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技術 血液脳関門を通過するヒト化抗体及びその使用

出願人 ナショナルリサーチカウンシルオブカナダ
発明者 スタニミロヴィック,ダニカケメリッチ,クリスティンデュローチャー,イーブスレア,トライアン
出願日 2017年7月4日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2018-567930
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-525743
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード インサートアセンブリ ポイント曲 電荷ベース デジタル積分 自己組織化分子 スキャニング速度 吸着媒 コバルトナノ粒子
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題・解決手段

本発明は、既存の抗体のヒト化により生じる抗体及びその断片、並びにそれらを作製する方法に関する。本発明のヒト化抗体は、脳内皮抗原への増強された結合、血液脳関門を越える改善された通過、及び元の非ヒト化抗体と比較して増大した熱安定性を示す。

概要

背景

アルツハイマー病及びパーキンソン病などの神経変性疾患は、これらの障害状態に対する有効な治療現時点では存在しないことから、我々の高齢化社会における増加しつつある負担である。脳で発生するこれらの及びその他の疾患の治療及び早期診断は、適切な治療分子及び診断法の大部分が、密着し且つ高度に制限的な血液脳関門(BBB)に侵入することができないため困難なままである(Abbott、2013)。BBBは、血管を覆い、タイトジャンクションにより互いに接続された脳内皮細胞BEC)により形成される物理バリケードを構成する(Abbott、2013)。BEC間に形成されるタイトジャンクションはBBBの完全性に必須であり、500ダルトン(Da)より分子量の大きい親水性分子傍細胞輸送を防止する。脳内皮細胞は非常に小さいピノサイトーシス率を示す(Abbott、2013)ため、より分子量の大きい分子の経細胞輸送は、高度に特異的な受容体媒介性経細胞輸送(RMT経路、及び受動的な、電荷ベース吸着媒介性経細胞輸送に限定される(Abbott、2013;Pardridge、2002)。さらに、P−糖タンパク質又は多剤耐性タンパク質−1(MDR−1)などの高密度排出ポンプが、脳からの望ましくない物質の除去に寄与する(Abbott、2013)。

これらの特性は全て病原体及び毒素から脳を防御するが、大部分の治療薬の流入も等しく防止する。実際、特に「渡され」ない限り、すなわち、トランスポーター分子と共役しない限り、低分子治療薬は5%未満しか薬理学的に妥当な(すなわち、中枢神経系(CNS)の標的に結合し、薬理学的/治療的応答を引き出すのに十分な)濃度でBBBを通過することができず、より分子量の大きい治療薬は実質的に全て通過できない。BBBを越えて分子を輸送するのに有効な「担体」がないために、十分な量で脳に送達されないことから、神経変性疾患に対する数多くの薬物が「上げ」、すなわちさらなる開発から除外されてきた。

より分子量の大きい分子を脳に送達する様々な手法が探索されてきた。例えば、BBBの完全性を妨害して漏れやすいBBBを生じさせることができ、漏れやすいBBBにより、より分子量の大きい分子の脳への非制限的な傍細胞流入が可能となる。タイトジャンクションを、各種手法によりうまく緩めるか妨害することができる。例えば、浸透圧ショック誘導する物質(例えば、マンニトール高張液)を血流に注射することで細胞収縮が引き起こされ、タイトジャンクションの妨害がもたらされ、ゆえにBBBが著しく損なわれる(Guillaume、2010)。タイトジャンクションのその他の調節因子には、アルキルグリセロールブラジキニン、及びそのいくつかのアナログ、及びタイトジャンクションの維持に関与するタンパク質の発現を調節するウイルスが含まれる(Erdlenbruchら、2003;Prestonら、2008;Ganら、2013)。超音波施用により、BBBのより局在的な妨害が可能である(Nhanら、2013)。しかし、BBBが妨害される期間は、脳の恒常性を変化させ、有害な化学物質、毒素及び病原体を脳に流入させるのに十分であり、これによって、深刻な副作用、例えば、けいれん及び脳腫脹感染症及び場合により持続的な神経病理学的変化が生じる可能性がある。したがって、複数の脳領域に影響を及ぼす慢性且つびまん性脳疾患に対し、これらの技術で繰り返し治療することは実用的でない。これらの治療の大部分は費用がかかり、入院が必要であり、一部の手法は麻酔が必要である。

BBBを回避する別の手法は、治療分子を脳脊髄液CSF)、実質空間、又は脳のその他の部分に直接注射することである。点滴又は対流増強拡散(CED)ポンプによる、脳内(実質内)、脳室内、及びくも膜下腔内送達を含むいくつかの送達方法が開発されている。しかし、任意の種類の脳への直接注射又は脳内留置用剤は、入院、麻酔、及び大抵は外科手術が必要であるため、侵襲的且つ費用がかかる手技である。さらに、治療薬、特に分子量の大きい生物製剤の、脳実質内での拡散率が不十分であることで、注射/留置部位周辺のわずかな面積のみに治療薬の侵入が制限される。脳の標的領域への薬物の拡散を実現するため、注射、カテーテル、及び留置用剤を的確に配置することは困難であるが非常に重要である。さらに、カテーテル及び留置用剤により、感染及び/又は外来性物質に対する免疫応答の部位がもたらされる。

BBBを越える送達を増大させる別の試みにおいて、CNS薬物が、脳への取り込みが増大するように改変されてきた。このような改変には、表面電荷の変化、分子サイズの減少、及び薬物の親油性への変化が含まれうる。しかし、脳への侵入を増大させるための任意の改変により、望ましい活性及び/又は特異性を含む、薬物の薬理全体が変化する可能性も高い。さらに、親油性分子は、P−糖タンパク質排出ポンプにより脳から排出される傾向がより高い。

最後に、BBBを越える内在性輸送機構活用されてきた。BBBを越える分子量の大きい分子の輸送を可能にする生理機構は、高度に特異的な受容体媒介性経細胞輸送(RMT)及び非特異的な電荷ベースの吸着媒介性エンドサイトーシス経路に分けられる。エンドサイトーシスは、それぞれ、特定のリガンドが受容体に結合すると、又はカチオン性リガンド若しくは薬物と、脳内皮細胞表面(管腔側)のアニオン性官能基との間で静電気的相互作用が起こると引き起こされる。次いで、新たに形成されたエンドソームが細胞を通って反管腔側に経細胞輸送され、カーゴを放出する。

吸着媒介性経細胞輸送は非特異的で電荷媒介性の相互作用であるため、全ての血管床及び器官で発生し、脳への送達に対する薬物の利用可能性を制限する。したがって、RMT経路を活用することが、依然として唯一の生理的、非侵襲的且つ高度に受容体特異的な脳への送達方法である。

現在、数種の受容体だけが、BBBでRMTを受けて天然のリガンドを「渡す」ことが知られている。十分に研究されたトランスフェリン受容体(TfR)、インスリン受容体(IR)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1及び2(LRP−1及び−2)、並びにジフテリア毒素受容体の、これらの受容体に結合するペプチド、天然のリガンド、及び抗体又はその断片が開発されており(Pardridgeら、1991;Yuら、2011;Muruganandamら、2001;Abulrobら、2005;Demeule、2008;Sumbriaら、2013)、内在性RMT経路を利用する薬物〜脳トランスポーターとして機能する。最近、大型中性アミノ酸トランスポーター(LAT1)の成分であるCD98hcに対する抗体が、BBBを越える経細胞輸送を受けることが示され(Zucheroら、2016)、大型中性アミノ酸トランスポーターが、BBB担体を開発するにあたっての別の標的となりうることを示唆している。しかし、現在までに1種のペプチド(Angiopep ANG1005、LRP−1を標的とする)のみが第II相臨床試験分析されており、他の候補は実験室環境で研究中であるか、第1相研究に入ったばかりである。RMT経路は、生物学的薬物を脳に輸送するのに最も有望な経路と思われるが、現行の手法には、BBBにおける標的受容体の非選択的発現、受容体に対する担体及び天然のリガンド間の競合、受容体の無効な経細胞輸送、並びにエンドサイトーシスを受けた担体のリソソームによる分解を含めて限界がある(Xiao及びGun、2013)。

BBBの生理及び恒常性を妨害しない、高性能高選択性のBBB担体が存在しないことで、脳腫瘍及び神経変性疾患を含む、脳で発生する疾患の新たな治療薬及び診断法の開発が遅れている。

概要

本発明は、既存の抗体のヒト化により生じる抗体及びその断片、並びにそれらを作製する方法に関する。本発明のヒト化抗体は、脳内皮抗原への増強された結合、血液脳関門を越える改善された通過、及び元の非ヒト化抗体と比較して増大した熱安定性を示す。B

目的

BBBを回避する別の手法は、治療分子を脳脊髄液(CSF)、実質空間、又は脳のその他の部分に直接注射することである

効果

実績

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請求項1

配列X1VQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWX2RQAPGKX3X4EX5VSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTX6YLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTVTSS(配列番号9)配列中、X1=D又はE、X2=F又はV、X3=E又はG、X4=R又はL、X5=F又はW、X6=L又はVである、を含む、単離又は精製された抗体又はその断片。

請求項2

前記配列が、配列番号2〜8のうちいずれか1つから選択される、請求項1に記載の単離又は精製された抗体又はその断片。

請求項3

多価ディスプレイ形式をとる、請求項1又は2に記載の単離又は精製された抗体又はその断片。

請求項4

Fc断片に連結されている、請求項3に記載の単離又は精製された抗体又はその断片。

請求項5

前記Fc断片がマウスFc2b又はヒトFc1である、請求項4に記載の単離又は精製された抗体又はその断片。

請求項6

前記Fcが配列番号20の配列を含む、請求項5に記載の単離又は精製された抗体又はその断片。

請求項7

血液脳関門を通過する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の単離又は精製された抗体又はその断片。

請求項8

請求項1〜7のいずれか一項に記載の単離又は精製された抗体又はその断片をコードする核酸分子

請求項9

請求項8に記載の核酸分子を含むベクター

請求項10

表面に固定化されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の単離又は精製された抗体又はその断片。

請求項11

カーゴ分子に連結されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の単離又は精製された抗体又はその断片。

請求項12

前記カーゴ分子が約1kDa〜約200kDaの範囲の分子量を有する、請求項11に記載の単離又は精製された抗体又はその断片。

請求項13

前記カーゴ分子が、検出可能な薬剤治療薬、薬物、ペプチド増殖因子サイトカイン受容体トラップ化合物、糖部分、酵素、抗体若しくはその断片、DNAベースの分子、ウイルスベクター、又は細胞毒性薬剤;検出可能な薬剤、治療薬、薬物、ペプチド、酵素、抗体若しくはその断片、DNAベースの分子、ウイルスベクター、又は細胞毒性薬剤を担持する1つ又は複数のリポソーム又はナノ担体;又は1つ若しくは複数のナノ粒子ナノワイヤーナノチューブ、若しくは量子ドットである、請求項11又は12に記載の単離又は精製された抗体又はその断片。

請求項14

請求項1〜7及び10〜13のいずれか一項に記載の1つ又は1つを超える単離又は精製された抗体又はその断片、並びに薬学的に許容される担体希釈剤、又は賦形剤を含む組成物

技術分野

0001

本発明は、血液脳関門を通過するヒト化抗体及びその断片、並びにそれらの使用に関する。より詳細には、本発明は、既存の抗体のヒト化により生じる抗体及びその断片に関する。本発明の抗体は、脳内皮抗原への増強された結合及び血液脳関門を越える改善された通過を示す。

背景技術

0002

アルツハイマー病及びパーキンソン病などの神経変性疾患は、これらの障害状態に対する有効な治療現時点では存在しないことから、我々の高齢化社会における増加しつつある負担である。脳で発生するこれらの及びその他の疾患の治療及び早期診断は、適切な治療分子及び診断法の大部分が、密着し且つ高度に制限的な血液脳関門(BBB)に侵入することができないため困難なままである(Abbott、2013)。BBBは、血管を覆い、タイトジャンクションにより互いに接続された脳内皮細胞BEC)により形成される物理バリケードを構成する(Abbott、2013)。BEC間に形成されるタイトジャンクションはBBBの完全性に必須であり、500ダルトン(Da)より分子量の大きい親水性分子傍細胞輸送を防止する。脳内皮細胞は非常に小さいピノサイトーシス率を示す(Abbott、2013)ため、より分子量の大きい分子の経細胞輸送は、高度に特異的な受容体媒介性経細胞輸送(RMT経路、及び受動的な、電荷ベース吸着媒介性経細胞輸送に限定される(Abbott、2013;Pardridge、2002)。さらに、P−糖タンパク質又は多剤耐性タンパク質−1(MDR−1)などの高密度排出ポンプが、脳からの望ましくない物質の除去に寄与する(Abbott、2013)。

0003

これらの特性は全て病原体及び毒素から脳を防御するが、大部分の治療薬の流入も等しく防止する。実際、特に「渡され」ない限り、すなわち、トランスポーター分子と共役しない限り、低分子治療薬は5%未満しか薬理学的に妥当な(すなわち、中枢神経系(CNS)の標的に結合し、薬理学的/治療的応答を引き出すのに十分な)濃度でBBBを通過することができず、より分子量の大きい治療薬は実質的に全て通過できない。BBBを越えて分子を輸送するのに有効な「担体」がないために、十分な量で脳に送達されないことから、神経変性疾患に対する数多くの薬物が「上げ」、すなわちさらなる開発から除外されてきた。

0004

より分子量の大きい分子を脳に送達する様々な手法が探索されてきた。例えば、BBBの完全性を妨害して漏れやすいBBBを生じさせることができ、漏れやすいBBBにより、より分子量の大きい分子の脳への非制限的な傍細胞流入が可能となる。タイトジャンクションを、各種手法によりうまく緩めるか妨害することができる。例えば、浸透圧ショック誘導する物質(例えば、マンニトール高張液)を血流に注射することで細胞収縮が引き起こされ、タイトジャンクションの妨害がもたらされ、ゆえにBBBが著しく損なわれる(Guillaume、2010)。タイトジャンクションのその他の調節因子には、アルキルグリセロールブラジキニン、及びそのいくつかのアナログ、及びタイトジャンクションの維持に関与するタンパク質の発現を調節するウイルスが含まれる(Erdlenbruchら、2003;Prestonら、2008;Ganら、2013)。超音波施用により、BBBのより局在的な妨害が可能である(Nhanら、2013)。しかし、BBBが妨害される期間は、脳の恒常性を変化させ、有害な化学物質、毒素及び病原体を脳に流入させるのに十分であり、これによって、深刻な副作用、例えば、けいれん及び脳腫脹感染症及び場合により持続的な神経病理学的変化が生じる可能性がある。したがって、複数の脳領域に影響を及ぼす慢性且つびまん性脳疾患に対し、これらの技術で繰り返し治療することは実用的でない。これらの治療の大部分は費用がかかり、入院が必要であり、一部の手法は麻酔が必要である。

0005

BBBを回避する別の手法は、治療分子を脳脊髄液CSF)、実質空間、又は脳のその他の部分に直接注射することである。点滴又は対流増強拡散(CED)ポンプによる、脳内(実質内)、脳室内、及びくも膜下腔内送達を含むいくつかの送達方法が開発されている。しかし、任意の種類の脳への直接注射又は脳内留置用剤は、入院、麻酔、及び大抵は外科手術が必要であるため、侵襲的且つ費用がかかる手技である。さらに、治療薬、特に分子量の大きい生物製剤の、脳実質内での拡散率が不十分であることで、注射/留置部位周辺のわずかな面積のみに治療薬の侵入が制限される。脳の標的領域への薬物の拡散を実現するため、注射、カテーテル、及び留置用剤を的確に配置することは困難であるが非常に重要である。さらに、カテーテル及び留置用剤により、感染及び/又は外来性物質に対する免疫応答の部位がもたらされる。

0006

BBBを越える送達を増大させる別の試みにおいて、CNS薬物が、脳への取り込みが増大するように改変されてきた。このような改変には、表面電荷の変化、分子サイズの減少、及び薬物の親油性への変化が含まれうる。しかし、脳への侵入を増大させるための任意の改変により、望ましい活性及び/又は特異性を含む、薬物の薬理全体が変化する可能性も高い。さらに、親油性分子は、P−糖タンパク質排出ポンプにより脳から排出される傾向がより高い。

0007

最後に、BBBを越える内在性輸送機構活用されてきた。BBBを越える分子量の大きい分子の輸送を可能にする生理機構は、高度に特異的な受容体媒介性経細胞輸送(RMT)及び非特異的な電荷ベースの吸着媒介性エンドサイトーシス経路に分けられる。エンドサイトーシスは、それぞれ、特定のリガンドが受容体に結合すると、又はカチオン性リガンド若しくは薬物と、脳内皮細胞表面(管腔側)のアニオン性官能基との間で静電気的相互作用が起こると引き起こされる。次いで、新たに形成されたエンドソームが細胞を通って反管腔側に経細胞輸送され、カーゴを放出する。

0008

吸着媒介性経細胞輸送は非特異的で電荷媒介性の相互作用であるため、全ての血管床及び器官で発生し、脳への送達に対する薬物の利用可能性を制限する。したがって、RMT経路を活用することが、依然として唯一の生理的、非侵襲的且つ高度に受容体特異的な脳への送達方法である。

0009

現在、数種の受容体だけが、BBBでRMTを受けて天然のリガンドを「渡す」ことが知られている。十分に研究されたトランスフェリン受容体(TfR)、インスリン受容体(IR)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1及び2(LRP−1及び−2)、並びにジフテリア毒素受容体の、これらの受容体に結合するペプチド、天然のリガンド、及び抗体又はその断片が開発されており(Pardridgeら、1991;Yuら、2011;Muruganandamら、2001;Abulrobら、2005;Demeule、2008;Sumbriaら、2013)、内在性RMT経路を利用する薬物〜脳トランスポーターとして機能する。最近、大型中性アミノ酸トランスポーター(LAT1)の成分であるCD98hcに対する抗体が、BBBを越える経細胞輸送を受けることが示され(Zucheroら、2016)、大型中性アミノ酸トランスポーターが、BBB担体を開発するにあたっての別の標的となりうることを示唆している。しかし、現在までに1種のペプチド(Angiopep ANG1005、LRP−1を標的とする)のみが第II相臨床試験分析されており、他の候補は実験室環境で研究中であるか、第1相研究に入ったばかりである。RMT経路は、生物学的薬物を脳に輸送するのに最も有望な経路と思われるが、現行の手法には、BBBにおける標的受容体の非選択的発現、受容体に対する担体及び天然のリガンド間の競合、受容体の無効な経細胞輸送、並びにエンドサイトーシスを受けた担体のリソソームによる分解を含めて限界がある(Xiao及びGun、2013)。

0010

BBBの生理及び恒常性を妨害しない、高性能高選択性のBBB担体が存在しないことで、脳腫瘍及び神経変性疾患を含む、脳で発生する疾患の新たな治療薬及び診断法の開発が遅れている。

0011

本発明は、血液脳関門を通過する抗体及びその断片、並びにそれらの使用に関する。より詳細には、本発明は、既存の抗体のヒト化により生じる抗体及びその断片に関する。本発明の抗体は、脳内皮抗原への増強された結合及び血液脳関門を越える改善された通過を示す。

0012

本発明は、配列
X1VQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWX2RQAPGKX3X4EX5VSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTX6YLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTVTSS(配列番号9)
配列中、X1=D又はE、X2=F又はV、X3=E又はG、X4=R又はL、X5=F又はW、X6=L又はVである、
を含む、単離又は精製された抗体又はその断片を提供する。

0013

例えば、本発明の単離又は精製された抗体又はその断片は、
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWVRQAPGKGLEWVSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTLVTVSS(配列番号2、本明細書ではFC5−H1とも呼ばれる);
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWVRQAPGKGLEWVSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTVYLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTLVTVSS(配列番号3、本明細書ではFC5−H2とも呼ばれる);
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWFRQAPGKGLEFVSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTVYLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTLVTVSS(配列番号4、本明細書ではFC5−H3とも呼ばれる);
DVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWFRQAPGKGLEFVSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTVYLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTLVTVSS(配列番号5、本明細書ではFC5−H4とも呼ばれる);
DVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWFRQAPGKGREFVSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTVYLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTLVTVSS(配列番号6、本明細書ではFC5−H5とも呼ばれる);
DVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWFRQAPGKEREFVSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTVYLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTLVTVSS(配列番号7、本明細書ではFC5−H6とも呼ばれる);及び
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWFRQAPGKEREFVSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTLVTVSS(配列番号8、本明細書ではFC5−H7とも呼ばれる)
のうちいずれか1つから選択されうる。

0014

本明細書に記載される発明において、単離又は精製された抗体又はその断片は、任意の適切な多量体化技術を使用して、多価ディスプレイ形式をとりうる。例えば、単離又は精製された抗体又はその断片はFc断片に連結されていてもよく、ゆえに二量体を形成していてもよい。この実施形態では、Fc断片を任意の適切なFc断片、例えばマウスIgG2b又はヒトIgG1由来のFcとすることができる。特定の実施例では、Fcは配列番号20の配列を含んでいてもよい。

0015

本発明の単離又は精製された抗体又はその断片は、血液脳関門を通過することができる。

0016

本発明は、本明細書に記載される単離又は精製された抗体又はその断片をコードする核酸分子包含する。単離又は精製された抗体又はその断片をコードする核酸分子を含むベクターも、本発明の範囲に含まれる。

0017

本発明の単離又は精製された抗体又はその断片は、表面に固定化されていてもよい。

0018

別の施用では、上記の単離又は精製された抗体又はその断片がカーゴ分子に連結されていてもよい。任意の適切なカーゴ分子が使用可能である。カーゴ分子は約1kDa〜約200kDaの範囲の分子量を有しうる。例えば、限定されることを望むものではないが、カーゴ分子を、検出可能な薬剤、治療薬、薬物、ペプチド、増殖因子サイトカイン、受容体トラップ化合物、糖部分、酵素、抗体若しくはその断片、DNAベースの分子、ウイルスベクター、又は細胞毒性薬剤;検出可能な薬剤、治療薬、薬物、ペプチド、酵素、抗体若しくはその断片、DNAベースの分子、ウイルスベクター、又は細胞毒性薬剤を担持する1つ又は複数のリポソーム又はナノ担体;又は1つ若しくは複数のナノ粒子ナノワイヤーナノチューブ、若しくは量子ドットとすることができる。このような構築物において、単離又は精製された抗体又はその断片は、血液脳関門を越えてカーゴ分子を保持する。

0019

本発明は、1つ又は1つを超える上記の単離又は精製された抗体又はその断片、及び薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤を含む組成物をさらに包含する。

0020

これより、血液脳関門を通過する抗体FC5のヒト化バリアント提示される。抗体をヒト化するのは、VHH内のラクダ科動物起源アミノ酸残基による、ヒトにおける潜在的な免疫原性を低下させるためである。FC5抗体のCDR配列がヒト重鎖フレームワーク移植されただけでなく、復帰突然変異(元のラクダ科動物配列の選択されたアミノ酸残基に対する)が、完全にヒト化されたフレームワーク配列に導入された。驚くべきことに、元のラクダ科動物FC5と比較した融解温度(Tm)値によって反映されるように、ヒト化バリアントが改善された熱安定性を示し、あるバリアント(FC5−H3)が、元のFC5と比較して10℃を超える際立ったTm増大を示したことが概して判明した。さらに、大部分のヒト化FC5構築物が、SV−ARBECで発現された受容体に対して改善された親和性を示し、あるバリアント(FC5−H7)が、元のFC5と比較して予想外に顕著な増大を示した。この傾向がさらに、元のラクダ科動物FC5に対してヒト化バリアントによりもたらされる、ヒト脳内皮細胞(HBEC)−D3に対する結合の改善でも一貫していることが重要である。最後に、ヒト化バリアントは、少なくとも元のFC5抗体レベルのin vitro細胞透過能力を示し、ヒト化バリアントの一部では165%にまで増大した。

図面の簡単な説明

0021

FC5 VHH及びFC5 VHHのヒト化バリアントの配列のアラインメントを示す図である。
FC5 VHH及びFC5 VHHのヒト化バリアント(標識されたFC5−H1、FC5−H2、FC5−H3、FC5−H5、FC5−H6、FC5−H7)について、円二色性(CD)により決定された融解温度(Tm)を示すグラフである。タンパク質を90℃超に加熱し、CD装置で測定を行って融解曲線黒色又は塗り潰した丸)及びTmを決定した。次いで、タンパク質を室温に冷却し、再度加熱してCDにより分析した(灰色曲線又は四角)。これにより、リフォールディングされたタンパク質の比の決定が可能となった。
ミラーボール(Mirrorball)装置を使用して決定された、懸濁液中での、FC5 VHH及びFC5 VHHのヒト化バリアントの、ラット脳内皮細胞(SV−ARBEC)又はヒト脳毛細血管内皮細胞(HBEC−D3)への結合曲線を示すグラフである。ミラーボール384ウェルアッセイプレート内で、各試験バリアントについて段階希釈液を調製し、7ポイント結合曲線を作成した。ドラク(Draq)5核染色剤(2μM、Cell Signaling)を添加した蛍光コンジュゲートc−mycアレクサ(Alexa)488検出抗体(1600ng/ml、Santa Cruz Biotechnology)を、細胞に結合した抗体の検出に使用した。全てのプレートを4℃で4hインキュベートした。下記のようにミラーボールHigh Sensitivity Microplate Cytometryを使用して測定を行った。
in vitro BBBモデルにおけるFC5及びFC5のヒト化バリアント(H1〜H7)のPapp値を示す図である。等モル量(1.25μM)のFC5の各バリアント及び陰性対照(A20.1、クロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile)毒素A結合性VHH)を、ラットin vitro BBBモデルを通過する能力について同時に試験した。図4Aトランズウェルin vitro BBBモデルを示す図である。底部チャンバーにラットアストロサイト条件培地、及び上部チャンバーに標準培地が存在する状態で、インサートの膜に単層成体ラット由来のSV40不死化脳内皮細胞(svARBECs)を増殖させる。等モル量の各種VHHをBBBモデルの管腔側に共に添加した後、15、30及び60分後に試料を底部チャンバーから採取した。次いで、各VHH濃度を、これらの試料中で質量分析多重反応モニタリングアイソタイプ標識された内部標準MRM−ILIS)により定量化した。与えられる式[Qr/dt=受取区画における累積量対時間;A=細胞単層の面積;C0=投薬溶液初濃度]を使用して算出されるPapp値を使用して、分子のBBBを通過する能力を決定する。結果は5〜6回のトランズウェル実験で得られた平均Papp値である。
in vitro BBBモデルにおけるFC5及びFC5のヒト化バリアント(H1〜H7)のPapp値を示す図である。等モル量(1.25μM)のFC5の各バリアント及び陰性対照(A20.1、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)毒素A結合性VHH)を、ラットin vitro BBBモデルを通過する能力について同時に試験した。図4Bは、FC5及びFC5のヒト化バリアントH1〜H7についてのPapp値を示すグラフである。全てのバリアントが、陰性対照A20.1VHHと比較して増強されたBBB通過を示した。FC5−H3及びFC5−H5は、元のFC5と比較して統計的に(p0.05未満;Studentのt検定)より大きいPapp値を示した。
in vitroでの、FC5及びFC5−H7のFc融合物の結合及び通過について示すグラフである。図5Aは、ミラーボール装置を使用して決定された、懸濁液中でのFC5Fc及びFC5H7−Fcの、ラット脳内皮細胞(SV−ARBEC)への結合について示すグラフである。ミラーボール384ウェルアッセイプレート内で、各試験バリアントについて段階希釈液を調製して、7ポイント結合曲線を作成した。ドラク5核染色剤(2μM、Cell Signaling)を添加した蛍光コンジュゲートc−mycアレクサ488検出抗体(1600ng/ml、Santa Cruz Biotechnology)を、細胞に結合した抗体の検出に使用した。全てのプレートを4℃で4hインキュベートした。下記のようにミラーボールHigh Sensitivity Microplate Cytometryを使用して測定を行った。
in vitroでの、FC5及びFC5−H7のFc融合物の結合及び通過について示すグラフである。図5Bは、トランズウェルin vitro BBBモデルにおけるFC5Fc及びFC5H7−FcのPapp値を示すグラフである。実験は図4に記載されるように実施した。

0022

本発明は、血液脳関門を通過する抗体及びその断片、並びにそれらの使用に関する。より詳細には、本発明は、既存の抗体のヒト化により生じる抗体及びその断片に関する。本発明の抗体は、脳内皮抗原への増強された結合及び血液脳関門を越える改善された通過を示す。

0023

本発明は、配列
X1VQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWX2RQAPGKX3X4EX5VSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTX6YLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTLVTVSS(配列番号9)
配列中、X1=D又はE、X2=F又はV、X3=E又はG、X4=R又はL、X5=F又はW、X6=L又はVである、
を含む、単離又は精製された抗体又はその断片を提供する。

0024

「抗体」という語は、当技術分野で「免疫グロブリン」(Ig)とも呼ばれ、本明細書で使用される場合、対になった重軽ポリペプチド鎖から構築されるタンパク質を指す。IgAIgDIgE、IgG、及びIgMを含む各種Igアイソタイプが存在する。抗体が的確にフォールディングされると、各鎖は、より直鎖状ポリペプチド配列で結合された複数の明確な球状ドメインにフォールディングする。例えば、免疫グロブリン軽鎖可変(VL)及び定常(CL)ドメインにフォールディングし、重鎖は可変(VH)及び3つの定常(CH、CH2、CH3)ドメインにフォールディングする。重鎖及び軽鎖可変ドメイン(VH及びVL)の相互作用により、抗原結合領域(Fv)の形成がもたらされる。各ドメインは、当業者精通している十分に確立された構造を有する。

0025

軽鎖及び重鎖可変領域標的抗原との結合に関与し、ゆえに抗体間で顕著な配列多様性を示しうる。定常領域はより小さい配列多様性を示し、複数の天然タンパク質との結合に関与して重要な生化学イベントを引き出す。抗体の可変領域は分子の抗原結合決定基を含み、ゆえに抗体の標的抗原に対する特異性を決定する。配列可変性の大部分は、可変重鎖(VH)及び軽鎖(VL)あたり各3つの、6つの超可変領域で発生する。超可変領域は組み合わさって抗原結合部位を形成し、抗原決定基による結合及び認識に寄与する。抗体の抗原に対する特異性及び親和性は、超可変領域の構造、及びサイズ、形状、及び抗原に提示される表面の化学的性質により決定される。超可変領域を特定するための各種方式が存在し、最も一般的な2つがKabatによるもの、並びにChothia及びLeskによるものである。Kabatら(1991)は、VH及びVLドメインの抗原結合領域における配列可変性に基づき「相補性決定領域」(CDR)を定義している。Chothia及びLesk(1987)は、VH及びVLドメインにおける構造上のループ領域の位置に基づき「超可変ループ」(H又はL)を定義している。これらの個々の方式は、隣接又は重複するCDR及び超可変ループ領域を定義しており、抗体分野の技術者は大抵「CDR」及び「超可変ループ」という語を互換可能に利用し、「CDR」及び「超可変ループ」という語は本明細書でもそのように使用されうる。CDR/ループは、本明細書ではKabat方式に従って特定される。

0026

本明細書で呼ばれる「抗体断片」は、当技術分野で既知の、任意の適切な抗原結合性抗体断片を含みうる。抗体断片は、天然に存在する抗体断片であってもよく、天然に存在する抗体の操作又は組換え法の使用により得られてもよい。例えば、抗体断片には、以下に限定されないが、Fv、単鎖Fv(scFv;ペプチドリンカーで接続されたVL及びVHからなる分子)、Fab、F(ab’)2、単一ドメイン抗体(sdAb;単一のVL又はVHから構成される断片)、及びこれらのうちいずれかの多価提示が含まれうる。今しがた記載された抗体断片などの抗体断片には、断片の様々な部分を連結させるためのリンカー配列ジスルフィド結合、又はその他の種類の共有結合が必要であることがある。当業者は、様々な種類の断片の必要性及び様々な種類の断片の構築のための各種手法に精通しているものである。

0027

非限定的な例では、抗体断片を、天然に存在する供給源由来のsdAbとすることができる。ラクダ科動物起源の重鎖抗体(Hamers−Castermanら、1993)は軽鎖を欠き、ゆえにその抗原結合部位はVHHと呼ばれる1つのドメインからなる。sdAbはサメでも観察されており、VNARと呼ばれる(Nuttallら、2003)。その他のsdAbは、ヒトIg重鎖及び軽鎖配列に基づき設計されうる(Jespersら、2004;Toら、2005)。本明細書で使用される場合、「sdAb」という語には、ファージディスプレイ又はその他の技術により、任意の起源のVH、VHH、VL、又はVNARリザーバーから直接単離されたsdAb、上述のsdAb由来のsdAb、組換え産生されたsdAb、及びヒト化、親和性成熟、安定化、可溶化ラクダ化、又は抗体工学のその他の方法によるこのようなsdAbのさらなる改変により生成されたsdAbが含まれる。sdAbの抗原結合機能及び特異性を維持しているホモログ誘導体、又は断片も本発明により包含される。

0028

SdAbは、高い熱安定性、高い界面活性剤抵抗性、比較的高いプロテアーゼ抵抗性(Dumoulinら、2002)及び高い産生収量(Arbabi−Ghahroudiら、1997)などの、抗体分子にとって望ましい特性を有する。SdAbは、免疫ライブラリーからの単離(Liら、2009)又はin vitro親和性成熟(Davies & Riechmann、1996)により、非常に高い親和性を有するように設計することもできる。非カノニカルジスルフィド結合の導入などの、安定性を増大させるためのさらなる改変(Hussackら、2011;Kimら、2012)をsdAbに行うこともできる。

0029

当業者は、単一ドメイン抗体の構造(例えば、Protein Data Bankで3DWT、2P42を参照のこと)に十分に精通しているものである。sdAbは、免疫グロブリンフォールディングを維持している単一の免疫グロブリンドメインを含む。わずか3つのCDR/超可変ループが抗原結合部位を形成することに最も注目すべきである。しかし、当業者によって理解されるように、抗原との結合に全てのCDRが必要とは限らない。例えば、限定されることを望むものではないが、CDRのうち1つ、2つ、又は3つが、本発明のsdAbによる抗原の結合及び認識に寄与しうる。sdAb又は可変ドメインのCDRは、本明細書ではCDR1、CDR2、及びCDR3と呼ばれる。

0030

本発明は、「ヒト化された」抗体断片を包含する。抗体又はその断片のヒト化は、抗原結合能力又は特異性を失うことなく、配列のアミノ酸をヒト共通配列に見られるヒト対応物で置き換えることを含む。この手法は、ヒト対象に導入されたときの、抗体又は抗体の断片の免疫原性を低下させる。CDR移植のプロセスにおいて、本明細書で定義される1つ又は1つを超えるCDRが、ヒト可変領域(VH又はVL)、その他のヒト抗体(IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM)、抗体断片フレームワーク領域(Fv、scFv、Fab)、又はCDRを移植することができる、同様のサイズ及び性質のタンパク質(Nicaiseら、2004)に融合又は移植されうる。このような場合、前記1つ又は1つを超える超可変ループの立体構造は保存される可能性が高く、sdAbの標的(すなわち、脳内皮細胞)に対する親和性及び特異性は最小限の影響しか受けない可能性が高い。CDR移植については当技術分野で既知であり(例えば、Tsurushitaら、2005;Jonesら、1986;Tempestら、1991;Riechmannら、1988;Queenら、1989;Gonzalesら、2005でのレビューを参照のこと−引用される参考文献も参照のこと)、ゆえに技術者は、このようなヒト化抗体断片を調製する方法及びアミノ酸位置をヒト化する方法に十分に精通しているものである。

0031

本発明の抗体又はその断片は、国際公開第2002/057445号に記載されるFC5抗体のヒト化バージョンである。FC5(配列番号1)は脳内皮細胞の表面に結合し、次いで、血液脳関門(BBB)を通過する。FC5は、各種サイズの分子をBBBを越えて誘導する担体として作用することも示されている(例えば、国際公開第2011/127580号を参照のこと)。FC5の通過を媒介する抗原は膜貫通ドメインタンパク質30Aと特定され(TMEM30A;国際公開第2007/036021号)、膜貫通ドメインタンパク質30Aは脳内皮細胞の表面に豊富に存在する。

0032

例えば、いかなる様式によっても限定されることを望むものではないが、上記の単離又は精製された抗体又はその断片は、
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWVRQAPGKGLEWVSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTLVTVSS(配列番号2、本明細書ではFC5−H1と呼ばれる);
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWVRQAPGKGLEWVSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTVYLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTLVTVSS(配列番号3、本明細書ではFC5−H2とも呼ばれる);
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWFRQAPGKGLEFVSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTVYLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTLVTVSS(配列番号4、本明細書ではFC5−H3とも呼ばれる);
DVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWFRQAPGKGLEFVSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTVYLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTLVTVSS(配列番号5、本明細書ではFC5−H4とも呼ばれる);
DVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWFRQAPGKGREFVSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTVYLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTLVTVSS(配列番号6、本明細書ではFC5−H5とも呼ばれる);
DVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWFRQAPGKEREFVSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTVYLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTLVTVSS(配列番号7、本明細書ではFC5−H6とも呼ばれる);
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFKITHYTMGWFRQAPGKEREFVSRITWGGDNTFYSNSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAAGSTSTATPLRVDYWGQGTLVTVSS(配列番号8、本明細書ではFC5−H7とも呼ばれる);及び
これらと実質的に同一である配列
からなる群から選択されうる。

0033

実質的に同一である配列は、1つ又は複数の保存的アミノ酸突然変異を含んでいてもよい。参照配列に対する1つ又は複数の保存的アミノ酸突然変異により、参照配列と比較して生理的、化学的物理化学的又は機能的特性の実質的な変化を有しない突然変異体ペプチドが生じうることが当技術分野で既知である。このような場合、参照及び突然変異体配列は「実質的に同一である」ポリペプチドと考えられる。保存的アミノ酸置換は、アミノ酸残基を、類似の化学的特性(例えばサイズ、電荷、又は極性)を有する別のアミノ酸残基で置換することと本明細書では定義される。これらの保存的アミノ酸突然変異はsdAbのフレームワーク領域に対して行われ、FC5のCDR配列(配列番号1〜9の残基26〜35、50〜66、99〜111)及び抗体又は断片のCDR構造全体は維持される。したがって、抗体の特異性及び結合性が維持される。さらに、sdAbのヒト化に寄与するフレームワーク残基も維持されるべきである(配列番号2〜9の残基1、5、14、37、44、45、47、75、79、87、88、93、114、及び117)。

0034

非限定的な例では、保存的突然変異アミノ酸置換でありうる。このような保存的アミノ酸置換では、塩基性中性疎水性、又は酸性アミノ酸が、同じ群の別のアミノ酸で置換されうる。「塩基性アミノ酸」という語により、生理的pHでは通常正に荷電している、側鎖pKa値7超を有する親水性アミノ酸が意図される。塩基性アミノ酸には、アルギニン(Arg又はR)、及びリジン(Lys又はK)が含まれる。「中性アミノ酸」(「極性アミノ酸」とも)という語により、生理的pHで無荷電であるが、2つの原子により共有される一対の電子を原子のうちの1つがより密接に保持する少なくとも1つの結合を有する側鎖を有する親水性アミノ酸、例えばヒスチジン(His又はH)が意図される。極性アミノ酸には、セリン(Ser又はS)、スレオニン(Thr又はT)、システイン(Cys又はC)、チロシン(Tyr又はY)、アスパラギン(Asn又はN)、及びグルタミン(Gln又はQ)が含まれる。「疎水性アミノ酸」(「非極性アミノ酸」とも)という語により、Eisenbergの正規化された共通の疎水性段階(1984)によればゼロを超える疎水性を示すアミノ酸を含むことが意図される。疎水性アミノ酸には、プロリン(Pro又はP)、イソロイシン(Ile又はI)、フェニルアラニン(Phe又はF)、バリン(Val又はV)、ロイシン(Leu又はL)、トリプトファン(Trp又はW)、メチオニン(Met又はM)、アラニン(Ala又はA)、及びグリシン(Gly又はG)が含まれる。「酸性アミノ酸」は、生理的pHでは通常負に荷電している、側鎖pKa値7未満を有する親水性アミノ酸を指す。酸性アミノ酸には、グルタミン酸(Glu又はE)、及びアスパラギン酸(Asp又はD)が含まれる。

0035

2つの配列の類似性を評価するのに配列同一性が使用される。配列同一性は、2つの配列が残基位置の間で最大限一致するようにアラインメントされたときに同じである残基のパーセントを算出することにより決定される。配列同一性を算出するのに任意の既知の方法を使用することができる。例えば、配列同一性を算出するためにコンピュータソフトウェア利用可能である。限定されることを望むものではないが、Swiss Institute of Bioinformaticsにより維持される(且つca.expasy.org/tools/blast/で見られる)NCBIBLASTサービス、BLAST−P、Blast−N、又はFASTA−N、又は当技術分野で既知の任意のその他の適切なソフトウェアなどのソフトウェアにより、配列同一性を算出することができる。

0036

本発明の実質的に同一である配列は、少なくとも90%同一でありうる。別の例では、実質的に同一である配列は、本明細書に記載される配列と、アミノ酸レベルで少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%、又はその間の任意のパーセンテージで同一でありうる。実質的に同一である配列が参照配列の活性及び特異性を維持していることが重要である。非限定的な実施形態では、配列同一性の差は保存的アミノ酸突然変異(複数可)によるものであることがある。非限定的な例では、本発明は、本明細書に記載される抗体の配列と少なくとも95%、98%、又は99%同一である配列を含む抗体又はその断片を対象とすることができる。

0037

本発明の抗体又はその断片は、組換え抗体又は組換え抗体断片の発現、検出又は精製を助けるさらなる配列を含んでいてもよい。当業者に既知の、任意のこのような配列又はタグが使用されうる。例えば、限定されることを望むものではないが、抗体又はその断片は、標的指向又はシグナル配列(例えばこれに限定されないがompA)、検出/精製タグ(例えばこれらに限定されないがc−Myc、His5、又はHis6)、又はそれらの組合せを含んでいてもよい。別の例では、さらなる配列を、国際公開第95/04069号でCronanらにより、又は国際公開第/2004/076670号でVogesらにより記載されたビオチン認識部位などのビオチン認識部位とすることができる。これも当業者に既知であるように、リンカー配列が、さらなる配列若しくはタグと併せて使用可能であり、又は検出/精製タグとして機能しうる。

0038

本発明の抗体又はその断片は、本明細書では多価提示とも呼ばれる多価ディスプレイ形式をとることもできる。多量体化は、当技術分野で既知の任意の適切な方法により実現可能である。例えば、いかなる様式によっても限定されることを望むものではないが、国際公開第2003/046560号に記載される自己組織化分子などの自己組織化分子を使用して多量体化を実現することができ、本発明の抗体又はその断片、及びAB5毒素ファミリー(Merritt & Hol、1995)のB−サブユニット五量体化ドメインを含む融合タンパク質を発現させることにより、ペンタ体が産生される。Zhuら(2010)により記載された多量体化ドメインを使用することでも多量体を形成することができる。この形態は本明細書では「コンボディ(combody)」形態と呼ばれ、本発明の抗体又は断片とコイルドコイルペプチドとの融合物であり、多量体分子を生じる。多価ディスプレイのその他の形態も本発明により包含される。例えば、限定されることを望むものではないが、抗体又はその断片は、二量体、三量体、又は任意のその他の適切なオリゴマーとして提示されてもよい。これは、当技術分野で既知の方法、例えば直接連結接続(Nielsonら、2000)、c−jun/Fos相互作用(de Kruif & Logtenberg、1996)、「Knob into holes」相互作用(Ridgwayら、1996)、又はアジメトリック(azymetric)プラットフォームを使用すること(Von Kreudensteinら、2014)によって実現可能である。

0039

当技術分野で既知の別の多量体化方法は、Fcドメイン、例えば以下に限定されないがマウス又はヒトFcドメインを使用して、抗体又はその断片を二量体化することである。ヒトFcドメインは、以下に限定されないがIgG、IgMを含む各種クラス、又は以下に限定されないがIgG1、IgG2などを含む各種サブクラスから選択されうる。この手法では、Fc遺伝子がsdAb遺伝子と共にベクターに挿入されてsdAb−Fc融合タンパク質が生成される(Bellら、2010;Iqbalら、2010)。融合タンパク質は組換えにより発現され、次いで精製される。例えば、いかなる様式によっても限定されることを望むものではないが、多価ディスプレイ形式は、FC5−H7のキメラ形式、及びその、Fcドメインに連結した突然変異バリアントを包含しうる。このような抗体は操作及び産生が容易であり、sdAbの血清半減期を著しく延長することができ、優れた腫瘍イメージング試薬となりうる(Bellら、2010)。

0040

今しがた記載された多量体複合体のFcドメインは、当技術分野で既知の任意の適切なFc断片とすることができる。Fc断片は任意の適切な供給源由来とすることができる。例えば、Fcをマウス又はヒト起源のものとすることができる。特定の非限定的な例では、FcをマウスIgG2bアイソタイプ又はヒトIgG1アイソタイプ由来のものとすることができる(Bellら、2010;Iqbalら、2010)。特定の非限定的な例では、今しがた記載された、多量体化した、単離又は精製された抗体又は断片は、配列番号20の配列を含むFcを含みうる。

0041

上記の多量体の各サブユニットは、同じ又は異なる特異性を有しうる、同じ又は異なる本発明の抗体又はその断片を含みうる。さらに、多量体化ドメインは、必要に応じて、リンカーを使用して抗体又はその断片に連結されていてもよい。このようなリンカーは、2つの分子の柔軟な結合をもたらすのに十分な長さ及び適切な組成であるべきであるが、抗体の抗原結合特性を妨害すべきでない。

0042

本明細書に記載される抗体又はその断片は、血液脳関門を通過することができる。脳は、血液脳関門(BBB)として知られる特殊な内皮組織によって体の残りと分けられる。BBBの内皮細胞はタイトジャンクションにより接続され、多くの治療化合物が脳に流入するのを効率的に防止する。小胞輸送の比率が小さいことに加えて、BBBの1つの特定の特徴は、酵素バリア(複数可)の存在、及びBBBの反管腔(脳)側における、脳から血流へ各種分子を活発に輸送する(Samuels、1993)、P−糖タンパク質(Gottesmanら、1993;Watanabe、1995)を含む高レベル(複数可)のATP依存性トランスポーターの発現である。低分子(500ダルトン未満)の疎水性(Pardridge、1995)分子のみがより容易にBBBを通過することができる。したがって、上記の抗体又はその断片の、表面受容体に特異的に結合し、脳内皮細胞に内部移行し、リソソームによる分解を免れることによりBBBを越えて経細胞輸送を受ける能力は、神経分野で有用である。

0043

本発明は、本明細書に記載される分子をコードする核酸配列も包含する。当業者により容易に理解されるように、遺伝暗号縮重前提とすると、複数のヌクレオチド配列がポリペプチドをコードする効果を有する。核酸配列は、各種微生物における発現のためにコドン最適化されていてもよい。本発明は、今しがた記載された核酸を含むベクターも包含する。さらに、本発明は、記載される核酸及び/又はベクターを含む細胞を包含する。

0044

本発明は、各種方法を使用して表面に固定化された、単離又は精製された抗体又はその断片をさらに包含する。例えば、限定されることを望むものではないが、抗体又は断片は、His−タグ共役、ビオチン結合、共有結合、吸着などを介して表面と連結又は共役していてもよい。本発明の抗体又はその断片の固定化は、タンパク質を捕捉、精製又は単離するための各種用途において有用であることがある。固体表面は、任意の適切な表面、例えば、以下に限定されないが、マイクロタイタープレートのウェル表面、表面プラズモン共鳴(SPR)センサーチップチャネル、膜、ビーズ磁気ベース若しくはセファロースベースのビーズ、又はその他のクロマトグラフィー樹脂など)、ガラスプラスチックステンレス鋼フィルム、又は、ナノ粒子、ナノワイヤー及びカンチレバー表面などの任意のその他の有用な表面とすることができる。

0045

本発明は、カーゴ分子に連結した上記の抗体又はその断片も包含する。カーゴ分子は、抗体又はその断片によりBBBを越えて送達される任意の適切な分子とすることができる。カーゴ分子は、約1kDa〜約200kDaの範囲の分子量を有しうる。例えば、カーゴ分子は分子量約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、又は200kDa、又はその間の任意の分子量、又は任意の2つの上述の分子量で定義される任意の範囲の分子量を有しうる。特定の非限定的な例では、カーゴ分子は、分子量1kDa(例えば、以下に限定されないが、Cy5.5などの低分子)、1〜10kDa(例えば、以下に限定されないが、ガラニンなどのペプチド、3kDa)、約80kDa(例えば、以下に限定されないが、Fc断片、酵素、タンパク質、抗体など)、又は約180kDa(例えば、以下に限定されないが、モノクローナル抗体)を有しうる。

0046

例えば、いかなる様式によっても限定されることを望むものではないが、カーゴ分子は、検出可能な薬剤、治療剤、薬物、ペプチド、酵素、増殖因子、サイトカイン、受容体トラップ、抗体又はその断片(例えば、IgG、scFv、Fab、VHHなど)、化合物、糖部分、DNAベースの分子(アンチセンスオリゴヌクレオチドマイクロRNA、siRNA、プラスミド)、細胞毒性薬剤、ウイルスベクター(アデノレンチレトロ)、これまでに列挙された種類のカーゴ分子のうちのいずれかを担持する1つ若しくは複数のリポソーム、又は1つ若しくは複数のナノ粒子、ナノワイヤー、ナノチューブ、若しくは量子ドットとすることができる。上記のカーゴ分子は検出可能な薬剤とすることができる。例えば、FC5抗体バリアント又はそのバリアントの断片は、放射性同位体常磁性標識、フルオロフォア蛍光薬剤近赤外(NIR;例えばCy5.5)蛍光色素若しくは色素エコー源性マイクロバブル親和性標識、検出可能なタンパク質ベースの分子、ヌクレオチド、量子ドット、ナノ粒子、ナノワイヤー、又はナノチューブ、又はイメージング法により検出可能な任意のその他の適切な薬剤に連結されていてもよい。抗体又はその断片は、当技術分野で既知の任意の方法(組換え技術、化学的コンジュゲーションなど)を使用してカーゴ分子に連結されうる。

0047

本明細書に記載されるカーゴ分子を、当技術分野で既知の任意の適切な方法により、抗体又はその断片に連結することができ、連結する、は本明細書では「コンジュゲートする」とも呼ばれる。例えば、限定されることを望むものではないが、カーゴ分子は共有結合又はイオン相互作用によりペプチドに連結されうる。連結は、化学的架橋反応、又は細菌、酵母若しくは哺乳動物細胞ベースの系などの任意のペプチド発現系と組み合わせた組換えDNA技法を使用する融合により実現可能である。カーゴ分子を抗体又はその断片にコンジュゲートする際には、適切なリンカーが使用されうる。抗体又はその断片を、治療薬又は検出可能な薬剤などのカーゴ分子に連結する方法は当業者に周知のはずである。

0048

非限定的な一例では、カーゴ分子を、検出可能な標識、放射性同位体、ガドリニウム若しくは酸化鉄などの常磁性標識、フルオロフォア、近赤外(NIR)蛍光色素若しくは色素、エコー源性のマイクロバブル、親和性標識(例えばビオチン、アビジンなど)、酵素、又は画像診断法により検出可能な任意のその他の適切な薬剤とすることができる。特定の非限定的な例では、抗IGF1R−5又はその断片が、近赤外蛍光(NIRF)イメージング色素、例えば、限定されることを望むものではないが、Cy5.5、アレクサ680、ダイライト(Dylight)680、又はダイライト800に連結されうる。

0049

上記の方法におけるin vivo検出ステップは、疾患の進行又は治療レジメンに対する宿主応答を評価するための、定量的な、診断目的での全身イメージング、又は以下に限定されないが脳血管若しくは脳腫瘍血管などの特定の部位の局所イメージングであってもよい。上記の方法における検出ステップは、免疫組織化学、又は以下を含むがこれらに限定されない非侵襲性(分子)画像診断技術とすることができる:
光学イメージング
ポジトロン断層撮影(PET)、検出可能な薬剤は11C、13N、15O、18F、64Cu、62Cu、124I、76Br、82Rb及び68Gaなどの同位元素であり、18Fが最も臨床で利用される;
単一光子放射型コンピュータ断層撮影SPECT)、検出可能な薬剤は、特定の用途に応じて99mTc、111In、123I、201Tl、133Xeなどの放射性トレーサーである;
磁気共鳴イメージングMRI)、検出可能な薬剤は、例えば、以下に限定されないが、ガドリニウム、酸化鉄ナノ粒子、及び炭素コーティングされた鉄−コバルトナノ粒子とすることができ、それによりプラーク検出のためのMRIの感度が増大する;
造影超音波検査(CEUS)又は超音波、検出可能な薬剤は少なくとも1つの音響的に活性で気体封入されたマイクロバブルである。超音波は、ヒト疾患スクリーニング及び早期検出するための普及した技術である。超音波は、MRI又はシンチグラフィーほど高価でなく、放射線を伴わないため放射性核種イメージングなどの分子イメージングモダリティよりも安全である。

0050

本発明は、血液脳関門を越えて目的の分子を輸送する方法をさらに提供する。方法は、本明細書に記載される抗体又はその断片に連結した分子を対象に投与するステップを含む。分子は、これまでに記載された、カーゴ分子を含む任意の望ましい分子であってもよい。分子は、以下に限定されないがコンジュゲーション又は融合タンパク質としての発現を含む、任意の適切な方法を使用して抗体又はその断片に「連結」されうる。投与は、任意の適切な方法、例えば、以下に限定されないが、静脈内(iv)、皮下(sc)、及び筋肉内(im)投与を含む非経口投与によってなされうる。この方法で、本発明の抗体又はその断片は、目的の分子をBBBを越えて脳の標的に「渡す」。

0051

本発明は、本明細書に記載される、1つ又は1つを超える単離又は精製された抗体又はその断片を含む組成物も包含する。組成物は、単一の上記抗体又は断片を含んでいてもよく、抗体又は断片の混合物であってもよい。さらに、本発明の抗体又は断片の混合物を含む組成物において、抗体は同じ特異性を有していてもよく、特異性が異なっていてもよい。

0052

組成物は、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、又は担体を含んでいてもよい。希釈剤、賦形剤、又は担体は、当技術分野で既知の任意の適切な希釈剤、賦形剤、又は担体とすることができ、組成物中のその他の成分、組成物の送達方法に適合していなければならず、組成物のレシピエントにとって有害でない。組成物は任意の適切な形態をとることができる。例えば、組成物は、懸濁液形態、粉末形態(例えば、以下に限定されるが、凍結乾燥されたもの又は被包されたもの)、カプセル又は錠剤形態で提供されうる。例えば、限定されることを望むものではないが、組成物が懸濁液形態で提供される場合、担体は水、生理食塩水、適切な緩衝液、又は溶解性及び/若しくは安定性を改善するための添加剤を含みうる。懸濁液が生じるようにもどすことは、抗体又はその断片が確実に機能するように、適切なpHの緩衝液で行われる。乾燥粉末は、安定性を改善するための添加剤、及び/又はバルク/体積を増大させるための担体を含んでいてもよい。例えば、限定されることを望むものではないが、乾燥粉末組成物は、スクロース又はトレハロースを含んでいてもよい。特定の非限定的な例では、組成物は、抗体又はその断片を対象の消化管に送達するように製剤化されてもよい。したがって、組成物は、抗体又はその断片の送達のための、被包、持続放出、又はその他の適切な技術を含んでいてもよい。本化合物を含む適切な組成物を調製することは、当業者の技能の範囲内であるはずである。

0053

本発明は、以下の実施例でさらに例示される。しかし、これらの実施例が例示のためだけのものであり、いかなる様式によっても本発明の範囲を限定するために使用されるべきではないことを理解されたい。

0054

実施例1:FC5のヒト化
ヒトにおける潜在的な免疫原性を回避するため、ラマ由来のFC5(配列番号1)を、VHHの「ラクダ科動物」残基の突然変異によりヒト化した。ヒト化においては、CDR残基の特定にKabat付番(Kabatら、1991)を使用したことに注目すべきである。

0055

ラクダ科動物VHHの3D構造モデリング。FC5 VHHと類似した鋳型構造を、Protein Data Bank(PDB)に対しBLAST検索を使用して特定した。FC5 VHHの3D構造を、鋳型としての2X1O|A(PDBコード|鎖ID)の構造に基づき、相同性モデリングを使用して概算した。次いで、鋳型構造に突然変異を起こしてFC5配列にすることにより、FC5 VHH構造を構築した。FC5 VHH構造は、各種位置に突然変異32個(CDRに26個及びフレームワーク領域に6個)を含んでいた。次いで、AMBER力場、及び、まず緩和されるCDRループから、最後のステージでのみ完全に緩和されるフレームワーク領域の骨格重原子までの範囲の、拘束の段階的な解放によるエネルギー最小化により、FC5 VHHモデルを精製した。次いで、CDR−H3領域における二面角サンプリングしてその後エネルギー最小化を行うMonte−Carlo−最小化(MCM)立体構造サンプリングにより、VHHモデルのCDR−H3ループを精製した。

0056

ラクダ科動物CDR用のヒト重鎖フレームワークの選択。ヒト生殖細胞系データベース(VBASE)、その他の配列データベース(Genbank及びSwissProt)、及びヒトフレームワーク共通配列との標準的な配列相同性比較により、ヒト重鎖フレームワークを選択した。BLAST検索を実施して、フレームワーク領域のみ(すなわちCDRを除く)で最大の相同性を有する配列一致を検索し、CDRの長さを一致させた。FC5 VHH用に特定された最も近いヒトフレームワークは、ヒトVH−3サブグループに相当した。FC5 VHHと最も類似していたいくつかのヒト生殖細胞系VH−3フレームワーク配列も、ヒトVH−3共通配列に加えて維持した。FC5 VHHフレームワーク配列には、100%のフレームワークヒト化のために共通ヒトVH−3配列に至るには、突然変異16個が必要であった。

0057

復帰突然変異のためのフレームワーク残基の特定。FC5 VHHモデル及びFC5 VHHモデルの完全にヒト化された対応物を特徴付け、ヒト性指標、抗原接触傾向指標推定し、CDR、カノニカル残基、異常なフレームワーク残基、潜在的なグリコシル化部位埋没残基、Vernier領域残基、及びCDRに対する近接性について描写した。これらのデータの分析により、抗IGF1R VHHについてのいくつかのヒト化バリアントの設計が示唆され、各バリアントは各種位置において、元のラクダ科動物残基への様々な数の復帰突然変異を有していた。FC5 VHHについて合計7種のヒト化バリアントを設計し(FC5−H1、FC5−H2、FC5−H3、FC5−H4、FC5−H5、FC5−H6、FC5−H7)、バリアントは最大7つの復帰突然変異を含んでいた(図1)。これらのラクダ科動物復帰突然変異残基のいくつかは、VHHドメインコア内部に埋没され、ゆえにB細胞媒介性の免疫応答を誘導することが予期されなかった。

0058

実施例2:FC5及びFC5のヒト化バリアントのクローニング、発現及び精製
実施例1に記載されるFC5単一ドメイン抗体(sdAb)又はそのヒト化バリアント(FC5−H1、FC5−H2、FC5−H3、FC5−H4、FC5−H5、FC5−H6、FC5−H7)を、in vitro試験用の調製においてクローニングし、形質転換し、発現させて精製した。ハイトラップキレティング(HiTrap Chelating)(商標カラムを使用する固定化金属アフィニティークロマトグラフィーによる精製、及び免疫化学による検出のそれぞれを可能にするため、バリアントは全てHis5及びc−mycタグとの融合物として発現させた。

0059

簡潔に言うと、sdAb FC5(配列番号1)又はヒト化バリアントをコードするDNAを、プラスミドpSJF2HのBbsI/BamHI部位にクローニングし、FC5用の発現ベクターを生成した(Muruganandamら、2001)。DNA構築物を、プライマーfdTGIII、5’−GTGAAAAAATTATTATTATTCGCAATTCCT−3’(配列番号10)及び96GIII、5’−CCCTCATGTTGCGTAACG−3’(配列番号11)を使用して、373A DNA Sequencer Stretch(PE Applied Biosystems)でのヌクレオチドシーケンシングにより確認した。

0060

構築物を大腸菌株TG1に形質転換し、シングルコロニーを使用して100μg/mlアンピシリン含有M9培地100mlに播種し、培養物を200rpm、37℃で一晩振とうした。増殖した細胞(25ml)を、5μg/mlビタミンB1、0.4%カザミノ酸、及び100μg/mlアンピシリンを添加したM9培地(0.2%グルコース、0.6%Na2HPO4、0.3%KH2PO4、0.1%NH4Cl、0.05%NaCl、1mM MgCl2、0.1mM CaCl2)1Lに移した。細胞培養物を室温で24時間、200rpmで振とうし、次いで、12%トリプトン、24%酵母抽出物、及び4%グリセロール含有10X誘導培地Terrific Broth100mlを添加した。イソプロピル−μ−D−チオガラクトピラノシドIPTG;1mM)を添加することにより、タンパク質発現を誘導した。誘導後、培養物を25℃でさらに72時間振とうし、浸透圧ショック法によりペリプラズム画分を抽出した。

0061

FC5及びFC5のヒト化バリアントを、ハイトラップキレーティング(商標)カラム(Amersham Pharmacia Biotech;Piscataway、NJ)を使用する固定化金属アフィニティークロマトグラフィーにより精製した。結合したFC5又はバリアントを、10mMHEPES緩衝液、500mM NaCl、pH7.0で、10〜500mMイミダゾールグラジエントにより溶出し、ピーク画分を10mM HEPES緩衝液、150mM NaCl、3.4mMEDTA、pH7.4に対し十分に透析した。タンパク質濃度も決定した。

0062

実施例3:ヒト化FC5バリアントの生物物理学的特性
実施例2で調製されたFC5 VHH及びヒト化バリアントを、融解温度分析を使用して特徴付けた。

0063

融解温度:FC5 VHH及びヒト化バリアントの熱安定性を、CD分光法による融解温度(Tm)測定を使用して評価した。Peltier熱電型温度制御ステムを備えたJasco J−815分光偏光計(Jasco、Easton、MD、USA)を使用して実験を実施した。経路長1mmのCDキュベットを使用した。波長範囲180〜260nmにかけて、スキャニング速度50nm/分、デジタル積分時間(DIT)4s、バンド幅1nm、データピッチ1nm、及び積分時間1sでスペクトルを記録した。融解温度つまりTmを測定するため(Greenfield、2006)、温度範囲30℃〜96℃にかけてのCDスペクトルを記録した。緩衝液スペクトルに相当するブランクから全てのCDスペクトルを差し引いた。100mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.4中の50μg/mL VHHで測定を実施した。全てのバリアントについて210nmで、熱により誘導されたタンパク質変性をモニタリングした。記載される式によりフォールディング比(ff)を得た(Greenfield、2006a;2006b):
ff=([θ]T−[θ]U)/([θ]F−[θ]U) 式I
式中、[θ]Tは任意の温度でのモル楕円率、[θ]Fは30℃で完全にフォールディングされたタンパク質のモル楕円率、[θ]Uは90℃でアンフォールディングされたタンパク質のモル楕円率。グラフ化ソフトウェアGraphPad Prism(Windows用バージョン4.02)を使用して、非線形回帰曲線フィット(Boltzmannシグモイド方程式)により、アンフォールディング曲線(フォールディング比画分、ff、対温度)の中間点として融解温度(Tm)を得た。変性への急な移行に対応する観察された変性曲線と一致する、2状態系を前提とする楕円率データに基づき、VHHの融解温度(Tm)を決定した。フォールディング比(ff)対温度のシグモイド変性曲線の中間点でTm値をとった。

0064

結果を図2に示す。ヒト化バリアントFC5−H1、FC5−H3、FC5−H4、FC5−H5、FC5−H6、及びFC5−H7は、元のラクダ科動物FC5(65℃未満)と比較して改善されたTm値(65℃超)を示し、これはバリアント設計において目指していた目標でなかったため驚くべき結果であった。ヒト化バリアントの中で、FC5−H7が最も高いリフォールディング能力を示し、FC5−H3がFC5と比較して11℃のTm増大を示した。

0065

実施例4:FC5突然変異バリアントの、脳内皮細胞への結合
抗体の細胞抗原への結合に対するヒト化の効果を評価するため、FC5及びFC5のヒト化バリアントの、SV−ARBEC細胞又はヒト脳毛細血管内皮細胞(HBEC−D3)への結合を測定した。

0066

ミラーボール(登録商標)High Sensitivity Microplate Cytometry(TTPLabtech):緩衝液及び試薬は全て4℃にあらかじめ冷却した。0.5xPBS/2.5mMEDTA及びミラーボールアッセイ緩衝液−Live Cell Imaging Solution、LCIB(Invitrogen、140mM NaCl、2.5mM KCl、1.8mM CaCl2、1.0mM MgCl2、20mM Hepes、pH7.4、mOsm=300)の1:1緩衝液混合物で、各VHH単一ドメイン抗体を開始濃度1000nMに希釈した。LCIB及び0.5x PBS/2.5mM EDTAの1:1混合物の体積20μlを、1000nM試験VHH抗体40μlを入れた横列Aを除き、各384ウェルミラーボールアッセイプレート(Corning3712)の全てのウェルに添加した。ミラーボール384ウェルアッセイプレート内で、各試験バリアントについて段階希釈液を調製した。16チャネルFinnピペット(Thermo Scientific)を使用して、VHH抗体20μlを横列A−縦列1〜24から横列B−縦列1〜24に移して8回混合し、次いでVHH抗体20μlを横列B−縦列1〜24から横列C−縦列1〜24に移して8回混合した。横列G−縦列1〜24まで希釈を繰り返し、各VHH抗体バリアントについて7ポイント曲線を作成した。第2の一連の試験VHH抗体バリアント(1000nM)を横列I−縦列1〜24に添加し、希釈プロトコールを横列O−縦列1〜24まで繰り返した。参照FC5−H7 VHH単一ドメイン抗体のため、各プレートの横列H−縦列1〜24を残しておいた。横列P−縦列1〜24には抗体を入れず、二次抗体の目的の細胞への非特異的結合についてのバックグラウンド対照とした。このように、48のバリアントを各384ウェルミラーボールアッセイプレートで試験することができた。不死化成体ラット脳毛細血管内皮細胞(SV−ARBEC)及び/又はヒト脳毛細血管内皮細胞(HBEC−D3)をアキュターゼ(Accutase)溶液(Sigma Aldrich)で剥離させ、単一細胞集団を生成した。細胞をLCIBで洗浄し、次いで200xgで5分間遠心処理してペレットにした。洗浄緩衝液を除去し、細胞ペレットをLCIB1mLで再懸濁した。トリパンブルー色素を用い、Bio−Rad TC20全自動セルカウンターを使用して細胞数を算出し、生存率を評価した。LCIBを使用して、細胞を350,000生細胞/mlに希釈した。ドラク5核染色剤(2μM、Cell Signaling)を添加した蛍光コンジュゲートc−mycアレクサ488検出抗体(1600ng/ml、Santa Cruz Biotechnology)をLCIBアッセイ緩衝液で調製した。細胞及び検出二次抗体/ドラク5溶液を1:1で混合し、細胞3500個を含む溶液20μlをミラーボール384ウェルアッセイプレートの各ウェルに添加した。各ウェルは7ポイント希釈系列の各VHH抗体バリアントを既に含んでおり、最終濃度500、250、125、62.5、31.25、15.63及び7.81nMが生じた。全プレートを4℃で2h及び20hインキュベートした。ミラーボールHigh Sensitivity Microplate Cytometryを使用して、以下の設定で各時点で測定を行った:
レーザー設定:488及び640が使用可能、6.0mW;
チャネル設定FL−2(488〜540nm)電圧600、感度4、Tiffファイルで保存、及びFL−4(650〜690nm)電圧600、感度4、トリガー4、Tiffファイルで保存;
オブジェクト特性:FL−2(ピーク強度平均強度全強度、及びベースライン)及びFL−4(ピーク強度、平均強度、全強度及びベースライン);
集団定義:オブジェクト細胞フィルター(FL−4周囲長範囲0〜500nm及びFL−2平均強度範囲0〜15000);
集団統計:オブジェクト:オブジェクト数、オブジェクト:平均値(FL−2ピーク、平均、全強度及び周囲長)及びオブジェクト:平均FL−2ベースライン。オブジェクト:中央値(FL−2ピーク、平均、及び全強度)オブジェクト:平均値(FL−4ピーク、平均、全強度及び周囲長)及びオブジェクト:平均FL−4ベースライン。オブジェクト:中央値(FL−4ピーク、平均、及び全強度)細胞:オブジェクト数、細胞:平均値(FL−2ピーク、平均、及び全強度)及び細胞:平均FL−2ベースライン。細胞:中央値(FL−2ピーク、平均、及び全強度)細胞:平均値(FL−4ピーク、平均、及び全強度)及び細胞:平均FL−4ベースライン。細胞:中央値(FL−4ピーク、平均、及び全強度)。

0067

残りの生細胞物質を、アッセイプレートの隣で4℃でインキュベートし、2h及び20h時点での細胞生存率をモニタリングした。目的のSV−ARBEC及びHBEC−D3細胞株の両方で、FC5及び全てのヒト化バリアントについてミラーボールアッセイ手順を繰り返した。Cellistaソフトウェア(TTPLabtech)及びGraphPad Prism6ソフトウェアプログラムでデータを分析した。

0068

FC5及びヒト化バリアントの、SV−ARBEC細胞及びHBEC−D3細胞への結合についての結果を図3に示す(一部の結果は示さない)。このアッセイでは、FC5がSV−ARBEC又はHBEC−D3細胞に非常に弱く結合することと比較して、ヒト化FC5バリアントFC5−H1、FC5−H3、FC5−H4、FC5−H5、FC5−H6及びFC5−H7が全て、SV−ARBEC細胞への改善された結合を示し、ヒト化バリアントFC5−H3、FC5−H2及びFC5−H7はHBEC−D3への改善された結合も示す。とりわけFC5−H7は、SV−ARBEC細胞さらにはHBEC−D3細胞への高度に改善された結合を示し、これらの細胞におけるFC5−H7バリアントの、受容体(複数可)に対する有意に改善された親和性を示している。

0069

実施例5:FC5及びFC5ヒト化バリアントの、in vitro血液脳関門モデルを越える輸送
実施例2のヒト化FC5バリアントが血液脳関門を通過するかどうかを評価するため、in vitroアッセイを下記のように使用した。

0070

記載されるように(Garbergら、2005;Haqqaniら、2012)、SV40−不死化成体ラット脳内皮細胞(SV−ARBEC)を使用してin vitro血液脳関門(BBB)モデルを生成した。SV−ARBEC(80,000細胞/膜)を、0.1mg/mLラット尾コラーゲンI型コーティングされた組織培養インサート(ポアサイズ1μm;表面積0.9cm2、Falcon)上の増殖培地1ml中に播種した。インサートアセンブリーの底部チャンバーは、1:1(v/v)の比で不死化新生仔ラットアストロサイト条件培地を添加された増殖培地2mlを含んでいた。

0071

等モル量(5.6μM)の陽性(FC5)又は陰性対照(A20.1、クロストリジウム・ディフィシル毒素A結合性VHH;)、及び実施例2のヒト化バリアントを、このラットin vitro BBBモデルを通過する能力について試験した。等モル量のsdAbをBBBの管腔側に曝露した後、反管腔側から試料を15、30及び60分後に採取した。次いで、各試料のsdAb含有量を質量分析(多重反応モニタリング−アイソタイプ標識された内部標準;MRM−ILIS)により定量化した、以下を参照のこと。

0072

MRM−ILIS:方法は全て、Haqqaniら(2012)に記載されるものである。簡潔に言うと、VHH用のSRM(選択反応モニタリング。多重反応モニタリング、MRMとしても知られる)アッセイを開発するため、まずデータ依存取得を使用してnanoLC−MS/MSにより各VHHを分析し、イオン化可能なペプチドを全て特定した。各ペプチドについて、3〜5種の最も強いフラグメントイオンを選択した。アトモル量消化物(約100〜300amol)でこれらのフラグメントをモニタリングするための最初のSRMアッセイを開発した。少量で再現可能な強度比を示した(すなわち、より多量のときと比較して0.95以上のPearson r2を有していた)フラグメントを安定と考え、最終SRMアッセイ用に選択した。アッセイをさらに最適化するため、各ペプチドの溶出時間も含め、近いm/z(質量対電荷比)及び溶出時間を有するペプチドを選択しないように注意した。

0073

細胞培地におけるVHHの典型的な多重SRM分析は、既知の量のILIS(0.1〜10nM)を加え、その後、培養された培地タンパク質100〜400ng(0.3〜1μL)をnanoLC−MSシステム注入することを伴う。各標的ペプチドイオンプリカーサーのm/zを、標的に特定の溶出時間でイオントラップにおいて選択し(残りの無関係のイオンを捨て)、その後衝突誘起解離(CID)フラグメント化、及びイオントラップにおける、検出器によるモニタリングにとって望ましいフラグメントイオンのみの選択を行った。定量化分析のため、LTQ(ThermoFisher)により生成された未加工のファイルを、標準的な質量分析データ形式mzXMLに変換し、MatchRxソフトウェアの改変バージョンである、Q−MRM(定量的MRM;Haqqaniら2012を参照のこと)と呼ばれるインハウスソフトウェアを使用して強度を抽出した。VHHごとに、溶出時間全体にかけての、0.25Da以内のフラグメントのm/zの組み合わせた強度からなる抽出されたイオンクロマトグラムを、VHHのフラグメントイオンそれぞれについて生成した。各フラグメントについての最終強度値を得るため、予期される保持時間の0.5分以内の強度全てを合計した。VHHペプチドの少なくとも1つのフラグメントが予期される強度比を示す、すなわち、最終強度値が、対応する純粋なVHHの最終強度値と比較して強いPearson相関r20.95以上及びp0.05未満を示す場合に、VHHを試料中において検出可能と定義した。

0074

以前に記載された(Haqqaniら、2012;Gergovら、2003)ように、VHHの混合物を含む培地試料を還元アルキル化及びトリプシン消化した。消化物(トリプシンペプチド)を酢酸(5%最終濃度)で酸性化し、LTQ XL ETD又はLTQ Orbitrap ETD質量分析計(ThermoFisher、Waltham、MA)と共役した逆相nanoAcquity UPLC(Waters、Milford、MA)で分析した。望ましい分量の試料を300μm I.D.×0.5mm 3μmペップマップス(PepMaps)C18トラップ(ThermoFisher)に注入してローディングし、次いで、流速400nL/分で、0%〜20%アセトニトリル(0.1%ギ酸含有)で1分間、20%〜46%で16分間、及び46%〜95%で1分間のグラジエントを使用して、100μm I.D.×10cm 1.7μm BEH130C18 nanoLCカラム(Waters)に溶出した。溶出されたペプチドを、ペプチドイオンのフラグメント化にCIDを使用するMS/MS及びSRM分析のため、エレクトロスプレーイオン化(ESI)によりイオン化して質量分析計にかけた。正規化された衝突エネルギー35%及び活性化時間30msで、衝突ガスとしてヘリウムを用いてCIDを実施した。リニアイオントラップへのイオン注入時間は、自動利得制御(AGC)標的値6x103及び最大蓄積時間200msを使用して装置により調整された。

0075

多重アッセイにおいて、FC5及びFC5のヒト化バリアント、及び対照VHHA20.1の検出及び定量化に使用された特定のペプチドを表1に示す。

0076

0077

見かけ透過係数の決定:定量化された値を直接プロットするか、図4Aで与えられる式[Qr/dt=受取区画における累積量対時間;A=細胞単層の面積;C0=投薬溶液の初濃度]を使用してPapp(見かけの透過係数)値を決定しプロットすることができる。Papp値は、分子のBBBを通過する能力を決定するのに一般的に使用される。Papp値は、化合物の、脳内皮単層を越える比透過性尺度である。

0078

結果を図4B及びCに示す。与えられる結果は、いくつかの独立な実験から得られた平均Papp値である。陰性対照A20.1抗体は非常に小さいPapp値を有し、BBBモデルを越えるA20.1VHHの非特異的な輸送又は傍細胞輸送が最小であることを示している。FC5 VHHはPapp値約100x10−6cm/分を示し、その一方、FC5 VHHのヒト化バリアントFC5−H3のPapp値は45%大きく、ヒト化バリアントFC5−H5のPapp値は28%大きい。

0079

各ヒト化バリアントの特性の概要を表2に示す。バリアントFC5−H1、FC5−H3、FC5−H4、FC5−H5、FC5−H6及びFC5−H7は、ラクダ科動物FC5と比較して高い融解温度を示す。バリアントFC5−H1、FC5−H3及びFC5−H7は、ラクダ科動物FC5と比較して改善された、ラット及びヒト脳内皮細胞両方への結合を示す。バリアントFC5−H3及びFC5−H5は、ラクダ科動物FC5と比較して有意に改善されたin vitro血液脳関門通過を示す。

0080

0081

実施例6:ヒト化FC5−Fc構築物の発現及び精製
IgG1のヒト抗体Fc断片のN末端と融合させたFC5又はFC5−H7を含む構築物を調製し、発現させ、精製した。

0082

FC5又はFC5−H7cDNAを、ヒトFc断片を含む哺乳動物発現ベクターpTT5(Durocher2002)にクローニングした。生じたベクターのポリプレックスを、共にF17培地中で作製された、pTT5−IR5mFc2b 187.5μg、pTT−AKTdd(プロテインキナーゼBの活性化された突然変異体)56.25μg、pTTo−GFPトランスフェクション効率をモニタリングするため)18.75μg、サケ精巣DNA(Sigma−Aldrich)112.5μgを含むプラスミドDNA溶液25ml;及びPEIproTM(PolyPlus Transfection)1.125mgを含むPEI溶液25mlを混合することによりあらかじめ形成した。細胞培養物への添加前に10分間混合物をインキュベートした。短縮型EBNA1タンパク質を安定に発現する(CHO−3E7)、F17培地(Invitrogen)で増殖させたCHO細胞の培養物450mlを、ポリプレックス50mlでトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、培養物に40%(w/v)トリプトンN1(Organotechnie)溶液12.5ml及び200mMバルプロ酸溶液1.25mlを与えた。トランスフェクション8日後に培養物を採取し、遠心処理により澄ませた。澄ませた培地を0.22μm膜に通して濾過した後、培地を、プロテイン−Aマブセレクトシュア(MabSelect SuRe)樹脂(GE Healthcare)5mlを充填したカラムにアプライした。ローディング後、カラムを5倍量のリン酸緩衝生理食塩水pH7.1(PBS)で洗浄し、抗体を100mMクエン酸ナトリウム緩衝液pH3.0で溶出させた。溶出された抗体を含む画分をプールし、PBSで平衡化された脱塩エコパック(Econo−Pac)カラム(BioRad)にローディングすることにより緩衝液交換を実施した。次いで、脱塩された抗体を、マイクス(Millex)GP(Millipore)フィルターユニット(0.22μm)を通すことにより無菌濾過し、等分した。

0083

実施例7:ヒト化FC5−Fc構築物の特性
Fcと融合させたFC5及びFC5−H7(実施例6)の、SV−ARBEC細胞への結合について、実施例4に記載されるようにミラーボール(登録商標)High Sensitivity Microplate Cytometry(TTPLabtech)を使用して評価した。結果は、FC5−H7−Fcが、FC5−Fcと比較してわずかに改善されたSV−ARBECへの結合を有することを示している(図5A)。

0084

実施例6の、Fcと融合させたFC5−H7が血液脳関門を通過するかどうかを評価するため、実施例5に記載されるin vitroアッセイ及び定量化方法を使用した。結果は、FC5−H7−Fc融合物では、FC5−Fcと比較して同様のPappであったことを示しており(図5B)、FC5と比較してFC5H7の親和性が増大したことが、FC5H7の、二価形式でBBBを通過する能力に影響を及ぼさなかったことを示唆している。

0085

本明細書に記載される実施形態及び実施例は説明のためのものであり、請求項に係る本発明の範囲を限定する意図はない。発明者らは、上記の実施形態の、代替物、改変物及び同等物を含む変形形態が請求項により包含されることを意図している。さらに、論じられる特徴の組合せは、発明による解決策に必要とは限らない。

0086

配列表

0087

参考文献
本明細書及び本願の至るところで言及される、すべての特許、特許出願及び刊行物は本明細書に援用される。
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WO 2003/046560
WO 2002/057445
WO 2011/127580
WO 2007/036021

実施例

0088

関連出願の相互参照
本出願は、2017年7月6日出願の米国特許仮出願第62/358,777号の利益を主張するものであり、その内容は参照によって本明細書に組み込まれる。

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