対称的または非対称的な翼型であり得ることは、さらに理解されるべきである。
0013
プロペラ羽根18は、前縁36と後縁38との間で軸方向に広がっており、付根32から先端34まで径方向に広がっている翼型区域56のセットをさらに含み得る。各々の翼型区域56は、図3A〜図3Dに描写されているような少なくとも1つの翼型39を表しているか、または、複数の翼型39が、重ねられるとき、各々の翼弦線46の長さへの変化、変化する厚さを伴うキャンバーライン48の曲げへの変化、および翼弦線の配置への変化によって定められるような滑らかに推移する幾何学的形状を有する。合わせて、翼型区域56は、平面図形においてプロペラ羽根18のS字形(S)を形成している。
0014
図4は、プロペラ羽根18の径方向に対して垂直であるプロペラ羽根18の長さである全長Lと、各々の径方向ステーションにおいて翼弦線46の長さに定められた変化する幅Wとを伴うプロペラ羽根18の平面図形を示している。プロペラ羽根18が付根32から先端34へと径方向で延びるため、幅Wは、プロペラ羽根翼弦分布に従って付根32から先端34へと変化する。
0015
プロペラ羽根18は、付根32から先端34に向けて広がる真っ直ぐな桁54を備え得る。桁54は、空気力学的荷重および遠心荷重を支えるための、プロペラ羽根18の主要な内部構造要素である。桁54は、例えば、限定されることはないが、炭素強化複合材料といった、様々な材料から形成され得る。真っ直ぐな桁54は、限定となるように意味されておらず、例えば、様々な角度を有し、プロペラ羽根18のスイープを反映するように形成されたスイープ桁であり得る。
0016
スイープ線62が、前縁36に最も近い翼弦線46の長さの44%に位置付けられた複数の点64を結んでいる。44%として図示されているが、スイープ線62は、翼弦長さの15%から60%までの間の点を結んでもよい。スイープ線62は、付根32の径方向外向きに、内側領域Iにおけるスイープ線62の隣接する点から後方にずれた点を含む後方へスイープされた区域60を定めている。
0017
中間区域Mにおける変曲点59が、第1のスプライン40、第2のスプライン42、およびスイープ線62の各々に沿う点に位置付けられている。変曲点59は、凹形配置または凸形配置の一方から凹形配置または凸形配置の他方への変化が起こる場所を含む。変曲点59は、図示された場所に限定されず、任意の径方向の位置となることができ、第1のスプライン40、第2のスプライン42、およびスイープ線62の各々について異なってもよい。
0018
外側領域Oは、全長Lの10%である先端長さTLを有する先端領域Tにおいて途切れる前方へスイープされた区域65を含む。先端領域Tにおけるスイープ線62の非常にスイープされた部分58が可変スイープ角度を有し得る。
0019
図5Aを見ると、先端領域Tの拡大図が、可変スイープ角度を、40°から90°までの範囲であるθ1およびθ2として示している。2つの角度θ1およびθ2として示されているが、複数の角度が、先端領域Tにおいて、スイープ線62に沿う可変スイープ角度θを定めることができることは、理解されている。
0020
図5Bの付根領域Rの拡大図では、第1のスプライン40および第2のスプライン42は、スイープ線62と共に、0°から90°までの間の後方角度β1、β2、β3を伴う後方に角度が付けられた配置で付根32において各々途切れる。
0021
互いと比較されるとき、前縁36に沿う第1のスプライン40とスイープ線62とは、30°〜85°の範囲にあるより小さい後方角度β1、β2を有することができ、一方、後縁38に沿う第2のスプライン42は、60°〜120°の範囲のより大きい後方角度β3を有することができる。そのため、第1のスプライン40およびスイープ線62は、中間区域Mへと続く付根領域Rにおいて互いと平行となり、先端34が翼弦を有する点または翼型によって定められる先端34においてすべての3つのスプライン40、42、62が途切れる高度にスイープされた部分58まで互いと平行となることができる。
0022
本明細書に記載された本開示に関する要素が、例示の目的だけのためであり、限定するように意味されていないことは、理解されるべきである。少なくとも1つの変曲点を有するプロペラ羽根が複数の変曲点を有することができることと、形が本明細書に記載されているようなS字形のものと異なり得ることとは、さらに検討され得る。
0023
本明細書に記載されたS字形のプロペラ羽根と関連付けられる便益は、プロペラ騒音を低減する高度にスイープされた部分と、効率を増加させる後方にスイープされた内側領域とを含む。プロペラ羽根の付根において後方の角度を追加的に組み込むことは、プロペラ羽根の空気流へのより良好なスピナを可能とする。波形とされた後縁は、プロペラと翼との干渉を低減する一方で、真っ直ぐな桁内部構造をなおも維持する。内部に真っ直ぐな桁を含むことは製造の変更をまったく必要せず、これは最もコスト効果があるが必然ではない。
0024
まだ記載されていない範囲で、様々な実施形態の異なる特徴および構造が、互いとの組み合わせで、望まれるように使用され得る。ある特徴が実施形態のすべてにおいて示すことができないことは、それができないが記載の簡潔性のために行われていると解釈されるように意味されていない。したがって、異なる実施形態の様々な特徴は、新たな実施形態が明示的に記載されていようがいまいが、新たな実施形態を形成するために望まれるように調和および合致され得る。さらに、様々な要素の「セット」が記載されているが、「セット」が、1つだけの要素を含め、任意の数のそれぞれの要素を含み得ることは、理解されるものである。本明細書に記載されている特徴の組み合わせまたは置き換えは、本開示によって網羅されている。さらに、先の図において示されたものに加えて、多くの他の可能な実施形態および構成が本開示によって検討されていることは、理解されるものである。
0025
この書かれた記載は、最良の様態を含む本発明の実施形態を開示するために、および、任意の装置またはシステムを作って使用することと、任意の組み込まれた方法を実施することとを含め、当業者が本発明の実施形態を実施できるように、例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、請求項によって定められており、当業者が思いつく他の例を含む可能性がある。このような他の例は、請求項の文字通りの言葉と異なる構造要素を有する場合、または、請求項の文字通りの言葉と非実質的な違いを伴う同等の構造要素を含む場合、請求項の範囲内にあるように意図されている。
0026
10航空機
12機体
14翼
16ターボプロップ航空機エンジン
17プロペラ組立体
18プロペラ羽根
19スピナ
20 プロペラ組立体の回転の軸
22 回転
30 本体
32羽根付根
34羽根先端
36前縁
38後縁
39翼型
40 第1のスプライン
42 第2のスプライン
46翼弦線
48キャンバーライン
50圧力側
52吸込み側
54 桁
56 翼型区域
58 非常にスイープされた部分
59変曲点
60後方へスイープされた区域
62スイープ線
64 点
65 前方へスイープされた区域
I径方向内側領域
O径方向外側領域
L径方向の全長
M中間区域
R付根領域
W 幅
T先端領域
TL先端長さ
β1、β2、β3後方角度
θ1、θ2スイープ角度