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技術 安定な液体医薬製剤

出願人 セルトリオン・インコーポレイテッド
発明者 リー,ジュンウォンハン,ウォンヨンキム,スジュンオ,ジュンソクキム,ソヨンホン,スヒョンシン,ヨンギョン
出願日 2017年6月28日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2018-565705
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-525902
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 注文製作 経過状態 フシトール 減衰測定 センサ型 マイクロフロー アルダル酸 加速条件
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課題・解決手段

本発明に係る安定な液体医薬製剤は、抗体またはその抗原結合断片界面活性剤;糖またはその誘導体;および緩衝剤を含む。本発明に係る安定な液体医薬製剤は、抗体を高含量で含み、且つ、低粘度を有し、加速条件および苛酷条件における優れた安定性を基に長期間保管安定性に優れており、皮下投与が可能である。

概要

背景

腫瘍死因子−α(TNF−α)は、全身性炎症関与する細胞シグナルタンパク質サイトカイン)であり、急性期反応を形成するサイトカインのうちの一つである。TNF−αは、敗血症、感染、自己免疫疾患および移植拒否を含む様々な疾患および障害連関している。TNF−αは免疫反応を促進し、これはリウマチ性関節炎強直性脊椎炎潰瘍性大腸炎成人クローン病小児クローン病、乾癬乾癬性関節炎などのような自己免疫異常と関連した多くの臨床的問題を引き起こす。このような異常は、TNF−α阻害剤を用いることにより治療できる。

インフリキシマブは、前記TNF−α阻害剤の役割を果たすことのできるキメラモノクローナル抗体一種である。該抗体を含む従来の製剤は凍結乾燥粉末に製造され、それを再溶解および希釈して各疾患の投与用法および容量に合わせて静脈に注射する方式であった。

例えば、レミケードベルは、インフリキシマブ、スクロースポリソルベート80およびリン酸ナトリウムを含む凍結乾燥製剤を開示しており、静脈注射のために、凍結乾燥製剤に注射用水を追加する再溶解(reconstitution)ステップ、および再溶解製剤を塩化ナトリウムを含む注射用食塩水で希釈するステップを開示している。

しかし、前記のような従来の製剤の投与方式凍結乾燥−>再溶解−>希釈−>静脈投与)には多くの費用がかかり、煩わしく、頻繁な投与により患者の不便、拒否感および副作用が発生し、投与者医療教育を受けた人に制限されるという問題点がある。

アダリムマブも前記TNF−α阻害剤の役割を果たすことのできるヒト型モノクローナル抗体の一種である。アダリムマブを含む液状剤形は、例えば、ヒュミララベルに開示されている。また、韓国公開特許公報第10−2014−0134689号は、アダリムマブ、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムクエン酸マンニトール、塩化ナトリウムおよびポリソルベート80を含む液状剤形(実施例1)と、それを改良したものとして、アダリムマブ、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、マンニトール、アルギニン、塩化ナトリウムおよびポリソルベート80を含む液状剤形(実施例2)を開示している。

しかし、前記液体医薬剤形のように、等張化剤としてNaClまたはKClを含む場合には沈殿およびゼラチン化のような問題が発生しうるし、抗体濃度が50mg/ml程度に低い場合には投与回数および投与周期が制限される。

したがって、前記従来の液体医薬製剤の問題点を解決することができ、TNF−α阻害剤として抗体、特にインフリキシマブを含む安定な液体医薬製剤に対する必要性が在る。

概要

本発明に係る安定な液体医薬製剤は、抗体またはその抗原結合断片界面活性剤;糖またはその誘導体;および緩衝剤を含む。本発明に係る安定な液体医薬製剤は、抗体を高含量で含み、且つ、低粘度を有し、加速条件および苛酷条件における優れた安定性を基に長期間保管安定性に優れており、皮下投与が可能である。

目的

本発明の目的は、抗体を高含量で含み、且つ、低粘度を有する安定な液体医薬製剤を提供する

効果

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請求項1

(A)抗体またはその抗原結合断片;(B)界面活性剤;(C)糖またはその誘導体;および(D)アセテートまたはヒスチジンを含む緩衝剤を含む、安定な液体医薬製剤

請求項2

(A)抗体は、TNF−αに結合する抗体を含む、請求項1に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項3

(A)抗体は、インフリキシマブアダリムマブセルトリズマブペゴル、ゴリムマブまたはこれらの混合物を含む、請求項1または2に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項4

(A)抗体は、キメラヒト−マウスIgGモノクローナル抗体を含む、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項5

(A)抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRドメイン、配列番号2のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域;および配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域を含む、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項6

(A)抗体またはその抗原結合断片は、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;および配列番号8のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項7

(A)抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む軽鎖;および配列番号10のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項8

(A)抗体またはその抗原結合断片の濃度は10〜200mg/mlである、請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項9

(B)界面活性剤は、ポリソルベートポロキサマーまたはこれらの混合物を含む、請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項10

(B)界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80またはこれらのうち2以上の混合物を含む、請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項11

(B)界面活性剤は、ポリソルベート80を含む、請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項12

(B)界面活性剤の濃度は0.02〜0.1%(w/v)である、請求項1〜11のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項13

(C)糖は単糖類二糖類オリゴ糖多糖類またはこれらのうち2以上の混合物を含み、(C)糖の誘導体は糖アルコール糖酸またはこれらの混合物を含む、請求項1〜12のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項14

(C)糖またはその誘導体は、ソルビトールマンニトールトレハローススクロースまたはこれらのうち2以上の混合物を含む、請求項1〜13のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項15

(C)糖またはその誘導体の濃度は1〜10%(w/v)である、請求項1〜14のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項16

(D)緩衝剤は、アセテートを含む、請求項1〜15のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項17

(D)緩衝剤の含量は1〜50mMである、請求項1〜16のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項18

pHが4.0〜5.5である、請求項1〜17のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項19

アスパラギン酸リシンアルギニンまたはこれらの混合物を含まない、請求項1〜18のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項20

NaCl、KCl、NaF、KBr、NaBr、Na2SO4、NaSCN、K2SO4またはこれらの混合物を含まない、請求項1〜19のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項21

キレート剤を含まない、請求項1〜20のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項22

温度40℃±2℃で1ヶ月後の粘度が0.5cp〜10.0cpであるか、または温度5℃±3℃で6ヶ月後の粘度が0.5cp〜5cpである、請求項1〜21のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項23

(A)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号2のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域;および配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片90〜145mg/ml;(B)界面活性剤0.02〜0.1%(w/v);(C)糖またはその誘導体1〜10%(w/v);および(D)アセテートまたはヒスチジンを含む緩衝剤1〜50mMを含む、安定な液体医薬製剤。

請求項24

皮下投与用である、請求項1〜23のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項25

使用前に再溶解(reconstitution)ステップ希釈(dilution)ステップまたはこれらの全てを経ない、請求項1〜24のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤。

請求項26

請求項1〜25のうちいずれか1項に記載の安定な液体医薬製剤が充填されたプレフィルド・シリンジ(pre−filledsyringe)。

請求項27

請求項26に記載のプレフィルド・シリンジがその内部に含まれた自動注射器(auto−injector)。

技術分野

0001

本発明は、安定な液体医薬製剤に関する。

背景技術

0002

腫瘍死因子−α(TNF−α)は、全身性炎症関与する細胞シグナルタンパク質サイトカイン)であり、急性期反応を形成するサイトカインのうちの一つである。TNF−αは、敗血症、感染、自己免疫疾患および移植拒否を含む様々な疾患および障害連関している。TNF−αは免疫反応を促進し、これはリウマチ性関節炎強直性脊椎炎潰瘍性大腸炎成人クローン病小児クローン病、乾癬乾癬性関節炎などのような自己免疫異常と関連した多くの臨床的問題を引き起こす。このような異常は、TNF−α阻害剤を用いることにより治療できる。

0003

インフリキシマブは、前記TNF−α阻害剤の役割を果たすことのできるキメラモノクローナル抗体一種である。該抗体を含む従来の製剤は凍結乾燥粉末に製造され、それを再溶解および希釈して各疾患の投与用法および容量に合わせて静脈に注射する方式であった。

0004

例えば、レミケードベルは、インフリキシマブ、スクロースポリソルベート80およびリン酸ナトリウムを含む凍結乾燥製剤を開示しており、静脈注射のために、凍結乾燥製剤に注射用水を追加する再溶解(reconstitution)ステップ、および再溶解製剤を塩化ナトリウムを含む注射用食塩水で希釈するステップを開示している。

0005

しかし、前記のような従来の製剤の投与方式凍結乾燥−>再溶解−>希釈−>静脈投与)には多くの費用がかかり、煩わしく、頻繁な投与により患者の不便、拒否感および副作用が発生し、投与者医療教育を受けた人に制限されるという問題点がある。

0006

アダリムマブも前記TNF−α阻害剤の役割を果たすことのできるヒト型モノクローナル抗体の一種である。アダリムマブを含む液状剤形は、例えば、ヒュミララベルに開示されている。また、韓国公開特許公報第10−2014−0134689号は、アダリムマブ、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムクエン酸マンニトール、塩化ナトリウムおよびポリソルベート80を含む液状剤形(実施例1)と、それを改良したものとして、アダリムマブ、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、マンニトール、アルギニン、塩化ナトリウムおよびポリソルベート80を含む液状剤形(実施例2)を開示している。

0007

しかし、前記液体医薬剤形のように、等張化剤としてNaClまたはKClを含む場合には沈殿およびゼラチン化のような問題が発生しうるし、抗体濃度が50mg/ml程度に低い場合には投与回数および投与周期が制限される。

0008

したがって、前記従来の液体医薬製剤の問題点を解決することができ、TNF−α阻害剤として抗体、特にインフリキシマブを含む安定な液体医薬製剤に対する必要性が在る。

発明が解決しようとする課題

0009

本発明の目的は、抗体を高含量で含み、且つ、低粘度を有する安定な液体医薬製剤を提供することにある。

0010

本発明の他の目的は、加速条件および苛酷条件における優れた安定性を基に長期間保管安定性に優れた液体医薬製剤を提供することにある。

0011

本発明のまた他の目的は、皮下投与が可能な安定な液体医薬製剤を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明の一実施形態に係る安定な液体医薬製剤は、(A)抗体またはその抗原結合断片;(B)界面活性剤;(C)糖またはその誘導体;および(D)緩衝剤を含む。

0013

本発明の一実施形態において、(A)抗体は、TNF−αに結合する抗体を含むことができる。

0014

本発明の一実施形態において、(A)抗体は、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブまたはこれらの混合物を含むことができる。

0015

本発明の一実施形態において、(A)抗体は、キメラヒト−マウスIgGモノクローナル抗体を含むことができる。

0016

本発明の一実施形態において、(A)抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRドメイン、配列番号2のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域;および配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域を含むことができる。

0017

本発明の一実施形態において、(A)抗体またはその抗原結合断片は、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;および配列番号8のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含むことができる。

0018

本発明の一実施形態において、(A)抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む軽鎖;および配列番号10のアミノ酸配列を含む重鎖を含むことができる。
本発明の一実施形態において、(A)抗体またはその抗原結合断片の濃度は10〜200mg/mlであってもよい。

0019

本発明の一実施形態において、(B)界面活性剤は、ポリソルベートポロキサマーまたはこれらの混合物を含むことができる。

0020

本発明の一実施形態において、(B)界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80またはこれらのうち2以上の混合物を含むことができる。

0021

本発明の一実施形態において、(B)界面活性剤は、ポリソルベート80を含むことができる。

0022

本発明の一実施形態において、(B)界面活性剤の濃度は0.02〜0.1%(w/v)であってもよい。

0023

本発明の一実施形態において、(C)糖は単糖類二糖類オリゴ糖多糖類またはこれらのうち2以上の混合物を含み、(C)糖の誘導体は糖アルコール糖酸またはこれら
の混合物を含むことができる。

0024

本発明の一実施形態において、(C)糖またはその誘導体は、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、スクロースまたはこれらのうち2以上の混合物を含むことができる。

0025

本発明の一実施形態において、(C)糖またはその誘導体の濃度は1〜10%(w/v)であってもよい。

0026

本発明の一実施形態において、(D)緩衝剤は、アセテートまたはヒスチジンを含むことができる。

0027

本発明の一実施形態において、(D)緩衝剤の含量は1〜50mMであってもよい。

0028

本発明の一実施形態において、pHは4.0〜5.5であってもよい。

0029

本発明の一実施形態において、アスパラギン酸リシン、アルギニンまたはこれらの混合物を含まなくてもよい。

0030

本発明の一実施形態において、NaCl、KCl、NaF、KBr、NaBr、Na2SO4、NaSCN、K2SO4またはこれらの混合物を含まなくてもよい。

0031

本発明の一実施形態において、キレート剤を含まなくてもよい。

0032

本発明の一実施形態において、40℃±2℃で1ヶ月間保管した後に測定した粘度が0.5cp〜10cpであるか、または5℃±3℃で6ヶ月間保管した後に測定した粘度が0.5cp〜5cpであってもよい。

0033

本発明の一実施形態に係る安定な液体医薬製剤は、(A)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号2のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域;および配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片;(B)界面活性剤;(C)糖またはその誘導体;および(D)アセテートまたはヒスチジンを含む緩衝剤を含むことができる。

0034

本発明の一実施形態に係る安定な液体医薬製剤は、(A)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号2のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域;および配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片90〜145mg/ml;(B)界面活性剤0.02〜0.1%(w/v);(C)糖またはその誘導体1〜10%(w/v);および(D)アセテートまたはヒスチジンを含む緩衝剤1〜50mMを含むことができる。

0035

本発明の一実施形態において、前記安定な液体医薬製剤は皮下投与用であってもよい。

0036

本発明の一実施形態において、前記安定な液体医薬製剤は、使用前に再溶解(reconstitution)ステップ、希釈(dilution)ステップまたはこれらの全てを経なくてもよい。

0037

本発明の一実施形態に係るプレフィルド・シリンジ(pre−filled syringe)は、前記安定な液体医薬製剤が充填される。

0038

本発明の一実施形態に係る自動注射器(auto−injector)は、前記プレフィルド・シリンジがその内部に含まれる。

発明の効果

0039

本発明に係る安定な液体医薬製剤は、抗体を高含量で含み、且つ、低粘度を有し、加速条件および苛酷条件における優れた安定性を基に長期間保管安定性に優れており、皮下投与が可能である。

0040

[安定な液体医薬製剤]
本発明に係る安定な液体医薬製剤は、(A)抗体またはその抗原結合断片;(B)界面活性剤;(C)糖またはその誘導体;および(D)緩衝剤を含む。

0041

本出願の明細書において、用語「含まない」とは、該当成分を全く含まないことを意味する。また、該用語は該当成分を実質的に含まないこと、すなわち、抗体の活性、液体医薬製剤の安定性および粘度に影響を与えない範囲で含むこと、例えば、液体医薬製剤の全体重量を基準に0〜1%(w/v)、0〜1ppm(w/v)または0〜1ppb(w/v)で含むことを意味する。

0042

(A)抗体またはその抗原結合断片
抗体は、2個の重鎖(Heavy Chain)および2個の軽鎖(Light Chain)がジスルフィド結合により互いに連結されている4個のポリペプチド鎖からなる免疫グロブリン分子を示す。その他の変化した構造を有する自然発生抗体、例えば、ラクダ(camelid)抗体もこの定義に含まれる。各々の重鎖は、重鎖可変領域および重鎖不変領域からなる。重鎖不変領域は、3個のドメイン(CH1、CH2およびCH3)からなる。各々の軽鎖は、軽鎖可変領域および軽鎖不変領域からなる。軽鎖不変領域は、1個のドメイン(CL)からなる。重鎖可変領域および軽鎖可変領域は、骨格領域(FR)と呼ばれるさらに保存された領域と共に配置された、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性領域にさらに細分できる。各々の重鎖可変領域および軽鎖可変領域は3個のCDRおよび4個のFRからなり、これらはアミノ末端からカルボキシ末端まで下記の順に配列されている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。

0043

本発明の一実施形態において、抗体として、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組み換え抗体一本鎖抗体ハイブリッド抗体キメラ抗体ヒト化抗体またはこれらの断片を含むことができる。キメラ抗体は、ある一種からの重鎖および軽鎖可変領域配列と他種からの不変領域配列とを含む抗体を意味する。本発明の一実施形態において、抗体として、キメラヒト−マウスIgGモノクローナル抗体を含むことができる。キメラヒト−マウスIgGモノクローナル抗体は、マウス重鎖および軽鎖可変領域とそれに結合されたヒト重鎖および軽鎖不変領域とからなる。キメラヒト−マウスIgGモノクローナル抗体は、当該技術分野で公知の方法により製造することができる。例えば、インフリキシマブの場合、米国特許第6,284,471号に記載された方法により製造することができる。

0044

本発明の一実施形態において、抗体として、TNF−αまたはTNF−αのエピトープに結合する抗体を含むことができる。TNF−αまたはTNF−αのエピトープに結合する抗体として、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブま
たはこれらの混合物を含むことができる。本発明の一実施形態において、抗体として、インフリキシマブを含むことができる。

0045

本発明の一実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号2のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域;および配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域を含むことができる。

0046

本発明の一実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;および配列番号8のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含むことができる。

0047

本発明の一実施形態において、抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む軽鎖;および配列番号10のアミノ酸配列を含む重鎖を含むことができる。

0048

抗体またはその抗原結合断片の濃度は、本発明に係る安定な液体医薬製剤の安定性および粘度に悪影響を実質的に及ぼさない範囲内で自由に調節することができる。本発明の一実施形態において、抗体またはその抗原結合断片の濃度は10〜200mg/mlであってもよい。本発明の他の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片の濃度は50〜200mg/mlであってもよい。本発明のまた他の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片の濃度は80〜150mg/mlであってもよい。本発明のまた他の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片の濃度は90〜145mg/mlであってもよい。本発明のまた他の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片の濃度は110〜130mg/mlであってもよい。抗体またはその抗原結合断片の濃度がこの範囲内である場合、抗体またはその抗原結合断片の高含量に応じて投与容量および投与周期の自由度を高めることができ、優れた長期間安定性および低粘度を示すことができる。

0049

(B)界面活性剤
界面活性剤の例としてはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリソルベート)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、Brij)、アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル(例えば、Triton−X)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー(例えば、Poloxamer、Pluronic)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)などを含むが、これらに限定されるものではない。

0050

本発明の一実施形態において、前記界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)を含むことができる。ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80またはこれらのうち2以上の混合物を含むことができる。本発明の一実施形態において、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート80またはこれらの混合物を含むことができる。本発明の他の実施形態において、ポリソルベートは、ポリソルベート80を含むことができる。

0051

本発明の一実施形態において、前記界面活性剤の濃度は、本発明に係る安定な液体医薬製剤の安定性および粘度に悪影響を及ぼさない範囲内で自由に調節することができる。例えば、界面活性剤の濃度は、0.001〜5%(w/v)、0.01〜1%(w/v)または0.02〜0.1%(w/v)であってもよい。界面活性剤の濃度がこの範囲内である場合、優れた長期間安定性および低粘度を示すことができる。

0052

(C)糖または糖の誘導体
糖は、単糖類、二糖類、オリゴ糖、多糖類またはこれらのうち2以上の混合物を含むことができる。単糖類の例としてはグルコースフルクトースガラクトースなどが挙げられ、これらに制限されるものではない。二糖類の例としてはスクロース、ラクトースマルトース、トレハロースなどが挙げられ、これらに制限されるものではない。オリゴ糖の例としてはフラクトオリゴ糖ガラクトオリゴ糖マンナンオリゴ糖などが挙げられ、これらに制限されるものではない。多糖類の例としてはデンプングリコーゲンセルロースキチンペクチンなどが挙げられ、これらに制限されるものではない。

0053

糖の誘導体は、糖アルコール、糖酸またはこれらの混合物を含むことができる。糖アルコールの例としてはグリセロールエリトリトールトレイトールアラビトールキシリトールリビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトールフシトールイジトールイノシトールボレミトール、イソマルトマルチトールラクチトールマルトトリイトールマルトテトライトールポリグリトールなどが挙げられ、これらに制限されるものではない。糖酸の例としてはアルドン酸グリセリン酸など)、ウロソン酸(ノイラミン酸など)、ウロン酸グルクロン酸など)、アルダル酸酒石酸など)などが挙げられ、これらに制限されるものではない。

0054

本発明の一実施形態において、糖またはその誘導体として、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、スクロースまたはこれらのうち2以上の混合物を含むことができる。

0055

本発明の一実施形態において、糖またはその誘導体の濃度は、本発明に係る液体医薬製剤の安定性および粘度に悪影響を実質的に及ぼさない範囲内で自由に調節することができる。例えば、糖またはその誘導体の濃度は、0.1〜30%(w/v)、1〜20%(w/v)または1〜10%(w/v)であってもよい。糖またはその誘導体の濃度がこの範囲内である場合、優れた長期間安定性および低粘度を示すことができる。

0056

(D)緩衝剤
緩衝剤は、酸やアルカリによるpHの変化を最小化する中和性物質であり、緩衝剤の例としては、ホスフェート(phosphate)、アセテート(acetate)、スクシネート(succinate)、グルコネート(gluconate)、グルタメート(glutamate)、シトレート(citrate)、ヒスチジン(histidine)などが挙げられる。本発明の一実施形態において、緩衝剤は、アセテートまたはヒスチジンを含むことができる。緩衝剤としてアセテートおよびヒスチジンを全て含む場合には安定性が低下しうる。

0057

本発明の一実施形態において、緩衝剤は、アセテートを含むことができる。アセテートの例としては酢酸ナトリウム酢酸亜鉛酢酸アルミニウム酢酸アンモニウム酢酸カリウムなどが挙げられ、これらに制限されるものではない。pH調節のために酸、例えば、酢酸をさらに含むことができる。緩衝剤としてアセテートを含むことが、pHの調節および安定性の側面で最も好ましい。

0058

本発明の一実施形態において、緩衝剤は、ヒスチジンを含むことができる。緩衝剤としてヒスチジンを用いる場合、ヒスチジン塩、例えば、ヒスチジンクロリド、ヒスチジンアセテート、ヒスチジンホスフェート、ヒスチジンスルフェートなどが含まれることができる。pH調節のために酸、例えば、塩酸、酢酸、リン酸硫酸などを含むことができる。

0059

本発明の一実施形態において、安定な液体医薬製剤は、シトレート(クエン酸塩)、ホスフェート(リン酸塩)またはこれらの混合物を含まなくてもよい。

0060

本発明の一実施形態において、緩衝剤(または緩衝剤の陰イオン)の含量は、本発明に係る液体医薬製剤の安定性および粘度に悪影響を実質的に及ぼさない範囲内で自由に調節することができる。例えば、緩衝剤またはその陰イオンの含量は、1〜50mM、5〜30mMまたは10〜25mMであってもよい。緩衝剤またはその陰イオンの含量がこの範囲内である場合、優れた長期間安定性および低粘度を示すことができる。

0061

(E)pH
本発明の一実施形態において、安定な液体医薬組成物のpHは、4.0〜5.5または4.7〜5.3であってもよい。pHがこの範囲内である場合、優れた長期間安定性および低粘度を示すことができる。pHは、緩衝剤を用いて調節することができる。言い換えれば、緩衝剤を所定の含量で含む場合、別途pH調節剤がなくても前記範囲のpHを示すことができる。シトレート、ホスフェートまたはこれらの混合物を緩衝剤として用いる場合には、前記範囲のpHを示すのが難しいことがある。。別途のpH調節剤として酸(例えば、塩酸)または塩基(例えば、水酸化ナトリウム)をさらに含む場合には、抗体の安定性が低下しうる。

0062

(F)その他の成分
本発明の一実施形態において、安定な液体医薬製剤は、アスパラギン酸、リシン、アルギニンまたはこれらの混合物を含まなくてもよい。これらのアミノ酸を含む場合、その製剤が固体状態になりうる。本発明の一実施形態において、安定な液体医薬製剤は、前記3種のアミノ酸を除いた残りのアミノ酸のうち一つ以上を含むことができる。この場合、前記アミノ酸を5%(w/v)以内の範囲、例えば、0.001〜5%(w/v)の範囲、0.001〜1%(w/v)の範囲、0.01〜5%(w/v)の範囲、0.01〜1%(w/v)の範囲、0.1〜5%(w/v)の範囲または0.1〜1%(w/v)の範囲で含むことができる。

0063

本発明の他の実施形態において、安定な液体医薬製剤は、タウリンを含むことができる。この場合、前記タウリンを5%(w/v)以内の範囲、例えば、0.001〜5%(w/v)の範囲、0.001〜1%(w/v)の範囲、0.01〜5%(w/v)の範囲、0.01〜1%(w/v)の範囲、0.1〜5%(w/v)の範囲または0.1〜1%(w/v)の範囲で含むことができる。

0064

本発明の一実施形態において、安定な液体医薬製剤は、金属塩としてNaCl、KCl、NaF、KBr、NaBr、Na2SO4、NaSCN、K2SO4などを含まなくてもよい。これらの金属塩を含む場合には、沈殿現象が発生し、その製剤がゼラチンの形状を有し、安定性が低下しうる。

0065

本発明の一実施形態において、安定な液体医薬製剤は、キレート剤(例えば、EDTA)を含まなくてもよい。キレート剤を含む場合には、酸化率が増加しうる。

0066

本発明の一実施形態において、安定な液体医薬製剤は、保存剤を含まなくてもよい。保存剤の例としては、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリドヘキサメトニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリドベンゼトニウムクロリドフェノールブチルアルコールベンジルアルコールアルキルパラベンカテコールレソルシノールシクロヘキサノール、3−ペンタノールm−クレゾールなどが挙げられる。保存剤を含む場合には、安定性の改善に役に立たない。

0067

本発明の一実施形態において、本発明の安定な液体医薬製剤における抗体の活性、製剤の安定性および低粘度に悪影響を実質的に及ぼさない範囲内で当該技術分野で公知の添加剤をさらに含むことができる。例えば、水性担体酸化防止剤またはこれらのうち2以上
の混合物をさらに含むことができる。水性担体は、製薬上に許容され(ヒトに投与時に安全で無毒性であり)、液体医薬製剤の製造に有用な担体である。水性担体の例としては滅菌注射用水(SWFI)、静菌注射用水(BWFI)、滅菌塩水溶液リンガー液デキストロースなどが挙げられ、これらに制限されるものではない。酸化防止剤としてはアスコルビン酸などが挙げられ、これに制限されるものではない。

0068

(G)「安定な」液体医薬製剤
本発明の「安定な」液体医薬製剤における用語「安定な」とは、本発明に係る抗体が製造工程の間および/または保管/貯蔵時にその物理的安定性および/または化学的安定性および/または生物学的活性を実質的に保有することを意味する。抗体の安定性を測定する様々な分析学的技術は、当該技術分野において容易に利用することができる。

0069

物理的安定性は当該技術分野で公知の方法により評価することができ、このような方法は光(吸光または光学密度)のサンプ見掛け減衰測定を含む。このような光の減衰測定は、製剤の濁度と関連する。また、物理的安定性に対して、高分子量成分の含量、低分子量成分の含量、無傷のタンパク質量、不溶性異物粒子数などを測定することができる。

0070

化学的安定性は、例えば、化学的に変化した形態の抗体を検出し定量することにより評価することができる。化学的安定性は、例えば、イオン交換クロマトグラフィーにより評価できる荷電変化(例えば、脱アミド化または酸化の結果として発生)を含む。化学的安定性に対して、電荷変異体酸性または塩基性ピーク)などを測定することができる。

0071

生物学的活性は当該技術分野で公知の方法により評価することができ、例えば、ELISAにより抗原結合アフィニティを測定することができる。

0072

本発明の一実施形態において、液体医薬製剤は、長期間安定することができる。

0073

本発明の一実施形態において、用語「安定な」液体医薬製剤は、次のうち一つ以上を満たす液体医薬製剤を意味する。

0074

濁度
−温度40℃±2℃で4週間保管した後に分光光度計により測定した吸光度A600が0〜0.0300または0〜0.0700である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃、相対湿度75±5%および密閉条件で4週間保管した後に分光光度計により測定した吸光度A600が0〜0.0300または0〜0.0700である液体医薬製剤;

0075

主成分の含量(メインピーク
−温度40℃±2℃で4週間保管した後にSE−HPLCにより測定した主成分が98%〜100%である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃、相対湿度75±5%および密閉条件で4週間保管した後にSE−HPLCにより測定した主成分が98〜100%である液体医薬製剤;

0076

高分子量成分(メインピーク(無傷のIgG)を基準に滞留時間(retention
time)が前側であるピーク)
−温度5℃±3℃で12ヶ月間保管した後にSE−HPLCにより測定した高分子量成分が0〜1.00%である液体医薬製剤;
−温度5℃±3℃および密閉条件で12ヶ月間保管した後にSE−HPLCにより測定した高分子量成分が0〜1.00%である液体医薬製剤;

0077

低分子量成分(メインピーク(無傷のIgG)を基準に滞留時間(retention
time)が後側であるピーク)
−温度5℃±3℃で12ヶ月間保管した後にSE−HPLCにより測定した低分子量成分が0〜0.40%である液体医薬製剤;
−温度5℃±3℃および密閉条件で12ヶ月間保管した後にSE−HPLCにより測定した低分子量成分が0〜0.40%である液体医薬製剤;

0078

無傷の免疫グロブリンGの含量
−温度5℃±3℃で12ヶ月間保管した後に非還元CE−SDSにより測定した無傷の免疫グロブリンGの含量(IntactIgG%)が94.0%〜100%である液体医薬製剤;
−温度5℃±3℃および密閉条件で12ヶ月間保管した後に非還元CE−SDSにより測定した無傷の免疫グロブリンGの含量(Intact IgG%)が94.0%〜100%である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃で4週間保管した後に非還元CE−SDSにより測定した無傷の免疫グロブリンGの含量(Intact IgG%)が94.0%〜100%である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃、相対湿度75±5%および密閉条件で4週間保管した後に非還元CE−SDSにより測定した無傷の免疫グロブリンGの含量(Intact IgG%)が94.0%〜100%である液体医薬製剤;

0079

無傷の重鎖および軽鎖の含量
−温度5℃±3℃で12ヶ月間保管した後に還元CE−SDSにより測定した無傷の重鎖および軽鎖の含量(Intact HC+LC%)が99.0%〜100%である液体医薬製剤;
−温度5℃±3℃および密閉条件で12ヶ月間保管した後に還元CE−SDSにより測定した無傷の重鎖および軽鎖の含量(Intact HC+LC%)が99.0%〜100%である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃で4週間保管した後に還元CE−SDSにより測定した無傷の重鎖および軽鎖の含量(Intact HC+LC%)が98.0%〜100%である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃、相対湿度75±5%および密閉条件で4週間保管した後に還元CE−SDSにより測定した無傷の重鎖および軽鎖の含量(Intact HC+LC%)が98.0%〜100%である液体医薬製剤;

0080

不溶性異物粒子数
−温度5℃±3℃で12ヶ月間保管した後にHIACにより測定した不溶性異物粒子(10.00μm≦、<400.00μm)数が0〜1,000個である液体医薬製剤;
−温度5℃±3℃および密閉条件で12ヶ月間保管した後にHIACにより測定した不溶性異物粒子(10.00μm≦、<400.00μm)数が0〜1,000個である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃で4週間保管した後にMFIにより測定した不溶性異物粒子(1.00μm≦、<100.00μm)数が0〜30,000個である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃、相対湿度75±5%および密閉条件で4週間保管した後にMFIにより測定した不溶性異物粒子(1.00μm≦、<100.00μm)数が0〜30,000個である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃で4週間保管した後にMFIにより測定した不溶性異物粒子(10.00μm≦、<100.00μm)数が0〜200個である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃、相対湿度75±5%および密閉条件で4週間保管した後にMFIにより測定した不溶性異物粒子(10.00μm≦、<100.00μm)数が0〜20
0個である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃で6週間保管した後にMFIにより測定した不溶性異物粒子(10.00μm≦、<100.00μm)数が0〜500個である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃、相対湿度75±5%および密閉条件で6週間保管した後にMFIにより測定した不溶性異物粒子(10.00μm≦、<100.00μm)数が0〜500個である液体医薬製剤;

0081

酸化率
−温度40℃±2℃で4週間保管した後にLC−MSにより測定した重鎖Met 255の酸化率が0%〜2.5%である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃、相対湿度75±5%および密閉条件で4週間保管した後にLC−MSにより測定した重鎖Met 255の酸化率が0%〜2.5%である液体医薬製剤;

0082

電荷変異体
−温度40℃±2℃で4週間保管した後にIEC−HPLCにより測定した酸性ピークが20%〜35%である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃、相対湿度75±5%および密閉条件で4週間保管した後にIEC−HPLCにより測定した酸性ピークが20%〜35%である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃で4週間保管した後にIEC−HPLCにより測定した塩基性ピークが33%〜40%である液体医薬製剤;
−温度40℃±2℃、相対湿度75±5%および密閉条件で4週間保管した後にIEC−HPLCにより測定した塩基性ピークが33%〜40%である液体医薬製剤;

0083

TNF−α結合アフィニティ
−温度5℃±3℃で12ヶ月間保管した後にELISAにより測定したTNF−α結合アフィニティが80%〜120%である液体医薬製剤;および
−温度5℃±3℃および密閉条件で12ヶ月間保管した後にELISAにより測定したTNF−α結合アフィニティが80%〜120%である液体医薬製剤。

0084

本発明の一実施形態において、温度40℃±2℃で1ヶ月後に測定した粘度が0.5cp〜10.0cpであってもよい。本発明の他の実施形態において、温度5℃±3℃で6ヶ月後に測定した粘度が0.5cp〜5.0cpであってもよい。

0085

[安定な液体医薬製剤の製造方法]
本発明の安定な液体医薬製剤は公知の方法により製造することができ、特定の方法に制限されるものではない。例えば、界面活性剤および糖またはその誘導体を含む溶液に緩衝剤を添加しつつpHを調節した後、該混合溶液に抗体を入れて液体医薬製剤を製造することができる。また、精製工程の最終ステップにおいて、一部の賦形剤を含む溶液を製造した後、残りの成分を添加して液体医薬製剤を製造することができる。例えば、精製工程の最終ステップにおいて、抗体、緩衝剤および糖またはその誘導体を含む溶液を製造した後、該溶液に界面活性剤を添加して液体医薬製剤を製造することができる。

0086

また、前記製剤は、製造時に凍結乾燥工程を含まないか、または凍結乾燥工程を含んでもよい。

0087

凍結乾燥工程を含まない場合、例えば、本発明の液体医薬製剤を製造し滅菌などの処理後に直ちに密閉容器に入れることができる。

0088

凍結乾燥工程を含む場合、例えば、本発明の液体医薬製剤を製造し凍結乾燥した後、または本発明の液体医薬製剤を製造し凍結乾燥し保管/貯蔵した後、凍結乾燥および/また
は保管/貯蔵により除去または変形された成分を補充するかまたは交替して本発明に係る液体医薬製剤を製造することができる。また、本発明の液体医薬製剤のうち凍結乾燥および/または保管/貯蔵により除去または変形される成分が除外された成分のみを凍結乾燥した後、またはその成分のみを凍結乾燥し保管/貯蔵した後、前記除外された成分を添加して本発明に係る液体医薬製剤を製造することができる。

0089

[安定な液体医薬製剤の使用方法
本発明に係る安定な液体医薬製剤は、TNF−αの活性が有害な疾病を治療するのに用いられることができる。TNFαの活性が有害な疾病の例としては敗血症、自己免疫疾患、感染性疾患、移植、悪性癌、肺障害腸障害心臓障害などが挙げられ、これらに制限されるものではない。

0090

本発明の一実施形態において、TNF−αの活性が有害な疾病は、リウマチ性関節炎、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、成人クローン病、小児クローン病、乾癬および乾癬性関節炎から選ばれる。

0091

本発明に係る安定な液体医薬製剤は、1回、数回または自己皮下投与用として用いられることができる。

0092

前記液体医薬製剤内の抗体をはじめとする他成分の濃度は上述した通りであり、液体医薬製剤の全体体積は0.2〜2.0mlであってもよい。

0093

前記液体医薬製剤の投与量および投与時期は疾病の種類、疾病の重症度および経過状態、患者の健康および治療に対する反応、および治療する医師の判断に応じて異なり、特定の投与量および投与時期に制限されるものではない。例えば、前記液体医薬製剤を含む一つまたは数個製品を用いて抗体濃度を基準に1〜10mg/kgを投与した後、同一または互いに異なる投与量を毎週、隔週、3週ごとに、毎月、2ヶ月または3ヶ月ごとに投与することができる。

0094

本発明の一実施形態において、前記安定な液体医薬製剤は、使用前に再溶解(reconstitution)ステップ、希釈(dilution)ステップまたはこれらの全てを経なくてもよい。

0095

治療方法および安定化方法]
また、本発明は、TNF−αの活性が有害な疾病を有する患者に、(A)抗体またはその抗原結合断片;(B)界面活性剤;(C)糖またはその誘導体;および(D)緩衝剤を含む安定な液体医薬製剤を投与することを含む、TNF−αの活性が有害な疾病を治療する方法を提供する。

0096

また、本発明は、(A)抗体またはその抗原結合断片;(B)界面活性剤;(C)糖またはその誘導体;および(D)緩衝剤を含む安定な液体医薬製剤を製造することを含む、抗体を液体医薬製剤内で安定化する方法を提供する。

0097

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(A)抗体は、TNF−αに結合する抗体を含むことができる。

0098

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(A)抗体は、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブまたはこれらの混合物を含むことができる。

0099

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(A)抗体は、キメラヒト−マウスIgGモノクローナル抗体を含むことができる。

0100

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(A)抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号2のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域;および配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域を含むことができる。

0101

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(A)抗体またはその抗原結合断片は、配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;および配列番号8のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含むことができる。

0102

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(A)抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む軽鎖;および配列番号10のアミノ酸配列を含む重鎖を含むことができる。

0103

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(A)抗体またはその抗原結合断片の濃度は10〜200mg/mlであってもよい。

0104

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(B)界面活性剤は、ポリソルベート、ポロキサマーまたはこれらの混合物を含むことができる。

0105

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(B)界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80またはこれらのうち2以上の混合物を含むことができる。

0106

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(B)界面活性剤は、ポリソルベート80を含むことができる。

0107

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(B)界面活性剤の濃度は0.02〜0.1%(w/v)であってもよい。

0108

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(C)糖は単糖類、二糖類、オリゴ糖、多糖類またはこれらのうち2以上の混合物を含み、(C)糖の誘導体は糖アルコール、糖酸またはこれらの混合物を含むことができる。

0109

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(C)糖またはその誘導体は、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、スクロースまたはこれらのうち2以上の混合物を含むことができる。

0110

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(C)糖またはその誘導体の濃度は1〜10%(w/v)であってもよい。

0111

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(D)緩衝剤は、アセテートまたはヒスチジンを含むことができる。

0112

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、(D)緩衝剤の含量は1〜50mMであってもよい。

0113

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、前記安定な液体医薬製剤のpHは4.0〜5.5であってもよい。

0114

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、前記安定な液体医薬製剤は、アスパラギン酸、リシン、アルギニンまたはこれらの混合物を含まなくてもよい。

0115

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、前記安定な液体医薬製剤は、NaCl、KCl、NaF、KBr、NaBr、Na2SO4、NaSCN、K2SO4またはこれらの混合物を含まなくてもよい。

0116

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、前記安定な液体医薬製剤は、キレート剤を含まなくてもよい。

0117

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、前記安定な液体医薬製剤は、保存剤を含まなくてもよい。

0118

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、前記安定な液体医薬製剤は、水性担体、酸化防止剤またはこれらのうち2以上の混合物をさらに含むことができる。

0119

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、前記安定な液体医薬製剤は、温度40℃±2℃で1ヶ月後に測定した粘度が0.5cp〜10.0cpであるか、または5℃±3℃で6ヶ月後に測定した粘度が0.5cp〜5.0cpであってもよい。

0120

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、前記安定な液体医薬製剤は、(A)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号2のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域;および配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片;(B)界面活性剤;(C)糖またはその誘導体;および(D)アセテートまたはヒスチジンを含む緩衝剤を含むことができる。

0121

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、前記安定な液体医薬製剤は、(A)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号2のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域;および配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインおよび配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片90〜145mg/ml;(B)界面活性剤0.02〜0.1%(w/v);(C)糖またはその誘導体1〜10%(w/v);および(D)アセテートまたはヒスチジンを含む緩衝剤1〜50mMを含むことができる。

0122

前記治療方法の一実施形態において、前記安定な液体医薬製剤を皮下に投与することができる。

0123

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、前記安定な液体医薬製剤は、使用前に再溶解(reconstitution)ステップ、希釈(dilution)ステップまたはこれらの全てを経なくてもよい。

0124

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、前記安定な液体医薬製剤は、使用前にプレフィルド・シリンジ(pre−filled syringe)内に充填される。

0125

前記治療方法または安定化方法の一実施形態において、前記プレフィルド・シリンジは、使用前に自動注射器(auto−injector)内に含まれる。

0126

[製品]
また、本発明は、前記安定な液体医薬製剤;および前記安定な液体医薬製剤を密閉した状態で収容する容器を含む製品を提供する。

0127

前記安定な液体医薬製剤は上述した通りである。

0128

本発明の一実施形態において、前記容器はガラスポリマープラスチック)、金属などの物質からなることができ、これらに制限されるものではない。本発明の一実施形態において、前記容器は、瓶、バイアルカートリッジ注射器(プレフィルド・シリンジ、自動注射器)またはチューブであり、これらに制限されるものではない。本発明の一実施形態において、前記容器は、ガラスまたはポリマーバイアル、またはガラスまたはポリマープレフィルド・シリンジであってもよい。

0129

前記バイアル、カートリッジ、プレフィルド・シリンジ、自動注射器などの具体的な製品形態と前記安定な液体医薬製剤を前記バイアル、カートリッジ、プレフィルド・シリンジ、自動注射器などに充填する方法は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者であれば容易に入手または実施することができる。例えば、米国特許第4,861,335号、第6,331,174号などは、プレフィルド・シリンジの具体的な製品形態および充填方法を開示している。例えば、米国特許第5,085,642号、第5,681,291号などは、自動注射器の具体的な製品形態および組み立て方法を開示している。前記バイアル、カートリッジ、プレフィルド・シリンジ、自動注射器などとして商用化された製品をそのまま用いるか、または前記安定な液体医薬製剤の物性、投与部位、投与量などを考慮して別途に注文製作した製品を用いることができる。

0130

本発明の一実施形態において、前記容器の内部にシリコーンオイルコーティングされていなくてもよい。シリコーンオイルがコーティングされている場合には安定性が低下しうる。前記容器は、1回投与用または数回投与用の容器であってもよい。

0131

本発明の一実施形態において、前記製品は、前記安定な液体医薬製剤の使用方法、保管方法またはこれらの全てを提供する指示事項をさらに含むことができる。前記使用方法は、TNF−αの活性が有害な疾病の治療法を含み、投与経路、投与量および投与時期を含むことができる。

0132

本発明の一実施形態において、前記製品は、商業的および使用者の観点で必要なその他の道具、例えば、針、注射器などを含むことができる。

0133

以下では本発明を実施例により詳細に説明する。下記の実施例は本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲が下記の実施例により限定されるものではない。

0134

以下の実験例で用いられた抗体と関連し、市販中のRemsima Inj.(製造会社:セルトリオン)から精製されたインフリキシマブを用いた。

0135

以下の実験例で用いられた液体医薬製剤の物理的安定性、化学的安定性および生物学的活性の測定方法として次のような方法を利用した。

0136

−濁度(Turbidity)
UV−Vis分光光度計を用いて600nmにおける吸光度を測定した。

0137

−主成分の含量
サイズ排除高性能液体クロマトグラフィー(Size ExclusionHPLC)を用いて主成分の含量(main peak;%)を測定した。

0138

−高分子量成分の含量
サイズ排除高性能液体クロマトグラフィー(Size ExclusionHPLC)を用いて高分子量成分の含量(pre−peak;%)を測定した。

0139

−低分子量成分の含量
サイズ排除高性能液体クロマトグラフィー(Size ExclusionHPLC)を用いて低分子量成分の含量(post−peak;%)を測定した。

0140

−無傷の免疫グロブリンGの含量(IntactIgG%)
非還元キャピラリー電気泳動ドデシル硫酸ナトリウム(Non−Reduced Capillary Electrophoresis−Sodium Dodecyl Sulfate;NR CE−SDS)を用いて無傷の免疫グロブリンGの含量(%)を測定した。

0141

−無傷の重鎖および軽鎖の含量(Intact HC+LC%)
還元キャピラリー電気泳動ドデシル硫酸ナトリウム(Reduced Capillary Electrophoresis−Sodium Dodecyl Sulfate;R CE−SDS)を用いて無傷の重鎖および軽鎖の含量(%)を測定した。

0142

−不溶性異物粒子(Sub−visible particles)の個数
実験例1〜4:マイクロフローイメージング(Micro Flow Imaging;MFI)を用いて不溶性異物粒子数を測定した。
実験例5:光遮蔽型微粒子計数器モデル名:HIAC 9703)を用いて不溶性異物粒子数を測定した。

0143

−酸化率(Oxidation)
質量分析を通じた液体クロマトグラフィー(LC−MS)によりペプチドマッピング(Peptide mapping)を通じて重鎖Met 255の酸化率(%)を測定した。

0144

−電荷変異体
イオン交換クロマトグラフィー−高性能液体クロマトグラフィー(Ion Exchange Chromatography−High Performance Liquid Chromatography;IEC−HPLC)により酸性および塩基性ピーク(%)を測定した。

0145

−TNF−α結合アフィニティ
酵素結合免疫吸着分析法(Enzyme−Linked ImmunoSorbent
Assay;ELISA)によりTNF−α結合アフィニティ(%)を測定した。

0146

−粘度
フローセル(B05センサ型、50μmセル深さ)が取り付けられたマイクロキャピラリーレオメータ(見掛けせん断率の範囲:103〜105s−1)装置を用いて、25℃±0.1℃で500μlシリンジに入れて測定した。

0147

実験例1:糖アルコールとNaClの比較;アセテート/ヒスチジン緩衝剤とシトレート/ホスフェート緩衝剤の比較;pH4〜5.5とpH6〜7の比較
実験例1で用いられた液体医薬製剤と関連し、各緩衝液を各pHに合わせて製造した後にソルビトールまたはNaClを添加し、それに抗体を添加し、界面活性剤を添加して表1の試料を製造した。各成分の具体的な含量は表1に記載された通りである。緩衝剤の濃度は、該当化合物分子/陰イオンの濃度を意味する。全体容量は1mlであった。

0148

0149

実施例1〜3および比較例1〜8により製造された液体医薬製剤を40±2℃の温度および75±5%の相対湿度で2週間保管した。その結果、NaClを含有する全ての製剤(比較例1、2、4、5および7)は、沈殿およびゼラチンのような形状を示した。また、ソルビトールを含有するが、クエン酸ナトリウムを含む比較例3およびリン酸ナトリウムを含む比較例8もゼラチンのような形状を示した。

0150

ソルビトールを含有する製剤のうち実施例1、2、3および比較例6のみがゼラチン形状を示さず、これらに対して、5±3℃の温度で0週後、2週後、4週後の安定性、そして40±2℃の温度および75±5%の相対湿度で2週後および4週後の安定性を測定し
、その結果を表2〜9に示す。

0151

濁度

0152

表2より、pHが4であり、緩衝剤としてアセテートを含む実施例1が濁度の面で最も優れることが分かり、特に40℃で4週後にも吸光度が0.0300以下であることが分かる。また、pHが5.5であり、緩衝剤としてヒスチジンを含む実施例2〜3も40℃で4週後に吸光度が0.0700以下であることが分かる。

0153

その反面、pHが6であり、緩衝剤としてホスフェートを含む比較例6の場合は、40℃で2週および4週後に濁度が顕著に増加したことが分かる。

0154

高分子量成分の含量

0155

表3より、実施例1が全ての条件で高分子量成分を最も少なめに含むことが分かる。特に、実施例1が40℃の温度で4週後に高分子量成分を1.0%以下で含むことが分かる。また、実施例2および3も40℃の温度で4週後に高分子量成分を1.5%以下で含むことが分かる。

0156

無傷の免疫グロブリンGの含量(IntactIgG%)

0157

表4より、実施例1〜3が40℃の温度で4週後に無傷の免疫グロブリンGの含量が94.0%以上として比較例6よりも高いことが分かる。

0158

無傷の重鎖および軽鎖の含量(Intact HC+LC%)

0159

表5より、実施例1〜3が40℃の温度で4週後に無傷の重鎖および軽鎖の含量が98.0%以上として比較例6よりも高いことが分かる。

0160

酸化率(重鎖Met 255)

0161

表6より、実施例1〜3が40℃の温度で4週後に重鎖Met 255の酸化率が2.5%以下として比較例6よりも低いことが分かる。

0162

電荷変異体(酸性ピーク)

0163

表7より、実施例1〜3が40℃の温度で4週後に酸性ピークが35%以下として比較例6よりも低いことが分かり、これは酸性ピーク増加の主な原因である脱アミノ化が少なく起こる安定な剤形であることが分かる。

0164

電荷変異体(塩基性ピーク)

0165

表8より、実施例1〜3が40℃の温度で4週後に塩基性ピークが33%以上として比較例6よりも高いことが分かる。

0166

不溶性異物粒子数(1.00μm≦、<100.00μm)

0167

表9より、実施例1〜3が40℃の温度で4週後に不溶性異物粒子(1.00μm≦、<100.00μm)数が30,000個以下として比較例6よりも少ないことが分かる。

0168

実験例2:アミノ酸の影響
実験例2で用いられた液体医薬製剤と関連し、酢酸ナトリウムを用いて各pHに合わせて緩衝液を製造した後にソルビトールを添加し、それに抗体を添加し、界面活性剤とアミノ酸/タウリンを添加して表10の試料を製造した。各成分の濃度は表10に記載された通りである。緩衝剤の濃度は、アセテート陰イオンの濃度を意味する。全体容量は1mlであった。

0169

0170

アスパラギン酸、ヒスチジン、リシンおよびアルギニンを各々添加した比較例9、10、11および12の場合、50±2℃で24時間後に固体状態になった。

0171

残りのアミノ酸またはタウリンを含有する製剤に対して5±3℃および50±2℃で24時間後の安定性を各々測定したが、これらの間にそしてこれらと実施例1との間に大きな差はなかった。

0172

実験例3:タンパク質の濃度;界面活性剤の濃度;糖の種類
実験例3で用いられた液体医薬製剤と関連し、酢酸ナトリウムを用いて各pHに合わせて緩衝液を製造した後にソルビトールまたはマンニトールまたはトレハロースまたはスクロースを添加し、それに抗体を添加し、界面活性剤を添加して表11の試料を製造した。各成分の含量は表11に記載された通りである。緩衝剤の濃度は、アセテート陰イオンの濃度を意味する。全体容量は1mlであった。

0173

0174

前記製剤に対して、5±3℃の温度で0週後、2週後、4週後の安定性、そして40±2℃の温度および75±5%の相対湿度で2週後および4週後の安定性を測定し、その結果を表12〜17に示す。

0175

タンパク質の濃度
高分子量成分の含量

0176

表12より、抗体濃度の上昇に応じて、高分子量成分が多くなるが、抗体濃度90〜145mg/mlの範囲内で5℃および40℃で4週後に高分子量成分が概して低いことが分かる。

0177

界面活性剤の濃度
不溶性異物粒子数(1.00μm≦、<100.00μm)

0178

表13より、界面活性剤0.02〜0.1%(w/v)の範囲内で40℃で4週後に不溶性異物粒子数(1.00μm≦、<100.00μm)が10,000個以下であることが分かる。

0179

糖の種類
主成分の含量(main peak)

0180

表14より、糖としてソルビトール、マンニトール、トレハロースまたはスクロースを用いた場合、40℃で4週後に主成分の含量が98%以上であることが分かる。

0181

電荷変異体(酸性ピーク)

0182

表15より、糖としてソルビトール、マンニトール、トレハロースまたはスクロースを用いた場合、40℃で4週後に酸性ピークが35%以下であることが分かる。

0183

不溶性異物粒子数(1.00μm≦、<100.00μm)

0184

不溶性異物粒子数(10.00μm≦、<100.00μm)

0185

表16および17より、糖としてソルビトール、マンニトール、トレハロースまたはスクロースを用いた場合、40℃で4週後に不溶性異物粒子数(1.00μm≦、<100.00μm)が15,000個以下であり、不溶性異物粒子数(10.00μm≦、<100.00μm)が200個以下であることが分かる。

0186

実験例4:界面活性剤の種類、キレート剤の影響
実験例4で用いられた液体医薬製剤と関連し、酢酸ナトリウムを用いて各pHに合わせて緩衝液を製造した後にソルビトールを添加し、それに抗体を添加し、界面活性剤または界面活性剤とキレート剤を添加して表18の試料を製造した。各成分の含量は表18に記載された通りである。緩衝剤の濃度は、アセテート陰イオンの濃度を意味する。全体容量は1mlであった。

0187

0188

前記製剤に対して、5±3℃の温度、25±2℃の温度/60±5%の相対湿度、および40±2℃の温度/75±5%の相対湿度の条件および密閉条件で0週後、3週後、6週後の安定性を測定し、その結果を表19〜20に示す。

0189

界面活性剤の種類
不溶性異物粒子(10.00μm≦、<100.00μm)

0190

表19より、界面活性剤としてポリソルベート80を用いた実施例13の場合、40℃で6週後に不溶性異物粒子(10.00μm≦、<100.00μm)の個数は100個
以下として最も少なく、ポロキサマー188を用いた実施例15の場合、40℃で6週後に不溶性異物粒子(10.00μm≦、<100.00μm)の個数は2,000個以上として最も多いことが分かる。

0191

キレート剤(EDTA)の影響
酸化率(重鎖Met 255)

0192

表20より、キレート剤(EDTA)を含む比較例13〜15は、キレート剤(EDTA)を含まない実施例13〜15に比べて、40℃で6週後に重鎖Met 255の酸化率が増加したことが分かる。

0193

実験例5:長期間安定性
実験例5で用いられた液体医薬製剤と関連し、酢酸ナトリウムを用いてpH5.0に合わせて緩衝液を製造した後にソルビトールを添加し、それに抗体を添加し、界面活性剤を添加して表21の試料を製造した。各成分の含量は表21に記載された通りである。緩衝剤の濃度は、アセテート陰イオンの濃度を意味する。全体容量は1mlであった。

0194

0195

前記製剤に対して5±3℃の温度および密閉条件で0ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後の安定性を測定し、その結果を表22〜27に示す。

0196

不溶性異物粒子(10.00μm≦、<400.00μm)

0197

表22より、実施例16は、5℃で12ヶ月後に不溶性異物粒子(10.00μm≦、<400.00μm)数が100個以下として低いことが分かる。

0198

無傷の免疫グロブリンGの含量(IntactIgG%)

0199

表23より、実施例16は、5℃で12ヶ月後に無傷の免疫グロブリンGの含量が94%以上として高いことが分かる。

0200

無傷の重鎖および軽鎖の含量(Intact HC+LC%)

0201

表24より、実施例16は、5℃で12ヶ月後に無傷の重鎖および軽鎖の含量が99%以上として高いことが分かる。

0202

高分子量成分の含量

0203

表25より、実施例16は、5℃で12ヶ月後に高分子量成分の含量が1.0%以下として低いことが分かる。

0204

低分子量成分の含量

0205

表26より、実施例16は、5℃で12ヶ月後に低分子量成分の含量が0.4%以下として低いことが分かる。

0206

TNF−α結合アフィニティ

0207

表27より、実施例16は、5℃で12ヶ月後にTNF−α結合アフィニティが95%以上として高いことが分かる。

0208

前記製剤に対して、40±2℃の温度および密閉条件で0ヶ月後、0.5ヶ月後、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後の粘度、および5±3℃の温度および密閉条件で6ヶ月後の粘度を測定し、その結果を表28に示す。

0209

粘度(cP)

実施例

0210

表28より、実施例16は、温度40℃±2℃で1ヶ月後の粘度が8.0cpとして低く維持されることが分かり、温度5℃±3℃で6ヶ月後の粘度が4.0cpとして低く維持されることが分かる。

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