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技術 抗体及び抗ウイルス剤の抗HSV相乗作用

出願人 ポリケム・ソシエテ・アノニム
発明者 ブリオーニ、ロベルトクレメンティ、マッシモ
出願日 2017年7月26日 (2年9ヶ月経過) 出願番号 2019-503946
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-525928
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 減少指数 マイクロボリューム 指数計算 小規模生産 対象番号 カラム番号 計数システム 中和混合
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図面 (11)

課題・解決手段

本発明は、HSV−1及びHSV−2結合モノクローナル抗体又はその断片と抗ウイルス剤とを含む組み合せと、前記組み合わせを、任意選択的に医薬的に許容される賦形剤一緒に含む医薬製剤と、性器ヘルペス、HSV歯肉口内炎、及び再発性口唇ヘルペス単純ヘルペス脳炎(HSE)、新生児HSV、免疫不全宿主におけるHSV疾患、及びHSV角膜炎又は角結膜炎を含むヘルペスウイルス感染の予防及び/又は治療におけるその使用とに関する。

概要

背景

単純ヘルペスウイルス(HSV感染関連疾患は、一般集団感染率が高いために世界的な健康上の問題である。臨床症状には、皮膚、口、、目、又は生殖器に影響を及ぼす小さな、痛みを伴う疱疹、並びに発熱及び倦怠感などの全身症状が含まれる。罹患臓器によると、ヘルペスウイルス感染症は、性器ヘルペス、HSV歯肉口内炎及び再発性口唇ヘルペス単純ヘルペス脳炎新生児HSV、免疫不全宿主におけるHSV疾患、及びHSV角膜炎又は角結膜炎分類される。HSVは、宿主の生涯にわたって感覚神経節及び自律神経節持続し、定期的に再活性化する。臨床的再発は、ストレス月経周期、発熱又は病気日光への曝露、又は日焼けなどのいくつかの刺激によって引き起こされる。

HSV感染の臨床経過は、宿主の免疫状態によって強く影響され、新生児及び免疫不全の患者には重篤かつ生命脅かす感染が生じる。

性器ヘルペスは慢性的な生涯にわたるウイルス感染症である。HSV−1とHSV−2の2つの型のHSVが性器ヘルペスを引き起こし得る。再発性性器ヘルペスのほとんどの症例はHSV−2によって引き起こされ、米国では約5000万人がこのタイプの性器ヘルペスに感染している(1)。しかしながら、肛門性器ヘルペス感染症の割合の増加はHSV−1感染に起因するとされており、これは若い女性及び男性と性行為を有する男性(MSM)の間で特に顕著である(2−4;)。HSV−2に感染したほとんどの人は症状が診断されていないので、ほとんどの性器ヘルペス感染症は感染に気づかない人又は感染が起きたときに無症状の人によって伝播される。性器HSVの管理は、性器病変急性エピソード治療のみに焦点を合わせるのではなく、疾患の慢性的な性質対処する必要がある(5)。

抗ウイルス化学療法は、ほとんどの症状のある患者に臨床上の利点を提供し、管理の柱である。性器ヘルペスの自然経過、性的及び出生時感染、並びに感染を減らす方法に関するカウンセリングは、臨床管理に不可欠である。

全身性抗ウイルス薬は、最初の臨床的及び再発性のエピソードを治療するために使用されるとき、又は日々の抑制療法として使用されるときに、性器ヘルペスの徴候及び症状を部分的に制御することができる。しかしながら、これらの薬物は潜伏性ウイルス根絶することも、薬物が中止された後の再発の危険性、頻度、又は重症度に影響を及ぼすこともない。無作為化試験では、3つの抗ウイルス薬:アシクロビルバラシクロビル、及びファムシクロビルが性器ヘルペスに臨床的利益をもたらすことが示されている(6−14)。バラシクロビルはアシクロビルのバリンエステルであり、経口投与後に吸収を増強する。

ファムシクロビルはまた、高い経口バイオアベイラビリティーを有する。これらの薬は治療的ではないが、ヘルペスの発生の痛みを軽減し、ウイルス排出の期間を短縮する可能性がある。抗ウイルス薬による局所療法は、最小限の臨床上の利益を提供し、推奨されていない。

症候性の最初のエピソードの性器HSV−2感染を伴うほとんど全ての人が、その後に性器病変の再発性エピソードを経験し;再発は最初の性器HSV−1感染後は頻度が少ない。間欠性無症候性の排出は、性器のHSV−2に感染している人で、たとえ長年の又は臨床的に無症状な感染をしている人でも起こる。再発性器ヘルペスの抗ウイルス療法は、再発の頻度を減らすため、又は一時的に(episodically)改善するか若しくは病変の持続期間を短縮するための抑制療法として投与することができる。軽度又は低頻度の再発を伴う患者を含む一部の患者は、一時的な(episodic)抗ウイルス療法の恩恵を受ける。多くの人が抑制療法を好むが、それには感染しやすいパートナーへの性器HSV−2感染のリスクを減らすというさらなる利点がある(15、16)。抑制療法は、頻繁に再発する患者で性器ヘルペス再発の頻度を70〜80%減少させ(12〜15)、このような治療報告を受けている多くの人は、症状の発生を経験していない。アシクロビルによる療法を6年間、バラシクロビル又はファムシクロビルによる療法を1年間毎日受けている患者の有効性が実証されている。一時的(episodic)治療ではなく抑制療法を受ける、頻繁に再発する多くの患者で生活の質が改善される(17−18)。

毎日のバラシクロビル500mgによる治療は、感染源のパートナーが性器HSV−2感染の既往歴を有する、不一致な(discordant)、異性カップルにおいてHSV−2の感染を低下させる。

静脈内(IV)アシクロビル療法は、重度のHSV疾患又は入院を必要とする合併症(例えば、播種性感染症、肺炎、又は肝炎)又はCNS合併症(例えば、髄膜脳炎)を有する患者に提供されるべきである。

抗ウイルス治療を受けている患者において病変が持続又は再発する場合は、HSV耐性が疑われるべきであり、ウイルス分離株感受性試験のために得られる。交差耐性はアシクロビル、バラシクロビル及びファムシクロビルの間で知られている。アシクロビルに対する耐性がある場合は、ホスカルネット代替となり得る。実際、この薬は異なる作用機序を有し(ウイルスDNA及びRNAポリメラーゼ阻害剤)、交差耐性の可能性が低い。抗ウイルス薬耐性の臨床管理は、HIV感染者の間で依然として困難であり、他の予防的アプローチを必要とする。

妊娠中の性器ヘルペス:出産時期近くで性器ヘルペスに感染した女性の間で、感染した母親から新生児への伝染のリスクは高く(30%−50%)、再発性ヘルペスの出生前の既往歴がある女性、又は妊娠の前半に性器HSVに感染した女性(19−20)の間で低い(1%未満)。出産時の母体病変の母体ウイルス学検査により実証され、又は母体病変の観察によって推定されるような出生時にHSVに曝露された新生児は、皮膚や粘膜に限定された疾患、又は中枢神経系も関与する高リスクの播種性疾患を発症する可能性がある。

新生児ヘルペスの予防は、妊娠後期の性器HSV感染の獲得の予防と、出産時の新生児のヘルペス性病変及びウイルス排出への曝露の回避の両方に依存する。

帝王切開分娩は新生児へのHSV感染のリスクを完全に排除するわけではないが、分娩開始時に性器ヘルペス病変が再発した女性は新生児HSV感染のリスクを減らすために帝王切開分娩によって分娩するべきである。

アシクロビルは、初期症状の性器ヘルペス又は再発性ヘルペスの妊婦経口投与することができ、重症のHSV感染症の妊婦には静脈内投与する必要がある。妊娠後期のアシクロビルの抑制的治療は、満期時の再発頻度を減らすことによって、性器ヘルペスを再発している女性の帝王切開分娩の頻度を減らす。しかしながら、そのような治療は全ての場合において新生児への感染を予防することはできない(21)。

結論として、抗ウイルス療法はHSV感染を治療するために利用可能であるが、これは患者の80%でのみ有効であり、それは耐性を誘発し、交差耐性が、HSVのSTD治療ガイドラインで推奨されているたった3種類の抗ウイルス製品、すなわち、アシクロビル、バラシクロビル及びファムシクロビル、及び第4の製品、第2選択としてのホスカルネットの間で報告されている。ペンシクロビル及びガンシクロビルなどの他の抗ウイルス剤が最近市販されるようになったが、それらの新しい薬剤は満たされていない医学的必要性を完全には満たしていないようである。さらに、これらの製品は、用量及び時間に関連した重症度により、腎臓毒性、肝臓毒性、及び神経毒性を含む、いくつかの臓器に対する一定レベルの毒性を有する。これは、抑制療法を達成するために患者を生涯にわたって治療する必要性を考えると、さらに問題となり得る。従って、有効性と安全性の両方の観点から新しいアプローチが必要である。

特に抗ウイルス薬に対する耐性の場合に、抗HSV療法を改善する方法が、HSV1ウイルスを、実験室株又は臨床分離株の何れかで、アシクロビル、シドフォビル又はホスカルネットに対するそれらの感受性又は耐性とは無関係に、中和することができるマウスヒト化抗HSV抗体を構築したKrawczykら(22)により提案されている。その抗体はそれらの患者の治療を改善するかもしれないが、しかしそれは2つの未解決の問題を残す:第1に、それは、HSV2ウイルス、実験室株及び臨床分離株の両方に対して活性が低く、HSV2を中和するためにHSV1よりも高い濃度を必要とする。さらに、マウスのヒト化抗体であるため、ヒトに固有免疫原性を与えられており、長期使用の可能性は予測できない。

それゆえ、ヘルペス感染症との闘いにおける新規戦略及び選択肢の必要性がますます感じられている。

概要

本発明は、HSV−1及びHSV−2結合モノクローナル抗体又はその断片と抗ウイルス剤とを含む組み合せと、前記組み合わせを、任意選択的に医薬的に許容される賦形剤一緒に含む医薬製剤と、性器ヘルペス、HSV歯肉口内炎、及び再発性口唇ヘルペス、単純ヘルペス脳炎(HSE)、新生児HSV、免疫不全宿主におけるHSV疾患、及びHSV角膜炎又は角結膜炎を含むヘルペスウイルス感染の予防及び/又は治療におけるその使用とに関する。

目的

本明細書における「同時、別々又は逐次投与」という用語は、第一及び第二化合物を同時に若しくは2つの化合物が同時に患者の体内で作用するように投与すること、又は1つの化合物を他の化合物の後に治療効果を提供する

効果

実績

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請求項1

a)重鎖(VH)可変領域及び軽鎖(VL)可変領域と配列番号3、配列番号6、配列番号9及び配列番号12からなる群から選択される相補性決定領域(CDR)との両方を含む、HSV−1及びHSV−2結合モノクローナル抗体又はその断片、及びb)抗ウイルス剤を含み;成分a)と成分b)との間の重量比が1000〜0.01であることを特徴とする組み合わせ。

請求項2

成分a)と成分b)との間の重量比が、100〜0.01、好ましくは10〜0.1であることを特徴とする、請求項1に記載の組み合わせ。

請求項3

逐次投与同時投与、又は別々の投与のためのものである、請求項1又は2に記載の組み合わせ。

請求項4

前記重鎖(VH)可変領域が、配列番号1、配列番号4、配列番号7及び配列番号10からなる群から選択されるか、又はそれらの相同体であることを特徴とする、先の請求項の何れかに記載の組み合わせ。

請求項5

前記軽鎖(VL)可変領域が、配列番号2、配列番号5、配列番号8及び配列番号11からなる群から選択されるか、又はそれらの相同体であることを特徴とする、先の請求項の何れかに記載の組み合わせ。

請求項6

HSV−1及び/若しくはHSV−2結合モノクローナル抗体又はその断片が、IgG重鎖定常領域又はIgG2重鎖定常領域を有することを特徴とする、先の請求項の何れかに記載の組み合わせ。

請求項7

抗ウイルス剤が、アシクロビルペンシクロビルガンシクロビルホスカルネット、イバシタビン、シドフォビルバルガンシクロビルバラシクロビル又はファムシクロビルから選択され、好ましくはアシクロビル、ペンシクロビル、ガンシクロビル又はホスカルネットから選択されることを特徴とする、先の請求項の何れかに記載の組み合わせ。

請求項8

医薬としての使用のための、先の請求項の何れかに記載の組み合わせ。

請求項9

性器ヘルペス、HSV歯肉口内炎再発性口唇ヘルペス単純ヘルペス脳炎(HSE)、新生児HSV、免疫不全宿主におけるHSV疾患、及びHSV角膜炎又は角結膜炎から選択される、ヘルペスウイルス感染症治療における、請求項8に記載の使用のための組み合わせ。

請求項10

モノクローナル抗体又はその断片が、筋肉内、静脈内若しくは皮下注射の形態で、0.1μg/Kg〜50μg/Kg体重の範囲の投与量で全身投与され、抗ウイルス剤は、25〜5000mg、好ましくは100〜2500mg、より好ましくは250〜2000mgの範囲の投与量で経口投与され、又は1〜100mg/kg体重の範囲の投与量で、好ましくは5〜50mg/kg体重の範囲の投与量で非経口投与されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の使用のための組み合わせ。

請求項11

モノクローナル抗体又はその断片が、液剤懸濁剤乳剤ゲル剤クリーム剤軟膏剤などから選択される液体又は半固体製剤の形態で局所投与されることを特徴とする、請求項8から10の何れかに記載の使用のための組み合わせ。

請求項12

抗ウイルス剤が、経口組成物又は非経口液剤の形態で全身投与される、請求項9から11の何れかに記載の使用のための組み合わせ。

請求項13

抗ウイルス剤が、液剤、懸濁剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤などから選択される液体又は半固体製剤の形態で局所投与されることを特徴とする、請求項8から10の何れかに記載の使用のための組み合わせ。

請求項14

モノクローナル抗体又はその断片と抗ウイルス剤が同じ製剤中で全身的又は局所的に投与されることを特徴とする、請求項8から10の何れかに記載の使用のための組み合わせ。

背景技術

0001

単純ヘルペスウイルス(HSV感染関連疾患は、一般集団感染率が高いために世界的な健康上の問題である。臨床症状には、皮膚、口、、目、又は生殖器に影響を及ぼす小さな、痛みを伴う疱疹、並びに発熱及び倦怠感などの全身症状が含まれる。罹患臓器によると、ヘルペスウイルス感染症は、性器ヘルペス、HSV歯肉口内炎及び再発性口唇ヘルペス単純ヘルペス脳炎新生児HSV、免疫不全宿主におけるHSV疾患、及びHSV角膜炎又は角結膜炎分類される。HSVは、宿主の生涯にわたって感覚神経節及び自律神経節持続し、定期的に再活性化する。臨床的再発は、ストレス月経周期、発熱又は病気日光への曝露、又は日焼けなどのいくつかの刺激によって引き起こされる。

0002

HSV感染の臨床経過は、宿主の免疫状態によって強く影響され、新生児及び免疫不全の患者には重篤かつ生命脅かす感染が生じる。

0003

性器ヘルペスは慢性的な生涯にわたるウイルス感染症である。HSV−1とHSV−2の2つの型のHSVが性器ヘルペスを引き起こし得る。再発性性器ヘルペスのほとんどの症例はHSV−2によって引き起こされ、米国では約5000万人がこのタイプの性器ヘルペスに感染している(1)。しかしながら、肛門性器ヘルペス感染症の割合の増加はHSV−1感染に起因するとされており、これは若い女性及び男性と性行為を有する男性(MSM)の間で特に顕著である(2−4;)。HSV−2に感染したほとんどの人は症状が診断されていないので、ほとんどの性器ヘルペス感染症は感染に気づかない人又は感染が起きたときに無症状の人によって伝播される。性器HSVの管理は、性器病変急性エピソード治療のみに焦点を合わせるのではなく、疾患の慢性的な性質対処する必要がある(5)。

0004

抗ウイルス化学療法は、ほとんどの症状のある患者に臨床上の利点を提供し、管理の柱である。性器ヘルペスの自然経過、性的及び出生時感染、並びに感染を減らす方法に関するカウンセリングは、臨床管理に不可欠である。

0005

全身性抗ウイルス薬は、最初の臨床的及び再発性のエピソードを治療するために使用されるとき、又は日々の抑制療法として使用されるときに、性器ヘルペスの徴候及び症状を部分的に制御することができる。しかしながら、これらの薬物は潜伏性ウイルス根絶することも、薬物が中止された後の再発の危険性、頻度、又は重症度に影響を及ぼすこともない。無作為化試験では、3つの抗ウイルス薬:アシクロビルバラシクロビル、及びファムシクロビルが性器ヘルペスに臨床的利益をもたらすことが示されている(6−14)。バラシクロビルはアシクロビルのバリンエステルであり、経口投与後に吸収を増強する。

0006

ファムシクロビルはまた、高い経口バイオアベイラビリティーを有する。これらの薬は治療的ではないが、ヘルペスの発生の痛みを軽減し、ウイルス排出の期間を短縮する可能性がある。抗ウイルス薬による局所療法は、最小限の臨床上の利益を提供し、推奨されていない。

0007

症候性の最初のエピソードの性器HSV−2感染を伴うほとんど全ての人が、その後に性器病変の再発性エピソードを経験し;再発は最初の性器HSV−1感染後は頻度が少ない。間欠性無症候性の排出は、性器のHSV−2に感染している人で、たとえ長年の又は臨床的に無症状な感染をしている人でも起こる。再発性器ヘルペスの抗ウイルス療法は、再発の頻度を減らすため、又は一時的に(episodically)改善するか若しくは病変の持続期間を短縮するための抑制療法として投与することができる。軽度又は低頻度の再発を伴う患者を含む一部の患者は、一時的な(episodic)抗ウイルス療法の恩恵を受ける。多くの人が抑制療法を好むが、それには感染しやすいパートナーへの性器HSV−2感染のリスクを減らすというさらなる利点がある(15、16)。抑制療法は、頻繁に再発する患者で性器ヘルペス再発の頻度を70〜80%減少させ(12〜15)、このような治療報告を受けている多くの人は、症状の発生を経験していない。アシクロビルによる療法を6年間、バラシクロビル又はファムシクロビルによる療法を1年間毎日受けている患者の有効性が実証されている。一時的(episodic)治療ではなく抑制療法を受ける、頻繁に再発する多くの患者で生活の質が改善される(17−18)。

0008

毎日のバラシクロビル500mgによる治療は、感染源のパートナーが性器HSV−2感染の既往歴を有する、不一致な(discordant)、異性カップルにおいてHSV−2の感染を低下させる。

0009

静脈内(IV)アシクロビル療法は、重度のHSV疾患又は入院を必要とする合併症(例えば、播種性感染症、肺炎、又は肝炎)又はCNS合併症(例えば、髄膜脳炎)を有する患者に提供されるべきである。

0010

抗ウイルス治療を受けている患者において病変が持続又は再発する場合は、HSV耐性が疑われるべきであり、ウイルス分離株感受性試験のために得られる。交差耐性はアシクロビル、バラシクロビル及びファムシクロビルの間で知られている。アシクロビルに対する耐性がある場合は、ホスカルネット代替となり得る。実際、この薬は異なる作用機序を有し(ウイルスDNA及びRNAポリメラーゼ阻害剤)、交差耐性の可能性が低い。抗ウイルス薬耐性の臨床管理は、HIV感染者の間で依然として困難であり、他の予防的アプローチを必要とする。

0011

妊娠中の性器ヘルペス:出産時期近くで性器ヘルペスに感染した女性の間で、感染した母親から新生児への伝染のリスクは高く(30%−50%)、再発性ヘルペスの出生前の既往歴がある女性、又は妊娠の前半に性器HSVに感染した女性(19−20)の間で低い(1%未満)。出産時の母体病変の母体ウイルス学検査により実証され、又は母体病変の観察によって推定されるような出生時にHSVに曝露された新生児は、皮膚や粘膜に限定された疾患、又は中枢神経系も関与する高リスクの播種性疾患を発症する可能性がある。

0012

新生児ヘルペスの予防は、妊娠後期の性器HSV感染の獲得の予防と、出産時の新生児のヘルペス性病変及びウイルス排出への曝露の回避の両方に依存する。

0013

帝王切開分娩は新生児へのHSV感染のリスクを完全に排除するわけではないが、分娩開始時に性器ヘルペス病変が再発した女性は新生児HSV感染のリスクを減らすために帝王切開分娩によって分娩するべきである。

0014

アシクロビルは、初期症状の性器ヘルペス又は再発性ヘルペスの妊婦経口投与することができ、重症のHSV感染症の妊婦には静脈内投与する必要がある。妊娠後期のアシクロビルの抑制的治療は、満期時の再発頻度を減らすことによって、性器ヘルペスを再発している女性の帝王切開分娩の頻度を減らす。しかしながら、そのような治療は全ての場合において新生児への感染を予防することはできない(21)。

0015

結論として、抗ウイルス療法はHSV感染を治療するために利用可能であるが、これは患者の80%でのみ有効であり、それは耐性を誘発し、交差耐性が、HSVのSTD治療ガイドラインで推奨されているたった3種類の抗ウイルス製品、すなわち、アシクロビル、バラシクロビル及びファムシクロビル、及び第4の製品、第2選択としてのホスカルネットの間で報告されている。ペンシクロビル及びガンシクロビルなどの他の抗ウイルス剤が最近市販されるようになったが、それらの新しい薬剤は満たされていない医学的必要性を完全には満たしていないようである。さらに、これらの製品は、用量及び時間に関連した重症度により、腎臓毒性、肝臓毒性、及び神経毒性を含む、いくつかの臓器に対する一定レベルの毒性を有する。これは、抑制療法を達成するために患者を生涯にわたって治療する必要性を考えると、さらに問題となり得る。従って、有効性と安全性の両方の観点から新しいアプローチが必要である。

0016

特に抗ウイルス薬に対する耐性の場合に、抗HSV療法を改善する方法が、HSV1ウイルスを、実験室株又は臨床分離株の何れかで、アシクロビル、シドフォビル又はホスカルネットに対するそれらの感受性又は耐性とは無関係に、中和することができるマウスヒト化抗HSV抗体を構築したKrawczykら(22)により提案されている。その抗体はそれらの患者の治療を改善するかもしれないが、しかしそれは2つの未解決の問題を残す:第1に、それは、HSV2ウイルス、実験室株及び臨床分離株の両方に対して活性が低く、HSV2を中和するためにHSV1よりも高い濃度を必要とする。さらに、マウスのヒト化抗体であるため、ヒトに固有免疫原性を与えられており、長期使用の可能性は予測できない。

0017

それゆえ、ヘルペス感染症との闘いにおける新規戦略及び選択肢の必要性がますます感じられている。

図面の簡単な説明

0018

図1は、IgGAが異なる濃度のACV阻害効果をどのように有意に増大させるかを示すグラフである。
図2は、IgGAとACVの組み合わせの相乗作用を示す。
図3は、異なる薬物の組み合わせに関連した異なるCI値を示す表である。
図4は、好ましい用量減少をもたらすIgGA/ACVの組み合わせを示すグラフである。
図5は、HSV−1におけるIgGAとホスカルネットの異なる薬物の組み合わせに関連するCI値を示す。
図6は、HSV−2におけるIgGAとホスカルネットの異なる薬物の組み合わせに関連するCI値を示す。
図7は、HSV−1におけるIgGAとペンシクロビルの異なる薬物の組み合わせに関連するCI値を示す。
図8は、HSV−2におけるIgGAとペンシクロビルの異なる薬物の組み合わせに関連するCI値を示す。
図9は、HSV−1におけるIgGAとガンシクロビルの異なる薬物の組み合わせに関連するCI値を示す。
図10は、HSV−2におけるIgGAとガンシクロビルの異なる薬物の組み合わせに関連するCI値を示す。

0019

定義
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語表記法及び他の科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味を有することを意図している。いくつかの場合において、一般に理解されている意味を有する用語は、本明細書において明確さのために及び/又は容易に参照するために定義される。従って、本明細書中のそのような定義の包含は、当該技術分野において一般に理解されているものに対する実質的な相違を表すと解釈されるべきではない。

0020

本明細書における「生理学的に許容される賦形剤」という用語は、それ自体のいかなる薬理学的効果も持たず、哺乳動物、好ましくはヒトに投与したときに有害反応を生じない物質を指す。生理学的に許容される賦形剤は当技術分野において周知であり、例えば、参照により本明細書に組み入れられる、Handbook of Pharmaceutical Excipients、第6版2009に開示されている。

0021

本明細書における「同時、別々又は逐次投与」という用語は、第一及び第二化合物を同時に若しくは2つの化合物が同時に患者の体内で作用するように投与すること、又は1つの化合物を他の化合物の後に治療効果を提供するように投与することを指す。いくつかの実施態様では、化合物は食事と共に摂取される。他の実施態様では、化合物は食事の後、例えば食事の30分後又は60分後に摂取される。いくつかの実施態様では、一つの化合物をある期間にわたって患者に投与し、続いて他の化合物を投与する。

0022

本明細書で使用される場合用語「HSV」は、単純ヘルペスウイルスを指す。2つの型のHSV、すなわち、類似の特徴を示すHSV−1及びHSV−2がある。

0023

本発明のモノクローナル抗体及びその断片は、HSV−1及び/又はHSV−2に結合し、そしてHSV感染を阻害し得る。

0024

HSV−1及び/又はHAS−2に結合する抗体の「断片」という用語は、Fab、又は対応する抗体に対してより小さいサイズを有する単鎖抗体断片「scFv断片」を指す。

0025

Fab断片」(断片抗原結合)及び「Fab2断片」という用語は、隣接する重鎖Fc断片に結合した軽鎖からなる免疫グロブリン断片をいい、そのような断片は一価抗体である。Fab部分が対になっているとき、その断片はFab2と呼ばれる。

0026

用語「scFv断片」(単鎖可変断片)は、関係する抗原とのみ結合することができる免疫グロブリン断片を指す。ScFv断片はまた、ペプチドリンカーを用いて二量体ダイアボディ)、三量体トリアディ)及び四量体テトラボディ)に合成され得る。

0027

本発明の目的のために、各抗体領域は以下の対応する配列番号を有する。
配列番号1は、FabEx2としても同定されるVH1抗体の重鎖(VH)可変領域のアミノ酸配列に対応する;
配列番号2は、Fab Ex2としても同定されるVH1抗体の軽鎖(VL)可変領域のアミノ酸配列に対応する;
配列番号3は、Fab Ex2としても同定されるVH1抗体の相補性決定領域のアミノ酸配列に対応する;
配列番号4は、Fab Ex2Bとしても同定されるVH3抗体の重鎖(VH)可変領域のアミノ酸配列に対応し、Fab Ex2Iとしても同定されるVH51の重鎖(VH)可変領域のアミノ酸配列に対応する;
配列番号5は、Fab Ex2Bとしても同定されるVH3抗体の軽鎖(VL)可変領域のアミノ酸配列に対応する;
配列番号6は、Fab Ex2Bとしても同定されるVH3抗体の相補性決定領域のアミノ酸配列に対応し、Fab Ex2Iとしても同定されるVH51の相補性決定領域のアミノ酸配列に対応する;
配列番号7は、Fab Ex2Cとしても同定されるVH5抗体の重鎖(VH)可変領域のアミノ酸配列に対応する;
配列番号8は、Fab Ex2Cとしても同定されるVH5抗体の軽鎖(VL)可変領域のアミノ酸配列に対応する;
配列番号9は、Fab Ex2Cとしても同定されるVH5抗体の相補性決定領域のアミノ酸配列に対応する;
配列番号10は、Fab Ex2Hとしても同定されるVH47抗体の重鎖(VH)可変領域のアミノ酸配列に対応する;
配列番号11は、Fab Ex2Hとしても同定されるVH47抗体の軽鎖(VL)可変領域のアミノ酸配列に対応する;
配列番号12は、Fab Ex2Hとしても同定されるVH47抗体の相補性決定領域のアミノ酸配列に対応する;
配列番号13は、Fab Ex2Iとしても同定されるVH51抗体の軽鎖(VL)可変領域のアミノ酸配列に対応する。

0028

0029

重鎖及び軽鎖がそれぞれ単鎖抗体中に存在する順序逆転してもよく、従って、単鎖抗体は、重鎖−軽鎖又は軽鎖−重鎖によって形成され得、その活性を鎖の並び順に基づいて先験的予想することはできない。

0030

発明の説明
本発明者らはこの程、驚くべきことに、非常に低い濃度でHSV1及びHSV2の両方に結合し中和することができる完全ヒトモノクローナル抗体と抗ウイルス剤を含む組み合わせは、性器ヘルペス感染症の治療に特に有効であることを実証した。

0031

特に、本発明において開示された実験の結果は、特定濃度のヒトモノクローナル抗体と抗ウイルス剤の併用投与は、組み合わせの効果が単独でとられた2つの有効成分の効果の合計より優れているという意味で相乗的であることを示している。

0032

投与されたヒトmAbが動物由来mAbと比較して副作用をもたらす非自己分子として認識され得るという非常に低い危険性を与える完全ヒトmAbは、動物由来mAbより確実に好ましい。さらに、ウイルスに感染した対象によって産生された抗体は、真の複製形態のウイルスによって誘発されるが、動物免疫化は、通常、精製タンパク質又は非複製形態のウイルスの注射からなる。結果として、天然宿主において誘発された抗体は、通常、より強い活性を有し、そして立体構造エピトープに対するものであり、通常はウイルスエスケープ変異体出現の影響を受けにくい。

0033

従って、本発明の実施態様は、
a)重鎖(VH)可変領域及び軽鎖(VL)可変領域と配列番号3、配列番号6、配列番号9及び配列番号12からなる群から選択される相補性決定領域(CDR)の両方を含む、HSV−1及びHSV−2結合モノクローナル抗体又はその断片、及び
b)及び抗ウイルス剤
を含み;成分a)と成分b)との間の重量比が1000〜0.01であることを特徴とする組み合わせである。

0034

好ましくは成分a)と成分b)との間の重量比は100〜0.1、より好ましくは10〜0.1である。

0035

好ましい実施態様では、本発明の組み合わせは、逐次投与、同時投与、又は別々の投与のためのものである。

0036

HSV−1及びHSV−2結合モノクローナル抗体又はその断片における本発明のさらに好ましい態様において、前記重鎖(VH)可変領域は、配列番号1、配列番号4、配列番号7及び配列番号10からなる群から選択されるか、又はそれらの相同体である。

0037

本発明によれば、重鎖可変領域の相同体は、好ましくは前記VH可変領域と少なくとも95%の全配列類似性相同性又は同一性を有する配列を指す。前記相同体は、少なくとも96%、97%、98%又は99%の全配列類似性又は相同性を有する。

0038

HSV−1及びHSV−2結合モノクローナル抗体又はその断片における本発明のさらに好ましい実施態様では、前記軽鎖(VL)可変領域は、配列番号2、配列番号5、配列番号8及び配列番号11からなる群から選択されるか、又はそれらの相同体である。

0039

本発明によれば、軽鎖可変領域の相同体とは、好ましくは前記VL可変領域と少なくとも95%の全配列類似性、相同性又は同一性を有する配列を指す。前記相同体は、少なくとも96%、97%、98%又は99%の全配列類似性又は相同性を有する。

0040

好ましくは、前記抗体は、配列番号1の重鎖(VH)可変領域及び配列番号2の軽鎖(VL)可変領域を有する。

0041

さらに好ましい実施態様では、HSV−1及びHSV−2結合モノクローナル抗体又はその断片は、IgG1重鎖定常領域又はIgG 2重鎖定常領域を有する。

0042

好ましくは前記モノクローナル抗体はヒト抗体である。

0043

本発明の好ましい実施態様では、抗ウイルス剤は、アシクロビル、ペンシクロビル、ガンシクロビル、ホスカルネット、イバシタビン、シドフォビル、バルガンシクロビル、バラシクロビル又はファムシクロビルから選択され、好ましくはアシクロビル、ペンシクロビル、ガンシクロビル又はホスカルネットから選択される。

0044

さらなる実施態様は、医薬として使用のための本発明による組み合せである。

0045

さらなる実施態様は、性器ヘルペス、HSV歯肉口内炎、及び再発性口唇ヘルペス、単純ヘルペス脳炎(HSE)、新生児HSV、免疫不全宿主におけるHSV疾患、及びHSV角膜炎又は角結膜炎から選択されるヘルペスウイルス感染症の治療における本発明の組み合わせの使用である。

0046

好ましくは、前記ヘルペスウイルス感染症は、HSV−1及び/又はHSV−2関連疾患である。さらなる実施態様では、本発明による組み合せの有効成分は、HSV−1及び/又はHSV−2関連疾患の治療における使用のために同時に、別々に又は逐次的に投与することができる。すなわち、本発明の組み合せの有効成分は、各有効成分について異なる投与経路及び各有効成分について異なる投与時間に従っても、同時に、別々に又は逐次的に投与することができる。

0047

一実施態様では、本発明の組み合わせは、経口的に、直腸的に、非経口的に又は全身的に投与される。

0048

さらなる実施態様では、本発明による組み合せの有効成分は、同じ投与経路を用いて、又は異なる投与経路を用いて一緒に投与することができ、そうでなければ、それらは同じ投与経路又は異なる投与経路で別々に投与することができる。

0049

好ましい実施態様では、本発明のモノクローナル抗体又はその断片は、月に1回の注射で非経口投与され、抗ウイルス剤は、1日に5回まで、30日間、好ましくは10から15日間、より好ましくは一週間経口投与される。

0050

好ましい実施態様では、本発明のモノクローナル抗体又はその断片は、筋肉内、静脈内若しくは皮下注射の形態で、0.1μg/Kg〜50μg/Kg体重の範囲の投与量で全身投与され、抗ウイルス剤は、25〜5000mg、好ましくは100〜2500mg、より好ましくは250〜2000mgの範囲の投与量で経口投与され、又は1〜100mg/kg体重の範囲の投与量で、好ましくは5〜50mg/kg体重の範囲の投与量で非経口投与される。

0051

好ましくは、モノクローナル抗体又はその断片は、1μg/Kgから15μg/Kg体重の範囲の投与量で筋肉内又は皮下に投与される。

0052

本発明の好ましい実施態様では、抗ウイルス剤はアシクロビルであり、それは毎日1000〜1600mgの範囲の投与量で経口的に、又は5〜10mg/kg体重の範囲の投与量で非経口投与される。

0053

さらに好ましい実施態様では、抗ウイルス剤はバラシクロビルであり、それは1日1000〜2000mgの範囲の投与量で投与される。

0054

本発明によれば、抗ウイルス剤がホスカルネットである場合、40〜60mg/体重1kgの範囲の投与量で静脈内投与され、抗ウイルス剤がファムシクロビル又はペンシクロビルである場合、1日250〜1000mgの範囲の投与量で経口投与され、抗ウイルス剤がガンシクロビルであるとき、5〜10mg/kg体重の範囲の投与量で投与される。

0055

さらなる実施態様では、本発明のモノクローナル抗体又はその断片は、液剤懸濁剤乳剤ゲル剤クリーム剤軟膏剤などから選択される液体又は半固体製剤の形態で局所投与される。

0056

好ましい実施態様では、抗ウイルス剤は経口組成物又は非経口液剤の形態で全身投与される。

0057

さらに好ましい実施態様では、抗ウイルス剤は、液剤、懸濁剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤などから選択される液体又は半固体製剤の形態で局所投与される。

0058

さらなる実施態様では、モノクローナル抗体又はその断片と抗ウイルス剤の両方を同じ製剤中で全身的又は局所的に投与することができる。

0059

これらの製剤の例は、注射用バイアル又は液剤、懸濁剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤などを含む局所製剤であり得る。

0060

以下の実施例は本発明を説明するために含められ、本発明を限定するものではない。

0061

実験セクション
以下の実験のセクションで、我々は、HSV−1及びHSV−2に結合し中和するモノクローナル抗体の同定を開示する。手順は次のように要約できる:
1.対象のポリクローナル血清分析
2.IgG2画分の精製;
3.血清から精製されたIgG2の量の評価;
4.HSVに対するIgG2結合及び中和活性の評価;
5.対象の選択;
6.選択された対象からのIgG2ライブラリー構築;
7.ライブラリーの検証及びバイオパニングの最適化;
8.凍結及び解凍におけるFab産生後に選択されたIgG2抗体クローン予備スクリーニング
9.Fab IgG2クローンの精製、配列決定及びHSVに対する中和活性の予備評価;
10.Fab IgG1へのクローンの変換;
11.IgG1形質転換クローンの精製及び配列決定;それらの中和活性の網羅的かつ定量的な評価(全てのクローンについて中和活性を評価したが、中和活性の網羅的かつ詳細な評価はFab−Ex2についてのみ行われた)。

0062

対象の選択:基準及び結果
選択した対象コホート由来末梢血サンプルから、IgG2画分を収集し、検出し、精製した。

0063

選択基準は以下のとおりであった:
1)IgG2の高含有量、2)ELISAアッセイにおいてHSV−1及びHSV−2を認識する能力、及び3)HSV再活性化の病歴

0064

対象番号18からの血清は、全ての前述の第一の選択基準を満たすことができる唯一サンプルであった。対象番号18は、最近の、かつ自発的な臨床的改善と共に、口唇HSVの頻繁な再活性化の以前の病歴を報告した。

0065

選択された対象からのIgG2画分の精製及び特徴づけ
対象番号18の血清から精製された大量のIgG2、ELISAアッセイにおけるHSV−1及び2の両方を認識するその能力を考慮して、この対象の精製IgG2のHSV−1及び2感染を中和する能力を調べるために、この対象を選択した。ドナー番号18からのIgG2画分を、下記の材料及び方法セクションに記載のプロトコル(IgG2精製及び定量プロトコル)を用いて精製した。

0066

0067

対象番号18由来のIgG2画分(pIgG2−18)は、HSV−1及びHSV−2の両方に対して異常な中和活性を示した。特に、HSV−1及びHSV−2試験ウイルスに対するpIgG2−18中和活性を、定性アッセイ明視野位相差光学顕微鏡及び免疫蛍光アッセイによる合胞体形成評価)及び定量アッセイ(プラーク減少アッセイ及び間接免疫蛍光(IIF)による定量的中和活性評価)の両方を用いて評価及び確認した。

0068

HSV−1及びHSV−2抗原に対する抗HSVヒトモノクローナル抗体Fab断片の選択と生成及び配列特徴づけ
a.選択された対象からのファージミドIgG2Fabライブラリーの構築
対象番号18は、その血清から精製されたIgG2画分により示される、HSV−1及びHSV−2試験分離株に対する高い中和活性、並びにHSV−1及びHSV−2感染VERO−E6細胞における合胞体形成の阻害のためにBリンパ球供給源として選択された。

0069

対象番号18から、そのBリンパ球を単離するために、新しい血液サンプル採取した。これらの細胞からmRNAを抽出して逆転写した後、IgG2 HC(重鎖)及びLC(軽鎖)をファージミドベクタークローニングした(L Solforosiら、「ヒト抗体コンビナトリアルライブラリーの生成及びモノクローナル抗体断片分子クローニングのために最適化されたファージディスプレイベクター」(2012)New Microbiologica 35(3)、289−294)。

0070

トコンビナトリアルファージディスプレイ抗体ライブラリーは、下記の材料及び方法のセクションに記載のようにして得た。

0071

b.ライブラリーバイオパニング条件:HSV−1及びHSV−2の両方を認識し中和することができる抗HSVヒトモノクローナル抗体の分子選択、並びにクローニングを可能にするバイオパニング条件の開発
HSV−1及びHSV−2の両方を交差認識し中和することができるヒトFab断片のクローニングは、そのような生物学的特性を特徴とするヒトFabの分子クローニングを可能にする最適化バイオパニング手順によって得られた。選択ラウンドスクリーニングは、以下の材料及び方法のセクションに記載されるように凍結融解手順によって行った。

0072

この選択戦略から、5つのヒトモノクローナルIgG2Fab断片、すなわち以下が生成された。
FabEx2:配列番号1及び配列番号2に対応する;
Fab Ex2B:配列番号4及び配列番号5に対応する;
Fab Ex2C:配列番号7及び配列番号8に対応する;
Fab Ex2H:配列番号10及び配列番号11に対応する;
Fab Ex2I:配列番号4及び配列番号13に対応する。

0073

これら5つのモノクローナルIgG2Fab断片を選択し、HSV−1及びHSV−2感染細胞に対するIIFにおいて試験した。選択されたクローンは全てHSV−1とHSV−2の両方の感染細胞を選択的に認識した。

0074

選択されたIgG2(G2)Fabの産生及びアフィニティークロマトグラフィー精製
選択されたFabを原核生物系で産生させ、以下の材料及び方法のセクションに記載のようにアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。

0075

HSV−1及びHSV−2に対する精製選択クローンの生物活性評価
精製Fab(Ex2(G2)、Ex2B(G2)、Ex2C(G2)、Ex2H(G2)及びEx2I(G2)を標準量のHSV−1又はHSV−2分離株と共にプレインキュベートした(10μg/mL)。適切な実験対照も含まれた。異なる「感染混合物(infection−mix)」を用いてVero E6細胞を感染させた(培地交換前に2時間吸着)。

0076

20時間後、細胞単層を、HSV−1及びHSV−2分離株の両方に対するFabの生物学的活性初期定性的評価を可能にするクリスタルバイオレット含有溶液を用いて、固定し、透過処理した(材料及び方法のセクションに記載の手順)。合胞体形成の減少を明視野位相差光学顕微鏡により評価した。既に述べたように、このアッセイはFab効力の初期評価を可能にした。全てのFabは、HSV−1及び2分離株の両方に対して良好な中和活性を示した。Ex2C(G2)及びEx2H(G2)のみが、Ex2(G2)及び他のFabと比較した場合、HSV−2に対してより低い効力を示した。

0077

HSV−1及びHSV−2(5つのFab)の両方に対するIgG2選択Fab断片のIgG1 Fabへの変換、発現及び産生
原核生物及び真核生物(全IgG1)産生系の両方において発現率を最適化するために、HSV−1及びHSV−2の両方に対する全ての選択されたIgG2−FabをIgG1 Fabに首尾よく変換した。選択されたFabに属する重鎖(HC)及びLC上の可変領域は、IgG1の定常領域(CH1)を含有する修飾ベクターへのクローニングに成功した(材料及び方法のセクションに記載の手順)。明示的に又は(G2)によって示されていない場合、この特許に記載されているFabは、記載されているようにIgG1に変換されたIgG2 Fabである。

0078

IgG2選択Fabを特徴づけるために使用された全ての手順は、選択されたFabのIgG1形態を特徴づけるために繰り返され、IgG2及びIgG1 Fabフォーマットのそれぞれの生物学的特性を比較することを可能にした。

0079

生物学的活性アッセイから、IgG1変換Fabが依然として高い効力でHSV−1及び2分離株の両方を認識及び中和することができることを実証することが可能であった。さらに、Fab Ex2のIgG1フォーマットがその元のクローンフォーマットと比較して増加した効力でHSV−1及びHSV−2の両方を中和することを示すことが可能であった。

0080

実施された生物学的アッセイを以下に示す:

0081

合胞体形成評価:HSV−1及びHSV−2に対するIgG1フォーマットのFabクローンの活性を評価するために行われた定性的アッセイ。
定性的アッセイ(材料及び方法のセクションに記載)が、選択された抗HSV−1及び2 FabのIgG1フォーマットに対して行われた(図11)。これらのアッセイは、選択されたFabのIgG1フォーマットもまたHSV−1及びHSV−2の両方を中和することができることを示した(表2)。

0082

0083

抗HSV−1及び2中和Fab(IgG1フォーマット)を用いて実施した定量アッセイ
これらのアッセイは、選択された抗HSV Fabパネルの効力を定量するために行われた。HSV−1及び2に対する全てのFab生物学的活性は、IIF分析によって最初に評価された。

0084

FabEx2、Ex2B、Ex2C、Ex2H及びEx2Iの中和活性を、全FabのIC 50を計算し、用量反応曲線を得るために、InCellAnalyzer自動計数システムを使用して評価した。用量反応曲線を得るために、異なるFabのいくつかの希釈物を使用した。生物学的化合物限界希釈を使用することでのみウイルス感染を阻害することができる正確な量のFabを得ることが可能であったので、中和実験の全てのセットにおいて、数回のFab希釈を実施した。

0085

さらに、同じ「用量反応曲線により、in vitroでのFab効力を効果的に表すFab IC50の計算が可能になった。IC50は、標準量のウイルス(HSV−1及びHSV−2)による細胞単層の感染に起因する細胞損傷を50%減少させることができるFab濃度である。

0086

言い換えれば、低いIC50は、ウイルス感染を阻害するために非常に少量のFabが必要とされることを意味する(データ非表示)。

0087

FabEx2のIC50を以下に要約する:

0088

0089

IgG1FabEx2中和活性の網羅的試験
Fab Ex2は、HSV−1及びHSV−2に対して最も有望な結果を示した。

0090

その生物学的活性をさらに特徴づけそして確認するために、以下の材料及び方法のセクションに記載される手順に従っていくつかの中和実験を行った。

0091

合胞体形成アッセイによる定性的中和活性評価
このアッセイは、FabEx2の存在下又は非存在下で細胞変性効果細胞形態の完全な破壊)の存在/非存在を評価することを可能にするFabの有効な効力を示す。

0092

FabEx2の効力を評価するために、異なる希釈を用いた定性的アッセイを実施した。3つの異なる濃度のEx2(10μg/ml、5μg/ml及び2.5μg/ml)を合胞体形成アッセイによりHSV−1及び2に対して試験した。Fab Ex2は、HSV−1感染により引き起こされる細胞破壊及び合胞体形成を用量依存的に強く阻害することができ、そして非常に低い濃度でHSV−2感染を完全に阻害することができた。

0093

細胞単層の感染前にFabEx2を同じ感染量のHSV−1又は2に異なる濃度で添加した場合、細胞形態破壊はFab Ex2濃度に明らかに反比例した。

0094

合胞体形成アッセイの阻害に関してFabEx2について観察された極めて良好な結果は、下記のFab A中和効力の定量的評価と一致する。

0095

プラーク減少アッセイによる定量的中和活性評価
用量反応定量アッセイ:FabEx2の存在下又は非存在下でのHSV感染による細胞単層上の溶解プラークの存在を評価することによって、Fab Ex2のHSV感染を阻害する能力を評価した。IIF中和データを確認するために、定量的評価としてプラーク減少アッセイを実施した。

0096

文献に広く記載されているように、プラークアッセイは、HSV感染に対する中和活性のin vitro評価のための選択実験として考えられ、現在mAb IC50の評価のための至適基準(gold standard)である。

0097

HSV−1及び2に対するFabEx2の生物学的活性の用量依存的な定量的評価は、前述の定性的結果を裏付けるだけでなく、Fab Ex2の効力が予想外に高いことも示した。実際、グラフに明らかに示されているように、非常に低い濃度(1μg/mL)でさえも、Fab Ex2は、PFUプラーク形成単位)として測定されたHSV−1プラーク形成を阻害した。さらに、HSV−1中和アッセイは、定性的用量依存アッセイによって既に証明されているように、Fab Ex2用量反応効果を示した。

0098

FabEx2の非常に高い効力のために、用量反応効果は、HSV−2分離株を用いて行われた中和アッセイによって測定することができなかった。

0099

選択されたFabクローンの配列研究及び遺伝子使用分析
選択されたFabからのHC及びLCの両方の配列は、全ての鎖が正しくフレーム上にあり、それらの発現レベルに影響を及ぼし得る終始コドンがないことが明らかにされた。

0100

免疫グロブリン配列参照データベースIMGT−http://www.imgt.org)を用いて行われた遺伝子使用分析は、選択されたクローンの、それらの生殖系列配列と比較した場合の変異率の予備試験を可能にした(表4)。

0101

それぞれの生殖系列配列と比較した場合、選択された全てのFabクローンは、それらのCDR(相補性決定領域)において変異している。これは、異なるクローンが抗原との接触後に成熟する独特体細胞変異を示すことを意味する。

0102

これは、通常、より特異的な抗原認識を可能にする。

0103

0104

IgGAとして同定された、完全IgG1へのIgG1FabEx2の変換
単鎖抗体A(ScFvA)の産生及び評価
IgGAのScFv遺伝子を首尾よく構築し、発現ベクターにクローニングした。IgGAのScFvフォーマットの小規模生産を行った。ScFv Aの結合活性は、HSV感染細胞に対するIIFアッセイによって評価した。ScFv AはHSV感染細胞を認識することができた。しかしながら、ScFv Aは、高いIIFバックグラウンドシグナル及び低い結合を示した。

0105

FabEx2:配列番号1及び配列番号2に対応する。

0106

IgGAの生物学的活性のin vitro評価
臨床分離株に対する中和活性
FabA又はIgGAの中和活性は、IgGAをウイルスと共にプレインキュベート(37℃で1時間)し、IgGA/ウイルス混合物を細胞単層に添加することにより、評価した。
結果
IgG Aは、試験した全てのHSV−1及び2試験分離株を強力に中和する。重要なことには、中和アッセイを実施するために使用されたHSV分離株は、アシクロビル(ACV)抗HSV薬に対する異なる感受性を与えられていた。IgGAが前述のHSV分離株を中和する能力は、IgGAの異常な生物学的活性が異なるHSV試験分離株によって示されるACVに対する感受性とは完全に無関係であることを示し、ACV耐性分離株によって引き起こされるHSV感染の治療に対するIgGAの使用の可能性を示唆する。

0107

感染の吸着後阻害の評価
宿主内でのウイルス能動的複製の開始後に、HSV感染の治療のためのIgGAの可能な投与について推測するために、吸着後アッセイが開発されてきた。

0108

FabA又はIgGAのHSV後吸着評価を含む実験的アプローチの第一段階は、FabA又はIgGAで以前に処理されていない標準量のHSVでのVERO E6細胞の感染である。

0109

FabA又はIgGAは、ウイルス感染から30分後に感染した細胞に添加される。次いで、VERO E6細胞上のHSV溶解プラークを評価するために、感染を48時間実施する。実験結果は、ウイルス実験陽性対照と比較して、(HSV感染後)FabA又はIgGAを受けた感染細胞についてプラークを数えることによって評価した。

0110

吸着後アッセイで試験したFabは、HSV−1及びHSV−2で試験した分離株に対してそれぞれ50及び200μg/mLの濃度で使用されている*。

0111

吸着後アッセイで試験したIgGはHSV−1及びHSV−2で試験した分離株に対してそれぞれ25及び100μg/mLの濃度で使用されている*。
*科学文献から推定されるmAb濃度

0112

結果
吸着後アッセイによって実証されるように、IgGAは、HSV−1及びHSV−2の両方の新規感染事象について強力に阻害し、またウイルス対照と比較してプラークをもたらす感染病巣の数も阻害する。IgGA阻害強度は、FabAで観察されたものよりも高かった(図15B)。

0113

細胞間感染メカニズムの阻害
HSV感染戦略のうち、重要なものはいわゆる「細胞間」感染戦略である。

0114

FabA又はIgGAで処理又は未処理の感染細胞から生じるプラーク領域を測定することにより、「細胞間」感染の阻害におけるIgGAの寄与を評価するために、吸着後アッセイを行った。吸着後の細胞間感染阻害アッセイで試験されたFabもまた、HSV−1及びHSV−2で試験された分離株に対してそれぞれ50及び200μg/mLの濃度で予備的に使用されている*。

0115

吸着後の「細胞間」感染阻害アッセイで試験したIgGも、HSV−1及びHSV−2で試験された分離株に対してそれぞれ25及び100μg/mLの濃度で予備的に使用されている*。
*科学文献から推定されるmAb濃度

0116

結果
吸着後アッセイによって実証されるように、FabAは、HSV−1及びHSV−2の両方についてプラーク領域を阻害する。プラーク領域のIgGA阻害は、Fab A阻害活性よりもさらに高い。これらのデータは、IgGA感染後投与が「細胞間」HSV感染もまたいかに強力に阻害し得るかを明らかに実証した。

0117

mAbAの選択圧下におけるエスケープ変異体の出現の評価
IgGAの選択圧下で生成されたエスケープウイルス変異体の存在を評価するために、HSV−1感染VERO−E6細胞を漸増濃度のFabAで処理した。より詳細には、VERO細胞は、以前の報告(「ウイルス増殖技術」)で広く記載されている実験条件でT25フラスコ中で培養された。次に細胞単層を50pfu/mLの無細胞ウイルスを用いてHSV−1 HF株に感染させた。ウイルスが完全に吸着した後、感染した細胞を0.2μg/mL及び1μg/mLのIgGAで3日間処理した。実験対照、無関係のIgG(0.2μg/mL及び1μg/mLの濃度)及びウイルス「単独」も実験に含められた。新しい細胞感染ラウンドのために培地遠心上清を使用するために、3日後に感染細胞培地を集めそして遠心分離した。これらの新しい感染ラウンドは、0.2μg/mL及び1μg/mLのIgGA及び実験対照の存在下で行われた。上記の2つの濃度のIgGA及び対照IgGの存在下で5回の連続した同一の感染ラウンドが行われた。次いで、最後の感染ラウンドの細胞上清を遠心分離し、そして増加した濃度のIgGA(5μg/mL及び10μg/mL)の存在下で5回の新しい感染ラウンドを行うために使用した。IgGAの一定の存在下で培養されたウイルスがIgGA阻害活性からエスケープする能力を試験するために、IgGAの存在下での最終感染に属する無細胞上清を、高IgGA濃度の存在下で37℃で1時間インキュベートした。プレインキュベーション後、中和混合物を使用して、新たなVERO−E6細胞を感染させた。

0118

結果
HSVとプレインキュベートしたIgGAは依然としてウイルス分離株を中和することができ、これは5及び10μg/mLのIgGA選択圧下で「エスケープ変異体」が生成されていないことを示している。

0119

これは、これらの実験で試験されたHF HSV−1分離株は、(アッセイを実施するために使用された2つの濃度のIgGAの存在下で)我々の抗体によって認識される領域において、IgG Aの抗ウイルス活性からのそのエスケープを可能にするアミノ酸変異をほとんど受けないことを示している。

0120

結論
IgGA選択圧下で「エスケープ変異体」は生成されなかった。この結果について考えられる説明は、次のようにまとめることができる:これらの実験で試験されたHF HSV−1分離株は、(アッセイを実施するために使用された2つの濃度のIgGAの存在下で)IgGAの抗ウイルス活性からのエスケープを可能にするアミノ酸変異を受けにくい。

0121

材料及び方法
真核細胞及びウイルス
VERO−E6細胞株を用いて、真核細胞での全ての実験手順を実施した。
VERO−E6細胞で培養したHSV−1分離株:HF株(VR−260ATCC
VERO−E6細胞で培養したHSV−2分離株:MS株(VR−540 ATCC)。

0122

IgG2画分検出プロトコールのためのELISA:
マイクロタイター96ウェル平底ELISAプレート(COSTAR)を、陰性対照を含む、PBSで希釈した回収した血清でコーティングした(4℃で一晩)。
− 1%PBS/BS溶液プレートを(37℃で1時間)インキュベートすることにより、非特異的部位をブロックした。
− (0.2%(v/v)Tween20(Sigma−Aldrich)を含むPBS溶液)で洗浄後、市販のマウス抗ヒトIgG2特異的モノクローナル抗体を、製造業者の指示プロトコールに従って添加した(37℃で1時間)。
− 0.2%(v/v)Tween20を含むPBS溶液で洗浄する。
ペルオキシダーゼ結合抗マウスIgG(Sigma−Aldrich)を添加した(37℃で45分)。
− 0.2%(v/v)Tween20を含むPBS溶液で洗浄後、TMB基質キット(Thermo Scientific)を添加し、プレートを37℃で5分間インキュベートした。
− その後、1N硫酸を添加して、反応を停止させた。
シグナルを、450nmの波長で検出した。

0123

IgG2画分検出プロトコールのためのウェスタンブロット
− 集めた血清を、2つの異なる希釈液(それぞれ1:10及び1:100)で、8%トリス−グリシンゲル(Bio−Rad)上で分析した。
タンパク質を、4℃で30Vで15時間、PVDF膜(PerkinElmer)に転写した。
− 0.2%(v/v)Tween20(Sigma−Aldrich)及び5%(w/v)脱脂粉乳を含むPBS溶液中、4℃で一晩、膜をインキュベートすることにより、非特異的部位をブロックした。
− ヒトIgG2に特異的な市販のマウスmAbを、室温で1時間のインキュベーションのための一次試薬として使用した。
− 0.1%(v/v)Tween20を含むPBS溶液で洗浄する。
ブロットを、ペルオキシダーゼ結合抗マウスIgG(Sigma−Aldrich)を用いてプローブした(室温で45分)。
− ペルオキシダーゼ結合Abを、スーパーシグナルウエストピコミルミネセント基質(Super Signal West Pico Chemiluminescent Substrate(Thermo Scientific))を用いて検出した。

0124

HSV−1及びHSV−2被覆不活性化ウイルスに対するELISAアッセイ
−マイクロタイター96ウェル平底ELISAプレート(COSTAR)を、陰性対照を含む、ECBで(1:10)希釈した熱不活性化HSV−1及びHSV−2でコーティングした(4℃で一晩)。
− 1%PBS/BSA溶液でプレートを(37℃で1時間)インキュベートすることにより、非特異的部位をブロックした。
− (0.2%(v/v)Tween20(Sigma−Aldrich)を含むPBS溶液)で洗浄後、PBS/BSAで(1:200)希釈した回収した血清を添加した(37℃で1時間)。
− 0.2%(v/v)Tween20を含むPBS溶液で洗浄する。
−ペルオキシダーゼ結合抗マウスIgG(Sigma−Aldrich)を添加した(37℃で45分)。
− 0.2%(v/v)Tween20を含むPBS溶液で洗浄後、TMB基質キット(Thermo Scientific)を添加し、プレートを37℃で5分間インキュベートした。
− 次いで1N硫酸を添加し、反応を停止させた。
−シグナルを、450nmの波長で検出した。

0125

IgG2精製及び定量プロトコール:
IgG2画分を精製及び分析するために、選択した血清を2つの異なる工程を用いて精製した。初めに、全量のIgGを、アフィニティーカラムを用いて精製した。次に、溶出した全IgG含量を、IgG2画分に特異的なアフィニティーカラムを用いてさらに精製した。

0126

a)全IgGアフィニティー精製カラムの調製:カラム1調製プロトコール
− 1mLのgammabindセファロース樹脂(PBS1X−エタノール20%中4℃で保存)を、30−40mLのPBS 1Xで3回洗浄して、過剰のエタノールを除去した(室温で2500rpmで5分間遠心し、2〜3回の加速及び減速)。
−抗ヒトIgG(Cf=4mg/mL)を樹脂に添加し、室温で90分間穏やかに撹拌した。
− 樹脂を、10容量(1容量=樹脂1mL)の0.2Mホウ酸ナトリウム(pH9)で3回洗浄した。2500rpmで15分間遠心分離した。
− 最初の遠心分離の後、上清をさらなる分析のために回収した。
− 樹脂を10容量の0.2Mホウ酸ナトリウム(pH9)に再懸濁し、振とうした(shacked)。
プレ架橋結合試験のために少量のビーズを取り出した。
DMP(ジメチル−ピメリミデート)を20mM(最終濃度)まで添加した。この工程では、IgGと樹脂のタンパク質Gとの間で架橋が生じる。室温で30分間穏やかに撹拌する。
ポスト架橋結合試験のために少量のビーズを取り出した。
− 15分間遠心分離(2500rpm)した後、上清を除去し、樹脂を20容量のエタノールアミン0.2M pH8で洗浄した。
− この工程を3回繰り返した。この工程は、新たな共有結合の安定化を可能にする。
− 次に樹脂を20容量のエタノールアミン(0.2M、pH8)で洗浄し、室温で120分間穏やかに撹拌した。
− 15分間の遠心分離(2500rpm)後、上清を除去し、樹脂を30mL PBS 1Xで3回洗浄した。
− 15分間の遠心分離(2500rpm)後、上清を除去し、NaN3(終濃度0.05%)を添加した20mLのPBS 1Xを添加した。
− 樹脂を最後にクロマトグラフィーカラム充填し、次いで4℃で保存した。

0127

b)IgG2画分アフィニティー精製カラムの調製:カラム2調製プロトコール
上記の全IgG−アフィニティー精製カラムの調製のためのプロトコールを使用して、IgG2画分の精製を可能にする新しいカラムを調製した。1つの改変をそのプロトコールに行った(上記のカラム1調製プロトコールの第2工程)。
特に:
− 市販のマウス抗ヒトIgG2Fcモノクローナル抗体(Acris Antibodies)を、最終濃度3mg/mLで樹脂に添加し、室温で90分間穏やかに撹拌した。

0128

c)アフィニティー精製法:カラム1/カラム2の工程
−回収した血清を、「カラム番号1」(全IgG精製カラム)において最初に精製した。簡単に言うと、異なる血清を室温でインキュベートした後、カラムをPBS1Xで洗浄して、非特異的血清タンパク質を溶出させた。次いで、カラムのpHを変えることによって(pH2.2)IgG画分を溶出した。
− 溶出後、全IgG含有溶液を中和し(pH7.0)、再び「カラム番号2」(IgG2画分精製カラム)に充填した。カラム1の精製について記載したように、カラム2溶出サンプルを中和し、さらに分析するために4℃で保存した。

0129

d)精製IgG2の評価
上記のアフィニティーカラムは、ヒト血清からのIgG2の精製を可能にした。精製されたサンプルの質を評価するために、SDS−PAGEアッセイを行い、続いてクマシー染色を行った:
− サンプルを、4−15%トリス−グリシンプレキャスト−ゲル(Bio−Rad)で分析した。
電気泳動を200Vで1時間行った。
電気泳動ゲルを、クーマシーブルー溶液で20分間染色した。
− クマシー染色したゲルを、脱染色剤含有溶液中で2時間洗浄し、次いで、きれいな水道水で洗浄した。

0130

明視野位相差光学顕微鏡プロトコールによる合胞体形成評価:
− 104Vero細胞/ウェルを、完全DMEM+10%FCS中、96ウェルプレート中にて、100%コンフルエントまで増殖させた。
− HSV−1及びHSV−2ウイルスストック希釈液(それぞれ3倍及び2倍希釈)を、37℃で5%CO2下で1時間、最終容量100μLの完全DMEM中、異なる濃度(10、5及び2.5μg/mL)の目的の精製Fabとプレインキュベートした。
−実験対照も加えられた。
−細胞をPBS1X溶液で洗浄後、ウイルス溶液単層に添加し、37℃で5%CO2下で2時間、吸着のためにインキュベートした。
− 各ウェルをPBS 1Xで1回洗浄し、次いで、2%FCSを添加した完全DMEMを各ウェルに添加して、37℃で5%CO2下で22時間インキュベートした。
−細胞単層を固定し、70%メタノール及び1%クリスタルバイオレットの1mLの水性溶液で染色した。5分間インキュベート後に固定/染色溶液を除去し、次いで、細胞単層をH2Oで1回洗浄して乾燥させた。
− 合胞体形成の減少を、明視野位相差光学顕微鏡で評価した。特に、Fab又はIgG1 Fabで処理したウイルスで感染させた細胞単層において観察された細胞形態を、ウイルス対照(精製IgG2を含まない同量のウイルス)感染細胞の形態と比較した。

0131

定性免疫蛍光(IIF)アッセイプロトコール:
− 104Vero細胞/ウェルを、完全DMEM+10%FCS中、96ウェルプレート中にて、100%コンフルエントまで増殖させた。
−細胞を、中和アッセイで用いたのと同じHSV−1及びHSV−2ウイルスストック希釈液で感染させて、その後、ウイルス滴定について前述したように吸着及びインキュベーションを行った。
−培地を除去し、細胞単層をPBS1Xで1回洗浄し、200μL/ウェルの1:1=アセトン:メタノール氷冷溶液で固定した。固定溶液を除去した。プレートを−20℃で保存した。
− IIF染色を、市販の抗HSV−1及びHSV−2 gD2タンパク質mAbを添加することによって行った(暗い多湿チャンバー中、37℃で1時間)。
− プレートを2回洗浄した(PBS1X中、5分)。
FITC結合二次mAbを、一次染色液に添加した(暗い多湿チャンバー中、37℃で1時間)。
− プレートを2回洗浄した(PBS1X中、5分)。
核染色を、Hoechst溶液を添加することによって行った(暗い多湿チャンバー中、37℃で15分)。
− プレートを2回洗浄した(PBS1X中、5分)。
− 感染病巣を、InCellAnalyzerシステム解析した。

0132

プラーク減少アッセイプロトコールによる定量中和活性評価:
− 7x105Vero細胞/ウェルを6ウェルプレートに播種し、10%FCSを補充した適切な完全培地中で増殖させた。実験は100%コンフルエントの細胞を用いて行った。
− HSV−1及びHSV−2ウイルスストック希釈液(それぞれ5倍及び4倍希釈)を、最終容量800μLの完全DMEM中、異なる濃度(5、2.5及び1μg/mL)で、目的の精製Fabと共に、37℃で5%CO2下で1時間、プレインキュベートした。
−実験対照も加えられた。
− 細胞をPBS1X溶液で洗浄後、ウイルス溶液を単層に添加し、吸着のために37℃及び5%CO2で2時間インキュベートした。
− 各ウェルをPBS 1Xで1回洗浄し、次いで、2%FCS及び1%アガロースを添加した2mLの完全DMEMを各ウェルに添加して、37℃で5%CO2で46時間インキュベートした。
アガロース層を除去し、細胞単層を固定し、70%メタノール及び1%クリスタルバイオレットの1mLの水性溶液で染色した。5分間インキュベート後に固定/染色溶液を除去し、次いで、細胞単層をPBS 1Xで1回洗浄し、乾燥させた。
− 次いで、プラーク形成単位(PFU)を計数することによって中和活性を評価した。特に、Fab処理したウイルスで感染させた細胞単層におけるPFU数を、ウイルス対照(同量のウイルス)について計数したPFUと比較した。

0133

間接免疫蛍光(IIF)アッセイプロトコールによる定量中和活性評価:
− 104Vero細胞/ウェルを、完全DMEM+10%FCS中、96ウェルプレート中にて、100%コンフルエントまで増殖させた。
− HSV−1及びHSV−2ウイルスストック希釈液(それぞれ4倍及び2倍希釈)を、37℃及び5%CO2下で1時間、最終容量100μLの完全DMEM中、異なる濃度の目的の精製Fabと共にプレインキュベートした。
−実験対照も加えられた。
−細胞をPBS1x溶液で洗浄後、ウイルス溶液を単層に添加し、37℃で5%CO2下で2時間、吸着のためにインキュベートした。
− 各ウェルをPBS 1Xで1回洗浄し、次いで、2%FCSを添加した完全DMEMを各ウェルに添加して、37℃で5%CO2下で22時間インキュベートした。
−培地を除去し、細胞単層をPBS 1Xで1回洗浄し、200μL/ウェルの1:1=アセトン:メタノール氷冷溶液で固定した。固定溶液を除去した。プレートを−20℃で保存した。
− IIF染色を、市販の抗HSV−1及びHSV−2mAbを添加することによって行った(暗い多湿チャンバー中、37℃で1時間)。
− プレートを2回洗浄した(PBS 1X中、5分)。
−FITC結合二次mAbを、一次染色液に添加した(暗い多湿チャンバー中、37℃で1時間)。
− プレートを2回洗浄した(PBS 1X中、5分)。
−核染色を、Hoechst溶液を添加することによって行った(暗い多湿チャンバー中、37℃で15分)。
− プレートを2回洗浄した(PBS 1X中、5分)。
− 次いで、InCellAnalyzerシステムで免疫蛍光感染病巣を計数することにより中和活性を評価した。
− 異なるFab調製物で処理したウイルスで感染させた細胞単層における感染病巣の数を、ウイルス対照(同量のウイルス)について計数した感染病巣と比較した。
− 次いで、中和の割合を評価し、平均からの標準偏差も計算した(実験をトリプリケートで行った)。

0134

ヒトコンビナトリアルファージディスプレイ抗体ライブラリー構築プロトコール:
血液細胞分離のために設計されたフィコールグラディエント(ficoll gradient)溶液であるHistopaque 1077(Sigma)を用いて、血液サンプルからPBMC末梢血単核細胞)を分離した。
Rneasy Mini Kit(Qiagen)を用いて、単離したリンパ球からRNAを抽出し、RTPCRAMV(Roche)用のトランスクリプタファーストストランドcDNA合成キットを製品マニュアルの指示に基づいて用いてcDNAに逆転写した。

0135

以前に得られたcDNAをPCRテンプレートとして用いた。特に、Solforosiら(2012)の、「ヒト抗体コンビナトリアルライブラリーの作製及びモノクローナル抗体断片の分子クローニングのために最適化されたファージディスプレイベクター」New Microbiologica 35(3),289−294に記載の特定のプライマーセットを用いて、IgG2サブクラスに属する免疫グロブリンの軽鎖(LC)及び重鎖(HC)の増幅を行った(プライマー配列についてはSupplementary 1のセクションを参照のこと)。

0136

全ての増幅されたHC及びLCを、QIAquick Gel抽出キット(Qiagen)を用いた電気泳動アガロースゲル泳動」の後に精製した。精製工程後、両鎖も定量し(NanoDrop 8000、ハイスループット、全スペクトルマイクロボリュームUV−Vis測定、ThermoScientific)、選択された制限酵素消化して(酵素消化反応混合物を説明する次の2つの表で強調されている通り)、それらを既に記載したプロトコールに従って、pCMベクターにクローニングした(Solforosi et al.(2012)「ヒト抗体コンビナトリアルライブラリーの作製及びモノクローナル抗体断片の分子クローニングに最適化されたファージディスプレイベクター」New Microbiologica 35(3),289−294)。

0137

より詳細には、LC及びpCMを、表5に示すプロトコールに従って、SacI及びXbaI制限酵素(NEB)で消化した:

0138

0139

消化は、37℃で、それぞれ45分(ベクター)及び3時間(LC)行い、次いで、消化産物をSybr Safe染色によって調べた。
正しい分子量(それぞれ3500及び670bp)を示す消化されたpCM及びLC DNAを、アガロースゲルから抽出し、精製(QIAquickゲル抽出キット、Qiagen)し、その後、T4DNAリガーゼ(NEB)を用いてライゲーションした(室温にて2時間)。次いで、ライゲーション産物を用いて、エレクトロコンピテント細胞大腸菌XL−1 Blueエレクトロコンピテント細胞、Stratagene)を形質転換した。

0140

次いで、LCを含むpCM(pCMLc)を、形質転換細胞から精製した(QIAGEN Plasmid Midiキット、Qiagen)。

0141

消化条件を示す次の表で説明するように、pCMLcベクター及び以前に増幅したHCも消化した。

0142

XhoI及びSpeI制限酵素(NEB)を、以下の表6のように用いた。

0143

0144

消化を、37℃で、それぞれ45分(ベクター)及び3時間(HC)行い、次いで、消化産物をSybr Safe染色によって調べた(図10)。

0145

正しい分子量(それぞれ4000及び730bp)を示す、消化したpCM及びHC DNAを、アガロースゲルから抽出し、精製(QIAquickゲル抽出キット、Qiagen)し、その後、T4DNAリガーゼ(NEB)を用いてライゲーションした(室温で2時間)。次いで、ライゲーション産物を用いて、「自家製(homemade)」XL−1 Blueエレクトロコンピテント細胞を形質転換した。

0146

その後、形質転換された細胞から、LC及びHCを含むpCM(pCMLcHc)を精製した(QIAGEN Plasmid Midiキット、Qiagen)。

0147

バイオパニングプロトコル:
1日目
− XL1−Blueエレクトロコンピテント細胞のアリコートを、ライブラリーDNAで形質転換する。
− 2mLのSOC培地(2%トリプトン、0.5%酵母エキス、10mM NaCl、2.5mM KCl、10mM MgCl2、10mM MgSO4、及び20mMグルコース)中で撹拌しながら37℃で60分間回収した後、それを、10μg/mLのテトラサイクリン及び20μg/mLのアンピシリン(「Low Amp」)を含む10mLのSB培地(3.2%トリプトン、2%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム−pH:7.0±0.2)に添加する。
− ライブラリー滴定:Tet−Amp寒天プレート上に10−2から始まって10−5まで連続希釈して播種。
− 37℃で60分間、撹拌しながらLow Ampをインキュベートする。
− 100μg/mLのアンピシリン(「High Amp」)を含む50mLのSB培地を添加し、37℃で60分間、撹拌しながらインキュベートする。
− 1012PFU(プラーク形成単位:単位体積当たりにプラークを形成することができる粒子の数の測定)のヘルパーファージ(自家製の生産及び滴定)を添加し、37℃で60分間、撹拌しながらインキュベートする。
− 70μg/mLのカナマイシンを添加し、30℃で一晩(ON)インキュベートする。
ファージの親和性選択のためのプレート調製
Vero E6細胞をCostar(商標)96ウェルEIARIAプレートに、DMEM+10%FBS中、4x104細胞/ウェルで、各感染について4ウェル、播種し、37℃で5%CO2下で一晩(ON)インキュベートする。翌日、HSV−1(HF株)ストックを、FBSを含まないDMEMで10−2希釈し、細胞上に播種して2時間吸収させる。次いで、培地含有培地をDMEM+2%FBSと交換し、プレートを、37℃で、5%CO2下で、20時間インキュベートした。感染した細胞を、室温で15分間、40μL/ウェルのパラホルムアルデヒド溶液(Invitrogen IC固定緩衝液−FB001)を用いて固定した。インキュベーション時間の後、溶液を100μL/ウェルのPBSと交換した。

0148

2日目
− 次の式を用いて1日目のファージ力価を計算する:104x(希釈係数)xプレート上の(コロニー数)/μL。
− 10μg/mLのテトラサイクリンを含むSBにXL1−Blueコロニー接種し(各抗原について4mL、Outputファージでの感染用に2mL及びInputファージ感染用に2mL)、37℃で撹拌しながら、550nmの波長での光学密度OD)が0.5に達するまで、インキュベートする。

0149

ファージ調製:
− 一晩(ON)の細菌培養増殖物の遠心分離(4℃で40分間、RCF:1540xg)後、8mLのPEG/NaCl溶液を含む滅菌50mLチューブに上清を注ぎ、上で30分間インキュベートして、ファージを沈殿させる。
− 遠心分離後(4℃で25分間、RCF:12130xg)、上清を捨て、1mLのPBS/BSA 1%溶液でペレットを静かに再懸濁する。
− 遠心分離後(室温にて5分間、RCF:21380xg)、上清(「パニングされていない(unpanned)ファージ」)を回収する。

0150

選択解除プロセス:
− 100%コンフルエントのT75フラスコから得られたVero E6細胞の懸濁液を、室温にて15分間、500μLのパラホルムアルデヒド溶液(Invitrogen IC固定緩衝液−FB001)を用いて固定した。インキュベーション時間後、細胞をPBS溶液で洗浄した。処理したHSV感染細胞を含むプレートに再懸濁したファージを添加する(選択工程)前に、ファージ溶液を、37℃で60分間、撹拌しながら、1.5x106細胞/ウェルでプレインキュベートした(選択解除工程)。遠心分離後(室温にて2分間、RCF:21380xg)、次いで上清を回収し、固定され透過処理されたHSV感染細胞と共にプレートに添加した。

0151

パニング:
− 37℃で120分間、70μL/ウェルのパニングされていないファージをインキュベートする。
− 各抗原の4つのウェルから「インプット(Input)」として上清を集め、氷上で保存する。
− ウェル毎に100μL/ウェルのPBS/Tween 0.5%溶液で、37℃で、各10回ピペッティングして10回洗浄する。
− 50μL/ウェルの溶出緩衝液(0.1Mグリシン−HCl、pH2.2)を添加し、1分間インキュベートし、ウェルの底から剥がし取る(scrape)。
−溶出したファージを中和緩衝液(2M Tris、pH8.0)を用いて「アウトプット(Output)」として集め、氷上で保存する。

0152

FabのDNAライブラリーから得られたファージ集団から有意な抗原結合活性を有するクローンを高親和性選択で得るためには、通常5回の選択ラウンド(6日間)が必要である。

0153

重要なことに、最初のパニング選択ラウンドにおけるHSV−1及びHSV−2感染細胞上のファージ抗体ライブラリーの交差選択を行った。

0154

凍結及び融解手順を用いるスクリーニングプロトコール:
1日目:
− 4及び5ラウンドのHigh Ampから得られたDNAを抽出し、SpeI及びNheI制限酵素(NEB)で、37℃で60分間、二重消化する。
−Fabに予め融合させたファージタンパク質(cpIII)から目的のDNA(HC及びLCの両方を含むプラスミド)を分離し、アガロース1%ゲル電気泳動(85Vで3時間)を行い、QIAquick Gel Extractionキット(QIAgen)を用いて抽出する。
− 抽出したDNAをT4リガーゼ(NEB)を用いてライゲーションし、XL1−Blueエレクトロコンピテント(elettrocompetent)細胞のアリコートを形質転換する。
−SOC培地での回収後、LB寒天上に播種する。
2日目:
− 1日目に得られたコロニーを、10μg/mLのテトラサイクリン及び100μg/mLのアンピシリンを含む3mLのSB培地に1つずつ接種する。陰性対照として、10μg/mLのテトラサイクリンのみを含む3mLのSB培地に、形質転換していないXL1−Blueエレクトロコンピテント(elettrocompetent)細胞のコロニーを添加する。接種物を、37℃で撹拌しながら、550nmの波長での光学密度(OD)が0.5に達するまでインキュベートする。
IPTG(イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド−Sigma I6758)を1:1000の推奨希釈で添加してFabの産生を誘導し、30℃で撹拌しながら、一晩(ON)インキュベートする。
3日目:
− 一晩(ON)の細菌培養物の遠心分離(4℃で20分間、RCF:1540xg)後、上清を捨て、ペレットを1mLのPBSに再懸濁する。
プロテアーゼ阻害剤を添加し、凍結及び融解手順に従って3回行う。
○ 完全凍結するまでドライアイス上でインキュベートする
○ 完全に融解するまで、37℃で撹拌しながらインキュベートする。
− 遠心分離(室温にて10分間、RCF:21380xg)後、タンパク質(Fab)発現スクリーニングのために上清を使用し、ペレットをDNA抽出及び分析のために使用する。

0155

バイオパニング手順プロトコール中に選択されたFabクローンの精製:
1日目
− 10μLのアンピシリン(Cf=50μg/mL、C.ストック=100mg/mL)及び20μLのテトラサイクリン(Cf=100μg/mL、C.ストック=5mg/mL)を含む10mLのSB(Super Broth)に新鮮なプレートコロニーを接種し、回転シェーカー(180rpm)中、37℃で一晩、インキュベートする。
2日目
− 500μLのアンピシリン(Cf=50μg/mL、C.ストック=100mg/mL)及び1mLのテトラサイクリン(Cf=100μg/mL、C.ストック=5mg/mL)を含む500mLのSB(Super Broth)に、5mLの接種物を継代接種し(Sub−inoculate)、回転シェーカー(180rpm)中、37℃で6−8時間、インキュベートする。
− 培養ODが0.8−1(指数関数的増殖)に達したとき、IPTG(イソプロピル−b−D−チオガラクトピラノシド)を、最終濃度1mmol/Lで添加する。
− 回転シェーカー(180rpm)中、30℃で一晩インキュベートする。
3日目
− 清潔な250mLボトルに細菌培養物を移す。
− 4℃又は室温にて、遠心分離する(3500−4500rpmで20−30分間)。
細胞ペレットを最終容量25mLのPBS1Xに再懸濁し、ファルコン50mLチューブに入れ、プロテアーゼ阻害剤を添加し、ファルコンを4℃に置く。
− ファルコンを氷上で維持し、細胞懸濁液を90秒間超音波処理し、60秒間休止する。これを3−4回繰り返す。
細菌溶解物をボトル(30mL)に移す。4℃で15,000rpmで30分間、遠心分離することにより細胞片を除去する。
シリンジ50mLを用いて上清を、0.45μm、次いで0.2μmのMilliporePVDF濾過する。濾液をファルコン50mLに集める。
− 4℃で保存する。

0156

免疫アフィニティークロマトグラフィーでFabを精製する:
− 20mLPBS1Xでカラムを洗浄する。2回繰り返す。
− 10mLの溶出緩衝液pH2.2で溶出する。
− PBS 1XでカラムのpHを再調整し、pHを調べる。
− カラムキャップを閉める。カラムにサンプルを、一度に2−4mL充填する。数分待って、カラムを再度開く。
− 50mLのPBS1Xでカラムを洗浄する。
− カラムキャップを閉じる。カラムに10mLの溶出緩衝液pH2.2を、一度に2−4mL充填する。数分待ち、カラムを再度開く。
−中和緩衝液pH11を含むファルコンに溶出液を集める。
− pHを確認し、中和緩衝液pH11を用いて溶液を中和する(pH7−8)。
− PBS1XでカラムのpHを再調整する。
− 10mLの溶出緩衝液pH2.2で溶出する。
− PBS1XでカラムのpHを再調整し、pHを確認する。
− 20mLのPBS1X+200μLのNaN3100Xを添加し、カラムを4℃で保存する。

0157

PBS1XでCentriconを洗浄する:4000rpmで10−15分間遠心分離する。その後、4000rpmで10−15分間遠心分離して、Fabを濃縮する。
フィルターによって保持された精製されたFabを採取し、4℃で保存する。
精製Fabの正確な発現及び濃度を、SDS−PAGE/クマシー染色によって(IgG2精製及び定量プロトコールで既に記載されているように)それぞれ計算した。

0158

IgG2Fab断片のIgG1Fabへの変換プロトコール
このクローニング手順は、IgG1抗体のHC及びLC配列を既に含むpCMベクター(Solforosi et al.(2012)「ヒト抗体コンビナトリアルライブラリーの作製及びモノクローナル抗体断片の分子クローニングのために最適化されたファージディスプレイベクター」New Microbiologica 35(3),289−294)を用いて実行された。NheI制限部位を、上記IgG1−FabのVH配列とCH1配列の間に導入して、HCのVH断片のみの分子クローニングを可能にした。

0159

選択された抗HSVFabのVH配列を、IgG1−CH1とインフレームクローン化した。より詳しくは、NheI制限部位を、制限部位を含む特異的に設計されたプライマーを用いるPCR増幅によって、選択されたFab VH配列の3’末端に付加した。

0160

全ての増幅したVHを、QIAquickPCR精製キット(Qiagen)を用いて精製した。精製工程後、VH鎖をまた定量し(NanoDrop 8000、ハイスループット、ハイスループット、全スペクトルマイクロボリュームUV−Vis測定器、ThermoScientific)、選択された制限酵素で消化して、それらを既に記載したプロトコールに従って、発現ベクターにクローニングした。

0161

より詳しくは、増幅されたVH及びベクターの両方を、表7のプロトコールに従って、XhoI及びNheI制限酵素(NEB)で消化した:

0162

0163

消化は37℃で1時間行い、次いで、消化産物をSybr Safe染色で検査した。
正確な分子量(VH消化ベクターについて4474bp及びVHについて426bp)を示す消化産物を、アガロースゲルから抽出し、精製し(QIAquickゲル抽出キット、Qiagen)、その後、T4DNAリガーゼ(NEB)を用いてライゲーションした(室温で10分間)。その後、ライゲーション産物を使用して、エレクトロコンピテント細胞(大腸菌XL−1 Blueエレクトロコンピテント細胞、Stratagene)を形質転換した。

0164

その後、IgG1−CH1(pVH−CH1−IgG1)とインフレームにライゲーションされたVHを含むプラスミドを、形質転換細胞から精製し(Qiagen Plasmid Midi Kit、Qiagen)、正しい挿入を、プライマーの特定のサブセットで目的の部分を配列決定して分析した。

0165

pVH−CH1−IgG1構築物及びHSVFabパネルに属するLCもまた、消化条件を示す表8で説明したように消化した。

0166

0167

消化は37℃で1時間行い、次いで、消化産物をSybr Safe染色で検査した。
正確な分子量を示す消化pVH−CH1−IgG1及びLC DNA(それぞれ4230bp及び670bp)を、アガロースゲルから抽出し、精製し(QIAquickゲル抽出キット、Qiagen)、その後、T4DNAリガーゼ(NEB)を用いてライゲーションした(室温で10分間)。その後、ライゲーション産物を使用して、XL−1 Blueエレクトロコンピテント細胞(Stratagene)を形質転換した。次いで異なる抗HSVクローン(pVH−CH1_LC−IgG1Fab)のLC及びHCを含むプラスミドを、形質転換細胞から精製し(Qiagen Plasmid Midi Kit、Qiagen)、正しい挿入を、プライマーの特定のサブセットで目的の部分を配列決定して分析した。

0168

クローニングプロトコールの段落に記載の通り、VH−HC及びLCの正しい挿入をチェックするために、全ての新しいIgG1Fabクローンを配列決定した。

0169

ScFvAの構築
種々の形式のmAb A(又はEx2)の特徴を広範囲に特徴づけるために、mAbを、単鎖抗体A(ScFvA)としても発現させた。
FabAの可変軽鎖(VL)及び可変重鎖(VH)を増幅させ、単鎖(ScFv)の構築に用いた。

0170

ScFv遺伝子カセットは、以下からなる:
a)FabA VL及びVHをコードするDNA
b)リンカー領域[(Glyx3Ser)x3]をコードするDNA
c)タンパク質tag(ポリヒスチジン)をコードするDNA。

0171

ScFvFabA(Fab Ex2)遺伝子カセットを、以下の通りに構築した:
a)Fab A VL及びVHをコードするDNA
上記のように、軽鎖及び重鎖(それぞれVL及びVH)のFab A可変領域を、mAb A軽鎖及び重鎖可変領域をコードするDNAテンプレートからPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により首尾よく増幅させた。DNAテンプレートからmAb A LC及びHCを増幅するために用いたプライマーは以下を含んでいた:
5’VL末端に、ScFv遺伝子カセット全体をベクターに挿入するために用いられる、制限部位SacI(New England Biolabs、NEB)。
3’VL末端に、リンカー領域(リンカー重複領域)をコードするDNA配列の一部
5’VH部分に、リンカー領域(リンカー重複領域)をコードするDNA配列の一部
3’VH部分に、Hisタグ及び発現ベクターへのScFv遺伝子カセット全体の挿入に使用するための制限部位SpeI(NEB)をコードするDNA配列。上記の通り増幅された全ての遺伝子断片を、全長ScFv遺伝子カセットを構築するために重複PCRを実施するのに使用した。

0172

b)リンカー領域[(Glyx3Ser)x3]をコードするDNA
リンカー領域(LCとHCとの間)の主な機能は、構造的であり、特に[(Gly)3Ser]3からなるリンカー領域は、発現後に適当なScFv折り畳みを可能にする高い柔軟性を特徴とする。リンカー領域は、PCR重複技術によってVLとVHとの間に付加されている。
c)タンパク質タグ(ポリ−ヒスチジン)をコードするDNA
ポリ−ヒスチジンタグ領域(His−Tag)は、アフィニティークロマトグラフィーによるScFv精製の基本である。特に、この領域は、Hisタグ含有タンパク質を精製するために常套的に使用されるNi2+NiNta樹脂(市販されている、QIAGEN)によって選択的に結合される。HisタグDNA配列は、SpeI制限部位を既に含む3’VHプライマーにポリHis DNAをコードする配列を導入するScFv遺伝子カセットに付加されている。

0173

次いで、以下のプロトコールを用いて、遺伝子カセットをベクターにクローニングし、ScFvAを産生した:
1.ScFv含有ベクターによる細菌(XL−1 Blue、Stratagene)の形質転換
XL−1 Blue細菌を、ScFv A遺伝子カセットを含むベクターで(エレクトロポレーションにより)形質転換した。
2.ScFvベクターを含む細菌の選択的培養
ScFvベクターで正しく形質転換されたXL1 Blue細菌を培養し、ベクターにより担持されるampr(アンピシリン耐性遺伝子耐性マーカーにより、抗生物質(アンピシリン)で選択した。
3.ScFv発現誘導
ScFv Aの発現を、いわゆる「誘導因子」(IPTG)を、ScFv形質転換細菌を含む培養液に添加することによって誘導した。
4.培養細菌の超音波処理
誘導工程後に細菌によって産生されたScFvを集めるために、ScFvA発現細菌を超音波処理して、細菌壁を破壊し、細菌によって産生されたScFvAを放出させた。
5.無細胞上清を遠心分離して細胞片をペレット化する。超音波処理された細菌産物を、細菌細胞片をペレット化するために、完全に遠心分離した。
6.Ni2+アフィニティークロマトグラフィー精製
工程5で得られた上清を回収し、HisタグによりScFvを精製するために、Ni2+アフィニティークロマトグラフィーカラムに充填した。
7.ScFv収集
その後、精製ScFvを集め、−20℃で保存した。

0174

実施例1
IgGAの選択圧下でのエスケープ変異体の出現の評価
50pfu/mLの無細胞ウイルスを用いてVERO−E6単層をHSV−1 HF株に感染させた。ウイルスを完全に吸着させた後、感染した細胞を抑制濃度以下のIgGA、すなわち0.2mg/ml及び1mg/mlで3日間処理した。

0175

実験対照は無関係のIgG(0.2mg/ml及び1mg/mlの濃度で)又は無処置であった。3日後、感染した細胞培地を回収し、遠心分離し、そして上清を新しい細胞感染ラウンドのために合計5回の連続ラウンドで使用した。最後の感染ラウンドの細胞上清を遠心分離し、より高濃度のIgGA(5mg/ml及びmg/ml)の存在下で5回の新しい感染ラウンドを行うために使用した。最終感染ラウンドに属する無細胞上清を、高IgGA濃度の存在下、37℃で1時間インキュベートした後、新しいVERO−E6細胞を感染させるために使用した。

0176

得られた結果は、HSVとプレインキュベートしたIgGAが依然としてウイルス分離株を中和することができることを実証し、5及び10mg/mlのIgGA選択圧下で「エスケープ変異体」が生成されなかったことを示している。

0177

実施例2
IgGAとアシクロビルの相乗作用の評価
IgGAとアシクロビル(ACV)の相乗作用を調べるために、異なる濃度のアシクロビルとIgGAを、in vitroで二重曲線アッセイで組み合わせて試験した。

0178

簡単に説明すると、異なるIgGA濃度(0、1、10、25、50μg/ml)を異なるACV濃度(0、0.25、0.5、1μg/ml)と混合し、HSV感染の30分後にVERO E6細胞に添加した。48時間インキュベートした後、感染細胞をクリスタルバイオレット/EtOHで染色し、溶解プラークを数えた。結果は、アシクロビルと組み合わせたIgGAが、試験した異なる濃度でアシクロビルの阻害効果を有意に増大させることができることを示している(図1)。

0179

次いで、二重曲線アッセイで得られた結果をコンボシン(ComboSyn)分析(ニューヨーク州ニューヨークのメモリアルスローンケタリングがんセンターのTing−Chao Chou及びマサチューセッツケンブリッジのマサチューセッツ工科大学のNick Martinによる、薬物併用及び一般的な用量効果分析のためのCompuSyn)でコンピュータ内で分析して、組み合わせ指数CI)及び用量減少指数(DRI)の計算を通して、IgGAとACVとの間の潜在的相乗作用を評価した。

0180

Chou 2006(23)による組み合わせ指数(CI)は、0.9〜1.1の範囲のほぼ相加的作用、0.9未満の相乗作用、0.1〜0.3の強い相乗作用及び0.1未満の非常に強い相乗作用を示す。1.1を超えるCIの値は拮抗作用を示す。

0181

CI計算は、IgGとACVとの全ての組み合わせが相乗作用をもたらすことを実証した(図2及び3)。この実験で得られた結果は、中程度から多量のIgGAと低用量のACVとの組み合わせにおける相乗作用を実証し、特にACV腎毒性を患っている患者においてより低い濃度でのACVの有望な潜在的使用を示唆する。

0182

さらに、用量減少指数(DRI)の結果は、IgGAとアシクロビルの両方にとって非常に好ましい用量減少を示している(図4)。

0183

以下の実施例において、IgGA/ACV混合物について以前に観察されたIgGAの相乗作用の評価は、FOS(ホスカルネット)、PCV(ペンシクロビル)及びGCV(ガンシクロビル)のような他の抗ヘルペス薬にも拡張されている。重要なことに、ウイルス感染後に使用する場合、相乗作用は、in vitroでウイルス播種及び細胞損傷を減少させるためのmAb/薬物混合物の能力を模倣した社内最適化ウイルス侵入後阻害アッセイを使用してHSV−1及びHSV−2感染細胞に対して評価されている。

0184

実施例3
IgGAとホスカルネットの相乗作用の評価
抗HSV薬ホスカルネット(FOS)と組み合わせたIgGAの可能な使用を試験するために、IgGA/FOSの組み合わせをHSV侵入後アッセイ(ウイルス侵入を可能にする37℃で行われるアッセイ)で試験した。

0185

IgGA/FOS併用活性評価における第一段階は、実施例2に既に使用されている2つの選択されたHSV分離株についての薬物感受性の評価であった。相乗的アッセイFOS/mAbを実施するために選択されたFOS濃度は、HSV−1 LVに対して0.5、25及び100mg/ml、そしてHSV−2 MSに対して5、10及び25mg/mlであった。IgGAとFOSとの間の相乗作用を評価するために、実施例2と同様に組み合わせ指数を計算した。
CI:組み合わせ指数
組み合わせ指数計算は、薬物の組み合わせの1つのみがCI>1を示したように、IgGAとFOSとの組み合わせが1つを除いて全て、HSV−1試験分離株に対して相乗作用をもたらすことを実証した(図5)。さらに、低用量のFOSと組み合わせて中程度から大量のIgGAを使用することによって相乗作用が得られる可能性があり、FOS毒性を患っている患者にとって低濃度でのFOSの使用の可能性を示唆している。

0186

組み合わせ指数計算は、IgGとFOSとの組み合わせが3つを除いて全て、HSV−2試験分離株に対して相乗作用をもたらすことを実証した(図6)。さらに、低用量のFOSと組み合わせて大量のIgGAを使用することによって強力な相乗作用が達成される可能性があり、HSV−2感染に対しても低濃度のFOSの可能な使用を示している。これに関して、HSV−2感染の70%の阻害が、IgGAMIC50(ED50)にほぼ対応するIgGAの用量とFOSのほぼ無効な用量(0.5μg/mL)とを組み合わせることによって達成されたことを指摘することは重要である。

0187

実施例4
IgGAとペンシクロビルの相乗作用の評価
抗HSV薬ペンシクロビル(PCV)と組み合わせたIgGAの可能な使用を試験するために、いくつかのアッセイが行われた。重要なことには、上記の実験と同様に、組み合わせはHSV侵入後アッセイで試験されている。

0188

IgGA/PCV併用活性評価の最初の工程は、2つの選択されたHSV分離株(HSV−1 LVとHSV−2 MS)の薬剤感受性の評価であった。相乗的アッセイを実施するために選択されたPCV濃度PCV/mAbは、HSV−1 LVに対して0.5、0.75及び1.5μg/mL、そしてHSV−2MSに対して1.5、2、5及び7μg/mLであった。IgGAとPCVとの間の相乗作用を評価するために、実施例2と同様に組み合わせ指数を計算した。
CI:組み合わせ指数
組み合せ指数計算は、IgGAとPCVとの全ての組み合わせがHSV−1に対して相乗作用をもたらすことを実証した(図7)。一つの組み合わせが強い相乗作用をもたらした。中程度から多量のIgGAを低用量のPCVと組み合わせて使用することにより、高レベルの相乗作用を達成することができ、これはHSV−1に対する低濃度でのPCVの治療的使用の可能性を示している。

0189

HSV−2に対するmAbA/PCV「コンボ(combo)」活性からの組み合わせ指数計算は、IgGAとPCVとのほぼ全ての組み合わせが相乗作用をもたらすことを実証した:1つの非常に強い相乗効果と3つの強い相乗作用;2つの薬物の組み合わせのみがCI>1を示した(図8)。

0190

実施例5
IgGAとガンシクロビルの相乗作用の評価
抗HSV薬ガンシクロビル(GCV)と組み合わせたIgGAの可能な使用を試験するために、いくつかのアッセイが行われた。重要なことには、上記の実験と同様に、組み合わせはHSV後吸着アッセイで試験されている。

0191

IgGA/GCV併用活性評価の最初の工程は、2つの選択されたHSV分離株の薬剤感受性の評価であった。詳細には、HSV−1 LV及びHSV−2 MSは既に相乗作用試験に使用されているので選択されている。相乗的アッセイGCV/mAbを実施するために選択されたGCV濃度は、HSV−1 LVに対して0.05、0.25及び0.75mg/ml、HSV−2 MSに対して0.01、0.1及び0.5mg/mlであった。実施例2に従って組み合わせ指数を計算した。
CI:組み合わせ指数
組み合せ指数計算は、IgGAとGCVとの組み合わせの、1つを除く全てがHSV−1に対する相乗作用をもたらすことを実証した(図9)。薬物の組み合わせの1つが、CI>1を示した。さらに、異なる薬物コンボ(combo)について異なる相乗的レベルを同定することが可能であり、そのうちの4つは非常に強い相乗作用として分類された。しかしながら、この効果は、最高試験用量のGCVと組み合わせて中程度から多量のIgGAを使用することによって達成することができた。

0192

HSV−2について得られた組み合せ指数は、IgGAとGCVとの組み合せの大部分が相乗作用をもたらすことを実証しており(図10)、特にGCV毒性を患っている患者において、低濃度でのGCVの使用の可能性を示している。

0193

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