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技術 結腸直腸腺腫及び癌腫の検出、病期診断及び監視方法

出願人 ウイスコンシン・アルムニ・リサーチ・ファンデーション
発明者 サスマン,マイケル・リチャードイバンシク,メラニー・メイケネディ,グレゴリー・ディダブ,ウィリアム・フランクリンピックハート,ペリー・ジョセフレイチェルダーファー,マーク
出願日 2017年6月12日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2018-564395
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-526038
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 装置分解能 診断機構 監視グループ コイン投げ 追跡監視 信頼範囲 切除片 秒間パルス
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、結腸直腸癌病期診断、予後及び監視ならびに、結腸直腸癌を有する個人又は結腸直腸癌を発病し易い場合がある個人における治療介入のために有用な最小に侵襲性の方法、試薬診断及び予後マーカーを提供する。

概要

背景

関連出願へのクロスリファレンス
本特許出願は、2016年6月10日に出願された米国仮特許出願第62/348,290号明細書の優先権の利益を主張し、前記特許のすべてはその全体が引用により本明細書に取り込まれる。

電子的に提出されるテキストファイルの説明
本明細書と共に電子的に提出される以下のテキストファイルの内容は、引用によりその全体が本明細書に取り込まれる:配列表コンピューター可読フォーマットコピーファイル名:16−816−PRO_ST25_6−9−16.txt,記録日:2016年6月9日,ファイルサイズ 11KB)。

関連技術の説明
2016年に約135,000の結腸及び直腸癌の新しい症例が診断され、ほとんど50,000人がこの疾患で死亡し、結腸及び直腸癌を合衆国における癌関連死の最も多く見られる原因の1つとしている。非特許文献1。早期の診断は高い生存率を有するが、推奨されるスクリーニング指針順守する割合は低く、約2300万人の合衆国国民(30−40%)はスクリーニングされないままである。非特許文献2。

合衆国において、結腸直腸癌予防の主な方法は、スクリーニング大腸内視鏡検査による早期検出である。非特許文献2。合衆国における大腸内視鏡検査による慣例的な結腸癌スクリーニング/監視リスク便益を評価する最近の研究は、繰り返される大腸内視鏡検査が医療制度への負担であり、患者にとって期待されるより低い便益を有することを示している。非特許文献3;非特許文献4。最近の研究は、施術(procedure)の1週間以内での大腸内視鏡検査からの合併症の故の2%の再入院率を同定した。非特許文献5。2016年2月に、カナダ防疫係官は、結腸直腸癌の家族歴がない低リスク無症候性の患者はもはや大腸内視鏡検査によりスクリーニングされるべきではないと述べる新しい結腸癌スクリーニング指針を発した。カナダの専門家であるBoggs W.は、結腸癌スクリーニングのための大腸内視鏡検査に「否」と言っている。非特許文献6。便潜血試験又は便免疫化学試験(FOBT及びFIT)のような侵襲性の低い排せつ物に基づく試験が推奨された。

結腸癌の大部分は良性腺腫性ポリープとして始まり、遺伝子突然変異の逐次的累積を
介して浸潤性癌腫に進行する(図1)。非特許文献7;非特許文献8。大腸内視鏡検査の間に同定されるポリープ生検は、ポリープが癌性であるかどうかを決定する病理学者により評価される。非癌性ポリープと診断される大腸内視鏡検査の症例は癌を発病するリスクにより分類され、予測されるリスクに基づいて追跡監視が推奨される。

結腸直腸腫瘍局所的な進行を正確に予測する可能性は、結腸癌生物学の分野で大部分は未解決のままである。分子遺伝学法は、再発に関するリスクを予測するために遺伝子アレーを用いる試験の開発を生じたが、それらの能力は診断の時点におけるリンパ節転移ステージ3)の予測に限られたままである。非特許文献9。ステージ4転移を同定するために用いられる画像化法(CTスキャン)は、リンパ節浸潤の存在を確実に同定することができなかった。さらに、現在の患者精密検査法(CTスキャン、MRI、PET/MRI)の間に用いられる画像化法のいずれによっても所属リンパ節は適切に可視化されず、小さい罹患(affected)リンパ節か部分的に罹患したリンパ節かの鑑別(resolving)は、これらの画像化分野内の将来の技術的躍進を以てしても可能性が低い。

現在、リンパ節の外科手術切除及び病理学分析によってのみ、リンパ節浸潤を確実に検出することができる。結腸直腸外科手術患者の最高で35%が術後合併症に苦しめられ、それは死亡、悪い腫瘍学的予後、追加の合併症及びより悪い生活の質に関するより高いリスクにあることが示された。非特許文献10。所属リンパ節の状況が既知であれば、患者の罹患率(incidence of patient morbidity)を下げ内視鏡的切除のような局所的外科手術法が可能である。

直腸癌は、処置されている領域の感受性の故に、結腸癌と比較して有意な患者の罹患及び死亡の原因となる。直腸癌と関連する罹患率及び死亡率のレベルは、臨床的処置の間の継続的な懸念である。結腸癌及び直腸癌の両方のための一次的治療は、腫瘍を除去するための外科手術である。何人かの直腸癌患者は放射線及び/又は化学療法の形態における術前補助処置(外科手術前)から便益を受ける。しかしながらすべての患者が術前補助療法から便益を受けるわけではないであろう。さらに継続的な処置の料金は、しばしば一時的な人工肛門(補助的化学療法処置の後に2回目の外科手術により除去されねばならない)が必要であることと一緒になって、処置が毎日の健康及びライフスタイルに要する料金の故に直腸癌の患者が必要な処置を拒否することがあることを意味する。

かくして当該技術分野において、術前補助処置から便益を受けるであろう直腸癌の患者を正確に且つ確実に同定する必要もある。特に術前補助処置を与える前に患者のリンパ節の状況の一貫した病期診断を達成する方法が必要である。病期診断をしない医師は、多くの場合に、特に患者がT1又はT2腫瘍を有している場合に患者を過剰処置している。処置の前に直腸癌の患者を病期診断する医師は、多くの場合にT3又はT4腫瘍を有するいずれの患者のためにも(リンパ節の状況について何も知らずに)術前補助処置を与えるであろう。これは、原発腫瘍がさらに腸壁内に成長してしまった場合のリンパ節転移の可能性の故である。しかしながらこれは、多くの患者が過剰処置され、不必要な化学療法及び放射線を経る痛みに加えて患者が治療を経験している時間を長くしていることを意味する。

概要

本発明は、結腸直腸癌の病期診断、予後及び監視ならびに、結腸直腸癌を有する個人又は結腸直腸癌を発病し易い場合がある個人における治療介入のために有用な最小に侵襲性の方法、試薬、診断及び予後マーカーを提供する。

目的

本発明はさらに、癌性又は前癌性結腸病変の病期診断、予後及び監視ならびに結腸直腸癌を有する個人又は結腸直腸癌を発病し易い場合がある個人における治療介入のために有用な最小に侵襲性の方法、試薬、診断及び予後マーカーを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

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請求項1

生体試料中の1種又は複数種タンパク質バイオマーカー検出方法であって:(a)生体試料を1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーに関してアッセイをすること、及び(b)生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含み、ここでタンパク質バイオマーカーは、ロイシンリッチアルファ−2−糖タンパク質ペプチダーゼ阻害剤16、CD44、カドヘリン2、C−反応性タンパク質ジペプチジルペプチダーゼ4、インター−アルファトリプシン阻害剤重鎖H4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H3、凝固因子V、上皮成長因子受容体、Fetuin−B、ヘモペキシン血清アミロイドP成分ビタミンD結合タンパク質補体因子I、スーパーオキシドジスムターゼ3、ビトロネクチントロンボスポンジン−4又はクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1である、方法。

請求項2

前記生体試料が患者中の癌性又は前癌性結腸病変からのものである、請求項1に記載の方法。

請求項3

(a)1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーに相同性を有する1種以上の検出可能的に標識された合成ペプチドを選択すること(b)検出可能的に標識された合成ペプチドを生体試料と合わせること、及び(c)組み合わせを物理的分離方法に供することを含む方法により前記生体試料をアッセイする、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記物理的分離法が液体クロマトグラフィーである、請求項3に記載の方法。

請求項5

前記合成ペプチドを同位体標識する、請求項3に記載の方法。

請求項6

前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルの検出が前記生体試料中のタンパク質バイオマーカーの濃度の定量を含む、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記アッセイすることが免疫学的アッセイを含む、請求項1に記載の方法。

請求項8

前記免疫学的アッセイが酵素結合イムノソルベントアッセイを含む、請求項7に記載の方法。

請求項9

前記検出することが質量分析を含む、請求項1の方法。

請求項10

さらに(c)前記癌性又は前癌性結腸病変において、前記生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより、そのステージを同定することを含む、請求項2に記載の方法。

請求項11

前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーを、ステージ0、ステージ1、ステージ2、ステージ3又はステージ4癌腫における癌性又は前癌性結腸病変において検出する、請求項10に記載の方法。

請求項12

さらに(c)前記癌性又は前癌性結腸病変において、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより、進行性腺腫又は低リスク腺腫と同定することを含み、ここで前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルを、進行性腺腫、低リスク腺腫又は正常な組織を有する患者において検出する、請求項2に記載の方法。

請求項13

前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーがC−反応性タンパク質及び上皮成長因子受容体を含む、請求項12に記載の方法。

請求項14

さらに(c)前記癌性又は前癌性結腸病変において、前記生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより、絨毛腺腫又は低リスク腺腫を同定することを含み、ここで前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルを、絨毛腺腫、低リスク腺腫又は正常な組織を有する患者において検出する、請求項2に記載の方法。

請求項15

前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーが、C−反応性タンパク質、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H3及びクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1を含む、請求項14に記載の方法。

請求項16

さらに(c)前記癌性又は前癌性結腸病変において、前記生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより、限局性(ステージ1及び2)又は局所性(ステージ3)結腸直腸癌と同定することを含み、ここで前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルを、限局性(ステージ1及び2)又は局所性(ステージ3)結腸直腸癌を有する患者において検出する、請求項2に記載の方法。

請求項17

前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーが、C−反応性タンパク質、CD44、上皮成長因子受容体及びクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1を含む、請求項16に記載の方法。

請求項18

さらに(c)前記癌性又は前癌性結腸病変において、前記生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより、成長している腺腫と同定することを含み、ここで前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルを、成長している腺腫、静止性腺腫又は退行している腺腫を有する患者において検出する、請求項2に記載の方法。

請求項19

前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーが、凝固因子V、C−反応性タンパク質、ペプチダーゼ阻害剤16、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H4及びロイシン−リッチアルファ−2−糖タンパク質を含む、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記生体試料が、ポリープ切除後、結腸切除後又は他の治療介入後の前記患者からのものである、請求項2に記載の方法。

請求項21

さらに(c)前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルがポリープ切除前の癌性又は前癌性結腸病変において検出されたレベルと異なる場合に、ポリープ切除、結腸切除又は他の治療介入の後の癌性又は前癌性結腸病変の再発を同定することを含む、請求項20に記載の方法。

請求項22

前記生体試料をポリープ切除から1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月又は6ヵ月後以内に回収する、請求項21に記載の方法。

請求項23

前記生体試料をポリープ切除から1年又は2年後以内に回収する請求項21に記載の方法。

請求項24

さらに(c)前記生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより、ポリープ切除又は他の治療介入の後にポリープを有する個人を同定することを含む、請求項20に記載の方法。

請求項25

前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーが、C−反応性タンパク質及びペプチダーゼ阻害剤16を含む、請求項24に記載の方法。

請求項26

さらに(c)前記癌性又は前癌性結腸病変において、前記生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより、進行性腺腫又は低リスク腺腫と同定することを含み、ここで前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルが前記患者の性別に依存し、且つここで前記1種又は複数種のタンパク質の参照レベルが、進行性腺腫、低リスク腺腫又は正常な組織を有する患者において検出される、請求項2に記載の方法。

請求項27

前記患者が女性であり、且つここで前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーが、凝固因子V、CD44及び上皮成長因子受容体を含む、請求項26に記載の方法。

請求項28

前記患者が男性であり、且つここで前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーが、C−反応性タンパク質、ペプチダーゼ阻害剤16、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H4及び補体因子Iを含む、請求項26に記載の方法。

請求項29

前記生体試料が患者における癌性又は前癌性結腸又は直腸病変からのものである、請求項1に記載の方法。

請求項30

さらに(c)前記生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより、前記患者における直腸ポリープを同定することを含み、ここで前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルを直腸ポリープ、結腸ポリープ又は正常な組織を有する患者において検出する、請求項29に記載の方法。

請求項31

前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーが、ペプチダーゼ阻害剤16、CD44、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H3及びクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1を含む、請求項30に記載の方法。

請求項32

さらに(c)前記生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより患者における結腸直腸癌を同定することを含む、請求項1に記載の方法。

請求項33

前記1種又は複数種のバイオマーカーが、ロイシン−リッチアルファ−2−糖タンパク質、ペプチダーゼ阻害剤16、CD44、C−反応性タンパク質、ジペプチジルペプチダーゼ4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H3、凝固因子V、上皮成長因子受容体、Fetuin−B、ヘモペキシン又はクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1である、請求項32に記載の方法。

請求項34

前記患者が男性であり、且つここで前記1種又は複数種のバイオマーカーがさらに、補体因子I及び血清アミロイドP成分を含む、請求項33に記載の方法。

請求項35

前記患者が女性であり、且つ前記1種又は複数種のバイオマーカーがさらにカドヘリン2を含む、請求項33に記載の方法。

請求項36

前記1種又は複数種のバイオマーカーが、ロイシン−リッチアルファ−2−糖タンパク質、CD44、ジペプチジルペプチダーゼ4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H3又は上皮成長因子受容体である、請求項32に記載の方法。

請求項37

前記方法が非侵襲性である、請求項1に記載の方法。

請求項38

結腸直腸癌を有する患者の同定方法であって、該患者からの生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーを検出することを含み、ここで1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーが、ロイシン−リッチアルファ−2−糖タンパク質、ペプチダーゼ阻害剤16、CD44、C−反応性タンパク質、ジペプチジルペプチダーゼ4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H3、凝固因子V、上皮成長因子受容体、Fetuin−B、ヘモペキシン又はクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1を含む、方法。

技術分野

0001

本発明は、1種又は複数種タンパク質バイオマーカー検出方法を提供し、ここでタンパク質バイオマーカーはロイシンリッチアルファ−2−糖タンパク質ペプチダーゼ阻害剤16、CD44、カドヘリン2、C−反応性タンパク質ジペプチジルペプチダーゼ4、インター−アルファトリプシン阻害剤重鎖H4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖 H3、凝固因子V、上皮成長因子受容体、Fetuin−B、ヘモペキシン血清アミロイドP成分、ビタミンD結合タンパク質補体因子I、スーパーオキシドジスムターゼ3、ビトロネクチントロンボスポンジン−4及びクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1である。本発明はさらに、癌性又は前癌性結腸病変病期診断、予後及び監視ならびに結腸直腸癌を有する個人又は結腸直腸癌を発病し易い場合がある個人における治療介入のために有用な最小に侵襲性の方法、試薬診断及び予後マーカーを提供する。本発明の特定の実施態様は、結腸の癌性又は前癌性病変臨床的病期を同定する血清バイオマーカーを用いる。

背景技術

0002

関連出願へのクロスリファレンス
本特許出願は、2016年6月10日に出願された米国仮特許出願第62/348,290号明細書の優先権の利益を主張し、前記特許のすべてはその全体が引用により本明細書に取り込まれる。

0003

電子的に提出されるテキストファイルの説明
本明細書と共に電子的に提出される以下のテキストファイルの内容は、引用によりその全体が本明細書に取り込まれる:配列表コンピューター可読フォーマットコピーファイル名:16−816−PRO_ST25_6−9−16.txt,記録日:2016年6月9日,ファイルサイズ 11KB)。

0004

関連技術の説明
2016年に約135,000の結腸及び直腸癌の新しい症例が診断され、ほとんど50,000人がこの疾患で死亡し、結腸及び直腸癌を合衆国における癌関連死の最も多く見られる原因の1つとしている。非特許文献1。早期の診断は高い生存率を有するが、推奨されるスクリーニング指針順守する割合は低く、約2300万人の合衆国国民(30−40%)はスクリーニングされないままである。非特許文献2。

0005

合衆国において、結腸直腸癌予防の主な方法は、スクリーニング大腸内視鏡検査による早期検出である。非特許文献2。合衆国における大腸内視鏡検査による慣例的な結腸癌スクリーニング/監視のリスク便益を評価する最近の研究は、繰り返される大腸内視鏡検査が医療制度への負担であり、患者にとって期待されるより低い便益を有することを示している。非特許文献3;非特許文献4。最近の研究は、施術(procedure)の1週間以内での大腸内視鏡検査からの合併症の故の2%の再入院率を同定した。非特許文献5。2016年2月に、カナダ防疫係官は、結腸直腸癌の家族歴がない低リスク無症候性の患者はもはや大腸内視鏡検査によりスクリーニングされるべきではないと述べる新しい結腸癌スクリーニング指針を発した。カナダの専門家であるBoggs W.は、結腸癌スクリーニングのための大腸内視鏡検査に「否」と言っている。非特許文献6。便潜血試験又は便免疫化学試験(FOBT及びFIT)のような侵襲性の低い排せつ物に基づく試験が推奨された。

0006

結腸癌の大部分は良性腺腫性ポリープとして始まり、遺伝子突然変異の逐次的累積を
介して浸潤性癌腫に進行する(図1)。非特許文献7;非特許文献8。大腸内視鏡検査の間に同定されるポリープ生検は、ポリープが癌性であるかどうかを決定する病理学者により評価される。非癌性ポリープと診断される大腸内視鏡検査の症例は癌を発病するリスクにより分類され、予測されるリスクに基づいて追跡監視が推奨される。

0007

結腸直腸腫瘍局所的な進行を正確に予測する可能性は、結腸癌生物学の分野で大部分は未解決のままである。分子遺伝学法は、再発に関するリスクを予測するために遺伝子アレーを用いる試験の開発を生じたが、それらの能力は診断の時点におけるリンパ節転移ステージ3)の予測に限られたままである。非特許文献9。ステージ4転移を同定するために用いられる画像化法(CTスキャン)は、リンパ節浸潤の存在を確実に同定することができなかった。さらに、現在の患者精密検査法(CTスキャン、MRI、PET/MRI)の間に用いられる画像化法のいずれによっても所属リンパ節は適切に可視化されず、小さい罹患(affected)リンパ節か部分的に罹患したリンパ節かの鑑別(resolving)は、これらの画像化分野内の将来の技術的躍進を以てしても可能性が低い。

0008

現在、リンパ節の外科手術切除及び病理学分析によってのみ、リンパ節浸潤を確実に検出することができる。結腸直腸外科手術患者の最高で35%が術後合併症に苦しめられ、それは死亡、悪い腫瘍学的予後、追加の合併症及びより悪い生活の質に関するより高いリスクにあることが示された。非特許文献10。所属リンパ節の状況が既知であれば、患者の罹患率(incidence of patient morbidity)を下げ内視鏡的切除のような局所的外科手術法が可能である。

0009

直腸癌は、処置されている領域の感受性の故に、結腸癌と比較して有意な患者の罹患及び死亡の原因となる。直腸癌と関連する罹患率及び死亡率のレベルは、臨床的処置の間の継続的な懸念である。結腸癌及び直腸癌の両方のための一次的治療は、腫瘍を除去するための外科手術である。何人かの直腸癌患者は放射線及び/又は化学療法の形態における術前補助処置(外科手術前)から便益を受ける。しかしながらすべての患者が術前補助療法から便益を受けるわけではないであろう。さらに継続的な処置の料金は、しばしば一時的な人工肛門(補助的化学療法処置の後に2回目の外科手術により除去されねばならない)が必要であることと一緒になって、処置が毎日の健康及びライフスタイルに要する料金の故に直腸癌の患者が必要な処置を拒否することがあることを意味する。

0010

かくして当該技術分野において、術前補助処置から便益を受けるであろう直腸癌の患者を正確に且つ確実に同定する必要もある。特に術前補助処置を与える前に患者のリンパ節の状況の一貫した病期診断を達成する方法が必要である。病期診断をしない医師は、多くの場合に、特に患者がT1又はT2腫瘍を有している場合に患者を過剰処置している。処置の前に直腸癌の患者を病期診断する医師は、多くの場合にT3又はT4腫瘍を有するいずれの患者のためにも(リンパ節の状況について何も知らずに)術前補助処置を与えるであろう。これは、原発腫瘍がさらに腸壁内に成長してしまった場合のリンパ節転移の可能性の故である。しかしながらこれは、多くの患者が過剰処置され、不必要な化学療法及び放射線を経る痛みに加えて患者が治療を経験している時間を長くしていることを意味する。

先行技術

0011

Siegel RL,Miller KD,Jemal A.Cancer statistics,2016.CA:a cancer journal for clinicians.2016;66(1):7−30.doi:10.3322/caac.21332.PubMedPMID:26742998
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Kruse GR,KhanSM,Zaslavsky AM,Ayanian JZ,Sequist TD.Overuse of colonoscopy for colorectal cancer screening and surveillance.J Gen Intern Med.2015;30(3):277−83.doi:10.1007/s11606−014−3015−6.PubMed PMID:25266407;PubMed Central PMCID:PMCPMC4351286
Austin GL,Fennimore B,Ahnen DJ.Can colonoscopy remain cost−effective for colorectal cancer screening? The Impact of practice patterns and the Will Rogers phenomenon on cost.The American journal of gastroenterology.2013;108(3):296−301.doi:10.1038/ajg.2012.195.PubMed PMID:23208273
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FearonER,Hamilton SR,Vogelstein B.Clonal analysis of human colorectal tumors.Science.1987;238(4824):193−7.Epub 1987/10/09.PubMed PMID:2889267
Maak M,Simon I,Nitsche U,Roepman P,Snel M,Glas AM,et al.Independent Validation of a Prognostic Genomic Signature(ColoPrint) for Patients With Stage II Colon Cancer.Ann Surg.2013.Epub 2013/01/09.doi:10.1097/SLA.0b013e31827c1180.PubMed PMID:23295318
Artinyan A,Orcutt ST,Anaya DA,Richardson,P,Chen GJ,Berger DH.Infectious postoperative complications decrease long−term survival in patients undergoing curative surgery for colorectal cancer:a study of 12,075 patients.Annals of surgery.2015;261(3):497−505.doi:10.1097/SLA.0000000000000854.PubMed PMID:25185465

課題を解決するための手段

0012

本発明は、1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの検出方法を提供し、ここでタンパク質バイオマーカーはロイシン−リッチアルファ−2−糖タンパク質、ペプチダーゼ阻害剤16、CD44、カドヘリン2、C−反応性タンパク質、ジペプチジルペプチダーゼ4、インター−アルファトリプシン阻害剤,重鎖H4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖 H3、凝固因子V、上皮成長因子受容体、Fetuin−B、ヘモペキシン、血清アミロイドP成分、ビタミン結合タンパク質、補体因子I、スーパーオキシドジスムターゼ3、ビトロネクチン、トロンボスポンジン−4及びクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1である。本発明はさらに、結腸直腸癌の病期診断、予後及び監視ならびに結腸直腸癌を有する個人か、結腸直腸癌を発病し易い場合がある個人かにおける治療介入のために有用な、侵襲性が最小の方法、試薬、診断及び予後マーカーを提供する。

0013

1つの側面において、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの検出方法を本明細書で提供する。該方法は:生体試料を1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーに関してアッセイすること、及び、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含み、ここでタンパク質バイオマーカーはロイシン−リッチアルファ−2−糖タンパク質、ペプチダーゼ阻害剤16、CD44、C−反応性タンパク質、ジペプチジルペプチダーゼ4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖 H3、凝固因子V、上皮成長因子受容体、Fetuin−B、ヘモペキシン及びクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1である。

0014

別の側面において、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの検出方法を本明細書で提供する。該方法は:生体試料を1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーに関してアッセイすること、及び、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含み、ここでタンパク質バイオマーカーはロイシン−リッチアルファ−2−糖タンパク質、CD44、ジペプチジルペプチダーゼ4、インター−アルファトリプシン阻害剤,重鎖H3、上皮成長因子受容体である。

0015

さらに別の側面において、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの検出方法を本明細書で提供する。該方法は:生体試料を1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーに関してアッセイすること、及び、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含み、ここでタンパク質バイオマーカーはC−反応性タンパク質、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖 H3及びクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1である。

0016

いくつかの実施態様において、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの検出方法を本明細書で提供する。該方法は:生体試料を1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーに関してアッセイすること、及び生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含み、ここでタンパク質バイオマーカーはC−反応性タンパク質、CD44、上皮成長因子受容体及びクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1である。

0017

他の実施態様において、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの検出方法を本明細書で提供する。該方法は:生体試料を1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーに関してアッセイすること、及び、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含み、ここでタンパク質バイオマーカーは凝固因子V、C−反応性タンパク質、ペプチダーゼ阻害剤16、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H4及びロイシン−リッチアルファ−2−糖タンパク質である。

0018

さらに別の実施態様において、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの検出方法を本明細書で提供する。該方法は:生体試料を1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーに関してアッセイすること、及び、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含み、ここでタンパク質バイオマーカーはC−反応性タンパク質及びペプチダーゼ阻害剤16である。

0019

代表的な非排他的実施態様において、本開示は正常な組織、低リスク腺腫及び高リスク腺腫(進行性腺腫(advanced adenoma)としても既知)を区別するための血清バイオマーカーを提供する。

0020

他の代表的な非排他的実施態様において、本開示は正常な組織、低リスク腺腫及び絨毛腺腫を区別するための血清バイオマーカーを提供する。

0021

さらに別の代表的な非排他的実施態様において、本開示は限局性(ステージ1及び2)又は局所性(ステージ3)結腸直腸癌を区別するための血清バイオマーカーを提供する。

0022

さらなる代表的な非排他的実施態様において、本開示は成長している腺腫の検出のための血清バイオマーカーを提供する。

0023

さらに別の代表的な非排他的実施態様において、本開示はポリープ切除結腸切除又は他の治療介入の後の癌性又は前癌性結腸病変の再発を同定するための血清バイオマーカーを提供する。

0024

本開示のいくつかの代表的な非排他的実施態様は、正常な組織、低リスク腺腫及び進行性腺腫を区別するための別(gender−specific)血清バイオマーカーを提供する。

0025

他の代表的な非排他的実施態様は、患者における直腸ポリープの存在を同定するための特異的血清バイオマーカーを提供する。

0026

いくつかの側面において、本開示は生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより、患者における結腸直腸癌を同定するための血清バイオマーカー及び方法を提供する。

0027

特定の実施態様において、生体試料は癌性又は前癌性結腸病変からのものである。他の実施態様において、前記方法はさらに、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルをステージ0、ステージ1、ステージ2、ステージ3又はステージ4癌腫における前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより、癌性又は前癌性結腸病変のステージを同定することを含む。

0028

特定の実施態様において、生体試料は癌性又は前癌性結腸病変からのものである。他の実施態様において、前記方法はさらに、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを低リスク腺腫、高リスク腺腫及び結腸直腸癌腫における前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより、病変を高リスク腺腫、進行性腺腫、低リスク腺腫又は結腸直腸癌腫と同定することを含む。

0029

特定の実施態様において、生体試料は癌性又は前癌性結腸病変からのものである。他の実施態様において前記方法はさらに、1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルがポリープ切除前の癌性又は前癌性結腸病変において検出されるレベルと異なる場合に、ポリープ切除の後の(本明細書ではポリープ切除後と呼ばれる)あるいは結腸直腸癌を除去するための外科手術的切除の後の癌性又は前癌性結腸病変の再発を同定することを含む。

0030

実施態様において、本開示は:1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーに相同性を有する1種以上の検出可能的に標識された合成ペプチドを選択し;検出可能的に標識された合成ペプチドを生体試料と合わせ;そして組み合わせを物理的分離方法に供することを含む生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの検出方法を提供する。

0031

本明細書で用いられる「相同性」は、バイオマーカー核酸又はアミノ酸配列同一性を有する核酸、ペプチドアミノ酸又はタンパク質配列を指す。特定の実施態様において、バイオマーカーの核酸又はアミノ酸配列と同一性を有する核酸、ペプチド、アミノ酸又はタンパク質配列は、バイオマーカーの配列のすべて又は一部との約80%、85%、90%、95%又はそれより高い同一性を有する。

0032

いくつかの実施態様において、本開示の物理的分離方法は液体クロマトグラフィーであり、合成ペプチドは同位体標識される。

0033

本発明のこれらの及び他の特徴及び利点は、添付の請求項と一緒に読まれる以下の本発明の詳細な記述からもっと完全に理解されるであろう。請求項の範囲はその中の詳述によって定義され、本説明中に示される特徴及び利点の特定の議論により定義されないことに注意されたい。

図面の簡単な説明

0034

結腸直腸癌の一般的(generalized)ステージを同定する米国国立癌研究所からの画像である。ステージ0は多くの場合に腺腫と呼ばれる前癌性ポリープである。ステージ1及び2は癌性であるが所属リンパ節に浸潤していない。ステージ3は所属リンパ節が冒される段階(point)である。ステージ4は転移性癌である。
結腸の組織におけるポリープ成長の局在を強調する結腸直腸癌病期診断を示す。上皮層は4種の組織層に分類される:粘膜粘膜下筋肉組織及び漿膜。結腸及び直腸壁の外側を超えてすぐに隣接リンパ節があり、それに結腸腫瘍形成に冒され得る体の他の組織が続いている。結腸癌の第1ステージはステージ0であり、そのステージでは腸粘膜上にポリープが形成される。このステージは癌性ではない。他のすべてのステージは癌腫と呼ばれ、癌性である。
標的化定量的プロテオミクス実験ワークフローを示す略図である。安定同位体で標識された参照標準タンパク質抽出物中に添加してから酵素消化する。これらの標準は問題の標的タンパク質内在性ペプチド配列と一致するが1つの重い安定同位体で標識されたアミノ酸を含有する。ペプチドを逆相クロマトグラフィーによりクロマトグラフィー分離し、続いてトリプル四重極質量分析(QQQ−MS)と直列に分析し、そこで標的とされる前駆体及びフラグメントイオン質量(遷移)を選択する。2つの感受性の四重極質量フィルターを用いて問題の前駆体(Q1)及びフラグメントペプチドイオン(Q3)を選択し、衝突セルとしてq2を用いる。抽出イオンクロマトグラム面積を用いて重い及び軽いペプチドの定量を行う。内在性クロマトグラム面積対参照標準クロマトグラム面積の比を用いて相対的な比を得る。生物学的試料全体にわたって参照標準への相対的な比を比較し、生物学的グループの中で相対的な差次的発現(differential expression)を決定することができる。
3つの別個患者登録集団楕円)及び登録患者に由来する続く患者グループ(白い四角形)を示す。大腸内視鏡検査からの患者の3つの別個のクラス:高リスクポリープ(進行性腺腫)を有するもの、低リスクポリープを有するもの及びポリープのないものがあった。「ポリープなし」及び「低リスクポリープ」患者すべてを全体的な低リスクグループ内に入れた。高リスクポリープを有するいずれの患者も高リスクグループ内に入れた。「前/後」研究からのポリープ切除前の患者はCTコロノグラフィーにより示される既知のポリープを有した。これらの患者のポリープのそれぞれは低リスク又は高リスクグループのいずれかに含まれた。結腸直腸外科手術(結腸切除)を受けている患者のほとんどは、非転移性癌グループに含まれた。一人の患者は進行性腺腫(高リスク)に至り、他の数人の患者は他の診断(例えば神経内分泌腫瘍)に至った。非転移性のグループは、結腸直腸癌の3つの非転移性ステージ:ステージ1、ステージ2及びステージ3に分かれた。ステージ3の証明は所属リンパ節浸潤である。
さらに本開示の実施例に登録される患者の性別及び年齢構成を示す。大体同数男性及び女性が登録された。患者の年齢範囲は30〜88であり、大体中央の年齢は60才であった。ポリープを有するほとんどの患者は1−2個のポリープを有し、ポリープ保有患者の中の71人は進行性腺腫を有した。癌の症例の大部分は腸壁に限局されていた(ステージ1及び2)が、12の症例は局所性であった(ステージ3)。これらの非転移の症例の中で、報告されたCEAレベルの大部分は2.5ng/ml未満の正常なレベルにあった。
研究に登録された患者の年齢グループ全体に及ぶ非癌の症例に関する性別内訳及びそれぞれの結腸癌ステージに関する性別内訳を説明する。一般に登録患者において、年齢グループ又は癌ステージ全体にわたって有意な性別の差はなかった。
ポリープ切除前/後比の計算の略図を示す。ポリープ切除前/後比は、比の比である(ここで各個別の比は本明細書で「参照標準データに対する相対的な比」と呼ばれる)。第1に重同位体で標識された(heavy−labeled)内部参照標準と比較してそれぞれの生物学的試料の比を得る。第2に比を用いて最終的なポリープ切除前/後比を計算する。結腸腺腫又は癌腫において上方調節されるタンパク質は、やはり上方調節されるポリープ切除前/後比を示すはずである。結腸腺腫又は癌腫において下方調節されるタンパク質は、やはり下方調節されるポリープ切除前/後比を有するはずである。
低リスクの症例と比較される進行性腺腫(高リスク)大腸内視鏡検査の症例におけるCRP及びEGFRに関する参照標準データに対する相対的な比を示す。この図において、低リスクはスクリーニング大腸内視鏡検査が正常であったか又は結腸直腸癌への発達に関して低リスクのポリープを有していたすべての症例を指す。点プロット上のそれぞれの円は一人の患者の症例を示す。
高リスク腺腫の同定のためのCRP及びEGFRの感度及び特異度表現する(conveying)それぞれの受信者動作特性(receiver operator characteristic)(ROC)曲線を示す。対角線の左へのデータ点は、進行性腺腫の同定に関する正の予測値を表現する。対角線上又は比較的それに近いデータ点は、進行性腺腫の同定の50%「コイン投げ」の確率を示すが、対角線の右へのデータ点は負の確率を示す。
患者の性別に基づく進行性腺腫の同定のためのCRP及びEGFRの感度及び特異度を表現するそれぞれの受信者動作特性(ROC)曲線を示す。右のパネル中のROC曲線を女性及び男性に関してそれぞれ「F」及び「M」と標識する。
すべての性別を合わせた場合(左のパネル)及び性別により分けた場合(右のパネル)における進行性腺腫の同定のためのITIH4及びCFIの感度及び特異度を表現するそれぞれの受信者動作特性(ROC)曲線を示す。右のパネル中のROC曲線を女性及び男性に関してそれぞれ「F」及び「M」と標識する。
すべての性別を合わせた場合(左のパネル)及び性別により分けた場合(右のパネル)における進行性腺腫の同定のためのCD44及びF5の感度及び特異度を表現するそれぞれの受信者動作特性(ROC)曲線を示す。右のパネル中のROC曲線を女性及び男性に関してそれぞれ「F」及び「M」と標識する。
多数の非癌性ポリープ組織病理学全体に及ぶCRPに関する参照標準データに対する相対的な比を示す。点プロット上のそれぞれの円は一人の患者の症例を示す。
多数の非癌性ポリープ組織病理学全体に及ぶITIH4に関する参照標準データに対する相対的な比を示す。点プロット上のそれぞれの円は一人の患者の症例を示す。
多数の非癌性ポリープ組織病理学全体に及ぶITIH3に関する参照標準データに対する相対的な比を示す。点プロット上のそれぞれの円は一人の患者の症例を示す。
他の型のポリープの組織病理学と比較される管状絨毛腺腫中のQSOX1の発現における性別の差を示す参照標準データに対する相対的な比を示す。
結腸対直腸癌の比較に関する4つの範疇:正常なスクリーニング大腸内視鏡検査、結腸ポリープのみを有する患者、結腸及び直腸ポリープを有する患者及び直腸ポリープのみを有する患者の中の1つに含まれるポリープを有する患者の症例の数を示す。これらの4つの範疇内の腺腫の位置の関係においてバイオマーカー発現を分析した。
結腸ポリープを有する症例対直腸ポリープを有する症例におけるPI16及びITIH3に関する発現の差を示す参照標準データに対する相対的な比を示す。点プロット上のそれぞれの円は一人の患者の症例を示す。
結腸ポリープを有する症例対直腸ポリープを有する症例におけるCD44及びQSOX1に関する発現の差を示す参照標準データに対する相対的な比を示す。点プロット上のそれぞれの円は一人の患者の症例を示す。
非転移性癌(「癌の症例」)と比較されるプールされた低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例(「低リスク及び正常な症例」)における標記バイオマーカーに関する参照標準に対する相対的な比を示す。P値は、95%の信頼度(confidence)におけるMann−Whitneyのp値を示す。点プロット上のそれぞれの円は一人の患者の症例を示す。
非転移性癌(「癌の症例」)と比較されるプールされた低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例(「低リスク及び正常な症例」)における標記バイオマーカーに関する参照標準に対する相対的な比を示す。P値は、95%の信頼度(confidence)におけるMann−Whitneyのp値を示す。点プロット上のそれぞれの円は一人の患者の症例を示す。
非転移性癌(「癌の症例」)と比較されるプールされた低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例(「低リスク及び正常な症例」)における標記バイオマーカーに関する参照標準に対する相対的な比を示す。P値は、95%の信頼度(confidence)におけるMann−Whitneyのp値を示す。点プロット上のそれぞれの円は一人の患者の症例を示す。
非転移性癌と比較される低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例におけるEGFR及びCD44に関するROC曲線を示す。
非転移性癌と比較される低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例におけるDPP4及びFETUBに関するROC曲線を示す。
非転移性癌と比較される低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例におけるPI16に関するROC曲線を示す。
非転移性癌(「癌の症例」)と比較されるプールされた低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例(「低リスク及び正常な症例」)における標記バイオマーカーに関する参照標準データに対する相対的な比を示す。P値は、95%の信頼度におけるMann−Whitneyのp値を示す。点プロット上のそれぞれの円は一人の患者の症例を示す。
非転移性癌(「癌の症例」)と比較されるプールされた低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例(「低リスク及び正常な症例」)における標記バイオマーカーに関する参照標準データに対する相対的な比を示す。P値は、95%の信頼度におけるMann−Whitneyのp値を示す。点プロット上のそれぞれの円は一人の患者の症例を示す。
非転移性癌(「癌の症例」)と比較されるプールされた低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例(「低リスク及び正常な症例」)における標記バイオマーカーに関する参照標準データに対する相対的な比を示す。P値は、95%の信頼度におけるMann−Whitneyのp値を示す。点プロット上のそれぞれの円は一人の患者の症例を示す。
非転移性癌(「癌の症例」)と比較されるプールされた低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例(「低リスク及び正常な症例」)における標記バイオマーカーに関する参照標準データに対する相対的な比を示す。P値は、95%の信頼度におけるMann−Whitneyのp値を示す。点プロット上のそれぞれの円は一人の患者の症例を示す。
非転移性癌(「癌の症例」)と比較されるプールされた低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例(「低リスク及び正常な症例」)における上方調節されるタンパク質のそれぞれに関するROC曲線を示す。
非転移性癌(「癌の症例」)と比較されるプールされた低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例(「低リスク及び正常な症例」)における上方調節されるタンパク質のそれぞれに関するROC曲線を示す。
非転移性癌(「癌の症例」)と比較されるプールされた低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例(「低リスク及び正常な症例」)における上方調節されるタンパク質のそれぞれに関するROC曲線を示す。
非転移性癌(「癌の症例」)と比較されるプールされた低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例(「低リスク及び正常な症例」)における上方調節されるタンパク質のそれぞれに関するROC曲線を示す。
非転移性癌(右のパネル)と比較されるプールされた低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例(左のパネル)でのタンパク質に関する感度及び特異度における性別関連差を示す標記バイオマーカーに関するROC曲線を示す。ROC曲線を女性及び男性に関してそれぞれ「F」及び「M」と標識する。
非転移性癌(右のパネル)と比較されるプールされた低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例(左のパネル)でのタンパク質に関する感度及び特異度における性別関連差を示す標記バイオマーカーに関するROC曲線を示す。ROC曲線を女性及び男性に関してそれぞれ「F」及び「M」と標識する。
非転移性癌(右のパネル)と比較されるプールされた低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例(左のパネル)でのタンパク質に関する感度及び特異度における性別関連差を示す標記バイオマーカーに関するROC曲線を示す。ROC曲線を女性及び男性に関してそれぞれ「F」及び「M」と標識する。
非転移性癌(右のパネル)と比較されるプールされた低リスク及び正常な大腸内視鏡検査の症例(左のパネル)でのタンパク質に関する感度及び特異度における性別関連差を示す標記バイオマーカーに関するROC曲線を示す。ROC曲線を女性及び男性に関してそれぞれ「F」及び「M」と標識する。
ロジスティック回帰分析を用いる5−マーカーパネルROC曲線を示す。最も左の曲線は5つのマーカー:CD44、DPP4、EGFR、ITIH3及びLRG1に関するバリデーションデータを示す。同じデータに関するトレーニング曲線は最も右のROC曲線である。灰色の球は信頼区間を示す。商業的に入手可能なCRCのためのスクリーニング試験に関するセット感度及び特異度点(set sensitivity and specificity points)がROC曲線に含まれる。
エキストラツリー回帰分析(extra trees regression analysis)を用いる5−マーカーパネルROC曲線を示す。最も左の曲線は5つのマーカー:CD44、DPP4、EGFR、ITIH3及びLRG1に関するバリデーションデータを示す。同じデータに関するトレーニング曲線は最も右のROC曲線である。灰色の球は信頼区間を示す。商業的に入手可能なCRCのためのスクリーニング試験に関するセット感度及び特異度点がROC曲線に含まれる。
所属リンパ節浸潤がある(「局所性癌」)又はない(「限局性癌」)非転移性癌における標記バイオマーカーに関する参照標準データに対する相対的な比を示す。ステージ3は1つ以上の冒された所属リンパ節を有すると特徴付けられる。点プロット上のそれぞれの円は一人の患者の症例を示す。
所属リンパ節浸潤がある(「局所性癌」)又はない(「限局性癌」)非転移性癌における標記バイオマーカーに関する参照標準データに対する相対的な比を示す。ステージ3は1つ以上の冒された所属リンパ節を有すると特徴付けられる。点プロット上のそれぞれの円は一人の患者の症例を示す。
非転移性癌患者と比較される冒された所属リンパ節を有する患者の症例における標記バイオマーカーに関する感度対特異度ROC曲線を示す。
限局性非転移性癌患者と比較される局所性リンパ節転移の存在を予測することができる標記バイオマーカーを含むバイオマーカーパネルのROC曲線を示す。
一般的に腺腫に関するポリープ切除前及び後のPI16バイオマーカー発現を示す。図26Aに示される点プロットにおいて、x軸上に示される範疇内のそれぞれの円は一人の患者を示す。PI16は典型的に下方調節されるので、1未満の前/後比はポリープ切除後の正常なタンパク質発現レベルへの復帰と考えられる。
癌に発達するリスクにより分けられた腺腫に関するポリープ切除前及び後のPI16バイオマーカー発現を示す。図26Bにおいて、それぞれの棒は一人の患者に関するポリープ切除前/後比を示す。PI16は典型的に下方調節されるので、1未満の前/後比はポリープ切除後の正常なタンパク質発現レベルへの復帰と考えられる。
一般的に腺腫に関するポリープ切除前及び後のCRPバイオマーカー発現を示す。図27Aに示される点プロットにおいて、x軸上に示される範疇内のそれぞれの円は一人の患者を示す。CRPは典型的に上方調節されるので、1より高い前/後比はポリープ切除後の正常なタンパク質発現レベルへの復帰と考えられる。この場合、有意な復帰のほとんどは進行性腺腫の症例で起こった。
癌に発達するリスクにより分けられた腺腫に関するポリープ切除前及び後のPI16バイオマーカー発現を示す。図27Bにおいて、それぞれの棒は一人の患者に関するポリープ切除前/後比を示す。CRPは典型的に上方調節されるので、1より高い前/後比はポリープ切除後の正常なタンパク質発現レベルへの復帰と考えられる。この場合、有意な復帰のほとんどは進行性腺腫の症例で起こった。
ポリープ切除前及び後研究において、個々の患者がポリープ切除前にCTコロノグラフィー(CT Colonography)(CTC)による長期監視に供された期間をプロットしている。それぞれの円は一人の患者の症例を示し、メジアン監視期間は約5年であった。
既知の成長している腺腫を有する患者及び未知の成長の腺腫が同定された患者の症例における標記バイオマーカーに関する参照標準データに対する相対的な比を示す。
既知の成長している腺腫を有する患者及び未知の成長の腺腫が同定された患者の症例における標記バイオマーカーに関する参照標準データに対する相対的な比を示す。
既知の成長している腺腫を有する患者及び未知の成長の腺腫が同定された患者の症例における標記バイオマーカーに関する参照標準データに対する相対的な比を示す。

0035

本明細書で引用されるすべての出版物、特許及び特許出願は、すべての目的に関して、引用により明示的に本明細書に取り込まれる。

0036

結腸の癌性又は前癌性病変を有する患者における結果の診断及び予後、特に病期診断、型分類又は予測のための非侵襲性方法を本明細書に提供する。本明細書で用いられる「病変」は結腸の異常な領域を指し、異形成、異常陰窩ならびに良性又は癌性ポリープが含まれる。

0037

本明細書で用いられる「ポリープ」は、結腸直腸癌の4つのステージのいずれかで存在するポリープ又は前癌性状態のポリープを指す。本明細書で用いられる場合、「結腸直腸癌」はTNMシステム組織学的性質(T)、近辺のリンパ節における腫瘍存在(N)及び転移拡大(M)を評価する)に従って対癌米国合同委員会(American Joint Committer on Cancer)(AJCC)により分類されるステージ1からステージ4までの範囲の4つのステージのいずれかで構成される状態を指す。GundersonLL,Jessup JM,Sargent DJ,GreeneFL,Stewart AK,Revised TN categorization for colon cancer based onnational survival outcomes data.Journal of clinical oncology:official journal of the American Society of Clinical Oncology.2010;28(2):264−71.Epub 2009/12/02.doi:10.1200/JCO.2009.24.0952.PubMedPMID:19949014;PubMed Central PMCID:PMC2815715;Greene FL.The American Joint Committee on Cancer:updating the strategies in cancer staging.Bulletin of the American College of Surgeons.2002;87(7):13−5.Epub 2007/03/29.PubMed PMID:17387902.(表1)

0038

0039

本明細書で用いられる「前癌性状態」は、人を結腸癌と位置付ける(disposes)浸潤前、転移前病変を有する患者を指す。例には異形成、異常陰窩の存在及び腺腫の存在が含まれる。AJCCは正式に腺腫を「Tis」のTステージにより前癌性ポリープ(「ステージ0」)として特徴付け、ここで「is」はその場癌腫(carcinoma in situ)を示す。Tis腺腫は大腸粘膜内に止まり、腸壁の浸潤がないポリープにより特徴付けられる。(表1)

0040

本明細書で用いられる「正常な組織」は、大腸内視鏡検査及び/又は組織病理学により見かけが健康に見える結腸及び/又は直腸の組織を指す。

0041

本明細書で用いられる「進行性腺腫」は、癌への進行に関する高リスクを呈する患者内のポリープ又は前癌性ポリープの集まりを指す。

0042

本明細書で用いられる「絨毛腺腫」は、特に癌性になる傾向がある特別な組織病理学を有するポリープの型を指す。それは顕微鏡により診断され、多くの場合に「カリフラワー」様外観を有する。管状腺腫は組織病理学を必要とせずに大腸内視鏡検査によりわかる腺腫の1つの形状である。管状絨毛は管状の形を有するが顕微鏡下で絨毛病理学を有する腺腫を指す。

0043

本明細書で用いられる「限局性」結腸直腸癌は、TNMステージ1及びTNMステージ2結腸直腸癌を指す。具体的には、これらはどこかで粘膜から漿膜に大腸壁を貫通した癌である(図2)。

0044

本明細書で用いられる「局所性」結腸直腸癌は、大腸壁のいくつもの領域に浸潤し、腸壁のすぐ外側に位置するリンパ節を冒した結腸直腸癌を指す(図2)。

0045

いくつかの実施態様において:(a)生体試料を1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーに関してアッセイすること、及び、(b)生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含む1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの検出方法であって、ここでタンパク質バイオマーカーはロイシン−リッチアルファ−2−糖タンパク質、ペプチダーゼ阻害剤16、CD44、カドヘリン2、C−反応性タンパク質、ジペプチジルペプチダーゼ4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖 H3、凝固因子V、上皮成長因子受容体、Fetuin−B、ヘモペキシン、血清アミロイドP成分、ビタミンD結合タンパク質、補体因子I、スーパーオキシドジスムターゼ3、ビトロネクチン、トロンボスポンジン−4及びクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1である検出方法を提供する。

0046

他の実施態様において、前記方法はさらに、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルをステージ0、ステージ1、ステージ2、ステージ3又はステージ4癌腫における前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより、癌性又は前癌性結腸病変のステージを同定することを含む。

0047

本明細書で用いられる場合、「ステージ」又は「病期診断」は、結腸における癌性又は前−癌性病変の進行及び重度を説明するために用いられる1つ以上の臨床的分類システムを指す。結腸直腸腫瘍ステージは腸壁、所属リンパ節及び隣接するか又は遠隔の組織中への腫瘍浸潤の位置及びレベルを説明する。

0048

本開示の実施態様と関連して用いられる腫瘍病期診断システムの非排他的な例はTNMシステムである(GundersonLL,et al.;Greene,FL,同上を参照されたい)(表1)。TNMシステムにおいて、ステージ1及び2はそれぞれT1又はT2及びT3又はT4のTステージを有し、リンパ節への浸潤又は転移はない(N0
M0)。ステージ1病変は粘膜下及びおそらく粘膜層中に通過している。ステージ2病変は漿膜に浸潤しており、腸壁を介して成長している場合があるが、近くのリンパ節に浸潤していない。ステージ3病変は非常に複雑で3つの細分類を有するが、広くはいずれかのTステージ及びいくつかの又は多くの近くのリンパ節の浸潤を有することにより特徴付けられ得る。悪性転移性結腸癌を構成するステージ4はいずれのT又はいずれのN分類も有し得るが、他の臓器、最も一般的には肝臓に転移している。(表1)

0049

本開示の1つの実施態様において、腫瘍の「病期診断」は、低リスク腺腫に対する進行性腺腫のような相対的な範疇においてそれらを分類することにより行われる。他の実施態様において、病期診断は、低リスク腺腫及び正常な組織をまとめている範疇に対する進行性腺腫に腫瘍を分類することにより行われる。

0050

他の実施態様において、病期診断は、腫瘍の病態生理学又は解剖学に関連する範疇に腫瘍を分類することにより行われる。例えば病期診断は低リスク腺腫(絨毛又は管状絨毛特性がない)に対してあるいは正常な組織に対して絨毛又は管状絨毛腺腫に腫瘍を分類することにより行われる。あるいはまた、病期診断は成長している腺腫対静止性(static)又は退行している(regressing)腺腫のような成長特性に基づいて腫瘍を分類することにより行われる。

0051

さらに別の実施態様において、病期診断は、患者における腫瘍の限局化に基づいて腫瘍を分類することにより行われる。かくしていくつかの実施態様において、結腸直腸癌における限局性(ステージ1及び2)腫瘍は局所性(ステージ3)腫瘍と区別される。

0052

業者は、本開示の方法と関連して有用な別の病期診断システムを認識するであろう。他の病期診断システムの例にはDukeの分類システム(Dukes,C.E.,Journal of Pathological Bacteriology 1932,35:323)及びAstler−Coller分類システム(Astler V.B.and Coller F.A.,Ann Surg 1954,139:846)が含まれる。

0053

いくつかの実施態様において、患者の結腸における病変の臨床的悪性度(grade)を分析するための方法を提供する。本明細書で用いられる場合、「腫瘍悪性度」は腫瘍細胞が正常な結腸組織細胞分化した程度を説明する組織学的評価を指す。現在の腫瘍悪性度分類は結腸癌分類のTNM指針の一部であり、G1からG4の範囲である。G1と等級
分けされる細胞は、組織学的に健康な結腸組織細胞に最も似て見える。G2と等級分けされる細胞は中程度に分化しており、G3と等級分けされる細胞はあまり分化しておらず、そしてG4細胞は分化していない。より高い悪性度の細胞はより急速に成長する傾向があり、癌処置の方法に影響を与え得る。いくつかの実施態様において、本明細書で提供されるタンパク質バイオマーカー及び方法を用い、細胞分化のレベル(腫瘍悪性度)を評価し、患者処置戦略に影響を与えることができる。

0054

いくつかの実施態様において、前記方法は、患者における1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出すること、次いでレベルを参照レベル又は範囲と比較することを含む。典型的には、参照レベルは、結腸癌を有し且つ組織試料又は生検あるいは細胞、血清又は血液のような他の生物学的試料を用いて測定されるその臨床的予後データが入手可能である多数の人又は組織におけるタンパク質バイオマーカーを代表する。

0055

いくつかの実施態様において、生体試料を1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーに関してアッセイすること、及び、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含む生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの検出方法を提供し、ここでタンパク質バイオマーカーはロイシン−リッチアルファ−2−糖タンパク質、ペプチダーゼ阻害剤16、CD44、カドヘリン2、C−反応性タンパク質、ジペプチジルペプチダーゼ4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖 H3、凝固因子V、上皮成長因子受容体、Fetuin−B、ヘモペキシン、血清アミロイドP成分、ビタミンD結合タンパク質、補体因子I、スーパーオキシドジスムターゼ3、ビトロネクチン、トロンボスポンジン−4及びクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1である。他の実施態様において、前記方法はさらに生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを低リスク腺腫、高リスク腺腫及び結腸直腸癌腫中の前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより、癌性又は前癌性結腸病変を高リスク(進行性)腺腫、低リスク腺腫又は結腸直腸癌腫と同定することを含む。

0056

結腸直腸癌を発病するリスクは、「低」又は「高」と分類される(表2)。低リスク患者は5−10年以内の大腸内視鏡検査による追跡スクリーニングを薦められる。高リスクと考えられるポリープを有する患者は、3−5年以内の大腸内視鏡検査による追跡スクリーニングを薦められる。高リスクポリープは「進行性腺腫」とも呼ばれる。結腸直腸癌の発病に関する高リスクを有する患者は、以下の特徴:結腸直腸癌の病歴又は家族歴;10ミリメーターより大きいポリープ;3−10個の管状腺腫、絨毛性を有する1個以上の腺腫;あるいは異形成を有する鋸歯状腺腫の1つ又はいくつかを有する。結腸直腸癌の発病に関する低リスクを有する患者は:大腸内視鏡検査においてポリープがなく;鋸歯状でないか又は10ミリメーターより大きくなければ過形成性を有するポリープ;10ミリメーターより小さい3個未満の管状腺腫;あるいは異形成のない無柄(sessile)鋸歯状ポリープを有する。

0057

0058

さらなる実施態様において、本開示は生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを前記1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより、患者において結腸直腸癌を同定する方法を提供する。

0059

いくつかの実施態様において、生体試料を1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーに関してアッセイすることを含む、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの検出方法を提供し、ここで前記タンパク質バイオマーカーはロイシン−リッチアルファ−2−糖タンパク質、ペプチダーゼ阻害剤16、CD44、C−反応性タンパク質、ジペプチジルペプチダーゼ4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖 H3、凝固因子V、上皮成長因子受容体、Fetuin−B、ヘモペキシン及びクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1を含む。

0060

他の実施態様において、生体試料を1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーに関してアッセイすることを含む、生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの検出方法を本明細書で提供し、ここでタンパク質バイオマーカーは、ロイシン−リッチアルファ−2−糖タンパク質、CD44、ジペプチジルペプチダーゼ4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H3、上皮成長因子受容体を含む。

0061

さらなる実施態様において、本開示は患者における進行性腺腫、低リスク腺腫又は正常な組織の同定方法を提供する。いくつかの実施態様において、患者における進行性腺腫、低リスク腺腫又は正常な組織の同定は、1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含み、ここでタンパク質バイオマーカーは、C−反応性タンパク質及び上皮成長因子受容体を含む。

0062

さらに別の実施態様において、本開示は、患者における管状絨毛腺腫、低リスク腺腫又は正常な組織の同定方法を提供する。いくつかの実施態様において、患者における管状絨毛腺腫、低リスク腺腫又は正常な組織の同定は、1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含み、ここでタンパク質バイオマーカーは、C−反応性タンパク質、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖 H3及びクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1を含む。

0063

一部の実施態様において、本開示は患者における限局性(ステージ1及び2)又は局所性(ステージ3)結腸直腸癌の同定方法を提供する。実施態様において、患者における限局性(ステージ1及び2)又は局所性(ステージ3)結腸直腸癌の同定は、1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含み、ここでタンパク質バイオマーカーは、C−反応性タンパク質、CD44、上皮成長因子受容体及びクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1を含む。

0064

他の実施態様において、本開示は患者中で成長している腺腫を同定する方法を提供する。実施態様において、患者中で成長している腺腫を同定することは、1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含み、ここでタンパク質バイオマーカーは、凝固因子V、C−反応性タンパク質、ペプチダーゼ阻害剤16、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H4及びロイシン−リッチアルファ−2−糖タンパク質を含む。

0065

さらに別の実施態様において、前記方法はさらに、1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルがポリープ切除前の癌性又は前癌性結腸病変において検出されるレベルと異なる場合に、ポリープ切除の後の癌性又は前癌性結腸病変の再発を同定することを含む。いくつかの実施態様において、ポリープ切除の後の癌性又は前癌性結腸病変の再発を同定することは、1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含み、ここでタンパク質バイオマーカーはC−反応性タンパク質及びペプチダーゼ阻害剤
16を含む。

0066

いくつかの実施態様において、前記方法は、女性の患者における進行性腺腫、低リスク腺腫又は正常な組織を同定することを含む。実施態様において、女性の患者における進行性腺腫、低リスク腺腫又は正常な組織を同定することは、1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含み、ここでタンパク質バイオマーカーは凝固因子V、CD44及び上皮成長因子受容体を含む。

0067

他の実施態様において、前記方法は男性の患者における進行性腺腫、低リスク腺腫又は正常な組織を同定することを含む。実施態様において、男性の患者における進行性腺腫、低リスク腺腫又は正常な組織を同定することは、1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含み、ここでタンパク質バイオマーカーはC−反応性タンパク質、ペプチダーゼ阻害剤16、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H4及び補体因子Iを含む。

0068

さらなる実施態様において、前記方法は生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの参照レベルと比較することにより、患者における直腸ポリープの存在を同定することを含む。一部の実施態様において、患者における直腸ポリープの存在を同定することは1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出することを含み、ここでタンパク質バイオマーカーはペプチダーゼ阻害剤16、CD44、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H3及びクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1を含む。

0069

当業者は、例えば結腸直腸癌又はポリープの家族歴及び切除されるポリープ又は病変のステージに基づいて、結腸の監視を行うべき間隔を決定するためのパラメーターを理解するであろう。特定の実施態様において、監視のための生体試料をポリープ切除から1ヵ月後以内、2ヵ月後以内、3ヵ月後以内、4ヵ月後以内、5ヵ月後以内又は6ヵ月後以内に回収する。他の実施態様において、生体試料をポリープ切除から1年後以内又は2年後以内に回収する。

0070

インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖H3(ITIH3)及び重鎖4、イソ型1(ITIH4)は、本方法の実施に有用なバイオマーカーとして与えられる。インター−アルファトリプシン阻害剤は細胞外マトリックス上のヒアルロン酸共有結合及び安定化に含まれる。Chen L,Mao SJ,McLean LR,Powers RW,Larsen WJ.Proteins of the inter−alpha−trypsin inhibitor family stabilize the cumulus extracellular matrix through their
direct binding with hyaluronic acid.The
Journal of biological chemistry.1994,269(45):28282−7.Epub 1994/11/11.PubMedPMID:7525572.ヒアルロナンは結腸ポリープ及び腫瘍の成長と共に大きさが増すことが知られている大きな上皮グリコサミノグリカン複合体である[14]。さらにITIH3は以前にヒト胃癌患者血漿において上方調節されることが同定されており、結腸癌における転移及び腫瘍浸潤活性の予防における役割が予測されている。Misra S,HascallVC,Berger FG,MarkwaldRR,Ghatak S.Hyaluronan,CD44,and cyclooxygenase−2 in colon cancer.Connective tissue research.2008;49(3):219−24.Epub 2008/07/29.doi:10.1080/03008200802143356,PubMed PMID:18661347;ChongPK,Lee H,Zhou J,Liu SC,Loh MC,Wang TT,et al.ITIH3 is a potential biomarker for early detection of gastric cancer.Journal of proteome research.2010;9(7):3671−9/Epub 2010/06/03.doi:10.1021/pr100192h.PubMed PMID:20515073.

0071

さらに、上皮成長因子受容体(EGFR)は本方法の実施に有用なバイオマーカーとして与えられる。EGFRは悪い腫瘍予後に関係があるとされる。Lieto E,Ferraraccio F,Orditura M,Castellano P,Mura AL,Pinto M.et al.Expression of vascular endothelial growth factor(VEGF) and epidermal growth factor receptor(EGFR) is an
independent prognostic indicator of worse outcome in gastric cancer patients.Annals of surgical oncology.2008;15(1):69−79.Epub 2007/09/27.doi:10.1245/s10434−007−9596−0.PubMedPMID:17896140.

0072

炎症反応に関係があるとされる一部の酵素は本方法の実施に有用なバイオマーカーとして与えられる。ロイシン−リッチアルファ−2−糖タンパク質(LRG1)は急性期反応及び炎症において役割を果たすと考えられる。Hsu SJ,Nagase H,Balmain A.Identification of Fetuin−B as a member of a cystatin−like gene family on
mouse chromosome 16 with tumor suppressor activity.Genome/National Research Council Canada=Genome/Conseilnational de recherches Canada.2004;47(5):931−46.Epub 2004/10/23.doi:10.1139/g04−043.PubMedPMID:15499407;Shirai R,Hirano F,Ohkura N,Ikeda K,Inoue S.Up−regulation of the expression of leucine−rich alpha(2)−glycoprotein in hepatocytes by the mediators of acute−phase response.Biochemical and biophysical research communications.2009;382(4):776−9.Epub 2009/03/28.doi:10.1016/j.bbrc.2009.03.104.PubMed PMID:19324010.LRG1は多くのマウスの研究において上方調節が示されており、ヒト結腸癌患者の血漿において上方調節されることが示された。Chong,PK,et al.,Shirai,etal.,同上;Ladd JJ,Busald T,Johnson MM,Zhang Q,Pitteri SJ,Wang H,et al.Increased plasma levels of theAPC−interacting proteinMAPRE1,LRG1,and IGFBP2 preceding a diagnosis of colorectal cancer in women.Cancer Prev Res(Phila).2012;5(4):655−64.Epub 2012/01/27.doi:10.1158/1940−6207.CAPR−11−0412.PubMed PMID:22277732;PubMed Central PMCID:PMC3419141;HungKE,Faca V,Song K,Sarracino DA, Richard LG,Krastins B,et al.Comprehensive proteome analysis of an Apc mouse model uncovers proteins associated with intestinal tumorigenesis.Cancer Prev Res(Phila).2009;2(3):224−33.Epub 2009/02/26.doi:10.1158/1940−6207.CAPR−08−0153.PubMed PMID:19240248;PubMed Central PMCID:PMC2874864.

0073

LRG1は結腸癌のヒト及びネズミモデルの血液中で上方調節される急性期反応タンパク質である。Chong,PK,et al.,Ladd,JJ,et al.,同上;Ivancic MM,Huttlin EL,Chen X,Pleiman JK,Irving AA,Hegeman AD,et al.Candidate serum biomarkers for early intestinal cancer using 15N metabolic labeling and quantitative proteomics in the ApcMin/+ mouse.Journal of proteome research.2013;12(9):4152−66.Epub 2013/08/09.doi:10.1021/pr400467c.PubMedPMID:23924158;PubMed Central PMCID:PMC3792563.研究は、このタンパク質も潰瘍性大腸炎の患者の血清中で上方調節されることを示し、LRG1も腸疾患全身性指示物質(systemic indicator)の場合があることを示唆している。Serada S,Fujimoto M,Terabe F,Iijima H,Shinzaki S,Matsuzaki S,et al.Serum leucine−rich alpha−2 glycoprotein is a disease activity biomarker in ulcerative colitis.Inframat
ory bowel diseases.2012;18(11):2169−79.Epub 2012/03/01.doi:10.1002/ibd.22936.PubMed PMID:22374925.1つの研究は、LRG1がALK1−SMAD 1、5及び8との相互作用を介するTGF−β経路によるシグナリングを介して内皮細胞形成を促進し、かくして脈管形成状態を誘発することを示した。Wang X,Abraham S,McKenzie JA,Jeffs N,Swire M,Tripathi VB,et al.LRG1 promotes angiogenesis by modulating endothelial TGF−beta sygnalling.Nature.2013;499(7458):306−11.Epub 2013/07/23.doi:10.1038/nature12345.PubMed
PMID:23868260;PubMed Central PMCID:PMC3836402.腫瘍浸潤及び転移の基本的な属性の1つである脈管形成腫瘍形成の非常に初期に起こり得る。Hanahan D,Weinberg RA,Hallmarks of cancer:the next generation.Cell.2011;144(5):646−74.Epub 2011/03/08.doi:10.1016/j.cell.2011.02.013.PubMed PMID::21376230.他の研究は、血漿中のLRG1の循環レベルが結腸直腸癌の診断ならびに結腸、直腸S状結腸移行部及び直腸内の局所性腫瘍局在化(localization)の同定に有用なことがあることを示した(Surinova,S et al.EMBO Mol Med 2015,7,1153−1165;Surinova,S.et al.,EMBO Mol Med 2015,7,1166−1178)。

0074

C−反応性タンパク質(CRP)も本方法の実施に有用なバイオマーカーの1つとして与えられる。CRPは血漿中で見出される環状(輪の形の)五量体タンパク質であり、そのレベルは炎症に反応して向上する。CRPは肝臓由来の急性期タンパク質であり、それはマクロファージ及びT細胞によるインターロイキン−6分泌に続いて増加する。

0075

凝固因子V(F5)も本方法の実施に有用なバイオマーカーの1つとして与えられる。F5は、血液凝固のために非常に重要な活性トロンビンタンパク質を形成するためのプロトロンビンの切断を助ける活性化凝固因子X(Xa)のための補因子である。Davie EW,Fujikawa K,Kisiel W.The coagulation cascade:initiation,maintenance,and regulation.Biochemistry:1991;30(43):10363−70.Epub 1991/10/29.PubMedPMID:1931959.止血における撹乱通常観察される癌の副作用であり、結腸癌患者において実証されている合併症として静脈血栓塞栓症がある。Falanga A,Marchetti M,Vignoli A.Coagulation and cancer:biological and clinical aspects.Journal of thrombosis and haemostasis:JTH.2013;11(2):223−33.Epub 2013/01/03.doi:10.1111/jth.12075.PubMed PMID:23279708;Alcalay A,Wun T,Khatri V,ChewHK,Harvey D,Zhou H,et al.Venous thromboembolism in patients with colorectal cancer:incidence and effect on suvival.Journal of clinical oncology:official journal of the American Society of Clinical Oncology.2006;24(7):1112−8.Epub
2006/03/01.doi:10.1200/JCO.2005.04.2150.PubMed PMID:16505431.フィブリノゲン、F5及び他の凝固因子のような凝固物質(coagulants)は、結腸癌患者においてレベルが向上してい
る。Paspatis GA,Sfyridaki A,Papanikolaou N,Triantafyllou K,Livadiotaki A,Kapsoritakis A,et al.Resistance to activated protein C,factor V leiden and the prothrombin G20210A variant in patients with colorectal cancer.Pathophysiology of haemostasis and thrombosis.2002;32(1):2−7.Epub 2002/09/06.doi:57282.PubMed PMID:12214157;Vossen CY,Hoffmeister M,Chang−Claude JC,Rosendaal FR,Brenner H.Clotting factor gene polymorphisms and colorectal cancer
risk.Journal of clinical oncology:official journal of the American Society of Clinical Oncology.2011;29(13):1722−7.Epub
2011/03/23.doi:10.1200/JCO.2010.31.8873.PubMed PMID:21422408.さらに、F5は第V因子ライデン(Factor V Leiden)凝固疾患とのその関連に関して最も知られている。第V因子ライデンはR506Q突然変異を含む一塩基多型(single nucleotide polymorphism)(SNP)により引き起こされる。この突然変異は活性化プロテインC抗凝固タンパク質のF5への結合能力を下げる。活性化プロテインCとF5の間の正常な相互作用はF5の分解に導く。しかしながらこの相互作用の不在下で、F5のレベルは向上し、過剰の凝固を引き起こす。第V因子ライデン突然変異に関してホモ接合性の患者は結腸直腸癌に関して6倍近く増したリスクを示す。Vossen,CY,et al.,同上。最近のバイオマーカー研究は、F5が転移性結腸直腸癌に対して限局性結腸直腸癌を区別する血漿マーカーの場合があることを示した(Surinova,S.et al.,EMBO Mol Med 2015,7,1153−1165)。

0076

ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP4)も本明細書に開示される方法でバイオマーカーとして用いられ得る。DPP4遺伝子によりコードされるタンパク質は、ほとんどの細胞型の表面上で発現される抗原性酵素であり、免疫調節シグナル伝達及びアポトーシスと関連する。それは固有膜糖タンパク質であり且つポリペプチドN末端からX−プロリンジペプチドを切断するセリンエキソペプチダーゼである。

0077

0078

本発明のある側面は、タンパク質バイオマーカーに関して生体試料をアッセイすることを提供し、ここでアッセイすることは生体試料から所望のペプチドを抽出し、抽出されたペプチド混合物を分離することを含む。特定の実施態様において、問題の生物学的材料からタンパク質を抽出し、単離されたタンパク質をプロテアーゼを用いて酵素消化してペプチドフラグメントを生成する。複雑なペプチド混合物を、逆相クロマトグラフィーを用いてクロマトグラフィー分離する。特定の実施態様において、逆相クロマトグラフィーは高pH逆相クロマトグラフィーである。あるいはまた、複雑なペプチド混合物を、オフラインイオン交換クロマトグラフィー又は高pH逆相クロマトグラフィーを用いてクロマトグラフィー分離する。さらに当業者は、他の抽出及び分離法が本方法の実施態様の実施に適していることを認識するであろう。

0079

特定の実施態様において、安定な同位体で標識された標準試料(standard)を酵素消化の前にタンパク質抽出物中に添加する。参照標準を相対的又は絶対的定量のために用いることができる。Yocum AK,Chinnaiyan AM.Current affairs in quantitative targeted proteomics:multiple reaction monitoring−mass spectrometry.Briefings in functional genomics & proteomics.2009;8(2):145−57.Epub
2009/03/13.doi:10.1093/bfgp/eln056.PubMedPMID:19279071;PubMed Central PMCID:PMC2722263.通常の絶対的定量法はAQUA(Absolute QUAntificationを示す)として知られている。AQUAペプチドは、既知の濃度で試料
に添加された重安定同位体アミノ酸を除いて内在性ペプチドと配列において同一である。かくしてAQUAペプチドと比較すると内在性ペプチドの正確な濃度を決定することができる。Gerber SA,Rush J,Stemman O,Kirschner MW,Gygi SP.Absolute quantification of proteins and phosphoproteins from cell lysates by tandem MS.Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America.2003;100(12):6940−5.Epub 2003/05/29.doi:10.1073/pnas.0832254100.PubMed PMID:12771378;PubMed Central PMCID:PMC165809.安定同位体で標識されたペプチドの正確な濃度が未知である場合、ペプチドを既知の比で試料中に添加し、相対的な定量のために用いることができる。安定同位体で標識されたタンパク質(PSAQ)又はコンカテマー(QconCAT)を用い、参照標準をそれぞれ全タンパク質又は合成鎖状(concatenated)トリプシンペプチドとして生体内で作ることもできる。Kaiser SE,Riley
BE,Shaler TA,Trevino RS,Becker CH,Schulman H,et al.Protein standard absolute quantification(PSAQ) method for the measurement of cellular ubiquitin pools.Nature
methods.2011;8(8):691−6.Epub 2011/07/12.doi:10.1038/nmeth.1649.PubMed PMID:21743460;PubMed Central PMCID:PMC3196335;Pratt JM,SimpsonDM,Doherty MK,Rivers J,Gaskell SJ,Beynon RJ.Multiplexed absolute quantification for proteomics using concatenated signature peptides encoded by QconCAT genes.Nature protocols.2006;1(2):1029−43.Epub 2007/04/05.doi:10.1038/nprot.2006.129 PubMed PMID:17406340.

0080

本明細書で開示される特定の実施態様は、低レベル内在性ペプチドを分離し(resolve)、定量的ピーク積分のためにピークの形を最適化するように最適化された逆相クロマトグラフィーを用いる。例えば一部の実施態様において、HPLC系はNanoflex cHiPLC系が備えられたEksigent Nano 2D LCである。Nanoflex系には場合によりペプチドを捕獲し且つ逆相勾配においてクロマトグラフィー的溶離するために用いられるC18マイクロ流体チップが備えられる場合がある。さらに、Nanoflex系には場合によりピーク分解への温度の効果を最適化するためにカラムヒーターが備えられている場合がある。

0081

特定の実施態様において、本明細書で提供される方法は、共溶離する種の数を変え(shifting)、局在する(localized)試料の複雑性を低下させることにより低含量の内在性ペプチドを同定するために最適化されたクロマトグラフィー勾配長を用いる。従って特定の実施態様において、本明細書の方法はクロマトグラフィー分離のために90分の有効勾配長を提供する。

0082

高い特異度を達成するために、参照標準のペプチドアミノ酸配列はタンパク質バイオマーカーに固有である。Lange V,Picotti P,Domon B,Aebersold R.Selected reaction monitoring for
quantitative proteomics:a tutorial.Molecular systems biology.2008;4:222.Epub 20
08/10/16.doi:10.1038/msb 2008.61.PubMedPMID:18854821;PubMed Central PMCID:PMC2583086.優れたクロマトグラフィーピークの形、適切なイオン化及び最適のフラグメント化を達成するために、ペプチド長は約6−20個のアミノ酸に保たれる。Elias
JE,Haas W,Faherty BK,Gygi SP.Comparative evaluation of mass spectrometry platforms used in large−scale proteomics investigations.Natur methods.2005;2(9):667−75.Epub 2005/08/25.doi:10.1038/nmeth785.PubMed PMID:16118637;Kirkpatrick DS,Gerber
SA,Gygi SP.The absolute quantification strategy:a general procedure for the quantification of proteins and post−translational modifications.Methods.2005;35(3):265−73.Epub 2005/02/22.doi:10.1016/j.ymeth.2004.08.018.PubMed PMID:15722223;Picotti P,Clement−Ziza M,Lam H,Campbell DS,Schmidt A,Deutsch EW,et al.A complete mass −spectrometric map of the yeast proteome applied to quantitative trait analysis.Nature.2013;494(7436):266−70.Epub 2013/01/22.doi:10.1038/nature11835.PubMed PMID:23334424.一部の実施態様において、ペプチド衝突エネルギーは最も強いフラグメントイオンを与えるように最適化され、与えられるサイクル時間にわたって限られた数の遷移のみが分析されるようにスケジューリング法が実施される。当業者は、特定のイオンに関するシグナルを最大にするために、スケジューリング滞留時間(遷移が分析される時間の長さ)を長くする能力を有することを認識するであろう。1つの実施態様において、5−7分のスケジューリングウインドウを選び、本方法で用いられるペプチドのために1.5秒のサイクル時間内に少なくとも20ミリ秒以上の滞留時間を生ずる。あるいはまた、異なる長さのスケジューリングウインドウ及びサイクル時間も包含される。

0083

参照標準としての安定な同位体の使用は、同じ分析内で2つ以上の試料を直接比較する可能性を与え、かくして標識を含まない方法において観察される実験毎の(run−to−run)変動と関連する問題を取り除く。標的タンパク質バイオマーカーに固有のこれらの標準試料は、標的内在性ペプチドバイオマーカーからそれを区別するために重い安定同位体で標識されたアミノ酸を含有する。さらにこれらの参照標準は、複数の類似のペプチド配列が複雑なタンパク質消化物中に存在する場合に、問題の正しいペプチド異性体を同定することを助ける能力も有し、かくしてアッセイの特異性に寄与する。Banack
SA,Downing TG,Spacil Z,Purdie EL,Metcalf JS,Downing S,et al.Distinguishing the cyanobacterial neurotoxin beta−N−methylamino−L−alanine(BMAA) from its structural
isomer 2,4−diaminobutyric acid(2,4−DAB).Toxicon:official journal of the International Society on Toxinology.2010;56(6):868−79.Epub 2010/06/22.doi:10.1016/j.toxicon.2010.06.006.PubMedPMID:20561540.

0084

一部の実施態様において、質量分析法を用いて生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出する。特定の実施態様において、選択反応モニタリング
質量分析法(SRM−MS)を用いてタンパク質バイオマーカーのレベルを検出する。他の実施態様において、スペクトラルカウンティング(spectral countig)、アイソバリックマスタギング(isobaric mass tagging)又はイオンモビリティー(ion mobility)質量分析法を含むがこれらに限られない他の定量的質量分析法を用いて生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出する。

0085

さらなる実施態様において、1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの絶対濃度を決定する。いくつかの実施態様において、AQUA法と組み合わされたSRM−MSを用いて1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーの絶対濃度を決定する。

0086

他の実施態様において、本発明の方法の検出することは質量分析法の代替策を用いる。例えば一部の実施態様において、当該技術分野に既知のルーティン化したイムノアッセイ法を用いてタンパク質バイオマーカーのレベルを検出する。そのようなイムノアッセイ法には、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)、タンパク質アレー、ウエスターンブロッティングフローサイトメトリー細胞選別免疫組織化学免疫細胞化学又はイムノサイトメトリーが含まれるが、これらに限られない。本開示の方法のいくつかの実施態様において、検出することは、マイクロ流体チップに基づくELISAs又はウエスターンを含む慣例的なイムノアッセイ法への変形を含むが、これらに限られない。

0087

さらに別の実施態様において、本開示の方法の検出することは電気泳動による定量を用いる。例えばいくつかの実施態様において、検出することは、1次元又は2次元電気泳動あるいはキャピラリー電気泳動を含むが、これらに限られない。当業者は、本開示の実施のために適したさらに別の定量的電気泳動法を認識するであろう。

0088

さらに別の実施態様において、通常のタンパク質定量法により生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルを検出する。例えば一部の実施態様において、UV−VIS分光分析法、Bradford、BCA又はLowryアッセイに限られない手法を用いて1種又は複数種のバイオマーカーのレベルを検出する。いくつかの実施態様において、生体試料からバイオマーカーを精製した後に1種又は複数種のバイオマーカーのレベルの検出を行う。

0089

他の実施態様において、本開示の検出することは生体試料を1つ以上のクロマトグラフィー定量法に供することを含む。液体クロマトグラフィー法の例にはカチオン交換アニオン交換、逆相及びサイズ排除クロマトグラフィーが含まれる。当業者は、クロマトグラフィーピークの下の面積が生体試料中に存在するバイオマーカーの相対的な量を表していることを認識するであろう。

0090

本明細書で用いられる「差次的に(differentially)発現される」とは、2つ以上の生体試料中で決定されるバイオマーカーの間又は生体試料中で決定されるバイオマーカーとバイオマーカー参照標準の間の比較を指し、ここで測定されるバイオマーカーの発現レベルは比較される生体試料の間で又は生体試料と参照標準の間で異なる。いくつかの実施態様において、差次的発現は比較されるバイオマーカーレベルにおける向上を含む。他の実施態様において、差次的発現は比較されるバイオマーカーレベルにおける低下を含む。さらに別の実施態様において、差次的発現は比較されるバイオマーカーにおける時間に及ぶ変化を含む。さらに別の実施態様において、差次的発現は患者の結腸内に存在するポリープ又は腫瘍の異なるステージの間での比較されるバイオマーカーにおける変化を含む。さらに別の実施態様において、差次的発現は患者の結腸内に存在する病変の処置の間の比較されるバイオマーカーにおける変化を含む。

0091

実施態様において、本開示の1種又は複数種のバイオマーカーの差次的発現は、患者の結腸中の病変のステージの決定に用いられる。特定の実施態様において、差次的発現は生体試料中の1種又は複数種のバイオマーカーのレベルにおける参照生体試料から又はバイオマーカー参照標準からの変動を含む。いくつかの実施態様において、対応する参照量からの約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%又は約90%の1種又は複数種のバイオマーカーにおける変動は、患者の結腸中の病変の存在又はステージを示している。別の実施態様において、対応する参照量からの約2倍、約4倍、約8倍、約10倍、約20倍、約40倍、約80倍又は約100倍の1種又は複数種のバイオマーカーにおける変動は、患者の結腸中の病変の存在又はステージを示している。

0092

ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラットイヌネコウマ又はウシから回収された生体試料中の1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーのレベルの決定方法を提供する。本明細書で用いられる場合、「生体試料」は患者から単離された生物学的材料からなり、血液、血清、組織、血漿又は血球を含むがこれらに限られない。

0093

注目すべきことに、本開示の方法に有用なバイオマーカーは、腫瘍又は腺腫又はポリープ細胞から離隔した部位で時々起こる身体的反応を含む。主な例には肝臓で生産される急性期及び炎症反応タンパク質が含まれる。急性期、炎症及び免疫反応は腫瘍の存在への普通の反応と同定されている。Mantovani A,Allavena P,Sica
A,Balkwill F.Cancer−related inflammation.Nature.2008;454(7203):436−44.Epub 2008/07/25.doi:10.1038/nature07205.PubMedPMID:18650914;Grivennikov SI,Greten FR,Karin M.Immunity,inflammation,and cancer.Cell.2010;140(6):883−99.Epub 2010/03/23.doi:10.1016/j.cell.2010.01.025.PubMed PMID:20303878;PubMed Central PMCID:PMC2866629.そして細胞接着癌転移に関連する重要な機能である。インター−アルファ−トリプシン阻害剤のようなヒアルロナン結合タンパク質は、成長している腫瘍へのこのグリコサミノグリカンの活発輸送を与える。これらは癌への全身的な反応に関連して本明細書で与えられるいくつかの例にすぎない。従って当業者は、本発明の生体試料が腫瘍細胞及び非腫瘍細胞の両方に由来することを認識するであろう。さらに当業者は、本発明の生体試料が場合により、血液、血清、血漿、組織、腹水、尿及び便を含むがこれらに限られない広範囲の材料から単離され得ることを認識するであろう。

0094

本開示の実施態様は、一次スクリーニング又は診断機構として大腸内視鏡検査を用いるルーティンスクリーニングの代わりとなる感度及び特異度を有する結腸直腸癌のための生体試料に基づく試験を提供する。スクリーニング法の実施態様は、高処理量標的化質量分析法を用い、それは多くのタンパク質マーカーを1つの定量的スクリーニングアッセイに多重に送る(multiplexes)。

0095

特定の実施態様において、SRM−MSを用いる結腸直腸癌のための生体試料に基づく試験は、有利なことにバイオマーカー当たりのコストの軽減、バイオマーカーパネル分析における処理量の向上の可能性ならびに感度及び特異度の向上を与える。

0096

一部の実施態様は、前癌性又は癌性状態の存在に関する集団のルーティンのスクリーニングのための方法を提供する。これらの方法は、血液及び診断目的のために有用な他の材料の慣例的な収集を含む。さらに一部の実施態様において、本発明の生体試料は大腸内視鏡検査又はポリープ切除術の間に又はそれらと同時に得られる。さらに別の実施態様にお
いて、本発明の実施態様の生体試料は、大腸内視鏡検査又はポリープ切除に続いて周期的に得られる。さらに別の実施態様において、生体試料は大腸内視鏡検査の前に得られ、大腸内視鏡検査を必要とする患者の同定のためにタンパク質バイオマーカーのレベルが決定される。

0097

本方法の実施態様は、患者集団のルーティンのスクリーニングのために有用である。本方法は、主に現存するスクリーニング法が侵襲性、高価及び辺地で利用不可能であり得るために、適格な患者が現存するスクリーニング勧告を順守する程度が低い場合に特に有利である。さらに本方法の実施態様は、結腸直腸癌に関する高いリスク因子(例えば家族歴)を示さないその他の現存するスクリーニング又は診断法を指示されないであろう患者集団のスクリーニングのために有用である。

0098

さらに別の実施態様において、大腸内視鏡検査又はポリープ切除術によるさらなる評価又は処置を含むがこれらに限られない、さらなる臨床的な評価又は処置から便益を得るであろう個人を同定するための方法を提供する。他の実施態様において、外科手術後又はポリープ切除後の患者の監視を提供する。さらに別の実施態様において、本方法は化学予防薬又は化学療法薬に対する患者の反応性を監視するために有用である。

0099

さらに、現存する結腸直腸スクリーニング、診断、予後及び処置法の診断及び予後的効用強化することができる方法を提供する。従って本明細書で開示される一部の実施態様は、大腸内視鏡検査、CTスキャン又は便潜血試験を含む当該技術分野で既知の他の方法との組み合わせにおいて有用である。

0100

さらなる側面において、本開示は患者における結腸直腸病変の病期診断のためのキットを目的とする。キットは本開示の1種又は複数種のバイオマーカーを検出するための1種以上の検出試薬を含み、場合により癌性又は前癌性結腸直腸病変のステージと関連する1種又は複数種のタンパク質バイオマーカーに関する1組の標準値を含む場合がある。

0101

さらに本開示は、a)本開示の生体試料中の1種又は複数種のバイオマーカーの量を検出するための手段、b)段階a)で決定された量を参照量と比較するための手段を含む上記で言及した本開示の方法を行うために適応させたキットに関する。いくつかの実施態様において、前記キットは本開示の方法を行うための使用説明書を含む。他の特定の実施態様において、前記キットは生体試料を回収する回収集容器を含む。該回収容器はアッセイ用に生体試料を準備するための溶液を含む場合がある。

0102

本明細書で用いられる「キット」という用語は、適切には別々に又は1個の容器内で提供される前記の手段の集合体を指す。容器は、やはり適切には本開示の方法を行うための使用説明書を含む。

0103

本発明を以下の実施例においてさらに説明するが、該実施例は請求項中に記載される本発明の範囲を制限しない。

0104

以下の実施例は本発明の特別な実施態様及びその種々の使用の例である。それらは説明目的のみのために示され、本発明を制限すると理解されるべきではない。

0105

患者集団
患者は3つの別個の患者グループから登録された(図4)。ルーティンのスクリーニング大腸内視鏡検査を受けている無症候性成人(n=180)、疾患の除去及び病期診断のために外科手術的切除を受けている結腸直腸癌の患者(n=50)及びCTコロノグラフ
ィー(バーチャル大腸内視鏡検査)により観察されるポリープを有する患者(n=33)。ポリープを有するCTコロノグラフィーの患者はその後それらの除去ために大腸内視鏡検査を受けた(ポリープ切除)。

0106

すべての生検ポリープ又は外科手術切除片(resection)は、分析のために臨床病理学部門に送られた。非癌性ポリープを有する患者は、表2に概述される管理基準の現在の標準に従って進行性腺腫(高リスク)又は低リスクポリープを有すると分類された。外科手術切除片は、表1に示されるTNM病期診断システムに従って病期診断された。

0107

大腸内視鏡検査又は結腸直腸外科手術の前に、各患者から血液試料採取した。CTコロノグラフィー及び続いて大腸内視鏡検査を受けた患者は、ポリープが除去された後のバイオマーカー発現における変化を監視するための2回目の血液採取のためにポリープ切除から3−4週間後に戻された。

0108

縦断CTコロノグラフィー/大腸内視鏡検査研究における患者のそれぞれをCTコロノグラフィーにより2〜11年間監視し、監視期間の間にポリープが成長しているらしいと分類されたら大腸内視鏡検査の際にポリープの生検を行った。最終的な成長分類は、CTコロノグラフィーにより決定されるポリープ長又は測定される体積に基づいてなされた。しかしながらいくらかの患者は1個より多いポリープを有し、一人の患者内のすべてのポリープが必ずしも成長していると分類されるわけではなかった。表9は、大腸内視鏡検査の時点に1個より多いポリープが存在する症例においてどのように患者の成長を分類したかを記載している。従ってポリープ切除前/後の症例に関する分析の1つの様式は、成長の状況にかかわらず大腸内視鏡検査のみの症例に関して行われると同じ低及び高リスク範疇に患者の症例を分類し、症例を特にそれらのポリープ切除前及び後の状況に基づいて分析することであった(表2)。分析の第2の様式は、成長している腺腫の症例におけるポリープ切除前の値をルーティンのスクリーニング大腸内視鏡検査からの未知の成長の腺腫(すなわちCTコロノグラフィーにより長期間監視されなかった症例)と比較することにより、実効(effect)長期間成長を調べることであった。

0109

タンパク質バイオマーカー候補選択
SRM−MS分析用の血清タンパク質を2つの異なる研究から選んだ。第1に、Ivancic,MM,Huttlin,EL,et al.,前出に記載されている通り、野生型と比較されるApcMin/+マウスの血清からの定量的プロテオミクスデータからいくつかのタンパク質を選んだ。ApcPirc/+ラットバイオマーカーバリデーション研究において妥当性が確認されたタンパク質のほとんどすべても用いた。Ivancic MM,Irving AA,Jonakin KG,Dove WF,SussmanMR.The concentrations of EGFR,LRG1,ITIH4,and F5 in serum correlate with the number of colonic adenomas in ApcPirc/+ rats.Cancer Prev Res (Phila).2014;7(11):1160−9.Epub 2014/09/10.doi:10.1158/1940−6207.CAPR−14−0056.PubMedPMID:25200834;PubMed Central PMCID:PMC4221466.それぞれの選択されたバイオマーカー候補に固有の同位体標識されたペプチド参照標準をUW−Madison Biotechnology Centerのペプチド合成コア施設により合成し、各参照ペプチド中に1つの重安定同位体で標識されたアミノ酸(例:13C15N炭素及び窒素)を導入した。選択されたバイオマーカーを表3に挙げる。

0110

0111

0112

試料処理
各患者からの血液を処理して血清と した。5ミリリットルの血液を1−5mlのレッドトップ血清管中に回収し、室温(15−25℃)で30分−4時間インキュベーションした。管を1500xgで15分間遠心した。すべての遠心段階を室温でスイングアウトローターにおいて行った。血清を100μl又は300μlのアリコートにおいて0.5mLの低結合Eppendorf管中に分注し、−80℃で保存した。

0113

血清を室温で解凍し、Human 4.6mmx100mm Agilent Multiple Affinity Removal Columnを用いて上部7つの主要な血液タンパク質を取り除いた。すべての独占権のある緩衝液及びフィルター製造者の指示に従って用いられた。手動試料注入器及び1mLの試料ループが備えられたWaters 1740HPLCを用いた。枯渇(depletion)の前に50μlの血清を400μlのAgilent Buffer Aに加えてからろ過した。Waters 2996フォトダイオードアレー検出器を用いて215及び280nmにおいて各試料注入を監視し、結合及び非結合画分の両方を回収した。さらなる使用まで画分を−80℃で保存した。

0114

非結合画分を室温で解凍し、Agilent 5kDa MWCO濃縮フィルター装置を用いて4000xg(4℃)で、約500μL以下の液体が残るまでろ過した。濃縮されたタンパク質を、50%の冷トリクロロ酢酸を10%の最終的な濃度まで加え、試料を上で5分間インキュベーションすることにより沈殿させた。4℃において4000xgで5分間、微量遠心機を用いてタンパク質をペレット化した。冷たい水中の80%アセトンの4回の洗浄及び続いて冷たい水中の50%メタノール中の1回の洗浄を用い、遠心段階を繰り返した。各洗浄の後に上澄み液を除去し、最後の洗浄の後にペレット空気乾燥した。ペレットを4℃において50mM重炭酸アンモニウム、8Mウレア、pH8中で終夜再可溶化した。部分的に溶解したペレットを1.6Mウレア、50mM重炭酸アンモニウムpH8に希釈した。音波処理プローブを用い、各試料を5秒間パルスで合成3回音波処理した。

0115

BCAタンパク質濃度アッセイ(Pierce)を製造者の指示に従って行った。各試料からの血清タンパク質の100μgのアリコートを還元し、システイン残基アルキル化し、続いて1:50トリプシン−タンパク質比においてシークエンシンググレード(sequencing grade)ブタトリプシン(Promega)を用いて37℃において終夜消化した。還元及びアルキル化の前に、各標的内在性ペプチドの安定同位体標識されたペプチド参照標準を血清タンパク質試料に加えた。得られるペプチドをSPEC
C18 Pipette Tips(Agilent Technologies)上で製造者の指示に従って脱塩した。溶離したペプチドを真空遠心機を用いて乾燥し、LC−MS/MS分析まで−80℃で保存した。

0116

液体クロマトグラフィー−質量分析法
37℃に設定されたnanoflex cHiPLCが備えられたNanoLC Ultra 2DHPLC(Eksigent)を用いる逆相クロマトグラフィーにより、2μgの試料の液体クロマトグラフィー分離を行った。Ivancic,MM,Huttlin,EL,et al.,同上に記載されている通りにペプチド分離のために90分勾配を用い、続いて5500 QTrap(AbSciex)中に直接溶離した。ペプチド前駆体を四重極1(Q1)で選択し、q2でフラグメント化させ、Q3における監視のために上位3〜4の遷移を選択した。すべてのQ1及びQ3質量を装置分解能(unit resolution)において測定した。7分のスケジューリングウインドウを2秒のサイクル時間と共に適用した。方法の開発及びピーク分析は、Skylineソアトウェア(Ivancic MM,et al.The concentrations of EGFR,LRG1,ITIH4,and F5 in serum correlate with the number of colonic adenomas
in ApcPirc/+ rats.Cancer Prev Res (Phila).2014;7:1160−9.)を用いて行われた。すべての生物学的試料をLC−MS/MSにより3回の技術的反復において分析した。

0117

質量分析データ処理及び分析
質量分析の結果をSkyline中に取り込み、ピークを積分した。3回の技術的反復について最も強い遷移の平均ピーク面積を用いて各ペプチドを評価した。各タンパク質に関し、ペプチドのそれぞれに関して平均比を算出し、表5に示される通りに患者グループを比較した。

0118

さらに、低リスク、高リスク及び絨毛/鋸歯状ポリープに関するポリープ切除前/後比を比較した。両側ノンパラメトリックMann−Whitneyt−検定(two−tailed non−parametric Mann−Whitney t−test)を用い、95%の信頼区間でP値を得た。腺腫及び癌腫のステージを比較する例の場合、Benjamini Hochberg 5%発見率(false discovery rate)計算を用いてMann−Whitney p値をろ過した。CTC研究及びポリープ切除前/後研究はMann−Whitney p値を用いたが、サンプルサイズ(sample size)を見て多すぎる偽陰性の結果の可能性に基づき、偽発見に関してろ過しなかった。ロジスティック回帰アルゴリズムを用いてそれぞれのタンパク質ROC曲線を決定した。LinearSVM、Logistic Regression及びRandom Forestsを含む数種の機械学習アルゴリズムを用いてROCパネル曲線を最適化した。iaw AW,M.Classification and
Regression by randomForest.R News.2002;2/3:5;Burges CJC.A Tutorial on Support Vector Machines for Pattern Recongition.Data Mining and Knowledge Discovery.1998;2:121−67;Zou KH,O’Malley AJ,Mauri L.Receiver−operating characteristic analysis for evaluating diagnostic test and predictive models.Circulation.2007;115(5):654−7.doi:10.1161/CIRCULATIONAHA.105.594929.PubMedPMID:17283280.

0119

0120

バイオマーカーは結腸直腸癌及び前癌性状態の検出のための診断的及び予後的効用を有する
大腸内視鏡検査、結腸切除又はCTコロノグラフィー/大腸内視鏡検査法からの260人を超える患者の症例に関して血清を回収し、分析した(図5)。ほとんどの大腸内視鏡検査の症例はポリープなし(正常な組織、n=56)か又は低リスクポリープ(n=87)を有する低リスクグループに分類された。合計71人の患者は結腸直腸癌の発病に関して高リスクである進行性腺腫と考えられるポリープを有した。50の結腸切除の症例から患者の47人は非転移性癌を有した。症例のほとんど半分はステージ1(n=22)と分類されたが、残りはステージ2(n=13)及びステージ3(n=12)結腸直腸癌で分けられた。患者から合計で25のポリープ切除前/後対を回収し、その患者のポリープはCTコロノグラフィー後に大腸内視鏡検査により生検された。8人の患者はポリープ切除後血液収集のために戻らなかった。この長期監視グループにおいて、11の低リスク、22の高リスクの症例が分析された(8つの低リスク前/後対及び前/後対を有する17の高リスクの症例)。

0121

バイオマーカーは高リスク結腸直腸腺腫と低リスク結腸直腸腺腫の間の区別を与える
大体同数の男性及び女性を、患者の年齢及び癌ステージ全体に及ぶ研究に登録した(図6)。CRPは、すべての性別を合わせた場合に進行性腺腫と低リスクの症例の間で発現における平均上方調節を示す(図8、表6)。類似してEGFRは進行性腺腫の症例において穏やかな下方調節を示す。ロジスティック回帰分析に基づく感度及び特異度受信者動作特性(ROC)曲線は、これらのタンパク質が進行性腺腫を予測することを示す(図9)。

0122

CRP及びEGFRROC曲線は、性別により分けた場合に感度及び特異度における
差を示す(図10)。類似して進行性腺腫感度及び特異度における性別の差がCD44、F5、CFI及びITIH4に関して観察された(図11)。

0123

一部のタンパク質はポリープ組織学に基づいて、発現における特別な変化を示した。いずれかの程度の異形成を有する絨毛(管状絨毛)腺腫は他の型のポリープより有意に高い癌腫への発達の可能性を有する。ITIH3、ITIH4及びCRPは、管状絨毛腺腫において他のポリープ組織病理学のメジアン上方調節より高いメジアン上方調節を示した(図12)。

0124

QSOXIは管状絨毛腺腫の症例において性別の関数として差次的発現を示す(図13)。管状絨毛腺腫を有する女性においてQSOX1発現は低下したが、管状絨毛腺腫を有する男性においてQSOX1発現は向上した。

0125

バイオマーカーは直腸腺腫と結腸腺腫の間の区別を与える
ポリープの位置によって分けられるバイオマーカーは、結腸中に存在する腺腫と比較して直腸中に存在する腺腫を区別する。大腸内視鏡検査患者を4つの範疇:スクリーニング正常、結腸ポリープのみ、結腸及び直腸ポリープ及び直腸ポリープのみに分けた。ポリープを有するほとんどの患者は結腸ポリープ又は結腸と直腸の混合を示したが、いくつかの症例は直腸のみに特異的であった(図14)。CD44及びPI16は両方とも直腸ポリープのみが存在する症例において下方調節された(図15)。ITIH3及びQSOX1は両方とも、直腸及び結腸ポリープの両方の混合を有する患者における場合を含んで直腸ポリープが存在する症例において上方調節された。

0126

バイオマーカーは結腸直腸腺腫と結腸直腸癌腫の間の区別を与える
スクリーニング正常大腸内視鏡検査又は低リスク腺腫を有する患者を結腸直腸癌の症例と区別した。低リスクの症例及び正常な症例と比較されるすべての非転移性結腸直腸癌の平均は、EGFR、DPP4、CD44、PI16及びFETUBにおける下方調節を示した(図16、表6)。これらのタンパク質に関するROC曲線(図17)は、EGFRが結腸直腸癌の予測に関する最も高い感度及び特異度を有するが、DPP4及びCD44も優れた予測物質であることを示している。LRG1、ITIH3、ITIH4、HPX、CRP、QSOX1及びF5は低リスク大腸内視鏡検査の症例と比較して癌において上方調節される(図18、表6)。分析されたすべてのタンパク質の中で、LRG1、ITIH3及びITIH4は個別のマーカーとしての結腸直腸癌腫の存在の予測に関して全体的に最も高い感度及び特異度を有した(図19)。

0127

0128

0129

マルチマーカーパネルはスクリーニング目的のための結腸直腸癌検出の感度及び特異度を向上させる可能性を有する
マルチマーカーパネルを用いることにより感度及び特異度を向上させることができる。数種の機械学習法を用い、低リスク患者と比較して結腸直腸癌を検出するための感度及び特異度を最大にするバイオマーカーパネルのための候補の可能性のあるものとして、すべてのバイオマーカーを調べた。2種の機械学習アルゴリズムを用い、CD44、DPP4、EGFR、ITIH3及びLRG1を含む5−マーカータンパク質パネルを、低リスク及び正常な症例と比較して癌を検出するための最適なパネルと同定した(図21及び22)。第1に37の癌及び71の低リスク腺腫及び正常な症例のトレーニングセットを用いてアルゴリズムをトレーニングした。第2に10の癌及び69の低リスク腺腫及び正常な症例を用い、トレーニング後のアルゴリズムの妥当性を確認した。信頼区間は灰色の球で示され、それはTilburyJB,Van Eetvelt PW,Garibaldi JM,Curnow JS,Ifeachor EC.Receiver operaing characterisic analysis for intelligent medical systems−−a new approach for
finding confidence intervals.IEEE Trans
Biomed Eng.2000;47(7):952−63.doi:10/1109/10.846690.PubMedPMID:10916267.に従って算出された。ロジスティック回帰及びエキストラツリーズトレーニングセットの両方に関するA
UCsは0.9に近かったが、エキストラツリーズに関するバリデーションセットは0.88であり、ロジスティック回帰分析により行われたいずれの個別のマーカーよりも実質的に高かった。重要なことに、マルチマーカーパネルは全体的な特異性を、結腸直腸癌のための現存するスクリーニング手段と競合するレベルに向上させた。

0130

バイオマーカーは癌のステージにおける所属リンパ節浸潤の同定を可能にする
バイオマーカーを、初期癌(ステージ1及び2)と所属リンパ節浸潤(ステージ3)を区別するそれらの能力に関して調べた(図23、表6)。個別のマーカーに関するAUCs(図24)は、所属リンパ節存在の同定に関する予測可能性を示し、CD44はステージ3CRCに関する最高の感度及び特異度を示した。

0131

Random Forest回帰モデルを用い、CD44、CRP、DPP4、ITIH3及びVITD(GC)の5−バイオマーカーパネルを、分析された47人の患者の中での感度及び特異度を用いて同定した(図25)。灰色の球はROC曲線を通じての全体的な信頼度を示し、紫色の四角は所属リンパ節の同定のための目標信頼範囲を示す。トレーニングデータは10のステージ3の癌及び27のステージ1又は2の癌から成ったが、バリデーションデータは2つのステージ3の癌及び8つのステージ1又は2の癌から成った。

0132

ポリープ切除後と比較されるポリープ切除前のバイオマーカー発現
ポリープ切除前及び後の試料を与えた各患者に関し、ポリープ切除前/後バイオマーカー発現の比を決定した。調べられたタンパク質バイオマーカーはロイシン−リッチアルファ−2−糖タンパク質、ペプチダーゼ阻害剤16、CD44、カドヘリン2、C−反応性タンパク質、ジペプチジルペプチダーゼ4、インター−アルファトリプシン阻害剤,重鎖H4、インター−アルファトリプシン阻害剤、重鎖 H3、凝固因子V、上皮成長因子受容体、Fetuin−B、ヘモペキシン、血清アミロイドP成分、ビタミンD結合タンパク質、補体因子I、スーパーオキシドジスムターゼ3及びクイエシンスルフヒドリルオキシダーゼ1、トロンボスポンジン−4及びビトロネクチンを含む。以下が真である場合に、タンパク質はポリープ切除後に正常なレベルに復帰していると定義される(図6):
1.ポリープ切除前の試料が正常なレベルから上方調節される場合、ポリープ切除後の参照標準に対する比はポリープ切除前の参照標準に対する比より低くなければならない。従ってポリープ切除前/後の比は1より大きい。
2.ポリープ切除前の試料が正常なレベルから下方調節される場合、ポリープ切除後の参照標準に対する比はポリープ切除前の参照標準に対する比より高くなければならない。従ってポリープ切除前/後の比は1より小さい。

0133

すべての患者のポリープ切除前/後の比の平均は、2つのグループ間の統計的に有意な変化を有するタンパク質バイオマーカーを同定した。PI16はポリープ除去後に正常なレベルに向かう平均発現変化を示した(図26A、表7)。PI16は典型的に腺腫を有する患者において下方調節を示し、そしてこの症例において参照標準に対するポリープ切除前のメジアン比(0.391)及び参照標準に対するポリープ切除後の上昇したメジアン比(0.544)を有した。観察されたポリープ切除前対ポリープ切除後発現変化は、症例をPI116に関する高リスク(進行性腺腫)の症例と低リスクの症例の間でビニングした(binned)場合、統計的に有意でなく(図26B、表7)、ポリープ除去に対する一般的な反応としてPI16における全体的な変化があることを意味した。

0134

C−反応性タンパク質(CRP)は高リスクの症例においてポリープ切除前対ポリープ切除後の比における差を示した(図27、表7)。

0135

0136

0137

未知の成長の前癌性ポリープと比較される既知の成長している前癌性ポリープにおけるバイオマーカー発現
ポリープ切除前及び後に血液バイオマーカー発現が監視された患者の症例もCTコロノグラフィーCTCを用いて2−10年にわたって長期間監視した(図28)。表9は、成長している、静止性、退行している又は未知の成長と患者を標識するために用いられた規則を説明している。要するに、成長しているポリープを有するいずれの患者も、存在するすべての他のポリープにかかわらず成長していると分類された。未知の成長のポリープは、より大きな成長の可能性をそれらが有しているので、静止性及び退行しているポリープより優先された。成長しているポリープ又は未知の成長のポリープがない場合、静止性ポリープは退行しているポリープよりリスクが高いと考えられ、それはそれらが縮小しておらず、成長しているポリープの状況に、より変化しそうだからである。CTCにより監視されなかった患者の症例を、スクリーニング正常の標準試料及び未知の成長のポリープの形態で、成長しているポリープのグループへの追加の比較として役立てるために、ルーティンのスクリーニング大腸内視鏡検査のグループから引き抜いた。

0138

0139

F5、CRP、PI16、ITIH4及びLRG1はすべて未知の成長の腺腫の症例と比較して既知の成長している腺腫の症例において統計的に有意な変化を示した(図29、表8)。ITIH4以外のすべてはスクリーニング正常大腸内視鏡検査と比較して成長している腺腫における統計的に有意なタンパク質発現変化も示した。

実施例

0140

本発明を詳細に且つその特定の実施態様に言及することにより説明してきたが、添付の請求の範囲中で定義されている本発明の範囲から逸脱することなく修正及び変更が可能であることは明らかであろう。さらに具体的に、本発明のいくつかの側面が本明細書で特に有利であると同定されているが、本発明が必ずしも本発明のこれらの特定の側面に制限されないことが意図されている。

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