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技術 タンパク質を中枢神経系(CNS)に送達するための、組換え寄生虫

出願人 ラモット・アット・テル・アビブ・ユニバーシテイ・リミテッドザユニヴァーシティーコートオブザユニヴァーシティーオブグラスゴー
発明者 レチャヴィオーデッドブラチャシャハールシャイナーリラチ
出願日 2017年6月29日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2018-568203
公開日 2019年9月12日 (6ヶ月経過) 公開番号 2019-525744
状態 未査定
技術分野 突然変異または遺伝子工学 動物の育種及び生殖細胞操作による繁殖 微生物、その培養処理 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 動物,微生物物質含有医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤
主要キーワード 補正効率 部分組合せ 能動的制 補助エレメント 保管センター 使用データベース 引用数 アルカリ培地
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図面 (17)

課題・解決手段

目的タンパク質を対象のCNSといった目的組織送達し、さらに対象の中枢神経系への治療用タンパク質投与によって処置可能な病状を処置するための、核酸構築物、それを有するトキソプラズマ、それを含む医薬組成物、および方法を提供する。

概要

背景

タンパク質治療剤送達のためのロバストな方法の欠如は、その臨床処置への変換において、現在、大いに障害となっている。タンパク質は、単純な化合物によって模倣することができない、高度に特異的で複雑な一連の機能を果たすことが多い(Nat Rev Drug Discov. 2008; 7(1):21-39. Protein therapeutics: a summary and pharmacological classification. Leader B, Baca QJ, and Golan DE)。しかしながら、その高分子的性質のため、体内標的部位への治療用タンパク質の送達は、非常に困難である。生物学的障壁に対する透過性が低いことに併せて、機能的安定性が低く、投与後または貯蔵中に活性が急速に喪失することにより、活性タンパク質の送達は制限される。化学的改変複合体および担体システムの進行中の開発は、一部の治療用タンパク質の送達に寄与したが、これらの多くは、「接近可能な標的空間」内、すなわち、血管コンパートメント中、または細胞表面上にある標的に依然として限定される(Mitragotri 2014, Nat. Rev. Drug. Discov. 13(9):655-72)。血液脳関門(BBB)が脳への分子輸送を厳密に調節するため、神経疾患の分野では特に効率的な送達が困難であるが、標的が細胞内にある場合は、複雑性がさらに増す。

補充タンパク質CNS内の細胞に送達するためには、BBBを通過し、CNS内の特定の細胞を標的とすることができる機構を開発することが必要である。

現在、特定のタンパク質の欠損により引き起こされる病態を処置するための主な手法は、遺伝子療法幹細胞療法および酵素補充療法である。

遺伝子療法は、治療用タンパク質の機能的コピー発現を増加させることを目的として、治療用タンパク質をコードする遺伝子の機能的コピーを挿入する手法である(Cox, D. B. T., et al., 2015)。遺伝子療法は、遺伝子の正確な配列を提供するが、翻訳機構または翻訳後修飾欠陥により引き起こされるか、またはそれに付随するタンパク質機能の喪失に対処するものではない。さらに、遺伝子療法は、挿入変異誘発(Persons, D. A. & Baum, C. 2011)、移動、生殖細胞系伝達、免疫原性、および限定的な導入遺伝子転換能(Schambach, A., et al., 2013、Al-Dosari et al., 2009)に起因するがん発生のリスクを有し得る。CNSを標的とするために、最も一般的に遺伝子療法は、ウイルスベクターの使用によって仲介される。ここでウイルスベクターは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)、アデノウイルス、AAV、レンチウイルス(例えば、HIV−1、ネコ免疫不全ウイルスまたはウマ感染性貧血ウイルス)に由来するものであり、より最近では、SV40−AAVおよびレンチウイルスがこれらの中で最も一般的である。ある種のウイルスベクターは他のものよりも安全であるが、タンパク質プロセッシングの欠陥に対処するものではなく、臨床効率も依然として限定的である。

幹細胞療法は、移植細胞タンパク質合成機構を利用するものであり、タンパク質の内因性合成の欠陥を補うことができる。この手法を臨床的に実行するために多くの努力が払われているにも拘わらず、そのような処置の効率は、移植細胞に対する拒絶反応、および患者特異的幹細胞の使用に関する低い費用効率によって下がっている。さらに、幹細胞治療に伴うリスクには、移植細胞に対する拒絶反応を低減させるのに必要とされる免疫抑制に伴う副作用、およびがんの発生が含まれる(Dimmeler, S., et al., 2014)。

補充タンパク質を体外で合成した後、CNS内に送達するタンパク質または酵素補充療法(ERT)が臨床的に意義のあるものとなるためには、BBBの不透過性を克服し、正確なターゲティング法を開発しなければならない。タンパク質送達に関するそのような手法の1つは、脳への直接注入、またはタンパク質が低い効率で拡散し得る隣接臓器への直接的注入である。かくして、そのような手法のリスクに加えて、必要な量でCNS内の特定の領域をターゲティングする能力には限界がある。そのような手法の別の問題は、臨床的に実行が難しいことが多い、反復投与の必要性である(Abbott, N. J. 2013)。

ERTをBBB透過性の増大と組み合わせて、治療用タンパク質がより高い効率でCNS内に拡散するようにすることができる(Malhotra, M. & Prakash, S. 2011)。これは、BBBを構成する細胞の縮小、またはBBBを通る輸送機構の操作によって達成される。しかしながら、この手法は、オプソニン作用のため効率的ではなく、目的の補充タンパク質と共に望ましくない物質がCNS内に拡散するリスクを有する(Bradbury, M. W. B. 2012)。

代替的な手法は、CNSに進入する成分に治療用タンパク質を結合して、BBBを通過するその固有の能力を利用するものである。BBBを通過する輸送を媒介することができる薬剤としては、融合タンパク質デンドリマー固体脂質ナノ粒子リポソームおよびナノ粒子が挙げられる(Solaro, R., 2010)。しかしながら、これらの手法はさらなる開発を必要とし、臨床試験には達していない。

トキソプラズマゴンディは、アピコプレクサ門の単細胞性細胞内寄生原生動物である。トキソプラズマ・ゴンディの主な宿主ネコ科動物であり、ネコ科動物においてのみ、その生活環有性期を経ることができる。しかしながら、トキソプラズマ・ゴンディは、二次宿主として、ヒトを含む多くの温血生物に感染し得る。ヒトにおいては、げっ歯類と同様に、宿主が寄生虫に感染した後(典型的には、感染性組織嚢胞または卵母細胞摂取後)、寄生虫は複製の速いタキゾイト期に分化する。トキソプラズマ・ゴンディのタキゾイトは、能動的浸透によって有核宿主細胞侵入し、寄生体胞を確立させ、その内部で内生二分裂によって複製する。タキゾイトは、腸上皮を通って移動し、免疫細胞上での「ヒッチハイク」と、自発的に自らを移動させることの両方により遠位組織に到達し、血液脳関門を突破し、脳中に拡散する[Harker 2015, Parasite Immunol. 37(3):141-9]。かくして、タキゾイトは、循環器に進入し、二次組織播種する。複製は、播種、および感染急性期の遠位組織への到達にとって重要である。一度、脳の独特の環境に入ると、トキソプラズマ・ゴンディは脳中の細胞(主にニューロンであるが、低い割合でグリア細胞にも)浸透し、免疫圧力の後、潜伏性ブラディゾイト期に分化し、細胞質の細胞内嚢胞に滞在する。これが、慢性感染を特徴付ける(Cabral et al. 2016,PLoS Pathog. 12(2):e1005447)。ブラディゾイトを留める組織嚢胞は、非常にゆっくりと増殖し、休止代謝プログラムを有しながら、宿主の生存期間にわたって持続する(Parasite Immunol. 2015, 37(3):141-9. “Toxoplasma gondii dissemination: a parasite's journey through the infected host”)。

トキソプラズマ・ゴンディは、推定世界人口の1/3に感染しているが、感染は健常なヒトでは無症状のままであり(Montoya, J. G. & Liesenfeld, O. 2004)、規則性のない障害を受けた免疫系を有する個体にとってのみリスクとなる。最も重要なことに、感染中にトキソプラズマ・ゴンディは、宿主細胞中にタンパク質を分泌するが、これは細胞侵入のときと、細胞内のトキソプラズマ・ゴンディが電子密度の高い分泌性細胞小器官であるミクロネーム、ロプトリー、および高密度顆粒の3種を有するときとの両方である。宿主細胞への侵入は、3種全ての細胞小器官の内容物の連続的分泌によって媒介され、これらは、寄生虫が宿主細胞に侵入するとき、およびそれがその内部に滞在するときに、頂端領域からエキソサイトーシスされる(Dlugonska, H. 2008)。ミクロネームは、トキソプラズマ・ゴンディの結合および透過に関与するが、ロプトリーは、一過的構造の作出、接続部の移動、次いで、PVの確立に必要である。ロプトリータンパク質は、「キスアンドスピット」と呼ばれるプロセスにおける宿主との最初の接触の際に分泌される(Boothroyd, J. C. et al., 2008)。高密度顆粒は、多くの寄生虫期を通してタンパク質を分泌する。分泌プロセスは、液胞ネットワークの形成と一致し、トキソプラズマ・ゴンディの細胞内滞在中、継続する(Dlugonska, H. 2008、Carruthers, V. B. & Sibley, L. D. 1997)。

さらなる背景技術としては、Koshy, A. A. et al. 2010、米国特許第8,673,289号明細書、米国特許出願公開第20120045477号明細書、Lodoen M.B., et al. 2010. Cellular Microbiology, 12: 55-66が挙げられる。

概要

目的タンパク質を対象のCNSといった目的組織に送達し、さらに対象の中枢神経系への治療用タンパク質の投与によって処置可能な病状を処置するための、核酸構築物、それを有するトキソプラズマ、それを含む医薬組成物、および方法を提供する。

目的

コドン使用データベースは、様々な異なる種に関するコドン使用表を含み、各コドン使用表は、Genbankの提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

トキソプラズマ分泌タンパク質をコードする第1の核酸配列が、薬学ポリペプチドをコードする第2の核酸配列の上流インフレームで融合された異種ポリヌクレオチドを含む核酸構築物であって、前記異種ポリヌクレオチドが、トキソプラズマにおける前記異種ポリヌクレオチドの転写を指示するためのプロモーター作動可能に連結され、前記プロモーターが、構成的プロモーター誘導的プロモーター、潜伏期特異的プロモーター、およびトキソプラズマ内因性プロモーターからなる群より選択され、但し、前記プロモーターがトキソフィリンプモーターではない、核酸構築物。

請求項2

前記内因性プロモーターが、ロプトリータンパク質の内因性プロモーターではない、請求項1に記載の核酸構築物。

請求項3

前記トキソプラズマ分泌タンパク質が、前記トキソプラズマのロプトリーから分泌される、請求項1に記載の核酸構築物。

請求項4

前記ロプトリーから分泌される前記トキソプラズマ分泌タンパク質が、トキソフィリンおよび/またはROP1を含む、請求項3に記載の核酸構築物。

請求項5

前記トキソプラズマ分泌タンパク質が、非ロプトリータンパク質である、請求項1に記載の核酸構築物。

請求項6

前記トキソプラズマ分泌タンパク質が、ミクロネームタンパク質および高密度顆粒タンパク質からなる群より選択される、請求項5に記載の核酸構築物。

請求項7

前記トキソプラズマ分泌タンパク質が、前記トキソプラズマの高密度顆粒から分泌される、請求項1に記載の核酸構築物。

請求項8

前記高密度顆粒から分泌される前記タンパク質が、配列番号234〜279からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項7に記載の核酸構築物。

請求項9

前記高密度顆粒から分泌される前記トキソプラズマ分泌タンパク質が、GRA16および/またはGRA24を含む、請求項7に記載の核酸構築物。

請求項10

前記トキソプラズマ分泌タンパク質が、前記トキソプラズマのミクロネームから分泌される、請求項1に記載の核酸構築物。

請求項11

前記ミクロネームから分泌される前記タンパク質が、配列番号280〜322からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の核酸構築物。

請求項12

前記トキソプラズマ分泌タンパク質が、トキソプラズマ・ゴンディマクロファージ遊走阻止因子(TgMIF)を含む、請求項1に記載の核酸構築物。

請求項13

前記異種ポリヌクレオチドが、前記異種ポリヌクレオチドの上流および/または下流に、トキソプラズマ非翻訳領域(UTR)核酸配列をさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の核酸構築物。

請求項14

誘導的自己破壊エレメントをコードする第3の核酸配列をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の核酸構築物。

請求項15

前記核酸構築物が、Cre−リコンビナーゼコード配列を含まないことを条件とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の核酸構築物。

請求項16

トキソプラズマのゲノムへの組込みに好適な、請求項1〜15のいずれか一項に記載の核酸構築物。

請求項17

前記誘導的自己破壊エレメントが、薬物に応答して活性となる、請求項16に記載の核酸構築物。

請求項18

前記薬物が、抗生物質を含む、請求項17に記載の核酸構築物。

請求項19

前記トキソプラズマ分泌タンパク質からの前記薬学的ポリペプチドの脱離を可能にする、少なくとも1個のインフレーム切断部位をさらに含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の核酸構築物。

請求項20

前記異種ポリヌクレオチドが、選択マーカーをコードする核酸配列をさらに含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の核酸構築物。

請求項21

少なくとも2つの核酸構築物を含む核酸構築物システムであって、前記少なくとも2つの核酸構築物の第1の核酸構築物が、請求項1〜19のいずれか一項に記載の核酸構築物であり、前記少なくとも2つの核酸構築物の第2の核酸構築物が、選択マーカーをコードするポリヌクレオチドを含む、核酸構築物システム。

請求項22

前記選択マーカーが、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼCAT)、DHFR−TS、BLE、HXGPRT、UPRT、TK、CD、蛍光タンパク質またはエピトープタグを含む、請求項20または21に記載の核酸構築物。

請求項23

請求項1〜20および22のいずれか一項に記載の核酸構築物、もしくは請求項21または22に記載の核酸構築物システムで形質転換されたトキソプラズマ。

請求項24

弱毒化されていない、請求項23に記載のトキソプラズマ。

請求項25

宿主細胞中での前記トキソプラズマの増殖を容易にするトキソプラズマエレメントを含まない、請求項23または24に記載のトキソプラズマ。

請求項26

対象の中枢神経系(CNS)への目的タンパク質送達にとって必要ではないビルレンス遺伝子を含まない、請求項25に記載のトキソプラズマ。

請求項27

請求項23〜26のいずれか一項に記載のトキソプラズマと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物

請求項28

患者中枢神経系における内因性タンパク質欠損を特徴とする病状を有すると診断された対象を処置するための、請求項27に記載の医薬組成物。

請求項29

患者中枢神経系への前記薬学的ポリペプチドの投与によって処置可能な病状を有すると診断された対象を処置するための、請求項27に記載の医薬組成物。

請求項30

免疫抑制剤をさらに含む、請求項27、28または29に記載の医薬組成物。

請求項31

対象の中枢神経系に目的のタンパク質を投与する方法であって、前記対象に、請求項23〜26のいずれか一項に記載のトキソプラズマまたは請求項27、28、29または30に記載の医薬組成物を投与して、前記対象の中枢神経系に目的のタンパク質を投与することを含む方法。

請求項32

処置を必要とする対象を処置する方法であって、前記対象に、請求項24〜26のいずれか一項に記載のトキソプラズマまたは請求項27、28、29または30に記載の医薬組成物を投与することを含み、前記対象が、中枢神経系への前記薬学的ポリペプチドの投与によって処置可能な病状を有すると診断されており、前記投与により処置を必要とする前記対象を処置する、方法。

請求項33

処置を必要とする対象を処置する方法であって、トキソプラズマ分泌タンパク質をコードする第1の核酸配列が、薬学的ポリペプチドをコードする第2の核酸配列の上流にインフレームで融合された異種ポリヌクレオチドを含む核酸構築物を有するトキソプラズマを前記対象に投与することを含み、前記異種ポリヌクレオチドが、トキソプラズマにおける前記異種ポリヌクレオチドの転写を指示するためのプロモーターに作動可能に連結されており、前記対象が、中枢神経系への前記薬学的ポリペプチドの投与によって処置可能な病状を有すると診断されており、前記投与により処置を必要とする前記対象を処置する、方法。

請求項34

前記プロモーターが、構成的プロモーター、誘導的プロモーター、潜伏期特異的プロモーター、およびトキソプラズマ内因性プロモーターからなる群より選択され、但し、前記プロモーターがトキソフィリンプロモーターではない、請求項33に記載の方法。

請求項35

目的ポリペプチドを対象に投与する方法であって、トキソプラズマ分泌タンパク質をコードする第1の核酸配列が、目的ポリペプチドをコードする第2の核酸配列の上流にインフレームで融合された異種ポリヌクレオチドを含む核酸構築物を有するトキソプラズマを前記対象に投与することを含み、前記異種ポリヌクレオチドが、トキソプラズマにおける前記異種ポリヌクレオチドの転写を指示するためのプロモーターに作動可能に連結されており、前記プロモーターが、構成的プロモーター、誘導的プロモーター、潜伏期特異的プロモーター、およびトキソプラズマ内因性プロモーターからなる群より選択され、但し、前記プロモーターがトキソフィリンプロモーターではなく、前記投与により前記目的ポリペプチドを前記対象に投与する、方法。

請求項36

前記対象への前記トキソプラズマの投与前および/または前記トキソプラズマの投与後および/または前記トキソプラズマの投与と同時に、前記対象に免疫抑制剤を投与することをさらに含む、請求項31〜35のいずれか一項に記載の方法。

請求項37

前記薬学的ポリペプチドが、前記病状を処置することができる前記内因性タンパク質に対応する野生型アミノ酸配列を含む、請求項31〜34および36のいずれか一項に記載の方法。

請求項38

前記薬学的ポリペプチドが、前記病状を処置することができる抗体を含む、請求項31〜34および36のいずれか一項に記載の方法。

請求項39

前記薬学的ポリペプチドが、前記病状を処置することができる毒素を含む、請求項31〜34および36のいずれか一項に記載の方法。

請求項40

前記自己破壊エレメントを誘導することができる薬物を、前記対象に投与することをさらに含む、請求項31〜34および36〜39のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、その一部の実施形態では、トキソプラズマゴンディ(Toxoplasma gondii)により分泌されるポリペプチドに融合された薬学的ポリペプチドの分泌のための核酸構築物、およびそれを有するトキソプラズマ、より具体的には、対象を処置するための医薬組成物およびそれを使用する方法に関するが、これらに限定されるものではない。

背景技術

0002

タンパク質治療剤送達のためのロバストな方法の欠如は、その臨床処置への変換において、現在、大いに障害となっている。タンパク質は、単純な化合物によって模倣することができない、高度に特異的で複雑な一連の機能を果たすことが多い(Nat Rev Drug Discov. 2008; 7(1):21-39. Protein therapeutics: a summary and pharmacological classification. Leader B, Baca QJ, and Golan DE)。しかしながら、その高分子的性質のため、体内標的部位への治療用タンパク質の送達は、非常に困難である。生物学的障壁に対する透過性が低いことに併せて、機能的安定性が低く、投与後または貯蔵中に活性が急速に喪失することにより、活性タンパク質の送達は制限される。化学的改変複合体および担体システムの進行中の開発は、一部の治療用タンパク質の送達に寄与したが、これらの多くは、「接近可能な標的空間」内、すなわち、血管コンパートメント中、または細胞表面上にある標的に依然として限定される(Mitragotri 2014, Nat. Rev. Drug. Discov. 13(9):655-72)。血液脳関門(BBB)が脳への分子輸送を厳密に調節するため、神経疾患の分野では特に効率的な送達が困難であるが、標的が細胞内にある場合は、複雑性がさらに増す。

0003

補充タンパク質CNS内の細胞に送達するためには、BBBを通過し、CNS内の特定の細胞を標的とすることができる機構を開発することが必要である。

0004

現在、特定のタンパク質の欠損により引き起こされる病態を処置するための主な手法は、遺伝子療法幹細胞療法および酵素補充療法である。

0005

遺伝子療法は、治療用タンパク質の機能的コピー発現を増加させることを目的として、治療用タンパク質をコードする遺伝子の機能的コピーを挿入する手法である(Cox, D. B. T., et al., 2015)。遺伝子療法は、遺伝子の正確な配列を提供するが、翻訳機構または翻訳後修飾欠陥により引き起こされるか、またはそれに付随するタンパク質機能の喪失に対処するものではない。さらに、遺伝子療法は、挿入変異誘発(Persons, D. A. & Baum, C. 2011)、移動、生殖細胞系伝達、免疫原性、および限定的な導入遺伝子転換能(Schambach, A., et al., 2013、Al-Dosari et al., 2009)に起因するがん発生のリスクを有し得る。CNSを標的とするために、最も一般的に遺伝子療法は、ウイルスベクターの使用によって仲介される。ここでウイルスベクターは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)、アデノウイルス、AAV、レンチウイルス(例えば、HIV−1、ネコ免疫不全ウイルスまたはウマ感染性貧血ウイルス)に由来するものであり、より最近では、SV40−AAVおよびレンチウイルスがこれらの中で最も一般的である。ある種のウイルスベクターは他のものよりも安全であるが、タンパク質プロセッシングの欠陥に対処するものではなく、臨床効率も依然として限定的である。

0006

幹細胞療法は、移植細胞タンパク質合成機構を利用するものであり、タンパク質の内因性合成の欠陥を補うことができる。この手法を臨床的に実行するために多くの努力が払われているにも拘わらず、そのような処置の効率は、移植細胞に対する拒絶反応、および患者特異的幹細胞の使用に関する低い費用効率によって下がっている。さらに、幹細胞治療に伴うリスクには、移植細胞に対する拒絶反応を低減させるのに必要とされる免疫抑制に伴う副作用、およびがんの発生が含まれる(Dimmeler, S., et al., 2014)。

0007

補充タンパク質を体外で合成した後、CNS内に送達するタンパク質または酵素補充療法(ERT)が臨床的に意義のあるものとなるためには、BBBの不透過性を克服し、正確なターゲティング法を開発しなければならない。タンパク質送達に関するそのような手法の1つは、脳への直接注入、またはタンパク質が低い効率で拡散し得る隣接臓器への直接的注入である。かくして、そのような手法のリスクに加えて、必要な量でCNS内の特定の領域をターゲティングする能力には限界がある。そのような手法の別の問題は、臨床的に実行が難しいことが多い、反復投与の必要性である(Abbott, N. J. 2013)。

0008

ERTをBBB透過性の増大と組み合わせて、治療用タンパク質がより高い効率でCNS内に拡散するようにすることができる(Malhotra, M. & Prakash, S. 2011)。これは、BBBを構成する細胞の縮小、またはBBBを通る輸送機構の操作によって達成される。しかしながら、この手法は、オプソニン作用のため効率的ではなく、目的の補充タンパク質と共に望ましくない物質がCNS内に拡散するリスクを有する(Bradbury, M. W. B. 2012)。

0009

代替的な手法は、CNSに進入する成分に治療用タンパク質を結合して、BBBを通過するその固有の能力を利用するものである。BBBを通過する輸送を媒介することができる薬剤としては、融合タンパク質デンドリマー固体脂質ナノ粒子リポソームおよびナノ粒子が挙げられる(Solaro, R., 2010)。しかしながら、これらの手法はさらなる開発を必要とし、臨床試験には達していない。

0010

トキソプラズマ・ゴンディは、アピコプレクサ門の単細胞性細胞内寄生原生動物である。トキソプラズマ・ゴンディの主な宿主ネコ科動物であり、ネコ科動物においてのみ、その生活環有性期を経ることができる。しかしながら、トキソプラズマ・ゴンディは、二次宿主として、ヒトを含む多くの温血生物に感染し得る。ヒトにおいては、げっ歯類と同様に、宿主が寄生虫に感染した後(典型的には、感染性組織嚢胞または卵母細胞摂取後)、寄生虫は複製の速いタキゾイト期に分化する。トキソプラズマ・ゴンディのタキゾイトは、能動的浸透によって有核宿主細胞侵入し、寄生体胞を確立させ、その内部で内生二分裂によって複製する。タキゾイトは、腸上皮を通って移動し、免疫細胞上での「ヒッチハイク」と、自発的に自らを移動させることの両方により遠位組織に到達し、血液脳関門を突破し、脳中に拡散する[Harker 2015, Parasite Immunol. 37(3):141-9]。かくして、タキゾイトは、循環器に進入し、二次組織播種する。複製は、播種、および感染急性期の遠位組織への到達にとって重要である。一度、脳の独特の環境に入ると、トキソプラズマ・ゴンディは脳中の細胞(主にニューロンであるが、低い割合でグリア細胞にも)浸透し、免疫圧力の後、潜伏性ブラディゾイト期に分化し、細胞質の細胞内嚢胞に滞在する。これが、慢性感染を特徴付ける(Cabral et al. 2016,PLoS Pathog. 12(2):e1005447)。ブラディゾイトを留める組織嚢胞は、非常にゆっくりと増殖し、休止代謝プログラムを有しながら、宿主の生存期間にわたって持続する(Parasite Immunol. 2015, 37(3):141-9. “Toxoplasma gondii dissemination: a parasite's journey through the infected host”)。

0011

トキソプラズマ・ゴンディは、推定世界人口の1/3に感染しているが、感染は健常なヒトでは無症状のままであり(Montoya, J. G. & Liesenfeld, O. 2004)、規則性のない障害を受けた免疫系を有する個体にとってのみリスクとなる。最も重要なことに、感染中にトキソプラズマ・ゴンディは、宿主細胞中にタンパク質を分泌するが、これは細胞侵入のときと、細胞内のトキソプラズマ・ゴンディが電子密度の高い分泌性細胞小器官であるミクロネーム、ロプトリー、および高密度顆粒の3種を有するときとの両方である。宿主細胞への侵入は、3種全ての細胞小器官の内容物の連続的分泌によって媒介され、これらは、寄生虫が宿主細胞に侵入するとき、およびそれがその内部に滞在するときに、頂端領域からエキソサイトーシスされる(Dlugonska, H. 2008)。ミクロネームは、トキソプラズマ・ゴンディの結合および透過に関与するが、ロプトリーは、一過的構造の作出、接続部の移動、次いで、PVの確立に必要である。ロプトリータンパク質は、「キスアンドスピット」と呼ばれるプロセスにおける宿主との最初の接触の際に分泌される(Boothroyd, J. C. et al., 2008)。高密度顆粒は、多くの寄生虫期を通してタンパク質を分泌する。分泌プロセスは、液胞ネットワークの形成と一致し、トキソプラズマ・ゴンディの細胞内滞在中、継続する(Dlugonska, H. 2008、Carruthers, V. B. & Sibley, L. D. 1997)。

0012

さらなる背景技術としては、Koshy, A. A. et al. 2010、米国特許第8,673,289号明細書、米国特許出願公開第20120045477号明細書、Lodoen M.B., et al. 2010. Cellular Microbiology, 12: 55-66が挙げられる。

0013

本発明の一部の実施形態の態様によれば、トキソプラズマ分泌タンパク質をコードする第1の核酸配列が薬学的ポリペプチドをコードする第2の核酸配列の上流インフレームで融合された異種ポリヌクレオチドを含む核酸構築物であって、異種ポリヌクレオチドが、トキソプラズマにおける異種ポリヌクレオチドの転写を指示するためのプロモーター作動可能に連結されており、プロモーターが、構成的プロモーター誘導的プロモーター、潜伏期特異的プロモーター、およびトキソプラズマ内因性プロモーターからなる群より選択され、但し、プロモーターがトキソフィリンプモーターではない、核酸構築物が提供される。

0014

本発明の一部の実施形態の態様によれば、少なくとも2つの核酸構築物を含む核酸構築物システムであって、少なくとも2つの核酸構築物の第1の核酸構築物が本発明の一部の実施形態の核酸構築物であり、少なくとも2つの核酸構築物の第2の核酸構築物が、選択マーカーをコードするポリヌクレオチドを含む、核酸構築物システムが提供される。

0015

本発明の一部の実施形態の態様によれば、本発明の一部の実施形態の核酸構築物または本発明の一部の実施形態の核酸構築物システムで形質転換されたトキソプラズマが提供される。

0016

本発明の一部の実施形態の態様によれば、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物が提供される。

0017

本発明の一部の実施形態の態様によれば、対象の中枢神経系に目的タンパク質を投与する方法であって、対象に、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマまたは本発明の一部の実施形態の医薬組成物を投与して、対象の中枢神経系に目的タンパク質を投与することを含む方法が提供される。

0018

本発明の一部の実施形態の態様によれば、処置を必要とする対象を処置する方法であって、対象に、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマまたは本発明の一部の実施形態の医薬組成物を投与することを含み、対象が、中枢神経系への薬学的ポリペプチドの投与によって処置可能な病状を有すると診断されており、投与により処置を必要とする対象を処置する、方法が提供される。

0019

本発明の一部の実施形態の態様によれば、処置を必要とする対象を処置する方法であって、トキソプラズマ分泌タンパク質をコードする第1の核酸配列が薬学的ポリペプチドをコードする第2の核酸配列の上流にインフレームで融合された異種ポリヌクレオチドを含む核酸構築物を有するトキソプラズマを対象に投与することを含み、異種ポリヌクレオチドが、トキソプラズマにおける異種ポリヌクレオチドの転写を指示するためのプロモーターに作動可能に連結されており、対象が、中枢神経系への薬学的ポリペプチドの投与によって処置可能な病状を有すると診断されており、投与により処置を必要とする対象を処置する方法が提供される。

0020

本発明の一部の実施形態によれば、プロモーターは、構成的プロモーター、誘導的プロモーター、潜伏期特異的プロモーター、およびトキソプラズマ内因性プロモーターからなる群より選択され、但し、プロモーターはトキソフィリンプロモーターではない。

0021

本発明の一部の実施形態によれば、内因性プロモーターは、ロプトリータンパク質ではない。

0022

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマは、弱毒化されていない。

0023

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ分泌タンパク質は、トキソプラズマのロプトリーから分泌される。

0024

本発明の一部の実施形態によれば、ロプトリーから分泌されるトキソプラズマ分泌タンパク質は、トキソフィリンおよび/またはROP1を含む。

0025

本発明の一部の実施形態によれば、ロプトリーから分泌されるトキソプラズマ分泌タンパク質は、配列番号344〜465からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。

0026

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ分泌タンパク質は、非ロプトリータンパク質である。

0027

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ分泌タンパク質は、ミクロネームタンパク質および高密度顆粒タンパク質からなる群より選択される。

0028

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ分泌タンパク質は、トキソプラズマの高密度顆粒から分泌される。

0029

本発明の一部の実施形態によれば、高密度顆粒から分泌されるトキソプラズマ分泌タンパク質は、GRA16および/またはGRA24を含む。

0030

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ分泌タンパク質は、トキソプラズマのミクロネームから分泌される。

0031

本発明の一部の実施形態によれば、ミクロネームから分泌されるタンパク質は、配列番号280〜322からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。

0032

本発明の一部の実施形態によれば、高密度顆粒から分泌されるタンパク質は、配列番号234〜279からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。

0033

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ分泌タンパク質は、トキソプラズマ・ゴンディのマクロファージ遊走阻止因子(TgMIF)を含む。

0034

本発明の一部の実施形態によれば、異種ポリヌクレオチドは、トキソプラズマ分泌タンパク質オープンリーディングフレームの上流および/または下流にトキソプラズマ非翻訳領域(UTR)核酸配列をさらに含む。

0035

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ5’−非翻訳領域(5’−UTR)は、トキソプラズマ分泌タンパク質オープンリーディングフレームの上流に配置される。

0036

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ3’−非翻訳領域(3’−UTR)は、トキソプラズマ分泌タンパク質オープンリーディングフレームの下流に配置される。

0037

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ3’−非翻訳領域(3’−UTR)の核酸配列は、GRA2 3’−UTR、GRA16 3’−UTR、GRA24 3’−UTR、SAG1 3’−UTR、またはDHFR 3’−UTRである。

0038

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ5’−非翻訳領域(5’−UTR)の核酸配列は、GRA2 5’−UTR、GRA16 5’−UTR、GRA24 5’−UTR、SAG1 5’−UTR、またはDHFR 5’−UTRである。

0039

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ内因性プロモーターは、GRA2プロモーター、GRA16プロモーター、GRA24プロモーター、SAG1プロモーター、またはDHFRプロモーターである。

0040

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ非翻訳領域(UTR)の核酸配列は、トキソフィリン3’−UTRである。

0041

本発明の一部の実施形態によれば、核酸構築物は、誘導的自己破壊エレメントをコードする第3の核酸配列をさらに含む。

0042

本発明の一部の実施形態によれば、誘導的自己破壊エレメントをコードする第3の核酸配列は、トキソプラズマ分泌タンパク質をコードする第1の核酸配列が、薬学的ポリペプチドをコードする第2の核酸配列の上流にインフレームで融合された異種ポリヌクレオチドを含むのと同じ核酸構築物中に含まれる。

0043

本発明の一部の実施形態によれば、誘導的自己破壊エレメントをコードする第3の核酸配列は、トキソプラズマ分泌タンパク質をコードする第1の核酸配列が薬学的ポリペプチドをコードする第2の核酸配列の上流にインフレームで融合された異種ポリヌクレオチドを含む核酸構築物とは別個の核酸構築物中に含まれる。

0044

本発明の一部の実施形態によれば、核酸構築物は、Cre−リコンビナーゼコード配列を含まない。

0045

本発明の一部の実施形態によれば、核酸構築物は、ベータ(β)−ラクタマーゼBLA)コード配列を含まない。

0046

本発明の一部の実施形態によれば、核酸構築物は、トキソプラズマのゲノムへの組込みに好適である。

0047

本発明の一部の実施形態によれば、誘導的自己破壊エレメントは、薬物に応答して活性となる。

0048

本発明の一部の実施形態によれば、薬物は、抗生物質を含む。

0049

本発明の一部の実施形態によれば、核酸構築物は前記トキソプラズマ分泌タンパク質からの前記薬学的ポリペプチドの脱離を可能にする、少なくとも1個のインフレーム切断部位をさらに含む。

0050

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマは、宿主細胞中でのトキソプラズマの増殖を容易にするエレメントを含まない。

0051

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマは、対象のCNSへの目的タンパク質の送達にとって必要ではないビルレンス遺伝子を含まない。

0052

本発明の一部の実施形態によれば、異種ポリヌクレオチドは、選択マーカーをコードする核酸配列をさらに含む。

0053

本発明の一部の実施形態によれば、選択マーカーは、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼCAT)、DHFR−TS、BLE、HXGPRT、UPRT、TK、CD、蛍光タンパク質(例えば、GFP、YFP、RFP、mCherryなど)またはエピトープタグ(例えば、HA、Myc、Ty−1、FLAGなど)を含む。

0054

本発明の一部の実施形態によれば、医薬組成物は、患者中枢神経系における内因性タンパク質不足によって特徴付けられ病状を有すると診断された対象を処置するためのものである。

0055

本発明の一部の実施形態によれば、医薬組成物は、患者中枢神経系への薬学的ポリペプチドの投与によって処置可能な病状を有すると診断された対象を処置するためのものである。

0056

本発明の一部の実施形態によれば、医薬組成物は、免疫抑制剤をさらに含む。

0057

本発明の一部の実施形態によれば、方法は、対象へのトキソプラズマの投与前および/またはトキソプラズマの投与後および/またはトキソプラズマの投与と同時に、対象に免疫抑制剤を投与することをさらに含む。

0058

本発明の一部の実施形態によれば、方法は、対象へのトキソプラズマの投与前に対象に免疫抑制剤を投与することをさらに含む。

0059

本発明の一部の実施形態によれば、方法は、対象へのトキソプラズマの投与後に対象に免疫抑制剤を投与することをさらに含む。

0060

本発明の一部の実施形態によれば、方法は、対象へのトキソプラズマの投与と同時に対象に免疫抑制剤を投与することをさらに含む。

0061

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドが、病状を処置することができる内因性タンパク質に対応する野生型アミノ酸配列を含む。

0062

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、病状を処置することができる抗体を含む。

0063

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、病状を処置することができる抗原を含む。

0064

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、病状を処置することができる毒素を含む。

0065

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、酵素、構造ポリペプチド、運動ポリペプチド、調節ポリペプチド、貯蔵ポリペプチド、シグナリングリガンドポリペプチド、受容体ポリペプチド感覚ポリペプチド、抗体、タンパク質チャネルおよび/または輸送ポリペプチドを含む。

0066

本発明の一部の実施形態によれば、投与は、末梢投与によって実施される。

0067

本発明の一部の実施形態によれば、末梢投与は、静脈内投与を含む。

0068

本発明の一部の実施形態によれば、末梢投与は、経口投与を含む。

0069

本発明の一部の実施形態によれば、投与は、中枢神経系への直接投与によって実施される。

0070

本発明の一部の実施形態によれば、内因性の欠陥タンパク質は、内因性タンパク質の野生型アミノ酸配列と比較した場合、内因性タンパク質の少なくとも1個のアミノ酸欠失、挿入、および/または置換を有するものを含む。

0071

本発明の一部の実施形態によれば、内因性の欠陥タンパク質は、病状を示さない健常な対象における内因性タンパク質のレベルと比較して、内因性タンパク質レベルが低下しているものを含む。

0072

本発明の一部の実施形態によれば、内因性の欠陥タンパク質は、病状を有すると診断された対象において存在しない内因性タンパク質を含む。

0073

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、ガラクトレブシダーゼ(GALC)である。

0074

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、ガラクトセレブロシダーゼ(GALC)のアイソフォーム1、アイソフォーム2、アイソフォーム3、アイソフォーム4またはアイソフォーム5である。

0075

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、メチル−CpG結合タンパク質2(MECP2)アイソフォーム1またはMECP2アイソフォーム2である。

0076

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、グリア細胞由来神経栄養因子GDNF)である。

0077

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)のアイソフォーム1、アイソフォーム2、アイソフォーム3、アイソフォーム4またはアイソフォーム5である。

0078

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、アスパルトアシラーゼ(ASPA)である。

0079

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、生存運動ニューロンタンパク質(SMN1)である。

0080

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、生存運動ニューロンタンパク質のアイソフォームSMN、アイソフォームSMN−デルタ5、アイソフォームSMN−デルタ7、またはアイソフォームSMN−デルタ57である。

0081

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、パーキン(PARK2)である。

0082

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、パーキン(PARK2)のアイソフォーム1、アイソフォーム2、アイソフォーム3、アイソフォーム4、アイソフォーム5、アイソフォーム6、アイソフォーム7、またはアイソフォーム8である。

0083

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、転写因子EB(TFEB)である。

0084

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、転写因子EB(TFEB)のアイソフォーム1またはアイソフォーム2である。

0085

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、TALEN(TALEヌクレアーゼ)である。

0086

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、TALETF(TALE転写因子)である。

0087

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、クラッベ病と診断されたものである。

0088

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、レット症候群と診断されたものである。

0089

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、カナバン病と診断されたものである。

0090

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、脊髄性筋萎縮症と診断されたものである。

0091

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、パーキンソン病と診断されたものである。

0092

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、低酸素虚血性または神経炎症CNS障害と診断されたものである。

0093

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、アルツハイマー病と診断されたものである。

0094

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、筋萎縮性側索硬化症と診断されたものである。

0095

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、ハンチントン病と診断されたものである。

0096

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、リソソーム蓄積症と診断されたものである。

0097

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、MECP2重複症候群と診断されたものである。

0098

本発明の一部の実施形態によれば、方法は、自己破壊エレメントを誘導することができる薬物を対象に投与することをさらに含む。

0099

本発明の一部の実施形態によれば、方法は、宿主細胞内および/または体内でトキソプラズマを持続させるのに必要な分子を対象に投与することをさらに含む。

0100

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマを持続させるのに必要な分子は、抗生物質である。

0101

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマを持続させるのに必要な分子は、低分子である。

0102

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマを持続させるのに必要な分子は、代謝産物である。

0103

別途定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および/または科学用語は、本発明が属する当業界における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似するか、または同等の方法および材料を、本発明の実施形態の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に記載する。矛盾する場合、定義を含む、本特許明細書に従うものとする。さらに、材料、方法、および実施例は例示に過ぎず、必ずしも限定を意図するものではない。

0104

本発明の一部の実施形態を、添付の図面を参照しながら、ほんの一例としてここで説明する。ここで、図面への詳細な特定の参照によって示される特徴は例示であり、本発明の実施形態の模式的考察のためのものであることを強調する。これに関して、図面と共に行われる説明は、本発明の実施形態をどのように実施することができるかを当業者に明らかにするものである。

図面の簡単な説明

0105

本発明の一部の実施形態の臨床概念の模式図である。(1)選択した薬学的ポリペプチドコード配列を、トキソプラズマ・ゴンディの分泌ポリペプチドのコード配列に融合し、(2)核酸構築物をトキソプラズマに導入し、(3)融合タンパク質を寄生虫の内部で発現させ、寄生虫の分泌性細胞小器官(ここでは、例としてロプトリーを示す)に局在化させ、(4)寄生虫は対象のCNSに進入し、病巣に到達し、(5)対象の細胞中にタンパク質が分泌され、病理学表現型回復させる。
治療用トランスジェニックトキソプラズマ・ゴンディ株の作製に使用された、pGRA骨格に基づく構築物の概略的なマップである。核酸構築物は、治療用ポリペプチドコード配列と、トキソプラズマ・ゴンディのトキソフィリンのコード配列および「HA」タグとをインフレームで融合させた融合物からなるオープンリーディングフレーム(ORF)を含む。ORFの上流は、トキソフィリン遺伝子の内因性5’UTR(非翻訳領域)(プロモーターとして作用するトキソフィリン5’−UTR)であり、ORFの下流は、豊富な高密度顆粒タンパク質GRA2の3’UTR(GRA2 3’−UTR)である。この構築物はまた、DHFR−TSの内因性5’UTRと3’UTRとの間に組み入れられたHXGPRT遺伝子からなる選択マーカーカセットも含有する。また、選択可能な抗生物質耐性を含む細菌発現カセットも構築物中に含まれる。
治療用トランスジェニックトキソプラズマ・ゴンディ株の作製に使用される、pGRA骨格に基づく構築物の概略的なマップである。核酸構築物は、治療用ポリペプチドコード配列と、トキソプラズマ・ゴンディのGRA16のコード配列およびHAタグとをインフレームで融合させた融合物からなるORFを含む。ORFの上流は、GRA16遺伝子の内因性5’UTR(プロモーターとして作用するGRA16 5’−UTR)であり、ORFの下流は、豊富な高密度顆粒タンパク質GRA2の3’UTR(GRA2 3’−UTR)である。この構築物はまた、DHFR−TSの内因性5’UTRと3’UTRとの間に組み入れられたHXGPRT遺伝子からなる選択マーカーカセットも含有する。また、選択可能な抗生物質耐性を含む細菌発現カセットも構築物中に含まれる。
図4A〜Iは、哺乳動物細胞(HFF)内の新規寄生虫株を示す図であり、寄生虫株は、トキソフィリン融合治療用タンパク質であるアスパルトアシラーゼ(ASPA)、生存運動ニューロンタンパク質(SMN1)、メチル−CpG結合タンパク質2(MECP2)およびガラクトセレブロシダーゼ−TATΔ43(一般的な材料および実験方法セクションでは「変異型GALC−TAT」とも称される)を発現し、寄生虫の分泌ロプトリー細胞小器官に対する特異的な局在化を示す。図4A:ロプトリーを強調した、細胞内トキソプラズマ・ゴンディの模式的な構造である。赤色は内膜複合体(IMC)、青色はDNA(宿主細胞核およびトキソプラズマ・ゴンディ核)、緑色はロプトリータンパク質である。図4B〜I:HAタグ付きトキソフィリン−ASPA(図4Bおよび4C)、HAタグ付きトキソフィリン−SMN1(図4Dおよび4E)、HAタグ付きトキソフィリン−MECP2(図4Fおよび4G)ならびにHAタグ付きトキソフィリン−GALC−TAT変異型(図4Hおよび4I)を内因性に発現する、HFF細胞上で増殖した寄生虫の、抗HA抗体(全パネルで緑色)を用いた蛍光顕微鏡分析であって、抗IMC1抗体(赤色)およびDAPI(青色)によって内膜複合体IMC1を共染色したもの、または細胞の偏光画像グレースケール)の上に重ね合わせたものである。寄生虫は、混合集団で示されるが、緑色の染色を示す寄生虫のみがトランスジェニックタンパク質を発現する。図4B〜Iに示される全画像においてスケールバー=5μMである。
図5A〜Iは、哺乳動物細胞(HFF)内の新規寄生虫株を示す図であり、寄生虫株は、トキソフィリン融合治療用タンパク質であるアスパルトアシラーゼ(ASPA)、生存運動ニューロンタンパク質(SMN1)およびメチル−CpG結合タンパク質2(MECP2)を発現し、寄生体胞(PV)空間および宿主細胞核への対する特異的な局在化を提示する。図5A:分泌された高密度顆粒エフェクタータンパク質分布を強調した、宿主細胞(線維芽細胞)内部の寄生体胞中の細胞内トキソプラズマ・ゴンディ寄生虫の模式図である。赤色は内膜複合体(IMC)、青色はDNA(宿主細胞核およびトキソプラズマ・ゴンディ核)、黄色は高密度顆粒分泌エフェクタータンパク質、橙色は寄生体胞。図5B〜I:HAタグ付きGRA16−ASPA(図5Bおよび5C)、HAタグ付きGRA16−SMN1(図5Dおよび5E)、HAタグ付きGRA16−MECP2(図5B〜Gは拡大率100倍、図5H〜Iは拡大率40倍)を内因性に発現する、HFF細胞上で増殖した寄生虫の、抗HA抗体(全パネルで緑色)を用いた蛍光顕微鏡分析であって、抗IMC1抗体(赤色)およびDAPI(青色)によって内膜複合体IMC1を共染色したもの、または細胞の偏光画像(グレースケール)の上に重ね合わせたものである。寄生虫は混合集団で示されるが、緑色の染色を示す寄生虫のみがトランスジェニックタンパク質を発現する。スケールバー=5μM(図5B〜G)。スケールバー=20μM(図5H〜I)。
TALEヌクレアーゼ(図6A)およびTALE転写因子(図6B)の模式図であって、例として、「TACGTACG」(配列番号4505)標的配列に対して設計したものを示す。TALEリピートは、標的配列中のヌクレオチド順序に従って提示される。TALEの性質故に、最初のヌクレオチドは常にTでなければならず(したがって、それはTALのN末端に組み込まれるため、アノテーションは省く)、最後のヌクレオチド(この場合、G)は半モノマー内に表示される(したがって、そのアノテーションは「ハーフリピート」である)ことに留意されたい。本発明の一部の実施形態のトキソプラズマによって発現され、分泌されるためには、これらの構築物のオープンリーディングフレーム(ORF)を、本発明の一部の実施形態の核酸構築物に挿入する。TALE_Nuc(TALEヌクレアーゼ)について、ORFは、NLSからFokIの後ろまでである(例えば、配列番号4506に示したポリヌクレオチドの2113番〜4104番ヌクレオチド)。TALE−TF(TALE転写因子)について、ORFは、TALE N末端(N末)からEGFPの後ろまでである(例えば、配列番号4507に示したポリヌクレオチドの2120番〜5005番ヌクレオチド)。「TALE−TF」=TALE転写因子;「TALEN」=TALEヌクレアーゼ。「NI」、「NG」、「NN」および「HD」=後述する実施例5に記載のモノマー。
TALEヌクレアーゼ(図6A)およびTALE転写因子(図6B)の模式図であって、例として、「TACGTACG」(配列番号4505)標的配列に対して設計したものを示す。TALEリピートは、標的配列中のヌクレオチドの順序に従って提示される。TALEの性質故に、最初のヌクレオチドは常にTでなければならず(したがって、それはTALのN末端に組み込まれるため、アノテーションは省く)、最後のヌクレオチド(この場合、G)は半モノマー内に表示される(したがって、そのアノテーションは「ハーフリピート」である)ことに留意されたい。本発明の一部の実施形態のトキソプラズマによって発現され、分泌されるためには、これらの構築物のオープンリーディングフレーム(ORF)を、本発明の一部の実施形態の核酸構築物に挿入する。TALE_Nuc(TALEヌクレアーゼ)について、ORFは、NLSからFokIの後ろまでである(例えば、配列番号4506に示したポリヌクレオチドの2113番〜4104番ヌクレオチド)。TALE−TF(TALE転写因子)について、ORFは、TALE N末端(N末)からEGFPの後ろまでである(例えば、配列番号4507に示したポリヌクレオチドの2120番〜5005番ヌクレオチド)。「TALE−TF」=TALE転写因子;「TALEN」=TALEヌクレアーゼ。「NI」、「NG」、「NN」および「HD」=後述する実施例5に記載のモノマー。
治療用トランスジェニックトキソプラズマ・ゴンディ株の作製に使用された構築物の概略的なマップである。核酸構築物は、治療用ポリペプチドコード配列と、トキソプラズマ・ゴンディのトキソフィリンのコード配列および「HA」タグとをインフレームで融合させた融合物からなるオープンリーディングフレーム(ORF)を含む。ORFの上流は、トキソフィリン遺伝子の内因性5’UTR(非翻訳領域)(「トキソフィリン5’−UTR」)であり、ORFの下流は、豊富な高密度顆粒タンパク質GRA2の3’UTR(「GRA2 3’−UTR」)である。この構築物はまた、DHFR−TSの内因性5’UTRと3’UTRとの間に組み入れられた、HXGPRT遺伝子、DHFR−TS遺伝子またはmCherry遺伝子からなる選択マーカーカセットも含有する。また、分子クローニングのために使用される、選択可能な抗生物質耐性を含む細菌発現カセットも、構築物中に含まれる。
治療用トランスジェニックトキソプラズマ・ゴンディ株の作製のために使用された構築物の概略的なマップである。核酸構築物は、治療用ポリペプチドコード配列と、トキソプラズマ・ゴンディのGRA16のコード配列およびHAタグとをインフレームで融合させた融合物からなるORFを含む。ORFの上流は、GRA16遺伝子の内因性5’UTR(「GRA16 5’−UTR」)であり、ORFの下流は、豊富な高密度顆粒タンパク質GRA2の3’UTR(「GRA2 3’−UTR」)である。この構築物はまた、DHFR−TSの内因性5’UTRと3’UTRとの間に組み入れられた、HXGPRT遺伝子、DHFR−TS遺伝子またはmCherry遺伝子からなる選択マーカーカセットも含有する。また、分子クローニングのために使用される、選択可能な抗生物質耐性を含む細菌発現カセットも、構築物中に含まれる。
図9A〜Nは、哺乳動物細胞(HFF)内のトランスジェニック寄生虫株を示す図であり、寄生虫株は、12種の新規トキソフィリン融合治療用タンパク質を発現する。図9A:ロプトリーを強調した、細胞内トキソプラズマ・ゴンディの模式的な構造である。マゼンタ色は内膜複合体(IMC)、シアン色はDNA(宿主細胞核およびトキソプラズマ・ゴンディ核)、黄色はロプトリータンパク質。図9B:ロプトリーマーカーROP2/4(黄色)で免疫染色された、HFF細胞中で増殖させたトキソプラズマ・ゴンディの代表的な蛍光顕微鏡画像である。左はDAPI(シアン色)で共染色されたもの、右は偏光画像上に重ね合わせたもの(グレースケール)。図9C〜N:HAタグ付きトキソフィリン融合治療用タンパク質を発現するトランスジェニック寄生虫の画像であり、図9C−アスパルトアシラーゼ(ASPA)、図9D:コドン最適化されたアスパルトアシラーゼ(ASPAopt)、図9E−ガラクトセレブロシダーゼ(GALC)、図9F:コドン最適化されたガラクトセレブロシダーゼ(GALCopt)、図9G:ガラクトセレブロシダーゼ−TAT(GALC−TAT)、図9H:ガラクトセレブロシダーゼ−TATΔ43(GALC−TATΔ43−「一般的な材料および実験方法」のセクションでは「変異型GALC−TAT」とも称されるもの)、図9I:グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、図9J:メチル−CpG結合タンパク質2(MECP2)、図9K:コドン最適化されたメチル−CpG結合タンパク質2(MECP2opt)、図9L:パーキン(PARK2)、図9M−生存運動ニューロンタンパク質(SMN1)、および図9N:コドン最適化された転写因子EB(TFEBopt)。トキソフィリン−ASPAopt、トキソフィリン−GALC−TATΔ43、トキソフィリン−GDNF、トキソフィリン−MeCP2opt、トキソフィリン−PARK2、トキソフィリン−SMN1およびトキソフィリン−TFEBを発現する寄生虫の例示的画像は、これらの寄生虫の分泌ロプトリー細胞小器官への局在化を示す。トキソフィリン融合タンパク質は、抗HA抗体(黄色)を使用して免疫染色された。左:DAPI(シアン色)および寄生虫マーカー抗IMC−1(マゼンタ色)で共染色されたもの、右:偏光画像上に重ね合わせたもの(グレースケール)。寄生虫は混合集団で示されるが、黄色の染色を示す寄生虫のみがトランスジェニックタンパク質を発現する。スケールバー=5μM。
図10A〜Jは、哺乳動物細胞(HFF)内のトランスジェニック寄生虫株を示す図であり、寄生虫株は、8種の新規トキソフィリン融合治療用タンパク質を発現する。図10A:分泌される高密度顆粒エフェクタータンパク質の分布を強調した、宿主細胞内の寄生体胞中の細胞内トキソプラズマ・ゴンディ寄生虫の模式的な構造である。マゼンタ色は内膜複合体(IMC)、シアン色はDNA(宿主細胞核およびトキソプラズマ・ゴンディ核)、黄色は高密度顆粒分泌エフェクタータンパク質、橙色は寄生体胞。図10B:HAタグ付きGRA16タンパク質を発現し、抗HA抗体(黄色)で免疫染色された、HFF細胞中で増殖したトキソプラズマ・ゴンディの代表的な蛍光顕微鏡画像である。左はDAPI(シアン色)と共染色されたもの、右は偏光画像上に重ね合わせたもの(グレースケール)。図10C〜J:HAタグ付きGRA16融合治療用タンパク質を発現するトランスジェニック寄生虫の例示的画像であり、図10C:アスパルトアシラーゼ(ASPA)、図10D:生存運動ニューロンタンパク質(SMN1)、図10E:ガラクトセレブロシダーゼ(GALC)、図10F:ガラクトセレブロシダーゼ−TAT(GALC−TAT)、図10G:コドン最適化されたアスパルトアシラーゼ(ASPAopt)、図10H:コドン最適化されたガラクトセレブロシダーゼ(GALCopt)、図10I:コドン最適化されたメチル−CpG結合タンパク質2(MECP2opt)、および図10J:コドン最適化された転写因子EB(TFEBopt)。GRA16−ASPA、GRA16−SMN1、GRA16−ASPAopt、GRA16−MECP2optおよびGRA16−TFEBoptは、寄生体胞への局在化を示す。GRA16−MECP2optおよびGRA16−TFEBoptは、宿主細胞核への局在化も示す。GRA16融合タンパク質を、抗HA抗体(黄色)を使用して免疫染色した。左はDAPI(シアン色)および寄生虫マーカー抗IMC−1(マゼンタ色)と共染色されたもの、右は偏光画像上に重ね合わせたもの(グレースケール)。寄生虫は混合集団で示されるが、黄色の染色を示す寄生虫のみがトランスジェニックタンパク質を発現する。スケールバー=5μM。
時間および感染多重度MOI)にわたる、RH GRA16−HAstop株、GRA16−MECP2opt株およびGRA16−TFEBopt株のタキゾイトによるHFF細胞の核へのタンパク質送達の動力学を、時間に対する感染多重度(MOI)で示した図である。感染細胞および核送達を、GE IN Cell Investigatorソフトウェア(米国、イリノイ州、シカゴ、GE healthcare社)を使用した自動化画像分析によって計数した。グラフは、3つの株を一緒にまとめた結果を表す。
図12A〜Cは、トキソプラズマ・ゴンディ株RH GRA16−HAstop(図12A)、GRA16−MECP2opt(図12B)およびGRA16−TFEBopt(図12C)のタキゾイトによる感染の16〜22時間後の、in vitroで分化したLUHMESヒト神経細胞の代表的な画像である。GRA16融合タンパク質を、抗HA抗体(黄色)を使用して免疫染色し、DAPI(シアン色)および成熟ニューロンのためのマーカーである抗NeuN(マゼンタ色)で共染色した。各図の左側の差込図は、抗HAのみ(上、黄色)、抗HAとDAPI(中央、黄色およびシアン色)および抗HAとNeuN(下、黄色およびマゼンタ色)で可視化された感染細胞を示す。全ての株が、融合タンパク質の明確な分泌およびヒトニューロンの核へのターゲティングを示す。
図13A〜Dは、トランスジェニック株RH GRA16−MECP2optのタキゾイトによる感染の12時間後のP1仔マウス大脳皮質および海馬に由来するニューロン富化一次培養物の、代表的な免疫組織化学染色画像である。GRA16−MeCP2融合タンパク質を、抗HA抗体(黄色)を使用して免疫染色する。図13A:GRA16−MeCP2のみ(黄色)。図13B:DAPIのみ(シアン色)。図13C:GRA16−MeCP2とDAPI染色併合図13D:偏光画像(グレースケール)上に重ね合わせた、GRA16−MeCP2(黄色)、DAPI(シアン色)およびNeuN(マゼンタ色)の併合。送達されたGRA16−MeCP2optは、ニューロンの核において濃縮されたヘテロクロマチンDNAの領域に対する共局在化の特徴的なパターンを示し、送達されたMeCP2のヘテロクロマチンへの有効な結合を示唆している。
MOI=1のRH GRA16−MECP2optトランスジェニックトキソプラズマ・ゴンディ株を感染させた、R306C MeCP2変異体ヒトLUHMESニューロンの核抽出物ウェスタンブロットの図であり、MeCP2特異的抗体免疫沈降およびブロティングを行ったものである。ブロットは、内因性変異型MeCP2およびトキソプラズマ・ゴンディに送達されたMeCP2に対応する2つのバンドを示す。トキソプラズマ・ゴンディによって送達されたMeCP2は、GRA16との融合により、高い分子量を有する。
HFF細胞内のトランスジェニックなトキソプラズマ・ゴンディ株Pru GRA16−MECP2optの、in vitroで分化したブラディゾイトの例示的画像である。GRA16−MeCP2融合タンパク質を、抗HA抗体(赤色)を使用して免疫染色した。図15A:GRA16−MeCP2のみ。図15B:ブラディゾイト嚢胞壁マーカーであるDolichos Biflorus Agglutinin(DBA)(緑色)およびDAPI(青色)で共染色されたものであり、寄生虫嚢胞は緑色で、宿主線維芽細胞(HFF)の核は青色で示され、嚢胞を含有する宿主線維芽細胞の核内のGRA16−MeCP2融合タンパク質はHA染色された(赤色)。図15C:DBAで共染色され、偏光画像(グレースケール)上に重ね合わせたもの。提示された嚢胞は、ブラディゾイト期での、GRA16−MeCP2の連続的発現、宿主細胞の核への融合タンパク質の分泌およびターゲティングを示す。白色の矢頭は、送達されたタンパク質GRA16−MeCP2を含有するブラディゾイト嚢胞を含有する細胞の核を示す。

0106

本発明のその一部の実施形態は、薬学的ポリペプチドと融合したトキソプラズマ分泌タンパク質の分泌のための核酸構築物、およびそれを有するトキソプラズマに関し、より具体的には、対象を処置するための医薬組成物およびそれを使用する方法に関するが、これらに限定されるものではない。

0107

本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その利用において、以下の説明で示される詳細または実施例による例示に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態も可能であり、また、様々な方法で実施もしくは実行することができる。

0108

本発明者らは、異種ポリペプチドをコードする遺伝子構築物で形質転換されたトキソプラズマ寄生虫が、異種ポリペプチドを合成し、それを哺乳動物細胞に送達することを見出した(図4B〜I、5B〜I、9B〜N、10B〜J、11A〜C、12A〜C、13A〜D、14および15A〜C、ならびに後述する実施例)。哺乳動物細胞内では、異種ポリペプチドは細胞内のその活性領域まで移動し、そこで、内因性薬学的タンパク質の既知の機能と関連する細胞プロセスを増大させることができる。例えば、本発明者らは、トキソプラズマ分泌タンパク質GRA16と翻訳可能に融合した哺乳動物タンパク質MeCP2およびTFEBを発現し、マウスおよびヒト細胞に送達するI型およびII型のトキソプラズマ株を作製した。当該トキソプラズマ株は、ex vivoでトキソプラズマによる処置を受けた哺乳動物細胞内の所望の細胞内の局所(核)で、融合した治療用タンパク質を分泌し(図13A〜D)、かくして、構築物、トキソプラズマおよび方法による、対象への治療用タンパク質の特異的送達および対象の実行可能性を立証した。

0109

本発明の一部の実施形態の態様によれば、トキソプラズマ分泌タンパク質をコードする第1の核酸配列が薬学的ポリペプチドをコードする第2の核酸配列の上流にインフレームで融合された異種ポリヌクレオチドを含む核酸構築物であって、異種ポリヌクレオチドが、トキソプラズマにおける異種ポリヌクレオチドの転写を指示するためのプロモーターに作動可能に連結され、プロモーターが、構成的プロモーター、誘導的プロモーター、潜伏期特異的プロモーター、およびトキソプラズマ内因性プロモーターからなる群より選択され、但し、前記プロモーターがトキソフィリンプロモーターではない、核酸構築物が提供される。

0110

本発明の一部の実施形態によれば、核酸構築物は、トキソプラズマにおける発現に好適である。

0111

本発明の一部の実施形態によれば、核酸構築物は、Cre−リコンビナーゼのコード配列を含まない。

0112

本発明の一部の実施形態によれば、核酸構築物は、ベータ(β)−ラクタマーゼ(BLA)のコード配列を含まない。

0113

本発明の一部の実施形態によれば、核酸構築物は、トキソプラズマのゲノムへの組込みに好適である。

0114

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマは、宿主細胞中でのトキソプラズマの増殖を容易にするエレメント(例えば、宿主の免疫系を回避するのに重要なエレメント、ある特定の代謝産物の生成または利用に必須のエレメント、ある特定の毒素または抗生物質に対抗するのに重要なエレメント)を含まないが、内因性の機能的CPSIIを含む。

0115

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマは、対象のCNSへの目的タンパク質の送達に必要ではないビルレンス遺伝子を含まない。

0116

核酸構築物は、トキソプラズマ細胞中でのポリヌクレオチド配列の構成的、一過的、調節的または誘導的な様式の転写を指示するためのプロモーター配列を含む。

0117

記載のように、異種ポリヌクレオチドは、トキソプラズマにおける異種ポリヌクレオチドの転写を指示するためのプロモーターに作動可能に連結されている。

0118

コード核酸配列は、調節配列がそれに連結されたコード配列に対して調節効果を発揮することができる場合、調節配列(例えば、プロモーター)に「作動可能に連結」される。

0119

本明細書で使用される用語「プロモーター」とは、遺伝子の転写開始部位の上流にある、RNAポリメラーゼが結合してRNAの転写を開始するDNAの領域を指す。プロモーターは、遺伝子の発現のタイミングおよび強度、例えば、寄生虫および/または宿主細胞の生存期間のどの段階または状態で遺伝子を発現させるか、を制御する。

0120

本発明の一部の実施形態によれば、プロモーターは、核酸構築物の発現に使用されるトキソプラズマに対して異種である。

0121

本発明の一部の実施形態によれば、プロモーターは、構成的プロモーターである。

0122

本発明の一部の実施形態によれば、プロモーターは、誘導的プロモーターである。

0123

本発明の一部の実施形態によれば、プロモーターは、潜伏期特異的プロモーターである。

0124

本発明の一部の実施形態によれば、プロモーターは、トキソプラズマ内因性プロモーターであり、但し、プロモーターはトキソフィリンプロモーターではない。

0125

本発明の一部の実施形態によれば、プロモーターは、トキソフィリン内因性プロモーターではない。トキソフィリンの予測プロモーター(GeneID=TGME49_214080の予測プロモーター;配列番号3689)は、実施例の一部の実験で使用したトキソフィリンプロモーター(配列番号4482)および上流の追加のヌクレオチドを含有することに留意されたい。

0126

一部の実施形態によれば、プロモーターは、配列番号3689および/または配列番号4482に示した核酸配列を含まない。

0127

本発明の一部の実施形態によれば、内因性プロモーターは、ロプトリータンパク質のものではない。

0128

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ内因性プロモーターは、GRA2プロモーター、GRA16プロモーター、GRA24プロモーター、SAG1プロモーター、またはDHFRプロモーターである。

0129

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ内因性プロモーターは、GRA2プロモーターである。

0130

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ内因性プロモーターは、GRA16プロモーターである。

0131

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ内因性プロモーターは、GRA24プロモーターである。

0132

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ内因性プロモーターは、SAG1プロモーターである。

0133

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ内因性プロモーターは、DHFRプロモーターである。

0134

以下の表1に、トキソプラズマにおける異種ポリヌクレオチドの発現を駆動するために本発明の一部の実施形態の核酸構築物中にクローニングすることが可能な、好適な内因性プロモーターを列挙する。

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表2に、本発明の一部の実施形態の核酸構築物中へクローニングすることが可能な、好適な構成的プロモーターおよび誘導的プロモーターを列挙する。

0306

0307

記載のように、異種ポリヌクレオチドは、トキソプラズマ分泌タンパク質をコードする第1の核酸配列を含む。

0308

本明細書で使用される語句「トキソプラズマ分泌タンパク質」とは、トキソプラズマが、in vitroで感染した宿主細胞において分泌するのに十分な、トキソプラズマポリペプチドの少なくとも機能的な断片(アミノ酸配列)を指す。

0309

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ分泌タンパク質またはその機能的断片は、トキソプラズマがin vivoで感染した場合に、宿主細胞で分泌され得るものである。

0310

本発明の一部の実施形態によれば、第1の核酸配列は、トキソプラズマ分泌タンパク質の機能的断片をコードする。

0311

本発明の一部の実施形態によれば、第1の核酸配列は、トキソプラズマ分泌タンパク質の全長オープンリーディングフレーム(ORF)をコードする。

0312

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ分泌タンパク質は、トキソプラズマのロプトリーから分泌される。

0313

本発明の一部の実施形態によれば、ロプトリーから分泌されるトキソプラズマ分泌タンパク質は、トキソフィリンおよび/またはROP1を含む。

0314

本発明の一部の実施形態によれば、ロプトリーから分泌されるトキソプラズマ分泌タンパク質は、配列番号344〜465からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。

0315

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ分泌タンパク質は、非ロプトリータンパク質である。

0316

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ分泌タンパク質は、ミクロネームタンパク質および高密度顆粒タンパク質からなる群より選択される。

0317

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ分泌タンパク質は、トキソプラズマの高密度顆粒から分泌される。

0318

本発明の一部の実施形態によれば、高密度顆粒から分泌されるトキソプラズマ分泌タンパク質は、GRA16、および/またはGRA24を含む。

0319

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ分泌タンパク質は、トキソプラズマのミクロネームから分泌される。

0320

本発明の一部の実施形態によれば、ミクロネームから分泌されるタンパク質は、配列番号280〜322からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。

0321

本発明の一部の実施形態によれば、高密度顆粒から分泌されるタンパク質は、配列番号234〜279からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。

0322

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ分泌タンパク質は、トキソプラズマ・ゴンディのマクロファージ遊走阻止因子(TgMIF)を含む。

0323

下記の表3に、本発明の一部の実施形態の核酸構築物中にクローニング可能なトキソプラズマ分泌タンパク質を列挙した。当該タンパク質は、それが局在化されるか、または局在化されると予測される細胞小器官に従ってまとめられている。

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本発明の一部の実施形態によれば、異種ポリヌクレオチドは、トキソプラズマ非翻訳領域(UTR)の核酸配列をさらに含む。

0347

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ非翻訳領域(UTR)の核酸配列は、(例えば、薬学的ポリペプチドとインフレームで融合されたトキソプラズマ分泌タンパク質をコードする)異種ポリヌクレオチドのオープンリーディングフレームの上流および/または下流にある。

0348

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ5’−非翻訳領域(5’−UTR)は、トキソプラズマ分泌タンパク質オープンリーディングフレームの上流に配置される。

0349

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ3’−非翻訳領域(3’−UTR)は、薬学的ポリペプチドとインフレームで融合されたトキソプラズマ分泌タンパク質をコードするオープンリーディングフレームの下流に配置される。

0350

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ3’非翻訳領域(3’−UTR)の核酸配列は、GRA2 3’−UTR、GRA16 3’−UTR、GRA24 3’−UTR、SAG1 3’−UTR、またはDHFR 3’−UTRである。

0351

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ5’非翻訳領域(5’−UTR)の核酸配列は、GRA2 5’−UTR、GRA16 5’−UTR、GRA24 5’−UTR、SAG1 5’−UTR、またはDHFR 5’−UTRである。

0352

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ非翻訳領域(UTR)の核酸配列は、トキソフィリン3’−UTRである。

0353

記載のように、異種ポリヌクレオチドは、トキソプラズマ分泌タンパク質の下流にインフレームで融合された、薬学的ポリペプチドをコードする第2の核酸配列を含む。

0354

本明細書で使用される語句「薬学的ポリペプチド」とは、処置を必要とする対象の細胞内に導入された場合に、(例えば、病状を処置可能な)処置効果を有するポリペプチドを指す。

0355

ある特定の疾患について、薬学的ポリペプチドは、対象内のある特定の臓器、組織、細胞、細胞コンパートメントに達したとき、または細胞局在化したときに有効となり得ることに留意すべきである。例えば、神経疾患を処置するために、医薬組成物は、神経系、例えば、ニューロン、グリア細胞または他の細胞に好ましくはターゲティングされる。これに加えて、またはこの代わりに、ある特定の疾患について、薬学的ポリペプチドは、医薬組成物の標的が細胞核内にある(位置する)場合、細胞核などのある特定の場所に細胞局在化すべきである。例えば、MECP2の場合、活性タンパク質は、核内のDNAに結合し、遺伝子発現を調節する。

0356

本発明の一部の実施形態によれば、核酸構築物は、トキソプラズマ分泌タンパク質からの薬学的ポリペプチドの脱離を可能にする、少なくとも1つのインフレーム切断部位をさらに含む。

0357

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、病状を処置することができる内因性タンパク質に対応する野生型アミノ酸配列を含む。

0358

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、病状を処置することができる抗体を含む。

0359

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、病状を処置することができる抗原を含む。

0360

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、病状を処置することができる毒素を含む。

0361

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、酵素、構造ポリペプチド、運動ポリペプチド、調節ポリペプチド、貯蔵ポリペプチド、シグナリング/リガンドポリペプチド、受容体ポリペプチド、感覚ポリペプチド、抗体、タンパク質チャネルおよび/または輸送ポリペプチドを含む。

0362

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、ガラクトセレブロシダーゼ(GALC)である。

0363

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、ガラクトセレブロシダーゼ(GALC)アイソフォーム1、アイソフォーム2、アイソフォーム3、アイソフォーム4またはアイソフォーム5である。

0364

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、メチル−CpG結合タンパク質2(MECP2)である。

0365

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、メチル−CpG結合タンパク質2(MECP2)のアイソフォーム1またはMECP2アイソフォーム2である。

0366

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)である。

0367

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)のアイソフォーム1、アイソフォーム2、アイソフォーム3、アイソフォーム4またはアイソフォーム5である。

0368

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、アスパルトアシラーゼ(ASPA)である。

0369

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、生存運動ニューロンタンパク質(SMN1)である。

0370

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、生存運動ニューロンタンパク質のアイソフォームSMN、アイソフォームSMN−デルタ5、アイソフォームSMN−デルタ7、またはアイソフォームSMN−デルタ57である。

0371

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、パーキン(PARK2)である。

0372

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、パーキン(PARK2)のアイソフォーム1、アイソフォーム2、アイソフォーム3、アイソフォーム4、アイソフォーム5、アイソフォーム6、アイソフォーム7、またはアイソフォーム8である。

0373

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、転写因子EB(TFEB)である。

0374

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、転写因子EB(TFEB)のアイソフォーム1またはアイソフォーム2である。

0375

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、TALEN(TALEヌクレアーゼ)である。

0376

本発明の一部の実施形態によれば、薬学的ポリペプチドは、TALETF(TALE転写因子)である。

0377

下記の表4に、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマにより対象に分泌され得る例示的な治療用タンパク質を列挙する。

0378

0379

0380

0381

0382

0383

0384

0385

本明細書に記載の配列(例えば、トキソプラズマ分泌タンパク質および/または治療用ポリペプチド)は、いずれも、標的細胞(例えば、トキソプラズマ)内での発現のためにコドン最適化することができることに留意すべきである。そのような配列改変の例としては、目的の標的細胞種で典型的に見出される配列に近づくようにG/C含量を変化させることや、コドン最適化と一般的に称される、標的細胞種に非定型的に見出されるコドンの除去が挙げられるが、これに限定されるものではない。

0386

語句「コドン最適化」とは、目的の標的細胞内でのコドンの使用に近づけるための、構造遺伝子またはその断片内での使用に適切なDNAヌクレオチドの選択を指す。したがって、最適化された遺伝子または核酸配列は、本来のまたは天然に存在する遺伝子のヌクレオチド配列が、標的細胞内で統計的に好ましいコドン、または統計的に好まれるコドンを利用するように改変された遺伝子を指す。ヌクレオチド配列は、典型的には、DNAレベルで試験され、標的細胞種における発現のために最適化されたコード領域は、任意の好適な手順を使用して決定される。この方法では、コドンの使用の偏り尺度となるコドン使用の標準偏差を次のように算出することができる。最初に、本来の遺伝子の各コドンの使用の比例偏差平方を、高度に発現される標的細胞遺伝子における各コドンの使用に対して求め、次に、偏差平方平均を算出する。使用する式は、次の式である: 1SDCU=n=1N[(Xn−Yn)/Yn]2/N(式中、Xnは、高度に発現される標的細胞遺伝子におけるコドンnの使用頻度を表し、Ynは、目的の遺伝子におけるコドンnの使用頻度を表し、Nは、目的の遺伝子におけるコドンの総数を表す)。

0387

特定の標的細胞型のための好ましいコドン使用に基づき、核酸配列を最適化する1つの方法は、任意の追加の統計計算を実施することなく、コドン最適化表を直接使用する方法である。コドン最適化表は、例えば、2000年の国際DNA配列データベースから作出されたコドン使用表を基に、コドン使用データベースオンラインで提供されるものである(Y Nakamura, T Gojobori, T Ikemura - Nucleic acidsresearch, 2000 - Oxford Univ Press)。コドン使用データベースは、様々な異なる種に関するコドン使用表を含み、各コドン使用表は、Genbankの提供するデータに基づいて統計的に決定されたものである。

0388

上述した表を使用して、特定の種(例えば、トキソプラズマ・ゴンディ)において最も好ましい、または最も好まれるコドンを各アミノ酸について決定することにより、目的タンパク質をコードする天然に存在するヌクレオチド配列を、その特定の標的細胞種のためにコドン最適化することができる。これは、特定の種のゲノム内での発生率が統計的に低いと考えられるコドンを、統計的により好まれる、アミノ酸に関して対応するコドンで置き換えることによって行われる。しかしながら、1つまたは複数のあまり好まれないコドンを選択して、存在する制限部位を欠失させたり、潜在的に有用な接続部(シグナルペプチドまたは停止カセットを加えるための5’および3’末端や、正確な全長配列を作製するためにセグメントの切断およびスプライシングに使用することができる内部部位)に新しい制限部位を作出したり、またはmRNAの安定性もしくは発現に負に影響し得るヌクレオチド配列を除去することができる。

0389

天然に存在するコードヌクレオチド配列は、任意の改変の前に、特定の標的細胞種において統計的に好まれるコドンに対応するいくつかのコドンを既に含有してもよい。したがって、本来のヌクレオチド配列のコドン最適化は、本来のヌクレオチド配列内のどのコドンが特定の標的細胞において統計的に好まれないかを決定し、そして特定の標的細胞用のコドン使用表に従って、決定したコドンを改変することによって、コドン最適化された誘導体を作製することを含んでもよい。改変されたヌクレオチド配列は、それがコードするタンパク質が対応する天然に存在する遺伝子または本来の遺伝子によってコードされるタンパク質よりも高いレベルで産生される限り、改変されたヌクレオチド配列は、標的細胞コドン使用のために、完全にまたは部分的に最適化することができる。これに加えて、またはこの代わりに、コドン最適化/使用配列は、対応する天然に存在するタンパク質または本来の遺伝子によってコードされるタンパク質よりも良好に折り畳まれ得る。これに加えて、またはこの代わりに、コドン最適化/使用配列は、対応する天然に存在するタンパク質または本来の遺伝子によってコードされるタンパク質よりも標的細胞小器官により良好にターゲティングされる。これに加えて、またはこの代わりに、コドン最適化/使用配列は、対応する天然に存在するタンパク質または本来の遺伝子によってコードされるタンパク質よりも、分解されにくい。

0390

例えば、トキソプラズマにおけるコドン使用を示す下記表5を使用することができる。

0391

0392

0393

本発明の一部の実施形態によれば、異種ポリヌクレオチドは、選択マーカーをコードする核酸配列をさらに含む。

0394

本発明の一部の実施形態によれば、選択マーカーは、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、DHFR−TS、BLE、HXGPRT、UPRT、TK、CD、蛍光タンパク質(例えば、GFP、YFP、RFP、mCherryなど)またはエピトープタグ(例えば、HA、Myc、Ty−1、FLAGなど)を含む。

0395

本発明の一部の実施形態によれば、選択マーカーは、HXGPRTを含む。

0396

HXGPRT活性を欠いたトキソプラズマタキゾイトは、6−チオキサンチン(6−TX)の存在下で選択することができるが、HXGPRT活性を発現する株は、ミコフェノール酸(MPA)および/またはキサンチン中で選択することができる(Pfefferkorn and Borotz, 1994, Pfefferkorn E. R., Borotz S. (1994) Exp. Parasitol. 79, 374-382)。

0397

本発明の一部の実施形態によれば、選択マーカーは、(クロラムフェニコールを使用する陽性選択のための)クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、(ピリメタミンを使用する陽性選択のための)DHFR−TS、(フレオマイシンを使用する陽性選択のための)BLE、(ミコフェノール酸+キサンチンを使用する陽性選択、または6−チオキサンチンを使用する陰性選択のための)HXGPRT、(5’−フルオ−2’−デオキシウリジンを使用する陰性選択のための)UPRT、(ガンシクロビルを使用する陽性選択のための)TK、(5−フルオロシトシンを使用する陽性選択のための)CD、蛍光タンパク質(例えば、GFP、YFP、RFP、mCherryなど)またはエピトープタグ(例えば、HA、Myc、Ty−1、FLAGなど)を含む。

0398

本発明の一部の実施形態によれば、核酸構築物は、誘導的自己破壊エレメントをコードする第3の核酸配列をさらに含む。

0399

本発明の一部の実施形態によれば、誘導的自己破壊エレメントは、治療用カセットと同じ読み枠に含まれる。

0400

本発明の一部の実施形態によれば、誘導的自己破壊エレメントは、別個の読み枠に含まれ、異なる調節エレメントによって調節される。例えば、治療用カセットは潜伏期プロモーターによって駆動し、自己破壊カセットは薬物誘導プロモーターによって駆動する。

0401

本発明の一部の実施形態によれば、誘導的自己破壊エレメントは、薬物に応答して活性となる。

0402

本発明の一部の実施形態によれば、薬物は抗生物質を含む。

0403

本発明の一部の実施形態によれば、誘導的自己破壊エレメントをコードする第3の核酸配列は、トキソプラズマ分泌タンパク質をコードする第1の核酸配列が薬学的ポリペプチドをコードする第2の核酸配列の上流にインフレームで融合された異種ポリヌクレオチドを含むのと同じ核酸構築物に含まれる。

0404

本発明の一部の実施形態によれば、誘導的自己破壊エレメントをコードする第3の核酸配列は、トキソプラズマ分泌タンパク質をコードする第1の核酸配列が薬学的ポリペプチドをコードする第2の核酸配列の上流にインフレームで融合された異種ポリヌクレオチドを含むのとは別個の核酸構築物に含まれる。

0405

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマ非翻訳領域(UTR)核酸配列は、選択マーカーおよび/または自己破壊エレメントのオープンリーディングフレームの上流および/または下流にある。

0406

本発明の一部の実施形態の態様によれば、少なくとも2つの核酸構築物を含む核酸構築物システムであって、少なくとも2つの核酸構築物の第1の核酸構築物が、本発明の一部の実施形態の核酸構築物であり、少なくとも2つの核酸構築物の第2の核酸構築物が、選択マーカーをコードするポリヌクレオチドを含む、核酸構築物システムが提供される。

0407

典型的なクローニングベクターは、転写および翻訳開始配列、転写および翻訳終結配列ならびにポリアデニル化シグナルも含有してもよい。

0408

以下は、本発明の一部の実施形態の核酸構築物を作製するための骨格として使用することができる、トキソプラズマ核酸構築物の非限定的な一覧である:pGRA、pUPRT、pROP1、pTUB1、pTUB8、pLIC、pTOXO、pMIC2、pHX、pCAT、pDHFR、pBlueScript、pTetO7SAG1、pTetO7SAG4、pSAG1、pSAG4、pHTU、pTKO、pLoxP−DHFR、pminCAT/HXGPRT+、pminCAT/HXGPRT−、pDHFR−TSc3/M3、pDHFR−TSc3/M2M3、pminiHXGPRT、およびpUC19。これらのベクターは、非営利プラスミド保管センターである「addgene」;NIHAIDS Reagent Program;Agilent Technologies社;NEB社;Thermo Fisher Scientific社;SigmaAldrich社;GenScript社;およびMoBiTec GmbHなどの様々な供給元から取得することができる。

0409

下記の表6は、例示的ベクターおよびカタログ番号を提供するが、これらに限定されるものではない。

0410

0411

本発明の一部の実施形態の態様によれば、本発明の一部の実施形態の核酸構築物または本発明の一部の実施形態の核酸構築物システムで形質転換されたトキソプラズマが提供される。

0412

本明細書で使用される用語「トキソプラズマ」とは、細胞内寄生原生動物トキソプラズマ・ゴンディを指す。

0413

本発明の一部の実施形態の構築物および方法と共に使用することができるトキソプラズマ・ゴンディ株としては、下記が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(i)I型であるGT1、RH、ENTVEL、TgCatCo1およびCASTが挙げられるが、これらに限定されない。
(ii)II型であるME49、Beverly、PDS、PLK、PTG、DEG、PIH、TgNmBr1およびPRUが挙げられるが、これらに限定されない。
(iii)III型であるVEG、C56、CTG、CEP、TgGoatUS4およびSTRLが挙げられるが、これらに限定されない。
(iv)非定型であるTgCTPrC3、TgBbUS1、TgRabbitBr1およびTgPigUS15が挙げられるが、これらに限定されない。

0414

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマは、弱毒化されていない。

0415

当業界では従来から知られているように、用語「弱毒化」とは、遺伝的に改変されていない本来の(野生型)トキソプラズマ・ゴンディと比べて、弱体化および/または威力の低下したトキソプラズマ・ゴンディ株を指す。通常、トキソプラズマ・ゴンディの弱毒化変異体は、免疫応答刺激し、免疫を産生させることはできるが、疾患を引き起こすことはできない。弱毒化は、γ線照射またはピリミジン栄養要求株の作製などの従来の方法によって達成することができるが、これらに限定されるものではない。

0416

弱毒化トキソプラズマの例としては、参照により本明細書に完全に組み込まれる、米国特許出願公開第2012/0045477号明細書および米国特許第8,673,289号明細書に記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0417

トキソプラズマ・ゴンディの複製は、感染の急性期に体内に播種し、遠位組織に到達するための能力、感染細胞中で持続するための能力、および宿主中で慢性嚢胞を確立するための能力に必須であることに留意すべきである。

0418

本発明の一部の実施形態によれば、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマは、弱毒化されたトキソプラズマの増殖速度と比較して、高い増殖速度を特徴とする。

0419

本発明の一部の実施形態によれば、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマは、栄養要求株ではない。

0420

本発明の一部の実施形態によれば、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマは、ピリミジンのde novo生合成に好適な、機能的な内因性経路を有する。

0421

本発明の一部の実施形態によれば、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマは、ブラディゾイト期に分化することができる。

0422

本発明の一部の実施形態によれば、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマは、RNA合成および/またはDNA複製を行うことができる。

0423

本発明の一部の実施形態によれば、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマは、RNA合成を行うことができる。

0424

本発明の一部の実施形態によれば、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマは、DNA複製を行うことができる。

0425

本発明の一部の実施形態によれば、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマは、例えば、配列番号4612〜4617のいずれかに示されるような、内因性機能的カルバモイルリン酸シンテターゼII(CPSII)酵素(米国特許第8,673,289号明細書に記載)を有する。

0426

本発明の一部の実施形態の構築物およびトキソプラズマを使用して、目的タンパク質を対象、例えば、対象の特定の組織または細胞型、に送達することができる。

0427

本発明の一部の実施形態の態様によれば、対象の目的の組織に目的タンパク質を投与する方法であって、対象に、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマまたは本発明の一部の実施形態の医薬組成物を投与して、対象の目的の組織に目的タンパク質を投与する方法が提供される。

0428

目的の組織の例としては、中枢神経系、筋肉、眼の一部、血液、リンパ節脾臓白血球消化器系、および固有層が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0429

トキソプラズマは血液脳関門を通過することができるため、目的タンパク質を、それを必要とする対象の中枢神経系に送達することが可能であることに留意すべきである。

0430

本発明の一部の実施形態の態様によれば、対象の中枢神経系に目的のタンパク質を投与する方法であって、対象に、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマまたは本発明の一部の実施形態の医薬組成物を投与して、対象の中枢神経系に目的のタンパク質を投与することを含む方法が提供される。

0431

かくして、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマを使用して、対象を処置可能な目的タンパク質(例えば、治療用ポリペプチド)を送達することによって、処置を必要とする対象を処置することができる。

0432

本発明の一部の実施形態の態様によれば、処置を必要とする対象を処置する方法であって、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマまたは本発明の一部の実施形態の医薬組成物を対象に投与することを含み、対象が、対象の中枢神経系における薬学的ポリペプチドの投与によって処置可能な病状を有すると診断されており、当該投与により処置を必要とする対象を処置する方法が提供される。

0433

本発明の一部の実施形態の態様によれば、処置を必要とする対象を処置する方法であって、トキソプラズマ分泌タンパク質をコードする第1の核酸配列が薬学的ポリペプチドをコードする第2の核酸配列の上流にインフレームで融合された異種ポリヌクレオチドを含む核酸構築物を有するトキソプラズマを、前記対象に投与することを含み、異種ポリヌクレオチドが、トキソプラズマにおける異種ポリヌクレオチドの転写を指示するためのプロモーターに作動可能に連結されており、対象が、中枢神経系への薬学的ポリペプチドの投与によって処置可能な病状を有すると診断されており、当該投与により処置を必要とする対象を処置する、方法が提供される。

0434

用語「処置する」とは、病状(疾患、障害もしくは病態)の発生を阻害、防止、もしくは停止させること、および/または病状の軽減、寛解、もしくは退縮を引き起こすことを指す。当業者であれば、様々な方法およびアッセイを使用して、病状の発生を評価することが可能であり、同様に、様々な方法およびアッセイを使用して、病状の軽減、寛解または退縮を評価することができることを理解するであろう。

0435

本明細書で使用される用語「防止する」とは、疾患のリスクを有し得るが、疾患を有するとまだ診断されていない対象において、疾患、障害または状態が起こらないようにすることを指す。

0436

本明細書で使用される用語「対象」は、哺乳動物、好ましくは、病状に罹患する任意の年齢にあるヒトを含む。この用語は、病状を発生するリスクを有する個体を含むことが好ましい。

0437

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、対象の中枢神経系における内因性タンパク質の欠損を特徴とする病状を有すると診断されている。

0438

本発明の一部の実施形態によれば、内因性タンパク質の欠損は、内因性タンパク質の野生型アミノ酸配列と比較した場合、内因性タンパク質の少なくとも1個のアミノ酸の欠失、挿入、および/または置換を含む。

0439

本発明の一部の実施形態によれば、内因性タンパク質の欠損は、病状を含まない健常な対象における内因性タンパク質のレベルと比較した場合、内因性タンパク質のレベルの低減を含む。

0440

本発明の一部の実施形態によれば、内因性タンパク質の欠損は、病状を有すると診断された対象において内因性タンパク質が存在しないことである。

0441

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、クラッベ病と診断されたものである。

0442

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、レット症候群と診断されたものである。

0443

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、カナバン病と診断されたものである。

0444

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、脊髄性筋萎縮症と診断されたものである。

0445

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、パーキンソン病と診断されたものである。

0446

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、低酸素/虚血性または神経炎症性CNS障害と診断されたものである。

0447

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、アルツハイマー病と診断されたものである。

0448

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、筋萎縮性側索硬化症と診断されたものである。

0449

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、ハンチントン病と診断されたものである。

0450

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、リソソーム蓄積症と診断されたものである。

0451

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、MECP2重複症候群と診断されたものである。

0452

本発明の一部の実施形態によれば、対象は、免疫不全ではない。免疫不全である対象の例としては、AIDS患者、化学療法を受けている対象、細胞、組織および/または臓器移植などのために免疫抑制剤を受けている対象が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0453

本発明の一部の実施形態によれば、方法は、自己破壊エレメントを誘導することができる薬物を対象に投与することをさらに含む。

0454

本発明の一部の実施形態によれば、方法は、宿主細胞内および/または体内でトキソプラズマを持続させるのに必要な分子を対象に投与することをさらに含む。

0455

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマを持続させるのに必要な分子は、抗生物質である。

0456

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマを持続させるのに必要な分子は、低分子である。

0457

本発明の一部の実施形態によれば、トキソプラズマを持続させるのに必要な分子は、代謝産物である。

0458

本発明の一部の実施形態によれば、方法は、対象へのトキソプラズマの投与前および/またはトキソプラズマの投与後および/またはトキソプラズマの投与と同時に、対象に免疫抑制剤を投与することをさらに含む。

0459

本発明の一部の実施形態によれば、方法は、対象へのトキソプラズマの投与前に、対象に免疫抑制剤を投与することをさらに含む。

0460

本発明の一部の実施形態によれば、方法は、対象へのトキソプラズマの投与後(またはそれに続いて)、対象に免疫抑制剤を投与することをさらに含む。

0461

本発明の一部の実施形態によれば、方法は、対象へのトキソプラズマの投与と同時に、対象に免疫抑制剤を投与することをさらに含む。

0462

本発明の一部の実施形態によれば、投与は、末梢投与によって実施する。

0463

本発明の一部の実施形態によれば、末梢投与は、静脈内投与を含む。

0464

本発明の一部の実施形態によれば、末梢投与は、経口投与を含む。

0465

本発明の一部の実施形態によれば、投与は、腹腔内注射によって実施する。

0466

本発明の一部の実施形態によれば、投与は、筋肉内注射によって実施する。

0467

本発明の一部の実施形態によれば、投与は、エアロゾルによって実施する。

0468

本発明の一部の実施形態によれば、投与は、中枢神経系またはその隣接組織への直接的投与によって実施する。

0469

本発明の一部の実施形態によれば、本発明の一部の実施形態の方法によって、例えば、トキソプラズマおよび/またはそれを含む医薬組成物を使用して処置することのできる疾患は、上記表7に列挙した疾患のいずれかである。

0470

表7は、本発明の一部の実施形態の治療用ポリペプチドの投与によって処置することのできる、内因性タンパク質の発現または機能の欠損または異常と関連する疾患の非限定的な例示を列挙するものである。

0471

0472

0473

0474

0475

0476

本発明の一部の実施形態によれば、疾患(病状)は、がんではない。

0477

本発明の一部の実施形態の核酸構築物、核酸構築物システム、あるいは核酸構築物または核酸構築物システムで形質転換されたトキソプラズマは、そのままの状態で生物に投与するか、または好適な担体もしくは賦形剤と混合した医薬組成物として投与することができる。

0478

本発明の一部の実施形態の態様によれば、本発明の一部の実施形態のトキソプラズマと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物が提供される。

0479

本発明の一部の実施形態によれば、医薬組成物は、本明細書に記載の病状のいずれかと診断された対象を処置するためのものである。

0480

本発明の一部の実施形態によれば、医薬組成物は、対象の中枢神経系における内因性タンパク質の欠損を特徴とする病状を有すると診断された対象を処置するためのものである。

0481

本発明の一部の実施形態によれば、医薬組成物は、対象の中枢神経系への薬学的ポリペプチドの投与によって処置可能な病状を有すると診断された対象を処置するためのものである。

0482

本発明の一部の実施形態によれば、医薬組成物は、免疫抑制剤をさらに含む。

0483

本明細書で使用される場合、「医薬組成物」とは、本明細書に記載の活性成分の1つまたは複数を、生理的に好適な担体および賦形剤などの他の化学成分と共に含む処方を指す。医薬組成物の目的は、化合物の生物への投与を容易にすることである。

0484

本明細書における用語「活性成分」とは、生物学的効果を担うことができる、本発明の一部の実施形態の核酸構築物、核酸構築物システム、あるいは核酸構築物または核酸構築物システムで形質転換されたトキソプラズマを指す。

0485

以後、互換的に使用することができる語句「生理的に許容される担体」および「薬学的に許容される担体」は、生物に対して有意な刺激を引き起こすことなく、投与される化合物の生物活性および特性を無効化しない、担体または希釈剤を指す。アジュバントは、これらの語句の中に含まれる。

0486

本明細書における用語「賦形剤」とは、活性成分の投与をさらに容易にするために医薬組成物に添加される不活性物質を指す。賦形剤の例としては、炭酸カルシウムリン酸カルシウム、様々な糖およびデンプン類セルロース誘導体ゼラチン植物油ならびにポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0487

薬物の処方化および投与のための技術は、参照により本明細書に組み込まれる“Remington's Pharmaceutical Sciences,” Mack Publishing Co., Easton, PA, latest editionに見出すことができる。

0488

好適な投与経路としては、例えば、経口、直腸、経粘膜(特に経鼻)、腸または非経口送達が挙げられ、非経口送達には、筋肉内、、皮下および内への注射や、くも膜下腔内、直接脳室内心臓内(例えば、右心室腔内もしくは左心室腔内)、一般的な冠動脈内、静脈内、腹腔内、径、または眼内への注射が挙げられる。

0489

中枢神経系(CNS)への薬物送達のための従来の手法としては、神経外科的戦略(例えば、脳内注射または脳室内注入)、BBBの内因性輸送経路の1つを活用する試みにおける薬剤の分子的操作(例えば、それ自体はBBBを通過することができない薬剤と、内皮細胞表面分子に対する親和性を有する輸送ペプチドとを含む、キメラ融合タンパク質の生成)、薬剤の脂質溶解性を増加させるように設計された薬理学的戦略(例えば、脂質またはコレステロール担体への水溶性薬剤の結合)、および高浸透圧破壊によるBBBの完全性の一過的破壊(頸動脈へのマンニトール溶液の注入またはアンギオテンシンペプチドなどの生物活性剤の使用の結果である)が挙げられる。

0490

上記の代わりに、医薬組成物を、全身的にではなく、局所的に投与することも可能であり、局所投与は、例えば、患者の組織領域への直接的な注射により行うことができる。

0491

用語「組織」とは、1種または複数の機能を実施するように設計された細胞からなる、生物の部分を指す。例としては、脳組織網膜皮膚組織、肝組織、膵臓組織、骨、軟骨結合組織血液組織筋肉組織心臓組織血管組織腎組織肺組織生殖腺組織、造血組織が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0492

本発明の一部の実施形態の医薬組成物は、当業界で周知のプロセス、例えば、公知の混合、溶解、培養、顆粒化糖衣錠作製、粉末化乳化カプセル封入捕捉または凍結乾燥プロセスにより製造することができる。例えば、トキソプラズマの製造を、細胞培養物中でのトキソプラズマを培養することによって行うことができる。

0493

かくして、本発明の一部の実施形態に従う使用のための医薬組成物は、活性成分の薬学的に使用することができる製剤への加工を容易にする賦形剤および補助剤を含む1種または数種の生理的に許容される担体を使用する従来の様式で、処方することができる。適切な処方は、選択した投与経路に依存する。

0494

注射のためには、医薬組成物の活性成分を、水性溶液、好ましくは、ハンクス溶液リンゲル溶液、または生理食塩緩衝液などの生理的に適合する緩衝液を用いて製剤化することができる。経粘膜投与のためには、透過させようとする障壁にとって適切な浸透剤を処方に使用する。そのような浸透剤は、当業界で一般に公知である。

0495

経口投与のためには、活性化合物と、当業界で周知の薬学的に許容される担体とを合わせることによって、容易に医薬組成物を処方することができる。そのような担体により、医薬組成物を、患者による経口摂取のための錠剤ピル、糖衣錠、カプセル液体ゲルシロップ食品スラリー、懸濁液などに処方することができる。経口使用のための薬理学的調製物は、固体賦形剤を使用して作製することが可能であり、所望により、得られた混合物粉砕し、必要に応じて好適な補助剤を添加した後、顆粒の混合物を加工して、錠剤または糖衣錠コアを得ることができる。好適な賦形剤は、特に、ラクトーススクロースマンニトール、もしくはソルビトールを含む糖などの充填剤トウモロコシデンプン小麦デンプン米デンプンジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴムメチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウムカルボメチルセルロースなどのセルロース調製物;および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などの生理的に許容されるポリマーである。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤を添加してもよい。

0496

糖衣錠コアは、好適なコーティングと共に提供される。この目的のために、濃縮された糖溶液を使用することができ、濃縮された糖溶液は、所望により、アラビアゴムタルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタンラッカー溶液および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有してもよい。種々の活性化合物の用量の様々な組合せの同定または特徴付けのために、錠剤または糖衣錠コーティングには、染料または色素を添加してもよい。

0497

経口的に使用することができる医薬組成物としては、ゼラチンから作られる押し込み式カプセル、ならびにゼラチンと、グリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤とから作られる軟質密封カプセルが挙げられる。押し込み式カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および所望により安定剤との混合物として活性成分を含有してもよい。軟質カプセル中では、活性成分は、脂肪油液体パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体中に溶解または懸濁されていてもよい。さらに、安定剤を添加してもよい。経口投与のための全ての処方は、選択された投与経路にとって好適な用量であるべきである。

0498

投与のために、組成物は、従来の様式で処方した錠剤またはロゼンジ剤の形態であってもよい。

0499

経鼻吸入による投与のために、好適な推進剤の使用によって、本発明の一部の実施形態による使用のための活性成分を、加圧パックまたはネブライザーによるエアロゾルスプレー剤の形態で好適に送達することができる。推進剤は、例えば、ジクロロジフルオロメタントリクロロフルオロメタンジクロロテトラフルオロエタンまたは二酸化炭素である。加圧型のエアロゾルの場合、一定量を送達するためのバルブを設けることによって、用量単位を決定することができる。ディスペンサーにおける使用のための(例えば、ゼラチン製の)カプセルおよびカートリッジは、化合物と、ラクトースまたはデンプンなどの好適な粉末基剤との粉末混合物を含有する処方にすることができる。

0500

本明細書に記載の医薬組成物は、非経口投与用、例えば、ボーラス注射用または連続輸注用に処方することができる。注射用の処方は、所望により添加した保存剤と共に、単位用量形態、例えば、アンプルまたは複数用量容器で提供することができる。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンであってもよく、懸濁剤、安定剤および/または分散剤などの調合剤を含有してもよい。

0501

非経口投与用の医薬組成物は、水溶性形態活性製剤水溶液を含む。さらに、活性成分の懸濁液を、適切な油性または水性の基剤を用いた注射用懸濁液として調製することができる。好適な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルなどの合成脂肪酸エステルトリグリセリドまたはリポソームが挙げられる。水性注射用懸濁液は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールまたはデキストランなどの、懸濁液の粘度を増加させる物質を含有してもよい。場合により、懸濁液はまた、高濃縮溶液の調製を可能にするための、好適な安定剤または活性成分の溶解度を増大させる薬剤を含有してもよい。

0502

上記にの代わりに、活性成分は、使用前に好適なビヒクル(例えば、滅菌済、パイロジェンフリーの水を基剤とする溶液)を用いて構成するための粉末形態であってもよい。

0503

本発明の一部の実施形態の医薬組成物はまた、例えば、ココアバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を使用して、坐剤または停留浣腸などの直腸用組成物に処方することもできる。

0504

本発明の一部の実施形態の文脈において好適な医薬組成物には、活性成分を意図する目的を達成するのに有効な量で含有する組成物が含まれる。より具体的には、治療有効量とは、障害(例えば、対象の中枢神経系に影響する障害)の症状を防止、軽減、または改善する、または処置される対象の生存期間を延長するのに有効な活性成分(例えば、本発明の一部の実施形態の核酸構築物、核酸構築物システム、あるいは核酸構築物または核酸構築物システムで形質転換されたトキソプラズマ)の量を意味する。

0505

治療有効量の決定は、特に、本明細書に提供される詳細な開示に照らせば、十分に当業者の能力の範囲内にある。

0506

本発明の方法において使用される任意の製剤について、治療有効量または用量は、初めにin vitroアッセイ、ex vivoアッセイ、細胞培養アッセイ、および/または動物モデルから概算することができる。例えば、所望の濃度または力価を達成することができるように、動物モデルにおいて用量を処方することができる。そのような情報を使用して、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定することができる。

0507

本明細書に記載の活性成分の毒性および治療効能を、in vitro、細胞培養物または実験動物において、標準的な薬学的手順によって決定することができる。こういったin vitroアッセイおよび細胞培養アッセイおよび動物試験で得られたデータを、ヒトにおける使用のための用量範囲を処方化するのに使用することができる。用量は、使用する剤形および利用する投与経路に応じて変化してもよい。正確な処方、投与経路および用量は、患者の状態を考慮して、個々の医師が選択することができる(例えば、Fingl, et al., 1975, in "The Pharmacological Basis of Therapeutics", Ch. 1 p.1を参照されたい)。

0508

活性成分の組織レベル(例えば、脳レベル)が、生物学的効果を誘導または抑制するのに十分量(最小有効濃度、MEC)となるように、用量および投与間隔を個別に調整することができる。MECはそれぞれの製剤について異なっていてもよいが、in vitroのデータから概算することができる。MECを達成するのに必要な用量は、個体の特徴および投与経路に依存するであろう。検出アッセイを使用して、血漿、組織またはCSF脳脊髄液)における濃度を決定することができる。

0509

処置する病態の重症度および応答性に応じて、投与量は、単回または複数回の投与用であってもよく、処置の経過は、数日から数週間(例えば、慢性疾患の場合は一生涯)、あるいは治癒が認められるか、疾患状態の縮小が達成されるまで続く。

0510

例えば、慢性疾患については、症状が管理される、安定する、および/または改善されるまで、用量を調整することができる。

0511

投与される組成物の量は、勿論、処置される対象、苦痛の重症度、投与の様式、対象の免疫状態、処方する医師の判断などに依存するであろう。

0512

本発明の一部の実施形態の組成物は、必要に応じて、FDA(米国食品医薬品局)により承認されたキット等のパックまたはディスペンサーデバイスに入れて提供してもよく、このようなパックまたはデバイスは、活性成分を含有する1つまたは複数の単位剤形を含有してもよい。パックは、例えば、金属またはプラスチックホイルを含む、ブリスターパックなどである。パックまたはディスペンサーデバイスは、投与のための説明書が添付されていてもよい。パックまたはディスペンサーはまた、医薬品の製造、使用または販売規制する政府機関により規定された形態で容器に付随する通知が添付されていてもよく、この通知は、組成物の形態がヒトまたは動物への投与用として当該機関により承認されていることを反映するものである。このような通知は、例えば、処方薬に関して米国食品医薬品局により承認されたラベルの形態であってもよいし、または承認された製品の差し込み物の形態であってもよい。また、本発明の製剤を含み、適合可能な医薬用担体中に処方化された組成物を調製し、適切な容器中に入れて、上記で詳述したように、表示した病態の処置用であることを標識してもよい。

0513

本明細書で使用される用語「約」とは、±10%を指す。

0514

用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」およびその同根語は、「含むが、限定されるものではない(including but not limited to)」ことを意味する。

0515

用語「からなる(consisting of)」は、「含み、限定される(including and limited to)」ことを意味する。

0516

用語「から本質的になる(consisting essentially of)」は、組成物、方法または構造が追加の成分、工程および/または部分を含み得ると定義する。しかし、追加の成分、工程および/または部分は、特許請求される組成物、方法または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限られる。

0517

本明細書で使用する単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他を指示しない限り、複数を対象とする。例えば、「化合物(a compound)」または「少なくとも1種の化合物」には、複数の化合物が含まれ、それらの混合物をも含み得る。本願全体を通して、本発明のさまざまな実施形態は、範囲形式にて示され得る。範囲形式での記載は、単に利便性および簡潔さのためであり、本発明の範囲の柔軟性を欠く制限でではないことを理解されたい。従って、範囲の記載は、可能な下位の範囲の全部、およびその範囲内の個々の数値を特異的に開示していると考えるべきである。例えば、1〜6等の範囲の記載は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6等の部分範囲のみならず、その範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、4、5および6も特異的に開示するものとする。これは、範囲の大きさに関わらず適用される。

0518

本明細書に数値範囲が示される場合、それは常に示される範囲内の任意の引用数分数または整数)を含むことを意図する。第1の指示数と第2の指示数「との間の範囲」という表現と、第1の指示数「から」第2の指示数「の範囲」という表現は、本明細書で代替可能に使用され、第1の指示数および第2の指示数と、それらの間の分数および整数の全部を含むことを意図する。

0519

本明細書で使用する「方法」という用語は、所定の課題を達成するための様式、手段、技術および手順を意味し、化学、薬理学、生物学、生化学および医療の各分野の従事者に既知のもの、または既知の様式、手段、技術および手順から従事者が容易に開発できるものが含まれるが、これらに限定されない。

0520

本明細書で使用する「処置する」とは、病態の進行の抑止、実質的な阻害、遅延、若しくは逆転、状態の臨床的若しくは審美的症状の実質的な寛解、または病態の臨床的若しくは審美的症状の悪化の実質的な予防を含む。

0521

特定の配列表に言及する場合、このような言及は、その相補的配列に実質的に対応する配列、例えば、対立遺伝子変化、シーケンシングエラー、クローニングエラー、または塩基置換塩基欠失もしくは塩基付加をもたらす他の変更に起因するわずかな配列の変化を有するものをも含むものである。但し、当該変換の頻度は、50ヌクレオチド中1未満、あるいは、100ヌクレオチド中1未満、あるいは、200ヌクレオチド中1未満、あるいは、500ヌクレオチド中1未満、あるいは、1000ヌクレオチド中1未満、あるいは、5,000ヌクレオチド中1未満、あるいは、10,000ヌクレオチド中1未満であることを理解されたい。

0522

本発明の特徴であって、明確にするために個別の実施形態として記載したものは、組み合わせて1つの実施形態としても提供可能であることを理解されたい。逆に、簡潔にするために1つの実施形態として記載した本発明の様々な特徴を、個別に、または任意の適切な部分組合せで、または本発明で記載した他の実施形態との適切な組み合わせとして提供することもできる。様々な実施形態に関連して記載された特徴は、その特徴なしでは実施形態が動作不能でない限り、それらの実施形態の必須要件とは見なさない。

0523

上述したように本明細書に記載され、下記特許請求の範囲によって請求される本発明のさまざまな実施形態および態様は、以下の実施例によって実験的に支持されるものである。

0524

次に、以下の実施例に参照するが、これらは上記説明と共に本発明の実施形態の一部を詳細に示すものであるが、本発明を限定するものではない。

0525

本明細書において使用される命名法および本発明に使用する実験手順としては、通常、分子的技術、生化学的技術、微生物学的技術および組み換えDNA技術が挙げられる。このような技術は、文献において十分に説明されている。例えば、"Molecular Cloning: A laboratory Manual" Sambrook et al., (1989)、"Current Protocols in Molecular Biology" Volumes I-III Ausubel, R. M., ed. (1994)、Ausubel et al., "Current Protocols in Molecular Biology", John Wiley and Sons, Baltimore, Maryland (1989)、Perbal, "A Practical Guide to Molecular Cloning", John Wiley & Sons, New York (1988)、Watson et al., "Recombinant DNA", Scientific American Books, New York、Birren et al. (eds) "Genome Analysis: A Laboratory Manual Series", Vols. 1-4, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (1998)、米国特許第4,666,828号明細書、第4,683,202号明細書、第4,801,531号明細書、第5,192,659号明細書、および第5,272,057号明細書に記載された方法、"Cell Biology: A Laboratory Handbook", Volumes I-III Cellis, J. E., ed. (1994)、"Current Protocols in Immunology" Volumes I-III Coligan J. E., ed. (1994)、Stites et al. (eds), "Basic and Clinical Immunology" (8th Edition), Appleton & Lange, Norwalk, CT (1994)、Mishell and Shiigi (eds), "Selected Methods in Cellular Immunology", W. H. Freeman and Co., New York (1980)を参照されたい。利用可能なイムノアッセイは、特許および科学文献に広く記載されており、例えば、米国特許第3,791,932号明細書、第3,839,153号明細書、第3,850,752号明細書、第3,850,578号明細書、第3,853,987号明細書、第3,867,517号明細書、第3,879,262号明細書、第3,901,654号明細書、第3,935,074号明細書、第3,984,533号明細書、第3,996,345号明細書、第4,034,074号明細書、第4,098,876号明細書、第4,879,219号明細書、第5,011,771号明細書、および第5,281,521号明細書、"Oligonucleotide Synthesis" Gait, M. J., ed. (1984)、“Nucleic Acid Hybridization" Hames, B. D., and Higgins S. J., eds. (1985)、"Transcription and Translation" Hames, B. D., and Higgins S. J., Eds. (1984)、"Animal Cell Culture" Freshney, R. I., ed. (1986)、"Immobilized Cells and Enzymes" IRL Press, (1986)、"A Practical Guide to Molecular Cloning" Perbal, B., (1984)および"Methods in Enzymology" Vol. 1-317, Academic Press、"PCRProtocols: A Guide To Methods And Applications", Academic Press, San Diego, CA (1990)、Marshak et al., "Strategies for Protein Purification and Characterization - A Laboratory Course Manual" CSHLPress (1996)を参照されたい。上記文献の全てが、本参照により、本明細書に完全に記載したかのように参照により組み込まれる。Toxoplasma gondii: the model apicomplexan - Perspectives and methods. LM Weiss, K Kim, 2011。その他の一般的な参考文献は、本明細書を通じて提供される。それらに記載の手順は、当技術分野で周知であると考えられ、読者の便宜のために提供する。それらに含まれるすべての情報が、本参照により本明細書に組み込まれる。

0526

一般的な材料および実験方法
トキソプラズマ・ゴンディ培養物
2mMのL−グルタミンペニシリン、およびストレプトマイシンまたはゲンタマイシン抗生物質混合物および10%ウシ胎仔血清(FBS)を添加したDulbecco改変Eagle培地DMEM)(「完全DMEM培地」と呼ばれるもの)で培養したヒト包皮線維芽細胞(HFF)上で寄生虫を増殖させた。培養物を毎日モニタリングし、溶解したプレート上清の液滴または注射筒遊離した細胞内寄生虫の液滴を、HFFを含む新鮮なプレートに移すことにより、寄生虫を継代した。

0527

目的の薬学的ポリペプチドに融合したトキソプラズマ分泌タンパク質を含む異種ポリペプチドの発現のための、トキソプラズマ・ゴンディ発現ベクターの作製
特定の治療用タンパク質を発現するトキソプラズマ・ゴンディの安定なトランスジェニック株を作製するために、本発明者らは、第1に分子クローニングによってトキソプラズマ・ゴンディ発現構築物を作製した。この構築物は、トキソフィリンcDNA[配列番号4481]またはGRA16 cDNA[配列番号4472]、次にHAタグコード配列(配列番号4474)、次に目的の治療的哺乳動物cDNA、例えば、マウスMeCP2アイソフォーム1[配列番号4476]、ヒトASPA[配列番号4483]、ヒトSMN1[配列番号4479]、ヒトPARK2[配列番号4478]、ヒトGDNF[配列番号4489]、ヒトTFEB(転写因子EB)アイソフォーム1[配列番号4600]配列、ヒトGALCアイソフォーム1[配列番号4486または配列番号4601](GALCバージョン2)、グリシン可動性リンカー(Gly)[配列番号4490]とそれに続くタンパク質形質導入ドメイン(TAT)(配列番号4488)とを含むGALC−TAT、または「変異型GALC−TAT」(欠失を有するGALC−TAT)(配列番号4487)からなる長いオープンリーディングフレーム(ORF)を含む。当該タンパク質形質導入ドメイン(TAT)は、宿主細胞のリソソームへのGALCのターゲティングを補助するために、膜を通過する非古典的輸送を容易にするものである。目的のcDNAは、トキソプラズマ・ゴンディのコドン使用に従ってコドン最適化して、トキソプラズマ・ゴンディにおける異種ポリペプチドの発現の効率、安定性および局在化を増大させることもできる(例えば、トキソプラズマ・ゴンディにおける発現のためにコドン最適化された、コドン最適化マウスMeCP2アイソフォーム1[配列番号4477]、コドン最適化ヒトASPA[配列番号4602]、コドン最適化ヒトGALCアイソフォーム1[配列番号4603]およびコドン最適化ヒトTFEBアイソフォーム1[配列番号4604]と同様)。トキソプラズマ・ゴンディ発現ベクターはまた、その正確な発現およびターゲティングを保証する、同じまたは異なるトキソプラズマ遺伝子に由来する調節エレメントも含む。ORFの上流には内因性5’調節配列があり、当該内因性5’調節配列は、本明細書では「トキソフィリンプロモーター」もしくは「トキソフィリン5’−UTR」(配列番号4482)と呼ぶ、トキソフィリン遺伝子の内因性5’調節配列であるか、または、本明細書では「GRA16プロモーター」もしくは「GRA16 5’−UTR」(配列番号4473)と呼ぶ、GRA16遺伝子の内因性5’調節配列である。ORFの下流には、豊富な高密度顆粒タンパク質GRA2の3’−UTR(配列番号4491;図3)がある。発現ベクターは、さらに個別のORFを含んでもよく、当該ORFは、DHFR−TSの5’−UTR(上流)[配列番号4492]およびDHFR−TSの3’UTR(下流)[配列番号4493または4609]により囲まれた、選択マーカーHXGPRT[配列番号4475]またはDHFR−TS[配列番号4484もしくは4606]またはmCherry[配列番号4608]を含有する。

0528

トランスジェニックトキソプラズマ・ゴンディの作製
トキソプラズマ・ゴンディのI型株RHもしくはRHΔHX、またはII型株Prugniaud、Prugniaud−GFP−ルシフェラーゼもしくはPrugniaud ΔHPT(Prugniaud ΔHXとしても公知)を、トランスジェニック株の作製に使用した。細胞外タキゾイトを回収するか、または22〜26ゲージ針を使用してタキゾイトを機械的に放出させ、細胞残渣から濾過し、ペレット化し、300μlのサイトミックバッファー(120mM KCl、0.15mM CaCl2、10mM K2HPO4/KH2PO4 pH7.6、25mMHEPESpH7.6、2mM EGTA、5mM MgCl2)にその場でそれぞれ30μlの2mMATPおよび5mM GSHを添加しながら再懸濁した(合計360μl)。20〜60μgのプラスミドDNA、またはScaI酵素で線状化したDNAを、BTXECMエレクトロポレーターを用いるエレクトロポレーションによってタキゾイトにトランスフェクトした。数滴のトランスフェクト細胞を、IFAウェルガラスカバースリップ上にHFF細胞を播種した24ウェルプレート免疫蛍光アッセイウェル)上に移し、トランスフェクション効率および一過性タンパク質発現(プラスミドDNAからの発現)の評価のために、免疫蛍光染色を行った。トランスフェクトされた寄生虫の残りを、完全DMEM中のHFFの入った新しいフラスコに移した。薬物耐性選択マーカーを使用した場合は、次の日に培地を、選択のために使用する薬物(DHFR−TSの選択には1μMピリメタミン、HXGPRTの選択には25μg/mlのミコフェノール酸+50μg/mlのキサンチン)を含有する新鮮な培地に交換した。寄生虫がHFFから放出し始めた日から開始して、細胞外寄生虫を含有する上清の液滴を1〜2日毎に、選択薬を含有する選択培地にHFFの入った第2のフラスコに移した。第2のフラスコ中の寄生虫がHFFから放出し始めたら、上清の液滴を1〜2日毎に、第3のフラスコに移すというように、継代を続けた。蛍光タンパク質選択マーカーを使用した場合、第2のフラスコ中の寄生虫の約50%〜90%がHFF細胞から放出した時、細胞外寄生虫を含む培地を回収し、細胞残渣から濾過し、FACS装置を使用して選別した。選択のために使用した蛍光タンパク質に対応する蛍光を発する寄生虫を回収し、完全DMEM培地中のHFFの入った次のフラスコに移した。第3〜第5のフラスコが溶解を開始した後(約2〜5週間)の寄生虫を、DNA構築物をそのゲノム内に組み込んだ寄生虫を含有する「安定プール」であると考えた。安定プールの液滴を、IFA(免疫蛍光アッセイ)ウェルに移し、免疫蛍光染色して、プール中の構築物陽性寄生虫のパーセンテージ、ゲノムに組み込まれた(「安定な」)寄生虫によるタンパク質発現およびタンパク質局在化(ゲノム発現)を評価した。限界希釈による手動の選別、または96ウェルプレート中、ウェルあたり1個の寄生虫を選別するFACSによソーティングにより、クローン株を確立した。プレートを5〜10日間静置した後、単一の寄生虫を起源とすると推定される単一のプラークを含むウェルを、明視野顕微鏡を使用して目視スクリーニングして、検出した。単一のプラークを含むウェルを、ピペット激しく混合し、50μlの混合物を新しいプレートおよびPCRチューブに移した。PCRチューブ内の回収した細胞をペレット化し、それを10%プロテイナーゼKを含むTEバッファーからなる10μlの溶解バッファーに再懸濁し、サーモサイクラーで60℃で60分間、次いで、95℃で10分間インキュベートすることにより、溶解物を作製した。1マイクロリットル(1μl)の溶解物を、遺伝子構築物に特異的なプライマーを使用するPCRスクリーニングのための鋳型として使用した。PCR陽性クローンを、IFAウェルに移し、固定し、免疫蛍光染色し、各クローン中でのタンパク質発現およびタンパク質局在化について蛍光顕微鏡および偏光顕微鏡を使用して分析した。

0529

抗体
それぞれの抗体を使用した濃度は、以下の通りである:抗HA(Roche社製、IFA:1:1000、WB:1:1000)、抗IMC−1(Dominique Soldati−Favre教授より寄贈、IFA:1:1000〜1:2000)、抗MeCP2(Cell Signaling社製、IFA:1:200、WB:1:1000、IP:1:26)、抗NeuN(Abcam社製、IFA:1:500)、抗NCoR1(Bethyl Laboratories社製、WB:1:1000)、抗TBL1(Abcam社製、WB:1:1000)、Alexa Fluor抗ラット488および594(Invitrogen社製、IFA:1:1000)、Alexa Fluor抗ウサギ488および594(Invitrogen社製、IFA:1:1000)、Alexa Fluor抗マウス488および594(Invitrogen社製、IFA:1:1000)。

0530

実施例1
目的の治療用タンパク質の発現、寄生虫分泌性細胞小器官への局在化、および宿主細胞内への分泌をもたらす、トキソプラズマ・ゴンディ構築物の作製

0531

実験手順
構築物を、エレクトロポレーションによってトキソプラズマ・ゴンディ寄生虫のRH(RHhxgprt)株またはPru(Pruhxgprt)株にトランスフェクトした。この後、選択マーカーを発現する寄生虫の選択プロセス[目的の構築物と共トランスフェクトしたDHFR−TS(配列番号4484)を含有する構築物はピリメタミン選択、また、HXGPRT(配列番号4475)の発現に基づく選択についてはMPA+キサンチンを使用]、限界希釈またはフローサイトメトリーによりクローニング、およびPCRに基づくスクリーニングが続く。陽性クローンを、ウェスタンブロット分析および免疫蛍光染色により検証して、分泌ロプトリー細胞小器官、高密度顆粒細胞小器官、寄生体胞空間、寄生体胞膜、または宿主細胞中でのHAタグ付き治療用タンパク質の発現および特異的局在化を特徴付けた。検証した陽性株を、HFF(ヒト包皮線維芽細胞)細胞上でさらに維持した。

0532

実験結果
治療用タンパク質であるガラクトセレブロシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ−TAT、GDNF、アスパルトアシラーゼ、MeCP2、生存運動ニューロンタンパク質およびE3ユビキチンタンパク質リガーゼパーキンの送達のための、構築物およびトキソプラズマ・ゴンディ株の作製: 結果は、トキソプラズマ・ゴンディを組換えて、寄生虫の内因性タンパク質に融合した異種(哺乳動物、例えば、ヒトの)治療用タンパク質の発現が可能であることを示す。この手法を使用して、本発明者らは、一般的な神経病理と関連する3種のヒトタンパク質、即ち、ガラクトセレブロシダーゼ−TAT(変異型GALC−TAT、配列番号4487)、MeCP2(コドン最適化された配列番号4477)およびGDNF(配列番号4489)、を発現する3種の新規で安定なトキソプラズマ・ゴンディトランスジェニック株と、一般的な神経病理と関連する3種のヒトタンパク質、即ち、ガラクトセレブロシダーゼ(GALC、アイソフォーム1、配列番号4486)、ガラクトセレブロシダーゼ−TAT(WT GALC−TAT、配列番号4488)、アスパルトアシラーゼ(ASPA、配列番号4483)および生存運動ニューロンタンパク質(SMN1、配列番号4479)を発現する、安定なトキソプラズマ・ゴンディトランスジェニック寄生虫を含有する、4種の混合集団プールとを作製した。

0533

ウイルスタンパク質形質導入ドメインによる治療用タンパク質の分泌および取込みの改善:宿主細胞から細胞外空間へのガラクトセレブロシダーゼタンパク質の分泌、ならびに近隣細胞による当該タンパク質の取込みを改善するために、本発明者らは、ガラクトセレブロシダーゼをウイルスタンパク質形質導入ドメイン(PTD)に融合した。Tat−PTDは、細胞培養モデルシステムにおける酵素の分泌と取込みの両方の増強することにより、ガラクトセレブロシダーゼの交差補正効率を有意に増加させる(6倍にする)ことが既に示されている(Meng, X.-L., et al., 2013)。

0534

トキソプラズマ・ゴンディのロプトリー分泌性細胞小器官への治療用タンパク質であるガラクトセレブロシダーゼ−TAT、アスパルトアシラーゼ、MeCP2および生存運動ニューロンタンパク質の局在化: 結果は、トキソプラズマ・ゴンディが異種(哺乳動物、例えば、ヒトの)治療用タンパク質を、寄生虫のロプトリー分泌性細胞小器官(図4A)に局在化させ、そこから宿主細胞の細胞質中に放出させ、感染細胞内の標的部位に局在化させることが潜在的に可能であることを示す。ガラクトセレブロシダーゼ−TAT、アスパルトアシラーゼ、MeCP2および生存運動ニューロンタンパク質を含有する融合タンパク質は、宿主細胞へ入ることができた従来のトキソフィリン融合物について報告されたように、寄生虫ロプトリーに局在化した。これは、免疫蛍光染色(IFA)によって証明された(図4のB〜I)。

0535

かくして、本発明者らは、寄生虫の内因性タンパク質に融合した異種(哺乳動物、例えば、ヒトの)タンパク質を発現するようにトキソプラズマ・ゴンディが組換え可能であること、そしてこれらタンパク質が、寄生虫のロプトリー分泌性細胞小器官に局在化することを示すことに成功した。本発明者らは、トキソフィリンと融合するようにヒトタンパク質をの組換えを行った。トキソフィリンは、寄生虫によって宿主細胞中に天然で分泌される内因性タンパク質であり、ターゲティングおよび分泌のために、目的タンパク質(例えば、治療用タンパク質)を寄生虫のタンパク質分泌機構に「乗せる」ことができるものである。これは、トキソプラズマ・ゴンディがこの技術の実現可能な基礎となることを示唆する重要な事項である。

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